春香「今度の番組、私と美希の二人でやるみたいだよ」(999)


春香「ってプロデューサーさんが言ってた」

美希「ふーん・・・何でミキと春香の二人なんだろう?」

春香「分かんない、案外適当だったりして」

美希「そっかー、適当かぁ」

春香「うん、多分」

美希「ふーん」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「あれー、あんまり興味無い感じ?」

美希「そんな事無いよ?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367166278

春香「何だか反応薄くない?新番組だよ?結構大きい仕事だと思うんだけど」

美希「だって春香と二人なんでしょ?」

春香「うん、そうだよ」

美希「だったらさ」

春香「うん」

美希「絶対芸人みたいな扱いされちゃうと思うの」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「私、ちょっとプロデューサーさんに言って辞退してくる」

美希「じ、冗談なの!」

春香「美希、私アイドルだよ?」

美希「うん、知ってる」

春香「芸人じゃないからね?」

美希「うん、そうだね」

春香「じゃあ何であんな事言ったの?」

美希「だって春香って765プロの中じゃ絶対芸人ポジションだって思ったから」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「私、やっぱり辞退してくる」

美希「ま、待つの春香!冗談なの!」ガシッ

春香「ひどいよ美希!美希は私の事そんな風に思ってたんだね!」

美希「ごめんってば春香、ホントに冗談だから・・・ねっ?」

春香「離してっ、私みたいな芸人キャラは美希みたいなガチのアイドルと一緒にテレビに映っちゃいけないんだよ!」

美希「ミキはそこまで酷い事は言ってないの!」

春香「所詮私なんて亜美や真美にイタズラ三昧されてるのがお似合いなんだよ!」

美希「ミキが悪かったの、だからそんなに卑屈にならないで!」

春香「それで最後のオチにどんがらがっしゃんやってればいいんだよ!」

美希「いやぁー!春香がネガティブさんになっちゃったの!」

春香「こんな普通オブ普通の無個性アイドルの私なんて、身体張った芸で笑いを取るしかないんだよ!」

美希「何かもう発想が完全に芸人寄りなの!笑いを取るってアイドルの発言じゃないよ!?」

春香「いいんだいいんだ、どうせ私なんて・・・ん?」

美希「春香、カンペが出てるの」

春香「ええと・・・何々?『小芝居はもういいのでそろそろ本番お願いします』だって」

美希「しょうがないの、それじゃあ始めるの」

春香「はい!というわけでTVの前の皆さん、天海春香です!」

美希「やっほー、星井美希なの」

春香「いよいよ始まりました、私たち二人による新番組」

美希「みんなー、よろしくなのー」

春香「それじゃあ早速だけど美希、番組の説明よろしくっ!」

美希「ええと・・・この番組は、765プロ所属アイドルの天海春香と星井美希の二人が
    ただ単にだらだらとトークするだけの番組です・・・って、こんなの番組として成立するの?」

春香「分かんないけどうちのプロデューサーさんがこの企画出した時はあっさり通ったらしいよ」

美希「芸能界ってやつはよく分からないの・・・あっ、またカンペ出てるよ」

カンペ『人気急上昇中の765プロアイドルの素の表情が見れる貴重な機会という事でお受けしました』

春香「だそうです」

美希「素の表情?」

春香「なんかね、変に飾らず普段通りのノリでやっていいんだって」

美希「普段通りかぁ」

春香「うん」

美希「だからセットの作りが事務所に似てるんだね」

春香「何気に再現度高いよね」

美希「ミキが今座ってるこのソファーも事務所のやつと全く同じなの」

春香「テレビの前の皆さーん、私たちの所属する765プロの事務所はこんな感じなんですよー?」

美希「こんなに狭いわけが無いって思ったでしょ?信じられないかもしれないけど、実際本当に狭いの」

春香「美希、そんなに堂々と狭いだなんて言ったら社長に悪いでしょ、社長だって気にしてるんだから」

美希「今の春香の発言の方が絶対ひどいと思うの」

春香「まあそんな感じで、私たち二人でゆるい感じでやっていきたいと思います」

美希「ねえねえ春香、普段通りに振舞っていいんだよね?」

春香「うん、そうだよ」

美希「それじゃあ、おやすみなさいなのー」

春香「ちょっと美希!?」

美希「んー・・・Zzzz」

春香「寝つき早っ!じゃなくて美希、起きてってば!」

美希「ん・・・あふぅ・・・春香、人が気持ちよく寝てるのに起こすのはひどいんじゃないかな?」

春香「何で急に寝るの?おかしいよね?今収録中だよ?」

美希「え、だって普段通りでいいんだよね?」

春香「うん、そうだけど」

美希「ミキ、事務所でいっつもこんな感じ」

春香「わーっ!わーっ!美希ちょっとストーップ!」

美希「えっ、どうしたの春香?ミキいっつも事務所のこのソファーで」

春香「ダメだよ美希、そんなのバラしちゃったら普段はサボってる子だって思われちゃうよ!」

美希「むー、ミキ最近はちゃんとアイドル頑張ってるよ?サボってなんかいないの」

春香「それは分かってるけど普通は事務所でお昼寝なんてしないの、悪いイメージ持たれちゃうよ?」

美希「分かったの、じゃあこの事は秘密に・・・ん?」

春香「テレビの前の皆さーん!美希が事務所でお昼寝してるっていうのは秘密にしておいてくださいねー?」

美希「あの、春香・・・?」

カンペ『春香さん、カメラ回ってる前で堂々と言っちゃってますよ』

春香「あっちゃー、私ったらついうっかり!私ってばドジだなぁ、てへへ」

美希「えっ、何々?春香今のワザとなの?絶対ワザとだよね?」

春香「大丈夫だよ美希、律子さんに怒られる時は私も一緒だから」

美希「そんなのってないの!」

春香「ところで今更だけどこの番組ってまだタイトル決まってないんだよね」

美希「ミキが言うのもなんだけど、それはちょっと適当すぎるって思うな」

春香「台本には『はるみき(仮)』って書かれてたね」

美希「例え仮題であったとしてももう少しちゃんと考えてほしかったの」

春香「それにしても(仮)って・・・この段階で(仮)って、スタッフさん絶対考える気ないよね」

カンペ『せっかくですのでお二人で考えてください』

春香「えぇぇー・・・私たちに投げちゃうんですか?」

美希「何だかミキ達の扱い、ちょっと雑じゃない?」

春香「うーん・・・何がいいかなぁ」

美希「あっ、ちゃんと考えるんだ・・・真面目だね」

春香「うーん・・・そうだなぁ」

美希「・・・」

春香「・・・あっ」

美希「思いついたの?」

春香「はるまげどん!」

美希「ダサいの・・・っていうかミキの要素がどこにも無いよ?」

春香「じゃあ、はるみきどん?」

美希「そこに無理やりミキの要素をねじ込まないで欲しいの」

春香「はるみきDon!」

美希「それ完全にパクりだから、怒られちゃうよ?」

春香「でもDon!って入ると何だか放送事故が起きちゃいそうな気がするね」

美希「その発言は洒落にならないの」

春香「ハゲ丸どーん!」

美希「デコちゃんの事を悪く言うのは許さないの」

春香「別に伊織のこと言ってるわけじゃないんだけどなぁー、後で言いつけてやろーっと」

美希「春香のイジワル!」

春香「いーってやろ、いってやろー、デーコちゃんに言ってやろー」

美希「春香もデコちゃんって言ったからきっと巻き添えで怒られちゃうよ?」

春香「はっ・・・!しまった!」

美希「・・・」

春香「うーん・・・中々良い案が浮かんでこないねー、美希も考えてよ」

美希「えー・・・面倒くさいの」

春香「さぁっ、さぁっ!美希さん早く!」

美希「そんな風に無茶振りされても困るの」

春香「はーやーくっ、はーやーくっ」

美希「春香、人の話聞いてる?」

春香「さぁっ!さぁっ!スタッフさんが思わず脱帽してしまうようなセンスの光るタイトルお願いします!」

美希「ハードル上げたってミキ何にも浮かんでこないからね?」

春香「ガッカリだよ、春香さんはガッカリだよ!」

美希「・・・何だか今日の春香はすごく面倒くさいの」

春香「うーん、やっぱりこういうのって考えるの難しいよねー」

美希「いっそ視聴者の人に考えてもらったら?」

春香「視聴者の方に?」

美希「番組名の募集っていうやつ?たまにあるよね、そういうの」

春香「あっ、それいいね!テレビの前の皆さーん、番組名を募集しまーっす!あて先はこちらですっ」

美希「ホントに投げちゃうんだ」

春香「採用された方には星井美希ちゃんのサイン入りCDをプレゼントっ!いぇいっ!」

美希「勝手に人のサインをプレゼントにしないでほしいな・・・っていうか何でミキのサインだけなの?」

春香「スタッフさーん、オンエアーの際には私の指差す方向にちゃんとテロップ入れておいてくださいねー」

美希「今日の春香は随分と自由だね、何だかミキの方が振り回されてる感じ」

春香「よしっ、これで何とかなりそうだね」

美希「まあ、ミキ的には正直番組名なんてあんまり気にならないんだけどね」

春香「そうなの?」

美希「ミキは春香と一緒に楽しく番組がやれたらそれでいいって思うな」

春香「えっ・・・あの、えっと・・・あ、ありがとう」

美希「ミキ、春香と一緒に番組やれる事になってホントに嬉しいんだからね?」

春香「えへへ・・・そっかぁ、私も嬉しいよ」

美希「春香照れてるのー、かわいいー」

春香「べ、別に照れてへんし!」

美希「何でそこで関西弁になるの?」

春香「話は変わるんだけどね」

美希「うん」

春香「冒頭の小芝居あったじゃない?」

美希「うん、あったね」

春香「あれってさ、スタッフさんにはアドリブでやっていいって言われてたじゃん?」

美希「そうだね」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「・・・えっ、何この沈黙、ミキはどうすればいいの?」

春香「美希、私のこと芸人ポジションだって言ったよね?」

美希「うん、言ったの」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「・・・」

春香「なんでやねんっ!」

美希「!?」ビクッ

春香「私アイドル、芸人違ウ、分かるカ?」

美希「それは分かるけどカタコトになる意味が分からないの」

春香「」ペチペチペチ

美希「無言でペチペチ叩かないで欲しいの、全然痛くないけど」

春香「っていうかひどいよ美希!よりにもよって私のこと芸人扱いするだなんて!」

美希「ご、ごめんなの」

春香「小芝居とは言え春香さんちょっと傷ついちゃったんですけどー?」

美希「そんなに気にしてたんだ・・・」

春香「当たり前じゃん!どこの世界に芸人扱いされて喜ぶアイドルがいるんだよっ!」

美希「よしよし、ごめんね春香?」ナデナデ

春香「そ、そんな事でこの春香さんは誤魔化されませんよ!」

美希「ふふふっ」ナデナデ

春香「・・・しょうがないなぁ、今回だけは許してあげるよ!春香さんは寛大だからね!」

美希(チョロいの)

美希「でもさぁ、春香」

春香「んー?」

美希「なんだかんだで結構小芝居ノリノリじゃなかった?」

春香「それはアレだよ!ああいうネタ振りされちゃったから仕方なく、ね?」

カンペ『天海さんのリアクション、芸人さんっぽかったですよ』

美希「ほらー、スタッフさんもこう言ってる」

春香「そ、そんな事ないよ!ひどいよスタッフさんまで!」

美希「そうかなー、でも」

春香「うるせえリボンぶつけんぞっ!」

美希「つい今しがた芸人キャラを否定した人間の発言だとは思えないの」

春香「もういいから!この話は終わり、ハイサイ!!やめやめ」

美希「それ響のネタなの・・・春香、パクり芸はダメだよ?」

春香「パクり芸とか言わないで!なんかもう完全に芸人扱いしてるよね?」

美希「だって春香がついついリアクションしてくれるから」

春香「そろそろ本当にやめて欲しいな!春香さん結構傷ついてますよ?」

美希「えー・・・もうちょっとだけイジりたかったのになー」

春香「あんまりしつこいと春香さん、激おこぷんぷん丸だらかねっ!」

美希「ぶふっ」

春香「あれ・・・何で今笑われたの?」

美希「ちょっと春香、今のは反則なの」

春香「どうせアレでしょー、反則的に面白かったとかそういう流れでしょー?ふんだっ」

美希「もう拗ねないの、かわいいって意味だよ?」

春香「えっ、本当に?私かわいかった・・・?」

美希「うん、すっごくかわいかったの」

春香「えへへ・・・そっかぁ、美希にそう言ってもらえると嬉しいなぁー」

美希「ホントにホントだよ?何なら視聴者さんの為にもう一回やって欲しいくらいなの」

春香「し、しょうがないなぁ・・・それじゃあもう一回だけだからね?」

美希「それじゃあカメラに向かって、3・2・1、はいなのっ!」

春香「もー!春香さん激おこぷんぷん丸だぞっ?」カメラメセン&ウワメヅカイ

美希「期待通りのあざとさなの、さすが春香って感じ」

春香「何このハメられた感!ひどくない!?」

美希「ところで今の所番組的にはどうなんだろうね?」

春香「分かんない、二人で適当に喋ってるだけだけど、こんなのでいいのかな?」

カンペ『全然オッケーでーす、この調子でお願いします』

美希「だって」

春香「こんなんでいいんだ・・・こんなのが番組として成立しちゃうんだ」

美希「でもタダ喋ってるだけじゃ面白くないし、そろそろ何か違う事したいね」

春香「例えば?」

美希「うーん・・・ベタだけど、ゲームとか?」

春香「ゲームかぁー、そういえばそこの棚に色々ゲーム置いてあるよ」

美希「何でそんなのが・・・テレビの前のみんなー、実際うちの事務所にはそんなの無いからね?」

春香「勝手に話進めちゃってるけど、ゲームとかしても良いんですかね?」

カンペ『どうぞお好きなようになさってください』

美希「だってさ・・・今更だけどこの番組ってホントにゆるいね」

春香「それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうか」

美希「何する?」

春香「ツイスターゲーム!」

美希「えっ、なんで?」

春香「ミキミキと濃厚な触れ合いがしたいからだよハァハァ」

美希「引くの、キモイの、近寄らないで欲しいの、ミキそういうのホントに無理、あっち行けなの」

春香「言いすぎじゃない!?冗談だから!ほんの冗談だからね?」

春香「冗談はさて置き・・・色々とあるねー、ミキは何がしたい?」

美希「何でもいいよー、ルール分かるやつだったら何でもー」

春香「じゃあオセロにしよっか」

美希「うん、それでいいの」

春香「それじゃあ私取ってくるね」

美希「何だかもの凄く嫌な予感がするけどお願いするの」

春香「はいはーい、それじゃあちょっと待っててねー」

美希「大丈夫だよね、いくら何でもミキが予想してるようなベタな展開にはならないよね」

春香「美希、お待たせー・・・うわぁっ!?」

ドンガラガッシャーン バッシャァァァーン

美希「・・・えぇぇ、ありえないの」

美希「ねえ、春香」

春香「は、はい!なんでしょうか星井さん」

美希「何が楽しくて床に散らばったオセロの石拾わなきゃならないんだろうね?」

春香「すいません・・・ホントに、はい・・・面目ないです」

美希「今チャンネル合わせた人は絶対戸惑ってるよね」

春香「アイドル二人が床に散らばったオセロの石回収してる画だもんね、何だコレって感じだね」

美希「ミキ的にも今この状況が何だコレって感じだけどね」

春香「あの・・・私一人で拾うんで星井さんは休んでていいですよ・・・はい」

美希「は、春香・・・?別に本気で怒ってるわけじゃないから、そんなに落ち込まないでね?」

春香「」ズーン

美希「そんな訳で石拾いは春香に任せてミキは休憩中なんだけど」

春香「んしょ、んしょ・・・うぅ、取れないよぅ・・・」

美希「アイドルが四つん這いになって机の下に潜り込んでるっていう画は、色々とヤバイ気がするの」

春香「大丈夫だよー、今日スカートじゃないし」

美希「そういう問題じゃないと思うの」

春香「しょうがないじゃん、机の下に石飛んでっちゃったんだもん・・・あっ、取れた!取れたよ美希!」

美希「春香、急に頭上げたりしたら危ないよ?」

春香「大丈夫、だいじょ・・・あうっ!」

ゴッチーン

春香「・・・っ!いったぁい・・・!」

美希「もうお約束すぎるの、ある意味天才的すぎるの」

春香「うぅ・・・ぐすっ、痛いよぅ」チラッチラッ

美希「カメラ目線で言われてもあざといだけなの」

春香「ひどいよぅ・・・ホントに痛いんだからね?」

美希「もう、分かったから早くオセロ盤片付けてくるの」

春香「あれっ、オセロしないの?」

美希「なんかそんな気分じゃなくなったの」

春香「そっかー、じゃあ残念だけどしょうがないね、戻してくるよ」

美希「あっ・・・ちょっと待って、やっぱりミキが戻してくるの!」

春香「大丈夫だって、今度は転ばないように気をつけ・・・うわぁぁっ!?」

ドンガラガッシャーン バッシャーン

美希「ありえないの」

美希「ねえねえ春香、落ち込んでるところ悪いんだけど」

春香「はい・・・なんでしょうか星井さん」

美希「春香って絶対ワザと転んでる時とかあるよね?」

春香「ヴァイ!?」

美希「あんな何も無い所で転ぶなんて、ワザとやってるとしか思えないの、しかも2回も」

春香「違うから!私だって好きで転んでるわけじゃない事くらい知ってるでしょ?」

カンペ『えっ、ワザとなんですか?』

春香「だから違うって言ってんでしょ!むっきぃー!」

美希「今度はデコちゃんのパクりなの、パクリ芸再びなの」

春香「だからパクリ芸とか言わないでくれる!?」

春香「っていうか美希、私たち結構付き合い長いのに今更そういうのひどくない?」

美希「でもさっきのタイミングで転ぶのはいくらなんでもお約束すぎるの、おいしすぎるの」

春香「ちーがーいーまーすー!ガチですよっ、ガチ!」

カンペ『春香さん、ちょっとワザと転んでみてよ』

春香「はいぃぃっ!?何でそんな事しなくちゃいけないんですか!」

美希「あっ、それいいかもー、それで普段転んでる時の画と見比べたらハッキリするの」

カンペ『それでは検証してみましょう』

春香「何この流れ、おかしくない?何が悲しくてカメラ回ってる前でワザと転ばなきゃいけないの?」

美希「それじゃーいってみるの!春香、3・2・1のタイミングで転んでね?」

春香「なんか釈然としないけどいいよもうヤケクソだよ、よーしやってやろうじゃないですか!」

春香「それでは不肖、天海春香、ワザと転ばせていただきます!」

美希「それじゃあ、3・2・1、どうぞなのっ」

春香「・・・えいっ、きゃあっ」ステーン

美希「・・・」

春香「えへへ・・・転んじゃった、私ってばドジだなぁ」テヘペロ

美希「あざといの」

春香「!?」

カンペ『あざといです』

春香「!?」

テロップ『あざといですねぇ・・・』

美希「そうだよね、春香がワザと転んだらあざとくなるに決まってるの」

春香「ようし、お前ら私にケンカ売ってるんだね?そうなんだね?」

美希「それにしてもさすが春香、予想以上のあざとさだったの」

春香「お前たちお仕置きしてやる!そこに跪きなさいっ!」

美希「ごめんね春香、ミキは春香のあざとさを甘くみてたの」

春香「ちょっと無視しないでよ!」

美希「もー春香、人が喋ってる最中に横やり入れたらダメなんだからね?」

春香「えぇぇ・・・理不尽だぁ・・・」

美希「というわけで検証終了なの、春香お疲れさまっ」

春香「こんなに嬉しくない『お疲れさま』は生まれて初めてだよ!」

美希「テレビの前のみんなー、春香のズッコケ芸は天然だっていう事が証明されたの」

春香「何さり気なくズッコケ芸とか言っちゃってんの?」

美希「ごめんね春香、ワザと転んでるんじゃないかって疑っちゃったりして」

春香「いや、うん・・・分かってくれればいいんだけど・・・」

美希「どうしたの春香?元気ないけど」

春香「誰のせいだと思ってるの!ひどいようわぁぁん!」

美希「春香、落ち着いてなの」

春香「何これ、扱いが完全に芸人じゃん!春香さん傷つきすぎてグロッキーだよ!」

美希「よしよし、ごめんね春香?」ナデナデ

春香「もうダメだもん・・・春香さん完全に落ち込んじゃったから、それくらいじゃ許さないもん」

美希「はーるかー?」

春香「ダメだもん、春香さんはもう怒っちゃってるから許してあげないもん」

美希「どのくらい怒ってるの?激おこぷんぷん丸よりも?」

春香「そんなの比じゃないもん、ムカ着火・・・なんだっけ」

美希「ファイアー!」

春香「ムカ着火ファイアー!」

美希「かわいいの」ギュウゥゥ

春香「ダ、ダメだよ・・・!春香さんはもうそんなんじゃ誤魔化されないんだから、ふんだっ」

美希「春香、ごめんね?」ギュウゥゥ

春香「・・・ふ、ふんだ!」

美希「はーるかっ?」ギュウゥゥ

春香「だめだもん・・・今や春香さんの怒りは最高潮なんだもん」

美希「春香・・・許してくれないの?」ギュウゥゥ

春香「あ、当たり前じゃん・・・そう簡単には許さないもん」

美希「ごめんね春香・・・ミキ、ちゃんと反省してるよ?」ナデナデ

春香「・・・」

美希「春香、そろそろ機嫌直してほしいなっ・・・仲直り、しよっ?」ナデナデ

春香「・・・しょうがないなぁ!春香さんは心が寛大だから今回だけは許してあげようかな!」

美希「ありがとう春香っ!大スキなのっ!」ガバッ

春香「うわっ、ちょっと美希!?カメラ回ってる前で抱きつくとか何考えてるの!恥ずかしいからっ!」




テロップ『二人のイチャイチャの続きは、CMの後!!』


こんな感じでだらだらやっていきます

面白いです
もしかして 春香「『天海春香より星井美希の方が可愛い』って」
の人ですか?

>>39
ごめん違います・・・ただあれを見てはるみき書きたくなってしまった

春香「なーんてそんなのありませんけどねっ!」

美希「・・・」

春香「ねえねえ騙されちゃった?今どんな気持ち?どんな気持ち?」

美希「・・・」

春香「そんなの放送できるわけないじゃん!そんな事したら事務所の人に怒られちゃうもん!」

美希「ねえ春香」

春香「大体そんなので喜ぶのなんてうちの緑の事務員さんくらい・・・ん、どうしたの美希?」

美希「ちょっとふざけ過ぎなの、ホントに怒られちゃうよ?」

春香「ふぁい・・・ごむぇんなさぁい・・・」

美希「というわけで気分を切り替えて、番組再開なのっ」

美希「ねえねえ春香」

春香「どうしたの?」

美希「ミキ、思うんだけど・・・やっぱりお喋りするだけだと間が持たない気がするの」

春香「そうかな?私は美希とお喋りしてるだけでも十分楽しいんだけど」

美希「やっぱり番組的にも色々な画があった方がきっと面白いと思うの」

春香「確かにそれはそうだけど、美希らしからぬ真面目な発言だね・・・どうしちゃったの?」

美希「ミキも自分でそんなキャラじゃないって事は分かってるつもりなんだけどね」

春香「うん」

美希「春香がさっきからちょくちょく暴走するからミキがしっかりしないとダメなのかなって」

春香「半分以上は不可抗力じゃん!理不尽だぁ・・・」

美希「というわけでやっぱり何かゲームをするの」

春香「あっ、私やりたいのあるよ!」

美希「何々?」

春香「ツイスターゲーム!」

美希「そのネタもう2回目なの」

春香「だってミキミキと濃厚な触れ合いが」

美希「ねえ春香」

春香「はい、なんでしょうか」

美希「ミキ、そういうのホントに無理だって知ってるよね・・・怒るよ?」

春香「す、すみませんでした!」

美希「それじゃあ気を取り直して何か無いか探してくるの」

春香「あっ、それじゃあ私が取ってこようか?」

ガシッ

美希「は・る・かぁー?」

春香「は、はい」

美希「ミキが、取ってくるの」

春香「いや、大丈夫だって・・・今度はちゃんと」

美希「お願いだからじっとしてて、もうさっきみたいな大惨事はゴメンなの」

春香「気をつけるから!美希、お願いだから私を信じてよ!」

美希「無理なの、ミキが行くから春香はここで大人しく待っててね?」ニコニコ

春香「ふぁい・・・分かりましたぁ・・・笑顔が恐いよぅ、ぐすん」

美希「それにしても色んな種類のゲームが置いてあるの・・・春香はどんなゲームがしたい?」

春香「私も何でもいいよ、ルールが分かるやつだったら何でも」

美希「ルールの分かるやつかー・・・あっ、碁盤まであるの」

春香「美希、囲碁のルールなんて分かるの?」

美希「分かるわけないの・・・春香は分かるの?」

春香「私も分かるわけないじゃん、囲碁が出来るアイドルなんて渋すぎるでしょ」

美希「意外と貴音辺りが出来そうな気もするの」

春香「あー、何となく分かるかも・・・それにしても囲碁かぁ・・・囲碁ねぇ」

美希「春香、どうしたの?ひょっとして囲碁がやりたいなんて言わないよね?」

春香「そういうわけじゃないけど、碁石ってさぁ・・・数が凄く多いよね」

美希「確かに言われてみれば凄い数なの・・・一体何個くらいあるんだろうね」

カンペ『2色合わせて361個です』

春香「うわぁ、すごっ・・・いや、でもそれ持って・・・」ブツブツ

美希「春香・・・ひょっとして」

春香「ん?」

美希「碁石持って転んだら画的においしいとか思ってないよね?」

春香「な、何をバカな!そ、そそそんなことあるわけないじゃん!」

美希「これ以上ないくらい分かりやすい反応なの・・・絶対おいしいって思ってるよね?」

春香「そ、そんな事あらへんで!」

美希「さっきから春香のキャラが迷走しっぱなしなの」

春香「真の代表曲は?」

美希「えっ」

春香「迷走Mind!」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「うーん、何のゲームがいいかなー」

春香「あれっ、スルー?」

美希「これだけ色々あると迷うよねー」

春香「せめてツッコんでよ!寂しいじゃん!」

美希「えー・・・」

美希「とりあえず春香」

春香「は、はい!なんでしょうか!」

美希「今のうちに真くんに謝っておいてね?」

春香「菊地さん、すいませんでした!」

美希「真くん、ごめんなさいなの」

テロップ『菊地真さん、本当にごめんなさい』


―同時刻 菊地家 居間にて―

真「・・・」

真一「・・・」

真母「・・・」

真「えっ、何この空気・・・ボク悪くないよね?」

美希「というわけでこれを持ってきたの」

春香「あっ、これ知ってる!黒ヒゲ危機一髪ってやつだよね」

美希「ミキ、これやった事ないからやってみたいの」

春香「うん、それはいいんだけどさ・・・」

美希「どうしたの春香?」

春香「何で人形の頭にリボンが付いてるんだろう・・・」

美希「ぶふっ・・・ホントだ、春香にソックリなの」

春香「リボンしか共通点無いじゃん!何なのさリボン付けたヒゲ面のおっさんって!」

カンペ『名付けてはるヒゲ危機一髪、今度コラボ企画の一環として提案してみようかと思います』

春香「却下です、却下!本人無視して何やってるんですか!」

美希「でも芸能人とのコラボ企画で色々出てなかった?」

春香「いや、確かに色々出てはいるけれど」

美希「この際だし、春香も出してみたら?」

春香「嫌だよ!多少なりとも似てればいいけどさ、これタダのリボン付けたヒゲじゃんか!」

美希「ミキはかわいいと思うけどなぁー」

春香「じゃあ美希とのコラボでやってもらったら?金髪アホ毛の美希ヒゲ危機一髪って感じでさ」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「あはっ、ヤなの☆」

春香「ですよね」

美希「準備できたの!春香、はやくやろうよ」

春香「あぁ・・・うん、分かった・・・この人形のおかげであんまり気は進まないけど」

美希「それじゃあどっちからいく?」

春香「私からいこうかな」

美希「まさか、一発目でいきなり飛ばすなんて事にはならないよね?」

春香「まっさかー、いくら何でもそんなお約束な展開には・・・」

ザクッ ビヨーン

はるヒゲ「キャッ、コロンジャイマシター」

春香「・・・」

美希「なったの、さすがなの春香」

春香「いやいやいやいや、何今の人形のセリフ?」

美希「一発目で飛ばすなんてお約束すぎるの、神がかり的すぎるの」

春香「もっと他にツッコむべき点があるよね?何なの今の人形のセリフ?」

カンペ『遊び心です』

春香「悪意しか感じませんね」

美希「っていうか春香・・・ミキも剣刺すのやりたかったのに一発目で終わらすなんてヒドイの」

春香「そこで責められても困るよ!私だって別に狙ってやったわけじゃないからね?」

カンペ『それでは負けた天海さんには罰ゲームを』

春香「ちょっと待って、納得いかないですよ!せめてもう一勝負!」

美希「しょうがないなー、さすがのミキも今ので勝ちっていうのは釈然としないし、もう一回やってもいいよ?」

春香「ありがとうございます、星井さん!」

美希「というわけで今度はミキの先攻でいいよね?」

春香「うん」

美希「むぅー・・・どこに刺そうか迷うの・・・決めた、えいっ!」

ザクッ ...シーン

美希「ふぅー・・・これ結構ドキドキするね・・・それじゃあ次は春香の番なの」

春香「よーし、そうそう何度も同じ目には・・・」

ザクッ ビヨーン

はるヒゲ「イッケナーイ、ワタシッテバ...テヘペロ」

春香「・・・」

美希「えぇぇー・・・なんでなの」

春香「私が聞きたいよね、うん」

春香「っていうか声も別バージョンとか変な所だけ凝ってるね!」

美希「もう何なの春香、ワザとやってるの?ちゃんと勝負する気ある?」

春香「えっ、何で私いま怒られたの?ちょっと理不尽すぎるんじゃないかな?」

カンペ『というわけで今度こそ負けた天海さんには罰ゲームを』

春香「ここまでヒドイ扱いを受けてさらには罰ゲームまでやらされるとか、この番組における私の扱いって・・・」

美希「芸人さんなの」

春香「だから私は・・・あぁ、いいやもう」

美希「・・・春香?」

春香「なんか否定するのも面倒くさいし、もうそれでいいやって気になってきたよハハハ」

美希「春香お願い!目からハイライトを絶やさないで!」

美希「は、春香・・・気を取り直して罰ゲームなの!」

春香「そうだね、それで結局何をしたらいいんですか?」

カンペ『この箱の中からクジを一枚引いてください、書いてる内容が罰ゲームです』

美希「罰ゲーム専用ボックス、だって・・・用意良すぎるの」

春香「何が入ってるのかなー、ケツバットとか熱々おでんとか闘魂注入とかパイ投げとか引いちゃったら嫌だなー」

美希「いくら何でもアイドルにそんなのさせる筈がないの」

春香「えっ・・・無いの?」

美希「何でそんなに露骨に残念そうな顔をするの?」

春香「だって私はこの番組における芸人キャラだし、そのくらいは」

美希「ミキが悪かったの、謝るから元の春香に戻って!」

春香「それじゃあ引こうかな・・・何が出るかな、何が出るかなー」

ガサゴソガサゴソ

春香「ほいっとー」

美希「ねえ春香、どんな内容が書かれてるのかな?」

春香「ええっとねぇ・・・うわっ・・・えぇぇー・・・」

美希「ど、どうしたの春香?」

春香「こ、これ絶対やらなきゃダメなんですか・・・?」

美希「そんなにヒドイ内容なの?」

春香「いや、まあひどいっていうか何と言うか・・・私的にはかなりキツイと言いますか」

美希「どれどれ・・・どんな内容なのかな?」

春香「うん・・・こんな内容なんだけど」

美希「春香が言いよどむなんてよっぽどなの、酷かったらスタッフさんに文句言ってやるの!」

春香「・・・」

美希「ええっと、どれどれ・・・リボンを外す?」

春香「・・・」

美希「・・・うわぁ、これはエグいの」

春香「でしょ?私にとっては死活問題だよこれは」

美希「スタッフさんあんまりなの!春香にこんな過酷な罰ゲームをさせるなんて!」

春香「み、美希・・・」

美希「あのリボンは春香の本体なんだよ?それを外しちゃったら残された春香のパーツはどうなっちゃうの!?」

春香「おぉぉい、ちょっと待てぇい」

美希「どうしたの春香?今ミキはスタッフさんへの抗議で忙しいの」

春香「本体って何だよ本体って!リボンはあくまでもリボンだから!」

美希「またまたそんな事言っちゃってー、あれ春香?ちょっとポジションがズレてるの」

春香「何でそこでリボンに向かって話し掛けるかな!?こっちが本体だから、司令塔だから!」

美希「むー、ネタを振ったのは春香の方なのにそんなにキツイ言い方は良くないって思うな」

春香「悪ノリが過ぎるよ!」

美希「それでどうするの?これ、やるの・・・?」

春香「正直あんまりやりたくないんですけど、やらなきゃダメですかー?」

カンペ『テレビ的にもやっていただきたいところですが』

春香「マジかぁ・・・これはちょっとキツイですよ・・・うぅ」

美希「あっ、そうだ!ミキいいこと思いついたの」

春香「いいこと?」

美希「ええとねぇ、春香はカメラに背を向けた状態でリボンを外すの」

春香「うん」

美希「それでね、リボンを外した春香を見るのはミキだけなの」

春香「ほうほう」

美希「カメラさんはミキのリアクションを撮ってそれを使えばいいんじゃないかな!」

春香「それは正直私としては嬉しい提案だけど、番組的にはどうなんでしょうか?」

カンペ『星井さんのリアクション次第です、面白いの期待していますよ』

美希「あはっ、お任せなのっ!」

春香「そ、それじゃあミキ・・・よろしくお願いします」

美希「はいなのっ!」

スルスル パサッ

春香「ど、どうでしょうか・・・?」

美希「・・・」

春香「・・・美希?」

美希「・・・」

春香「あの・・・何かコメントしなきゃ」

美希「・・・す」

春香「す?」

美希「すごいの!リボンを外したら一瞬にして別人に変わっちゃったの!」

美希「ミキ驚いちゃったの、人間ってこんなに一瞬で変わるものなんだね」

春香「・・・」

カンペ『リボンを外しただけでそんなに変わるんですか?』

美希「もう凄いなんてものじゃないの!これじゃ街中で見かけても絶対春香だって気付かれないの」

春香「・・・」

美希「すごいよ春香!これは予想以上だったの・・・あれ、春香?」

春香「うわぁぁん!美希のバカ!金髪アホ毛!ひどいよ!」

美希「あっ・・・えっと、春香?」

春香「幾らなんでも言いすぎだよ!リボン外したからってそんなに劇的に変わる筈ないじゃん!」

美希「ご、ごめんなの・・・テレビ的にちょっと大げさなコメントした方が盛り上がるかと思って」

春香「つーん」

美希「春香が怒ってソファーに突っ伏しちゃったの」

春香「ふんだ、美希なんて大っきらいだもん」

美希「えー、ミキは春香の事大好きだよ?」

春香「そんな堂々と言われると照れるじゃん・・・」

美希「だって本当の事だもん」

春香「えへへ・・・ありがとう、嬉しいなぁ・・・はっ!危うくまた誤魔化されるところだった」

美希「むぅー、春香ひどいの・・・ミキはそんなつもりで言ったんじゃないのにー」

春香「もう今回はそう簡単には許してあげないもん、春香さん怒りマックスだもん」

美希「膨れっ面の春香もかわいいの」ツンツン

春香「ちょっと頬っぺた突っつかないでよ」

美希「あはっ、春香かわいいー」ツンツン

春香「ちょっと美希、春香さんは今怒ってるんだよ?ちゃんと理解してる?」

美希「分かってるの、だからどうしたら春香が機嫌直してくれるか考えてるの」ツンツン

春香「頬っぺた突っつきながら言う台詞じゃないよね、それ」

美希「春香、どうしたら許してくれるの?」

春香「ど、どうしたらって言われても・・・」

美希「ミキ、春香が許してくれないとショックで泣いちゃうかもよ?」

春香「えぇぇっ!そういう言い方はズルイんじゃないかなぁ・・・」

美希「だってミキ、大好きな春香に嫌われちゃったりでもしたら・・・ぐすっ」

春香「あれっ、嘘でしょ?ねえちょっと美希・・・」

美希「ぐすっ・・・ごめんね春香?ミキ、ちゃんと反省するから・・・」

テロップ『あーあ、泣かしちゃったー』

春香「え、えぇぇ・・・ちょっと美希、お願いだから泣かないでよぅ」

美希「じゃあ、ミキのこと許してくれる・・・?」

春香「あぁもう分かったよ!許すから、許すから泣き止んでよ!」

美希「あはっ、ありがとう春香!」

春香「変わり身はやっ!」

美希「春香、大スキなのっー!」ガバッ

春香「だからこんな所で抱きつかないでってば!ダメだぁー・・・私、ミキには絶対勝てないや・・・」

美希「というわけで、ここでプレゼントのコーナーなのーっ!」

春香「記念すべき第一回という事で、ちょっと豪華なプレゼントでいきたいと思います」

美希「なんと、今回はミキ達のサイン入り・・・」

春香「サイン入り?」

美希「はるヒゲ危機一髪をプレゼントしちゃうの!」

春香「なんでやねん!そんなの貰っても誰も嬉しくないよっ!」

美希「えー、でもミキ達のサイン入りだよ?」

春香「そういう問題じゃないから、はるヒゲを世間に出そうとしないで!」

美希「はるヒゲさん嫌いなの?ミキはあのリボン付けたおじさんカワイイって思うけどな」

春香「かわいくないよ!私にとっては屈辱以外の何でもないからね!」

美希「そんなこんなでそろそろお別れの時間が近づいてきたの」

春香「あぁ・・・はい、そうっすか」

美希「むぅー・・・春香、最後くらいテンション上げていこうよ」

春香「あんだけボロクソな扱いされてそう簡単に立ち直れるわけないでしょ!」

美希「ダメだよ、テレビのお仕事なんだからちゃんとしなきゃ?」

春香「なんだろう・・・正論だって分かってるのにも何でこんなに理不尽な気持ちになるのかな」

カンペ『第一回目を終えて、二人の感想はどうでしたか?』

美希「ミキ的にはこんな風に春香と二人でバカみたいにはしゃぐのも悪くないかなって思うな」

春香「私も楽しくなかったって言えばウソになるけど、この芸人的な扱いさえなければなぁ・・・」

美希「それについてはもう諦めた方がいいって思うな」

春香「いやいや諦めないよ私は!次回こそは芸人キャラ脱却を目指すよ!」

美希「それは無理なんじゃないかな・・・だってあれ」

カンペ『次回から「天海春香の目指せ芸人道」というコーナーを立ち上げる予定です』

春香「ちょっと待ったぁぁぁ!却下ですよ却下!断じて却下!」

美希「それじゃあ皆、また来週も見てねー?」

春香「このタイミングで〆に入らないでよ!やらないからね、絶対やらないからね!」

美希「お相手は765プロのおにぎりマイスター、星井美希と」

春香「えっ、本当にこれで〆ちゃうの?ええっと・・・765プロが誇る超正統派アイドル、天海春香がお送りしました!」

はるみき「「それじゃあ、まったねー!」」



春香「いやいやいいや、納得いかないよー!何なのこの扱い、もうー!」

第二回に続きます

雪歩、千早のラジオの人でもありません、期待を裏切ってすまぬ

投下します

美希「あふぅ・・・今日はいい天気なの、こんな日はすごく眠くなっちゃうの」

ガチャ

春香「おっはよーございまーす!」

美希「あっ、春香おはようなの」

春香「おはよう美希、今日もいい天気だね!」

美希「春香は朝から元気なの・・・ミキはもう眠くて眠くて仕方がないの」

春香「だからって本当に寝ちゃダメだよ?もうすぐお仕事なんだから」

美希「分かってるの・・・あれ、春香その格好」

春香「やっと気付いてくれた!ふふーん、メイド服ですよメイド服!どうかな、似合うかな?」

美希「すごいの、似合いすぎてるの、全身からあざとさが滲み出てるの」

春香「うん、ありがとう、全然褒められてる気がしないけどね」

春香「そうだ美希、眠気覚ましにコーヒーでも淹れてこようか?」

美希「いいの?それじゃあお願いするの」

春香「それじゃあ私に命令してよ、メイドだから命令がないと動けないもん」

美希「あっ、そこまでこだわるんだ」

春香「そうだよ、今の私は身も心もメイドだからね」

美希「それじゃあ春香、ええっと・・・コーヒー淹れてきてくれるかな?」

春香「畏まりましたお嬢様、ホットココアですね!」

美希「いや、だからコーヒーなの」

春香「いっけなーい、私ったら聞き間違えちゃいました!申し訳ございませんお嬢様」テヘペロ

美希「もしかしてそれがやりたいが為だけにミキに命令させたの?」

美希「それにしても春香ってば、急にメイドだなんてどうしちゃったのかな」

春香「うぅぅ・・・お、お嬢様ぁ・・・お待たせ致しましたぁ・・・!」プルプル

美希「うわぁ、トレイがめちゃくちゃ揺れてるの」

春香「あわわわ・・・あ、足元がフラつくよぅ」

美希「そしてこの先の流れはもうこれ以上ないくらい読めてるの」

春香「だ、ダメ・・・もう限界」

美希「というわけでミキは今のうちに避難しておくの」

春香「う、うわぁっ!?」

ドンガラガッシャーン バシャァ

美希「って嘘、ホントに中身入ってるの!?」

春香「うぅぅ・・・いたた・・・私ってば、また転んじゃいましたぁ」

美希「しかも熱々なの・・・もし、こんなのがまともに掛かってたら・・・」

春香「ご、ごめんね美希・・・火傷とかしなかった?」

美希「春香、さすがに中身入りは洒落にならないの」

春香「ごめんごめん、どうせやるなら本格的にと思ってさ」

美希「何なのその無駄なこだわりは」

春香「でも大丈夫だよ、一応転ぶ方向とかは計算したから美希に被害は及ばなかったはず」

美希「えっ、春香って転ぶ角度とか計算できるの・・・?」

春香「えっ、出来るけど?」

美希「・・・」

春香「じ、冗談に決まってるじゃない・・・嫌だなぁ、そんな疑わしい目で見ないでよ」

美希「やっぱり春香、ワザと転んでるんじゃ・・・」

春香「そんな訳ないじゃん!私のズッコケ芸が天然だってのは証明済みでしょ!」

美希「自分からズッコケ芸とか言っちゃってるの」

春香「でも美希に掛からなくて本当に良かったよ、咄嗟に違う方向にトレイ投げておいて正解だったね」

美希「おかげで助かったんだけど、でもね」

春香「うん?」

美希「投げた方向を見てみるの」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「律子さんの机が、コーヒーまみれに・・・」

美希「これはひどいの、机の上がびちゃびちゃなの」

春香「oh...書類が、律子さんの書類が」

美希「重要書類がつゆだく状態なの」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「ねえ美希」

美希「なぁに?」

春香「怒られる時は一緒だよね?」

美希「ミキ関係ないの、そんな巻き込み事故はゴメンなの」

春香「ですよねー」

美希「というわけでテレビの前のみんなー、星井美希だよー」

春香「天海春香です・・・」ゴシゴシ

美希「今回もミキと春香の二人でのんびりやっていこうと思うの、よろしくねー」

春香「ちょっとー、美希も机拭くの手伝ってよぅ」フキフキ

美希「ミキは関係ないの、こぼしたのは春香なんだから一人で責任持って綺麗にするの」

春香「ですよねー」

美希「っていうか小芝居とは言え律子、さんの机にコーヒーこぼすなんて春香はいい度胸してるの」

春香「ち、違うんですよ律子さん!これは事故ですから!誤解しないでくださいねっ?」

美希「必死すぎるの」

テロップ『ここで実際に使用したのは墨汁を混ぜたお湯です、本物のコーヒーではございません』

春香「そんなわけで第二回目の放送なわけですけど」

美希「もう冒頭からひどい流れだったの」

春香「ご、ごめんね・・・転ばないように気をつけたつもりだったんだけど」

美希「春香がトレイを持ってる時点でフラグが立っちゃってるから、どうしようもないって思うの」

春香「ひっどいなー、私だって転ばないように気をつけたつもりなんだけどなー」

美希「じゃあカップの中身が何で本物のコーヒーじゃなかったの?」

春香「えっ、それはですね・・・」

美希「予め転ぶつもりでもない限りそんな事しないよね?」

春香「・・・えへっ」

美希「やっぱり最初から転ぶ気満々だったの!ひどいの春香!」

春香「違うよ!違うから!絶対違うからね!本当に違うんだってばよ!」

美希「そんなに連呼されると逆に怪しすぎるの」

春香「いや違うんだよ?マジで、ホントに、この上なく!」

美希「しつこいの、あとうるさいの」ビシッ

春香「いてっ」

美希「春香、絶対ワザと転んでる時とかあるよね?全部が全部天然じゃないよね?」

春香「この期に及んでまだそんな事言うか!私がこんなにも否定してるのに!」

美希「あれだけあからさまに否定されたら、むしろワザとやってますって暴露してるようなものなの」

春香「ひどいよ美希、どうして私の事信じてくれないの?」

美希「だってさっきの小芝居とかどう考えても全部計算付くなの、狙い済ました感が凄すぎるの」

春香「うぅ・・・ひどいですお嬢様、私だって一生懸命やってるのにぃ・・・」

美希「えっ」

春香「ぐすっ・・・お嬢様はどうしてそんなにも私にイジワルをするのですか?」

美希「春香、急にどうしたの?」

春香「確かに私は仕事の出来ないダメなメイドですが、これでも私なりに・・・うぅぅ、ぐすん」

美希「あぁ、そういう事か・・・春香は今メイドさんなんだね」

春香「お願いですお嬢様、どうか私を見捨てないでください」

美希「完全に役に成り切ってるの、春香にメイド服を着せたらこんなにも活き活きとするんだね」

春香「うぅ・・・ぐすっ、ひっく」チラッチラッ

美希「時折カメラ目線になる辺り、さすが春香って感じなの」

美希「それにしても春香、今日は初っ端から随分とテンション高いね」

春香「うん、何でだろうね?この格好してると何だかすっごく気分が盛り上がるんだ」

美希「何となく分かる気がするの、ところでそのメイド服はどこから持ってきたの?」

春香「これね、実は真の私物なんだ」

美希「ふーん・・・えっ?」

春香「どうしたの?」

美希「何か今さらりと言ってのけたけど、どういうことなの?」

春香「だからこのメイド服はね」

美希「うん」

春香「真の私物なんだってばよ!」

美希「うん、それは分かったの、それを踏まえた上で質問をさせてもらっていいかな?」

春香「おう、どんんとこい!」

美希「・・・」

春香「どうしたの美希?春香さんはいつでも準備オッケーな状態だよ!」

美希「その前に春香はちょっと落ち着くの、そのテンションすっごく面倒くさい」

春香「ご、ごめん」

美希「それで何で春香が真くんの私物のメイド服なんて持ってるの?」

春香「真ってさ、結構かわいい物とかキャピキャピな服とか好きじゃない?」

美希「そうだね、あんまり大っぴらにはしてないけどファンの人には結構知られてるの」

春香「それでこのメイド服なんだけどね、真が今日事務所に持って来てたんだ」

美希「なんで真くんは事務所にメイド服なんて持ってきてたんだろう?」

春香「ええっとね・・・これって言っちゃってもいいのかな」

美希「何か言いにくい事なの?」

春香「まあ局も同じだし良いのかな・・・多分問題ないよね」

美希「どうしたの春香?」

春香「今日ってさ、この局内で真が他の番組の収録してるじゃない?」

美希「あぁ、うん、確かそうだった気がするの」

春香「それでね、その番組内で『芸能人の勝負服を披露』的なコーナーがあってね」

美希「何だか話しの流れが読めてきたの」

春香「事もあろうに真がこのメイド服を公開しようとしてたから没収したの」

美希「そ、そっか・・・ミキ的には真くんはカッコいい服装の方が良いけど、それはそれで可哀想なの」

春香「まあ没収したのは雪歩なんだけどね」

美希「あっ、そうなんだ・・・じゃあ何で春香が持ってるの?」

春香「たまたまその場に居合わせたからかな」

美希「適当すぎるの」

春香「真の収録が終わるまで預かってて欲しいってさ、手の届かない所にあったら諦めもつくだろうからって」

美希「雪歩、やる事がえげつないの」

春香「真なんか結構抗議してたけど最後の方は涙目になってたよ、可哀想にねー」

美希「まあでも雪歩が相手じゃしょうがないの、相手が悪かったの」

春香「そうだねー、改造計画ばりのあのテンションで迫られたらどうにも出来ないもんね」

美希「それじゃあ真くんは今日の収録、どんな服持って行ったんだろうね?」

春香「なんか雪歩が自分のロッカーからタキシード出してたよ、サイズも真にピッタリのやつ」

美希「雪歩・・・さすがの美希もそれは引くの」

春香「まあ、そんな感じかなー、結構ネタバレしちゃったけど大丈夫ですかね?」

カンペ『不味かったら編集でカットしますので』

美希「ところでさぁ、もう一つ気になる事があるんだけど」

春香「うん」

美希「だったらどうして春香が真くんのメイド服を着ているんだろう?」

春香「あっ、そこ気になっちゃうんだ?」

美希「話の流れ的にそれが一番気になるところだよね」

春香「まあどうしてかと聞かれれば、可愛かったからなんだけどね」

美希「・・・えっ?」

春香「メイド服が可愛かったんでつい着てみたくなっちゃって」

美希「山があったから登ったみたいな言い方しないで欲しいの、っていうかそれ真くんの私物だよね」

春香「そうだね」

美希「ダメだよ春香、人の服勝手に着ちゃったりしたら」

春香「大丈夫だよちゃんと許可は取ってるから!」

美希「あっ、そうなんだ・・・それだったら」

春香「雪歩のね!」

美希「えぇぇー・・・」

美希「とりあえず春香」

春香「はい、なんですか!」

美希「今回も真くんに謝っておこうか?」

春香「真、ごめんね?」

美希「真くん、春香が迷惑掛けてごめんなさいなの」

テロップ『菊地真さん、前回に引き続き本当に申し訳ございません』


―同時刻 帰りの車中にて ワンセグにて番組視聴中の真とP―

真「・・・」

P「・・・」

真「・・・」

P(き、気まずい・・・)

美希「それはそうと、ふと疑問に思ったんだけどさ」

春香「うん」

美希「それって真くんのメイド服なんだよね?」

春香「そうだよー」

美希「すごく言いにくい事なんだけど、サイズとか大丈夫なの?」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「ぶっちゃけてもいい?」

美希「うん」

春香「キツイ」

美希「やっぱりそうなんだ」

春香「うん、腰周りは何とか大丈夫なんだけどさ・・・胸とお尻の部分がもうキツくてキツくて」

美希「あはっ、春香ってば最近お菓子の食べすぎなの、プニプニなのー」

春香「やめてよー、洒落にならないんだからさぁ」

美希「アイドルなんだから体型はちゃんと維持しないと怒られちゃうの」

春香「ついつい自分で作ったお菓子の味見とかしちゃいがちでさぁ、気をつけないとなぁ」


―同時刻 再び帰りの車中にて Pと真―

P(そういう問題じゃないだろ・・・)

