モバP「ラッキースケベ?」(511)


ゆっくり更新、初SS

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369637309


時が止まった。

モバPの顔は真っ赤に染まり、頭の中は真っ白に染まった。

先ほどまで考えていたことなど全て吹っ飛び、今はただただ止まった時が動き出すことを待っていた。

そんな止まった時の中で心臓だけは悲鳴を上げ、バクバクと体に鼓動を響かせるのであった。


どうしてこうなったのか、原因は複数ある。

まず昼食後にベルトを弛めたこと、スラックスのウエストの留め金を外していたこと、チャックが弛かったこと。

そして直接の原因はやはり、彼の足下でこちらを見上げて、やってしまった、というような気まずそうな顔をしている少女、結城晴。

彼女が靴紐につまずいて転んだ拍子に、彼のスラックスのウエストをベルトごと豪快に掴んだことであろう。


そう、結果だけ言えばモバPは、彼は事務所でパンツ(トランクス)をさらけ出していたのであった。

アイドル事務所で、昼間から、しかもまだ事務所内にアイドルが複数いる状況でだ。

このような恥辱に堪えられる人間がいるだろうか。いや、いない。


最近プロダクションに入ったばかりの結城晴という少女は、まだアイドルという仕事にも他のアイドル達にも、プロデューサーであるモバPにもあまり馴れた様子ではなかった。

どこでだって新人は大抵そうだ。だからモバPは打ち解けるために、積極的にコミュニケーションをとっていた。

今日もレッスンが終わり事務所に帰ってきた晴に、自分から歩み寄り話しかけようとした。

そしてこのざまである。哀れ、いつの時代でも不幸はいつ襲ってくるかわからないものだ。


そんな辛く長い止まった時が再び動き出したのは、まったくの第三者による、突拍子もない行動によるものだった。

カシャッ

静寂に響きわたるシャッター音。
モバPの後ろのソファ

売れっ子アイドルトリオ、トライアドプリムスの一人でありプロダクションきっての大物、渋谷凜であった。



凛「うへへ」

少しばかり頬を赤く染め口元を緩め、あまつさえ涎を垂らしながら、彼女はスマホでモバPの写真を撮っていた。

その様はまさに変態。

彼女の両隣にいた同じくトライアドプリムスの加蓮と奈緒は、彼女の行動にいつものことだと思いながらどこか遠い目をしていた。


ヤバい。

モバPの動き出したの脳が、直感が彼に告げた。
ヤバいと。
そこからはスムーズで無駄のない行動であった。
素早くスラックスを履き、チャックを上げ、留め金をし、ベルトをおもいっきりきつく締め、晴を起こして、やさしく声をかけた

モバP「大丈夫だったか?」


晴「いや、その、わりー」

モバP「ん?気にすんな、お前の方こそ怪我はないか?」

晴「あぁ、大丈夫だけどよ」

モバP「ほら、靴紐ちゃんと結ばないから転ぶんだぞ」

晴「あ、わりー」

罪悪感からか、少しばかりしょげている彼女の靴紐を結ぶ。

モバP「気にすんな、失敗を重ねて子供は大人になるんだよ」

そういうと彼女の肩をポンッと叩き、微笑みかけた。


モバP「今日はもう何も無いだろ?まだ元気か?」

晴「レッスン軽かったし、まだまだ余裕だぜ」

モバP「うっし、後でサッカーの練習しようぜ」
途端に表情が明るくなる彼女を見て、モバPは内心、うまくいったなと安堵していた。

晴「オレも誘おうと思ってたんだ!」

モバP「お、奇遇だなぁ……んじゃ、少し待ってろすぐ行く」

そういってポケットからコーラ味の風船ガム取り出し、彼女に渡すと今度はクルッと後ろを向いて凛に微笑みかけた。


思わず胸が高鳴る凛

モバP「おい、凛」

…あっ、もしかして…告白かな?
まったくもって見当はずれのことを考える彼女の脳内は、もはや恋に毒されたお花畑であった。

凛「何?プロデューサー」

彼女自身は平静を保っているように見せているが、端から見ればバレバレである。
そんな彼女に無慈悲な一言が突き刺さる。

モバP「写真、消そうか」


凛「……何のこと?」

眉間に皺を寄せて何も知らないという表情で白を切る、しかしモバPにはバレバレというか、事務所にいる誰もがわかっていた。

モバPはため息を吐き、呆れた表情をし、凛の隣にいた加蓮と奈緒に目を向ける。
二人ともいつものことだよという目を彼に向けた。

そうすると彼はまたため息を吐き、凛の手をとり給湯室に移動した。


少しすると、二人して乱れた格好で出てきた。

モバPはゲッソリした表情で、凛にいたってはうっとりとした表情をしており、何も知らない人なら勘違いさせかねない状況であったが、周りはいつものじゃれ合いだと気にした様子もなく、皆いつもの日常に戻り始めた。

凛はその日一日ずっとニマニマしていた。


今日はここまで

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結城晴(12)

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渋谷凛(15)

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神谷奈緒(17)

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北条加蓮(16)


モバP→Pへ統一

明日投下する


事務所の中心で男がパンツを晒した次の日。

今日も仕事が一段落ついたのを機に晴とPはサッカーをしていた。
といっても二人しかおらず、時間も限られているのでパス練習などしかできないのだが、それでも晴は満足そうであった。

サッカーへの感情と同じような感情がアイドルへも向いてくれればな、とPは思うが何も言わず晴に付き合った。

晴「やっぱサッカーしてる方が楽しいな」

ロングパスを出しながら彼女は笑顔で言った。

P「アイドルは楽しくないのか、なっと」

パスを胸で受け、パスを止めボールを足にキープして彼は聞く。

P「レッスン、楽しそうに受けてたじゃないか」

晴「なっ、覗き見かよ。悪趣味だな」

P「ま、お前のプロデューサーだからな、様子は気になるもんさ」

少しムッとしてる彼女に彼は再びパスを出した。

晴「別に。いつも、はやく終わんねーかなーって思ってるぐらいだ」


パスを受け止め、足下にあるボールを拾うと、彼女は近くのベンチへ歩き出した。
後を追うように彼も歩きつつ考えを聞き出す。

P「まだ、アイドルになる気はねー、か?」

晴「アイドルに興味ねぇしな、レッスンだってしょうがなく受けてるだけだ」

二人してベンチに並んで腰掛ける。
本人が乗り気でないのならアイドルはうまくいかないだろうとPは思う。
だが彼は結城晴という少女にティンとくるものがあった。
だからここで諦めるわけにはいかなかった。


レッスンに関しては割と嫌そうな感じではなかった。
うまくいけば彼女も乗ってくれるだろうが。
それをどうするか……。
腕がなるな。

真っ赤な夕日に照らされる中、Pは一人、心を高ぶらせていた。

その後、二人はしばらくイカとかタコみたいに足がいっぱいあったら最強だの、キャプ翼なみに手足長くなればモテるだの、他愛のない話をしていたが、時間がきたので今日はお開きにして事務所へ帰ることにした。


事務所に着いてからPはちひろに事務的に話しかけた。

P「連絡とかありました?」

ちひろ「何もないですね」

P「そうですか。じゃあ着替え次第に晴を送っていきますので」

ちひろ「はい、わかりました」

用件が終わると、ソファに座っていた晴に待っているように声をかけて彼は部屋から出た。

ちひろからため息が漏れる。


彼は仕事をキッチリこなすし、アイドル達との交流を大切にするスタンスも別に文句は無い。

ただ、同じ会社の社員同士であるし、一年以上一緒に仕事しているのに味気のない会話ばかりしているのも、恋愛感情があるわけでは無いにしても彼女には心にくるものがあった。

ちひろ「気にしすぎかしら」

凛「何が?」

ちひろ「ひゃっ!」

いつの間にか真後ろに立っていた凛に驚く。

ちひろ「お、お帰りなさい。凛ちゃん」

凛「うん、ただいま。ちひろさん。」

ちひろ「加蓮ちゃんと奈緒ちゃんは一緒じゃないの?」


たしか彼女達はライブのリハーサルだったはずだとホワイトボードをちらりと見る。

凛「うん、加蓮も奈緒も直帰だよ。私はプロデューサーの顔が見たくて」

ちひろ「そ、そう……」

凛「で、どうかしたの?」

まずい、凛ちゃんに、プロデューサーさんと親しく会話ができなくて寂しいの~、なんて言った日には明日の朝日は拝めない。

彼女は瞬時にそう判断し、適当にはぐらかすことにした。


ちひろ「ちょっと目眩がしただけだから、凛ちゃんは気にしないでいいのよ?」

凛「そう、……でも無理はダメだよちひろさん。体は大切にね?」

ちひろ「うんうん、ありがとね凛ちゃん」

やっぱりいい子だなぁ、プロデューサーが関わらなければ、と彼女は改めて思った。


晴「なー、空気入れ知らないか?」

ちひろ「へ?」

不意に晴に声をかけられ、思わず素っ頓狂な返事をしてしまう。

凛「空気入れってボール用の?」

ちひろ「あー、この間プロデューサーさんが使ってたわね。たしか資料室に……」

晴「資料室?」

凛「ちょっとわかりにくい場所にあるかな、案内するよ」


部屋から二人が出て行く、その時になってちひろはあることを思い出す。
ちひろ「あっ!凛ちゃん待っ」

プルルル、プルルル

タイミング悪く事務所の電話が鳴る。
鉢合わせしなければいいけど……。
受話器を持ち上げながら、彼女は不安をつのらせた。


あまり人が通らない廊下の端にあるプレートも鍵もない部屋。
そこが資料室である。倉庫も兼用しているため、中はあまり広くなく、出入りする人物もPとちひろぐらいである。

凛「たしかここだよ。」

晴「なんか、埃くせーな」

そういって晴は扉を開ける。
扉を開けた先は……パンツ一枚のPであった。


P「え」

晴「あ」

凛「YES!」


凛の行動は素早かった。思わず扉を閉めようとする晴を制して、スマホで写真を撮りだす。

P「おい、ちょっ、凛!」

凛「うん…プロデューサー、いい体してるね…ふふっ」

P「くっ……」

もはや手遅れっ!圧倒的変態!

Pは考える。
今更扉を閉めようにも拒まれるであろうし、写真を撮るのも止めないだろう。

しかも最近ではスマホを取り上げて写真を消そうとしようものなら、わざと体を密着させたり、スカートのポケットにスマホを入れて無理矢理スカートの中に手を導いたりする始末。


彼はここはさっさと着替えるのが得策だという結論を出し、ボディシートで汗を拭き、制汗スプレーをかけてスーツを着る。

ネクタイを締める頃には扉は閉まっていた。ゆっくり扉を開けると扉横の壁に寄りかかる晴だけで、凛はいなくなっていた。

P「……凛は?」

晴「さぁ、走りだそうっていってどっか行った」

追いかけて写真を消すように頼めば、恐らく昨日の給湯室のように迫ってくるだろう。

彼はもう面倒なので無視を決め込むことにした。


晴「なー、ボールの空気入れ貸してくれよ」

P「あ?あぁ、そういえば空気あんま入ってなかったな」

そういうと彼はロッカーから空気入れを取り出す。

P「すまんすまん、今度からは事務机の上に置いとくから、好きに使え」

Pは空気入れを晴に渡すと、再びロッカーに向かいトレーナーシューズから革靴に履き替える。

晴「いつもここで着替えてんのか?」

P「まぁな、男用の更衣室無いし」

ロッカーを閉めると部屋の電気を消して扉を閉める。


P「悪かったな、裸なんて見苦しいもん見せて、俺のミスだ」

晴「男ばっかの家族だから馴れてる」

馴れていいものなのか。まだ12歳というより、もう12歳なのだから年頃の女の子らしさをだして欲しいとPは思うが何も言わなかった。

晴「それにしても、アイドルって変なのばっかなのか?」

P「いや!そんなことはないぞ!」

あわてて切り返すP、ただでさえ彼女はアイドルに興味ないのに変な先入観をもたれるのは避けたかった。


P「さっきの凛だって、ステージに立てばすごいんだからな」

晴「アレがかよ?」

P「おう、うちのプロダクションは個性は強いが、かわいいのからかっこいいアイドルまで揃い踏みだからな」

晴「え、カッコイイアイドルとかもアリなのか?」

P「ん?」

プロデューサーたるもの、わずかな反応をも見逃さない。
もしかして、とPは思う。

P「あぁ、アイドルったっていろいろあるからな。おもしろいい奴からかわいい奴、もちろんかっこいい奴も、な」

晴「へー…アイドルも色々いるんだな」

彼女の反応を見て確信した、イケる、と。

その後、彼女を車で家に送る途中、彼はずっとアイドルに対して興味を持たせるための作戦を考えていたのであった。

Pに無視された凛は、彼が事務所に帰ってきて、頭をなでなでしてくるまでずっとションボリしていた。


今日はここまで


番外編書きました。
がんばりました。



よく晴れたある日の午後、日野茜のランニングに付き合って汗をかいたPが資料室のドアを開ける。

そんな彼を物陰から見つめる処女が一人。

「へへへ」

スーツに着替えたPが部屋を去ると、辺りを見回し素早く部屋に入る。

狙うは汗が染み着いているであろうスポーツウェア。


恐らくぶつが入っているであろう古そうなロッカーの取っ手に手をかける。

細い指先に力をこめてロッカーの取っ手を引く。その手はわずかに震えていた。

ガチャン

音ともにロッカーがわずかに開く。
彼女の胸は高鳴っていた。

早く匂いをかぎたい!

思わずニヤケてしまうのを抑え、大事な大事な宝箱を開けるようにロッカーを開いていく。


期待に胸を躍らせ、半分ほどロッカーを開いたとき、沸き上がる衝動と高ぶる気持ちが抑えきれず、彼女は思いっきりロッカーのドアを全開にした。

そして彼女の目に映ったものは……

「なっ!」

予期せぬ事態に驚きを隠しきれない彼女。
そこには制汗剤やボディシート、資料が入ったバインダーなどがあるのみ、お目当ての物はなかったのだ。

たしかに、下の方には何かを入れていたであろう手提げ袋はある。
しかし肝心の中身は空であった。

Pが出てから部屋に入った人物は自身をおいて他にはいない。

彼女は瞬時に考えを巡らせる。

恐らくPが帰ってくるまで部屋に隠れていて、なおかつ自身と同じ目的を持つであろう人物。
知っているだけでも数人いる。

彼女が思い浮かべた人たちの中の一人である人物はあっさりと姿を現した。

「ジャ~ジャッジャッ、ジャッ、ジャ~ン」

恐らく名探偵コナンのBGM、対決のテーマであろう曲を口ずさみながら、物影からゆっくりと出てくる人物。


「残念だったね、美嘉」
その人物に名前を呼ばれた少女はゆっくりと振り返る。

美嘉「やっほ★凛」

凛「……やっほ、美嘉」
物影から出てきたのはPのスポーツウェアを着た凛であった。

凛「お目当ての物は見つかった?」

美嘉「な、なんのこと!?」

凛「コレ、欲しかったんでしょ?」

明らかに動揺する美嘉に、着ているスポーツウェアの裾を引っ張って聞く。


美嘉「ア、アハハ、じょ、冗談キツイな~凛は」

凛「…大丈夫。ジャケットの匂いをかいでうっとりしてたのを見てたけど、素質あるよ…」

素質というのは恐らく変態のであろう。
美嘉はまったくうれしくなかった。
そんなことより、行為を見られていたことが恥ずかしかった。

凛「コソコソ隠れるより、一線越えて素直になれば楽だよ?」

凛はあっけらかんと言うが、それがどれだけ難しいことか。

静寂と重苦しい空気の中、美嘉はゆっくりと口を開く。

美嘉「ア、アタシは」

そんな時、不意に部屋の扉が開いた。


P「なにやってんだ?お前ら……」

美嘉「あ」

凛「……プロデューサー」

あぁ、やっぱりそれは違う。Pの顔を見た瞬間、彼女はそう思った。
自分の欲望を素直にさらけ出してしまったら、この大切な恋心、淡い思いが台無しになってしまう気がしたのだ。

だから、今まで通りに、バレないように隠れて匂いをかごう。


美嘉「へへっ、なんでもないよ~!プロデューサー★」

P「え?いや、でもお前らこんな所で……」

美嘉「ほら、アタシ仕事あるからそろそろ行くね!」

そういって部屋を出ていく彼女の顔は、どこか晴れやかであった。

美嘉「あ、凛!あんまりプロデューサーに迷惑かけちゃダメだからね!」

最後にそう言い残すと、Pにウインクして扉を閉めた。


P「なぁ、なんかあったのか?」

凛「勧誘失敗ってとこかな……」

P「……深くは聞かないでおく」

そういうとPはロッカーまで歩み寄る。

P「てか、なんで俺の服着てんだよ」

凛「この後仕事ないし、着て帰るよ」

ロッカーを開けてバインダーを手に取る

P「ダメに決まってんだろ早く脱げ」

そこまで言って、ハッとする。
自分はあの、そう、あの凛と一緒に部屋にいるということを……。
彼が逃げだそうと扉の方を向いたときにはもう遅かった。
いつの間にか扉の前に陣取るように立っていた凛は、全裸だった。

P「服を着ろぉお!!」


正確には靴下と靴は履いていた。
胸と恥部を両手で隠しながら、顔を赤らめて下を向く彼女に彼は必然的に勃起した。

凛「ん、…さ、流石にちょっと恥ずかしいかな…」

P「だったら服着ろよ!」

背を向けて抗議する。前屈みなのが情けない。

P「そ、そのうち、ちひろさんか誰かが心配して見に来るぞ!」

凛「…み、見せつければ…いいよ」

そういいながら背中に抱きついてくる彼女に彼の理性はギリギリだった。

P「頼むから!離してくれぇぇえええ!!」


バタン!

