上条「バイオハザード?」(361)

禁書×バイオハザードのクロスSSです。

・初SSです。こうすれば見やすくなる、呼称が違う、矛盾点などあれば指摘してください。
・年代は2014年頃、禁書側は全てが終わって平和になった、という感じで。春になって学年1つ上がってます。
・バイオは6の事件が終わった後ですが、基本的にT-ウィルスによる事件がメインとなります。
・魔術側はほとんど出番がないと思います。バイオ側も同様です。

・このSSには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。
 死亡者が出ます。好きなキャラが死ぬ可能性もあるので、ご注意ください。

・○○には抗体がある、などといった独自設定、独自解釈はあります。
・更新はあまり早くないと思います。ご了承ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371650423

黒子「第10学区で暴動?」

初春「はい。始めに通報があったのは二日前で、すぐにおさまったそうなのですが、昨日になってから通報が増えて……。
さっきでもう六件目です」

黒子「あの学区、以前にも増して治安が悪くなっていますわね。
   この前も何やら爆発事故があったとか…。さてと」

初春「パトロールに行くんですか?くれぐれも無茶はしないでくださいね」

黒子「わかっていますわよ」

黄泉川宅

打ち止め「うーん、おかしいなぁ~ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

一方通行「どォした、クソガキィ」

打ち止め「妹達の何人かと連絡がつかないのってミサカはミサカは再び妹達に返答を求めてみるんだけど……」

一方通行「あン?」

一方通行「……。お前は家にいろ、ちょいと探してくる」

打ち止め「! ミサカもいく!」

一方通行「ダメだ、家にいろ。あと芳川たちには何も言うな。俺はコンビニに行ったとでも言っとけェ」

第10学区

黒子「さて、と……」

不良1「ウウ………」ノソノソ

不良2「……」ノソノソ

学生「ひっ……来るな!」

黒子「早速ですか……お待ちなさい! ジャッジメントですの!」

黒子「あなたたち!その人からすぐに離れなさい!」

不良1「ウウ?」

不良2「アア・・・・・・」

黒子(!? あの夥しい量の血は? それになんて虚ろな目を……)

不良1・2「ウウウ・・・・・・」ノソ・・・ノソ・・・

黒子「と、止まりなさい!」

ノソ・・・ノソ・・・

黒子「それ以上近づくなら……この鉄矢を足に打ち込みますわよ!!」

ノソ…

黒子「くっ・・・」ヒュッ

不良1・2「ヴッ!!……」ドスドスッ

黒子「いったいどうなっていますの? 精神系能力者にでも操られたとでも…」

不良1・2「ウオオアアアア」ズル・・・ズル・・・

黒子「え?」

黒子(怯んだだけ? 痛みを感じていないとでも……。これは明らかに異常ですわ)

学生「な……なんなんだよこいつら!」

ドンッ

青年「ウウウ」

学生「ひっ」

青年「アー」ガブッ

学生「えっ? え?」

学生「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁああぁぁ!!」

黒子(!? か……噛みついた!?)

黒子「あなた! いったい何を……ハッ」

浮浪者「アァー」ゾロ・・・

チンピラ「オオオ」ゾロ・・・

老人「ウウウ」ゾロ・・・

黒子(いつの間にか囲まれていましたの!?しかもみな同じように……)ヒュッ

学生「いてぇぇぇぇぇぇぇぇよおおおおお」ヒュッ

黒子「ここはいったん退却ですの・・・・・・!瞬間移動しますわよ、なるべく暴れないでくださいの」ヒュッ

学生「なんなんだよちくしょおおお。痛ってええええ」

ピピピ・・・

黒子「初春! 今すぐアンチスキルに連絡を! 第10学区へ向かわせるのです!!」

初春『白井さん!? いったい何が……』

黒子「早く!!」

初春『わ、わかりました!』

黒子「怪我人が一名います。私はこのまま病院へ連れて行きますので」ピッ

学生「はぁ……はぁ……」

黒子「安心なさい、すぐに病院へ……」

学生「うっ……!」

黒子「? どうしまし……」

学生「ウウ・・・・・・ウオアアアアアアッ!!」

黒子「!!?」

黒子「な……な……いったい何が起こって……」ガシッ 

学生「ガアアアアアアア!!」

黒子(この様子、まるでさっきの……。 この方、私に噛みつこうと……!)



黒子(仕方ありませんわね、少々手荒になりますが……!)ヒュッ

学生「ゥウッ」ドスドスドスドスッ

黒子「しばらく地面に張り付いていてもらいますわよ!」



黒子「それにしても……この様子」

学生「……アアア」ギシギシ・・・

黒子(抵抗をやめる様子はなし……私に向けて首を伸ばし噛みつこうとするだけ……)

黒子(先程までは怯えていたというのに……)

黒子(これが暴動の原因? これではまるで……)

警備員「アンチスキルだ」

黒子「お疲れ様ですの」

警備員「君がパトロールをしていたというジャッジメントか?」

黒子「はい……あの」

警備員「後は我々に任せたまえ、君は今日はもう帰ってゆっくりするといい」

黒子「……わかりましたの」

  
   これではまるで、ゾンビですの……


その日、暴動は夜まで続き、50人以上のアンチスキルが出動。
やがて沈静化したものの、アンチスキルには負傷者が多数でたと翌日報道された。



今日はここまでです。

更新は基本、夜になると思います。

レスありがとうござました。

こんばんは。

投下を開始します。

暴動の翌日の朝

上条「んっ……」

インデックス「あっ! やっと起きたんだねとーま!」

上条「ああ……おはよう、インデックス」

インデックス「さっそく朝ごはんを作ってほしいんだよ!」

上条「わかった……っと、その前に今何時だ……?」

インデックス「10時なんだよ」

上条「えっ」

上条「うおおおおおお!! 不幸だあああああああ」

上条「3時間目までには間に合うか!? 全速力で走れば……。インデックスの奴、こんな時に限っておかわりばっかり……!」

上条「いや、そもそも寝坊した俺が悪いんですけども!」

上条「せっかく最近は遅刻も欠席も少なくなってきたというのに……!」

上条「補修に居残り! お前たちとはもう会いたくない!」

上条(って、愚痴を叫ぶ暇があるなら走ったほうがましか)

※新学年、担任は引き続き小萌先生、青ピ、吹寄とは同クラス、土御門、姫神とは別クラス

上条「到着……っと、なんとか3時間目には間に合ったな」

上条「?……何か変な臭いが……」クンクン

上条「!!?」

上条(これ……血の臭いか!? よく見りゃあちこちに血が……)

青ピ「うぐ……っ。か、上やんか…?」ヨロッ

上条「青ピ!? 大丈夫か!? おい、いったい何があったんだ!?」

青ピ「ボクにも良くわからん……よそのクラスの生徒たち突然が暴れだして……」

青ピ「ほかの生徒や先生に噛みつこうとしたんや」

上条「なんだそれ……!?」

上条「くそっ」

青ピ「上やん、何するつもりや」

上条「決まってんだろ! 何か原因があるはずだ、突き止めて……」

青ピ「……。上やん、あんまりこういう事は言いたくないんやけど」

青ピ「ほかの皆は見捨ててこの学校から逃げた方がええ」

上条「な!? 何言ってんだ!!」

青ピ「ちらっとやけど、見えたんや。噛みつかれて動かなくなった奴が突然起き上がって同じように他の生徒を襲うところ。まるでゾンビみたいに」

青ピ「それに、それだけやない。校内には別の化け物も……うっ!」

上条「おい、大丈夫か!?」

青ピ「いてて……ああ、問題あらへん。幸いボクの傷は深くないし、ひとりで歩ける」

青ピ「奴らみたいにゾンビみたくなることもなさそうやし」

上条「そうか……」

青ピ「上やんもはやくここから……」

上条「いや、やっぱり俺、行くよ。無事な奴や、助けを求めてる奴だっているかもしれないしな」

青ピ「……」

青ピ「そっか」

青ピ「もう止めへんよ、上やんは止めても無駄やろうしなあ」

上条「そうか……アンチスキルへ連絡は?」

青ピ「いや、何でかはわからんけども電話は通じんかった。この学校にも何人かはアンチスキルの先生が居るから伝わってるとは思いたいけど……」

上条「そうか……」

青ピ「気をつけてな」

上条「ああ」

上条(窓からちらっと中が見えるけど……みんな倒れてる……。やっぱり、死んで……)

上条(いや、止そう。きっと何とかする方法はあるはずだ、そう考えて行動しよう)

上条(姫神の能力かと思ったけど、それなら皆灰になって消えるんだったよな、たしか……)

上条(それに姫神の能力は十字架で抑えられていたはず)

上条(だとすると、別の能力者か、それとも魔術師か……?土御門ならなにか知ってるかも)

上条(まずは土御門を探そう……無事でいてくれよ)

上条「確かここが土御門のクラス……」

上条(酷いな……やっぱり他のどの教室も似たような状況なのか……?)

上条「土御門の席は……あった」

上条「鞄はある、けど土御門は……この中にはいないみたいだな」

上条「まだこの学校の中にまだいるかもしれない。無事な奴もいるかもだし……」

上条「とりあえずこの学校から探して……」ガララッ

リッカー「……」

上条「……」

リッカー「……」

上条「……」

リッカー「……」

上条「え……えっと……どちらさまでせうか?」

上条(状況を整理しよう。)

上条(目の前で筋肉と脳ミソ剥き出しで鋭い爪と長ーい舌を持った方?が扉の前のガラス窓の向こう側に張り付いてこっちを見て?いる)

上条(口元からは涎と血が混ざったと思われる液体がこぼれていらっしゃる。あ、よく見たら爪にも血ついてる)

上条(そしておそらく次は私こと上条当麻を食べようとしている)

上条「は……はは……ふ」

リッカー「シャァァァァァッ」ガシャァァァァンッ

上条「不幸だーッ!!!」

リッカー「シュァァァァァ」バッ

上条「うおっと!」

上条「こいつが青ピの言ってた化け物か!?」

上条(あの爪はやばい! くらったらひとたまりもないぞ!)

リッカー「シャァァァ・・・」

上条(肉体変化≪メタモルフォーゼ≫ってヤツか!?たしかもの凄く希少な能力なんじゃ!?)

上条(いや、魔術の可能性も……とにかくこの右手で触ればわかる!)

リッカー「キシャーッ」カサカサカサ

上条(素早い!けど……もっと速い奴らと俺は戦ってきたんだ! 見切れないことはない!)

上条(跳びかかってきたところにカウンターをお見舞いして……)

リッカー「シャァッ」

上条「! うおっ!」ズバッ

上条(肩にかすった! あの舌、見た目以上に伸びるぞ……!)

上条(けど……これしきで怯んでたまるか!!)

上条「……みんなを襲ったゾンビってのも、テメエが原因か?」

上条「テメエがこの惨状の原因だってなら……」

リッカー「シャーッ」バッ

上条「俺はテメエを許さねえ!!」バキィッ

上条「!?」

リッカー「」ドサッ

上条「ふぅ……」

上条(幻想殺しが反応しなかった……。じゃあこいつは異能の力によるものじゃない?)

上条「いったい……」

リッカー「シャァ・・・・・・」ムクッ

上条「! やっぱり一発だけじゃ起き上がるか……」

リッカー「オオオ・・・・・・」

リッカー「シャァァァァッ!」バッ

上条(けど! さっきと同じパターン! 今度は舌にも注意して……)

ガシッ

生徒「ウー・・・・・・」

上条「!? な……っ、足を!?」

リッカー「アアアアアアアッッ」

上条「しまっ」

今回はここまでです。

姫神についてですが、このssではゾンビを引き寄せず、死滅させることもできません。
あくまで他の人間と同じく捕食対象だという設定です。

……出番があるかどうかはともかく。


では、続きはまた明日。

>>1です
投下を開始します

ドバババババッ

リッカー「グエッ」

上条「!?」

生徒「オオオ……」

上条「くそ……離せっ」ゲシッ

上条「た……たすかった……。でも、銃撃? いったい誰が……」

御坂妹「大丈夫ですか、とミサカは声をかけます」

上条「御坂妹!? なんでこんなところにいるんだ?」

御坂妹「……実は、妹達の何人かと連絡がついていないのですが、ミサカはその捜索の途中なのです、とミサカは他の妹達を見ていないかとそれとなく質問します」

上条「いや、見てないな……そんなことがあったのか。あれ、でもなんでこんなところに他の妹達がいると思ったんだ?」

御坂妹「……極秘事項です」

上条「そ、そうか」

御坂妹(抜け駆けしてあなたといちゃいちゃしようとしているのかも、と思ったからということは黙っていましょう、とミサカは密かに決意します)

上条「そうだ、俺も聞きたいことがあるんだ、いくつか質問いいか?」

御坂妹「構いませんが……。 ! 少々お待ちください」

バンッ

生徒「アッ」バタン

上条「な!? 何も殺すことは……元に戻す方法があるかもしれないじゃないか!」

御坂妹「そのような悠長なことを言っている暇は無いのです。彼らは例え下半身が無くなろうと肉を求めて追ってきますよ? とミサカは事実を述べます」

上条「事実って……」

御坂妹「人間をそのような状態にする能力など存在しません」

御坂妹「仮に元に戻す方法があるとして、その方法を見つけるまでに何人の人達が犠牲になるのでしょうか」

御坂妹「被害は徐々に拡大しつつある以上、現状ではこうするしか方法が無いのです、とミサカは唇を噛みしめます」

上条「……そうか」

上条「……あれ? ちょっと待て、拡大しつつあるってどういうことだ?この学校以外でも、こんなことになってんのか?」

御坂妹「知らなかったのですか? このような事件は数日前から起こっていますよ?」

御坂妹「今日になって事態が大きくなってきているようです」

御坂妹「この第7学区はまだ比較的ましなようですが、かなり混乱した学区もあるようです、とミサカはこの街の状況を説明します」

上条「そうなのか……よく見りゃ確かに遠くの方で煙が……」

御坂妹「それで、質問とは?」

上条「あ、ああそうだった、まず、こいつについてはわかるか?」

リッカー「」

御坂妹「……これもおそらく奴らの、ゾンビの一種じゃないでしょうか。どうやってこのような姿になったのかはわかりませんが」

上条「俺、こいつに舌で傷つけられたんだけど、大丈夫かな? 俺もゾンビみたいに……」

御坂妹「……わかりません。ただ、傷つけられたからといって確実にゾンビになるとは限らないのではないでしょうか」

上条「……今はそう信じるしかないな。次だ、この学校で他に無事な奴を見なかったか?」

御坂妹「この学校はあらかた探しましたが、いませんでした。恐らくもう脱出したか、あるいは……」

上条「……そうか」

御坂妹「ご期待に添えず、申し訳ありません、とミサカは申し訳なさそうに頭を下げます」

上条「いや、助かったよ。」

上条(さっきの化け物との戦いと御坂妹の話からすると、この騒動の原因は超能力でも魔術でもない。つまり奴らの前じゃ俺の幻想殺しは無力)

