まゆり「トゥットゥルー!」岡部「・・・え?」(716)

俺は。

まゆりが死ぬα世界線。

紅莉栖が死ぬβ世界線。

絶望しかない二つの未来を、認めなかった。



そしてたどり着いた、SG世界線。

もう、誰も死なない。

もう、誰も傷つかない。



俺は、運命に勝利した――

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10月――

ダル「ちょ、オカリン!」

岡部「ん?」

ダル「手元見ろし!ドクペこぼれてるお!」

岡部「ッ!我が混沌より生み出されし千枚敷が・・・!」

ダル「カーペットにこぼれただけだろ常考」

岡部「ええい、ダァルよ!ふきんを持って来い!」

ダル「[ピザ]のケツの重さはハンパじゃないお」

岡部「まゆりーっ!!」

まゆり「なぁにオカリン?」

岡部「ふきんをもってきてくれ!」

まゆり「嫌なのです☆」

岡部「えっ・・・」


まゆり「嘘だよオカリン。すぐ持ってくるね」

岡部「あ、ああ・・・頼む」

まゆり「はい、オカリン」

岡部「さぁすがは我が人質ッ!エロゲ三昧のメタボハッカーとは訳が違うな」

ダル「大学生の中二病患者に言われたくないお」

まゆり「・・・」

岡部「・・・まゆり?」

まゆり「・・・」


ダル「まゆ氏?だいじょぶ?」

まゆり「えっ?あ、あは、まゆしぃ疲れてるみたいなのです。今日は帰るね?じゃあね、オカリン、ダル君」

なにこれ気になる

ダル「・・・」

岡部「・・・ダルよ、なぜこちらを睨む」

ダル「オカリン、まゆ氏となんかあったん?」

岡部「心当たりはないが・・・」

ダル「まゆ氏アメリカから帰ってきてからずっとあんな調子でない?」

岡部「そうか?確かに元気がないように感じないこともないが」


ダル「・・・原因はオカリン。間違いないお」

岡部「なにっ!?ッ俺だ、我がフェイバリット・ライト・アームが機関からの精神攻撃を受けている!くそッ奴らめ、」

ダル「とりあえず謝っといたほうがいいと思われ。んじゃ僕も帰るお」

岡部「なっ!?おい待てダル、」



ラボのドアが、静かに閉まる音がした。

アメリカでの、正確に言うとそれ以上の紆余曲折を経て、俺と紅莉栖は結ばれた。

告白の後、ホテルに戻った俺たちはラボメンに事の経緯を説明した。

紅莉栖は恥ずかしがっていたが、俺はラボメンに隠し事をする気などさらさらなかったのだ。


フェイリス「ニャニャーッ!?凶真、ひどいニャン!フェイリスと凶真は前世からの誓い合った仲ニャのにィーッ!!」

るか「わ、わ、おめでとうございます、おか・・凶真さん、牧瀬さん」

ダル「もしもし、俺だ、今機関の精神攻撃を受けている。作戦名はオペレーション・リアジュウバクハツシロだ」

紅莉栖「あ、ありがとう・・・。で、でも勘違いしないでね!?まだキス以外のことは・・・」

フェイリス「もうキスしちゃったのかニャ!?凶真っ、だいたーんッ!」

ダル「その話kwwsk」

紅莉栖「あ、あうう・・・」


まゆり「・・・」

岡部「シャーラップッ、ラボ・メンバーズよ!このメァァーッドサイエンティスッの鳳凰院凶真がキスなどするはずがなかろう!」

ダル「オカリン、顔が真っ赤なのだぜ」

フェイリス「つよがっちゃってかわいいニャ♪」

るか「岡部さん・・・かわいいです」

岡部「やかましいっかわいくなどはない!!こ、この鳳凰い・・・ん?メールか?」

まゆり「あ、萌郁さんにまゆしぃが送っておいたのです☆」

岡部「まゆりいいーッ!!」

その日はまゆりとルカ子の部屋に全員集まり、深夜まで騒いだ。

まゆりが寝てしまったのでそろそろおひらきにしようか、と紅莉栖が言い、各自の部屋へ戻った。

フェイリス「凶真はクーニャンとおんなじ部屋がいいんじゃないかニャン♪シングルベッドでニャンニャン♪」

ニャンニャンが別の意味に聞こえたのは言うまでもない。そこは紅莉栖の照れ隠しの断固拒否で、俺たちは別々の部屋で眠ることになった。

部屋に戻るとダルがその巨体でベッドを占領しており、大きな寝息を立てていた。

俺は白衣を脱いでハンガーにかけると、なんとなく夜風に当たりたくなったので部屋を出た。




古びた手すりに腕をかける。

風が俺の髪を静かに揺らし、月は優しく俺に笑んでいた。


幸せすぎる。




そう、思った。

今でも目を閉じれば、額から血を流すまゆりが。血まみれになって倒れている紅莉栖が、脳裏に蘇る。

そして、その傍らで何もできず、ただバカみたいに突っ立っている自分も。

それだけじゃない。

父親を失うことを決意したフェイリスの、眼。

女になりたいという願望がかなったのに、まゆりのためにそれを捨ててくれるといった、るかのあの笑顔。

どちらも涙が頬を伝っていた。


MR.ブラウン。桐生萌郁。天王寺綯。阿万音鈴羽。



なかったことには、してはいけない。


なかったことには、してはいけない。

「オーカリン♪」

気が付くと、横にまゆりが立っていた。


岡部「まゆりか。お前寝たんじゃなかったのか」

まゆり「えへへ~まゆしぃはお腹がへったのです」

岡部「まったく・・・熊かお前は」

まゆり「がおー」

岡部「ッフフ」


まゆり「オカリン」

岡部「なんだ?」

まゆりはてすりに腕をかけ、俺と同じ方向を向いた。


まゆり「オカリン、なにかつらいことあったのかなぁって、まゆしぃは思うのです」

少し、――ドキッとした。


岡部「何を言っているのだ。客観的に見れば、俺は今幸せの絶頂に・・・」

まゆり「ちがう、ちがうよオカリン」

岡部「違うことなど、あるものか・・・」

まゆり「まゆしぃはよくわからないけど、オカリンはなにか悩んでいる気がするのです」

岡部「そんなものは、ないっ!!」

まゆり「!」



まゆり「オカ、リン・・・?」

岡部「はぁ、はぁ・・・すまない」

まゆり「・・・うん」


俺は、俺は、わかっていたはずだ。

この世界線は、SG世界線。もちろん俺が何度もタイムリープを繰り返したα世界線の影響を一切受けていない世界。

ここでは、るかは女ではない。フェイリスの父は死んでいる。阿万音鈴羽はまだ生まれていない。


そして牧瀬紅莉栖は、運命に抗おうとして共に戦った相棒、ではない。

微弱なリーディングシュタイナーが働いているとはいえ、所詮おかしな夢としか認識されない。


口げんかをしたことも、プリンを勝手に食ったことも、一緒にIBN5100を運んだことも、



――――キスしたことも。



覚えてはいない。

もちろん同じ状況になったとしたら、今の紅莉栖も俺を助けてくれるだろう。それは断言できる。

だが彼女にとって俺は、ただの命の恩人であり、実質二週間程度を一緒にのんびりとすごしただけの存在なのだ。



不安なのだ。記憶と経験の違いが、やがて二人に齟齬を生むのではないかと。



岡部「・・・まゆり、部屋にもどってくれ。俺はひとりで考えなければならないことがあるのでな」

まゆり「いやだよ」

岡部「まゆり?」

まゆり「いやだっていったの」


まゆりが、こんなに強く感情を露にするとは。

俺は思わずたじろいだ。


岡部「ま、まゆり・・・」

まゆり「オカリン。ずっと前まゆしぃに、全部終わったらお話してくれるって言ってくれたよね?」

岡部「な、」


まゆり「今がそのときだと思うのです」

岡部「待て!俺はそんなことは言っていないぞ!?」

言った。確かに言ったが、それはまゆりが死ぬ世界、β世界線での話だ。

なぜまゆりがその記憶を?まさか、リーディングシュタイナーが――



まゆり「ううん、オカリンは言ったよ。こうやってまゆしぃの手をぎゅーってにぎって」

岡部「まゆりお前・・・」

まゆり「そのあとまゆしぃはしんじゃうんだけど・・・でも、ちがうよ。夢なんかじゃない」

岡部「違う・・・それはゆ」


まゆり「オカリン!!」

岡部「ッ!」

俺は辺りを見回した。幸いにも、起きてくる宿泊客はいなかった。


まゆり「話してよ・・・まゆしぃに・・・」

まゆりの眼には涙が溜まっていた。


まゆり「オカリンの力になりたいよ・・・」


岡部「あ、あ・・・」


もう頭の中はぐちゃぐちゃだった。震える唇で、追い詰められた俺が出した答えは、



岡部「ふ、フゥーハッハッハッハ!!俺は稀代のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真っ!!誰の力も借りず世界を混沌に陥れる、孤独な支配者なのだァ!!」




設定に逃げることだった。

まゆり「オカリン・・・」

岡部「ではな、まゆり!風邪を引くことのないよう、頭まで布団をかぶって寝るのだぞ!!」


まゆりから遠ざかり、角を曲がった瞬間俺は走り出した。

なにがマッドサイエンティスト。

なにが鳳凰院凶真。


まゆりを守るために作り出したものが、今、まゆりを傷つけている。


岡部「うう、っうおおおおおぉぉ」



その日はホテルに帰らなかった。

路上でずっと、月を眺めた。

このことはまだ、ダルには言っていない。

だが気のつく奴だ。今日のまゆりを見る前から、どうも感づいていたらしい。

紅莉栖にも言っていない。アメリカで頑張っているあいつに、なるべく負担はかけたくない。



まゆりに、すべてを話そうか。


そんな想いがふと胸をよぎった。


岡部「だめだ」

俺は部ラボの電気を消した。


まだかな

1乙

翌日――

岡部「ごきげんようぅぅッ!ラボメン諸君っ」

ダル「僕しかいねーお」

岡部「ぬぁにぃッ!?平日だからといってたるんでいるな。たるむのはダルの下腹部だけで十分だというのに」

ダル「屋上にいこうぜ・・・久々に・・・切れちまったよ・・・」

岡部「むっ!!ドクペが切れているではないか!!ゆくぞダル!」

ダル「無視ですねわかります」


スーパー――

岡部「ふむ・・・これくらいでよかろう」

ダル「買いすぎだろ常考。今は牧瀬氏いないんだから・・・これくらいでよくね?」

岡部「なっ・・・ダル貴様、我がラボの知的飲料がこれだけ必要なのがわからんのか!?」

ダル「おしえて!岡部先生!」

岡部「ふむ・・・仕方がない教えてやろう。あれは7000万年前の地球・・・」



ダル「すいませーんこれだけお願いします」

岡部「レジに出すなぁぁぁッ!!」


岡部「まったく、とんでもない右腕だ貴様は」

ダル「フヒヒ、サーセン」

岡部「こんなにダイエットコカコーラばかり買って・・・俺はどうすればいいのだ」

ダル「オカリンはそろそろダイエットコカコーラのうまさに気づくべきだお!こんなにおいしいのに痩せられる、これこそ最高の知的飲料だお!」

岡部「やせとらんではないか」

ダル「・・・」

岡部「やせとらんではないか」

ダル「・・・てへぺろ☆」

岡部「ラボの資金は無限ではないんだぞ?今だって俺は毎日MR.ブラウンから恐るべき脅しを受けているのだ」

ダル「MR.ブラウン。またの名を?」

岡部「タコハゲ坊主。ロリコン」

ダル「wwwwwwwwwwww」

天王寺「おお、岡部に橋田じゃねぇか」

岡部・ダル「!?!?」

天王寺「昼間っからこんなとこほっつきあるきやがって。大学生ってのは気楽でいいなぁおい」

ダル「・・・い、いえ」

岡部「MR.ブラウンこそ・・・ごきげん麗しゅう・・・」

天王寺「いいや、それがそうでもねぇんだよ」

岡部「え?」

天王寺「どっかのバカふたりがよぉ、俺のことをハゲだのロリコンだのいいやがってよォ~」

ダル「」

岡部「走れダルぅぅ!!」



天王寺「てめえら綯の前でいいやがったら、3分の3殺しにするからな!!!」

公園――

岡部「ぜぇー、ぜー」

ダル「はぁー、はあ、死ぬかと思ったお・・・」

岡部「くそっドクペさえ飲んでいれば」

ダル「妄想乙・・・」


その後俺たちは言葉を交わさずに、ふたりでダイエットコーラを飲んだ。

いつの間にか時間がたち、太陽がしずもうとしていた。


ダル「オカリン」


そんな静寂を、ダルは唐突に破った。

ダル「オカリンは牧瀬氏の、どこが好きになったん?」

岡部「急だな。なぜだ」

ダル「なんとなくだお」

岡部「そうか。・・・では聞かせてやろう、奴と俺は幾多の世界を戦い抜き、共に愛を誓い合ったプァァートゥナァなのだ!!結ばれることは必然!!それこそがシュタインズゲートの・・・」

ダル「選択、か。そうかもわからんね」

岡部「え?」



いつもならため息をついて妄想乙、というはずなのだが。

今日のダルはどこか遠い目をしている。


岡部「ふ、フゥーハッハッハ!!ようやく我が崇高なる知識を読み取ることができたか、我が右腕よ!」

ダル「そんなんじゃないけど。二人は何度も何度も話し合って、まゆ氏を救うために助け合ってたんだから不思議はないかなって」


岡部「・・・!?」


ダル「なんて顔してんだよ、オカリン。夢の話なのだぜ?」

岡部「ダル・・・」



ダル「でも、夢じゃない気がする・・・」

岡部「何を言っているダルよ。とうとう夢と現実の区別もできなくなったか?」

ダル「・・・オカリン。おしえてくれよ。さっきの表情から見てするに、何か知ってるんだろ?」

岡部「それはただの夢だ。お前は疲れているのだ」

ダル「・・・まゆ氏が死ぬんだ。ラボに変な奴らが入ってきて、まゆ氏を撃って、僕は大声を上げるんだけど、何もできなくて、」

岡部「ダルッッ!!!」

ダル「す、鈴羽、・・・鈴羽が、僕のむす」

岡部「!!・・・ッつ」


俺は力の限り、ダルの頬を打った。

ダル「・・・」

岡部「・・・すまない」

ダル「いや、ありがとう。今日はもう、帰るお。またな、オカリン」


ダルは帽子を拾ってから暗がりに消えた。

公園には、苦渋の表情を示す俺だけが残された。

数日して、ルカ子、フェイリスも同じようなことを匂わしてきたが、軽く流した。


岡部「なんでだよ」

ラボの床にねっころがって、ひとりつぶやいた。


岡部「シュタインズゲートは、みんなが幸せになれる世界線なんじゃないのかよ・・・」

電話レンジ(仮)は、なんでこの世に生まれてしまったんだろう。神様はよっぽど俺のことが嫌いなのだろうか。


あんまりだ。あんまりじゃないか。苦労して苦労して、やっとここまできたっていうのに。


その結末が、これか。


岡部「どうすれば、いいんだよ・・・言えばいいのか、洗いざらい?」


だめに決まってる。言ったってみんなを苦しめるだけだ。

岡部「くそ・・・」



ラボのドアが、開く音がした。


岡部「誰だ、深夜二時だぞ?まゆりか?それともダル」

???「おっじさァーん!!いる?オカリンおじさぁーん」

岡部「!?」

まさか。そんなはずはない。あいつが、あいつが――!



鈴羽「あっいた!!オカリンおじさん!」

岡部「やはり・・・鈴羽ァ!!お前なぜここに、まさか第三次世界大戦が、もしくはディストピアがっぐぇ!!」

鈴羽「はーい詳しい話はあとあと。いくよ!」


岡部「どどこへいくのだ!?」

鈴羽「タイムマシンのあるところだよ」

岡部「タイムマシンだと!?なぜっぐをあ!!」

鈴羽「まずは車に乗って!!案内しながら説明するから!!」



岡部「鈴羽、お前何歳だ」

鈴羽「18だけど?」

岡部「未来では18歳は車に乗ってもオッケーなのか?」

鈴羽「ううん!」

岡部「おろせ!!」

鈴羽「ちょっとおじさん!暴れちゃだめだってば!!」

岡部「スピード出しすぎではないか!?」

鈴羽「奴らが来るからね」

岡部「奴ら?」

鈴羽「きたきた」

窓の外を見ると、銃を持ったバイクの男が並走していた。

鈴羽「邪魔くさいな」

鈴羽はハンドルを豪快に回し、バイクに車を当てた。

岡部「おまっ」

バイクは派手に転倒し、窓の景色から消えていった。

岡部「おおーーい!!まずいんじゃないのかこれ!?」

鈴羽「いきてるよ多分。着いたよっ」

ラジ館の屋上にはタイムマシンが突き刺さっていた。

それがなんだか俺には、懐かしく感じられた。

警察のパトカーが大勢集まっている中を、鈴羽は車で突っ切っていった。

岡部「やめろ鈴羽ァァァ!!」

鈴羽「へーきへーき。おりて!走るよおじさんっ」


俺たちは一気にタイムマシンのある屋上まで駆け上がった。

タイムマシンの前には、黒い服を着た男たちが二、三人固まっていた。


岡部「あれはっ!?」

鈴羽「ラウンダーだよ!」

ラウンダー「おいっ来たぞ撃てッ」

ラウンダー「待て、あ、あれは鳳凰院様ではないか!!?」

ラウンダー「しまった先を越されたか・・・!撃つな!」

鈴羽「でやぁぁあぁあぁっ」

ラウンダー「ぐわっ」

ラウンダー「うげえっ」

ラウンダー「oh」


鈴羽「さあいくよおじさん!」

岡部「い、いつへだ!?」


鈴羽「いつって、10月14日のアメリカへだよ!!」

チョット寝る一時間後再開なり。

一旦乙!

