勇者「 最終的に頼りになるのは自分の力だ」(1000)


 北の町



勇者「 …… 」

勇者「王様から魔物及び、魔王討伐の命が僕にも下った」

勇者「これで勇者は500人以上も存在する事になるな…」

勇者「毎月、教会で聖水を全身に浴びる儀式が行われる

   その時浴びて、地面に流れた聖水が「青色から赤色」に変われば
   その人は勇者の素質を持ち、人々から歓喜の声を与えられ
   王からの資金や、その人の家族にも物資が届く。
   
   そんな風に優遇されたら誰でも勇者になりたがる。」


勇者「勇者がいれば自然と人が集まり、魔物を打ち倒す機会が増えて行く

   そうなると、物資の流通などにも影響が出て隣国との関係もよくなる…ということだ

   現に、勇者が出た家にはたくさんの資金や食料が保証される
   魔物討伐で物資の調達、農業関係の仕事がうまく行ってる御陰だ。」


勇者「面白半分で儀式に参加してみたけど、まさかこうなるとはな…」

  

勇者「でも父や母も喜んでいたな…魔王を倒すのはともかく、街の周辺の魔物討伐でも
   この国での使命にもなるだろう」

勇者「なんせ毎週のように勇者が1~2人でているんだ。誰かが魔王をたおしてくれるだろう」


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勇者「…さて、僕はどうするか」


勇者「……ルイーダの酒場で、この周辺の警備を一緒にやってくれる人を探そう」





【ルイーダの酒場】


  勇者「………え?誰もいない」

ルイーダ「見ての通りよ、ここにいた人達はみーんな色々な勇者様が連れてったわよ。
     あなたも勇者様への仲間入りを希望する人? それとも…」

  勇者「いえ、ぼくも勇者です。」

ルイーダ「あら?そうなの、ごめんなさいね~。勇者さまってたくさんいるから
     普通の人との区別がつかないの」

  勇者「…………」

ルイーダ「でも、あなたここよりも武器屋にいったほうがいいんじゃない?」

  勇者「えっ」

ルイーダ「防具しかつけてないじゃない」

  勇者「父の教えです」

ルイーダ「えっ」


===回想================================


勇者父「いいか勇者!冒険の途中、持ってる武器が壊れたりしたら…
    その時おまえはどうする?」

 勇者「魔法を使うかな…一応メラとホイミを使えるし」

勇者父「魔法を封じられたら?あ、この時点で武器も既にないのも忘れるなよ」

 勇者「そしたらアイテム使ってなんとか…防具もあるから、防御したり
    仲間にたすけてもらったり…」

勇者父「その仲間やアイテムもなーんにもなかったらどうする?
    防具も壊されて、おまえには何が残る??」

 勇者「えー…自分だけ??」

勇者父「惜しいな。ならばどう戦う?」

 勇者「戦う前提!?そしたら、もう素手とかじゃん!」

勇者父「そう、それでいいんだ」

 勇者「えっ」

勇者父「いいか、勇者。おまえは儀式で選ばれた!
    だが焦ったりする必要なんてないんだ。

    まずは己の体を鍛えろ!武器や魔法に頼らずに!だ。
    いずれそれは万一の時、かならずお前の役に立つ!
    何かに頼って、いざ頼れなくなったとき、すぐに対応できるようにな!」

 勇者「はあ…」



==回想========================================


  勇者「というわけです。」

ルイーダ「うん、じゃあ武器屋に行こうか。今時素手で戦う人なんてスポーツ関係ぐらいよ」







【 北の国 】 城下町


勇者「追い出された…なんだよもう……」

勇者「まあいいや。人もいないし、1人でやろう。
   父は無茶苦茶な事言ったと思うけど、武器や魔法が使えなくても
   それで戦って生き残れるならそれは素晴らしい事…だと思う。」





【 北の国 周辺 】


勇者「やっぱり、ここらはのどかだなー。魔物もほとんど弱いやつばっかっていわれてるけど」



スライム「ぴきー!!」

勇者「うっ 早速かよ…でも、スライムを倒せないようじゃ
   この先命が幾つ会ってもたりない!
   うおおおおお!!」


 ドカ! ぼか! バキ!! グシャ!!



「 スライムをやっつけた 」


勇者「はあ…はあ…や、やったぞ。こ、これならイケル?かな?ははは…」




スライム「「「ピキー!!」」」



勇者「げ!今度は3体!?よ、よーし!3体なら!!」



ドガ!バキ!!グシャ!! ド ン!!


勇者「ぐっ!?…お、おおお~!?は、腹に体当たり…だと?」


スライム「ピキキ^^」

勇者「こ、こいつ~!!!」ブン!


 ドカ!!









勇者「はあ…はあ……はあ……くっ。素手で戦うのってこんなにきついのか??
   いや、武器を持ってもどうだろうな…」


勇者「(体中が痛い…今日は帰ろう。スライムといえども、人からすれば怖いことだってあるし
    いいとしよう。うん。)」


【 勇者の素手による特訓が始まった 】



【 1週間後 】


勇者「今日もスライムと戦って来る」

勇者父「おう、気をつけてな!帰って来て筋トレができるぐらいのほどほどでな!」

勇者母「丁度勇者が勇者に選ばれて1週間経ったから今日は勇者の大好きな高菜ラーメンね♪」

勇者「やった!!じゃあ、今日もほどほどに頑張って来るよ」







【 北の国 周辺 】



勇者「…さてと、スライムは」



スライム「「「「「ピキー!!!!!」」」」」


勇者「う…いきなり5体か……でもまけないぞ!!」


勇者「(スライムは小さいし、すばしっこい。そして何より僕は魔法も、武器によるリーチもないから
    スライムに接近しなけりゃならないけど、簡単に避けられてしまう。)


スライム「ピキキー!!」 スライムの体当たり!!


勇者「(この1週間で唯一得たものといえば…)」

勇者「飛びかかって来た瞬間!! そこにパンチをぶち込む!!
   スライムの体当たりと、僕のパンチ!! それがぶつかると…!!」


ぶっっぎゃあああああ!!! スライムをやっつけた!!



勇者「常に受け身になって危ないけど、避けつつカウンターをキメれば問題なし。
   防具きてるからといって、ただ攻撃受けてればいいだけじゃないんだ。」



スライム「びきいいいいいいい!!」


勇者「いってええええ!!噛み付きやがったな!!

   でもそのまま噛み付いてろ!!別の足から… ふみつける!!」


ぐしゃ!!


勇者「よーし、今日は順調だ。」

スライム「びきゃあああああああ!!」

勇者「さあ、来い!!」




【 1ヶ月後 】


【 魔王城 】



側近「魔王様、ただいま偵察から戻りました。」

魔王「うむ、ごくろう。して近況は??」

側近「相変わらず人間の間では勇者が選抜され続けています。先月も北の国で勇者が1人選ばれましたが…」

魔王「ほう、北の勇者がどうかしたのか?」

側近「他の勇者と違って、ぼっち旅です。しかも素手でスライムと毎日戦っていますよ。」

魔王「プっ…wwwスライムだと?しかもぼっちで素手とな?これはおもしろいわwww」

側近「今時、素手で戦う冒険者なんていませんよ」

魔王「そうじゃな。だが今までに無いタイプじゃから、ちょいとそいつの方の偵察も今後してくれ」

側近「了解です。」




パワー重視の勇者「…さっきから、無駄話を…!!うおおおおおおおおおおおお!!!」

魔王「おっと、そういえば今日のお客さん達だったな。ははは」

魔法使い「」

けんじゃ「」

魔法戦士「」


パワー勇者「よくも…よくもみんなをををををを!!!」

魔王「はいはい。ごくろーさん」 魔王の黒い波動。

パワー勇者「ぐああああああああああああ!!」





側近「ではこちらのパーティを、牢屋の方へ」

魔王「うむ、不老不死の薬も忘れずにな。
   我が城で永遠にすごし、やがて崩れて行く人格の崩壊が我の一番の楽しみじゃからな」

側近「はっ…(この城の牢屋が無駄に多くてよかった。今に満杯になるぞ)」

魔王「さて、一眠りでもするかなー」
   


【 さらに1ヶ月後… 】


勇者「せいけん突き!!」 ドガ!!

勇者「2段回し蹴りー!!」 ドガガ!!

勇者「アームハンマー!!」 グッシャア!!

勇者「ふみつけ攻撃」   ドンドンドン!!



スライムの山「」



勇者「よし!50匹連続討伐!!」


スライム「ぴいいいい!!」 スライムは逃げ出した。


勇者「お、逃げた。じゃあ今日はココまでとするかな。しかも、国からちょっと遠出もしちゃったし…」

勇者「帰るか。自分でいうのもなんだけど、スライムには負ける気はしない。
   午前は実戦。午後休んだら、筋トレ。この生活を続けたら、前よりは体に筋力ついたなー」

勇者「父の行ってた事がなんだか少しわかった気がする。自分の体に成果が出るのって、こんなに嬉しいものなのかな。」

勇者「さて、帰るか」

おうふ…見てくれてる人いるとは……
続けます。



【 勇者の家 】 夕方


 父「勇者!」

勇者「どしたの?」

 父「先程、城の兵士が来てな。国王が勇者に話があるとよ。」

勇者「え、ホント?」

 父「まあ…なんだ、お前がもしこの国を出て本格的に「魔王討伐に行け!」なんて話になったら……」

 母「うっ…うう……」

勇者「大丈夫だと思うよ、父さん母さん。
   自分でいうのもなんだけど、僕相当鍛えたからね。素手で戦う事の辛さと怖さがいっぺんにわかったから
   無理なときはすぐに帰って来るからさ。ね?」


 母「勇者ちゃん…」

 父「勇者…お前のウワサは最近聞くぞ。
   たったひとり素手でスライムと戦ってる若者がいるって」

勇者「ウワサになってるの?そんなに素手で戦うのって珍しいかな…」

 父「うん…まあ、そうだな」

勇者「とりあえず、心配はそんなにしなくてもいいよ。
   ケガとかしても必ず、僕はこの家に帰って来る。
   魔王討伐が出来なくても、家に帰ってくる事だけは約束するよ。二人の泣き顔とか見たく無いし。」


両親「勇者…!」


勇者「んじゃ、お城に行って来るよ!」






母「…おおきくなったわね。悲しいはずなのに、逆に誇れるわ。」

父「ああ。素手で戦う事はモンスターと直に触れるってことだからな。
  その恐怖と毎日戦ってるあいつだからこそ、余計おおきく見えちまうかもよ。」

母「そうね…。」



















【 北の国  城 】



勇者「王様!伝言を聞きに参りました。」

王様「おお、勇者よ。夕飯時に呼び出すとは申し訳ない。」

勇者「いえ、自分は気にしてはおられませんのでおかまいなく!」

王様「ほほほ、ではお言葉に甘えさせて、お主に少し行っておく事がある。」

勇者「は、はい!(今まで、スライムばっかと戦ってたからな……いい加減国を出ろ!とかいわれそう)」

王様「城の兵士に聞いたんだが、おぬし素手でスライムと戦っているとは本当かの??」

勇者「え!?あ、は…はい!勇者になった次の日から毎日素手でスライムと戦っています。」

王様「…まことか?」

勇者「まことです!(嘘はつけない…てか本当の事だから自身もって言おう)」

王様「うむ…それで、えーっと…スライムをどのくらい倒したのかの?」

勇者「確か…この2ヶ月で300匹以上は倒したと思います。」

王様「さ、300!?素手でか!??」

勇者「は、はい…」

王様「お、おぬしスゴいの…。よく魔物と素手で戦えるもんじゃい」

勇者「それは父が~ほにゃらら~で、最初は怖かったけど今では全然怖く無いです。
   スライム以外ではまだわからないですが…」

王様「ふむ…そういうことか。正論じゃな。」

勇者「………(ついに本題にはいるのか?)

王様「勇者よ、何か武器を欲しいとか思ってないかの?」

勇者「武器…?ですか??今の所は無いですね。
   今は素手と自分の体を鍛えているので…」

王様「そうか、お主の意見を聞いといてなんだが
   欲しい武器を1つプレゼントしようではないか。」





勇者「ええ!?そんなことは…」

王様「お主の強さにみこんでのことじゃ」

勇者「そんな…僕はまだ全然……」

王様「今まで選ばれた勇者で、いきなり素手で戦っているのはお主が初めてじゃよ。
   それに信用できる功績を残しておる。」

勇者「ええー…」

王様「今日はワシがお主と少し話がしたくて呼んだようなものじゃ。
   客人を手ぶらで帰らせるといけないじゃろ??」

勇者「は、はあ…」

王様「何もいらないならそれでよし。
   勇者よ、先程のお主の父親の言葉を借りるなら「素手で戦えなくなった時、武器は必要」じゃろう?

勇者「!!そ、そうですね。…でも僕はしばらく素手でやっていくつもりです。
   武器はあくまで荷物のままにします」

王様「…そうか(こりゃまたまっすぐな瞳でしゃべるのー)」

勇者「………(そりゃ武器も使っては見たいけど、なんかしっくりこないんだよな…)

王様「今から、武器庫にむかうぞい。そこでお主の欲しい武器を1つやろう」

勇者「はあ…」


【 勇者の家 】


勇者「ただいまー」

両親「ゆ、勇者!」

勇者「なんかね、魔王討伐は今まで見たいな感じで良いみたい。」

母「ほ、ほんとうなの!?」

勇者「うん、てかそっちの話は全然なかった。王様は僕が素手で戦ってることに興味をもったみたいでさ…」

父「そうなのか…で、その背中の白い剣はなんだ?」

勇者「ああ、これ?なんかライトセーバーっていって、軽くて丈夫な剣なんだ。プレゼントしてもらった。」

母「まあ…!」

勇者「背中に背負っても重さもほとんど感じないから良いけど、またしばらく僕はスライムと戦って来るよ。 
   王様言ってたっけ。スライムの数が減って商人も感謝してるって。」

父「そうなのか!勇者はすごいなー!!」

勇者「父さんの御陰だよ。素手で戦うのって結構勇気がついてくるよ。」

父「そうか、そうか!なら素手を鍛えるのもいいな!」

勇者「うん」

母「…オホン、じゃあ今日は王様からのプレゼント祝いでごちそうするわ!」

勇者「やった!!(よし…これでまた自分のペースで続けられる。正直1人の方が気が楽だもん)」



【 1週間後 】 北の国付近 


 勇者「さーてと、スライムは…っと。」





スライム「「「「「「「「「「「「「「「「ピキー!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 勇者「なにい!?大群だと!!」


スライム×12「ぴききききーーーーーー^^!!」 【 スライムは一斉に飛びかかって来た! 】

 勇者「うおおおおおおおおおお!!負けてたまるか!!」













【 1時間後… 】 


 勇者「し、死ぬかとおもった…ぜえ……ぜえ……」


 勇者「や、やばい……!死んでしまう。早く帰らないと…!!」


【 北の国 】 城門前の教会


 勇者「そうだ…この国の城門の前には旅の安全を祈るためにそれ専用の教会があるんだ。」

 勇者「こ、ここで休暇をとらないと…マジでやばい」




 スライム×5「びききーーーーー!」


 勇者「うがああああ!!しぬわけねえだろおお!!!」



 【勇者は逃げる事が出来た!】


 勇者「や、やった!武器を持ってないってことはその分身軽になれる……勉強になった。」





【 城門前の教会 】


 勇者「す、すみません…や、やすませてください……
    これ国王からの利用案内許可書で…す。」


 神父「おお!勇者様!!ひどいお怪我ではありませんか!!
    ただちに治療を行います!!」

 神父「僧侶ー!僧侶はいるかー!!勇者様の治療を頼むぞ!」

 僧侶「えーーー!?今入浴中だけどー!?神父さんやっといて!!!」

 神父「ばっかもーーーーーーーーーーーーーん!!!昼間から風呂に入るなとあれほど…」

 勇者「」

 神父「おあああああ!?」


【 しばらくして… 】


勇者「いや、本当におせわになりわした!」

神父「いえいえ、ここは旅の安全を祈願する教会ですのでケガをした人ならば
   すぐに治療できますよ。」

僧侶「(半分私のホイミのおかげなのになー、このジジイ)」

神父「これ、おまえさんもちゃんとあいさつせんかい」ボカ!

僧侶「いったーーーい!神父のすることじゃないわよ、この糞じじい!!」

神父「く、クソだと!?わしはそんな事言う風に育てた覚えは無いぞ!」

僧侶「ベーッだ!!…あ、えーっとケガは私も治しました。旅の安全を願っています。
   じゃあ、おじいちゃん私街に買い物しに行って来るから!!」ピュー

神父「僧侶オオオオオオオオオ!!!」

勇者「…」

神父「あッ お見苦しい所を…すみません。孫が無礼を…」

勇者「あ、いえ。僕は気にしてないので…それでは」

神父「もう出かけるのかね?」

勇者「はい、次は集団で囲まれても生き抜くようにコツを掴みたいんです。それでは!」




神父「(……ふむ、彼がウワサに聞く「素手の勇者」か。防具はつけてても武器をつけんとはの)」




【 再び近辺の草原 】


勇者「 考えてみれば、僕の特技は全てタイマン用になってる…
    まあ、元々1人で旅してるんだしワザ構成もそうなると言えばなるだろう。
   
    1人で、何匹にもダメージを与えられる方法…
    武器も魔法も無い、逃げる時追いつかれてしまった時、相手の攻撃から守って 
    反撃もできるワザ…う~ん。」




スライム×10「ぴききーーーー!!」


 勇者「うげ!?いきなりかよ!!」


 スライム×10はいっせいに飛びかかって来た!!


 勇者「うわあああああ!!ちくしょおお!!」 【 勇者は無我夢中で拳を繰り出した 】


 ぶげ!? どか! バキ!! ぐちゃ!!


 【 スライム×4 を倒した。】

 
 勇者「お?おおおお!! がむしゃらで殴りまくったら倒したぞ!!」


 【 スライム×6 は一斉に攻撃して来た! 】

 勇者「またか!おらおらおらおら!!」 【 勇者はがむしゃらに殴りまくった!!】


 べし! べし!! ぶちゃ!! どか!! ぼき!! ばこおん!!


 【スライム達をやっつけた!】


 勇者「はあ…はあ……た、倒した。殴りまくったら倒せた。」

 勇者「あ、考えてみたら変に1匹1匹狙うからダメなのか。
    武器が無い分力を入れる時間に隙が出来るから
    複数で襲われたら無我夢中で殴りまくる…

    うん、パンチの壁は攻防ともにすぐれてるな!」

 【 勇者は「ばくれつけん」を覚えた! 】

 
 勇者「でも威力が低い気がするな…まあいいや、そこは筋トレでカバーだ」




 スライム×20 「びぎいいいいいいい!!」



 勇者「うっそー!? これは相手に出来ない!!うおおおおおお!!!」


 【勇者は逃げ出した!! うまく逃げられた!!】


 勇者「(あ、戦ってばかりじゃなくて逃げる練習もしておこう)
    (いざという時に役立てば一石二鳥だ!)」


【 その1週間後… 】


 勇者「せいけんづき!!」

 勇者「かかとおとし!!」

 勇者「ラリアット!!」

 勇者「ムーンサルトキック!!」

 勇者「2段回し蹴り!!からのせいけんづき!!」

 勇者「そして!ばくれつけんだ!!!うおおおおおおおおおお!!!」




 【 勇者はスライムを倒しまくった!! 】



 勇者「ぜえ…ぜえ……や、やばいぞ。さすがに1日100匹はキツすぎた……
    はあ…はあ…あの教会でまたなおしてもらおう。  
    スライムの落としたお金あるし…大丈夫だろ」


 
 スライム×20「「びぎゅうううううううあああ!!!」」


 勇者「!! ……動け!動け動け動けえええええ!!!」


 【 勇者は逃げ出した! 間一髪逃げ切れた!! 】



【 城門付近の教会 】


 神父「勇者様…ここまでケガをするまでスライムを?」

 勇者「へへへ…ちょっと無理しちゃいまして……   
    すみません、次は気をつけます」

 神父「(武器や魔法を持った者でさえ1日100匹狩ろうとすれば、傷は負うだろう…
     この勇者…まだ経験が浅いというのに素手で全てやるとは……
     いや、素手での戦いに相当実戦慣れしておる )

 僧侶「あ!勇者様!!またケガしたの!!」

 勇者「ち、治療をよければお願い…します。」

 僧侶「言われなくてもするわよ!ベホイミ!」

 神父「ホイミ!ホイミ!ホイミ!ホイミ!!」

 
 勇者「(あ~~~~体の痛みが消えていく…)」

 【 勇者の傷が回復した 】





 僧侶「はい、部屋に案内するから。立てる?」

 勇者「う、うん。」

 僧侶「うわ、スライム臭いし…ベトベト」

 神父「失礼なことを言う出ない!!!」ボゲシ!!

 僧侶「ッッ~~~~~~~~~!?ゆ、勇者様!
    お部屋に案内します!どうぞこちらへ!!」


【 教会 客人の間 】

 勇者「じゃあシャワー借ります」

 僧侶「どうぞごゆっくりー」ガチャ バタン!




 勇者「(僧侶の人…とくに女の子はすっごくおしとやかで美人でおっぱいもでかいって
     友達が言ってたけど……ウワサってのは所詮ウワサだなー。
     おっぱいだけはデカかったけど。)」

 




 【 教会 礼拝堂 】


 僧侶「つかれたー」

 神父「何をいっとるか、小娘」

 僧侶「だってベホイミつかったんだもーん」

 神父「「めいそう」が足りんわ!毎日続けてればあの伝説級の癒し魔法
    「ベホマズン」を体得できるかもしれんというのに!!」

 僧侶「ふーんだ。」

 神父「ほう…まだ抵抗するか」

 僧侶「ゆ、夕飯の準備をしてきまーす!!」

 
 神父「はあ…」



【 次の日 】

 勇者「お世話になりました。」

 神父「いえいえ、これも神の導きです。旅の御武運を」

 僧侶「えーっと、頑張ってください。
    あと、その防具…なんだかすごい痛んでますけど
    買い替える事と、素手で戦うならツメかグローブをお勧めしますよー」

 勇者「そ、その手があったか!」

 僧侶「(なんできがつかなったのかしら…)」

 神父「僧侶の言う通りですよ。
    スライムはゼリー状でぷるぷるしてるからこそ、素手で殴っても大丈夫ですが
    他の魔物ではそうはいきません。固い鱗や、全身針の魔物だっているみたいですから。」


 勇者「お、おう…(確かにスライムには直接手で殴っても平気だったけど…スライムばかりに目がいってたな)」


 僧侶「……」

 神父「では気をつけて」

 勇者「はい、お世話になりました。」



 【 勇者は教会を後にした 】


【 勇者の家 】


 母「勇者!」

 父「昨日帰らなかったから心配したんだぞ!」

勇者「あ、ごめん。実はちょっとケガして、城門付近の教会に一泊させてもらった。」

 母「そ、そうだったの…」

 父「ふいー…無事で良かった」

勇者「あそこの人は親切だったよ(笑)」

 両親「そういう意味じゃない」


勇者「お、おう。もしかしたらまた教会で止まる事もありそうだから。
   門て夜の10時にはしまっちゃうし」


 父「そうか…わかったよ。気をつけてな!
   お前が最近メキメキ力をつけてどんどんウワサが広まってるから信用するんだぞ!」

 母「勇者ちゃんすごいね…本当に素手だけで戦うなんて。」


勇者「それだけどね、そろそろ新しい防具と…グローブでも買おうかな。」


【 ほぼ同時刻… 】

 ごごごごごごごご…


魔法勇者「くっ…!そんな!!あたしの魔法が効かないなんて!!」

魔王「ははははは!!魔法で我に勝てると思うな!!」

魔法勇者「…ごめん、みんな。あたし、もう魔翌力…が……」 ガク

遊び人「」

商人「」

戦士(♀)「」

僧侶(♂)「」


側近「…では、彼女らも牢屋に閉じ込めておきますね。」

魔王「うむ、では私も一緒に参ろう。
   捕まえた今までの勇者一幸達の絶望に身をよじった表情…
   それとも無気力になった表情…どうなっておるかの♪」

側近「自害しようとする人もいますが不老不死の薬の御陰で
   餓死もないので安心ですね。」

魔王「そうだな!ははははははは!!
   
   おっ…そういえば、あの「素手勇者」はどうなったかの?
   お主に聞くのを忘れておったわい!」

側近「はい、最近あの国近辺のスライムから聞きましたが
   1日100匹近くスライムを相手しているようです。」

魔王「なにい!?それは本当か!」

側近「はい。」

魔王「あはははははは!!これはおかしい!!スライム相手に何をそこまで必死になる事やら!!
   あははははは!ひーー!!うっ…くくく……うむ、では牢屋に参ろう」

側近「はっ」



メ欄にsagaで魔翌力は魔力になるよー
横入りすまぬ


【 城の市場 】

 勇者「(両親から貰った1000G、国からの3000G、スライムからとった483G…)」

 勇者「これで、身軽で丈夫な防具とグローブを買おう。」


 勇者は買い物をした!


 勇者「……こんなもんかな」


 E:厚手のグローブ 1500G 厚い皮で作った丈夫なグローブ。刺されたり噛み付かれても平気。
 E:ライトセーバー    無料 王様がくれた、軽くて丈夫な剣。まだ一度も使ってない。
 E:はがねの鎧   2000G ほのおや吹雪を防いでくれる上に、軽くて丈夫な鎧。
 E:エルフの首飾り  200G エルフの顔が掘られた、旅の安全を願う首飾り。気休め。


 勇者「(こんなに良い装備が手に入るのは、色んな勇者や兵士の人達が
     魔物をやっつけて他国・商人の物流がしやすいからだもんなー。)」


 勇者「よし!ぼくも頑張るぞ!!でも素手はまだまだだしもうちょっとスライムを倒そう。」







 勇者「(そしたら…次の国でも目指そうかな)」





【 第一部「素手スキルはロマン」 完 】

>>34
おっと、すみません。

えーっとこれで1部おわりです。
素手スキルは2週目以降の楽しみです。
いつかドラクエ10のアップデートがかなり進んだ後、格闘スキル縛りやってみたいです。

>>34>>32でしたw



【 勇者が素手で戦い始めて半年後… 】


 勇者は結局、決意が定まらずスライムを倒して倒して倒しまくっていた。
 無論、スライム以外にも「ドラキー」「串刺しツインズ」「びっくりサタン」とも戦った。

 新品だった防具やグローブは未だに丈夫なままだ。
 それは勇者が攻撃を避ける事に長けてるのか、防具が優れているのか。はたまた戦い方がうまいのか…
 どちらでもよかった、勇者からすれば万全な状態が満足の行くものだった。 

 そして倒した数こそ、何匹かは不明だが国内ではウワサではなく既に有名人として広がるようになった。
 彼自身は、基本的に「自宅、教会、平原、国王の城」の4つしか行動範囲がないので
 いったいそこから、どうやって有名人になっていったのか。
 勇者は不思議に思った。

 城に行って報告もしてれば広がるだろうと思ったが…



 僧侶「ほら、あの子よ!いつも素手で戦ってボロボロになってきて
    ウチの教会でお世話になってる勇者様は!」

 賢者「ほう、あの子なのか」

 遊び人「あ、ちょっとかっこいいかも。ガタイもいいみたいだし。」


 勇者「…………」


 なんとなくウワサの根源は理解した。




 【 そしてさらに半年の月日は流れた… 】



 勇者「えっ 全員「勇者」の討伐隊を編成するんですか?」

 国王「うむ、この数年の間に生まれた勇者達から50人を選び抜き
    その人数で魔物及び、魔王討伐に向かう部隊だ。」

 勇者「わお…」

 国王「おぬしもその1人になった。」

 勇者「………」



 国王「…とワシは個人的にはいいたいのだが、
    まず明後日から選抜試験があるからのー、それで審査を通った50人が選ばれる訳じゃ」

 勇者「はあ…(なんか一気に壮大になったな)」

 国王「試験に出るのも良し、受かっても別の道を行くのも良し。
    わしの意見などきにせず、自分の進む道を決めなさい。
    勇者が毎日のように生まれても、全員が魔王討伐にいかなければならないという
    理由はないのじゃ。   
    勇者になったものには周りからのプレッシャーがあるだろうが
    気にする事でないぞ。

 勇者「はい。」

 国王「うむ…では試験に参加してたらまた会おう。」







【 教会 】

 勇者「っていうのがさっき、あったんだ」

 僧侶「え!すごいじゃん!!受けなよ勇者」

 勇者「受けては見るけど、団体行動はね…それにまだ本格的に魔王討伐に行く実感がわかない。」

 僧侶「えー…素手でそんだけ戦えれば武器持てば相当強くなると思うけど」

 勇者「どういう理屈だ、使いにくいだけだよ。」

 僧侶「なんとなくb」

 勇者「ま…ホントどうするかね。」

 僧侶「まずは試験に行ってみる事からね!その後の事はその後に考えれば?」

 勇者「…そうするかな」

 僧侶「じゃあ、私夕飯作って来るね」

 勇者「うん、いつもありがとう。」

 僧侶「あんた毎日頑張ってるんだもん、私も見習わないと。」

 


 勇者「( 討伐隊への入隊試験か…ぼく以外の勇者ってどんな感じだろう……それを見るのもおもしろそうだ)」





【 場内 中庭広場 】

 国王「これより勇者だけによる「魔物・魔王討伐部隊」に参加する勇者を選抜する試験を開始する!!
    集まった勇者諸君!よくぞ集まってくれた!!
    魔物、そして魔王という恐怖にうちかつために今この場にいる勇気の結晶を
    私は一生忘れないだろう!!」


 色々な勇者「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおーー!!」」」」」」


 国王「今より、大臣から試験の説明が入る。
    皆こころして聞くように…」

 勇者「(試験てどんなかんじなんだろう…やっぱトーナメントとか?)」

 大臣「オホン…ではこれより討伐隊の試験の説明を行います。
    まず、「 魔法使い、僧侶、賢者」に属する勇者は
    今いる中庭広場で、こちらの指定する魔法を唱え、それを審査していきます。」


 該当する勇者「魔法の実践か…」

 該当する勇者「ふふ、これなら楽勝ね♪」

 該当する勇者「私がNo.1になるわ!」


 大臣「次に「戦士、弓使い、魔法戦士、…素手」に属する勇者は
    城近辺で、魔物との実戦試験を行ってもらいます。」


 戦士♀「実践…ですか。妥当ですね。」

 弓使い♂「…ん?大臣様が素手っておっしゃったが」

 魔法剣士♂「おいおい、今時素手で戦うヤツなんていねーっつーの。いるとしたら…」

 戦士「…うわさの素手勇者様?」

 弓使い「ふっ…まさか我々の前にいるとはな。背中の新品同様の白い剣を担ぐ素手勇者様か。」

 魔法戦士「ぶほ!ま、マジかよ…!受けるwwwwwwwww」

 勇者「(うるさいな…そんなに素手が珍しいのかな)」

 戦士♀「(素手で戦うとは、どういった腕前か見てみたいものですわ)」

 大臣「では30分後に試験を開始する!解散!!」






 【 実戦組(戦士、弓使い、魔法戦士、素手に属する勇者)】


 隊長♀「私は、この試験を審査する隊長だ。以後覚えているように」


 勇者「了解です。」


 隊長♀「(む、武器は背中の白い剣??…そして両手のグローブ。
      なるほど、こいつがウワサの素手勇者か。お手並み拝見と行こう)」



 【 城 付近 】


 隊長「では今より、試験の詳しい内容をいう。
     3日以内で「スライムゼリー」を10個とってくるように。」以上だ。
     質問がある勇者はどうぞ」


 魔法戦士「質問です!」

 隊長「なんだ?魔法戦士」

 魔法戦士「スライムゼリーってなんですか?」

 隊長「(そんな事もしらないのか…外にでていないのか?それとも……)
    スライムゼリーとは、スライムが落とす青いゼリーの塊だ。
    倒したスライムから魔力が抜ける時、ドロドロに溶けずにスライムの形のままゼリー状になることだ。」

 弓使い「(……ほう)」

 戦士「それを10個…ですわね」

 隊長「そういうことだ。ああ、これだけは言っておくがスライムを木っ端みじんにしても
    ゼリーの塊は何故かスライムと同程度の大きさになるからな。下手に加減はしなくても宜しい」

 勇者達「はい!」


 隊長「ではこれより試験を開始する!
    期限は3日以内!! 寝泊まりは各自自由にするように!!」


 勇者「(あ、じゃあ僕は教会でお世話になろう)」

 戦士「………(この素手勇者はやっぱりなぐったりしてスライムを倒すのでしょうか?)





 【 草原 】


 魔法戦士「はー、まじかったるいなー。スライム倒すなんて馬鹿馬鹿しい。
      やっぱ魔法や剣でばっさばっさ強い奴らを倒した方が向いてるぜ。ぎゃははは」

 

 スライム「ぴきー!」

 魔法戦士「お、さっそく出やがったな。くらえ!!メラ!!」


 【 しかし、はずれた!! 】

 魔法戦士「あ!?なんでだよ!!」

 スライム「ぴきー!!」どか!!

 魔法戦士「うぎゃあ!? い、いてー!!こ、こいつ!!」


 スライム「にやにや」



 【草原】

 弓使い「スライムゼリーか…10個もあつめろというと
     それだけ落とす確立が多いという事か…」


 弓使い「(ならばこの試験は楽勝だ。たかがスライム討伐とは…。)」



 スライム「~♪」

 弓使い「(む!前方にスライム…気づかれてはいない。この距離なら!!)」 
 

 バシュ!


 スライム「!?」  スライムをやっつけた!!

 弓使い「ふっ…こんなものだろうな。スライムは。さて、ゼリーは…」


 【 スライムはドロドロに溶けてなくなった。スライムゼリーは見つからなかった 】


 弓使い「…ま、いいだろう。狩って行けば問題ないだけだ。」


【 草原 】


 戦士「えい!」

 戦士「やあ!!」

 戦士「か、火炎切り!!」
 
 戦士「はあ…はあ……やっと5体倒しましたの」

 戦士「でも1個もスライムゼリーを落とさない……ホントに落とすのかな」

 戦士「う~ん…」




 勇者「」 てくてく…




 戦士「(あ!素手勇者さんだ!!…よしちょっと後をつけてみるかな。お手並み拝見)」

 

 勇者「(スライムか…正直倒しまくったからスライムが減ってる…なんてことになりませんように)」

 スライム「ぴきー!」

 勇者「 っ  ふ   ん   !!!!!!」 ボッッ!!



  ぶっっっっっっちゃああああん!!!!!



 スライム「」 【 スライムは木っ端みじんに吹き飛んだ。ゼリーは出なかった。】

 勇者「いきなり出るわけないか…まあ次だ次」

 

 戦士「……(唖然)」

   


戦士「(…い、いまのはどうやったんですの? 素手勇者さんにスライムが飛びかかって
    それを殴っって…あれって殴ったった言うのかしら??
    殴るとスライムって飛び散るんですの!?)


 しばらく戦士(♀)勇者は立ち尽くしていて動けなかった。 そして、時間は流れついに夕方の時刻になった。


【 草原 】

 勇者「どりゃああああああ!!」

 スライム「ぼきー!?」

 勇者「うらあああああ!!」

 ドラキー「ぎょあ!?」

 勇者「オラオラオラオラオラーー!!」

 串刺しツインズ「ぺぷし!?」
 
 勇者「はあ…はあ…そろそろキツい……」


 勇者の顔や腕には、痣や切り傷、噛み付かれた痕がある。
 すでに50匹以上のモンスターを倒して来たのだ。
 戦いまくってればケガは負うだろうし、体力の限界は来る。精神的にもだ。

 今日は帰ろう。その時だった。


 スライム×30「ピッキ~~~~ ^ー^ !!」


 勇者「うああああ!? こんな時に…!!」


 【 スライムは いきり立って襲いかかって来た!! 】

 スライム「ガブ!」

 スライム「がぶ!」

 勇者「いてえ!?両足を噛み付いてきやがった…!!動けn…」


 【 スライム達は一斉に体当たりをくり返した 】

 ぶぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼんっ!!


 勇者「ぶぽあ!?…く、こんなところで…!!うがあああああ!!」


 【 勇者は再び飛びかかって来るスライム達に向かって何度も腕を振り回した 】

 勇者「爆裂拳!!爆裂拳!!爆裂拳!!爆裂拳!!爆裂拳!!爆裂拳!!
    ぶあああああくれつけええええええ!!!!」


 ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボッッッ!! 


 スライム「「「「「ビピュエ!?」」」」」」 勇者のラッシュがスライム達を殴り飛ばして行く!!


 勇者「お前で最後だッッッ!!」 スカッ!

 スライム「ぴき!?」

 勇者「しまった!?はずれ…」

 スライム「ピk『ズバ!』……」

 【 勇者が攻撃をはずしたスライムは、直後に真っ二つに切り裂かれた 】




 勇者「なんだ…?」


 【 さらに 両足に噛み付いていたスライムも… 】


 勇者「あ、いつのまにか倒れてる。」


 【 勇者はスライムの群れをやっつけた! スライムゼリーを3個手に入れた! 】

 勇者「お、おお!!やった!! そこらに転がってたのから1個
    僕の噛み付いた2匹が落とした2個…。」




 戦士「だ、だいじょうぶすか!?素手勇者さん…!!」

 勇者「あ、君は…たしか……」

 戦士「せ、戦士勇者♀と申します…。」

 勇者「…ありがとう、君が助けてくれたんだね。」


 勇者の視線の先には、戦士の持つ剣先についたスライムの液だった。


 戦士「すごい叫びが聞こえましたので、気になって…」

 勇者「ははは…ホントにありがとう。命の恩人だよ君は。」

 戦士「恩人だなんてそんな…は、はやく治療を受けないと……!」

 勇者「ああ、ちょっとさすがにヤバい。体中が熱くて、フラフラする。
    でもその前に…」

 戦士「なんですの?早く教会に戻りましょう。腕を肩に…」

 勇者「…はい。スライムゼリー2個。」

 戦士「え?」

 勇者「僕の両足にいたスライムが落としたんだよ。だからこれは君のだ。」

 戦士「そ、そんな事…急にいわれましても!それに素手勇者さんが
    戦ってたのですから当然素手勇者さんのものですわ!」

 勇者「じゃあ、君へのお礼としてこれをあげる。それなら…いいで……しょ?」

 戦士「あ、ああ…!!素手勇者さん!!勇者さん!!」

 勇者「ん…大丈夫。ちょっとふらつくけど教会まで歩ける。」

 戦士「ゼリーの事は良いですから、はやく戻りましょう!
    もう暗くなってきましたわ。」

 勇者「…わかった。急ごう」

 
 勇者は全身ボロボロになりながらも、戦士勇者♀の肩をかりゆっくりと教会へと足を運んだ。
 その間、魔物が1匹も襲ってこなかったのは運がいいのか、
 それとも勇者がこの1年魔物を倒しまくって、辺りの魔物がいなくなったか。
 …先程の戦いで敬意を評し、あえて見逃す魔物がいあたか。
 
 もし後者のような魔物がいればこの世はちょっとだけ平和だったかもしれないが
 ここで描く事ではないので省略する。


 勇者と戦士勇者♀が教会に着いたのは、あたらいが真っ暗になった頃
 教会に住む僧侶が、選抜試験のために寝泊まりする色々な勇者達に、夕飯の支度を終わった所だった。




【 教会 】


 勇者A♂「なあ、スライムゼリーゲットしたか?」

 勇者A♀「ふえ…それが1個もとれなくて……10匹倒しただけじゃダメなのかな?」

 勇者B♀「私なんて、スライムに1匹しかあえなかったわよ!!
      探してる時間の方が多くて嫌になっちゃうわ!」

 魔法戦士「そりゃ、あの素手勇者が毎日スライム倒してばかりって聞くからなwwwww
      スライムが減ってるんだろwwwwだから遭遇しにくいwwwww」

 弓使い「妥当だな。我々がスライムを多く狩れない原因でもある。」

 勇者A♂「へー、なんかすごいな。そこまで倒したのか。」

 魔法戦士「はあ?どこがすげーんだよ!
      マジあいつ空気よめてねえよなー、スライムなんて本来狩る価値もないのに
      試験内容を邪魔するなんてよー。」

 弓使い「隣国からの商人達は食料への襲撃が減った。と、いわれてるがな。」

 勇者A♂「……なおさら悪い事z」

 勇者A♀「ふえ…ゼリー集めるの大変になっちゃったよ……」

 勇者B♀「あっっったまくるわ!!あいつが帰って来たら、皆で文句言ってやりましょ!!」


 ギャラリー勇者「「「そうだ!そうだ!!素手勇者のせいでスライム狩れない!!」」」

 勇者A♂「お、おまえら…!」

 僧侶「みなさーん、食事の準備が…ってどうしたんですか?」

 勇者A♂「あ、僧侶さん。実はちょっと…」

 僧侶「?」

 魔法戦士「ま!そもそもアイツがここにくるかどうかあやしくね?wwwww
      ママの家に帰ったか、それともノ垂れ死んだk…」

 僧侶「ちょっと!なんてこといってんのよ!!」

 魔法戦士「あ?」

 弓使い「ほう」

 勇者A♂「…そこらへんにしとけ。素手勇者の何が悪いんだ?」

 


魔法戦士「ぷwwwwwwえーなんですかあ?僕に何かごいけんでも??」

僧侶「そうよ!あいつの事ばかにしてるけど、アンタに何がわかるのよ!」

勇者♂A「俺は彼の事をウワサと、今日見かけたぐらいしか知らないが
     彼は悪い事をしていないだろう。魔物を倒して、それで色んな人が助かってるなら
     それこそ勇者そのものじゃないか?」

魔法戦士「っはあ!?wwwwww」

弓使い「言ってる意味がよくわからないな。我々の魔王討伐への第一歩を邪魔してるヤツが勇者だって?
    笑わせる。」

僧侶「どこがよ!そんなのアンタ達がスライム見つけるように頑張れば良いだけの話じゃない!!」

勇者A♂「…そのとおりだな。」

魔法戦士「あ?マジなんなんお前ら。けんか売ってるの?この勇者に??」

弓使い「やれやれ、隊長のいない間に勇者にたてつくとはとんだ悪人だな。   
    貴様は勇者なのかな?(笑)」

勇者A♂「な、なんだと!?」

僧侶「あんた達の方がよっぽど勇者かどうか怪しいわよ。おもいっきし悪人面だけど?
   女の子に持てないようなタイプでね。」

弓使い「このガキが…減らず口を!」

僧侶「どう見ても同年代じゃない!べー!」

魔法戦士「っかー、マジもう怒ったわ。お前、ちょっとオレとこいや。
     何がどう正しくて、何がどう悪いか教えてあげるから、さ?」

僧侶「うわ!さわろうとしないでよ!!ゲロ男のくせにキモイわ!!」

魔法戦士「…殺すぞテメエ!!」

僧侶「ひッ…」

勇者A♂「おい何考えてんだ!!」

魔法戦士「どけよ、コラ!!! マジ痛い目にあわすぞオイ!!」


勇者A♀「ふ、ふええ…」

勇者B♀「ちょ、ちょっと誰か止めないさいy…」


 【 その時、彼らの背後…教会の扉の開く音がした 】


戦士勇者♀「し、神父様!僧侶さん!けが人がいるんです!!治療をお願いします!!」

勇者「(や、やばい…さっきは熱かったのに…今は……さ、さむい!!)」



 勇者「く…っっそが…!死んでたまる…か!!」


 どよどよ ざわざわ

 魔法戦士「あいつが素手勇者か、ボロボロじゃねえか…ははは。」

 弓使い「………」


 ギャラリー勇者(以下G勇者)「え!?あの人血まみれだよ!」

 G勇者「ほ、ほんとだ!魔物にやられたのかな??」

 G勇者「あの人…!確か素手勇者じゃない!?」

 G勇者「えー!ほんとなの!?」

 G勇者「確か友人がグローブとピカピカの白い剣を持ってるっていってた!」 

 勇者A♂「な、なんだって!?彼が…??」

 僧侶「ゆ、勇者!?」
 
 勇者A♂「お、おい!しっかりしろ!!」

 勇者A♀「ひっ あ、あんなにひどい傷…
      スライムにやられたのかな…??」

 勇者B♀「素手で魔物と戦ってるからああなるに決まってるじゃない…! 
      ス、スライムを倒しまくってるんて、嘘よ!」

 僧侶「勇者!勇者!!」

 勇者「そ、僧侶…か?」フラフラ…

 勇者A♂「しっかりしろ!一体どんな魔物に…!!」

 僧侶「…また、スライムの集団に突っ込んだの??」

 勇者A♂「(スライムの集団!?…そんなのがいるのか。今まであったこともなかった。)」

 勇者「……うん、まあ。疲れてる時にやっちゃってさ。
    でもほらスライムゼリー3つ手に入ったんだ。2つは戦士勇者♀さんがとった。
    戦士勇者♀さんが途中で助けてくれたんだ。」 

 戦士「あの!ゼリーの事はいい加減に…」

 勇者A♂「(こんなに血まみれになってもゼリーをゲットしたのか…!しかも3個…!すごい!!
       俺は1個も手に入れてないのに…素手勇者、か。)

 僧侶「勇者のばか!スライムの集団と戦う時に無茶するな!ってあれほどいったのに!!」

 勇者「ご、ごめん……もう疲れてるときはすぐ逃げるよ。」

 勇者A♂「(まさか普段は普通に戦えるのか!?しかも素手で…??)」

 僧侶「…グスッ、とにかく部屋に運ぶよ!!」

 勇者A♂「両足は俺が持つ。(うわっ!ひどい噛み後だ…スライムにやられたのか。)





 魔法戦士「オイオイ!あんな血まみれになるとか…弱すぎるだろwww」
 
 弓使い「まったくだ。これで素手勇者の武勇伝の真相が判明したな。」


 僧侶 & 勇者A♂ & 戦士勇者♀「「「 ……………… 」」」

 G勇者達「 ………… 」

  
 


勇者A♂「……よし、ふたりとも上半身の方を持ったな!部屋に運ぼう!!」

僧侶「いつも勇者が使ってる部屋があるから、そこに運ぼう。2階のA1号室って所」

戦士「わかりましたわ!」

勇者「……すまない、ありがとう皆。」

僧侶「……っ。せーの!」



僧侶、勇者A♂、戦士勇者♀は、血だらけになった素手勇者を彼がいつも教会で使ってる部屋に運んだ。
そして周辺付近のパトロールから戻った隊長が教会に付いたのも同時刻だった。

つづく

なんかたくさんの方が読んでくださってるみたいで、ありがとうございます。
遅筆ですみません。




【 教会 】

 隊長「…そうでしたか、素手勇者がケガを。」

 神父「ええ、でも前からああいう風に帰ってくる事が何度もありましたから
    あの手の治療の方には随分慣れてますよ。 
    今日、明日安静にしていれば回復するとおもいます。」

 隊長「そうですか…ありがとうございます。
    本日は素手勇者の看護、教会での寝食を改めて感謝致します。」

 神父「そんなとんでもない!
    今日みたいに大勢の勇者様達が泊まるなんて滅多に無いですからね。
    どうぞごゆっくりしていってください。
    あなたと今日ここにいる勇者様達に神のご加護を。」

 隊長「…ありがとうございます。」


 


【 次の日 】


 僧侶「勇者ー、具合はどうー?」

 勇者「バッチシ、もう外いけるよ。だからさ、ベットから起こさせて」

 僧侶「 絶 対 ダ メ 。 あんたいっつも同じ事言ってて、血まみれで帰って来たの6回目よ。
    いい加減学習した方が良いわ。」

 勇者「ご、ごめん…でも試験がなー。どうしよ。」

 僧侶「勇者なら1日あれば、スライムゼリーの10個か20個くらい持って帰れるんじゃないの?」

 勇者「いや、無理でしょ。昨日40匹くらい倒したけど、見つかったの1つだけだよ。」

 僧侶「うっそ…そんなにレアなものだっけ??」

 勇者「僕もよくわからない。この1年、スライム倒してもスライムゼリーの事は全然考えてなかったから…。
    もし僧侶がいうようにレアったらこの試験相当、運がよくないと無理かも…」

 僧侶「わあ…それはキツそうね。いくら勇者でも。」

 勇者「でもやってみなきゃわかんないしねー。
    ちゃんと安静して明日の朝から頑張るからさ、そろそろ朝食が欲しい」

 僧侶「はいはい、応援してるわよ。
    でも一晩中、勇者のためにホイミとなえてヘトヘトなアタシに、もうちょっと気遣ってくれるなら
    パンにあまいミツ塗ってあげたのになー」

 勇者「」






【 草原 】


 勇者A♂「…スライムを倒してもゼリーを落とす気配がない。もしかしてゼリーになるのは時間が経ってから…とか??」

 勇者A♂「それに昨日の素手勇者…あれだけ血だらけになってるのは俺の想像以上の数のスライムの集団と戦ってああなったんだろうか?
      でなけりゃ、あんな充実した防具で大けがを負うはずが無い。
      それともスライム以外の魔物に…
      どちらにせよ素手だからリスクは大きいのか…」

 勇者A♂「……ゼリー、みつからないな。これはマズいぞ。」
   

=======


 戦士勇者♀「結局ゼリーを2つ渡されてしまいましたが…ホントにこれでいいんでしょうか?
       いえ、ダメですわ!! これは偶然であって、私のものではありません!!
       …あくまでスライムが落としたゼリーの確認用で持って来た。ということにしましょう。


=======


 魔法勇者「うひいい!? うわ!!こっちくるなよお!!」

 スライム「ぴっきーー!!」

 魔法勇者「ひい…ひい…メラ!!」 ドウン!

 スライム「ゔゅが!?」 ボシュウ!!

 魔法勇者「…へっ へへへ…スライムのくせに手こずらせやがって、ちっとはやるみたいだな!!
      …んだよ!!ゼリー落とさねえじゃねーか!!これだから雑魚は!!」

=======

 弓使い「…今日は5匹倒したが、昨日とおなじくゼリーの収穫はなし。
     もしやこの試験…スライムを倒す以外にも方法はあるのか?!」

=======


=========

 G勇者「うえーん、みつからないよー!!」

 G勇者「…うわあ!かみついてきた!!」

 G勇者「俺なんて、腹に体当たりくらったんだぞ!!」

 G勇者「隊長!スライムゼリーがみつかりません!!もっと遠くの方までいっていいですか?」

 隊長「ダメだ。この国のごく周辺のみが試験範囲だ。
    それ以上いくのも構わんが、試験失格になる上に昨日の素手勇者みたいに大ケガしても責任はとらない。」

 G勇者「えー」

 G勇者「あの人もちょっとおかしいよねー
     こうやって剣をつかえば、簡単に倒せるのに。」 ぶん! ぶん!

 スライム「おいぎゃ!?」

 G勇者「へへーん♪楽勝!」 

 スライム「きゅぴー!」 ド ン!

 【 G勇者の腕にスライムが体当たり! G勇者は剣を落としてしまった! 】

 G勇者「あ!」

 スライム「ピキー! ピキー!」 どか!どか! どか!

 G勇者「ひ!?…い、いたいよ!やめて!!け、剣が…!!誰か助けて!!」



 隊長「(こいつら城での訓練だけで一度も外に出ていないな…?)」 ズバ!

 G勇者「あ、ありがとうございます。隊長お~」グス
 
 隊長「痛いなら早く治療のために教会に戻れ」

 G勇者「は、はい~…」

 隊長「(あいつは訓練すらしてないだろうな…)



 【 教会  勇者の部屋 】

 僧侶「それでそれで、そのスライム達をどうしたの?」

 勇者「そこを僕が爆裂拳をくりだして退治したんだよ。」

 僧侶「…なんかいつも爆裂拳でとどめさしてない?」

 勇者「とびはねるスライムには一番あたりやすいワザなんだよ。」

 僧侶「へー」



 【 こうして2日目も過ぎて行った 】


【 試験最終日 】 【 教会 】


 勇者「っよ~し、体もばっちり治ったし、今日こそケガしないように頑張るぞ!!」

 僧侶「でも最終日だからちょっとくらいは頑張っても良いよ。   
    …大けがしたら夕飯抜きにするけどね。」

 勇者「僕はそこまでばかじゃないよ…」



 魔法戦士「お、素手勇者のやつようやく起きたのかよwwwww」
 
 弓使い「スライム如きにやられて1人、安静にしてるとは勇者として恥ずかしいな。」

 勇者「は?」

 僧侶「…勇者、いこ?こいつら無視してれば良いよ。
    勇者が素手でどのくらいたたかってるのか知らない無能だし気にする事無いよ。」

 魔法戦士「おーおー言うね、雌ブタ。
      今日は最終試験だから一昨日の事は見逃してやるが
      俺が受かったからには、覚えておけよ?」

 弓使い「私としては素手勇者の戦いを見たいものだな。
     ああ、それと僧侶殿には試験後の我々の治療を頼みたいな。体の方のね?」
 
 僧侶「ビクッ な、なによ!勝手に決めつけないでよ!!」

 魔法戦士「うるせえ!」

 勇者「…おい、なんのことかはわからないけど僧侶に何する気だ。」

 魔法戦士「どけよ弱虫。」

 弓使い「…何かごようでも?」
 
 勇者「聞こえなかったか?
    状況はよくわかんないけど僧侶に手を出すなっていったんだ。」

 魔法戦士「おいおい、状況がわからないならなおさらオレたちの状況を理解してくれよ!
      なあおい?オレたちがそのこに何かしようとでも思ってる??」

 弓使い「状況が理解できたならさっさとスライムを狩りに行って欲しいですね。
     邪魔ですよ。」

 勇者「は?」

 魔法戦士「は?じゃねえ。いい加減空気よめ。うざいんだよ雑魚。
      てめーのせいでスライムが全然でてこねーし、試験にも受からないかもしれねーんだよ。」

 弓使い「ずっとスライムを倒しているようだな。毎日毎日飽きずに良くやるものだ。」

 勇者「僕はまず素手で戦う事から体を鍛えているんだよ。
    そのためにスライムが丁度いいんだ。
    ほらスライムって弱いって言われてるけど、すばしっこいからなかなかあたらないよね。
    それに小さいから見失いやすいんだ。だからまずスライムを…」

 魔法戦士「そういうこと言ってんじゃねえんだよ!ボケなす!!
      おい、ちょっと面かせよ。いい加減頭きたわ…俺が状況の正しさをおしえてやるよ。」


 【 魔法剣士勇者は、腰の剣を抜きヘラヘラと笑いながら素手勇者を見下した。 】


 僧侶「な!ひ、卑怯よ!!丸腰相手にサーベルなんて… きゃ!?」

 弓使い「おっと僧侶殿。あなたはケガしたら危ないですから、こちらに…」
 
 魔法戦士「へへへ…」

 勇者「お前ら僧侶に何をするきだ。」

 僧侶「だ、だれか…助け……」


 シ~~~~~ン…




 G勇者「(ね、ねえ…あれやばくない?)」
 
 G勇者「(とめたほうがいいよね?)」

 G勇者「(おまえいけよ…)」

 G勇者「(なんで俺が!)


 勇者達をみつつも、目をそらす。それをくり返す、周りのギャラリー



 僧侶「……や、やだよ。」

 弓使い「ふふふ…」

 勇者「………」

 魔法戦士「さーてと!ここらでシンプルにいきましょうか
      だいたいお前もこんなオンボロ教会でよく泊まってスライム借り続ける気になるわ。
      料理もクソまずいし、なんでこんなところでとまらなk




        ド     ゴ     ン ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ !!   ガッシャアアアン…!!!!

   外 

   > うわ!なんだ!?

   > な、なにかとんで来た!?
   
   > あ、この人魔法戦士勇者じゃない!?



 勇者「おまえ、いいかげんにしろよ。次はもっとぶん殴ってやるからな。」

 弓使い「なっ!?えっ…??」

 僧侶「ゆ、勇者…?」


 【 魔法戦士勇者は自身の剣を見せびらかしながら、素手勇者を見ていたが
   素手勇者はその時に、腰をふかくおとし鍛えに鍛えた正拳突きを繰り出した。

   魔法戦士勇者の来ていた、金ぴかのヨロイもろとも魔法戦士を教会の外まで殴りとばした。
   ドアは粉々に砕け散り、教会の中と外にほこりが衝撃によってホコリが舞う。】


 魔法戦士「…あ……がっ ごふ……」ピクピク…

   
 
 勇者「…このクソったれ!!!よくも僧侶のことをばかにしたな!!?