上条(土御門を探す必要は無くなったが……あいつなら、今頃舞夏と逃げていることだろう。きっと無事だ、そう信じるしかない)

上条(今の俺にできることは……)

上条「なあ、この学園都市で安全な場所、ってあるか?」

御坂妹「確か第22学区が避難所となっていたはずですが」

上条「……そうか、よし!」

上条「俺は避難が遅れた人や怪我人を助けて22学区まで連れて行くよ。22学区ならここから近いしな」

御坂妹「……それなら、ミサカも同行します、とミサカは協力を申し出ます」

御坂妹「ミサカの能力なら電子ロックされた扉を開けられますし、多少の瓦礫なら動かすことができます、とミサカは自身の能力の優位性をアピールします」

上条「わかった、じゃあ代わりといっちゃあなんだけど、俺も妹達を探すのを手伝うよ」

御坂妹「……ありがとうございます、では行きましょう!」

上条「ああ!」

風紀委員177支部

バンバン、バンバン

初春「し、白井さん」

黒子「ここももう限界のようですわね……」

黒子(まさかここまで被害が拡大するとは……やはり、昨日のアレが原因で……)

黒子(暴動は鎮圧されたにもかかわらず……やはりこれは……)

黒子「仕方ありませんわね、初春! 離脱しますわよ!」

初春「せ、せめてノートパソコンだけでも……」

黒子「早く!!」

ガシャァァァァァァァァ

ゾンビ共「ウウウウウウウ」

黒子「しっかりつかまっていてください!」ヒュッ

とあるビルの屋上

黒子「ここならとりあえずは安全ですわね」

初春「これからどうするんですか?」

黒子「逃げ遅れた人たちも大勢います。その救助を優先しましょう。……それで、お姉さまや佐天さんとは……」

初春「やっぱり繋がりません……通信系統がダウンしているのかもしれません」

黒子「そうですか……」

初春「大丈夫ですよ! 佐天さんも、御坂さんも、きっと無事です! また会えますよ!」

黒子「……そうですわね。くよくよしていても仕方がありません! 早速行きますわよ、初春!」

初春「はい!」

第3学区のとあるレストラン

ゾンビ共「ゥゥゥゥゥ・・・・・・」

浜面「くそッ! 奴ら入ってきやがった!」バンッバンッ

浜面「フレメア、厨房に隠れてるんだ!」

フレメア「浜面は!?」

浜面「俺はここであいつらを食い止めるから!」バンッ

ウェイター「ウウウ・・・・・・」ムクリ

浜面「んなっ、中からもかよ!」

絹旗「超窒素ぱんち!」ドカァッ

ウェイター「」ドサッ

浜面「絹旗! すまん、助かった」バン

絹旗「麦野がいれば、こんな連中超一瞬で片が付くのですが」

浜面「麦野と滝壺は外部の都市にいるからな、間の悪い!」

絹旗「数日前に超突然外部へ行くって知らされましたからね、むしろこんな目に合わずに済んだとも言えますが」バキッ

浜面「はは、それもそうだな」バンッ

浜面「よし、なんとか片付いたな……」

絹旗「フレメア、もう大丈夫ですよ」

フレメア「もう、終わった?」

浜面「ああ、終わったぞ。良し、ここを離れよう」

絹旗「そうですね。C級映画は見るのは超好きですが、実際に体験するのは超勘弁です」

浜面「つっても、どこへ向かうかだが……避難所ってどこだっけ」

絹旗「避難所は22学区ですね……ですが、映画だとこういう時って避難所はむしろ超危険ですよね」

浜面「確かに、避難所内でゾンビが出てきたら逃げ場は無いよな……」

絹旗「こういう時は街から脱出するのがベストなんですよ! 超決定です! 行きましょう!」

浜面「あっ! おい!」

絹旗「超早くしてくださーい!」

浜面「ったく……。よし、フレメア、行くぞ」

フレメア「大体了解、にゃあ!」

学び舎の園 大通り

食蜂「はぁ……はぁ……どうして私の洗脳力が……」タタタッ

縦ロール「ゥゥゥゥ・・・・・・」

取り巻き共「アアアアアア」

食蜂「き……効かないのよぉ……」

食蜂「も、もう限界、走れないわぁ……」ハァ・・・ハァ・・・

縦ロール「ウァァァァァッ」ガバッ

食蜂「きゃあっ……やめっ」

バチィッ

食蜂「!」

取り巻き共「」シュゥゥゥ・・・・・・

食蜂「こ……この電撃は……」

御坂「死んじゃいないわ、しばらく静かにしてもらうだけよ」

食蜂「御坂さん……」

御坂「やっぱり逃げ遅れてたのね、アンタ。大丈夫?立てる?」

食蜂「あ……だ……」

食蜂「………に」

食蜂「にっ、逃げ遅れてなんかないしぃ! 余裕で逃げ切れてたしぃ! 別に助けてくれなんて言ってませんしぃ!」

御坂「その様子じゃ大丈夫そうね。さ、立って」

食蜂「……どうして、私を?」

御坂「……」

御坂「確かにアンタとはそりは合わないけど、だからといって襲われてるアンタを見捨てるほど鬼じゃないわよ、私は」

食蜂「……」

御坂「ほら、とりあえず避難所まで行くわよ。私が先導するからちゃんとついてきなさいよ?」

食蜂「あの……御坂さん……」

御坂「何よ?」

食蜂「そ……その、あ……ありがとう」ボソッ

とある研究所

研究員1「やはり、ゾンビ如きでは高位能力者の相手にはならんか」

研究員2「そのようだな……そろそろ次の段階へ行くか?」

研究員1「そうだな……アンチスキルは今どうなっている?」

研究員3「現在いくつかの部隊に分かれて救助活動とゾンビ掃討を行っている模様。監視員も記録準備ができたようです」

研究員2「よし、上空で待機中のヘリに指令を送るぞ」

研究員1「我々は更に次の段階へ向けて『アレ』の調整に入るぞ」

研究員3・4「了解」

研究員2「さて……外部の研究の成果とやらを見せてもらおうじゃないか」

学園都市上空 ヘリコプター

研究員5「指令が来た、間もなく実験開始だ」

パイロット「了解、こちらはいつでもOKだ」

研究員5「実験開始まであと10秒」


研究員5「5秒……4……3……2……1……0、実験開始だ」




研究員5「B.O.W.の投下を開始する」

今回はここまでです。

あまり話が進みませんでした。
まだまだ始まったばかりですが、なんとか完結まで持っていきたいと思います。

続きはまた明日。

バイオが混じってる世界ならゾンビを見たらすぐに魔術や超能力の前にT-ウイルスを思い浮かべるとおもうんだが。ラクーンで十万人で死んでる大惨事が起きて世界中でバイオテロが発生した上に一年前にもトールオークスがバイオテロやその消毒で消滅したというのも起きたばっかりだし

こんばんは。少ないですが投下していきます。

>>76
それについてですが、一応次回あたりに作中で説明が入る予定です。

第3学区大通り

ガシャンガシャンガシャンッ

警備員1「何だ!? あのヘリ、何か落としやがったぞ」

警備員2「警備員所属のヘリじゃねえ……なんだってんだ」パンパン

警備員1「ゾンビ共の相手で手一杯なんだ! 構う必要は無いだろ!」ババババババ

タイラント「……」

警備員3「何だありゃ……人か?」

警備員2「いや、それにしちゃあでかくねーか……?」

警備員3「あのデカブツの両隣のカプセルは何だ……?」

プシューッ

警備員2「! 開くぞ!」カチャッ

ハンター×2「コォォォ・・・・・・」

警備員4「何だありゃ……。化け物かよ!」

警備員1「いや、敵とは限らないぞ……ゾンビ殲滅のための切り札かも……なあ、あんた……」

タイラント「……」

警備員2「! おい! 危ねえ!!」

タイラント「……」ブンッ

警備員1「えっ?」

メキャッ

警備員2「な……あ……撃てぇぇぇぇえええぇぇぇぇッ!!!」バババババババ

警備員3「うおおおおおおおお!!」バババババババ

警備員4「き……効いてねえ!」

ハンター1「キシャァーッ」ブンッ

警備員4「あっ」ズバッ

警備員3「く……首を……!?」

警備員2「こ……こいつらァァァァァァッ」バババババ

タイラント「……」ガシッ

警備員2「あ……あが……かッ……」メキメキメキ

ブチュッ

警備員3「ひっ……」

タイラント「……」

警備員3「ま……まってくれ……」

警備員3「こ……降参だ! 武器も捨てる! だから……」

タイラント「……」

警備員3「命……だけは……」

タイラント「……」

ベキョッ

第7学区

上条「よし、この辺りから捜索を始めよう」

御坂妹「お待ちください、この先、丸腰ではどうしようもありません。これを、とミサカは拳銃を手渡します」

上条「け、拳銃?」

上条「これ……本物か?」

御坂妹「はい。それとこれは予備の弾薬です。ゾンビを撃つ際は頭を狙ってください」

上条「そう簡単に当たるもんなのかな?」

御坂妹「当たらないでしょうね。ですから敵を十分にひきつけたうえでしっかり固定して狙う必要があります。間違っても片手撃ちなんてしないでくださいよ?とミサカは忠告します」

上条「わかってるよ。それじゃあ行くか」

御坂妹「了解です、とミサカは……」

コツッ・・・・・・

御坂妹「何者かの接近を確認しました。右方向です」

上条「ゾンビか!?」チャキ

コツ・・・・・・

上条「お前は……」

土御門「上やん……」

上条「土御門!」

タイラント・ハンターが警備員と交戦した大通り

浜面「うわっ……こりゃひでえ」

フレメア「なにー? 何があるの?」

絹旗「フレメア、見ちゃダメですよ」

浜面「どうやったら人間がこんなになるんだ?」

絹旗「ゾンビ……じゃないですよね? 能力者の仕業でしょうか」

浜面「わかんねーが……血が温かいな……これをやった奴がまだ近くにいるかもしれねーぞ」

絹旗「そうですか……早いところここから離れましょう。この先の工業地帯を抜けて第11学区に出るのが超近道のようです」

浜面「ああ……そうだ、すまねえ。銃、貰ってくぜ」

遡ること2日前 ヨーロッパ

滝壺「はまづらたち、置いてきちゃったけど良かったのかな?」

麦野「別にわざわざ全員で来ることはないだろうしねえ。土産でも買って帰ればいいでしょ。……着いたわ、ここね」

滝壺「大きい建物だね」

麦野「国連直下の組織ねえ。そんな所が私達『アイテム』に何の用があるんだか。しかも直接会って話がしたいと」

滝壺「なんて言ったっけ……たしかびー……びーえす……」

麦野「『Bioterrorism Security Assessment Alliance』……通称『B.S.A.A.』……ね。聞いたことのない組織だわ」

受付「本日はどのようなご用件でしょうか」

麦野「日本の学園都市からここに呼ばれてきたの。『アイテム』って言えばわかる?」

受付「少々お待ちください……」

受付「こちらへどうぞ」

ガチャッ

???「君たちが学園都市の『アイテム』か?」

??「突然呼び出したりしてごめんなさい」

麦野「ええ……あなたたちは?」

クリス「俺はクリス・レッドフィールド。こっちはジル・バレンタイン」

ジル「二人ともこのB.S.A.A.のメンバーよ」

クリス「代表は今立て込んでいるから……君たちをここへ呼んだ理由を代わりに俺たちから話そう」

ジル「あなたたち……『アイテム』に極秘の依頼をしたいの」

今日はここまでです。
次回はなるべく話を進展させたいと思います。

続きはまた明日。

こっちも同じ数だけのカブトムシで応戦だな

こんばんは
投下していきます

>>88
垣根さん、はっきり言ってチートすぎてどう扱うかに困ってます
いっそ死んだことにするか……

それと、>>1は軍事、政治に関する知識がありません
だから非常に見苦しい所があるかと思われますが、そこら辺は目をつぶってご覧になっていただけたら幸いです

クリス「最近になって学園都市の機密性が少し低くなった事については知っているか?」

麦野「まあ……色々と面倒事が片付いたからね」

麦野(暗部の完全解体とか)

クリス「それによって君たちについての情報を得るのも比較的楽になった。君たちについて、少し調べさせてもらった。その上での依頼だ」

麦野(中に居たからあまりそんなに実感はわかないけど……それにしても)

麦野(こいつらどこまで知っている? まさか暗部のことについても……)