乙!

再開じゃああああ

まってた!

タイムマシンのG。これも懐かしい感覚だ。

岡部「おい鈴羽、説明しろ。未来では何が起こったのだ」

鈴羽「うん。結果から言うと、未来ではディストピアが形成された。自由が無くなった」

岡部「何故・・・何故だ。タイムマシン理論は燃えたし、俺はDメールを送っていない!!そもそも電話レンジ(仮)が無いこの世界線で、SERNや大国がどうやって・・・」

鈴羽「違うよおじさん。SERNも大国も、未来では力を持っちゃいないよ。ディストピアを形成したのは、世界で唯一完璧なタイムマシンを作り出すことのできる人物――わかるよね?」

・・・ダルは。

この世界線では、タイムマシンを、見ていない。

紅莉栖?いや、奴のタイムマシン理論は、封印するように俺が言った。




岡部「俺・・・?」




鈴羽「せーかい。」

鈴羽はにっこり笑った。


岡部「そんなばかなことがあるものくぅあ!俺がディストピアを形成するなんて、そんなことが」

鈴羽「おじさん。ここはもうSG世界線じゃないんだよ。過去のある時点から、別の世界線に移っちゃったんだ」

岡部「それが、10月14日のアメリカだというのか」

鈴羽「そう。おじさんはあの日をきっかけに、ラボメンをだんだん信じられなくなって、溝が出来てしまった。すごく私のこともかわいがってくれたんだよ?でもある日突然、ラボを解散して飛び出した」

鈴羽「おじさんはある研究機関と政治家を抱き込んで、タイムマシン製作をもちかけた。一方でラウンダーを募って自分の軍団を完成させると、研究者と政治家を全員殺した」

鈴羽「おじさんは刃向かう者、出し抜こうとする者を利用するだけ利用して全部殺した。権力者を裏で動かし、世界情勢を意のままにしようとした。そんなおじさんをとめるために父さんと紅莉栖さんはタイムマシンを開発したんだ」

鈴羽「そしてあたしが過去へ跳んだ。もう完全にリーディングシュタイナーを発現してた二人は、原因もわかっていたんだ」

岡部「やはりあいつらは・・・すべてを思い出すのか・・・?」

鈴羽「そうならないようにするんだよ!オカリンおじさん!!」

鈴羽が俺の手をぎゅっと握った。

鈴羽「みんなが何も思い出さなければオカリンおじさんがつらい思いをすることは無い!つらい思いをしなければラボは解散しない!そうすればディストピアは形成されないの!おねがいおじさん・・・もうみんなのあんな顔、見たくないんだよ」

岡部「フゥーーハッハッハ!!この鳳凰院きょう・・・」


違うな。さっきのラウンダーの反応を見るに、俺は「鳳凰院凶真」の名で世界を支配しようとしているのだろう。


ふん・・・。まったくばかげたことを。中二病もそこまでくると笑えないうえに、まゆりも守れていないにちがいない。


岡部「任せておけ!鈴羽!この岡部倫太郎が、お前の未来を救ってやる!!」

紅莉栖の時とは違う。

あの時は未来の俺が過去の俺を助けてくれたが、


岡部「作戦名はオペレーション・スクルド・・・」


今回は、過去の俺が未来の俺の野望を、打ち砕くッ!!



岡部「リバァァーースだァ!!!!!」



真実のSG世界線へ跳ぶため――

仲間と、もう一度心から笑いあうため――



運命を、変えてみせる。


10月14日、アメリカ――


鈴羽「おじさん!手筈は説明したとおりだから!」
おう
岡部「うむ」

鈴羽「チャンスはこの一回きり。トチんないでよ♪」

鈴羽は俺にいたずらっぽくウインクした。

岡部「そっちもな」


鈴羽「うん!じゃ、また例の場所で!」

岡部「ああ。武運を祈る。お互いに、な」


鈴羽が行ったあと、俺は雷ネットの会場を目指した。

ここからならばそう遠くは無い。時間もまだある。


そうわかっていても、俺の歩調は速かった。

1乙
幸運じゃなくて武運なのかwwww
まぁ相手が鈴羽だしな

オペレーション・スクルド・リバースの実行内容は二つ。

1、過去の岡部倫太郎の、牧瀬紅莉栖への告白を阻止
2、椎名まゆりの想いに、現在の岡部倫太郎がケリをつける


鈴羽によると、世界線移動の原因はまゆりらしい。


鈴羽『椎名まゆりは、岡部倫太郎のことを深く愛していたの。どういうかたちであれ、ね』

鈴羽『なのに唐突に岡部倫太郎に恋人ができた。その発表を聞いて、誰よりも傷ついたのは椎名まゆりだよ』

ごめんきょうここまで!

なっなんだっー!


>>1

もしもしからだが>>1だ!


需要があるならまったりと続けていく!

需要ならある 続けるんだ

岡部『そういえばあいつ、妙に口数が少なかったな……それに』


まゆり《話してよ、オカリン!》

まゆり《オカリンの力に、なりたいよ……》


岡部『…………』


鈴羽『椎名まゆりは、必死だったんだと思う。おじさんがとられちゃうって思ったんだと思う』


鈴羽『でもそんな感情が、椎名まゆりに強い強いリーディングシュタイナーを発現させたんだ』

鈴羽『おじさんがとられてしまう。でも自分には紅莉栖さんに勝るものは何一つない。そう思った椎名まゆりが無意識に引き出したもの……それが』


岡部『別の世界線の、記憶……』


鈴羽『そう。そしてリーディングシュタイナーは身近にいる者と共鳴することも、未来で紅莉栖さんと父さんが研究済み』

岡部『共鳴……?』


鈴羽は頷いて、リュックから紙とペンを取り出した。

鈴羽『まずタイムトラベルをしたことのない一般人でも、リーディングシュタイナーは持っている。生物は多数の世界線があって初めて成り立てるもの。ここまではいいよね?』


岡部『ああ』


鈴羽『リーディングシュタイナーは、友達とか、恋人とか親とか、身近にいる者に共鳴して強さを変えるんだ。強ければ強いほど別の世界線の記憶が色濃く蘇り、弱ければ何も思い出さない』


岡部『なるほど。つまり元々リーディングシュタイナーが弱い一般人がいくら交わっても、別の世界線の記憶は引き出せないということか』

鈴羽『そういうこと。でも稀に、感情が激しく動いたときに別の世界線の記憶が蘇る人がいるんだ。一瞬よぎる程度だから問題はないけど』

岡部『それが、まゆりか』


鈴羽は黙って頷いた。

鈴羽『それだけじゃないよ。一般人より強力なリーディングシュタイナーを持ったオカリンおじさんが、常にそばにいたんだよ?ラボメン全員に言えることだけど、椎名まゆりは特にそうじゃないかな』


そうだ。α世界線でも、フェイリスとルカ子は記憶を取り戻しかけていたことがあった。

だが俺は二人に毎日会っていた訳ではない。


それに比べて、まゆりは――



鈴羽『椎名まゆりが元々記憶を引き出しやすい体質であったこと。強いリーディングシュタイナーを持つおじさんが常にそばにいたこと。この二つが、おじさんの発表によってお互いに強く作用したんだ』


鈴羽『おじさんだけならラボメンのみんなも、別の世界線の記憶は《夢かな》くらいで済むんだけど、椎名まゆりのリーディングシュタイナーは強力すぎる』


鈴羽『まずは父さん、そしてフェイリスさん、るかさん、今は桐生さんにも発現しているかもしれないよ』


岡部『それは夢ではなく、経験として、か』


鈴羽『…………うん』

このままいけば最悪の結末、ラボメン全員のリーディングシュタイナーの発現が現実になってしまうということか。


未来の俺はそれを経験した。

狂うのも、頷ける。


鈴羽『椎名まゆりの方は、おじさんがどうにかして。あたしは引き金となる岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖の接触を阻止するから』


岡部『……わかった。任せておけ』


鈴羽『じゃあ、着いたみたいだし出るよ!』

どうでもいいんだが、別に未来じゃなくても18なら車の免許取れるんじゃね?

>>59
ホントだごめんなさい!


雷ネットの会場につくと、ちょうど鈴羽の母、阿万音由季が車に乗ったところだった。

木陰に隠れて見ていると、すぐに焦った過去の俺がタクシーを捕まえその後を追う。


岡部「頼んだぞ……鈴羽」


鈴羽が告白を阻止すれば、まゆりがリーディングシュタイナーを発現することは無い。


告白を、阻止すれば。



岡部「……待てよ」


紅莉栖に告白をするとまゆりが傷つき、ディストピアが形成されるということは、




俺は永遠に、紅莉栖に好きだと言えないではないか。

紅莉栖に、厳密には誰かに好きだと伝えればまゆりが傷ついてリーディングシュタイナーを発現し、別世界線の記憶を持ったラボメンたちに俺はやりきれなくなり、ディストピアを形成する。


紅莉栖もまゆりも選ばなければ、まゆりが孤独を感じてリーディングシュタイナーを発現し、俺がディストピアを形成するだろう。


まゆりがリーディングシュタイナーを発現しても俺がラボにいなければ良いのだが、きっとラボメンでない俺はロクな末路を辿らない。

やりきれなくなっている点では同じなので、結局ディストピアを形成する結果になるかもしれない。



つまり俺は、まゆりのそばに居続けるしかないということになる。



岡部「なんだよ、それ……」

今日は寝ます。


また明日書きますおやすみなさい。

なんかどうあがいても絶望な気がしてきた

1乙

追いついた

まゆしぃ大勝利なのです

まゆしぃの何がだめなんだオカリン

再開



二時間後――――



鈴羽「あ、オカリンおじさん!こっちだよ!」


岡部「…………」


鈴羽「どうだった!?未来は……」


岡部「鈴羽」


鈴羽「え?……何?」


岡部「タイムマシンの、燃料はあるか?ここにもう一度来れるだけの」


鈴羽「……わからない。ぎりぎりあるかないか位だと思う」


岡部「…………」


鈴羽「おじさん、失敗したの……?未来は、変わらないの……?」



岡部「2010年に、帰るぞ」


鈴羽「おじさん!」


岡部「…………」

>>69
まゆしぃがダメなんじゃなくて好きになったのが紅莉栖なだけ

タイムマシン内――――


鈴羽「…………」


岡部「…………」


鈴羽「…………っ」

岡部「俺は」


鈴羽「!」


岡部「何もしなかった。ただぼーっとして、二時間を浪費した」


口端から、胸糞悪い自嘲の笑みがこぼれる。



岡部「ここに来るときもゆっくりと、ダラダラと歩いてきた。バイクにひかれそうになったぞ。フフ」


鈴羽「…………」


岡部「分かったんだ。世界は、神様は俺のことが嫌いなんだ。だからこんなに苦しめるんだ。まゆりも、紅莉栖も、俺の大切な人なのに――――やっと助けられたのに――――愛そうとすると、ッ…………」


岡部「ディストピアを創った俺の気持ちも、今なら分かる。愛したい人を、愛すことすら許されない。愛せば世界が終わる。意味が分からない…………意味が分からないッ!!」

岡部「何でだ!何でだよ!!紅莉栖を好きになっちゃいけないのかよ!!俺は絶対に、まゆりを愛し続けなければならないっていうのかよ!!まゆりが嫌いな訳じゃない……まゆりを嫌いな訳がない!!けど俺は、ずっと支えてくれた!……一緒に、……戦ってくれた……!牧瀬紅莉栖が、好きなんだよ!!何でそれがダメなんだよォ!!!」


岡部「何で俺なんだ……何でまゆりなんだ!何で紅莉栖なんだ!!他の誰かじゃダメだったのか!!何で俺たちなんだよ!!…………くそ。電話レンジなんか作らなければ良かった。牧瀬紅莉栖とも出会わなければ良かった!!」


鈴羽「!!!!」


岡部「ラボなんか、作らなければ――――!!」






狭い空間の中に、甲高い肌の音が鳴り響いた。

岡部「――――ッ」

鈴羽「岡部倫太郎ッ!!!!」


岡部「ぐ……」


鈴羽は泣いていた。
溢れる涙はぬぐわれることもなく、ただ頬を伝って床に落ちた。



鈴羽「キミはっ……キミは思ってるはずない!!そんなこと絶対思ってるはずないんだ!!牧瀬紅莉栖と出会わなければなんて……ラボを作らなければなんて!!」


岡部「……いや、こんなことになるくらいならば」


鈴羽「だって二人は!!あんなに幸せそうだったもん!!」

岡部「!?」


鈴羽「おじさんはいつも紅莉栖さんを変なあだ名で呼んで!紅莉栖さんが怒って!それでぷいって顔を背けたら……少し笑って優しく『紅莉栖』って声を、かけて……ッ」


岡部「あ……」

        /__,i          ___       ヽ,
     / (          ´ `      .∧
      l /ーi  , - ‐ 、     - ‐ 、  /ノ   世界線はこのロープのような物
      ∨ , -、 { (⌒) }     { (⌒) } く }
     ∠⌒ <´弋,二ソノ    、弋二ソノ `i- 、  1つ1つは干渉しあう事はないが辿り着く先は同じ
     /"   、Y   '         Y> <  
     K ヽN')、 、__,       、 __,ノ ( v  )  行き来する事は不可能…
      〉 ._,〈  !"'- ,, _ _,, - ''" .| 〉  〈.!'
      ヽ,_ 人| !           !   |人_ イ
      < ,,`>|    .! |   |   !   l 〈  〉   しかし 世界を変える大きな出来事があった場合
       > y.< | .i  i .!   !  .∧  ! 〉y〈,
      ヽ_ノ .!_/i__ハ_  /i  /  ー ' .{__/   選択によって分岐が出来たりする事がある
      r''--!ヽ      ̄ . ̄     /--ヽ、
      イ/i i ト、!              /i/ i ト、l
       'ー'                'ー'-    例えば「鈴羽かわいいよ鈴羽」とレスすると――

ダルかわいいよダル

鈴羽「あたしはその時凄く小さかったけど、その記憶だけにははっきり覚えてる……父さんと母さんが笑ってて、周りにも人がいたんだ。多分ラボメンの皆だと思う」


岡部「ラボ、メン……」


鈴羽「でもだんだん、おかしくなっていったんだ……、だんだん、おかしく、なっていった」


鈴羽「ちがうよおじさん……こんなの、おじさんが望んだ未来じゃない。おじさんはディストピアを作るためなんかに、世界線を行き来してきたんじゃない」


鈴羽「みんなが笑って…………」


岡部「鈴羽……」


それから沈黙の時間が、何分か流れた。

鈴羽が鼻をすする音を聞くたびに、俺の中の頑なになっていた何かが、熱く溶けていく気がした。



鈴羽「きっとあるはずなんだ」


鈴羽は勇敢にも、沈黙を自ら破った。


鈴羽「SG世界線は絶対ある。…………運命は、受け入れるものじゃない。自分の手で変えていくもの。それはおじさんが、誰よりも分かってるはずだよ」


岡部「俺は、」


鈴羽「おじさんは、一人じゃない。あたしがいる。あたしも一緒に、運命に立ち向かう。だから一人じゃない」




岡部「そうだ鈴羽……!俺は、諦めない!!」




岡部「必ずあるはずだ!紅莉栖を愛したまま、世界を継続させる方法が!」


岡部「諦めてはいけないのだ。何度も、やってきたはずだ!未来を変えるのに一番大切なことは諦めないことだというのに……俺は絶望に打ちのめされていた!」


岡部「しかぁーし!この鳳凰院凶真はその名のごとく何度でも蘇る、不死鳥のような心を持つ狂気のマッド・サイエンティストどぅあ!!機関に打ち勝つためにはこれしきのことなど……」



鈴羽「……へへっ」

鈴羽は涙を袖で拭って、悪戯っぽく微笑んだ。



鈴羽「そうだよおじさん、その意気だよ!絶対成功させるよ!オペレーション・スコンブ・リバース!」



岡部「スクルドだ!……ああ、俺に任せてお……いや」



岡部「共に運命に打ち勝つぞ!!鈴羽!!」



鈴羽「うん!!」


            '´  ̄  ̄ ` ヽ、
          、__/ : : : : : )ノ: :ヾ: : : \
.        `7: (: : : : : : : : : : : : :} :)ヽ

         {: : ト; ;ハ,リノ;Y川 } : ノ: : i|

         i::小●    ● ノリル: ; j
          从l⊃ 、_,、_, ⊂⊃从ッ》  成功した!
        /⌒ヽ、|ヘ   ゝ._)   j /⌒i
      \ 〃::(y;)>,、 __, イァ/、__/

.        \:(y;ノ:::::::::}}::::::::(y;/::::::/
         .ルリゞ::::::((:::::::ルリゞ::::/