ズボンの膨らみに細く美しい指が触れるまさにその時、壊さんばかりの勢いで部屋の扉が開かれた。

そう、彼は救われたのだ。

美嘉「えっ、なっ!?なっ~!?」

凛「……まだ仕事行ってなかったんだね」

……Pの叫び声が聞こえたから飛んできたらこれである。
美嘉の顔は真っ赤だった。

この後騒ぎを聞きつけたちひろが来て二人掛かりでPから凛を引っ剥がし事態は終息した。

その後、凛はちひろに説教された。

あまり反省していなかった彼女だが、Pがボソリと

P「(明日はランニングに付き合うの)やめようかな」

と言った際に、彼がプロダクション辞めると勘違いしてしまい、しばらく謝りながら大泣きした。

その後、泣き疲れて寝た彼女がPにしがみついて離れなかったので、彼は膝に抱えて事務仕事をした。


ちなみに、翌日。
オフなのにわざわざ事務所に来て、一日中Pの後ろをちょこちょこ付いて回る凛がいたとかいないとか。

凛が変なことをしないか心配でソワソワしてた事務員がいたとかいないとか。

Pのお茶を貰って間接キスだと気がつき赤面する美嘉がいたとかいないとか。

まぁ、些細な話である。

番外編、完


今日はここまで

いつの間にかフレッシュアイドルはるちんSSが変態凛SSになっていた

泣きそうである


間違えて書きため消しちゃった……
次の投下まで、まだかかりそうです。ごめんなさい。

あと、画像張ってくれている方、どうもありがとうございます。


晴を家に送ってから、Pはずっと考えていた。
彼女にアイドルへの興味をもたせるには、どうすればいいのかを。

そんな彼にとって資料室前での会話はだいぶヒントになった。

彼女は、かっこいい、という言葉に反応していた。
かわいいアイドルに興味がなくても、かっこいいアイドルなら興味があるのかもしれない。

いや、間違いなくある。彼は確信していた。

事務所に帰ってからアイドル達のスケジュールを確認する。

かっこいいアイドル、やはり実物を見せるのが一番だろう。
そのアイドルの仕事を現場で見せるのだ。

さて、晴のお眼鏡に叶うアイドルはいるだろうか。

その前に部屋の端でションボリしている凛を立ち直らせなくては。

ため息を吐きながらPは席を立ったのだった。

次の日、学校が休みなのにレッスンとかメンドい。
と思いながらも晴は事務所に来ていた。
中は休日だからか午前中でもいつもより人が多い。

晴「うーっす」

ちひろ「あ、晴ちゃんおはよう」

晴「あれ?おい、Pは?」

いつもなら真っ先に声をかけてくるPが、今日は寄って来ないのが彼女は気になった。


ちひろ「あぁ、それなら……」

ちひろの視線の先、何やらニコニコ笑う女性と慌てるPの姿があった。
周りは、あぁ、またかという目で見ている。

ブフゥー

いつも思うけど、プロデューサーって大変なんだな、フーセンガムを膨らませながら、晴は哀れみの目で彼を見ていた。

そして当の彼はというと、目の前の女性にたじたじであった。


P「幸運をおすそわけするのはいいんだけどさぁ……」

腕に力を込めて既の所で手がそれに触れるのを抑える。
彼の額には汗が浮き出ていた。

P「なんで胸を触らせようとするんですかねぇ!ナスさん!?」

茄子「ナスじゃなくてカコですよ~」

ああ知ってるよ!嫌味だよ!と言いたくなるのを抑える、さてどうしてこうなったのか。


晴が事務所に来る前、Pは外に出る身支度を整えている途中であった。

今日は晴を連れてアイドルの仕事を見学しに行く予定であった為だ。

さぁ、晴が来たら出かけよう。と、だいたいの身支度を整えたとき彼は気がついた。

スーツのポケットに入っているはずの車のキーが無かったのだ。

P「あれ?」

すぐに辺りを探すが見つからない。

駐車場を出てビルに入るまでは手に持っていたことは覚えていたため、恐らく屋内で無くしたのだろうが……。

P「まずいなぁ」

屋外で無くしたわけではないし、誰かプロダクションの人間が拾ってくれているかもしれないが、何にしてもあまり時間がないのだ。

そんな時ふと後ろから声をかけられた。

茄子「どうしたんですか?」

P「あぁ、茄子……」

彼は内心、厄介なのにからまれちゃったよ。と思っていたが、もちろん口には出さなかった。

P「いや、落とし物してな……、たぶんこの階か、それか1階かエレベーターの中かな?どっかに落としたんだろうけど……」

自分が辿ってきた道を思い返す。
誰かが拾っていなければすぐに見つかるだろう。

ひとまず受付に落とし物の確認に行けば……。

考え事の途中、ふいに手が柔らかい物に触れた。

P「……おい、な、何してくれちゃってるで?」

唐突すぎて舌は噛むし、言葉遣いも思わずおかしくなる。
何故か彼女は彼の手をとり、自分の胸に押しつけていた。

茄子「私の幸運おすそわけです♪」

P「あえ?い、いや、わからないな」


そして今に至る。

なんとか胸から手を引き剥がしたが、彼女の細い腕にいったいどんな力があるのか、今でも彼の手は胸に触れるか、触れないかギリギリであった。

茄子「私の幸運をおすそわけすれば、無くし物もすぐ見つかりますよ~」

P「そうだね、でもこんなことしてる間に探した方がもっと早いと思うな~」


彼は話しかけられたときから、彼女が何かしらしてくるだろうなとはわかってはいた。

今までだって、彼が、初めて行く場所だから不安だと言えば、彼女は、迷わないように幸運のおすそわけだと言い、無理矢理抱きついてきたり。

風邪気味だと言えば、人にうつすと早く治ると言い、強引に唇を奪ったり……。

ちなみにその後、彼女はお互いファーストキスだとわかるとすごく喜んでいた。


思い返すと頭の痛くなるようなことばかりだ。

だが不思議と、抱きつかれたときは迷路のような道も迷わなかったし、キスされたときも、次の日はすこぶる調子がよかった。

他にもいろいろあったが、確かにセクハラの後はいいことが起きるのは事実だ。

しかし、だからといって屈する気は彼には毛頭なかった。

それが周りのアイドル達への配慮でもあるし、彼のプロデューサーとしてのプライドでもあった。

……正直甘んじて受け入れてたら大変なことになるから無理、というのが彼の本音であるのだが。


そろそろ状況を打開しなければと彼が考え出したとき、あることに気がついてしまった。

そう、彼が彼女の胸に触れるか触れないかギリギリの所で力を入れて踏みとどまり、それを彼女が触れさせようと手を引いているこの状況。

実の所、彼女が一歩足を踏み出してしまえば、今までの抵抗など意味が無くなる。

彼は彼女の顔を見る。
笑顔だ。満面の笑みだ。


あぁ、やっぱりか

今更ながら、彼は気がついた。
この状況が続くほど彼女が喜ぶことを。

そして気がついたとき、彼はいまだ無意味な抵抗を続ける腕よりも、心の方がより疲弊しているように感じられた。

ぶっちゃけメンドクサくなった。

もうこんなこと早く終わらせて、探そう。

そう考えるより先に彼は抵抗を諦めた。


P「ははっ、こんなんで車のキー見つかったら世話ないですよ」

乾いた笑いの後に腕の力を抜く。
彼の手は彼女の胸にスッと置かれた。
柔らかい感触に股間が熱くなった。

晴「ん?」

時を同じくして、同じ部屋、彼の事務机の近くにあるソファに、彼の様子をうかがいながら、とても不機嫌そうに座っている晴。

彼女は対面にあるソファと床の間に何かがあるのを見つけた。


そんな一方、彼の方はというと、何故か説教を始めようとしていた。
茄子の胸を揉みながら。

茄子「ん……あっ」

P「だいたいお前はなぁ……」

彼女の赤く上気した頬に潤んだ瞳、口から漏れる小さな嬌声。

そして、いつも以上の周りの冷たい視線。
あぁ、ついにPさんも狂ったかという声も聞こえる。

ちひろに関しては、他のアイドル達の精神衛生上の心配よりも、他の変態が来ないかの方が心配であった。

そしてこれを誰も止めようとしない。
それだけこの事務所にいる人達は自分達の思考が狂ってきていることに気がついていない。

それだけ変態達のPへの異常行動が日常化しているのだ。

恐ろしや、恐ろしや。

晴「おい、P」

そんな中、とてつもなく不機嫌そうな声に彼は我に返る。

P「はっ!俺は何を……」

晴「車のキーってコレだろ?」

彼の視線の先、晴の手の中に確かにキーはあった。

P「……何…………だと……」

茄子「ふふっ、幸運に恵まれたみたいですね♪」
手を途中で止められて、不満げに頬を膨らませていた茄子も、無くし物が見つかったとわかると、うれしそうに微笑んだ。


唖然としている彼にイラついたように晴は言い放つ。

晴「チッ…レッスン行くから…バーカ」

晴が部屋から出たとき、彼はハッとして急いで後を追いかけた。

P「ちょい待て!今日はレッスンじゃねぇんだよ!」

部屋の扉に手をかけたとき、彼はちらりと振り返り茄子にこう言った。

P「今度、食事に行こうな」

バタリと扉が閉まった後、茄子はクスリと微笑んだ。

それは彼から食事に誘われたことにではなく、晴のかわいらしい小さな嫉妬に対してのものなのだが、彼女以外には誰も真意を知るものはいないのであった。


今日はここまで

全国の鷹富士ファンの皆さん許してください。
何でもしますから。


(言えない……このスレすっかり忘れてたなんて言えない)

投下はもう少しかかりそうです

番外編で変態にしてほしいアイドルいます?
参考にするだけで書くかはわかりませんので悪しからず


生きるって大変ですね

夜に投下します

ある日の午後、事務所の自分の席で遅めの昼食をとっていたPは、ふとあることに気がつき、一点を見つめた。

それはPの机の縁からひょっこりと目元から上半分ほど顔を覗かせて、こちらを見ている女性。

彼はいったん箸を置き、彼女と目を合わせ、じっと見つめ合う。

……何をするつもりだ?

端からはわからないが、実は彼の頭の中は既に臨戦態勢であった。

楓「……弁当早く食べんとう…」

そんな中、ふいに相手の口から漏れた言葉は、お得意のおやじギャグだった。
しかし、彼は思わず身構えてしまう。

彼女をプロデュースしてから一年以上経つ彼だからこそ、彼女がこれだけでは終わらず、何か仕掛けてくるということが何となくわかる。

油断するな……。
彼は自分に言い聞かせる。
これまでも彼女からいろいろな目にあったことを思い出す。

仕事中に素敵な背中だったからという理由で抱きつかれたこと。

ズボンのチャックが開いてたからという理由で、わざわざご丁寧に口で閉めてくれたこと。

仕事先の旅館で部屋が違うのにいつの間にか全裸で隣に寝てたこと。

他にもいろいろあったが、油断しているといつも何かされる。
今回もわざわざギャグを言いに来たわけではないだろう。
そう思い、彼はひとまず理由を聞こうと少し乾いた口を開く。

P「どうかしたんですか?楓さん」

楓「いえ、プロデューサーがお弁当作ってくるの久しぶりだなと思いまして」

P「え?あぁ……そういえば」

昔から彼はよく自分で弁当を作って持ってきていた。
倹約を兼ねた趣味のようなものだが、最近は忙しくて作る暇がなかった。

今日は余裕があったため久しぶりに作ってきたのだ。


P「……一番最初の出会った頃、思い出しますね。ほら、何を思ったか俺が、あーんなんて楓さんにしたとき」

楓「ふふふっ。懐かしいですね」

彼は彼女が事務所に入ってきたばかりの頃、ぎこちない態度だった彼女に、食べます?なんて弁当のおかずを突き出したことを思い出す。

彼は今でも、当時の自分が何を考えていたのか彼自身でもわからない。

完全に変な奴だったなと、時折思い出しては穴に埋まりたくなる衝動に彼は駆られる。

しかし、あの日を境に彼と彼女はよく喋るようになったのだ。


弁当のおかずを箸でつつきながら、昔の思い出に浸っていたPは、昼間から何思い出してんだかと少し呆れたように笑った。

楓「棒を持ったままボーッとしちゃ、めっですよ。プロデューサー」

耳元で呼ばれた彼は楓の方を向くと、唇が触れてしまいそうなほど近くに彼女の顔があり、思わず仰け反ってしまった。


P「近い近い、近いですよ楓さん」

楓「あの、また前みたいにあーんしてくれませんか?」

P「は、はい?いや、唐突になんですか?」

楓「今なら人も疎らですし…ね?」

ほんのり頬を染めて微笑む彼女に彼は思わずドキリとする。

確かに事務所内は人が疎らであるし、一度自分からやってしまっているせいか、お願いもそんなに突拍子もないことではないように彼には感じられた。


P「いや、ね?じゃないんですけど……まぁ、それぐらいなら良いですよ」

楓「うふふっ、ありがとうございます。正直、断られるんじゃないかなと思ってました。」

P「前に一度、俺の方からやっちゃってますしね。まぁでも、これっきりですよ?」

箸でおかずのエビチリを一つ摘むと、彼女の口元へと慎重に運ぶ。

P「はい、……あーん」

同じようにあーんと言いながら口を開けて待っている彼女の口におかずを入れる。

月並みな言い方だが、彼は親鳥になった気分であった。
おいしそうに食べる彼女に彼は愛おしさを感じた。


P「味、どうですか?」

楓「おいしいです。やっぱりプロデューサーはお料理上手ですね」

P「ははっ、そんなことないですよ」

そういうと彼は机に置いてあったマグカップを手に取り、冷めたお茶に口をつける。

マグカップを再び机に置くと、今度は彼女が置かれたばかりのマグカップを取って、彼が口をつけたところとまったく同じところに口をつける。


楓「覚えてますか?最初に食べさせてくれたのも、エビチリだったんですよ?」

P「あぁ、確かそうでしたね。楓さんの口元についちゃったチリソースを拭いた記憶あります。」

楓「(チリのチリソース)…本当に懐かしいですね」

そういって彼女はマグカップを置くと箸を手にし、エビチリを一つ摘んだ。

楓「はい、お返しです。あーん」

P「いや、別にいいですよ。……いや、そんなにしょんぼりしないでください」

明らかに落ち込む彼女に、しょうがないなぁ、と言い口を開く、しかし笑みを隠しきれない。
彼は相変わらず可愛らしい人だと内心で思っていた。
……それは明らかな油断であった。

P「あーん」

少しずつ近づいてくるエビチリを口を開けて待つ。
が、エビチリは彼の口に入ることは無く、寸前で彼女の口の中に入れられた。
思わず彼は笑う。この後の展開を知る由もなく。

P「はははっ、一本取られ……」

ガシリ

という効果音がつきそうな勢いで両手で頭を固定される。

P「えっ」

などと驚きの声を上げている間に、彼女の顔は彼の目の前だった。

P「ん!?」

口移し!咀嚼されたエビチリが流し込まれる!