クリス「俺たちも最近知ったことだが、学園都市は外部で起きたある一連の出来事を内部に隠している」

滝壺「出来事?」

ジル「バイオテロよ」

クリス「普通隠し通せるような事じゃないんだがな。学園都市の情報統制力には恐れ入るよ」

ジル「アンブレラという表向きには製薬企業の顔を持つ連中が、裏で生物兵器の研究開発を行っていたの」

ジル「1998年にアメリカ合衆国中西部のラクーンという小さな街でそのアンブレラの研究するウィルスが流出したのが始まりよ」

ジル「そのせいで、ラクーン市民の多くがウィルスに侵されたわ」

ジル「信じられないでしょうけど、そのせいで市民はみな生ける屍……ゾンビになったわ」

麦野・滝壺「!?」

クリス「俺たちももともとはそのラクーンシティの警察署所属の特殊部隊員だった」

ジル「私たちは何とか逃げ延びたものの……街自体は核によって吹き飛ばされた」

ジル「アンブレラはそれでも活動を続けたけど、私たちラクーンの生き残りや反対組織の活動によって企業は崩壊したわ」

ジル「けれど、それで終わりじゃなかった」

クリス「普通隠し通せるような事じゃないんだがな。学園都市の情報統制力には恐れ入るよ」

ジル「アンブレラという表向きには製薬企業の顔を持つ連中が、裏で生物兵器の研究開発を行っていたの」

ジル「1998年にアメリカ合衆国中西部のラクーンという小さな街でそのアンブレラの研究するウィルスが流出したのが始まりよ」

ジル「そのせいで、ラクーン市民の多くがウィルスに侵されたわ」

ジル「信じられないでしょうけど、そのせいで市民はみな生ける屍……ゾンビになったわ」

麦野・滝壺「!?」

クリス「俺たちももともとはそのラクーンシティの警察署所属の特殊部隊員だった」

ジル「私たちは何とか逃げ延びたものの……街自体は核によって吹き飛ばされた」

ジル「アンブレラはそれでも活動を続けたけど、私たちラクーンの生き残りや反対組織の活動によって企業は崩壊したわ」

ジル「けれど、それで終わりじゃなかった」

ジル「ウィルスは世界中の企業や国の手に渡り、その後も研究・改良が続けられたわ」

ジル「ラクーンシティにはじまり、シーナ島、ロックフォート島、南米アムパロ、スペイン」

ジル「ハーバードヴィル、テラグリジア、キジュジュ自治区、東スラヴ、トールオークス、蘭祥」

ジル「バイオテロは世界各地で今も行われているわ」

クリス「俺たちB.S.A.A.はそんなバイオテロに対抗するために設立されたんだ」

麦野「にわかには信じがたいけど……だいたい分かったわ。」

麦野「あなたたちの依頼の内容も……ね」

クリス「話が早くて助かるな。……実は先日、学園都市にそのウィルスとそれによって生み出された生物兵器……B.O.W.が運び込まれたという情報が手に入った」

クリス「本来なら俺たちが対応に当たるべきなんだが、知ってのとおり学園都市は独立した都市だ。もはや国家と呼べるほどに。今もそれは変わらない」

クリス「アジアにはB.S.A.A.の極東支部があるが、唯一例外として日本の学園都市に対しては一切の権力を持たないんだ」

クリス「加えて学園都市は世界最高峰の科学力・軍事力を持っている」

クリス「トールオークスや蘭祥の事後処理に多くの人員を割いている今、優先度が低いんだ」

クリス「そういった理由から、国連から出動の許可が下りていない」

ジル「そこであなたたちに、依頼をしたいの」

ジル「本来なら、能力者である以前に学生であるあなたたちに頼むのは恥ずべきことだわ」

ジル「でも、私たちが動けない今、あなたたちに託すしかないの。これ以上被害を広げないためにも……」

ジル「当然報酬は出すわ。前払いとして20万ドル。依頼が終われば100万ドル」

クリス「やってくれるか……?」

滝壺「……むぎの、どうするの?」

麦野「…………」

時は戻り再び学園都市 第7学区

上条「土御門!」

上条「どうしたんだ、その傷!」

土御門「化け物と遭遇した……舞夏と禁書目録を逃がすのに手一杯で、この様さ」

上条「インデックス! あいつも無事だったのか。……そうかインデックスも逃がしてくれてたのか……待ってろ、すぐに手当てを」

御坂妹「手伝います、とミサカはどこからともなく救急キッドを取り出します」

土御門「その間に、いくつか伝えたいことがあるんだ。聞いてくれ」

上条「伝えたいこと?」

土御門「実は、俺ともう一人、ある人物の協力を得て騒動の原因を探っていた」

土御門「その結果、どうも第10学区のある研究所に何か……手掛かりか、直接の原因かはともかく、何かがあるのが分かった」

土御門「あの学区は危険な研究をするにはもってこいの場所だからな」

土御門「けど、第10学区は今この学園都市で最も危険な場所だ」

土御門「遠目でも、ゾンビだけじゃない、何体もの化け物が見えた。まるで何かを守るかのようにうろついている」

上条「その化け物ってのは、筋肉が剥き出しの奴か?」

土御門「いや、トカゲみたいなのだったな」

土御門「あと、苔色のコートを纏った大男も何体かいたみたいだ。直接見てはいないが」

上条「俺が出くわしたようなの以外にもいるのか……っと、終わったぞ」

土御門「すまないにゃー。さすがにレベル0の能力じゃ出来ることにも限界があるぜよ」

上条「おっ、シリアスモード終わりか?」

土御門「茶化すなよ。俺はまた調査に戻る。これを持ってけい」

上条「なんだこれ……無線機か?」

土御門「学園都市特製の一品だぜい。この状況下でも使えるようになってる」

土御門「周波数はあらかじめ登録してあるから、何かあったら連絡するといいにゃー」

上条「わかった……ありがとうな」

土御門「上やん……『くれぐれも、無茶はするなよ』?」

上条「ああ……わかってるさ。じゃあ、またな」







土御門(またな……か)

土御門(伝えられることはすべて伝えた)

土御門(その無線機に登録してあるのは、さっき言った協力者の持つ無線機との連絡用周波数だ)

土御門(くそ……頭が割れるように痛い)

土御門「やはり、奴らにやられた傷が原因……か……」

土御門(手当てしてもらって悪いが……)



土御門(俺はもう、長くはもたない。じきゾンビ化するだろう)

土御門(だから、これは、俺の無責任な期待……)

土御門「……無茶はするなと言ったくせに、どうにかしてほしいと思ってる……本当に無責任だな」

土御門「舞夏……必ず無事に戻るって約束したが……守れそうにないにゃー」






土御門(この街の、皆の、未来は……託したぜ……上やん)



第7学区 学び舎の園出入口

御坂「やっと学び舎の園から抜けれたわね」

食蜂「はぁ……はぁ……」

食蜂「御坂さん……疲れたわぁ……休みましょうよぉ……」

御坂「アンタねえ……さっき休憩したばっかりじゃない。奴らは待っちゃくれないわよ?」

食蜂「だから……どこか安全な場所をさがして……」

御坂「安全な場所なんて避難所かこの学園都市の外かの、どっちかしかないわよ」

御坂「避難所は隣の学区なんだから、たいした距離じゃないわ。我慢しなさい」

食蜂「……わかったわぁ」

御坂(ずいぶん素直ね……いつもなら減らず口の一つでも言ってくるところだけれど)

御坂(取り巻きたちは皆ゾンビ化、街はパニックの中でずっと気を張りながら歩き続けてる)

御坂(精神的にだいぶ参っているようね……そういう私も……)

御坂「じゃ、行くわよ……」

御坂(皆は無事かしら……佐天さん、初春さん、黒子、そして……)

御坂「!」

食蜂「どうしたの?」

御坂「何か……近づいてくるわ。それもかなりの数、スピード……」

ハンター×5「……シャァーッ」ババッ

御坂「何こいつら……ゾンビじゃない?」

食蜂「み……御坂さん……後ろからも……」

タイラント「……」ザッ・・・・・・

御坂(くそっ、挟まれた……電磁レーダーがありながら、気づけなかったなんて)

御坂「逃げるわよ、捕まって!」

御坂(電磁力最大!)ギューン

タイラント「……」ズダンッ

御坂「なっ……と、跳んだ!?」

タイラント「……」ズンッ

御坂「くっ、危ない!」ドンッ

食蜂「きゃっ!」

ドカッ・・・・・・!

御坂「ぐ……食蜂……離れてなさい!」グググ・・・・・・

御坂(こいつ、何てパワーなの! 砂鉄の盾を……)

御坂(防ぎきれない、避け……)

ドバッ

御坂「あ……危なかった」

ハンター共「クオオオオッ」

タイラント「……」ギロリ

食蜂「み、御坂さん……」

御坂「こいつらは私が相手をするわ!!」



第10学区 ある研究所

研究員2「量産型タイラントとハンターの群れが第3位、第5位と接触、戦闘に入ったとの連絡があった」

研究員2「好機だ。戦闘データが取れるだけでない、奴らが疲弊しているならば」

研究員2「第3位の確保、および第5位の抹殺は容易になる」

研究員2「おい、例の試作型の準備はどうだ?」

研究員1「調整は終了した、後は命令を入力するだけだ」

研究員3「しかし、大丈夫か? タイラントってのは普通成人男性を基にするらしいが……」

研究員4「仕方がないだろう、セルゲイとかいう奴のクローンはもうないみたいだし」

研究者4「完全適合者のクローンという点では同じだろう」

研究員2「……そうだな」

研究員2「確かに、急な製造だし、女性が、しかも未成年が基となるのは初めてだろう。不安要素は多い」

研究員2「だが実験体も、実験場も腐るほどある……改良を重ねれば、外部のモノとは比べ物にならない、遥かに強力な兵器が誕生するだろう」



研究員2「さて……君に与える命令は2つ」

研究員2「1つは第5位の超能力者、心理掌握を抹殺すること」



研究員2「そして……もう1つは第3位の超能力者、超電磁砲」











研究員2「君の『お姉さま』を捕えることだ」





第11学区

麦野「さて……いざ帰ってきてみれば、とんでもない状況だな」

滝壺「これが……バイオテロ……」

麦野「疑い半分だったけど、やっと確証が持てたわ。滝壺、絹旗たちの居場所、わかる?」

滝壺「うん。おおよその位置しかわからないけど……3人とも無事みたい」

麦野「十分よ。早いとこ合流しましょ」

麦野(……)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

麦野(わかった、引き受けるわ)

クリス(本当か!)

麦野(ただし、報酬はいらないわ)

ジル(え……?)

麦野(私たちは、誰かの駒じゃない)

麦野(金を貰って、誰かに依頼されて、誰かに命令されて動くんじゃない)

麦野(私たちが何をどうするかは、私たちが決めることよ)

麦野(私たちは……『アイテム』は……)

麦野(自分たちの意思で動く)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

麦野「さあ、行くわよ」

今回はここまで

申し訳ありませんが、明日からしばらくの間毎日更新はできなくなりそうです
2日に1度は投下できるよう努めますので、ご了承ください

ではでは

>>研究者4「完全適合者のクローンという点では同じだろう」

>>研究員2「だが実験体も、実験場も腐るほどある…

妹達だろ

こんばんは。お待たせしました。

投下開始します。

ビリィッ

タイラント「……」シュウウウ

御坂(電撃が効いてない!? あのコートのせいか!?)

ハンター1「シャァーッ」ブンッ

御坂「おっと、当たらないわよ!」

御坂(当たりはしないけど、周りをうろちょろされても面倒ね。こっちの動きが制限されるわ)

御坂(先に片付けるべきはあのトカゲ共ね……)

御坂(食蜂は……十分離れたようね)

御坂(なら……)

ハンター共「シャァッ」バッ

御坂(飛び掛かってこない? 様子を見て……私の隙を突こうと?)

御坂(ゾンビとちがってある程度の知能はあるみたいね)

ハンター2「コァァァァ」

ハンター3「シャーッ」

御坂(しかも……こいつら仲間同士で連携をとってる?)

御坂(なるほど厄介ね)

御坂「……けどね」

バチバチバチバチ

御坂(辺り一面に放電すれば! 距離も、数も、素早さも! 関係ないわよねッ!!)バリバリバリバリ!!

ハンター共「カ……」ブスブス・・・・・・

御坂「ふう……どんなもんよ」

タイラント「……」

御坂(……結構強めの電撃を放ったつもりなんだけど……)

御坂(コートのせいだけじゃない、あいつ自体が相当にタフなの?)

御坂(どうすれば……)

御坂(殺す気で……殺す気でやるなら一瞬でやれる。砂鉄を使えば……)

御坂(けど)

御坂(あいつも元は人間……多分、だけど。)

御坂(できれば殺したくない……)

タイラント「……」ダッ

御坂「!」

ドゴォッ

御坂「向こうは殺す気満々ね……!」

御坂(仕方ないっ、瓦礫をぶつけて気絶させる。多分それで逃げる時間くらいは稼げるはず!)

御坂妹「第10学区に何かがあるというそうですが……どうします? とミサカはあなたに意見を仰ぎます」

上条「確かに気になるな……けど、今は救助を優先しよう」

御坂妹「わかりました。ここは……病院ですね」

上条「ああ、いつも世話になってるところだ。怪我人や入院患者がいるかもしれない」

御坂妹「入りましょうか。……暗いですね」

上条「携帯の明かりで何とかなるかな?」

御坂妹「ミサカにはこのゴーグルがあるので不要です、とミサカはドヤ顔でゴーグルを装着します」フフン

上条「俺には必要なの!!」

コツ……コツ……

上条「人の気配がしない……もう皆避難したのか?」

御坂妹「そう願いたいところですが……」

ガツッ

上条「! 足元に何か……」

上条「こ、これ……」

御坂妹「死体……ですね。どうやら、頭に銃弾を受けたようです。と、いうことは……」

上条「……ちくしょう!」

御坂妹「! 奥のあの部屋、明かりがついてるようです」

御坂妹「行ってみましょう」



奥の部屋

????「誰だ!」カチャッ

上条「うおっ! 待ってくれ、俺たちはゾンビじゃ……って」

番外個体「あれ? アナタ達は……」

打ち止め「10032号にヒーローさん!」

上条「お前たちは……打ち止めと」

御坂妹「番外個体ですか」

カエル医者「君たち、無事だったのかい?」

御坂妹「ここで何をしているのですか? とミサカは疑問を投げかけます」

カエル医者「奴らについて少し調べていたんだがね? ひとつわかったことがある」

上条「わかったこと?」

カエル医者「人間がゾンビになる現象……これはどうやら未知のウィルスによるものみたいだね?」

上条「ウィルス?」

カエル医者「いつ、どこで、誰が作ったのかは知らないが、どうやらそのウィルスが漏れたことが原因みたいだね?」

カエル医者「空気感染力は既に弱まっているようだけれど……奴らに傷つけられでもしたら、ウィルスに感染してしまうみたいだね?」

御坂妹「そんなことが……」

打ち止め「でもね、中にはウィルスが平気な人もいるみたい!」

番外個体「ミサカたち妹達はみんなかなり強い抗体を持ってるんだってさ。お姉さまのおかげかな?」

上条「抗体……そうだ、俺も奴らの攻撃を喰らっちまったんだった」

カエル医者「そうなのかい? どれ、こっちで調べてみようかね?」


カエル医者「運がよかったね、どうやら君にも抗体があるみたいだ」

上条「そうなのか……ありがとうございます」

カエル医者「といっても油断は禁物だよ? いくら抗体を持っていても高い濃度のウィルスが体内に入れば感染してしまうこともあるからね?」

上条「はい、気を付けます」

カエル医者「私はここで抗体からワクチンを作れないか試してみるつもりだ」

番外個体「ミサカたちはその護衛って感じかな」

打ち止め「あの人もまだ妹達を探してる途中みたいだし……」

上条「あの人って、一方通行か? あいつも妹達を探してるのか」

打ち止め「『も』ってことは、あなたも?」

御坂妹「はい、彼に捜索を手伝ってもらっています」

上条「ワクチンが出来れば、元に戻るんですか?」

カエル医者「いや、おそらくそれは不可能だ」

カエル医者「ワクチンでできることは、感染の予防と体内に入り込んだウィルスを殺すこと……発症してしまってからではどうすることもできないだろうね?」

上条「そんな……」

カエル医者「だからこれ以上の被害の拡大を防ぐためにも、私はワクチンの開発を急ぐよ」

上条「わかりました……俺たちはまた妹達の捜索と救助を続けます」



上条(ウィルスが原因……)

上条(土御門が言っていた第10学区にある何かってのはそのウィルスを作った研究所……?)