なぜかもう泣けてきた

>>71
ではまゆしぃは俺がもらっていきますね

鈴羽「でも具体的にはどうすればいいのかな。二人の告白はなんとか阻止できたはずなんだけど……」


岡部「ふむ……鈴羽よ」


鈴羽「何?オカリンおじさん」


岡部「共に戦うとは言ったものの、やはり俺たち二人では限界があると思うのだが」


鈴羽「えー?ひどいなぁ……って言いたいところだけど確かにそうだね」


岡部「残念ながらお前と俺の脳味噌では打開策に限界がある。ならば……我がラボのブレインを使うしかあるまい?」



鈴羽「……父さんに全てを話すってこと?」



岡部「そうだ。こうなった以上なりふり構ってられんからな。おそらくダルも、リーディングシュタイナーの発動によってかなりキツい状態が続いているはずだ」


――――それでも未来の俺は、言わなかったのか。

仲間が記憶に侵され、苦しんでいることを知っていながら。


いや。


奴には奴なりの配慮があったのだろう。

記憶を真実として理解させたらもっと仲間を苦しめることになる、と。



だがそれでは――――、未来は変わらないんだ。

2010年――――


鈴羽「じゃあおじさん、あたしはもう一度確実に未来にいけるように、なんとかタイムマシンを弄くってみるよ。おじさんはラボで父さん、に……」


岡部「……不安か?」


鈴羽「うん、……ちょっとだけ」


岡部「鈴羽。お前はお前の、やるべきことをしろ。俺は俺のやるべきことをやる」


鈴羽「うん……」



岡部「……しっかりな!」


俺は景気づけにぽん、と鈴羽の肩を叩いてやった。


鈴羽「オーキードーキー!任せてよ!」

岡部「よし。では行ってくる。終わったらラボへ来るがいい。ドクペをたらふく飲ませてやろう」


鈴羽「あははっ、楽しみにしてるよ!」

ラボ――――


ドアを開けると、キーボードのカタカタという音が聞こえた。



岡部「ダル」


ダル「お、オカリンじゃん」


岡部「なんだか随分久しぶりではないか?」


ダル「あ~、実家に溜まったエロゲ消化してた。嫁が多すぎるのも困りものだお!」


岡部「それで大学も来てなかったのか。まったく……仕方のない奴だ」


ダル「フヒヒ、サーセン」



岡部「ダル」


ダル「ん?なんぞ?オカリン」




岡部「嘘だろ」


ダル「へ……?」

ダル「う、嘘ってなんだお!?言いがかりにも程がある件について!謝罪と賠償を要求する!」


岡部「ダル……お前は俺に聞きたいことがあるはずだ。俺に話して、確かめたいことがあるはずだ」


ダル「この間のことなら、もういいお……」


岡部「本当にいいのか?」


ダル「う……」



岡部「SERNにハッキングしたこと……タイムマシンが出来たこと…………まゆりが死んだこと」


ダル「やめ、ろよ……」


岡部「お前の娘鈴羽!!そしてその、末路を……!!」


ダル「やめろよぉぉぉぉぉぉ!!!!」


ダルは俺の胸ぐらを掴んで勢い良く押し上げた。

ダル「どうして思い出させるんだ!!オカリンが夢だって言ったから夢だ夢だって思おうとしてるのにっ!!そんなことあるはずがない!!全部悪い夢なんだって思おうとしてるのに」


ダル「な、なのに…………なのに…………」


ダル「……日に日に、鮮明になっていくんだ。そのせいで皆との関係が、ぎこちなくなっていくんだ……」


岡部「ダル。すまなかった。全て俺の責任だ。この間お前を殴ったことも全て……本当にすまなかった」


ダル「…………」


ダルは俺の胸元から手を離した。



ダル「言ってやれなかったんだ……」


岡部「……?」


ダル「……鈴羽が娘だって分かって、気が動転してたのかもしれない。親らしいことも言えなくて……抱きしめてやる手も不器用で」


ダル「それでやっと思い付いたのが、『がんばれ』って言葉だったんだ。でもそれが言えたのは…………タイムマシンが言ってしまった後で……」


岡部「ダル……」



ダル「いって、……やれなかったんだ……!『がんばれ』って……言葉すら……!!」


ダル「そのあと手紙がきて……鈴、羽は、失敗した、失敗した、って、ううぅぅぅぅぅ」

ダル「う、う、うぅぅぅぅ……」


岡部「ダル、大丈夫だ」


岡部「この世界線の鈴羽は、自殺などしていない」


岡部「明るく、素直ないい子に育ってるよ……」



ダル「…………」



ダル「……良かっ、た…………」





そのあと俺はゆっくりと、ダルに全てを話した。


リーディングシュタイナーのこと。まゆりのこと。紅莉栖のこと。未来のこと。


ダルは鼻をすすりながら、たまに頷いて話を促してくれた。

最後にお前の力が必要なんだ、と言うと、ダルは黙って頷き、明日は必ず来る、今日は帰ると言って立ち上がった。




去り際にダルがふと俺の方を向いて笑った。





ダル「ありがとな、オカリン。話してくれて、嬉しかったぜ」

ダルがラボを出た数分後、鈴羽が息を切らせて飛び込んできた。



鈴羽「おっまたせーオカリンおじさん!!ラッキーだったよラウンダーの一人がバカでさぁ、携帯用のプラグをおと……どうしたの?」


岡部「……ん?」


鈴羽「おじさん、なんだか凄く嬉しそうな顔してる」




岡部「……橋田鈴羽よ」


鈴羽「なに?」








岡部「お前は、いい親を持ったな」







鈴羽「あったりまえじゃん!何いってんのおじさん?」


岡部「フフ……ではドクペでもごちそうしよう」


鈴羽「うん!」








夜は静かに更けていった。

今日はここまでです!

また5、6日後くらいに書きます!

乙!
どうなるのかwkwk

あ、レスは好きにいっぱい書きこんでもらって構いませんよ


見るの楽しいので。

ではまた。


             ___

            r´       `ヽ 
            /   _____ヘ
         j  ̄ ̄      ∞゛i、_
       <`vー´ひ-へ ~、_,-v 、,~ニ=

        `〃::N:∧N、Mノ ヾリ| l::::::::ヾ、
        ル:::从>    < 从::::::::::N
         レリ l⊃ 、_,、_, ⊂⊃W'ヽ{  
        /⌒ヽル.ヘ   ゝ._)  .从/⌒i   トゥットゥルー♪
      \  ヽ >,、 __, イ、/  /   支援なのです♪
        \シ. i L~~~//.ヾ、/
        !、  `ー----ー´ミ   .,}

1乙

したげ乙

再開

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

次の日――――


ダル「おっはー!ダルしぃだお☆」


岡部「やめろ気色悪い。そういえばダル、まゆりと最近会ったか?」


ダル「まったく。オカリンは?」


岡部「あの日から会ってない。一応携帯に連絡をいれたのだがな……。返事は、無しだ」


ダル「ま、しょうがないよな。むしろ、アメリカの一件の後でもラボに来るまゆ氏の健気さに驚き」

岡部「家にも行ってみたが友達の家に泊まりに行っているらしく、会うことはできなかった……」


ダル「避けられてるんですねわかります」


岡部「…………」


ダル「ちょ、マジでへこむなオカリン。悪かったお」

岡部「リーディングシュタイナーの件は話したよな?」


ダル「それなんだけど……まゆ氏は今、誰よりも強力なリーディングシュタイナーを発現してるんよね?」


岡部「ああ、そうだ」


ダル「それって凄くキツいことなんじゃないかな。僕ですら夜はなかなか眠れなかったくらいだし」


岡部「だから心配なのだ……。まゆりはラボメンの中で誰よりも残酷な経験をしている。精神が崩壊しても、おかしくはない……」


ダル「そだね。早いとこ作戦たてて、まゆ氏を救ってあげないと」


ダル「てか、僕たちだけなん?鈴羽は?」


岡部「鈴羽なら朝早くに怪訝な顔をして出ていったぞ?なにやら小さな機械を眺めていたな」


ダル「…………オカリン」


岡部「どうしたダル。いつになく顔が険しいぞ?」


ダル「昨夜は、ラボに泊まったのかお?」


岡部「?そうだが」


ダル「……鈴羽と一緒に、寝たのか…………?」


ダルは本来の低音関ボイスを発しながら俺に詰め寄った。


岡部「んなぁっ!?」


ダル「その反応は肯定と見ていいのか?」


岡部「お、お前、そんなことあるわけないだろうが!!俺には紅莉栖がいるんだぞ!?」


ダル「ならば勿論、二人の部屋は別々だったんだよな?」



岡部「…………うん」


ダル「…………貴様」


岡部「いやっ、待てダルッ!ほんと、ほんとだって!!」


ダル「で、本当は?」


岡部「部屋はいっしょでした」


ダル「光り唸れ、僕の右腕……!!」


岡部「ちょっと待て!なんにもしてない!なんにもしとらんわ!!」

岡部「落ちつけダル!部屋が一緒だったのは理由があるのだ!」


ダル「聞く余地はない」


岡部「聞けよ!!ていうかお前誰だよ!!キャラ変わりすぎだろ!」


ダル「人の娘に手を出したなら、それ相応の覚悟はあるんだろうなぁ……?」


岡部「だから出しとらんって言ってるだろうが!カーム!カームダウゥーン!ダルゥー!」


ダル「……さっさと話せ」


岡部「よ、よし……落ち着いて聞け?」

岡部「まず、最初は部屋が別々でした」

ダル「うん」


岡部「一時間くらいしてうとうとしてると、布団を持った鈴羽が入ってきました」


ダル「うん」


岡部「そして『あっはは、ごめんオカリンおじさん、なんか寂しくなっちゃって……横で寝てもいいk』へぶぅっ!!」


ダル「オラァァァァァァァ!!!!」


岡部「ちょっ待てダルゥ!!布団くっつけて寝ただけだから!同じ布団ではないからセーhぐふぉぉっ!!」


ダル「ドラァァァァァァ!!!」

ダル「オカリン……アンタってやつぁ……平気でやってのけるねぇ」


岡部「そこに痺れるか?憧れるkうぶぅッわ、悪かった。悪かったから下腹部を正確に打ち抜くのはやめてください……」


ダル「ま、手を出してないならいいお。鈴羽もそんな未来じゃ何かと寂しかったんだろうし」


岡部「いいなら殴るなよ……」


ダル「なんぞ?」


岡部「いえ……なんでもないです」




ダル「でもそっか、鈴羽はいないのか。会って話をしてみたかったんだけど」


岡部「作戦を練るまでまだ時間はある。期間内に会うことはできるだろう」


ダル「どれくらいで跳ぶん?」


岡部「ん?」


ダル「いや、タイムマシンで」

岡部「こちらでいくら時間が経とうと、タイムマシンで跳ぶ日時は変わらない。よって少し時間がかかってでも、完璧な作戦を練っていくのが望ましいだろう」


ダル「要するに具体的な期限は無いってことでおk?」


岡部「そういうことだ。それに、跳ぶ前に一度、まゆりに会っておきたいしな」


ダル「そか。でもやっぱ牧瀬氏必要じゃね?あの子がいたらかなり違うと思われ」

岡部「紅莉栖ならばもう呼んである。昨日ラボに来る途中に電話した。明日には着くだろう」

ダル「オカリンって牧瀬氏のどのへんを好きになったん?」


岡部「またその話か」

ダル「今回は単純な好奇心だお」


岡部「そうだな……やはり俺が苦しんでいる時に共に戦ってくれたというのは大きい」


ダル「弱ってる時に優しくされたら好きになっちゃう!ってやつですね。オカリンマジ乙女」


岡部「やかましい」


ダル「じゃあ、もしその経験が無かったら好きになってなかったん?」


岡部「ん?むぅ……どうだろうな」


ダル「外見の話をしようじゃないか、オカリン……」


岡部「……お前なんだかんだでボーイズトーク好きだよな」


ダル「おにゃのこが気になるお年頃だお☆」


岡部「キモい」

ご飯食べてきます

いってらー。
wwktkしとく

岡部「外見……というよりも仕草が好きだな。普段は強がっているがたまに見せる女らしい一面」


岡部「そして弱い一面。冷静な女が自分だけに見せる一面……」


ダル「クるね。クるクる」


岡部「それとテンプレではあるがやはり」


岡部「ツンデレは……いいものだ…………」


ダル「激しく同意。男はギャップ萌えに弱い生き物……これをもっと他の女性にご理解頂きたいお」


岡部「あと普通に顔も可愛いしな!」


ダル「もしもし壁殴り代行さんですか?120分コースお願いします」

岡部「お前は気になる人はいないのか?ダルよ」


ダル「嫁ならたくさんいるが何か?」


岡部「三次元の話だ」


ダル「ん~……あんまりラボメンの女の子をそういう眼で見たことないからなぁ」


岡部「それも凄いな。あれだけ変態発言するくせに、なんだかんだいって紳士だよな、お前」


ダル「あざーっす。あ、でも娘だって知る前の鈴羽には少しキュンときた。やっぱ似てるん?母親と」


岡部「フフ。それは秘密としておこう」

ダル「えぇ。ま、ロリ顔巨乳を期待しとくお」

秋葉原某所――――


鈴羽(タイムマシンはラウンダーが落としたプラグで充電出来る……明日にはもう跳べる状態に戻ってるはず)


鈴羽(それはもういいとして。問題はこれ)ゴソ



鈴羽(過去で未来人の数を計測する、父さんが開発した未来ガジェット296号)


鈴羽(これに表示される赤く点滅するマークは、この世界線における未来人の数を指すんだけど)


鈴羽(点滅するマークは全部で5つ。1つはあたしとして、おそらく残りは全てラウンダー)


鈴羽(ラウンダーの反応が4つ……)



鈴羽「おかしいよね、これ……」


鈴羽(昨日おじさんを連れ出したときの反応は6つ。バイクに乗った奴も含めてラウンダーは5人だった)

鈴羽(でも今日は、5つに減ってる。これって)


鈴羽「あっちゃ~……バイクに乗ってた奴、死んじゃったのかな……」


鈴羽(い、いやいや!そんなわけないよ、加減はしたはず!)


鈴羽(でももしかして打ち所が悪かったりして……)


鈴羽(…………いやでも、死んでも反応は消えないって言ってたから違うか)




鈴羽「だとしたら…………」

ラボ――――


ダル「電話誰だったん?」


岡部「鈴羽からだ。今日は戻れないと言っていた」


ダル「残念だお。まぁ明日会えるか」


岡部「というかダル、さっきからうるさいのはお前の腹の音か?」


ダル「僕のお腹もフェイリスたんに会いたくなったみたいだね」


岡部「つっこまんぞ。では久しぶりにメイクイーンにいくとするか」


岡部「フェイリスも俺に会いたくなってきた頃だろうしな!!フゥーハッハッハッハ!!!」


ダル「あるあ……ねーよ」

メイクイーン――――



ダル「――フェイリスたんが休み!!?」


メイド「そうなんです。まゆりちゃんも休みで、もう困っちゃって」


岡部「ほう、珍しいな。あのフェイリスが休みとは」


ダル「オカリン。帰ろうぜ」


岡部「はぁぁ!?お前本当にフェイリス以外眼中にないな!!」


ダル「フェイリスたんの〈眼を見て混ぜ混ぜ〉がしてもらえないなら生きてる意味ねーお」


岡部「メイド喫茶の客の鑑だな。だが帰るのは許さん。俺は腹が減って仕方がないのだ」


ダル「わりとメイド喫茶が好きな件」


岡部「ち、違うわ!!」

ダル「フェイリスたん、なんかあったんかなー」


岡部「潔く諦めろ」

ダル「いやいや良く考えてみ、オカリン?あのフェイリスたんがメイクイーンを欠勤してるのだぜ?」


ダル「フェイリスたんはメイドであると同時にこの店のオーナー。彼女がどれだけこの店を大切にしてるかはオカリンも知ってるっしょ?」

岡部「まぁな……」


ダル「そんなフェイリスたんが休み、おまけにまゆ氏も休み……何か気にならん?」

確かに。


フェイリスは勿論、まゆりがバイトを休むことなど今まで無かったはずだ。


岡部「言われてみれば……」


ダル「だろ?まゆ氏は友達のところに泊まってるって言ってたけど、それもしかしてフェイリスたんのところじゃね?」


岡部「そうか!」


立ち上がって店を出ようとすると、ダルは後ろから俺の腕を引っ張った。



ダル「落ち着けよオカリン。そんな衝動的な気持ちで行ったってしょうがないだろ」


岡部「……ではどうすればいいのだ」



俺はダルの促すままに、椅子に座り直した。



ダル「……学校でのまゆ氏の様子が分かれば、少しは話しやすくなると思われ。僕らにはまゆ氏がどんな状態か、まったく分からないしね」


岡部「学校、か……」

今日はここまで!


おつです!
ダルみたいな友達がほしい

書くの楽しいし、見てくれる人いるし、もう最高。


これからもよろしくお願いします。


ではまた。


ダルのゴッドフィンガー…

         -―‐- 、

       /       \   〇す…鈴羽…
        |      }{   i ° 立派な子に育つんだお…
     、_」   _.. -―- 」_ノィ

    __乂ゝ-<_.. -‐…_、〉乂
    7({::::个{{二 }⌒{二 }}ィ>\            あと支援するんだお…お・・・
.     /__乂{ハ   _ ... イ ノ‐==ミ{、
   /     と⌒し'´ ´      }
.   {_____ \_、       ノ
               ̄ ̄ ̄ ̄

1乙

乙!