真「プロデューサー、この辺に河川敷とか無いですかね?」

P「えっ、どうして急にそんな事を?」

真「何だか無性に叫びたくなっちゃいましてね」

美希「とりあえず春香は今日は罰として収録終わるまでずっとその格好ね」

春香「えぇぇっ!?ちょっと待ってよ美希、正直これをずっと着続けるのは苦しいんだけど」

美希「自業自得なの」

春香「そ、そんなぁ」

美希「でもそれ、すごく似合ってるよ?悔しいけどめちゃくちゃカワイイの」

春香「そ、そうかな?」

美希「きっと今回の放送を見た人たちは皆春香のファンになっちゃうと思うの、メロメロなの」

春香「え、えへへ・・・いやだなぁ、そんな・・・照れちゃうよ」

美希「せっかくカワイイのに着替えちゃうのは勿体ないってミキは思うな」

春香「しょうがないなぁ、それじゃあ今日の収録はずっとこの格好でいこうかな!」

美希「それはそうと番組のタイトルって結局決まったのかな?」

春香「なんかまだ決まってないらしいよ」

美希「えっ、でも前回の放送で春香が番組名の募集かけたんじゃなかったっけ?」

春香「そうらしいんだけどさ、なんかちょっとしたトラブルがあったらしいよ」

美希「トラブル?」

カンペ『天海さんがプレゼントに星井さんのCDだなんて言い出すから、予想以上に応募が殺到しまして』

美希「・・・」

カンペ『あまりの数にこちらの手が回り切らない状況となっております』

春香「だってさ、さっすが美希だね!すごい人気じゃん!」

美希「えっ、ミキ悪くないよね?完全に春香のせいなの」

春香「というわけで引き続き番組名を募集していまーす、宛て先はこちらっ!」

テロップ『もう応募は締め切らせて頂いております』

春香「せっかくなのでプレゼントに春香さんの手作りクッキーを追加しちゃいます、いぇい!」

カンペ『天海さん、もう勘弁してください』

美希「春香、スタッフさんがすごく泣きそうな顔になってるの」

春香「なんだよだらしねえなぁ、もうちょっと根性見せろよ!」

美希「春香はちょっと反省した方がいいって思うの・・・とりあえず律子、さんに言いつけておくね」

春香「星井さん、それだけは出来れば辞めて頂きたいのですが・・・」

美希「それじゃあスタッフさんに、ちゃんとゴメンナサイってしようか?」

春香「調子に乗ってすみませんでしたぁーっ!」

短いけどここまで、レスありがとう頑張る

筆が早い人って本当にうらやましい

短いけどいきます

美希「それじゃあ今日は何しよっか」

春香「前回みたいに何かゲームでもする?」

美希「それでもいいけど毎回そんなんじゃ変わり映えがしないって思うの」

春香「うーん、じゃあこの適当に雑談でもする?」

美希「それでもいいんだけど、何か話のネタとかある?」

春香「いやー、これと言って特には・・・美希は?」

美希「そんな風に改めて聞かれると、ミキも何も浮かんでこないの」

春香「そっかー・・・困ったねー」

美希「うーん・・・どうしよっか」

カンペ『そんなお二人の為に番組側から新コーナーをご用意させて頂きました』

美希「えっ、本当に?スタッフさん準備が良いの!」

春香「あれ、何だろう・・・何か嫌な予感がする」

美希「それでどんなコーナーなのかな?」

カンペ『天海春香の目指せ、芸人道』

春香「ちょっと待ったぁぁー!」

美希「ひぃっ・・・春香、急に大声なんか出したらビックリしちゃうの」

春香「ちょっとスタッフさんどういう事ですか!私やらないって言いましたよね?」

美希「春香、折角スタッフさんが考えてくれたのにそういう言い方はひどいの」

春香「いやいやいや、芸人キャラは脱却するって前回ハッキリと言いましたよね?」

美希「そんな事言ってた割に冒頭のノリは完全に芸人さんのそれだったの」

春香「そんなコーナー絶対にやりませんからね!そもそも芸人なんか目指してないですからー」

美希「まぁまぁ春香、折角だしどんなコーナーか内容だけでも聞いてみるの」

春香「ま、まぁ美希がそう言うなら・・・ちなみにどんな内容なんですか?」

カンペ『まあ冗談なんですけどね』

春香「ズコーッ」

ドンガラガッシャーン

春香「冗談なんかいっ!」

美希「えっ・・・春香?」

春香「これだけ引っ張っておいて冗談ってどういう事ですかっ!」

美希「ちょ、ちょっと春香・・・一体どうしちゃったの?」

春香「せめてネタの一つや二つくらい・・・はっ!今私は何を・・・」

美希「ミキが聞きたいくらいなの、急に人が変わったみたいになってビックリしたの」

春香「どうしたんだろう、何だか身体が勝手に反応しちゃって」

美希「なんだか春香、身も心も芸人さんに近づいてきている気がするの」

春香「それは本当に洒落にならないよ・・・」

美希「もういっその事、芸人とアイドルを両立させてみれば?」

春香「何で美希はそうやって私を芸人に仕立て上げようとするのかな?断固拒否するからね!」

美希「えー、春香ならきっと面白い芸人さんになれると思うんだけどなー」

春香「いや、だから私は芸人になんてなる気ないからね?私が目指しているのはトップアイドルだから」

美希「むぅー、残念なの」

春香「何でそんなに露骨に残念そうな顔するの?そろそろ春香さん泣いちゃうよ?」

春香「そういえば話は変わるんだけどさ」

美希「えっ、話題変えちゃうんだ?」

春香「変えさせてください、もう芸人ネタから解放してください」

美希「しょうがないなぁ、春香ってばワガママなの」

春香「何だろう、この釈然としない気持ちは・・・春香さんは心が折れそうだよ」

美希「それで春香、一体何を言おうとしてたの?」

春香「あぁ・・・うん・・・ええっとね、このセットって一応765プロの事務所を再現しているんだよね?」

美希「そうだね、前回も言ったと思うけど結構細かく再現されてると思うの」

春香「特にこの絶妙な狭さ加減とかね」

美希「うん、春香は事務所に帰ったら社長にゴメンナサイってしておこうか」

春香「それでさ、ふと思ったんだけど、一体どのくらいまで再現されてるんだろうね?」

美希「どういう事?」

春香「例えば引き出しの中とかさ、どうなってるんだろうね」

美希「引き出しの中?」

春香「目に見える範囲では結構忠実に再現してるけど、それ以外の細かい部分はどうなのかなぁ、って」

美希「あー・・・確かに、言われてみれば気になるの」

春香「目の届かないような所まで再現してたら結構な拘り感じちゃうよね」

美希「それはそうかもしれないけど、正直そこまで求めるのは酷な気がするの」

春香「何言ってんのよ!このスーパーアイドル春香ちゃんの番組なんだからそれくらいやって当然よ!」

美希「デコちゃんが言うのと春香が言うのとではこんなにも違うんだね、ちょっとイラってしちゃったの」

春香「というわけで、このなんちゃって765プロの事務所を物色してみようよ」

美希「物色っていう表現はちょっとどうかと思うけど・・・良いよ、面白そうだし」

春香「それじゃあ最初はプロデューサーさんの机からいってみよう」

美希「ハニ・・・じゃなくて、プロデューサーの机の引き出しかぁ、そう言えば中身は見たこと無いの」

春香「まあ普通に考えたら書類関係とかが入ってるんだろうね」

美希「ミキもそう思うけど正直それだと全然面白くないよね、テレビ的には」

春香「まあ大丈夫だよ、その辺はきっとスタッフさん達も考えてくれてるって」

美希「スタッフさん達が気を利かせて面白い物を入れてくれてるって事?」

春香「きっとそうに違いないよ!だって彼らはプロだもん、期待してますからねっ!」

美希「あんまり無茶ぶりしない方がいいよ、スタッフさん達すごく気まずそうな顔してるの」

春香「でもさ、この流れって何だかアレに似てない?」

美希「アレ?」

春香「ほら、あの笑ってはいけない○○的な」

美希「あー・・・確かに引き出しネタは通じるものがあるの」

春香「何なら勝負する?笑った方が負けっていう事で」

美希「あんまりハードル上げすぎて後で痛い目に合っても知らないからね?」

春香「それじゃあいきますよー、オープンっ!」

ガラッ

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「書類しか無い・・・だと?」

美希「だからミキ言ったよね?ハードル上げすぎると後で痛い目に合うって」

春香「・・・」

美希「・・・春香?」

春香「何で何も面白い物入れてないんですかっ!」

バンッ

美希「えぇぇ・・・机叩くほどの事なの?」

春香「普通は何かしら入れておくでしょ!テレビなんだからっ!空気読んでくださいよ!」

美希「うわぁ、これはヒドイの・・・理不尽極まりないの」

春香「こういう流れになる事くらいプロなんだから予測しておくべきじゃないんですか!」

美希「うん、ミキは分かってるからね、その書類は忠実に再現しようと拘った結果なんだよね?」

カンペ『星井さん・・・本当にありがとうございます』

美希「ところで律子、さんの机の引き出しには何が入っているんだろうね」

春香「そうだよ、まだ律子さんの机の引き出しがあったんだ!」

美希「・・・」

春香「プロデューサーさんの机の引き出しで一旦落としておいて、ここで一発逆転な展開って事ですね!」

美希「いや、だからね春香・・・」

春香「というわけで今度こそ期待を込めて、オープンっ!」

ガラッ

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「資格関係の本が一杯入ってるの」

春香「なんでやねーんっ!」

美希「いかにも勉強家の律子、さんの机っぽいの、スタッフさん拘ってるねー」

カンペ『星井さん、重ね重ねありがとうございます』

春香「いやいやいや、期待外れだよ!律子さん全然面白くないですよ!」

美希「うわっ・・・春香いまのすっごい爆弾発言だね、お説教確実なの」

春香「はっ・・・!しまった!」

美希「っていうか今更だけど春香、さっきから発言が完全に芸人さん寄りなの」

春香「うん、自分でも分かってるんだ・・・でも否定しようにも遺伝子が命じるんだよね、こう発言しろって」

美希「遺伝子レベルかぁ、それじゃあもうどうしようもないね」

春香「笑いの遺伝子が・・・呼んでる」

美希「春香は事務所に帰ったら響にも謝っておこうか」

春香「結局引き出しには何も無かったね、春香さんガッカリですよ」

美希「ごめんねスタッフさん、春香には後から律子、さんとプロデューサーにお説教して貰うように言っておくから」

春香「ヴァイ!?」

美希「春香は今日ちょっと調子に乗り過ぎなの、一回ガツンと怒られた方がいいの」

春香「ちょっとそれは勘弁してくださいよ星井さん」

美希「それじゃあスタッフさんに謝ろうか?ちゃんとゴメンナサイするの」

春香「どうもすみませんでしたぁーっ!」

美希「うわぁ・・・なんて気合の入った土下座・・・ミキ、引いちゃうの」

ビリッ

春香「あっ」

春香「あっ」

美希「急に体勢変えたせいでメイド服が破れちゃったの」

春香「きゃぁぁぁっ!見ないで、見ないでぇぇぇっ!」

美希「大げさにしてるけど破れた箇所は腰の辺りなの、全然問題無いの」

春香「ダメですよっ、カメラ止めてくださーい!」チラッチラッ

美希「何で時折カメラ目線になるんだろうね」

春香「き、きゃぁぁ!恥ずかしいよぅ・・・うぅっ」

美希「・・・」

春香「ちょっと美希、せめて何か言ってよ」

美希「とりあえず着替えてこようか?」

春香「はい」



テロップ『春香さん着替えの為一旦CM!』


仕事が忙しすぎて全然書き溜める暇が無い・・・
次回はもうちょっと書き溜めてから来ます

夜分遅くにいきます

春香「っていうか今更だけど、もっと私のこと優しく扱ってよ!」

美希「ミキ、別に春香のこと邪険に扱ってるつもりはないよ?」

春香「うっそだー、じゃあ何であんなにも芸人ネタを引っ張ろうとするんだよー」

美希「・・・」

春香「あれ、急に黙り込んでどうしたの?」

美希「春香、一言言わせてもらっていい?」

春香「うん」

美希「芸人ネタのほとんどは春香自身が勝手に自爆してるからだよね?」

春香「そ、そんなわけないやろ!何を言ってるんや!」

美希「いや、だからそういうノリの事を言ってるの」

春香「そんなこんなで天海春香、ただいま戻りました!お騒がせして申し訳ございませんでした!」

美希「まったく、春香は人騒がせなの」

春香「えへへ、ごめんね」

響「・・・」

美希「ダメだよ、真くんのメイド服破ったりなんかして・・・帰ったらちゃんと謝るんだよ?」

春香「うん、全力で謝り倒すよ」

美希「それはそうと」

春香「うん」

美希「何で替えの衣装がジャージなの?」

響「・・・」

春香「今すぐ用意出来る衣装がこれしか無かったんだって」

美希「そっかー、でもそのジャージすっごくカワイイの、おしゃれジャージってやつだね」

春香「そうだね、普段私たちがレッスンで着ているのとはちょっと違うね」

美希「でもカワイイの、春香にすっごく似合ってるの」

春香「そう?えへへ、ありがとう・・・嬉しいな」

響「・・・」

美希「ところで春香、ちょっと気になる事があるんだけど」

春香「うん、どうしたの?」

美希「そのジャージってさ、どこに売ってるんだろうね?」

響「違うだろーっ!!」

美希「響、急に大声出したらビックリしちゃうの」

響「ジャージの話はいいから!それよりもっと先に気付くべき点があるだろう!」

春香「気付くべき点・・・あっ、ひょっとしてジャージのサイズの事?」

響「・・・サイズ?」

美希「言われて見ればちょっと春香には大きすぎるの、ブカブカだね」

春香「そうなんだよねー、かわいいんだけど私にはちょっと大きすぎるんだよねー」

美希「貴音くらいの身長だと丁度よさげだね」

春香「貴音さんかー、でも貴音さんがこういうの着るってあんまりイメージ出来ないなぁ」

美希「でも貴音だったら何だかんだで着こなしちゃいそうなの」

響「だからジャージの話はもういいって言ってるだろー!」

美希「響っ」ガシッ

響「ん・・・な、なんだ美希?」

美希「ジャージを甘く見ちゃいけないの」

響「えっ」

春香「そうだよ響ちゃん、ジャージと言って侮るなかれだよ、こんなにかわいいジャージだってあるんだから」

響「そ、そっか・・・ごめん・・・って、だから違うだろ!そんなのどうだっていいから!」

美希「もう、響はさっきから騒がしすぎるの」

響「・・・そもそも美希は自分がこの場にいる事に何の疑問も感じないのか?」

美希「あっ、ホントだねー・・・で、何でいるの?」

響「ノリ軽いな」

美希「ねえねえ春香、どうして響がここにいるの?」

春香「あっ、それなんだけど実はね」

美希「うん」

春香「楽屋で着替え終わって戻ろうとしてたら」

美希「へー」

春香「偶然響ちゃんと出くわしたので」

美希「ふーん」

春香「拾ってきた」

美希「そっかぁ」

響「道端で捨てられてた子犬拾ってきた、みたいな感覚で言わないでくれるかな?」

響「というか春香も出会い頭にいきなり首根っこ掴んで引っ張りまわさないでくれるかな?」

春香「ごめんごめん、響ちゃんを見たらつい拾いたい衝動に駆られちゃって」

響「・・・自分は小動物か何かなのか?」

春香「あながち間違ってはいないね」

美希「ちっちゃいもんね」

響「うぎゃー!ちっちゃいとか言うなー!」

春香「ちっちゃくてかわいいよね」

美希「ちっちゃくてカワイイの」

響「えっ・・・えっと、その・・・そんなストレートに言われると照れるぞ・・・」

美希「響ったら照れてるの、カワイイー」

響「ところでこれって番組の収録中なんだよね?自分なんかがここにいていいのか?」

美希「別にいいんじゃないの?」

響「えっ」

春香「うん、いいと思うよ」

響「えっ、えっ?」

美希「別にいいよね、スタッフさん?」

カンペ『全然オッケーでーす』

響「な、なんなんだこの現場は・・・フリーダムすぎるぞ」

カンペ『あっ、でもギャラは発生しません、ごめんなさい』

響「いや、別にそんな事は気にしないけどさ」

春香「まあまあ、折角だからこのまま居座っちゃいなよ」

響「まあ、番組側に問題が無いんなら別にいいけど・・・どうせ今日はもう暇だし」

春香「というわけで突発ゲスト、暇人の響ちゃんです!いぇい!」

響「ちょっと待て、引っかかる言い方だぞ!まるで自分が仕事が無くて暇みたいな言い方じゃないか!」

春香「売れっ子だけど今日は偶然暇だった響ちゃんです、いぇい!」

響「わざわざ言い直さなくていいよ!かえって嫌味っぽく聞こえるぞ!」

春香「細かいことはいいから早く自己紹介しちゃってよ、はーやーくっ!はーやーくっ!」

響「あれ、春香ってこんなキャラだったっけ」

美希「響、気にしたら負けなの」

響「こんな春香を目の当たりにして気にするなって言われても無理だぞ」

美希「とりあえず響、早く自己紹介するの」

響「そ、そうだな・・・はいさーい!自分、我那覇響だぞ!沖縄生まれの16歳」

春香「・・・」

響「何だかよく分からないまま連れて来られてちょっと戸惑ってるけど、元気いっぱい頑張るからよろしくねー!」

春香「響ちゃん!」

響「な、なんだ春香・・・」

春香「普通すぎるよ!そんなんじゃ全然ダメだよ、面白くないよ!」

響「な、なぁ美希・・・春香は何で怒ってるんだ?自分、普通に自己紹介しただけだぞ?」

美希「分からなくていいと思うよ、さっきも言ったけど気にしたら負けなの」

響「自分、春香に対するイメージ変わりそうだぞ・・・」

春香「あっ、そうだ響ちゃん」

響「ん、どうしたんだ春香?」

春香「さっきはゴメンね」

響「勝手に連れて来ちゃった件か?それだったら別に気にしてないからいいよ」

春香「いや、その事じゃなくてね」

響「・・・だったら何のことだ?」

春香「さっき響の曲をネタに使っちゃって、ゴメンね」

美希「えっ、このタイミングで謝るんだ」

響「ん・・・んー?んんんっ?なぁ美希・・・この状況を理解出来ない自分はやっぱりバカなのかな?」

美希「そんな事ないよ、響の反応が正解なの」

響「それにしてもこれが噂の765プロを再現したセットかー、ホントにそっくりだぞ」

美希「細かい所までちゃんと再現してあるの」

響「何だか本当に事務所にいるような気分になってくるなー」

美希「すごいよねー、スタッフさんの拘りを感じるの」

春香「まあその分面白味には欠けるけどね!」

響「・・・」

美希「・・・」

響「ところでこの机の引き出しの中とかはどうなってるんだ?」

美希「あっ、引き出しの中はねー」

春香「あるぇー、スルーですかー?」

響「あれ、でもこの棚だけちょっと違うんだな」

美希「そこはねー、ゲームが置いてある棚なの」

響「へー、ゲームかぁ」

美希「せっかくだし何かゲームでもして遊ぶ?」

響「いいのか?ゲームなんかしても」

カンペ『どうぞどうぞ、ご自由に』

響「スタッフさんのノリも軽いなー・・・ホントに自由な番組なんだな」

春香「あっ、それじゃあ私が何か取って来ようか?」

美希「春香はそこで座って大人しく待ってるの、絶対動いちゃダメなの、絶対だからね?」

春香「はい・・・ぐすん」

響「へぇー、色々な種類のゲームがあるんだなー」

美希「響はやりたいゲームとか無いの?」

響「自分はルールが分かるやつだったら何でもいいさー、二人は何か無いのか?」

春香「はいはい!私ツイスターゲームがやりたいですっ!」

響「えっ、何でツイスターゲームなんだ?」

春香「ミキミキやひびきんとの密着プレイが」

美希「春香、それ以上言ったらどうなるか分かってるよね?」

春香「せめて最後まで言わせてよ!」

響「・・・」

春香「ちょっと響ちゃん、あからさまに距離を取らないでよ、春香さん傷つくなー」

響「んー、でもこんなに沢山種類があると迷っちゃうなー」

春香「はいはーい!春香さん、オススメがありまーす」

響「あんまり良い予感はしないけど一応聞いておこうかな」

春香「囲碁とかいいと思うよ!」

響「・・・何で囲碁なんだ?自分、ルールなんて全然分からないぞ」

春香「ほら、あれだよ、碁石って数がすっごく多いじゃん!」

響「うん、そうだな」

春香「それ持って転んだらきっと画的においしいよ!」

響「なあ美希、自分ってやっぱりバカなのかな?春香の言ってる事がサッパリ理解出来ないぞ」

美希「響は何も間違っていないから気にしなくてもいいよ」

響「迷うなぁ、どれにしようかなー・・・ん、これって」

美希「何か面白そうなの見つけたの?」

響「これって黒ヒゲ危機一髪じゃないか、こんなのまであるのかー」

春香「・・・」

響「あれ、でもよく見ると何か違うぞこれ」

美希「あっ、気付いちゃった?」

響「何だこれ、黒ヒゲの頭にリボンが二つ付いてるぞ」

カンペ『名付けてはるヒゲ危機一髪』

響「ぶふっ・・・は、はるヒゲって・・・ふふっ、あははははっ!リボンにヒゲ面って、何だこれ面白すぎるぞ!」

春香「響ちゃん、後で屋上ね」

春香「っていうか何でまだはるヒゲ残ってるんですか!?こんなもの早く処分しちゃってくださいよ!」

響「なあなあ二人とも、自分はこのはるヒゲがやりたいぞ!」

春香「却下、私は絶対やらないからね!何なら今すぐにでも叩き割りたい気分だよ!」

美希「ミキは全然オッケーなの、それじゃあやろっか」

響「ホントか?よーし、それじゃあ今から準備するから待っててね!」

春香「あれ、春香さんの意見は無視ですか?そうですかそうですか、春香さん泣いちゃいますよー?」

美希「ちなみに負けた人は罰ゲームが待ってるの」

響「げっ、そうなのか!でも勝てばいいんだよね、なんくるないさー!」

美希「ミキも負けないの」

春香「はいはい分かったよやればいいんだろう、やれば!覚悟しとけよ!」

響「じゃあ誰が一番最初に剣刺す?ここはやっぱりジャンケンで決めるべきかかな」

春香「はいはーい!私を最後にしてください!」

響「えっ、そんなのダメだぞ・・・ここはちゃんと公平に決めないと」

春香「そこを何とか!」

美希「響・・・春香を最後にしてあげるの」

響「何だよミキまで、順番って結構重要なんだぞ」

美希「響、お願いだから春香を最後にしてあげて」

響「うっ・・・分かったぞ、そこまで言うなら春香が最後でいいよ」

美希「よかったね、春香」

春香「ありがとうございます、星井さん」

美希「それじゃあミキが一番なの、いっくよー」

ザクッ ...シーン

美希「ふぅ・・・やっぱりこの剣を突き刺す瞬間ってすごくドキドキするの」

響「それじゃあ次は自分の番だな!」

ザクッ ...シーン

響「よしっ・・・セーフだなっ、次は春香の番だぞ」

春香「・・・」

響「春香、どうしたんだ?」

春香「何でもないよ、それじゃあいくね」

ザクッ ビヨーン

はるヒゲ「アワワワッ...ドンガラガッシャーン」

春香「ですよねー」

テロップ『お約束です』

春香「分かってた、こうなる事は分かってたよ」

響「す、すごいなー・・・あっさり飛ばしちゃったぞ」

美希「さすがなの」

春香「まあ、こんなの私にとっちゃ大した事でもないですけどね!・・・ぐすん」

カンペ『天海さん、罰ゲームでーす』

響「罰ゲーム専用ボックスかぁ、こんなものまで用意されてるんだな」

美希「今回は易しめなのが引けるといいね」

響「今回、っていう事は前回もやったのか?」

美希「あれ、響は前回の放送見てくれてないの?」

響「あー、うん・・・ごめん、実は仕事が入ってて見れなかったんだ」

美希「春香の前回の罰ゲームはねぇ」

響「うん」

美希「何と、リボンを外しちゃったの」

響「・・・」

美希「あれ、響どうしたの?」

響「スタッフさん、幾らなんでもひどすぎるぞっ!」

春香「んー・・・響ちゃん?」

響「春香にそんな過酷な罰ゲームをやらせるだなんて何考えてるんだ!」

春香「あれー、何だろうこの感じ・・・すごいデジャヴを感じるよ」

響「世の中にはやって良い事と悪い事があるだろう!よりにもよって春香からリボンを取り上げるだなんて!」

春香「うん、響ちゃん・・・もうその辺でいいからさ」

響「春香=リボンなんだぞ!リボンの無い春香なんて何の面白味の無い普通の人じゃないか!」

春香「おいおいおーい、ちょっと待てぇぇい」

響「どうしたんだ春香?安心しろ、自分がスタッフさんにちゃんと言っておいてやるからな」

春香「響ちゃん前回の放送絶対見てるよね?何から何まで前回と流れが一緒なんだけど」

美希「さすがのミキもあそこまでヒドイ事は言ってないの、リボンが無いと普通の人って・・・」

春香「私も響ちゃんの口からあんな爆弾発言が飛び出るとは驚きだよ」

響「ご、ごめん・・・つい悪ノリしちゃったぞ」

カンペ『春香さん、リボンが無ければ、ただの人』

春香「スタッフ心の俳句・・・ってやかましいわ!」

美希「そんな事より春香、さっさと罰ゲームを引くの」

春香「そんな事、の一言で片付けないでよー、この辺りでそろそろ私に対する扱いを改めてもらう必要があるよね」

美希「春香、早くするの」

カンペ『天海さん、時間押してます、巻きでお願い』

春香「あ、はい・・・すいません」

響「弱すぎるだろーっ!もうちょっと頑張れよ!」

春香「いいんだいいんだ・・・私のキャラなんて所詮はこんなもんなんだよ」

ガサゴソガサゴソ

春香「何が出るかな、何が出るかな・・・ほいっとー」

響「罰ゲームの内容は何なんだ?」

春香「ええっとねぇ・・・こ、これはっ!?」




テロップ『天海春香の罰ゲームの内容や如何に!?発表はCMの後!』


もうちょっと伸ばしたかったけど今日はここまで
おやすみひびきん

投下します

美希「それで、何て書いてあったの?」

春香「いやぁ・・・困っちゃったなぁ、私こんなの出来ないよぅ」

響「いや、だから罰ゲームの内容は?」

春香「もぉー、スタッフさんもひどいですよー!こんな無茶な罰ゲーム要求するだなんて」

美希「だから春香」

春香「こんなの私には無理だよぅ・・・困っちゃうなぁ、春香さん困っちゃうなぁ」

響「・・・」

美希「・・・」

ひびみき「「早く見せろよっ!なのっ!」」

春香「はい」

美希「なんて書いてあるの?」

響「ええと、何々・・・?語尾に『ござる』を付けて喋る・・・」

美希「・・・」

響「・・・」

春香「ひどいでござるよ!」

響「えっ」

春香「アイドルの私にこんな罰ゲームをやらせるだなんてあんまりでござる!」

響「文句言ってる割にはノリノリでやってるじゃないかーっ!」

春香「そんな事ないでござるよ!」

美希「まるで説得力が無いの」

春香「スタッフ殿もひどいでござるよ・・・何ゆえ拙者がこのような辱めを受けねばならぬのか」

美希「語尾に『ござる』だけのはずが、なんだか色んなオプションが付き始めたの」

春香「やるならば徹底的に、でござるよ」

美希「さすが春香なの」

響「完全にノリノリじゃないか」

春香「そんな事ないでござるよ!そんな事ないでござるよ!」

響「何だろう・・・春香がやるとあんまり罰ゲームって感じがしないぞ」

美希「まあ、春香も何だかんだで楽しそうだし、いいんじゃなかな?」

春香「ござーる、ござるよハットリくんはー♪」

響「ホントにめちゃくちゃ楽しそうだな・・・」

春香「さあ、それでは張り切って2回戦いくでござるよ!」

美希「えっ、春香まだやるの?」

春香「勿論でござるよ!」

響「さっきと打って変わって、随分とやる気になったんだな」

美希「・・・」

春香「どうしたでござるか、美希殿?」

美希「もしかして春香、罰ゲームがおいしい、とか考えてない?」

春香「な、なななな何を言うでござるか!そ、そそんな事はないでござるよぉぉ!」

美希「図星なの」

響「これ以上ないくらい分かりやすい反応だぞ」

響「まあ春香がやりたいんだったら別にいいけどさ」

美希「というわけで春香、早く剣を刺すの」

春香「かたじけのうござる、美希殿」

響「えっ、ちょっと待ってよ美希、そんな勝手に順番決めちゃダメだろー」

美希「いいのいいの、どうせどんな順番になったって結果は分かってるんだから」

響「何だか投げやりだなー」

美希「だって春香の番が回ってきた時点で絶対に人形飛んじゃうんだもん、仕方ないの」

響「ははっ、まっさかー!幾らなんでもそんなわけないさー」

美希「まあ見てれば分かるの」

響「えっ、ホントなの・・・?」

春香「ではいくでござるよっ!・・・えいっ」

ザクッ ビヨーン

はるヒゲ「ハゥゥ...マタコロンジャイマシタァ」

響「ほ、ホントにあっさり飛ばしちゃったぞ」

美希「ねっ、だから言ったの」

響「春香はひょっとしてエスパーなのか?」

美希「きっと笑いの神様が憑いてるんだと思うの」

春香「美希殿!またそうやって拙者を芸人のように扱って、心外でござるな!」

響「えっ、これはツッコんだ方がいいのか?」

美希「ツッコんだら負けだと思うの、放置でいいんじゃないかな」

春香「ひどいでござるよ美希殿!」

美希「そんな事より春香、早く罰ゲームを引くの」

春香「そうでござったな!」

カンペ『というか天海さん、もうござる口調は辞めても大丈夫ですよ?』

春香「えっ、そうなんだ・・・残念」

響「・・・残念?」

美希「本音が漏れたの」

春香「あっ、違う違う!あーやっと終わったよ・・・恥ずかしかったなぁ」

美希「・・・」

響「・・・」

春香「ちょっとだんまりは辞めてよ、せめて何かツッコんでよ!」

美希「散々芸人ネタを引っ張ってきたミキが言うのも何だけどさ」

春香「うん」

美希「春香はこの辺でそろそろ自分がアイドルだっていう事を思い出すべきだって思うな」

響「確かに今日の春香の言動は、おおよそアイドルからかけ離れたものだったぞ」

春香「そうだよ、これは由々しき事態だよ、どうしよう?」

響「そうだなー、アイドルらしく振舞うくらいしか無いんじゃないか?」

春香「分かったよ、私アイドルらしく振舞うよ!」

響「そ、そうか・・・頑張ってね」

春香「きゃっぴぴぴーん!はっるはるるーん!天海春香ちゃんなりよぉー☆」

美希「春香は当分の間、真くんに謝りっぱなしになるんだろうね」

響「春香、そろそろ罰ゲームを引いてあげないとスタッフさんが待ちぼうけを食らってるぞ」

カンペ『天海さん、早くお願いします』

春香「あっ、そうだったね・・・んー」

美希「どうしたの、春香?」

響「クジ、引かないのか?」

春香「ねえ美希、私の代わりに罰ゲームのクジ引いてくれない?」

美希「んー、ミキが?」

春香「うん、私が引いちゃうとどうしてもお笑い方面に行っちゃいそうな気がしてさ」

響「考えすぎじゃないのか、って言いたいところだけどあながち間違いでもない気がするぞ」

春香「うん、それに比べて美希だったらいかにもアイドル向きの罰ゲーム引けるんじゃないかと思ってさ」

美希「あれ、でもどうしてミキなの?響じゃダメなの?」

春香「んー・・・だって響ちゃんだとさぁ」

響「・・・自分だったらどうだって言うんだ?」

春香「響ちゃんがやっても何だかお笑い方面に行っちゃいそうな気がしてさ」

響「よし分かったぞ、春香は自分に対してケンカ売ってるんだな、そうなんだな」

春香「ち、違うよ!そういうわけじゃないから!」

響「じゃあどういうわけなんだ?きちんと説明してほしいぞ」

春香「いや、何だかんだで響ちゃんもイジられキャラじゃん?まあ春香さんには及ばないけどさっ!」

美希「うん、それって得意げに言うような事じゃないよね?」

春香「そんな響ちゃんだからこそ、こういう時はやっぱり笑いの神様が降ってくるんじゃないかなぁ、って」

響「もういいよ!春香が自分の事どういう風に思ってるか、よく分かったぞ!」

春香「違うんだよ響ちゃん・・・別に悪気があったわけじゃ」

響「何だよ笑いの神様って!そんなキャラは春香だけで十分だろ!一緒にしないで欲しいさー、失礼しちゃうぞ」

春香「あるぇー・・・ちょっと言い過ぎじゃないかな?これ春香さんのがダメージ大きいよ?」

美希「響って何気に結構毒舌だよねー」

響「もう知らないからな!春香さんか大嫌いだぞ、ふんだ!」

春香「いやぁぁぁ!響ちゃんお願いだからそんなこと言わないでよ、ふぇぇぇん!!」

響「う、うん・・・そんなに必死に泣き付かれると自分、ちょっと戸惑っちゃうぞ」

春香「びぇぇぇん!響ちゃんお願いだから春香さんのこと嫌いにならないでー!やだよぉぉぉ!」

響「分かったよ!冗談だから泣かないでよ!」

美希「っていうかこのままじゃ全然話が進まないの、スタッフさんが放置プレイくらっちゃってるの」

カンペ『早くしてください、お願いします』

美希「結局罰ゲームのクジはミキが引いちゃってもいいの?」

春香「えっと・・・それじゃあ響ちゃんにお願いしようかな?」

響「いいのか?自分がやるとお笑い方面にいくかもしれないんだろ?」

春香「うわぁぁぁん!響ちゃんそんなイジワル言わないでよー!機嫌直してってばー!」

響「分かったってば!だからそんなに泣きつかないでよ、いくらなんでも必死すぎるぞ!」

美希「それじゃあ響、春香の代わりにクジを引いてあげるの」

響「よ、よしっ・・・それじゃあ春香の為にもここはアイドルっぽい罰ゲームを引かないとな」

春香「よろしくお願いしますよ、我那覇さん!」

響「それじゃあ・・・どれにしようかなぁー、っと」

ガサゴソガサゴソ

響「よし、これに決めた・・・ほいっと」

美希「何て書いてあるの?」

響「ええっとね・・・うわっ、これは・・・」

美希「どうしたの?何かヤバイの引いちゃった?」

春香「それともやっぱり笑いの神様がご降臨なされましたか?」

響「やっぱりって何だよ!・・・いや、ある意味降ってきたかもしれないぞ、これは」

春香「何々?熱々おでん?激辛ロシアンルーレット?それとも意表を突いて氷風呂とか?」

響「何でそんなの期待してるんだよ!ついさっきアイドルらしく振舞うって決意したばっかりだろーっ!」

春香「はっ・・・しまった!つい反射的に口が動いちゃった」

響「とりあえず先に美希に見せておこうかな、こんな内容なんだけどさ」

美希「どれどれ・・・あちゃー」

春香「何なのそのリアクション、気になるじゃん!」

美希「いや、えっとねぇ・・・まあアイドルらしいと言えばそうかもしれないの」

響「確かに内容自体はアイドル向きではあるかな」

春香「本当に?やったぜさすが響ちゃん!」

美希「でもそれはミキたちがやったらの話で、春香がやるとなると・・・ねぇ?」

響「うん、何となくだけど美希の言いたいことは分かるぞ」

春香「ちょっと聞き捨てならない台詞だね、そんな風に言われると益々気になっちゃうよー」

美希「気持ちは分かるけどこれは春香には見せちゃいけない気がするの」

春香「いいから早く見せてよ、私がやるんだから私が見なきゃ何も始まらないよ?」

響「それはそうなんだけど・・・なぁ美希、これってやらない方がよくないか?」

美希「ミキもそう思うの・・・春香、やめとこ?」

春香「いやいやいや、何言ってるんだよ!やる前から諦めてどうするの、諦めたらそこで試合終了なんだよ?」

美希「でもこれは春香のためでもあるの」

春香「ええいっ、御託はいいからさっさと見せなさい響ちゃん!それーいっ!」ガバッ

響「うぎゃー!?春香、急に抱きついてくるなー!」

春香「ほーれほれ、コチョコチョー!早く見せなさーい」

響「ぶっ・・・あはははっ!やめろ春香、くすぐったいぞー!」

春香「よっし隙あり、取ったどーっ!」

春香「油断したね響ちゃん!」

響「あぁっ!?し、しまった」

美希「あーあ、取られちゃったの」

春香「ふんふんふーん♪どんな内容な・の・か・なー?」

美希「・・・」

響「・・・」

春香「えっと何々・・・『即興で生歌披露』?」

美希「・・・」

響「・・・」

春香「ようし、今から説教だ、お前らちょっとそこに正座しろ」

春香「うん、確かにこれはアイドル向きの罰ゲームではあるよね」

響「そうだな」

美希「そう思うの」

春香「ただ私がやったらネタにしかならないってどういう事なんだよっ!」バンッ

響「ちょっと待てーっ!自分たち、そこまでハッキリとは言ってないぞ!」

春香「今の口ぶりだと少なくとも、心の中ではそう思ってたってことじゃん!」

響「うげっ・・・ち、違うぞ春香、誤解だぞ!」

春香「誤解もへったくれもないよ、ひどいよ響ちゃん!うわぁぁぁん!」

美希「まったく響はヒドイ子なの、ミキはそんなこと思ってもいなかったの」

響「あーっ!あーっ!ずるいぞ美希、自分だけ逃げるなんて裏切ったなー!」

春香「大体私の歌がアレな感じだったのは昔の話じゃん、最近は上手くなってきてるもん・・・」

美希「まあ、確かにそれはそうだけど」

響「でもぶっつけ本番だぞ、大丈夫なのか?」

春香「大丈夫だよ、私はここぞという所でやる女だよ!私を信じてよ、この春香さんを!」

美希「むしろ春香は本番でこそ、何かやらかすタイプだと思うけど」

春香「ダメって思うからダメなんだよ、成功しないんだ!自分を信じなきゃ、もっと熱くなれよ!」

美希「えっ、あー・・・うん、そうだね」

春香「出来るって信じていれば結果は出るんだよ!私は出来るよ、出来るんだ!さぁこいっ!」

響「なあ美希、春香は一体何キャラを目指しているんだろうな」

美希「そんなのミキに聞かないでほしいの、分かるわけがないの」

春香「というわけでお願いします、春香さんにチャンスをください!私を男にしてください!」

響「色々とツッコミ所はあるけど・・・まあそこまで言うならやってみれば?」

春香「ありがとうございます我那覇さん!」

美希「それで春香は何を歌うつもりなのかな?」

春香「それでは天海春香、歌わせていただきます!『Next Life』、聞いてください」

響「ちょっと待てーっ!何でよりにもよって自分の曲なんだー、そこは春香の持ち歌にすべきだろ!」

春香「大丈夫だよ響ちゃん、安心して!ちゃんとうまく歌ってみせるから」

響「ほ、本当か・・・?信じてもいいんだな?」

春香「笑いの遺伝子が・・・呼んでる」

響「こらー!言ってるそばから歌詞を変えるなーっ!バカにしてるのか!?」

美希「ひょっとして春香、それが言いたかっただけなんじゃないの?」

響「あっ、そういえばさっき自分の曲をネタに使ったとか言ってたけどもしかして今のやつか?」

美希「そうなの」

響「うぎゃー、最悪だぞー!なんなんだよもーっ!」

春香「確か振り付けはこんな感じだったかな」クネクネ

響「なんか所々違うし!うろ覚えにも程があるだろー!」

春香「大丈夫だよ、歌詞はちゃんと覚えてる・・・はずだから」

響「はずって何だ、はずって!不安だぞ・・・ものすごく不安だぞ」

春香「なんくるないさー」

響「なんくるあるわ!やっぱりダメ、中止だぞ中止!自分はこんなの許さないぞー!」

春香「」ズーン

響「め、めちゃくちゃ落ち込んでるぞ・・・」

美希「隅っこで体育座りしてちっちゃくなってるの」

春香「」ズズーン

響「まあ歌い出しからあれだけ盛大に音外してたらなー」

美希「オマケにいつもより3割増しで転んでたの」

響「調子に乗って振り付きでやろうとするからだぞ・・・」

春香「あの・・・お二人とも、聞こえてますよ?」

響「あっ、ごめん」

美希「ご、ごめんなの」

春香「我那覇さん・・・」

響「なんだ?」

春香「えっと・・・結果的に我那覇さんの曲をバカにする形になって・・・すいませんでした」

響「気にしてないと言えば嘘になるけど、そんなに落ち込まれてたら怒るに怒れないぞ」

春香「いいんですよ怒ってもらっても・・・何なら罵ってくださいよ・・・ふふふっ」

響「なあ美希・・・春香の周辺がなんだかドス黒いんだけど自分はどうしたらいいんだろう?」

美希「とりあえず責任持って春香を元気付けてあげたら?」

響「えーっ・・・自分もどちらかと言えば被害者側なんだけど?」

美希「でも春香がこのままじゃ番組が進行できないの、というわけで響、よろしくなの」

カンペ『我那覇さん、よろしくお願いします』

ちょっと休憩します、また後ほど

響「わ、分かったぞ・・・何とかやってみる」

春香「」ズーン

響「あの・・・春香?」

春香「何でございましょうか・・・我那覇さん」

響「えっとさ・・・自分、あんまり気にしてないから春香も元気出しなよ」

春香「我那覇さんはお優しいんですね・・・でも気にするなという方が無理ですよ」

響「美希、無理だったぞ」

美希「諦めるのが早すぎるの」

響「そんな事言われたって・・・あんなの自分の手には負えないぞ」

美希「そんなこと言わずに、もうちょっと頑張ってみるの」

響「ねえねえ春香」

春香「・・・はい、我那覇さん」

響「・・・その呼び方やめてよ、何か急に春香を遠くに感じちゃったぞ」

春香「私みたいなのが我那覇さんに馴れ馴れしくしちゃ、ダメでしょ・・・」

響「べ、別に自分はダメだなんて思ってないぞ」

春香「いいんですよ、どうか自分には構わないでください」

響「春香、そんな寂しいこと言わないでほしいぞ・・・」

春香「私の事なんて放っておいてください・・・」

響「・・・」

春香「・・・」

美希(き、気まずいの・・・こんな事ならミキが何とかしてあげるべきだったの)

響「・・・」

春香「・・・」

響「・・・ううっ、ぐすっ」ジワァ

春香「えっ」

美希「えっ」

テロップ『えっ』

響「ううっ・・・ぐすっ・・・ひっく・・・ふぇっ」

美希「ちょ、ちょっと響!大丈夫?どうしちゃったの?」

春香「えっ、えっ・・・?あれれ・・・ひ、響ちゃん?」

響「ぐすっ・・・うぅ・・・」

春香「えっと・・・えぇぇ?響ちゃんどうしたの・・・?」

美希「あーあ、春香泣かしちゃったの」

春香「あれっ、やっぱり私のせいなの?ちょっとこれどうしたらいいの?」オロオロ

響「ぐすっ・・・春香ぁ」

春香「は、はい何でしょうか我那覇さん!」

響「その呼び方やめてよ、いつもみたいに名前で呼んでよ!」

春香「は、はい・・・どうしました響ちゃん?」

響「自分・・・何だかんだ言っても春香のこと大好きだぞ」

春香「あぁ・・・うん、ありがとう・・・私も大好きだよ」

響「大好きな春香が落ち込んでたら、自分も悲しくなっちゃうぞ・・・」

春香「そ、そっか・・・心配かけちゃってゴメンね」

響「自分、何とかして春香を元気付けてあげたいって思ったけど」

春香「うん」

響「自分、あんまり頭良くないからさ・・・どうしていいか分からなくて・・・ぐすっ」

春香「あぁ・・・響ちゃんお願いだから泣きやんでよぉ・・・どうしようどうしよう」オロオロ

美希「さっきまでと立場が完全に逆転しちゃってるの・・・」

響「全然春香元気出してくれないし・・・オマケに」

春香「オマケに?」

響「自分には構わないでとか、放っておいてなんて・・・あんな悲しい事、言ってほしくなかったぞ」

春香「ご、ごめん響ちゃん!もう言わないから、絶対に言わないから!」

響「ぐすっ・・・ぐすっ・・・」

春香「あわわわ・・・ねえ美希、これどうしたらいいかな?私どうしたらいいかな?」

美希「ミキに聞かないでよ、ミキだってあまりの事態に困惑してるの」

春香「・・・」

美希「・・・」

響「ぐすっ・・・春香の・・・バカぁ」

美希「は、春香・・・早く何とかするの!」

春香「ひ、響ちゃん!」ギュゥゥ

響「わっ・・・は、春香・・・急に抱き付かないで欲しいぞ」

春香「ごめんね響ちゃん?」ナデナデ

響「・・・なんで自分頭撫でられてるんだ?」

春香「ありがとう、春香さんは響ちゃんのおかげで元気になったよ!」

響「自分、何にもしてないぞ・・・」

春香「そんな事ないよ、響ちゃんから元気たくさん貰ったもん!ねっ、美希?」

美希「そ、そうだね!響はすごいの」

響「ホントに元気になったのか・・・?」

春香「なったなった!ほら春香さんもう元気いっぱいですよ!」

響「なら良かった・・・よく分からないけど、それでも春香が元気になったんなら良かったぞ・・・ぐすっ」

春香「ほっ・・・響ちゃん泣き止んでくれて良かったぁ・・・心臓に悪いよ本当に」

響「テレビの前のみんなー、急に泣き出しちゃったりしてゴメンねー!もう自分は大丈夫だから!」

春香「というわけでプレゼントのコーナーでーす、いぇい!」

響「視聴者さんへのプレゼントを紹介するコーナーか、前回は何だったんだ?」

美希「ミキたちのサイン入りはるヒゲさんなの」

響「えぇぇっ!あんなのプレゼントにしたのか・・・」

春香「何だろう、私としてはあんな物に何の愛着も無いんだけど他の人に貶されると複雑な気分になるね」

響「あぁっ、ごめん春香・・・大丈夫?また元気なくしちゃったりしないか?」

春香「だ、大丈夫だよ響ちゃん!春香さんはそう簡単には元気なくしたりしないから!」

響「そ、そうか・・・ならよかったぞ」

美希「春香はしばらくの間、響の前ではネガティブな発言できないね」

響「それで今日のプレゼントは何なんだー?」

春香「なんと今回はですね・・・」

美希「うん」

春香「なんとっ!」

響「うん」

春香「な、なななんとっ!」

美希「・・・」

響「・・・」

春香「な、ななな・・・ぬわぁんとぉーっ!」

ひびみき「早く言えよっ!なのっ!」

春香「なんと抽選で一名の方にハム蔵をプレゼントしちゃいまーす、いぇいっ!」

響「ちょっと待てーっ!ストップストーップ、何言ってんだー!」

春香「えっ、ひょっとしてブタ太も追加してくれるの?」

響「しないから!っていうかハム蔵もプレゼントしないから!何を勝手に自分の家族を視聴者プレゼントにしてるんだー!」

春香「えっ、でもこの間言ってたよね?そろそろハム蔵も飽きてきたし買い替えの時期かなぁ、って」

響「言ってないぞー!捏造にも程があるだろーっ!」

春香「ごめんごめん、まぁこれはほんの些細な冗談なんですけどね」

響「実に笑えない冗談だぞ・・・」

美希「それで本当のプレゼントは何なの?」

春香「何なんだろうね?実は私も聞いてないんだよね」

響「ん、スタッフさんがカンペ出してくれてるぞ?」

カンペ『今回もプレゼントははるヒゲでいきます』

美希「だってさ春香、よかったね」

春香「なんでやねーんっ!何でですか!?どうしてまたはるヒゲなんですか!」

カンペ『前回思いの他好評だったので、今回もまたこれでいこうかと』

春香「何であんなのが・・・おかしいよ、世の中間違ってるよ」

美希「すごいね春香、もう商品化は目の前に迫ってるの」

春香「しなくていいよ!っていうかしないで!絶対するなっ!絶対だからな!」

響「それはアレかー、芸人さんたちがよくやる、いわゆるネタ振りってやつだな!」

春香「違うよ、本心からだよ!」

美希「というわけでそろそろお別れの時間なの」

響「おーっ、もうそんな時間かー」

春香「どうだった響ちゃん?私たちの番組にきた感想は」

響「んー・・・最後の方、ちょっと取り乱しちゃったけど何だかんだで楽しかったぞ」

美希「それは何よりなの」

響「あとは・・・まぁ、あれだな・・・自分、春香に対するイメージが変わっちゃったぞ」

春香「そんな・・・えへへっ、照れちゃうなぁ」

響「いや、褒めてないから」

春香「そ、そんな・・・なんてこったい!」

響「いや、そういうの・・・すごく反応に困るぞ」

美希「よかったらまた来てよ、今度はちゃんとしたゲストとしてお出迎えするの」

響「いいのか?自分また来ても」

春香「響ちゃんだったらいつでも歓迎だよ」

カンペ『いつでも待ってます』

響「ありがとう、呼んでくれた時には必ず駆けつけるから待っててね!」

美希「それじゃあそろそろ〆に入るの!」

響「お相手は765プロの小さな巨人こと我那覇響と」

美希「765プロのリアル眠り姫、星井美希と」

春香「765プロが誇るリボンの化身、天海春香の3人でお送りしました!」


がなはるみき「「「それじゃ、まったねー!」」」

第2回終わり、第3回へと続きます
更新遅くてすみません

番外編的なものを

春香「テレビの前のみなさん、こんにちはーっ!天海春香ちゃんでーす」

美希「やっほー、星井美希なのー」

春香「今日はいつも収録しているセットを飛び出して都内の某レッスンスタジオに来ております」

美希「どうして今日はこんな所に来たんだろう?」

春香「実はですねー、今このスタジオには何と!」

美希「そういえばこの分の放送日っていつも放送している曜日とは別になるらしいね、何で?」

春香「あっ、それはですねー、現在収録しているこの分に関しては特番扱いになるらしくて」

美希「特番?すごいねー、ミキ達の番組もとうとう特番組んでもらえるまでになったんだぁ」

春香「そうだね、すごいよね、それで何と今回のこの特番では!」

美希「そういえば春香、その手に持ってる箱は何なの?」

春香「あー、この箱なんだけどね」

美希「ねえ春香、そういえばこのスタジオには今誰がいるんだっけ?」

春香「・・・ちょっと美希、こっち来なさい」

美希「はいなの」

春香「せぇいっ!」ビシッ

美希「あぅっ・・・春香、急にデコピンするなんてひどいの」

春香「ひどいの、じゃないよ!どうして私が喋りきる前に次々質問被せてくるかな?ワザとやってるよね?」

美希「ワザとなの」

春香「だろうね、だと思ったよ!お願いだから最後まで喋らせてくれるかな?」

美希「どうぞなの」

美希「それじゃあそろそろ本題に入るの、春香、今日はここに何の用で来たの?」

春香「あっ、えーっとそれなんだけど実は今日はね・・・」

美希「うん」

春香「今日は何とこのスタジオに!」

美希「はいなの」

春香「な、ななな何とですねーっ!」

美希「・・・」

春香「あれ、もう質問被せてこないの?普通に進めちゃってもいいんだ?」

美希「なんでそんな物足りなさそうな顔するの?ミキには春香の考えが全く理解出来ないの」

カンペ『漫才はもういいんで早く進行お願いします』

美希「もう埒が明かないからミキが先に進めるの、春香」

春香「イエス、サー!」

美希「春香に質問なの、今日は何月何日?」

春香「分かりません!」

美希「今すぐ携帯で日付を確認するの、早くして」

春香「あっ・・・はい、すみません・・・ええと、5月5日であります」

美希「それで、今日5月5日は何の日かな?」

春香「こどもの日であります!」

美希「・・・うん、そうだね別に間違ってないけど他にもあるよね?」

春香「他にですか?ちょっと考えるのでお時間ください!」

春香「春香さん、シンキングターイム!」

美希「・・・」

春香「ふんふんふーん♪」

美希「今日の春香はテンションが一段と明後日の方向を向いてるの、ミキこんなの制御し切れないの」

カンペ『星井さん、がんばって』

美希「ムリなの、ムチャなの、ミキにはちょっとばかりハードルが高すぎるの」

ガチャ

伊織「ちょっとあんた達!さっさと入ってきなさいよ、いつまで待たせるつもりなの?」

美希「あっ」

春香「あっ」

伊織「えっ・・・な、何なのよこの空気は」

伊織「ひょっとして私、まだ出てきちゃいけなかった?」

美希「うん、ごめんねデコちゃん・・・実はまだ5月5日は何の日かっていう件の途中だったの」

伊織「デコちゃん言うな!・・・って、マジ?まだそんな冒頭の部分だったの?」

美希「どこかの誰かさんが事あるごとにボケに入るから全然話が進まなかったの」

伊織「・・・」チラッ

春香「やあ、伊織!」

伊織「何となくだけど状況は理解できたわ」

春香「あれれー、私だけ悪いみたいな空気になってるけど最初の方は美希も結構ボケてたよねー?」

美希「春香はヒドイ子なの、どうしてそんな嘘をつくのかな?ミキ真面目にやってたよ?」

春香「・・・あるぇー?」

春香「というわけで本日こちらのスタジオにいたのはこのお方」

伊織「テレビの前の皆さんこんにちはー、水瀬伊織ちゃんでっす♪」

春香「本日5月5日はなんと、水瀬伊織ちゃんの誕生日でございます!」

美希「おめでとうなの、デコちゃん」

伊織「だからデコちゃん・・・まあいいわ、今日は気分も良いし特別に許してあげるわよ」

美希「あれっ・・・デコちゃんって呼んでもいいの?」

伊織「わざわざ自分たちの番組使ってこの伊織ちゃんのお祝いに来てくれたんだもの、それに免じてね」

春香「やったぜいおりん、太っ腹だぜ!」

伊織「ただし春香、あんたはダメよ」

春香「そんな!あんまりだぜ、いおりん!」

伊織「まあ立ち話もなんだし入りなさいよ・・・っつてもレッスンスタジオだからロクにくつろげないけど」

美希「お邪魔しますなの」

春香「いおりんは今日はここで一人でレッスンしてたの?」

伊織「何でナチュラルにいおりんって呼んでるのよあんたは・・・まぁ、そうよ」

美希「見張りも誰もいない自主レッスンだからきっとサボってたに違いないの」

伊織「あんたと一緒にするんじゃないわよ、ちゃんと真面目にやってたわよ」

春香「というわけで伊織、誕生日おめでとう!はい、これお祝いのケーキ!」

伊織「・・・何でこのタイミングで渡すの?頃合見計るの下手すぎでしょ」

春香「ごめんごめん、だってこの箱ずっと持ってるのキツかったし」

伊織「そんな自分勝手な理由で!?」

伊織「春香が番組を始めて以降、性格がはっちゃけてきたっていう噂は本当だったのね」

美希「そんな噂が流れてたんだ」

伊織「それともう一つ、こんな噂が流れているわ」

春香「ほうほう、どんな?」

伊織「・・・春香が芸人を目指しているって」

美希「あー・・・やっぱり?」

春香「なんでやねーんっ!目指してないよ、目指してないってばよ!ガセにも程があるよ!」

伊織「まあ春香のこれまでの言動を見て分かったわ、噂が本当かどうかね」

春香「い、伊織・・・信じてくれるんだね」

伊織「どうやら本当に目指しているようね、芸人を」

春香「ズコーッ」

ドンガラガッシャーン

伊織「・・・」

美希「・・・」

春香「ちょっと伊織ひどいよ!本人が否定してるって言うのにそんなガセネタに惑わされるなんて」

伊織「何これ、ツッコンだ方がいいのかしら?」

美希「ツッコまなくてもいいと思うの」

伊織「美希、あんたっていつもこんなテンションの春香を相手にしてるの?」

美希「いつもって訳じゃないけど、大体はこんな感じだよ?」

伊織「す、すごいわね・・・私にはとてもじゃないけど無理よ、あんなの捌ききれないわ」

美希「ミキはもう慣れちゃったの」

春香「まあバカ話はこの辺にしておいてケーキ食べようよケーキ!」

美希「そうだったの、危うく今日のメインイベントを忘れるところだったの」

春香「というわけでおめでとう伊織、これお祝いのケーキ!・・・あれっ?」

伊織「そうよね、渡すなら普通はこのタイミングよね・・・でもあんたついさっき私にこの箱渡してたわよね」

春香「・・・」

伊織「よりにもよって、自分が重いから持ちたくないっていう理由で」

春香「てへぺろ」

伊織「ちょっとカメラ止めなさい」

美希「で、デコちゃん落ち着くの!」

春香「そうだよいおりん!もっと大らかな気持ちでいこうよ!」

伊織「春香ってこんなにぶっとんだ性格だったかしら・・・今後春香を見る目が変わりそうだわ」

春香「えへへ・・・そんな、照れちゃうよぅ」

伊織「どういう解釈したら褒めてるって取れるのよ・・・ポジティブな思考にも程があるわ」

美希「っていうか春香の相手をいちいちしてたら時間がいくらあっても足りないの、早くケーキ食べよ?」

伊織「そうね、それが良いわね、そうしましょう」

春香「あれれー、二人とも冷たいなぁ・・・春香さん泣いちゃいますよー?」

伊織「というわけで、箱開けるわよ?」

春香「ちょっと無視しないでよぉ・・・」

美希「オープンなのっ」

カパッ

伊織「あら、これってお店で売ってるやつじゃ無さそうね・・・ひょっとして手作り?」


美希「その通りなの、なんとこれは春香の手作りなのっ」

春香「伊織の誕生日を祝う為に頑張って作らせていただきました!」

伊織「手作りって・・・相変わらずお菓子作りに関しては凄いわね、ほぼ職人技じゃないの」

春香「えへへ・・・ありがとう、照れるなー」

伊織「でも春香の手作りってことは・・・」

春香「ん?」

伊織「大丈夫よね・・・?食べる直前になって爆発したりしないわよね?」

春香「ひ、ひどいよいおりん!いくら私でもそこまでネタ方面には走らないから!」

美希「そうなのデコちゃん、いくら春香でもそこまでして笑いを取ろうだなんて考えてないの」

伊織「そ、そうよね・・・ごめんなさい・・・って美希、あんたもドサクサに紛れて結構凄い事言うのね」

春香「でもとりあえず食べる前にアレだよアレ」

美希「アレ?」

春香「誕生日といえばやっぱり定番のあのイベントが必要でしょ!」

美希「あー、バースデーソング?」

春香「そうそう、やっぱりこれが無いとお祝いって感じがしないよね」

伊織「そ、そんな・・・いいわよ今更そんなのしてもらわなくたって」

春香「ダメだよ伊織、やっぱりこういう形式的なのも時には大事なんだよ」

美希「そうだよデコちゃん、ミキたちのおめでとうの気持ちなんだから」

伊織「そ、そう・・・?そこまで言うならお願いしようかしら・・・」

カンペ『僭越ながらスタッフ一同も歌わせていただきます』

春香「それじゃあいくよ?せーのっ」

一同「ハッピバースデー」

はるみき「「いおりーん、デコちゃーん」」

伊織「はい中止、ストップ、やめやめ」

春香「ちょっと伊織、まだ歌い始めたばかりなのに止めるってどういう事!?」

美希「そうだよデコちゃん、ひどいの」

伊織「どっちがよ!やるなら呼び名くらいきっちり合わせなさいよ!」

春香「あっ、美希ダメじゃーん・・・ちゃんといおりんで統一してくれなきゃ」

美希「春香こそ合わせてくれなきゃ、ミキにとってデコちゃんはあくまでもデコちゃんなの」

伊織「オーケー、歌はやめにしてさっさとケーキを食べましょう」

春香「というわけで切り分けました!」

美希「取り分けたの!」

伊織「それにしても見れば見るほど立派な出来ね・・・食べるのが勿体ないくらいだわ」

春香「もう伊織、褒めてくれるのは嬉しいけど私としては食べてくれた方がもっと嬉しいな」

美希「そうなのデコちゃん、ケーキさんだってきっとデコちゃんに食べてもらいたがってるの」

伊織「そうね・・・野暮なこと言ってごめんなさい、それじゃあ食べましょう」

はるみきいお「「「いただきまーす!なのっ」」」

モグモグ

春香「どう?伊織、どうかな?」

伊織「普通に美味しいわね・・・いつもの事だけど春香の作るお菓子は絶品よ」

美希「ミキもそう思うの、さすが春香なの」

伊織「まあその・・・二人とも、ありがとう」

美希「ん、何が?」

伊織「流れ自体はグダグダだったけど、こうしてわざわざお祝いに来てくれてありがとう、嬉しかったわ」

春香「あーそんな事か、いいよいいよ!お礼言われるほどの事じゃないし、ねっ美希?」

美希「そうなの、デコちゃんは大事な仲間なんだからこれくらいは当然なの」

伊織「そ、そう・・・?まぁでも嬉しかったのは本当だし、お礼くらいは言わせてよね」

春香「おおぅ・・・いおりんがデレてるよ」

美希「あはっ、デコちゃんったらカワイイのー」

カンペ『水瀬さんかわいい!』

伊織「なっ・・・茶化すなっての!ったくあんたらはホントに・・・」

伊織「ところで私はもうこのまま事務所に帰るけどあんた達はどうするの?」

春香「私たちももうこの収録終わったら今日のお仕事は終わりなんだよね」

美希「この収録自体もデコちゃんのお祝い済ませたら後はいつでも終わっていいって感じなの」

伊織「そう、それじゃあもう目的は達成したようなものよね」

春香「そうだね」

伊織「それじゃあ良かったらこのまま一緒に事務所まで帰らない?」

美希「デコちゃんと一緒に?」

伊織「どうせこの後事務所で皆合流するんだし、問題はないでしょ?」

春香「確かにそれはそうだけど・・・いいの?」

伊織「いいわよ、表に車を待たせてあるから乗っていきなさい」

春香「それじゃあお言葉に甘えちゃっても・・・いいのかな?」

美希「ねえスタッフさん、ミキたちここでもうバイバイしてもいいのかな?」

カンペ『どうぞどうぞ』

春香「ではスタッフさんの許可でも出たので私たちはこのまま事務所に戻らせていただきます」

美希「ミキたちこの後、事務所で765プロのメンバー全員でデコちゃんの誕生日会を開くの!」

伊織「にひひっ、そういう事だからテレビの前の皆さんとはここでお別れねっ」

美希「デコちゃんのお誕生日特別編、ご覧頂いてありがとうなのっ」

伊織「今度はちゃんと本編の方でゲストとして呼びなさいよねっ、ちゃんと出てあげるから」

春香「そうだね、機会があれば呼ぶのでそのときはまたヨロシクっ!」


はるみきいお「「「それじゃあ、まったねー」」」

今日はここまで

伊織さま、1日遅れてしまって申し訳ございませんでした!どうか罵ってください

第3回、投下します

小鳥「ふぅ・・・肩が痛いわねー、やっぱり年には勝てないのかしら」

ゴキッ ゴキゴキゴキッ

小鳥「ひぃっ・・・ちょっと首を捻っただけなのにありえない音がしたわ、我ながら引いちゃうわね」

ガチャ

美希「おっはよーなのー」

春香「おはようございまーすっ」

小鳥「あら、春香ちゃんに美希ちゃんじゃないの、おはよう」

美希「おはようなの、小鳥」

春香「小鳥さん、おはようございます」

小鳥「二人揃って事務所に来るだなんて、仲が良いのね」

美希「偶然事務所の前で一緒になっただけなの、タダの偶然なの」

春香「そうだね、別に好き好んで一緒に来たわけじゃないですよ」

小鳥「えっ?・・・今なんて?」

春香「あれ、聞こえなかったんですか?私たち好きで一緒に来たわけじゃないって言ったんですよ」

美希「もう小鳥ったら、とうとう耳まで遠くなってきちゃったの?」

春香「あっはっはー、星井さんは口がお悪いですねー、悪いのは態度だけで十分ですよ」

美希「・・・」

小鳥「えっ・・・?二人ともひょっとしてケンカでもしてるの?」

春香「別にケンカなんかしてないですよ、っていうかケンカするほどの仲でもないですし」

美希「まったくなの、春香相手にケンカしても余計なエネルギーを使うだけって感じなの」

春香「・・・何よ?」

美希「春香こそ、何なの?」

小鳥「ひ、ひぃっ・・・何これどういう事?二人ってこんなに仲が悪かったかしら・・・」

春香「仲が良いフリっていうのも疲れるね、アイドルも大変だよ」

美希「まったくなの、日々ストレスが溜まるって感じ?」

はるみき「「・・・チッ」」

小鳥「あわわわ・・・どうしようどうしよう、ここは私が年長者として何とかしなきゃ・・・でもどうすれば」

美希「あっれー、春香なんだか今日は調子が悪そうだね、ちょっと色合いが悪いの」

春香「何でリボンに向かって話しかけてるのかな?美希こそ自慢のアホ毛が明後日の方向向いてるよ?」

小鳥「ひえええええ、何ですかこれは何ですかこれは」

美希「あぁん?」

春香「おぉん?」

小鳥「ぴよよよよ・・・どうしようどうしよう、プロデューサーさん律子さん助けてぇぇぇ」

美希「・・・」ゴゴゴゴ

春香「・・・」ゴゴゴゴ

小鳥「ひええええ、誰か何とかしてぇぇ」

春香「大体美希はね、いっつもいっつも何でそんなにかわいいのさ!ズルイよ!」

美希「何言っちゃってんの、春香の方がずっとカワイイの!ミキ、嫉妬しちゃうな」

小鳥「あわわ・・・ん?」

春香「何さ、いつもいつもほのぼのとした空気をかもし出して、ミキがいるだけで和むんだっつうの!」

美希「春香こそ、いつもいつもステキな笑顔振りまいて、場がほんわかするの!」

小鳥「んー・・・?ん、おおぅ・・・?」

春香「大体何なのさ、事務所でいっつもいっつも昼寝ばかりして・・・寝顔がかわいいんだっつうの!」

美希「何なの、いっつもいっつも転んでばかりで、思わず抱き止めてあげたくなっちゃうの!」

春香「じゃあ抱きとめてよ!」

美希「じゃあ添い寝してよ!」

小鳥「あれー・・・二人ともケンカしてるんじゃなかったっけー?」

春香「美希は分かってないよ、美希がいるだけでどれだけ私が助けられてるか!」

美希「春香こそ分かってないの、春香がいるからミキも安心して仕事出来るんだから!」

小鳥「何やこれは」

春香「美希なんてもっとキラキラして周りの人みんな照らしちゃえばいいんだ!」

美希「春香なんてトップアイドルになって周りの人みんな幸せにしちゃえばいいんだ!」

春香「何さ、この才能の塊!」

美希「何なの、この完全無欠アイドル!」

小鳥「・・・」

春香「ぐぬぬ・・・」

美希「むぅぅ・・・」

春香「み、美希なんてぇ」

美希「春香なんかぁ」

はるみき「「大好きっ!なのっ!」」

ギュゥゥゥ

春香「えへへっ」

美希「ふふっ」

小鳥「ぶほぉっ!」

美希「きゃぁぁ!小鳥が鼻血を吹いて倒れたの!」

春香「え、えっと・・・小鳥さん大丈夫ですか・・・?」

小鳥「め、目の前でイチャつくはるみき・・・これは破壊力が高すぎるわ」

美希「何だかワケの分からない事を呟いているの」

春香「とりあえず鼻にティッシュ詰めときますねー」

美希「春香、幾らなんでも鼻にティッシュ詰めた女の人をテレビに映すのはマズイと思うの」

春香「大丈夫だよ、小鳥さんだし」

美希「んー・・・それもそっか」

小鳥「そんなあっさり納得しないで!二人ともヒドイ・・・」

春香「という訳でテレビの前のみなさーん!あなたの永遠のアイドル天海春香ちゃんでっす!」

美希「やっほー、星井美希なのっ」

春香「そしてそして、本日のゲストはこの方です!」

美希「自己紹介、ヨロシクなのー」

小鳥「は、はい!ただ今ご紹介に預かりました音無小鳥と申します!平時は765プロで事務等を・・・」

美希「小鳥、挨拶がお堅いの」

春香「そうですよ小鳥さん、もっと肩の力抜いてくださいよ」

小鳥「そ、そんな事言われても私テレビのお仕事なんて・・・ぴぃぃ!」

美希「めちゃくちゃ緊張してるの、まるでテレビ初仕事の春香みたい」

小鳥「大体どうして私みたいなしがない事務員にこんなお仕事が・・・」

春香「んー、それなんですけどね、このセットを作る際に番組のスタッフさんがうちの事務所に来たじゃないですか」

小鳥「あー・・・確か事務所のセットを作る上で実物のデータが是非とも欲しいって言うんで下見に来てたわね」

美希「その際にスタッフさんの一人が小鳥を見てピンと来たらしいの」

小鳥「えぇっ!?わ、私を・・・?」

春香「すっごく綺麗な事務員さんがいる、アイドル顔負けのルックスだし是非とも番組に出て欲しい!とか何とか」

小鳥「おおっほほぉぉぉぅっ!ついに私にも春が来ましたかぁぁ!?」

美希「まあそのスタッフさんは結婚してるたしいんだけどね」

小鳥「なんだよ、ぬか喜びさせやがって・・・!」

シーン...

はるみき「「・・・」」

小鳥「あ・・・あっはっはっは・・・やだなぁ、そんな冷たい目で見ないでよ、ほんの冗談じゃない」

美希「まあそんなわけで小鳥がゲストに選ばれたってわけなの」

小鳥「そうなんだ・・・でもいいのかしら」

春香「何がですか?」

小鳥「他のアイドルの子を差し置いて私なんかが先にゲストで出ちゃって」

春香「確かに前回の響ちゃんは無理やり連れてきたから正式なゲストじゃないですもんね」

美希「特別編のデコちゃんもミキたちから訪問したわけだからゲストって感じじゃないの」

小鳥「でしょう?それなのに芸能人でもない私が正式なゲストとしてお呼ばれしてもいいのかしら?」

美希「いいんじゃない?別に」

カンペ『あまり細かいことは気にしないでいきましょう』

小鳥「そ、そうですか・・・本当に自由な空気の現場なんですね」

美希「そんなわけで本日のゲストは765プロの事務員、音無小鳥さんなのっ!」

春香「現在2×(バキューン)歳、絶賛彼氏募集中だそうですよ!」

小鳥「ちょっと春香ちゃん!?な、何言ってんのよ!」

春香「是非とも小鳥さんとお付き合いしたいという方はこちらのあて先までご応募お願いしまっす!」

美希「後日、小鳥を中心にした婚活パーティーを開く予定なの!」

小鳥「えっ?本当に!?そ、そんな事までしてくれるの・・・?」

春香「まあ冗談なんですけどね」

美希「さすがにそこまで協力するつもりはないの」

カンペ『そういったことは自力でお願いします』

小鳥「何ですかこれ、いきなりゲストに対してこの扱いなんですか?小鳥泣いちゃいますよ?」

小鳥「そういえば前回の放送を見てふと気になったんだけど」

春香「何がです?」

小鳥「確か、私の机の引き出しだけ開けていないわよね?」

美希「あー、そういえばそうだったの」

小鳥「何が入ってるのか、ちょっと気になるわよね」

美希「言われてみれば確かに気になるの」

春香「期待するだけ無駄ですって、どうせ大して面白いものなんか入ってませんよ!」

小鳥「・・・」

美希「・・・」

春香「どうせあれですよ、事務員だからっていう理由で事務用品とか面白くないオチが待ってるに決まってます!」

小鳥「ねえ、春香ちゃん?」

春香「何ですか小鳥さん」

小鳥「私はこれでも一応ね、765プロの裏方なのよ」

春香「そんな、一応だなんて!小鳥さんがいるから私たちは安心して仕事が出来るんですよ」

美希「そうなの小鳥、自分のことをそんな風に言っちゃヤなの」

小鳥「うん、ありがとう二人とも・・・それでまあ、私も立場的にはプロデューサーさん達と同じ側な訳なのよ」

春香「はぁ・・・あの、小鳥さん一体何が言いたいんでしょうか?」

小鳥「あんまりアイドルにあるまじき発言ばかりしていると・・・言いつけるわよ?」

春香「!?」ビクッ

小鳥「前回、確か調子に乗って好き勝手発言した挙句、律子さん達にこっぴどく叱られたそうね?」

春香「あ、あわわわっ」ガタガタ

美希「あー・・・そういえば前回のこと律子、さんに言いつけたら春香めちゃくちゃ怒られたらしいの」

小鳥「別にバラエティなんだから多少面白おかしく演出したって構わないわよ、何なら芸人キャラだって否定はしないわ」

美希「あっ、それはオーケーなんだ」

小鳥「ただね、スタッフさんを蔑ろにするような発言だけはダメよ?彼らあっての番組作りなんだから」

春香「ふぁい・・・確かに小鳥さんの言うとおりですね・・・すみませんでした」

小鳥「反省してくれているのなら良いのよ、私もキツく言っちゃってごめんなさいね」

美希「
それにしても小鳥、何だかちゃんとした大人みたいなの、さすがは765プロの女性陣で最年長なだけあるの」

小鳥「ぐふっ・・・!そ、そうよこれでも私は最年長なんだから、締めるところはきっちり締めるわよ・・・ふふふふふっ」


美希「なんでかな・・・小鳥の笑顔がすごく悲しそうに見えるの」

美希「それにしても律子・・・さんの名前出しただけで怯えるなんて、そんなにキツく怒られちゃったの?」

春香「!?」ビクッ

小鳥「あっ、美希ちゃん今のちょっと危なかったわね」

美希「ちゃんと『さん』付けて呼んだからセーフなの!イジワル言っちゃヤなの」

小鳥「ごめんごめん、冗談よ・・・それにしても春香ちゃん、急に黙ってどうしたのかしら?」

春香「ひ、ひぃぃぃ・・・・」ガタガタ

小鳥「は、春香ちゃん!?」

春香「ひえぇぇ・・・り、律子さんごめんなさぁい・・・もう許してぇ・・・」ブルブル

美希「ねえ小鳥、春香ってそんなに律子、さんにこっぴどく叱られたの?」

小鳥「さ、さぁどうかしら・・・私は直接怒られているところを見たわけじゃないから」

春香「り、律子さんごめんなさい・・・ぐすっ、私が・・・悪かったですからぁ・・・」

美希「でもこの怯えようは普通じゃないの、きっとボロクソに怒られたに違いないの」

小鳥「んー・・・幾らなんでもあの律子さんがそこまで厳しく言うかなぁ・・・」

春香「ううぅ・・・ぐすっ・・・ひっく」チラッチラッ

美希「・・・」


―番組オンエアーと同時刻 事務所のテレビにて番組視聴中のPと律子―

律子「・・・」ポカーン

P「なぁ律子・・・お前、春香のことそんなにこっぴどく叱ったのか?」

律子「なっ・・・!そんなわけないでしょう、そりゃちょっと厳しくは言ったかもしれませんけど」

P「でもこの怯えようは普通じゃないぞ・・・」

律子「えぇ・・・嘘、そんなはずは・・・春香ってばそんなに気にしてたのかしら」

春香「うぅぅ・・・ぐすっ、ごめんなさぁい・・・春香、もうしませんからぁ」チラッチラッ

小鳥「あわわわ・・・どうしようどうしよう、春香ちゃん泣き止んでぇぇ」

美希「小鳥、気にしなくていいの、春香のこれはいつもの悪ノリだから」

小鳥「ふぇ・・・?わ、悪ノリ?」

春香「あれ、バレちゃった・・・完璧な演技だったはずなのに!」

美希「カメラ目線がいちいちあざといの、ホントに春香はいつもいつも」

春香「違うんだよ・・・遺伝子が、遺伝子が私に命じるんだよ・・・仕方ないんだ」

美希「そんな遺伝子、改良しちまえなのっ」

春香「私の遺伝子が否定されたっ!?ひどすぎるっ!」

美希「っていうか毎回怒られるって分かってて懲りずによくやるの、ひょっとしてドMなの?」

春香「ちょっと美希、さすがにドMは言いすぎじゃ・・・あれ、小鳥さん急に黙り込んでどうしました?」

小鳥「・・・春香ちゃん」

春香「は、はい何でしょうか小鳥さん!」

小鳥「確かにちょっと悪ふざけが過ぎるわね、後で律子さんにこっぴどく叱られるといいわ」ニコッ

春香「oh...ナンテコッタイ」

美希「うわぁ・・・小鳥の笑顔がこんなに恐いって思ったの初めて、春香ご愁傷様なの」


―再び事務所のテレビにて番組視聴中のPと律子―

律子「・・・」ゴゴゴゴゴ

P「り、律子・・・落ち着け、なぁ?」

律子「はぁぁぁ!るぅぅぅ!かぁぁぁぁっ!!」

P「ひ、ひぃぃぃっ!」

春香「・・・」ズズーン

小鳥「さぁ、気分を切り替えて引き出しの中身の確認といきましょうか」

美希「なのっ!」

春香「・・・」ピクッ

美希「・・・春香」

春香「な、何かな?」ウズウズ

美希「分かっているとは思うけど、ここは別に笑いを追及する展開じゃないからね?」

春香「わ、わわわわ分かってるよ大丈夫だってば!」

美希「・・・ホントかなぁ?」

小鳥「あの・・・二人とも私のこと無視しないでくれるかな?そろそろ開けてもいいわよね?」

春香「どうぞどうぞ!」

小鳥「それじゃあ開けるわね・・・オープンっ!」

ガラッ バンッ!!

