上条「……GANTZ?」御坂「黒い球体の部屋?」(1000)

知っていますか?こんな話……







死んだハズの人間が何故か生きていて、その人間達で作られた軍団が、夜な夜な、学園都市内に住んでいる宇宙人を相手に、生きるか死ぬかの戦争ゲームを行っていると言う噂……







何でもその人達は、死ぬ寸前に選ばれ、どこにでもありそうなマンションの一室に強制的に集められ、そこから宇宙人との戦いへと送り込まれるのだそうです……






そして、その一室には戦いへの参加者を支配する、謎の黒い球体があるんだとか……







誰が最初に名付けたのかはわからない。




しかし、参加者達は、その黒い球体を畏怖を込めてこう呼んでいるそうです……












『GANTZ』と……


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1360904443

禁書とGANTZのクロスになります。

GANTZの主力メンバーは今のところ出す気はありません。

ですが、もしかしたら出るかもしれません。要するに未定です。

星人は、本編のモノもあれば、オリジナルのモノも予定してます。

武器も本編のがメインですけど、少しオリジナルのモノを足して行きたいです。


拙い話ですが、よろしくお願いします。

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、ゲマ達のみんなへのメッセジをどぞ

禁書「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

美琴「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

黒子「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

吹寄「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

姫神「・・・ありがと」ファサ

では、

禁書、美琴、黒子、吹寄、姫神、俺「皆さんありがとうございました!」



禁書、美琴、黒子、吹寄、姫神「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

7月21日




学園都市 第7学区 とあるファミレス




御坂「」ポカーン


白井「」ポカーン


初春「」ポカーン





佐天「…………あれ?皆さん、反応が薄いですね?」



学校の授業が終わり、それぞれが思い思いの放課後を過ごす中、とあるファミレスで、佐天以外の3人がポカンとした表情を浮かべている。

初春「はぁ……佐天さん、また都市伝説ですか?どこから仕入れてくるんですか?そんなぶっ飛んでる噂」


白井「ツッコミどころがあまりにも多すぎて、ツッコむ気にもなれませんの……」



佐天と同じ学校、同じクラスの友人、初春。
そして、学校は違えど、同じ学年の友人、白井が溜め息をつきながら佐天の都市伝説話の感想を述べる。



佐天「えー!?何でですか?面白そうじゃないですかー!!死者で作られた謎の軍団!!そして、それに敵対する謎の宇宙人達!!
彼らは人類を守る正義の味方なのか!?はたまた人類の敵なのか!?こんなロマンのある話、最初っから否定するなんてつまんないですよー!!ねー?御坂さん!?」


佐天は、一つ上の先輩であり、友人の御坂へと訪ねる。

御坂「…………」ポカーン

佐天「……御坂さん?」



御坂は何やら呆然としているようだ。




御坂「ハッ!?あ、ゴメンゴメン、ちょっと考え事しててさ」アハハ……



佐天「もー、しっかりしてくださいよー御坂さん!!私の話、ちゃんと聞いてましたか?」


御坂「も、もちろん聞いてはいたわよ?んー、流石に色々と無茶苦茶な話よねー。まぁ、面白そうとは思うけど」


佐天「でしょー!?やっぱり御坂さんならこの話の面白さがわかると思いましたよー!!」


御坂に同調され、佐天のテンションが更に上がっていく。

白井「あらお姉様。いけませんわ!!常盤台のエースともあろう方が、こんな突拍子もない話を真に受けては!!」



御坂「べ、別に真に受けてはないじゃないの!!少し面白そうと思っただけよ!!……それで佐天さん。他にもその黒い球体の話ってないの?」



佐天「お!?御坂さん、食いついて来ましたねー!!
実は、この黒い球体の部屋の話について、色々考察があったから、片っ端から資料をプリントして来たんです!!先ずは、こちらをご覧ください!!」バンッ!!




佐天が、テーブルの上に何枚かの資料を叩きつける。

御坂「ブーッ!!!!!」


白井「ァァァアアア?ア?ッ!!!!お姉様の!!お姉様の吹き出したジュースが黒子の顔面へとォォォォオオオ!!!」バシャァアアッ!!!




その資料を見た瞬間、御坂は飲んでいたジュースを思いっきり白井の顔面へと吹き出した。

白井は何故か、恍惚の表情を浮かべている。




初春「み、御坂さん!?大丈夫ですか!?」


御坂「ゲホッ!!ゲホッ!!だ、大丈夫よ……ちょっと喉に詰まっただけ……」


佐天「気をつけてくださいねー?吹き出した先が白井さんだったからいいモノを」


佐天の目の前では、至福の表情を浮かべた白井の姿が見えるが、いつものことなので、特に気にしないことにした。

佐天「それでは、本題に入りますね?これは、2日前の……『重力子(グラビトン)事件』関連の犯人が捕まった日の、次の日の朝の写真なんですけどね?」




佐天が出した写真には、どこかの住宅地の路地のような場所が写っていた。
しかし、写っていたのは明らかに普通の光景ではない。



初春「うわー……派手に壊れちゃってますねー……いろんなところが」


白井「こ、こんな……どんな能力を使えば、このような破壊を行うことができるのでしょうか?」



御坂「…………」

写真には、そこら中の塀や道路、車や建物などが、そこら一帯破壊され尽くした光景が写されていた。


ここは学園都市。能力者の溢れる都市である。


しかし、写真に見る、このような破壊は今まで見たことがない。




佐天「これは、この第7学区のとある路地で撮影されたものらしいです。もちろん、前日の最終下校時間前には、このような事にはなってませんでした。

近所の方曰く、何やら深夜に突然、大きな音が聞こえてきて、何事かと外を見ても、既に外には誰も居なかったんだとか」

初春「それで、その犯人が、宇宙人や死者の軍団ってことですか?
んー……流石に色々無理があるような……確かにこの事件自体は凄いことですけどね」



白井「しかし、この写真、2日前と言うのに、私達風紀委員(ジャッジメント)には、何の情報もおりてませんの!!
一体警備員(アンチスキル)はちゃんと仕事してるんですの!?」



佐天「……御坂さん?どうしたんですか?黙りこくっちゃって。
あれ?そういえば、2日前の事件の時、セブンスミストで爆発が起きた後、御坂さん次の日まで姿を見ませんでしたよね?」

初春「あ!?そうです!!忘れてましたよ!!御坂さん、あの爆発から私とあの女の子を守ってくれたあと、どこに行ってたんですか!?
すごく心配したんですよ!!白井さんなんて、夜中に発狂しかけたくらい!!」



御坂「え!?え、えぇ、そういえばそうね。あの時、ちょっと急ぎの用があったからね……」アハハ……


御坂美琴は、苦笑いでこの場を誤魔化そうとしている。















この話の真実は御坂美琴と共にある。


しかし、この真実は言えないのだ。


例え、自分の大事な後輩にも、その友達にも。


それが、自分に強制的に嵌められた、首輪の制約(ルール)なのだから。








そして、自分のせいで、アイツにもその首輪が……

投下終了です。

とりあえず、プロローグ的なところでした。



続きは、夜にこれたら投下します。


なるほど爆死してあの部屋へ行ったのか

面白そう
期待

おいおい面白そうだな期待

ふむふむ
スレ立て乙です

こんばんわ、1です。

それでは、再開したいと思います。


>>15
その辺は、これから書いて行こうと思います。

>>16
>>17
>>18
ありがとうございます!!期待に答えられる様頑張ります!!

2日前








7月19日


セブンスミスト





コォォォォオオオオオオオッ……


御坂「ぬいぐるみが爆弾に!?くっ!!」スッ……


ポロッ……


御坂が、自身の必殺の能力『超電磁砲』を、とある能力により、爆弾と化したぬいぐるみに放とうと、コインを構える。


しかし、焦りからか、誤って弾丸であるコインを落としてしまった。

御坂「ダメ、間に合わない……せめて、初春さんとあの女の子だけでも……」



御坂が死を決意し、一緒に行動していた初春と、女の子の盾になろうとした瞬間、一つの大きな影が御坂に立ち塞がった。



御坂「あ、アンタは!?」


ギュッ!!!


影は、爆弾に立ち塞がる御坂の前に更に立ち塞がり、御坂を強く抱きしめることで、自身を御坂達の盾と化した。



御坂「……あっ……」ギュッ!!!


それを知ってか知らずか、御坂も相手を思いっきり抱きしめる。








温かい……


私、死んじゃうのかな……コイツと一緒に……


ゴメンね、パパ、ママ、黒子、皆…………





カッ!!!!!


そして、無情にも、爆発が御坂達を襲う。

…………







初春「ゴホッ、ゴホッ……アレ?私生きてる……この子も無事……御坂さんは?」



爆煙が徐々に晴れてきた。


女の子を守るように抱えていた初春は、どうやら無事なようだ。



しかし、初春と共にいた、御坂の姿が見えない。
見たくもないが、死体すら見えない。





爆煙が全て晴れるころ、初春は、己のいた空間だけが、奇跡的に爆発を逃れたことを知る。



その空間は、一人の勇気ある女子中学生と一人のお節介な男子高校生が、文字通り、命を賭けて、守り抜いたものだとは、初春と女の子は知らない。

…………





あれ?


私は確か、セブンスミストで初春さんと一緒にいて……



そしたら、小さな女の子がぬいぐるみを持ってこっちにきて、そのぬいぐるみが急に圧縮し始めて……


超電磁砲で投げ捨てたぬいぐるみを貫こうとしたけど、失敗して……

それから……確かアイツが突然現れて、私を守ろうとして……私の身体を……ギュッて……





??「…リ……ビリビリ……おい……」

あれ?アイツが何で……私の目の前に……ビリビリ?




??「ビリビリッ!!おい!?目を覚ませビリビリッ!!」


御坂「だからビリビリっていうなやぁぁぁぁあああっ!!!
!!」ガバァッ!!



ガンッ!!!


??「グハァッ!!!」ドサァッ!!



御坂は、勢いよく身体を起こし、声の主の顔面に頭突きを喰らわせる。



御坂「アイタタタタ……あれ?ここドコ?」





身体を起こして、周りを見渡した御坂の目に映ったのは、どこかのマンションの一部屋のような少し広い空間であった。

部屋自体に関して、強いて妙と言うならば、窓が一つも見当たらないことだろうか。



部屋には、どこかで見たような学園都市の学生と思われる者や、研究者と思わしき者。普通の大人。果ては、何故かヤクザのような者もいた。




そして、何より目立ったモノは……






御坂「な……何よ……あの真っ黒な球体は……」























部屋の端の方で圧倒的な存在感を放つ、真円と言えそうな程、完璧な黒い球体が御坂の視界に映った。

??「イテテテテッ……あの黒い玉から、お前は出てきたんだよ。俺もらしいけど」



御坂が頭突きをかましたツンツン頭の人物が、御坂へと黒い球体の説明をしてきた。



御坂「あの球体から出てきた?イマイチどーいうことかわからないわね……そして、何でアンタがここにいるのよ!!」



御坂はツンツン頭の人物に向かって吠える。




何故彼が、自分と共に、こんな訳のわからない場所にいるのか。




上条「上条さんだってわかりませんよ……セブンスミストにいたハズなのに、気がついたらココにいたんですから」



ツンツン頭の人物、上条当麻が困った表情で、御坂の問いに答えた。

御坂「私もセブンスミストに初春さん達といたハズなのよ……そして、爆弾魔が初春さんを狙っているって情報が入って……それで……」



御坂はその後が思い出せない。


いや、覚えているが、心がそれを認めようとしていないのだろう。







研究者「死んだんだろ?君も、そこの男も。そこの女の子は第三位の御坂美琴さんかな?これは驚いた」




突然、研究者のような格好をした男が、御坂や上条へと尋ねた。

御坂「……へ?し、死んだって……何言ってるのよ貴方!!どこをどう見ても、生きてるじゃない!?私もこいつも!!」



研究者「確かに、今私達は、生きていると感じているだろう。しかし、君には無いのかい?先ほど自分が死んだ記憶が」



御坂「うっ……」



御坂は言葉を詰まらせる。

心が必死に否定し、隠していたことを、ズバリ研究者の男に言われてしまったからだ。

そして、全てを思い出した。



あの時、セブンスミストで自分は、超電磁砲を外し、恐らく爆発をモロに受け、死んだのだろう。
しかも、目の前の男、上条当麻に守られるように、抱きかかえられながら。




思い出したトコロで、御坂の顔が密かに赤くなっていった。

御坂「(まさかアイツは私を助けようとして死んだの?しかも、あんなに必死に……あんなに強く抱きしめながら私を……)」カーッ///



研究者「それに、そこの彼は見たハズだ。その女の子が、どのようにしてこの部屋に現れたのか。
あんな現れ方、学園都市の科学を持ってしても、説明が出来ないのだよ」



上条「…………」



上条は、ただ黙っている。



御坂「現れ方?何よ……一体どんな現れ方をしたってのよ私が!!」


上条「……すぐにお前もわかるさビリビリ……次のお客さんが到着だ」



御坂「だからビリビリって言う……何これ?」

御坂は目をしっかりと見開いて、目の前の現象を注視している。




黒い球体から放たれたレーザーのようなモノの先から、人間の履いている靴が創り出されているのだ。



それは、例えるならば、FAXのようなものであろうか?



少しずつ、レーザーが足首から上の部分を創り出していく。


まず、ジーパンが見えた。どうやら、この創り出されているモノは男のようだ。


次に、橙色のジャージ。上下合わせると、よくスキルアウトなどが着ていそうな服装である。




最後に顔の部分。
金髪でピアスを付けた、完全にスキルアウト風の男が創り出され、その瞬間、男は辺りを見回した。

??「あれ!?ここはどこだ!?確か俺は、今の今まで、他のスキルアウトのチームと一戦交えていたハズじゃ……」キョロキョロ




学生「おいおい……今度はスキルアウトかよ……」



ヤクザ「何やあの兄ちゃんは?あれが今時の不良なんか?俺らの時とは全然違うのぅ……」



研究者「ちっ、無能力のクズか……使えなさそうだな……」ボソッ……



部屋に居た人物達が、男の感想をそれぞれ述べている。

御坂「な……い、今のって……」


上条「お前もあんな風に出てきたんだよビリビリ。多分、ここにいる全員な。
よぉ、アンタは俺と同じくらいの年だろ?俺は上条当麻だ。よろしくな」


上条が、スキルアウト風の男に声をかける。



??「ん?お、おぉ。俺は浜面仕上だ。よくわからんがよろしくな。
ところで上条……だったよな?早速聞きたいことだらけなんだが……ここは一体どこなんだ?」




上条は、自分の知っていることを全て浜面に話した。

周りのモノは、浜面がスキルアウトに見えることで、誰も話しかけようともしなかった。

まぁ、ヤクザのようなおっちゃんがいるのに何を今更だが。


その間、ヤクザ以外の人間は、御坂への質問タイムになっていた。

浜面「なるほど……つまり俺は……いや、ここに居るヤツは、皆死んだ記憶があって、訳のわからん方法で、あの黒い球体から創り出されたってことか。

…………全然意味がわかんねぇ」



上条「上条さんもあまり頭がよろしくないもので……まぁ、とにかく、俺らは本当に死んで、ここはあの世なのか?
それとも、死ぬ寸前に、未知の技術でここに運ばれたのか?

このどちらかなんだろうな……出来れば死んでてほしくはないが。ちなみに、お前は何で死んだんだ?浜面」

西君居ないんだな……

浜面「俺は、見た目通りスキルアウトでな。まぁ、よくある話さ。

スキルアウト同士の抗争の中で、勢い余って死亡。詳細はよく覚えちゃいねぇが、どうせそんなもんだろう。我ながら、つまらない死に方だな。

お前みたいに、女の子を守って死ぬような、かっこいい死に方がよかったよ。俺は」



上条「結局守りきれてなかったみたいだけどな、アイツもここにいるってことは。
アイツは俺等と違って、常盤台のエースだ。慕ってくれる子達も沢山居ただろうに……不甲斐ない話さ」



上条や浜面は、御坂の方を遠い目で見ている。



そんな時、不意に黒い球体から、どこかで聞き覚えのある音楽が流れてきた。


















あーたーーらしーいーあーさがきたー、きーぼーーのあーーさーーが










学生「な、何だ?何の曲だこれは」


ヤクザ「なんや。最近のガキは、ラジオ体操もしらんのか?せやからそんなモヤシみたいな身体なんや」


学生「う、うるさい!!僕をバカにするな!!殺すぞ!?」


メガネをかけた、貧相な学生が、ヤクザに喰ってかかる。


ヤクザ「威勢だけはいい兄ちゃんやな。そんなヒョロい身体でそれだけプライドが高いと、学生生活も難儀やろ?」


学生「うるさい黙れ!!殺す!!お前は僕が必ず殺してやる!!」


ヤクザ「おー怖い怖い」





上条「ていうか、何でラジオ体操が……」


浜面「悪ふざけにしては不気味すぎるな……」


御坂「あ、見て!!何か、球体に、文字が浮かんできたわよ!?」

●『てめぇたちの命はなくなりました』



『新しい命をどう使おうが 私の勝手だす』





黒い球体に浮かんだ文字に、一同が騒然とする。




御坂「命は無くなりましたってことは……やっぱり私達……」


御坂の顔がどんどん青ざめていく。
やはり、自分はあの時、爆発に呑まれて死んでしまったのだろうか。



上条「まてよビリビリ……まだ諦めるのは早いんじゃないか?」


御坂「え?」


上条が、黒い球体の文字の一文を指す。

上条「ここに新しい命って書いてあるだろ?これは、俺たちには今、新しい命があるってことじゃないのか?

確かに俺たちは一度死んでしまったのかもしれないが、希望が一欠片でもあるのなら、それを掴むしかないだろ」



御坂「アンタ……そうね、確かにそうだわ。諦めるにはまだ早い。それで?これからどうすればいいの!?」



御坂は、黒い球体に向かって怒鳴りつける。



すると、黒い球体の表示していた文字が、別のモノに変わっていった。

●『こいつらを倒してくだちい』







『ネギ星人』


特徴 つよい くちい

好きなもの ネギ

口癖 ネギだけで十分ですよ







浜面「ネギ星人?何だこれ?宇宙人ってか?」



上条「倒してくだ……さいか?これ?倒せってどーいうこと何だ?」



御坂「好きなものネギって……ひねりも何もないわね」




各々が、画面を見て感想を述べる。


数十秒も経つと、表示されていた文字などは消えてしまった。


代わりに次の変化が現れる。

●>>ドンッ!!!!!


御坂「きゃっ!?」


<<●>>ドンッ!!!!!


上条「へぶっ!?」ドカァッ!!!



突如、黒い球体の両サイドが勢いよく開き、側にいた上条が部屋の隅に追いやられる。


浜面「何だ……これ?銃?」


球体の両サイドに開いた中には、見たこともない、恐らくは銃であろうモノが、数種類入っている。



学生「ほ、他にもケースみたいなモノが入ってるぞ?名前みたいなのが書いてある」



学生が、ケースを一つずつ取り出していった。ケースには、それぞれあだ名のようなモノが書かれてある。

『やくぢ』



ヤクザ「……これは俺のケースのようやな……」



『センセー』



男「ぼ、僕のケースですかね?これ」




『キャシャリン(笑)』



学生「誰がキャシャリンだ!!僕には介……いや、何でもない……くそぉ!!せめてメガネとかでいいだろ!!」




『天サン』


研究者「…………」スッ……


研究者の男は、黙ってケースを持ち、部屋をから廊下へと出て行った。

『はーまづらぁ』



浜面「……何だ?何か急に寒気が……」ブルッ……




『ビリビリ』


御坂「ちょっと!!何でこれにまでビリビリって書かれてんのよ!!アンタのせいよ!!!」



『そげぶっ!!』


上条「上条さんに当たらないでください!!それにしても何だ?そげぶっ!!って?本当に俺のケースなのかこれ?」


各々が自分のケースを持ち、開ける。




上条「これは……全身タイツのスーツか?何かところどころに機械がついてるけど……」



御坂「アンタのにも同じの入ってるの?てっきりバトルロワイヤルみたいに、ランダムでいろんなモノが入ってると思ったのに」

各々が、スーツをケースの中から取り出している。



くだらないとスーツを放り投げる者。

不思議そうにスーツを見ている者。

スーツそっちのけで、銃のようなモノを物色している者。


反応は様々であった。





上条「どうするこのスーツ……着るか?」

御坂「な、何で私に聞くのよ!?着たいなら勝手に着ればいいじゃない!!」

浜面「俺は流石にこれはちょっとなぁ……」



上条達は、スーツに対しての意見がまとまりそうにないようだ。

上条「でも、わざわざ名前まで付けて、ケースに入ってたモノだしなぁ……うーん……」


御坂「わ、私はアンタがどうしても着たいって言うのなら付き合ってあげてもいいけど……」


浜面「俺はパスだ。それよりも、あっちの銃の方が興味深いぜ。何個か種類もあるみたいだしな」



浜面は、銃を物色しに、黒い球体へと向かっていった。




その時



男「うわぁぁぁぁぁあああ!!!な、何だこれはぁぁああっ!!」

突如、センセーとケースに書かれていた男が叫び声を挙げる。

見てみるとそこには、ヤクザと書かれていた男が、頭からどんどん姿を消していっている光景が見えた。


それは、例えるならこの部屋に来た時の逆再生のような映像である。




上条「な、何だ何だ!?一体何が起きてるんでせうか?」


御坂「知らないわよ!!……ってアレ?私も何か……ちょ、ちょっとどこよココ!!」ジジジジジ…………



ヤクザの男が完全に姿を消すと、今度は御坂が頭から姿を消し始めている。



どうやら、ランダムに何処かへと送られているようだ。

研究者「…………」カチャカチャッ……



ふと、上条は天サンと書かれていた研究者の男の方を見る。

どうやら、球体の中から、銃を幾つか取り出しているようだ。
白衣を着たその下には、タイツスーツがチラリと見える。



上条「……やっぱりこれ着ていくか……ん?あれ?コレってすんげぇピチピチだな……シャツもパンツも脱がないと着れないのか?」ヌギヌギ



上条は、廊下で全裸になって、自分のスーツを着始めた。
しかし、かなり着るのに手こずっている。そうこうしている内に、上条の目の前の光景が変わっていく。



上条「ちょ、ちょっと待って!!上条さんの上条さんがまだ完全には……」ジジジジジ…………




そして、黒い球体のある部屋の中には、誰も居なくなった。

…………






ブゥゥゥウウウン……










●『いってくだちい』










『1:00:00』ピッ


投下終了です。


一回目の参加者をまとめると


上条さん

御坂さん

はーまづらぁ

ヤクザ

研究者(天サン)

学生(キャシャリン)

男(センセー)

です。






>>34
西君はいませんでしたねー。いると予定している話がややこしくなるので……まぁ、代わりがいますけどね。


それでは、また明日の夜ごろに。おやすみなさい。

乙  楽しみにしてる


天サンって天井かな?

どうも何回か参加してるみたいな感じだな、反応とか見てると

乙です
キャシャリンは介旅であとはGANTZのキャラか?

一方さんはでるんですか

ガンツ最初の頃は面白かったな
期待してる

通称「神星人」と呼ばれる上位存在が登場
全部こいつのおかげでした、というデウスエクスマキナであっさり全容解明

こんばんわ、1です。


それでは、続きを投下していきます。


>>49
>>52
ありがとうございます!!

>>50
>>51
その辺は、おいおい明らかになります。まぁ、バレバレでしょうが……

>>53
出ると思います。ガンツメンバーかは未定ですが。

>>55
そんなの出て来たんですか?次のコミックが楽しみです。

0:00





学園都市 第7学区 とある路地



御坂「外に出たのかしら……それにしても、いつの間にか夜になっていたのね。あの部屋、窓がなかったからわからなかったわ」


早めに黒い球体によって転送された御坂は、あちこちを見回していた。


どうやらここは、第7学区のようだ。よく帰り道に、自販機からジュースを奪……もとい、買って帰る公園が近くに見える。

御坂「それにしてもどうやってあの部屋から移動したのかしら?
空間移動とかとは、また別みたいだし……んー、機械ではまだ、テレポートみたいな能力は再現できないハズだけどねぇ」



御坂が色々と頭の中で状況を整理している中、次々とあの部屋に居た者達が、転送されてきた。



そして、最後に、御坂がよく知るツンツン頭のお節介の顔が見えた。



上条「ゲッ!?ビリビリ!!」ジジジジジ……



御坂「ビリビリ言うな!!ようやく来たわね……ホラ、早くあのネギ星人ってのを探すわよ!!」

上条「ちょ、ちょっと待てビリビリ!!少し向こう向いててもらえませんか?上条さん、今非常にマズイ状況なのですが……」ジジジジジ……



御坂「何訳のわからないこと言ってんのよ!!今以上にマズイ状況がそうそうあるわけ……」




転送されてきた、上条の姿を見て御坂が固まる。

スーツへの着替えが間に合わず、上条の上条が露出したままになっていたのだ。



御坂「あ……あ……」バチバチバチッ……

御坂の身体から、紫電が走り出す。


学園都市第3位の超能力者。


常盤台の電撃姫。


『超電磁砲』御坂美琴14歳



そう、どれだけ強力な力を持とうが、彼女は14歳の女の子なのだ。


常盤台という、お嬢様学校に通っているため、もちろんそういった経験は皆無である。





したがって、こうなる。








御坂「フギャァァァアアアアアアッ!!!!!!」バチバチバチバチバチバチッ!!!!!


上条「ギャァァアアアアアアアアッ!!!!!!」バリバリバリバリバリバリッ!!!!!







上条の持っている切り札は、本来、御坂の電撃を物ともしないともしないモノである。


しかし、必死でスーツを着ようとしていた上条は、不幸にも手が完全に塞がっており、切り札を使うことができなかった。


結果、電撃の強烈な閃光と共に、二人の悲鳴が真夜中の路地に響き渡る。

御坂「信じらんない!!あんなモノ女子中学生に見せるなんて!!トラウマになったらどうしてくれんのよ!!」


上条「だから向こう向いててくれって言っただろうが!!こっちだって危うく、一度も使わずに死ぬところだったんだよ!!


御坂「使うって何をよ!?」


上条「ナニだよ!!」



二人は引き続き、大声で言い合っている。



浜面「おいおい、お前らちょっと静かにしろよ!!こんな真夜中に、家が密集しているところでそんな大声出したら、人が集まってくるだろ!!」シーッ!!



浜面が、騒ぐ二人をどうにか鎮める。とは言っても、先ほどの御坂の悲鳴と閃光で、人が集まってきてもおかしくないのだが。


おかしくないのだが、辺りは整然としている。窓から顔を覗く者すら見つからない。





浜面「…………まぁ、いいか。ホラ、早くネギ星人とやらを見つけるぞ。まずは見つけなきゃ、先に進まないんだ」

男「……本当ですか?その話は……」


ヤクザ「これがアンタらの実験とかいうモノなんか?」



研究者「えぇ、そうです。死後の世界という非現実、そこから更に極限状態に追い込まれた人間が、敵として設定された未知の目標に対してどう対応するかっていう実験なんですがね」


男「何の意味があるんですかその実験……ということは、僕らの死の記憶ってのは……」


研究者「えぇ。こちらで若干、記憶を操作させていただいています。つまり貴方達はまだ生きているんですよ。申し訳ありませんね」

学生「どうして、それを僕達に教えるんだ?実験なんだろ?」




研究者「貴方達がこの場を離れ、それぞれ帰路に向かっていたからですよ。止むを得ず、説明して、この場に留まって頂く為です。

今のところ、私達以外の三人の子供達が、実験内容を知らずに進めています。

実験は、彼らメインで行うとして、内容を知っている貴方達には、彼らが目標へとスムーズに辿り着けるようにサポートしていただきたいのですよ。

もちろん、謝礼は致しますよ?実験終了の暁には、納得のいく額をお支払いいたします」

学生「僕は金なんかいらない!!金があってもしばらく使いようがないんだ!!」



研究者「そういえば、貴方は……そうですね。それでは貴方には、恩赦として、刑の減刑をプレゼント致しましょう。
我々の研究に協力するという名目があれば、直ぐにでも保釈されますよ。確か介旅君……でしたかな?」



介旅「!?……どうしてそれを……」



研究者「……被験者の情報くらい、把握しておりますよ。と言っても、私のような末端には名前しか伝えられてませんがね」



介旅「……忘れないでくれよ、その条件」

ヤクザ「それで?俺らはどうすりゃえぇんや?」



研究者「貴方達には、彼らを目標まで誘導してもらいます。
こちらが、目標の現在地を記したレーダーになってます。これを使い、彼らと共に、目標へと向かってください」



研究者の男は、ヤクザに小型のレーダーのようなモノを渡した。
レーダーにはここら一帯の地図が表示されており、そこに、赤い点が7つ、3つの青い点が、表示されている。


どうやら、この青い点が、目標のようだ。

ヤクザ「ん?どうやって使うんや?コレ」


介旅「貸してくれ!!僕がやってみる!!」カチカチッ



研究者「それでは、よろしくお願いいたします。私は上司への現状報告後、直ぐに合流させていただきますので」




研究者がそう告げると、他の3人は一目散に、目標へと走って行った。
















研究者「……さて……」バチバチバチッ……



フッ……




3人がその場から去ったことを確認すると、研究者は何かの機械を操作し、バチバチと火花を散らしながら、その姿を完全に消した。

少し短いですが、投下終了です。


次回は、ネギ星人登場編をお届けします。

介旅の極悪度が5割増し程にになってますので、介旅ファンの方はご遠慮ください。


いないか……

今更だが量子変速から上条さんと同じように人を庇って爆発が直撃した風紀委員がいたな。彼は怪我しただけだったけど。しかも治ったらに庇った相手とデートしてたけど。

そういや上条さん三巻で粉塵爆発にも巻き込まれても無事……あまり難しいことは考えないようにします


西君ポジ来たか

>>68
そんなあなたに上条さんと美琴は、実はまだ死んでない説。ガンツは稀に死んでない人間も転送するぞ。
でもあれはコピーになるのか。1がどう考えてるかだな。

とりあえずカプ要素あるかだけ教えてくれ

>>69
死んでる死んでないに関わらず毎回の転送事に新たに作り出されてるとも言えるかも
あの転送って原理的には一度分解してから再構築してるっぽいし

こんにちわ、1です。
ゆっくり投下していきます。



>>68
介旅の能力ってドンドン強くなってませんでしたっけ?最後は1フロア爆破するくらいだから、打ち消さない限り死ぬ気が……
まぁ、粉塵の方は知りませんw

>>69
その辺はおいおいですねー。死んでなくても岸本みたいにはならないと思います。
ややこしいので。

>>70
未定ですね。メインはガンツ世界なので。

>>71
データからの再生って感じですもんねぇ。

『00:40:50』



浜面「そっちはいたか?上条」



上条「いーや、それらしきヤツは見なかったな。この辺はスキルアウトも居ないのか、人っ子一人会わなかったぜ?」



御坂「繁華街ならわかるけど、住宅街だからねー、この辺りは。それに深夜だし、皆寝てるんでしょう」



浜面「クソ!!流石に闇雲に探しても見つからねぇか。仕方ない、もうちょっと探してくる」ダッ!!



浜面は再び、目標であるネギ星人を探しに走って行った。

上条「あんな情報だけで、探し出すのも難儀な話だよな……もっと何か手掛かりみたいなモノはないのか?」



御坂「うーん……ん?ちょっとアンタ、そのスーツについてる機械は何なの?」



御坂は、上条のスーツからコードの伸びたデバイスに目を付けた。



上条「ん?何だコレ?全然気づきませんでしたよ」チャキッ



御坂「ちょっと見せて……今まで見たことない機械ね……えーっと……」カチカチッ、カチカチッ



ピッ

御坂「あ、何か地図みたいなのが出た。……どうやらこの辺りの拡大地図みたいね。縮小は……これかな」カチッ


御坂がボタンを弄ると、周辺がわかるくらいまでに縮小された地図が、デバイスに表示された。


デバイスには、赤い点が7つ。それと、青い点が3つほど表示されている。



御坂「赤い点が7つ……確か、あの部屋にいたのも7人よね?
この私達がいる辺りの地点に、2つ赤い点があるし、赤い点は、私たちのことみたいね。
となると、この一人で行動してるのは、浜面さんかな?

だったら青い点が……目標のネギ星人ってことなのかしら?」

青い点は、全部で3つ。2つは、ここからかなり離れたところで共に行動しており、残った1つは、どこかのアパートの一室に表示されている。



上条「恐らくそうだろうな。凄いじゃないか御坂!!これで一気に事が進みそうだ」


御坂「だからビリビリって言う……え?今ちゃんと御坂って……」


突然、ちゃんと自分の名を呼んでもらえた為、御坂は少し戸惑っている。


上条「ん?どうした御坂?」


御坂「へ?い、いや別に……何でもないわよ……」

御坂「(なんだろ?ただちゃんと御坂って呼ばれただけなのに……ちょっと認められた感じがして嬉しいかも……)」


上条「お?浜面が3つの赤い点と合流したみたいだ。
そんで、そのまま1つだけある、青い点の場所に向かっているようだな。俺達も行こうぜ御坂」ダッ


御坂「へ?あ、ちょっと待ってよ!!」ダッ


上条と御坂は、アパートの中にいる青い点の元へと、仲間と合流すべく向かう。

…………



アパートの前



浜面「ここにネギ星人がいるのか?」


介旅「あぁ、間違いないね。このデバイスには、そう表示されている」



介旅、ヤクザ、センセーと書かれていた男。
そして、途中で彼らに出会い、半ば強制的に合流させられた浜面は、青い点の反応が1つだけあったアパートの前まで来ていた。



ヤクザ「こんな普通のアパートに宇宙人なんざおるんか?」


介旅「しょうがないだろ!?そう表示されているんだから!!」


男「ほ、本当に居たらどうしましょうかね……」ブルブル


浜面「そ、そうだな……倒せなんて言われても、どうすればいいのやら……」













介旅「そんなこと、簡単じゃないか。殺せばいいんだろ?この銃で」




メガネをかけた華奢な学生、介旅が、さらりとした口調で言った。








浜面「こ、殺すって……お前、そんな簡単に……」



介旅「なんだよ?別に間違ってないだろ何も。だってそれが目的なんだから」



ヤクザ「最近のガキは……よくもまぁ、そんなポンポンと殺す殺す言えるもんやなぁ」


介旅「さっきからうるさいんだよオッサン!!アンタなんざ、僕の能力を使えば、木っ端微塵なんだぞ!?」



ヤクザ「ハイハイ、凄いな兄ちゃんは」



ヤクザは、介旅の罵倒をまるで相手にしない。

介旅「クソゥ……どいつもこいつも僕をバカにして……見てろ?僕が速攻でケリをつけてやるよ!!」ダッ!!


介旅が、アパートの階段を登っていく。


男「ちょ、ちょっと!!君が事を進めてどうするんだよ!!」


浜面「ん?アイツが宇宙人に会うとマズイのか?」


男「あ、いや……どうしましょう、ヤクザさん……」ボソボソ


ヤクザ「別にどうもこうも、なるようにしかならへんやろ。報酬が無くなって恨むんなら、あの暴走しがちなモヤシを恨むんやな」ボソボソ



浜面「?」



そうこうしている内に、介旅が部屋の玄関の前に着いた。

>>79
作者の解釈にもよるけどたぶんムリじゃない?
星人の力は能力ってわけじゃなくもともとそういう生物ってだけだし
幻想殺しでゴリラを触ったからって筋力が消える訳じゃないし、イカスミに触った所でそれが消える訳じゃないだろう

>>83
途中ですが、返答しておきます。

明らかなエネルギー系は消せるということにしておいてください。
強ボスに役立つ感じです。



オニ星人の火とか、雷とか
千手のレーザーとか

ちなみに田中は無理です。機械なので。

ドンドンドンドンッ!!!!!



介旅「オラァッ!!出て来いよ宇宙人!!僕がぶっ殺してやる!!」



ドンドンドンドンッ!!!!!







ガチャッ……





介旅が乱暴なノックで中の住人を呼び出すと、不意にドアが開いた。





男「へ?」

ヤクザ「あぁん?」

浜面「……あれがネギ星人……なのか?」



アパートの下から様子を見ていた三人が、揃って頭に?を浮かべる。

介旅「…………お前がネギ星人なのか?」


ネギ星人「…………?」




目の前には、子どもほどの大きさの、少し顔色が白っぽく、細長い人物がいた。

髪の毛は逆立った緑色で、顔と合わせると白ネギを連想させる。



介旅「答えろよ!!お前がネギ星人なのか!?」チャキッ!!


介旅が銃を子どものネギ星人に向ける。



ネギ星人「ネ、ネギだけで十分ですよ」


子どものネギ星人は、驚いた様子で、よく意味のわからない言葉を返した。

介旅「あぁ?何言ってるんだよお前!!バカにしてんのか!?」


ネギ星人「ネ、ネギだけで!!ネギだけで十分ですよ!!」ドンッ!!


介旅「うわっ!?」ガシャンッ!!



ネギ星人が介旅を突き飛ばし、勢いよく部屋から飛び出した。



介旅「このっ……ぶっ殺してやる!!!」ジャキッ!!


カチッ!!


介旅が、銃をネギ星人へと向け、何故か二つあるウチのトリガーの一つを引いた。

……



介旅「あれ?この銃、弾とか何か出てこないのか!?」


介旅が、何も変化の起こらない銃をくまなく調べる。


その時、何かの拍子で、二つのトリガーを介旅が同時に引く。


その瞬間









ギョーンッ!!!!!







介旅「わっ!?」

浜面「おぉ、何か銃が光った!!」

男「でも弾とかは出ないんですかね?やはり、実験用のオモチャ……いえ、何でもありません」



その場に居た人間全てが、その銃から放たれた光に注目する。
ネギ星人に向けられていた銃は、青白い発光を上げたと思いきや、その光はすぐに消えた。

3



それと同時に、ネギ星人の子どもは、アパートの2階廊下から飛び降り、着地。そのまま逃走をはかる。



2


浜面「うぉっ!?降りて来た!!く、来るなら来やがれ!!」チャキッ!!


浜面は、驚きながらネギ星人へと持っていた銃を向ける。



1


ネギ星人「ネギ!!ネギあげますから!!ネギあげますから!!」ポロッ……

浜面「なっ!?……泣いてるのか?」スッ……



ネギ星人は、涙を流しながら、浜面へ何かを訴えかける。
それは、怯えた子供が、訳のわからぬまま、許しをこうような姿に見えた。




0


浜面「な、なぁ皆。やっぱりこんなの」


浜面が、他のメンバーに何かを訴えかけようとしたその瞬間


グチャアッ!!!!!



ベチャッ!!!




浜面「…………へ?」




ネギ星人「ギャァァアアアッ!!!」



突然、ネギ星人の腕が、内側から破裂するように爆発した。
それと共に、浜面にネギ星人の血が大量に降りかかり、ネギ星人は、爆ぜた腕の痛みにより絶叫した。





介旅「す……凄い!!凄いぞこの銃!!!何だ!?今の破壊力は!?」


その様子を見て、介旅が子供のようにはしゃいでいる。

男「な……なんだ?いきなり破裂……いや、爆発したのか……?」ガタガタ


ヤクザ「お、おいクソガキ!!お前一体何をやったんや!!」


介旅「何をって、ただこの銃で撃っただけだよ。何か問題でもあったのか?」



介旅が、階段を下り、こちらへと向かってくる。
その目は完全に血走っており、一言で言えば、イカレた殺人鬼のように見える。



浜面「な……あ……」ガタガタ……


浜面は、訳のわからぬまま震えている。

突然、目の前で人間の子供のようなモノの腕が爆ぜ、その血が大量に降りかかってきたのだ。まともな人間なら無理もない。

ギョーンッ!!!

ギョーンッ!!!




不意に、再びあの銃の発射音のようなモノが聞こえてきた。
全員が、振り返ると、介旅が再びネギ星人に撃っている。




3



ヤクザ「クソガキィ……」

浜面「……お前……まさか……」



2


介旅「なんだよ……もしかして実験の心配か?それならもう、このスキルアウトの結果は出ただろ。
この無能力者のクズは、ビビって何も出来ませんでしたってさ」



1



浜面「テメェ!!何が実験だ!!訳のわからねぇこと言ってんじゃねぇ!!」



浜面が介旅に激昂する。

ネギ星人「ね、ネギ……」


浜面「!?」



その時、ネギ星人が、手に持っていたネギを浜面に差し出しながら、こう言った。




0



ネギ星人「ネギあげますから……助けてくださ」




グチャアッ!!!!!

ドォォォォオオオンッ!!!!!





ドサァッ!!!

上半身が、完全に爆ぜたネギ星人の子供は、確認するまでもなく、そのまま死んでいった。


一発は外したのか、道路のアスファルトが派手に破壊されている。



浜面「あっ…………」


浜面は、言葉も出ず、ただその様子をジッと見ていた。

そして、全員の視線は、そのまま介旅へと移る。




介旅「なんだよ……文句あんのか?お前ら……」チャキッ!!


介旅は、今度は浜面達に向かって銃を向ける。

ヤクザ「このクソガキィ……ようそんな簡単に人を殺せるのぉ?」


介旅「何言ってんだ?さっきのガキは、どう見ても人間じゃないだろ?大方、学園都市が作った変な生き物さ。

それに僕は、既に能力で人を殺してるんだ。誰も僕の力を認めようとしないからな!!1人2人増えようが、別に大した差はないさ」



ヤクザ「何寝言言っとんのじゃ、この……」




ヤクザと介旅が殺気立つ中、ふと全員の視線が一箇所に集中する。

学生「…………」ジー


ふと、アパートの一室から、学生らしき男の子がこちらを見ている。


浜面「!?オイ、アンタ!!警備員を呼んでくれ!!」


介旅「な!?お前!!」チャキッ!!