いつの間にか、のしかかるように、椅子に座る彼に跨り、彼女はその細い腕で彼の頭をがっちりホールドしていた。

流し込まれたエビチリを彼が飲み込むと、とうとう彼女は情熱的なディープキスに入る。

何人か事務所にいたアイドルたちが気がついて、チラリと彼らの方を向いたが、すぐに個々の日常へと戻った。

たった今、役場から事務所に戻ってきて、婚姻届を握り締め硬直している一人を除いて。


彼は何度か押し返そうとしたが、如何せん触った所が胸であり、押し返そうとする度に揉む形になるものだから、彼女の方はより熱が入り舌を絡ませた。

全てが終わると彼女は紅潮した顔で、ふふっ、と少女のような笑みを見せウインクすると、笑顔でその場を去った。アラレちゃん走りで。

それを見送りながら、彼はため息を吐く。

何を言う気力も残ってはいなかった。


彼はもう一度ため息を吐くと、彼女が去った入り口から背を向けるように椅子をくるりと回して、ギンギンに勃った息子をどうするか悩む。

疲れた顔で天井を仰ぐと、目の前には和久井留美の顔があった。

P「あっ」

第二ラウンドのゴングが鳴った。

番外編、完


paとcuも考えたんですが、何個か書いてユッキ以外は全部没に

ユッキは別のSSで書こうと思うので今回は出しません

今回楓さんは変態分を少な目にしました
これで番外編は終了
後は本編以外は書きません

>>1 頼む
酉なりP.N(H.N)なり付けて下さい
お気に入りシリーズなので追いたいのですが
いつも投下終了後か下手するとまとめサイトでやっとと言う感じに…
よろしくお願いします。

>>187
誤爆でしょうか?それとも誰かと勘違いをなさっていますか?

これが初SSのでシリーズも無いです

うーん、よくわかりませんがずっとトリップ外さないようにしますね


今日か明日には投下します。
今回は変態は間接的にしか出てきません。

晴「チッ…レッスンじゃねーならちゃんと言えよ」

P「ごめんな、昨日の夜に決めたからさ……朝に連絡すべきだったな」

晴を助手席に乗せてPはある場所へと向かっていた。
彼女がアイドルに興味を持つか。あわよくば、なる気になるか。今日が勝負どころだと彼は意気込む。

しかし、どうも先程から肝心の彼女の機嫌が悪いことが彼には気がかりだった。
原因はわからない、しかし今日がレッスンではないことを、事前に知らせなかったから怒っているというわけでは無いことは、わかっていた。

彼がそのことを知らせる前から彼女は不機嫌だったからだ。


お互いに無言、車内にかかるラジオの音が、大したボリュームでも無いのにやたらと大きく聞こえる気が彼にはした。

目的地に向かう途中の信号待ち、Pは女性に頬を抓られている男を窓ガラス越しに見ていた。
少し前に男が、すれ違った女性に見惚れていたように見えたので、そのせいであろう。
そこで、ふと、彼の頭にある考えが過ぎった。

信号が青になり、車を発進させる。

いや、まさか……。
しかしこのまま放っておくのも、これからのことに支障が出かねない。

Pは少し迷ったが晴に話しかけた。

P「……レッスンといえば、そういえばな」

道を左折する際にチラリと彼女の顔を見る。
少し不機嫌そうだ。
彼はそのまま話を続けた。

P「今日の朝、ドタキャンの連絡をトレーナーさんに」

晴「うるせー」

彼は見事に地雷を踏んだ。そして理解した。
女性の多い職場、さらにあれだけ自身に好意を示してくるアイドルがいる彼には、見慣れた感情。

理由はわからない、だが晴は、彼女は、明らかにPが女性と接触することを好んではいない。
そう、それは嫉妬であった。

それはあまりにも唐突だった。


信号待ち、Pはチラリと彼女を見る。
とても不機嫌そうだ。

彼はドタキャンしたんだからパンツを4枚よこせと言ってきたトレーナーの話をやめた。

今まで、彼女が事務所に来てからずっと親しくしてきたが、彼女が好意というものを示してきたことはなかった。
女性と話しても、女性の話をしても、相手の女性に嫉妬したりといった感情は向けたりしなかった。
変態たちがPにあれこれ(セクハラ、スケベ)してきたのも冷めた目で彼女は見てきた。

それが今日になって……。

朝からの不機嫌の原因は、やはり鷹富士茄子との接触だろう。


Pは考える。
昨日何があったのか。
どうして。
しかし、今ここで探りを入れるようなことはしてはいけない。
これからどうするか。

彼はスーツのポケットから布を取り出して顔の汗を拭いた。
それがネイビー色のレースショーツだと彼が気がつくのはまだ先だ。

年頃らしさをだして欲しいとは確かに思っていたが、やはりこの年頃の少女のあつかいは難しい。

そう思いながらPはショーツをポケットにしまう。

不機嫌な晴は、味の無くなったガムを口からだし、包みに入れて捨てると、新しいガムを探す。しかし彼女の服のポケットの中にはもうなかった。

晴が舌打ちする前に、Pはスーツのポケットからガムを取り出すと、彼女の方にスッと差し出した。
彼女はそれを無言で受け取ると、包みを開けて黙って噛みだした。


沈黙がPには辛かった。
彼は窓を開けて車内に風を入れる。
ラジオからは次の曲紹介が流れている。
同じプロダクションの南条光が歌う曲だ。
曲が流れ出す。
ティンときた彼は晴に話しかける。

P「かっこいい曲だよな?」

彼女からの反応は無いがかまわず続ける。

P「南条光って知ってるだろ?お前の2つ上で先輩の」

P「その子が歌ってるんだぞこの曲」

P「お前もアイドルになったらこういう曲を歌うように」

晴「だから、アイドルなんかになる気はねぇよ」

P「……でも俺はアイドルになった晴、見てみたいなぁ」

晴「チッ…」


沈黙。
選択をミスったかと思いPは眉間に少し皺を寄せた。

晴「なー」

P「ん?なんだ?」

アップテンポの曲が流れる車内。
晴の方から声をかけてくる。
彼女の声が何となく上擦ったようにPには聞こえた。

晴「オ、オレがアイドルになった姿…見たいか?」

P「あぁ!すごく!」

晴の言葉を聞いた瞬間、Pは思わず声を荒ぶらせた。
運転中でなければ彼は彼女の両肩を掴んで言っていたであろう。
それほど彼の心は高ぶった。
少し前に美嘉が、ア、アタシの下着姿…見たい?
と言ってきた時と同じぐらいに。

美嘉とPがその後どうなったかは別の話だ。

晴の言い方に思わず高ぶらせた心をPは鎮め冷静になる。

……これはいい兆候だ。

少しはアイドルに興味が出てきたと見た彼は、鼻歌でも歌いたい気分になった。

晴「べ、別にアイドルとか興味ねぇし、なる気はねぇし」

P「ははっ、そう言うなって、絶対かっこいいよ。アイドルになったお前は」

うまくいけば興味どころか、アイドルになると言ってくれるかもしれない。
車内の空気はガラリと変わったようにPには感じられた。

やはり今日が勝負時だな……

Pは再び意気込んだ。

晴がどうして他の女性に嫉妬したり、どうして今、自分の隣でほんのり頬を赤く染めているのかを、気がつかないふりをし全てを棚上げにして……。


今日はここまでです。

次回も真面目な回になる予定です。
変態書きたい。


申し訳ありません
真面目なの書いてるんですがやっぱり苦手で
もう少しかかりそうです
ごめんなさい
この峠を越えたら後は変態まっしぐらなのですが……


明日には投下できそうです

そろそろ投下します
おそらくご期待に添えることができないと思います。申し訳ありません。


Pと晴が来た場所はとある劇場。

車を降りると晴は自然にPと手を繋いだ。
やはり変わったと彼は改めて実感する。
前までは彼女から手を繋いでくることなど皆無であったからだ。
それが、今日はこれだ。
だが、今はこの事ばかり気にしていてもしょうがない。
彼は頭を切り替える。
今日が勝負なのだから。

劇場内に入ると、早速ロビーに晴を待たせて、Pはスタッフ達へ挨拶回りに行った。
そして少しして戻ると、手持ちぶさたに風船ガムを膨らませる晴の手を引き、再び歩き始めた。
スタッフの話を聞けば、ちょうど見せ場らしい。
晴の反応を期待しながら、Pはホールへ向かって彼女の手を引いた。

ホールに入ると、スポットライト輝く舞台の上、二人の女性が、荒々しく擬闘を繰り広げているのが二人の目に入った。
荒々しいが、その動きにはどこか華があって洗練された美しさがある。
晴が思わず感嘆の声を上げたほどだ。

Pは晴の手を引いて階段を下りる。
晴を客席中央の一番見やすい位置に座らせると、彼は他のスタッフ達に少しばかり挨拶に向かった。
その間、晴は息をのんで舞台を見守っていた。


P「かっこいいだろ?」

スタッフ達と二言三言と言葉を交わし、戻ってきたPは、晴の隣に座ると小声で話かけた。しかしどうやら彼女は見入っているようで、呼びかけには無反応だった。
晴の様子を見て、やはりここで正解だったと彼は思う。

彼女のかっこいいという基準がいまいち分からなかった彼は、事務所を代表するかっこいいアイドル二人に目を付けた。
世間でかっこいいアイドルと言えば、まずどちらかが出てくるであろうアイドルだ。


更に、ちょうどその二人は近々舞台をやることが決まっているということもあり、今回のPの計画にはうってつけであった。
ただリハーサルだったのが残念か。

本当は本番がよかったのだが、なるべく早くに晴に火をつけたかった彼はリハーサルで妥協することにしたのだ。

だが、横にいる晴があまりにも熱心に見入っているようなので、本番も連れてこようと密かにPは決めた。

休憩に入ったのを見計らって、Pは晴の手をとり、舞台にいた二人、木場真奈美と東郷あいの方へと向かう。

P「真奈美さん、あい」

真奈美「来てたのかP」

あい「やれやれ、事前に言ってくれればいいものを」

P「なにぶん急だったんで」

真奈美とあいはスタッフから飲み物とタオルを受け取り、それぞれ手近にあった席に座る。
Pと晴も二人に促されるようにして座った。

真奈美「それは君の隣にいる晴に関係があるのかな?」

P「まぁ、そんなところです。晴」

Pは隣に立っていた晴に優しく声をかけ、挨拶を促す。
緊張しているのだろうか、少し畏縮しているように彼には見えた。

晴「う、うっす」

P「ははっ、言葉遣いはおいおいですよ」

晴の男っぽい挨拶をPは笑ってフォローする。
まだアイドルになると決めた訳でもない少女に、言葉遣いを直せというのは、些か酷な気がして彼はこれまで何も言わなかったし、言うつもりもなかった。
それは彼女がアイドルになると言うまで、ずっと同じだ。
だから、それをここでとやかく言われるのは、避けたかった。

真奈美「君の方針に口を挟む気はないよ」

Pの心配を見透かしたように真奈美は言った。
どうにも魂胆を見透かされるということは恥ずかしいもので、Pは、そうですか、とつまり気味に言うと少しばかり顔を赤くした。


あい「晴君とは事務所で自己紹介して以来だね」

真奈美「私たちは最近事務所に立ち寄ることが無かったからな」

二人は晴に目を向ける。
普段の彼女はどこへ行ったのか、Pには晴がとてもしおらしく見えた。
やはり緊張しているらしい。
普段会話している大人とは違ったタイプだからだろうか。
と彼は考えるが、スタッフに声をかけられて思考を中断する。
監督が話があるらしい。

P「あー、すいません少し行ってきます」

真奈美「晴は私たちが見とくから安心しろ」

P「ええ、助かります。じゃあ、ちょっと待ってろよ」

Pはそう言って晴の頭に手を置くと優しく撫でた。
薄暗いため、彼女が顔を赤くしているのかどうかはわからないが、誰から見ても照れてるのは明白だった。

あい「フフッ…早めに戻ってきてあげたまえよPくん」

横にいたあいに耳打ちをされる。
周りがこれでは流石に晴の好意に気がつかないフリはできない、Pは苦笑してその場を去った。

監督との話は大したことではなかった。
世辞や社交辞令を交えた面白くもない定型的な会話だ。
仕事だから仕方ないとPは割り切るが、やはり面倒だという気持ちが大きかった。

話を終えて晴たちの元へ彼は戻る。
しかし席には台本を持ちながらスタッフと会話しているあいしかいなかった。
Pが席に座るとちょうど話終えたようで、あいの方から話をかけてきた。

あい「晴君は真奈美さんが連れていったよ。いろいろ見せてあげたいらしくてね」

P「そっか、……あいはスタッフと台本のことで話してて行けなかったってとこか?」

あい「フッ…相変わらず察しがいい、そういうことさ」

そっか、そっか
独り言のように相づちを打ちながらPは深く腰掛ける。
ここ最近休まる暇があまり無かったので、少しゆったりと落ち着いて目を閉じてみるだけで、彼はドッと隠れていた疲れが体に現れたように感じた。
それは端から見てもわかるようで、あいは心配そうな顔で彼に話しかける。

あい「Pくん…君は少しやつれたね」

P「仕事のしすぎかな……ま、あいが気にするようなことじゃないさ」

あい「……違うだろ」

少し語気を強めたあいにPは片目を開き横目にみる。
心配そうな彼女の顔を見て、彼は少し困ったような顔をした。
彼女は話を続ける。

あい「彼女たちはやりすぎだよ」

その言葉の意味を理解し、Pは深く腰掛けていた椅子から座り直し、前屈みになるような姿勢で、腿に肘をついて口元を隠すように手を組んだ。
顔は先ほどより眉間に皺を寄せて、本当に困ったような表情を浮かべている。

P「あい、あれは俺が全て悪いんだ。わかるだろう?」

あい「君だけという訳でもないだろう」

諭すように彼は言うが、彼女は逆に語気を強めた。
今話すようなことじゃないだろうに……
彼はそう思い、どうにかうまくこの場を収めようと思考を巡らせる。

あい「Pくん、私は別に思いつきで言っているわけじゃないよ。前々からずっと思っていた。それを何故だか、いま言わなくちゃいけない気がしたのさ」

Pの考えを読んだようにあいは答える。
これほど感情的な彼女を彼は見たことがなかった。
彼女自身も内心驚いていた、唐突な自分の感情の爆発に。


あい「わかるだろう?心配なんだよ…君が」

Pは押し黙る。
今この場で話すことじゃないとか、また別の日になんてがっかりするような答えは全て捨てた。
渇いた口に水を流し込むと、ゆっくりと彼は口を開いた。
もう随分前から、スタッフ達はまわりから消えていた。

P「じゃあ、どうすればいい?」

あい「それは……」

P「もうわからないんだ。どうすればいいかなんて」


その言葉から口火を切ったようにPは感情を吐き出し始めた。

アイドルとプロデューサーという立場なのに彼女たちに流されて、関係を壊すのが恐くて、彼女たちを傷つけるのが恐くて、自分から何かすることをしてこなかった。誰か一人を選ぶような度胸もなくて。結局の所、俺は最低の屑だ。彼女たちがああなったのも、根本的には俺が悪いんだ。

彼は自分の顔を手で覆う。
唇からは血が流れていた。

あい「Pくん、私は……」


あいが次の言葉を紡ぐ前に、スタッフ達が慌ただしく動き始める。
時間はいつだって止まりはしない。
Pは席を立ち上がった。
ちょうど晴と真奈美もこちらに歩いてくるのが見える。

P「舞台、がんばれよ」

そう言って彼は晴の元へと歩き出した。
あいは去っていく彼の背中を見ながら、彼への深い愛を押し殺した。


今日はここまでです。

全国の東郷さんファンのみなさん
申し訳ありませんでした。
木場さんもちょい役でしか出せず申し訳ありません。

次は変態Yさんが出ます。
クールばっかで申し訳ないです。


素で間違えました。Yさんではありませんでした。
wwでした。

もうなんか面倒くさいんでぶっちゃけますが次は和久井さんです

http://i.imgur.com/wypwFJ7.jpg
http://i.imgur.com/mTy4KCe.jpg
木場真奈美(25)

http://i.imgur.com/sosXnW8.jpg
http://i.imgur.com/9kneCt7.jpg
東郷あい(23)