小鳥「うひゃぁっ!?び、ビックリしたぁ・・・」

美希「小鳥が取っ手を少し引いた瞬間、いきなり引き出しが飛び出してきたの」

小鳥「ちょ、ちょっと結構本気でビックリしたんですけど・・・」

春香「・・・」

美希「中には・・・何が入ってるの?」

小鳥「これは・・・うわぁ」

美希「大量のひよこ饅頭なの」

春香「・・・」

小鳥「っていうか・・・何でひよこ饅頭?」

美希「確かこの引き出しが飛び出してくるのって・・・」

小鳥「モロにあのシリーズそのままよね」

美希「・・・」

小鳥「・・・」

春香「これだよこれっ!」

みきぴよ「「!?」」ビクッ

春香「こういうの、こういうのを私は期待してたんだよっ!」モグモグ

小鳥「えっ・・・?春香ちゃん一体どうしたの・・・?」

美希「っていうか何で平然とひよこ饅頭食べてるの?」

春香「おいしいよ、美希も食べる?」

美希「いらないの」

小鳥「っていうか春香ちゃんさっきまで落ち込んでなかった?何だか急に活き活きしてきたわね」

美希「もうダメなの、春香はスイッチが入っちゃったから当分はこのテンションのままなの」

小鳥「そ、そう・・・春香っちゃんってこんなキャラだったかしら・・・」

美希「この番組に来た人は皆そう言うの、ミキはもう慣れちゃったって感じ?」

春香「スタッフさんもやれば出来るじゃないですか!これこそテレビ的演出ですよ、ナイスです!」

カンペ『前回天海さんに言われて目が覚めました!事務所の至る所に仕掛けを施してあります』

春香「素晴らしい、素晴らしいですよスタッフさん!やっぱりバラエティーはこうでなくちゃ!」

小鳥「えっ・・・えぇぇっ?これ本当に春香ちゃん?さっきまでと全然別人じゃない・・・」

春香「という事は仕込みも万全という事で、アレが出来るね!」

小鳥「・・・アレ?」

春香「前回は仕込み不足で結局お流れになっちゃったアレだよアレ!」

美希「えっ・・・もしかして」

春香「そう、そのもしかして!笑ってはいけない765プロー!いぇいっ!」

美希「あー、前回言ってたもんねー・・・ホントにやる気なの?」

春香「当たり前じゃん、せっかくスタッフさんが入念に仕込みをやってくれたんだから、やらなきゃ損だよ!」

美希「まぁ、どうせこの後やる事も決まってないし、ミキは別にいいけど」

春香「よっし決まり!さっすがミキミキ、話が分かるぅー!」

小鳥「あれ、私置いてけぼり?っていうかあのテンションに難なく付いていけてる美希ちゃんも結構凄いわよね」




テロップ『こうして幕を開けた第一回笑ってはいけない765プロ!続きはCMの後』


今日はここまで

第3回、後半いきます

小鳥「今更だけどこれって完全に丸パクリよね・・・事務所的に大丈夫なのかしら」

春香「まあまあ、細かいことは気にしていたらダメですよ」

小鳥「いえね、春香ちゃん・・・事と次第によっちゃ結構な事態になり得るからね?」

美希「問題ないの小鳥、いざとなったら社長が何とかしてくれるの」

小鳥「えー・・・えぇぇぇ」

春香「そうだね、きっと社長が何とかしてくれるよ!」

美希「というわけで社長、もしもの時はヨロシクなのっ」

小鳥「二人ともうちの社長を何だと思ってるのよ・・・」

カンペ『まあ気楽にいきましょう!』

小鳥「スタッフさんもノリ軽いなー・・・私だけ完全に浮いてる感が否めないわ」

美希「それはそうと、笑っちゃった場合はどうなるの?罰ゲームも同じ事しなきゃいけないの?」

小鳥「んー・・・さすがにアレはねぇ、アイドルにあんな事させられないわよ」

美希「何にしても、ミキ痛いのはヤなの」

春香「まあそこは番組恒例の罰ゲーム専用ボックスでいいんじゃないかな?」

小鳥「あれって今更だけど事務所のチェック入ってるのかしら?あんまり過激なのはちょっと・・・」

美希「もう小鳥ったら、さっきから細かい事ばかり気にしすぎなの、おばさんみたい」

春香「そうですよ、シワ増えちゃいますよ?」

美希「白髪増えちゃうよ?肌荒れちゃうよ?」

春香「婚期遅れちゃいますよ?干物になっちゃいますよ?」

小鳥「ぐふっ・・・二人とも言いすぎよ!もうやめて、小鳥のライフはゼロよ!」

春香「さてと、それじゃあどうしよっか?」

小鳥「誰かが動かない事には始まらないわよね」

美希「ここは春香が率先していくべきだって思うな、こういうのは言いだしっぺが先陣切るべきなの」

春香「よ、よし分かったよ・・・じゃあ最初は私からいくね」

美希「まずはどこから調べるの?」

春香「そうだなぁ・・・まずはプロデューサーさんの引き出しからいってみようかな」

美希「前回は書類がいっぱい入ってたの」

小鳥「スタッフさんの反応を見るに、中身は当然変わってると考えるべきよね」

春香「よし・・・開けますよ!」

グイッ

春香「ふんっ・・・んぐぐぐっ!あれ開かない、何で?」

春香「ぐぉぉぉぉ!な、なんで開かないのこれっ!?」

美希「春香、何やってるの?」

春香「何って、いやこれ引き出しが全然開かないんだよ、何でぇぇぇ」

美希「・・・」

小鳥「・・・」

春香「ふぐぉぉぉぉ!なっ・・・んでやねぇぇんっ!ふんぬぅっ・・・!」プルプル

美希「ふふっ・・・春香ったら顔真っ赤にして面白いの」

小鳥「あっ、美希ちゃん笑ったわね」

美希「し、しまったの!春香ズルイの、そんなリアクションで笑いを誘うなんて卑怯なのっ!」

春香「違うよ!本当に引き出しが開かないんだって、全然ビクともしないんだよ!」

美希「そんなウソは通用しないの、春香ってばどこまで芸人に染まれば気がすむの?」

春香「染まってないから!私はアイドル!身も心も思考回路に至るまで全てアイドルだよ!」

美希「今の春香が言ってもギャグにしか聞こえないの」

春香「うぅ・・・ミキミキひどいよぅ、本当に開かないのに」

小鳥「あら美希ちゃん、これ引き出し本当に開かないわよ?溶接されてるもの」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「星井さん、何か春香さんに対して言うべき事があるのでは?」

美希「・・・あはっ☆ごめんなの」

春香「なんかやるせないけど、かわいいから許す!」

春香「まあ笑っちゃった事に変わりはないし、早く罰ゲーム引きなよ」

美希「むぅ・・・納得いかないの」

春香「私だって納得いかないよ!まるで私が笑われたみたいな流れなんだもん!」

美希「あながち間違ってはいないの」

春香「むっきぃー!なんですってぇー!」

美希「あっ、デコちゃんだー、春香のパクリ芸久々なの」

春香「だからパクリ芸とか言わないでくれるかな!?」

小鳥「まぁまぁ二人とも・・・美希ちゃんもルールはルールだから、ねっ?」

美希「分かったの、潔く負けを認めるの」

ガサゴソガサゴソ

美希「何が出るかなー・・・えいっ、なの」

小鳥「何て書いてあったの?」

美希「えーっと・・・『デコピンされる』、だって」

春香「何それ、めっちゃ普通じゃん!私の時とは大違いだよー」

美希「えー・・・でもミキ、痛いのはヤなの」

小鳥「これは私か春香ちゃんのどちらかがやるって事でいいんでしょうか?」

カンペ『はい、それでお願いします』

小鳥「それじゃあどっちが美希ちゃんにデコピンする?」

春香「小鳥さんやっていいですよ、デコピンされるならともかくする側なんて全然おいしくないし」

美希「・・・おいしい?」

春香「あっ、いや何でもないない!聞き間違いだよ、ははっ、やだなぁもう!」

小鳥「それじゃあいくわよ、美希ちゃん」

美希「お、お手柔らかにお願いしますなの・・・」

小鳥「美希ちゃんごめんね・・・えいっ」

パチンッ

美希「・・・っ!い、痛いのぉ・・・」プルプル 

小鳥「はふっ・・・!涙目で痛みを堪える美希ちゃんかわいい!」

カンペ『星井さんかわいい!』

美希「もう、茶化さないでほしいの!ホントに痛かったんだから・・・ぐすっ、小鳥のばかっ」

春香「あーいいなぁ、私もあんな罰ゲームやっていかにもアイドルっぽいリアクション取りたいなぁ」

美希「春香には笑いの神様が憑いているから多分ムリだって思うな」

春香「はっはっは、言ってくれるじゃないか星井さん、よーし春香さん泣いちゃうぞー」

美希「あー痛かったの、まだヒリヒリする・・・ぐすっ」

小鳥「ご、ごめんね美希ちゃん」

美希「しょうがないの、笑っちゃったミキがいけないんだから」

春香「あっ、別の引き出しは開きそうだよ・・・ねえ、これ開けちゃってもいいかなー?」

美希「いいんじゃないかな?」

春香「それじゃあ・・・よっと」

ガラッ

小鳥「何か入ってる?」

春香「これは・・・ボタン、かな」

小鳥「またしてもド定番の展開ね」

春香「ボタンかぁ・・・ボタンネタって確か強制罰ゲーム的な展開が多いんだよね」

美希「とりあえず押してみれば?」

春香「そうだね、ちょっと恐いけど見つけちゃった以上は押してみた方がいいよね・・・えいっ」

ポチッ

TV『ザ...ザザザ』

春香「うわっ、急にTVの画面が点いたよ!」

小鳥「スタッフさん、随分と凝った事するのねぇ」

やよい(VTR)『うっうー!春香さん、美希さん、ゲストの方、こんにちはー!高槻やよいでーす!』

テロップ『注:高槻さんはこの時点ではゲストの方が誰かご存知ありません』

春香「あっ、やよいだ」

美希「やよいなの」

小鳥「やよいちゃんね」

春香「っていうかわざわざこの為だけにやよいを撮ったんですか?」

美希「前回春香にボロクソ言われたからって本気出しすぎなの」

やよい(VTR)『えーっとですねぇ・・・実はスタッフさんに面白い話をしてくれって言われたんですけどぉ」

美希「ちょっとスタッフさん、やよいに何てことやらせようとしてるの!」

やよい(VTR)『でも私、何にも面白い話なんて思い浮かばなくて・・・うぅ、ごめんなさい」

春香「いいんだよ、やよいは何にも悪くないんだから」

小鳥「そうよやよいちゃん、気にしなくていいんだから」

美希「やよいはそんな事しなくても全然大丈夫なの、問題ないの」

やよい(VTR)『なので代わりに春香さんに関するちょっと良いお話をしようかなーって思います』

春香「・・・なんですと?」

美希「春香、何か心当たりはある?」

春香「いやー・・・別にやよいの前で大ボケかましたなんて事はないはずだけど」

美希「いや、そういう事じゃなくて・・・何でもかんでも笑い方面に繋げないでほしいの」

やよい(VTR)『えーっとですねぇ、実はこの間春香さんがうちに遊びに来てくれたんですよー』

小鳥「そうなの?」

春香「うん、偶然だけどオフが重なっちゃってさ、まあ特に予定も無かったし」

やよい(VTR)『それで、その時うちの家族皆に手作りのお菓子をプレゼントしてくれたんです!』

美希「へー、春香ってばそんなことしてたんだぁ」

春香「うん、小さい子もいるしやっぱりお菓子が一番嬉しいんじゃないかなぁ、って思ってさ」

小鳥「いかにも春香ちゃんらしいわね」

やよい(VTR)『あとはかすみにお菓子の作り方教えてくれたり、私と一緒に晩御飯作ってくれたり』

美希「ふーん・・・春香ってば、何だか良いお姉さんって感じなの

春香「も、もう・・・茶化さないでよ」

やよい(VTR)『何だかお姉ちゃんが出来たみたいですっごく嬉しかったです!えへへっ』

小鳥「天使ね」

美希「天使なの」

春香「天使だね」

やよい(VTR)『それじゃあ美希さん、ゲストの方、あとは・・・えっと、は、春香お姉ちゃん!」

春香「!?」

やよい(VTR)『また遊びに来てくださいね!以上、高槻やよいでしたー!』

小鳥「何なの今のは、とんでもない破壊力じゃない・・・あ、鼻血出そう」

美希「いいなぁ・・・ミキもやよいにお姉ちゃんって呼んでもらいたいの」

春香「もう、やよいったら・・・ふふっ」

カンペ『あっ、天海さん笑ったのでアウトです』

美希「・・・」

小鳥「・・・」

春香「でぇぇぇぇっ!?今のアウトなんですかぁぁ!?」

美希「うわぁ・・・えげつないの、理不尽極まりないの」

小鳥「ひっどい・・・ある意味強制タイキック以上に横暴ね」

春香「いやいやいや、あの流れで笑顔にならない方がおかしいでしょ!」

春香「ううっ・・・横暴だよ、ひどいよぅ・・・ぐすっ」

ガサゴソガサゴソ

美希「泣き言言いながらもちゃんとクジは引くんだね」

春香「ルールだからね・・・これに決めた!ほいっとー」

小鳥「罰ゲームの内容は何かしら?」

春香「ええっと・・・『鼻めがね着用』」

美希「・・・」

小鳥「・・・」

春香「こんなんばっかりやんけーっ!」バンッ

美希「さすが春香なの、笑いの神様の加護はすごいの」

春香「私は生まれて初めて神様を嫌いになりそうだよ!笑いの神様こんちくしょう!」

美希「まあ引いちゃったものは仕方ないの、諦めるの」

春香「なんだよもう、人事だと思って気楽だなぁ」

カンペ『天海さん、鼻めがねをご用意しました、どうぞ」

春香「本当にここのスタッフさん達は無駄に準備が良いですね!分かりましたよ付けますよ!」

スチャ

春香「どう?似合うかな?」

美希「ぶふぅっ!」

小鳥「ぶほぁっ!」

春香「・・・」

美希「は、春香なにそれヤバイの・・・面白すぎるの・・・ぷっ、くくくくっ!」

小鳥「ご、ごめんね春香ちゃん・・・でもそれは反則よ・・・ぶふっ!」

春香「はい笑った、笑いましたね!スタッフさんこの二人もアウトですよね?」

カンペ『星井さん、音無さんアウトです』

美希「ぷくくくっ・・・春香ったらおかしいの・・・ふふっ、はぁはぁ・・・笑いすぎて苦しいの」

小鳥「ふっ、ふふふっ・・・ダメ、笑っちゃダメなのに我慢出来ない・・・ひぃひぃ」

春香「おーい二人ともー?」

美希「ぶふっ・・・こ、小鳥そんなに笑ったら失礼なの・・・ぜぇぜぇ」

小鳥「美希ちゃんだって笑いすぎて息が切れてるじゃない・・・ダメよ失礼よ・・・げほっげほっ」

美希「小鳥だって笑いすぎて咳き込んでるの・・・春香に悪いの・・・はぁはぁ」

小鳥「そ、そうね・・・ごめんね春香ちゃん・・・あー、笑いすぎてお腹痛い」

春香「ねえいくら何でも笑いすぎじゃない?春香さんの心はこれ以上ないくらいブロークンだよ」

春香「・・・」ツーン

美希「もう春香ってばー、機嫌直すの」

小鳥「春香ちゃんごめんってば・・・反省してるから許してちょうだい?」

春香「何だかさっきから流れがおかしくない?仕掛けで笑うっていうより私が笑われてるよね?」

美希「そんなことはないの、春香の考えすぎ・・・って言いたいところだけど間違いでもないね」

小鳥「み、美希ちゃん・・・そこは嘘でも春香ちゃんのフォローをしてあげましょうよ」

春香「もういいよ!さっさと罰ゲーム引いちゃってください!それで私と同じような目に合っちゃえばいいんだ!」

美希「んー・・・ここは春香の為にもちょっとお笑い的な罰ゲーム引いてあげたいところだけど」

小鳥「そうそううまくいくかしらねぇ」

ガサゴソガサゴソ

春香「お願い笑いの神様、二人にも何卒あなたのご加護を!」

美希「んー・・・じゃあミキはこれにしよっと、えいっ」

小鳥「それじゃあ私はこれにしようかしら・・・よっと」

春香「二人とも何て書いてあるの?」

美希「えーっとねぇー・・・語尾に『にゃん』と付けて喋る」

春香「・・・」

美希「・・・」

小鳥「・・・」

カンペ『さすが星井さん、いかにもアイドルっぽいの引き当ててきますね!」

美希「ふふーん、まあ当然なの」

春香「何でやねん!私なんて語尾に『ござる』だよ!?この違いは何なのさ!」

春香「笑いの神様ってやつは非情だね、まったく・・・春香さん泣けてきたよ」

美希「そ、そんなことミキに言われても困るのにゃん」

春香「さっそく実践してるし!しかも当然のことながらかわいいし!」

小鳥「これは凄まじい破壊力ね・・・こんなの放送しちゃったら益々美希ちゃんのファンが増えちゃうわ」

カンペ『星井さん超かわいい!』

美希「そ、そんなこと言われると照れるにゃん」

春香「いいないいなー、私もこういうのやりたかったよ、もう芸人的なのはうんざりだよ」

美希「そんにゃこと言ってる割にはその鼻めがね、まだ外してないのにゃん」

春香「あっ、そうだった外すの忘れてたよ・・・何だか妙にしっくり馴染んじゃってさー」

美希「えぇぇぇー・・・」

美希「ところで小鳥の罰ゲームは何て書いてあるのにゃん?」

小鳥「私?ええっと・・・えぇぇー」

美希「えっ、何々?そんなにキツイの書かれてたのにゃん?」

春香「あー、やっぱり小鳥さんには笑いの神様降って来ちゃいました?」

小鳥「やっぱりって何!?まぁ・・・私にアイドル的なのが来るはずないってのは分かってたけど」

美希「何て書いてあったのかにゃん?」

小鳥「・・・これよ」

美希「ええと何々・・・『ノニジュース一気飲み』」

春香「ノニジュースって確か、あのすっごく苦い飲み物ですよね?飲み物系の罰ゲームだと定番どころの」

美希「にゃんてこったい・・・なの」

小鳥「うぅ・・・私、この手のやつは本当にやりたくないわ・・・」

春香「何言ってるんですか小鳥さん、むしろおいしいじゃないですか!笑いを取るチャンスですよ!」

小鳥「いやいや、私別に笑うを取る気とかないからね?」

春香「またまたそんなこと言っちゃってー、内心やる気が満ち溢れてるくっせにー」

小鳥「というか今更だけどアレね、このテンションの春香ちゃんに絡まれたら面倒くさいわね」

美希「小鳥も結構ハッキリ言うのにゃん・・・まぁ、あながち間違ってはいないのにゃん」

春香「おーい二人とも、本人のいる前でそんなハッキリ言わなくてもいいんじゃないかなー?」

美希「っていうかそんなにおいしいって思うなら春香、代わってあげれば?」

春香「えっ・・・いやだよ、私苦いの嫌いだもん」

小鳥「・・・」

春香「まぁここまで来たらもう腹括るしかないですよ!」

小鳥「そ、そうね・・・うだうだ言っても埒が明かないわ、覚悟を決めましょう」

カンペ『ささっ、どうぞどうぞ』

小鳥「でぇっ!?小さなグラスかと思いきやジョッキ一杯分じゃない!」

美希「うわっ・・・小鳥、ご愁傷さまにゃん」

春香「はいはいはい!小鳥さん、あっそーれイッキイッキ!」

小鳥「・・・」

美希「・・・」

春香「そーれイッキイッキ!・・・小鳥さん飲まないんですか?」

小鳥「飲むわよ!飲めばいいんでしょうが、こんちくしょう!」

小鳥「ええいっ、ままよ!小鳥、いきます!」

グイッ

春香「おぉーっ!小鳥さん一気にいったー!」

美希「こ、小鳥頑張るのにゃん!」

小鳥「んぐっ・・・んぐっ」

春香「う、うわぁ・・・めちゃくちゃ顔しかめてるよ」

美希「よっぽど苦いんだろうね・・・にゃん」

小鳥「んぐっ・・・んぐっ・・・んんっ・・・」

春香「・・・あれ?」

美希「小鳥・・・どうしたのにゃん?」

小鳥「ん・・・んんっ・・・!」プルプル

春香「ねえ美希、何だか小鳥さんめちゃくちゃ震えてない?」

美希「うん・・・あとすっごい涙目になってるの、これは何だかイヤな予感がするの」

小鳥「ん・・・!んんんっ・・・うぐっ!」

春香「あっ、なんか呻いた」

小鳥「んっ・・・んんっ・・・ぐふっ、ぶはぁぁっ!」

春香「あっ」

美希「あっ」

小鳥「げほっげほっ!・・・ぜぇぜぇ」

美希「いやぁぁぁ!こ、小鳥が吐いちゃったのぉぉー!!」

春香「でぇぇぇ!?ちょ、ちょっとカメラさんストーップ!映像止めて止めてー!」

小鳥「・・・」ズズーン

春香「えー・・・ただ今非情に見苦しい映像をお見せしてしまい、真に申し訳ございませんでした」

美希「申し訳ございませんでした・・・」

小鳥「ほ、本当にすみませんでしたぁぁぁ」

テロップ『本当に申し訳ございません・・・』

美希「まさかこんな大惨事になるとは思ってもいなかったの」

小鳥「うぅぅ・・・ぐすん、ごめんなさぁい」

美希「っていうか小鳥もムリだって分かったらさっさと諦めるべきなの」

春香「そうですよ小鳥さん、時には諦めも肝心ですよ」

小鳥「ごめんなさいごめんなさい・・・雪歩ちゃんじゃないけど穴掘って埋まりたい気分だわ」

美希「っていうかスタッフさんも悪いの、ジョッキに並々と注ぐなんてムチャにも程があるの」

カンペ『すみません・・・反省しております』

美希「ああいうのをやるのは芸人さんか春香くらいにしておかないとダメなの」

春香「そうそう、美希の言う通り・・・えっ?」

美希「それじゃあ気を取り直して番組再開するの」

春香「えっ、あの・・・んー?美希さん今なんて仰りました?」

カンペ『あっ、それなんですけどそろそろ尺の都合でお開きにしないと』

美希「そうなんだ・・・せっかく盛り上がってきたところなのに、残念なの」

春香「おーい美希さーん、さっきの台詞に対してちょっと説明していただけませんかー?」

小鳥「えぇぇ・・・最後あんな形で終わるだなんて・・・ううぅっ、最悪ぴよ最悪ぴよ」ズーン

あとは〆の部分だけですけど書き溜め分が尽きてしまったので続き書いてきます
日付が変わるまでには戻ります

美希「という事で恒例の視聴者プレゼントのコーナーなのっ!」

春香「ちょっと美希さん、さっきの言葉は一体どういう意味なんでしょうか?」

美希「もう春香しつこいのっ!いい加減にしないと怒るよ?」

春香「え、えー・・・理不尽だぁ」

小鳥「・・・」ズーン

美希「小鳥もいつまでも落ち込んでないで気分上げていくの!これテレビのお仕事なんだよ?」

小鳥「そ、そうね・・・美希ちゃんの言うとおりだわ、ごめんなさい」

春香「それで今回のプレゼントは何なんだろうね?」

美希「なんと今回は、小鳥の捺印済みの婚姻届なのっ」

小鳥「!?」ガタッ

小鳥「ち、ちちちちょっと美希ちゃん!?なんてものをプレゼントにぃっ!?」

春香「というかよくそんなもの用意できたね・・・本物なの?」

美希「まあ勿論ニセモノなんだけどね」

春香「偽物なんかーいっ!」

小鳥「あ、焦ったわぁ・・・勝手に事務所の机漁られたのかと思ったわ」

美希「・・・ん?」

春香「へっ?」

小鳥「・・・あっ」

美希「小鳥・・・そんなもの、事務所の机に入れてあるの・・・?ミキ、引いちゃうな」

小鳥「あーっ!あーっ!今の無し、忘れてください!スタッフさん編集でカットしてぇぇぇ!!」

小鳥「・・・」ズーン

美希「というわけで今回はミキの最新シングルにサインを付けてプレゼントしちゃうの」

春香「おっ、3回目にしてようやく普通のプレゼントがきたね」

美希「まあミキ的にははるヒゲさんでも良かったんだけど、さすがに3回連続っていうのは・・・ね?」

春香「うん、まあ私はあんな代物をプレゼントにしようっていう考え自体賛同してないけどね」

美希「もう、春香はいい加減にはるヒゲさんを認めてあげるべきなの」

春香「認めないっての!私はあんなもの絶対認めないからね!」

カンペ『ただ今コラボ商品として企画を出したところなんですが』

美希「すごいね春香、もう商品化は目の前って感じじゃない?」

春香「今すぐ取り下げて!何度も言うけど本人の許可得てないから非公認ですよ、分かってます!?」

美希「というわけでそろそろお別れのお時間なのっ」

春香「小鳥さん、今回私たちの番組に来てくれた感想とか聞かせてもらえませんか?」

小鳥「・・・」ズーン

美希「・・・小鳥?」

小鳥「・・・あっ、ごめんなさいごめんなさい、そうね・・・感想ね」

春香「私たちの番組、どうでした?」

小鳥「そうね・・・前回の響ちゃんと同じ感想になっちゃうけど、まあ何だかんだで楽しかったわよ」

春香「本当ですか?楽しんでもらえたのなら何よりです」

小鳥「あとはまぁ、自由な現場っていうのは分かるんだけど春香ちゃんはもうちょっと自重しましょうか?」

春香「は、はぃ・・・肝に銘じておきます」

小鳥「あとはまぁ、そうね・・・スタッフさんたちとの関係も良好だし、安心したわ」

美希「ミキ、こんな風に小鳥とテレビのお仕事出来るって思ってなかったから楽しかったの」

春香「私も楽しかったです、また来てくださいね!」

カンペ『きれいな事務員さん、いつでもお待ちしております』

小鳥「あ、あははっ・・・ありがとうございます、そう言っていただけで嬉しいです」

美希「それじゃあ今回も、この辺で〆に入るのっ」

小鳥「それではお相手は765プロの心のオアシス、音無小鳥と」

美希「765プロのほのぼの担当、星井美希と」

春香「765プロのお笑い担当、天海春香がお送りしました!」


はるみきぴよ「「「それじゃあ、ばいばーい」」」

今回はここまでです
どのくらいいるのか分かりませんが見ていてくださる方々、毎度毎度レスありがとうござます

短めですが投下します

美希「あふぅ・・・もうすっかり春なの、こんなにあったかいと眠くなってきちゃうな」

ガチャ

美希「あっ、誰か来たの・・・春香かな」

春香「ラバーメン!美希!」

美希「おはよう春香・・・らばーめん?」

春香「ん、どうしたの美希?」

美希「いや、何でもないの・・・春香は今日も朝から元気なの」

春香「そうだね、なんと言っても私はこのリボンがチャームポイントだから!」

美希「うん、初っ端からいきなり会話がかみ合ってないの」

春香「ははっ、そうだね!やっぱり朝ごはんは元気の源、1日の活力だからね!」

美希「あれ、何これ?全然会話のキャッチボールが出来ていないね」

春香「そういえばええっと・・・ええと、あれ?」

美希「・・・」

春香「ねえ美希、私何を言おうとしてたんだっけ」

美希「そんなの分かる分けないの、あれ・・・春香ってこんなに会話スキルひどかったっけ?」

春香「あっ、そうだ思い出したよ!実はさ、今日事務所に来る前にあずささんを見かけたんだ」

美希「へえ、そうなんだ・・・それで?」

春香「それだけ」

美希「えっ?」

春香「一緒に来ても良かったんだけど、それだとあずささん道に迷えないって思ってさ、放置してきた」

美希「えー・・・えぇぇ」

美希「あずさだって義務的に迷ってるわけじゃないんだし、そこは一緒に来てあげるべきだったんじゃない?」

春香「んー・・・でもあずささんは迷ってナンボなキャラだし、私なりに気を使ったんだけどなー」

美希「・・・うん、完全にありがた迷惑な発想なの」

春香「いいよなーあずささん、私もあんな強烈な個性が欲しいよ」

美希「春香もある意味迷子さんなの」

春香「ん、どういう意味?」

美希「まあ、主にキャラとかが」

春香「はっはーっ、ミキミキ結構うまいこと言うねー、こりゃ一本取られちゃったよ」

美希「ふふん、どやぁ、なの」

春香「ははーっ、おかしいなー、涙で霞んでミキミキの顔が見れないやー・・・ぐすん」

春香「まあそんな訳でね、キャラが迷子の春香さんもこの辺でそろそろ個性が欲しいわけですよ」

美希「うーん、個性かぁ」

春香「私って未だに無個性とか言われるじゃん?もうね、いい加減そんな流れから脱したいのよ」

美希「春香にはもう立派な個性があるってミキは思うの」

春香「えっ、本当に?」

美希「うん」

春香「何々?気になるなー!出来れば芸人キャラ以外でお願いね」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「あはっ☆」

春香「うん、何となく分かっちゃいたけどね、こんちくしょう!」

美希「でも春香、この番組始まってからホントに芸人キャラが馴染んできちゃってるの」

春香「そうなんだよ、全力で否定しようにも最近本当にこのキャラが定着しつつあって恐いんだよ」

美希「事務所の皆にも結構イジられてるもんねー」

春香「そうそう、この間なんかさー、亜美にすっごいネタにされちゃってさ」

美希「へー、まあ亜美は如何にもそういうの好きそうだもんね・・・ちなみにどんな風に?」

春香「えっとね、私って何もないところでもよく転ぶのが持ちネタじゃん?」

美希「持ちネタっていう表現はどうかと思うけど、まあその通りなの」

春香「それでね、あんまり転ぶんもんだから、ついには亜美に『ワザと転んでるっしょ!』って言われてさ」

美希「うん、まあ春香のズッコケ芸がワザとかどうかなんて議論は今に始まった事じゃないの」

春香「それで亜美はこう考えたらしいよ」

美希「ふむふむ」

春香「何もない所で転ぶくらいだから、何かある所だったらもっと転ぶはずだ、って」

美希「まあ、本当にドジで転んでるだけだったら分からなくもないの」

春香「それでさ、亜美ったら事務所の床にトラップ仕掛けてきたんだよ」

美希「トラップかー、無難にバナナの皮とか?」

春香「うん、正解」

美希「あっ、当たってたんだ」

春香「事務所の床一面にバナナの皮敷き詰めてさ、多分面積の7割くらいは占めてたんじゃないかな」

美希「仕掛けすぎなの!そんなのドジとかワザととか最早関係なくなっちゃうの」

春香「だよね、やっぱりそう思うよね、いくら何でもやりすぎだっての」

美希「っていうかそんなに目立つくらい仕掛けちゃったらトラップの意味ないよね?誰だって気付くの」

春香「うんうん、美希の言うとおりだよ、そんなので転ぶなんてよっぽどのバカだっての」

美希「それで、春香はどうだったの?」

春香「勿論転んだに決まってるじゃーん!」

美希「・・・あー、つまり春香はバカなんだね」

春香「ちょっと美希、人様に対してバカとか失礼じゃない!?」

美希「さっき自分で言ったくせに」

春香「私はあれだよ、ちゃんとした理由があるんだって!」

美希「まあどうせミキには理解できない理由だと思うけど、聞いてあげるの」

春香「まあ端的に言うとね、私だって注意すれば転ばないよ!って所を亜美に見せたかったんだよ」

美希「うん」

春香「亜美があまりにも『何もない所で転びすぎ』って言うからさ、何もない所を歩く時にすっごく注意したのよ」

美希「そっか」

春香「私だってやれば出来るんだよ、結果的には何もない所では転ばずに済んだんだー」

美希「ふーん」

春香「たださ、何もない所にばかり注意し過ぎたせいでバナナの皮のある所に全然目がいってなくてさ」

美希「・・・」

春香「気付いた時にはバナナの皮で盛大に転んじゃってました!てへっ」

美希「うん、春香は本当にドジっていう事が今改めて分かったの」

春香「なのに亜美ったらひどいんだよ」

美希「何が?」

春香「私がバナナの皮で転んだのを見るなりこう言ったんだ」

美希「うん」

春香「『なんでそんな見え見えのトラップに引っかかるの?はるるん絶対ワザとっしょ!』ってさ」

美希「まぁ、亜美の言い分も分からなくはないの」

春香「いやいやいや!テレビならまだしもさ、プライベートでそんな事したっておいしくも何ともないよ!」

美希「えーっと・・・春香?」

春香「亜美以外誰もいない事務所でそんな事やったって面白くもないし、何より笑いが取れないじゃん!」

美希「やっぱり春香はもう芸人キャラのままでいいんじゃないかなってミキは思うの」

美希「というわけでテレビの前のみんなー、星井美希なのっ」

春香「天海春香ちゃんでっす!」

美希「まあそんなこんなで、春香の芸人キャラも事務所のみんなにすっかり知れ渡ってきてるの」

春香「これは本当に由々しき事態だよ、なんとしてもこの芸人キャラから脱却しないと!」

美希「だからずっと言ってるけど、普通にアイドルらしく振舞っていれば問題ないの」

春香「それなんだけどさー・・・私だって自分なりにアイドルらしくしようって努めてるんだよ?」

美希「例えば?」

春香「きゃっぴぴーん!はっるはる」

美希「はいストップ、春香やめるの」

春香「ちょっと美希、せめて最後まで言わせてよ!」

美希「春香、それ本気でアイドルっぽい振る舞いだって思ってやってる?」

春香「ごめん、ぶっちゃけ半分ウケ狙いでやってる」

美希「それで一番被害を受けるのは真くんなの、かわいそうだからやめてあげて」

春香「この間さ、真に言われちゃったんだよね」

美希「なんて?」

春香「『春香のことは好きだけど、ボクをネタに笑いを取るのはやめてくれないかな・・・』って」

美希「うん、真くんの言い分が正しすぎてミキには何も言えないの」

春香「別にそういうつもりはなかったんだけどなー」

美希「えぇぇ・・・自覚無しでやってたんだ、尚更タチが悪いの」

春香「あとはアイドルらしい振る舞いかー・・・うーん」

春香「あっ、これなんてどうかな?」

美希「なに?」

春香「にひひっ、このウルトラスーパーアイドル春香ちゃ」

美希「はいストップ、春香やめるの」

春香「だから何で止めるの!?最後まで言わせてよ!」

美希「デコちゃんが言うのと春香が言うのとじゃもう全然違うの、雲泥の差なの、天と地なの」

春香「具体的には?」

美希「なんかムカつく」

春香「どストレートすぎるよ!せめてもう少しオブラートに包んだ言い方にしてよ!」

美希「ちょっとイラってするから禁止なの」

春香「うーん、これもダメとなると後は・・・あっ、これなんてどうかな?」

美希「今度は何?」

春香「あ、天海春香17歳ですぅ・・・ひんそーでちんちくり」

美希「はいそれもストーップ、春香やめるのー」

春香「だからっ!なんで途中で止めるのかな!せめて最後までっ!」

美希「春香ってさ、明らかに雪歩よりスタイルいいよね?」

春香「そ、そうかな・・・?どっこいどっこいだよ、そんなに大差ないって!」

美希「雪歩の前でその台詞、言える?」

春香「ゆ、勇気を振り絞ればなんとか・・・」

美希「ふーん」

美希「それじゃあさ」

春香「うん」

美希「千早さんの前で」

春香「よーし、よしよしよし!言わない言わない!もう絶対言わないよ!」

美希「・・・」

春香「春香さんこのネタは今日限りで封印しちゃう!今後二度と使わないから!安心してね千早ちゃん!」


―番組オンエアーと同時刻 事務所のテレビにて番組視聴中の雪歩と千早―

雪歩「はうぅぅ・・・春香ちゃんに美希ちゃん、ひどいよぅ・・・」

千早「・・・」ゴゴゴゴゴ

雪歩「ねえ、千早ちゃんもそう思うよね・・・って、ひぃぃ!?千早ちゃん、顔が恐いですぅ」

千早「・・・」ゴゴゴゴゴ

春香「後はそうだなぁ・・・何かあるかなぁ」

美希「っていうか春香、幾らパクり芸が得意って言っても、さっきからパクり過ぎなの」

春香「だからパクり芸とか言わないでってば!私、そんな芸持ってないからさ!」

美希「でも真面目な話、さっきから人の真似ばっかりなの、もっと自分の持ち味出さないと」

春香「それが問題なんだよねー」

美希「んー?」

春香「改めて考えるとさ、私の個性とか持ち味って何なんだろうね?」

美希「春香の持ち味かぁ」

春香「うん、自分で言うのも何だけどさ、これと言って浮かんでこないんだよね」

美希「うーん・・・」

美希「んー・・・あっ!」

春香「何々?何かあった?」

美希「あざといのっ!」

春香「・・・」

美希「リボンなのっ!」

春香「・・・」

美希「あとは、転ぶの!」

春香「はっはっはー、星井さんその辺にしておかないと春香さん泣いちゃいますよー?」

カンペ『天海春香、三種の神器、あざとい、リボン、転ぶ』

春香「スタッフさん今日は随分静かだと思ってましたけど、ここぞとばかりに出てきましたね!」

美希「春香、元気出すの」

春香「いいんだいいんだ・・・どうせ私の持ち味なんてそれくらいしか無いんだから」

美希「もう春香、拗ねちゃヤなの、ほんの冗談なの」

春香「それじゃあ美希、私の持ち味って他に何があるかな?」

美希「んー・・・えっと・・・」

春香「・・・」

美希「・・・あ、あはっ」

春香「いやいやいや!そこは嘘でもいいから何かしら絞り出そうよ!」

カンペ『あざとくてよく転ぶリボンが取り柄の天海さん元気出して!』

春香「ここぞとばかりにトドメ刺しにきましたね!ようしお前ら収録終わったら屋上なっ!」

ちょっと短いですが今日はここまで

少しだけ書き溜められたのでいきます

春香「・・・」ズーン

美希「ほら春香、いつまでも落ち込んでないで元気出すの」

春香「そうですね・・・こんなんで落ち込んでるようじゃプロ失格ですものね」

美希「そ、そうなのそうなの」

春香「よっし、それじゃあ気分を切り替えていきますか」

美希「はいなのっ」

春香「世間的にはさ、GWが終わった頃だけど美希はお休みとか貰った?」

美希「貰ってないの、今年はずっと働き通しだったの・・・あふぅ」

春香「まあそうだよねー、実際私たちアイドルにはあんまりそういうの関係ないもんねー」

美希「それに多分お休み貰ったってミキ、多分どこにも行かなかったって思うの」

春香「どうして?せっかくのGWなんだしやっぱり何処かに出かけたくならない?」

美希「だってGWってどこに行っても人が沢山いるってイメージなの・・・」

春香「美希は人ごみとかがお嫌いで?」

美希「嫌いっていうわけじゃないけど、どうせ出かけるならのんびりしたいの」

春香「そっかそっか、まあ美希の言ってる事も分からなくはないよね」

美希「春香はどうだったの?お休みとかもらったの?」

春香「私?私ももらってないよ、ずっと働いてた!」

美希「春香も売れっ子だもんねー」

春香「でもさ、1日だけレッスンだけで終わった日があったんだ」

美希「あっ、そうなんだ」

春香「その日はさ、午前だけレッスンで午後から丸々休みだったんだよね」

美希「いいないいなー、それじゃあどこかにお出掛けしたの?」

春香「うん、あずささんもその日同じレッスンでさ、終わった後にちょいと二人で」

美希「わぁ、うらやましいの、ミキもあずさとお出掛けしたかったー・・・それでどこに行ったの?」

春香「一杯ひっかけに!」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「もちろんウソだよね?」

春香「うん」

美希「すぐバレるようなウソはつかない方がいいって思うの」

美希「それで、ホントはどこに行ってきたの?」

春香「ちょいと逆ナンしに街までね」

美希「それもウソだよね」

春香「うん」

美希「何でウソばっかり吐くの?ミキにはホントのこと喋りたくないの?」

春香「そ、そういうわけじゃないよミキミキぃー・・・」

美希「そろそろホントのこと言ってほしいの」

春香「あずささんと二人で婚活パーティーに繰り出してきました!」

美希「・・・春香、いい加減ミキも怒るよ?」

春香「ごめんなさい」

春香「まあ実際のところは二人でご飯食べて、お茶してブラブラしただけなんだけどね」

美希「そうなんだ、なんだか思ったより普通だったの」

春香「人が多すぎるとねー・・・中途半端に遠出しても疲れるだけなんじゃないかと思って」

美希「やっぱりそうだよね」

春香「そういえばさ、婚活パーティーって最近すっごい流行ってるよね」

美希「そうだねー・・・みんな、そうまでして結婚したいのかな?」

春香「さあねえ・・・あっ、でも小鳥さんがこの間思いつめた顔して婚活パーティーのパンフレット見てたね」

美希「わお・・・小鳥、がんばるの」

春香「美希はどう?婚活パーティーとか参加してみたいって思う?」

美希「ミキ、まだ15だよ?そういうのに参加するような年齢じゃないの」

春香「うん、そりゃまあ確かにそうだけどさ」

美希「でもミキ、どうせ結婚するならあずさじゃないけど、やっぱり運命的な出会いがしたいの」

春香「へー、やっぱり美希も夢見る乙女なんだね」

美希「ミキだって女の子だもん、そういうのに憧れるのはトーゼンなの」

春香「いいよねー結婚、憧れるよねー」

美希「春香もやっぱり結婚願望とかあるの?」

春香「そりゃ当然ですよ!でもまぁ、今はアイドル頑張りたいし、そういうのは当分先かな」

美希「ミキもなの、まあ気長に待つって感じなの」

春香「でもやっぱり結婚生活って憧れるなー・・・ねえ美希、ちょっとやってみようよ?」

美希「ん・・・えっ?」

美希「春香が何を言っているのかミキには全然分からないの」

春香「どうせ結婚できないなら、せめて雰囲気だけでも味わってみようよ!二人で新婚さんごっこ!」

美希「あー・・・つまり小芝居に付き合えってこと?」

春香「うん」

美希「別にいいけど、どうせ今日もやる事ないし」

春香「それじゃあ私、お嫁さん役ね!」

美希「えー、春香ズルいの、ミキだってお嫁さんやりたいの」

春香「なんでだよ!美希はいっつもそういう良い役どころばっかりじゃん!」

美希「えっ、春香?」

春香「たまには私にもそういう役どころ譲ってよ!いいじゃん、ねえ美希!お願いだよ!」

美希「えっと・・・あの、春香?」

春香「頼むよミキミキぃー!たまには私に花を持たせてよ!お願い、この通り!」

美希「う、うん・・・そこまで言うなら別にいいよ?」

春香「へへっ、やーりぃ!ありがとうございます星井さん!」

美希「たかが小芝居の役にそこまで必死になるなんて・・・ミキ、ちょっとだけ引いちゃったの」

春香「それじゃあ早速始めようか!」

ファサ

春香「ふんふんふーん♪」

美希「あれっ、どうしてエプロンなんて付けるの?っていうかいつの間に・・・」

春香「だって、仕事で疲れた夫を出迎える新妻ってシチュエーションだからね!」

美希「あぁ、うん・・・もうそこまで場面設定してあるんだ」

春香「どうどう?似合う?」

美希「すっごい似合うの、もうあざとさが全身から噴出してる感じ?」

春香「ありがとう、絶対褒めてないよねそれ」

美希「まあそんな事より早く始めるの、それでミキはどうすればいいの?」

春香「そうだね、じゃあ一回外に出ようか?」

美希「えっ、何で?」

春香「ミキの役は仕事帰りの夫だよ?疲れた表情で扉を開ける所から始めないと」

美希「ただの小芝居と思ったけど、随分とこだわるんだね」

春香「ほらほら、美希は外でスタンバイしてて」

美希「わ、分かったの」

春香「それじゃあ始めまーす!はい、3・2・1、キュー!」

ガチャ

美希「た、ただいま帰ったの」

春香「おっかえりなさーいあなたっ!お帰りお待ちしてま・・・うわぁっ!?」

ドンガラガッシャーン

美希「・・・」

春香「うぅ・・・いっけなぁい、私ってばまた転んじゃった、えへっ」テヘペロ

美希「あぁ・・・うん」

春香「あなたっ、今日もお仕事お疲れさまでしたっ!」ウワメヅカイ

美希「うん、ありがとうなの」

春香「あなた、最近お仕事忙しいみたいですね・・・帰りが遅くて春香、さみしいです」ナミダメ

美希「・・・」

春香「そうだあなた、カバンお預かりしますねっ」

美希「うん、ありがとうなの」

春香「きゃぁ、足が滑っちゃったー」

ステーン ガバッ

美希「え、えーっと・・・春香?」

春香「ご、ごめんなさい私ってば・・・足が滑ってバランスを崩してあなたにもたれ掛かっちゃうなんて」

美希「うん、別に大丈夫なの」

春香「お仕事で疲れてるって分かってても、全然構ってくれなくて最近すごく寂しいんです」

美希「そ、そっか・・・ごめんなの」

春香「だから・・・ワガママだって分かってますけど、もう少しこのままで・・・」ギュウ

美希「・・・え、何なのこれ?」

春香「・・・」ギュゥゥ

美希「・・・あの春香、いつまで抱き合ってなきゃいけないの?」

春香「ちょっと美希、まだ演技中なのにそういうこと言わないでよー、ノリが悪いなー」

美希「ご、ごめんなの・・・春香のあざとさに圧倒されちゃったの」

春香「やるなら徹底的にですよ!」

美希「本気を出した春香のあざとさがここまでだったなんて、ミキは予想していなかったの、すごいの」

カンペ『天海さん、あざとかわいい!』

春香「うん、君たち絶対褒めてないよね」

美希「それで、まだ続けるの?」

春香「もちろんだよ!この後はいよいよ定番のシーンだからね!」

美希「定番のシーン?」

春香「それじゃあ、あなた・・・ご飯にする?」

美希「あぁー、このやり取りね」

春香「お風呂にする?」

美希「・・・」

春香「それとも、は・る・か?」

美希「じゃあご飯にするの」

春香「ちょいちょい、星井さん」

美希「どうしたの春香?」

春香「そこは春香さんを選択するのがお約束でしょうが!普通にご飯選んじゃったらダメだよ!」

美希「えぇぇ・・・だってミキなら断然ご飯が先なの、春香なんか食べたって絶対おいしくないの」

春香「ひっどいなー、春香さんピッチピチやぞ!ピッチピチやぞ!」

美希「うん、この辺りからそろそろ流れがおかしくなってくる気がするの」

春香「それじゃあ気を取り直してTAKE2いくよ!今度はちゃんとしてね?」

美希「はぁー・・・分かったの」

春香「おっかえりなさぁーいあなたっ!さっそくだけどご飯にします?」

美希「・・・」

春香「ご飯にします?」

美希「・・・えっ?」

春香「それとも、ご・は・ん?」

美希「じ、じゃあ・・・ご飯にするの」

春香「はい星井さん、カーット」

美希「えぇー・・・」

春香「ダメじゃん!そこは『全部一緒やないかい!』ってツッコむところだよ?」

美希「ミキにそんなツッコミ求められても正直困るの」

春香「もー、そんな事じゃこの先芸能界のお笑いサバイバルを勝ち抜いていけないよ?」

美希「心配しなくてもミキ、そっち方面で活動する気はないの」

春香「うそっ!?一緒に天下取ろうって約束したじゃない!」

美希「そんな約束してないの・・・っていうかさっきから春香何なの?どうあってもボケたいの?」

春香「ごめんごめん・・・そういうわけじゃないんだけど、いつものクセでボケちゃうんだよね」

春香「それじゃあ3度目の正直、TALE3いくよ!」

美希「えー・・・まだやるの?」

春香「お帰りなさいあなたっ!ご飯にします?」

美希「・・・」

春香「お米にします?」

美希「・・・」

春香「それとも、ラ・イ・ス?」

美希「おにぎりがいいのっ!」

春香「・・・」

美希「おにぎりっ!」

春香「はい、星井さんちょっとこっちに来なさい」

美希「はいなのっ」

春香「ていっ」ビシッ

美希「あぅっ・・・は、春香いきなりデコピンするなんてひどいの」

春香「ひどいの、じゃないよ!何でことごとく私のボケを封殺しちゃうかな!?」

美希「ご、ごめんなの、お米って聞いたらついおにぎりが浮かんできちゃって」

春香「もうミキミキしっかりしてよー、そんなんじゃいつまでたっても私たちコンビで活動できないじゃーん」

美希「心配しなくてもミキは春香と一緒に漫才なんてする気はないの」

春香「oh...ナンテコッタイ!」ガーン

美希「・・・もしかして春香、最後のあのボケがやりかっただけなんじゃないの?」

ひとまずここまで、次回の投下で第4回目終わらせます

投下します

美希「そういえば今日はゲストはいないの?」

カンペ『本日はゲストに起こし頂く予定はございません』

美希「ふーん、そうなんだ」

春香「あれ、美希はゲストが来た方が番組やりやすい?」

美希「そういうわけじゃないけど、ゲストがいた方がトークも幅が広がるし、ゲームも盛り上がると思ったの」

春香「・・・ミキミキは春香さんと二人じゃ番組楽しくない?」

美希「ん、どうしてそんなこと聞くの?」

春香「なんだかゲストがいた方が番組楽しそうな口ぶりだったんだもん・・・」

美希「そんなことないよ?ミキは春香と二人でも全然楽しいの、そんな事で拗ねちゃヤなの」

春香「そっかー・・・ありがとう、嬉しいなぁ、えへへ」

春香「でもさ、そんなにゲストに来て欲しいんなら響ちゃんでも連れてこようか?」

美希「どうしてそこで響が出てくるの?」

春香「ん、多分響ちゃんあたりだったら結構簡単に連れてこれると思うんだー」

美希「この間響が来た時も不思議に思ったんだけど、どうして響がこの局いたのかな、仕事で来てたの?」

春香「あー、それなんだけどね、実は響ちゃんのレギュラー番組の収録がこのスタジオのすぐ隣なんだよ」

美希「へー、そうだったの」

春香「しかも都合のいい事に、こっちの収録始まりと向こうの収録終わりの時間が微妙に被ってるんだよね」

美希「だからこの間、春香が楽屋から出てきた時に偶然響と出くわしたんだ」

春香「それでまぁ、ティンときたんで連れてきたってわけですよ!」

美希「・・・うん、響も大変だね」

春香「というわけで、まあどうしてもゲストが必要だったら響ちゃんを連れてくればいいよ!」

美希「いや、うん・・・響をそんなお手軽感覚で扱ってあげないでね」

春香「響ちゃーん、もしもの時はヨロシクねー?」

カンペ『我那覇さん、もしもの時はよろしくお願いします!』

美希「えぇぇ・・・スタッフさんまで悪ノリしちゃうんだ・・・何なのもう」

春香「困った時の響ちゃん!もしもの時の響ちゃん!お助けエンジェル響ちゃん!いぇいっ!」

美希「なんだか響がかわいそうになってきたの」


―収録と同時刻 楽屋にて休憩中の響―

響「・・・っ!?な、何いまの寒気は・・・」

ハム蔵「ヂュ?」

響「な、なぁハム蔵・・・今なんかすっごい嫌な感じがしなかったか?」

春香「そういえばさ、すっごく今更なんだけどね」

美希「うん」

春香「この番組ってさ、ジャンル的にはどこにカテゴリーされるんだろうね?」

美希「んー・・・多分だけどトーク番組的な位置なんじゃないの?」

カンペ『製作側も一応そのつもりで番組作りをさせていただいております』

春香「やっぱりそうだよね、でもなんて言うかさ・・・最近コント番組になってきてない?」

美希「そうなっちゃった理由の大半は多分春香のせいだって思うの」

春香「分かってるよぅ・・・だから責任を感じて何とか軌道修正出来ないかと考えてるわけですよ」

美希「軌道修正かぁ」

春香「美希はどうすればいいと思う?」

春香「何かいい考えはないかな?」

美希「うーん・・・普通にトークだけしてればいいんじゃないかな?」

春香「トークだけ?」

美希「うん、間に変な小芝居とか罰ゲームとか挟まないでトークだけで通してみるとか」

春香「あー、なるほどねー」

美希「あとは春香、何かにつけてボケようとするのも禁止なの」

春香「それが一番難しいんだよなー、こればかりは意識してどうこう出来るレベルじゃないんだよね」

美希「・・・うん、春香もう手遅れかもしれないの」

春香「そんな・・・ウソやろ!?ウソやって言うてくれミキミキぃ!」

美希「もう手の施しようがないって感じ?」

春香「それじゃあまぁ、トークに重点を置いて番組進行してみようか」

美希「でも肝心の話題が無いの」

春香「うーん・・・例えばさ、裏話的なのとかどうだろう?」

美希「裏話?」

春香「そうそう、普段皆が知りえないようなちょっとした裏情報とかさ」

美希「うーん・・・そんな風に言われてもパッは浮かんでこないの、春香は何かある?」

春香「そうだなぁ・・・あっ、番組の最後〆る時に私たちが言ってる挨拶あるじゃん?」

美希「うん、あの『765プロの~』ってやつだよね?」

春香「あれが実はスタッフさんのカンペをそのまま読んでるだけ、とかね」

美希「あっ・・・それ暴露しちゃうんだ」

春香「だってさ、考えてもみなよ美希」

美希「はいなの」

春香「美希とかゲストの人の挨拶は至って普通じゃん?なのに私ときたらさ!」

美希「うん」

春香「第一回とか『正統派アイドル』でまだよかったけど、ニ回目、三回目なんてひどいもんだよ」

美希「えっと・・・なんだっけ?」

春香「二回目が『リボンの化身』で三回目が『お笑い担当』だよ!」

美希「ぶふっ・・・改めて思い返すとおかしいね、何なのリボンの化身って」

春香「これってもう私のメインパーツがリボンそのものって言ってるようなものだよね」

美希「まあ春香のリボンの流れは初回からずっと引っ張ってきてたし、しょうがないって感じなの」

春香「そして三回目に至っては『お笑い担当』だよ、もはや完全に芸人扱いだよね、これ」

美希「まぁでも春香のお笑いキャラは初回からずっと続いてるし、今更じゃない?」

春香「いや、でも私自身はずっと否定してるじゃん!だのに最後の挨拶で私自ら認めちゃった、みたいな流れでさ」

美希「うん」

春香「くれぐれも私はあれを自分の意思では言っていないよ!っていうのを知っておいて欲しかったんだよ」

美希「んー・・・春香の気持ちもまぁ、分からなくはないの・・・でも」

春香「どうしたの?煮え切らない言い方だね」

美希「今ここでそんなの暴露しちゃったら、この先もっと凄いことを言わされるんじゃない?」

カンペ『天海さん、お覚悟!』

春香「ぐっはぁぁぁ!し、しまったぁぁー!」

春香「ところで美希はないの?そういう裏話的なのって」

美希「うーん・・・あっ」

春香「おっ、何かあった?」

美希「これを裏話って言っていいのかは分からないけど、面白そうな話なら一つあるの」

春香「ほうほう、なんだい?」

美希「えっとね、この間春香が事務所に来たときの話なんだけどね」

春香「うんうん・・・えっ?」

美希「その時春香ってばね、リボンを付け忘れてきちゃったみたいでさ」

春香「ちょいちょい、星井さんストップ」

美希「むぅー・・・春香、人が喋ってるときに話の腰を折るなんてダメって思うの」

春香「美希、それ喋っちゃダメなタイプの話だから!」

美希「えっ、ダメなの?」

春香「ダメです」

美希「面白いのに?」

春香「私としては面白くないからダメ!」

美希「むぅ・・・分かったの」

春香「ほっ、よかった」

美希「リボンを付け忘れた春香が事務所の誰にも気付いてもらえなかったって話はヤメにするの」

春香「言うてるやないかい!」

美希「あっ、しまったの」

春香「ちょっとー!言っちゃダメって言ったのに、ひどいよ美希!うわぁぁん!」

美希「ご、ごめんなの・・・ついうっかり」

春香「もういいよ!どうせ言っちゃったんなら全部暴露してやるよ!」

美希「は、春香落ち着くの」

春香「そうだよ、リボン付け忘れて事務所入ったら皆に、『あれ、こいつ誰だ?』って顔で見られたさ!」

美希「あの、春香・・・?」

春香「初回で美希が言ってたアレ、大げさなだけかと思ってたけどあながちそうでもなかったね!」

美希「は、春香・・・ミキが悪かったの、あやまるからぁ」

春香「ははっ、まさかプロデューサーさんや律子さんまで気付いてくれないとは恐れ入ったね!」

美希「いやぁーん!春香がおかしくなっちゃったのー!」

春香「大変見苦しい場面をお見せしてしまい、申し訳ございませんでした」

美希「なのっ」

春香「もー、ミキミキ本当にひどいよー、あんなのって無いじゃんよぅ・・・」

美希「ご、ごめんなの」

カンペ『お二人にお知らせがあるんですが、よろしいでしょうか?』

春香「ん、お知らせ?」

美希「なんなの?」

カンペ『実は番組名が決定しました』

美希「おーっ、ホントなの?」

春香「第四回目の放送にしてようやくですかぁー、長かったですねー」

春香「それではようやく決まった番組のタイトルですっ!」

美希「発表、ヨロシクなのっ!」

テロップ『題名のない、はるみき座談会』

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「思いのほか普通な感じだったね」

美希「そうだね、散々引っ張った割にはそこまでインパクトある名前じゃなかったの」

カンペ『・・・ちょっともう一度考え直してきます』

春香「わーっ!わーっ、冗談ですから!そんなこと言わないでください!」

美希「やーん、スタッフさん拗ねちゃヤなのーっ」

美希「座談会っていうのはアレだよね?要するに座りながら喋る会ってことだよね?」

春香「それにしても『題名のない』ってどういう事ですか?」

カンペ『世の中には題名がない事をタイトルそのものにしている番組もありますので』

美希「ふーん、そんなのあるんだ」

春香「あー・・・なんかあったね、音楽会的な番組のことですよね?」

カンペ『そこからアイデアをいただきました』

春香「アイデアどころか完全に丸パクリじゃないですか!怒られますよ!?」

カンペ『細かいことは気にせずに』

春香「これに関してはあまり細かいことじゃないような気もするんですが・・・」

美希「まぁまぁ春香、せっかく決まったんだし、あまりとやかく言うのはヤメにしとこ?」

春香「まあ正直番組名なんて何でもよかったんですけど、せめてもうちょい捻りが欲しかったですね」

美希「まったくなの、散々時間かけておいてスタッフさんにはガッカリなの」

カンペ『・・・大至急練り直します、今夜は徹夜します」

美希「冗談なの!ミキたちが悪かったの!お願いだからそんなに泣きそうな顔しないでっ」

春香「まあ紆余曲折ありましたけど、これでようやく番組名も決まったということで」

美希「心機一転頑張っていくのーっ」

カンペ『あっ、それなんですけどそろそろ番組も終わりの時間です』

春香「・・・」

美希「・・・」

はるみき「「私たちの決意を返せっ!」」

春香「まあそんな感じで恒例の視聴者プレゼントのコーナーでーっす」

美希「今回は視聴者プレゼンは何なの?」

春香「スタッフさーん、今回は何でしょうかー?」

カンペ『今回のプレゼントは宜しければお二人でお考えください』

美希「だってさ・・・春香、どうする?」

春香「うーん・・・それじゃあ今日私が着用したこのエプロンをっ」

美希「えぇー・・・そんなのプレゼントにして誰が喜ぶっていうの」

春香「何を言うかね星井くん、この天海春香さんの着用済みエプロンなんて激レアもいいとこだよ!」

美希「なんだろう・・・着用済みって言うとなんだかあんまり綺麗な言葉に聞こえないよね」

春香「というわけで今回のプレゼントは私の着用済みエプロンでーす、ご応募お待ちしておりますっ!」

春香「それじゃあ今日もそろそろお別れのお時間が近づいてまいりました」

美希「なんだかんだで番組名も決まったし、次回からは気の持ちようも変わってくるの」

春香「そうだね、気持ちを新たに頑張っていこう!」

美希「そんなわけで〆の挨拶だけど、春香は覚悟しておいた方がいいんじゃないかな?」

春香「ぐっ・・・わ、私はスタッフさんを信じていますよ」

カンペ『天海さん、お覚悟っ!』

美希「それではお相手は765プロのキラキラ属性、星井美希と」

春香「765プロの無属性、天海春香が・・・無属性!?」

美希「それじゃあ、まったねー」



春香「ちょっと待て、これはひどすぎる!無個性とかならともかく無属性って!おいまだ放送止めんな!」




春香「あっ、ちょ・・・もうカメラ止まってるし!久々にこの扱いだよ、何なんだよもーっ!」


そんなわけで第4回終わりです
日中投下した分に誤字脱字が目立つととても残念な気持ちになりますね、気をつけます

第5回いきます

響「はいさい、自分、我那覇響だぞー・・・どういうわけか今事務所に一人ぼっちなんだ」

シーン...

響「何でだろうな、何でこんな事になったんだろうな・・・いや、正直そんな事よりもさ・・・」

ポツーン...