1乙!
いいね次も楽しみにしてる

るみぽっ!

>>125
ニャッ!

>>126
五分か…なかなかの速度だ

乙なのです!

珍しく時間ができました。


短いかもしれないけど書きます!

岡部「よし。ダル」

俺が席を立つと、ダルも同時に椅子を引いた。


ダル「オッケー。柳森神社に行くんだね?」


岡部「ああ、まゆりの様子を知る必要がある。同じクラスのルカ子ならば完全とはいわずとも、少しは……いや、どうだろうな。分からん」


ダル「でも行って損はないと思うお。まゆ氏にいきなり話をするのはちょっと……」


岡部「そうだな。それはそうと会計の話だが」



ダルの右肩がぴくりと上がった。

岡部「……」


ダル「…………オカリン」


岡部「…………ダルよ」


岡部・ダル「「ゴチ」」


岡部「むぁぁぁてぇぇこのピザオタがァァ!!この間の支払いは俺が持ったのだから次はお前の番だろうが!」


ダル「こまけぇこたぁいいんだよ!」


岡部「良くないわ!我が右腕よ……主に逆らうというのか!?」


ダル「母さんが病気で……莫大な治療費が必要なんです!!だからここは……」

岡部「本当は?」


ダル「エロゲ最高です」



岡部「またか!!」

岡部「無理だ。今日は無ー理ーだ」


ダル「いやマジで財布に金が入ってない件」


岡部「本気かお前……なのにそんなにでかいハンバーグ食ったのか」


ダル「むしゃくしゃしてやった。反省はしている。後悔はしていない」


岡部「はぁー。……あす、ドクペ2本。俺と、紅莉栖の分」

ダル「ラジャッ」



俺はダルの手に、千円札を叩きつけた。

柳森神社――――


るか「……あ、おか、ええと、……凶真さんっ。あ、橋田さんも」


ダル「そう。いつだって僕は二番目の男なんだお」


岡部「フゥーハッハッハッハ!!!ルゥカ子よ、修行ははかどっているか!!?五月雨は数日所有者が使用しない、ただそれのみで清心斬魔翌流の呪われし力を解放してしまう恐ろしき妖刀なのだ!!さぁぁー今すぐに持ってこいルカ子よ、今日の修行を始めるぞォォ!!」


るか「は、はい!」


ダル「いきなりとばすねーオカリン」


ダル(まぁでもいいか)


ダル(色々ストレス溜まってたみたいだし……僕は実際に体験したわけじゃないから分からないけど)


ダル(オカリンの性格からして絶対僕には見せない……。でもきっと、想像もつかないほど辛い目に合ってきたんだ)


ダル(そんなオカリンが僕の力が必要だと言った)


ダル(僕はもう逃げない。怯えない。オカリンの力になってみせる)


ダル(最高の未来のために。――――鈴羽のために。)



ダル(だから今は)



るか「いち、にぃ、さん……」


岡部「前のめりになっているぞルカ子!もっと腰を入れるのだ!!」







ダル(静かに、見守ってよう。)

おやすみなさい( ̄ ̄)zzz

乙 おやすみ

シュタゲだと柳林神社じゃなかった?柳森神社は実在してる方で

ホントだ柳林神社だ。


SS書くのって大変ですねー(´`

再開

るか「まゆりちゃん……ですか?」


岡部「ああ。まゆりは今、学校でどんな様子なのか教えてくれ」


できる限り優しい口調でそう言うと、ルカ子は目線を反らし、口をつぐんだ。


岡部「頼む、ルカ子」


るか「……でも岡部さん、いつもまゆりちゃんといっしょに……」


岡部「俺は今、とある事情によりまゆりと接触することができん」


るか「…………」


岡部「頼む、ルカ子。現時点でまゆりの様子を聞くことが出来るのは、お前だけなんだ。まゆりの学校での様子を、教えてくれ……」


ダル「僕からも頼むお。ルカ氏」



るか「岡部さん……橋田さん……あ、あの」




るか「まゆりちゃん、どうしちゃったんですか……?」

岡部「…………」


俺は迷った。

今のまゆりについて話すということは、全ての事情をルカ子に話すということになる。


ルカ子は、ラボメン。記憶も取り戻しかかっている。


だがこれ以上、人を巻き込んで良いものか――――。


次の言葉を探していると、意外にもルカ子の方が先に口を開いた。



るか「まゆりちゃんは今、学校には来ていません」


岡部「やはり、そうか……」


ダル「やっぱまゆ氏はフェイリスたんのところに……」


るか「でも」


岡部「?」


るか「最後に学校に来た日は、その、……女の子にこんなこと言っちゃいけないんです……でも」






るか「ひどい、顔でした」

秋葉原某所――――


鈴羽(あたしの勘が当たってなければいいんだけど……)


鈴羽(でも、もし当たってるとしたらマズイ)


鈴羽(とりあえず今は様子を見ながら、ラボと距離を置く)


鈴羽(それでいてラボに何かが起こった時は迅速に駆けつけることができる場所……このへんかな)


鈴羽(人気もないし身を潜めるには最適…………ッ)


鈴羽(誰かくるっ!!)

鈴羽(一体こんなところ、誰が…………あっ)


鈴羽(フェイリスさんだ!)


鈴羽(若いなァ~この頃からこんな恰好してたんだ。……ん?)


鈴羽(なんか、すごく浮かない顔してる……何かあったのかな)

鈴羽(それよりも!彼女なら椎名まゆりのこと、何か知ってるかもしれないよね!)

鈴羽(おじさんは椎名まゆりがどこにいるかも知らないだろうし、あたしが聞いてあげよっと!)


鈴羽(くぅ~、あたしっていいやつ!)



鈴羽「フェイリスさーん!」

フェイリス「ニャッ!?何者ニャ?」


鈴羽(あちゃ、この時代では面識無くて当たり前か)


鈴羽「あたしははし……鈴羽。ラボメンだよ!」


フェイリス「キョーマのお友達かニャ?」


鈴羽「うん!」


フェイリス「じゃあ、はじめましてだニャ!メイクイーンニャンニャンのネコミミメイド、フェイリス・ニャンニャンだニャン!よろしくニャッ!」


鈴羽(ニャが多い……)


鈴羽「よろしく!ところでフェイリスさん、聞きたいことがあるんニャけど……」

鈴羽(あわ、うつっちゃった!)


フェイリス「何かニャースズニャン?」

鈴羽「椎名まゆりって、知ってるよね?」

フェイリス「…………」


フェイリス「もちろんニャ!マユシィはフェイリスの前世からの親友兼戦友なのニャ~」


鈴羽(今、ピクッて……)


フェイリス「マユシィがどうかしたのニャ?」


鈴羽「あ、うん、今どこにいるかとかって……分かったりするかな?」


フェイリス「…………分からないニャ」

鈴羽(また……)


フェイリス「マユシィとはすっごく仲がいいけど、まだ全てを知ってるわけでは無いのニャン。お家に行ってみれば何か分かるかもしれないニャン♪」


鈴羽(追及しても、どうやら無駄な時間になりそうだね)


鈴羽「分かったよ!ありがとうフェイリスさん」


フェイリス「お役に立てなくてごめんなさいニャン!またラボに行った時は仲良くしてニャ♪」


鈴羽「もっちろん!じゃあまたね、フェイリスさん!」


フェイリス「さよならニャ、スズニャン!」


鈴羽「…………さて、と。」


鈴羽(もちろん、椎名まゆりの家になんて行っても意味はない)

鈴羽(フェイリスさんのあの眼……)


鈴羽「どうやら確かめる必要がありそうだね」




フェイリス(適当にごまかして来ちゃったけど)


フェイリス(あの子のあの眼。……ついてくるな、絶対)



フェイリス「もしもし、黒木……?」

フェイリスの家(高層マンション)――――


鈴羽「……バレてないよね、多分」


鈴羽(ここがフェイリスさん家……でっかいなー。たしか秋葉原の地主なんだっけ?セキュリティも頑丈そう)


鈴羽(どうしようかな。全部勘違いで、おじさんがもう椎名まゆりを見つけちゃってる、なんてことも……、いや!)


鈴羽「迷ったら攻める!それがあたしのモットーだよ!」


鈴羽(レッツ潜入!)




鈴羽「と、と、と……ありゃりゃ」


黒木「…………」



鈴羽「なんでフェイリスさんの執事であるあなたが入り口なんかに立ってるのかな、黒木さん」


黒木「申し訳ありませんが、あなたをお通しすることはできません。お帰りください」


鈴羽「なぜ?」


黒木「お嬢様の、ご命令ですので」



鈴羽「ふぅん……流石フェイリスさんだねー……」


鈴羽「無理矢理通るって言ったら?」


黒木「警察を呼びます」


鈴羽「その前にお嬢様のもとへたどり着いちゃうよ?」



黒木「……武術の心得は、ありますので」

鈴羽「へぇ……まぁそんなつもりは無いから、安心していいよ。じゃあフェイリスさんによろしく」

鈴羽(居場所が分かっただけでも、良しとするか……。これ以上はおじさんに迷惑かかっちゃうし)


鈴羽(あんな眼するから、ちょっと戦士の血がウズいちゃったよ。とりあえず後はおじさんに任せるとして、あたしは一旦退こう)



「……!……ッ……!!…………!……」



鈴羽「ん?」


鈴羽(なんだろ、自動ドアの後ろの方で……)



鈴羽(フェイリスさんの声……?)



フェイリス「…………めだよ……ちゃん!……そんな…………!」


黒木「?お嬢様、どうされました」


フェイリス「黒木!まゆりちゃんをおさ…………あッ!」

柳林神社――――


岡部「ひどい顔?まゆりがか」


るか「あっ、ち、ちがうんです!ぼ、ぼくそんなつもりじゃなくて!そういうのじゃなくて、まゆりちゃんはかわいいんですけど、あの、だからこそ余計っていうか……」


ダル「もちつけルカ氏」


岡部「ひどい顔……ひどい顔とは具体的にどういうことだ?」


るか「あ、あの…………だから、その」

―――ーーー―――ーーー―――――ーーー―――ーー――ーーーー――――――ーー―――ー‐‐―ーー―‐――‐‐ーーーー‐‐―

るか『まゆりちゃん……眼が、真っ赤で』


―――ーーー――――ーーーー――――――‐‐ーーーー‐‐―――‐ー‐―ーー――‐‐ーー‐‐―‐‐ーーー‐‐――――


鈴羽「…………!!?」


まゆり「あなた……誰?」


――――ーーーー―――ーーーー――――ーーー――――ーー‐――‐‐ーーー‐‐‐―――――ーーー――――‐‐―‐―‐ーー‐‐――


るか『何日も寝てないなんてほどじゃないくらいに…………くまもひどくて』



―――ーーーー―――――ーー―――ーーーーーー――――――‐‐ーーー‐‐‐――‐‐ーーー‐――‐ー‐――――ーーー―‐‐‐――ーー――‐‐ーーー‐‐―



鈴羽「あ、……」


まゆり「まゆしぃに、なにか用なのかなぁ?それとも」



――――ーーーー―――ーー――ー―――ーーー―――――――‐ーーー‐‐―――‐‐ーー‐‐―――‐‐ーーー‐‐‐――‐‐‐―――‐‐


るか『瞳が、瞳の中が……すごく…………すごく真っ暗だったんです』


―――ーーー――――ーーー――――ーー―――ーーー―――――ーー―――‐‐―――‐―‐‐‐ーーー‐――ーー―――‐‐


まゆり「女の子だね~、じゃあオカリンのお友達かなぁぁぁ?ふふふふ、あはははははははは♪♪♪」



鈴羽「あ、……あ、」


フェイリス「ダメだよまゆりちゃん!!落ち着いて!!」


まゆり「離して!オカリンは、オカリンは!まゆしぃのなの!!誰にも渡さないの!!あなたなんかのところに、行くわけないんだよ紅莉栖ちゃん!!!」


フェイリス「黒木ィ!押さえて!まゆりちゃんを、止めてぇ!!」


黒木「はっ……椎名様、どうか落ち着いて下さいっ」


まゆり「オカリンはいつもまゆしぃに優しかったの!オカリンだけがまゆしぃのことを大切に思ってくれたの!いつだって助けようとしてくれたし、ほんとの自分を見せてくれたの!!」


まゆり「ありえないよ!!認めないよ!!紅莉栖ちゃん、私は認めない!!オカリン、いかないで!いかないで!いかないで!いかないで!!」



まゆり「オカリンを返してぇぇぇぇ!!!!!」

気付いたら、あたしは駆け出していた。

後ろから椎名まゆりの叫び声が耳を突き刺したけど、決して振り返らなかった。


嫌、厭、いや。




怖い。恐い。こわい。




ようやく足を止めたのは、フェイリスさんと最初に会ったもとの場所に戻ってきてからだった。



鈴羽「はぁ、はぁ、はぁ」



大した距離じゃない。




鈴羽「……っ、ふう、はぁ、はぁ、」



この汗は、疲労のものじゃない。


この息切れも、疲労のものじゃ、ない。

鈴羽(…………椎名まゆりを前にした瞬間)


鈴羽(頭がギュッてなって……苦しくなった)


鈴羽(きっとどこかの世界線の記憶を引き出されかけたんだ。だって……だって、)


鈴羽(色んな寂しさとか、こわさとか……申し訳なさが、頭の中に流れこんできた)


鈴羽(失敗した、失敗した、失敗した、……)


鈴羽(あたしは失敗した、失敗した、失敗した、失敗した!!)


鈴羽「やめて!!」






鈴羽「……うぅ、…………頭、いたい」

柳林神社――――


るか「ぼく、こわくって」


岡部「むぅぅ……」


ダル「予想以上に、ヤバそうだお……オカリン」


るか「それとまゆりちゃんと眼があった瞬間、急に頭が痛くなったんです……その日から変な夢?を」


岡部「……!」




眼が合った瞬間。

リーディングシュタイナーの影響がそれほど強くなっているということなのだろう。


…………危険だ。危険すぎる。



るか「凶真さん、まゆりちゃんに何が起こってるんですか……?」



岡部「ふん。フゥーハハハハ!!!ルカ子よ、案ずる事はない。一週間以内に全てにケリを着けてみせよう。まゆりの事にも、お前の夢にもだ!」


るか「は、はい……」


岡部「んむぅ?この俺を信じられないのくぁ、我が弟子よ?」

るか「い、いえ、そんなことありません!ただちょっと心配、で……」



岡部「…………ふぅー」


俺はルカ子の頭に軽く手を置いた。




岡部「俺を信じろ。ルカ子」



るか「!……」


るか「……はい。信じます」

岡部「それでいい」

頭を撫でてやると、ルカ子は眼をぎゅっと瞑って身体を緊張させた。


岡部「さて。そろそろ行くとするか。ダル」


ダル「オーキードーキー」


岡部「迷惑をかけたな、ルカ子」


るか「いえ、そんなことありません……」


岡部「今度礼でもするとしよう。鍛錬を怠るなよ?」


るか「は、はい!」



岡部「ではさらばだルカ子」


るか「あの、きょ、岡部さん!」


岡部「俺は鳳凰院凶真だっ」


るか「ぁ…………」


岡部「…………」


るか「…………」


岡部「…………どうかしたか?」


るか「……いえ、何でも、ありません」


岡部「?そうか。ではな」


るか「はい。お気をつけて……」











るか「さよなら……倫太郎さん」

今日はここまで!



ふうー

乙!
胸が締め付けられる……

まゆり…

少し辛い展開が続いてますね。



でもがんばるのでよろしくお願いします!