画像先輩いつもお世話になっております。
ありがとうございます。

Pは目の前には綺麗な青空が広がっていた。
横たわる体には僅かな圧迫感が、そして股間への違和感があった。
とても端的に言うと、晴にち○こを握られていた。

どうしてこうなった。


劇場から出ると昼時だったので、二人は近場にあったファミレスで食事をすることにした。
その食事中、次の目的地に向かうにしても予定の時間までかなり空きがあるという話になり、たまたま晴もPも着替えを持ってきてるし、ボールもあるし、じゃあサッカーをしようということになったのだ。

ちょうど目的地の近くには駐車場完備の公園があり、公園内にある広い原っぱはサッカーにはうってつけだった。

公園の駐車場に着くと、Pは車内でこうなることを想定して車に置いてあったスポーツウェアに着替え、靴を履き替え、車の後ろに置いてあったサッカーボールを持って外に出た。
体をほぐすように少し伸びをすると、先にレッスン用に持ってきていた服に着替えて、外に出て待っていた晴と公園へ歩き出した。

公園内は休日なのに人が少なく、Pがとてもよく見慣れているネイビー色のジャケットの人物がベンチに座っている以外、原っぱに人はいなかった。

関わるとろくなことがないので彼は当然のように無視した。
とても熱い視線をベンチの方から感じるが無視した。

P「じゃあ、準備運動すんぞ」

晴「いつもいつも、めんどくせーなー」

P「文句言うなー、お前になんかあったら心配だから言ってんだからなー」

毎回準備運動の度にこの問答を繰り返すのがお決まりだが、晴の顔が照れて赤くなっている点はいつもと違ってお決まりではない。
Pは赤くなった晴の顔を見て、もし万が一晴が変態になったらどうしようなどと考えていた。

いつものようにパス、トラップ、ドリブル、シュートの練習、1対1といったメニューをこなし休憩に入る。
晴は満足そうだが、些かマンネリだとPが思い、次あたりは誰か他のアイドルも交えようかと考えていたときだった。

晴「おいP!、ちょっと見てろよ!」

P「あー?なんだよ?」

晴「ヘヘッ、イくぜ!オーバーヘッドシュートッ!」

近くで晴を見ていたPだが、全てが終わる前に彼は動き出していた。

やばいな、確実に着地に失敗する。

事実、彼女は中途半端に勢いをつけすぎていた。このままでは着地の際に頭か首を痛める。
晴が着地する直前、Pは空に向いた彼女の足を抱えるようにして、彼女の下に滑り込むようにして受け止めた。

結果、晴は頭から落ちることはなく、マットのように下敷きになったPのお陰で、怪我一つ無かった。

だが、状態が問題であった。


何がどうしてそうなったのか。

晴の手はPのズボンの中の更にその中、パンツの中に入り、彼の息子、直接的に表現するとち○こを、その子供らしくも女性特有のしっとりふっくらした肉付きよく柔らかい小さな両手で、ぎゅっと握っていた。

Pは一周回って冷静だった。
今は半勃ちだがこのまま擦られたら勃つだろうな、と考えるぐらい彼は冷静だった。
慌てず騒がず、彼は晴にゆっくり告げる。

P「晴……手を離してくれ」

晴は無言でナニから手を離し立ち上がった。
続くようにPも立ち上がり、自身の背中の汚れを払いつつ彼女に目を向ける。


彼女は真っ赤な顔で手を見つめていた。

晴らしくない反応だ。もう少し激しいリアクションをするだろうと思っていたPには驚きであった。
彼女にはやはり何かしらショックだったのだろうか、晴も年頃の女の子なのだから繊細なのだということを今更に彼は痛感する。
とにかく声をかけようとPが口を開いた時に彼はあることに気がついた。気がついてしまった。

心ここに有らずといった表情で手を見つめていた晴が、段々とその手を顔に近づけていることにだ。

泣き顔を覆うために近づけているのではない。
その顔は誰から見ても興奮と好奇心に満ちあふれていた。

変態アイドルたちと付き合いが長いPは何となく何をするのか検討がついていた。
彼はぐるぐると思考を巡らせる。
止めるべきだ。いや、彼女はそんなことをするはずがない。不用意に口を出して彼女の意図することと違ったらどうするのか、しかし声だけかけるべきか?、いやでも……。

そうこうしているうちに、晴の手は彼女の顔の目の前まで近づいていた。

今からでも間に合う。止めるべきだとPは動き出そうとする。しかし一方で彼は何故か彼女を止めたくないという気持ちがどこかにあるのを感じていた。

自分自身でもよくわからない葛藤。
彼は完全に動きを止める。

結果的に彼は晴を止められなかった。

そんな葛藤は晴も同じだった。

止めるべきだ。嫌われたくない。でも少しだけなら……。

そうこうしているうちに自分の手は目の前だ。

今からでも遅くはない。止めようと晴は動きを止めようとする。
でも、でもどうしても。

彼女の動きは止まらなかった。



結果的に晴はPのち○こを握った自分の手の匂いを嗅いで、ついでに少し舐めた。



P「は、晴!」

我に返ったPは晴に声をかける。かけられた声で晴も我に返った。

晴「べ、別にオレは何もしてねぇぞ!」

P「そ、そうだな。お前は何もしてない!だから手を洗ってきなさい。」

晴「バ、バーカ、これぐらい何でもねぇよ」

P「何でもなくねぇよ!ばっちいもん触ったらから洗わなきゃ。な?」

少しの押し問答の末、晴は手を洗いに行った。
さっきのことはお互いに何も無かったことになり、今回はひとまず落ち着いた。

しかし、晴の中では自身が変態になったのではないかという不安。Pに嫌われたのではないかという不安。
Pの中では晴を止めようとしなかった自身への不安。晴がおかしくなってきていることへの不安。

それぞれが不安を抱えるような形になってしまった。

原っぱに横たわるPは、これからのことを考えながら、青空を見つめていた。


のだが……。

そこへ駆け寄る女性が一人。

そう、Pは忘れていた。この公園に彼女が座っていたことを。Pは思い出した。彼女に迫られる苦労を。

留美「あら、Pさんこんな所で会うなんて奇遇ね」

P「留美さん、ひとまずち○こから手を離してください。話はそれからです。」


今回はここまでです

毎度毎度、更新遅くて申し訳有りません。


ごめんなさいもう少しかかりそうです。
いつも申し訳ありません。

申し訳ついでに参考までにお聞きしたいのですが、東郷さんを変態にすべきでしょうか?


青空に時折吹く風が心地よい。
過ごしやすい陽気に小日向あたりは昼寝でもしているのではないかという午後。

P「留美さん……お願いですから手を離して」

留美「ふふっ…晴ちゃんは良くて私はダメだなんて酷いわ」

ナニがどうしてそうなったのか。
気がついたときにはすでにパンツの中に手が入っており、Pは和久井留美に69(シックスナイン)の体位でおちん○ちんを握られていた。
驚きの早技であった。

P「だぁーっ!どこぞの週刊誌にすっぱ抜かれたらどうするつもりなんですか!ブログやTwitterだって洒落にならないし!」

留美「大丈夫よ…人っ子一人いないわ」

P「あぁもうっ!とにかく離してください!」

言葉とは裏腹にPのP(enis)は留美の手の中でこれでもかというほど自己主張する。
留美はうれしそうに微笑むと、右手でパンツごと彼のズボンを下ろしにかかり、左手でナニを扱き始めた。


焦りからか、Pの穴という穴から汗が噴き出し始める。
彼は思考するより早く動き出した。

まず抱きつくように、留美の腰に手を回し、足で彼女の顔を股間に押しつけるように抱えると、次に横に転がるように体に力を入れる。
見事に体勢は逆転し、今度はPがマウントを取る形になった。

ここで鈍り始めている思考を働かせる。

マウントを取っているとはいえ彼女は一向に竿を扱く手を止めない。
無理矢理立ち上がろうとしても恐らく離さないだろう。彼の経験上それはよくわかっていた。
変態は力強いのだ。
指を無理矢理開かせるなんて到底できる話ではない。

いっそこのままスッキリしてしまおうか。
本末転倒な考えを始めたところで、ふと彼は閃く。

それは諸刃の剣。
しかし起死回生の一手であり、たった一つの冴えたやり方。
あるいはある種の変態的狂気。
彼の中で紫色の虻が羽音を鳴らし始めた。

そしてPは行動を起こす。
まず彼は半分ほど脱がされたズボンとパンツを一気に下ろした。
何しろあんなに嫌がっていたのに、急に脱ぎ出すものだから留美は思わず戸惑う。
彼はニヤリと笑うと、怒鳴るように命令した。

P「留美!口を大きく開けろ!」

驚きで彼女はビクリと震える。そして彼の豹変に少し戸惑いながらも、ゆっくりと口を大きく開けた。
Pはしめたとばかりにほくそ笑むと、透かさずナニをブチ込んだ。
何を?ナニを。何処に?口に。
みなさん驚くなかれ。
そう、ちん○こを留美の口にブチ込んだのだ。
これぞ所謂イラマチオ。

ここで悲しきかなPも堕ちたかと思うなかれ。
まだ彼の思惑は終わっちゃいない。

留美が下ろそうとしていたズボンやパンツは下ろされ、扱いていたブツは彼女の口の中。
彼女の両手は何を掴むわけでもなく手ぶらであった。
そう、今しかない。

P「おらよっと!」

Pは腑抜けかけていた体に力をいれると、そのまま三連続前方倒立回転で一気に脱出する。
ズボンとパンツを履き直し、ズボンの紐をこれでもかというほど固く締め、留美の方へ向き直った彼の顔は、清々しいほどドヤ顔だった。


一方の留美は涙目で起きあがる。
その表情はどこか不満そうに見える。

P「不満そうですね」

留美「ええ、不満よ」

不満そうではなく不満だった。
Pは留美の体についた草を払うと、深く溜め息を吐き、ベンチに向かって歩き出した。
留美も彼の後ろをついて行く。

P「少しは遠慮とかしてくれると助かるんですが」

留美「ふふふっ…遠慮するなって言ったのは誰だったかしら?」

Pがベンチに座ると、留美は悪戯っぽく笑い、彼の膝に座ろうとして、彼に呆れ顔で制される。
留美は内心すごく残念に思いながらも、平静を装い彼の真横に座った。

明らかにしょんぼりとした表情をした彼女の顔を見ながら、少し昔のことを彼は思い出す。
いつだかのこと『Pさん相手でも、遠慮しすぎてたかしら?』などと彼女に言われたのを、『遠慮なんてしなくていいですよ』と返答した記憶が彼にはあった。
だがその時と今では、まず主旨が違う。
あのとき変態行為を容認したつもりは彼には毛頭無かった。
彼は疲れたように空を見上げる。

P「とにかく、常日頃から言ってますが、人がいようがいまいが、外でさっきのようなことはダメです。……室内とかでも止めて欲しいですけど……」

留美「善処してみるわ」

やめるといって欲しかったと思いながらPはボーッと空を眺める。
二人きりだった原っぱには、いつからか疎らだが人が増え始めてきた。
原っぱを少し見回して、過激なことはできなさそうだと思いながら留美は少し息を吐いた。

留美「…そういえばPさん。私が公園にいるの、気がついてたのに無視するなんて酷いわ」

P「……すいません」

留美「いいわ…いつもがいつもだから警戒されてもしかたないもの」

思い出したように話し出す留美に、一声かけるべきだったとPは反省する。
彼女が自分にも非があるとわかっているからこそ、彼は何とも言えない嫌な気分になる。

P「次からは一声かけるなり一礼するなりアイコンタクトなりします」

留美「ふふっ、アイコンタクトなんて私にわかるかしら」

P「んー、まぁ、スポーツ選手じゃなくても場の空気とか、相手の雰囲気でわかるもんですよ」

留美「あら…そこは私たちの仲だからと言って欲しかったわ」

P「ははっ、別に大した仲でなくても、そういうことは通じるものですよ」

留美がボソリと、そうかしらと呟いた頃、事務所ではちひろがくしゃみをして風邪かななどと独りごちていた。

留美「晴ちゃん遅いわね」

P「えぇ、そうですね」

相変わらず力が抜けたようにPは答える。
今いる原っぱから水飲み場やトイレは少し遠い位置にあるので、晴が多少遅くなるのも頷ける。しかし、あと5分くらいしたら様子を見に行こうかなとPは空を見ながら考えた。

留美「晴ちゃんだけど、あの子将来有望よ」

P「……アイドルとしてですか?」

留美は黙ってPの方を見つめる。空を見上げてたPも険しい表情で留美の方を向いた。
しばしの沈黙の後、悟ったような表情でPはまた空を見上げた。


P「晴は違いますよ」

留美「…じゃあさっきのは…何だったのかしら」

さっきの、というのは晴がPのバベルの塔を掴んだ後に自分の手の匂いを嗅いで、ついでにちょっと舐めた件についてだ。
Pは露骨に顔をしかめる。

留美「それにあなただって段々と…」

P「変態っぽくなってきたって?冗談ですよね?」

淡々と言う留美の話を少し荒っぽくPは否定する。
相変わらず空は見上げたままだ。
留美は真顔のまま表情を変えずに彼を見つめる。

留美「そうかしら…ならどうして、あのとき晴ちゃんを止めなかったの?あなたならわかってたはずよ」

P「それは……」

確かにあの時、晴が手を嗅いで舐めた時、何をするかは直感的に理解できたし、止めることだってできた。しかし彼は止めなかった。
彼は苦悶の表情を浮かべ下を向くと、その顔を両手で隠す。

留美「あなたは魔性の海よ。誰も彼も身を委ねた人を変えてしまう」

P「俺も変態なのか?」

留美の話を聞いているかいないのか。Pは問うように呟く。声色には明らかな怯えが混じっている。
彼を見る留美の表情は先ほどまでとは違い、聖母のような慈愛に満ちた笑みを浮かべていた。


下を向いていた顔を上げて彼は留美の方を向く。彼女は優しく彼の頬を撫でる。

留美「あなたも晴ちゃんも、堕ちてしまえば楽よ?」

P「俺は、ただ流されるだけで……選ぶことだって、恐くてそれにみんなをトップに……」

留美「…なら選ばなければいいのよ」

Pの言葉を遮るように留美ははっきりと言う。
彼の中で何かが壊れ始めていた。
それは倫理観か、はたまた自身の信念か。

留美「ハーレムだって悪くないわ…トップアイドルにだって周りにバレなければ…」

P「でもその先は……破滅だ。留美さん。それがわからないあなたじゃないでしょう?」

留美「先のことなんて、わからないものよ。」

留美はPの頬に手を添えたまま、真っ直ぐ彼の目を見つめる。
何事にも終わりがある。誰も傷つけないなんてことはできはしない。

それを理解しているのに、Pはどうしても破滅の道を歩んでみたい衝動に駆られる。
だから迫ってくる留美の顔を避けられない。
受け入れたら最後、堕ちるだけだとわかっているのに。
段々と留美との距離が縮まる。
キスまであと10cm、9、8。

晴「オーバーヘッドシュートッ!」

P「へぶっ!」

唐突に飛んできたサッカーボールがPの頬を殴る。
ボールを蹴った犯人である晴は、途轍もなく不機嫌そうな顔で、今度は決まったなと呟いていた。
留美の方はアイドルが人前で見せてはいけない顔をしながら舌打ちをし、Pはというと内心、晴に感謝しながら彼女に目を向ける。
晴の横には一人の男が立っていた。
意外な人物にPは驚きの声をあげる。

P「あっ、お義父さん」

晴父「殴っていいですか?」

晴の父、現る。

今日はここまでです。
申し訳ないのですが、少しだけ、ほんの少しだけオリキャラが出ます。
苦手な方には申し訳ないです。

更新はまだ先になりそうです
申し訳ありません
気長に待っていただけたらうれしく思います

明日には投下できそうです


留美と晴から少し離れたベンチ。
晴の父の要望で二人っきりで話をすることになったのだが、Pは晴が心配でならない。

確かに、意外にも留美は子供の面倒見がいい、Pもそれはよく知っていた。
しかし先ほど、晴には才能がある。堕ちてしまえば楽だと言ったような人物に晴を安心して任せられるだろうか。

晴は不機嫌そうであるし留美に懐かないかもしれないが、もしも戻って来てみたら、晴は立派な変態になってました、などということはPには耐えられそうになかった。
彼は不安で頭がいっぱいになる。

