上条「白いワンピース」(891)


・よくある上条さんタイムスリップネタ
・インデックスは最初学園都市ということを分かりながら逃げてる
・口調とか全然わからなかったんだよ

あと、地の文が書くのも読むのも苦手なのでなるべく少なくしてますが、それでもあります。こいつ文書くの下手だなーくらいに思っていただければと。

今日は導入部だけなので少なめ
矛盾点みたいなのあったらどしどし言ってください。

では

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1349278514


あれ、ここは……?

……冷たい、寒い。



ああそうか、助かったのか、インデックス……


もうちょっとだけ待ってろ。


すぐ…会いにいく……からな………。








とうまとうま!

(ああ、なんだ?)





お腹いっぱいご飯を食べさせてくれると嬉しいな



私の名前はね、インデックスって言うんだよ?


(? どうしたんだインデックス?)




……、けど。魔術はあるもん

追われてたからね



(そっか……そいつらぶっ飛ばしに行かないとな)





神裂火織、と申します


彼女は、大切な親友、なんですよ


(!? これは……)



警告、第三章第二節。

侵入者の迎撃を優先します。

(俺の)





『聖ジョージの聖域』を発動、侵入者を破壊します


ーーFortis931
ーーSalvare000

(俺の、失った記憶……)






ーーー助けて、とうま。


警、こく。最終……章。第、零ーー……。『 首輪、』致命的な、破壊……再生、不可……消


ーーーありがとう、とうま。


(よかった、俺は、俺は……)









インデックスを助けられたんだな。





とうまとうまー?

(今度はどうしたインデックス?)


またとうまはどこか行ったのかな?

全くとうまはいつもいつも……








はやくかえってきてよ、とうま……

私にも相談してほしいんだよ


……心配、なんだから





とうまの幸せが私の幸せでもあるんだよ?
とうまの不幸は私の不幸かも……


"インデックスは、とうまの事が大好きだったんだよ?"

今回は、けが、してないといいな……




(悪い、インデックス……)







(必ず、帰る)



今日は以上で終わりにします。

そんなに長い話ではないので今回を含め、8回程に短く分けて投下します。

ただ今回(1回目)、2、4、5回目はさら短いです。

その中でも今回は一番短いので2、4、5回目はもうちょいながいかなーながいといいなーと。

んじゃまた時間あればすぐにでも投下します。

おお、これは期待

行間(の行数)をもう少し考えてみるとどうだろうか。

でも内容は気になるので、がんばれ

期待

>>17
指摘ありがとうございます。
行間がやたら空いてるのは今回だけです。
異空間みたいな感じを出したかったので。


今日はお昼過ぎに投下します、多分

IDころころ変わっちゃうんだよ

期待しちゃうんだよ

どこかで呼んだことあるんだよ

>>22
公開するのは初めてかも
タイムスリップネタが結構あるからそう思うだけなんだよ


もうちょっとしたら投下するね



prrrr……

ん……

「ふわぁ…誰だよこんな朝に」pi

「もしもしー?」

起こされたことによる不機嫌を隠さずに俺は電話に出た。



「か、上条ちゃん!どうしてそんなに怒ってるのですかー?」

「あれ、小萌先生?どうしたんですか?」

「上条ちゃんはバカだから補習だといってたのですよー。もしかして忘れちゃったのですかー?遅刻しちゃいますよー?」

「……は?」

そこで俺は違和感に気づく。
あれ?何故に夏用のパジャマを来てるんだ?

「全く上条ちゃんは……。夏休み初日からそんなんで大丈夫なのですか?」

夏休み……初日………?

「せ、先生!必ず後から補習は受けるんでちょっと今日は休ませてもらいます!」

「何か用事があるのですか?」

「はい、まあちょっと……」

「はあ……わかったのです。何かあったら先生に相談するのですよー?」

「はい、分かりました、ではまた」pi



ふう……って、え?
俺は確かインデックスを助にいって…

そうだインデックスは!?
と、とりあえず土御門に連絡するか……


あれ?連絡先に全然知り合いが登録されてないぞ?
まあとりあえず掛けてみるか。


「もしもし? どうしたかみやん?」

「なあ土御門、ちょっといいか?」

「? まあいいぜよ」

「去年の11月から約9ヶ月半の間俺は何をしてた?」

「何って去年のかみやんなんて俺は知らないにゃー」

……はい?

「いや、すまん、ありがとう。んじゃまた」



とりあえず整理しよう。
まず俺はインデックスを助けにフィアンマを倒して、そんで北極海に落ちて……

俺の記憶が何故か戻ってきて、インデックスを不安にさせてたことが分かって。

そんで小萌先生から電話。


……いやいやいや、いろいろとおかしい。


で、土御門によると今俺らは高校1年生。
俺がフィアンマを倒したのが高校1年生の10月30日。

今は高校1年生の夏休み初日。



「はあ……不幸だ………」

とりあえずタイムスリップしたってことでいいのか?

あんまり驚かないってとこに今までの生活が出てる気がする……



いや待て。今日は夏休み初日。学園都市でその日は確か7月20日。

取り戻した記憶によると夏休み初日は……



「なるほどね」

もう一回チャンスが貰えるってことか。
不幸だー、ともいってらんねーな。

……よし。


そして俺はベランダへ出てそこで気を失っている少女に声をかける。








「よう。おかえり、インデックス」


その日はただ暑く、白い少女がとても眩しかった。




自分でも思うほど投下数少ないんだよ……

期待してる


ここから上条さんがどう動くか気になる

期待






白い少女の綺麗な指先がピクンと動いた。




「よう、起きたか?」

「あれ、ここはどこ?」

「俺んちのベランダ。お前がここで引っかかってた」

「そ、そうなんだ。とりあえずおなかへった、おなかいっぱいご飯を食べさせてくれると嬉しいな」

「ああ、待ってろ。とりあえず入れよ」

「ありがとう、君、優しいんだね」

「い、いや別に……」

インデックスにこんなことを言われたのはいつぶりだろう。
ちょっと恥ずかしい。

そんなことを思いながら台所へと向かう。




「……あ」

そういえば昨日は御坂が雷落とした日なんだっけ。
確かこの頃はビリビリって言ってたなー、なんて。

「どうしたのかな?はやくしてくれると嬉しいかも」

「あー、悪いインデックス。昨日御坂が雷落としやがってさー。冷蔵庫の中身全部駄目になってるわ、ほんとすまん」



「………」

「? どうした?」

「……君も魔術師なの?」

「は?なんで?」

「私の名前……なんで知ってるの?」

「あ……」

これは……
どうする、俺。




……まあいっか、インデックスに対して秘密を持ったらまたインデックスを心配させることが起こるかもしれないんだ。


だから……

「大事な話があるんだ、インデックス」

「うん……」

俺は話す。たとえ信じてもらえなくても。

wwktkしてます

妹達も早く助けてやってくれ

こんちはー

上条さんは未来を知っているだけにとっても余裕があるのでだいぶじれったいしゃべり方したりします

自分でも
あ、うぜって思うことたまにあるけど気にしないで欲しいんだよ

このSSの一番のキャラ崩壊は上条さんかも
その次は多分インデックスかな

投下します




「まずはお前から自己紹介してもらおうか」

「え? 知ってるんじゃないの?」

「ん、まあ自己紹介は大事だろ、一応初対面なんだし」

「分かったんだよ。私の名前はインデックス。見ての通り教会の者です。ちなみにイギリス清教のほうだね」

「そして魔法名はDedicatus545だね」

「そうか」

「で、君は何なのかな?」

「俺は上条当麻。普通の高校生だよ」

「全く納得出来ないんだよ……。科学の街で何で魔術って聞いて驚かないのかな?やっぱり魔術師なの?いや、この街で魔術のことを信じてもらえることはありがたいんだけどね」

「だって俺のほうがもっと信じられないこと体験してるしなあ」

「それはなにかな?」

「えーと……、そうだインデックス。お前の持ってる10万3000冊の魔道書の中には時間を移動する魔術みたいなのはあるの?」

「う……ほんとに君はどこまで知ってるのかな? 時間を移動する魔術も似たようなのはあるみたいなんだよ。こんなの出来る人がいるとは思えないけどね」

「そっか……。じゃあ言うぞ?」

「はやく言って欲しいかも」



「俺、タイムスリップして来た」

「……」

「何だよその目は」

「いきなりタイムスリップって言われて信じる方がおかしいんだよ!」

これじゃいつかと立場が真逆だ、はは。

「つってもなあ。魔術もそうそう信じれるもんじゃねーだろ」

「それはそうかもしれないけど……」

「じゃあ何か証拠見せたいんだけど、何がいい?」

「じ、じゃあ私が何でここのベランダに引っかかってたか当ててほしいんだよ!」

「そんなんでいいのか? うーんと、まずインデックスは魔術結社の連中に追われてる、そのお前の魔道書を狙ってな。そこで逃げる為に屋上から屋上へ飛び移るはずだったお前は飛んでる最中に撃たれた。それで落っこちてここに引っかかった。無事なのはその『防御結界』のおかげ。どうだ、何か違うところあるか?」

「すごい……全部あってるんだよ」

「だろ? でもな……」

「どうしたの?」





「魔術結社がお前の魔道書を狙って追っかけてるってのは嘘だ」




「なっ……!でも本当に」

「ああ、追われてるのは分かってる。ただそれがお前の魔道書を狙ってるわけではないってことだ」

「じゃあ何を狙ってるのかな?」

「狙ってるんじゃない、お前の為なんだ」

「何を言ってるのかよく分からないかも」

「……それは今日の夜、そいつらと話をしに行くからその時にしよう。少しだけ言うとお前の記憶喪失に関係がある」

「!? ……分かったんだよ」



「さ、この話は終わりだ。インデックス、お前お腹減ってるだろ? 俺も朝食ってねえし飯にするか?」

「そ、そうだ! そんなこと全然忘れてたかも! はやくご飯にして欲しいんだよ、ええと……」

「とうま。お前にはそう呼ばれてたよ」

「そっか、とうま。とうま……、へへっ、呼びやすいかも!」

「そっか、それはよかった。早速で悪いんだけどさ、ご飯、何もねえからちょっと待っててくれるか?」

「ちょっ、とうま!? 今とうまがどっかいっちゃったらまた魔術師がくるかも!」

「あー大丈夫大丈夫。隣行くだけだし。そいつならいろいろと信用出来るし、いろいろな」

「そっか、じゃあいってらっしゃい、とうま」

「ああ、いってきます」

俺にとってはいつものやり取りをし、家を出る。




「……うおっ!」

「よーす」

「なにしてんだよお前」

「上条当麻の部屋から女の声が聞こえたからなー。面白そうだから聞いてたんだぞー。何を喋ってるかは全く聞こえなかったから家入ろうと思って玄関に来たら上条当麻が来たって訳だー」

「なんだよそれ。そうだ、舞夏。お前今何か料理出来ない?2人分の……いや、4人分の昼ご飯作って欲しいんだけど」

「おーそういうことなら任せろー。今日は兄貴が居なくて暇だったからなー。ちょっと待ってろーすぐ作ってくるからなー。でも何で4人分?」

あいつはまた仕事かな?
……って補習だっけ。
うわー嫌なこと思い出した。

「ん、まあ俺もそいつも朝も食べてなくてお腹減ってるからな」

まあインデックスが3人分なんだけどな。

「そっかそっかー。じゃあ30分待ってろー、すぐ作ってくるからなー」

「30分で出来るのかよ、はえーな。まあ30分たったら取りにいく」

「んじゃーまたあとでなー」

「ああ、じゃ」

そういって俺らはそれぞれ部屋へ戻る。
30分したらちょうどいい時間かもな、なんて考えながら。




「ただいまー。おーいインデックスー。あと30分たったら美味しいご飯が届くぞ」

「それは楽しみかも! でも30分は長いんだよ……」

「じゃあその間俺のことでも話すか、話し忘れてたこともあるし」

「それがいいかも」

「じゃあ部屋に戻るか」

そんなことを言う。近付いてきたインデックスの頭を"左手"で撫でながら。



これで前回の投下が終わりなんだよ
今回の投下もちゃんとするってことで許して欲しいんだよ


>>41
妹達は何かしらの都合で原作通り10032号が助かる予定です。
何かいい理由があったら言ってくださるとありがたいです。

予定は未定かも。




「さて、もう一個信じれない話するぞ」

「もう何がきても驚かないんだよ」

「実は俺、超能力や魔術が効かないんだ」

「……え?」

「いや、この右手だけどな、それは」

「え?……え?効かない?何で?」

「何でかは知らない。でもこの右手だけは効かないんだよ。お前のその『歩く教会』も壊れるぞ、やってみるか?」

「やらないんだよそんなこと! というか本当に不思議だね、とうまは」

「俺でも不思議だよ。ああだから俺の右手にはあんまり近づかない方がいいかもな」

「そ、そうさせてもらうんだよ」

「よし、じゃあ今日が終わったらお前の服買いに行くか」

「え、なんで?」

「だって俺の右手があるかぎりお前俺に近づけないだろ?」

「いやいや、そうじゃなくて。何でそこまでしてもらえるのかな?」

「だってお前ここに住むことになるし」




「……え? それは本当に?」

「ああ」

「ということは」

「……?」

「私の『歩く教会』、壊したこと、あるんだね……」

「……すいませんでした」

「まあ私だけど私じゃないから許すんだよ」

「そ、そうか。でもなインデックス。俺がそれ壊したの今日だぞ」

「? 壊れたらどうなるの?」

「そりゃ木っ端微塵に……」

「!?……///」

「……とうま?」

「……はい」

「それは私に言わなくても良かったんじゃないかな?」

「……その通りでございます」

「まあいいんだよ、これでどうせその機会は潰れたんだからね」

何回も見ました、なんて言えるわけもなく。

「じゃあ舞夏に服も無いか聞いてくる、いい匂いもしてきたしもう飯も出来るだろ」

「うん、そうしてもらうんだよ。いってらっしゃい」

「ああ」




そうして俺は隣の部屋を開ける

「舞夏ー、出来てるかー?」

「あとは米が炊けるの待つだけだー」

「そっか、悪いな。ところで舞夏、お前この家に服とかない?」

「数着だけならあるけど、どうしたんだー?」

「いや、うちのやつの服をさ、明日買いに行こうと思ってるんだけどさ、今日の着替えがなくて良かったらかして欲しいんだ」

「おー、そういうことなら持ってけー」

そういって渡されたのは、真っ白なワンピース。

「何から何までありがとな」

「いやいや気にしなくていいぞー」

「そうか」

まあお前の兄貴にはこれからいっぱい無茶振りされるからな、これくらい許してもらおう。




「さあインデックス! 飯だぞー!」

「わー美味しそうなんだよ!はやく食べたいかも!」

「並べといてやるからその前にこの服に着替えて手洗ってこい」

「……」

「どうしたんだ?」

「手洗ってこいって言われてもどこでどうすればいいのか分からないんだよ」

「あ……、そうだな。洗面台はあっちだ。使い方は分かるな?」

「分かった。使い方はあやしいかも」

「じゃあ俺と一緒に行くか、インデックス」

「うん!」




もう二度と記憶を失ったりなんかしない。
インデックスを悲しませる訳にはいかない。
今度は俺自身も含めてインデックスやその周りに手を差し伸べる。



何気ない幸せの一部を噛み締めながら、そう誓う。




今回分は以上!

次回もこれくらい短いです。

その次は普通かなって感じです。

安心して待ってられるな
乙!

乙乙!

乙~

>>50
そこはほら、手違いとかで繰り上げちゃえば……
あるいは上条さんと会うのが10032号で影響受けて若い番号の子のところに乱入しちゃうとか?
実際この時点で現在進行形で進んでるからインデックス関連終わったら
速攻で助けに行くほうが上条さんらしいんだよね

>>59
まあ上条さんならインデックス関連終わったらすぐ助けに行くでしょうね。


08/15 9982と御坂接触(超電磁砲)
08/20 10031,10032と接触
08/21 10032と接触、10031は死亡

でいいんですかね?原作の時間って

もしあってるなら7/20,21,22あたりって何号くらいなんだろ?



今日もしばらくしたら投下させて頂きますの。




今日中には来る予定(いつ来るかわかんない)
上にもある通り短い
ではまた後でー



いきますのー



「おいしいんだよ!」

「確かにうまいな、さすが舞夏」

「そのまいかっていう人はとうまの彼女か何かなのかな?」

「いやいやそんなことないですよ、インデックスさん。上条さんは全然もてませんからね。あいつは兄貴にべったりだよ。兄貴はあいつにべったりだしな」

「ちょっと変わってるんだね」

「まあ兄貴の方はだいぶ変わってるな、うん」




「あ、そーいや彼女とかで思い出したんだけどさ」

「うん?」

「俺は普段から不幸な目によくあうんだけどさ、前インデックスがこの右手のせいだ、とかいってたなー」

「それは私もそう思うんだよ。神様のご加護とか、運命の赤い糸とか。そういうものがあったとしたら、とうまの右手はそういうものもまとめて消してしまってるんだと思うよ?」

「やっぱり何回聞いてもそれ聞くのはショックだな……。ところで運命の赤い糸ってのは右手にしか結ばれないのか?」

「まさかそんなことを聞かれるとはね。それについては何とも言えないけど、それがどうかしたの?」

「俺の右手は神の奇跡(システム)だって打ち消せるんだ。もし右手にしか結ばれないなら、そんなシステムぶっ壊して左手に結んでやるよ」

「とうまはやっぱりむちゃくちゃだね」

「な、なにをー!」

「ふふっ」

「……それに、」

「ん?」








それに、きっと俺の運命の赤い糸はきっと繋がってる。
俺はお前と会うためにこの世界(かこ)に来た。今ならそう思える。




「いや、なんでもないさ。食べ終わったんなら皿洗うから台所にだしとけよー」

「うん、分かった。あっ、やっぱり手伝うんだよ」

「……まじ?」

「まじも大まじかも! そんなこととうまにだけさせるのは悪いんだよ」

「インデックス……」

「じゃあ2人で洗うか!綺麗にしないと舞夏に怒られるからな」

「それは大変なんだよ!ちゃんと洗わないと!」

「じゃあちょっとずつ家事もやっていくか、ちょうど夏休みだし今の間に覚えて学校が始まったら1人で出来るようになろうな?」

「了解なんだよ!期待して欲しいかも」

「ああ、期待せずに期待しとくよ」

「ひどいっ! 何でそんなこというのかな?」

「えー、だってインデックスっていったらなあ……」

「私っていったら?」

「よく食べる、わがままばっか、手伝わない、ごろごろ。いわゆるニート」

「我ながら酷いかも……。とうまはそんな居候を抱えるなんてやっぱり変なんだね」

「まあ俺だって好きでやってることだしなあ。まあインデックスが手伝ってくれたら嬉しいな、くらいには思ってたけどな。おかげで上条さんの家事スキルはそこら辺のやつには負けませんよ」

「私はとうまを楽させてあげられるようがんばるんだよ」

「ありがとな、インデックス」

そういって俺は"右手"でインデックスの頭をなでる。

インデックスに触れることの出来るしるしとして、その感触を確かめるように。



いじょー、短くてごめんなんだよ


これ所々に原作の文章持ってきてるからそれを探してもらうのも面白いかもしれないんだよ





次回は短髪が登場するかも


ちなみに妹達はどうするか決めたんだよ

インさんもっと身の危険感じてもいいんじゃないか…?
保護者経験有りだとしても上條さんバリバリの男子高校生だぞ

乙~
インデックスはそのへん危機感薄いから……
上条さんは今はもう菩薩の如く俗なもの(性的なもの)は無くなってるし




投下します。
上条さんが自分の能力に自信を持ちはじめ、強くなっていく回です。
強くなるのに比例するように憎たらしいキャラになっていきます。




遅れてすいません。
http://i.imgur.com/WsV9S.jpg


ではいきまーす










……絵うまくなりたい。




なんやかんやで楽しい時間は過ぎるのが早い。
家の中の器具の場所や使い方を一通り教え終わった頃には日も暮れかかっていた。
ちなみに風呂と洗剤のことはより詳しく教えた。

「そろそろ晩飯の時間だな」

「何を作るのかな?」

「いや、材料がないから今日は外食してその帰りに買い物して行こうかなと思ってる」

「そっか、初めてなんだよ外食なんて」

「……そうだよな。これからは何回もとは言えないけど連れていってやるからな」

「分かったんだよ!」

「よし、じゃあ準備しろ。とりあえず『歩く教会』に着替えとけ」

「……? 分かった……」

>>70
教科書や参考書の解説キャラには丁度良いよ



「「じゃあ、いってきまーす!」」


「インデックス、途中何があっても離れるなよ? 絶対だ」

「とうまは過保護過ぎるかも」

「いや、今夜は魔術師とも話する予定だからな」

「そういえばそんなこと言ってたかも」

「おいおい、大丈夫か? お前の完全記憶能力」

「む、バカにしないで欲しいんだよ」

「はいはい」

「……じゃあとうま、手繋いで?」

「ん」

インデックスの右手と俺の左手が繋がる。
ふと下を見ると、仲の良さそうな2人が手を繋いでいた。

それを見て思わず微笑む俺。


後ろからの敵の視線に気付かずに。




「こっちはいろいろ悩んでるのに何仲良く手繋いどんじゃー!」

「とうま後ろ!」

「おう!」

そういって後ろに右手を出すと見覚えのある青白い雷が飛んできた。

「うおっ」

当然のようにそれは消える。

「全く毎回毎回ムカつくわね」

「はあ……なんだビリビリかよ」

御坂でよかったと思う反面、この場面で出会いたくなかったとも思いながら、思い出した懐かしいあだ名で呼ぶ。

「だから私には御坂美琴って名前があるっつってんでしょうがゴルァー!」

そういってまた電撃を飛ばしてくるあいつ。
俺だけならまだいい。
『歩く教会』を着ているとはいえ隣にはインデックスがいる。
それなのに電撃を放った御坂に少し腹が立つ。




「また勝負かービリビリ」

「あの短髪は誰なのかな?」

「あいつは毎日のように電撃を飛ばしてくるビリビリさんだ」

「ふーん、そうなんだ。よろしくね、短髪」

「短髪、ビリビリ……アンタらはー!」

御坂が帯電を始める。

「はいはい悪かったな御坂。で? 悪いけど勝負はまたにしてくれ」

「出来るわけないでしょ!? 今日こそは勝ってやるんだから!」

「はあ……不幸だ…」

「で? その娘は誰なの?」

「ん? こいつか? んーまああれだ」

「あれで分かるわけないでしよ!? はっ、まさか誘拐? アンタはぁー」

「どこに仲良く手繋いでる誘拐犯がいるんだよ」

「説明してくれるまで帰らないわよ!」




どうやら御坂はこれで勝負か事情を話すかどちらかを選べということみたいだ。

「……じゃあ勝負すればいいんだろ?勝負」

「やっとやる気になったわね……。こっちはいろいろあってむしゃくしゃしてんのよ」

「ところで俺はどうしたら勝ちになるんだ?」

「そりゃ私が膝やお尻をついたらでしょ、殴られたくないし」

「つまりこかせばいいんだな」

「まーそういうことよ、さあいくわよ!」

「はあ……じゃあインデックス、3分だけ待ってくれ」

「何よ!3分で終わるわけないでしょ!?」

「こっちは1時間以上攻撃されっぱなしでも全く食らわなかったんだぜ? 今度はこっちからも攻撃するんだ、ちょっとくらい本気出させてくれよ?あ、それと3分で終わらなくても俺の負けでいい。急いでるからな」

「アンタはほんとムカつくわねぇ……」

「こっちはいつでもいいぞー」

「じゃあいかせてもらうわよっ!!」




御坂がまず雷撃の槍を放つ。
こっちは3ヶ月ほどそんな攻撃は受けてきた。進みながらでも受ける事くらいはできる。

「なっ!?」

俺と御坂の距離はもともと10m弱。
もう御坂は目と鼻の先。

電撃が効かなかっただけでなく、さらに近付いてきた俺に慌て、急いで今度は砂鉄を巻き上げる。

しかし砂鉄で何をするかわかっている俺にはあまりこわいものではなく、御坂の右手を掴みにいく。

御坂の右手に触れる寸前、砂鉄に触れるとそれらが全て崩れる。
そして御坂の右手を掴む俺。

そこからは勝負が決まるまでは早かった。

右手を掴んだままで能力を封じ、左腕を御坂の鎖骨当たりに押し当てる。

その瞬間、左腕を押し、右手は引っ張る。
少しバランスを崩したところで足をすくう。

ドンッ

という音の後、御坂の頭に手を置き能力を封じる。




「……っつぅ…」

「お終いだ、御坂」

「アンタ今のが本気なの?」

「ん? んーとあんまりかな。こっちはもっとやばい奴らとやってるからなー」

「……くっ」

「まあ勝負はいつでも受けてやる。ただし俺が1人だけの時だ。それ以外にこの街やインデックス達を巻き込むなら容赦はしない、分かったか?」

「……分かったわよ」

「じゃあな、御坂。また強くなったらこいよ」

「ふんっ」

「じゃ行こうかインデックス」

「うん、とうますごいんだね!」

「いやーそれほどでもないって。お前だって今の状態だったら俺以外の攻撃効かないんだろ?」

「それは私の力じゃないからね、やっぱりとうまはすごいんだよ」

「そっか、ありがとな。ほら、手かせ」

「うん!」

「あ、そうだ御坂」

「何よ?」







「確かに3分では終わらなかった、俺の負けだよ」




「……」

「じゃあな」



(何よアイツ。あんなに強いなんて聞いてないわよ……。それにインデックスって言われてたあの娘。アイツ以外の攻撃が効かないって何なのよもーっ!)

御坂は白井がやってくるまでインデックスと名乗る新たな強敵を思い浮かべ悶々としていたらしい。



「インデックス、ここにしよう」

「うん」

あれから俺たちは近くのファミレスへ入った。

「どれもこれもおいしそうなんだよ! どれでも頼んでいいいのかな?」

うーん……

「まあ今日は初めての外食記念だ、好きなの食え」

結局俺ってインデックスにとことん甘いよな。

「じゃあこれとこれにするんだよ!」

「お、2品だけでいいのか?」

「お昼にいっぱい食べたし、とうまには服も買ってもらうからね、少し遠慮するんだよ」

「そ、そうか」

いつもと違うインデックスに戸惑う。

「で、とうまはどれにするのかな?」

目を輝かせながらインデックスは言う。

「そうだな……」

「じゃあこれとこれにするか」

片方はインデックスの好物を注文する俺。
あの輝く目を見てやっぱりインデックスだなって思い微笑む。





「お待たせしましたー」




「さ、インデックス、食うぞ」

「「いただきまーす!」」

「おいしいね、とうま!」

「ああ、冷凍のオンパレードだけどな」

「むぅ……。とうまはムードがないかも」

「ファミレスでムードもへったくれもないだろ」

「……とうま、それは禁句なんだよ」

「すまんすまん、まあおいしいしいいじゃんか」

「全くとうまはとうまなんだよ」

「何だよそれは!?」

どこかで聞いたことのあるセリフに突っ込んでしまう。

「うるさいんだよ、とうま」

「くそう……。ほらインデックス、これも食えよ」

「え……。ほんとにいいのかな?」

「なにいってんだよ、お前が欲しそうな顔してたからインデックスの好きなやつを注文したんだぞ?いいに決まってるだろ」

「ありがとうとうま!」




「ふふん、上条さんにはインデックスのことなんて何でもお見通しなんですよ」

「とうま、それは真面目に言ってるの?それともギャグ?」

「……」

「……」





「……食うぞインデックス」

「うん……。」




「「ごちそうさま!」」




「だいぶ暗くなったな、こりゃ買い物は全部明日だな」

「じゃああとは魔術師とお話しだけなんだね」

「ああそうだ」

「無茶はしないでね、とうま」

「ああわかってる」

そこで一つ思い出す。

「お、おいインデックス。悪いけどこれに着替えてこい」

「え? 私が危ないからこれを着てるんじゃないの?」

「いや、さっきまではそうだったんだけどな。今からは大丈夫だ。あの魔術師はお前を傷つけることはしない」

「でも攻撃されたんだよ」

「それはお前の『歩く教会』が生きてるからだ。もし会うまでに壊しちまったらお前は攻撃を食らうことになるかもしれない」

「……分かったんだよ。それにしてもよく着替え持ってたね」

「ん? そりゃあいつ壊しちゃうか分からんからなあ」

「笑えないんだよ……」

理由はそれだけじゃないけどな。




「お待たせ、とうま」

「おう、じゃあ出るか」

「あ、これどうしたらいいのかな?」

「うーん……、俺が持つわけにはいかないしな……。あ、すいませーん!」

「はい、どうされました?」

「あの、少しの間だけ荷物預かって頂くことって可能ですかね?」

「はあ……まあ閉店前までなら」

「インデックス、それ預かってもらえ」

「う、うん。これお願いするんだよ」

「必ず閉店までにはとりにきますのでお願いします」

「かしこまりました」

「じゃあもう出るか」

「うん」

「3490円になります」

「じゃあ4000円からで」

「こちらお釣り510円になります」

「ありがとうございましたー」




「よし、インデックス行くぞ」

「いいけど、どこに行くの?」

「そりゃあ決まってる。人払いのルーンが貼られてる場所までさ」

「それならこっちに少し魔翌力を感じるんだよ」

「お、そうかそうか」




「……って前と同じ場所かよ」

「前もここに来たの?」

「ああ、聖人にボコボコにされて3日間寝てたんだと」

「無茶すぎるんだよ……」

「その時はインデックスが看病してくれたんだ」

「む、私もしてあげるんだよ!」

「いや、もうそんな大怪我するつもりはねえよ。風邪の時にでも頼むよ」

「任せて欲しいかも!うちにある機械も使い方だけは覚えてるからね」

「そこはかとなく心配だ……」

「失礼だねとうまは」

「いやいや上条さんは……」

人通りが一気に無くなる。

「……来たね」

「ああ、来たな」







カツ、カツ




静寂の中に広がる足音は2つ。




いじょー
次がvsインデックス回なんだよ

vs御坂で上条さんが強くなっていることを表現したかったんだけど、初期御坂と今の上条さんならこんなもんかなって思って書いたら1レスにしかならなかった、流石上条さん

ではまたきます



あと2回で終わりです


……なんか上条さんと御坂のキャラが違う
っていうかあえてやってるのか無意識なのかわからないけど
キャラヘイト(とまでは言わないけどしれないけど)
そういうのあんま見てて気分のいいものじゃないよ




あれ?コピペ前の文章は"魔翌力"なのにコピペ後は"魔翌翌翌力"になってる

不思議ちゃん

これでキャラヘイトってどんな扱いしたら満足なんだよ

ヘイトとは感じなかったけどな
上条さんはいろいろ体験して強くなってる「強くてやり直し」状態なんだし
御坂は1巻だとあんなもんだよ

「今スキルアウト狩りの帰りだわー、マジ無能力者とか生きてる価値ないわー」とか言いながら登場なら
ヘイト扱いしてもいいと思うけどw
作者マジ乙

>>91
「翌」はこの板の仕様になってる文字フィルターのせい
詳しくは↓
■SS速報VIPに初めて来た方へ
■SS速報VIPに初めて来た方へ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345896803/4)

禁書SSだとそげぶの殺,すにフィルターかかってぶち[ピーーー]になっちゃって台無しって事がよくあるから要注意な

>>94
殺すとかはしってたけど
魔力までフィルターかかってるとは知らんかった、ありがとう



いきまーす

オリジナル設定が増えてきます
オリジナルキャラは出すつもり無いですが



では




「よう。ルーンの魔術師」

「何故それを? ……ああなるほど人払いのルーンを使っていることから予想したのかい?」

赤毛の魔術師はそう言う。
俺はこいつを知っている。

「いや、それだけじゃないさ。隣にいるのは聖人だろ?」

「……君は一体どこまで知っているんだ?」

「その子に聞いたのですか」

俺が聖人と呼んだ人物が初めて口を開く。

「いや、こいつはちゃんと記憶を失っているさ、こいつはテメェらのことなんて何も知らない」

「何が言いたい?」

「……」




赤毛の魔術師はこちらを睨みつけてくる。黒髪の魔術師はまだ冷静なようだ。
こういう反応、いつも通りだなー、なんて思う。

「おいインデックス、お前はイギリス清教内、第零聖堂区『必要悪の教会』所属の魔道書図書館、でいいんだよな?」

「う、うん。ちなみに正式名称はIndex-Librorum-Prohibitorumっていうんだよ」

今まで俯いていたインデックスは俺の問いに対して答える。
その答えを聞いて俺は笑う。
笑みが零れる。

「何がそんなにおかしい」

「だってテメェら、こいつの話をちゃんと聞いてたかよ」

「だからなんだと言っているんだ! こっちは一刻も早くそれを回収したいんだよ」

「やっぱりお前はこいつの話を聞いてねえな。『それ』なんて悲しいこと言うなよ、いくら魔道書図書館だからってさ」

「……要件を言ってください」

「しゃあねえな、テメェらが聞いてねえようだから俺がもう一回言ってやる」




「こいつは『必要悪の教会』所属の魔術師だ」

「それがどうした?」




「テメェらの親友だろ? なあ、『必要悪の教会』所属の魔術師、ステイル=マグヌスに神裂火織」


「「「……!?」」」


「驚いたね、そこまで知っているとは。どうやって知ったかは知らないが僕達が何のためにその子を追っているかは知っているのかい?」

「ああ、知っているさ。インデックスの記憶を消すため、だろ?」

「じゃあ何のためにそんなことをしているかは知っているのですか?」

チラリとインデックスの方に目をやる。
インデックスは不安げな顔でこちらを見つめてくる。
俺はインデックスに微笑みかけ、神裂の方を向き直す。

「もちろん。こいつを『一時的』に救うためだろ?」

「そこまで分かってるなら話すことはもうない。早く回収させてくれないか」

「お断りだ」

「「な……ッ!」」

魔術師達の顔が驚愕へと変わる。





「君はこの子を見殺しにすると言うのか!」

「人の話は最後まで聞くもんだぜ、ステイル」

「……、で? なんだい?」

「俺なら一時的じゃなくてもう二度と記憶を消さずに済むように出来る」

「ふん、何を言い出すかと思えば」

「助けたくないのか? インデックスを」

「でもどうすることも出来ないんですよ!?」

「まて、神裂。……大した自信だね、能力者。君に一体何ができるって言うんだい?」

「だからこいつを救うことができるって言ってんじゃん」

「ふざけたことを……」




ステイルが何かをポケットから取り出す。
それはほんの小さな十字架のついたネックレスだった。
あれには見覚えがある、俺があれ何をしようと大丈夫だ。

「……これはあの子の記憶を[ピーーー]のに必要な道具だ」

ステイルは俺に近付いてその十字架をよく見せてくる。

「これは『魔術』の一品だよ。君が何なのかは知らない。しかしこれは簡単に壊すことは出来ない」

「でもね、どこかに放り投げたり、川に捨てたり、それを持って逃げることは可能だ」

「この子はそのうち頭痛で苦しみ出す。そんな風になる女の子の前でこれを僕から取り上げることが出来るか? これが無ければ彼女は死ぬ。自分にそんなに自信があるなら僕からこれを奪ってみろ!」

俺はもう迷わない。

「テメェからそれは奪わないし、奪うつもりもない」

右手をそっと十字架に向けて伸ばす。

「ただそれにちょっとばっかり壊れてもらうけどな」

右手が十字架に触れた瞬間、パキンという音がし、チェーンの部分がバラバラになり十字架が地面へと落ちる。

「な、なんてことをしてくれたんだ!!」

ステイルに胸ぐらを掴まれる。

「自信があるならこれを奪えってテメェがいったんだろうが。この十字架は俺がもらうぞ。奪わねえって言ったばっかで悪いけど」

十字架を拾い上げ、ポケットに入れる。
もしかしたらこれがあればオルソラのようにイギリス清教に関係を持てるかもしれない。
もしかしたらインデックスに関して協力しやすくなるかもしれない。


もしかしたら……、




そんな淡い幻想を抱いて。




「じゃあ、やってもらおうじゃないか。君の方法とやらをね」

「じゃあ最初に一つだけ言わせてくれ」

「なんだい?」







「完全記憶能力で頭がパンクして死ぬなんてことは、絶対にない」




「……は?」


魔術師達が固まる。
ステイルの手が離れる。
まあ俺も前は知らなかったけどな。

「詳しくは知らないけどな。脳には記憶の容れ物がいくつかあって、本をいくら覚えて知識を増やしても思い出などの記憶とは容れ物が違うために圧迫されることはないらしい」

「でも彼女は事実毎年苦しんでいるんですよ? そんなこと……」

「85%」

「……なぜそれを?」

「インデックスが10万3000冊を覚えるのに使った脳の容量だって?」

「ええ、そうですが」

いつの間にか受け答えは神裂に変わっていた。

「じゃあもう一つ聞く。インデックスが記憶を消さなければならなくなったのは何歳からだ?」

「彼女の歳が2桁になってからですが」

「はあ……いいか、テメェら。インデックスが10万3000冊を覚えるのに脳の85%使うだろ? そしたら残りは15%だ。この15%では一年間しか記憶出来ない。ここまではいいか?」

「はい」

「じゃあなんでインデックスは6歳や7歳で死なずに10歳まで生き延びた?」

「……!」




「教会だよ、神裂、ステイル」

「赤ん坊の頃の記憶がどうとかなんてそんな詳しいことまでは知らねえ。ただインデックスの場合魔道書を覚えるということで脳の残り容量は減っていってるはずなんだ。だからやっぱり10歳までに死ななかったってのはおかしいんだよ。テメェらは教会に騙されてるんだ。禁書目録なんてシステム作った奴がこいつを野放しにするわけ無いだろ。そんな奴らがこんな極東に派遣されるような下っ端のテメェらなんかに本当のことを言うかってんだ」

「じゃあ、僕達のやってたことは何だっていうんだ……。くそっ……!」

「待ってください!じゃあそれがわかったところでどうするんですか?」

「なんだテメェら見てなかったのかよ」

「何をですか?」

「さっき俺が何を壊したかだよ。俺の右手には幻想殺しってのが宿っている。超能力も魔術も効かない、霊装だって壊せる。こいつが今『歩く教会』を着ていないのは間違って触ってしまうと服が破壊されてしまうからだ」

まあ首輪を破壊する時にこいつに触るだろうから着てないってのもあるんだけどな。

「その力でこの子にかかっている魔術を破壊すると言うのですか?」

「ああ、魔術がどこにかかっているかも分っている」

久々にインデックスに向き直る。

「インデックス、俺を信じてくれ」

「さっき魔術師が私を追ってるのは私の為って言ったのはこういうことだったんだね」

「ああ、そうだ。今からインデックスを助ける。少し口を大きく開けてみろ」

「わかったんだよ」




俺はインデックスの口に手を入れながら言う。

「おい神裂にステイル。まだ俺のことが信じられないなら信じさせてやる。こいつは魔術が使えないんじゃない」


バキィッ


「こういうとっておきの時に魔術を扱えるようになってるってことをな!」



インデックスの眼球に真っ赤な魔法陣が浮かび上がる。
そして、




「ーーー警告、第三章第二節。Index-Librorum-Prohibitorumーーー禁書目録の『首輪』、第一から第三まで全結界の貫通を確認。再生準備……失敗。『首輪』の自己再生は不可能、現状、10万3000冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」

「ーーー『書庫』内の10万3000冊により、防壁に傷をつけた魔術の術式を逆算……失敗。該当する魔術は発見できず。術式の構成を暴き、対侵入者用の特定魔術を組み上げます」

「ーーー侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました。これより特定魔術『聖ジョージの聖域』を発動、侵入者を破壊します」




インデックスが着々と魔術の準備を進める。
ステイル達はまだ状況がよくわかっていないようだ。

「ほら見ろ。インデックスはちゃんと魔術を使っている」

俺はもう、女の子1人救えないような無力な人間になんてならない。なってやらない。

目の前の少女を助けることのできる嬉しさに右手を握り締めた瞬間、ベキリとインデックスが作った亀裂が裂ける。


ゴッ!!と。亀裂の奥から光の柱が襲いかかってきた。

右手を前に出す。
ある程度は打ち消せるが、完全には打ち消せない。
でも俺はこんな攻撃に対する方法を見つけた、手に入れた。強くなったんだ。
何のために家ん中じゃなくて外に出たと思ってんだ。
俺は前に出した右手で光の柱を押さえつけると、手首をねじり、そのベクトルを斜め後方へと無理やりに逃がす。ビルや歩道橋が破壊される音が響く。
今は光の柱を後ろに逃がしていることで俺への負担は少ない。少しずつ前へ進む。





あと4m



3m


2m

1m
……0




インデックスの作った亀裂、さらにその先の魔法陣を右手で引き裂く。


「警、こく。最終……章。第、零ーー……。『 首輪、』致命的な、破壊……再生、不可……消」

ブツン、とインデックスの口から全ての声が消えた。
……その時インデックスの顔が少し笑った気がした。

そして思い出す。あの北極海での不思議な出来事を。

「ああ、どういたしまして、インデックス」




「上です!上!!」

「え?」

突然の叫び声に俺は上を見る。
ビルや歩道橋を破壊した後に生まれた、何十枚もの光り輝く羽がまるでこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいのように舞い降りてくる。


……また、繰り返すのか?