乙!
早くこのまゆりと助手の絡みが読みたいな
しかし病んでるってレベルじゃねえぞ、まゆりェ…

おいついた。
これは続き気になる。待ってマース。

再開

ダル「なんか危機感上がって……怖くなってきたお」

岡部「だが、必要なことだったのだ。まゆりの状態は芳しくない……その意識は確実に上がった」


岡部「これで俺たちはまゆりの前で不用意な発言をすることは無い」


ダル「オカリン……やっぱいくん?」


ルカ子の話を聞いたダルは、すっかり萎縮してしまっている。

俺はひとつため息をついた。


岡部「なぁーにを怯えているのだマイ・フェイバリット・ライト・アームよ!未来を変えるためにはこれしきの覚悟は些細なこと!どーんと構えておけ!」


ダル「……」


岡部「どうしたダァルよ!悩みすぎは体に禁物だぞ。痩せたいならばちょうどいいかもしれんがな!フゥーハハハァ!!」


ダル「…………すごいな、オカリンは」

岡部「フッ……ようやく俺の偉大さに気付いたか」


ダル「オカリンはまゆ氏を助けるためにいろんな世界線を渡り歩いて来たんだよな。その中にはもちろん、怖いこととかショック受けることもあったっしょ?」

岡部「…………」


脳裏に浮かんだのはまず、ラボへのラウンダーの襲来。

あのとき日常を突き破られた感覚は、今でも俺の胃を締めつける。


まゆりの死。

どれだけあがいてもアトラクタフィールドの収束によってバッドエンドを突きつけられる、あの絶望感。しかも一度や二度じゃない。


他にも萌郁の携帯の回収、ミスターブラウンの死、まゆりを助ければ紅莉栖が死ぬことに気付いたとき。


あのときは必死だったが今にして思えば、俺はかなり辛いことばかりを経験しているのかもしれない。


だからこそ、SG世界線にたどり着いたときどれだけ嬉しかったか。


既にここがSG世界線ではないと告げられたとき、どれだけ悲しかったか。

ダル「オカリンは凄いよ。僕は今正直、ショックで仕方がない」


ダル「今までラボで三人で楽しくやってきて、ラボメンが増えてもっと楽しくなって……。これからもずっとこんな風にやっていけるって信じてたのに」


ダル「突然、こんなことになっちゃって……」


そうか。

ダルは今初めて日常を壊されたあの感覚を体験しているのか。


俺はどうやら度重なる世界線の行き来によって感覚が麻痺してしまっていたらしい。


そうだよな。


いきなり友達だった人間がおかしくなって。

唐突にタイムリープだのリーディングシュタイナーだの訳のわからない言葉を詰めこまれて。


怯えて当たり前。


ダルにとっては今この状況が、俺よりももっともっと不安で仕方がないのだ。

ダル「……怖がらない。怯えないって決めてたんだけど」


ダル「やっぱり少し、それはあるお…………」


岡部「ダル」


ダル「?」


岡部「話した通りこの世界線では、世界が終わる。自由なんてものは消えて無くなる」

岡部「現時点でそれを止めることのできるのは、俺と鈴羽、そしてお前だけだ」

ダル「分かってるけど、さ……」


岡部「そういえば世界が終わるとしか言ってなかったな……これだけはまだ話していなかったが」


岡部「このままいくと世界を終わらせるのは、俺だ」


ダル「!?オカリンが!!?」


岡部「俺はラボメンを信じられなくなってラボを解散し、孤独の支配者になるんだそうだ。フフ」


ダル「そんな……」
岡部「ダル」





岡部「俺にそんな真似、させないでくれよ」


ダル「!…………」

岡部「俺も怖いよダル。初めてのこの世界線では何が起こるか分からない。お前と同じだ」


岡部「だが俺はラボにいたい。ずっとラボ・メンバーズのNo.001でいたい」


岡部「孤独の支配者なんかになりたくは、ない……」


ダル「オカリン」


岡部「……何だ」



ダル「行こうぜ。まゆ氏に会いに」


岡部「……ああ」



ダルの眼はもうさっきまでとは違い澄んでいた。


分かってくれている。

分かってくれて、あえて何も言わないでくれている。




俺の友達が



お前で良かった。



ダル。

フェイリスの家に向かおうとする途中、不意に携帯が鳴った。


岡部「ダル。少し待ってくれ」


ダル「把握!」


岡部「もしもし?」

鈴羽『おじ、さん?うぅッ……』


岡部「鈴羽どうした大丈夫か!?何かあったのか!?」


電話の向こうの鈴羽は苦しんでいるのか、息づかいが激しく、声に呻きが混じっていた。


岡部「まさかラウンダーが――」


鈴羽『違うよおじさん、大丈夫……それより聞いて』


岡部「そ、そうか。良かった……何だ?」



鈴羽『……椎名まゆりに、会っては、ダメ』

岡部「え?」


鈴羽『今の椎名まゆりは、危険だよ……うっ、……お、思った、以上に』


岡部「し、しかしそれでは――ここで少しでもまゆりの心の内を聞いておけば、未来に行った時作戦が円滑に」


鈴羽『ダメ、だよ。確かに不安要素はなるべく消しておきたいけど……それでもダメ』


岡部「む……分かった。落ち着いたらでいい。後で説明してくれ。では、切るぞ?」


鈴羽『おじさん』


岡部「何だ?」



鈴羽『椎名まゆりに……紅莉栖さんを、絶対接触させないで』


岡部「?どういうことだ」




岡部「……切れてる」

空港――――


紅莉栖「……ふぅ、結構あっという間だったわね」


紅莉栖「んーーっ……」


紅莉栖(ずっとパソコン使ってたから、眼が疲れた)


紅莉栖(研究所にも無理いって出てきちゃったんだし、せめて飛行機の中でくらいは仕事しなきゃね)


紅莉栖「目薬、目薬、っと……」


紅莉栖(それにしてもなんなのよ岡部のやつ)


紅莉栖(緊急事態だからすぐ帰ってきてくれだなんて……こっちはこっちで忙しいっていうのに)


紅莉栖(まぁ帰ってきちゃう私も私だけどね)

紅莉栖「これでもしくだらないことだったら、ホントに海馬に電極を……」


紅莉栖(……でも)



紅莉栖(岡部に、会える)


紅莉栖「………………はっ!?」


紅莉栖(きゃああああやばいやばい今ニヤついてた!顔完全にニヤついてた!!)


紅莉栖(別に、違うから!付き合います宣言してから初めて会うから、すごく緊張してるとか、嬉しかったりするとか、そんなんじゃないんだからね!)


紅莉栖(でも、あのときは恋人らしいことあんまりできなかったから)


紅莉栖(こ、今回はデートとか、しちゃったりして……)


紅莉栖(手とかつないじゃったり……ってまた妄想に走ってるってば!)


紅莉栖(…………)



紅莉栖(もう一回、キ、ス…………したいな)





紅莉栖(きゃあああああああああ//////)

紅莉栖(落ち着け私。落ち着け私。大事なことなので二回言いました)


紅莉栖(舞い上がってるのを気取られると、あいつを調子にのらせることになる)


紅莉栖(主導権を握るのは私!岡部じゃなくて私なの!)


紅莉栖(そこは譲らないようにしなくちゃ)


紅莉栖(でも)



紅莉栖(強引な岡部か……)



紅莉栖(…………)



紅莉栖(…………///)


紅莉栖(わ、悪くないじゃない///)



紅莉栖(いやああああ私こんなキャラじゃないのにぃぃぃぃぃ)

紅莉栖(クールな若手天才科学者で通ってるのにぃぃぃ)


紅莉栖(でもこんなスイーツ(笑)みたいな感情、私にもあったんだ……)


紅莉栖(……ちょっと自分に素直になってみるのもいいかもしれない)





紅莉栖「岡部に、……会いたい」



紅莉栖「はやく、会いたいな」

今日はここまでです!


乙ー
次回も楽しみにしてる

乙!

しかし鈴羽、それはフラグだ…

なんか、修羅場になりそう

再開

ラボ――――


岡部「まぁなんやかんやで戻ってきた訳だが」

ダル「外での用事ももう済んだしね」


ダル「スーパーで牧瀬氏用のお菓子も買い終わったし……」

岡部「…………それはいいとして」


岡部「まぁーたダイエットコーラだ。まぁぁぁたダイエットコーラだあああ!!」

ダル「ちょ、うるさい」


岡部「我がラボにあるのはドクぺだけでいいと、何回言ったら分かるのだ貴様はぁぁぁぁ!!?」


ダル「いいじゃんわざわざ家に戻って、オカリンと牧瀬氏用のドクぺ買ってきたんだし……」

ダル「てか、着くの明日じゃなかったん?」


岡部「あちらの研究所が予想外に快くOKを出してくれたらしくてな。急遽今日到着ということになった。今何時だ?」

ダル「午後9時だね」


岡部「ふむ。ならばそろそろ空港に着いている頃だろう」


ダル「あ゛あぁあぁあ~」


岡部「どうしたダル。餌が欲しいのか?」

ダル「豚じゃねーよ。いや、牧瀬氏とオカリンの濃厚な絡みをこれから見せつけられると思うと……あ゛あぁあぁああ~」

岡部「人がいるところでいちゃつく程バカップルではないわ」


ダル「ぶぉっほっ!!」


岡部「餌が欲しいのか?」

ダル「冗談きついぜオカリン……」


岡部「冗談などではない!お前のいる前ではいちゃつかないと約束しよう!」


ダル「……オカリンはそうでもなぁ~」


岡部「なんだよ」


ダル「牧瀬氏がなぁ~」

岡部「なんだよ」


ダル「リア充[ピーーー]よ!!」


岡部「なんだよ急に!!?」


ダル「あーなんか無性にイラついてきた件。一発殴らせてくれよオカリン」


岡部「はぁぁ!?お前のテンプレは壁ドンだろうが!?」


ダル「この気持ちは壁では治まらない……!!」


岡部「いや意味がわか……痛いッぃ!!!」

岡部「なぁ」


ダル「なんぞ?」


岡部「理不尽だろ」

ダル「そうでもないお?」


岡部「いや、いちゃつかないって約束したのに何で殴られなきゃならないんだよ」

ダル「僕の前で彼女の話をしたのが運の尽きだお」


岡部「振ってきたのお前だろ……」


ダル「ま、それは置いといて。牧瀬氏が来るまでに状況整理しとかん?」


岡部「ったく……だがそうだな。紅莉栖には色々と理解してもらわなければならないことがあるからな」


ダル「現在の状況だけでも僕たちがまとめておいたら、多少スムーズに事が進むんでない?」


岡部「よし。では紙にまとめてみるか」

未来――――


地下、ドーム状になった広い広い空間。

その中央の床には、大きく五ヶ所に白線が引かれている。




無論、タイムマシンのためのものだ。



そして今まさに、右端の白線の中に衛星を象ったタイムマシンが出現しようとしていた。




ラウンダー1「戻って来たようです」


???「……構えろ、ラウンダー1。出てきたら撃て」


ラウンダー1「しかし……同胞を」


???「撃て」


ラウンダー1はこの空間にいると、いつも妙に緊張するという事実を奥歯で噛みしめていた。


ラウンダー1「…………了解」



それはここが妙に広すぎるからなのか。

または白塗りの壁が病院を思わせ、無意識の不安をくすぐっているからなのか。


それとも――――、



???「使えない道具は、いらない。至極簡単な道理だろうが……」





ドームの中に、乾いた銃声が鳴り響いた。

ラウンダー1「脈、ありません。死亡しました」


???「ご苦労。ラウンダー2、3、4。タイムマシンが無事か確認しろ」


ラウンダー2「了解」


三人の男達がタイムマシンの状況を確認しにきた。


誰もたった今殺された、傍らに倒れている男には目も向けない。

もちろん命令した張本人も。


ラウンダー1は同胞だったこの男に対して短く謝罪の言葉を口にし、その場を離れた。


ラウンダー2「タイムマシン五号機、異常なし!」


???「ならばいい。ラウンダー2、3、4は死体を処理し、持ち場へ戻れ」


ラウンダー2、3、4「了解!」



三人の男たちはブリキのような表情で死体を担ぎ、ドームをあとにした。



そのあとにはラウンダー1、命令した男、そして点々とした血痕だけが残された。

???「どうした。何か不服があるかラウンダー1」


男は全く顔の筋肉を動かさない。


ラウンダー1「…………いえ。何も異常は、ありません」


???「…………フン」


???「奴は『タイムマシン前で鈴羽を待て』という俺の命令を無視したあげく、バイクを使い怪我を負った。おまけに充電用プラグを2012年に置いてきた」


???「鈴羽のタイムマシンはあと一回移動できるかどうかの瀬戸際だった。だが奴のせいで、完全と言えるまでに充電されてしまったのだ」


???「貴様に銃殺を命じた理由としては以上だ。何か不服はあるか?ラウンダー1」


ラウンダー1「……あるはずも、なし」



ラウンダー1「全ては鳳凰院様の御心の、ままに」




???「…………」



岡部(未来)「それで、いい」

今日は以上ですー



また書きます

乙ー
バレル・タイターさん死んでしもうたん?

しかし、この世界線にいる限りは岡部がディストピアを形成するのは間違いないんしょ?
……いやいや、まだハイドのほうがさっくりしていて良かったかも。
なんにせよ乙。期待してる。

再開どす

岡部(未来)「もはや世界は、我々の手中にあるといっても過言ではない」


二人はドームを出て、エレベーターで最上階へ向かっていた。

緊急時に素早く対処できるように、側近であるラウンダー1の手には自動小銃が握られている。


岡部(未来)「経済大国――――アメリカや日本、ロシアやイギリス」


岡部(未来)「みな表向きは我が組織を認めない、その存在を許さないと言っているが……」


エレベーターが止まった。

岡部は自室の扉を開けた。



その壁には、各国が友好の証として贈ってきた様々な品が延々と飾られてある。





岡部(未来)「現実は、こんなものだ」


岡部(未来)「誰もがタイムマシンを恐れている。この世界で唯一人、タイムマシンを所有する『俺』を恐れている」


ラウンダー1「それは当然でございます。時間を握った人間を、敵に回すことはできません」


岡部(未来)「ほう。貴様もそうなのか?ラウンダー1」


ラウンダー1「…………」


岡部(未来)「他の者が俺の最初の呼びかけを一笑に付す中――――貴様だけが応えたのだ。誰よりも早く」


岡部(未来)「貴様のその嗅覚は賞賛に値するぞ?」


ラウンダー1「光栄にございます」




岡部(未来)「…………世界は俺のものになる。俺のユートピアはまもなく完成するのだ。――――ただ不安要素がひとつ」







岡部(未来)「鈴羽……」

岡部(未来)「何故だ?俺は通達したはずだ。全てが終わった暁には、橋田至、牧瀬紅莉栖、橋田鈴羽、橋田由季、漆原るか、秋葉留未穂の6名を悪いようにはしないと!」


岡部(未来)「だがその一週間後に、鈴羽が跳んだ……」


ラウンダー1「その時点で彼らのタイムマシンは完成していたものと思われます」


岡部(未来)「…………俺の通達に対する、返事……」



岡部はクシャクシャになった白い小さな紙を広げた。





『待ってて。必ずあたしたちがおじさんを』







『救ってあげる。』

おかべぇ

岡部(未来)「救ってあげる……とは何だ?何から救おうとしてるんだ?」


岡部(未来)「ぅぐっ……」


ラウンダー1「鳳凰院様、お薬を」


岡部(未来)「いらん!!」


ラウンダー1「理想郷完成の前に亡くなられては困りますゆえ」


岡部(未来)「……チッ」



岡部(未来)「…………ん」


ラウンダー1「…………何故タイムマシンをこちらに戻したのですか」


岡部(未来)「…………」


ラウンダー1「私には粛正のためだけ、とは思えないのですが」


岡部(未来)「…………」


ラウンダー1「…………失礼しました。出過ぎた真似を」

岡部(未来)「…………鈴羽だけだ」


岡部(未来)「あと鈴羽だけなのだ……」


岡部(未来)「鈴羽の計画を阻止することで、全ては完成する」


岡部(未来)「お前たちでは無理なことは十分分かった」



岡部(未来)「ならば直々に……この俺が行ってやろう。鈴羽よ」


ラウンダー1「鳳凰院様自ら……!?」


岡部(未来)「そうだ」


ラウンダー1「おやめください。もし貴方の身に何かあったなら、私たちはどうすればいいのですか」

ラウンダー1「貴方に拾われて救われた人間も大勢いるのですよ?どうか考え直されて下さい……」


ラウンダー1「……橋田鈴羽は、生け捕りでなくてはダメなのですか?」




岡部(未来)「!!!」

ラウンダー1「過去で殺してしまえば、もう彼らに対抗策は……っ!」


岡部(未来)「…………」


ラウンダー1「……あ……いえ、申し訳ありません」


岡部(未来)「…………タイムマシン五号機の準備をしろ。この場で殺されたくなければな」


ラウンダー1「はっ!鳳凰院様は……」


岡部(未来)「俺は少ししてから行く。お前はついてくるな」

ラウンダー1「了解しました」




岡部(未来)「…………」

岡部は自室の壁のスイッチを押した。


すると壁がゆっくりと上がり、ちょうど扉くらいの大きさの隙間が出来あがった。


その扉に小さくしつらえられたドアノブに、彼は手をかける。




そこはファンシー、という言葉がぴったり当てはまる部屋だった。


壁も天井もやさしいピンク色で統一されており、床にはどこかで見たことのあるようなキャラクターのカーペットが敷き詰められている。


部屋の中央には巨大なお姫様ベッド。



ベッドの中にはお姫様。




そう。





ここはすっかりやつれてしまったお姫様のためのお部屋。

途中終了?

とりあえず乙

再開

岡部(未来)「まゆり……」

まゆり(未来)「…………」


虚ろな表情をしたお姫様は、岡部の声に応えない。


岡部(未来)「まゆり。俺は少し、出掛けてくるよ。大切な用事ができたから」

まゆり(未来)「…………」


春風のように優しい声。

岡部は呼びかけながら、お姫様の美しく手入れされた髪を撫でる。


お姫様は、応えない。


岡部(未来)「やっとだ、やっと……これまでの全てに終止符が打たれ、これからの全てが渦巻く波となってやってくる!!俺たちの理想郷が完成するのだ……まゆり!」


まゆり(未来)「…………」


岡部(未来)「お前も……お前も…………ッ」



お姫様は、応えない。

岡部(未来)「どんな医者もお前を治すことができなかった」

岡部(未来)「だがきっと!新しい景色が見えれば、そうすれば……お前はもう一度、心を開いてくれるはずだ」


岡部(未来)「お前の祖母のお墓に行こう。スーパーに行こう。コミケに行こう。コスプレ、も……少し嫌だがやってやる」


岡部(未来)「お前の望むところ、どこでも行こう!!お前のどんな望みでも、叶えよう!!だから、」


岡部(未来)「だからもう一度、笑ってくれ」


岡部(未来)「俺の腕に触れて、名前を呼んで、笑いかけてくれ――――」



岡部(未来)「まゆり!!!!」




まゆり(未来)「…………」

その虚ろな瞳に


   岡部は映っていない。



岡部(未来)「…………」


岡部(未来)「全てが、終われば」

岡部(未来)「また昔みたいに戻れるはずさ」


岡部(未来)「また皆で、昔みたいに笑いあえるはずさ」


岡部(未来)「鈴羽さえ、捕まえれば……」


ラウンダー1『殺した方が、いいのでは?』




岡部(未来)「できるわけないだろうが」

岡部(未来)「鈴羽は俺の恩人だぞ?」


岡部(未来)「アイツだってラボメンなんだ……。絶対に殺しはしない」



岡部(未来)「もう何もかも無駄なんだよ鈴羽。なのにお前は、何をしようとしている――――?」

2012年――――


ダル「ああ゛~」


岡部「ポテチがあるぞ。冷蔵庫にプリンもある」


ダル「うんあのさ、何でため息=餌よこせみたいになってるん?」

岡部「……違うのか?」


ダル「傷つくわーその本気で分かんないみたいな顔。……ってか牧瀬氏まだなん?あれから時間けっこう経ったけど」


岡部「確かに遅いな。助手め、どこで道草を食っているのやら」


ダル「彼氏に会う前に激カワコスメで愛されメイク♪」


岡部「スイーツ(笑)」


ダル「スイーツ(笑)」

ダル「まとめてはみたけど、大体いいのかなこんな感じで」

岡部「ふむ……助手は俺たちほど強くリーディングシュタイナーが発現していないからな。もう少しわかりやすい方が良いかもしれん」


ダル「そーさね。ちっと手を加えようか」


岡部「まぁ、話しながら説明するのならそれほど問題は無いだろう」


ダル「そう?でも暇だからなー。やっとくお」


岡部「そうか。……少し、夜風をあびてくる」


ダル「んー」







岡部「……鈴羽から連絡、は……無いな。紅莉栖からも無い」



もちろん、まゆりからも。

今日はここまで。


また書きまーす

乙!

乙です

>>207
ageんなよカス

再開!

鈴羽はまゆりに接触してはいけないと言っていた。

それは恐らくまゆりの精神状態が不安定なので、時期を見た方がいいということだろう。



だが最後の言葉は何だ?


『牧瀬紅莉栖に、椎名まゆりを接触させないで』

これはどういうことなのだろうか。


まゆりに紅莉栖を会わせると何かまずいことが起きる、とでも言うのか?




分からない。

鈴羽は俺にまゆりに接触してはいけないと言っていた。

それは恐らくまゆりの精神状態が不安定なので、時期を見た方がいいということだろう。



だが最後の言葉は何だ?


『牧瀬紅莉栖に、椎名まゆりを接触させないで』

これはどういうことなのだろうか。


まゆりに紅莉栖を会わせると何かまずいことが起きる、とでも言うのか?




分からない。

未来から鈴羽が来た。

タイムマシンで過去へ跳んだ。

ダルに全てを話した。


これらの事からダイバージェンスメータの数値は変動しているはずだ。


だが、頭痛が来ない。

世界線変動の際に発動するあの痛みが来ない。


ということは、ダイバージェンスメータはほんの少ししか動いてないのだろう。

このまま現在にとどまっていても俺のディストピア形成は揺るがない。


岡部「…………」



紅莉栖。


お前の力が必要だ。

俺たちだけじゃダメなんだ。

過去に行っても何をすれば未来が変わるか、分からないんだ。



――――どうしようもなく脆い俺を支えてくれ。



紅莉栖。

店員「ありがとうございましたー」


紅莉栖「…………」

紅莉栖(ドクペ、買っちゃった。腐るほどあるんだろうけど)


紅莉栖(まぁ何にも買っていかないよりはマシよね。……と、もう11時だ。メールくれたからいるとは思うけど、寝ちゃってるかもしれないわね)



紅莉栖(……夜道怖い)


紅莉栖(走ってこっと)

その30分前・フェイリス家――――


フェイリス「本当に大丈夫?まゆりちゃん……うちにいくらでもいてくれていいんだよ?迷惑なんかじゃないんだよ?」

まゆり「ううん、ありがとう……でもごめんね。まゆしぃ、お家に帰るよ。こんなに泊めてくれてありがとう」

フェイリス「ほんと……?うちは全然……」


まゆり「あと話とか……聴いてくれてありがとう留未穂ちゃん。なんだか色々分かんなくなってたから……。すごく嬉しかった」


フェイリス「そんなこと……」


まゆり「まゆしぃはもう、大丈夫なのです!黒木さんもありがとうございました。お世話になりました……」


黒木「いえいえ。またいつでもいらっしゃってください」

まゆり「本当にありがとう。今度お菓子、作って持ってくるね」

フェイリス「……うん。じゃあまた、メイクイーンで会おうね」

まゆり「うん!さよならー!」


フェイリス「…………」



遠ざかっていくまゆりちゃんに手を振りながら。

彼女が前を向いたのを確認して、私は自分の涙を拭う。


どうしてかなぁ。

どうしてかなぁ。


まゆりちゃんの話、いっぱい聴いた。

まゆりちゃんの手を握って、慰めた。

泣いているまゆりちゃんに、タオルを渡した。


なのにどうしてまゆりちゃんの瞳はあんなに真っ黒なのかなぁ。

どうしてまゆりちゃんのくまは来たときより深くなってるのかなぁ。



フェイリス「黒木……」

黒木「……?」


フェイリス「私……何にもできなかった。友達なのに、何にもできなかったよ……!」


黒木「…………」



赤い目元に、優しいハンカチがあてがわれた。

路地――――


紅莉栖「……ふぅ」

紅莉栖(疲れたから岡部の分のドクペちょっと飲んじゃった)


紅莉栖(まぁいっか……はっ)


紅莉栖(これを岡部が飲むってことは、か、か、)


紅莉栖(…………か)

紅莉栖(きゃああああああああ///)ダダダダ

路地――――



まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ

路地――――



紅莉栖(きゃああああああああ///)


紅莉栖(きゃあああああ……っ)



ドンッ

紅莉栖「いたたた……あっごめんなさい。大丈夫ですか?」

鈴羽「!!」


鈴羽(紅莉栖さんっ……)


鈴羽(前方からは……ッ)


鈴羽(椎名……まゆり!!?)


鈴羽「くっ!」ガシッ

紅莉栖「きゃっ!?」


鈴羽(隠れなきゃっ裏路地へ……ッ)


鈴羽(急げ……急げッ!!)





まゆり「…………」ザッザッ

まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ





まゆり「…………」ピタ



まゆり「…………」


まゆり「…………」



まゆり「…………」ザッザッ


まゆり「…………」ザッザッ

鈴羽「はー……はーっ……!」


鈴羽(頭が……痛い!)


紅莉栖「あ、あの……大丈夫ですか?」

鈴羽「ラボ……」


紅莉栖「え?」


鈴羽「早くラボへいって。岡部倫太郎がアナタを必要としてる」

紅莉栖「何で岡部のことを……」


鈴羽「いって!」


紅莉栖「!は、はい」



鈴羽「……ふ……ぅ」

鈴羽「椎名まゆり……」

ラボ前の階段――――


紅莉栖「…………あっ」


紅莉栖「岡部!」


岡部「……紅莉栖」

紅莉栖「待っててくれてたの……わっ」

岡部「…………」グッ


紅莉栖「……どうしたの?」


岡部「……」


紅莉栖「……顔、見せて」


紅莉栖「…………疲れてる。ったく……」


岡部「?」


紅莉栖「ほら!これ飲んで元気出せ!」

岡部「ドクペ……」

紅莉栖「ね?」


岡部「……ああ」


岡部「ありがとう」

岡部「フゥーハッハッハッ鳳凰院凶真、復・活!」

紅莉栖「うるさい!ご近所に迷惑だろ!」

岡部「む……助手の分際で、」

紅莉栖「…………」

岡部「あ、すいません」



紅莉栖「それで?私を呼んだ理由は?」

岡部「……話せば長くなる。とりあえずラボに入ろう」


紅莉栖「そうね」


岡部「…………紅莉栖」


紅莉栖「ん?」






岡部「俺の話を、信じてくれるか?」


紅莉栖「…………」





紅莉栖「あんたが信じろって言うんだったら……」




紅莉栖「信じる」




岡部「……そうか」

岡部「そうか」

今日はここまでです!


ありがとうございました!


いやー楽しいですねぇーぃ。

乙!


ハラハラする

まゆりぃ……。とりあえず乙! 期待してる。

まだか

最近、シュタゲSSあまり見ないんだよな……。
時間かけてもいいから、完結させてくれ。放置とかマジ勘弁

追いついた
なんなんだろうこのハラハラ感

少し待ってください必ずきちんと終わらせます

>>1か?
おk待ってる

俺も待ってるぞー!

期待してる。頑張ってくれ

追いついた
おもしれええええええ

SG世界線って、大分岐の干渉を受けないんじゃないっけ。

一気に読んだ。おもしれぇ。
1がんばれ

       _
     /  λ

     ~~~~  
    / ´・ω・)      
 _, ‐'´  \  / `ー、_   
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ

{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ

\ヽ、   ー / ー  〉
  \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-/

再開!

ラボ――――


紅莉栖「ハロー。橋田」

ダル「おぉー牧瀬氏ー!久しぶりー……でもない件」

紅莉栖「こないだ会ったばっかりよ。まったく……研究所にも迷惑かけてきたんだから、下らない用事だったらホント、ぶっとば……」


ダル「そうそう!今回呼んだのはさ、この新しい未来ガジェット開発のためなんだけど」


そう言ってダルはおもむろに割り箸を取り出した。

紅莉栖「へ?」


ダル「うん、今回のは上手くいけば商品化も夢じゃないお!聞きたい?しょうがないなー、驚異の未来ガジェット!その名も『一刀両断!チョップスティックver……」



紅莉栖「は、橋田ああぁあぁぁ!!!!」

岡部「くくっダル、その辺にしておけ」


紅莉栖「えっ?」カシャッ


ダル「うほー!牧瀬氏のキョトン顔いただきましたぁン!これで勝つる!」


紅莉栖「は、橋田……」


ダル「反省はしている、後悔はしていない。でもまぁ、肩の力は抜けたっしょ」


紅莉栖「アンタねぇ……!ふざけるのもいい加減にっ…………?」


そこで紅莉栖は気付く。

ダルの眼光が、真剣なそれに切り替わっていることに。


ダル「牧瀬氏、今から大事な話をする」

ダル「だからどうか、リラックスして聞いてほしい。僕たちの話を、熱くならずに聞いてほしい」


ダル「君の力が必要なんだ」


紅莉栖「え…………?」

俺とダルは長い長い話を始めた。


内容が内容なだけに、なるべく分かりやすく、誤解が生まれないようにゆっくりと説明する。


紅莉栖は相づちを入れたり、たまに息を飲んだりをしながらも、黙って俺たちの話を聴いてくれた。

だがこの世界線の未来を話した時だけは、すかさず声を上げた。



紅莉栖「そんなはずない!」


ダル「……気持ちは分かるぜ牧瀬氏。オカリンが世界征服なんて、そんなこと……正直想像つかん。けど事実なんだ」


紅莉栖「いや、岡部はそんなことしないわ!確かに厨二病だけどヘタレだし、度胸も無いし!」


岡部「おい……」


紅莉栖「良く分からない……良く分からないけど絶対無いわよ!そんな人間じゃない!」

『良く分からない』。

一般人にとっては良く目にする言葉であるし、汎用性が高いため幅広い年代層に使用される。

単純にそのままの意味で使える、更に後ろめたいことをごまかす時に真価を発揮する、非常に便利な言葉である。



しかし、彼女は違う。

牧瀬紅莉栖という少女は、ごまかしも理解不能も許さない。

そんな曖昧な言葉など彼女にとっては忌むべき存在だろう。



その紅莉栖が、『良く分からない』を使った。


未来のことなど未来人の話を真実として受け入れるほかないのに、しなかった。



・・・・・・・・・・・・・
そうまでして、認めなかった。


・・・・・・・・・・・・
岡部倫太郎を信じたかった。



正直俺は、鈴羽に自分の未来を話された時酷く傷ついた。


胃が雑巾を絞るように締め付けられるのが分かり、吐き気がした。



自分の未来なんて知りたくないのに。

しかもそれが闇の支配者?


最低だ。


最悪だ。


だが受け入れた。

鈴羽の眼を見ればそれが真実かどうかなど判断するまでも無かった。


そしてダルに話した。

ダルも俺の眼を見てすぐにそれを受け入れた。



しかし。



紅莉栖は、ダルの話を受け入れない。

ダルが嘘をついていないということは、三歳児でも分かるだろう。


それでも彼女は受け入れない。





俺をそんな人間ではないと信じているから!!


紅莉栖「えーっと、その……ほら、岡部ってビビりだし」



――――泣きそうになる。



紅莉栖「でっかい事口にするくせに、いざとなったら逃げるし」



――――どう考えたって、反論する材料が少なすぎる。



紅莉栖「カリスマだって……そりゃちょっとはあるけど、大人数の中じゃきっと埋没するわ!」



――――それでも必死に俺を庇おうとしてくれる彼女に。



紅莉栖「ほ、ほら!統率力も無いし、成績もそこまで良くないし、友達も少ないから!」



――――俺を悪者にしないように、がんばってくれる彼女に。



紅莉栖「だ、から、無理なの。無理なのよぉ……」



――――本当は庇ってほしかったんだな。

――――お前はそんなことするはず無いって、誰かに言ってほしかったんだな。


――――……お前が言ってくれた。だから




岡部「もういいんだ紅莉栖……」



俺は紅莉栖の肩に、後ろからそっと手を置いた。

岡部「もういい。ありがとう」


紅莉栖「岡部……」

岡部「…………」


ダル「オカリン。すまん。本当に……」


ダルが俺に向かって頭を下げる。


岡部「気にするなダル。誰も悪くない。誰も悪くないんだ。運命なんだ」


岡部「俺たちは運命を打ち砕くんだ。そうだろう?」


紅莉栖「…………」


岡部「…………」フゥ


岡部「フゥーハッハッハァァ!!!!いつまでしょげているのだぁ助手よぉ!!そんなことでこの鳳凰院凶真をアシストできると思っているのくぅあ!!んん!?」


紅莉栖「じ、……私はアンタの助手じゃないってあれほど、」


ダル「未来の海賊王のクルーがよ……そんな顔すんじゃねぇ!」


紅莉栖「黙れ!!」

岡部「うーわ。見ろダル、泣いてるぞ。この助手、ちょっと泣いているぞ」


ダル「感情が昂りすぎちゃって泣けてくるアタシ。スイーツ(笑)」


岡部「スイーツ(笑)」


紅莉栖「……前言撤回。アンタなんか魔王でも世界の支配者でも何でもなっちゃいなさいよぉ!!」


岡部「魔王……?橋田二等兵、この娘は何の話をしているんだ?」


ダル「はっ!岡部大佐、牧瀬四等兵は『世界の支配者でも何でも』だけだと勢いが足りないので、最初に『魔王』とつけることでセリフに躍動感を増長させたものと推測されます!」