    僧侶はいつも僕のケガを直してくれたし、おいしい御飯だっていつも作ってくれたんだぞッッッッ!!!!!!
    僧侶に何かしようってんなら僕は絶対に許さないぞ!!!!」


 僧侶「……………」

 G勇者「 唖然 」 





 神父「騒がしいと思ったら、いったい何が…って、あああああ!?
    これはいったいどういうことじゃ!!」

 勇者「ごめんなさい神父さん。
    さっき僧侶のことを侮辱しているヤツがいて我慢できなかったのでつい殴りとばしてしまいました。
    …申し訳ないです。」

 僧侶「ゆ、勇者!なんで謝るんだよ!!勇者は何も悪く無いよ!!うん!!」

 勇者「いや、だって扉壊しちゃったし…」

 神父「いったい何をやったんじゃお前は…」




 隊長「なるほど…大体の事情はわかった。」

 勇者「………」

 僧侶「………」

 隊長「素手勇者、魔法戦士勇者の両名は今回の討伐部隊選抜試験を不合格とする。」

 勇者「そ、そうですか…(ま、別にいっか)」

 僧侶「そんな!どうしてですか!!勇者は私をかばって…」

 隊長「ルールだからだ。試験内容は「スライムゼリーを10個とってこい」だ。
    それ以外の事を引き起こした二人は処罰の対象だ。」

 勇者「………」

 僧侶「な、ならあの弓使いも…!」

 隊長「ヤツも問題の中心にいたそうだが
    この2人と違って、被害を出した訳ではないのでな。  
    追加で「コウモリの羽」5個をとってくるように命じた。」

 僧侶「で、でも…!」

 隊長「いいか、小娘。これは遊びでやってる訳じゃないんだ。
    ましてや仕事やボランティアでもない。『命令』なんだ。
    魔物、及び魔王を討伐するという事だ。

    それに既に100人以上の勇者が…ゴホン。
    命が左右される危険な任務には、それに見合った人間が必要なんだ。
    まして素手という貧弱きわまりない状態の上、いちいち私情で問題を起こすようでは問題外だ。」



 僧侶「ひどい!!なんでそんな事言うんですか…」

 隊長「なんとでもいえ」

 勇者「…(さっき、何か言おうとしてた??ま、いっか別に)」

 隊長「何か質問があるなら受け付ける。ただし不合格はとりけせんぞ。」

 勇者「いえ、無いです。問題を起こしてしまい申し訳ございませんでした。」

 僧侶「えっ…」

 隊長「…そうか、では失礼する。  
    このまま外に出るのは自由だが試験の邪魔をするなよ。」

 勇者「はい」

 隊長「………」バタン

 僧侶「………」

 勇者「………」

 僧侶「……いいの?これで」
 
 勇者「え?…うーん、問題起こしちゃったしそれでダメなら仕方ないよ」

 僧侶「あっそ。じゃあお疲れ」バタン

 勇者「あっ。出てっちゃった。」


 勇者「…………」


 勇者「…………」


 勇者「…………」


 勇者「…………」




 勇者「……スライムでも倒しに行くか。目指せ爆裂拳の威力向上」




 
【 教会 】


 勇者「(……ん?まだ、教会に残ってる勇者達がいる)」


 ギャラリー「(…あ、素手勇者だ。)」

 ギャラリー「(…さっき、隊長が素手勇者と魔法戦士勇者を不合格にしたっていったよね)」

 ギャラリー「(あの魔法戦士勇者はともかく素手勇者はなんで不合格なんだろう…)」

 ギャラリー「(うんうん…)」


 勇者「…………」

 

 戦士「素手勇者さん!」

 勇者「あ、戦士さん」

 戦士「聞きましたわ!し、試験を降りるというのは…」

 勇者「ああ、それ?うん、問題起こしちゃったしね。仕方ないよ。
    ちょっとこの試験への認識が足りなかったし、ああいうことするようじゃ討伐部隊に相応しく無いってことだよ。」
 
 戦士「そ、そんなことありませんわ!
    周りの方から聞いたのですが、どうみても素手勇者さんは悪くありません!!
    それに腕の方も確かだと思います!」

 勇者「えー…」

 戦士「そ、それにこのスライムゼリーのこともありますのに突然こんなことになっても私…」

 勇者「そのゼリーか…んじゃ、それ貰うよ。
    それで不合格に関してはもうおしまいってことで。」

 戦士「え?ええ??」

 勇者「じゃあね。それとあの時は助けてくれてありがとう。  
    また会えたら必ずお礼をするよ。」

 戦士「えっ あ、素手勇者さーん!!……いってしまいました。
    私、あなたに色々と聞きたい事もありましたのに。」




 【 草原 】

 勇者「(結局、今まで通りに戻った訳か…
     でも不合格でもいいかな。団体行動よりも1人の方が落ち着くし…)」

 
 スライム「ピキー!」

 勇者「ふん!」 ぶお!!


 ボ ン!!


 スライム「」


 勇者「でもなんか悔しいな。
    気分転換に何か新しいワザとかも生み出したいな……」







 【 教会 】 僧侶の部屋


 僧侶「…………」

 僧侶「……なんで言い返さないのよ。」

 僧侶「それでもあんた勇者なの?」

 僧侶「……うっ…グスン……勇者のいくじなし!!」

 僧侶「わあああああああ…!!」






 【 フィールド 】

 
 勇者「うおおおおおお!!!」

 スライム「ぴ、ぴきー!!」


 【 スライム達は逃げ出した。 】


 勇者「ん、スライム達が逃げ出したぞ…はじめてだなー。あいつらから逃げ出すのって」

 勇者「……てことは、そのくらい僕が強くなったのかな?
    うーん……どうだろう。」



 勇者「あ、そろそろ夕方だし家に帰ろっと。
    (教会はなんとなく行きたく無いな…)




 【 教会 】


 隊長「では討伐部隊の合格者発表だ…。
    
    弓使い、戦士、勇者A♂、etc…だ。」


 「「おめでとー」」

 「「がんばってねー!!」」

 「「おみやげよろしくー」」


 弓使い「…ふっ 当然の結果だ。しかし素手勇者がまさか落ちるとはな。 
     やはり品格が大事ということだな。」

 戦士「むっ…!?」

 勇者A♂「やめとけ、時間のむだだ。」

 戦士「で、ですが…!!」
 
 勇者A♂「俺だって納得いかんが、素手勇者が決めちまった以上どうしようもねーだろ。」
      もう明日にはこの国をでて東の国に向かうっていうし、諦めろ。」

 戦士「………」

 勇者A♂「(素手勇者…お前と一緒に旅もしてみたかったな……
       このスライムゼリー10個、草原でそのまま落ちてるのがあったけど
       たぶん素手勇者が今まで倒して来たスライムが落として、そのままだったと思う。
       また会うときがあったら礼をいうよ。)」

 戦士「(結局ゼリーはなんとか10個みつかりました。
     でもその内8個は落ちていたものですし、これってもしかして……)」

 弓使い「(ふふふ…素手勇者には感謝しないとな。
      おそらく草原に落ちていたスライムゼリーの山は素手勇者が今まで倒したスライムが落としたもの!
      放置されていたのは、この私にとって幸運だった。
      素手勇者、貴行に心から感謝を申し上げます!…なんてな、ハハハハハハハ!!)」


 隊長「では各自、準備が出来次第明日の正午、城門前に集合しろ!!以上だ!!」


 討伐部隊「「「はい」」」

 残りの勇者「「「みなさんがんばってください!!」」」


 隊長「(結局素手勇者は来なかったな…まあ所詮素手だけではこの先わたってはいけないだろう。
     だが少しでも期待させたのはなかなかだったがな。)」





【 勇者の家 】


 勇者「不合格伝えたら、父も母もすこし安心したような顔してたな…」

 勇者「明日からどうしよっかな…」


 勇者「うーん…」

 勇者「……よし、旅でもでてみるかな。
    せっかく、戦いまくって力とかついたんだ。
    世界を旅するのも面白そうだ。満足するとこまでいったら家に帰ればいいし。」


 勇者「…いつか魔王を倒す勇者が現れるんだろうか」













 勇者「……僧侶のおっぱい、いつか揉んでみたいな。」






 勇者「何言ってるんだか、寝よっと。」



 【 次の日 】


 勇者「と、いうわけで旅出るよ。」

 父「…そうか。試験に落ちたのは腑に落ちんがお前が決めた事なら
   父さんは何も言わん。祈ってるぞ。」

 母「お母さんも反対はしないわ。でも絶対に無理しちゃダメよ?
   自分が満足した所で帰って来てね。」

 勇者「わかってるって。僕だって1人で魔王倒せるとは思ってないよ。
    ただ父さんが教えてくれた素手での戦いでまだまだ何か見つけられそうな気がしてさ。
    そういった意味での旅でもあるんだ。」

 父「そうか!そりゃ父さんも嬉しいよ。
   ここまでお前がたくましく見えるとは予想も着かなかったからな~…」

 勇者「僕もだけどね。前より結構筋肉着いたよ。」

 母「勇者ちゃん…」

 勇者「うん、無理はしない。必ず家に帰って来るよ。
    帰って来た時にどこかの勇者が魔王を倒してたらいいね。」

 父「ああ、とにかく気をつけてな。」

 勇者「うん。」

 母「……」

 
 勇者「じゃあ、いってくる。
    世界中旅して何かみつけてくるよ!!」







 こうして素手勇者は、1人未知なる旅へと進んだ。
 やがて彼の運命、そしてその精神力は大きく変化する。






【 教会 】

 勇者「でもあいさつはしていかないとねー。
    お世話になったんだし。」


 勇者「こんにちは」

 神父「おお!勇者ではないか!!
    隊長さんから聞いたぞ、試験での出来事を。」

 勇者「ああ、あれですか?
    しょうがないですよ、規則を破った事には変わりないですし。
    ここでお世話になったことを侮辱されましたから…
    それに試験に落ちても僕は気にしてはいませんよ。」

 神父「そうか…お前がそう言うなら何も言うまい。
    が、今日はどうしたんじゃ?
    見た所ケガもしてないようだが??」

 勇者「えっと、今日から旅に出るので挨拶しに来ました。
    たぶんしばらく帰ってこないと思うので。」

 神父「むっ また急な話じゃの。」

 勇者「ですね。」

 神父「まあ、気をつけての。でも一人だと旅は辛いから
    なるべく街で旅の仲間を捜すなりしたほうがええぞ。」

 勇者「アドバイスありがとうございます。
    でも僕1人で旅をしたいので…」

 神父「そうか…。お主に旅の安全と神のご加護がありますように」

 勇者「ありがとうございます。 
    今まで教会での飲食ありがとうございました。」

 神父「うむ。また遊びにでも来なさい。」

 勇者「はい、…ところで僧侶は?」

 神父「ん?僧侶なら街へ買い物に出かけてるぞ。会いに行くか?」

 勇者「いえ、このまま東の国を目指してみます。」

 神父「東か!あそこは商業で盛んな国じゃから色々なお店があるみたいじゃぞ。」

 勇者「そうなんですか」

 神父「ああ、無理せずにな。」

 勇者「はい、では。」

 神父「(元気でな、素手勇者。お主がこの1年、素手で魔物と戦った事はきっと今後の旅に役立つと思う。
     ワシも若い頃は勇者として色々な場所を冒険したが、武器や魔法が使えなくなったときは
     慌てて何も出来なかったわい。その点、素手勇者には素手だからこその戦いが出来ると思うぞ。)





【 城門(東) 】


 勇者「さてと、せいすいに薬草に食料も持ったし出発……ん?」




 隊長「いいか!これより我ら討伐部隊は東に向かう!!
    各時隊列を乱さず後進せよ!!
    そしてこれからは、城のなかという安全な場所での訓練ではないホンモノの戦いがまっている!!
    それを意識せよ!!」


 討伐部隊の勇者「「「「はい!!隊長!!」」」」」

 勇者A♂「(いよいよ、旅が始める……!これで魔王を倒す事が出来れば世界は平和に…!)」

 戦士勇者♀「(お父様、お母様…どうか見守っていてください。私はこの任務を全うしてみせます!!)」

 弓使い「(ふっ…これで戦果を挙げれば、このワタシの名は世界中に……ふふふ)」




 勇者「…げっ 討伐部隊って東に向かうのか。」






 勇者「………」











 勇者「よし、西の国を目指そう!」





 【 勇者は西の国へと向かった 】




【 西の草原 】


 勇者「おー…西は、北と違って紅葉が目立つ地域なんだな……」

 勇者「さて、まずは西の国を目指そう。」
 
 勇者「……道や立て札もあるし、のんびり行けるかな?」



 ガサガサ!!

 
 勇者「む!?」


 【「かぶとこぞう」 「おばけきのこ」があらわれた!! 】


 勇者「うっ!見た事も無い敵だ!!スライムと違って強そうだぞ!!」

 Kこぞう「うおおお!!」 ドドドドドド!!

 勇者「うわ!!突進して来た!?」 サッ!

 【 勇者は余裕でかわした! 】

 勇者「(でも、思ったよりも遅いし直線的だ…!これならいけるか!?)」

 おばけきのこ「ふしゅうう!!」 ボシュ!!

 【 おばけキノコは辺り一面に胞子を撒いた!! 】

 勇者「うわ!?なんだこれ!! …うっ なんだ?目が重く」

 Kこぞう「うおおお!!!」 ド ン!!

 勇者「ぐは!! いってええ!!でも目が覚めた!!」

 Kこぞう「ごおおお!!」 ドドドドドド!!


 勇者「3度もくらうか!! 転んでしまえ!!」

 【 勇者は突進して来るかぶとこぞうに足を引っかけ転ばせた。】

 Kこぞう「!?」  ずてん!

 Kこぞう「うお!」 むくっ 

 勇者「起き上がった所は無防備だ!!!」

 ボッッ!!


 バキッッッッ!!!!


 Kこぞう「」


 おばけこぞう「ふしゅ!?ふしゅうう!!」

 勇者「うげ!?きょ、きょりをとらないと…」

 きのこ「ふしゅしゅー♪」


 勇者「…石でも投げてみるか」 チャッ

 勇者「あたれ!!」

 ビュンッッ!!!


   ガ  ン ッ ッ !!


 きのこ「」


 勇者「お!やった!!倒したぞ!!
    そうか…石を投げる。なんで今まで浮かばなかったんだろう。
    砂かけたりもいけそうだ。」


 【 勇者は「石つぶて」「すなかけ」を覚えた! 】


【 西のフィールド 】


 勇者「意外と西の国までの道のりは長いな…」


 プリズニャン「うにゃあ!!」 ヒャド!!


 勇者「うおわ!?なんだ!!」

 プリズニャン「うにゃにゃー!!」 ガウガウ!!

勇者「いたたた!? このやろう!!」 ボカ!!


 プリズニャン「」


 勇者「あぶなかった…魔法を使う魔物も出て来たのか……」


 勇者「今夜寝る場所とかどうしよっかな…」








 【 そして夜になってしまった… 】


 勇者「うおおおおおっっっ!!」


 バブルスライム「うけけけけ!」

 ドラキーマ「うぽぽぽぽ!」

 デスファレーナ「ふっしゅうう!!」

 
 勇者「(ど、どうする!?また見た事ない敵が3匹も…!!)」


 勇者「…!空をとんでるのが厄介だ!!石を投げて撃ち落としてやる…蚊トンボめ!!」


 ビュン!!

 【 しかし攻撃は外れた 】


 蚊トンボ「~~♪」


 【 バブルスライムの体当たり! 】 ミス!

 【 ドラキーマのかみつき攻撃! 】 ミス!


 勇者「おっと! こいつらも意外と攻撃が遅いぞ…!! その隙に…!!」 ドタドタ!


 【 勇者は全速力で魔物達の間を駆け抜けながら、石をたくさん拾った 】


 勇者「これだけあれば当たるだろ!!」 ブオン!!


 【 勇者の投げた大量の石はショットガンのごとく、蚊トンボにふりかかる!!】

 
 蚊トンボ「ぎゃ!?」


 勇者「落ちて来た所に…回し蹴りいいい!!!」 ブオン!


 ドカン!!!



 蚊トンボ「」


 勇者「はあ…はあ…!よし、あと2体だ……!!」


 勇者「うおおおおおおおおおおおお!!!!」



いったんココまで



 勇者「あの緑色のドラキーにも、石つぶてだ!!」

 【 勇者は大量の石をドラキーになげつけた! 】

 
 ドラキー「どぎゃぎゃ!?」 どてん

 勇者「おらあああああああッッッ!!」 ボッ!

 
 ぶっちゃあ!!


 ドラキー「」


 勇者「よ、よし!これであと1匹…!!はあ…はあ…」



 バブルスライム「びゅるるる!!」

 勇者「スライムと似ているけど、スライムより移動は遅い…」

 勇者「なら先手必勝!!」

 勇者「うりゃあああ!!」 ボッ!


 ぶにゅ


 バブルスライム「けけけ」

 【 バブルスライムは余裕の表情を見せている 】

 勇者「げっ!なんだこの弾力はっ!!もしかして素手が効かない!?」

 バブルスライム「うしゃー!」 バッ!



 勇者「よし、ならメラを打ってみよう」 ボシュ!

 バブルスライム「!?」

  
 バブルスライム「こげこげこげこげ!?」

 


 バブルスライム「」




 


 勇者「よし…うまく倒せたみたいだ。」


 勇者「父が教えてくれたこのメラの呪文が役に立ったな。」

 勇者「あとはホイミも使えるけど魔力は大切にしないとね。」



 勇者「うわっ、もう暗くなってる。」

 勇者「はやいけど、今日は野宿でもしようかな…丁度道ばたに
    大きな木があるから、アソコで寝よう。」




 


 勇者「父が言ってたな。野宿するときはメラでたき火を起こしてからにしろ!って」

 勇者「よく燃えるし、こりゃ暖かくて良いや…」

 勇者「さっそくメラが役に立つとは…とうさん、ありがとう」

 
 勇者「さて寝るとするか…鎧きたままで良いか。魔物来てもそう簡単にケガはしないと思うし……」
 
 勇者「父がたき火起こしてれば魔物はよってこないっていうけど、それは不安だな」


 勇者「(さすがにちょっと怖いや…)」

 勇者「でも1年実戦で鍛えまくったんだ。自分の体を信じよう。」


 【 勇者は仰向けになった 】


 勇者「星が綺麗だなー…いずれ勇者の人間もあのくらいたくさん出れば平和になるかな……」

 勇者「星…綺麗だ……」

 勇者「…………」

 勇者「…………」

 勇者「…………」

 勇者「…………」

 勇者「…………」

 勇者「…………」

 勇者「…………」

 勇者「……zzz」



 勇者「zzz…zzz」







 【 翌朝 】



 勇者「……っは!?」



 勇者「…よかった、何もおこってない。」

 勇者「母さんが作ってくれたお弁当でも食べよう」

 勇者「……」もぐもぐ

 勇者「………」もぐもぐ

 勇者「……………」もぐもぐ…

 勇者「……ちょっとしょっぱいな。」

 勇者「……まだ僕の旅は始まったばかりだ!!
    自分の納得が行くまで旅をするんだ!!」




 勇者「…よし、そろそろ出かけよう」







 【 西への道 】


 勇者「…む」


 バブルスライム×3「「「 ぶるぶる~! 」」」

 ホイミスライム×2「「「 ほみ~ 」」」
 


 【 魔物の群れが現れた! 】

  
 勇者「よし、これは逃げた方が良いぞ。先に町にいって休める場所が欲しいもんな。
    これは旅をせずともスライムと戦いまくって教訓になったことだ。拠点があれば怖く無い。」



 【 勇者は逃げ出した。 】
 
 【 しかし、回り込まれてしま… 】



 勇者「…うわけねえだろおおおおおお!!!」 

 【 勇者は全力疾走で逃げ出した!! 】

 【 しかし、魔物達も全速力で追いかけて来た!! 】


 勇者「おああああああッッッ!?」






 【 数時間後 】 西の村付近


 勇者「はあ…はあ……な、なんとか死なずに魔物をやっつけれたけど、まさかいきなりボコボコにされるとは……
    やっぱりスライムとの戦闘になれてるせいだ……。」

 勇者「げほっ げほっ!! おえ…
    いや、やっぱり1人で複数の魔物と戦うのに無理があるのか…な?? ごほっ!
    一度に何匹相手に出来たら上出来かな……おえっ

    それか遠くに攻撃できる新しいワザも欲しいな…。
 
    ごほっ ごほっ オエエエエエエエエ…」 ビチャビチャッッ……!!



 勇者「おえええええっっ さっき殴ったバブルスライムの肉片が口の中に入って
    思わず飲み込んじゃったけど……気持ちわr……おぼええええッッッ!!」


 勇者「ああ……あああああ…!!」

 勇者「でもここまで来たんだからやっぱ素手での戦いを向上させたい…
    素手で可能な遠距離攻撃……石つぶてとか道具使って投げるのしか思い付かない………」


 勇者「おえええええええ!?」

 勇者「…神父さんに貰った『せいすい』って飲んでも効くのかな?  
    せめてうがいにでも使おう」


 【 勇者はせいすいを口に含んだ 】


 勇者「うぷっ…なんかよくわからない味だけど、楽になった気がする。
    これも教訓だな。」


 勇者「…頭がクラクラする。 うッ 血が出てるのか……もうすぐ町なんだ。
    少し休んだらホイミ唱えて、そうすりゃ回復も……」


 
 あばれうしどり「もっぴいいいいいいい!!!」


 勇者「…ぎ!?……ぎゅおおあああああ!!!」

 【 勇者は死ぬ気で逃げ出した。 】






 【 西の村 】


 勇者「つ、ついた…!ついたんだ…!! やった!やったぞ…!!」

 町娘「きゃーーー!?けが人よ!!」
 
 町人「これはいかん!血まみれではないか!!だれか医者を…」

 勇者「す、すみません…だれか……やくそうでも何でも良いので…くださ…い」ばたん



 【 勇者は倒れた 】 


 【 数時間後 】

 村長「お体の方は大丈夫ですかな?」

 勇者「はい!助けてくれてありがとうございます!!
    見ず知らずの自分を助けてくれて感謝しています」

 村長「ほっほっほ。そんなに固くしなくてもいいわい。  
    このご時世なんじゃ、助け合って行くのは普通だと思うがね。」

 勇者「それでも自分は死にそうだったので、ありがたいです。
    …できれば何かお礼をしたいのですが、今手元には何も」

 村長「う~む、お礼と言ってもな…
    なら町の商店でもいってみてはどうですかな?
    一人でも多くの旅の方がいれば町の活気にもなりますわい。」

 勇者「…わかりました。
    では町の商店にいってきます。このご恩忘れません。」

 村長「おぬしかたいのー。…しかし、随分とひどくやられましたな。」

 勇者「ええ、実は…」


 【 勇者は事情を説明した 】

 

 村長「 なに!?素手でここまできたじゃとっっ!?」

 勇者「は、はい…(やっぱ素手って珍しいのかな?)」

 村長「そうか…それならあれだけ酷くやられた理由もわかるわい。
    お主が素手で戦う理由はわかったが、
    1回も剣を振ってないのは感心せんな。

 勇者「え!?なんで1回も振ってないってわかったんですか!?」

 村長「ふふふ、ワシは昔…剣士勇者としてここらへんじゃ有名だったんじゃ
    使い込んだ剣の状態くらい見極めれるわい。」

 勇者「そ、そうなんですか…」

 村長「(しかし、素手でたたかう勇者…いや素手で戦う人間が今の時代にいるとはの……
     この勇者の体と使い古したグローブ…相当な数のスライムと戦い負ったな。
     だからこそ、あの程度ですんだのか。)」


 村長「ま、剣を振っといて損は無いぞ。お主の旅が無事に行くのも祈ってるぞ。」

 勇者「あ、ありがとうございます。」




 【 西の町 】 夕方

 勇者「はあーっ お腹いっぱい!おいしい店があってよかったー!
    さてと、宿にでも泊まるかな!!」





 【 町の宿 】

 宿屋の主人「あらいらっしゃい…1泊、1人5Gよ。」

 勇者「えーっと、お金お金…
    あれ?壁の張り紙にある『ただいまキャンペーン中!』ってなんですか??」
 
 主人「あれかい?あれは1人5泊20Gのキャンペーンよ。1泊お得よ、旅人さぁん♪」

 勇者「(……別に今、いそいでる訳でもないし、ここを拠点に数日修行でもしてみるか)」

 勇者「じゃあ40Gで10日間とまるのって出来ます?」

 主人「いいわよ♪じゃあ40G確かに貰ったわ。これ部屋の鍵。  
    外出するときは、必ず部屋に鍵をかけた後に鍵を私に渡してね。」

 勇者「はい」






 【 翌日 】 村の外


 勇者「よし!今日から10日間ここで修行だ!! 新しい場所、見た事の無い魔物と戦うのは少しこわいけどやるぞおお!!」



 町娘A「ねえねえ、あの人。昨日血まみれで来た旅人さんじゃない?」

 町娘B「ホントだ。昨日村長さんが町の人と話してるの聞いたけど、あの人勇者さんみたいだってね」

 町娘C「えー!そうなの!?勇者でも大けがするんだ。」





 勇者「うおおおおおお!!!ばくれつけんッッッッ!!!」  ボボボボボッッッッ


 バブルスライム「ぶぴぇえええ!?」

 勇者「くっ!! スライムよりでかくて弾力があるから、思った以上にダメージが通らない!!」


 町娘A「あれ!?あの人素手で戦ってるよ!?」

 町娘B「うっそー!なんで!?」

 町娘C「あっ!バブルスライムに押しつぶされた!!背中の剣使えば、飛びかかった瞬間に真っ二つに出来たはずよ!!」

 町娘A「もしかして、素手で戦ってるから昨日大けがしたんじゃ…」

 町娘B「えー…ちょっとそれはださいわね」

 町娘C「よく素手で魔物に触れることができるよねーあの人」



 勇者「あ!メラで焼けてる所に攻撃したら、ダメージが通るのか!?
    よーし、だああああああ!!!」

 
 町娘A「おお、すごい。バブルスライムが飛び散った!!」

 町娘B「メラの熱で、ドロドロになったところを攻撃すると
     吹っ飛ぶんだ…初めて知った。」

 町娘C「えーでも、あの人その飛び散ったスライム浴びてバッチいよー!!」



 勇者「…よーし、バブルスライムにはメラを使ったあとにせいけんづき。
    しばらくこれをやってみよう。でもメラを使えなくなったときの事も考えないとな。」




 【 夕方になった… 】


 勇者「ぜえ…ぜえ……、くっ…返りスライムまみれになっちゃったけど
    昨日よりは何倍もマシになったぞ…!」

 勇者「…バブルスライムは基本地を這って移動するし、
    ドラキーマの空からの攻撃……どちらか一方に目を向けると隙をつかれて攻撃されるんだよな……」


 勇者「まあ…いいや、はやくシャワーを浴びて休もう……」






 町娘A「(うわ、でかいスライムかと思ったら、昼間の素手勇者さんか…
      まさかずっと素手で戦ってたの!?
      いや、さすがにそこまでじゃないか…)







 主人「…ちょっと!!スライムまみれで帰って来るとは聞いてないわよ!!!
    外に、井戸あるからそこでスライム落として来て頂戴!!」

 勇者「は、はい…!すみません!!」





 【 井戸 】

 勇者「…ゴクリ」


 ばっっしゃああああん


 勇者「うぎゃああああああああああああッッッッッ!?
    やっぱ、傷にしみるウウウウウウ!!!」

 勇者「うぎぎぎぎぎ…けどホイミ唱えれば治ると思えばこのくらい…
    ホイミとなえる魔力まで回復するのに休憩するのもあるけど…がま…んんんんんッッッッ!?」


 【 勇者は魔力が少ないタイプだった… 】


 勇者「しみっるるるるるるるうううううううう!?」

 


 主人「(…うっさいわねえ~)」





 



【 2日目 】




 勇者「ばくれつけん!ばくれつけん!!ばくれつけん!!」 ぬぼぼぼぼぼぼぼッッッ!!

 【 ホイミスライムを倒した!! 】 


 勇者「せいけんづき!!!! 回し蹴り!!! せいけんづき…!!」

 【 かぶとこぞうを倒した! 】


 勇者「このやろおお!!石つぶてをくらえ!!」 バシュ!!

 【 ドラキーマを倒した! 】




 勇者「うっ!ちくしょお…バブルスライムの攻撃が……」

 勇者「メラッッ!! 正拳突きっっ!!!」 ぶちゃりッッ!!


 べちょ~…


 勇者「…………」







 町娘A「うわ!?…って素手勇者さんか。あなたって実はそういうのが趣味なんですか?」

 勇者「ちがう!」

 町娘A「ちょっ…!スライムの飛び散ってます!!はやく洗い流してくださいよ!!」

 勇者「…ごめん」 ねちょ~

 町娘A「(素手でやるからそうなるのに、何考えてるのかしら……)」




 町娘A「あれ?でも、あれだけスライムまみれになるほど倒してるのかな??」






【 井戸 】

 勇者「しみるううううううううううううううッッッッ!?」

 主人「あんた!!ちょっと近所迷惑よ!!!」

 勇者「ご、ごめんなさ…いいいいいいい!?」

 主人「あーもう!!」




 【 3日目~5日目 】 夜



 勇者「うげあ…このベチョベチョはなんとかならないかな……」

 勇者「ほかの魔物はなんとか倒せるようになったけど……」


 ホイミスライム「ほいみ!!」

 勇者「む!ホイミスライムか!!」




 勇者「…なんだろう、ホイミスライムで何かひらめきそう」

 ホイミスライム「?」


 勇者「 ふんッッ!!! 」 ドウン!!

 ホイミスライム「」

 
 勇者「う~ん…バブルスライムをもっとうまく倒すにはどうしたものか」





 町娘B「あの人、毎日素手でこのあたりの魔物と戦ってるんでしょ?」

 町娘A「みたいね。しかも毎日バブルスライムまみれになって帰って来てキモイけど」

 町娘C「想像したら気持ち悪い…でも素手でやってるんなんてすごいよね。
     普通武器を持つのにね」
 
 町娘A「だよね…」





 勇者「よし!!今日は30体以上倒したぞ!!
    ようやくこの辺の魔物にも慣れて来たかな…!!」


 町娘達「えっ 30体!?(う、うそでしょー!そんなに倒せるものなの!?」



 【 その日の夜 】 宿屋の食堂


 主人「ちょっと素手勇者…」


 勇者「はい、なんでしょうか?」もぐもぐ

 主人「ここ数日、町周辺の魔物倒してるんでしょ?
    おかえげで町の人にもウワサで広まって、感謝されてるんだけどさ……
    そんな勇者には言いにくいけど夜…スライムまみれで帰って来るの
    すっごい苦情来てるのよ。」

 勇者「え!?」

 主人「夜にスライムまみれのナニカがうろついてて、それみた子供達がビックリしたり
    魔物と間違えて、攻撃されてもしらないぞって村長さんも言ってたわ。」

 
 勇者「そ、そうだったんですか…すみません。迷惑をかけてしまって」

 主人「(あら、素直ね♪)」

 勇者「それで主人さんに相談したいんですけど…」
 
 主人「なあに?」

 勇者「バブルスライム倒した時に、べちょべちょにならない方法ってあります?」

 主人「そんな事言われても、私はうまれてずっと魔物と戦った事無いし…
    何がどうなってそうなるの?」

 


 【 説明中… 】

 主人「だからスライムまみれになるのね…」

 勇者「はい…」

 主人「それ以外にはどんな方法でたたかってるの?」

 勇者「えーっと、『ばくれつけん』や『せいけんづき』とか
    あと、石をたくさん拾って投げつけたり……とにかく倒せるためになんでもやってます」

 主人「ふ~ん」

 勇者「………」

 主人「じゃあ魔物を投げて、ぶつけてみたら?ドラキーマって確か小ちゃいし、ホイミスライムとかも

 勇者「!!…そ、それだ!!!」

 主人「きゃっ どうしたのよ、もう…」

 勇者「思い付きました!!もっと良い倒し方が!!
    ありがとうございます!主人さん!!」

 主人「ドキっ そ、そう…それならよかったわ。」

 勇者「よし…まだ5日あるし色々試してみよう」

 主人「(そっか、この子10日ここにとまるんだったわね)」

 主人「………」


【 6日目 】

 勇者が戦い始めて1時間後…


 ホイミスライム「ほむほむ~」

 勇者「おらあッッ!!」 ぶげし!!

 ノ意味スライム「」

 勇者「よし…ドラキーマでもよかったけど、ホイミスライムの方が持ちやすいかも」


 【 勇者はホイミスライムの死体の触手部分を握った 】



 勇者「あとは…」

 バブルスライム「っっしゃああ!!」

 勇者「出たな!よーし…うまくいくかはわからないけど……」

 バブルスライム「ぶうー!!」


 【 バブルスライムは勢い良く飛び上がって来た!! 】

 勇者「…!!今だ!!!」


 【 勇者は右手で握ったホイミスライムを、飛びかかって来たバブルスライムめがけて… 】

 
 勇者「ふっとべえええええッッッ!!!」


 ばっっっっちょおおおおおおん!!!

 【 バブルスライムは遠くの方へとんで行った。 】


 勇者「…よし。あとはこいつを投げたり、ハンマーのように攻撃できたりもするな。
    スライム同士だと弾力同士ぶつかるから結構ダメージでかそうだぞ。」




 【 勇者は「モンスターボール」 …魔物を掴んで、別の魔物に投げつける。
      「モンスタースイング」…魔物をつかんで、棍棒のように振ってはじきとばす。
      「モンスターハンマー」…魔物をつかんで、ハンマーのようにたたき潰す。
    
                    を、覚えた! 】



 勇者「…小さい魔物なら掴めそうだ。」



つづく 



【 10日後… 】


 勇者「…というわけで、ここらへんの魔物を結構倒したと思います。」

 村長「お主、実はとんでもないやつではないのか??」

 勇者「い、いえ…自分はただの勇者ですよ。素手で戦ってるくらいです。」

 村長「そ、そうか…」

 勇者「じゃあ、僕は西の国に出かけますので…」

 村長「何か当てでも?」

 勇者「実はないんです…ちょっと自分が満足の行くところまで旅をしようかなって感じで」

 村長「なら西の国では、色々な大会が開かれておるからそれに挑戦してみるのもええの。」

 勇者「わかりました。では!」

 村長「気をつけてな!」

 勇者「はい!」




 【 宿屋 】

 勇者「じゃあお世話になりました!」

 主人「…ふふ、さびしくなったらいつでも戻っておいで。」

 勇者「えっ そ、それはその…」

 主人「アンタ、最初は変なヤツと思ったけど結構やるじゃないのさ。
    町の皆もウワサしてるわ、素手で魔物と戦う猛者がいるってね。」

 勇者「そうなんですか?やっぱ素手って目立つんですかね?」

 主人「まあそんなもんだろうね…でも、これからも頑張りな」…チュッ

 勇者「…/// えっ あ、は…はい!
    じゃ、じゃあお世話になりました!!」 ピュー

 主人「ふふふ…」


 





 町娘達「「「 あれ?勇者様もういっちゃったの!?
        毎日魔物倒してくれたお礼しようと思ってたのにー!! 」」」





【 3日後 】

 勇者「村長さんが教えてくれたけど、寝る前に聖水を周辺に撒いておけば
    魔物に教われなくなるって言ってたけど、本当みたいだ。」

 勇者「よし、これからは聖水をたくさん買うかな」

 勇者「…ただそうすると、いちいち荷物を置かないと大変だな。」









 勇者「ん?前方からすごい行列だぞ…」





 西隊長「諸君!!あと数日、この道に沿って進むと村がある!
     そこで物資の補給を済ませるぞ!!」


 西の国の勇者達「 了解です!! 」


 

 勇者「いっ…もしかして勇者達の討伐部隊!?
    あれ、でも見た事無い人達ばっかだ…」

 勇者「もしかして西でも討伐部隊が編成されたのか?」




 西隊長「 むっ、旅人か。村の方角から歩いて来てる…」

 西隊長「そこの旅人よ!少し話がしたい!!」

 勇者「( げ…呼び止められた!なにかな?)」





 西隊長「旅人よ。ここから西の村からここまで来たのかい?」

 勇者「ええ、そうです。」

 西隊長「生まれは西の村かい?」

 勇者「いえ、北の国からここまで来ました。
    つい3日程まえに村を出発したので」

 西隊長「そうか…では村の様子は?魔物の被害がもしあったならば聞かせて欲しい…」
 
 西隊長「それと君も勇者みたいだから、君の事も教えて欲しいな。」

 勇者「えっ どうして僕が勇者ってわかったんですか?」



 


西隊長「この世には勇者の素質を持つ者が何人も生まれている。
    そして勇者部隊は君のような年代の子が多い、ちょっとカマかけてみたが
    まさか図星とはね。」

勇者「…確かに僕は勇者です。今はとある理由で旅をしています。」


勇者♀A「 ヒソヒソ… 隊長ったらあの人と何話してるんだろうね。」

勇者♀B「 ヒソヒソ… しらなーい、でも隊長様のことだからきっと素晴らしい事を話してるに違いないわ。」

勇者♀C「 ヒソヒソ… 隊長、すっごくかっこいいもんね~。私も隊長とお話ししたいな~♪」



西隊長「彼女らもご存知の通り勇者だ。
    討伐部隊の試験を乗り越え、参加したという訳だ。」

勇者「はあ…」

西隊長「ところで、村の様子はどうだったんだい?
    ここら辺はあまり強い魔物はいないとはいえ、万一もあるからね。」

勇者「西の村なら、僕は10日程滞在しましたが平和でしたよ。
   修行がてら魔物を倒し続けてたら、村人の人に感謝されました。」

西隊長「ほう!なかなかやるね、勇者君!」

勇者「それほどでも…」

西隊長「その背中の剣で戦って来たのかい?
    白くて美しい剣だ。」

勇者「あ、僕は素手で戦ってます。この剣は保険で持ってます。」

西隊長「えっ」

勇者「ぼく、素手で戦って来てるんですよ。」

西隊長「(素手?まさかな…西の国いた時、北の国から来た商人が
     素手でスライムと毎日戦ってる若者がいる、と聞いたが…)」


西隊長「なら尚更すごいじゃないか君!素手でここまでくるとは大した者だ!!
    (…しかし本当か?素手で戦うなどとは命を捨てるようなものだ)

勇者「いや~、それなりに頑張りましたので…」


勇者♀A「 ヒソヒソ あの人素手で戦ってるみたいよ。」

勇者♀B「 えーだっさー…背負ってる綺麗な剣がもったいないじゃない。私が欲しいくらいよ!」

勇者♀C「 素手とか野蛮よ。だいたい、直に魔物にさわるとかありえないわ!」


勇者♂A「聞いたか?あいつ素手で戦ってるんだと」

勇者♂B「マジかよwwwとんだ命知らずwwwwwww」

勇者♂C「武器の良さがわからんとは…これも若さ故の過ちか……」




勇者「……(思いっきり聞こえてるし、ムカつくな…。素手の何が悪いんだよ!!)」

西隊長「…失礼、部下が無礼を」

勇者「いえ、気にしてないのでいいですよ。」

西隊長「そうか…では足止めをしてすまなかった。
    君の旅にも神の加護を」


勇者♀達「「「 ヒソヒソ キャー! 西隊長様の天使の微笑み!
           まるで天使の投げキッスみたいに私たちのハートを捕まえてるみたい!!」


勇者「(…なんかよく見たら、この討伐部隊。女の子がすっごく多いな。
    それだけ成績で偏ったのか?)」


勇者♂達「 ヒソヒソ けっ キザ野郎が…」



勇者「………(思いっきり隊長を睨んでる)」



隊長「では諸君!!村の方へ出発だ!!」

勇者♀達「はーい♡!!」

勇者♂達「ういーっす」

西隊長「(…素手で戦うなどと馬鹿馬鹿しい。
     だが村の村長などにあの素手勇者の事を聞けばわかるだろう)」

西隊長「素手勇者君、我々は今歩いている道沿いから1週間前、別の村から出発し
    更にそれより3日前に西の国より出発した。
    西の国には最低でも10日かかるよ。」

勇者「…わかりました。貴重な情報ありがとうございます!」










勇者「…いったか。さてと、僕も先を急ごう!!」



【 勇者の本格的な旅が始まった 】


 それから1週間後、別の村に到着した素手勇者は5日程宿を借りた。
 そこを拠点にし素手による実戦を、町周辺でくり返すと
 
 またたくまに、素手勇者のウワサは広がった。

 「 武器を用いて魔物を討つ。」

 それが当たり前の時代。素手勇者の戦い方は実に奇妙に見えたのだった。


 
 素手による戦いにコツコツと磨きをかけた勇者は
 第二の村を出発し…西の国へと無事に到着!!!


 

 勇者「…したいはず…ゲホ!! だったんだけどな…!」


 結局勇者は、全身返りスライムまみれ、全身打撲、おまけに出血、吐き気という
 かなりのダメージを負ったまま、西の国城門の兵士に助けられた。

 そして、自身の装備も少しずつではあるがダメージを蓄積して行った。



 
 【 西の国 城門付近の教会 】


 勇者「…次の町に行くときは、素手でも安全につける方法を考えよう。
    せいすいだけじゃダメだった…」




予定通り10時に投下します



【  西の国 】


勇者「また大けがして、たどり着くとは僕はまだまだ素手の修行が足りていないようだ…」

勇者「ここなら、色々な人もいるし素手で戦う人もいるかもしれない。」

勇者「……でもまずは御飯でも食べに行こう!」




 【 西の国 ルイーダの酒場 】


がやがや わいわい


勇者「やっぱり御飯といったらルイーダの酒場だよね。」

勇者「東西南北の冒険者の集いの場として店が開いているって言うけど、
   ここのルイーダの酒場でも、北の国と同じ「ローストビーフサンドイッチ」があるといいなー」


勇者「…なんかすごい厳つい人達がたくさん店にいるように見える。」


 カランカラン…

ルイーダ「あら、いらっしゃい。」

勇者「こんにちは、ローストビーフサンドイッチってありますか?」

ルイーダ「ええ、あるわよ。 カチャカチャ…
     それと、今日は食事だけの用件かしら?」

勇者「今の所は……僕は北の国からここに来たので
   西の国の詳しい事は知らないんです。」

ルイーダ「へー、あなたは北の国から来たんだ♪     ゴソゴソ…
     …この西の町はね、武器や戦いで有名な国よ。 ゴソゴソ…ニギニギ
     あ、サンドイッチできたわよ。」

勇者「あ、どうも。ここってそういう国なんですか。」

ルイーダ「ええ、色々な武器や防具の店。腕自慢を競う大会やそれを行ってる商店とか色々あるわ。」

勇者「武器に防具かー…(僕は防具だけで良いかな)もぐもぐ」

ルイーダ「あなた冒険家みたいだし、色々チャレンジしてみれば?
     その体格からだと結構鍛えてるように見えるし。」

勇者「そうですか?まあ確かに1年以上ずっと魔物と戦って修行とかしてました。」

ルイーダ「じゃあ、腕試しには丁度いいわね♪
     あ、サンドイッチは3Gよ。」

勇者「はい、ごちそうさまでした。」 がちゃ バタン


 ワイワイ がやがや 


ルイーダ「…あの子の鎧とグローブ結構ボロボロね。
     相当戦ったみたいだし、ここらで買い換えた方がよさそうな感じね。
     背中の白い剣はピカピカの新品みたいだったけど。剣だけ買い換えたのかしら?」

ルイーダ「…………」

ルイーダ「…………」

ルイーダ「グローブに白い剣??あれ…もしかして、あの子って……」

【 町中 】





勇者「…待てよ。先に宿屋を探さないとだ!  
   じゃなきゃ、野宿になってしまう!!」



> 今日は新品のどうのつるぎだー!!買え買えー!!

> なんとこれはメタルスライムのメタルゼリーを使って制作した鎧だよー!

> は~い、お兄さん♪ 今夜私たちの店でいいことしない~?

> 武器と防具の修理なら任せろ!!新品買うより安く受け持つぜ!!

> オレと勝負して勝てたらこの5000Gはてめーのもんだ!!

 がやがや わいわい




勇者「色々な店がありすぎてよくわからん……探検もしたいけど……
   宿を…ルイーダさんに聞いておけば良かったな。」



 【 路地裏 】


勇者「完全に迷った…」

勇者「やばい…どうしよう。」









勇者「ん?あれは宿屋のマーク…??」

勇者「しめた!!やったー!!宿でゆっくり休める!!」






【 古びた宿 】



 勇者「こんにちはー」

 少女「あっ…! い、いらっしゃいませ!!。」

 勇者「ここの宿に泊まりたいんですけど、空室ってありますか?」

 少女「…あ、あります。えっと…1階と2階の部屋全部です。」

 勇者「おお、やった。運がついてる!
    じゃあ2階の奥の部屋をお願いします。」

 少女「は、はい…どうぞこちらに……」

 勇者「(はー、見つかって良かった。これで安心して寝れる。)」





 【 勇者の泊まる部屋 】


 少女「で、ではどうぞごゆっくり…」

 勇者「あ!そうだ、忘れてた!!えっと、ここって1人1泊いくらですか?」

 少女「…10Gです。」

 勇者「(都会だとやっぱり高いのかな。)はい10G。」

 少女「ありがとうございます。」

 勇者「…あと、ここって一度に何日も泊まる事とかってできます?」

 少女「えっ あ、はい。一応出来ます…。」

 勇者「じゃ10日分泊まるので、残り90Gね」

 少女「(わっ…こんなに貰えた!)」

 勇者「……?」

 少女「っ! で、ではごゆっくり…」 ガチャ…バタン

 

 
 勇者「ふいーーー…つかれた。」







 勇者「ねむく…なってきたな」



 【 結局勇者は丸1日眠ってしまった。 】




 【 勇者の部屋 】

 勇者「さて、シャワーも浴びたし町に出かけよう」




 【 ロビー 】


 勇者「(ここの宿…相当昔からあるのかな?
     所々ひびが入ってるし、ちょっと古めかしいな…)」

 勇者「(でも不思議と落ち着く…、ピカピカに磨いてあるし」




 少女「あ…お出かけですか?」

 勇者「うん、ちょっと町をブラブラね。
    …あ、ここの宿屋への地図ってあります?」

 少女「あ、あります…!少々お待ちください!」

 
 勇者「なーるほど…ここをこう曲がって、ここにつくのか。
    ありがとう!じゃ、行ってきます。」

 少女「は、はい!いってらっしゃいませ…」

 

 少女「…………」




 【 武器と防具の店 】


 店主「いらっしゃい!!良い商品揃えたからどんどん買って行きな!!」

 勇者「(げっ!なんか急に高価なものばっかだ!!これじゃ買えないや…)」

 勇者「す、すみません…まだ選んでるんで……」



 【 武器と防具の修理屋 】

 店主A「いらっしゃい、ここでは色んな武器や防具を直せるぎょえ。」

 店主B「私は防具専門アルよ。」

 勇者「(さっき、町の人達に聞いたらここのお店をお勧めされたし、やってみようかな)」

 勇者「…じゃあ、このグローブと鎧の修理って出来ます?」

 店主A「おーこりゃまた随分と使い込んだな。もうこれは修理というよりほとんど新品に買い換えた方が良いぎょえ」
 
 勇者「えっ…そ、そうですか」

 店主B「こっちの鋼の鎧はまだまだ大丈夫アル。コーティングすればほぼ元に戻るアルよ。」

 勇者「あっ じゃあ鎧の方をお願いします。」

 店主B「鋼の鎧だと修理費は1000Gネ。」

 勇者「はい。えっとグローブは…」

 店主A「200G追加で、新しいのに付け替えてより丈夫にしてやるぞ」

 勇者「ほ、ホントですか!?やった!!」

 店主A「…と、いっても今はほかのお客さんの分もあるから
     出来上がるのは2~3日後だな。」

 勇者「じゃあ3日後に取りに来ます。」

 店主B「ピッカピカにしとくアルよb」



 


 勇者「……………うわあ。」 

 勇者「鎧とか普段外さなかったから、新鮮だなー。なんか体がすっごく軽いぞ。」

 勇者「…あ、そうだ。久しぶりにこのままで戦ってみようかな。」


 勇者「なつかしいなー、最初は何も装備しないでスライムと戦ったっけ。」

 勇者「よし、バブルスライムと戦ってみるかな!」






【 城門 】


 兵士A「おいお前、何も装備しないで1人で外に行くとは何事だ。
     君は昨日ケガしてるのに危険じゃないのか?」

 勇者「いえ、大丈夫ですよ。ぼくは一応勇者なのでちょっと特訓のつもりで…」

 兵士B「ほう、勇者か。だが背中の剣以外に一切何も装備していない者を外に出すわけにはいかん。」

 勇者「いや、今防具とか治してもらっていて…」

 兵士A「なら待てば良いじゃないか。武器だけでは危険だ。」

 勇者「いえ、何も装備してないからこそ試したい事があるんです!」

 兵士A「お、おい!どこへいく!!」
 
 兵士B「は、はえー…あっという間に見えなくなったぞ。」

 




 【 西の草原 】



 バブルスライム「ぶひい!ぶひい!!」

 勇者「体も防具をつけてないせいか軽いぞ!!
    よーし… ばくれつけん!!!」



 ドッッッゴオオオオッッッッ!!!













 勇者「ぜえ…ぜえ……ちょっと油断した。」


 【 勇者はバブルスライムとだけ戦っていたが、予想以上のダメージを負った。 】

 【 もちろん全身返りスライムまみれ。 】



 
 勇者「……もうシャワーとか浴びて兵士さんのお世話になるのもあれだな。
    下手したら外で修行させてもらえないかもしれないし」

 勇者「よし、見つからないように忍び込もう」

 勇者「……いや、スライムまみれだとスライムが滴り落ちてバレそうだな。
    近くに小川もあるし、そこで洗ってこよう。」




 【 勇者はそんな感じで3日間すごした! 】
 
 【 ライトセーバーは虚しく放置された! 】












 【 3日後 】

 店主A&B「お待たせー」

 勇者「おお!ありがとうございます!!やった!!」

 店主A「喜んでもらえて何よりだぎょえ」

 店主B「修理して欲しいのあったらいつでも来いアル」








 勇者「…さて、じゃあ改めて西の国付近のモンスターを討伐!!」

 勇者「…したいけど、さすがに今回は下調べをしてから向かおう。」
 
 勇者「あっ、お腹すいたから先に酒場で御飯にしよう」











 【 西の国 図書館 】



勇者「ルイーダさんに聞いて図書館の場所教えてもらったけど…広いな……」

勇者「………」

勇者「………」

勇者「………」

勇者「………」

勇者「………」


勇者「お、あったぞ…。『西の国周辺 モンスター生息図鑑』」

勇者「ふむふむ…なるほど……結構種類が豊富だな……
   それに使って来る呪文や、主な攻撃など掲載されてる……


勇者「……ん?魔物の攻撃に対して対応する
   各武装での戦闘アドバイス……??」

勇者「…素手の僕には関係ないか。」


勇者「おっ人型の魔物なんているのか!
   オークに…サキュバス??」

勇者「…ちょっとサキュバスには会ってみたいな///
   すごく美人でおっぱいもでかいぞ」


勇者「…げ!東の方はバブルスライム大量生息区域なのか!!
   大丈夫……石とか拾って色々と…」






【 城門 】

兵士A「あ、お前は!!」

勇者「えーっと、今度はちゃんと武器と防具をもってます!!はい。」

兵士B「そういう問題じゃない。
    ちょっとそこの事務室で注意事項を伝えねばならん。
    ついてこい。」

勇者「い、いやですよ。僕別に悪い事してないです!」

兵士A「こちらの質疑応答に答えず逃げた時点で、怪しい人間としてマークされてしまうぞ!
    それにもし外に出て、何も知らずに旅して万一大事になってからでは遅いんだ。
    これも職務としてだから悪く思わないでくれ。」

勇者「うっ…まあそういうことならわかりました。」

兵士B「よろしい。…いいか?どこの国でもそうそうだがまず武器と防具をしっかりと持たねば魔物にうんぬんかんぬん」



【 説教は30分続いた。 】





勇者「 やっと終わった…。気を取り直して修行開始だ!!」




 【 路地裏 】



勇者「くそ!帰る途中でバブルスライムが大量に出て来るとは想像もつかなかった…!!」

勇者「う~ん、やっぱり素手だと限界があるのかな…
   剣や弓はリーチあるから、距離も取れるし呪文使えばたくさん倒せるし…」

勇者「「おおきづち」とか武器持った魔物が出て来て…倒して武器奪って、それで戦って……
   そうすれば結構勝てたりするんだよな。
   でも素手でずっと戦いたいって言って…それで結局死んじゃったら元も子もないしな…」

勇者「…………」

勇者「…素手による戦いかー。意外と素手だからこそ何でもつかって戦えるのかな?
   僕何も装備してないし。」

勇者「……まだ、よくわかんないけど素手の戦いはまだまだ続けよう。
   よし!今日は遅いし早く帰って寝よっと。」


がさごそ…

勇者「……そういやバブルスライム倒して大量に手に入れた「どくけし草」…
   明日お金に換えるかな。」






 【 宿屋 】


少女「お母さん!お母さん!!しっかしして!!」

少女母「……うう」





勇者「えっ…一体どうしたんですか??」

少女「あっお兄さん…!」

勇者「その人君のお母さん??…すごく顔色悪いじゃないか!
   いったい…その前にベットに運ばないと…!!」

少女「へ、部屋はこっち…!」



 【 勇者は少女の母を寝室に運んだ 】


勇者「…なるほど、バブルスライムに全身おおわれて体の具合が」

少女「うん…1ヶ月前、ちょっと外に果物とか取りに行って襲われて…… 
   スライムまみれになっただけで、大丈夫だと思ったんだけど…」

勇者「3週間前から具合が急変した?」

少女「…うん」

勇者「お医者さんには見せたの?」

少女「…………」

勇者「……お金、ないの?」

少女「…………」ポロポロ…

勇者「…………」

少女「うち、貧乏なんです……ずっと昔から続いてた宿屋なんですけど……  
   お父さんが私の小さい頃に死んじゃって……
   お母さんが1人で頑張って…私も手伝いと化したんですけど……
   だんだんお客さんこなくなちゃって……
   毎日掃除して…ピカピカにしてるのに……」

勇者「……そっか」

少女「お母さんもだんだん具合が悪くなって
   今にも死んじゃいそうで……私もうどうしていいのか……うう」

勇者「…どくけし草ならたくさん持ってるよ」

少女「え?」


勇者「ほら」

少女「…で、でも私お金が」

勇者「いやいや、いらないよ。
   さ、どくけし草を煎じてお母さんに飲ませよう。」

少女「えっ…えっと」




【 数十分後… 】


勇者「これで良し。」

少女「あ、ありがとうございます…!お兄さん……」ポロポロ

勇者「いいっていいって、とりあえずどくけし草は
   飲ませたのも含めて9束……」

勇者「(…これだけ病状が悪化して体力も落ちてるとなるとききにくいかもな…)

勇者「うーん…量が足りないな。これだと…」

少女「えっ…じゃ、じゃあ」

勇者「…まった。まずは、ホイミ!」

勇者は「気休めだけど、熱とか少しでも下げないとね」

少女「あ、あの…」

勇者「…ちょっとだけ夜更かしして来るよ。 
   朝までには戻るよ」

少女「え、お兄さん…!」



【 夜 】
 
    メラ!

 勇者「たいまつに火をともして、それを3~4本作って…これを地面に突き刺して明かりを作る。」

 勇者「…そうすると、周囲に明かりがあって見渡しやすい」

 勇者「正直、夜の戦闘は初めてだから怖いな。」

 勇者「でもなんとなく行けそうな気がする。素手で度胸が着いたのかもな。」


勇者「………」

勇者「………」

勇者「………」

勇者「………」


勇者「…でてこいよ!!ドロドロオバケの貧弱バブルスライム!!
   人を毒でしか苦しめれない卑怯の姑息め!!
   くやしかったら全員でかかってこいよオラ!!
   てめえらなんか素手で充分だ!!床の染みめ!!」

勇者「………って言葉がわかる分けないか。
   自分で言って恥ずかしい」







バブルスライムの大群「「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


勇者「……」

勇者「出やがったな。」

勇者「最初にメラ!!」 ボッ!

メラメラメラメラ…

 【 勇者は自分のグローブに火を点けた。」

勇者「あちち!……せっかく直してもらったのにもったいけど、グローブに火を点けて直接炎を叩き込んでやる!!!」


勇者「うりやぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!」   ボウン!! ボウン!!




ドカ!バキ!! ぐっしゃああ!! ぶちゅるうう!!

ばっしゃあああん!! ゴッ!! ぼぐう!! グシャ!!

ぼぐ!! ドドド!!


ぶちゃり!! ぐっっしゃああああ!!!

 
   



…どが! ばき!!

………………………………………………………………
……………………………………
………………
……




【 3時間後 】



 少女「お母さん、元気になって……お薬、お兄さんが持って来てくれたんだよ?」
 
 少女「私ももっと頑張るから…死なないで……」

 

 バタン!!