また、怪我をして
また、記憶を失って
また、インデックスが誰か分からなくなって
また、インデックスに嘘をついて
また、インデックスを傷つけて
また、自分にも嘘をついて



そしてまた、インデックスにあんな顔をさせてしまうのか?

台無しだ…ww




そんなこと……



そんなこと、あっていいはずがねえだろうがッ!!




パキン



軽い音と共に俺の周りの羽が消える。



(何が……、何が起こったというのですか?)



まだだ、まだ羽はある。
こんなんじゃ足りねえ。



今なら、
こんな力を見つけた今なら、


あとはそれを手に入れるだけ。


……なんだ、簡単なことだったじゃないか。





さあ右腕に集まれ、幻想殺し。

全ての幻想を喰らい尽くせ!!





俺はまだまだ、強くなれる。
目の前の少女のために、自分のために。


「ォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオッッッ!!!」

右腕に集まり半透明な竜となった見えない力。

雄叫びをあげたそれが全ての羽を喰らい尽くす。




ーーーーーー
ーーーー
ーー



インデックスは?

インデックスは無事か?



見るとインデックスは気持ち良さそうに眠っていた。


……あーあ、この白いワンピースどうしようか。
舞夏だったら汚れててもちゃんと綺麗にしてくれるよな? うん。
いや、そもそも受けとって貰もらえるか?
あーでもやっぱり『歩く教会』じゃなくてよかった、マジで。
この力使ってたらあれ壊れて、インデックスの噛みつきだけじゃ無くてステイルや神裂の攻撃も受けてただろうからな。
あれ、でもその前インデックスに触ったっけ? あれ?

『歩く教会』で思い出したけどあの店まだ閉まってねえよな?




竜がただの右腕の姿に戻る時、俺はそんなことを考えていた。




街には人が戻り始める。
ここが学園都市ということもあるのか、この時間帯そんなに人が多いわけではない。




粉々になった羽の欠片が街頭の光を受けてインデックスを照らす。



目の前の少女は白く輝いていた。








その日はただ暑く、白い少女がとても眩しかった。







「上です!上!!」

「え?」

突然の叫び声に俺は上を見る。
ビルや歩道橋を破壊した後に生まれた、何十枚もの光り輝く羽がまるでこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいのように舞い降りてくる。


……また、繰り返すのか?

また、怪我をして
また、記憶を失って
また、インデックスが誰か分からなくなって
また、インデックスに嘘をついて
また、インデックスを傷つけて
また、自分にも嘘をついて



そしてまた、インデックスにあんな顔をさせてしまうのか?




いじょー
インデックス戦終了です

>>112
指摘されるまで気づきませんでした、ありがとうございます


あーまじやらかした。




予定が空けば今日の夜に最後の投下します
遅くても明日には投下するつもりです

では

ほんとすみませんでした、粉雪……

続き楽しみにしてる!
でもまた訂正でも同じようになってるww









「上です!上!!」

「え?」

突然の叫び声に俺は上を見る。
ビルや歩道橋を破壊した後に生まれた、何十枚もの光り輝く羽がまるで粉雪ように舞い降りてくる。


……また、繰り返すのか?

また、怪我をして
また、記憶を失って
また、インデックスが誰か分からなくなって
また、インデックスに嘘をついて
また、インデックスを傷つけて
また、自分にも嘘をついて



そしてまた、インデックスにあんな顔をさせてしまうのか?

今度は上手く出来てる。何故だったんだろうか

>>112をコピペしたとかじゃないのかい?

粉雪クソワロタァ

あのなあ

ワロタ




すいません、今日来れないかもしれないです……

そんなにこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいがショックだったのか…

心まぁで白く染まることはない
些細な言い訳はいいから素直にララライして待ってるぞ



こんばんはー
昨日はすいません、忙しくて……


拗ねてたわけじゃないんだからね!




では





「どうもありがとうございました」

「また何かあったら来るといいね? あの子もいろいろあるんだろ?」

「はは、なかなか来たいもんじゃないですよ、病院なんて」

「それはそうかもしれないね?」

「それにあいつはここならみてもらえると思ったんで」

「随分と信用されたもんだね?」

「ま、それについてもいろいろあるんですよ。じゃ、失礼します」




病院を出ると3人の魔術師がいた。
神裂、インデックスの顔には笑みが、ステイルは真顔を装っているが明らかに嬉しそうだ。

どうやら和解したらしい。

俺は3人に笑いかける。

ステイルは不機嫌そうにタバコに火をつける。
インデックスが嫌そうな顔をする。
それを見て慌ててタバコをしまうステイル。

「「ぶふっ」」

俺と神裂はそのコントに堪えることは出来なかった。

「どうでしたか? 結果は」

「ああ、俺もインデックスも異常なし。全然へっちゃらなんだと」

「それは良かったですね」

「うん!」

インデックスは嬉しそうだ。




「じゃあ、僕達はいつまでもここにいても仕方がないからね、帰らさせてもらうよ」

「そうか、じゃあな神裂、ステイル」

「ここにこの子の今後のことが書かれているからしっかり読め………って何で君はこの子がここに残ることをもう分かっているんだい?」

「それは……、ねえ? インデックスさん」

「え? 私に振られても困るだけかも!」

「「ははははっ」」

「……何か上手く誤魔化されたような気分だよ」

「ふふっ。さて、もう時間です。帰りましょう、ステイル」

「ああ、分かっているさ」

「ではお元気で、インデックス、上条当麻」

「じゃあな」

「本当に今回はあの子を救って頂いてありがとうございました」

「気にすんな、俺がしたくてしたことだ」

「それでもやはり……」

「救われぬ者に救いの手を、だろ?」

「!? ……それでもやはりあなたはこちらのことに関しては素人な訳で」

「あーもういーからいーから、また遊びにこいよ? どうせ住所は調べたんだろ?」

「はい……」

「いつでも待ってる。だよな? インデックス」

「もちろんなんだよ!」

「ではまた甘えさせて頂きます」

「かおり、時間は大丈夫なのかな?」

「はっっ!!」

神裂はインデックスの指摘を受けるとステイルの襟元を掴み、跳んで行った。文字通り、跳んで行った。




「おーおー。聖人やべー、はえー」

「さすがってところだね」

「さて、今日は何から買いにいこうか?」

「私はお腹が減ってるんだよ」

「やっぱりインデックスはインデックスだな」

「……そこはかとなくバカにしてるね?」

「いやいや、安心しただけだよ。じゃあ先にスーパー寄って昼飯一緒に作るか」

「ふっふーん、私の頭の中の器具の場所や使い方、レシピは未だ健在なんだよ!」

「流石完全記憶能力ってところか?」

「でもこれもとうまのおかげかも。ありがとうね、とうま」

「ああ、どういたしまして、インデックス」

「それでごはん作って食べ終わったら服なんだよ!」

「分かってるよ、お前に似合うの買おうな」




「私ほどになればきっとどんなのでも似合うと思うんだよ」

「ああ、そうかもな」

「なななななにを言ってるのかなとうまは!?」

「何ってインデックスはどんな服を着てもきっと似合うんだろうなって」

「そんな恥ずかしいセリフ、平然と言わないで欲しいんだよ!」

「なにおうっ。本当のことなんだからいいだろ? それにお前自分で言ったんじゃねえか」

「はあ……やっぱりとうまはとうまなんだね」

「それさっき上条さんが言った!」

「その前には私が言ったもん!」

「こ、こんなとこで完全記憶能力使うな!」

「覚えてることは仕方がないんだよ」

「うぐ……」

「ねえとうま?」

「ん? なんだインデックス?」

「ううん、何でもない」

「何だよそれ……」

「とうま、とうま」

「……何だよ?」

俺は呆れたように答えた。
なぜなら俺は覚えている。
この後6万回くらい意味も無く名前を呼び続けられる予定だからだ。








だが俺の記憶は外れた。




「私ね、こんなだからいろんな魔術師に狙われたりすると思うんだよ」

「……」

「でも私たちの世界ではそれが普通。そんな私が辿る地獄への道に、とうまはついて来てくれる?」

あの時答えられなかった質問。
もう答えなんて決まっている。

「行かない」

「……っ」

インデックスの顔が歪む。




「コラ、人の話は最後まで聞け」

不安げな目を俺に向けるインデックス。

「地獄なんて誰が好き好んで行くかってんだ。俺が地獄からひきずりあげるに決まってんだろうが、バカ」

インデックスの顔が明るくなる。

「じゃあその時は……」

「……」










「助けてね、とうま」











ーーー助けて、とうま。

それは初めて出会った時から、
インデックスが斬られたあの時から、
俺が神裂にやられたあの時から。

記憶を失ってからもずっと。




ずっと、ずっと、言って欲しかった言葉。




「ああ、もちろんだ。お前がいつどこにいようと助ける。嫌だって言っても絶対に離さねえ」

「それは勘弁して欲しいかも」

「え?」

「でも私はきっと嫌になんてならない。だから絶対に離さないでね、とうま」

「離すもんか。俺は、きっとお前と会うために過去へやってきたんだ」

そうやって俺たちは手を繋ぐ。
昼ごはんのおかずと買う服を考えながら。





……舞夏にも一着買ってやろう。
このワンピースは汚れ過ぎててきっと受け取ってもらえないだろう。
するとこのワンピースは俺たちが貰わなくちゃいけない。

あー不幸だー。




ただ、

「なあ、インデックス」

こんな不幸なら、

「なあに、とうま?」

俺は喜んで貰うつもりだ。

「大事にしろよ、」











ーーーその、白いワンピース。




以上で終わりです。
読んで頂いた方、ありがとうございました。

自分がもともと書きたかったのは

・上条さんが覚醒して強くなることで早く事件を解決する上条さん最強SS
・インデックスさんとのほのぼのSS


でした。
どちらも一気に書きたかったんで、これはそれの下準備ってところです。
でもとりあえず一区切り。


また書きにきますのでよろしくお願いします!

今度は書き溜めが全くないので予告とかはできませんが……



ではー
ありがとうございましたー



乙でした
続き待ってます

シスターズもやってくれ

うざ条さん爆発
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい舞う季節まで待ってるぜ

第1部完結乙です



こんばんはー


2巻より先に3巻やる予定してます。

でも今日は1.5巻ってところです。
時系列は第一部の

ーーーその、白いワンピース。

の続き。
第一部→1.5→第二部(3巻)

の予定で



1.5は本編にあまり影響のない小ネタです。ほのぼのしたいです、では




「さーてインデックス、昼何が食べたい?」

「うーんとね、……。作るんなら簡単なのがいいかも」

「インデックスは作るの初めてだしな。じゃあスーパー行くか」

「楽しみだねとうま」

「……」

「とうま?」

「……いやまて、この時間帯なら」

「どうしたの?」

「ちょーっとだけまってくれ、インデックス」

「なんで?」

「もうちょっとしたらさ、昼だろ? だからさ、弁当とかおかずとかが多めに置いてあるんだよ、しかもちょっと安い」

「なるほどなるほど」

「でも今日はインデックスと料理をする。だから弁当は買わず、おかずだけ買ってメインだけをを今日は作りたいと思う。いきなり全部は難しいからな」

「じゃあ私オムライスがいいかも!」

「わかった、じゃあ卵とかも買っていこうな」

「うん! ふふん、オムライスー♪」

「っと……まだ時間はあるけど今からだと服見るには短すぎるよなあ……。よし、そこの公園行くか」

「わかったんだよ」




「さて、暇だな」

「暇だね、とうま」

「なあ、ちょっと聞いていいか?」

「なあに?」

「お前ってさ、あの状態の時のこと覚えてるの?」

「うーん、記憶としてはあんまりないかも。夢で見たちょっとした場面っていうくらいの曖昧さかも……」

「そうか」

「何でそんなこと聞くのかな?」

「いや、お前の使ってた魔術にちょっと興味があってさ……」

「どんなやつ?」

「竜王の殺息ってやつ」

「ああ伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同じくらいの威力のある魔術のことだね」

「伝説?」

「うん、昔ね、一つの街があってそこに王様と国民達がいたんだよ。そこに悪竜がやって来たんだけど、みんなはそれを倒そうとしたんだよ。そこで怒った悪竜が使ったのが強力なブレスーー竜王の殺息だね」

「竜王? 悪竜なのに?」

「まあその辺はまだいろいろあるんだけど長くなるんだよ」

「ふーん」

「でもなんで急にそんなこと気になったのかな?」

「インデックス、竜王の顎って知ってる?」

「名前は知ってるかも、見たことはないけど」

「そっか……。いや、こいつがそれなんだけどさ」

「オオオオッッ!!」




「……え?」

「ん?」

「……とうま、ますますおかしくなってるんだよ」

「だよなー、俺でも何が何だか。で、その魔術とか伝説と何か関係ありそう?」

「見た目だけなら関係、というかそのまんまなんだよ」

「はははっ、そうか、じゃあ竜王の殺息ってやつを使えたりしてな」

「そんなのが出来るなら苦労しないんだよ」

「苦労って何にだよ……。でもさ、これだけ見た目がそっくりなら使えそうだよなー」

「そんなことあるわけないかも」

「でもさ、できそうじゃないか?ほらこうやって右手を引いて息を吸って……右手を突き出して息を吐き出す!」







「あ」

「えっ」

「……」

「……え?」

「……」




「……インデックス、なんか飲み物いるか?」

「え、いいの? ……でもとうまに悪いかも」




「インデックスが遠慮なんかするなよ。少しくらいわがまま言ってくれた方がインデックスらしく元気でかわいいぞ?」

「か、かわっ……」

「ん?」

「なななななんでもないんだよ! そうだ、私とうまのおすすめがいいなー……」

「? そうか、じゃあ適当に買ってくるから待ってろ」

「い、いってらっしゃいなんだよ」

「おー」

「まったく、とうまは……」

俺の返事の後、インデックスが何か言ってるように聞こえた。
俺の空耳かそんなに大したことじゃないのかは知らないがインデックスは俺を止めようとはしなかったのであまり気にせず自販機へ向かった。

それとあの力はもう使わない、本当の緊急事態の時だけにしよう。
あと、俺の不幸センサーが何か重大なものを壊したって知らせてくる……。
弁償とかないよな?


「はあ、不幸だ……」




今日も俺は平常運転です。




いじょー
短くてごめんね、今3巻の途中まで書いてるんだよ



あと自己解釈やオリジナル設定多くてごめんね
インデックスの魔術の解説は17巻の絵の伝説の話です


ではー


楽しみに待ってる

こんばんはー
お久しぶりです

そろそろ原作との矛盾がどんどん大きくなっていく頃です。
原作では御坂が実験を止める最終手段前に大きな絶望をしていますが、ここではそれが無いです。
ですので、上条さんがそれを与える係。ちょっときついことを言います。そのため魔術のことを話したりしますが気にせず読んでください。

このままだと初期御坂のままになってしまうと思ったのでこうしました。

まあ何が言いたいかって言うと御坂好きにはちょっとあれかもです。

時間見つけ次第投下にきます、ではー

待ってるんだよ

こんばんはー
投下します、内容はこの間予告した通りです、ご注意ください




「……忘れてた」

俺は今、とてもピンチな状況にいる。
ここの自販機、まともなのがねえ……。

「こんな変なモンばっかじゃインデックスの好みとか関係してくんのかわかんねえ……」

まあいいか、とりあえず1番ましだと思われるものにしよう。
そう考えて財布からお金を出す。




……はずだった。

「不幸だ……」

また重大なことを忘れていた。
この自販機。金のむやつじゃねーか!

あ、でもそれは紙幣だけなのかな? 硬貨は……、

「使えるのが150円しかない……」

缶は120円。自分は別にいらないんだし、インデックスのだけでも買えればよし。

俺はその100円玉と50円玉を自販機に入れた。


ガコン


「よかった……、買えた」

たまにはこんな幸運があってもいいよな。





「おーいインデックおわっ」

「はーい♪」

「み、御坂!? なんでここに?」

「失礼ね、私だって自販機くらい利用するわよ。それよりアンタ1人? なんか物凄い威力のありそうなビームがこの辺から見えたんだけど」

「あー……。ごめん、それ俺がやった。出せるかなーって試したら出ちゃった。あとそこにインデックスいる」

「ああそう、それは残念。勝負できないじゃない。…………って、は?」

「ん?」

「ん? じゃないわよ! え? さっきの本当にアンタなの?『出ちゃった、テヘッ♪』 って何!?」

「まあ落ち着け、とりあえずなにしにきたんだ?」

「落ち着けるわけッ……はあ、もういいわ。とりあえずジュースでも飲もうかなー、なんて」

「え? お前自販機使うの?」

「だからさっきも言ったでしょ、自販機くらい使うわよ」

「いや、そうじゃなくてさ、買うの?」

「な、何のことかしら?」




「まさかとは思うけど、学園都市第三位サマが自販機にケリ入れてジュースただ飲みなんてケチなことはしてないよな?」

「そ、そんなことするわけないデショー。っていうかアンタなんでそんなこと知ってるのよ!?」

「ん? どんなこと?」

「あっ」

「……」

「……」

「……ははっ」




「ちぇいさーっ!」

「……もしもし、警備員ですか?」

「ちょーっとまったー!」

「なんだよ」

「え? 何? 何しようとしたの?」

「そりゃあお前見たらわかるだろ?」

「……」

「そんな顔するなよ御坂。お前が悪いんだからしっかり反省して今後もそういうことや街での電撃の使用をだな……。今のも別に本当に通報してたわけじゃないし冗dってちょ、おいっ」

「アンタはやっぱりムカつくわねーッ!」

「危なかった……」

「チッ、たまにはくらいなさいよ」

「いや、一回でもくらったら死ぬからね?」




「そんなことかんk」

「風紀委員ですの! こちらで能力者が暴れているという通報が……ってあら? お姉様?」

「あ、黒子」

「そうなんだよ白井聞いてくれよ。こいつさあ……」

「ちょちょちょちょーい!」

「どうせお姉様が電撃を放ったってとこなのでしょう? そしてその殿方。あなたが『あの馬鹿』ですの?」

「あの馬鹿?」

「ですの。お姉様は毎日帰って来るなりあの馬鹿、あの馬鹿……と。それはもう楽しそうに話していらっしゃいますのよ」

「ちょ、黒子!?」

「電撃のダメージがないところを見るとあなたで間違いないのでしょうけど……。ところで何故わたくしの名前を知っているんですの?」

「それは……。……あれだよ、お前がこの辺じゃ有名な風紀委員だからだよ」

「あら、それは光栄ですの。わたくしお姉様の『露払い』をしている白井黒子といいますの」

「俺は上条当麻。よろしく、白井」

「はい、上条さん。じゃあお姉様。わたくしは見回りに戻りますので。今日は早く帰ってきてくださいな」

「わかってるわよ」

「毎日そう言ってるのに遅いからですの。ごまかすのもそろそろ限界ですのよ?」

「はいはい、じゃあね。早く戻りなさい」

「では失礼しますの、お姉様。上条さん」




「……」

帰るのが、遅い?
いやちょっと待て。
この頃は俺が毎日追いかけられてたはず。
そのことで門限破ったのは毎日じゃないはずだ。
ということは……


「どうしたのよ?」

「いや、お前なんで早く帰らないんだ? 俺を追いかける以外にもなんかあんの?」

「何でもいいでしょ? ほら、アンタも早く戻りなさい。きっとあの娘待ってるわよ」

「わかった、じゃあな」

御坂妹、探してみるか。

「いや、やっぱり私も行く」

「何で?」

「私もあの娘にいろいろ聞きたいことあるし……」

「そうか、じゃあ行くか」

「うん」




「あ、でもあいつの過去とか、あいつが何で能力効かないとか、あいつの能力とかは聞くなよ? あ、いや、後の二つは別に……。いやでも、うーん……」

「何でよ? いいじゃない」

「よくねえよ。あいつにも人に言えない事情ってのがあるんだ。お前にもあるだろ? 人には言えないようなこと」

「それは……あるけど」

「それにお前が聞いてもまず信じないだろうしな」

「何でよ?」

「じゃあ例えばさ。あいつが漫画に出てくるような魔法使いだって言われたときああそうですかって信じられるか?」

「いやいや、無理に決まってるでしょそんなの。何よ魔法って、そんなの本当に漫画の世界の話でしょ? 全然科学的じゃない」

「これくらいの話が信じられないなら多分あいつの話は一つも信じることができないぞ」

「何よ、魔法なんてものがあるっていうの!?」

「さあな、ただこっからはお前の踏み込んでいい話じゃない。俺が言えたもんじゃねえけどさ、やっぱりこっち側の人を巻き込むわけにはいかないんだよ」

「な、何のことかさっぱり分からないけど私は学園都市の第三位なのよ? 私に勝てる人なんてここにはそういないわよ」




「確かに、ここにはいないかもな。でもさ……」

「何よ?」

「実際俺に負けただろ? 無能力者の俺に」

「アンタの無能力は詐欺みたいなもんだからノーカンよ」




「……認めてるじゃねえか」

「何ですって?」

「科学じゃ説明できない力をさ。全然科学的じゃない俺の右手を、お前は何で信じてるんだよ」

「え……」

「世界は広いんだ。お前が一番強いわけじゃない。色んな能力だってある。それと俺は何回も敵にやられて入院してきた。でも御坂に怪我させられたことなんて一回もない」

「それは……私が」

「俺、手加減されてるのに死にかけたことあるんだよ。本当にこっちは一度も手を出せずに、な」

「……」

「それと御坂。お前もこの街でもお前より強いやつを見たことあるんじゃないのかよ?」

「な、何を……」

「心当たり、あるだろ? 俺以外にお前に勝ったもう一人が」

「っっ!?」




やっぱり……。御坂が実験について知るのが早すぎる。
何かがおかしい。

「詳しいことは聞かないし言わない。お前にとっては人には知られたくない話なのは分かってる? だからここでこの話は終わり」

「アンタがどこまで、何を、どうやって知ってるかは知らないけど、誰にも言わずにいてくれると嬉しいわ」

「言うわけねえだろ」

「そ、ありがと。早く戻りましょ」

「結局お前も来るんだな」

「詳しいことは聞かないことにするけどね」

「ああ、ありがとう。そうしてやってくれ。でもあいつがうっかり口滑らすかもしれないから先に言っておく。魔法、とは言えねえかもしれねえけど、魔術は本当にある。けどあいつに魔術は使えない。だから証拠は見せられないと思う」

「証拠がないとか尚更信じられないわよそんなの……。でもそのことを聞くのはあの娘から話してきたときだけにするわ」

「いや……」

「何よ?」

「あいつに一度質問したら延々と説明し続けるぞ」

「……」

「……」

「世間話でとどめておくわ」

「ああ」

「ところでアンタのビームは魔術ってやつ?」

「いや、俺にもあいつにも分からん。なんかいろいろと正体不明でさ」

「何よそれ……」




「悪いインデックス、遅くなった」

「いいんだよ、とうま。途中で短髪がきてくれたし……ってえ?」

「お姉様?」

「た、短髪が2人もいるんだよ」

「……」

「……」

「どうしたの? とうま、短髪」

「ーーーアンタ! 一体どうしてこんな所でブラブラしてんのよ!!」

「何かと問われれば、研修中です、とミサカは簡潔に答えます」

「けん、」

御坂が息を詰まらせ、目を逸らし、何かブツブツ呟いている。

「……おい妹、ちょろっとこっちにきてみよーかー?」

「は? いえミサカにもスケジュールはあります、とーーー」

「いいから、きなさい」

「んじゃ、私達はこっちの道だから。シスターも元気でね」

「う、うん。じゃあね短髪たち。……ねえとうま、短髪のお家は複雑な家庭なのかな?」




「……まて、お前ら」

「何? 私はもう行きたいんだけど」

「おい、妹の方。ちょっとこっち来い」

「ちょっとアンタ、勝手に何するつもり!?」

「……いいから来いっつってんだよ」

「!? ……わ、分かったわよ、行ってきなさい」

「分かりました、とミサカはお姉様に従います」

お姉様の所に行くのには渋ったくせに……。
相変わらず変わった奴だな。

「じゃあちょっと2人は外してくれ。御坂、インデックスにいろいろ聞きたかったんだろ?」

「今さらなにもないわよ。行けばいいんでしょ? 終わったら呼びなさい。ほら、行くわよ」

「え? 何? 何が起こってるのかな?」

「……悪いな、インデックス」




「で、何でしょう、とミサカは疑問を口にします」

「……お前、何号だ?」

「このミサカはミサカ10032号です、とミサカはあなたがミサカ達の存在を知っていることに驚きつつも答えます」

「ちょっとまて、じゃあ10031号は?」

「昨日実験が終わったところですが、とミサカは懇切丁寧に説明します」

「は……? もしかして実験場は路地裏か?」

「路地裏とは?とミサカは疑問を口にします」

「あの、古本屋の近くの」

「あなたは実験の関係者なのですか?」

「いや、ただ情報をたくさん知っているだけだ」

「不思議な方ですね、とミサカは少し自分達の情報がばれていることを気味悪がります」

「するとお前はどこで実験するんだ?」

「これ以上は実験の妨げになる恐れがあるのでお答えできません」

「まあいっか、多分あそこだろ。さ、御坂とインデックス呼びに行くぞ。あ、あとインデックスと話してくれてありがとな」

「いえ、いいんですよ、とミサカはめんどくさかったという本音を隠しつつ答えます」

「隠せてないぞー」




……そうか、実験は何故か1ヶ月ほど早くはじまってるみたいだな。
多分御坂妹は今日の夜実験だろう。20:30か……。


「インデックスー」

「あ、とうまが呼んでるよ、短髪」

「だから私の名前は御坂美琴だって何回も言ってるでしょうが」

「……なあ、御坂妹」

「それは私のことですか?」

「ああ。御坂妹、俺さ、学校通ってるし、馬鹿だし夏休み中も補習行ったりしてるからさ、昼間インデックスを一人にしちゃうんだよ。だからさ、今日が終わったら暇な時は俺の家遊びにきてくれよ」

「ですがミサカは……」

「それ以上は言うな。お前は実験動物なんかじゃない。お前は生きている。似た顔のやつがただ1万人ほどいるだけの人間なんだよ。それにミサカ10032号はこの世界に1人しかいないじゃないか。そしてそいつは俺やインデックスの友達で、御坂の自慢の妹だよ。それはお前が生まれた時から、今も、これからもずっと変わらないことなんだよ」

「……」

「何話してんのよ?」

「いーや、なんでも」

「じゃあインデックス、買い物行くか」

「うん、じゃあね、短髪、クールビューティ」

「何それ!? 私とこの子の差ひどくない?」

「お姉様、そういうところがクールではないのでは?とミサカは当たり前の指摘をします」

「ぐっ……」

「じゃあな御坂……そうだ御坂」

「何よ?」

「ちょっとこい……」

「え? 何?」

俺は御坂に小声で話しかける。

「今日の夜20:00に鉄橋に来てくれ、どんな用事があっても来てくれ」

御坂も小声で返事をする。

「いいけど……何で?」

「お前の毎日の夜更かしを終わらせる」

「え? 何する気よ!?」

「いいからこい、絶対だ。その時話してやる」

「……分かった」

「じゃあな」

「うん、また後で」

「んじゃ御坂妹もまたなー」

「……さようなら」





「……。さーてインデックス、今日は晩飯のおかずも買うぞー」

「任せて欲しいんだよ!」

「じゃあ多分袋多くなるだろうからいくつか持ってくれよ」

「ふっふーん、お安い御用かも」

「それはよかった」




「行ってしまわれましたね」

「……アンタ、あいつと何話してたの?」

「いや、特に何も話してませんが、とミサカは嘘をつきます」

「アンタの口癖って損ね」

「しょうがないことです」

「で、何話したの?」

「……ミサカはお姉様の妹でいていいんでしょうか?とミサカは質問します」

「何よ、当たり前じゃない。あんな酷いこと言っちゃったけど、私はどんなことをしてでもアンタ達を助けてみせるわ」

「そうですか……。でもミサカはただの実験動物です、とミサカは反論します」

「そんな、そんな悲しいこと言わないで!! アンタは私の妹よ、自慢の妹なのよ……。たった1万人の大切な妹」

「……そうですか。では、お姉様。ミサカはこれで」

「うん、じゃあ、またね」

「はい。……また…」



いじょー
なんか自分でも釈然としない感じがしてて投下が遅れちゃいました、すいません

本当は日曜日には出来てたんですけどどうしても納得できなくて、色々修正してたら……



多分次で3巻終わるかなーと思います

ではー

乙なんだよ!とミサカは称賛の言葉を送ります。

おつ

おつ
つよい上条さんがすきー
樹形図の設計者もぶっ潰したしあとはセロリをゲンコロするだけやな

乙!

乙!
樹形樹の設計者どうするんだろって思ってたらそう来たかwwwwwwww

さいきょーな上条ちゃんは大好きなのです~

支援

今日投下予定です

舞ってる

こんばんはー
昨日はすいませんでした

今から投下します


ではー




そんなこんなで俺とインデックスは今スーパーにいる。
時刻は11:30。

「インデックスー。このエリアのおかずなら何買ってもいいぞ」

「本当に!? 本当に何でもいいんだね、とうま!!」

「あ、ああ。まあ……」

「じゃあこれとこれとこれと……」

「あのー、インデックスさーん。3品程度にしていただけるとありがたいんですが……」

「あ、これも……。むむー。どっちにしよう……。どっちもいれちゃえ」

「聞いてねえ……」

「何かな、とうま? 私は今忙しいんだよ」

「たくさん買ってもいいけど、その時は晩飯とかにもまわすぞ」

「……つまりどういうことなのかな?」

「つまりだな、インデックスが10品買ったとするだろ? すると3品は昼、3品は夜。って感じになるけどいいかってことだ」

「そ、それは……。その間手作りが食べれない分辛いかも」

「……じゃあ俺の分も決めてくれ、一緒に食べよう。な、インデックス?」

「とうま、ありがとう!」

やっぱりインデックスに甘い俺であった。








ーーーーーーーーあと、8時間半。




「「ただいまーっ」」

「さあインデックス、おかずはそこおいとけ。まずは冷蔵庫に買ってきたもんいれるぞー」

「わかったんだよ!」

「元気だな」

「ふっふーん。それはとうまと一緒にご飯作るのが楽しみだからかも!」

「そっか、それはよかった」

「だから何をすればいいのかな?」

「じゃあまずは冷蔵庫の使い方をもう一回説明するぞ」

「そんなの覚えてるんだよ、ここが野菜でここがお肉、ここが卵でしょ?」

「おおー、さすがインデックス」

「じゃあいれていくんだよ。ほいっほいっ」

「ちょーとまてー! 考えて入れろよ!」

「ん?」

「そんな入れ方したら全部入らないだろ?」

「え? でも入っちゃったかも」

「Oh……」

「じゃあ、次はお肉いくんだよー!」

「……」

「ふぅ、これもなんとか入ったんだよ」

「なんか才能を感じるな」

「えへへー」

「いや、別の才能な」

「むー、それはどういう意味かな?」

「なんでもねーよ。ほら、オムライスの材料出してくれ」

「分かったんだよ、これとこれかな?」

「ああ、じゃあ作るか」

「はやくするんだよ!」

「お、おう……」







ーーーーーーーーあと8時間。




「「いただきまーす!!」」

「卵がふわふわじゃないんだよ!」

「そりゃインデックスは初めてだからな。そんだけできれば十分だ」

「とうまの卵ずるいかも」

「インデックスも慣れたらこれくらい出来るようになるさ」

「もっとがんばるんだよ!」

「それは楽しみだ。ほらインデックス口開けろ」

「?」

「卵ちょっとやるよ」

「!! あーん」

「あーん」

「おいしいね、とうま」

「だろ? 上条さんにかかればこんなことちょちょいのちょいだ」

「ふっふーん、もうすぐ私、とうまを抜くもんねー」

「はいはい」

「……その余裕が気に入らないんだよ」

「ん? おいインデックス、口にケチャップついてる」

「んー、とれた?」

「いや、逆」

「これでどうかな?」

「もうちょい下かな」

「よし、これで!」

「下行きすぎだ」

「もー! とうまの説明が悪いかも!」

「悪かったな。ほら、うーってしろ」

「うー」

「はい、食べてよし」

「えへへ、ありがとね」

「はいよ、しゃべりながら食べたらまたつくぞ?」

「うん!」




「「ごちそうさまー!」」

「ふう、食った食った」

「私はまだまだいけるんだよ」

「相変わらずだな、お前は」

「そんなに褒めないで欲しいかも」

「褒めてねえよ、それより用意出来たのか?」

「へ? 何の?」

「何の?ってお前……。服買いにいくんだろ?」

「そういえばそんな話もあったかも」

「……お前、実は魔道書何冊か忘れてるだろ」

「ば、ばかにしないでほしいかも! えっとね、一冊目はね……」

「悪かった、俺が悪かったからもう用意してさっさと行こう! な?」

「とうまから言い出したくせに……」

「あー! あー! 何も聞こえねー。さ、インデックス、買い物だぞ? タノシミダナー」

「……」

「……」

「一冊目はね…」

「あーまじごめんって!」

「許してあげないこともないんだよ」

「っていうか用意出来てるの?」

「あ……」

「お前やっぱり」

「一冊m」

「いいから用意してこい!」




「「いってきまーす!」」

「忘れ物ないか?」

「服を着替えただけで何を忘れる物があるのかこっちが聞きたいくらいかも」

「ま、その調子だったら大丈夫だろ、行くか」

「うん!」




「さてと、着いた訳だけど、まずは何にする?」

「まずはね……下着?」

「あー、そういや普通の服着るならいるよなー……って!?」

「ん? どうしたのかな」

「おおおおおまえ、ワンピースの時し、下着……」

「とうまー!!」

「痛いっ、痛いからやめてインデックスさん! 叩かないで、ここ店ん中ー!」

「まったくとうまは……」

「と、とりあえず好きなの選んでこい」

「とうまは来てくれないの?」

「行けるわけないだろ!?」

「だめ……?」

「そんな可愛い顔してもだめー!」

「わかったんだよ……」

やれやれ。上条さんも男子高校生なんですよ。
そんなとこにいたら周りからどんな目で見られることか……。




「とうまー!」

「お、早かったじゃねえか」

「うん、うん! 早く買お!」

「……なんかいいことあったのか?」

「あっちのほうに可愛い服がいっぱいあったんだよ!」

「そうか、それは早く行かないとな」




「だいぶ買ったな」

「満足かも、ありがとね」

「いいんだよ」

「えへへ」

「……じゃあ帰るか」

「うん♪」

「あ、ちょっとだけ待ってろ」

「え、どこ行くの?」

「すぐ戻ってくるから」

「う、うん」




「悪いな、インデックス」

「ううん、そんなことないんだよ」

「ありがとうな」

「あれ、その白いワンピース……」

「これか? 舞夏に返そうと思ってな」

「それ買いにいってたんだね」

「ああ、じゃあ今度こそ帰るぞ」

「そろそろおやつの時間かも」

「帰りにクレープ買ってやるから今は我慢な」

「やったー、クレープ♪クレープ♪」

あと、携帯も買わなきゃな。
とりあえずは電話の使い方だけ覚えてもらえばいいだけだし……。

そういえばペア契約にすれば電話代が……、これはインデックスとペア契約にしないとな。




そして、







ーーーーーあと5時間。




「「ただいまーっ」」

「おいしかったね、クレープ」

「あそこは上条さんのオススメなんだ」

「また行きたいんだよ」

「また、な」

「そんなことはわかってるかも。あと、このけーたいっていうのもありがとう」

「それは連絡用に必要だろ? 俺だって学校行ったりするんだしさ 」

「うん、そうだね。あと使い方はなんとか覚えたんだよ」

「じゃあ俺にかけてみろ」

「えーっとね……。もしもし?」

「『もしもし?』」

「おおー、つながったんだよ!」

「じゃあ次はこっちから、もしもし?」

「『もしもし?』」

「一応ちゃんと使えてるな」

「また今度メールっていうのも教えてね」

「ああ。それより昨日の今日でだいぶ疲れたな」

「私はそれほどかも」

「若いのは元気だなー」

「とうま、なんか親父くさい」

「何だとーッ」

そこで俺は思い出す。

「っと、ちょっと隣いってくる。服渡してくるわ」

「いってらっしゃーい」

「眠そうだな、やっぱり疲れてるんじゃねえか」

「そ、そんなことはない……かも……」

「休んでていいぞ、晩飯作るときには起こしてやるから」

「今日はとうまに買った服を着て、見せたいんだよ」

「そうか、ありがとうな」

「えへへ」

「じゃあとりあえずいってくるよ」

「うん」




「舞夏ー、いるかー?」

「人の義妹を呼び捨てするなよカミやん」

「んなことどうでもいいけどいるのか?」

「ど、どうでも……」

「落ち込んでねえでさっさと言えよ、こっちは急いでるんだよ」

いや、特に急いでないけど。

「今はいないぜよ。何か用かにゃー? ……はっ、まさかカミやん!」

「あーもう……。お前の思ってるようなことは何もないから」

「ほんとかにゃー? で、もう一回聞くが何の用ぜよ」

「これ、舞夏に渡しといてくれ」

「なっ……これは舞夏が持ってたはずのワンピース……! 上条当麻、貴様!」

「コイツめんどくせえ……。借りてたから返しにきたんだよ」

「借りてた……だと……?」

「あーもう! うちの同居人の服を買いにいくまで借りてただけだよ」

「何!? 同居人だと、カミやん! オレ達が補習受けてる間にカミやんは女の子と……」


……お前は知ってるだろうが、俺の同居人。

「そんないいもんじゃねえよ」

「どんな娘ぜよ? カミやん?」







「銀髪の外国人のシスターで、今お前が頭に思い浮かべた人物だよ」

「……、外国人か、羨ましいぜよカミやん」




「はいはい、分かったからとりあえずそれ渡しといてくれ」

「っくぅーーカミやん! 今日という今日は!」

「うっせえ!!」

疲れた……。
ほんとに疲れた。




「ただいま、インデックス」

「……」

「あれ? インデックスー?」




「……寝てる」

しかもちゃっかり着替えてるし。

「似合ってるぞ、インデックス」

そういって頭をなでる。

「えへへ、ありがと……」

「……起きてるの?」

「……」

「……びっくりさせんなよ」

俺も少し寝ようかな、1時間寝たら17:00だし晩飯作り始めるのにちょうどいいだろ。
それに今日は一方通行とも話さなきゃいけないし……な…………。



─────ありがと、とうま。それと、おやすみ。


インデックスの声を聞いた、気がした。




……ま! きて、……!
「起きて、とうま!」


「うわっ」

「とうま、おはよう」

「やば、俺すっかり寝ちゃってたな」

「うん、ぐっすりだったよ」

「今何時だ?」

「18:00なんだよ」

「悪い、インデックス! 飯すぐ用意するから……ってあれ?」


机の上にはご飯とおかずが2人分並べてあった。


「これ、インデックスがやったのか?」

「うん、そうなんだよ!」

「へー、ありがとうな」

「あ、でもまだご飯の炊き方しか分からなかったから、おかずはお昼買ってきたやつの残りなんだよ……」

「それでも十分だよ、おいしそうじゃないか」

「……うん、そうだね!」




「「いただきまーす!」」

「うええ、ご飯がちょっと水っぽいんだよ……」

「そんなことないぞ、インデックス。ちゃんとおいしいぞ」

「そうかな?」

「そうだ、インデックスが炊いてくれた米だからな」

「そう言われるとそんな気がしてくるんだよ」

「だろ? 自分で作ったご飯はおいしいもんなんだよ」

「早くおかずも作れるようになりたいかも」

「焦らなくても大丈夫だ」

「そうだね」

「あ、インデックス、飯終わったらどうする?」

「どうするって?」

「いやー俺バカだからさ、補習行かなきゃなんねーんだけど行ってないんだわ。だから先生ん家行ってくるんだけどさ……」

「ふーん……」

「な、なんだよ」

「ううん、じゃあ私はお風呂入るね」

「そっか、わかし方は……」

「ちゃんと覚えてるよ」

「くれぐれも洗剤の使い方を間違えるなよ」

「? わかったかも」




「「ごちそうさまー!」」

「じゃあ俺が皿洗うからインデックスは風呂わかしてくれ」

「任せてほしいんだよ!」




さて。





一方通行、か……。
あいつは、俺と同じ────




「じゃあ行ってくる」

「うん、いってらっしゃい」

「今日だけでも何回も家に入ったり出たりしてるな、俺たち」

「ほんとだね」

「風呂はいって、眠かったら寝てていいからな」

「今度こそ大丈夫かも」

「そっか、あんまし無理すんなよ」

「……」

「どうした?」

「さっきのセリフ、とうまにそのまま返すんだよ」

「……」

「いってらっしゃい、補習が長引いて帰れない、とかはやめてね」

「……わかってる」







ーあと1時間。






ありがとう、インデックス。



いじょー
次で3巻終わるとか、昨日投下するとか嘘ばっかでごめんなさい

インデックスとの生活書こうと思ったら思ったより長くなってしまって……

・"ーー○時間"の"ー"は時間の長さを表現したかったんだけどわかりにくくてごめん
・ずっと前のインデックス戦の時のインデックスとの距離も段落で表してたつもり

長さバラバラで読みにくいって思ってた人がいたらごめんなさい、自分が読み返した時そう思ったのでちょっとフォローを

とりあえず書き溜めはなくなったので、また書いてきます

いつも感想くれる人ありがとう、嬉しいです


ではー

乙!
日常生活はほのぼのするね
一方さん戦楽しみにしてる!