上条(そこにすべての元凶が……?)

上条(でも今はどうにもできない……今の俺じゃあ大量のゾンビや化け物に太刀打ちできない)

上条(どうにかして道を切り開く方法は……)

第3学区 工場地帯

浜面「うわ……工場だらけだな……」

絹旗「入り組んでますね……どうします? まっすぐ行きましょうか」

浜面「そうだな……そうしよう」

絹旗「そろそろ日も落ちてきますね。浜面、懐中電灯持ってます? 暗くなってきたら超必要になりますよ」

浜面「持ってねえな。でもこういうとこなら非常用に備わってるもんじゃねえか?」

絹旗「それもそうですね……ありました、これで十分でしょう」

浜面「よし……行くか」

数分後


浜面「……と思ったら」

絹旗「瓦礫と鉄骨で道が塞がれちゃっててますね……事故でしょうか」

フレメア「大体、行き止まり?」

絹旗「これは私の窒素装甲でも持ち上げられそうにありませんね」

浜面「どうする?引き返すか……」

ガララッ

絹旗「危ない!」

フレメア「わっ」

浜面「うわああっ」

ドォーン

浜面「すまねえ、絹旗。助かったぜ」

絹旗「また崩れた……? これじゃ引き返せないじゃないですか!」

浜面「なんで工場が崩れるんだよ! もっと安全面ってやつを考慮しとけよ!」

絹旗「仕方ありません……工場内を通るしかありませんね」

浜面「まじかよ……また崩れるんじゃねーだろーな……」

絹旗「懐中電灯を取ってきておいて正解でしたね」

作業員「ウー・・・・・・」

浜面「ゾンビだ……こいつらが工場が崩れた原因か?」チャキッ

絹旗「ゾンビ如きにそんなことが出来ますかね? ……仕方ありません。浜面、フレメアをしっかり守ってくださいよ! 私が前に出て戦います!」

浜面「任せろ! 無茶はするなよ!」



ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!



フレメア「ひっ」

絹旗「!? 何ですか、今の音……いや、声!?」

浜面「おいおい……ゾンビ以外にまだ何かいるってのか!?」

絹旗「崩落の原因でしょうか……?」バキッ

浜面「冗談じゃねえぞ……! 誰かさんの不幸がうつっちまったか!? オイ!」

タイラント「オオオオオオッ」ズンッ 



第10学区 ある研究所

研究員1「量産型の一体が制御不能状態にあります!」

研究員3「現在第3学区○○工場にて暴走中!!」

研究員4「何者かによって制御用寄生虫が抽出されたのか!?」

研究員1「すぐに新たな寄生虫を注入させに部隊を……」

研究員2「いや、放っておけ。あそこには製造中の実験体もない。むしろデータを採取するいい機会だろう」

研究員2「存分に暴れさせておくといい」



タイラント「ウォォォォォォォッ」








>>135
寄生虫って事はガナードかマジニ? それとも試作のCかな?

今回はここまで。今回もあまり話は進みませんでした。申し訳ない

次回の投下は木曜の予定です

それでは

>>136

一応オペラクで登場したNE-βという設定です
量産型だけでなく追跡者の制御にも使われていたヤツです

ネメシスのアレか

因みにクリス&ジル以外にもバイオキャラ出す予定は?

>>140
まだ書き溜めが終わってないので何とも言えませんが、とりあえず最後にちょろっと出るぐらいの予定です
当初はハンクを出そうかと思っていたんですが

投下していきます

今回普段にも増してやたらと説明口調が多いと思います。
やっぱり地の文入れないと表現しきれない部分がありますね

あと、寄生虫についてですが、確認したところオペラクでもタイラントから抽出されてネメシスに注入されたのはα型でした
β型は研究所に登場したでっかい寄生虫の方でしたね
ですからこの作中でもタイラントから抽出されたのはα型ということにしてください。本筋には関係はありませんが、間違った回答をしてしまい申し訳ないです

浜面「絹旗! もうここはさっさと抜けちまおう! 何かわかんねえけど危険だ!!」

絹旗「そうしたいのは超山々ですが……こいつら数が超多くて……!」

浜面「フレメア! 離れるなよ!」バババババ

作業員「ウゥゥ……」

絹旗「このッ!」バキッ

浜面「こんな所で死んでたまるか!!」ババババババ



数分後

浜面「何とか、片付いたか?」

絹旗「ええ、そのようですね。 早いところここから抜けてしまいましょう。出口は……」

ウオオオオオオオオオッ

浜面・絹旗「!」

フレメア「な、なに!?」

浜面「近いな……真上か?」

絹旗「そのようですね、出くわさないようにとっとと……」

ドゴォォォォッ

浜面「!! な、て、天井をぶち抜いて……! なんつーパワーだよ!!」

タイラント「ウオオオオオオオオオッ」

絹旗「見るからに超やばそうですね……! ですが」

浜面「絹旗! あぶねえ!!!」

ドゴォッ

絹旗「……ッッッ!! か……がはっ」ドサッ

フレメア「絹旗!!」

浜面(絹旗の窒素装甲で防ぎきれねえってのか!?)

タイラント「ウオアアアアアアアッ」ズン・・・・・・

浜面(まずい、あいつ絹旗に止めを……!)

バンッ バンッ

タイラント「……! ウォォォ・・・・・・」ビシビシッ

浜面「こっちだ、化け物!!」

フレメア「浜面!?」

絹旗「は、浜面……」

浜面「絹旗! 動けるか!?フレメアと一緒に隠れてるんだ! どこかゾンビの入ってこれないような場所に!」

浜面「こいつは俺がなんとかする!」バババッ

絹旗「超無茶を言いますね……。ゴホッ、立つのも、やっとだというのに……! それに、なんとかって……」

タイラント「オオオオオオ」ズン・・・ズン・・・

浜面「そうだ、こっちへ来い!!」

浜面(銃は効き目が薄いみてーだな……、どうする?)

浜面(この工場の構造もよくわかんねーし、あいつが暴れたせいで所々崩れて道が塞がれてやがる。おまけに足場は不安定)

浜面(絹旗がまともに動けない以上、あいつを振り切って逃げるのはほぼ無理だ)

浜面(くそ、やるしかねえ! やってやるさ!!)

浜面(しかし、銃が駄目なら、なにか……あいつをやれるような強力な武器は……)

タイラント「ウォォォォォォォォッ」ドゴォッ

浜面「うおおおおおおおお!!」バッ

浜面「くっそ、一発でも貰ったらお陀仏だな!!」

浜面(今は攻撃してくる俺に狙いをつけてるようだが……俺を見失えばあいつらの方へ行くかもしれねえ)

浜面(適度に攻撃しつつ……奴の視界に常に入るように逃げ続ける……きついなあ、クソッ)

浜面(攻撃後は隙がでかいからなんとか距離を離せるが……)

浜面(スピードはかなり速えーし、避け続けるにも限界ってモンがある……)

浜面(チクショウ、どうするか……?)

浜面「しまった、行き止まり……!」

タイラント「ウォォォォォォォォォッ」ズン・・・

浜面(横に部屋がある……ここに一旦逃げ込んでやり過ごすしかねえ! 奴が引き返したらすぐに後を追ってまたひきつけるしか……)

バタン

タイラント「・・・・・」キョロキョロ

浜面(見失ったか……? 音をたてないように……何かないか探そう)

浜面(おっ、これ工場の見取り図か!)バッ

浜面(これで少しは逃げやすくなるな……)

浜面(この工場、地下にまで広がってんのか。何か役に立ちそうなものは……ん?)

浜面(………待てよ)

浜面(この地下に誘い出させれば……何とかなるかもしれねえ!)

浜面(地下への入口は……運搬用リフトと作業員が使う階段の2つ)

浜面(リフトは駄目だな、逃げ場がねえ。となると階段で……)

浜面(上手く行くかはわかんねー。行かなきゃ終わりだ……一か八か)

ガチャ

浜面「よし、行ったか? すぐ追いかけよう」

パンッ

タイラント「ウオオ・・・・・・」

浜面「こっちだ、こっちへ来い!!」ババババッ

タイラント「ウォォォォォッッ」ダダッ

浜面(良し! あいつ、やっぱり知能はゾンビと大差ねえぞ! おかげで誘導がしやすい!)バッ

作業員用階段

タイラント「オオオオ」ズン・・・・・・ズン・・・・・・

浜面「よし、いいぞ……ッ、こっちだ!!」
どくじの
浜面「何とか誘導は成功した……もう後には引けねえぜ、腹くくりやがれ、浜面仕上!!」

浜面「あとは……見取り図にあったアレが動いていてくれれば……」

浜面「確か……ああいうのは停電みたいな緊急時でも普段溜めておいた電気と独自の発電機で動くようになってるんだよな、確か」

浜面「停電してからどれだけ経ったかは知らねえが……頼む、動いていてくれよ……!!」



ゴウンゴウンゴウン・・・・・・

浜面「やった!! 動いてた!!!」

浜面「ってか、あっちぃ! すげえ熱だぜ、しかし……」

浜面「でも、これなら何とかやれそうだぜ……!」

タイラント「オオオオオオッ」ズンッ



浜面(奴を溶鉱炉に落とす!!)

浜面(いくら銃弾を跳ね除けるような強靭さでも、鉄をも溶かす高熱にゃ耐えられねえだろ!!)

浜面(奴の突進を誘って、躱す。俺がやるのはそれだけだ)

浜面(それだけでいい、奴はスピードを殺しきれず、溶鉱炉に自分から突っ込む)

浜面(だから、奴がブレーキをかけても間に合わないよう、ギリギリまでひきつけなきゃならねえ……)

浜面(腕の一本くらいはくれてやる覚悟でやるしかねえな……!)

浜面(我ながら稚拙な作戦だが……絶対にやってやる!)

浜面(成功させて、生きて、逃げのびる!)



タイラント「オオオオオオッ」ズダンッ

浜面「えっ」

ドゴオッ

浜面「うおおおおああああああああああッ!! とっ、とっ」

浜面(跳んだ!? なんだそりゃ、あの巨体でかよ!)

浜面(今までは機材や瓦礫で狭いからやってこなかったのか!?)

浜面「クソ、ちょっと面食らったが、それでもやることは変わらねえぜ……!!」

タイラント「オオオッ」

浜面(来る……、どっちだ? ジャンプか、突進か……!)

タイラント「オオオオオオ」ダッ

浜面(突進! 来た……)

ドドドドドドッ

浜面「ひきつけて……避ける!」バッ

タイラント「……!」グラリ

浜面「・・・・・・やったか!?」

グラ・・・・・・グラ・・・・・・

浜面「耐えてやがる……! あと、あと少しなんだ……!」

浜面「あと少し……ほんの一押しで……」

浜面「一押し……」

浜面「……」

浜面「チクショウ、やってやらあ!!」

浜面「おい、化け物!」

タイラント「……ッ」グググ・・・・・・

浜面「てめーが何者かなんて知らねーし、別に恨みもねえ」

浜面「けどな、俺たちが生きることの邪魔をするなら、容赦はしねえ! ……だから」

浜面「とっとと地獄に落ちやがれええええええええええええッッッ!!!」ドンッ

タイラント「……ッ」ズルッ

ボチャンッ

浜面「やった! 成功だ!!」

浜面「ハハッ!! ざまあみやがれ化け物が!」

浜面「はは……はは……」

浜面「はぁ……」

浜面「って、笑ってる場合じゃねえな、早く絹旗たちと合流して……」フラッ

浜面「っと、まずいな……そろそろ体力が……」





ゴポ・・・・・・ゴポゴポ

ガシッ

?????????「オオオ…………」ガシッ ガシッ

ガシッ

ガシッ

ズンッ

?????????「オオオオオオ・・・・・・」シュウウウウウウウウウ

第7学区

御坂「はあーっ、はあーっ……」

タイラント「……」

御坂(なんなのこいつ……何度瓦礫をぶつけてもすぐ起き上がって……)

御坂(いや、私の方が弱ってきてるの? 瓦礫を飛ばすスピードも精度も落ちたから……)

タイラント「……」ズン・・・・・・

御坂「……マズイわね」

タイラント「……」ブンッ

御坂「くっ」ガスッ

御坂(しまっ、かすった! 態勢が……)ドサッ

タイラント「……」ズンッ

御坂(追撃を……)

御坂(避けれな……!!)

ガシッ

タイラント「!」

御坂(!!?)