響「うぅ・・・一人は・・・寂しいぞぉ・・・ぐすっ」

ガチャ

やよい「あのー・・・お、お邪魔しまーす」

響「・・・」

やよい「あれっ、響さん・・・?」

響「や・・・」

やよい「や?」

響「やよぃぃぃー!うわぁぁぁん、寂しかったぞぉぉ!」ガバッ

やよい「はわわっ、響さん!?き、急に抱きつかないでくださいー」

響「ごめん、取り乱しちゃったぞ」

やよい「いえ、いいんです・・・でもどうして響さんが?」

響「どうしてなんだろうな」

やよい「えーっと、ここって確か・・・」

響「うん、春香と美希の番組の収録スタジオだぞ」

やよい「ですよねー、良かったです、私入る場所間違えたのかと思っちゃいました」

響「やよいは今回ゲストで呼ばれてきたのか?」

やよい「はいそうです!響さんもなんですか?」

響「いや、自分は違うぞ」

やよい「えっ」

響「ん、どうしたんだやよい?」

やよい「あのー・・・響さんはゲストではないんですよね?」

響「そうだぞ」

やよい「それじゃあ何でここに?」

響「何でかなー・・・自分でもよく分からないぞ」

やよい「・・・」

響「・・・」

やよい「ご、ごめんなさい・・・私あんまり頭良くないからちょっと分からないかなーって」

響「あぁ、ごめんごめん、やよいは別に悪くないから気にしなくていいんだぞ?」ナデナデ

やよい「ん・・・そうですか?なら良かったです、えへへ」

やよい「あのー・・・それで春香さんと美希さんは?」

響「いないぞ」

やよい「ふぇっ?」

響「自分がここに連れて来られた時にはもう既に二人ともいなかったぞ」

やよい「え、えーっと・・・それじゃあ二人はどこに行ったんでしょうか?」

響「あぁ、うん・・・それなんだけどな、自分がここに来たらこんな書き置きがあったんだ」

やよい「書き置き、ですか?」


------------------------------------------------------------

超絶親愛なる大親友の響ちゃんへ

私と美希はちょっと空けますので番組のことはヨロシクっ!
小鳥さんの机の引き出しにひよこ饅頭が入ってます、良かったら食べてください

                        あなたの天海春香(リボンがステキ)より

------------------------------------------------------------

やよい「・・・」

スタスタスタ

響「・・・やよい?」

ガラッ

やよい「あっ!響さーん、ほんとにひよこ饅頭入ってますよー!」

響「え・・・何で引き出しにそんなのが入ってるんだ?」

やよい「響さん、せっかくだから食べませんか?」

響「いや、自分は別にお腹空いてるわけじゃないから大丈夫だぞ」

やよい「うぅ・・・そうですよか」

響「えーっと、もしかしてやよい、食べたかったのか?」

やよい「食べたかったですけど、でも私だけ食べるなんて悪いかなーって・・・だから、我慢しますっ!」

響「よし食べよう!自分もやよいと一緒に食べたいと思ってたところさー!」

やよい「おいしいですね」モグモグ

響「そうだな」モグモグ

やよい「・・・」

響「・・・」

やよい「ええっと・・・それじゃあ響さん、今日はよろしくお願いします」

響「お願いされても自分には未だこの状況が何なのか理解できていないぞ・・・」

やよい「で、ですよねー・・・私も正直ちょっと戸惑ってます」

響「ただ一つだけ、どうしても気になることがあるんだ」

やよい「何でしょうか?」

響「何で普通にカメラ回ってるんだ・・・?」

やよい「あっ、ほんとだー、カメラ回ってますねー」

響「・・・」

やよい「・・・」

響「これ、さすがにカメリハだよね?いくら何でもメインの二人が不在のまま本番なんて事には・・・」

カンペ『ばっちり本番です』

響「いやいやいや、なんでだよ!」

カンペ『今日は我那覇さんに全てお任せしようかと』

響「えっ、ちょっと待って!ホントに自分に全部投げちゃうのか!?」

カンペ『よろしくお願いします!』

響「色々とおかしすぎてどこからツッコんでいいか分かんねーっ!」

やよい「ひ、響さん落ち着いてください」

響「あっ、ごめんなーやよい、恐がらせちゃったかー?」ナデナデ

やよい「むーっ・・・響さん、さっきから私の頭ばっかり撫でて、子供扱いしすぎですー」

響「ごめんごめん、何だかやよいを見てたら頭を撫でずにはいられなくなっちゃってさ」

やよい「そういうの、今は本番中だからダメかなーって思います」

響「そ、そうだな・・・悪かったぞ」

やよい「とにかくスタッフさんに今の状況を詳しく説明してもらいましょー」

響「確かにやよいの言うとおりだな、スタッフさん説明してほしいぞ」

カンペ『えー・・・説明しなきゃダメですか?』

響「当たり前だろーっ!そんな適当なノリで番組丸投げされたこっちの身にもなれーっ!」

カンペ『実はこの局の近くで行われる予定のイベントに竜宮小町が出演予定だったんですが』

響「あー・・・そういえばそんなのあったな、ホワイトボードに書いてあったぞ」

カンペ『運悪く竜宮小町の3人が全員同時に体調を崩してしまいまして』

響「げっ・・・それは本当に運が悪いとしか言いようがないな」

やよい「うぅ・・・伊織ちゃんたち、大丈夫かなぁ」

カンペ『出演が不可になってしまった竜宮小町の代役として二人にお声が掛かったわけです』

響「そうかー、確かに竜宮の代役となればあの二人くらいしか出来そうもないよなー」

やよい「そんなことないですよ!響さんだって竜宮小町に負けていませんっ!」

響「ありがとなー、やよいは優しいなぁ、頭撫でていいか?」

やよい「むぅー、今は本番中だからそういうのはダメですっ!」

響「うん、二人が不在の理由は分かったよ・・・でもさ」

やよい「はい」

響「何で自分が連れてこられたんだ?」

やよい「あー・・・そういえばどうしてなんでしょうね?」

響「メインの二人が不在なら収録時間を遅らせるとか、そういう選択肢もあったんじゃないか?」

カンペ『そうしたかったんですが、私どもにも都合がありまして・・・』

響「いや、もちろん分かってるぞ・・・スタッフさんもこれだけが仕事ってわけじゃないだろうし」

カンペ『それにまあ、これはこれで面白そうでしたので』

響「はい出たよこの現場お得意の自由な空気!絶対そっちの理由の方が大きいよね!?」

やよい「あわわっ、ひ、響さん落ち着いてくださいっ」

カンペ『それに我那覇さんだったらすぐに連れて来れそうな感じでしたので』

響「うん、この間春香に無理やり連れてこられた時点でまたこうなるんじゃないかなぁ、とは思ってたけどさ」

やよい「んー、どういう事ですか?」

響「あー・・・自分な、レギュラー出演している番組の収録がここのすぐ近くのスタジオなんだよ」

やよい「へー、そうだったんですかぁ、すごい偶然ですね」

響「しかもこっちの収録終わりの時間とこっちの収録始まりの時間が微妙に被っちゃっててさ」

やよい「はわわっ、これまたすごい偶然じゃないですか!」

響「それでこの間さ、収録終わったから帰ろうとしてたら春香に偶然出くわしちゃってさ」

やよい「はい」

響「それであのリボン、何をトチ狂ったのか自分を無理やりこの番組に連れ出してきたんだぞ・・・」

響「しかも、今日に至ってはここのスタッフさんに理由も告げられずに連れてこられたからな」

やよい「えっ、そうだったんですか?」

響「いきなり楽屋に入ってくるなり『ちょっと来て下さい』の一言で、気が付けばここにいたんだぞ」

やよい「へ、へぇー・・・」

響「何がなんだか分からないし、かと言って勝手に帰るわけにもいかないしさ」

やよい「は、はぁ・・・」

響「全然関わり無い番組ならともかく、あの二人の番組だからさ、自分としても気を使っちゃうわけさ」

やよい「まあ、そうですねぇ」

響「それで机を上を見てみたらあの春香の書き置きがあってさ、自分もう頭の中がハテナでいっぱいだったぞ」

やよい「そ、そんな事があったんですねー・・・」

やよい「はぁー・・・響さんも大変ですねぇ」

響「うぅ・・・そうなんだぞ、これでも結構苦労してるんだ・・・もっと慰めてほしいくらいだぞ」

カンペ『そんなわけで出来れば我那覇さんに番組を仕切っていただきたいのですが」

響「はぁ・・・分かったよ、もうカメラ回っちゃってるんだもん、やるしかないよね」

カンペ『ありがとうございます!』

響「でも一応聞いておくけど、この件って事務所の許可は貰ってるんだよね?」

カンペ『もちろんです』

響「よかったぞ・・・その辺まで適当だったらさすがに自分も首を縦には振れないからなー」

やよい「それじゃあ響さん、改めて今日はよろしくお願いします!」

響「よろしくな、やよい・・・はぁ、何でこんな事になっちゃったんだろ・・・とほほ」

響「それにしてもやよいがゲストかー」

やよい「はいっ!ゲストです!」

響「やよいをゲストに迎えてあの二人は一体何をするつもりだったんだろうなー」

やよい「さぁ・・・あっ、でも響さんはこの番組に出た事があるんですよね?」

響「うん、まぁ無理やり出さされたっていう表現の方が正しいけどね」

やよい「その時は何をしたんですか?」

響「ゲームとか・・・後はまぁ、主に春香がずっとボケ倒してたくらいかなぁ」

やよい「へー、ゲームですかぁ、楽しそうです!後は春香さんがボケ倒し・・・えっ?」

響「何言ってるんだろうなって思うよな?でも事実なんだよなー」

やよい「は、春香さんがボケ・・・えっ?・・・えぇぇ?」

やよい「春香さんってそういうキャラでしたっけ?」

響「んー・・・違うはずだと思ってたんだけど、この番組に来て考えが変わっちゃったぞ」

やよい「へ、へぇ・・・ちょっと興味あるかもです」

響「やめておいた方がいいぞ、多分後悔することになると思うから、あまりにぶっ飛びすぎてるからな」

やよい「は、春香さんすごい言われよう・・・ちょっとかわいそうかも」


――同時刻 イベント会場に向かう途中の春香と美希――

春香「ぶえぇぇっくしょーいっ!・・・あぁっ、ちくしょうめ!」

美希「は、春香すごいクシャミ・・・だよね?どうかしたの?」

春香「んー・・・なんだろう」

美希「誰かが春香の噂とかしてたりして」

春香「それだっ!きっと響ちゃんが春香さんの噂でもしてるんだよ!ははーん、かわいい奴め!」

やよい「それで響さん、春香さんは具体的にどんな風にボケてたんですかぁ?」

響「あっ、そこ気になるんだ?」

やよい「はいっ、私はまだ番組を見たことがないので春香さんがどんなキャラしてるのか知らないんですよー」

響「うーん・・・そうだなぁ、例えば何でもかんでも笑いに繋げようとしたり」

やよい「えっ」

響「あとは芸人が好みそうな罰ゲームを嬉々としてやったり」

やよい「えっ?・・・えっ?」

響「あとは・・・自分の持ち歌の『Next Life』の歌詞を改造した挙句音外して振り付け間違えまくってたり」

やよい「えぇぇー、あの春香さんがですか・・・?さすがにそれはちょっと引くかなーって」

響「だよな?おおよそアイドルとは思えない言動の数々で自分も驚きっぱなしだったぞ」

――再び同時刻 イベント会場に向かう途中の春香と美希――

春香「ぶぇぇぇっくしょい!」

美希「!?」ビクッ

春香「へっきし!へっきし!あぁぁ、ちくしょうめ!きっと響ちゃんが噂してるんだな!」

美希「えーっと・・・春香、それクシャミなんだよね?」

春香「何言ってんだよミキミキぃ、モチのロンだよ」

美希「それ、ワザとじゃないよね?」

春香「ワザと?・・・ちょっと美希が何言ってるのか私にはよく分からないんだけど」

美希「あっ、そうなんだゴメンね・・・」

春香「ミキミキったらどうしたの?おっかしいなぁー」

美希「おかしいのは明らかに春香の方だって思うんだけど、ツッコんだらきっと負けなの」

響「という事でテレビの前のみんなー、臨時MCの我那覇響だぞー!」

やよい「うっうー!ゲストの高槻やよいでーす!」

響「まさかホントに自分に番組丸投げされるとは思ってなかったさー」

やよい「響さん、私も元気いっぱいいきますので一緒に頑張っていきましょう!」

響「そうだな、一人だったらきっと不安だったろうけど、やよいがいてくれるなら心強いさ!なんくるないさー!」

やよい「それじゃあ響さん、手を出してください」

響「おっ、景気付けにいつものあれいくかー?」

ひびやよ「「ハイ、ターッチ!」」

やよい「いえーいっ!」

響「あぁ、和む・・・良かった、やよいがいてくれてホントによかったぞ」

響「あぁやよいはカワイイなー、癒されるなー」

やよい「あのー・・・響さん?」

響「ホントに一人だったら自分、きっと心細くて泣いちゃってたぞ、やよい様々だな!」

やよい「そんな風に言われると照れるかなーって」

響「あー!やっぱりやよいカワイイぞ!頭撫でたいぞ!なぁなぁ、撫でさせてよー」

やよい「むー・・・だから今は本番中だからそういうのはダメですっ!響さん、めっ!」

響「膨れっ面のやよいもいいなー、やっぱり頭撫でたい、ダメか?」

やよい「響さん、ちゃんとやりましょーよ!いくら私でも怒りますよー?」

響「ご、ごめん悪かったぞ・・・」

テロップ『高槻さん、かわいい!』

響「さあて、それじゃあどうするかなー・・・」

やよい「あっ、響さーん、スタッフさんがカンペ出してますよー?」

カンペ『タイトルコールをお願いできますでしょうか?』

響「タイトルコール・・・?あっ、もしかして番組名がやっと決まったのか?」

カンペ『前回の放送でようやく決定しました!』

やよい「えっ、この番組ってタイトル無かったんですかー?」

響「そうらしいぞ、前回って事は第四回目か・・・それまでは番組名が無いまま進めてたんだってさ」

やよい「へ、へぇー・・・随分と・・・じ、自由な番組なんですね!」

響「やよい、気を使わなくてもいいんだぞー、適当だなって思ったんなら正直に言ってやればいいんだ」

やよい「はわわっ!わ、私そんなこと思ってませーん!響さんのイジワルー!」

響「それじゃあ気を取り直して、タイトルコールいってみようか」

やよい「はいっ」

響「それじゃあせーのっ」

ひびやよ「「題名のない、はるみき座談会!」」

やよい「いえーいっ!」

響「・・・」

やよい「あれ、響さんどうしたんですか?」

響「おかしいだろーっ!」ドンッ

やよい「!?」ビクッ

響「主役が不在なのに何を『はるみき』とか言わせてんだー!ワザとかっ!いい加減にしろーっ!」




テロップ『そんなこんなで番組進行を務める事になった我那覇さん!番組の行方や如何に!?』



今日はここまで

ゲストは最終的には全員出せればいいと思ってますが、キャラによってはどう絡ませていいか分からない子もいるので
全員出そうと思ったらどのくらいかかるか分かりません

少しですが投下します

カンペ『そうだ、我那覇さん』

響「んー、どうしたんだスタッフさん?」

カンペ『今回のギャラについてなんですが』

響「あーいいよいいよ、事務所の仲間が困ってるんだもん、助け合うのは当然さー」

カンペ『さっき食べたひよこ饅頭、あれが今回のギャラです』

響「・・・は?」

やよい「・・・」

響「・・・えっと、ギャラがひよこ饅頭?ははっ、何だそれ・・・何なんだ・・・っ!」プルプル

やよい「え、えっと・・・響さん元気出してください!ひよこ饅頭美味しかったじゃないですか!」

響「うん、ありがとうな・・・やよいがいなかったら自分、椅子の一つや二つ投げてたかもしれないぞ」

響「うー・・・こうなったらひよこ饅頭ヤケ食いしてやるーっ!」

やよい「・・・」

パクパク モグモグ

響「くっそー、ひよこ饅頭がこんなに恨めしく思ったのは生まれて始めてだぞ!」モグモグ

やよい「あのー、響さん?」

響「なんだやよい、止めてくれるな!食べなきゃやってられないんだ!」モグモグ

やよい「そうじゃなくて、私も食べていいですかー?」

響「・・・」

やよい「・・・」

響「・・・うん、別にいいぞ」

やよい「うっうー!ありがとーございまーっす!」

響「はぁ・・・何だか一気にテンション下がっちゃったぞ」

やよい「あのー、響さん気を落とさないでください」

響「そうは言ってもなぁ・・・何なんだよギャラがひよこ饅頭って」

やよい「確かにそれはちょっとヒドイかなーって思いますけど・・・あっ、そうだ!」

響「ん、どうしたんだ?」

やよい「響さん、私いいこと思いつきましたよ」

響「なんだなんだ?」

やよい「それだったら・・・私のギャラを半分」

響「それだけはダメだーっ!絶対ダメだぞーっ!!」

やよい「えっ、でもそれじゃあ響さんが・・・」

響「やよいとギャラを折半したなんて事になったら伊織や千早に何されるか分かんないぞ」

やよい「えぇー、それはさすがに大げさですよー」

響「それがそうでもないんだって・・・」

やよい「うぅ・・・でもそれじゃあ響さんがかわいそうです」

響「自分の事は気にしなくていいから!自分、ギャラがひよこ饅頭でもなんくるないぞ!」

やよい「・・・本当ですかー?」

カンペ『高槻さんのギャラに手を出そうとするなんて、我那覇さんの鬼!悪魔!」

響「何でこんな中途半端なタイミングで割って入ってくるんだよ!空気を読めーっ!」

やよい「うー・・・でもでもやっぱり私だけギャラをいただくだなんて」

響「もういいってば、この話はやめるさ、ハイサイ!やめやめ!」

響「という事で気を取り直して番組を進めていくぞー」

やよい「はーいっ!」

響「とは言ってもこの番組って具体的に何をするとかいうプランが無いんだよなー」

やよい「はぁ・・・そうなんですか?」

響「うん、とにかくノリが適当な番組だから」

やよい「響さんが前回出た時はみんなでゲームしたんですよね?」

響「そうだぞ」

やよい「だったら私もゲームしたいですっ!」

響「ゲームかー、まあ別にいいけど・・・やよいは何かやりたいゲームとかあるの?」

やよい「はいっ!私、オセロがやりたいですっ!」

響「オセロかー、そういえばやよいは趣味がオセロだったんだよね」

やよい「はいっ!よく弟たちとやるんですよー、あんまり強くはないですけど」

響「確かこの間棚を漁った時にオセロもあったような気がしたけど」

やよい「ほんとですかー?」

響「ちょっと待ってて、探してくるから」

スタスタスタ

やよい「わっ、そんな所にゲームが置いてあったんですねー!響さん物知りですねー」

響「ふふん、まあな!自分完璧だから何でも知ってるんだぞ!」

やよい「それで、オセロはありましたかー?」

響「あれっ、置いてないぞ・・・この間見た時は確かにあったのに」

やよい「あっ、響さーん!もしかしてその棚の上にあるのってそうじゃないですかー?」

響「棚の上・・・?うげっ、何であんな高い所に置いてあるんだ・・・」

やよい「どうですか、取れそうですかー?」

響「どうだろう・・・ちょっと高すぎる気もするけど、ジャンプすれば届くかも・・・」

やよい「響さん、あんまり危ないことはしないでくださいねー?」

響「大丈夫だって、自分に任せておくさー!」

ピョンピョン

響「あれっ・・・届かないぞ・・・あとちょっとなのに!」

やよい「・・・」

響「うっ・・・くそっ・・・!あーもう!何で届かないんだよーっ!」

やよい「ふふっ、響さんってば、何だか子供が飛び跳ねてるみたいでかわいいです」

響「うぎゃー!笑うなー!自分、少なくともやよいよりは大きいぞーっ!」

やよい「あーっ、そんなこと言っちゃってもいいんですかー?」

響「ん、なんだ?どういうことだ?」

やよい「私、響さんよりちっちゃいですけどあのオセロ取れますよー?」

響「ほー?そこまで言うなら取ってもらおうじゃないかー」

やよい「んしょ、んしょ・・・ほら、こうして椅子を踏み台にすれば」

響「あっ・・・」

やよい「あうっ・・・お、思ったより高いかも・・・ちょっと恐い」

響「や、やよい大丈夫か?ムリなら自分が代わるぞ・・・」オロオロ

やよい「だ、大丈夫です・・・任せてください!あ、あわわっ・・・い、椅子が揺れるー!」

響「や、やよぃぃぃー!大丈夫かー!?」

――番組オンエアーと同時刻 事務所にて番組視聴中の伊織と千早――

伊織「いやぁぁ!や、やよいがぁー!」

千早「高槻さん、危ないわ!降りてっ!お願いだから降りてちょうだい!」

P「・・・」

千早「スタッフさん、早く高槻さんを止めて!お願いよっ!」

伊織「っていうかこいつらやよいに何てことさせてんのよっ!絶対タダじゃおかないんだからー!」

P「あのー・・・俺まだ仕事中なんだよね、もう少し静かにしてもらえると・・・」

伊織「うるさいわね!今それどころじゃないのよ!」

P「えー・・・」

千早「今がどういう状況か分かってるんですか!?プロデューサーは少し黙っててください!」

P「えぇぇ・・・理不尽だぁ・・・」

やよい「だ、大丈夫です・・・私に任せておいてください・・・きゃっ」ガタガタッ

響「あぁぁー!やよいぃぃ!やよいぃぃーっ!」

カンペ『高槻さん危ないから降りて!』

やよい「こ、これくらい私にだって出来るもん・・・恐くない、恐くない」

響「や、やよぃぃ・・・がんばれぇ」

やよい「んしょ、んしょ・・・もう少しで・・・うぅ、揺れるぅ」

響「・・・」ソワソワ

やよい「あとちょっと・・・やった!取れましたよー、響さーん!」

響「うわぁぁーん!やよいよくやったぞー!頑張ったなーっ!」

カンペ『高槻さん超かわいい!』

響「やよいお疲れさま、ケガとかしてないか?」

やよう「だいじょうぶですよー、でも高い所はちょっとだけ恐かったです・・・えへへ」

響「なあスタッフさん、あのオセロ盤移動させたの絶対ワザとだろ?」

シーン...

やよい「あっ、スタッフさんいま目逸らしましたね」

響「何を考えてるんだー!やよいが高い所が苦手って知らなかったのか?そんなはずないよね?」

やよい「ひ、響さん落ち着いてください・・・私なら大丈夫ですから」

響「いいや良くないぞ!きっとスタッフさんはこうなるって分かっててオセロ盤を移動させたんだ!」

カンペ『でも恐がりながらも懸命に頑張る高槻さんはかわいかったでしょう?』

響「うんっ、すっごくかわいかった!」

やよい「・・・」

――番組オンエアーと同時刻 再び事務所にて番組視聴中の伊織と千早――

千早「確かに恐がる高槻さんはすごくかわいかったわ」

伊織「何よこのスタッフ、案外分かってるじゃない」

千早「思わず抱きしめてあげたくなったわ」

伊織「ギュってしてあげたくなったわ」

P「えー・・・お前らさっきまでスタッフさんに文句言ってたじゃん」

伊織「・・・何か言った?」

P「いえ、別に・・・」

伊織「あーそれにしても響ってばうらやましいわね!とんだ役得じゃない!」

千早「本当よ、私だって高槻さんと一緒に番組出たかったのに、プロデューサー何とかしてください」

P「無茶を言うな!っていうか俺まだ仕事中だってば・・・頼むから静かにしてくれよ」

やよい「それじゃあ響さん、さっそくやりましょう!」

響「よーし、負けないぞー」

やよい「響さんはオセロは得意なんですかー?」

響「どうだろうなー、やった事が無いって訳じゃないけど、別に強くはないと思うぞ」

やよい「そうなんですねー、実は私もよくやるっていうだけで、別にそんなに強くはないんですよ」

カンペ『せっかくなので負けた方が罰ゲームというのはどうでしょうか?』

やよい「あっ、それいいですねー!そういうのあった方が勝負も盛り上がると思います」

響「もしやよいが負けたらあの罰ゲーム専用ボックス引くのか・・・正直、あんまりオススメは出来ないぞ」

カンペ『今回は高槻さんがゲストという事で若干緩めに調整しております』

響「本当だなー?・・・その言葉、信じるからなー?」

響「それじゃあ自分からいくぞーっ」パチッ

やよい「・・・」パチッ

パチッ...パチッ パチッ...パチッ...パチッ

響「・・・」パチッ

やよい「・・・」パチッ

響「なあやよいー?」

やよい「はい、何でしょうか?」パチッ

響「自分たち、黙々とオセロやってるだけだけど、これってテレビ的に大丈夫なんだろうか」

やよい「さぁ、どうでしょう・・・響さん、手が止まってますよ?」

響「あっ、ゴメン」パチッ

やよい「・・・」パチッ

響「・・・よし、ここにしよっ」パチッ

パチッ...パチッ パチッ...パチッ

響「・・・なあやよい、やっぱりこれってテレビ的には絶対面白くないと思うぞ」

やよい「でもオセロってわいわいお喋りしながらするゲームじゃありませんよ?」

響「確かにそうなんだけど、いいのかなー・・・こんなんで」パチッ

やよい「あのー・・・響さん」

響「んー?」

やよい「ちょっと静かにしててもらえませんか?」

響「・・・えっ?」

やよい「あ、ごめんなさい!あんまり話しかけられると集中できないかなーって・・・」

響「そ、そういうことか・・・やよいの口からあんな言葉が出るなんてビックリしたぞ」

響「・・・」

やよい「・・・」

響「やったー!自分の勝ちだぞーっ!」

やよい「うぅ・・・負けちゃいましたぁ・・・響さん、強いですねー」

響「まあ、自分完璧だからなっ!オセロだって強いんだぞーっ」

カンペ『それでは負けてしまった高槻さん、罰ゲームのクジを引いてください』

やよい「あっ、そうでしたねー!えっと・・・それじゃあどれにしようかなぁ」

ガサゴソガサゴソ

響「大丈夫かなぁ・・・まさかとは思うけどやよいに笑いの神様なんか降ってこないでほしいぞ」

やよい「んー・・・よしっ、これにしまーっす!」

響「おっ、どれどれー?何て書いてあるんだー?」

やよい「ええっと・・・『口の中に無理やり○○を詰め込まれる』だそうです」

響「・・・」

やよい「・・・」

響「こらーっ、スタッフさーん!どこが緩めに設定してあるんだーっ!」ドンッ

やよい「!?」ビクッ

響「どう考えてもお笑い寄りの罰ゲームじゃないかー!やよいにこんな事やらせる気かー!」

やよい「あ、あの響さん・・・私だったら大丈夫ですから、ちゃんとルールには従います!」

響「いや、いいんだぞやよい、こういう罰ゲームは春香にだけやらせておけばいいんだ!」

やよい「は、春香さんに・・・?えっ?」

響「こういう芸人的なのは春香がいる時だけにしろーっ!自分はこんなの許さないぞー!」

カンペ『今回高槻さんの口に詰め込んでもらうのはコレです』

響「なんだよ、どうせロクでもないもんだろ・・・こ、これはっ!?」

やよい「あーっ、これってー!」

ひびやよ「「ご、ゴージャスセレブプリン!?」」

カンペ『今回はこれを高槻さんの口に無理やり詰め込んでもらいます』

響「こ、これをやよいに・・・」

やよい「・・・」

響「・・・」

やよい「あのー・・・これって罰ゲームになるんですかぁ?」

響「も、勿論だぞ!異物を無理やり口に詰め込まれるっていう屈辱的な罰ゲームだぞっ!」

やよい「えー、でも私だけこんなの食べちゃったら悪いですよー」

響「やよい、これは罰ゲームなんだ!残念だけど強制なんだぞ、諦めるんだ」

カンペ『そうです高槻さん、観念して召し上がってください、さあ早く!』

やよい「ちょ、みなさん落ち着いてくださいー!分かりました食べますからぁ」

響「それじゃあやよい、あーんして?」スッ

やよい「ひ、響さん!?そんなのしなくても一人で食べれますよー」

響「やよい、罰ゲームは『無理やり口に詰め込まれる』なんだぞ?自分で食べちゃ意味ないだろ」

やよい「うぅ・・・そ、それは確かにそうですけど」

響「ほらほら恥ずかしがってないで口をあけるさー」

やよい「うー・・・あ、あーん」

やよい「・・・」モグモグ

響「どうだーやよいー?おいしいかー?」

やよい「は、はいっ!すっごくおいしいですー!・・・じゃなくて、やっぱりこんなのって」

響「ほらほらー、まだ残ってるんだから口あけてー」

やよい「は、はい・・・あーん」

響「今度はフルーツたっぷり乗ったところだぞー?おいしいかー?」

やよい「はいっ!とってもおいしいですっ!」

響(何だかんだ言いつつもプリンを口に含んだ瞬間笑顔になるやよいかわいすぎるーっ!)

やよい「あっ・・・そうじゃなくて!やっぱりこんなのダメですよー!」

響「・・・ふぇっ?」

やよい「私ばっかりこんなにおいしいもの食べさせてもらうのは不公平かなーって!」

響「いや、でもこれはやよいの罰ゲームだから」

やよい「それでも!やっぱりこんなの私はいけないって思いますっ!」

響「えー・・・それじゃあどうしろっていうんだよー」

やよい「響さん、プリンとスプーン貸してくださいっ!」

響「ん・・・分かったぞ、はい」

やよい「ありがとうございます、それじゃあ響さん・・・あーんしてくださいっ」

響「」

やよい「あのー・・・響さん?」

響「いや、やよい・・・何やってるんだ?」

やよい「何って、響さんにプリンを食べさせてあげようと思って」

響「いや、これはあくまでやよいの罰ゲームだからさ・・・自分がプリン食べちゃったら意味ないぞ」

やよい「うぅ・・・でもでも!」

響「ほらさ、やよいってあんまりこういうの食べる機会ないだろ?せっかくだから全部食べちゃいなって」

やよい「だってこんなにおいしいんだから・・・私ばっかりじゃなくて、響さんにも食べてほしいかなーって」

響「うぐっ・・・そ、そういう言い方はズルイぞ」

やよい「わ、私・・・響さんにもプリン・・・ぐすっ」

響「え、えぇぇぇぇっ!?な、なんでーっ!?」

カンペ『あーあ、泣かしちゃった』

響「おかしいだろーっ!今の会話のどこに泣く要素があったんだー!?い、いや・・・えぇぇっ!?」

響「あれー・・・これって自分のせいなのか?や、やよいぃ・・・お願いだから泣き止んでよー」

やよい「ぐすっ・・・わ、私・・・響さんにもおいしいプリン食べてもらいたかっただけ・・・なのにぃ」

響「え、えっと・・・あわわわ、どうしよどうしよ!ねえスタッフさん、自分どうしたらいいんだっ!?」

シーン...

響「あれ・・・スタッフさん?」

カンペ『高槻さんを泣かせるような人に貸す手はありません』

響「うぎゃー!そんなのってないよーっ!」

やよい「うぅっ・・・ぐすっ、ひっく・・・響さんも・・・プリン食べてくれなきゃ、やだもん・・・っ」

響「わ、分かった分かった!食べるぞ、自分プリンでも何でも食べるから!」

やよい「・・・ほんとですか?」

響「本当だからっ!食べるから、だから泣き止んでよお願いだからぁぁー」

やよい「それじゃあ響さん・・・あーん、してください」

響「・・・やっぱりやよいに食べさせてもらわないとダメなのか?」

やよい「さっき私は響さんに食べさせてもらいました!だから私もお返ししなきゃいけませんっ!」

響「うぅ・・・分かったぞ、ちょっと恥ずかしいけど・・・あーん」

やよい「はーいっ、召し上がれっ」

響「・・・」モグモグ

やよい「どうですかー?おいしいですかーっ?」

響「うん、おいしいぞ」

やよい「えへへっ、ですよねー!よかったですー!」

響「・・・正直やよいの泣き落としは反則すぎるぞ、絶対勝てっこないだろ」

――番組オンエアーと同時刻 またしても事務所にて番組視聴中の伊織と千早――

伊織「あぁぁー!響っ、あんた!なんてことを・・・!」

千早「う、羨ましすぎるわ我那覇さん・・・!」

伊織「私だってやよいにプリン食べさせてあげたいわ」

千早「そして高槻さんにプリン食べさせてもらいたいわ」

P「・・・」

いおちは「「プロデューサー!」」

P「・・・何かな」

伊織「私もやよいと一緒に番組出れるようにしてよ!」

千早「お願いしますプロデューサー!私と、私と高槻さんを同じ番組にっ!」

P「だから無茶を言うな!・・・っていうかだから俺まだ仕事が・・・頼むから帰ってくれー・・・」

とりあえずここまでです

投下します

響「結局二人で半分こになっちゃったなー」

やよい「はいっ!すっごくおいしかったですねーっ!」

響「んー・・・でもよかったのか?」

やよい「何がですかー?」

響「結局半分しか食べれなかったじゃん、どうせならやよいに全部食べてほしかったぞ」

やよい「いいんです!こういうのは誰かと一緒に食べた方がもっとおいしいに決まってますからっ!」

響「そっかー、やよいは本当にいい子だなぁ」

やよい「でもでも、こうやってお互いに食べさせあうのって何だか・・・」

響「ん、なんだ?」

やよい「なんだかちょっと・・・えへへ」

響「どうしたんだ、やよい?」

やよい「や、やっぱり何でもありません!」

響「なんでもなくはないだろー、そんな言い方されたら気になっちゃうぞ」

やよい「あのー・・・笑いませんか?」

響「なんだかよく分からないけど、やよいがそう言うなら笑わないぞっ!安心するさー」

やよい「ほんとですかー?絶対ですよー?」

響「大丈夫だぞー、なんくるないさー」

やよい「えーっと・・・なんだかこういうのって恋人同士みたいで照れちゃうかなーって・・・えへへぇ」

響「」キューン

やよい「あれー・・・響さん?どうかしましたかー?」

響「・・・か」

やよい「か?」

響「かわいすぎるだろーっ!」ガバッ

やよい「わぁっ!?ひ、響さん急に抱きつかないでくださいー!」

響「あーもう何なんだこの可愛らしい生き物は!反則的すぎるっ!ズルいぞーっ!」

やよい「うぅー・・・ひ、響さん離してくださぁーい!」

ガチャ

美希「ただいま戻りましたなのーっ!響、やよい、迷惑かけちゃってゴメ・・・ン」

響「やよいはカワイイなぁ!本当にカワイイなぁ!」スリスリ

やよい「ひ、響さーん・・・くすぐったいですよーっ!」

美希「・・・」

響「カワイイなぁ!カワイイなぁ!」ギュゥゥ

やよい「響さーん、そろそろ離して・・・あっ、美希さん!」

響「ん、美希?・・・あれっ、美希じゃないか!帰ってきてたのかっ!」

美希「・・・うん、今帰ってきたところなの」

やよい「おかえりなさい美希さん!・・・あと響さんそろそろ離してほしいかなーって」

響「あっ、ゴメン・・・えっと、美希おかえり!」

美希「ただいまなの、やよいと・・・あと我那覇さん」

響「あれ・・・なんでそんなに他人行儀なんだ?」

美希「別に何でもないの・・・あっ、出来ればあんまり近づかないでほしいの」

響「ちょっと待てー!美希、何でそんなにあからさまに冷たいんだーっ!」

響「えっ、ちょっと待って!自分、美希に何かしたか!?」

美希「いえ、別に何かしたというわけではないんですけど・・・」

響「ちょ、何で敬語になるんだ!?」

美希「あ、あの・・・あまり近寄らないでくれませんか」

響「うぎゃー!み、美希ぃ・・・何でそんな態度取るんだよー!」

美希「というかミキ、お邪魔みたいだから出直してきますね・・・」

響「ちょっと待てちょっと待てーっ!出て行こうとするなーっ!」

やよい「はわわっ・・・ふ、二人ともケンカですか?どうしようどうしよう」オロオロ

美希「・・・とまぁ、やよいも心配してることだし、冗談はこのくらいにしておくの」

響「冗談としてはタチが悪すぎるぞ!本気でビックリしたんだからなっ!」

美希「実を言うと、ちょっと響のこと、危ない人に見えちゃったの」

響「うぅ・・・冗談でもそんな風に言わないでほしいぞ、地味に傷つくじゃないかぁ」

美希「だって扉を開けたらいきなりあの光景だよ?誰だってビックリするの」

響「わ、悪かったぞ・・・つい我を見失っちゃって」

やよい「もー、響さん!だから本番中にあんな悪ふざけはしちゃダメって言ったじゃないですかー」

響「そんなこと言ったってやよいがかわいすぎるのがいけないんだぞ」

美希「それについては同意だけど響はもうちょっと自分を抑えるべきだって思うの」

やよい「むぅー・・・とにかく本番中は真面目にやってくださいっ!分かりましたか?」

響「うぅ・・・分かったぞ」

美希「響の方が年上のはずなのに、どっちがお姉ちゃんか分からないの」

美希「というわけでテレビの前のみんなー!星井美希、ただいま戻りましたなのっ」

響「おかえり美希」

やよい「おかえりなさい美希さん!」

美希「二人とも、ミキたちがいない間番組進行してくれてありがとね」

響「まあいきなり過ぎてビックリしたけど、なんとかなったし、まあいいよ」

やよい「はいっ!私も響さんと一緒で楽しかったですよーっ!」

美希「特に問題もなかったみたいでミキも安心したの、やっぱり響に任せて正解だったね」

響「ま、まあな!自分完璧だから番組進行くらいなんくるないさー!」

やよい「そういえば美希さん、代役で出てたイベントはどうなったんですかー?」

美希「イベント?成功したよ、バッチリって感じなのっ」

響「そっかー、さすがは美希と春香だなー」

やよい「あれ、それじゃあ春香さんは?」

美希「置いてきたの」

響「・・・は?」

美希「ミキたちの出番は終わったんだけどイベント自体はまだ終わってなくてね」

やよい「はい」

美希「本当は最後までいるつもりだったんだけど、どうしても番組のことが気になっちゃって」

響「それで美希だけ戻ってきたってことか?」

美希「そういうことなの、まあ山場は乗り越えたっぽいし、一人くらい抜けても大丈夫そうだったから」

響「それにしたってよく春香が帰してくれたなー・・・何だかんだで春香って結構寂しがりやじゃないか」

美希「あー、うん・・・それなんだけどね」

響「ん、なんだ?」

美希「一人の方がきっと目立てるよって言ったら、あっさり帰してくれたの」

響「えー・・・それでいいのか春香」

美希「まあ春香がいいって言ったんだし、いいんじゃないかな?」

やよい「それじゃあ美希さんだけ戻ってきたってことですか?」

美希「うん、そういうことなの」

やよい「うー・・・春香さんいないんですね、残念です」

美希「元気出すのやよい、また今度ミキと春香がいる時にゲストで呼んであげるから、ねっ?」

やよい「はーいっ!絶対ですよーっ?」

美希「ところでミキが戻るまでの間、二人はどんな風に番組進めてたの?」

響「やよいにプリンを食べさせてあげてた」

美希「えっ」

やよい「響さんにプリンを食べさせてあげましたっ!」

美希「・・・えっ?」

カンペ『かくかくしかじか、というわけです』

美希「何それズルイのっ!」

響「おぉ・・・今のスタッフさんの説明で分かるのか」

美希「ミキもやよいにプリン食べさせてあげたかったの!」

響「ふふーん、いいだろーっ!プリン食べて笑顔になるやよいはかわいかったぞー!」

美希「それで響にもプリンを食べさせてあげたかったの!」

響「・・・なんで自分もなんだ?」

やよい「プリンを食べて笑顔になる響さんもかわいかったですよーっ!」

響「えっ・・・ちょっと、やよい!そんな風に言われると照れるぞ・・・」

美希「プリンを食べて笑顔になる二人をミキも見たかったの!」

カンペ『お二人ともとてもかわいかったですよ!』

美希「ズルイのー!ミキも二人にプリン食べさせてあげるのっ!スタッフさんプリン持ってきてー!」

響「やけにテンション高いなー・・・」

カンペ『もうありませんよ』

美希「そんなのってないの!」

カンペ『というか星井さん、戻ってきて早々でなんですが』

美希「なんなの?」

カンペ『そろそろ番組も終わりの時間が近づいてきてます』

美希「えー!せっかく戻ってきたのに・・・あんまりなの」

やよい「うぅー・・・美希さん、せっかく戻ってきたのにかわいそうです」

美希「何だか急いで帰ってきて損しちゃったの・・・はぁ、何だか一気にテンション下がっちゃった」

響「うわぁ・・・ミキのやる気があからまに無くなっていくぞ・・・」

やよう「はぅ・・・み、美希さぁん」

美希「あとはもう二人に任せて、ミキ寝てていいかな?」

響「いいわけないだろー!戻ってきた以上はちゃんとやれーっ!」

美希「というわけで恒例の視聴者プレゼントのコーナーなのー」

響「今回は何をプレゼントするんだ?」

美希「さぁ・・・前回はミキたちで適当に決めたんだけど」

カンペ『今回は高槻さんに決めていただきましょう!』

響「・・・だってさ、やよい」

やよい「ふぇっ?わ、私がですかぁ!?」

美希「それじゃあやよい、視聴者さんへのプレゼント、何がいいと思う?」

やよい「んー・・・ええっと・・・えっと」

響「やよい、あんまり深く考えなくてもいいんだぞー?」

美希「そうなの、こういうのは別に何でもいいんだよ?」

やよい「うぅ・・・そ、そんなこと急に言われても・・・あっ!」

響「ん、何か思いついたか?」

やよい「あ、あの・・・美希さんに響さん!ちょっと集まってください!」

美希「どうしたのやよい?」

響「一体なんなんだ?」

やよい「いいからいいから・・・ほらっ、もっと近寄ってください!」

美希「ず、随分近いね・・・」

響「これはちょっと密着しすぎじゃないか・・・?一体何をする気なんだ?」

やよい「それじゃあいきますよーっ?二人とも笑ってくださーいっ!」

カシャッ

やよい「えへへっ・・・3人の集合写真です」

美希「っていうかやよい、いつの間にカメラなんか持ってたの?」

やよい「そこの机の上に置いてあったんですよー、これ見た途端にピンときたんですっ!」

響「なんだよー、写真撮るなら前もって言ってくれればもっとちゃんと笑顔作ったのにー」

やよい「でもでも、この自然な感じがきっと良いと思いますっ!」

美希「あれ、でもわざわざ写真なんか撮ったってことは?」

やよい「はいっ!今回のプレゼントは今撮ったこの写真にしたいと思いまーっす!」


――番組オンエアーと同時刻 やはり事務所にて番組視聴中の伊織と千早――

いおちは「「・・・!?」」ガタガタッ

伊織「ちょっとプロデューサー!」

千早「プロデューサーの権限で何とか手に入れてください!」

P「いやいやいや!お前らムチャクチャ言うなよっ!っていうか目が恐いよ!」

美希「自分でいうのもなんだけど、すっごく豪華なプレゼントだと思うの」

響「ひょっとしたら今までの中で一番なんじゃないか?」

美希「確かに、言っちゃなんだけど、はるヒゲなんかとは比べるのも失礼って感じなの」

やよい「せっかくなので皆でサインも書いちゃいましょう!」

響「サインまで付くのかー・・・プレミアなんてレベルじゃないぞ、これは」

カンペ『我々もほしいので応募していいですか?』

美希「うん、いいんじゃないかな・・・倍率とかすごいことになりそうだけど」

響「千早と伊織あたりも絶対応募するんだろうなー」

美希「あー・・・間違いないと思うの」

やよい「というわけで皆さーん、ご応募お待ちしてまーす!」

響「そんなこんなで、そろそろお別れの時間だぞー」

美希「結局全然番組に参加出来なかったの・・・残念って感じ」

やよい「私も美希さんと一緒に番組やりたかったですー」

美希「ありがとう、今度こそ一緒にやろうね?」

やよい「はーいっ!約束ですよーっ!」

響「まあこんな感じで番組やってきたわけだけど、やよいはどうだった?楽しかった?」

やよい「はいっ!すっごくすっごく楽しかったです!」

響「そっかー、自分もやよいと番組やれて楽しかったぞ」

やよい「えへへっ、それじゃあ私たち、お揃いですねっ!」

響「・・・うん、本当によかった、やよいと一緒で」

響「お別れの前に、テレビをご覧の皆様に、美希から一言あるそうなので聞いてあげてください」

美希「今回は身勝手な都合で番組を空けてちゃって、ホントにゴメンねっ?」

テロップ『視聴者の皆様、この度は申し訳ございませんでした』

美希「次回からはまた春香とミキの二人でお送りさせてもらうのっ!」

やよい「皆さん、ちゃんと見てくださいねー?」

響「それじゃあこの辺でそろそろ〆にはいるぞ!」

美希「最後だけになっちゃったけど、お相手は765プロの金髪天使、星井美希と!」

やよい「765プロのツインテール天使、高槻やよいと」

響「765プロのポニーテール天使、我那覇響の3人でお送りしたぞっ!」


ひびみきやよ「「「それじゃあ、まったねー!!」」」

第5回終了します、たまにはこんな平和なのもアリかなぁ、と

芸人扱いどころか若干ディスり気に偏りすぎなような

>>1ですが、ちょっとネタが思い浮かばなくなってしまったので次の投下は少し空くと思います、すみません

>>443
そういうつもりはなかったけれど、気をつけます

月曜襲来したけど珍しく休みなので幾らか書き溜めた、投下します

春香「平和だねー」

美希「まったくなの」

春香「・・・」ズズズッ

美希「・・・」ズズズッ

春香「ふぅ、お茶おいしい」

美希「こういう雰囲気、落ち着くのー」

春香「そうだねえ、たまにはこういうのも悪くはないよね・・・美希、お茶のお代わりいる?」

美希「もらうのっ」

コポコポ...

春香「はいどうぞっ」

美希「ありがとなの、日本茶もたまには良いもんだね」

春香「そうだね、まあ雪歩みたいに上手には淹れられないけどさ」

美希「そんなことはないの、春香も結構お茶淹れるのうまいってミキは思うな」

春香「そ、そう?・・・なら良かった」

美希「・・・」ズズズッ

春香「・・・」ズズズッ

美希「ふぅ・・・何だかお茶請けとかほしくなってきたの」

春香「確かにそうだね、口寂しいかも」

美希「春香、引き出しからひよこ饅頭取ってもらってもいいかな?」

春香「オッケー、お安い御用だよー」

ガラッ

春香「あれ・・・もう無いや、何だかんだでみんな結構食べてるからなー」

美希「むー・・・残念なの、ひよこ饅頭食べたかったのに」

春香「そういえばクッキー作ってきたんだけど食べる?」

美希「日本茶にクッキーの組み合わせはどうかと思うけど、せっかくだし貰うの」

春香「はい、どうぞっ」

美希「いただきまーす、なのっ・・・はむっ」

サクサクッ モグモグ

春香「どうかな?今回はちょっとしっとり感を重視してみたんだけど」

美希「うん、おいしいの、相変わらず春香のクッキーは最高なの」

春香「えへへっ・・・ありがとう」

美希「はぁー・・・こんなにのんびりしてたら何だか眠くなってきちゃったの・・・あふぅ」

春香「そうだねえ・・・私もちょっと眠くなってきたかも」

美希「んー・・・ミキ、ちょっとだけ横になるの」

春香「私も少しだけ眠っちゃおうかなぁ」

美希「ん・・・おやすみなさいなのー」

春香「・・・おやすみぃ」

美希「Zzzz...」

春香「すぅ・・・すぅ・・・」

テロップ『平和ですねぇ』

春香「・・・いやいやいや!ちょっと美希、ダメだよ起きてっ!」

美希「むぅー・・・春香、耳元でそんなに大声出さないでほしいの・・・」

春香「ダメだよ寝ちゃ、今って本番中じゃん!ほのぼのし過ぎて危うく忘れるところだったよ・・・」

美希「そういえばそうだったの・・・平和過ぎてホントに事務所にいるような気になってたの」

春香「なんて言うかさ、良くも悪くも私たち慣れてきちゃってるよね・・・マンネリ化ってやつ?」

美希「まあ、何だかんだでもう結構回数重ねてるもんね」

春香「そろそろこの辺りで番組的にも何か変化が必要だと思うんだよね」

美希「変化?」

春香「そうそう、新しい事に挑戦しようぜ!・・・的な?」

美希「挑戦ねぇ・・・今まで通りじゃダメなの?」

春香「やっぱりさ、色々なことに挑戦してこそ番組!って感じだと思うんだよね」

美希「まあ言いたい事は分からなくもないの・・・それで、春香は具体的に何かしたい事でもあるの?」

春香「ふふーん、よくぞ聞いてくれましたっ!私のやりたい事、それは・・・っ!」

テロップ『場面は変わって、都内某所にある公園』

春香「というわけで屋外ですよ!屋外!」

美希「春香がやりたかったのって、屋外ロケのことだったんだね」

春香「うん、たまにはこういうのも新鮮味があっていいんじゃいかなぁ、って思ってさ」

美希「確かに、気分転換にはなるの」

春香「だよねー!ミキミキならそう言ってくれると思ってたよー!」

美希「でも、あんな意味ありげに言ってた割には案外普通の内容でちょっと拍子抜けなの」

春香「・・・よし、帰ろう!」

美希「じ、冗談なの!春香すっごーい!あんまりすごいアイデアでミキ、驚いちゃったの!」

春香「なんて分かりやすい手の平返し!白々しすぎるよ!」

春香「というわけでテレビの前のみなさん、天海春香でーっす!」

美希「やっほー、星井美希だよー」

春香「まず始めに、前回番組を空けてしまった事を視聴者の皆様にお詫びさせていただきます」

美希「申し訳ございませんでした」

春香「いやー・・・それにしても響ちゃんとやよいには感謝感謝だね」

美希「何だかんだでちゃんと番組進行してくれた響には当分頭が上がりそうにないの」

春香「まあ、春香さんは後日響ちゃんにすっごい怒られちゃいましたけどね」

美希「なんて怒られたの?」

春香「『あの置手紙は何なんだーっ!バカにしてるのかーっ!むっきぃー!』・・・って」

美希「うん、あの置手紙は怒られてもしょうがないって思うな・・・あと細かいウソとかいらないの」

春香「何がいけなかったんだろうね、あぁー・・・きっと『拝啓』って入れ忘れたからだ!」

美希「うん、絶対違うと思うの」

春香「それじゃあ何だろう、あっ!ひょっとしてひよこ饅頭が気に入らなかったのかな?」

美希「それも違うと思うの」

春香「やっぱり中身をサーターアンダギッ・・・いけないっ、噛んじゃった」テヘペロ

美希「ねえ、今のワザとだよね?」

春香「あとは何だろう・・・うーん」

美希「・・・」

春香「分かんないや、響ちゃんゴメンね!」

美希「うん、今日も春香は変わらず絶好調って感じなの」

美希「そういえばあの回の視聴率、すっごく良かったらしいよ」

春香「へー・・・確かにあの二人のコンビは何だか見てて癒されるもんねー」

美希「ミキ、最後の方にちょっとだけ参加したんけどすっごくほのぼのしてて良い雰囲気だったの」

春香「・・・まるで私といる時はほのぼのしてない、みたいな言い方だね」

美希「そ、そういうわけじゃないけど、春香と一緒だと何かにつけて・・・ほら、ねっ?」

春香「何さ!どうせ何かにつけてお笑い方面にしかいかないって言いたいんでしょ!」

美希「うん、その通りなの」

春香「ハッキリ言っちゃったよ!ひっどいなーもう!」

美希「だってホントのことなの、まあそれはそれで楽しいからミキは全然いいけど」

春香「正直あんまりフォローになってない気もするけど・・・まぁ、ありがとう」

春香「ところで前回の視聴者プレゼントが何だかすごい事になってるっていうのを噂で聞いたんだけど」

美希「あー・・・やっぱり?」

春香「3人の集合写真にサインも付いてるんだっけ?そりゃ確かにすごいよね、私も欲しいくらいだもん」

美希「聞いた話によると一人で100通くらい応募した猛者もいるらしいの」

カンペ『まあそういう人は残念ながら一口分扱いですけどね』

春香「伊織が一族と使用人、持てる人脈全部使って応募したらしいね」

美希「千早さんは自分の人付き合いの少なさをものすごく後悔していたの」

春香「・・・」

美希「・・・」

はるみき「「やよいって、すごいなー」」

――番組オンエアーと同時刻 自宅にて番組視聴中の伊織――

伊織「それでも・・・っ!それでも当たらなかったのよ・・・っ!」ギリィッ

新堂「お、お嬢様・・・お気を確かに」

伊織「新堂・・・持てる人員全て使っても構わないわ、誰がアレを手に入れたか調べなさいっ!」

新堂「お嬢様、そのような無茶を・・・」



――番組オンエアーと同時刻 事務所にて番組視聴中のPと千早―-

千早「プロデューサー・・・一体誰が当てたんでしょうね、あの写真」

P「さ、さぁ・・・誰なんだろうな」

千早「風の噂では同じ業界の人たちもこぞって応募したと聞いています、さすが高槻さんですね」

P「そうかぁ・・・やっぱりやよいはすごいなぁ」

千早「ひょっとしてプロデューサーも応募なんかしたり・・・してませんよね?」

P「ははっ・・・まさか!(応募したけど外れたっての・・・俺も欲しかったのに)」

春香「というわけで『はるみき座談会』第六回ですよ!」

美希「今回にいたってはもはや座談会ですらない気もするの」

春香「まぁまぁ、細かい事は言いっこなしで!」

美希「それで、お外に出たのはいいけれど、今日はこれからどうするの?」

春香「どうしよっか?」

美希「えっ?」

春香「ん?」

美希「・・・何も考えてないの?」

春香「もち!」

美希「そんな自慢げに言われてもミキ困るの・・・まぁ薄々はそんな気もしてたけど」

春香「けどさ、せっかく公園にいる事だし星井!野球しようぜ!」

美希「えー・・・ミキ、運動なんて面倒くさいからヤなの」

春香「うん、私も言ってみただけなんだけどね」

美希「・・・」

春香「まあ冗談はさて置き、今日は適当にこの辺りをブラブラしてみようよ」

美希「うーん・・・まぁ、それでもいっか」

春香「今日は散歩日和ですよ!散歩日和!」

美希「散歩かぁ・・・散歩といえば他局の番組になるけど、あずさもそういう番組やってたよね」

春香「うん、『あず散歩』だね!という事で今日はゲストをお呼びしています、散歩と言えばこのお方!」

美希「えっ、もしかして」

春香「765プロのおっとり系アイドルにして私たちのお姉さん!三浦あずささんです、どうぞっ!」

シーン...

美希「春香、あずさなんてどこにもいないよ?」

春香「・・・あるぇー?」

カンペ『ついさっきまでスタンバイしてもらってははずなんですが・・・ちょっと目を離した隙に』

美希「えぇー・・・何となく予想はしてたけど、やっぱりこんな展開になっちゃったの」

春香「あずささん、さすがだなぁ」

美希「春香、感心してるとこ悪いんだけど、これからミキたちはあずさを探さなきゃいけないんだよ?」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「・・・いやいや、無理ゲーじゃんそれ」

春香「迷子になったあずささんを探すなんて、私たちにはちょっと荷が重過ぎるんじゃないかなー」

美希「そんなこと言ったって、あずさを見つけないことには番組が進められないの」

春香「でもあずささんの行動パターンなんて全然見当も付かないよ」

スタスタスタ

あずさ「あら、春香ちゃんに美希ちゃんじゃない、こんなところにいたのね」

春香「・・・」

美希「・・・」

あずさ「あ、あのー・・・?二人とも?」

春香「思いのほかあっさり見つかっちゃったね・・・拍子抜けだよ」

美希「信じられないの・・・迷子になったあずさがこんなに簡単に見つかるだなんて・・・ありえないの」

あずさ「え、えーっと・・・何だかよく分からないけど、私見つからない方がよかったのかしら?」

美希「それじゃあ、改めて今日のゲストを紹介するの」

春香「自己紹介、どうぞっ!」

あずさ「三浦あずさと申しますー、のっけからいきなり迷子になっちゃってもすみません・・・」

美希「まぁまぁ、あんまり気にしないの、結果的にはすぐ見つけられたんだし」

あずさ「ありがとうね、美希ちゃん」

美希「それに今日はあずさの迷子なんてまだカワイイ方なの」

あずさ「え、えっと・・・どういう事かしら?」

美希「春香なんてキャラが迷子なんだから、それに比べたら全然マシって感じ?」

あずさ「あらあらー、そうなのねぇ・・・えっ?美希ちゃん今なんて」

春香「うん、今日も美希は遠慮の欠片も無くて春香さんはいきなり大ダメージですよ」

春香「まあこれで全員揃ったことだし、適当に公園でもぶらつきますかー」

美希「こんな天気のいい日にお散歩だなんて、すっごく気持ちがいいの!ねっ、あずさ?」

あずさ「うふふ・・・そうね」

スタスタスタ

あずさ「そういえば美希ちゃんはオフの日とかはよく公園に足を運ぶそうね」

美希「うん、ミキがよく行く公園にはね、ミキのとっても尊敬する先生がいるの」

春香「あー、何だっけ?えっと・・・確か」

美希「カモ先生なの」

春香「そうそう、その非常食のことなんだけどさ」

あずさ「えっ、春香ちゃん今なんて・・・?」

美希「ちょっと春香、今の発言は聞き捨てならないの!」

春香「あれ、食べないんだ」

美希「当たり前なの、カモ先生は食べちゃダメなの!」

春香「あれ、でも聞いた話では美希、その先生にフライドポテトとかあげてるらしいじゃん」

美希「そうだよ?カモ先生はね、ポテトが大好きなの」

春香「それっててっきり油分を摂取させてフォアグラ作ってるものだとばかり」

美希「・・・」

あずさ「・・・」

美希「あずさ、行こっか」

あずさ「え、えぇ・・・そうね」

春香「ちょっと待って無視しないでよっ!ごめん私が悪かったから!置いていかないでよぉーっ!」

あずさ「風が気持ちいいわねぇー」

美希「ホントなのー」

春香「木々が風で揺れてるよ・・・何だか風流だねぇ」

美希「春香、言ってることが何だか年寄りくさいの」

春香「うるせえやい」

あずさ「そういえば春には事務所の皆でお花見なんかもしたのよねー、懐かしいわぁ」

春香「あれは楽しかったですよねー、また皆でピクニックとかいきたいなー」

あずさ「そうねぇー、またあんな風にみんなでお出掛けしたいわねぇー」

美希「これまでのハチャメチャっぷりがウソみたいなまったり感なの・・・これもあずさ効果なのかな」

カンペ『ほのぼのとしてて、癒されますねー』

美希「なんだか広場っぽい場所に出てきたの、遊具がいっぱい置いてあるね」

あずさ「こういうのって、何だか懐かしいわねぇ」

春香「ねえねえ二人とも、ちょっと遊んでいこうよ」

美希「えー、春香ってば案外子供っぽいところあるんだね」

春香「だって懐かしいじゃん、美希は子供の頃公園で遊んだりなんてしなかったの?」

美希「あんまりないかも、さっきも言ったけど公園には先生に会いに行ってたようなものだから」

春香「そっかー、ちなみにあずささんは?」

あずさ「私は小さい頃は結構公園とかで遊んでたわよー、近所の皆で」

春香「へー・・・私はね、子供の頃は近所の公園でお姉さんと一緒にお歌を歌ってたりしてたんだー」

あずさ「その話、前に聞いた気がするわ、それが春香ちゃんがアイドルを目指すきっかけになったのよね」

春香「とにかくさ、いいじゃんいいじゃん遊んでいこうよー!」

あずさ「あらあらー、春香ちゃんってば何だか子供に戻ったみたい」

美希「もう、しょうがないなぁー・・・それで春香は何して遊びたいの?」

春香「かくれんぼ!」

美希「却下なの」

春香「なんでやねんっ!」

美希「春香、今日のメンバーにあずさがいる事を忘れてないよね?」

春香「あっ・・・そうだった、あずささんとかくれんぼとか難易度鬼畜の無理ゲーじゃん」

美希「そうなの、一度見失ったらもう見つけられないんだから、かくれんぼは却下なの」

あずさ「あーん、二人ともそこまで言わなくてもいいじゃなーい!ひどいわー!」

春香「それじゃあさ、鬼ごっこしようよ鬼ごっこ!」

美希「えー・・・ミキ、あんまり疲れるようなのしたくないの」

春香「まぁまぁそう言わずにさっ!ねっ?」

あずさ「私も正直、走るのは苦手なんだけれど・・・」

春香「そんなこと言わずにやりましょうよー!」

あずさ「ま、まぁ春香ちゃんがそこまで言うなら別に構わないけれど・・・」

美希「分かったの・・・しょうがないからミキも参加してあげるの」

春香「さっすが二人とも、話がわかるぅー!」

あずさ「それで、誰が鬼をやるのかしら?」

春香「そこはまぁ、公平にジャンケンで決めましょう!」

美希「それじゃあ、ジャンケンっ」

春香「ほいっと出すアホがおるっ!」

美希「・・・」

あずさ「・・・」

春香「・・・あれ、スベちゃった?この間見たお笑い番組でやってたんだけどさ」

美希「春香、そういうの誰も求めてないから」

春香「ご、ごめん・・・」

美希「それじゃあ、改めてジャンケンっ」

あずさ「ほいっ」

春香「ほいっ」

美希「むぅー・・・ミキが鬼になっちゃったの」

春香「美希が鬼かぁー・・・何だかんだで走るの早いからなぁー、ようし負けないぞっ!」

あずさ「私もなるべく捕まらないように頑張るわね」

美希「ふっふっふー、ミキは恐い鬼さんなの、お前たち全員食べてやるのーっ、がおーっ!」

春香「えっ、美希何か言った?」

美希「・・・なんでもないの」

春香「それじゃあ美希、10数えたら追いかけてきてねー」

美希「たまにふざけてみたらこの扱いなの、少しは合わせてくれてもいいんじゃないかって思うの」

あずさ「げ、元気出して美希ちゃん・・・私はかわいい鬼さんだって思ったわよ?」

美希「そういうフォローはもっと早めにして欲しかったの」

美希「それじゃあいくの、いーちっ!にぃーっ!さーんっ!」

春香「・・・」タッタッタ

あずさ「・・・」タッタッタ

美希「よーんっ!ごーっ!(うわぁ・・・あずさ走るの遅いのー、あんなんじゃすぐ追いつけちゃうの)」

春香「・・・うわぁっ!きゃぁぁっ!?」

ドンガラガッシャーン

美希「・・・ろーくっ、なーなっ」

春香「うぅ・・・いったぁーい・・・私ってばこんな時にまで、ドジだなぁ」テヘペロ

美希「はーちっ・・・きゅーうっ・・・じゅーっ」

春香「いたいよぅ・・・うぅ、ぐすんっ」カメラメセン

スタスタスタ ポンッ

美希「えっと・・・春香、捕まえたの」

春香「あっ・・・しまった」

美希「しまった、じゃないの・・・すぐに起き上がって逃げてればこんな事にはならなかったのに」

春香「返す言葉もございません」

美希「なんでこんな時までカメラ目線でアピールするの?あざとすぎるの」

春香「い、いや・・・つい、ね?」

美希「まったく、春香ってばホントにしょうがないんだから」

春香「ごめんね・・・えへへぇ」

美希「まあこの状況で春香が転ぶのなんてある意味お約束って感じだし、仕方ないとは思うの」

春香「・・・」

テロップ『天海さん、さすがです』

美希「何となくこの流れは分かってたけど、これじゃあ鬼ごっこにならないし、ヤメにしよっか?」

春香「うん、そうだね」

美希「それはそうと何か忘れてる気が・・・」

あずさ「・・・」ポツーン

春香「あっ・・・あずささん」

美希「いつの間にか随分遠くまで逃げてるの・・・あずさ、結構頑張って走ったんだね」

カンペ『お二人が漫才やってる間に一生懸命走ってましたよ』

春香「マジっすか・・・面目ないです」

美希「あずさ・・・ゴメンなさいなの」

あずさ「二人とも・・・私、今とっても寂しい気持ちでいっぱいよ」

あずさ「・・・」プクーッ

美希「あ、あずさ機嫌直すの」

あずさ「二人ともひどいわ・・・私、足が遅いなりにも頑張って走ったのに」

美希「そ、そうだね・・・あずさにしては結構頑張ったんじゃないかなって思うの」

あずさ「それなのに、私をほったらかしにして中止にするなんて・・・あんまりよ」

美希「あずさぁ・・・怒っちゃヤなのー」

春香「あずささぁん・・・私たちが悪かったですからぁ」

あずさ「許してあげないもん・・・もう私、激おこぷんぷん丸なんだからっ!」

バキューン!! バタッバタバタバタッ...

美希「いやぁーん!スタッフさんが全員倒れちゃったのー!」

カンペ『あまりのかわいさにスタッフ全員撃沈しました』

美希「もー、あずさ機嫌直してってば・・・お姉さんなのにそんなので拗ねてちゃダメなの」ナデナデ

春香「そうですよあずささん、謝りますから元気出してください」ナデナデ

あずさ「ちょ、ちょっと二人とも・・・?」

美希「あずさ、よしよしなの」

春香「あずささーん、よしよし」

あずさ「あの・・・えっと、二人とも?私はいまとっても怒ってるんだけど・・・?」

美希「だからこうして慰めてあげてるの」

春香「こうしていれば元気が出るかなーって思いまして」

はるみき「「よしよし」」ナデナデ

あずさ「あ、あらあらー・・・もうしょうがないわねぇ・・・二人とも」

春香「ってなわけで公園抜けちゃいましたねー」

美希「次はどうするの?」

春香「・・・さあ?」

美希「えぇー・・・適当すぎるの、今回の企画の言いだしっぺなんだから何か考えてよ」

春香「そんなこと言われてもなぁ・・・うーん」

あずさ「あら、あそこに商店街があるわね」

春香「へぇー・・・商店街ですか、じゃあ次はそこに行ってみましょう!」

美希「行き当たりばったりにも程があるの」

あずさ「あら、でも商店街を練り歩くっていうのは結構定番どころよ?私は良いと思うけど」

春香「あずささんもこう言ってることですし、それじゃあ次はあそこの商店街にレッツゴー!」




テロップ『後半からの舞台は近場にあった商店街!続きはCMのあと!』


とりあえずここまで
春香さんに関しては若干やり過ぎた感があるので抑え気味にいきたいと思います

投下します

春香「というわけで商店街にやってきました!」

美希「こういう光景ってよくテレビなんかでは見るけど、まさか実際にミキたちがやるとは思わなかったの」

あずさ「結構楽しいわよ?地域の人たちと交流も出来るし、私も自分の番組でたまに商店街巡りとかするのよ」

春香「なんだかそういう触れ合い的なのって、いいですねー」

美希「それじゃあ今日はあずさ先生に色々と教えてもらわなきゃ」

あずさ「でも今は時間も時間だからやっぱり買い物中の主婦の方が多いわねー」

美希「それでもあちこちから結構な視線を感じるの」

春香「まあ、なんだかんだで私たちも結構有名だからねー」

美希「大丈夫かな、パニックになっちゃったりしないかな」

あずさ「大丈夫よ、皆さんちゃんとテレビの収録だって分かってるから変な茶々は入れてこないわ」

春香「二人とも、ここは私に任せて先にっ!」バッ

みきあず「「・・・」」

春香「私が観衆の目を引きつけますからその隙に逃げてっ!さぁさぁっ!」

美希「春香、いきなり何をやり出すの?」

春香「だって私たち人気アイドルが3人揃って歩いていたらパニックになっちゃうよ!大変だよ!」

美希「うん、それについてはさっきあずさが大丈夫だって言ってくれたよね、聞いてなかった?」

春香「だからさ、一度やってみたかったんだよね!『ここは私に任せて先に行け!』的な熱い展開!」

美希「全然話聞いちゃいないの・・・バカなことやってないでさっさと行くの」

ズルズルズル

春香「あぁん、分かったから首根っこ掴まないでよぉー」

あずさ「え、えぇと・・・ごめんなさい、私ちょっとこの流れにはついていけないわー」

春香「それにしても色々とあるねー、これぞまさしくTHE・商店街って感じだね」

美希「そうだね」

春香「あっ、ねえねえ美希!あそこの喫茶店でお茶していこうよ」

美希「ダメなの」

春香「じゃあさ、あそこのケーキ屋さんでケーキ買って行こうよ」

美希「・・・ダメなの」

春香「じゃあ、あそこの雑貨屋さん寄って行こうよー、かわいい雑貨が置いてあるよー」

美希「だからダメだってば」

春香「もうミキミキ、さっきからダメって言ってばっかじゃん、いけずっ!」

美希「こういうのはちゃんとスタッフさんと相談して決めなきゃ、ミキたちで勝手に決めたらダメなの」

美希「それにミキたちが急にお邪魔したりなんかしたら、きっとお店の人にも迷惑かかるって思うな」

春香「おおぅ・・・美希とは思えないくらいの真面目な発言に春香さんビックリですよ」

美希「なんだか春香が落ち着きのない子供みたいだからミキがしっかりしなきゃいけない気がして」

春香「あーっ!ひっどーい!私の方がお姉ちゃんなのにーっ」

あずさ「でも確かに美希ちゃんの言う事も正しいわよ?、こういう場合、お店側の許可は必要なのよ」

春香「あっ、ねえねえ美希!あそこのパン屋さんもお洒落な感じでいいよねー」

美希「いや、だからね春香・・・」

春香「ねえねえ、ちょっとくらいいじゃんミキミキぃー!」

美希「・・・」イラッ

春香「ねえ、ミキミキってばー!お茶しようよお茶ぁー!春香さんとお茶しようよー!」

美希「春香、お願いだから少し落ち着いて欲しいの」

春香「ねえミキミキぃー!ミキミキぃー!」

あずさ「だったら美希ちゃん」

美希「もう、ダメって言ってるの!さっきからしつこいのっ!」

あずさ「!?」ビクッ

美希「あっ」

あずさ「ご、ごめんなさいね美希ちゃん・・・私、そんなつもりじゃ」シュン

美希「ち、違うのあずさ・・・ミキ、今のはあずさに言ったわけじゃ」オロオロ

春香「あーあミキミキひっどーい、あずささんかわいそうじゃーん」

美希「元はと言えば春香がはしゃぎ過ぎるのがいけないの、理不尽過ぎるの、そんなのってないの」

春香「ふふふーん♪」

美希「今更だけど、何だか春香のテンションがいつもにも増して高い気がするの」

春香「いやさぁ、こうやって事務所の仲間とお出掛けなんて久しぶりで春香さんウキウキなんだよね」

美希「まあ、その気持ちは分からなくもないの」

春香「そんなわけでさ、やっぱりぶらぶらするだけじゃ面白味が無いと思うんだ、色々見て回ろうよ!」

美希「確かに春香の言う通りなの、分かったの」

春香「ところであずささんは?」

美希「あれ、いなくなってるの」

春香「まさか、この僅かな時間で迷子に・・・?」

美希「ありえないって言いたいところだけど、あずさだったら普通にありえそうで困るの」

カンペ『三浦さんなら向こうの和菓子屋さんにいますよ』

春香「あっ、そうなんですねー、よかった迷子になったわけじゃなくて」

美希「もうあずさってば、勝手に一人で何やってるの」

スタスタスタ

あずさ「あら二人ともー、こっちよー」

美希「もうあずさってば、急にいなくならないでほしいの」

あずさ「ごめんねー、ここの和菓子があまりにも美味しそうだったからついつい見とれちゃって」

春香「わぁー、確かに美味しそうですねー」

あずさ「お店の方のご厚意でどれでも好きなのを試食させてもらえるみたいよ」

春香「えっ、本当ですか?いやっほぉぉーい!やったぜ店員さん、太っ腹だよ、いぇいっ!」

美希「うん、すっごく恥ずかしいから落ち着いてくれるかな?」

あずさ「うーん・・・何にしようかしらー」

美希「ミキ的にはここはやっぱり苺大福を選ぶしかないって思うな」

春香「それじゃあ春香さんはこのきんつばをいただこうかな!」

美希「・・・随分渋いのを選ぶんだね」

春香「うるせいやい、別にウケ狙いで選んだとかそんなんじゃないからね!」

美希「うん、仮にそうだったとしても全然面白くないの」

春香「えっ・・・マジっすか・・・」

美希「何その『失敗した』みたいな顔、ひょっとしてホントにウケ狙いでやったの?」

春香「そんなわけないじゃん!・・・そんなわけあらへんし!」

美希「何で2回言ったの?しかもわざわざ関西弁に言い直した意味が全く分からないの」

あずさ「うーん・・・迷うわねぇ」

美希「こういう時、あずさののんびりした性格がうらやましいって思うの」

春香「確かに、私たちの漫才を目の当たりにしても平然としてるんだもんねー、ツッコミすら無しですよ」

美希「ミキは春香と漫才なんかした覚えはないの、勝手に巻き込まないでほしいな」

春香「そんなミキミキ、あんまりやでっ!一緒に頂点目指そうて」

美希「言ってないの、一言も言ってないの」

春香「途中で遮らないでよ!せめて最後まで言わせて!」

あずさ「・・・あっ、私このどら焼きをいただいちゃおうかしらー」

美希「・・・別に漫才なんかしてるつもりはないんだけど、ここまで相手にされないと流石に虚しいの」

春香「やばいなー・・・さっきから春香さんスベりっぱなしだよぅ」

美希「それじゃあ気を取り直して」

はるみきあず「「「いただきまーっす、なのっ」」」

パクパク モグモグ

美希「おいしいのーっ、たまにはこういう和菓子も良いもんだね」

あずさ「そうねぇー、こういうの食べてると本当に日本に生まれて良かったって思えるわ」

春香「わぁーっ!これすっごくおいしいですよー!春香さんビックリですっ!」カメラメセン

美希「・・・」

あずさ「・・・」

春香「甘さも控えめで食べやすいし、これなら何個でもいけそうですねーっ!」カメラメセン

美希「・・・」

あずさ「・・・」

春香「私、こんなにおいしい和菓子食べたことありませんっ!感激ですっ!」チラッチラッ

美希「・・・」

あずさ「・・・」

春香「こんなに美味しいと本当に何個でも食べられそうですねー!まいったなー!」カメラメセン

カンペ『お店の方がよろしければもう一つ如何ですかとおっしゃってくれてますが・・・』

春香「えーっ!いいんですかー!?いやそんな悪いですよー、催促したみたいじゃないですかー!」

美希「じゃあ春香はそこで食べてていいよ、あずさ、行こっ?」

あずさ「え、えぇ・・・そうね美希ちゃん」

春香「あぁん二人とも待ってよー!散々シカトした挙句置いてくとかひどいじゃーん!」

美希「あっ、和菓子とってもおいしかったの!お店の人、どうもありがとうなのーっ!」

春香「いやー、それにしてもあずささんのおかげで美味しい和菓子が食べられて幸せですよ」

美希「あのお店、ミキたちが歩いてた所からだとちょっと分かりにくい位置にあったのに、よく見つけられたね?」

あずさ「うふふ、自分で番組をやってるからかしら?自然とああいうお店を目ざとく見つけられるようになるのよ」

春香「隠れ名店的な?」

あずさ「そういうことね」

春香「そっかー、よーっしそれじゃあ私もあずささんに負けないようにステキなお店探してきちゃおうかな!」

あずさ「あらあら、春香ちゃんったら」

美希「うん、別にそんなところで対抗心燃やさなくていいからね?」

春香「待っててね二人とも!今から春香さんがお洒落なお店を見つけてくるから!」

タッタッタッタッタ

美希「えぇぇ・・・ホントに行っちゃったの」

あずさ「ねえ美希ちゃん」

美希「んー?」

あずさ「今更なんだけど、春香ちゃんってあんなにはっちゃけたキャラだったかしら?」

美希「この番組だと大体あんな感じだけど、今日はいつもよりはしゃいでる気がするの」

あずさ「あらあらー、きっと美希ちゃんとお出掛け出来て嬉しいのね」

美希「違うよあずさ、美希とあずさの3人でお出掛けしてるからなの」

あずさ「うふふ、そうね」

<おーい二人ともーっ!