不安の種はもう一つ、彼の横でイライラした様子の晴の父だ。
出会い頭に殴っていいかと聞かれた時はPも自身の耳を疑った。
その後二人っきりで話すことをやたらと念押しされ、二人っきりになったらなったで、一向にしゃべり出す様子もない。
厄日なのだろうか、Pは家に帰りたい気持ちでいっぱいになった。

晴父「あの、すいません」

P「は、はい。お義父さん」

晴父「……そのお義父さんって呼ぶの止めてもらえませんか?」

P「も、申し訳ありません」

一瞬鬼のような顔になり睨んだ晴の父にPは怯える。
まったく人はどこに地雷があるのかわからないものだ。
Pはそう思いながら次の言葉を待つ。
空はだいぶ赤く染まっていた。

晴父「た、単刀直入に聞きますけど……」

P「はい」

晴父「晴に、てっ、て……晴に、手を、出しましたね?」

P「えっ!?」

どういうことだろうか、手を出したというのは暴力を振るったという意味だろうか、だとすると、どこからそんな話が出てきたのか。
晴の父の発言にたちまちPは混乱する。
視覚が歪み、目の前が薄暗くなる。
晴の父は震えた声から、はっきりとした怒りを込めた声になり、尚も言葉を続けた。

晴父「オレは見たんだ!昨日晴が自分の部屋で!」

P「へ……部屋で……」

晴が自室で何かをしていたということと、Pが晴に手を出したというデタラメが、どう関係してくるのか。
ゴクリと唾を飲み込みPは次の言葉を待つ。
握った手は小刻みに震えていた。
そして、晴の父は気迫を込めてPに言った。

晴父「あんたの名前を呼びながら[田島「チ○コ破裂するっ!」]してたのを!」

P「ん?」

晴父「とぼけたって無駄だ!あいつはまだ、まだ初潮だってむかえてないはずなのに……うぅ」

晴の父は涙をこぼす。
親馬鹿である。
一方のPは心に冷たい風が吹き始めていた。
それは呆れというにはもっと冷めた、形容しがたい感情であった。

P「手を出したっていうのは……」

晴父「あんたが晴を手篭めにしたから、晴はあんなハレンチなことを……」

殴り飛ばしてやろうか、Pは衝動的にそう思ったが黙って堪えた。
そして晴の父の肩にそっと手を添える。

P「結城さん、私は手を出したりなんかしてませんよ。ましてや手篭めなんて乱暴も……ただ晴も年頃になった。それだけですよ」

晴「うぅう゛、晴……あの晴が……」

晴の父を宥めながら、Pは額の汗を拭く、ショーツで……。
それがいけなかった。
Pさんと言いながらPの方を向いた晴の父は驚愕した。
それはそうだろう。ショーツで顔を拭く変態がそこにいたのだから。

晴父「やっぱり信用できない!」

P「えぇ!?なんでですか!?」

晴父「パ、パンティーで顔拭く変態を信用できるか!」

P「えっ、な、なぁ!?」

今更ながら気がつくP。
ハンカチだと思っていた物が実は女性の下着、ショーツだったなんて、P自身驚愕であった。
しかしレースまでついた、もろ下着というデザインであるし、何度か手にして使っているのに気がつかないなんて、実に間抜けである。

P「いや、これは、あれ?なんで?」

晴父「こんな変態に晴は……晴は、うわぁぁあああ!!」

頭を抱え込んで泣き出す晴の父、みっともないったらありゃしない有り様である。
対するPは何故かとても冷静だった。
その時々で混乱したりしなかったり、よくわからない男なのだ彼は。

Pは考える。このショーツが誰のなのか。

たしか、スーツから取り出して持ってきたんだよな……てことは公園くる前に出会った誰かがハンカチとすり替えたのか?
うーん、ネイビー色でレース付きのデザインか、さっぱり誰かわからん。

ショーツを手に溜め息を吐くP、犯人を推理するより、晴の父への弁明が先だというのに、彼はまったく気がつかない。

留美「あら、それ私のよ」

いつのまにいたのだろうか。
Pの手に持っていたショーツを留美は後ろからヒョイッと取り上げた。
それはあまりにも唐突で、Pは驚きのあまり口を開けたまま固まってしまう。
一方の留美は平然とショーツの匂いを嗅いでPさんの匂いうんぬんとほざき始めていた。

P「……いつ仕込んだんですか?」

動き出したPは留美の方へと振り返り、呆れを含んだ声で聞く。
今日は公園に来るまで留美に会っていないはずなのに、いつショーツを仕込んだのだろうか。彼にはそれが疑問だった。

留美「普通に…タンスの中にいれておいただけよ?」

P「えっ……えっ!?」

留美「やっぱり泊まるときに便利でしょう?」

何を言っているんだこいつは。
ただ純粋にPはそう思った。
Pはアイドル達を家に入れたことはもちろん、家の場所すら教えたこともない。
だが留美はPの家のタンスに下着を置いたと言っている。
Pの顔はみるみると青ざめていく。

留美「…元から入ってたハンカチは、別の引き出しに移しただけだから安心して」

青ざめた顔をどう解釈したのか留美は見当違いなことを言う。
色々と弁明する留美の顔をPは見つめながら、あの人はタダ者じゃねぇと言っていた拓海の言葉を思い出す。
何となくPもただの変態ではないとは思っていたが、ここまでとは彼は思っていなかった。
Pは今日何度目かのため息を吐いた。

P「それで……どうやって家に入ったんですか?」

留美「ピッキングよ」

やだ恐い、Pは純粋にそう思った。
留美じゃなければ迷わず彼は通報していただろう。
どうやって家の場所を知ったのかとか、聞きたいこと他にもあったけど、もうこれ以上聞き出すのは恐いから、また今度にしよう。
そう思いPは話を締める。

P「も、もう許可なく家に入るのは止してくださいね。あと、物を置くのも」

留美からの返事はない。
明らかに止める気がないのがわかるが、Pは何も言わなかった。
ただ心の中で絶対に引っ越すことを決めた。

晴「おい、話は終わったかー」

P「あっ」

留美の少し後ろでリフティングしていた晴がPの方へ寄ってくる。
すっかり彼女のことを忘れていたPは、申し訳なさそうな顔をしながら、彼女の方へ歩み出す。
その時だった。

晴父「待て!」

晴「うわっ!なんだよオヤジ!」

晴父「娘は渡さねぇ!絶対にだ!」

晴を守るように抱きつく晴の父。
そんな彼を晴は引き剥がそうと必死だ。
厄介なのを忘れていた。
Pはかなり失礼なことを思いながら、頬をひきつらせる。

晴の父「晴!アイドルになんてならなくていい!家に帰るぞ!」

晴「おいオヤジ!わけわかんねぇよ。とにかく離れろ!」

P「結城さん誤解です。まずは落ち着いて話を……」

晴父「うるさいぞ変態!」

なんだとこの野郎。という言葉をぐっと堪えて、取りあえず、状況がわからないといった顔をしていた留美に、勘違いされた経緯を大ざっぱに耳打ちする。

留美は小さく頷いて、Pにだけ聞こえるように、じゃあ、誤解を解けばいいのね。と言った。
Pも自分では話しすら聞いてもらえないので、留美の方が誤解を解きやすいだろうと思い、答えるように小さく頷いた。

留美「結城さん、ご紹介が遅れました。私、CGプロダクション所属アイドル、和久井留美と申します」

晴父「え、えぇ、テレビとかで何度か、見たことが」

突然留美が話しかけてきたことに、晴の父は困惑し眉をひそめる。
留美の方はというと落ち着いた柔和な笑みで淡々と話しを始める。
いつもと違うその様子を見て、流石は元秘書だとPも感心した。

留美「今回、我が社のプロデューサーのPが大変お見苦しいとこをお見せしてしまって、申し訳ありませんでした。その件でお話したいことが」

晴父「下着で汗拭くような変態だと言うのはよくわかってますから、話すことなどありません」

晴「はぁ?」

わけがわからんといった顔で見てくる晴にPは目をそらす。
本当に今日は調子が狂いっぱなしだ。
なるべく早くこの場を去りたい。
疎らにいる人達の視線を気にしながら、Pはネガティブな気持ちになる。

留美「ですからその件は誤解……」

晴父「誤解も糞も現にオレは見たんだ!それに晴にだって手を……」

そうこうしているうちに留美と晴の父は話し合いと言うよりは、言い争いにヒートアップし始めていた。
周囲の人がちらほらとこちらを見始める。
アイドルが言い争いなど、あまり良い印象を与えないだろう。
Pがこれはまずいと思い始めた時だった。


晴「いいかげんにしろ!」

晴父「晴!」

大声で怒鳴り父の手を逃れてPの後ろに隠れる晴。
晴の父は憎々しげにPを見つめる。
その体勢は今にも飛びかからんばかりだ。
Pも思わず冷や汗をかく。

晴「さっきから聞いてれば、Pは変態なんかじゃねぇよ!」

晴父「晴、お前の気持ちもわかるがなぁ」

晴「オヤジの方が変態だろ!」

晴父「なっ!」

ガーンという効果音が聞こえそうなほど目に見えて落ち込む晴の父。
どんだけ娘loveなんだよとPは少し引く。
留美はその様子を見てここぞとばかりに畳みかけ始める。

留美「結城さん、全ては勘違いなんです。アイドル達のちょっとした悪戯。Pさんのハンカチと下着を取り替えたのが原因で起こった事故なんです」

晴父「でも現に顔拭いて」

留美「彼は多忙な毎日を送っています。それこそハンカチなんて気にしてられないほどに」

P「本当なんです!言われるまで気がつかなかったんです!信じてください!」

普通はさすがに信じないだろう。
しかし残念なことに、Pがハンカチが下着であることに気がつかなかったのは事実なのだ。
ここで晴の父に理解してもらえないまま、晴をアイドルにさせるのを止めると言われたら、今までの晴と過ごした時間が全て水の泡になる。
だからPは必死で頭を下げる。

晴父「でもなぁ……」

晴「なー、信じてくれよ。Pは変な奴じゃねぇって、それにオヤジが勝手に応募しといて、今度は勝手に辞めさせられるなんて、オレは嫌だからな」

晴の目を見ながら、うーん、と晴の父が唸る。
少しの沈黙の後に、晴の父はPの隣にいる晴の方へ歩み寄ると、しゃがみ込んでその肩に手を置いた。
先ほどは違い、今の彼はとても落ち着いていた。

晴父「晴、こいつに何もされないか?」

晴「Pにか?…ナニもって、何だよ」

晴父「エロいこととか、ぐふっ」

晴の蹴りが見事に晴の父の腹に決まる。
彼女の顔はPが今まで見たことないほどに真っ赤だった。
蹴られた父の方は、親を蹴るとかありえねぇだろ、と言いながら立ち上がり、今度はPの肩に手を置いた。
Pの肩が少し震える。

晴父「納得いかないけど、今日はもう帰るよ。あと、娘は任せる」

あっさりと言いはなったその一言に、Pの顔は明るくなる。
Pは感謝の言葉と共に深々と頭を下げた。
その後、晴に一声かけ、留美にサインを貰ってから、晴の父は何事もなかったかのようにその場を去った。

留美「はぁ、疲れたわ…今回は貸しよ?Pさん」

P「何言ってるんですか。元はと言えばあなたが原因でしょう……何がアイドル達のちょっとした悪戯ですか」

留美「…それにしても、よくあんな説得で信じたわね。晴ちゃんのお父さん」

P「露骨に話を逸らさないでくださいよ。まぁ、信じてくださいと言われても普通は信じませんよね、あんな話。あっさり引いてくれたのは、やっぱ晴のおかげかな」

そう言うとPは横でサッカーボールを弄くっていた晴の頭を撫でる。
晴は顔を真っ赤にして抵抗する。
昨日の性の目覚めにより、明確にPへの恋心を自覚した晴は、誰から見ても恋する乙女であった。

晴「おい!頭撫でんな!何なんだよー!」

P「ははっ、よしよし」

留美「Pさん、私もいいかしら」

P「あっ、もうこんな時間だ!」

時計を見ながらPは態とらしく大声をあげる。
留美からの要求を華麗にスルーし、そろそろ目的の場所に行かなくてはいけないと、Pは行動を始めた。

P「じゃあ、留美さん。」

留美「……えぇ、じゃあ、また」

そういうと留美は晴とも挨拶を交わしてその場を去っていった。
あっさりと、あまりにもあっさりと。
何か企んでいるのか?
あまりにも呆気なく引き下がった彼女に、Pは不安なものを感じる。
しかし今は晴のことだ。
不安を払うように晴の手を強く握り歩き出す。
夕闇はすぐそこだった。

今日はここまでです

恐らくですが投下は後、まとめて3回になると思います。

だんだんと元から高くなかったクオリティがさらに下がっておりますが、どうぞお付き合いください。

日曜までには投下します
いつも申し訳ないです

茄子さんは人気なので別スレで書くと思います

何か質問があれば暇なときにちょくちょく答えます

Paは変態化が難しいんですよね
ネタが浮かんだら書きます


P「おーし、着いたぞ」

晴「ここって…ホテルか?」

P「……正確にはホテルも入ってるって感じだな」

着替え等の準備をすませ、公園から少し車を走らせた所にある次の目的地にPと晴は到着した。
車を降りて建物内に入ると、これから何があるか知らされていない晴を連れて、Pはどんどん建物内を進んでいく。
先ほどから何も説明もされず戸惑う晴とは対照的に、彼の顔は自信に満ちあふれていた。


晴「なー、いい加減なんか教えてくれよ」

P「んっふっふー、秘密だ」

見知った顔なのか、時々すれ違う人に挨拶しながら、足早にPは進む。
車内からの何度目かの質問にも満足いく答えを貰えず、不満げな表情をしながら晴もPに連れられて歩いていく。

ある程度歩いたところで少し奥まった目立たない通路へと着き、Pはそこにいた警備員と二、三口言葉を交わしパスのような物を見せてまた早足で歩きだす。
再びPに手を引かれて歩き出した晴は、何かを察した様子で彼に話しかけた。


晴「なー、いい加減なんか教えてくれよ」

P「んっふっふー、秘密だ」

見知った顔なのか、時々すれ違う人に挨拶しながら、足早にPは進む。
車内からの何度目かの質問にも満足いく答えを貰えず、不満げな表情をしながら晴もPに連れられて歩いていく。

ある程度歩いたところで少し奥まった目立たない通路へと着き、Pはそこにいた警備員と二、三口言葉を交わしパスのような物を見せてまた早足で歩きだす。
再びPに手を引かれて歩き出した晴は、何かを察した様子で彼に話しかけた。

晴「ここって関係者以外立ち入り禁止だよな?」

P「関係者だから大丈夫。ダメだったら警備に止められてるさ」

晴「つーことは、今度も…」

P「あぁ、うちのアイドル関係だよ。ここまで来る途中にポスター貼ってあっただろ?」

Pが早くイくから気がつかなかった。と晴が不満を言おうとした所で、Pは突然立ち止まり、彼女に向かって振り返る。

何事かと眉をひそめる晴と目を合わせるその顔は、相変わらず何か自信に満ちあふれた勝負師のような表情をしていた。

P「晴、今日はいろいろ回ったがこれで最後になる。そんでもって……これはお前のための特等席だ」

晴「あー…言ってることがいまいちよく分かんねー」

P「見て見りゃわかるさ。うっし、行くぞ」

そういうと、Pは晴の手をとって自身の後ろにあった扉を開く。
その瞬間溢れ出す歓声と音楽。
Pは少しにやけた顔で歩き出し、晴は訳も分からず扉の先の薄暗い中を連れられていく。

2人が歩いていく先、歓声の向けられる輝かしく眩い場所。
そしてそこで、歌い、踊る3人のアイドルたち。
晴は思わず目を見開いて感嘆の声を上げる。
凛、奈緒、加蓮、Pのプロデュースするアイドルトリオ、トライアドプリムスがそこにいた。

凄まじい熱気の中で行われる彼女たちの素晴らしいパフォーマンス。
その突き抜けた一体感は見ているだけで脳が痺れ、客席の星のようなサイリウムと合わさり、コスモを感じさせる。
何度もライブを見ているPでさえ、高揚感からにやけるのが止められない。