 勇者「…ただいま!!!」

少女「!?…ひっ!!ま、魔物!?」

勇者「…あ、ごめん。僕だよ、僕。全身スライムまみれだけど」

少女「え、おにいさん…??」

勇者「はいこれ!!! バブルスライムって倒すとどくけし草を落とすんだ!!
   20束くらい持って来たから、このくらいあれば治るはずだよ!!」

少女「え…えっ??こ、こんなに毒消し草を……??」

勇者「うん。あと!この国に来た時に、周辺にすむモンスターを調べたんだけど
   バブルスライムの毒は、どくけし草をつかえば必ず治るんだって!!」

少女「っ!!…ホントですか!?」

勇者「うん、あとさっき言うの忘れてたんだけど、
   バブルスライムの毒で死ぬ事はないんだってさ!ただ吐き気とか頭痛が止まらなくなるんだって。」

少女「あっ…お母さんも同じ病気で…」

勇者「…と、いうわけでこのどくけし草全部あげる!!」

少女「あ、ありがとうございます!!お、おにいさん…シャワー浴びますか? 私すぐに…」

勇者「ご、ごめん!!今急いでるんだ!!
   このままだと……!!」


兵士A「見つけたぞ!!そこの冒険者!!」

兵士B「入国指定時間を過ぎた上、スライムまみれとは何事だ!!」

兵士A「さあこい!!お前がこんな夜中に何をやろうとするかは知らんが
    不法侵入罪に値する!!今すぐ城へ着いてこい!!」

勇者「わー!わー!ちょっと!!待ってください!!僕は別に…!!」

兵士B「だいたいお前怪しいぞ。今時武器もつかわないで冒険するとか…
    ここのところそうやって外で戦ってるようだな?
    出入りする旅人からの目撃情報があるぞ??」

兵士A「魔物を倒してくれるのは結構だがルールは守ってもらわないといかん。」

勇者「うっ…それは……」

兵士B「さっさと城に着いてこい!!」

少女「ど、どうしよう…!お兄さんもだけどお母さんへの薬も…
   あわわわわ…」





 【 翌日 】

 【 尋問室 】


勇者「(檻の中で過ごしたせいか、体が痛い)」

兵士A「大臣様、国内に不法侵入した旅人を連れて参りました。」

兵士B「被告の装備品はこちらです。」

大臣「ごくろう…して不法侵入とは?」

兵士A「は!昨日の夜、入国指定時刻を過ぎたのにも関わらず
    我々の制止をふりきって門をくぐろうとした事と…」

兵士B「ここ数日前から、外で魔物狩りをして裏町にコソコソと帰るのが目撃さrております。」

大臣「なるほど…後者の事はともかく、指定時刻をすぎても入国しようとするのはいかんな。」

勇者「それは…僕の宿泊してる宿を管理している人の母親が
   バブルスライムの毒に当たっていたので、それを治癒しようとして
   どくけし草を取りに行ったんです。
   バブルスライムをやっつけて拾うために。」

大臣「ほう…それは本当か?」

兵士A「はっ 今朝方、被告の宿泊していた場所を調査しました。
    そこで宿を管理している少女が証言と被告の証言した事は一致。
    また病状の母親が一人おりましたので、ただいま少女共々城内で療養させております。」

勇者「ほんとですってば…」

兵士B「黙っていろ!今被告人からの言動は認められていない。」

大臣「……被告から脅されて、あるいは病気にさせられたという事は?」

勇者「ちょっとそれは言い過ぎなんじゃないんですか!?
   僕は絶対に…」

兵士B「貴様!黙っていろと言っただろうが!!」

勇者「うっ…」

大臣「それで続きの報告を」

兵士A「 はっ 」

勇者「(あー…なんでこんな事に)」




【 更に翌日 】 留置場 


兵士A「出ろ。釈放だ」

勇者「えっ」

兵士A「釈放だ。」

勇者「やっっっっったあああああああああああ!!!!」

兵士A「疑ってすまなかったな…」

勇者「ほんとですよ…でも僕もごめんなさい……
   母親の方がひどく弱ってたのでちょっと急ぎで…」

兵士A「そうだったな…あの子の母親だが体調が回復して毒も治癒されたぞ。」

勇者「やった!!」

兵士A「それと国王様がお呼びだぞ。」

勇者「えっ」

兵士A「お前と話がしてみたいだと。」





 【 国王の間 】

大臣「先日は無礼を…」

勇者「い、いえ…気にしてませんから……」

大臣「…王様がお呼びだ、こちらへ」

勇者「はい」





西の王「こんにちは。あなたが素手勇者ね?」

勇者「は、はい…(あれ?素手ってことも知られてるんだ)」

西の王「先日はあなたに無礼をかけたことを深くお詫びします…」

勇者「いやいや!いえ!もう気にしてませんので!はい!大丈夫です!!」

西の王「しかし、魔物を討伐している上に国民を助けてくれた恩人に法律とはいえ
    尋問などを行ったのです。
    形式上とはいえ、申し訳ありません。」

勇者「は、はあ…」

勇者「あっ えっと…それでお話とは」

西の王「はい、またしても先の件のことになりますが
    北の国から来た転属できた兵士が素手勇者さんの事を詳しく聞かせて頂けました。
    なんでも素手で戦う勇敢な若者で北の王にお世話になっている…と」

勇者「えっホントですか!?北の兵士さんが…」

西の王「はい、その詳しい事と宿屋の少女さんの話…我が国民からの目撃情報から
    あなた自身の事を知る事が出来ました。」

勇者「そうだったんですか…」

西の王「ときに素手で戦っているのは本当でしょうか?
    疑う訳ではないのですが、武器を持って戦うのが当たり前になってる時代ですので
    私も少し興味があるのです。それに北の王と親しいとなれば……。
    もし素手勇者さんがよろしければ私に、旅の事をきかせて貰っても宜しいでしょうか?」
    
勇者「は、はい!…そうですね。まず僕が素手で戦うようになったのは…」



【 城内 】 客室

勇者「…まさかお詫びと話の礼に、「はやてのリング」を貰えるとは」

勇者「ていうかこれ国宝とかじゃなくて、国王様が昔冒険でつかったっていうアイテムなんだよな…」


国王「それをつけると、体の動きが速くなれるんです。
   …逃げたりする時にも便利ですよ♪」

勇者「逃げたリって、捕まらないようにってか?ははは…」

勇者「なんか疲れた…眠ろう。」

勇者「(しかも詫びでここに泊まるよう言われたけど
    正直落ち着かない…キラキラしすぎ!)
   




【 翌日 】 王の間


国王「では、あなたの旅に神のご加護を…」

大臣「南の町は魔法で有名な都市だ。
   色々とおもしろい情報を得られると思うぞ。」

勇者「はい、ありがとうございます。」

勇者「…あ、そうだ。聞きたい事があるのですが!」

国王「なんでしょう?」

勇者「ここに来る途中、勇者達の討伐部隊を見かけたのですがそれは西の国でも
   討伐部隊を編成してらっしゃると?」

国王「………」

勇者「えっと……」

国王「素手勇者さん」

勇者「は、はい…!」

国王「討伐隊は昨日、あなたの話にもありましたように北の国で編成されましたが
   同じように西の国でも編成されています。」

勇者「はあ…」

国王「北の王はおっしゃらなかったようですが
   この討伐部隊は、東西南北それぞれの国で編成されました。」

勇者「そ、そうなんですか??」

国王「はい。これまで多くの勇者が生まれ、魔物の脅威は徐々にですが減りつつあります。
   しかし、その魔物をとべていると言われる魔王の存在が未だ不明のままです。」

勇者「…魔王ですか。」

国王「そもそも魔王という存在がいるのかどうかもわかりません。
   しかし魔物は確かに存在します。」

国王「この討伐部隊は魔物を討伐して行くと同時に
   魔王の情報を手にするための計画でもあるのです。」

国王「4つの国から、それぞれの部隊が時計回りに隣国を訪れ
   やがて全ての国の状況を把握、交換する事でより有益な情報を集めるという内容です。」

勇者「はあ…」

勇者「…あれ?それって僕に言っても良いんですか??
   試験に落ちたし、何より試験でそのような詳しい説明ではありませんでしたよ!」

国王「私も、この事はあなたにお伝えする意志は最初ありませんでした。」

勇者「ならなぜ…」


国王「あなたは今、討伐部隊とは逆方向に旅していますよ?」

勇者「そ、そういえば…」

国王「そしてあなたは今1人。自由に道を選択していけるのです。
   部隊では規律に縛られることもあるのでしょう。
   それがあなたにはありません。」

国王「自分の足で、自分の目で、この世界を歩いて行けます。」

国王「もし故郷に戻る事があれば
   今話して来た事と、アナタ自身が見た内容を北の王に伝えて欲しいのです。」

勇者「な、なるほど…」

国王「いきなりの事で申し訳ないですが、あなただからこそ話せる事なのです。」

勇者「ええ?だって昨日は誤解とはいえ初対面で無実の罪人の人間ですよ?
   そんな急に言われても……」

国王「あなただからこそ…ですよ。
   素手でここまでやってくるその精神力の強さ。
   そして見ず知らずの他人もケガを惜しまず助けるその姿勢に私は一目おいたのです。」

勇者「そ、そうなんですか…」

国王「ですがこれは私個人の身勝手からあなたに言っている事です。
   今の話をナシにしてもらっても構いませんよ?」

勇者「そうですか(う~ん…そういわれると……あ、でも待てよ?)」

勇者「…結局のところ僕が自由に旅をして、そこで得た事を北の王様にお伝えするってことなんですよね?」

国王「はい♪」

勇者「そういうことでしたら、わかりました。
   僕は僕自身で感じたもの、見たものを王様に伝えます。
   元々僕は自分に満足のいくところまで旅をする予定だったので…」

国王「素手勇者さん…」

勇者「では僕は僕の旅を続けます。綺麗な部屋での寝食ありがとうございました。」

国王「こちらこそ…ではお気をつけて」

勇者「はい。」





大臣「…よろしいのですかな?今まで訪れた勇者のように色々教えたのは?
   これで6人目ではないですか。」

国王「大臣…ことは急をようするのかもしれませんよ?
   それに私が信じた人達に今まで悪人がいましたか?」

大臣「いえ…あ、でもマナーが悪い人間はおりましたな。」

国王「そ、それは誤差の範囲です!」

大臣「まあ良しとしましょう…。あの素手勇者も行方不明にならなければいいのですがね……」

国王「そういった事も含めて、はやてのリングを渡しました。
   あれは逃げる時には本当に便利です。」
   
大臣「そうでしたな。しかし、吉と出ますか……あえて目立たぬ者が地に残るか………」

国王「……近年、各地で行方不明になる勇者が多数。
   その調査も討伐部隊にはありますが、討伐部隊そのものも狙われる可能性も」

大臣「むう…やはり何者かの存在が裏にあると見て良いでしょう。
   なにせ行方不明になった勇者はいずれも名のある有名な勇者ばかりですからな…」 

国王「その方々が行方不明になるとなると…」

大臣「魔王か…それとも災害に巻き込まれたか……強い魔物にやられたか……」

国王「…全ての勇者に神のご加護をっ」




【 古びた宿 】


少女母「ほんとうに…ほんとうになんと感謝すれば良いのか」

勇者「よかった、体調が良くなってなによりだよ。」

少女「お兄さん…兵士さんから聞いたけど勇者様だったなんて…
   あ、ありがとうございます……///私、これからもお母さんと一緒に頑張ります!!」

少女母「娘から宿に泊まる日数を聞きましたが
    お城で過ごした時間を抜くので、その分ゆっくりしていってください。」

勇者「え、そんな…悪いですよ。
   なんならお金を…」

少女「い、いいんです…!お金よりも勇者様に泊まってもらえた方が良いです!」

勇者「え、そうかな…//」

少女「はい!」

少女母「勇者様からのホイミとどくけし草、お医者さんからの治療でもうばっちり働けるわ。  
    今日はたんまりとごちそうするわ。」

少女「お、おかあさん!それは嬉しいけど、絶対無理しちゃダメだからね!!
   私も手伝う!!」

少女母「あらまあ…♪」

勇者「(むう…結構ここに滞在することになるな。
    いや、別に焦る必要も無いか。まだ見てないお店もあるし、明日色々回って行こう。)」

勇者「(あーでもなー、体動かしたい!!
    外でケガしたら迷惑かけるし、筋トレにしておこう!)」


 【 勇者はその夜、おいしい御馳走を頂いた。 】






【 西の国 】 宿屋


勇者「なんか今日は賑やかになってるね。町の方が。」

少女「確か今日から1週間はトーナメントがあるんですよ。」

勇者「トーナメント?」

少女「はい、優勝者に賞金と豪華賞品っていう大会です。」

勇者「それで賑やかなのか。」

少女「はい!この国の名物みたいなモノでその周はすごいたくさん人が来るんです。

勇者「(ちょっと見に行ってみようかな…)」






【 大会広場 】


勇者「すげえ…どこもかしかも、強そうな人で人でいっぱいだ。」

受付「おや、君も参加するのかい?」

勇者「いや、ちょいと下見でまだ決めてないです。」

受付「おーそうかい!ならこのパンフレットで
   どのトーナメントがあるのか見てくれ!!」

勇者「なになに…?「剣」「斧」「ハンマー」「フリー」のトーナメントか……」

受付「どうするどうする?
   ちなみに、殺しとかはないから安心してよ!!
   もしそうなったら、牢屋行きだからね!」

勇者「…ほかにルールは?」

受付「場外に落ちる!リタイア宣言!!
   んで、殺したりしたら失格!!
   …まあ今まで殺してリタイアした人はいないよ!!
   あくまでパフォーマンスね!!」

勇者「(ちょっと試してみようかな…)」

勇者「あ、あと、装備とかのルールは?」

受付「そこは何でもアリ!!
   知っての通りここは武器などで活気のある町だからね!!
   色んなのつけて戦った方がお客さんもよろこぶんだよ!」

勇者「(「はやてのリング」オッケーか…)」

勇者「…じゃあ参加しますね。」

受付「オッケー!!じゃあどのトーナメント!?
   背中に剣もってるし、「剣」でいっちゃう!?」

勇者「フリーで行きます。…それに僕の武器は素手です!」






【 予選会場 】 フリー

審判「ここはフリーの予選トーナメント会場よ!
   くじの番号にかかれた順に戦って行って
   最期に勝ち残った8組の人達が本戦にいくわ!!」

審判「ちなみにルールは受付の人に聞いたかしら!?」
   殺したりしたら失格!!場外、リタイアでもね!!」

勇者「え、ええ。知ってます。」

審判「そして、3回勝てば本戦出場よ!頑張って!!」

審判「はい!あなたはGの27番目ね!!
   もう26番目の人がいるから、さっさと戦ってね!」
   
勇者「は、はい。」

審判A「両選手揃ったので、試合開始!!」



26番「おう、待ってたぜ。…なんだガキか。」

勇者「ガキでもいいじゃないですか。
   (すごい強面の人だ…)」

26番(剣)「へっ…って、おいおい!前武器は無いのか?」

勇者「武器?僕は素手で挑むんです。」

26番(剣)「はははは!こりゃおもしろい事を言うぜ!!
       …ならこの勝負は楽勝だぜ!!」 シュバッッ!!

勇者「(…むっ 遅いな。)」 ヒュン!

26番(剣)「な!?は、はやい…!?」


  ド ゴ ン!!



26番「」


審判「26番の人は場外アウトね!!
   おめでとう!27番!!」

勇者「一応勇者って名前があるんですけど…まあいいか」


 「すげー、あいつ素手でサーベル相手に勝ったぜ」

 「まぐれまぐれ、相手の選手が弱かったんだよ。」

 「今時素手かー、やっぱまぐれじゃね?」


勇者「(むっ…そんなに素手がおかしいのか。
    なんかこのまま本戦にいってやろうかな…)」






審判「2回戦開始ね!!」

棍棒「ひゅー、兄ちゃん素手で挑むとは度胸あるねー」

勇者「自分はずっと素手でやって来たので…」

棍棒「ひゅー、言うねー。けど俺の棍棒の前じゃ
   どんなやつでm…


 ば ち ょ ん !!!


棍棒「」


審判「こ、棍棒選手の場外負け~……」

勇者「…相手が魔物じゃ、喋ってる暇なんてありませんよ。」



「おいおい!あのガキメチャクチャ強くねえか!?」

「なんで素手であんなに人が吹っ飛ぶんだよ!!」

「ひえー、すげえもんだな!!」




勇者「(ふ…なんかにやけちゃうな)」




【 結局、勇者は本戦トーナメントに勝ち進んだ 】





【 本戦トーナメント組み合わせ 】


【 剣士A vs
  剣士B 】


【 素手勇者 vs
  棍棒勇者 】


【 斧勇者 vs
  斧使い 】


【 二刀流
  女の子 】




審判「それではこれより、フリートーナメントを開催しまーっす!!
   出場選手はご覧の通り!!
   
   なんと今回は素手で挑んでる勇者の方がお見えになってます!!
   皆さん注目してくださいねー!!」


 わー!わー! いいぞー!!  審判ちゃんきゃわWiiねー!!

 結婚してー!!  うおお!!女の子も出場してるぞー!!
 
 素手で挑むとかバカじゃねーの!?1発KO負けに1000G!!

 俺ものった!! 俺もだ!! 
 

【 控え室 】


勇者「あんな大声でいわなくてもいいのに…
   緊張して来たじゃん。」


女の子「………」

勇者「(あの子も出場か…武器は……なし?ぼくと同じ素手…?
    細い体だけど、力とかあるのかな??)」

女の子「…フン」

勇者「(あっ……そっぽむかれた)」






 ワーワー!! ワーワー!!


わあああああああああああ!! 剣士Aが勝ったあああああ!!!




審判「素手勇者さーん!棍棒勇者さーん!!
   出番ですよー!!」

棍棒「了解した。」

勇者「は、はい!」



おい!こんどは素手ヤローだぜ!!

ぎゃははははは!いいぞーにーちゃん!!

やれー!やれー!

相手は棍棒か!! おもしろい組み合わせだ!!



 【 トーナメント会場 】


審判「続いて、棍棒勇者さんと素手勇者さんの対決!!
   素手勇者さんは名前の通り、素手でここまで勝ち抜いて来たーーーーーーー!!!
   いったい、この戦いではどんな風に盛り上げてくれるのかーーーーーーーーーー!!


 いいぞーーーー!! マジで素手かよ!!
 棍棒でボコボコにされておわりだな!!www



勇者「(相手は棍棒……固そうかな??)」

棍棒「…よろしくね
   君が素手でどう戦うのか見てみたいよ。」

勇者「ん?…わかった。じゃあ正々堂々とよろしくお願いします。」

棍棒「こちらこそ」





審判「それでは試合始め!!」


棍棒「うおおおおお!!」 ブオン!!

勇者「なんの!!」 ブン!!

棍棒「(…はやい!!あっという間にボクの右側に…!!でも…)」


審判「おーっと、棍棒選手!!
   振り下ろした棍棒を素早く右に流したアアアアア!!!」


勇者「う!?」

 【 勇者の顔をかすった 】


勇者「(あ、あぶなかった…)」

棍棒「(これもよけた…!?すごい、どんな特訓をしたんだ??」


棍棒「これなら!!両手で振ると、パワーとスピードもあがる!!」 ダダダッッ!!



【棍棒勇者はステップをふむと、いきおいかかって両手で棍棒を振り下ろす!!】


勇者「どりゃあああああああ!!!」


【 勇者はとっさに、その棍棒めがけて拳をふるった!! 】


棍棒「!?」


   ばっっっっっこおおおおおおおおおおおおおん!!!!



棍棒「そ、そんな…!?棍棒が折れた!!?」



 うおおおおおお!! すげー!! あの大きな棍棒を折った!?

 なんつー怪力だ、あの素手勇者は!!



勇者「お互い素手になったな!!うりゃあああああ!!!」

棍棒「う…!?(棍棒がなくなった…!!素手では……!!)」



    ど か ん !!!


棍棒「ぐは!?」



審判「場外!!棍棒勇者さん、失格!!
   2回戦出場は素手勇者さんに決定!!」



わー!わー! いいぞー!!
すげー!! 素手勇者やるじゃん!! 

まーぐーれ!! まーぐーれ!!



棍棒「いてて…」

勇者「大丈夫??」

棍棒「まあね。しかし驚いたよ…まさか棍棒を折りに来るとは」

勇者「咄嗟だったんだよ。」

棍棒「でもすごいよ。攻撃も1回も当たらなかったし…
   どんな訓練をしたんだい?」

勇者「うーん…旅に出る前の1年間、素手で毎日スライム達と戦いまくってた。
   スライムって小さいし、すばしっこいから攻撃も当てにくいしさ」

棍棒「そ、そうなの!?すごいね!!    
   …あっ次の試合もあるし、続きはまた後で聞かせてくれよ!!じゃ!!」

勇者「うん」





 【 そして、次の試合でも素手勇者は、相手の攻撃をかわしつづけ
   強力な一撃をくらわせた。】


 【 しかし、場外にはならなかったので今度は「ばくれつけん」をおみまいしたところ
   相手がリタイア宣言したので、素手勇者の勝利となった… 】


 【 そして3回戦の相手は… 】



勇者「次で決勝か…」

剣士A「素手でそれほどの腕があれば決勝もいけるだろうよ」

棍棒「頑張ってね!」

勇者「うん、ありがとう」

剣士A「(素手であれほどの腕とは…俺も1から修行し直すとしよう)」




勇者「え…君が相手?」

女の子「何か問題でも…?」

勇者「いや、別に…(と、いいつつも女の子と戦った事無いし……これは案外ヤバいかも??」



勇者「(それに、丸腰…ボクと同じ素手…だよな?)」

女の子「仕掛けてこないならこちらから行きますよ!!」 ボウ!!!

勇者「えっ!?うおおお!!あちい!!」 ヒュン!

女の子「かわした…よく反応できたわね。」

勇者「魔法!? 素手じゃないの!?」

女の子「誰がそんな野蛮な方法で戦うのというの?
    ほら、次はどうかしら??」

女の子「ヒャダルコ!!」


 【 勇者に氷の粒が降り注ぐ!! 】


勇者「うわああ!!!」


女の子「イオ!!」


  どおおおおおん!!


勇者「うげ!?」



勇者「はあ…はあ…はあ……」 フラフラ…



女の子「無様ね。どんな人かとおもったけけど、ただの野蛮な小物ね。」

勇者「な、なんだと!?魔法とか聞いてないぞ!!」

女の子「ふふふ…そういう反応こそ小物よ!!
    審判!!魔法は反則なのかしら!?」

審判「い、いえ…特に何も……」

女の子「というわけよ…」

勇者「だからここまで勝ち進んだのか…」

魔法使い「当たり前じゃない。私は魔法使いなのよ?
     武器を振り回すし可能の無い単細胞の連中に負ける分けないわ。」

魔法使い「予選でも風の魔法で吹き飛ばして終わりだし。
     あっけにとられてみてる、群衆の顔が笑えるわ。」


わー!わー!! うるせえぞバカヤロー!!
ちょっとかわいいからって図に乗るな!!

バーカ!!バーカ!!! 魔法ばっかで卑怯だぞー!!正々堂々と戦えー!!


魔法使い「うるさい蠅どもね…」

勇者「くそ!魔法相手か…
   でも、だからといって諦めるないぞ!!」  ギュン!!

魔法使い「な!?」

勇者「魔法はすごくても、肉弾戦はどうなんだ!?」


 【 勇者は一気に魔法使いとの距離を縮めた!! 】

勇者「せいけんづき!!」


     ド ウ ン  ! ! ! !



魔法使い「うっっ!?」 ヨロヨロ…

【 しかし魔法使いは、すぐに体勢を整えた。 痛みをこらえる表情は無い。 】 

勇者「手応えなし!?なんで!!」

魔法使い「…残念。防御魔法をつかったからよ。」

勇者「なに!?(くっそー…武器ならともかく素手だとなおさら効かないとか!?)」

魔法使い「私に勝とうなんて、あなたじゃ無理ね!!
     素手などとは笑わせてくれるわ!!」


  【 魔法使いはヒャダルコを唱えた!! 】


勇者「(無数の氷の粒…!よけきれないし、こうなったら!!)」

勇者「うおおおおおお!!!ばくれつけん!!ばくれつけん!!ばあああくれつけえええええええん!!!」


 【 はやてのリングの効果で勇者の拳の速度が速くなった!! 】


  ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ


魔法使い「うそ!?氷の粒を殴って落とした!」

勇者「ぜえ…ぜえ……うっ」

魔法使い「…でも、何発かは喰らってるわね。息切れなんかおこしてそろそろ終わりかしら?」

勇者「く、くっそ……(離れた相手に素手での飛び道具ワザ……やっぱり無理か!?)」

魔法使い「さてと…」 フワッ…

【 魔法使いは空中に浮かんだ 】





魔法使い「終わりよ!! メラミ!!」

勇者「う、うおおわああああああ!!!」


【 勇者はメラミを撃ち落とそうと、腕を力一杯…横に払った!!!】



    バシィッッッ!! ボウン!!


勇者「ぜえ…!ぜえ…!い、今のはあぶなかった…!!
   思いっきり腕を振るわなかったら…直撃……!!」

魔法使い「…ふん、弾きとばすとはなかなかね。  
     でも次で……あら?」

 タラァ…

 
勇者「……ん?」

魔法使い「な…なっ…!?」


 【 魔法使いの頬が、少しだけ切れていた。 】

 【 そこから真っ赤な血が滴り落ちる。
   魔法使いは頬に手を添え付いた血を見ると、みるみる血相を変えた!!】


魔法使い「よ、よくも…!よくも私の顔に…!!き、傷を……誇り高い魔法使いの血を…血を……!」

勇者「…ん?」

魔法使い「うわああああ!!よくもおおおおお…!!!
     ライデイン!!!」


 【 突如勇者の頭上に、雷が降り注ぐ!! 】


勇者「…!?(防御を…!!間に合w…)」


 がっしゃあああああん!!!


勇者「うぐああああああ!?」


魔法使い「はあ…はあ……よくも!!汚れた連中がよくも私に……!!」

勇者「う…っ くっ 」 フラフラ…… バタン



魔法使い「は、ははは! もうボロボロじゃない!!
     ざまあないわ!! 」


おいコラー!! なにやってんだー!!
てめーは失格だー!!!帰れ!!

きゃー 素手勇者さーん!!



魔法使い「ふん!!愚民共が!!何を!!」

勇者「…うう」

魔法使い「!!」

 【 勇者はゆっくりと起き上がった 】



うおお!! 素手勇者!!
いきてた!!いいぞー!!!

素手!! 素手!! 素手!!


魔法使い「(こいつ…あれだけ魔法を喰らってまだ立つの!?)」

魔法使い「……………」

魔法使い「(このままトドメを差したい所だけど、ここで騒ぎを大きくしたら
      名誉が傷つくわね…)」

魔法使い「……ふん!くだらないわ!!
     さっきの攻撃はどうせまぐれにきまってる。」

勇者「……くっそ。ダメだもう立てない。」

魔法使い「……さあ、どうするの?」

勇者「…はあ。降参、降参するよ。」

審判「す、素手勇者さんリタイア宣言です!!
   優勝は魔法使いさんに決定!!」

魔法使い「優勝したら表彰とかもらえるんでしょう?…いらないわ。クスクス
     私にふさわしくないもの…これは当然の結果だから、表彰される意味が分からないわ…」

勇者「なんて失礼なヤツだ…」

魔法使い「あら?私の顔に傷をつけ、殺されなかっただけでも…私は慈悲深いと思うけどね?」

勇者「くそ…」

魔法使い「さよなら。ここには様子見できてみたけど、やっぱり野蛮でグズな所ね…」


【 魔法使いはそういうと、彼女の体が宙に浮かんだ。 】


 バシュウウーーーーーーッッッッ!!


【 そして目にも留まらぬ早さで急上昇し、空の彼方へと消えて行った…」




勇者「ぜえ……ぜえ……、くっそ…なんだよ。  
   あの女の子…思いっきり魔法喰らわして来たし…いてえ」


 わー!わー!!

 素手勇者すごいぞー!!見直したー!!

 よく耐えたぞー!!

 お前は頑張った!!おまえがNo.1だ!!



勇者「ははは…どうも」

審判「えーーっと……魔法使い選手が表彰を放棄したので
   繰り上げで、素手勇者さんが優勝です!!」


 わーーーーーーーーーーー!! いいぞー!!

 あいつが勝ってもアンタの方にオレは応援するぜ!!

 おめでとー素手勇者さまー!!

 

勇者「え、ええ??ボクが優勝…??」

棍棒「やったね!素手勇者君!!
   試合には負けちゃったけど、勝負は君の勝ちだよ!うん!!」

剣士A「ほれ、ベホイミだ。」


勇者「あっ ありがとう!」

剣士A「なに気にするな。」





  【 ハプニングはあったが、フリートーナメントは素手勇者の繰り上げ優勝になった。」

 
  【 素手勇者には賞金5000Gと、せいすい10本、はがねのグローブが送られた 】



 【 この時、その場にいたもの全員が素手勇者に注目しフリートーナメントは終了となった。
   皆、素手勇者と魔法使いの戦いで話が持ち切りだったのだが、

   素手勇者が魔法使いのはなったメラミを弾いた時…、腕を振った方向が
   丁度魔法使いへの直線上だった訳だが、

   その魔法使いの後方にあった、トーナメントの旗が
   ぱっくりと切り裂かれていたと事に気づくのは、トーナメントの期間が終了してからであった。」











剣士A「いい試合を見せてもらった。縁があったらまた会おう。」

棍棒「バイバイ!素手勇者君」

勇者「うん、二人も頑張って。」




勇者「そういや、治してもらったグローブ……火付けたり魔法弾いたりしてて、また壊れちゃった。
   このはがねのグローブはすごく丈夫そうだし、こっちに換えるかな。
   治してくれた人には悪いけど…。」


勇者「それにしても、あの魔法使い…いきなり豹変したけどあれはなんだったんだろう……
   血がどうのこうの言ってたけど、戦ったらケガするのは当たり前じゃないか。」




勇者「さてと、宿にかえって寝るかな。」



 【 宿に戻ると、優勝の事をきいた少女によって豪華な料理が作られていた。 】







【 翌日 】

勇者「…休みはあと数日、もうほとんどこの町でする事は無いし、
   外で修行でもしてみようかな。」





ぶん! ぶん! ばき!! どが!! ぶちゅん!!


勇者「…すごい!改めて見ると、腕を振るのが前より早くなった気もするぞ!!
   はやてのリングの効果はスゴいな…」

勇者「これなら一度に多くの魔物が出ても、苦戦しにくくなるぞ!!」

勇者「…でもさすがに全体呪文のイオとか覚えようかな??
   うーん…迷う!!」




【 さらに翌日 】

勇者「明後日には、この国ともお別れか…」

勇者「ルイーダさん、なにかおもしろい情報とか持ってないかな」




【 ルイーダの酒場 】

ルイーダ「あらいらっしゃい♪ ウワサの素手勇者さんね!」

おー! あいつだ!!
この前の優勝者!! あれ負けたんじゃなかったっけ?

負けたけど、おれはアイツが優勝で良いね!!

かっこよかったぞー!わははは!!

勇者「あの…なにかおもしろい情報とかってないですか?」

ルイーダ「おもしろいって言ってもね…
     仲間募集か、ダンジョン捜索とかならあるけど?」

勇者「ダンジョン捜索ってなんですか?」

ルイーダ「依頼主からダンジョン捜索の仲間を募集してるのよ。
     中で見つけた珍しいお宝は山分け。」

勇者「へーおもしろそうですね!」

ルイーダ「ただ、外の魔物よりも手強い魔物がいるから
     すこし危険になるわ…」

勇者「ゴクリ…」

ルイーダ「でも見つけたお宝はホントに綺麗な宝石や
     珍しい武器や防具もあるそうよ?」

ルイーダ「一応周辺にあるダンジョンのリストあるけど見る?」

勇者「みます!!」

ルイーダ「じゃあ、何か食べて行ってね♪
     もちろんドリンクも注文で」

勇者「お、おう…」



 ダンジョン捜索

 【 その名はエース・スライム!! 戦闘力はスライムの10倍!! 】


勇者「エース・スライム!?」

ルイーダ「いきなり一番危険なリストを見るとは……」

勇者「マジですか…」

ルイーダ「ここから南の国に向けて、森があるんだけど
     その森を抜けた近くの洞窟内にいるそうよ。」

勇者「おお…ちょうど旅の進路側。」

ルイーダ「なら、その森のダンジョン捜索があるわよ。
     依頼用と、個人用どっちにする?
     って聞くまでもないかな?」

勇者「個人用でお願いします!」









勇者「…よしリストは10枚ほど貰った。
   あとは適当に買い物して…」

勇者「旅にでるから、ゆっくり休もう。」



【 勇者は残りの宿泊をゆっくり休んだ。】





【 古い宿屋 】

少女母「素手勇者様…これお弁当です。
    旅の合間にどうぞ。」

勇者「わっ、そんな…すみません。ありがとうございます。」

少女「…あの、勇者様」

勇者「ん?」

少女「また…泊まりに来てくれますか?」

勇者「もちろんだよ。でもちょっと遅くなるかも…
   このまま南と東にいくからね。」

勇者「丁度一周してからになりそうだよ。」

少女「は、はい!私まってます!!
   勇者様が来るころにはこの宿ももっと立派にしてみせます!!」

勇者「ははは、楽しみだなー!
   じゃ、行ってきます。」




 【 素手勇者はこうして「西の国」へと旅立ちました。
   新しい目標と、まだ見ぬ未開の土地…そして素手戦法の向上に心を振るわせ
   「南の国」…通称「魔法の国」へと向かったのです。 】


 【 そして彼自身も気づかぬうちに、彼のワザは新たな領域へと進もうととしていたのです。 】


 【 …背中のライトセーバーもその白く汚れなき刃を太陽にあて
   素手勇者の旅に光あれ。と、案じているようでした。」



 つづく



乙乙!
今時のドラクエって勇者以外でもライデイン使えるの?

響け素手勇者 叩け素手勇者 砕け素手勇者
噂に聞こえた凄いヤツ キックアタック電光パンチ
鍛え上げた 不死身の体
スライム軍団倒すため 燃える拳でぶちのめせ
ばくれ~つぱ~んち
格闘人間素手勇者 素手勇者 素手勇者

一応出てくる魔物、特技はドラクエ8をベースにしてます。

>>235
しかし、このスレでは勇者が何百人も…

>>237
丁度ANIMETALで聞いてた…www


ひのきのぼうを思い出すんだけど、>>1は覚えないですか?

>>244
前に見た事あります。
夜中に読んだせいか、ラスボスまでの道中が怖かった。
けど最高に面白かった。




 【 旅に出て、5日が経った… 】


 【 西の国から南に向かうと、すぐに大きな森が目前にあった。
   この広大な森で素手勇者は何を得るのか!?
  
   そこにある宝とは!魔物とは!!
   そして素手勇者は新しいワザを生み出せるのか!! 】



勇者「…すごく綺麗な森だ。 
   よし、平原からの道は森の中にまで続いてるみたいだし大丈夫だろう。

   …いざとなったら火事起こすって手もあるけど、それは緊急用だな。」



勇者「というか、火事なんて起こしたらとんでもない事になるからやめよう」





 【 森の中 】


勇者「結構、木とか花とか見た事も無い種類のが多いな…
   …ん?よくみると、この森の木って」


 ねちょ~


勇者「うわ!なんだこれ…樹液??
   へっー、樹液がたくさんでてる森なのかな。ここって。
   …いや、よくみたら普通の木もあるな」

勇者「さてと、先に進むかな」






 【 スライムが現れた! 】

勇者「なんかスライムを久しぶりに見た気がするぞ…」


スライム「ピキー!!」

勇者「どらー!!」

 ボ ウッッッッ!!



 ぶちっ


スライム「」

勇者「ん、今のスライムは故郷のスライムと同じ感じかな。」




【 数時間後… 】


勇者「おっかしいな…道なりには進んでるけど、この森ってこんなにも深いのか……」

勇者「ここでの野宿は大丈夫かな…」




おおおおかみ「ぐるるるる…!!」

勇者「…ぬわー!?何だコイツ!!狼!?」

おおおおかみ「ぐああああ!!」

勇者「おっと!危ない!!」 サッ

勇者「自分より背が低い相手にはこうだ!! どりゃあ!!!」 


 【 勇者は、おおおおかみを思いっきり蹴飛ばした!! 】

おおおおかみ「きゃいん!?」 

勇者「げっ、まだ生きてる…!」

おおおおかみ「がぶ!!」

 【 おおおおかみは勇者の腕に噛み付いた!! 】

勇者「いってえええええ!!鎧着てるのにいてえ!!」

勇者「このやろお!!!」 ぶん!!


 【 勇者は腕に噛み付いたおおおおかみを、そのまま大木におしあてた!! 】


 どぎゃ!!

おおおおかみ「がっ!?」

勇者「はあ…はあ……あぶなかった。いてえ…」

勇者「……………」

勇者「………こいつ食えるのかな??
   一応非常食ってことで、連れてこう。
   いざとなれば、振り回して戦えるし。」


 ずるずる…ずるずる……



【 更に時間は流れ… 】


バブルスライム「うがああ!!」

ナイトフォックス「しょおおおお!!!」

でんでん竜「ぼふあっ」


 【 まものの群れがわらわれた! 】



勇者「うおおおおおおおお!?なんだこいつら!!」

でんでん竜「ぶっほっほ!」 ドドド!!


 ズドーンッッ!!

勇者「ぐはあ!?」 ドシャア…!!

勇者「いってえええ!!くそ!!なんてパワーだ…吹き飛ばさr」

夜狐「っしゃあ!!」

 【 ナイトフォックスはレイピアを突き出して来た!! 】

勇者「ぬあ!?」 サッ!

ナイトフォックス「!!」

勇者「このやろおおお!!」 ガシ!!


 【 勇者はナイトフォックスの襟元を掴んだ!! 】

勇者「この!!この!!このやろう!!」

 ガン!! ガン!! バコォォォォン!!!

夜狐「」

勇者「…よし!このレイピアをつかうかな」

バブルスライム「ぶるああああ!!」

勇者「お前にはメラ!!」 ボッ!

バブルスライム「」

勇者「そんでもって、あとはこいつか…」

でんでん竜「ぬっはっはー!」 ゴアーー!!


 【 でんでん竜は、もえさかる息を吐き出した!! 】


勇者「あっっっつうううううう!?
   うわあああああ!!」

勇者「こ、こいつ強い!!一旦逃げないと!!


【 勇者は一旦逃げ出した!! 】

【 おおおおかみの死体を落としてしまった! 】









勇者「はあ…はあ…はあ…!!」

勇者「なんてやつだ…いきなりこんなにつよい敵が出て来るとは……
   ほかのヤツは素手でどうにかいけるかもしれないけど。」

勇者「あの巨体、やわらかそうな腹、火炎の息……
   これは難しいぞ……次に会ったとき、どう倒そうか……」


勇者「……野宿大丈夫かな。」

勇者「あーーー!!ってか、ここどこだ!?
   やばい!!全然わからん!!
   さっきの道は…!?」

勇者「………」

勇者「…………」

勇者「迷った…」

勇者「……涙でそう」

勇者「ちくしょう……、でもじっとしてたら危険だし…」

勇者「とにかく進んでみよう。」





【 更に時間は流れ… 】


勇者「おかしい…おかしいぞ!!
   さっきから進んでるのに、景色が変わらないような気がする……」

勇者「いったいなんなんだこの森は…」

勇者「…ゾクッ」

勇者「…こんなところで死んでたまるか!」




モゾモゾ…


勇者「だれだ!?」

勇者「…おかしいな、今何か動いたような気がしたけど」

勇者「ま、いいか。進もう」


モゾモゾ……

勇者「!!」

勇者「……やっぱり何か変だ。」


【 そして…… 】


勇者「…………」

勇者「……くっそお!!」

勇者「……」


 【 勇者は疲れが溜まって下を向いてしまった。 】


 【 ふと、その体勢でチラっと右の方に目を向けてみると… 】



もぞもぞ…

勇者「……!!!」

勇者「いま……木の根元が動いてた…!?」

勇者「あ…ああ……ッ!! こ、この木の花や枝!!
   さっきから何か変だと思ったら……」

勇者「この木……まさか……」

勇者「……ッゾク!!」

勇者「う、うおおおおおおおおお……!!!」


 【 勇者は全速力で逃げ出した!! 】






ガサガサ!! 


ゾゾゾゾゾゾゾゾ!!!



勇者「うわああああ!!! 嘘だろ!? 木が動いて追って来る!?」

人面樹×6「ぐしゃしゃしゃしゃしゃ!!!」

勇者「か、顔が浮かんでいる……!!木が魔物だったなんて……!!!」
   しかもあんなに追って来てる!?」

勇者「これだけ木が密集してる森だから、ボクは全然気づけなかったんだ…!!」

勇者「もしあのまま疲れきって倒れていたら…」

勇者「くっ…!!木に火は効くよな!?」 ボウ!!


 【 勇者はメラを辺りにはなった!! 】

人面樹達「ギャアアアアア!?」

勇者「よ、よし!!効いてる!!
   木に素手なら…バブルスライムにやったときと同じように……!!」

【 勇者は燃えている人面樹に右ストレートをぶちこんだ!!】


人面樹「」 ボロボロ…


勇者「あちち!!でもやった!!倒せた!!! やったあああ!!
   よ、よーし、このまま…!!」


 【 勇者は燃えて崩れた人面樹にグローブを近づけた 】

勇者「またグローブが燃えちゃうけど…仕方ない!!」

人面樹「がああああ!!」

勇者「うわ!!こいつもはやいぞ!!」

人面樹「どあああああ!!」

勇者「おっと!危ない!!」 サッ

勇者「くっ……!くそおお!!  
   (こ、怖い…!!けどこんなやつらにやられてたまるか!!)」

人面樹「がああああああ!!!」

勇者「だりゃあああああああ!!! 爆裂拳ッッッッ!!!!」





ドウン!!ドドド!! バゴン!!


人面樹「」

人面樹「しゅるるるるるる…」 シュバ!!

 ガシ!!

勇者「…うわ!?なんだ!ツル!?」

人面樹「ごははは」

人面樹「かかかかかか…」

勇者「こ、こいつら涎たらしてる……木なのに肉食……!?」

勇者「くそおおおおお!!」

勇者「メラ!!」 ボウン!!

人面樹「ぎょああああ!?」

人面樹「」

 【 勇者は背後でツルを伸ばしていた人面樹をやっつけた!! 】
 
 【 しかし、残りの人面樹が勇者めがけて襲いかかって来た!! 】


勇者「うおおおお!?メラ!!メラ!!」 ドウン!! ドウン!!

人面樹×2「ぎゃああああ!?」

勇者「あと1体…!!」

人面樹「ごあああああ!!」 ブン!!
 
勇者「うわあああ!!来るなあああ!!! ブオン!! ブオン!!


 ヒュッ



 【 勇者は人面樹の攻撃から逃れるために、無我夢中で腕を振った!! 】

 
    ズ バ ン ッ ッ ッ!!

 
人面樹「がっ…」 バタン


 【 素手勇者は人面樹達をやっつけた! 】


勇者「はあ…はあ…はあ…! なんだ??……人面樹の顔に亀裂が……」

勇者「と、とにかく倒せた。やったぞ……。」

勇者「でもなんだ?ボクはメラを放とうとしたけど…メラは出なかった。
   魔力切れか…。
   ……何かに切られたような跡だ。まさか誰かが助けてくれた??」

勇者「………誰かいるの!?」




 【 しかし、勇者に聞こえてきたのは森の中の  
   ざわめきだった。 】





勇者「……………」

勇者「……………」

勇者「腕振った……そうしたら……??」


 【 勇者はなんとなく腕を振ってみた!! 】


勇者「ふん!!」 ブン!!


 ヒュン!

 
 ズバン!!

勇者「おお!?なんだ!!腕振ったら、切れたぞ!!」

勇者「…こ、これ!もしかして!! これが今人面樹を倒したワザなのか!?」

勇者「も、もう一回!!」 ブン!!


 スパン!!


勇者「おおおおお!?切れた!!ってことは……あっ」



========================

 魔法使い「よくも私の顔に傷をっっ!!」 

========================




勇者「そういえば、あの時……魔法使いの頬が切れてたけど
   まさかメラミを弾きとばした時にできたのかな…」

勇者「で、でもやった!!これなら色々な時に対応できる!!
   この森を出れたらさっそくこのワザの練習もしてみよう!!!」

勇者「やった!やったなー!!素手のワザで遠距離ワザって案外初めてなんじゃないかな!?
   やった!!やったーーー!!」

勇者「…わ、わざ名とかどうしようかな??あはは。」

勇者「………」

勇者「…………」

勇者「……って、こんなこといってる場合じゃない!!
   はやく森からでるようにしないと!!」



勇者「ん?待てよ…この人面樹の頭の葉っぱって。」

  【 素手勇者は人面樹の頭を調べた!! 】

  【 なんと、やくそうをたくさん見つけた!! 】


勇者「す、すごい!やくそうがたんまり生えてる!!」

勇者「…これ、使っても大丈夫なのかな??」

勇者「………まあいいや。文句は言ってられない。」


 人面樹「」 メラメラ…

 人面樹「」 メラメラ…



勇者「そういや、ほかの人面樹の体がまだ燃えてる……たいまつのかわりになりそうかな。」
   こいつらの腕をそのまま使わしてもらおう。」   

 ボキッ ボキッ ボキッ


勇者「うっ…手の形してると不気味だ……」

勇者「まさか再生したりとかしないよね?
   いや、そんな事は無いか。いままで倒した魔物がすぐ復活したなんて効いた事無いし
   大丈夫でしょ。」

勇者「よし、のこりの腕もとってと……」

勇者「そして、頭に生えた薬草っと…」

 ぶちっ ぶちっ がさごそ…

勇者「…ふくろに入りきれないし、このくらいかな?」

勇者「あとは人面樹を1カ所に集めて、キャンプファイヤー状態にしようかな…
   よく燃えてるし、暖かくなりそうだ。」

勇者「……不安だけど今日はここに泊まろう。
   やっぱり、もう歩くのは疲れるかも。
   人面樹は良く燃えてるし、周りに聖水まけば大丈夫かな。」

勇者「……喉も乾いたな。でも、森の中さまよってるうちに飲んじゃったし
   変わりに聖水でも飲むかな。」

 ごくん


勇者「うん……よくわからない味だけど、マズくは無いや。」

勇者「暗くなって来たし…眠ろう。」

勇者「(鎧来てても不安だな…)」

勇者「(思えば、食べられながら死ぬのってすごい嫌な気がする…)」





つづく

足技は一応「まわしげり」があります…w

放った拳は音を置き去りにした!

ネテロ 46歳 冬
己の肉体と武術に限界を感じ悩みに悩み抜いた結果
彼がたどり着いた結果(さき)は
感謝であった
自分自身を育ててくれた武道への限りなく大きな恩
自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが

一日一万回 感謝の正拳突き!!
気を整え 拝み 祈り 構えて 突く
一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒
一万回突き終えるまでに初日は18時間以上を費やした
突き終えれば倒れる様に寝る
起きてはまた突くを繰り返す日々

2年が過ぎた頃 異変に気付く
一万回突き終えても 日が暮れていない
齢50を越えて 完全に羽化する
感謝の正拳突き 1時間を切る!!
かわりに 祈る時間が増えた

山を下りた時 ネテロの拳は
音を置き去りにした

弟子A(気の…せいだよな)
弟子B(一瞬…消えて)
弟子C(音が後から…) 「館長……?」
館長「か…観音様が………!!」
ネテロ「さて…看板かけて闘るかい?」
館長(看板は差し上げまする) 「是非私めを弟子にしていただきたい……!!」

怪物が誕生した

ネテロ「いいよ飯おごってくれたらな」

60年以上昔のことである

レス進んでたから続きかと思ったらこれだよ

>>298
自分もあるある
続きが読みたいスレで50レスとか進んでるの見て
更新されてると思ったら、くだらない雑談とかだけでがっかりしたこととかwww




勇者「…森の中からでも一応、夜空の星は見えるんだな。
   綺麗だ。」


勇者「思った以上に、人面樹のキャンプファイヤーが暖かい。
   風邪も惹かなくて済みそうだ…」

勇者「zzz…zzz……」



【 そして3日が過ぎた頃…… 】

勇者「ぜえ…ぜえ……いつになったら、この森を出れるんだ??」

人面樹「ぐあああああ!!」

勇者「ぬん!!」 ブオン!!


ズバン!!

 【 真空波は、人面樹の顔面を切り裂いた!! 】

勇者「はあ…はあ……このワザも、力がないと大した威力にならない事がわかった。
   連発するのもやめよう。
   その分筋力つけれればいいけど……」

勇者「ちょっと休もう…」

勇者「…………」


【 4日目 】

でんでん竜「うおおおおおお!!」

勇者「おまえなんか相手に出来るか!!
   こっとは疲れてヘトヘトなんだ!!」

でんでん竜「ぐおおおおおお!!……ぐっ ぐお…」


 【 でんでん竜は突然、去って行った 】


勇者「あれ?なんだろう…」

勇者「まあいいや、とにかく助かった。」


人面樹「ぎょああああ!!」

勇者「どらああ!!!」

 【 勇者のせいけんづき!! 】


 バッッッキンっっ!!

人面樹「」

勇者「…人面樹は、顔の辺りが脆い。これも戦ってて覚えたぞ。」

勇者「しかし、あのでんでん竜はいきなり追いかけてくるのやめたけど何でだろう??」

勇者「…こっちになにかあったりして?」



 【 精霊の水飲み場 】



勇者「こ、これは!!」

勇者「やったーー!!小さいけど湧き水の池があったなんて!!」

勇者「すごい…なんて綺麗だ。底まで透けて、水が地下からわいてくるのが見える。」

勇者「……生き物もいないみたいだ。
   それにしても綺麗だ。…いただきます!!」


 がぶがぶ!! ゴクン!!

勇者「ぐええええええええ!?
   なんだこれ!! 

   せ い す い じゃないか!!」

勇者「味も……店で売ってるのと同じだ。
   ってことは、ここはせいすいの池だったのか!!」


勇者「…あっ、だからでんでん竜も逃げたのか!!
   せいすいがたんまり溜まってる池があるから!!」

勇者「……よくみれば、周りには細いただの木や、綺麗な花ばっかり。
   さっき通っていたところとは全然雰囲気も違うぞ。」

勇者「魔物がいるような感じもしないし…
   やった!!安全な寝床をゲットだ!!!」

勇者「……なんか、そう思ったら力が抜けて来た。」

勇者「ねむい……寝よう。」









【 さらに1週間後… 】


勇者「結局、出口は見つからず。ボクは聖水の池を拠点にして森を散策してる。」

勇者「食べ物は木の実や、果物。おおおおかみの焼き肉。
   …飲み物はせいすいオンリー」

勇者「せいすいばっか飲んでるせいかわからないけど、魔物が少し避けてるような気がする。」

勇者「まあけど、魔物との戦いは修行になってるんだよな。
   ケガもしなくて済んできてるし…」




狼の群れ「ぐるるるるるるるる…」

勇者「きたか…さっそく全力の真空波をあびるか、
   ボクに噛み付いて、せいすい成分の肉を味わうかどっちがいいのかな。」


勇者「ウオオオオッッッ!!!」

狼の群れ「がるるるるる!!」

ズバババン!! ガブリ!! グシャ!!
ガブ!! ガブ!! ……!!!   ガン!!ガン!!

ボゴン!!  ドガ!!! ガブ!!  ドドドドン!!

……!! だりゃああああ!!!




勇者「………はあ……はあ……」

勇者「ぐっ…さすがに8匹もいるとたくさん噛み付かれまくったか……」

勇者「い、いたい……」

勇者「ぐっ……こんなにケガしたのも久しぶりな気がする。」

勇者「ね、ねよう……人面樹の頭からとりまくった…
   やくそうを敷き詰めた布団で……はあ…はあ……」

勇者「こ、これが意外と気持ちいいんだよね……この上で寝ると
   翌朝…体が全快して疲れもバッチリ取れる……」



【 その後、勇者はすぐ眠ってしまったのだが
  眠りについた時間が丸々2日になってしまったが勇者はそんなことを知らない

  その間、魔物も来たのだが池のおかげで難を逃れていたのも言うまでもない。】



 【 森に迷い込んで1ヶ月が過ぎた頃だった…… 】


「せいすいの池」 から少し離れた所

勇者「あーあ、これで1ヶ月くらいここにいることになるのか……」

勇者「出口は見つからない。人面樹を倒しまくって、迷い道を防いでもダメ。
   でんでん竜も倒せるようになったけど、正直もう戦うより外に出たい!!」




でんでん竜「ぐおおお!!」

勇者「…出たな。でもお前の弱点はもう知ってるんだ。
   メラ!!」

 【 勇者は、でんでん竜の持っているツボに向けてメラを放った!! 】


デンデン流「!!」


 ズガアアアアアン!!!

でんでん竜「」

勇者「そのツボには発火性の油が入ってる。
   以前、ツボに当たったメラが爆発して別のでんでん竜をたおしたあとにツボを調べたら入っていたんだ……」

勇者「でも、その油が樹液を垂らしている木のモノだったなんて、ビックリしたよ。
   それを口に含んで、うまく炎の威力を上げてるみたいだね。」


勇者「…………」

勇者「はあ……速く外に出たい。」




【 さらに1週間後 】

勇者「髪の毛は伸ばしっぱなし……体の方はせいすいであらってるからピカピカしてる。」

勇者「そういや毎日せいすいばかり飲んでるな…」

勇者「……相当筋力もついたと思うし、そろそろここを離れてみようかな?」

勇者「真空波も普通に使えるようになって来た。ホントはちゃんとしたところで練習したかったけど…」

勇者「…………よし、明日出発しよう。」


【 3日後… 】

勇者「3日経っちゃったけど…よし、今日は出かけよう。」



狼の群れ「がうるるるるるるる!!!」

勇者「……いきなりかよ。」 スッ

 【 勇者は右手の人差し指を狼達に向けた! 】

勇者「メラ!!」


 ボボボボボン!!




狼達「!?」

 ドウン! ドウン!! ドウドウン!! ドウン!!

狼の群れ「」

勇者「メラも使いこなしてくとすごいなー…指先から出せるようにもなるし、一度に5連射もできるようになるなんて」

勇者「魔力も少しずつだけど前より長持ちできたし、これなら大丈夫かな。
   メラ連射はあまりしたく無いけど。」


勇者「……よし、出かけよう。」

 【 勇者はメラと真空波を使いこなせるようになった! 】


 【 数時間後 】


勇者「うげえ……疲れた。出口は何処だ……」

勇者「……もういっそ、メラで放火して道でも作ろう。」

勇者「おりゃああああ!!!」

 ドウン!! ドウン!! ドドドドドド!!!!


人面樹×20「!?」

勇者「あ!あんなに人面樹がたくさんいる!!
   くそおお!!おまえらが密集しているせいで迷うんだよ!!」

勇者「燃えろ燃えろ燃えろおおお!!」

人面樹「ぎゃああああああ!?」

勇者「!! よし、道が開けた!!今のうちに!!」







勇者「……!! 木の間から光が見えた!! やったーーーーー!!
   出口だ!!!」





勇者「………………」

勇者「…………ちくしょう」

勇者「 せ い す い の 池 の 水 面 の 光 か よ ! ! ! 」

勇者「なんで戻って来たんだああああああ!?」

続きはまた土曜日です。

ちなみに自分のメラ(連射)のイメージは
「連続フィンガーブリッツ(DBスパキンメテオver)」みたいな感じです。
いつも読んでくれてありがとうございます。
レス数は短かったけど、おやすみなさい。

勇者が果てなく残酷な戦い続けると…『鋼鉄の腕』呼ばれるじゃないかね…


魔王「こんな馬鹿な……」

勇者「……一撃だ」

魔王「一撃……?」

勇者「ああ。一撃だ」

勇者「伝えておこう。これが俺の“拳”」

魔王「……まさか」

勇者「幕引きの一撃」

勇者「俺の一撃は、当たった瞬間あらゆるものの幕を引く。すなわち……」

魔王「一撃で……」

勇者「そうだ」

勇者「俺の拳は、どんなものでも一撃で破壊する」


…ふーむチート過ぎて駄目か

>>328
すまん、こういう「ボクの考えた~」みたいなレスはナシで……

申し訳ないけど>>328みたいなSSverと
他漫画とかのワザ名のせたレスもナシで…

そうだね、そうしよう。

あと22時~22時30頃に投下します。

こういうのは止めてって一回は、言っといた方が良かったと思うけど
>>1が何も言わないから良いじゃんって奴が居るんだし

何が言いたいかと言うと、続き待ってるよ

がんばれ~

>>340
>>341
ありがとう、頑張ります。




勇者「……!! 木の間から光が見えた!! やったーーーーー!!
   出口だ!!!」





勇者「………………」

勇者「…………ちくしょう」

勇者「 せ い す い の 池 の 水 面 の 光 か よ ! ! ! 」

勇者「なんで戻って来たんだああああああ!?」





【 更に1週間後… 】

勇者「そういや、ルイーダさんから貰った
   クエストの内容…エーススライム以外完了しちゃったな。
   ほとんど魔物討伐だったし。」


勇者「はあ……」


勇者「………だれかー!? だれかー!?」

勇者「だれかいませんかー!! 道に迷って困ってまーーーーーーす!!!」

勇者「だれかたすけてくださーーーーーーーーーーーーーい!!!」


人面樹「がががががががが!!」 ガサ!!