美希「あっ、春香の声だ・・・何か見つけたのかな?行ってみよっか」

あずさ「そうね、行きましょうか」

春香「こっちだよこっちー!」

あずさ「春香ちゃん、一体何を見つけたのかしら」

美希「ここって・・・クレープ屋さん?」

あずさ「平日だっていうのに結構な行列が出来てるのねー」

春香「ふふーん、平日の昼下がりにこの行列、これは間違いなく名店でしょうよ!」

美希「でもどうしてクレープ屋さんなの?」

春香「なんとなく食べたかったから!」

美希「ふーん、春香のことだからもっと変なお店見つけてくるんじゃないかって思ってたけど、案外普通だね」

春香「よし、チェンジで!もっかい探してくる!」

美希「だからいちいち笑いを取ろうとしなくていいから!もう・・・ホントに面倒くさいの」

美希「でもいいのかな、さっき和菓子食べたばっかりで今度はクレープだなんて」

あずさ「確かに、あんまり食べ過ぎるのはよくないわよねー」

春香「いいよいいよ!どうせ今はうるさい見張り役もいないことだしね!」

あずさ「あらあらー・・・強気な発言ね、律子さんが番組見てたらきっと怒られるわよ?」

美希「春香ってやっぱりドMなんじゃないの?何でそんな説教フラグをバンバン立てちゃうのかな?」

春香「べ、別にそういうわけじゃないんだけどさ・・・ただね」

美希「ただ?」

春香「律子さんの説教って愛を感じるんだよね・・・だからもっと叱って欲しいっていうか・・・えへへぇ」

シーン...

美希「引くの」

春香「うん勿論冗談だよ?このめっちゃどん引きみたいな空気やめてくれるかな?」

カンペ『クレープが食べたいのであればスタッフが並んで買ってきますが・・・』

美希「えっ、そんなの悪いの、ミキたち自分で買ってくるよ?」

カンペ『さすがにアイドルが行列に並ぶわけには・・・』

美希「ミキ、そんなの気にしないのに」

カンペ『万が一騒ぎになるとも限りませんので、やはりそこは・・・』

あずさ「確かにスタッフさんの言いたい事も分からなくはないけれど」

美希「でもミキ、スタッフさんにそんなお使いみたいなマネはさせたくないの」

春香「あっ、だったらさ、変装していけばいいんじゃない?要はアイドルってバレなきゃいいんでしょ?」

あずさ「そうだけど、でも私いま変装する道具なんて何も持っていないわよ?」

美希「ミキも何も持ってきてないの」

春香「だったらさ、私そこの雑貨屋さんでいい物見付けたから買ってこようか?」

美希「何を見つけたの?」

春香「鼻めがね」

美希「春香、それ付けて並んでみる?」

春香「ごめんなさい」

美希「ホントにくだらないことばかり言って・・・あっ!」

あずさ「どうしたの美希ちゃん」

美希「ミキ、いいこと思いついちゃった」

春香「何々?やっぱりミキミキが鼻めがね付けて並びたいって?」

美希「うん、春香は一度鼻めがねから離れよっか」

あずさ「美希ちゃん、いいことって一体何かしら?」

美希「ふっふっふー、この方法なら絶対アイドルだってバレっこないの」

春香「すごい自信だね、一体どんな変装するつもりなの?」

美希「これは正確には変装とはちょっと違うの・・・春香、ちょっと失礼するの」

春香「うん、春香さん何だかものすごく嫌な予感がしてきましたよー!」

美希「これをこうして・・・はいっ」

スルスル パサッ

テロップ『天海春香はリボンを外した!』

美希「あはっ☆これなら絶対春香だってバレっこないの!」

春香「・・・」

あずさ「あ、あらあらー・・・」

春香「ちょいと星井さん、こっちに来なされ」

美希「ん・・・?どうしたの春香?」

春香「せいっ!」ペチッ

美希「あうっ・・・は、春香・・・デコピンは痛いからヤっ!」

春香「ヤっ、じゃないよ!せっかく忘れかけてたリボンネタを何で引っ張り出すかな!?」

美希「でもこれだったらきっとバレないよ?リボン無き春香は普通の人なの」

春香「やめて!リボンが私の本体みたいな言い方はっ!こんなのタダの装飾品だよ!」

美希「むぅー・・・ミキ的にはいい案だって思うけど、あずさもそう思うよね?」

あずさ「あ、あらあらー・・・春香ちゃんどこに行っちゃったのかしらー?」

春香「おぉぉい、まさかのあずささんの悪ノリだよ!これは予想外すぎますよー?」

美希「でもリボンの無い春香がどれだけ気付かれないかっていうのは事務所の件で証明済みなの」

春香「ぐうっ・・・嫌なことを思い出させないでよ!あ、あれはほらお遊びだよ、皆きっと遊びで・・・」

あずさ「・・・春香ちゃん?」

春香「そうだよ、遊びに決まってるよ・・・そうでなけりゃあそこまで気付かれないはずが・・・」

美希「な、なんだか春香の周りからドス黒いオーラが出てきているの」

春香「ダメだよもっと前向きにいかなきゃ!何さリボンの一つや二つ無くたって私は私だっ!」

美希「う、うん・・・そうだね」

春香「リボンなんて無くたって皆きっと気付いてくれるはずっ!見てろ春香さんの生き様をっ!」

タッタッタッタッタ

美希「・・・ねえあずさ、ミキは地雷を踏んじゃったのかな」

あずさ「だ、大丈夫よきっと・・・春香ちゃんを信じましょう」

春香「・・・」ズーン

美希「えーっと・・・クレープおいしいね」モグモグ

あずさ「そ、そうねぇ・・・」モグモグ

春香「・・・」

美希「まさか誰一人として気付かないとは思わなかったの」

あずさ「お約束な展開ではあるけれど、まさか本当にそんな事になるなんてね・・・」

春香「ねえ二人とも」

美希「は、はいなの」

春香「アイドルって何なんだろうね」

あずさ「わ、話題が重過ぎるわ・・・」

春香「ビックリだよ、リボンが無いだけでここまで気付かれないとはね・・・へへっ」

美希「な、なんて自虐的な笑いなの・・・」

あずさ「・・・春香ちゃん」

春香「はい」

あずさ「・・・えいっ」

春香「はむっ!?・・・あ、あずさん急に何を・・・」

あずさ「春香ちゃん、私のクレープおいしい?」

春香「もぐもぐ・・・はぁ、普通においしいですけど」

あずさ「うふふ、そう?よかったわ」

春香「あのー・・・あずささん?」

美希「・・・は、春香っ」

春香「はい?」

美希「えいっ、なの!」

春香「はふっ!?・・・ちょ、美希まで何を」

美希「ミキの苺がたっぷり入ったクレープ、おいしい?」

春香「いや、そりゃまあ美味しいですけど・・・」モグモグ

美希「あはっ、よかったの」

春香「いや、だから二人とも一体何を・・・」

美希「あっ、春香、口元にクリーム付いてるよ?」

ヒョイ ペロッ

春香「あわわっ!?ちょっと美希、いきなり何すんのさ!」

あずさ「あーっ、美希ちゃんずるいわー・・・それじゃあ私は、えいっ!」

パクッ

春香「あずささん、それ私のクレープ」

あずさ「うふふ、おしいわね」モグモグ

美希「あー!あずさズルイの、ミキもっ!」

パクッ

春香「いや、ですからそれは私のクレープなんですが」

美希「春香だってミキたちのクレープ食べたんだからお相子だって思うな」モグモグ

春香「えー・・・二人が勝手に食べさせたくせに」

美希「ほらほら、ミキのクレープもう一口食べていいから」

あずさ「私のも食べていいわよ?」

春香「いや、あの・・・急にどうしたの」

美希「はーるかっ!」

あずさ「はるかちゃん!」

春香「・・・」

美希「・・・」

あずさ「・・・」

春香「あの、二人とも・・・」

美希「はいなの」

春香「・・・へへっ、ありがとよっ、春香さんもう大丈夫だぜい」

美希「普通に言えばいいのに、照れ隠しがホントに下手っぴなんだから」

あずさ「あらあら、春香ちゃんってば、仕方のない子ねー」

美希「というわけでそろそろ番組も終わりの時間が近づいてきたということで」

春香「腰を落ち着けるという意味も兼ねて近場の喫茶店に移動してきました」

あずさ「あらー、もうそんな時間なのね」

美希「あずさは今回、ミキたちの番組に来てどうだった?」

あずさ「そうねー、私は自分の番組では基本的に一人で自由気ままにっていうスタンスだったんだけど」

春香「はい」

あずさ「こんな風に仲のいい子と集まってお散歩っていうのも良いものよねー」

美希「ミキも楽しかったの、いつになくほのぼのとした感じで良かったの」

春香「やっぱりあずささんがいると場が和むっていうか、癒されますよねー」

あずさ「あらあら、二人とも・・・ありがとうね」

あずさ「でもこの番組名って『座談会』なんでしょう?」

美希「そうなの」

あずさ「だったら今度はちゃんと落ち着いてゆっくりお喋りしたいわね」

美希「確かに今回はあんまりゆっくりお話は出来なかったね」

春香「今回はお散歩がメインだったからね」

あずさ「こうやってお出掛けっていうのもいいけど、せっかくだからもっと色々お話したかったわ」

春香「そうですね、次にまたゲストで呼ぶ機会があればそうさせてもらいます」

あずさ「うふふ、楽しみにしてるわね」

美希「それに屋内だったらあずさが迷子になる心配もないから安心って感じなの」

あずさ「あーん、美希ちゃんったら最後の最後に、ひどいわー」

美希「そんなわけでそろそろお別れのお時間になるの」

春香「まあ今回こうだったように、今後もこんな感じで突発的に色んな企画をやっていきたいと思います」

美希「まあ大体は春香の後先考えない思いつきから始まると思うの」

春香「あーっ、ひっどいなーミキミキぃー!」

美希「それじゃあ今日もこの辺で〆に入るのっ!」

あずさ「お相手は765プロのおっとり系アイドル、三浦あずさと」

美希「765プロののんびり系アイドル、星井美希と」

春香「765のほんわか系アイドル、天海春香の3人でお送りしました!」

はるみきあず「「「それじゃあ、まったねー!」」」




春香「あっ・・・今回の挨拶は普通だった・・・よかったぁ」

春香「というわけでスタジオに帰ってきましたー!」

美希「はぁ、疲れたのー・・・もうクタクタなの」

春香「ダメだよ美希、まだお仕事が残ってるよ」

美希「えぇー・・・まだ何かあるの?」

春香「何か、って視聴者プレゼントのコーナーがあるじゃん!」

美希「あー・・・忘れてたの」

春香「ダメだよ、ちゃんとやらなきゃ!それじゃあ今回は何にしようか?」

美希「むぅー・・・もう考えるのも面倒なの、何でもいいんじゃないかな?」

春香「投げやりだなー・・・」

美希「ミキはもうエネルギーが尽きたの、体力赤ゲージなの、あとは春香に任すの」

春香「まあどうせそんな事だろうと思って良いものをご用意いたしました」

美希「そうなの?ちなみに何かな?」

春香「これです、じゃじゃんっ!」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「何これ?」

春香「鼻めがね」

美希「見れば分かるの、どっから持ってきたの?」

春香「さっき雑貨屋さんで見付けたって言ったじゃん?買ってきたの」

美希「えぇぇ・・・えぇー」

美希「もしかしてわざわざこのプレゼントの為だけに買ってきたの?」

春香「もち!」

美希「・・・」

春香「というわけで今回のプレゼントはこの鼻めがねにしたいと思いますっ!いぇい!」

美希「こんなの誰もいらないと思うの・・・っていうかプレゼントの落差がひどすぎない?」

春香「しょうがないよ、適当に決めてるんだもん」

美希「いや、ミキが言うのもなんだけどさ、真面目に考えてあげようよ・・・」

春香「じゃあこれにサインも付けるよ!だったら文句ないでしょ!」

美希「えー・・・何で逆キレなの」

春香「それじゃあ、ご応募お待ちしてまぁーっす!またね、ばいばーいっ☆」

とりあえずここまで、亜美真美誕生日おめでとう

短いですがいきます

美希「突撃、勝手に楽屋訪問のコーナーなのっ」

春香「いえーい!どんどん、ぱふぱふー!」

美希「そんなわけで今回はちょっと趣向を変えて、いつもと違うパターンで番組を始めてみたの」

春香「この春香さんのアイデアですよ!すごいでしょ、えへへっ!」

美希「それでね、今ミキたちはとあるアイドルの楽屋前に来ているの」

春香「そしてそのアイドルとはーっ!?なんとっ!」

美希「はいなのっ」

春香「なんとぉぉぉーっ!」

美希「・・・」

春香「な、ななななぁんとぉーっ!」

春香「なんとですねーっ!」

美希「さっさと言うの」ビシッ

春香「あうっ」

美希「もう面倒だからミキが言うの、えっとミキたちは今、雪歩の楽屋前に来てまーす」

春香「あぁんひどいよぅ、私の見せ場取らないでよー」

美希「早く言わないからなの・・・それじゃあ企画の説明は春香にさせてあげるから」

春香「いやっほぉい!今回はゲストの雪歩をお迎えにあがりました、以上っ!」

美希「軽っ、あっさり過ぎるの」

春香「だってこんな企画説明でボケ様が無いよ、無理にボケたって玉砕するだけじゃん」

美希「いや、だからね・・・何でもかんでも笑いにつなげなくていいからさ」

美希「春香、なんだかもうすっかり芸人キャラだね」

春香「うん、何だかもう否定するのも面倒になってきちゃってさ」

美希「えぇー・・・投げやりすぎるの」

春香「もういっその事とことんやってやろうかなぁ、っていう気にすらなってきてね」

美希「春香・・・考え直すの、春香はアイドルなんだよ?」

春香「そのアイドルをこれまで散々芸人扱いしてきたのはどこの誰だよ!」

美希「そんな人がいるの?まったくもってヒドイ人なの」

春香「そうだね、ひどいね・・・ミキミキ一回鏡見てみよっか」

美希「うん、今日もミキはかわいいの、あはっ」

春香「なるほどなー、そういう返し方もあったのかー、やるじゃーん」

春香「まあ二人でバカやってないでそろそろ入ろうよ」

美希「事の発端はまず間違いなく春香だと思うの、ミキを一緒にしないでほしいな」

春香「そんな細かい事は気にせずに!時間が勿体ないから早く行こうよ美希っ!」

美希「・・・うん、そうだね」

カンペ『というかそんな大声で騒いでいたらバレるんじゃないですか?』

美希「あっ・・・確かにそうなの、雪歩きっと気付いてるよね」

春香「雪歩のことだからきっとイタズラしようと待ち構えてるに違いないね!」

美希「どう考えてもそれは雪歩のキャラじゃないの」

春香「よーし、そうとなれば先手必勝、勢いよく扉を開けて逆に驚かせてやろうぜ!」

美希「全然話聞いてないの・・・っていうかそんなことしたら雪歩、ビックリして穴掘り出しかねないの」

春香「それじゃあいくぜっ、美希っ!」

美希「だから話を・・・あぁ、もうどうなっても知らないの」

ガチャ!!

春香「いやっほぉぉぉぉい!!ゆっきほぉー!」

美希「お邪魔します、なのー」

ハム蔵「ヂュ!」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「ねえ春香、これってハム蔵だよね?」

春香「うん、ハム蔵だね・・・別に春香さんが声マネしたわけじゃないよ?」

美希「春香が何を言っているのかミキにはよく分からないの」

響「はいさい二人とも、楽屋前で騒がないでほしいぞ」

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「えっと、響ちゃんだよね?」

響「そうだぞ、自分我那覇響だぞ」

美希「あれ・・・えっと・・・あれれ?」

春香「・・・あるぇー?」

響「二人とも、一体こんな所で何してるんだ?」

春香「いや、響ちゃんこそ何でいるの?」

響「随分な言い草だなー・・・何でって、ここ自分の楽屋だぞ」

美希「あっ、春香・・・表に『我那覇 響さま』って書いてあるの」

春香「・・・」

美希「・・・」

響「えっ、何これ・・・ひょっとして『座談会』なの?・・・自分また拉致されちゃうのか?」

春香「間違えましたーっ!」

バタンッ

<ちょっと待てーっ!せめて事情を説明してからにしろーっ!

春香「・・・」

美希「・・・」

春香「いやぁ、私ってばついうっかり間違えちゃった、ドジだなぁ」テヘペロ

美希「ありえないの・・・なんかもう色んな意味でありえないの」

春香「この春香さんとした事が、こんな下らないミスをしてしまうなんてねー」カメラメセン

美希「・・・春香、ワザと間違えたでしょ?」

春香「そ、そそそそそんなわけないじゃんか、あっははーっ!」

美希「うわぁ・・・分かりやすいくらいキョドってるの」

春香「そ、そんな事あるはずがないですし!」

美希「動揺しすぎて口調がおかしくなってるの、これはもう確実にワザとなの」

春香「申し訳ない・・・つい出来心で」

美希「とりあえず春香、響にゴメンナサイってしておこうね?」

春香「響ちゃんスイマセンでしたぁーっ!」

<全部聞こえてるぞーっ!せめて入って来てから言えーっ!

春香「はい、改めて今度こそちゃんと雪歩の楽屋前です!」

美希「今度は間違いないの、ちゃんと『荻原 雪歩さま』って書いてるし」

春香「まあ苗字は間違ってますけどね、それじゃあ入ろうぜっ!」

ガチャ

春香「ゆっきほぉぉー!お邪魔しまーっす!!」

美希「雪歩、今度こそ迎えにきたのー」

シーン...

春香「あれ、いない・・・?」

カンペ『萩原さんなら一足先にスタジオ入りしてますが?』

春香「・・・」

美希「・・・」

はるみき「「先に言えよっ!なのっ!」」

美希「ええっと・・・雪歩はもうスタジオ入りしてるの?」

カンペ『はい』

春香「いつですか?」

カンペ『お二人がスタジオを出るのと入れ違いですね』

美希「それってもう結構前だよね?」

春香「そうだね、もう結構時間経ってるね」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「スタッフさん、ちょっとそこに正座するの」

春香「お仕置きしてやるっ!そこに跪きなさいっ!」

美希「っていうか知ってたんなら何で黙ってたの?普通は言うよね?」

カンペ『その方が面白そうだったので』

春香「はい出たよいつものノリ!楽屋入る前に盛り上がってた私たちバカみたいじゃないですか!」

美希「まったくなの、春香のおかげでミキまで恥かいちゃったの」

春香「ちょっと待てーい!今回は春香さん関係ないやろっ!」

美希「あっ、ごめん、何となくいつものノリで」

春香「星井さんよぅ・・・そいつぁちょっとひどすぎやしませんか」

美希「でもさ、という事は雪歩は今スタジオに一人でいるってこと?」

春香「いざ意気込んでスタジオ入りしたものの誰もいなくて一人ぼっち・・・もしそんな状況になろうものなら」

美希「うわぁ・・・雪歩、きっと落ち込んでるに違いないの」

雪歩「は、萩原雪歩です、今日は春香ちゃんと美希ちゃんの番組に呼ばれて来たんですが・・・」

ポツーン...

雪歩「何で私は今一人ぼっちなんでしょうか・・・」ズーン

シーン...

雪歩「うぅ・・・二人の番組だからって張り切って早めにスタジオ来たのに何でこんな事に・・・」

カンペ『萩原さん、落ち着いてください』

雪歩「す、すみませんスタッフさん・・・私ってばこんなことですぐに取り乱しちゃって」

カンペ『気にしないでください』

雪歩「わ、私がもっとしっかりしていればちゃんと場を繋ぐことも出来るのに・・・」

カンペ『大丈夫です、大丈夫ですから』

雪歩「うぅ・・・ぐすっ、優しいんですね・・・あっ、そうだお茶でもどうですか?」

カンペ『いえ、お気持ちだけで・・・』

雪歩「そ、そうですよね・・・私ってば、やる気が空回りする上に空気まで読めないなんて」

カンペ『萩原さん、どうか落ち着いてください』

雪歩「こ、こんな何一つ満足に出来ないダメダメな私は穴掘って」

ガチャ

春香「ゆっきほぉぉーっ!一人にさせてゴメンねぇぇぇっ!」

雪歩「ふぇっ、は、春香ちゃん?」

美希「ちょっと春香、そんな急に走ったら危ないのーっ」

春香「この私が来たからにはもう安心だよ、さあ一緒に番組頑張ろ・・・う、うわぁっ!?」

ドンガラガッシャーン

雪歩「・・・」

美希「あっ、雪歩やっほー」

雪歩「うん、美希ちゃんお疲れさま」

美希「はーい、というわけで今日のゲストは雪歩なのーっ!」

雪歩「は、萩原雪歩です・・・精一杯頑張りますので、今日はよろしくお願いしますぅ」

美希「うーん・・・何だか堅いの」

雪歩「そ、そうかな・・・?」

美希「やっぱり緊張とかしてるの?」

雪歩「う、うん・・・そうかも、やっぱり初めての現場だしちょっと緊張してるかも」

春香「カッチカチやぞっ!」

美希「春香、うるさいの」

春香「すまぬ」

雪歩「・・・」

美希「別に他の現場ならともかく、ここでそんなに緊張する必要なんて無いって思うな」

雪歩「えっ・・・」

美希「だってここにはミキと春香しかいないんだもん、気を使う相手なんてどこにもいないよ?」

雪歩「でも、スタッフさんだっているし」

春香「大丈夫だよ、ここのスタッフさんは基本的にゆるいから」

雪歩「そ、そうなんだ・・・」

カンペ『我々のことならどうぞ気になさらずに、リラックスしてください』

雪歩「えっと・・・ありがとうございます」

美希「だからそんなに堅くならずに、ゆるーい感じでやっていこ?」

雪歩「う、うん・・・分かった、ありがとう美希ちゃん」

美希「それにミキ的にはその弱気な態度もどうかと思うの、普段ミキたちと接する時はそんなんじゃないよね?」

雪歩「うぅ・・・ご、ごめんね美希ちゃん、私ももう少し自信持てればなぁ、って思ってはいるんだけど」

美希「さっきも言ったけど相手はミキたちなんだから遠慮せずにもっとグイグイきてもいいんだよ?」

春香「そうだよ雪歩、もっと強気にいこうぜ!」

美希「なんなら春香をサンドバッグにするくらい強気でもいいの」

春香「そうそう!・・・なんですと?」

雪歩「ふえぇぇっ!?は、春香ちゃんを相手にそんなの出来ないよぅ」

美希「大丈夫なの、春香だったら多少はキツめに言ったって全然へこたれないの、ねっ?」

春香「せ、せやな!春香さんの心はこの番組のおかげで鍛えられてるからな!遠慮なくこいやっ!」

雪歩「へ、へぇー・・・そうなんだ、春香ちゃんすごいんだね・・・」

美希「さてと・・・それじゃあ今日は何しよっか?」

雪歩「あっ、皆に聞いたんだけどこの番組って具体的に何をするっていうプランは無いんだよね?」

美希「うん、ひょっとして雪歩、何かしたいことでもあるの?」

雪歩「ううん、特にないけど」

春香「ねえのかよっ!」

雪歩「・・・」

春香「大事なことでもないけどもう一回言うよ、ねえのかよっ!」

雪歩「ねえ美希ちゃん、この番組では春香ちゃんのキャラがすごいって言うのは本当だったんだね」

美希「春香・・・雪歩にはちょっと刺激が強いみたいだからちょっとだけ手加減してあげてくれるかな?」

春香「承知しました!」

美希「んー・・・それじゃあ、どうしよっかぁ」

春香「雪歩、本当に何もしたいこととかないの?」

雪歩「えっ・・・き、急にそんなこと言われても」

春香「・・・」

美希「・・・」

雪歩「う、うぅぅ・・・ごめんなさいぃ、やっぱり何も思いつかないですぅ」

美希「ま、まぁしょうがないの、そんな日もあるの」

雪歩「げ、ゲストなのに何一つまともなアイデアも出せないこんなダメダメな私は」

春香「どわぁぁぁっ!雪歩ストーップ、穴を掘るのは禁止だよーっ!」

雪歩「掘らせて!私なんて穴掘って埋まってた方が世の為人の為なんだよっ!」

春香「そうだ!だったらさ、お茶会とかどうよ?」

雪歩「お茶会?」

春香「うん、雪歩といったらさ、やっぱりお茶のイメージがあるじゃない?」

美希「確かにそうなの、雪歩の淹れてくれるお茶はすっごくおいしいの」

雪歩「あ、ありがとう・・・そう言ってもらえると嬉しいなぁ」

美希「雪歩ってば、事務所の給湯室に自分で用意したお茶っ葉を常備してるくらいの拘りだもんね」

雪歩「うん・・・私、お茶のことに関しては真剣だから」

春香「そんなわけでここは雪歩の趣味にちなんでお茶会なんて催してみては、と!」

美希「春香ってさ、アイデアだけは何気に結構良いの思いつくよね」

春香「だけって何さ、だけって!むっきぃー!」

春香「さぁ、というわけでゆきぴょん!お茶の用意だ!」

美希「あっ、そこは結局雪歩に投げちゃうんだ」

春香「そりゃねー、美希だって私よりかは雪歩の淹れてくれたお茶の方がいいでしょ?」

美希「うん、そりゃまぁそうだけど」

春香「やっぱり人には得手不得手があるわけだし、ここは雪歩に任せておくのが一番じゃないかと」

雪歩「いいよ二人とも、お茶のことなら私に任せておいてっ!」

美希「分かったの、それじゃあ雪歩、お願いね?」

雪歩「分かった、おいしいお茶用意するから期待して待っててね?」

タッタッタッタッタ

春香「雪歩、いい子だねぇ」

美希「まったくなの」

雪歩「わぁー!二人ともすごいよぉー!」

春香「どうしたの雪歩?」

雪歩「ここに用意されてる茶葉、私が事務所に常備しているのと全く同じだよ!」

美希「あぁー、そういえばこの事務所のセット、再現度にすごく拘ってるんだったね」

春香「それにしたって雪歩のお茶っ葉の種類まで・・・そこまで再現しますか、すごいなぁ」

カンペ『どやぁ』

春香「スタッフさんのどや顔がなんかムカつく!」

雪歩「でも嬉しいですぅ、スタッフさんありがとうございます!」

春香「雪歩、すっごいイキイキしてるねー」

美希「お茶のことになるとホントにすごいの、でも楽しそうでよかったの」




カンペ『そんなこんなでお茶会スタート、続きはCMのあと!』


とりあえずここまで、短くてすみません

投下します

春香「今回はお茶会ですよ!お茶会!」

雪歩「お茶の用意、できましたぁ」

美希「日本茶と言えばやっぱりお茶請けには和菓子しかないの」

春香「んっふっふー、こんな事もあろうかと小鳥さんの引き出しにお菓子を補充済みですよ!」

ガラッ

美希「おーっ・・・小鳥の引き出しに色んな和菓子が入ってるの」

春香「今回のお菓子は全て、前回の屋外ロケの時に立ち寄った和菓子屋さんで購入させていただきました」

美希「すごいのー、色々あってどれもおいしそうなのー、春香グッジョブ!」

春香「ふふん、どやぁ」

雪歩「えっと・・・あの、ちょっといいかな?」

春香「なんだい雪歩ちゃん」

雪歩「すごく素朴な疑問なんだけど」

春香「うん、だからなんだいゆきぴょん!」

雪歩「えっと・・・何で小鳥さんの机の引き出しに当然のようにお菓子が入ってるの・・・?」

春香「・・・」

美希「・・・」

雪歩「・・・」

春香「そういえば何でだっけ?」

美希「さぁ・・・何でなんだろうね」

雪歩「えっ・・・二人とも知らないんだ」

美希「そうだよね、それが普通の反応だよね、ミキたちちょっと慣れすぎてて感覚がマヒしてたの」

春香「・・・」ズズズッ

美希「・・・」ズズズッ

雪歩「・・・」ズズズッ

春香「はぁー・・・」

美希「・・・春香、なんだか年寄りくさいの」

春香「うるせいやい、しょうがないよ日本人だもん・・・日本茶飲んだらこうなっちゃうよ」

美希「それにしてもやっぱり雪歩の淹れてくれたお茶はおいしいの」

春香「そうだねぇー、なんというか、ホッする味だよね」

カンペ『スタッフにも淹れてくださってありがとうございます、美味しく頂いております』

雪歩「えへへ、ありがとう・・・そう言ってもらえると私も嬉しいな」

春香「二人とも、お菓子食べる?」

美希「うん、ちょうどお茶請けがほしいって思ってたところなの」

雪歩「それじゃあ私も頂いちゃおうかな」

春香「それじゃあまずは美希、何が食べたい?」

美希「んー・・・それじゃあミキはどら焼きもらおうかな」

春香「はい、甘納豆どうぞ」

美希「ええと、どら焼きなの」

春香「はい、栗ようかんどうぞっ」

美希「・・・」

雪歩「・・・」

美希「・・・雪歩悪いんだけど、どら焼き取ってもらってもいいかな?」

雪歩「えっ?う、うん・・・お安い御用だよ」

春香「・・・最近美希が全然ツッコミ入れてくれなくなって春香さんちょっと寂しいですよーい」

雪歩「はい、美希ちゃんどうぞ」

美希「ありがとうなの」

春香「おーい、春香さんを無視しないでよー、泣いちゃうぞー?」

雪歩「あっ、春香ちゃんは何か食べたいのある?」

春香「それじゃあ・・・おはぎ貰おうかな」

雪歩「うん分かった・・・はい、どうぞ」

春香「ありがとう雪歩・・・雪歩は優しいなぁ、えへへ」

美希「おいしいね・・・」モグモグ

春香「そうだね・・・」モグモグ

雪歩「日本茶においしい和菓子・・・幸せだなぁ」ズズズッ

美希「・・・」

春香「・・・」

雪歩「・・・」

美希「ねえ、これってお茶飲んでお菓子食べてるだけだけど・・・TV的にオッケーなのかな?」

春香「どうだろう・・・いいのかな?」

雪歩「うぅぅ・・・や、やっぱり何か面白いお話とかした方がいいのかな?」

カンペ『これはこれで和む画なので全然問題はありませんが』

春香「うーん・・・でもやっぱりTV的にはあんまり面白くはないよねー」

美希「じゃあ何か適当にお話でもする?」

春香「そうだ、雪歩何か一発芸やってよ!」

美希「・・・」

雪歩「えぇぇぇっ!?わ、私がやるのっ!?」

春香「ほら、この間言ってたじゃん、とっておきのすんごいのがあるって」

美希「うわぁ・・・これはひどい無茶振りなの」

雪歩「は、春香ちゃん!?言ってないよ、私そんなの言ってないよぅ・・・」

春香「私見たいなー、雪歩のとっておきの一発芸、見たいなー?」

美希「えげつないの・・・雪歩相手にどんどんハードル上げていってるの」

春香「あっそれゆーきほっ!ゆーきほっ!」

雪歩「・・・」

春香「ゆーきほっ!ゆーきっ・・・あれ?」

雪歩「・・・ぐすっ、春香ちゃんひどいよぅ」

春香「・・・」

カンペ『あーあ、天海さん泣かしちゃった』

春香「あれー・・・雪歩ってこんなにすぐ泣くような子だったっけー?」

雪歩「うぅ・・・ぐすっ、どうして春香ちゃん・・・そんなにイジワル言うの・・・?」

美希「ほらー春香ぁ・・・雪歩のことイジメちゃダメなの、早く謝るの」

春香「すいませんでしたぁーっ!」

美希「ほら雪歩、春香もこう言ってるから許してあげて?ねっ?」

春香「お願いします、何でもしますからーっ!」

雪歩「本当に何でもしてくれる・・・?」

春香「するする!何でもしちゃう、春香さん雪歩さんの為に何でもしちゃうよー!」

雪歩「・・・やってくれたら」ボソッ

春香「ん、何だって?」

雪歩「春香ちゃんが代わりに一発芸やってくれたら許してあげる」ニコッ

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「まさかの無茶振り返しなの」

春香「っていうか雪歩、やけにあっさり泣きやんでるね」

美希「あれ、ひょっとして雪歩、ウソ泣き?」

雪歩「えへへっ、私って結構演技のお仕事とかしてるから、こういうのも出来ちゃったりするんだよ?」

春香「うわー・・・ゆきぴょん随分としたたかになったねー・・・春香さん脱帽だよ」

美希「雪歩の笑顔がなんだか恐いの」

雪歩「ところで春香ちゃん、一発芸はまだかな?」

春香「えっ、マジでやるの?」

雪歩「当たり前だよ、春香ちゃん何でもしてくれるって言ったじゃない」

春香「いや、確かに言いましたけど」

雪歩「私、春香ちゃんがこの間言ってたとっておきの一発芸が見てみたいなー」

春香「いや雪歩さん、春香さんはそんなこと一言も言ってはおりませぬが」

雪歩「またまたー、言ってたじゃん、すっごいの開発したって!」

春香「お、おおぅ・・・」

美希「雪歩の逆襲なの」

雪歩「春香ちゃん早くぅ!私、早く春香ちゃんの一発芸が見たいよっ!」ワクワク

春香「ちょっとミキミキぃ・・・助けておくれよう」

美希「自業自得なの、もう観念するの」

春香「そんな、あんまりだよ!見捨てないでよ!」

雪歩「はやくっ!はーやーくっ!春香ちゃん早くしてよーっ!」

春香「今後一切雪歩さんに無茶振りはしないでおこう・・・そう心に誓う春香さんであった」

美希「っていうか春香、これは笑いを取るチャンスなんだし、別にいいんじゃない?」

春香「分かってないなー美希、こういうのは春香さんのスタンスとはちょっと違うんだよ」

美希「そんなの得意げに言われてもミキ困るな・・・そんな事より早くやった方がいいよ?」

雪歩「・・・」ワクワク

春香「めっちゃ目ぇキラキラさせてこっち見てるよ」

美希「大丈夫、骨は拾ってあげるの」

春香「何だか数分前と比べて雪歩のキャラが一気に変わってしまった気がするよ」

美希「全部春香のせいなの、責任取って早く一発芸をするべきなの」

雪歩「ねえ春香ちゃんまだー?私、そろそろ待ちくたびれちゃったよぅ」

春香「よーし分かった、分かったよ!こうなったら腹くくってやろうじゃないですか!」

春香「見てろ、春香さんの生き様を!いくぞーっ!」

美希「それでは春香のとっておきの一発芸、どうぞなのっ!」

雪歩「3・2・1、はいっ!」

春香「きゃっぴぴぴぴーん!はっるはるるーん!天海春香ちゃんなりよぉー☆」

美希「・・・」

雪歩「・・・」

春香「・・・」

美希「えっ・・・何でよりにもよってそれなの?」

春香「私の持ちネタの中だと間違いなくこれが一番笑いの要素が高いと思ったからであります」

美希「いや、いくらなんでもそんなので雪歩が笑うわけが・・・」

雪歩「・・・ぷっ、くすくす・・・ふふっ!」

春香「あっ、笑った」

美希「えぇぇー・・・ウソー」

雪歩「春香ちゃん何それ・・・おかしいよ、全然似てないよ・・・ふふっ」

春香「何だかよく分からないけどウケたみたいだし、結果オーライじゃない?」

美希「うん、まぁこの場は収まったと思うけど・・・」

春香「けど?」

美希「今回の件でまた真くんに少なからず被害はいくと思うの」

春香「謝っておきます!」

美希「うん、そうしてあげて」

春香「いやひどい目に合いました」

美希「だから全部春香の自業自得だってミキ的には思うな」

春香「それにしたって雪歩がこんなにグイグイくるとは思っていなかったよ」

雪歩「えっ、だって二人共もっと強気に来ていいって言ってくれたし・・・」

春香「言うには言ったけど、まさかあのタイミングで来るとは思ってなかったよ」

雪歩「ご、ごめんなさい・・・私ってばタイミングの悪いダメダメな子で」

美希「あれ、元の弱気な雪歩に戻ってるの」

雪歩「ふ、二人が遠慮するなって言ってくれたのをいい事に調子に乗っちゃって・・・わ、私なんて」

春香「ちょっとストーップ!だから穴掘っちゃダメだって!」

雪歩「掘らせて!埋まらせて!私なんて穴掘って埋まってるのがお似合いなんですぅー!」

春香「そういえばさ、話は変わるんだけどさ」

美希「はいなの」

春香「二人はさ、お茶会と言えば何を連想する?」

美希「お茶会・・・?お茶会かぁ・・・うーん」

雪歩「そうだなぁ・・・うーん、これと言って何か浮かんでくるっていうのはないかなぁ」

春香「私はね、アレ!」

美希「・・・アレ?」

春香「不思議の国のアリス!」

美希「・・・あぁー」

雪歩「そういえば物語の途中でお茶会やってたよね」

春香「まあそんなわけでこの中で誰が一番アリスっぽいかと言えばこのわた」

美希「雪歩なの」

春香「このわた」

美希「だから雪歩だってば」

春香「この」

美希「しつこいの」ビシッ

春香「あうっ!・・・なんでだよぅ!なんでだよぅ!」ブンブン

美希「そんな風に腕振り回したって無駄なの、この中だったらダントツで雪歩なの」

雪歩「そ、そんなこと無いよぅ・・・私なんかより美希ちゃんの方が・・・」

春香「そこはお世辞でも春香さんって言うべきやろ!」

美希「ちなみに春香はどうして自分がアリスっぽいって思ったの?」

春香「かわいいから!春香さんかわいいから!」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「あのね、春香」

春香「うん」

美希「アリスっていう女の子はね、可愛くて、優しくて、素直で、礼儀正しくて、好奇心旺盛な女の子なの」

春香「はい」

美希「どこからどう見たって雪歩そのものなの」

春香「そうだね、雪歩そのものだね」

雪歩「そ、そんな美希ちゃん・・・私全然そんなんじゃ・・・あぅぅ」

美希「それにね、若干空想癖のあるちょっとアレな女の子でもあるの」

雪歩「・・・」

春香「ますます雪歩だね」

美希「あとはアリスのモデルになった女の子なんだけど、黒髪でおかっぱだったらしいの」

春香「これはもう確定的に明らかに雪歩=アリスじゃん!」

雪歩「・・・あの、二人とも?」

春香「というわけで雪歩のことをアリスって呼んでもいいでしょうか!」

美希「雪歩はアリスだったの!ビックリなの、驚愕の新事実なのっ!」

雪歩「えっ・・・?あの、えっと・・・はい?・・・んんっ?二人とも何言ってるの?」

中途半端ですがとりあえずここまで

投下します

春香「だったら私たちはイメージ的に何のキャラクターなんだろうね」

美希「うーん・・・不思議の国のキャラだと・・・何だろうね」

雪歩「あっ、美希ちゃんはアレじゃない?」

美希「どれ?」

雪歩「ネムリネズミ!」

美希「・・・ちなみに理由は何なの?」

雪歩「いつも眠そうにしてるから!」

美希「だと思ったの・・・雪歩、それはさすがに安直すぎるの」

春香「でも驚くほどに的を得てるよね」

美希「ぐぬぬ・・・何も言い返せないのが何だか無性に悔しいの」

美希「ふーん・・・雪歩にとってミキのイメージって『眠そう』だけだったんだ」

雪歩「え、えぇっ!?ち、違うよ・・・そういう意味で言ったわけじゃ」

美希「そっか、雪歩はミキのことそんな風に思ってたんだね」

雪歩「ち、違うよ美希ちゃん・・・違うんだよー」

美希「そんなわけでミキはネムリネズミさんらしくここで眠る事にするの・・・あふぅ」

雪歩「ちょ、ちょっと美希ちゃんダメだよぅ、本番中なのに寝ちゃったりなんかしたら」

美希「Zzzz...」

春香「もう寝付いちゃったの!?相変わらず早いなぁ・・・」

雪歩「ちょっと美希ちゃん、起きてよー・・・起きてってばぁ」ユサユサ

美希「Zzzz...」

雪歩「美希ちゃーん・・・起きてよぅ、起きてよぅ」ユッサユッサ

春香「あの雪歩さんや・・・ちょっと揺すりすぎじゃ」

雪歩「お願いだよ美希ちゃん!お願いだから起きてってばぁ」ユサユサ

美希「んんっ・・・雪歩、一体何なの・・・」

雪歩「美希ちゃぁん・・・美希ちゃぁん!」ユサユサ

美希「あわわわっ・・・ゆ、雪歩?何やってるの?」

春香「おーい雪歩さんや、美希もう起きてるよー」

雪歩「うぅぅ・・・!私のせいで美希ちゃんが本番中に寝ちゃったよぅ・・・何とか起こさないと!」ユッサユッサ

春香「おおぅ・・・ミキミキがめっちゃシェイクされてるよ・・・アホ毛がすっごい揺れてるよ」

美希「ゆぅぅきぃほぉぉぉ・・・ミキ、もうおきてるってばぁぁぁ」

美希「ひどいめにあったの」グデーン

雪歩「ご、ごごごごめんなさい!私、美希ちゃんが起きてる事に全然気付かなくて!」

美希「いや、うん・・・まぁ寝ちゃったミキも悪いんだけどさ」

春香「それにしても今日の雪歩はなんていうか・・・ちょっとストッパーが壊れ気味だね」

美希「ミキもちょっとからかうだけのつもりだったのに、まさかここまでされるとは思ってなかったの」

雪歩「ご、ごめんね・・・こんな自制の効かないダメダメな私は」

春香「もういいから!もうこの流れはもういいから!」

雪歩「ひぃぃん!どこまでもワンパターンなこんなダメダメな私は」

春香「だから掘らなくていいから!全てのネガティブ思考をそこに結び付けなくていいから!」

美希「いやぁーん!雪歩がシャベル持ち出しちゃったのー!スタッフさんも止めてーっ!」

春香「大変お見苦しい映像をお見せしてしまい申し訳ございませんでした」

美希「ごめんなさいなの」

雪歩「はうぅぅ・・・も、申し訳ございませんでしたぁ」

春香「それにしてもいつ見ても驚きだよね、本当に床にシャベルが突き刺さっちゃったよ」

美希「まあセットの床に穴が出来なかっただけマシなの」

雪歩「うぅぅ・・・スタッフさんすみません」

カンペ『気になさらずに・・・』

春香「でもさ、雪歩なんであんなシャベルでコンクリートの床とか掘れるの?念使いか何か?」

雪歩「念使い・・・?えっと、春香ちゃんが何言ってるのかよく分からないんだけど」

春香「うんごめん、流してくれていいよ」

美希「話は戻るんだけどさ」

春香「うん」

美希「春香は三月ウサギって感じなの」

春香「・・・うん、唐突過ぎてちょっとついていけませんよ春香さんは」

雪歩「美希ちゃんがネムリネズミなら春香ちゃんは何のキャラかなぁ、ってこと?」

美希「そういうことなの」

春香「そういうことかー、私あんまり知らないんだけど、三月ウサギってどんなキャラ?」

美希「・・・」

春香「何だねミキミキその沈黙は」

美希「ミキから振っといて何だけど、春香は知らない方がいいかもしれないの」

春香「何だよー!そんな言い方されたら気になるじゃんよぉー!」

美希「ある意味春香にピッタリなキャラだとは思うけど、知らないならそれはそれでいいと思うの」

雪歩「確かにそうだね・・・知ったらきっと春香ちゃん、ショック受けちゃうだろうし」

春香「二人がそういうこと言ってる時点で普通のキャラじゃないっていうのはよく分かったよ、うん」

美希「そういうわけで春香は不思議の国のキャラなら三月ウサギ、はい以上っ」

春香「ちょっと待てぇい、ここまで来て何も知らずに終わるってのは春香さん納得できんよ!」

美希「えー・・・どうしても知りたいの?」

雪歩「知ったらきっと後悔しちゃうよ?」

春香「それでも、ここまで来て引き下がるなんざ出来ねえよ!春香さんの男が廃るってもんさぁ!」

美希「うん、ミキはツッコまないからね?」

美希「というわけでスタッフさん、説明お願いなの」

カンペ『三月ウサギ、一言で言うと気が狂ってると評されるウサギ』

春香「・・・」

カンペ『お茶会に参加したアリスに有りもしないワインを勧めたり、他人の話によく茶々を入れる』

春香「・・・」

カンペ『まだ一杯もお茶を飲んでいないアリスに『もっと飲みなよ』などと勧める等、おかしな言動が目立つ』

春香「・・・美希、雪歩」

美希「はいなのっ」

雪歩「はい」

春香「正座」

春香「ちょっとひどくない?のっけからいきなり気が狂ってるって何よ?」

美希「まぁ、でも不思議の国のキャラは大体アリス以外全員おかしいし・・・ね?」

雪歩「そうだね・・・まあ多少の差はあれ、どのキャラもちょっとズレてるもんね」

春香「いやいやいや、そんなフォローいいから」

カンペ『ちなみに某映画版ではアリスがお茶を飲もうとすると逐一カップを遠ざける描写もあります』

春香「何でそこで追加説明入れるんですかっ!益々おかしいキャラに磨きが掛かってるじゃん!」

カンペ『またお茶会の最後にはネムリネズミを無理やりティーポットに詰める場面があります』

美希「ちょっと春香ヒドイの!ミキのことそんな風に扱うだなんてあんまりなの!」

雪歩「春香ちゃん・・・ミキちゃんにそんなことするなんてひどいよぅ」

春香「おおぅ、これは予想もしない反撃もらいましたよ、ひどい冤罪を春香さんは目の当たりにした」

春香「何だよ二人してひどいよ!うわぁぁん!」

美希「まぁまぁ春香、落ち着くの」

雪歩「そうだよ春香ちゃん、大声出しちゃみっともないよ」

春香「誰のせいだと思ってるんだよこのバカちんがっ!リボンぶつけんぞっ!」

美希「やーん、春香がヘソ曲げちゃったのー」

春香「春香さんもう怒ったもんね、グレてやる・・・番組なんてボイコットしてやる!」

雪歩「はぅぅ・・・ど、どうしよ春香ちゃんが怒っちゃったよぅ」

春香「春香さんもうあれだよ!げきおこスティックファイナリアリちぃ・・・あぅ」

美希「あっ、噛んだの」

雪歩「噛んだね」

春香「つーん」

美希「はーるかっ?」

春香「ふんだっ」

雪歩「あっ、春香ちゃん・・・私の栗ようかん半分食べる?」

春香「・・・食べる」

雪歩「はい、あーんして?」

春香「あーん・・・むぐむぐ」

雪歩「おいしい?」

春香「・・・うん、おいしいね」

雪歩「ふふっ、よかったぁ」

美希「ねえねえ春香、ミキのどら焼きも食べる?」

春香「・・・食べる」

美希「それじゃあ、あーんするの」

春香「あーん・・・もぐもぐ・・・うん、おいしい」

美希「えへへっ、よかったの」

雪歩「春香ちゃん、お茶のお代わりどう?」

春香「もらおうかな」

コポコポコポーッ...

春香「・・・」ズズズッ

雪歩「どう?このお茶、今食べてるお菓子に合ってるかな?」

春香「うん、すっごく合う、雪歩さすがだね」

雪歩「ねえ春香ちゃん、金平糖食べる?」

春香「うん」

雪歩「はい、それじゃあどうぞっ」

春香「・・・」ポリポリ

雪歩「どうかな?どうかな?」

春香「うん、そりゃまぁ、おいしいですけど」

美希「雪歩、ミキももらっていい?」

雪歩「うん、どうぞっ、皆で食べよっか」

美希「金平糖って久しぶりに食べたけど、結構おいしいね」ポリポリ

雪歩「うん、それに見た目も小粒で何だかかわいいよね」ポリポリ

春香「あのですね、お二人とも」

美希「はいなの」

雪歩「どうしたの、春香ちゃん?」

春香「春香さん・・・別にそこまで怒ってないから、もう大丈夫ですよ?」

雪歩「そっか」

美希「ならよかったの」

春香「・・・お菓子、おいしいね」

美希「うん」

雪歩「おいしいね」

春香「えへへぇ・・・おいしいね、うん・・・すっごくおいしい」

美希「そんなわけでお茶会もこの辺りで切り上げて、視聴者プレゼントのコーナーなのっ」

春香「うーん・・・今回は何にしましょうかねー」

雪歩「えっとさ・・・視聴者さんへのプレゼントって二人で決めてるんだよね?」

春香「うん、ここ最近はそんな感じかな」

美希「なになに雪歩、何か良い案でもあるの?」

雪歩「ううん、特にないんだけど」

春香「ずこーっ」

ドンガラガッシャーン

春香「自分からネタ振っといて無えのかよっ!」

美希「・・・」

雪歩「・・・」

美希「まあでも折角だし、ここは雪歩に決めてもらおうかな」

雪歩「え、えぇぇっ!?私が決めるの・・・?」

カンペ『萩原さん、お願いしまーす』

雪歩「うーん・・・」

美希「・・・」

雪歩「んんっ・・・」

春香「・・・」

雪歩「ご、ごめんなさい全然思いつかないですぅ・・・こ、こんなダメダメな私は」

春香「もうこの流れ、ええっちゅうねん!」

美希「だからシャベル持ち出しちゃ・・・いやーん!さっきより床に深くめり込んじゃったのぉぉぉ!」

春香「いいかねゆきぴょんや、こういうのは別に何だっていいんだよ」

美希「そうなの、あんまり深く考えない方がいいって思うな」

雪歩「んー・・・それじゃあ・・・あっ!」

美希「なに?何か思いついた?」

雪歩「それじゃあ私たちが今飲んでるこの茶に使ってる茶葉をプレゼントしよっかな」

春香「お茶っ葉かぁ、いかにも雪歩らしくていいんじゃないかな?」

雪歩「これね、実は私が和菓子に合うように即席でブレンドした特製の茶葉なんだ」

美希「えっ、そうだったんだー!雪歩、ホントにお茶のことに関してはスゴイんだねー」

雪歩「そ、そんな事はないけど・・・こんなのくらいしか私には思いつかなかったし」

春香「十分だよ、きっと視聴者さんも喜んでくれるって!それじゃあご応募お待ちしてまーっす!」

春香「そんなこんなで番組もそろそろ終わりの時間が近づいてきましたよー」

雪歩「あっ、もうそんな時間なんだぁ」

美希「雪歩、ミキたちの番組に遊びに来た感想とか、よかったら聞かせてほしいの」

雪歩「う、うん・・・楽しかったよ、ありきたりな感想になっちゃうけどさ」

春香「全然いいよ、私たちにとっちゃその『楽しい』が一番の褒め言葉になるしさ」

美希「そうなの、まあ雪歩最初の方はガチガチに緊張してたし、どうなることかと思ったけど」

雪歩「でも二人が遠慮しなくていいって言ってくれたおかげで、少しはリラックス出来たんだよ」

春香「まあその結果があの春香さんへの無茶振り返しという事態に繋がったわけですが」

雪歩「ご、ごめんなさいぃ・・・私ってばつい調子に乗っちゃって」

美希「あれはあれで雪歩の珍しい一面が見れてよかったって思うの、気にしなくていいよ?」

美希「それじゃあ今日もこの辺で〆るのっ!」

雪歩「お相手は、好きなお茶は玉露の萩原雪歩と」

美希「好きなお茶はキャラメルマキアートの星井美希と」

春香「好きなお茶は苦丁茶の天海春香が・・・あの、この苦丁茶って何ですか?」

雪歩「すっごく苦いお茶だよ」

春香「あっ・・・そうなんだ・・・ふーん」

シーン...

春香「えっ何この春香さんがスベったみたいな空気は?」

美希「な、なんだか春香がいたたまれないからもう無理やり〆ちゃうの!」


はるみきゆき「「「それじゃあ、ばいばーいっ!」」」




春香「何だよこの中途半端な感じ!こんなのタダのスベリ損だよ、ひどいよあんまりだよ!」

とりあえずここまで

真編・・・どうしようかなぁ

投下します

伊織「テレビの前の皆さん、水瀬伊織ちゃんでーす♪」

カンペ『いおりーん!』

伊織「今日は私が『座談会』のゲストということでお呼ばれしてるんだけど』

カンペ『待ってましたーっ!』

伊織「ただお邪魔するだけじゃ面白くないから番組の前にちょっとした趣向を」

カンペ『いおりんマジテレビ的発想分かってるぅー!』

伊織「さっきからカンペが逐一鬱陶しいのよっ!黙って聞いてなさいっ!」

カンペ『申し訳ございませんでした!』

伊織「ということで私は今二人の楽屋前に来てまーす、前回やった突撃楽屋訪問の逆パターンね」

カンペ『今回はゲストが逆にメインの二人の楽屋に突撃するパターンです』

伊織「二人には前もって嘘の収録開始時間を伝えてあるわ」

カンペ『スタッフもグルになってまーす、いえーいっ』

伊織「つまり中にいる二人は今まったくの無防備ということ」

カンペ『そこを突然入ってきた水瀬さんが驚かせるという段取りですっ!』

伊織「そういうこと・・・なんだけど、だからさっきからでしゃばり過ぎなのよ!」

カンペ『すいません・・・水瀬さんとお仕事出来るのが嬉しくて』

伊織「そ、そう・・・ひょっとして私のファンだったりするわけ?」

カンペ『イエス、サー!』

伊織「そういうこと・・・なら許してあげるわ、せいぜい私の邪魔だけはしないことね」

カンペ『いおりんマジ天使!』

伊織「それじゃあ入るわよ、あんまり楽屋前で騒いでたらバレちゃうし」

カンペ『それではいきまーす、3・2・1、ゴーっ!』

ガチャ

伊織「お邪魔しまーす」

響「はいさい伊織、だから楽屋の前で騒がないで欲しいぞ」

伊織「・・・」

響「・・・」

キィィィ バタン

伊織「さっ、それでは気を取り直して二人の楽屋へ参りましょう」

<待てーっ!せめて一言くらい声かけてけーっ!

伊織「っていうかこのネタ前回もやったでしょうが!ワンパターンなのよっ!」

<この間といい今日といい一体何がしたいんだお前らはーっ!いい加減にしろーっ!

伊織「さぁ、そんなこんなで今度こそ二人の楽屋前よ」

カンペ『それでは改めて、3・2・1、ゴーっ!』

ガチャ

伊織「春香、美希!感謝しなさい、この伊織ちゃんが迎えに来てあげたわよっ!」

うさぎ「・・・」

伊織「!?」ビクッ

うさぎ「・・・」

伊織「な、何よこれ・・・うさぎの着ぐるみ・・・よね?」

うさぎ「やあ、いおりんっ!」

伊織「・・・」

うさぎ「・・・」

伊織「・・・春香、何やってるの?」

うさぎ「な、何を言ってるんだよ!私は春香さんじゃないよバカ言ってんじゃないよ!」

伊織「その両耳に付けてるリボンが何よりの証でしょうが!そんなリボン付けるのあんたくらいよ!」

うさぎ「うぐっ、しまった・・・思わぬところに落とし穴がっ」

伊織「これ以上ないくらいの自己アピールじゃない、見破ってくださいって言ってるようなものよ」

うさぎ「んっふっふー、この春香さんの変装を見破るとは中々やるではないか、いおりんよ・・・」

グッ... グググッ

うさぎ「あれ、おかしいな・・・あれれっ?」

伊織「・・・何やってるの?」

うさぎ「被り物が取れなくて・・・どこかで引っかかっちゃってるのかな・・・ふんっ!」

伊織「・・・」

うさぎ「ふぉぉぉっ!なんっで、取れへんのやぁぁっ!」

伊織「・・・」

うさぎ「ふんっぬ・・・っ!ちょ、取れないよぉー・・・な、なんでぇぇ」

伊織「もうしょうがないわねぇ、私が取ってあげるから」

うさぎ「ゴメン、お願いします」

伊織「ほんっとに何やってんのよアンタは・・・んしょ、っと・・・中々取れないわね」

うさぎ「ちょっと痛い痛いっ!あんまり強く引っ張らないでってば!」

伊織「文句言ってんじゃないわよ!あぁもう暴れないで、取れないでしょうが!」

カポッ

春香「ふぅ・・・いやぁ焦った焦った、どうなる事かと思ったよ」

伊織「まったくもう、バカなことばっかりして」

春香「いやぁ助かったよ、伊織ありがとね」

伊織「・・・で、何で春香はそんな格好しているわけ?」

春香「あー・・・そろそろ伊織が来る頃かと思ってね」

伊織「そう、そうなの・・・ん?」

春香「ん?」

伊織「あんた、私が来る事知ってたの?」

春香「もち!」

伊織「なるほど・・・つまりこれは逆ドッキリだったってわけね、まんまとしてやられたわ」

春香「まあそういうことになるね!ふふん、どうだ伊織まいったか!」

伊織「たかだか身内相手の逆ドッキリのためにそこまでやるあんたに脱帽よ」

伊織「それにしても何でうさぎの着ぐるみなわけ?」

春香「ほら、伊織ってさ、いっつもウサギのぬいぐるみ持ち歩いてんじゃん?」

伊織「ええ、そうね」

春香「そんな伊織の目の前に人間サイズのウサギが急に現れたりしたらさ、どうなるよ?」

伊織「どうなるっていうのよ」

春香「『わっ、私のうさちゃんが大きくなっちゃった!』・・・みたいな反応するんじゃないかと思って」

伊織「・・・」

春香「・・・」

伊織「ふう、今日は良い天気ね」

春香「外は曇天だよ、そうかツッコミすらくれないってことですね」

伊織「ところで美希はいないの?」

春香「あー、美希はまだ収録まで時間あるから飲み物買いに行ってるよ」

伊織「相変わらずマイペースな子ね・・・ということは美希は私が来るっていうこと知らなかったの?」

春香「うん、知ってたのは私だけだよ、春香さんだけが知ってる裏情報だよ」

伊織「ふーん、そうなんだ」

春香「そろそろ戻ってくる頃だと思うんだけどなー」

伊織「さすがの美希もこの光景を見たらきっと驚くでしょうね」

春香「そうだね、楽屋戻ってきたら目の前に伊織!なんて状況だもんね」

伊織「いや、あんたの格好だっての」

春香「え、えぇぇっ!?そんなアホな事がありますかいなっ!」

春香「まあでも折角だし、美希も驚かせてやろうかなっ!」

スチャ

伊織「・・・」

うさぎ「・・・」

伊織「春香、何でまたそれ被ったの?」

うさぎ「えっ、だってそりゃこの方が見たらきっと驚くでしょ!」

伊織「まあ確かにインパクトはあるけど・・・あんたそれ、ちゃんと取れるんでしょうね?」

うさぎ「もちろんだよ!そうそう同じ目に合う春香さんじゃ・・・」

グッ...グッグググッ...

うさぎ「あれ、あれれ・・・おかしいな」

伊織「・・・」

うさぎ「取れないや」テヘペロ

うさぎ「ふんっ!ふんっ・・・!ダメだ・・・いおりんこりゃ無理だよ」

伊織「はぁぁっ!?あんたバカなの?学習しないさよ!」

うさぎ「ね、ねえ伊織・・・もっかい取ってくれない?」

伊織「もうほんっとにしょうがないわね・・・いくわよ、せーのっ!」

うさぎ「いたたたっ!だから伊織、そんなに強く引っ張らないでってば・・・!」

伊織「そんなこと言ったってこれ、さっきよりキツくて全然取れないじゃないの!」

ガチャ

美希「ただいまなのーっ、そろそろ時間だしスタジオ行こっ・・・か」

うさぎ「いでででっ・・・伊織、だからもうちょっと優しく・・・」

伊織「うるさいわねえ、自分じゃ取れないくせに文句言ってんじゃないわよ」

美希「・・・」

美希「えーと・・・ミキの目の前では一体何が起こっているの?」

伊織「ふんっぬ・・・!ぐぅっ、取れないっ・・・!ちょっとこれどうなってんのよ!」

うさぎ「いたたたたっ、ちょ伊織・・・あたま取れる!」

伊織「何でこんなに引っ張っても取れないのよ、あんた頭どんだけ大きいのよ!」

うさぎ「ちょっと伊織っ!それはさすがに失礼でしょ!」

美希「・・・カオスなの」

うさぎ「ちょ、だから痛いってば・・・あっ、お帰り美希!」

伊織「あら美希、帰ってたの」

美希「えっと、その声は春香・・・だよね?あと何でデコちゃんがいるの?」

伊織「まあその反応は当然よね、あとデコちゃん言うな」

春香「いやぁ、なんとか取れたね・・・焦った焦った」

美希「二人がかりでようやくなの」

伊織「もうこんなの二度とゴメンよ」

春香「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」

美希「それはそうと何でデコちゃんがここにいるの?」

伊織「それはまぁ、当然の疑問よね・・・あとデコちゃん言うなっての」

カンペ『かくかくしかじか、というわけです』

美希「ふーん、そっかぁ、そういうことだったんだ」

伊織「まさかドッキリを仕掛けるつもりが逆ドッキリだったとはね」

美希「あはっ、デコちゃんってばまんまと騙されてるの」

伊織「まさかこの伊織ちゃんともあろう者が不覚を取ったわ」

春香「ふふん、どうだ伊織まいったか!」

伊織「威張るな!結果的にはどっちの目論見も失敗に終わってるでしょうが」

美希「でもどうせ着るなら春香はパンダの着ぐるみの方がよかったって思うな」

伊織「あぁ、そういえばいつぞやのライブでそんなの着てたわね」

春香「パンダの着ぐるみかー、随分と懐かしいなぁー」

伊織「何の因果か、皆で動物の格好してライブだなんて、とんだイロモノ扱いよ」

美希「そうかな?ミキはあれはあれで楽しかったけどな」

伊織「ま、まぁ私も楽しくなかったって言えば嘘にはなるけれど・・・」

美希「春香、あの時着てたパンダすっごく似合ってたの、どうせ着るならあっちの方がよかったのに」

春香「いやぁ、それでも良かったんだけどね、私ってばあの格好すっごい評判良かったしね」

美希「うん、そうだね」

伊織「まあ、一番反響は大きかったわよね」

春香「そんなパンダ似合いすぎる春香さんがあれ着ちゃうとあまりの可愛さにね!もうね!」

美希「・・・」

伊織「・・・」

春香「あまりの可愛さに注目集めすぎちゃって二人が霞んじゃうんじゃないかって思ってさ」

伊織「美希、そろそろスタジオ行きましょうか」

美希「ラジャーなの」

春香「そんなの申し訳ないじゃん?二人に申し訳ないじゃん?」

美希「春香、ミキたちもう行くよー?」

春香「まあだからね、二人の影が薄くならないようにと思ってね、パンダは諦めたのよ!」

伊織「全然聞いちゃいないわね」

春香「春香さんはパンダを諦めた!もっかい言うよ?春香さんは已む無くパンダ諦めた!」

美希「はるかー、それじゃあ先に行ってるからねー?」

伊織「さっさと来なさいよー?」

ガチャ バタン

春香「まあそこで妥協してこのウサギの着ぐるみにしたわけですよ、春香さんなりの優しさですよ」

カンペ『天海さん、二人とももう出ていきましたけど』

春香「それでもこの春香さんの可愛さは抑え切れてないとは思うんですけどね!えへへっ!」

シーン...