それは晴も同様で、心が高ぶり、何とも言い難い体の疼きが広がる。
彼女は今、今までで一番アイドルというものを羨望していた。
そんな彼女の耳元でPが話を始める。

P「すげぇ魅力的だろ、アイドルって。ほら、ファンの熱意ったら、見てるこっちまでうれしくなる」

Pが言うのは舞台の上からでしか見られない、アイドルたちへ向けられる熱い情熱。

これこそ彼がこの場所、客席や調光室などではなく舞台袖という場所を選んだ理由、晴にアイドルと似たような感覚を味あわせたい、アイドルに一番近い場所を見せたい、という思いからこの場所を選んだのだ。

晴の反応は無くとも彼は話を続ける。

P「あいつ等って最初からあんな輝いてたわけじゃないんだ。自信が無かったり、不真面目だったり……最初はお前と変わらない感じだったんだよ。けど、今じゃあ立派なアイドルになってる」

今がまさに正念場、あいや真奈美の時とは違った、アイドルとしてのかっこよさ、魅力というものを伝える、Pと晴の今日の旅の終着点であり最高のセット。

しかし、やはりあくまでPの言葉は後押しでしかない。
晴自身が直に見て、感じて、アイドルに興味、あわよくばアイドルになりたいと思えるかどうか。

ライブの音にかき消されないようにPはしっかりと喋りかける。

P「お前も、ああいう風に輝きたくないか?なってみたくないか?かっこいいアイドルにさ」

ライブに見入っていた晴が初めてPの方を向く。
その目はどこか不安そうな、それでいて、問いかけるような目をしていた。
本当になれるのだろうか、と。
Pは優しげな笑みを浮かべて答える。

P「お前なら大丈夫さ。俺だって支えるよ」

その言葉を聞いて、晴は頬を赤く染めて、舞台の方に顔をそらす。
そんな彼女をPは微笑みながら見つめる。
ほんの少しの間の後に彼女はゆっくりと口を開いた。

晴「アイドルになる気はねー」

Pの表情が落胆に染まる前に、晴は少し俯きながら言葉を続ける。

晴「けど」

その一言と共にPに向けられた顔は、照れが入りながらも、どこか清々しく、それでいてうれしそうな顔で、続けざまに放たれた言葉はPの表情を明るくした。

晴「Pは面白いヤツだから好きなようにやってみろよ。どうプロデュースすんのか見ものだな!」

P「っ!晴!」

晴「おわっ!抱きつくなよ!蹴るぞ!」

感極まったPの抱擁を晴は悪態をつきながらも受け入れる。
しょうがないといった表情で。
そして抱きしめられながらPに囁く。

晴「どうせならスゲーカッコイイ感じにプロデュースしろよ。出来るんだろ?」

晴はこの時に気がつくべきだった。
このPという男は一度もかっこいいアイドルにプロデュースするとは言っていないことに。

Pはこの時に気がつくべきだった。
2人に近づく人影に。

凛「ねぇ、プロデューサー。何してるの?」

P「り、りりりり、凛!?ライブは!?こっちの袖に来るのはアンコール前以外は無いは……」

客席から聞こえるアンコールの大合唱。
Pはぼそりと、ヤベェと言うと、ひきつった笑みを浮かべた。
凛の目は彼が今までに見たこと無いほどに、晴も恐怖するほどに、暗く深淵ようであった。

凛「…アンコールついでに、私の大切な人を紹介しようかな」

P「ままま、待て!それはダメだ。おいっ引っ張るな!おまっ、どこにこんな力がっ」

凛「その後は……ここ複合施設だからホールだけじゃなくて、ホテルもあるから……」

晴が呆気にとられるなか、ズルズルとPは引きずられていく。
流石に加蓮と奈緒やスタッフに止められて未遂に終わったが、Pはライブが終わるまで震えていたという。


今日はここまでです。
遅くなりました申し訳ありません。

そのとき一人の童貞が理性の中で瞬いて消えた。
そのとき六人の処女が終わりを告げた。
次回『ラッキースケベ?』
第12話「童貞、還らず」
アイドルの歴史がまた一ページ。

行き詰まりました
もう少しお待ちください
申し訳ありません


凛「じゃあ、晴ちゃん正式なアイドルになるって決まったんだ」

P「ああ、いやーここまで来るのほんと長かった」

事務所のビルの下、駐車場近くの自販機にPと凛はいた。
トライアドのライブ終了後、加蓮と奈緒をそれぞれ車で実家と寮まで送り、次は事務所を挟んで反対の方角にある凛と晴の家に送ることになったのだが、晴がトイレに行きたいということで事務所に寄ることになったためだ。

P「晴はアイドルなる気ねぇとか興味ねぇとか言うし、お前らはセクハラしてくるし、晴のお父さんにあらぬ疑いかけられるし、お前らはセクハラしてくるし」

凛「……あっ、一番星だ」

わざとらしすぎだろ。
そう思いながらPは自販機に千円札を入れ、晴のリクエストのコーラ(キリンメッツコーラ)を自分の分と2つ買う。横にいた凛に何が飲みたいか聞くと、プロデューサーの飲みかけなどと言い出したので、彼は結局同じボタンを3回押すことになった。

P「ああ、そういえば……今回のおまえ達のライブ、方針とかは全部アイドル自身で決めるセルフプロデュースだったろ?」

凛「うん、なかなか意見がまとまらなくて大変だったよ。やっぱりプロデューサーはすごいね」

P「んっ、ありがとな。で、まぁ、こっちは裏で手配とかするだけで思ったより時間がとれたからな。その余った時間を晴に回したんだ。だから、晴の件がうまくいったのはおまえらの御陰でもある。ありがとな」

凛「私たちの方こそ、いい経験ができたよ。……ありがとう。プロデューサー」

お互いに顔を見合わせて微笑みあう。
今日のライブからしても、凛はもう立派なアイドルなんだと改めてPは実感していた。

凛「……晴ちゃんも本格的にアイドルなるんだね。……ふふっ、私の時が懐かしいな」

P「凛がアイドル成り立ての頃か、もうずっと昔のことのように感じるな」

晴の分のコーラをポケットに入れ、Pは自販機の横でコーラを開けながら、思い出に浸る。
初めて会った時の、愛想のない凛、段々と素直になってきた凛、素直になりすぎて大変な変態になった凛。
どこで道を間違えたのか。
Pは噴き出したコーラでベトベトになった指を凛に舐められながら遠い目をしていた。

凛「あむ。ん、んー」

P「なぁ、少なくとも外では自重しろとあれほど」

凛「ふぅ…アイドルに成り立てだった頃と言えばさ」

P「おい、聞けよ」

凛「覚えてる?蒼穹の話」

凛と会ってそれなりに親しくなったある時、Pは彼女に蒼穹の話をした。
それは彼がたまに何故、空を見上げているのかという内容。

P「あー、あのときは確か……」

そう言いながらその時のことをPは思い返す。

凛「あむ。ん、んー」

P「なぁ、少なくとも外では自重しろとあれほど」

凛「ふぅ…アイドルに成り立てだった頃と言えばさ」

P「おい、聞けよ」

凛「覚えてる?蒼穹の話」

凛と会ってそれなりに親しくなったある時、Pは彼女に蒼穹の話をした。
それは彼がたまに何故、空を見上げているのかという内容。

P「あー、あのときは確か……」

そう言いながらその時のことをPは思い返す。

え?なんでたまに空を見上げてんのかって?
あー、俺はさ、蒼が好きなんだよ。蒼穹の蒼。
あの蒼は、どこまでも広がって続いていく……海とはまた違ったあの感じ……。
無限大の未来がそこにある。
そんな気がするんだよ。
そんで、未熟さにイラついたとき、あと困ったときとか、疲れたとき、暇なときとかによく見上げるんだ。
そうすると、魂が大気に溶け込む様に、蒼穹を漂ってる気がして……。
癒されるし、なんか何でもできる力が沸いてくる気がする。
振り返らず前を向いて、強く、そう強く、走り出そうって気分になるんだ。
……それが理由さ。

P「んあー!うわぁー!恥ずかしいー!」

凛「そうかな?すごく良い話だったと思うけど」

Pは今でも、前のように空の蒼が好きだし、昔と考えは変わっていないが、彼には凛と話した時の言い回しが、どうにも年頃の子がかっこつけたような話し方に感じられて思い出すだけで恥ずかしかった。

P「うぅ……で、その話がどうした」

凛「ねぇ、Pさん。私にとっての蒼は…Pさんだから」

P「あ、あぁ」

スッと場が冷え込んだような気がした。
まさかいきなり真面目な話をすると思わず、Pは動揺する。
そして、唐突だななどと思いながら彼は襟を正した。

凛「だから、ずっと一緒にいるためにこの婚姻届に判を押し欲しいんだ。引退する時に出すから。……約束だよ。ふふっ」

P「いや、意味が分からん。勝手に約束取り付けんな」

真面目な話かと思ったらコレだよ。と、ため息と共にPは呟く。
どうせ和久井さんあたりからだろうが、どっからその婚姻届を持ってきたのかと彼が聞こうとしたとき、不意に二人の携帯が振動した。

短いし中途半端ですが、ここまでです。
これ以上お待たせさせるなんてとんでもないと思い、急遽投下させていただきました。
もう少しだけお付き合いください。
お願いします。


>>373
これ蒼穹とnever say neverかwwwwwwww

>>384
凛ちゃんの蒼ネタとかいろいろ詰めすぎてこんなことになりました
ぶっちゃけ後悔してます

相変わらず、ぜんぜん書けてません
気長に待ってくれるとうれしいです
申し訳ないです

私はどちらかと言えば、伏線とか描写とかの意味を聞かれたならば喜んで説明しちゃうタイプです。変ですよねごめんなさい。

後、すごくお待たせてしてしまったのは紛れもなく事実です。
荒らされるのは悲しいですが、待たされてお怒りなのはごもっともです。
申し訳ありませんでした。

では投下していきます。

P「はいもしもし、どうしたんですかちひろさん?」

電話の相手はちひろだった。Pは素早く頭の中を仕事モードに切り替える。スピーカーからは聞こえるちひろの声は焦りの為かどもり気味で聞き取り辛そうにPは顔をしかめた。

P「えっ?急ぎの書類ですか?あぁ、いま下なんですぐ行きます」

それだけ言うとPは電話をきる。
彼はメンドくせーと叫びたい気持ちをぐっと堪えて、ため息を吐いた。

P「ちょっと上まで行ってくる。お前は車んなかで待っといてくれ」

凛「…私も行くよ。用事、できちゃったし」

妙に苛立たしげに携帯を見ながら答える凛に、不安なものを感じながらも、Pは一言、そうか、と言って歩き出す。

晴に集合場所が自身のデスクになったことをメールすると、Pと凛は丁度きたエレベーターに乗った。

2人きりのエレベーター。いつもなら何かしらモーションをかけるだろう凛は、ただ黙ってPの横に立ったまま、ほの暗い雰囲気を漂わせていた。

目的の階につくと、凛はPを置いて先へと歩いていく。
嫌な予感しかしねぇ、Pは自分でも気がつかないうちにボソリとそう呟いてエレベーターを出た。

部屋に着いた彼を待っていたのは平謝りのちひろだ。
内心不満たらたらだが愛想良く笑顔で資料を受けとると仕事にとりかかる。

P「今更こんなん頼むなよなぁ」

Pはまた自身でも知らず知らずのうちに愚痴をこぼすと、近くのソファにいたあいに、やんわりと咎められる。

あい「あまりそういうことを人前で言うものじゃないよ…Pくん」

P「珍しいな、来てたのか。てか口にだしてたか俺?」

あい「耳をすまさなければ聞こえないほどだがね。前々から思っていたが、どうも君は無意識に考えてることを口にだす癖があるらしい」

P「あー、自分では飲み込んでるつもりなんだがな、言っちゃってたか」

あい「致命的な癖だよPくん。意識して早めに治しておいた方が良い」

P「あぁ、そうだな。気がつけて良かった。ありがとう」

Pはモニタを見つめる目をそらして、コーヒーを飲んでいるあいをチラリと見ながら感謝の言葉を述べる。

そしてまたモニタに目を戻しながら、他愛のない会話を続けた。
まるで昼間のことはなかったような会話。しかし昼間のことを知っている人がいたならば、逆にあの話題を避けているようだと感じるだろう。

P「前も言ったが夜にコーヒーは止めといた方がいいぞ」

あい「…ん?あぁ、カフェインのことなら気にする必要はないさ。これはカフェインレスだからね」

P「そこまでして飲みたいもんなのかねぇ。味はどう?」

あい「寝る前に紅茶を飲まないと寝つけない人間もいるらしいからね。まぁ、私も似たようなものさ。味か、味は…ダメだな」

P「やっぱ不味いのか」

そう言うとPは印刷した書類を取りに椅子から立ち上がり複合機の方へ向かった。
書類が出るのを待ちながら何気なく辺りを見回すと、部屋の中には自身の担当するアイドル達である凛、留美、美嘉、茄子、楓、あい、そしてちひろしか居ないことに気がつく。
しかもあいを除くアイドル達は部屋の隅で、話の内容は聞こえないが、何やら険悪な雰囲気で話あっているときている。
嫌な予感を感じながら書類を揃えて席に戻る。

あい「不味い、薬臭いような…まさかな」

P「……マジでなんかの薬盛られたりはないよな?」

部屋の隅に固まっている集団の方を見ながら、Pは疑問の声をあげる。
あいもそちらの方を見ながら嘆息しつつ答える。

あい「…確かに疑って然るべきなのだが、このコーヒーを淹れたのは私だよ。1から完成まで薬を入れる余地はないね」

P「砂糖も入れないしな、あいは」

元からこういうコーヒーなのだと二人は話題を切り上げる。
Pは書類を出来上げてちひろに持って行く。
あいはその後ろ姿を見ながらまたコーヒーを一口飲んだ。
彼女は頭の中に一瞬お湯の入っていたポットが浮かんだが、疑いすぎだと考えをかき消して、せっかく淹れたのだからとコーヒーをまた一口飲んだ。
その予想が当たっているとも知らずに……。

今日はここまでです。
短くて申し訳ありません。

投下回数も前に書いた回数より後少し増えそうです。

どうかもう少しお付き合いください。

Pが出来上がった書類をちひろの方へ持って行くと、彼女は恐縮そうにそれを受け取った。
後はチェックだけ通れば恐らく終わりだろうと、Pは自身の固まった肩を叩いてふぅと息を吐く。

ちひろのチェックが終わるのを待つ間に、彼はちらちらと不穏な動きを見せる留美たちの様子を窺う。
先ほどまでと打って変わって、普通の雑談ムードが漂っているようだが、普段が普段なのでPにとっては到底安心できなかった。

更に様子を窺うと、輪の中で凛だけはどこかへ電話しているようで、Pがいるちひろのデスク寄りに少し離れた場所にいる。

そのためか意識せずとも凛の話している内容が自然とPの耳に入ってきた。
どうやら親に連絡しているようだが、その内容に彼は顔をしかめる。

凛「うん…打ち上げで…ごめんなさい、うん、友達のところに泊まるから…大丈夫だから心配しないで…とにかく今日は帰らないから」

少なくともPの聞いた話では、今日はトライアド3人での打ち上げもスタッフ達との打ち上げも入ってない。
それに先ほどまで晴と凛を自宅まで送っていく途中だったのだ。

ならば自ずと留美たちとの集まりが急に入ったのだろうと推測できるが、今まであのメンツで集まってるところなどPは一度も見たことがなかった。
嫌な予感がPの全身にじっとりとした汗をかかせる。何をやらかすのかは知らないが、自身に火の粉が降りかかる前に凛を置いて、晴を送ってこようと彼は決めた。

ちひろ「書類、大丈夫でした。すいませんでした。プロデューサーさん」

P「いえ、じゃあ晴を送って行きます」

申し訳なさそうなちひろの笑顔を一瞥し、Pは自身のデスクに戻る。

いつの間にかソファに座っていたあいの姿が無くなっており、なかなか来ない晴を待つには些か手持ち無沙汰だと、机に腰掛けるようにぼんやりとしていると、彼のデスクの電話が鳴った。