勇者「メラ」 ピッ



 ボウン!!


人面樹「」 メラメラメラ…

勇者「はあ……よってくるのは魔物だけか……」



 「 うわあああああああああああああ!?」


勇者「む!?」

 「わああああ!! 来るな!来るな!! あああああ!! 」

勇者「だ、誰かの声!?悲鳴だ!!」

勇者「声のした方は…!!こっちか!!!」




狼の群れ「ぐるるるるる」



魔女勇者「ひっ…こ、こないで!!」

魔女勇者「べ、ベギラマ!!」


 【 しかし魔力が足りなかった… 】


魔女勇者「う、うそ…」

狼の群れ「ぐるううおおおおおあああああ!!!」



魔女勇者「いやーーー!!」











勇者「う お お お お お お !! 
   ば く れ つ け ん !!
   せ い け ん づ き に、回 し 蹴 り !」


 ドダダダ!! ボグウ!!

狼「ギャ!?」

勇者「だりゃあああ!!」

 【 素手勇者は狼の群れに突っ込んだ!! 】


魔女「あっ……」

勇者「お前をぶん回してやるぞおお!!」 ガシ!

狼「!?」

勇者「どうだ!!この狼棍棒は!!」 ぶん! ぶん! ぶんぶんぶん!!


 ぼぎゃ!! ばし!! ガンッッ!!


魔女勇者「あわわ…」

人面樹「うごおおお!!」

魔女勇者「ひっ!?じ、人面樹まで…!!」

勇者「お前は今日の焚き火だ!」 ドウンッッ!!

 【 勇者はメラを指先から連射した!! 】



 【 人面樹は蜂の巣になりつつ、燃え尽きた!! 】

勇者「あ、消し炭になった。」

魔女勇者「……」 ヘナヘナ……バタン。

勇者「はあ…はあ……これで片付いたか。
   君、大丈夫!?」

魔女勇者「う、うん……
     でも君もすごい血だらけだけど…」

勇者「あ、これたぶんここに来るまでに倒した狼や人面樹の
   返り血と、返り樹液だよ。ちょっと匂うかな。」

魔女勇者「そ…そうなんだ。」フラフラ

勇者「君もケガしてるじゃないか!しかも足を……」

魔女勇者「う、うん…でも助かったよ。
     ありが…」バタン


勇者「うわ!!ちょっと!!……気絶してる。
   とにかく聖水の池に運ぼう。」

勇者「溜まりに溜まった薬草ベッドの上で寝かせれば治るかな。」














【 翌日  】


魔女勇者「!」

勇者「あ、起きた?」

魔女勇者「こ、ここは!?」

勇者「僕のキャンプ場だよ。
   もう大丈夫??」

魔女勇者「………」

魔女勇者「そ、そうだ!!確かボク狼の群れに追いかけられていて
     それで……」

勇者「(女の子なのにボクッ娘とは…)」





魔女勇者「へえ~勇者くんは北の国から……」

勇者「そういう君は南の魔法の国なんだね。
   (西の町であった子と違って、礼儀正しくて可愛いな。しかも金髪。)」

魔女勇者「うん、ボクはそこの出身なんだぁ。」

勇者「…君も1人で旅をしてるの?」

魔女勇者「それ…なんだけどさ。」

勇者「?」

魔女勇者「仲間の皆とはぐれちゃって……
   1人になってしばらくさまよってたら魔物に襲われたんだ。」

勇者「あー、そういうことだったんだ。」

魔女勇者「えっと…勇者君、本当に助けてくれてありがとう。
     ボク目の前で何がおこったのかよくわからなかったんだけど
     勇者君のおかげで命拾いできました。」ぺこり

魔女勇者「勇者くんってすごく強いんだね。」ニコッ

勇者「……//
   いやー、いいっていいって。無事で何よりだから!ね?」

魔女勇者「ぼ、ボク!勇者君に何かお礼をしたいな!」

魔女勇者「あっ…」フラフラ…

勇者「あー、まだ休んでるといいよ。」

魔女勇者「…う、うん。ごめん」


勇者「気もちいでしょー、薬草ベッド。
   人面樹の頭からとりまくって作ったんだけど、それで包まって寝ると
   すぐ回復できるよ。」

魔女勇者「あ、ありがとう…勇者……くん」 スースー

勇者「………( かわいいなー…って何をいってるんだ。平常心平常心。)」

勇者「せいすいでも飲んで落ち着こう。」

 グビっ グビっ グビっ 

勇者「ぷはー!!」






【 翌日 】

魔女勇者「すごい!疲れもケガもないよ!!」

勇者「でしょ?このベッドは本当に良いものなんだ。」

魔女勇者「…ありがとね。勇者君」

勇者「だからいいって。
   さてと……君の体力が戻った事だし
   朝ご飯食べたら二人でここを出る策でも考えてみよう。」

魔女勇者「うん!」






【 数分後 】

勇者「信号魔法…?」

魔女勇者「うん、はぐれた人と会うための魔法なんだ。」

勇者「ほうほう、そんな便利なモノが有ったとは…」

魔女勇者「でもちょっと時間がかかるのが難点でね。
     …それで襲われちゃったんだ。」

勇者「あーそういうことだったのか。」

魔女勇者「うん。でも勇者君が助けてくれた御陰で
     皆とも会えるし、勇者君もここから出れると思うよ!」

勇者「ほんとう!?やったーーー!!」

魔女勇者「うん。じゃあ…まずは魔方陣を地面に書いて……」

勇者「(本格的だ…)」

【 30分後… 】


魔女勇者「よし、これで魔方陣は完成。
     あとはここにボクの魔力を注ぎこんでっと…」


 ポッ…

勇者「おおー!光った!!」



魔法勇者「…ふふ。
     それで、あとはボクのもってる魔法の杖で
     魔方陣の中心を一定のリズムでたたくと…」 トントン トトン


 ボワンボワン…ボワワ~ン

勇者「おっ…なにか聞こえて来た。」

魔女勇者「これをずっと続けて行くと、音がどんどん遠くの方にまでいって
     探してる人の耳に届くんだって。」

勇者「魔法ってすごいね…
   僕はメラとホイミしか使えないけど、こんなことまで出来るのか……」

魔女勇者「勇者君の方がスゴいよ!だってあんな風にメラを使う人って初めて見たもん。」 トントン トトン

勇者「えっ そうなの?」

魔女勇者「うん。」 トントン トトン

勇者「へ~驚いた。」

魔女勇者「ふふ、僕も驚いたよ。」 トントン トトン





勇者「…そういえばはぐれた仲間って、やっぱり君と同じ
   魔法を得意としてる??」

魔女勇者「うん、そうだよ。」

勇者「さすが魔法の国。
   そういえば魔女勇者ちゃん達は、この森に何しにきたの??
   ルイーダの酒場のクエスト依頼??」

魔女勇者「それなんだけど…」








???「み、見つけましたよ~!魔女勇者ちゃん!!」

魔女勇者「!」

勇者「お?」

魔女勇者「隊長!」

魔女隊長「よかったです~!!みなさ~ん、魔女勇者ちゃんは無事でしたよ!」

「魔女勇者~!心配したんだぞー!!」

「このオバカ!!あれだけはぐれるなっていったのに!!」

「ふん、この森程度で迷うとまだまだ訓練が足りないではないか」

魔女勇者「…ご、ごめんね。みんな。」

勇者「………………」

勇者「もしかして、魔法の国の勇者部隊の人達??」

魔女勇者「う、うん。えへへ…」

勇者「意外だった」



【 事情説明後… 】

魔女隊長「ほんとうに!ほんとうに~魔女勇者ちゃんを助けて頂きありがとうございますう~!」

魔女勇者「ありがとうございます」ぺこり

勇者「いやあ…」

魔女勇者「お礼に、この指輪を受け取ってください!」

勇者「これは…?」


 【 勇者は「出口の指輪」を手に入れた! 】


魔女隊長「それは出口の指輪と言いまして、迷った時に使うと
     その人を出口まで一瞬でワープさせてくれるものなんです!」

勇者「ほ、ホントですか!?やったーーー!!」

魔女隊長「魔女勇者ちゃんを助けてくれたお礼ですよ~
     でも使うときはワープしたい場所を強く念じてくださいね♪」

勇者「わかりました!」

魔女勇者「あ、あのね…勇者君。」

勇者「ん?」

魔女勇者「もし…また会えたら、ちゃんとしたお礼をしたいんだけど…いいかな?」

勇者「お礼?それはさっき……いや、わかった。また会えたらね。」

魔女勇者「うん//」

「ちょっと、アンタ何顔赤くしてるのよ!!」

「まさか抜け駆け!?」

「これは尋問が必要だな…」

魔女勇者「ちょ、ちょっと…ボクは別に……」

勇者「…じゃあね魔女勇者ちゃん。  
   僕を助けてくれてありがとう。今度は僕もちゃんとしたお礼をするから!」

魔女勇者「あ…」

 【 出口の指輪が強く光り輝きだした! 】




勇者「じゃ!」 キュイン


 【 勇者は目にも見えない速度で消えた! 】

魔女勇者「(また会おうね。)」

魔女隊長「さ~て、それでは魔女勇者ちゃんも無事見つけたという事で、
     森の外で待ってる子達と合流しま~す♪」

魔剣勇者「ねえねえ、あの人も勇者?」

魔女勇者「え?うん!とってもとっても強いんだよ。」

魔武勇者「あー!また顔あかくしてる!」

魔女勇者「だ、だから僕は別に……」

魔装勇者「ところで、彼はどういった戦闘スタイルなのだ?
     背中の白い剣をみると、剣士か?」

魔女勇者「ううん。勇者君はずっと前から素手で戦ってるんだよ!
     しかもこの森でも1ヶ月以上もなんだ!
     それに魔法の使い方もすごくて…」



 【 こうしてまた1つ、素手勇者のウワサが広まって行った。 】






 【 森の外 】 南、魔法の国方面



勇者「………………」

勇者「………っっっっしゃあああああああああああああ!!!!」

勇者「きたーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!」 

勇者「イエス!イエス!イエス!!」

勇者「やった…!本当に嬉しい…!!
   やくそうとか置いてきちゃったけど…まあいいか!!」

勇者「…あ!近くに町まで見える!!
   やっほーーーー!! お金は魔物が落としたのでたっぷりあるし、
   久しぶりの温かい御飯とベットだーーーー!!」

勇者「やっっっったあああああ!!!!」








 【 森付近の村 】

【 数日後… 】

【 町の宿 】

老婆「しかし素手で戦う勇者がいると、北の国からの商人がいっとったがおまえとはの…」

勇者「情報ってすごいですね。
   僕の事がこんなに離れてるところまで届いてるなんて。」 もぐもぐ…

老婆「ははは、商人や旅人の情報ってのはどんな宝よりも
   優先されるからね。
   手に入れにくいモノよりも、すぐ聞けるものほどすぐ流れるもんさ。」

勇者「へー…やっぱり、素手でたたかうのって珍しいんですね。」 もぐもぐ…

老婆「そりゃあな。  
   何せ、このワシが50年以上前に戦士として冒険に出向いた時も
   素手で戦う者などいなかったらな!」

勇者「……ふーん」 


老婆「そう怪訝な顔をする出ない。
   素手で戦って、ここまでこれるというのは…相当の鍛錬と精神力がお主にあるとワシは思うぞ?
   もっと自身をもって!そしてわしの特製シチューをもっと食べな!わはは!」

勇者「じゃあ、おかわり!!」

老婆「まあ、とにかくその世鎧とグローブも魔法の国に行ったら 
   買い換えた方が良いの。
   魔法の国周辺は強い魔物がうろうろいるからの」

勇者「はーい」


勇者「……傷も少しあるくらいだし、もったいないかな?
   グローブはもうキズやはがれてる部分もあってだめだけど」

勇者「軽いけど、ものすごく頑丈! ってグローブないかな…。」 もぐもぐ

勇者「このシチューうまいなー。
   これ食べたら、外でどんな魔物いるか探してみるかな。」


つづく。

乙乙
次は装備をグレードアップする話かな?1ヶ月間ほぼ毎日酷使されて碌な手入れもできない状況下にあってもなんとか保った勇者の装備スゲェ。
会う人会う人が「そんな装備で大丈夫か?」的なこと聞いてきて、勇者も「大丈夫だ、問題ない」的な返事してるけど、毎回なんとかなってるよな(無傷どころか毎回瀕死だけどw)
そろそろ「一番いい装備を頼む」な時機なのかもね。

雑談止めろだの止めないだのの議論が一番煩わしいな

えー…帰って来たら、まさかこんなにもレスが付いていてビックリしました。
もうはっきりと言う事にします。




① 投下後の「乙」や「感想」は自由に書き込んでいいです。
② 投下後の雑談(特に他漫画などの人物やワザを入れた雑談等)は禁止ということで。




①に関してですが、上にある「乙する機械になる」を見て特に思った事です。
私は皆さんに乙する機械になれとは一度も言った事も無いし、そもそもそういう気持ちにすらならないです。
読んで楽しんでくださった人に対して非常に失礼ですので、乙や感想などは今まで通りと変わらない感じということで。

②に関してですが、もう>>385の方が言っているとおりで
50~100以上も雑談してレス数が+され、雑談をどんどん書き込んで行く人達は
続きを楽しみにして、そのSSが更新されてると思ってスレを開く人の気持ちは考えた事があるのでしょうか?
とにかく投下後の雑談は禁止です。
そして上の方々も行ってる通り、雑談と感想は違うものですのでそこもご理解をよろしくお願い致します。
普段から雑談の書き込みをしている人達の意見が優先ではないので…。

私からは以上です。
書き貯めは順調にいっていますので、また次回も読んでくださったらその時はありがとうございます。

ちょいとはやいけど投下


勇者「このシチューうまいなー。
   これ食べたら、外でどんな魔物いるか探してみるかな。」





【 森付近の村 】







勇者「…やっぱりこの装備はもうボロボロかな?」

勇者「今まで魔物と戦いながら、次の町目指してたし当然と言えば当然か…」

勇者「よし、今度は次の町まで魔物を無視してみよう。
   エーススライムは魔法の国で新しい装備を手に入れてからだ!」




【 村の酒場 】

店主「魔法の国ならここから歩いて1週間だぞ。
   道中の魔物には気をつけろよ!
   まあお前さんは勇者みたいだし大丈夫だと思うがな!!ははは!!」

勇者「1週間か……」

店主「ところで何か食べてけよ。」

勇者「じゃあ、このエビラバーガー1つ!」

店主「あいよ!」





【 宿 】


ギュッ!

勇者「よし、荷物は持ちやすい程度に詰め込んだ!
   あんまり多いとかえって邪魔だし…」
 
勇者「歩いて1週間…か
   走って行けば早く付くのかな?」

勇者「………」

勇者「…僕は素手で戦いながら町から町へ移動した。
   そうすれば素手での戦いや技術が上がると思ってたからだ。」

勇者「それ以外に鍛えてないとすれば…
   足腰の方かな…やっぱり。」

勇者「よし、良い機会だ。
   魔物から逃げ続けていれば、前みたいにボロボロになら無くても済むし
   速く動けるようになれば、色々便利な気がするな!
   これも教訓だ!!」





勇者「…さて、魔法の国に出発だ!!」


 タッタッタッタッタッ…  のわー!? 腐った死体ィィ!?  








【 時は少しさかのぼり、素手勇者が森で遭難してる頃… 】


北の王「西の隊長よ、この周辺の魔物討伐。
    誠に感謝するぞ。」

西隊長「いえ、この程度の任務。魔王討伐に比べれば容易い事です。」

北の王「頼りになるのー。
    …それで、情報の方はどうかね?」

西隊長「はっ! 北の国から更に北上部したところにも調査を進めましたが、いくつかの村や
    森があるだけで魔王に関することもありませんでした。
    また魔物の方も、この国どころか生息数すら少ないみたいです。
    …いうなれば北上部は魔物の被害が無い平和な所です。
   

北の王「そうか…うむ、ごくろうであった。
    平和となればそれこそ…それでいいものじゃ。
    お主には感謝してる。」

西隊長「ありがたいお言葉です。」

北の王「…では、西の討伐部隊には休暇と褒美を送った後
    東の国への移動をお願いしたいのじゃがよろしいかな?」

西隊長「はっ!出発の準備はいつdめお整っております!!」

北の王「ありがとう。お主達の旅に神のご加護があらんことを。」

大臣「では西の勇者部隊の皆様
   お食事を用意致しましたので、どうぞ大広間の方へ」


 ぞろぞろ…
        ぞろぞろ


 (西隊長が褒められていたわ!キャー!)

 (全ては西隊長の御陰よ!!あの王様ももうちょっと隊長様を褒めて頂いてもよろしかったのに…)


 (…けッ やってらんねーぜ。魔物はほとんどでてこなかったっていうのによー)

 (だなだな…)



西隊長「(いきなりこんな緩い任務とはな……
     だが魔王がいないならいないでそれでいい。邪魔者がいない方が安心できる。
     私が勇者として今後出世するためにもな!)」








【 素手勇者が森から脱出する1週間前… 】



【 ??? 】


側近「魔王様」

魔王「うむ、どうした?」

側近「人間達の動向ですが、どうやら東西南北で勇者50人編成の魔物討伐部隊が編成されているようです。」

魔王「ほう!それは興味深いね!!」

側近「ですので…」

魔王「今まで勇者は3~4人の小隊編成だったからね。
   これなら手間が省けるというものだ。ははは。」

側近「各部隊は50人……これなら一気に溜まるでしょうね。」

魔王「ああ。」

側近「ちなみに素手勇者のことはどうしましょう?」

魔王「あー、そういえばそんなヤツがいたわね。
   どこまでいったの?」

側近「魔物の目撃情報によりますと、
   南西の森に入ったきり、消息不明との事です。」

魔王「あははは!あの森に素手で入ったのか!!
   今時武器や魔法よりも素手で戦うヤツはおもしろいとおもったが、現実は残酷だったな!」

側近「そうですね。では当面は…」

魔王「うむ、ここに来る新たな勇者を迎えるために色々と準備をするぞ」

側近「はっ!」

 




【 勇者が南西の森を脱出した日… 】


【 東の国 】


東の王「…北の勇者部隊が中央大陸の森へ?」

大臣「はっ!北の隊長殿からの提案で…」

東の王「あそこの森は深く、何百年も前から未開の土地だ…
    魔物も多い。  
    充分な装備と、食料…それに調査はすみやかに行い
    すぐ帰ってくるよう伝えておくれ。

大臣「はあ…ですが勇者の方が50人もいれば安全な気もしますが」

東の王「あのな。北の方々は迂回して、山付近の旅路を通り、
    到着予定から5日遅れて、この国に付いたのだぞ?」

大臣「ええ、そうですが…

東の国「結局勇者だろうと、油断は出来ぬのだ。」

大臣「はあ…」

東の国「それに儀式で勇者という素質があっても、全員旅に出て活躍できるとは限らんぞ。」

大臣「は、はあ…」

東の国「まったく…勇者がどんどん生まれるからといって
    そのモノ達に任せてばかりでは、いざという時に困るぞ。」

大臣「…では充分に用心しろと伝えておきます。」

東の国「うむ。中央大陸の森の調査は慎重にな。」






【 そして現在… 】

【 勇者が森付近の村から出発して2日後 】


 ダダダダダダダダダダダダダ!!


勇者「はあ…はあ! これなら…速くつけるかな!?」

勇者「自分でも驚いた…!こんなに速く…!
   ずっと走り続けれるなんて…!!素手での戦いや
   魔物から逃げまくっていた成果が出てるぞ!!ははは!」

勇者「こうやって持久力をつければ、
   食べ物も回復薬も無い時、魔物から逃げる時に便利だ!!」




パペット小僧「うしゃー!」

ミイラ「ごあー!!」

くびかりぞく「ぬりゃーーー!!」

踊る宝石「モンド!ビー!!


勇者「ばいばい!!君らの観察や相手はしないんだ!!」 ダダダダダダ!!





【 数時間後 】

【 夕方 】


タッタッタッタッタッタ!



勇者「はあ…! はあ…! はあ…! 」



 キュイン!!


勇者「…ん?何だ今の音??」


 キュイン!! キュイン!!


 【 勇者の視線に青い光線のようなものが写る! 】


勇者「な、なんだ!?」 

 【 勇者は走りながら、辺りを見渡す。 】









Aスライム「きゅるるる!!!」 ザザァー!!

 
 【 なんと「エース・スライム」があらわれた!! 】

 【 普通のスライムよりも戦闘力が10倍!!
   つまり、すばやさが…!! 】


Aスライム「どるんどるん!!」 キュイン!!

勇者「なっ…!?」


 【 エーススライムはあっとうまに見えなくなった……】



勇者「………」

勇者「………」

 【 勇者の足は自然と止まっていた。 】

   


勇者「は、はやい……!!
   北の国で見たスライムと全然違う……!!」

勇者「あ、あれがエース・スライムなのか!?
   すごい!!」



勇者「よ、よーーーし、あのくらいはやくなってやるっっ!!!!!!」







【 同じ時刻… 】

【 西の国 】


西の王「長旅、ご苦労様です。
    既にお食事のほうはご用意致しましたので
    みなさん旅の疲れを癒して行ってくださいな。」

魔隊長「ありがとうございます!国王様!
    じゃあ、皆ー!今からお食事になるので、しっかりと手洗いうがいをしてからですよー♪」


隊員達「はーい♪」


国王「(…魔法の国ではまだ幼い子までも部隊に編入するというのか??
    勇者部隊の平均年齢は18…
    一回り小さい子までもおる。)」

国王「(たとえ、魔力がすごくても精神的には子供ですのに…
    その精神力もタフであればまだマシな方ですが…)」



魔女勇者「(わー♪ここが武器の町かー、勇者君ってここも訪れたみたいだったし  
      この国の事をもっと知っておけばよかったなぁ…)」






【 それから素手勇者は走り続けた… 】

【 2日後… 】



 【 魔法の国 】


勇者「ぜえ…ぜえ…ついたーーーーーーーーー!!
   4日でついたーー!!
   そして無傷だーーー!!」

勇者「でも結局エース・スライムは見失っちゃったな…」

勇者「まあいいや、魔法の国で今度は鍛えてみるかな!!
   メラはともかく、ホイミも色々使いこなせるようにしないと…」






 【 魔法の国 城門 】

魔法門番A「とまれ、」

勇者「は、はい!」

魔法門番A「…君はこの国に何の用かな?」

勇者「用っていうか…えっと観光みたいなものです。」

魔法門番A「そうか、ではボディチェックをするがかまわんね?」

勇者「は、はい…」チラ

魔法門番B「…………」 ガシャ…

勇者「(こ、こえー…あの人すっごい睨んで来るよ。
    僕が怪しいヤツだったら、すぐ殺しそうな雰囲気だよ…!!)」

魔法門番A「……よし、怪しいものは無いな。
      その装備と年齢からみて君も勇者か?」

勇者「はい」

魔法門番「…いいだろう。入国を許可しよう。」

勇者「あ、ありがとうg」

魔法門番「ただし、この国に入った旅人には観光区域が設定されている。」 

 ガチャ…


 【 門が開けられると、そこには大勢の魔導士や魔女の姿が…! 】


魔法門番A「ここから丁度真正面…
      国の中心部に、時計台と噴水がある。
      …そこから先には進まない事だ。」

魔法門番B「許可の有るもの、そして王族、上級魔系家以外の人間が入った場合は…」

勇者「わかりました!! ぜっっったいに入りません!!」

魔法門番A「……」

魔法門番B「……」

勇者「………」




【 魔法の国 】

 【 ここは魔法の国、何百年も前から魔法の魔法による魔法のための国作りを行って来た。  
   町並みは西の国の用に、レンガ造りの家々ではなく
   木造やテントなどもあった。そしてとにかく、色とりどりの風景が素手勇者の好奇心を誘った。】


勇者「しかし、周りを見る所見る所…魔法関係や魔法っぽい店ばっかりだ!」

勇者「すごいなー」


 「なにあれー?」

 「うわー…今時、剣で戦ってるとか…」

 「ママー、あの人すっごいボロボロの服着てるよー」

 「しっ!見ては行けません!!!」


勇者「皆が僕の事を見て、避けたりジロジロ見てる。」

勇者「なんだこれ…」

勇者「なんだこれ……」


【 魔法の国 】 中級家系住居区域
【 宿屋A 】


主人「はあ??何お前、そんな格好で泊まるつもり!?
   薄ぎたねえよ!!余所者!!せめて着替えてから泊まれってんだ、このバカチン!」

勇者「なっ!?……失礼しました。」




【 防具屋 】

主人「そんな汚い服着た人に売るものは無いよ。」

勇者「そ、そんな!!お金はありますよ!!」

主人「お金は関係ないね!お前、この国の人間じゃないしダメダメ!!」

勇者「えー……」

主人「ほかの店にいきな!このバカチン!!」


【 道具屋 】

娘「なにかよう?」

勇者「何か道具が欲しくて…」

娘「いいけど、ここ魔術師専門店だから」

勇者「へ?」

娘「あんたみたいに汗臭い戦士向けの店じゃないって事よ。
  売ってるもの見てて気づかないわけ?」


 【 店の中は、ローブにとんがりハット、マントなど
   勇者からすれば着てると動きにくそうなものばかりだった。】

勇者「………」

娘「ぼーっとしてないで!!汚いからさっさと帰ってくれない??あんた腐ったミカンよりも酷いわ。」

勇者「…なんだこれ。」

  【 勇者はこんな感じのやり取りを6回くり返した 】




 【 最下級階層エリア 】 裏路地



不良「よお兄ちゃん」

クズ「そんなボロボロの服着て何処行くのかな??」

ゴミ「いい場所オススメしてあげようか?ケケケ」


勇者「いえ、結構。
   それより外の人間でも泊まる事の出来る宿ってあります?」

不良「あるよー、でもちょっと高いかな。」

勇者「…お金ならたくさんあります!
   どうか教えてください!!」

クズ「値段はな……てめーの持ち物全部だ!!」

ゴミ「うひゃひゃひゃひゃ!!」

不良「オラ、余所者はオレたち魔法の住人にお金を献上しな!!」

勇者「…………」

勇者「メラ」 ピッ


 ドドドドドンッッッ!! ドウン!! ドウドウン!! ドウン!!


不良「あちいいいいい!?」

クズ「うげ!?」

ゴミ「にゃにいいい!?あっちゃああああ!!」 

勇者「おい、ふざけてんじゃねえぞ。   
   僕はついさっきまで理不尽な事が立て続けに起きた事に無償に腹が立っているんだ。
   君たちはこの町の人間みたいだけど、
   僕みたいな外の国の人間でも泊まれる場所があったら教えてくださいッッッッ!!!!!」


勇者「次は変な事したら10連射をおみまいするぞ。」

不良「よ、よよよ…よその国の人でも泊まれる宿は1件あります!!」

クズ「へ、へへへ!そこの宿は、あなた様以外の普通の旅人や商人の人達に好まれてる場所です!!へへ!」

ゴミ「あちい~あちいよ。ひでえ…」

勇者「わかった、ありがとう。」

勇者「これ、やくそう。火傷はコレで治してね。」


不良「うおっ」

クズ「お、おう…」

ゴミ「やくそうだ!!やった!!」



勇者「やっと…泊まれる……はあ……はあ……
   くそ…今ので魔力もカラッポだ!!」









【 超オンボロ道場 】


勇者「…あいつら」

勇者「嘘付いたな!!宿屋じゃなくて道場じゃないか!!」

勇者「……でもこれ以上うろついてたら、風邪引きそうだ。」

勇者「せめて毛布だけでも借りたい…」



老人「毛布だけで良いのか?」

勇者「どわああああああああ!!!?」

老人「うっさいのお前。」

勇者「なっ!だ、だれですか!!」

老人「ここの宿屋兼道場の主人だ。」

勇者「へ?」

老人「おーおーかわいそうに、寒さで震えて。
   泊まる部屋はあるからゆっくりしていきなさい。」

勇者「…は、はあ」






賢者「い、いらっしゃい…ませ」ぷるぷる

勇者「こんばんは…(すげー緊張してるなこの娘。てかおっぱいでか!!)」

賢者「あ、あの…どのくらいおとまりでしょうか??」

勇者「……と、とりあえず一泊」

賢者「あう…は、はい!一泊ですね。
   あ、あなた様に…神の癒しがありますよう祈ってます!」

勇者「(西の国の宿屋の子とは全然違うな…)」

老人「とりあえずワシが手料理を振るうから、食堂に来なさい。」






【 食堂 】


老人「ほう!お主、素手でここまできたというのか!!」

勇者「ええ、そうですよ。   
   毎回そういう反応されるんですが、おじいさんも昔武器をもってたとか??」

老人「まさか!!…実はワシもな、昔素手で戦ってたんじゃ。」

勇者「ええ!ホントですか!?」



 【 勇者の顔が自然と笑顔になる 】


老人「しかし驚いた。
   もう素手で戦うものなどいないと思ってたが…」

勇者「父の教えでやってみたことですが
   意外と続いたというか…もっと素手を鍛えてみたいというか……」

老人「うむうむ、いいことだ!!」

勇者「えへへ」

賢者「……」prpr

勇者「えっと……」

老人「ああ、この娘はな。わしの孫じゃ。」

賢者「け、賢者です…」

勇者「賢者!?すごいですね!!
   僧侶よりも優れた魔力などをもってるっていう、あの賢者ですか…!?」

賢者「そ、そうです…!」ぷるぷる

勇者「あ、えっと…僕何かしました??」

老人「賢者はすごいんじゃが、人見知りでな。」

賢者「…あう」

勇者「(この子いつもこんな感じなのかな)」

老人「さーさー、食べてくれ!
   同じ素手同士、色々話そう出ないか!!」

勇者「そ、そうですね!あはは!!」

賢者「……はう」ぷるぷる

勇者「(人見知りっていうレベルなのかな??)」







賢者「こ、ここがお部屋です!
   えっと…旅の疲れを親愛なる神々が癒し、
   明日に羽ばたく、その足に無償の休息を…! ですう」

勇者「ど…どうも」

勇者「………」

勇者「………」

勇者「まあいいや!寝よう!!」 ぴょーん  ぼふ!

勇者「あ~、フカフカのベットだ…
   魔法の国の周辺て意外と魔物が多かったな…。
   くびかりぞくに、コングヘッドや大サソリに…
   大サソリはちょっと危険だったな……
   
   で、でもウィッチレディが出たときに逃げちゃったけど
   もったいなかったかな…ははは」

勇者「…明日は買い物だー。
   新しい装備はどうなるかな…ふふふ」

勇者「ぐー…」







 【 翌朝 】


老人「武具を買いたいなら、この地図にある店に行きなさい。」

勇者「あ、ありがとうございます!」

老人「背中の白い剣はともかく、グローブと鎧はこまめにかえないとな。
   何せ、素手程相手に接近しなおかつ危険な戦いはないからの。」

勇者「相手の攻撃を弾くよりも、避けるってかんじですよね。」

老人「わかっておるのー。そうじゃ、避けるのが大事じゃ。」






 【 魔法の国 】 下層家系地域

 【 人気が全然ない裏路地 】


勇者「今朝、他の国の人でも買える武具の店を聞いてみたけど…」

勇者「ここか…」

勇者「西の国のように泥臭い…いや、色々な武器や防具があって
   この国の雰囲気とはかけ離れている…」





店主「へい、いらっしゃ。なんだ坊主。珍しいものをみるような顔してるな。」

勇者「え、ええ…魔法の国にも普通の武具は売ってるもんだなって思って。
   見て回った所は、全部ローブとか杖ばっかででしたので。

店主「はははこの国じゃ俺の店にある
   剣や弓といった武器は異端に思われる程、
   ここは魔法の魅力よって取り憑かれてるのさ。」

勇者「はあ…なんだかとんでもないところに来てしまいましたよ。」

店主「なにかこの国に用でもあったのかい?」

勇者「特に用は…ただ防具がボロボロだから、新しい町で買い換えようかと。」

店主「…確かに、というより相当使い込んでるな。
   それ鋼の鎧とグローブだろ?
   そこまで使われりゃ、武具もうれしいもんだな!はっはっは!」

勇者「ちょっともったいない気もします。」

店主「わかってるじゃないか坊主!」

勇者「…あとはエース・スライムらしき魔物を見つけたので
   後で見に行こうと思ってます。
   だいたい用事はこんなところです。」

店主「エース・スライム!?
   そりゃまたおもしろいもんを見つけたな!!」

勇者「戦闘力が10倍ですもんね。」

店主「ここの国の連中でも、相当手こずってるみたいだぜ!
   もちろん魔法はきっちり使ってるみたいだがな。

勇者「そうなんですか!?…うわっ、戦闘力10倍は伊達じゃないな。」

店主「ここの国の連中は戦う時に魔法メインだが、お前さんは背中の白い剣か?」

勇者「いえ…」



 【 事情説明 】

店主「ははは!あのじーさんと同じ素手で戦う人間があらわれるとはな!!」

勇者「はあ…」

店主「すっっっっげえじゃねえかオイ!
   北の国からここまで素手でくるってのは、今の時代……
   いや、この町の魔法人間には絶対に考えられん事だぜ!!」

勇者「まあ…そんな感じはします。」

店主「その鍛え抜かれた体と使い古したグローブ…それに坊主の目をみりゃわかる。
   お前ホンモノみたいだな。後ろの剣がピカピカのままなのも納得がいくぜ。」

勇者「まあ…素手で本当にやってきましたので」

店主「よし!待ってろ!!
   店の中からいいものだしてくるぜ!!

勇者「えっ」






勇者「おお…!」

店主「どうだ?この国の人間は嫌みなヤツが多いが、魔法だけは別だ。」

勇者「まほうのグローブ!?」

店主「おうよ。グローブだが魔力を宿っていて魔力を上げてくれる!
   あとは、この「しっぷうの鎧」だな。
   こいつにも魔力が込められていて、装備すると速く動けるようになるんだぜ。
   ただ軽い分、耐久度ははがねのよろいより落ちるがな。

勇者「あ、ありがとうございます!
   えっと値段は??」

店主「おもしろい話とか聞けたからな。
   2割引にしてやるよ!」

勇者「マジですか!?」

店主「おうよ!じゃ、また欲しいのあったらこいよー!!」

勇者「ありがとうございます!」


勇者「よーし…へへ、新しい町で新しい装備を買う程
   わくわくするものはない!」






 がやがや… 

    わいわい…


勇者「こころなしか、服装を魔法系?にしたら
   みんな僕の事あまり見なくなったな。
   …魔法ってすごい。」

勇者「しかし、このしっぷうの鎧ってホントに軽いな。
   これならはやてのリングもあわせて、速く走れそうだぞ。」

勇者「あ、ライトセーバー。
   森とかにいる間、しっかり磨いてなかったけ。忘れないうちに磨いでおこ!」



【 勇者はライトセーバーを磨いであげた! 】



【 お昼過ぎ… 】

勇者「さて、装備も充実したし外に出てこの国周辺を探検してみるかな。」



【 魔法の国 】 周辺

ウィッチレディ「はあいお兄さん♪」

勇者「……もったいないけど逃げよう。」

ウィッチレディ「ああん♪ウブね」



【 ミイラがあらわれた!! 】

勇者「……たまには魔法を使わないで戦ってみよう。
   魔法ばっかに頼ってたら、いざという時にこまるもんな。」

勇者「石つぶて!!」 ヒュン!!

ミイラ「ぎゃん!?」

勇者「おおおおおお!!」 ボッ!!

ミイラ「ぎ!?」

勇者「オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!!」 ボッボッボッボ!

 【 勇者はせいけんづきを何発も叩き込んだ! 】

ミイラ「うごああ…!!」 ぶん!

 【 ミイラは力一杯殴り掛かって来た!! 】

勇者「…!」

 【 勇者は少し離れた!! 】

勇者「…ミイラは、動きが遅いのかな。どんどん攻撃できたぞ。」

ミイラ「うごおおおお!!!」

勇者「げ!まだ動いて来る!!」 サッ

ミイラ「ごああああ!!」

勇者「このやろう!!」 ボっ!!

 ガン!!

ミイラ「が!?」

勇者「今だ!!」


 【 勇者は仰向けに倒れたミイラの上に、馬乗りになった 】


勇者「この!!この!!この!!」 ボン! ボン! ボン!!

ミイラ「ぐあああ!!」 ガブ!!

勇者「いいいい!?」

     【 勇者は手を噛み付かれた!! 】

勇者「いてえええええええ!!」

ミイラ「…うが?」  …ジュウウウ…

ミイラ「んがああああああ!?」 


 【 なんとミイラの顔は浄化されて溶けてしまった!! 】




勇者「えっ!?なんだ!!」 

ミイラ「」

勇者「…やっつけた……のか??でも一体なんなんだろう??」

勇者「まさか、僕の体って…相当せいすいの力がしみ込んでる??」

勇者「だから浄化された…??まさかね……」

勇者「森の狼は噛み付いて来てもゲロ吐くぐらいだったし…」

勇者「………」

勇者「あっ…やっぱり聖水成分が上がってるのか。僕の体。」



 【 勇者の体の性質は「聖質」に変化した! 】

   
勇者「…あと、ミイラは「動きが遅い、体力多い」って感じかな。
   もし集団だったらマズいかな??うーん…」


ミイラ&ゾンビ「うごおおおおお…」

勇者「げっ」


 【 勇者は20分かけて2匹を倒した。 】


勇者「……ゾンビ、ミイラともに燃えやすい。と」

勇者「あとゾンビはグローブ越しでも、体が溶けてたような気がするな…」

勇者「…………」

勇者「せいすいって…すごい。」






勇者「…今日は一旦帰ろうかな。」





【 夜 】
 
【 魔法の国 】 中央広場

 わいわい… がやがや…

勇者「そういや、ここが一線を越えてはならない場所か…」

勇者「夜になっても、魔法の炎があちこちのロウソクに灯ってて、綺麗だなー」

勇者「噴水の近くに……強そうな魔導士達がたくさんいるな。
   向こう側には高級な感じのローブを着た人もたくさんだ。」

勇者「………………」

勇者「………なんだかとんでもないところへきちゃったきがする」



魔導士「おい貴様!!」



勇者「…けど、僕には用も無いししばらくここでおじいさんから素手のアドバイスを教えてもらいながら
   外を探検しよう!
   あと町もちゃんと探検するかな…服装替えたし、食事ぐらいできそうな店も探さないと。



魔導士「聞いているのか小僧!!」



勇者「さて、宿に帰って寝るとしよう。」 



魔導士「貴様ぁ!!無視するとは何ごとだ!!」ガシ!

勇者「…わっ!?」

魔導士「上級家系区域を見てばかりとは!!怪しいヤツ!!」

勇者「ちょっ…!! ちょっと何するんですか!!」ドンッ!!

魔導士「ぐああ!?」 ドサッ!




他の魔導士達「む!?」

 ぞろぞろ… ぞろぞろ…

 なにかあったみたいよ…   あの格好だと、よその国の人じゃない??

 わ、わたし知ーらない…
 

勇者「えっ」

魔導士「き、貴様…反抗したな!!げほっ…!うぐぐ…!!
    私の声を無視した挙げ句、手をだすとは…!!」

勇者「え?ええ!?なんですかいきなり!!
   僕が何をしたっていうんですか!!」

魔導士「ええい!黙れ!!だがまずは…その格好からするに貴様よそから来たな!?」

勇者「あ、はい。自分は旅人です。」

魔導士「余所者のくせに、この境界広場に近づくとは!!
    貴様のようなものはこの広場に来る事自体あってはならんのだ!!
    それを注意しようとしたのに反抗するとは……!!」 チャキっ

 【 魔導士は杖を出した。 】



勇者「ええええええ!?」

勇者「……えっ?」

魔導士「とぼけても無駄だ!!まさか私の呼びかけが自分とは知りませんでした!!
    などと言っても遅いぞ!!」

勇者「え!?…えっと!聞こえはしてましたが、僕だとは知りませんでした!!
   ごめんなさい!!」

魔導士「ふざけるなあ!!抵抗した時点で貴様は牢屋行きだ!!」

魔導士「メラミ!!」 ドウン!!ドウン!!

 【 杖の先端から大きな火の玉が素手勇者めがけてとんでくる!! 】

勇者「うわ!うわあ!!」 ヒュッ! ヒュッ!!

 【 勇者は上半身を左右にひねって。すばやくかわした!! 】



魔導士「ぬう!?…運良く避けたみたいだがそうはいかんぞ!?」

勇者「ちょ、ちょっと話を…!!(メラミって意外と速度が遅い??)」

魔導士「くせものだー!!あの白い剣を背負った青年をとらえろー!!」

魔導士達「うおおおおおお!!!」


 キャー キャー !!
              ワーワー!!


勇者「う、うわああああ!!!なんなんだよこの国はぁ!!!!」

魔導士「逃げたぞ!!やつを逃がすな!!」



 ワーワー!! キャーキャー!!




???「一体なにかしら?この騒ぎは」



魔導士「ま、魔法使い様!!」

魔法使い様「私の名前をいってどうするの?」

魔導士「も、申し訳ございません!」

魔導士「実は、薄汚い余所者が城の方へ行こうとしてたので……」

魔法使い「バカなやつね…
     で?そいつの特徴は??」

魔導士「17~18歳くらいの青年
    体はガッチリとした筋肉質。装備は白銀のよろいに、魔方陣の装飾が入ったグローブ。
    そして背中には白い剣を装備しておりました!!」



魔法使い「白い…剣!?」

魔導士「はっ!汚れた盗人みたいなやつでしたから
    どこかから盗んだものかと…その剣だけは純白で輝いておりましたので……」

魔法使い「(グローブに白い剣…って)すぐに他の魔導士達も呼びなさい!! 
     私も探しに行くわ!!」

魔導士「は…はっ!!」





【 裏路地 】

勇者「はあ…はあ…一体なんだってんだよもう!!」

勇者「魔女勇者ちゃんや魔隊長の人達と違って、なんだあのオッサンは!!性格ひどすぎるぞ!!」

勇者「くっそ…こんな感じだと門もとおれなさそうだしどうしようか…」

勇者「せっかくおじいさんの宿に泊まれたってのに…」





町民「い、いました!!魔導士様!!白い剣を持った人がいました!!」

魔導士「なにい!?」



勇者「げ!?」

町民「あ、あそこに…!」

魔導士「どけ!!邪魔だ!!

町民「きゃあ!?」

魔導士「つったってるでない!!バカが!!」

勇者「ら、乱暴な人だ…!!」

魔導士「見つけたぞ!!小僧ーーーーーーー!!!」


 【 魔導士は「ベギラマ」を繰り出した!! 】


勇者「いっ!?」

 【 炎は波のように素手勇者に襲いかかる!! 】
 
魔導士「はーっはっはっはっは!!」

勇者「くそ!!」 バシュ!!





 【 なんと勇者は鍛え抜かれた足腰で、家の屋根に飛び乗った!! 】


魔導士「…は!?」

勇者「い、家の屋根までとべるとは思わなかった…!!
   これがしっぷうの鎧??それとも鍛えまくったからかな…」


部下達「ま、魔導士様…!!」

魔導士「ええい!!逃がすな!!ヤツを追え!!」

魔導士「メラミ!メラミ!!」 ドウン!! ドウン!!

勇者「うおおおあああああ!?あちいいい!?」

 【 勇者はすれすれのところでかわした!!】

魔導士「くそ!!ゴキブリのように素早いやつめ!!」



【 裏路地 】

「おえー!逃がすなー!!」
「異端者を排除しろー!!」

 キャー!キャー!
 
 わー!わー!




【 物陰 】

勇者「はあ…はあ……くそっ なんてこった。
   観光のつもりがこんなことになるなんて…」

勇者「もしこれが北の国にでも知れたら  
   僕や父も母もどうなってしまうんだ?」

勇者「…いや、そもそも僕は悪い事をしていない。
   境界線だって越えてないし、腕はビックリして振るっただけだ。」

勇者「はあ……どうしよう。」



【 勇者はしばらく物陰に隠れた 】
【 その日の深夜 】


勇者「……僕を探す声が聞こえなくなった。そろそろ大丈夫かな??」

ヒョコっ

勇者「ふいー…大丈夫だ。
   よし、あとはこの国から逃れる方法があるはずだ……」

勇者「……………」

勇者「……でもなー、うまく行きそうな感じがしない。」

勇者「とりあえず、道場に戻って事情を説明しよう!!」



【 オンボロ道場 台所 】

勇者「……台所から失礼!」

賢者「!!」

勇者「えっ」

賢者「っきゃあ!?」

勇者「うおわ!?」

賢者「あ、あなたは…!!台所から入るなんて…!!神の名の下に神罰をうけるがいいです!!」 ぷるぷる…

勇者「うわ!待って!!これには事情が…!!」

賢者「天罰!!天罰!!」 ぶん!ぶん!

勇者「ほ、包丁ふりまわさないでよ!!」

老人「お~、どうかしたのか賢者よ。」

賢者「お、おじいさま~」ぷるぷる

老人「ははは、どうしたんだ~。そんな小動物のような顔をして……」

勇者「あ!おじいさん!!」

老人「なんじゃ?やけに息切れておるな。」

勇者「そ、それが大変なんです!!
   町の広場に行ったら、魔導士の人に追いかけられて…!」

老人「何!?おまえ、まさか上級家系区域に入ったのか!?」

素手勇者「まさか!!城門で脅されるわ、前の町でも無実の罪で酷い目にあったし、そういう気はありませんよ!!
     むしろ初めてここに来た僕に、偉い人の住む場所に行く理由がわかりません!!」

老人「そりゃそうか。おぬしが嘘をついてるとは思わないし……」

勇者「僕の!!僕の目を見てください!!!
   嘘をついてる人の目に見えますか!!?」

賢者「ひっ」

老人「わかったわかった。そんなに近寄るな暑苦しい。
   おおかた、『薄汚い旅人が広場に近づくとは何事か!』とは言われたんじゃないのかの??」

勇者「…そ、その通りです。」

老人「あいつら、とことん腐ってるからの。
   おぬしみたいな人間を見つけては日頃のストレス発散してるんじゃよ。」

勇者「ええー…」

老人「この国も終わりじゃな。魔力に取り憑かれおって…」

勇者「……」

老人「おぬしみたいな人間がふえればいいのにのー」

つづきは、土曜日。
またこの時間帯に来ます。おやすみなさい。


老人「ああ、とりあえず今日はもう寝なさい。
   もしここに誰かきても誰もお前さんがここにいるとは疑わないじゃろう。」

勇者「……」

老人「『時代遅れの場所に人がよるもんか』といつもあいつらにいわれてるからのー」

勇者「……」




【 翌日 】 【 魔法の国 】 城


魔法使い「で?捕まえる事は出来なかったの?」

魔導士「はい…申し訳ありません……」

部下達「…………」

魔法使い「ヒャダルコ」

 【 魔法使いが呪文を唱えると、彼女の持つ杖から
   氷の刃が飛び出した!! 】

魔導士「!?」

魔法使い「何の取り柄も無い、素手の人間を取り逃がしたというの?
     魔法族の恥ね。」


 ドス!! ドスドス!!

魔導士「ぎゃああああ!?」

部下「……!」ガクガクッ

魔法使い「こいつを牢屋にぶち込んどきなさい!!
     明日、もういちど町中を探しなさい!!
     絶対にヤツを捉えるのよ!!!」

部下達「は、はい!!」



 【 彼女の周辺にいた部下達は急いで、部屋から出て行った。 】

魔法使い「使えないわ…それでも魔力を宿した人間なのかしら。」

魔法使い「……」

魔法使い「前居た時は他の国だったから見逃してやったけど…
     この国に来た事を後悔しなさい。素手勇者。」


執事「…魔法使い様」

魔法使い「何かしら?」

執事「国王様がお呼びです」

魔法使い「わかったわ」



【 魔法の城 】 魔法王の寝室 


魔法王「おお!魔法使い!!
    今日も悪人が出たようだが…大丈夫だったか?」

魔法使い「ご安心を。
     この国の治安を守る魔導部隊を率いる者の1人として
     どんなささいな悪時も見逃しておりません。
     …本日は逃がしてしまいましたが、直に捕まえてみせます。」



魔法王「うむ。魔法使いは頼りになるな!魔法使いがいればこの国は安心じゃ!

魔法使い「そんなもったいないお言葉は…」

魔法王「妾はそう思ってるぞ。それで…今日は」

魔法使い「…今日も見ますか?
     私の氷魔法を」ニコ

 【 魔導士は杖から、氷の結晶を無数にまき散らした。
   結晶が薄暗い部屋の光に反射し、幻想的な空間を作った!」

魔法王「わぁ~♪」

魔法使い「ふふ、次は風の魔法を使いますね…」

魔法使い「(なんという純粋な笑顔…どんな幼子よりもむじゃきで美しいわ
      この笑顔を守るために、私は……両親の後を継ぐ。)」

魔法使い「(そのために、些細なミスでも犯してはダメ。)」

魔法王「お?魔法使いー、頬に傷があるがケガしたの??」

魔法使い「御心配なく、魔法王様。ちょっと切れただけで大丈夫ですよ。
     さあ、次は炎の魔法を見せますね。」

魔法王「おお~♪」

魔法使い「(…この頬の小さな傷。これも返さないとね。
      この方に気遣いされるなどもってのほかだわ。)」




【 翌日 】


勇者「ふあああ…よく寝た。」

勇者「……」

勇者「これからどうしよっかな…」





老人「…そうそう、お主の寝てる間に魔導士どもが来たわい。」

勇者「え!?」

老人「大丈夫じゃ。
   あいつら、家の中を見て汚らしいと思ったんじゃろうな。
   嫌な顔してすぐ帰って行ったわい。」

勇者「そ、そうですか。」

老人「さ、朝食を食べ終えたらお前さんに見せたいものがある。」

勇者「はあ…」




【 オンボロ道場 】 中庭


勇者「中庭って、この国の城壁に対して作られてるんですね。」

老人「そうじゃ、城壁に的を置いたりして射撃の訓練なんかもあったぞ。」

勇者「おお…」

老人「それに、ワシの家は裏路地と、城壁に面しているから
   余程の事が無い限り裏路地から勇者の姿が見える事はまずなかろう。」

勇者「やった!」

老人「騒ぎが落ち着くまで、ここでゆっくりするとええ」

勇者「いいんですか?僕一応罪人ってことになってますけど…」

老人「おぬしみたいな人間に会えて嬉しいのじゃ。
   だからそのお礼だ。」

勇者「おじいさん」

老人「そんな暗い顔するでない!
   ほれ、お前さんの実力をみせてみい!!」

老人「丁度20メートル先、城壁に的が置いてあるじゃろ?
   おまえさん、メラを色んな種類で放てるって言うし見てみたいの。」

勇者「あ、いいですよ。」

老人「ありがたや、ありがたや。   
   せっかくじゃし賢者も呼ぼう」

賢者「……」ぷるぷる

勇者「じゃあ、いきまーす」

勇者「メラ!」 ドウン!!


 ドバ!!

 【 勇者の放ったメラは、的を打ち抜いた! 】



老人「ほう…(メラにしては、速度もややはやく威力もあるの)」

賢者「ふえ……」ぷるぷる

勇者「えーっと、つぎは隣の的に散弾式っと…」

勇者「………」 ボオッ…

 【 勇者は握りこぶしを作った! 
   
   拳の中で、炎のエネルギーであるオレンジ色の光がどんどん大きくなって行く!! 】


勇者「メラ!」 ぶわ!!


 ビュババババ!! 
  
  ドオン!! ドンドン!! ドオン!! ドドン!!



 【 勇者が、拳に溜まったエネルギーを振って拳を開くと
   大小バラバラの複数のメラが的の周囲に向かって着弾した。 】


老人「ふむ…なるほどな。」

賢者「ひええ…」ぷるぷる

勇者「…で、次が連射型。」

勇者「……」 ピッ


 【 勇者は残った的に向けて、人差し指を向けた 】

勇者「メラ!!」


 バババババババババババババッッッ!!!


 バリ! バリバリ!! ババリ!! バリバリバリ!!


 【 指先から、極小のメラが次々と放出され
   的を蜂の巣に焼き尽くして行く!! 】


 バババババババババッッババッッ バッッ…… プスン


勇者「あ、魔力が切れました。」

老人「うむ、ごくろう。」

勇者「僕の使うメラはこんな感じです。」

賢者「………」ぽか~ん

勇者「えーっと…」

老人「おまえさん、素手での戦いで色々答えを導きだしているようじゃの。」

勇者「え…」

老人「素晴らしいぞ。ここまでメラを工夫してるとは。」

勇者「あ、ありがとうございます!」

老人「では少し経ったら、今度は素手の方を見せてもらうぞ。」

勇者「はい!」

賢者「お、お茶をどうぞ…。ふえっ」 ぷるぷる

勇者「(そ、そういう小動物みたいな表情は正直かわいい…)


   

老人「では、いつも素手でどんな風に戦ってるかみせてもらっていいかの?」
     

勇者「…じゃあ、せいけんづき!!」 ボッッ!!

勇者「ばくれつけんっっ!!」 ヒュバババッ!!

勇者「石つぶて!!」  ヒュン! ヒュン! ビュン!!

勇者「肘打ち!踵落とし!!」

勇者「回し蹴り!!」

勇者「そして、真空波!!」 ぶおん!!


 スパッ!!

老人「!!」

賢者「えっ」

勇者「使うワザとかはこんな感じです。
   あとは、その場その場の状況で魔物を倒せるよう
   戦い方も……こう、自由にやってます。」

勇者「素手で何も持ってない分、色々なものをつかって戦うときもあります。」

老人「うむ…そうか。」

老人「…賢者よ。」

賢者「は、はい!」

老人「ワシに、バイキルトとスクルトと…それにピオリムをかけておくれ。」

賢者「えっ」

勇者「えっ」

老人「素手勇者よ。ワシはとくに現役を引退したが
   手合わせくらいは出来るぞい。」

勇者「!!」

賢者「あう…じゃ、じゃあかけますね。」


 【 賢者は「バイキルト/スクルト/ピオリム」を唱えた! 】




老人「おうふ…」

勇者「なんだ…?」

 【 老人の体が光り輝く! 】

老人「…さすがに年じゃから身体能力を上げさせてもらったぞい。
   わしの見た感じ…パワーだけならお主の方が上じゃがな。」

勇者「は、はあ…」

老人「ふふふ…いくぞい!!」 ビュバ!!

勇者「おう!?」 ヒュン!!

 【 勇者は体を捻らせて、手刀を避けた!! 】

老人「ほう、やるのー。
   じゃが、練習だからといって止まってるようじゃいつか痛い目に会うぞ!!」 ガン!!

勇者「ぬわ!?」 ズデン!

 【 素早い足場らに、勇者は仰向けに倒れる!! 】


老人「ずあっ!!」 ズオ!!

 【 倒れた素手勇者に、すかさず老人の突き! 】

勇者「おあ!」 ゴロゴロ…! 

老人「素早い、転がり避けじゃ。 
   そのくらいの速さなら今後も精進すれば問題なし…」

勇者「はあ…はあ……!」スッ

老人「隙がでかい!!」 ドウン!!

勇者「ごあ!?」

老人「素手勇者よ…油断するなと行ったはずじゃ。
   まさかワシがヨボヨボで、攻撃したらポックリ逝きそうだと考えては折るまいな?」

賢者「お、おじいさま…もう一度スクルトとピオリムです!!」

 【 賢者が魔法を老人にかける 】

老人「おうっふ…賢者よさっきの魔法がまだ効いてるわい。 
   重ねがけでパワー以外素手勇者より勝ったかの??」

勇者「えっと…」

老人「ばかもん!油断はするなと行ったはずじゃ!!
   いくぞ!!手加減はせん!!」 

 ドウン!!



 ガン!!

勇者「う、おおお!? いて!? んが!?」

老人「そらそらそらそら!!」 びゅびゅびゅびゅ!!

 【 老人の拳の嵐に、すかさず両手ではじきながら交代する素手勇者! 】


 とんっ

素手勇者「!」

 【 しかし、城壁に追い込まれた!後ろに逃げ場がなくなった! 】

勇者「ば、ばくれつけん!!」 ボッッ!!

老人「おっと!」 ヒュン!

 【 勇者の爆裂拳を、後方に下がり間一髪で下がる老人! 】

勇者「はあ…はあ……」

老人「……勇者よ。お主素手で戦うときはどういう風に考えて戦っていたかの?」

勇者「そ、それは…」

老人「わかりやすく説明してくれ。」

勇者「とにかく必死でした。素手だけでしたので、生き残れるようになんでもつかって戦って…  
   油断しないように…」

老人「ワシはお前を殺せる人間に見えるかの?」

勇者「えっ」

老人「お前を食い殺せる魔物なら、お前さんは
   自分が死なないようにするため、神経を研ぎすませ目の前の敵を倒す事に集中するじゃろう?」

勇者「え、ええ…」

老人「わしは?」

勇者「えっ」

老人「わしじゃよ。自分より弱い、または命の危険を及ぼす可能性の低い相手にはどう戦う?」

勇者「そ、それは…!」

老人「そういった相手にも実戦と同じように集中する事じゃ。」

勇者「は、はあ…」

老人「たとえ、練習とわかっていても培った経験はいずれ力になるのじゃ。
   慣れたものを初心に返すと言っても良いかの?
   あ、もしかしてお前さん実戦ばかりで逆に組み手とかしてなかったり??」

勇者「あ、はい。自分はずっと魔物と毎日のように戦ってたので、人間相手の戦いはあんまり…」

老人「ふむそうか…」

老人「まあいい……行くぞ!!」 ギュン!!