介旅は浜面に銃を向ける。


しかし、その銃が浜面に発射されることは無かった。



学生「す、スゲー!!何かスゲー道路が壊れてるよ!!写メっとこっと!!」ピロリンッ



学生は、写メを撮ると、そのまま部屋の中へと戻っていった。

浜面「…………」

介旅「…………」


ヤクザ「どういうことや……」

男「見えてましたよね?私達……なのに気づかれてないような……」


4人は、不思議そうに呆然としている。



介旅「……クッ、ククッ……」


ヤクザ「何や?何がおかしいんや?」



介旅「シックスセンスって映画のオチ……知ってるか?まさに今の僕らのようだ……やっぱりこれは、実験なんかじゃなく……僕らは本当に……」





死んでいる。




介旅がそう、言い終わる前に、背後からただならぬ気配を感じた。

背後には、大きな影と、それより少し小さな影が見える。




ネギ星人父「…………」

ネギ星人母「ア……ア……」



影の正体は、ネギ星人と同じような配色をした、2mほどの大男と、エプロンをかけた170cmほどの女性?であった。



二人とも、目からは涙のようなモノを流している。子供のネギ星人の両親なのだろうか。




介旅「あのガキの親か?どっちも化け物みたいな顔しやがって……」チャキッ!!



介旅が銃を二体に向ける。

ネギ星人父「ォォォオオオオオッ!!!!」

ネギ星人母「ァァァアアアアアッ!!!!」


二体のネギ星人が声を揃えて吠える。

自分の子供を殺されたのだ。人間も星人も、その悲しさや怨みは共通するのだろう。


そして、強烈な殺意の篭った視線を、4人に向ける。



男「あ…あぁ……」ガタガタ


ヤクザ「……おい、そこの兄ちゃん……お前はこっから早よぅ逃げろや」


浜面「そ、……そんなこと……出来るわけ……」ガタガタ



浜面やセンセーは、その強烈な殺気に当てられ震えている。

ヤクザ「お前はあのクソガキと違うて、少しは聞き分けのありそうなガキやからな……。
それに、これはお前らを利用して、金を得ようとした俺らへの罰みたいなもんや……」



浜面「利用?何だよそれ!?そんなこと言われても俺だけ逃げるなんざ」



ヤクザ「えぇからさっさとこっから去ねや!!!」


浜面「!?」ビクゥッ!!


ヤクザの恫喝に、浜面が驚いて固まる。



浜面「……わかったよ……すぐに頼りになりそうな助けを呼んで来てやるからな!!」ダッ!!



浜面は、走ってその場を後にした。

男「ヒ……ヒ……」ガタガタ


ヤクザ「何や、大の男が情けない……アンタ教師なんやろ?」


男「え、えぇ……一応小学生の……だってこんな状況ですよ?貴方は怖くないんですか?」ガタガタ


ヤクザ「……俺かて怖いわ……でもな、大人やったらガキを守る為に踏ん張らなあかん時があんのや……それに、それが教師ってもんやろ」



男「!?ま、まさか貴方も……」



ヤクザ「……俺も教師や。見た目でようヤクザに間違われるけどな……ほら、アンタも少しは教師としての根性出したらんかい!!」チャキッ!!


ヤクザもとい、ヤクザ風の教師が、浜面の逃走路を塞ぐように、銃を構え、ネギ星人夫妻に立ち塞がる。

介旅「……くだらない……たかがスキルアウトのクズ風情にムキになって……お前ら全員くだらないんだよぉぉぉおおおっ!!!」ジャキッ!!


その様子を見ていた介旅が、銃の2つのトリガーに指をかける。


狙いなんてどうでもいい。

実験なんてどうでもいい。

この場にいるモノ全てを殺してしまえばそれで終わりだ。





ネギ星人夫妻「「ォォォォォォオオオオオオッ!!!!!」」ダッ!!!



その瞬間、ネギ星人夫妻が、声を荒げながら、それぞれ動き出した。

投下終了です。


ヤクザさんの原型がありませんでした。


まぁ、介旅をとことんゲスくしたので、ヤクザさんはいい人にしようかなってことです。


あと、ネギ星人母は、適当にエプロンをつけたネギ星人とでも想像しててください。

>>105
ネギだけでじゅうぶんですよ


ネギあげます


こ、これは乙じゃなくて捻じ曲げたネギなんだからね!


ネギ臭い

つ(乙ガン)

ネギらい乙


実際、禁書キャラでガンツで生き残れそうなのって誰だろう?
初春は意外と役に立ちそう

禁書的にはチェリーや師匠の使う超能力はどういった扱いになるんだろう?
やってることは明らかに多重能力だし

少なくともステイルあたりは生き残れないな
上条は主人公補正がなかったら即死

スーツがあれば、誰もが主人公になれるからなぁ。
反射神経に定評のある上条さんなら千手観音までならイケるんじゃない?

上条さんはそろそろ負けを味わってほしい

ゴルゴ(オマージュ)がスーツなしでもある程度いけたから砂皿とステファニーコンビはいけそうな気がする

こんばんわ、1です。

今日もゆっくりと投下していきます。


>>106
>>107
>>108
>>109
>>111
まさか既に地球にはネギ星人が大量に……ネギらいありがとうございます!!

>>110
あれさえあれば、一気に難易度崩壊しますね。

>>112
初春は、終盤ガンツ玉を操作出来そうですよねー。序盤はキツイでしょうけど。

>>113
>>114
>>115
>>116
>>117
色々意見ありがとうございます。参考にさせていただきます。

『0:20:36』



タッ、タッ、タッ、タッ


浜面「クソッ!!クソォッ!!情けねぇ!!逃げるしか俺には出来ねぇのか!?」タッ、タッ、タッ、タッ



浜面は、ネギ星人夫妻のいたアパート周辺からひたすら逃げる。




正直、あの二体のネギ星人を見た瞬間、自分は心底怯えていた。


まるで、柱に括り付けられて、飢えた猛獣の前に差しだされたような気分。


自分は確実に、アレに殺されると確信してしまったのだ。


そして今、アレから逃げているこの瞬間にも、悔しさと共に、心から安堵している自分がいる。

浜面「……最低だ……俺は……」



自分のような、ただのスキルアウトには、どうすることもできない。

今、自分にできることは1つしかないのだ。




浜面「ハァッ、ハァッ、見つけたぞ!!お前ら……」ゼェッ、ゼェッ



ネギ星人のアパートまで向かって行った道を戻り、目的の人物とようやく合流する。


コイツなら何とかしてくれるハズだ……無能力者の自分とは違う、超能力者……学園都市第3位の実力者であるコイツなら……

御坂「浜面さん!!どうしたの!?そんなに息を切らして!!」


上条「俺たちも、お前らと合流しようとそっちに向かってたんだが……何かあったのか!?」



ただならぬ様子の浜面に、アパートへと向かっていた上条と御坂が声をかける。



浜面「ハァッ、ハァッ、頼む御坂……あの人達を……あのオッサンを助けてやってくれ……頼む!!」



『00:18:01』




…………



『実験終了です。皆さん、お疲れ様でしたー』



男「ん?あれ?ネギ星人は?」



『大丈夫、ネギ星人なんていませんよ。これは、実験です。作りモノだったんですよ。今までの事は』



男「そ、そうか……そうだったんだ……」



『怖い思いをさせてすいませんね。これはささやかな謝礼です』



男「よかった……全部作りモノだったんだ……よかった……」





センセーとケースに書かれていた男は安堵した表情で、天を仰ぎながら笑みを見せていた。


















もちろん、これは夢でも作りモノでもない。

男「全部……全部夢だったんだ……よかった……」ブシュゥゥウウッ!!!



男の両腕は、鋭利な刃物のようなモノで切断され、そこから血が止めどなく溢れている。


もはや立ち上がる力すら残っていないだろう。




……いや、立ち上がる心が、彼には欠片も残っていないだろう。

逃避した夢の中で、ゆっくりとセンセーは笑みを浮かべながら、意識を失っていった。

『00:14:03』




介旅「クソォッ、クソォッ!!!何で僕がこんな目に!!!」ドクドクッ……



介旅は、先ほどまでとは、数百メートルほど離れた、別のアパートの駐輪場スペースで、息を殺して隠れていた。

今日は、燃えないゴミの日なのか、近くのゴミ捨て場には、ビンや空き缶などのが捨てられている。




浜面逃走後、残る3人に襲いかかってきたネギ星人夫妻は、まず、銃を構えていたセンセーの両腕を引き裂いた。


彼らの手に生えた爪は、さながら日本刀のような斬れ味を持っており、人間の身体を簡単に斬り刻む。



あっと言う間にセンセーは血飛沫をあげて倒れ、ネギ星人父が介旅へ。

そして、ネギ星人母がヤクザへと向かって行った。

その後、介旅は逃げながら銃をネギ星人父に撃ち続けたが、周囲を破壊するだけで、ネギ星人父には当たらない。


彼の怯えと焦りが、照準を大きく狂わせているのだ。


己の器に合わない力など、いざという時には何の役にもたたない。

『レベルアッパー』と言う、安易な能力アップの手段に手を出す彼には、決して理解できないことだろう。


仮初めの力というモノが、どれだけ酷く脆いモノだということを。

介旅「クソォッ!!この銃が不良品なんだ!!全然あの化け物に当たらないじゃないか!!」ガシャンッ!!



介旅が、銃を思いっきり壁に投げつける。


ザッ、ザッ、ザッ、ザッ



すると、その音に釣られたのか、誰かがこっちに向かってくる足音が聞こえてきた。


介旅「ッ!?お、落ち着け……そうだ、あの逃げた腰抜け達かもしれないじゃないか……デバイスで、確認すれば……」ピッ

介旅「~~~~~!?」



デバイスを確認した瞬間、介旅に絶望が訪れる。



青い点が……星人が自分のいる場所のすぐそこまで来ているのだ。




ネギ星人父「…………」キョロキョロ


ネギ星人父が、介旅が隠れているアパートのすぐ前で辺りを見回している。



介旅「(どうする!?どうやってアイツから逃げ切る!?クソ、アイツらの誰かが近くを通ってくれれば、そっちに気を取られている内に逃げられるのに……)」

自分から仕掛けておいて、自分勝手極まりない考えしか、介旅には思い浮かばない。


どうにか魔法のようにアイツから……魔法?



介旅「そうだよ……僕には力があるじゃないか……あんなクズ達とは違う力が……」



介旅の目には、ゴミ捨て場に捨てられている空き缶が映っている。






メキィッ!!!


ネギ星人父「!?」バッ!!


突然、鳴り響く乾いた音に、ネギ星人父が反応する。



目の前には、燃えないゴミ袋が。

よく見ていると、中に入っている空き缶が、次々と圧縮されているように見えた。


ネギ星人父には、何が起こっているのか理解できていない。




介旅「僕には力があるんだ……あんなクズ共何かとは違う……」



介旅が、学園都市の能力開発にて得た『量子変速』という能力。

それは、簡単に言えば、アルミを爆弾へと変える力。


レベルアッパーで強化された今の彼ならば、アルミさえあれば、遠隔操作で強力な爆弾を作れる。


彼が爆弾の材料にしたのは、ネギ星人父のすぐ近くにあるゴミ袋の中身。




アルミの空き缶である。







介旅「僕以外の何もかも……みんな消し飛んじまえ!!!」




カッ!!!!!




その瞬間、辺りに爆音が響き渡り、爆炎が闇を照らした。

投下終了です。


介旅のクズ化が止まりません。


それでは、おやすみなさい。

乙ー

乙  ヤクザな先生が気にかかる

乙です
クズキャラはとことんクズを貫いてこそ輝く訳よ

このあと田中チビかっぺと物理系のキャラ満載だけど上条さん役に立つのかよ・・・

1です。

>>134
物理特化系辺りは、代わりにオリジナル星人でも入れていこうかと……

コミックスのオリジナル星人募集の上位にあった勇者星人とか、ガンシューティングゲームのHODボス勢が出てくるタロット星人とか。

構想としては、アクションやRPG系のゲームの敵キャラを使えば、面白そうで、違和感無くガンツにでてきそうな星人が山ほどあるので。



今全部読んだけど、子どもネギカワイソス(´;ω;`)

一方通行はでるんですか?

こんばんわ、1です。


今日もゆっくりと投下していきます。


>>131
ありがとうございます!!

>>132
ヤクザには、中々いい位置についてもらってます。

>>133
了解です。とことんクズの介旅をご覧ください。


>>136
悲しいけど、コレ戦争なのよね……


>>137
出ますよ。ガンツに入るかは未定ですが。


それではどーぞ。

アニメ版は一部以外は結構良く作られてる
犬の死亡もちゃんとされててよかった(このスレにも動物がガンツに転送されて欲しいが……)

『00:17:32』



ネギ星人のアパート前



ネギ星人母「ォォォォォォオオオオオオッ!!!!!」


ネギ星人母は、子供を失った悲しみを、天に向かって、耳を劈くような叫びで表している。



ヤクザ「ガハッ……これは……もうアカンな……俺は……」ドクドクッ……



傍らには、ヤクザもとい、ヤクザ風教師の男が、壁に寄りかかるように倒れている。

腕や背中からは、大量に血が流れているようだ。



浜面が逃走してからおよそ3分足らず。

たったそれだけで、あの場に居た3人は、それぞれ瀕死の状態になっていた。

ヤクザ「あの兄ちゃんはちゃんと逃げたんかな……俺らが命張って逃がしたんや……逃げ切ってくれな怨むでホンマ……」ゲホッ、ゲホッ!!



ネギ星人母「!?」ユラァッ……



咳に反応したネギ星人母が、ヤクザにトドメを刺そうと、ゆっくり近づいていく。


ヤクザ「そうやろな……アンタにしたら、自分の子供を殺されたんや……俺ら皆殺しにしても、気が晴れんやろな……」



ネギ星人母「…………」ザッ、ザッ、ザッ

ヤクザ「俺には子供はおらんが……アンタの気持ちはわかるつもりや。好きにしたらえぇ……。
せやけど、できればそれは、俺で終わりにしてくれや……」


ヤクザは、力が抜けたように、ネギ星人母へと懇願する。



「終わらせないわよ……貴方みたいな人は死なせない!!」バチバチバチバチッ!!!




ネギ星人母「!?」


バチバチバチバチッ!!!!!




次の瞬間、ヤクザへと歩みを進めるネギ星人母へと、強烈な電撃の槍が叩き込まれた。


ネギ星人母は、そのまま電撃の衝撃により、数メートルほど、くの字に吹き飛ばされる。

ヤクザ「これは……」


ヤクザは目の前で起きた出来事に目を見開いている。



浜面「オッサン!!大丈夫かオッサン!?」


ヤクザ「お前……アホが……何で戻って……」ゲホッ、ゴホッ!!


浜面「ひでぇ怪我だ……もう喋るなオッサン!!」ビリビリィッ!!!


浜面は、上着のジャージを脱ぎ、包帯代わりにすることで、ヤクザの止血を行う。




バチバチバチバチッ……バチバチバチバチッ……


御坂「間に合ったのかしら……酷い怪我……」バチバチバチバチッ……

ネギ星人母に電撃の槍を叩き込んだ張本人、『電撃姫』御坂美琴が、遠目からヤクザの様子を心配そうに見ている。



御坂と上条は、浜面から大体の事情は聞いている。



介旅が、子供のネギ星人を殺してしまったこと。

それに怒り狂って、ネギ星人の両親が現れたこと。


御坂「……この人は間に合わなかったか……」スッ……



御坂が、既に事切れているセンセーの元へとしゃがみ込む。


そして、ゆっくりと、センセーの目を閉じさせた。

御坂「さっきのがネギ星人の母親か……いくら宇宙人っていっても、あの電撃をまともに喰らえば……」スッ……






立ち上がれないハズ。


御坂はそう願っていたが、そう簡単にはいかない。



ネギ星人母「…………」スッ……



転倒していたネギ星人母がゆっくりと立ち上がる。
どうやら、身につけているエプロンが多少焦げた程度で、さほどダメージは受けていないようだ。



ヤクザ「嬢ちゃん……気をつけぃ……ヤツの爪はナイフみたいに……」ゲホッ、ゴホッ!!


浜面「だから喋るなって!!大丈夫だ!!あの子は学園都市第3位だぜ?」



ネギ星人母「ガァァァァアアアアッ!!!!」ダッ!!



叫びながら、ネギ星人母が御坂へと突進してくる。
手の爪は、刀のような斬れ味を持ち、御坂の柔らかい身体など、容易く斬り刻むだろう。




近づければの話だが。

ピィンッ!!


御坂が、一枚のコインを宙に飛ばす。


御坂「ごめんなさい……どう考えても悪いのはこっちだってのはわかってる……」スッ……


バチバチッ、バチバチッ!!


御坂は、右腕をネギ星人母の方へと真っ直ぐ伸ばす。

指先には、電気が集まっている。





御坂「だから……ごめんなさい……」バチバチバチバチッ!!






キィンッ!!!


そのまま、落ちてきたコインを、右手の指で弾く。

その瞬間、凄まじい速度とパワーで、ネギ星人母へとコインが飛んでいった。

ゴォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!



コイン自体は僅か数メートルほどで、あまりのエネルギー量に耐えられず消滅するだろう。
しかし、発生したエネルギーは、そのまま目標へと突き進む。



御坂美琴の代名詞である、必殺の能力『超電磁砲』が、向かってくるネギ星人母を、容赦無く襲う。

…………




シュゥゥゥゥウウッ……



御坂「加減は十分にしてるわ……しばらく倒れてて頂戴」



眩い光と、凄まじい轟音・衝撃が静まると、そこには数十メートルほど吹き飛ばされ、倒れ伏している黒焦げのネギ星人母の姿があった。


本来の威力ならば、いくら宇宙人とはいえ、跡形も無く粉砕出来るハズだが、御坂にはその覚悟は未だ無い。



無くてもいい覚悟なのだ。殺す覚悟など。



そんな覚悟、本来の女子中学生『御坂美琴』ならば。

ヤクザ「ハッ……途轍もない嬢ちゃんやな……恐れいるでぇ……」


浜面「御坂!!大丈夫か!?」


御坂「えぇ、私は平気。……気分は最悪だけどね……」





カッ!!


ドゴォォォオオオオオオオオッ!!!!!




浜面「わっ!?」

御坂「きゃっ!?」




突如、数百メートルほど離れたところで、爆発が起きる。

規模はそこまで大きくなさそうだが、爆音がここまで響いてきたようだ。

御坂「何よ今の爆発……」


浜面「……介旅だ、多分。多分、アイツの能力による爆発だろう」



浜面と御坂は、爆発の起きた方向をジッと見ている。



浜面「大丈夫なのか?アイツも俺と同じ無能力者だろ?」


浜面は、もう一つの青い反応へと向かった男の身を案じる。


御坂「大丈夫よ、アイツなら。何たってアイツは……」


御坂は、真っ直ぐ爆発の方向を見つめている。
そして、ふと浜面の方へと顔を向ける。それはそれは、何ら不安を匂わせない笑みで。



御坂「何たってアイツは、第3位のこの私より、遥かに強いんだから。しっかりあのバカに、お灸を据えてくれるわよ」ニコッ

『00:10:03』



介旅潜伏アパート前



介旅「……ヒヒッ……キヒヒッ……」プルプルッ……


ネギ星人父「…………」プスプスッ……


ヒュォォォォォォオオッ…………



介旅の能力による、爆発が起きたこの場所には、倒れ伏すネギ星人父とそれを見下ろす介旅の姿があった。




介旅「アッハッハッハッハッハッ!!!ざまぁみろ!!何がネギ星人だこの野郎!!
僕にこんな傷までつけやがって!!この野郎!!この野郎ォ!!」ゲシッ!!ゲシッ!!



介旅は、倒れているネギ星人父に、更に蹴りを喰らわせている。

介旅「痛ってぇ……固ぇんだよテメェ!!コンクリートみてぇな身体しやがって!!僕の足が怪我したらどうしてくれんだよ!!」ゲシッ!!ゲシッ!!



ネギ星人父「…………」



人間より遥かに固い身体を持つネギ星人に、文句を垂れながら、介旅は更に蹴りを喰らわせていく。



介旅「ハァッ、ハァッ、あー疲れた。もういいや。飽きちまった」ジャキッ!!



介旅が、拾いあげた銃を、ネギ星人の頭に付けるように構える。



介旅「じゃあな、宇宙人。親子共々、お前等みたいなクズが、僕に殺されるだけでも光栄に思えよ」グッ……


そして、二つのトリガーを同時に引……

ガシッ!!


ギョーンッ!!!



……引く寸前に、無理やり銃口を逸らされた。




介旅「な……あ……」ガタガタッ……


ネギ星人父「…………ッ!!」ググググッ……



突如、ネギ星人父の手が銃口を掴み、無理やり逸らしたのだ。
介旅の能力で起こした爆発程度では、ネギ星人を仕留めることはできなかったのである。

ドォォォオオンッ!!!



突如、ネギ星人父の側の道路が爆発する。先程の銃の効果のようだ。


そのままネギ星人父は、ゆっくりと立ち上がり、介旅から銃を取り上げ、投げ捨てた。



介旅「ひ……ヒィッ……」ガタガタッ……



介旅は心の底から震えあがる。



何故だ。


何故僕の能力が通用しない。


レベルアッパーで強化した僕の能力が……









理由は簡単。


今の介旅には、レベルアッパーの加護は存在しないからである。

話は少し遡る。





御坂や上条が遭遇した、セブンスミストの爆発事件。
これは実は、介旅が起こしたモノなのだ。


しかし、その際に、現場付近に居た所を警備員に捕捉され、髪の長い肉付きのよい、長身の女性の警備員の誘導尋問によって、まんまと自白同様の証言をしてしまい、逮捕となった。



絶望した彼は、留置場内での自殺を試みるが、意識を失う寸前に、黒い球体の部屋へと転送されてしまう。

ここからが本題である。





介旅が使っていたレベルアッパー。



文字通り、聞くことで、簡単に能力レベルが上がる音楽ファイル。



後に明らかになることだが、これは、音楽ファイルを利用して、使用者の脳波を操作し、使用者の複数の脳を纏めて、ネットワークを作り、それを一つの高性能スーパーコンピュータとして活用しようとした、とある女性の副産物なのである。



要するに、介旅らレベルアッパーの使用者は、他の人間の脳も使うことで、自らの能力の強度を高めていたのだ。




しかし介旅は、黒い球体に転送される際、脳にとある処置をされた為、脳波が正常に戻り、レベルアッパーのネットワークから外れてしまったのだ。



先程の爆発も、見た目自体は派手だったのかもしれないが、威力は、セブンスミストを爆破した時に比べれば、対したことはない。



これが、レベルアッパーという、仮初めの力に、最後まですがっていた男の、哀れな末路である。

ネギ星人父「ォォォオオオオオッ!!!」ブンッ!!



介旅「ヒィッ、ヒィヤァァァアアアッ!!!」



子を殺された父親の、容赦の無い一撃が、介旅に振り下ろされる。









ガシィッ!!!



ネギ星人父「ッ!?」


介旅「アアアアアッ!!!ア、ア……?」



介旅は、身体のあらゆる穴から色々なモノを垂れ流しながら、唖然とする。



目の前には、彼がクズと罵る、1人の無能力者の男が、ネギ星人の腕を掴み取っていたのだ。

上条「…………」


研究者の男を除いて、ただ1人、球体の中に入っていたスーツを着ている男。

上条当麻が。







上条「…………」ググググッ!!!


ネギ星人父「グ、グォォオオッ!!!」ビキビキビキッ!!!


上条がネギ星人父の腕を握り締めると、ネギ星人父は、苦痛の表情を浮かべる。



威力は弱くとも、通常の人間なら悪くて重傷。
足元くらいの至近距離なら死に至るほどの爆発を、モノともしなかったネギ星人が、ただの人間の握力に掴まれただけでこれほど苦しむとは。



先程まで死の恐怖に震えていた介旅には、これ以上ない僥倖である。

介旅「い、いいぞ!!いいぞお前!!やるじゃないか!!ほら、そのままヤっちまえ!!」



上条「…………」ブンッ!!



ネギ星人父「ォォォオオオオオッ!!!」ギュォォオオッ!!


ドォンッ!!!



ネギ星人父「ガッ……」


ガラガラッ!!



上条は、そのまま腕を掴んだまま、思いっきりネギ星人父を壁に叩きつけた。

叩きつけられた壁は、あまりの衝撃に崩れ落ちていく。

ネギ星人父「ォォ……ォォォオオオオオッ!!!!」バッ!!


ネギ星人父が立ち上がり、両手を広げながら、上条へと再度襲いかかる。



斬れ味抜群の爪が、上条の両サイドから振り下ろされる。




上条「………悪い……」ザッ!!



爪が上条へと振り下ろされる前に、上条が一歩前に出て、ネギ星人の懐に踏み込む。




上条「ウォォォォォオオオオオッ!!!」ブンッ!!



そのまま力任せに、右拳をネギ星人父へと振り上げた。

つ、強い…

バキィィィィィイイイッ!!!!!



ネギ星人父「ッ………」



上条に思いっきり殴られたネギ星人父が、宙を舞う。



ズザァァアアッ!!!


そして、10メートルほど吹き飛ばされた後、地面へと落下した。



介旅「ハ、ハハ、やるじゃないかお前!!無能力者のクセに!!」バンバンッ!!


上条「…………」


介旅が上条に近づき、乱暴に背中を叩く。

>>161
スーツありだからね
もしこれが二十巻ぐらいの上条さんならもっと飛ぶ

ネギ星人父「ネ……ネギ……」グググッ……



上条「!?」



ネギ星人父が、ゆっくりと上体を起こし、上条に何かを懇願している。


ネギ星人父「ネギあげますから……許してください……」


ネギ星人父は、涙を流しながら上条にそう呟いた。



介旅「ハッハッハッ!!ネギあげますだってさ!!いらねぇよンなもん!!
ほら、譲ってやるからさっさとトドメ刺して来いよ無能力者!!」バンバンッ!!



上条「…………」


クルッ

介旅「ん?どうしたんだよ?早くやれよ、無能力者」



上条は、ネギ星人父ではなく、介旅の方へと向かう。



介旅「?おいおい、まさかビビッてんのか?たく、これだから無能り」



ブンッ!!

バキィィィィィイイイッ!!!!!




次の瞬間、介旅が宙高く舞い上がり、そのまま落ちた。




介旅「~~~~ッ!?」



上条「……ふざけてんじゃねぇぞこのクソ野郎……」


上条は、高く上に伸ばした右拳を引いて、殴り飛ばした介旅の元へと歩く。

介旅「アッ……ガッ……」プルプルッ……


介旅は何か言おうとしているが喋れない。どうやら、上条に殴られたことで、顎が完全に砕けているようだ。

その前にそもそも、目の焦点が全く合っていない。




上条「宇宙人だかネギ星人だか知らないけどなぁ……。
あんな人間みたいなヤツを殺せ殺せってよぉ……頭おかしいんじゃねぇのか?お前」グイッ!!


上条が、介旅の襟を右手で掴み、無理矢理身体を引き寄せる。

介旅「ガッ……アッ……」


上条「しかも無抵抗の子供のネギ星人を撃ち殺したんだってなぁ……お前も一回撃たれてみるか?なぁ?」チャキッ……


上条が手にした小さめの銃を、介旅の腕に押しつける。




介旅「ガッ……アッ……」



上条「あ?聞こえねーよ。ネギあげますから許してくださいって言えよ。そうしたら離してやる」ググッ……



上条は、襟を更に強く絞める。



介旅「!?ギッ……ガッ……」

何でだ?


何で僕はこんな無能力者に殴られてんだ?


僕は何も悪いことなんざしてないじゃないか。


悪いのはいつも……悪いのはいつも、力も無いクセに徒党を組んでいい気になってるお前ら無能力者じゃないか!!





ふと、介旅は、上条のすぐ背後に落ちている数本の空き缶を見る。



先程起こした爆発で、爆破されなかったモノだろう。




アルミの空き缶だ。







無能力者なんざ……


お前らクズなんざ、黙って僕たち能力者の踏み台になってればいいんだよ!!!

メキィッ!!!


コォォォォォォォォオオオオオオオオッ…………





上条「!?」


突然、上条の足元の、数本の空き缶が、圧縮を始めた。






介旅「ギッ……ギヒッ!!ギヒヒィッ!!ギヒヒヒヒヒヒッ!!!」ニタァッ……





砕けた顎で、介旅が笑う。









『死ね』









カッ!!!




再び、爆発による爆風・爆音と閃光が、辺りに轟いた。

投下終了です。


序盤はヤクザさん。


終盤はキレ条さんと、キングオブクズ介旅さんでした。



次回でネギ星人編終了の予定です。
では、おやすみなさい。

乙ー


ネギさん萌えキャラだからなあ
キレ条さんがんばってください。


原作見直したけどマスコットキャラとか必要かもね(動物的に)
後、禁書でガンツで活躍できるキャラ(適当)
・砂皿、ステファニー(傭兵コンビ)
・木原一族
・初春(機械を操作が得意)
・レベル5(油断しそうな麦野、食蜂除く)
・暗部連中(一部除く)

正直魔術サイドはスーツやガンツ銃を使うイメージがしない

>>173
お前の要望なんざしらねーよ


キレ条さんかっこいい
ネギ星人は[ピーーー]気満々だったのに追い詰められたらネギで許しを請うとかまあ可愛いから許す

>>1
あと一応 酉つけたら?

そしてミサカクローン大量にGANTZに送られてくる展開にwktk

ネギ星人萌え

乙  初代上条さんステキ

スーツってたしか着てない部位も保護されたよな?
ここの上条さんは記憶を失わない可能性もあるのか

アイテムとか来て千手ビームでフレ/ンダにならないかな

記憶失っても転送されたら復活じゃんワロス

スーツあれば聖人とも渡り合えるやん…

ていうかスーツ着た上条さんが殴り飛ばしたらステイル死ぬんじゃね?

>>183
ガンツの武器で殺したやつはあの部屋に転送されない設定じゃ……

後気になったけど一方さんってガンツ銃の攻撃って反射できるかな?

こんばんわ、1です。


ネギ星人編もラストになりました。

今日もゆっくりと投下していきます。


>>171
ありがとうございます!!

>>172
>>178
キレ条さんかなりキャラ崩壊してますよねw

>>173
>>174
参考にさせていただきます。

>>175
確かにあそこで命乞いは普通できませんよねw

>>176
酉?
クローンも転送されるんですかねぇ?

>>177
意外にネギ星人ファン多いな

>>179
>>181
記憶に関しては考え中です。
まぁ、やるとしてもしばらく後ですし。

>>180
フレンダ死亡とか相当後になりそうですね……続くかな?w

>>182
反応がついていかないんじゃないですかね?いくら上条さんでも。

>>183
死にますね。全力で殴ればw

>>184
その設定は知りませんでした。


それでは、投下します。ゆっくりと。

『00:05:21』




ォォォオオオオオッ…………




介旅「……ガッ……アッ……」ガタガタッ……



上条を殺そうと、自らも至近距離で爆発に巻き込まれた介旅は、ところどころ火傷を負いながら何とか生き延びていた。

少しでも、爆発がギリギリ自分までこないように制御したお陰であろう。


レベルアッパーを使わずとも、介旅は、自身の力を一歩前進させたのだ。


もっと早く、レベルアッパーに頼らなくても、人間は成長できることに気づいていれば、こんなことにはならなかっただろうに。

しかし、そんなことなど考えさせない出来事が、介旅の目の前で起こっていた。



介旅の襟には、先程と何ら変わらず、右手が襟を引き寄せ、締め付けているのだ。



『何故だ!?何故生きている!!あの至近距離で……お前は死んでなければいけないんだ!!』





『なのに、何故無傷なんだ!?』





上条「……反省する気は全くない……ってことでいいのか?今のは……」ォォォオオオオオッ……

介旅の目の前には、先程と何ら変わらず、火傷どころか、スーツに焦げ一つ無い、上条の姿があった。


その目は、怒りを完全に通り過ぎ、酷く冷めた目をしている。


上条「それが答えなら……俺にはもう、お前の歪な幻想は壊せねぇ……救えねぇ……。
だからせめて、お前には、もう一発味合わせてやる……お前が殺した人間や、ネギ星人の痛みをなぁ!!」ブンッ!!



上条が、今度は左手で。それも、全力で介旅を殴りつける。

バチバチィッ……



ガシィッ!!!



その瞬間、上条の左腕を、何者かが掴んだ。



上条「!?なっ……」グググッ……



上条は、その掴んだ手を見て言葉を失った。


何も無い空間から、手だけが出てきているのだ。



「君は優しいな……だが甘い。そんな甘い君に、こんな男の命を背負わせるわけにはいかないな……」バチバチッ!!!バチバチッ!!!


聞き覚えのある声と共に、火花が目の前の空間に散る。


火花は電気のようなモノに。


そして何も無かった空間から、上条の左腕を掴む手の、持ち主が姿を現した。

研究員「まぁこの先、嫌でも命を奪わなければならない事が待っているんだが……それはまた、先の話でいいだろう……」バチッ……バチバチッ……



上条「アンタは……あの部屋に居た……」



それは、あの部屋に来て、始めて上条達に話しかけて来た、どこぞの研究者のような格好をした男だった。




ドサァッ!!


介旅「」ピクピクッ……

上条が襟を離すと、介旅はそのまま地面に倒れ伏した。
どうやら気絶しているようだ。

研究者「醜いモノだな。力にすがりついた男の末路といったところだ。まぁ、私も人の事は言えないがね」


上条「アンタ……何者なんだ……」


研究者「私か?……あぁ、そういえば自己紹介していなかったな。『天井亜雄』だ、よろしくな。無能力者の勇者君」スッ……


研究者……もとい、天井は、そう言って、上条に握手を求めた。



パシィッ!!

そしてそれを、上条が跳ね除ける。




上条「ふざけんな……アンタ、この訳のわからない今の状況の事、何か知ってるんだろ?」

天井「……どうしてそう思ったのかね?」



上条「……1つは、たった今アンタが見せた事だ。一体どうやったらそんな消えたり現れたりする事出来んだよ?能力者じゃないんだろ?アンタ」



天井「ん?これかい?知りたいなら後でやり方を教えてあげよう。さっき色々弄ってたら偶然見つけて……」



上条「2つ目だ。アンタ、あの黒い玉が開いてから、迷わずスーツと銃を取り出していたな。
まぁ、その様子を見て、俺もスーツに着替えたんだけどな……あまりにも行動が、この状況に慣れているんだよ、アンタだけ」



上条は、天井の言葉を遮るように話続けた。

天井「……見事だ。ちゃんと見ていたんだな、君は。
初めてあの部屋に来た人間への、ヒントのつもりであーやってテキパキ動いてたんだが、大概の人は気づかなくてなぁ……いや、お見事」パチパチッ……


天井が上条に拍手を贈る。



上条「ふざけんな!!最初からアンタが色々説明していれば、こんな事には」


天井「ストップだ勇者君。そろそろ時間だ。終わらせなければな」チャキッ……


天井は、銃口が3つある銃を取り出し、ネギ星人父へと向ける。

上条「な!?ちょっと待」


天井「安心しろ。殺しはしないさ。今回はな」カチッ!!




ドシュンッ!!!


天井が2つのトリガーを引いた瞬間、3つの銃口から、小型のロケットのようなモノがそれぞれの銃口から飛び出した。


3つのロケットは、レーザーのような線で繋がっており、三角形を作って飛行している。


そしてそのレーザーがネギ星人に当たると、ネギ星人を縛り付けるようにグルグルと回転し、そのままロケットが、アンカーのように地面に突き刺さり、ネギ星人を捕縛した状態で固定した。

上条「な、何だあの弾は……」


天井「後で教えてあげよう。生きていれば、君の仲間にもな」カチッ!!



天井がもう一度、トリガーを引く。



ネギ星人「…………」ジジジジジッ……



その瞬間、ネギ星人が、黒い玉に転送される時のように、頭から徐々に消えていった。



上条「!?どうしたんだ?あのネギ星人は」


天井「私もそこまではわからないな。上に送った、と言うべきなのか……」


上条「上……」


上条が上を見上げる。


そこには、深夜に輝く月や星しか見えなかった。

天井「さて、これで転送が始まればいいんだが……どうやらあと一体残っているみたいだな」スッ


天井は、スーツにつけられたデバイスを覗く。

釣られて上条も、デバイスを覗いた。



上条「!?……御坂……浜面……!!」


デバイスには、御坂と浜面とあと1人の反応。





それと、青い点が1つあった。

『00:07:53』



御坂「フゥ……何とか血は止まったみたいね……これで何とかなりそうだわ……」


浜面「スゲェな……今時のお嬢様ってのは、こんな大怪我の応急処置もできんのか?」


御坂「授業で習うのよ。要救助者への各種応急処置みたいなの。
それで興味あったし、暇だから医学書色々見てたら覚えちゃったのよね」


浜面「これが学園都市第3位の頭脳か……凄まじいな……」



能力以外でも、超能力者の恐ろしさの一角を垣間見た浜面であった。

ヤクザ「……助かったんか……ありがとな、嬢ちゃん。ホンマなら、俺がお前らを助けなあかんのになぁ……」


御坂「いえ、いいんです。それに貴方は、浜面さんを命懸けで逃がしたんですから……とても立派な方ですよ」


浜面「そうだよオッチャン……俺は逃がしてもらった恩を返しただけだ。まぁ、実際に倒したのは御坂だけどな」


ヤクザ「ハッ……頼もしいのか情けないのか……ようわからん奴やのぉ、兄ちゃんは……」

御坂「本当よね。必殺人任せ!!って感じだったもんね、浜面さん」クスクス


ヤクザは笑みをこぼしながら浜面をからかう。


御坂は、それに便乗して笑っている。



浜面「何だよ、ヒデェな二人と……も……」



浜面の顔が、一気に青ざめる。
























ォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ…………





ネギ星人母「…………」ユラァッ……





ォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ…………

いつの間にかネギ星人母が、御坂のすぐ後ろに立っていたのだ。



御坂とヤクザはそれに気づいていない。




ネギ星人母は、超電磁砲をマトモに喰らい、黒焦げになりながらも立ち上がり、鬼のような形相で御坂を睨んでいる。



そしてそのまま、鋭い爪を振り上げ、御坂へと振り下ろした。





浜面「危ねぇっ!!!」ドンッ!!

御坂「キャッ!!」



ズシュウッ!!!



浜面「グァアッ!!!」ブシュウウウッ!!!

咄嗟に浜面が御坂を突き飛ばし、その爪はモロに、浜面の背中を斬り裂いた。


その斬り口はかなり深い。



御坂「浜面さん!!!」バッ!!



御坂は咄嗟に、負傷した浜面の元へと駆け寄る。

しかし、側ではネギ星人母が、御坂に二撃目を繰り出そうとはして、腕を振り上げている。




ヤクザ「アホんだらぁっ!!!」バッ!!




グサァッ!!!




再び、今度はヤクザに御坂は突き飛ばされた。

御坂「あっ……あぁっ……」ガタガタッ……



ネギ星人母「ォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!」




ヤクザ「グッ……ガハァッ……」ボタボタボタッ!!!




ネギ星人母の手刀が、御坂を庇ったヤクザの腹を貫いている。



ボタボタボタッ!!!



ネギ星人の腕からは、ヤクザの血が凄まじい勢いで流れていっている。




ヤクザ「や……やりやがったな……俺は……死なねぇ……俺は……」グググッ……



朦朧とした意識の中、ヤクザが最後の力を振り絞る。




ヤクザ「俺はタダじゃ死なねぇぞォ!?ウォォォオオオオオッ!!!!!」ガシィッ!!!



ネギ星人母「!?」



ヤクザが、腹を貫いた腕と、もう一本の腕を押さえつけ、ネギ星人を捕らえた。

ヤクザ「い、今や……お前らぁ……はよ殺れぇ……」ゴポォッ……



御坂「あ、あ……」ガタガタッ……



御坂はただただ震えている。


自分のせいで2人も……自分が油断していたせいで、2人も自分の為に、傷つけてしまった。



御坂「ゴメン……なさい……ゴメンなさい……」ガタガタッ……



とうとう御坂は泣いてしまった。心が折れたのだ。



ヤクザ「嬢……ちゃん……気にしたら……アカン……やっぱり俺は……ここで死ぬ運命やったんや……せやから……早く……」ドクドクドクッ……

ヤクザからは、絶え間なく血が流れている。


ここまで、意識がある事が、既に奇跡であろう。




ヤクザ「せやから早く!!……早く俺ごとコイツを殺らんかい!!!」



御坂「!?ウ、ウァァァアアアアアアアッ!!!!!!!」バチバチバチバチッ!!!!!




ヤクザの最期の恫喝と共に、御坂が叫ぶ。



叫びと共に生まれた超高電圧の電撃は、全てを消し炭に変えるだろう。



その電撃を纏めた槍を、ネギ星人とヤクザに飛ばす。

ネギ星人母「ォォ……ォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!」



ヤクザ「ゴホォッ!!……悪いな……俺も着いてって……アンタと子供に謝るさかい……あのガキ等は勘弁してくれや……」









バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!







電撃の槍が、ネギ星人とヤクザを飲み込んだ。

『00:01:06』




タッ、タッ、タッ、タッ、タッ!!




上条「御坂!!浜面!!……なっ……」



天井「ほう……流石だな……流石第3位……これがオリジナルか……」ボソッ……




辿り着いた上条達が見た光景は、そこら一帯黒焦げの道が出来た路地であった。



壁や道路は焦げるどころか、あまりの放電による熱量で、所々溶けている。

御坂「…………」



御坂は、この焼け焦げた路地で、1人座り込んでいる。


近くには、浜面が転がっている。



浜面「グッ……オッチャン……チクショウ……」ポロポロッ……


涙を流し、何か呟いている。どうやらまだ、息はあるようだ。




上条「2人だけ……ネギ星人は倒したとしても、残るあと1人は……まさか……」キョロキョロッ



天井「……どうやらゲームセットのようだな……デバイスを見てみろ」

上条「何?……時計のカウントダウンが止まってる……」



天井「ミッションクリアだ。戻るぞ、あの部屋に」ジジジジジッ……



そう天井が呟くと、天井が頭から転送されていく。




上条「あの部屋?まさかまたあの部屋に……ってうわ!!」ジジジジジッ……




次に上条が頭から転送されていく。



一足早く部屋に戻った上条の目には、こんな光景が映っていた。























●『おつかれちまでした。それではちいてんをはじめます』

投下終了です。





さらばヤクザ!!





ちなみに、流れで先にガンツの採点始まってますが、生きてる人はちゃんと戻ってきます。


それでは、おやすみなさい。


しかし
天井に介旅も残ったか…
なんとも不安の残る面子だな

乙  御坂さんがたいへんなことに


>>2の主力メンバーって誰のことを指すんだろう?
序盤のホモとかDQN(アニメでは西君に謝れば許すって言った人)は入るのかな?


電磁波レーダー…………ま、まぁ星人だし感知できなくても良いか

ガンツ知らない俺はヤクザさんの脳内イメージが
いつの間にかブトゥームの平さんになってしまう

そういえば■■が来たら吸血鬼戦が大変なことになるな


追いついた。
面白いね。

ガンツ原作見てないけど見た方がいい?

>>221
表紙が青色の巻まで読んだらいい
大阪編からグタグタ

オオサカ編までは面白い
オオサカ編後はぐだぐだ

そろそろ完結するからその後に一気読みした方がいい
グダグダ展開ってのはリアルタイムで追ってるとイライラするが、一気読みすればそういう気持ちは抱かなくて済む

個人的には仏像編がピークだわ

最初の方読んだ時ドキドキしたのに今はイライラだわ

こんばんわ、1です。


今日もゆっくり、いけるとこまで投下します。

寝落ちの恐れがあるので、0時以降投下が無ければ力尽きたと思ってください。


>>214
介旅はともかく、天井は西君ポジの割にはかなり歴戦の猛者になってます。

>>215
御坂さんならすぐ立ち直りますよきっと。

>>216
基本的に未定です。下手したら大分先に東京チームと共闘するかも……やっぱ未定です。

>>217
きっとこれから会得するんですよ、レーダー(震え声)

>>218
漫画のヤクザはただのゲスです。

>>219
その発想はなかった。参考にさせてもらいます。

>>220
ありがとうございます!!

>>221
>>222
>>223
>>224
>>225
>>226
個人的には、カタストロフィも大好きですけどね。映画みたいで。
>>1はあーいう世界崩壊後サバイバル系の映画大好きなので。

ジジジジジッ……



御坂「…………」ジジジジジッ……


上条「御坂……」


放心状態の御坂が、黒い球体の部屋に転送されてくる。
上条は、何があったのかもわからず、ただその様子を見ていることしか出来なかった。


上条「なぁ、浜面。一体あの場所で何があったんだ?御坂のヤツ、さっきからずっとあの調子なんだが」



浜面「……今はそっとしてやったほうがいいと思う。後で話してやるからさ……」

先程、ネギ星人に背中をバッサリと斬られていた浜面は、この部屋に帰ってくた時には、既にその傷は無かった。


どうやら、この部屋に転送される時は、どんな傷も元に戻るようだ。


天井「生きてさえいれば……だがな。あの場で死んだモノは、転送されてこない。死体も何処かへ消えてしまうのさ」



天井が横から一つ付け加える。
明らかにこの男は、この部屋の事について……この宇宙人との戦いについて、知っているようだ。



介旅「…………」ガタガタッ、ガタガタッ!!



部屋の隅では、介旅が震えながら座っている。
先程の仕置きがよほど身に応えたのだろうか、ただただ上条に怯えているようだ。



もはや、上条も浜面も、御坂も介旅の事など見ていない。




彼らの視線は、ある一点に集まっていた。

●『ちいてん中……ちいてん中……』




黒い球体に表示された、ちいてん。恐らくは、採点のことだろう。


この部屋に戻って数分、黒い球体は、ずっとこの表示を続けている。



上条「えっと……天井サン?今これはどういう状況なんだ?」


天井「見たままの状況さ。採点してるんだよ。今回の成績をな。
GANTZ(ガンツ)の指定した宇宙人を倒せば、その宇宙人に設定された点数が手に入るんだよ」



上条「採点?点数?一体なんの為に……いや、ちょっと待て。その前に……GANTZ?」



上条は、聞き慣れぬ言葉に疑問を抱く。

天井「あの黒い球の名前だよ。誰が付けたか知らないが、ずっと昔からそう言われているそうだ。
ほら、そろそろ結果が出るぞ?」




天井の言葉と共に、ガンツと呼ばれる黒い球体の表示が変わる。











●『おまたせしました。結果発表です』

『キャシャリン(笑)』1点



弱いモノいじめしすぎ。

強いモノにビビりすぎ。


あと99点。



介旅「!?…………グッ……」ガタガタッ……ガタガタッ……




キャシャリンこと介旅の結果が表示される。


名前の下の一言の意味はともかく、介旅には、1点加算されていた。




浜面「……あのネギ星人の子供が1点ってことか……」



介旅の殺戮を見ていた浜面は、ネギ星人の子供の事を思い出す。

そもそもの原因は、介旅が子供を殺したせいなのだ。アイツさえ居なければ……

天井「気持ちはわからんでもないが、例えあの男が居なくても、誰かがミッションの全ての星人を倒さなければならない。

そうしなければ、いずれ我々が死ぬんだからな」



浜面「!?……クソッ……」



心を読まれたかのように、天井に浜面が釘を刺される。









『はーまづらぁ』0点



ビリビリに頼りすぎ。


無能力者風情がカッコつけてんじゃねぇぞぉぉおお!!はーまづらぁっ!!


お・し・お・き、確定ね。




残り100点

浜面「0点か…………何で俺だけ口調が違うんだ?何で最後が女なんだ?」



天井「気のせいだろう。気にするほどのモノでもない」



浜面「いや、気のせいじゃないだろ。しかも何か、寒気がするんだよ……あの口調の文を見ると……」ブルブルッ……





『そげぶ!!』0点


キレ過ぎ。

補正効き過ぎ。


初そげぶおめでとう!!(祝)


残り100点




上条「……だからそげぶって何だよ……」

『ビリビリ』3点



そげぶ見過ぎ。

頼りがいあり過ぎ。

油断し過ぎ。



残り97点。



御坂「……別に見てないし……頼りがいもないわよ……」


気分的に、かなり落ち込んでいる為か、特にテンパることも無く、御坂は反応している。






『天サン』3点


淡々とし過ぎ。

1人で行動し過ぎ。


残り5点



天井「チッ、たったの3点か……」

上条「残り5点って……アンタ何回こんな事を繰り返してんだよ……」



天井「そうだな……もう一年ちょっとは続けているかな。私以外で生き残ったのは、大体二ヶ月ぶりだ。
それも、初参加でこれだけ生き残ったことなんか初めてかもな」


浜面「一年!?一年も、こんな殺し合いを続けているのかアンタ!?」


天井「まぁ、そういうことになるな。今回のミッションなんてかなり優しいレベルだぞ?
酷い時には、ある程度戦いに慣れた十数人のメンバーでも、8割殺されたことだってあったんだからな。いやー、アレは酷かった」

浜面「そ、そんな中で生き延びてきたのかアンタは……」


天井「別に真っ正面から戦うだけが能じゃない。時には、他のメンバーを犠牲にしてでも敵を仕留めることもあったよ。

そう……第3位、御坂美琴さん……だったかな?今回の君のようにね」



御坂「!?」ギリッ!!



怨念の篭った目つきで、御坂が天井を睨む。


上条「!?」

浜面「おい、アンタ!!そんな言い方……」


天井「別に責めているわけじゃない。そうしなければならなかった……そういう事もあるのだよ、この戦いにはね」


御坂「……ゥゥウ……」ポロポロ

御坂は、再び涙を流し始めた。

介旅「……うっとおしいな……メソメソしてんじゃねぇよ。これだからガキは……」


上条「何か言ったか?」


介旅「!?……いや、何でも……」ブルブルッ……


介旅の心無い一言に対し、すぐさま上条が釘を刺す。



天井「あぁ、そういえば、この部屋のドア。もう開くようになってるよ。帰りたければ好きにしたらいい」



介旅「!?く、クソォッ!!覚えてろよクズ共!!次に会った時にはお前等皆ぶっ殺してやるからな!!」バッ!!



介旅は、側にあった銃を持つと、部屋から逃げる様に飛び出していった。

浜面「……最後まで小物だったな、アイツは」


天井「おや、これから色々と説明しようと思っていたのにな」クスクス


天井が邪悪な笑みを浮かべて笑っている。


上条「……アンタわざとこのタイミングで出口が開いてること言っただろ?」


天井「さて?何のことかな?では、君たちに、この戦いを生き延びる術を教えようか。
そこの泣いている第3位。君も聞いておくことだ。でなければ、せっかくあの男に救われた命を次の戦いで捨てる事になる。必ずな」


御坂「ウグッ……グスッ……」スッ……


泣きながら、御坂が部屋の中央へと歩いて行く。


何食わぬ顔で、天井がこの部屋にあった銃やスーツなどを集め、説明を始めた。

天井が、拳銃サイズの銃を手に取る。



天井「まずは、これがXガンと呼ばれるモノだ。由来は知らんが、銃についているモニターを見ると、レントゲンの様に透けて見えるだろう?
これに因んだと思われるが、まぁそれはどうでもいい。本題はここからだ」


天井がXガンを構える。



天井「コイツで撃つと、その対象は3秒後に爆発する。破裂とも言えるかな?実際にその様子を見た者もいるだろう?」



浜面「…………」

天井「使う時には気をつけることだな。一度発射されれば、標的になったモノは回避出来ない。
まぁ、実際の銃と同じように、照準から逃れればいいだけだがな。せいぜい同士討ちに気をつけることだ」ニヤリ



上条「……こんな銃、聞いたこともないんだが。これも学園都市の兵器なのか?」


天井「いや、こんなモノ私も聞いたことがない。これは完全なオーバーテクノロジーだよ。
まぁ、そういうものとして割り切ることだ。ココには理解不能なモノが多すぎるからな」



天井が説明を続ける。

天井「この大きな銃もXガンと基本は同じだ。威力や射程が強化されたようなモノだな。Xショットガンとでも呼んでくれ。

あと、この三つ銃口がついているモノが、Yガンと言うモノだ。

この銃に殺傷能力はない。三つの弾丸が発射されると、三点を繋ぐようにレーザー網が発生し、標的を捕らえる。
そして捕獲後に、再度トリガーを引くことで、対象を転送することが出来る。何処に転送するかは、勝手に想像してくれ」



天井「そして最後……このスーツが肝心だ。これが無ければ、生存は絶望的。
今回着ていない二人は、ただ運が良かっただけだ。よかったな、生きてて」



御坂「……」

浜面「……」



天井が説明を続ける。

天井「このスーツを着ることで、着た者は、超人的な運動能力と防御能力を得ることが出来る。

上条君は体験しただろう?ネギ星人を圧倒する力。あの男の能力による爆発などビクともしない防御力。

この戦いは、このスーツの力が基本となるのだ。着ていない人間など、足手まといでしかない。

大体説明はこんなモノだ。何か質問はあるかな?」


天井が、3人に対して質問を呼びかける。



御坂「……一つだけあるわ……」


泣き止んだ御坂が、天井を睨みながら質問する。

天井「ん?どーぞ」


御坂「何で私達に、このスーツのことを教えてくれなかったの?これさえ着ていれば、今回の戦いは皆生き延びれたんじゃないの?」



御坂は、3人が一番疑問に思っていた事を、天井にストレートに問う。



天井「……彼ら星人達が……いや、捕食者が一番油断する瞬間が何か知っているかい?」



天井が問う。



浜面「油断?」


上条「……まさか……」


御坂「アンタ……」




天井が、邪悪な笑みで問いに答える。
















天井「それは獲物を捉えた時さ……敵と認識した者を八つ裂きにしている時、彼らは面白い程隙だらけになる」ニィィ……




プツンッ……


次の瞬間、3人の何かが同時に切れた。

御坂「ふっ……ざけんなぁぁぁぁあああっ!!!」バチバチバチッ!!!


浜面「このクソ野郎が!!」チャキッ!!


上条「ウォォォォォォオオオッ!!!」ブンッ!!!



御坂は電撃を発し、浜面はXガンを構え、上条は全力で天井に殴りかかる。





天井「フッ……」スッ……


ガシッ!!

グシャアッ!!!


上条「ガッ……」


しかし、殴りかかった上条は天井に腕を取られ、そのまま床に叩きつけられる。



ジャキッ!!



そのまま、上条を足蹴にし、二丁のXガンを御坂と浜面、それぞれに向けて構えた。

御坂「こっちは2人よ?勝てると思ってるの?」バチバチバチッ!!


浜面「銃を下ろせ!!今なら腕一本吹き飛ばすだけで許してやる!!」


御坂と浜面が、天井に降伏するように促す。



天井「確かに、君たちがスーツを着ていたら私の負けだろう。しかし、君たちは着ていない。
すなわち、この銃で撃つだけで簡単に殺すことが出来るんだ。
君たちの負けだよ、素直に引き下がるがいい……でなければ、ココで君たち3人は全員死ぬ」




上条以外スーツを着ていない為、天井は簡単に御坂と浜面を殺せる。


逆に天井はスーツを着ている為、Xガンも御坂の電撃も、ある程度耐える事が出来る。



この場で天井に勝てる者は、誰1人居ないのだ。

バチバチバチッ……



御坂「な!?」


浜面「き、消えた……」


突如、天井が完全に姿を消した。


上条「く……さっきのヤツか……」ググッ……


押さえつけられていた上条が、ゆっくりと立ち上がる。






天井「しかし、君たち3人に組まれて命を狙われると厄介だな……ここで1人殺しておくか?」



上条御坂浜面「!?」



天井「ククッ……冗談だよ。それでは私はこのまま失礼する。
あ、ちなみに今日のことは誰にも言わないことだ。
GANTZに頭に爆弾を埋め込まれているからな。人に話そうとするとボンッ!!だ」



3人の顔が青ざめる。




天井「それではまた次のミッションの日まで……ご機嫌よう」スッ……



そう言うと、部屋から天井の気配が消えた。

投下終了です。


そういえば誰かが言ってましたね。


本編に比べると綺麗な天井だって。


いつからそう錯覚していた?




あと、少し話が雑になってきたので、次から少しじっくり書きたいと思います。

少し投下頻度が落ちてくると思いますのでお許しを。

それではおやすみなさい。

おつ

おつっす

乙  100点に達したら天井は何を望むんだろうな  

   


本編より綺麗な天井って言ったのは俺だ

原作どおりならここで北条や貞子が送られるけどこのスレではどうなる!?


しかし学園都市内でこんなことしててよく☆は黙ってるなw
あるいはこれもプランに利用するつもりなんだろうか

スーツ来てても超電磁砲耐えられなさそう

おかしいな…天井クンが小物に見えない

>>260
それどころか神星人と繋がっててもおかしくないな

でも美琴ってスーツ着てなくても超人的な動きしてるし、っていうか超人だし慣れればスーツなくても平気じゃね?

この天井クンは一方通行のことをどう思ってるんだろう?
原作みたいな恐怖の対象ではなく、むしろ滑稽なヤツだと見てるのかも・・・


面白い

美琴とガチって勝てるてかなり人間離れした能力ないと無理だよな
ガンツて原作はバトル漫画なんか?

>>268
地球に移住してきた宇宙人を倒すのが主な話。

原作通りだと大体の星人には、スーツさえ着てれば美琴の能力で勝てるが、強い星人は恐らく無理。
大阪編のぬらりひょんとかマジで無理。

原作でも何人か超能力で戦う仲間が登場するけど、敵も敵で超能力くらいじゃ歯が立たないほど強くなって行く

こんばんわ、1です。

少しだけですが、キリのいい話が出来たので投下しときます。


このSS内でのキングオブクズ介旅のその後です。



>>255
>>256
>>259
>>267
ありがとうございます!!

>>257
お陰でいい話が浮かびました。大分先になると思いますが、披露出来たらと思います。

>>258
現在悩み中です。絡ませ辛いので、多分出ないかと……

>>260
>>263
ノーコメントで。

>>261
一発でオシャカにはなりそうですね。

>>262
少なく、西君ポジでありながら、小物にはならないと思います。


>>264
星人は、スーツ無しだとカスッただけで致命傷の攻撃が殆どなので無理です。

>>266
大分先に明らかにしたいと思います。

>>268
大体、>>270>>271の方で合ってると思います。

…………




介旅「クソォ……見てろよあいつ等!!この銃さえあれば、僕は無敵なんだ……使いこなせるようになったら、あいつ等全員始末してやる!!」



黒い球体の部屋から逃げるように飛び出し、部屋のある、第7学区のとある高層マンションから出てきた介旅は、深夜の路地裏を1人歩いていた。


何故路地裏をわざわざ通っていたかと言うと、彼は爆破事件の犯人として、警備員に拘束されていた為、現在脱獄犯の扱いになっているからである。

介旅「まずは、何処か身を隠せる場所を探さないとな……スキルアウトのクズ共のたまり場でも使うとするか。
あんなクズ共の1人や2人居なくなったところで、不審に思うヤツも居ないだろ」


介旅は、手に持つ銃を使い、スキルアウトを標的にしようとしているようだ。


撃ったモノが爆発する銃。こんなモノは誰も知らないだろう。
例え死体が発見されても、警備員も原因がわからないハズだ。



人を人と思わない、歪んだ介旅にとって、このXガンは最高の遊び道具となるだろう。


介旅はそのまま、人気のない路地裏の歩いて行く。

グシャッ……


突如、何かを踏んだような感触を介旅が覚える。


介旅「ん?何だコレ……」ピカッ!!

介旅が、携帯のライトで足元を確認する。


介旅「!?な、何だよコレ……」



その足元にあったモノは……










いや、足元だけではない。


そこら中に散乱しているモノは、人間の……格好からして、女子中学生の無残な死体であった。



あるモノは腕が無く、あるモノは脚が無く、あるモノは顔が吹き飛んでいる。



これだけでも、十分非現実的な光景だったのだが、更にこの大量の死体にはある共通点があった。

介旅「コイツ等……全員あの女と……あの第3位の女と同じ顔してやがる……何なんだコレは!?」




死体は全て、学園都市第3位『御坂美琴』の顔をしているのだ。


似てるとかそういう次元ではない。


同じなのだ。



この異常な空間に介旅がうろたえる中、暗闇の中から突如声が聞こえてきた。













「なんだァ?このその他大勢みてェなツラしたヤツは。オイオイまさか部外者かよ。こういう場合はどうすりゃいいンだ?」



介旅の目の前。

暗闇から現れたのは、真っ白な髪、真っ白な顔、そして真っ赤な目をした1人の少年だった。


介旅「な、何だお前は!?ま、まさかお前がコイツ等を殺したのか?」ブルブルッ……



「あァ?この人形の事か?まぁ、殺したっちゃ殺したなァ。といっても、指先でチョン。と触れるだけで、皆弾け飛んじまったんだがよォ」




白い少年は、何か問題でもあるのか?とでも言いたげに介旅の問いに答える。



「しかし困ったな……やっぱこういう場合……目撃者は消せってヤツなのかァ?」ニィィッ……



白い少年が、悪魔のような笑みを介旅に向ける。

介旅「ふ、ふざけるなぁ!!お前みたいなクズに、僕が殺されてたまるかぁ!!」ジャキッ!!



介旅は白い少年に、黒い球体の部屋で手に入れた銃を向ける。




ギョーンッ!!!




そして、一切躊躇すること無く、トリガーを引いた。

3




「あ?何だそのオモチャは?」



介旅「ハッハッハッ!!これでお前は終わりだ!!コイツで撃てば、3秒後くらいにその標的は爆発する!!

3秒後には、そこらに散らばっている死体のように、グチャグチャな死体の出来上がりだ!!」





2



「……へェ……面白いじゃねェか。じゃあ数えてみるか?あと2秒か」



介旅「ハッ!!そうやって余裕を見せてろよ!!僕はお前がグチャグチャになる瞬間を、笑いながら迎えてやるさ!!」

1




「1秒。あっ、1つ言い忘れてた事があるンだった。俺の能力はなァ……あらゆるエネルギーのベクトルを操作することだ。

デフォルトでは、あらゆるモノを反射するンだわ。発射された元の方向にな」






介旅「ハッハッハッハッハッ!!!……は?」



介旅の笑いが止まる。








0



「0だ。じゃあなァ」フリフリッ



白い少年が悪魔の笑みを浮かべて介旅に手を振る。

介旅「そ……そんなバキャッ!!!」グシャアッ!!!




ドシャアッ……








介旅の予告通り、キッカリ3秒後に1つの死体が出来上がった。


死体は上半身が完全に弾け飛び、元が誰なのか判断つかないだろう。





「オー、スゲースゲー。本当に弾け飛びやがったなァ。おい、どっかに居るンだろ?人形共。
お前等の死体と一緒に、コイツも処理しておけ。見つかると面倒になるだろォしよ。ま、俺はどーでもいいが」



そう言うと、白い少年は、再び暗闇の中へと歩みを進め、消えていった。

投下終了です。



退く!!

媚る!!

省みる!!


介旅さん終了のお知らせでした。




一方さんにXガンは効くのか?の答えは、基本効かないということにしておきます。


一応、発射元が地球上で作れる機械なので。

もしかしたら、後付けが入るかもしれませんが、勘弁してください。


それではおやすみなさい。次回からは、>>2の時間軸に戻ります。

間違えました。


>>4の時間軸です。



個人的にはXガンの物体を爆発させる謎の力じゃなくて、Xガンの照準自体を反射したから介旅が爆発したとか勝手に考えてる

さすがに乙ガンは跳ね返せまい
とか想像しておく

乙  性根に相応しい終わり方だったな

まあもし反射出来ない幻想ならなら上条がソゲブして黒玉崩壊で話終わりだからな

乙 介旅が死んですっげぇすっきりした


ここまでスカッとしたのは久しぶりだ

そろそろ部屋がミサカまみれになってきそう

ネギ星人の恨みをありがとう一方通行

投下中くらいレス我慢したほうがいいのでは

こんにちは、1です。


今日ものんびりと投下していきたいと思います。


>>292
結構あいまいなので、その辺はご自由にどーぞ。

>>293
一応、反射にも耐久力があるって設定にしたいですね。

>>294
>>296
>>297
>>299
ありがとうございます!!自分が考えられる最高のクズでした。
ちなみに1は別に介旅に恨みはありませんw

>>295
ガンツ関係のモノは、全部地球で作れますからねぇ。技術が伝わっただけで。

>>298
流石に書くのダルい……w

>>300
投下内容へのリアクションとかは嬉しいです。
>>3みたいなワケのわからんのは遠慮したいですが……

…………



時は再び戻り



7月21日



ファミレス内



御坂『(アレから私達は、部屋を出た後、それぞれ自分の家へと帰っていった。
寮にコッソリ戻ってきた私は、部屋に入り、黒子の泣き疲れた(発狂し疲れた)寝顔を見た瞬間、私も泣いちゃったんだっけな……帰ってこれてよかったってさ……)』



御坂は、まるで何年も前のことを思い出すかのように、二日前のことを思い出す。


それほど、彼女にとっては長い夜だったのだろう。

「……坂さ……御坂……ん……」





御坂『(それにしても、昨日の夕方くらいに、アイツにお礼の1つでも言ってあげようと寮まで行ってみたら、アイツの部屋の前周辺だけ火事にあったように黒焦げだったし……あの馬鹿一体、今度は何をやってんだろうな……)』




佐天「御坂さんっ!?」



御坂「ひゃいっ!?」ビクゥッ!!




突然の佐天の呼び声に、御坂は心臓が止まる勢いで驚く。

佐天「食べないんですか?パフェ。さっきから何か考えちゃって……初春が横でジッと狙ってましたよ?パフェを」



初春「さ、佐天さん!!何をデタラメを……私そんなに食い意地張ってません!!」ダラダラッ……


言葉とは裏腹に、初春はパフェをジッと見ている。涎が今にも垂れそうな勢いだ。



御坂「あ……いいわよ初春さん。これ上げるわ」スッ



初春「え!?いいんですか!?いやー何か佐天さんのせいで申し訳ないですねー」

佐天「おい初春。それは酷いんじゃないかい?……それはさておき、どうしたんですか?御坂さん。何か考え事しちゃって」


御坂「え?う、ううん。何でもないの」アハハ……



佐天「その反応……まさか御坂さん……恋でもしてるんですか?」



御坂「へ?ち、違」



白井「そんなこと!!断じてありませんのぉ!!!
お姉様に殿方など……この黒子を差し置いて、そんな事あってはならないことですのォォォォオオオッ!!!」バンッ!!



御坂が反応するより先に、白井が過剰に反応した。

御坂「何でアンタにそこまで言われなきゃいけないのよ!!」


白井「他に取られるなら……いっそうこの場で黒子が、お姉様の純潔をォォォオオオッ!!!」


御坂「いいから黙れ!!この変態!!!」ゴンッ!!



御坂は白井の頭をガッシリ掴むと、思いっきりテーブルへと打ち付けた。



白井「」シュゥゥゥウウッ……



初春「ブレませんねぇ、白井さん」モグモグ

佐天「さて。それで、さっきの黒い球体の話の続きなんですけどね?
これまでに、学園都市中で似たような破壊は、かなりの数が発見されてるんですよ。

しかも、この学園都市の外でも……つまり世界中でも、目撃者の無い、原因不明の破壊は発見されているんです。ここ数年は特に頻繁に。
てことは、これがこの黒い球体の部屋の仕業だとすれば、黒い球体の部屋は、世界中に点在することになります。一体誰がこの黒い球体の部屋を作り、世界中に置いたのか?

それは神か?それとも人間か?はたまた宇宙人か?興味深いと思いませんか?」




佐天は再度、黒い球体の話を行う。

御坂はその真実を知っている。


と言っても、ホンの一欠片ほどの真実なのだが。



それは、その黒い球体の部屋は実在するということ。


宇宙人との戦いが、実際に行われているということ。




今すぐ、自分が経験した全てを、この場で打ち明けたい。


しかし、あの部屋を出る間際に言った、天井の言葉が脳裏によぎる。











『ちなみに今日のことは誰にも言わないことだ。

GANTZに頭へ爆弾を埋め込まれているからな。話そうとするとボンッ!!だ』

御坂「……」ゾクゥッ!!



御坂の顔が青ざめる。天井の話が本当だとすれば、自分の頭には、爆弾が仕掛けられている。



あの部屋から出た今も、自由は取り戻せていないのだ。




白井「お姉様?顔が青ざめておりますが……大丈夫ですの?」


白井が心配そうに御坂に尋ねる。

御坂「へ?あ、うん。大丈夫よ。全然大丈夫……」.


白井「そうですの?もう、佐天さん!!そんな野蛮な話ばかりするから、お姉様が気分を害されたではありませんか!!
もっと違うお話に致して下さいですの!!」


佐天「アハハー、少し刺激が強すぎましたかねー?すいません。
じゃあ、次の話題ですが……この間言ってたレベルアッパーの話ですけどね?……」



佐天は、先日入手したモノを披露しようと、話題を変える。

…………





「とうまー!!ご飯の時間なんだよ!?」


上条「お前さっき食べたばっかりだろうが!!」


「あんなジャパニーズOKAYUじゃあ、私の胃袋は1mm足りとも満足しないんだよ!!」


上条「我慢しろ!!お前は怪我人なんだ。傷が塞がったとはいえ、今日明日くらいは、身体に優しいモノを食べておいたほうがいいんだよ!!」



「むー……しょうがない、少しは我慢してあげるんだよ!!でも治ったら、お腹いっぱい食べさせてくれると嬉しいかも」


上条「ハイハイ、わかったから、今日はゆっくり休んどけ。汗かいたら、小萌先生に借りたパジャマの替え出してやるから」

あの黒い球体の部屋での出来事から二日後。



上条当麻の部屋には、何故か銀髪の少女が床に伏せていた。




事情は長くなるので割愛するが、彼女の名前はインデックス。



空から降ってきて、自分の部屋のベランダに引っかかった、イギリス教会のシスターである女の子だ。



その後、魔術師だの、魔術だのなんやかんやあって、彼女は今、上条の部屋で怪我の静養中である。




なんやかんやは


なんやかんやです!!

上条「しかし、あの魔術師……ステイルだっけか?アイツの話だと、インデックスの背中を斬ったもう1人の追手がいるんだよな?
しかも、あの魔術師よりも強力な……念の為に持って帰ってきてよかったのかもな……アレ」チラッ




上条は、ふと衣装タンスの方へと視線を向ける。

7月24日 昼




高速道路



木山「どうした?レベル5と言ってもそんなモノかい?」



御坂「多重能力……まさか実在するとはね……それもレベルアッパーで集めた能力者の恩恵ってヤツなのかしら?」




ォォォォォォォォオオオオオッ……



木山「もう止めにしないかい?私はある事柄について調べたいだけなんだ……それが終われば、昏睡している能力者は全員解放する」


御坂「ふざんけんじゃないわよ!!あれだけの人を巻き込んでおいて……人の心を弄んでおいて、見過ごせるわけないでしょうがぁっ!!!」

ォォォォォォォォオオオオオッ……




御坂「0距離からの電撃……あのバカには効かなかったけど、いくらなんでもあんなトンデモ能力までは持ってないわよねぇ!?」バチバチッ!!




ォォォォォォォォオオオオオッ……




木山「私はあの子達を!!もう一度あの子達を目覚めさせる為なら何だってする!!この街全てを敵に回しても……止めるはいかないんだァァァァァアアアッ!!!」







ォォォォォォォォオオオオオッ……





『オギャァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!』




御坂「何あれ……アレは……胎児?」

ォォォォォォォォオオオオオッ……





御坂「ゴメンね……気付いてあげられなくて……頑張りたかったんだよね……。

でもさ……もう一度頑張ってみようよ……自分に嘘つかないで……もう一度……」バチバチッ……



バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!…………





ォォォォォォォォオオオオオッ……




木山「君はコレから……近い内にどうしよもない現実を突きつけられるだろう。この学園都市の闇を……己の罪を。
それにどう立ち向かうか……楽しみにしているよ、『超電磁砲』御坂美琴……」



御坂「学園都市の闇……私の罪……何なのよ、一体……」

7月24日 夜




立体歩道橋下



上条「……インデックス?どこに行った?」キョロキョロ



御坂美琴が人知れず、学園都市全域を巻き込んだ事件を解決したその夜。


夏の暑い夜に、何故か長袖のカッターシャツを着ている上条は、怪我が回復した居候シスター、インデックスと銭湯に向かっていた。



しかし、いつの間にかインデックスの姿がどこにも見当たらない。




……いや、インデックスどころの話ではない。

誰も居ないのだ。人っ子1人、誰も。



車すら通らない、異常に静寂な空間に1人、上条は立っている。







「人払いのルーンを使用しているだけです。この場所には、貴方と私以外、誰も近づくことができません」コッ、コッ、コッ、コッ






辺りを見回す上条の前に、1人の長身長髪黒髪の女性が姿を現した。

手には、2mほどだろうか?かなり刃の長い刀を携えている。




上条「テメェは……」



神裂「初めまして。神裂火織と申します。貴方が保護しているインデックスを追っている者ですよ」

上条「テメェか……インデックスの背中を斬ったヤツは……」グググッ……



上条は拳を握る。



神裂「あれは事故のようなモノです。彼女の着ている修道服は、あらゆる攻撃から彼女の身を守る『歩く教会』という霊装でしてね……。
何故かその機能が停止していた為、結果としてあの様なことに」


上条は、あの時か……と考える。

上条は、インデックスと出会ってすぐ、自身の右手に宿る力で、インデックスの霊装の効力を、消し去ってしまったのだ。


つまり、インデックスが怪我した原因は、上条にもある。



しかし……

上条「それでも、テメェがインデックスを後ろから斬った、という事実は何ら変わらないだろ!?」



神裂「……その点に関して、貴方と論争する気はありません。私が問うのはただ一つ……インデックスを保護させて頂きたいのですが……」チャキッ……



神裂は、刀を鞘に納めたまま、高い位置で刀を構える独特の構えを見せた。



上条「テメェ等なんぞに、インデックスは渡せねぇ……お引き取り願おうか」

神裂「止むを得ませんね……それでは、わかって頂くまで、何度でも問いましょう……貴方が動けなくなるまで」スッ……





「七閃」




ドドドドドドドッ!!!!!


上条「なっ!?」




……………




神裂が呟いた瞬間、地を這うように、斬撃のようなモノが上条へと襲いかかっていった。

神裂「もう一度聞きます……インデックスを保護させてもらえませんか?沈黙はYESと取ります……」


辺りは舞い上がった土煙のようなモノで覆われ、視界が悪く、前が見えない。


しかし、恐らく上条は倒れ、気絶しているハズだ。




この『七閃』は、一瞬と呼ばれる時間に七回殺すことができる技……その攻撃の全てを、死なない程度にぶつけた。



神裂『(悪く思わないで下さい……私達は、どうしてもあの子を保護しなければならないのです……名目通り、命を救う為に……)』



神裂が、この場を立ち去ろうとした瞬間、聞こえるハズのない言葉が、煙の向こう側から聞こえてきた。

ォォォォォォォォオオオオオッ……



上条「答えはNOだ……インデックスはテメェ等なんかには絶対渡さねぇ……」



神裂「なっ!?なぜ……何故無傷なのですか!?確かに直撃したハズなのに……」




煙が風に乗って晴れていく。



その先には、カッターシャツがところどころ斬れてはいるが、傷一つ負っていない上条の姿があった。



上条「いいぜ魔術師……お前が俺を倒してでもインデックスを連れ去ろうってんなら……」グググッ……



上条が思いっきり拳を握りしめる。
それと共に、神裂には上条の身体がホンの少し大きくなったように見えた。

神裂は知らない。



上条がカッターシャツの下に着ている黒のスーツの存在を。



このスーツは強い意志によって、着用者の身体能力を爆発的に向上させる効果があることを。




上条「まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!!!」ダッ!!



通常の人間ではありえない程の瞬発力で、上条が神裂の懐へと潜り込んだ。

バキィィィィィイイイッ!!!



強烈な炸裂音が、誰も居ない夜の街に鳴り響く。



神裂「グッ……この力……この速さ……貴方、本当に人間ですか!?」グググッ…。


神裂は、上条の殴りつけてきた拳を掴んで驚いている。



上条「それはこっちのセリフだ……魔術師ってのは、肉弾戦には弱いってのが、相場じゃねーのかよ?
格闘までできる魔術師なんざ、反則だろうが!!」グググッ……




上条が力を振り絞っても、そこから拳はビクともしない。


ネギ星人すら圧倒したスーツの力が、人間に……しかも女に防がれているのだ。

神裂「私は、ただの人間ではありません。神の力の片鱗を身に宿した人間……『聖人』と呼ばれる存在です。

その力は、普通の人間とは一線を画すモノ……貴方が異常なのですよ!!」バッ!!


上条の拳を払い、神裂が距離を取る。




上条「『聖人』だと?そんなモノがいるとはな……だけど、俺は神様だろうが何だろうが、インデックスを守らなきゃならない!!
それが、アイツを地獄の底から引き上げる事になるのならなぁ!!」ダッ!!



再度、上条が神裂へと高速で突進する。

神裂「……『七閃』!!」


ドドドドドドドッ!!!



再び、神裂から七つの斬撃が発せられる。




上条「ウォォォォォオオオッ!!!!」ギィンッ!!ギィンッ!!!



腕で防御するように、上条はお構い無しに前に進む。



再び、上条が神裂の懐に入った。



上条「もらったぁっ!!!」ブンッ!!



上条が右手で、神裂に振り上げるように殴りつける。



神裂「クッ……」



ギィィィィィィイイイインッ!!!




今度は、刀の鞘で拳を受け止められる。

ピキピキッ……


受け止めた鞘には、亀裂が入り始めた。




神裂「!?な、『七閃』!!」



三度、神裂が七閃を放つ。



ドドドドドドドッ!!!!!



上条「…………」シュゥゥゥウウッ……



しかし、上条は未だ無傷である。



上条「ようやくその斬撃の正体がわかったぜ……3本だけ掴んでやった……」スッ……



上条が両手に握り込んでいたモノを神裂に見せる。




神裂「!?貴方は……一体どこまで……」



そこには、3本のワイヤーのようなモノが、無理矢理引き千切られたような姿で掌に乗っていた。

上条「どうやら、その刀による斬撃では無く、その刀の動作に合わせて、このワイヤーを飛ばして攻撃を行っていたようだな。

魔術とかは全然わからんが、これは魔術とやらじゃない……技術だ。三回も喰らって、ようやくホンの少しだけ見切ることができた」




神裂の手には、4本のワイヤーと、もはや使い物にならない3本の引き千切られたワイヤーが見える。



神裂「……どうやら、小手先だけの技が通用する相手じゃないのですね……見くびってました」

上条「いーや。いつもの上条さんになら、一発でアウトですよ。
……だけどな……今日の上条さんは、一味も二味も違うのさ。さぁ、ネタは見破った。出来ればこのまま引き下がって欲しいんだがな?」



上条が、神裂に対して再度構える。



神裂「……わかりました。では私も、先程までとは一味も二味も違うモノをお見せ致しましょう」スッ……



神裂が、高く刀を構える構えから、腰に刀を持っていき、そのまま深く身体を沈めるような構えに変えた。

上条「交渉決裂か……だったら、力づくだ!!」ダッ!!


どこかで……確か、時代劇のような映画で見た覚えのある構えに似ている……


突撃しながら上条は、頭の片隅でそんな事を考えていた。




神裂に上条が高速で迫る。











神裂「……『唯閃』」チャキッ!!


キィンッ!!!!!



神裂「…………」チャキッ……



神裂が、目にも止まらぬ速さで、一瞬の動作を起こした。

上条「……な……何だよソレ……ズリーな……オイ……」ドロドロドロッ……




いつの間にか、上条が神裂の目と鼻の先まで迫っていた。


しかし、そこから上条は動こうとしない。


そして何やら、上条の全身からドロドロした液体が流れ出しているのが見える。



神裂「……ズルくなどありません。聖人の力をフルに使用して放つ、神速の抜刀から放つ、居合いの一撃の剣……これが私の力です。ご覧に頂けましたか?」



上条「悪いな……全く見えなかったよ……チクショウ……」ゴポォ……

上条の口から血が溢れ出す。

ドスッ!!




上条が、血を吐きながら両膝を地面につける。


肋骨が折れ、その骨片が内臓に突き刺さり、上条の身体の中を荒らしている。






それでも上条は、決して倒れない。






神裂「今の『唯閃』は峰打ちです。……本当に、ここまでするつもりは全くありませんでした……。
貴方には本当に申し訳ありませんが、これで終わりです。これもインデックスを救う為……さらばです」クルッ……




神裂は、上条に別れを告げ、この場から立ち去ろうとする。

上条「……待てよこの野郎……」




上条が力無く呟く。




神裂「!?…………」カッ、カッ、カッ、カッ!!




神裂が、足早に上条の元へと引き返す。そして、両膝をついた上条の襟を引き寄せる。



神裂「もういいでしょう……何が貴方をそこまで駆り立てるのですか!?
あの子との約束?出会って数日のあの子に対して、そこまでする義理もないでしょう!?」


神裂が、声を荒げて上条に怒鳴りつける。




上条「さぁ、何でだろうな?わかんねぇや……だけど、ただ一つ言えることは……」













上条「……あんな女の子によってたかって……終いには背中から斬りつけて……そんなテメェ等が気に食わねぇ……」









神裂「ッ!?」ギリッ……




上条「さっきから救う為救う為……綺麗な言葉ばっか並べてよぉ……やってることはただの暴漢じゃねぇか」



神裂「……黙りなさい……」



上条「そんだけの力がありながら、お前等がやってるのはただ女の子を追い詰めるだけだ……助けたいのなら、何故守ろうとしねぇんだ……」



神裂「……うるさい……」プルプルッ……











上条「本当にあの子を救いたいのなら……正面切って、あの子と向き合いやがれぇっ!!!!!」



神裂「うるせぇっつってんだよド素人がァァァァァアアアアッ!!!!!」チャキッ!!!



神裂が、怒声と共に、刀を握りしめ、上条に向かって振り抜いた。













しかし、その刀は虚しく、宙を斬るのみであった。

神裂「な!?……消えた……?一体どこに……どうやって……」




突如、目の前にいた上条が、一瞬にして神裂の前から消えたのだ。
肋骨が折れ、マトモに動けないハズなのに。




神裂は辺りを見回す。

どうやらこの近くにいるわけではなさそうだ。




神裂「……好都合です。今の内に、さっさとインデックスを回収するとしましょ……」スッ……



神裂は、自分の帰りを待つステイルの元へと歩みを進める。



そして、ふと歩みを止める。








『本当にあの子を救いたいのなら……正面切って、あの子と向き合いやがれぇっ!!!!!』



神裂「私だって……私だって好きでこんな事をやっているわけでは……」プルプルッ……





ウァァァァァァアアアッ!!!!!





夜の街に1人、神裂の叫び声が木霊した。

投下終了です。


大分端折りましたが、木山先生決着と、スーツ上条さんVS神裂星人でした。


まぁ、スーツ着てても唯閃は無理でしょう。ってことで、このような結果になりました。


次回からは、ガンツ世界2戦目編です。

田中を出すか、オリジナルでいくか悩み中なので、もしかしたら一週間くらい掛かるかもです。


それではおやすみなさい。

こんばんわ、1です。

沢山のレスの中、大分お待たせしております。

現在ちょっと書く余裕が無くて全く書けてません。


その代わり、ちょくちょく設定だけ考えてはメモってるので、気長に他のSSでも見ながらお待ちください。

こんばんわ、1です。

長らくお待たせ致しました。
短いですが、少しだけ投下しておきます。

『うるせぇっつってんだよド素人がァァァァァアアアアッ!!!!!』



上条『(神裂……だっけな?アイツ最後に、あんな顔しやがって……まるで俺が悪者みたいじゃねーか……)』




「……タ……ね……」



上条『(インデックスを救う……アイツ等の話が正しければ、それはアイツ等も俺も共通する目的だ……だけど何から?

俺はアイツ等魔術師からインデックスを救おうとしたけど、アイツ等は何からインデックスを救おうとしているんだ?)』

「ねぇ……ちょ……アンタ……」



上条『(ちゃんと話を聞いておけばよかったな……アイツ等の目的を……俺もインデックスも知らない、何か別の脅威をアイツ等が知っているのかも……)』スゥ……



上条が、閉じていた瞼をゆっくりと開けていく。




御坂「ちょっと!!起きてよ!!……と、と、とと、とうまー」カァァァッ……


上条「……何やってんだビリビリ?」


目の前にはかなりの至近距離で、倒れている自分を見下ろすように、御坂が顔を真っ赤にしながら、自分の名を読んでいた。

御坂「!?…………起きてんの?」


上条「あぁ、今起きた」


御坂「……聞いた?」


上条「ん?あぁ、何か俺の名前を呼んでたのは聞」


バチィィィィッ!!!「ギャァァァァアアアアッ!!!」



次の瞬間、完全に無防備な上条に対し、御坂の電撃が放たれる。


数分後、全身の痺れと共に目覚めた上条は、今黒い球体の部屋に転送されて来たばかりと御坂に丸めこまれた。

…………




上条「またこの部屋に呼ばれちまったのか……こっちは一刻も争う事態だってのに……」


御坂「ん?どうしたの?……何かあったの?」


上条「いや……ちょっとな、待たせてるヤツがいるんだ」


上条は、自分の部屋に居候している、白いシスターの姿を思い浮かべる。

この部屋は異常だ。いや、異常なんて言葉では片付けられない。

それはもう、前回ここに初めて来た時に、痛いほどわかっている。


天井の話では、前回のネギ星人は、難易度としてはとても優しいモノだったらしい。今回のミッションではどんな星人が選ばれるかわからない。


下手すれば、今度こそ死んでしまうかもしれない。




上条「それでも俺は、帰らなくちゃいけないんだ……アイツを地獄の底から救ってやる為に」



この世で最も地獄に近い場所。



この黒い球の部屋に囚われながらも、上条は更なる地獄の底に囚われているであろう、インデックスの身を案じていた。

ジジジジジジジジジッ……



御坂「あ、また誰か転送されてくるみたいよ?」


黒い球から、レーザーのようなモノが伸び、FAXのように人間が転送されてくる。


新たな犠牲者が、この部屋にやってきたのだ。



??「んだぁ?ここは。確か俺は、風紀委員のガキに捕まった後……ダメだ、思い出せねぇ……ん?誰だテメェ等?」


転送されてきたのは、見るからにガラの悪そうな男である。

タンクトップに黒いズボン。

頭は金髪のオールバックで、歯はところどころ欠けている。

上条「アンタ……スキルアウトか?名前は何ていうんだ?」


??「あぁ?いきなりなんだよ?なんでテメェなんぞに名乗らなきゃいけねぇんだ?」


御坂「いいから名前くらい言いなさいよ。面倒なヤツねぇ」


??「あん…だとクソガキィィィィイイッ!!!」ダッ!!


金髪の男が御坂に向かって殴りかかる。


上条「うわ、馬鹿よせっ!!」


バチィィィィイイイッ!!!


「ギャァァァァァァァァアアアッ!!!」


しかし、案の定、御坂の電撃によって、容易く返り討ちにされる。

御坂「で?アンタ名前は?」ゴゴゴゴゴゴッ……


背後から効果音が出そうな勢いで、腕を組み、踏ん反り返った御坂が再度、倒れている男に名を聞く。


??「グッ……名前なんざテメェ等に教えるつもりはねぇ。『偏光能力』(トリックアート)とでも呼んでろ」



御坂「偏光能力?それはアンタの能力名かしら?どんな能力なの?」


偏光能力「んなもん、そうホイホイと教える訳ねぇだろうが!!勝手に想像してろ!!
で、今度はこっちの質問だ。何なんだこの部屋は?どうなってんだ?」







ジジジジジジジジジッ…………

上条「その話は、全員揃ってからにしようか。どうやらまだまだ転送されて来そうなんでな」



御坂「そうね。……あ、この脚は女の子ね。スカートはいてるし」



偏光能力「あぁ?来るって何が……なんだこりゃあ!?」


偏光能力の背後。
部屋の隅にある黒い球から、再び誰かが脚元からゆっくりと転送されてくる。








御坂「…………へ?」



全身が転送され、その『誰か』の姿を見た瞬間、御坂美琴は完全に思考停止状態になる。

上条「な……み、御坂さん?貴女双子だったんでせうか?」


偏光能力「常盤台の第3位が双子……聞いたことねぇな。どういうことだぁ?」


御坂「……ど……どういうことよ……どういうことよ!!誰よ貴女!?」




双子が居たのかと問いかける上条の声など、全く入らないようだ。
御坂が、転送されてきた人物に対して、物凄い剣幕で話しかける。



自分の名前は御坂美琴。

両親である、御坂美鈴と御坂旅掛との間に生まれた一人娘。


そう。


『一人娘』なのだ。自分には姉妹がいるなど聞いたことがない。


第一両親は、そんなことを隠すような人間では無い。



では、目の前に居る彼女は一体何者なのだ?

『……ここは……ここは一体どこなのでしょうか?』



転送されてきた少女が、丁寧な口調で、御坂や上条達に問いかけてくる。



『と、『ミサカ』は、いつの間にか目の前に居る、見ず知らずの方々に問いかけます』


続けて、えらく個性的な口調が飛びだした。



その少女は今、ハッキリと言ったのだ。『ミサカ』と。



御坂「質問に答えて!!誰なのよ貴女は!!そんな格好して……そんな顔をして、一体どういうつもりなのよ!?」


御坂が、更に追撃を行う。



どうやら、御坂はその少女の見た目が気に食わないようだ。


いや、気に食わないという訳ではない。
あり得ないのだ。どう考えても。



『ミサカは……ミサカは9900号です。と、ミサカは自分の検体番号を名乗ります』



少女は、御坂美琴と全く同じ顔、姿形、服装をしていた。

投下終了です。

ガンツ第2ステージ。
新たなメンバー、偏光能力と御坂妹9900号でした。

番号は、正直適当です。


あとは、珍走団4人ともう一人くらい追加したいとこです。
北条入れるか入れないかで死ぬ程悩んでますけどね。

それでは、また近い内に。おやすみなさい。

乙!

偏光能力きたから白井も追加されるかと思った

乙!待ってて良かった

乙 妹達は予想してなかったけど、日々殺されてるからメンバーになる確率はひとより何千倍も高いんだな
これは続きが楽しみだ


 


トリックアートも出てきたから絶対等速あたりもその内来そうな予感

おおおお乙
待ってたぜーー!
トリックアートが転送されたって事は
黒子に…?
ビルごとつぶされたか

こんばんわ、1です。

今日もゆっくり休憩しつつ投下していきます。ただ、多分ミッションスタートまではいきません。


>>410
白井は今のところガンツ参戦予定はないですねぇ。今のところですが。

>>411
大変お待たせしました。今後もゆっくりですがよろしく。


>>412
原作での妹達編の時期に、ガンツチームと一方通行のクロスするかなりデカイ話を予定です。
やっぱ御坂を主役級で出すならここは外せないので。

>>413
絶対等速も好きですけどね。まぁ、今後に期待で。

>>414
偏光能力の死因は、レベルアッパーとクスリの中毒みたいな感じで。
確かアイツヤク中でもありましたよね?

上条「9900号……こ、これはまた変わったお名前だ事で……」


偏光能力「いや、明らかに名前じゃねぇだろ。まるで、どっかの実験体みてぇな……」


御坂「私にそっくりな時点で、おかしいのよ明らかに!!
私に姉妹はいない!!適当な事言ってないで誰なのかハッキリさせなさいよ!!」ガシッ!!



御坂が、9900号と名乗る少女の肩を掴み、少女に強く問いかける。

9900号「貴女は……なるほど。貴女はミサカ達のお姉様なのですね。初めましてお姉様。
と、ミサカは丁寧にお姉様にお辞儀をします」ペコッ



上条「ほら、御坂の事お姉様だって言ってんじゃん。仲が悪いかもしれないけど、姉妹なんだから仲良くしろよな」



御坂「だから違うって言ってんでしょうが!!初めましてって今言ったし!!
あぁ、もういい!!アンタ!!ちょっとこっち来なさい!!」グイッ!!



御坂は少女の腕を掴むと、黒い玉のある部屋から引っ張り出し、現時点では開くことの出来ない玄関の前に連れて来た。

御坂「はぁ……で?ホントにアンタは何者なのよ。私には姉妹はいない。パパとママの一人娘よ。
いい?妹なんていないの。変装だか能力だか知らないけど、人の姿形を勝手に使って……理由次第じゃタダじゃおかないわよ?
……それで?貴女は誰なの?正直に答えなさい!!」



9900号「失礼ですが、お姉様は実験の関係者ですか?
と、ミサカはお姉様に符丁の確認をとります。『ZXC741ASD852QWE963』」



突如、9900号が御坂に対し、何かの合言葉のような言葉を問いかけて来た。

御坂「へ?え、えっと……」



9900号「……どうやらお姉様は実験の関係者では無いようですね。それでは、お姉様の問いに答えるわけにはいきません。
と、ミサカはミサカのことについて、黙秘を行うことを密かに宣言します」



御坂「じ、実験って……アンタ何か実験やらされてるの?何の実験よ!!私の姿で一体何をやってるの!?」



9900号「実験の内容については黙秘します。と、ミサカはこれ以上、実験について聞いても無駄だ。と、お姉様に宣言します」

御坂「この……だ、大体何で私がお姉様なのよ!!化けてるだけの赤の他人に、お姉様なんて呼ばれる筋合いないわよ!!」


9900号「いえ。御坂美琴、学園都市第3位のレベル5。貴女は紛れもなく、ミサカ達のお姉様です。
と、ミサカは初めて会うお姉様に少々緊張気味に話しかけます」



しかし、目の前の少女は全くの無表情である。緊張感の欠片も見当たらない。



そもそも、感情と言うモノが感じられないのだ。

御坂「はぁ……もういいわ。今はそれどころじゃないし。今回のミッションが終わったら、じっくりお話を聞かせてもらうからね!!」


9900号「お話ですか。と、ミサカはお姉様との初めてのガールズトークに、胸をときめかせます」


御坂「お話の意味が違うわよ!!……はぁ、とりあえず貴女。どうやったかわからないけど、私と顔も姿形もカブってるから周りから判断しづらいのよ。
髪ゴムあげるから、これで後ろ髪を留めといて。これから起こることを考えると、とっさの時に貴女と私で間違えられて、酷いことになるかもしれないしね」



御坂がゴムを渡すと9900号は、御坂同様女の子にしては少し短い後ろ髪を、ゴムで束ねた。

これで、少し見分けがつくようになったようだ。

9900号「ちなみにお姉様。これから起こる事というのはどういうことなのでしょうか?それに、ここは一体何処なのでしょうか?
と、ミサカはお姉様に現状を教えて欲しいとおねだりします」


御坂「ミサカはとかおねだりとかいちいち言わなくていいのよ!!」


9900号「ほう……お姉様は、ミサカ達のただ一つの個性を奪うつもりですか?
と、ミサカはお姉様に個性を奪うつもりならば容赦はしないと宣言します」

御坂「何よその個性……まぁいいわ。ちなみにここは何処かって質問に答えるとね。
学園都市の第7学区の高層マンションの一室よ。現時点では外に出られないんだけどね」ツルッ、ツルッ


御坂は玄関のドアノブに手をかけようとするが、反発しあう磁石のように、ドアノブに触れないことを9900号に伝える。


9900号「開かないのでは無く、その前に触れないのですか。不思議ですね。
と、ミサカは驚愕を隠せない表情で返します」

御坂「いや、さっきからずっと変わらず無表情だけどね貴女。
それと、これから起こることなんだけど……んー、なんて言ったらいいかなー……」


9900号「言葉が見つからないのですか?と、ミサカはお姉様のボキャブラリーの少なさに、落胆の溜息を密かに落とします」ハァッ……


御坂「隠しきれてないわよ。ケンカ売ってんのアンタ?
……まぁ、例えるならこんな感じかしら。これから起こることはね……」



御坂は、少し遠い目をして、数日前の事を思い出しながら、9900号へと口を開いた。










「……この世の地獄ってヤツよ。あの光景には、それが一番しっくりくる言葉ね」

投下終了です。

予定より少し少ないですが、明日に乞うご期待です。



微妙に偏光能力が丸くなってますが、ガンツの北条ポジションにしてますので、ご容赦を。

>>425

 ( ゚д゚)  「ガンツの北条ポジションにしてますので、ご容赦を。」
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
  \/    /

     ̄ ̄ ̄
 
  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
  \/    /
     ̄ ̄ ̄

よりによって偏光能力をあいつのポジに?サダコのポジは重福さんか?(混乱)
黒妻兄貴とか素敵なやつとかいるだろうに……

>>426
黒妻を北条に使うには勿体無いのです。
肉体派には、別の役割が……。

というかまんま北条にするわけでもないですし。
あ、サダコはいません。

>>427
乙。『納得』した
とりあえず木原一族の登場は先になりそうだな……

乙です
面白いな

御坂とミサカで二人いるから呼ぶとき困るなこりゃ


つまんなくなるからゲスパーすんなよ

乙でした


相変わらずいいね。
次待ってるよ

おはようございます。1です。

今日はオフだし外は大雨なので、ガッツリ続きを書いときたいと思います。


とりあえず、今日は2ndミッションスタート直前までです。まだまだスタートしません。
休憩しつつ、ゆっくり進めていきますので、ゆたりとお読みください。


>>428
黒妻が一番合うのは大阪のセックスジャンキーなんですけどねー。
流石に黒妻をジャンキーにするわけにはいかないので、悩みところです。

>>429
>>430
>>431
>>432
>>433
ありがとうございます。ゆっくり進行ですが、読んでもらえてありがたいです。

ジジジジジジジジッ…………



上条「お、今度は浜面か。元気にしてたか?」


偏光能力「また人間が出てきやがった……何なんだ?あの黒い玉は。学園都市が作った兵器とかか?」


部屋の壁にもたれかかるように、座り込んでいる2人の目の前に、前回共に生き残った男、浜面仕上が転送されてきた。



どうやらスキルアウトの仲間内で酒を呑んでいたらしく、手には缶ビールが握られていた。


浜面「オイオイ……またこの部屋かよ……何か寒気がしてトイレに入り込んだら、いきなり転送されていくし、呑んでる時くらい勘弁してくれよな……」

上条「お前らと同じ、スキルアウトの浜面だ。知り合いだったりするか?」


偏光能力「知らねぇよ。何でスキルアウトが全員知り合いって前提なんだよお前は」


浜面「ん?隣のヤツは、もしかして新顔か?スキルアウトみてぇだが、お前も死んじまったのか?」


浜面が、偏光能力に近づいて挨拶代りに言葉を交わす。


偏光能力「さぁな。あんまし記憶がねぇんだ。
覚えてんのは、空間移動を使う風紀委員に殺されかけて、警備員に捕まって牢屋に入ってたってくらいだ。
そんで気がついてたらこの部屋さ。もう訳がわかんねぇよ」


偏光能力は、欠けた歯を口元から見せながら、自嘲するように微笑む。

浜面「その歯……お前クスリやってんだろ?バカだなぁ。あんなモン、ヤっても得する事なんざ欠片もねぇのに。大方それで捕まったんだろ?」


偏光能力「うっせぇんだよ!!大体、俺が捕まったのは別件だ。『レベルアッパー』ってヤツ関連でな。
お前らみてぇな無能力者やあのレベル5のガキには関係ねぇ話だがな」



上条「レベルアッパー?何だそれ?」



上条が、浜面に聞く。

浜面「知らねぇのか?聞くだけで能力が強化されるって噂の音楽ソフトだよ。

本当にそんな便利なモンがあんのかは知らねぇが、コイツがそれ関連で捕まったって事は、存在するってことじゃねぇのか?」


偏光能力「あぁ、レベルアッパーは存在するぜ?何しろ、実際に能力を強化し、それをネタに色々やってたからなぁ。俺は」


偏光能力が、またも自嘲気味な笑みを浮かべる。

上条「あぁ、やっぱしお前悪いヤツだったんだな。ま、捕まっちまったみたいだし、特にどうこう言う気もないけどよ。

で、そんなヤツがどうして死んじまったんだ?この部屋は、死んだヤツが集まる部屋らしいぞ」


偏光能力「死んだヤツが……ハッ、じゃあここはあの世って訳か。こんな普通の部屋がよぉ」


浜面「いや、厳密にはまだ生きてるみたいなんだけどな。俺らにもよくわからんが」


偏光能力「あぁ?今死んだヤツが集まるって言ったじゃねぇか!!意味わかんねぇんだよ!!」

上条「落ち着けよ。俺らだってこの部屋はまだ2回目なんだ。詳しいヤツが1人いるからソイツに……噂をすればアイツだ」



ジジジジジジジジッ……





上条達の目の前に、再び転送されてくる人間が現れた。


その人間は、白衣を着た研究員のような男である。





天井「……おや、久しぶりだな。上条君と……浜面君だったか。それに新顔もいるようだな」




過去一年以上、この異常な部屋で生き延びてきた男、天井。




最早、ライフワークと言わんばかりに、彼はこの異常な部屋においても平然としていた。

すんません、ちょっと中断します。


とりあえず次回『天井無双!!』こうご期待!!

乙  天井もだが9990号の戦闘にも期待  


ここの天井くんには原作みたいな死に方も西くんみたいな死に方もしてほしくないなぁ

お待たせしました。再開します。

今日も仰山稼がせていただきました。


>>442
>>444
天井君には、シネマチックな死をお届けしたいですねぇ……

…………





御坂「さて……そろそろ部屋に戻ろうかしらね。もしかしたら、他のメンバーも来てるかもしれないし。
あの天井とか言うヤツがいれば、わかりやすくこの部屋について説明してくれるかもしれないしね。」



9900号「死者が集まる部屋ですか……ミサカも、1人の人間としての魂があったということでしょうか?
と、ミサカはボソリと呟きます」ボソッ……


御坂「ん?何か言った?」



御坂と9900号は、再び黒い玉のある部屋へと戻った。

ガチャッ……



天井「何故私が毎回説明しなければいけないんだ?
前回君達に説明したのは君達が久しぶりに生還した人間で、少なからず好感が持てたからだ。
そんなに説明したければ、君達が自分でやればいい」


浜面「んなこと言わずに代わりに説明してくれよ。俺らの頭じゃ難しいんだよここの部屋の事は。
新しく婆さんに小さい子供、今時珍しい暴走族とかも居るんだしよぉ」



御坂が部屋の扉を開けると、先ほどとは違って浜面や天井が増えていた。


更に、お婆さんやその孫と思われる子供。更には今時珍しい特攻服を着た、暴走族風の不良が4人、新しく転送されてきたようだ。

不良A「んだよココはよぉ!!何で俺らこんなとこにいんだよ!!」


子供「おばーちゃーん!!怖いよおばーちゃーん!!!」


不良B「うっせぇんだよクソガキィ!!ババァッ!!今すぐ泣き止ませないとぶっ殺すぞ!!!」



御坂「おーおー……特攻服とか。学園都市にも、今時あんな不良がいるのねぇ……」

9900号「最早、絶滅したと学びましたがいるところにはいるのですね。
と、ミサカは珍獣を見る目で彼らを見ます」

浜面「お?御坂か!!丁度よかった。お前なら上手く説明出来るだろ?何とかこの部屋の事、説明してやってくれよ!!」


天井「おや、第3位か。噂によれば、今日はあのレベルアッパーの件で、大活躍のようだな……ッ!?」


部屋に入ってきた御坂とその側にいる9900号を見た瞬間、天井の顔が一瞬驚愕したようなになる。


天井「……流石レベル5と言ったところかな?」


しかし、すぐさま元の表情に戻った。

上条「…………」

偏光能力「…………」



しかし、その変化を見逃さなかった人間が2人いた。


1人は、前回の事もあって、常に天井を警戒している男。

もう1人は、比較的裏に近い世界を歩んできた者として何かしらわかるのだろう。

両者共に、天井の危険性を感じ取った者が、天井の僅かに変化した表情を見逃さなかった。

偏光能力「……上条っつったか?あの天井って白衣のヤロー……」


上条「あぁ……御坂を。いや、あの御坂の妹?を見た瞬間、一瞬表情が固まった。
しかも、すぐに表情を戻して、妹の事にすぐには触れないところを見ると……あの妹について、何か知ってるみたいだな。
普通なら真っ先にあの妹について突っ込むだろ?レベル5にそっくりの妹だぞ?」


上条が、天井の不審な行動について考える。


現に、今浜面が御坂に隣の少女について、いろいろ聞いている。

偏光能力「ハッ、中々注意力があるじゃねぇか。ただの無能力者と思ってたがなぁ」


上条「お前こそ、天井のこと殆ど知らねぇハズなのに、何でそんな注意深く見てたんだよ」


偏光能力「臭えんだよ、あの白衣のヤロー。俺と同じ、小悪党の嘘臭ぇ匂いがプンプンすんだよ」


上条「……違いねぇな……」




上条達が見つめる中、御坂が新メンバーへの説明など、対応に困っていると、突如、あの場違い過ぎて不気味な曲が流れてきた。

●<あーたーーらしーいーあーさがきたー、きーぼーーうのーーあーさーがーー










子供「ヒィッ!?おばーちゃん!!何この歌!?」

婆さん「あら、懐かしいわねー。おばあちゃんも子供の時に、この曲で毎朝体操してたのよ?」





曲が終わると、黒い玉に文字が表示される。




●『てめぇたちの命はなくなりました』


『新しい命をどう使おうが 私の勝手だす』





黒い玉に浮かんだ文字に、新たに部屋のメンバーとなった一同が騒然とする。

偏光能力「ふ……ふざけんな!!俺の命は俺のモンだ!!俺だけが好き勝手にできんだ!!こんな変な玉に好き勝手されてたまるか!!」


9900号「新しい命……実験体としてのミサカの命は無くなり、新しい命が今ミサカには……と、ミサカは今まで感じたことの無い何かを、微かに胸に感じ取ります」ボソッ……



激昂する偏光能力とは対象的に、9900号はとても冷静に、黒い玉に表示された文字を見ている。


そして、その様子を見ている1人の男がいた。

天井「……まさか……な。実験体は所詮実験体のハズだ。感情など……」ボソッ……



天井は、9900号の様子をチラチラと見ている。




上条「…………」




そして、そんな天井を上条がジッと見ていた。

浜面「さて……前回と一緒なら、そろそろ星人の情報が出てくるころだよな……鬼が出るか蛇が出るか……」


御坂「どちらでも無いでしょ、星人が出るのよ」


浜面「いや……そういう訳じゃ……お、出た出た!!」


黒い玉に映されていた文字が消え、別の映像が表れる。










●『こいつらを倒してくだちい』








『田中星人』




特徴 つよい ちわやか とり


好きなもの ちょこぼうル


口癖 ハァーハァーハァー



浜面「田中星人……何だろう?どっか遠い昔に見た気が……」


天井「君らの世代では知っている方がおかしいだろ」


御坂「好きなモノチョコボールって……星人もお菓子が好きなのかしら?」


上条「ネギ星人もネギ好きだったしなぁ。何かこの星人と関係あるんだろうか?」


ミッション経験者達は、画面を見てそれぞれ思い思いの感想を述べる。


そして、初参戦のメンバーは、戸惑っていた。

偏光能力「オイ。お前らだけで話してないで、こっちにも説明しねぇか!!」


9900号「一体今の映像は何だったのでしょうか?と、ミサカは内心物凄く戸惑いながら、平然を装い問いかけます」


御坂「全然戸惑ってるようには見えないけどね。そこまでいくと凄いわね、貴女。
えっと……確かそろそろ……あ、その玉の周辺に居る人達。危ないわよ?」


御坂が、玉の周辺にいる人間に注意を促す。

●>>ドンッ!!!


不良A「うぉっ!?」


ドンッ!!!<<●>>


上条「へぶっ!!」グシャッ!!



黒い玉の両サイドが開き、中から様々な銃やスーツケースが出てくる。



御坂「……アンタ前回も挟まってたわよね?何してんの?馬鹿なの?」



上条「ゆ、油断してました……不幸だ……」

各々が、スーツケースや銃を取り出していく。


御坂「銃は絶対人に向けて撃たないでねー。あと、自分のスーツは必ず着ること。
時間が無いから理由は後で話すけど、とにかくスーツだけは着ておいて。もう一回死にたくなかったらね」


御坂が新メンバーにスーツを着るように、注意を促す。



上条「そういえば……よかった。俺のスーツは無事みたいだな」




上条が、制服のカッターシャツの下に着ているスーツを確認して安堵する。

神裂との戦いで、破壊されたハズだったのだが、どういうわけか元に戻っているようだ。
そういえば、折れたハズの肋骨も内臓の損傷も、いつの間にか治っている。



天井「転送される前の怪我やスーツの破損は、この部屋に転送された時点で全て元通りになる。
その様子だと、さっそくスーツを壊したようだな?
車にはねられても、銃に撃たれても、ミッション以外で壊すことなど殆ど無いハズだが……一体君はどういう日常を送ってるのやら……」



上条「ハ、ハハッ……上条さんの日常に、安息の時などないのですよ……不幸だ……」ガクッ……

キリがいいので、一旦休憩します。

上条さんや偏光能力の観察力と推理力が半端ないことは、気にしないでください。


今度こそ、次回『天井無双』になります。

そんままミッションスタートまで突っ走るので22時くらいまでお待ちください。

乙乙
上条さんは危機的状況とかだと直感がぱない時あるからな
9900号のアダ名楽しみだわ

乙です!
待ってるぜェ

乙、ガンツは少ししか知らないけど楽しんで読ませてもらってます。


ついにきたか田中ww

乙三くん?

ガンツ知らないけど星人はみんなこんなファンシーなのか
ネギやらチョコボールやら田中やら

9900号は天井の顔知らないのか?

お待たせしました。そろそろ再開します。


>>463
まぁ、主人公だからってことで。偏光能力の方は知りません……

>>464
>>465
ありがとうございます!!引き続きどうぞ。

>>466
>>467
悩んだ末、結局田中にしました。……まぁいっかw

>>468
ガンツの宇宙人は基本、地球にあるモノや人に擬態してるので、身近なモノや人が敵になる感じです。
仏像とか恐竜とかダビデとか。

>>469
知らない設定でお願いします。天井さんは、妹達と直接は接してない感じで。

不良C「ハッ!!そんなオタクみてぇなコスプレするわけねぇだろうが!!」


御坂「……別にいいわよ?着たくなければ着なくても。ただし、着なかったら間違い無くアンタ達は死ぬわよ?
何しろ、前回はレベル5である私が殺されかけたくらいなんだからね……」



不良B「れ、レベル5!?まさかテメェ、第3位の……」



御坂が、冷静に不良達を諭す。


不良A「お、おい。どうするよ?レベル5のヤツが殺されかけたって言うんだぜ?」


不良B「ば、馬鹿野郎!!ビビってんじゃねぇよ!!相手はただの中学生のガキだぜ?」


不良C「いや、でもレベル5つったら相当の……さっきから何やってんだ?D」


不良Cは、さっきからXガンをいじりまわしている不良Dに話しかける。

不良D「いや……さっきから見てんだけど、どうやって撃つのかなコレ……トリガー引いても何にも何ねぇし……」カチャカチャッ……



不良DがXガンを構えて、色々と銃をいじっている。



その銃口の先には、天井が。








ギョーーンッ!!!

天井「!?なっ……」



不良D「お、何か光った。でもこれ弾出ねぇじゃん。つまんねぇな」カチャカチャッ……




御坂の注意にも関わらず、突如、不良DがXガンの二つのトリガーを引いたことにより、天井に向かって発射されたのだ。




一度照準が合ったまま、発射されたXガンからは、決して逃れられない。





天井の命は、残り3秒となる。

上条「バッ……」


御坂「そ、そんな……」


浜面「馬鹿野郎っ!!この銃を人に向けんなって言っただろうが!!何てことしてんだテメェは!!!」ガシッ!!



あまりにも突然の事に、驚愕する上条と御坂に対し、浜面が真っ先に不良Dに掴みかかる。



不良D「あぁ!?んだテメェは!!何か文句でもあんのかコラァッ!!!」


浜面「うるせぇっ!!テメェは今とんでもない事をやっちまったんだぞ!?人1人殺しちまったんだぞ!?」

前回のミッションにより、自分を庇い、更には御坂を庇い、ネギ星人と共に命を落としたヤクザの影響で、浜面自身、命に対する考え方が大きく変化したようだ。


例え、冷酷な天井に対してでも、命をないがしろにするべきではないと考えたのだろう。



不良C「何寝言言ってんだテメェは!!弾も出てねえし、何にも起きてねぇだろうが!!!」バキィッ!!!


不良Cが横から浜面を殴り、浜面はその場に倒れこむ。


浜面「ぐっ!!痛っ……あの銃にはなぁ!!時間差があって」









天井「それぐらいにしておけ、浜面君」スッ……

御坂「へ!?あれ!?だってもう3秒以上……」


浜面「天井……あ、アンタ何でまだ生きて……」


浜面を制止したのは、Xガンで撃たれたハズの天井であった。


Xガンに撃たれた標的は、その箇所が爆散する。



それに例外は無い。




不良C「ほら、何ともねぇじゃねぇか。何ビビってんだよテメェ。ダセェ男だなぁオイ」


不良D「オラ、立てやコラァッ!!俺に掴みかかったからには覚悟出来てんだろなぁオイッ!!」バキィッ!!



不良Dが倒れている浜面に蹴りを打ち込む。







ギョーンッ!!!


上条「!?」


御坂「え!?」


浜面「な……」







その瞬間、再びXガンの発射される音が鳴り響いた。

3




不良D「あ?……おいコラ、テメェオッサン!!何俺に銃向けてんだコラァッ!!!」


天井「何をビビっているんだ?弾は出ないし、人に向けても問題ないんだろ?この銃は」スッ……


天井が銃を下ろす。




2



不良C「おいオッサン!!調子乗ってんじゃねぇぞ!!!」


不良B「オッサン舐めてんだろ俺らを?わからせてやっからちょっとこっちこいやコラ」グイッ


不良B・Cが、天井に掴みかかっていく。




1



天井「あぁ……そこの御婦人……」

天井が、孫を守るように抱き寄せるお婆さんに対して、冷静に話しかける。





天井「その子を連れて、廊下に出るといい。今から起こる事は、小さな子供が見るモノじゃあない……」

0



上条「!?婆さん!!早く部屋の外に!!」


何かに気づいた上条が天井達への視界を防ぐように、子供の前に立つ。





不良D「テメェッ!!何シカトしでンデボボボボ」









グシャッ!!!



ビチャビチャッ!!!!!



ドサァッ!!!

不良C「…………へ?」





突如、不良Dが内側から破裂するように爆散し、その肉片や血が、部屋中に飛び散った。



御坂「い……イヤァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!」

浜面「う……ウプッ……」


部屋中に、御坂の悲鳴が響き渡り、浜面はあまりの惨劇に、吐き気を催している。









不良B「ひ……ひ……」ガタガタッ……


天井「……どうした?ビビっているのか?この程度で……」スッ……



叫びが声にならない不良Bの背後に、天井がいつの間にか忍びよる。

不良B「う、ウワァァァァアアアアッ!!!」ブンッ!!!



ガシッ!!



不良Bが、背後の天井へと、錯乱気味に腕を振り回すが、その腕を天井に取られる。




メキメキィッ!!!

不良B「ガァァァァァァアアアアッ!!!折れる!!折れるって!!!」



そのまま、不良Bの腕が折れるか折れないかの微妙な力加減で握り続ける。

下手に折るよりも、よほど苦痛が続くようである。

不良C「し、死ねぇぇぇぇぇぇえええっ!!!!」チャキッ!!


天井「!?」バッ!!!



不良Cが天井にXガンを構えるが、その瞬間、天井は不良Bを盾にする。



不良C「ウォォォォォォォォオオオオッ!!!」



ギョーンッ!!!

ギョーンッ!!!

ギョーンッ!!!




天井「…………」チャキッ!!

ギョーンッ!!!

3



不良B「ヒッ……おい……もしかして俺今撃たれたのか?」ガタガタッ……



天井「ん?あぁ、撃たれたよ。何発も。盾代りご苦労」



2



不良B「て、テメェ!!C!!何で撃ちやがった!!」


不良C「う、うるせぇ!!邪魔なんだよテメェ!!」



1



不良B「や、嫌だ!!嫌だっ!!!死にたくねぇ!!どうすりゃいいんだオッサン!!」


天井「どうするも何も……死ぬのさ、君はね」ニッコリ


天井が、笑みを浮かべて答える。






0



不良B「ウワァァァァアアアアッ!!!助けてくれ!!誰か助げべババババ」


グシャッ!!!!









グシャッ!!!!

不良C「ギャァァァァァアアアアアッ!!!!う、腕が!!俺の腕がぁぁぁあああ!!!」ブシュゥゥゥウウッ!!!



不良Bが爆散すると共に、不良Cの銃を持った右腕が弾け飛ぶ。


どうやらさっきの攻防で、天井に撃たれていたようだ。



天井「ククッ……私に銃を向けて、無事に済むと思ったのか?君らこそ、私を舐めていたのではないのかな?」



天井が倒れこんだ不良Cに、ゆっくりと近づいていく。

不良C「ァ……ア……た、助けて……助けてください……」



天井「君を助けることで、私にどんな益があるんだい?ん?」チャキッ!!

ギョーンッ!!!


天井がにこやかに、不良Cの頭へ至近距離から撃ち込んだ。




3

2

1


不良C「助けてくれぇ……助けてくれぇぇぇぇええ!!!!」


0






グシャッ!!!

御坂「…………」ガタガタッ……


ギュッ……

9900号「…………」



浜面「ウ……オェ……」


浜面は心底気持ち悪そうに。

御坂は、妹と名乗る9900号を抱きしめるように、天井の起こした惨状から目を背けていた。




偏光能力「ここまでやるかよ……」



不良A「ひっ……ヒィ……」ガタガタッ……



天井「……おや……まだ生き残りがいたのか。1人では心細いだろ?」チャキッ!!



天井が怯える不良Aへと、Xガンを向ける。

上条「待てよ。もう十分だろ……」


上条が、不良Aの前に立ち塞がる。



天井「十分などではないよ。君ならわかるだろう?Xガンで撃たれたのにも関わらず、まだ私が生きている理由が。

コイツらは、私の生存率を著しく削ったんだ。生かしておく理由がないよ」




天井が未だに無事な理由。


それは、天井が既に、あらゆる攻撃を防ぐ、スーツを着ていたからである。

そして、上条は知っている。


このスーツの耐久力には、限りがあると言うことを。

すなわち、天井のスーツの耐久力は、不良Dの撃ったXガンによって、大きく削られているのだ。


これから、星人との戦いがあるという中では、かなりの痛手である。



上条「だからと言って、これ以上殺す理由もないだろ?この場は退けよ天井。やるなら後は、俺が相手になる」



天井「……やれやれ、君は正義感が強すぎるな。そんなんじゃ、いつか足元を救われるぞ?」チャキッ……


天井が上条の頭に照準を向ける。



上条「アンタに心配されるほどじゃないさ」


上条は、天井をじっと睨みつけている。

天井「……フッ……ガンツ。私を一番始めに転送してくれ。それと、転送先に『アレ』を置いててくれ。
あ、ついでにミッションが終わるまでに、この部屋の掃除よろしく」スッ……



ジジジジジジジジッ…………



天井が銃を下ろすと、直後、天井の身体が転送されていく。
どうやら、ミッションスタートのようだ。



天井「今回は……私も少しだけ本気でいくよ。まだ死ぬわけにはいかないからね……」ジジジジッ……

偏光能力「あの野郎が消えた……てうおっ!?俺の身体もかよ!!どうなってんだ!!」ジジジジジジジジッ……



上条「御坂!!浜面!!しっかりしろ!!天井が非協力的なんだ。俺たちが引っ張らなきゃ皆死んじまうぞ!?」



御坂「!?……そう……よね……皆!!自分のスーツケースは持った!?時間がないから、着替えるのは向こうで着替えるわよ!!
それと、アンタと浜面さんは、銃を持ってきて!!前回天井さんに教えてもらったヤツ全部よ!!出来るだけ多くね!!」ジジジジジジジジッ…………

上条「わかった!!」


浜面「了解!!片っ端から持っていってやるよ!!」


御坂が転送されながらも、浜面と上条へと指示を出す。


スーツと武器。


この異常な部屋で生き残るには、この二つが不可欠だ。




浜面「上条!!お前スーツケースは!?」ジジジジジジジジッ……


上条「俺はもう着込んでる!!俺は心配しなくていいから、自分の心配をしろ!!向こうに着いていきなり殺られるかもしれないんだからな!!」ジジジジジジジジッ……





そして、間も無く全員が、この黒い球体の部屋から転送された。








『2ndミッションスタート』













●<『いってくだちぃ』










『01:00:00』ピッ






投下終了です。


とりあえず、西君ポジとしての、天井君無双でした。


ちなみに生き残ってる不良Aは、ガンツ原作でただ一人スーツを着ていたヤツです。



明日から3日ほど、もしかしたら一週間くらい来れないかもです。


でも、続きはある程度書けてるので、ご安心を。


それではおやすみなさい。

乙だぜェ


西君ポジの立ち回りは本編より好きかも


続きを待とう


その説明だと>>1はアニメ版ガンツ見ていないみたいだね
アニメ版のチンピラAは原作より綺麗。監督の意向とか何とか

おおぉ
きてたか

いいねいいね
続きが楽しみだ

乙でした

乙でした。
学園都市ということもあって対応力がかなり高いので面白いね!


>>1はアニメ版見ていないみたいだけど見るとしたら仏像編までをお勧めする
アニメはスーツは「勇気を出す」をしないとただのスーツだったりとか鈴木星人になってたりする
でもその分西君が自殺するシーン追加やチンピラAが綺麗だったり犬の死亡シーンが書かれたりする

http://beebee2see.appspot.com/i/azuYoMugCAw.jpg

おはようございます、1です。

ただいま兄貴の結婚式の為に淡路島にいます。



中々派手な目覚ましでした。地震による関西の皆さんの無事を願います。



それでは、早起きしてヒマなので、少しだけゆっくり投下します。

乙です

びわ湖はそれほど揺れませんでした

レス返すの忘れてた。


>>494
>>496
>>498
>>500


ありがとうございます!!今後もよろしく!!

>>495
原作はアッサリしてますからね。それが西君の良さでもあるんでしょうが。


>>497
>>502
同じ人かな?アニメ全般基本興味無いんですよねー。なら何で禁書知ってんだって感じですがw

>>501
ミッション舞台も学園都市なら、都市部、住宅地、宗教系、動物園博物館美術館、その他諸々ありますからね。
世界観が結構合うんですよこれが。


>>503
朝から笑かしてもらいましたありがとうございますwww

>>505
滋賀は大丈夫そうですね。友達もそっちは大したこと無いって言ってました。
淡路も色々モノが落ちただけで、周りも酷い被害は無いっぽいです。

学園都市 第19地区




第19地区。
それは、学園都市において、再開発に失敗し、昭和から平成初期の匂いが漂う、木造建築のアパートや建物など、古い時代の街並みが残されている地区である。


真空管などの研究所が立ち並ぶが、現在もそういうレトロな生活を好む人達が多く住んでおり、古き良き街として残されている。

ジジジジジジジジッ……



御坂「あ、来た来た。こっちは女性陣や子どもの着替えも終わったし、準備万端よ?今浜面さんと偏光能力さんがスーツに着替えてるとこ」


黒いスーツに着替えた御坂や9900号が、最後に転送された上条を出迎える。



上条「そうか。……今のところ、星人は見当たらないのか?」


御坂「うん。この辺りには居ないみたいね。今から前回みたいにこのレーダーで探すつもりだけど」


上条「わかった。じゃあ星人を探すのは頼むな。俺はちょっとその辺を見てくる」スッ……


上条は、浜面と共に持って来た銃の山の中から、捕獲用のYガンを手に取り、御坂達から少し離れていった。

上条「何か学園都市では見ない街並みだな……何ていうか……昭和って感じが漂う……嫌いじゃないけどなーこういうのも」


上条が歩きながら周りを見渡すと、木造のアパートなどが多く見られる。

コンクリートの建物も多いが、今時珍しく木造アパートが嫌でも目についてしまう。


上条「確か19学区がこういう古い街並みって聞いたことあるな。こういうところだったんだなー」キョロキョロッ……


上条が再び周りを見渡すと、少し離れたところに人影が見えた。

上条「!?……星人か?いや、こっからでは普通に人に見えるけど……」


少し離れているせいか、人影はまだこちらには気づいていないようだ。


上条「どうする……撃つか?でももし人だったら……」パキィッ!!



突如、上条の足元から、乾いた高い音が鳴り響く。
どうやら落ちていた木の枝を踏んでしまったようだ。



上条の前を歩く人影が止まった。

…………


9900号「これはナビですか?学園都市の軍用ナビと比べても、凄い高性能ですね。
と、ミサカは未知の機械に興味深々です」


御坂「……近くに星人が1体いるわ……方角は……!?ね、ねぇ、アイツさっき、どっちに歩いていったっけ?」

御坂が恐る恐る9900号に問う。


9900号「彼ですか?彼ならあちら側に……東の方へと向かいましたね。どこまで行ったのでしょう?
と、ミサカは団体行動が出来ないあのウニに対して溜息を漏らします」ハァッ……


御坂「!?東……だとしたらこの星人の近くにいる反応は……」


御坂がレーダーをじっと見つめる。

そこには、星人を示す青い点のすぐ近くに、メンバーを示す赤い点が表示されていた。

…………





上条「(……暗くてよく見えねぇ……どっちだ?人間か?星人か?)」



上条は、右手に握りしめたYガンを背後に隠し、じっと前方の人影を見つめていた。


前方の人影がゆっくりこちらに近づいてくる。


同時に、上条の心拍数が、一気に跳ね上がっていく。




ドクンッ!!ドクンッ!!!

上条「(落ち着け……落ち着け……大丈夫だ。俺はあのステイルとかいう魔術師にも勝ったし、神裂ともやり合えた。
このスーツさえ着ていれば、落ち着けば勝てるハズだ。ネギ星人にも勝てたし……)」



思考する上条の頭に、一つの言葉がよぎる。

天井『今回のミッションは比較的楽……というより簡単過ぎるミッションだ。
酷い時には、戦いなれたメンバー十数人が、8割方殺られたこともあったからな。アレは酷かった』










ドクンッ……ドクンッ!!!


上条「(大丈夫……大丈夫だ……俺なら出来る……俺なら倒せる……)ウッ!?」ビクゥッ!!!








田中星人『…………』ジーッ……











不安と戦う上条のすぐ目の前に、いつの間にか、街灯に姿をハッキリ照らされている人物……いや、『星人』の姿があった。

少ないですが、投下終了です。

原作こんな感じだっけな?ある程度はなぞっていきたいけど自信がないです。


それでは、地震の不安は残ってますが、ビシッとスーツ着て、兄貴の結婚式行ってきます。

モンパチ熱唱してきます。


乙!
がんばってこいよ


原作田中はやばかったな
転移直後、スーツなしで正面に星人だし
あと小さい鳥みたいのが周りにいたね

田中(鈴木)星人は序盤でやばかった分類だろうな

この一方さんはガンツに関わったとしても初期の一方さんを崩れないことを祈る
天井君はガンツに転送されているし原作でも一般人を殺した(十三巻前は)ことがない描写ぽいのにここでは介旅を殺しているし……

>>517
あれは完全に自滅だろ

ミサカ00001号と同じで


神戸だけど震災を思い出したよ。
無事だけどね。
しかし引き込まれるね
続きが楽しみだ

乙 GANTZ知らないからこの後上条さんがどうなるか興味津々です
淡路にいる間は余震に気をつけてください

面白かった

原作の西くんポジってことは・・・まさかここで天井君脱落なのか?

そういえば原作にいた犬がいない……
>>1は犬が嫌いなのか?犬やパンダみたいに原作のマスコットポジは出ない予定?

こんばんわ、1です。

無事に、熱唱し、美味いモンも食べて、結婚式も終わり、関西から帰還しました。


>>515
ありがとうございます!!色々と頑張りました!!
>>516
そういやキョロちゃんいましたね。……まいっかw

>>517
あれは>>518の言うとおり、自滅ですので。

>>519
互いに無事でよかったです!!
>>520
>>522
ありがとうございます!!

>>523
どうなることやら……

>>529
1はむしろ動物大好きなので、動物のエグいシーンはなるべくやりたくないのです。


ではゆたりと投下します。

…………



偏光能力「たくっ……何でこんな格好しなきゃなんねーんだよ俺が……」


浜面「まぁそういうな。コレさえ着とけば、かなり違うみたいだからな。それは前回、嫌ってほど思い知ったんだ」



愚痴をこぼす偏光能力を、浜面がなだめる。
自業自得とはいえ、すでに3人死んでいる。

浜面「これ以上、人が死ぬのは見たくねぇしな……ま、我慢してくれよ。
おーい、そっちの婆さんと嬢ちゃんはもう着替えたかー?」

浜面が転送地点に戻り、持ってきた銃を装備すると、新しいメンバーのお婆さんと、帽子を被った綺麗な金髪の小さな女の子に声をかける。





お婆さん「あ、あの……何が何だかわからないんですが……大丈夫なんでしょうか?特にこの子は……」



浜面「ん?あ、あぁ……悪い、正直俺もまだ何とも言えないんだ。
……だけど、出来る限り、婆さんとその子を守ってみるよ。特に、その子は必ずだ。
婆さんの孫なんだろ?金髪で外人っぽいけど……ハーフか何かか?」


浜面は、女の子を見ながらお婆さんに問いかける。
女の子は、お婆さんの後ろで隠れているようだ。

お婆さん「いえ……私はこの学園都市の『置き去り』の子や、訳あって預けられた子供達を預かる園の、園長をしてるのです。
それで、この子のお姉さんに、今日から園にしばらくと預けられたのですが……こんなことになって……」



どうやら、この女の子には姉がおり、やむ終えない事情によって、姉から預けられたそうだ。


浜面「そうか……よーし、嬢ちゃん!!お兄ちゃんがな!!悪いヤツらを皆やっつけてやるからな!!
嬢ちゃんは、お婆ちゃんや、あのお姉ちゃん達と一緒にいるんだぞ?皆が守ってくれるからな」

女の子「!?……うん……大体わかった……にゃあ……」ニコッ……


浜面「ん。やっと少しだけ笑ったな。やっぱ女の子は笑ってなくちゃな!!」ポンポンッ


女の子は、お婆さんの後ろから答え、浜面は女の子の頭へと、ポンポンと手を乗せる。
どうやら、少しは浜面に打ち解けてくれたようだ。











その直後、御坂達が血相変えて、こちらに走ってくる。


御坂「浜面さん!!アイツが……当麻が星人のすぐ近くに……」

…………




その姿は、シルエットこそ人間だが、明らかに人間ではない。

一言で言えば、某ファストフードに置いてあるカー○ルさんやドナル○のように、表面の滑らかな、人形みたいなロボットである。

ちなみに、その表情は、わりと爽やかな印象の笑顔である。



距離にして、3mも離れていない。本当にすぐ目の前である。



田中星人『…………』ジーッ……


上条「な……が……あ……」ガタガタッ……


上条は不意の事で酷く驚き、内心はかなり取り乱している。
あまりに突然過ぎる星人との近距離での遭遇に、脳が処理に追いついていないのだ。

上条「(ど、どうする?このまま銃で撃つか?だけど俺はまだこの銃を撃ったことがない。ちゃんと当たるのか?)」



脳の処理が追いつき、少しづつ頭で考えられるようになってきたが、この銃を使ったことがないという不安が上条を襲う。



このYガンが、捕獲用の銃ということは天井から聞いている。使い方も。


それでも使ったことのないモノに、命を預けるというのは、とてつも無く不安なのだ。


そんな考えを巡らす中、突如、人形のようなロボットのような外見で、わりと爽やかな印象の笑顔で、田中星人の口が開いた。













田中星人『雄三くん?』






上条「……へ?」








上条の頭は、再び混乱し始める。

上条「(だ……誰だ?雄三くんって?……俺に聞いてきたんだよな?
もしかしてまだ俺の事を、自分を倒しにきた人間だって気づいてないのか?だとしたらここは、何て返せばいいんだ?)」




ネギ星人の時もそうだったが、星人はどうやら言葉を発することは出来るようだ。


日本語を発音することも出来る。



しかし、基本的に言ってる意味が、全くわからないのだ。



上条は、意を決して田中星人の問いに答える。

上条「い、いえ……違います……」


上条の出した答えは、正直に人違いと答えることであった。




田中星人『…………』ジー……


上条「(……ジッと見られてる……今の答えでよかったのか?)」ドキドキドキドキ……



田中星人『…………』クルッ

スタッ、スタッ、スタッ、スタッ



田中星人は、特に何のリアクションもせず、そのまま振り返ってゆっくり歩いていく。

上条「よ、よかったのか?今ので……それにしても、背後ガラ空きだな……今の内に撃ってみるか?」チャキッ……


上条が、前方を歩いていく田中星人へと、Yガンを構える。


上条「えっと……このモニターで照準を合わして……な、何だ?コイツ……」


Yガンについているモニターで、田中星人を覗くと、そこには、ロボットのような田中星人の『中身』が映っていた。


その『中身』は、確実に人間の構造ではない。では何かと問われれば、鳥類を少し連想させるモノだ。

上条「コイツ……ロボットじゃねぇのか?アレはスーツみたいなモンで、本体はあの中か?」グググッ……


上条の指が、Yガンのトリガーにかかる。






ピタッ……








田中星人「」クルッ!!


上条「ゲッ!?」ビクッ!!


その瞬間、田中星人が、上条の方へと不意に振り返る。
驚いた上条は、とっさに銃を隠した。

田中星人「…………」ウィィッ、ウィィンッ……


上条「も、もしかして……怒ってらっしゃるのでせうか?あの顔は……」



田中星人の今まで爽やかな印象の笑顔が、機械音と共に少し怒ったような表情に変わっていく。

顔文字で表すと、大体(^∇^)→(`ω´ )な感じである。



田中星人「」ガシャッ、ガシャッ!ガシャッ!!ガシャッ!!!


田中星人が、徐々にスピードを上げながら、こっちへと近づいてくる。

上条「こ、ここは……一旦逃げた方がいいかもな!!」ダッ!!


上条が、御坂達のいる地点へと戻ろうと、振り返って走り出す。


田中星人「」ガシャッ!!ガシャッ!!!ガシャッ!!!!ガシャッ!!!!!



それに追いつくように、田中星人のスピードが更に上がる。距離はすぐさま縮まり、差は2mほどとなった。


田中星人が速いのもあるが、それ以上に上条の足が不自然に遅い。
しかし、その理由はすぐにわかった。

上条「」ニィッ……


ザザァッ!!!


田中星人「!?」キキキィィィイイッ!!!


突如、逃げる上条が急ブレーキをかける。そしてその勢いのまま、後ろを振り向きつつ、拳に力を溜める。



田中星人もそれに合わせて急ブレーキをかけるが、速度が速い為、田中はすぐには止まれない。



上条「わざわざアイツ等を、危険な目に合わせるわけねぇだろ……お前はここで!!俺がぶっ飛ばしてやるっ!!」ブンッ!!


渾身の力を込めた上条の右ストレートが、田中星人へと真っ直ぐ突き出される。

田中星人「」サッ!!


上条「!?なっ……」


しかし、その右ストレートは虚しく宙を切る。

避けられてしまったのだ。いともたやすく。

そして、田中星人が姿を消し、上条が辺りを見回す。


上条「……そんなのアリかよ……飛ぶなんて」


上条が頭上を見上げると、地面から3mほどの高さで浮いている田中星人が見えた。


どういう原理か全くわからないが、田中星人は宙を自由に移動することが出来るようだ。

上条「飛ばれたら、流石に拳じゃかなわねぇな……やっぱりコレを使うしかねぇか!!」チャキッ!!



バシュッ!!



上条がYガンを構えて、宙に浮かぶ田中星人を狙い撃つ。



Yガンから放たれた3つのロケットのような弾丸は、互いをレーザーのようなモノで結び合い、それを用いて、網のように標的を絡め取ろうと突き進む。

田中星人「」サッ!!


上条「くっ!!やっぱ銃なんて使ったことねぇから、全然当たんねぇ!!」バシュッ!!バシュッ!!バシュッ!!!


田中星人に向かってYガンを撃ち続けるも、ことごとく田中星人はそれを避けていく。

どうやら、回避に関しては、かなりの高レベルの星人のようだ。




シュンッ!!

ガシィッ!!!


上条「グッ!!いつの間に後ろに……クソッ!!離せよこの野郎っ!!!」グググッ!!

上条の背後へと、素早く移動した田中星人は、上条へと後ろから抱きつき、上条の動きを止める。


その抱きつきの締め付け力はかなりのモノで、上条の力では振りほどけない。



上条「クソッ!!クソッ!!!何でスーツの力が出せないんだ!?
ネギ星人の時も、神裂の時も、上手く力を引き出せたじゃねーか!!」グッ!!グッ!!!


何故か、スーツの強大な力を出せない上条が焦る。


実は、スーツの力を引き出すには、精神力。すなわち、強い想いが必要となるの
だが、上条はそれを知らない。

元々、強い心を持った彼は、ネギ星人の時も、神裂の時も、強敵に挑む覚悟と、守る為の強い覚悟を持って、戦いに挑んだ。

その為、無意識にスーツが反応したのだ。



今の彼には、スーツの力が出せないという、『焦り』の感情という感情に支配され、スーツの力を引き出すには少々想いの力が足りないのだ。




田中星人「」コォォォォォォ…………



上条「!?な、何だ?何をするつもりだお前!!」グッ!!グッ!!



突如、背後で大きく口を開いた田中星人から、奇妙な音と光が発生される。

まるで、何かエネルギーを溜め込んでいるような。

田中星人「ギョェェェェェェェェエエエエエエエエッ!!!!!」カッ!!!


何らかのエネルギーが溜められた口内から、耳をつんざくような叫び声が発せられる。


ピキピキッ……

パリィンッ!!
パリィンッ!!!
パリィンッ!!!!


周囲の電灯や、建物の窓ガラスが次々に割れていく。

どうやら、田中星人の発した超音波のようなモノが、周囲に破壊をもたらしているようだ。








ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッ!!!!!



上条「グッ!?ガァァァァアアッ!!!」



ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッ!!!!!




バッシャァァァアアアッ!!!!!



超音波の標的となった上条は、凄まじい破壊のエネルギーをモロに受け、そのまま側を流れている川の中へと吹き飛ばされた。



田中星人「ギョェェェェェエエエエエッ!!!」バッ!!



バッシャァァァアアアッ!!!!!




そして、後を追うように、田中星人も川の中へと飛びこんでいった。

投下終了です。


多分この田中星人編でスレ使い切ります。長いです。マジで。



それではおやすみなさい。

こんばんわ、1です。


短いですが、投下しておきます。

ダッ、ダッ、ダッ、ダッ


御坂「皆早く!!急がないとアイツが!!当麻が危ない!!」


浜面「わかってるよ!!ったく、開始早々、相手がどんな星人かもわかんねぇのに、1人で何やってんだあのバカは!!」


御坂に先導され、開始早々、何処かへと消えた天井と不良Aを除いたメンバーが、星人と対峙しているであろう上条の元へと急ぐ。


偏光能力「オイてめぇら!!急ぐのはいいが、バアさんとガキがついてこれてねぇぞ!!」


偏光能力が、お婆さんと女の子の姿が見えないことに気づく。

浜面「あぁ!?ックソ、御坂!!お前等はこのまま上条の所に向かえ!!
俺はあの婆さんと女の子を探しに行く!!アッチも下手すりゃ死んじまうからな!!」ザザァッ!!


ダッ!!!


浜面は、身を翻し、元来た道を引き返していく。



御坂「ちょ、ちょっと浜面さん!!探すって貴方、貴方はレーダーの使い方まだ知らないんじゃ……あー、もう!!仕方ない!!私達はこのままアイツの元へ向かうわよ!!」


9900号「お婆さん達はよろしいのですか?と、ミサカはお姉様の判断に対し、確認をとります」

御坂「今の時点で緊急性が高いのは、アイツの方よ!!さっさと助けて、すぐにお婆さん達を迎えに行く!!これが最善策よ!!
……万が一の時、向こうは、浜面さんを信じるしかないわ」ギリッ!!



歯を噛み締めながら、御坂は上条の元へと走る。



9900号「……わかりました。と、ミサカは内心気が気じゃないお姉様を心配しながら着いて行きます」



偏光能力「全然心配してるようには見えないけどな。マジで何なんだ?お前は」

…………



ゴポゴポゴポゴポゴポゴポッ……


上条「…………ッ!?」ゴポォッ!!



田中星人の放った超音波によって、近くを流れる川に落とされた上条は、水中で意識を取り戻し、立ち上がる。


どうやら、足が着く深さのようだ。



ザパァッ!!!



上条「ップハァッ!!!クソ、何だったんだ今のは!?
アイツが急に叫びだしたと思ったら、凄ぇ衝撃みたいのが……そうだ!!アイツは何処に行った!?」キョロキョロッ!!



上条が、川の中から辺りを見回す。




田中星人の姿が見えない。

上条「逃げたのか?……いや、状況はアイツに有利だったんだ。しかも、アイツは自分から攻めてくるくらいには好戦的だ。
今の状況で逃げるなんてことは……」ゾクッ!!



上条は考えてしまった。



もし、田中星人もこの川の中にいるとしたら。



身動きの取りづらい水中では、格好の餌食である。




上条「やべぇ!!さっさとこの川から出ねぇと……」ザパァッ!!ザパァッ!!!



上条が急いで川から出ようと、派手に水音を鳴らしながら動き出す。







『狩る側』としては、丸見えである。

田中星人「」ザパァッ!!!

コォォォォォォッ!!!



上条「!?」



突如、上条の背後の水中から、田中星人が現れる。

上条がその姿を確認した時には、先程と同じように、口内にエネルギーを溜め込んでいた。



上条「クッ!!」バッ!!


上条が咄嗟に右手を拡げて、前に出す。





田中星人「ギョェェェェェェェェエエエエエエエエッ!!!!」カッ!!


次の瞬間には、田中星人の強烈な叫び声が発せられた。

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッ!!!!



上条「グッ!!何でだ……右手で防ぎきれねぇ……ガァァァァアアッ!!!」



ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッ!!!!




ドパァァァァァァアアアアンッ!!!!!




再びモロに田中星人の超音波を喰らった上条は、大きな水柱と共に、水中に沈んだ。



どんな能力も、どんな魔術も。
終いには、神の加護すら消し飛ばしてしまう、上条だけが持つ右手『幻想殺し』。



上条は、田中星人の超音波を、能力や魔術に似たモノと認識し、咄嗟に右手で防ごうとするが、彼の右手は機能しなかった。

それもそのハズだ。



田中星人の出す強烈な超音波は、学園都市の開発している能力でも、魔術師が使う魔術でもない。



田中星人が着ている人型スーツによって、単なる叫び声の威力を増幅させた、田中星人自身の力なのだ。




上条が打ち消せる力の類いでは無い。



故に、これまでに、様々な危機を脱してきた『幻想殺し』の力は、田中星人には通用しないのだ。

ゴポゴポゴポゴポッ……



上条「(幻想殺しは通用しねぇ……だったらどうする……御坂みてぇに能力の無い俺に、いったい何が出来る……)」ゴポォ……






再び水中で、上条が考える。

どうすれば、田中星人を倒すことが出来るのか。




グググッ……



上条が、右手を強く握り締め、決意を固める。



ビキビキビキッ!!!



決意に呼応するように、上条のスーツが静かに機能し始める。





決まってる。


今の自分には……もう、これしか無いのだ。

田中星人「」コォォォォォォッ!!!


水中に沈む上条の目の前には、再度エネルギーを溜め込む田中星人の姿が。



上条「(今の俺にはこれしかねぇだろうが!!)」ゴポォッ!!!











田中星人「さーわーやーかーなっ!!!」カッ!!


上条「オゥルァァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!」ブンッ!!!






田中星人の叫びと共に、上条が、渾身の力を込めた右アッパーを繰り出した。

…………



御坂「着いた!!レーダーでは、この辺りにアイツと星人が居るハズよ!!
反応が二つあるから、まだどっちも生きてるハズ」キョロキョロッ!!


御坂達が川を跨ぐ小さな橋の上に着くと、御坂は辺りを見渡す。


レーダーを見る限り、すぐ側にいるハズなのだ。


しかし、上条も田中星人らしきモノも見つからない。



偏光能力「オイオイ、本当にココで合ってんのか?誰もいねぇじゃねぇか」


御坂「そんなハズない!!確かにレーダーではここに……」



御坂が涙目になりながら、言葉を返そうとした瞬間









上条「ァァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!」ザパァァァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!!


田中星人「ギョェェェェェェェェエエエエエエエエッ!!!!」グシャァァアアッ!!!



雄叫びを上げながら、水中から拳を振り上げる上条と、ロボット部分の顔面を、完全に破壊された田中星人が、御坂達の目の前に現れた。

短いですが、投下終了です。



しっかり少年マンガしてますかねぇ?上条さん。

まぁ、心配してもしょうがないので、自分のやり方で進めていきましょうかね。



次回!!『まだまだ天井無双!!』

それではおやすみなさい!!

乙です

乙des

拳で決めおった…!さすが上条さんや
おつおつ

乙  上条さんの口の中に効果線が見えたわ

婆さん達の方があぶねえ


いいね熱い

こんばんわ、1です!!今日もゆたりと投下していきます!!


>>577
>>578
>>582
>>583
ありがとうございます!!!引き続きお楽しみください!!

>>579
まぁ、上条さんと言えば拳ですから……

>>580
少年マンガみたいな感じで書いていきたいですねぇ。

>>581
あちら側は、もう少し先になりそうです。

御坂「!?あ……当麻!!当麻ぁぁあっ!!!よかった……無事だった……」ヘタリ……


橋の上から、川の中にいる上条を見つけ、安堵と共に、御坂の膝が崩れ落ちる。



偏光能力「ハッ!!散々人を急かしといて。結局無事なんじゃねぇか。
それにしても、一瞬見えた人形みたいなヤツ……ありゃ一体何なんだ?あれが星人なのか?」



9900号「お姉様。彼の安全がわかれば、次はあのお婆さんの所へ。っと、ミサカはあちら側の安否を心配します」

御坂「へ?……あ、あぁ、そうね。ゴメン」ゴソゴソ




御坂が、お婆さん達の位置を確かめようと、レーダーを取り出し、操作する。




ピッ!ピッ!!




御坂「……えっ!?」

上条「ハァッ……ハァッ……あっぶねぇ……今のはマジでギリギリじゃねぇか……」ゼェッ、ゼェッ



息を切らしながら、上条が前方で水中に沈んだ田中星人の方を見る。



一か八かの賭けであった。



田中星人の超音波が発せられる寸前に、発射口である口に向かって、渾身の一撃を叩き込んだのだ。


ようやく機能し始めたスーツで、強化された腕力により、その破壊力は凄まじいモノになっただろう。



田中星人は、いまだに水の中から出てこない。



上条「……終わったのか?今の一撃で?」


上条は少しホッとした様子を見せる。




御坂「当麻ぁぁあっ!!!気をつけて!!まだ終わってないわよ!!」

それにしても美琴ちゃんは本当に単純だな……
まだ妹編にも突入していないのに名前で呼んでいるし……

>>588
つ、吊り橋効果(震え声)

上条「っ!?み、御坂?何でここに!!それに終わってないって、まだ生きてるのか?アイツは……」





ザバァァァァァアアアアアッ!!!!



田中星人「ギョェェェェェェェェエエエエエエエエッ!!!!」コォォォォォォッ!!!!!


御坂の声が上条に届いた瞬間、顔面が崩壊した田中星人が、水中から勢いよく飛び出てくる。


しかも既に、超音波のエネルギーを、放出寸前までに溜め込んでいるようだ。






攻撃まで残り数秒も無い。

御坂「当麻ぁぁあっ!!!今すぐ思いっきり、そこから飛び上がって!!」バチバチバチッ!!!



バチバチッと、自らの能力で、身体から電気を発電させながら、御坂が上条に叫ぶ。



上条「っ!?わかった!!」グググッ!!


ザバァァァァァアアアアアッ!!!


ガシッ!!


スーツの力により、水中からでも5m程の高さまで飛び上がった上条は、そのまま御坂達の居る小さな橋の淵にしがみつく。




田中星人「ギョェェェェェェェェエエエエエエエエッ!!!!」コォォォォォォッ!!!




田中星人も、上条の後を追うように飛び上がろうとした瞬間

御坂「アンタはお呼びじゃないってのよぉぉぉぉぉおおおおっ!!!!!」バチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!



田中星人「ギョェェァァァァァアアア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!!!!」バチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!



御坂によって、川に向かって放たれた強烈な電撃が、川の中にいた田中星人を襲った。

田中星人「ア"……ア……ァ…………」シュゥゥゥゥゥウウッ…………



バシャァァアッ!!!



御坂「ハァッ……ハァッ……咄嗟だったけど……何とかなったのかしら?」ゼェッ……ゼェッ……


御坂のほぼ最大出力の電撃を受け、断末魔と共に黒焦げになった田中星人は、そのまま川の中へと沈んでいった。



御坂「ハァッ……ハァッ……私……また殺しちゃったのかしら……人間じゃないとはいえ……星人とはいえ、生き物を……」ゼェッ……ゼェッ……

上条の危機に、全く手加減無しで撃った電撃により、再び命を奪ったかもしれないという罪の意識に、再び御坂が囚われる。


上条「御坂……そこまで深く考えないでくれよ。お前のお陰で俺は助かったんだ。どうしよもなかったんだよ、今回は」



気を落とす御坂に、上条が声を掛ける。



偏光能力「……!?お、オイ!!まだ動いてるぞ!?あの人形みてぇなの!!」



不意に偏光能力が川を見下ろしながら、叫ぶ。

シュゥゥゥゥゥウウッ……


田中星人「……ギ……ギッ……」グググッ……



御坂「!?そ、そんな……全く加減なんて出来なかったのに……」


上条「……ネギ星人で最低レベルの星人か……天井の言うとおり、俺たちは前回、余程楽な戦いだったんだな……」



黒焦げになりながらも。

田中星人の、人を形どったスーツのようなモノの表面がドロドロに溶け、ちょっとしたホラー映画のような姿になっても。

なお、田中星人は立ち上がってきた。

上条「クッ……!?そうだ!!今なら俺でも、この銃で……」チャキッ!!


上条が、膝のホルスターに入れておいた捕獲銃、Yガンを構え、田中星人を狙う。


上条「モニターでしっかり照準を合わせて……今だ!!」カチッ!!




バシュウッ!!




トリガーを引くと共に、3つの弾丸が、レーザーのような捕獲網を纏いながら、田中星人へと突き進む。



田中星人「ッ!?ギョェェエエッ!!」グググッ!!!



そして見事に、捕獲網が田中星人を捉えた。

といっても、これで外せば流石に下手くそというレベルすら超越してしまうのだが。

上条「よしっ!!これであとは、もう一回トリガーを引けば……」カチッ!!



中星人「」ジジジジジジジジジッ……



田中星人の頭の部分が、GANTZの転送の時のように、少しずつ消えていく。



御坂「これが捕獲か……どこに行くんだろうね……」



上条「さぁな……天井は、『上に送った』としか言わなかったし。……そこまで考えたらキリがないさ……」




人「」ジジジジジジジジジッ……



少しずつ、ゆっくりと転送され、とうとう田中星人の姿が完全に消えた。

上条「……ふぅ……終わったか。あー、疲れた……」



御坂「全く……大体アンタが勝手に1人で動くから、こんな事になってんでしょうが!!
私らだってまだまだあの部屋の初心者なんだから、1人で動くんじゃないわよ!!死にたいの!?」



上条「うぅ……返す言葉もございません……不幸だ……」



確かに、1人で星人と早々に遭遇するとは、流石上条さんといったところだろう。

偏光能力「……なぁ……アレが星人か?……あんなんがこの学園都市にぞろぞろいやがんのか?」



上条「あぁ……みたいだな……天井の話だと学園都市の外にも居るみたいだけどな」



偏光能力「そうか……なぁ、お前等。今さっきの星人は、死んでないんだよな?何処かに送ったって」



上条「あぁ。それがどうかしたのか?」



偏光能力が、神妙な顔つきで、上条に問いかける。





偏光能力「お前等……これから先、あんなバケモンを全部、殺さずにやり過ごすつもりなのか?」

上条「!?」

御坂「な!?なによ!?どういうことよ!!」


偏光能力が言葉を続ける。



偏光能力「どうもこうもねぇだろ。お前等を見てると、殺す殺さないにえらくこだわってるみたいだけどよ……向こうはこっちを殺す気満々なんだろ?

しかも、普通の人間じゃあ手も足も出ないようなバケモンばかりときた。コッチも殺す気でいかなきゃ、簡単に殺されちまうんじゃねぇのか?」



偏光能力が、上条と御坂の弱点を、ズバリ言い当てた。

この闘いは、言わばGANTZに呼ばれた人間と、星人の生き残りを賭けた戦争である。


戦争の最中、相手を生かすか殺すか……そんな事に迷っていては、簡単に相手に殺されるのだ。


何故なら相手に迷いは、全く無いのだから。




御坂「そんな……そんな事わかってるけど……でも……」



偏光能力「……まぁ、好きにすればいいさ。自分の命、自分の生き方だ。
だけど、一つだけ言えるぜ?こんなイカれた世界で一番生き残れるのはな。

あの天井とか言う、情の欠片も無いようなイカレ野郎って事だ」

…………





不良A「ヒッ……ヒィッ……」ガタガタッ……



田中星人×3「「「」」」シュゥゥゥゥゥウウッ……



尻もちをついて、怯える不良Aの前には、Xガンによって爆散した、田中星人達の死骸が転がっていた。



天井「ふぅ……今のところは、まだスーツも無事なようだな……」チャキッ……



その側で、Xガンを片手に、天井が佇んでいる。



天井「さぁて……それでは次の標的を探すとしようか。引き続き、君には囮役をお願いしようかな」スッ……



天井がにこやかに、不良Aへと手を差し伸べる。

不良A「も、もう勘弁してくれ!!こんなヤツ等相手に囮なんて、今度こそ死んじまうよ!!」



不良Aは、天井に対して、取り乱しながら叫ぶ。


どうやら、この3体の田中星人を倒す為に、天井に囮として使われたようだ。





チャキッ……



そんな不良Aに、天井がXガンを突きつける。




天井「心配するな。人はいつか死ぬものさ。今、君に残された選択肢は三つ。


今、ここで私に撃たれて死ぬか。

田中星人の囮となって死ぬか。

そして、囮役をこなして生き延びるかだ。好きな道を選ぶがいい」ニィィッ……



もはや、不良Aの事など使い捨ての道具程度にしか認識していないのであろう。
不良Aに対し、天井に慈悲という感情は存在しない。



天井「まぁ、今回はアレも持ってきてるんだ。この程度ならば、何とかなると思うがね」


…………



偏光能力は、GANTZの部屋にて行われた虐殺を振り返る。



一切の迷いも無く、利用するものは全て利用し、ただただ自分に仇なす相手を殺す。


そんな天井こそ、最もこういうイカレた世界で生き残れる人種なのだ。


事実、天井は一年以上、この部屋で戦い続けている。



上条「……わかってんだよ、そんなこと……」


偏光能力「あ?」


上条「わかってんだよ!!『殺らなきゃ殺られる』ってことくらい!!前回でなぁ!!
だけど、そんな簡単に割り切れるもんじゃねぇだろ!?人間だろうが星人だろうが命は命だ!!簡単に奪えるもんじゃねぇんだよ!!」


偏光能力の問いに、上条は答える。

偏光能力「……まぁ、それで自分が死んだら世話ねぇがな。俺は決めたぜ?星人は全部殺す。殺される前に、殺してやる」チャキッ……



偏光能力は、Xガンを構える。




御坂「……貴女はどうするの?えっと……妹!!」


上条「お前……妹にそんまま妹って……どんな仲なんだよ……」



御坂「い、いいでしょ!?ほっときなさいよ!!で、どうするの?」



9900号「……ミサカには、皆さんの言う命の定義がわかりません……ミサカの元の命は消え、生きる目的と言うのも既に果たしてしまいましたし……。
と、ミサカはお姉様に答えます」



9900号はそう、単調に御坂へと答えた。

御坂「そう……」


9900号「ただ……」


御坂「?ただ?」


9900号「新しくミサカに与えられたこの命というのは……どのように使えばいいのか迷っています。

この命を使って何が出来るのかと。と、ミサカは今まで考えたら事もない考えが、次々とミサカから溢れてきていることに驚きます。
まるで、何かがミサカの中から生まれてくるような……」



上条「?」

偏光能力「ん?どういうことだ?」


上条と偏光能力は全く9900号の言葉を理解していないようだ。

御坂「…………」


しかし、御坂はその言葉から、何かを感じとっていた。


自分には妹は居ない。それは間違いない。


しかし、この自分にそっくりな子は、自分を姉と呼ぶ。


そして何故か、他人のような気はしないのだ。
少なくとも、何らかの能力で化けていたり、学園都市の技術による変装や整形などではない。


では、この子は一体何なのか。


それは今の御坂にはわからない。


わからないけれど、この子が姉と自分を慕うのなら、姉として言うべきことがある。

御坂「貴女は……貴女は貴女よ。今、ココにいるのが貴女。新しい命だとか、そんなの関係ないの。
今、ココにある命が貴女よ。他に貴女の代わりはいない」



9900号「ミサカの代わりはいない……ミサカだけの命……」



御坂「そう。だから、貴女はその命を使って、貴女の思うように生きなさい。
誰かの言うことなんて聞かなくてもいい。自分の思うように、進みたいように進むの。わかった?」



御坂は、9900号の目を真っ直ぐ見つめながら、語りかける。



9900号は、その言葉を受け、何か考えているようだ。

上条「……さ、辛気臭いのも何だし、そろそろ動こうぜ?
そういえば浜面やあの婆さんと女の子はどこにいるんだ?転送されたところで待ってんのか?」



上条が、この場に居ない人間について、御坂に問いかける。


御坂「え?……あっ!!そうだ!!浜面さんやあのお婆さん達を探さないと!!えっとレーダーはっと……」ピッ、ピッ!!


御坂がレーダーで、浜面達の居場所を探そうとする。










御坂「…………え?」



しかし、レーダーを見た瞬間、自分に置かれた状況を理解する。

上条「?御坂?どうしたんだ……」



上条が、御坂に問いかけた瞬間





ダンッ!!!



ダンッ!!!



ダンッ!!!




田中星人×3「「「…………」」」ウィィィンッ……

偏光能力「なっ!?まだいやがったのかコイツ!?しかも3匹も……」



偏光能力が辺りを見渡すと、自分達がいる橋の周辺に、3体の怒った顔つきの田中星人が、どこからか現れるのが見えた。



上条「クッ!!……だけど3体だ!!こっちは全員スーツ着てるし、銃もある!!御坂!!お前は妹と一緒に先に逃」




御坂「違う……3体じゃない……」ガタガタッ……




御坂は、青冷めた顔で答える。

ダンッ!!!


ダンッ!!!


ダンッ!!!


ダンッ!!!


ダンッ!!!


ダンッ!!!


ダンッ!!!!!





更に、どこからか、田中星人達が現れる。



上条「なっ!?何だコイツら……急にこんなに……」キョロッ、キョロッ!!


上条が辺りを見渡す。




御坂が、力無い声で、呟く。










御坂「私達の周りに表示された青い点……星人の反応は、全部で10体よ……」ガタガタッ……







その言葉を聞いた瞬間、上条からも明らかに血の気が引いていくのが、誰から見ても感じた。

投下終了です!!前回の次回予告が嘘になってしまいました……まぁ、近い内ってことで。



>>588
>>589
まぁ、介旅の爆発の時点で、命懸けで守ろうとしてますからね。
名前で呼んだっていいじゃない。女の子だもの。



それではおやすみなさい。


乙でした

1乙

乙です面白いな~
田中聖人10体に囲まれるって原作でもある展開?

乙っす

乙  これ四人でどうにかできるんだろうか   

守るものがあればどこまでも強くなれる上条さん、視界情報を誤認させ、しかも星人[ピーーー]気満々の偏光能力、銃の扱いに長けた軍用クローン、level5第3位…

ギリギリなんとかなるか?
(みこっちゃんはあまり役に立たなそうだが)

こんばんわ、1です。

今日は、大ピンチの上条御坂サイドから一転、浜面サイドをお送りします。

ちなみに、このSSは、流れは各原作に沿って行きたいと思ってますが、かなり似て非なるモノになっています。

ご了承を。


それではゆたりと投下します!!


>>615
>>616
>>617
>>619
ありがとうございます!!引き続き、お楽しみください。


>>618
こんな感じで囲まれる場面はありますよ。10体もいませんが。

>>619
>>620
原作だったら100%詰みですよねw

>>622
御坂さんはまだ実力全然発揮しきれてないですからねぇ。
御坂の能力のポイントは、単純な威力よりもその応用力が高いところだと思うので。

時は少し遡り、その頃浜面は……




浜面「ハァッ、ハァッ、クッ、どこ行ったんだあの子と婆さんは!!」ゼェッ、ゼェッ



浜面がガンツに転送された地点に戻ると、そこには誰もいなかった。

どうやら、途中までは皆に着いてきていたようだ。そして、何らかの理由ではぐれたのだろう。



浜面「参ったな……何処をどう探すか……そうだ!!御坂がスーツにナビみたいなのがついてるって言ってたな。
えっと……お、コレだな?婆さん達の反応はっと……」ポチットナ



浜面が、使い方のわからないレーダーのデバイスを適当に操作する。

バチバチバチバチバチッ…………




すると、何を押したのか浜面の身体が、カメレオンのように周囲に同化していった。



浜面「おわっ!?な、何だこれ!?……あっ!!まさか天井のヤツ、こうやって姿を消してたのか!?」ポチットナ



バチバチバチバチバチッ…………



再びデバイスを操作すると、同化が解け、浜面の姿が現れる。

浜面「あ、戻った。でも、これで少しは心強いな……今は1人だし、闘いにも慣れてないから、極力星人との闘いは避けたいし。
……って、肝心のナビはどうやって使うんだよ……あ、またコレか!!」バチバチバチバチバチッ……



意味も無く、再び同化を始めた浜面。どうやら、初めて触る機械には、少し弱いようだ。



しかし、天性の器用さなのか、少しずつデバイスの操作に慣れてくると、様々な機能を網羅しながら、ようやくナビの機能に辿り着いた。

浜面「えっと……今星人と、1人でぶつかってんのが上条だろ?

そんでこのちょっと離れたところで3体の星人とぶつかってるヤツは……どうせ天井だろうな。まぁ、コイツはほっといても死なないか。

問題はあの婆さんと女の子だ。一体何処にいったのかなっと……この近くに2人分の反応。コレだな!!」



浜面がレーダーで2人の場所を突き止める。
どうやらここから、そう離れては居ないようだ。



浜面「!?……これはヤベェな……早く向かわねぇと!!」ダッ!!


浜面がデバイスをしまい、お婆さんと女の子の元へと走る。





デバイスのレーダーには、2人の近くに、青い点が1つ点滅していた。

…………




浜面「……何とか2人を見つけたが……一体どういう状況なんだこれは?」



数分後。


浜面は、古いアパートの側にある駐車場で、お婆さんと女の子を見つけた。そして、浜面が見た光景とは……














田中星人A『かんたろ~~~、はい、一緒にー!!』( ´ ▽ ` )ノウィン、ウィン




女の子「かんたろ~~~!!」フリフリ






何故か、今回の標的である田中星人と、女の子が、一緒に遊んでいるように見えた。

浜面「……と、とにかく、今は無害でもいきなり襲ってくるかもしれねぇ……どうにかあの子や婆さんをヤツから離さなねぇと」



無邪気に田中星人と遊ぶ女の子の側では、お婆さんが不安そうな顔で女の子を見守っている。
どうやらお婆さんもどうしたらいいかわからないようだ。



浜面「……さり気なくあの中に入って、さり気なく2人と一緒にヤツから離れる……だいぶアバウトだが、これで行くしかねぇよな?」ソォッ……



浜面が意を決して、女の子達の側に向かおうとしたその時

トントンッ



背後から、誰かが浜面の肩を叩く。





浜面「んだよ?今ちょっと大事な場面……ってうおっ!!」ビクゥッ!!






田中星人×2『『雄三くん?』』ジーッ……





浜面が振り向くと、そこには別個体の田中星人が2体、爽やかな笑顔で立っていた。

浜面「な……あ……(落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け俺!!
あの子と遊んでいるのを見る限り、こいつ等はすぐに襲ってくるわけじゃねぇ。

ここは、こっちに敵意が無いことをこいつ等に示すことが出来れば……。
ていうか雄三くんって何だ?雄三くんになりきればいいのか?)」ダラダラダラダラッ……



全身から、凄まじい勢いで冷や汗が流れ、浜面は今の状況を混乱しながらも考える。






浜面「は……はい。雄三です……」




そして、田中星人の問いに答えた。

浜面「(さぁ、これでどうなる?まさかいきなり襲ってくることはないよな?)」ダラダラダラダラッ……



田中星人BC『『…………』』



田中星人は、少しの間動きが止まる。そして、再び口を開いた。




田中星人B「すいかの名産地?」



浜面「へ?」



田中星人C「さわやかな……?」



浜面「えっ?」



田中星人B「友達ができた?」



浜面「えぇ!?」



田中星人C「ヘイヘイヘ~イ」




浜面は更に混乱した。

浜面「え……えっと……」



浜面はどう答えたらいいかわからず、言葉に詰まっている。



田中星人BC「…………」(`∧´)ウィッ、ウィィンッ



中々答えない浜面に痺れを切らしたのか、田中星人の顔が、少しずつ険しくなる。



浜面「(やべぇ……何か怒ってるよ……だってどうすりゃいいんだよこんなの!!)」



浜面が悪化する事態を打破しようと、考える中、更に事態は悪化していく。

『ギョェェェェェェエエエエエエッ!!!!!』




浜面「!?な、何だ今の叫び声みたいなのは!?」




浜面は知る由もないが、この時、少し離れた所で天井が田中星人×3と交戦しており、そのうちの一体の断末魔が、この辺りまで届いたのだ。





田中星人B「」コォォォォォォオオッ……



当然、それを聞いた田中星人達は、戦闘態勢に移る。

浜面「オイオイ……何かいかにもヤバそうじゃねぇか……。
クソッ!!四の五言ってる場合じゃねぇ!!今すぐあの子と婆さんをここから……」ダッ!!



浜面が、駐車場にいる女の子やお婆さん達の側へと走っていく。



側にいるのは田中星人1体のハズだ。
勢いをつけて、思いっきり蹴り飛ばせば、このスーツの力なら吹き飛ばせるハズ。



女の子「あ、さっきのお兄ちゃん!!大体こっちにゃあ」フリフリ



女の子が浜面に気づき、無邪気に手を振る。

側にいたお婆さんは、浜面の異様な様子に気づき、すかさず女の子を抱きかかえた。



浜面「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおっ!!!」ダンッ!!



全力で走りながら、勢いよく飛んだ浜面は、そのまま女の子の側にいる田中星人Aに飛び蹴りを放つ。



田中星人Aはまだ、浜面の方を振り向いていない。






浜面「喰らっとけぇぇぇぇえええ!!!」ゴォォォオオオッ!!!





浜面が田中星人Aに飛び蹴りを喰らわせる瞬間

田中星人C『ギョェェェェェェエエエエエエッ!!!!」ゴォォォオオオッ!!!!



浜面「なっ!?グァッ!!」ガシィィィイッ!!!




ガッシャァァァァァアアアアアンッ!!!



横から弾丸のように、田中星人Cが浜面にタックルし、しがみついてきた。



そのまま浜面と田中星人Cは、駐車場に止めてあった古ぼけた車に、勢いよく激突し、そのまま車内に飛び込んだ。

浜面「ガァッ!!!クッ、嬢ちゃん!!婆さん!!早く逃げろぉぉおおっ!!」グググッ……


田中星人C「」グググッ……



大破した車の中で、浜面と田中星人Cが互いにせめぎ合う。






女の子「え?何で……このおじちゃん、大体優しくて、面白かったのに……」


田中星人A「」(`∧´)ウィィィンッ、ウィンッ


女の子が目の前の光景に驚いていると、背後に、いままで一緒に遊んでいた田中星人Aが立っていた。





怒った顔で。

お婆さん「フレメアちゃん!!」ガバァッ!!


田中星人A『!?』ドサァッ!!



すかさずお婆さんが、田中星人Aに体当たりし、動きを封じる。
スーツが機能している為、老人でも田中星人を抑える程の力が出せているのだ。



フレメア「お、お婆ちゃん?」


フレメアと呼ばれた女の子が、泣きそうな顔で、お婆さんを見つめる。



お婆さん「フレメアちゃん!!早く逃げなさい!!お婆ちゃんが悪い人皆、やっつけちゃうから!!」グググッ……

田中星人A「」コォォォォォォオオッ……

ダンッ!!!

田中星人B「」コォォォォォォオオッ……




田中星人Aを抑えつけるお婆さんの側に、田中星人Bが近づき、口内でエネルギーを溜め出す。


同時に、抑えつけられている田中星人Aも、エネルギーを溜め出している。



フレメア「そんな……何で……おじちゃん……」ブルブルッ……


フレメアは、豹変した田中星人に怯え、その場で震えている。




お婆さん「フレメアちゃん!!!逃げなさい!!!早く!!!」

フレメア「!?」ダッ!!!


そして、お婆さんの叫びと同時に、フレメアは全力でその場から逃げて行った。







田中星人A「」コォォォォォォオオッ!!!
田中星人B「」コォォォォォォオオッ!!!


二体の田中星人が、同時にお婆さんへと何かを発射しようとしている。




浜面「グッ……オイオイよせ……よせよ!!よしてくれ婆さん!!
早くそっから離れろよ!!嬢ちゃんと一緒に逃げてくれ!!」グググッ……


田中星人Cと取っ組み合いながら、浜面がお婆さんに叫ぶ。









お婆さん「……あの子を……フレメアちゃんを無事に、お姉さんの所に帰してあげてくださいね?お願いします」ニコッ……


浜面「なっ!?」グググッ……


お婆さんは、浜面に優しい笑顔でそう頼んだ。




その瞬間

田中星人A『ギョェェェェエエエエエッ!!!!』カッ!!
田中星人B『ギョェェェェエエエエエッ!!!!』カッ!!




ブシュゥゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!!



ドサァッ!!






浜面「あ……」



浜面の目の前で、2体の田中星人の側から、大量の血が噴き出し、お婆さんが息絶えていくのが見えた。

浜面「…………」グググッ……


田中星人C「」コォォォォォォオオッ……



大破した車の中では、未だに浜面と田中星人Cが取っ組み合っている。

そして痺れを切らしたのか、田中星人Cが口内にエネルギーを溜め出した。
お婆さんを殺した超音波による攻撃を、浜面にも行うようだ。








浜面「……けよ……」グググッ!!

田中星人C「!?」メキメキッ……
コォォォォォォオオッ!!!



田中星人Cの纏っているスーツの、浜面が掴んでいる腕の部分から、軋むような音が聞こえてくる。


それでも、田中星人Cは、エネルギーを溜める事をやめない。



そして、エネルギーが溜まり、攻撃へと移行する。

田中星人C「ギョ…」カッ!!



田中星人が、超音波を発射しようとしたその瞬間









浜面「どけぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええっ!!!!!」グググッ!!!




グシャアッ!!!!!





その瞬間、田中星人Cの両腕が、浜面にもぎ取られた。

田中星人C『ギッ……ギョェェェェェェエエエエエエッ!!!』カッ!!



田中星人Cは、スーツの腕を取られたことに驚き、一瞬戸惑うが、再度、浜面に超音波の攻撃を放とうとする。




ギョーンッ!!!



しかし、その前に、Xガンの銃声が車内に鳴り響く。



3


浜面「悪いな……先に撃っちまった……よっ!!!」グググッ!!



バキィィィィイイイイッ!!!



浜面が思いっきり、車内から田中星人Cを蹴り出す。

2



田中星人C「ギッ……ギッ……」グググッ……

田中星人が、ゆっくりと立ち上がる。



1


田中星人C「」コォォォォォォオオッ!!!

そして、再び口内にエネルギーを溜め込み、超音波の発射準備が整った。



0





田中星人C『ギョェェェェェェエ』カッ!!!



グシャァァァァアアアアッ!!!!




そして、Xガン発射からキッチリ3秒後。

田中星人Cは、爆散し、スーツとその中身の肉片が辺りに飛び散った。

田中星人AB『!?』ウィィンッ、ウィンッ



仲間が弾け飛び、残りの田中星人2体が、お婆さんの死体から離れ、浜面のいた大破した車の方を向く。




しかし、浜面の姿は既に車内にはない。





田中星人A『』キョロキョロ

田中星人B『』キョロキョロ



田中星人達は、辺りを見渡し、浜面を探す。



しかし、浜面が何処にもいないのだ。先ほどまでそこにいたハズなのに。

バチバチバチバチバチッ……



浜面「どこ見てんだよ……このクソ野郎ぉ!!」ブンッ!!


不意に、田中星人Bの側からバチバチと火花が走り、浜面の姿が現れる。



田中星人B『!?』


バキィィィィイイイイッ!!!!



田中星人B『ギョェェェエエエッ!!』ズザァァアアッ!!



そして、そのまま思いっきり田中星人Bを殴りつけた。
スーツにより強化されたパンチは強烈で、田中星人Bは起き上がれない。

田中星人A『』コォォォォォォオオッ……


浜面の姿を確認した田中星人Aが、すかさず超音波の発射準備を行う。



浜面「ッ!?」ブンッ!!

ガシィィィイッ!!



浜面は、すかさず田中星人Aを掴んだ。




田中星人A『ギョ……』カッ!!

そして、田中星人Aが、浜面に超音波を発射しようとした瞬間







浜面「テメェはこっちに顔を向けてろぉぉおっ!!!」グンッ!!


ガシャァァアッ!!!


そのまま、田中星人Aの顔を、田中星人Bの側へと叩きつけ、発射口を無理矢理押し付けた。

田中星人A『ェェェェェェエエエエエエッ!!!!!』カッ!!!


発射を止めることが出来ず、田中星人Aは、そのまま超音波を発射する。




浜面「グッ……うぉぉぉぉおおおっ!!!」ビビビビッ!!!


田中星人B『ウギョォォォォォォオ"オ"オ"オ"ッ!!!!』ビビビビビビビビビビッ!!!!




ブシュゥゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!!




超音波をモロに受けた田中星人Bは、お婆さんと同じように、身体の内側から破壊され、スーツから体液が垂れ流れてきた。

ゲシィッ!!!

チャキッ!!!



そのまま、浜面が田中星人Aを踏みつけ、Xガンを構える。


浜面「このクソッタレがぁぁぁぁぁああっ!!!!」ギョーンッ!!ギョーンッ!!!ギョーンッ!!!!ギョーンッ!!!!!


叫びながら、浜面はひたすらXガンを田中星人Aに発射する。




浜面「チクショォォォォオオオオオッ!!!!!」ギョーンッ!!ギョーンッ!!!ギョーンッ!!!!ギョーンッ!!!!!





何度も。

何度も。

何度も。

何度も。










グシャァァァァアアアアッ……

浜面「ハァッ……ハァッ……クソッ……婆さん……」ゼェッ、ゼェッ……



三体の田中星人を倒した浜面は、息を切らしながらお婆さんの死体に近づく。

田中星人の超音波によって、身体を内部から破壊され、見るも無惨な姿になっていたが、浜面は丁重に駐車場の隅に運び、手を合わした。



浜面「ゴメンよ婆さん……守れなくて。
だけど……フレメアって言ってたっけな?あの子は必ず……必ず守るから」スッ……



ピッ、ピッ



浜面は立ち上がり、デバイスでフレメアの居場所を探す。


どうやら、近くのアパートの中に居るようだ。




浜面「!?……待ってろよフレメア……必ず助けてやるからな……」チャキッ……




しかし、そのアパートには、フレメアの反応の他にも、5体の星人の反応があった。

投下終了です。


開始から、1人目の脱落者が出ました。


一応、ガンツミッションでの上条と浜面は、ガンツの玄野と加藤を当てはめてるんですが

上条は加藤7の玄野3

浜面は玄野7の加藤3くらいの割合になってると思います。性格的に。


それを踏まえて読んで見ると、原作の流れと少しマッチするかもです。多分。


それでは、次回は再び上条御坂サイドです。おやすみなさい。

乙  浜面一人で三人も倒したか、すごいな  これは上条さん側にも勝ちの目が見えてきたぞ


今回も熱くていいね

>>656
アスリート並の身体能力あるらしいからな、浜面
原作でも銃撃戦は強いし

このあともう仏像編なんだよな
アンジー……

乙でした


フレメアつきであのアパートか…

どうでもいいことかもしれないが田中星人に透明機能通用したっけ?

透明中に超音波使われると解除

本編の西君はキョロちゃん踏んじゃったから見破られただけで
透明無視してるわけではないんじゃないかな田中星人


難易度ハードモードやん…

こんばんわ、1です。

今日は上条御坂サイドをゆたりと投下していきます。

武器や星人などで、少しずつこのSSオリジナル設定が出てきますが、極力元の世界観を壊さないように頑張ります!!


>>656
>>658
一応、浜面はスキルアウトってことで、喧嘩慣れしてる感じです。
あとは持ち前の器用さで、天井以外では今のところ一番、浜面がガンツの武器を上手く活用してますね。

>>657
ちゃんと少年マンガできてれば幸いです。

>>661
仏像編は、やるとしてもまだまだ先になりますね。

>>662
いつもありがとうございます!!

>>663
まぁ、本編と同じにしても意味ないですからね。


>>664
>>665
>>666
一応、田中に一度使うか見破られれば、同じ個体には使えないようにしてます。

>>667
やっぱ敵は絶望的なくらい強くないと……w

時は少しだけ遡る。


丁度浜面が、駐車場の車の中に、田中星人と共に突っ込んだ時




…………





上条「……なぁ、御坂。お前の能力でこいつ等一気に倒せたりしないかな?レベル5だろ?お前」


御坂「無理ね……さっき結構な出力で電撃撃ったけど、アイツまだ動いてたし……超電磁砲も、一方向しか狙えないし、アイツ等飛べるし結構素早いから外しそう」


上条「そうか……じゃあかなりヤベェよな、この状況……」





田中星人×10「」(`∧´)ウィィィンッ、ウィンッ

先程、上条の奮起と、御坂とのコンビネーションにより、ようやく一体撃破した田中星人。



絶望的に強いという訳ではない。
しかし、普通の人間が到底太刀打ち出来るレベルの相手ではない。



事実、上条は既に、田中星人から人間には致命的なダメージを2度喰らっているのだ。



それが同時に10体。しかも囲まれている。



まさに、絶体絶命のピンチである。

偏光能力「よぉ、どうするよ?大将に第3位様。さっきのバケモンが大量に出てきたけどよぉ?何か打つ手でもあんのか?」


上条「いーや。いくら上条さんでも、こんだけの不幸は経験したことねぇからな。お手上げだよ全く」ハッハッハッ


上条は苦笑いしながら、お手上げと言うジェスチャーで偏光能力に答える。


9900号「どうしますか?お姉様。と、ミサカは必要であれば、1人で敵を惹きつけますが?と、いわゆる囮を提案します」



御坂「んなことさせる訳ないでしょ!!ちょっと待って!!今考えてるから!!」

御坂「(くっ、考えがまとまらない!!私が囮になって他のメンバーを逃がすにしても、他のメンバーを追って行かない保証がないし、私自身がまず助からない……)」



この絶体絶命の状況を如何にして切り抜けるか。


学園都市第三位の能力を操る頭脳を持って、あらゆる戦法をシミュレーションするが、確実な一手が見つからない。



御坂「(あーもー!!何の為の学園都市第三位なのよ!!たった3人の命も守れないなんて、レベル5の名折れもいいところだわ!!
こうなったらやっぱり、一番応用の効く私が囮になって、出来るだけ星人を引き寄せて、残りは皆に任せるしか……)」










上条「……やっぱこうするしかねぇか……仕方ねぇよな」スッ……


上条が、他3人の背後に立つ。

御坂「へっ?キャアッ!!」ドンッ!!


9900号「ん?」ドンッ!!


偏光能力「あぁ?ってうぉ!?」ドンッ!!



ザッバァァァァァアアアアンッ!!!!





御坂「プハァッ!!な、いきなり何すんのよアンタ!!」



突如、橋の上から上条が3人を突き落とした。

上条「いやー……どうやらこれしか方法ないみたいだからなぁ、文句言われる前に即実行って訳なんですよー」ハッハッハッ


上条は橋の上から笑いながら答える。



御坂「こんな時に何馬鹿なこと言ってんのよ!!早く逃げないと星人が……!?まさか……アンタ……」



御坂が、上条の行動の意図に感づいた。何故なら自分もやろうとしていた事だからだ。






上条「…………じゃあな、御坂。お前は死ぬなよ?
まぁ、上条さんは短い人生で不幸な事ばっかだったけど、それなりに楽しかったよ」フリフリ



上条が、橋の上から手を振る。




その橋の両サイドからは、5体ずつ田中星人がゆっくりと迫っている。








上条という『囮』に群がるように。

御坂「ふ……ふざけんなぁぁぁああ!!!」バシャァアアッ!!!



御坂が、川の中から橋の上へと飛び上がろうとする。



上条「偏光能力ォォォオオッ!!」


偏光能力「!?くっ!!」ガシィィィイッ!!!

それを防ぐように、偏光能力が御坂を羽交い締めにして、9900号と共に、少しずつ橋から離れていく。




御坂「離せ!!離してよ!!離せっつってんでしょ!!
ふざけんじゃないわよこの馬鹿ッ!!アンタより、力の応用が効く私の方が、こういうのは適任でしょ!?
一体どんだけカッコつければ気が済むのよ!!死んじゃうのよ!?」

偏光能力「よせ馬鹿!!星人がこっち向いたらどうすんだ!?アイツの覚悟を無駄にしてぇのか!?」


御坂「だって!!だってアイツが!!このままじゃ当麻が!!」


御坂が泣きそうな顔をしながら取り乱す。





田中星人×5「」コォォォォォォオオッ……


上条「あー……馬鹿なことやっちまったなー……何かっこつけてんでしょーか上条さんは……」ポリポリッ……


田中星人×5「」コォォォォォォオオッ……




合計10体の田中星人に挟まれた上条は、頭を掻きながら橋の下の御坂達を見ている。

上条「腹減ってんだろうなぁ、インデックスのヤツ。ゴメンな、お前の事も守れなくて……」ハァッ……


上条は、家で帰りを待っているであろうインデックスの顔を思い浮かべながら、力無く項垂れる。











インデックス『じゃあ、私と一緒に地獄の底までついて来てくれる?』











上条「ッ!?……」チャキッ……



そして、おもむろに両サイドの腰のホルスターに入れていた2丁のYガンを取り出す。

上条「……やっぱヤメだ……俺がいなかったら、誰があの暴食シスターに飯食わしてやれんだよ……誰がアイツを守ってやんだよ!!」バッ!!



上条が、橋の真ん中で、両サイドの田中星人の群れに、それぞれYガンを向ける。



田中星人達は、もうすぐエネルギーのチャージが終わりそうだ。
あの超音波が四方八方から飛んでくるだろう。




上条「地獄の底からでも、必ずアイツを助け出すって決めたんだ!!
まだ何も終わってねぇのに、こんな所で死んでたまるかぁぁぁあああっ!!!」





上条が、田中星人達に向けて、Yガンを撃とうとしたその瞬間

上条達のいる橋が見下ろせる建物の屋上にて







カタカタッ、カタカタ



天井「全く……だったら何故そんな真似をするのか理解に苦しむ……。
まぁ、別に嫌いではないんだがね。君みたいな馬鹿は」カタカタッ、カタカタッ



天井がその様子を見ながら、何やらパソコンで操作している。


天井の側には、パソコンにUSBケーブルで繋がれた、XガンやYガンとはまた違う、大きな銃が置かれていた。



天井「よし……これで10体分の得点か。次はどのようなオモチャが手に入るのやら……」カチッ!!



天井が、パソコンのEnterキーを押した。













ドゴォォォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!






その瞬間、凄まじい地響きと破壊音が、辺りに響き渡った。

御坂「……え?……え?」


9900号「な、なんじゃこりゃあ。と、ミサカはあの人風に呟いてみます」


偏光能力「アイツ……一体今度は何やらかしやがったんだ?」




川の中にいる御坂達は、全員が橋の方を見て呆然としている。





一体何が起こったのか!?



我らが主人公、上条が何かとんでもないことをやったのか!?





上条「……こ、これは一体どういう状況なのでせうか……?」ポカーン




そんなことはなかった!!

上条「ていうか本当に何が起こったんだよ……どうなってんだ?これ」キョロキョロ



上条は、左右をキョロキョロと見渡す。



先程まで、上条のいる橋の両サイドに、大量の田中星人が居たのだが、それも今はいない。




いや。むしろ、田中星人が居た周辺がゴッソリ消えているのだ。



橋の両端ごと。



それはそれは、綺麗に抉り取られるように。

上条「アイツとはまた違う星人?いや、でもそれならどうして田中星人だけ標的に……まさか……」キョロキョロッ


上条は誰の仕業か感づいたようだ。



星人。つまり、ガンツの標的。得点の対象。


それを貪欲に狙い、尚且つこんな未知の力を行使する者。

未だに、その実力の全容が見えない男。

ザバァァァアアアッ!!!



御坂「当麻!!大丈夫!?怪我してない!?平気!?」オロオロッ



川の中から御坂達が飛び上がってきて、御坂が泣きそうな顔で上条の心配をしている。


9900号「落ち着いてくださいお姉様。こういう時は深呼吸です。ホラ、ヒッヒッフー。ヒッヒッフー。
と、ミサカは自身も今の状況に動揺しながらお姉様を落ち着かせます」ヒッヒッフー


御坂「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」ヒッヒッフー

偏光能力「そんな顔してても中身はしっかり動揺してんだな。よくわかった。
で?一体こりゃあどういう状況なんだぁ?お前が何かやったのか?上条」



混乱している姉妹に代わり、偏光能力が上条に問いかける。



上条「まさか。流石に上条さんも今のは正直死ぬかと思いましたよ。……天井だろうな、多分」



上条がふと、両サイドの消失したこの橋を見下ろす建物の屋上を見る。


しかし、そこには誰も居なかった。

…………





天井「指定した攻撃範囲、威力、共に誤差無しか。やはりこの組み合わせは中々使えるな。流石はクリア武器といったところか」



先程とは、また別の建物に移動した天井は、パソコンと大型の見慣れぬ銃を持ちながら、満足そうな顔をしていた。



天井「攻撃超特化型で、対象を圧殺するZガン。武器やデバイスに接続することで、武器に秘められた様々な機能を使うことが出来るパソコンか。

クククッ、次は何が出るのだろうな?既に60点以上稼いだハズだろうし、元々90点以上持っているんだ。
次とその次の武器……今回は100点以上を目指してみるか。囮もまだまだ大量にいることだしな」スッ……



ピッ、ピッ


天井は、デバイスで自分の周辺の反応を調べる。


バサァッ!!


バサァッ!!


バサァッ!!!


バサァッ!!!!





天井「……チッ、どうやら大物のようだな。やはり人間、欲張るとロクなことにはならんらしい……」スッ……




天井はデバイスを戻す。使う必要が無くなったからだ。




何故なら、わざわざ自分の目の前に、自ら大物が現れてくれたのだから。

…………



御坂「全く!!無事だったから良かったモノを!!次あんな勝手な真似をしたら承知しないわよ!?」バチバチッ……



上条「はい……存じております……すんませんでした……」シュゥゥウウッ……



一方その頃、ヒッヒッフーによって、平静を取り戻した御坂によって、上条は黒焦げにされていた。



偏光能力「なぁ……このスーツって耐久があるとか言ってたよな?大丈夫なのか?アレ」


9900号「そんな小さな事、男が気にしてんじゃねーよ。と、ミサカは毒混じりに答えます」

御坂「さて。気も済んだ事だし、早く浜面さん達の所に行かないとね。
えっとレーダーでは……転送地点から少し離れた建物の中に2人分の反応があるわ。だけど……」



御坂は険しい顔で、デバイスを見つめる。



御坂「だけど、星人の反応もある。5体分。しかも、2人分って事は既に1人はもう……」



間に合わなかったのだ。

少なくとも、浜面を含めたあの3人の内、誰か1人、既に死んでいる。




上条「……行くぞ。まだ生きてるヤツがいるんだ。そいつ等を助けねぇとな」ポンッ



上条が、御坂の頭に手を置き、奮起を促す。




御坂「……えぇ、そうね。必ずこの2人は助けてみせる……」ダッ!!




そう呟くと、御坂はナビを見ながら先導して走り出した。

投下終了です。


次回は再び、浜面サイドへと移ります。


上条御坂サイドの人間の活躍は、もうしばらくお待ちください。



今回で天井さん、2回クリア済み確定です。


ちなみに、Zガンの性能は基本そのまま。


パソコンは、点数表示だけじゃあ物足りないので、各ガンツ装備に繋げる事で、様々な機能が使えると言う事にしてます。

ちなみに、今回のZガンとのコンボでは、パソコンでZガンの攻撃範囲、威力を細かく調整することで、上条や御坂達に危害を加えること無く、田中星人の群れを殲滅しました。


ちなみに天井は上条達を助けたわけじゃありません。
点数稼ぎと、使える駒を無駄に消費させたくなかっただけです。



それでは長くなりましたが、また次回。おやすみなさい。

こんばんわ、1です。

ただいま仕事もプライベートも夢への道のりも大忙しです。しばらくの間、じっくり書くことも構想を練る事もできそうにないとです。


てなわけで、状況が落ち着くまでは、投下できそうにありません。
数少ない待っていただいてる方々には申し訳ないですが、しばらくお暇をいただきたいと思います。


投下する時は、2、3日間くらい連続して投下すると思うので、更新を見かけたらヒマ潰しに読んでやって下さい。

おはようございます、1です。


ようやく時間に余裕が出来た……てわけで、外も雨ですし、久しぶりにゆっくりと投下していきます。


今回は浜面・フレメアサイドです。

上条達が田中星人の群れに囲まれた頃






浜面「このアパートの中か……あの子、何でよりによってこのアパートの中に逃げ込んだんだよ……」ピッ


先ほど、紙一重で3体の田中星人を退けた浜面は、デバイスに表示された、フレメアの反応のあるアパートの入口付近に立っていた。



アパートの中。

恐らく2階から、フレメアの反応の他に、星人の反応が5つほど表示されている。




浜面「……絶対に助け出すんだ。死んだあの婆さんの為にも……」スッ……



浜面は、デバイスをしまい、アパートの屋根部分を見上げる。

…………



アパートの中






フレメア「グスッ……グスッ……」



アパートの二階へと登る階段の一番上。


フレメアは、そこに座り込んで泣いていた。



フレメア「グスッ……お婆ちゃん……あのおじちゃんもどうして……」グスッ……



一緒に遊んでいた田中星人が、突如変貌し、お婆さんや、浜面。
果てには自分にまで襲いかかってきた事で、フレメアは酷く混乱していた。


更に、自分に逃げるように促したお婆さんの安否もわからない。


……いや、いくら子供とはいえ、恐らくはもう理解しているだろう。


お婆さんに二度と会うことは無いという事を。

フレメア「グスッ……隠れていなきゃ……あのおじちゃん達に見つからないように……」スッ……



フレメアが立ち上がり、2階の廊下を進み出したその時













田中星人A「」ガチャッ!



田中星人B「」ガチャッ!



田中星人C「」ガチャッ!!



田中星人D「」ガチャッ!!




フレメア「アッ……」ビクゥッ!!





2階にある5つの部屋の内、4つの部屋から、田中星人がそれぞれ出てきた。





フレメアを囲むような形で。

フレメア「アッ……アァッ……」ガタガタッ……



フレメアの表情が、恐怖に染まる。



田中星人×4「」ジーッ……



4人の田中星人は、爽やかな顔でフレメアをジッと見ている。
どうやら、まだフレメアを敵として認識していないようだ。







田中星人A「雄三くん?」

フレメア「!?ヒッ……」ビクッ!!

田中星人B「雄三くん?」

フレメア「ヒャッ!?」ビクッ!!

田中星人C「雄三くん?」

田中星人D「雄三くん?」

「雄三くん?」


「雄三くん?」


「雄三くん?」


「雄三くん?」


「雄三くん?」


「雄三くん?」


「雄三くん?」


「雄三くん?」

フレメアを囲むように、田中星人達による、雄三くん?攻めが絶え間無く押し寄せる。


一切表情を変える事なく。


同じトーンで。

同じ声量で。

絶え間無く続く雄三くん?攻め。






フレメア「ウッ……ウワァァァァアアアアンッ!!!!もう嫌にゃぁぁあああ!!!お婆ちゃぁぁああん!!!お姉ちゃぁぁぁあああん!!!」



大人でもすくみ上がる重圧に耐えられず、とうとうフレメアが泣き喚き出した。



田中星人×4「」ウィィンッ、ウィンッ


田中星人達の表情が、少しづつ険しい表情になっていく。


どうやらフレメアを敵と認識し始めたようだ。



フレメア「お姉ちゃぁぁぁあああん!!!助けてお姉ちゃぁぁああん!!!!」


フレメアは泣き叫ぶ。
いつも自分を守ってくれていた年の離れた姉を思いながら。



しかし、その叫び声は姉には決して届かない。

田中星人×4「」コォォォォォォォォオオオオッ……



田中星人達が、口内にエネルギーを溜め出す。子供相手とはいえ、敵に対して一切の加減は無いようだ。




フレメア「ウゥッ……ヤダ……ヤダよぉ……」グスッ、グスッ


その様子を見て、フレメアは更に怯える。


薄々気づいているのだろう。自分がもうすぐ殺されるという事を。






フレメア「ヤダ……助けてよぉ……お婆ちゃん……お姉ちゃん……誰か……誰か……」ヒグッ……グスッ……




フレメアはある男の事を思い出す。

『そうか……よーし、嬢ちゃん!!お兄ちゃんがな!!悪いヤツらを皆やっつけてやるからな!!
嬢ちゃんは、お婆ちゃんや、あのお姉ちゃん達と一緒にいるんだぞ?皆が守ってくれるからな』





フレメア「助けて……」


田中星人×4「」コォォォォォォォォオオオオッ!!!!



田中星人の口から、あらゆるモノを破壊する超音波が、今にも発せられようとしている。











フレメア「助けてお兄ちゃんっ!!!!!」







フレメアが全力で、助けを求めて叫ぶ。

ドォォォォォォォォォォオオオオンッ!!!!!!



フレメア「!?」



ズンッ!!!



次の瞬間、フレメアの真上のアパートの屋根に穴が空き、その穴から人が降ってきた。




ギュッ!!!



フレメア「えっ!?」



そして、その人物は、フレメアを守るように抱き抱え、耳元でフレメアに呟く。









浜面「心配すんな。絶対お兄ちゃんが助けてやるからよ」ギュッ!!!




田中星人×4「ギョェェェェェエエエエエッ!!!!!」カッ!!!




フレメアを外敵から守るように、抱き抱えた浜面の周囲からは、田中星人達の超音波が容赦無く発せられた。

キリがいいので、とりあえず一旦終了です。


続きは夕方くらいに予定してます。

乙でした


やっぱり浜面にはガンツの世界があってるな
逆に上条さんは……主人公補正と前兆の感知があるからなんとかできそうだけど……

1です。そろそろ再開します。


>>737
>>738
>>739
ありがとうございます!!!

>>740
まぁ、上条さんは能力系星人相手に、ここぞで使える無効化がありますから。

田中星人×4「ギョェェェェェエエエエエッ!!!!!」ビビビビビビビビッ!!!!!!



浜面「グッ!!!グァァァァアッ!!!!!」ビビビビビビビビッ!!!!!!



四方から発せられる田中星人の超音波が、フレメアを守る浜面に、容赦なく浴びせられる。


例えスーツを着ていようと、その凄まじい破壊の力の全てを防ぎきれているわけではない。


浜面「クッ……ソッ……」ビビビビビビビビッ!!!!!



スーツが吸収しきれていない衝撃が、浜面を襲う。






そしてまた、スーツの耐久力も無限ではない。

キュゥゥゥウン……


浜面「!?」ビビビビッ!!!!!



スーツの至る部分についている機械から、次々にシステムが落ちたような音が聞こえてくる。


スーツの耐久力が、ドンドン削られているのだ。
完全な機能停止まで、そう時間は無いだろう。




浜面「クッ……ウォォォォォォォオオオオッ!!!!」ググググッ!!!


浜面が力を振り絞って、フレメアを抱き抱えたまま、足に力を込める。




メキィッ!!!……




直後、アパートの床を踏み砕くような音が響いた瞬間、浜面の姿が消えた。

パリィィィィィィイイイインッ!!!!




田中星人×4「!?」バッ!!



そしてその瞬間、2階の廊下の、外へと繋がる窓ガラスが割れる音が鳴り響き、田中星人達がそちらを向く。



しかしそこには、既に誰もいなかった。

…………




浜面「ハァッ……ハァッ……大丈夫か?お嬢ちゃん……」


フレメア「う、うん。大体大丈夫。にゃあ」



アパートの外の道路では、浜面が下になって、フレメアを落下の衝撃から守るように倒れている。




脱出したのだ。



フレメアを抱え、凄まじい破壊の力の衝撃に耐えながら。


浜面は、田中星人達の包囲を突破し、一瞬でアパートの2階から外へと飛び出した。

田中星人×4「」ジーッ……



浜面が飛び出した窓から、田中星人達が浜面達を覗いている。




フレメア「!?お、お兄ちゃん!!あのおじちゃん達がこっち見てるにゃあ!!早く逃げないと……お兄ちゃん?」



フレメアは、早く逃げようと浜面を急かすが、浜面の異変に気付く。




浜面「悪ぃ……お嬢ちゃん。ちょっと今は身体が動きそうにねぇや……」キュゥゥゥウン……




浜面のスーツの、様々な箇所に付けられた機械の部分からは、システムがダウンしたような音が鳴っている。



更に、吸収しきれなかった超音波の衝撃により、浜面の意識も朦朧としているようだ。

浜面「……お嬢ちゃん、よく聞けよ?今すぐここから離れろ。そして、他のお兄ちゃんやお姉ちゃん達を探して一緒にいるんだ。
大丈夫、向こうもお嬢ちゃんを探しているハズさ。すぐに見つけてくれる」


フレメア「お兄ちゃんは?お兄ちゃんはどうするの?」



浜面「俺は…………お兄ちゃんは、少し休んで悪い人達をやっつけてから追いつくよ。心配すんなって。ちゃんと行くからさ」ポンポンッ……



浜面は、フレメアの帽子の上から、撫でるように手を乗せる。

浜面「さっ、早く行ってくれ嬢ちゃん。大丈夫、悪い人達はもう他にはいないさ。ホラ、行った行った」



フレメア「……わかった。にゃあ。……絶対追いついて来てくれるよね?」



フレメアは、浜面の顔を真っ直ぐ見つめながら問いかける。



浜面「ハハハッ、大丈夫大丈夫。お兄ちゃんは強いからな、平気平気。さ、行くんだ嬢ちゃん」



浜面が笑いながら答えると、フレメアは安心したのか、そのまま走っていった。



その姿は、すぐに見えなくなる。

浜面「……さてと。ナビで見る限りは、上条達もこっちに向かってるみたいだし、あの嬢ちゃんは大丈夫だろ。
そんで俺はっと……」スッ……



少し体力が回復したのか、浜面が立ち上がる。




ダンッ!!


ダンッ!!


ダンッ!!


ダンッ!!



田中星人×4「」ウィンッ、ウィィンッ




そこに、4体の田中星人が降り立つ。




浜面「あの子がアイツ等と合流するまでの時間稼ぎか……死ぬかもな、こりゃあ……」チャキッ……




浜面は、Xガンを片手に、力無く項垂れた。

…………



フレメア「ハァッ、ハァッ……」タッ、タッ、タッ、タッ




フレメアがアパートから逃げ出して、3分も経たない頃。




上条「!?オイ!!あの女の子って……」



9980号「あの子は……浜面さんが助けに行った女の子ですね。と、ミサカはあの野郎一体何やってんだ?と不満を漏らします」


御坂「ニアミスしたのかしら?無事でホントよかったけど。オーイ!!こっちこっち!!」



フレメア「!?」



ナビの反応を追いかけてきた御坂達が、フレメアに呼びかけ、ようやくフレメアと上条達が合流した。

…………




浜面「ハァッ……ハァッ……そろそろあの子は合流したか?」ドロドロドロドロッ……



田中星人×2「」ウィンッ、ウィィンッ



田中星人(死体)×2「」シュゥゥゥウウウッ……





フレメアを逃がしてから数分後。



浜面は未だ闘っていた。



いや、かろうじて生き延びていたと言うのが正しいのか。




2体の田中星人の死体と側で佇む浜面のスーツからは、ドロドロとした液体が流れている。

浜面「ハァッ、ハァッ……それにしても、何か嫌な感じがするな……このスーツ。もしかして……」ゼェッ、ゼェッ



浜面は、今までの田中星人との戦いを振り返る。






お婆さんが死んだ駐車場での戦いで、一発。


フレメア救出時に受けた超音波が、四発分。


この2体の田中星人を撃破するまでに二発。





これだけの攻撃を、浜面は田中星人から受けている。




その全てが、スーツを着てない状態ならば、容易く致命傷になるほどの攻撃だ。



そして、スーツには耐久力がある。



そこから考えられる今の状況は……

浜面「スーツが……スーツがオシャカになっちまったのか?」ドロドロドロドロッ……



現在、浜面は生身の人間と、なんら変わらないという事である。



そう。



星人の攻撃を一撃喰らえば、致命傷のただの人間と。





田中星人×2「」コォォォォォォォォオオオオッ……


田中星人達が、超音波のエネルギーを溜め出す。





浜面「ッ!?ヤベェ!!このままじゃマジで死んじまう!!」ダッ!!!



それを見た瞬間、浜面は全力でその場から逃げ出した。


浜面「もうあの嬢ちゃんは合流したよな?あとは俺が生き延びるだけだ!!」ダッ、ダッ、ダッ



田中星人×2「ギョェェェェェエエエエエッ!!!!!」ダンッ!!!


そして、それを後ろから、田中星人達が空を飛んで追いかけて行く。

…………




アパートの前




浜面のスーツが壊れ、逃げ出した数分後。






ドォォォォォオオオオンッ!!!!!




突如、破壊音と共に、アパートの屋根を突き破って、何かが飛び出した。




???「ッグルォォォァアアアアアアアッ!!!!!」バサァッ!!!!バサァッ!!!!




その飛び出した何かは、けたたましい咆哮を上げると、颯爽と真夜中の19学区の空へと、飛び去って行った。

投下終了です。


とりあえず、浜面のスーツがオシャカになりました。


次回も、多分浜面からになると思います。そろそろ9980号とトリックアートにも出番が欲しいとこです。
そろそろ田中星人編も佳境なので、じっくり面白くしたいですねぇ。少年マンガっぽく。


ではおやすみなさい。

浜面まじかっこいいなぁ
乙です


来てたか
まってたよ

乙乙
スーツがオシャカを浜面に回収させてこうきたか


ちょくちょくガンツのシーンを入れてくるな
面白い


やっぱ浜面はこういうポジションが似合うな

あの状況で星人2体倒す浜面かっこよすぎる。

浜面はこういうクロス先が合う
進撃の巨人とか同じ雑誌のテラフォーマーズとかも合いそう

こんばんわ、1です。

少ないですが、キリがいいところまで出来たので、ゆっくり投下しときます。


昨日に引き続き、浜面サイドをお届けします。


>>757
ありがとうございます!!

>>758
>>762
>>763
>>764
現時点では、浜面が一番ガンツ武器を理解してますからねぇ。


>>759
更新遅くてすいません。しばらくはノロノロ運行です……

>>760
やっぱスーツオシャカは入れときたかったので。

>>761
うまいこと融合させたいですねぇ。

…………




浜面「ハァッ、ハァッ、クソッ!!まだ追ってきてんのか!?」ダッ、ダッ、ダッ



田中星人×2「ギョェェェェェエエエエエッ!!!!!」ビューン



スーツが壊れた事で、アパートの前から逃げ出すも、田中星人達はしつこく追ってくる。


スーツが壊れた今、田中星人に追いつかれれば、それは死を意味する事となるだろう。



浜面「アイツ等に……アイツ等と合流出来れば、何とかなるハズなんだ……」ダッ、ダッ、ダッ






学園都市第3位の『電撃姫』


規格外の力を宿したレベル0の無能力者




あの二人と会うことが出来れば、何とかなるハズ。

そう信じて浜面が必死で走っているその瞬間

田中星人A「ギョェェェェェエエエエエッ!!!!!」カッ!!!



追いかけてきている田中星人の一体が、かなり離れた位置から超音波を発射してきた。



浜面「な!?あんなところから……」ビビビッ……



スーツを着ている状態ならば、この距離での超音波攻撃は、そう大した脅威ではない。


というより、攻撃力はほぼ無いに等しい。



しかし、今の浜面はスーツが機能していない。



すなわち、どんな些細な威力だろうが……

浜面「グッ……音が……耳の奥で……」ダッ、ダッ、ダッ



「おわっ!?」ズルッ!!!



ズザァァァァァアアアッ!!!



人間の鼓膜にある、三半規管にダメージを与え、平行感覚を狂わせるには、十分なのだ。



既に体力をかなり消耗していた浜面は、足が縺れて転倒する。






ヒュンッ!!

ヒュンッ!!



田中星人A「」ダンッ!!!


浜面「クッ!?」チャキッ!!


田中星人B「」ダンッ!!!




側に着地した田中星人に向かって、浜面がXガンを構える。


浜面「クソッ!!クソッ!!!離しやがれこの野郎!!!」グッ!!グッ!!!



浜面がいくら抵抗しようと、ビクともしない。


並の人間の力では、星人には対抗出来ないのだ。




田中星人AB「」コォォォォォォォォオオオオッ……




浜面が必死で脱出を図る中、浜面を押さえつける二体の田中星人が、口内にエネルギーを溜め始める。

浜面「クソッ!!クソッ!!!チクショォォォオオオッ!!!どけよテメェ等!!俺は行かなきゃいけねぇんだよ!!!」グッ!!グッ!!!



その様子をすぐ目の前で見ている浜面は、田中星人へと力の限り叫び、抵抗する。



しかし、その抵抗は決して敵わない。




浜面「あの子と約束したんだ!!必ず追いつくって!!
婆さんに誓ったんだ!!必ずあの子を姉の元に帰すって!!!それをテメェ等に……テメェ等なんかに……」グググッ……



浜面が、右手に持つXガンの向きを、ホンの少しずつ変えていく。



その照準は田中星人ではない。



自分が今這いつくばっている地面だ。

浜面「テメェ等なんかに邪魔されてたまるかぁぁぁあああっ!!!!!」ギョーン!!ギョーン!!ギョーン!!!ギョーンッ!!!!






浜面が、自分の右手のすぐ下にある地面に向けて、トリガーを引く。




何回も。




何回も。




何回も。

田中星人AB「」コォォォォォォォォオオオオッ!!!!!




目の前では、田中星人の超音波が今にも発射されようとしている。



しかし、浜面は目を瞑り、全力で歯を食いしばっている。




3


浜面「テメェ等にこのまま殺られるくらいなら……腕の一本くらい捨ててやる……」



2


浜面「腕一本捨てて、生き残る可能性がホンの少しでもあるなら……」



1






浜面「あの子と婆さんの約束が守れるなら安い買い物だろうがクソッたれがァァァアア"ア"ア"ッ!!!!!!」









0

田中星人AB「ギョッ…」カッ!!!






田中星人達が、浜面にトドメを刺そうした瞬間










ドォォォォォオオオオンッ!!!!!!


ドォォォォォオオオオンッ!!!!!!

ドォォォォォオオオオンッ!!!!!!
ドォォォォォオオオオンッ!!!!!!
ドォォォォォオオオオンッ!!!!!!