P「はい、CGプロダクションでございます。」

相手は今度合同ライブをすることになった某大手プロのプロデューサーだった。
何やら確認したいことがあるようで、Pは粗相の無いように細心の注意を払って応対する。

P「はい、そちらの件でしたら……」

晴「おい、P…」

机から立ち上がり、ちょうどPがメモとペンを持ち出した辺りで、晴が勢いよくドアを開けて入ってきたが、電話をしている彼の背中を確認すると、静かに黙ってドアを閉めた。

晴に気がついたPは不格好にポケットに入れていたコーラを取り出すと、彼女に取るのを促すようにその手を後ろ手にする。

晴もそれに気がついたようで、黙ってPに近づくと……

スッ転んでPのズボンとパンツを下ろした。

こんなことがありえるだろうか。まるで切られたようにベルトのバックルの付け根が千切れ、スラックスの留め金は吹っ飛び、チャックは生地が滝のように裂けてしまっている。
まるでギャグだ。傑作だ。

P「あっ!?、いえ、何でもありません」

一瞬の動揺の後、Pはすぐさま平静を取り戻し、受話器を肩で挟み、メモとペンを置いてズボンとパンツを上げようと試みる。

しかし上がらない。
これでは穿けないぞ。何故だなぜだナゼダ。
冷静さを取り戻していたPの頭の中が再び白く染まっていく。

彼はスラックスの生地が事務机の足にある角に引っかかっていることにすら気がつかない。
動揺したPは、ならばとパンツを穿こうとするが、上がらない。
当然だ。自分でパンツの生地を踏んでいるのだから上がるわけがない。

なんだこれは、どうすればいい。
冷静になればわかることが今のPには見えていない。

先方からの電話に相槌を打ちながら、ただ茫然としていた彼に突如として寒気が襲ってきた。

本能で感じ取ったような恐怖。
Pはその原因の方に視線を向ける。
その先にいたのは餓えた獣達だった。
彼は悟る。
ここまでだと。

先ほどまで部屋の端にいた5人はいつの間にかPの近くへと移動して、ギラギラとした視線を彼に向けている。

逆に冷静になったPは絶望的な状況で先方からの用件を聞きながらメモしつつ考える。
犯された後のことを。

幸い、廊下やエントランスに監視カメラはあるもののこの部屋にはない。
警備員の見回りもまだ始まるような時間ではない。
つまりこの状況が外部の人間に漏れる心配はない。

晴はちひろさんが何とかしてくれるだろう。
あいは、挨拶も無しに帰るような奴じゃないから戻ってくるだろうけど、どうなるだろう。
その後の問題も山積みだ。

あぁ、何でこんなことになったんだろう。

自分の下半身に伸ばされる手を見ながら、Pはこの世の儚さを感じた。

晴「やめろ!」

しかし、あと少し、あと一歩で18禁展開に入るというその時、勇敢な一人の少女がPを庇うように留美達の前に立った。
そう、結城晴だ。
両腕を目一杯広げた小さな背中が、Pの目にはとても大きく見えた。
そしてPの腐りかけた目に再び生気が宿る。

そうだ、まだ諦めてはいけない。

流石に晴のような小さい子がいる限り、18禁なことはしてこないはず、少なくとも晴をこの部屋から出すまでは何もしてこないだろう。

晴が少しでも時間を稼いでる間にスラックスとパンツを穿こう。

Pはまず、今通話している相手プロとの電話をちひろに代わってもらうためにアイコンタクトをする。
一言断ってから保留ボタンを押すという選択肢は頭の中から消えていた。

一方ちひろはこの状況から逃げ出したかった。

今日の仕事はもう終わり、後は帰るだけだというのに、この騒ぎだ。

自分なりに空気を読んで仕事をしているフリをしてはいるが、そろそろどうにかして帰りたい。我慢の限界も近い。

ちひろは神経質そうに机の端をトントンと叩きながら事の推移を見守る。

Pが電話に対応しながら、必死にフルチンでズボンを上げようとしている様はなかなか哀れだ。

何を手間取っているのかしら、まず足で踏んづけてるパンツから穿けばいいのに、というか電話置けばいいのに。

ちひろは冷静にそう思うが、変態が怖いので何も言わないし手も貸さない。

ふと、何やらPがこちらに視線を送っているのに気がつく。

ちひろがPの視線がアイコンタクトだと気がつくのに時間はかからなかった。

最初は彼が何を伝えたいかまったくわからなかった彼女だが、帰りたい一心で頭をフル回転させて閃く。

晴ちゃんと私を交互に見てるわね……はっ!

晴の父親は愛媛からわざわざ引っ越してくるほどの子煩悩→娘の帰りが遅い→会社が悪い、起訴
つまりPさんは晴を早く家まで送っていってほしいに違いないわ!

そこからのちひろの行動は速かった。

素早く帰る準備を済ますと、無言で留美とにらみ合う晴を横からかっさらっていった。

晴「おい!離せっ!Pが、P!」

ちひろ「お疲れさまでした!」

Pは一瞬何が起こったのかわからなかった。
電話を代わって欲しいと、受話器の方を見たりアイコンタクトで必死に訴えかけたはずが、ちひろは何を勘違いしたか晴を担いで連れて行ってしまった。

バタンッと無情にもドアの閉まる音が部屋に響く。

遠くから晴の怒鳴り声が聞こえるが段々とそれも聞こえなくなっていった。

今度こそ終わった。

通話保留にしとけばよかったんじゃ……、てか穿けないと思ったら、俺パンツ踏んづけてるだけじゃん、スラックスなんて机にちょっと引っかかってるだけじゃん。

Pは今更ながらしっかりと状況を理解し、そして深く自分のバカさ加減に後悔する。

先方に対して定型的な挨拶で通話を終えて受話器を置く。

瞬間に迫り来る十の手を見つめ、Pの目は、深い絶望に襲われたような、光が閉ざされたような、所謂レイプ目だった。

あいが再び戻ってきたのはすべてが終わった後だった。

今にも途切れそうな意識を保ちながらドアを開け、閉めたドアに寄りかかるように座り込む。

部屋の中は静かで、灯りがついてはいるが誰もいない。

あいはPの名前を呟くと、ドアに寄りかかるようにして立ち上がり、Pのデスクのイスに倒れ込むように座る。

あい「…遅すぎたな」

天を仰ぎ、途切れかける意識の中で後悔する。
もっと早く戻ってきていればと。

目元から涙がこぼれたとき、不意にドアを開く音が聞こえた。
あいは焦点の定まらない目で入ってきた人物を確認する。

留美「あら、あいさん戻ってたのね」

沈みかけていた意識がはっきりと戻ってくる。
怒りに揺れる双眸は留美をしっかりと睨みつけた。

あい「留美さん…彼はどこかな」

留美「Pさんなら下で待機させている車の中よ。今はじゃんけんで勝った鷹富士さんの相手をしてるわ」

相手をしている。その一言を聞いて、あいは飛びかからんばかりに立ち上がったが、2、3歩いたところで膝をついてしまう。
悔しさに歯を食いしばるあいに留美は淡々と話を続ける。

留美「…無理矢理吐いてきたようだけど、薬は効いているみたいね。無理しない方がいいわ」

あい「…やはり、あなた達か」

留美「ええ、Pさんに飲ませるために電気ポットに、伝手で手に入れた特殊な睡眠薬を入れたのよ。下手に飲み物渡したら警戒するもの彼。…もちろん他の人が飲む心配はないように、タイミングを見計らったわ。でもまさか最近来てなかったあなたが、こんな日にくるとは思ってなかったのよ。下手に止めても感づかれるから飲ませたけど、あなたを無力化できたのは大きかったわね」

あい「その口振り、だと、前々から、…計画していたのかい?」

留美「……でも他の人に計画を知らせたのは当日よ。それに結果はうまくいったけど、過程は計画と大きく違ったわ」

あい「昔の留美さんなら、もっと慎重だったろうに」

留美「本当よね。リスクが大きすぎたわ」

頃合いを見てあいは足に力を入れて立とうとするが、まったく力が入らない。
無理だとしても今すぐにでもPを助けたい気持ちが溢れ出す。

留美「無理よ。あの千川さんの知り合いに頼んだ特注品よ。市販の物とは違うわ。まだ意識がある方が驚きなくらい」

留美の物言いが琴線にふれたか、あいは苛立たしげに声を荒げ呻き睨みつける。
眼光は鋭く、大の男でも縮みあがる程の迫力だ。そして最後の力で怒号をとばした。

あい「あなた達は自分勝手だな。今は各々が一致団結してはいるが、Pくんが堕ちたらどうやって独り占めしようか考えているのが見え見えさ。彼の苦悩を考えもしないでな!」

留美「ええそうね、どうせみんなそうでしょうね。自分でも最低だとは思うわ」

あい「……だが、止める、気は、ないか……」

留美「堕ちるとこまで堕ちたもの。今更先のことを考えるなんて…無理ね」

その言葉を聞く前にあいは深い眠りに落ちた。
深いため息の後、留美は自分に言い聞かせるように呟く。

留美「彼だって人間だものね」

悩んでいる暇はない。留美は思考を切り替えて、部屋の電気を消し、あいを担ぐが、どうにもうまく運べない。

誰かを呼ぼうかと考えていると、ゆっくりとドアが開き楓がひょっこりと顔を出した。

楓「お疲れさまです…留美さん」

留美「高垣さん…あなた、彼の方はいいの?」

楓「プロデューサー、いえ、Pさんのことならずっと待って……待っていられないから、こんなことしてるんですけど、えっと」

留美「いいのよ、私もあそこで見ているだけは辛いもの」

手伝ってくれるかしら。留美がそういうと、楓はあいの空いている方の肩を担ぐ。
普段から酔っぱらいがよく運ばれる事務所だ、不自然さは感じられない。

楓「あの…あいさんはどうするんですか?」

留美「一緒に堕ちてもらうわ。その方が都合が良いもの」

楓「……ライバルが増えるなんて辛いバル」

留美「…中々苦しいわね」

楓「ええ、笑えないです」

鍵をかけ、あいを引きずるように二人は歩き出す。
エレベーターを待つ間、ふと思い出したように楓が疑問を投げかける。

楓「6人もいてPさん保つでしょうか?」

留美「大丈夫よ。普通の男の人は20回はイケるって安部さんが…」

楓「前に聞いたとき10回って言ってましたよ…菜々さん」

留美「……男の人は強いもの。大丈夫よ」

楓「……そうですね…大丈夫ですね」

大丈夫ではない。
普通の男性はそんなに射精できない。
しかしPはこの後に初体験で一晩で30発をぶっ放すこととなるのであった。

今日はここまでです

Pが童貞を奪われ、直江大和ばりの絶倫を発揮してから幾日かが過ぎ、Pと6人との関係は大きく変わった。

今までは散々彼女たちの好意を拒絶してきたPだったが、自分から積極的になるとはいかないまでも、拒絶することはしなくなったのだ。

倫理や苦悩、目を向けるべき終焉、プロデューサーとアイドル。
すべてを忘れて、求められるまま流されるままに獣のように交わりあう。
まさに、堕ちたという言葉が相応しい状態であった。

一度見かねたちひろが、どうしてあの時に拒絶しなかったのか聞いたことがあった。
Pは一瞬、何か言いたげな目と苦々しげな表情をした後、すぐに愛想の良い顔で答えた。

P「疲れたんです」

軽く聞こえるたった一言だったが、その時の、目から光の消え、寒気がするような仄暗い雰囲気に身を包んだ彼を見て、ちひろは今後一切、私的なことで関わるのは止めようと自身に誓ったという。

そして、今日も今日とてPと彼女たちは享楽にふけり、公私や昼夜を弁えない彼女たちにPは頭を悩ませる。

直江大和って誰だって思ったらそうかまじ恋だwwwwww
ただまぁその例えはみんなに伝わるのか?

朝、出勤までかなり余裕がある時間帯にPは目が覚めた。
外はまだ薄暗く静かで、鼻孔をくすぐるコーヒーが心地よい。
音もたてずに起きあがると、テーブルでコーヒーを飲んでいるあいに声をかける。……白けた目つきで。

P「おはよう。あい。コーヒーの付け合わせにしゃぶる俺のパンツはうまいか?」

突然かけられた言葉にビクリと肩を震わせて、あいは、起きていたのかと言いたげな表情でPの方へ顔を向ける。

あい「……朝食は何か食べるかい?」

P「いや、いらない。悪いけど起きたばかりじゃあな」

>>462
分かる人に伝わればそれでいいかと

Pはそういうと、あいからパンツを取り上げて洗濯機へと向かった。
なるほど確かに、これは昨日Pが穿いていたパンツであり、あいとの情交の際に脱いだものだ。
股間の部分を中心に丹念にしゃぶられており、生地が若干ヨレヨレになっている。

Pは呆れながら洗濯機にそれを放り込もうとしたが、洗濯機はすでに回っていた。
昨日脱ぎ散らかした衣服を、あいが入れてくれていたらしい。
しょうがないので、近くの洗濯カゴにパンツを入れると、いつものように洗面所に洗顔とうがい等へ向かう。

いつものように、とは言うが、ここはPの家ではない。

Pがあの夜連れてこられた場所であり、高齢化や税金等の影響で増えた都内の空き家を留美が買い取ったものだ。

1LDKと狭いながらも防音に改修してあり、住宅街から少し離れてはいるが、それでいてあまり目立たない立地、ヤリ部屋としては申し分のない場所であり、全員が合い鍵を持って、いつでも誰でも使えるようになっている。

手段が目的になっているような気がしてしかたないが、もはやこの際なのでPはあまり深く考えないようにしていた。

Pが部屋に戻ると、あいは何か考え込んだ様子でコーヒーを飲んでいた。

嫌な予感をひしひしと感じながら、必要が有るのだか無いのだか、全員で持ち寄った家具で更に狭くなった部屋を歩き、着替えが置いてある棚の前までつく。

P「俺は一度家に帰るよ」

あい「そうか、私は休みだからね。この家の掃除でもしてから帰るよ」

P「まぁ、ゆっくりしとけ」

あい「時にPくん。まだ時間にはかなり余裕があるだろう?」

P「……あ、あぁ、あいも二度寝してもいいんじゃないか?」

あい「いや、必要ないな。それよりコーヒーの付け合わせは…やはり本人が良いと思ってね」

P「……昨日さんざんヤったろうに!」

そう言いながらも、抱きついてくるあいを相手に、Pは激しい朝を過ごすことになったのであった。

P「結局ヤってしまった」

車で自宅に向かいながらPは独りごちる。
あの夜、寝起きのあいに自分から襲いかかった身分ではあるが、流石にあそこまできれいに堕ちるのはPとしては驚きだった。

しかし、今更後戻りは出来はしない。
駐車場に着き、車から降りてエレベーターに乗る。
自宅マンションの部屋のドアを開けながらPは小さく溜息を吐いた。

留美「あら、溜息なんて吐いてどうしたの?」

P「……また不法侵入ですか」

そんな彼の目に飛び込んできたのはエプロン姿の留美だった。
軽く頭痛のする頭を押さえながら、ドアを閉めて鍵をかける。

確かにPはアイドルたちと、かなり親しい関係にはなったが、相変わらず自宅の鍵は誰にも渡したりはしていなかった。
つまり、確実に不法侵入である。

P「それに、なんですかその格好は」

留美「Pさんは裸エプロン嫌いかしら?」

P「いや、うん、好きですけど、そうではなく……」

留美「ふふふっ…なら良かったわ」

そう言いながらうれしそうに笑う留美に、Pは思わずドキリとしてしまう。
Pは完璧に彼女のペースに飲まれていた。

留美「あぁ、そういえば…あなたが帰ってきたら言おうとしていたことがあったの」

P「ん?何ですか?」

留美「おかえりなさいあなた。ご飯にする?お風呂にする?……そ、それとも、わ、わっ、私?」

P「……ご、ごは」

留美「ええ、わかってるわPさん。答えは私ね。瞳がそう語ってるもの」

P「ちょっ、まっ、ここ玄関!あぁ!」

またも流されるままにsex!してしまったPは、後始末はやっておくからシャワー浴びてきてと留美に促されるまま、タオル等を取りに自室へ入る。

事前に裸エプロンでお出迎えということは、行動パターンが読まれていのではないか、と疑心暗鬼になりながら部屋の電気をつけると、何故かAVを見てる美嘉がいた。

美嘉「あっ」

P「……何やってんじゃお前は」

美嘉は顔を真っ赤にしながら、アタフタとテレビを消してヘッドホンを外す。

Pがもはや驚きもしなくなったのは一種の悟りからだろうか、逆にテンパる彼女がかわいらしくて彼はついつい意地の悪い笑みを浮かべてしまう。

美嘉「Pさん、こんな所で会うなんて奇遇だね!えへ★」

P「ここ俺ん家だからな」

更に顔を赤くする美嘉をよそにPはベッドに置いてあったAVのパッケージを見る。

Pの所有する48のAVの一つ、ロリだ。
まさか隠してあるAVを暴かれるならまだしも、内容まで見られるのは彼としては予想外だった。

P「やはりロリコンか」

美嘉「やはりって何!?っていうか違うし!?」

P「ふーん。で、どうだったんだこのAV」

美嘉「このロリAVは出来損ないだ。見れたもんじゃないよ」

P「お、おう」

いきなり毅然とした態度になる美嘉に少し引きつつ、Pは棚の引き出しからタオルを取り出す。
そこでふと、彼は一番重要なことを思い出した。

P「そういえば留美さんと美嘉はなんで家にいるんだ?」

美嘉「あー、えーっと、アタシ地方の仕事あったでしょ?で、始発で帰りの新幹線に乗ったらバッタリ留美さんと会って…Pさんの家に家事をしに行くっていうから、一緒にきちゃった★」