勇者「おわ!!」 ぶん!!



 ど す !!

勇者「あっ」

 【 老人の攻撃を、ギリギリとかわした勇者は
   彼のお腹にカウンターを決めてしまった!! 】

老人「うえっぷ…」

勇者「だ、大丈夫ですか!?おじいs…

 どか!!

勇者「…ごが!?」

老人「わはは!油断はするなと何度も言うじゃろうが!!
   おぬしルール無用の実戦に慣れすぎて、ルールが2重にもなってる組み手の戦いが若干苦手なようじゃの!!」

老人「それでよく大会で勝ち進んだわい!!大会は組み手じゃないからか!」

勇者「く、くっそ…!!」

老人「とりあえず続けてみるかの!
   ほっほっほ!」 タタタタタタ!!

 【 老人は中庭を走り続け、素手勇者をかく乱させた!! 】



勇者「は、はやい…」

勇者「どう接近するか…」

老人「隙あり!!」

 【 後ろから急接近する老人!! 】


勇者「くっ……」


 【 結局素手勇者は思うように戦えず、老人にボコボコにされました。 】





【 夜 】

勇者「ふう…」

老人「どうじゃった?組み手は??」

勇者「なんというか…いつもよりやりにくい感じでした。
   戦ってたのが魔物や、試合の選手ではなかったので…」

老人「ほっほっほ…そうじゃろう、そうじゃろう」

勇者「明日も組み手してもらっても良いですか?」

老人「そりゃ無理じゃ。ワシ今日ので限界じゃ。」

勇者「えっ」

老人「昔、素手で戦った事のあるワシでも
   引退してから10年以上もたつし年なだけじゃ。」

老人「お主とずっと戦う事は出来んわい。」

勇者「そ、そうですか…」

老人「それにお主には修行の必要は無いかもな」

勇者「えっ」

老人「少し前から商人お噂で聞いた素手勇者の伝説…
   北の国ではスライムを何百匹も倒し、その後も素手で旅をつづけている…」

勇者「はい」

老人「ここまで素手でくれば充分修行を積んでる事になる。
   あとの素手の戦いは勇者の好きにしたらええ。」

勇者「…いつもどおり??」

老人「そうじゃ。変に考える必要は無い。
   これからの旅もお主のいつもの考えで行けば良い。」

勇者「あー…なるほど。」

老人「じゃが、1つ忠告するとなると…」

勇者「?」

老人「今日みたいな油断はしないことじゃ。  
   いつかそういう場面がくるからの。」

勇者「は、はあ…」

老人「うむ、わしからお前に話す事は以上!
   さあ寝るぞい。」


勇者「は、はい」




【 さらに1週間後… 】

【 中庭 】

勇者「………………」

賢者「………………」

勇者「………………」

賢者「………………」

勇者「………………」

賢者「………………」

勇者「………………」

賢者「………………」

勇者「………………」

賢者「………………」


賢者「…はい、めいそうの時間は終わりです!」

勇者「あががが…あ、足が……」

賢者「あ、足の痛みでへこたれてるようでは精神統一はまだまだ先なのです!」ぷるぷる

勇者「精神統一ね~…こうやって正座して目をつむってるだけで魔力って増えるの?」

賢者「た、たった1日の修行で増えません!
   全ては神の導きなのです!!あ、あなたが素手で戦い続けたように
   毎日めいそうすることで、神の加護から精神に魔力がそそがれるのです!!」

勇者「そ、そう…すごいね神様は。」

賢者「当然です!!」

勇者「お、おう」




【 その日の夕食 】

勇者「ごくごく…」

老人「……」

賢者「……」プルプル…

勇者「うん、やっぱり聖水はうまいな。」

老人「…いつも思うが聖水は飲み水ではないぞ。
   森で遭難した話はきいて驚いたが」

勇者「水分も、リンゴくらいだったのでいっそのこと聖水のむようにしたんです。
   最初は変な味で飲みにくかったんですけど、慣れれば結構クセになるんですよ。」

老人「それで、ミイラに噛みつかれたとき…」

勇者「ミイラの顔が浄化しました。
   ほぼ毎日聖水飲んで、聖水で体を洗ってたから体の成分が聖質になったんんでしょう。」

老人「そ、そうか…(はじめてきいたわい、そんな話。)」

賢者「ふえっ…せ、せいなる水の使用方法を犯すのは…か、神への冒涜です!!
   あなたに裁きを、あ…与えます!!」

勇者「わああ!!フォーク投げてこないでえ!!」

老人「やれやれ…」





【 食堂 】

勇者「あービックリした。
   ぼく別に神様の冒涜とかそういうの考えた事無かったけど…」

老人「ちょいと孫には訳ありでの。」

勇者「……」

老人「賢者が幼い頃、中央大陸の森で遭難したときがあるんじゃ。」

勇者「そ、遭難!?」

老人「そうじゃ、賢者が遭難して1時間くらいだったかの。
   賢者がうずくまって、泣いていると目の前にそれはそれは美しい女性と
   逞しい男性がいたそうじゃ。」

勇者「ほう…」

老人「その人達が森の外に出してあげると言っていて
   賢者が手を差し伸べた所、気づいた時には
   賢者ははぐれた両親のもとにいたそうじゃ」

勇者「へー!すごい不思議な話ですね!!
   森の妖精??」

老人「さあ…ともかく、その後賢者は、自分を助けてくれたのは
   神様と女神だと信じ込み
   故郷の東の国からわしの住むこの家に来て
   魔法学校に通っている。というわけじゃ。」

勇者「な、なるほど…なんだか悪い事しちゃったかな。」

老人「気にする事は無い。
   ちょっと、真に受け過ぎな所もあるが賢者は真面目なんじゃよ。」




【 さらに数日後… 】


老人「おまえさんにコレを渡しておこう。」

勇者「これは…はやてのリング??」

老人「おまえさんにやる。これでその鎧と、元々持ってるのをあわせてかなりすばやく動けるはず。」

勇者「………そうですか。」

老人「うむ。」

勇者「お世話になりました。」

老人「なんの。久しぶりに楽しませてもらったせめてもの礼じゃ。」

勇者「僕も、町の地図をもらったのですごく助かります。」

老人「なんのなんの。これからも頑張りなさいよ。」

勇者「はい!」

勇者「賢者さんには、朝あいさつをしましたが
   学校から帰って来たらよろしく言っといてください。」

老人「うむ、」

勇者「ではお世話になりました!」

老人「みつからんように気をつけてな。
   門に近づいたら一気に外までダッシュじゃ。  
   閉まってたらメラでぶちこわしゃええ。」

勇者「はい!」









【 裏路地 】

 【 はやてのリングを2つ装備した素手勇者は
   まるでゴキブリのごとく、地を這うようにすばやく移動した。 】

 【 あくまで裏路地から出口の門までのルートを
   地図を確認しつつ慎重に向かった。 】

 【 そして… 】



勇者「ライトセーバーは、布につつんで杖みたいに持つようにした。
   柄の部分に布を丸めればそれっぽいな。」

勇者「…さっきも人とすれ違ったが
   気づかれた気配はなかった。よし。」

勇者「…この国には二度と来たく無いな。
   おじいさん達ともまた会えるかどうかわからないけど。」


続きはまた連絡っす

くぅぅ!ぜひ完結してくれ!頼む(`・ω・´)キリッ

乙ぱい

15時前に投下する


【 裏路地 】

 【 はやてのリングを2つ装備した素手勇者は
   まるでゴキブリのごとく、地を這うようにすばやく移動した。 】

 【 あくまで裏路地から出口の門までのルートを
   地図を確認しつつ慎重に向かった。 】

 【 そして… 】



勇者「ライトセーバーは、布につつんで杖みたいに持つようにした。
   柄の部分に布を丸めればそれっぽいな。」

勇者「…さっきも人とすれ違ったが
   気づかれた気配はなかった。よし。」

勇者「…この国には二度と来たく無いな。
   おじいさん達ともまた会えるかどうかわからないけど。」







勇者「丁度、賢者の行っている学校の裏を通るのか…、大人数だし
   見つかりたく無いな。」






「…ねえ、賢者さん。あなた最近ずるしてるんではなくって??」



勇者「お?」 ピタッ



 【 ちょうどレンガ作りの敷居にある柵から
   3人の女生徒が賢者に何か話しているのが見えた。 】

勇者「(賢者…?なんだ??)」

 【 おもわず足を止めてしまう素手勇者 
   賢者は壁に背を向けて経っていたので、彼女の顔が丁度勇者の視界に写ったからだった。 】


 【 それにただ友達と話しているのなら、ともかく
   賢者の怯えた顔と、複数の人間に言い寄られているような状況はおかしいと思ったからだった。 】


賢者「わ、私はずるなんかしていません!
   神に誓ってもそのような事は…」

生徒A「じゃあどう説明するのかしらぁ?
    まず、あなたと私たちは同じ2年生の魔法学院の生徒…」

生徒A「なのに、あなただけ3年生の魔法授業を特別に受けれるなんておかしいと思わないかしら??」

生徒B「そうよそうよ!」

生徒C「ルール違反はダメよー」

賢者「私はルール違反もしていません!
   ただ魔法の授業の成績がよかったから、先生から特別に…」

生徒A「それがおかしいのよ!」 バン!

賢者「ひっ」

 【 生徒Aは賢者を突き飛ばした! 】

賢者「わ、私は…何もしていません」

生徒A「そもそもあなたって、よその国から来た素人さんでしょ??
    そうよね皆」

生徒B「うん、東の商業の国から来って行ってたわ」

生徒C「魔法の才能があったから特別に入れてもらえたらしいわ!
    試験も受けてないのに!!」

生徒A「そうよね…、ここは小学校の頃から魔法の授業を義務づけられた人が
    正式な試験を受けた後に入学できるのに…」

生徒A「あなたは、途中参加でしかも先生に魔法の腕を見せて
    それで合格したらしいじゃない?」

賢者「そ、そうです!私は転入でしたが、皆さんと同じ試験を…」

生徒A「同じ…試験?」

賢者「そ、そうです!神に誓っても先程のようなずるなどというのは…」

生徒A「だまりなさい!!」



賢者「ひう!?」

生徒A「私たちと同じ…?ですって!?
    余所者のうえに、なんの名誉も無い庶民のくせして
    私たちと同じ学校で授業…いえ、上級魔法の学業まで学んで!!」

賢者「ひっ…わ、私は……」

生徒A「才能も容姿も家系も全部私たちが上なのよ!
    なのに、なぜアナタのような人間が上に居るのかしら」

生徒B「賢者ってさー体だけは、いっちょまえだよね」

生徒C「先生や先輩に…誘惑してるんじゃないの??」


 【 その言葉は賢者の信仰意識にあってはならないものであった 】


賢者「い、いいかげんにしてください!!
   わ、私はそのような破廉恥な事をしてこの学園に入っていません!!
   もうやめてください!!」

生徒A「おだまり!!」 バシ!

賢者「ひっ!?」

生徒A「ウンザリするのよね、あんたばっかがいつもいつも…いつもいつも!
   私より褒められ、色々な魔法を学べる機会があるなんて!!」

賢者「うう…」

生徒A「…そういうのはやっぱり」 もにゅ

賢者「んっ…!」

 【 生徒Aは、賢者の胸をわしづかみに掴んだ!!
   服の上からでも一目で分かるほど、大きく膨らんだ乳房は
   生徒Aの手のひら以上あった 】

生徒A「こんな…駄肉が詰まった汚らわしいモノで皆を誘惑してるのよ!!
    あなたは!!
    存在そのもので皆をね!!」  ぎゅううううううっっ

賢者「いたっ!?やめてっ…ください!!
   お願いですから…!!」

生徒A「いいなさい!!「私はこのいやらしい胸で皆を誘惑した汚らしいブタです!」って!!」

賢者「…!か、神に誓ってもそのようなことは」

生徒B「あ、ちょっと…」

生徒「…もういいんじゃない??」

生徒A「なによ!!こんなやつ!!こんなやつ!!」


 【 生徒Aは賢者の胸から手を離して、もう一度張り手をしようとした 】



生徒A「な!?」

賢者「うそっ…」

 【 勇者はとっさにメラミを避けた! 】

勇者「あ、あぶなかった…いきなり何するんだ。」

生徒B「(あわわわわ…ど、どうしよお…)」

生徒C「(どうするったって…しかも、あの人至近距離でメラミ避けてたよね??)」

生徒A「あなた達!はやく先生達を呼んできて!!」

二人「う、うん…!」

勇者「あっ」

生徒A「あなたはこの私が直々に捕まえますわ!!
    ははははは!!!」

生徒A「マホトーン!!」

 【 生徒Aはマホトーンを唱えた!! 】


勇者「ん?」

 【 素手勇者は魔力が封じられた! 】

生徒A「はははは!今あなたの魔力を封じて魔法を使えなくしたのよ!!
    これこそが私の得意とする封印魔法!!」

勇者「へー」

生徒A「!余裕をかますなど随分舐められてますね…!
    でも私の魔法であなたは一方的に…!!」

勇者「どらあ!!」 ボッ!!

生徒A「ひっ!?」

 【 勇者の拳は、生徒Aのガンマンすれすれを横切った!! 】


生徒A「あ…ああっ…」 ショワアアア…


 【 直後生徒Aは自身に起こった事を体が恐怖として刻み
   地面に尻から崩れ落ちる。】




勇者「あっ!あ、ああ…えっとごめん。怖がらせるつもりは…」

賢者「す、素手勇者さん!!」

勇者「賢者ちゃん!ごめん!!つい……」

賢者「……いいんです。私は余所者ですから
   こういうことは慣れて…」

勇者「そ、そんな事言うなよ。」

賢者「これも神様の試練です。」

勇者「助けた子供に試練を与えるなんて厳しい神様だよ。」

賢者「えっ」

勇者「ごめん、おじいさんから聞いた。」

賢者「ふえっ……あ、素手勇者さん!!」

勇者「えっなに?」

賢者「はやく逃げないとマズいです!!
   わ、私はともかく素手勇者さんは捕まったら…!」

勇者「そ、そうだった!!
   ごめん!また会えたら会いに行くよ!!じゃ!!」

賢者「(こっそりピオリム!)
   は、はい!素手勇者さんも気をつけて!!」




生徒A「あ、あなたねぇ…!!」プルプルッ

賢者「む!」

生徒A「こんな…こんなっっ!!よくも私にこんな事をっっっ!!!
    お前なんか一生呪って…!!辱めてやるわ!!!」

賢者「っ!!えい!!」 ぶん!

 【 賢者は持っていた杖で思いっきり生徒Aの頭をなぐりつけた! 】
 
生徒A「ぎゃ!?」 ドサっ

賢者「神様…道を誤った人に暴力を振るう事をお許しください……グスン」




20分後


ダダダダダダダダダ!!!

勇者「速い…!!これならこの国を出れる!!」

勇者「(賢者ちゃん…は、一応この国の学校に行ってるから
    大丈夫…だよね??おじいさんも皆から無視されてるけど
    あえてそうなってるほうが安全になるのか……)」


  「うわ!なんだ!!」   「すごい!あの人の走り見た!?」


勇者「もう門まで裏路地はない!!
   正面の道路から間に合うか!!?」

勇者「うおおおおおおおお!!!!」

 【 勇者は門に向かって走り出した!! 】



 【 城門 】

兵士「伝達呪文を聞いたか!?素手勇者が逃亡中だ!!」

魔法兵士「魔法学院で騒動を起こしたみたいだ!!
     学院に向かってる部隊は!?」

兵士「お、おい!!あいつは!!」


勇者「うおおおおおおおおおっっっっ!!」  バババババババっっっ!!

勇者「メラメラメラメラメラッッ!!!」

兵士「ぐああああ!?」

魔法兵士「で、でたぞ!!各部隊へ!!
     素手勇者は城門を突破しようと…ぐあ!?」

勇者「ごめんなさい!!でも僕は無実なんです!!」



 【 勇者は隙をついて門を駆け抜けた!! 】

 【 勇者は門を抜けても走り続けた!! 装備と呪文のおかげでグングン速度が上がる!
   …賢者がピオリムをかけてくれた事は勇者は知らない。 】


ダダダダダダダダダッッ!!!

勇者「おっっしゃああああああ!!!! 出た!!
   これで東の国までひとっ走り!!!」

勇者「やった!一時はどうなるものかと思ったけど…!!
   コレで僕は次の町に…


魔法使い「行けれると思ったのかしら? イオラ!!」

勇者「えっ」 くるっ

 【 勇者が声のした右の方をみると
   自分と同じ速度で、低空飛行をしている魔法使い…
   どこかでみたことのある女の子の目が笑ってない笑顔が目に映った瞬間

   素手勇者は「まぶしい!?」と感じた時には爆風と
   自身の走行速度で、地面をゴムボールのように転げ回った。

   装備はぐちゃぐちゃになり、今まで無傷だったエルフのお守りも粉々になり
   後に無事だったのは西の国王と、老人からもらった2つの「はやてのリング」
   そして北の王から貰ったライトセーバーだけだった。】

げッ ミスった…

少々お待ちを>>554から張り直します

>>554の続き


 がし!


生徒A「んなっ!?」

勇者「そこまでにしなよ、君」

生徒B「うわ!」

生徒C「誰!?」

生徒A「な、なんですの!?手を離しなさい!!」

勇者「………」

賢者「す、素手勇者さん…!どうして?」

生徒B「す…素手勇者…!?」

生徒C「え!?たしかその名前っていま町中で指名手配されてるんじゃ…」

賢者「あっ…」

生徒A「あ、あなたこの犯罪者と知り合いなの!?」

賢者「ち、ちg…いえ、それは……」

勇者「それ以上賢者を侮辱する事は許さないぞ。」

生徒A「…はっ!な、何を言うかと思えば、私が賢者さんに何かしたとでも?」

勇者「……」

生徒A「犯罪者のあなたにとやかく言われる必要はありませんね!」

勇者「僕は無実だ。
   境界線は越えてないし、ただ広場を散歩しただけだ。」

生徒A「犯罪者風情が口答えしないで!!」

生徒A「メラミ!!」

 ドウン!!

勇者「!」 ヒョイ


生徒A「な!?」

賢者「うそっ…」

 【 勇者はとっさにメラミを避けた! 】

勇者「あ、あぶなかった…いきなり何するんだ。」

生徒B「(あわわわわ…ど、どうしよお…)」

生徒C「(どうするったって…しかも、あの人至近距離でメラミ避けてたよね??)」

生徒A「あなた達!はやく先生達を呼んできて!!」

二人「う、うん…!」

勇者「あっ」

生徒A「あなたはこの私が直々に捕まえますわ!!
    ははははは!!!」

生徒A「マホトーン!!」

 【 生徒Aはマホトーンを唱えた!! 】


勇者「ん?」

 【 素手勇者は魔力が封じられた! 】

生徒A「はははは!今あなたの魔力を封じて魔法を使えなくしたのよ!!
    これこそが私の得意とする封印魔法!!」

勇者「へー」

生徒A「!余裕をかますなど随分舐められてますね…!
    でも私の魔法であなたは一方的に…!!」

勇者「どらあ!!」 ボッ!!

生徒A「ひっ!?」

 【 勇者の拳は、生徒Aのガンマンすれすれを横切った!! 】


生徒A「あ…ああっ…」 ショワアアア…


 【 直後生徒Aは自身に起こった事を体が恐怖として刻み
   地面に尻から崩れ落ちる。】



勇者「あっ!あ、ああ…えっとごめん。怖がらせるつもりは…」

賢者「す、素手勇者さん!!」

勇者「賢者ちゃん!ごめん!!つい……」

賢者「……いいんです。私は余所者ですから
   こういうことは慣れて…」

勇者「そ、そんな事言うなよ。」

賢者「これも神様の試練です。」

勇者「助けた子供に試練を与えるなんて厳しい神様だよ。」

賢者「えっ」

勇者「ごめん、おじいさんから聞いた。」

賢者「ふえっ……あ、素手勇者さん!!」

勇者「えっなに?」

賢者「はやく逃げないとマズいです!!
   わ、私はともかく素手勇者さんは捕まったら…!」

勇者「そ、そうだった!!
   ごめん!また会えたら会いに行くよ!!じゃ!!」

賢者「(こっそりピオリム!)
   は、はい!素手勇者さんも気をつけて!!」




生徒A「あ、あなたねぇ…!!」プルプルッ

賢者「む!」

生徒A「こんな…こんなっっ!!よくも私にこんな事をっっっ!!!
    お前なんか一生呪って…!!辱めてやるわ!!!」

賢者「っ!!えい!!」 ぶん!

 【 賢者は持っていた杖で思いっきり生徒Aの頭をなぐりつけた! 】
 
生徒A「ぎゃ!?」 ドサっ

賢者「神様…道を誤った人に暴力を振るう事をお許しください……グスン」


20分後


ダダダダダダダダダ!!!

勇者「速い…!!これならこの国を出れる!!」

勇者「(賢者ちゃん…は、一応この国の学校に行ってるから
    大丈夫…だよね??おじいさんも皆から無視されてるけど
    あえてそうなってるほうが安全になるのか……)」


  「うわ!なんだ!!」   「すごい!あの人の走り見た!?」


勇者「もう門まで裏路地はない!!
   正面の道路から間に合うか!!?」

勇者「うおおおおおおおお!!!!」

 【 勇者は門に向かって走り出した!! 】



 【 城門 】

兵士「伝達呪文を聞いたか!?素手勇者が逃亡中だ!!」

魔法兵士「魔法学院で騒動を起こしたみたいだ!!
     学院に向かってる部隊は!?」

兵士「お、おい!!あいつは!!」


勇者「うおおおおおおおおおっっっっ!!」  ぶん! ぶん! ぶん!!

勇者「真空波!!!」


 ズバ!! ズバ!!!


兵士「ぐああああ!?」

魔法兵士「で、でたぞ!!各部隊へ!!素手勇者は城門を突破しようと…ぐあ!?」

勇者「ごめんなさい!!でも僕は無実なんです!!」


 【 勇者は隙をついて門を駆け抜けた!! 】

 【 勇者は門を抜けても走り続けた!! 装備と呪文のおかげでグングン速度が上がる!
   …賢者がピオリムをかけてくれた事は勇者は知らない。 】


ダダダダダダダダダッッ!!!

勇者「おっっしゃああああああ!!!! 出た!!
   これで東の国までひとっ走り!!!」

勇者「やった!一時はどうなるものかと思ったけど…!!
   コレで僕は次の町に…


魔法使い「行けれると思ったのかしら? イオラ!!」

勇者「えっ」 くるっ

 【 勇者が声のした右の方をみると
   自分と同じ速度で、低空飛行をしている魔法使い…
   どこかでみたことのある女の子の目が笑ってない笑顔が目に映った瞬間

   素手勇者は「まぶしい!?」と感じた時には爆風と
   自身の走行速度で、地面をゴムボールのように転げ回った。

   装備はぐちゃぐちゃになり、今まで無傷だったエルフのお守りも粉々になり
   後に無事だったのは西の国王と、老人からもらった2つの「はやてのリング」
   そして北の王から貰ったライトセーバーだけだった。】


      

【 玉座 】

魔法王「罪人が捕まった?」

魔法使い「ええ、私が捕まえました。」

魔法使い「おお、さすが魔法使いじゃ!」

魔導士「………」

神官「………」

 【 多くの視線が魔法王に集まる 】


魔法王「っ……皆もよくやってくれた、いつも感謝するぞ。」

魔導士「……ありがたいお言葉」

神官「……光栄です。では罪人の方は我々が」

魔法王「ま、待っておくれ。」

神官「…なんでしょう。」

魔法王「妾は今まで罪人の言葉を聞いた事が無い。
    その者がなぜ、罪を犯したのかを聞くのも王の勤めで…」

魔法使い「それは…」

神官「魔法王様、それはまだ魔法王様に危険が及ばないためです。」

魔法王「危険??」

神官「我ら、神官や魔導士、それにこちらの魔法使い殿がこの広間に
   いるとしても『万が一』ということがあります。
   全ては魔法王様の安全のためなのです!」

魔法王「で、でも…」

魔法使い「神官はあなた様の安否を…気遣っております。
     どうか…」

魔法王「わかった…、では罪人のことは神官に任せる。」

神官「…はっ」

魔法使い「……」






 【 地下牢屋 】


神官「では、わたしはコレで
   …あなたの傷の恨み、存分に楽しんでくださいね」

魔法使い「余計なお世話よ。さっさと仕事に戻りなさい。」

神官「(魔法王に気に入られてるからといって調子に乗るなよ…)」



 しばらくして…


勇者「僕は無実だッッッ!!」

魔法使い「ヒャド」

勇者「うっ…うう……」ガタガタッ ガチガチッッ

魔法使い「あんあた良くそこまで体が持つわね。
     普通の人ならとっくに寒くて気絶してるんじゃないかしら??」

勇者「ぼ、ぼく…は! ずっと体を…きたえてた…からね。」ガチガチガチ…

魔法使い「パンンツ一丁で、震えてる筋肉質が何言ってるんだか…気持ち悪い。」

勇者「………」ガチガチガチッッ

魔法使い「(意外と辛抱強いわね、コイツ。すぐ悲鳴でもあげるかとおもったけど…)」

勇者「(も、もう1週間もパンツ一丁で…冷凍系の魔法当てまくられて……し、死ぬのか?
    あの時、見て見ぬ振りをしてれば…いやダメだ。
    僕には無視できなかった…)」

勇者「(おじいさんの家に居る間…賢者が……頑張ってるのを聞いて…… 
    なんとなく僕と似てると思って……!!)」ガチガチッ

【 勇者は歯を食いしばり、はたまた口の中で舌をおもいっきり歯ではさみ
  痛みのマヒで寒さを耐えようとしていた。 】

魔法使い「……っふん」







【 さらに数日後 】
 
勇者「さ、さむい……」

勇者「こんな檻の中じゃ…やっぱり寒い……
   せめて毛布があと1枚あれば……」


魔法使い「起きてるかしら?素手勇者??」

勇者「おきてる…起きてなきゃ死んじゃう」

魔法使い「ふっホントあなたゴキブリ並みに耐えてるわね。
     大会であなたと会ったときは、あなたがここまでの人間とは思いもよらなかったけどね。」

勇者「ガチガチ…」

魔法使い「そうそう、今日はお客さんよ。」

勇者「えっ」



魔導士「連れて参りました。入れ。」



老人「おお…勇者よ。」

賢者「………っ」

勇者「おじいさ…ん?それに賢者…賢者??」

魔法使い「…あーら、ひっどい。 
     どこの人にやられたのかしら。
     顔中引っ掻き回されてるし……髪の毛もぐしゃぐしゃにされて汚いわね」

勇者「け、賢者!?なんで君がそんなことにっ…って
   まさかあいつらが……」

賢者「………」

老人「……素手勇者」

勇者「お、おい!!おまえら!!
   僕を散々有罪だなんだと行っておきながら……ガチガチ
   な、んで…げほっ
   おじいさん達を巻き込むんだ!!」

魔法使い「そりゃ賢者ちゃんが自白したんだもん。」

賢者「………っ」ポロポロ

魔法使い「…でもなんで自白したのかしら?
     もしかして今まで皆を困らせた罪の重さに耐えかねて?とか??」

勇者「お、おまえ……!!
   それに……ガチガチッ……あの学校の連中ッッッ!!
   け、賢者に酷い目にあわせて…無理矢理……!!」

勇者「……くそっ!!」

勇者「(こんなことって…甘かった!
    完全に僕が甘かった!!ここは魔法の国だ!!魔法のエキスパートだっているんだ!!
    僕は……!!弱い…!!)」



勇者「…ううっ うううう…」ポロポロッ

魔法使い「…っ。ふん、ようやく泣いたわね。
     己の罪と責任をよーく噛み締めときなさい。」

魔導士「…急ですが魔法使い様」

魔法使い「魔法王様がお呼びです」

魔法使い「わかったわ」

魔法使い「あとこの2人は共犯者よ。
     素手勇者の隣の牢屋にでも入れておきなさい。」

魔導士「はっ!」

老人「……」

勇者「……」

賢者「……」





 【 魔法王の部屋 】


魔法王「実は魔法使いに話が合っての…」

魔法使い「はい、なんでしょう」

魔法王「………」

魔法使い「…どうかされましたか?」

魔法王「自分の言う事が正しいことなのか悪い事なのかわからんのじゃ。」

魔法使い「魔法王様の言うことは正しいですわ。
     全ては魔法王様のために…」


魔法王「…それはどういう理由なのじゃ?
    みな口を揃えてそういうのじゃ。」

魔法使い「っ」

魔法王「魔法使いになら大丈夫じゃと思ったのじゃが…」

魔法使い「私はいつでもあなたの味方ですよ。
     悩み事はいつも私が聞いております。どうかご安心を…」

魔法王「……」

魔法王「あんら…実は、その素手勇者という罪人なのじゃが」

魔法使い「…はい」

魔法王「…執事から色々聞いての。」

魔法使い「(あの執事…何を吹き込んだのかしら?)」

魔法王「執事は昔から色々と外の国の事も知っておる。
    若い時に冒険をしたことがあると言っておったからの。」

魔法使い「私もしっていますよ。とても素晴らしい方ですよ。」



魔法王「執事から聞けば、素手勇者は故郷の北の国で
    武器もつかわず素手で戦って…国民に感謝されてるというのを聞いた。
    その素手勇者は大変すばらしい功績を持っておるの。」

魔法使い「…ええ、そのようですわね。   
     私もつい先程聞きましたが、まさかそのようなものが
     我が国で問題を…」

魔法王「その詳しい事もじいに聞いたのじゃが…」

魔法使い「(あのクソじじい!!)」

魔法王「…話を聞く限りだと、素手勇者殿には誤解があるような」

魔法使い「誤解などありません!」

魔法王「ひっ」

魔法使い「っ…!失礼、しました。
     素手勇者が罪を犯した事には変わりないのです。
     そう、たとえ広場での一件が無実であっても学園の生徒を襲うなどと…」

魔法王「それも執事が…」

魔法王「あ…でも、あの執事はこうも言っておった。
    宿屋の老人とお孫さんも…」ウルウル

魔法使い「うっ(まさかあの執事魔法王様に全部話したというの!?)」

魔法王「妾はいつも、何も知らされていない気がする。
    全部神官などに任せてる気もする。魔法使いもそうなのかえ?」

魔法使い「それは…」




魔法使い「……」

魔法王「最近になって、皆がこわく思える。
    執事と魔法使いは昔から変わらない気もするが…」

魔法王「他のモノ達が怖い。よくわからない話ばかりするのじゃ。」

魔法使い「……魔法王様」

魔法王「なんじゃ?魔法使い??」

魔法使い「素手勇者にチャンスをあげる。というのはどうでしょうか?」

魔法王「チャンス?」

魔法使い「ええ、中央大陸にある「エルフの魔法水」
     それを素手勇者が手に入れれば、彼と宿屋の家族も解放…と。」

魔法王「それはどういう…」

魔法使い「彼は多くの人々に感謝されてるというのです。
     その行為、結果が真実とあれば
     2週間後、魔法王様の11回目の誕生日の祝杯への手伝いもできると思われます。
     魔法水を取ってこられれば、素手勇者を無罪と認めましょう。」

魔法王「そ、そうか…それならわかった。」

魔法使い「では失礼致します。」 ガチャ バタン





魔法王「…妾も外に出て色々な人にもあってみたいぞ。」






執事「…その思い、確かですかな?」

魔法王「!?」

執事「失礼します魔法王様。」

魔法王「し、執事…!いつのまに……!!」

執事「素手勇者と話をしてみませんか?」

魔法王「えっ」

執事「罪人にも3種類分かれております。
   有罪、無罪、無罪と有罪を犯したもの。」

魔法王「……」

執事「多くの人と話を通じてわかりあう事は何よりも大事な事です。
   その分、時間はかかりますが得るものは大きいのです。」

魔法王「……よくわからないが、話をしてみたい。」

魔法王「今まで魔導士や神官から色々な罪人の話を聞いたが 
    執事からの話を聞くと何かふに落ちんのじゃ…」

魔法王「そもそも…妾は何もしていないような気がするぞ!
    ぜ、ぜんぶ神官などがして…妾は王としての仕事は……」

執事「確かめたいですか?」

魔法王「…妾は確かめてみたいぞ。」

執事「御意。では素手勇者の所へ来ましょう。
   見張りはラリホーで眠らしておきました。」

魔法王「た、たのむぞ」

執事「階層移動呪文!レベタ!!」

 【 レベタ … 指定した上、下の階層に瞬間移動できる。ルーラと違い、屋内専用魔法。 】






【 牢屋 】

執事「着きました。」

魔法王「お、おお…!ここは…」

執事「今まで罪を犯してきた人間を収容する場所です。」

魔法王「…うっぷ。」

執事「マスクをつけますか?」

魔法王「いや、いい……」





【 素手勇者の牢屋 】

勇者「ごめんなさい…おじいさん、賢者。ぼくのせいで……」

賢者「ど、どうして…!素手勇者さんがきにするのですか!!
   か…神様は私たちのことを無実とおっしゃいます。ふえっ」

老人「お主は当然の事をしたまでじゃ!!」

老人「ホントにくさっておるわ!!この国は!!
   法律よりも己の身勝手な感情や気分で、罪も無い人間を閉じ込め追って!!」

勇者「くそっ 本当にそうだ…!!ちくしょお!!」

勇者「あー…もう、最悪だ。この国は。
   法律よりも誰かの機嫌を優先なんて…」

賢者「…わたしの行ってる学園もそうです。
   皆上級生には怯えたりしてる子も」

老人「はあ…昔はこんな風じゃなかったのにの。」



魔法王「…す、素手勇者は無実だといいたいのじゃな?」

勇者「えっ」

老人「だ、だれじゃ?君は」

魔法王「ま、魔法王じゃ」

賢者「え!?」

執事「おお、皆さん。なんて酷いことに…」

勇者「えっ ちょっと…ええ?魔法王??なんですか一体。」

魔法王「その…」

執事「私が全てお話ししますよ。」





勇者「ってことはこの子がこの国のトップ…」

賢者「はわわわっま、魔法王様…」

老人「なんとまあ…この子が王だったは。」

魔法法「じーっ…」おろおろ

勇者「(予想外だった、こんなにも…すっごく綺麗な子だ。でもこんな小さな子が王なんてどうなってるんだ?)」

執事「…ちなみに、この国について聞きたい事は
   後回しにお願いします。」

勇者「なに!?僕らはわけのわからないことで…!!」

執事「騒げば、ほかのものがかぎつきます。」

勇者「え?」

魔法王「い、今は急なようで会いに来たのじゃ」

執事「秘密裏に伝言を頼まれましてな。」

勇者「…伝言!?」

執事「魔法使い様が魔法王様におっしゃっていた言葉ですが…
   中央大陸にある「エルフの魔法水」をとってくれば
   無実と認める。だ、そうです。」

勇者「なに!?そもそも僕は無実だ!!なんでそんなことを!!」

執事「…そのですな。いくらこちらの賢者さんを助けても
   学校には不法侵入、門番への攻撃という
   言い逃れのできない方の余罪がありまして…」

勇者「うっ…」

執事「そのために…」

魔法王「あ、あの…素手勇者どの?」

勇者「はい、なんでしょう」

魔法王「お、お主の事を教えて欲しいのじゃが…だめかの?」

勇者「ぼ、ぼくのことですか?別に良いですけど…」

執事「なるべく簡潔でわかりやすくお願いしますね。
   
魔法王「(冒険者というのは、すごい筋肉がつくのじゃな)」じーっ

勇者「うっ…
   (ホントに綺麗な子だ。でも僕はロリコンじゃない…綺麗な人には誰だって興味を持つさ。)」

勇者「じゃあ僕が旅をしてからの事を簡潔に…」

魔法王「……ありがとう」



魔法王「本当にここまで素手で…
    それに魔法使いが……」

執事「少し前に魔法勇者部隊が西の遠征に赴く際、
   魔法使い殿に西の国の観察任務が降りたのです。
   まさかそのようなことが…」

勇者「魔法使いって、魔法王様の世話係?だったんですね。
   あーえっと、それと広場での一件も全て事実です。
   不法侵入、職務妨害、器物損害もですが。」

魔法王「じゃが、元はといえば魔導士が…本当ならここには」

勇者「そうですけど…もう条件をのむしか無いじゃないですか。
   それで無実を「その場で証明」できれば早いもんです。
  
   それだけハッキリと申したんですから、今更変更なんてできないとおもいますよ。
   魔法使いやその周りの人はプライド高そうですし。」

魔法王「……」

勇者「あ、えっと魔法王様はそんなに嫌な人では…」

執事「ごほん」

老人「う、うむ…そうじゃな。 
   ここでずっと無罪判決をまつのもな…」

賢者「た、たとえ有罪判決が出ても
   神様と女神様がお許しに…な、なりま…せ、
   っくしゅん!!」

魔法王「あっ…執事!毛布とかはないのか!?
    ここは冷えてるみたいだ…」

執事「既に用意してありますよ。」

勇者「あ、ありがたい…」

賢者「はうっ…ありがとうございます。」

老人「すまんのー」

魔法王「よ、よかった…」

勇者「…まさか「エルフの魔法水」はデタラメなんてことはないですよね?」

執事「デタラメではありません。
   こちらに、前年度に残った極少量の魔法水があります。」

勇者「えっ」

執事「この親指サイズ程の小ビンに入ってる青く輝く液体がそうです。」

執事「これを素手勇者さんに…」

 ぴしゃっ!

勇者「つめた!?」

魔法王「お、おい!」

勇者「あっ…あれ?」


 【 勇者の魔力が増えた!! 】



勇者「なんか体の痛みが消えた気がする…
   寒くも無いし…」

執事「それが魔法水の効果。
   飲むか、浴びる事で体を癒し、魔力を増大させる事が出来ます。
   つまりホンモノですよ」

魔法王「ほっ…」

勇者「わかりました。では中央大陸の森に行ってこの魔法水を取りに行けば良いのですね?」

魔法王「う、うむ。取って来れたらすぐ素手勇者を檻から出すぞ。
    わ、妾の力不足じゃ…」

勇者「そんな、いいですよ。無実を証明できる機会を与えてくれた事に。」

魔法王「素手勇者殿…」うるうる

老人「おほん、ではいつ取りに行くのですかな?」

執事「おそらく早くて明日かと…」

勇者「明日!?」

執事「回復呪文のスペシャリストもいるので、その方が素手勇者の
   残りの疲労を取ると思いますので」

魔法王「で、では…」

執事「そろそろ戻った方かもしれませんね。」

魔法王「う、うむ。もし誰かいたら
    妾が無理を言ったと伝えるぞ。」

執事「ありがとうございます。」

勇者「じゃあ、僕はゆっくりやすみます。
   魔法王様もありがとうございました。
   よかったです。話の通じる人で。」

魔法王「う、うむ…では素手勇者も……きをつけて」

賢者「…………」

老人「…………」

執事「では…レベタ!!」

 【 執事と魔法王は呪文で部屋に戻った。 】



老人「大丈夫かの?」

勇者「さすがに装備はつけて行っても大丈夫かと思うけど…」

勇者「…あっ その事聞くの忘れてた!!!」

賢者「えっ!?じゃ、じゃあ大丈夫なんでしょうか!?」

老人「わ、わしも魔法水の事に気を取られておったわ…
   と…とにかくガンバレ!!素手勇者!!」

勇者「が、がんばります!!…いえ、やります!!」







【 魔法王の自室 】


執事「ですから魔法王様に頼まれて…」

魔法王「す、すまぬ魔法使い…妾の身勝手で心配をかけてしまって…」

魔法使い「まあ今回はいいでしょう。最初に来たのが私だったからよかったものを
     ……次は絶対にしないでください。」

魔法王「う、うむ…」

執事「申し訳有りません」

魔法使い「……」




【 部屋の外 】

魔法使い「執事」

執事「はい、なんでしょうか」

魔法使い「あなた魔法王様に変な事吹き込んでないでしょうね?」

執事「変な…こととは?」

魔法使い「…………」

執事「私は以前と比べて法王様と接する機会は減りました。
   …その分色々と喋る事は多くなった来はしますが、なにぶん年のせいで
   最近物忘れが」

魔法使い「……」ギロッ

執事「ふふふ」

魔法使い「何を笑ってるの!?」

執事「失礼、以前あなたの両親が法王様の世話係をになっていたのを思い出しましてな…」

魔法使い「………だから?」

執事「立派になりましたな…、ご両親のあとを次いで
   まるで法王様とあなたは仲のよい姉妹に見えます。」

魔法使い「……そう、私が法王様と姉妹に見えるのね。」

執事「あなたは頑張っておられますよ。」

魔法使い「そうやって話題をそらそうというわけ?」

執事「別にそのつもりはありませんよ。
   あなたのおかげで魔法王様も成長しているという事です。」

魔法使い「それは願っても無い事だわ。
     私は両親の後を継ぎ、法王様を見守る事だから。」

執事「…ご両親は元気ですかな?」

魔法使い「元気よ。大丈夫。
     今は中級階層地域の職場にいるわ。」

執事「そうですか、何よりです。」

魔法使い「……ちょっと、私の聞きたい事はまだ!」

執事「おっと!魔法王様の食事の用意もせねば!!レベタ!!」

魔法使い「この…っっ!!」






 ばしゅ!!



魔法使い「……」

魔法使い「……」

魔法使い「…法王様はまだ幼い。危険にさらしてどうするのよ。」




【 その後、結局素手勇者の件は4日後になった。 】




【 城内 】中央大陸の森(通称:中央樹海)行きの部屋


勇者「はあ…武具の装着に許可が出て良かった。」

魔法使い「うぬぼれないで、これは魔法王様直々の許可なの。
     たとえ、有罪としての人間でも無実の可能性も考慮して
     慈悲として装備される事を許可されてるのよ!」

勇者「わかったよ。
   で、壁に描かれている青い液体の絵が「エルフの魔法水」だね。」

魔法使い「そうよ!ほら、わかったならさっさと行きなさい!!」

勇者「わかったよ。」


 【 勇者は新しく用意された、魔法のグローブ+しっぷうのよろいを着込み
   ライトセーバーも装着、「はやてのリング」もつけた! 】


勇者「で、えーっと…この首に着いてるものは?」

魔法使い「どこにいても、この城に呼び戻せる魔法具よ  
     こういった試験で犯罪者が逃げないようにしてるのよ。」

勇者「ぼくは逃げないよ。絶対に。」

魔法使い「口ではそういうわ。誰でも。」

勇者「僕は行動でもあらわすよ。」

魔法使い「……減らず口を。さあ!!もう森に飛ばすからね!!!」

勇者「うわっと!」




 【 勇者は魔方陣の上で座った!! 】


魔法使い「いい!?期間は10日!!
     それ10日目の午後12時にアンタを
     城に呼び戻す!!魔法水があったら無罪!!持ってなかったら有罪よ!!」

勇者「わ、わかったよ!!」


魔法使い「…魔方陣の魔力よ!この者を中央樹海の中へ!!」

勇者「!?」



 バシュ!!



 【 魔方陣がみどりに輝くと、すぐに勇者の姿は見えなくなった 】




魔法使い「……これでいい。
     あいつが、無罪だろうが有罪になろうが…」

魔法使い「魔法王様が納得いけば、それでいい…!」







 【 中央樹海 】


勇者「…まいったな。」





魔界樹「ぐるるるる!!」

タンビラムーチョ「げへへへへへへ」

スライムベホマズン「べっふぉ」

髑髏の騎士「………」

フラワーゾンビ「あおっ!あおっ!」


勇者「逃げる!!!!」



 【 勇者は逃げ出した!! 】

勇者「あの魔法使い!!!いきなり魔物の群れに送り込むとか!!!」

勇者「くそっっ!!!絶対にエルフの魔法水を手に入れてやる!!」

勇者「あっ 帰り道どこだ?」

勇者「………」

勇者「……非常にマズいぞ」

勇者「……」

勇者「…いや、待てよ。
   10日後に強制帰還だから、魔法水手に入れてから
   ここで待てばいいのか!!これは良い考えだ!!」


キラーパンサー「がるるるるるる!!」

勇者「…メラ!!メラ!!メラ!!」


 ドドドドドドン!!


つづく

また連絡します。

俺も賢者ちゃんのお胸をもみもみしたいです

モンスターのレベルかなり上がった?

22時になったらもう一回。
なんか今日で3分割投下になりましたが、せっかくなので投下します。



キラーパンサー「がるるるるるる!!」

勇者「…メラ!!メラ!!メラ!!」


 ドドドドドドン!!


キラーパンサー「がるるるる!!」  ガブ!

勇者「ぎゃあっっ!?」

 【 勇者は左腕を思いっきり噛まれた!! 】

 メキッ…


勇者「だあああああっっっ!!!」 ドドドドドドっっ!!


 【 素手勇者は噛まれた左手の指先をキラーパンサーの顔に向けて
   メラを連射した!! 】


パンサー「きゃいん!?」

 【 キラーパンサーをやっつけた!! 】


勇者「があ…あああ……いてえっっ!
   ホイミ!!」

勇者「はあ…はあ……」


勇者「改めて見ると…西の森より、すごい深いぞここは……
   平たい地面が無い程、草や根っこで覆われてる…、足場が悪いな。」

勇者「と、とにかく…!休める所を探さないと……!!」


魔界樹「ごあああああ!!!」

勇者「くそ!!…オマエも人面樹と同じで眉間が弱点なら、そうであってくれ!!
   ばくれつけん!!」


 ド  ン  ッ  ッ !! 


魔界樹「ごああああ!?」

勇者「や、やった!効いてる!!」

勇者「うおおおお!!メラ!!メラァッッ!!」

魔界樹「ぎゃああああ!!」 メラメラメラ…




魔界樹「」

勇者「はあ…はあ……  
   装備の御陰で早く動けるとはいえ、ここの魔物は絶対に油断できないタイプだ。
   さ、さっきのキラーパンサーといい、この魔界樹… 
   この樹海は他の地方の魔物と違ってすごい…禍々しいな。」

勇者「…こいつの頭にある葉っぱも薬草かな??」

勇者「……おおっ」

勇者「すごい…!魔界樹の頭には上薬草に、上毒消し草が生えてるのか!!
   どれも市場じゃそんなに売ってない高級品だ!!」

勇者「あー…いきなりこんなに安心できると思わなかった。
   これなら傷やホイミの無駄遣いを抑える事が出来る。」

勇者「………うそお。
   魔界樹って頭にリンゴも生えてるの??」



勇者「……うまそう」

勇者「いや、生はマズいな。
   魔物のものとなるとなおさら…」

勇者「西の森のときみたく、焼いて食べよう。」

勇者「メラ」




 りんご「」じゅうううう……

 バリッッ! ぶじゅるる…!!


寄生虫「ぎょあああおおおおおお!?」



勇者「いいいい!?」

寄生虫「ぎょああおおおお!!ぎゃりょおろろろ!!」

寄生虫「ぎぎぎりゅうう……がっ」

 【 リンゴの中に寄生していた虫は燃え尽きた。 】


勇者「ひいいいいいいいいっっ…!!」ガタガタガタッッ…

勇者「あ、ああああんぶぶ、ああああ…あぶなか…あぶなかった……うううう…っっ!」

勇者「……こ、こええ」ガタガタ…ッッ!

勇者「薬草には……よし、何もついてない。 
   一応持ってきた聖水に混ぜてから使用しよう。」







【 その日の夜 】


魔法王「東の勇者部隊が到着したそうじゃな。」

魔法使い「はっ ただいま神官や魔導士達が話を伺っております。」

魔法王「妾はその人達と話ことはできんのかの?」

魔法使い「…私が許可しても神官や魔導士達が拒むでしょう」

魔法王「むう…」

魔法使い「それにもう夜は遅いです。明日の職務もあるので
     私はこれにて…」

魔法王「素手勇者…大丈夫かの?」

魔法使い「問題ないと思いますよ。
     武器もなしに冒険してきたのですからきっと大丈夫でしょう」

魔法王「…そうか。すごい勇者じゃから大丈夫かの。」

魔法使い「では、おやすみなさい」

魔法法「おやすみ魔法使い」




 【 時を同じくして、中央樹海のある場所…… 】



???「…俺はどこまで歩いたんだ。」

???「まさか……森の奥にあんな場所が……あんな奴らが住んでいるとは……」

???「はあ……はあ……っっあああ…力がっ 入らない……」

???「誰か…くそっ」




弓使い「こんなところで……っっ!!
    北の国からの旅が…!!くそっ…!!」




 【 同時刻 】

勇者「よし、聖水も撒いた。」

勇者「魔界樹のキャンプファイヤーも用意した。」

勇者「はああああああ~~~~~……」 ぐったり


勇者「メラ……ほんっっとうに覚えていて良かった。
   火をつけれる事がこんなにもありがたいとは。」

勇者「家に帰ったら父に礼を言おう。」

勇者「考えてみれば父の言葉は全部旅で役に立った。」

勇者「………まさか父も素手で旅した事があったり、なんてね。」

 ほーほー    ぎゃーす!


勇者「……」

勇者「怖いけど寝よう。火も充分あるし大丈夫だろう。」

勇者「ねむい…」




 【 翌日 】

勇者「ふああああ~~~…よく寝た。」

勇者「すげえ、まだ魔界樹燃えてるよ。…魔界樹はよく燃えて、燃えにくい。
   何を言ってるのか、わからんけど。これも教訓になったぞ。」

勇者「おっと、魔界樹の腕を取って…と、」

勇者「よし、魔界樹のたいまつをゲットしたぞ。」


 【 勇者は「魔界樹のたいまつ」をゲットした! 】

  魔界樹のたいまつ … 魔界樹の腕の枝をたいまつにしたもの。良く燃えて、燃え尽きにくい。

勇者「あとは自分の体力の維持と、エルフの魔法水」

勇者「体力はまだしも、魔法水をどうやって手に入れよう……。」


キラーパンサー「ぐおおおおお!!」 ばっ!!

勇者「なに!?」

勇者「うわああ!?」


 【 パンサーは勇者に覆いかぶさると、のど元に噛み付こうとした!! 】


勇者「うがあああ!!!だああああっっっ!!!」 ずぼっ!

パンサー「!?」

勇者「どうだ!!!噛めれるものなら噛んでみろ!!!
   その間、ぼくはお前の喉まで腕をつっこんでやる!!」  ドタン!! バタン!!

パンサー「~~~~~~~!?」 じたばたジタバタ!!

勇者「うぎぎぎぎッッッ!!」

パンサー「~~~!!!……!!ッッ?!」

パンサー「………」 パタン

【 キラーパンサーは窒息死した。 】




 ずぼぁ…っ


勇者「うう…腕が痛いっ また噛まれたかっ…
   こいつ僕の腕を噛んでも平気ってことは、体の聖分の効果がここじゃ薄いってことなのかな?」

勇者「…まあいいや、とにかく魔法水を探す事に専念しよう。」

勇者「素手の修行は…全部終わってからだ!」



【 5日目 】


勇者「あああああああっっ!!やばいやばい!!非常にマズい!!」

勇者「もう5日も経ってしまった!!あああああっっっ!!どうしよう!!!」


勇者「あああああああああああああああああっっっっ!!」


キラーパンサー「があああああああああああっっっ!!」 バッ!!

勇者「だあああああああああああああっっっっっ!!!」 ボッッッ!!!

キラーパンサー「!?」 バキ!!!

勇者「あああああああああああああっっっっ!!!」 ガン!! ドガ!! ボゴ!!!

キラーパンサー「ぐああああああ!!!」 ガブ!!!!

勇者「じゃあああああああああっっっ!!!!」 ドウン!!ドドドドドドッッッ!!!

キラーパンサー「」

勇者「ああああああああああああああああっっっ」 ドウン!ドウン!! ドウドウン!!!






 【 そして…… 】

 【 7日目 】


勇者「どこだよ……」

勇者「エルフの魔法水ってどこにあるんだよ…」














「ま、まさか…!お前がここに…!?信じられない!!
 付いてきたのか!?北の部隊に!!」



勇者「ん?」




弓使い「はあっ…はあっ…あああ……お前、素手勇者だよな??」

勇者「…………」

勇者「……あああああ!!!君は!!確か僧侶に手を出そうとした…!!」

弓使い「ば、ばか!!声がでかい!!
    ここにはキラーパンサーが生息して…



キラーパンサー「がああああああ!!!」

弓使い「ひっ」

勇者「爆裂拳!!!」 ボッボッボッボン!!

 ドガガガガガ!!!

弓使い「なっ!?」

キラーパンサー「がああっっ!!」 

勇者「くっ…!しつこいぞ!!メラ!!!」


バリバリバリバリバリバリッッッ!!!


パンサー「」  【 キラーパンサーは蜂の巣に焼かれた 】




弓使い「な…な!?お前!!さっきの素手の攻撃は…!!
    今の呪文も…!!素手勇者…!!お前は、素手でコイツを攻撃できる上に…
    まさか今のはメラゾーマなのか…!? 」


勇者「め、メラゾーマ??違うよ、今のはメラだよ。
   ちょっと連射速度をあげたものだけだ……」

弓使い「あ、あははは…!!あはははは!!
    そうだ!これは夢だ!!夢なんだ!!
    素手勇者も北の部隊に受かってたんだ!!だから今素手勇者はここに…!!
    ここっ!!ここここけかうこかか…!」

勇者「ちょ、ちょっと…!!
   大丈夫か!弓使い!!」


弓使い「あへははははは…」






【 20分後 】

勇者「落ち着いた?」

弓使い「あ、ああ…ありがとう。生き返った。
    恩に着る。」

勇者「いいって、いいって。
   まさか君に会うは思わなかったよ。」

弓使い「フフフ…俺もだ。こんな樹海の中でもう死ぬかと思っていたがな。
    お前に会えたのは神の導きだったな。」

勇者「ははは、僕も何度死ぬかと思ったか…」

弓使い「そうか…」

勇者「………」

弓使い「……」

勇者「……なんか君、最初にあった時と雰囲気ちがくない?」

弓使い「そ、そうか?」

勇者「失礼な良いかたすると、前はすごく偉そうな感じだった。」

弓使い「そ、そうだったのか。すまない…
    それと、以前僧侶さんに手を出した事…本当に済まなかった。」

勇者「あー、あれか、いいよもう。
   それにこんな時に、責めようとは思わないよ。」


弓使い「そうか…ありがとう。改めて助けてくれた事にも礼を言う。」

勇者「…とりあえず、君がここに倒れてたことも聞きたいな。」

弓使い「ああ、いいだろう。全部話すよ」

勇者「その後に、僕の事も言うよ」

弓使い「それはありがたい」





勇者「き、北の勇者部隊が全滅!?」

弓使い「こ、声がでかい!!」

勇者「ご、ごめん…」

弓使い「あれは…東の国から、この樹海の簡単な調査をする事から全ては始まったんだ。」

勇者「う、うん」





=================================================


【 樹海 】

北の隊長「ばかな!!まだ100メートルも進んでいないのに…
     外の方角が…外の光が見えん!!」

戦士勇者♀「ど、どういうことですの!?
      道が…さっきまで歩いていた道の後もないですわ!!」

勇者A♂「……!!これは一体!?」

勇者B♀「ふ、ふえええ…」

弓使い「(ふん…このようなことで乱れていては話にならん。役立たずどもめ)」

北の隊長「これは…皆のもの!!直ちに引き返すぞ!!
     まっすぐだ!!全員真後ろに進め!!今来た道を引き返すぞ!!」


キラーパンサー「ぐああああああ!!!」

魔界樹「げへはははへはあああっっ!!!」

髑髏の剣士「どおおおおおお!!!」

勇者B♀「ふえええ~んこわいよー!!」

戦士勇者♂「そらあ!!」 ズバンっっ!!

パンサー「ぎゃ!?」


北の隊長「魔物に構うな!!まっすぐに戻れ!!私が後ろで魔物を引きつける!!
     全員まっすぐ…   


髑髏の騎士「っしゃあ!!」 ズバッ!!