春香「誰もいねえのかよっ!」バンッ

春香「ちょっと二人ともひどいじゃん!」

美希「あっ、春香」

伊織「ようやく出てきたわね」

春香「待ってよー!置いていかないでってばーっ!」

タッタッタッタッタ

伊織「ちょっと春香、局内を走り回っちゃダメでしょ!」

美希「っていうかそんな動きにくい格好で走ったりなんかしたら」

春香「うわぁっ!?・・・きゃぁっ!」

ドンガラガッシャーン 

美希「・・・」

伊織「・・・」

テロップ『お約束です』

テロップ『そんなこんなで舞台はなんちゃって765プロへと...』

春香「はーいというわけで第八回目の放送でーす」

美希「テレビの前のみんなー、星井美希なのっ」

春香「天海春香ちゃんでっす!」

美希「そしてそして本日のゲストっ」

伊織「テレビの前の皆さーん、水瀬伊織ちゃんでっす♪今日はよろしくお願いしまーす♪」

春香「伊織、もうそういう猫っかぶりはいいから」

伊織「・・・」

美希「そうなの、デコちゃんの本性なんてとっくの昔に知れ渡ってるんだし、もう今更って感じなの」

伊織「あんたら収録終わったら覚えてなさいよ」

美希「それにしても今日の春香すごいね、のっけからいきなりウサギの着ぐるみだなんて」

伊織「しかもまだ着てるし」

春香「着替えようと思ったらさ、スタッフさんに『時間押してるんで!』って言われて連れてこられたんだよ」

伊織「今更だけどそれすっごく動きにくいんじゃないの?」

春香「うん、かなり・・・オマケに暑いし蒸れるし、今すぐ脱ぎたいくらい」

美希「脱いじゃうの?もったいないなー・・・似合ってるのに」

春香「えっ、そう?似合ってるかな・・・」

美希「うん、すっごくカワイイと思うの・・・あんまりカワイすぎてミキ、悔しいな」

春香「そ、そうかそうか・・・ミキミキが嫉妬しちゃうレベルかぁ・・・じゃあもう少し着ていようかな」

美希(チョロいの)

伊織「でも私、結構番組見てる方だけど、今日の春香はいつもより随分飛ばしてるわね」

美希「そういえばそうだね、春香一体どうしちゃったの?」

春香「いや、だってさぁ・・・今日は伊織がいるんだよ?」

美希「そうだね、今日のゲストはデコちゃんなの」

春香「伊織がいるとなったらさ、これはもう遠慮なくボケ倒せるんじゃないかと思ってね!」

伊織「・・・ちょっと待ちなさい、あんた一体私のことどういう風に見ているわけ?」

春香「765プロ随一の本格派ツッコミ」

伊織「誰がツッコミよ!芸人キャラはあんただけで十分だっての!」

美希「そっかー・・・デコちゃんがいるんだったらミキもたまにはボケる側に回ってもいいかな?」

伊織「あんたもそこで乗ってこなくていいからっ!あといい加減デコちゃん言うな!」

美希「だってミキね、毎回毎回春香のハチャメチャっぷりに振り回されてるんだよ?」

伊織「そうね、まあ番組見てる限りは分かるわ」

美希「だからミキもね、たまにはボケたいの・・・ダメ?」

伊織「ダメに決まってんでしょうが」

美希「そんなのってないのっ!デコちゃんのデコっぱち!」

伊織「誰がデコっぱちよ!むっきぃー!」

春香「へへーん見たかミキミキぃ!いおりんは春香さん専属のツッコミなんやで!」

伊織「そんなの願い下げよ!誰がいつあんたのツッコミを担当するなんて言ったのよ!」

春香「そんないおりんあんまりや!一緒に頂点目指そうって」

伊織「言ってないっての!ちょ・・・何なのあんた達、グイグイ来すぎだっての」

伊織「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

美希「デコちゃん大丈夫?息切れしてるの」

伊織「だ、誰のせいだと思ってるのよ・・・」

春香「もう伊織ってばだらしないなー、こんなんじゃ番組最後までもたないよ?」

伊織「最後までこのペースでやらせる気!?さすがに無理よ!」

美希「大丈夫なの、デコちゃんならきっと出来るの」

春香「そうだよ、伊織ならきっと最後までツッコミ倒せるよ!」

美希「ミキたちも頑張ってボケ倒すから!」

春香「頑張ろうね、美希っ!」

伊織「何なのあんたらのその無駄な結束は!ってか人の役割をツッコミに限定するな!」

伊織「そういえば・・・」キョロキョロ

春香「伊織、どうしたの?さっきからあちこち見回して」

伊織「ちょっと探し物をね・・・あった」

スタスタスタ

美希「あっ、それ」

伊織「やよいがゲストの回に撮った写真、やっぱり焼き増してたのね」

美希「まあ、一応記念だからね」

カンペ『焼き増しして飾らせていただいております』

春香「いいよねー、私も一緒に写りたかったなー!」

美希「へへー、いいでしょー」

伊織「・・・」

伊織「やっぱりやよい可愛いわねー・・・はぁ」

美希「どうしたのデコちゃん、ため息なんかついて」

伊織「私ね、この回のプレゼント応募したのよ・・・一族総出、使える人脈全て使ってね」

春香「そ、そうなんだ・・・あれ、ただの噂だと思ってたよ」

美希「ホントのことだったんだ・・・」

伊織「でもね・・・」

春香「・・・」

伊織「当たらなかった・・・のよっ!」ギリィッ

美希「ひぃっ、デコちゃん・・・その顔はちょっとテレビに映しちゃダメだって思うの」

春香「おおぅ・・・いおりん顔こええよっ!」

伊織「でもこうして実物を間近で見れてよかったわ」

美希「そ、そう・・・それは何よりなの」

伊織「千早なんて、まだゲストで来てないものね?まだ見れてないのよね?」

春香「そうだね、千早ちゃんはまだ来ていないかな」

伊織「なら、私の方が先のこのやよいの笑顔を拝めたってことよね?ふふん、どうよ千早!」


――番組オンエアーと同時刻 事務所にて番組視聴中のPと千早―-

P「・・・」

千早「プロデューサー・・・」ゴゴゴゴ

P「な、何かな・・・?(落ち着いた口調が逆に恐いよ!)」

千早「早く、早く私にも出番をください・・・お願いします」

P「ぜ、善処するよ・・・(早くスケジュール調整しないと!)」」

伊織「それにしても・・・はぁー、やよい可愛いわぁ」

美希「ねえねえデコちゃん」

伊織「何よ?」

美希「さっきからやよいばっかり褒めてるけど、その写真にはミキと響も写ってるよ?」

伊織「はぁ?あんたらなんてやよいに比べたら何てことはないわよ」

美希「えっ・・・」

春香「うわ・・・伊織、結構すごいこと言うね」

伊織「まぁそれでもそこそこ可愛くは写ってるんじゃ・・・」

美希「・・・ぐすっ」

伊織「!?」

伊織「えっ、ちょっと美希・・・?」

美希「デコちゃん・・・今のはさすがのミキでも傷つくの」

伊織「いや、私ちゃんとフォローしようと」

春香「あーあ、いおりん泣かしちゃったー」

伊織「えっ、いや・・・ちょ」

美希「ミキ・・・そこはウソでもいいからデコちゃんにカワイイって言ってほしかったな」

伊織「だから私ちゃんとそう言おうとしたじゃないのよ・・・」

美希「ごめんねデコちゃ・・・ううん、水瀬さん」

伊織「水瀬さん!?何でいきなりそんな呼び方になるのよ!」

美希「だって水瀬さん・・・ミキのこと嫌いなんだよね?だからあんなこと・・・」

伊織「何でそうなるのよ、話が飛躍しすぎじゃない・・・」

美希「今まで嫌いな人にデコちゃんなんて言われてイヤだったよね」

伊織「だから私、そんなこと一言も・・・」

美希「ごめんね・・・ううん、ごめんなさい水瀬さん・・・ミキもうこれからは馴れ馴れしくしません」

伊織「ちょっと・・・何でそんな敬語になっちゃうのよ・・・」

春香「うわぁ、これすっごい居づらい空気・・・春香さんこの場から逃げ出したい」

伊織「・・・」

美希「・・・」

伊織「・・・ぐすっ、何よぉ・・・美希のバカぁ」

美希「!?」

伊織「私、一言も美希のこと嫌いだなんて・・・ぐすっ、言ってないのにぃ」

美希「ど、どうしよう春香・・・デコちゃん泣き出しちゃったの」

春香「ミキミキぃ・・・さすがにこれやりすぎだって」

美希「そ、そんな・・・ちょっとからかうだけのつもりだったのに」オロオロ

伊織「ぐすっ・・・美希のバカぁ・・・何よ何よぉ、人の話ちゃんと聞きなさいよぉ・・・」

美希「で、デコちゃん泣かないで」

伊織「うるさいわよっ!・・・泣いてなんかないんだから・・・っ」

美希「で、デコちゃんゴメンなのっ!」

伊織「ぐすっ、ぐすっ・・・へっ?」

美希「ちょっとデコちゃんをからかうだけのつもりだったの、まさかそんな泣き出すだなんて」

伊織「からかう、だけ・・・?」

美希「そうなの!ほんの出来心なの!」

伊織「じゃあ、さっきのは嘘だったの・・・?」

美希「そうなの、ウソなの!全部演技だったの!」

伊織「そう・・・全部演技・・・だったのね・・・この伊織ちゃんを騙ししてたってわけね」

美希「で、デコちゃん・・・?」

伊織「あんったらねぇ・・・!」

春香「あっ、これアカンやつや」

伊織「春香!美希!あんたら二人とも正座っ!」

春香「何で春香さんもやねんっ!関係ないやろー!」

伊織「あのね、悪戯にしたって限度ってもんがあるでしょうが!」

美希「うぅ・・・ごめんなさいなの」

伊織「あんなのタチが悪すぎるわよ!悪趣味すぎるわよ!」

春香「何で私まで怒られなきゃいけないのさぁ・・・とほほ」

伊織「・・・ほんとにビックリしたんだからぁ」

美希「えっ?」

伊織「ほんとに美希に嫌われちゃったんじゃないかって・・・ビックリしたんだからぁ・・・ぐすっ」

美希「・・・ゴメンね、デコちゃん?」ナデナデ

伊織「ふんっ・・・今回だけよ、許すのは・・・今度同じような事やったら絶対許さないんだから」

美希「もう絶対しないのっ、デコちゃん大好きなのーっ!」ガバッ

伊織「ちょ、何抱きついてきてんのよ・・・!鬱陶しいから離れなさいっ!」

美希「ヤなの、離れないの!デーコちゃーん!」

伊織「だからデコちゃん言うなっての!」

美希「じゃあさっきみたいに水瀬さんって呼ぼうか?」

伊織「そ、その呼び方は・・・なんかイヤ」

美希「それじゃあデコちゃんって呼んでもいい?」

伊織「し、しょうがないわね・・・今日だけは特別に許してあげるわ」

美希「ありがとうなのっ、デコちゃーん!」

伊織「だから離れなさいって言ってんでしょーが!暑苦しいっての!」

春香「・・・春香さんちょっと空気じゃね?よーし後半は目立つぞーっ!」




カンペ『いおりんマジ天使!番組は後半へ続きます!』


とりあえずここまで

そうか・・・三月ウサギ、アカンかったか・・・中々線引き難しいね

投下します

春香「・・・いおりんっ!」

伊織「何よ、背景に電流のエフェクトが走らんばかりの真剣な顔して」

春香「ちょっとまずい事になった」

伊織「い、一体どうしたっていうのよ」

美希「ひょっとして背中がかゆくなったとか?」

伊織「あんたねぇ・・・こんなに真面目な顔してるのよ?そんなバカなことがあるわけが」

春香「あっ、ミキミキ正解だよ、さっすがー」

伊織「・・・」

美希「えぇぇー・・・ミキ、適当に言っただけなのに」

春香「背中がかゆいんだよっ!汗で蒸れてかゆいんだよ!」

伊織「そりゃまぁ、そんな格好してれば当然よね」

春香「というわけで伊織、ちょっと背中掻いてよ」

伊織「はぁぁっ!?なんで私がそんなことしなきゃいけないのよ!」

春香「だって春香さん今は着ぐるみのせいで背中に手が回らないんだよ、自力じゃ届かないんだよ」

伊織「ったく・・・しょうがないわねぇ」

美希「何だかんだで文句言いつつもやってあげるデコちゃん優しいの」

伊織「う、うるさいわねっ!・・・えぇと、この辺りかしら?」

春香「はぅぅっ!?い、伊織・・・もうちょっと強めでお願い、それだとちょっとくすぐったいよ」

伊織「何変な声出してんのよっ!文句が多いわね・・・こんな感じ?」

春香「ち、違っ・・・ひゃぅん!だからくすぐったいよいおりん・・・っ!」

伊織「んなこと言ったって着ぐるみの上からじゃ、ちゃんと掻けるわけないでしょうが!」

春香「そこを何とか頼むよ君ぃ・・・」

伊織「ほんっとにもう・・・これくらいならどう?」

春香「ふぅぅっ!ち、違うよいおりん・・・そこ、じゃなくて・・・っ!あふぅんっ!」

伊織「ちょっと、だから変な声出すんじゃないわよ!ええと・・・これならどう?」

春香「はぁーんっ!」

伊織「・・・」

美希「・・・」

春香「何かねお二人、その沈黙は」

美希「むー・・・何だか怪しいの」

春香「あ、怪しいって何がだね!」

伊織「・・・あんた、本当に背中かゆいの?」

春香「な、ななな何をバカな!本当に決まってんじゃん!」

美希「何だかリアクションがワザとっぽいの」

春香「ぎくっ」

美希「・・・ぎくっ?」

伊織「また随分と分かりやすい反応するわね」

春香「そ、そんなわけないじゃん!別にいおりんとコントがやりたかっただけとか、そんなはず」

美希「・・・」

伊織「はい春香、そこに正座しなさい、今すぐに」

伊織「まったく・・・あんたは本当にさっきからバカなことばっかりして」

春香「すみません・・・春香さんの心が、身体がいおりんのツッコミを求めて止まないんです」

伊織「やめて!そんなので求められても嬉しくないわっ!」

美希「で、デコちゃん!」

伊織「何よ?」

美希「ミキも背中かゆいの!かいてっ!」

伊織「あんたは自分で出来るでしょうが!っていうか何であんたまで乗ってくるのよ!」

美希「だってミキもデコちゃんのツッコミ欲しいの!春香ばっかりズルイっ!」

伊織「対抗心燃やす所がおかしいでしょうが!私のツッコミに何を期待してるのよ!」

カンペ『水瀬さん!私たちにもツッコミください!』

伊織「スタッフまで!?だからあんた達・・・人を勝手にツッコミポジションに据えるんじゃないわよ!」

春香「またまたー、そんなこと言っちゃってー、本当はツッコミたくて仕方ないくせにー」

伊織「手が疼いてるって?そんなわけないでしょうが!禁断症状かっての!」

春香「はい春香さんツッコミ一ついただきましたー」

伊織「し、しまった・・・つい」

美希「あーっ、春香ズルイーっ!ミキも、ミキにもーっ!」ジタバタ

伊織「駄々っ子か!ツッコミ欲しがる駄々っ子なんて斬新すぎるわよ!」

美希「ミキももらったのー!デコちゃんありがとうーっ!」

カンペ『水瀬さん、私たちにも是非!』

伊織「だからもうあんた達さっきから何なのよっ!もうやだ・・・マジで疲れる・・・」

春香「へぇ、ミキミキもなかなかやるじゃんよー」

美希「ミキだっていっつも春香に振り回されてる訳じゃないの、このくらいどうってことないの」

春香「ふふん、でもいおりんの相方の座は渡さないよ!」

美希「ミキだって負けないの!デコちゃんの隣はミキの特等席なの!」

伊織「あんたら、私の意志を無視して何を勝手に争ってんのよ」

春香「いや、どっちが伊織の相方に相応しいかと思ってね」

美希「デコちゃんはミキと春香だったら、どっちの方がコンビやりやすい?」

伊織「どっちとも組まないわよ!お断りだっつうの!」

美希「そんなのってないの!ミキたちこんなにもデコちゃんラブなのに!このデコっぱち!」ペチッ

伊織「あいてっ、デコを叩くなっ!あと誰がデコっぱちよ!」

カンペ『水瀬さん、よろしければオレンジジュースをどうぞ』

伊織「あら、気が利くじゃない・・・勿論果汁は100%よね?」

カンペ『果肉100%となっております!』

伊織「果肉!?オレンジまるごとじゃないっ!」

カンペ『いえーいっ、スタッフもツッコミ一ついただきましたーっ』

春香「むむっ、スタッフさんやるなぁ」

美希「ミキたちも負けてはいられないのっ」

伊織「・・・」

はるみき「「どんどんボケるぞーっ!なのーっ!」」

伊織「お願いだからやめてちょうだい」

美希「デコちゃん!デコちゃん!」

伊織「今度は何よ」

美希「ミキがデコちゃんの為にオレンジジュースを作ってあげるの!」

伊織「そう、それはありがたいわね・・・ん、作る?」

美希「ちょっと待っててね!・・・ふんっ!」グググッ

伊織「・・・ねえ美希、何やってるの?」

美希「オレンジを絞って出来立てのジュースをデコちゃんに飲ませてあげようかなって」

伊織「あんたは圧搾機か何かなの!?そんなの出来るわけないでしょうが!」

美希「やったやったやったー!ツッコミもらっちゃったのー!」

伊織「・・・」

春香「伊織っ!伊織っ!いおりーんっ!」

伊織「うるさいわねぇ・・・次は何?」

春香「はい、オレンジジュースお待ちっ!」ゴトッ

伊織「・・・」

春香「・・・」

伊織「これ、何?」

春香「オレンジジュース!」

伊織「どこがよ!グラスに水注いでオレンジ丸ごと放り込んでるだけじゃない!」

春香「いえーい、春香さんもまたまたツッコミいただきやしたー」

伊織「・・・」

美希「デコちゃん!デコちゃん!」

伊織「・・・何?」

美希「はいっ、どうぞ!」

伊織「いやいやいや!どうぞってオレンジ丸ごと渡されても困るから!」

春香「いおりーん!」

伊織「あぁもう!だから何なのよ!」

春香「はい、どうぞー!」

伊織「今度は皮むいたオレンジ!?いや、だからそういう問題じゃ・・・」

春香「くっそー・・・ミキミキなかなかやるじゃん」

美希「春香こそ・・・ミキも負けてられないの」

カンペ『水瀬さん!水瀬さん!』

伊織「はいはい、次は何をするつもり?」

カンペ『呼んだだけです!』

春香「ズコーッ」

ドンガラガッシャーン

春香「何もないんかいっ!」

美希「あー、ちょっと春香ぁ・・・春香がツッコんじゃ意味ないの」

春香「しまった、つい反射的に・・・伊織、ごめん!」

伊織「何でそこで謝るのよ、別にツッコミ出来なくて残念とか思ってないわよ?」

春香「またまたぁー、さぁ遠慮なくツッコんで!いおりん、さぁどうぞ!」

伊織「あんた達、マジで収録終わったら覚えてなさいよ」

伊織「はぁー・・・『座談会』の収録ってこんなに体力使うものなのね」

カンペ『水瀬さん今度こそオレンジジュースです、どうぞ』

伊織「今度はちゃんと本物持ってきてくれたのね・・・ありがとう、いただくわ」

トントン

<ねえ、いおりぃー

伊織「何か用?今ジュース飲んでるところなんだけど・・・」

うさぎ「やあ、いおりんっ!」←うさぎの被り物を逆に被ってる

伊織「ぶふーっ!」

うさぎ「えっ、何・・・?前が見えないからよく分からないんだけど今どういう状況なの?」

美希「いやーん!デコちゃんがオレンジジュース吹き出しちゃったの!」

うさぎ「でぇぇぇっ!?ちょ、伊織何やってるんだよーっ!」

伊織「げほっ、げほっ・・・あんったら、ねぇ・・・・っ!」

美希「あちゃー・・・春香の着ぐるみがオレンジジュースまみれなの」

うさぎ「ちょっといおりん、何してくれてんねん!一張羅が台無しだぜい・・・」

伊織「誰のせいだと思ってんのよ!」

うさぎ「っていうか被り物逆に被ってるから前が見えないよ前がっ」

フラフラ

美希「あーっ、春香そっち行ったら危ないのっ」

うさぎ「えっ、何が?・・・うわっ、きゃぁっ!」

ガタガタ バンッ

うさぎ「あいてっ!何かにぶつかっちゃった・・・」

美希「春香が律子、さんの机に激突しちゃったの!書類があちこちに散っちゃったのー!」

伊織「・・・」

うさぎ「あぅぅぅ、前が見えないよー・・・」

美希「春香そっちはゲーム置いてる棚だから危ないよー?」

うさぎ「えっ・・・あいでっ!」

ドンッ バッシャーン

伊織「・・・」

美希「いやーん!棚にぶつかったせいで碁石の入れ物が落ちちゃったのー!」

うさぎ「えっ、うそ・・・うわぁっ!?」

ツルッ ドンガラガッシャーン

伊織「・・・」

美希「春香が碁石で滑って転んじゃったのー!」

うさぎ「ちょ、何これ・・・一体何がどうなってるの!?」

伊織「・・・なにこの空間、カオス過ぎるわ」

うさぎ「いや、本当に申し訳ございません・・・」

伊織「ちょっとねぇ、あんた達やり過ぎよ?幾らなんでも自由にやり過ぎよ?」

うさぎ「いおりんがいるということで、ついはしゃぎ過ぎてしまいました」

美希「ちょっとテンション上がりすぎちゃったの」

伊織「わざわざ楽屋に置いてあったそれ持ち出して来るって、どんだけ笑いに貪欲なのよ」

うさぎ「いや、これに関してはミキミキがこうした方が面白いんじゃないかって」

美希「あーっ!春香ひっどーい、ミキそんなの言ってないもん!」

うさぎ「何言ってるんだよ!最初に言い出したのは美希の方じゃんっ!」

美希「違うのっ、言い出しっぺは春香なの!人のせいにするの、ミキはよくないって思うな!」

ワーワーッ ギャーギャー

伊織「あんたら二人とも後で律子にこってり絞られなさい」

伊織「はぁ、お願いだからもう少し手加減してよね・・・これじゃあ私の身が持たないわ」

美希「そんなこと言ってるけど、デコちゃんまだまだ元気そうなの」

伊織「もうヘロヘロだっての!・・・それよりも春香」

うさぎ「はいっ!なんでしょうか!」

伊織「またそれ被ってるけど、今度こそちゃんと取れるんでしょうね?」

うさぎ「・・・」

伊織「・・・」

うさぎ「うん、さっき試してみたけど無理だった」テヘペロ

美希「全然取れなかったの」

伊織「・・・もうあんたそれ、一生被ってなさい」

うさぎ「そんないおりんっ!殺生だよ!」

伊織「自業自得でしょうが!」

うさぎ「そんなこと言わずに助けておくれよー、前が見えなくて春香さん不安で恐いんだよぅ」

伊織「ったくもう、面倒くさいわねぇ・・・美希、あんたも手伝いなさい」

美希「ラジャーなのっ」

伊織「いくわよ、せーのっ!」

美希「えいっ!」

グッ グググググッ...

うさぎ「ちょ、だからそんなに強く引っ張らないでって・・・!」

伊織「こら、暴れんなっての!」

美希「むうぅっ・・・!全然取れないの、何これどうなってるの」

うさぎ「痛いっ!いたたたっ!二人とも・・・もうちょっと手加減してぇー」

伊織「だからじっとしてなさいよ!取れないでしょうが!」

美希「んー・・・えいっ、なのぉ!」

スポーン

伊織「ぜぇ・・・ぜぇ・・・もう、ほんっとにいい加減にしてよね」

春香「あぁー・・・やっと取れたぁ、いやぁ本当に焦った焦った!ありがとう二人とも!」

伊織「・・・」イラッ

ヒョイ ポイッ

春香「はうっ!?ちょ、ひぃぃぃっ!」ジタバタ

美希「ん、春香どうしたの?」

伊織「あら春香、急に暴れだしてどうしたのよ?」

春香「つ、冷たっ!ちょ・・・伊織、背中に一体何入れたの!」

伊織「何って、グラスの中に入ってた氷よ」

春香「はぁぁ!?何でそんなの背中に入れるんだよ、ひどいよ伊織ぃ・・・」

美希「デコちゃん何でそんなことしたの?」

伊織「何となく春香が反省してなさそうだったから、お仕置きしてやろうと思って」

美希「あぁー・・・そっか、まあ気持ちは分かるの」

春香「ちょ、冷たいっ!背中が冷たいっ・・・!誰か、誰か取ってー!」ジタバタ

伊織「・・・」

美希「・・・」

伊織「春香、今すぐ着替えてきなさい、あんたがそれ着てるとロクな事がないわ」

春香「了解であります!」

春香「というわけで着替えてきました!」

伊織「まったくもう・・・仮にもこの中で最年長なんだから、もう少しお姉さんらしくしなさいよ」

美希「確かに今日の春香は大きい子供って感じだね」

春香「ふふん、見た目は大人!中身は子供!その名は」

美希「まあでも、カラダ付きはミキの方が断然オトナって感じだけどね」

春香「・・・」

伊織「・・・」

春香「ひぃぃん、どうせ私なんてひんそーでちんちくりんで」

伊織「あんた、よくもまあ私の前でそんな台詞が吐けるわね、もっかい氷放り込むわよ」

春香「すまぬ」

春香「さて、そんなわけで番組もそろそろ終盤だけど、どうしましょうかね」

美希「んー」

伊織「そうね、それじゃああんた達、私と勝負しなさい」

美希「勝負?」

春香「これまた随分と唐突だねぇ・・・どうしてまた?」

伊織「簡単よ、私が勝負に勝ったらあの写真ちょうだい」

美希「デコちゃん諦めてなかったんだ・・・」

伊織「本当はそのつもりだったんだけどね、実物見たらどうしても、ね・・・」

美希「気持ちは分からなくもないけれど・・・」

春香「うーん・・・それはさすがになぁ」

伊織「そう、やっぱりダメなのね」

春香「さすがにここで伊織にあげちゃったら不公平なんじゃないかなぁ、って」

伊織「別にタダでくれって言ってるわけじゃないのよ、チャンスが欲しいって言ってるの」

カンペ『さすがに番組的にもそれはちょっと・・・』

伊織「・・・水瀬さんって呼ばれて、傷ついたなぁ」ボソッ

美希「!?」

伊織「演技とは言え、あんなに冷たくされて悲しかったなぁ・・・」ボソッ

美希「う、うぐぐっ・・・」

伊織「美希にあんな風に言われるなんて、思ってもいなかったなぁ・・・」ボソッ

春香「おおぅ・・・あのミキミキが押されてるなんて珍しいこともあるもんだね」

美希「ぐ、ぐぬぬ・・・で、でもミキたちだってデコちゃんには貸しが一つあるの!」

伊織「・・・貸し?この伊織ちゃんがあんた達に?はんっ、そんなのあるわけないじゃない」

春香「そんなのあったっけ?」

美希「イベントの代役」ボソッ

伊織「!?」

春香「あー・・・そういえばあったね、そんなことも」

美希「アイドルが体調管理怠るなんてありえないってミキ思うな」ボソッ

伊織「ぐ、ぐぅぅっ・・・!」

美希「おかげでミキたち、番組の収録出れなかったの」

春香「でもそのおかげで生まれた副産物があの響ちゃんとやよいの回になるんだよねぇ」

美希「だからこれで貸し借りは無しなのっ!デコちゃん諦めるの!」

伊織「そう・・・そういうことね・・・なら、諦めるわ」

春香「あれ、随分とあっさり引いちゃうんだね」

伊織「・・・」チラッ

美希「!?」

伊織「・・・」チラッ

春香「!?」

美希「な、なんなのあの目は・・・」

春香「あんな、捨てられた子犬みたいな目でチラ見されちゃったら」

美希「ミキたち悪くないはずなのに・・・なんだかすごい罪悪感だよ」

伊織「・・・」チラッ

春香「ちょっと美希、すっごいこっち見てるよ、どうしよう」

美希「あの目はズルイの・・・あんな愛くるしい目で見られちゃったら」

伊織「・・・」チラッ

カンペ『分かりました!水瀬さんにチャンスをあげましょう!』

春香「あっ、スタッフさんが先に折れちゃったね」

伊織「本当にっ!?きゃー!ありがとうございますぅー♪伊織ちゃん嬉しい♪」

春香「そしてなんつう変わり身の早さっ!」

美希「デコちゃん恐るべしなの」

伊織「にひひっ、あんた達もまだまだ甘いわね」

伊織「ふっふっふ・・・このチャンス何としてもモノにしなきゃね」

春香「燃えてるなー・・・いおりんの背後に炎が見えるようだよ」

美希「ホントにやよいが絡むと人が変わっちゃうの」

伊織「さぁ、二人とも!やよいの写真を賭けて勝負よ!」

カンペ『あっ、それなんですがそろそろ番組も終わりの時間です』

伊織「えっ?」

カンペ『番組、そろそろ終わりです』

美希「・・・」

春香「・・・」

伊織「えっ?」

春香「あちゃー・・・」

伊織「嘘・・・なんで」

カンペ『CM明けてすぐに始まったコントで時間使いすぎちゃいました』

春香「やっぱりあれで時間食っちゃってたんだー」

美希「デコちゃん、こればっかりはしょうがないの」

伊織「・・・」

春香「まあいおりん、そういうことだから今回は諦めようぜ!」

ヒョイ ポイッ

春香「・・・っ!?ちょ、また背中に氷・・・!はぅっ、冷たいっ・・・!」ジタバタ

伊織「ふぅ、ちょっとだけ気が晴れたわ」

美希「うわぁ・・・デコちゃん、完全に八つ当たりなの」

美希「というわけで恒例のプレゼントのコーナーなのーっ!」

春香「いえいっ!」

伊織「おー・・・」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「デコちゃん幾らなんでもテンション下がりすぎなの」

春香「そうだよ伊織、テレビなんだからもうちょっとアゲアゲでいこうぜ!」

伊織「さすがにこれでテンション上げろっていう方が無理でしょ」

春香「プロ根性の塊のいおりんとは思えない台詞だね」

美希「そんなにあの写真、欲しかったんだ」

伊織「当たり前じゃない!こんな千載一遇のチャンスを・・・みすみす逃すなんてっ!」

美希「まぁまぁ、今度ゲストで来た時にはちゃんと勝負してあげるから」

伊織「本当よ?約束よ?絶対よ?」

美希「う、うん・・・」

伊織「帰ったら早速律子にスケジュール調整してもらわなきゃいけないわね・・・」

春香「目がすごくマジだよ、これすぐにでも来そうな勢いじゃん」

美希「2週連続でデコちゃんゲストなんてことになったら、さすがにミキも引くの」

伊織「まあ今日のところはいいわ・・・番組も終わりみたいだし、最後くらいきっちりしなきゃね」

春香「それじゃあ改めて、プレゼントは何がいいだろうね?」

伊織「何でもいいんじゃない?何なら春香が脱ぎ捨てたあの着ぐるみとかでも」

美希「着ぐるみって・・・あのオレンジジュースまみれの?」

伊織「うん」

美希「いや、あんなの誰も欲しがらないんじゃ・・・」

伊織「だって何でもいいんでしょ?ならもうアレにしておきましょうよ」

春香「何言ってんだよ!春香さんの着用済みだよ、激レアじゃん!」

美希「たとえオレンジジュースまみれでも?」

春香「もち!」

美希「じゃあもうアレでいっか・・・」

伊織「そうね、もうアレで妥協しましょう」

春香「というわけで今回のプレゼントはあの着ぐるみでーす!ご応募お待ちしてます!」

美希「番組もそろそろ終わりの時間が近づいてきたのー」

春香「いやぁ、伊織さん今回正式にゲストとして出てみてどうでした?」

美希「感想とかあったら、聞かせてほしいな」

伊織「疲れたわ」

春香「えっ」

伊織「疲れた、すごく」

美希「それだけ?デコちゃん、ひょっとして楽しくなかった・・・?」

伊織「・・・まあ、楽しかったわよ」

美希「ならよかったのー!ミキもデコちゃんと番組やれて楽しかったの!」ガバッ

伊織「あぁもう!だから抱きついてくるんじゃないっての!離れなさいっ!」

伊織「もう疲れたわ・・・本気で疲れた、今日はぐっすり眠れそうだわ」

美希「それじゃ〆るの!お相手は、好きな動物はカモ先生!の星井美希と」

伊織「好きな動物は断然うさちゃん!の水瀬伊織ちゃんと」

春香「好きな動物はハシビロコウさんの天海春香が・・・これ何?」

伊織「ハシビロコウ、顔のすっごくいかつい鳥類よ」

春香「あっ、そうなんだ・・・ふーん」

シーン...

春香「だからこの春香さんがスベっちゃったみたいな空気やめてくれる!?」

美希「それじゃあ次回も見てねーっ」

みきいお「「「それじゃあ、まったねー!」」」



春香「ちょ、だから私を置いて〆ないでよ!もう最後のこのオチ本当にやめてよねー!」

とりあえずここまで、スレ終わるまでに全員はどう考えても無理くさい

メモ代わり

第一回:ゲストなし
第二回:響(強制連行)
第三回:小鳥
特別編:伊織(誕生日)
第四回:ゲストなし
第五回:響&やよい(番組丸投げ)
第六回:あずささん
第七回:雪歩
第八回:伊織(ツッコミ)

投下します

美希「うーん・・・春香遅いなぁ、何やってるんだろう」

ガチャ

美希「あっ、春香来たのかな?」

はるかさん「かっか!」

美希「おっはよーなの、春香」

はるか「はるかっか!」

美希「えーと・・・ちょっと見ない間に随分と縮んじゃったね」

はるかさん「かっか!」

美希「うん、ゴメン・・・何言ってるか全然分からないの、ミキにも分かるように言ってくれるかな?」

はるかさん「ヴぁーい」

美希「うんうん」

はるかさん「かっか!かっか!」

美希「うんうん、そっかー」

はるかさん「かっか!はーるかっかー!」

美希「そうなんだ、へぇー」

はるかさん「かっかー!」

美希「・・・」

はるかさん「はるかっか!」

美希「全然何言ってるか分からないの」

はるかさん「ヴぁーい」

美希「っていうか今更だけどこれ絶対春香じゃないよね、何なのこの生き物」

はるかさん「かっか!かっか!」ピョンピョン

美希「気まずいの、何言ってるか全然分からないの、ミキにどうしろっていうの」

はるかさん「かっかー!はーるかっか!」ピョンピョン

美希「・・・ひょっとして構ってほしいの?」

はるかさん「かっか!」

美希「何だかんだで見た目はちっちゃくてカワイイし、結構アリかも・・・ふふっ、おいで?」

はるかさん「はーるかっかー!」ピョーン

美希「えっ、ちょ何!?」

はるかさん「・・・」モニュモニュ

美希「ひぃぃっ!ちょっと美希の手ぇ噛まないでっ!・・・うぅ、唾液で手がベトベトになっちゃったの」

美希「それにしても春香遅いなー、まだ来ないのかなぁ」

はるかさん「かっか」

美希「この子もまだいるし・・・一体これ何なんだろうね」

はるかさん「ヴぁーい」

美希「それにしても何だかノド渇いてきちゃった、お水でも飲もっかなー」

はるかさん「・・・」

美希「ごくごく・・・んーっ、これ大地の味がするのー!・・・なんて言ってみちゃったり」

はるかさん「かっかー」

美希「ん、何々?キミもお水飲みたいの?」

はるかさん「はるかっかー!」

はるかさん「かっか!かっか!」ピョンピョン

美希「しょうがないなぁ、それじゃあ飲ませてあげるの、おいで?」

はるかさん「かっか!」ピョーン

美希「え、ちょっとまたなの!?」

はるかさん「・・・」モニュモニュ

美希「ちょ、だからミキの手ぇ噛んじゃヤなの・・・離すのーっ!」

ガタッ バシャッ

美希「うぅ、ミキの手がベトベトなの・・・あっ、ゴメンねお水かかっちゃったか・・・な?」

ポンッ ポンッ...ポンッポンッポンッ

美希「えっ・・・何で何で・・・何かすっごい増えてるの・・・」

はるかさんズ「かっかー!「かっかー!「はーるかっかー!「はるかっかー!「かっか!」

美希「ひぃっ・・・な、何なのこれ・・・」

美希「・・・何だかよく分からないけど、これはヤバイ感じがするの」

はるかさんズ「・・・」ジロリ

美希「・・・これは逃げるが勝ちな流れなのっ!」ダッ

はるかさんズ「かっか!「かっか!「かっかー!「はるかっか!「はーるかっかー!」ドドドドドッ

美希「ひ、ひぃぃっ!追ってきたのー!」

はるかさんズ「はるかっかー!「かっかー!「かっか!「はるかっか!「ヴぁーい!」ドドドドドッ

美希「いやぁぁーん!こっち来ちゃヤなのーっ!誰か助けてーっ!」

<はーるかっかー!!

<いやー!お、押しつぶされちゃうのぉぉ・・・が、がくっ

テロップ『星井美希、撃沈』

美希「うぅ・・・ひ、ひどい目にあったの」

はるかさん「はるかっか!」

美希「というわけでテレビの前のみんなー、星井美希だよー!」

はるかさん「かっか!」

美希「この子はね、『ぷちどる』って言って765プロのアイドルをモデルにした不思議な生き物なの」

はるかさん「はーるかっかー!」

美希「ちなみにこの子の名前は『はるかさん』!モデルは見ての通り、春香なの」

はるかさん「ヴぁーい」

美希「でもこんな生き物が実際にいるわけもなく、今ミキが喋ってるこの子は実はCGなんだよね」

はるかさん「かっか!」

美希「テレビの前の皆が見ているはるかさんは、後から編集で取り込んだ映像ってことになるの」

はるかさん「ヴぁーい」

美希「技術の進歩ってすごいよねー、だからミキがこうして合図をするだけで」パチンッ

フッ...

美希「ほら、はるかさんいなくなったでしょ?実際はこのスタジオにはミキしかいなかったんだよ?」

カンペ『つまり星井さんはずっと一人で喋り続けていたということになりますね!』

美希「そういうことなの、ミキは誰もいない空間に向かってずっと話しかけてたって事になるの」

カンペ『はるかさんとのあのやり取りも全部一人で演技していたということになりますね!』

美希「そうなの、ミキは誰もいないセットで一人ではしゃぎ回ってたってことになるの」

カンペ『星井さん・・・』

美希「うん、別に寂しくなんかないんだからね?だからそんな哀れんだ目で見ないで!」

美希「それもこれも春香が中々来てくれないからなの・・・一体どこで道草食ってるの」

ガチャ

美希「あっ、今度こそ春香来たのかな?」

覆面「んっふっふー!そこの金髪姉ちゃん動くんじゃねえ!」

美希「・・・」

覆面「亜美は・・・じゃなくて俺っちは通りすがりの押し掛け強盗だ!大人しく金目のモン渡しな!」

美希「そっか、今日のゲストは亜美だったね、確か」

覆面「ち、違うよー!何言ってんだよミキミキぃー!亜美は・・・じゃなくて俺っちそんなんじゃねえぜ!」

美希「でもさ、その覆面の隙間から出てるサイドテールでバレバレだよ?」

覆面「うげっ・・・そ、そそそそんなの気にしちゃダメだよ!気にしたら負けだよー!」

美希「そっか、気にしたら負けなんだね」

覆面「そうだよミキミキ、細かい事は気にしないで!今は亜美、強盗なんだから!」

美希「そっか、強盗さんかー、でもここには金目の物なんて何もないよ?」

覆面「そんなわけないっしょー!何でもいいから早く出してよー!出してくれなきゃ・・・」

グイッ

春香「きゃあーだれか助けてー」カメラメセン

美希「あっ、春香」

覆面「このリボンの姉ちゃんがどうなってもいいのかい?」

美希「やっほー春香、遅かったね」

覆面「さあ早くしろ!さもなくば・・・ん?」

春香「やぁミキミキぃ、お待たせた!」

覆面「ちょ、二人とも亜美を放置して何をのん気に挨拶なんかしてるんだよー!」

美希「来るの遅かったと思ったら、こんなことやってたんだね」

春香「うん、まあ事情は見ての通りってわけですよ」

覆面「あの、ちょっと二人とも・・・?」

美希「そっかー、春香も大変だね」

春香「まあ、これはこれで楽しいし別にいいんじゃないかな」

覆面「おーい、亜美を無視しないでおくれよー」

美希「あっ、ゴメンねー、続けて良いよ?」

覆面「・・・」

美希「どうしたの亜美?」

覆面「なんかさ、ここに入ってきた時からそうだったけど、どうしてミキミキはそんなに落ち着いてるんだい?」

美希「どうしてって・・・まぁ普段から春香に振り回されてるから、今更このくらいどうってことないの」

春香「てへぺろ」

美希「褒めてないの」

春香「えっ、褒めてないの?」

美希「当たり前なの、今の流れをどう解釈したら褒めてるって思えるの?」

春香「そんな・・・ミキミキあんまりやでっ!」

美希「なんかもう春香のエセ関西弁も聞きなれてきたって感じなの」

覆面「・・・」

美希「っていうか春香来るの遅いの!さっきまでミキ一人で大変だったんだよ?」

春香「すまぬ」

美希「ところで亜美、どうしたの?・・・さっきからずっと黙ってるけど」

春香「きっとミキミキのマシンガントークに入り込む余地が無いんだよ」

美希「えー・・・ミキ、別にそんなに喋ってるつもりないの、どっちかって言うとそれは春香の方なの」

春香「なんでやねん!」

覆面「・・・」

美希「ホントに亜美どうしちゃったの?ひょっとして具合でも悪いの?」

覆面「うあうあー!ちょっと二人とも、ゲストに対する扱いヒドすぎるんじゃないのかい!?」

美希「あー、ゴメンね亜美・・・別にそんなつもりはなかったんだけど」

覆面「なんかもう亜美の芝居完全にスルーしてるよね!?ちょっとミキミキぃー、ノリ悪すぎだよー!」

美希「そんなこと言われたって、入ってくるなりあんな無茶振りされてもミキ、困るの」

覆面「ちっくしょー!これじゃあ亜美、タダの滑り損じゃんかー、こんなのやってられないよー」

ファサッ

美希「あっ、覆面取っちゃうんだ」

亜美「取るよ、取るに決まってんじゃん!いつまでもこんなの被ってられないよ!」

春香「勿体ない、似合ってたのに」

亜美「似合ってた!?覆面似合ってるって言われても全然嬉しくないよ!」

春香「なんでやねん!」

亜美「えっ、亜美なんで今逆ギレされたの?何だかはるるんのテンションについていけないよ」

春香「なんでやねん!」

亜美「・・・」

春香「・・・」

亜美「えっ、ちょっと待って、はるるんは亜美に一体何を求めてるの?」

春香「さあっ!ナイスなリアクションはやくっ!」

亜美「いやいやいや!何その無茶振り!意味わかんないよ!んなの捌けるワケがないっしょ!」

春香「またまたそんなこと言っちゃってー・・・じ・つ・は?」

亜美「何も隠し持ってないから!いくら亜美でもそんな無茶振りに対処出来るほど引き出し多くないよ!」

春香「そりゃないぜ亜美ぃ・・・春香さんはガッカリだよ」

亜美「ねえミキミキ、亜美は一体どうリアクションを取ればいいんだろう?正解が分からないよ」

美希「まあしょうがないの、そのうち慣れてくるよ」

亜美「・・・はるるんってこんなに絡み辛いキャラだったっけ、亜美の方が振り回されちゃってるよ」

美希「まあ、ミキからは頑張れとしか言ってあげられないの」

美希「ところで亜美、もう小芝居はいいの?」

亜美「いやいや、何言っちゃってんのさミキミキ」

美希「もうヤメちゃうの?」

亜美「散々ノリが悪かったくせに、この期に及んでまだ続けろって言うの!?」

美希「どうせだったら最後までやった方が良いってミキは思うな」

亜美「この状況下で続けられるほど亜美の神経は図太くないよ!これで続けてもサムいだけじゃん!」

美希「でも春香は続ける気みたいだよ?」

亜美「えっ?」

春香「いやー、たすけてー!・・・うん、こんな感じだね、よっしゃやったるぜい!」

亜美「おおぅ・・・めっちゃやる気じゃん・・・」

春香「はいっ!天海春香、人質役の準備オッケーですっ!」

美希「あっ、春香は人質役でもう決定なんだ」

春香「うん、一番目立てるしね!」

美希「やっぱりそこがポイントなんだ」

亜美「はるるん、ホントに続けるの?」

春香「モチのロンじゃん亜美!早く続きをやろうぜ!」

亜美「えぇぇー・・・なんでそんなにノリノリなのさ」

美希「しょうがないなー、春香がやる気ならミキも少しだけ付き合ってあげるの」

亜美「ちょっとミキミキ!?なんでこのタイミングでそんなこと言うのさ!今更すぎるっしょ!」

美希「ほら亜美も、早くしないと春香が待ちくたびれてるの」

春香「はやくっ!亜美の覆面強盗はやくっ!」

亜美「えー・・・はるるんテンション高いなー」

春香「はーやーくっ!あっそれ、はーやーくっ!亜美ぃー、早くしてよぅ!」

美希「早くするの、ミキたちもういつでもスタンバイ出来てるよ?」

亜美「うぅぅ・・・何だろう、何で亜美こんなにも置いてきぼり感食らっちゃってるんだろう」

モゾモゾ

覆面「うあうあー!こうなりゃヤケだー、亜美の生き様見せてやるー!」

春香「きゃー、亜美ぃー!覆面似合ってるぅー!」

覆面「だから嬉しくないってば!覆面似合うアイドルなんてありえないっしょ!」

春香「なんでやねん!」

覆面「また逆ギレされちった・・・無理だよ、亜美にはこのはるるんはちょっと荷が重過ぎるよ」

テロップ『そんなこんなで小芝居再開』

覆面「へいへい金髪姉ちゃん!早く金目のモン出しなよー!」

春香「あーれー、たすけてー」チラッチラッ

覆面(はるるん、なんで常にカメラ目線なのさ・・・)

美希「や、やめるの!春香を放すの!」

覆面「妙な動きをしたらこのリボンの姉ちゃんがどうなるか分からないよー?」

春香「いやー美希、助けてー!」

美希「ま、待ってるの春香!いま助けてあげるの!」ダッ

覆面(ミキミキ、無駄に演技力高いなー・・・)

バキューン

覆面「うん・・・?何今の効果音、何だか銃声っぽかったけど・・・」

美希「うそ・・・は、るか・・・?」

春香「うっ・・・がくっ」バタッ

覆面「あれ、はるるん、どしたのさ?」

美希「いやー!はるかぁーっ!」

覆面「えっ?えっ・・・?何、この展開」

美希「こ、この人でなし!春香を撃つなんて・・・あんまりなのっ!」

覆面「あーそっか・・・亜美がはるるんを撃っちゃったっていう設定なんだね」

美希「はるかっ!春香、しっかりするの!」

春香「ううっ・・・み、美希ぃ」

覆面「・・・それにしても効果音付きとは随分凝ってるね、事前に打ち合わせでもしたの?」

美希「は、春香・・・ゴメンね!美希が、美希が無理に助けようとしたばっかりに」

春香「いいんだよ美希・・・美希は悪くないんだ・・・ぐふぅっ!」

美希「は、春香!大丈夫なの!?」

覆面「・・・」

春香「げふっ、ごふっ・・・ごほっ!」

美希「いやぁっ!春香・・・っ!はるかぁーっ!」

春香「な、何だかお腹の辺りが熱いぜ・・・な、なんじゃこりゃー!春香さん血塗れやないかいっ!」

美希「うぅぅ・・・血が・・・血が止まらないのぉ」

春香「へへっ・・・マズイぜ、目が霞んできやがった」

覆面「ミキミキの無駄にすごい演技力とはるるんのワザとらしい演技のギャップがすごいね」

美希「春香・・・お願いなの、ミキを置いていかないで・・・置いていっちゃヤなのっ!」

春香「すまねえミキミキぃ・・・どうやら春香さんはここまでのようだぜい」

美希「はるかーっ!」

覆面「っていうか完全に二人の世界に入っちゃってるし、亜美もうこの覆面取ってもいいかな?」

カンペ『どうぞどうぞ』

覆面「スタッフさんありがとね・・・んじゃお言葉に甘えて、んしょっと」

ファサッ

亜美「はぁ・・・何かもうこれ完全に亜美のスベり損って感じだよね」

美希「うぅっ・・・はるか、はるかぁ・・・ぐすっ」

春香「へへっ、こんな春香さんのために泣いてくれるたぁ嬉しいねぇ」

亜美「わぁお・・・ついにミキミキ泣きの演技まで入っちゃったよ、すっごいなー」

春香「すまねえミキミキぃ、どうやら春香さんはここまでのようだ・・・」

美希「いやぁっ!春香、いかないでー!」

春香「せめて、せめて美希だけでも立派な芸人に」

美希「それはヤなの」

春香「立派な芸人に」

美希「ならないって言ってるの、しつこいの、さっさと逝くの」ビシッ

春香「ぐはっ・・・!そ、そりゃないぜミキミキぃ・・・がくっ」

美希「いやっ!は、春香・・・そんな、ウソでしょ?はるか・・・はるかぁーっ!」

テロップ『劇終!』

亜美「・・・亜美何だか今日の収録無事に乗り切れるかどうかすっごい不安になってきた」

とりあえずここまで、短くてすみません

休み前で少しだけ書き溜められたので投下します

美希「はーい、というわけで改めまして、テレビの前のみんなー、星井美希なの」

春香「天海春香ちゃんでっす!」

美希「そしてそして、今回のゲストはー?」

春香「自己紹介どうぞっ!いぇいっ!」

亜美「やっほー、亜美だよー!今日はヨロシクねー!」

美希「というわけで今日のゲストは竜宮小町の一員でもある双海亜美なのー」

春香「はいっ、それでは拍手!」

シーン...

春香「あれれー?聞こえないよー?はいっ、拍手!」

シーン...

春香「もうダメですよ皆さん、ゲストが来てるのに拍手の一つも無しだなんて!」

亜美「・・・」

春香「ねえ美希もそう思うよね?」

美希「ん?まあ確かにそうかもしれないけど、急に拍手を求める春香も、ちょっとどうかと思うの」

春香「はーい、それじゃあもう一回いきますよー?春香さんが合図したら拍手してくださいねー」

美希「全然人の話聞いてないの・・・」

春香「それじゃあいきますよー!それっ、拍手!」

パチパチ... パチパチ...

春香「こらー、拍手がちっさいですよー!そんなんじゃ亜美に失礼でしょ!」

亜美「・・・」

春香「それじゃあ最後のチャンスです、いきますよー!はいっ、拍手!」

パチパチパチパチパチ!!

春香「・・・よし、これでバッチリ!亜美今日はよろしくねっ」

亜美「うん、ヨロシクねはるるん・・・ところで亜美すっごい微妙な気持ちなんだけど」

春香「いやー、それにしてもとうとう来ちゃいましたね、765プロ一のヤンチャ娘が」

亜美「いやぁ、ようやくだよ!もう出番はまだかまだかと待ちくたびれちったよ!」

美希「第九回目にしてようやくなの」

春香「まあ、今日はお手柔らかに頼みますよ」

亜美「んっふっふー、そうはいかないぜ!・・・って言いたいところなんだけど」

美希「どうしたの、亜美?」

亜美「なんというか亜美、もうこの時点で既にはるるん達に翻弄されちゃってる感が否めないよ」

美希「あー・・・この番組来た人は皆言うよねー、『春香のテンションについていけない』って」

春香「てへぺろ」

美希「だから褒めてないの」

亜美「まあ、はるるんに関しては番組出た人は皆言ってるんだよね、キャラがぶっ飛んでるって」

春香「ふふん、どやぁ」

美希「だから褒めてないって言ってるの、ちょっと落ち着くの」ビシッ

春香「あうっ」

亜美「でもそれとは別にさ、この間いおりんに言われちゃったんだ」

美希「なんて?」

亜美「はるるんは勿論のことだけど、ミキミキも何だかんだで要注意だって」

美希「・・・」

亜美「・・・」

美希「・・・えっ?」

美希「ゴメン亜美、いま何て?」

亜美「だからさ、ミキミキも要注意だっていおりんに言われたんだよ」

春香「へぇ、伊織がそんなこと言ってたんだ」

亜美「うん、すっごいマジな顔で言われちゃったよ」

美希「何それ!デコちゃんヒドイの!」

亜美「いや、でもさ、いおりんの言うことも何となく分かる気がしたよ、亜美は」

美希「えぇぇー・・・」

亜美「だってさ、ミキミキ自分じゃ気付いていないと思うけど結構スゴイよ?」

美希「何が?」

亜美「いやさ、はるるんのあのテンションに難なくついて行ってる時点で相当だよ」

美希「えっ、そんなことないと思うけど?」

亜美「いやいやいや!普通は無理だと思うよ、はるるんのあのテンションについていくなんて」

美希「そうかなー?亜美だったらきっと出来るってミキは思うな」

亜美「いやぁ・・・正直亜美には自信ないよ、最初の小芝居の時点で確信したよ」

春香「またまたー、そんなこと言っちゃってー、出来ないフリしてるだけなんじゃないのー?」

亜美「いやー・・・あんなぶっ飛んだテンションのはるるんは亜美にはちと荷が重いよ」

春香「とか何とか言っちゃってー?」

亜美「いや、だから」

春香「じ・つ・は?」

亜美「だから無理だって言ってるっしょ!何なのさ!はるるんの無茶振りエグすぎるよ!」

春香「えー、そんなぁ・・・春香さんガッカリですよ、ねえミキミキ?」

美希「何でミキに聞くの?そこでミキに話振られても困るの」

春香「ミキミキだったらきっと春香さんの欲しいリアクションくれるかなぁって思ってさ」

美希「ムリなの」

春香「とかなんとか言いつつ?」

美希「できないの」

春香「じ・つ・は?」

美希「ムリって言ってるの、しつこいの、いい加減にするの」ビシッ

春香「あうっ!ミキミキ最近春香さんにデコピンし過ぎじゃない?このままじゃ伊織みたいな額になっちゃうよ!」

亜美「・・・」

亜美「・・・っていうかミキミキ難なく対応出来てるじゃん、やっぱスゴイよ」

美希「でもそれはきっと慣れがあるからだと思うの、ミキずっと番組やってきてるんだもん」

亜美「だからさ、ミキミキにとっては普通かもしれないことでも、うちらからしたら相当なもんだよ」

春香「よかったねミキミキ!褒められてんじゃん!」

美希「・・・絶対褒められてる気しないと思うの」

春香「そうかな?」

美希「・・・それってつまりミキの感覚が春香に近づいていってるってことだよね?」

亜美「まあ、そうかもしれないね」

美希「そんなのってないの!このままじゃミキまで春香と同じ芸人枠にされちゃうの!これはヤバイ状況なの!」

春香「ちょっと待てぇいっ!嫌がりすぎやろっ!」

美希「イヤに決まってるの!だってミキ、アイドルだよ?芸人扱いなんて真っ平ゴメンなの!」

春香「おぉぉいっ!それを言ったら春香さんだってアイドルだっつうの!」

美希「春香はどっちかって言うと芸人の方が占める割合が大きい気がするの」

春香「なんでだよ!そんなことないってば!」

美希「そんなことあるの、春香はもう諦めた方がいいって思うの」

春香「なんでやねん!」

亜美「・・・」

美希「春香はもう身も心も芸人に染まってるの、これは周知の事実なの」

春香「染まってねえし!身も心も、全身隅から隅までアイドルだし!純度100%のアイドルだってばよ!」

亜美「はるるん、なんかもうそのリアクションが既に芸人っぽいよ」

美希「そんなこと言ってる割にはこの番組始まってからずっと芸人みたいなリアクションしかしてないの」

春香「そ、そそそそそれはアレだよ!ワザとだし!全部計算づくでやってるだけだし!」

亜美「えっ、そうだったの?あれ全部計算してやってたんだ」

春香「当たり前じゃん!あんなの全部計算してやってるんだよ、春香さん全部分かっててやってるからね!」

美希「ズッコケ芸も?」

春香「もち!」

亜美「えっ・・・はるるん、今なんて?」

春香「あっ、ちが・・・!違うよ、転ぶのはワザとじゃないから!おのれ美希、謀りよったな!」

美希「でも春香、今さっき自信満々に言ったよね、やっぱり転ぶのもワザとだったんだ・・・」

春香「違う!違うから!断じて違う!あれだけは絶対違う、転ぶのだけは春香さんガチだから!」

亜美「おおぅ・・・はるるん、あからさまに動揺し過ぎじゃん」

美希「そんなに焦るってことは・・・やっぱり春香」

春香「だから違うって言ってんじゃん!二人ともひどいよ、うわぁぁぁん!」

亜美「えぇぇ・・・はるるんめっちゃ必死じゃん、さすがの亜美もちょっと引いちゃうよ」

春香「っていうかミキミキぃ・・・あんまり春香さんをイジメないでおくれよぅ」

美希「まあ、冗談はさて置き、それじゃあ春香の芸人らしい振る舞いは計算してやってるってことなんだよね?」

春香「おうともさ!」

美希「だったら春香、この辺りで春香のアイドルらしい部分を見せてほしいな?」

春香「よかろう!そこまで言うなら見せてあげようじゃないですか、春香さんのTHE・アイドルらしさを!」

亜美「何だか亜美、どう考えてもイヤな予感しかしないんだけど」

春香「それじゃあいきますっ!スタッフさんカウントお願いしますっ!」

カンペ『3・2・1、どうぞっ』

春香「きゃっぴぴぴぴーん!はっるはるるーん!天海春香ちゃんなりよぉー☆」

亜美「うわぁ、生で見ると結構キツイね、これ」

春香「あ、天海春香17歳ですぅ・・・ひんそーでちんちくりんな私ですけど、よろしくお願いしますぅ」

亜美「これ絶対千早お姉ちゃんの前じゃ言えないよね」

春香「にひひっ♪このウルトラスーパーアイドル天海春香ちゃんに任せておきなさいっ」

亜美「・・・うん、確かにこれはちょっとイラってするね」

春香「以上、天海春香のアイドルパフォーマンスでした!いぇいっ!」

亜美「すげえや、亜美こんなにクオリティの低いモノマネはじめて見たよ」

亜美「っていうかはるるん、よくもまぁあれだけ似てないモノマネ出来るね、恐いもの知らずにも程があるよ」

美希「さすがなの、パクリ芸のオンパレードなの、それもう完全に持ちネタにしちゃってるよね?」

春香「ぐっ、しまった・・・つい反射的に!」

美希「春香だったら、ああやって煽ったら絶対やると思ってたの、計算通りなの」

春香「ま、まさか春香さんにこれをやらせる為に・・・」

美希「ふふん、どやぁ、なの」

春香「謀ったな!?・・・おのれ美希、謀ったな!」

美希「これでハッキリしたの、春香は完全に芸人さんなの」

春香「ぐ、ぐぅっ・・・そんなこと、そんなことないもん!」

亜美「うん、またしても亜美置いてけぼり食らっちゃってるね」

美希「でもミキはまだ引き返せる状況なの、春香と違って!」

春香「私と違ってってなんだよ!私だってまだ十分引き返せるよ!」

美希「春香はもうムリだって思うな」

春香「ふ、ふふふっ・・・それくらいにしておこうかミキミキぃ、春香さんのライフはもう真っ赤ですよ」

美希「ねっ、亜美もそう思うよね?」

亜美「・・・でぇぇっ!?なんでこんな所で亜美に振るのさ!ミキミキまでそんな無茶振りするの!?」

春香「亜美ぃ・・・春香さんはまだ大丈夫だよね?引き返せるよね・・・?」

亜美「あぅ・・・え、えっと・・・だ、大丈夫だよはるるん!まだ間に合うよ!」

春香「うわぁぁん亜美ぃぃぃ!ありがとー!亜美だけだよ私に優しくしてくれるのはぁぁぁ!」

亜美「こ、このはるるん超めんどくせー・・・」

美希「そうとなったら、こうしちゃいられないの!」

亜美「どうしたのさミキミキ、いきなり」

美希「この辺りでミキもそろそろアイドルらしい部分を見せていかなきゃいけないの」

春香「ほほう」

亜美「ミキミキのアイドルらしい部分かー」

美希「ここで一発ガツンとミキのアイドルらしさを見せ付けてやれば、もう芸人扱いされる心配もなくなるの」

亜美「まあ、確かにそれはそうかもしれないね」

美希「ミキはアイドルなの!春香と違うっていうところを見せてやるの!」

春香「・・・うん、春香さんそろそろ泣いちゃうよ?」

亜美「なんかもうミキミキの中でははるるんは完全に芸人枠として押さえられちゃってるんだね」

春香「まあでも真面目な話、気にはなるかもしれないね」

亜美「だってトップアイドル星井美希のアイドルらしい振る舞いだもんね、そりゃ気になるっしょ」

春香「うん、是非とも後学のためにも見せて欲しいね」

美希「それじゃあいくのっ!二人とも目ぇかっぽじってよーく見てるの!」

亜美「あれ、でもこの流れってさっきと全く一緒だよね・・・なんかイヤな予感しかしないんだけど」

カンペ『それでは3・2・1、どうぞっ』

美希「きゃっるるーん!星井美希ちゃんなのぉー☆あふぅ!」

亜美「やっぱり・・・」

美希「はっ・・・!し、しまったの」

亜美「うん、ミキミキも手遅れなんじゃないかな、何気にちゃっかりアレンジ加えてるし」

美希「あれれ・・・おかしいな、ミキあんなの言うつもりなかったのに口が勝手に動いちゃったの」

春香「あぁ、分かるよ、遺伝子が命じたんだよね『ボケろ』って」

美希「笑いの遺伝子が・・・呼んでるの」

亜美「・・・」

美希「あっ、また言っちゃったの、口が勝手に・・・」

春香「ふふーん、ミキミキも結構デキるようになってきたじゃーん!」

美希「ま、ままままマズイの!このままじゃミキまで芸人キャラになっちゃうの!」

亜美「もう諦めた方がいいんじゃないかな、ミキミキももう手遅れっぽいよ」

カンペ『そう思います』

美希「がーん!・・・そんなのってないの!」

亜美「とりあえずミキミキさ」

美希「ハイなの」

亜美「まこちんに謝っといた方がいいんじゃない?」

美希「真くん!ゴメンなさいなの!」

カンペ『菊地さん、本当に申し訳ございません』


――番組オンエアーと同時刻 再び事務所にて番組視聴中の真とP――

P(お前ら絶対ワザとやってんだろ・・・)

真「・・・」

P「・・・」

真「・・・」

P(沈黙気まずいわっ!)