P「……お前は元々この部屋で何しようとしてたんだ?」

美嘉「そ、それはもちろん掃除だよ掃除ー」

P「…………」

美嘉「誰かさんがエロいDVD置いとくのが悪いんじゃんっ!」

P「逆ギレかよ!男にもあんだよ、いろいろ!」

Pがそう言った途端に、今度は美嘉が意地の悪い笑みを浮かべた。

少し大胆に胸元を強調し、スカートの裾を少し摘んでポーズをとるとPを誘惑するように語りかける。

美嘉「へぇ~、毎日のようにアタシ達とシてるのにまだ足りないんだ~?じゃあ朝から過激にシちゃう?ほらほらぁ~★」

P「まぁ、それもいいな」

美嘉「へ?」

まさかPがノってくるとは思っていなかった美嘉は、素っ頓狂な声を上げてアタフタする。

やはりからかいがいがあるな。
Pはそんなことを思いながら、笑って彼女の手を引く。

P「ほらほら、シャワー浴びにいこうぜ」

美嘉「ちょ、まっ、おねがいっ、ま、待って!」

P「ぷっ、あはは、あはっはっはっは!冗談だっての!」

深い仲になっても、多少変態でも、実際は純情な美嘉のかわいらしさにPは癒される。

彼女の肩をポンと叩くと、彼は部屋のドアノブに手をかけた。
だが、そんな彼を引き止めるように服の袖が掴まれる。

Pが振り向くと上目遣いに美嘉が目を潤ませていた。

美嘉「シャワー浴びにいかないとはいってないじゃん…」

結局、風呂場で愛し合い、留美に嫉妬混じりの冷やかしを言われることになるのだった。

Pは留美の作った朝食を食べた後、身だしなみを整え、強引に二人からいってらっしゃいのちゅうをされ家をでた。

車を走らせながら、カーラジオから流れる音楽に合わせて口笛を吹いていると、見知った後ろ姿が目に入る。

凛だ。

なるほど、ここらへんは凛の家の近くだったな、などと考えながら車を路肩に止めて、彼は開けた窓から声をかける。

P「凛!」

凛「!…Pさん」

うれしそうな顔をして凛はPの元へ駆け寄ってきた。
どうやら犬の散歩中のようで、彼女の傍らでハナコが元気にしっぽを振っていた。

凛「…これから仕事?どうしたの?」

P「ああ仕事、たまたまお前が目に入ってな」

凛「うれしいな……今までそっちから声かけてくれること、少なかったし」

P「そう、だったか?」

凛「うん…まぁ、私たちのせいでもあるとは思うけど……ここで長話もあれだし移動しようよ」

P「といっても、これから仕事なんだけどな。一緒に行くか?」

凛「ちょっと待ってて、急いでハナコ置いてくる」

P「ん?乗ってけばいいだろ。犬乗せるのなんて気にしないぞ」

凛「そうじゃなくて…ハナコ、車嫌いなんだよね」

言うが早いか凛はハナコを連れて駆けだした。

犬でも車酔いとかするのかなと、ふとした疑問を抱きながらPも凛を先回りするように車を走らせた。

実家である花屋に到着すると、凛が戻ってくる前に凛の母に挨拶をする。

凛の父は外出中なようで、二人で談笑しながら凛の帰りを待っていると、息を切らしながら凛と、元気良くしっぽを振ったハナコが帰ってきた。

凛「っ…はぁ、はぁ…た、ただいま」

凛母「はい、おかえり」

P「すまん、先にお邪魔してる」

凛「うん、すぐ支度するから待ってて、ほら行くよハナコ」

凛母「あら、どこか行くの?店番は?」

凛「あっ」

凛はまるでロボットのようにギギギギと首を動かして母の方へ目を向ける。

凛の母が黙って首を横に振ると、彼女はうるうると目元を潤ませてPに泣きついた。

凛「どうしようPさん…私以外に誰もいなくなるから、店番しなきゃいけなかったんだ」

P「と言っても俺も仕事があるからなぁ。今日ぐらい家でゆっくりしとけ」

凛「それは無理かな。店番終わったらすぐ会いに行くよ。…でも、今プロデューサー成分が足りないからすぐ補給したいな」

P「ちょっとよくわからない」

凛「…セッ○スしたい」

P「親の前で何言ってんだぁ!」

凛母「30分で済ませなさいね」

P「えぇ!?」

凛「行くよPさん」

P「マジカヨ」

こうして乙女の馬鹿力で強引に家の奥へと引きずられていくPを凛の母とハナコが優しく見送るのであった。

どこか満足気な凛に見送られて、少し疲れた顔で車を走らせ、Pは無事に始業前に事務所に着くことができた。

挨拶と共にドアを開けるが、珍しく誰の返事もない。鍵は開いているのだから誰かしらいるはずだが……。

トイレだろうかとなどと思いながら彼は鞄を置いて、椅子にどっしりと腰を下ろす。

すると足下に違和感を感じた。
まるで足下に誰かいるような。
Pが確認しようとゆっくりと椅子を引こうとすると、誰かが足を掴んで強引に引き寄せた。

P「ひっ」

楓「おはようございます…Pさん」

まるで小動物のようにPの股ぐらから顔を出したのは、楓だった。

口から心臓が飛び出るような驚きから一転、Pはおちゃめなドッキリに安堵する。

P「……何してるんですか?」

楓「Pさんを驚かせようかと」

P「いや、まぁ……はい」

楓「それにしても、こうしてると落ち着きますね」

まるで子供のように、Pの足にしがみついて、頭をコテンと膝に置く楓。

そんな彼女が妙にかわいらしく感じ、まるであやすようにPは優しく彼女を撫でた。

楓「Pさん…愛してます」

P「……知ってますよ」

楓「ふふふっ。愛してるって返してくれないんですね」

茄子「おはようございますー♪」

二人の甘い雰囲気をぶち壊すように幸運の女神が勢いよく事務所に入ってきた。
彼女はPを見つけると一目散に駆け寄り抱きつく。

茄子「おはようございますPさんっ!じゃあ、おはようのチュウしましょう♪」

P「いやちょっと待てナス!んぅ……!」

茄子「ん……ふぅ。ナスじゃなくてカコですってば♪うふふっ、いつものお約束ですね」

楓「むぅ~」

茄子「あら?楓さんそんなところで何を……」

楓「茄子ちゃんが上なら、私は下を攻めます」

P「こらこら!なに人のチャック下ろしてんですか!」

Pが二人に絡まれてドタバタとしている間に、始業の時間が段々と近づいてくる。

Pは誰か来るんじゃないかと冷や冷やしながら、入り口を注視するが、何故かいつもは時間前に多くの社員が来るのに、幸運なことに今日はまだ誰も来ていなかった。

P「ほら、もうすぐ誰かしら来るから…茄子は耳噛むな、人の乳首いじんな、楓さんもしゃぶるの止めて!」

茄子「そうですねー。そろそろ人増えてきそうですし、移動しましょうか」

楓「ほぉうへぇふぅね(そうですね)」

P「うっ、くっ、い、いや、ちょっ!」

そうこうしていると、やはり人が来た。
誰かが挨拶して入ってきた瞬間、Pは肝を冷やしたが、ちひろだと確認すると安堵した。

P的にちひろは安全な人物のカテゴリなのだ。見捨てられた恨みは忘れてはいないが。

ちひろ「あ、あぅ…朝か、ら、おっ、お盛んですねぇ~」

P「……うぅ、すいません留守たのみます」

茄子「じゃあ行きましょうPさん♪」

楓「(Pさんと3P)ふふっ」

とらわれた宇宙人のように両脇から引きずられ連れられていくPを見送りながら、ちひろはただ彼の露出した局部を凝視していた。

二人が仕事に向かい解放されると、今度はPも仕事に立ち向かうことになる。

それも一区切り付けると、Pは疲れ果てたのか机に突っ伏して動かなくなった。

そんな彼に申し訳なさそうに声をかける人物がひとり。

ちひろ「あのぉ、プロデューサーさん。晴ちゃんとの打ち合わせがもう少しで……ひぃ!」

幽鬼のように立ち上がるPに思わず情けない声を上げるちひろ。

そんな彼女を失礼な人だと思いながら黙ってPは部屋を出て行った。

晴「うーっす……じゃなかった。こんにちはー?」

ちひろ「あら、晴ちゃんこんにちは。プロデューサーさんもうすぐ来るから待っててね!」

そんなちひろの返事を聞いているのか、いないのか、晴はPの椅子に座って、足をブラブラさせる。

正直、あの日Pを見捨てたちひろに良い印象がない晴なのだが、Pに許してやれと言われてからは露骨に嫌悪はしなくなった。

嫌いなことに変わりはないが。

一方のそのPは廊下で思いがけない人物に出会い辟易していた。

ルーキートレーナー「だから!この間ドタキャンした時のお詫びとしてです!」

P「確かに晴のレッスンをドタキャンしたのは悪かったけど、詫びにパンツ寄越せは違うだろ」

ルキトレ「違く有りません!プロデューサーさんのパンツはお金より重いんです!」

P 「(何言ってんだこいつ)」

そうトレーナー四姉妹の四女だ。
と言っても、ルーキートレーナーだけではなく、他の三人も変態である。
彼女たちもなかなか変態的なアプローチで毎度Pを疲れさせる。

もうこれ以上は付き合いきれない、とルーキートレーナーを一人置いてPは歩き出す。

目指すは資料室、届いたばかりの晴の新しい衣装取りに行くのだ。

さて資料室の前に着き、ドアを開けようとするが行く手を阻む人物が一人。

P「手を離してくんないとドア開けられないんだけど」

ルキトレ「この先に行きたければパンツを置いていってください!」

P「何枚だっけ?」

ルキトレ「えーっと、お姉ちゃんたちの分も合わせて4枚です」

P「そんなに持ち合わせてるわけないだろ!」

ルキトレ「じゃあ今穿いてるのをください」

P「ノーパンで過ごせと」

ルキトレ「しょうがありませんよ。ドタキャンしてお詫びの一言で済まそうなんて、そうは問屋が卸しませんよ。パンツはキャンセル料です」

それならキャンセル料払うと言いたいPだが、話が進まなそうなので、ぐっと堪えて、ルーキートレーナーの言うことを聞くことにした。

P「……わかった。とりあえずこっちに来い」

とりあえず彼女の手を取って、男子トイレの個室に入る。

ここなら誰にも見られないだろうと、Pはズボンを脱ぎだした。

そんな彼を見ながらルキトレは恥ずかしげに頬を染めて、アタフタする。

ルキトレ「わ、わたしは外に出ててもよかったんじゃ……」

P「え?あぁ、ごめん。初心なタイプの変態だったんだな」

ルキトレ「あぅぅ……、お姉ちゃんたちを差し置いてそんな、あぁ!そ、そんな格好で近づかないでください!」

P「ははっ、かわいいな」

羞恥と怯えが合わさった顔に興奮して、わざと何も穿かないでパンツを片手にPは迫る。

ルーキートレーナーは、早く廊下に出ればいいのに後ずさった挙げ句に、ドアに寄りかかるように尻餅をついてしまう。

ルキトレ「だ、だめ近づかないでください……あっ、そんな顔に擦りつけ、んヴっ!」

このあと滅茶苦茶セックスした。
パンツはちゃっかり貰われた。

やたら甘えてくるルキトレを帰らせて冷静になると、着々と自分も変態になってると思いながらも、それほど重苦しい気持ちにならなかったことに、Pは内心で驚く。
もはや手遅れだなと自分に溜息を吐いてしまう。


ちひろ「あぁ、探しましたよプロデューサーさん……」

P「あぁ、すいません」

明らかに察したような苦笑いを浮かべて、ちひろがPを迎えに来た。

ちひろの表情を気にした風でもなくPは平謝りをして飄々としている。
もういけるとこまでいこうかな。

Pは歩き出しながらそう思った。

デスクに戻ると、晴からの熱い抱擁がPを待っていた。
Pは困ったように笑いながら、宥めるように彼女の背中をさする。

晴「ったく、おせーよ。何かあったかと思ったぜ」

P「無い無い大丈夫だっての。それよりほらっ、ちひろさんが持ってんのがお前の衣装だ」

晴はちひろから衣装を受け取ると、Pに促されるままに着替えに行った。

彼女はあの夜のことを知らない。
Pからは特に何もなかったと言ってはぐらかしたのだ。

それでも何か感付くとこがあるのか、はたまた、ちひろに連れて行かれてPを見捨てる形になったことに負い目があるのか、口は相変わらずだが、あの日からやたら甘えるような仕草をするようになっていた。

少し女の子らしくなった晴に喜びを覚えつつ、晴が真実を知ってしまったら、どうなるだろうかという不安もPにはある。

その時は嫌われても仕方がないだろうと思ってはいるが、しかし彼は先のルキトレの一件で、ちょっとした考えが芽生えつつあった。

いっそ晴も巻き込むか。

年端もいかぬ少女を抱こうとする我が身の思想に軽い嫌悪を覚えるが、それもまた有りだと思える自身に彼は苦笑するしかなかった。

しばらくすると、衣装を着た晴が顔を赤くして抗議しにきた。

晴「おいP!オレは確かに好きなようにやれって言ったけどコレはオレのキャラじゃねーだろ!」

P「良く似合ってんぞ」

ちひろ「えぇ、すごく似合ってるわよ晴ちゃん!」

晴「似合ってない!別の衣装持ってこいよ!ロリコン!」

P「変わりの衣装なんて無いっての、これを機にもっと女の子らしくなろう。なっ!」

晴「おっ、女の子らしくって…どうしたらいいんだ…」

何やかんや衣装をきっちり着てくれて、提案に乗って女の子らしさを考えるあたり、満更でもないようだとPは判断する。

何はともあれ、後は初ライブの成功有るのみだ。
長かったここまでのことを思い出すと、目頭が熱くなってくる。
だがまだ泣くのは早い。Pはぐっと堪えた。

P「まっ、先は長いけどがんばろうな」

そう言って、キザに晴の頭に手を置こうとして…Pは彼女を巻き込んで何もないところで転んだ。

一瞬の出来事だった。

まるでラブコメか何かのように、Pは晴に多い被さるような体勢になってしまう。

ちひろが何とかPの首根っこを掴んだおかげで、下にいる晴にあまり体重をかけるようなことはなかったようで、彼女は痛がりもせずに彼の下で照れた顔をしてそっぽを向いていた。

そしてそのせいだろうか、彼は転んだことで動転していた意識がすべて、自分の下で女の表情をしている彼女の体の小ささや、か弱さに向いていた。

そしてそちらにばかり意識が向いているせいで、彼の手が彼女の未発達な膨らみかけの胸の上に置かれていることに気がつかない。

P「……小さいな」

久しぶりに彼の悪い癖が出た。
思ったことを無意識でPは口に出してしまう。

晴は赤い顔でちょっとムッとして、自分の胸に置いてある彼の手を自分の手で包むようにして、こう言った。

晴「小さくねーよ成長期だよ」

彼女のその言葉と行動でPが晴の胸に初めて意識を向けたとき、彼の股間は静かに熱くなった。

晴が堕ちる日は近い。


長い間本当に本当にありがとうございました。

晴ちんSSが書きたかっただけなのにどうして、どうしてこうなったんでしょうか。

あと、途中でアイドルたちのPの呼び方が変わってるのはわざとです。

茄子さんいるからハーレムはなんやかんや安泰でしょう。

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