横棒は――をコピペして「ぼう」とかで辞書登録したら?

ーーーーーーーー←8時間(8本)
ーーーーー←5時間(5本)
ー←1時間(1本)


──────────────




あと4m(4段空いてる)



3m(3段)


2m(2段)

1m(1段)
……0
──────────────


って意味です
説明すら分かりにくかったかな、ごめん

自分で書いたくせに読み返してちょっと読みにくいかなーっと思ったので、説明させてもらいました


いつの間にか200です、みなさんありがとうございます

今回の土御門との会話の

"今お前が頭に思い浮かべた人物だよ"

みたいに日常でも
俺知ってるぜ?みたいな感じでちょいちょいウザ条さんになるけど見て行ってやってください


ではー
何度も失礼しました



相手の反応が面白いな

乙っす。

報われないかみじょーさんを見ているとたまにイライラするので、こういうSSはたすかるっすwwww


タイムスリップ系っていいよね


こんばんは
なかなか来れなくてすいません

先週くらいから忙しくて……
来週終わるまでは忙しいままなので投下は出来ないかなーって思ってます
まだ一文字も書いてないんですすみません……


ではー

待ってるから大丈夫だ


ちょっとさっきちょちょいと書いた分投下(短い)
見直しも何にもしてないので文もおかしいしなんか違和感あると思いますが


そのため今回の投下は今後ボツにするかもしれないけど読んでやってください


では数レスほど




さて、御坂に会うために鉄橋まで来たわけですが……



……おっ、いたいた。

「御坂ー、っておま」

いたんだけど……、

「……何よ」

何かかなり落ち込んでいる様子だ。

「何ってお前何でそんな顔してんだよ」

「……別になんでもないわよ」

「何でもないわけないだろ! またあの実験のことか? まさか開始時間が早まったとか?」

「……違うわ、こっちの話」

「じゃあ実験には関係のないことなんだな?」

「いや、関係は……。はあ……。もういい話すわよ、話せばいいんでしょ? とりあえずどこ行くのか知らないけど行きながら話すわ」

「はいはい」

「『樹形図の設計者』って知ってるわよね?」

「ああ、それがどうかしたのか?」

「今日ね、それをハッキングしに行ったのよ」

「え?」

「あれに偽の予言を吐かせたら少しでも実験は止まるんじゃないか、そしたらその間にできることもあるんじゃないか……って」

「……」

「でもね……」





何故だろう、嫌な予感がする。
違う、嫌な予感しかしない。
冷や汗が湧き出る。

ヤバいヤバいヤバいヤバい。



聞いちゃだめだ聞いちゃだm
「それ、壊れちゃったらし「ごめんなさい!」




「……は?」

「そ、それ壊れたのいつかわかる?」

「……」

「……」

「昨日まではあった『樹形図の設計者』への依頼が今日は半分以下。あ、いや、そうじゃなくて今日だけ本来の半分以下しか処理されなかったらしいの」

「それでおかしいと思ったら報告書にはこう書いてあった。"『樹形図の設計者』は正体不明の高熱原体の直撃を受け、大破したものと判明。正確な大破時刻は分からないものの、おおよそ9時からの3時間の間であることも判明。また、原因の解明と、この件による『樹形図の設計者』の情報の漏洩を防ぐために残骸の回収を最優先する"って」




「へ、へー。それはそれはミサカサンナントモウンノワルイコトデ」

「……」

「じゃ、じゃあさっさと行こう、もうすぐだ」

「……待ちなさいよ」

「ひぇっ!?」

「アンタ何か知ってるわけ?」

「かっ、上条さんみたいな一般人はそんな機密事項なんて何も知らないのでゴザイマスヨー?」

「本当のところは?」

「いや、俺本当に知らないって!」

「本当?」

「ああ、多分」

「多分?」

「あ」

「……」

御坂が俺の肩をつかむ、ヤバい。

「言いなさい。今ここで電流流してあげてもいいのよ?」

「……」








……でもたった今もうそれどころじゃなくなった。





「……流すなら勝手に流せ。今のお前じゃ俺に電気は流せねえよ。それにもう時間がない」

「何よ、アンタそんなこと言ってビビらせるつもり? 電気効かないのはその変な右手だけでしょ? 私が今つかんでるのはアンタの肩なのよ、肩」

「だから勝手に流せって言ってるだろ? 信じれねえならやってみろ、本当に右手だけなのかどうかをな」

「じゃあ遠慮なく……って………え………」




……御坂はどっちに驚いたのだろう。

俺に電気が効かなかったこと?

それとも……













目の前に御坂と同じ顔をした奴が白髪の男の前にいること?




……タイムリミットだ、御坂。
お前の喧嘩はいつでも受けてやる。







実験開始まであと10秒。
待ってろ、御坂妹。
そして、


俺と同じ、お前。



いじょー

また一週間ほど忙しくしてきます
待っててくれる人、感想書いてくれたりする人ありがとうね


ではー

乙でした

無理せず完結してくればそれでおk

完結してほし~なー

1が来るのはいつか教えろください

ごめんなさい
やっとさっき落ち着いたので書いてきますもう少しお待ちくださいな

ところで一方通行の口調って「ん」って全部「ン」になるのかね?

なるよー
あと小さいア行も

だよねー3巻 p231 1行目ってミスなのかな

恐らくそうだと思われる
アレだよ、きっとキャラ固まってなかったんだよ
三巻はア行とン以外もカタカナになってたりするし

確かにヨも違和感あったなー

ロシア編ですらン変換漏れがあったくらいだしなw

3巻は語尾にもやたらァィゥェォついてべしゃっとした話し方だったけど
3巻と暗部時代と新約見比べると語尾で「~でよォ」のようにァィゥェォつく率がどんどん減ってるらしい
3巻のカタカナ過多は一番キチってた状態で、そこからァィゥェォンだけになる→語尾につかなくなる
のは、だんだん精神状態が落ち着いてきてる描写なんじゃないかかまちースゲエ、と
解説してるのをどっかで見た
例:3巻「~だろォがヨォ」→ロシア「~だろォが」 みたいな感じ

続きたのしみだよ


こんばんはー



さて、今日は一方通行と戦うところです

本格バトルを期待してくださった方、すみません
地の文が本当に苦手なので……

ですから会話文で物語が進んでいきます
それはつまり一方通行がやたらしゃべるということで……

>>231におおっと思ったので一方通行の語尾を伸びぎみにしてみました


ではー




目の前には操車場。

……ば、それ以上『上』を目指す必要性など感じないのでは、とミサカは予測します」


静かな夜だ。
こんな時だと、まだある程度遠くにいる御坂妹、一方通行の会話も聞こえてくる。




「最強、ねェ」

「最強、さいきょう、サイキョーってかァ? そりゃ確かにそォだ、俺はこの街で一番強い能力者だし、それはつまり世界で最高の能力者って事だろォけどさァ」

「結局、俺はまだ最強止まりなンだよ。この俺は学園都市で最強の能力者。ふン、そンじゃどォして周りの連中はそれを知ってンだ? ぶっちゃけさァ、実際に一方通行と戦ってみて負けたから、だろォ? それって逆に言えば俺の強さは、面白そうだから試しにアイツにケンカを売ってみよう、って程度にしか思われてねェって事だよなァ」




「……」

御坂は黙って一方通行の言葉を聞いている。
こいつにもあいつや俺と同じところがあると俺は思うし、共感できるところでもあるのだろうか。

それとも。

「御坂、お前はここで待ってろ」

「……本当に助けが必要な時は言いなさいよ」

「うーん、多分大丈夫だろ。あ、でも」

「何よ?」

「一方通行を倒したあとちょっと力を借りるかもな」

「……分かった」

「じゃ、行ってくる」

そして、一方通行が再度言葉を放つ。




「ダメだよなァ。そンなンじゃ全然ダメだ。そんな最強じゃ全くつまンねェ。俺が目指してンのはその先なンだよ。『挑戦しよう』と思う事が馬鹿馬鹿しく聞こえるぐらいの、そもそも相手が『戦おう』って思う事すら許さねェほどの、絶対的な強さ」










────────そんな『無敵』って存在に憧れている、






だろ?一方通行。




「あン?」

「よう、一方通行。御坂妹も元気そうでなによりだ」

「なンだァ? オマエ」

「ミサカはいつも元気ですが、とミサカは貴方がここにいる事への驚きを隠しながら返答します」

「相変わらずだな」

「そうですか?」

「ああ。……っと、そうだ御坂妹。お前にはまだインデックスと遊んでもらうって約束があったよな? あれどうなるんだ?」

「オイ、オマエはさっきから何言ってンだ?」

「うるさい。ちょっと黙っててくれ、今は御坂妹と話してるんだ」

「あァ? オマエ、ナニサマ? 誰に牙剝いてっか分かって口開いてンだろうなァ、オイ。学園都市でも七人しかいねェ超能力者、さらにその中でも唯一無二の突き抜けた頂点って呼ばれてるこの俺に向かって何て口の利き方してンだァ? オマエ、何なンだよ。カミサマ気取りですか、笑えねェ」

「お前の事なら知ってるぞ。しかも今わざわざ自己紹介までしてくれたじゃないか」

「舐めてンのか?」

「てかさ、お前本当に第一位なの? ずっと思ってたんだけどさ」

「はァ?」




「いやだって見るからに細いし。そんなんで立てんの?」




「……」

「……」

「……」

「……正直もや」

バシュッ

一方通行の蹴った石がコンテナに当たり、それは小さな爆発を起こす。
それがどうした、俺はちゃんとこいつが第一位だって知ってる。

「……、へェ。オマエ、面白ェな。だがオマエは俺を舐めすぎなンだよ。………………じゃァな」


一方通行が視界から消える。




が、俺にはあいつがどうくるか分かる。
分かるだけにあとは避けるだけだ。

「ほォ」

「さっきはいいものを見たな。能力がなければ立ってられないって自分で言ったようなもんだよな」

「ふン、そンなこと脳に直接ダメージを食らわない限り無理だろォが。あァ? 何ですかァ? オマエは空間移動能力者ってかァ? 残念だが俺には効かねェよ」

「それは残念だ。だが俺はまた残念なことに無能力者なんだよ」




でも、


「でも、お前に勝つことならできる」

「……」

一方通行は無言で右手を突き出してくる、避ける。

次は左手、避ける。


避ける、避ける、どんどん避ける。







「お前じゃ俺には勝てねえよ」




「……いやオマエ、さっきから避けてばっかりでさァ、全然攻撃翌来ねェンだけど。さっきのはハッタリで実はビビりまくりってオチですってかァ!?」




「え? 攻撃していいの?」

「あン?」

「いや、お前、死ぬよ?」

「はァ?」

「ああっとその前に一つだけ。お前の能力ってさ、ベクトル変換? だっけ? ベクトル見えんの?」

「何言ってンだ?」

「まあいいや、どうせ知覚化はしてるんだろうし」

「だから何言って────」

「じゃあいくぞ」










緊急事態、発生だあああ!







「ォォオオオオオオオっ!!!」


ドゴッ!










「! っく……」

「おー避けてくれてよかった、さすが第一位ってところだな」

「……オマエ、何をした?」

「ん? 腕からビームだけど」

「そンなことを聞いてるンじゃねェ!」

「じゃあ何なんだよ」

「今の、本当に能力での攻撃か?」

「いや、だから俺は能力者じゃないって」

「だとすると、科学の攻撃じゃないのか……」

一方通行が呟く。鋭い。

「やっぱり、さすが第一位だ」

科学を知り尽くしているからこそ、魔術(オカルト)を肯定できる部分があるのだろう。

「──────オマエ、本当に面白ェわ」

「ありがとう」




「……、どうやって攻撃してるかは分からねェし知らねェがそンなのは関係ねェ。俺はオマエを倒す。いいねェ、強いヤツと戦うってのは。そろそろ実験にも飽きてきたとこなンだよォ」

「そうか、飽きてきたのなら実験とこの戦いはもう終わりにしよう」

「ふン、言ってろ」





さあ、一方通行。
ここからは話し合いの時間だ。







ドサッ……







直後、一方通行が地面に倒れた。



いじょー

上条さんなんでこんなにうざくなったんだろう

上条「お前じゃ俺には勝てねえよ」キリッ

って感じかなあ




毎度毎度レスくださってる方々ありがとうございます

ではまたー

>>245訂正


「……いやオマエ、さっきから避けてばっかりでさァ、全然攻撃翌来ねェンだけど。さっきのはハッタリで実はビビりまくりってオチですってかァ!?」




「え? 攻撃していいの?」

「あン?」

「いや、お前、死ぬよ?」

「はァ?」

「ああっとその前に一つだけ。お前の能力ってさ、ベクトル変換? だっけ? ベクトル見えんの?」

「何言ってンだ?」

「まあいいや、どうせ知覚化はしてるんだろうし」

「だから何言って────」

「じゃあいくぞ」


ん? 腕からビームだけど
じゃねえよww

ここから先は男女平等ビームだ!相手は死ぬ!!
いや、一通さんもヒーローに作り変えないとな。がんばれヒーロー一号



「……いやオマエ、さっきから避けてばっかりでさァ、全然攻撃来ねェンだけど。さっきのはハッタリで実はビビりまくりってオチですってかァ!?」


訂正されてないじゃん……

乙でした

saga忘れに注意


おはようございます
今日から2週間ほど忙しい日が続きそうです
やっと落ち着いたと思ってたのに申し訳ない……

今後の展開もまだまだ決まってないので何かあれば言ってくださっても


ではー

舞ってます

待ってるにゃー

2週間たったしもうすぐで来るのかな?


こんにちはー
長い間すいません、やっと落ち着いたので土日に書きます

ではー

舞ってます


こんばんはー

短いですが投下

……上条さんのキャラがどんどんおかしく……

ではー


「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……ブフォ」

一方通行はまだ動かない。





「……は?」

しばらくして、誰かが声を発した。

一方通行がびっくりして発したのか、御坂や御坂妹があまりにもあっけない一方通行に驚いたから発したのか。
でも俺には誰がその声を発したのかわからない


決して集中していたから、ではない。






……こいつ、ほんと能力ないと立てねーのかよ。

「ブフッ……」

「……」

「……」




「……オイ」

「んんん? なんだ?」

「……オマエ、何をした」

「だからお前の能力をだな」

「だからさっきからそンなことを聞いてるンじゃねェ!」

「じゃあなんだよ、めんどくさい奴だな」

「……チッ、もういい。俺の負けだよ、何にも分かンねェ。さっさと殺せ」

「何で?」

「はァ? 頭大丈夫かオマエ」

「……」

「……」

ほんとにめんどくさい奴だ。
上条さんの頭は大丈夫です、多分。




「……おーい御坂ー」

「な、何よ!?」

こいつはこいつでいろいろ追いついていないようだ。

「オイコラ」

「こいつちょっと黙らせられない?」

「え? え?」

「……オイ!」

「いや、電撃でちょっとさ。俺こいつと話したいことあるし」

「べ、別にいいけど……。っと、私はその後どうすればいいのよ?」

「無視してンじゃねェ!」

「ああお前は帰っていいぞ。またこの事については報告してやる、ちゃんとこいつとお前と俺の3人で話そう。それより今日はもう寝た方がいい、疲れてるだろ? なんでもずっとほとんど寝てない生活だったらしいしな」

白井が前言ってた、なんて言えず。



「……オイ」

「そ……、ありがとう…………」

「じゃあ、ちょっと気絶させる程度でいいから」

「……ォィ」

「ほんとに反射とかないんでしょうね」

「それは大丈夫」

「…………」



御坂まで能力が使えなくなるといけないから、俺は周りに放出した力を右手に戻して、一方通行に触れる。

「じゃ、いくわよ」

「ん」

「……これはちょっと一方通行がかわいそうな気がします、とミサカは」

びくんっ

「ぐえっ……」

「……」

「……」






「……よし解散」



そう言うと俺は一方通行を担ぎあげる。

「じゃあ俺は家に帰るけど、お前らも気をつけてな。送っていけないのが残念だけど」

「べ、別に私は送ってもらわなくたっていいのよ! この美琴サマが簡単にそこら辺の奴に負けるわけないでしょ、じゃ!」

御坂のケンカ癖が俺にもうつったのだろうか。
このセリフを聞いてちょっと負かしてやりたい、と思ってしまった。

「能力オフ」

「え……、ちょ!? ちょっと戻しなさいよ!」

「はいはい、気をつけて帰れよ」

「ふんっ」

ドスドスという効果音がつきそうな歩き方で御坂は帰っていった。


「……で、お前はどうすんの?」

「ミサカは……。どうなるのでしょう、とミサカは疑問を口にします」

うーん、前は俺倒れちゃったからどうなったか知らないんだよなあ。

「じゃあさ、ミサカネットワーク?だっけ? それに今日は実験は中止だから回収はいらないって言っとけよ」

「そんな簡単でいいのでしょうか?とミサカは不安を隠せません」

「……知らん。けど何とかなるだろ」

「……そうですか、とミサカは報告が終わったことを報告します」

「おお、じゃあ行こうか」

「何処に行くのですか?」

「あれ? 言ってなかった? 今日はうちに泊まっていけよ、ベットも貸すぞ?」

「そんなことは初めて聞いたのですが、とミサカはミサカの貞操の危機に不安を隠せません」

「安心しろ、こいつもいるしお前がしゃべってくれてたインデックスもいるからさ」

こいつ、とはもちろん俺の右肩に掛かっている一方通行のことだ。

「あのシスターもいるのですか、とミサカは面倒くさかったあの会話を思い出して露骨に嫌な顔をします」

「……ほんと相変わらずだなお前は。ほら、こいつが目覚めるまでに行くぞ」

「……はい」



ふと上を見上げる。

「……全然気づかなかったけど、今日は、星が綺麗だな」

「そうですか?」

「……これから何回でも見れるさ」

「……」

「……今日は"お泊まり"だな」

「お泊まり?」

「仲のいい友達の家に遊びに行ってそのまま泊まることだよ」

「ミサカは遊びに行くわけではありませんが」

「いいんだよ、そんな細かいことは。不満ならこれからいくらでも来ていいんだぞ?」

「でも、ミサカはこの後しょb」

「ああやめやめ、ほら行くぞ!」

「いきなり手を掴まないでください、とミサカは何とかあなたのペースに合わせて歩きます」


多分、そんなことはない。
この後も学園都市に利用はされるかもしれないけど、処分なんてことはないはずだ。
そんなことだけは絶対にあってたまるか。

「ところであなたの家はどちらにあるのですか?とミサカは尋ねます」

「え? ああ、こっちこっち。そんな遠くないからな」

「そうですか」

「じゃあ御坂妹。家に帰ったら"ただいま"だぞ?」

「……はい、わかりました、とミサカは承諾します」

「さーてお泊まり会と行くかー」



ベットは御坂妹とインデックスが使うとして。
……こりゃインデックスになんて言われるかわかんねえな。


まあいいや、今日は全員部屋で一緒に寝るか、さすがにこいつと風呂場に2人は狭いし。
右手こいつと繋がってなきゃなんねえし。




……でも御坂妹は女の子な訳であって、そんな娘と同じ部屋というのはいろいろまずかったりするわけで。
でもそう考えると今までインデックスとどうしてたかと言われると困るけどその時は俺風呂場にいたし。
だから風呂場に行けと言われるとでもこいついるしってなって…………。



今日俺寝られないかも知れないな……。






「不幸だ……」



結局のところ、学園都市は


というか俺の不幸は今日も夜まで平常運転だった。



いじょー
上条さんは何処へ向かうのか自分でも分かっていませんが

次はお泊まり会。割と小ネタみたいな感じでやるかもしれないです。
まだ全て未定ですがよろしくです


ではー



なんて頼りなるんだこの上条さん

乙でした


こんばんはー

>>172
○……それはミサカのことですか?
×……それは私のことですか?

今更だけど訂正

さて、投下します
ほのぼのしたいなー

ではー



「ほら、御坂妹。ここが俺の家だ」

「ミサカが製造された研究所より小さいのですね、とミサカは感想を述べます」

「うぐ……、確かに狭いけど研究所と比べるのはどうかと思うぞ?」

「?」

「……うん、とりあえず入ろう」

「はい、とミサカはおもむろに銃を取り出します」

「だーもう! 普通に開けるんだよ普通に!」

「?」

「まあそうですよね上条さんが悪かったですよ!」




ピンポーン



「はーい」

「インデックスー俺だー」

「あっ、とうま! 今開けるね」



ガチャ


「おかえりとうm……」


バタン



「ただいま、インd……っておい!」

「……とうま」

「……はい、なんでしょう?」

「クールビューティはともかく、その肩に掛かってるのは何かな?」

「何って……うーん。……友達?」

「……とうまは何しに外に行ったの?」

「補習……だけど」

「その補習が長引かなかったのはいいことだけど。いいことなんだけど何持って帰って来てるのかなとうまー!!」

「わ、悪かったインデックス!」

「……どうせとうまは『宿題』を持って帰ってくると思ったから掃除しておいて正解だったかも」

「……ありがとう、インデックス」

「……ふーんだ」

「なあ、インデックス」

「なにかなとうま?」

「……そろそろ開けてくんない!?」

「あ、ごめん忘れてたんだよ」




ガチャ


「ただいま、インデックス」

「おかえり、とうま」

「ほら、御坂妹も」

「ただいま、とミサカh」


バタ「まてまてまて!」


「なんでクールビューティまでただいまとか言ってるのかな!?」

「今日はみんなでお泊まり会だ、住人が増えるとかじゃないから落ちつけ」

「はあ……もういいんだよ。おかえり、みんな」

「やはりミサカは邪魔なのでしょうか?」

「そんなことないさ、ほら入るぞ。インデックス、洗面台まで連れて行ってやってくれ」

「りょうかーい。ほらクールビューティ、こっちなんだよ」

「あーれー、とミサカはなされるがままにします」

「……って靴を脱げ靴をー!!」


……疲れた。
こんな感じで家に入るまでに一苦労あった俺達のお泊まり会がはじまった。



「なあ御坂妹、お前ご飯食べた?」

「?」

「だよなあ食べてるわけないよな」

「おかずの残りがあるけど……」

「おお、それ出してあげてくれ」

インデックスがとても家庭的で嬉しい。



「どうぞー、食べるといいんだよ」

「ありがとうございます、とミサカはいつも摂取している栄養剤でないことに驚きます」

「とりあえず食べてみろよ。それもこれからたくさん食べれるさ」

「食べました、とミサカは報告します」

「早いなおい! あれですか御坂妹もインデックスみたいな腹ペコキャラですかそうですか!!」

「いえ、ミサカは食べるという行為に興味があるだけです、とミサカはこのシスターと同じにしないで欲しいと暗に述べます」

「むっ、それは失礼かも」

「あーはいはい。インデックス、風呂ってまだ沸いてるか?」

「それはもちろん。とうまが入ると思ってたから」

「そっか。じゃあ御坂妹、先に入って来いよ」

「初めての風呂に入るという行為に期待が膨らみます、とミサカは服を脱ぎます」

「うわああ、ちょ、おい!」

「?」

「……インデックス、いろいろと教えてやってくれ」

「しょうがないなあとうまは」

「いや、俺じゃない……」

「なんか言ったかな?」

「いーや、何にも」

「じゃあクールビューティ、お風呂に入るんだよ!」

「了解です」



御坂妹は少し嬉しそうな顔をした気がした。
……確かに御坂妹はこの家で体験することは全てはじめてだもんな。

だからお風呂は心配ではあるんだけど……
まあ今のインデックスなら大丈夫だよな。



『そこひねっちゃダメなんだよ!』

『ちょっとクールビューティ!』

『きゃあああお湯がー!』



大丈夫……だよな?



「ン……」

「お、起きたか」

「あン?」

「おはよう」

「……」

「ん? どうした?」

「ここはどこだ?」

「どこって俺ん家」

「はァ?」

「いやだから俺ん家」

「……」

(ちょっと待て意味分かンねェ。何がどォなってやがる!?)

「おーい?」

「……とりあえず手を離せ」

「いや」

「離さねェと……」

「離さないと?」

「チッ、何でもねェよ」

「まあ離してもいいんだけどな」



そう言って一方通行から手を離す。
もちろん手を離す前に力を放出しておいた。

「……オイ」

「なんだ?」

「状況が変わってねェじゃねェか!」

「まあまあ落ち着けって、ゆっくり話でもしようぜ。あいつらもまだまだあがってこないと思うし」

「アイツらだァ?」

「うちの同居人とミサカ10032号のことだよ。今日はみんなでお泊まり会だ」

「……チッ。ふざけたことを」

「……なあ一方通行」

「……」

「こういうのも、悪くないと思わないか?」

「……」

「……」

「……」



「なあ、なんでお前は実験に参加しちまったんだよ」

「……教える必要もねェ」

「まあ確かにそうなんだけどさ」

「……」

「……俺さ、記憶喪失だったんだよ」

「……はァ?」

「でも今は違う、ちゃんと思い出すことが出来た」

「くっだらねェ。だからどォした」

「確かにお前にとっちゃそうかも知れないな。でもな、おかげでわかったことが一つあったんだ」

「……」

「お前が実験に参加しちまった理由だよ」

「……チッ」

「俺は記憶を失ってた時、ずっとお前が実験をしてた理由が分からなかった。なんでわざわざ無敵を目指す必要があるのか、と」

「……」

「でも、俺の記憶が戻った時、一方通行は俺に似ていると思った」

「……」



「俺は、不幸すぎて。お前は、強すぎたんだ」

「俺は、昔から不幸だった。お前の能力を消したこの右手。それが運とかそういうのまで片っ端から消してるかららしい」

「そのせいでちっちゃい頃は疫病神なんて言われて周りの人間には近づいてもらえなかった。今でこそ不幸の避雷針なんていう風にちょっとしたギャグみたいに流してくれる友達がいる。でも昔はそうじゃなかったんだ。それがこの学園都市に来た理由でもある。運なんてオカルトなモノと縁のない学園都市にって」

「そんな俺がまっすぐ生きてこれたのは、いつも支えてくれた両親のおかげだ。こんな俺でも自慢の息子だと言ってくれる、な。とても感謝してるよ」

「一方通行はどうだ? そういう人はいたか?」

「……忘れた」

「……。一方通行は強すぎて、その力のせいで友達を失ってしまった。違うか?」

「……知らねェよ」

「そっか。まあここからは俺の妄想だと思って聞いてくれ」

また、話し出す。



「……だから一方通行はもう誰も傷つけたくない、そう思っていた。だから一人になればいいと思った」

俺自身、そう思っていた。周りが不幸にならないように、誰も近づけちゃいけないと。
だから、同じ。

「そこで一方通行はこの実験の話を聞いた。もう誰も傷付けなくていいようになる、と。Level6になることで、もう誰も自分と戦わなくていい。そう言われた」

「だからやってみようと思った。……でも、実際は妹達を殺さなければいけないと言われた」

「最初はこんな実験やめようと思った。でもあいつらは人形だから別に殺したって構わないと言われた」




……そう。
俺と一方通行の違いは、多分ここなんだ。

俺には優しい、優しい両親がいた。
例え、自分の元を離れてでも息子が幸せになれるようにと願ってくれる、両親が。

ただ、こいつは違った。
こいつには、その心を利用しようとする研究者達がたくさんいた。

強すぎたために。
そのために友達を傷付けたくなかった、当たり前のことじゃないか。
それを利用しようとするなんてまともじゃない。




「……とまあ勝手に思ってるわけなんですけどね」

「……くっだらねェ」

「確かにくだらない話だったな。でも、俺はこの話が多少は合ってるという自信はある」





何故なら、
俺は知っているんだ。

10月の終わりに、一方通行が妹達を助けるために自分が壊れるまで悩んでいたことを。
俺にもう一回妹達を助けろ、打ち止めを助けろ、とそんな八つ当たりをしてしまうほどに。
最強のはずのあいつが、あんなにも悩んでいた。


そういえば9月の終わりに、打ち止めが俺にあの人を助けて、って言ってきたけど、あれも一方通行のことなんだなと思う。

あの娘には何回か会ったことがある。
その全てで"あの人"の話をしていた。








ほら、一方通行。
お前はこんなに信頼されるほどに優しい人間だったんじゃないか。




「……罪を犯したことは確かだ。お前が悪いし、償っていかなくちゃならない」

「でも、それ以上に俺はお前を利用しようとした奴らが許せない。お前を不幸にしようとした奴らが、だ」


だから、


「だから、お前は幸せにならなくちゃいけないんだよ」

「……意味分かンねェ」

「それが、お前の出来る精一杯の反抗だと俺は思う」

「……」

「……だから、まずは俺と友達になろう、一方通行」




自分でも何を言っていたのか分からない。
今一方通行に話したことなんてほとんど覚えてない。

でも一生懸命に伝えようとしたことだけは覚えている。
なら大丈夫。

きっとこいつには伝わったはずだ。


また、きっと─────。




「ふう、いいお湯でした、とミサカは感想を述べます」

「おー、それは良かったな」

「とてつもなく疲れたんだよ…………」

「お疲れ様」

「とうまも入る? それともお友達も?」

「今日は遅いから寝ることにするよ。明日、朝シャワー浴びる」

「お友達はどうするのかな?」

「……俺も入らねェ」

「じゃあ栓抜いてくるからとうまはお布団よろしくね」

「ん、わかった。ありがとう」

「ミサカは何をすればいいのでしょうか?」

「ん? じゃあこっちの布団持って」

「こうですか?」

「そうそう、そのままひいて。……っと俺はこっちにひいてと」

「終わったんだよ」

「おうありがとう。じゃあインデックスと御坂妹はベッド使ってくれ。俺らは布団」

「ほら、クールビューティこっちだよ」

寝る順番は、壁から
インデックス、御坂妹、一方通行、俺になった。

「じゃあもう寝るか」

「電気は?」

「それならミサカが」

「ちっがーう! リモコンこっちにあるから! んじゃ消すぞ?」

「……zzz」


プチン




「……おやすみ。ってもう寝てるよインデックス」

いろいろしてくれたからな、今日は。

「本当にありがとう、インデックス。おやすみ」

インデックスにそう言って布団に入る。

「……一方通行」

「……」

「能力は、寝たら使えない。俺の場合演算とかじゃないからな。じゃあおやすみ」

「……チッ」


俺も疲れた、もう寝よう。






……意識がなくなる寸前に聞いたのは、ゴソゴソという音だった。

───────おやすみ、一方通行。


いじょー

ここからは番外編みたいな感じでいきます




「……チッ」

くっだらねェ、本当にくだらない。
この無能力者もその話も。

逃げたと思われるのはしゃくに思われたからとりあえず俺は布団に入る。



何が友達、だ。
このシスターまでそんなことを言いやがった。
平和ボケにも程がある。

俺は一万人も殺した人間だ。

なぜこいつらはそんな奴の前で無防備に寝られる?

一番分からねえのはこのクローンだ。
何でそんなに俺を恐れない?

分からない、何も分からない。

寝返りをうって、上を向く。
……ベッドからはそのクローンが顔を出していた。
目が合う。




「眠れないのですか?とミサカは尋ねます」

「……知らねェよ」

「一方通行はお泊まり会というモノを経験したことはあるのですか?とミサカ質問を変えてみます」

「……ない」

「そうですか、では今日が初めてなのですね、とミサカは確認をとります」

意味が分からないが眠れそうにないので答えることにした。



「それが?」

「これが、おそろい、というものなのでしょうか」

少し違うと思うが知ったことじゃない。

「そうなンじゃねェの?」

「楽しい、ですね」

「……」






「実験をしている時には気づきませんでしたが、とミサカ前置きをします。空気はとても澄んで、星はこんなにも綺麗で、あなたや友人達が隣にいる。それは、こんなにも楽しいと感じるものなのですね、とミサカ初めての感情に戸惑います」


「……そォかよ」



……何をやってるんだ、俺は。
こいつは俺なんかより、ずっと。
人を殺すことに違和感を覚えなくなった俺なんかより、ずっと。










ずっと人間らしいじゃないか。



「ミサカが死ぬまでにこんな感情を教えてくれてありがとうございます、とミサカ感謝の気持ちを伝えます」

「感謝ならこの寝てるやつにしとけよ」

「それでもミサカが生まれたのはあなたがいたからです」

「……」

くっだらねェ。

「では、そろそろ寝ましょう。明日の実験はハードになりそうです。今日の分もあるので、とミサカは原因を述べます」

「明日は……」

「?」


「いや、なンでもねェよ。明日からもこんな星空が見れるといいな」

本当にくだらない。

「……はい。ミサカは冬の空が見てみたいです、とミサカは冬の空が綺麗だという知識を引っ張り出します」

「……そォかよ。冬になったら嫌でも見れる」

「その時は、ミサカも連れて行ってください」

「……当たり前だ」

「では、おやすみなさい」

「……」




こんなのは、俺のガラじゃない。
冬の空くらい、勝手に見に行ってろ。







勝手に。







……そういえば、この隣で寝ている無能力者は何故俺のことを前から知っている風な口ぶりだったのだろう。

そんなことをふと思いついた時にはいつの間にかやってきた眠気に負けそうになってきていた。


いじょー

そういえばまだ御坂と話していない一方通行と上条さん
いつになったら3巻は終わるのやら

まあ4巻は速攻で終わるつもりだからいいんだけど
……っとその前に2巻か




御坂も自分がクローン達を殺したって言ってるくらいに責任や罪は感じてるから一方通行を一方的に責めるのはおかしいとは思うんだけど、やっぱり直接殺したのは一方通行だから責める気持ちも分かるし……という難しいところだなあと思いますね


ではー

乙でした

乙乙ー

乙でした


実験をするのにどんな理由があったとしても御坂にとって一通は加害者以外の何物でもないからなあ。
誰も傷つけたくなかった?ならしょうがない、なんて御坂は思えるわけないよな


>>1が上げないと下にありすぎて専ブラじゃないと気づかれにくいかも


こんばんはー

今まで割とわざとあげてないってところがあったんだけど……
まあいいか、特に理由もないので次からは最初はあげます


ではクリスマスイブ短編
全くこのSSと関係ないのでその辺はお気をつけて

ではー

<帰り道編>




「はあ……不幸だ」

せっかく今日は冬休みで、しかもイブだってのに補習かよ……。



今、私こと上条当麻は補習の帰り道である。
まあ、自業自得だと言われればそれまでなんだけどさ……。
それでも今日補習というのはなかなか辛いものであるんだ。

まあ、モテない上条さんには特に用事無いし関係ないですよっと。
……これを学校で言ったら土御門とかには殴られたけど、事実予定がないのだから仕方が無い。

そんな俺を見てかどうかインデックスがイギリスの教会の方に行かずこっちに残ってくれたのは嬉しい。

でも残ってくれたのに補習ってのはやっぱり申し訳ないなあ……。

そんな終わらない思考をぐるぐるとしていたら結構歩いていた。

(上、結構歩いていた。を、
いつの間にか、結構歩いていた。
に変更)



……そうだ、スーパー行こう。

インデックスを食べ物でつる訳ではないけど。
ないんだけど、やっぱりたまには贅沢させてあげたい。

財布を確認する。

……一応余裕はある。

よし。


俺はスーパーへ向かうために、歩く方向を変えた。



スーパーを出るともう空は暗くなっていた。
さすが冬だ。
学園都市だろうが冬に日が落ちるのは早い。

……インデックス、喜んでくれるかなあ?




『とうまとうまー、何それ?』

『ん? これか? インデックスのために買ってきたんだ。食べていいぞ』

『ほんと!? ありがとうとうま!』





インデックスの喜ぶ姿が目に浮かんで思わずにやける。



……はっ、いかんいかん。
気が緩んでいると何かしら不幸にあうに決まっている。
例えば、何もないのに転ぶとか、電撃が後ろから飛んでくるとか。


それでもやっぱり、インデックスの喜ぶ顔を思い浮かべるとこっちまで嬉しく感じてしまう。

視界の端に映る、すれ違う通行人や、バチバチと電気を纏った真っ赤っかな少女に見られていた気がしたが、そんなのは気にしない。
何ならスキップをしてもいいくらい気分がいいのだ。

そんなこんなでマンションに着くと、階段を上って行く。
エレベーターでは万が一がないとも限らない。
だって乗るのは俺だ。


部屋の前に近づくにつれて、とてもいい匂いがする。
去年のクリスマスは覚えていないけど、クリスマスっぽい匂いだ。
実際、自分が買ってきたものもそんな匂いがする。

舞夏が土御門につくってやってるのかな?
後で余ったらもらいに行こうかな?


……いやいや二人のクリスマスは邪魔できない。

それよりこんな匂いさせてたら今頃インデックスもお腹空かせてるだろうな、なんて長々と考えながら土御門の部屋も通り過ぎる。


さて。

鍵を挿す、ドアを開ける。


がちゃ



「ただいまー……あれ? お、お邪魔しましたー!」


ばたん



あれ?部屋を間違えたのだろうか。
ドアを開けた瞬間、さっきからのいい匂いが広がったのだ。
おかしい。表札を見る。



『土御門元春』



ですよねー……って、え?

……何で鍵開いたの?あれ?

あ、表札ってこっちじゃねえや。
左を見る。



『上条当麻』



……合ってる。
するとあれはやっぱり家からしてる匂いなのか?
ん?ん? あれ、じゃあ誰が……?



がちゃ



「…………何してるの?」

「へ? あ、いや別に何も」

中から出てきたのはいつもと変わらぬインデックスだった。


「うーん、一回ドア開いた気がするんだけど……」

ただ、一つだけ気になることがある。

「……どうした?」

「何が?」

その変わっていた所といえば、インデックスはおたまを持って、エプロンを付けていたこと。
……非常に家庭的だ。



「あ、いや。いつもと違う格好してるし……。それに何かいい匂いもするしさ」

「あ、気づいてくれた!? 頑張って作ったんだよ! さっ、入って入って」

なんと、あのインデックスが料理を作ってくれたらしい。
インデックスの顔は何故かとても嬉しそうだ。
……俺何かしたかな?