亜美「っていうか今更だけどこれはマズイね、亜美、もうずっと二人に翻弄されっぱなしじゃん」

美希「どうしたの?亜美らしくないね」

春香「きっとお腹が空いてるんだよ」

亜美「いやいやいや!んなの関係ないから!」

春香「それじゃあお腹の調子が悪いとか?」

亜美「だからそれも違うってば!お腹から離れて!」

春香「じゃあ背中の調子が悪いんだね!」

亜美「背中の調子って何!?その発想はどこから出てきたの!もうワケ分かんないよ・・・」

美希「あっ、ひょっとして背中がかゆいとか?」

亜美「だから背中も関係ないってば!ってかミキミキまで乗っかってこないでよ!」

亜美「いや、まさか二人のキャラがここまでぶっ飛んでるだなんて、完全に亜美の予想外だよ」

春香「おいおいおーい、亜美さん頑張ってくれよぅ、765プロの爆弾小娘の名が泣くぜい?」

美希「・・・爆弾小娘?何だか強そうな名前だね」

亜美「うん、そんなキャッチフレーズ、今はじめて聞いたよ」

春香「だって春香さんが今考えついたからね」

亜美「だと思ったよ」

春香「ねえねえ気に入った?気に入った?何なら使ってもいいんだよ?」

亜美「うん、ありがとう・・・天地がひっくり返っても使わないと思うけど」

春香「そんな照れんなって!」

亜美「今の会話のどこに亜美が照れる要素があったっていうのさ!」

亜美「うあうあー!こんなはずじゃなかったのにー!」

美希「ちょっと、亜美どうしたの?」

春香「おいおいどうしたんだね亜美君」

亜美「亜美の予想だと、亜美の華麗なるイタズラによって翻弄される二人っていう図を想像してたのに!」

美希「あー、見事に予想が外れちゃったってわけだね」

春香「ふふん、残念だったな亜美隊員よ!」

亜美「うぅぅ・・・こんなはずじゃ、真美さえ・・・真美さえいてくれたらなら」

春香「あれ、そういえば今日のゲストは亜美一人なんだよね?」

亜美「そだよー」

春香「なんていうか珍しいよね、亜美だけ一人で来るなんてさ」

亜美「そういえばそうだねー、こういう番組だとてっきり二人で呼ばれるものだとばかり思ってたけど」

春香「・・・実はどこかに隠れていたりして?」

亜美「えぇぇっ!?うそっ!」

春香「んっふっふー、呼ばれて飛びでてジャジャジャジャーン!真美だよー!」

亜美「・・・」

美希「春香、何それ?」

春香「真美のモノマネ!」

亜美「いやいやいや、真美そんな台詞言ったことあったっけ?ってか絶望的に似てないよ!」

春香「あれれ・・・おかしいな、今世紀最大級の自信作だったのに」

亜美「えぇぇ・・・はるるんの中での『今世紀最大』ってどんだけハードル低いのさ・・・」

美希「まあでも実際のところ、今日に限っては真美が隠れてるとかは無いって思うな」

春香「ん、どうして言い切れるんだい?」

美希「だって亜美と真美を別々にしてくれって提案したのはミキだから」

亜美「へー・・・どうしてそんな提案したいんだい、ミキミキは?」

美希「んー、まあ大した理由でもないんだけどさ、ミキ的には二人を一緒の扱いにしたくなかったの」

春香「ほほう、というと?」

美希「何ていうかさ、二人ってこの手の番組だと大体一緒になって出演してるじゃん?」

亜美「そだねー、何せ双子っていうだけでウリになるかんね」

春香「WRYYYYY!!」

美希「うるさいの」

美希「でも当たり前だけど二人とも別々の存在なの」

亜美「うん、まあそうだね」

美希「二人ともそれぞれ別々の個性があってさ、今じゃハッキリと亜美、真美って区別が出来るの」

亜美「うん・・・活動始めたばっかの頃は全然そうはいかなかったけどさ」

美希「でも今は全然違うでしょ?」

亜美「そだねー、それもこれも兄ちゃ・・・じゃなくてプロデューサーやりっちゃんのおかげだよ」

美希「だからミキは二人を双海姉妹としてではなく、亜美と真美っていう個人として迎え入れたかったの」

亜美「ミ、ミキミキぃ・・・」

春香「・・・」

亜美「あれ、どしたのさ、はるるん・・・さっきからずっと黙ってるけど」

春香「うぅっ・・・ぐすっ」

美希「え、えぇっ!?ちょ、どうしたの春香!?」

春香「なんていうか・・・美希、あなたって本当にいい子だなぁって思ってさぁ!」

美希「だからってそんな、泣くほどのことじゃ」

春香「いやぁ、春香さん思わず感動しちゃってさ・・・最近涙もろくなっちゃったかなぁ、ぐすん」

美希「いや・・・春香、それはちょっと大げさすぎるんじゃないかなぁ」

春香「そんなことないよ、春香さんマジ感動で涙が止まりませんわ!」

亜美「・・・うん、なんていうかおかげで亜美が感動するタイミング逃しちゃったけど、ミキミキありがとねっ!」

美希「う、うん」

亜美「ミキミキがそこまでうちらのこと考えててくれてただなんて、もう感動しちゃったよ!」

美希「そ、そっか・・・よかったの」

亜美「あれ、どしたのミキミキ?」

美希(言えるわけないの・・・ただでさえ春香一人で大変なのに、その上で二人同時に呼んだりなんかしたら)

亜美「おーい、ミキミキぃ?」

美希(絶対ミキ一人の手に負えないって思ったから別々にしてもらっただなんて・・・言えるわけないの)

春香「・・・せいっ」ペチッ

美希「あうっ!?・・・ちょっと春香、いきなりデコピンするなんてひどいの!」

春香「美希が私たちを無視して黙ってたからでしょー、ちょっと一体どうしちゃったのさ?」

美希「あぇっ!?な、ななななんでもないの!ちょっと考え事してただけなの!」

春香「ふーん・・・変なミキミキ、まあいいけどさ」

とりあえずここまで

真にはちゃんとフォローの場を用意してあげないとな・・・

なかなか寝付けなかったので書き溜めました、投下します

亜美「あーそうだ!はるるんっ!」

春香「どうしたの亜美?」

亜美「亜美、ずっとはるるんに物申したいことがあったんだよ!」

春香「ほう、何かな?ひょっとして愛の告白か何か?」

亜美「違うよー、はるるんのことは大好きだけど、今はそういうんじゃないから」

春香「だ、大好き!?あっ、えっと、そ・・・そうなんだ」

亜美「・・・はるるん?」

春香「そ、そうだったんだ・・・亜美ってば私のことそんな風に・・・」

美希「なんだか春香の様子がおかしいの」

春香「そ、そんな・・・亜美の気持ちは嬉しいけど私、そういう趣味は・・・」

亜美「えっ、ちょっとなんで急に顔赤らめちゃってるの?」

春香「えっ、だって亜美が私のこと好きだって・・・そんな突然告白されちゃったら私困るよ」

亜美「いやいやいや!違うから!そういう意味の『好き』じゃないからね?」

春香「えっ、違うの?」

亜美「当たり前じゃん!亜美だってそういう趣味無いよっ!」

春香「・・・」

亜美「・・・」

春香「ぐすん」

亜美「えっ」

春香「ひどい亜美っ!私の心をもてあそんだのねっ!あんまりだわっ!」

亜美「えー・・・はるるん何言ってるのさ」

春香「ひどいわ亜美っ!春香さん、ちょっとだけ本気にしちゃったのに」

亜美「んなの亜美の知ったこっちゃないよ!はるるん、ちょっとキモイよ」

春香「ちょ、キモイとかひどくない!?ねえ、美希だってそう思うよね?さすがに言いすぎだよ!」

美希「ゴメン春香、ミキもそういう趣味は無いんだ・・・だから、その・・・あんまり近づかないでほしいの」

春香「ちょっと美希までっ!?そんなあからまに距離を取らないで!」

美希「危なかったの・・・春香ってばそっちの趣味があったんだね、ミキも用心しなきゃ」

亜美「ミキミキはかわいいからねー、ひょっとしたらずっと狙われてかもしれないよー?」

美希「やーん!亜美、冗談でもそんなの言わないで!えっと春香・・・ミキたち、あくまでも友達だからね?」

春香「ふ、ふふふっ・・・君たちぃ、タダの冗談にそこまで言わなくてもいいんじゃないかな?」

亜美「まあそれは置いといて、ちょっとはるるんっ!」

春香「はいさい」

亜美「はるるーん!お主に一言物申す!」

春香「なになに?」

亜美「亜美と真美の持ちネタを、勝手に使うなー!」

春香「・・・持ちネタ?」

美希「あっ、ひょっとして二人の付けたニックネームのことかな?」

亜美「そだよー!あれはうちらが考えたネタなんだから、勝手に使うのはよくないっしょー!」

春香「あれ、マズかった?」

亜美「モチロンだよー、もう何を我が物顔してバンバン使ってくれちゃってんのさー!」

春香「ありゃりゃ、意外なところからクレームがきちゃいましたね」

美希「でも春香、最近さすがにちょっとパクリ芸がヒドすぎるんじゃいかってミキは思うな」

春香「だからパクリ芸じゃないから!これはあれだよ、リスペクトの精神からきているんだよキミぃ」

美希「うん、言葉って便利だよね」

亜美「とにかく!あれは亜美と真美に著作権があるんだから、ちゃんとスジは通してもらなわなきゃー!」

美希「まあ確かに、二人からしたらあんまり面白くはないかもしれないの」

春香「スジですかぁ・・・うーむ」

亜美(まあぶっちゃけどうでもいいんだけど、この辺ではるるんをギャフンと言わせなきゃ気がすまないしねー)

春香「ようし分かったよ、それなら春香さん亜美に誠意見せちゃおうかな」

亜美「ほうほう、一体どんな誠意を見せてくれるというんだね?」

春香「ここはお詫びの意味も込めて、春香さんが亜美にニックネームを付けてあげよう!」

亜美「うんうん、ニックネームかぁ・・・はい?」

美希「あっちゃー、発想がそっち方面にいっちゃったかー」

亜美「はるるん、どうしてニックネームなのさ?」

春香「昔からこんな格言があるじゃない」

亜美「ん、格言?」

春香「目には目を、歯には歯を・・・」

亜美「うん、それはよく聞く格言だけど別に今それは関係ないんじゃないかなー?」

春香「やよいには伊織を、響ちゃんには貴音さんを!」

美希「・・・春香、何言ってるの?」

春香「雪歩には真を」

美希「それは聞き捨てならないの!真くんは渡さないのっ!」

亜美「えっ、ミキミキまで何言っちゃってるの?」

春香「春香さんには千早ちゃんを!春香さんにはミキミキを!」

美希「それはゴメンなの!春香は千早さんだけでガマンして!」

亜美「・・・」

春香「春香さんには亜美を!春香さんにはミキミキを!」

亜美「ちょ、何で亜美まで入ってんのさ!亜美だってそんなのゴメンだよー!」

美希「春香ってば欲張りすぎなの!またミキが入ってるの、お願いだからミキのことは諦めて!」

春香「二人とも嫌がりすぎでしょ!春香さんの何がそんなにダメだっていうのさ!」

春香「というわけで、亜美には春香さんが立派なニックネームを付けてあげましょう」

亜美「何が『というわけで』なのさ!話の関連性が無さすぎっしょ!」

春香「へへっ、そんな照れるじゃん!」

亜美「いやいや、褒めてないから!全然褒めてないから!どうして今の流れで褒めてるって思えるのさ!」

春香「それじゃあちょっと待っててね、春香さんシンキングターイムっ!」

亜美「うあうあー!全然人の話聞いてないよー!」

美希「亜美、もう諦めるの、こうなっちゃった以上はもう春香の好きにやらせてあげるの」

亜美「うぅ・・・はるるんを困らせてやるつもりだったのに何でこんなことに・・・」

春香「・・・むぅ」

美希「わお・・・めっちゃマジな顔して考えてるの」

春香「よっし、思いついた!」

美希「ん、どんなの思いついたの?」

春香「それじゃあ心して聞くがよいっ!」

亜美「うぅー・・・絶対イヤな予感しかしないよコレ」

春香「・・・」

亜美「・・・」

美希「・・・」

春香「・・・おおっとぉ、残念ながら発表の前にここで一旦CMでーす!」

美希「そんなの無いからさっさと言うの」

亜美「何なのさこのはるるん、めっちゃ面倒くさいよ!亜美にゃついて行けないよーっ!」

春香「そんなわけで春香さんが思いついた亜美の新しいニックネームは!」

美希「もう何でもいいからさっさと言うの」

亜美「もう絶対ロクなの出てこないパターンだよこれ・・・誰か助けてよ」

春香「それじゃあいっくよー、じゃじゃん!・・・アミーゴ!」

美希「うわぁ、無いの」

亜美「ダサっ・・・!亜美、そんなの絶対ヤダよ!」

春香「ちょっと亜美、失礼でしょ!全国のアミーゴさんに謝りなよ!」

亜美「あー、うん・・・確かにアミーゴって愛称の人もいるもんね、ごめんなさい」

春香「それにアミーゴはすごいんだよ?」

亜美「何がどうすごいのかよく分からないんだけど一応聞かせてもらおうかな」

春香「地元じゃ負け知らずだったんだよ?」

亜美「それアミーゴはアミーゴでも青春アミーゴじゃん!ネタが微妙に古いよ!」

春香「あー、でも例のやつ等に追われちゃったり、間に合わなかったりするんだよね」

亜美「ダメじゃん!もっと良い部分挙げていこうよ」

春香「やられちまったり、約束守れなくなったり、本当に散々だよねー」

亜美「何でそんなダークな部分ばっかり抽出するのさ!一気にアミーゴのイメージ悪くなったよ!」

春香「でも最後には震える手の平を強く握り締めてくれるんだぜ!かっこいいじゃん!」

亜美「そんな今更取って付けたようなフォロー入れても遅いよっ!」

春香「なんだよワガママだなー、アミーゴはお気に召さなかった?」

亜美「気に入るわけないっしょー!あんだけボロクソ言っといて気に入る人なんかいないよー!」

亜美「ってか何だよこの展開、亜美なんでツッコミ役に回ってるのさー!」

美希「しょうがないよ、だって春香だもん」

亜美「そっか・・・しょうがないんだ」

春香「ふふん、どうだ二人とも参ったか!」

美希「だから褒めてないって」ビシッ

亜美「言ってんじゃんよー!」ビシッ

春香「いでっ!・・・ちょっと二人ともぉ、ダブルでデコピンはひどいよぉ・・・」

亜美「それにしてもさ、『はるるんだから』っていう一言で納得できちゃうこの状況、亜美はどうかと思うよ」

春香「どうしたのさ亜美、ちょっと手ごたえ無さすぎるよー?もっとボケたっていいんだからねー」

亜美「それができりゃ苦労はしないよっ!だ、ダメだ・・・今日のはるるんには絶対勝てる気しないよ」

春香「それじゃあ次はこれなんてどうだろう?」

亜美「えーっ・・・まだあんの?」

美希「もう好きにやらせてあげるの、気のすむまで」

春香「次はこれっ・・・阿弥陀如来!」

美希「うわぁ・・・これまた無いの」

亜美「いやいや・・・共通点が『あみ』だけで全然亜美っぽさが無いじゃんよー!」

春香「でも阿弥陀如来さんってすごいんだよ?」

亜美「何で『さん』付けなのさ・・・まあスゴイのはスゴイんだろうね」

春香「まあね、えーっと・・・そうね!とにかくすごいんだよ!」

亜美「雑すぎるよ!ここまで来たら何かしらの豆知識くらい仕入れておこうよ!」

春香「豆知識かぁー・・・そうだ、『あみだくじ』ってのは阿弥陀如来さんが元ネタになってるんだよ?」

亜美「へー、そうなんだ」

美希「ふーん」

春香「・・・」

亜美「・・・」

美希「・・・」

春香「こらーっ!春香さんスベっちゃったじゃないかー!どうしてくれるんだよ亜美ぃー!」

亜美「えぇぇっ!?なんでそこで亜美が逆ギレされなきゃなんないのさーっ!」

美希「これはヒドイ八つ当たりなの」

亜美「うぅ・・・変なニックネーム付けられそうな上に逆ギレされるとか、何なのこの流れ、ヒドすぎるっしょ」

春香「ふむ、阿弥陀如来さんもお気に召さなかったですか?」

亜美「当たり前じゃん!亜美、絶対そんな風に呼ばれるのイヤだよー!」

春香「やっほー、阿弥陀如来ちゃん!」

亜美「呼ぶなーっ!」

春香「そっか、しょうがないなぁー・・・それじゃあ次いってみようか」

亜美「ま、まだあるの・・・?もういいじゃんはるるーん」

美希「諦めるの亜美、春香が飽きるまで付き合ってあげよっか」

亜美「うあうあー!誰かこの流れ止めておくれよー!」

春香「次は自信作だよ!楽しみにしてて亜美っ!」

亜美「うん、亜美聞くのが恐いよ・・・」

春香「それじゃあいきますっ、じゃじゃん!」

美希「・・・」

亜美「・・・」

春香「・・・アミバっ!」

美希「うわぁ・・・最悪なの」

亜美「今までで一番ヒドイのきちゃったよー!」

春香「えー、これもダメなのかいー?」

亜美「当たり前じゃん!最悪だよ、そんなニックネーム絶対イジメの対象になるじゃん!」

春香「でもネタキャラだよ?絶対おいしいポジションになれるよ?」

亜美「亜美そんなの求めてないから!はるるんと一緒にしないでーっ!」

春香「これもダメかー・・・それじゃあ今度こそ」

美希「えー・・・まだやるつもりなの?」

春香「モチのロンじゃないか!まだまだいきますよ」

亜美「もういいよもう沢山だよー!もうこの流れやめようよー!亜美もうやってられないよー!」

春香「えー、でも春香さんまだまだアイデア絞り出せそうなんだけどなー」

亜美「ってかもう勘弁して!これ以上は亜美が聞くに堪えないよ、亜美がスベってる気分になっちゃんだよー!」

春香「ははっ、亜美ってばそんな遠慮しなくてもいいからー」

亜美「うるせーやーい!こうなったら実力行使だ、無理やりにでも止めてやるーっ!」ガバッ

春香「うわっ、ちょっと亜美!?」

亜美「えーい、はるるんには罰としてくすぐり地獄の計だー、うりうりーっ!」

春香「ちょ、ひぃぃっ!亜美、くすぐったいってば・・・やめ」

亜美「うりうりー!どうだはるるん、参ったかー!」

美希「あっちゃー、さすがに力ずくとなったら春香に勝ち目はないかー」

春香「ちょっと美希、そんな冷静に見てないで助けてよー!あっ・・・あははっ!ひぃぃっ・・・」

美希「自業自得なの、春香は大人しく亜美にくすぐられてるといいの」

春香「そ、そんなひどい・・・あっ、ちょ亜美・・・ふふふっ!あっ、あはははっ!」

亜美「どうだはるるーん!今度こそ、今度こそ亜美の勝ちっしょー!」

春香「ひ、ひひひっ!あっはははは!ふふっ・・・げほっ、げほげほげほっ・・・!」

亜美「えっ、ちょっとはるるん・・・?」

春香「げほっ、げほっ・・・!ぜ、ぜぇぜぇ・・・笑いすぎて苦しい・・・ごほっ!」

亜美「あれ、はるるん・・・?」

美希「春香、大丈夫?」

春香「だ、大丈夫じゃないかも・・・げほっ、げほっ・・・!あぁヤバイ苦しい・・・ぜぇぜぇ」

亜美「ちょ、ちょっとはるるん・・・だ、大丈夫?」

春香「はぁはぁ・・・く、苦しい・・・げほっ」

美希「亜美、これちょっとやり過ぎなんじゃない?」

亜美「えっ、そんなことないよ・・・亜美、一応手加減したもん」

春香「・・・」

亜美「は、はるるん・・・?」

春香「なーんちゃって!まあ演技なんですけどねーっ!」

亜美「・・・」

美希「・・・」

春香「ふふん、まんまと春香さんの演技に引っかかっちゃったねー、亜美もまだまだだなー」

亜美「うあー!悔しいよー、全然はるるんに歯が立たないよー!」

美希「元気出すの亜美、今日ばかりは相手が悪かったって諦めるしかないの」

亜美「うぅ・・・どうやったらはるるんに勝てるんだよぉー」

美希「力ずくでも勝てないとなると・・・律子、さんに叱ってもらうとか?」

亜美「それいいねー!よーし、収録終わったらりっちゃんに言いつけて叱ってもらおーっと!」

美希「あっ、でもそれもダメかも・・・」

亜美「どうしてさミキミキ、うちの事務所でりっちゃんの説教恐くない人なんかいないっしょー」

美希「だって春香ってば、アレなんだもん・・・」

亜美「アレ?」

美希「えーっと・・・ドM?」

亜美「は、はい・・・?」

春香「ちょっとミキミキぃ!言うに事欠いてそれはヒドすぎるんじゃないかなー!?」

美希「じゃあ春香・・・律子、さんのお説教ってどう思う?」

春香「ぶっちゃけ愛を感じるからもっと沢山して欲しいかなぁ、って・・・えへへっ」

美希「引くの」

亜美「引くよ」

春香「勿論冗談だからね?真に受けないで欲しいんだけど、ねえちょっと距離取らないでってば!」

美希「そんなわけでそろそろ番組も終わりの時間が近づいてきたのー」

亜美「うあうあー!結局今日の亜美ははるるんたちに振り回されてばっかりだったじゃーん!」

春香「残念だったねーアミーゴ!」

亜美「ちゃっかりそのニックネームで呼ばないでってば!亜美それを許可した覚え無いかんね!」

美希「・・・」

春香「ダメなのかい?阿弥陀如来さん」

亜美「だからダメだってば!・・・いやいやドサクサに紛れて言い換えないでよ!」

春香「ゴメンゴメン、悪かったよアミバさん」

亜美「一番イヤなやつだー!それだけはイヤだよー、やめてーっ!」

美希「さすがにミキも今日の亜美は可哀想かもって思えてきちゃったの」

美希「そんなわけで視聴者プレゼントのコーナーなの」

春香「いえーいっ!」

美希「今回は何にしよっか?」

春香「うーん、そうだね・・・亜美、何か良い案はある?」

亜美「あっ、そっかー・・・プレゼントっていっつも適当に決めてたんだったね」

春香「うん、まあそんなわけで出来ればゲストの亜美に決めてもらいたいんだけど」

亜美「そっかー・・・それじゃあ、はるるん!」

春香「ほえ?」

亜美「今回の視聴者プレゼントは、はるるん本人にしたいと思いまーす!いえーいっ!」

春香「・・・」

美希「ちょっと亜美、いくらなんでもそれは・・・」

亜美「えっ、だって何でもいいんでしょ?だったらはるるんでもいいんじゃない?」

春香「よしきた、春香さん喜んでプレゼントになっちゃおう!」

亜美「・・・あれ?」

春香「というわけで今回のプレゼントは天海春香さんご本人でーす!ご応募お待ちしてまーす!」

美希「あの、春香・・・?」

亜美「うあうあー!これでもダメなのかよー!全然動じないじゃんよーっ!」

美希「亜美、どうしたの?」

亜美「起死回生の一手だと思ったのに全然堪えてないじゃん!さすがにこれなら少しは動揺すると思ったのに!」

美希「あーまだ諦めてなかったんだ・・・残念だったね、亜美」

春香「んじゃさ、改めてプレゼントは何にしようか?」

亜美「もう何でもいいよ、最初に亜美が付けてきた覆面とかでいいんじゃない?」

美希「て、適当だね・・・」

亜美「でもこの覆面特注品なんだよ?ちゃんと亜美の髪型に合わせてサイドテールと所に穴空いてるんだから」

美希「へーそうなんだ」

春香「でもそれだけじゃ味気ないからやっぱり春香さん本人もプレゼントになろうか?」

亜美「いやいや!もうその流れ引っ張らなくていいっしょ!」

春香「でも折角の亜美の提案なんだし、ここは春香さんとしては・・・」

亜美「もういいから、亜美が悪かったからこれ以上引っ張らないで!」

春香「しょうがないなぁー、それじゃあ今回のプレゼンは亜美特注の覆面ということで、ご応募お待ちしてまーす!」

春香「はい!ということで、そろそろお別れの時間が近づいてまいりましたー」

美希「亜美は今回番組に出てみてどうだった?感想とか聞かせてほしいな」

亜美「うん、正直亜美としては不完全燃焼で終わった感が否めないね」

美希「あー、やっぱり?」

亜美「うん、なんていうか今回は二人にずっと振り回されっぱなしだった気がするよ」

春香「まあ何だかんだでミキミキも結構グイグイくるからねー」

美希「自分を棚に上げるのはよくないってミキ思うな、明らかにヒドイのは春香の方なのに」

春香「何をっ!このやろーっ!」

美希「うん、だからそういうテンションのことを言っているの」

亜美「あのさ、最後なんだからゲストの亜美を放置して漫才するのやめてくれないかな?」

亜美「まあでも、終始振り回されっぱなしではあったけど楽しかったよ!出来ればまた来たいな!」

春香「おうよ、いつでも来なさい!」

亜美「今度こそはるるんをギャフンと言わせてやるかんね!首を洗って待ってろーい!」

春香「ふふん、春香さんもそう簡単に負けるつもりはないけどね!」

美希「それじゃあ今日も最後の挨拶をして〆にするの」

春香「それではお相手は、芸風はパクリ芸!の天海春香と」

亜美「芸風はモノマネ芸!の双海亜美と」

美希「芸風はツッコミとボケの二刀流の星井美希がお送りしたの!・・・ん?あれ、何これ」

はるあみ「「それじゃあ、まったねー!ばいばーい!」」




美希「ちょ、何でミキまで芸人扱いされてるの!?いやーん!とうとうミキまで最後のオチ扱いされちゃったのー!」

とりあえずここまで

投下します、今回はちょっと趣向を変えて

P「・・・」カタカタ

律子「・・・」カタカタ

P「んーっ」

ゴキッ ゴキゴキッ

P「うわっ・・・いま首からすごい音したな、デスクワークは身体に堪えるなぁ・・・」

律子「・・・あっ、ちょっとプロデューサー」

P「どうした律子?」

律子「この種類、こことここの数字間違ってますよ」

P「どれどれ・・・あっ、本当だ、悪いすぐに直すよ」

律子「いいえそれには及びません、こちらで修正しておきますから」

P「すまないな」

律子「まったくもう・・・書類くらいちゃんと作ってくださいよね」

P「悪かったって、今度埋め合わせするから」

律子「ほほう、ちなみに内容は何ですか?」

P「そんなに期待されても困るんだけどなー」

律子「まあ、私はそんなに安い女じゃありませんから、それ相応の内容でなきゃ納得しませんよ」

P「やけにハードル上げるんだな、無難に飯でもおごってやろうと思ったんだけど」

律子「・・・」

P「・・・」

律子「・・・はぁー」

P「えっ、何?今のため息は」

律子「この私が、今更その程度のことで妥協するとでも?」

P「えー、飯じゃダメなのか?いつもはそれでOKしてくれるじゃないか」

律子「毎度毎度そんなんじゃ飽きが来ちゃいますよ、たまには別のものを要求します」

P「・・・じゃあ何だったらいいんだ?」

律子「そうですね、デート一回でどうですか?」

P「・・・」

律子「デートしてくれま・す・か?」

P「・・・えっ?」

律子「だから、デート一回で手を打ちましょうと、そう言っているんです」

P「あの律子さん、いきなり何言っちゃってんの?」

律子「まあ冗談ですけどね」

P「そうだよね冗談だよね、まさか律子の口からあんな台詞が出るとは驚きだよ」

律子「まあ普通にご飯でいいですよ、その代わりちょっとお高めなところでお願いしますよ?」

P「任せとけ」

律子「さてと、それじゃあ続き続きと」

P「・・・あっ、律子」

律子「はいはい、何でしょうか?」

P「お前、この間打ち合わせしたクライアントにメール返してないだろ」

律子「えっ、嘘・・・そんなはずは」

P「だって俺のところに催促のメールが来てるもん」

律子「あっちゃー・・・すみません、すぐにこちらから送ります」

P「いいよ、この件に関しては俺の方から上手く言っておくからさ」

律子「・・・面目ありません」

P「いいって、今度何か埋め合わせしてくれたらそれでチャラにしてやるよ」

律子「そうですね・・・それじゃあデート一回でどうですか?」

P「あの律子さん、何でそんなにデートをプッシュしてくるの?」

律子「何でって・・・私とデートじゃ不服ですか?」

P「不服どころか律子みたいな美人相手なら願ったり叶ったりだけど」

律子「えっ?」

P「あっ、ちが・・・いやいや!おいドサクサに紛れて何言わせてんだよ!」

律子「プロデューサーが勝手に言ったんじゃないですか・・・そうですか、願ったり叶ったりですか」

P「いやいやちょっと待って」

律子「そうですか、プロデューサーは私とデートしたいと」

P「やけにグイグイ来るなー、お前ってそんなキャラだったっけ?」

律子「ちなみにプロデューサーはデートだったらどこに行きたいですか?」

P「うん、勝手に話を進めないでくれるかな?」

律子「私、デートだったら水族館とかに行きたいですね、お魚さんとか見てると癒されるんですよ」

P「あと人の話を聞いてくれるかな?」

律子「待ち合わせはお昼ちょっと前でどこかで軽く食べてから水族館に直行って流れが無難ですかね?」

P「えっ、何でもう具体的にプラン作成に入っちゃってるわけ?俺の話聞いてる?」

律子「あっ、それとも私お弁当とか作ってきましょうか?」

P「俺の意向を無視してどんどん計画立ててくのはやめてくれるかな」

律子「やよいみたいに上手く作れる自身は無いですけど・・・私、頑張りますね」

P「何でちょっと頬染めてんだよ、話し聞けよ」

律子「あーでもお弁当作るとなったら手荷物増えますもんねー・・・私、そういうのはあんまり」

P「おーい律子ぉー、聞こえてるかー?こっちの世界に戻ってこーい」

律子「残念ですけどお弁当は諦めてください、それはまた別の機会ということで」

P「・・・なんだか俺、壁に向かって話しかけてる気分になってきたよ」

律子「失礼な、誰が壁ですか!誰が!」

P「聞こえてんじゃねーか!」

律子「まあこれも冗談なんですけどね」

P「そうかそうか、今日の律子は随分と茶目っ気たっぷりだなー」

律子「ふふーん」

P「・・・別に冗談を言うなとは言わないけど、極めて絡みづらい冗談は勘弁してもらいたいな」

律子「誰が絡みづらいんですか!失礼なっ!」

P「お前だよっ!今現在のお前のことだよっ!さっきから一体どうしちゃったんだよマジで!?」

律子「まあまあいいじゃないですか、細かい事は気にしないでおきましょう」

P「細かくもないし気になるよ!」

律子「なんくるないさー」

P「なんくるあるわ!・・・いやいやお前本当に律子か!?誰だよお前っ!」

律子「失礼なこと言わないでください!どこからどう見たって秋月律子じゃないですか」

P「いや、まあそう言われると反論のし様も無いんだが」

律子「はいはーい、可愛いりっちゃんですよー」

P「うん、確かにりっちゃんは可愛いけどさ」

律子「んなっ!?」

P「あれ、律子どうした?」

律子「ちょ、プロデューサーいきなり真顔で何言っちゃってるんですか!」

P「あっ、素に戻ったな・・・うん、その反応は紛れもなく律子だ」

律子「まったくもう、この人は・・・ほんっとに調子狂うことばっかり言ってくるんだから」

P「おおう、今日に限ってはその台詞そっくりそのままお前に返してやるよ」

律子「時にプロデューサー」

P「ん?」

律子「そろそろこの状況を視聴者の方に説明した方がいいのでは?」

P「確かにそうだな、テレビ点けたらいきなりこんな知らない野郎が出てきたら戸惑うだろうしな」

律子「誰が野郎ですか!誰が!」

P「えっ、何で俺怒られたの・・・?」

律子「私のどこが野郎だっていうんですか!こんなうら若き乙女を捕まえておいて!」

P「何でお前のことなんだよ!俺のことに決まってんだろうが!」

律子「あっ、そうでしたか・・・てっきり私のことを言っているものだとばかり」

P「なんでだよ、普通に考えたら分かるだろ!」

律子「まあバカなことやってないでさっさと状況説明に入りましょう」

P「事ある毎に話の腰折ってるの律子の方じゃん」

律子「はいはい、いいからさっさと自己紹介する」

P「えー、ご挨拶が遅れました・・・わたくし765プロでプロデューサーをさせて頂いている者です」

律子「同じく765プロでプロデューサーをさせていただいております秋月律子と申します」

カンペ『りっちゃーん!ステキーっ!』

律子「・・・」

P「おっ、さすが元アイドル・・・いや、アイドル兼プロデューサーか」

律子「メインはあくまでもプロデュース業です、アイドルの方は止むを得ない事情がある時に限りです」

P「分かってるよ、でもその割にはステージ立ってる時めちゃくちゃ楽しそうにしてるよな」

律子「ちょ・・・!もうそんなのいいじゃないですか!さっさと今の状況を視聴者の方に説明してください!」

P「あっ、照れてるな」

カンペ『照れてるりっちゃんカワイイーっ!』

律子「だぁー、もう!スタッフさんもいちいち茶々入れないでください!」

P「スタッフさん、もしかして律子のファンだったとかですか?」

カンペ『はい、現役時代から応援していました!』

律子「えっと、その・・・あ、ありがとうございます」

P「ようやくいつもの律子らしくなってきたな、やっぱ律子はこうでなきゃな」

律子「・・・さっさと話進めてくれませんか?いい加減怒りますよ?」

P「・・・えー、なぜ私と律子がメインの二人を差し置いて番組を進行しているかというとですね」

P「まあ端的に事実だけを申し上げるなら、ダブルブッキングというやつです・・・真に申し訳ございません」

律子「今回のこの『座談会』に限ってはいつもと収録の曜日が違ってたんですよね」

P「あぁ、そのことは随分前から聞いていたはずなのについうっかり失念しちゃってさ・・・」

律子「それでまぁ、収録予定日に二人に別件で仕事を取ってきちゃった、と」

P「そういうことになるな・・・」

律子「このポンコツ!」

P「・・・」

律子「このポンコツ!」

P「聞こえてるよ!わざわざ二回言わなくてもいいだろ!」

律子「まったく、ダブルブッキングだなんて新人じゃあるまいし、何やってんですか貴方は!」

P「うぅ・・・返す言葉もございません」

カンペ『このポンコツ!』

P「スタッフさんまで!?」

律子「ポンコツ!」

カンペ『ポンコツ!』

P「・・・」

律子「プロデューサーの頭文字のPってひょっとしたら『ポンコツ』のPなんじゃないですか?」

P「・・・」

律子「プロデューサーの頭文字のPって」

P「だから聞こえてるっての!言いすぎじゃないか?俺、公共の電波に泣き顔とか流しちゃうぞ!?」

律子「でもそういう事なら、本来はこちらの番組収録が優先されるべきだったのでは?」

P「うん、俺もそういう方向で処理するつもりではいたんだけどさ」

律子「でも実際はそうならなかったわけですよね」

P「まあ、とにかくダブっちゃった件の謝罪のために『座談会』の製作側に伺ってみたら、何とさ」

律子「はい」

カンペ『そういうことでしたら別件の仕事を優先させてください、今回の件はこちらで何とかしましょう』

P「なんて言って頂いたわけですよ」

律子「あらー・・・責任は明らかにこちらにあるのに、何ともありがたいことですね」

P「それで俺もさ、多分収録日をズラしてくれるんだろうなー、って思ってたわけだよ」

律子「・・・まぁ、普通はそういう風に思うでしょうね」

P「それで後日、収録日の変更について打ち合わせしようと伺ってみたらさ」

律子「はい」

カンペ『収録日について変更はございません、番組MCに関しては765のプロデューサーさんでお願いします』

P「って言われちゃってさ」

律子「・・・」

P「おかしくない?」

律子「おかしいですね」

P「それでさ、まあ至極当然の疑問なんだけど『何で俺なんですか?』って聞いたわけよ」

律子「はぁ・・・まあ当然の流れですね」

P「そしたらさ、こんな答えが返ってきたんだよね」

カンペ『何となく、面白そうだったので!』

P「だなんて返されちゃってさ、参ったよハハハ」

律子「えぇぇ・・・ちょ、それどうなんですか・・・えぇぇー」

P「いやー、今まで出演したアイドルから聞いてはいたけど、本当にノリが適当な番組なんだなー」

律子「・・・」

P「しかもご丁寧にうちの社長に許可まで貰ってるんだよ、社長も社長で快諾なんかしてくれちゃってさ」

律子「・・・」

P「まあそんな感じで半ばなし崩し的に俺が出る流れになっちゃったんだけど・・・律子、どうした?」

律子「事情は大体分かりました、プロデューサーが何ゆえ番組に出演しなければならなくったのか」

P「そうか、分かってくれたか」

律子「ただ一つ問題が」

P「何だ?」

律子「何で私まで一緒に出演しているんでしょうか?」

P「・・・」

律子「・・・」

P「だって俺一人じゃ心もとなかったんだもん」

律子「だもん、じゃないでしょうが!・・・つまり貴方は、自分のミスの後始末に私まで巻き込んだと?」

P「おい律子、そいつはちょっと言い方が悪いんじゃ・・・律子?」

律子「ほほう、中々いい度胸しているじゃないですか・・・ぶっ飛ばしますよ?」

P「ごめんなさい」

P「いや、でもやっぱり律子を呼んで正解だったよ」

律子「何ですか今更、フォローのつもりですか?」

P「いやいや事実だよ、さすがアイドルやってただけあってカメラ慣れしてるっていうか、頼もしいよ」

律子「べ、別にそんな大した事ありませんよ・・・」

P「そんな事ないって、俺一人だったらしどろもどろで、きっと収録なんかまともに出来なかったに違いないさ」

律子「プロデューサーだってカメラ前にして結構堂々としてるじゃないですか」

P「俺はあれだよ、ほら・・・頼りになる相棒が今日は隣にいるからさ」

律子「・・・まったくもう!そんな見え見えのヨイショなんかされたって嬉しくも何ともないんですからね!」

P(めっちゃ笑顔やん・・・)

律子「えへへ・・・しょうがないですねぇプロデューサーは、私がいないとてんでダメなんだから」

P「ところで律子さ」

律子「はい、何でしょうか」

P「文句言ってた割には最初らへんのトーク、かなりテンションおかしかったよな」

律子「あー・・・」

P「なんていうか、俺普通にビックリしたよ、普段の律子と違いすぎててさ」

律子「いや、それは何ていうか・・・あれですよ」

P「ん?」

律子「曲りなりにも二人の代役を引き受けた以上、それに沿った役割も演じなきゃと思って」

P「そうかそうか・・・んっ?」

律子「それでまぁ、僭越ながら私なりにこの番組における春香を意識してトークしてみたわけですが」

P「そ、そうか・・・プロ根性痛み入るよ、間違った方向に働いていると思うけど」

律子「間違ってますか?・・・私、春香を演じられていませんでしたか?」

P「いやいや、そういう事言ってるわけじゃ・・・まあテンションのぶっ飛びっぷりは似てたけどさ」

律子「本当ですか!?」

P「う、うん・・・ちょっと身を乗り出しすぎじゃないかな、落ち着こうか律子」

律子「そうですか、よかった・・・私、ちゃんと春香を演じられていたんですね」

P「だからそういう事じゃなくて・・・」

律子「プロデューサー、私何か間違ってますか・・・?」

P「いや、だからさ・・・何も代役だからってその二人のキャラまで演じる必要は無いだろう」

律子「えっ、でもやっぱり番組の趣旨っていうのも大事だと思いますし」

P「それはそうかもしれないけど、俺たちがそこまでする必要はないだろう」

律子「そうですか・・・」

P「あれはさ、あくまであの二人の持ち味だから、俺たちが真似たって仕方無いさ」

律子「なるほど・・・確かにその通りですね、、分かりました」

P「そうか、分かってくれたか」

律子「私が美希を演じればよかったんですね」

P「・・・えっ?」

律子「私が春香を演じることに無理があったと、そういうことですね?」

P「うん、全然分かってくれてなかった」

律子「だったらプロデューサーは春香を演じてくれるということですか?」

P「はぁ!?何言ってんの、あんなテンション俺に出来るわけないだろう!」

律子「ほら、やっぱり無理じゃないですか・・・だったらやっぱり私が春香を」

P「何でそうなるんだよ!何がお前をそこまで駆り立てるんだ!」

律子「き、きゃるるーん!あ・・・秋月律子ちゃんなりよぉー!」

シーン...

P「これはひどい、盛大な自爆っぷり、そして後日真に確実に怒られるな・・・俺」

律子「・・・」

カンペ『・・・』

P「あのさ、それ春香のネタじゃないからね?さも自分のネタみたいにうやってるけど違うからね?」

律子「あのですね、プロデューサー・・・私だって恥ずかしいんですから、もうちょっとノリというものを」

P「恥ずかしがるくらいならやるなよ!っていうかこの寒々しい空気どうしてくれるの!?」

律子「なかなか難しいものですね、春香を演じるというのも」

P「いや、別に無理してやらなくてもいいだろ・・・ありのままの律子でいいよ」

律子「なっ・・・!」

P「ん、どうした?」

律子「そ、そんな・・・ありのままの私でいて欲しいだなんて」

P「律子さん、何言ってんの?」

律子「よくもまぁそんな恥ずかしい台詞が言えますね!」

P「そんなに恥ずかしい台詞じゃないよね、間違いなく、確実に」

律子「こ、これはもうプロポーズされたと言っても過言では」

P「過言だよ!あぁそうか・・・美希のやつ、毎回こんな思いしてたのか・・・大変だなぁ、あいつも」

P「いや、あのさ律子」

律子「はいさい」

P「『はいさい』はそういう場面で使う言葉じゃないからな?」

律子「てへぺろ」

P「お前本当に律子なのか!?実はその薄皮一枚剥いだ向こうは春香とかいうオチじゃないだろうな!?」

律子「んなわけないでしょうが!どこからどう見たって可愛いりっちゃんですよ!」

P「分かってるよ、律子が可愛いことくらい」

律子「なっ・・・!ちょ、何そんな歯の浮くような台詞を真顔で言ってるんですか」

P「よし、ようやく素に戻ったな」

律子「まったくこの人は・・・無自覚でそんな台詞吐く辺り本当にタチが悪いわ・・・」ブツブツ

律子「時にプロデューサー、一つ伺いたいのですが」

P「何だ?」

律子「私がプロデューサーのミスの後始末に駆り出された件についてはこの際不問にしましょう」

P「うん・・・すごくトゲのある言い方だけど、それは助かるよ」

律子「それで、肝心の春香と美希にとってきた別件の仕事って一体何なんですか?」

P「あぁ、それか・・・あれ、言ってなかったっけ?」

律子「聞いてませんよ、一切聞いてませんよ」

P「あー悪かった・・・えっとな・・・言わなきゃダメか?」

律子「まあ、レギュラー番組の収録よりも優先されるような仕事というと、気にはなりますからね」

P「えーっと・・・」

律子「何ですか、もったいぶらずに早く言ってくださいよ」

P「温泉街でグルメレポーターの仕事・・・なんだよね」

律子「・・・はい?」

P「勿論入浴シーンとかそういうのはNGにしてるから、そんなのが公共の電波に乗ることは無いぞ!」

律子「いや、別にそういう心配してるわけじゃないですが・・・温泉街ですか」

P「うん、多分今頃はロケも終わって温泉で一休みしてる頃なんじゃないかな・・・」

律子「・・・へぇ」

P「まあ、あいつらも最近働き詰めだしな、いい機会だと思ってさ・・・あれ、律子?」

律子「へぇ・・・温泉ねぇ、温泉ですかぁ」

P(あっ、しまった・・・地雷踏んじゃったかも)

律子「私たちが、こんな事している間にあの二人は温泉ですか・・・ほほう、ふーん・・・へぇぇぇ」

P「いや、律子・・・温泉で一休みっていうのは俺が許可したことだからあの二人は・・・」

律子「分かっていますよ、分かっていますとも、ええ分かっていますともさ!」

P「・・・」

律子「ただ何というか・・・このやるせない気持ちの行き場をどうしようか、困ってたところなんですよねー」

P「そ、そうか・・・」

律子「まずプロデューサーにぶつけるっていうのはどうでしょうか?」

P「うん、それに関しては俺にも責任あるし、甘んじて受ける気ではいるけど」

律子「そうですか温泉ですかそうですか・・・うらやましいなぁ・・・ふーん」

P(ゴメン二人とも、これ絶対後日理不尽に八つ当たりされるパターンだわ)

――番組収録と同時刻 春香と美希のロケ先、某温泉街にて――

美希「はぁ・・・いいお湯なの」

カポーン...

春香「だねぇ・・・」

カポーン...

美希「ホントだったら今日は『座談会』の収録だったはずなのに」

春香「こんな形で温泉に入れるだなんてねぇー、ありがたやー、ありがたやー」

美希「代わりに収録出てくれた二人に感謝なの」

春香「全くだねぇー・・・はぁー」

美希「ふふっ、春香ってばお年寄りみたいなの」

春香「うるせえやい・・・しょうがないじゃん、いい気持ちなんだから」

美希「確かにそれは否定できないの・・・はぁ、いい気分なの」

春香「極楽じゃー、春香さんは極楽じゃー」

美希「でもさすがにミキたちだけこんないい思いしてちゃ申し訳ないの」

春香「そうだね、お土産買って行こっか」

美希「律子、こんなことになって怒ってないかな」

春香「大丈夫でしょ、プロデューサーさんのことだから事前に説明してくれてるはずだよ」

美希「だよね、もしミキたちが温泉行ってるだなんて土壇場で知らされたら、さすがに怒るだろうけど」

春香「あー、確かに・・・それは私でも怒るかも、『何でそんなの今まで黙ってたんですかー!』って感じでね」

美希「でも大丈夫だよね、さすがにそんなことにはなってないよね」

春香「大丈夫でしょー、いくらなんでも」

美希「だよね、んーっ!極楽なのーっ」

春香「あぁぁぁー・・・・いい湯だなぁ、はははっと・・・はぁーん!」

とりあえずここまで

少しだけですが、投下します

テロップ『そんなこんなで番組は後半へ・・・』

P「改めまして、765プロのプロデューサーです」

律子「同じく、765プロのプロデューサー、秋月律子です」

P「あっという間に番組も後半か、なんだか時間経つの早く感じるな」

律子「それはそうと前半は本当に無駄話しかしてないですよね」

P「そうだな」

律子「尺も短いんだから、時間はもっと有意義に使わなきゃダメですよ」

P「・・・うん、主に無駄話の原因の大半はお前にあると思うんだよね」

律子「そ、そんな・・・褒めないでください、照れるじゃないですか」

P「なるほど、後半もそのボケキャラで通すつもりか」

律子「というかプロデューサー」

P「ん?」

律子「私がこうして頑張って春香のノリを演じようとしているんですから、プロデューサーも合わせてくださいよ」

P「えー・・・」

律子「ほら、私が春香ならプロデューサーは美希ですよ!美希っぽいノリで!お願いします!」

P「はぁぁっ!?無茶苦茶言うなよ、俺がそんなのやったって痛々しいだけだろうが!」

律子「ほら、男は度胸、何でもやってみるもんですよ!」

P「どこかで聞いたような台詞だな・・・いやいや、絶対やらないぞ」

律子「ほらプロデューサー、はーやーくっ!はーやーくっ!」

P「・・・」

律子「はーやーくっ!はーやーくっ!・・・やってくれないんですか?」

P「ぜってえやらねえ」

律子「そ、そんな・・・あんまりですよっ!」

P「そんな落胆するようなことか」

律子「あなた様は・・・いけずです」

P「似てねえよ!・・・でも今のちょっとかわいかったな」

律子「ちょ、だから・・・」

P「どうした律子?」

律子「その、あんまり可愛いとか言わないでもらえますか・・・恥ずかしいじゃないですか」

P「ちょいちょい素に戻ってしまう辺り、なんというか律子らしいよな」

律子「あぁ、それにしても今頃春香と美希の二人は温泉なんですよねぇー」

P「やけに引っ張るな、そんなにうらやましいか」

律子「当たり前じゃないですか!私だってたまには息抜きしたいですよ」

P「だったら竜宮にその手の仕事でも取ってきてやったらどうだ?」

律子「それだといかにも私欲のために仕事取ってきてるみたいじゃないですか」

P「何だよ、変なところでお堅いやつだな・・・」

律子「あぁーでもやっぱうらやましい・・・プロデューサー、ちょっと八つ当たりしていいですか?」

P「・・・」

律子「プロデューサー、どうしました?」

P「律子さんや、ちょいと俺の頭を触ってみてくれ」

律子「なっ・・・いきなり何を言い出すんですか!セクハラですよ!?」

P「どこがだよ!いいから触ってみろ、この辺だ」

律子「ふむ・・・コブが出来ていますね」

P「さて、問題です・・・このコブが出来た原因は何でしょうか?」

律子「天井から金だらいでも落ちてきたんですか?」

P「どこのコント番組だよ!お前のハリセンで出来たコブだよ!」

律子「はて・・・そうでしたっけ」

P「さっきテープチェンジの待ち時間中に八つ当たりと称して人の頭引っ叩いておいて何を言うか」

律子「てへ」

P「あんだけ叩いておいて、まだやり足りないというのか?」

律子「いけませんか?さっき甘んじて受けるって言ったのはどの口でしょうね?」

P「・・・まぁ、今回の件は俺に責任があるのは確かだ、それで律子の気が済むのなら構わないけどさ」

律子「それではプロデューサー、覚悟を決めてください」

P「うん」

律子「ここに金のハリセンと銀のハリセンがあります」

P「おお・・・本当だ、よくそんな小道具用意してきたな」

律子「プロデューサーが叩かれるのはここにある、鉄製のハリセンでいいですよね?」

P「既に決定事項かよっ!その小道具用意した意味は何なんだよ!?」

律子「さあ、頭出してください」

P「さすがにそんなの嫌に決まってんだろ!せめて普通のハリセンにしてくれよ!」

律子「時にプロデューサー」

P「ん、どうした?」

律子「せっかく私たち765プロの裏方二人が揃っているんだし、何かそれらしい話でもしませんか?」

P「それらしい話か・・・例えば?」

律子「そうですね・・・私たち二人の本当の関係、とか」

P「関係も何も・・・ただの同僚だろう?」

律子「えっ?」

P「えっ?」

律子「・・・」

P「・・・えっ、何で黙るの?」

律子「えと・・・」

P「あれ・・・俺、別に何もおかしなこと言ってないよね?」

律子「そ、そうですよね・・・ただの同僚ですよね、私ってばスイマセン」

P「えっ、律子・・・どうした?」

律子「あの・・・そ、そうですよね!た、ただの同僚・・・なんですよね」

P「おいちょっと待て何だその反応は」

律子「私ったら何をバカなこと言ってるんでしょうね・・・今のは聞かなかったことにしてください」

P「あの・・・律子さん?」

律子「ごめんなさい・・・私ってば、何を勘違いしちゃってたんだろう」

P「いやいやいや!何なのその意味ありげな言い方は!?」

律子「そう・・・私たちはただの同僚なんです・・・それ以上でもそれ以下でもない」

P「ねえ律子、俺の話聞いてる?何でそんな誤解を招くような言い方するの?」

律子「あの日のことは私だけの胸に留めておきます・・・思い出の一つとして」

P「あの日のことって何だよ!一切覚えがねえよ!」

カンペ『えっ、お二人って何かワケありな関係なんですか?』

P「ほら見ろやぁー!あらぬ誤解招いちまっただろうがぁっ!何も無いからね?本当に何も無いですからねっ!?」

律子「うぅ・・・ぐすっ、すみません・・・本当に、本当に何でもないですから」

P「ちょ、嘘泣きまで・・・随分と手の込んだ芝居だなぁオイッ!」

カンペ『このクサレ外道が!よくも俺たちのりっちゃんを泣かしたな!』

P「律子ぉー!頼むから早く訂正してくれっ!これ以上はマジで俺の立場に関わるから!」

律子「すみません・・・つい悪ノリが過ぎちゃいました」

P「いやマジで律子さんお願いしますよ・・・ああいうの本当に洒落になりませんから」

律子「まあ、そんなことはさて置き」

P「そんなことの、一言で済ませるなよ!マジで俺の今後を左右しかねない事態に発展するとこだったんだぞ!?」

律子「もー、男がいちいちそんな事でウジウジ言ってちゃダメですよー」

P「えぇぇー・・・めっちゃ理不尽やん」

律子「まあ気を取り直して、そろそろ番組進めていきましょうよ」

P「なんか釈然としないけど・・・そうだな、分かったよ」

律子「そんなわけで、そろそろ何かしら話題でも決めてお話しませんか?」

P「話題、ねぇ」

律子「さっきも言いましたがせっかく私たち765プロの裏方二人がいるんだし、それらしい話題がいいですよね」

P「ふむ・・・例えば律子はどんな話題が思い浮かぶ?」

律子「そうですねー・・・まあ、ありきたりですけど私たち765プロの裏話的なものとかどうでしょう?」

P「裏話、か・・・まあ、折角の機会だしいいんじゃないかな」

律子「勿論あまり込み入ったことはお話は出来ませんけど、そこは各々の裁量次第ということで」

P「分かってるよ」

律子「それじゃあ、互いに一つずつ話していくっていう形でいいですか?」

P「あぁ、それでいいよ」

律子「それじゃあまずは私からいきますね」

P「よしきた」

律子「うちの事務所に水瀬伊織って、いるじゃないですか」

P「うん、竜宮小町のリーダーでも有名な水瀬伊織ね」

律子「オデコがチャーミングな彼女なんですが、実は・・・」

P「うん」

律子「あのオデコ、太陽光を反射しちゃうんです」

P「・・・」

律子「・・・」

P「・・・はい?」

律子「だからあのオデコ、太陽光を反射するんですよ、実は」

P「俺の聞き間違いじゃなかったようだな・・・あれ、これって裏話だよね?作り話じゃないよね?」

律子「何言ってるんですかプロデューサー、当たり前でしょう」

P「いやいや、誰がどう考えたって作り話だろうが!何なの、お前は伊織の評判落としたいの?」

律子「そんなわけないじゃないですか!私は竜宮小町のプロデューサーですよ?」

P「えっ、じゃあ何であんな作り話したの?メリットないよね」

律子「私・・・伊織にはもっと仕事の幅を広げて欲しいんです」

P「・・・そ、そうか」

律子「彼女には才能があります、もっと色々なところに手を広げるべきだと思うんです」

P「確かにその考えには同意するが、それとこれとどういう関係が」

律子「こういう面白エピソードを披露することで、お笑い方面への道が拓けるんじゃないかなぁ、と」

P「なるほど、伊織にとってみれば完全にありがた迷惑だよな」

律子「でもこの間伊織が出てた回見ましたけど、やっぱり伊織にはツッコミの才能あると思うんです」

P「いやいや、アイドルにツッコミの才能見出すのもどうかと思うけどさ」

律子「プロデューサーは伊織のツッコミに対して、何も感じなかったんですか?」

P「ま、まぁ確かにあの二人のボケにことごとくツッコミ入れる姿は見てて面白かったけどさ」

律子「あれだけのツッコミスキル、埋もれさせておくのは勿体ないと思うんです」

P「お前の伊織のツッコミに対する評価すげえな・・・本人絶対嬉しくないと思うけど」

律子「そんなわけでプロデューサー!」

P「なんだ?」

律子「伊織と美希と春香の3人でお笑いトリオを結成しようと思うんで、協力してください」

P「するわけねえだろうがっ!」

律子「伊織ぃー!技を借りるわよ、太陽拳っ!」

シーン...

P「・・・いきなり何やってんの?」

律子「というのが伊織の得意技でして」

P「だだ滑りじゃねえか!しかも伊織にまで飛び火させてるし!」

律子「くっ・・・自信作だったのに」

P「うん、悪ふざけもたまにはいいんだろうけど、後でどうなっても知らないからな、俺は」

律子「ひどい、プロデューサー・・・あんまりですよ!怒られる時は一緒だって・・・」

P「何でだよ!完全にお前一人の責任じゃねえか!俺まで巻き込むんじゃねえよ!」

律子「まあ伊織は何だかんだで優しい良い子ですからね、きっと笑って許してくれますよ」

P「楽観的だなー・・・絶対そんなことにはならないと思うけど」

――番組オンエアーと同時刻 事務所にて番組視聴中の伊織と真――

真「うわぁ・・・」

伊織「・・・」

真「えっと・・・伊織?」

伊織「・・・ねえ、真」

真「・・・何かな」

伊織「私、ちょっとだけあんたの気持ち分かったわ・・・」

真「そう・・・」

伊織「自分を笑いのネタにされるっていうのは、こんなにもやるせない気持ちになるのね」

真「ハハハ・・・ボクはもう正直慣れてきちゃったけどね」

伊織「律子・・・覚えてなさいよ」

律子「さあ、それでは次はプロデューサーの番ですよ」

P「ちょっと待て、お前のアレは普通に裏話の一つとしてカウントされるのか?」

律子「もちろん」

P「・・・よし分かった、そういうことなら俺もとっておきの裏話をしてやる」

律子「期待していますよ」

P「この番組でお馴染みの天海春香に関してだが」

律子「春香ですか、どんな普通のエピソードが飛び出てくるんでしょうね」

P「いや・・・春香だからって何でもかんでも『普通』と結びつけてやるなよ」

律子「さあさあ、早く春香の普通のエピソードお願いしますよ」

P「なるほど、こいつは確かに面倒くさいな・・・美希がツッコミせずに放置する理由がよく分かったよ」

P「まあ、そんなわけでうちの春香なんだけどな」

律子「はい」

P「春香といえば、よく転ぶイメージがあるわけだが」

律子「そうですね」

P「あいつな・・・実は、誰もいない事務所でたまに転ぶ練習とかしてるんだ」

律子「えっ?」

P「・・・」

律子「そ、そんな・・・それって本当なんですか!?」

P「あれ、何そのマジなリアクション」

律子「う、嘘・・・あの春香のズッコケ芸がまさかワザとだったなんて・・・これはとんでもない事実ですよ!」

P「いやいや、何だよその大げさなリアクション・・・」

律子「だって、そんな・・・私そんなの全然知りませんでしたよ!本当にドジで転んでるんだとばかり」

P「ちょっと待って、何で信じちゃってるの?どう考えたって嘘に決まってんじゃん」

律子「えっ、嘘なんですか?」

P「当たり前だろう・・・いくら春香でもそこまでするわけないって」

律子「・・・」

P「・・・」

律子「プロデューサー、何でそんな嘘ついたんですか?」

P「えっ?」

律子「私、信じられません・・・どうしてそんな平然と嘘の話なんか出来るんですか?」

律子「プロデューサー・・・あんな作り話でっち上げて、あんまりです!春香が可哀想じゃないですか!」

P「ちょ・・・!お前のさっきの作り話はどうなんだよ!あれだって伊織が」

律子「ごちゃごちゃ言い訳しない!悪ふざけも大概にしないと怒りますよ?」

P「お、俺の話全然聞いてねぇー・・・」

律子「ほら、さっさと謝ってください!視聴者の皆さんに、そして春香に」

P「えぇぇー・・・えぇぇぇ・・・なんでやねん・・・」

律子「は・や・く・し・て・く・だ・さ・い!」

P「視聴者の皆様、それと春香さん・・・この度は真に申し訳ございませんでした」

律子「よろしい、これに懲りたらもう二度とあんな嘘つくんじゃありませんよ?」

P「俺、社会人になってこれほどまでに理不尽な思いをしたのは初めてだよ・・・泣きそうだぁー」




テロップ『プロデューサーさんドンマイ!CMのあとはさらなる裏話が・・・!?』


とりあえずここまで

  。゜::       。.゚: : : : : : : : : : : : : :`: .        
   。:.         〃..: : : : : :i : : ||: : :|i: : : : :ヽ      i *
   。:        /:..: : :..i: : : :| : : ||: : :||: : : i: : : :.     人
    。:.     ,': : : : : :|: : : :| : : ||: : :||: : : l: :i: : :.  ̄ `Y´ ̄
    。:..    l: : i: : : :|: : : :| : : ||: : :||: : : |: :! : : i   * |
     ゚ i 。:...|: : l!: : : |: : : :| : : ||: : :||: : : |: :!: : :.|!        スれッドが立ってしまいました・・・

      __人*  |: : |!:..: :.Lェエ工_ ̄ _工エェ」:..: :.!! 。:゚  ゚:。
   ̄ ̄`Y´ ̄.|: : |l: : : !  (rリ      (rリ  l..: :..l:! 。:  :。
       |*   |: : l:! : : ト _ ノ _ 、_ ノ!: : :.l:l  ゚ ゚
          |: : |:!:..: :| :::::::    |  !  :::::: ! : : |:!
     。: ゚ ゚ :。| : 从:..:..ト       ー'   .イ:|: : :.l:|       !
   。:     |: :〃 ヽ:|::::::::∩─、‐,‐七∩:|:.!: : ハ   *__人__
   。:     |: :{:::::::::::ヽ::::ノ Lf⌒V⌒l:」 !_!:|: /:::::}。。 ̄`Y´ ̄

    。:..  ..:。|: :|::::::::::::::〃  ヽノ}ト〃  Y:::::::::::!   ゚:.。 i
        ゚ ゚   |: :|:::::::::::::::〉、_ 人.八人  ノ:::::::::::|     ::。
          |:八:::::::::::/::::::::::|:::::::∨:::::ヘ='::\:::ノ     .:。

  。゜::       。.゚: : : : : : : : : : : : : :`: .        
   。:.         〃..: : : : : :i : : ||: : :|i: : : : :ヽ      i *
   。:        /:..: : :..i: : : :| : : ||: : :||: : : i: : : :.     人
    。:.     ,': : : : : :|: : : :| : : ||: : :||: : : l: :i: : :.  ̄ `Y´ ̄
    。:..    l: : i: : : :|: : : :| : : ||: : :||: : : |: :! : : i   * |
     ゚ i 。:...|: : l!: : : |: : : :| : : ||: : :||: : : |: :!: : :.|!        スれッドが立ってしまいました・・・

      __人*  |: : |!:..: :.Lェエ工_ ̄ _工エェ」:..: :.!! 。:゚  ゚:。
   ̄ ̄`Y´ ̄.|: : |l: : : !  (rリ      (rリ  l..: :..l:! 。:  :。
       |*   |: : l:! : : ト _ ノ _ 、_ ノ!: : :.l:l  ゚ ゚
          |: : |:!:..: :| :::::::    |  !  :::::: ! : : |:!
     。: ゚ ゚ :。| : 从:..:..ト       ー'   .イ:|: : :.l:|       !
   。:     |: :〃 ヽ:|::::::::∩─、‐,‐七∩:|:.!: : ハ   *__人__
   。:     |: :{:::::::::::ヽ::::ノ Lf⌒V⌒l:」 !_!:|: /:::::}。。 ̄`Y´ ̄

    。:..  ..:。|: :|::::::::::::::〃  ヽノ}ト〃  Y:::::::::::!   ゚:.。 i
        ゚ ゚   |: :|:::::::::::::::〉、_ 人.八人  ノ:::::::::::|     ::。
          |:八:::::::::::/::::::::::|:::::::∨:::::ヘ='::\:::ノ     .:。