北の隊長「うぐあ!?」

戦士♀「隊長さん!!くっ…なんてことに…!!」

北勇者達「う、うわあああ!!帰り道に魔界樹の群れが!!」

北勇者達「いやあああ!!メラミ!! ヒャダルコ!!!」

 【 各勇者達は次第にバラバラに戦闘をする事になった… 】

北の隊長「ま、まて…!!バラバラになるな!!
     入ってすぐにこんな事になる森で、散り散りになっては…!!」

戦士♀「きゃああ!?」

勇者A♂「おああああああ!?」

弓使い「くっ…!なんという失態だ!!この私がこんなところで…だと!?」


====================================================



勇者「そんなことが……!」

弓使い「…………」

勇者「それで弓使い…君だけが生き残って??」

弓使い「…いや、」

勇者「まだ生きてる人が!?」

弓使い「…すまん、言葉が悪かったようだ。まだ全員…北の勇者部隊は存命だ。」

勇者「えっ」

弓使い「…まだこの続きなんだが」 ガタガタ…

勇者「こ、この森には何が…」ゾクッ

弓使い「……続けるぞ」


====================================================

【 結果、北の勇者部隊が散り散りになって…俺も1人になってしまった。 】


弓使い「はあ…はあ…!!くそ!!!ふざけるな!!!私がこんな場所で惨めに死ぬだと!?」

弓使い「このビッグボウガンで仕留められない魔物はいなかったはずだ!!
    なのに…なのに……!!」

弓使い「わ、私は……もし、森を出れなかったら……し」

弓使い「……………」

弓使い「う、ううう……ううう…!!」ガタガタ…

=====================================================


勇者「………

弓使い「そうやって怖くなってるときだったよ」


=====================================================

???「あ、あなたもはぐれてしまった方ですね!」

弓使い「む!部隊のものか!?
    …!?」


 【 …それはそれは一目で惚れるくらいに美しく
   今は妖艶だとおもうほどの女性だったよ 】

???「ああ!どうしましょう!!ここにもはぐれた方が!!」

弓使い「き、貴様!!誰だ!!部隊のものではないな!!」

 【 なんてことは言ってたが、内心喜んだもんさ。1人で迷ってたからな。】


魔女メイド「…私はこの森にある洋館ではたらく魔女メイドでございます。」

弓使い「魔女…メイド??」

魔女「急いでください!私の同僚が、
   あなたと同じ部隊の方々を屋敷に保護しています!」

弓使い「なんだと!」

 【 はやく安全な場所に行きたかったオレは、ほいほいその女の
   言う事を信じて、後について行き… 】


 【 樹海の中でたたずむ洋館に案内された訳だ。 】




北の隊長「お、おお…弓使い!!すまなかった!!私のせいでお前達を酷い目に…!!」

弓使い「別に…気にしていませんよ。」




 【 格好つけてた事が今にも恥ずかしい… 】



 わいわい…


    がやがや…


 【 洋館のホールには部隊全員がいたよ。
   ケガはしていたが、屋敷のメイド達が治療していた 】



弓使い「………ふう」


 【 安堵した俺は、そのまま屋敷で部隊全員と一緒にお世話になった。 】


================================================



勇者「…………」

弓使い「…俺以外は、まだそこにいる。」

勇者「なんとなく…だけど、嫌な予感が」

弓使い「続ける…ぞ」

勇者「(弓使いの顔が青ざめてる…恐ろしい魔物がいたのか!?)」



================================================


 【 その館は魔法の国の偉い学者兼冒険家が、樹海の研究で住んでいる洋館だった 】

 【 屋敷周辺には結界がはられて、魔物が侵入できないようにしてあった。 】


北の隊長「そうか…ここのご主人の寛大な心には感謝しきれない…」

メイド「主人はあいにく、多忙のみでして…
    私から伝言致します。
    おそらく、あなたがたがここを出発できるようになっても 
    ご主人様は仕事で、あわないかと…」

北の隊長「いや、いいんです。
     我々を助けてくださったことに文句などありません。
     しかし…すごい道具をお持ちだ。」


メイド「はい。これはこの森で迷わないように作られたランプです。
    この光は魔界樹が嫌いな光で
    道を覆ってたりする魔界樹を遠ざけたりします。
    あと、数時間魔物を寄せ付けない強力な香水など…」

北の隊長「なるほど…そのランプで我々をみつけ…
     先程から漂ってる、この甘い匂いで……本当にありがとうございます。」

メイド「いえいえ♪  
    ともかく勇者様達は、ここでゆっくりしていってください。   
    ご主人様は既に人数分のランプ、香水を用意してくださってあります。」


北の隊長「本当に感謝しきれない…」

メイド「ただ…香水はかけてすぐ効くものではないので、
    体にしみこませる必要があるんです。」

メイド「就寝前につけさせてもらっても宜しいでしょうか?」

北の隊長「もちろんです!」

メイド「なじむには遅くても2週間ほどですが…」

北の隊長「構いません…皆を危険にさらしてしまった責任ですので…」

メイド「了解しました。」


  【 その香水が、そもそも間違いだったんだ。 】


==============================================




勇者「ゴクリ…」

弓使い「ふう……」

 【 弓使いは額の汗をぬぐう… 】

弓使い「それでだな…」


魔界樹「ぐあああああああああああああ!!!」 ガサガサ!!

弓使い「!?」


勇者「メラ」 ピっ


 ドルルルルルルルルルルルッッ!!!

 バリバリバリバリ!!


魔界樹「」


勇者「ごめん、続きを…いいかな?」

弓使い「あ、ああ……」



===============================================


【 勇者A♂ 弓使い の部屋 】 


弓使い「香水か…これで本当に大丈夫なのか??」

勇者A♂「大丈夫なんじゃないか?
     丸腰のメイドさんがランプ片手に来たんだ。
     ここに来るまで魔物が避けてたのをオレはみたぜ。」

弓使い「そうか…ならうまく利用させてもらうとしよう」

勇者A♂「感謝の気持ちをちゃんとしとけって…」

弓使い「こ、これでもしてるつもりさ…」

勇者A♂「しかし遅くて2週間か…
     体がなまりそうだな…」

弓使い「屋敷の前には広い広場もあるし
    ここの主人から許可がとれれば演習ができるだろうな」

勇者A♂「なるほど…それはいいな。」

弓使い「もう夜も遅いな、
    寝るとしよう」

勇者A♂「ああ、お休み」



 【 豪華な食事、治療、庭での演習…香水がしみ込むまでの間、  
   そうやって過ごしたんだ。 】

==========================================



魔界樹「ぐしゃあああああ!!!」

勇者「真空波!!」 ぶん!ぶん!!
 
 ズ バ ン !! ズ バ ン !!

魔界樹「」

勇者「ごめん、ここにも魔物がくるみたいだっ!」

弓使い「……それでだな」




===========================================


 【 丁度その洋館に来て3日くらい立ったかな… 】

【 庭 】

勇者A♂「さすがですね…隊長は、その見事な剣さばき…惚れ惚れしますよ。」

隊長「照れるではないか…あんまり大人をからかうもんじゃないぞ。」

勇者A♂「いえ!自分は本当に隊長を尊敬しているんです!
     その美しさ…まるで隊長をあらわしてるかのようなんです!」

隊長「ば、ばか…そんなに近づくな……ほら!練習を続けろ!!」

勇者「…はい!」

隊長「まったく…//」


弓使い「(あいつ…何やってるんだか……)」


 【 今まで真面目だった勇者A♂が、その日やけに
   隊長相手にはりきってたのが発端だ。】

===============================================

勇者「勇者A♂くんが…隊長をナンパ?」

弓使い「まあ…そうなるな。ともかく、その時は変に思わなかったんだが……」

弓使い「驚いたのは、次の日の夜だ。」

勇者「えっ」



 【 4日目の夜、俺はトイレにいきたくなって目が覚めた… 】


弓使い「……勇者A♂?」

 【 ふと横を見たら、彼の姿が見当たらなかった… 
   たぶん俺と同じでトイレだろうと思ってたんだ。 】



 ジャー 



弓使い「…トイレにはいなかったな。  
    ほかのメンバーとはあったが。
    すれ違ったか。まあいい。」

 【 自分の部屋に戻る時、戻れる通路は複数あったから
   なんとなく隊長の部屋がある通路をあるいたんだ。 】



弓使い「(…隊長の部屋から明かりが漏れてる)」

弓使い「(立派だな…夜遅くまで作戦でも練ってるのだな)」


 【 たぶんこの屋敷に来てから自分の無力さを無意識に思い知ってたんだと思う。
   今まで他人を小馬鹿にしていたが、そう思わなくなっていた。】


 「…!」

 「………!……っ!……めだ!!」

 「………!!…」


 し~ん



弓使い「…声?」


===========================================


弓使い「声がしたんだ。勇者A♂と隊長の声が」

勇者「二人の?」

弓使い「…………」

勇者「………」

弓使い「………」

勇者「弓使い?」

弓使い「……何してたと思う?」


勇者「えっ」

弓使い「何してたと思う?その二人」

勇者「なにって…」

弓使い「なにかだよ…」

勇者「え…今後の相談とか……」

弓使い「……」

勇者「あ、まさか意外にも勇者Aくんが、隊長に猛アタック!?」

弓使い「猛アタックならまだよかったな。」

勇者「えっ」

弓使い「部屋を覗いた俺も悪いが…
    セックスしてたんだ、その二人。」

勇者「ぶほっ」

弓使い「………はぁ」ぶるぶる

勇者「セックスってあの、セックス?」

弓使い「そうだ、セックスだよ。」

勇者「男性と女性が××××××××××××××××××」

弓使い「××××××××××××だよ」

勇者「マジで!?」

弓使い「だ、だから声がでかい!!」

勇者「ごめん」


勇者「へえ…二人の中はそこまで急接近したんだ。」

弓使い「違うな。急接近させられた。」

勇者「ええ?」

弓使い「ああ…今思い出しても……疲れが溜まる。」

勇者「辛くなったらホイミかけるよ」

弓使い「…ありがとう」

勇者「うん」


==========================================

「隊長…!隊長っ!」

「あっっ!…やぁ……だめっっ……そんなに…強…く! ん///」

「はあ…はあ…はあ…!」

「あっ…や……///~~~!!!」


弓使い「(ゆ、勇者A♂のやつ…実はやるほうだったのか……それにしても)」


 「~~~!!っっ///」


弓使い「(隊長…あんなに乱れて……普段男勝りの人があんなに色っぽく…)」

弓使い「(いかんいかん!他人の恋路を邪魔をする趣味は無い!!)」




【 自室の前 】

弓使い「ちっ…嫌なものを見てしまった……早く寝よう。」

巨乳メイド「あらぁ?弓使いさん…眠れないんですかぁ??」

弓使い「うお!?」

メイド「あっ…ごめんなさい~、急に立っていて……」


弓使い「あ、ああ……別に私は……」

メイド「~?♪」

 【 その子、妙にぴっちりしたメイド服をきてて  
   胸がはりさけそうだった。おまけに表情も……その時は眠たそうな顔だな 

   って思ってたんだ。 】

弓使い「…おやすみなさい」

メイド「ボソ…あん♪残念  はい、おやすみなさいませ」


弓使い「…………」

 【 その夜は眠れなかった。その前の出来事に驚きを隠せなかった事と、もう1つ… 】

 【 妙に勃起していた。心臓がバクバクするし自慰行為もしたかったが… 
   興奮して…眠れなかった。】

=============================================

勇者「……」

弓使い「…言っておくが全て事実だ。」


勇者「えっと…まあいいや。」

弓使い「…それでだ。その日を境に皆おかしくなって行った。」

勇者「みんな…!?」



============================================

【 男子トイレ 】

「だ、だめだよ…こんな場所だと気づかれちゃう//」

「いいじゃないか…!それに意外とみんなこっそりやってるみたいだぜ?
 溜まってるんだよ。好きな子への思いにさ。」

「あっ///」



弓使い「(あ、あぶなかった…くそっ トイレでするなよ…)」

 【 部隊の異性同士でくっつくやつもいれば… 】


=============================================

 【 隊員の部屋 】

「め、メイドさん……まずいっすよ。」

「なにが…ですか?」

「お、俺…メイドさんとは!」

「一目惚れ…ではダメですか?」

「!!…メイドさん! !」

「あんっ♡」



弓使い「…自室のドアくらい締めろよ。」


=============================================

【 ホール 】 階段の裏


戦士♀「勇者B♀さぁん…//」

勇者B♀「ふえっ んっ チュっ レロ… 私も…」



 【 女性に至っては同性同士でしているものもいた 】


弓使い「(いったいどうしたんだ…ふぬけすぎだろ)」


=============================================


勇者「…っ!」

 【 勇者は前屈みになった… 】

弓使い「おまえ…勃起したのか?」

勇者「ご、ごめん……」






【 数分後 】



勇者「…それでみんなセックスするようになったの?
   館のメイドさんも混じって??」

弓使い「ああ……」

勇者「で…でも、そういうのもある事なんじゃないかな?あははは」

弓使い「……人間同士の間ならまだよかった」

勇者「…………」

弓使い「……皆が1日中セックスに溺れるようになったのは香水をつけて
    10日目。」

弓使い「…俺はその時までしていなかったが、それは幸運だった。」

勇者「はあ…」

弓使い「なにせ…館にいるメイドは…全員!

    「サキュバス」っていう淫魔なんだからな…!」

勇者「は!?サキュバス!!?」

弓使い「……ああ、そうだ。」

弓使い「サキュバスの群れに…部隊は精神的に全滅させられた!」

勇者「そんな…」




つづく

これで本日はおしまい。
また溜まったら連絡します。

戦士って序盤にスライムに囲まれてたときに助けてくれた戦士だよな




>>548 頑張ります。

>>586 ちなみに賢者は今まで出てきたキャラで一番でかいです。次いで西宿の主人

>>597 ドラクエ8をベースにしてるので、アスカンタからいきなりサザンピークにレベルアップした感じです。

>>630 はいそうです。弓使いもSS内で説明が有りましたが、最初に僧侶をいじめてた2人組の1人です。

22時30分ごろにやる

ちなみにエロに関しては期待しすぎない方が良いっす。






勇者「さ、サキュバスって……本でみたことあるけど……」

弓使い「……」

勇者「確か相手を誘惑しするってかいてあった…
   イラストもナイスバディのお姉さんで…」

弓使い「ああ……半分その通りだ。
    魔物というよりも、見た目はほとんど人間だが。」

勇者「………」

勇者「……ご、ごめん。ちょっと混乱してきた。」

弓使い「………」

勇者「えーっと、そもそも香水の方はどうなったの??」

弓使い「…ああ、話がそれてたな。
    その香水ってのには、魔物を避ける成分なんて入っていないんだ。」

勇者「え!?」

弓使い「あいつら特有の成分…相手の性欲を過剰にまで上昇させるエキスが入った香水だ。
    俺も……皆も、それにやられて……」

勇者「まさか…」

弓使い「ああ……それで性欲や色んな所が刺激されて前より積極的になったんだろうな。
    勇者A♂が、一番そういうのに近い。
    あいつは、隊長に憧れてて恋までとはいかなかったが…エキスで一線を越えたみたいだ。」

勇者「……ゴクリ」


弓使い「そしてサキュバスだが、相手を誘惑させ……そいつと交配する。
    セックスしまくるんだ。
    で、時摂取されたエネルギーを養分にしてる。楽しみながらな。
    だから俺も…連中と…何度も……」

勇者「うほ…」

弓使い「い、言っておくけどな…!これがどうして精神崩壊に繋がるのかは
    体験しないと理解できんと思うがな……
    そうなってるような隊員がもういたから言ってる。」


勇者「うわっ…」

弓使い「思い出しても、吐き気がする……男は苦しそうな顔してるだけだが
    女は半白目で、口をあけて、ベロを出した状態だからな…」

弓使い「サキュバス共は「アへ顔とダブルピース」なんて言ってたが、  
    寒気がする!ぜえ…ぜえ……」


勇者「ゴクリ…」

弓使い「と、ともかく…ほかの隊員は、今もセックス三昧だろうな。
    香水のせいで……おかしくなっちまった。
    俺はなんとか逃げ出したが……迷って……」


勇者「ま、まずいよ…それ。
   とにかく助けに行かないと!!」

弓使い「ま、待て…!!淫魔とはいえ、魔法も使えるんだ!
    やつらのかなしばりの術にあったら、いくらお前でも…
    こんな所に住んでる凶暴なヤツ相手に素手で戦えても
    動けなかったら意味ないだろう…」

勇者「そ、そうなの?」

弓使い「逃げようとしたら、捕まってその場でヤラれた。」

勇者「うっ……」

弓使い「…ようやく抜け出せれたが、体力の消耗が激しくて
    東の国にもたどり着けずじまい。  
    ランプも奪ってきたが、これも嘘だった。」

勇者「……」

弓使い「……俺の話はこれで終わりだ。
    お前は…北の国からどうしてここに?」

勇者「話すと長いんだけどさ、今南の国のめんどうな用事で
   「エルフの魔法水」を取りにきたんだ。」

弓使い「ま、魔法の聖水!?」

勇者「知ってるの!?」

弓使い「ふ、ふふふ……知ってるさ。
    毎日のように飲まされたからな!体力と精力回復のためになあ!!」

勇者「げえっ…ま、まさか……」

弓使い「あいつらの館に、たんまりある。
    確か裏の井戸からくみ上げてると言ったが……」

勇者「そ、そんな…あと5日しか無いのに…」

弓使い「5日?と、とにかく…お前が南の国と縁があるなら
    そこか東の国にでも…」

勇者「それがさ…」







弓使い「な、なんだと!?南の国はそういうところだったのか!?」

勇者「う、うん…」

弓使い「(皮肉だ…まるで少し前の俺みたいな人間達ばかり……
     いや、俺にそんな事を言う資格は無いか…)」

弓使い「……いや、待て。   
    それでも助けは呼べるんじゃないのか?」

勇者「呼べても、行ってくれるかどうか…」

弓使い「欲深い人間なら、自分たちの功績にしようとするかもしれないぞ。
    ……俺からすれば、こうなってしまった以上、名誉も何もあるもんか。」

弓使い「ふ、ふふふ…」ポロポロ

勇者「弓使い……」

勇者「……………」

勇者「わかった。僕も助けてくれるよう頼んでみるよ。
   魔法水の場所もわかっちゃったし、魔法王さまや執事さんならきっと
   話をわかってくれる。」

勇者「…だから今はできるだけ時間を稼ごう」

弓使い「…ああ。」

勇者「じゃあまずは、この魔界樹の薬草を弓使いに使ってっと。」

弓使い「なっ…魔界樹の葉っぱ……そんなにとれるのか?」

勇者「そうみたい。
   ただ、一緒に生えてるリンゴは中に寄生虫が入っていてあぶないけどね。」

弓使い「そ、そうなのか…」

勇者「うん、じゃ薬草使うよ。」

弓使い「…………」



魔界樹「んがあああああああああああ!!!」

弓使い「!」

勇者「ちっ!メラ!!」


 ドドドドドドドドドドドドン!!



魔界じゃ「が!?ごおッ!ぶげっ!!ばきゃっ!?」

 【 魔界樹は粉々になった!! 】


勇者「…危なかった。」

弓使い「……すごいな、お前は。」

勇者「そうかな?何度も襲われた事もあるし、慣れちゃったよ。
   ちょっと怖いけど」

弓使い「………」

勇者「…ケガ直しながらだけど、僕があれからどうしたか話すね。」

弓使い「ああ…」

勇者「あの後、僕は西の国を目指して1人で旅をしたんだ。
   もちろん素手で。
   毎日魔物と戦ってたよ。」

弓使い「………」

勇者「それで、宿に帰る頃には
   全身ケガして、スライムまみれ。それで行く先々の村で
   変な目で見られたっけ。」


弓使い「そうか……」






勇者「ほい、手当てできたよ!」

弓使い「すまない。」

勇者「いいって、じゃあとにかく東の国に行こう。
   近くに村でもあれば連絡も出来る。」

弓使い「…この森から数キロ離れた所に村がある。
    そこを最後によって帰ってくる事を言ってたから
    今頃村でも不信に思ってる連中が居るだろうな。」

勇者「ともかくいそがないとね。」






 【 3日後 】


弓使い「ホントに素手で戦って行けるものなんだな…」

勇者「まあね。でも弓使いの狙い撃ちはすごいや。
   ほとんど外してないし。」

弓使い「…生まれは弓使いで有名な家でな。
    小さい頃から教わってた。」

勇者「へー!すごいじゃん!!」

弓使い「……その割には、サキュバス相手にも何も出来なかったがな」

勇者「それは……」

弓使い「…急ぐぞ。
    もしサキュバスに追いつかれたら元も子もないぞ。」

勇者「そ、そうだね。」

弓使い「あいつらにまわされるのは二度とごめんだ。
    性欲の塊とはああいうのを言うんだろうな。」

勇者「(まわす…?)」



「…そんなことないですよ。ひどいじゃないですかぁ」





弓使い「!?」

勇者「だれだ!?メラ!!」   ドドドドン!!


 【 勇者は振り向きながらメラを連射した!!
   あたりに火の玉が無数に飛び散る! 】
   

サキュバス「…あっ♪弓使いさんのお友達ですか?初めまして…♡」

勇者「この人が…サキュバス!?」

弓使い「見た目に惑わされるな!!
    くそっっ!よりによってこいつが追ってきて……ぐ!?」



 【 弓使いは金縛りにあったように動けなくなった!! 】





サキュバス「うふふ…♪」

勇者「な、何をした!?」 バッ!

弓使い「う、打て!!あいつにメラをぶちかませ!!」

勇者「っ!」

 【 勇者はサキュバスに指先を向けた!! 】

勇者「(この子…魔物といっても……ほとんど人g

サキュバス「あなたも……乱暴な事をしてはいけないですよ?」 カッ!

勇者「う!?」

 【 勇者も身動きが取れなくなってしまった!! 】


勇者「ぐぎぎ…!」

弓使い「くっっそおおおお……せっかく!
    せっかく逃げれたのに…!!」

弓使い「見た目に惑わされるなって言っただろう…!!
    ぐぐっ…!!」

勇者「だ、だって…もっと悪魔っぽい人間かと……」

弓使い「くそっ!動けん!!!」

勇者「ずああああ!!!っっっ!!」


 ぐぐぐ…

勇者「おお!おおおっっ!!動けた!!」

サキュバス「うそっ…かなしばりをかけて動けるなんて
      なんて力なの?」

サキュバス「でも重ねがけすれば良いんですよね♪」 カッ!


勇者「ぐげ!?」 ドテン!

弓使い「す、素手勇者っ!!(かなしばりにかかっても動けるとは…!)」


サキュバス「逃げないでくださいよぉ弓使いさん…
      私、あなたがいなくなって…すごく寂しくって……
      ずっとあなたの香水の魔力をたよりに…森の中を探しまわって……」 スルッ


 【 サキュバスは着ていたスカートを降ろした! 】


二人「!!」

サキュバス「ずっとお預けだったから、ここ…もうビショビショなんです。」クチュッ


 【 サキュバスは自分の陰部に手を添えた!!
   そこからは彼女の液体がねっとりと、腿にしたたっている。 】

弓使い「け、汚らわしいぞ!!貴様!!
    こんなところで、下部をうるすなど!!」

サキュバス「だって…ずっと弓使いさんに求められてたんですもの…♥
      だからもう私…弓使いさんのモノになっちゃって……」

勇者「えっ」

弓使い「……ちっ!
    こいつはな…館から逃げるまでの数日間俺をほかのサキュバスから独占してたんだ。」

勇者「…惚れられてる?」

弓使い「忌々しいがな!」

サキュバス「あっ…そんな目で、見つめないでください♪」 クチュクチュ

 【 サキュバスは陰部に指先を入れた!
   その時の刺激で、彼女の体は小刻みに揺れる! 】

勇者「うっ…」

弓使い「騙されるな…!騙されるな!!騙されるな!!!
    こいつらは…!!人誘惑して堕落させる悪魔だ…!!悪魔なんだっっ!!
    があああ…!!」

サキュバス「うふふ…」 ゴゴゴ…




 【 サキュバスの姿に変化があらわれる! 】

勇者「こ、こいつ…!」

 【 サキュバスの目の色が黒から黄色になり、
   歯や耳も若干尖った!!

   お尻からはしっぽが伸びて、背中からはつばさが生えた!! 
   その体の一部が突起する変化のせいで、彼女の服はビリビリに破れ
   サキュバスは全裸の状態になった! 】


勇者「うっ…くう!」

 【 勇者はビビってメラが打てない!! 】


 ( 油断はするなよ、勇者。たとえ、自分に脅威にならないあいてなどにもな… )

勇者「(それは見た目が人間の魔物でも…!?」

勇者「(おじいさんに言われた事が、こんなところで…くそっ!なんで打てなかった!!」

弓使い「ぐうう……!!」

サキュバス「さあ、戻りましょう。お友達さんには初めてのコースを
      弓使いさんは…ずーっと私と、ね♡」

弓使い「うおおおおおお!?」

勇者「くそ!!(…でも待てよ、僕は一応戻れるしまだ皆を助けれるチャンスはある!!)」

サキュバス「~♪」




勇者「ごめん…弓使い……(まだ希望はあるよ!!)」

弓使い「……こうなったらおしまいだ。(…魔法の国に戻れるとか本当なのか?)」





 【 サキュバスの館 】 夜


 【 そこはまさに快楽の巣というものだった!! 


   ダイニングや、キッチン、休憩室、裏庭、トイレ!
   あらゆるところで、北の勇者部隊の男性と女性
   はたまた部隊の男性とサキュバス…時には女性同士が乱れ、絡み合い!

   粘液がこすれる音が絶え間なく続き、絶頂の声も響いた! 】



 【 …が、勇者と弓使いには彼らの声は聞こえていない。 】

 

サキュバス「さあ、弓使いさんはあなたの泊まってる部屋に♡
      
      勇者さんは、そこで待っていてくださいねぇ
      直、相手の子がきますから」


弓使い「素手勇者!!お、おれは絶対に諦めんぞ!!
    お前もこいつらのいいようには……」


 バタン!!


 【 弓使いはサキュバスに連れて行かれた! 】

 【 ロビーには素手勇者だけが残された!! 】


勇者「…魔法水も見つけておけば
   魔法使いもなっとくしてくれるだろう。」




 【 数分後… 】




メイド「はいは~い♪あなたが新入りの人かな~♪」

勇者「!」

メイド「あん♪すっごいイイ体…ねえねえ、どんな鍛え方したらそんなに
    筋肉付くのお~♪」

勇者「…僕は今まで素手で戦ってきたんだ。
   魔物と戦いまくって、体も自然と鍛えられたんだ。」

メイド「え~魔物と素手で?すっご~い!
    じゃあ…もう…ベテラン、なんだ。」


メイド「かなしばり~」 ピッ

勇者「んっ…!?」

メイド「ふふっ…かわいい」

 【 メイドはゆっくりろ勇者の顔に近づいた! 】

メイド「……っ」はぁ…


メイド「……っ」はぁ…

勇者「……」

 【 メイドは勇者の顔に自分の顔を近づけると
   キスをしようかしないかのギリギリを保ち続けた! 】

メイド「んっ…//」チュッ

勇者「!」

メイド「んっ…あん…」 チュッ チュ… チュパ

勇者「……んっ…おっ…う」

メイド「……んっ」 トクトクッ

勇者「!?」 ゴクン!!

 【 勇者はキスの際に、何かを口の中に入れられた!
   吐き出そうとしたが… 】


勇者「(やべえ、飲んじゃ……った?……あーっ??)」

メイド「どう?私たち…サキュバスの唾液……香水にもつかってるんだけど…
    とーっても、気持ちよくしてくれるの。」

勇者「な、なに!?」

メイド「それに…匂いをかぐとエッチな気分にもならない??」

勇者「……っ」

勇者「な、なんだ?頭がボーッとしてきて……」

メイド「ふふふ、早速効いてるわね。どう?キスは?」

勇者「…キスは初めてだよ。」

メイド「そうなんだ~。じゃあ、私が初めてなんだね♪」

勇者「…そうだね」

メイド「うふっ…」

 【 メイドは少し離れると勇者の体を隅々と見始めた 】

勇者「…君らは何が目的なんだ?」

メイド「目的?」

勇者「そうだよ…目的だ。」

メイド「言ってる意味がよくわからないけど…」

勇者「ここに大勢の兵士がいるのはわかってるんだ」

メイド「あーはいはい♪勇者部隊の皆さんね♡」

勇者「彼らをどうするつもりだ?」


メイド「キス」

勇者「は?」

メイド「キスしてくれたら、その先を答えてあげる」

勇者「……動けないから君からしてよ」

メイド「あー素直だね~♡なんか可愛いね君」 

メイド「んっ」 だきっ

勇者「!?」

 【 メイドは絡み付くように素手勇者に抱きつき
   キスをした! 】

メイド「んっ! チュッ…レロッ」

勇者「…!っ……おっ」

メイド「……ぷはっ」

 【 メイドは口を話すと、キスの出来る距離で
   続きを話した! 】

 【 勇者の胸板に、メイドの豊満な乳房が何度も小刻みに触れる
   その弾力を素手勇者は無視できない! 】

メイド「別に殺したりとかそんな事はしないよ?」

勇者「なに?」

メイド「だって、そんなことしたらもったいないじゃない…」

勇者「………」

 【 メイドの吐息が勇者に降り掛かる!! 】


メイド「次は……あなたから私を求めて」 ぴっ

勇者「っ!」

メイド「動ける…でしょ?」

勇者「……」

メイド「でも主導権は私♪」

 【 メイドは床に仰向けに寝そべった! 】

メイド「……早くして、床って冷えるから
    暖めて欲しいな」

勇者「(下手に問題起こしてもマズい…。  
    まずはこの館の間取りとかも調べないと……)」




勇者「……わかった。」


 【 勇者はゆっくりとメイドにおおいかぶさって、口づけをかわした! 
   初めての事だったが、彼女の唇の感触を味わうようにキスをした! 】

 【 理性では、こんなことしてる場合じゃない!といいたいが体が言う事をきかなかった! 】

 【 勇者の大切な何かが崩れて行く!! 】

メイド「ぷはっ…」

勇者「いろいろ喋って…もらうよ。
   術を解いたのは逆に失敗だったんじゃないか?」

メイド「…私を殺しても意味ないもん♪」

勇者「………」

メイド「あの人達とはね、しばらくここで暮らすのよ。
    たっぷりと…堕ちるとこまで堕ちるまで、ね。」

勇者「僕がさせ……ない。力づくでも……連れ出してやるさ。」

 【 勇者は強気にしゃべっている!!
   それは理性を保とうとするための抵抗かもしれない 】

メイド「無理♪弓使いくんみたく1人で逃げるのが精一杯よ。」

勇者「なんだって?」

メイド「でも…安心して、今まで何人もの人がここに来たけど」

 【 メイドは素手勇者の頬に手を添えた! 】

メイド「誰1人として、傷を付けていないわ。
    その分、ちょっぴりエッチな性格になって故郷に送ってあげたけど…」

勇者「………」

メイド「明日、ここにいる人達の様子をみればわかるよ。
    誰もケガしてたり、殺されたりしてないもん。
    これだけはホントの事…」

勇者「そこまで喋る理由はあるのか?」

メイド「あるもの」

 【 メイドは勇者に口づけしようとする… 】

メイド「だって…警戒されてたら……いつまでも気持ちよく出来ない…から♡」



勇者「……そうか」


 【 勇者は弓使いとの会話と、メイドの会話で一応納得はできた! 】


メイド「…うふっ続きはシャワーを浴びた後で♡ 香水も忘れずに…//」
    部屋に案内するわ。」

勇者「そ、その前に…」

メイド「な~に?」

勇者「(上目遣いで見るなよ…)
   ここにエルフの魔法水があるって聞いてけど、ホントかい?
   僕はそれが欲しくて、この森に来て迷ってたんだ。
   弓使いからここにあることを聞いたよ。」

メイド「あ、それならあるわよ~、キッチンにた~ぷりと…
    なに?もしかして濡れプレイが好きなの?」

勇者「そんなわけないだろう。」

メイド「うそだあ、そこ…固くしてるのに」 スッ

勇者「うわ!」

メイド「さ、イキましょ?夜はまだ長いから。」 ガシっ


メイド「わたし、昨日からしてないの。  
    さびしいのぉ……誰もいなくて」

勇者「(だから上目遣いで顔を近づけないでくれ!)」

メイド「…しよ?
    ねえ早く部屋に…空いてる部屋があるからさ




 【 素手勇者はメイドに連れられて、2階に向かった 】
 【 途中通路の脇や、空いた部屋から男女のうめき声…喘ぎ声が絶え間なく続く。 】


勇者「(みんな…してるのか)」

メイド「うふふ…」


【 素手勇者の部屋 】

メイド「うふふ…」

 【 メイドが服を脱ぎ始めた! 】

 ぷるん…

勇者「!?」



 【 勇者にとっては理解不能の展開だった!
   あこがれの女性の裸体が今目の前にうつっている… 】

メイド「そんなに見つめないでください…♥」

勇者「うっ…」ドクン、ドクン

勇者「(体が…熱いっ)」


 【 勇者はまじまじと、彼女の肉付きの良い体を眺めた!! 
   細い体だが肉付きの良い肌!
   くびれた腰!そして、突き出たお尻と乳房…たまらない 】

 
 
 ぷつん

  

 【 勇者のだいじな何かが砕け散った!! 】


勇者「(したい…すごくしたい……!

    1回だけならいいよね。
    どうせ遅かれ早かれ、この人達の誰かとセックスさせられる運命だったんだ。c)」


 【 しかし、勇者はその夜までに彼女と3回も交配を続けた! 】

 【 勇者は極度の疲労で、案内された部屋で眠った!! 】






【 翌日 】


【 食堂 】


 がやがや

      わいわい


あんっ    

       そこなのぉ…

「あん、だめえ…まだごはんのこってるの……」

「いいじゃないか、俺がたべさせてあげるよ。口移しでな」

「んむ…んっ///」



弓使い「………………食事のときぐらい普通に食えよ。」

勇者「………御飯はまあまあウマいね。」

弓使い「材料を聞いたら、精がよくつくものをつかってるそうだ。」

勇者「………そう。」

弓使い「毎日、セックスと食事と御飯だ。」

勇者「………そう。」

弓使い「…大丈夫か?」

勇者「……1回だけで良いと思ってた。」

弓使い「……気にするな。
    直慣れてしまうんだ。」

勇者「………」

弓使い「ちなみに…食事についてきてるこの水が
    エルフの魔法水だ。」

勇者「なに!?」

弓使い「これを朝飲むから、夜まで体がもつんだ。」 ぐびっ

 ぱああ…!





弓使い「………10日後だから今日を入れて
    2日間か」

勇者「……」ぐびっ

 ぱあああ…!

勇者「うん、お昼に転送されるみたいだから
   その時魔法の水もってれば…」

弓使い「……おまえが希望だ。」

勇者「任せて。必ず戻って来る。」

勇者「でもただ待つだけじゃ意味が無い。
   ここでただセックスするだけの自堕落な生活なら
   空いた時間で修行とこの館の散策だ。」

弓使い「………よし、俺もあの女から離れた時間にそうする。」

勇者「ありがと」

勇者「ところでここの皆は、館の人がサキュバスってのを知ってるの?」

弓使い「一応な……快感を求めるのが優先で
    魔物でも好みの外見なら問題ないみたいだった。」

勇者「そうか……」

弓使い「そもそもそういう細かい事も気にしてないかもな
    思考も快楽が邪魔してしまう」





メイド長「みなさーん!今日はお知らせがありまーす!
     この館に新しく入った人がいますので紹介しますよー!!」


 ざわざわ
     
      ざわざわ


 「だれかな?」

 「かわいい子がいいなー、私」

 「私はもっと長続きする人!!」

 「あ、あそこが大きい人…とかも」


弓使い「(冗談だと思いたいな……男隊員の下ネタ話聞いて顔を赤めてた子達でさえも
     今は淫魔達の毒にやられて……まるで別人だ。)」




メイド長「話はすでにメイドから聞いてます。
     勇者さーん、自己紹介お願いしますね!」


勇者「…昨日から、ここに泊まりにきた勇者です。
   どうぞよろしく」


 ざわざわ!   

          がやがや!!


 「あれ!?あの人どこかでみたことがある!!」

 「すごーい!筋肉モリモリ!!」

 「ああ~抱かれてみたい~~♡」

 「けっ 男かよ!」

 

戦士勇者「す、素手勇者さん!?」

隊長「なんだと…」

勇者A♂「素手勇者!!久しぶりだなあ!!まさかここで会うとは!!」

勇者「う、うん」

弓使い「………」

メイド長「それと森で迷子になってた弓使いくんもみつかりましたよ!!」
     よかったね、弓使いくん。安全な場所に帰って来れて。」

弓使い「………」

 「わー、よかったー!」

 「あの人真面目だから、責める時すごくおもしろいのよねー」

 「でも庭師ちゃんに取られちゃってて残念…♥」

 「けっあの野郎も戻ってきやがったか」


戦士勇者「弓使いさん…」

勇者「……みんなに話がある!」

勇者A♂「お、どうした?」


勇者「みんなは勇者部隊だろう!!
   目的はどうしたんだ!?南の待ちに行く任務はどうなったんだ!!」

勇者A♂「それがな、延期になったんだ。」

勇者「え?」



戦士勇者「……」

勇者A♂「隊長が調子わるくてさ、それにまだオレたちの香水がまだなじんでないらしくて
     あともう少しここに居なければならないんだ。
     サキュバスさん達はすごい、よくしてくれるんだぜ。
     セックスすると香水の効果が早まるんだ。」

勇者「話は弓使いくんから聞いたぞ!香水なんて全部デタラメだ!!
   僕は昨日の夜から過ごしたけど、みんなたるんでるよ!!」

勇者「だいたいセックスして、魔物が避ける体になる訳無いだろう!!」

勇者A♂「ど、どうしたんだ素手勇者…オレたちはただ休息と旅の準備を……」

弓使い「…その辺にしておけ、素手勇者。」

勇者「なんで止めるのさ。」

弓使い「後ろの男達を見てみろ」

勇者「?」


 「ぐるるるるる…」

 「なんだアイツは、調子に乗りやがって…」

 「せっかくの楽しみを奪う気か」

 「もう任務なんざどうでもいい…」


勇者「うわ…。」

弓使い「何もセックスだけが辛いんじゃないんだ。
    ああいうやつらが生まれたせいで余計自体が悪化する。」

勇者「そうなのか」

弓使い「言っただろ、快楽が思考回路を破滅させる。
    …もうこいつらには常識が通用しない程
    快楽思考になっちまってる。」

勇者A♂「まあまあ、とりあえずこの森は危険ってことがわかったんだ。
     勇者もゆっくりしていけ。  
     あ、そうだ!みんなに素手勇者の話を聞かせてくれ!
     あれからどうなったんだ!?」

 「わたしも聞きたいー」

 「ねえねえ、そんな体してどうやってきたえたのー??」

 「魔法何使えるー?」

 「けっ 俺らはどっかいこーぜー」

 「そうだなー」

 「あん、まってよー」






勇者「(なんだ…これ、ほんのちょっとしか会ってなかったとはいえ
    みんなこういう人達だったか??)」

弓使い「(……まともなのは素手勇者と俺と)」

戦士勇者「………」

弓使い「(…戦士勇者か?彼女はそんなにセックスに溺れてなかった気が)」

戦士勇者「……………」




勇者A♂「やるなー!素手勇者!!
     まさかそこまで強くなれるなんて!!」

勇者「ははは…ありがとう」

「ねえ、勇者A♂くん~。そろそろ隊長様の部屋に行かないと」

勇者A♂「あ!そうだった!!急がないと!!」

勇者「待てよ!勇者A♂くん!!」 ガシッ!!!

勇者A♂「っ!!!おおおっれええええにさわんじゃああねええええっっっぞおおお!!?
     があががが…おぐるるるr!!!」

勇者「!?」

勇者A♂「ぐるるるるるるるrげぎゃぎゃぎゃぎゃ…!!」

「なにあいつ…」

「急いでるになにしてるの??」

勇者「えっ」

弓使い「くっ…」

勇者A♂「悪い!急ぐんだ!!また後でな!!」


弓使い「どうして俺がたった1人で逃げたのか…
    あれも理由だ。」

勇者「正気を…失ってるのか。」







【 お昼 】 外


勇者「(弓使いの話じゃ、昼間はそれぞれみんな
    読書したりゲームしたりと、休日みたいな過ごし方…セックスしてるのもいる)」

勇者「(サキュバスは洗濯や料理の準備…家事全般もしている)」

勇者「(ただ夜だけはみなセックスに溺れているらしい…
    サキュバスもほとんど部隊の皆と一緒にいるらしい。)」

勇者「(散策するなら夜か?
    魔法の水も、複数貰ってきた。)」

勇者「(あのかなしばりにも気をつけないと…)」

勇者「(いざとなったら…攻撃するしか無いか……)」

勇者「(あと館の周りには、魔物を避ける結界か…)」



勇者「…とりあえず筋トレしておこう。」

勇者「ふん! ふん! ふん!」


メイド「あ~♡素手勇者さん~
    こんなところでなにしてるんですかぁ~♪」

勇者「筋トレだよ、筋トレ。
   ここでふぬけた生活して体がなまらないようにしてるのさ」

メイド「そうなんですかあ
    でも無理だと思いますよぉ?
    魔法で転送されてくるのはともかく、この森を入り口から出口まで歩いて行く事はできないんですよ~?」

勇者「そんなのわからないだろう。」

メイド「だってぇ…私たちの忠告を聞かずに出た旅人も、結局戻らなかったしぃ…」

勇者「帰ったんじゃないか?自分の家に」

メイド「それなら、私たちの事を教えて興味本位の人もくるんじゃないんですかぁ??」

勇者「ここから出て行くくらいの人が
   こんな異常な場所をおしえるわけないだろう」

メイド「んっカワイイ~素手勇者君て真面目だね~」

勇者「ふん…」

メイド「昨日も言ったけど私たちはかならずアナタ達を、森から出してあげるわ♪」

メイド「…何年先になるかわからないけどね♡」

勇者「………結局監禁か」

メイド「そんな野蛮じゃないわよぉ…それに」


勇者「?」

メイド「素手勇者君の精子…すっごく濃くて私の体に浸透したよぉ
    だからまた…」

勇者「言っておくけど、セックスするときは僕から言う。」

メイド「え~」

勇者「僕は体を動かしたんだ。」

メイド「ケチっ…でもいいよ。素手勇者君の鍛えたからだと
    その汗と一緒に1つになるのも良いかも♡」ペロッ

勇者「うっ…とにかく、1人にさせてくれ!」

メイド「は~い♪」

勇者「(はあ…先が思いやられる)」






【 その日の夜 】


「素手勇者君…♪ねえ、今夜暇かな?」

「私たち、今からおかし食べ合うんだぁ」

「…素手勇者君、食べちゃいたい♡」

勇者「……っ!」ゾクゾクッ///

勇者「ご、ごめん!!また明日!!」

「あんっ ひどい…♡」

「あーあ…せっかく4Pできるとおもったのに♡」

「たまには私たちだけでも…いいよね?」

「…いいよ♪」チュッ

「あんっ…」

「あ、ずるい~…」



勇者「うっ…うう……///」


 【 勇者のペニスははちきれんばかりに固くなっていた!! 】

 【 それこそ痛い程に! 】


勇者「が、がまん…明日になれば……全てがっ!」




戦士勇者♀「明日になれば?」

勇者「うわっ!!」

戦士勇者「ど、どうなされましたの!?」


戦士勇者「ど、どうなされましたの!?」

勇者「戦士さん…君は?」

戦士勇者「…今日の朝、色々とありがとうございました。」

勇者「へっ?」」

戦士「実は私も弓使いさんと一緒で、脱出を試みた事があるんです…!」

勇者「な、なんだって!?」

戦士「しーっ!声をお静かに…サキュバス達に聞こえますよ?」

勇者「わ、わかった…!」

戦士「私の部屋でお話ししませんか?」

勇者「いいよ。あ、弓使いはどうする?」

戦士「…弓使いさんは、先程庭師のサキュバスに連れて行かれました。」

勇者「そうか…でも嬉しいよ!
   弓使いと一緒で、ここの異常さに気づいてる人が居てくれて!」

戦士「ふふっ。私もまさか素手勇者さんがあのようなことを言うとは思いませんでしたの。」

勇者「ぼくの予想以上にここは堕落してたからね。
   じゃあ話はそっちの部屋でしよう。」

戦士「はい♪」





 【 戦士勇者♀の部屋 】



戦士「…魔法の国に戻れる!?」

勇者「うん、この首輪の力で強制的に戻されるんだ。
   それで魔法水を持ってくれば、僕の無実を証明できるし
   なおかつ、勇者部隊は国を上げての大きな政策?だからね。
   魔法王様も協力してくれると思う。」

戦士「そ、そうでしたの…」

勇者「弓使いにもそのことはいってある。
   だから明日の午後12時きっかりに僕は魔法の国に戻り、
   ここにいる皆を連れ戻しに来るよ」

戦士「まあ…」

勇者「そのために、既に魔法水は何本か貰ってある。
   これで準備万端だ。」

戦士「…わかりましたの。」

勇者「うん、ちょっとの間だけ我慢しててね」

戦士「はい♪」

戦士「あ、そうでしたの!まだ実は…、他にも何人か正常な方が居ますのよ!
   そちらの方達にも情報を…」

勇者「待って!伝えるなら1人か2人にしてて…!
   下手にまわるとバレる可能性もあるから…ね?」

戦士「は、はい…」

勇者「よし、じゃあ僕は部屋に戻るよ」

戦士「あ、あの…」

勇者「なに?」

戦士「あの時の借りをかえさせてください…」

 【 戦士は来ている鎧を脱ぎ始めた! 】


勇者「い!?」

戦士「うふふ…」ぷるん ぷるん

 【 まるでスライムゼリーのような乳房が小刻みにゆれた! 】


勇者「せ、戦士さん…!まさかスライムゼリーのことを!?
   それに…まさかっ」

戦士「大丈夫です……私はちゃんと国に戻って
   勇者の任務を全うしたいと思っています。でも…」

勇者「でも…」

戦士「私、朝に素手勇者さんの話を聞いてて…すごくかっこいいと思ったんですのよ?」

勇者「で、でもそれだけでいきなりセックスは…」

戦士「今のあなたはとてもたくましく見えるんですの…
   それに…」

勇者「そ、それに…?」

戦士「サキュバスから貰った香水のせいで…もう我慢できませんの!」 ムチュッ!

勇者「む!?」

戦士「…んっ レロっ チュッむう…」

勇者「んっ……む…ぷはっ」

戦士「うふっかわいいですわ素手勇者さん♡」

 【 戦士はゆっくりと素手勇者を押し倒した!
   戦士は口をひらくと、そこから彼女の唾液が細い糸となって勇者の頬に伝わる! 】

勇者「あっ……(なんて…キレイなんだっ戦士勇者……。気品がある。)」

勇者「(明日で一応帰れるんだ。もう1回くらいいいか)」

戦士勇者「うふふ♡」





【 次の日 】



【 素手勇者の部屋 】


弓使い「いよいよか」

戦士「ええ…やっとここから……」

素手勇者「あと2時間か…」

戦士「あっちょっと宜しくて?」

勇者「ん?」


戦士「今朝、自室に戻る時に何人かに伝えましたの。
   そしたら何人かの方が一度素手勇者と話がしたい!っと申し上げてたので
   ここに連れてきても宜しいでしょうか?」

勇者「えーっと…」

弓使い「そんなに大勢の人間が1つの部屋に集まってたらおかしいと思われないか??」

戦士「そ、それは……ら、」

弓使い「ら?」

戦士「ら、乱交パーティという名目で話せばごまかしが……」

弓使い「…わかったよ。」

勇者「ははは…」


戦士「では連れてきますね♪」





















勇者「はっ?」

弓使い「……っ!?」

サキュバス「うふふ…」

庭師「どうも…♥」

メイド「あー驚いてる驚いてるー♪」

戦士「………」

弓使い「戦士勇者!これはっ…う!?」

 【 弓使いはかなしばりでうごけなくなった!! 】


弓使い「き、貴様…」

庭師「…♪」


戦士「うふふ…ちゃんと、正常な方を連れてきましたわ」

戦士「……ここにとっての正常な方ですけど」


勇者「!」

 
 【 勇者は瞬間的に状況を理解した!!
   しかし… 】


メイド「かーなーしーばーりー♡」

勇者「が!?」

弓使い「戦士勇者ぁ!!貴様も…堕ちたな!!
    自堕落な心に!!恥を知れ!!」

戦士「逃げ出した…臆病者に何科を言う権利はありませんの……」

メイド「戦士勇者ちゃんやるね~♪」 チュッ

戦士勇者「あんっ♪それはサキュバスサマたちの助言のおかげですわ//」

戦士「昨晩、勇者の様子を見て何か企んでるかどうか調べて欲しい
   っていったのはメイドさまですわ//」

メイド「うふふ…♪」 さわさわっ…

戦士「あんっ…」





弓使い「くっそおおおっっっっ!!」

勇者「う、うわああああああっっっっ!!!よくも!!
   よくも騙したな!!!本当に自分が何をしたのかわかってるのか!?
   なんでだ!!」

戦士勇者「…何をしているのかわかっていないのはお二人の方では?」

2人「なに!?」


戦士勇者「勇者という素質があるだけで
     無理矢理旅に出され、訓練を受けさせられ、
     さらには名誉のために自分のやりたいこともできない生活…」

弓使い「っ!」

勇者「なんだと…!?」

戦士「もうウンザリなんですの…こんな部隊で旅をするなど……
   でも今はサキュバスサマたちと一緒に裁縫とお茶会を楽しんでますわ。」

勇者「君は…」

弓使い「くっ…!だが、そんなことで諦めてるようじゃ
    勇者どころか人間としても…!」

戦士勇者「だまりなさい!!」 ガン!!

弓使い「ぐは!?」

庭師「せ、戦士さん!!」

戦士「はっ!ごめんなさい…庭師さん。」

庭師「…次は気をつけてくださいね?ベホマ」

弓使い「くっ」

勇者「くそったれ…」

サキュバス「はいはい、言いたい事はみんなあると思うけど…
      まずは素手勇者君の首輪をね♪」

勇者「な、何をするつもりだ!」


勇者「な、何をするつもりだ!」

メイド「それがついてると素手勇者は帰っちゃうんでしょ?
    だからそれを外せば…」

勇者「や、やめろおおおおおおっっっっ!!!」 ぐぐぐ…

庭師「まあっこの方、また動いてますわ」

戦士勇者「…ただの筋肉バカですの」

メイド「サキュバスちゃん!この首輪魔法がかかってるよ!」

サキュバス「じゃあ私の十八番の出番ねー 
      『ジョマホン!!』」



 カチリ


勇者「!?」


 【 帰還用の首輪が外されてしまった! 】

 【 ジョマホン … 相手や、そのモノの魔力を解除したりする。 】

勇者「そんな…」

サキュバス「ここからワープするなんて魔力が無いと出来っこ無いわ。
      だからあその首輪に魔力が込められてると思ったけどビンゴね。
      外せなかったら、結界に閉じ込めてたけど。」

メイド「さすがサキュバスちゃん!」

サキュバス「ふふ…さーて素手勇者君が帰るまでに
      どうしよっかな?」

勇者「ぐ、ぐうううっっっ!!!」

メイド「この首輪どうする?」

庭師「捨ててしまえば…」

サキュバス「待って、もしそれを付けて魔法の国に行けるなら
      イイ男か女でも見つけてこない?」

メイド「良い案だけど、危険じゃない?」

サキュバス「行くのはメイドちゃんね♪
      モシャス使えるでしょ?」

メイド「あっそっか!ふふっ♡」

勇者「モシャス??」

弓使い「ぐぐぐっ」


続きはまた連絡します。
ちょいと前回より短かったですがすみません


前から思ってたがこの勇者少し頭悪いと言うか不用心だな
脳筋だから仕方ないかもしれんが

>>702
そうですねw
かしこさ87くらいです。



メイド「ふふっ…驚くわよ、素手勇者さん?」

メイド「モシャス!!」


 ぼわんっ


メイド勇者「ふっふっふ…」

勇者「な!?」

弓使い「!!バカなっ…こんなことが……」

サキュバス「メイドちゃんはね、モシャスの達人なの。」

庭師「相変わらず、すごい似てますよ」

メイド勇者「ははは、そうかなー」

勇者「こ、声までそっくりだ。」

メイド勇者「素手勇者、モシャスの特徴はね
      ただ変身するだけでホンモノに似る訳じゃないんだ。」

勇者「なにを…」

メイド勇者「君がくれた精子の遺伝子情報…
      僕の体につよーく吸収されたからね。
      だから、声も体格も今の口調も…魔力反応も全部君の遺伝子レベルが強いからさ。」

サキュバス「今までは、姿は一緒でも声が女の子のままとかあったからねー」

庭師「かっこいいですよメイド勇者さん♪」

メイド勇者「照れるな。」


勇者「ま、魔法の国に行って何をするつもりだ!!」

弓使い「そんな方法で誘拐が出来ると思っているのか貴様らは!!」

メイド勇者「出来るさ。この状態でもかなしばりは使えるからね。」

庭師「はい帰還用のアイテム」

メイド「よし、これで準備OKだ。」

メイド「一応体を慣らすために、僕は散歩して来るよ」


戦士「……ではこの2人方はどうしますの?」

サキュバス「一応、地下に使ってない部屋があるし
      そこに閉じ込めておきましょ」

庭師「……わかりました。弓使いさん、しばらくお別れですね。」

弓使い「黙れっっっ!!」

庭師「あんっ…怒らないでください」

戦士「……では、二人を運んで行きましょう」

勇者「くっっっそおおおおおッッッッ!!!
   おまえら!!絶対に許さんぞ!!こんな風に人を堕落させてッッッ!!」

戦士「黙りなさい!!」 どか!

勇者「ぐ!?」

メイド「…じゃあ、二人の持ってる道具も全部没収しないと」

庭師「でもしまう場所なんてありませんよ?」

メイド「じゃあこの部屋にそのまま置いておこう
    どうせ騒ぎを起こせても、どっちが有利なのかはもうわかってると思うし♪」

勇者「くっ…!」

サキュバス「素手勇者さんは同じ人間を殺せる覚悟があるのかしら~?」

弓使い「………」




【 地下牢屋 】


勇者「………グスっ」

弓使い「泣いても状況は変わらん」

勇者「……ごめん」

弓使い「…別に良いさ。俺は上で快楽に溺れ、誇りを失って行くよりも
    ここで静かにしてた方が良い。」

勇者「………」

弓使い「……少し前の俺ならとっくに諦めてたかもな」

勇者「えっ」

弓使い「何でも無い。
    俺は寝る」

勇者「……おやすみ」




 【 午後12時近く 】


メイド「よし、首輪をセットしたし魔法水も一応所持したよ。
    首輪ははめてみたら機能もちゃんと回復したみたいだ。」

庭師「気をつけてね」

サキュバス「言っとくけど寄り道しちゃダメよ。
      危険になったらすぐに戻ってくる事!」

メイド「わかってるさ」



 キュイイイイイイン…

メイド「ん?」

庭師「首輪が光ってる…」

メイド「さーってと、どうなるかな??」


 【 素手勇者にふんしたメイドはあっという間に
   光の粒になって消えた! 】


庭師「だ、だいじょうぶですかね?」

サキュバス「今まで、他の子だって戻ってきたのよ。  
      大丈夫」





【 魔法の城 】 地下
【 中央樹海行きの魔方陣 】



魔法使い「…行っておきますが魔法王様
     本来ならあなたはここにいては…」

魔法王「こ、これは妾の命令じゃ!罪人としっかりと接する事も国王の努め!!」

魔法使い「まあいいでしょう…
     ですが離れていてください。
     たとえ、やつが魔法水をもっていたとしても…」

魔法王「魔法使いは警戒し過ぎじゃ……魔法水を持ってきたら無罪ではなかったのか?」

魔法使い「それを決めるのは神官どのです。」

魔法王「そんな…」




 キュイイイイイイイイイン!


 バシュっっ!!