食蜂「……」

御坂「食蜂!!? 何を……!!」

食蜂「私の……」

食蜂「私の命令に従いなさい……」

食蜂『止まれ』

タイラント「……」

御坂「……」

食蜂「……」

御坂「…………止まっ……た? 食蜂の能力が……効いたの?」



食蜂「こ……」

食蜂「怖かったわぁ~……」ヘナヘナ

御坂「食蜂……どうしてあんな無茶を……? あんたの能力が効く保証なんてなかったのに……」

食蜂「それは……その、ついというか、なんというか」

食蜂「咄嗟に、というか、体が勝手に、というかぁ……」

御坂「……呆れたわ。何の根拠も確証もなく飛び出したのね」

食蜂「な、何よぉ! 助かったんだからいいじゃなぁい! 結果オーライってやつよぉ!」

御坂「……」デコピンッ

食蜂「いたっ。ちょっとぉ、少しくらいは感謝くらいしても……」

御坂「まったく、下手したら二人とも死んでたわよ?」

食蜂「だからぁ……!」

御坂「……ま、でも」

御坂「ありがとね」

食蜂「!」

御坂「アンタが助けてくれなきゃ私……死んでたわ。ありがとう」

食蜂「……御坂さん」



御坂「それで、なんであいつにはアンタの能力が効いたのかわかる?」

食蜂「……あいつには、簡単な命令なら理解し、実行するだけの知能があるみたいなの」

食蜂「あいつには元々一つの命令が組み込まれていた」

食蜂「『能力者、及び武装した者を排除しろ』」

御坂「!」

食蜂「だから、私の能力でその命令を上書きしたってワケ」

御坂「暴れるしか能が無いと思ってたけど、なるほどそういう訳だったのね」

食蜂「記憶を読んでみようともしたけど、それはできなかったわぁ。多分、命令に従う以外は本当に暴れるしか能が無いみたいねぇ」

ドスンッ

御坂「今度は何?」

???「……」

御坂「さっきの奴と同じ……? いや、体が一回りは小さいか?」

???「……」

御坂「こっちを見た。さっきの奴と同じ命令が組み込まれているのかしら? ……どうする? 食蜂」

食蜂「そうねぇ……もう一度私が命令を書き換えて……」

???「……」

???「オ・・・・・・ネエ・・・・・・サマ・・・・・・」



御坂「・・・・・・え?」

今回はここまで。次回の投下は土曜の予定です

浜面がタイラントを倒せたのは、完全に主人公補正のおかげだね!
作戦を考えるのって難しいです

それではまた

乙。因みに、エツァリの魔術は効くのかな?

>>176
あの必殺バラバラ殺人事件だっけ?どっかの星の光で発動するやつ
ゾンビは純度100%科学の産物だから魔術は結構効果的かもね

お待たせしました。投下開始します

>>176 >>177
黒曜石のナイフもショチトルから受け継いだ武器を操る魔術も効くと思います。
まあエツァリの出番ないけどな!!

御坂「あいつ・・・・・・今……なんて言った?」

御坂「は……はは……オネエサマ? オネエサマって……何?」

食蜂「み、御坂さん……」

???「……」

食蜂(……! あいつが右手に持っているものは……ガ、ガトリングガン!!?)

御坂「私をそんな風に呼ぶのなんて……黒子か、妹達くらいしか……」

食蜂「御坂さん!!」

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ

御坂「!」バチバチッ

食蜂(で、電磁バリアーで……!)

御坂「……」

御坂「食蜂」

食蜂「!」

御坂「一旦退くわ。つかまって」



食蜂「御坂さん、あれは一体……?」

御坂「……私にもわからないわ。多分、元は黒子……私の後輩か、妹達のどっちかなんだと思う」

食蜂「…………あれが? どう見ても女子中学生の体つきじゃないけど……」

御坂「……あいつはヘリから落とされてきた。だから恐らく何者かが私に差し向けたものだと思うわ」

御坂「黒子に妹達……どちらにしてもゾンビになったなら常盤台の制服を着ているはずだし、あんな装備普通の人間にはまず手に入らないわ」

御坂「……つまり、その何者かによって改造されてああなったってことね」

御坂「今回の事も多無関係じゃない。この一連の事件には黒幕がいるわ」

御坂「今それがハッキリとわかった」

御坂「結局……この街の『闇』は消えることがないのね……」

食蜂「御坂さん……」

御坂「また『あの時』みたいに……学園都市そのものが加担しているのか……あるいは個人、一組織がやったは知らないけど……」

御坂「今度こそ、私の手で……食い止めてやるわ」

上条「くそ……なかなかいないな」

御坂妹「そうですね……そろそろこの学区から離れてみますか? とミサカは提案します」

上条「そうするか……」

ヒュッ

黒子「ジャッジメントですの、あなたたちを助けに……あら?」

黒子「あなたは……ん?」

御坂妹「……あなたは?」

黒子「おねえさまあああああああああああああああ!!ご無事でしたのね、黒子は、黒子はずっと心配して……クンカクンカ」ダキッ

御坂妹「? ミサカはあなたとは初対面のはずですが……」

黒子「え? ……お姉様じゃ、ないんですの? しかし、どう見てもお姉様と……」

上条「あー、えっとな、こいつ、御坂の双子の妹なんだ」

黒子「妹~? そのようなこと、私は聞いたことがありませんが……」

黒子「……」

黒子「まあ、今はそういう事にしておきましょう」

黒子「それでは避難所へ……といきたいところですが、あなたは私の能力では運べないのでしたわね」

上条「ああ、いいよ。俺たちはまだやらなきゃいけないことがあるんだ。白井は他の人たちの救助にいってやってくれ」

黒子「…………分かりましたわ。ところで、お姉様を見ませんでしたか?」

上条「いや、見てないな」

黒子「そうですか……」

上条「大丈夫、あいつならきっと無事さ」

黒子「……そうですわね。それでは私は行きますわ。お二人もお気をつけて」パッ



御坂妹「私たちも行きましょうか」

上条「そうだな」

御坂妹「ところで先ほどの方に抱き着かれた際に何やら悪寒がしたのですが……とミサカは彼女の手つきと息遣いを思い出し身を震わせます」

上条「……気のせいだ。きっと気のせいなんだよ」

第3学区 工場

浜面「絹旗! フレメア! もう大丈夫だ! 出てきていいぞ!!」

フレメア「浜面! 大体大丈夫だった?」

浜面「ああ、もう安心していいぞ」

絹旗「まったく、超驚かされますね……ひとりであれをやってしまうとは……」

浜面「ちょっとは見直したか? そうだ、絹旗、歩けそうか?」

絹旗「なんとか……休んでいたのでマシにはなりました。能力も問題なく使えそうです」

浜面「良し、脱出しよう。見取り図を拾ったんだ、出口はあっちだぜ」

数十分後

フレメア「でれたー!」

浜面「ふう、一時はどうなることかと思ったぜ……」

絹旗「あとはこの工場地帯を抜けて11学区から脱出するだけですね」

浜面「もう日も沈むし、どこかで休むか?」

絹旗「そうですね……全員疲労も溜まってきていることですし、私と浜面が交互で見張りをすれば……」

浜面「ここを抜ければ民家があるだろうし、そこを拝借しちまうか……」

絹旗「行きましょうか」

浜面「フレメア、もうちょっとで休めるからな」

絹旗「しかし……訳も分からず脱出を目指していますが……この状況は本当になんなんですかね」

浜面「さあな……突然街にゾンビが現れたと思ったらあっという間に壊滅状態だ。アンチスキルも能力者も数の暴力の前じゃ無力なんだな」

絹旗「おまけにあの怪物……明らかにゾンビとは違いました」

絹旗「……この街に、一体何が起こったのでしょうか……」

浜面「……今考えても仕方がねえんじゃないかな? まずは脱出することを考えようぜ」

浜面「脱出して、麦野と滝壺と合流してから調べればいいさ」

絹旗「……それもそうですね」

絹旗「ところで浜面、あの怪物をどうやって倒したんです?」

浜面「ん? ああ、溶鉱炉に誘導して突き落としてやったんだよ」

浜面「今頃あいつは溶鉄のプールで溶けてるはずさ」

絹旗「ほう、それは映画で超ありがちな倒し方ですね」

浜面「いやあ、本当に死ぬかと思ったぜ。あんな奴のお相手は二度と御免こうむるぜ」

浜面「でもま、溶鉱炉に落ちてりゃさすがに奴も……」

絹旗「……浜面。それ、超フラグってやつですよ」

浜面「大丈夫だろ! 流石にもう生きちゃいない……」

ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ

ズンッ

浜面「は?」

スーパータイラント「オオオオオオオッ」シュー

絹旗「こいつ、例の奴ですか!!?」

浜面「お、おれのせいじゃないぞ!? 決して俺がフラグを建てたからとかそんなんじゃ……おわあ!!」ドガァッ

絹旗「そんなこと言ってる場合ですか! フレメア! 逃げてください!」

フレメア「え、で、でも!」

浜面「早く!!」

浜面「なあ……心なしかあいつ、デカくなってねえか?」

絹旗「そうですね……しかも爪が生えてます」

浜面「これってあれだよなあ……絶体絶命ってヤツ?」

絹旗「そうですね……ですが、やるしかありません。こいつを倒さないと、道は切り開けませんよ?」

浜面「幸い、弱点が剥き出しになってるからな……さっきよりかはダメージも通るだろうよ」

浜面「行くぞ!」

第7学区

食蜂「御坂さん……どうするつもり?」

御坂「……通信回線が生きているところを探すわ。まだ全ての回線が途切れたわけではないでしょうし……その辺の研究所でも探せばあるでしょ」

御坂「そこから情報を探し出す」

御坂「……っと、その前にアンタを避難させなきゃね」

食蜂「…………」

食蜂「……御坂さん、私もついて行っていいかしらぁ?」

御坂「どうして? アンタ、あんなに疲れただの怖いだの言ってたじゃない」

食蜂「別にぃ……。ただ、今の御坂さんは危なっかしくてねぇ。放っておけないって感じ?」

食蜂「それに、さっきのがまた襲ってきたら御坂さん、攻撃できないでしょう?」

御坂「……それは」

食蜂「いまはリモコンなくしちゃったから直接触れなきゃだけど、私なら傷つけずに抑えることが出来るわぁ」

御坂「危険よ」

食蜂「そこはホラ、御坂さんが守ってくれるでしょ?」

御坂「何考えてんだか分かんない私とは協力できなんじゃなかったのかしら?」

食蜂「それ、今さら言う?」

御坂「……はあ」

御坂「まさかアンタにそんなに心配される日が来るとは思ってもいなかったわ」

御坂「わかったわよ、行きましょう」

第3学区

Sタイラント「オオオオオオオオオッ」

絹旗「弱点は見えているのですが……あの爪を振り回しているせいで懐に入ることができませんね」

浜面「クソッ、こっちももう弾切れだ。ハンドガンもライフルも使えねえ!! 使えそうなのはナイフくらいしか……」

絹旗「マズイ、ですね……」

浜面(ここで、死ぬのか……?)

Sタイラント「オオオオオオオオオオオオ」ザッ・・・・・・

浜面(せめて、せめて絹旗とフレメアだけでも……)

浜面「絹旗! フレメア連れて逃げろ! 俺が時間を稼ぐ!!」

絹旗「何言ってんですか!! そんなことしたら浜面は!!」

浜面「うるせえ! お前たちだけでも逃げてくれよ!」

絹旗「……超らしくないですね」

浜面「頼むから! もうこれしか方法はねえんだよ!!」

絹旗「…………私は諦めませんよ」

絹旗「方法ならあるじゃないですか。超わかりやすいのが」

絹旗「こいつをぶっ倒せばいいんですよ!」

浜面「……! それが出来たら苦労はしねえよ!」

Sタイラント「……オオオオオオッ」ザッ・・・・・・

絹旗「私はやりますよ……」

浜面「くそっ・・・・・・」

浜面(俺は……)

浜面(……絹旗一人に戦わせるってのか?)

浜面(自分は諦めて、小さな女の子一人を……あんな化け物と)

浜面(絹旗だって、精神、肉体ともにボロボロのはずだ。それなのに……)

浜面(……情けねえな。まったく、情けねえよ)

浜面「ああ! ったく!! やるよ!! やってやるよ!!」

Sタイラント「……オオオオッ」ズン・・・・・・ズン・・・・・・

浜面「もう諦めねえぞ! あんな化け物何体来たって、ぜってえ諦めねえ!!」

浜面「俺は……俺たちは……生きるんだ!」

絹旗「浜面!!」

浜面「うおおおおおおおおおおッ」

Sタイラント「オオオオオオオオオオオッ」バッ



「よぉーく言ったぞ、はまづらあ。それでこそ『アイテム』の一員だ」ビッ



Sタイラント「オッ」ズバッ

ドスゥゥ・・・ン

浜面・絹旗「……!」

浜面「な……こ、この能力……」

絹旗「原子崩し……!」

浜面「それに、あの声……!」



「あんた達を探してここまで来てみれば……」



麦野「どうやら……危機一髪だったみたいね」

今回はここまで
続きは明日投下します

タイラントさんは空気の読める人(?)ですよ

ちなみに、妹達が素体のタイラントは見た目的には一回り小さいネメシスを想像していただければ。
タイラントと呼ばれてはいますが、実質的にはネメシスに近い性質を持ちます
アレクシアみたいに美しくはないです。期待していた人はゴメンナサイ

それでは

こんばんは
投下開始します

第7学区 とある研究所

御坂「ここなら……どうやらアクセスできそうね」

食蜂「3つ目の施設でようやく見つかったわねぇ」

御坂「さて……何か見つかるのか」

御坂「あいつが追って来ないうちにちゃっちゃと見つけちゃいましょ」

御坂「これは違う……これも違う……これも……」ピピピピピ

『Tyrant-ウィルスによる生体兵器開発実験について』

御坂「……『Tyrant-ウィルス』? ……何かしら、これ」

この実験は学園都市外部の企業によって開発・量産されたT-ウィルスを用いたものである。

御坂「外部の開発物を学園都市が実験? 妙な話ね」

我々は極秘に外部からT-ウィルスのサンプル及びそれによる生物兵器の一部を入手した。

食蜂「生物兵器……? まさか……」

T-ウィルスには異なる生物間での遺伝子交配を容易にする性質があり、これを利用して生物兵器B.O.W.(BIO Organic Weapon)が外部では研究・開発されていた。

我々は学園都市の技術力を持ってさらに高性能の兵器を開発すべく、研究に乗り出した。
外部から入手した兵器はMA-121 、通称ハンターとT-103、通称タイラント、NE-αの三種類であるが、我々はこの内のタイラントに着目。

入手したタイラントはT-ウィルスに対し完全に適合したセルゲイ・ウラジミールのクローンをベースにウィルスを投与。
さらに肉体改造を施し、制御用にNE-αを成長を止めた上で寄生させ、命令の入力を可能としている。

樹形図の設計者の予測演算によると、学園都市の超能力者、御坂美琴がウィルスに対する完全な耐性を持つとの結果が出た。

よって我々は彼女を素体とし、学園都市ならではの処置を施すことでタイラントを超える兵器の開発を当面の目標とする。

そのため、まず別計画で生産された彼女のクローンを流用し、試作型を量産、研究を進めていくこととする。

○○研究所 ××による

御坂「……やっぱりそういうことだったのね」

御坂「私や妹達を使って兵器を開発? 本当にこの街の研究者共は頭のネジが外れてるわ……」

御坂(それにこの計画……樹形図の設計者による演算を行っている)

御坂(それに、私のクローン、妹達を使っているということは、絶対能力者化計画より前に計画され、始まったということ?)

御坂(いや、それとも計画自体は以前からあったが今になって始動した?)

御坂(一体なんで……)

御坂「もう少し……もう少し情報を……」ピピピピピピピ

食蜂「……! こっちのモニター、監視カメラかしら?」

食蜂「…………!!」

食蜂「御坂さん! あいつが近づいてきたわぁ!」

御坂「そう……もう少し調べたかったけど……! 離脱するわ!!」

食蜂「わかったわぁ!!」

御坂(ウィルスによる兵器開発……あのゾンビたちも、兵器なのかしら?)

御坂(学園都市の人間230万人全てを兵器に変えようってワケ?)

御坂(……)

御坂(たしか、○○研究所は第10学区にあったハズ……続きはそこで調べてやるわ……直接、この目で!!)

※一応補足しておきますと、美琴の言った通り、この計画は絶対能力者化実験より前に考案されていましたが、学園都市の目的であるレベル6到達の方が優先度が高かったため、妹達の流用は却下されました。

その後、ウィルスの研究は細々と続けられたものの計画は停止状態に。

しかしこの作中の事件の数日前、とある事が原因でウィルスが流出したことにより、研究者たちは街がパニックに陥ることを予期し、混乱に乗じて学園都市内の妹達を捕え、計画を再始動させた、ということです。


この辺結構ムリヤリだから矛盾が発生してそうで怖い

第7学区の外れ

上条「しかし……死体とゾンビばっかりで生存者がまったくと言っていいほどいねえ……」

上条「こんな状況に慣れつつある自分に嫌気がさすよ」

御坂妹「このような状況では仕方のないことです……っと、またゾンビですよ」

上条「またか……」チャキッ

上条「!」

御坂妹「? どうしました?」

土御門「ウゥー……」ノソ……

青ピ「オオオ……」ノソ……

上条「お……お前ら……う、嘘……だろ?」

土御門「ウウウ」

上条「土御門……」

青ピ「ウオオオオ」

上条「青ピ……」

上条「や……やめろ」

上条「やめてくれ」ジリッ

上条「お前ら……本当は正気なんだろ?」

上条「また……いつもみたいに……俺をからかって遊んでんだろ?」

二人「ウウウウウウ」ノソ……

上条「なあ……」

上条「……おい……」

二人「ウオアアアアア」ガブッ

上条「ぐああッ!」

パンパンッ

土御門「」ドサッ

青ピ「」バタッ

上条「……! 御坂妹……」

御坂妹「わかってください……。この二人は、もう……」

上条「……」

上条「すまねえ……」


上条「土御門の、あの時の言葉……」



土御門『くれぐれも、無理はするなよ?』



上条「あれは、自分がこうなるってわかってて、言ったのか?」

上条「情報を俺に伝えたのも、俺に託して……?」

上条「……」

上条「御坂妹、すまない」

御坂妹「?」

上条「これからは別行動にしよう」

上条「お前は引き続き他の妹達を捜索するんだ」

御坂妹「構いません、が……では、あなたは?」

上条「手伝ってやれなくなったのは悪いが……やることができた」

御坂妹「まさか、第10学区へ行くつもりですか? とミサカは問いかけます」

上条「ああ……」

御坂妹「危険です! あの人が言っていたでしょう、化け物どもがわんさかいる、と……」

御坂妹「…………」

御坂妹「ミサカも行きます」

上条「何言ってんだ、おまえは……」

御坂妹「行きます」ジロッ

上条「っ……」

上条「でも、いいのか? 妹達の捜索は……」

御坂妹「他にも捜索を続けている妹達はいます。ミサカ一人が抜けたところで問題はありません」

上条「…………」

上条「……わかったよ、一緒に行こう」

上条「そうだ、土御門からもらった無線機は……」

上条「土御門がこれを情報と一緒に俺に渡したということは、誰につながるんだ?」

御坂妹「どうやらこの人は無線機を持っていないようですが」

上条「落とした? いや、土御門は始めから持ってなかったのか?」

上条「だとしたら……」カチッ

ガガ・・・・・・

『あァ、ハイ、こちら一方通行』

上条「一方通行!?」

上条「土御門の言う協力者って、一方通行のことだったのかよ!?」

一方通行『あン? その声、お前……ヒーローか?』

上条「あ、ああ……」

上条(未だにヒーローって呼ぶのね)

上条「でも、これなら心強いな……」

一方通行『どういう事だ?』

上条「一方通行……」

上条「俺に力を貸してくれ」

第3学区

麦野「ほら、大丈夫?」

絹旗「麦野ぉぉぉぉぉ、超助かりましたぁぁぁぁぁ」

滝壺「はまづら、大丈夫?」

浜面「滝壺……」

フレメア「浜面達、大丈夫? ……って、お姉ちゃん達!! 大体、帰ってきたの!?」

麦野「フレメア、ただいま。さっき帰ってきたところよ」

浜面「こんな状況なんだ、まさか戻ってくるとは思わなかったよ」

滝壺「はまづらたちを置いて逃げたりしないよ」

浜面「はは……何にしても、麦野たちがいれば安心だな」

絹旗「さっきの奴を一撃ですからね、超心強いです!」

浜面「ああ、後は脱出するだけだな!」

麦野「それなんだけど、ちょっと待ってもらっていいかしら?」

浜面「え?」

麦野「詳しく話すわ、ひとまずどこか休めるところを確保しましょ」

浜面「あ、ああ。そういやこの先の民家で休むつもりだったんだ」

第3学区 民家

絹旗「い、依頼!!?」

麦野「そうよ、生物兵器の破壊と、ウィルスの確保。それが私たちの目的よ」

絹旗「そんな、またあの街に戻らなきゃいけないんですか!?」

麦野「あなたたちには申し訳ないけれど……私たちがやらなきゃいけないの」

麦野「そうしなきゃ被害はさらに拡大するわ」

絹旗「……」

麦野「今すぐに、とは言わないわ。今日はもう暗いし休みましょう」

浜面「フレメアはどうするんだ?」

麦野「フレメアは先に外に避難させるわ。車を確保したから明日の朝に第11学区まで連れて行ってそこから脱出させるつもりよ。保護先もちゃんとあるわ」

旗「……わかりました。手伝いましょう」

絹旗「その代わり、もし研究者共がいたら、全員に一発お見舞いしてやりますけど、構いませんね?」

麦野「……ありがとう。そうしなさい、私も一発殴るつもりだし」

浜面(そいつら死ぬんじゃねえか?)

麦野「さて……あなたたちはしっかり眠って疲れを取りなさい」

滝壺「見張りは私とむぎのでやるね」

麦野「行動開始は明日の朝」



麦野「目指すは第10学区よ」

応援ありがとうございます。皆さんの期待にこたえられるかはわかりませんが、がんばります

では投下開始します

第22学区

男1「おい、地上はどうなったんだよ! まだ出れねえのか!!」

男2「ずっとここにいろってんじゃねーだろーな!!」

女1「まったく、警備員は何をやってるの!!?」

女2「もうおしまいよ……私たち……このままここで飢え死にするかゾンビに食われるかのどっちかよ……」

ザワザワ……



初春「うぅ~、白井さん、大丈夫かな~?」オロオロ

??「あっ! ういはるーっ!!」

初春「え? ……あっ! 佐天さん!!」

佐天「いやー、やーっと見つけたよー」

初春「無事だったんですね。良かったぁ~」

佐天「たまたまこの学区のすぐ近くにいてさ、だから早くに逃げ込めたの」

佐天「そういや御坂さんと白井さんは?」

初春「白井さんは外で逃げ遅れた人たちの救助を行ってます。御坂さんとはまだ連絡が……」

佐天「そうなんだ……」

「ぎゃぁあああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

初春「? なんでしょう」

佐天「あっちのほうで何か……」

サラリーマン「ウゥゥウウ・・・・・・」

不良「こっ、この野郎! 噛みやがった!!」

初春「! ここにもゾンビが……!」

「きゃぁーーーーーーーっ!」

初春「そんな……あっちでも?」

佐天「ねえ……これって結構やばいんじゃない……?」

佐天「この学区は封鎖されてるし……逃げ場なんて……」

学生「く……クソッ、俺はレベル2の発火能力者だ!! 焼き尽くしてやる……!」ボボボ……

学生「くらいやがれ!」ボウッ

ゾンビ「オオッ」ゴォッ

学生「へへっ……どうだ!」

ゾンビ「オオオオッ」メラメラ

学生「なっ……」

ガブッ

学生「うああああああああ!! やめっ、やめてくれえええええ!!」

バリバリ ムシャムシャ

警備員1「皆! 下がってるんだ! 俺たち警備員に任せろ!」バババババッ

ゾンビ「オッ」バタッ

警備員1「へへっ、どうだ化け物め!」

警備員2「油断するなよ……もしかしたら、まだ……ん?」

「シュオー・・・・・・」ボタッ・・・・・・

警備員2「うわっ! なんだこりゃ……ヨダレ?」バッ

警備員2「おいっ! 上を見ろ!! 何だありゃ……!」

リッカー「シュアーッ」

警備員1「マジかよ……本物の化け物じゃねえか!」

リッカー「カァァァァァァッ」バッ

警備員1「うっ……」ドスッ

警備員2「お……おい!」

警備員2「し……舌を槍みたいに……!」

警備員2「うおおおおおおおッ」

ドスッ

初春「ど、ど、どうしましょう!! 早くやられた人たちを助けないと……」

佐天「何言ってんの!! 今は自分の命の方が大事でしょ! 逃げるよ!!」

初春「に、逃げるってどこにですか……!」

佐天「どこかよ! とにかく今はここを離れないと……!」

第7学区の外れ

上条「……ってわけだ」

一方通行『そうか……土御門の奴……』

一方通行『協力するのは構わねェが、あンまり役には立てねェと思うぜ?』

上条「……どういうことだ?」

一方通行『空から状況を見るために10分ほど能力を使っちまった』

一方通行『脱出用に残しとく必要があるから長くは使えねェ……もって10分てとこか』

一方通行『充電ももうできねェだろうしな』

上条「充電……いや、いけるかもしれねえぞ」

一方通行『? どういう意味だ』

上条「一緒に御坂妹がいるんだ。妹の能力で充電できないか?」

一方通行『……それならいけるかもしれねェな……待ってろ、すぐ飛ンでいくぞ』

3分後

一方通行「よっと」ストン

上条「マジですぐに飛んできたな」

一方通行「あァ……早速だが充電頼むぜ。終わったらすぐ出発だ」

御坂妹「では、失礼して……」ビリビリ

第10学区

御坂「さて……第10学区に着いたわけだけれども」

食蜂「凄い数のゾンビねぇ……。どうやって進むのかしら?」

御坂「建物の上を通っていくわ。そこなら数も少ないでしょうし」

御坂「ちょろーっと怖いかもしれないけれど……我慢なさい!」バッ

食蜂「きゃっ」


御坂「上から見ると本当にすごい数ね……よく見ればあのタイラントとかって奴やハンターって奴もいるわ」

御坂「でもまっ、さすがにここまでは……」

ゴォッ

御坂「!? なっ……」バッ

食蜂「わっ!?」

ドゴォォォォォォ

御坂(ロケットランチャー……!! どこから、誰が……)

ミサカタイラント「……」チャキッ

御坂(あいつは……!! クソッ)