「分かったから引っ張るなって。……ただいま、インデックス。遅くなってごめんな」

「ううん。おかえり、とうま」



リビングに着くと、美味しそうな匂いはさらに広がった。

そして、机には、俺が買ってきたチキンとかなんやらより、さらに美味しそうなそれらが置かれていた。

「……これ、ほんとにインデックスが作ったの?」

「そうだけど……」

「……一人で?」

「むっ、あんまり私をバカにしないで欲しいんだよ」

「ああいや、違うんだ。……すごいな、これ。家にあったもんだけでここまで作れるもんなのか?」

「ふふーん、褒めるといいかも」



笑ってインデックスの頭を撫でようとする。

……が、上に挙げようとした右手は重かった。


「……そうだ、これ買ってきちゃったんだけどどうしようか?」

「わあっ! これはまた豪華なのを買ってきたんだね」

「インデックス、食べられる?」

「任せて!」

「まあ俺も食べるし、残ったら明日の朝とかでもいっか」

左手でインデックスの頭を撫でると、冷蔵庫へ行くついでに台所に手を洗いに行った。

台所へ行くと、とりあえず買ってきたものを冷蔵庫へ入れた。

そして手を洗おうと流し台の前に立って気づく。
流し台の中にある食器や調理器具の中に、おたまがないのだ。
さっきインデックスが持っていたおたまが。




……そういえば今日のご飯に味噌汁なんてあるはずもなく。


おたまは片付けられるべきところにしっかりと片付けられていた。



……あいつ、確信犯か。
思わず笑みがこぼれる。

まあいいや、今日はせっかくインデックスが作ってくれたこんな豪華な夕食なんだ。
美味しく、楽しくいただくとしますか。

<食事編>



「おーし、インデックス。食べるかー」

「はやくはやくー、もう用意できてるよ?」

「何から何までありがとな」

「いつもの感謝の印ってやつかも」

「……そっか、それでもありがとう」

「じゃあいただきます」

「いただきまーす」

「……」

「……食べないの?」

「え? あ、ううん。とうまに先食べてほしいかなー、って……」

「ん? わかった」

インデックスの意図はよく分からないけど、感謝の印とか言ってたくらいだ。
俺のために作ってくれて、俺に先に食べて欲しいのだろう。
一口食べる。


「うまい! いや、ほんとにうまいよ」

「ほんと!? えへへ……」

ああもうかわいいなおい。
思わず左手がインデックスの頭へのびる。

……俺は人の頭を撫でる癖でもあるのだろうか?

「インデックスも食べろよ、お腹減ってるだろ?」

「う、うん。じゃあ……」

「どうだ?」

「おいしいんだよ!!」

「そりゃ自分で一生懸命作ったものだしな」

「とうまのために作ったからだよ」

「そ、そうか?」

「……はじめてご飯を炊いた日を思い出すね」

「あー、あの時は水っぽいとかなんとか言ってたな」

その後も他愛ない話をしながら食を進める。



「「ごちそうさまー」」

「……」

俺は驚いている。
とても驚いている。

「おいしかったねー」

「あ、ああ」

「結局、さっき冷蔵庫に入れたのも全部食べちゃったね」

「あ、ああ」

「……変なとうま」


そう。
インデックスはあの後俺が買ってきた大量のおかずまで、全部食べたのだ。


……まあ俺も食べたけど?
食べましたけど! インデックスはもう食べ過ぎの域に入ってる気がするね、うん。












「あ、そだ。そっちにケーキ寝かせてあるけど、食べる?」

「まだ食べんのかよ!!」



突っ込まずにはいられなかった。
……、というか。
あいつ、ケーキまで作れるようになったのか。
上条さんは感動で涙が出そうですよ……。

およおよとしていた俺に、インデックスは言う。






「……変なとうま」


とりあえずいじょー

……上条家っていつも何してるんだろうか?
こっから風呂と寝るしか思いつかないんだけど……

何かあるかな?
何かあったら教えてくださいな

ところで皆さんの好きなキャラとかカップリングって何なんでしょう?
クリスマスなんでいちゃいちゃさせてあげて下さい

何ならここのスレ使って下さっても

自分はきぬはたが一番好きなので
きぬはたさんた置いていきますね
http://i.imgur.com/0xCNh.jpg
http://i.imgur.com/zaeTg.jpg
塗り方違うだけのおんなじ絵

京アニの絵ってかわいいから好きだ




ではー



インちゃんかわええなあ


テレビとか見てそうなイメージだがな

おつー
他のスレに勝手に画像貼りましたごめん

ここのインちゃんは主婦してるみたいだし、いんじゃないすか?

乙乙!
既に消えている…だと?

まだー?

もう来ないのかな…

すまん来る、絶対来る
今土日に投下って書きにきたら何というタイミングで書き込み……
昨日書こうと思ったんだけど繋がらなかったからね
バレンタイン編も書こうと思ったけどクリスマスと同じくなりそうだから却下

というわけで明日か明後日には来ます
すまなかった

ゆるりとまってるよん

1か?

つけ忘れ、ID違うかも
でも>>1です何度もごめんなさい

こちらこそ手間取らせて申し訳ない
期待して待ってる

まってるよー


こんばんはー


さて、投下するか
短いけど

無理せんでええよ

寝落ちか…




「んんっ」

暑い。まだ朝も早い方であるはずなのに目が覚めてしまった。
左を見ると、一方通行が、ベッドの上には御坂妹がいた。


……ん?



インデックスは俺の右にいた。
何故!?


そういえば寝ぼけたインデックスはひどいんだったなと思い出す俺。

気にしていても仕方が無い。無理だけど。気にはなっちゃうけど。

なんにしても朝飯の準備をしなければならない。
インデックスが地味に服の端を掴んでいるので外してから台所へ向かう。


パンあるかなー?
……いや、今日はご飯だ。
腹ペコキャラの割合が多い。

さてさて、今日みたいな時でも上条さんはちゃっかりしてますよ?
こんなこともあろうかと、冷凍庫には大量のご飯があるのだ!
これぞ電子レンジを使えないインデックスには食べられないように編み出したご飯の保存法!!

ふははははー。






……と、笑っていると。
ベッドの方から物凄い視線を感じる。

「じーっ」

ダラダラと汗が流れる。

「じーっ」

「……あのー、御坂妹さん?」

「何をしているのですか?とミサカは尋ねます」

「ええっとこれはだな……。そう、朝飯の準備だ」

ごまかす。
間違ったことは言ってない。はず。

「なるほど、ではミサカも手伝います」

「いいよいいよもうちょい寝とけって」

「ミサカが手伝いたいのです」

「そ、そっか。んじゃ頼む」



「では早速ミサカはこの白い塊の味見をしてみます」

「待て! いいから待て!!」

「?」

「そんな可愛く首傾げてもダメなの!」





こいつはもしかすると、いやもしかしなくてもインデックス以上かもしれない……。

「とりあえずそれを置くことからはじめようか……」



一時間後、ようやく朝飯は完成した。
正直とても疲れた。

ふと時計を見ると、まだ7時だ。
俺、今日はダメかもしれない。

さて、

「起きろよーお前らー」



「……んみゅぅ」

「おはよう、インデックス」

「ん……おはよ、とうま。ふわぁ」

「顔洗って来い、すっきりするぞ」

「わかったんだよー……」

眠そうだな、あいつ。
まあ仕方ないか。



「さーて、すっきりしたんだよー!!」

「いきなり元気だな」

「ふっふっふー。あ、でもお手伝い出来なくてごめんね」

「いや、いいんだ。ありがとう」

「でもなんだかとうま疲れてるように見えるよ?」

御坂妹の相手が疲れたなど言ってはいけないと思ったので、慌てて話題を変える。






「あー、なんだ。……そうだ! 今日は御坂妹が朝飯作るの手伝ってくれたんだよ」

「……」

「……」

「……」

「……うん、なんていうか、お疲れ様」

「……ああうん、ありがとう」

全く話題を帰られていなかったようだ。

「まあとりあえず朝飯は出来たんだ。そこの白いのも起こしてくれ」

「了解!」

元気だなあ……。










「では、ミサカはこの銃で一方……」

「やめなさい」



「白いお友達ー! 起きるんだよー」

「ほら一方通行、起きろ。飯できてるぞ」

起きない一方通行の肩を揺らそうとするインデックス。

「あらら?」

「こいつ反射してんのかよ」

「はんしゃ?」

「こいつの能力の一部だよ、まあ見てろ」

一方通行の耳に顔を近づける。
そして、




「おーきーろーーー!!!!って痛ええええええええ!!」

全く起きない。

「えええぇぇ……」

インデックスは呆れているみたいだが、そんなことより俺の耳が痛い。
音を反射されるとこうなんのかよ、と実感した。

「やっぱり全部反射してんなこいつ」

「ぐうぅるるる、気持ち良さそうに眠ってるんだよ……」

「インデックス、待て。今噛み付いたら歯が折れるぞ」

「じゃあどうやって起こすの?」

「任せとけ」

そういうと、ニヤリと笑って力を放出しはじめる。

「……よし。今だ、行け!インデックス!」

「起きるんだよー!!!」








ガブリ。




「いってェェェェ!!!!!!」

「おはよう、一方通行」

「……」

「さて、全員飯だぞー」

「わーい」

「ミサカはもう食べました」

「え?あれっ、えっ?」

「じゃあ私もいただきまーす!」

「ええぇぇぇ……。……まあいっか、いただきます」

「…………」

「ん? 一方通行食べないのか?」

「……」

「じゃあ私が食べてあげるん……」

「食べる」

「ん……だよ?」

「食うっつってンだよ」

「んふふー、はいどーぞ」

「……チッ」

「それじゃ改めて、」

「「いただきまーす!」」
「ごちそうさまでした」
「……」

なんてバラバラな奴らだ……。




こんな感じで、上条さん家の一日はドタバタと始まりました、はあ。



おはようございます
こんな感じで昨日の分終わり

いつ来るってしっかりと決めないとサボりがちになっちゃうな、どうしても優先順位が下になっちゃうというか……

なので、
今日、また来ます
書いた以上必ず来ます




楽しみにしてくれてる人がもしいたら、ありがとう、そして待たせてごめんなさい


ではまたー

乙なンだよ


いっつーさん萌えキャラで上条さんお兄ちゃんだな。素晴らしい

乙でございます

>>362
×帰られて
○変えられて

一方萌えー



さて、風呂に行ったら投下しましょうか
最近また寒く……


今回の投下は前回の2倍ほどかな

ではまた後ほどー

まっちょるけん


さて、投下



朝ご飯を食べ終えると、インデックスが片付けると言ってくれた。
俺も手伝うと言ったが休んでていいよ、と言われた。
何度か言ったが家庭的なインデックスになってくれてとても嬉しい。

「おわったんだよー」

「お疲れ様」

「いえいえ」

さて。



「一方通行、どうするよ?」

「何がだ?」

「今日御坂のところ行くか?」

「……知るかよ」

「お前は行きたい?」

「……どっちでもいい」

「そっか、じゃあ早めに終わらせよう」

「……」

「どこか行くの?」

「ああ、ちょっとな」

「……また危ないことしにいくの?」

「大丈夫大丈夫、話し合いだけだし」

「……絶対?」

「ああ、約束する」

「そ、じゃあいってらっしゃい」

「ありがとな、インデックス」

「ミサカはどうすれば?」

「んー、お前はどうしたい?」

「ミサカは……」





「ミサカは、行きたいです、とミサカは断言します」

「……チッ」

「よし……、じゃあ行くか!」



「やる気のところ申し訳ないんだけど……」

「ん?」

「シャワーいかないの?」

「……あ」

「……オマエ行け」

「えっ、お前はどうすんの?」

「イイ」

「行かなくてもいいってか?」

「別に汚れてねェ」



能力で反射してるから汚れてないのだろうか?
いやでも昨日思い切り地面にチューしてたよなこいつ。
まあいっか、自分でいいっつってるし、気づかなかったらそれはそれで楽しいかもしれない。


「そっか、じゃあ俺行ってくる」

「ではミサカも朝シャワーというものを浴びてみたいので服を……」

「インデックス……」

「了解したんだよ……」

上条さんちは風呂まで危険がいっぱいです。










さて、シャワーも浴びてさっぱりな上条さんですが……

「何してんの?」

「ふふふ、ミサカは二度寝した一方通行にここぞとばかりに攻撃します。……うおっ、反射が……」

「……俺は何も見てない、見てないぞ」

「……それは無理があるかも」

「とりあえず一方通行起こすか、もういかなきゃなんねえし」


一方通行は触れられること自体に慣れていないのか、少し揺すっただけで目を覚ました。





「おい、もう行くぞ」

「……行くのはイイけどよ、オマエオリジナルがどこにいるか分かンのかよ」

「んーまあ何とかなるんじゃね?」


今まで御坂と会ってきたことを思い出す。
そういや大体いつもあの自販機のとこで電撃を……。




んんんんん!?


何であいつはいつもあの自販機のとこにいるんだ?
そんなにあの自販機が好きなのか?よく蹴ってるのに。いや、だからこそ?

それともまさか。





ええー……
もしかして待ち伏せられてたり?電撃のために?

……何ていうか、不幸だ。




「どうしたの、とうま」

「ん、いや。上条さんは自分の不幸を嘆いてるだけですよ……」

「? 変なとうま」

「まあ御坂に会うには何とかなる。多分な」

「それじゃあ早くお姉様に会いに行きましょう、とミサカは催促します」

「分かったわかった、んじゃ、インデックス。ごめん、すぐ帰ってくるからな」

「行ってらっしゃい、とうま」

「いってきます」


さて、どうしたものかな……。



外に出ると、もうすっかり暑くなっていた。やっぱり夏だ。
一方通行は涼しそうな顔をしている。
何ともずるい能力だと思う。
いっそ能力オフにしてもいいんだけど、また倒れられると俺が暑い。運ばなきゃなんねえし……。

「会いに行くのはいいけどよォ、オリジナルがどこにいンのか分かンのかよ?」

「さっきも聞いたぞー、それ。大丈夫だって。ほら、こっちには御坂妹がいるだろ? 御坂妹、分かるか?」

「いえ、ミサカの能力ではそこまでのことは出来ないと思われます」

「え"……」

「……じゃあどォすンだァ?」

「あー、いや。俺の予想が正しければ、もうすぐ会えると思う」

出来れば正しくないと嬉しいんだけどなあ……。





「見つけたわよ!」




はあ……。
これは幸なのか、不幸なのか。
とても複雑な気分だ。

「昨日のこと、きっちり聞かせてもらうわよ!」

「……ウルセェ…………」

「もう少し落ち着いて頂けるとありがたいのですが……」

「ってあれ? アンタたち……!!」

「まあまあ落ち着けって」

「でも……っ!!」




「大丈夫だからさ、ここにこいつらがいるのもたまたまじゃないんだ」

「? どういうことよ?」

「今日はお前ら三人で話してもらおうと思って俺が連れてきたんだ。昨日は俺もって思ってたけど、やっぱり当事者同士の方がいいと思って」

「連れてきたってアンタ……。一方通行なんてどっから連れてきたのよ!? 昨日あの後のこと知らないから何とも分からないのよ」

「何処からって……俺の家? みんなでお泊まり会して……」

「ちょ、ちょーっとストーップ!! え? え?」

「昨日はとても楽しかったです、とミサカはお姉様に報告します」

「アンタも行ったの!? ……じゃなくて何もされなかった!?」





「はい、強いて言うなら一方通行の涙目が可愛かったです」








「「は?」」

「え? いつやったんだよ?」

「あなたとシスターが一方通行を起こしている間に一方通行のおかずに台所にあったタバスコというものを大量に仕込んでおきました、とミサカはニヤリと笑って一方通行を見やります」

「まじで!? いやあ俺も見たかったなあ……あ?」




ゴゴゴゴゴゴゴ……




「あはははは……。は、話を戻そうか、御坂妹」

さっきから殺気がやばいのだ。
ダジャレとかでなく、本当に。

辱められた、無視された
そんなつまらない理由でLevel5を二人も爆発させる訳にはいかない。

「そうですね、とミサカは先程からひしひしと感じる殺気に密かに怯えます」

密んでねーぞ、と突っ込んでしまうと本当に爆発しそうなのでやめておく。



「で、だ。ちょうどそこにベンチがある」

「……」

「……」

「そうですね、ミサカは確認をします」

怖え、俺はもう折れそうです。



「俺は聞かないからじっくり話してもらおうと思うんだがどうだ?」

「……話し合うまでもないわよ」

「……チッ」

御坂がバチバチと帯電し始める。

「やめとけ」

「うっさいわね、こいつには一発……」






「やめとけっつってんだよ」








ゾクッ!!!!




「……ッ!」

「……おい御坂」

「な、何よ?」

「一回で言うことは聞け、分かったか?」

「……」




「……お前は何に腹を立ててたんだ? 一方通行がお前のクローンを暴力で殺すことに、学園都市がそんな残酷な実験をしていることに!お前は悲しんで、そして怒ったんじゃねえのかよ!! じゃあそれを暴力で解決をしようとするんじゃねえよ!」

「で、でも……」

「お前の気持ちはよく分かる。でもな、ここで一方通行を倒すことに何の意味があるんだよ? 学園都市は一方通行を強くするのに御坂のクローンを使ったんだ。 第一位、一方通行が不在。なんてことになったらその能力者を生み出すためにまた御坂妹が使われるかもしれないとかそういうことは何で考えねえんだよ!」

「う……」

「だから能力はしばらく預からせてもらう。とりあえず先にベンチまで行こう。一方通行が歩けないかもしれないし」



「……」

「……悪かったな、強く言いすぎたかもしれない。さっきはああ言ったけど、俺はお前も一方通行も御坂妹もみんな友達だと思ってる。だからお前らも仲良くなれ、とは言わねえけど、友達が傷つくのは見たくないんだよ。分かってくれ、な? ああ、でも一発くらい思いっきり殴ってやってくれ」

「……うん」

「後でジュース奢ってやるよ、何がいい?」



「そんな余裕ないくせに……」

「うぐっ……なかなか痛いところを……」



「ではミサカはこのヤシの実サイダーというものを……」

「チッ、コーヒーはねェのかよ、使えねェ」

「え、何? お前らも買ってもらう気満々!? っていうか聞こえてたの!?」

「じゃあ私も何か買ってもらおうかしらー?」

「さーあみんな、お話しの時間ですよー」

「私は無視!?」

「……落ち着いたか?」

「え……、あ!…………」

「落ち着かないと言いたいことも言えないからな」

「あの……その、ありがとう」

「んー。……いやでもこいつらがお前を落ち着かせようとしてこんなこと言ったとは思えないよな……と、いうことはマジで買えと?……あれ?不幸だ…………」

「私が貸しにしてあげるわよ」

「はいはい、分かったよ。ほらしっかり話して来いよ?」

「倍にして返してもらうわよー!」




行ったか。
これで三人、いや一万人ほど。ちゃんと、前に進めるといいな。





……あれ?
御坂が自販機でジュース買って、三人で飲んでる……。
俺、話し合いが終わったら買うって言ったよな?

もしかしてこの分も奢れとか言わないよね?


…………。何だ?御坂がこっちを見て……









グッ!










グッ!じゃねえよ!倍ってそういうことかよ!!




prrrrrrrr……


っと電話か。

ん?誰だ?








ディスプレイには何も書かれていなかった。
公衆電話でもない、非通知でもない。
だとしたら土御門か?
……いや、あいつは俺に今までそんな電話掛けてきたことなんてなかった。

だとしたら魔術師?
もしそうなら土御門ではない。
わざわざ危険をおかしてまで魔術で電話する意味が見当たらない。

イギリス清教かローマ正教か、それ以外の魔術勢力か。

いや、この世界では実験が早く始まっていたりと何かがずれている。
もしかしたら自分の知らない人間かもしれない。







それとも────────。

すごく良いよ





誰からであっても対処出来るよう、ある程度予測を立ててから通話ボタンを押す。

深く息を吸って……。






「……誰だ」






警戒はまだ解かない、相手を確認するまでは。





その"声"は言う。














「初めまして、かな。幻想殺し」










統括理事長か?

☆め




いじょー

なんと、もう予測されてる……!!

まあバレバレか
一応秘密ってことに

電話かけて来たの誰だ?気になるなー(棒

次の構想は出来てるので早めに来たいとは思ってます






あーなんか楽しくなってきた


「こんなに予定が早まるとは思っていなかったんだがね」

「え?俺が……?」

「なあ、Level5に"なった"時のことって覚えてるか?」

「何と戦えば良いんだよ……」



しまった、途中送信してしまった……

まあいいか、次回予告もこの辺にして、




ではー


上条さんが御坂に一方と仲良くしろって言わなかったのを評価するぜ。
上条さんお兄ちゃんって言うか、もはやパパだぜ。パパ条だぜ。
電話の相手は何スターなんだぜ。楽しくなってきたぜ。

>>1乙ー
次回も楽しみにしてるぞー

三沢塾編とか期待

この上条さんは女性キャラから「好かれる」のではなく「慕われる」男になりそうだな。

乙でした


こんばんはー


さて、書き終わったので確認して今日投下します
今じゃないですけどね、眠いです

予想とか雑談とかしてくださって結構なので


うざ条さんに兄条さんにパパ条さんか……

あといくつ増えるやら





お知らせ

次回、三巻終了
その次は四巻ではなく、二巻です。やってないので




ついに上条さんが……!
やっと>>142の上条さん最強SSが始まりそう

オリジナル設定どんどん出てきますがご了承ください


ではおやすみー

期待してます

上条くんの。力で。私の出番を。増やしてほしい。

すまん今日くる



おはようございます、思わず時間が空いたので、投下


いきます

ではー





「誰だ」

もう一度聞く。

「いやあ、素晴らしい説得だったよ。あれで第三位も大人しくなってくれると有難いんだがね。いくら私でもそうそう何回も停電を起こされると困るんだ」

「……」

……何だこいつは。
まるで俺らの行動を見ているかのような……。

土御門のサーチ魔術みたいなものか?



……いや、あの時オリアナはサーチに気づいてたはずだ。
ということは、もし魔術なら俺も気づきはしなくともその魔翌力か何かに触れるはず。
そもそも俺は御坂の能力を預かるために力は放出しておいた。
右手以外にしか効かないように手を加えてある魔術だって今となっては意味がないはずだ。
それでも相手には見えている。

……と、いうことは監視カメラか?
ここは学園都市。
さらっと見た程度では見つからないところに監視カメラがあるかもしれない。



ただ、音声まで拾うとなると……。



「ん? 聞こえていないのか? 確かに音声は入っているはずなんだが……」


それにこいつからは今まで感じたものよりもずっと強い何かを感じる。
電話をしている、ただそれだけなのに。

それだけなのに足が震えてくる。
神の右席と、ローマ正教と戦ったあの時


いや、あの時以上かもしれない。



「だ、誰なんだよ」

「……これは申し訳ない、私の名前はアレイスター=クロウリー。何、怯えることはないさ」

「アレイスター……?」



聞いたこともない名前だった。


「そうだ、一応学園都市の統括理事長をしている」

「統括理事長ぉ!?」

「そんなに驚くことか?」

「あ、いや……。で、統括理事長様が何の用だ?」


警戒は、さらに増す。
拳を握りしめる。



「拳を握ってそんなに警戒する必要もない。君は忙しいな」

「なっ……!!」

「ふむ……。こっちから君の様子が見えていることは今の君なら分かってると思ったんだがね」

「何処から見ている……?」

「それは今気にするべき事じゃないだろう?」

「……いいから答えろ」

「……」

「……」

「……」

「……」

「君の逆剥けの数でも数えればいいのかな?」

「やめろ」

「親孝行はしないといけないな」

「余計なお世話だ」

……何だこいつ。
キャラが掴めない。



「そんなことよりもっと聞きたいことはあるはずだろう?」

「……お前は魔術師か?」

「……君は私の話を聞いていたのか? 仮にも科学のトップが魔術師な訳がないだろう」

「本当か?」

「君の行動を見て、もう少し賢いと思っていたんだが、そうでもないようだ」

余計なお世話だ。
二回目の経験と初めての経験とでは話が違うんだよ、お前と話すのは初めてなんだ。
しかも話をうまいこと交わされてペースすら掴めない。







……ん?

俺の行動を"見ていた"?


「……おい」

「何だ? 聞きたいことか?」

「お前は何で俺の行動を"見てきた"んだ?」

「私は学園都市の統括理事長なのだよ、ここの住人の生活を把握していても何ら不思議ではあるまい」

「本当にそうか?」

「どうした?」

「わざわざこんなLevel0のしかも能力の発現の可能性が確実に0である俺まで把握できるほど学園都市は進んでいるのか?」

「実際君には私が何処から見ているか分かっていないじゃないか、それぐらいの技術は持っているつもりだが」



「俺が聞きたいのはそこじゃない、"本当に俺はただのLevel0"なのか?」

「それは自分が一番知っているんじゃないのかね?」

「確かに俺は自分のことをただのLevel0だと思っていたよ。御坂や一方通行はもちろん、御坂妹がやってる演算だって俺には理解できるか分からないくらい馬鹿だってのは分かってる」

「私もそれは把握している」

「黙れ」



いちいち腹の立つ奴だ。
こいつは人を馬鹿にする才能でもあるんだろうか




「俺もさっきまではそう思っていた」

「急に賢くなったとでも?」

「だからそっちじゃねえよ!」

「何だ、もう少し簡潔に話してくれないか」

「……。本当にただのLevel0がこんなにたくさん魔術師と関わることがあるのか?」

「……君が関わった魔術師は3人だと把握しているが」














…………。それもそうか。




「じゃあ質問を変える。ただのLevel0が統括理事長なんかとこうやって電話出来るのか? 噂じゃLevel5だってそうそう会えないらしいじゃないか」

「私達だって会ってはいないさ」

「屁理屈はいい。どうなんだ?」

「どうなんだ、とは?」

「本当にただのLevel0なのかってところについてだ」

「……」

「Level0の方が"動かしやすい"からLevel0なんじゃないのか?」



ずっと気になっていた。
何で俺はこんなに自由なのかと。
土御門のように仕事とかそういうわけでないのに、いつも学園都市や、その周りにいる魔術師と俺は関わってる。
上の連中と言われる奴らの言う通りに動いたこともある。


御坂や一方通行ならもっと簡単に倒せた敵もいただろう。
そりゃ中には幻想殺しがなければどうしようもなかったかもしれない奴らもいたかもしれないけど。

でも何で俺みたいなLevel0に……。

そう思っていた。






だけど、違う。
"Level0"だからこそ動かされてきたんだ。

今、分かった。



「……いや、凄いじゃないか。やはり少し賢いようだ、これはLevel1くらいにならしてもいいかもしれない」

「……そりゃどーも」

「その質問については正解だと言っておこう。もっとも今日の話は君の能力に関わるものなのだが」

「……!?」

俺の……能力?

「その前に、一つ話をしよう」

「話?」



「君は魔術師のことをかなり知っているような口ぶりだったが、うちのLevel5についてもよく知っているのかね?」

「Level5……? 俺が知ってるのは御坂と一方通行だけだが」

「いや、少しだけ知ってるというのでもいい。何なら噂でもいい」

「噂……。第二位はこの世に無い物を操るとか第四位は電子でビーム撃つとか、そんなパッとしないようなものばかりなら」

「……続けてくれたまえ」

「第五位は御坂と同じ中学で、何やら女王っぽいらしい。第七位は原石?とか言う能力者で、もしかしたら俺もその原石とかいうものなのかなって思ってたり……」

「ふむ。原石、か。それはひとまず置いておいて、だ。第六位については何も知らないか?」

「……いや、第六位には噂がありすぎてどれがそれに近いのかも分からない。だから他のLevel5とは違って本当に噂でしかないのかなって」

「なかなか鋭いな。じゃあ何故第六位だけ噂でしかないんだ?」

「それは……お前らが必死に隠しているからじゃないのか?」

「確かにそれもあるな。しかしボロと言うのは出てしまうだろう? 事実、他のLevel5の噂についても大方合っている程度でしかない。しかし逆に言えば間違ってはいないということだ」

「……」

「よく考えてみるといい、実に簡単なことだ」













「"いない"んだよ、第六位は」











「……は?」

「聞こえなかったか? 第六位はいないと言ったのだが」

「お、おい。いないってどういうことだよ。学園都市にはLevel5が7人いるんじゃないのかよ?」

「正確には、学園都市にはLevel5が7人いる"予定"だ」

「予定……?」

「そう、予定だ」




予定……。
だからってなぜ俺にそれを言う?
どこに言う必要があったんだ?
魔術師と関わってたりする、ということなのか?




「私としても、こんなに予定が早まるとは思っていなかったんだがね」

「……どういうことだ」

「おめでとう、今から君が第六位だ」

「…………は?」

「君はどうもさっきから耳が悪いようだな」



え? 俺が……?
俺が第六位?
第六位ってなんだ?







……なんだただのLevel5か。







「ってはぁぁぁぁぁああああああ!?」




待て待て待て!
理解が追いつかねえ……。

「もう少し落ち着けないのか君は」

「だってLevel5ってしょ、しょ……」

「しょ……?」

「奨学金凄いんだろ? マジかよ!?」

「……驚くところが大分ずれていると思うんだが違うか?」

「いやーこれでインデックスに飯をたくさん食わせてやれる……」

「おい……」

「ほぅ……」

「おい」

「♪」

「……」





ドゴッ!!!





「ぐっふぉ!!」

「こちらの話も少しは聞いてくれないか」

「痛え……。で、何だよ……?」

「第六位になったこと自体にはあまり驚かないのか?」

「いや、十分驚いているさ。でも」

「でも?」

「同時に今はLevel5に匹敵する力が俺には秘められていることも分かってる。だからと言ってそれをそう何回も振りかざすつもりは無いんだけどな。それに今ならお前が予定が早まるって言った意味も分かる。俺もいつかはこうなるはずだったのが、予想以上に早かったってことだろ?」

「……そうか、では今後のことだが」

「……」

「今まで第六位についてはトップシークレットということになっていた。だから君には基本的には黙っていてもらいたい」

「そのくらい守るさ」

「ただし、そうだな……。君の順位である"6"。6人までは言ってもいいこととしようか、流石に全員に秘密というのは、やりにくいこともあるかもしれない。言う人はよく考えておくといい」

「インデックスに言ってもいいのか?」

「ふむ、魔術サイドには黙っておいてもらいたいところだが、同居しているというのなら仕方ない。しかし言った相手には他言無用と言っておけ」

「分かった。……この長電話の要件は以上か?」

「一応だな」

「一応?」



「少し話は遡るが、第三位───御坂美琴について君はよく知っているようだな」

「……まあそこそこは」

「じゃあ彼女がどのような能力者かについては?」

「電気系統の能力者で……、あとは……。そうだ、唯一努力でLevel5になったとか。俺の学校でもよく取り上げられる」

「確かにその性質から学園都市といえば彼女、というところがあるのは知っているな?」

「それが?」

「しかし君は本当にそう思うか?」

「? どういうことだ?」

「御坂美琴が本当に努力でLevel5になったと思うか?」

「そりゃ……あいつが嘘をついているようには見えないし。まあ多少の才能ってのはあると思うけどさ」

「では、おかしいとは思わなかったのかね? 努力してLevel5になれるのならもう少し数が多くてもいいのではないかと」

「それだけあいつが凄い努力をしてきたってことだろ」



「……そうか、分かった。では、長い間済まなかった。と、言っておこう。もうそちらの話し合いも終わるようだ。実験は破棄。御坂美琴のクローンは今日は君が入院した病院へ預けておけ、私が連絡を入れておく」

「……分かった」

「そして君とはまた連絡をとることがあるかもしれない。その時を楽しみにしてるよ」

「……俺はもうごめんだけどな」

「ついでに御坂美琴には停電をそう何回も起こさないでくれとも言っておいてくれ」








プツッ






電話が切れる。







……。



"御坂美琴が本当に努力でLevel5になったと思うか?"






……どういう意図があって言われたか分からないが、
自分がLevel5になったなどという事や、最後のちょっとした冗談?より、その言葉だけが頭に残る。

何か妙な不安を感じるのだ。



「終わったわよ。悪かったわね、待たせて。……って何してるの、アンタ」

「ああいや、別に。ちょっと電話が掛かってきただけだ」

「……ミサカは満足です」

「そっか、そりゃ良かった。一方通行はどうだ? ……ってお前…………」

「……」



頬が明らかに変色している。
赤じゃない、青にだ。

……よっぽど強く殴られたようだ。



「んじゃこの後どうするか、だけど、御坂妹は近くの病院に行ってもらう。話はもうついてある。……道順は分かるか?」

「はい、この辺りの道順は一応記憶しています、とミサカはミサカネットワークから周辺情報を引っ張り出します」

「それは覚えているうちに入るのか……? まあいいや本当は送って行きたいんだけどちょっとこの後用事があるからダメなんだ、悪いな」

「あ、じゃああ私が送るわよ」

「いや、俺はお前らに用があるんだ」

「え、私?」

「ああ」

「ではミサカはもう行った方がよろしいのでしょうか?」

「ごめん、悪いな。何かあったら俺の家に行ってくれ。インデックスも電話は持ってるし何とかなるかもしれないからな」

「了解です、とミサカはミサカネットワークから引っ張り出した情報を元に歩き始めます」

「気をつけてな」





っと、行ったか。



「さて、もう一度ベンチ戻るぞ」



三人でベンチに腰掛ける。


「で? 用って何?」

「あ、いや、そんな大したことではないんだけど、お前らには聞いておいてもらった方がいいと思って」

「……さっさと要件を言え」

「……お前ら、Level5の繋がりってのはあるの?」

「いやあ、私はコイツの他に一人二人顔知ってるかなーっていうくらいのもんよ?」

「俺も三、四人顔が分かる程度だ。それが?」

「……じゃあさ、第六位については何か知ってるか?」

「第六位……そう言えば聞いたことないわね」

「……」

「それがどうしたっていうのよ?」

「今から言うのは冗談じゃないからな?」

「勿体ぶらずにさっさと言え」








「第六位、俺なんだって」






「……」

「……」

「……」

「ってはぁぁぁぁぁああああああ!?」

俺と同じ反応ありがとうございます。

「……」

こっちは意外と冷静。

「どういうことよ!? 第六位って……」

「まあ俺の場合科学とも言い切れないみたいだし俺自身本当にLevel5って実感もないんだけどな」

「ちょ、ちょっと待って! ……それは誰から聞いたの?」

「統括理事長」

「…………んんんんんんん!?」

「……まァ、そンだけイレギュラーなら別に不思議ではねェが…………。ヤツは他には何か言ってこなかったのか?」

「何かって?」



「俺やオリジナル、クローンのこととかよォ、何か言われたっておかしくねェ。ヤツのことだ、その電話で何か企ンでいる可能性もある」

「ん? ……ああ実験は破棄だってさ」

「他には?」

「他は特には……。……いや、一つだけある。でも一方通行じゃなくて御坂に、だけどな」

「そォか、ンじゃ俺は帰る。オリジナルの処理はちゃンとしとけよ」

「処理ってお前……。あ、そうだ、俺のLevelのことは他言無用でよろしくとのことらしいから」

「ケッ、言う必要もねェよ」

「そっか、じゃあな。気をつけて」

「……」



一方通行も帰って、今は御坂と二人。
統括理事長と聞いて頭がついていかなくなったようだ。

「おーい御坂ー」

「ハッ……! 私は何を……」

「もうみんな帰ったぞ」

「そ、そう……」

「……どうした?」

「……聞かないの?」

「何を?」

「さっきのこと」

「いや、いい。お前らだけで済ませたいことだってあるだろ?」

「そ、ありがと」

「……」

「……」

「……」

「……」





会話が続かない。



「なあ御坂」

「何?」

「俺のLevelのことは他言無用でよろしくとのことらしいから他の奴には秘密な」

「そ、分かった」

「あと、そう何回も停電を起こさないでくれとも言われた」

「そんなに起こしてないわよ! ……多分」

「多分って……」

「……」

「……」

「……」

「……」






また、会話が途切れる。



"御坂美琴が本当に努力でLevel5になったと思うか?"

"ヤツのことだ、何か企ンでいる可能性もある"




「なあ御坂」

「何よ?」

「Level5に"なった"時のことって覚えてるか?」

「もちろんよ。あんなに嬉しいと感じたことは無かったわ」

「そっか……。あのさ、良かったら俺に話聞かせてくれないか? 御坂が頑張ってきた話。クローンのことも含めて」

「……分かった」



少し間を開けて、御坂は話し始めた。

「私がまだ小学生の時─────────」

おそらく、嘘もついてないし、隠してもないだろう。

懐かしく思いながら、同時に悲しむ。
そんな優しい表情で話してくれた。




「……ずるいわよね、アンタって」


話が一区切りつくと、御坂はそんなことを言った。

「?」

「アンタがそんな奴じゃないのは分かってる。でも今まで頑張ってきたこっちとしては何もしてないのに自分より上に行っちゃうヤツがいるってのは辛いのよ……」

「……そうだな」




……悪い、御坂。
俺はお前をもっと傷付けないといけないかもしれない。

このことは言うべきか、そうでないか?
……俺には分からない。

なら俺はどうしたい?
俺は……、



俺はこの一連の、クローンことについては真実を知って欲しい。
なら、もう迷わない。




「なあ御坂」

「……」

「ありがとな、たくさん話してくれて。嬉しいよ」

「……」

「おかげで一つ分かったことがある」

「……?」


御坂は本当に色々話してくれた。




そう、







「お前がLevel5になることは、ずっと前から決まっていた、かもしれない」








自分がLevel5を目指している"途中"で研究者にDNAマップを渡していることも、包み隠さずに。



──────────
──────
────
──





あれからどうやって御坂に説明したか、どうやって御坂をなだめたか覚えていない。
でも、ずっと御坂の頭を撫でていたことは覚えている

後、声が出せないほどの驚きと、自分の信じてきた道が崩れてしまったことの悲痛が混ざったあの顔は忘れることができないだろう。



「……少しは落ち着いたか?」

「……うん」

「悪かった、昨日の今日でショックなことばっかりで」

「いや……大丈夫」

「言わなくても良かったかもしれないけど。だけど、このことも含めてやっと前に進めると思ったんだ。だから言ってしまった、本当にごめん」

「……言ったことを後悔してるの?」

「……」

「……」

「……今この瞬間、後悔してるかって言ったらしてるかもしれない。けど、こっちの方がいいと思ったから言った。それは後悔してない」



俺がそう言うと
御坂は久しぶりの笑顔を見せて、

「そ。それなら謝らないで。私も後悔してない。してるとしたら、それはこのことを自分で気づけなかったことよ」

俺も御坂の笑顔に応える。
自然に笑みがこぼれた。

「そっか。じゃあそろそろ帰るか

「……ジュース」

「うぐっ……」

「Level5の第六位サマなら財布に余裕あるわよね?」

「いやーあのー、別に今すぐ財布が分厚くなるわけじゃないんだけどなー」

「約束は約束よ、お金なくても買いなさい。誰かさんに泣かされて喉がカラッカラなのよ」

「お前は痛いところを……」





こんな冗談まじりの会話をしながら、ゆっくりと常盤台の寮に向かって歩いて行った。
御坂とこんなにゆっくり話したのは初めてかもしれない。

とても落ち着いたその空間はとても気持ちのいいもので。
いつの間にか目的の場所に到着していた。


「じゃあな、気をつけて」

「気をつけるも何も帰るのはそこよ、何もあるはずないじゃない」

「ならいいんだ」

「あの……ほ、本当に今日はありがとう!」

「ん」


あの、プライドの高そうな御坂が頭を下げた。
いつもの俺なら、そんな感謝されることなんてしてない、自分のやりたかったことをやっただけだって言うはずなんだけど
こんなに感謝されたら、それはなんか違うんじゃねえかとも思う。
だから特に余計なな謙遜はせず、ただ手を振って自分の家へ向かう。



……何事もなく家に着いてしまった。
本当にこれで良かったのだろうか。

自分の選んだ道に後悔はない。
考えたってしょうがないか……。



でも、




でも、俺は一体

誰と、何と戦えば良いのだろう……。



答えは出ないままドアを開ける。






「ただいま、インデックス」




でも、これで俺は日常に帰れる。
インデックスに"おかえり"と、そう言ってもらえることで。





「おかえりなさい」




























「と、ミサカは家主の帰りに返事をします」







「お前かよ!!!」



もう無理……何か疲れた………………。


とうま、とうまー!! ちょっと、しっかりしてーっ!!
という声を聞きながら、安心しきってしまった俺の意識は途絶えた。



以上でーす

次のレス、後書き的な何か


改めておはようございます

さて、三巻が終了しました。
さっさと終わるつもりだったのにこんなに長く……。
二巻もさっさと終わるつもりなのに長くなるかもしれないなあ。
でも上条さんの方の準備は全部整ったので、サクサク敵を倒して行って欲しいです。



一方通行が上条さんとアレイスターの電話にやたら噛み付いて来た理由。
それはオチと関係があったり。

あの後一方通行は病院に行って、上条さん家に御坂妹を強制送還。
もちろん、近くの病院とはカエルのところなんだけど、一方通行は知らないから、というわけで。

御坂も、このSSでは上条さんが絶望を与える役、と言いましたが
そのことで頭を下げる、にまでなりました
最後の帰り道は長年の親友のようなイメージです。
確かに>>411にある通り、慕われる存在になったのかも。
慕う、と言っても恋愛でない方の恋しく。いい仲間、という意味での。

今後どうなるかは未定だけど、今のところこんな感じではないかなと。



一方通行も御坂美琴も、徐々に成長していく、という話でした。




saga忘れたり、どっかのレスの最後"。"が抜けてたりまだまだですがこれからもよろしくお願いします

最後になりますが、

>>418>>419でトリップ変えてみました。
粉雪、とインデックスです。
粉雪には苦い思い出が……。今はちゃんと打ててるよね?
インデックスの方もそのあとサンクスと読めなくもなく、なんか好き。

どっちがいいのかな……変えないって選択肢もあるのはあるけどさ



では、長々とごめんなさい、一区切りの三巻終わり!
次は二巻、その時までー!
>>415の本人の要望通り、出番が増えるといいな


ではー


そんなトリップをよく見つけてきたもんだwwww

第六位はいいけど、他言無用ってなると学園都市的にはどういう扱いになるんだろ、LEVEL5は制限が多いし
具体的に言うと学園都市から出るときとか 申請時に第六位として扱うと「不在」の噂も含めて大変なことになるのでは…


そこについて何も言ってなかったな、ごめん


他言無用、今まで通りのトップシークレット
つまり、基本的には第六位は秘密で上条さんは表向きただの無能力者
当然、アレイスター以外には、第六位幻想殺しの名前で会話、交渉は出来ない
学校もそのままだしLevel5らしい面倒くさそうな制約も無し、もちろんIDも書庫もそのまま
今まで通り上条さんを利用するための「他言無用」
「今まで第六位は秘密だったから今後も黙っておいて」っていうのは嘘
言われるとその制約とかが面倒だからということです

何がやりたかったかっていうと
ただ上条さんが強くなって欲しかっただけで、ちょうどLevel5に空きがあったから入れただけ

んじゃ

イチモツ


ミコっちゃんの努力は報われるってわかってただけで相当してるはずよね。
それよりも、無能力者は努力が足りないって考えてた自分を殴りたいなんて思うかもね。優しい子だし、ミコっちゃん。

努力してたかどうかは分からない
もしかしたら自分の中ではしてきたって思ってるだけで、実は周りから見たらそうでもなく案外すんなりとLevel5になっていたかもしれない
そこは原作ではっきり言われた部分ではないからね

ただ、
一巻から三巻までで無能力者やその人たちの努力を馬鹿にするような発言をしていたことにも気付く、そういう面での成長

っていうつもり

周りから頑張ってるって思われなかったら先生の話しにも出ないだろうし、学舎の園内であそこまで慕われないと思うが。
それに電気関係なら覚える原理やら定理、公式もわんさかで大変って専門学生としての実体験も織り交ぜて意見してみる。

……突っ掛かるつもりは無かったが少々熱くなっちゃった。好きなキャラの事だからだって許してくれ。暫く黙ってる。

それはそうと☆がおちゃめ

周りの評価は段階的にLevel5に成長したなら努力したに違いないっていう推測が大きいだろ

我が家に御坂妹はきませんか?