紅莉栖「ちょ、冷静に分析しないで。何か恥ずかしいから」

岡部「流石だな橋田二等兵。だが何かムカつくから降格だ」

ダル「ありがとござっ……え!?」

時計の針が、日にちが変わったことを示した。


岡部「こんなところか……」


ダル「そだね。だいたい話尽くした」


紅莉栖「……」


岡部「さて話も終わったところで、天才科学者牧瀬紅莉栖の御考察をお聞かせ願いたいところだが……少々時間が過ぎているな」


ダル「もう十二時回っちゃってる件」


紅莉栖「……橋田。その白い紙は何?」

ダル「あ、これ?牧瀬氏に渡すつもりで書いたやつ。ほい」

紅莉栖「ん……これ持って帰ってもいい?」


ダル「勿論。そのつもりで作ったんだお」


岡部「では、帰るとするか。鈴羽が来るかもしれんな、ラボは開けておこう」


ダル「えっ」


岡部「取られても大したものは無いしな」


ダル「エロゲが……」


岡部「無いしな」


ダル「エロ……」

岡部「とられるのが嫌なら持って帰るがいい」


ダル「ビジュアル的にOUTでしょ」


岡部「真夜中に エロゲを抱え 歩く[ピザ] その様まさに 犯罪者かな」


ダル「一首詠むな。つーか、マジでどうしよう」


岡部「こんなボロい建物に入る泥棒などおらん!」


紅莉栖「…………」


岡部「紅莉栖、出るぞ」


紅莉栖「あ、うん。……」


ダル「やっぱ持って……いやでも」


岡部「捕まるのがオチだぞ?」


ダル「なんかカバン的なもの無い?」


岡部「無い。」



ダル「……その右手に持ってんの何」


岡部「カバン」

岡部「やーめーろって。入れようとするな!」


ダル「ちょっとだけ!ね、先っちょだけでいいから」


岡部「キモい。というかカバンにエロゲなんぞ入れたくないのだ。俺は」


ダル「頼むよオカえも~ん」


岡部「ダメだよジャイアン」


ダル「そこはのび太だろ常考……」



紅莉栖「…………」


岡部「……紅莉栖?」

紅莉栖「え?あ、ああ、出るわ」


岡部「…………?」

ダル「うー!寒くなってきたおー」


岡部「半袖だからだろ……。少しは世の中と同調しろ」


ダル「んじゃ、明日同じ時間くらいに来るお」


岡部「ああ」


ダル「じゃあオカリン牧瀬氏、また明日」


岡部「ああ。じゃあな」


紅莉栖「バイ、橋田」



ダルは足早にこの通りから去っていった。




岡部「送ろう」


紅莉栖「えっ……う、うん」

岡部「悪かったな。無理を言って呼んでしまって」


紅莉栖「気にしないで。こんなことになってるなんて……全然知らなかったから」

岡部「研究所の方々には何か言われなかったか?」


紅莉栖「すんなりOKくれた。事前にその……」


岡部「?」


紅莉栖「か、彼氏が出来たって話……、してたの。だから」

岡部「……ふふっ。何やら恥ずかしいな」


紅莉栖「ほら、私いっつもムスッとしてるじゃない?研究所だともっとひどいの。でもその話をしてる時だけは、表情が明るいなって言われた……」


岡部「……」





どちらからともなく、



きゅっ、と手が結ばれる。



お互いの存在を、確認しあうかのように。

紅莉栖のマンションへと歩く間、俺たちは他愛も無いことを話し続けた。


紅莉栖のアメリカでの話。

俺の日本での話。


紅莉栖が気を遣ってくれたのか、タイムマシンとかディストピアなどと言う単語は道中一度も出てこなかった。


それがまた、嬉しかった。



お互い口下手のくせに、なぜ二人だとこうも饒舌に話せるのだろう。

意識しなくとも話題が浮かび上がってくるのだろう。



束の間の静寂の中でそんなことを考えているうちに、紅莉栖のマンションに到着してしまった。

岡部「む、案外早かったな」


紅莉栖「うん」


岡部「では明日は来る前に連絡をくれ。俺たちは多分朝からラボにいると思うが、一応な」


紅莉栖「分かった」

岡部「それと明日は、紅莉栖の考えを聞かせてもらいたい……がそんなに気構える必要は無い。思いついたこと、気が付いたことを遠慮なく言ってくれ」


紅莉栖「うん……」


岡部「ではまた明日な。風邪をひかぬように! さらばだ……っ」


颯爽と去ろうとしたのだが、白衣の袖口を引っ張られてなんだか間抜けな姿になった。


岡部「おい……せっかく」


紅莉栖「きょ、今日はダメ」


岡部「ん?」


紅莉栖「今日はダメ……」



見ると耳を真っ赤にして顔を伏せている紅莉栖の姿があった。


紅莉栖「今日は、ダメなの……帰っちゃ」

岡部「……お、」




紅莉栖「一緒に来て……、…………泊まって!」



岡部「む……!?」



耳以上に真っ赤な顔+上目遣い。




…………反則だ。

おいおいラノベの主人公かよオカリィィン!


今日はここまでです!ありがとうございました!

待ってるぞ

おつ

ジャイアンで笑ってしまった

歩くピザw

ラノベ?エロゲの主人公の間違いだろ

sagaいれないとwwww
歩くピザで吹いたじゃねーかwwww
これ、本当にどうなるんだ

まぁ歩く[ピザ]でも歩くピザでも意味合いは変わらないし…

ミスったわ俺もsaga入れないでどうする
歩くデブね連投失礼

>>263
まぁ歩く[ピザ]でも歩くピザでも意味合いは変わらないし…

ワロタ

            ト、,イ. . -───-. . .

           . :´: : : : : : : : : : : : : : : :`: .
           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
          /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ミ、__
       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .´

       .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
       .: : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ : : : :ト、:、
      ,': : : : // : : : /: 斗: : : : : : : ト、: : : : : ヽ: : : . \
     ,': : : ://: : : : /:/´ ヽ|ヽ: : : ト |- ヽ:l : : : |: : : ヽ

      /: : : :イ: : : /レ,ィ示ヾ   \l ネ圷、リ\: :|: : : : :\
   ∠イ: : : :l : : ∧イ弋cツ     代少 ゝ∧:!: : : : : : :ヽ  >>1 とぅっとぅる~♪ 乙なのです。
    ノ: : : : : :レ': : : \ ´            ` ノ': :リ: : : : : : : : >
  /: : : : : : : :ヘ: : : : T`     '       ハ: N: : : ト─‐´
   ̄ ̄∠ イ: : : ヽト :ゝ、   、_,   .イ: :V: : : : :ヽ

        レ' レ'И: : !l´ ̄ー─ ̄`l: :ト、|ヽ| ̄ ̄`
            ノ`Y´|  r─‐、_(ヽΝ
       ___ j ヽ ゝ!  ⊆ニニ、`ヽY─--  __
     / ヽヽ: f \ jー'|  \ヽ--'   ヽ : : : : : : ://⌒ヽ
    /     Vく ヽ_ァ' !_ (ヽニ     V : : : : //    ヽ
.    ′    V:\─' ノ´|r=ニー-、       V: : //      !
    |     :.. V: :ト   |: : : : : : : :7、_    V// /      |
    |     :::. {ヽ:!    |ヽ: : : : : / : : |    V .:      │
    |     :::.ヽ |    l: : ヽ: : :/ : : : :.    V:::       |
    |      .::::| │   ト: : : ∨: : : /|     ',       |

面白すぎる

>>267
キターー!! って思ったではないか。
名前じゃなく、E-mailのところにsageてくれ。

再開

ホテル六階――――

エレベーターの、ドアが閉まる。



岡部「…………」


紅莉栖「何ぼーっと突っ立ってんのよ。さくさく歩く」


岡部「う、うむ」


先程の恥じらった様子は何だったのか。


紅莉栖はいつものさばさばした調子に戻り、俺の背中を押してきた。


くそっ。

少したじろいだ俺がバカみたいではないか。

助手め。



岡部「じゃ……邪魔するぞ」


紅莉栖「ん。……あああ待って!!ちょっと片付けるからまだ入るな!」


岡部「ぬおう!」


襟を掴まれて引き戻される。


何だというのだ!

紅莉栖「どーぞ。コーヒーで良かった?」

岡部「ああ、ありがとう」


俺は一口、コーヒーをすする。



岡部「いい眺めだな、此処は」


紅莉栖「そう?」


岡部「ああ。秋葉原が一望できる」


紅莉栖もコーヒーを片手に、テーブルに着いた。



紅莉栖「私はたまに夢に見るくらいしか出来ないけど、岡部は体験してきたのよね」


紅莉栖「この秋葉原で――――何度も何度も。」


岡部「…………」




紅莉栖「……辛かった?」


岡部「…………」



岡部「…………そうだな」

岡部「楽しかったな、最初は。俺とダルとまゆりで、他愛もない日々を過ごして……そしてお前と出会って」


岡部「最初のお前というのが……また生意気なのだこれが!」

紅莉栖「は、はぁっ?そんなこと言われたって分かんないわよ!」


岡部「タイムマシン議論で一戦交えて俺をことごとく論破し最後に『ね、鳳凰院さん?』ってああああ思い返すと腹が立ってきたぁぁぁぁ!!!!」


紅莉栖「それただの負け惜しみじゃない!!」


岡部「そんなこんなでお前はラボメンになったのだ。仮、だがな!」


紅莉栖「仮?」


岡部「我がラボに所属するメンバーには人間的に成熟した精神が必要なのであってだな……」


紅莉栖「日本に短期滞在だったから、とかでしょ理由は」


岡部「む……そうともいうな」

って、本当にキター!!

岡部「それでだな……」

紅莉栖「うん」


岡部「Dメールが出来て……」


紅莉栖「うん」


岡部「たくさんラボメンが集まってきて……」


紅莉栖「うん」


岡部「実験…………してだな…………」


紅莉栖「うん」


岡部「…………」



岡部「………………………………………………………………」


紅莉栖「…………」


岡部「…………まゆりが……………………死んで…………だな……………………」


紅莉栖「うん」


岡部「…………何度も、助けようとして…………だな…………」


紅莉栖「うん」


岡部「…………でも、無理で…………お前に助けてもらって…………だな…………」


紅莉栖「うん」


岡部「…………みん、なの想い…………踏みにじって、だな…………」


紅莉栖「うん」


岡部「…………………………………………」


岡部「…………っ」




岡部「殺……っ…………っっっ……………………ぐッぅ」



紅莉栖「…………ほら」











紅莉栖「やっぱり、辛かったんじゃない」

紅莉栖「がんばったんだよね。たった独りで世界線を越えて、ここまで来たんだよね」


岡部「……違う……助けてもらったんだ…………」


紅莉栖「そうね。でも心の底では思っていたはずよ。胸の中にある全ての悲しみも苦しみも、共有出来ない。皆には記憶が無いから。起こったことを、誰も知らないから」


岡部「…………う…………」


紅莉栖「私には記憶は無いけど、今の岡部を見ればどれだけ苦しい想いをしてきたかが分かる。孤独の観測者…………その本当の意味が分かるわ」


岡部「……………………」


紅莉栖「岡部…………」



紅莉栖「がんばったね、岡部。……がんばったね…………」ギュッ



岡部「…………………う…ぅ………」








岡部「……………………」ギュッ






それでも彼は泣きませんでした。


私には、彼を心の底から労ってあげることはできませんでした。


だけど、それは仕方がないこと。


なぜなら私には不可能だからです。


今の私には、不可能だからです。




紅莉栖「岡部、眠ったの……?」


岡部「…………すー…………すー…………」


紅莉栖「……ふふふ」ギュ



彼がたくさん辛いことを経験したのは分かります。


だからこそ、それを癒してあげられないことが、本当に悲しい。


悔しいけれど、私には出来ないのです。



そして、





――――まゆり。

全てを知って、理解りました。


あなたが一番苦しんでいるのは、死んだことでも、殺されたことでも、その記憶でもない。


私と岡部が結ばれたことだったんですね。


気付かなかった私をどうか許して。


気付いていたとしても岡部を欲してしまう私を――――どうか許して。



きっと今も苦しんでいるのでしょう。まゆり。


記憶と事実が相まって、あなたの心を黒く濁しているのでしょう。



皆苦しんでいる。





この世界線では、





誰も 幸せ に なれない 。

岡部「……んぅ………………」


紅莉栖「!…………」


岡部「……ん……すぅ…………」




ごめんね。


岡部。


ここがゴールじゃなくて。


やっと幸せになれると思ったのにね。


ダメみたい。


この世界線の牧瀬紅莉栖じゃ、あなたを幸せにできないみたい。


こんなに愛してるのにね。


こんなに支えてあげたいって思ってるのにね。




岡部「…………すー…………すー」


紅莉栖「あったかい……」




この温もりを感じるのは、今日が最後。

最初で最後。




――――私はあなたを愛しても辛いだけ。

――――あなたは私に愛されても辛いだけ。




だから私は、


決して表面には出さないけれど。


決してあなたに悟らせないけれど。







あなたを愛することを、やめます。





あなたを愛しているから。

岡部「…………すぅ…………」




紅莉栖「ごめ…………っ岡部…………」

紅莉栖「…………ッ肩……濡らすね…………っ……うっ……ッ……」ギュゥゥ





もしもいるのなら、神様。


ソースとか証明とか……生意気なこと言わないから。



今だけは。



朝が来るのを、遅らせて。



私が愛するこの人を。

明日からは、もう愛せないこの人を。




ずっと感じていたいから。











だからお願い。





今だけは…………。

今日はここまでです!


ありがとうございました!

連投スマソ
書く前に書きこんでしまった。
ちょっと真面目に気になる! 期待です。

期待

最近、シュタゲSS見なくなったよなあ。

なんにせよ、乙

               ___,--:''''''''''''''''''''';;;;;;--r-''''---,,,__
            __,-''''    ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:     \
          _/ _/ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:    ;:;:;:;:ヽ、_,

         /  /  ;:;:;:;:;:;:;:;:   ;:;:;:;:;:;:;:     ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ
        /  / /;:;:;:;:;:    ;:;:;:;:  |      ;:;:\;:;:\  \
       /  /  /;:;:;:;:;:    ;:;:;:;: _  /^ミ    ;:;:;:;:;:;:ヽ ヾ   ヽ_
      |  /  /;:;:;:;: /     / |  | ヽ ヾ ヽ  ;:;:;:;:;:\ ヾ  |
      /  | /  // _/ /  / /  | ヾ ヾ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヾ;:;:ヾ ヽ
     / / /  丿,:::  /  /  /_/   |  ヾ \;:;:\_;:;:;:;:|;:;:;:|  |
     | | |   |  | | / //      | 川ミ_ ;;;;;;;;;__,,,,---______ ヽ
    / / / / |  / | //;;;;     ;;;;;;;;;;;;;;;ヾ ヾ-;;______ニ二>||;;;|∧ヽ
  //| | ||| | |  |  | |;;;;:::::;;;    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾヾ   |  |  |  |ヾ \__
/_,,-'| | | 川 川 ヾ ヾ;;;;;;;;;;;'''''''''   ;;;;;;;;三三,_  \\ |  |  ノ |||川''''---''

   | | ヾ |||| ヾ ヾ'ニテ''''¨ミ|;;,,,   :::::::::フ-''''''-ヽ   ヾヾヾ|||;:;:;:;:;:||;:;:||ヾ
   | | |川|||| |川 ;;'(,(,,  ),::::::   ;;; ヾ(  )ヾ    ''||||;:;:|;:;:;:;:;:||;:;:|| ヽヽ_ お前を見ているぞ。
   | | | ヾヽ | ,,,,::::::'';;;;;;;;;;;;;;;;    ヾ   '''''''      |||;:|;:;:|;:;:;:;:||| || \ '--,,
   | | | ||||ヾ|| :::::::,,,,;;;'''''' ::/     ヾ、          | |;:;:;:|;:;:;:;:||;:;:;:;:|;:;:;:;:'-ニ''
 _ || || | || |ヾ        ゙-'''--'''''-'''         //|;:;:;:|;:;:;:;:||;:;:|||;:;:へ,,,,;;;;

ミミニ,川|| | || |     :::::...;;:::::              -'''-''';:|;:;:;:|;:;:;:;:||;:;:||  |
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  ) ) ヾヾヾ  |、  :::::::::::ニニ三;--ニニ--          ///;:;:/;:/;:;:// )  )
、__川||ヾヾ\ ヾヽ_ ;;;;;;;;;;; ''''-;;;____,,,,,;;''''         ///;://;:;:||;:;:||;:;:;:)
ヾニニ彡川,ヾヾ_,,ヽ '-..,,_ ....;;;;''''         ;:;:;:;:;:;:;:/(;:て;:;:|;:;:;:;:ヾ;:;:(;:;:;:')
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>>287
びっくりした…

>>288
岡部はもっとびっくりしただろうな…

ここのスレやけにAAが多い希ガス

まだですか

期待して待ってる

マダー?

お前を見ているぞ

まだか

追いついた。
期待して待っているぞ

じきに放置二ヶ月になるぞ。
気長に待つつもりだったが、せめて生存報告入れてくれ

>>1です。


私情により、3月まで続きを書けません。

ふざけんなと思う方はどうぞ罵ってもらって構いません。本当にぼくの勝手な事情です。


それでも続きを待ってくださる方がいらっしゃったら、たとえいらっしゃらなくても、このSSは必ず完結させます。


迷惑かけてごめんなさい。

おうよ、いくらでも待つさ!楽しみだからな
だが、生存報告は忘れずにな。





おまえをみているぞ

再開するそのときまで

まぁ月一で生存報告してくれれば。

待ってます

待ってるよ~

すみません>>1です


今チャンスなんで久々に更新させてください


再開

来たか!!