投下します

律子「ではプロデューサー、改めて裏話お願いします」

P「・・・」

律子「・・・どうしました、プロデューサー?」

P「お前の作り話はカウントされるのに、俺の作り話はノーカンになるのな」

律子「当たり前じゃないですか」

P「言い切りやがった!何この状況めんどくせえ!」

律子「さあさあ、プロデューサー今度こそ早く!とっておきの裏話をっ!」

P「いやスマン・・・正直さっきのやり取りのせいでまともに考えてなかった・・・ちょっと猶予をくれ」

律子「しょうがないですねぇ・・・それじゃあ私が話しているうちに考えておいてくださいね」

P「あぁ、分かったよ」

律子「それじゃあ次に披露する私の裏話ですが」

P「うん」

律子「これまた竜宮小町の一員である三浦あずささんについてなんですが」

P「ほう、次はあずささんか」

律子「あずささんと言えば、まぁ度々迷子ネタがよく使われるんですけど」

P「まあでもあの人の迷子っぷりに関してはガチだからなぁ・・・しょうがないよ」

律子「そのあずささん、実はこの間事務所に迷わずにまっすぐ来れたみたいなんですよ」

P「えっ、そうなんだ、レアなパターンだな」

律子「ところがですね、あずささん・・・真っ直ぐ迷わず事務所に来れた事に逆に戸惑ってしまったみたいで」

P「そうなのか?普通は迷わず来れて喜ぶべきだと思うけど・・・」

律子「それでですね、あずささん・・・戸惑う余りとんでもない行動に走ってしまいました」

P「うん、何だか雲行きが怪しくなってきたな」

律子「ご丁寧に来た道を引き返して、今度はちゃんと迷子になった上で事務所に来たそうです」

P「・・・」

律子「大したものです、道を引き返してまで敢えて迷子になろうとするその心意気・・・私、尊敬しちゃいます」

P「・・・」

律子「どうしました、プロデューサー?」

P「えっと・・・改めて聞くけど、これって裏話だよな?作り話じゃないんだよな?」

律子「またその質問ですか・・・当たり前じゃないですか」

P「ウソつけや!どう考えても作り話じゃねえか!」

律子「なっ・・・!プロデューサーは私の話を疑うっていうんですか?」

P「疑うも何も信憑性皆無じゃないか」

律子「何言ってるんですか、ソースは信頼と実績100%の秋月律子ちゃんですよ」

P「すげえ胡散臭いうたい文句だな」

律子「ひどい・・・!将来プロダクションを設立した時のキャッチフレーズにしようと思ってたのに!」

P「絶対やめとけ!」

律子「まあそんな事はさて置き、話を戻しましょう」

P「そうね・・・そもそも何で迷わず来れたのに迷子になる為に道を引き返すんだよ」

律子「プロ根性が故に、です」

P「いやいや、おかしい・・・おかしいから」

律子「もしくは自らの誇りの為に」

P「わぁーカッコイイー」

律子「でしょう?」

P「ってバカか!あずささん迷子キャラにそこまで誇り持ってないだろう!」

律子「あなたに・・・あなたなんかにあずささんの何が分かるっていうんですか!」

P「いや、それは確かにそうだけど・・・いやいや、この流れで俺が怒られるっておかしいだろ」

カンペ『そうだそうだー!あなたに三浦さんの何が分かるっていうんだー!』

律子「バーカ、バーカ!」

カンペ『バーカ、バーカ!』

P「あれ、何なのこのアウェイ感は・・・俺、ここのスタッフさんに嫌われてるの?」

律子「私・・・あずささんにももっと仕事の幅を広げて欲しいんです」

P「・・・ん?」

律子「あずささんには、もっと色々な可能性があると思うんです」

P「おおう・・・これまた唐突に話題変えてきやがったな、頭の中が一瞬ハテナで一杯になったよ」

律子「彼女の迷子という、ちょっと扱いにくいスキルをどうにか活かせないものかと私、考えました」

P「なるほどそういう事ね・・・まあプロデューサーという立場上、その考えは分からなくもないが」

律子「そこで私は一つの結論に達したんです」

P「あんまり聞きたくないけど一応聞いておこうかな」

律子「これはもう・・・お笑いしか無いと」

P「何でだよ!あずささんがお笑いとかどう考えても違和感ありまくりじゃねえか!」

律子「でも案外そのギャップがウケるかもしれませんよ?」

P「仮にそうだとしても、あずささんは絶対そんなの望んでないだろ、そんなキャラじゃないって」

律子「大丈夫です、あずささんならきっと話せば分かってくれます!」

P「何なのその根拠の無い自信は・・・お前はそんなに竜宮小町をお笑い界に進出させたいの?」

律子「あずささんの方向性が迷子なボケ!」

P「・・・」

律子「やりたい放題、フリーダムなボケの亜美!」

P「・・・」

律子「そして、それらの縦横無尽なボケにも対応できる伊織のスタイリッシュなツッコミ!」

P「なるほど、律子が竜宮の3人に対してどういう印象を抱いているかよく分かったよ」

律子「どうですこの完璧な布陣、これで成功しないはずがありませんよ」

P「多分この収録分が放送された後、竜宮小町とお前の4人で会議になると思うぜ、賭けてもいいよ」

律子「今後のお笑い界へ進出するプラン作成のための会議ですね!」

P「ちげえよ!お前の暴走っぷりを糾弾するための会議だよ!」

律子「ちなみにプロデューサーは美希と春香を擁してお笑い界への進出を企てるのであった」

P「変なナレーション入れるんじゃねえ!一切考えてねえよ!」

カンペ『などと言いつつ彼の頭の中には壮大な計画が秘められているのであった』

P「スタッフさんまで悪ノリしてきちゃったし!何だよこの状況・・・誰か助けてくれよ」

律子「でもぶっちゃけ春香って最近ますます芸人っぷりに磨きが掛かってきてますよね」

P「そうなんだよ・・・実のところ、俺はその辺りのことをとても危惧しているんだよ」

律子「話はちょっと飛びますけど、そもそもこの番組の仕事を取ってきたのはプロデューサーなんですよね」

P「うん、一応ね」

律子「単刀直入に聞きますが、どうです?プロデューサー的にこの番組、どう評価します?」

P「正直に言っていい?」

律子「はい」

P「完全に予想の遥か斜め上を行っちゃってた」

律子「春香だけに?」

P「・・・」

律子「春香だけに?」

P「だから聞こえてるっつうの!何、お前は俺がツッコミ入れるまで延々同じネタ言い続ける気なの!?」

律子「つまりプロデューサーの考える番組の方向性とは全く違っていた、と」

P「そうね、むしろこんな番組になるであろうと誰が予測出来るよ・・・どんな敏腕でも不可能だと思うよ」

律子「未来予知の能力とかあれば可能かもしれませんよ」

P「お前は未来予知の能力持った業界人を誰か知っているか?」

律子「ふっふっふ・・・実は私がそうなのです」

P「・・・」

律子「実は私には未来予知の能力が」

P「まあ、そんなわけで俺の見立てではね」

律子「あぁん、スルーしないでー」

P「いちいちお前にツッコミ入れてられるか!いい加減しんどいわ!」

律子「だからって放置プレイはあんまりです!構ってくださいよ、寂しいじゃないですか!」

P「毎回お前のボケにツッコんでたら話が脱線して先に進まないんだよ!」

律子「そこを、こうね・・・上手い具合に捌いていくのがプロデューサーの腕の見せ所じゃないですか」

P「俺に丸投げしてんじゃねえよ!律子がちょっと自重すれば済む話だろうが!」

律子「おやおや、プロデューサーともあろう者が、私のボケを捌く程度のことも出来ないんですか?」

P「煽ったところで出来ないものは出来ないからな」

律子「ぶー、つまんない人ですね」

P「・・・そろそろ話を戻してもよろしいでしょうか」

律子「どうぞ、どうぞ」

P「ええと、番組の方向性についてだっけか」

律子「ええ、他ならぬプロデューサー自身のご意見を聞かせて欲しいところですね」

P「まあ俺としてはさ、もっとこう、ほのぼのとした番組になると予想してたわけさ」

律子「ほのぼの、ですか」

P「マイペースな美希とそれに振り回される頼りないお姉さんポジションの春香、みたいな感じかな」

律子「ありきたりですね、つまんないですよ」

P「うん、今ものすごく心にグサっときたけど・・・とりあえず話続けてもいいかな?」

律子「どうぞどうぞ」

P「まあところがどっこい、蓋を開けてみれば今みたいな状況なわけですよ」

律子「心中お察し致します」

P「いやはや、本当にビックリだよ・・・まさか春香にあんな隠れた一面があろうとはね」

律子「それについては私も驚いています、というか事務所の人全員驚いていますよ」

P「まあ俺としてはさ、春香の新しい一面をアピール出来るのなら全然アリだとは思ってるんだけどさ」

律子「それにしたっても、テンションのぶっ飛びっぷりはすごいですよね」

P「うん・・・すごいよね、まさかあの亜美が遅れを取るレベルだとは思わなかったよ」

律子「あの子、春香に全然歯が立たなかったこと結構気にしてましたからね」

P「しかも最近は美希まで感化されてきちゃってるだろ?二人揃ってテンションすごいの何のって」

律子「幸いにも今のところあのキャラはこの番組限定みたいだし、その辺りはまだ救いがありますね」

P「全くだな・・・他の仕事にまであのキャラ持ち出してきたら俺どうしよう、不安でしょうがないよ」

律子「やっぱりこれを機にお笑い界に進出してみては?もういっそ吹っ切れちゃいましょう」

P「だからしねえって言ってんだろうが!断固拒否するよ!」

P「あとさ、これだけはどうしても言っておきたいんだよね」

律子「何ですか?今日の晩御飯の献立についてですか?」

P「そうそう、今日の夕飯は久しぶりに煮物でも作ってみようかなぁ・・・って、ちげえよ!」

律子「・・・」

P「・・・」

律子「うわぁ・・・何一人でノリツッコミしてるんですか、寒っ」

カンペ『プロデューサーさん、寒いです』

律子「どうせやるならもっと徹底的にやってくださいよ!お笑いナメてるんですか?」

カンペ『そうだそうだー!』

P「うん、たまに頑張って乗ってみたらこの扱い・・・そろそろ心が折れそうだよ」

律子「それで、どうしても言っておきたいことって何ですか?」

P「あぁ、それなんだけどさ・・・お前ら、ちょっと真をネタにし過ぎだ」

律子「真を、ですか?」

P「春香といい、最近は美希もだけどさ・・・あとさっきお前もやってたけどさ」

律子「ふむ、覚えがありませんね・・・どのようなネタのことを言っているんでしょう?」

P「きゃっぴぴぴぴーん!とかきゃるるーん!・・・的なアレのことだよ」

律子「うわぁ、気持ち悪っ・・・」

P「・・・」

カンペ『プロデューサーさん、気持ち悪いですよ』

P「なんだこのハメられた感」

律子「まあ冗談はさて置き、確かに事ある毎にネタにしていますよね」

P「そうね、律子もさっきちゃっかりやってたしね」

律子「わ、私のはアレですよ・・・あくまで春香っぽいノリを演じようとした結果であって」

P「だからあれ春香のネタじゃないから・・・元々は真のネタだからさ」

律子「それで、プロデューサーはそれについてどういった意見をお持ちなので?」

P「率直に言うと、すごく気まずいので控えていただきたいね」

律子「ふむ、気まずい・・・ですか」

P「あいつらがさ、あのネタ使う時に限って何故か俺と真がよく一緒にいるんだよね」

律子「あらー・・・それはそれはお気の毒様です」

P「分かるか?あいつらがあれ言う度にどれだけ気まずい空気になるか!」

律子「あぁ・・・確かにあまり想像したくないですね、それは」

P「だろう?毎度毎度あの展開になると俺の胃がキリキリと痛み出すんだよ・・・」

律子「うわぁ・・・想像しただけで私も胃が・・・」

P「真のやつもさ、何かにつけて、早く『座談会』にゲストで出させてくださいって言ってくるしさ」

律子「正直、この状況で真が出演したらどうなるんでしょうね」

P「どうだろうな・・・そこまで荒れるとは思えないけど、それでもまだ様子見の段階だな」

律子「でも最近はそこまで気にしている様子も無さそうですよ、開き直ってきたんじゃないですか?」

P「仮にそうだとしてもさ、まあ本人からしたらやっぱり複雑な気持ちではあると思うんだよ」

律子「とは言え、そこまでせがまれたら、いずれは出さざるを得ないのでは?」

P「うん・・・近いうちには出すとは思う、今スケジュール調整してるから」

律子「そんなわけでちょっと話が脱線しちゃいましたね」

P「そうだな、ちょっとどころじゃないけどツッコミ疲れたからそういうことでいいよ」

律子「それじゃあそろそろ裏話再開といきましょうか、次はプロデューサーの番ですよ」

P「やっぱお前の作り話は普通に一回分としてカウントされるんだね」

律子「当たり前じゃないですか、さあさあ次はプロデューサーですよ、お願いします」

カンペ『お二人とも、申しわけございませんが・・・』

P「ん、どうしましたスタッフさん?」

カンペ『実はそろそろ番組も終わりの時間なんですが・・・』

律子「あれ、もうそんな時間なんですか?えー・・・ガッカリです」

P「結局裏話とか言っておきながら披露したのはアホみたいな作り話ばっかりじゃないか」

P「結局一つとしてまともな裏話出来てないじゃないか・・・これじゃ視聴者の方に申し訳が立たないな」

律子「もう、プロデューサーが長々と無駄話ばかりしてるからですよ!」

P「え、俺のせいなの?」

律子「当たり前じゃないですか」

P「なんでだよ、理不尽すぎるだろ!主に話を脱線させまくってたのは律子の方じゃないか!」

律子「はぁぁぁー?覚えがありませんけどー」

P「えぇぇ・・・うそーん、よくそんな台詞が吐けるな」

律子「人のせいにしないでくださいよ!このポンコツ!」

カンペ『そうだそうだ人のせいにするなー!このポンコツ!』

P「君ら息ピッタリだね、それにしてもこれはヒドイ冤罪だ、俺訴えたら勝てるんじゃないか?」

カンペ『それではお二人に視聴者さんへのプレゼントを考えていただきたいのですが』

P「あぁ・・・そうだった、視聴者プレゼントって出演者がその場で決めてるんだったな」

律子「プレゼントですかー・・・うーむ」

P「律子、何かいいアイデアあるか?」

律子「そうですねぇ・・・実はここに竜宮小町のアルバムがあります」

P「おぉ・・・さすが律子、用意がいいな」

律子「今回はこちらのアルバムにプロデューサーのサインも付けてプレゼントしようと思います!」

P「何でだよ!俺のサインなんか貰ったって誰も喜ばないだろうが!」

律子「何言ってるんですか!私が喜びますよ!」

P「そ、そうか・・・だったら・・・いやいや流されねえぞ!」

律子「ちっ」

P「おいコラ、舌打ちすんな!何で俺のサインなんだよ、ここはどう考えたって律子のサインだろ」

律子「何言ってるんですかー、私がサインなんか書いたって何の面白味もありませんってー」

P「なんか急に謙虚になったな、そんなことないって、今や秋月律子のサインなんてプレミア級の代物だぞ」

律子「ちょ・・・そんなおだてたって何も出ませんからね」

P「照れるな照れるな、本当のことだ、きっと律子のサインだったら応募も殺到するだろうなー」

律子「そ、そうですか・・・?そこまで言うなら、サイン書いちゃおうかな」

P「そういうわけで今回は律子のサイン入りの竜宮小町のアルバムです、ご応募お待ちしております」

カンペ『私たちも応募していいですか!?』

P「う、うん・・・いいんじゃないかな」

律子「そんなわけでそろそろお別れの時間が近づいてまいりました」

P「いやぁ、一時はどうなるかと思ったけどどうにか乗り切ったな」

律子「プロデューサー的にはどうでした?今回このような形で番組に出てみて」

P「そうだな・・・まあ、いい経験になったと思うよ」

律子「確かにプロデューサーがテレビに出るなんて、そうそう無いですものね」

P「うん、この経験が今後のプロデュース活動に活かせればと思うよ」

律子「ふぅー!真面目なコメントですねーっ!」

P「・・・結局お前は最後までそのキャラを貫き通したな」

律子「まあ、プロですからね」

P「頑張る方向性はともかくとして、やり切った点に関しては素直に凄いと思うよ」

律子「そんな・・・あんまり褒めないでください、照れるじゃないですか」

P「でも後日、この放送見た時の律子がどうなるか見物だよな」

律子「・・・」

P「・・・律子?」

律子「私、多分見ません・・・見たらきっと穴掘って埋まりかねないと思いますので」

P「おおう・・・それだけの事をしてたっていう自覚はあったんだな」

律子「勿論ですよ、内心めちゃくちゃ恥ずかしかったんですからね!」

P「分かってても辞めるっていう選択肢は無かったんだな」

律子「これでも私はプロですからね、一度やった以上は最後までやらなきゃ」

P「真似したくはないけどそのプロ根性は尊敬に値するよ・・・」

律子「スタッフさんも、今回はご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした」

カンペ『いえいえ、よろしければまたお越しください』

P「まあ律子は今後も出る可能性はあるかもしれないよな、今度はアイドルとして」

律子「まあ、どうしてもって言うなら出ないこともないですけど・・・」

カンペ『プロデューサーさんも是非、また来てください』

P「えぇぇ・・・俺もですか?まぁ、機会があれば・・・」

律子「プロデューサーも今度はアイドルとして!」

P「なんでだよ!」

律子「それじゃあ芸人としてですか?」

P「だからそれもおかしいだろうが!・・・もうツッコミしんどいわ・・・頼むから最後くらいゆっくりさせてくれよ」

律子「それじゃあ、そろそろ〆の挨拶をして終わりにしましょうか」

P「そうだな・・・ええと、スタッフさんの出してるあのカンペ通りに言えばいいのか?」

律子「そうですけど、普通そういう身も蓋も無いこと言いますか?」

P「あっ、悪い・・・」

律子「はぁ・・・まあ〆の挨拶がカンペ通りっていうのはもうバレてるから別にいいですけど」

P「えと、それじゃあ・・・お相手は765プロのポンコツダメダメプロデューサーと・・・えっ、何これ・・・えっ?」

律子「765プロの敏腕美人プロデューサー、秋月律子の二人でお送りしました!」

P「俺、最後までこんな扱いなのかよ・・・泣けてきたぜ」

律子「それでは視聴者の皆様、また機会があればお会いしましょう!さようならーっ!」




P「ちくしょー!テレビなんか二度と出るかバカヤローっ!!」

とりあえずここまで

実はこんな感じのSSをりっちゃん誕生日に書こうと思ってたけど断念した

投下します

春香「うぅ・・・ジメジメするよぅ」

美希「こんなに湿気が多いと気持ちが悪くて仕方がないの」

春香「まあ梅雨だものねー、仕方ないよ」

美希「でも梅雨入りした割には全然雨降らなかったよね」

春香「おかげで春香さんの心も水不足でカッサカサやわ!」

美希「ふーん、全然そんな風には見えないの」

春香「カッサカサやぞ!カッサカサやぞ!」

美希「うるさいの」ペシッ

春香「あうっ・・・ちょっと美希、最近春香さんのこと叩きすぎじゃね?暴力反対だってばよ!」

美希「自業自得なの、少しは落ち着くの」

春香「でも最近になってようやく雨降り出してきたよね」

美希「台風の影響だっけ?」

春香「いくぜ必殺!春香タイフーン!」クルクル

美希「うん、春香は今日も絶好調だね」

春香「まあね」

美希「とは言え、今度は逆に毎日雨ばっかりでヤになっちゃうの」

春香「あぁんミキミキぃ、リアクションが薄いよー、もうちょっとイジってよー」

美希「さすがのミキもそんな無茶なぶっこみは処理できないの、何なの春香タイフーンって」

春香「このね、春香さんのリボンをクルクル回すことでタイフーンを発生させる必殺技なのよ!」

美希「へーすごいね」

春香「それにしても、こうも雨ばっかりだと本当に湿気がすごいよね」

美希「まったくなの・・・うぅー、服がベタついて気持ちが悪いの」

春香「ベタベター」ギュウゥ

美希「・・・春香、暑苦しいからくっつかないでほしいの」

春香「べたべたぁー」ギュウゥ

美希「暑いのー!離れるのー!」

春香「何だよー、いつもはそっちから抱きついてくるくせにー」

美希「それはそうだけど」

春香「たまには春香さんの方から抱きついたっていいじゃなーい」

美希「だからって何もこんなにジメジメした日にくっつかなくてもいいんじゃないかな?」

春香「ええやんけー、なぁミキミキぃー、春香さんとスキンシップしようやー」

美希「その言い方、なんだかすっごく気持ちが悪いの」

春香「ほんのり汗をかいたミキミキすごく色っぽいよハァハァ」

美希「・・・」

春香「ほのかに湿った髪の毛のミキミキ色っぽいよハァハァ」

美希「引くの、キモイの、近寄らないで欲しいの、あっち行けなの、ありえないの、失せろなの」

春香「ぐふっ・・・ちょっと、いくらなんでも言いすぎじゃないですか・・・?」

美希「さすがのミキも今のは引いちゃったの」

春香「すまぬ」

美希「今度同じことやったら本気で怒るからね?」

春香「それにしてもこんなにジメジメしていると気分まで滅入ってきちゃうよね」

美希「まったくなの」

春香「そうだこんなときは!」

美希「ん?」

春香「歌を歌おう!」

美希「・・・」

春香「・・・」

美希「えっ?」

春香「歌だよ歌っ!」

美希「どこからそんな発想が出てきたのか、ミキには不思議でならないの」

春香「おかしいかな?気分が暗いときこそ楽しく歌って踊って元気になろうっていうアイドル的発想じゃん!」

美希「んー、言われてみればそうかも」

春香「せやろ?」

美希「ちょっと納得かも・・・春香、結構まともなこと言ったね」

春香「そりゃ春香さんだってまともな発言の一つや二つするよ」

美希「珍しく」

春香「・・・えっ?」

美希「春香、珍しくまともなこと言ってるからミキ、ビックリしちゃったの」

春香「どういうことだよ!常にウケ狙ってるわけじゃないんだから、たまにはちゃんとしたこと言うよ!」

美希「たまになんだ・・・」

春香「そういうわけで美希、早速何か一緒に歌おうよ!」

美希「えー・・・そんな急に言われても、ミキそんな気分じゃないの」

春香「ちょっとー、つれないこと言わないでよー」

美希「それよりもミキ、久しぶりに春香の歌が聞きたいな」

春香「えっ、私の?」

美希「うん、春香の歌って聞いてて元気になれるから、ミキのこと元気にして?」

春香「し、しょうがないなぁ・・・そこまで言うなら聞かせてあげよっかな!」

美希(何歌うんだろう・・・元気の出る曲だから『START』とかかなぁ・・・?)

春香「コホン、ではいきます」

美希「ワクワク、なの」

春香「あー、あーっ・・・んっ、んっ・・・!」

美希「・・・」

春香「あーっ、あーっ・・・ぼえぇぇぇ!ぼえぇぇぇぇーっ!」

美希「えっ、春香何やってるの?」

春香「何って発声練習だよ」

美希「・・・それ発声練習だったんだ」

春香「美希に聞いてもらうからには、やっぱり入念に準備しないとね!」

美希「・・・あれ、まともな流れだと思ってたのに、何だかちょっと嫌な予感がしてきたの」

春香「よし、発声良し!今日も春香さん絶好調だぜい」

美希「大丈夫だよね・・・きっと」

春香「いくぜーっ!春香さんの歌を聞けぇぇぇっ!」

美希「・・・」

春香「あおぃぃぃぃ!とりぃぃぃぃっ!」

美希「はい春香、ストップ、やめるの、全然大丈夫じゃなかったの」

春香「ちょっと美希!?」

美希「珍しくまともな発言してたから、まともな展開になるかと思ったけどそんなことはなかったの」

春香「おいおいミキミキぃー、まだ歌い始めたばかりなのに何で止めるのさぁー」

美希「そりゃ止めるに決まってるの、ミキは春香のためを思って止めてあげたんだよ?」

春香「何でだよ!成長した春香さんの歌声を披露する絶好の機会だったのに!」

美希「でも、すっごく音外れてたよ?」

春香「げっ、嘘っ!?そ、そんなはずは・・・」

美希「春香、何でよりにもよってその曲をチョイスしたの?」

春香「そりゃまぁ、春香さんの成長っぷりを見てもらうにはこのくらいの難易度の曲の方がいいと思って!」

美希「まあ、結果は大失敗に終わっちゃったけど」

春香「あるぇー」

美希「っていうか春香、千早さんの持ち歌で音外すなんて、すごい度胸あるよね」

春香「こ、こんなはずじゃ・・・こんなはずじゃなかったのにぃ」

美希「春香、千早さんこの放送見てるかもしれないね」

春香「!?」ビクッ

美希「・・・春香、千早さんに怒られても知らないからね?」

春香「あ、あわわわわ」ガタガタ

美希「きっとすごいスパルタでレッスンされちゃうの、春香ご愁傷さまなの」チーン

春香「うわぁぁぁぁん!千早ちゃんゴメンねぇぇぇっ!お願い許してえぇぇぇっ!」

美希「うわぁ・・・めちゃくちゃ必死なの、なら最初からやらなきゃ良かったのに」


――番組オンエアーと同時刻 事務所にて番組視聴中の千早とあずさ――

あずさ「あらあらー、春香ちゃんってば仕方のない子ねー」

千早「・・・」

あずさ「千早ちゃんもそう思わない?・・・千早ちゃん?」

千早「ふふふっ・・・春香ってば、本当に仕方のない子ね」

あずさ「な、なんて渇いた笑いなのかしら・・・千早ちゃん、何だかお顔が恐いわよ?」

千早「今度付きっ切りでレッスンしてあげなきゃ・・・そうね、どうせなら徹底的に・・・ふふふっ」

美希「というわけでテレビの前のみんなー、星井美希だよー」

春香「天海春香でっす・・・」

美希「もう春香ってば、いつまで落ち込んでるの?」

春香「そうね・・・テレビだもんね、いつまでも落ち込んでちゃダメだよね」

美希「そうそう、こんな時はおいしいお菓子でも食べて元気出すの」

春香「うん、そうだね、そうしよっか」

美希「それじゃあ早速小鳥の机の引き出しからお菓子を・・・」

ガラッ

美希「・・・あっ」

春香「どうしたのかね美希さんや」

美希「お菓子・・・カビ生えちゃってるの」

春香「えっ、嘘!?・・・あちゃー、本当だ」

美希「お菓子・・・ミキたちのお菓子が・・・」

春香「まあこの時期はしょうがないよねー、いつまでも置いていたこっちも悪いよ」

美希「うぅぅ・・・まだ半分くらい残ってたのにー」

春香「でも勿体ないよねー」

美希「そうだね、これ全部捨てなきゃいけないなんて・・・」

春香「そんなわけでこのお菓子は後ほどスタッフさんが美味しくいただく予定です」

カンペ『!?!?!?!』

美希「えっ、春香・・・今なんて?」

春香「うん、だからこのお菓子はスタッフさんたちに処理してもらおうかと」

美希「えっと・・・本気で言ってるの?」

春香「モチのロンだぜい!」

カンペ『鬼や・・・この人鬼やでぇ』

美希「は、春香・・・いくらなんでもそれはちょっと可哀想なんじゃないかな」

春香「まあ冗談ですけどね」

美希「だよね・・・うん、真顔であんな台詞言ってるからちょっとビックリしちゃったの」

カンペ『我々は割と本気でビックリしましたけど!』

春香「とは言えこの時期はここにお菓子置いておけないねー」

カンペ『夏場はあまりオススメできませんね』

美希「えぇー、でもやっぱりお菓子は必要だってミキは思うの」

春香「そりゃまぁ、確かにあった方がいいとは私も思うけどさ」

美希「ねぇースタッフさん、何とかならないかなー?」

カンペ『そう申されましても・・・』

春香「そうだねぇ、だったら腐らないようなものなら大丈夫なんじゃない?」

美希「腐らないようなものかぁ・・・例えば?」

春香「うーん・・・」

美希「・・・」

春香「・・・乾パンとか?」

美希「えっ?」

春香「乾パンですよ!乾パン!」

美希「春香、それは非常食なの、お菓子じゃないの」

春香「あっ、そういえばそうだったね」

美希「普通そこはお煎餅とかが真っ先に出てくるんじゃないの?」

春香「でも乾パンだってそこまで不味くはないよ?」

美希「それは確かにそうかもしれないけど」

春香「腹持ちだっていいだろうし、いざ何かあった時の備えとしてはアリだと思うんだけど」

美希「春香が何ゆえそこまで乾パンを強く推すのかミキには分からないの」

春香「なぜなら私は乾パンの精だから」

美希「そうなんだ、へー、すごいね」

春香「ちょっと、リアクションうっすいよ!もうちょっと乗ってくれてもいいんじゃないかな?」

美希「ミキも出来ればそうしてあげたいんだけど、最近の春香は無茶ぶりがヒドすぎるの」

春香「それでも・・・それでも美希ならきっと何とかしてくれる」

美希「無理に決まってるの、何なの乾パンの精って・・・意味が分からないの」

春香「諦めんなよ!諦めたらそこで試合終了だって安西監督も言ってたよ」

美希「安西監督って誰なの、別に試合終了でもミキは構わないの」

春香「ちょっとミキミキぃー、もうちょっと頑張ろうよー」

美希「頑張ったところでミキには春香の無茶ぶりなんて処理できっこないの」

春香「ダメだよ美希、そんなんじゃ!そんなんじゃ二人で笑いの頂点目指せないよ!」

美希「だから、ミキは、そんなの、目指してないって、言ってるの、いい加減しつこいの」ペチッ

春香「あうっ・・・うぅ、美希にデコピンされすぎてオデコがジンジンするよぅ」

美希「ところでさっきからスタッフさんが何か言いたそうな顔でこっち見てるの」

春香「どうしましたスタッフさん?」

カンペ『そろそろゲストの紹介をお願いします』

美希「あっ、そういえばそうだったの、すっかり忘れてたの」

春香「前置き随分長かったからねー、今日はもうゲストいないものだとばかり思ってたよ」

美希「今日のゲストの人はすっごいよー?」

春香「へぇーそうなんだ、誰なんだろう」

美希「ふふん、満を辞して登場って感じの人なの」

春香「それは気になるね!早く登場してもらおうよ」

美希「それじゃあゲストの人を紹介しちゃうの」

カンペ『それでは星井さん、よろしくお願いします』

美希「本日のゲストはこの方なの、どうぞーっ!」

ババーン!!

真「きゃっぴぴぴぴーん!テレビの前の皆さーん!菊地真ちゃんなりよぉー☆」

シーン...

美希「・・・」

春香「・・・」

真「・・・あれ、どうしたの二人とも」

美希「ゴメン真くん、もの凄く偶然が重なっちゃって今のシーン、カメラが回ってなかったらしいの」

真「えっ、そうなの?」

美希「そういうわけでもう一回登場部分からやってもらっていいかな?」

真「もう・・・分かったよ、しょうがないなぁ」

美希「えー・・・改めまして、本日のゲストはこの方なの、どうぞーっ!」

真「きゃっぴぴぴぴーん!菊地真ちゃんなり」

春香「はっくしょん!」

真「よぉー!・・・あれ?」

美希「・・・」

春香「あっ、ゴメン!ついうっかりクシャミが出ちゃったよ!」

美希「もう春香ってばしょうがないなぁ、というわけで真くん、もっかいお願いなの」

春香「いやぁ本当にゴメン!真、面目ない・・・この通り!」

真「えぇぇー・・・えぇぇ」

カンペ『菊池さん、もう一回お願いします』

美希「えっと・・・それじゃあ今度こそ、本日のゲストはこの方なの、どうぞーっ!」

真「きゃるるーん!菊地真ちゃん」

春香「あぁ、こんな所に偶然バナナの皮がーっ!?」

ツルッ ドンガラガッシャーン

真「・・・」

春香「イテテ・・・あぁ、私ってばまたやっちゃった・・・!ゴメン真っ!」

美希「えぇぇー!どうしてこんなところにバナナの皮がー?」

春香「誰だよこんな所にバナナの皮捨てた人!おかげで春香さん転んじゃったじゃん!」

真「・・・」

美希「もうホントに春香ってば・・・しょうがないの」

春香「へへっ、すまねえなぁ」

美希「というわけで真くん」

真「・・・うん」

美希「もう一回お願いなの」

カンペ『菊地さん、何度もすみませんが、お願いします』

真「もういいよ分かったよ!要するに普通にやれってことだよね!」

美希「よかった、ミキたちの言いたいこと伝わったの、分かってくれたみたいで嬉しいの」

真「それなら最初からそう言ってよ!この回りくどい流れ必要だった!?」

美希「あんまりストレートに言っちゃうと真くんに悪いかと思って」

春香「まあ、私たちなりの気遣いですよ」

真「むしろストレートに言って欲しかったよ!おかげでボクがスベったみたいな空気じゃん!」

春香「何言ってるんだよ真!そんなことないよ!」

真「えっ、そうかな?」

春香「むしろスベったのは春香さんの方だよ!バナナの皮でね!」

真「・・・」

春香「ふふん、どやぁ」

美希「何、『うまいこと言った!』みたいな顔してるの」ビシッ

春香「あいでっ・・・!だから美希、あんまり人のオデコ叩かないでよ!いおりんみたいになってまうやろ!」

美希「春香じゃあんなチャーミングなオデコにはなれないってミキは思うな」

春香「むっきぃー!言ったなー、絶対いおりんみたいなオデコになってやるんだからっ!」

真「亜美の言ったとおりだね・・・この二人、本当にゲスト放置して漫才始めちゃうんだ」




テロップ『ついに菊地真ちゃんがゲストに登場!続きはCMのあと!』



とりあえずここまで

投下します

春香「はーい、それでは改めまして、本日のゲストはこの方でーっす」

美希「改めて自己紹介、ヨロシクなのー!」

真「テレビの前の皆さん、菊地真です!今日はヨロシクお願いします!」

美希「キャーっ!真くん今日もカッコイイのーっ!」

真「ちょっと美希、あまり収録中にそういうことは言わないでよ・・・」

美希「真くーん!もっとこう、キリっと!カメラ目線で!」

真「え、えっと・・・こうかな?」キリッ

カンペ『バッチリです!菊地さんキマってますよー!』

美希「キャー!カッコイイのーっ!」

真「は、ははは・・・結局こうなっちゃうのか」

春香「キャー!真きゅーん、こっち向いてぇーん!」

真「えっ」

春香「真きゅーん!かっこいいーっ!」

真「・・・」

春香「真きゅーん!きゅーん!こっち向いてぇぇぇっ!」

真「えっと・・・春香?」

春香「ちょっと真、私にも美希みたく反応してよ、冷たいじゃないか」

真「うん、急にそんなこと言われても反応に困るよ・・・春香普段そんなこと言うキャラじゃないし」

美希「しょうがないの、春香はこの番組だとキャラ全然違うから」

真「あぁ、そういえばそうだったね」

美希「それにしても真くんがゲストに来てくれるとは思っていなかったの」

真「えっ、どうして?ボクずっと出たかったくらいなんだけど」

美希「だって春香がずっと笑いのタネにしてるから」

真「あぁー・・・そういうことね」

美希「それで怒って出てくれないんじゃないかなぁ、って」

真「いや、別に怒ってるわけではないけどさ・・・」

春香「ちょっとミキミキぃー、人聞き悪いじゃん!春香さんそんなことしてないっつうの!」

美希「うわぁ、よくもまぁそんな台詞が吐けちゃうの、あまりの白々しさにミキ驚きなの」

春香「春香さんのアレはリスペクトの精神から来ているんだよ!笑いのタネとかそんなんじゃないから!」

美希「モノは言いようってやつなの、日本語ってスゴイ便利だよね」

真「まあそれについてなんだけど、今日は二人に言っておきたいことがあるんだ」

春香「ほう、何かね」

真「申し訳ないんだけど、今後ボクをネタに使うのはちょっとやめて欲しいかなって・・・」

春香「えっ?」

真「今日を以ってアレを封印してくれないかな?」

春香「そ、そんな!アレを封印されちゃったら春香さん死活問題やでっ!」

真「春香の事情なんて知らないよ!大体アレはボクの専売特許じゃないか!」

春香「でもさっき別に怒ってないって言ってたやないかい!」

真「別に怒ってるわけじゃないけど、迷惑はしてるよ!それとこれとは別問題だよ!」

美希「あちゃー・・・とうとう本人から直々にクレームきちゃったの、あれ・・・でも今二人って」

真「この間、亜美が出た回で美希もやってたじゃないか」

美希「あ、あれは・・・違うの真くんっ!別にミキは笑いを取りたくてアレをやったわけじゃ」

真「でもやった事に変わりは無いじゃないか!ヒドイよ、美希はそんなことしないと思ってたのに」

春香「あーあ、ミキミキひっどいなー!真がかわいそうだよー」

美希「はぁぁぁー!?春香にだけはそんなこと言われたくないのー!」

春香「なんでやねん!春香さんのはリスペクトの精神から来てるからなんくるないんだよ!」

美希「大体春香が何かにつけてボケるから、それがミキにも移っちゃったの!全部春香のせいなの!」

春香「ちょ、なんでやねんっ!言いがかりじゃんヒドイよー!」

美希「言いがかりじゃないの!春香のせいでミキまで芸人扱いされかけてるんだから、責任取るの!」

真「うん、このまま放置してたらまた漫才始まりかねないから、話を戻そうか二人とも」

春香「まぁ、真がそこまで言うなら分かったよ」

真「あれ、やけにあっさりしてるんだね」

美希「これは意外な展開なの」

春香「なら、こうしようじゃないか」

真「ん?」

春香「今から春香さんとじゃんけんで勝負しよう」

真「えっ、じゃんけん・・・?」

美希「ジャンケンって、あのグー、チョキ、パーのジャンケンだよね?」

春香「じゃんけんで勝負して、春香さんが勝ったら今後もネタは使わせてもらう」

真「やけに支払う代償の大きいじゃんけんだなぁー」

春香「ただ、もし万が一・・・真が勝ってしまったなら」

美希「なら?」

春香「もし何かの間違いで真が勝ってしまったなら・・・」

真「う、うん」

美希「・・・」

春香「・・・皆がさぞかしガッカリすると思うよ」ハァー

真「えぇぇぇー・・・」

美希「め、めちゃくちゃ感じ悪いの・・・っていうか『皆』って誰なの」

春香「さぁ、どうする!じゃんけんで勝負するのか、しないのか!男らしくズバっと決めなよ!」

真「誰が男だよ!誰がっ!」

春香「とにかくどうする?春香さんとじゃんけん勝負するかね?」

真「ちょっと待ってよ春香!ボクが勝った時の条件が曖昧じゃないか!」

春香「曖昧・・・?」

真「ボクが勝ったら、ちゃんとあのネタを封印するっていう条件を明確にしてくれなきゃ!」

春香「・・・」

真「そうでなきゃ勝負は出来ないよ」

春香「それはちょっと・・・春香さんとしてはそういうハッキリ言葉に出すのは困るかなーって」

真「えぇぇー・・・」

美希「うわぁ・・・ズルイの、最悪なの」

カンペ『天海くん、君は本当に卑怯だな』

春香「まあ冗談はさて置きね」

真「あっ、冗談だったんだ」

春香「じゃんけん如きで勝敗を決するのも面白くないし、どうせならキチンと勝負しようよ」

真「勝負、ねえ・・・」

春香「私と美希の二人相手にゲームで勝負して勝てたら真の条件を飲もうじゃないか」

美希「ちょっと待つの!何でミキが春香とチーム組まなきゃいけないの?」

春香「何でって、同じ番組のMC同士だからに決まってるじゃん」

美希「ミキは真くんと同じチームがいいの!真くんの相棒やりたいの!」

春香「何でだよー!春香さんと一緒じゃ不服なのかい?」

美希「不服なの」

春香「言い切った!?ちょっとヒドイよミキミキぃー!」

美希「こういう時くらい、ミキは真くんと同じチームでやりたいの!真くんと一緒じゃなきゃ、ヤっ!」

真「はははっ・・・美希ってば、しょうがないなぁ」

春香「ほほう、ミキミキよ、そんなこと言ってもいいのかい?」

美希「ん、どういうこと?」

春香「私たち『座談会』チームが勝った暁には、真をカッコよく変身させることになってるわけですが」

真「ちょっと!何勝手に決めてるのさ!」

美希「ミキ、春香と一緒のチームで頑張るの」

真「えぇーっ!あっさり寝返っちゃったー!」

美希「ゴメンね真くん!悲しいけれどミキたちは戦う運命にあったみたいなの」

春香「さあ真っ!」

美希「覚悟するの!」

カンペ『菊地さん、お覚悟っ!』

真「なんでスタッフさんまで!?いつの間にかボク包囲網が完成しちゃってるじゃないか!」

春香「ええい、どうするんだ真っ!男ならハッキリと決断しないか!」

真「だから誰が男だよ誰がっ!ボクは女の子だっての!」

美希「真くん、ミキたちと勝負しないの?」

真「えっと・・・確認させてもらうけど、ボクが勝ったらちゃんとボクの条件飲んでもらえるんだよね?」

春香「モチのロンだよ!春香さんに二言はないぜ」

美希「その代わりミキたちが勝ったら、ちゃんと条件に従ってもらうからね?」

真「よし・・・分かった、やろう」

美希「そうこなくっちゃ」

春香「そうと決まれば、スタッフさん例のやつお願いしまーっす!」

ガラガラ

美希「・・・春香、これ何?」

春香「何って、卓球台だよ・・・美希にはこれがキッチンテーブルにでも見えるの?」

美希「見えるわけないの」

真「で、どうしてこんなにも都合よく卓球台なんかが用意されてるんだい?」

春香「この間ね、私と美希の二人で仕事で温泉街まで行ってきたんだ」

真「あぁ、そういえば言ってたね、律子がうらやましがってたよ」

美希「でもそれとこの卓球台と何の関係があるの?ミキは卓球台がある理由を尋ねてるんだけど」

春香「もう、ミキミキはここまで言ってもまだ気が付かないのかーい?」

美希「分かるわけないの」

春香「温泉旅館と言えば卓球台!」

美希「うん・・・まぁ確かにそんなイメージはあるけど」

春香「だから!」

美希「えっ?」

春香「だからだよ!」

美希「うん・・・全然サッパリ意味が分からないの」

春香「なんでやねん!」

美希「それはミキの台詞なの、ミキの頭の中が今まさに『なんでやねん』状態なの」

真「ねえ美希、春香ってこんなにコミュニケーション能力低かったっけ?」

美希「たまにね、すっごく会話がかみ合わなくなることがあるの」

真「そうなんだ」

美希「まあミキはもう慣れちゃったけど」

真「そうなんだ・・・すごいね、ボクにはとてもじゃないけど慣れるなんて無理そうだ」

春香「何でだよミキミキぃ!美希なら春香さんの言いたいこともバッチリ分かってくれると思ったのにぃ!」

美希「たったあれっぽっちの説明で分かるわけないの」

春香「がびーん!み、ミキミキぃ・・・そりゃないぜぇ」

美希「そんなこと言われても、ミキにはどうしようもないの」

真「・・・ねえ春香、ひょっとして卓球がしたかったのかい?」

美希「もう、真くんってば・・・いくらなんでもそんな単純な理由のわけないの」

春香「さすがまこちんだぜい!春香さんの考えを理解してくれてただなんて!」

真「えっ、当たってたんだ」

春香「そうです、春香さんは卓球がやりたかったのです!」

美希「えぇー・・・たったそれだけの為にわざわざ卓球台なんて用意させたの?」

カンペ『たったそれだけの為に卓球台を用意させられました』

春香「いやぁ、さすが真だよ!同じ17歳同盟を組んでいるだけのことはあるね!」

真「そんな同盟組んだ覚えないけどね」

春香「どこぞの金髪アホ毛さんとは大違いだねー!」

美希「何だろう・・・全然悔しくないはずなのに、なんかちょっとイラっときたの」

春香「というわけでまこちん、卓球で勝負だ!」

真「うん、ボクは別にそれでもいいけど」

美希「でもいいの?春香はそれで」

春香「ん、何で?」

美希「春香って卓球得意だっけ?」

春香「全然!」

美希「何で自信満々に言うの・・・そんな春香がスポーツ万能な真くんと、まともに勝負して勝てるの?」

春香「それもそうだね・・・よっしゃ!真、ハンデちょうだい!」

真「えぇー・・・ボクも別にそこまで卓球得意なわけじゃないんだけど」

美希「でも前に響と羽子板ですっごい勝負してなかった?」

真「確かにそんな事もあったね、でもアレと卓球じゃ全然勝手が違うよ」

春香「でもやっぱり地力に差があるのは事実だと思うんだよね、というわけでハンデくれよハンデ!」

真「・・・随分と図々しいモノの頼み方だね」

春香「ハンデください真さん!お願いしますこの通りです」

美希「なんて分かりやすい手の平返しなの・・・そこまでしてハンデ欲しいんだ」

真「ちなみにボクがハンデを背負うとして、内容はどんなのになるのかな?」

春香「まあ、定番どころで言えばテレビの企画なんかで卓球選手と試合する際によく見るアレかな」

真「ラケットの代わりに別のものを使うってやつかな?代用品としてよく使われるのは・・・」

春香「ラケットの代わりにスコップとか」

真「そうそうスコップ・・・スコップ!?何言ってるんだよ、そんなの見たことないよ!」

春香「あれれ、無かったっけ?春香さんの記憶違いかな」

真「せめてもう少し形状の似通ったものにしてよ・・・スコップじゃ幾らなんでも勝負できないよ」

春香「だったらシャベルかな」

美希「えっ・・・シャベル?」

真「いやいやいや!スコップと似た形状って意味じゃないから!あんなの振り回したら最早凶器じゃん!」

春香「じゃあ、団扇とか」

真「団扇!?シャベルから随分かけ離れちゃったね!」

春香「ダメ?」

真「ダメに決まってるじゃん!あんなんでどうやってピンポン玉打つのさ!」

美希「団扇なんかじゃ、プロの卓球選手でも勝負出来ないってミキは思うな」

春香「じゃあ、素手は?」

真「とうとうラケットの代用品すら持たせてくれなくなっちゃったー!」

春香「大丈夫だよ、真だったらきっと闘気でラケットくらい作れるよ」

真「出来るか!」

美希「えっ、真くんそんなの出来るの?」

真「だから出来ないってば!」

美希「だったらボールも必要ないってミキ思うな」

真「なんで!?ボクの話聞いてた!?」

春香「そうだね、もういっそのことエア卓球にしちゃおうか」

真「エア卓球って何だよ!・・・いやいや、ちょっと待って、いつの間にかコントになってるし!」

美希「それにしても真くん、春香のテンションについていけるなんて中々やるの」

真「うん、ありがとう・・・全然嬉しくないけどね」

春香「まこちんやるじゃーん!これはもう私たち3人でトリオを結成してお笑い界に乗り込むしか」

美希「だからミキはそんなのしないって言ってるの」ビシッ

真「ボクだってそんなのゴメンだよ」バッチーン

春香「いっ・・・!?」

真「あれ、春香・・・どうしたの?」

春香「ちょ、真・・・めっちゃ痛いんだけどぉ・・・っ!明らかに音が違ってたよ・・・」

真「あっ、ゴメン・・・つい力加減間違えちゃった」

美希「真くんの本気のデコピン・・・絶対イタイの、春香ドンマイなの」

真「でもまぁ、真面目な話ボクだってそこまで卓球得意なわけじゃないんだしさ」

春香「うん」

真「さすがにラケットの代わりに別のモノ使って勝負ってのはちょっと・・・」

春香「ダメかね?」

真「うん、出来れば普通にやりたいかな」

美希「確かに真くんの言うこともごもっとものなの、正論なの」

春香「むむむ・・・だったらどうしよう」

カンペ『でしたら我々から提案がありますが?』

春香「ほうほう、何でしょうか?」

カンペ『ハンデというよりも、卓球というゲーム自体に特殊ルールを取り入れてはどうでしょう?』

春香「特殊ルールですか・・・例えばピンポン玉の代わりに玉こんにゃくを使うとかですか?」

真「玉こんにゃく!?そんなのでどうやって卓球するんだよ!」

春香「でも画的には面白そうだと思うけど」

真「そりゃ面白いかどうかで言えば面白いだろうけど、今回はそういう話じゃないだろ」

春香「あぁ、そういえばそうだったね」

真「っていうか春香・・・よくもまぁ次から次にそんなロクでもない考えが浮かんでくるね」

美希「しょうがないの、だって春香だもん」

真「全然理由になってないはずなのに、妙に納得出来るのはどうしてなんだろう」

春香「ふふん、どうだお前たち!すごいだろ!」

美希「だから褒めてないの」

真「それでスタッフさん、どんな特殊ルールを取り入れるつもりなんですか?」

カンペ『皆さんは山手線ゲームというものをご存知ですか?』

美希「あっ、ミキ知ってるの」

真「うん、ボクも知ってるよ」

春香「分かりません!」

真「・・・」

美希「春香、知ってるよね?知らないとかウソだよね?」

春香「はい」

美希「話進まなくなっちゃうから、余計な茶々入れないでくれるかな?」

春香「すまぬ」

カンペ『あるお題を出し、それを順番に答えていくゲームですが』

美希「あっ、それを卓球と組み合わせるってことだね?」

カンペ『そういうことです』

真「つまり球が決まっても答えが間違っていたら得点にはならないってことですか?」

カンペ『はい』

美希「逆に答えを言っても球が決まらなかったらダメなんだよね?」

カンペ『そうです、両方が成立して初めて得点になります・・・お分かりいただけましたか?』

春香「分かりません!じぇんじぇん分かりまえん!」

美希「・・・はるかぁ?」

春香「すいません嘘です分かりました、バッチリです、オッケーです!自分完璧です」

真「なるほど、確かに普通に卓球をするよりかは面白そうだね」

美希「こういうちょっと変わったルールがある方がテレビ的には面白いと思うの」

春香「それじゃあ早速やろうぜ!最初は春香さんが相手になってやろう!」

真「ちなみにボクは二人相手に勝たなきゃいけないってことなのかな?」

春香「もちろん」

真「マジかぁ・・・それは厳しいなぁ」

美希「まあ諦めるの真くん、勝負の世界は非情なの」

真「分かったよ・・・やってやろうじゃないか」

春香「ふふん、そうこなくちゃね・・・それでこそ男というものよ!」

真「だから男じゃないって言ってるじゃないか!いい加減しつこいよ!」

春香「それじゃあ10点先取した方が勝ちね!サーブは真からでいいよ」

真「よし分かった・・・最初は小手調べということで、簡単なお題でいいかな」

春香「よっしゃこいやぁーっ!」

真「お題、『あんこ』の種類!・・・こしあんっ!」

パカーン!!

春香「あん!?・・・あん、あん・・・じゃいあん!?ジャイアン!!・・・ジャイあんっ!」

ブォン スカッ

真「えっ」

美希「えっ」

春香「あれっ・・・確実にミートさせたはずなのに・・・まさかっ!」

真「・・・」

春香「ズルイよ真っ!素人相手にカーブをかけたね!そんなの春香さんに打てるわけないじゃん!」

真「いや、ボク普通に打ったけど・・・春香が盛大に空振りしただけじゃん」

春香「何おう!春香さんが運動音痴だと言いたいのかね!」

真「その前に春香」

春香「はいさい」

真「当たり前だけど『ジャイアン』はあんこの種類じゃないよね」

春香「はっ・・・!し、しまった、ついうっかり・・・!」

美希「えぇぇー・・・こんな時にまでボケるだなんて」

春香「この手のお題になるとどうしても・・・ボケずにはいられないっ!」

美希「これはもう筋金入りなの」

真「あのさ・・・これ一応勝負だからもう少し真面目にやってもらえないかな」

春香「大丈夫、お遊びはここまでだよ・・・次からは真面目にいかせてもらうよ!」

真「本当だね?信じていいんだね・・・?」

春香「モチのロンだぜまこちんよぉー」

真「じゃあ一球交代にしよう・・・次は春香からのサーブだね」

春香「ふふん、もう容赦しないよ!いくよ真っ!」

真「よし、こい春香っ!」

春香「お題、サバを味噌で煮込んだもの!!」

真「えっ」

春香「答え、サバの味噌煮っ!」

パカーン!!

真「な、何ィー!?」

真「あっ、しまった・・・!」

ブォン スカッ

春香「へへっ、やーりぃ!これで同点だぜー!」

真「えっ・・・?ちょ、今の何?えっ、えっ?・・・えぇぇっ?」

美希「えぇぇー・・・えぇーっ・・・えぇぇぇ?」

真「ちょ、ちょっと待ってよ!ズルイよ、それ答え一つしか無いじゃないか!」

春香「何?答えが一つじゃダメなんて説明受けてないよ?」

カンペ『確かにそんな説明はしませんでしたが・・・』

美希「でもそんなの普通常識で分かるってミキは思うの」

真「とにかくそんなのダメに・・・ん」

美希「どうしたの真くん?」

真(次はボクのサーブだ・・・訂正する前にボクも同じ方法で)

春香「どうしたのさ、真」

真「いや、なんでもない・・・よし分かった、続けよう」

美希「えっ、真くんいいの?」

真「いいんだよ、これで・・・次はボクのサーブだね」

春香「さあさあ、次はどんなお題で来るのかなー?」

真(春香・・・自分でまいた種だよ、悪く思わないでね)

美希「あっ・・・!ま、真くんまさか」

真「お題、961プロの男性3人組ユニット『ジュピター』のリーダーの名前っ!」

春香「はっ・・・!し、しまったぁーっ!」

真「答えっ!天ヶ崎竜馬!」

パカーン!!

春香「くっ・・・!」

ブォン スカッ

美希「・・・」

真「ふふ・・・ふふふっ」

春香「・・・」

真「間違えたーっ・・・」

テロップ『注:答えを間違えると相手の得点になります』

真「分かったか!答えが一つだとこうなるんだ・・・こうなっちゃうんだよっ!」

春香「いや、今のは単に真が・・・」

真「と、とにかく答えが一つのやつは今後禁止!絶対禁止だからねっ!」




テロップ『かくして卓球勝負の火蓋は切って落とされた、勝負の行方は果たして・・・!』



とりあえずここまで、今回は元ネタあり、ぶっちゃけこの卓球ネタがやりたかっただけ

番組は一応30分構成のつもりでやっています

投下します

真「ゴメン、どうしても気になることがあるんだ・・・ちょっと中断してもいい?」

春香「うん」

美希「はいなの」

真「さっきのボクの出したお題の答えって・・・なんだっけ」

春香「えっ、自分で出しておいて分からなかったの?」

真「いや、覚えてたはずなんだけどさ・・・いざ言葉に出そうとした途端にフッと消えちゃってさ」

美希「あー、その気持ち分かるの・・・ミキも知ってたはずなのに、気が付いたら忘れちゃってたの」

春香「二人ともそれちょっとヤバイくない?物忘れがヒドイってレベルじゃないよ」

真「じゃあ、春香は答え分かる?」

春香「もっちろーん」

真「じゃあ教えてくれないかな」

春香「えっとね・・・あれ、あれれ・・・おかしいな」

美希「どうしたの春香?」

春香「何でだろう・・・覚えてたはずなのに、いざ言おうとした途端に分からなくなっちゃった」

真「春香もなんだ・・・不思議なこともあるもんだね」

春香「確かに・・・面妖なことです」

美希「全然似てないの」

真「何だっけ・・・もう少しで思い出せそうなんだけどなぁ」

春香「確かプロデューサーさんは、鬼・・・なんとか君って呼んでた気がする」

真「鬼か・・・そう言われてみれば何だかそうだったような気もしてきたよ」

春香「あっ!春香さん思い出せたかも」

美希「ホントに?なんて名前だっけ」

春香「ええと確か・・・鬼ヶ淵とかそんな感じの名前じゃなかったかな」

真「うわっ・・・何だかすっごく禍々しそうな名前だね」

美希「それはさすがに違うって思うな」

春香「それじゃあ、これかな?多分さっきのよりは近いと思う」

真「次は何?」

春香「鬼ヶ崎羅漢!」

真「何か違う!ちょっとずつ違う気がする!」

美希「でもそんなニュアンスの名前だった気がするの、確実に近づいてるの」

カンペ『正解は『鬼ヶ島羅刹』さんですよ』

春香「あっ、そうそう!それだよそれ、そんな感じだった!惜しかったなー!」

真「そうだよ、そう言えばプロデューサーもそんな風に呼んでた覚えがあるもん」

美希「だったら間違いないの、それが答えなの、さすがスタッフさんなの!」

春香「・・・」

真「・・・」

美希「・・・」

真「・・・まっ、よくよく考えれば別にどうでもいいか、こんな事」

春香「そうだね、割とどうでもいいことだよね、ぶっちゃけ」

美希「そうなの、こんなのより早くゲームを再開するの」

真「それじゃあ改めて、ゲームを再開しよう」

春香「ようし、がんばるぞ!」

真「さっきも言ったと思うけど、答えが一つのお題は絶対禁止だからね?分かってるよね?」

春香「オッケー、分かったよ」

真「・・・本当に大丈夫なのかな」

春香「もっち!大丈夫だよ春香さんを信じてくれたまえ!」

美希「何だかものすごく不安なの」

春香「大丈夫、なんくるないさー」

真「まあいいや・・・それじゃあ次は春香のサーブだから」

春香「よしきた!」

真(何とか点を取って同点にしなきゃ・・・このままじゃ春香のペースに乗せられたままだよ)

春香「ふふーん、それじゃあ真っ、いくよっ!」

真(どんなお題でくる?・・・集中するんだ菊地真!感覚を研ぎ澄ませ・・・っ!)

春香「お題!竜宮小町のメンバー・・・」

真(答えは3つか?いや、隠しキャラの律子を加えれば4つだ・・・よし、もらった!)

春香「・・・の、ツッコミポジションは!」

真「えっ」

美希「えっ」

春香「答えっ、いおりん!」

パカーン!!

真「な、何ぃーっ!?」

真「あぁーっ!しまったー!」

ブォン スカッ

春香「やったぜ!春香さん連続とくてーん、いえーいっ!」

美希「え、えぇぇぇー・・・最悪なの」

真「ちょ、春香・・・なんっでやねんっ!」

春香「えっ、何が?」

真「さっき答え一つ無しって言うたばっかりやろうが!」

美希「いやーん!真くんが怒りのあまり何故か関西弁になっちゃったのー!」

真「なんでやねん・・・!ホンマになんでやねん!」

美希「いくらミキでもこの真くんはナシなの・・・こんなの真くんじゃないの」

テロップ『こうして天海春香のルールを無視した冷酷無比な残虐ファイトが続いた』

テロップ『そして・・・』

春香「いよっし、勝ったー!」

真「うわぁーっ!負けたーっ!」

テロップ『菊地真、まさかの敗北・・・』

美希「まさかの展開なの・・・真くんがスポーツで負けるだなんて」

真「というかもうね・・・春香がムチャクチャするから、おかげでこっちの調子が狂いっぱなしだったよ」

春香「ふふん、計算通り!」

美希「絶対ウソなの・・・単に好き勝手やっただけに決まってるの」

真「それにしてもまさか春香に負けるだなんて・・・あぁー悔しいなぁ」

春香「ナイスファイトだったよ春香さん!いぇいっ!」

真「というかこの時点でボクのお願いは通らなくなっちゃったってことだよね?」

春香「そうだね、私たち二人に勝つっていうのが真の勝利条件だったからね」

真「そ、そうかぁ・・・とほほ」

美希「元気出すの、真くん」

春香「でもまぁ、このままじゃ真が可哀想だから武士の情けをかけてあげようじゃないか」

真「武士の情け?」

春香「次に美希に勝てば引き分けでいいよ、真の罰ゲームは免除してあげよう」

真「罰ゲームって確か、『カッコイイ姿に変身』だっけ?」

春香「うん」

真「でも正直、そういうの慣れっこだし・・・今更そんな条件出されてもなぁ」

美希「えー、でも折角だからミキともやろうよ、ミキもちょっと身体動かしたくなってきたの」

真「そう?・・・美希がやりたいんならボクは別にいいけど」

美希「じゃあ決まりなの!次の相手はミキなの、覚悟するの!」

カンペ『それなんですがお二人とも・・・』

美希「ん?どうしたのスタッフさん」

カンペ『ぶっちゃけ時間押してます、卓球やってる余裕ありません』

美希「ズコーッ」

ドンガラガッシャーン

真「えっ、美希・・・?」

美希「そんなのってないのスタッフさん!せっかくミキやる気出したのにそんなのあんまりなの!」

春香「ちょっとミキミキぃーっ!そのリアクションは春香さんの十八番やんけー!パクるなーっ!」

美希「いくらなんでもこのままミキだけ何もしないっていうのは納得いかないの!」

真「でも美希、時間的な問題じゃどうしようもないよ」

美希「ヤなの、ミキも真くんと卓球やりたいのー」

真「えぇー・・・困ったなぁ」

カンペ『なら一球勝負というのはどうでしょうか?』

美希「分かったの、もうこの際それでもいいの」

春香「ズコーッ」

ドンガラガッシャーン

春香「それでええんかいっ!・・・よし、見たかミキミキぃ、これが本家本元のズッコケ芸だよ、どうだ!」

美希「それじゃあ真くん、勝負なの!」

春香「あぁん、春香さん会心のズッコケ芸をスルーしないでぇー」

真「よし、それじゃあやろうか・・・サーブはどっちが打つ?」

美希「ミキが打ちたいな、ミキね、とっておきのお題があるの」

真「いいよ・・・でもまさか、春香みたいに答えが一つのお題なんて出さないよね?」

美希「ミキを見くびってもらっちゃ困るの!一球勝負に相応しい、すっごいお題なの」

真「楽しみだね・・・いいよ、いつでも来なよっ!」

春香「すごいよ・・・二人の身体から、とてつもないオーラが・・・っ!」

カンペ『見えるんですか?』

春香「見えません」

美希「それじゃあいくのっ!お題・・・春香の個性っ!」

春香「・・・なんですと?」

美希「答え・・・『あざとい』!」

パカーン!!

春香「えっ」

真「くっ・・・何てお題だ!・・・り、『リボン』!」

パカーン!!

春香「・・・えっ?」

美希「やるの真くん、それなら・・・『よく転ぶ』!」

パカーン!!

真「ウソ、返された!?・・・あぁ、ダメだもう思い浮かばないよー!」

ブォン スカッ

美希「やったやったやったー!ミキの勝ちなのーっ!」

真「くっ・・・くっそー!負けたーっ!」

カンペ『これはすごい!とても白熱した展開でした!』

春香「・・・」

真「まさか、こんな難易度の高いお題を出してくるとは思わなかったよ・・・」

美希「だから言ったの、一球勝負に相応しい、すっごいお題だって」

カンペ『我々スタッフも、ここまで洗練されたお題は考えもつきませんでした』

春香「ようし君たち、そこに正座しなさい」

真「ボクは一つ答えるだけで精一杯だったのに、まさか美希が二つも答えるだなんて」

美希「ミキだって伊達に春香と長く番組やってないの、皆より一つくらいは多く春香の個性知ってるつもりなの」

春香「さぁさぁ!今から春香さんお説教タイムの始まりだよー?」

真「いい戦いだったよ美希・・・負けたけど、不思議とそんなに悔しくないや」

美希「ミキも、真くんといい勝負が出来て楽しかったの」

春香「おぉーい、無視しないでおくれよー?春香さん泣いちゃうぞー?」

美希「ということで真くんには約束通り罰ゲームを受けてもらうの」

真「しょうがないね・・・ルールだもの、従うよ」

春香「ちょっと待って、さっきの件について春香さんまだ納得いってない、まだ話は終わってない」

美希「もう春香、時間押してるんだから余計な茶々入れないの」

カンペ『天海さん、巻きでお願いします』

春香「あっ、はい・・・すみませんでした」

真「弱っ・・・もうちょっと頑張りなよ」

春香「ええんやええんや、所詮春香さんなんてこんなもんなんや・・・」

真「何で関西弁なのさ・・・それで春香、ボクは一体どんな格好をさせられるんだろう?」

春香「・・・それなんだけどね、真には何と3つの選択肢が用意されております」

真「何?どうせタキシードとかそんなのばっかりなんでしょ?」

春香「んっふっふー、そんなありきたりなのじゃないよ!ご安心なさい」

真「その口ぶりから察するに全然安心出来そうにないんだけど」

美希「それで、どんな選択肢なの?」

春香「聞いて驚けっ!選択肢その一・・・ふんどし!」

真「えっ」

春香「その二・・・まわし!」

美希「えっ」

春香「その三・・・腰みの!」

真「ロクでもない選択肢ばっかりじゃないかーっ!」

春香「さぁさぁ!まこちんよ、どれにするね?」

真「どれにする?じゃないよ!どれもゴメンに決まってるじゃないか!」

春香「なんでやねん!」

真「いやいや、何でやねんってそれはこっちの台詞だよ、何でそんな選択肢しか無いんだよ!」

春香「そんな選択肢って、春香さんが世を徹して考え抜いた答えに不服があるというのかね!」

真「徹夜したの!?一晩使ってそのクオリティってどうなのさ!」

美希「さすがのミキもこの選択肢はヤなの、そんな格好した真くんなんて見たくないの」

春香「あるぇー?ミキミキまでぇ?思ったよりも不評だなー」

真「むしろこれで好評を得られると思ってたことにボクは驚きだよ」

春香「しょぼーん」

春香「だったらさ、一応代替案としてもう一つ衣装を用意してるんだけど」

真「何?まともなのだったら別に着てもいいけどさ」

春香「甲冑」

美希「・・・えっ?」

春香「だから甲冑ですよ!甲冑!」

真「いや、確かにカッコイイって言えばカッコイイんだろうけどさ・・・」

美希「でも春香、本当に甲冑なんて用意したの?」

春香「もち!折角だし見るかい?」

真「見ないよ、そして着ないよ」

春香「がびーん!そりゃないぜ、まこちんよぅ・・・」

春香「それじゃあ真の罰ゲームは次回、真がゲストに来た時まで保留ということにしますか」

真「よかった、心底良かった・・・危うくロクでもない格好させられるところだったよ」

春香「まあそんなわけで、勝負にも勝ったことだし、まこちん公認ということで心置きなくネタが使えるね!」

真「ちょっと待ってよ!負けた以上あまり強くは言えないけど、ボクはまだ認めたわけじゃ」

春香「きゃっぴぴぴぴーん!はっるはるるーん!天海春香ちゃんなりよぉー☆」

シーン...

真「早速やってるし!本人を前にしてよく出来るね!しかも何だよ、この寒々しい空気!」

春香「天海春香は、スベリ芸を身につけた!」

真「スベリ芸!?人の持ちネタ散々悪用しておきながらよりにもよってスベリ芸扱いってヒドくない!?」

春香「せっかくだし美希もやろうよ!もうまこちんに遠慮することなんてないんだぜい?」

美希「するわけないの、何言ってるの?」

春香「何だよミキミキぃ、つれないなー!この間なんか結構ノリノリでやってたじゃないかー」

美希「あ、あれはミキの意思じゃないの!大体スベるって分かってるのに何でそんなのやらなきゃ・・・」

春香「えっ」

真「えっ」

美希「あっ・・・!ち、違うの!い、今ミキなんて言ったの・・・?あ、あれれ・・・」

春香「星井さんや・・・完全にそれ芸人思考じゃないっすか」

真「何だかんだで美希も着実に芸人キャラに近づいていってる気がするね」

美希「違うの真くん!今のは口が滑っちゃっただけでミキはそんなつもりじゃ」

カンペ『星井さんも何だか天海さんにキャラが似てきましたね』

美希「いやーん!そんなのってないの!」

春香「はーい、それではいつもの恒例の視聴者プレゼントのコーナーでーっす!」

美希「今回は何にしよっか?」

春香「真は何がいいと思う?」

真「んー・・・そうだ、春香って今日は甲冑を用意してきたんだよね?」

春香「そだよ」

真「だったらさ、今回のプレゼントはその甲冑なんてどうかな?」

春香「・・・」

美希「春香、急に黙っちゃったりしてどうしたの?」

春香「何言ってるんだよ!ダメに決まってるじゃんか!」

美希「えっ、何で?いつもだったら喜んでプレゼントに選びそうなのに」

真「やっぱり本当は甲冑なんて持ってきてないんじゃないの?」

春香「持って来てるってば!マジだもん!」

カンペ『先ほど拝見させていただきましたが、本当に持って来てますよ、それはもう立派な甲冑を』

真「えっ、マジだったんだ・・・」

美希「な、なんで収録現場に甲冑なんて持ち込んでるの・・・ありえないの」

真「でもだったら尚更今回のプレゼントにすればいいじゃないか」

春香「だからそれはダメだってば!」

美希「さっきから何でそんなに頑なに拒否するの?別に春香の私物ってわけじゃないんでしょ?」

春香「何言ってるんだよ、春香さんの私物だよ」

美希「・・・へっ?」

春香「だって今日持ってきた甲冑は春香さんのポケットマネーで買った私物だもん」

美希「えっ」

真「えっ」

春香「申し訳ないけれど、そんな大事なものを視聴者プレゼントになんて出来るわけないじゃん!ぷんすか」

真「ちょっと待って春香・・・甲冑を買ったの?春香が?」

春香「おうともさ」

真「ねえ美希・・・これは果たしてネタなんだろうか、それともガチなんだろうか」

美希「わ、分かんないの・・・でも今の春香だったら意外とありえそうで恐いの」

真「春香がぶっ飛んでるのはこの番組だけかと思ってたら・・・私生活まで随分とすごいんだね」

美希「ミキたちの知っている春香はもういないの・・・あの頃の普通だった春香は、もういないの」

真「それじゃあ今回のプレゼントは何にしよっか・・・」

春香「そうだなぁ・・・それじゃあ結局今回未着用に終わった真の衣装にしようよ」

真「・・・衣装?」

春香「ふんどし!まわし!腰みの!の三種の神器だよ」

真「やめてよ!そんなのをボクの衣装なんかにカテゴライズしないで!」

美希「っていうかそんなもの一体誰が欲しがるっていうの・・・」

春香「だったらサイン書いちゃおうよ、ちょうど三つあるし一人一つずつサイン書いていこう!」

真「・・・何が悲しくてそんなものにサインなんて書かなくちゃいけないんだろう」

美希「まったくなの・・・ミキ、アイドルしててこんなのにサイン書く日が来るとは思わなかったの」

春香「というわけで今回のプレゼントはこちらのふんどし、まわし、腰みのになりまーす!」

美希「そんなこんなで番組も終わりの時間が近づいてきたの」

真「そういえば収録時間が随分と長かった気がするんだけど、いつもこんなに長いの?」

美希「言われてみればそうだね・・・何でだろう?」

カンペ『今回収録分の放送は実はいつもより放送時間が長めの拡大版になります』

春香「あっ、そうなんだ全然知らなかった」

美希「ミキもなの」

真「えぇぇー・・・番組の主役がそんなの知らないってどうなのさ・・・」

美希「まぁ、適当な番組だから仕方ないの」

春香「当初は番組名すら決まってなかったくらい適当な番組だからね」

真「それを果たして『適当』の一言で片付けてしまっていいのだろうか」

美希「それじゃあ今回ゲストに来てくれた真くん!」

真「ん?」

美希「ミキたちの番組に遊びに来てみて、どうだった?」

真「うん、楽しかったよ、色々あったけど何だかんだで楽しくはあったよ」

美希「そっか、よかったの」

春香「春香さんも楽しかったですよ!春香さんも!」

真「まあ正直、思うところは多々あるけど勝負に負けちゃった以上あまりうるさくは言えないしね」

美希「真くん、今回は残念だったね」

春香「残念だったねーまこちん!またいつでもリベンジに来てくれたまえよ」

真「うん、絶対リベンジさせてもらうよ、今度こそね・・・!」

美希「それじゃあ今日も〆の挨拶をして終わりにするのー」

春香「お相手は、きゃっぴぴぴぴーん!はっるはるるーん!の天海春香ちゃんと」

美希「きゃるるーん!あっふあっふっふぅー!の星井美希ちゃんと」

春香「そしてそして、最後は本日ゲストのこのお方っ!」

真「きゃっぴぴぴぴーん!まっこまこりーん!の菊地真ちゃんの3人でお送りしたなりよぉー☆」

シーン...

春香「・・・」

美希「・・・」

真「ねえ、どうしてボクを最後に持ってきたのかな?本家本元なのにこの盛大にスベった感は何?」

はるみき「「それじゃあみんな、まったねー!!」」

真「あっ、ちょっと待って勝手に〆ないでよ!・・・あぁもう!絶対リベンジしに来てやる!二人とも覚悟しておけよ!」

これにてこのスレでの投下は終了となります、見てくださった方々、ありがとうございました

とりあえず全員分はやっておきたいので次スレは立てると思います
立てた際にはこちらで報告させていただきます

1です、ID変わる前に一言
次スレ立てた際はこのトリを使用させていただきます、念のため

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom