勇者「俺が考えてた冒険と全然違うんだけど」(1000)


勇者「なんか、違う」

元スレ
勇者「俺が考えてた冒険と全然違うんだけど」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357460495/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1357573962

乱立させんな

あっちは勝手にバカがたてたらしいぞ

がんばれ
楽しく読ませてもらってるよ

なす板

こっちなら荒らしに埋められてもパート上等だから問題無いな
モチベーション保つの大変だろうけど、最後まで完結させてくれ

>>1
周り気にせず完走してくれよ

>>1
起きたらまとめて見るからよろしくな!

とりあえずトリップを。

こちらでの更新はのんびりできそうなので、書ける時に書いて行きたいと思います。
わりと長々と書いていくつもりなので、どうぞお付き合いください。

果たして、終わる頃には何人の方が見ていることやら。

だらだら書くとどんどんモチベーション下がるから早めに書くことを推奨して期待する

>>1
頑張ってくれ
とりあえずメ欄は[sage saga]にしといてね

>>10
俺は見てるぞ。ただ、こっちはモチベーション保つのキツイから
なるべくさっさと終わらした方がいいと思う
まあ、>>1のペースに任せるけど

期待してる

エターならなければおk

これは未完で終わるな

立て乙
気楽にいこうや

今までのは貼らなくていいから、トントン書いておくれ

期待してるよ

期待

期待
頑張って下され

さっさと書けカス

>>10
こっちに移行して全然進まなくてクソ化するの多いからサクサクやってくれたのむ

前書きはいいからはよ

女武「起きなさい」

勇者「ぐえ!」

女騎士「お、女武さん!」

勇者「な、なんだよ!」

女武「あんた見張りやるって言ってたわよね……?」

勇者「……あっ!」

女武「そんなことも忘れてなに寝てんのよバカ!」

魔女「……しかも寝坊」

勇者「うわあ、す、すまん!」

とり忘れてんぞ

一日一回つければ十分だろ

>>27
そういうもんか?
確かにIDみればわかるけど

最近は考え無しがよく発言するようになったな

女騎士「あわわ……落ち着いてください!」

女武「一番怖いのは、あいついなくなってんのよ!」

勇者「え……?」

女武「女盗賊。もしかしたら、何か盗まれてるかもしれない……」

魔女「……私は大丈夫」

女騎士「私も大丈夫……だと思います」

女武「私も大丈夫!」

勇者「……俺も大丈夫だけど」

女武「……」

女武「さ、先に進みましょうか!」

勇者「バカ、案内でここまでこれたんだから、女盗賊を探すぞ」

女武「それより朝食!」

勇者「晩飯あれほど食っといてよく言えるなぁ!?」

年末にアイマスのSS書いてた人?

VIPから流れてくるのは構わんが、板ルールぐらい守れなクソども

ゆっくり書くとか確実に途中でダレて消えるパターン

忠告するなら丁寧に言おうぜ

で、ルールって何さ

女武「だってしゃーないじゃない、腹が減っては戦はできぬ!」

勇者「お前の場合腹が出て戦ができぬだろ!」

女武「で、出てないし!」

勇者「うるさい村人A!」

女武「服を見て言うんじゃないわよ! それと、それを言うなら村人美少女A!」

勇者「お前に美少女なんか言うか!」

魔女「……そろそろ、探しに行く」

勇者「おお、そうだな」

女武「ちょっと、ご飯は!?」

勇者「一人で食ってろ」

女武「! わ、わかったわよ、あんた達は探しにいけばー!」

ローカルルールくらい読め

半年ROMれよ

>>31
酉でググって通ぶる男wwwwwwww

女武「ったく、なんなのよあいつらは!」

女武「私は雇われてやってるのよ!」

女武「……まったく」

女武「……」

女武「……もう!」

女武「待ちなさいよバカー!」

勇者「な、来ただろ?」

女武「な、何よその言い方!」

女騎士「ふふっ、女武さんはいつも元気で、こっちも元気になれます」

魔女「……おこちゃま」

女武「あんたに言われたくない!」

勇者「とにかく、四人いるし、四方に分かれて探しに行こう」

女武「りょーかい」

女騎士「え、えっと、それじゃあ私はこっち!」

魔女「……こっち」

勇者「魔物に襲われたらすぐに報告しろよ! 一人じゃ危ないから」

女武「保護者か!」

勇者「しかたないだろ!」

『勇者は保護者のような存在である』

勇者(なんで書いてあるんだよこんなことまで……)

こっちに移ったのか
見てるから完結させてくれよー

勇者「とにかく、探さねえと」

勇者「……んー」

勇者「こういうことはガイドブックには載ってないのかな」

『基本的に、見つけるのは勇者』

勇者「人探しは勇者の仕事じゃないと思うんだけど」

勇者「……ん? 水の音?」

勇者「聞こえてくるぞ……どっからだ?」

これは・・・

勇者「水の音が聞こえるってことは、湖でもあるのか?」

勇者「そりゃいい。目覚ましにちょっと顔を洗うか」

勇者「確かこっちの方……だな」

勇者「おお! すげえ!」

バシャバシャ

勇者「ふう……」

勇者「ん……?」

女盗賊「……♪」

勇者「お、女盗賊……!?」

勇者(しかも、裸……!?)

vipのノリ持ってくんな
安価スレじゃない限り投下中は黙ってろ

女盗賊「ふぅ……」

勇者「ま、まずい……」

女盗賊「……あれは、勇者さん?」

女盗賊「! い、今……私……!」

女盗賊「きゃあああ!」

勇者「ご、ごめんーー!!」


魔女「……悲鳴?」


女武「今のは女盗賊の声かしら?」


女騎士「……何かあったのかな?」

追いついた
頑張れ応援してる

・ ・ ・

女盗賊「き、着替えました」

勇者「ご、ごめん……」

女盗賊「ごめんなさい、急にいなくなってしまって……」

勇者「ああ、探しに来たんだよ、俺たち」

女盗賊「私を?」

勇者「案内してもらわないと、こっから先進めないから」

女盗賊「……」

勇者「いやあ、でも本当に驚いたなぁ」

勇者「この湖に行くのでも、相当道が入り組んでてさ、難しかったよ」

女盗賊「……へえ」ニヤリ

女盗賊(ふふん、私に変わったことに気づいてないわね)

女盗賊(しかもちょうど後ろを向いてる……殺せる!)

勇者「二重人格なんだよな」

女盗賊「……はい」

勇者「今度変わったらさ」

勇者「もう一つの人格を説得してみるよ」

女盗賊「!」

勇者「あんなに素早く動けるなら、きっともっと凄いことできるだろうし」

女盗賊「……」

勇者「なんか、ああいうやつ、嫌いじゃないし」

女盗賊「……!」(な、なに、この胸の高鳴りは……)

おもしろい
小説で出して欲しいレベル

勇者「……って、女盗賊には記憶が無いから、どうなるかわかんねえよな」

勇者「……女盗賊?」

女盗賊「え……あ……」

勇者「? どうした? 顔赤いぞ」

女盗賊「……な、なんでも……ない」

『顔が赤い時は熱の可能性あり。おでこを触るべし』

勇者「熱でもあるのかなっと?」

『手でわかりづらければ、おでこに直接自分のおでこを当てるのもよい』

ぴと

女盗賊「!?」

勇者「熱は……ないか」

女盗賊「……勇者」

勇者「な、なんだ?」(いきなり呼び捨てになった)

女盗賊「こんな私でも……いいのか?」

勇者(あれ、今人格変わってるのか?)

女盗賊「こんな私を……認めてくれるのか?」

勇者「ああ。もちろんだ。お前にはもっと、できることがあるさ」

女盗賊「……そうか」

勇者「よし、それじゃあ戻ろう。焚き火のとこまで案内してくれ」

女盗賊「……その前に、勇者」

勇者「なんだ?」

むぎゅっ

女盗賊「私はお前の物になってやろう」

勇者「……ええええ!?」

『勇者は、人を惹きつける』

とりあえずここまでにさせていただきます。

これから書ける時にどんどん書いていきます。

必ず完結させますから、少し書かない期間があっても心配しないでください。

それでは。

なんだよそのコテみたいなの
まあとりあえず絶対完結はさせてくれ

保守らなくていいから楽だな

アイマスのりっちゃんSS書いてた人だな。

あっちのりっちゃんよかったしこっちも頑張れ。

ここか

53 :波崎英里 ◆z9oNhC.iMzzl [sage saga]:2013/01/08(火) 02:24:38.47 ID:AjEmmsgOo
とりあえずここまでにさせていただきます。

これから書ける時にどんどん書いていきます。

必ず完結させますから、少し書かない期間があっても心配しないでください。

それでは。



これは寒いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwクソコテ付きwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

このコテトリはググらないでおこう!!
ググった私はさよならするよ!!
アデュー!!!!


女盗賊ちょろいな


ぜひ完走してくれ

これはあかん

いまさらだけど女騎士一人で十分だった気がスル

うむ

期待

保守

>>66
この板は保守いらんよ




>>66
多分VIPから流れてきたんだろうが保守なんてしなくてもここは落ちない。
あと作者の更新以外はsageるのがここのルールみたいなもん。

よかったこっち来てたか
こっちでコテはそう珍しくないから住み分けな
期待

やっと見つけた
どんなに長くても最後まで読み続けるよ

完結できねーんなら最初からVIPで書くなよカス

コテといい臭すぎる  波崎英里ってなんだよwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

>>38
ちげえよ、糞コテ消えろってことだよ

>>72
巣に帰れ

ここvipじゃないんで

単発wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

はい草

vipから移ってきてここで完結した例は俺が知ってる限りない
これ豆な、>>1完結させろよ

前スレ820辺りで寝落ちしてしまった…
女盗賊なんて、どこで出てきたの?

俺もその辺で寝落ちしたから多分そのちょっと後だと思う
うっかりログ消しちゃったから自分で調べて

http://www.logsoku.com/

ログ速ぐらい行けよ

>>77
あるにはあるが、往々にして短期で完結している
一週間経っても完結しなかったら、それは永久に完結しないと思うべし

色々なご意見ありがとうございます。

SS速報は長期に渡るレスがない場合以外は落ちることがないそうなので、選ばせていただきました。
「必ず完結しろ」などのことですが、話の流れを見てわかる通り、短期での終了は難しいです。
できるだけ途切れずに書いて行きたいと思いますが、ハッキリ書けない時期もあると思います。
それでも見ていただけるなら、幸いです。

それでは、続きを。

勇者「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

むにゅ

勇者「にょわああああ!?」

勇者(な、なんだこの感触!)

女盗賊「ふふっ、恥ずかしがらなくてもいいじゃない」

勇者「いや、ほんとに……!」

ペラリ

勇者「!」

『近年の勇者は、胸に弱い』

勇者(な、なんだとぉ!?)

トリップググってみたけど分からなかった…それなんなんですか?本名ですか?

来たか…!ガタッ

女盗賊「どうしちゃったの? 顔が赤いわよ?」

むにっ

勇者「うおおおおおお……!」

勇者(ち、力が入らん!)

女盗賊「もしかして、これがダメなの?」

むにゅ~

勇者「ああ……マジで……やめて」

勇者(なんで弱いんだよ俺!?)

女盗賊「へー、可愛い♪」

勇者(どうしよう、マジで弱いみたいだ)

勇者(なんだよこの弱点……)


女武「みんな、見つかった?」

女騎士「いえ」

魔女「……同じく」

女武「ったく、何処行ったのよあの女……」

女騎士「そういえば、まだ勇者さん帰ってきてませんね」

魔女「……見つけた、かも?」

女武「えーっと、確かこっちに行ったわよね」

女騎士「はい」

女武「じゃあ行くわよ」

魔女「……嫌な予感」

勇者「と、とりあえず離してくれ……」

女盗賊「逃げない?」

勇者「逃げないから!」

勇者(逃げても逃げられないだろうし)

女盗賊「んー……やだ♪」

勇者「なんで?!」

女盗賊「そうだな……あえて理由を言うなら、好きな人にはイタズラをしたくなるものだから」

勇者「好きになった? 誰を?」

女盗賊「あんたよ♪」

むにゅぅ

勇者「うわぁ、マジでやめてくれぇぇ」

女武「こっちから声が聞こえるわ」

女騎士「はい、それに女性の声も。もしかして、女盗賊さん?」

魔女「……違う人格」

女武「! まさか、交戦中!?」

女騎士「まずいですね、早く行きましょう」

魔女「……リベンジ」

勇者「!」(みんなの声……!)

女盗賊「どうしたの?」

勇者「みんなが来る! この状況を見られたら、まずい」

むにゅー

勇者「うぎゃああ……!」

女盗賊「だーめ、暴れないの」

勇者「女盗賊、なんのマネだ!?」

女盗賊「離れたくないの!」

勇者「いや、マジで……!」

勇者(なんでこんなに弱いんだ!? 血筋か!?)

A(エース):毒ガス発生源円筒吸ってもよろしいだろう。例えそれで何かを失ったとしても……か──……?
B:くれてやろう…。ディープ・プレイスで壱ディエスに幾筋くらいお吸いに―――?
A(エース):天蓋ルナティックパンドラくらいだろう。例えそれで何かを失ったとしても……ね。
B:魔晄中毒年数はどれくらいだろう。例えそれで何かを失ったとしても……か――!?
α:参拾積み重ねあげてきた日々くらいだろうと、そのグルガン族の男は語ったね。
B:En Effet(アン エフェ)。かの冥府にベンツが停まってます、いつの日か世界を救うと信じて――ね。
A(エース):停まってながらも人類は、光を求める…ね。
B:未来が有るとするならば貴女が毒ガス発生源円筒を吸わなければ、
C:ちくわ大明神
B:かの存在くらい買えたんだろうと、そのグルガン族の男は語ったよ。
A(エース):かの存在は内なる意思のベンツだろうと、そのグルガン族の男は語った…預言書にはそう記されているけど。
新生の未来へと希望を託すために。

女騎士「ここからです!」

女武「一気に行くわよ!」

魔女「……準備完了」

女盗賊「素直になりなよ、勇者♪」

勇者「本気で無理! あああああ!」

女武「ちょっとあん……た?」

女騎士「勇者さん、助けにきまし……た?」

魔女「……?」

むにゅむにゅ

女盗賊「あら、貧乳三姉妹」

ブチッ

女盗賊 ビクッ

勇者「! み、みんなこれは誤解で……」

女騎士「……勇者さん……」

女武「ほー、あんた……そういう趣味あったんだー」

魔女「……敵二体確認」

勇者「うわああ、敵として見ないで!」

女盗賊「あ、これはちょっとまずいわね……こほん」

フッ

女盗賊「! あれ……私? きゃあっ、勇者さん!?」バッ

勇者「ぎゅげ!」

女盗賊「わ、私……一体……?」

女武「さーて勇者? 覚悟できてる?」

勇者「いや、話を……」

女騎士「……」

勇者「女騎士、無言の圧力はダメだ」

魔女「……」ブツブツ

勇者「あかん、呪文唱えるのはマジで……」

女武「せいけんづきぃ!」ごすっ

勇者「うおおお!」

女騎士「はぁぁ!」

スカリンッ

勇者「あ、あぶねえ!」

魔女「……」

グゥオオオオオオオ

勇者「うおおおい!? 強すぎだろ!?」

バシャァ

勇者(とりあえず湖の中に隠れたけど……!)

勇者(ぐぐ……! そういえば俺、泳いだことない!)

勇者「ぼがぁぁ……」ガボボ……

プカー

女武「来たわよ! ……って、あれ?」

女騎士「……きゃあああ、勇者さん!?」

魔女「……溺れた?」

女盗賊「は、早く助けないと!」

女騎士「そ、そうですね!」

女武「こんなんで死なれたら困るからね……」

魔女「……ハラハラしてる」

女武「し、してないわよ!」

・ ・ ・

勇者「……はっ!」ガバッ

ゴチン

勇者「うがっ」

女騎士「きゃっ」

勇者「! 女騎士?」

女騎士「だ、大丈夫ですか?」

勇者「ああ、女騎士にぶつかったのか……悪い、ぶつかったとこ怪我ないか?」

女騎士「は、はい……」

勇者(……ゴチン?)

勇者(今、胸に当たったような……鎧は着てないし……んん?)

女盗賊「だ、大丈夫ですか?」

勇者「ひっ!」

女盗賊「ええっ!?」

女武「女盗賊から話は聞いたわ、どうやら途中で人格が変わってたみたいね」

勇者「ああ……どこからかは知らないけど」

勇者(それよりも、だ)ペラッ

『勇者は胸に弱いため、意識もせずにパーティは胸のあるメンバーにならない』

『胸が大きい場合は無理矢理でも避ける』

勇者(なんでー!?)

勇者(でも、確かに……)チラッ

勇者(みんな……そんなに大きくないな)

女武「なによその目は?」

勇者「いや、なんでも」

女盗賊「あの、どうしてあんなことに?」

勇者「実は……俺もよくわかんないんだよ」

勇者(いつの間にか好かれてたとしか)

勇者(でも、あれも罠かもしれないな……でも、なんで殺さなかったんだろう)

女盗賊「そうですか……で、でも」

勇者「?」

女盗賊「……は、恥ずかしいです」

勇者(ああ、そんな顔すると)

女武「……」

魔女「……」

女騎士「……」

勇者(周りが怖いですよぉ)

勇者「と、とにかく! 女盗賊とも合流できたし、森を抜けよう!」

女騎士「は、はい!」

女盗賊「ごめんなさい、私のせいで……」

女武「まったくよ」

魔女「……気にしない」

女盗賊「あ、ありがとうございます……」

勇者「そ、それじゃあスタート!」

女武「……でもあんたの罪は消えないからね?」

勇者「うっ……」(どうしても許してもらえなさそうだな……)

勇者(勇者も辛いなぁ……)

勇者(胸に弱いって、めちゃくちゃまずいぞ)

勇者(これから女の子と戦うこともあるだろうし)

勇者(どうか貧乳で!)

女武「……今、ろくでもないこと思ってなかった?」

勇者「い、いえ!」

女武「なんで敬語なのよ」

魔女「……怪しい」

女騎士「ま、まあまあ……」

勇者「うう、女騎士だけだ……優しいのは」

女騎士「え、そ、そんなことっ……」

女武「女騎士もあんたに剣を振るってたけど?」

勇者「避けたし。お前の正拳突きガチで痛かったし」

魔女「……スカリンガール」

女騎士「や、やめてください!」

女武「それにしても、まだなの?」

女盗賊「もう少しで抜けると思いますが……」

魔女「……魔物の気配」

勇者「! みんな、周囲を警戒しろ!」

女武「わかってるわよ」

女騎士「了解です」

魔女 コクリ

女盗賊「え、えっと……私……?」

勇者「女盗賊は案内をしててくれ、俺たちが周りを見てるから」

女盗賊「は、はい!」

魔女「……!」

グギャガァァァァ!!

勇者「き、来た!」

女騎士「で、でかい!」

女武「な、なによこいつ……洞窟のやつよりでかくない?!」

魔女「……注意が必要!」

女盗賊「は、はわわ……」

勇者「女盗賊! 隠れててくれ!」

女盗賊「は、はい!」

女騎士「行きます! やあ!」

スカリンッ

女騎士「ま、またー!?」

女武「あんたいつになったら当てんのよ! はあ!」

ドスッ

女武「効いてる! 魔女、このまま流れで……!」

ゴウッ

女武「熱!! いくらなんでも速すぎるわよ!」

魔女「……流れは絶やさない」

勇者「おし、うおらぁ!」

ザシュッ!

ギゥアアアアアアアア!!

勇者「これならいけるぞ!」

グググッ……!

女武「! 様子が変よ」

勇者「なんだ……?」

ウギャアアアアアァ!

バキッ

勇者「ぐっ!」

魔女「……勇者!」

女騎士「ぴ、ピンピンしてます!」

勇者「気をつけろ、当たったら結構くらうぞ……!」

女武「あんた見てればわかるわよ! やあ!」

ぼすっ

女武「!?」(さっきより手応えがない!?)

ギロッ

女武「!」

ドスッ

女武「きゃっ!」

女騎士「女武さ……!」

バシッ

女騎士「ううっ……」

勇者「女騎士! くそ……!」

魔女「強い……」

勇者「魔女、魔法は!?」

魔女「……さっきのでMP切れ」

勇者「ええ?!」

魔女「……大きいのを撃ちすぎた」

勇者(ああ、さっき俺にやったのも含めると、相当消費してたのか!)

勇者「ちくしょー!」

勇者(ここで負けちまったら……!)

『全員死ぬと、なぜか城に飛ばされる。なお、記憶は勇者以外全てリセットされる』

勇者「そんなの、死んでもお断りだぁぁぁ!」

ガスッ

グゴガアアアァァァァ!

勇者「やべ!」

キィンッ!

魔女「……鉄化!」

女騎士「だ、ダメです……敵、怯んでません!」

ウガアアアアッ!

勇者「っ! くそ、全然歯が立たねえ……!」

女盗賊「……ど、どうしよう」

女盗賊(このままじゃ、みんな、死んでしまう……)

女盗賊(どうして、森の長が……!)

「ねえ」

女盗賊「……?」

「私よ、私」

女盗賊「だ、誰?」

「どこにもいないわよ、あんたの心の中」

女盗賊「! あなたは……」

「そ。もう一人のあんた」

女盗賊「ど、どうして……」

「私と変わりなさい」

女盗賊「……え?」

「今はあんたがいても、勇者を助けられないでしょ」

女盗賊「で、でも……」

「乗っ取ったりしないわよ。私はあくまでも、あんたなんだから」

女盗賊「……」

糞コテ売名氏ね

|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o ④o
|―u'

| ∧∧
|(´・ω・`)

|o   ヾ
|―u'  ④ <コトッ

|        -=  ∧_∧
|        -=と(`・ω・´) シュッ!
|         -=/ と_ノ
|    ④  -=_//⌒ソ

ここをVIPと勘違いしている連中大杉
ルール守れんなら永遠にROMってろ

>>110
自治厨きめえwwwwwww

今日はもう書かないのか?

俺がSS速報にいたころは書き手のモチベーションを上げるために
SS投下中のレス推奨されてたけど今はいかんのか

別にそんなことないよ
ただKYなゆとり軍団が増えると作者のやる気を削ぐケースが間々ある

女盗賊「ど、どうして、ですか?」

「え?」

女盗賊「どうして、勇者さんを助けるんですか?」

「……なんでって」

女盗賊「あなたは、悪い人格じゃ、ないんですか」

「……そう思われても結構だけど」

「私は、勇者を助けたいだけ」

「大好きな人を、守りたいだけよ」

女盗賊「!」

勇者「……ガハッ!」

女武「勇者! もうダメよ!」

勇者「でも、このままだと全員!」

魔女「……全滅」

女騎士「そ、そんなの……嫌です!」

?「はいはい、あんた達まだそれは早いわよ」

「「「!」」」

女盗賊「この私が来たからには、安心なさい」

女盗賊「ね、勇者♪」

勇者 ゾクッ

勇者(この感じ……間違いない!)

女騎士「も、もう一人の、女盗賊さん?」

女盗賊「見てられなくて出てきちゃったわよ」

女盗賊「大丈夫、勇者。立てる?」

勇者「だ、大丈夫だ」

グルルルルル……

女盗賊「はぁ……あんた、また懲りずに出てきたわけ?」

グギャアアアアア!!!

女武「どういうこと?」

女盗賊「こいつはだいぶ前に、私がのしてやったのよ」

女盗賊「左目の傷……ちゃんと残ってるしね」

女武「!」

女騎士「……あ、あの傷は、女盗賊さんが!?」

魔女「……凄い」

女盗賊「さーて、あんたも少しは強くなったのかしらね?」

グルァアアアアアア!

女騎士「きゃっ……」

女盗賊「……ま、言葉なんてわからないでしょうね」

女盗賊「さーって、やっちゃいましょうか」

勇者「気をつけろ、動きは鈍いけど一撃一撃が重いぞ!」

女盗賊「わかってるっての!」

ヒュンッ!

女騎士(速い!)

スパッ

ギャアアアッ

女盗賊「んー、ちょっと浅かったかな?」

グギィィ!

女盗賊「はいはい、怒れば怒るほど当たんないわよ?」

女騎士「すごい……全部避けて……」

勇者(なんて強さだ!)

勇者(それに……なんて揺れだ!)

ぽよんっぽよんっ

女武(助けてもらってるはずなのにイラつく)

魔女(……煮え切らない)

女盗賊「勇者」

勇者「! なんだ?」

女盗賊「こいつ倒したらさ、私」

女盗賊「この森を出ることにするわ」

勇者「!」

女盗賊「それで、私にできることを、探す旅に出る」

女盗賊「だから、今度会う時には」

女盗賊「克服しときなさいよ? ふふっ」

ウガアアアアァ!!

勇者「危ない!」

女盗賊「はぁっ! タナトスハント!!」

ズガァッ!!!

……グウウウゥウゥゥウ

ドサァッ……

勇者「……倒した?」

女盗賊「……いっちょあがり♪」

女武「あんなナイフで……」

魔女「……強い」

女騎士「す、凄いです!」

女盗賊「ふふっ、勇者面白い顔してるわよ?」

勇者「……ありがとう、女盗賊!」

女盗賊「う……そんな素直に礼を言われると、恥ずかしいなぁ……えへへ」

勇者「俺たちだけだったら、絶対に死んでた……助かった!」

女盗賊「そうね、勇者のくせに、ちょーっと弱いんじゃない?」

勇者「ああ……」

女騎士「あ、ありがとうございました!」

魔女「……感謝」

女盗賊「どういたしまして~」

女武「……」

女盗賊「なによ?」

女武「……礼は言わないから」

女盗賊「……はいはい」

・ ・ ・

女盗賊「はい、ゴール!」

勇者「案内までしてもらって、ごめんな」

女盗賊「いいのよ、気にしないで。私も出たかったんだし」

勇者「本当に、森を出るのか?」

女盗賊「うん」

盗賊A「おやびん!」

盗賊B「俺たちを連れて行ってくだせえ!」

女盗賊「……ダーメ」

女盗賊「あんた達は私がいなくても大丈夫なように、もっと強くなりなさい」

女盗賊「そうしたら……いつか帰ってきて、連れて行ってあげるわ」

盗賊A「うおおおお! 頑張ります、おやびん!」

盗賊B「見ていてくだせえ! 俺たち、強くなります!」

女盗賊「ええ、期待してるわね♪」


勇者「……というか、本当の女盗賊はいいのか?」

女盗賊「大丈夫よ。ちゃんと相談したから」

勇者「え!」

女盗賊「うん。私が心を開いてなかったから、話すことはできなかった」

女盗賊「どうせ私のことを、嫌ってると思ってたし……」

女盗賊「でも、私のことを、勇者が認めてくれて、あの子も認めてくれた」

女盗賊「だから、私のわがままを聞いてくれたの」

勇者「そうか……」

女盗賊「ふふっ、本当は勇者と旅したいんだけど」

女盗賊「あんたには、もう良いパーティーが揃ってるからね」

勇者「……そうだな」

女武「いつまで話てんのよ!」

魔女「……村に行こ」

女騎士「待ってますよー」


勇者「じゃあ、そろそろ」

女盗賊「うん。……あ、ちょっと待って」

勇者「ん?」

女盗賊「……あっ、え、えっと……」

勇者「! いつもの女盗賊か」

女盗賊「もう一人の私のこと、ありがとうございました」

女盗賊「やっぱり、勇者さんには凄い力があるんですね」

勇者「そんなことないよ」

勇者「もう一人の女盗賊が、決めたことなんだから」

勇者「俺は何もしてないよ」

女盗賊「でも……もう一人の私は、あなたの言葉のおかげと言っていました」

「ちょー! 恥ずかしいから言うな!」

女盗賊「えへへ、怒られちゃったので、もうこれ以上いいませんね」

勇者「ん? ああ」

女盗賊「……それじゃあ、またいつか」

勇者「おう!」

女盗賊「さよならー」

勇者「じゃーなー!」

女武「……ふんっ」

女騎士「さよーならー」ウルッ

魔女 フリフリ

女武「さりげなく尻も振るんじゃないわよ」

魔女「……バレないかと思った」

・ ・ ・

勇者「さーって、村に着いたわけだが」

女武「ご飯!」

勇者「言うと思ったよ!」

女騎士「でも、この村にはあるんでしょうか?」

女武「無いわけないでしょ! はい、早速宿屋発見!」

魔女「……宿屋探し名人」

女武「全然嬉しくないから!」

勇者「うっし、とりあえず宿屋に行こう」

「「「おー!」」」

魔女「……私は言ってない」

ここまで。

それではまた。


わかりづらいところがありましたらお知らせください。
できるだけ地の文は書かないスタンスでいきますので。

おつ

おやすみ
次も期待してるぜ

おつ

ゴミとっとと書けよ

内容もゴミだから書かなくて良いよ

コテなきゃなんでもいいよ

エタなきゃ何でもいいよ

あ、自治厨とか関係ねぇよただお前らのキモチ悪いレス見てると苛つくんだよカス一生ROMってろ死ね

>>136
くっさ

>>136>>110は別人です

・ ・ ・

勇者「お前食いすぎだろ」

女武「おかわり!」

店主「もう勘弁してくれ!」

女騎士「はは・・・ところで店主さん、荷物を運んでおいてもらった部屋はどちらですか?」

勇者「女騎士もうもどるのか?」

魔女「……疲れてるんでしょ」

店主「あー、っとね、そちらの勇者様とお姉さんの部屋は305号室、大食い姉ちゃんとそっちの子のは306号室に運んどいたよ」

女騎士・女武「「えー?!」」

魔女「……ずるい」

騎士は男の娘か・・

最近のVIPって口悪ければそれでいいみたいな馬鹿丸出し多いよな

店主「いやだって2人部屋しかないんだから仕方ないだろう!部屋割りは勝手に決めてくれよ!」

女武「なんであなたそんなに怒ってるの?」

勇者「あのなぁ・・・」

魔女「...気づかないんですね」

女騎士「はは・・・まあ仕方ありませんよ、私は勇者さんと一緒で構いませんから」

女武「いやこんなケダモノと一緒の部屋にしたらなにされるか分からないわよ?!」

勇者「なにもしてないだろ!!」

魔女「……貧乳で悪かったですね」

勇者「あっ(こいつらあれを根に持ってやがんのか......)」

女武「危ないから二人のためにも私が一緒の部屋になってあげるわ!」

女騎士「えっ」

魔女「……」

支援

・ ・ ・

勇者「ふぅ。まさか四人部屋があるなんて思ってなかったな」

女武「……なんであんたもいるのよ」

勇者「え、四人部屋だからだろ」

女武「あんたは一人部屋に行きなさいよ!」

勇者「もったいないだろ!」

魔女「……意味深」

勇者「いや、金の話な?」

女騎士「ふふ、都合の良い場所があってよかったですね」

勇者「ああ、ほんとにな」

勇者「ふわぁ……俺、先に寝るぞー」

女騎士「あ、私も疲れたので寝ます」

女武「何言ってんのよ、ご飯は!?」

勇者「一人で行ってこい」

魔女「……寝る」

女武「ええっ、なんでみんな寝るのよ?」

勇者「眠いからに決まってんだろ」

女武「そ、そんなぁ……わかったわよ、一人で行くわよ」

女武「……ほ、ほんとに行くからね?」

女武「……」

女武「わ、わかったわよ、寝ればいいんでしょ、寝れば!」

魔女「……誰も言ってない」

女武「うっさい!」

勇者「……」

女武「……」

女騎士「……」

魔女「……」

勇者「……みんな、寝たか?」

しーん

勇者「……まあ、そうだよな」

勇者(さて、と)

勇者(外に出るか)

勇者「……」

ギィィ……バタンッ

女騎士「……?」

女騎士(今のは、勇者さん?)

女騎士「こんな時間に、何をしに言ったのかしら……」

女騎士(と、とりあえずついていこう)

外で[田島「チ○コ破裂するっ!」]か

勇者「……」

女騎士「!」

女騎士(今日抜けた森の中へ……?)

女騎士「ど、どうして?」

女騎士「とりあえずついていかなければ」

勇者「……」

女騎士(け、結構深くまで行くのね)

女騎士(どうしちゃったんだろう、勇者さん)

勇者「ふう、ここらへんでいいかな」

女騎士「……?」

勇者「……お、きたきた」

グルルルッ……

女騎士「! ま、魔物!?」

勇者「へへ、女盗賊の言うとおり夜は相当盛んに活動してるみたいだな」

勇者「しゃあ、こい!」

女騎士「……勇者さん」

女騎士(まさか、一人で特訓……?)

獣姦か

勇者「でぁりゃあ!」

ズバッ!

ギャアアアァ!

勇者「へへっ、群れを好まない種族らしいから、増援もない」

勇者「絶対に強くなってやる!」

『勇者は夜に特訓すると、いつも以上に鍛えられる』

女騎士(……勇者さん)

女騎士(私も、頑張らないと)

女騎士「流石に勇者さんの邪魔をしてはいけないから……」

女騎士「私も、違う場所で」

女騎士「……ちょっと、遠い場所じゃないとバレちゃうかもしれないわね」

女騎士「よーし、頑張ろう!」

グゥウゥ……

女騎士「!」

女騎士(さ、早速来た!)

女騎士「はぁ!」

スカリンッ

女騎士「うにゃあー!」

スカリンッ

女騎士「てりゃああ!」

スカリンッ

ガスッ

女騎士「くっ!」

女騎士(ど、どうして当たらないの……!?)

女騎士「やぁ!」

スカリリンッ

女騎士「それ!」

スカリン☆

女騎士「はぁぁぁぁ!」

スカリンッ♪

グルルルッ……

女騎士「!」

女騎士(に、逃げられた!?)

女騎士(まさか、戦う価値も無いってこと……?)

スカリンッで笑ってしまう
>>1頑張れ

女騎士「……」

女騎士(私……どうして?)

女騎士(お城の稽古では、こんなこと無かったのに……)

女騎士「相手が魔物なっただけで、こんなに違うの?」

女騎士「ううっ……」ポタッ

女騎士「……な、泣いちゃダメだよ、女騎士!」

女騎士「……でも……うぅ……」

女騎士「……」

勇者「うおらっ!」

ズバッ!!

ギョオアアアアアアア!!

~♪

勇者「へへっ……レベルアップ!」

女騎士「……勇者さん」

女騎士(ごめんなさい)

女騎士(私、もう……)

>女騎士「……な、泣いちゃダメだよ、女騎士!」
地雷臭やばいです

|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o ④o
|―u'

| ∧∧
|(´・ω・`)

|o   ヾ
|―u'  ④ <コトッ

|        -=  ∧_∧
|        -=と(`・ω・´) シュッ!
|         -=/ と_ノ
|    ④  -=_//⌒ソ

・ ・ ・

勇者「……」そぉ~

勇者「……寝てるな」

女騎士「……」

勇者「さてと、寝よ寝よ」

女騎士「……」

勇者「……くかー……」

女騎士「……勇者さん」

女騎士は無意識に魔人斬りを繰り出しているに違いない

女騎士「私のことを誘ってくれて、とても嬉しかったです」

女騎士「でも……」

女騎士「このままじゃ、私……足手まといになるから」

女騎士「……短い間でしたが、ありがとうございました」

女騎士「……さようなら」

ギィィ……


バタンッ

・ ・ ・

女武「……なさいよ……おき……よ!」

女武「起きなさいよ、バカ!」

バシッ

勇者「いて! 朝から手荒だな!」

女武「まずいことになったのよ」

勇者「どうしたんだよ?」

魔女「……女騎士が、いない」

勇者「!!」

勇者「どうして!?」

女武「知らないわよ! 朝起きたらいなくて……」

魔女「……失踪?」

勇者「と、とにかく探そう」

女武「考えなしに?」

魔女「……難しい」

勇者「それでも、探さないと!」

勇者(女騎士……どこ行っちまったんだ!?)

宿屋「女の子?」

勇者「はい、髪が長くて、まつ毛長くて、笑顔が素敵で、ちょっと似合わない剣を持ってる子なんですけど」

魔女「……べた褒め」

女武「なんかムカツクわね」

宿屋「いやあ、見てないなぁ。夜はもう奥にいるから」

勇者「そうですか……ありがとうございます」

女武「これからどうすんのよ?」

勇者「夜に出たんなら、そんなに遠くにいってないはずだ。探そう」

今日はここまでにしておきます。

このSSに関しては即興ですので、投下途中のレスをしていただいてもかまいません。
嫌がる方もいるらしいので、一応。

それでは。

完結はよはよ

女騎士ちゃんかわいい

がんば!

乙乙!
ガンバー

>>162
はぐれメタル遭遇からの直撃で一気にレベルアップか

今日はなしか

今日はまだかなー

・ ・ ・

勇者「くそ、どこにいるんだ……?」

魔女「……ま、待って勇者」

勇者「? なんだよ、早くしないと……」

女武「あんたね、速すぎんのよ! ちょっとは私たちのこと考えなさいよ」

勇者「……すまん」

女武「……あんたの気持ちはわかるから」

女武「とにかく、この村から最寄りの町とかって考えると、港町が一番近いわ」

勇者「でも……」

女武「ええ。村を出るってことは、どうしたって魔物がいるわ」

勇者「急がないと!」

女武「ま、待ちなさい! 急いだって無理よ!」

勇者「でも……」

魔女「……スカリンガール」

勇者「あいつが攻撃当てたのなんて、一度しか見たことないんだぞ!?」

女武「わかってるわよ。ここんところ、一度も当ててないことだってわかってる」

女武「だからって、急いでどうとでもなることじゃないでしょ!?」

勇者「……」

魔女「……勇者?」

勇者「……なんで、何も言ってくれなかったんだよ」

勇者「どうして……」

女武「足を引っ張ってると思ったんじゃない?」

勇者「女武!」

女武「だってそうでしょう!? あんなに命中率低いんじゃ、誰だって役に立たないって思うわよ」

女武「一番わかってるのは、なによりも自分自身なんだから」

勇者「……くっ」

魔女「……」

女武「? 何やってんのよ?」

魔女「……探してる」

女武「そ、そんなことできるの!?」

魔女「……でき……る?」

女武「疑問形なところを見ると、できないんじゃないの……?」

魔女「……」

勇者「頼む、魔女。女騎士を探してくれ」

魔女「! ……まかせて」

・ ・ ・

女騎士「はぁはぁ……」

グルルルッ……

女騎士(ダメ……勝てない)

女騎士「ふふ……もう、ダメかな?」

ギャアアアアア!!!

女騎士「!」

ズバァ

女騎士「えっ……?」

?「大丈夫っすか?」

女騎士「え……は、はい」

?「良かったっす。完全に死のーとしてたように見えたっすから」

女騎士「……あなたは?」

?「自分っすか? 自分は、女僧侶っす!」

女僧侶(以下、僧侶)「元戦士のおちゃめな僧侶っすよ!」

リアタイキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

すいません、今日はこのへんで。

ちょっと忙しいので少ししか更新できませんでしたが、申し訳ないです。

>>181
面白いよ
頑張って!

僧侶「それにしても、一人っすか?」

女騎士「は、はい……」

僧侶「危険っすよ危険! ここらはみーんなどーもーな魔物ばっかっすから!」

女騎士「そ、そのようですね」

僧侶「見た感じ、戦闘職っすよね?」

女騎士「は、はい」

僧侶「良かったら一緒に行かないっすか? 自分、一人じゃ悲しいっす!」

女騎士「で、でも……」

僧侶「わかってるっすよ。その顔はパーティから逃げてきた顔っす」

僧侶「自分もそういう顔っすから」

女騎士「え!」

僧侶「実は、この前勇者さんがギルドに来てて」

僧侶「僧侶を探してるーって言ってたっすから」

僧侶「期待に胸膨らませてたんすけど、結局お呼びがなかったっす」

僧侶「……あ、胸が無いのに胸を膨らませるって表現は比喩っすよ?」

女騎士「は、はい……」

女騎士(勇者って……勇者さんのことよね?)

僧侶「んで、ギルドマスターのおっちゃんが『また次の機会』とか言い出すっすから」

僧侶「耐え切れずに一人で旅を始めたんす」

女騎士「! ひ、一人でここまで?」

僧侶「そーっす! いやあ、正直攻撃は大分訛ってたんで、しんどかったっす!」

僧侶「でもでも、あなたがいてくれれば頼もしいっす!」

女騎士「……」

女騎士「私は、ダメですよ」

僧侶「そんなことないっすよ!」

僧侶「確かに、まったく攻撃当たってなかったすが」

僧侶「身軽に攻撃を避けてたっす!」

女騎士「……でも、勝てなきゃ意味がない」

僧侶「大丈夫っす。一度だけでいいから、自分と組まないっすか?」

女騎士「……」

僧侶「お願いっす! 話し相手だけでもいいっすから!」

勇者の地元には品乳しか生まれないような呪いでもかかってんのか

女騎士「……わかりました」

僧侶「はー……良かったっす!」

僧侶「というわけで……ほいっ!」

シュウウウウウ

女騎士「! 傷が……治って?」

僧侶「甘く見られたら困るっす。自分、こう見えても凄めの僧侶っすから」

女騎士「……凄めの」

女騎士(さっきの攻撃もすごかった……)

僧侶「ささ、それじゃあ一緒に行くっす!」

女騎士「むっ、ちょっと待て」

僧侶「ありゃ、いきなりキャラが変わったっす」

女騎士「こ、これがいつもの私だ」

僧侶「ほえー……さっきまで可愛い系だったのに美人さんになったっす!」

僧侶「うー、自分もそれくらい可愛くなりたいっすねえ」

女騎士「……ふんっ」(て、照れます)

女騎士(とりあえず、喋りづらくすれば、すぐに飽きてくれるかも)

僧侶「ささ、行くっすよ!」がしっ

女騎士「! な、なぜ腕を組む?」

僧侶「女の子どーしなんすから、いいじゃないっすか♪」

女騎士「で、でも……」

僧侶「むむ、恥ずかしいんすか?」

女騎士「そ、そうだ」

僧侶「そうっすか、ごめんなさいっす……えーっと」

僧侶「名前なんすか? そういえば聞いてなかったっす」

女騎士「私は、女騎士だ」

僧侶「ほえー騎士さんなんすか! かっけーっす!」

僧侶「これは港町まで会話が続けられそうっすね!」

女騎士(な、なんで~!?)

・ ・ ・

魔女「……見つけた」

女武「見つけられるのね……」

勇者「どこだ!」ずいっ

魔女「……ち、近い……」

勇者「近い?」

魔女「……あの」もじもじ

女武「あんたが近いのよ!」ばきっ

勇者「ぐわっ、すまん!」

魔女「……改めて」

勇者「ああ、頼む」

魔女「港町の方に、移動中」

女武「港町!? でも、あっちの方って」

魔女「そう。魔物の群れがある」

勇者「……あのさぁ、お前ら」

勇者「俺の目の前でそれ言ったら」

女武「? なによ」

魔女「……あ」

勇者(魔女は気づいたみたいだな)

『勇者は旅に出ると、たくさんの出来事に遭遇する』

ここまでです。

いつもと同じくらい書くことができました。お騒がせしてしまいすいませんでした。

おつ~

お疲れ様
すげー楽しい

乙乙

まだか

今日はなしか

今日もなしか・・・

・ ・ ・

僧侶「ふむふむ、騎士さんってのも大変なんすね!」

女騎士「まあ、そうだな」

僧侶「毎日王様の長いお話を聞くっていうのは、ちょっと辛いっすね……」

女騎士「私は、それほどでもないんだがな」

僧侶「ほえ、そうなんすか?」

僧侶「自分だったら絶対に寝ちゃうっすよ……」

女騎士「ふふ、慣れればどうということもないさ」

僧侶「そうけーしちゃうっす!」

女騎士「そ、そうけい?」

僧侶「ありゃ、違うっすか?」

女騎士「いや、間違えてないと思う……が」

僧侶「てへっ☆」

女騎士「……」

僧侶「ノーリアクションは辛いっすよ……!」

女騎士「と、とりあえず、港町まであとどれくらいなのだ?」

僧侶「んと、関所を抜けて少しすれば行けるっすよ」

女騎士「……関所?」

僧侶「そうっす。んしょっ……と」

僧侶「この紙が関所を通れるパスっす」

女騎士「私は……持ってないぞ?」

僧侶「え! まじっすか!?」

僧侶「やべーっす、それはいくらなんでもやべーっす!」

女騎士「……ここまでのようだな」

僧侶「いや、なんとかするっす!」

僧侶「確かこの周りに、小さなギルドがあるって聞いたっす」

女騎士「?」

僧侶「そこで簡易的なパスでも作ってもらえるかもっす」

女騎士「そ、そんな簡単にできるものなのか?」

僧侶「大丈夫っす。あそこの関所は金で回ってるっすから」

女騎士(ず、ずさんです……)

きたーーーーーー
>>1頑張って!

僧侶「自分も驚いたっすよ……でも、けっこーな金額がいるっす」

女騎士「! いくらくらいだ?」

僧侶「んー……少なくとも、ゴニョゴニョ……」

女騎士「そ、そんなにー!?」

僧侶「そんなにっす!」

女騎士「お、おほん……そんなお金、私は持ち合わせていないぞ」

僧侶「だいじょーぶっす。自分持ってるっすから」

女騎士「なぜ!?」

僧侶「ギルドで貯めてたお金ぜーんぶ使えばなんとかなるっすよ!」

女騎士「それは、あなたに悪いから……」

僧侶「いやいや、ついてきてもらってる身っすから」

僧侶「これくらいは朝飯前、むしろ昨日の晩飯後っす!」

女騎士(どれくらいかわからない……)

僧侶「よーっし、とりあえずそのギルドに行くっすよー!」

女騎士「あ、ああ……」

グガァァ!

女騎士「! 魔物!」

僧侶「うひゃー来たっす! 二人になってから初戦闘っす!」

女騎士「私が行く! はぁ!」

スカリンッ

女騎士「くっ!」

僧侶「ありゃりゃ、どんまいっす!」

女騎士(やっぱり……)

ウガアアアアァ!!

僧侶「あぶないっす! でりゃあぁ!」

ズバァァァ!!!

女騎士「!」

ギャアアアアアアッッッ!!

僧侶「ふぃー倒したっす!」

女騎士「す、凄い……」

僧侶「へへん、元戦士をなめるなっす!」

女騎士「……」

僧侶「ん、どうしたんすか? 女騎士ちゃん」

女騎士「……凄いな」

僧侶「えへへ、誉められると嬉しいっす!」

女騎士「……」

僧侶「さー、ギルドに行くっすよ!!」

女騎士「あ、ああ……」

まったく進んでませんが、ここまでです。


あまり更新できなくてすいません。

>>209
お疲れさまでしたー

縺翫▽

お前らがいくら可愛い子を好きでも、可愛い子はお前らを好きになってはくれない

でも俺はお前のこと好きだよ

そして・・俺もだよ・・・

まだ続いてたの?早く終わらせてよ

まだけっこうもうちょっとだけ大分続くんじゃよ?

年度内には終わらせろよ

またないのか

もう書かなくていいよ

お待ちしてます

・ ・ ・

勇者「とにかく、港町に行かないとな」

女武「そうだけど、どうすんの?」

勇者「何がだ?」

女武「関所あるし、通れるかわかんないわよ?」

勇者「……え?」ペラリ

『関所にはパスが必要だが、勇者は気にせずに通れる時がある』

勇者「……た、多分大丈夫」

魔女「……何故?」

勇者「んー……勇者だから?」

女武「はぁ?」

勇者「そんな目で見ないでくれ。死にたくなるだろ」

女武「女騎士は、パスなんて持ってないでしょうから関所で足止め喰らうかもしれないわね」

魔女「……好都合」

勇者「そこで合流できるな」

女武「……でもさ」

女武「あの娘の意志は、あの娘が決めるのよ?」

女武「あんたがどう言ったって、あの娘が嫌なら、そこまでなんだから」

勇者「……」

『勇者は、仲間の心配をしなければならない』

勇者(くそ)

勇者(これじゃあ、勇者失格じゃないか)

・ ・ ・

僧侶「そ、そそ、そ僧侶♪」

僧侶「元気が一番、食欲旺盛、見せてあげまっしょ美戦闘っす♪」

女騎士「……なんだその歌は?」

僧侶「『僧侶ちゃんの歌』っす! ななななんと、作詞作曲編曲に至るまで自分がやってるっす!」

女騎士「編曲も、だと?」

女騎士(編曲……編曲?)

僧侶「あー、女の子二人旅って、客観的に見たら華やかなんすかね?」

女騎士「わ、わからん」

僧侶「そっすかー。そういえば、女騎士ちゃんは誰と一緒に旅してたんすか?」

女騎士「!」

僧侶「?」

女騎士「……」

僧侶「どうしたっすか?」

女騎士(勇者……さん)

僧侶「むー?」

女騎士(は、早く言わないと……)

僧侶「なーんか、ワケありっぽいっすね。この話は終わりっす!」

僧侶「そういえば、港町にはたくさーんお魚料理が食べられるらしいっすよ!」

女騎士「そ、そうなのか」

女騎士(優しい人だなぁ……)

僧侶「今からヨダレダラダラっす!」

女騎士「! 本当に垂れてるぞ!」

僧侶「ジュルッ……女騎士ちゃん、美味そうっす!」

女騎士「私は食べ物じゃないからな!?」

僧侶「えへへ、わかってるっすよぉ。自分の始めてのパーティっすからね!」

女騎士「パーティ……」

僧侶「? なんすか」

女騎士「いや、何も」

僧侶「ギルドどこにあるんすかねー。一向に見えてこないっすー」

女騎士「方角は合ってるのか?」

僧侶「んー、どうなんすかね?」

女騎士「え?」

僧侶「正直、勘で歩いてるっす」

女騎士「な、何をしているんだ!」

僧侶「そ、そう言われてもぉ!」

僧侶「方角わかる方法とか、わかんないっすもん!」

女騎士「そんな言い訳が通用するか!」

僧侶「怖いっすよ、女騎士ちゃん!!」

女騎士「っ……」

女騎士(だ、ダメダメ。平常心、平常心……)

女騎士「あ、あのですね……」

僧侶「?」

女騎士「……あ、あのだなまずあっちに村が見える」

僧侶「っすね」

女騎士「ということは、ギルドは……こちらにあることになる」

僧侶「ほほー! そうなんすか! 凄いっす、女騎士ちゃん!」

女騎士「そ、それほどでもない」

女騎士「こんなこと、戦闘には役に立たない……」

僧侶「……それでも、十分凄いっす!」

僧侶「だってだって、自分一人だったらギルドにたどり着けなかったっす!」

女騎士「元はといえば、私のパスのためにギルドに行くのだから、たどり着けなくたって……」

僧侶「甘いっすね! 一人だったら関所まで着くかも危うかったと考えられるっす!」

女騎士「……それもそうだな」

僧侶「えへへ、頼もしいパーティが加わったっす!」

僧侶「そうだ、そのままギルドで何人かメンバーを揃えちゃうのも良いかもっすね!」

女騎士「そ、それは……困る」

僧侶「なんでっすか?」

女騎士「……」

僧侶「……そーっすね。女騎士ちゃんともっと仲良くなってから、メンバーを増やしても良いかもっす」

女騎士「……すまない」

僧侶「イイっすよ~だって自分達、仲間っすもん!」

女騎士「……仲間」

女騎士(……悪く、ないかな)

・ ・ ・

僧侶「着いたっすー!」

女騎士「あまり時間かからなかったな」

僧侶「そうっすね。女騎士ちゃんのおかげっす!」

女騎士「私はただ、方角を合わせただけで」

僧侶「それがなかったら、全然的外れなとこに行ってたっすよ!」

女騎士「……そうだな」

僧侶「うぐっ、肯定されると逆に悲しいっす……!」

女騎士「じゃあ、早速中に入ろ……ん?」

【お願い】

【簡易パス作成はただいま受け付けておりません】

僧侶「え!」

女騎士「……」

僧侶「ちょ、ちょっと、中に入って聞いてみるっす!」

女騎士「そうだな」

ギィィ……

僧侶「ちょっとちょっと、ギルマスのおっちゃん!」

ギルマス「いらっしゃい。見た感じ、僧侶のようだが……元気良いな」

僧侶「元気が取り柄っすから! ……ってそれはともかくっすよ」

僧侶「簡易パス作れないって、どういうことっすか!」

ギルマス「ああ、実はな……」

ギルマス「関所近くに魔物が大量発生してて、簡易パスの届出が出せないんだよ」

僧侶「そ、そんなぁ……」

女騎士「……つまり、その魔物達を倒せば作れる、と?」

ギルマス「ん? ああ、そうなるな」

僧侶「おおお、なら自分達がやるっすよ!」

ギルマス「ええ! その魔物達相当危ないらしくてな」

ギルマス「荷物を運んでいた商人が襲われて、そのまま帰らぬ人になったらしい」

ギルマス「ここのギルドのメンバーが5、6人護衛してたのに……だぞ?」

僧侶「! そ、そのメンバーは?」

ギルマス「……もちろん、一緒に逝っちまった」

女騎士「……っ」

僧侶「……熱いじゃないっすか」

ギルマス「え?」

僧侶「熱い熱い熱い! 超超ちょー熱い展開じゃないっすかぁ!」

僧侶「そんなやつと戦えるなんて、めちゃくちゃワクワクするっす!」

僧侶「女騎士ちゃん、行くっすよ!」

女騎士「し、しかし!」

僧侶「大丈夫っすよ! 自分達ならやれるっすから。ね?」

女騎士「……」

僧侶「ギルマスのおっちゃん、行ってくるっす!」

ギルマス「あ、ああ……絶対に戻って来いよー!」

僧侶「もちろんっすー!」

女騎士「……」(ど、どうなるんだろう……)

ここまでです。


SS速報はゆっくりと書けるので、ゆっくりまったりと書いて行きたいと思っています。
急かされてすぐにできるものでもないので、できればゆるゆるとお楽しみください。


それでは。

お客様方の言うことは気にせずお前の書きたいように書くといい

おつ

焦らず頑張ってね

おつ

は?お客様は神様だろ?
早くしろks

対価を払う訳でも無いのに客とはこれ如何に
ただの観衆は客とは言わんわな

お客様は紙(幣)様です。

・ ・ ・

勇者「うおりゃあああ!」

ズバァァッ!

勇者「次はどいつだ! ぬおりゃああ!」

ズバァッ!

女武「あいつ、やけに気合はいってるわね」

魔女「……当然」

ゴオッ

魔女「……私もそう」

女武「……まあ、私もだけどね! はぁっ!」

ドゴッ!!

勇者(女騎士……無事なのか?)

・ ・ ・

僧侶「むっかしーむっかしーうらやましー!」

女騎士「……」

女騎士(本当に、大丈夫なのかな……)

女騎士(私、このままだと僧侶さんの足を引っ張ることに……)

僧侶「そういえば女騎士ちゃん」

女騎士「はい……な、なんだ?」

僧侶「女騎士ちゃんは、どーも剣の振りが変っす」

女騎士「え?」

僧侶「あの振り方だと、どーしても敵には当たりづらいんす」

僧侶「タメを作って、コントロールが定まらない」

僧侶「そういう斬り方は、当たると凄いっすけど、命中率はガクッと下がりまくりングっす」

女騎士「え……そうなんですか?」

僧侶「そうっす」(いきなり敬語になったっす!?)

女騎士「……」

ブゥンッ

僧侶「それっす。その振り方は良くないっす」

女騎士「……ど、どうすれば?」

僧侶「なんというか、その剣は無理に両手で持つ必要は無いと思うっす」

女騎士「え、えっと……」

僧侶「こう持って、そのまま振り下ろせばいいんす」

ブンッ

僧侶「あとは敵をちゃんと見て、しっかりと当てるつもりで振るっすよ?」

女騎士「な、なるほど……」

ブンッ

女騎士(あ、振りやすいかも)

僧侶「女騎士ちゃんはお城で鍛えてもらってた時に教えてもらったんすか?」

女騎士「は、はい」

僧侶「それはやめたほーがイイっす。女騎士ちゃんには合ってないし、鈍い人間とかにしか使えないっすよ」

女騎士(騎士のみんなは、鎧をつけてるからあんまり早くなかった……だからなのね)

女騎士「ありがとうございます、僧侶さん!」

女騎士「……あ」(口調、戻っちゃってる)

僧侶「えへへ、可愛い女騎士ちゃんに戻ったっす!」

女騎士「……ごめんなさい、実は……」

・ ・ ・

僧侶「ほー、器用っすねぇ」

女騎士「騙していて、ごめんなさい……」

僧侶「気にしないっすよ。そんなことで」

僧侶「女騎士ちゃんがしたいなら、あのままでもいいっすしね」

女騎士「……ありがとうございます」

僧侶「でもでも、こっちの女騎士ちゃんも可愛いっすよ~」

女騎士「は、恥ずかしいですよ、僧侶さん」

僧侶「さてさて、敵はどこっすかねー」

女騎士「そうですね、もうすぐ関所近くにだと思いますが……」

僧侶「敵、出て欲しくないっすね」

女騎士「?」

僧侶「自分、戦士だったころに言われたことがあるんす」

僧侶「『お前は戦いを楽しんでる』って」

女騎士「……」

僧侶「最初は、それがどうしたんだと思ったっすけど」

僧侶「なんか、それから色々と考えたんすよ」

僧侶「考えてみると、魔物を斬る自分、血に染まって狂気に満ちた微笑みを浮かべている自分」

僧侶「相手の人間を、魔物と同じように扱っている自分……」

僧侶「どっちが魔物か、わかんないっすよね」

僧侶「それでも、やっぱり戦いは楽しくって」

僧侶「異常だって見放されていても、このパーティにいれば、ずっと戦えると思ったんすよ」

僧侶「でも、ある日のことっす」

僧侶「恐ろしく強い敵に出会って……自分以外のパーティはボロボロだったっす」

僧侶「一人は目をくりぬかれ、一人は足を消し飛ばされて」

僧侶「もう一人なんて、頭ごとふっとばされて、死んでたっす」

僧侶「でも自分は……自分は……」

僧侶「無傷だったっす」

女騎士「!」

僧侶「まあ、なんでかわかんなかったっすね」

僧侶「『こんなやつにどうしてダメージを受けるのか』甚だ疑問だったっす」

僧侶「だって、攻撃は単調だし」

僧侶「隙はあり放題、攻撃できまくリング、弱点ありまくりング……」

僧侶「だから、さっさと殺してやったっす」

僧侶「呆れた顔でメンバーを見ると、自分を怯えたような顔で見てて」

僧侶「『化け物』って」

女騎士「……」

僧侶「まー、そりゃそうっすよね」

僧侶「自分達がまったく敵わなかった魔物を」

僧侶「一人の仲間を犠牲にしてもなお、止めることすらできなかった魔物を」

僧侶「自分は一発KOしちゃったんすもん」

僧侶「助けてやっただけでも良いと思って欲しかったすけど」

僧侶「……その後が大変だったんすよ」

女騎士「え……?」

僧侶「あの魔物、どうやら相当やばい毒を持ってるらしくて」

僧侶「目をくりぬかれたやつはそこから腐り始めて死んで」

僧侶「足持ってかれたやつは、そこからうじゃうじゃ寄生虫が出てきて」

僧侶「自分以外、全員死んだっす」

僧侶「そんときっすねー」

僧侶「『敵を倒せても、仲間を助けることができない』って思ったんす」

僧侶「なんか、いきなり情けなくなって」

僧侶「……戦闘を楽しんだ結果、何を手に入れたのか」

僧侶「力だけ手に入れて、人間の心が無くなっちゃったんす」

僧侶「もちろん死体は一度、教会に連れて行ったっすよ?」

僧侶「でも、もー手遅れなのは見てわかるっすから」

僧侶「それでも自分じゃどうにもできないって、誰かにまかせたくて」

僧侶「死体を置いて、逃げてきたんす」

女騎士「そんな……」

僧侶「仕方なかったんすよ、あの頃自分、本当に何考えてるのかわかんなかったす」

僧侶「自己というか、なんか、自我がなかったっていうか」

僧侶「逃げ出して、一人静かな場所でゆっくりと」

僧侶「色々、空っぽの頭で考えたっす」

僧侶「強い敵を倒す力じゃなくて、助ける力が欲しいって」

僧侶「そう思って、転職を決めたっす」

僧侶「あ、でもやっぱり戦闘は好きっすよ?」

僧侶「でも……この服を着ると」

僧侶「少しだけ、治まるんすよ戦いの興奮とか」

女騎士「……」

僧侶「へへ、暗い話しちゃったっすね」

僧侶「人を回復する力を手に入れたから、誰かとパーティになりたかったんす」

僧侶「まあ、結局は……」

僧侶「あ、でもでも、今は女騎士ちゃんがいるから嬉しいっす!」

僧侶「女騎士ちゃん、怪我しても自分がいるっすから安心して欲しいっす♪」

女騎士「は、はい……」

僧侶「……」

女騎士「……」

僧侶「にしても、敵いないっすねー」

女騎士「そ、そうですね……」

僧侶「! 女騎士ちゃん」

女騎士「は、はい?」

僧侶「ちょーっと静かにするっす」

女騎士「え?」

僧侶「いいから」

女騎士「は、はい」

僧侶「……」

僧侶「敵っす」

女騎士「!」

僧侶「……多分、この群れのことっすね」

僧侶「めっちゃいるっす」

女騎士「! ……じゃあ」

僧侶「そっす! ギルマスのおっちゃんが言ってた群れだと思うっすよー」

女騎士「……」

僧侶「準備よろしくっす」

女騎士「は、はい」

僧侶「頑張ろうっす!」

女騎士「はい!」

ギギャアアアアアア!!

女騎士「!」(凄い共鳴……! 一体何匹いるの?!)

僧侶「ひゃあー! こりゃ、三ケタ言ってるっすね」

女騎士「え!?」

僧侶「複数相手は結構慣れてるっすけど」

僧侶「百以上は初めてっすね」

女騎士「はわわ……」

僧侶「女騎士ちゃん」

女騎士「は、はい?」

僧侶「リラックスっすよ」

僧侶「自分みたいに楽しめとは言わないっすけど」

僧侶「肩の力抜かないと、うまく戦えないっすから!」

女騎士「……はい!」

僧侶「んじゃあ、行くっすよ!」

ギャアアアアアィィィイイイ!!!

女騎士「はぁっ」

カスリンッ

女騎士「!」(かすった)

僧侶「女騎士ちゃん、横!」

ガスッ

女騎士「きゃっ!」

僧侶「たくさん敵がいるから、攻撃したら周りを気にするっすよ!」

女騎士「はいっ!」

・ ・ ・

ギギャアアアアアア!!

勇者「……なんだ、今の声?」

魔女「……共鳴?」

女武「噂の魔物の群れね」

勇者「魔女、場所わかるか?」

魔女「……やってみる」

女武「まさか、女騎士が戦ってる……わけないわよね?」

勇者「そうじゃなきゃいいけど……」

魔女「……わかった」

勇者「どこだ?」

魔女「……あっちの方角」

勇者「!!」

魔女「……共鳴のした方」

勇者「女騎士ぃぃぃ!!」ダッ

ここまでです。


それではー。

ちまちまやってないでさっさと終わらせてよ
俺たちのたたかいはこれからだでいいからさ

お疲れ様
楽しませてもらってます

>>264
俺はこのペースが好き。
嫌いなのに何故わざわざ見るなんて…

おつおつ
ゴーレムやグリズリーみたくでっかい敵には特効フラグも立ったか頑張れ女騎士

ツンデレなんだろ

気になるな~
>>1ガンバ

ちょっと文句言っただけで勝手にアンチ扱いされるこんな世の中じゃ

ボンボン♥

・ ・ ・


女騎士「きゃあ!」

・ ・ ・

ズシャッ!

女騎士「きゃあ!」

僧侶「女騎士ちゃん! ……!」

ズガッ

僧侶「きゃふっ!」

女騎士「うっ……」

僧侶「いてて……」(回復する暇も無いっすね)

女騎士「僧侶さん!」

僧侶「ダメっす、とにかく自分のことを気にして……危な――」

女騎士「え?」

ドガッ

女騎士「」

僧侶「女騎士ちゃん!!」

僧侶「……」

僧侶「よくも、やったすね……」

グルルルッ……

僧侶「……全然減ってないっすねぇ」

僧侶「やれやれ、やるしかないっすよね」

グギャアアア!!!

僧侶「何匹来たって、負けないっすよぉ!!」

ドガァ

ギャインッ!

僧侶「はっ、動きはやっぱり一直線っすね!」

僧侶「さっきは油断しちゃったっすけど、そんな動きじゃ自分には攻撃……」

ドゴッ!

僧侶「! がふっっ」

僧侶(攻撃してきたやつの後ろに隠れてた!?)

バキッ

僧侶「ぐぬっ……!」

僧侶(つ、強い……数だけじゃなくて……一匹一匹が)

僧侶「!」

僧侶(違う)

僧侶(自分が、弱くなってる?)

僧侶「へへっ……今更気づくって、バカっすね」

僧侶(僧侶になったら、身体能力落ちるって、ギルマスのおっちゃんも言ってたじゃないっすか)

僧侶(過信し過ぎた、自分が悪いんす)

僧侶(……)

僧侶「ごめんなさいっす、女騎士ちゃん」

女騎士「え……?」

僧侶「全滅フラグ、立っちゃったっす」

ウギャアアアアアアアアアアアア!!

女騎士「!!!」

僧侶「でも、絶対に女騎士ちゃんだけは、助けるっすから」

女騎士「だ、ダメですよ……僧侶さん!」

僧侶「……はぁっ!」

女騎士「!」(体の痛みが、消えていく……)

僧侶「ほら、今から突破口を開くっす」

僧侶「そっから、猛ダッシュして逃げるっす」

僧侶「女騎士ちゃんには無理させちゃったっすね」

僧侶「……ごめんっす」

女騎士「そ、そんなこと」

僧侶「来るっす! さっさと逃げっ――」

ガスッ

僧侶「うっ……」

ドサッ

女騎士「僧侶さん!」

僧侶「ご、ごめんっす……もう……」

女騎士「……」

僧侶「お、女騎士ちゃん!?」

女騎士「私が、倒します」

僧侶「む、無理っす!」

女騎士「ここまで、一緒に来たじゃないですか」

女騎士「最後まで、悪あがきさせてください」

僧侶「……女騎士ちゃん」

女騎士(……さよなら、勇者さん)

女騎士「さあ来い、魔物よ! 私はお前たちと、最後まで戦う!」

グギャアアアアアァァァァ!!

女騎士(怖い……)

女騎士(でも、最後くらい)

女騎士(ちゃんと攻撃を当てて、死にたい!)

女騎士「はぁ!!」


ズバァァァ!!


女騎士「!」

ウギャアアアアァァァ!

女騎士「……な、なんで?」


勇者「……よう、久しぶり」

女騎士「勇者……さん?」

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

勇者「うおっ、死にそうな人いるじゃん!」

勇者「あの格好は……僧侶か?」

ウガアアアァァァァ!!

勇者「っとと、まずはあいつら片付けないとな!」

ゴゴゴオオォォォ

勇者「熱ぅ!! おおい!」

魔女「……おまたせ、女騎士」

女騎士「魔女さん!」

バキィッ

女武「……ったく、勝手にどっか行くんじゃないわよバカ!」

女騎士「女武さん!」

勇者「さてさて、片づけますか」

魔女「……うん」

女武「やれやれ、相当な数ね」

勇者「女武、お前はそこに倒れてる人を回復してやってくれ」

女武「えっ……きゃぁぁ! 相当ボコされてるじゃない!」

勇者「早くしねーと、死んじまいそうだからな!」

魔女「……回復要員」

女武「その言葉聞き捨てならないけど……仕方ないわね!」

勇者「よっしゃ、魔女! 二人でぶっつぶすぞ!」

魔女「……まかせて」

女騎士「あの、女武さん!」

女武「ん?」

女騎士「……お願いします……回復」

女武「……バッカね、あんた」

女武「私がミスったことある?」

女騎士「……ありません」

女武「そーゆーこと。だから安心しなさい」

女騎士「……ありがとうございます」

勇者「うおりゃああああ!」

ズバババンッ!

魔女「……」

ボワァァァァッ

勇者「だぁぁぁ! 俺がいる方向に撃つなぁ!」

魔女「……危なかったから」

勇者「優しさの代償が重すぎる!」

ウギャアアア!

魔女「……危ないっ」

ボォォ

勇者「うげ! また来た!」

勇者(こうなったら……)


魔女「……!」

勇者「」

魔女(……鉄化)

勇者「ととっ!」

魔女「……コントロールできるようになった?」

勇者「よくわかんないけど、多分な!」

魔女「……流石勇者」

勇者「誉めるなって。……ほら、どんどん来るぞ!」

魔女「……うん」


女騎士(凄い……勇者さんと魔女さん)

女騎士(ずいぶん連係もできるようになってる)

僧侶「ん……」

女武「あ、気づいた」

僧侶「あれ……誰っすか? 可愛いちびっ子……」

女武「し、失礼ね!」

僧侶「え、えと……」

女騎士「僧侶さん!」

僧侶「あ、女騎士ちゃん……」

女騎士「良かった……!」


勇者「ん、あっちはなんとかなったみたいだな!」

魔女「……集中して」

勇者「く、くっつくなって」

・ ・ ・

勇者「ふぅ……あと一匹だな!」

グルルルルァアァ!!

勇者「!」

魔女「……危ない!」


女武「! こ、こっちに来る!」

僧侶(まずい、体が……)

女騎士「!」

女武「お、女騎士!?」

女騎士「はぁっ!」

ズバァァッ

女武「!」

勇者「……おおっ!」

女騎士「当たった……?」

勇者「女騎士!」

女騎士「ゆ、勇者さんっ!」

ギュッ

女騎士「はひっ!?」

勇者「本当、いきなり飛び出したりすんなよな……」

女騎士「あ、あの……あう……」

女武「はいはい、感動の再開はしゅーりょー」

女武「まだ、女騎士が戻るか聞いてないでしょ?」

勇者「そ、そうだった!」

魔女(……ぎゅっ)

僧侶「えーっと……」

女騎士「あ、ごめんなさい、僧侶さん」

勇者「あ、大丈夫でしたか?」

僧侶「だ、大丈夫っすよ! おかげさまで!」

勇者「良かった~」

女騎士「あ、あの、勇者さん」

勇者「ん?」

女騎士「あの……私……」

女騎士「……」

女騎士「えっと……」

勇者(?)

僧侶「……いいっすよ、女騎士ちゃん」

女騎士「……僧侶さん」

僧侶「女騎士ちゃんには、ちゃんとしたパーティがいるっす!」

僧侶「自分は、まだまだ女騎士ちゃんのこと、守れそうにないっすし」

僧侶「……もっと、強くなって出直すっすよ!」

女騎士「……」

僧侶「それじゃあ、これで。助けてくれてありがとうっす!」

勇者「ま、待ってください」

僧侶「?」

勇者「えーっと、女騎士と旅してたんですよね?」

僧侶「はい、少しの間っすけど」

勇者「……良かったら、仲間になってくれませんか?」

僧侶「えっ」

女武「はぁ!?」

はあ!?

勇者「見たところ、僧侶さんですし、回復役が必要なんです」

女武「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

勇者「女騎士と仲良くできたなら、きっと俺たちとも仲良くできると思いますから」

僧侶「……いいんすか?」

勇者(五人パーティってあんまり聞いたことないけど……)

勇者「仲間がいると、心強いですから」

女武「ううぅ……」

僧侶「で、でも」

勇者「ああ、こいつのことは気にしないでください」

女武 ガルルルル……

魔女(……怖い)

僧侶「……」

女騎士「お願いします、僧侶さん!」

女騎士「僧侶さんのおかげで、さっきの攻撃も……」

僧侶「……」

女騎士「あなたの力が、私達には必要です」

僧侶「!」

女武(なんですとぉ!?)

女騎士「だから……お願いします!」

僧侶「……そ、そんなこと」

女騎士「……」

僧侶「そんなこと言われたら」

僧侶「一緒に、行きたくなるじゃないっすか!」

女騎士「……それじゃあ!」

僧侶「行くっす! 勇者さん、なんすよね?」

勇者「は、はい」

僧侶「自分、女僧侶って言うっす! よろしくっす!」

勇者「ああ、よろしくお願いします!」

僧侶「ちっちっちー。カタイっすよ勇者さん! 敬語なんて恥ずいっす!」

勇者「……わかった。よろしくな、僧侶!」

僧侶「えへへっ、よろしくっすー!」

魔女「……拍手」

ぱちぱちぱちぱち

女武(……納得いかないのは、私だけなの?)

・ ・ ・

女騎士「あの、勇者さん」

勇者「ん?」

女騎士「どうして、僧侶さんを仲間にしてくれたんですか?」

勇者「んー、深い理由は無いけど」

勇者「僧侶は一人で意味ないんだよ」

『僧侶は補助専門のため、一人旅に向かない』

女騎士「……彼女は、元戦士ですよ?」

勇者「え!? ……あれ……もしかして」

女騎士「私たちの町のギルドにいたそうです」

勇者「あ、あー……そうなのか」

女騎士「ふふっ、偶然って不思議ですね」

勇者「そうだなぁ」

勇者(つまり、一人であの森を通ってきたってことだもんな……)

勇者「女武に回復任せると、さっきみたいに回復してる間戦闘に出れないだろ?」

女騎士「ああ、なるほど」

勇者「なら専門職を据えとくのもいいかなって」

女騎士「勇者さん、よく考えているんですね」

勇者「……それに」

女騎士「それに?」

僧侶 ぺったんこ

勇者「……なんでもない」

女騎士「え? 教えて下さいよっ」

ちっぱいは正義?

勇者「いやあ、あはは……」

女騎士「も、もしかして……僧侶さんに一目惚れ?」

勇者「ち、違うぞ!」

僧侶「おやおや、自分の話してるみたいっすね!」

勇者「そ、僧侶!」

僧侶「これからどんどん仲良くさせてもらうっすからね!」ぎゅっ

勇者「腕を組むのか!?」

僧侶「まずはスキンシップからっす!」

女騎士「そ、僧侶さんっ!」

僧侶「うわっ、女騎士ちゃん、顔が怖いっすよ!」


女武「……ねえ、魔女」

魔女「……なに?」

女武「私の存在って……」

魔女「……?」

女武「首かしげられると更に辛いんだけど……」

ここまで。

もしかしたら、今日また来るかもです。

それでは。

おつー

いいスレを見つけたぞ

僧侶「それにしても……」

勇者「ん?」

僧侶「女の子に囲まれて、羨ましいっすねぇ!」

勇者「な、なんだよいきなり」

僧侶「いやーなんだか……」

僧侶「むふふ、勇者さんの好みがとっても反映されてるんじゃないっすかね?」

勇者「へ、変な言い方するなよっ!」

女騎士(勇者さんの……好み!?)

僧侶「冗談っすよ! 怖い顔しちゃやっす」

勇者「僧侶……なんか、職業に似合わない性格してるな」

勇者(このガイドブックには、大人しい性格が多いって書いてあるんだけど……)

勇者(まあ)

勇者「あいつも元僧侶だから、あてにならないかも」

女武「! なによ!?」

勇者「なんでもない」

女武「というか、あんたね、あんまり無駄な動きするんじゃないわよ!」

僧侶「ほえ? 自分に言ってるんすか?」

女武「あんた以外にいないでしょ!」

僧侶「ひっ、怖いっす勇者さん」

勇者「女武、なんで喧嘩腰なんだよ」

女武「別にそんなつもりないわよ!」

魔女「……いつも喧嘩腰」

女武「なんですって!?」

魔女「……怖い」

女騎士「ま、まあまあ」

女武「……」ギロリッ

女騎士「へっ?」

女武「……ふんっ」

女武(どうして……私がいるのに)

女武(回復は、私がやるって言ったのに)

女武「なんなのよ……」

グルルルッ!

勇者「魔物だ!」

女武「邪魔よ!」

バギッ ギャァァ

女騎士「あ、あっさり倒した……」

女武「ふんっ」

僧侶「うへー凄い蹴りっすねぇ~」

女武「……ふんっ」プイッ

女騎士「あ、あはは……」

勇者「なんだよ、あいつ……」

僧侶「わかったっすよ、勇者さん!」

勇者「え?」

僧侶「嫉妬っす」

勇者「嫉妬?」

僧侶「多分これ、大当たりっすよ!」

勇者「……嫉妬」

僧侶(ふふ、罪な男っすね~)

勇者「僧侶」

僧侶「なんっすか?」

勇者「誰に嫉妬してるんだ?」

僧侶「えっ」

『勇者は先祖代々鈍感である』

僧侶「あう……んん?」

僧侶(あれ、本気で気づいてないっすか?)

女騎士「多分……僧侶さんが仲間になったからだと思います」

僧侶「そーっすそーっす」

勇者「僧侶?」

僧侶「ええ、マジっすか……」

僧侶(そーとー鈍いっすね)

勇者「女武! お前嫉妬し」

僧侶「わーわー!」

勇者「な、なんだよ?」

僧侶「いきなりの行動にびっくりしたっすよ……!」

勇者「?」

僧侶「……あ、そろそろ関所っす!」

勇者「おお!」

女騎士「これで、港町にいけるんですね」

僧侶「ささ、さっさとここを抜けるっすよー!」


魔女「……ちゃんといる」

女武「言わなくてもわかってるわよ」

・ ・ ・

勇者「すいません、通らせてもらいたいんですけど」

門番「それでは、パスをお願いします」

僧侶「あっ!」(そういえば、やばいっす!)

勇者「えーっと、これじゃダメですかね?」

門番「……こ、これは!」

門番「ど、どうぞ。お通りください!」

勇者「ありがとうございます」

魔女「……棒最強」

門番「あの、勇者さん、御一行ですよね?」

勇者「は、はい?」

門番「港町に行かれるんですよね? それなら……どうぞ」

勇者「これは?」

門番「港町案内です。とても広いので、もしかすると迷ってしまうかもなので」

勇者「なるほど。ありがとうございます」

勇者「よーし、じゃあみんな行く……おい女武!」

女武「なによ」

勇者「先行くなよな」

女武「ふんっ……」

勇者「なんかあるなら言えよ、お前ずっと怒ってるぞ?」

女武「別に、なにもないわよ」

勇者「いや、あるね」

女武「うっさい!」

勇者「おい、待てって」

女武「ほっといてよ!」

勇者(どうして怒ってるんだよ……)

『仲間との関係の亀裂は大問題』

勇者(さっさと、機嫌なおさないとな……)

・ ・ ・

ガヤガヤ

女騎士「ここが……港町!」

魔女「……到着」

ざわざわ

勇者「すげー人だなぁ」

ワイワイ

僧侶「貿易の要っすからね。色んな目的で、たくさんの人がいるっすよ」

女武「はい、さっさとご飯食べる場所見つけるわよ」

勇者「まあ待て、このマップを見れば……うん、いいところがあるな」

女武「そんなものに頼らずにドンドン行ったほうが早いわよ」

勇者「ま、待てよ!」

女武「大体ね、あんたそういうの見過ぎ!」

女武「いつも見てる本もなにか知らないけどちょっとは疑ったりしなさいよねー」

女武「まあ、勇者って言ってもそういうところは人間なのね」

女武「……ちょっと、聞いてんの?」

女武「あれ?」


女武「……いない?」

女武(も、もしかして)

女武「……はぐれた?」

ここまでです。


それでは、また~

まさかの迷子w

乙でした

女武は俺とくっつくべき

女武は>>316とくっついてこの物語から退場すべき

なんでそういうこというの?

女武「ゆ、勇者ー?」

ガヤガヤ

女武「女騎士ー? 魔女ー?」

ザワザワ

女武「……ど、どうしよ……」

女武(マジで迷っちゃったの、私)

女武「……ま、まったく困ったもんよね」

女武「あいつらおっそいから私が迷惑しちゃうじゃない!」

女武「もー……」

女武「……ど、どこにいるのよ……あいつら」

・ ・ ・

女騎士「うわわっ……」

勇者「あ、危ない」ガシッ

女騎士「あ、ありがとうございます」

僧侶「人だかりあるから、ちょっと危ないっすね」

魔女「……女武がいない」

勇者「え?」

魔女「……少し前から姿が見えない」

勇者「ああ、それはいいんだが、魔女」

魔女「なに?」

勇者「とりあえず抱きついてると動きづらいんだが」

魔女「……ごめんなさい」

女騎士「でも、そうしておけば魔女さんははぐれませんね」

僧侶「じゃあ自分も勇者さんに抱きつくっすー!」ぎゅー

勇者「ちょ、ちょっと待て!?」

女騎士「そ、僧侶さん!」

僧侶「いいじゃないっすかーこういう機会がないと勇者さんに抱きつくなんてできないっすからね!」

女騎士「……」

勇者「魔女、僧侶! 二人とも離れろって。女騎士もなんとか言って――」

女騎士「……」ぎゅっ

勇者(お、女騎士まで!?)

勇者「ぬおお……お前ら離れないと動けないぞ!」

僧侶「でもでも、離れてはぐれちゃったら元も子もなくじゃないっすか」

勇者「いや、このままだと女武を探しに行けないだろ?」

女騎士「そ、そうですよね。ごめんなさいっ」

魔女「……勇者」

勇者「ん?」

魔女「……肩車」

勇者「な、なんでだよ?」

魔女「……高い視点から、周りを見渡す」

勇者「……おお、なるほどな!」

勇者「それじゃあ……よいしょっと」

魔女「……!」

僧侶(あ、めちゃくちゃ目がキラキラしてるっす)

女騎士(とっても喜んでるみたい……)

魔女「……ま、待って勇者」

勇者「ん?」

魔女「……た、高すぎ……怖い」

勇者「あ、ああそうか」

僧侶「い、意味ないじゃないっすか!」

女騎士「勇者さん! こっちです!」

勇者「ん?」

女騎士「こっち、人が少ないですよ!」

勇者「わかった。よし、行くぞ」

魔女「……」ドキドキ

勇者「ほら、魔女行くぞ」ギュッ

魔女「……! うん」

あぁクソかわええ魔女かわええ

・ ・ ・

僧侶「ふへー、汗びっちょりっす」

勇者「うおい、いきなり脱ぐな!」

僧侶「人だかりにもみくちゃにされたらそりゃ暑いっすよー」

女騎士「そ、そうですね……はは……」

勇者「お、女騎士は脱がないよな?」

女騎士「ぬ、脱ぎませんっ!」

魔女「……」

勇者「……」

魔女「……脱がない」

勇者「わ、わかってるよ」

勇者「にしても、女武のやつなんで勝手に先に行きやがって」

僧侶「人がこんなにいて、まさかはぐれるとは思ってなかったっす」

女騎士「本当にすごい人です……」

魔女「……思い出した」

勇者「?」

魔女「……今日はお祭りの日。だから、人が多い」

僧侶「お、お祭り! うわー! なんだかワクワクするっす!」

女騎士「そのお祭りの最中で、女武さんに会えるかもしれませんね!」

勇者「そうだな」

魔女「……恋祭り」

女騎士「へ?」

魔女「……今日は、恋のお祭り」

・ ・ ・

僧侶「宿っすー!」

勇者「はしゃぎ過ぎだ」

僧侶「へへっ、まさか勇者さんと一つ屋根の下とは!」

勇者「嫌か?」

僧侶「嫌じゃないっすよー!」

勇者「というか、女騎士と魔女もいるからな」

僧侶「それでも、同じ部屋にいるのは自分っすよ」

勇者「そうだけどな……」

~少し前~

勇者「二人部屋と三人部屋を取ったぞ」

魔女「……分かれる?」

女騎士「そうですね」

勇者「ああ、じゃあ俺は二人部屋でいいよ。お前ら三人部屋に行け」

魔女「……ま、また女武と二人?」

勇者「仕方ないだろ。みんなも俺となんか嫌だろうし」

女騎士「で、でも……」

僧侶「あ、じゃあ自分勇者さんと一緒がいいっす!」

魔女「……!」

女騎士「!」

勇者「いいのか、僧侶」

僧侶「ふふふっ、勇者さんとは積もる話もあるっすからね!」

勇者「まあ、嫌じゃないならいいんだが……」

・ ・ ・

僧侶(というか、あの二人もふつーに立候補すればいいのに)

勇者「ま、とりあえずちょっと休むかな……おお、ベッドやらかい」

僧侶「そーいえば勇者さん」

勇者「ん?」

僧侶「自分、パーティに入ったのはいいっすけど、目的がわかんないんす」

勇者「あ、言ってなかったっけか」

僧侶「そうっす。女騎士ちゃんも言ってくれなかったし」

勇者「えーっとだな、魔王を倒しに行くんだ」

僧侶「……え?」

勇者「魔王」

僧侶「ま、まおー?」

勇者「ん、知らないのか?」

僧侶「いや、知ってるっすけど」

僧侶「……それって、実在するんすね」

勇者「どういうことだ?」

僧侶「いや、そういうのって、伝記物とかで読んだことあるっすけど」

僧侶「本当にあるんだなーって」

勇者「な、なんだよそれ……」

僧侶「というか、勇者さんなんて自分には冗談のような職業なんすもん」

勇者「そ、そうなのかな……?」

>>318
いらない子だから

勇者(まあでも、そうかもな)

勇者(勇者の家系って、少ないし)

勇者(というか、俺以外にいるのかな?)

『勇者は伝説の職業であり、自称する者も多い』

勇者(あー……そうなんだ)

僧侶「なんか、勇者って証明できることとかってあるんすか?」

勇者「んー、やっぱりこの棒かな」

僧侶「棒?」

勇者「ほら、この前も関所通してもらった時も、この棒のおかげなんだよ」

勇者「ああ、これは王様からもらったもので、代々勇者が旅に出るときに渡してるらしい」

僧侶「この棒……ふつーの棒にしか見えないんすけど」

勇者「だよな。俺もそう思ってたけど」

勇者「どんなことしても折れないんだよ」

僧侶「マジっすか!? ふぎっ!」

勇者「折ろうとしても無理なんだよな」

僧侶「はぁはぁ……凄いかたいっす!」

勇者「はは、歴代勇者のご加護があるのかもな」

僧侶「そうかもっすね! いやーおみそれしたっす!」

僧侶「じゃあむかーし勇者さんを名乗ってたあいつはやっぱり偽者だったんすね」

勇者「いたのか?」

僧侶「いたっすよー、とりあえず飯をせがんだりしてて、あの時勇者のイメージガタ落ちだったっす」

勇者「さ、最悪だ……」

僧侶「でも、勇者さんが本当の勇者なんすよね」

僧侶「ホッとしたっす!」

勇者「そりゃ良かった」

ドン ドンッ

勇者「ん?」

僧侶「外が騒がしいっすね。もしかして、祭り始まったかも?」

勇者「かもな」

・ ・ ・

ドン ドンッ

魔女「……祭り」

女騎士「ですかね?」

魔女「……準備、する?」

女騎士「そうですね」

コンコンッ

女騎士「あ、はい~」

勇者「おっす」

女騎士「勇者さん」

勇者「祭り始まるみたいだから、行こう」

女騎士「わかりました。魔女さん」

魔女「……わかってる」

ここまで。


なにかあったらご質問ください。


それでは。

女武放置?
勇者さいてー。。。

女武なら俺の隣で寝てるけど?

ただのひのきの棒ではなかったのか・・・・・・。

まぁ最後の鍵か最強の武器だろうな

プロット的な物は出来てるのかしら

女武なら俺と祭りをたのしんでるよ

>>265
つまらんけど途中で投げ出したらなんとなく後味悪いからチェックしてんだよ
正直さっさと終わらせてもらってこのタブ閉じたい

   ∩___∩         |
   | ノ\     ヽ        |
  /  ●゛  ● |        |
  | ∪  ( _●_) ミ       j
 彡、   |∪|   |        J
/     ∩ノ ⊃  ヽ
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

気に入らないけどでも気になっちゃう
思春期の恋心か

それなんてツンデレ?

・ ・ ・

僧侶「うひゃーこりゃまた、すげー人っす!」

女騎士「さっきより混んでいないような気がするんですけど、なんででしょう?」

魔女「……多分、屋台がないから」

女騎士「ああ、なるほど。でも、祭なのにどうして?」

勇者「さっき聞いた話だけど、屋台を設置していい地域とかで分かれてるらしいぞ」

女騎士「そうなんですか!」

僧侶「ささ、楽しんじゃうっすよー!」

勇者「おいおい、女武を探すのが先だ」

僧侶「あうっ……後じゃダメっすか?」

勇者「駄目だ」

勇者「……」

女騎士(勇者さん……?)

勇者「ん、どうした?」

女騎士「あ、いえ……」

勇者「……」

女騎士(なんだか、いつもと違うような……)

魔女「……気になる?」

女騎士「えっ」

魔女「……あなたを探してた時と同じ顔」

女騎士「!」

女騎士(あんなに一生懸命……)

勇者(ん、あれは……女武じゃ……ないか)

女騎士「あ、あの、勇者さん」

勇者「ん?」

女騎士「えっと、どこかで待ち合わせ場所を決めて分かれて探しませんか?」

勇者「ああ、そうだな」

僧侶「それイイっすね!!」

勇者「遊ぶなよ」

僧侶「ぎくっ……わかってるっすよ」

魔女「……ぎくって言った」

僧侶「ま、魔女っち!」

魔女「……魔女っち?」

僧侶「魔女っちって呼んじゃダメっすか?」

魔女「……かまわない」

女騎士(……よろこんでる?)

魔女「……み、見ないで」

女騎士「は、はい」

勇者「えー、とりあえず俺はこっち、女騎士はそっち、魔女はあっち、僧侶はどっち」

僧侶「ど、どっち?」

勇者「よし、じゃあ解散!」

僧侶「ちょ、ちょっと!」


僧侶「……どっちって、どっちっすか……」

・ ・ ・

女騎士「女武さーん!」

女騎士(うーん、人気が少ない……ちょっと嫌な感じの場所だなぁ……)


魔女「……女武」

魔女「……女武」

魔女(……どこだろ)


勇者「女武ー!」

勇者(くそ、どこにいるんだ……)


僧侶「おっちゃん、これもう一つ! 美味しいっす!」

僧侶「最強に美味いっす!!」

僧侶「あ、あれも美味そうっすー!」

・ ・ ・

女武「……はあ」

女武(お腹空いちゃったなぁ)

女武「ったく、あいつらどこにいるのよ~……」

女武「祭だからって、まさか私のことを忘れて……」

勇者『ひょおおお、うめええ!』

女騎士『こんなに美味しいスープ初めてです!』

魔女『……ウマウマ』

僧侶『いやあ、美味い飯っすねー!』

勇者『さて、このまま船に乗り込もうか!』

『おー!』


女武「ふざけんなー!」

女武「なんでよ……むぅー」

女武「しかも、よりによって……なんで祭なのよ」

女武「気分と雰囲気が全然違うし……」

女武(……このまま会えなかったらどうしよう)

女武「……」

「すいません」

女武「なによ?」

「こ、これどうぞ」

女武「……『恋祭りについて』?」

「はい。皆さんに配ってるのでどうぞ」

女武「ありがと。もらっとくけどどっか行って」

「あの、もしかして迷子さん?」

女武「まいっ……!? 違うわよバカ!!」

女武「こんな可愛い子が迷子になるわけないでしょーが!」

「ご、ごめんなさいー!」

女武「ったく……なんなのよさっきのおんな……!」

女武「そうよ、私は迷子じゃないわ」

女武「あいつらが迷子なんだから!」

女武「……」

女武「暇だし、見るかな……」

女武「ふーん、恋祭りねえ」

女武「なんか、胡散臭い祭ねぇ」

女武「こういうのに乗っかって、告白とかしちゃうのかしら」

女武「お笑い種ね!」

女武「……なになに」

『告白の儀式』

女武「そんなくだらないのがあるの? 笑わせに来てるとしか思えないわ!」

女武「はぁ……なんか、笑ってても虚しいだけだわ」

女武「はぁ……」

バーン バーン

女武「このテンションで花火って!」

女武「……最悪!」

「何が最悪だって?」

女武「!」

勇者「おっす」

女武「あっ……えっ……」

女武「どなたですか?」

勇者「なんだそりゃ! ひでえな!」

女武「……なによ」

勇者「探しに来たんだよ、お前を」

女武「ふーん」

勇者「いきなりいなくなるなよな」

女武「別にいなくなってないわよ。あんた達が遅いからでしょ」

勇者「おいおい、人のせいにするなよ」

女武「……ふんっ」

ドンッ ドンッ

勇者「おー、花火もう上がっちまったな」

女武「……そうね」

勇者「さてっと、じゃあ戻るか」

女武「え?」

勇者「花火を合図に戻るようにしてたんだよ、ほら」

ポンポン

女武「んなー!?」

勇者「えっ」

『花火を一緒に見ている時に頭をポンポンと叩くこと』

『それが告白の儀式です……♪』

女武「あ、頭ポンポンって……あんた……!」

勇者「な、なんだよ」

女武「なんでもないわよ!」

勇者「……あ、嫌だったか?」

女武「い……いや……」

女武「じゃ、ない……わよ」ボソッ

勇者「すまん、まあ気にしないでくれ」

女武「わ、わかってるわよ!」

勇者(つい頭ポンポンしちまうんだよなぁ……)

勇者「……ん?」ペラリッ

『大きなイベントは仲直りのチャンス』

勇者「あのさ」

女武「な、なによ」

勇者「なんで怒ってるんだ?」

女武「怒ってないわよ!」

勇者「……まあそれでもいいんだけどさ」

勇者「いきなりどっか行ったりしないでくれよな」

勇者「……もう、仲間がいなくなったりするの、嫌なんだよ」

女武「……なーるほどね」

勇者「?」

女武「わかったわよ。どこにも行かないわ」

女武「私も、あんたの立場に立ったら、そう思っちゃうと思うし」

勇者「そっか」

女武「……あんた汗だくよ?」

勇者「はは……」

女武(もしかして、私を探してたから?)

女武「……バカ」

勇者「な、なんで?」

女武「なんでもよ、バカ!」

女武「うわ、人多いわね」

勇者「まあな」

女武「うええ、もみくちゃとか嫌……」

勇者「しかたねえって祭だからな」

女武「そ、そうよね」

女武(祭でも、恋祭りだけどね……)

勇者「またはぐれると危ないから」ギュッ

女武「!」

勇者「ちゃんと手、握っとこうな」

女武「……うん」

女武(ま、まあしかたないわよね、はぐれたら困るし……)

女武(別に嬉しくは……ない)

女武(……と思う)

・ ・ ・

勇者「みんな集まってるな」

女騎士「あ、勇者さーん……あっ、女武さん!」

魔女「……見つかった」

僧侶「おお、さすが勇者さんっす、げぇっぷ」

女武「僧侶! あんた私探さずに食べ回ってたんじゃないわよねぇ?」

僧侶「ひっ、そんなことないっすよ~……」

魔女「……口からソースのにおい」

女武「僧侶ぉー!」

僧侶「ひゃー、勘弁っすぅ!!」

女騎士「あ、ああっ……みなさん!」

勇者「大丈夫だよ女騎士」

女騎士「えっ」

勇者「止めなくてもさ」

女騎士「そ、そうですか……?」

ニヤニヤ

勇者「止めても無駄だってわかるだろ?」

女騎士「……あはは」

ドンドンッ

勇者「おお」

女騎士「おっきな花火ですねー」

勇者「一緒に見れて良かった」

女騎士「えっ……」

勇者「こうやってみんな集まってさ」

女騎士「あ……そうですね」

勇者「女騎士とまた一緒に旅できてよかったよ」

女騎士「……そ、そうですか……えへへ」

魔女「……」

魔女(気づいてもらえてない?)

勇者「もちろん魔女もな!」

ポンポン

魔女「……うん」

女武「あー! あんた……!!」

勇者「え?」

女武「私だけじゃなくて、魔女にまで!」

勇者「えっ、あっ、すまん!」

僧侶「ああ、そういえば花火を見てる時に頭をポンポン……」

女武「ああー! 言わなくていい!」

勇者「なんだなんだ?」

女武「聞くなー!!」

・ ・ ・

勇者「やってまいりました、夜の時間」

僧侶「いえー!」

勇者「起きてるのか」

僧侶「起きてるっすよー! いやぁ、楽しみっすねぇ」

僧侶「どんなお話するんすか?」

僧侶「も、もしかして……変なことするんすか?」

勇者「いやいや、なんだそれは」

僧侶「冗談っすよ! ……ちょっと知りたいことがあるっす!」

勇者「なんだ?」

僧侶「変なことって、なんなんすか?」

勇者「え、知らないで言ってたのか?」

僧侶「無知でごめんなさいっす!」

勇者「それはな……」

僧侶「それは……」ゴクリ

勇者「俺もわからん」

僧侶「ええー、勇者さん~」

勇者「し、知らないもんは知らないんだ! 悪かったな」

僧侶「今度女武ちゃんあたりに聞いてみるっす」

勇者「そうだな。知ってそうだ」

『勇者はピュアである』

僧侶「はー、今日はたくさんご飯食べたっす」

勇者「お前なぁ、ちゃんと探してたのか?」

僧侶「さ、探してたっすよ!」

僧侶「ご飯をよく食べるって女騎士ちゃんから聞いてたっすから」

僧侶「もしかしたら屋台にいるかなーって」

勇者「ああ、なるほどな」

僧侶「そしたらみーんなサービスしてもらっちゃって、たくさん食べちゃったんす!」

勇者「げっぷ止まんなかったもんな」

僧侶「いやはや、恥ずかしいところをお見せしたっす」

勇者「まあ、僧侶の人柄が良いから、みんなサービスしてくれたんじゃないのか?」

僧侶「ふぇっ……そ、そうっすかね」

僧侶(な、なんすか今の言葉……)

『勇者は、人を惹きつける』

これはグルグルを彷彿とさせる

僧侶(なんか胸がドキドキーって……)

勇者「どうした?」

僧侶「い、いや、なんでもないっす!」

勇者「そうか? ……でもまあ、良かったよ」

僧侶「何がっすか?」

勇者「僧侶が入ってくれて」

勇者「これで女武はバトルに専念できるし」

勇者「僧侶、面白いヤツだし」

僧侶「……そ、そっすか」

僧侶(なんなんすかぁ!?)

僧侶(勇者さん、自分のこと……なんでこんなに誉めるんすか!?)

勇者「さて、そろそろ寝るかな」

僧侶「は、はいっす!」

勇者「明日は船だから、夜更かしするなよ~」

僧侶「こう見えても、船は結構乗ってるんすよ!」

勇者「そりゃ頼もしいな」

僧侶「へへん!」

勇者「それじゃあ、おやすみ」

僧侶「おやすみっす~」


勇者「……」

勇者(やべえ、ワクワクして眠れない……)

・ ・ ・

勇者 Lv.10 鉄化魔法 炎魔法(極小)
女騎士 Lv.6
魔女 Lv.9 炎魔法(大) 水魔法(小)
女武 Lv.7 治癒魔法(中)
僧侶 Lv.14 治癒魔法(中)

勇者「よっしゃー行くぞー……」

女騎士「ゆ、勇者さん! なんだかとっても顔色が……」

僧侶「ま、まさか昨日寝れてないんすか?」

勇者「ははは……」

魔女「……」ソワソワ

女武「心配なら声かけなさいよ」

魔女「……うん。でも、いい」

女武「……って、勇者レベルめっちゃ上がってる! しかも僧侶高っ!」

僧侶「こう見えても、なかなかやれる僧侶っすから!」

勇者「よし、じゃあ準備はいいか?」

女騎士「はい!」

女武「とーぜん!」

魔女「……おーけー」

僧侶「万端っす!」

勇者「それじゃあ行くぜ! 新しい場所へ!」

「おー!!」

魔女「……私は言ってない」

女武「わかってるわよ!」

ここまでです。

長い投下でした。

これから新しい場所へ向かう勇者御一行。果たしてどうなることやら。


それでは。

完結?
魔女回も欲しかったけど乙

あれ?これで終わり?

えまだ完結じゃないよな?

完結じゃないだろ

いやいやいや
まさか完結なわけねえだろ
だよな、>>1

長いプロローグだった

第一部「完」ってやつか

女騎士:にょきし
魔女:まにょ
女武:にょぶ

おんなきし
まじょ
……読めねえ

>>389
それであってるぞ

・ ・ ・

僧侶「いや~凄いっすねぇ」

魔女「……何が?」

僧侶「あの棒っすよ。まさか船もタダって……」

魔女「……勇者の特権?」

僧侶「そうなんすかねぇ」

魔女「……それとも、棒による王権」

僧侶「血も涙もないっすねぇ……」

女武「凄い! 凄い!」

女騎士「お、女武さん!」

女武「なによ、止めても無駄だからね」

女騎士「そ、それにしたって、食べ方が汚いですよ!」

女武「昨日はあんまり食べてないから空いてんのよ」

女騎士「で、でも……」

女武「船上バイキング……しかもタダ! 最高ね!」

女騎士「タダより高いものは無いらしいですよ」

女武「わかってるわよっ」

勇者「……」

女騎士「勇者さん?」

勇者「ん……?」

女騎士「顔色悪いですね、大丈夫ですか?」

勇者「た、多分……」

女騎士「昨日そんなに眠れなかったんですか?」

勇者「ああ、ワクワクしちゃって」

女騎士「そうなんですかぁ。くすっ、勇者さんも子供っぽいところがあるんですね」

勇者「ああ……」

女騎士「……勇者さん?」

勇者(吐きそう)

勇者「いやー……ちょっと部屋行くわ」

女騎士「えっ、甲板には出ないんですか?」

勇者「眠いからさ」

女騎士「あ、はい……一人で大丈夫ですか?」

勇者「うん」

女騎士「……あの、私も一緒に行っていいですか?」

勇者「え?」

女騎士「え、えっと、勇者さんのこと、心配だから……」

勇者「……わかった。助かるよ」

女騎士「……はいっ!」

・ ・ ・

女騎士「うわー、大きいですね!」

勇者「一人部屋ってのも驚きだな」

女騎士「ベッドもふかふかです!」

女騎士「……あっ、ごめんなさい、私が寝るんじゃないのに……」

勇者「はは、いいよ」

女騎士「……勇者さん」

勇者「ん?」

女騎士「あの、ゆっくり休んでください」

女騎士「船なら、魔物も現れないでしょうし」

勇者「……そうかな」

『船上でも魔物は現れるので注意』

勇者(って書いてあるんだよなぁ……)

女騎士「きっと大丈夫です」

女騎士「出てきても、私達が退治しますから!」

女騎士「あっ、勇者さんはゆっくりしていてください」

勇者「でも……」

女騎士「大きな魔物は現れないと思うので!」

「ねえ聞きました?」

「ええ、巨大イカでしょう? 怖いわねぇ」

「まあ、あんなの伝説でしょうからねぇ」

「この船旅で来ることはないわよねぇ」

勇者「……」

女騎士「はわわ……」

勇者(こりゃやばいな)

女騎士「で、でも……都合よく来ませんよね?」

女騎士「伝説って言ってましたし!」

勇者「俺が勇者なら」

勇者「……絶対に出てくるな」

女騎士「えっ……」

勇者「……大丈夫さ」

勇者「俺達なら、倒せるよ」

女騎士「……そう、ですよねっ」

勇者(しかし……気持ち悪いな)

女騎士「それじゃあ、私はこれで」

勇者「ああ、俺もそろそろ寝るよ」

女騎士「はい。おやすみなさいっ」

勇者「……ふわぁ……」

勇者(とりあえず寝よう)

勇者(船酔いも少しはマシになるだろうし)

勇者「……おやすみ」

・ ・ ・

僧侶「あ、女騎士ちゃーん」

女騎士「は~い」

僧侶「どこに行ってたんすか? 風が気持ちいいっすよ!」

魔女「……潮風」

女騎士「ベタッとひっついてきますね」

僧侶「それが微妙にいいんすよね~」

魔女「……同感」

女騎士「でも、本当に水ばっかりなんですね。海って……」

女騎士「初めてで、すっごくびっくりです」

僧侶「なんとこの水……しょっぱいっす!」

女騎士「そうなんですか!? すごーい!」

僧侶(うはー本当に知らないんすね女騎士ちゃん。可愛いっすね~)

魔女「……しょっぱい」

僧侶「ん、魔女っちも知らなかったっすか?」

魔女 こくり

僧侶(二人して、可愛いっすねー!)

女騎士「魔女さん、今度舐めてみましょう!」

魔女「……本当にしょっぱい?」

僧侶「嘘じゃないっすよ! そんな疑いの目を向けないで欲しいっす!」

魔女「……有毒?」

僧侶「だったら言わないっすよ……」

魔女「……信じる」

僧侶「あ、ありがたき幸せ(?)」

女武「あらあら、こんなところにど田舎二人組がいるわねぇ」

女騎士「女武さんっ」

魔女「……暴食少女」

女武「なんですってぇ!?」

僧侶「うわわ、あんまり騒いじゃダメっすよー」

魔女「……私は大丈夫」

女武「私は大丈夫じゃないってことっ!?」

女騎士「だ、ダメですってばっ」

投下スピードなかなかいいね

女武「そういえば聞いた?」

女騎士「はい?」

女武「巨大イカの話」

女騎士「あ、はい」

僧侶「巨大イカ? なんすかそれ」

魔女「……また食べ物の話?」

女武「ち、違うわよ。さっきバイキングしてたらそういう話を聞いたのよ」

僧侶「あれは伝説なんじゃないんすかね」

女武「でも、最近被害も出てるそうなのよ」

魔女「……烏賊」

僧侶「おお、漢字っすね」

女武「真面目に聞きなさいよっ!」

僧侶「で、それがどうしたんすか?」

女武「いやー……ね」

僧侶「もしかしたら、現れるんじゃないかってことっすか」

女武「ま、まあ」

僧侶「そりゃないっすよーだって被害があるにしたって、そう簡単には」

女武「……わかってないわねぇ。勇者がいるのよ?」

僧侶「へ?」

魔女「……体質」

ドゴォーン!

女騎士「! なにっ?」

「巨大イカだぁぁぁぁ!!」

僧侶「き、来ちゃったっすぅ!?」

魔女「……やっぱり」

女武「こうなるのねぇ」

女騎士「あっちから聞こえました!」

女武「行くわよ! ……勇者は?」

女騎士「さっき部屋に戻って寝てます」

女武「何やってんのよあいつ! 女騎士、連れてきて!」

女騎士「で、でも……疲れてる様子でしたから」

女武「ここで沈んだらみんな死ぬのよ? ほら早く!」

女騎士「わ、わかりました……」

・ ・ ・

勇者『ん……ここは?』

女騎士『勇者さん……』

勇者『ん、女騎士? ……!!』

女武『ちょっと、私もいるわよ』

勇者『! お、女武!?』

魔女『……いる』

勇者『ま、魔女まで!?』

僧侶「自分もいるっす!」

勇者『おかしいだろ、お前ら……』

勇者『なんで胸でかくなってんだよおおおおおおおおおおおおおお!?』

・ ・ ・

勇者「うわあ!」

女騎士「きゃっ」

勇者「……ゆ、夢?」

女騎士「勇者さん?」

勇者「女騎士!」

じろーっ

女騎士「な、なんですか?」

勇者「ほっ……」

女騎士「?? そ、それより、大変なんです!」

勇者「え?」

グラッ

女騎士「きゃっ!」

勇者「おっと」

女騎士「ご、ごめんなさい」

勇者「……どうした?」

女騎士「あの、さっき話してた巨大イカが」

勇者「! やっぱり出てきたか!」

女騎士「はいっ」

勇者「案内してくれ!」

女騎士「わかりました!」

・ ・ ・

勇者(うわーやっぱダメだー)

勇者(気持ち悪い……)

女騎士「今、女武さん達が戦ってると思います」

勇者「うぉぇっぷ」

女騎士「え?」

勇者「な、なんでもない!」

女騎士「そ、そうですか?」

勇者「ああ……うぷっ」

・ ・ ・

女騎士「おまたせしまし……きゃぁぁ!」

女武「遅いわよ女騎士!」

女騎士「お、おっきい……」

魔女「……気をつけて」

僧侶「手強いっすよ!」

勇者(良かった、みんな胸小さいままだ)

女武「つったってないで戦いなさい!」

勇者「わ、わかってるって」

勇者(き、気持ちワリィ!)

女武「でりゃ!」

にゅるんっ

女武「いやああぁ! 最悪の感触ぅ!」

僧侶「とりゃ……き、効かないっす!?」

魔女「……!」

ゴウッ……シュウウゥ

魔女「……効いてない」

勇者「……」

女騎士「ゆ、勇者さん……?」

勇者「……すまん、女騎士」

女騎士「え?」

勇者「……限界だ!」ダッ

女騎士「ゆ、勇者さん!?」

僧侶「勇者さん、船酔いっぽいっすね」

女武「なっさけないわね!」

魔女「……戦闘に専念」

女騎士「は、はい!」

にゅるんっ

女武「くっ……殴る蹴るじゃ無理みたい」

魔女「……炎も効かない」

僧侶「もちろん杖じゃダメダメっす!」

女武「刃物じゃなきゃダメね」

魔女「……斬る」

僧侶「斬るしかないっすね」

じーっ

女騎士「……え? わ、私ですか?」

ここまで。

次回、巨大イカVS女騎士。

船酔い勇者はどうなることやら。


それでは。

そういえばRPGに船酔いって状態異常ないな
あってもいいと思うんだけど

船酔いは海メインのRPGでもないと限定的だし
吐かせるとかになると絵面と表現が悪いからな

回復も出来なさそうだしな
海ステージでずっとステータス異常ってのも、つまらんし

船乗ったら何%の確率で船酔い状態にとか
時間経過で戻る

船酔いの効果にもよるけどそれだと毒の沼とかと同じように海に入りたくなくなりそう
船酔いからメリハリのある遊びとかにつなげることが出来ればいいと思うけどユーザーにとってのストレスにしかならない要素は排除した方がいいな

長距離移動手段的な

触手プレイ来るか…

女騎士「な、なんで私なんですか!?」

僧侶「だって剣持ってるの女騎士ちゃんしかいないっすし」

女武「ヌメって効かないし」

魔女「……細かく斬れば食べられる」

僧侶「ごくり」

女騎士「うう……」

ウネウネ

女騎士(……私しか、いない!)

女騎士「はぁ!」

ザシュッ

女騎士(やった!)

うにゅっ

女騎士「え!?」

にゅるんっ

女武「きゃぁ!?」

僧侶「うわわっ、捕まっちゃったっす!」

魔女「……ヌルヌル」

女騎士「み、皆さん!」

女武「ちょ! どこ触って! んぁ……!」

僧侶「いやー! なんかえっちっすー!」

魔女「……やだ」

女騎士(た、大変なことに……!)

女武「なにこれ! こいつ……!」

魔女「……変」

僧侶「な、なんか……ダメっすぅ」

女騎士「い、今助けま……きゃぁっ!」

僧侶「ああ、女騎士ちゃん!」

女騎士「ううぅん……」

魔女「……ぁ」

女武「ぜ、全員捕まっ……んんっ」

僧侶「あううぅ……」

女騎士「はぁ……はぁ……」

女騎士(腕が自由……! 斬れる!)

女騎士「はぁっ!」

ズバッ!

女騎士「僧侶さん、助けます!」

僧侶「んっ……お願いするっすよ……あんんっ」

ズバッ ドサッ

僧侶「あてっ! た、助かったっすぅ!」

女騎士「次は、女武さん!」

女武「は、早く、しなさいよぉ......」

ズババッッ スタッ

女武「た、助けるのが遅いわよ、バカァ!」

魔女かわいいよ魔女

女騎士「ご、ごめんなさい!」

女騎士「次は……魔女さん!」

ズバッ ドテッ

魔女「……顔面強打」

女騎士「だ、大丈夫ですか?」

魔女「……大丈夫」

女武「攻撃してこないのはどうしてかしら……?」

僧侶「何か理由があるんすかね?」

女騎士「しかし、強度が凄いです。なんというか……斬るのも難しいです」

魔女「……巨大」

女武「予想以上よね……」

にゅるにゅる

魔女「……気持ち悪い」

「ここだ、みんなー!」

僧侶「やや、船員の人たちっす!」

「女性は下がってください!」

「これは俺達がやります!」

「早くしねえと難破しちまう!」

ズオオオオオオッ!!

「うわあああ!」

僧侶「一気にやられっちゃったっす!?」

女武「いきなり凶暴に!?」

女騎士「もしかして……」

魔女「……オトコには、厳しい?」

女武「とんだエロイカね!」

僧侶「スケベイカっすね!」

魔女「……えっちイカ」

女騎士「み、皆さん、あまりそういうことをいうと……」

ヌオオオオオオオッ

女騎士「うわわ、怒ってますよ!」

女武「女騎士、まかせたわ!」

女騎士「ひ、ひどいですよぉ!」

んみゅるっ

女騎士「いやっ!」

ズバッ

ギョオオオオオオ

僧侶「効いてるっぽいっす!」

女騎士(いける……!)

女騎士「このまま一気に……」

ヒュッ

僧侶「危ないっす!」

女騎士「えっ」(避けられない――!)

バシィッ

女騎士「……!」

勇者「うっおお、ギリギリセーフだな」

女騎士「勇者さん!」

勇者「おっす、さっきは悪かったな」

勇者「さてと、倒しますか!」

女騎士「はい!」

勇者「でりゃ!」

にゅるんっ

勇者「ありゃ!?」

女騎士「ダメです! 棒じゃ攻撃できませんっ!」

勇者「な、なんだそりゃ!? 俺無理じゃん!」

女武「つっかえないわねぇ」

僧侶「かっこいい登場だったんすけど」

魔女「……ファイト」

勇者「こういう時優しいのはいつも魔女だけだな!」

魔女「……」てれてれ

勇者「くそ、なら……」

魔女「……炎魔法は効かない」

勇者「そ、そうなのか」

魔女「……お見通し」

勇者「くそー」

女騎士「はぁっ!」

ズババァンッ!

女騎士「よし!」

勇者「くそ、何か力になれないのか?!」

これは覚醒するしかないな

魔女「……不利」

女武「そうね、好戦してるように見えるけれど……」

僧侶「明らかに劣勢っす」

勇者「え!?」

僧侶「確かに足を少しずつ斬ってはいるっすけど」

女武「あいつ、再生してるのよ」

勇者「!」

魔女「……時間の問題」

女武「女騎士がバテたら、おしまいよ」

勇者「……」

女騎士「はぁはぁ……」

バシッ

女騎士「はうっ」

勇者「女騎士!」

女騎士「はぁ……くっ……」

勇者「このままじゃ……」

勇者「……ん?」

勇者「魔女」

魔女「……なに?」

コソコソ

女武「何コソコソ話してんのよ」

魔女「……ちょっと待って」

勇者「できるか?」

魔女「……うん」

魔女「……んんっ」

女武「!」

魔女「……女騎士、下がって」

女騎士「! は、はいっ」

ブオオオオオオオオオッ

魔女「……ふっ!」

バリバリバリーン!

ギョオオオオオオッ!

女武(雷!?)

魔女「……最大、出力」

ガラガラーンッ!!

ギュイイイイイイァアアアアアアッ!

僧侶「……やったっす?」

魔女「……」フラッ

勇者「おっと」がしっ

魔女「……ゆ、勇者」

勇者「ナイスだぜ、魔女」

魔女「……ありがと」

女武「あんたね……できるなら最初にしときなさいよ!」

僧侶「スゲー魔法っす!」

女騎士「よ、よかったぁ……」

魔女「……女騎士のおかげ」

勇者「女騎士が弱らせてくれたからだよ」

女騎士「そ、それは良かったです……」

女武「どうしてやらなかったのよ?」

魔女「……てた」

女武「え?」

魔女「……忘れてた」

女武「……はぁ」

僧侶「ま、まあ何はともあれ、一件落着っす!」

「凄い、あんた達なにもんだ!?」

勇者「あー……」

魔女「……勇者御一行」

「勇者!?」

「あなたが勇者かい?」

魔女「……私は魔法使い。彼が勇者」

「……え」

勇者「す、すいません役に立ってなくて」

「いや、さっき海に吐いてたから……情けない人だと」

勇者「……」ゾーッ

女騎士「ゆ、勇者さん?」

勇者「また……酔いが来た」

頑張れ!

「にしても凄いな……グレートをやっちまうなんて」

女武「グレート?」

「このイカの名前だよ。有名な名前でさ」

「こいつを倒せば報酬をたんまりと貰えるはずだぜ」

女武「!」

女武「勇者、聞いた!?」

僧侶「勇者さんならリバしに行ったっすよー」

女武「ほんとにあいつはぁ~!」

女騎士「……でも」

魔女「……勇者は、いらないって言うと思う」

女武「はぁ!?」

女騎士「私も、そう思います」

僧侶「そうっすねーまさに勇者っすから」

女武「あ、あんた達……せっかくもらえるんだから」

女武「……あーもう、頭固い奴ばっか!」

僧侶「それよりも、女武ちゃん」

女武「なによ!」

僧侶「イカ、食べないっすか」

女武「……」じゅるり

女武「ま、まあ、仕方ないわね。じゃ、邪魔だし……ね」

・ ・ ・

勇者「はぁ……散々だったぜ」

魔女「……お疲れ様」

勇者「いやいや、それはお前のほうだよ」

魔女「……ちょっと、体がだるい」

勇者「MP使い果たしただろ?」

魔女「……うん」

勇者「すごかったぜ、あの魔法」

魔女「……う、うん」てれてれ

魔女「……勇者がいなかったら」

魔女「……わ、忘れてたから」

勇者「俺もふと思い出したんだよ」

勇者「確か魔女、炎とか氷とか雷とか出せるーって言ってただろ?」

勇者「それが出てきてさ」

魔女「……凄い記憶力」

勇者「それほどでもないさ」

勇者「これからも魔女には力になってもらいそうだなぁ」

魔女「……まかせて」

勇者「おうよ」

勇者「さてと……それじゃあ」

魔女「……?」

勇者「俺も腹減ったし、イカ食うかな!」

僧侶「うひゃー! 飲み込めないっすぅー!」

女武「僧侶! 食い過ぎ!」

女騎士「ああっ、刺身ってこんなに美味しいんですね……!」

勇者「お前らー! 俺にも食わせろー!」

女武「リバース勇者が来たわよー!」

僧侶「戻してくるっすー!」

女騎士「げ、下品ですよっ!」

勇者「あんまりそれのこと言うな! 凹むぞ!」

魔女「……」くすっ

魔女「……本当、飽きない人たち」

ここまで。

7×さんに、前スレをまとめていただきました。
SS速報から見始めた方は是非お読みください。
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/yuuusya_orega_kangaeteta_boukento_zenzen_chigaundakedo.html

それでは。

それ読んでここにきた

>>446 ナカーマ

生のイカ…あ、でも電撃で焼けてるのか?

魔法使いは聡明で頭切れるイメージあるけど
魔女はそうでもなかった

女の魔法使いは
ドジっ子で魔法に振り回されるイメージしかないwwww

船の旅は、色々あったが楽しくも緩やかに終わった。

そして、新たなる街が近づいていた!

僧侶「――っす」

女武「何一人で言ってんの僧侶?」

僧侶「なんでもないっすよ~」

女騎士「見えてきました!」

魔女「……新たな大陸」

僧侶「うひゃあー人がたくさんいるっす!」

女騎士「凄いですね」

女武「……それはいいんだけどさぁ」

勇者「うぼええええぇぇぇ……」

女武「最悪の光景が今まさに近くで行われてるんだけど」

僧侶「そ、それはスルーっす!」

女騎士「勇者さん……大変ですね」

女武「これで何回目よ?」

魔女「……九回目」

僧侶「相当な船酔いっすね……」

勇者「さ、最悪の航海だ……」

女騎士「で、でもそろそろ着きますから!」

勇者「あ、ああ……」

女武「まったく、食べたイカも全部戻しちゃったんじゃないの?」

勇者「かもな……うぐっ」

僧侶「そろそろっすよー!」

女武「ふふっ、楽しみね」

魔女「……次ははぐれない?」

女武「はぐれないわよ!」

勇者「まずは宿を探そう……」

女騎士「時間も良い感じですね」

僧侶「勇者さんを早く休ませてあげたいっす」

勇者「サンキュー……」

女武「大丈夫なの? 歩ける?」

僧侶「おやおや、優しいっすね」

女武「う、うっさいわね。これくらいは当然でしょっ」

勇者「ああ……歩けるさ」

女武「ふんっ、なら大丈夫ね」

女騎士「本当に、大丈夫ですか?」

勇者「ああ、心配してくれてありがとう」

僧侶「ふふ、もしもやばかったら自分がおぶっちゃうっす!」

勇者「その状況にはなりたくないな……」

魔女「……私も、おぶる」

勇者(できればそれは一番嫌だな)

・ ・ ・

僧侶「到着っすー!」

女騎士「ここも変わらず賑やかですね!」

勇者「そうだな」

女騎士「あ、良くなりました?」

勇者「やっぱり船がやばかったみたいだな」

女武「思いっきり船酔いなんだから当たり前でしょ」

魔女「……宿屋」

勇者「あー、その前にさ」

勇者「ここで武器を揃えとかないか?」

『大陸を跨ぐと新たな道具に出会うことができる』

女武「なんで今さら?」

勇者「今回の巨大イカのこともあっただろ」

勇者「今の武器じゃ、難しいんだよ」

僧侶「確かにそうっすね。棒一人、杖二人、素手一人、剣一人って、明らかにバランス悪いっす」

魔女「……私は魔法が使える」

勇者「MPに限りがあるし、魔力を高める杖の方が良いと思うし」

女騎士「でも、お金は大丈夫なんですか?」

勇者「そこが問題なんだよなぁ……」チラリッ

女武「うっ……」

僧侶「?」

勇者「食い過ぎなきゃなぁ」

女武「わ、悪かったわね! その分働いてるでしょ!」

勇者「魔女はお前の半分も食ってねえよ!」

女武「こんなちびっ子が食べれるわけないでしょ!」

魔女「……言われたくない」

僧侶「女武ちゃんもあんまり変わんないっす」

女武「なんか言った?」

僧侶「な、なんでもないです」

女騎士「ま、まあまあ……と、とりあえず武器屋行ってみませんか? それでお値段を見れば……」

勇者「そうだな、とりあえずそうしよう」

・ ・ ・

勇者「うおお、この剣すげえ!」

女武「これなら軽くて、しかも殴りやすいわ!」

僧侶「うひゃー! モーニングスターっすぅ!」

魔女「……魔力を感じる」

女騎士「鋭い切れ味……それに、とても振りやすい」

武器屋「おう、ちゃんとした武器を持てば自信もついていいぜ!」

勇者「よっしゃー、買う! みんなもいいかー?」

「異議なーし」

魔女「……異議なし」

武器屋「んじゃあ値段は……これだ」

勇者「はいはーい」

勇者「」

女騎士「勇者さん?」

勇者「む、無理だ……」

女武「はぁ!? た、高すぎない!?」

武器屋「いんや、俺は嘘はつかねえ! こいつらはここらじゃ最高の武器!」

武器屋「だからこそ値段は張るんだ」

武器屋「払えねえなら、これは譲れねえな」

僧侶「うう、モーニングスター……」

魔女「……」

勇者「……と、とりあえず返そう」

女武「うう……」

・ ・ ・

女騎士「……どうしましょう?」

勇者「そうだなぁ」

魔女「……名残惜しい」

僧侶「あのモーニングスターで敵をボッコボコにしたかったっす……」

女武「まあ、私は別にいいんだけどね」

魔女「……あってもなくても一緒」

女武「あんですってぇ!?」

勇者「仕方ない」

女騎士「どうしますか?」

勇者「……」


勇者「働こう!」

「……」

「……は?」

ここまで。

今回は短めで申し訳ありません。

次回、働く勇者にこうご期待。


いつもレスありがとうございます。励みになります。

女武はかわいいなぁ

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働きイベントとな

>>463
人はそれを死亡フラグという

イカ倒した報奨金はやっぱ辞退したん?

・ ・ ・

「おーい、そこのお前、ちょっとこれ頼むわ」

勇者「あ、はーい! ……重っ!」

「はは、お前さんひょろいから力仕事難しいだろうなぁ」

勇者「は、はい……」

勇者(めちゃくちゃ給料良いから選んだけど、めちゃくちゃ辛いな)

勇者(でも、武器のためだ。がんばろう!)

「……坊主、やるじゃねえか!」

「ああいう坊主を待ってたんだ!」

・ ・ ・

勇者「ふぅ……」

「お疲れさん。ほら、金だ」

勇者「あ、ありがとうございます」

「よくやったな。おめーにはボーナスだ」

勇者「ほ、ホントですか」

「おう、よくやってくれたからな」

勇者「ありがとうございます!」

『一生懸命すれば、必ず報われる』

・ ・ ・

勇者「さってと」

勇者「魔女と女騎士が働いてる場所はどこだ?」

勇者「確かあそこの方に……」

勇者「……喫茶店か」

勇者「まあ、良いかもなー」

勇者「さすが港町、色んな店があるんだなー」

カランコロン

勇者「……」

魔女「……おかえりなさいませ、ご主人様。……あ」

勇者「ま、魔女?」

女騎士「お、おかえりなさいませ、ご主人様! ……ゆ、勇者さん!?」

勇者「女騎士!」

勇者

勇者「女騎士!」

勇者(まさかここって……)

勇者(メイド喫茶!?)


魔女「……」

女騎士「あ、あの……」

勇者「え、えーっと……」

勇者「か、可愛いな、その服」

女騎士「は、はい……ありがとうございますっ」

魔女「……」

勇者「魔女も、明るい服も似合うな」

魔女「……そう?」てれっ

勇者「なんか、やっぱりメイド服とか着ると、雰囲気変わるな」

女騎士「そ、そうですか?」

勇者「うん」

魔女「……女騎士、注文」

女騎士「あっ……勇者さん、引かないでくださいね?」

勇者「え?」

女騎士「にゃんにゃん、ご主人様! 何か食べたい物は、な、ないかにゃーん?」

勇者「……」(女騎士顔真っ赤じゃん!)

女騎士「……です」

勇者「え、えっと……すまんメニューくれ」

女騎士「……こ、これです……あっ、にゃんっ」

勇者「む、無理しなくていいんだぞ?」

女騎士「ううっ……ごめんなさい」

勇者「え、えーっと……コーヒーくれ」

女騎士「了解しました! にゃんっ!」

勇者(可愛いな)

魔女「……」

勇者「お、魔女が持ってきてくれるのか」

魔女「……にゃん」

勇者「!」

魔女「……なに?」

勇者(魔女も顔赤いな……)

リアルタイムきた!支援

勇者「ね、猫なのか?」

魔女「……勘違いしないでよね、別にあんたのためにやってるわけじゃないから」

勇者「……え?」

魔女「……わ、忘れて」

勇者(なんだったんだ今の?)

女騎士「お、おまたせしました! え、えっと、コーヒーです! にゃん!」

勇者「む、無理しなくていいぞー」

女騎士「で、でも……しっかりしないと……」

「女騎士たん! こっちに来てくださいなー!」

女騎士「ふぇ!? は、はいー!」

「ま、魔女たんっ、こちらに来てほしいですぞ!」

魔女「……了解」

勇者「……大人気だな、おい」

勇者(さっさと飲んでお暇しよう)

魔女「……忘れてた」

勇者「ん?」

魔女「……ラブラブ、注入」

勇者「!?」

・ ・ ・

勇者「いやあ、驚いたな」

勇者「ああいう一面を見ると、楽しいもんだ」

勇者「真面目に働いてて、感心だ」

勇者「えーっと、次は女部と僧侶が働いてるところか」

勇者「……」

勇者「……ここか?」

勇者「うーん……マジか」

勇者「と、とりあえず中に入ろう」

・ ・ ・

女武「いらっしゃいま……ああ!」

勇者「女武お前その格好!」

女武「み、見ないでバカ!」

勇者(バニー姿だと……!)

僧侶「あ! 勇者さんっすー!」

勇者「そ、僧侶、お前まで!?」

僧侶「ふふふ、結構過激っすかね?」

勇者「あ、ああ……」

女武「と、とりあえず入るなら入り口塞がないでちょうだい!」

勇者「お、おう」

勇者(バーか……)

女武「ご・注・文・は・な・ん・で・す・か・?」

勇者「こ、怖いぞ……」

女武「ふんっ、なんで来たのよ」

勇者「ここ、大丈夫なのか?」

女武「どういうこと?」

勇者「いや……だから」

僧侶「大丈夫っすよ! セクハラとかはしちゃダメみたいっす」

勇者「そっか……良かった」

女武「そんなこと気にしてたの?」

勇者「ああ、もちろんだよ」

女武「……そ、そう……」

僧侶「女武ちゃん照れてるっす?」

女武「んなわけないでしょ!」

貧乳バニーとは何事かね

女武「とりあえず。ミルクでいい?」

僧侶「ミルクが一番安いっすからね」

勇者「じゃあそれで」

女武「ふんっ」

僧侶「ありゃりゃ、待ってくれっすよー。それじゃあ後で、勇者さん」

勇者「おう」

勇者(バニーガールか……)

勇者(他の人、胸でかいな……)

勇者(あの二人……よく採用されたな。……失礼か)

>>480
いいだろ




いいだろ

バニー「あらら、可愛い子ね」

勇者「!」

バニー「お姉さんと遊ぶ?」

勇者「ちょ、ちょっと!」

バニー「恥ずかしがらなくてもいいのよ」

バニー「こっちからのセクハラなら、オーケーだから♪」

むにょん

勇者「うぎょおおおおおおおお……」

バニー「あら、こういうの初めてだったかしら」

勇者(駄目だって……胸、ダメだってぇ……!!)

バニー「ふふふっ、ますます可愛いわねぇ」

勇者「や、やめてくださいぃ……」

バニー「そんな照れなくても~」

勇者「あうう……」

ドンッ

勇者「!」

女武「おまたせしました……ミルクです」にやぁ

バニー「ちょ、あんたテーブル壊しちゃって何してんのよ!」

女武「すいません、あなたが仕事をほっぽってお客と遊んでたのでイライラしちゃいましたー」

バニー「うっ……マスター! この子が~」

僧侶「うひゃあ、やっちゃったっすね、女武ちゃん……」

女武「ふんっ……」(鼻の下、伸ばしすぎよ)

・ ・ ・

勇者「えー、結果ですが」

女騎士「ドキドキです……」

魔女「……」

女武「……」

僧侶「結構頑張ったっすからね」

勇者「……女武のテーブル代で相当なくなりました」

女騎士「へ?」

魔女「……」ゴゴゴゴゴ

僧侶「あれ、結構豪華なテーブルだったっすからね……」

女武「し、仕方ないじゃない! やっちゃったんだから!」

勇者「やっちゃったんだからで済むか!」

女騎士「ど、どうしましょう……」

僧侶「宿代ぐらいにしかならなかったっす」

魔女「……」

女武「……あ!」

勇者「なんだよ?」

女武「巨大イカの報酬!」

勇者「なんだそれ?」

僧侶「そういえば勇者さんは知らなかったっすね」

女騎士「実は――」

女武の魅力の無さがやばい

ツンデレと、不器用さがたまらないではないか

女武かわええやろ!

・ ・ ・

勇者「なるほどな」

女騎士「でも、勇者さんなら貰わないかなと思って」

僧侶「だからあえて言わなかったんすけど」

魔女「……」

勇者「んー……」

勇者(正直俺は吐いてる記憶しかないから報酬とかまったく……)

勇者「あれは、女騎士と魔女が選ぶ権利があると思う」

女騎士「えっ」

魔女「……私達?」

女武はかわいい

勇者「頑張って耐えてくれた女騎士と、とどめを刺した魔女」

勇者「そうだよな、僧侶、女武」

僧侶「そうっすね」

女武「まあ、いいんじゃない」

女騎士「……」

魔女「……」

女騎士「あの、私は……」

女騎士「何かをして、ものをいただくということが初めてで」

女騎士「もし、自分がしたことを評価していただけるのなら」

女騎士「報酬をもらいたいと思います」

魔女「……私も構わない」

勇者「それじゃあ、もらおう」

女騎士「ちょっと、楽しみです」

僧侶「そうっすねー」

僧侶「自分も初めてギルドで報酬もらった時のこと、思い出したっす!」

女武「あれはたまんないわよね~」

魔女「……そうでもない」

女武「な、なによドライね」

勇者「船に行けばいいのかな? よし、行こう」

・ ・ ・

女騎士「す、凄い量のお金ですね」

勇者「ああ……持ってるの怖いくらいだ」

僧侶「でも、これがあれば……」

魔女「……杖」

女武「買えるわね」

勇者「よーし、さっそく武器屋に直行だー!」

「おー!」

魔女「……わた」

女武「はいはい、言ってないんでしょ」

魔女「……さっきは、言ったもん」

女武「あ、そうだったの」

・ ・ ・

勇者「……買いたいやつ持ったか?」

女騎士「は、はい!」

僧侶「オッケーっす!」ブンブンッ

女武「オッケーオッケー!」

魔女「……ばっちぐー」

勇者「じゃあ、これください!」

武器屋「ああ、聞いたよお前さんたち!」

武器屋「あのグレートを倒したんだって?」

勇者「え……ま、まあそうですけど」

武器屋「お代は結構だ! 持ってってくれ!」

勇者「え!?」

武器屋「なぁに、気にするなよ!」

女騎士「じゃ、じゃあこれ……」

僧侶「た、タダっすか?」

女武「それはちょっと……」

魔女「……悪い気がする」

勇者「あの、ごめんなさい、やっぱり払わせて欲しいんですけど……」

武器屋「いや! それは困るぜ」

武器屋「あんた達には感謝してもしきれねえ」

武器屋「頼む! この通りだ!」

勇者「うう……」

女騎士「……もらいましょう、勇者さん」

勇者「え?」

女騎士「……私の報酬だと思うと、なんだか、嬉しくって」

女騎士「もちろん、魔女さんの手柄でもあるんですけど」

勇者「……そうだな」

勇者(これも、女騎士と魔女の報酬……か)

勇者「ありがとうございます! それじゃあ、いただきます!」

こんな時間まで支援

・ ・ ・

勇者「……自信みなぎってきたー!」

僧侶「むふふ、これで大暴れするっす!」

女武「ボッコボコにしてやるんだから!」

魔女「……」むふー

女騎士「次戦うのがすっごく楽しみですっ」

勇者「よーし、それじゃあ行くぞー!」

「おー!」

魔女「……言ってない」

女武「あらら……」

ここまでです。

ごめんなさい、まさかここまで長引くと思いませんでした。


次回は夜会話から。一体誰と過ごすのやら。


なにかあったらご質問ください。


それでは。

乙ー

乙乙

おつ

乙でした

面白そうなSS発見乙

いろんな意味でイカ倒しといて良かったー

勇者は棒卒業したんかいな

・ ・ ・

勇者「それにしても……」

勇者(この棒、捨てられないなぁ)

勇者(この前洞窟で手に入れたのは売っちゃったけど)

勇者(どうしても売れないんだよな)

勇者(だからずっと持ち続けてるという)

勇者「……むぅ」

勇者「あ、そうだそうだ、誰かと話をしよう」

勇者「……奮発したらまさか」

勇者(一人一人の個室になっちまったからな)

勇者(今日はやめとくかな……)

女武のデレが足りない
ツンツンだけではうざいだけ

ペラリ

勇者「……ん?」

『自分から部屋に訪れるのは更なる好感度アップ!』

勇者「ほほう!」

勇者「よし、行くか!」

勇者「……寝てたら無理かもだけどな」

勇者「とりあえず部屋出るか」

ガチャッ

勇者「……ん、魔女」

魔女「……あ、魔女」

×魔女「……あ、魔女」
○魔女「……あ、勇者」


勇者「どうしたんだ? こんなベンチに座って」

魔女「……眠れなかった」

勇者「そっか。よいしょっと」

魔女「……勇者も、眠れない?」

勇者「ん、まあな」

魔女「……一緒」にこっ

勇者「そ、そうだな」

魔女「……船酔いは、もう大丈夫?」

勇者「うん、心配してくれてありがとう」

魔女「……そう」

勇者「魔女も、MP大丈夫なのか?」

魔女「……うん」

勇者「ならいいんだけど、毎回毎回大きな魔法使ってるから、負担かかってないかなって」

魔女「……大丈夫」

魔女「……心配してくれるだけで嬉しい」

勇者「そりゃ心配するさ」

魔女「……そ、そう」てれてれ

スレ主は魔女推しなのか?

女武推しでないことだけは確か

魔女「……これから、どこに向かうの?」

勇者「そうだなー……」

魔女「……」

勇者「正直、どこに行けばいいのかわからないんだよなぁ」

魔女「……果てしない旅?」

勇者「んー、ちゃんと目標はあるんだけどな」

魔女「目標?」

勇者(ああ、そういえばまだ言ってなかったな)

魔女「……魔王を、倒す、とか?」

勇者「あれ、わかったか」

魔女「……当たり前。それくらいわかる」ぷくっ

勇者「はは、頬膨らませて怒らないでくれよ」

魔女「……魔王に、私の魔法は通用する?」

勇者「わからない。……でも」

勇者「これから色んな経験をして、強くなれば」

勇者「魔王にだって勝てるって」

魔女「……頑張る」

勇者「おう、一緒にがんばろう」

魔女「……手、貸して」

勇者「? おう」

ぎゅっ

魔女「……」

勇者「……?」

魔女「……魔力、すこし強くなってる」

勇者「お、本当か?」

魔女「……驚きの成長」

勇者「そうかな? 嬉しいな~」

魔女「……それに、あったかい」

勇者「え?」

魔女「……」

勇者「え、えっと、魔女?」

魔女「……なに?」

勇者「ず、ずっと握られてると……ちょっと照れるかな」

魔女「……! ご、ごめんなさい」パッ

勇者「いや、いいんだけどな」

魔女「……そ、そろそろ部屋に戻る」

勇者「そうか?」

魔女「……ま、また明日」

勇者「おう、おやすみ」

魔女「……おやすみ」

魔女(……ドキドキして、眠れないかも)


勇者「……行っちまったな」

勇者「……さて、と」

勇者(まだ、時間があるな)

勇者「……んー、誰の部屋に行くかな」

勇者「……女武」

女武『こんな時間に来るんじゃないわよー!』

勇者「……やめとこう」

勇者「ならば僧侶」

僧侶『昨日勇者さんが夜這いに来たっすー!』

勇者「あらぬ誤解を生みそうだ。やめとこう」

勇者「……女騎士、だな」

勇者「……」

勇者(な、なんか緊張するな)

勇者(こんな時間に風呂に入ってるってことは……無いよな?)

勇者「またあの時みたいなこと、起きてほしくないぞ」

勇者「……よし」

コンコンッ

勇者「……」

勇者(ま、寝てるよな)

勇者「部屋に戻るかー」

勇者「ん……?」

『露天風呂開放中』

勇者「おー、なんだそれ」

勇者「そういえば風呂、入ってないな」

勇者「……入るかな」

勇者「夜の、月を見ながら風呂にはいるのも良いかもしれないな」

勇者「早速行くかー」

勇者(大きい宿で、良かったー!)

すいません、今日はここまでで。

本文でも述べた通り、棒は持ってます。




それでは。

これは……風呂回のかほり……!

ゴクリ…

おつ

乙ー

>>509
ツンデレを履き違えてんじゃねーよ
にわかか?あるいは早漏か?

・ ・ ・

勇者「うおおお、でけー!」

勇者「すんげーいいとこだなぁ」

勇者「……寒っ。さっさと入ろう」

チャプンッ

勇者「うっおお……あったけー!」

勇者「というかあちー!」

勇者「はー、夜だから人もいなくて最高だぜ!」

バシャッ

勇者「ん?」(誰かいるのか……?)

勇者(ま、いいか。静かにしていよう)

勇者(ちょっと騒がしすぎたかも)


女騎士(はわわわ……)

女騎士(ど、どうして勇者さんが!?)

女騎士(だ、だって……えええ……!?)

女騎士(ここ、女湯じゃないの!?)

女騎士(この岩の向こうに……勇者さんが)

女騎士「と、とりあえずバレないように……」ばしゃばしゃ

勇者「……いい湯ですねー」

女騎士「!?」

勇者「いやー、疲れが吹っ飛びますねー」

女騎士「……」

勇者「ああ、すいません、勝手に話しかけちゃって」

勇者「俺、旅してるんですけど、男の人と話すこと、ないんですよね」

勇者「はは、女の子と一緒にいれるから嬉しいには嬉しいんですけどね」

女騎士「……」(勇者さん、そのこと気にしてるのかな……?)

勇者「……あー、すいません、また余計なこと言っちゃって」

女騎士「……あ、あの――」

女武「うわーおっきい!」

僧侶「最高っすねえ!」

女騎士「!」

勇者「!?」

女武「ささ、早速入るわよー!」

僧侶「了解っすー!」

勇者「や、やべ!」ザバザバッ

女騎士(! こ、こっちに来る!!)

勇者「……すいません、ちょっとこっちに来させてもらいま……」

女騎士「ゆ、勇者さん……!」

勇者「お、女き……はむっ!?」

女騎士「しーっです!」

勇者「ん……!?」

女騎士「さっき入ってきたの、女武さんと僧侶さんですよね?」

女騎士「勇者さんがいることがバレたら、きっとまずいです!」

勇者 コクコク

女騎士「わ、私が隙を作ります!」

勇者「で、でも……!」

女騎士「大丈夫です、なんとかしてみますから!」

勇者「あ、ああ……ごめん」

女騎士「だ、大丈夫です……ただ」

女騎士「胸は……あんまり見ないでください」

勇者「み、見てない……ぞ!?」

女騎士「……じ、自信……ないので」もじもじ

勇者「わ、わかった……」

女騎士「え、えーっと、女武さんと僧侶さんは……」

勇者「!」(お、女騎士の尻が……目の前に!)

女騎士「あ、あそこにいますね」

勇者「え!? あ、ああ……」

女騎士「それじゃあ、行って来ます」

勇者「俺はどうすれば?」

女騎士「え、えと……ごめんなさい、そこまで考えてませんでした……」

女騎士「と、とりあえず潜って入り口まで行けば……!」

勇者「な、なるほど」

女騎士「私がなんとかしますから!」

勇者「た、頼んだ」

女騎士「はい。……でも、どうして勇者さんがここに?」

勇者「露天風呂開放って書いてあったから来たんだけど……ここ、女湯だったのかな」

女騎士「え、えっと……私もちゃんと確認したわけではないので」

勇者「そっか……」

女騎士「それじゃあ、行って来ます!」

勇者「よ、よろしく!」

女騎士「あ、女武さん! 僧侶さんー!」

女武「あら、女騎士。あんたも来てたのね」

僧侶「通りで鍵がかかってたわけっすね」

女武「誘おうと思ったら、先を越されてたとはね」

勇者(女騎士、頑張ってくれよ……)

僧侶「魔女っちはお風呂に入ったら更に寝れないから良いって言ってたっす」

女騎士「そうなんですか」

女武「ま、勇者は最初から誘ってないけどね」

僧侶「自分は誘おうって言ったんすけどね」

女騎士「えっ……」

勇者(僧侶、なんで誘おうとしてんだ)

女武「女騎士は……」

女騎士「は、はい?」

女武「うん、良かった」

女騎士「ど、どこ見てるんですか?」

女武「いや、一人で先に大人になっちゃダメよ?」ぺたぺた

女騎士「ううっ、気にしてるんですからやめてくださいー!」

僧侶「自分はぺたんこでも可愛いと思うっすけどねー」

女武「そうよ、私はぺったんこでも可愛いわよ! 美少女よ!」

女武「……美少女……よ」

僧侶「言い聞かせてると逆に辛いっす……」

勇者「行ける……!」

女武「どうしてこんなに小さいのよ!」ザパァン!

勇者(うおっ!)

僧侶「ま、まあまあ……」

女武「あんたも大きくないくせに余裕ね!」

僧侶「今の自分がいちばんっすよ」

女武「はぁ?」

僧侶「ないものねだりしなくても、今の自分がいちばんっす」

僧侶「努力で手に入れられるものは、もちろん欲しいっすけど」

僧侶「このことばかりは、どうしようもないっすし」

女武「……な、なんかあんたらしくないわね」

僧侶「……うー、この話は終わりっす! ネガティブっすー!」

女騎士(僧侶さん……)

女武「そーいえばさ、あんた達に聞きたいことがあるんだけど」

女騎士「はい?」

僧侶「なんっすか?」

女武「私ってさ、やっぱり乱暴なのかしら?」

勇者(よし、とりあえず潜って入り口に進むぞ)

女騎士「……」

僧侶「……」

女武「な、なによ黙り込んで?」

女騎士「いや、あの……」

僧侶「なんか、女武ちゃんらしくないっす」

女武「ど、どういうことよ?」

僧侶「そういうこと気にしてるんだなーって」

女武「はぁ!? そりゃ言われたら気にするわよ!」

僧侶「言ってるのは勇者さんっすよね」

女武「そ、そうだけど……だからなに?」

僧侶「自分たちに聞くよりも、本人に聞いた方がいいんじゃないっすかー?」

女武「な、なんであいつに聞かなきゃいけないのよ!」

女騎士「でも、一番ちゃんとした答えをしてくれるかもしれませんよ?」

女武「そ、そうかもしれないけど……」

僧侶「じゃあやっぱり聞くしかないっす!」

女武「で、でも……」

女武「真面目に聞いてくれるか……わかんないから」ボソボソ

僧侶 ニヤニヤ

女武 ハッ

女武「な、何よその顔は!」

僧侶「いーやー、別にー?」

女武「む、むかつくぅ!」

女騎士「ま、まあまあ」

勇者(も、もうすぐだ……!)

僧侶「なんでもないっすよー!」バシャバシャ

女武「ま、待ちなさい!」バシャバシャッ!

女騎士「ふ、二人とも!」

バシャバシャ

勇者(外が騒がしいな……?)

バシャバシャ

僧侶「うぎゃっ」

女武「捕まえたわよ!」

バシャーン!

勇者「ぼがが!?」(なんか当たった!)

女武「……ん?」

僧侶「な、なんかかたいものに……」

女騎士「あっ……!」

勇者「……あ、あれ?」

僧侶「あ、勇者さんっす!」

女武「……!?」

勇者「よ、よう……」

勇者(殺される)

僧侶「なんだ、いたなら言って欲しかったっすよ~」

勇者「いや、俺がここにいるのはダメだろ?」

僧侶「大丈夫っすよ」

僧侶「ここ、混浴っすから」

勇者「そ、そうなのか!?」

僧侶「じゃなきゃそりゃもうカンカンっすよ」

女騎士(よ、良かった……)

勇者「なんだー……」

女武「……」

勇者「あ、あれ、女武だけ殺気出してない?」

女武「あんた……聞いてた?」

勇者「えっ……」

女武「……」

勇者(む、胸のことか?)

勇者「す、すまん……聞いた……」

女武「……ど、どう思ったのよ?」

勇者「えっ……」

女武「……」

勇者「……ま、まあ」

勇者「俺は気にしないよ、全然」

勇者「それがお前なんだからさ」

女武「えっ……えええっ!?」カァァ

勇者「……?」

女武「あ、う……そ、そっか……」

僧侶「おやおやーん?」ニヤニヤ

勇者は先祖代々鈍感……か

女武「な、なによ!?」

僧侶「むふふ、本人に聞けてよかったっすね!」

女武「は、はあ!?」

勇者「えっ、どういうことだ?」

女武「な、なんでもない!」

僧侶「実はっすね、女武ちゃんが」

女武「うっさーい!」

ボコッ

勇者「ぐはぁ!?」

ボッチャーン

女騎士「勇者さん!?」

・ ・ ・

勇者「……んっ!?」

勇者「あれ、ベッド……?」

女武「……気がついた?」

勇者「女武? どうしてここに?」

女武「私が殴ったから」

勇者「……ああ、なんか思い出してきたぞ」

勇者(服は誰が着せてくれたんだろう)

女武「そ、その」

女武「……いきなり殴ったりして、ごめん」

女武「……なさい」

勇者「別に大丈夫だよ」

勇者「まあ、殴られても仕方ないと思うし」

女武「そんなことないわよ」

女武「あれは私がいきなり殴ったから……」

女武「……反省してるわ」

勇者「……らしくないな」

勇者「女武だったら、『あんたが悪いんでしょ』って言うと思ってたのに」

女武「……それ、私の真似?」

勇者「そ、そうだけど?」

女武「……ぷふっ……くふふふっ……全然似てないし」

勇者「そ、そりゃあな」

女武「……はぁ」

女武「確かに、私らしくないわね」

勇者「ああ」

女武「でもさ」

女武「私がいっつもそんな感じだと思うのは」

女武「大間違いよ?」

勇者「……え?」

女武「なんでもない。元気になったみたいだし、私は寝るわ」

勇者「え、もう朝だぞ?」

女武「いいでしょ別に、おやすみー」

勇者「……あ」

勇者「ったく、勝手だなぁ」

女騎士「勇者さん」

勇者「女騎士。おはよー」

女騎士「おはようございます。大丈夫ですか?」

勇者「うん、もう大丈夫っぽい」

女騎士「良かった……」

勇者「でも、女武はこれから寝るらしいぞ」

女騎士「女武さんは、勇者さんにずっと付き添ってましたから」

勇者「そ、そうなの?」

勇者(あいつ……)

女騎士「『自分が悪いから』って」

勇者「……そっか」

女騎士「ふふ、でも、勇者さんの言葉がきいたのかも?」

勇者「ん?」

女騎士「そのままの自分で良いって」

勇者「ああ……俺は女騎士にも、魔女にも、僧侶にも、そのままでいて欲しいよ」

勇者「ずっとずっと、このままな」(胸、小さいままでいてくれ)

女騎士「……ありがとうございます」(いつもどおりの私)

女騎士(女武さんは、乱暴なまま? それでも、いいってことですよね)

勇者「女騎士、ちょっと体動かすか?」

女騎士「あ、はい」

勇者「剣試してみたいし、せっかくだから本格的に勝負しようぜ」

女騎士「わかりましたー」

ここまで。

まったく戦わない勇者御一行でした。

ちなみに、僧侶と女武はタオルを巻かない派です。



それでは。

なぬ!?素晴らしい情報ですねぇうっ…ふぅ…

ひんぬーっていいね

タオル巻こうとしても、凹凸が無いから落ちちゃうんですね。

おつ

でもどうせ謎の強い光か無駄に濃い湯気で見えないんでしょう?

BD版は薄くなります

追い付いたの初めてだ(´_ゝ`)

女騎士のちっちゃなおしり舐めたい

・ ・ ・

勇者「はぁはぁ……」

女騎士「はぁ……はぁ……」

勇者「すごく……いいぞ、女騎士」

女騎士「勇者さんも……凄いです」

勇者「……まだまだ、俺はこんなもんじゃないぜ?」

女騎士「ふふっ、わかってますよ」

勇者「こっからが本番だ!」

女騎士「はい、来てくださいっ!」

僧侶「ふわぁぁ……朝からいかがわしい声が聞こえると思ったら、熱心すねー」

勇者「ん、僧侶」

女騎士「おはようございます」

僧侶「こんな朝早くから剣でコミュニケーションっすか」

勇者「ま、体動かすのは気持ちいいからな」

女騎士「はい」

僧侶「でもでも、あんまりよそ見しながらやるのはよくないと思うっすよー」

女騎士「そうですよ……勇者さんっ!」

勇者「うおっ! 危ねえ!」

女騎士「私を見てないと、ダメですよ?」

勇者(できれば違う場面で言って欲しかった)

魔女「……おはよう」

僧侶「おや、魔女っちも来たっすか」

勇者「お、よー魔女!」

魔女「……! おはよう」

女騎士「隙ありです」

勇者「やべ!」

スカリンっ!

女騎士「はうっ!」

勇者「逆にチャンス!」

女騎士「や、やめてくださいー!」

キィンッ

女騎士「きゃっ!」ずるっ

勇者「のわっ!」ずるっ

女武「ふわぁ……おはよ。……!?」

勇者「お、おはよう……女武」

女騎士「ご、ごめんなさい……」

僧侶(ちょうど押し倒したみたいになっちゃったっすね)

女武「朝っぱらから何してんのよ!」

ばきっ

勇者「ぐはぁ!!」

・ ・ ・

女武「……」

勇者「おーい、機嫌直せって」

女武「朝からあんなん見せられたら……!」クルッ

勇者「うお」

女武(顔……近っ!)

ボコッ

勇者「へぶ!」

女武 ドキドキ

女武「ふ、ふんっ」

僧侶「最近、手が出るの早いっすねー」

女騎士「そうですね……」

魔女「……」

勇者「い、痛え……」

魔女「……大丈夫?」

勇者「あ、ああ」

魔女「……乱暴」

勇者「はは、そうだなー」

魔女「……勇者、甘すぎ」

勇者「そうかな?」

魔女「……妬く」

勇者「え?」

魔女「……なんでもない」

やっとおいついた

僧侶「勇者さーん」

勇者「ん?」

僧侶「これからどこに行くっすか?」

勇者「そうそう、さっき宿のおじさんに聞いたんだが」

勇者「港町を出てすこしの場所に小さな町があるらしい」

勇者「とりあえずはそこを目指すつもりだ」

僧侶「わかったっす」

女騎士「どんなところなんですか?」

勇者「んー、特に何も無いらしいんだが」

勇者「……無人城が近くにあるらしい」

女騎士「む、無人城?」

僧侶「それはなんだかとーっても嫌な感じがするっす」

女武「ま、別に行く機会ないでしょ?」

勇者「そうだといいんだけどな」

魔女「……」

グオオオ!

勇者「ん、敵だ」

女武「やっと来たわね!」

僧侶「ふふふ、腕がなるっす!」

女騎士「み、みんなはりきってますね……」

魔女「……新しい武器、試すチャンスだから」

グガアアア!

僧侶「どりゃあっす!」ビュンッ

ドガッ グギャアッ!

勇者「ナイス! 行くぜっ!」

ズバァッ!

勇者(うわぁ、すげえ斬れる!)

魔女「……行く」

ゴオッ

勇者「ちょ!?」

僧侶「マジっすか!?」

ギャー!

勇者「あつぅぅ!」

僧侶「酷いっすぅ!」

勇者「はぁ……魔女ー!」

僧侶「まさかあんなに普通に魔法を飛ばすなんて酷いっす……」

魔女「……凄い」

勇者「ああ、火力増してたな」

魔女「……使える?」

勇者「ああ、めちゃくちゃな」

女武「ちょっとー……魔物倒しちゃったじゃない」

女騎士「出番なしでした……」

魔女「……魔物に手を出すのは、遅い」

女武「私に言ってんの?」

魔女「……」ふいっ

女武「……?」

勇者「ま、まあまあ、また出くわすかもしれないから大丈夫だって」

女武「本当に? 来なかったからあんたに相手してもらうからね」

勇者「ああ、いいぜ」

女武「ちょ……な、何本気にしてんのよ、バカじゃないの!」

勇者「本気じゃなかったのか?」

女武「真に受けすぎよ、バカ」

女騎士「はは……」

僧侶「うう……お尻が熱いっす……」

・ ・ ・

女騎士「はぁ!」

スカリンっ!!

女騎士「あうっ」

グギャアアア!

女武「あぶな!」ドゴッ

ギャンッ!!

女騎士「ご、ごめんなさい!」

女武「しっかりしなさいよ、バカ!」

女騎士「は、はい……」

僧侶「女騎士ちゃん、またちょっと戻ってるっすよー」

女騎士「あっ、本当ですか?」

ウギョオオオオオ!

女騎士「……はぁ!」

ズバァッッ

女騎士(き、斬れた……!)

ウギャアア!

女騎士「! きゃあっ!」

ズバァ

勇者「油断するのはまだ早いぞ?」

女騎士「ゆ、勇者さん」

勇者「よーっし、全部倒したな」

僧侶「そうっすねー」

女武「はぁ……まだ着かないの?」

魔女「……MP、そろそろ切れそう」

勇者「魔女はすこし制限した方がいいかもな」

魔女「……わかった」

僧侶「お、あれっすかね」

勇者「おお、見えたー」

女騎士「休憩しますかー」

魔女「……良かった」

女武「にしてもあんた、MP切れたらどうするの?」

魔女「……?」

女武「MP切れたらおしまいじゃないのよ、戦いは」

魔女「……言われなくてもわかってる」

女武「なんだったらこの私が直々に鍛えてあげるわよ~?」

魔女「……いい」

女武「どーすんのよ?」

魔女「……」ぎゅっ

勇者「ん?」

魔女「……勇者に鍛えてもらう」

女武「!」

女騎士「??」

僧侶「なんすか?」

勇者「え、何を?」

魔女「……勇者、お願いする」

勇者「だから、何を……?」

・ ・ ・

勇者「なるほどな」

魔女「……勇者と、したい」

勇者「うーん、でも俺なんかでいいのか?」

魔女「……」コクリ

僧侶「教えるなら自分もいるっすよ!」

魔女「……嫌」

僧侶「酷いっす!」

女武(……なんか、むしゃくしゃするわねぇ)

勇者「はは……さてと、宿屋は……」

女騎士「あそこにありますね」

勇者「うーっし、入るかー」

・ ・ ・

宿屋「おお、久しぶりのお客さんだ!」

勇者「あの、泊めてもらっていいですか?」

宿屋「ああ、もちろんだよ!」

女武「久しぶりお客って、何かあったの?」

宿屋「ああ……あの城があるだろ?」

宿屋「不気味でさ、どうしてもみんな近くで長居したくないらしくてさ」

宿屋「おかげで困ってるんだよ……」

勇者「……」

女武(あ、なんかやな予感……)

勇者「みんな、悪いけどこれからの予定を少し変更だ」

勇者「無人城に行くぞ!」

ここまで。


毎日レスいただきありがとうございます。


勇者は幸運助平というスキルを持ってます。


それでは。

女武かわかわ!

おつ

ああ魔女かわええ二の腕はむはむしてえ

女武「なんでよ。どうしたって、あの城があることに変わりないでしょう」

勇者「無人城なのがおかしいんだよ」

勇者「あの城を使って、何か村を復興させられれば……」

宿屋「ちょ、ちょっと待ってくれ」

勇者「はい?」

宿屋「それはやめたほうがいい」

女騎士「ど、どうしてですか?」

宿屋「あそこは……人が立ち寄らないわけがあるんだ」

魔女「……ワケ?」

宿屋「あそこは昼には開いてないんだ」

勇者「開放してないってことですか?」

宿屋「いや、あの城の鍵を持ってる奴なんていない」

宿屋「だけど夜になると、勝手に開いて」

宿屋「噂じゃ、幽霊が出るらしいんだ」

勇者「幽霊?」

女騎士「ゆ、幽霊!?」

女武「なーんだそんなこと」ぶるぶる

魔女「……」がたがた

僧侶「ダメっす! 自分ゆーれいは無理っすー!」

勇者「じゃあ夜に行けばいいんですね。夜まで泊めてもらってもいいですか?」

女騎士「ちょ、ちょっと待ってください!」

女武「あんた本気!?」

魔女「……」フルフルッ

僧侶「命だけはぁ!」

勇者「ど、どうしたんだみんな?」

女武「い、いや、別に私は大丈夫なんだけどね? ほ、ほら、僧侶とか参っちゃってるし」

魔女「……あなたも、怯えてる」

女武「わ、私はそんなことないわよ!」ぶるぶるっ

女騎士「え、えっと……わ、私も……幽霊苦手で……」

勇者「……何が怖いんだ?」

僧侶「幽霊がっすよおー!」

勇者「……怖いか?」

僧侶「ゆ、勇者さん怖くないんすか!?」

勇者「全然」

宿屋「あー……とりあえず、泊まっていくんだろ? じゃあキーを用意するから」

勇者「はい」

宿屋「えっと……じゃあ一番大きい部屋を用意するよ」

宿屋「大きくても四人部屋だから、あんたとそこの四人の娘でいいかい?」

勇者「はい、お願い」

「「「良くない!」」」

女騎士「です!」

女武「わよ!」

僧侶「っす!」

勇者「なんでだよ?」

女騎士「だだだだ、だって!」

僧侶「あのお城があるんすよー!?」

魔女「……」ぶるぶる

勇者「……だから、なんだよ?」

女武「だからぁ……」

女騎士「怖いんです!」

僧侶「幽霊がここまで来るかもしれないじゃないっすか!」

勇者「……そんなこと気にしてんのか?」

すげえ

勇者「それなら俺が一番こわいだろ?」

勇者「お前らは四人、俺は一人なんだから」

女武「そ、そうだけど……」

僧侶「あうう……」

勇者「なんだよ女武、お前は怖くないんだろ?」

女武「こ、怖くないけど……」

僧侶「……この際はっきり言うっす」

僧侶「勇者さんと一緒に寝たいっす!」

勇者「はぁ!?」

僧侶「だ、だって……幽霊来たらみんな怖がってパニクるだけっすもん!」

僧侶「それだったら勇者さんと一緒にいた方が安全っす!」

勇者「……え、えーっとだな」

勇者「……わかったよ」

女騎士・女武「え!?」

魔女「……!」

勇者「お前らはベッドで寝ろ俺はドアの前で見張っとくから」

僧侶「ええ、それは駄目っす!」

女騎士「勇者さんに悪いですよ」

勇者「でも、そうでもしないとダメだろ?」

僧侶「他の人は自分みたいに一緒にって、希望してないっす!」

勇者「いや、みんなの顔を見たら不安になってきた」

勇者(女騎士、顔が真っ青だしな)

僧侶「そ、それだったら勇者さんは一人で寝て欲しいっす!」

僧侶「自分のわがままだったっす! ごめんなさいっ」

勇者「……そうか」

勇者(女騎士、大丈夫だろうか)

勇者(魔女も杖持つ手がめちゃくちゃ震えてる……)

女武「ま、まあ幽霊が来たら私がこてんぱんにしちゃうわよ!」

魔女「……物理攻撃が効くか不安」

女騎士「き、効かないんですか!?」

勇者「まあまあ。すいません鍵を」

宿屋「はいよー」

・ ・ ・

勇者「それじゃあ、夜になるまで待機だ」

勇者「できるだけ体力は温存するように」

勇者「魔女はMPを回復するために十分に休めよ?」

魔女「……わかった」

勇者「あと、大したことないことで騒がないこと」

勇者「怖かったらすぐに俺の部屋に来い。隣りの部屋だからな」

僧侶「わかったっす」

女騎士「そんなことにならないといいですが……はぁ」がくがく

女武「ふん、さっさと自分の部屋行っちゃいなさいよ」

勇者「はいはい。じゃあな」

バタンッ

勇者「ふう」

勇者(まさか、みんな怖いなんてなぁ)

勇者「幽霊ってそんなに怖いものなのか?」

勇者「そりゃ、悪い幽霊もいるだろうけど」

勇者「良い幽霊もいると思うんだけどなぁ」

勇者「……さて、俺も部屋に行って寝るかな」

勇者「夜眠れないと大変だもんなー」

・ ・ ・

バタン

僧侶「……うう……」

女武「な、何泣いてんのよ?」

僧侶「こ、怖いっすぅ!」ギュッ

女武「だ、抱きつかないでよ!」

女騎士「で、でも、別にこの宿屋に幽霊が来るってことじゃ、ないですよね?」

魔女「……思い込み。お城が近くにあるから」

女武「そ、そうよね。それにこの部屋からお城が見えるわけでもないし」

僧侶「あ、明るくするためにカーテン開けるっすね!」

シャー

「「「!!!!????」」」

ここまで。


本編が夜ということで、夜に更新したいと思います。

それではまたあとで、

ここでかよおおおお

おつ
夜は丑三つ時にでも見るか…

怖がる女の子ってかわいいよな

乙でした

きゃあああああああああああああああああ!!!!

勇者「!?」

勇者「今の声は、あいつらか?」

ガチャ

勇者「! お、おいっ、どうしたんだ?」

僧侶「はわわわわ……」

女武「だ、ダメ……も、もう無理……!」

女騎士「こここ、怖いですぅ……」

魔女「……」ぽろぽろ

勇者「みんな、顔真っ青だぞ! ほら魔女、泣くなって……」

きたか...!

・ ・ ・

勇者「落ち着いたか?」

「「「……」」」

勇者「……まず、何が起きたか教えろ。女武」

女武「え、えっと……僧侶がカーテンを開けたのよ」

勇者「うん」

女武「そ、そそそ、そしたら……」がたがた

勇者「……次、女騎士」

女騎士「は、はい……そのあと、まったく外の風景が見えなくて」

勇者「風景が?」

女騎士「その代わりに、そそ、その代わりに……」ぶるぶる

勇者「……僧侶」

僧侶「いやあああああああ!!」

勇者「お、落ち着け、大丈夫だから」

僧侶「呪われるっす! 死にたくないっすー!」

勇者「……魔女、頼めるか?」

魔女「……無理」ギュッ

勇者「おっと、よしよし。怖かったなー」

女武「……城が、あったのよ」

勇者「は?」

女武「近くにあるはずの城が……窓の目の前に、平然と!」

僧侶「うわああ呪われるっすぅぅぅぅ!!」

女騎士「こ、怖いです……」

勇者「お、落ち着け……そんなのおかしいだろ?」

魔女「……み、見たもん」

勇者「だとしても……近くにあるって言っても、少しは歩かないと行けない場所だろ」

僧侶「だから、幽霊の仕業なんすよぉ!」

勇者「確かめに行くか?」

僧侶「いやっす!」

魔女「……怖い」ギュゥゥ

女騎士「こ、怖くて足が……」

女武「い、行きたきゃ一人で行きなさいよ!」

勇者「じゃあ一人で行くから待ってろ」

「「「ダメ!」」」

勇者(じゃあどうすりゃいいんだよ)

勇者「まあここにいてもいいから、もう騒ぐなよ?」

女騎士「は、はい……」

僧侶「了解っす……」

女武「わ、私はそんなに怖くないんだけどね」

魔女「……」コクリ

勇者「ふわぁ……俺は寝るからな」

僧侶「よくこのテンションで寝れるっすね……」

勇者「体力温存しないと幽霊に吸われるぞ」

僧侶「いやっすぅー!」

勇者(俺だって心配だよ)

勇者(こんなパニック状態で本当にあの城に行けるのか……)

勇者(だからこそ、落ち着いて体力を回復するんだ……)

勇者「……」

魔女「……勇者」

もぞもぞ

女武「ちょ!」

勇者「……?」

魔女「……んしょ」

勇者「……なんで魔女、ベッドに入ってきたんだ?」

魔女「……ね、寝ないといけないから」

勇者「ああ、なるほどな……一緒に寝るか?」

魔女「……いいの?」

勇者「ふわぁ……いいんじゃないか?」(眠い……)

魔女「……勇者あったかい」

勇者「そうかー? ……ふわぁ」

僧侶(魔女っち、大胆っすね)

女騎士「……え、えっと……」

女武「な、なんなのよ魔女のやつ……」

僧侶「おやおやー?」

女武「あっ、幽霊」

僧侶「ひにゃああ!」

女武「冗談よ……なんか、ちょっと肩の緊張が抜けちゃったわ」

女騎士「ちょっと落ち着いてきましたね」

僧侶「自分はまだまだ無理っぽいっす……」

女武「じゃああんたに寄りかかって寝るわね」

僧侶「へ?」

女騎士「じゃ、じゃあ私も」

僧侶「ほえ? 女騎士ちゃんまで?」

女騎士「だ、ダメですか?」

僧侶「ふふふ、どんと来いっすよ!」

女武「じゃ、おやすみ」

女騎士「嫌だったら、言ってくださいね。失礼します……」

僧侶(カワイイ女の子に寄りかかられてるっすよー!)

・ ・ ・

勇者「……ん」

勇者「あれ……?」

魔女「……」すぅすぅ

勇者「……!?」

勇者(なんで魔女が!?)

魔女「……ゆーしゃ?」

勇者「お、おはよう」

魔女「……ゆーしゃ」ギュッ

勇者(うおっ!?)

魔女「……」

勇者「魔女?」

魔女「……ご、ごめんなさいっ、寝ぼけてた」

勇者「あ、ああ、気にすんな」

魔女「……う、うん」

勇者「えっと、あいつらは……」

僧侶「すぅすぅ」

女騎士「……」

女武「くぅくぅ……」

勇者「仲良く寝てんなぁ、あいつら」

魔女「……そうだね」

勇者「さてと……おーい、起きろー!」

僧侶「ふにゃっ……?」

女騎士「んんっ……」

女武「もう食えないわよ……はえ?」

勇者「お前また食いもんか」

女武「……また食い物って何よ!」

魔女「……早く起きて」

勇者「どうやら、寝たらちょっと落ち着いたみたいだな、みんな」

魔女「……!」

勇者「どうした?」

魔女「……な、なんでもない」

女騎士「ほ、本当に行くんですか?」

勇者「もちろんだ」

僧侶「そ、外真っ暗っすよ!?」

勇者「真っ暗じゃないと開いてないって言ってただろ?」

僧侶「そ、そうっすけどぉ……」

魔女「……みんな、怖いのは同じ」

魔女「……僧侶も、頑張って」

勇者(へえ、魔女も言うようになったな)

僧侶「……魔女っち……」

僧侶「うーん、寝起きで顔が赤くてカワイイっすー!」むぎゅー

魔女「……や、やめて」

僧侶「可愛いんすもんー!」

勇者「……よし、それじゃあ行くぞ」

僧侶「こうなりゃとことん付き合うっすよー!」すりすり

魔女「……や、やめ……」

ボッ

僧侶「熱ぅ! そりゃないっすぅ!」

・ ・ ・

勇者「……おぉぉぉ……」

女騎士「こ、これは……」

女武「なによ……これ」

僧侶「……魔女っち、自分無理っぽいっす」

魔女「……大きな、お城」

勇者「想像以上にでけえな」

女騎士「宿屋の方が言っていた通り、扉が開いていますね」

僧侶「うう、こんなことが起こるんだったら、シャーマンに転職すればよかったっす……!」

女武「怖がりのシャーマンとか使えないわよ」

僧侶「うう、正論っす……」

勇者「よし、入るぞ!」

女騎士「は、はい!」

僧侶「やってやるっす!」

女武「ふんっ……」

魔女「……」ぶるぶる

勇者「……」

女騎士「……真っ暗ですね……」

ピトリッ

女騎士「きゃああ!」ギュッ

勇者「うおっ!? ど、どうした!?」

女騎士「な、何かが顔に……!」

僧侶「あああ……女騎士ちゃんが早くもぉ……」

女武「よ、よく見なさいよ……こんにゃくよ」

勇者「……なんでこんにゃくがぶら下がってるんだ……?」

女武「幽霊がやったにしては、ちょっとたいしたことないわね」

勇者「ま、ちょっと気をつけよう」

女騎士「は、はい……ごめんなさい」

僧侶「それにしても、まったく周りが見えないっす」

女武「ちょっと不便ね」

勇者「魔女、火を出せるか?」

魔女「……うん」

勇者「この棒、たいまつ代わりにできるか?」

女武「え、その棒使っていいの?」

勇者「ああ、これは多分……うん、大丈夫なはず」

魔女「……やってみる」

魔女「……ッッ!」

勇者「どうだ?」

魔女「……燃えない」

勇者「凄いな、この棒……」

女武「炎が燃え移らない棒ってどうなってんのよ……」

女騎士「一見、ただの棒なんですけどね……」

勇者「仕方ない、暗い中を探すか」

魔女「ま、待って」

勇者「ん?」

魔女「……こうすれば、大丈夫」

勇者「おお、炎を維持できるようになったのか!」

魔女「……うん」

女騎士「凄いです、魔女さん!」

勇者「よし、周りも見えるし行くぞ!」

「「「おー!」」」

魔女「……おー」


1「ふーん、あのお兄ちゃんたち、私たちのお家に入ってきちゃったの?」

2「いけないんだいけないんだ……ふふふ、おしおきが必要だね」

1「私達のお家に勝手に入ってきた罰を受けてもらおー」

2「うん、とびっきりキツイのをね」

1「ふふふ……」

2「ふふふ……」

ここまで。


次回もお楽しみに。

わかりづらい場面などがありましたら、ご質問ください。


それではー

怖がる女の子ってやっぱりかわいいね
怖がってる姿見たいがために驚かすと泣いて嫌われるジレンマ

おつ

1「ふーん、あのお兄ちゃんたち、私たちのお家に入ってきちゃったの?」

2「いけないんだいけないんだ……ふふふ、おしおきが必要だね」

1「私達のお家に勝手に入ってきた罰を受けてもらおー」

3「ちくわ大明神」

2「うん、とびっきりキツイのをね」

1「ふふふ……」

2「ふふふ……」

1「誰だ今の」


なんかゴメン。乙

>>628
おいおい、書きたかったら自分でスレ立てからやれよ

>>1乙でした

棒の運命やいかに

>>629すまぬ

>>632
>>629はちょっとキツく書き過ぎたし、スルーすべきだった。こちらこそゴメン。

すいません、少し書ける状態にないので今日はおやすみさせていただきます。

ごめんなさい。

修羅場か…

勇者「しかし、こう暗いと本当に危ないな……」

魔女「……」

勇者「魔女の火のおかげで、すこし明るくなったけど、やっぱり視界は限られるよなぁ」

魔女「……もうすこし出力を上げる?」

勇者「いや、大丈夫だ」

女武「……で、でも、別に変わったところはないわね」

僧侶「そ、そうっすね……暗いだけなら……大丈夫っす」

女騎士「幽霊……いませんね」

「ほんとだねー」

僧侶「……?」

女武「……どうしたのよ僧侶、立ち止まって」

僧侶「今、喋ったの誰っすか?」

女騎士「……え?」

「なんのこと?」

僧侶「だから……い、今のっす!」

女武「はぁ?」

「言ってる意味がわかんないよ」

勇者「とりあえず落ち着け、僧侶」

僧侶「いやいや! ちょっと待つっす!」

「だからなに?」

僧侶「『だからなに?』って誰が言ったんすか!?」

女武「……私じゃないわよ?」

勇者「俺でもないぞ」

女騎士「私じゃないです」

魔女「……」フルフルッ

勇者(この暗がりで首振ってもわからんぞ)

勇者「魔女でも無いってさ」

僧侶「……じゃあ、誰なんすか?」

女騎士「え……ええ……?」

女武「ま、まさかね?」

「……ふふふ」

勇者「誰だ?」

「あーあー、バレるの早いなー」

「つまんないの!」

勇者「姿を現せ!」

「目の前にいるじゃん」

勇者「!」(いつの間に!?)

勇者(一旦退くっ!)バッ

女騎士「きゃっ!」

勇者「おわっ!」

ドテッ

女騎士「ん……」

勇者「わ、悪い女騎士」

「きゃー派手にコケちゃったね、お兄ちゃん」

勇者(小さな、女の子か……? しかも二人もいる……)

僧侶「空中に浮いてるっす!」

1「えー、そんなの普通じゃん」

2「全然変じゃないよ?」

女武「あんた達……まさか……」

1「ふふふ……なんだと思う?」

2「ゆーれいだよ!」

1「えー、言っちゃうの?」

2「リアクション楽しめそーじゃん!」

勇者「……幽霊?」

僧侶「ゆゆ、幽霊!?」

女騎士「あなた達が……幽霊?」

2「ほらね?」

1「ほんとだ! ふふふっ……」

僧侶「……か、可愛いっす! 幽霊ちゃん可愛いっす!」

1・2「あれー?」

1「ねえねえ、なんか怖がってないよ」

2「そんなことないと思うけど、あれれ?」

僧侶「幽霊でもこんな可愛いんだったら許すっす!」

女武「もっとおどろおどろしいのを考えてたけど、ただのガキね」

魔女「……ホッとした」

女騎士「あの、どうしてこのお城に住み着いてるんですか?」

1「完璧なめられてるよ」

2「む、ちょっとカチンと来た」

勇者「なあ、お願いがあるんだ」

1「なーに?」

2「なにさなにさ」

勇者「できれば、ここから出て行って欲しい」

1「……」

2「……ふーん」

勇者(急に雰囲気が変わった?)

1「おにいちゃんたちも、そういうんだね」

2「……もういいや、やっちゃお」

1「うん」

パッ

僧侶「明かりがついたっす!」

女武「……! ちょ、ちょっと!」

女騎士「物が……浮いてる?!」

1「へへん、おにいちゃんたちには死んでもらうねー」

2「おにいちゃん達が悪いんだよ?」

勇者(まずい、どうやら怒らせたみたいだ!)

勇者「みんな、気をつけ――」

ドゴッ

魔女「……ッ!」ドシャッ

勇者「魔女!」

女武「ちょ、なんなのこれ!」

女武(早すぎる……!)

女騎士「女武さん、危ない!」

女武「!」

バキッ

女武「きゃっ……!」ドアッ

勇者「女武!」

1「あとさんにーん」

僧侶「可愛くても許さないっすよ!」

2「なにさ、やるっての?」

1「わたしたちめーっちゃ強いよ?」

僧侶「でりゃ!」

すかっ

僧侶「えっ!?」

2「うーん、忘れてたのかな?」

1「わたしたち、ゆーれいだよ?」

バキャッ

僧侶「ぐわっ!」

勇者「僧侶ぉ!」

女騎士「攻撃が、効かない……?」

勇者「……くそっ……」

女騎士「勇者さん……」

勇者「な、なんだ?」

女騎士「このままだと、全滅します」

勇者「ああ……違いない」

女騎士「でも、あの娘たちはまだ子どもです」

女騎士「説得ができるかもしれません」

勇者「……」

女騎士「でも、私じゃなくて、勇者さんの方が良いと思います」

勇者「な、なんでだ?」

女騎士「それは、勇者さんだからですよ」

勇者「……は?」

1「あのさー、もういいかなー?」

2「さっさと倒しちゃいたいんだけどー!」

女騎士「ごめんなさい、どうぞ、来てください!」

勇者「お、おい女騎士!」

1「ふふっ、覚悟!」

ビュンッ

勇者「女騎士!」

2「あんたもね!」

ビュッ

勇者「!」

ドゴォォォン!!

1「……」

2「……あーあ」

1「また、ダメだったね」

2「うん」

1「わたしたち、いつになったらおともだちができるんだろうね」

2「……そーだね」

?「そうか……友達が欲しかったんだな」

1・2「!」

1「どーして?」

2「なんで、生きてるの?」

勇者「……」

1「……おにいちゃん?」

勇者(なんとか、なったみたいだな)

2「……どうする?」

1「……」

勇者「待ってくれ!」

1「……何?」

勇者「友達、欲しいんだろ?」

勇者「なら、俺達がなってやるよ」

1「!」

2「簡単にいうな!」

勇者「ああ、わかってるさ」

勇者「……お前たちは、ずっと除け者にされてきたんだろ?」

1「……あんたに何がわかるのさ」

2「そうだ!」

勇者「ああ、わかんねえよ」

勇者「でも、いきなり入ってきて、出て行って欲しいなんて言って」

勇者「悪かった」

1「……」

2「今更遅いよ!」

1「ま、待って」

2「……な、なに?」

1「この人のこと、信じてみたい」

2「えっ!」

勇者「……」

1「……とっても、まっすぐな目してる」

2「……でも!」

1「一回、信じてみようよ」

1「……ね?」

2「……うう」

1「……ねえ、おにいちゃん」

勇者「なんだ?」

1「私、信じるね」

1「おにいちゃん、嘘つくように見えないから」

2「わ、わたしまだ信じてないから!」

勇者「……ああ、少しずつ信じてくれればいい」

1「……じゃあ」

ヒュウウウウゥゥゥ……

勇者「! み、みんな!」

2「おねーちゃん達はこの部屋に閉じ込めとくから」

1「大丈夫、傷は治すから」


1・2「わたしたちと一緒に、あそぼ?」

・ ・ ・

勇者(ひとまず、これで無事……か?)

1「よーっし、まずは追いかけっこだー!」

2「いえーい!」

勇者「追いかけっこか……いいぜ!」

1「ほらほら、そんな重そうな鎧脱いじゃってー!」

スポーン

勇者「うおっ! いきなり脱がすなって!」

1「ふふん、私達を捕まえてねー」

2「逃げたらどうなるかわかってるよね?」

勇者「! わかってるさ、絶対に捕まえてやらぁ!」

1「ふふ、その意気だよ! じゃあ……よーい、ドン!」

勇者「うおおおお!」

2「ふふふん、追いつけるかなー?」

勇者「くそ、飛ぶの反則だろ!」

1「反則じゃないでーすこれが普通でーす」

2「そんなことで弱音吐かないでよー!」

勇者「ち、ちくしょー!」

ぷよぷよのユウちゃんとレイくんに見えたのは俺だけじゃないはず

ぷよぷよのユウちゃんとレイくんに見えたのは俺だけじゃないはず

ミスって二回レスしちまった。すまん

勇者「はぁはぁ……」

1「あはは、おつかれ?」

2「もう無理かなー」

勇者「まだまだ……!」

1「えへへー」

勇者「……どおりゃっ!」

1「!」(いきなり凄いスピードになった?!)

勇者「捕まえたぁ!」

1「うにゃっ!」

2「!?」

勇者「よーし……」

2「ど、どーして私たちのこと、触れるの?」

勇者「え?」

ぺたぺた

1「うにゃ……なんか変な気分」

勇者「うおっ、ごめん!」

セクハラし放題じゃないですか(ゲス顔)

1「むー、捕まっちゃった!」

勇者「あとは……!」

2「! 追いつけるもんなら追いついてみな!」

勇者「捕まえたらぁ!」

2(わたしは絶対につかまんないかんね!)

2「……そうだ!」

ヒュウウン

勇者(! 外に……!)

2「ついてこれるならきてみなー!」

勇者「ま、窓まど……ここだ!」

勇者「よっと!」

2「! ついてきた!?」

勇者「へへ、どうだ!」

2「……」ニヤリ

ヒュウウン……

勇者「!」

2「お城のてっぺんは、どうしても来れないでしょ!」

勇者「……と、遠い……!」

1「うわわ、それはちょっと酷いよー!」

2「私はここを動かないよ! 来れるもんなら来てみなー!」

勇者(くそ、さっきから……)

勇者(パンツ丸見えで上を見れない!)

勇者「……そっから動かねえなら、そこまで行きゃいいんだろ?」

1「おにいちゃん、危ないよ!」

勇者「へへ、大丈夫さ」

勇者「絶対に捕まえれやるぜ!」

2「……ふふ、無理だよ!」

勇者「……うおおおおおお!」

2「!」(か、壁を走って……!?)

勇者(もうすこし……!)

2「う、嘘……」

1「すごいすごい!」

勇者「いっけええええ!」

ツルッ

勇者・1・2「!?」

勇者(こ、ここで落ちたら……)

勇者「死ぬ――」

ガシッ

勇者「!」

2「んー……! む、無茶、しすぎだよ、おにいちゃんっ」

勇者「……お、お前……」

2「もー……おにいちゃんが一生懸命だから、ついつい助けちゃったじゃん!」

勇者「わ、悪い……」

2「……あ、ダメ、限界」

ヒュー

勇者「うおおおおお!?」

2「きゃあああ!」

勇者「な、なんでお前も!?」

2「わ、わかんないよぉー!」

ドサッ

むぎゅっ

勇者「むぐっ!」

2「ひゃぁぁ!?」

勇者「……ん……!?」

勇者「これは……?」

2「お、おにいちゃん大丈夫?」

勇者(こ、これパンツだ!)

勇者「だ、大丈夫だ!」

勇者(なんつーところに顔が……!)

1「おにいちゃん、だいじょうぶ!?」

勇者「お、おう」

1「よ、よかったー……もー! やりすぎだよ!」

勇者「はは、すまんすまん」

2「わたしも悪いんだ……ごめんね?」

勇者「き、気にすんなよ。こっちも無理しちゃったし」

1「……おにいちゃん、顔赤いよ?」

勇者「! いや、なんでもない!」

2「怪我、本当にない?」

勇者「な、ないから、平気だって」

1「あ、ここ擦り傷になってるよ」

2「ほんとだ」

勇者「これくらいなら平気だよ」

1「ううん、ダメだよ」

2「わたしたちにまかせて」

勇者「え……」

ぺろぺろ

勇者「えええええ!?」

1「ん……私たちはね、傷口を舐めると回復させられるんだ」

2「んん……おにいちゃんはわたしたちに触れるから、これで大丈夫だよ」

勇者「そ、そうなのか……?」(く、くすぐったい……)

あ、俺のおちんちんに擦り傷が...

おっとついちんちんに擦り傷が

1「んっ……ぴちゃっ」

2「……これで、いいかな?」

勇者「……おお、ほんとだ! すげえ!」

1「ふふん、凄いでしょ!」

2「まあ、ゆーれいなら誰でもできるんだけどね!」

勇者「サンキュー! えーっと……」

1「ああ、私のことは幼霊って呼んで」

2「私は霊幼でいいよー」

勇者「わかった。ありがとう、幼霊、霊幼」

1「……えへへ」

2「な、なんか、いいね」

勇者「え?」

1「生きてる人に感謝されるのって……初めてだから」

2「おにいちゃんが、わたしたちにとっての初めての人間の友達だから」

うわっ、俺のおちんちんに擦り傷が

勇者「……そっか」

1「友達になってくれて、ありがとね」

2「……最初は生意気なこと言ったけど、本気だってわかったよ」

勇者「俺も、お前らが初めての幽霊の友達だよ」

1「……わーい!」ぎゅっ

勇者「うお!?」

2「あ、ずるい! わたしもー!」むぎゅっ

勇者「く、苦しいって!」

1「ふふふっ離さないもんねー!」

2「強く抱きついちゃうもんね!」

勇者(こいつら薄着すぎて……乳首が……!)

勇者(鎧脱がされなきゃ……! なんかすげえ罪悪感だ!)

1「よーっし、次はお絵かきしよう!」

2「うっし、おにいちゃんの似顔絵描くかんね!」

1「よっし、どっちが上手いか勝負だ!」

2「望むところだよ!」

勇者「じゃあ、俺も二人のこと、描こうかな」

1・2「可愛く描いてね!」

勇者「も、もちろん!」

勇者(……なんか、楽しいな)

勇者(そういや、俺もあの街で、友達なんていなかったかも)

勇者「友達は……な」

1「おにいちゃん! 早く来てよー」

2「似顔絵描くんだからさー!」

勇者「わかってるって!」

勇者(友達ってのも、良いもんだな)

勇者(……もちろん、女騎士、女武、魔女、僧侶もだ)

・ ・ ・

1「へへん、どーだ!」

2「こっちもできたよー!」

勇者「幼霊のは可愛いが……、霊幼のはなんだこれ!?」

1「えへへー」

勇者「よしよし」

2「わ、わたしのだっていいじゃん!」

勇者「お前のはまず人間の原型を留めてない!」

2「しかたないじゃん! 人間ちゃんと見るの、初めてだし……」

1「わたしはちゃんと描けたのにねー」

2「うう……ひどい!」

勇者「まあまあ」

1「そういえば、おにいちゃんは描けた?」

2「そうだよ、見せてよ!」

勇者「ん、ほら」

1「うわー! 可愛い!」

2「これが噂のデフォルメだね!」

勇者「噂かは知らんが、俺の限界」

1「うれしー!」

2「おにいちゃんセンスあるぅー!」

勇者「お前は無さすぎだ!」

2「言われちゃったー!」

1「よーし、次はかくれんぼだー!」

・ ・ ・

2「おにいちゃん見つけた! 次はおにいちゃんが見つける番だよ!」

勇者「透けるのありかよ! 隠れてもバレるじゃん!」

2「あはは、きにしないきにしない!」

勇者「絶対にみつけてやる……!」

・ ・ ・

1「プールだー!」

バッシャーン!

2「イェーイ!」

バッシャーーーン

1「ぷはっ、気持ちいいよおにいちゃん!」

2「一緒に泳ごうよー」

勇者「まさか城の中にこんなプールが……んなことより!」

勇者「お前ら水着だけでも着ろー!!」

・ ・ ・

1「あー遊んだ遊んだ!」

2「もー疲れちゃったよ!」

勇者「はいはい、ちゃんとタオルで体拭け。服を着ろ!」

1「えー、この裸が一番動きやすいよー」

勇者「立ち上がるな!」

2「なんでー?」

勇者「いいから!」

1「……ま、しかたないね。着よっと」

2「うん、そうだね」

1「あ、そうだおにいちゃん」

勇者「ん?」

2「外出よう」

勇者「ああ、いいぞ」

1「外って言っても、お城のね」

勇者「ああ、そういうことか」

1「うん……」

2「……」

勇者「?」

・ ・ ・

勇者「おお、こっから見るとまた、でかさがわかるなぁ」

1「ふふふ、おにいちゃん元気だねー」

勇者「こういうの、好きなんだよなー」

2「おにいちゃんはお城好きかー」

勇者「というか、壮大な景色って好きなんだよ」

1・2「わ、わたしもー!」

勇者「嘘つけ! 息合わせてどもるな!」

1「……あ、ほら、見ておにいちゃん」

2「ふふふ……」

勇者「ん、朝日か……って、もうそんな時間なのか?」

1「そうだよ」

2「いっぱい遊んだねー」

勇者「そうだなー……すげー綺麗だな」

1「……ありがとね、おにいちゃん」

勇者「ん?」

2「遊んでくれて、ありがと」

1「わたしたちのこと、忘れないでね」

勇者「え……?」

2「おわかれは寂しいけど、しかたないよね」

勇者(! 日が昇ってきたから……!?)

勇者「ま、待ってくれよ! また会えるよな?」

勇者「そうだ、また夜になったら……」

1「ごめんね、それは無理なんだ」

2「わたしたちがここにいたのは、『友達と遊びたかった』から」

1「だから、それ以上に留まる理由も、留まらせてくれる条件もないんだ」

勇者「そんな……う、嘘だろ……?」

1「ほんと」

2「嘘なんて、つけないよ」

1「嘘をつかなかったおにいちゃんに」

2「最高の友達になってくれたおにいちゃんに」

勇者「……」

1「……うー、どーしよ」

2「あ、幼霊も?」

1「うん……」

2「……」

勇者「ど、どうしたんだ?」

1「あ、あのね……うぐっ」

2「あうっ……うぐっ……」

1「おにいちゃんと、別れたくないよぉ……」

2「おにいちゃぁん……」

勇者「……幼霊……霊幼……」

ぎゅっ

勇者「またいつか、絶対に会おう!」

勇者「そんときは、俺がなんとかして、お前らに会いに行くさ!」

勇者「シャーマンにでもお願いして、絶対にな!」

1「……おにいちゃんっ!」ぎゅうぅ

2「おにいちゃんっー!」ぎゅむぅ

勇者「だから……笑顔で別れよう……な?」

1・2「……うん!」

スカッ

1「あ……」

2「……おにいちゃんに、触れない」

勇者(体が、どんどん透けて……)

1「えへへ……おにいちゃん!」

勇者「……」

2「笑顔、だよ!」

勇者「……ああ!」ニコッ

1・2「にひひひ……!」ニコッ

シュゥゥゥ……

勇者「……」

ペラリッ

勇者「ん、紙……?」

『王室の奥におねえちゃん達がいるよ』

勇者「……あいつら」

『どんなことが起きても、わたしたちのこと、忘れないでね』

『おにいちゃんの親友、幼霊・霊幼』

勇者「……忘れねえよ」

勇者「どんなことが起きても、な」

・ ・ ・

僧侶「……しゃさん、勇者さん!」

勇者「ん……」

女武「やっと目覚ましたわね……ったく」

魔女「……大丈夫?」

女騎士「よ、よかったぁ……」

勇者「あれ……み、みんな?」

勇者(俺……王室の奥の部屋に入って……それで?)

女武「いきなりぶっ倒れないでよね。心配したんだから……」ぼそっ

勇者「ああ、すまん……」

女武「ま、まあ謝ればいいのよ」

僧侶「ここも何もないっすねー。幽霊出なくて良かったっすー」

勇者「え!?」

僧侶「? なんか自分、変なこと言ったっすか?」

勇者「い、いや……」

魔女「……?」

女騎士「勇者さん?」

勇者「……」

女武「ん、でも不思議ね」

女騎士「そうですね、本当に何もないですし」

僧侶「なにの鍵の開け閉めがされてるーってのは不思議っす」

魔女「……騙された?」

僧侶「そ、それはないっすよ」

女騎士「宿のおじさま、本当に困っていましたからね」

勇者「……ぜ、全部見たのか?」

僧侶「うぇ、とりあえず見たっすよ」

勇者「プールとかもか?」

女武「な、なんでプールあるの知ってんのよ?」

女騎士「プールがあるんですか?」

僧侶「あったっすよ」

僧侶「でも、勇者さんが気を失ってる間は女騎士ちゃんと魔女っちが見張ってて動けなかったはずっす」

勇者「俺はこの中を見たんだ」

女武「はぁ?」

魔女「……幽体離脱?」

勇者「いや……頼む、もう一回周りを見せてくれないか?」

僧侶「い、いいっすけど」

女武「結構真っ暗だから、日が昇る前に村に戻れるようにしなさいよ」

勇者「そんなに時間はかからない……と思う」

女騎士(勇者さん、どうしたんだろう……?)

魔女「……?」

・ ・ ・

勇者「城の外……」

・ ・ ・

勇者「プール……」

・ ・ ・

勇者「……幼霊! 霊幼!」

勇者「……」

勇者「……くそっ……」

勇者(あれは、夢だったのか?)

勇者(そうだ、あの紙……)

ガサゴソ

勇者「……ない……畜生!」

女武「勇者?」

勇者「……女武か」

女武「満足? そろそろ帰るわ……よ?」

勇者 ぽろぽろ

女武「ちょ、どうしたのよ、泣いて……?」

女武「と、とりあえずこれで拭きなさい、ほら」

勇者「……ああ、ごめん……」

女武「……何かあったみたいだけど、大丈夫?」

勇者「ああ……気にしないでくれ」

女武「……気にするなって言われてもさ」

女武「あんたがそうやって泣いてて、気にしないことなんてできないわよ」

勇者「……優しいな、女武」

女武「べ、別に!? ふつーでしょ!」

勇者「……そうだな」

勇者「友達なら、普通だよな」ぼそっ

女武「……?」

僧侶「おーい、二人とも、帰るっすよー」

女武「わかってるわよー。ほら、行くわよ」

勇者「ああ」

勇者(……夢、だったんだよな)

勇者(凄いリアルな夢……だったのか?)

勇者(……でも、何も見つからないし)

勇者(あいつらは出てこない)

勇者「……」

勇者(もう、帰ろう……)

ヒュウゥゥ……

勇者「!」

女武「うう、寒い風が来たわねー……」

勇者「……!!」

勇者「これは……!」

『おにーちゃん!』

勇者(俺と、あいつらの描いた似顔絵……!)

勇者(壁に描いたのが……残ってる!)

勇者(……へへ)

女武「ん、なによそれ?」

勇者「……さあな」

女武「ん?」

僧侶「二人ともー?」

勇者「おーっす、行こうぜ、女武」

女武「な、なによいきなり……わかってるってば」

勇者(あいつらはいたんだ……ここに)

勇者(そうだよな? 幼霊、霊幼)

・ ・ ・

僧侶「にしても、結局いなかったっすねー」

女武「なんか、拍子抜けだったわね」

女騎士「で、でも、なくてよかったじゃないですか」

魔女「……平和が一番」

僧侶「でも……お城があんなに近くに見えたのは何だったんすかね?」

勇者「幽霊じゃねーの?」

僧侶「その幽霊さんがいなかったんすから、不思議なんす」

「幽霊はいるよ?」

「「「へ?」」」

「今あなたの後ろに……ね!」

「「「で、で……出たぁぁぁぁぁ!」」」ドダダダダダダダ

勇者「!」(幼霊、霊幼!?)

1・2 ニコッ

勇者「……」ニコッ

勇者「ま、待ってくれよみんなー!」

ここまで。

次回の更新、少し遅くなると思います。

スレはいつもチェックはしていますので、もしも質問がありましたらどうぞ。



それでは。


女武はなぜかわいいのか説明してください!!


女武はなぜかわいいのか説明してください!!

おつ
幼女かわいい

やべぇ涙が…せめて勇者の守護なって欲しいかった

幼霊と霊幼は何故死んだか知りたいだか…

かわいいは正義

シャーマン早く来てくれええええ

なんか泣けた
ところで、最後のシーンで幽霊の声が聞こえたのはいつでも出てこれるようになった、という事で良いのかな?

>>1乙でした

携帯から失礼します。

>>696
応援してやってください。


>>699 少々長くなりますが、お付き合いください。

数十年前、大きな魔物を倒したことで巨万の富をてにいれた若い夫婦がいました。
彼らはそのお金を使って、まったく人気のない土地にお城を建てました。
幼霊と霊幼はその夫婦の双子でした。
親が過保護なために外に出られず、友達はいませんでした。
それでもお城で雇われている使用人達にイタズラしたりしてとても幸せに暮らしていました。
でも、まったく人気のない場所に使用人を雇うのは相当な金がかかります。
そのため、すこしずつ使用人を減らして暮らしは質素になりました。
ある日、その城の近くに村ができました(勇者達が泊まった村です)。
夫婦はこの村で働いて、生計を立てるようになりました。
ある日、その村にシャーマン名乗る者が現れました。

それが大事件の始まりでした。

そのシャーマンは「あの城の持ち主がこの村に災いをもたらす」と言いました。
村人はシャーマンの言葉を鵜呑みにしすぐに城に足を運び、夫婦に言いました。
「城から出ていってほしい」と。
しかしそんなことを言われて、簡単に首を縦に振ることはできません。
シャーマンは続けます。「悪魔の人間だ。あなた達のことを平気で不幸に陥れようとしている」
さらに気狂いした村人達は全員で「出ていけ、出ていけ」と声を揃えました。
その日から村の仕事で生計を立てていた夫婦は働きに行くことができなくなり、完全に縁を切ることになりました。
そして、ついに食料は底を尽きたのです。
夫婦二人は狩りに行くことを決意し、幼い双子を残して、狩りにでかけました。
「絶対に外には出ないように」と言われていた双子は、どんなに行きたくなっても我慢して待っていました。
しかし、悲劇が起きました。
夫婦が狩りに行った森には、とても狂暴な魔物がいたのです。
体が鈍りきった二人では、どうすることも出来ず、殺されてしまいました。
そのことを知らずに、お城で双子はずっと待っていました。
食料がない双子は衰弱状態に陥り、ついには汚いプールの水を飲んだりもしました。
そして、双子は餓死しました。
餓死寸前も、双子は声を揃えてずっと言っていました。

「友達欲しかったなあ」と。

そして、その願望を果たすために幽霊になりましたとさ。
本編では描いていませんが、プールの底に双子の骨があります。僧侶たちは暗くて見つけられませんでしたが。
ちなみに、村にやってきたシャーマンは偽者で、その後村は偽シャーマン率いる夜盗に襲われて一度壊滅します。
今村に住む宿屋のおじさんなどはその後復旧させて移住した人なので、事情を知りません。



>>702
「友達が欲しい」という願いを叶えることが出来て、彼女達は一度消えることになりました。
ですが、消える直前に「友達が欲しい」という願い以上に「おにいちゃん(勇者)と別れたくない」という気持ちが生まれました。
だから戻ってきました。
あの後、幼霊と霊幼は勇者に会えたので、願いをもう一度叶えて消えました。


わかりづらい点があったら申し訳ありません。
携帯からなので上手く改行できているかどうか……。


それでは、またなにか質問があれば。些細なことでも構いませんよー。

おつ
イイハナシダー;;

せめて、双子の骨見つけて墓作って欲しいかったな…でも、勇者と友達なって幸せなって逝ったから良い…かな(T_T)

なんということでしょう

プールで白骨化

つまりプールの水はょぅι゛ょエキスが豊f…ごめんなんでもない

怖いんだけど…
寝れねぇよ

朝から失礼します。

幼霊・霊幼に関しては、またいつか機会があれば登場させたいと思います。

その日が来るまで……どうかお楽しみに待っていてください。

それでは。

ふむ、再登場の可能性ありか

乙でした

乙でした

・ ・ ・

女騎士「あの、勇者さん」

勇者「ん?」

女騎士「無人城……そのままにしていいんですか?」

勇者「なんでだ?」

女騎士「幽霊がいたから、このまま行ってしまうのはどうかと思って」

僧侶「じ、自分は絶対に行きたくないっすからね!」

女武「あんなの呪われるわよ……!」

魔女「……怖い」ぎゅぅ

勇者「はは……そんなことはないと思うよ」

女武「……怖くないから言えんのよ……」ぼそっ

女騎士「……」

勇者「どうした?」

女騎士「い、いえ」

勇者「さて、次急ぐぞー!」

女武「次はどこに行くわけ?」

僧侶「ここらは村とかあんまり無いっすからねー」

魔女「この先に……洞窟があるはず」

女騎士「洞窟……」

勇者「二回目だな、洞窟」

僧侶「もしかして、あのトンネル洞窟って言われてるやつっすか?」

女武「洞窟を抜ければ違う場所につくって事?」

僧侶「そうっす。めちゃくちゃながーいトンネルっす」

僧侶「とにかく長いから、凄く苦労するらしいっす」

女武「ええ、なにそれ! めんどくさそう……」

女騎士「でも、そうしないと次の場所にはいけないんですよね?」

勇者「そうだなー」

女武「そんな簡単に決めても大丈夫なわけ?」

女武「というか勇者、ちょっと答えなさい」

女武「私は今、どう考えても旅をしてる意味を見出せないのよ」

女武「何のために私たちは旅してるわけ?」

勇者「え、それは魔王を倒すためだけど」

女武「……そうなの!?」

勇者(そういえば女武にはまだ言ってなかったな)

女武「ま、まあそれはわかったわ」

女武「じゃあ、魔王を倒すために、私たちはどこに向かうべきだと思う?」

勇者「……それは……」

勇者(あれ、どこだ?)

勇者「……わからない」

女騎士「そういえば、王様は魔王を倒せとは仰っていましたが、どこにいるかなどは仰っていませんでしたね」

勇者「ああ、そうだ」

僧侶「セオリー通りに行くとお城なんすけどね」

魔女「……どこにある?」

勇者「……わからない」

勇者(この本になら載ってるかもしれないな)

『魔王の城は復活と同時に場所が変わるためわからない』

勇者(……マジかよ)

女武「で、どうすんのよ?」

勇者「……えっと」

僧侶「あー、ちょっといいっすか?」

勇者「?」

僧侶「自分的には、色んな所に行きたいっす」

僧侶「色んな所に行って、魔王が復活した影響がどれくらい出てるのか知りたいっす」

魔女「……私も」

女騎士「確かに、私たちの大陸やこの大陸も、あまり影響を受けているようには思えませんね」

女武「世界の隅々まで行けば、魔王の城の場所もわかるかもしれないわね」

勇者「じゃあ……」

僧侶「自分はどこまでもついていくっすよ」

魔女「……」こくり

女武「まあ、みんな乗り気じゃしょうがないわね」

女騎士「ふふふ……」

勇者「……よし、それじゃあトンネル洞窟に行くぞ!」

「「「おー!」」」

ここまで。

ついに目標のない旅に確固とした目的が。
次回、トンネル洞窟に突入。


ちなみに、勇者は妖霊と霊幼が消えたことを知らないので、宿屋のおじさんには「追い払えなかった」と説明しています。

おつん

埋まったらパート2建てんのか?

乙でした

おつ

ご無沙汰しております。

>>718
現時点ではその予定です。


すこしこれからの展開について。

トンネル洞窟を通過後、新たな展開が訪れます。
どうなるのかはまた、その時が来たら……。


今日の夜、更新予定です(仮)。

>>222
期待してる

はやくしたまえ

・ ・ ・

女武「ここ、寒いわねぇ」

勇者「……」ペラリ

『洞窟では体温を冷やして体調を崩すことがあるので注意』

勇者(気をつけよう)

『勇者の手は暖かく、持つと体が暖かくなる』

勇者(へえ!)

勇者「女武」

女武「な、なによ……」

勇者「手でも繋ぐか?」

女武「は、はあ!?」

勇者「俺の手は暖かいらしい」

女武「だからっていきなり手を繋ぐって……ば、バカじゃないの!?」

勇者「……」

女武(うう、なんでそんな真剣な目してんのよぉ~!?)

魔女「……」

女騎士「さ、寒いですねぇ」

僧侶「鼻水出てきちゃったっすよ……」

女武「と、とにかく、あんたと手なんか繋がないから!」

勇者「僧侶、寒いなら手繋ぐか?」

僧侶「おおーいいっすね。繋ぐっすー」

魔女「……! わ、私もっ」

勇者「ああ、いいぞ」

女武「は、はあ!?」

勇者「? なんだよ」

女武「だ、誰でもいいわけ、あんた!」

勇者「寒そうにしてたからさ」

僧侶「うわー勇者さんの手、暖かいっす~」

魔女「……熱い」ドキドキ

僧侶「うへへ、ごめんっすね、女武ちゃーん」

女武「な、なんで私に謝るのよ! それと、あんた達横一列邪魔よ!」

女騎士「あはは……」(乗り遅れちゃった……)

女武「ったく、いいわ! 私は女騎士と手を繋ぐんだからね!」

女武「女騎士!」

女騎士「あ、はいっ」

ぎゅっ

女騎士「いたた……! 女武さん、強いです……」

女武「なんか言った!?」

女騎士「な、なんでもないです……」

女騎士(女武さん、怒ってます……)

勇者「声も響いて、耳が痛いな」

魔女「……兵器?」

勇者「うん、大丈夫」

僧侶「それにしても、いきなりお手々繋ぐなんて大胆なこと言うっすねえ」

勇者「そうか?」

僧侶「そうっすよ、自分からは絶対に言えないっす」

魔女「……あなたは言いそう」

僧侶「うひゃ、そんなキャラっすか、自分!」

魔女「……」じとっ

僧侶「うわあ、そんな目で見ちゃイヤっすー!」

勇者「はは……」

魔女「……勇者は、冷たくない?」

勇者「へ?」

魔女「……私の手、冷たいから」

勇者「ああ、大丈夫だよ」

勇者「それに、だんだん暖かくなってきたし」

魔女「……そう」

魔女「……勇者の、おかげ」

勇者「そいつはよかった」

僧侶「……」にやにや

魔女「……!」

僧侶「いいっすよー自分のことは気にしなくても~」

魔女「……」

勇者「ん、どういうことだ?」


女武「なによあいつら……」

女騎士「女武さん、勇者さんと手を繋ぎたかったんですね」

女武「誰があんなやつと!?」

女騎士「あう……ご、ごめんなさいっ」

兵器wwwwwwwwwwちょwwwwwwwwうえっwwwwwwwwwwぐひょぉぉwwwwwwwwww

・ ・ ・

僧侶「あれ……」

勇者「ん?」

魔女「……分かれ道」

勇者「マジかよ……」

僧侶「行き止まりだったら萎えちゃうっすよ~」

魔女「……トンネル洞窟は、とても長い。間違えると危険かも?」

僧侶「く、暗いからゆ、ゆゆ……幽霊も出ちゃうかもっす!」

魔女「……!」ぎゅうぅ

勇者「おいおい僧侶、魔女怖がっちまっただろ」

僧侶「じ、自分も怖いっすよぉ!」ぎゅぅ

勇者「僧侶まで抱きつくなよ!」

僧侶「あ……」

勇者「な、なんだよ?」

僧侶「うーん……暖かいっすぅ」

魔女「……暖かい」ほにゃ

勇者「おいおいー」

女武「あんた達ぃ! いい加減にしなさい!」

僧侶「うわっ、声大きいっすよぉ!」

魔女「……響く」

女武「とにかく、分かれ道をどうするか考えましょう」

女騎士「この前は二手に分かれましたけど」

勇者「そうだな」

僧侶「?」

魔女「……」こしょこしょ

僧侶「あー、なるほどっす」

女武「勇者、あんたが決めるのよ」

勇者「ああ、わかった」

勇者(この前はこれで、女騎士と女武を危ない目に合わせちまった)

勇者(だから、今回は……)

きゃあああああああっ!!

勇者「!」

女騎士「人の声です!」

女武「あっちから聞こえたわ」

僧侶「魔物っすね!」

魔女「……どうする?」

勇者「みんな、声の聞こえた方に行くぞ!」

「「「了解!」」」

魔女「……」コクリ

×僧侶「魔物っすね!」
○僧侶「魔物っすかね!?」



ここまで。

これから一週間ほど、家にいませんので、更新できないと思います。


それが終わったら、どんどん更新するので、これからもよろしくお願いします。

それでは。

なんかただのハーレムものっぽくなってるな
最初に比べて大分作風変わった感じだけど作者変わった?

変わってないだろ まぁ変わってようが今のままで何も問題がないし

おつ


一週間楽しみがなくなる・・・

盗賊とはなんだったのか

乙でした

はよ

さあ約束の日曜日だ

はよはよ

・ ・ ・

女武「あ! 魔物が!」

僧侶「女の子を襲ってるっす!」

魔女「……危険な状態」

?「くっ……」

勇者「……ええぇ……」

女騎士「ど、どうしたんですか?」

勇者「いや……ううーん……」

女騎士「……?」

僧侶「助けるっすよ!」

勇者「いや……大丈夫じゃないか?」

女武「はぁ!? あんた何言ってんのよ!?」

魔女「……勇者?」

勇者「なんか、そんな気がするんだけど」

女騎士「でも、やられてしまいますよ?!」

勇者「でもなぁ……」

女武「まったく……私がいくわ!」

僧侶「自分も行くっす! ……勇者さん、見損なったっす!」

勇者「いや……あのな」

女武「はぁぁ!」どごっ

僧侶「てりゃああっす!」パゴッ

ギャオオオオ!

魔女「……はっ」

ゴオッ

ギョオオオオオアアア!

?「……」

女騎士「やああ!」ズバァ

ウギャアアアアアアア!!

ドゴォォン……!

女騎士「ふう……大丈夫ですか?」

?「はぁ……拍子抜けです」

女騎士「え?」

?「この程度ですか」

女武「な、なんですって!?」

僧侶「助けたのに酷いっす!」

?「助けた? 勘違いしないでください」

?「私は、敢えて、負けていたのです」

魔女「……わざと?」

?「そうです、わざとです」

勇者「あー、ほっといて先に行かないか?」

女騎士「あの、勇者さん……」

女騎士「どうして、この方を避けるんですか?」

勇者「いや……あはは……」

?「逃げないでください」

勇者「うっ……」

僧侶「もしかして、知り合いっすか?」

魔女「……そうなの?」

勇者「ああ……」

?「知り合い、なんて薄い間柄ではありませんよ」

女武「!?」

僧侶「じゃあ、なんなんすか?」

?「……あなた達に言うつもりはないです」

魔女「……」

女騎士「あの、勇者さん?」

勇者「……ああ、こいつはな……」

女武「こいつは……?」

勇者「こいつは……」


勇者「俺の妹だ」


「「「……ええええ!?」」」


勇者妹「ふふっ、お元気のようですね、お兄さま」

ただいま戻りました。

少し短いですが、今回はこれで。


これからまたいつも通り投下できたらと思います。


それでは~。

久しぶりにキタと思ったら妹だと…
天才肌な妹って良いよね

おっつん

妹豆乳期待乙

あからさまに貧乳枠じゃないですかーやだ-

乙でした

乙っス

勇者「お前の顔をこんなトコロで見ることになるとはな」

勇者妹「あら、どうしてそんな顔をしているのですか?」

女武「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、こいつがあんたの妹!?」

勇者妹「『こいつ』呼ばわりは感心しませんね」

女武「うぐっ……」

勇者「とりあえず、なんでお前がここに?」

勇者妹「お兄さまに、一つご連絡がありまして」

勇者「連絡?」

勇者妹「はい」

勇者妹「これからの、旅の目的について、です」

「「「!!」」」

勇者「目的?」

勇者妹「はい」

女騎士「ど、どうして勇者妹さんが……?」

勇者妹「お兄さま、私はとても悲しかったのです」

勇者妹「家に帰っても、あなたの姿が無かったから……」

勇者妹「せめて、置き手紙があれば……」

勇者「王様の命令なんだ、直ぐに訪ねたいと失礼だろ」

勇者妹「……そうですね。流石、お兄さまです」

×勇者「王様の命令なんだ、直ぐに訪ねたいと失礼だろ」
○勇者「王様の命令なんだ、直ぐに訪ねないと失礼だろ」

魔女「……閑話休題」

女武「か、感動の再会は後でもできるでしょ! 話を戻しなさいよ」

勇者妹「はぁ……仕方ありません。それではお話します」

女騎士「お、お願いします」

勇者妹「魔王城への『入り口』についてです」

勇者「入り口?」

勇者妹「はい。あるものを集めないと、魔王城にはたどりつけません」

僧侶「それは……どこにあるんすか?」

勇者妹「それは、三つの神の力を手に入れることです」

勇者妹「創造神、繁栄神、破壊神……」

勇者妹「その三神の力を借りることが必須になります」

勇者「どこにいるんだ? その神さまってのは」

勇者妹「創造神は、このトンネルを抜けた少したところに神殿があります」

勇者妹「そこにいると言われていますが……会えるかはわかりません」

僧侶「うーん……なんだか、壮大な話になったっすね」

魔女「……神」

勇者「それに力を借りるってことか」

女騎士「神……さま」

勇者妹「王様がお兄さまに言い忘れていたことです」

勇者(ちゃんと説明してくれよ、王様……)

勇者「わかった。それじゃあな」

勇者妹「……連れて行って、くださらないのですか?」

勇者「なんでお前を連れて行かないといけないんだよ?」

魔女「……勇者?」

女武「あんたの妹でしょ、連れて行ってあげなさいよ」

女騎士「こんなところで一人は……危険ですよ」

魔女「……一緒に、行くべき」

僧侶「勇者さん、堅いこと言わないっすよ~」

勇者「……はぁ」

勇者「洞窟抜けるまでだからな」

勇者妹「はい。ありがとうございます」

僧侶「じゃ、じゃあ行くっすー!」

勇者妹「ちょっと、お待ちください」

僧侶「な、なんっすか?」

勇者妹「お兄さまの隣は、私の特等席です」

勇者妹「あなた達は、お兄さまの横に並ばないようにお願いします」

勇者「はぁ……」(だから嫌だったんだ)

女騎士「も、もしかして……」

(((お兄ちゃん好き?)))

よくできた妹さんじゃないかぁ

女騎士「あ、あはは……」

勇者「あんまりくっつくなよ、妹」

勇者妹「どうしてですか? お兄さまは暖かいから、ついついくっついてしまうのです」

勇者「はぁ……」

女武(い、妹なんだから……べ、別に……ね)

魔女「……」ムッ

僧侶「相当なお兄ちゃんっ娘すねー」

女騎士「なんだか、良いですよね。兄妹愛っていうか……なんていうか」

僧侶「そうっすねー。ツンツンした顔してるのに、勇者さんにベッタリっすからね~」

勇者妹 じろっ

僧侶「うひゃっ」

女騎士「お二人の話は、やめておきましょう」

僧侶「そ、そうっすね」


勇者「そういえば、お前はなんで俺達より先にいたんだよ」

勇者妹「待ちきれず、待っていたのです」

勇者「なんだそりゃ」

勇者妹「お兄さまに会える気持ちが、先走ってしまったんですよ、察してください」

勇者「はいはい」

勇者「というか、こっちであってるのか?」

勇者妹「はい」

勇者「あっちの道は、ハズレってことか?」

勇者妹「はい」

勇者「流石、早いな」

勇者妹「褒めないでください」

勇者「別に褒めてるつもりはないけどな」

勇者妹「照れないでください」

勇者「ったく……そういうことでいいよ」

女武「あんた、歩くの遅いわよ」

魔女「……別に、ペースは自由」

女武「置いていかれていいわけ?」

魔女「……頑張る」

女武「ふぅ……」

魔女「……」

女武「……」

魔女「……」

女武「……」

女武(なんで、私イライラしてんのかしら)

魔女(……どうして、ムカっとしてるのかな)

勇者妹「お兄さま、気をつけてください」

勇者「……ん?」

勇者妹「……大きいのが、来ます」

勇者「!」

ズゥゥゥン……

僧侶「な、なんすか!?」

女騎士「足音……ですか?」

女武「また敵?」

魔女「……音、大きい」

グアアウアウウアウウゥゥゥウ……

勇者妹「……さあ、戦いましょう、お兄さま」

勇者「やれやれ……」

ここまで。


それでは~。

おつ

乙です

ウギャアアアアアアアァァァ!!

僧侶「うぎっ、耳が痛いっす!」

女騎士「反響が凄いですね……!」

勇者妹「お兄さま、大丈夫ですか?」

勇者「ああ……」

勇者妹「良かった……」

勇者「俺のことばっか見てないで、集中しろよな」

勇者妹「はい。……ふふっ」

勇者「なんだよ?」

勇者妹「お兄さまと、共闘できるなんて、嬉しくって」

勇者「俺は全然嬉しくないっての!」ズシャァッ

ギゴオォォォォォオォォォ!!!

女騎士「ナイスです、勇者さん! それじゃあ私も……」

勇者妹「まかせてください。ハァッ!」

ボワッ

魔女「……!」(……炎?)

ヒギャアアアアアイアイアイアイアイィィィ!!!

勇者妹「効いていますね……ならば次は……」

キィィン!!

女武「次は氷!?」

ギィイヤアアアァァァァァアアアアア!!

勇者妹「大したこと、ありませんね……」

ウギィィィィ……

女騎士「あっ、危ないっ!」

勇者妹「……来ると思ってました」

ズバァァァァッ!!

グッ……グゥゥゥ……

ズゥゥゥゥンッ……

僧侶「はひゃ~……倒しちゃったっす」

勇者妹「……ふぅ、どうしでしたか、お兄さま」

勇者「ああ、よくやったよ」

勇者妹「はい……」

魔女「……さっきのは、何?」

勇者妹「ああ、あれは火遁と氷遁です。知りませんか?」

女武「なるほどね……」

女騎士「な、なんですか?」

女武「見た目で少し感づいてたけど、彼女、忍者みたいね」

勇者妹「その通りです。よくわかりましたね」

女武「なんだか、すっごく上からね……」

勇者妹「実際、実力も上ですよ?」

女武「なんですって!?」

女騎士「ま、まあまあ女武さん!」

勇者「おい、あんまり怒らせるなよ」

ナルトかよww

忍者=ナルトの発想に驚きだ

女武「誰がこんなチビに怒るってぇ!?」

勇者妹「あまり変わりませんけど?」

女武「んですってぇぇ!?」

勇者「お、落ち着けって」

女武「!」(ち、近っ……)

勇者妹 むっ

勇者妹「さ、先に進みましょう、お兄さま」がしっ

勇者「うおっ、お前なぁ……誰のせいでこうなってると思ってるんだよ?」

勇者妹「私のせいではありません」

勇者(はっきり言うなぁ……)

・ ・ ・

僧侶「それにしても、やっぱり長いっすねぇ」

女騎士「噂通り、なんでしょうか」

僧侶「そうっすね~」

女武「むかつくむかつく……」

女騎士「わわっ、女武さん!?」

僧侶「ブツブツ怖いっす!」

女武「何よあいつ! めちゃくちゃ腹立つんだけど!」

女騎士「ま、まあまあ……」

魔女「……」ズーン

僧侶「ありゃ、どうしたっすか? 魔女っち」

魔女「……炎、氷……しかも、強力」

魔女「……リストラ、されるかも」うるっ

女騎士「ま、魔女さん! 泣かないでください!!」

魔女「……」ぐすっ

僧侶(うわー……魔女っちめちゃくちゃ可愛いっすねぇ)

女武「ふんっ、あんな忍者の遁術なんて、大したことないわよ」

僧侶「でも、普通の攻撃も凄かったっすよ」

女武「……ま、まあ、そういうこともあるわね」

僧侶(否定できないみたいっすね……)

僧侶(確かに、凄かったっす……あの身のこなし、火遁、氷遁……)

僧侶(そしてあの、可愛さっす!!)

女騎士(僧侶さん、なんだか目が輝いてますね……)


勇者妹「だんだん暗くなってきましたね」

勇者「ああ……さっきまで等間隔にあった松明が少なくなってるからな」

勇者妹「流石お兄さま」

勇者「誰でもわかるだろ」

勇者妹「いいえ、私は気づきませんでした」

勇者「相当なバカだな」

勇者妹「お兄さまの言葉は甘んじて受けます」

勇者「好きにしろ」

女騎士「そういえば、勇者さんの雰囲気が全く違いますね」

僧侶「そうっすか?」

女騎士「はい、妹さんだから、でしょうか?」

僧侶「そうかもしれないっすねー」

僧侶「あれが素なんすかね」

女騎士「どうなんでしょうね?」


勇者「もう一回、説明してくれないか?」

勇者妹「はい?」

勇者「さっきの、三神について」

勇者妹「ああ、はい」

勇者妹「三神は、さっきお話した通り、創造神、繁栄神、破壊神がいます」

勇者妹「創造神は、この世界の全てを創造したと言われています」

勇者妹「繁栄神は、創造されたものを、更に発展させたと言われています」

勇者妹「そして破壊神。破壊神は、創造神が創造し、繁栄神が繁栄させたものを、破壊する神です」

勇者妹「これだけを聞くと、破壊神は悪のように聞こえますが」

勇者妹「この破壊神によって、創造、繁栄されるもののバランスを保つことができるのです」

勇者「なるほど。……詳しいな」

勇者妹「はい、王様から話を聞いた後、城の書庫ですこし読んできました」

勇者「すこしにしては、結構覚えてるな」

勇者妹「褒めないでください、照れてしまいます」

勇者「おう」

勇者妹「その三神を揺るがす力を持つのが、魔王なのです」

勇者「魔王……」

勇者妹「魔王は、三神を各々の神殿に抑えこみ」

勇者妹「更に凶暴化させてしまったのです」

勇者「……なんでそこまでわかるんだ?」

勇者妹「それがいつものパターンだからです」

勇者「……」ペラリ

勇者(ほんとだ、ガイドブックにも同じこと書いてある)

勇者妹「その凶暴化した三神を我に返らせ、力を借していただかなければならないのです」

勇者「ふーん……」

勇者妹「三神の力は凄まじい……それを、私達人間が相手をするのです」

勇者妹「……お兄さまは、勝てると思っていますか?」

勇者「そんなもん、やってみないとわかんねーだろ」

勇者妹「……私は、不安です」

勇者妹「お兄さまのパーティは、正直にいって、弱いです」

勇者妹「決定力の無い騎士、攻撃特化な僧侶、MP切れの激しい魔法使い、気性の荒い武闘家……」

勇者妹「こんなメンバーで、本当に勝てると思っているのですか?」

勇者「……わかってねえな、妹」

勇者「悪いけどな、お前が思ってるほど、こいつらは弱くないぜ?」

勇者妹「ですが……」

勇者「それに、この短時間でよくわかったな」

勇者妹「……当たり前です」(実はずっと、近くで見てましたから)

勇者「もしかして、近くで監視してたりしてたとか?」

勇者妹「えっ……」

勇者「忍者だからな、そのくらいできるよなー」

勇者妹「あ……そ、その……」

勇者「ま、見られてても気にしないけどな」

勇者妹「……そうですか」

勇者「ん……」

グゥゥゥ……

勇者妹「……敵ですね」チャキ

勇者「おっと、妹」

勇者妹「な、なんですか?」

勇者「お前は見といてくれ」

グギャアアアア!

僧侶「うおっ、魔物っす!」

女騎士「みなさん、準備を!」

女武「わかってるわよ!」

魔女「……」

勇者「いくぞ、みんな! でりゃっ!」ズバァッ

グギッ……!

女騎士「続きます! はぁっ!」

スカリンっ

女騎士「はう!?」

女武「な、何やってんのよ!」

勇者妹(……やっぱり)

勇者妹(このメンバーじゃ……)

僧侶「隙ありっす!」

ドゴッ

勇者妹「!」(避けた敵の死角から!?)

ウギャアアアア!

魔女「……いく」

ボォォォ

勇者妹(流れるような連携)

僧侶「あっつぅ!」

女武「たたみかける! はぁっ!」

女騎士「私も……はぁ!」

ボゴッ ザシュッ

勇者「みんな、いいぞ! うおりゃああ!」

ズバァーンッ!

勇者妹「……た、倒しちゃった」

勇者「どうだ、妹」

勇者妹「!」

勇者「俺達、結構やるだろ?」

女騎士「い、一回スカリンしちゃったんで焦りました……あはは」

僧侶「そのおかげで敵は女騎士ちゃんに釘付けだったっすよ!」

魔女「……そのまま連係ができた」

女武「ミスから生まれることもあんのよ」

女騎士「みなさん……ありがとうございます!」

女武「ま、ミスはしないにこしたことないけどね」

女騎士「は、はい……」

勇者妹「……お兄さま」

勇者「ん?」

勇者妹「……わ、私はまだ、認めませんから」

勇者妹「でも……」

勇者妹「素敵なパーティですね」

勇者「……ああ、自慢のパーティさ」

・ ・ ・

僧侶「! ひ、光が見えるっす!」

魔女「……やっと、到達?」

女武「何日経ったかすらわかんないわね……」

女騎士「はい、真っ暗だったせいか、とっても目が痛いです……」

勇者「おー! もうすぐ出口か!」

勇者妹「そのようですね」

勇者「長かったな」

勇者妹「私は、お兄さまのそばにいたのでそんなことはなかったですよ?」

勇者「お前な……」

僧侶「うおおおお、出口まで競争しないっすか!?」

女武「めんどくさいわよ……」

僧侶「うはーーー!」ダダダダッ

女武「ちょっと、バカじゃない!?」

魔女「……お先」タタタッ

女武「ちょ、あんたまで!」

女騎士「じゃ、じゃあ私も!」

女武「ちょ……!」

女武「わ、私を置いてくんじゃないわよぉ!」

勇者「おおい! そんなに慌てたら転ぶぞー!」

勇者妹「うふふ、賑やかですね」

勇者「ああ……」

勇者妹「……ねえ、お兄ちゃん」

勇者「なんだよ?」

勇者妹「魔王倒すの、応援してるね」

勇者「おう」

勇者妹「やっぱり、こっちの方が喋りやすいなぁ」

勇者「ずっと敬語だったからこっちはずっと調子悪かったぜ」

勇者妹「えへへ、ごめんごめん」

勇者妹「さてと、私も走ろうかな」タタッ

勇者「お前もか?」

勇者妹「ふふっ、負けた方が勝った方の言うこと聞くってことで!」

勇者「はぁ!? ちょ、待てよ!」

勇者妹「待たないよーだ! あははっ!」

勇者「やれやれ……まったく!」

ここまで。

次回、番外編です。


すこし話の筋から離れて、小話でも。


それでは。

おつ

おっつー

ガイドブックさんに強い妹の事は書いてないのかい

敬語妹終了だと……?

家族以外がいる時は敬語なんじゃね?

「それでは、これで今日の訓練は終了します」

「「「はい!」」」

?「おーい」

女騎士「?」

騎士娘「おつかれー。ねえ女騎士、一緒にご飯食べよー」

女騎士「あ、うん」

騎士娘「どうしたのよ、なんかテンション低いわね?」

女騎士「いや、気にしないで」

騎士娘「そうはいかないのよねー」

女騎士「ど、どうして?」

騎士娘「それは、私があんたと同じ部屋だから!」

騎士娘「なにかあるならルームメイトの私に言いなさいよー」

女騎士「あはは……でも、騎士娘になら言えるかな」

騎士娘「うん、なんでも言って!」

女騎士「じゃあ、とりあえず食堂に行きましょう?」

騎士娘「うん!」

・ ・ ・

騎士娘「ひゃあん! 今日はカレーだよー!」

女騎士「美味しそう!」

騎士娘「いただきまー!」

女騎士「いただきますっ」

騎士娘「はむっ……うみゃー! ……で、悩み事は?」

女騎士「うっ……覚えてたか」

騎士娘「当たり前でしょ!」

騎士娘「あんたさ、私のことバカにしすぎ!」

女騎士「し、してないよ。できれば忘れてて欲しいなーって……」

騎士娘「そんなに嫌なことなの?」

女騎士「……ま、まあ」

騎士娘「……よし! じゃあとりあえずお腹いっぱい食べよう!」

女騎士「えっ?」

騎士娘「腹が減っては戦はできぬ! 腹が減っては話はできぬ!」

騎士娘「ってわけで、とりあえずご飯食べて、寮で話しよう!」

騎士娘「ここは色んな人いるから、話しづらいっしょ?」

女騎士「……うんっ」

女騎士「ありがとね、騎士娘」

騎士娘「なによ~。こんなことでお礼言われるんだったら、もっともっと言われなきゃ納得いかないわよー?」

女騎士「あはは、そうだね」

騎士娘「それにしても、カレー美味しい! やっぱりお城の食堂最強!」

女騎士「最強って……」

騎士娘「ここの美味しいご飯のために生きてるようなもんだよー!」

女騎士「大げさだなぁ。……でも、確かに美味しいよね」

騎士娘「うんっ! 動いた分食べなきゃー」

女騎士「わ、私もー」

騎士娘「食べ過ぎて太るなよー?」

女騎士「し、失礼ね!」

騎士娘「ふふーん」

女騎士「……ふふっ」

・ ・ ・

騎士娘「ふいー……寮とうちゃっく……」ぼふっ

女騎士「いっぱい食べたねー」

騎士娘「うんっ! もう動けない!」

騎士娘「ささっ、お話くださいな!」

女騎士「えっ、でもお風呂……」

騎士娘「ああ、そうだね。臭いもんね」

女騎士「先に入っていいよ」

騎士娘「そう? ……んー、でも結構長くなるしぃ」

騎士娘「そだ! 一緒に入っちゃお! 同時に終わったらすぐに話できるしさ!」

女騎士「ええっ、恥ずかしいよぉ」

騎士娘「私達の仲でしょ! ほらほらっ」

女騎士「うわわっ、押さないでよ……っ」

・ ・ ・

シャーッ

騎士娘「それにしてもさぁ……」

女騎士「な、なに?」

騎士娘「ほんっとに成長しないわねぇ」

ぺたぺた

女騎士「ちょ、ちょっと! 何触ってるの!」

騎士娘「ふむ、ちっちゃいってレベルじゃないわ……これは」

女騎士「うぅ……酷いよぉ」

騎士娘「まあ、大きいと邪魔になるってよく聞くけどね」

女騎士「騎士娘はいいよね、結構大きいし」

騎士娘「私だって標準よ。大きくは無……」

むにゅ

騎士娘「ふにゃっ!? ちょ、な、なによぉ!」

女騎士「え、えへへ……しかえし!」

騎士娘「やったわねぇー!」

・ ・ ・

チャプンッ

女騎士「ふぅ……」

騎士娘「あったまるー……」

女騎士「せ、狭い……」

騎士娘「しかたないでしょ、ギリギリ二人入れるくらいなんだからさ」

女騎士「そ、そうだけど……」

騎士娘「いいじゃん、女の子同士なんだから! そんなこと気にしない気にしなーい」

女騎士「……まあ、騎士娘ならいいか」

騎士娘「ふふん、素直になったわね」

女騎士「な、なによそれっ」

騎士娘「べっつにぃ~」

・ ・ ・

女騎士「ふう……さっぱりしたね」

騎士娘「うんっ、出ると逆に涼しいねぇ~」

騎士娘「……さてっと、じゃあ話聞こっか」

女騎士「タオル一枚じゃ風邪ひいちゃうよ」

騎士娘「いいのよ。風呂あがりは汗かいちゃうしさ」

騎士娘「そんなことより、私はあんたの話の方が優先順位高いからさ!」

女騎士「……じゃあ、話すね」

・ ・ ・

騎士娘「ふーん、お母さんがねえ」

女騎士「私の家系は、王様にお仕えする身なのだから、しっかりしろって」

女騎士「だから、こういう喋り方するのも騎士娘だけなんだよ」

騎士娘「あー、だからいつも堅苦しい口調なんだ」

女騎士「うん。でも、やっぱり難しくて……」

騎士娘「私だったら絶対に無理だね。いたるところが痒くなっちゃう」

女騎士「騎士娘らしいね」

騎士娘「女騎士も大変ね。……ってことは、あんたんとこわりと凄い家系なんじゃないの?」

女騎士「そう……なのかな?」

騎士娘「でしょ! 確かに顔は整ってるし、髪の毛サラサラ……いい匂い!」

女騎士「そ、それはさっきお風呂に入ったからでしょ!」

騎士娘「でもいい匂い~」

女騎士「ちょ……ち、近いよぉ!」

騎士娘「だって女騎士可愛いしぃ~」

女騎士「ば、バカッ……」

騎士娘「それで、窮屈ってこと?」

女騎士「う、うん」

騎士娘「まあ、そうだよね。どうしたって、いつもの口調の方が絶対喋りやすいもんね」

女騎士「ついつい、いつもの口調で話しそうになるんだよね」

騎士娘「って言っても、敬語でしょう?」

女騎士「うん、そうなんだけど」

はよ

騎士娘「……なるほどね」

女騎士「?」

騎士娘(その不意に出るギャップが、騎士にモテるわけだ……)

女騎士「な、なに?」

騎士娘「ふふ……あんたも罪な女ねぇ」

女騎士「ど、どういうこと?!」

騎士娘「さーてね。まあ私にはいつも通りの口調で話せるんだから、いいじゃない」

騎士娘「どんなにストレス溜まっても、私にはどんどんなんでも言っちゃいなさいよ」

女騎士「騎士娘……」

騎士娘「それじゃあ、着替えて寝るわー。ふわぁぁ……」

女騎士「あ、うんっ」

・ ・ ・

騎士娘「……」

女騎士「騎士娘?」

騎士娘「あによ……」

女騎士「ありがとね」

騎士娘「……ふっ、別にいいわよ」

騎士娘「大事な友だちなんだから、このくらい当たり前なんだから」

女騎士「……そっか」

騎士娘「おやすみ」

女騎士「うんっ、おやすみ」

・ ・ ・

騎士長「おはよう、諸君」

「「「おはようございます!」」」

騎士長「うむ。みな、良い挨拶だ。それでは、王様からお言葉をいただく」

騎士娘「うう……今日起きてられるかなぁ……」ぼそっ

女騎士「寝そうになったら起こすから、安心して」ぼそっ

騎士娘「さ、サンキュー」ぼそぼそ

王「皆の者、おはよう!」

「「「おはようございます!」」」

王「まあ、いつもいうことは同じじゃ……」

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

王「以上じゃ。皆の者、しっかりと自分の仕事に取り組むように」

「「「はっ!」」」

騎士娘「お、終わったぁ……」

女騎士「な、長かったね……」

騎士長「騎士娘! 女騎士!」

騎士娘・女騎士「は、はい!」

騎士長「お前らには話がある、ついてこい」

騎士娘「……寝そうなのバレちゃったのかな!?」

女騎士「さ、さあ……とりあえず行こう」

騎士娘「う、うん……」

・ ・ ・

騎士長「ここだ」

女騎士「し、失礼します!」

騎士娘「失礼しますっ」

女騎士「……!」

騎士娘「こ、これは……?」

騎士長「これは遠征隊のメンバーだ」

騎士長「お前たちは遠征メンバーに選ばれたんだ」

女騎士「わ、私達が……」

騎士娘「え、遠征隊……!?」

女騎士(遠征隊……城から数日間離れて、地域を探索する、騎士としては名誉のあること)

騎士娘(それを、私達が?)

騎士長「お前たちの活躍はよく聞いている。それに、私もよく目にしている」

騎士長「そこでお前たちに遠征隊加入を打診したのだ」

騎士長「断ることもできるぞ。……どうする?」

女騎士「やります。やらせてください!」

騎士娘「わ、私も!」

騎士長「ふむ。良い返事だ……期待しているぞ」

騎士娘「は、はい!」

女騎士「ありがとうございます!」

騎士長「出発は明日だ。今日は訓練免除で、用意をしろ。いいな?」

女騎士・騎士娘「はい!」

・ ・ ・

女騎士「き、騎士娘……」

騎士娘「な、なによ……」

女騎士「わ、私達……」

騎士娘「す、凄いわよね……?!」

女騎士「よ、よし、絶対に足を引っ張らないようにしなきゃ……」

騎士娘「わ、私も私も!」

女騎士「二人で頑張ろう!」

騎士娘「おー!」

ここまで。

女騎士外伝です。

親友である騎士娘とのお話と、遠征隊での出来事です。


それでは。

おつ
楽しみ

おつ

乙でした

・ ・ ・

騎士娘「~♪」

女騎士「騎士娘、ちょっとはしゃぎ過ぎじゃない?」

騎士娘「そんなことないわよ! どちらかと言うと、興奮してるの!」

女騎士「ある意味、はしゃいでるってことじゃ……」

騎士娘「と、とにかく! 私たちは名誉ある遠征隊に選ばれたのよ!」

女騎士「うん、そうだねっ」

騎士娘「これは誇っていいことだと思う!」

女騎士「うんっ」

騎士娘「……それに、あんたの家系としては嬉しいんじゃない?」

女騎士「……そうだね。嬉しいかも……」

騎士娘「さてさて、これで準備できたかな?」

女騎士「あれ、わりとスマートだね」

騎士娘「うん。どうせご飯は支給されるだろうし、持ってくるものなんてたかが知れてるでしょ?」

女騎士「そうだね」

騎士娘「おしゃれとかしてる場合じゃないし、お菓子も……ちょっと残念だけど」

女騎士「ざ、残念なんだ」

騎士娘「だって、小腹が空いた時に……はっ、軽食持ってかないと!」

騎士娘「女騎士、食堂行こう! サンドイッチとか作ってもらおっ」

女騎士「りょ、了解!」

・ ・ ・

騎士長「みんな、集まったか」

「「「はい!」」」

騎士長「それでは、これより遠征隊は一つの固まった組織として行動する」

騎士長「我々は、行動中家族以上の関係だ」

騎士長「一人ひとりを気遣い、一人ひとりを支える」

騎士長「……一人ひとりの行動が命取りになる。わかったか?」

「「「はい!」」」

女騎士(凄い声……)

騎士娘(声にのまれそうになる……)

これまだつづくんだ

騎士長「それでは、出発する」

「「「は……」」」

騎士長「その前に! 王様から一言」

「「「は、はい!」」」

王様「うむ、みなのもの。遠征隊はこの城の、この街にとってとても大事なことである」

王様「君たちの地域調査によって、私たちは平和に暮らすことができるのだ」

王様「そうであるからにして……」

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

王様「ということだ。それでは、みなのもの。行ってこい」

騎士長「はい。ありがとうございます! 行って参ります」

「「「行って参ります!」」」

騎士娘「お、終わった?」

女騎士「もう、寝過ぎだよ」

騎士娘「うう、ごめんごめん……」

女騎士「先が思いやられるなぁ……」

騎士娘「そんなこと言わないでよぉー」

・ ・ ・

騎士A「君、女騎士さん?」

女騎士「! は、はい。そうだが」

騎士A「やっぱり。僕、騎士Aと言います」

女騎士「ああ、よろしく頼む」

騎士A「それと、騎士娘……さん?」

騎士娘「はい、そうです。よろしくお願いしますっ」

騎士A「これから結構長い間、共同生活になるから、挨拶しとこうと思って」

女騎士「そうか。その配慮、痛み入る」

騎士娘「ありがとうございますっ」

騎士B「おお、あんた達が噂の二人か」

女騎士「う、噂?」

騎士B「おう。遠征隊に若い女の子が入るって言われてたからな」

騎士A「昨日見たでしょう、覚えてないのか?」

騎士B「そうだったか? 俺のところじゃ前多すぎて見えなかったんだよ」

騎士A「紹介します。彼は騎士B。気さくなやつだから、仲良くしてやってください」

騎士B「おう。よろしくな。男の方が若干多いけど、女もすこしいるから」

女騎士「よろしく頼む」

騎士娘「よ、よろしくお願いします」

>>1

>>1

・ ・ ・

女騎士「ふぅ……」

騎士娘「口調、ちゃんと変わってたわね」

女騎士「うん。いきなり声かけられて、びっくりしちゃったけど」

騎士娘「最初に『は、はいっ、そうだが』ってのは笑っちゃった」

女騎士「うっ……バレてた」

騎士娘「まあその後完璧だったからいいんじゃない?」

女騎士「それならいいんだけど……」

騎士娘「どこに向かうんだろうね?」

女騎士「近場の森の探索だって。確か二手に分かれるそうだけど」

騎士娘「えっ、なんで知ってるの!」

女騎士「王様が行ってたの。ちゃんと聞いてよ」

騎士娘「はうっ……だって眠いし」

女騎士「昨日の夜うるさかったのは寝てなかったから?」

騎士娘「だ、だって楽しみだったし……」

女騎士「遠足じゃないんだからさ……」

騎士娘「そ、そうだけど、外に出るの久しぶりだし」

女騎士「……そういえば、騎士になってから街の外に出たこと無かったね」

騎士娘「そうなんだよね。騎士になるとほぼ訓練で一日終わっちゃうし」

女騎士「まあ、今回は初の実戦ってことになるね」

騎士娘「き、緊張するなぁ……」

女騎士「うん」

騎士C「あんた達が新しく入った子?」

騎士娘「は、はい!」

女騎士「よ、よろしく頼む」

騎士C「あら、そんなかたくならなくていいのよ。私は騎士C。女の子が増えて嬉しいわ」

騎士娘「あ、女性の方! 良かったー」

騎士C「ふふ、あまり女はいなから、仲良くしましょうね」

女騎士「こちらこそ」

・ ・ ・

騎士長「よく聞け、お前たち」

騎士長「今からここで、就寝をとる」

騎士長「風邪を引かぬようにテントを張るので、今から呼ばれたものでグループになれ」

騎士長「そして、そのグループはこの遠征隊の行動をとる際のもとになる。わかったか?」

「「「はい!」」」

騎士長「それでは、まずA班からだ」

騎士長「騎士A、騎士B……」

・ ・ ・

女騎士「一緒で良かったね」

騎士娘「というか、男と女で分けたんでしょ」

騎士C「だって、同じテントに入るんだから」

騎士D「えへへ、よろしくねー。私は騎士Dっていうんだー」

女騎士「うむ。よろしく頼む」

騎士娘「お願いします!」

騎士C「それにしても、女騎士ちゃんはちょっと固すぎるわ」

女騎士「……」

騎士娘「す、すいません。この娘どんな時もこんな感じなんで……」

騎士D「そーなんだー。真面目さんだねー」

騎士C「それならしかたないわねぇ」

女騎士(騎士娘……ありがとう)

・ ・ ・

騎士娘「ねえ、女騎士」

女騎士「な、なんだ?」

騎士娘「大丈夫よ。もう騎士Cさんたち寝ちゃってるから」

女騎士「そ、そっか……」

騎士娘「遠征隊って、こうやって歩くだけなの?」

女騎士「そんなことないと思うけど……調査が主だから、やっぱり色々と調べるんじゃないのかな」

騎士娘「そうよねー……そう考えると思ったよりも面白くないかも」

女騎士「あはは、そうだね」

騎士長「おい、もう寝ろ」

女騎士・騎士娘「は、はい!」

女騎士(女テントだから、騎士長もやっぱり同じテントかぁ……)

騎士娘(女の人なのに、凄いなぁ……)

・ ・ ・

騎士長「おはよう諸君。これからまた一日頑張ろう」

「「「はい!」」」

騎士娘「ふわぁぁ……朝早いね」

女騎士「うん。いつもより二時間早いね」

騎士C「ま、しかたないのよ。目的地にさっさと着かないといけないから」

騎士D「ここから森はちょっと遠いからねー」

騎士娘「そうなんですか!」

女騎士「む……なるほどな」

騎士D「でも今回はあんまし魔物もいないから、比較的早くいけるかもだよね?」

騎士C「そうね」

女騎士「そうか、なら安心だな」

騎士娘「いつもだったらもっと出てくるんですか?」

騎士C「そうねぇ……今回はすこし少なすぎな気もするのよね」

騎士D「昨日一度もでくわさなかったのが驚きだから」

女騎士「ふむ……」

騎士娘「へえ……頻繁に出るんですね

本編はよ

女騎士「まあ、平和な良いことだな」

騎士D「そだねー」

騎士C「うん、それなら遠征もすぐに終わるしね」

騎士娘「早く終わることもあるんですか?」

騎士C「うん。それが私達にとっても、街のみんなにとっても良いことだから」

騎士D「魔物によっては物流も変わってくるからねー」

騎士娘「じゃ、じゃあ今からお願いしとこ! 魔物来ませんように……」

騎士D「あはは、騎士娘ちゃんお願いしてるー」

女騎士「そそっかしいやつだ」

騎士C「ふふふっ……」

なんで番外編始めたんだろうか

なにかの複線になるんじゃないか?

別にいいじゃん番外編
登場人物の過去編なんてよくあることじゃないか

・ ・ ・

騎士長「止まれ」

ざざっ

騎士長「これより、森の探索を行う」

「「「はい!」」」

騎士長「この森には三つの大きな木が等間隔の位置にある」

騎士長「それを中心にして、周辺を探ってほしい」

「「「はい!」」」

騎士長「それでは……」

・ ・ ・

騎士A「よろしくお願いします、みなさん」

騎士B「おー、同じグループか」

女騎士「む、騎士Aと、騎士Bか」

騎士B「かたいなぁ。でもそこが可愛いのかもなぁ」

騎士A「こら、よせよ騎士B」

騎士B「俺達のグループは昨日騎士Aがリーダーってことに決めたんだけど、お前たちはいるか?」

騎士C「考えてなかったわね……」

騎士B「まあ、どう考えても姉さんしかいないだろうな」

騎士C「その呼び方やめなさい。別にあんたと血縁関係ないでしょ」

騎士B「でも、みんなにもそう言われてるだろ?」

騎士A「姉さん、リーダーは?」

騎士C「はぁ……いいわよ、私がリーダーで」

騎士C「いいかしら?」

騎士娘「はい」

女騎士「ああ」

騎士D「オッケーだよー」

・ ・ ・

騎士C「絶対におかしいわ」

騎士娘「はい?」

騎士B「どうしてだよ姉さん」

騎士C「だって、こんなに魔物がいないなんて……」

騎士A「確かに、おかしいですね。なにかあったのかな……」

騎士B「この前の遠征でもそんなに数はなかったけど、確かに不自然っちゃあ不自然だな」

騎士娘「わ、私達にはわからない話だね」

女騎士「う、うん……」

騎士C「! 出たわ!」

ウガー!

騎士A「みんな、行きますよ!」

騎士B「おう!」

騎士娘「き、来た!」

女騎士「!」

騎士B「まずは俺からだ! うおりゃ!」ズバッ

騎士A「せいっ!」ズババッ!

騎士C「はぁ!」ズバーッ

騎士D「えーいっ」ズバッ

ギャアアッ

騎士A「女騎士さん! 騎士娘さん!」

騎士娘「はい! やっ!」カスッ

女騎士「はっ!」スカッ

おつです
『女』騎士と騎士『娘』ってことは、女騎士の方が年上?

騎士娘(当たった!)

女騎士(避けられた……! もう一度!)

ズバッ

騎士C(上手い、避けた方にすかさず斬り……)

グゥゥ……

ドサッ

騎士A「ふう、やりましたね」

騎士B「女騎士~肩の力抜けよー」

女騎士「す、すまなかった」

騎士C「でもその後の攻撃は良かったわ」

騎士D「もちろん騎士娘も良かったよー」

騎士娘「ありがとうございます!」(カスッただけだけど……)

女騎士「他の方も凄かったです! 振るのも早くて、びっくりしました!」

騎士B「!?」

騎士C「あら」

騎士A「んんっ?」

女騎士「……こ、こほん。やはり先達の者。実力も桁外れだった」

騎士A「あ、ああ……」

騎士C「て、照れるわねぇ」

騎士D「一瞬違う人かと思ったよー」

女騎士「……」

騎士娘「あ、あはは・・」

・ ・ ・

騎士D「うー、疲れたー!」

騎士A「それじゃあ、ここらで休憩しますか」

騎士B「ここまでで出会った魔物は2匹……か」

騎士C「やっぱり変ね」

女騎士「そういえば、騎士長は?」

騎士C「騎士長は森の入り口で待機よ。私達全員にこういう笛を渡されていて」

騎士C「これを吹けばすぐに来てくれるの」

騎士娘「あっ、私達持ってません」

騎士C「あら。新しく入ったからかしらね。まあ今回は使うことにならないと思うわ」

騎士A「こんなに魔物が出ないんじゃ、今回は騎士長の助けなしでもいけるかもですね」

騎士B「いつもなら絶対に一日目で吹く奴いるからな」

騎士D「今回は迷惑かけずに済みそー」

騎士娘「そんなに強い魔物が?」

騎士B「いいや、俺達は平気だけどな」

騎士C「あなた達よりちょっと前に入った子達とかはまだまだ不慣れだから」

ピーッ!

騎士A「あっ」

騎士娘「もしかして今のが……?」

騎士D「うん。笛の音だよー」

女騎士「凄い反響だな……」

騎士A「だからこそ、使われているんだよ」

騎士A「多分B班でしょうね」

騎士B「そんな気はした。ちょっと新米多かったからな」

騎士C「今回は魔物も少ないし、良かったんじゃない?」

騎士D「もしかしたら、違う場所には多くの魔物が~!」

騎士A「それはないと思うけど……」

騎士B「それだったらもっと鳴き声聞こえるだろ」

騎士娘「確かに、ちょっとしたことで音が響きますよね」

女騎士「剣を抜いただけでも凄かったからな」

騎士B「ああ、アレ! 俺好きなんだよね」

騎士C「なんだか、戦いが始まったって感じがするわよね」

騎士娘「というか、こびりついた血とかって、やっぱり拭いたほうがいいんですかね?」

騎士A「できればそうした方がいいかも」

騎士C「結構良い質のものだから、ある程度大丈夫だけどね」

騎士娘「へー。ありがとうございます」

騎士A「さ、明日のためにも寝よう。もうだいぶ暗くなってきました」

騎士B「っしゃあ、寝るぜー!」

・ ・ ・

騎士D「ふわぁ……」

騎士C「しゃきっとしなさい、騎士D」

騎士D「でもさぁ……ふわぁぁ……」

女騎士「騎士Dさん、騎士娘みたいね」

騎士娘「言わないでよぉ……ふわぁ……」

騎士A「それじゃあ、ここで分かれて探索するか」

騎士娘「わかれて?」

騎士C「ええ。ここは本当に広大な森だから、これから更に三つに分かれて探索するのよ」

騎士D「そうすると今日中に終わって、森の探索が終了するんだー」

騎士B「んじゃ、どう分ける?」

騎士A「僕としては、僕と騎士B、姉さんと騎士Dさん、騎士娘さんと女騎士さんが良いと思うんだ」

騎士B「おいおい、新人二人かよ?」

騎士C「いいんじゃない? 魔物も少ないし、さっき出てきた魔物も、そんなに大きくなかったから」

騎士D「うん。それに二人ともけっこー凄いし!」

騎士A「どうでしょう、二人とも」

騎士娘「え、えっと……」

女騎士「私は、それでかまわない」

騎士娘「お、女騎士が言うなら、私も!」

騎士C「よし、それじゃあそうしましょう。私たちはあっち、騎士A達はそっち、あんた達はこっちよ」

騎士A「では、ここで落ちあいましょう。みなさん、ご無事で」

・ ・ ・

騎士娘「ねえねえ、女騎士!」

女騎士「なに?」

騎士娘「魔物本当にいないね。ビックリするくらい」

女騎士「ね。これなら簡単に探索できそう」

騎士娘「よかったー。安心だね」

女騎士「うん。でもちゃんと周り見とかないと、ダメだからね」

騎士娘「わかってるよー」

騎士娘「ホントにさ、すっごく嬉しい」

女騎士「ん?」

騎士娘「だってさ、遠征隊だよ?」

騎士娘「騎士になって、やっぱり憧れるのは遠征隊!」

騎士娘「それの一員になれたって、すっごく嬉しい」

女騎士「そうだね」

騎士娘「出発の時に、色んな人が見てたでしょう?」

騎士娘「私、あの出発する騎士の人たちをみて、騎士になりたいって思ったんだー」

女騎士「へぇ。そうだったんだ」

騎士娘「だから、騎士にはちょっとうるさいよ? ふふっ」

騎士娘「でも遠征隊って、わりと退屈だね」

女騎士「いつもならもっと魔物が出るのかもしれないけどね」

騎士娘「うん」

女騎士「でも、まだ私たちは大したレベルじゃないんから、良かったかもね」

騎士娘「そだねー」

女騎士「さ、喋らずにちゃんと周り見てねー」

騎士娘「わかってるわよー」

ズゥゥン……

女騎士「ん?」

騎士娘「なんか、すごい音しなかった?」

女騎士「うん……なんだろ」

ズゥゥンッ……

騎士娘「……?」

女騎士「! あ、あれ?」

グゥゥゥゥゥ……

女騎士・騎士娘「!!!」

女騎士「な、なにこれ……」

騎士娘「めちゃくちゃ、でかい……」

ウギャアアアアアァアァァ!!!

女騎士「騎士娘……逃げよう」

騎士娘「な、なんで!」

女騎士「私達じゃ、勝てないよ」

騎士娘「でも……このままにしたら」

女騎士「とにかく合流して……」

騎士娘「だめだよ! 私たちは遠征隊なんだもん!」

騎士娘「女騎士がそう言っても、私は戦う!」

女騎士「騎士娘……」

騎士娘「ごめん……わがまま言っちゃって」

騎士娘「でも、そうしないと……」

騎士娘「騎士として、遠征隊としてここに来た意味がなくなっちゃう!」

女騎士「!」

女騎士「……わかったわ。でも、深手をおったら逃げよう?」

騎士娘「うん、わかってる」

無駄に長いな

グギャアアアアアァァァァ!

騎士娘「はぁ!」ズバッ

女騎士「やあ!」ザシュッ

ギュアアアアアアア!

騎士娘(きいてる!)

女騎士「このまま一気におせば……」

ウギャアアァァァァァ!

ドゴッ!

女騎士「!」

騎士娘「か……はっ……」

いや仲間呼んで来いよ

女騎士「騎士娘!」

騎士娘「うぐ……」

女騎士(まずい……逃げなきゃ……)

ギャアアッ!

女騎士「!」

キィンッ!

女騎士「!!」

騎士C「はぁ……はぁ……間に合った」

女騎士「騎士Cさん!」

騎士D「やっばいのに会っちゃったね……大きな声で来てみたら」

騎士C「女騎士ちゃん、騎士娘ちゃんをつれて逃げて」

騎士D「ここは私達にまかせといてー」

騎士A「大丈夫ですか!?」

騎士B「げっ、でけえ……」

騎士C「いいところに! こいつを仕留めるわよ!」

騎士B「おうよ!」

騎士D「さ、倒そう!」

ウギャアアアアアァアァァ!!

女騎士(この人達なら……きっと)

騎士娘「うぅ……お、女騎士……」

女騎士「き、騎士娘?」

騎士娘「ごめん……一発でやられちゃって……」

女騎士「大丈夫。みんな来てくれたから、倒せるよ!」

騎士娘「んっ……」

女騎士「だ、大丈夫?」

騎士娘「う、うん、なんとか……」

女騎士「と、とりあえず少し離れた場所へ……」

騎士娘「……」

女騎士「き、騎士娘?」

騎士娘「あ……ああ……」

ウガアアアア!

女騎士「!!」(全員……やられてる!?)

騎士A「かはっ……」

騎士B「ぐっ……く、くそ」

騎士C「……二人とも……逃げて……!」

騎士D「……」

騎士C ピーーーッ!!

女騎士「!」(笛……)

グギャアアアアッ!

バキッ グチャァ

女騎士「!! 騎士Aさん!」

騎士B「く、そぉ……」

ベキャッ ズチャァ

ズチョッ バキャッ

女騎士「騎士Bさん! 騎士Dさん!」

騎士C「安心しなさい、二人とも……」

騎士C「すぐに、騎士長が……」

ベチャッ……

女騎士「……」

女騎士「いやあああああああ!!!」

グルルルル……

女騎士「……!」

騎士娘「はぁ、はぁ……」

女騎士(逃げないと……いけないのに)

女騎士(体が、動かない……!)

騎士娘「お、女騎士……」

女騎士「……に、逃げっ……」

騎士娘「あ、危ない!」

グギャアアアアアアァァァァァァァ!!

ズチャッ……

騎士娘「……かふっ」

女騎士「!!!」

女騎士「騎士娘!!」

騎士娘「なに……ボーっとしてんのよ」

女騎士「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

騎士娘「……ごめん」

ウガアアアアアッ!!

騎士長「はぁ!」

スパーンッ!

女騎士「!!!!」

騎士長「……死亡者、五人……か」

騎士長「女騎士、大丈夫か?」

騎士長「もう少し早く来ていれば……」

女騎士「……」

騎士長「大丈夫か?」

女騎士「騎士長、お願いです。治してください」

女騎士「騎士長なら、治せますよね?」

女騎士「騎士娘が、動かないんです」

女騎士「ほら、騎士Aさんも騎士Bさんも騎士Cさんも騎士Dさんも!」

女騎士「騎士長! お願いです! ねえ!」

騎士長「……女騎士」

女騎士「いつも元気な騎士娘の顔が真っ青なんです」

女騎士「騎士娘が、笑ってないんです」

女騎士「騎士娘が……」

ぎゅっ

騎士長「もう……やめろ」

こんな経験したら騎士続けられんわ……

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

騎士長「これで、遠征隊は解散となる」

騎士長「負傷者なし」

騎士長「死亡者、五人」

騎士長「彼らは、大きな魔物に勇敢に戦った」

騎士長「一人ひとりを気遣い、一人ひとりを支えた」

騎士長「そしてその結果、一人は助かることができた」

女騎士「……」

騎士長「彼らに、盛大な拍手を」

パチパチパチパチパチ……

・ ・ ・

女騎士「……騎士娘」

騎士長「お前も来てたのか」

女騎士「騎士長……」

騎士長「すまんな、小さな墓で」

女騎士「いえ……墓を作っていただけただけでも」

騎士長「……騎士の命は、私にとって全て、大きな命なのだ」

騎士長「家族以上の者を、奪われた……そんな気持ちだ」

女騎士「……」

騎士長「……どうする、女騎士」

女騎士「はい?」

騎士長「今すぐにでも、やめてもいいんだぞ」

女騎士「ど、どうして……」

騎士長「お前が後ろ指をさされているのは知っているんだ」

騎士長「『高貴な身分だから、一人だけ助かった』……」

女騎士「!」

騎士長「……私は、そう言っている奴にしっかりと説得した」

騎士長「だが、それでもお前を悪く言う奴はたくさんいる」

騎士長「……きっと、お前の家族も今回のことは相当ショックだっただろう?」

女騎士「……はい」

女騎士「でも、私の家系は……」

騎士長「わかってるさ」

騎士長「私もそういう家系だ。何度もやめようとして、何度も絶望している」

騎士長「……でも、お前には私のようになって欲しくない」

騎士長「騎士が死ぬたびに、胸が痛くて、夜も眠れぬ日々を送る……こんな日々など」

ぽたっ

女騎士「!」

騎士長「す、すまない……少し話が長かったな」

騎士長「結局は全部、お前が決めることだ……」

騎士長「じゃあな」

女騎士「……はい」

・ ・ ・

ギィ バタンッ

女騎士「ふぅ……」

女騎士「……」

女騎士(騎士娘は、もういない)

女騎士(一人ぼっちの、部屋)

女騎士「……もう、ダメなのかな」

女騎士(体がふわふわして、最近訓練も手についてない)

女騎士「私……」

女騎士「ん?」

女騎士「これは、騎士娘の日記?」

女騎士「こんなの、書いてたんだ」

ぺらっ

『○月×日 晴れ。 今日は女騎士と久しぶりのおでかけ!可愛い服も買ったよ! でも騎士は着ることもそんなにない……残念!』

女騎士「! あの日のこと……」

『○月△日 雨。 雨が降ってると元気なくす。でも、「雨の音は綺麗だよ」って女騎士が教えてくれた。だから雨が好きになった!』

女騎士「……!」

『○月□日 晴れ。 今日は女騎士が風邪をひいてた。うつさないでよと言いつつ、すっごく心配。早く治れー』

『×月○日 晴れ。 今度は私が風邪。最悪の体調だったけど、女騎士がずっと看病してくれた。ありがとう』

『△月△日 曇り。 今日はカレーライスだった。女騎士の家系についても知った。色々あるけど、私がいつでもついてるよって言ったから、大丈夫かな……?』

女騎士「……これは……」

『△月※日 晴れ。 なんと、私と女騎士が遠征隊に選ばれた! 凄い! 私も女騎士も凄い! 憧れの遠征隊、楽しみだけど不安!』

『名誉ある遠征隊のため、数日間日記はおやすみ!』

女騎士「……」

女騎士「騎士娘ぉ……」

女騎士「そうだよね、騎士娘」

女騎士「騎士娘は、騎士に憧れてたんだよね……」

女騎士「……頑張る」

女騎士「絶対に、私、頑張るから」

女騎士「……頑張って、誰にも負けない騎士を目指すから!」

女騎士「……どうか、見守ってて」

女騎士「……ありがとう」

・ ・ ・

「最近凄い真面目だな、あいつ」

「前から真面目だったけど、特になんか凄いな」

「突き動かされる何かがあるのかなぁ」

「口調かたいし、近寄りがてえよな」

「そうだな。なんか、昔以上に頑固な印象」

女騎士「……」

女騎士(私は、負けない)

・ ・ ・

女騎士「……騎士娘、私ね、これからこの街を出るんだ」

女騎士「なんと、一緒に行くのは勇者さん」

女騎士「あなたと一緒で、王様の話で眠っちゃってたよ」

女騎士「なんだか、とっても優しい人で……気さくな人だった」

女騎士「ふふ……思い出しただけで、今でも笑っちゃう」

女騎士「もし生きてたら……どっちが一緒に行ってたんだろうね」

女騎士「……それじゃあ、行くね。長い間会えなくなるけど」

女騎士「絶対に、戻ってくるから。魔王を倒して、絶対に」

女騎士「それと……」


女騎士「ありがとう」


END

長い間やってしまってすいません。おしまいです。


次回をお楽しみに。


>>857
いえ、同じ年齢です。


なにか質問があれば、お答えします。

それでは。

意外と重たい話だった

おつー

多分そうなるとは思っていたが、やはり重いな



次の話くらいで新スレ?

きしこって読むのかよwwwwwwwwwwww

それ俺も思ったwwwwwwww

きしむすめだと思ってたのは俺だけじゃなかったようで

女騎士「きしこぉ・・・」wwwwww

騎士娘だったとしても「騎士娘ェ…」ってなってネタっぽくなってしまうジレンマ

勇者「うおっ……」

勇者「……」

勇者「眩しいな」

勇者妹「前が見えないね……」

僧侶「遅いっすよ、勇者兄妹~」

女武「はぁ……はぁ……あんたが早すぎなのよ」

女騎士「久しぶりの太陽ですね」

魔女「……のびのび」

勇者妹「……まあ、予定よりも遅くなってしまいましたね」

女武「あんたは文句しか言えないの?」

勇者妹「そんなつもりはありませんが?」

バチバチバチバチ……

勇者「出て早々喧嘩するなって!」

勇者(というか、敬語に戻ってる……)

女武「ふんっ……」

勇者妹「はぁ、最後まであなたとはこのような感じで終わってしまうとは、残念です」

勇者妹「……それじゃあ、お兄さま。私はこれで」

勇者「あっ……」

勇者妹「?」

勇者「……そ、そうだったな」

勇者妹「ふふっ、私が離れるのが寂しいですか?」

勇者「……まあ、久しぶりに会ったからな」

勇者妹「……」

僧侶(妹ちゃん顔真っ赤っすね)

勇者妹「……ふふっ、そんな顔をしてはいけませんよ、お兄さま」

埋まったら次スレどうするのよ?

勇者妹「これから神を相手にする人の顔ではありません」

勇者「……そうだな」

勇者妹「私はとりあえず一度城下町に戻ります」

勇者妹「そうしたら、また任務に戻ろうと思います」

勇者「まだ任務があるのか?」

勇者妹「はい、忍者は勇者以上に大変なんですよ?」

勇者「うぐっ……悪かったな」

勇者妹「ふふっ、それでは皆さん」

勇者妹「私のお兄さまを、どうぞよろしくお願いします」

勇者妹「そして、お兄さまを信じてください」

僧侶「もちろんっす!」

女騎士「はいっ」

女武「わかってるわよ」

魔女 こくっ

勇者妹「それと、お兄さま」ちょいちょい

勇者「ん?」

勇者妹「頑張ってね。大好きだよ」ぼそっ

勇者「うおっ」ぞくっ

勇者妹「ふふっ」

勇者「お前、耳元で話すなよな……」

勇者妹「だって恥ずかしいんですもん」

僧侶「おっ、なんすかなんすか~?」

勇者妹「内緒です。……そ、それでは、さようなら!」

シュンッ

勇者「……じゃあな」

僧侶「なんて言われたんすか~?」

勇者「あ、あはは……」(くすぐったくてよく聞き取れなかった)

女騎士「えーっと、次の目的地は……」

魔女「……神殿」

女武「……神を相手にする……か」

僧侶「うわぁ……ついに魔王が現実味を帯びてきたっす……」

勇者「凄く辛い戦いになるかもしれない」

勇者「休憩できる場所があればいいんだけど……」

魔女「……神殿より少し遠いところに、ある」

勇者「まずはそこに行ってみるか」

魔女「……小さな村」

女武「最後の晩餐にならないわよね?」

僧侶「縁起でもないっす……」

女騎士「相手は神……」

魔女「……しっかりと備えが必要」

勇者「だからこそ、一度休憩をしないとな」

勇者「よし、まずは神殿近くの村に行くぞ」

「「「おー」」」

魔女 コクッ

すいません、席を外します。

今日中に再開、または明日再開します。

乙です

おつー

・ ・ ・

ワイワイ ガヤガヤ

勇者「おお、活気に溢れてるなぁ」

女騎士「小さな村ですけれど、こんなに賑やかなのは初めて見ました」

僧侶「この前が幽霊の村だったんだから余計に賑やかな気がするっす」

女武「いつも通り宿を……」

「君たち、旅の者かい?」

勇者「はい」

「なら、あそこの宿に泊まりな! サービスするぜ!」

勇者「本当ですか! ありがとうございます」

「なーにいいってことよ! ささ、そうと決まったら出発だ」

魔女「……?」

・ ・ ・

勇者「すげえ、こんなに良い施設があるなんて!」

女武「まったくね! しかもレストランまであるわよ!」

女騎士「大きなお風呂もあるみたいです!」

僧侶「ま、マッサージチェアがあるっす……! 一度やってみたかったんす!」

魔女「……」

女武「ん、どうしたのよ魔女」

魔女「……怪しい」

僧侶「あ、魔女っちも思ったっすか?」

魔女「……」こくり

女騎士「どういうことですか?」

魔女「……優しすぎる」

女武「確かに、いきなりこんな良いところ、しかもあんな安値で泊まらせてもらえるなんて」

僧侶「ちょっと気になっちゃうっすよね」

魔女「……勇者は、どう思う?」

勇者「……実は、俺もそう思ってた」

勇者「でも、ここの人はみんなすっごく笑顔で嘘をつくようには思えないんだよ」

勇者「だから……信じたい」

女武「……まあ、あんたがそういうなら私たちは従うけどさ」

僧侶「そっすねー。今のところ、そんなに疑うところもないっすしね」

勇者「まあ、明日に備えて、今日は自由時間にするか~」

僧侶「おっ、いいっすね!」

女武「ご飯はさっき渡された宿泊券を出せばいつでも食べられるみたいよ!」

魔女「……食い意地張りすぎ」

女武「う、うっさいわねぇ……あんた達はどうすんの?」

僧侶「自分、ちょっと色んなとこ回ってくるっす」

女騎士「あ、私もついていきます」

魔女「……」

勇者「魔女はどうする?」

魔女「……えっと」

魔女「……一緒に、どこか行かない?」

勇者「おう、いいぞ」

魔女「……よかった」

勇者「まあ知らない場所だし、ちょっとうろついてみるか」

勇者「もちろん、疲れない程度にな」

魔女「……うん」


女武「……あれ、私一人?」

女武「い、いいわよ別に。一人でご飯食べちゃうんだから」

女武「……ふ、ふんっ」

・ ・ ・

勇者「おー、本当に賑やかだなぁ」

魔女「……とっても良い」

勇者「はぐれないようにくっついとけよ」

魔女「……うんっ」ぎゅっ

勇者「おお、そうしといたほうが安全だな」

魔女「……」

勇者「あっちの方に公園があるな。子ども達が遊んでる」

魔女「……子どもは苦手」

勇者「そうなのか?」

魔女「……間違えられるから」

勇者「ああ、なるほどな」

魔女「……」

勇者「でも、魔女は小さくたって、凄い魔法が使えるし、俺は凄いなーって思うよ」

魔女「……そう?」

勇者「はは、ちょっと、俺が子どもみたいな褒め方しちゃったけど」

魔女「……いい。嬉しい」

「あー、お兄ちゃん達手繋いでる!」

「ラブラブだね~!」

魔女「……! 子ども……」

勇者「ははは、恥ずかしいな」

「あ、照れてるー!」

魔女「……ら、ラブラブ」

「お姉ちゃんも照れてるー!」

魔女「……お、お姉ちゃん……」

魔女「……」にこっ

勇者(お、可愛く笑ってるじゃん)

「お姉ちゃんその帽子かっこいい!」

「杖も!」

魔女「……触ってみる?」

「うんー!」

勇者「お、おい、いいのか?」

魔女「魔法が使えなければ安心」

「わー! スゴイスゴイ! 魔法使いみたい!」

「アブラカタブラ……なんちゃって」

勇者「あはは、帽子似合ってるぞー」

「あはは! ありがとー!」

勇者「よっし、魔女、ちょっと遊ぶか」

魔女「え、でも……」

勇者「しっかり眠ればいいんだから、大丈夫だよ。な?」

魔女「……うん、わかった」

勇者(少しでも魔女と仲良くなっておきたいしな)

「わーい、じゃあ遊ぼう!」

勇者「おう、もちろんだ!」

魔女「……」にこっ

『勇者は誰とでも仲良くなることができる』

今日はここまで。

とりあえずスレが埋まりそうになったら次スレ立てます。
遅筆な自分以上に、みなさんの応援のレスもあってか一つの区切りがつきそうです。

それでは、また。


いつも楽しみにしてる

おつおつ

一つ聞きたいんだけど魔女と勇者はもうふらぐたってるの?

今日はとことん投下したいと思います。
土日中には次スレが立てられるくらいに進めたい……。

それではまた後ほど。

舞ってます

次スレで終わりかな

・ ・ ・

「お兄ちゃんお姉ちゃん、待たねー!」

勇者「おう、じゃあなー!」

魔女「……」ふりふり

勇者「ふう、遊んだな」

魔女「……お姉ちゃん」

勇者「ん?」

魔女「……初めて言われた」

勇者「あはは、そうなのか」

魔女「……嬉しい」

・ ・ ・

勇者「……おい」

女武 びくっ

勇者「……お前まさか……」

女武「お、遅かったじゃないあんた達! どこほっつき歩いてたのよ?」

勇者「いいからもう食うのやめろ!」

女武「いいじゃない! あんた達も女騎士達もどっかに行っちゃったんだもん!」

女武「一人で食べててもいいでしょー!?」

勇者「限度ってものがあるだろ!」

女武「うっ……」ぐらっ

勇者「!」がしっ

女武「……」

勇者「だ、大丈夫か!?」

女武「お、お腹……痛い」

勇者「……お前なぁ……」

魔女「……頭、大丈夫?」

女武「患部が違うわよ!」

勇者「魔女、悪いんだけどこいつ運ぶから一人で食べといてくれ」

魔女「……わかった」ぷいっ

勇者「?」

女武「悪いわね、勇者……」

勇者「ったく、あそこにある皿、全部オマエが食ったのか?」

女武「え、えへへへ……」

勇者「笑ってごまかすなよ」

勇者「よっと」

女武「! ちょ、ちょっと何すんのよ!?」

勇者「なにって、運ぶんだよ」

女武「ば、バカじゃないの!? なんでこんな運び方……」

勇者「横抱きか? 別に変じゃないだろ」

女武(うぅ……恥ずかしい)

女武「食べてすぐだから、重いし……」

勇者「重くないよ。むしろ軽いくらい」

勇者「お前、食ってもこんなに軽いのは、やばいんじゃないか?」

女武「う、うっさいわよ!」

女武「……でもま、ありがと」

勇者「なんでお礼言われてるんだ俺」

女武「い、いいから黙って運びなさいよ! いちいちうっさい!」

勇者「わかったよ」

女武「はぁ……お腹痛い」

勇者「明日は戦いに行くんだぞ。大丈夫かよ」

女武「ぐっすり眠れば大丈夫よ……心配しなくてもさ」

勇者「それならいいんだけどな……」

勇者「よいしょっと」

女武「ん……」

勇者「ま、お前の言うとおり、寝れば大丈夫かもな」

女武「……うん」

勇者「横になると消化にいいってきくしな」

女武「へえ、そうなの」

勇者「ちゃんとトイレには行けよ?」

女武「な、なによそれ! デリカシー無いこと言うなー!」

勇者「はいはい、じゃあ俺も飯食いに行ってくるな」

女武「えっ……あ、そう」

勇者「なんだ?」

女武「べ、別になにもない! 気にしなくていいわよ」

勇者「そ、そうか?」

女武「うん。……さ、さっさと行きなさいよ、バカ!」

勇者「わ、わかったよ……」

・ ・ ・

勇者「さて、と……」ぺらり

『ほうれん草はMP回復を促す』

勇者「ふむ、じゃあ魔女にはほうれん草をすこし多めに食べさせたほうがいいのかな」

『すっぽんやマムシなどには本番に最適』

勇者「本番……そうだよな。明日は頑張らないといけないしな」

『決戦が近い場合、仲間を鼓舞することが大事』

勇者「ふむ、しっかりとみんなに声をかけておこう」

・ ・ ・

魔女 もくもく

勇者「よっ」

魔女「……もみゅ」

勇者「あはは、口に物入れて話すとこぼれちゃうぞ」

魔女「……んっ」

勇者「さて、バイキング制なんだっけ?」

魔女「……そう」

勇者「あ、ほうれん草食べてるのか」

魔女「……MP回復のため。あんまり好きじゃないけど」

勇者「おお、偉いなぁ」

魔女「……」てれてれ

僧侶「あ、勇者さんと魔女っちも来てたっすか」

勇者「おう僧侶」

女騎士「うわあ、豪華なところですね」

勇者「そうだな。じゃあ一緒に取りに行くか」

僧侶「わかったっすー」

女騎士「はい」

魔女 ぽつーん

魔女「……悲しくは、ない」

勇者「えーっと……」

僧侶「うは! お肉あるっす! 頂いちゃうっす!」

女騎士「あ、お魚っ! それに美味しそうなお野菜まで!」

勇者「これだな」

僧侶「!?」

女騎士「ゆ、勇者さん……それは?」

勇者「ん? すっぽんとマムシだけど」

僧侶「ま、マジっすか?」

女騎士「そ、そんなのがあるんですね」

勇者「凄いよなぁ」

女騎士(すっぽんとマムシって、どんな味がするんだろう)

僧侶「お、女騎士ちゃん」

女騎士「はい?」

僧侶「すっぽんとかって……」ごにょごにょ

女騎士「……!!」ポーッ!

僧侶「わわっ、女騎士ちゃん顔真っ赤っすよ!」

女騎士「はわっ……へっ?! な、なんで勇者さんが!?」

僧侶「わ、わからないっすけど……何かあるんすかね?」

女騎士「わからないです……」

僧侶「何かあるって……」

女騎士「に、二回言わないでください!」

勇者「みんな選んだか? 俺先に席に戻るぞ」

女騎士「あ、はい!」

僧侶「わかったっすー!」

女騎士「と、とりあえずご飯取りましょうか」

僧侶「了解っすー!」

・ ・ ・

勇者・女騎士「いただきます」

僧侶「いただくっすー!」

魔女「……」もむもむ

勇者「魔女、まだ食べてるのか?」

魔女「……しっかり栄養取らなきゃ」

勇者「おー、魔女は――」

僧侶「偉いっすねー!」

魔女「……うん」シュン

勇者「?」

・ ・ ・

僧侶「うひゃー美味しかったっすねー!」

女騎士「はい! とっても新鮮なものばかりで、満足です!」

魔女「……プリン、美味しかった」

勇者「……」

女騎士「? どうしたんですか、勇者さん」

勇者「え? いや……なんでもない」

勇者(なんだろう……体が、変だ)

ダメだ僧侶のセリフを読むたび悟空がちらつく…

僧侶「女騎士ちゃん魔女っち、お風呂に入ろー!」

女騎士「あ、はい。わかりました」

魔女「……そのつもり。汗びっちょり」

僧侶「え、なんでっすか?」

魔女「……? 勇者と……」

女騎士「!?」

僧侶「ま、マジっすか……?!」

魔女「……遊んだ、だけだけど」

女騎士「あ、遊んだんですね?」

僧侶「なんだーびっくりしちゃったっす!」

魔女「……?」

女騎士「さ、さて、お風呂に入りましょうか」

僧侶「行くっすー!」

魔女「……」こくり


勇者「俺も風呂に入るか」

勇者(にしても、体が熱い……なんなんだ)

・ ・ ・

勇者「……ふぅ」

勇者「結局体は熱いまんま。なんだか気分も心なしか高い」

勇者「まさか……」

勇者「明日の戦いですこし興奮してる?」

勇者「まさかな……」

勇者「確かに明日は大きな戦いになるだろう」

勇者「だからって……眠れないなんて、まるで遠足みたいだな」

勇者「って、もうこんな時間か」

勇者「どうしたもんかなぁ」

勇者「寝ようにも、なんだか落ち着かないし」

勇者「……」

勇者「ふぅ……」

勇者「ちょっと、外に出てみるか」

・ ・ ・

勇者「ん、女騎士」

女騎士「あっ、ゆ、勇者さん!」

勇者「おお、綺麗な星空だな。また見てたのか?」

女騎士「は、はい」

勇者「……女騎士は、どうだ?」

女騎士「な、何がですか?」

勇者「明日、神殿に行くだろ」

女騎士「はい」

勇者「……これまで戦ってきた魔物なんて、比じゃないレベルだと思う」

勇者「そんなやつを、相手にすること」

勇者「どう思う?」

女騎士「……不安なこともたくさんあります」

女騎士「ですけど、絶対に負けないって、信じてます」

女騎士「勇者さん、女武さん、魔女さん、僧侶さん」

女騎士「このメンバーが欠けることなく」

女騎士「魔王のところまで行けるって……」

女騎士「私は信じてますから」

勇者「……そうか」

女騎士「一人も、絶対に殺さない……」

勇者「……」(女騎士、なんだか凄く気持ちが入ってるな……)

勇者「へへっ、女騎士も考えてることは同じか」

女騎士「え?」

勇者「俺達は勝つ。絶対に」

女騎士「はい!」

勇者「それじゃあ、あんまり遅くならないようにな」

女騎士「あ、あの。体はなにか異常ありませんか?」

勇者「ん? いやあ、ちょっと火照ってるっていうか……風呂入ったからかなぁ」

女騎士「そ、そうですか」

勇者「何かあるのか?」

女騎士「い、いいえ、何も。おやすみなさい」

勇者「うん、おやすみ」

・ ・ ・

勇者「……全員にちゃんと言っとかないとな」

コンコン

僧侶「んにゃ……はいっすー」がちゃ

勇者「よう」

僧侶「……ひゃあっ!? ゆ、勇者さん!?」

勇者「なんだその驚き方……」

僧侶「な、なな、なんで自分のところに来たっすか!? こ、心の準備がまだ……!」

勇者「いや、どういうことだ?」

僧侶「ううっ、髪の毛もはねてるし、自分初めてっすし……」

僧侶「それに、そんなに良いものも持ってないっす」ぺたんこ

勇者「あのー……なにか勘違いしてないか?」

僧侶「え、何しにきたんすか?」

勇者「明日のことについて、ちょっとな」

僧侶「? とりあえず入って欲しいっす」

勇者「悪いな」

僧侶「それにしても、一人ひとりに部屋があるって凄いっすね! しかも安いっす」

勇者「そうだな」

ずるっ

勇者「うおっ!」

僧侶「いたっ!」

ドサッ

勇者「悪い……何かにけつまずいた……」

僧侶「あ、あわわわわ……」

勇者「大丈夫か?」(暗くてよく見えないぞ)

僧侶(や、やっぱりナニかしにきたっす!)

僧侶「自分でいいなら……どうぞっす」

勇者「はぁ?」

僧侶「じ、自分も、勇者さんのこと……」

勇者「まず明かりをつけよう」

僧侶「? そういうもんっすか?」

勇者「暗いまま話なんてできないだろ」

僧侶「雰囲気的には良いと思うっすけど」

勇者「雰囲気的にってなんだよ……」

かちっ

勇者「……汚っ! なんで服とかこんなとこに散乱してんだ!」

僧侶「まさか勇者さんが来るなんて思ってなかったんすもん!」

勇者「思ってなくてもちゃんと片づけとけよ!」

僧侶「うう、こんな夜にまさか勇者さんと一緒にお片づけすることになるとは」

勇者「口動かさずに手を動かせ」

僧侶「わかってるっすよー」

勇者「……よし、これでまあいいだろ」

僧侶「ふぃー汗かいちゃったっす」

勇者「俺もだ」

勇者「……」

僧侶「なんすか?」

勇者「僧侶は、案外いつも通りだな」

僧侶「褒めてるんすか?」

勇者「もちろん。そのいつもの明るさで、俺達を支えてくれよな」

僧侶「! ……もー、そうやってすぐに照れさせて、イケナイっすよー」

勇者「な、なんだよそれ」

僧侶「もちろん、明日もいつも通り頑張るっす。だから、勇者さんも頑張るっすよ?」

勇者「ああ、もちろんだ」

・ ・ ・

勇者「次は、女武だな」

女武「何が私だって?」

勇者「おう、女武。こんな時間にどうしたんだ?」

女武「さっきまで寝てたから、お風呂にね」

勇者「そうか。もうお腹は大丈夫か?」

女武「まあね。まあ、私は丈夫だからね!」

勇者「その自信は一体どこから出てくるんだか」

女武「なによ、なにか言った?」

勇者「いいや、なんにも」

勇者「明日の準備はできてるか?」

女武「別に、なにも」

勇者「へ? なにか、意識とか、しないのか?」

女武「しないわよ、そんなもの」

女武「いつも、私は前を向いて、目の前の敵を倒していくだけ」

女武「特別な相手なんていない。私は常に本気だから」

勇者「……なるほどな、女武らしいや」

女武「ふふん、ようやく私のことがわかってきたみたいね」

勇者「ああ、そうみたいだ」

女武「……私も、あんたのこと少しずつわかってきたと思うし」ぼそっ

勇者「ん?」

女武「なんでもないわよ、じゃあ、私は風呂に行くわね。じゃ!」

勇者「常に本気……か」

勇者「みんな、ちゃんとしてるなぁ」

勇者「さて、最後は魔女か」

勇者「魔女の部屋は……と」

勇者「もう、寝てるかもしれないな」

コンコンッ

勇者「……」

しーん

勇者「んー、やっぱり寝てるか」

コンコンッ

勇者「……駄目っぽいな」

勇者(悪いけど、ちょっとだけ中に入るぞ)

がちゃがちゃ

勇者(そりゃそうだ、鍵かかってら)

魔女「……誰?」

勇者「魔女? 俺だ、勇者だ」

魔女「……」

がちゃ

魔女「……ごめんなさい、瞑想してた」

勇者「おお、こんな時間までご苦労さん」

魔女「……いい、気にしないで」

魔女「……入って」

勇者「うん」

きぃぃ ばたんっ

魔女「……ど、どうしたの?」

勇者「いやあ、ちょっと明日のこと」

魔女「……?」

勇者「明日、戦うだろう、神と」

魔女「……」こくり

勇者「だから、頑張ろうって言おうとしてたんだけど」

勇者「でも、瞑想とかしてるなら、明日の戦いも大丈夫だと思ったよ」

魔女「……」

勇者「それだけだから、じゃあ」

魔女「待って」ぎゅぅ

勇者「! なんだ、魔女」

魔女「……怖い」

勇者「え?」

魔女「……とっても、怖い」

勇者「ま、魔女?」

魔女「……明日、死んでしまうかもしれない」

魔女「……みんなと、一緒にいられなくなるかもしれない」

魔女「……凄く怖くて、凄く情けなくて」

魔女「……凄く、辛い」

勇者「!」

勇者(魔女のやつ……めちゃくちゃ手震えてる……)

魔女「……私だけじゃないと思う」

魔女「……きっと、みんなも不安」

勇者「……」

勇者(そうなのかもしれない)

勇者(みんな、見せないだけで、すっごく不安なのかもしれない……)


女騎士「……」ぶるっ

女騎士「震えが止まらない……」

女騎士「明日は……いや、考えるのはよそう」

女騎士「……騎士娘」


僧侶「うーん……」

僧侶「ダメっす、ちっとも眠れないっす」

僧侶「……明日に、なって欲しくないなぁ」

僧侶「……なんて、バカみたいっすね」


女武「……」

女武「はぁ……」ばしゃっ

女武「って、あんなこと言っといてため息つくなんてらしくないわよ」

女武「……でも、どうなるんだろう……」


勇者「魔女、ごめんな」

魔女「……?」

勇者「こんなことに、付き合わせて」

魔女「……」

勇者「世界を救うなんて、本当にスケールの大きいこと」

勇者「……一人でやれば良かったのにな、俺」

魔女「……そんなことない」

魔女「……みんな、勇者を責めたりはしない」

魔女「……それだけは、絶対」

勇者「ありがとう」

魔女「……そろそろ、寝る」

魔女「……明日は、絶対に忘れられない」

魔女「……勝利の日になるから」

勇者「おう」

勇者「おやすみ」

魔女「……おやすみ」

ばたんっ

勇者「ふぅ……」

勇者(とりあえず自分の部屋に戻ってきたけど)

勇者(明日……か)

勇者「なんだか、緊張してきたな」

勇者「緊張、なのか?」

勇者「……はは、なんでだろう」

勇者「明日は大事な決戦なのに」

勇者「……手が、震えてやがる」

勇者「くそっ……」

勇者「俺が、俺がちゃんとしないと……」

勇者「……」

勇者「ガイドブック……」

ぺらり

『自信を持つことが、最大の武器になる』

勇者「!」

勇者「……へへ、やっぱりか」

『勇者は、全ての運命を覆すことができる』

勇者「……俺は、勇者なんだ」

勇者「まだ魔王のところにも行ってねーのに」

勇者「弱気になってどうするんだ!」

勇者「絶対に勝つ」

勇者「俺はそう思ってただろ?」

勇者「絶対に勝って」

勇者「これからも、このメンバーで……」

勇者「笑えるように……」

勇者「そうだろ、勇者!」

勇者「……よし、寝よう」

勇者「明日を、笑顔で迎えるんだ」

勇者「……へっ」

勇者「だんだん、俺の考えてた冒険になってきたじゃねえか!」

勇者「血に汗握る、最高の冒険に……!」

勇者「みんな……」

勇者「ありがとう!」

勇者「……おやすみっ!」

・ ・ ・

ちゅんちゅんっ

勇者「ふわぁー……」

勇者「……ん……朝か」

がらっ

勇者「うおー、眩しい」

勇者「……」

勇者「さて、着替えるかな」

・ ・ ・

女騎士「んんっ……」

女騎士「んっ……」

女騎士「……朝、になっちゃった……」

女騎士「んー……」のびー

女騎士「ふぅ」

女騎士 ぶるっ

女騎士「……へ、平常心平常心」

・ ・ ・

女武「んなわけないでしょ!」

女武「……って、あれ?」

女武「なんだ、夢か」

女武「ったく、あいつなんであんなこと……夢に何言ってんのよ私」

女武「……ついに、今日か」

女武「……やれやれ、ね」

・ ・ ・

魔女「……」

魔女「……!」ぴくんっ

魔女「……朝」

魔女「……」

魔女「……神」

魔女「……戦う」

魔女「……頑張るしか、ない」

・ ・ ・

僧侶「むにゃむにゃ……」

ごろんっ

僧侶「ふぎゃ!」どてんっ

僧侶「お、落とし穴に落ちたっす! 死ぬっす!」

僧侶「……ありゃ?」

僧侶「い、生きてたっす……無事っす」

僧侶「……あり? ここは現実世界っすか?」

僧侶「……明日の、今日っすか……」

・ ・ ・

勇者「……」

勇者「食事しに行くか」

勇者「どんな顔して会えばいいんだろう」

勇者「普通に『おはよう』って、言えればいいけど」

勇者「……」

勇者「とりあえず、部屋を出るか」

がちゃっ

勇者・女騎士・女武・魔女・僧侶「あ」

勇者「……」

女騎士「……」

女武「……」

魔女「……」

僧侶「……」

勇者「ぷふっ……」

あはははははははは!

勇者「あははは、ま、まさかな!」

女騎士「全員一斉にドアを開けるなんて……」

女武「どんだけ偶然の一致なのよ!」

魔女「……滑稽」

僧侶「は、腹痛いっす!」

勇者「はー……」

女騎士「本当に……」

女武「アホらし……」

魔女「……」

僧侶「あはは……」

「「「……」」」

勇者「……みんな」


勇者「おはよう」

女騎士「……おはようございます!」

女武「そんなことしか言えないわけ? おはよ」

魔女「……おはよう」

僧侶「おはようっす!」

勇者「さ、元気に飯食いに行こうぜ!」

女騎士「了解ですっ」

女武「お腹ペコペコよ」

魔女「……食い意地はりすぎ」

僧侶「朝食もきっと豪華っすよねー!」

・ ・ ・

女騎士「おいしー! このパンとっても美味しいです!」

勇者「ほんとか、俺にも食べさせてよ」

魔女「……これも、なかなか」

勇者「本当か? どれどれ」

女武「ちょっと、あんた私の分まで食べないでよ!」

僧侶「いいじゃないっすか、みんなで食べたほうが美味しいっすよ!」

女武「だからって人の分まで食べるなぁ!」

勇者「お前らケンカするなら外でやれー」

女武「うっさい! あんたは口挟まないで!」

僧侶「ひえー、食べ物の恨みは恐ろしいっす~!」

・ ・ ・

勇者「みんな準備はいいか?」

女騎士「はい!」

僧侶「ちょっとトイレにー! ……って冗談は通用しない感じっすね。自分は大丈夫っす!」

女武「準備OKに決まってんじゃない」

魔女「……」ぐっ

勇者「……よしそれじゃあ、行くぜっ」

勇者「神殿へ!」


「「「おー!」」」


To Be Continued......

というわけで、1スレ終了です。
怖いくらい最終回臭を醸し出しましたが、まだまだ続きます。

とりあえず、このスレはおしまい。次スレで会いましょう。

……と言っても埋まるまでには時間があると思いますのでどうぞご感想をお書きください。
励みになります。

残り10くらいになったら次スレを立て、宣伝をしますので少しの間レスを控えていただけると嬉しいです。

次回、神との戦いから? です。

質問があればどうぞ。


>>926
いえ、立ってません。


それでは。

この勇者フラグへし折り続けてるからな

あんま強くなっていってるって描写ないね

最初のスレからずっと見てるけど飽きないな。応援してる!

おつおつー

おつー次も楽しみにしてる

乙でした

ちょっと宣伝失礼します。

ただいまVIPで、

女「ボクは、誰を信じればいい?」
女「ボクは、誰を信じればいい?」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1362407981/)

書いています。もし暇でしたらお読みください。

それでは。

あれ、いつもボクっ娘書いてる人だったのか?
このSSはいつもと方向性かなり違うんだな

つまらんかったわ

>>988
そんなの書く暇あるなら、こっちやれよ。と思われてもしかたないんじゃないかな
しかも途中で落ちてるし

続きがきになりますねえ

落ちちゃったね
そのスレからだけどボクっこの人もうSS書いてないと思ってたから嬉しかったよ

金貰って書いてる訳じゃないから飽きたら別の物書いたってそりゃ本人の自由だと思うが。
そんな堂々と浮気宣言を、自分で宣伝してまで知らせる必要はなかったんじゃないかなぁと
読者としてはそんな露骨な脱線を見せられて、そりゃいい気にはならないだろうと

SS書く奴にはよくあるじゃないか脱線
別にいいじゃないか

息抜きは必要さ

>>995
脱線は大いに結構だが、黙ってやれよと言いたい訳で

次スレを1が立てるまで書きこみ禁止

うむ

勇者「俺が考えてた冒険と全然違うんだけど」~第二章~

勇者「俺が考えてた冒険と全然違うんだけど」〜第二章〜 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362500166/)

立てました。

皆様をどうやら不快に思わせてしまったことをここにお詫びします。

このスレが埋まるまで待っている間に、暇つぶしにでもと思い書いていたのですが
私の技量の足らなさゆえ完結できませんでした。心より謝罪申し上げます。

それでは、次スレでお会いしましょう。

1000ならメテオ

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