浜面がXガンで撃った地面が爆発し、浜面と田中星人達は、その爆風によって吹き飛ばされた。

















爆心地には、浜面の千切れた右腕が、ポツンと落ちている。

…………





ドォォォォォオオオオンッ……

ドォォォォォオオオオンッ……





偏光能力「オイッ、何か爆発音みてぇなの聞こえなかったか今?」



浜面のいる地点へと向かう偏光能力が、一緒に行動している他のメンバーに問いかける。



9980号「えぇ、確かに聞こえました。と、ミサカは爆発音のした方向を確認します。
あの方向は、浜面さんと星人がいる方向では?」カチャカチャッ……


9980号は、Xショットガンの照準やダイヤルのようなモノを調節しながら、何やら色々と試しているようだ。




偏光能力「マジかよ……生きてんのかアイツは?」

フレメア「お兄ちゃんは生きてる!!にゃあ!!大体絶対追いついてくるって約束したもん!!」



偏光能力に、フレメアが怒鳴りつける。



涙目のフレメアに、銃器を下ろした9980号が、フレメアの目線に合わせるように、しゃがんで答える。



9980号「大丈夫です。浜面さんは帰ってきますよ。と、ミサカは自信を持って答えます」



フレメア「そうだよね……約束したもんね?ちょっと遅刻しているだけだもんね?」




9980号「えぇ。なんせ、こんな可愛らしいレディを待たせるのは何事かと、あの二人が浜面さんを迎えに行きましたから。と、ミサカは確信を持って答えます」ニコッ……



9980号が、今までの無表情から少し、本当にホンの少しだけ優しい微笑みをフレメアに送る。

投下終了です。



次回からは、またキャラクターチェンジになると思います。

まぁ、次回がいつになるかわかりませんが……まぁ、明日かもしれないし一ヶ月後かもしれないので、気長にお待ちください。


ていうかフレメアのキャラがイマイチわからない……


おやすみなさい。

乙!

おつおつ

右腕とれるのは原作にあるシーンなん?
ハマちゃんが心配じゃん

乙でした


カッケェー


続きが気になるううぅ

原作でも生きてさえいれば例え四肢が断絶してても完全復活した状態で帰還できるからな。 生きてりゃだけど


現時点の右腕もげは原作よりかなりピンチではある

こんばんわ、1です。


何とか続きが書けました。

少しだけですが、キリがいいとこまで投下したいと思います。



>>778
>>779
>>781
>>782
>>783
ありがとうございます!!どこまで連続で投下できるかわかりませんが、ほどほどに頑張ります!!


>>780
>>785
原作にはないですね。ここからは少しオリジナル色が強くなりそうです。
だって漫画の田中のボス戦すぐ終わったもの……


>>784
その辺りは、原作と同じです。転送で完全回復です。

…………




浜面のXガンによって、破壊された地面のすぐ側



田中星人AB「…………」




爆発によって吹き飛ばされた田中星人達は、静かに横たわっている。




ズルッ……ズルッ……



静寂に包まれたこの場所で、何かが這いずるような音が鳴り響く。





浜面「ハァッ……ハァッ……」ズルッ……ズルッ……




そこには、爆発の衝撃で右腕が吹き飛び、身体中も血塗れになっている浜面が、地面を這いつくばっていた。

浜面「ハァッ……ハァッ……戻るんだ俺は……アイツ等のところに……あの子の側に……」ズルッ……ズルッ……



千切れた右腕の部分からドクドクと血が流れている。




既に意識も定かでは無いだろう。
このまま止血もせずに放っておけば、間違い無く死に至る。




浜面「戻るんだ……俺は……」ズルッ……ズルッ……



それでも浜面は、ひたすら地面を這いつくばって移動している。


自分が守るべき、小さな女の子の元へ。










田中星人AB「…………」ユラァッ……



その背後で、田中星人達がゆっくりと起き上がり、浜面の方を見つめる。

浜面「上条……御坂……嬢ちゃん……」ズルッ……ズルッ……




田中星人AB「…………」ウィンッ、ウィィンッ



ザッ、ザッ、ザッ、ザッ!!



田中星人達が、浜面の方へと歩いていく。



浜面は全く気づいていない。



気づいたところで、身体が自由に動かない今、逃げることは敵わないが。





浜面「駒場……半蔵……俺は……俺は……」ズルッ……ズルッ……




田中星人AB「…………」スッ……




田中星人達の、死刑宣告を告げる手が、浜面に近づく。

バチバチッ……



田中星人AB「!?」ウィンッ!!



その瞬間、浜面の頭上に紫電が走る。


同時に、田中星人達が、浜面から視線をずらし、前方を見る。






そこには、1人の少女が立っていた。

バチバチと、稲光を纏いながら。

「こんなところで寝てる場合じゃないわよ浜面さん。
貴方の大事なお姫様が、貴方が来るのを待ってるんだから!!」バチバチバチバチバチバチバチッ!!!!






バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!!!







その直後、眩しく青光る稲光が、轟音と共に浜面の頭上を走り、田中星人達を包み込んだ。

…………




御坂「浜面さん!!浜面さんしっかりして!!」


浜面「……」



御坂は浜面の傷口をしっかりと止血し、浜面に呼びかける。



度重なる戦闘によるダメージと、出血のせいだろう。生きてはいるが、意識が戻らない。




御坂「マズイわね……右腕の血を止めるまでに、流れた血が多すぎる。このままじゃあ……」




御坂が浜面の怪我の応急処置に勤しんでるその時

田中星人AB「ギョォォォォオオオオオッ!!!!」ゴォォオッ!!!!



御坂の電撃によってところどころ溶けた田中星人達が、ホラー映画ばりに、御坂に襲いかかる。






「ウォォォォォォォオオオオッ!!!!」ブンッ!!!



バキィィィィィイイイイッ!!!!!



田中星人AB「ギョェェェェエエエッ!!!!」ズザァァァァァアアアッ!!!



しかし、寸前で強烈なパンチを喰らい、二体まとめて吹き飛ばされる。



上条「ビリビリの電撃だけじゃあ、お前らはまだ動けるってのはもうわかってんだよ!!」チャキッ!!



男女平等パンチから生物皆平等パンチにランクアップした、上条の右ストレートにより、ノックアウトしている田中星人達に向かって、上条がYガンを向ける。


バシュンッ!!

バシュンッ!!



田中星人AB「ギョッ!?」バチバチッ!!



命中したYガンの捕獲レーザー網によって、田中星人達はその場に捕縛される。




上条「フゥッ……少しこの銃にも慣れてきたな。遠くから一発で捕獲出来れば安全なんだが……」カチッ




中星人AB「」ジジジジジジジッ……



再びYガンのトリガーを引くと、田中星人達は、頭から何処かへと転送されていった。

上条「よし……これで一安心だな。御坂、浜面は大丈夫か?」




御坂「応急処置は出来たし、何とか生きてはいるみたい。
早く治療しないとかなり危ないけどね。ていうかアンタ、さっきさりげなくビリビリって言ってたでしょ?覚えてなさいよ?」




上条「治療か……確かあの部屋に転送されれば、生きてる限りは完治するんだったな」



上条は前回のミッションで、背中を斬られた浜面が、部屋に転送された時には完治していたことを思い出す。

御坂「確かそうだったわね。だとしたら……全ての星人を早く倒さなきゃいけないわね」



上条「……やるしかねぇだろ。浜面を助ける為にも、浜面が助けようとしたあの子を守る為にも」




偏光能力「お、いたぜ嬢ちゃん。お前のボディーガードが……おい、大丈夫なのか?ソイツ」



フレメアの護衛として、遅れてきた偏光能力達が、先行した上条達に合流する。


どうやら、浜面の様子を見て、ある程度の状況は理解出来たようだ。




フレメア「お兄ちゃん!!」ダッ!!!



9980号と一緒にいたフレメアが、浜面の側に駆け寄る。

御坂「……大丈夫よ。ちょっと寝ているだけだから」


御坂は、フレメアにこれ以上心配させまいと、少し嘘をつく。


まだ生きてはいるが、危険な状態なのだ。


早くミッションをクリアし、GANTZに転送してもらわなければ恐らく……




9980号「お姉様。これで全ての星人を倒したのですか?
と、ミサカは自分の出番が少ない事に少し不満を持ちます」



御坂「不満って……別に戦わないに越した事はないでしょうよ。ちょっと待ってね。多分あと数体は残ってると思うけど」ピッ、ピッ




御坂がナビを見ようと、デバイスを開いたその瞬間









ゴトンッ!!






近くに、空から何かが落ちてきた。

偏光能力「ん?何だアレ……!?オイッ!!嬢ちゃんの目を隠せ!!絶対アレを見せんな!!!」



落ちてきたモノを見た偏光能力が、フレメアの視界に入らぬように身体を動かす。





上条「うっ!?」


御坂「ヒッ……」バッ!!!



それを見た上条は青ざめ、御坂は出てくる悲鳴を、フレメアを驚かさないように咄嗟に飲み込んだ。


二人とも、身体の芯から震えが止まらなくなった。









落ちてきたのは、暴走族グループの生き残り。



不良Aの生首だった。

ドサァァァァアアアッ!!!!




再び何かが。



今度は先ほどよりも、大きなモノが落ちてきた。




上条「!?グッ……マジかよ……」





それは、不良Aの首を除いた身体だった。








バサァッ!!!


バサァッ!!!


バサァッ!!!!


バサァッ!!!!!





直後、翼を大きく羽ばたかせるような音が、辺りに鳴り響く。

ザンッ!!!



「グルルルッ……」



そしてその音の主は、上条達を見下ろすような位置にある建物の屋上に着地し、そこから上条達をジッと見下ろしている。





上条「なん……だ……アイツ……」



御坂「新しい……星人?」



偏光能力「オイ……星人ってのはあの人形みてぇなヤツだけじゃなかったのかよ……」



9980号「明らかに今までのとは違いますね。と、ミサカは驚愕します」



フレメア「……大体何あれ?大きなカラス?にゃあ」

大きなカラス。



フレメアの表現したこの言葉が、その星人を表すにはピッタリな言葉だろう。





大鴉「グルルルルルッ…………」




その見た目は、カラスのような頭と真っ黒な、ゴリゴリに筋肉質の身体と羽。


そして、脚は人間の脚よりも更に太く、どこぞの国の伝説にいる、鳥人のような姿である。


このカラスには腕はないが。






そして人間など、軽く突き殺せそうな大きく鋭い嘴には、呼吸器のようなモノがつけられている。



地球の空気は、この星人には合わないのだろうか?

大鴉「グルルルッ……」ギョロッ、ギョロッ



大鴉は、標的を選ぶかのように上条達を見下ろしている。






バサァッ!!!!

バサァッ!!!!



標的を選び終えたのか、大鴉が大きな翼を羽ばたかせ、宙へと舞い上がる。




上条「!?来るぞっ!!!」



大鴉が選んだ標的は……

大鴉「グルァァァァァァアアアアッ!!!!」バサァッ!!!



御坂「!?わ、私!?クッ!!」バチバチバチッ!!!



御坂は、介抱していた浜面を地面に寝かせ、空中から襲ってくる大鴉の迎撃準備を行う。




御坂「舐めんじゃないわよ!!焼き鳥になりたいの!?」バチバチバチバチバチバチッ!!!!



御坂の電撃の槍が、空から急降下してくる大鴉へと直進する。

大鴉「グルッ!!」バサァッ!!!


バチバチバチバチバチバチッ!!!



御坂「ウソッ!!空中で躱された!?」バチバチッ……



空中で急激に方向転換し、大鴉は御坂の電撃の槍を容易く躱す。
どうやら、巨体とはいえ、空中戦はお手の物のようだ。



ズザァァァァァアアアッ!!!!

そして、地面を抉るように、地へと降り立つ。



大鴉「グルルルッ……」ギョロッ!!!



その目は、既に標的を真っ直ぐに見つめていた。



その先にいたのは……




御坂「!?違う!!コイツの狙いは最初から私じゃない!!コイツの狙いは……」

大鴉「グルァァァァァァアアアアッ!!!!!」ダンッ!!!



大鴉が地面思いっきり蹴り、地を這うように、猛スピードで飛び立つ。



その先にいるのは御坂ではない。




先ほど、御坂に一番近い位置にいた人間。



御坂が介抱していた人間。





上条「誰か止めろぉぉぉおおおおっ!!!狙いは浜面だっ!!!」




この中で一番、自分の同胞の血の臭いがする人間。


計5体の田中星人を撃破している浜面である。

大鴉「ガァァァァァアアアッ!!!!」ガパァッ!!!



大鴉が、大きく嘴を開いて、浜面の首元を狙う。




ズンッ!!!!!




大鴉の嘴が、地面に横たわる浜面の首を捉えた。





そう、大鴉は認識していた。

大鴉「!?」



大鴉は、目を疑う。


自分の同胞の仇が、目の前からいつの間にか消えているのだ。


確かに捉えたハズだったのに。






「ハッ!!どうした?見当違いのところを攻撃して……『見間違い』でもしたのか?鳥野郎」チャキッ!!




大鴉「!?」バッ!!


ギョーンッ!!!

ギョーンッ!!!



大鴉の側で、男が銃を構え発射するも、咄嗟に大鴉はその場を離脱する。

上条「どういうことだ?あの鳥、浜面じゃなくて、その少し手前をいきなり攻撃しやがった……」



御坂「え!?私には、浜面さんがあの鳥にやられたかと思ったんだけど……」



9980号「私にも、あの人の首に嘴が刺さる瞬間が見えました。と、ミサカは自分の目を疑います」



フレメア「私は大体、さっきから目を覆われてて何も見えない。にゃあ」




どうやら、人によって見え方が分かれているようだ。




しかし、幻想殺しを持つ上条のみが、他と意見が違うということは、答えは一つしかない。




何らかの異能の力が働いているのだ。

偏光能力「ハッ……この俺の『偏光能力(トリックアート)』が、まさか人を救う為に使われるとはな。人生わかんねぇモンだ」



どうやら、偏光能力が何かを仕掛けたようだ。
浜面への、大鴉の攻撃が外れる何かを。




偏光能力「おい、お前等。コイツは俺が相手するからその嬢ちゃんと馬鹿を連れて、こっから離れろ」



御坂「な!?馬鹿言うんじゃないわよ!!あんなのを1人で任せられるわけ」



偏光能力「うるせぇ。ガキとケガ人がいたままでコイツとやり合う方が、よっぽどめんどくせぇよ。
それに、さっきからテメェ等ばかりに美味しいところを持ってかれてんだ。そろそろ俺にも暴れさせろよ」チャキッ……



偏光能力は、Xガンを構え、大鴉と対峙する。

御坂「で、でも1人でコイツと戦うはやっぱ無理」



9980号「大丈夫ですよお姉様。と、ミサカはお姉様のセリフに被せます」スッ……



9980号が、偏光能力の側に立つ。




9980号「ミサカもここに残ります。それなら2対1。こちらが有利ですよ。と、ミサカはお姉様をなだめます」



偏光能力の側に立つ9980号は、Xショットガンを抱えている。



御坂「あ、貴女……」



御坂は言葉を失う。

9980号「大丈夫ですよ。ミサカはあんなカラスよりももっと得体のしれない化物のような相手を知ってますから。
と、ミサカはお姉様を心配させまいとします」ニコッ……



9980号が、ホンの少しだけ御坂に微笑む。




上条「……行くぞ御坂。どっちにしろ、浜面とフレメアを戦いの場に置いておくわけにはいかないんだ。今はあの2人を信じるしかねぇよ」ポンッ……



上条が、御坂の肩をポンッと叩き、場を離れることを促す。



御坂「……わかったわよ……死ぬんじゃないわよ?アンタ達……」



そう告げると、上条は浜面を背負い、御坂はフレメアを連れてその場から離れた。

大鴉「グルルルッ……」スッ……



大鴉が浜面を追いかけようとした瞬間






チャキッ……


大鴉の頭に、XガンとXショットガンが、両側から押し付けられる。




9980号「ミサカが生きてる間は、あの人達を追うことは出来ませんよ?と、ミサカは大きなカラスに対して、無視してんじゃねーよ。と、愚痴をこぼします」



偏光能力「今まで出番無くて退屈してたんでなぁ。一丁遊んでくれよ」




大鴉「グルルルッ……グルァァァァァァア"ア"ア"ア"ッ!!!!」



大鴉の咆哮と共に2人が離れ、この場にいる全員が、戦闘体制に入った。

投下終了です。


とりあえず、浜面は戦線離脱です。


次回は、やっと出番が来た偏光能力と9980号VS田中星人(大鴉)をお届けします。


それではおやすみなさい。



あ、あれー?偏光能力さんがイケメンだぞー?

乙!
生物皆平等パンチくそワロタwwww

生物皆平等パンチwww
偏光能力さんがかっこよくてちょっとテンション上がった
このスレって泥臭い小物キャラがかっこいいw

乙です
偏光能力までいい味出してていいねぇ…

完全にフラグやがな
9982号並の

浜面…ゆっくり休め…

原作のアホみたいなキャラ付けのせいだけど
にゃぁにゃぁ言ってると変に緊張感ないヤツみたいだな
それもガンツっぽいけど

こんばんわ、1です。

お陰様で、何とか連日更新出来てます。

いつ途切れるかわかりませんが、とりあえず6月中にこのスレは終わらせたいと思います。


それでは、ゆっくり投下していきます。



>>814
>>817
>>818
>>1のSSは、何故か基本、脇役のが活躍しちゃいます。


>>815
めんどくさいから、もうとりあえず全員殴っとけって感じですwww


>>819
クククッ……


>>821
浜面さんのライフは、もう限りなく0に近いのです。

>>822
にゃあはいらないっすよね……にゃあは……

ダッ、ダッ、ダッ、ダッ



御坂「大丈夫かしらあの2人……明らかに今までの田中星人より格上でしょ?やっぱり私が残ったほうがよかったんじゃ……」ダッ、ダッ、ダッ



大鴉の襲撃地点から離れる為に、フレメアと負傷した浜面を連れて、上条と御坂が全力で走り抜けている。



上条「あの2人がやるって言ったんだ。だったら任せるしかねぇだろ。
それに、1人はお前の妹なんだ。信じるしかねーだろ!!」




御坂「妹か……本当に何者なんだろあの子……ていうか、あの子戦えるのかしら?」

…………




偏光能力「ぉおっ……スゲーなアイツ……レベル5の姉貴よりも、戦闘に慣れてんじゃねーの?」




偏光能力は少し遠めで、9980号と大鴉の攻防を見物している。




大鴉「グルァァァァァァアアアアッ!!!」ガパァッ!!!


大鴉の嘴が開き、勢いよく9980号へと噛みつく。


しかし、9980号は寸前でひらりと身をよじり、噛みつきを避ける。



9980号「ターゲット補足」チャキッ!!


そして、避け様に、Xショットガンを片手で構え、大鴉を狙う。

大鴉「グルゥッ!!!」バサァッ!!!


その瞬間、大鴉は大きく翼を広げ、一気に空へと飛び立つ。


ギョーンッ!!!

ギョーンッ!!!


9980号「外しましたか……素早いですね。と、ミサカは少し悔し気にあのカラスを睨みつけます」



二発発射するも、大鴉の動きが速く、照準を外される。




ビュォォォォオオオオッ!!!!!



空へと飛び立った大鴉は、そのまま急降下してくる。


鋭く尖った脚の爪を、9980号に向けながら。

9980号「!?クッ……」バッ!!


9980号は、素早くその場から離れる。



ズザァァァァァアアアッ!!!!!


大鴉は、鋭い脚の爪で道路を抉りながら、着地する。




9980号「どうやら、あのカラスの武器は、鋭い嘴と、脚の鉤爪のようですね。加えて、空中での機動力はかなりもモノです。と、ミサカは敵戦力の分析を行います」


偏光能力の側に戻ってきた9980号が、大鴉の情報をまとめて伝える。

偏光能力「爪だけで道路が抉れてやがるからな。捕まりゃスーツ着てても引き剥がせずに、終わりかもな。
ところで、お前何でそんなに戦い慣れてんだ?身のこなしや銃の扱い方が、中学生のレベルじゃねーだろ」



9980号「ミサカは軍用ク……もとい、銃火器を用いた戦闘を目的に教育を受けましたので。それに、このスーツのおかげか、身体がとても軽いのです。
と、ミサカは自身について、少しフィルターをかけた説明をします」



偏光能力「……ハッ、まぁお前の素性なんざ知ったこっちゃねーか。それよりも今は、目の前のバケモンだ。全然こっちの銃が当たんねぇな」



偏光能力が、大鴉を指差す。



大鴉は、警戒するように、ジッとこちらを見ている。

9980号「……こちらの照準を見て、そこから逃れるように動きますね。
当てるには向こうの動きを先読みしなければ。と、ミサカはどう攻めていくかを考えます」



偏光能力「先読みとかめんどくせぇ事しなくても、要は向こうの機動力を削げばいいんだろ?
ならあの羽に、一発でもこっちの攻撃を当てれば、動きが落ちて、こっちの勝ちだ」




大鴉「グルルッ……」ググググッ……


大鴉が、太く逞しい脚に力を込め始める。

9980号「ハァッ……その一発を当てるのに苦労しているのですが?
と、ミサカは貴方との会話のキャッチボールが成立しないことに溜め息をつきます」ハァッ……


偏光能力「馬鹿にしてんのかテメェ!!……まぁ見てろ。俺が絶対に避けられねぇ攻撃ってのを見せて」



大鴉「グルァァアアアアアアアッ!!!!!」ドンッ!!!


次の瞬間、猛スピードで大鴉が偏光能力へと突進してきた。

偏光能力「や……ってちょっま"」ドスッ!!!



ドゴォォォォォォオオオオッ!!!!



その勢いのまま、偏光能力に嘴を突き刺し、勢いよく突き飛ばす。


偏光能力はそのまま、近くの建物の壁をぶち破り、中へと突き飛ばされた。


大鴉「グルルルッ……」ギョロッ!!!


偏光能力を吹き飛ばした大鴉は、9980号の方をギョロリと睨みつける。



9980号「……何をやってるんでしょうかあの人は……と、ミサカは余りにも不甲斐ないあの人を、心配するどころか鼻で笑います。スーツのおかげで多分無事でしょうし」ハッ


鼻で偏光能力を笑い、9980号は大鴉へとXショットガンを構える。

大鴉「グルッ!!」バッ!!


ギョーンッ!!!

ギョーンッ!!!


すぐさま発射するも、大鴉に簡単に躱される。


9980号「やはり当たりませんね。あの人の絶対に当たる攻撃と言うのも気になりますが……仕方ないです。
と、ミサカは先ほど発見した切り札を使用することに決めます」ギョーンッ!!ギョーンッ!!!


9980号は、大鴉を牽制するようにXショットガンを撃ちながら、銃についているフォアグリップに手を伸ばす。

カチカチッ……カチカチッ……



そのままフォアグリップを奥に動かすと、Xショットガンのモニターに表示されている、照準を示す+マークのようなモノが変化し、○のマークへと変わった。



9980号「最初、お姉様にこの銃の名称はXショットガンと聞き、実際に何回か撃って見たところ、どこがショットガンだよライフルじゃねーか。と、ミサカは内心ツッコミました」スッ……



9980号は、再び照準を大鴉に合わせる。


大鴉は空を素早く旋回し、照準から逃れようとしている。

9980号「そこで、このスライド式のフォアグリップを動かして見たところ、ようやく納得しました。

この銃は、デフォルトではライフルのように長距離射程の一点特化の高威力。
ですが、フォアグリップをスライドさせることで、威力が弱まる代わりに、その攻撃範囲を広げることが出来るのです。

と、ミサカは最大限に広がった照準をあのカラスを合わせ、トリガーを引きます」カチッ!!


ギョーンッ!!!!!





9980号のXショットガンの銃口が、大きくXの形に広がり、そこから光が発射された。

3


大鴉「グルルルッ!!!」バサァッ!!!!


大鴉が、空中旋回から9980号への攻撃へと体勢を変える。



2


バサァッ!!!!

バサァッ!!!!


大鴉「グルァァアアアアアアアッ!!!!」ギュォォォォオオオッ!!!


そのまま一気に、弧を描きながら急降下してくる。
真っ直ぐ飛んで来ないのは、銃の反撃を躱す為だろう。



1


9980号「……」スッ……


9980号は、構えていたXショットガンを下ろし、真っ直ぐ大鴉を見ている。

攻撃を躱す素振りなど、微塵も見せずに。





0


大鴉「グルァァアアアアアアアッ!!!」ギュォォォォオオオッ!!!



大鴉の鉤爪が、9980号を捉えようとしたその瞬間



ドンッ!!!!!


大鴉「グギャァァァァァァアアアアッ!!!!!」グラァッ!!!


ズザァァァァァアアアッ!!!!




突如、大鴉は全身に強い衝撃波を浴び、身体中から血を噴き出しながら、地面へと墜落する。





9980号「……ターゲットに命中を確認……」

9980号「見た目ほどのダメージはないハズです。範囲を広くすればするほど、反比例して威力はかなり弱まるみたいですので。

それでも、あなたを空から落とし、少しの間だけでも動きを封じるには効果的でしたね。
と、ミサカはグリップの位置を元に戻しながら大きなカラスに近寄ります」カチカチッ……



9980号が、淡々とした口調で喋りながら、大鴉に近づいていく。



大鴉「グルルルッ、グルァァアアアアアアアッ!!!!」ガパァッ!!!


大鴉は地面に這いつくばった状態から、9980号に喰らいつこうとするが、ひらりと躱される。

ギョーンッ!!!



躱し様に、大鴉の翼へとXショットガンを撃ち込む。
範囲を最小まで絞り、高威力の状態で。




グシャァァァァァァアアアアアッ!!!!



大鴉「グギャァァァァァァアアアアッ!!!!!」ブシュゥゥゥウウウッ!!!



数秒後、翼は爆発し、大鴉の悲鳴が辺りに響き渡る。




9980号「お姉様は、ミサカに言いました。誰の言う事も聞かなくていい。自分の意志で自分の命を生きろと。
なので、ミサカは自分の意志で決めました。……お姉様や、あの部屋の人達を、あなた達星人から守る為に生きようと」チャキッ!!



9980号が、大鴉の頭にXショットガンを向ける。

大鴉「グルルルッ……」ググググッ……



大鴉が、真っ直ぐ9980号を見る。



例え種族が違っても、星人でも一目でわかるくらいの、憎しみと怒りを目に浮かべて。



自分の同胞を皆殺しにした人間への憎悪の感情が、ハッキリと読み取れた。



9980号「お姉様だったら……まともな人間でしたら、殆どの方はこの引き金を引く事に、心を痛めるのでしょうか?
……生憎ミサカには心や感情が無いですし、そもそも人間ではありませんが。と、ミサカは躊躇い無く、引き金を引きます。さようなら」カチッ!!






ギョーンッ!!!!!

…………



ガラガラガラッ……



偏光能力「っ痛……クソ、調子に乗りすぎたか。あの鳥野郎、今から俺の能力でボコボコにして……」




大鴉に突き飛ばされた偏光能力が、建物の中から出てくると、目の前には大鴉の死骸と、血塗れの9980号の姿があった。

9980号「……ん?あぁ、無事だったのですか?と、ミサカはフォローしようがない程、無様なあなたを鼻で笑います」ハッ


9980号が、いつも通りの無表情かつ、抑揚の無い声で、偏光能力に悪態をつく。



偏光能力「別にフォローしろなんざ言ってねぇだろ。笑いたきゃ笑え。
で、結局1人で殺ったのか?この鳥野郎を」



9980号「えぇ……トドメを刺す時に、物凄い目で睨まれました。憎しみが篭った目で。
と、ミサカは、感情の無い自分には理解できない目でしたと、報告します」



9980号は、自分が殺した大鴉を見下ろしながら、呟いた。

自分は人間では無く、『モノ』。



『モノ』には感情なんてない。



そう理解している9980号には、憎しみという感情を、相手から感じることはわかれど、理解することは出来ないと思っていた。




偏光能力「感情が無いだぁ?の割には、随分ひでぇ顔だがなぁ」クイッ



偏光能力は、その辺にあるミラーを指差し、9980号に自分の顔を見てみろと、ジェスチャーを送った。

9980号「これは……なぜ……ミサカは痛みを伴う怪我などはしていないハズ。と、ミサカはこの状況が理解できません」



9980号は、ミラーに映った血塗れの自分の姿を見る。そして、その目を見て驚愕する。



偏光能力「知ってるか?痛み以外で……感情で涙を流すのは人間だけなんだってよ。
お前のそれが、どんな感情で流れたかは知らねぇが、俺にはどう見ても、お前が人間以外のモンには見えねぇけどな」ザッ、ザッ、ザッ、ザッ



偏光能力は、かったるそうにそう言うと、上条達の元へと戻っていった。



9980号「涙……これが……この胸の痛みが、何らかの感情なのでしょうか?」スッ……


9980号が、自身の頬を伝う涙を拭う。

…………




第19学区 旧商店街 古ぼけた倉庫



古い街並みの多い19学区でも、更に古い一区画。



大鴉の襲撃から逃れる為に全力で走り抜け、今では誰も店を開いていない、住んでもいない商店街の倉庫に、未だに意識が戻らない浜面を運び込んだ。



上条「ここに隠しておけば、ひとまずは安心だろ。御坂、偏光能力とお前の妹はまだ無事なのか?」



御坂「ちょっと待って……うん、多分無事だと思う。まだあの大きなカラスと戦ってるみたい」ピッ



デバイスに表示されたのは、数分前から先ほどの場所に変わらずにいる3つの反応。

御坂「ん?……!?ちょっと待って!!私達の近くに誰かいる!!」



ついでに、自分達の周囲も見てみようと確認してみると、すぐ近くに、GANTZメンバーの反応があった。


御坂「ちょ、ちょっと待って!!さっきの場所には偏光能力と妹。ここには、浜面さん、フレメアちゃん、アンタ、私よね?じゃあこの反応は……」





上条「……天井が近くにいるのか?」






今まで、レーダーに反応すら無かった天井。



おそらく周囲と同化するやり方と同じように、レーダーからも反応を消す方法があるのだろう。



それが突然解除されたということは、天井に何かあったのだろうか?




上条「…………ちょっと行ってくる。御坂、お前はここで浜面とフレメアを見ててくれ」


御坂「へ?で、でも」



上条「様子を見てくるだけだ。それに、万が一ここに星人が来たら、誰がこの二人を守るんだよ。大丈夫、すぐに戻るさ」スッ……




上条は、倉庫から出て、商店街へと移動した。

投下終了です。


こんな偏光能力なんて偏光能力じゃねーよwって思った方。


>>1もそう思います……


でも、偏光能力の能力って、GANTZみたいに高威力の武器があれば相当強力と思うんですよね。



次回から、多分田中星人ラスボス戦です。
オリジナル星人になりますが、温かく見守ってやってください。


それではおやすみなさい。

乙です
9980号も偏光能力さんも人間味あって死んで欲しくないなぁ

乙 
オリジナルラスボス・・・これは天井くんピンチか?


天井「スーツがオシャカになったッ!!」

乙でした

いつの間にか追い付いていた。
続きも楽しみだ。


例え天井が殺られても第二第三の天丼が……

>>857
所詮、天井など天丼界のツラ汚しよ……

このタイミングでレーダーに反応したということはやっぱり・・・

こんばんわ、1です。


少なめですが、ゆっくり投下しておきます。


ラスボス登場編です。


原作でも特に活躍のなかった田中星人ボスを更にランクアップさせたらどんな感じなのか?

ってことで、>>1なりに考えてみました。


>>852
こっからどうなるでしょうかねー。

>>853
>>854
>>857
>>858
>>859
天井さんには、存分に西クンポジを堪能していただきます。


>>855
>>856
ありがとうございます!!引き続きよろしくお願いします!!






●『00:12:45』





…………



旧商店街 東エリア




上条「…………な、なんだこれ……ここで何があったんだ?」



大きく西エリアと東エリアに分かれる旧商店街。



浜面や御坂のいる西エリアの端の倉庫から、天井の反応があった東エリアに入った途端、寂れた商店街の景色が一転した。



どこもかしこも、火の手が上がり、静かに燃えている。


更に、局地的に爆破したかのように破壊され、あちこち何か巨大な力に押し潰されているのだ。



道も。


店も。


建物も。



大きな建物に至っては、その建物の断面図を表すように、抉れている。

上条「一体何をどうやったら、こんな壊れ方すんだよ……」ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……



上条が、瓦礫の散らばる道なき道を、前に進む。





ギョーンッ!!!!

ギョーンッ!!!!



すると、どこからか聞き覚えのある音が聞こえてきた。




上条「今の音……Xガンか!?おい!!居るのか天井!!返事しろよ!!」



上条は、天井がXガンを撃ったと思い、周囲に天井の姿を探す。

ドォォォォォォォオオオンッ!!!!

ドォォォォォォォオオオンッ!!!!



上条「おわっ!?」ビクッ!!



数秒後、上条の近くでXガンの爆発が起きる。
どうやら、今のXガンの攻撃は、上条を狙ったモノらしい。



上条「っ……馬鹿野郎!!味方撃つんじゃねぇよ!!おい何処だよ天井!!返事し……!?」バッ!!



予想外の攻撃に、周囲を警戒する上条の目の端に何かが映り込み、もう一度確認する。

天井「……あぁ……何だ、君だったのか……悪いな……人形の方の星人かと思ったんだ」



そこには、崩壊した建物の壁に、座り込んで寄りかかる天井の姿があった。



上条「天井……アンタ……アンタが何でそんな……」



上条は己の目を疑う。




天井は1年以上GANTZの部屋で闘ってきたという猛者だ。



自分達の中で最も生存率は高いハズ。



ではこの姿はなんだ?

天井「ん?今何か言ったか?……悪いが耳をやられて聴き取りづらくてね。
目もあまり見えないから、キミと判断するのに時間がかかったんだ。
まぁ、目が見えづらいからこそ、君を撃たずに済んだんだがな」



そこにいる天井は、耳からは血を流し、目からも血を流して視力にダメージを負い、左腕と左足首が千切れ、身体中血塗れの姿になっていた。

…………



●『00:12:45』




古びた倉庫内




御坂「!?レーダーに星人の反応が……天井と当麻のいる商店街の近くで止まっている……」ピッ、ピッ



意識の無い浜面と、非戦闘員であるフレメアを上条に任された御坂は、デバイスのレーダーで、上条達に迫る危機を察知していた。



御坂「どうしよう……もしあの二人が星人に気付いてなかったら……。
そもそも天井が無事な保障は無いし、下手したらまた当麻1人で星人と……。
でも私はここで浜面さんとフレメアちゃんを守らなきゃいけないし……」

どちらも守るべき存在。




しかし、1つしか選べないこの状況に、御坂は悩む。




「……心配……すんな……御坂……」




御坂「!?」

フレメア「あっ!!!お兄ちゃん!!」



御坂とフレメアは、声の主へと振り向く。




浜面「フレメアは……ここで俺が守るから……お前は早く……上条のところにいけ……」




何ともしぶとい男が、ようやく目を覚ました。

●『00:12:45』




偏光能力「ァァアアアクソがっ!!!どうやって使うんだよこのレーダーだかナビだか知らねぇがよぉ!!」ピッ、ピッ、ピッピッピッピッピッ!!!!



レベルアッパーを所持していた割に機械類は苦手なのか、大鴉戦後に上条達の元に行こうとした偏光能力は、デバイスを連打していた。




「……他のメンバーの位置は、既にミサカが把握しています。と、ミサカはできる女であることを自慢します」スッ……

偏光能力「!?お前……何だよ、泣き足りねぇなら、まだ泣いてていいんだぜ?」



偏光能力は、横から出てきた人物に対して、悪態をつく。



9980号「問題ありません。この涙の理由はわかりませんが、行動に支障はないので。
と、ミサカは女性の泣き顔を見んじゃねーよと、貴方を蹴りつけます」ゲシッ!!ゲシッ!!

●『00:10:40』




天井「やはり、最初にあのバカ共からもらった銃撃が効いたかな……予想以上に早く、スーツがオシャカになってしまってね。
ラスボスのような鳥に追い詰められて、命からがら逃げ延びたってところだ」



天井が苦笑しながら、これまでの経緯を語る。



上条「鳥って……あのカラスみたいな黒いデカイ鳥か?だったらソイツは偏光能力と御坂の妹が」



天井「黒いデカイカラス?ハハッ、違う違う。あんな雑魚なら、例えスーツが壊れてもここまではならないさ。既に3体ほど殺っているしね」

上条「!?あれが雑魚って……なら、あれより更に上のヤツがいるってのか!?」



上条が、大鴉よりも更に上の存在がいることに驚く。



天井「あぁ……金色のがな……アレは鳥というか……鳥人というヤツかな?インドかどこかの神話の『ガルーダ』とかいう化け物によく似ている……。

……フッ、そういえば、田中星人の好きなモノ……チョコボールとあったな。大きなカラスが銀のエンゼルだとすれば、あれは金のエンゼルか?

……よかったな、アレを倒せばもれなく、おもちゃの缶詰がもらえるぞ?」スッ……




天井が、よくわからないジョーク?をとばしながら、遠くに向かって指を指す。

上条「……アイツが本当のラスボスか……」



天井が指す方へと、上条が視線を移す。










鳥人「…………」バサァッ!!……バサァッ!!!!









そこには、4枚の大きな赤い翼を羽ばたかせ、宙に浮かぶ金色の『鳥人』が、遠くからこちらの方を見ていた。


投下終了です。


天井さん満身創痍&ラスボス登場でした。


ラスボスは、天井さんの言っていた神話の設定をそのまま使ってます。


まぁ、デジモンにも確か似たようなのがいたので、大体そんな感じです。


あとは、チョコボールの設定を無理矢理詰め込んどきました。後悔はしてません。



それでは、おやすみなさい。

乙  天井の惨状に危機感募るな  続きが楽しみだ 

金のエンゼルは一枚でおもちゃの缶詰もらえるんだよな
天井くんも集めてたんだな…

やだ・・・天井くんかっこいい


絶対に「裕三くん?」って聞いてこなさそうなボスww

なんだろう・・・ここの天井くんはクサイセリフ吐いてかっこよく死にそうな気がする

ガルダモン?
ホウオウモン?

大阪編の天狗と狐みたいにZガン耐えきったのかこのボス


黒いカラスが複数いた理由に納得
>>銀のエンゼル

こんにちは、1です。


今日はオフですが、夜に用事があるので、今の内に投下しておきます。


>>874
>>877
ありがとうございます!!

>>875
まぁ、天井もハンデアリでしたので。千手クラスには、流石に敵わないのです。

>>876
せっせとエンゼルを集める在りし日の天井クン……

>>878
聞いてきたら逆に怖いですw

>>879
クサイセリフを吐くかはわかりませんが、死ぬ時は盛大に殺します(ゲス顔)


>>880
画像みたら、ガルダモンが一番近いですね。
羽の数や色合いはホウオウモンですが。
まぁ、見た目はガルダモンのGANTZver.で大体合ってると思います。


>>881
後で書くかどうかわからないので今んところの裏設定書いときます。


まず>>688で天井の前に出てきたのが、大鴉×3。
そんで、商店街の破壊は、大体このVS大鴉×3で。

次に>>755で、フレメアと浜面のいたアパートから飛び出したのが、実はラスボスの鳥人。
つまり、浜面はラスボスとニアミス。


9980号が倒した大鴉は、元々他の田中星人や大鴉と共に外に居た。


天井が大鴉×3撃破後に、ラスボスが飛んできて、天井ボコボコにやられる。
Zガンも躱されて、スーツを壊され、今に至る。といったところです。

つまり、ラスボスのHP満タンです。



>>882
気づいてくれた人がいてよかった……。銀のエンゼルは5枚ですので、大鴉は5体います。つまり……



…………



目覚めた浜面へとフレメアを任せ、御坂は上条と天井の元へ向かう。


御坂「レーダーの反応は、この商店街の東側……向こうの明るく光ってる方ね。何か燃えているのかしら?」ダッ、ダッ、ダッ


真夜中の古びた商店街を、ほんのりと明るく照らす光。


どうやら、上条達のいると思われる旧商店街の東側から、火の手が上がっているようだ。




何かが爆発でもしたのだろうか?




御坂「さっき見た時には、かなり近くに星人の反応があった……お願いだから、せめて私が行くまでは……」

星人と戦うのは止めてほしい。



そう切に願う御坂であったが、その願いは脆くも崩れ去る。




突如、東側の空に、眩い閃光が走った。






ドォォォォォォォオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!





御坂「きゃっ!?……な、何よ今の……」ダッ、ダッ、ダッ!!



閃光と共に炸裂した轟音は、御坂の足を更に速めるには十分な不安材料だった。

…………




偏光能力「おいおい……何だよ今の閃光とクソデケェ爆音は……」ダッ、ダッ、ダッ



9980号「わかりません……ですが、あそこでお姉様か、あのウニ頭の方のどちらかが闘っているのは確かです。
と、ミサカはレーダーを確認しながら、更に足を速めます」ダッ、ダッ、ダッ




上条達のいる旧商店街へと走る二人の目にも、眩い閃光と轟音が届いていた。



偏光能力「なぁ、残りの星人はあと何匹なんだ?そのレーダーでわかるんだろ?」

9980号「えぇ。地図を縮小すれば、大体の位置と数は。恐らく、残りは2体。どちらも商店街周辺にいるようです。
と、ミサカはレーダーを操作しつつ、確認します。」



偏光能力「2体か。……おい、お前は浜面とあのガキのところに行ってやれ。万が一の事があるかもしれねぇからな」



9980号「1人で大丈夫ですか?と、ミサカは今までいいとこ無しな貴方に、不安気な眼差しを送ります」




9980号は、ジト目で偏光能力を見つめる。




偏光能力「大して目つき変わってねぇだろ!!……俺には俺の役割ってのがあんだよ。主役張れる能力じゃ無くても、面白い物語には名脇役ってのが必要だろうが」

…………



旧商店街東側




ゴォォォォォォォオオオオッ……



先ほどまで、瓦礫の散乱していたこの東側エリア。


今ではところどころ、勢いよく燃える炎に包まれている。



天井「……何故私を助ける……私はもう、このミッションでは闘えない。捨てていけばいいモノを……」


上条「うるせぇな……ケガ人は、黙って助けられてればいいんだよ……」



既にスーツも壊れ、満身創痍でとても闘える体ではない天井を、上条は肩に担いでじっと正面を見つめていた。

上条「とりあえず、頼むからしばらく黙っててくれ。ちょっとでも気を抜いたら、あっという間に炭クズにされちまいそうだからな……」




上条は、この焦熱地獄を生み出した元凶を見ていた。






鳥人「…………」ォォォオオッ……





その姿は、まさしく先ほど天井が言っていた、神々しく金色に染まる頑強な人間の身体と、鋭い鉤爪をつけた手足。



鋭い嘴と眼光を持つ鷹の頭。



そして、燃えるような赤い4枚の大きな翼を持った、『鳥人』であった。

上条「『金のエンゼル』か……確かに、あの大鴉の5体分……いや、お釣りがきそうなくらいの化け物だな……」ブルッ……



上条の身体が小さく震える。



怖いのだ。


あの星人が。



今までネギ星人、田中星人、大鴉と、様々な星人を見てきたが、威圧感・存在感・絶望感、どれをとっても桁が違う。



何より、ハンデがあったとはいえ、実力者である天井が、ここまでやられているのだ。

鳥人「…………」ジロッ……



上条「!?」ビクッ!!