描写は無いけどレベル5になった今でもそれなりに努力してそう御坂さん。
知識は才能じゃどうしようもないことだろうし、勉強せねば身につかぬ
所謂あれだ、潜在能力凄いってわかってたから丹精込めて経験値振りしました(努力させました)by☆、みたいな?
それでも仕組まれてたことには違いないけど……

>>468
>>470

自分も御坂は努力してると思う
素養格付って「ここまでのLevelにはなることが出来る」ってやつだったと思うから何もしなかったら2とか3で終ってたと思うし

だけど努力してからの吸収率が凄まじいものだったんじゃないかなと
他の人が十回でやることを一、二回で終わらせたりすることが出来る、とかね

周りと同じ吸収率だと思いながら御坂を見てると「十回しなければならないのに一、二回で出来るようになるほどの凄い努力をしたんだな」って思うイメージ

努力はしてるけど、噂でヒレがつくようなものかなって考えてる
このSSでの上条さんがいい例だと思う
実力と唯一の努力家というところから本人がやってきたこと以上に努力してるものだと思われてるんじゃないかなって

まあ自分で書いたSSだし上条さんの言動が自分の考えに近いのは当たり前なんだけどね

あとは自分にLevel5は遠いと思ってる人達が、超電磁砲は自分達が出来ないような努力をしてきたんだっていう憧れ的なものもあるんではないかと


なんかゴチャゴチャなったけど、
普通の人の努力を100とすると、御坂は120くらい、つまり人より努力したって自負出来るくらいの努力はして来て、でも上に書いたような様々な理由で周りからは超電磁砲は200くらい努力してるんだなって認識されてるんじゃないかなって考え

本人も周りも同じ「努力した」って意見だから分からないだけで、実は少し認識がずれてるんじゃないかなと

よくある「周りが騒ぐほどすごくないじゃんこれ」みたいなの
書き方は悪いし表現力不足でこれ以上の例えが思いつかなくて悪いんだけど、端的に言えばこういうことなんじゃないかなって

長くなっちったけど御坂好きの人の気分を害したならすまなかった
自分は御坂が一番好きってわけじゃないから気づかないんだ
メインヒロイン(予定)のインデックスですら一番じゃないから今回のようなことがあるかもしれないけどよろしくお願いします
きぬはたが出る事があったら全力で書くのでその時があればフィーバーしてもらえると嬉しい

上に書いたのは全部自分の考えな訳だから
批判、賞賛、雑談、論議、意見、質問
全部受け付けてますし、自分もこうやって参加するつもりです
どんどん書いてください

このスレでは基本的にみんな全キャラ好きで行きたいのでそこは協力してもらえるとありがたい
三巻だと御坂、御坂妹、一方通行
どれかが嫌いだから貶めるってのは無し
何処かで書いたけど、ほのぼのしたいからね

では、長々とすまなかった


>>468
☆ならあげるよ、いつでも
エイワスはもらって行く

>>470
来ません
10033号~20000号の中から妥協して貰えるならどうぞ

>>471
なんか凄い納得した。才能もあって努力できるって凄いことだな。ホントありがとう。
是非とも美琴ちゃんには今まで通りがんばってもらいたい。

あ、☆は空に還してあげますね

>>471
丁寧にどうも。>>472が言うとおり御坂にはめげないでほしい

とりあえずロシアンミサカを一人前で

インさんは家事を手伝ってくれるし、奨学金は増えるし、
上条さんがどんどん幸せになっていくな。

面白かった、乙
答えなくてもいいけど、一方さんの本妻は本妻として出てくる?

>>472
納得したと言って貰えるなら嬉しい
何回も言うけどあくまで一個人の考え方だからああいった意見ならもっと熱くなってくれてもいい

>>473
いえいえ
ロシアンミサカ、どうぞ

>>474
上条さんには幸せになって欲しいのでね
それはこのSSの一つの方向性かなと思ってます

>>475
一方通行の本妻……?
打ち止めの事でいいのかな?
打ち止めのこととして話進めると、出ます
ちょっとしたネタバレになるからこれ以上は言わないけど、上条さん視点のSSなのに打ち止め出るってことは……?ってとこです
あ、打ち止めに上条フラグが立つわけではないよ?
一方通行が立たせるかは未定だけどね


さて、2巻どうしようか
まだ何も決まってないけど書き始めようかな
先の展開についても書き込みがあったら参考にさせてもらうことがあるかもしれません

ではー
次のレスに返答、または投下しにくる時まで

22巻までを体験した上条さんなら打ち止めがどういう運命を辿るか断片的にでもわかってるもんな。それなら全力を尽くすのがヒーロー

アレイスターとの電話中にかみやんは腹パンくらってたの?
それともバードウェイの髪を切り落とした未知の技術ってやつの応用?

>>478
そう、そっち
何らかの攻撃で腹パン的なものを食らったものと考えてくれたらいい

そっちって後者な、ごめん

素養格付でレベル5になると科学的に判明した者を超能力者の第一位~第五位として、
科学的に説明はできないけどとにかくすごい力を持っている者を第六位と第七位に
したということかな、アレイスターは。


こんばんはー

>>481
上でも言ってるけど上条さんの強さを表現するためにとりあえず第六位に入れただけだからそこまで考えてない

が、確かにその考え方でいいかもしれない
そういうことにしておこう
すまないが採用させてもらいます


さて、お知らせです
今日から2週間ほど忙しくなります
合間合間に書きたいとは思ってますが、出来ないかもしれません
ですから、もし書き始めたら書き始めたという書き込みをこのスレでageてします

その時に次回予告も出来たらいいなとは思ってますが、まだ何も決まってないのでそこはちょっと分からないです


もう一つレスあり↓


ここまでのまとめ

7/20
上条さんがタイムスリップで戻って来た日
インデックスと出会い、神裂、ステイルと話し合いをし、インデックスを助ける

7/21
カエル病院から始まって、ビーム出して樹形図の設計者破壊、妹達に遭遇
一方通行と遊ぶ、うざ条さん爆発
インデックス、一方通行、御坂妹とお泊まり会

7/22
お泊まり会二日目
実験当事者達の話し合い
途中、逆さま様から電話、上条さんLevel5の第六位になると同時に上条さんには逆剥けがあることが判明
電話終わってLevel5二人には自分のこと話す、残り4人
話を聞いた一方通行が御坂妹を上条家へ強制送還
御坂、成長


こんなかんじかね


ところで、よくよく考えたら2巻って8/8なんですね……
今まとめてみて思ったけど、あんだけ2巻先やるって言っといて4巻やることになるかもしれないなあ

その空白の2週間の後に4巻ってなんかおかしいしね

時系列は4巻が先だけど書くのは2巻が先っていうこともできるけど、どうしよう

散々2巻やるって言ってしまった以上、期待してくれてる人がいるかもしれないし、姫神さんに関しては本人が降臨してしまってるから迷ってる

どっちがいいですかね?
流れ的にこっちの方が……でもよし、どっちが見たいかを単純に答えてもらってもよし

何か書き込んでいただけるとありがたい

ではー

時系列順でいいんじゃね

時系列順でいいと思う
それか空白期間に小話一つ入れるか、学生組は夏休みだしイベントの自由度は高いと思う

>>1

>>437訂正

「……そうか、分かった。では、長い間済まなかった。と、言っておこう。もうそちらの話し合いも終わるようだ。実験は破棄。御坂美琴のクローンは今日は君が入院した病院へ預けておけ、私が連絡を入れておく」



「……そうか、分かった。では、長い間済まなかった。と、言っておこう。もうそちらの話し合いも終わるようだ。実験は破棄。御坂美琴のクローンは今日は君達がこの間診察して貰った病院へ預けておけ、私が連絡を入れておく」

に変更
上条さん入院してないしね

ここの上条さんはなんだかクセになる味だ

>>488
ありがとうございます!



こんばんはー



やっと落ち着いてきました
そろそろ書き始めようかなと思います



報告は以上です、ではー

報告乙ー
期待して待ってる



こんばんはー

どうも
この時間帯、人いるかな?
今日書き始めて、きりのいいところまで行ったので投下します


ではー





「待ちやがれええええええ!!!」

「ああもう不幸だあああああ!」


上条当麻は不幸な人間である。
Level5になろうがそれは変わらない。

不良たちに絡まれている女の子を助けようと思ったら、今度は俺が絡まれてしまっていた。






そんな今日は7月25日。



────────
──────
────
──




……ふぅ。
やっと巻くことに成功した。

今は補習帰り、時刻は昼。とにかく暑い。



さて、これまでのことを少し。



あの日、玄関でぶっ倒れた俺は、そのままインデックスと御坂妹にベッドに運ばれたらしい。起きた時はもうすでに夕方になっていた。
インデックスは「大丈夫?」と言いながらお粥を作ってくれていた。風邪じゃないけどとてもありがたかった。
それを食べ終えた後、御坂妹に何でここにいるのか聞いた。
俺は何かあったら来いとは言ったけど、その時にインデックスに連絡して貰うようにも言ったはずだ。
なのにインデックスからの着信はなかった。だから不思議に思ったのだ。

御坂妹によると、特に何事もなく病院に着くことは出来たらしい。
じゃあ向こうの患者とかがいっぱいだとか先生が忙しかったとかなのか? と聞いてみると御坂妹は違うと言った。



「一方通行に連れてこられました、とミサカは懇切丁寧に説明します」

……は? と思ったがすぐに納得した。
何でアレイスターとかいう奴の電話のことにあんなに噛み付いてきたのかが不思議だったけど、こういうことだったのか。
あいつも前に進んでくれているのかな? そうだと嬉しいと思う。

「白いお友達がね、いいからこいつ預かれっていきなり言うからびっくりしちゃったんだよ」

インデックスの言葉に俺は苦笑した。
それがあの日起こったこと。



御坂妹が帰ったあとには、俺がLevel5になったこと、それは他の人には黙っていて欲しいということも言った。
インデックスは凄いね、と喜んでくれたけど、危ないんじゃないか、とも心配してくれた。
今度奨学金が入ったらお腹いっぱいご飯を食べさせてあげれたら嬉しいなと思う。

次の日からは溜まっていた補習だった。
溜まっていたって言ってもこの頃は学校を休んでたってことはなかったから、そんなに状況が厳しいわけではなかった。
それが23日、24日。

24日にはインデックスと銭湯に行った。
前は行けなかったから、同じ日に行くことができて良かったと思う。

そして今日だ。
午前中に補習を終えて、帰る途中。
女の子が絡まれているのを見つけ、話は戻る。



……少し歩くと、目の前にはコンビニがあった。

ちょうど喉も乾いたし、飲み物でも買おう。
そう思ってコンビニへ入る。

「いらっしゃいませー」

まず飲み物コーナーへ。
こんな時は炭酸が飲みたくなる。
炭酸ジュースを一つカゴにいれる。

……そういえば最近は勉強もしている。
これから何が起こるか分かっている分、早く終わらせないとヤバイのだ。

「コーヒーも買っとくかな」

夜必要になるかもしれないしな。
ブラックとかのが効果はいいのかね?



「……って一つもねえ!!」

おいまじか……。
どうしたらコーヒーのブラックだけが全部なくなったりするんだよ……。
しゃーない。微糖で我慢だ。

よし、レジへ……っとアイスをインデックスに買ってくか。
もしかしたら御坂妹も来てるかもしれないし、このでかい奴でいいか。俺も余ったら食えるかもしれないしな。

「550円になりまーす、ありがとうございましたー」

外に出るととても暑かった。
コンビニが涼しかっただけに、余計に暑く感じる。

早く家帰ろう。インデックスも待ってるし、暑い。

そう思って近道となる路地裏へ入っていった。



「あー。涼しいし一石二鳥だな、これ」

と思いながら歩いていると、案の定見つけてしまった。
不良集団である。誰かを囲んでいるようだ。
……また走んなきゃなんねえかな、人数多いし。
いやまあこうなるとはちょっと思ってたんだけどね。


そんなことを考えながら近づいてみると、会話が聞こえてきた。



「お前、Level0に負けたらしいじゃねえか」

「うそ、マジかよ? じゃあ俺らもいけんじゃね?」

「こいつ倒したら俺らの強さってもんを証明出来んじゃね?」

「……面倒くせェ…」

何だ何だ? 何の会話だ?
Level0が能力者を集団で襲ってるってことでいいのかな?
とりあえず助けに入ってみるか。

「おーい、どうしたんだよこんなところでー……ってお前かよ!!」

「……まァた面倒くせェのが」

「面倒くせえってひどいなお前」

そこまで言って気づく。
こいつの持ってるビニール袋の中に大量のブラックコーヒーが入っていたことに。

「お前か! 俺の缶コーヒーを買って行った奴は!」

「……はァ?」

「上条さんはお前のせいでブラックが買えなかったんだよ!!」

「知るかよ。……っていうか後ろ」

「は? 後ろってお前……」



「……お前何の用だ。こいつを知ってるような口振りだがこいつは俺らの獲物だ、どけ」

「獲物って……。でもこいつLevel5だぜ? しかも第一位の」

「んなことは知ってんだよ。こいつを倒したら俺らの強さの評価も上がるってもんだろ?」

「出来んのかよそんなこと」

「お前知らねえのかよ。なんでもこいつLevel0に負けたらしいじゃねえか。こいつを肩に担いでるやつを見たってやつがいるんだよ。じゃあ俺たちでも勝てるってことだろ?」

「あー……」

一方通行の方を見る。

「……」

目を逸らすな!

「今の反応見たかよ!? やっぱり噂はマジなんじゃねえか!」

「おいおいマジかよ!」

「やめとけって」

「うっせえな、こんなチャンス滅多にねえだろうが!」

「でもLevel0に負けたからってこいつが弱くなった訳じゃねえだろ?」

「……関係ねえな、というかお前さっきから何様のつもりなんだよ。まずはお前からやるか?」

「やめろって」

「……何でこいつこんなに余裕ぶってんだ? ……ってあ!」

「おい、どうしたよ?」

「なあ、Level5に勝ったLevel0ってやつの特徴覚えてるか?」

「……たしかツンツン頭で、ウニみたいだとかなんとか…」

「ウニじゃねえよバカ野郎!」



「……」

「……」

「……あ」

「……何やってンだ」

「おいお前ら、まずはこいつからだ! こいつを倒したら第一位を倒した男の更に上だぜ! 今日はラッキーだな!!」

「よっしゃあああああああ!!!」

「ちょ、ああもう一方通行!!」

「ほら、オマエの欲しがってたブラック一本やるから頑張って逃げろ」

「ふざけんな!! ……不幸だああああああ!!!」

今度会ったら絶対ビームしてやる……。
そんな感じで本日二回目の逃走。



────────
──────
────
──

また、何とか巻いて。
炭酸はもう物凄いことになってたから捨てて、家は目の前。

「ただいまー……」

「おかえりー……ってすごい汗かも!?」

「まあ、ちょっとな……」

「……だいたい分かったんだよ、お疲れ様」

「いや、今回は俺が追いかけられたんだ」

「? 昨日もそうじゃなかった?」

「今日は標的が俺だったってこと」

「何でなのかな?」

「俺が一方通行を倒したLevel0ってのがばれたんだよ」

「え、でもとうまは今……」

「他言無用、って言ったろ? 俺はその辺ではいつもと変わらぬLevel0なんだよ」

「それじゃ外に出るのも危ないかもしれないんじゃ……」

「かもな。まあ何とかなるだろ。いざとなったら一方通行を連れてくる。ふふふ、あいつ覚えとけよ……」

「とうまがなんだか黒いオーラを……」



「あ、そうだインデックス。アイス買ってきたから溶けないうちに冷凍庫いれといて」

「わあ、おっきいの買ってきたんだね」

「御坂妹が遊びに来てるかもしれないと思ったからな」

「今日は来てないね」

「そっか、まあまた来た時にでもあげてやってくれ」

「了解なんだよ!」

さて、どうすっかな……。
……とりあえず宿題しよう、焦っても仕方がないしな。



昼食をとった俺は早速宿題に取り掛かることにした。

「とうま、お勉強?」

「ん? ああ、学校の宿題な」

「テレビ消した方がいい?」

「いや、気にすんなよ」

「ありがとう。……宿題見せてもらってもいい?」

「いいけど……」

「うーん」

「どうした?」

「よし、この教科なら何とかなりそうだね」

「?」

「とうまがね、学校に行ってる間暇だったから本棚にある教科書見せてもらったんだけどね」

「あーなるほど、全部覚えちまったってことか」

「うん。だから私も手伝おうと思って」

「マジ?」

「うん、ついでに英語も教えてあげるんだよ」

「それはありがたい、英語話せるようになんねえと今後困るしな」



「その今後っていうのはいつ? 社会に出てからってこと?」

「いやもうすぐだけど?」

「……やっぱりやめようかな、とうま危ないことしに行くみたいだし」

「お、おい。頼むってインデックスさん!」

「……じゃあ約束。何があっても絶対帰ってきてね」

「ん、もちろん」

何を今更。
こっちは最初からそのつもりだ。



『じゃあ今から英語で話すんだよ、ちゃんと話せるようになろうね、とうま』

「英語でいきなり話されてもわかんねえよ!!」

「甘いんだよとうま! 教科書見たけど、あんなのできたところでろくに話せないかも。逆に言えば、話せたら学校の授業なんてちょちょいのちょいなんだよ!!」

「だからっていきなり……」

『さあとうま、頑張ろうね? ……ところでお腹空いたんだよ』

「晩ご飯まで我慢しなさい」

「……え? 聞こえてたの?」

「さすがの上条さんもそれくらいは分かるわ!!」



『ふーん、まあいいけどとうまはバカだからね。もう一回繰り返すけどバカだからこれくらいの英語だともう何言ってるか分からないんじゃないのかな? ……この際不満をぶちまけてあげるんだよ。まず何で夏休みなのに学校行ってるのかな!? それに帰りには女の子を助けてばっかり……。ここ3日間毎日汗だくで帰ってきちゃってさ。見てるこっちの身にもなって欲しいんだよ。ああまたかって思っちゃうよね!! 危ないことにもすぐに首を突っ込む癖も何とかならないのかな?』

なんか分からんがインデックスの動きから馬鹿にされていることだけは分かる。
英語も大事だけど、ボディーランゲージも大事なんだなとしみじみ思った。

『って聞いてるのとうま!? 聞いてないみたいだね……。もう文句はいいんだよ、聞いてないなら……』

はあ、不幸だ……。

『いつもありがとう。恥ずかしくて英語でしか言えないけど、いつも感謝しています。ずーっと一緒にいてね。大好き、とうま』




……いや、そんなこともないかもしれない。
そしてやっぱりお前は俺を馬鹿にしてるな?
俺だって"I love you"の直訳くらいは分かるぞ、インデックス。



「ありがとうな、インデックス。英語と暗記科目はインデックスに教えてもらうことにするよ」

「分かったんだよ」

「アイス食べながらでもいいぞ、とって来いよ」

「いいの? とうまはどうする?」

「俺の分もインデックスが食べてもいいぞ、ほんのお礼だ 」


いつか、今のセリフが全部聞き取れるようになれるといいな。
インテックスの母国語で、インデックスの伝えたいありのままのニュアンスで本音が聞けるようになりたい。


「ほんとに!? ありがとう、とうま!!」

「どうだ、おいしいか?」

「うん!! えへへ……」



だから、ちょっと頑張ってみようかな。

インデックスの頭をなでながら、そう思う。
ありがとう、インデックス。



ちょっと一区切り

日付け変わった頃に戻ってくる、ごめんなさい

おつ
これからの展開どうなるかなかな



prrrrrr……

……っと、誰だよこんな時に。



「げっ……」

「どうしたの? とうま」

「ああいや、電話だよ電話」





ディスプレイには何も書かれていなかった。



「……今度はなんだよ」

『君は本当に馬鹿だな。よくも余計なことをやってくれたものだ』

「…お前もか!!」

「……英語の勉強になると思ったんだが……迷惑だったか」

「ああ迷惑だね!! で、用件は?」

「さっき言っただろう」

「は? ……ってだから英語分かんねえって」

「君は本当に馬鹿だな。よくも余計なことをやってくれたものだ。と言ったのだが」

「はあ?」

「心当たり、あるだろう」



「そんなもの……」

ねえよ、と言いかけて気づく。

「……あ」

「気づいたか」

「……俺、学園都市で生きていけるかな」

「全く。自分から名乗り出るとはまるでウニのような奴だな」

「うるせえ!! なんだよウニみたいなやつって!!」

「……まあいい。このままでは君の顔が学園都市で一番有名になる日が近いかもしれない。一旦学園都市の外に出てきたまえ。時期も夏休みだ、ちょうどいい」

「で、でも俺補習とかもあるし……」

「なんだ、君は自分の命より補習が大事だと言いたいのか」

「いや、そうは言わねえけどさ」

「では、その件に関してはこちらで何とかしておこう。行き先、許可証などを含めてすべての連絡は明日学校で聞くといい」

「……わかった」

両親には悪いけど、連絡はしないでおこう。
またあんなことが起きては困る。

「こちらの用件は以上だ。出発は明日。何か聞きたいことは」

「特にはねえよ」




ブツッ。



電話が切れる。



「……ふう」

「……誰からだったの?」

「学園都市のお偉いさんだよ、明日から学園都市の外へ旅行だと」

「旅行!? どこに行くのかな?」

「うーん、知らされてねえな」

「なんか楽しみだね!」

「そうだな……」



海、なんだろうか……。



────────
──────
────
──



次の日。

「いってきます」

「いってらっしゃーい」


午前7:30、俺は家を出た。もちろん学校へ向かうためだ。
今日の朝が早かったために、まだ用意はしていない。
というかそもそも旅行期間がどれだけなのか聞くのを忘れていたから、昨日から用意が出来ていないのだ。
一応2、3日分は用意しておいたけど、情報の隠蔽にどれだけかかるか分からない。
何しろ今回は噂でなく、本人(俺)が直々に認めてしまったのだから。

そんなことを考えていると、学校に……



というほど学校が近いわけでもなく、ふと殺気を感じて振り返ると後方に見つけたのは不良様方。
前方じゃなくて良かった。非常によかった。



と、いうわけで、今日も




「不幸だああああああああ!!」



夏休み何回目か分からない、鬼ごっこ。



「はあはあ……あー」

「……随分と走ってきたようね」

「ん? ああ吹寄か。……って何でここに?」

「何よ。あたしがいちゃ悪いって言うの?」」

「いや悪いとかじゃねえんだけどさ。吹寄、補習ないだろ?」

「自習のために来たのよ。家にいてもサボりがちになっちゃうでしょ」

「へー」

「で、貴様はどこへ行くの? そっちは教室じゃないと思うんだけど」

「ちょっと職員室にな」



「何、貴様また何かやらかしたの!?」

「またってまだ何もしてねえよ」

「本当かしら」

「本当だよ!」

「まあいい。ちょうどあたしも月詠先生に用事があるし、一緒に行ってあげる」

「えー……」

「文句言わないの。何かやましいことでもあるの?」

「いやねえけどさ……」

今回のことはあんまり知られたくねえんだよな……。
特に今回小萌先生には俺の事情話そうと思ってるし。



「ならいいじゃない。……ところで上条。貴様は噂聞いた?」

「噂?」

「第一位をLevel0が倒したって話」

Levelがアップするとかいう食べ物などに興味がある吹寄だ。
こんな話、やっぱり気になるのだろう。

「あー……」

「やっぱり知らないの、貴様は」

「いや、知らねえっつうか……」

「何よ、はっきりしなさい」



6人、だったよな、俺が俺のことを言っていい数って。
インデックス、一方通行、御坂。
そうするとあと三人。
で、今回小萌先生には言うつもりだから、後二人として。
……吹寄には言うべきか?

確かにクラスメイトには一人知ってもらった方がやりやすいし、それなら吹寄が一番いいと思う。
土御門は俺と同じく学校にいない時が多いからな。

でも本当にいいのか?

小萌先生はなんだかんだ言って見逃してくれているところがあった。
魔術も一応体験したために、俺が何かをしていることはわかってくれていたようだ。
今回は魔術のことなど何も知らないと思うけど、それでも見逃してくれそうではある。
ただ、吹寄は違った。何も知らないがために、逆に深くまで入り込んで来る。
ここで教えてしまったとして、さらに深く調べようとしてしまうかもしれない。
それでは非常にまずい。


ただ、クラスに一人だけでいい。自分の事情を知ってくれている人がいたら、どんなに楽か。



「……どうしたのよ?」

「……なんでもねえよ。多分職員室でその話も出るだろうから、その時に全部話すよ、全部な」



……決めた。

全部話した上で、守る。


……何迷ってんだ、最初に決めたじゃねえか。
今回は自分も含めて笑顔でいる、と。自分だけが犠牲になればいいってのは俺を待ってくれている人が悲しむからって。

だから、話そう。
俺の事情を知ってもらって、それでいてこっち側には来させない。
それだとまた俺が犠牲になるから、俺の仕事は、自分を犠牲にせずに敵を倒すこと。

難しいがやるしかない。
学校では小萌先生、吹寄を始め、クラスメイト。家ではインデックス。

俺の居場所は何があっても守る。




絶対に────────。



「「失礼します」」

「あ、上条ちゃんに吹寄ちゃん、おはようございます」

「おはようございます、先生。今日補習の後教室を使わせて欲しいんですけど……」

「了解なのですよ、じゃあ開けておくのですー」

「じゃあ次俺なんですけど……」

「上条ちゃん、何をしたのですかー? 上条ちゃんに一週間の学園都市の外への外出届、そして補習の免除。そんなの聞いたことないのです!」

「……まあいろいろあるんですよ」

「……貴様本当に何もやってないの?」

「そ、それなんだけどな……」



一旦唾を飲み込む。
深呼吸をして……

「小萌先生は、第一位がLevel0に負けたって話、聞いたことありますか?」

もう、戻れない。

「あ、はい。聞いたことあるのですよ。それがどうかしたのですか?」

「……そのLevel0が俺って話です」

「……は?」

「ちょ、ちょっと待つのです!! それはいつのことなのです?」

「つい最近ですよ、噂が出始めた頃です。当たり前だけど」

「貴様、ふざけてるの?」

「大真面目だよ」

「でも貴様何も能力ないじゃない。Level5、しかもその中の第一位なんてどうやって倒すのよ」

「能力ないっていうか……。正確には学園都市の機械じゃ測れないっていうか……」

「……どういうこと?」

「俺の右手には幻想殺しってのがある。どんな能力かっていうと、どんな異能の力でも打ち消すって能力だ。だから学園都市の機械じゃ測れないし、打ち消してしまうからどんなに能力開発したってそれが芽生えることはない。ちなみに第一位の能力だって消せる、例外なくな。だから倒せたってわけ」



「……それが本当だとして、何で学園都市の外へ出ないといけないのです?」

「今では第一位って友達なんですけど、あいつと話してた時にあいつを狙おうとしてる奴らに俺のことがばれちゃって……。俺の命が危ないからって避難命令ってことらしいです」

「じゃあその前に何で第一位なんかに喧嘩売ったのよ。まさか貴様もその第一位を狙う奴らの一員だってこと?」

「それはねえよ。詳しくは話せねえが、あいつや第三位の──御坂美琴の妹を助けただけだ」

「貴様第三位も知り合いだっていうの!?」

「まあな」

「か、上条ちゃんがどんどん遠い存在になっていくのです……」



「で、もう一つ。さっきはLevel0って言ったけど、第一位を倒した後、統括理事長から電話があってさ。Level5の第六位になったんだ」

「……」

「……どこから突っ込めばいいか分からないんだけど」

「でもそこの外出届が何よりの証拠だぜ? 何かあいつが全部用意してくれたらしいし」

「……まあ確かに」

「……というわけでお願いなんですが、このことは秘密にしておいて欲しいんです。他言無用って言われてるんで」

「じゃあ何であたしに言ったのよ」

「先生には元から言おうと思ってたし吹寄にはクラスメイト代表として知っておいてもらいたいと思ったんだ。実質クラスまとめてるのってお前だろ? だからそういう人に言った方がいいと思ってさ」

「……そ」

「あと先生。学園都市の能力かすら分からない俺の能力ですけど、ちゃんと開発の授業も受けますしそれの補習も受けます。ただ、俺の事情だけは知っておいて欲しかったんです。開発はできないってことを」

「……分かったのです」

「あともうひとつ。連絡しないで学校休んでしまうことがあるかもしれないけど、それについての補習もちゃんと受けるつもりですから心配しないでください」



「どこか行くつもりなの?」

「困っている人がいたら手を差し伸べる、ただそれだけだ」

「……何を言っても無駄そうね」

「悪いな、必ず帰ってくるから大丈夫だ。クラスのこととか多少手伝えなくなるかもしんねえけど……」

「分かってるわ。サボったりやる気がないとかじゃないならいいの。それくらいならあたし達だけで何とかできる。その代わり絶対にその困ってる人達は助けて、貴様は元気に帰ってきなさい、約束。いや、命令よ」

「分かった、必ず守るよ」

「……先生にも約束してください。危なかったらちゃんと先生に言うのですよ?」

「はい、ありがとうございます」

「じゃあ上条ちゃん、今日ももう帰っていいのです」

「今日の補習も無しってことですか?」

「はい。明日からの準備もいろいろあると思うのです」

「……ありがとうございます」

「……じゃああたしは教室行きます。上条も職員室出るわよ」

「はいはい。じゃ、先生。迷惑かけますけど……」

「任せるのです。それよりも明日はご両親も来てくださるそうなので今日はしっかりと体を休めてくださいね」





「……え?」

「はい早く行くわよ」

「ちょ、吹寄! 引っ張んなって!! こ、小萌先生! その話詳しく……」

「失礼しました」






ピシャリ。







「……じゃ、上条。家に帰る時に死なないようにね」

「……妙にリアルなこと言うなよな、んじゃ」



……ややこしいことになってしまった。

今から両親にくるなというのはおかしい気がする。
いや、それでもあんな術が起きてしまうよりはマシなはずだ。



携帯を手に取る。


prrrrr……

「もしもし、当麻さん?」

「あ、母さんか? 今どこにいる?」

「今は……ええっと、近くのスーパーかしら。とりあえず買い物を済ませて、刀夜さんが帰ってきたら向かうつもりだけれど……」

「ということは、もう家出てるんだな?」

「はい、そうですよ」

「分かった、ありがとう。じゃ」


やばい。
二人とも出ているとなると手遅れだ、魔術が発動する可能性がある。
今さら止めたところで変わらない。


……じゃあやることは一つ。


インデックスがあんな悲惨なことになってはいけない!!


家に向かって全力で走る。



……この時俺はインデックスの悲劇を思い浮かべて焦っていたが、大切なことに気づいていなかった。
父親は仕事で家をあけている。ここまではいい。
その時に母親は絶対に家にいるのかと言われたら、そうではない。さっきのように買い物に行っている可能性もあるのだ。

つまり何が言いたいかというと。



あの時のが別にいつも通りの行動だった場合、あの時来るのを止めておけばまたこんな魔術は起こらなかったかもしれなかったということだ。


だって週に何回も世界に影響を与えるような大魔術が起きたりはしていないんだから。


それに気づいたのは土御門から俺の家に起きた魔術の詳細をもう一度説明されてからだった。



「インデックス!!」

「おかえり、とうま。早かったんだね」

「無事か!?」

「……何が?」

「良かった……」


急いで家に帰った俺はまずインデックスの状態を見た。
良かった、何もなってない。



「……どうしたの、そんなあわてて」

「いや、何もなかったならいいんだ」

「変なの」

「ところでさ、何か大魔術が起こりそうな予感とかしない?」

「うーん……特にはね。何、なにか起こるの?」

まあ確かにこの間の時も気づいてなかったみたいだしな、などと考えながら伝えるべきことを伝える。

「おそらくもうすぐ起こる。いいか、インデックス。旅行は一週間だ。俺たちが準備したのは2、3日分。だから今から用意をする」

「う、うん」

「そこで俺は対策として今から力を俺とお前の周りに放出し続ける。だから」

「歩く教会は入れない、着ない?」

「そういうこと。悪いな、足りなかったら向こうで買えばいいし母さんに買ってきてもらうこともできる」

「そっか、分かったんだよ」

「じゃあ準備するか」

「うん」

「ちなみに行き先はここ。海だってさ。水着も買わないとな」


先生に貰ったプリント類を全部見せる。
場所はこの前と同じ。


「うわあ、何か良さそうなところだね。……って何このとうまのサインだらけの資料」

「Level0でも学園都市の外へ出るのは大変なんだよ」



それからしばらく用意をして、終わったので寮を出る。
タクシーはあらかじめ呼んでおいた。

「じゃあインデックス。忘れ物ないか?」

「うん、もともと持ってくるものも少ないからね」

「おう、じゃあ行くか!」

「うん!」



タクシーに乗り込む。
行き先はと聞かれたのでとりあえず学園都市の外の駅名を言っておいた。
そこからは電車だ。

学園都市は普段はあまりそうは思わないが、こう車で移動したりするとやはり小さい。
思っていたよりもすぐにゲートのところまで来てしまった。
インデックスともそんなに話していない。


……まあそれもそうか。景色の話をしようにも、まだ見慣れた景色なのだから。


インデックスのゲストIDも難なく認められ、駅到着。
ここからは電車だ。

インデックスと電車に乗るのは初めてだ。


「電車まだかな?」

「遅れない限りもうすぐだ。……ほら来たきた」



電車は割とすぐに来た。
乗り込むと、ちょうど二人席が空いていたので、座る。

「ふいー。ねえとうま、電車ってどれくらい乗るの?」

「うーん、着く予定時間から考えて一時間半から二時間くらいじゃねえかな」

今は12:30。着くのはちょうど暑い時間帯の予定だ。

「それよりインデックス。腹減ってない?」

「とっても減ったんだよ」

「正直俺も何か食べたいんだよな……。弁当もう食うか」

「それがいいと思うんだよ!」


海の家に着いたら何か食べれると思っていたが、一応作っておいた弁当。
あり合わせのものだけど、インデックスは美味しそうに食べてくれる。

「おいしいんだよ、とうま!」

「そりゃ良かった。向こうついたらもっとうまいもん食おうな」

「うん!」


さて、俺も食うか。
……あ、容器はちゃんと使い捨てのやつです。
一週間も上条さんのバッグに弁当箱入れておいたらどうなるか分かったもんじゃない。それに荷物にもなるし。



「「ごちそうさま」」

「食べ終わっちゃったね」

「だな、どうしよう……暇だな」

「そうだね……」

「何する?」

「にゃにしょ……」


……そういえば、さっきから周りに変化がない。
まだあの魔術は起こっていないようだ。
一応対処法は考えてあるにはあるんだけど……。

……まあ今は考えたって仕方ないか。
両親は二人とも家を空けてるみたいだし、もうすぐなのは確かなんだ。





それよりも今は

「なあインデックス。またちょっと英語を教え……」





ぽすん





「すぅ……」

インデックスの頭が俺の肩に乗る。
心地よい香りがする、とても落ち着く。



俺まで眠たくなってくるが、経験からしてここは絶対に寝てはいけない。
寝過ごすかもしれないし、何より一番怖いのは起きた時俺の肩に寄りかかってるのが青髪ピアスだったらと思うとゾッとする。

……想像したら眠たくなくなってしまった。
これはこれで結果オーライ。
インデックスの頭をなで続けて到着を待つ。



────────
──────
────
──



「おーい、インデックス。起きろ、次の駅だぞ」

「……うにゃ。……はっ!? ごめんね、寝ちゃってて……。暇だったでしょ?」

「いやいや。確かに暇だったけどインデックスの寝顔見れたからそれはそれでオッケー」

「うー。またとうまはそうやって恥ずかしいことを……」

「あれ、俺何か恥ずかしいこと言った?」

「いいや、別に何もないかも」

「そ、そうか」

「あ、……とうま!! 綺麗な海が見えるんだよ!!」

「ああ、確かに綺麗だな」

さっきから俺は見てるけど、なんて言ったら今度こそ怒られるに決まってる。



「さて、降りるか」

「うん。楽しみだね、とうま!!」

「ああ。とりあえずまず駅前のこのデパート行くか。インデックスの水着買わねえとな」

「え? いいの?」

「何言ってんだ、せっかく海に来たのに入れないなんて嫌だろ?」

「えへへ……ありがとう」


……何か照れる。


デパートはそこら辺にあるものとほとんど変わらず、女性用の水着売り場はすぐに見つかった。
男子高校生の上条さんとしては、下着売り場に続いて入りにくい店だ。


「ねえとうま、どれがいいかな?」

「好きなのにしろよ、一応お金は多めに持ってきたから」

「むう。そうじゃなくてとうまに選んで欲しいの!」

「……いいのか? 俺のセンスを当てにするなよ?」

「とうまが選んでくれたのなら何でもいいの!」

「わ、分かったよ……」



インデックスは譲ってくれそうもないので、ここは引いて俺が選ぶことにする。
つってもなあ、水着映えする体型とはお世辞にも言いにくいし……。
あと数年もしたらどうなるかは分からんけどさ。
ふむ……。


「……何か失礼な目線かも」

「い、いやあ、そんなことはないぞインデックス。……ほ、ほらこれなんかどうだ?」


たまたま手にとったのを渡してみる。


「うーん……何か微妙かも」

「微妙ってお前……。インデックスが選べっつったんだろ?」

「そうだけど……」

「何か気に入らないのか?」

「うーん……」


お気に召さないようだ。
別にインデックスならどれ着てもちゃんと似合うと思うんだけどな。





……あ?



「ちょっと待っててインデックス」

「ん? どうしたの?」


……見つけた。
前にインデックスに買ったのと同じ。
たまたま向いた方向でこれを見つけるとはなかなか運がいいかもしれない。
よし、これにしよう。前も可愛かったし、きっと気に入ってくれるだろう。


「インデックス、これこれ。これなんかどうだ?」

「わあ、可愛いかも……」

「良かった……。それにするか? それともまだもうちょい見てく?」

「いや、これにするんだよ」

「そっか、じゃあ早速レジ行くか」


インデックスの水着、無事購入。



さっきは母さんに頼めばいいやと思っていたが、どうせデパート来たんだからとインデックスの服と下着を買った。
それにしてもやっぱり下着売り場は恥ずかしかった。
インデックスは下着も俺に選ばせようとしたが、それは丁重にお断りさせていただいた。


「インデックスの肌のこととかはき心地とか、本人じゃないと分からないだろ? 俺が変に選んだせいでインデックスがはけないなんてことがあるかもしれないからな」


っていう言い訳は、今後も使えそうだ。我ながらナイスだったと思う。
代わりに服は全力で選んだ。
これも我ながらナイスだったと思う。インデックスは俺が選んだものにとても満足してくれた。

そうこうしている内に一時間半はデパートの中にいて、出たのは15:30過ぎだった。



そこからは宿まではまあまあ近いので、そこまで盛り上がった会話もなく。
わあ綺麗だね、くらいのもんで目的地に到着。




「……うーん! やっと着いたか」

「ねえとうま、いっぱいご飯食べれるかな?」

「多分な、とりあえず入ろう」



「すいませーん!」

「あ、これはこれは」

「あの、予約してた上条ですけど……」

「はあ。……失礼ですがお客様は5人だと」

「あれ、まだ両親は来てないんですか?」

「まあ、はい。連絡取りましょうか?」

「いや、部屋に行ったら自分達で連絡することにしますよ」

受け答えをしてくれたのは、御坂妹になるはずのあの人だ。
二階の部屋に行き、自分達の荷物を置いて、早速電話をかける。



「あ、母さん?」

「あら、当麻さん。どうしたんですか?」

「あ、いや俺今着いたからってのを一応連絡しておこうと思って」

「そうなんですか? ……えーっと、困りましたね。まだ刀夜さん帰ってないのだけれど……」

「いやごめん急がせるつもりはないんだ。俺の報告したかっただけだし」

「そうかしら。じゃあ刀夜さんが帰ってきたらまた連絡しますね」

「はいよ、んじゃ」



「お母さん?」

「え、まあな。上条詩菜ってんだ。父さんは上条刀夜。5人って言ってたからあとは多分従妹がくるはず」

「ふーん……」

「……?」

「あ、いや、ごめんね。何でもないんだよ」

「……あ。大丈夫だよ、インデックスも俺の家族さ。な?」

「……ありがと」

「……じゃあ両親はまだみたいだし、海いくか?」

「いいねそれ!」

「んじゃあ上条さんは脱ぐだけだから、インデックスはゆっくり着替えてから来いよ」

「分かったんだよ」

「じゃ、先行ってる」

「うん」


そっか……。
俺の記憶は無くならなかったし、インデックスも助けられたけど、それでもあいつは一年以上前のことは覚えてないんだもんな……。

これからはいろんなところ連れて行って、いろんなもの食べて、たくさん楽しもう。



海に出て浜辺でパラソルを立てていると、インデックスはやってきた。

「おまたせ」

「おっ、早かったじゃねえか……って」

「何……? そ、そんな見なくても……」

「あ、いやごめん」

「……どう、かな?」

「似合ってるよ、かわいい」

「ほんと!?」

「ああ、さすが上条さんが選んだものなだけある」

「えへへ、ありがとうね」

「ほら、いいから遊んで来いよ。俺は見てるから」

「えー。とうまも遊ぼうよ」

「でもなあ……」

「一人じゃ寂しいかも」

「分かったよ……」


こうして海へと連れられる俺。
出来れば何も起きませんように……。



特に何が起こるわけでもなく、気がつくとすっかり日も傾いていて、この季節だと18:00前といったところだろうか。

「インデックス、そろそろあがるぞ。もう海も冷えて来るし晩飯もそろそろだろ」

「晩ごはんどんなだろうね?」

「さあな。……あー腹減った」

「とうやとしいなはまだかな? 見たことないけど」

「んー、まだっぽいな。とりあえず中入ろうぜ」

「あ、あの……」

「ん? あ、はい」

「えーっと、お連れ様がもう1時間もすれば到着なさるようです」

「あ、どうも」

「夕食はどうなされますか?」

「あー。インデックス、どうする? 先食うか?」

「……いや、みんなで食べる方がおいしいんだよ」

「んじゃ、待つか」

「では二人ともお連れ様が到着なさってからということでいいんですね?」

「はい、よろしくお願いします」



「おい、インデックス。よかったのか、先食べなくて」

「いいんだよ。さっきも言った通り、みんなで食べる方がおいしいから」

「じゃあどうする? インデックスは風呂でも入ってくるか?」

「そうするんだよ。汗と海水でちょっとベタベタだからね」

「確かにな。んじゃ風呂。ちょうどいい時間になってるだろ、女の子はお風呂長いと思うし。家ではあんま気にしてなかったけどさ」

「分かったんだよ。じゃあいってくるね」

「おう、ゆっくりして来いよ」


インデックスが風呂へ向かうのを見て俺も風呂の入り口までは向かう。力の範囲はまだいまいち分かっていないからだ。
でもここは男湯女湯の区別がないから入りはしない。
インデックスが上がった後、まだ時間があれば俺も入ればいい。




インデックスは髪も長いし洗い流すのも大変そうだが、40分ほどであがってきた。
浴衣のインデックスもかわいい。

そもそも、俺は10分もあれば流すことは出来るので、結果として二人とも両親が来る前に風呂にはいることができた。

「ふう、二人とも入れて良かったな」

「そうだね」

「あとは両親を待つだけか……って噂をすれば」



「やあ当麻。久しぶりだな」

「こんばんは、当麻さん」

「おっす」


インデックスはぺこりと頭を下げる。


「……こちらは?」

「あんまり深くは話せないんだけど、こいつは両親とか身内がいないから俺が一緒に住んでる」

「……名前は何ていうんだ?」

「……インデックス、なんだよ」

「……」

「……」



「……そうか、インデックスちゃん、か。私達のことを親だと思って頼ってくれていいからね。そのかわりといってはなんだが、当麻と仲良くしてやってくれないか」

「も、もちろんなんだよ! ありがとう……」

「……いやあ、それにしても当麻もこんな可愛らしい外国人の娘を連れてくるなんてなあ」

「あらあら、刀夜さん?」

「か、母さん。今のは息子が連れてきた女の子に対するただの感想じゃないか……」

「ふふふ、冗談ですよ。さあ当麻さんにインデックスちゃんも中へ入りましょう? 待たせてごめんなさいね」

「あーやっと飯だ。……ところで母さん」

「何ですか?」

「予約は5人って言ってたけどあと一人誰が来るんだ?」

「あれ、言ってませんでしたっけ? 従妹の乙姫ちゃんが明日の朝遅れて来るって」

「ああやっぱり。いや、5人って聞いた時から何となくそうじゃないかなって思ってたんだけどな」

「そうですか、では夕飯をいただきましょう」



晩飯も食べ終え、家族みんなでゆっくり話したり。
まあ何だかんだで基本的には母さんとインデックスが話してたのを見てただけだけど。
それもすっかり長くなってしまって、自分の部屋に入ったのは23:30を過ぎた頃だった。
かれこれ三時間以上は話してたのか。


「あー、いっぱい話せて良かったんだよ」

「それはよかった、楽しかったか?」

「うん、まあね。でもちょっと疲れたかも」

「一週間もあるんだ、早く寝てもまだ時間はあるから大丈夫だ」

「……とうまは寝ないの?」

「まあな、いつ魔術起きるかわかんねえし」

「そっか……。じゃあ私も起きてるんだよ」

「い、いや、無理しなくていいんだぞ?」

「ううん、大丈夫かも。電車の中でも寝たからね」

「そうか? じゃあまあ無理しない程度でな」

「うん」

「んじゃとりあえず布団に入るだけ入るか」

「私こっちにする」

「じゃあ俺こっち」



ごそごそ




「電気消すぞ」

「うん」





パチッ








……ってあれ?
さっきからずっと気にしてなかったけど、何でインデックスとおんなじ部屋なんだろう……?

んーと……










うん、分からん。



「……」

「……」

「……」

「……」

「……なあインデックス」

「……なあに、とうま」

「明日の朝、俺に向かってあの御坂美琴が飛び込んできても、御坂妹がここの宿の従業員でも、ステイルがここの店主でも、絶対に驚くなよ」

「……? ごめん、さっぱり意味が分からないんだよ」

「そのまんま言った通りだよ。ちなみにそのことについて突っ込んだらこっちが変人扱いされるからな」

「んー、分からないけど分かったんだよ。とにかく何が起きても驚いたらダメなんだね?」

「おう。まあ明日になりゃ分かるさ。……っともうすぐ明日だな」


携帯の時計を見ると23:59とディスプレイには表示されていた。
それをインデックスにも見せようと思い、インデックスに携帯を見せながら言う。



「ほら、インデックス。もう日付変わるぞ」

「ほんとだ、今変わっ……」






バキン!!







「……ったんだよ?」

「……インデックス、大丈夫か?」

「う、うん。それより何が……。魔術の気配もなかったのに……」

「ちょっと電気つけるぞ」



パチッ



電気をつけて、インデックスの顔を見る。
声が変わってないから大丈夫だとは思うんだけど……


「よ、よかった……」


ぎゅうっ


「ちょ、とうま!? どうしたの?」

「いや、ほんと良かった」

「ちょっとよく分からないし苦しいかも」

「あ、ごめん。……いやあでもマジで良かった」

「だから何なのか教えてほしいかも!!」

「朝になりゃ嫌でも分かるって。とりあえずもう寝ようぜ」

「むううぅぅ……。……分かったんだよ」

「んじゃ、おやすみ、インデックス」

「おやすみ、とうま」






パチッ







さて、母さんは誰になっているのだろう?

おやすみ、インデックス。








……いやあほんとに良かった。



────────
──────
────
──




「おにーちゃーん」




「……結局こいつなのか」


目が覚めると、御坂美琴が一階で甘々ボイスを出している。
前は本人に言ってしまったが、普段のイメージがイメージだけに、あいつが媚び声を出すと果てしなくムカツク。


でも実際はあいつじゃないんだ、あいつじゃない……。


そう自分に言い聞かせて隣で俺の袖を掴んでいるインデックスを起こす。



「……おいインデックス、起きろ」

「……。……あ、おはよう」

「おう、おはよう。今からよく聞いとけよ」

「? ……何を?」

「いいからいいから」

「むう、とうまは昨日からなんだかケチかも」

「いやだからもうすg……」



「おにーちゃーん、おーきろー」






「ん? あれ?」

「……」

「え……。短髪?」

「いや、あいつは昨日言ってた俺の従妹だよ」

「で、でも声が」

「もうすぐ部屋入ってくるだろ、まあ見とけ」


そう言って布団の中へ入ってスタンバイ。



ズバーン!!



扉が開く。
女の子らしい、体重の軽い足音が近づいてきて……


「ほーら、いつまで寝てんのよう、おにーちゃん! 起きろ起きろ起きろ起きろ!」


そう言って飛び込んでくる。











……が、俺は避ける。










ドシャ



「へぶっ!!」

「……ふん」

「……え?」

「いたた……。ちょっとー、せっかく起こしに来てやった妹に何するわけ? 起きてるんなら起きてるって言ってよ!」

「ああ悪かった、悪かったよ」

「……え?」

「……で、この女の子は?」

「俺の家族?」

「ふーん、彼女?」

「いや、違うけど」

「……一緒に寝てたのに?」

「おかしい?」

「おかしいよう! っていうか彼女じゃないなら私がこうやって抱きついてもいーよねー?」

「暑い。分かったからとりあえず一階へ降りよう。ほら、朝ごはんだ。さっさと行け」

「なにおう! 私はお邪魔ってわけ?」

「俺ら着替えてすらないだろ? 着替えたらすぐ行くから」

「……ふーん、じゃあ早く一階に降りといでよ!」

「はいはい」


たったったっ、という足音とともに去って行く御坂美琴(仮)。



「……え?」

「ん? どうした?」

「何、今の」

「だから俺の従妹だって」

「……短髪が?」

「いや、御坂じゃねえよ、あれは」

「え、でもどう見ても短髪だったんだよ!!」

「だから何があっても突っ込むなって言ったろ? そんなテンションだとツッコミが追いつかねえぞ、俺の経験からして」

「う……」



「朝から元気だな、二人とも。おはよう」

「おう、おはよう。父さん」

「んー……おはよう、とうや」

「もう朝飯だってよ。俺らも着替えたら行くから先行っといてくれよ」

「わかった、じゃあ私は母さんを起こしたら行こう」

「ん、じゃあ」



部屋に戻る俺達。



「……とうやは何ともないんだね」

「まあな。いろいろあるんだよ」

「どういうことなの、これは」

「魔術で外見が入れ替わってるんだよ」

「魔術で外見が? っていうか、とうまの口ぶりからして前も起こったんだよね。じゃあ私も前は誰かと変わってたの?」

「……ああ、うん。まあな」

「誰々!? 気になるんだよ! 背の高い美人さんとかかな!?」

「……いやそんなキラキラした目をされても」

「何で、教えてよ!!」

「えー……」

「むう、ケチ!」

「ケチで結構です」




ガラッ





「あらあら、当麻さんはインデックスちゃんに意地悪くするのが好きなのかしら」

「……え"、ちょっと待て、その声」

「ああ、あ、あ……」

「? 当麻さんがケチって聞こえたのだけど……どうかしたのかしら?」

「……ひ」

「……ひぁ」

「あらあら、私何かしちゃったのかしら。母さん悲しいわ」

「……」

「……」

「とりあえず二人とも早く着替えてくださいね。刀夜さんも先行ってますし、私も行きますから」

「お、おう……」

「……」





ガラガラ



「あらあら、当麻さんはインデックスちゃんに意地悪くするのが好きなのかしら」

「……え"、ちょっと待て、その声」

「ちょっとドア開けますよ」




ガラッ




「げっ……」

「ああ、あ、あ……」

「? 当麻さんがケチって聞こえたのだけど……どうかしたのかしら?」

「……ひ」

「……ひぁ」

「あらあら、私何かしちゃったのかしら。母さん悲しいわ」

「……」

「……」

「とりあえず二人とも早く着替えてくださいね。刀夜さんも先行ってますし、私も行きますから」

「お、おう……」

「……」





ガラガラ



「……」

「……」

「……なあインデックス。お前が誰に変わってたか知りたい?」

「……何かとてつもなく嫌な予感がするけど一応聞いとくんだよ」

「誰であっても嫌がるなよ?」

「うん……」

「……」

「……」

「……」

「……」





「……今母さんを名乗ってた奴」












「いやぁぁぁぁぁあああああ!!」











いじょー

思ったよりだいぶ長かった
とりあえず、4巻入りました
詩菜さん可愛い、けど口調難しい……
まあ大体です
というか刀夜さんも乙姫ちゃんも口調難しいですね

ところで詩菜さん4巻で一回当麻ちゃんって呼んでてかわいすぎる

というわけで、ここから解決編へ向かって行きます
次回で完結はしないと思いますけど

ではー



え? 一体誰なんだ……?

青ピェ・・・

青ピじゃね?
電車で言ってたし

やっと追いついたわ。取り敢えず乙


上条さん無双は面白いわ

本来青髪ピアスが入れ替わるはずのインデックスが幻想殺しガードされていたせいで
青髪ピアスが上条母の席に移ってしまったわけか・・・

ということは上条母のあの過激水着を青ピが・・・ 

ぎゃーーーーーーーーー

ものすごい神スレを発見してしまった。

想像したら吐き気が・・・

そういや>>1も気が付いてないかもしれないが、上条レベル5だってバラしていいのが6人までなら、一方通行、御坂、御坂妹、インデックス、小萌、吹寄で6人だよな。>>522で御坂妹スポンと忘れてるみたいだが

>>581
今ざっと見返してみたが、>>496で御坂妹が帰った後にインデックスに話してるから御坂妹は含まれてない
一方通行、御坂に話した時も御坂妹は病院へ向かわせた後だから同じく聞いていないので、数はちゃんと合ってる

まだかな……



こんばんはー

すいません遅くなりました
言い訳なんですが、ちょっと利き手を骨折してしまいまして……

明日には投下しに来ます、待ってくれてる人がいたらすいません


>>573
>>574
>>575
>>577
青ピであってます、もちろんあの水着装備です

>>581
>>582で書いてくださってますが、話す時には御坂妹は帰っています

>>576
>>579
>>583
ありがとうです!
楽しみにしてくださる人がいるのが分かるのは嬉しいです


では明日の投下予告をしにきたってことでageておきます
ageんなって思ったらごめんなさい


ではー

待ってるぜェ

大事な手だ、しっかり養生してください

ヤベェ。楽しみすぎてオギオギしてきた。しっかり養生してください


こんばんはー

投下します、だいぶん短いですが



もぐもぐ、もぐもぐ。

ただひたすら朝飯を食べる音だけが食卓に響く、主に俺とインデックスから。



父さんは新聞を見ながら気になるニュースが聞こえてきたらテレビを見る、ってことをやってるし、合間合間に母さんと話したりしている。
御坂美琴(仮)はテレビのニュースを見ている。
もちろんテレビをつけていいか店主ステイルに聞いたのは俺だ。
テレビの中ではちっこいピンク髪の古森というアナウンサーが現場から火野神作の脱獄を伝えている。
「へー怖いねー」なんて他人事のように言っているが、「そいつはここに来るぞ」なんて言ったらどんな顔をされるんだろうか。




「……」

「……」

「「ごちそうさま!!」


早くこの場から離れたかった俺達は、めちゃくちゃな速度で朝飯を食べ終えていた。

「あらあら、二人とも食べるのが早いのね。若い子達だからかしら」

「母さんもまだ若いじゃないか」

「刀夜さんったら」



確かに母さんは見た目より若いし綺麗だと思う。
自分の親だから贔屓するとか卑下するとかではなく、第三者から見ても綺麗なんだろう。
父さんの言葉に照れているところなんかは、まだまだ年をとったって言うには早い気もする。








ただ。



今は違う、断じて違う。
早く逃げたいもう嫌だ。
その顔でその声で照れんなと文句を言いたい。

本当に気持ちが悪い。
自分のクラスメイトが親になってるってだけでも違和感だらけなのに、母さんが男、しかもその中でも体格的にはクラスでも大きい方、さらには野太い声なんてもうやってられない。
"違和感だらけなのに"とかじゃなくて違和感しかない。

とりあえずせっかく早く食べ終わったので、俺らは早速逃げることにした。



「じゃ、じゃあ俺らは部屋にもどるわ」

「何だ、当麻。海へ行かないのか?」

「俺らは昨日も行ったからな」

「そうか、じゃあインデックスちゃんも部屋に行くのかい?」

「そ、そうさせてもらうんだよ」

「もったいない。せっかくみんな集まったんだ。疲れているなら海には出なくていいから浜辺くらいには来なさい。それなら遊びたくなったらすぐ来れるだろう?」

「……分かった」


とても断りにくい提案だったので、従うことにしてしまった。
無理を言ってでも断っておけば良かったと、後から後悔した。


「……さて、部屋に戻ってきたわけだけど、どうするよ?」

「……さあ」

「いくら浜辺にいてもさ、観光客のいない海であんなでっかいやつとか普通に目立つよなあ……」

「だね……」

「……はあ。しゃーねえ、行くか」

「……うん」


ぶーぶー文句ばっかり言っていても仕方がないので、とりあえず浜辺にパラソルをたてにいった。
もうそこでずっと待機してよう、俺はそう思った。インデックスもきっと似たようなことを考えているだろう。



「おう当麻にインデックスちゃん。場所取りご苦労さん。といってもまぁ、他に客がいないから労力ゼロか」


ただぼーっとしていただけの俺達は、何の用心もせずに父さんの方を振り返ってしまって






凍りついた。



そわぞわと鳥肌がたつ。
もう気持ち悪いの一言しか出てこない。
父さんが、ではない。もちろん隣に立っている訳のわからん奴が、だ。

俺達二人があまりにも苦痛の表情をしていたからなのだろう。
母さんはそんな俺らを見て、

「あらあら。当麻さんとインデックスちゃん的にはこの格好は納得いかないのかしら……」

とか何とか言っている。
水着よりお前の外見が納得いかなくて仕方が無いと言ってやりたい。



「こら当麻。母さん哀しそうな顔してるだろ」

「いや、目のやり場に困るというか……」

主にあなたを見たくないというか……ということを伝えたかったのだが、どうもこの両親には違う風に聞こえたらしい。

「あらあら。当麻さん的にはこんな年齢の母さんもまだまだ若く見えるのかしら」

「こら当麻。母さん嬉しそうな顔してるだろ。……いやあそれにしても母さんもまだまだいけるじゃないか。当麻がそういうのも頷ける」

「あらあら」

「……」



「……なあインデックス」

「無理」

「……助けてくれないか? そっぽ向いてねえでさ」

「無理」

「……泣いていい?」

「叫べばいいと思うよ」

「インデックスも一緒にするか?」

「……やる」

「よしわかった。……いくぞ、せーのっ」






「「不幸だあああああああっ!!」」



いじょー

>>586
>>587
ありがとうございます、ゆっくりなおしていきます
しばらく書きこみも今日のように書き込む量が少ないかもしれませんがよろしくお願いします

>>585
>>587
ありがとうございます!
期待されるのは嬉しいですね、その分納得いくものがなかなか思いつかなくて……

まあゆっくりとやっていきます

今日はこの辺で、また明日も来ます


ではー

乙っす

青ピがあ、あ、あの水着・・・・・・・・・・・

うぇー

乙でしたー。ゆっくり待ってるんで焦る必要とか全然ねぇですたい。

インデックスが「不幸だー」って言ってるの脳内再生余裕すぎワロタ。

乙でーす

乙です
青ピがあの水着ってだけでも酷いのに、原作的に考えると更に酷いのがあるんだよな

前回は母親がインデックスの外見だったから全力阻止だったけど、今回はどうするのやら


こんばんはー
では、今日も短いですが投下します

ではー



────────
──────
────
──



「……」

「……」

「……」

「……」


俺とインデックスは心に深い傷を負いながら体育座りでパラソルの下で宿の方を向いて座っていた。
特に何もせず、救助待ちをしている。
今回も父さんが変わっていないということは、やっぱり俺は中心点として土御門のようなこの魔術に気づいた魔術師に追われるのだろう。
今待っているのは、その土御門だ。
それ以外なら殺されかねないが、まあ何とかなるだろう。



「……来ねえなぁ」

「誰が?」

「土御門」

「お隣の?」

「そ。前も言った、舞夏の兄貴」

「どんな人なのかな?」

「それも前言ったみたいに、とにかく変わってる奴」

「へえ。変わってる人かあ。……あ、もしかしてあんな感じの人?」

インデックスが指す方向を見て、頷く。

「そうそうあんな感じの……ってあれ!?」



「うにゃーっ! カミやーん、やっと見つけたんだぜーい!」



「もしかしてあんな感じの、じゃなくて、あの人」

「どうやらご本人のようだな……」

「あれがお隣さんか……。って何でここにいるのか気になるかも。学園都市から出るにはとうまみたいにいっぱい書類書かないとダメなんだよね?」

「まあそうだけど……。ほら、お前も学園都市に無許可で入ってきただろ? あれの逆だと思えばいいよ」

もしかするとインデックスが学園都市に入って来たのも仕組まれていたのかもしれない、という考えが浮かんだが、それは却下した。
詳しく無許可で学園都市から脱出する方法は未だによく分かっていないからだ。
それにインデックスと出逢えたおかげで俺の友人も増えたし。
別に悪いことは特になかったのだから、いちいち細かく考える必要もない。


訂正



「うにゃーっ! カミやーん、やっと見つけたんだぜーい!」

「もしかしてあんな感じの、じゃなくて、あの人」

「どうやらご本人のようだな……」

「あれがお隣さんか……。って何でここにいるのか気になるかも。学園都市から出るにはとうまみたいにいっぱい書類書かないとダメなんだよね?」

「まあそうだけど……。ほら、お前も学園都市に無許可で入ってきただろ? あれの逆だと思えばいいよ」

逆じゃないかもしれないが、詳しく無許可で学園都市から脱出する方法は未だによく分かっていないから気にしない。

もしかするとインデックスが学園都市に入って来たのも仕組まれていたのかもしれない、という考えも浮かんだが、それも却下した。
それにインデックスと出逢えたおかげで俺の友人も増えたし。
別に悪いことは特になかったのだから、いちいち細かく考える必要もない。



「おっす、土御門」

「……カミやん、お前何をした?」

「……は?」

「いいから答えろ」

「ちょ、ちょっと待て! 何のことかわかんねえからちょっと考えさせろ!!」



待て、本当に何のことだ?
前は俺は魔術を起こせるはずがないと俺の身の潔白を変わりに神裂に説明してくれたくらいだ。
何で今は俺を疑うような目つきなんだ?


……もしかして俺のことじゃない?



となると、インデックス。
……いやあ、別に何もねえしな。

チラッとインデックスに目を向ける。


ほら、いつも通り銀髪碧眼で……



「あっ!」

「……思い出したのか?」

「何だ、それなら心配ねえよ。なあインデックス。お前はこいつがどんな格好をした人に見える?」

「どんなって……。金髪にサングラスでアロハシャツで……」

「な? インデックスは何にも変わってねえ」

「だからそれはどうやってしたのかを聞いてるんだ」

「どうやってって……インデックスは別にいつも通りだぜ?」

「……まあいい、話を変えよう。そっちの女の子は?」

「はあ? 前も言っただろ? 銀髪シスターでお前が頭に思い浮かべた人物だって。もしかしてお前が思い浮かべたのこいつじゃなかった?」

「……」

「俺はそっち側についてはあんまり知らないけど、インデックスってそっちじゃかなり有名なんだろ? しかもお前はこいつと同僚じゃねえか。なあ、"必要悪の教会"の土御門元春さんよ」




カチャリ。







銃を構える音がする。



「嘘はいけないぜいカミやん。本当はどこまで知っている?」

「嘘はいけないってお前に言われてもなあ。お前も嘘つきまくりだし」

「……屁理屈を」

「……」

「……」



「……分かった、分かったよ。冗談だ今のは。いつもからかわれてばっかりだからたまにからかってみようと思ったらこれだ。お前についてもあんまり知らねえよ、今言った以外で知ってることなんてほとんどねえしな」

「……本当か」

「ああ。それにお前とケンカするつもりもさらさらねえ。こればっかりは信じてくれとしか言えねえけどな」

「分かった。……まあ俺もカミやんに秘密にしてることなんてたくさんあるからにゃー。これからも仲良く頼むぜい」

「おう、もちろんだ」

「……ところで神裂は来てねえのか?」



「ねーちん? ねーちんならカミやんの後ろに」

「は!?」

「上条当麻! あなたですか!!」

「待て待て待て! まずは落ち着け、な? 大丈夫、俺もインデックスもお前は神裂に見えるから」

「……そうですね。……では、もう一度。この魔術を起こしたのはあなたですか?」

「違う」

「え、でも……」

「俺はどうも中心点? らしいけど、違うぞ? お前も見ただろ? 俺の幻想殺し。俺は学園都市の能力すらそれによって開発出来ないのにこんな大魔術起こせると思うか?」

「それは、まあ……」

「俺もこれについてはちょっと知ってんだ。対策も一応考えてある。とりあえず落ち着いて話せる場所へ行こうぜ?」



こうして場所を変えた俺達四人。
インデックスはさっきから何か考え事をしているようだ。
この魔術について考えているんだろう。
なんせ今までに起きたこともないような魔術らしいし。

「……さて、一応そっちから話して貰おうかな」

「……上条当麻。今回もあなたはもしかしてほとんど知っているのでは無いですか?」

「ん? ああだから素人向けじゃなくてインデックスに分かるように説明してやってくれ。俺では入れ替わるとか天使とかやっぱりピンと来ねえよ」


実際、二回程本物の天使を見たものの、やっぱり魔術サイドでない俺には実感がわかないのだ。
神裂がインデックスに説明している間、土御門が俺に小声で尋ねてきた。


「なあカミやん。さっきも聞いたが禁書目録が入れ替わってないのはどういうことだにゃー?」

「あれ、お前俺がインデックスを助けた時のこと聞いてねえの?」

「いや、結果については右手の幻想殺しで倒した、としか聞かされてないぜよ」

「ふーん、まあ今日分かるさ」

「じゃあ今回の対策ってのは?」

「それも多分今日分かるぜ?」

「んじゃ最後。……本当はどこまで知っている?」

「……お前のことなら本当にほとんど知らない。多角スパイだとかなんとかってことくらいかね、あとは」

「そうか。カミやんをこっちにはあまり関わらせたくはないんだがにゃー」

「大丈夫。誰かに漏らすつもりもないし、お前の守りたいもののためにやってることを邪魔したりするようなことをするつもりもねえ。そのために死にに行くなんて考えてたら別だけどな。……ま、俺のことは"お前までとはいかなくとも、偏った知識の情報屋"、ぐらいに思っておいてくれよ」

「一応分かったことにしておくぜい」

「じゃあ俺からは一つだけ。"天使"ってのは"天使の力"とかいう力の塊なんだよな?」

「そうだぜい。それが?」

「いや、ちょいと気になっただけ」

「そうか」



「土御門」

俺らの話が終わるとほぼ同時に、インデックス達も話し終えたらしい、神裂が土御門を呼んだ。
インデックスはやっぱり何か考え込んでいる。

「なんだにゃー?」

「いえ、こちらの話も終わりましたよ、と言いたかっただけです」

「そっかそっか、こっちも終わったぜい」

こちらの話"も"……?
聞こえてたのかな?
まあ神裂も知ってるだろうことでそんな大した話もしてないからいいけど。



「では、今回の魔術───"御使堕し"の件についてですが……上条当麻。先程対策は一応考えてある、と言っていましたけどどうするんですか?」

「今はまだだ。今夜の22:00浜辺で全員集合。それで解決させる。その時間ならお前らも隠れて出ることは出来るだろ」

「ですが、早いうちから対策をとっておかないと……」

「大丈夫。それより早く準備なんてしたって意味がないんだ。なんせ主役が来ないんだから」

「主役?」

「まあ予想はつくと思うけどな。そいつが来たら始める」

「……ここはカミやんを信じてみようぜ、ねーちん。いくらオレ達でもこれに関しちゃ情報が少なすぎるぜよ」

「……分かりました。では今夜22:00に浜辺ということでよろしいですね?」

「ああ、それでいいよ」

「じゃ、オレは失礼させてもらうぜい。あんまり長居するとバレる危険性もあるからにゃー」

「おう、じゃあまたあとで」



土御門は会話を終えるとすぐにどこかへ行ってしまった。
誰にも見つからない場所に隠れに行ったのだろう。


「では私はあなた方の警護も兼ね、ここに少しお世話になることにしましょうか」

「おう、分かった。ただ……」

「ただ?」

「風呂は早めに入っとけよ。みんなが入る時間帯に入ったらややこしくなるに決まってる」

「……そうですね。では準備が出来次第湯浴みをさせていただくとしましょうか」



トラブルは、回避。
神裂がみんなに挨拶して、風呂へ行こうとした時にインデックスが



「私もかおりと一緒に入るんだよ!」



とか言い出して全員がポカンとなったのはまた別のお話。


いじょー

いやあなかなか進まんね

>>603
そう言ってもらえると嬉しいです、ありがとうございます

>>605
さらに酷いのってそんなのあったっけ……?


途中で送信してしまった……

まあキリもいいのでこの辺にしておきます


多分次回かその次かその次で終わると思います
なるべく早くくるようにしますので、よろしくお願いしますね


ではー


火野は今回生きて居られるのかなぁ
ま、どうでもいっか

乙っす。

上条さんの対策って。
んむ。

次回も楽しみです。

乙ー。これは続きが気になる。

>>624
上条父×青ピのホモプレイを見たいというのかね?

>>642
子作り未遂のことか

>>630

ミス
>>624

あれは原作の時にインさんだったからだ今回は止めなくても良いと思う御使堕しが解除されたら青ピのケツがゆるゆるになってるはずだし

>>632
自分の父親が同じ宿の下で同級生♂とホモセックス寸前でもお前平気なのか・・・

青ピがホモに目覚めたら上条さん狙われるに決まってるから阻止したいところ。

何を言っている?どうせ青ピはケツがゆるゆるになってるのには気づいても記憶が無いんだから

干す


こんばんはー
明日書いて投下したいと思ってます(予定ですが)

超電磁砲のこととかゆゆ式のこととか絹旗のこととかきぬはたのこととかいっぱいしゃべりたいけどまた今度


ではー




いやあ早く唯の胸成長後の話やらないかなー
映像化したの見たいなー

全裸待機

天使はかみやんに瞬殺されるのであった

相当先だけど暗部編にも上条さんは関わるのかな?テッラ瞬殺即帰国って気がするし

かかわればフレ/ンダは死なずにすむのか!

暗部編に関わったら結局 むぎのん 最愛ちゃん フレ/ンダにフラグを立てるってわけよ

今日来るかなー


>>643

今書いてますよ
まだまだ途中です、現時点で7.1KBくらい



書けたので日付変わる頃、また来ますね
今回の投下は9.0KB程です

了解です!
楽しみに待ってます。



改めて、こんばんはー

予定通り投下に来ました
軽いネタバレのようなコメントがされてて焦った……

あれドキッとなるのね

ではー




────────
──────
────
──



7月27日 22:00。もちろん海辺には俺ら3人をのぞいては誰もいない。
今はどこかに隠れているであろう土御門を待っている。



「……遅いな」

「何かしてるのかな?」

「さあ、どうでしょう? 特に変わった音も聞こえませんが……」



噂をすれば、何とやら。
というのは本当にあるみたいで。


「にゃー。遅くなってすまなかったにゃ─」


俺らが噂をしたすぐ後、噂の対象の猫男は……








……なんかおっさんを連れてやってきた。



「……何ですか、それは?」

「それっていうのはひどいぜい、ねーちん」

「……火野」

「神作……」



俺は一回見たことがあって。
インデックスは朝のテレビでチラッとでも見たのだろう。

とにかく俺ら二人には見覚えのある人物が土御門によって連れられてきていた。



「おお、知っているのか二人とも」

「朝、ニュースでやっていたんだよ」

「……」

「で、その火野神作がどうしたんです?」

「いやあ、こいつが何やら影からねーちん達を狙ってたからにゃー。そいで捕まえさせてもらったってわけですたい」

「……そうですか」

「ところで、なんだが……」

「……?」

「何やらこいつは俺とゴタゴタやってる時にどうも聞き逃せない単語を言っててな」

「どんなです?」





「「……エンゼルさま」」







「「「なっ!?」」」

「……何土御門まで驚いてるんだか」

「何ってそりゃあカミやん。お前のその得体の知れなさにぜよ」

「じゃ、じゃあこの火野があの魔術を!?」

「いや、でもこの人からは魔力が出ていないかも!」

「……ま、そういうことだ。インデックスの言うとおりこいつは犯人じゃない」

「で、でもとうま。朝ニュースで出てきたこの人の顔、変わってなかったよ? 防ぐのにはとうまみたいな力がないととても……」

「それも含めて説明するさ。とりあえずそいつは警察に行かさねえとさ、また脱獄するぞ」

「い、一体どうなっているのでしょうか……」



数分後、火野を追って近くまで来ていた警察に火野を引き渡し、また4人で浜辺まで戻ってきた。



「……さて、説明してもらおうか、カミやん」

「……ああ。まず、インデックス。あいつの身体から魔術師の要素となりそうなものは何も見つからなかったんだよな?」

「うん」

「じゃあもう一個。朝のニュースで火野の写真はちゃんとあいつのだったか?」

「もちろん。そうじゃないと私があの人の顔を知っている訳がないんだよ」

「分かった。……じゃあ次は土御門。あいつは本当に"エンゼルさま"、そう言ったか?」

「勿論だぜい。カミやんもそのことは言ってただろ?」

「まあな。今のは確認程度だよ」

「じゃあやっぱり火野が犯人のセンが……」

「それは違う」

「何故です?」



「……二重人格」

「え?」

「……二重人格だよ、聞いたことあるだろ? つまりだ。火野には人格Aと人格Bがあったとする。どちらかはエンゼルさまの人格だ。そしてこの魔術によって……」

「AとBが入れ替わっただけ。そういうことだね、とうま」

「そういうこと。なにしろ前例がない魔術なんだろ? あり得ない、非現実的だ、とは言わせねえぞ」

「……それは、そうですが。しかし、これではまた振り出しです」

「大丈夫だ。いるだろ? あっちに。お前らみたいな戦闘のプロが俺の周りにいてくれてるから何とかなってるだけで、お前らがいなかったら俺を簡単に殺しそうな目でさっきからこっちをみてるやつが、さ」




そう言って指を指した先には鋭い視線の少女。
俺が指を指したことでバレたことに気づいたのか、彼女は俺の視界から消えると───








俺の喉元にノコギリの刃を押し付けていた。
……今回も神裂は動けなかった。つまりはそういうこと。

少女はもう他のプロの魔術師には目もくれず、平坦な声で俺に問いかける。



「問一。"御使堕し"を引き起こしたのは貴方か」

「……いいや、違う」

「問ニ。それを証明する手段はあるか」

「……まず、俺は学園都市の人間だ。つまり能力開発されている。だから魔術は使えない」

「……」

「ああっと、それじゃ弱いか。……そこの金髪は学園都市の人間なのに魔術師だ。こいつには魔術の副作用で内出血の跡やらがいっぱいあるけど、俺にはない。確認してもらったっていい」

「……」

「……じゃあ最後。俺の右手には"幻想殺し"って能力がある。これは異能の力なら何でも消す能力。つまり俺は学園都市の能力も、魔術も。異能の力を操ることはできない。……どうかな」





「……。数価。四○・九・三○・合わせて八六。照応。水よ、蛇となりて剣のように突き刺せ」


俺の説明を聞き終えるなりそう唱えた少女は背後の海から水の柱を出現させ、それを蛇のようにうねらせてこちらへ飛ばしてきた。
柱はその後、何本にも枝分かれし槍と化し、迫ってくる。



「なあ、土御門。見といてくれよ、インデックスが無事な理由をよ」


迫る水流に俺は右手を、




……出さずにただ突っ立っているだけ。
神裂とインデックスは別に何ともなさそうな中、土御門だけがちょっと焦っていた。いい気味だ。ここでちょっといつもの仕返し。



バキン!!


俺の体に触れた水は、全て弾け、元の海水となって砂浜に染みわたる。

「正答。少年の見解と今の実験結果には符合するものがある。この解を容疑撤回の証明手段として認める。少年、誤った解のために刃を向けたことをここに謝罪する」

「いや、別にいいさ。……それより土御門、これが俺の力だ」

「カミやん……お前何者なんだ」

「世界でおそらく一人の幻想殺しだぜ、これくらいできてもおかしくないだろ?」

「そう言われるとそうなんだがにゃー……。何ともやりにくいぜよ」

「はは、まあとにかくこれで全員揃ったんだ。この一件の解決のため、手を組もうぜ、みんな」

「問三。それに対する私のメリットはあるか」



「それなら私が答えましょう」


しばらくぶりの神裂はどこか嬉しそうだ。


「まず、今回のターゲットが同じだということ。それに今回は天使がこの世界に人間の姿でいるということです。つまりは天使が人間の姿である以上、私達のようなイギリス清教の者と協力した方が得策かと思われます」

「……賢答。その問い掛けに感謝する」


そういうと、少女はその小さな手をにゅっと神裂の方へ差し出した。神裂は一瞬面食らったような顔をしたが、それが握手を求めている事に気づくと小さく笑って手をとった。



「あ、私も私も」

これまたしばらくぶりのインデックスは、いろんな意味で嬉しそうに握手をした。

「……」

土御門は警戒しているようだが、一応握手はしていた。その短い間で相手を見極めようというのだろう。
最後は俺。




彼女は一瞬ビクッとなると、右手を下ろして左手を出してきた。
……しかし構わず俺は右手を差し出す。



土御門もそうだが、俺も負けず劣らずなかなかいい性格をしてるなと最近思う。
彼女は何か戸惑っているようだ。
俺も戸惑うふりをする。


勿論対人間のプロはすぐに異変に気づく。
だから俺は諦めて、幻想殺しの範囲は右手だけのまま、左手で握手をしにいく。

彼女は、俺が左手に変えたことに一瞬ためらったが、ぎゅっと小さな手で俺の左手を掴む。




「よろしく、俺は上条当麻」



……ところで、土御門がこの少女を必要以上に警戒していた訳。



「君はロシア成教"殲滅白書"のメンバー、サーシャ=クロイツェフさん、だよな」



それはきっと────



「あ、いや。今日に限っては……」



尋ねられなかったとはいえ、名前を名乗らなかったからだろう。









「ミーシャ=クロイツェフ、でいいのかな?」










いじょー
何だか次か次の次には終わりそうだね

さて、超電磁砲はじまってますね
きぬはたが相変わらずかわいかったですね

ここのとあるスレできぬはたが好きだと書いたらロリコンとか何とか言われたけど、自分は断じてロリコンじゃないです
ただ禁書で好きなキャラが絹旗黒夜バードウェイなだけです

ずいぶん話が逸れましたが、皆さんのレスにもう暗部だとかテッラだとかとまだまだかかりそうなところの話があがってますね
ペースアップしていきたいところです

今回は特にたくさんのレス、ありがとうございます
次のレスで返します

乙です。
いいとこで終わった…
結局続きが気になるってわけよ
ロリコンじゃないらしい>>1を私は応援してる
私のことが好きなんて超嬉しいです。
絹旗に手出したらブチ殺し確定ね!!!



上条を上位にその他を下位に

乙!

バードウェイの出演が増えますように


>>626
ストーリーに関係ないのでさっさと警察へ行ってもらいました
事情聴取は? という質問はなしです

>>627
>>628
>>636
楽しみにしてくださって、ありがとうございます!

>>629
>>630
その日のうちに解決って最初から決めてたから何も考えてませんでした

>>632->>635
青ピのケツの話はやめ、やめだ

>>639
……うにゃー。

>>640
>>641
>>642
暗部編、早くいきたいですね、超楽しみです
関わったらどうなるだろう
まず確実に一人フラグたつよね、もちろん新約でおっさんとして出て来たあの人

そんでもう一人皆さんがよければ義妹としてほのぼの書きたい人も超いますけど、一応上インスレだからね、多分また今度です
本編の邪魔にならない程度なら、皆さんの許可もらって書くかもしれない
とりあえず何もまだ決まってないです

上イン、ほのぼの、上条さん幸せ、インデックス献身的

これだけは変えないつもりです

>>665
君はあれか、口調で騙そうとしてるHAMADURAだな?
そうだろHAMADURAなんだろ?

>>667
バードウェイ増やしたいですね
でもあれなんだよね、数字巻だとほんとに最後だけじゃなかったかな、登場するの
そこらへんよく覚えてないや

>>665
>>666
>>667
早速ありがとうございます!


さて、長々とすまなかった
もし暗部のところまで来たら、一通りの流れを教えてください
15と19あわせていろいろ起こりすぎててちょっといまいち時系列が把握出来てないので
禁書SS用の質問スレでまた聞くかもしれませんし、ここで聞くかもしれませんが、どうぞそのときはよろしくお願いします



ではー

あ、そうだ
>>661の『一瞬ためらったが、ぎゅっと小さな手で俺の左手を掴む』
ってところ、最初思わず
一瞬ためらったが、ぎゅっと小さな手で俺の左手を掴む。かわいい。
って書いてたのは内緒
そんな自分はサーシャも大好き
上条さんがペタペタさわってる絵のサーシャの顔いいよね、あとレッサーと魔方陣かなんか書いてるところも
レッサーも大好きだしね

ああそれで思い出した、自分が禁書で2番目に好きなのフロリスだ、何故かすっかり忘れてたけど
あとは番外個体とか好き

ダメだ書いてたら次から次へと……
ほんと申し訳ない!
ここまで読んでくれてる凄い人がいたら、ありがとう
是非きぬはたとフロリスで語りましょう

じゃあ今度こそ限界の80行になっちゃったので
話題思いつかないうちにさようなら!

川に落ちる時のフロリスの顔かわいああああ

結局超ロリコン予備軍確定ね な>>1を私は応援している



面白いので、末永く続いて欲しいな

ロリが好きなのではなくロリも好きなんだろ

結標さんを殴らないでね!

この上条×禁書はlove何ですか?
家族愛何ですか?

好きなキャラの中に打ち止めの名前がないんだから
>>1はロリコンじゃあないな、うん。

この上条さんは(記憶上)すでに一度天使を撃破した経験があるんだっけ。
だとすれば対天使の戦闘もそんなに苦戦せずに済みそうかな。

苦戦しないのは流石にねえよ・・・
経験があろうが出力の高いテレズマを打ち消すのは無理だろうし逸らすのが精一杯じゃないのか
削って削ってようやく打ち消す感じだろう

イマジンブレイカー高濃度圧縮粒子解放!!!ドラゴォォォォンブレェェェスゥゥゥゥー


で倒せる

この上条さん 土御門に勝てるのかな?

めっちゃ面白いです!
待ってます!

>>677
トランザムwwww

まだかな♪
まだかな♪

待ってます

わたしまつわ
いつまでもまつわ

友達に絹旗とか論外って言われた…



凄く悔しい

まだかな

続きが早く読みたいです

劇場特典のss
発売されないかな~

上のレス全てにコメントするであろう>>1を応援している

有難いけど大変だろうし、
全レスしなくて良いと思うの。



こんばんはー

今日書いて投下しようと思ってのに、何を思ったか気づいたら絵を描いてたので明日書いて投下しにきます
ここに書き込んだら忘れることはないと思うので


ところで投下後のレスが多くなってきたなあ
有名になってきたのかね?
まあうちは見てる人が少ないこじんまりとしたものでも良かったんだけど、見てくれてる人が多いに越したことはないからね、ありがとうございます!

そういえば禁書オススメSSのところでもこの間紹介されてたし、それからかな、急にレス増えたのは
もし今オススメしてくれた人がいたらありがとうございました


あと、昨日再構成の参考にしようと思っていろいろSS漁ってたら現行で凄いSSありました

いやあ……
上条さんが強かったり、御使堕しで詩菜さんが青ピになってたり

なんかかぶっちゃってるとこ結構あるけど、パクったわけではないです、ごめんなさい


では次レスを返します

待ってまーす。


>>669
予備軍でもないぜ
思い出したんだがローラとかルチアとか詩菜さんとか芳川とかヴェントとか大好きだし
他にも例えばアイマスなんかじゃ小鳥さんも好きだ
まあ一番好きなのは春香と貴音と響と真美だけど

>>670
>>679
>>681->>683
>>685
>>686
ありがとうござます、一応22巻までやっていきたいなとは思ってます
あと、待たせたな!明日投下する予定だぜ!


>>671
>>674
どうなんかね、ロリも好きなのかな
打ち止めの名前がないって言ってるけど、その通りです
自分がロリコンじゃないと言い張るのには理由があって、短気なもんだからロリに多い"わがままキャラ"が苦手なんです
だから打ち止め、フレメア、御坂、インデックス、特にわがままではないけどアニェーゼ、アンジェレネ、が苦手です
まあ好きか嫌いかなら断然好きなんだけどさ、もし全キャラ好きな順位ってのをつけるなら下の方になるかなって

>>672
殴りませんし殴らせません

>>673
上条さんとインデックスな関係です
夫婦にも恋人にも兄妹にも見える、そんな二人が好きです

>>675->>677,>>680
それは投下をお楽しみに!
あとトランザムってなんぞ、よく聞くんだが何か分からないっていう

>>678
これまた投下をお楽しみに!

>>684
多分その人が好きなのはエリザードのはず

>>687
劇場行ったらついてきたあの本?
データ化してるけどあれ渡すのとか確かもうダメなんだよね、ごめんなさい

>>688
ありがとう頑張るぜ

>>689
そんな大変でもないし、レス返すのもなかなか楽しいもんだから問題なし!
それに、みんなちゃんとSS読んでくれてるんだなってのが凄い分かるからね
だからこっちもみんなのレスをちゃんと読んでるってのを伝えたいしね

というわけでこれは続けていくよー

>>891
おう、待っとけ待っとけ!
ありがとうござます


じゃあこれでレス返すの終わりにします

ところでとあるスレで絹旗がついに攻略可能に……
滝壺の辺りからからずっと言い続けたんですけどやっときましたね
まあ自分は基本的に見てるだけなんですけど
たまに"ちゅー"とか短いレスはしたりするけど

あとここにきぬはたスレが結構立ってますけどちょっと停滞気味かなあ
落ち着いたら自分も書こう
その時はもしよかったら見てやって下さいな


毎度毎度次から次へと話したいことが浮かんで長くなってしまって申し訳ないんですが、これで失礼します

ではー


レス返し乙

乙です


被るとかあまり気にしないで>>1の書きたいように書けばいいよ

>>1は超私一筋じゃなかったんですか!!!
結局>>1も男ってわけよ
絹旗を泣かせるなんてブチ殺し確定ね!!!
絹旗を泣かせた>>1を私は応援できないかな…

>>1は超私一筋じゃなかったんだすか!!!
結局>>1も男ってわけよ
絹旗を泣かせるなんてブチ殺し確定ね!!!
絹旗を泣かせた>>1を私は応援できないかな…

>>697
アイテムにべんぞうさんがまざってるな

まだー?

>>697は何故パクった?

wwkwwk

ここまでクオリティが高く、続いているとあるの逆行物は初めて見たぞ...
この>>1は天才か?...大した奴だ

じゃあ絹旗×俺書いてください!!



こんばんはー

さて、投下に来ました
まだ書きたてなのと、ちょっと文章に納得がいかないので一回だけ読み返してから投下します

ではー



「ミーシャ=クロイツェフ、でいいのかな?」

そう俺が言葉を掛けた後。



右手でミーシャを捕まえに行く前に、
土御門が俺の言葉に怪訝な顔を向ける前に、
インデックスが危ないと俺に言う前に、
神裂が俺の元へ走ってくる前に。



目の前の少女は自身の莫大な力を隠そうともせず、いつの間にか海の上の空に浮かんでいた。
誰一人行動が追いつかなかった。
目の前の俺ですら何も見えなかったのだ。
つまりはやっぱりそういうこと。

こいつは今、"人"ではない。



「……主役ってこういうことですかい」

「すぐ終わると思ったんだけどなあ、避けられちまった」

「まさかあなたあれを倒そうとしてるのですか!?」

「うん」

「ばっ……!」


そんな会話の間に飛んできている氷の槍は、俺の5m程まで近づいてくると勝手に砕け散る。
当然全員その範囲内にいる。



「とうま、あれは人じゃないんだよ!? 天使、つまり莫大な力の塊なんだよ!?」

「そうです、人の身で倒そうとするなど……」

「……それはお前らの中の話だろ?」

「どういうことです?」

「俺は魔術はやっぱ良くわかんねえけどさ、確かお前らが魔術を使うのにああいう天使の力を借りるんだろ? だから勝てない。そうだろ? つまりだな……」

「まさか……。いえ、それでも無茶です!」

「十字教徒がやるよりましさ」

「ぐ……」

「それに、お前ら忘れたのか?」

「「?」」

神裂とインデックスが首をかしげる。

「俺の右腕だって人の身を越えてるってことをよ!!」



グオォォォォオオオオオ!!!






「……」


俺の右腕は一瞬にして竜の顎となる。
ふと土御門を見ると、俺の事は理解できていないようだった。

それでもさすがプロというだけはあって。


少なくとも、状況は理解していた。



「……カミやん、オレ達は何をすればいい?」

「土御門! 彼を戦闘に巻き込むというのですか!?」

「勿論だ」

「彼は戦闘に関しては素人です! そんなことはプロの魔術師として……」

「神裂」


俺が神裂を呼ぶ。


「……何です?」

「大丈夫だから。ここは任せてくんねえかな」

「……」

「お前は優しいから。だから素人の俺が自分じゃ勝てないような相手と戦うと傷ついてしまう。なら自分が……とか思ってんだろ? それならお前はバカもいいところだよ」

「なっ……」



「お前はさっき自分で言ったじゃないか。"天使が人間の姿である以上、私達のようなイギリス清教の者と協力した方が得策かと思われます"って。つまり専門分野はそれを専門とするやつがやる方が得策ってわけだ。確かに俺は素手で喧嘩したら土御門に負けるし、ましてや神裂なんてとてもじゃないが無理だ。何でかって言ったらお前らは対人間のプロ、戦闘のプロだ。不良のケンカ程度の俺なんかが勝てるはずねえよ。そんなお前らが勝てない相手。それはもう人間じゃない、化け物だ。その化物に勝てるのは。天使が天使の姿である以上は。───異能の力を消すことが専門の俺に任せた方が得策だって、そう思わないか?」


そう、化け物に勝つなら俺に任せてくれればいい。
現に俺はこの世界で二度も化け物に勝っている。
インデックスに、一方通行。
二度と見たくない二人のあの姿は、両方とも間違いなく"化け物"だった。



「……」

「……決まったな。さて、カミやん。もう一度聞く。オレらは何をすればいい?」

「そうだな、まず神裂は俺の家族の護衛を。心配ならそれをしながら俺の方を見てくれて構わないさ。土御門とインデックスは儀式場を見てきて欲しい」

「儀式場?」

「ああ、そうだ。場所もわかっている」

「……もう驚かないにゃー。で? その儀式場ってのはどこにあるんだ」

「場所はここから車で二十分ほどにある○○って町にある」

「? 民家か何かなのか、カミやん」

「ああ、その民家の名前はな……」








「上条ってんだ」



「は?」

「え……」

「とうまそれって……」

「そうだ、俺の家。術者は俺の父さん、上条刀夜。この魔術が起きた理由は偶然」

「待て、偶然で起こるような簡単な魔術じゃないぞ」

「それも含めて見てこい。逆に偶然じゃなきゃこんな魔術は起きないだろうさ」

「……分かった。他に何かあるか」

「電話だけいつでも出れるようにしておいてくれ。やばくなったら俺が電話かけるから家ごと破壊してくれたらいい」

「……じゃあオレは早速禁書目録と向かわせてもらうぞ。ほら、禁書目録」

「う、うん」

「ねーちんも、いい加減諦めて護衛に行ってこいよ。刀夜氏が術者ならあの化け物に狙われるぞ」

「……ええ、分かってます。………上条当麻。私は護衛へ行かせていただきますが、少しでも危ないと思ったら私もこちらで戦闘に参加します。いいですね?」

「ああ」



こうして俺たちは、それぞれの役割へ向かって行く。

インデックスと土御門は、俺の家へ。
神裂は俺の家族、主に父さんの護衛へ。

そして、俺は─────



「……待たせたな。ずっと攻撃ばっかりで疲れたんじゃないか?」

「……」




「さて、さっさと終わらせようじゃねえか!!」



今回の主役、天使のもとへ。



ドォォオン!!!!





竜の顎が放った殺息は、正確に天使の翼を撃ち抜く。
片方の翼を失った天使は、バランスを崩し海の中へ落ちる。




が、これで終わるはずもなく。
海から出て来た天使は完全に元どおりになっていた。



……そうだ。あの天使は前に戦ったのと一緒。
つまり水と夜が得意なのか。いや、月だったかもしれない。

でも今ここで重要なのは、
下が海で、時間は夜。おまけに月までのぼっているということだ。

相手が有利すぎるのは仕方ない。



こうしている間にも天使は次から次へと羽の一部を槍として飛ばしてくる。
どれも速すぎてギリギリ避けられるかどうかという速さだろうが、それらは全部消せるレベルであるというのは運がよかったのかもしれない。



「くっ……」


幻想殺しを自由に使うには演算などはいらないが、それなりの集中力がいる。
正直昨日から何回も使っていたからきつい。

そこまで考えたところで天使は動きを止めた。
……なんだ?

よくわからないがこれはチャンスだと思ったので羽を撃ち落とす。








それが、間違いだった。









ザバァッ!




水から上がって間も無く天使は羽をこちらへ飛ばしてくる。
勿論、水しぶきに隠れてやら動きが速いやらで俺なんかにはその挙動が見えない。


それでも分かったことが一つ。





ドゴッ!!!




という音が砂浜に響く。
そう、俺の幻想殺しの範囲外に羽を撃ってきたのだ。



「やばっ……」


慌てて身を伏せ転がるも、勢いのついた砂は結構痛いもので。


「ぐあっ!!」



それを見た天使は


「……」


表情なんてあるのか知らないけど、"やっぱりな"という顔をこちらに向けてきていた。



────────
──────
────
──


それから何分経っただろう。
いや、何時間かもしれないし、もしかしたらまだ一分程度しか経っていないかもしれない。

とにかく俺は砂を避けつつ天使を撃ち落とすだけ。
それでも相手にはかすり傷程度のようなものらしく、ダメージを食らっているようにはとても見えなかった。

そしてそんな俺の状態はというと。


「はあ、はあ……」



完全に余裕がなくなっていた。
しかし神裂が来てしまうと、幻想殺しによって魔術が使えない分、正直に言って足手まといになる可能性が高い。
今の俺が言えた状態じゃないのは分かってるけど、俺と異能使いは共闘するには相性が悪すぎる。
だから傍目から見れば大丈夫に見えるように取り繕うので精一杯だった。



……くそ、あんなに自信満々に言っといて、結局俺ではみんなを守れねえのか?
土御門に魔術を使わせたくなかったから、俺が勝てばいいと思っていたんだけど……無理なのかな。
……しゃーない。俺も体力と集中力が限界だ。
こんなに集中力がねえならもうちょっとちゃんと勉強しとくべきだったかな?

そんなことを考えながら携帯電話を取り出そうと、ポケットに手を入れる。




……その隙を天使が見落とすはずもなく。



「うおっ!?」


パリィン!!

一枚目は右手で壊し。



ドスッ!!



二枚目は何とかよけて砂浜へ突き刺さる。


……あれ? 携帯どこ行った?


「ヤバイ!!」



見渡すと、すぐそこに落ちていた。
距離にしてだいたい5m。
それが今、とても遠い。

俺はそれを取りに走る。


「……よし」


携帯電話を拾い上げて、上を見上げる。
















俺の視界は、夜の光を受けて黒曜石のような色をした氷で一杯になった。











ズドンッ!!




………電話、しねえと。



ダメだ、体は元気なはずなのに、体力が持ってくれねえや。
ごめん、土御門。連絡は神裂から受けてくれ。
それで神裂、後は頼んだ。悪いな。


ふと空を見上げると、天使は何かをしていた。
一度見たら忘れられない、あの術式の名前は……。


「いっ、そう……?」



空一面が明るくなる。



「ダメ、だ。それをしちゃ……ダメ…………」


俺の意識は、そこで途絶えた。







「……ふぅ、疲れたぜ。全く、あの時封印した癖に使ったりするからこうなるんだ。ま、ここは自分がやっといてやるから、しばらく寝ときな」






そして俺は、変な夢を見た。



いじょー

いやあ遅くなってすまない
もうそろそろ4巻終わりたいね
4巻の日常パートがまだ残ってるけどやるか分からんしね

あと2巻はすぐ終わりそうな気がするし
毎回それ言って長々と続けてる気がしないでもないけど

とりあえず次レス返します


>>693->>695
レス返しただけなのに乙と言ってもらえるとは、ありがたい
ありがとうございます
被るのはもう気にしません

>>696
OK分かった、浜面は一旦黙れ、な?
ちなみに自分はきぬはた一筋だ

>>697
>>698
>>700
>>698のおかげで笑ったwww
>>697はただの連投かと思ってたからね

>>701
ありがとうございます!
あと"w"は saga しないと倍になっちゃうぜ

>>702
ありがたいお言葉です
これからも頑張って行きます
ただ、クオリティは正直そんな高くないんじゃないかなって思います
読み返すとひどいよね、誤字とか説明不足とか
あとオススメしてくれてありがとうございます
あそこまで持ち上げられるとなんだか恥ずかしいです
ただ、投下がちょい遅くなったのはね、あなたの質問に回答されたSSがね、面白いもんだから
……ふとちゃんかわいいよふとちゃん

>>703
絹旗×>>1なら喜んで書く
納得いかないならケンカだケンカ


レス返しただけなのにそれに対するレスまでたくさんいただきありがとうございます

ところで今気づいたんですけど、"ありがとうございます"ってうってたつもりだったんだけど、予測変換が"ござます"だったせいで、全部"ありがとうござます"になってるかもしれませんが、脱字です

そしてもう>>700をすぎたのか……
平均して1巻250レスくらいになるのかね
ああ次のスレタイどうしよう、正直4巻とか2巻は2,3行で終わるつもりだったから何も考えてなかったや



それでは次の投下まで
もうすぐ4巻も終わり
最後のセリフは一体誰のもの……?



ではー

乙ー
ふとちゃんスレはここと同じく楽しみにしてる



頑張って
俺も頑張るから


>>730
いやいや、このSSはとても面白くて紹介したかったんだ
俺もとあるアイテム家族スレでたった5レスぐらいとは言え、三回ほど書いたことがあるからわかるんだけど、SSって構成練るのが大変だよね。
でも、そんな頑張っている>>1を俺は応援しているよ。
こんなこと言うのも失礼かもしれないが、是非このSSを完結してほしい
俺ももう一度、とあるアイテム家族スレでまたSS書いてみるよ

追記
ふとちゃんはまだ読んでる途中なんだ...
東方はあまり見たことないし、キャラの名前ぐらいしかわからんから
設定確認しながら読まないといかないんだ...
せっかくおすすめしてもらったのにね...
それに、その前に「とあるローマの幻想殺し」にも興味が出てしまったためにそっちを先に読んでしまったんだよね...
一応おすすめスレにおすすめとして書き込んでおいたけど

おっと、長文ですみません

次の投下まで待てだって…



楽勝だ>>1!!!


俺たちはここで全員読み終えて、現実世界に捕まっちまうのは確実だってのに、その中心にいるssには予告編すらねえってのか?
この俺の逃避がここで終わるっつーのに、その一番最後のフィナーレだっつーのに……せめて膨大な量のssを書き始めたとか、とんでもないssがあったとか、そういう風にごまかす事もできねえってのか。
ははは。はははははははッ!!
たまんねえなオイ。コメントしなきゃ気が済まねえよ!!!



こんばんはー

さて、こんな時間誰かいるのだろうか



読み返し次第、投下します
今回はちょっと長いよ、21.2KBくらい

ではー

います



───そして俺は、変な夢を見た。




まず、俺は宙に浮いていた。
下を見ると、砂浜には"俺"が倒れている。

ただ、そいつには右腕がない。
何故だろうと近づいてみようとするも、体がいうことを聞かない。
空を見てみると、ずいぶんと明るい夜だった。

そうだ、そういや自分天使にやられて倒れたんだっけか。
明るいのは一掃の術式のせいか。

ということは……。

ふと声が聞こえたので、そちらを向くと、すべての元凶がそこにいた。



そこからはぼやけてしか覚えていない。


まず始めに真上に殺息を放った後、ほえた覚えがある。
それだけで空一面の魔法陣は消え去って。

そこからは自分に有利な一方的な展開だったと思う。
殺息で両翼を破壊したあと、海に落ちてゆく天使に噛みついたような気がする。
それだけでもう天使は瀕死になっていて。
俺が次に噛み付いた時には完全に消えてしまっていた。



「……ま、当麻!!」

「ん……」


目を開けるとそこには夜空が広がっていた。
体を揺すっていたのは俺の父さん。

「あれ……?」

「よかった、当麻。体は大丈夫か? どうもしてないか?」

「ん、ああ。大丈夫大丈夫」

「よかった……」

「なあ、父さん」

「ん? なんだ?」

「俺が何で今ここに倒れてるか分かる?」

「何でか……か」

「頼む、隠さず教えてくれ」

「いや、隠すつもりはないんだけどなあ。何というか、説明しにくいんだ」

「見たまんまでいい。ゆっくり教えてほしい」

「……分かった」

「……」

「まず、父さんは部屋で当麻の友達の赤毛の子と話していたんだ。彼は見かけによらず丁寧でね。当麻の向こうでの生活を尋ねたりしたら、親切に答えてくれたのさ。"とてもお人好しで、頼りないけど頼れる人だ"って」

「へえ……」


これは意外だった。神裂が俺を評価してくれていることは、素直に嬉しい。



「その後もいろいろ話したんだが……。これは後回しにしよう。……それでまあいろいろ話してたわけだ。すると私の後ろの空が突然眩しくなってね。驚いて振り向いてみると、何か分からないけど人の姿をした何かが翼を生やして空を飛んでいた。そいつの顔の向きから察するに砂浜を見ている。するとどうだ、そこに倒れていたのは当麻じゃないか」

「……よく、分かったんだな。あんなに遠いのに」

「そりゃあ分かるさ。私は当麻の父だ。それにお前のような髪型のやつもなかなかいないだろう」

「はは……」

「当麻を見つけた私は急いで駆け寄った。そしたら今度は当麻の肩から何かが噴き出ているのを見た。それは竜のような形をしていて、一瞬で宙に浮いていた人を食ってしまった。私は驚いて声も出せないでいたら、その竜のようなものはまた当麻の肩へと戻っていった。それで我に返った私は当麻を起こしたというわけだ」

「……」


……なるほど。
俺が夢だと思っていたあれは夢じゃないのか。



『こいつは自分に任せておけ』



『……ここでは黙ってろ。こいつは俺が片付ける』








"あの時"俺が閉じ込めたはずのものは、幻想殺しの本体のようなもの、ってことなんだろうか。



「当麻、何なんだ、あれは。教えてくれないか?」

「……その前にまず、父さんがさっき後回しって言ってた話をしてくれないか?」



たぶん、同じ話題に繋がるのだろう。



「……分かった。私が当麻の友達と話してた内容だったな」

「ああ」



「私はどうしても否定して欲しかったんだろうな。"当麻は元気でやってますか"と聞くべきだったのに、彼に"当麻は最近不幸ですか"と聞いてしまった」

「……」

「……聞いてはいけない話題だとは分かってる。怒ってくれたって構わない」

「……いや、続けてくれ」

「そしたら彼は言ったんだ。"ええ、確かに彼は不幸です"と。……どうしようもない気持ちでいっぱいだった。科学の街に当麻を送ろうと、当麻の不幸は消えることは無いんだと。そして彼に腹を立ててしまった。せっかく答えにくい質問に答えてくれたのに、八つ当たりもいいところだ。そんな自分が嫌になった。……ただ、彼の言葉はまだ終わっていなかったんだ。彼はこう言ったよ」

「……」






「彼は確かに不幸です。まだ付き合いが浅い私でも気の毒に思うようなことだってあります。ただ……。ただ、彼はそれ以上に幸せに見えます」





「……ふふ」

自然と笑みがこぼれた。
その通りだ、当たり前だ。

「何かおかしなことを言ってしまったか?」

「ああ、父さんの言葉があんまりにも的外れで笑っちまったよ」

「……どういうことだ」

「……父さんさ、見ちまったんだろ? 竜のようなもの」

「? 突然どうした」

「確かに見たんだよな?」

「あ、ああ……」

「昔から父さん達が心配してくれてる俺の不幸だけどさ、あれが原因なんだ」

「なん……」




俺はやっぱり素人なわけで。
一度見られたならそれを隠すなんてことは出来ない。
土御門のように上手く立ち回ることはできないんだ。


だったら正直に全てを話す。


そう、全て。




「俺の能力は"幻想殺し"っていって異能の力なら何でも消すって能力なんだ。ただ、これは学園都市の能力開発で得たものじゃなくて、どうも俺が産まれた時から持ってたらしいんだ」

「……」

「こっからは信じ難い話だと思うけどさ。学園都市は超能力を開発している、それとは反対に"魔術"ってものがこの世にはあるんだ」

「そんなもの……」

「あるわけない、とは言えないだろ? 現にさっき見ちゃったもんな」

「……」

「俺がここに連れてきたインデックスも魔術側の人間でさ、その中でもあいつは魔術の知識じゃ誰にも負けないような人物なんだ。だから俺は聞いてみた。"何で俺はこんなに不幸なことばっかり起こるんだろう、そして俺の能力は何なんだろう"って。そしたらインデックスは"とうまの能力はよく分からないけど、その幻想殺しっていうのが本当なら、それはきっと運とかそういうのまで全部まとめて消し去ってるんだろう"って言ったんだ」

「それじゃ……」




「そう、俺の不幸はどうしようもないんだ」




「く……」

「……父さん」

「……なんだ?」














「それでも俺は幸せだ」



「……」

「俺の不幸のおかげで学園都市へ行けた、親友もできた。俺の不幸のおかげでインデックスと出会えた。あいつはある問題を抱えていたんだけどさ、俺の不幸のおかげであいつの問題に遭遇しちまって、あいつを助けることができた。他にもいろいろあるさ。不幸にも大事件に巻き込まれたおかげで、そいつらを助けることができた。今回だってそうだ。不幸にもあんな化け物に出会ってしまったせいで、世界を助けることができた」


まあ、最後のは俺であって俺じゃねえけどな。


「これからも、俺は不幸によって何かと巻き込まれると思う。でもその分俺には力がある。困ってる人を助けることのできる力が。……ほら、俺の友達が俺のことを"お人好し"なんて言ったらしいけど、そんなお人好しにはこれ以上ないくらい幸運な能力だと思わないか? そんな俺を産んでくれた父さんと母さん───上条刀夜と上条詩菜には本当に感謝してるよ、ありがとう」



「そう、か」

「ああ、そうなんだよ」

「お前は今も幸せな訳だ」

「そう、幸せだ」

「そっか、そっか……」

「……」

「それ、は……本当に良かった……。ありがとう、当麻」

「こちらこそだよ。……ところで父さん」

「……ん?」

「だから、さ。もうお土産にお守りとかはいいよ。母さんに何かプレゼントを買ってきてやった方が喜ぶに決まってる」

「……そうだな。はは、そうするよ」



「あと、今回のことなんだけどさ……」

「うん?」

「父さんが見た翼の生えた人間っていうのは、天使っていうんだ」

「天使?」

「そう、さっきも説明した魔術によって無理やり天使のいる世界から引きずり降ろされたんだとさ。俺にもよく分かってねえけど」

「当麻が分からないのに私が分かるはずがないだろう」

「はは、まあそうか。問題はそこじゃない。父さん、よっぽど必死に俺の事を考えてくれてたんだな」

「何を。当たり前だろう?」

「お土産の置く位置とか、風水っていうのを勉強して置いたりしたんだろ?」

「……そんなこと良く分かるな」

「まあな。……魔術を使うための力ってのはお守りにもほんの少しだけ含まれているらしいんだ。で、父さんはそれらを全部きちっと位置も考えて並べた。風水にも魔術的な意味があるらしくてさ」

「……すまん。よく分からない」

「俺にも分からないさ。ただ、大事なのは……」

「……」






「……。天使がこの世界へやってきたのは父さんが買ってきたお土産達によって、偶然起こってしまったってことなんだ」



「……え」

「つまりこの魔術を起こしたのは父さんってことだ。……まあ、それを被害なくして俺が止めることができたってのは本当に嬉しいことだよ」

「私のお土産の、せいで当麻があんな風に……?」

「せい、なんて言わないでくれ。父さんにその気は無かったんだし、俺のためにやってくれたことなんだ。そんなことを言って欲しくてこんなこと言ったんじゃない」

「……」

「まあ、何が言いたいかっていうと」







「子供のためなら何でもしてくれて、それがちょっと失敗に繋がっても、最後まで子供のことを考えて行動できる。そんな、父さんのようなバカで頼りないのに頼れる父親ってのになりたいって思うよ、俺は」



「……ははは。お前も大抵バカだな、当麻」

「な、何でだよ!」

「今から頼りない父親を目指してどうする。当麻は自分の信じた道をまっすぐ進んで、頼れる父親になりなさい。それが私というのなら少し恥ずかしいな……」

「ははは」



夜風がとても心地よい。
いつか俺が父親になった時は、またここに来て俺の子供と話そう。

そう、思った。



「ところで当麻」

「何だよ?」

「砂浜に打ち上げられている、あの少女は当麻の知り合いかい?」

「……は?」


父さんの指差す方向を見ると、一人の少女が砂浜で倒れていた。


「おいバカ、何でもっと早く言わねえんだ!!」

「わ、私も今見つけたばかりなんだ、仕方ないだろう」



「……神裂、神裂!!」

「何でしょう」


遠くにいても、あれだけ叫べば神裂なら聞こえると思ったが、予想通り、神裂はすぐにやって来た。



「今すぐ海の家にサーシャを連れて手当てを。怪我はないかもしれないけど、体温と飲んだ海水とかが心配だ。一応見てあげてくれ」

「はい、ではすぐに」


本当にすぐに行ってしまった。









「……あの綺麗なお姉さんも当麻の知り合いかい?」

「ん? ああ、まあな」

「本当に当麻は顔が広いんだな」

「ああ、それだけは自慢できるぜ」




「……あ」


神裂を見て、思い出した。



「……どうした?」

「土御門に連絡しねえと」

「当麻の友達か?」

「そう、クラスメイト。……っと、もしもし?」

「にゃー! ずいぶん遅かったにゃーカミやん」

「悪いな、いろいろあったんだよ」

「ところでオレらはこの家をどうすればいい?」

「一応天使はもう倒したんだが、まだ何か起こりそうか?」

「そりゃ何かなんてもんじゃないぜい、こんなのほっといたら地球が破滅するぜよ」

「ん、分かった。じゃあ俺も今から向かうからあと30分ほど待っててくれ」

「分かったにゃー」

「悪いな、じゃ」



「……どこかへ行くのか?」

「上条家だよ、置き物の配置が変わるだけで今度は違う魔術が発生するかもしれないんだってさ」

「それは危ないものなのか?」

「んー。地球が破滅するくらい、らしい」

「……」

「んじゃ俺はちょっといってくるぜ」

「待て、当麻。私には正直さっぱりなんだが、その対処法はあるのか?」

「まあな、あいつらに家ごと破壊してもらえば簡単なんだけど、そんなの絶対嫌だしさ。せっかく俺の能力があるんだから、それで置き物の力だけ壊してしまおうかなと」

「……私も行く」

「ここに戻ってくるの遅くなるかもしれないぜ?」

「当麻の自慢の力というのを見てみたいんだ。その不幸で幸福な力を」

「……分かった」



神裂に儀式場の破壊をしに行ってくると伝えた後、父さんの車に乗り込む。
……よくよく考えたら、俺一人でどうやって家まで行こうとしてたんだろう。
タクシーだったら絶対30分では着かなかっただろうに。

父さんと雑談をしながら車に揺られること約20分。
上条家と土御門とインデックスが俺達を待っていた。

「ごめん、遅くなった」

「それはいいんだがにゃー。何で刀夜氏まで着いてきてるのかってのが気になるぜい」

「ケリを、つけにきたんだ」

「ケリ、だと?」

「ああ。私は何も知らないとは言え、どうもみんなに迷惑をかけていたらしい。正直、天使だとか魔術だとか何のことだか未だに分からない。ただ、原因は私にあって、その原因を壊してくれるのが私の息子だというのは理解できた。なら私はそれを見守らなければいけない」

「……カミやん」

「悪い、今回のことは全て話した」

「刀夜氏、これは絶対に口外したらダメだ」

「ああ分かってるさ、口外するにはもったいない話も聞かせてもらった、そんなことは出来ないよ」

「……じゃ、カミやん。始めてくれ」

「……分かった」



力をまず体全体に行き渡らせる。
……なるほど。俺の中のあいつが何なのかはサッパリだけど、あいつが出てきてからは力の流れをイメージしやすくなっている。

続いて竜の顎を出現させる。

こちらも楽になっている。集中力を全然使わない。

しかしこれで家ごと飲み込むには小さすぎる。

……どうするべきか。



分かった。簡単なことじゃないか。

俺の体に大量の力を放出して、それで包み込むようにして覆えばいい。


……よし、順調。


まだ、まだいける。


まだだ、家を全て覆うには小さい。


「くっ……」


もう少し、もう少し。
ここまでくるとさすがに体力と集中力の消費が激しい。


「ぐああああっ!!」











パキン!!!



「え?」

「「「……」」」


いつも俺が何か異能の力を消す時に響く、甲高い音が鳴り響いた。


「あれ? おかしいな……」

その途端、俺の身体にかかる負担もなくなった。
……幻想殺しは出し過ぎると壊れる風船みたいなもんなのかね。


仕方ない、もう一回やろうか。



また、力を放出し始める。

力は順調に大きくなって、俺の体表を覆った。

……そこまで行って気づく。

そうじゃない、もっとなにか大きな力が俺の周りに充満している。

「一体、何が……」

前を見ると、インデックス、土御門、それに父さんまで俺を見ていなかった。
その視線の先は俺の後ろ。


つられて振り返る。


そこにあったのは、









大きな、六枚の、真っ白な翼。














……えええええええええ!!??




幻想殺しすげぇ……。
いや、確かにあの夢のような感覚だった時、翼で飛んでたよ?

でも、力を放出しすぎると翼になるなんて聞いたこと……













あった。



そういや一方通行との2回目の戦闘の時にはあいつ翼生やしてたな。
ベクトル操作、という能力なんで力の放出が上限を越えた、とかじゃないんだろうけど、何か未知のベクトルを操ってたんだろう。

アレイスターにLevel5について聞かれた時、第二位、第四位、、第五位、第七位について何も知らなかったから詳しく調べた時には、第二位の操る物質は、どうも翼として操っているらしいことが噂になってた。



つまりなんだ、こういうことか。





"未知のものを操ると、その物質のある世界での形に変わる"







一方通行も第二位も俺も。
"翼"は、人の身を超えた象徴なのかもしれない。

よって、俺達が使っているのは、この世界にはない物質なんだろう。



……そんなことは今はいいか、また第二位に会った時にでも話をしよう。
一方通行が現時点で翼を生やしたっていう話は聞いたことがないからな。





じゃあ、とりあえず仕事を終わらせますか。



翼を手にいれたと同時に、力の扱い方が分かってきた。


六枚の翼を我が家へ叩きつける。
破壊されるのは幻想だけ。

翼を動かした時も、翼が家を叩いた後も。
俺に翼の重さは感じられず、さらに、音もしなかった。









音のない真っ白な空間で消されるのは幻想のみ。









……なんだか幻想殺しの本質を見た気がした。



「……よし!」

「……いや、よしじゃないんだよ」

「帰って寝ようぜ、俺もう無理」

「カミやん、オレは今人生で一番驚いてるぜい」

「だろうな、俺もだよ」

「そうは見えないにゃー」

「……妙に馴染んでるんだよ、この力が。"新しく身につけた"じゃなくて"使い方を思い出した"ような感じ。だからこれも普通にあった俺の能力なんだろうなって」

「……当麻、お前凄いんだな」

「そりゃ、何てったってあの母さんから産まれた子供だからな」

「そうかそうか、確かにそうだったな。はは」



「んじゃあ帰るとするかにゃー」

「はーい」

「ああ」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」

「……何だにゃー?」



「当麻の力を見ていてつい忘れてしまっていた。……ええと、インデックスちゃんに、土御門君、だったか」

「あってるぜよ」

「そ、そうか。……あの、今回私はみんなに大きな迷惑をかけてしまった、すまない」

「終わり良ければすべて良し、なんだよ!」

「……。それと、当麻のために集まって、そして、力を貸してくれてありがとう」

「……」

「ま、今回の件はテキトーにごまかして報告するから刀夜氏は犯人だとかそういうのは気にしなくていい。終わり良ければすべて良し、禁書目録の言う通りだ」

「……そうか、それはありがたい」



「……そうだ、土御門、せっかくお前元に戻れたんだから一緒に泊まらねえか?」

「それはいい考えだ。お金はこちらに任せてくれたらいい」

「あいにくオレとねーちんは仕事だからにゃー」

「そ、そうか……」






「……だから三日後には向こうに行かなきゃならない。それまでよろしくお願いしますにゃー」

「……分かった、任せてくれ!」

「じゃあ、行くか!」

「うんっ!」


いじょー

4巻一旦おしまい
次の投下は何でもない日常回になると思います
その次からやっと2巻!

3冊でここまできちゃうのはほんとに予想外だったな……

何てったって構想なんて関係なく思いついたまま書いてるからなあ
翼なんて1時間前まで生やすつもり全くなかったってのがいい例
その場の気分だけでこのSSは続いています
これからもよろしくお願いします!

では次レス返します


>>731
あのスレと同じレベルで見てもらえるとは光栄です!
これからもよろしくお願いします!

>>732
ありがとうございます、頑張ります
何を頑張るか知らないけど頑張ってください!

>>733
いやあ嬉しいやら恥ずかしいやらです
2巻も楽しみにしていてください
SS書くの大変ですが、自分のSSに構成なんてないですよ
上でも書いたとおり、その場の気分だけで書いてます

アイテムスレに上条さんは出ますか!?
かみきぬわっほいってなりますか!?
とりあえずきぬはたが出るなら何でもいいので、スレたてたらレスで是非教えてください

ローマのやつ面白いですよね、ヴェントかわいい
それと初めて上条×舞夏がかわいいと思った

>>735
お待たせです!

>>736
これは……?

>>738
早い反応でびっくりしました
チェックしてもらってるんですかね、ありがとうございます!




あと、ここでひとつ

上条さんの中の人?の一人称が"自分"なのは、>>1の一人称が"自分"なのと同じ理由で
私でも俺でも僕でもあたしでもないのは、一人称によって先入観で性格が決まってしまうのを防いでるつもりです
上条さんに近いしゃべり方をするも、フラットな感じ、っていうつもりでした




ではー

乙です!!!

あのやたら長いのは浜面のセリフいじったものです。

乙でした

上条さんマジ最強
これもうレベル6認定だろ・・・

>>775


アイテムスレは
当麻「起きろ姉ちゃん、朝だぞ」麦野「んー…」
だね。
残念ながら、俺はまだそこまで長くかけるほどSSを書く技術がまだないんで、こっちで修行中なんだよね...
上条さんとアイテムのメンバー(浜面を除く)が家族という設定なんでもちろん
ちなみにこのスレは書き手とかは決められていないから誰が書いてもいいようになってるかな。
おっと、あまり話すとスレ違いになりそうだから、興味があれば是非。

いやー、上条さんがついに覚醒しだしたねえ...
自分の幻想殺しの正体の予想を述べてみれば、堕天使ルシフェルではないかと思うんですけどねえ...
やはり、色々と説は上がってるけど、やっぱりこれが一番しっくりくるかな

遠距離 ドラゴンブレス
近距離 何かよくわからない羽
防御 幻想フィールド 幻想殺し

後は移動手段か…飛べるのかな?あの羽…

飛べるのか、それとも跳べるのか
うーん

>>779
幻想殺しは法の書にでてくるハディートじゃないかと思う
ハディートの司る属性位置含めるとルシフェルと同一視されてるだろうけどあの右手はオシリスの時代=十字教では説明できないみたいだからね
もし本質がルシフェルならミカエルを司るフィアンマが旧22巻でビビる事はない
まぁ議論するつもりはないんでこの詳細が気になる人は本スレでもどうぞ

>>782
わかった、見てみる

続きが気になって気になってREALが辛い

>>782
イーノックだったりして


こんばんはー
レス返しにきましたー

>>776
俺たちはここで全員リタイヤして、警備員に捕まっちまうのは確実だってのに、その中心にいるお前には思惑すらねえってのか?
この浜面仕上の人生がここで終わるっつーのに、その一番最後のフィナーレだっつーのに……せめて巨大な陰謀に巻き込まれたとか、とんでもない策士がいたとか、そういう風にごまかす事もできねえってのか。
ははは。はははははははッ!!
たまんねえなオイ。殴り殺さなくちゃ気が済まねえよ

これか、なるほどー

>>777
ありがとうございます!

>>778
確かに最強かもしれませんね
Level6ですか、ふふふ

……完結まで見てやってくださいな

>>779
ああそのスレでしたか

一回スレたてて書いてみようぜ!
思いつくままに書いたらなんとかなるもんですよ
自分は修行とかすっ飛ばしてこのスレたててしまいましたから……
そのせいで見通しとかもできずにこんな長くなってしまっていますが

>>779
>>782
>>785
このスレでの上条さんの中は、"人を越えたなにか"です
よってどっかのドラゴンさんのように、竜のようなものとしか判断できません
っていうつもりです
どっかで"竜"ってはっきりと書いてしまってたらごめんなさい

>>780
>>781


>翼を手にいれたと同時に、力の扱い方が分かってきた。


>六枚の翼を我が家へ叩きつける。
>破壊されるのは幻想だけ。

>翼を動かした時も、翼が家を叩いた後も。
>俺に翼の重さは感じられず、さらに、音もしなかった。

本来、ここの何処かに飛んだって表現を入れるつもりでした
イメージはフワッと音もなくスーって飛ぶ感じ
浮くって感じかもしれない

上条さんは上空から家を包み込んでいます
翼の重さは感じられずってのは、飛んでる時と包む時に動かした翼の重さを指しています

書いてなかったことにレスあってから気づきました、すいません

>>784
OKそんなあなたに朗報だ
明日投下するよん
だいたい15KB~20KBくらい

楽しみにしてくださってありがとうございます!


じゃあ明日お会いしましょう





ではー

おつ~

クソ!!!

浜面風コメントのネタが尽きてきた…


とりあえず乙だ>>1


訂正

>>739
誤:そうだ、そういや自分天使にやられて倒れたんだっけか。

正:そうだ、そういや"自分"天使にやられて倒れたんだっけか。


>>740
誤:俺が次に噛み付いた時には完全に消えてしまっていた。

正:自分が次に噛み付いた時には完全に消えてしまっていた。

>>786
残念ながらまだスレを立てられるほどじゃあないんですよね...
もっと頑張るように努力はしますが

明日投下になるのか...
待ち遠しいな!
期待して待ってますよ!



こんばんはー

さあて投下にきました
だいたい18KB

いきますよー



八月八日。

俺は朝、普通に目を覚ました。
違う点と言えば、今の時刻が10:00を過ぎているぐらい。


「ふわぁ。……おはよう、インデックス」

「あ、おはよう。顔洗ってきたら?」

「んー」

「ついでにもうすぐご飯なんだよー」

「んー」

「大丈夫かなぁ……」


あれから俺達は家事を当番制にした。
今日はインデックスが朝飯を作る番だ。

ところで、あれから、の「あれ」とは、もちろん御使堕しのこと。
ここであれからのことを少し。



上条家から海の家へ向かった俺達を、神裂と元気になったサーシャが迎えてくれた。
神裂のことは、さっきまでの赤毛と入れ替わりでやって来た友人、ということにしておいた。
その時点でもう日付は変わっていたので、俺達はそれぞれ部屋に入って寝ることにした。

次の日から三日間、ちょうどイギリス清教組が帰るまでは、未成年6人でワイワイと遊んでいた。
未成年は6人。ここは重要らしい。



特に印象に残っているのは、インデックスが乙姫とサーシャにお姉さんをしていたこと。
……お前ら年変わんねえだろ、と突っ込みたかったが、家で家事などを手伝っていたインデックスはどこかお姉さんっぽかった。
俺と神裂は離れたところからそれを微笑ましく見ていたのだが、

「ふふん、私は家事のお手伝いとかしてるもんねー」

「わ、私だってとうまのお手t……。いや、私は一人で料理だって出来ちゃうもんね!」

「だ、第三の質問ですが、それは本当ですか?」

「ほんとなんだよ! こうトントントンって」

「ぐぬぬぬ……」

「今度会ったら私の料理を食べてみるといいんだよ!」


とかいう会話をし始めた。



「……あれは本当ですか?」

「いいや、あいつが丸々全部料理を作ってくれたことはないなぁ」


そのセリフを言った途端、インデックスは首がグリンと回転させ殺気を発しながらこちらを睨んでくる。聞こえてたのかよ、こわいこわい。


「……まあ、いつも手伝ってはくれてるし。そのうち作れるようになれたらいいんじゃねえの?」

「ふふっ、そうですね」


と、いうわけで寮に帰ってからインデックスが、「う、嘘ついちゃった! これは一大事かも!!」とかなんとか言い出したので、当番制となったのだ。



「まだ数日しか経ってねえのにずいぶんうまくなったな、インデックスの料理」

「まいかは教え方が上手いからね、当然なんだよ」



一人で作った料理を俺に食べてもらいたいらしく、当番制になってから俺が料理を教えることはなくなった。
でもそれはそれで正解だったかもしれない。
一人暮らしの俺が作っていたような、いわゆる男料理のようなものではなく、結構本格的なものを作ってくれる。
それが俺は実は嬉しかったりする。



その話は置いといて。
土御門達が帰った後、残ったのはサーシャ。
四人になった未成年を見て、母さんも水着装備をしてきた。
それまでは子供が多かったので遠慮していたけど、実はウズウズしていたらしい。

あの水着を着る母さん。
いや、母さんとかではなく、あの水着を女の人が着るということにドキドキしてしまった。
今までは青ピだったのだ、この反応は当たり前だと思う。
だが、何も知らない両親にはマザコンだのなんだの言われていた。

隣のインデックスも母さんを見て顔を赤くしていたのが横目で見えていたので、仲間だと思い助けを求めてみた。

インデックスはこちらに気づくと赤い顔で母さんをチラチラ見ながら「……マザコン!」と、照れ隠しに言ってきた。
思わずふざけんなと突っ込むところだった。



そんな感じで帰ってきた俺達。
そして、今日は待ちに待った八月八日。
……この日は姫神が脱走しているはずなのだ。

「さてと、朝飯食ったら適当にぶらつくか」

「でも外暑いよ?」

「今日はとある事件が起こるからな。それまでのただの散歩だよ」

「なるほど」

「何なら途中でアイスでも買ってくか?」

「行く!」

「現金なやつだなぁ」



会話のあと、それぞれ用意を済ませた俺達は、外へ出た。


「あっづー……」

「あつーい……」


アイスは、コンビニで買っていくつもりだ。
……わざわざ閉まってる店へ行ってインデックスに怒られて喜ぶ趣味はない。



「すずしー」

「あーすずしーんだよー」



アイスを食べるために、近くのベンチに座った。


「うめー」

「おいしーんだよー」


そして。




「にゃー」





ネコを見つけた。



「……」

インデックスはキラキラとした目で見ていた。

「……飼いたいのか?」

「……あ、ううん。何でもないんだよ」

「そうか?」

「う、うん……」

「……インデックスはどうしたい?」

「え? え?」

「ちゃんと責任もって飼えるか?」

「も、もちろんなんだよ!」

「じゃあ、ウチで飼おう。上条さんとしても長い間過ごしたこいつと離れるのはなんか寂しいからな」

「前も飼ってたの?」

「おう」

「じゃあ名前はそれにしようよ」

「いや、インデックスが決めてくれていい」

「ほ、ほんと!?」

「ああ」

「よかったねースフィンクス。スフィンクスの名前はスフィンクスに決めたんだよ」

「ははっ」

「ん? どうしたのかな、とうま。名前おかしかった?」

「いや、インデックスらしいな、ってな」

「ふーん……」

「だいたい。変わってねーんだよ、バーカ」

「よくわかんないけどバカって言ったー!!」

「言ったけど言ってない!!」

「あ、逃げちゃダメなんだよとうま!」

「捕まったら何されるかわかんねえだろうが!!」

「とーうーまー!!」



────────
──────
────
──



「はあ、はあ……」

「つ、疲れた……」

「もう、とうまを、何かする、気力も、ないかも……」

「……ふー。走ったから暑いな」

「誰のせいだと思ってるのかな?」

「……さあ?」

「むー!!」

「あっれぇ? インデックスさん、怒っちゃっていいのかな?」

「どういうこと?」

「目の前にはファストフード店があります」

「うん?」

「俺はここでシェイクを飲んで行こうと考えています」

「うん」

「インデックスがその気なら俺は一人で行きます」

「ごめんなさい、すぐ行くんだよ!」

「やっぱり現金なやつだなあ」

「……あ、でもスフィンクスどうすればいいかな」

「こいつならそこらへんに置いといても大丈夫さ」

「じゃあそうするね」

「じゃあ、多分満席だから俺は先注文してくるよ」

「あ、じゃあ私バニラとチョコとイチゴ!」

「はいはい、分かってますよ」



変わんねえなあ。
そう思いながら店内に入る。



「いらっしゃいませ─。ご注文は?」

「シェイクをそれぞれ一個ずつ。俺はコーラで」

「お持ち帰りになさいますか?」

「……いや、相席でいいんでここで」

「ではあちらの席でよろしいですか?」

「……はい、大丈夫です」

「それでは、850円になります」

「……とうまー。頼んでくれた?」

「おう、今払うから待ってくれ。……あ、じゃあこれで」

「ちょうどお預かりしますねー。ごゆっくりどうぞー」

「……じゃあ行くか」



「あれ、満席っぽいよ?」

「あそこだよあそこ」

「どこ? とうま両手ふさがってるから分かんない」

「あそこ。巫女さんがいるところ」

「……とうま、今からでも遅くないんだよ。帰ろ?」

「いやいやいや、何を言いますかインデックスさん。彼女はいずれあなたの友達となる人でしてね……」

「……ほんとに? なんだか胡散臭いんだよ」

「まあお前の想像してる巫女さんとは違うし。あれはコスプレだ」

「ふーん」

「まあとりあえず今回はあいつが絡んでくるんだ。俺は行くぞ」

「じゃ、じゃあ私も!!」





そして、巫女さんの前に立った俺達は。



「……相席していいかな?」

「く、─────」

「あん?」

「──────食い倒れた」

「はあ……」


そうかよ、こいつも変わらねえなあ。
はは。



「え? え? どういうこと??」

「まあ落ち着け、な?」

「う、うん」

「……とりあえず、何があったのさ?」

「一個五十八円のハンバーガー。お徳用の無料券がたくさんあったから。とりあえず三○個ほど頼んでみたり」

「お徳すぎだ馬鹿」


今回もやってしまった。
思わず突っ込んでしまった。

また、気まずい空気が流れる。



「……あー。言い方がまずかったかな」

「やけぐい」

「おう、それは見たら分かるぞ」

「帰りの電車賃。四○○円」

「ちょっと待って、コーラ飲む」

「それで。全財産が。……あ。どうぞ。ゆっくり飲んで」

「……」

「……」

「……はい、続きどうぞ」



「うん。それで。今。全財産。三○○円」

「OKじゃあ俺の家へ行こう。ここから近い」

「!? げほげほっ。待って、とうま! 私まだ飲んでない!」

「あ? ああ、ゆっくりでいいよそれは。何なら家で飲んでもいい」

「私は。そこまでしてもらう必要はない」

「……いや、こっちは急いでんだ」

「さっきと。言ってることが逆」

「お前のことは急がないとなんねえんだ。迎え……っつーか追っ手?が三沢塾からくる前に帰っちまわねえとな」

「何でそれを」

「……ここは学園都市だ。いろいろあるもんさ」

「……そう」

「そういうもんだ。さ、早く行こうぜ」



「はい、こっちもシェイク装備完了なんだよ!」

「……あのなあ。両手塞がってたらどうやってスフィンクス連れて行くんだよ」

「あ……」

「ほら、持ってやるから」

「あ、ありがとう……」

「……ふふ」

「ん? どうした?」

「いや。ありがとう」

「まだまだ礼を言ってもらうには早いさ」



それから十分ほど歩いて、俺らの住む寮に戻ってきた。
インデックスは途中でシェイクを全て飲みきったので、俺の手には何も握られていない。


「さて、到着ー」

「ほら、スフィンクス。新しいお家なんだよー」

「……案外。ぼろっちい」

「そりゃ高いLevelの能力者がいるような学校ではないからなぁ」


適当に会話をしながら中へ入る。



「……あ。でも。中は意外と綺麗」

「そりゃ上条さんは綺麗好きですからね」

「……上条。くん」



最後の姫神の言葉はよく聞こえなかった。
聞き返そうと思ったところで、インデックスが、声をあげた。



「とうま!」

「……どうした?」

「……、何だろう? 近くで魔力の流れが束ねられているみたい」

「あー……」

「……属性は土、色彩は緑。この式は……地を媒介に魔力を通し、意識の介入によって……。……、ルーン?」



ダッ、という音を立てて走って行こうとするインデックスの手を掴む。



「はいストップ」

「なに?」

「残念それはステイルのルーンだ」

「……」

「……ちなみにそれはブラフ。本当は人払いでここからインデックスを何処かへやろうと思っているのでしたー」

「何で?」

「そりゃあ今からさっきから言ってる事件に行かなきゃなんねえもん」

「……大丈夫?」

「大丈夫」

「……そっか」

「おう」

「……じゃあ私は何をすればいい?」

「そうだな……。とりあえず人払いにやられないように、この部屋から出るな。それだけ意識しといたら大丈夫だ」

「それだけ?」

「うーん。……じゃあイギリス清教に電話しておいてくれ。この間土御門に登録してもらっただろ?」

「何を言えば?」

「『姫神秋沙の"吸血殺し"を封印する何かを作っておけ。歩く協会と同じ原理で何とかなるだろ』って」

「ひめがみあいさ?」

「……じゃあ俺はもう行ってくる。何か知りたかったらそこの巫女さんに聞きな。あ、あと絶対部屋出んなよ!」

「え、ちょ!! とうま、待って、ねえ待ってよー!!」







バタン。







ドアを閉めて、鍵をかける。
内からはもちろん簡単に開けられるが、何もしないよりはましだろう。



「上条くんは。とうまって名前」

「そう、とうま」

「そう。上条当麻。貴方は一体何者……?」

「まあ変わってるかもね、とうまは」

「だいぶ」

「ところで、ひめがみあいさって何?」

「それは。私の名前」

「ふーん、じゃああいさって呼んでいい?」

「……貴方も。変わってる」

「ええ!? 私は普通なんだよ!」

「彼と。そんな風に信頼関係を結べている時点で。変わってる」

「じゃああいさもそのうち変わり者の仲間入りだね。……とうまはそういう人なんだよ」

「やっぱり。変わった人」



しばらく歩いてみると、やっぱり人はどこにも見当たらなかった。





「そろそろ出て来いよ、ステイル」

「……相変わらず君はよく分からないね、上条当麻」

「そりゃどーも」

「あまり君と長く居たくないからこちらとしては早く説明したいんだけど」

「ご勝手に」

「受け取るんだ。"三沢塾"って進学予備校の名前は知っているかな?」

「知ってるから封筒は普通に渡してくれねえかな」

「……。ほら、ちゃんと読むといい」

「ま、読んだところで分からないと思うから僕が説明してあげよう」

「はいよ」



「簡単にいうと、だ。そこに女の子が監禁されてるから、どうにか助け出すのが僕の役目なんだ」

「……"吸血殺し"」

「……なぜそれを?」

「今俺の部屋にいる女の子の能力だよ」

「な……」

「まあ、つまりそういうこった。俺らがここにいる以上、もしかしたらもう連れ去られてるかもしれないけどな。だから早く行って倒さねえ……と」

「どうしたんだい?」

「やばい、走れ!!」

「さすがにそんな短時間で攫えはしないだろうけど?」



早く行かねえと。
三沢塾の内部を思い浮かべることで思い出した。
俺達の前にローマ正教の連中が戦闘に行っているはずなのだ。



「違う、そうじゃねえ! このままだと死人が出る!」

「は?」

「ローマ正教の連中が先に行ってるはずだ」

「連中? 今回の敵はアウレオルス=イザード。彼ただ一人だ。それなのに……」

「ああもう、長い説明はいい! とりあえずこれだけは言っといてやる。あいつの錬金術は完成してるんだよ!!」

「バカな、どうやって!?」

「知るか! 素人の俺に聞くくらいなら本人に聞け! ほら行くぞ!!」



それから何分か走って。


「ここだな」

「はあ、はあ。僕は運動は得意ではないんだけどね……」


三沢塾に到着した俺達は、そこでローマ正教の連中を発見した。



「おい」

「……何だ?」

「お前ら、ローマ正教ってことでいいんだよな?」

「いかにも。私はローマ正教一三騎士団の一人、"ランスロット"のピットリオ=カゼラである。……何だ貴様ら。いや、もう片方はイギリス清教か」

「そうだよ。悪いけど、僕達は学園都市から直々に依頼されてるんだ。そこをどいてくれないかな」

「これは我々の───ローマ正教の問題である。よって我々が今から戦闘へ行く」

「学園都市で起こっている以上、学園都市の問題でもあると僕は思うけどね」

「そうだ。それに、お前らあいつの実力を分かってんのかよ」

「勿論である。そのためにこちらもそれなりのものを用意している」

「因みに、ナントカの聖歌隊とかいうやつで攻撃しても無駄だぜ?」

「な……!?」

「……君は本当に毎回どこから情報を得ているんだか」

「と、いうわけで。お前らはしばらく休んでてくれよ」






そして。









バラバラに砕け散った武器や鎧を見て唖然としている彼らをよそ目に、俺達二人は戦場へと足を踏み入れる。



いじょー
今日頑張って書くつもりだったんですが、用事が入ってしまって少なくなってしまった、申し訳ない
ここの部分もしかしたら今後変更するかもしれないね

とりあえず次レス返しますね


>>787
ありがとうございます!

>>788
結構言い忘れてたけど、自分は浜面好きです
頑張ってください

>>790
毎回ありがとうございます!



ところで毎回レスしてくれてる人が4人ほどいるみたいですね
ありがたいことです、是非これからも見てやってください



ではー

次は早めに来たいと思ってます

乙ー

乙でした

乙でした。
吸血殺し編がとばされなくてよかった。
救われるのかな?

乙です


「必要なのは現実じゃないssだ!!!」キリッ

なん...だ...と...?
すでに投下されてたorz
リアルタイムで見ようかと思ったが...
まさか朝起きたらすでに投下が終わっていただと...?
次回も期待して待ってるよ!


相変わらず面白い

ちょっと上条さんが飛ばし過ぎてて後が怖いな
乙です

上条さんキザすぎ

新約7巻………


カオスの結晶…

にゃーvsにゃーんvsにゃあ

がそのうち見たいな

>>834
つっちーむぎのんフレ妹?

>>835
多分そうだろ


ごめんなさい、自分の勘違いかもしれませんがなんか心配なので一応



▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-39冊目-【超電磁砲】
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-39冊目-【超電磁砲】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363523022/)
において、



382 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage] :2013/05/18(土) 22:47:48.55 ID:KJFcY/Y1o
予想以上にスレ立て求めてくれるレスがあって嬉しいわ。ありがとう

でも今は長編SS書いてて、その後書くものも決まっててそれもかなりの長編になる予定だから、スレ立てるならその後っていう事になると思う
短く見積もっても一年後で、それまで溜め込んでおくのもキツかったから、ここを借りてちょっと投下してみたって感じ


383 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] :2013/05/18(土) 23:40:24.33 ID:gS+jvDsAO
>>382
特定うざいと思ったらスルーしてくれて構わないんだけどもしかして上インssの人?


384 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage] :2013/05/18(土) 23:53:21.80 ID:jFTvFfaDP
>>383
そだよ



というレスがありますが、>>382、また、>>352->>367は自分ではないです

きぬはたのこと書いてるし、一人称視点の書き方の部分とかもあり、さらに長編ときて自分もなんか勝手に共感をしてましたが、違います
明らかにあちらの方が文章うまいですね、凄く感心してました

>>384ももちろん違います
>>382とIDが違うので、本人かもわからなかったものですから

もし>>382>>384とIDが一緒だったら、あちらの方も上インで書いてるんだーってなったんですけど……
もしかしたら違う人が言ったのかもしれないので、心配してしまいました

もし、>>382が本当に上イン長編SS書いてて、このスレとなんの関係もない、ただ自分が心配性だっただけだ
きぬはたが好きで書いたんだ

って感じなら本当に申し訳ないです

多分自意識過剰なんだろうけどどうしても気になったので書き込みさせてもらいました


改めてこんばんはー

ついでにレスを返していきましょうか

>>823->>828
ありがとうございます!
姫神&インデックス、ちゃんと救いますよー

あと浜面、もうちょい待っててね
まだ書けていないんだ

>>829
毎回毎回ありがとうございます!
次はリアルタイムおつお願いします

>>830
ありがとうございます、相変わらず面白いとか、追いついた、とかそういうのなんか凄く嬉しくなりますね
これからもよろしくお願いします

>>831
なかなか勘がいいですね……ふふふ

>>832
ですねー、キザというよりウザを目指してますが

>>833
新約7巻か……ちょうど昨日本屋に用があってゲットしたばっかなのでまだ読んでません
前ネタバレ読んだんだけど、あれはどうもマジなのかな?
パラパラーっとめくった限りではそうっぽいんだけどなー
あとがきだけは読みましたが、ずっと温めてきたネタって書いてあったので凄く読むの楽しみにしてます

>>834->>836
むぎめかどですか、フレメアがちゃんと出るとこもやりたいなー
フレメアがちゃんと出るとこ、も


次の投下はいつになるか分かりませんが、ちゃんと来ます
どうも2巻はマジで短くなりそう
全然展開が思いつかず、詰まっています
口調も難しいですし
~然を片っ端から調べましたが、結局使うのなんてほんの少しだし、もうね



ところで、息抜きにあんな感じできぬはたとかのSSをちょこっと書くのもいいかもしれないね

あと、もしあの方が上インスレやってるようなら教えて頂きたいです、少し勉強したい



全然関係のない話題ですが、日常回やるって言って思いっきり飛ばしちゃってるね、ごめんなさい
自分5巻が楽しみなもんで、もしかしたら焦ってるかもしれない
どこかで入れられたらいいな、日常回



それでは、毎度毎度長くなってしまってごめんなさい


ではー

乙でした

この板で上インスレって、2年続いてるのぐらいかと

結局乙って訳よ

はま面が思いつかない…

読み返して探すか

ゲームでの俺っ娘がデレた時の破壊力は恐ろしい

浜面のセリフ思いついたぜ

まだかな




おはよーです
朝ですが、時間が出来たので投下

遅くなってすみません
2巻どうにかして広げようとずっと考えたのですが、無理でした

結局短いままでの投下となります

どれくらい短いかというと、今回で2巻終わります

ではー






入口。
そして自動ドアを抜けると、そこはもう戦場。



……なんて気配は全くなく。
騎士が倒れているわけでもなければ、俺が三沢塾の生徒に認識されていないということもない。



「……さて。北棟の最上階、校長室とかいうところだったかな」

「ん? 何のことだい?」

「そりゃアウレオルスがいるところに決まってんだろ」

「……、そうかい。僕はもう何も言わないよ」

「こっからじゃ遠いな……。エレベーター登っていくか」

「上条当麻?」

「ん?」


「ここは結界が張ってある。言うなれば空間をコインの表と裏に分けるようなね。まあ説明するより体験した方が早いと思うけど。周りを見てみろ、誰も君の存在に気づいてはいな……いことはないようだね」

「まあ、俺今無理やりコインの表にいる状態だろうしな」

「つまり周りから見ると君は今独り言を言っているように見えるわけだ」

「え……、あっ!!さっきからジロジロ見られるなと思ったらそういうことかよ!!」

「そんなこと言ってると余計に……」

「あ……。なんか気まずいな。ま、気にしてたらやってられねえか。俺は先に行くぜ?」

「はあ……。勝手にしろ、僕はゆっくり正規ルートで行かせてもらうとするよ」



こうして。


俺は今北棟の最上階にいる。
校長室は多分もうそこのはずだ。


「……呆然。少年、ここへはどうやって来た」

「ん? ああ、ダミーか。いや、普通にエレベーターに登ってきただけだぜ?」

「必然、いかなる外敵もそのようなことはできないはず。自然、貴様はただの生徒か。そして、ダミーとは何だ」

「質問するなら一つづつにしてくれねえかな」

「泰然、それなら前者から聞こう」



「分かった。……ところでお前は誰かがお前の魔力を消しながら歩いていることに気づいたからここに来たんだよな? だったらそれはそういうことだよ」

「……唖然、少年、ただの一般人ではないな」

「また質問か? ま、いいか。後者については言葉の通りだ」

「言葉の通りとは?」

「そのままの意味だってことだよ。お前がアウレオルス=イザードじゃないってこと」

「悄然、私はアウレオルス=イザードだぞ。そんなことあるはずない!」

「ああ分かったわかった。ここに校長室への扉があるだろ? ここを開けたら全てが分かるさ」

「ふむ……。よし、いいだろう。必然、扉を開けよう」








ガチャ─────。







「……判然。まさかダミーを連れてくるとは」

「愕然、あれは誰だ!?」

「いや、だからあいつがアウレオルスなんだって」

「断然、その通りだが。少年、しかし何故それを」

「俺はとある情報通だからな」

「悄然、何だこれは……!? 私は一体どうすれば」

「消えろ」



アウレオルスが一言、そう言っただけでダミーは消えてしまった。
なかなかひどいことをするもんだ。



「さて、少年。話を聞こうか」

「……ちょうど俺も聞きたいことがあるんだ」

「自然、こちらが質問する以上、その条件をのもう」

「じゃあ俺から。俺から聞きたいのはただ一つ。何で俺の許可なくインデックスと姫神をここへ連れてきた」

部屋の端にいるインデックスと姫神を見る。
インデックスは寝かされている。
多分姫神はあまり抵抗しなかったから眠らされなかったのだろう。
それに対してインデックスは最後まで抵抗したために気絶させられた、とまあこんなものだろう。

そのことに腹が立つ。助けたいと思う相手に手をあげることが俺には納得できない。
もし自分が今後そういう立場に立ったらやってしまうかもしれないし、そんなことに腹を立てるなんて子供じみてるとも思う。
それでも俺はなんか嫌で、腹が立った。



「酒然、彼女たちを連れてくるのに何故貴様のような奴の許可をとる必要がある」

「この二人は俺の家にいたはずなんだから当然だろ」

「なるほど」

「で? お前はそいつら連れ込んで何がしたいんだ?」

「依然、それこそ答える必要のない問いだ」

「……ふーん。じゃあいいや。次はお前の質問でいいぞ」



「では少年。貴様は何をしにここへやって来た」

「はあ? お前が何がしたいか答えねえのに何で答えなくちゃなんねえんだよ」

「自然、それは交渉決裂ということでいいな?」

「あーはいはい、答えます、答えますよ。誰かさんがインデックスを吸血鬼にしようとかアホなこと考えてるから止めにきただけだ」

「な……!!」

「お、何か知ってんのか?」

「憤然、最初から全て知っていたということか」

「うーん、何のことだかわかんねえなあ」

「貴様……」

「あ、でも一つだけ言っておくの忘れてた」

「は?」



「インデックスは。吸血鬼になんかしなくたって、もう記憶を失うことはないぜ?」

「な、に……?」

「つまりだ。インデックスは───




「彼女は、そこの腹の立つ話し方をする日本人に助けられた、ってことさ。つまり、この馬鹿は君に喧嘩を売っているようだね」

「……!!!」

「あーあ……」

「フン」



「ふ、ふざけるな……。それじゃ、私の……私の、今まで……。あぁぁぁぁぁあああああ!!!」





……。この野郎。
こっちはなるべく穏便に済ませるつもりだったのにこれだ。



「いや何。一回くらい痛い目見た方がいいと思ってね」




俺の睨みつけるような視線に気づいたステイルが言う、ふざけるな。





「……痛い目なんて見てやんねえよ、ばーか」

「……間然、貴様にゆっくりと喋っている暇があると思っているのか!!! 窒息せよ!!」



パキン……



「……」

「……」

「……」

「……は?」

「……うん、まあそういうこった。インデックス返せ」

「うるさい、黙れ!! 感電死絞殺圧殺! 死ね!!!」



「……」

「……」

「……」

「……あ、うん。なんかごめんな?」

「悄然、貴様何か結界を貼っているのか!? ……ならば物理で攻めるのみ」

「……まあ頑張れ」


こうなることは分かっていた。
アウレオルスやステイルなど、魔術のみで相手を倒そうとする奴に対してはこうなる。
そんなことはもう分かっていたのだ。



「銃をこの手に。弾丸は魔弾。用途は射出。数は一つで十二分。人間の動体視力を超える速度にて」


もちろん今からくるであろう攻撃も同じ。
これはステイルの炎剣と同じタイプ。
ステイルの魔術で作った剣、アウレオルスの魔術で作った銃。
……結局はこういうことだ、それ自体が物理であろうと関係なく効かない。

その魔弾とやらで床を崩壊させる、とかならまた別の話だけど。

「射出を開始せよ!!!」



バシュ、という音と、パキン、という音が同時に聞こえる。
こんな近距離で人間の動体視力を超えるらしい速さで撃ったのだからそりゃそうなるだろう。



「な……に…………?」

「一つだけ教えてやるよ」

「黙れ!! 我が黄金錬成に逃げ道などない! 断頭の刃を無数に配置。速やかにその体を切断せよ!」



今度はパキンとも鳴らなかった。
つまりそれは。

俺が部屋中に力を充満させたからあいつが魔術を使えなかった、とかではなく。





……アウレオルス自身が自分を信じられなかったということ。



「……もういいか?」

「ひ……」



勝敗は決まった。

だから俺は、ありったけの皮肉を込めて。
そして、いつかと同じように演技をする。


「お前じゃ俺には勝てねえよ」


「ぅ……ぁ」




セリフも、いつかと同じ物を。




「……じゃ、帰るか」

「……んん?」

「……え?」

「……すまない、僕にも分かるような日本語で話してくれないかな?」

「はあ? だから家帰るっつってんだよ」

「君の意図が全く読めないんだけど」

「こっからは俺の仕事じゃねえよ。お前らの仕事だろ? 何かやったら素人がーとか言うんだしお前に任せるよ」

「甘いな、実に甘い」

「甘くて結構、俺は基本的には平和主義なんだよ」

「……。そうかい、じゃあこちらで処理させてもらうよ」

「ただし。もう戦う意思はないのに傷をつけるのはダメだぞ」

「どうしろと」

「知らねーよ、お前らで考えろ」

「……はぁ」

「こいつも。……こいつも、ちゃんとインデックスと話し合って仲直りしなくちゃなんねえんだよ」

「……ふーん」



「じゃ、インデックス。帰るか」

「……うん。ありがとう」

「いやいや。今度、ちゃんと話し合おうな」

「もちろん」

「……思い出せなくても、もう一回やり直せるんだ、きっと。な?」



あのロシアで記憶喪失を告白した時のように、今の俺でいいんだと認めて貰えたあの時のように。
また、きっと。



「うんっ!!」


インデックスは元気良く笑顔で返事をした。
それを見たステイルの顔がすこし緩んでいるのを見てしまった。


「……チッ」

「はは」

「……まあ、今回は君に従ってやるとするよ」

「……おう!」


こんな感じで、俺達の今回の戦いは幕を閉じた。



「……そんで、もう遅いけど昼飯どうするよ?」

「食べに行きたいかも!!」

「はいはい、分かったよ。俺も疲れたからな」

「帰りは買い物行かないとね」

「どっかのバカが飯ばっか食うからなー、ははは」

「むう、またバカにしたね!?」

「さあなー。それに、今日は多めに買わないとな」

「? 何かするの?」

「ん? つまりこういうことだ」

「……?」

「姫神、帰るぞ」



「え。あの」

「……それはつまり。第二弾、するの?」

「おう、楽しいだろ」

「うーん……。まあね」

「じゃ、決定」

「あの。何を」

「ん? そんなの決まってるだろ?」

「そうだよ、あいさ」


「「お泊まり会、第二弾 開催!!」」



「第二弾……」

「そうなんだよ、第一弾は白いお友達とクールビューティー。あいさが第二弾」

「へえ。でも。本当にいいの?」

「もちろん。ね、とうま?」

「こっちから言ったんだから当たり前だろ? それに、頼んだ霊装が来るまではウチにいた方が安心だろ、その能力だって抑えられるし」

「じゃあ。遠慮なく」

「どうぞどうぞ」

「じゃ、改めて。まずは昼飯、行くぞ?」

「うん!」

「うん……」



「よし!」

「……さっさと行ってくれると嬉しいんだけどね」

「悪かったよ、じゃあな」

「ふん、君とはもう会わないことを祈るよ」

「まあ無理だけどな」

「……」

「じゃ」



そして、戦場を後にする。


「あ」

「何? あいさ」

「一つ。言いいたいこと忘れてた」

「何だ?」

「……その。ありがとう」

「いいさ、困った時はお互い様だぜ?」

「ふふ。そう」

「まーたとうまは……」

「何だよ、インデックス」

「何でもないかもー」

「あ。もう一つ。言い忘れてたことがある」

「なあに?」



「これは。コスプレじゃない。私。魔法使い」



「聞こえてたのかよ!! ってかいつの話だよ!?」

「適当なこと言っちゃって!! あいさとは一回ちゃんと話さないといけないかも!!!」









「───ふふ。ありがとう。本当に」


いじょー
2巻終了!

次は5巻、まだ5KB程度しか書けてないです
今回のように、どんだけ考えても思いつかないって時以外はなるべく週一くらいで来たいとは思ってます
その時は日曜日になるかと

では次でレス返します

うるせぇ!行こう!(ドン)


>>839
ありがとうございます!

>>840
ああ、ありますね
二つくらい思いつきますが、多分あっちだろう
これはいつまで続くやら

それと、自分も総合スレに投下してみたいんだけどあれって勝手にしていいもんなのかね
何かあっこのシステムがよく分かってないんだよね

>>841
超ありがとうございます

>>842
おう

>>843
新約7巻もやっと読み終わりました
浜面かっこいいな、黒夜に対するあの考え方は凄かった
というか3主人公のそれぞれの会話もいちいちかっこよかった
3主人公って書いて気づいたけど、3ヒロインがほとんど出なかったなあ
インデックスが数行と、滝壺がイラストとセリフ一個くらいかな?細かく覚えてないから分からないけど

>>844
ごめんなさいお待たせしました
なるべく早く来れるよう頑張ります

>>871
んん?



ではー

乙ー
頑張って!


投下きてたか!
待っていたよ!
アウレオルスに同情してしまった

乙でした。
このSSはバトルの後はみんな仲良しになれるのがいいね。

乙です!

総合は
・ちゃんと全部書きためてから投下する
・他の人の投稿中は割りこまない
・他の人が感想もらえるチャンスをつぶさないよう、前の人の投下終了から30分は待て!
・次の人が投下待ちしてるかもしれないから、投稿が終わったら「以上」とか終りだとはっきりさせておけ
・カプ要素やエログロ等人を選ぶ要素がある話の場合は、投下の際最初に断り書きをしておこう
これだけ守っておけば大丈夫

親切心で教えてやることだから、一語一句完全に覚えておくんだ。そうしないと命の保証もできない

この世の中には関わりあっちゃあならないものがある。アウレオルスは今、そいつの一歩手前まで踏み込んでいる

あと一歩だ。その距離でアウレオルスは終わる。そいつを理解したら、ここは素直に回れ右しておけ!

それと乙だ

乙乙

そのコテだとローラスレの>>1かと思っちゃう

ローラってあれか、某の家庭教師とかなんとか

これは・・・2スレ目突入か


こんばんはー
日曜日に投下できるように、などと言いながら、全然書けていません
ごめんなさい

まずはレス返します

>>873
>>874
>>878
ありがとうございます!

>>875
自分もです
でも絶対こうなるよね、上条さんがあんな能力持ってたら

>>876
ありがとうございます、それでほのぼのしてもらえるなら嬉しいです

>>877
わざわざありがとうございます
スレたてたあと寝ていなかったら投下してみます

>>879->>881
まさかの本人ならすごいなあ
とても楽しみなスレの一つでした

>>882
ええ、行きますよ!!



今からスレをたててきます
ちょうど今見てくれてる人がいるとして、スレたてたあとしばらくは書き込まないで下さい
前スレ、注意、登場人物など貼っていくつもりです

あと、このスレもしばらくは残しておきます
ここから新スレへ移動する人が多いと思うので

ではいってきまーす


たてて来ました
上条「」を入れるのをすっかり忘れていた、どうしよう……

虹色の最終日
虹色の最終日 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371397634/)

ちょっと早すぎやしないかい?さすがに

まぁ、スレ主がいいというならいいが
去年のスレ主が立てて書き始めたときからずっと見てきたが、
ついにここまできてくれたか...
やはり、ここの>>1は天才だな...
このまま、完結してくれ!

↑毎度毎度人のスレでコテハンつけて自己主張するのいい加減やめようよ…

新スレがもう落ちてるんだが

スレタイとかミスったみたいだから建て直す為に落としたんじゃね


こんばんはー

上条「虹色の最終日」
上条「虹色の最終日」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371470610/)

ごめんなさい、朝のこと知らない人もいるんでしたね、配慮が足りませんでした
いろいろミスったのでたて直させてもらいました

もう次スレいってしまうのは、5巻が100レス以内で終われるか分からないからです

新スレでも早速誤字ってますが、よろしくお願いします!

あ、このスレもしばらくは誘導用として残しておくので、自分に何か用があったり、小ネタ書きたいなどあったら自由に使ってください

ではー

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