御坂「食蜂! スピードアップするわよ! 舌噛まないようにね!!」

食蜂「えっ……ちょっ、御坂さん!!?」

ゴオオッ

第10学区 研究所

ビーッ、ビーッ、ビーッ

研究員1「……!? 何だ!?」

研究員4「しっ、侵入者です!!」

研究員2「何者だ?」

研究員4「わ、わかりません……! 迎撃に当たった部隊からの連絡が途切れて……」

研究員3「全滅……? 馬鹿な」

研究員4「し、しかも……」

研究員3「何だ?」

研究員4「ウィルスのサンプルが……全て盗まれたようです」

研究員2「……何だと?」

研究員5「それだけじゃありません!!」

研究員2「一体なんなんだ!!」

研究員5「例の実験体……現在目標を追跡中の個体を除き、この研究所にある全てが殺害された模様……」

研究員1「馬鹿な……」

研究員2「…………!! すぐに捕えさせろ……何としても!!」

コツッ……コツッ……

部隊員1「止まれ!!」チャキッ

????「……」

部隊員2「こんな子供に全滅させられたってのか……?」

部隊員3「気を抜くな……妙な能力を持っているそうだ……。お前! その右手に持つケースを渡せ!!」

????「それはできないわね」

部隊員1「貴様……」

????「あなたたち……誰に向けて銃を向けているのかしら?」

部隊員3「お前、何を……」

????「私はあなたにとって、どういう存在かしら?」

部隊員2「……!」

????「今、あなたたちと私の距離単位は10……」

????「友人? 家族? 恋人? それ以上にもっと大切な存在のはずよ」

????「だから、あなたたちに私を攻撃することはできない」

部隊員2「……あ、あああ……」

????「大切な存在を自分の手で傷つけたくはないものね」

部隊員3「精神系能力者か……!」



心理定規「さて……研究者たちの所まで案内してくれるかしら?」

今回はここまで

心理定規はエイダポジション
今回は深く関わりませんが、続編があれば登場するかも?
まあまだ続編の予定はありませんが

次回の投下は明日になりそう。できれば今週中に終わらせたいです

アンカーショットあればもうエイダだなこりゃ

ダムネ見てリッカーが可愛く見えた私は疲れてるんだろうか

こんばんは
投下開始します

>>261
あのリッカー達いいですよね

ウィーン

研究員2「捕えたか……!」

心理定規「いいえ違うわ……」

チャキッ

研究員5「なっ」

研究員4「き、貴様ら、一体何を……!」

心理定規「彼らには私の能力で少し『協力』してもらっているの」

心理定規「私の合図ひとつで何だってするわよ? 変な気は起こさないことね」

研究員1「貴様、一体何が目的で……」

心理定規「当然、あなたたちの研究成果の回収よ」

心理定規「B.O.W.対能力者の戦闘データに、学園都市独自の研究が為されたウィルス、どちらも外部にとっては貴重らしいわ」

研究員2「外部組織の手先か……」

心理定規「私にとってはどうでもいいことだけれども。私は与えられた仕事をこなすだけだし」

心理定規「ウィルス製造工場を爆破したのも、タイラントから寄生虫を抜き出したのも、ただの仕事よ」

心理定規「ま、暗部にいたころとやってることは大差ないわね」

研究員3「このバイオハザードも貴様の仕業か……!!」

心理定規「おかげで大量のデータがとれたでしょう?」

心理定規「話はこのぐらいにしましょうか……データを渡してもらうわよ?」

第7学区 外れ

御坂妹「充電完了です」

一方通行「よし、問題ねェな。能力は使えるぜ」

上条「よし、行くか」タッ

一方通行「おい待て、どこへ行く気だ?」

上条「え? どこって……第10学区じゃ」

一方通行「空からの方が早い。……おい、その右手で絶対に触れンじゃねェぞ?」ガシッ

上条「え?」

御坂妹「!?」

ビュンッ

第10学区 研究所

御坂「さてと……さっそく中へ入って調べるわよ……食蜂?」

食蜂「……なにかしらぁ……」グデーン

御坂「あ……少し飛ばしすぎたかしら? 大丈夫?」

食蜂「……平気よぉ……」

御坂(全然平気じゃないわね)

食蜂「……」

食蜂「!」ピク

御坂「……少し休みましょうか」

食蜂「平気っていったでしょう? ……行きましょう」スタスタ

御坂「あ……ちょっと!」



御坂「どうしたのよ、急に」

食蜂「念話に反応があったわぁ……一人だけだけど。ここの研究者みたいねぇ」

御坂「……!」

食蜂「ここよ」

御坂「この中に、今回の事件の首謀者が……?」

食蜂「おそらくは……とにかく、早く入らないと……」

パァン!

御坂「! 銃声!? 部屋の中から……」

ウィーン

食蜂「……どうやら、一足遅かったみたいねぇ……」

御坂「そんな……自殺するなんて」

食蜂「……何かあるわぁ……メモと……」

研究員2のメモ 汚い文字で走り書きされている



結局我々は、初めからあの女の掌の上で踊らされていたという訳か。
せっかく集めたデータも持って行かれ、実験体クローンも全て殺されてしまった。
部隊も全滅、脱出用のヘリさえも持って行かれてしまった。

もうだめだ、直にこの研究所内にもゾンビが押し入ってくるだろう。

だが、一つだけ。一つだけ、あの女は失敗した。
あの女は我々が改良し、強化したT-ウィルスを持って行ったつもりだが、実はそうではない。
さらに改良を施したウィルスだけは、私がこの手で死守してやった。

だからといって私が助かるわけではない。そもそも私はもう死ぬつもりでいる。ゾンビになるなどまっぴらごめんだからな。

だが、この我々の研究成果を奴から守り抜いたという事実、それがあるだけで私は満足だ。

食蜂「これがそのウィルス……?」

御坂「実験体クローンが、殺された……? じゃあ、あの子たちは……」

御坂「ぐ……ッ」

御坂「こいつらは……本当に……ッ」

食蜂「……御坂さん」

御坂「……」

御坂(あの子たちがこうなったのは、誰のせい?)

御坂(研究者? メモにあった『あの女』? それとも……)

御坂(私はどうするべきなの? 私達を追ってきているあの子は……)

御坂「……」

御坂「決めたわ」

食蜂「え?」

御坂「あの子をどうするか」

御坂「食蜂、そのケース、持っていくわよ」

食蜂「……え、ええ」

御坂「この街で起こったこと……それを証明する証拠になるわ」

食蜂「……これから、どうするつもり?」

御坂「……あの子と決着をつける」

ウィーン

御坂「!」

食蜂「!」

一方通行「あン?」

御坂妹「おや……?」

上条「! お前らは……」

上条「お前らどうしてここへ……?」

御坂「ここが事件の原因だって突き止めてね……それでここへ来たのよ」

上条「そうか……俺たちもそうなんだ。まあ、何にせよ無事でよかったぜ」

御坂「ところで……アンタは無事だったのね」

御坂妹「? 無事というと……?」

一方通行「……」


御坂妹「そうですか……そんなことが」

一方通行「…………」

上条「御坂……お前はそれでいいのかよ!」ギリッ

御坂「ええ……彼女も、きっとそれを望んでいるはずよ」

御坂「せめて、安らかに眠らせてあげたいの」

上条「だからって……。一方通行はどう思うんだ?」

一方通行「オリジナルの決めたことだ……口をはさむつもりはねェよ」

御坂妹「ミサカも同意見です、とミサカは自分の意思を表明します」

上条「……」

上条「わかったよ、御坂、お前に任せる」

御坂「……ありがとう」

ズズン……

オオオオオオッ

御坂「……来たみたいね」



Mタイラント「ォオオオオオオオオッ」ズン



御坂「超電磁砲……」チャッ

御坂「一撃で……終わらせるわよ」ピーン

ドゴオオオオオオオオオッ

Mタイラント「オオッ」ズバァッ

食蜂「! ……こっちへ!?」

御坂(! 躱した……!? 違う、狙いは私じゃない……! 食蜂!?)

Mタイラント「オオオオ・・・・」メラ……

御坂「でも……」

Mタイラント「オオッ」メラメラ

Mタイラント「オオオーッ」ゴォオオオオッ

御坂「終わりのようね」

ゴォオオオオオオオオオ……

第3学区 民家

麦野「浜面、絹旗、起きろ」

浜面「ん……」

絹旗「……今何時ですか?」

麦野「夜の2時」

絹旗「ええっ!! 何で起こしたんですか!?」

麦野「悪いがのんびり寝てる状況じゃなくなったのよ」

麦野「さっきB.S.A.A.から緊急の連絡が入った」

麦野「任務の実行を早めるわ。やるのはウィルスの確保だけになるけど」

浜面「一体何だってそんな……」



麦野「今日の朝6時に、この街は核攻撃を受けるそうよ」

今回はここまで

大まかな流れは決めてあるけど、それ以外のところは大体ライブ感で書いてます
そのおかげでキャラを上手く動かせねえ……特に浜面組

次回投下はおそらく明日です
では

乙乙
因みに続編とか考えてる?

>>280
一応考えてはいます
今度はしっかり構想を練って書きたいですね
おそらくバイオキャラがメインになると思います

窓の無いビルは普通にある設定です
アレイ☆は……想像にお任せします

では投下開始します

浜面「かっ……核ってどういうことだよ!!」

麦野「どうやら事態は外にも知れ渡っているみたいね」

麦野「事態が収まらないと判断されたんだろうよ、生存者ごと街を焼き払うつもりらしいわね」

浜面「あと4時間……任務、やるのか?」

麦野「当然、やるわよ。まずはフレメアを外まで連れて行く」

絹旗「……わかりましたよ、とっととやっちゃいましょう」

麦野「おい浜面、運転は任せたわよ。超安全かつ超迅速に運転しなさい」

浜面「無茶言いやがるぜ……」

ブゥーン

ゾンビ共「オオオオオ」ゾロゾロ

浜面「やっべえ、ゾンビ共だ……!」

浜面「どうする……? 危険だがこのまま跳ね飛ばして……」

ビッ 

ゾンビ共「オオッ」ドドオッ

浜面「うおおっ!? 原子崩し!?」

麦野「浜面ぁー、アンタは気にせずまっすぐ進みなさい。近づくゾンビは全部薙ぎ払ってやるわ」

浜面「頼もしいねこりゃ……!!」

第11学区 外部都市との境界付近

麦野「あのトラックがそうね」

運転手「アイテムってのは君らかい?」

麦野「そうよ」

フレメア「スー……スー……」

麦野「じゃあ、任せたわよ」

運転手「ああ、任せな」コクリ

浜面「必ず戻ってくるからな、フレメア」

ブロロロロロ

滝壺「次は、第10学区だね」

浜面「あと……3時間半か。脱出用の時間も考えればあと2時間ってところか」

麦野「それじゃあ早速行くわよ」

第10学区 研究所

メラメラ……

御坂「……ごめんなさい……ごめんなさい」

食蜂「御坂さん……」

上条「……」

御坂妹「お姉様……」

一方通行「……」

上条「御坂、そろそろ……」

御坂「……そうね。ごめんなさい、もう大丈夫よ……行きましょう」

食蜂「これからどうするの?」

御坂「後は、脱出するだけなんだけど……黒子たちを探してからにしたいわね」

上条「あ、白井なら前に会ったぞ。お前を探してたみたいだったな」

御坂「そうなの? まあ、あの子なら大丈夫でしょうけど……」

一方通行「俺もクソガキ共を迎えに行かなきゃなァ……悪ィがこっからは別行動にさせてもらうぜ」

御坂妹「上位個体と番外個体になら第7学区の病院で遭遇しましたね」

一方通行「そうか……充電は十分だし、さっさと迎えに行ってこの街から脱出するとするか」

上条「……済まなかったな、ここまで付き合わせて」

一方通行「いいや……」

一方通行「じゃあ、俺はもう行くぜ」

一方通行「……生きろよ」

上条「……ああ」

一方通行(まずは打ち止めと番外個体。その次は黄泉川と芳川。……ガキ共は問題ねえ。問題なのは大人共だ)

一方通行(ガキ共に充電してもらって、制限時間は30分……)

一方通行(それまでに見つけ出して外まで運び出す)

一方通行(いいぜェ……やってやンよ……)

御坂「黒子とは、どこで会ったの?」

上条「たしか、第7学区だったかな。逃げ遅れた人たちを避難所まで送って行ってるみたいだったけど」

御坂「避難所……第22学区ね。分かったわ」

上条「俺も……」

御坂「駄目よ、アンタは食蜂と妹を連れて逃げなさい?」

御坂「アンタは……」

ズン

御坂「……え?」

上条「……アイツ……!」

Mタイラント「オアアアアアアアアッ」ゴォオオオオ

御坂妹「まだ……ッ、生きて……!」

Mタイラント「オオオッ」ビュッ

御坂(触手!? このくらい!)バリバリ

Mタイラント「オオオオッ」ビュッ ビュッ

御坂妹「ぐっ……!?」ガシッ

上条「御坂妹!」

御坂「この……私の妹を……離しなさい!!」

御坂妹「ぐ……かっ……」グググググ……

御坂「この……」グッ

御坂(!!? 電撃が……出ない!!?)

御坂(まさか……ここにきて……電池切れ!!?)

上条「くそ……ッ、離せよ!!」パンッパンッ

Mタイラント「……ッ」ググッ

御坂妹「あ……お……お姉様」




御坂「やめて……お願いだから……」

御坂「お願いだから……」

御坂「やめ……」

グサッ


上条「……ああ……!」

御坂「あ、あああ……」

食蜂「あ……」

御坂妹「……」プラーン

Mタイラント「……」ポイッ

ドサッ

御坂「ああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ」

Mタイラント「……」ビュッ

上条「!! 御坂……!」

上条「危ねえッ!!」

ズバァッ

御坂「あああああッ」ドバァッ

食蜂「御坂さん……!」

食蜂(み……右腕が……!!)

御坂「はぁ……はぁ……」

上条「クッソォ……!!」

上条(また……まただ)

上条(俺はまた、何もできないのか?)

上条(俺はまた……!)

食蜂「ど、どうすれば……」

Mタイラント「オオオッ」ズン

上条「くそっ! おい! 御坂の腕頼む……! 逃げるぞ!」

御坂「……だめよ……置いて行って」

上条「ふざけたこと言ってんじゃねえ! 絶対に置いて行ったりしねえぞ……!」

ダダッ

御坂「……」

上条「どうするか……!」

食蜂「! 追ってくるわぁ……!!」

Mタイラント「オオオッ」ズン……

御坂「……ここの地下に……処理場があったの……」

上条「……御坂?」

御坂「こんな研究所だもの……失敗した兵器なんかを処理するところや、ウィルス対策に滅菌室があるみたい」

御坂「そこなら、もしかしたら……」

上条「……それに賭けるしかねえな。場所は……」

御坂「……そのまま真っ直ぐよ……ぐっ」

上条「御坂! ……急ぐぞ!」

食蜂「ええ……!」

処理場

上条「はぁーっ、はぁーっ」

上条「ここか……」

≪処理用薬剤 危険ですので触らないようにしてください≫

上条「このタンクか……アイツを近づけて、銃弾で穴をあけて薬剤をかける……」

上条「俺がやるけど……いいか?」

御坂「お願い……彼女を楽にしてあげて……」

上条「……ああ」

上条「危険だから離れててくれ」

Mタイラント「オオオオオオッ」

上条「……来たな……」

Mタイラント「オオオオオオ」ズンッ

上条「……」

Mタイラント「オオオオオ」ズン

上条「俺じゃあ助けてやれなかった」

上条「……ゴメンな……」パンッ

ドバアッ

Mタイラント「!!? オアアアアッ」ジュゥーーーー

Mタイラント「オオオオ」ジュゥー

上条「終わった……のか?」

Mタイラント「オオオオオオオッ」ジュゥーー

ボコッ

食蜂「え?」

Mタイラント「オオオオオオオオオオオオオオオオオオッ」ボコボコボコ

ズリュッ

Mタイラント「オオオオオオオオオ」ズズーン……

※地の文なしだとわかりづらいですが、ネメシス第3形態のような姿に変形したと想像してください



上条「う……嘘だろ?」

食蜂「こ、こんなの……人間の原型を留めてないじゃない……」

御坂「うう……っ、そん、な……」

上条「まずい、逃げ場が……」

御坂(あれでも駄目なの……? どうすれば)

御坂(せめて……せめて私が動ければ……)

御坂(何か……何か方法は……)

コロッ

御坂「あ……」

御坂「……これは」

御坂(あの研究者が持ってた、強化型とかいうウィルス……)

御坂(確か……私は完全適合者とかいうのだったわね……)

御坂(完全適合者って、どういうこと……?)