鳥人が、上条達をジロリと鋭い眼光で睨む。



鳥人「…………」ジッ……



上条「~~~~~ッ!!!」ダッ!!!



その瞬間、視線に恐怖した上条は、全力でその場を離脱した。




鳥人「…………」バサァッ!!!バサァッ!!!




逃げた上条を追うために、鳥人が大きな4枚の翼を、はばたかせる。

上条「ハァッ……ハァッ……」ダッ、ダッ、ダッ、ダッ



天井「フッ……迷いなく逃げたな。まぁ、それも一つの選択肢だが。
さて、次はどうする?私を担いだままでは、すぐに追いつかれてしまうぞ?」




上条「あーもー!!ちょっとは黙ってろよ!!そんなに死にたいのか!?」ダッ、ダッ、ダッ、ダッ




鳥人から逃げる上条を、からかう様に天井が語りかける。

天井「だから最初から捨てていけと言ってるだろうに……私は別に、人の世話になってまで無様に生き延びたい訳ではない。

……いや、一年前……この部屋にくる前ならすがりついてでも生き延びただろうがな。今の仕事とあの部屋の行ったり来たりで、生への感覚が麻痺してきたのだろうか?」



上条「知らねぇよそんなこと!!いいか?死にたいなら勝手に死んじまえばいい!!
だけど、それなら俺の居ないところで死んでくれ!!お前が俺の近くで生きてる限りは、俺が絶対に死なせねぇ!!」ダッ、ダッ、ダッ、ダッ

天井「随分と強引な事だな。大体私を助けて何になるのだ?戦力が減って自分の生存率が下がるのが嫌か?
それとも、私が知っているGANTZに関する情報が目当てか?」



上条「あー、それもいいなー!!上条さんもまだ死にたくはないし、GANTZの情報もまだ隠してることがあるなら、全部聞いておきたい!!



……全部『ついでに』だけどな!!目の前の誰かを助けるのに、理由なんざいちいち考えてられっかよ!!いい加減黙ってろ!!」ダッ、ダッ、ダッ、ダッ



天井「…………」




上条は、ひたすら走る。

とにかく、天井を何処か安全なところに避難させなければ。

バサァッ!!!

バサァッ!!!



何処からか、翼を羽ばたかせる音が聞こえてくる。



ザンッ!!!!!



上条「なっ!?」ザザァアッ!!




同時に、走る上条の前に金色に染まる鳥人が、空から現れる。



上条「は、速ぇ……」ガタガタッ……



鳥人「…………」ォォォオオッ……



鳥人は再び、震える上条をジッと睨みつける。



スッ……



そして、天井の方を指差し、嘴を開いた。



鳥人「……ソノ人間ヲ渡セ……」

上条「!?なっ……しゃ、喋れるのか?……お前……」



星人がまともに言葉を話せるということに、上条は心底驚く。






鳥人「……渡セ……ソノ人間ヲ渡セ……」



鳥人は、繰り返し天井の引き渡しを要求する。



上条「……コイツを渡してどうするんだよ?殺すのか?」




上条が、鳥人に天井の処遇について問いかける。



鳥人「…………」ボゥッ……



その瞬間、鳥人の身体中から、ゆらりと炎が生まれる。



上条「!?やっ……」バッ!!!




上条が咄嗟に右手を前に出したその瞬間





鳥人の周辺を飲み込み、天高くに昇る火柱が、真夜中の19学区を照らした。

投下終了です。


ラスボスの鳥人さんは、元の神話通り炎系です。


ステイル戦がなかったので、ここで発散出来ればいいかな?と思ってます。


まぁ、ステイルの倍は強いかもですが……


続きは、今日の23時頃か。

無理なら明日の夜に投下できそうなのでしときます。

かわせるかーッ

>>899
お前のせいで敵のイメージがマジシャンズレッドになっちまったじゃねーか!!

>>ステイルの倍は強いかもですが……?
おおっとワンパンで沈められたステイルくんの悪口はそこまでだ


そういや今って原作の時系列的にどのあたりだっけ?

この炎って異能の力?だったらそげぶ炸裂?

>>902
まだ旧約の一巻の神裂戦後

このまま二巻に入ったら姫神が貞子ポジに入りそう……
てか、一部の魔術師側ってガンツの武器なしでも普通に倒せる化け物がゾロゾロ……

こんばんわ、1です。


引き続き、田中星人ラスボス戦をゆっくりとお届けします。


……果たしてこのスレで田中星人編終わるのか?



>>898
ありがとうございます!!

>>899
>>900
アブドゥルさん強いじゃないですかー

>>901
一発だったのか……打たれ弱すぎですよステイルさん……

>>902
>>904
仰る通り、神裂戦直後ですね。まだまだ先は長い。
二巻?ステイル戦と同じくカットに決まってるじゃないですかーw
それに、星人が魔術師に遅れを取るとは限りませんよ?田中星人でさえ、これですから……


>>903
続きをご覧下さい。

ゴォォォォォォォオオオオッ…………





鳥人「……何ダ?」





火柱によって辺り一面に火の手が上がる中、鳥人がその中心に佇んでいる。





鳥人「何ダ!?何ヲシタ!?」ボゥッ!!




鳥人が、自身の右手に炎の玉を形成し、正面に投げつけた。




パキィィィィィィイイインッ!!!!!




鳥人「!?」




次の瞬間、何かが割れるような音が鳴り響き、目の前に放った炎の玉が、跡形も無く消滅した。

天井「君は……君は一体何者なんだ?」




火柱に巻き込まれたハズの天井が、なおも自分を担いでいる人物に対して問いかける。




上条「俺はただの無能力者(レベル0)だよ……この学園都市に溢れている、その他大勢の1人だ」シュゥゥゥウウッ……





上条は右手を前に突き出し、真っ直ぐに鳥人を見つめる。



鳥人は、どのように自分の攻撃を防がれたのかわからず、少し戸惑っているように見える。

上条「ツイてねぇな……本当にツイてねぇ……」チャキッ……





上条がゆっくりと右手を下ろし、ホルスターに着けていたYガンを握って、再び右手を上げる。





照準は、鳥人をしっかりと捉えている。








上条「お前……本当にツイてねぇよ」カチッ







上条がトリガーを引き、鳥人へと捕獲レーザー網が発射される。

鳥人「!?」バサァッ!!!



鳥人は素早く反応し、飛び立って捕獲網を避ける。




バサァッ!!!

バサァッ!!!

バサァッ!!!



そのまま飛び去り、鳥人は姿を消した。
どうやら、自身の力を防がれた事に驚き、一時的に退却したようだ。






上条「…………」





上条は、その様子を無言でジッと眺めていた。




が。

上条「(危っねぇ……とっさに右手を前に出したけど、何とか幻想殺しが発動してくれて助かった……星人の攻撃でも、消せるヤツは消せるんだな……)」ダラダラダラッ……




内心は、途轍も無く焦っていたようだ。スーツの中は、冷や汗でダラダラである。



上条「(けど、今の炎を消した感じ……おかしいな……アイツって星人なんだよな?)」




天井「クッ……クククッ……」




上条「!?な、何が可笑しいのでせうか?」




天井「いや……何とも面白い男だと思ってね。どうやってあの攻撃を防いだのか……。
それはわからないが、どうやら君も、あの部屋で生き残れる力を有した人間のようだ」クククッ……





天井が上条に担がれたまま、苦笑する。

天井「さて……悪いがそろそろ降ろしてくれないか?いつまでも男に担がれる趣味はないのでね」



上条「降ろせって……これからどうすんだよお前。あの星人が狙ってたのはアンタだぞ?」



天井「どうもこうもないさ。デバイスを持っているか?恐らくあと10分もしない内に、タイムアップだ」



天井がそうつぶやくと、上条は急いでデバイスを確認する。






『00:09:43』





上条「あと10分もない……なぁ?この時間を過ぎればどうなるんだ?」



天井「さぁね。過ぎた事が無いからわからないな。
ただ、時間を設定しているという事は、何らかのペナルティがあることは間違いないだろう。
最悪、全員の頭の中の爆弾が、爆発する……とかね」




天井の言葉に、上条の血の気が引く。




上条「な……だとしたら、早くさっきのヤツを倒さなきゃ……」

天井「そう。君達は、あの鳥人をあと9分程で倒さなければならない。だとすれば、私を担いで戦う余裕はないだろう?最悪全員死ぬのだから。
……わかったら早くヤツを倒すんだ。それが唯一、今生き残ってる者達が生き延びる方法だ」




上条「だけどアンタが1人になったらアンタが……!?まさか……」





上条が、天井の意図に気づいたようだ。







天井「……そう……ヤツが狙っているのは、この私なんだよ……」ニヤッ……






天井がニヤリとほくそ笑む。

●『00:07:50』







バサァッ!!!

バサァッ!!!


ズンッ!!!



鳥人「…………」ォォォオオ……




火の手が弱まり、静まりかえった旧商店街に、再び金色に染まる鳥人が降り立つ。



天井「……やぁ……また来たのか……」




側には、壁に寄りかかる、天井の姿が。





鳥人「…………」キョロッ、キョロッ




鳥人は、辺りをキョロキョロと見回す。

先程自分の攻撃を防いだ、上条を警戒しているのだろう。

天井「何をキョロキョロしてるんだ?……あぁ、彼なら私を置いて、君を探しにいったよ。君には嬉しいニアミスだったようだな」



天井が、鳥人に喋り続ける。




天井「仲間の仇として私を殺しに来たのだろう?やれよ。もはや抵抗するほどの力も残ってない。
君の仲間を片っ端から殺してやったんだ。君には私に復讐する権利がある」




鳥人「!?キサマッ!!」ガシッ!!




鳥人は、左手で天井の首根っこを掴み、宙に浮かせる。

天井「グッ……いやぁ……君の仲間は実につまらなかったよ……どいつもこいつもギャーギャーとウルサイだけで、狩り甲斐がなかった」ニィッ……



天井が更に鳥人を煽る。




鳥人「…………」ボゥッ……



鳥人は、静かに怒りを発しながら、右手に炎を灯す。



炎はドンドン大きくなり、ある程度大きくなったところで球体に固められ、まるで太陽のような光を発している。



天井「フッ……その炎の力……学園都市の能力基準で言えばレベル5クラスだが……生憎、そんな単純な理論で発生する能力、いくら強力なモノでも、私には興味がないのだよ…………」





鳥人「……キサマノ次ハ……キサマノ仲間ダッ!!」ブンッ!!




鳥人が、右手の炎の球を天井に振りかざす。

天井「仲間?私に仲間などいないさ……いるのは『協力者』だけだ」








バシュッ!!!







その瞬間、50mほど離れた場所から、鳥人へとYガンの捕獲網が発射された。



捕獲網は、鳥人へと真っ直ぐに飛んで行く。




鳥人「ナッ!?」バッ!!



それに気づいた鳥人が、天井を離し、捕獲網から逃れようと素早くその場から離れる。

バチバチバチバチッ……





「今度はもう逃がさねぇぞ……」





バチバチバチバチッ……









Yガンが発射された周辺で、バチバチと火花が発せられる。


何もないその場所から、1人の男が出現した。

……………





天井『ヤツの狙いは私だ。ならば、私を囮にすれば、容易く引き寄せられる』




上条『でも、ヤツは俺を警戒しているぞ?』




天井『君は少し離れて見ていればいい。透明化のやり方はまだ教えてなかったな?それを教えるから、隙を見て捕獲するなり殺すなりしろ』




上条『だけど、俺の銃の腕じゃ……それに、照準が合ってても、この距離じゃ躱されるだろ』




天井『ん?なんだ、知らなかったのか?GANTZの銃には、トリガーが二つあるだろう?何故だと思う?』

ヒュンッ!!




鳥人「ナッ!?軌道ガ!!」




その場を素早く離れた鳥人を追いかけるように、捕獲レーザー網が弾道を変える。




天井『二つ同時に引けば発射。……一つだけ引けば、その対象をロックオンするんだよ。
一度確実にロックオン出来れば、何処に逃げようがほぼ確実に捉えることが出来る』







上条「捕らえたぞ!!星人!!」バチバチバチバチッ!!!




グルンッ!!

グルンッ!!


ガシュッ!!!
ガシュッ!!!
ガシュッ!!!




鳥人「グッ!!ガァッ!!!」グググッ……




捕獲レーザー網を形成する三つの弾丸が地面に撃ち込まれ、網に引っかかった鳥人を、その場にしっかりと固定した。

鳥人「グッ……」グググッ……


鳥人は、捕らわれたレーザー網から抜け出そうとしているようだが、そうは問屋が卸さない。


上条「何とか上手くいったか……時間もあと5分ちょい。ギリギリだったな……」



上条が、捕獲した鳥人の側に歩み寄る。



天井「フッ……私が囮を引き受けたのだ。上手くいってもらわなければ困るよ……」ズズズッ……


天井がゆっくりと壁に寄りかかり、座り込む。
スーツも壊れ、左足首が無い状態では、とても立ったままでは居られないのだろう。


天井「さぁ……早くその星人を『上』に転送してしまえ。それで全てが終わるハズだ」


天井が、上条にこのミッションを終わらせるよう促す。

上条「…………いや……コイツにはまだ聞いておきたい事があるんだ……オイ、お前……」




上条が、ジッと鳥人の目を睨む。




鳥人「……グルルッ……」



鳥人は、上条を睨みながら、唸り声を上げている。








上条「何故だ……何故俺達は、お前等とこんな闘いをしなくちゃならねぇんだ……」








上条が、あの部屋の謎の、核心を鳥人に問う。




天井「!?何を……そんな事はどうでもいい!!早くソイツにトドメを刺せ!!」




上条「黙ってろ!!コイツは今までの星人と違って言葉が通じてる。会話が出来るんだ!!だったらこれだけは聞いておきたいんだよ俺は!!」






上条が、天井を一喝する。

鳥人「……ソレガ質問カ?……オ前ガ……オ前達ガソレヲ問ウノカ?」





鳥人が嘴を開き、上条の問いかけに、問いかけで返す。





上条「わからないのか?こんな殺し合い……誰もやりたくないんだ……何故だ?何で俺等はお前等と……」





上条が、鳥人の問いかけに答える。




鳥人が、再び嘴を開いた。

















鳥人「……『神』ノ存在ヲ……感ジルカ?」










上条「……『神』……だと?」






突拍子の無い単語に、唖然とする上条を余所に、鳥人はそのまま語りを続ける。






鳥人「『神』ハ如何ナルモノナノカ……人ノヨウナモノカ……ドノヨウナ形カ……」





上条「ちょっと待て!!それがこの闘いと何の関係があるってんだ!?」





上条が、鳥人に問う。

鳥人「神ハ絶対ノ力ヲ持ツ存在……コノ世ハソノヨウナ個ガ作リ出シタモノ……」グググッ……





鳥人が語りながらも、何やら力を溜めているような動作を見せる。




天井「!?オイッ、上条!!」





上条「『神』……何だよ……結局神様の気まぐれで、俺達は遊ばれてんのか?
俺達は所詮、ボードの上に乗せられた駒だってのか!?ふざけんな!!」




天井がそれに気づき、上条に叫ぶも、上条は聞こえていないのか、反応しない。

鳥人「グルァァァァアアアアアッ!!!!!!」グググッ!!!




ブチブチブチブチッ!!!!



天井「なっ……Yガンのレーザー網が……」



耳を劈くような叫びと共に、鳥人がレーザー網を引きちぎる。





上条「神様だか何だか知らねぇが……人の命を何だと思ってやがる……俺達の命はテメェのオモチャなんかじゃねぇんだ!!!」グググッ……



上条が、激昂と共に、右拳に力を込める。







鳥人「……災害ト同ジモノダト思ッテイイ……」ボゥッ!!!




鳥人の右手に、一際大きな炎が生まれ、それが右拳へと圧縮されていく。

上条「いいぜ……もし神様が俺達人間を、盤上の駒としか見ていねぇのなら……」グググッ!!!



上条の意志が高まると共に、上条の右腕部分のスーツに、凄まじい力が込められる。












鳥人「諦メル他……無イノダッ!!!」ブンッ!!!!





上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺すっ!!!」ブンッ!!!!















互いに最大限の、想いと力を込められた右拳が衝突する。







●『00:05:00』

投下終了です。



早くも、GANTZ名シーンのやりとりの一つを使ってしまいました。


まぁ、上条さんなら加藤役を立派に務められるハズですので。



次回かその次で田中星人編は終わりたいですねぇ。


それではおやすみなさい。



この世界の幻想殺しは手袋の上とかでも使えるのか
手から数センチぐらいは有効なのか?

手袋の上から使えるのではなくガンツスーツだから使えるという可能性も

乙  いいところで切るなぁ   でもあと5秒なら今残ってる人物はみんな生存と思って……いいのかな

>>933
五分だろ

>>933
残った星人は二体いる、 つまり……

上条さんの説教タイムが長引いてハラハラしたんだよ…


ここであのやりとりが来たか!


この意味不明なまでの敵側のインフレ具合、これぞガンツ
恐ろしいことにどんどん酷くなってくんだよな…

こんばんわ、1です。



いよいよ、田中星人編ラストです。


大分詰めて書いたんですが、少し書けなかった話があります。


そこは、次スレで書きたいと思うので、とりあえず、完結までお付き合いください。



>>930
ありがとうございます!!!


>>931
>>932
男なら!!細かい事は気にするな!!!


>>933
>>934
>>935
さぁ、生き残るのは一体誰でしょうか!?

>>936
>>937
早めにあのやりとりはやりたかったので。
原作GANTZの謎は、このやりとりにまとめられてますからねぇ。

>>938
他SSでも、敵の異常なインフレに定評のある>>1ですので……諦めてください。(ゲス顔)

御坂「ハァッ……ハァッ……やっと見つけた……天井さん!!」ダッ!!




燃え上がる炎が辺りに散らばる中、ようやく御坂は、目的の1人である天井を見つける。




天井「ん?……あぁ、超電磁砲か。どうしたんだい?」



御坂「どうしたもこうしたも無いわよ!!凄い怪我じゃない!!」バッ!!



御坂は、天井の千切れた左腕と足首を見ると、すぐさま応急処置を行った。



天井「フッ……私を助けていいのか?私は前回、君達を利用し、今回もあの馬鹿共を部屋で惨殺した冷酷な殺人者だぞ?」



御坂「黙ってなさい!!……確かに貴方がやった事は許される事じゃない……だけど……」




御坂は、処置を行いながら、続ける。

御坂「……だけどそれは、目の前の人を見捨てる理由にはならない。見捨てれば、そこで私は貴方と同類になってしまうから」ギュッ!!



御坂が、天井の止血と応急処置を終える。



御坂「貴方には、いつかその罪の報いが訪れる……その時までは、せいぜい生き延びる事ね。
あんまり度が過ぎると、私達も黙っちゃいないけど……」スッ……



御坂はそう告げると、上条の元へと、探しに向かった。




天井「罪の報い……か……クッ……クククッ……」クスクスッ……




御坂が去った後、天井は1人苦笑する。





天井「……私に裁きを下すとすれば……他ならぬ君だろうな、『超電磁砲』御坂美琴……いや、『オリジナル』……」チラッ……



天井は、近くにポツンと落ちている、Z型の大きな銃に、目線を動かした。

ドンッ!!



ドンッ!!!



ドンッ!!!!



ドンッ!!!!!




上条「ウォォォォォォオオオオッ!!!!」ブンッ!!



ドンッ!!!!



鳥人「グルァァァァアアアアアッ!!!!」ブンッ!!





上条と鳥人の拳が、互いに衝突し合い、離れる。



何度も。



何度も。

上条「ハァッ……ハァッ……どんな身体能力なんだよ……スーツを着てても、攻撃に合わせるので精一杯だ。攻められやしねぇ……」




上条は、鳥人の素早い動きに対し、防戦一方のようである。




鳥人「……」スッ……



鳥人が離れた位置から、両手を上条へと向けて、前に出す。




ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



次の瞬間、無数の火炎弾が上条へと降り注がれる。



上条「ッ!?クッソ!!」バッ!!



上条が右手を前に出し、襲いかかる火炎弾を次々にかき消していく。




上条「クソッ!!何て弾幕だ!!消しても消しても前が見えねぇっ!!」ドドドドドッ!!!



火炎弾は容赦無く上条へと降り注ぐ。

バサァッ!!

バサァッ!!



上条「上!?」



上条が上を見上げると、そこには宙を羽ばたく鳥人の姿があった。





ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!



すかさず鳥人は、上条へと火炎弾の雨を降らせる。




上条「クッ!!正面の次は空からかよ!!忙しいヤツだな!!」ドドドドドッ!!!



上条も右手を上げ、空中からの攻撃に対象する。








シュンッ……




鳥人「……ソノ右手カ?我ガ炎ヲ消シテイルノハ……」



上条「!?」



上からの攻撃に対処していた上条の側に、いつのまにか鳥人が移動していた。

上条「野郎っ!!」ブンッ!!!



上条が、右拳で鳥人に殴りかかった瞬間




ガシッ!!



上条「なっ!?」


鳥人「終ワリダ」ボゥッ!!!




その右腕は容易く掴まれ、鳥人の身体からは、いくつもの炎の球が生まれる。



そしてその炎の球は、右腕を掴まれたままの上条へと撃ち込まれ、上条はそのまま建物の壁に突っ込む。




上条「ガッ……アッ……」シュゥゥゥウウッ……




スーツによってダメージは少ないが、吸収しきれなかった衝撃のせいで、身動きが取れない。





鳥人「……消シ飛ベ……」ゴォォォォオ
オオッ!!!




目の前の鳥人は、1mほどの大きな炎の球を作り出している。




そして、その炎の球を、身動きが取れない上条へと放った。





上条「やっ……べぇなっ……」

ピィィィイインッ……




その瞬間、何処からか、コインを弾いたような乾いた音が鳴り響いた。




同時に凄まじい速度で発射された何かが、鳥人が放った大きな炎の球へと突き進む。








ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!







発射されたそれは、凄まじい威力で炎の球を粉砕した。

鳥人「……貴様……何故ダ……何故貴様等ガソノヨウナ……」




鳥人は、それが発射された元の方向をジッと見つめる。




上条「み……さか……お前何で……ココに……」グググッ……







バチバチバチバチッ……



御坂「だから1人で闘うなって言ったでしょ……結局また、1人でボロボロになって!!」



バチバチバチバチッ……





そこには、バチバチと火花を散らすあどけない少女、電撃姫の姿があった。






●『00:04:00』



鳥人「…………」ォォォオオッ……




鳥人は、炎をその身に纏いながら、ジッと御坂の方を見ている。





御坂「あれがラスボス?……大きなカラスを見た時も、今までと桁が違うと思ったけど、更に遥か上がいたのね。寒気がするわ……」ブルッ……



明らかに、今までとは異質な力を持つであろう鳥人を前に、御坂は少し震える。




御坂「……ていうか、あの鳥人?が使ってるのって……能力じゃないの?星人も能力を使えるの?」




御坂が、上条に問いかける。



ようやく身体が動かせるようになり、上条が立ち上がる。




上条「わかんねぇ……あの炎自体は俺の力で消せるんだが……もしかして魔術か?あのステイルってヤツみてぇな……いや、だけどアイツと比べると何か……」

上条は、自身の不幸体質が原因なのか、高い戦闘力を持つ能力者や魔術師と戦っている。




そして、どちらに鳥人の力が近いかと言えば……







上条「……何と無く……本当に何と無くだけど、能力者の力に似てるんだよな……感覚的な事だから口では上手く言えねぇけど……」






この時上条は、知らずの内に、GANTZという謎の、核心に片脚を突っ込む。




そして、その事に上条はまだ気付かない。気付く余地がない。

鳥人「」バサァッ!!!




隙を見つけたのか、上条に向かって鳥人が突っ込んでくる。





御坂「よそ見してんじゃないわよォォォオオッ!!!!」バチバチバチバチッ!!!




鳥人「グギャァァアアッ!!!!」バチバチバチバチッ!!!




突っ込んでいく鳥人に対し、御坂がすかさず電撃の矢を撃ち込む。



電撃の矢は鳥人を貫き、大きなダメージを与えた。



どうやら、御坂と鳥人では、御坂にとってかなり相性が良いようだ。







鳥人「グッ……グルァァァァアアアアアッ!!!!」ドドドドドッ!!!




鳥人が両手を前に出し、無数の炎の弾丸を、御坂に放つ。



御坂「甘いわよ!!」バチバチッ!!!



御坂が能力を調節し、電磁力を操りだす。


そして、周辺で崩壊している建物から、砂鉄や鉄筋などを含んだ瓦礫を呼び寄せ、炎の弾丸に対するバリケードを作り出し、攻撃を防ぐ。

バサァッ!!

バサァッ!!!




鳥人「グァァァァァァァアアアアッ!!!!」ビュォォォオオッ!!!




鳥人は、素早く空中へと飛び上がり、上空から御坂へと急降下していく。





上条「御坂!!避けろぉっ!!」




遠距離が駄目ならば、接近戦という事なのだろう。
鋭い鉤爪を振りかざし、鳥人が御坂へと襲いかかる。





御坂「甘いって言ってんでしょうがぁぁぁあああっ!!!」バチバチッ!!!




御坂が磁気を操作すると、地面から砂鉄で固められて作られた、槍のようなモノが、無数に飛び出す。



そして襲いかかる鳥人に対し、砂鉄の槍はカウンター気味に、鳥人の身体を貫いた。

鳥人「ガァァァァァァァアアアアッ!!!!キ……貴様……!!」ドクドクドクドクッ……



砂鉄の槍に貫かれた鳥人の身体から、ドクドクと血が流れていく。


しかし、圧倒的に有利に見えるこの状況でも、御坂は決して気を緩めない。




御坂「アンタ達星人が、桁外れの力を持っていることは、もう十分わかってる。
私の能力では、例え弱い部類の星人でも、全力を出さなきゃ決定的なダメージを与えられないことも……」バチバチバチバチッ……



御坂の身体からバチバチと紫電が走る。



御坂「全力でやるから……もう立たないで、これ以上……」ピィィィイインッ……



御坂の手から、一枚のコインが宙に弾かれる。





そしてそのコインが再び御坂の手に落ちてきた瞬間。





圧倒的な力で突き進む音速の弾が、正面に佇む鳥人へと撃ち込まれた。









●『00:02:30』

ビュォォォオオッ…………





???「ハッ!!流石レベル5の超電磁砲だな。越えられない壁ってのをヒシヒシと感じるぜ。主役と脇役の壁ってのをよぉ……」




崩壊した商店街の中で、一番高い位置にある建物の上で、誰かが御坂と鳥人の戦いを見ている。




???「確かに俺の能力じゃあ、とても主役にはなれねぇかもしれねぇ……。
だけどな……脇役が主役を喰っちまう物語だって、世の中には腐る程あるんだぜ?」

………………




御坂「ハァッ……ハァッ……どうよ……これが私のフルコースよ……」バチバチッ……バチバチッ……




鳥人「」シュゥゥゥウウッ……





電撃の矢



砂鉄の槍




そして、昼間の幻想籠手騒動の時と合わせて、本日3発目の超電磁砲。




その全てをまともに喰らった鳥人は、その場に倒れこんでいる。




上条「大丈夫か御坂?」




御坂の怒涛の攻撃を前に、少し離れた位置に居た上条が、御坂に歩みよっていく。




御坂「ハァッ……ハァッ……流石にちょっと……電池切れかしら?それより、早くあの星人を捕獲して、転送して」



ガシッ!!!










御坂「……え?」




瞬間、御坂の言葉が止まる。

鳥人「フーッ!!フーッ!!!」グルルッ……



御坂「ッ!?」ゾクゥッ……




御坂の背後には、御坂の細腕をしっかりと掴んだ、血塗れの鳥人の姿があった。






御坂「と……当麻……」ガタガタッ……





御坂が、上条に向かって助けを求めるように、手を差し出す。




上条「なっ……御さk……」バッ!!




上条が、御坂の手を掴もうとした瞬間









鳥人「ッァァァァァアアアア"ア"ア"ッ!!!!」グググッ!!!



ドォンッ!!!!




上条の手は届かず、鳥人は御坂と共に、上空へと高く飛び上がっていった。

上条「御坂っ!!御坂ァァァァアアッ!!!!」




上条が鳥人に連れ去られた御坂へと叫ぶ。










ドォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!!!








次の瞬間、上空で赤い光と共に、天地を繋げるような火柱が出現し、御坂と鳥人を包み込むのが、上条の目に映った。





上条「アッ……」



一瞬、上条の頭に御坂の『死』というイメージが浮かび上がる。

ゴォォォォオオオッ…………




そして、空中で燃え広がる火柱から、何かが落ちてくるのが見えた。




おそらく御坂だろう。




上条「!?御坂ッ!!」ダッ!!!




落下する御坂をキャッチしようと、上条が落下地点へと足を進める。








バサァッ!!!

バサァッ!!!



鳥人「」ザンッ!!!


上条「グッ!?」



しかし、行く手を塞ぐように、血塗れの鳥人が上条の前に降り立つ。




その表情は、先ほどまでの神々しく威厳のあるモノでは無く、手負いや飢餓状態の野生の獣のように、酷く殺気立っている。

上条「ど、どけぇぇぇぇえええっ!!!」ブンッ!!!




ガシッ!!




咄嗟に右手で殴りつけようとするも、難なく鳥人は、それを掴み取る。




そして、鳥人の片方の手が、上条の腹に添えられる。




ドンッ!!!



上条「~~~ッ!!!ガッ……」グラァッ……




一発の火炎弾が、上条の腹に叩き込まれ、その衝撃が上条の動きを止める。






ドンッ!!!

ドンッ!!!


ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!








上条「ア"ッ……ァ……」ダランッ……

ドロドロドロドロッ…………


そこから一瞬で、何十発と追加で火炎弾を叩き込まれ、上条の意識がそこで飛んだ。



上条のスーツからは、ドロドロした液体が流れ出している。

ズシャアッ!!!




御坂「…………ゥ……」シュゥゥゥウウッ……


ドロドロドロドロッ…………





空中で、強烈な一撃を喰らった御坂は、身体を所々焼かれてそのまま意識を失い、落下のダメージで、スーツが完全に壊れ、ドロドロした液体が流れ出している。






幻想殺しと超電磁砲。




現GANTZメンバーでも、かなりの実力者である二人が、共にスーツが壊れ、片方は敵に捕まったまま。片方は瀕死。







まさに、絶体絶命である。

鳥人「トドメダッ…………」ゴォォォォオオオッ!!!



鳥人が、手に炎の球を作り出す。




上条と御坂にトドメを刺すつもりなのだろう。









ドンッ!!!



鳥人「!?」グラッ……



その時、鳥人が自身の背中に、何かがのしかかったような衝撃を感じる。







その背中にのしかかったモノは……









偏光能力「オイオイ……主役達が揃いも揃って何やってんだ?だらしねぇな……」キィィィイインッ……








高所で、戦いの様子をずっと眺めていた人物……偏光能力であった。







●『00:01:00』

鳥人「貴様……一体何ヲシテイル!?」ブンッ!!ブンッ!!!




鳥人が、自分の背にしっかりとしがみついている、偏光能力を振り落とそうと、身体を振るう。




その時焦ったのか、鳥人は上条を手放し、上条は放り投げられるように地面に捨てられる。




偏光能力「何だ?喋れんのか化け物。ていうか、敵に何をしていると言われて、喋る馬鹿が居ると思ってんのかよ!!」




偏光能力は、振り落とされまいとバランスを取りながらも、しっかりと捕まっている。






全ては、勝利の為に。




鳥人「……ソレモソウダ……ナラコウスルマデ……」ォォォオオッ!!!





ゴォォォォオオオッ!!!!!!




鳥人が少し力を溜めると、全身から炎が噴き出し、あっという間に偏光能力の姿を炎で包んでしまった。






偏光能力「ァァァァアアア"ア"ア"ッ!!!!!」




偏光能力が炎に呑まれ、悲痛な叫びを出す。




御坂と同じく、スーツを着ていようが、この鳥人から直接発せられる炎は、多少その威力を弱めるだけで、関係なく身を焼くのだろう。






それでも、偏光能力は、鳥人の背から手を離さない。

偏光能力「~~~~ッ!!!ハ、ハハッ!!いい火加減じゃねぇかこの野郎ォッ!!!」ジュゥゥゥウウッ!!!





偏光能力の身体からは、肉の焼ける匂いが漂ってくる。

まだスーツは壊れていないが、既に彼のスーツの中の身体は、所々かなりの火傷を負っているハズである。








それでも、偏光能力は、鳥人の背から手を離さない。








偏光能力「上条ォォォオオッ!!!何くたばってんだよ主人公ォッ!!!さっさと起きやがれェェエッ!!!」ジュゥゥゥウウッ!!!!









ピクッ……








●『00:00:45』

鳥人「何ヲ考エテルノカハワカラナイガ……朽チルガイイ」ゴォォォォオオオッ!!!!!




鳥人の身体から、更に強い炎が発せられる。





偏光能力「オァァァァアアア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!!!」





生身の人間ならば、ものの数秒で炭化するであろう炎が、偏光能力の身を焼き焦がす。





偏光能力「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!!!上条ォォォオオッ!!!撃てェェェエ"エ"エ"ッ!!!!」ジュゥゥゥウウッ!!!!!










それでも





偏光能力は






鳥人の背から手を離さない。






上条「…………」グググッ……





偏光能力の声が届いたのか?




真相はわからないが、スーツを壊され、身体もボロボロになった上条が、左手にYガンを構えて立ち上がっている。






上条「……トリガーが二つ……二つ引けば発射……」ブツブツ……






鳥人「!?マダ足掻クノカ……」スゥゥゥゥウウッ!!!




鳥人が、身体から出していた炎を鎮め、思いっきり息を吸い込んだ。





偏光能力「撃…………て…………」シュゥゥゥウウッ……





鳥人の背には、全身に重度の火傷を負った偏光能力が、未だ張り付いている。





上条「……トリガーが二つ……一つだけ引けば……」カチッ……




上条が、鳥人に照準を合わせて、トリガーを一つだけ引く。

鳥人「ギョェェェェェェェエエエエッ!!!!!」カッ!!





ゴォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!!!





息を吸い込んだ鳥人が、甲高い叫び声と共に、口内から強烈な熱線を発射する。





範囲が広く、超高熱のレーザーのようなソレは、スーツの加護の無い人間など、一瞬で蒸発させてしまうだろう。





上条「…………」スッ……


上条が、ゆっくりと右手を前に突き出す。









パキィィィィィィイイイイインッ!!!!







超高熱の熱線は、上条の右手に触れた瞬間、跡形も無く砕け散り、消滅した。






●『00:00:25』

上条の右手『幻想殺し』に、異能の力は通用しない。





そう。





通用しないとわかっていて、あのような、目の眩むような大技を出したのだ。





この鳥人は。








バサァッ!!!


バサァッ!!!



上条「…………」ブツブツ……





上条の頭上から、大きく翼が羽ばたく音が鳴り響く。






鳥人「ヤハリ防グカッ!!ナラバ直接引キ裂クノミッ!!!」ギュォォォォオオッ!!!!



派手な熱線の放射を隠れ蓑に、上条の頭上へと移動した鳥人が急降下し、上条へとその鋭い鉤爪を振り下ろす。





物理的な力ならば、あの右手の影響は無い。





鳥人「トッタゾ小僧ォォォォォオオオッ!!!」ブンッ!!!




これまでの攻防でそれを確信している鳥人は、上条へと確実なトドメを刺す。










ハズだった。

スカッ!!!




鳥人「……ナッ……」




鳥人の鉤爪は、何も無い宙を切り裂く。





鳥人「何故ダ……避ケラレルハズナド……ッ!!」キョロキョロッ!!!



上条「…………」



鳥人が辺りを見回すと、左手にYガンを握った上条を見つける。




鳥人「ソコカ小僧ォォォォォオオオッ!!!!」ブンッ!!!



再び鳥人が、上条へと鉤爪を振るう。




スカッ!!!




鳥人「ナッ!?何故ダッ!!!」



しかし、再び鉤爪は宙を切り裂く。




鳥人「何故ダッ……ドウナッテイルッ!!」





鳥人は、今自分の見ている光景に、訳がわからなくなる。

偏光能力「お……俺の能力……『トリックアート』は……」シュゥゥゥウウッ……




もはや、感覚が殆ど残って無いにも関わらず、未だ鳥人の背にしがみついている偏光能力の口が開いた。





偏光能力「俺の周辺の……光を歪ませ……物体の正しい像を……相手が視認出来なくなる……能力……」シュゥゥゥウウッ……





偏光能力が焼き焦げた唇でニヤリと微笑む。





偏光能力「今のお前には……上条の姿は……捉えられない……」ニィィィッ……









上条「…………」


上条「…………」


上条「…………」




鳥人「何ヲシタ小僧ォォォォォオオオッ!!!!」



上条「…………」


上条「…………」


上条「…………」




鳥人の目には、あらゆる場所から自分をグルリと囲い込み、全方位からYガンで自分を狙っている、無数の上条の姿が見えていた。






●『00:00:10』

上条「二つのトリガーを引けば……発射……」カチッ!!



バシュウッ!!!




そして、無数の上条から、Yガンの捕獲弾が発射される。





勿論、鳥人の目には、四方八方から、無数の弾が発射されているように見える。





鳥人「グォォォォオオオッ!!!!!」バサァッ!!!



鳥人は、捕獲弾から逃れる為に、空高くへと飛び立つ。







が。






グォンッ!!!!




鳥人「ッ!?馬鹿ナ……」バサァッ!!!バサァッ!!!




鳥人の目に映るのは、無数の捕獲弾が、宙に飛び立った自分を取り囲むように、追跡してくる光景であった。








上条「…………」グラァッ……




ドサァッ!!!




とうとう力尽きたのか、上条がその場に倒れ込む。

上条が最後の最後で撃ち出した、ロックオンされたYガン。




グルンッ!!!

グルンッ!!!

グルンッ!!!




鳥人「グガァァァアアアッ!!!!」ドサァッ!!!




鳥人は、無数の捕獲弾になす術も無く、捕獲弾が生み出すレーザー網に絡め取られ、地上へと墜落した。







ドサァッ!!!



偏光能力「グッ……ざまぁ……みやがれ………………」




鳥人がレーザー網に絡め取られると同時に、鳥人から離れ、地上に落下した偏光能力は、そのまま意識を深い闇へと落とした。






●『00:00:05』

鳥人「グゥッ!!コンナモノッ!!!」グググッ!!!




捕縛された鳥人が、レーザー網を引き千切ろうと力を込める。



先ほど、既にレーザー網を破壊することに成功した鳥人は、再び捕縛状態から脱出しようとしているのだ。








上条「…………」



御坂「…………」



偏光能力「…………」




この場で鳥人と闘った者達は、既に力尽き、意識が完全に途絶えている。












ただ1人を除いて。

鳥人「ウォォォォォオオオッ!!!!……ッ!?」グググッ!!!




脱出しようと、力を込める鳥人の目の前に、1人の男の姿が見えた。














その男は、スーツは壊れ、左腕が千切れ、左足首も千切れている。




そしてアルファベットのZのような形をした、大きな銃を構え、座り込んでこちらを真っ直ぐ見ている。











邪悪な笑みを浮かべて。














天井「それではご機嫌よう……」カチッ!!



鳥人「キサ」ググググッ!!!!






ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウンッ!!!!!!
















●『00:00:01』












●『おつかれちまでした。ちいてんを始めます』

……………










鳥人が最後に倒れ込んでいた場所には、まるで巨大な円柱の柱に、凄まじい力で押し潰されたような跡ができていた。









上条「…………」ジジジジジッ…………









第19地区の外れにある、旧商店街に静寂が訪れ、GANTZの部屋に転送されていく上条達を見ながら。













天井「ハッハッハッハッハッ!!!!アッハッハッハッハッハッハッ!!!!!アーッハッハッハッハッハッハッ!!!!!!!」










天井は、自身が転送されるその瞬間まで





狂ったように






声高々に







笑っていた。

投下終了。


そして、田中星人編終了です。




次スレは、採点らへんのシーンからやりたいと思います。


あと、その時に、書ききれなかった部分も書く予定です。



次スレのタイトルは、上条、御坂、浜面のどれかに、GANTZとついたモノにしたいと思うので、見かけたらよろしくお願いします。



このスレは埋めといてもらうと助かります。どれくらいの方が見てるかも気になるので。


それでは、おやすみなさい。
次スレでまた会いましょう。

次回予告








●『上条 当麻 ろーどさゅう……』







●『えらー』






●『えらー』












●『えらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらーえらー』



















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