勇者「………おお」

魔法使い「……ふん生きてたわね。」

魔法王「おお!素手勇者!!無事だったか!!」

勇者「…………」

魔法王「お?」

魔法使い「魔法王様からの問いかけくらいちゃんと答えなさい!!」

勇者「う、うん……」

 【 勇者は辺りを見渡す… 】

魔法使い「なに?そんなにめずらしいかしら??
     それとも、記憶障害?」

魔法王「魔法使い!!魔法水の事を聞かんのか!?」

魔法使い「失礼……素手勇者、魔法水は??」

勇者「はい」


 【 素手勇者は魔法使いに「エルフの魔法水」を上げた! 】


魔法使い「………どうやらホンモノのようね。」

魔法王「おお!やったな!素手勇者よ!!
    おぬしは無実じゃぞ!!」

魔法王「~♪」

勇者「………かわいいな」

魔法王「えっ//」

魔法使い「……!!おまえ!今何を言った!!」



勇者「さわがないでよ」

 【 勇者の目が怪しく光る!! 】



魔法使い「!?」

魔法王「な、なんじゃ…!?体が……!!」


魔法使い「お、お前は……!?貴様ぁ!!こんなことをするとは…」

勇者「おっと、口も塞いどかないと気づかれるね。」

勇者「ラリホーマー」


魔法使い「っ!!……うそだっ この私がこんな……魔法王さ…ま……!!」

魔法王「あうっ……素手勇者ぁ?」

勇者「ふふふ……食べごろじゃないか2人とも…
   特に小さい子は……」

魔法使い「貴様……ころして…やるっ!!」

勇者「ふっふっふっふ…」


 どろん


 【 素手勇者はみるみる姿を変えて行く 】


魔法使い「!?」

メイド「残念。私はサキュバスよ」

魔法王「ゆうしゃあ~…?」

魔法使い「さ、キュバス…??」


メイド「ホンモノの素手勇者さんは牢屋にいるの。残念ね♪」

メイド「さあ、私たちと一緒に行きましょう?」

メイド「うふふ、思わぬ収穫ね」

メイド「そして周囲にジョマホンをばらまいて魔力の痕跡を消すっと。」

 ぱああ…


メイド「さあて、戻るかな♪」

魔法使い「おの…れ」

魔法王「あう…」



 【 メイドは持ってきた帰還アイテムをつかった!! 】


 【 魔法使い、魔法王の2人は拉致されてしまった!! 】



【 ロビー1階 】


メイド「やった~♡ 美少女2人ゲット!」

庭師「お帰りなさい…どうやら無事のようですね」

サキュバス「ま!こんなに綺麗な子をたったの数分でどうやって見つけたの?!」

メイド「それだけどね…どうやら、素手勇者君の見張り役みたいな感じよ。
    あと…小さい子の方は魔法王がなんとかって言ってわ」

サキュバス「魔法王…?」

メイド「そう行ってたわ。こっちの魔法使いの子が」

庭師「小さい子なのに、豪華な服装……」

サキュバス「の、割には魔力も高く感じるわ。」

メイド「それに…さ、すごくキレイで可愛く無い?
    あと5、6年もすれば…」

庭師「うふっそうですね…」

サキュバス「せっかくだし、この子にも色々教えてあげましょ。」



魔法使い「(なんという……こいつらは……素手勇者の仲間か?
      だが…やつの姿が……)」




 【 牢屋 】



勇者「98…99…100!!」

弓使い「連続で100回も出来るようになってるのか」

勇者「うん…いつも空いた時間に連続記録狙っててさ。」

勇者「1年以上続けて100回はいけるようになった」

弓使い「そうか…」

勇者「(武器もとられて、


ガラッ

メイド「はーい、お食事ですよー!」




勇者「!」ギロ

弓使い「御飯にお前らの汚い唾液を混ぜてるんじゃないだろうな?」

メイド「まっさかー♪
    そんなことしないよー」

勇者「ちっ…」

メイド「怒らないでよー素手勇者君…♪今日はせっかく、あたらしい人も増えたんだし♡」

勇者「なに!?」

メイド「うふふ…1人はかなり強気な子でぇ…♪
    もう1人は…それはもうお嬢様育ちって感じのキレイで可愛い子よ
    魔法王っていうけど…」

勇者「なっ…なああ!?なんだと!!
   おまえ!!あんな小さな子をここまで連れてきたのか!?」


メイド「小さいって言ってももう11歳になるって言うし…
    体は大人になってきているのよ?
    精神面はちょーっと幼いけど…というよりあんまり人と話した事無いって感じね」

勇者「ば、ばかな…!なんで連れてこられたんだ?」

メイド「私が戻ったとき、その部屋にあの二人がいたから
    かなしばりかけて戻ってきたのよ~」

メイド「いや~、収穫収穫」

勇者「このやろう!!」

メイド「きゃあ!?かなしばり!」

勇者「ぐげ!」

メイド「(あ、あぶな~…素手勇者君、なんて速さなの?
     はやてのリングとかも外したのに!)」

勇者「こ…の!!悪者め!!!」 ぐぐぐ…

メイド「ちょっと…動かないでよ!」

勇者「ぐ?!」

メイド「じゃ、御飯食べててゆっくりしててねー
    ちなみにこの部屋は結界で守られてるから
    いくら魔法かけても解除できないわ♪」

メイド「じゃーねー♪」


メイド「……さてどのくらい持つかしらね?
    あの子達は」クスッ





弓使い「!!」

勇者「なっ…今、あいつ……!!」

弓使い「とことんゲスだ…快楽のためならなんでもしている。」

勇者「さすがに……小さな子までには……」

弓使い「………」

勇者「………」

弓使い「性欲の塊になったら、より快感を求めるとおもう…
    俺もそうだった……
    庭師のやつと……後ろの穴でしたこともある」


勇者「……」

弓使い「……もし、気が狂った男達に」

勇者「そんなこと!!!絶対にあってなるもんか!!」

弓使い「だがここから出られなければ、どうしようもないだろう!!」

勇者「その手袋かして!!」

弓使い「なに?」

勇者「手袋かして、さすがに素手じゃ拳を痛めるから…」


 【 勇者は弓使いの手袋を借りると、自分の腕に付けた! 】


勇者「窓はナシ…この扉だけが出口…
   魔法は…」



 ドドドドドドドドドン!!!

 【 しかし部屋のドアには傷はつかなかった!! 】



弓使い「だめか…」

勇者「弓使いは何か魔法使える?」

弓使い「俺はベホイミ、スクルト、ピオリム、マジックバリア、マホカンタに…あとジョマホンだ
    ジョマホンはダメだな…俺にはこの結界を解除できる程
    ジョマホンの魔力が無い」

勇者「僕はメラとホイミと…いつもの素手攻撃」

勇者「……」

弓使い「………」

勇者「……どらあああああああああっっっっっ!!!」   ボ ッ ッ ッ ッ !!

弓使い「!?」


   ド   ゴ   ン   ッッッ!!



勇者「……いける?」

弓使い「わからん…だが何もしていないよりはいいな。」

弓使い「お前の腕にスクルトをかける!」

勇者「ありがとう!」


勇者「どおおおおおおっっっ!!!っじゃああ!!」  ッ ッ ッ ボ !!!!

  

    ド   ガ   ン   ! ! ! ! 






 ガタガタ…

【 別室 】

メイド「…地震?」

庭師「怖いですね…せっかくいいとこなのに……」


「はあ…はあ……あの魔法使い、いいよ。はやくやりたい…!」

「たまらねえ、たまらねえ…!」

「はあ…はあ…うっ! ふう…………うっ! ふう……」


魔法使い「ひっ!?…あ、アナタ達!!絶対に殺してやるわ!!
     よくも……あんっ!よくも……あ、あああっ魔法王様の前でこんな……」

サキュバス「うふふっ…//強がっちゃう女の子って私好みなのよ。」 クチュくチュ

魔法使い「や…めろっ!くっ…ひん!//やめろおおっっ!!うわあああっっ!!!」

メイド「あっ泣いちゃってるよ…この子//
    かわいい…」 チュっ

魔法使い「ん!?…むっ んあっやめ…」

魔法王「あっ…ああ……魔法使い……!
    やめておくれ!!お主なら一体何が目的なのじゃ…!
    お金なら…い、いくらでもやる!」

魔法王「ま、魔法使いをいじめるのはやめろ…!あ、あんな……あんなに…」

庭師「あんなに…何かな?」

魔法王「く、苦しんでるではないか!!」

庭師「うふふ……ホントにそうかな……」 クチュ

魔法王「ひゃっ!?や、やめて!!」

「あああああ~かわいいーー!! う!? ふう」

「おかしてえーおかしてえー魔法王様~」

「オレたちに、命令させてくれー魔法王様~」

「ぶひっぶひっ…オレたちはブタだぜ…ぶひっ」

魔法王「ひいいっ!?あっあああ…」

庭師「あらあら…怖がってはダメですよぉ?
   お姉さんが命令するまであの人達はあそこでチンチンしごいてるんですから」

魔法王「チン…///」

庭師「泣かないで…魔法使いさんが悲しんじゃうわ…」

魔法王「魔法使い……」


 クチュくクチュ…!! レロっ  ムニュ





メイド「うふっ…細い体なのにエッチな体してるのね///」

サキュバス「ねえどうしよう…私、もう//」

メイド「だーめ…まだあっちの子もイッてないでしょう?」

魔法使い「やめろっっ!あんっ//
     くっ…!!ん…っいやだ!こんな…っ!!ううっ//
     あの子の前で…!こんな姿見せたく無い!!いやだよ!いやだあ!!
     あっ//あっああああ~~~~っっ」


 【 魔法使いの理性は頭が真っ白になると同時に、大切何かが壊れてしまった 】


魔法王「ま、魔法使い…?ん!?」

庭師「キス…したことありますか?
   まだですよね?お姉さんと練習しませんか?」

魔法王「ん!?っふあっ…//ムチュ…っあ」


 ご く ん 


魔法王「…あっー」 ポーッ…

庭師「まあっ…ねえみんな、この子唾液の効果が速いみたいよ。
   もしかして純情なのかしら?うふふ…///」


「あー!!オレたちもはやくやらせてください!!お姉様!!」

「いきてええ!!はやくいきてえ!!」

「ぶひいいいい!!ぶひいいいいい!!」

「あああああああああああああああああ」


魔法王「な、なんじゃあ…やめてくれ……
    体があつい…あついの……」


庭師「じゃあ…服を脱ごうか♪」

魔法使い「だ、だめえ……やめてっっ!そ、それだけは……ああああ!
     私の服を脱がさないで!!見られたく無い!!いや!いやあああ!!」

メイド「わー…キレイ♪
    細身で控えめな胸……男の子の抱きしめたい体ナンバーワンね~
    抱いたらすっぽり腕に収まりそうな…」

魔法王「ま、魔法使い…」

魔法使い「見ないで…!見ないでくださいっっ!!
     いやあっっ!!」

魔法王「…綺麗じゃ」

魔法使い「キレイ…じゃ」ボーっ

庭師「あらあら、かなり唾液が効いてるみたいよこの子
   もう相当快感に敏感になってきたんじゃないかしら?」クチュ

魔法王「ひう!?っ…あっ……//やっダメじゃ……ダメ…なんです」



魔法使い「あっ…魔法王…様?」

庭師「さー、服を脱ぎましょうね…」

 パサっ


 pるん


メイド「わお…年の割には着やせするタイプだったんだ。」

サキュバス「ああっ!私ああいう子すっごくタイプなの!!
      まだ幼いのに、肉付きがいい子!!
      あんなに…おいしそう//」


「「うおおおおおおおおおおおお!!!!」」

「「ぶひいいいいいいいいいいっっっっっ」」 ドピュ!! ドピュウウ!!ビュル!!

「「「っふううう~~~ぃぃぃ!!」」」」

魔法使い「いやあああああああっっっ!!」

魔法王「いや…はずかしい……///
    それになんじゃ…?殿方達が……出したものは?」

庭師「とっってもおいしいものなんですよ~♪
   頭の中がとろけちゃうくらいに。」


魔法王「そう…なのか?」

魔法使い「あっ…!いや!!もう…お願いっ……!!  
     私はどうなってもいいから…あのこだけは!!
     ああああ~~~っああ!!」

メイド「ムチュ…んむ…ふふ、乳首触られてイっちゃったの??
    エッチだね~~魔法王ちゃん、あなたもエッチなのかな??」

魔法王「私は…エッチなのか…?」

庭師「レロ…」

魔法王「やっ//首を…なめ……ないでくれ
    あつい…あつくなってく……りゅ」

庭師「あ~…もう言葉が回らなくなってきましたよ?」

サキュバス「そ、そろそろ仕上げでもいいわよね!?」



メイド「ま~だ!まだ2人とも堕ちてないよ!!」

庭師「そろそろイキましょうか?魔法王様♪」

魔法王「い…く?」

庭師「気持ちよくなる事…♪
   体が熱い他になにかかんじることってある?」

魔法王「……せつない」

庭師「せつない?」

魔法王「魔法使いを見てると…せつないんじゃ……//」

魔法王「魔法使いが…今、キレイでかわいく見えるのじゃ……」



魔法王「……私も、魔法使いになりたい。
    魔法使いにはずっと尊敬してた…から」

魔法使い「…!?だ、だめ!!まさか!!ダメです!!魔法王様!!」

庭師「ここがジーンってしてるのよね?」

魔法王「そ、そうじゃ……そのトイレとかで…ゴニョゴニョ
    する場所なのに……ジーンてするんじゃ」

庭師「ココを触ると…」 ピトっ

魔法王「ふあっっ!?あああっ!あああ~~~~っっっ……」 ビク! ビク!!

庭師「まあ…♪」

魔法使い「あっあああ……」

 【 魔法使いの大切なものがくだけちった!! 】

メイド「あなたって、あの子の事…すごく大事にしてるのね
    じゃああの事同じような事になれば…あなたも満足でしょう……??」

魔法使い「私が……魔法王様と……一緒に……」 ポーッ

サキュバス「そう♪ 一緒に彼女と気持ちよくなるのよ…//
      あの子の事を想うなら……

      あの子の望むままに自身を受け入れたら??」




  【 どこかで揺れる音がした 】



魔法使い「わ…たし…が、魔法王…サマののぞ…のぞむ……ままに……」




「「「「もうオレたち我慢できないですう!!!!」」」」


サキュバス「わ、わたしももう我慢できない!!誰か入れて!!」

「俺がいきます!!」

「じゃあ俺は魔法使いちゃん!!」

「私はメイドさんだ!!」

「ぶ、ぶひい…」

庭師「アナタは…この子ね♪」

「ぶひいいいいいいいいっっ!!」


魔法王「……おとこの人は女の裸を見ると、嬉しいのか?」

庭師「勿論よ。見て、彼の……ペニスを」

魔法王「あっ」

「ぶひっ……わたしは今最高の瞬間を手に入れようとしています。」

庭師「あらあら、大きくなりましたわね♪」

「光栄です」

魔法王「……男の人は、嬉しいとそこがおおきくなるのか?」



魔法使い「あっ…だめえ…!魔法王様はまだ…幼い……
     私なら…」

「はあ…はあ…!」



サキュバス「ああっ!ああん!!やっ!!激しっ!!あああ!!」

「あああ!ああああっ!!!気もちいよ!サキュバスさん!!あああ!!」




 【 この時地震のような揺れがあっても、もはや誰も気にしていない… 】

 【 時刻は既に夜中…快楽に溺れる館の住民はちょっとのことでも気にしないようになっていた 】


メイド「んむっ…じゅる……/// れろおお…
    ねえ、どんな気持ち??口の方がやっぱりいいのぉ??」

「さ、さいこうです!俺、う…うおおおお!!!」ガシ!

「んむ!?んっ!!むうっっ!!~~~~~っっっ///」


魔法使い「ダメ…だめ……!」

魔法王「みんな……苦しそうじゃ?」

庭師「違うの…みなさん、気もちいのよ」

魔法王「きもち……あっ//あああ//やああ…だめ!」 クチュュッッ


「私は胸を…」


 チュウウっっ!

魔法王「ひうっ!?やあっっダメ…くすぐった…あああああ~~~///」

魔法使い「魔法王……さまあ///」



サキュバス「あああっっ!やああ!!もっと!!もっとおおお!!」 パンッパンッ

「おっおおおおっっおおおおお!!」パンパンパン!!




メイド「ほら…魔法使いちゃんも……レロっ魔法王様と……気持ちよく…」ペロ

「う!?」 どぴゅるるる!

メイド「むう!?…あーっまだこんなに出るのお?もう飲めないよ。」


魔法使い「はあ…はあ……はあ…//
     やめろ…いやらしいぞ……魔法王様も…やめてください」


「もういいかな?」

魔法使い「だめ………だめえ…魔法王様がみてる」

メイド「あの子もきっと気持ちよくなるのよ~
    あなたのおかげで」

魔法使い「おか…げ…」

「もう…いれる!」 ガシ!!




 ぷちっ



魔法使い「ッッッッ!?ああああっっっ!!!
     あああああ~~~~~~っっ~~~~~~~っ!!!」

 【 魔法使いの下部に、痛みが電流のようにほとばしる!
   外と内側からの強烈な刺激を彼女が襲う!! 】

「もう!こんなに塗れ濡れで……!!はあ…!!はあ…すっぽりはいったよ!!
 すぐ…痛みは消えるよ!!」


魔法使い「あああっ!!~~!!あっ!ああっっ!!やあああ!?」

 【 魔法使いは涙と涎を垂らしながら、苦痛の顔を浮かべる…
   だが痛みの苦痛よりも頭が真っ白になっていく全身の刺激が痛みよりも勝っていた… 】


魔法使い「あっ!ああっやあ!やめ…て!いや……//あああああ~~~」

「ふうっ!ふうう!! あの子にもみせてあげなよ!!
 ほら!!」

魔法使い「ああ!」


 【 勇者部隊の男は、仰向けに寝そべり
   魔法使いを騎上位状態にさせた!魔法使いの目線の先には
   壁にもたれかかり、目に力が入っていない魔法王の…

   今までみたこもない彼女が映し出されていた! 】


魔法使い「んあ!?やあっっ!!いたっ…ああああ!!」


 【 下から突き刺すほどの快感が襲う 】


サキュバス「いいよっ!魔法使いちゃん!!もう最高よ!!」



 【 またしても何処かで揺れるような感じがしたが、もはや誰も
   自分たちのセックス以外には興味を持たなかった! 】


魔法使い「がっ…あああ…~~~~っっ」

魔法王「んっっやああ…ムチュ…レロっっチュパ」

庭師「ふふふ…どんどん綺麗になっていますわ魔法王様」

魔法王「キレイに…?魔法使いのように??」

庭師「ええ、あなたも彼女のようになれば…
   どんどん綺麗に美しく…
   あなたを見て、あの方は感じているんです。身も心も…だからあなたも応えてくださいね♪」クチュクチュッッ

魔法王「ああっあああ~~~~」プシュ!プシュ!

「すごい…レロ こんなにビショビショだ…
 体は大人だね…魔法王様ぁ」

魔法王「胸を…なめ…あああ~~~」

魔法使い「(なんで…なんでこんなことに……ああああ、でも…でも!)」

魔法使い「(魔法王様が…私のようになりたくて……私と同じ事を……
      すごく……綺麗になってます……魔法王様ぁ)」


 【 もう魔法使いは戻れない所にきてしまった 】


 【 快楽…どんなに強靭な精神を持とうとも
   生物が生きる上で必要な3大生命エネルギーには魔法使いと言えど、勝てなかった…。】


魔法王「わたしも…魔法使いのと同じ事を……してくれ」

魔法王「魔法使いと…1つに……」

庭師「うふふ…あんまり力をいれずに…ね?」

「御意」


メイド「ああん!ああっ!いいよ!!もっと!!もっと!!あああああ」

「おおおお!?おおおおおお~~~~」



サキュバス「がっ!!ああっ!あっっ~~っっ~~~~~!!!!!」 パンパンパン!!

「っっ!~~~!!!っっっ!!!ごっ!!!おおおお!!!!」 ぱんぱんぱん!!

 【 皆、舌べらを突き出すようにだし涎をまき散らし
   顔はひきつったような笑顔でセックスを続けた。
   その絶頂を楽しむかのように… 】




魔法王「これが……気もちいということかの……
     あんなにはだかなのに…いやらしいのに……この切なくて熱い気持ちを
     満たしてくれるのか…」
     
「ふふっぶひっ」



 【 男のペニスが、魔法王の秘部に触れた! 】


魔法使い「(魔法王様と一緒に……そうすれば……私は魔法王様に近づいて……)」




   バ    ゴ    ン     ッ ッ ッ ッ ッ !!!!!





魔法使い「!?」



「な、なんだ!?」

メイド「えっ!なに!?」


 【 突如落雷のように、尋常でない音が屋敷全体に響いた!! 】


 【 セックスの快楽に夢中であったモノ達も、今の音にはさすがに気がついたのだ!! 】




「うっっ…」 ズルン ぶりんっ

魔法使い「がっ…」


 【 魔法使いの秘部から巨大なペニスが抜かれる。
   エビぞりになったペニスは抜かれると同時に彼女の愛液と鮮血を
   混じりながら勢い良く、引き抜かれた 】

魔法使い「あっ…ああ……」ガクガク…


 【 全身の力が抜けて想うように動けない! 】

魔法王「ふえっああ…ああ…」


メイド「あなたたち!!セックスはあとよ!!
    何があったのか調べにいくわよ!!」




 【 魔法使い、魔法王を除いた全員が部屋から飛び出した!! 】



魔法使い「魔法王…さま……」

魔法王「あっ…あう…」


魔法使い「……あっ…ああ…」






【 地下の部屋 】




メイド「うそっ!なんで結界はった扉が破られてる訳!?」

庭師「中にいた二人が見当たりませんわ!!」

サキュバス「とにかく、二人を捜して!!
      嫌な予感がするわ!!」


「「「おおおおおおおおお!!!」」」

勇者A♂「こ、ころしてやる!!!スでゆうシャアっっsががががあああ
    っっゆうっゆうみつっかかかかか…げろげろげろ!!」

戦士勇者♀「イイイイイイイイ!!!ああああああ!!!!」


「「「「うおおおおおおおおお!!!」」」」






 【 屋敷 外 】


 【 勇者達は、屋敷の屋根を登るように移動している 】


弓使い「…しかし考えたな。俺のジョマホンとスクルトで腕を強化、魔法解除を帯びた鉄の拳で
    せいけんづきを繰り出し続け…扉を解除するとはな。」

勇者「しょ、正直…ぼくもうまくいくとはおもわなかったさ…!
   でも今まで鍛えてきたんだ!これに信じるしか無かったさ…」

弓使い「そうだな…すごいな。」

勇者「あ!あった!ぼくたちのいた部屋だ!!」

 がしゃん!!


「おい!3階で音がしたぞ!!」

「追え!!あいつらがいるぞ!!!」

勇者A♂「がああああああああ!!!!てめええええらあああああああ!!!ぶっころしてやらあああ!!」

勇者「うわあ…」

弓使い「いそげ!!鎧はともかく、リングやグローブだけはつけろ!!」


 ガチャガチャガチャ!!


勇者「よし!グローブ装着!!」

弓使い「俺も装備はバッチリだ!!」




 バ ン ッ ッ !!


二人「!?」


戦士勇者♀「があああああああ!!!!」 ブン!!

弓使い「チッ!!」 サッ

戦士「!?」



 【 弓使いは避け際に片手でショートボウを引く!! 】


弓使い「…っしゃあ!」 バシュンッッ!!!



 ド ス ッッッ!!


戦士「がっ!?」

 【 戦士勇者の腿に矢があたった! 】


勇者「……ごめん!!」 ボッッッッッ!!!


 【 勇者の右ストレート!!! 
    
   正気を失った戦士勇者♀の額にクリーンヒット!! 】





戦士勇者「っぎゃあああああ?!」

 【 戦士勇者は宙を舞うようにふっとび、部屋の角にあったクローゼットに吹っ飛ばされた! 】

戦士勇者♀「がっああ…ああ…」

勇者「一応手加減はした…つもりだったけど、ごめん!」

弓使い「いそげ!!鎧も着れるなら今がチャンスだ!!

勇者「うん!」

勇者「(もう戦士勇者♀さんも気が狂ってしまったのか…?こんなにも快楽を求めた結果が
    こんな風に…




【 サキュバスの館 】 3階廊下


「「うおおおおおおおおおお!!!」」

 
勇者「だりゃああああああ!!!真空波!!!」




 【 真空の刃が狂勇者部隊を襲う!! 】

「ぎゃあ!?」

「がああ?!」


弓使い「チェックメイトだ!!」

 【 すかさず、弓使いは隊員達の腿に矢を打ち込んでいく!! 】


「があああああ!!!」

勇者「まだくるか!!!」   ドウン!!!


 バ キ ッッ!!




「ごは!?」

 【 勇者の拳は相手の鎧を粉々に砕いた!! 】


勇者「まだスクルトの効果が続いてる。」

弓使い「油断はするな!!
    お前のいう法王様を救いにいくぞ!!」

勇者「うん!いそがないと…とりかえしのつかないことに……!!」





庭師「まってください!!!」


弓使い「出たな…」

勇者「ま、まるはだかで…」

 【 先程の事からそのまま来た庭師は

庭師「ひどいです…ひどいです……弓使いさん
   どうしてこんないひどいことを……私たちは……」

 【 庭師は少し錯乱している 】


弓使い「くどい!」 バシュ!!

 ドス!!

庭師「ぎゃああ!?」


勇者「うっ」

 【 矢は庭師のお腹にヒットした!! 】

庭師「あああ…ああああ!!よくも…!!
   あなたを殺して私も死ぬわ!!!」 カっ


 【 庭師の目が怪しく光る!! 
   それと同時に庭師の、背中や腕、髪の毛の色が禍々しく変わっていく!! 】


弓使い「うおおおおっっ!!!」

 バシュン!! バシュン!!


 ドスッッ! ドスっっッ!!



庭師「がっ……あ……弓使いさん…弓…つかい……さん」



 【 なぜか庭師サキュバスの顔は、ほんの一瞬だけ笑ってるように見えた。 】


 【 庭師サキュバスは息絶えた 】





弓使い「くっっ……」ガタガタっ


 【 弓使いの手が震える 】


弓使い「こんなこと…今まで魔物を何度も殺してきたんだ!!
    これしきの事で……心を壊されてたまるか!!」

勇者「……ゴクリ」



「 ( 油断はするなよ素手勇者。いつか…いつか脅威にならない相手を倒すときだってくる )」


勇者「(…やっぱりこれがそうなのか?
    命の問題は無くても……精神面での問題が……)」


勇者「……でも、」

弓使い「?」プルプルッ

勇者「僕はためらわない…ぼ、僕も……いつかはやらなかやならないときだったるさ
   家に帰るまでは」

弓使い「…急ごう」







【 館2階 】 談話室



勇者A♂「囲まれてたらどうするんだーーーーーー??
     あーーーーーーーーー??」

「うげええええええへへへへへ」

「うふ!うふふふ……ころす!ころすわ…わたしたち…ちのの楽園をおかすものおのおののの…」


「けけけけけけ」

      「はははははは」


弓使い「……精神を快楽に支配され続けた結果がコレか
    逆にすがすがしくて恐怖を感じない。」

勇者「…………」


 【 勇者は腕を振るように構えた。 】


勇者A♂「妙なうごきしてんんっじゃああああああねええええ!!
     ぶちころしてててて!!!がががががが!!!!」

勇者「じゃああああっっっっ!!!!」


 【 勇者は今まで繰り出してきた中で
   一番力を込めた真空波を飛ばした! 】

「ぎゃあああああっっ!!」

 
   「ああああああ!!!」


 「うでがああああ!!!」


勇者A♂「いてえ!!いてえ!!!腹が切れちまった!!!
     グス!!いてえよおおお!!!隊長おおおお!!!!」


勇者「…ごめん。そこでじっとしててくれ。」

勇者「…ふん!!!!」


   ベキ!!

 【 勇者A♂の足が折れた! 】



 【 素手勇者達は魔法使い達を捜すため、屋敷の中を散策し続けた! 】


 【 出会うものはほとんど、北の勇者部隊!!
   時々館にいたサキュバスも出てきたが、戦闘力は皆無で
   かなしばりも全員が使える訳ではなかった! 】


 【 そして…素手勇者達は…素手勇者は己の拳で
   本来仲間だったものを攻撃していく… 】


 【 拳に、人の肌が直に感じて来る 】

弓使い「うおおおお!!! 」 バシュ! バシュ!!

勇者「だああああああ!!!」


「ころせ!!!楽園の邪魔をする魔族を殺せ!!」

「うおおおおおおお!!!」


勇者「おらあ!」  べき!!

「ぎゃ!?」

勇者「爆裂拳!!」  どががががが!!

 「あああああ!!」


勇者「じぇあああああ!!!」 どかん!!!

 「ごは!?がああ!?」

勇者「う、うらあああああ!!!」 どす!!

「きゃあああ!?があああ!!」


勇者「う、ううっっ…!!!ああああああ!!!」  ばき!! どか!! ごす!!! どか!!

弓使い「……」



 【 ……今まで絶対に体験した事のない痛みが
   彼を襲っていた。】


 【 武装しているのはともかく、セックスの途中で来たもの…
   全裸で何も装備していない無防備な状況でも絶えず襲って来る… 】

 【 そんな異常事態を解決するのが己の拳だった。 】

 【 こんな状態をもすくったのが己の力だった 】





 

 
 【 館1階 】


 魔法使い「あっ…あああ……」


 魔法王「…あー…あう」





弓使い「ぜえ…ぜえ…お、おい!!いたぞ!!」

勇者「魔法使い!?あ、あああああ!!!そんな!!!!ひどすぎる!!!
   血が……」

弓使い「初めてだったんだろう……ほかに傷は…ない!
    ……この子も薬でおかしくなってるみたいだ。」

勇者「くそおおおおおお!!!
   なんなんだよ!!本当に!!魔法王様は!?」

魔法王様「あー…素手勇者??」

勇者「僕です!!素手勇者です!!
   魔法王様!魔法王様!!!気をしっかりしてください!!
   魔法王様!!」

魔法王「素手勇者…素手勇者ぁ」 ダキッ



勇者「だ、だいじょうぶですか?」

魔法王「だいじょーぶーじゃったぞー…みなと気持ちよく…あー
    魔法使いと一緒にはならなかったけど……頭もぼーっとしてーあー」


弓使い「…この子は無事みたいだ。
    そ、その…血は出ていないみたいだ。」

勇者「ん?おわ!?服を着させないと…!!」




メイド「その必要は無いわ…」

弓使い「!?」

メイド「ヒャダルコ!!!!!」  ドウン!!


ドスッ!

弓使い「がっ」


 ドサッ…




勇者「ゆ、弓使い!!!」

メイド「よくも…よくも皆を……!!」プルプル…

勇者「お、おい…!弓使い!!」


 【 しかし弓使いは動かなかった…
   胸に刺さった氷の刃が、血でしみ込んだままで… 】



勇者「あっ……」

メイド「次はあなたの番…」

勇者「あ?」

メイド「かなしばり」

勇者「…っ」

 【 しかし効果はなかった 】


メイド「!?」

メイド「かなしばり!」


 【 しかし効果はなかった 】


メイド「な、なんでよ!!!」

勇者「どらああああああッッッ!!!」

メイド「!!」


 【 勇者の「せいけんづき」!!】


 ボグッッオオオッッッッ!!!


メイド「う!?」

 【 メイドのお腹に強く…強くヒットした!! 】


メイド「お、おごえええ…ええああ!!!げほ!!げほ!!!」

勇者「じゃああああ!!!」

メイド「あ…いやっ……」

 【 メイドは慈悲を求めるよう顔を少しだけ上げた
   顔がぐしゃぐしゃになるほど涙を流しており
   口からは血と、お腹のなにかにあった色々なモノが混じり… 】




勇者「!!」 ピタッ


 【 勇者は両手でアームハンマーを決めようとしたが、
   寸での所でとまった 】


メイド「っ…あ」  ガク



 【 メイドサキュバスは気絶した 】


勇者「うう…ううう…ヒグっ ちくしょう…ちくしょおおお!」ぷるぷる

 
 【 勇者は泣き崩れた 】



サキュバス「……あなた、なんて事を!!」

勇者「…まだ、いたのか。」


 【 …が、再び頭の中が日のように熱く煮えたぎり
   サキュバスを睨みつけた!! 】


サキュバス「やりすぎよ。…死になさい。」

勇者「!!」

サキュバス「ザキ!」

勇者「その呪文は…っ!?」

 【 しかし勇者には効果がなかった! 】

サキュバス「……ザキ!!」

 【 しかし勇者には効果はなかった 】

勇者「…っ」

サキュバス「何で!?ザキ!!ザキ!!死んでよ!!」



勇者「ああああ!!」
 
   ガ ン!!


サキュバス「がっ」


 【 サキュバスは倒れた 】




勇者「う、ううう……ちくしょう。  
   ちくしょう!!!」

勇者「なんで…なんでこんな事に……!
   僕が魔法の町で問題を起こさなければ良かったのか!?」

勇者「でもそうしたら、ここにはこれない!!
   サキュバスが悪いのか!!そうだよ!!サキュバスのやつらが…!!」

勇者「なんで人間のすがたなんだ!!!くそ!!」

勇者「……魔法使い達がいなくなったことに気づいた国の人達が
   ここにきてくれれば安全だったのか??」

勇者「…………」

勇者「ああああっ!うわあああ!!」










弓使い「……おい」

勇者「!!」

弓使い「……勝手に、……ごふっ
    殺してもらっちゃ……こまる」

勇者「弓使い!!ああっ!よかった!!あああ!!」

弓使い「氷は…あいつが倒れた御陰で消えたが……
    出血が……ホイミを使えたら…たの…む」

勇者「ホイミ!!ホイミ!!ホイミ!!ホイミ!!ホイミ!!」


 【 勇者はホイミを唱えた!!
   かろうじて、弓使いの出血が収まった… 】


弓使い「はあ…はあ……」

勇者「弓使い!」

弓使い「血は止まったみたいだな……うっ」

勇者「大丈夫なのか…?」

弓使い「じっとしていればな……」

勇者「…そうだ!魔法水をとってくる!!
   ここで待ってて!!」

弓使い「ああ…あれか、あれで治ればいいな。」

勇者「…っと、その前にこいつらを窓のカーテンとかで縛っておいてと」

 【 勇者は気絶したメイドとサキュバスを縛り上げた!
   簡単にはほのけないように何重にもきつくしめ、
   さらに部屋の壁の方に体を向かせ、
   そこからソファーに縛り付けた!! 】


弓使い「…それなら動けんだろう」

勇者「もう油断はしたくない…」

弓使い「動けないが、ここにいる魔法使いとその女の子を見張っとくよ。」

勇者「うん、お願い。あ、そうだ。
   カーテンとかで被せと置かないと…」

魔法使い「………」

 【 魔法使いはうつろな目をしている 】


 【 魔法使いはうつろな目をしている 】

勇者「(あんなにも……顔が……)」

魔法王「すでゆうしゃあ……さむい…」

勇者「ああ、ごめん。はいカーテンだけどしばらくしたら服持って来るよ」

魔法王「うん…」ぽーっ

勇者「(魔法水を飲ませれば治るのかな??)」



【 食堂 】



勇者「…あった!冷水庫にたんまり!!
   これを籠にたっぷりと…よし!」

勇者「念のため、僕も1本飲んでおこう…」

 ぐびっ


 【 勇者の体力と魔力が回復した! 】


勇者「いそごう!」







【 20分後… 】


弓使い「…傷が癒えていく。すごいな魔法水は」

勇者「こんな水がここの井戸からとれるなんてね。 
   サキュバス達が館に結界張って守ってるから、そうそう手に入らないみたいだ。」

弓使い「そういえば、ここに来る理由でもそんなこと言ってたな。」

魔法王「………っ」

勇者「あ、魔法王様…」

魔法王「…み、みないでおくれ」

勇者「えっ」

魔法王「わ、わたしは……なんてことを……あんな…」



勇者「待って、全部サキュバスが仕組んだ事なんだ。
   さっき君が…その服着てなかったのも全部サキュバスって魔物の仕業なんだ。」

魔法王「そうはおもえん…」

弓使い「……」

勇者「………」

魔法使い「……ああっあああ!!」

勇者「!」

弓使い「気がついたか」

魔法使い「いや!!見ないで!!魔法王様!!
     これは…違うんです!!いやあああああ!!!」


勇者「あ!!どこへいくんだ!!」

弓使い「…狂っていたとはいえ、溺れてた事を覚えているのか?」

魔法王「あう…//」

勇者「外は危険だってのに…」







???「…………どうやら、全て終わったみたいですね」


勇者「!?」

弓使い「うわ!」

魔法王「だ、だれ?」


エルフ「…私の名は、エルフ」

勇者「(綺麗な…人だ。魔物??人間??)」



つづく
   



???「…………どうやら、全て終わったみたいですね」


勇者「!?」

弓使い「うわ!」

魔法王「だ、だれ?」


エルフ「…私の名は、エルフ」
   
弓使い「は?」

勇者「…!」さっ

エルフ「身構えなくていいですよ…」

エルフ「これを…」


 【 突如現れたエルフは「エルフの魔法水」を手に入れた! 】


勇者「む?」

エルフ「これを…そこの魔法使いの方に……」

勇者「ま、待て!あんたは誰だ!!!
   どこから現れた!!」

エルフ「先程も申しわげましたが私はエルフ。
    この中央樹海の中心の里から、ここまで来ました。」

勇者「き、きた?」

エルフ「説明はあとです…、じきここにも私の仲間と……
    オークがくるでしょう」

勇者「オーク??」

弓使い「いったいなんだってんだ…」



 バシュッッ!!


【 突如、勇者の目の前に獣の姿をした獣人があらわれる! 】




オーク「エルフ、ここの館のサキュバスは全員気絶している。
    1人は死んでいたが…」

エルフ「そうですか…」

勇者「な!?いったいなんだ!!」

オーク「…ふむ、正常なものが残っているようだ。
    先程、館の外で錯乱した少女を保護したが」

勇者「魔法使い!!
   魔法使いをどうした!!」

オーク「仲間が「いやし草」で精神を安定させている」

勇者「はい?」


オークB「おーい、この子やっとおちついたみたいだぜ」

オーク「来たか。」

魔法使い「うう…私は……私は……」ポロポロ…

魔法王「あう…魔法使い??」

勇者「(さっきよりも顔色が良くなってるように見える…)」

エルフ「弓を持つものよ…あなたにはこの力を……」

 【 エルフは祈った! 】



弓使い「…き、傷口が!ふさがった!!」

勇者「ええ!?」

オーク「…いちいち驚くのも無理は無いだろう。  
    こんなに人間がいては事情を隠す方が難しい。」


エルフ「…彼から強い生命エネルギーを感じます。」

オーク「うむ。」

勇者「いったいなんなんだ??」











 【 それから… 】



 【 中央樹海 】 

 【 エルフ・オークの村 】


オーク村長「こちらを…」

勇者「どうも…」

弓使い「い、いただきます」

エルフ村長「まあまあ、若いのによくぞ…」

勇者「……もぐもぐ」

弓使い「………」

勇者「えーっと、それでここは一体?
   あと皆は…あなた達は」

オーク村長「落ち着きなされ…」

エルフ「まず順番に知りたい事をワシらにおしえてくりゃれ」

勇者「じゃあ…アナタ達は何者なんでしょうか…」

オーク村長「わしらはオーク。大昔より自然とともに生きてきた。」

エルフ「私たちはエルフ。大昔から泉とともに生きてきた。」

勇者「(全然よくわからない…)」

オーク村長「この森の守り神だとおもってくれればいい」

エルフ「お茶のむかい?」

勇者「あーえっと、頂きます」

弓使い「質問をしてもよろしいでしょうか?」

エルフ村長「はいな。」

弓使い「あなたがたが…我々を保護してくれた理由は……」

エルフ「魔法水の汚れの調査じゃ」



弓使い「汚れ?」

勇者「魔法水ってあの…」

エルフ村長「そうじゃ、この水じゃ」

 【 エルフ村長は「魔法水」を取り出した! 】


エルフ村長「この水は、我らエルフ族がこの地に住みしときから
      供に存在してきた。村の中央から湧き出る水は我らの命の元じゃ。
      言い伝えで、我らがこの地にいる限りこの水も聖なる魔力をときはなってるのじゃ。
      そして水が汚れる時、我らエルフも堕ちてゆく。まあ共存じゃ共存。」

弓使い「なるほど…」

勇者「(なんとなく…わかった)」

エルフ村長「それで汚れというのはな、
      この村から少し出た後の、井戸で邪悪な魔力を感じた。
      井戸からサキュバスの魔力を感じたのじゃ。」

弓使い「…あいつらの館の裏に井戸がありました。」

エルフ村長「うむ、サキュバス達が井戸を使ううちにこの村に向けて
      地下水脈を通じて魔力が水にしみ込んだのじゃろう。」

エルフ村長「我々は直ちにサキュバスを探したが…
      見つからなかった。」

弓使い「……」

エルフ村長「サキュバスもまた、この地に昔からいる魔物での。
      かつてはこの村にもいたが…あまりのその……
      マナーが悪くて村から追放したのじゃ。」

勇者「サキュバスも村に!?」

弓使い「そのようなことが…」

エルフ村長「詳しい事は後に話す………その後、追放された後は
      屋敷をつくったりして生活してたんじゃろうな。
      サキュバスは自分の快楽のためなら、他人に行為を見えないようにするから…
      結局、サキュバスは見つからなかったが。」

弓使い「……」

勇者「それでぼくたちがサキュバスを倒したから…」

エルフ村長「うむ…、突如としてまがまがしい魔力が森の中で現れての。
      サキュバスの魔力じゃったからすぐにわかったわい。
      本人達は気絶してても、その生活してた場所に魔力がしみこみすぎたんじゃろう。
      すぐ居場所がわかったわい」


勇者「そうだったんですか…」

エルフ「しかしお主らようやるの 
    サキュバスの誘惑に打ち勝つとは……」

弓使い「……」

勇者「………」

エルフ「……おぬしらのいう北の勇者部隊、及びに魔法の国の
    国王と魔法使いは皆無事じゃ。肉体的にはの。
    精神が回復するまでには、かなりの時間が必要じゃて」

勇者「そうですか…」

エルフ「安心せい、かならず皆元気にさせるよ
    この魔法水を浄化してくれたせめてもの礼じゃ。」

オーク「しばらくゆっくりしていきなさい…」

オーク「我々が栽培するいやし草は生きるものの精神を安定させるもの。
    これを煎じてて飲ませていけば、回復も早まる」

勇者「はい…」

弓使い「ありがとうございます」

オーク村長「そしてサキュバスは亡くなったものを除いて
      全員この村の地下牢に閉じ込めている。また悪さをせんようにな。」

勇者「だいじょうぶでしょうか…彼女らはかなしばりを……」

オーク村長「そういうのは大昔に対策済みじゃ!」

勇者「はあ…」

エルフ「では、しばらく寝泊まりする所へ案内しましょうかの。
    おーい、エルフ♀やー」

エルフ♀「はい、おばあさま」

エルフ村長「二人を部屋に案内してやっておくれ」

エルフ♀「はい」


勇者「(なんだか色々ありすぎて…ビックリしたけど
    みんなは助かるのか…)」

弓使い「(だがこれでいいとは思えない。
     素手勇者が魔法使いと法王を助けたとはいえ、
     元々は素手勇者の件が原因と考える人間もでるだろう…
  
     最悪、北と南で戦争になってしまったらまずい…
     法王が幼いという部分が余計に…)」





【 宿 】


エルフ♀「…こちらが、勇者さんの鍵
     そして弓使いさんの部屋の鍵です」

勇者「どうも…」

弓使い「俺はもう寝る…おやすみ」

勇者「うん」



ガチャッ



ドサっ

勇者「……っっあーーーーーーー
   はあ……体が重い。」

勇者「眠い……夢でも見てたような感じだ。」

勇者「でも殴った感覚は覚えてる。」

勇者「……」

勇者「…忘れよう」

勇者「明日はみんなの様子を見に行こう…」






【 翌日 】



勇者「…みんなの様子を見に行くとかいったけど気が乗らないな」

勇者「弓使いも休んでるかな」

勇者「…そういや、村の商店街で武具店があった気がするな」

勇者「……」

勇者「よし!切り替えきりかえ!!
   終わった事だし気分転換に行こう!」



オーク「いらっしゃい、おおアンタがサキュバスから魔法水を守ってくれたんだってな。
    人間なのに、強いなー」

勇者「はは、どうも」

オーク「せっかくだ、割引してやるし何か見ていけよ。」

勇者「あ、ありがとうございます。」

勇者「…おお!?見た事も無い道具ばっかりだ!」

オーク「そうだろう、そうだろう
    ほとんどこの村に住むやつにしか売ってないから
    外の連中には珍しいものかもな」

勇者「(高い…でもしっぷうのよろいも魔法のグローブもグチャグチャだ)」

勇者「じゃあ…この「ドラゴンメイル」と「ヘヴィメタルグローブ」を下さい。
   あ、「エルフのネックレス」も」

オーク「あいよー」

勇者は「ドラゴンメイル」「バトルグローブ」「エルフのネックレス」を手に入れた!



 【 ドラゴンメイル 】 …ドラゴンの鱗を張り合わせてつくられたとてつもなく頑丈な鎧。炎や吹雪のダメージをかなり抑えるぞ。

 【 ヘヴィメタルグローブ 】 …素手による戦いがあった時のために、重厚金属「ヘヴィメタル」を加工して作られたグローブ。
                 パワーだけならどんなグローブよりも上だと言われているぞ。

 【 エルフのネックレス 】見た目が派手なので、外の世界では意外にも超高値で売れる高級ネックレス。
              また加護・癒しの呪文が込められており、身につけてるだけで本人を守ってくれる。



勇者「あとは……剣はドラゴンキラーに弓はオーディンボウ、グリンガムの鞭??
   すごい、見た事も無い武器ばかりだ。」

オーク「ここら辺の武器は人間に取っちゃ、貴重な素材で出来てるのさ。
    だがオレたちに取っちゃ高級な素材でも、ここら辺にはおおくあるから探せばたったの数日で取れるのさ。」

勇者「な、なるほど…」

オーク「ほかにも何か見ていくかい?」

勇者「この…封印のよろいっていうのはなんでしょうか?
   なんかすごく…ぼろぼろなんですけど…」

オーク「そりゃ1500Gだなー
    なんでも魔物のエネルギーをそのまま鎧のパワーにするとかなんとか」

勇者「ほへえ、そんなものが」

オーク「ホントかどうかもわからんし、もう何百年も売れてねえし
    アンタにやるよ。サービスだ。」

勇者「えええええ!?」

オーク「はっはっは!持ってけ持ってけ!」



 【 勇者は「封印のよろい」を手に入れた! 】 …モンスターを封じて、そのパワーが鎧にあらわれる用だが真意不明。


勇者「うう…押しつけは酷い……」

 わいわい

       がやがや





「あんたのこと聞いたぜ。魔法の水のことありがとよ。」

「サキュバスもそんなに悪く無いんだけどね…。あなた達よくぶじだったわ。」

「すごいですね!私サキュバスには個人的に嫌な思い出があったのでスッキリしました!」

「人間でもこの森の中に入って来るとはどきょうがあるじゃあないか。気に入ったぜ。」

「坊主!腹へったら家の店に来いよ!」



勇者「……正直エルフとオークの住む村って聞いてまた何かあるんじゃないかっておもったけど
   魔法の国と全然違うな」

勇者「エルフの人達はすごい美人ばかりだし、オークの人はすごく屈強で強そう。」

勇者「……とりあえず、今日はゆっくりやすんで明日筋トレでもしようかな。」

勇者「……」

勇者「…はあ、このボロボロの鎧どうしたもんか」



【 宿屋 】


弓使い「モンスターのパワーを鎧にね…」

勇者「どう思う?」

弓使い「嘘なら、在庫処分の押し売り。本当ならスゴいものだろう。
    強いモンスターのパワーがそのままお前と一体化するんだ。」

勇者「…じゃあ滅茶苦茶固い魔物やめちゃくちゃ速い魔物をこの鎧に封印すると
   鎧が固かったり、鎧を着ると速くなるのかな?」

弓使い「その店主の言うことが正しければな。」

勇者「…そうか」

弓使い「……さて、あとはどうするかだな」

勇者「なにが?」

弓使い「これからのことだよ。特に素手勇者のことだ。
    北の部隊はともかく……魔法の国の二人はどうするんだ?
    今頃魔法の国はパニック状態なんじゃないのか?」

勇者「そ、そうか…!
   二人とも誘拐されたんだった……」

弓使い「面倒な事になってなければ良いが…
    その二人が勇者が助けてくれたと主張を一貫すれば収まるかもしれないけどな」

勇者「うまくいくかな…」

弓使い「俺も協力するよ。色々と世話になったしな。」

勇者「そんな…あれだけ酷い目に遭ってたのに、また騒動に巻き込まれるのは…」

弓使い「恩人えの感謝を忘れる程オレは……」

弓使い「……」

勇者「?」


弓使い「……俺は自分の無力さを知って、お前に会って
    色々と見ちまったからな。
    せめてものの恩返しだ。」

勇者「…わかった。弓使いにも僕は助けられたし…よろしく」

弓使い「あ、ああ…」

勇者「(この人の笑った所初めて見たな…)」

弓使い「(こいつは素手でここまできた…実力は確かだ……
     俺も0からやり直そう…)」


エルフ「…お二人さん、お食事の用意ができました。」




 【 その日、素手勇者と弓使いはいつもよりぐっすり眠れた気がした。 】



【 素手勇者のステータス 】

【名前】 勇者(皆からは素手勇者と呼ばれてる)
【性別】 男
【性質】 聖質 ずっと「せいすい」を飲みまくっているため、体質が「せいすい」になっている。
        邪悪な魔物や呪文に耐性が付いたようだ。

【戦法】 基本は素手。最近は魔法と併用して幅を広げた。
【魔法】 メラ(連射、散弾など) ホイミ
【特技】 ばくれつけん せいけんづき 真空波 石つぶて 状況に応じた素手戦法 

【装備】 ライトセーバー   … もうずっと使ってない純白で綺麗な剣。とても軽くて丈夫。
     ドラゴンメイル   … エルフとオークの村で買った高級品。
                 とてつもなく頑丈な鎧。炎や吹雪のダメージをかなり抑えるぞ。
     ヘヴィメタルグローブ… 同じく村で買ったグローブ。パワーだけは最強クラス
     エルフのネックレス … 魔力が込められ、自身を守ってくれる効果が。高く売れるらしい。
     はやてのリング ×2 … 装備すると速く動ける不思議なリング。現在2つ所持

【持ち物】 やくそう、せいすい、食料などなど
      封印のよろい … 魔物を封じ込むちからがあり、鎧は封印した魔物のパワーそのものを得る。
               ……と、言われているらしい。すごくボロボロな鎧。

  
【任務】 北の国王に旅の報告(旅そのものは自由)
     これから魔法使い、魔法王のことをどうするか。
     北の部隊の報告

【仲間】 弓使い … 勇者部隊の選抜試験で会った性悪な弓使い。弓使いの名家生まれ。
           度重なるサキュバスからの性生活と、逃亡後の自身の非力さに打ちのめされてる時、
           素手勇者と出会い、彼の生命力を見て性格も丸くなっていった。
           武器はショートボウとビッグボウガン。
           魔法も多少使える。


書き貯め分はこれで終わりっす、
また溜まったら連絡します。いつも読んでくれて乙や感想ありがとうございます。

   ∩___∩         |
   | ノ\     ヽ        |
  /  ●゛  ● |        |
  | ∪  ( _●_) ミ       j
 彡、   |∪|   |        J
/     ∩ノ ⊃  ヽ
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /




【 翌朝 】

弓使い「俺は商店街に行って来る」

勇者「いってらっしゃい」





勇者「…みんなの様子はどうなったかな?」





【 宿舎 】


「あーああああ!!っっ!!!させてくれー!うがあああ!!」

「か、体に力が入らないよ……」

「うげえげげげげ…気持ち悪い……」

「口の中が精子臭い…」

「ふえええ~ん…ひぐっ」


エルフ「この町から直接汲み上げた魔法水はよくききますよ。
    早く元気になて下さいね。」

オーク「これはいやし草といってな…心を落ち着かせる作用を持っている
    1日3回、お湯で煎じて飲みなさい」

「はーい」

「あ、ありがとうございます…グスっ」

「なんだか夢を見てた気分だ…」

「オレたちどうして傷だらけなんだろう…」

「たしか森に入って迷って…」


勇者「みんな…記憶や精神が不安定になっている……
   弓使いの言った通りだ。こんなにも酷いとは…」



 【 ちょうど素手勇者が宿舎に入り
   入り口から様子を見てると、入ってすぐのベットから… 】



戦士勇者♀「ゆ、勇者さん…」

勇者「わっ!ビックリした!」

戦士勇者♀「……私、覚えていますの」

勇者「えっ」

戦士勇者♀「…覚えているんです。今まで何があったのか…
      私、わたしは…ううっ」

 【 戦士勇者はベットの上で、泣きじゃくっていた。
   両腕両足に包帯などを巻かれて、動けないようだった。 】
    

勇者「戦士勇者さん、しっかりしてください!
   もう終わったんです…。悪い夢は終わったんですよ。」

戦士勇者♀「ひぐっ…だってわたくし……あなたに……」

勇者「ああ、あれは全然気にしてないよ。
   全部サキュバスの…」

戦士勇者♀「ほ、本心も…っありました…!
      自分の生活とかも…です。」

勇者「それは……たぶん皆も思ってるんじゃないかな?」

戦士勇者「グスっ…」

勇者「僕は僕で、適当な所で引き返そうかと思ってたし
   いざ旅をしてたら魔法の国の問題に巻き込まれて
   色々予定が狂ってるんだ。僕も一緒だよ。だから、ね?
   今は体と心をゆっくり休ませなよ。」

戦士勇者「ひぐ…っはい……本当に…すみません」

勇者「ホイミ、ホイミー。ちょっと他の人の所も見て来るね。」



【 重病者隔離宿舎 】

勇者A♂「……………」

勇者「…………」

勇者A♂「……………」

勇者「…………」

勇者A♂「……………」

勇者「…………」

看護婦「その人は精神がひどくやられて重病者で今はいやし草を用いた安眠剤で落ち着かせてます。
    当分、寝たきりだと思いますよ?」

勇者「そうですか…」


 【 勇者A♂は苦痛に満ちた顔で眠りについている 】

勇者「(咄嗟とはいえ、足折ってごめん。ホイミかけとくね」


 「ああ…ああああ…がっ…」

 「きみ…どこかでみたような……ああ、でもおもいだせない……」

 「体が痛いよ…熱いよ……」


看護婦「治療でサキュバスの魔翌力を抜く際に副作用が出ています。
    ……ここに長居する事はお勧めしませんよ。」

勇者「わかりました。」

 【 勇者は帰り際に一人一人にホイミをかけてあげた。】



「あ…ありがとう」

「あれ?きみって確か北の国で…」

「…………(どうやら眠ったようだ)」

「あ~~~…体が楽に…」



【 個人部屋 】

隊長「……………」

 【 北の部隊の隊長は眠ったようにぴくりとも動かない 】

 【 そして、体が少しだけ痩せて見えた。 】


オーク医師「体力的にも精神的にも、一番酷い方だ。
      サキュバスの魔翌力と交配活動でよほどやられたようだな。」

勇者「……すごく、屈強な方とは思ってたんですが」

オーク医師「サキュバスの魔翌力はまず精神…生物の脳から浸食する。
      ……あまり、気負うことはしないほうがいいぞ?」

勇者「はい…」

オーク医師「看護婦から魔法水による身体の浄化や、いやし草の食事もさせている。
      命に別状は無いから安心しなさい。」

勇者「はい…(勇者A♂くんが知ったらなんて言うかな…)」

 【 勇者は帰り際にホイミをかけてあげた 】


【 個人部屋 魔法使い 】

勇者「……えーっと、具合はどう?」

魔法使い「………」

勇者「………」

魔法使い「…………」

勇者「……あ、そうだ!これ、商店街で売ってたブルーリンゴっていう果物。
   すっごく、おいしくて気分がすっきりするんだって」

魔法使い「………」

勇者「…じゃ、お大事にね。」



勇者「(とてもじゃないけど、無罪がどうとか言える状況じゃないな…)」






【 個人部屋 魔法王 】


魔法王「!」

勇者「具合はどうですか?」

魔法王「う、うむ…ここの人達が親切にしてくれたぞ。 
    おかげで……」

勇者「……」

魔法王「……ら、楽になったぞ」

 【 魔法王は恥ずかしいとも恐怖ともとれる表情で
   目をそらしながら応えた 】

勇者「……」

魔法王「…その、素手勇者よ」

勇者「はい。」

魔法王「そなたは…ホンモノの勇者なんだな?」

勇者「?
   えーっと、僕は僕ですが…」

魔法王「ほ、本当にそうなんじゃな?」

勇者「えっはい…」

魔法王「………ひぐっ」

魔法王「……グスっ」

勇者「………」

魔法王「ふ、ふええ…ん」


 【 魔法王は勇者を見るなり、泣き出してしまった 】



魔法王「こ、こわかった…
    あんまり…ひぐっ…よく覚えてないけど…
    魔法使いと一緒に…偽物の勇者に攫われて…… 
    勇者が捕まってると聞いて…
    そしたら…ホンモノの勇者が助けにきてくれて…うわあああん」