御坂(私は、ゾンビにならない? それとも、妹達みたいに、タイラントとかって奴みたいに……?)

御坂(あのタイラントってのには、少しは知能があった……)

御坂(……)

御坂(出血が酷いわ、意識も朦朧としてきた……)

御坂(迷ってる暇は無い……私にはまだやるべきことがある)

御坂(やるしかない)

スッ

食蜂「……御坂さん?」

上条「おい、御坂?」

御坂「二人とも……ここは私に任せて」

Mタイラント「オオオオオオッ」ズズン

御坂(やってやるわ……私はこのウィルスを、)

食蜂「御坂さん!? それは……!!」

御坂(支配してみせる!)ドスッ

今日はここまで

おそらく、次回投下が最終回になりそうです

終盤の方が駆け足気味でしたが、どうにか終われそうです

投下は、明日の夜になると思います
では

ピア―――――――ズ!!!!!

なんとか最後まで書き切りました
それでは最終回、投下開始します

>>315
わかりやすかったですよね、最後の展開は6のクリス編の最後の場面を見て思いつきました

第22学区

佐天「ど、どうしよう……もう逃げ場が」

ゾンビ共「ウウウ……」ゾロゾロ

初春「こ……来ないでください……」

佐天「い、いや……」

??「こっちです!!」

初春「!?」

佐天「こ、この声は……!」

黒子「お二人とも、早く!」

初春「白井さん!!」

黒子「ここから脱出します!!」

佐天「た、助かった……!」

黒子「このままこの学区を抜けますわよ!」ヒュッ

第7学区 病院

ゾンビ1「ウウウー」ガジガジ

カエル医者「き……君たちはこのワクチンを持って早くここから脱出を……」

打ち止め「先生っ!!」

番外個体「クソッ! 離れろっ!!」バリバリ

ゾンビ1「アアー」バタン

ゾンビ2「アー」ノソノソ

ゾンビ3「ウー」ノソノソ

ハンター「シャーッ」バッ

カエル医者「ぐあああっ……」

カエル医者「き、……君たちは、生き延びるんだよ?」

バリバリ ムシャムシャ

番外個体「限界だね……逃げるよ、最終信号」

打ち止め「でもでもっ、先生が!!」

番外個体「もう手遅れだよッ!! このままじゃミサカたちも……」

ドゴォッ

番外個体「!? 今度は何なのさ!」

一方通行「オマエら、無事か!」

番外個体「あ、一方通行!?」

一方通行「すまねェ、遅れちまった……」

打ち止め「本当に、遅いよ……」

番外個体「……」

一方通行「! これは……」

一方通行「……そうか」

一方通行「……すまねェ……」

学園都市外

番外個体「ハイ……充電は終わったよ」

一方通行「あァ……おれはもう一度中へ戻る」

番外個体「本当に、一人で?」

一方通行「……黄泉川と芳川を助けねェとな……安心しな、すぐに戻る」

打ち止め「無事で……絶対無事で帰ってきてねってミサカはミサカはあなたにお願いしてみる」

一方通行「帰ってくるさ……必ず」

第10学区 研究所 地下処理場

カランッ

御坂「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

上条「御坂!? 何をしたんだよ!?」

食蜂「御坂さん……まさかウィルスを……!?」

御坂(ウィルスが……私の体の中を血に乗って駆け巡っているのがわかる)

御坂(そして……このウィルスを『支配できる』という自信と直感がある)

御坂(疲れが癒えて……力が……溢れてくる)

ズボォッ

上条「!! 腕が……生え……ッ」

御坂「結局……私もあなたと同じ正真正銘の化け物になってしまったわね……」バチバチバチ

御坂「今度こそ……本当におしまいよ」バチバチバチバチ

ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン

Mタイラント「オオオオオオオオオアアアアアアアア」ジュゥーーーー

御坂「…………終わったわ」

ズーン ドロドロドロ……

上条「御坂……お前」

ゴゴゴゴゴゴゴッ

上条「マズイ! いまの電撃で施設が……崩れるぞ! 脱出を……」

ガラガラガラ…… ドドーーン……





上条「う……?」パラパラ

上条「どうなって……」

御坂「大丈夫?」バチッ

上条「御坂……お前が守ってくれたのか」

食蜂「いたたぁ……」

上条「よし、後は白井たちを探して脱出するだけだな」

御坂「……ごめんなさい」

上条「? 何を言って」

御坂「私、一緒には行けないわ」

御坂「あなた達は先に脱出して」

御坂「黒子たちは私が探し出して脱出させるわ」

食蜂「御坂さんは、どうするの……?」

御坂「私もちゃんと脱出するわよ……だから安心して」

ブロロロロロ……

上条「! トラック?」

浜面「あれ? 大将じゃねーか! 何でこんなところに……」

上条「浜面?」

浜面「ん?」

御坂「……」

浜面「げっ、ばっ、化け物……!?」ギョッ

麦野「超電磁砲……?」

御坂「アンタたちは……」

絹旗「っていうか建物が超崩れてるんですけど!」

滝壺「すごいね」

麦野「……そんなコトがねぇ……」

絹旗「はぁー……結局骨折り損のくたびれもうけって訳ですか……」

麦野「まっ、それじゃ仕方がないわね……あと2時間半か……あとは脱出するだけね」

上条「2時間半?」

浜面「6時にこの学園都市に核が撃ち込まれるんだとよ」

上条「なっ……」

食蜂「そんな……」

麦野「そういうことだから、早くしましょ。乗せていくわ」

御坂「……私は遠慮するわ……」

御坂「その話を聞いたら、なおさら黒子たちを放ってはおけない」

御坂「だから……私、行くわね」

御坂「……この二人の事、頼んだわよ」

麦野「……」

御坂「……」

麦野「ああ、任せな」

上条「おい……御坂!」

食蜂「御坂さん!!」

上条「お前も……お前も来るんだよ!! お前も……」

麦野「浜面、無理矢理でも荷台に乗せなさい」

浜面「……いいのか?」

麦野「…………いいのよ」

上条「御坂!!!」

食蜂「御坂さん!!!」

御坂「それじゃあ……」

御坂「さようなら」バッ






御坂は…………『また会おう』とは言わなかった







その後の話をしようと思う

結論から言うと、俺たちも、一方通行たちも、御坂の友達も、無事に脱出することができた

友達を助けた後、一方通行や黄泉川先生までも助けだしたそうだ

ただ、御坂のその後について、一方通行は何も言わなかった
「アイツは生きている」と、それだけを口にしたのみだった

学園都市には、浜面達の言った通り6時きっちりに核が撃ち込まれ、学園都市は、『一部』を除き地図から消え去った
その後、日本中で多くの批判が起こったのだが、それはまた別の話

公式の発表によると、生存者はわずか3万人にも満たないそうだ

そして俺は、浜面達がヨーロッパのB.S.A.A.という組織の所に出向くというので、無理を言って同行することにした





ある、一つの決意を胸に秘めて

ヨーロッパ B.S.A.A. 本部

クリス「そうか……」

麦野「結局、ウィルスの回収はできなかったわ……ごめんなさい」

クリス「君たちが謝る必要はない。むしろ、君たちを危険な目にあわせたこちら側が謝るべきだ」

クリス「……すまない」

ジル「本当に、本当にごめんなさい……」

浜面「……」

上条「……」

上条・浜面「あの!!」

クリス「……? 何だ?」

上条「? 浜面も何かあるのか?」

浜面「い、いや……大将から言ってくれ」

上条「あの……えっと」

上条「ここは、世界中のバイオテロを取り締まるための組織なんですよね?」

クリス「……そうだ」

上条「俺を……この組織に、B.S.A.A.に入れてくれませんか」

浜面「お……俺も!」

浜面「俺も、入れてください……!」

麦野「……!」

上条「結局、俺は何もできなかった……誰一人、救ってやれなかった」

上条「だから……二度とこんなことにはなりたくない、だから……」

上条「お願いします……!」

浜面「俺は……俺は、そんな立派な動機じゃあない……」

浜面「けど、今回の事で、俺にも何かできることはないかって、そう思って……」

滝壺「はまづら……」

クリス「……いいのか? 相手はバイオテロという強大な敵だ。当然、死ぬ可能性だってある。それでも……」

浜面「やります……!」

上条「やらせてください……!!」

ジル「クリス、どうするの……?」

クリス「……決まっている、俺たちB.S.A.A.は人種・性別・経歴を問わない」

クリス「必要なのは、戦う意志、それだけさ」

クリス「とはいえ、君たちはまだ高校生。経歴がない分、厳しい訓練が待っている」

クリス「それでいいなら……歓迎しよう」

上条・浜面「ありがとうございます!!」



あれから……御坂は俺たちに姿を見せていない

最後に見たのは一方通行。その一方通行も、何があったのかは話そうとしない

それなら……おれがこの手で、見つけ出して……



必ずお前を迎えに行くぞ……御坂

アメリカ合衆国

TRRRRRRRRR

???「……!」ピッ

????『もしもし、私よ』

???「久しぶりだな……あの事件以来か? ハニガン」

ハニガン『そうね……レオン』

レオン「で? 俺に連絡をしてきたってことは、また何かあったのか?」

ハニガン『今回はそういうのじゃないわ……。レオン、あなたにお客さんよ』

レオン「客……?」

ハニガン『どうやって調べたのか分からないけど……バイオテロに関して、あなたに話があると、日本人の少年が私を通じて連絡してきたの』

レオン「日本人の少年? そんな奴がどうしてまた」

ハニガン『それが、よくわからないの。見た目も名前もなんだか日本人離れしてるし』

ハニガン『確か……一方通行、と名乗っていたわ』

レオン「一方通行……?」

※ここからほんのちょとだけ地の文入ります



某国 とある小さな集落

砂が吹き荒れるその集落の民家の上に、多くの異形の化け物がひしめいていた。
『ナパドゥ』と呼ばれるゴリラのような異形の化け物の群れは、眼下に立つ二つの影に目を向けている。

一つの影は、男。
コートを身に纏い、顔はフードとサングラスによって隠れている。
左頬に小さな傷があり、右手には銃を、左手には一個のリンゴを持っている。

もう一つの影は、少女。
こちらは全身にあまり綺麗とは言えない布を纏い、男と同じく顔を隠している。

二人は仲間ではない。偶然、この地で遭遇し、偶然化け物の群れに囲まれたのである。
もっとも、男の方は始めからこの化け物が目当てであったし、二人とも今はこの化け物を退けるべく立っているのだが。

????「お嬢さん……ここは危険だから下がっていた方がいいぜ?」シャク

リンゴをかじりながら、男は銃をナパドゥに向けて構えつつそう言う

??「アンタこそ……そんな銃で奴らに太刀打ちできるとでも思っているの?」

少女は全身から紫電を発しつつ、答える

そんな二人の様子からは、余裕さえ感じられる

????「思っているさ。それに、俺の武器はこの銃だけじゃねーぜ?」バッ

??「ふん……」バチバチ

二人はほぼ同時に駆け出し……

ナパドゥ共「オオオオオッ」バッ

それと同時にナパドゥの群れも、二人を殺さんと、跳躍し、腕を振り上げ……





??「驚いたわ。まさか素手であいつらをやっつけるなんてね」

????「お嬢さんこそ……まさか電気を使うとは思わなかったな。どっかのスーパーガールもびっくりだぜ」シャク

??「……? ていうか何でリンゴなんか食べてるのよ」

????「報酬だよ、報酬。B.O.W.一体につき一個。そんなにないなら一個だけで良し」

????「それが俺が依頼を受ける条件」

??「リンゴ一個で化け物と戦う傭兵なんて初めて聞いたわ」

????「金なら充分あるしな」

??「ところで……もう気づいてるんでしょ?」

????「その体の事か?」

??「そうよ……殺さないの? 私もあの化け物と一緒よ」

????「別に……仮にお前が襲ってきたとしても俺は負けねーしな」

??「凄い自信ね」

????「……お前、自分が化け物だーって悲観して世界中フラフラしてんのか?」

??「そうよ……悪い?」

????「いいや……つーかお前、別に化け物って訳でもねえだろ」

????「俺の知り合いにお前みたいにウィルス体内に植え付けられた奴がいるけど、普通に合衆国でエージェントやってるぜ?」

??「そうかもしれないけど……やっぱり不安なのよ」

??「仮に放浪を辞める時が来るとしたら、それは体内からウィルスが消え去った時だけね」

??「この前ちょっと興味本位で体内のウィルスを活性化してみたら、とんでもなくグロテスクな化け物になったもの、自分でも気味が悪いわ」

??「元に戻せたから良かったものの……いつ暴走するかわからないしね」

????「ふーん……ま、せいぜい頑張りな」

??「そういや名前、聞いてなかったわね」

????「? そうだったか」

????「俺はジェイク」

ジェイク「ジェイク・ミューラーだ」

??「ジェイク……」

??「……私は御坂」

御坂「御坂美琴よ」






END




くぅ疲

なんとか完結
応援してくれた方々、ありがとうございました

バイオっぽい雰囲気が出せたかどうかはわかりません
一応次回作も考えてはいますが、いつになるかはわかりません
禁書色は薄め、バイオキャラメインになると思います

他にも別のクロスもので書くかもしれませんので、もし見かけたら、応援よろしくお願いします

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