勇者「…大丈夫ですよ魔法王様。悪い夢はもう終わりました。
   魔法使いも無事ですよ」

魔法王「うんっ…うん……」






魔法王「その…魔法の国での事は、すまなかった……
    おぬしを疑って…」

魔法王「それに……助けてくれてありがとう」

勇者「いえいえ、僕は必死でしたし。
   無事で良かったですよ」

勇者「それより、これから魔法王様と魔法使いはどうするんです?」

魔法王「?」

勇者「…今頃、魔法の国では大騒ぎだと思うんですが
   あなたと、魔法使いがいなくなったことに…」

魔法王「そ、そうじゃった!
    速く戻らないと…」

勇者「魔法使いの所にいきましょう
   もう動いても大丈夫…ですか?」

魔法王「う、うむ。エルフのお姉さんも
    今日には大丈夫みたいな事を言ってたぞ。」

勇者「よし、じゃあいきましょう」



魔法使い「ま、魔法王様…」

魔法王「魔法使いー!げ、元気になったか!?」

魔法使い「自分は…自分は……っ」 ポロポロ…

勇者「…もう終わったよ!
   僕と弓使いでサキュバス達をやっつけたんだ!
   魔法王様もこうして無事に…」

魔法王「そ、そうじゃぞ!魔法使い!!
    魔法使いも無事に…」

魔法使い「私は……私は……魔法王様を…守るために…
     いえ、あれは守るためじゃなくて……別の……」ポロポロ…

魔法王「ま、魔法使い…」

勇者「…ごめん、色々とあるかもしれないけど
   できるだけ君たちは国に帰った方が良いんじゃない?
   今頃絶対、二人を捜してく国中がパニックだよ!」

魔法王「そ、そういうことみたいじゃぞ!
    でも魔法使いの病気は……」

魔法使い「……私なら、大丈夫です。」

勇者「(そうはみえないけど…)」

魔法使い「今からルーラを唱えます。  
     一刻も早く戻って、混乱を…
     魔法王様の無事と……」

魔法使い「………素手勇者の無実の報告を」

勇者「……そういえば、そうだった。」

勇者「でも僕も謝らないと……僕がサキュバスに捕まったばかりに
   君たちを……ごめん。」

魔法王「い、いいんじゃ…元はと言えば
    神官のやつらが…」

魔法使い「………」

魔法使い「……あれ?」

魔法王「?」

勇者「どうしたの?」

魔法使い「……ルーラ!!」


 【 しかし なにもおこらなかった!! 】



魔法使い「ルーラ!ルーラ!!ルーラ!!
     私たちを魔法の国へ!!」


 【 しかし、なにもおこらなかった!! 】


魔法使い「ど、どうして…魔法が使えないの?」

魔法王「も、もしかして戻れないのか?」

魔法使い「そんな…はずが……」


 バタン



 【 魔法使いは気を失ってしまった!! 】


魔法王「ま、魔法使い!」

勇者「オーク先生!!大変です!!魔法使いさんが…!!」





【 その日の夜 】




魔法使い「……うう」

勇者「あっ!目が覚めたんだね!」

魔法使い「……っ 私は…」

勇者「ショックで寝込んでたみたいだよ。
   丸2日もね。」

魔法使い「そ、そんなに!?」

勇者「うん、魔法王様もかなり心配してたよ。
   さっき寝ちゃったけど」

魔法使い「……そう。」

魔法使い「……また、あの子に心配をかけてしまった。」

魔法使い「私は…ダメだ……」


勇者「そ、そうなの?」

魔法使い「ダメ…なの。
     私、魔法王様と一緒に…大事な所…汚されちゃったもの…」

勇者「っ!?」

魔法使い「……ううん。大事な所を汚されたのは私の方……
     あの子にはサキュバスがずっと恥ずかしい事をしていて……」

魔法使い「あの子に、あなたの国の人間が近づいた時に…
     あなたが脱出した騒ぎを聞いて…私たちは部屋に残されたの……」

勇者「………」

魔法使い「何もかも…めちゃくちゃにされて……頭の中が真っ白になって……
     同じようにされてるあの子が愛おしく見えて……
     あの子と一緒になりたくて……されるがままにされて……
     あなたがサキュバスとグルになってるかもと疑った事も…
     全部……わからなくなったわ」

勇者「……君は、何もかも犠牲にして魔法王を守ったんだ。」

魔法使い「違う…気持ちよくなりたかっただけ……
     あの時は……それしか」

勇者「でも今は違うでしょ??
   あれはサキュバスの呪いみたいなものだ!
   君も皆も…僕も……」

魔法使い「……」

勇者「……」

魔法使い「……ありがとう。」

勇者「えっ」

魔法使い「助けてくれて……本当に、本当にありがとうっ……!
     じゃなきゃ…私も……あの子も……堕ちてた……!!」

勇者「……」

魔法使い「……あなたが助けてくれたときのことは
     覚えてる。
 
     私は何も出来なかったのに…素手勇者は
     武器も持たずにあいつらを…倒した。」



魔法使い「私と…あの子を担いで運んでくれたのも…あなたでしょ?」

魔法使い「エルフさんから聞いたわ。」

勇者「…必死だったんだよ。」

魔法使い「…………」

勇者「とにかく…さ。ゆっくり休もうよ今は。
   ここの村長に聞いたら明日、ここから魔法の国に送ってくれるってさ。
   ただ、森を出てすぐの所だから魔法の国まで歩いていかないとだけど…」

魔法使い「ありがとう………そんなにしてくれて……
     わ…私……どうしよう……。あなたに酷い事……今更謝って……」

勇者「…べ、べつにいいよ。
   君のおかげで魔法王様も無事だったんだし。」

魔法使い「勇者…」

勇者「……初めて会ったときはさ、姉妹かと思ったよ。君と魔法王様。
   魔法使いの魔法王様をなによりも大事にしてる感じが伝わるよ。」



勇者「だからさ……結果的には魔法王様は助かったんだ。
   ……その、とことん自分を責めなくても良いと思うよ?」

勇者「僕だってサキュバスに捕まってなければ良かったかもしれないし…
   でもそうしたら、北の部隊の皆は助からないし…
   そもそもエルフとオークが…ってきりがないよ。」

魔法使い「………やさしいのね。」

勇者「そう?」

魔法使い「…私ね。元々勇者部隊の立候補だったの。」

勇者「へえ!そうだったんだ。」

魔法使い「でも、あとちょっとのところで落選。
     自分の力が認められなくて、自暴自棄になってた頃…」

魔法使い「私の両親が当時担当していた仕事…魔法王様の教育係に選ばれたのよ。
     両親は教育方面での仕事の評価が良くて…
     それで年の近い私が選ばれたの…」

勇者「そんな事が…」

魔法使い「でも…ね。その時は、見下してたの…あの子の事。」


勇者「……」

魔法使い「…なんで子守りをしなきゃならないんだって。
     でも一緒にいるうちに……妹みたいに見えてきて」

魔法使い「あの天使のような笑顔で…毎日が楽しくなった……。
     反面…自分の力を認めさせるように……あの子に理想を押し付けてて部分があった…。」
     

勇者「……そうだったのか」

魔法使い「……うん。」

勇者「でも…それは本心じゃないでしょ?僕の勘だけど。」

魔法使い「……ええ。でも、そうじゃないかって
     時々思ってしまうのが怖かった。」

勇者「そう思うってことは本心じゃないんじゃないかな?」

魔法使い「…どうして?」

勇者「本心ならそんな話僕にしないでしょ…」

魔法使い「あっ…」

勇者「スッキリした?」

魔法使い「…うん。ホント…あなたって不思議ね。
     素手で私と戦うし、素手でここまで旅をしてくるし…」

勇者「まあ…いけるとこまで行ってみようかなって思って
   ここまできちゃったかんじだけどね」

魔法使い「やれるとこまで、やろう…か」

魔法使い「…うん、そうね。」

勇者「僕も、旅を続けようと思ってるよ。」

魔法使い「私もこれからも魔法王様を守り続けるわ。
     …そして、本当の家族みたいになりたい。私一人っ子だし
     あの子も両親がいないの」

勇者「そうだったのか…」


魔法使い「……ねえ、ちょっとこっちにきて」

勇者「え?別に良いけど」


 【 勇者は魔法使いのそばにいった 】




魔法使い「………」

 ぽすっ


 【 魔法使いは勇者の胸に顔をうずめた 】



魔法使い「ごめん……ごめんね、勇者。ちょっとだけ
     泣かせて……」


魔法使い「うわあああああ…あああんっっ!」

勇者「………」


 【 勇者は魔法使いが泣き終わるまで、頭を撫で続けてあげた! 】



勇者「(たぶん……今回の事がショックで魔法を……)」

勇者「(………)」

 


【 さらに2日後 】


弓使い「…魔法使いの魔法が使えない以上
    おまえ1人じゃ万が一の時に危険じゃないか?」

勇者「うーん…」

弓使い「魔法の国まで付いたら、俺はここに戻る。」

オーク村長「…本来ここに何度も来る事はなるべくさけてほしいのじゃ。
      この森はお主らの思ってる以上に深く険しい…
      下手に噂を広めて犠牲者を出し、大地や自然を負の念で覆いたく無いのじゃ。

弓使い「……私はウワサなど広めるつもりはありません。
    この森で自分の非力さをしりましたから。」

エルフ村長「…一度だけここに戻れるアイテムを渡します。 
      あなたが我々の事を喋ったりほかのものに渡した瞬間、ここに戻れなくなりますので注意してくださいね?」

弓使い「りょうかいです。」

勇者「ぼくらにはいいんですか?」

オーク村長「お主には邪悪な欲が無い。
      目を見ればわかる。」

勇者「そ、そうですか…(なんかどっかで聞いたセリフ…)

魔法王「素手勇者ぁー」

勇者「あ、魔法王様」

魔法王「魔法の国まで歩いて帰るというが大丈夫かの?」

勇者「大丈夫ですよ。僕や弓使い、それに魔法使いもいます」

魔法使い「でも私…魔法が……」

勇者「ボソっ(魔法使いがいるだけでもこの子は安心してると思うよ?)」

魔法使い「ボソッ(…あ、ありがとう。そういうことなら)」

魔法王「お?」きょとん

弓使い「(…かわいいな)」

勇者「ではいきましょう」

魔法使い「ええ」

魔法王「エルフさん、オークさんお世話になりました。」ぺこり

弓使い「…離れている間、部隊の仲間をよろしくお願いします。」

エルフ村長「ええ、彼らは私たちがしっかりと治療しますよ」

オーク村長「ではいくぞい……ルーラ!!」



 【 素手勇者達4人を光が包む! 】


オーク村長「…しかし珍しいな。この時代素手で戦うものが存在したとは」

エルフ村長「ええ…あれほどの生命エネルギーは初めて見ましたよ。」

オーク村長「ここまで死と隣り合わせの生活を必死に耐えてきたのじゃろう。
      肉体にその精神力があふれておる。」

エルフ村長「(もし勇者があの呪文をつかったら……どうなるのかしら)」




 【 中央樹海 南側   魔法の国方面   】




魔法使い「…!ここは…魔法の国からきた場所!」

魔法王「おお!?すごいぞ!景色が変わった!!」

弓使い「………ふう」

勇者「よし!さっそく戻ろう!!」








 【 それから数日、勇者達は魔物から魔法王や、魔法使いを守りながら戦い続けた 】


勇者「おおおおっっ!!ヘビープレッシャーッッッッッ!!!!!」  ボッッッッッ!!

勇者「じゅあああああっっっ!!」

 【 ヘヴィメタルグローブのパワーと重量がゾンビを押しつぶす!! 】


  ぐっっしゃああああああっっっ!!!


  ぶちゅり!!




魔法王「…うえっ」

魔法使い「魔法王様はあまり見ない方が良いですよ?」

魔法王「で、でも素手勇者が戦ってくれてるのに…」

弓使い「気分を悪くしたら元も子もありませんよ。」



  【 魔物の群れが現れた!! 】



弓使い「!」  バシュ!!バシュ!!



 ドス!!

髑髏の騎士「ぐえええ!?」



 ドスドスドスドスドスドスドスっっ!!
 
アリゲーター戦士「ぐああああああ!?」




 【 魔物の群れをやっつけた! 】




魔法王「おおっ 矢が全部当たっている…」


勇者「よし!!このグローブのパワーはすごいぞ!
   重いけど、使いこなせば……」

魔法使い「(ホントに素手だけで、戦ってる……これが素手勇者の実力かぁ)」

魔法王「……」←唖然としている

弓使い「周囲の魔物の気配が消えた。
    先を急ぐぞ!」






【 魔法の国まで残り半分 】


ユニコーン「ブヒイイッッッッ!!! ブヒぃぃぃぃぃッッッッ!!」

勇者「うわ!!暴れるなコイツ!!」

 【 勇者はユニコーンの背中にしがみついている!! 】


弓使い「暴れまくってるせいで、狙いが定まらない…」

魔法使い「魔法王様は離れていてください!
     うっ酷い鳴き声…」

ユニコーン「ぶひいいいいいいっっっ!!! 
      ぶひ?」

 【 ユニコーンは魔法王に狙いを定めた! 】


ユニコーン「ぶ、ぶひいいいいいいいいいいいっっっっ!!」

魔法王「ひっ!?」

弓使い「ロリコンかこの豚ウマは!!」 バシュ! バシュ!!


 【 しかし弓使いの放った矢ははずれてしまった! 】


魔法使い「くっ…!!メラミ!!」  ドウン!!


 【 魔法使いは魔法が使えるようになった!!
   しかし攻撃は外れた!! 】


魔法使い「しまっ…」

ユニコーン「ぶひいいい!!!ぶひ!!ぶひいいいい!!!」

魔法王「こ、こっちにくr


勇者「おおおおおおりゃああああああああっっっ!!!」   ッッッッッ ボ    ン  !!


 【 勇者はヘヴィメタルグローブをユニコーンに投げつけた! 】


 ド  ゴ  ン ッッッ!!


ユニコーン「ぶひええあ!?」


 【 ユニコーンを倒した!! 】
 【 ユニコーンはユニコーンの角を落とした。 】



魔法使い「大丈夫ですか!?魔法王様!!」

魔法王「う、うむ……助かった。」

勇者「危なかった…けどすごい威力だな…このヘヴィメタルグローブ。
   咄嗟に投げて使ってみたけど、ここまでダメージが大きいとは。」

弓使い「(普通、グローブを投げるなんて事は………
     いや、素手だからこそ何でも武器として使用できるのか)」


 【 弓使いは矢がセットされていないショートボウを見た! 】



魔法王「ゆ、ゆうしゃあ~」 ポロポロ

勇者「だ、大丈夫ですよ。わるい魔物はやっつけました。」

魔法王「う、うん~」 ぐしぐし

魔法使い「ほっ」

弓使い「…しかしまだ魔法の国は遠いな。
    エルフのみなさんから貰った食料も、あと少し…」


勇者「その時はせいすいでも飲むと良いよ。
   ちょっと変な味だけど、お腹に溜まるんだ。」

魔法使い&弓使い「……」

魔法王「ふええ~ん」






 【 魔法の国まで後少しの距離 】




メタルスライム「きゅるる!!」

勇者「ん!?」

魔法使い「あ、あれは!」

弓使い「メタルスライム…!」

勇者「へー、ああいうのもいるんだ。」

メタルスライム「!?」 ダダダ!


 【 メタルスライムは逃げ出した 】



魔法使い「……まあ、逃げてくれた方が助かるわ。」

弓使い「ああ」

魔法王「綺麗な色をしとったスライムじゃ。」

勇者「うーん、あれとも戦うときがくるのかな。」

弓使い「運が良ければな」

勇者「?」



 【 魔法の国 】



勇者「ついたーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!
   っっしゃあああ!!!やった!やった!!!遂についた!!」

魔法使い「ええっ…ほんとに、帰って来れたわ。」

 【 魔法使いは目に涙を浮かべている 】

弓使い「……じゃあ、ここまでだな。」

勇者「あ、そういえば。」

弓使い「素手勇者、短い付き合いだったけど色々ありがとう
    おまえのおかげで俺は変わる事が出来た。」

勇者「え?…あ、まあ…前と雰囲気は違ったし。」

魔法使い「あなたにも礼をいいたいんだけど…」

弓使い「それはまた落ち着いたときで良い。」

魔法王「あ、ありがとうございました。
    魔物をやっつけてくれて感謝します。」

弓使い「ふふっ、護衛の勤めですから当然ですよ。」

勇者「…元気でね。みんなをよろしく。」

弓使い「ああ。素手勇者もな。」


 【 弓使いは、帰還用のアイテムをつかった! 】


 
 バシュ!!


 【 弓使いは、一瞬のうちに消えた! 】


勇者「よし、戻りましょうか。魔法王様。魔法使い。」

魔法使い「…ええ。」

魔法王「うむ!」



【 宮殿 大広間 】


執事「ああ!魔法王様と魔法使い様…それに素手勇者も戻らないとは……!!
   一体何がどうなって…」

神官「だから素手勇者が国王様達を攫ったのだ!!
   それしか考えられん!!」

執事「しかしそんなことをすれば、今だ牢屋にいる老人殿と賢者殿は…」

神官「それもやつの狙いよ。あの2人は囮なのだ」

執事「そんなことが…」

神官「(まさか国王がいなくなるとは…思ってもいないチャンス
    ここで俺が徐々に手を伸ばしていけば…ふふふ)」


 ワーワー!!

     がやがや!!


執事「む?何やら外が騒がしいの…」

神官「なに?」




魔法王「執事ぃ!!」

執事「ま、魔法王様!?」

魔法使い「今戻りました。素手勇者も一緒です」

勇者「どーも…」

神官「!?」

神官「…っおい!貴様!!魔法王様を攫っておいてのこのこ帰ってくるとはどういう事だ!!
   魔導士達よ!!このものをひっとらえよ!!」

勇者「げっ…」

魔法王「やめろ!!神官!!
    素手勇者は何もわるくないぞ!!」 だきっ

勇者「!」


神官「ま、魔法王様…!なぜ素手勇者に…!!」

魔法使い「…この人が魔法王様の命の恩人だからよ。
     私も…ね」

執事「おお!なんと!!」

魔法王「こ、これは余の命令だ!!
    素手勇者を捉えようとするでない!!」

神官「い、いったいなにがどうなって…?」

あっ 入力し忘れてました。





 【 その日、長く行方不明だった魔法王と魔法使いが戻ったニュースは
   あっという間に国内に広がった。
   そして、二人を助けたのが罪人だった素手勇者だった事も…

   特に素手勇者に関しては、魔法がいの一番に大切だと信じきっている魔法の国の国民全員を
   驚きと賛美の声に分けさせた。

   なにせ、凶悪生ものと素手で渡り合い
   中央樹海からもう1人の仲間とともに、2人の少女を
   素手で守りながらきたというのだ!
  
   魔法を使う事が当たり前となってる世界で、それはそれで魔法王帰還とは別に
   多くの人の間で議論となった。 】



 【 素手勇者は無実の罪で解放された! 】

 【 老人と賢者も解放され、手厚い治療などを受けた! 】




【 次の日の朝 】


賢者「素手勇者さん、素手勇者さん…起きてください。
   もう夕方の16時ですよ?」

賢者「今日の夜は城でパーティなんですから起きてください!」

勇者「はっ!」

老人「おお、おきたか。」

勇者「あ、賢者さんにおじいさん…」

賢者「もうっこんなに遅く起きていては神様も自堕落だと注意してきますよ?」

勇者「(…たぶん、賢者を小さい時に助けたのってエルフのことだろうな)」

老人「わしらも、参加させてくれたぞい。
   あの魔法使い、えらく態度が変わったのお」

賢者「き、きっと無実の罪で疑いの目を向けた事を神様に反省しているからだと思います!」

勇者「(今思うと…夢のように感じるな……。館での出来事も、エルフとオークの村での生活も)」

勇者「………」

勇者「あっ…つーか賢者……髪の毛切られたんだよね、あのクソ女に
   生徒Aだっけ?」

賢者「ふえっ!?あ、あれはその…」

勇者「謝りにきた?あいつ。」

賢者「……いえ」

勇者「あの女…会った時にもう一度いてやる。」

賢者「勇者さん…私は別に……」

勇者「賢者、僕の信じる神様は
   他者を傷つけた人間は必ず謝罪して、心を入れ替えるように言っているんだ。」

賢者「素手勇者さん……」

勇者「さーてと、準備準備っと」

老人「わしらも着替えとかしないとの。」

賢者「……//」ぽーっ



凶悪生ものになってる


 【 その日、魔法の国の城では魔法王帰還と素手勇者を褒めたたえるパーティが開かれた。 】


 【 最初に魔法王のあいさつ
   魔物に攫われた事、素手勇者に助けられた事。
   自分の事よりも、何より他人を助けてくれるその気高さについて
   紙に書かれた言葉では無く、しどろもどろであったものの
   
   自分の言葉で精一杯に言っていた。 】


 【 その後、魔法使いからも同じように
   素手勇者への感謝の気持ちと、罪状への謝罪をだした。 】


 【 最期に素手勇者から簡単な一言であいさつは終わり、パーティがはじまった。 】



「すごいなー、あの素手勇者って人!!
 おれ、近くで見たけどマジで素手で戦ってるみたいだったぜ!!」

「私も見た!!すっっっごい筋肉であつくるしいかなって思ったけど
 好みのタイプだったから問題なし!!」

「ホントに素手で倒せるもんなのかよ、魔物をさ」

「そりゃ俺らが今まで魔法だけでやってただけだからじゃね?」

「普通素手でわざわざやる理由があるかねー?」

「わたし素手で戦ってみよっかなー」

「やめときなよ、ケガするよ。」

「魔法を使えるからいいじゃん、そんなことしなくても!」

「……いや、俺は魔法が使えなくなった時
 いつも逃げてばっかだった。あの素手勇者のように体を鍛えておけば」

「だから魔力がたくさんあれば問題なし!」

「でもすごいよなー、俺もきたえよっかなー」



魔法王「素手勇者?おなかがいっぱいなのか?」もぐもぐ

勇者「い、いえ!あまりにおいしくて…感激して。」

魔法王「ふふっそれはよかったぞ。」ニコ

勇者「(あーかわいいな。でも僕はロリコンじゃない)」

賢者「私たちまで誘ってくださるとは…」

老人「こんな機会滅多にないの…」

魔法使い「いえ…数々の無礼を働いてしまった事へのせめてもの償いです。」

魔法使い「本当に申し訳ないです」

賢者「そ、そんな…」

勇者「ほら、今はたくさん食べようよ。
   その話は後々」

賢者「だ、そうですよ?神様も行っております
   はい、ワイン飲みますか?」

魔法使い「あっ…」

賢者「うふふ」

魔法使い「…っ」

 【 魔法使いは微笑んだ 】

老人「(べっぴんさんじゃの~)」






【 1時間後 】 【 城内テラス 】




勇者「……あー涼しい。ここから街が見えるんだ。綺麗だな」

勇者「明日か明後日には、ここをでて東の国にでも旅立つか。」



魔法王「お~い、素手勇者ぁ~」 とことこ

勇者「おっ魔法王様。」

魔法王「探したんじゃぞ、急にいなくなるから。」

勇者「ああ、えっとちょっと風に当たりたくて」

魔法王「そ、そうか…」もじもじ

勇者「?」

魔法王「……勇者はこれからどこかにいくのか?」

勇者「ええ、東の国に行こうと思ってます。
   商業が盛んというので」

魔法王「さびしくなるの」

勇者「機会があったらまた来ますよ。」

魔法王「ほ、ホントか!?」

勇者「(正直微妙だけど…まあいいか)
   ただ随分先になりますよ?」

魔法王「べ、別にかまわんぞ。」

勇者「そうですか」

魔法王「……あのな勇者」

勇者「はい」

魔法王「私には将来夢があるんじゃ」

勇者「夢?」

魔法王「うむ、笑わないで聞いてくれるか?」

勇者「ええ、もちろんですよ。」

魔法王「素手勇者だからこそ話すんじゃぞ?」

勇者「ええ」


魔法王「……私はな、将来白馬に乗った王子様と結婚するのが夢なんじゃ」

勇者「な、なるほど…(ダメだ、笑うな…こらえろ僕)」

魔法王「おとぎばなしなんじゃが、私にはすごい魅力的なんじゃ。
    どんな魔物にも勇敢に立ち向かい、姫君を守って……」

勇者「いいんじゃないですか?
   きっとそういう人は必ずあらわれますよ、なんせこの世にはたくさんの勇者が…」

魔法王「もうあらわれたんじゃ。」

勇者「へ?」

魔法王「私を魔物から救ってくれて、しかも武器も持たずに素手で魔物に立ち向かい…」

魔法王「ちょっと違うけど、その者は最近白馬の魔物にまたがっておった。」

勇者「………」

魔法王「………」

勇者「…………」

魔法王「………」

 【 魔法王はその澄んだ一目で素手勇者を見つめる 】

魔法王「んっ……」

 【 魔法王は目をつむり、顔を上げ口をすこしだけ前に出す。 】


勇者「……………」


勇者「……………」

勇者「……………」

勇者「……………」

勇者「……………」

勇者「……………」

勇者「……………」

勇者「……………」

 チュッ


魔法王「あっ…」


 【 素手勇者は魔法王の額にキスをした 】


勇者「…えっと、時間を下さい。」

魔法王「…いいぞ。わ、私はいつでも待ってるからな!!」

 【 魔法王はドタバタと走りながら帰っていった…… 】


勇者「(僕はロリコンじゃない……あんなに可愛くて美しい子がいれば誰だって  
    誰だって……)」

勇者「…よし、寝よう」

勇者「明日になれば気分は戻ってるはずだ。」




【 勇者用の部屋 】



勇者「…………」

勇者「…………」

勇者「…………」

勇者「…………」

勇者「…………」

勇者「…………」

勇者「頭から魔法王の顔が離れない。」



 【 勇者が眠れたのは夜中の3時過ぎだった 】



【 魔法王の部屋 】

魔法王「ゆうしゃ~~~~…」 ぎゅううう

まくら「」








【 2日後 】 【 魔法の国 】




魔法使い「…まだ魔法はうまく使えないみたいなの」

勇者「きっとまた前みたいに使えるようになるよ。
   魔法王さまと一緒にいて、いつのまにかってのもあると思うし。」

魔法使い「ありがとう。……素手勇者も元気でね」

勇者「うん。そっちもがんばって」

魔法使い「ええ」

老人「素手勇者よ。これからも精進するんじゃぞ。
   お主の素手戦法はまだまだ伸びる。
   これはお主と出会えたお礼じゃ。」


勇者「これは…?」

 【 勇者は「命の木の実」「ちからの種」を手に入れた! 】


賢者「わ、私からもです!」

勇者「?」

 【 勇者は「ふしぎな木の実」「まもりのたね」を手に入れた! 】


勇者「これは…!?」

老人「食してみい。己の身体能力を底上げしてくれる魔法の食べ物じゃ。」

賢者「私の両親が東の国で、偶然手に入れたのらしいのですが
   私には必要ありませんし、勇者さんに食べてもらえれば…」

勇者「あ、ありがとうございます!へー!
   本で見た事ありましたけど本当にあるとは…じゃあさっそく。」

 【 勇者は木の実と種を4つ食べた! 】



勇者「お、おおおおっっおおおお~~~~!?」

 【 勇者の能力がぐーんとあがった! 】

勇者「ちからがみなぎってくる!…ような感覚がします。」

老人「この種はお主がこれからの旅で得るもののきっかけにすぎない。
   今まで通りでええ。」

賢者「あ、あの…!私も大賢者の職につけれるように勉強しています!!
   ゆ、勇者さんも将来はなにか大きな…」

勇者「そうだね…まずは北の国に帰る事かな。」

賢者「素手勇者さん…」

勇者「じゃ、そろそろ僕はいきます。
   色々とお世話になりました!」

賢者「お元気で…私の信ずる神様はあなたの旅の安全を願ってますよ」ニコっ

老人「またあうときはもっと体型がごつくなったりしていてな(笑)」

魔法使い「……あ、待って勇者。
     執事と一緒に何か勇者の役に立つものを
     城の宝物庫で探してたんだけど…」

勇者「え!?」

魔法使い「はい、コレ」

勇者「…かま?」

魔法使い「錬金釜よ。」

勇者「れんきんがま??」

魔法使い「うん。このカマにアイテムを2~3つ入れると
     瞬く間に、新しい道具に替えてくれるんですって。
     魔法の国に伝わる古い宝物の1つよ。」

勇者「ええええ!?そんな高価なものは…」

魔法使い「おねがい!」 ぐい

勇者「あー」

 【 素手勇者は「錬金釜」を手に入れた!! 】

勇者「……なら、ありがたく使わせてもらうよ!
   ありがとう!」

魔法使い「ふふ」ニコっ

魔法使い「あ、あとね!東の国に行く際に砂漠を通る事があるんだけど…
     素手勇者なら絶対大丈夫よね。相当鍛えてあるし」

勇者「砂漠か…」

魔法使い「一応、砂漠の前に村があるから詳しい話はそこで聞くと良いわよ。」

賢者「素手勇者さんなら大丈夫ですよ!きっと!!」




魔法王「ゆうしゃ~!!」 とことこ


勇者「げっ」

魔法使い「魔法王様!?今は式典の準備のはずじゃ…」

魔法王「ぜえ…ぜえ……素手勇者!
    もう行ってしまうのか!?まだ話したい事が…」

勇者「…魔法王様」

魔法王「…なんじゃ?」うるうる…

勇者「……また来た時に色々と話しますよ。必ず」

魔法王「勇者ぁ…」うるうる

魔法使い「泣かないでください魔法王様…必ず会えますよ?」

勇者「……じゃ、」

老人「気をつけての」

賢者「いってらっしゃい素手勇者さん」

魔法使い「本当に…ありがとう。」

魔法王「ゆうしゃー!必ず!!…待ってるぞー!!」



 【 素手勇者は魔法の国を後にした! 】



【 素手勇者は色々といい装備を手に入れた!
  ユニコーンの角も手に入れた!! 
  錬金釜も手に入れた!!

  そして勇者は、旅立ったときよりもだいぶゴツい体型になった!  】






勇者「あっ、食料もっと貰っておけば良かった。…まあいいか。」




【 魔法の国 外 】


勇者「さて、と。東の国にでも行ってみるかな。
   商業で盛んっていうし、お土産とか買えるかな?」



エーススライム「ピキー!!」

勇者「む?…そういやエーススライムと勝負するのもあったけど…」

エーススライム「ピキキー」

 【 エーススライムは身構えている 】

勇者「このヘヴィメたるグローブ重いんだよな…
   これつけてても軽いと思えるまで、エーススライムは後回しにするかな。」

エーススライム「ぴき?」

勇者「じゃあねー」

エーススライム「ぴ、ぴきー!?」

 【 エーススライムは置き去りにされた!! 】


【 数日後… 】
 

【 南東の砂漠前の村 】


 わいわい  
 
      がやがや






看板娘「砂漠を渡るなら、水をたくさん持っていった方が良いですよ!
    あと夜はすごく冷えるので、このマントも…」

勇者「結構必要なんだね。」

看板娘「そりゃ、砂漠には砂しかありませんからね。
    食べ物もほとんど手に入りませんし、魔物もいます。

    一応、砂漠にもオアシスを中心に村もありますが
    そういったところを目指せば、必ず東の村にたどり着けますよ。」

勇者「よし、わかった。 
   じゃあ、砂漠に必要なの全部下さい。」


看板娘「はーい」




【 在庫倉庫 】

看板娘「うわっあの人からもらったお金…半分くらい血とかでベトベトだ……
    かすかに魔物の魔力を感じる。」

看板娘「ってことは相当な数の魔物と戦ってるわね。   
    勇者様かな!?
    それなら砂漠越えも大丈夫みたいね」





【 店内 】

勇者「しかし、このドラゴンメイルって日差しの熱も
   抑えてくれるのか。体の中がひんやりしたままだ。
   よし、これも教訓だ!」


勇者「…あっ。せっかくだし、錬金釜で何か作ってから出発しよう。
   あとは砂漠に関する事もきかないと。」


勇者「よし、この村で1週間くらい止まってから砂漠に行こう」




 【 勇者は宿屋に向かった! 】




素手勇者の冒険はまだまだ続くぞ



つづく

>>902
あながち間違ってはいない…とおもう(笑)







【 翌日 】


勇者「この錬金釜にアイテム入れると、別のになるんだな。」

勇者「よし、適当にやくそう×2でも入れてみよう。」


【 やくそう×2を入れた! 】



 ピカッ!

勇者「!?」


 【 なんと! 上やくそうができあがった!! 】

勇者「うおおおお!!すごい!!なんだこれ!!
   初めて見たぞ、こんな釜!!
   錬金釜か…ありがとう魔法使い!!」


勇者「今2個いれたけど、3個入れたらどうなるんだろう…」


 ぼわんっ!


 【 なんと! いやし草が出来上がった!! 】


勇者「え!?これってオークの人達が部隊の子達の治療に使ってた薬草!?
   ……っへー、錬金すると簡単にできるもんだな。」

勇者「薬草×2とか同じもの入れると、より高価なものが出来るけど…」

勇者「はやてのリング×2とかどうなるんだろう。

勇者「……」

勇者「まだもったいないし、やめとこうかなー」














 ウオーーー!!


      いいぞーーーー!!!


   もうちょっとだ!!



勇者「なんか外が騒がしいな…なんだ?」



騎士勇者♀「さあ、これでおしまいだ。」

「ま、まいった…」



「すげー!10人連続で勝ってるぜ、あの女!!」

「か、かっこいい…!!」

「剣さばきが速すぎてよくみえなかった…」





「ち、ちくしょう…その宝石を手に入れられる所だったのに……」

騎士勇者♀「ふふふ」






勇者「なんですか?あれ??」

「お?今な、あの女騎士さんがおもしろいことやっててな。
 あの人と戦って、勝てたら綺麗な宝石くれるんだとよ。」

勇者「へー」

「1回100G。今10連勝してるから1000G溜まってるな。」

勇者「(ちょっとやってみようかな…
    このヘヴィメタルグローブになれるためにも。)」


騎士勇者「もういないのかしら?
     それならば、今日はここまで…」

勇者「あ!僕挑戦します!!」

「おお!いいぞー坊主!!」

「同じ剣つかいか!こりゃおもしろいぞ!!」

「騎士が黒剣で、坊主は白か!」

「うわー、あのひと顔の割には筋肉モリモリ…」

「あはははは」


騎士「む、よし。では100Gを渡してもらおう。」

勇者「はい。」

騎士「(魔物の血がついてるな…)
   確かに受け取った。ルールは…」

勇者「はい。」

騎士「殺してはダメ。相手に参ったと言わせるか、武器を奪う。それだけだ。」

勇者「はい。」

騎士「私に勝てたら…この宝石オリハルコンをあげよう。」

勇者「オリハルコン!?」

騎士「知っているか?」

勇者「いえ、初めて聞きました。高級な感じがしたので。」

騎士「…まあ高級だ。
   では剣を抜け!!」

勇者「いえ、僕は剣じゃなくて…



 【 勇者はヘヴィメタルグローブを構えた 】


勇者「素手で戦ってます」

騎士「…ほう、おもしろい。
   いざ勝負!!」


 バシュっっ!!!

勇者「う!?」 サッ  ギャギイッッ!!


 【 騎士の突きを、勇者は間一髪で避けた!! 】

 【 ドラゴンメイルに傷がついた! 】

騎士「(ほう、よけたか…。それに良い鎧を着ている。)」

勇者「…おらあ!!」   ボッッッ!!

 【 勇者は騎士に急接近!!
   回転しながら懐に潜り込み…殴った!! 】


騎士「ぬ!?」

 【 騎士は咄嗟に盾でガードした!!しかし… 】


 バキッッッバキバキバキ!!!

騎士「な!?」

勇者「うわっ」

 【 なんと、グローブは騎士の持っていた盾を粉々に破壊した!! 】

騎士「ぐおおっ!?」 ずざああっ!


 【 騎士はとっさに後ろに飛び退いて、膝をつく 】


 うおおおおお!!!


      すげーーーーーー!!

あの素手やろうなにもんだ!?

           どんな鍛え方してるんだよ!!


  いいぞ坊主ー!!やれー!!


勇者「よ、よし…盾は破壊した。」    

勇者「うおおおお!!!」  ボッッ!!

 【 勇者のせいけんづき! 】

騎士「おそい!!」 サッ

 【 しかし攻撃は外れた! 】


騎士「っしゃあ!!」 ブン!!

勇者「うおあ!?」 サッ  ギャギイン!!

 【 ドラゴンメイルに傷が付いた! 】

騎士「そらそらそらそら!!」 ザザザザザっっ!!

 【 騎士の連続突き!! 】

勇者「うおおおおっ!?」 ふんふんふんふんッッ!!


 【 勇者は上半身を捻らせたりして、騎士の斬撃をすれすれでよけていた! 】

勇者「(は、はやい…!攻撃できる隙がない!!)」

騎士「すごいのはパワーだけか!?
   スピードはこちらが上だな!!」

勇者「何を!?」 ボッッ!!

騎士「(大振りで隙がでかい……やつの動きが遅いか、あのグローブが重いか……)」

騎士「そこ!!」 どか!!

 【 騎士は勇者を蹴飛ばした! 】



勇者「うげええ!?」 ずででん!!

勇者「く、くそ…!(は、はやすぎてどうしよう!?)」

勇者「だおらああああ!!!」 ボッッッッッ!!!

騎士「!? 今度は速い!?」 シュン!!

勇者「(はずした!?)」

勇者「あっ」


 【 勇者の拳はグローブの重さで勢いを落とさず、地面に拳が命中した!! 】



 バゴオオオオンッッッッッ!!!! バキバキバキ!!!


勇者「いってえええ!?」

 【 勇者の拳は地面に突き刺さってしまった!! 】

騎士「…パワーだけは恐ろしいな。
   (危なかった…こいつ、とんでもないくらい鍛えてあるな。)」


 うおおおおお!!!

どうなってんだ!?
        
      なんてパワーだ!!

  あいつホントに何者だ!!



勇者「くっ」

騎士「さあ、拳を地面から抜け。勝負の続きと行こう。
   お前は久しぶりに楽しませてくれそうだ。」

騎士「そして私の速さに付いて来れるかな?」

勇者「くそっ…このままだと負ける!!
   でもこのグローブでの特訓にはもってこいだ…!!






   あれ?」




騎士「?」


勇者「…!!……ん~~~~!!!!ふん!!!」 ぐいっ ぐいっ


 【 勇者の拳は突き刺さったまま抜けない 】



勇者「………」

騎士「………」

勇者「……参りました。腕抜けないです。」

騎士「……ぷっ。あはははははははは!!
   何をやっているんだお前は!!!あははははははは!!」

勇者「だれかー!!抜くの手伝ってー!!」


 なんだよオイ!終わりかよ!!


ぎゃははは!おもしろかったぞ坊主!!


    おーい!だれかスコップ持ってきてくれー!!

   しかし、地面のひび割れがすごいなオイ。


勇者「はあ…このグローブを使いこなすには相当かかりそうだ。」

騎士「そうだな。とても重そうだ。」 

勇者「うん、重いんだ。」  ぐいぐい

騎士「ふふふ、勝負は私の勝ちだな。」

勇者「わかってるよ。」  ぐいぐい

 ズ~~~ボッッッ

勇者「あ!抜けた!!ありがとうございます!!」


 おうよ!つぎは気をつけろよー


 はーおもしろかった!帰るかな。


 お昼御飯は何にしよっかな…





騎士「ふう…宿代も溜まったし、私も帰るかな。
   ところでお前、名前はなんていうんだ?」

勇者「勇者だよ。
   あと皆からは素手勇者って言われてる。」

騎士「ほお…素手で戦ってるいるからか?」

勇者「まあね。剣は持ってるけど、貰ってから一度も使ってない。」

騎士「なんだって?…ふふふ。」

勇者「おかしい?」

騎士「いや、気に障ったなら謝ろう。」

勇者「そんなことないさ。」

騎士「……ところでどうだ?
   お昼を一緒に食べないか?お前に興味がわいた。」

勇者「そりゃどうも。僕もお腹すいたし行こうかな。」

騎士「(…………そんなに重いのかこのグローブ??)」


 【 騎士はまじまじとグローブをみた。 】





【 ルイーダの酒場 】


騎士「へー、北の国からね…」 ぐびぐび

勇者「うん、ずっと素手で戦ってきた。」 ぐびぐび

騎士「よくできるね。そんなこと。
   戦う時に色々不便じゃない?」

勇者「まあね。魔法もそんなに使えないし
   できるだけ相手の弱点見つけたら、そこを狙ってる」

勇者「…じゃないと大けがするもんでさ」 

騎士「ふふふ、ホントにおもしろいな。」 ぐび

勇者「最初の頃はスライムと戦うのも難しくて…」

騎士「うん」

勇者「それで力がついてきて
   バブルスライムと戦ったら、毎度全身返りスライムまみれ」 ぐびぐび

騎士「あはははは!」

勇者「森では遭難して毎日人面樹とかと戦ってたよ。」

騎士「あははははっ」

勇者「笑い事じゃないよ…遭難はもう嫌だ。」

騎士「それで、ここまで危ない目にあってきたんだろ?
   相当鍛えられる訳だ。
   剣相手に丸腰でよく突っ込んでいくよ。」

勇者「まあ髑髏の騎士とかキラーパンサーとかとも戦って
   刃物相手にも多少慣れた。」

騎士「キラーパンサーに素手で??
   …さすがの私でもそれは出来ないな。」

勇者「おっ、じゃあその部分は僕の勝ちだね」 ぐびっ

騎士「いーや、私も倒せるようになるよ」 ぐびっ

勇者「いーや、僕は素手でこれからも行くよ。」

騎士「それ別に普段と同じじゃん。あははははは!!」

勇者「はっはっは…」

騎士「あーおもしろっ
   なんか気が合うね。私たち。」

勇者「じゃあ、オリハルコン頂戴」

騎士「だーめ。私に勝ったら上げるよ。
   もちろん私はサーベル、あんたはそのクソ重たいっていうグローブつけての勝負で」 ぐびっ

勇者「おーし、やってやろうじゃん。 ぐびっ
   絶対かって、オリハルコンもらうぞ」ぐびっ

騎士「ふふふ~ん」ぐびぐびっ

勇者「うけけけ」ぐびぐびっ



ルイーダ「……」

ルイーダ「あんたらどうみても未成年よね!?
     ウチは未成年に酒はお断りよ!!さっさと金だけ払って出て行きな!!」

勇者「よ、酔いが醒めました。すみません」

騎士「うう~~気持ち悪い…」

ルイーダ「はやくしな!!」






【 村の宿屋 】


騎士「うえ~気持ち悪い~~」

勇者「はいはい。じゃあおやすみ」

騎士「おやすみ~うえ~」 バタン


勇者「はあ…同じ宿屋でよかった。
   僕だって酔ってるのに…」

勇者「寝よっと」

勇者「…う~ん遅いパワーでスピードに勝つにはどうしよっかな。
   オリハルコンも錬金釜で何かつかえそうだし……うーん」

勇者「…あっ!真空波とメラ使えば良かったな!!」

勇者「……」

勇者「ダメだ。周りの人に当たってしまう。」

勇者「……それよりも、はやてのリング装備してても避けるの大変だったな。」

勇者「あんまり装備に頼らないで足腰もやっぱ鍛えないとダメかな?
   それか装備しても慢心にならないとか…」

勇者「そういや、いつも上半身でさけてるなー
   今度は全身を使って避けるようにして…」

勇者「まあいいや、寝よう
   あの子と戦ってから砂漠に行けばちょっとは
   鍛えられるかな。」

勇者「ぐー…」




【 翌日 】 村


勇者「あれ、騎士さんいないな…」

勇者「あーそういえば、酒飲んじゃってたし二日酔いかな。」

勇者「よし、外でも散歩してこよう」





【 宿 】

騎士「うえええ…気持ち悪い……」

騎士「うえええええっっっ…」げろげろ




【 村の外  熱帯地域 】


勇者「暑い…」

勇者「なんか殺風景な場所だ。砂も多い。」

勇者「…ん?」

キメラ「くえー!!」

 【 キメラがあらわれた!! 】

勇者「なんだあの魔物!!」

キメラ「うしゃー!!」 ゴオオオオっっ!!

勇者「あっっつううう!?」


 【 キメラの火炎の息! 】


勇者「このやろう!!」

 【 勇者はとびかかって殴ろうとした! 】

キメラ「くえー!!」サッ

勇者「くっ!?速い!!」

勇者「メラ!!!」バババババババッッッ!!

キメラ「ぐえ!?」

キメラ「きええええっっ!!」

 【 しかし、あまり効いていない! 】

キメラ「ぼわあああ!!!」

   ボッボボボボボ!!!

 【 キメラはベギラマを繰り出した! 】
 


勇者「うわ!?うっそ!!こいつ火炎型なのか!?」

勇者「あちいいいいいい!?」

 【 勇者は怯んだ! 】

キメラ「くええええ!!」 ビュン!!

キメラ「くえ!くえ!くええ!!」 


 ガッガッガッガ!!

 【 キメラのつつく攻撃! 】


勇者「いた!?あが!?っぎゃあ!!」 ズテン!!

勇者「この野郎!!」 がしっ!

キメラ「ぐえ!?」

勇者「じぇらああああああああああっっっっ!!!」 ボ ン ッッッ



 ぶじっ


キメラ「」

 【 キメラは潰れた!! 】


勇者「あっ…がああっ!!痛い…痛い!!
   くそ!!この魔物…鎧が無い所をピンポイントに…くそっ!
   ホイミ!ホイミ!ホイミ!!」

勇者「…っふー。あー…痛みと出血はようやく消えた。
   速いし、空も飛んでるし厄介だな。 
   グローブ外したいけど、こういう状況でも対応できるようにならなければ
   いざって時に困りそうだし…

   もうちょっと散歩したら帰って筋トレしよう。」

勇者「しっかし、ホントこのあたらい草木が全然ないな…
   食料見つけるのも至難だぞ……」

キメラの死体「」

勇者「……」

キメラの死体「」

勇者「………」

勇者「……丁度いいや、こいつを持ち帰って料理できるか街の人にきいてみよう。」







ルイーダ「ちょっとアンタ!!店に何持ち込んでるのさ!!」

勇者「えっ キメラの死体ですよ。
   これって料理にでも…」

ルイーダ「ふざけないで!!!キメラの料理なんか出せる訳無いでしょ!!」

勇者「えっじゃあ食べれないんですか?」

ルイーダ「食べれるけど、ウチでそんな料理は出しませんっ!!」

勇者「いた!?いたい!フォーク投げないで!!」

ルイーダ「うっさい!さわやかマッチョがキメラの死体持ってきたの見て
     ビックリしてるのよこっちは!」

勇者「えー…」




【 街の空き地 】


勇者「メラ!

 【 キメラの死体は勢い良く燃えた! 】

 【 キメラの焼き肉が出来上がった。 】

勇者「………かじ」

勇者「!」

勇者「うまあああ!!
   これはすごい!!あんなハゲの鳥なのに、こんなにウマいのか!!」

勇者「これを売らないなんてあの酒場のオバサンは偏見持ちだなー」










勇者「ヘヴィメタルハンマーーーーーッッッ」    ッッ ボ ン !!

 【 勇者のせいけんづき! 】


騎士「大振りだぞ!!」 ザシュ!!

勇者「ぬあ!?」

 【 勇者のドラゴンメイルに、騎士の斬撃が入る!! 】

 【 一本! 素手勇者は負けてしまった… 】


勇者「くっそー……はやくておいつけないや。」

騎士「そのグローブを外してみたらどうだ?
   そうとう重そうだが」

勇者「外しても良いけどね、僕はこれをならしたいから。」

騎士「ふむ、そうか…。」

勇者「はあ…はあ…。一日中戦ってたし結構疲れた…。」

騎士「そうだな。私もヘトヘトだ。」

勇者「じゃ、またね。」




【 その日のよる 】


勇者「いやし草と、どくけし草って合成したらどうなるかな?」

 【 勇者は2つのアイテムを錬金釜にいれた 】



 ぼかん!!

勇者「うわ!?」

勇者「……失敗?合成できないと、アイテムは吐き出されるのか。」

勇者「……」

勇者「あっこれって、よくよく考えたらいいことじゃん!!
   無駄に使わないですむぞ!!おっしゃああ!!」


勇者「…食べ物も出来るのかな?」



【 翌日 】



わーわー

   きゃーきゃー





勇者「…外が騒がしいな。」





【 村 】 外



東隊長「…というわけで、砂漠にはエレメント系のモンスターがうじゃうじゃ出て来るポイントがある。
    1カ所にいるわけでもないので砂漠への道は、しばらく控えた方が良いです。」

村長「うむ、ありがとうございますじゃ。村のものにも伝えておきます。」

東隊長「ではこれより、我々はここで戦力の補給と人員の治療に当たります。」

村長「わしの家や、村の商品も存分に使ってくださいな。
   やけどの酷い方もいるようで…」

東隊長「ええ、エレメント系の


東勇者A「くそ!魔力さえあればあんなやつら!!」

東勇者B「物理的な攻撃が効かないなんて反則よ。」

東勇者D「あー…おれ、魔法の勉強しといて良かった……」


勇者「……うおっ 東の勇者部隊?
   結構ケガしてる人が多いな…」


勇者「こんちは。ホイミ入ります?

東勇者F「あ、どうも…」

勇者「ほいみほいみほいみー」

東勇者F「まあ…ありがとうございます。」


勇者「さっきエレメント系がなんとかって聞いたけど   
   ここから先の砂漠には強いモンスターがいるの?」

東勇者F「はい…、砂漠の中間辺りで「フレイム」「メラゴースト」などの
     エレメント系のモンスターに出くわして…」

勇者「エレメントモンスターか…」

東勇者F「物理攻撃が効きにくいんです…
    幸い、この部隊にいる人達の半数以上は魔法が使える人がいるので
    なんとか、大事に至らずにすんだのですが…」

勇者「相当辛かったみたいだね…
   70%くらいの人がケガしてるじゃないか。」

東勇者F「お恥ずかしい限りです。勇者の素質があるのに、このざまです…。」

勇者「そんなことないと思うよ。
   無事にここまでこれたんだし。」

東勇者F「やさしいのですね。」

勇者「そう?まあ僕も勇者だけど。」

東勇者F「まあ…」

勇者「じゃ、もう1回ホイミかけとくね。それじゃ」

東勇者F「…本当に優しい方。」





【 村長の家 】

東隊長「…砂漠越えは1人でするのには辛いぞ。
    たとえ、君が素手でここまで来たのが本当だとしてもだ。」

勇者「マジですか。」

東隊長「うむ、勇者が何十人も揃ったと言っても結局は肩書きだけの身分。
    それでも大人数でさえ砂漠越えは辛いのだ。」

勇者「うーん…どうしようかな。」

東隊長「ルイーダの酒場で、仲間をあつめるのはどうだ?
    私の出身国は商業で盛んだし、なにより部隊以外にも多くの勇者の素質を持ち
    冒険者として旅をしているものもいる。」

勇者「そういえば、そうでしたね。勇者の数ってかなり多いですし。」

東隊長「うむ。では、君の旅に神の加護があることを…。」

勇者「はい。どうもありがとうございました。」




【 村の外 】 魔法の国方面


騎士「では、私もいくとしよう。」

勇者「うん、元気で。」

騎士「…短い間だったが、お前に会えた事を忘れないよ。」

勇者「恥ずかしいな。」

騎士「ふふふ。では達者でな。」







勇者「……」

勇者「……酒場に行くかな。」







ルイーダ「ふーん、砂漠を越える仲間探しね。」

勇者「お願いします。」

ルイーダ「まあアンタ随分と鍛えてるようだし、素手勇者ってのもウワサで聞いた事あるからね。
     …とにかく2階にいってきな。
     同じように仲間募集の勇者様達がいるよ。」

勇者「ありがとうございます!」






ルイーダ「……ま、なんとかなるでしょ。」






【 ルイーダの酒場 2階 】



「おい!今のいかさましたんじゃネーのか!?」

「あ!?文句あんのかコラ!!このゲロンちょ!!」

「んだとコラーーーーーーーーーーー!!!!」

 ぎゃーぎゃー

      いいぞー! やれやれ!!



勇者「うわあ…」


遊び人「いらっしゃーい。なにか食べるー?」

勇者「あ、じゃあ…このパンサードイッチを」

遊び人「はいはーい♪ちょっと待っててねー」

勇者「……(すごく散らかってるな、2階)」



「おいこらあ!!なにガンつけてんだテメエ!!」

「あ!?自意識過剰なんじゃねーのかオイ!!」

「俺は勇者の素質を持ってるんだぜ!?俺と勝負するか!?あ!?」

「やったろーじゃんオイ!!」



 ぎゃーぎゃー!!
       
        わーわー!!

   きゃーきゃー




勇者「(こんなところにいるのか?仲間になってくれる人…)」

勇者「(はあ…こんなことなら騎士さんに……あ、ダメだ。行く方向が違う…)」




 ぽすっ


勇者「ん?なんだ…?」


ゴミ「」

勇者「なんだこれ…?」


 【 勇者はゴミが飛んできた方を見る 】


 ぎゃーぎゃー
  
    わーわー

 わいわい
       
       がやがや


勇者「…?」



遊び人「おまたせー♪」
 
勇者「どうも。……おいしいな、コレ」

遊び人「でしょー?」

勇者「うまいうまい」







 ぽすっ 

 【 勇者の背中に何かが当たった 】


勇者「ん?」

ゴミ「」

勇者「うわっまたかよ…」

勇者「だれだよ…」


 わいわい


     がやがや



不良勇者A「ん?なにか用ですか?」

不良勇者B「…なに?」


勇者「…いえ、別に。」

勇者「(騒いでるから、何か飛んでくるんだろ。きっと)」

勇者「もぐもぐ…」

勇者「もぐもぐ……」



 ポスっ


   ぽすっ


ぽすっ


         くくく…


 ふふふ…



勇者「!」  がたッ!

 【 勇者はカウンターから勢いよく後ろを見た 】

勇者「おい!明らかに僕に当ててただろ!誰だ!?」

勇者「……」


 

 し~ん……




 し~ん


勇者「おい、もう全然騒いでないじゃないか。
   てことは明らかに僕に向かってゴミをぶつけてたよな。」

不良勇者「ごめんごめん。君のすぐそばにあったゴミ箱に捨てようとしたんだけどね…
     あたっちゃった♪」

勇者「なに?」

金髪勇者「ねーねー君も勇者かい?」

勇者「…そうだけど?」

金髪勇者「おー!ってことは、これから砂漠とかにいったりするの?」

勇者「そうだよ。それでここに一緒に行ってくれる仲間を捜しにきてたんだけど…」

不良勇者「へー、偉いねー。おれ感心しちゃうよ♪」


 ねえ、すごい筋肉じゃない?

 うん、ゴリラみたいー
  
    かおはそこそこかっこいいのにねー

 でも不良クンにはかなわないよー


不良「ははは、照れるな」

勇者「………」

不良「まあ…その、ゴミ当てちゃってごめんね♪」

勇者「………まあ、いいよ。」







金髪「ボソ(ぷくく…)」

不良「ボソ(なんだよアイツ、だっさ(笑)今時あんな格好とか…wwww)」



勇者「…………」





勇者「……」


 ぽすっ


勇者「………」

勇者「………イラっ」



   ぽすっ


 ぽすっ

     ぽすっ



   ぽすっ





勇者「おいッッッッ!!!!!」

不良勇者「は?なに??」

金髪勇者「大声だすなよ。うっせーなー」

ホスト勇者「うっざ…なにこいつ……」

ギャル勇者「あはははは!それはいいすぎー★」


勇者「ゴミくらい、自分で捨てにいけよ!!
   聞いてるのか!?」


不良「ちっ…うるせーなー……
   あとで捨てにいきますよ。後で。」

勇者「あ!?おい、お前ふざけてるのかよ。」

不良「は?」


   


金髪「もーなに??」

ホスト「つーかオレたち勇者に何か用ですか?勇者さん」

勇者「おまえら、僕にゴミを投げつけてきただろ。」

不良「だからそんなことしてませんて」

勇者「ふざけるなよ。明らかに狙ってただろ。」


「じゃあ、証拠みせてみろよー」

「遊んでるのにじゃまするなよーボケカス」


勇者「なっお前ら、さっき喧嘩してたはずじゃ…」

不良「昨日の敵は今日の親友?ってやつですよwwww」

金髪「おれたちマジ親友なんで」

「ぎゃはははははは」


遊び人「ちょっと…」

勇者「おい、とにかくな。ゴミは自分で捨てにこいよ。
   仮にも勇者だろ?」

不良「はあ?だから証拠ですよ。証拠。」

勇者「証拠?」

不良「俺らがゆうしゃどうこうじゃなくて証拠が無きゃ意味ないじゃないですか
   勇者以外の人でも証拠があるなら、そいつが犯人ですよ。」

勇者「……きみらのなかで僕にゴミを投げたのは誰だ!?」





   し~ん…



 くくく…

    ぷっwww


勇者「……イライラ」

不良「まあ落ち着いてくださいよ。勇者さん。」

勇者「おまえか?」

不良「あ?」

勇者「お前がぶつけたのか?さっき声がちょっと聞こえたぞ。」

不良「はあああ?」

これにて本日は終了。
次スレ立ててきます。

あとこっちは適当に埋めちゃってください。


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勇者「 最終的に頼りになるのは自分の力だ」2 - SSまとめ速報
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です。たぶんこの2で素手勇者は終わりだと思います。
丁度物語は半分過ぎたので

とりあえず埋め。

余談ですが、最初サキュバスの話は自分で書いてても「長いな…」と思ってました。
そんで色々削ってできたのがあれでした。
でも読み返してみても長かったです(笑)

ついでに、出て来るキャラに某男卑女尊学園アニメをイメージして出したのもいます。

埋め

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