紅莉栖「起きろー!」


岡部「んぐぁっ」


突然頭に衝撃が走り、俺はベッドから転げ落ちた。


岡部「ぬぐぉぉ! クリスティィィーンナッッ!! 貴様、助手の分際でよくも主であるこの俺を……!」


紅莉栖「ティーナを付けるな!もう九時なんだからさっさと支度しろ!」


岡部「く、九時……?」


俺はどうやら寝過ぎてしまったようだ。


岡部「だからといって頭を蹴るな!」


紅莉栖「あーら狂気のマッドサイエンティストさんは蹴られたくらいで脳細胞が死滅しちゃう、軟弱きわまりない頭脳の持ち主だったの?」

岡部「ぐぐぐ……!」




俺は捨て台詞を吐くこともできず、とりあえずシャワーを浴びた。




最近は大人しくなり正直その…………可愛い、と思っていた矢先にこれだ。


あんなやりとりでは結ばれる前となんら変わらんではないか。



アメリカではふざけてクリスティーナと呼ぶと、




「名前で呼んでよ……」



と瞳をうるうるさせていた。


あの時は心動かされたあまりキャラを保てなくなり、




「うん!」




と素に戻って答えてしまった。


…………失態だ。



岡部「ふう、悪いなシャワーまで貸してもらって」


紅莉栖「はい。朝ごはん」



岡部「ウィダーってお前……もっと色気のある朝食はないのか?」


紅莉栖「いいからさっさといくわよ。橋田がラボで待ってるだろうし」


岡部「それもそうか。んぐ……ぷはっ、ではいくぞぉ!俺についてこい紅莉栖!!」


紅莉栖「鍵閉めるわよー」


岡部「おいっ、待て!」

ラボの入口――――


岡部「……ダル」


ダル「なんぞ?」


岡部「一応聞いておこう。…………お前は何をやっているのだ?」


ダル「監視カメラのとりつけ」


岡部「お前、頭がバカなのか?」


ダル「冗談キツいぜオカリン……。これは全て……オカリンのせいなのだぜ?」


紅莉栖「私、先に入ってるから」


岡部「ああ。……良く聞こえなかった。もう一度言ってくれダル」


ダル「……昨日の帰り、エロゲ」


岡部「だからそれはお前があんなに持って帰ろうとするからだろうが!?」



ダル「甘ぇ、甘すぎるぜっ……金平糖かよてめえはっ、OKARYYYYYYYYYYYYNッッッ!!??」

岡部「お前がエロゲ持ち帰って恥ずかしかった、それだけだろう」


ダル「それだけならわざわざビックカメラで6900円も払ったりしないお」



岡部「意外と安いな」


ダル「ただのビデオカメラだからね」



岡部「分かった。では何があったのか話してみろ。謝るかどうかはそれから決める」


ダル「…………」



岡部「…………」



ダル「……に……れた」


岡部「んん?聞こえんぞぉ?」


ダル「ニヤニヤすんなお」


岡部「む……よし。いいぞ」


ダル「…………」


岡部「…………」


ダル「…………された」


岡部「ん?」




ダル「…………警察に職務質問された」

岡部「…………」


ダル「…………」


岡部「…………ぷっ」


ダル「ふんっ!」


岡部「痛っ!何でだよ!?」


ダル「僕がどれだけ情けない思いをしたか……」


岡部「待て、おかしいぞ!?俺何にも悪くないだろ!ただお前の風貌が犯罪者チックだったというだけの話……痛ッ!!ホントに痛い!やめろ!」


ダル「分かるか!?嫁を家に連れてかえっている時に警察に呼ばれる、僕の気持ちがぁっ」


岡部「知るか!」


ダル「だから決意したよ……ラボを絶対安全な、エロゲの砦とする事をなぁぁぁ!!」


岡部「迷惑だ……すごく迷惑だ……」

岡部「そういえば、鈴羽はラボにいなかったか?」


ダル「僕が来たときにはいなかったけど」

岡部「そうか……」

ダル「つかオカリン、なんか肩濡れてない?」


岡部「む?……確かに濡れてるな」


ダル「…………ッ」

岡部「どうした?」

ダル「まさか、これは…………牧瀬氏の、マnぐァァァッ!!」ドゴロシャボキャアアアア


紅莉栖「こ、こ…………このHENTAIッッ!!」


ダル「」



岡部「いくぞ、ダルよ。 円卓会議の始まりだぁ!フゥーハッハッハッハァ!!!!」



ダル「」

紅莉栖「じゃ、始めるわよ!」


岡部「待て」


紅莉栖「何よ」


岡部「なぜお前が仕切るのだ?」


紅莉栖「あんたたち、私の力が必要でアメリカから引っ張ってきたんじゃなかったかしら? じゃあ、私が仕切るのが当然じゃない」


岡部「そんなことは関係ぬぁぁぁい!!いつ何時であろうとラボを仕切るのはこの俺!鳳凰院凶真なのだぁぁぁ!!」


紅莉栖「なによその非論理的な言い分!」

岡部「覚えておけ、マッドサイエンティストは常識を超えた存在だ!」



紅莉栖「……帰るわよ!?」


岡部「帰るな!」


紅莉栖「えっ……」

岡部「お前の力が必要なんだ」


紅莉栖「……最初から素直にそう言いなさいよ…………。しょうがないわね、仕切らせてあげる」

岡部「ふっ」





ダル「」

栗ご飯チョロすぎワロリンヌwwwwwww

岡部「議題は無論まゆり、そして未来改変についてだ」


岡部「紅莉栖、昨日ここに来る前にまゆりに会ったか?」


紅莉栖「会ってないけど……変な女の子に押し倒された」


岡部「……鈴羽か?」


ダル「だろうね」


岡部「おそらくその娘が鈴羽だ、紅莉栖」


紅莉栖「あの、昨日橋田の娘って言ってた……」


ダル「そうだお」


紅莉栖「……私が二人の話を信じきれない原因は、そこにあるのかもしれないわ」


ダル「え?」


紅莉栖「だって橋田が結婚するって……そんな未来あるはずが……」


ダル「…………岡部。何笑ってる」


岡部「っ……っ……すいません、……橋田さん。っ」

紅莉栖「なんだか、すごく苦しそうだった」


岡部「……電話をかけてみる」





岡部「…………出ない、か」


ダル「…………」


岡部「心配するなダル。あいつは俺を何度も救ってくれた……そんなにヤワな女ではない。なんといっても、戦士だからな」


ダル「……うん」


ダルはふと微笑んで軽く縦に頭を振った。


紅莉栖「……あの、ごめんなさい、橋田」


ダル「気にすんなよ牧瀬氏。牧瀬氏はあんまり記憶戻ってないんだから当たり前だお」




ダル「…………いや」



ダル「戻らなくていい」



ダル「これ以上誰も苦しんで欲しくない」


ダル「僕たちだけで充分…………そうだよな、オカリン?」


オカリン「……その通りだ、ダル」

ダル「さ、会議の途中に遠慮なくエロゲをやるおー!ついでに監視カメラ、スイッチオーン!」


ダルが一転して明るい表情でパソコンの電源をつける。


俺たちは、解っている。


少しでも油断すればすぐに負の雰囲気に飲み込まれてしまうことを。


だから必要以上にふざける。


ふざけて笑う。



下を向いていても、誰も救えないから。



ダル「…………」



ダル「オカリーン」


ダルがこちらを向いた。

表情は少し堅い。



岡部「なんだ、エロゲをするのではなかったのか」


ダル「いやー持ってくるの忘れちゃったおー」


なんだかわざとらしい。


紅莉栖「橋田……?どうしたの?」


紅莉栖もダルの不自然さを感じとったらしい。

ダル「ちょっとこっち来てよ二人とも」

声は明るいが、相変わらず表情は堅い。

不審に思ったのか紅莉栖がパソコンに近づいた。

画面には監視カメラの映像が写し出されているようだ。



紅莉栖「なによ…………ッ…………」


紅莉栖が息をのむ。


岡部「なんだ、どうした……?」



ダル「オカリンもこいよー!」


俺は立ち上がり、パソコンの前にいる二人の間から、画面を見た。









画面には












ラボのドアにはりつく




















まゆり。

以上です!



間は空きますがまた書きます!


ありがとうございました!

こええええ
乙!
次も楽しみに待ってる!

このまゆりがまっちょしぃになったら大変だな…

追いついた!続き楽しみにしてる。
まゆしぃコワすぎワロタww

乙!

((((;゜Д゜)))

乙ー
いやまゆり怖すぎんだろw

追い付いたー
途中までダルゆがみねぇwwwwwwとか油断してたらまゆりェ……

ここそろそろ落ちるんじゃね?

もう一月ある!……あるから!

>>1です。


三月まで落とさないでいただきたいです。

みてるよー

待ってる

期待して待ってる

お前を見ているぞ

シュタゲssはやっぱおもろいなあ

保守

執念まゆしぃ

髣?∪繧?@縺?°

ほしゅ

ほしゅ

期待して待つ

トゥットゥルー♪だヨ

待ってます

追いついた!もうそろそろ3月か…

明日から3月だな

>>1です。

3月になったので書き込みを再開します。

ですが携帯を変え、スマートフォンからでは書き込みが出来なくなってパソコンからなので少し投下速度が落ちますごめんなさい。

おk待ってる

再開

岡部「ま・・・ゆ、り・・・」


なんだ、その眼は・・・?

人はいったい何日間眠らなかったら、こんな顔になるのだろうか。


それだけでは無い。

まゆりが今までどれほど辛かったか、苦しかったか――――、その表情が、すべてを物語っている!


二人にもそのことが瞬時に見てとれたらしい。

ダルは目を伏せたまま、紅莉栖は口を手で覆ったまま微動だにしなかった。

岡部「くっ・・・!すべて、俺のせいだ・・・!!」

紅莉栖「違う!岡部は」

ダル「二人とも黙って!!」



紅莉栖「ッ・・・」



ダル「まゆ氏が、何か言ってる」




俺たちは、画面により耳をすませた。




まゆり「・・・は・・・れ」

まゆり「まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃはいつもなかまはずれ。
まゆしぃは・・・」


岡部「・・・・・・!」


まゆり「オカリン、まゆしぃがもういらなくなったんだね。」


岡部「違う!!!」


紅莉栖「待って岡部!!行っては駄目!」

岡部「何故だ!まゆりが今、苦しんでるではないか!? ここで行ってやらなくて、なにが幼馴染だ!俺は行く!!」

紅莉栖「だって、でも・・・!」


岡部「はなせ、紅莉栖!」

紅莉栖「岡部ッ・・・」






岡部はいってしまった。


私は説明できなかった。岡部を引き止めた、そのわけを。



何故なら理解らなかったから。自分自身でも、そのわけが。


ただとっさに手が出て・・・。

今止めておかないと二度と帰ってこない気が、した。





おかしい。

ここに来てからの私の行動は、矛盾だらけだ。いらいらする。


まゆりの想いを知って、岡部を諦めようと決めたのに、


いつものかけあいが楽しくて。



ついあいつに、でれてしまって。


これがほんとうのじぶんなんだって・・・気づいてる。間違えようもなく。



私は泣いた。泣いて岡部を諦めるって決めたけど



どうすればいいんだろう。


どうすれば岡部を諦めたことになるんだろう。










初めてのことで・・・理解らない。

ダル「牧瀬氏・・・気にすること無いお。オカリンはああなっちゃう奴だから。まゆ氏の場合は特に」


紅莉栖「橋田・・・」




紅莉栖「私、岡部と別れることを決めたの」


ダル「・・・ぇ、ええぇ~~んん~そうなんだええ~~・・・」


ダル「・・・マジで?」


紅莉栖「ええ」


ダル「ッあぁーーっ、分かる!分かる牧瀬氏!確かに彼女ほっぽり出して別の女のところいっちゃう男なんて最低!不潔!僕が仮に仮に女でもNO THANK YOU!! でも説明したとおり、オカリンにはなみなみならない事情があって・・・」


紅莉栖「違う、違うの」

ダル「え?」

紅莉栖「こうなることは分かってたし・・・、それに決めたのは昨日なのよ」


ダル「・・・もう言ったの?オカリンには」


紅莉栖「言うつもり無い、だけど」


紅莉栖「でも私、岡部が好きなの」


紅莉栖「そう・・・好きなのよ!」


ダル「・・・・・・」



ダル(何がなんだかわからない・・・)


ダル「好きなら一緒にいれば・・・」


紅莉栖「駄目なの。私じゃ、岡部を幸せにできない。辛い思いをさせるだけ」

紅莉栖「私は自分が諦めるって決めたらそれで大丈夫だと思ってた・・・今まではそれでやっていけてたの」


紅莉栖「でも今回は駄目。経験の無い私には、こういうときどうすればいいのか分からない!」


ダル「牧瀬氏・・・」


紅莉栖「まゆりの気持ちを知ってるくせに!頭では分かってるくせに! ・・・ッ譲りたくないと思ってるのよっ、心の底では!!」



頭の中で、青い回路がつながった。



そっか。こんな簡単なことだったんだ。




    「譲りたくないから」



だから岡部の手を掴んだんだわ。まゆりのところへ行って欲しくないから。


それが示すところはすなわち――――まだ私が岡部を好いているということ。それも分かってる。


 けれど私はすべての事情を知っている。


まゆりを苦しめたまま幸せになんかなれない。


それ以前に私は岡部を幸せにできない。



それも、分かってるッ・・・!!!

ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!







じゃあ、なぜまゆりを苦しめることを分かっていながら、岡部を引き止めた?



       自分だけ、幸せになろうとした?





ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!
ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!

紅莉栖「う・・・う・・・あ・・・・・・!」


ダル「牧瀬氏!」


紅莉栖「・・・あ」


ダル「ッ」



ダル「牧瀬氏! オカリンを支えてくれ!!」



紅莉栖「・・・え・・・・・・・」


ダル「頼む!僕じゃむしろ支えてもらってるくらいで・・・他の人にもむりなんだ! 牧瀬氏しかオカリンを支えられる人はいないんだよ!今牧瀬氏がオカリンから離れたらオカリンが壊れるかもしれない・・・だから!」


紅莉栖「でも・・・」


ダル「オカリンはきっと、望んでない。」



紅莉栖「・・・」

今日は以上です。

ありがとうございました。

おおおおおおおお!
続ききたぁ

乙乙!

おつ

続きキタ━(゚∀゚)━!
おつおつ!!

再開

ブラウン館工房前――――


岡部「まゆりッ!!」


まゆり「・・・・・・」


岡部「ハァ、ハァ・・・ぐっ」


俺は体力がない。それはラボメンならば誰もが知る周知の事実だ。


しかしさすがの俺でも、ラボから道路に出る階段を下ったくらいで息切れを起こすほどひ弱ではない。


なのに今の俺は、フルマラソンを終えた直後のように、息を荒げている・・・!




まゆりとの間に、距離3メートル。



      ・・・・・・・・・・・ 
ここでさえ、もっていかれそうになる。

まゆり「なぁに? オカリン」


岡部「フ・・・ハハ、どこへいくのだ。まゆり。安心しろ、まだ円卓会議は始まってはいないぞ」


まゆり「・・・・・・」


岡部「さぁ、いくぞ」


まゆり「まゆしぃはいかない。いきたくない」


岡部「な・・・なぜだ」


まゆり「オカリン」












まゆり「紅莉栖ちゃんを呼んでくれる?」

岡部「紅莉栖か?あいつと話したいなら、ラボへ入るがいい」


まゆり「ラボはいや。ここにつれてきて。オカリン」


岡部「・・・」


岡部(いや、待てよ? そういえば鈴羽が二人を会わすなと・・・)


岡部「・・・まゆり。それはできん」


まゆり「どうして・・・ッ!」


岡部「まゆり、すまん・・・すべて俺が悪いんだ、だが俺は必ずお前を」



まゆり「そっか」



まゆり「紅莉栖ちゃんの方が大切だもんね・・・オカリンは。」


まゆり「まゆしぃはずっとオカリンを見てきたし、これからもいっしょにいれると思ってたけど」


まゆり「そんなの、まゆしぃの夢だもんね・・・」


まゆり「・・・誰もわるくないよ、オカリン」












まゆり「ただ、まゆしぃが苦しめばいいだけ。」




そしたらみんな、幸せになれるから――――





















岡部「う゛あああ゛アアああああああああーーーーーーーーーッッ!!!!!」


短いけど今日は以上です。

ありがとうございましたーー

乙……


こっからどういう展開になるのか楽しみだぜ

続き楽しみです。待ってます

再開ー!

秋葉原某所――――

鈴羽(反応が・・・増えた)


鈴羽(それと同時にまたラウンダーたちが動き始めた)



鈴羽「もう・・・そろそろ限界かな」


鈴羽(おじさんの方は、準備整ったのかな?)





鈴羽「電話、でないや」

ブラウン館工房前――――


紅莉栖「岡部・・・?」


ダル「オカリン!」


ダル「オカリンしっかりしろ!オカリン!」


岡部「」



紅莉栖「・・・・・・」


岡部「・・・・・・う」


ダル「オカリン! 良かった・・・心配かけんなよな!」



岡部「・・・うっ、うう、あああぁぁああ・・・」


岡部「ああ、あっ、あっあああああ! うっぐっ、う、ああああああー!」




ダル「ちょ、どうしたオカリン!? な・・・何がなんだかわからない件について・・・・・・」

岡部「うっうっうっ、ぐず・・・」


ダル「もしかして泣いてんの・・・?」

紅莉栖「ええ。マジ泣きね」


ダル「牧瀬氏・・・説明プリーズ・・・」


紅莉栖「・・・・・・多分」




紅莉栖「もう、取り返しのつかないところまで来ちゃったってことでしょうね。」


ダル「・・・what?」



紅莉栖「・・・その顔やめてくれる?蹴りたくなるんだけど」


ダル「正直スマンかった。マジメに聞くお」


紅莉栖「あんたたち、最初にまゆりのリーディングシュタイナーは進化してるって言ってたでしょ?」


ダル(そう言いながらさりげなくオカリンの横にポジチェンだと・・・?この女、やはりスイー)


紅莉栖「ふんっ!!」


ダル「あいったい!!」



紅莉栖「・・・その顔、やめろって言ったわよね」



ダル「あ・・・ありがとうございます」

紅莉栖「で、まゆりのリーディングシュタイナーの件は進化してるってことでいいのよね?」


ダル「おK。まぁ、僕もあとでオカリンから聞いただけなんだけど」



紅莉栖「で、普通の人は世界線移動の記憶を保持することはできない」


ダル「そう・・・だお。オカリン以外は」



紅莉栖「・・・整理しましょう」



紅莉栖「リーディングシュタイナーは誰しもが持っている能力。 けれど普通は弱すぎて、デジャヴや夢でしか他の世界線を感じ取ることはできない」



紅莉栖「リーディングシュタイナーは、共鳴するという特性も持ち合わせているけれど、一般人の能力は微弱なため共鳴しても日常生活に支障をきたすレベルではない・・・」





紅莉栖「・・・特殊ケース1」





紅莉栖「岡部倫太郎」

紅莉栖「岡部のリーディングシュタイナーは常人よりも強力に発現されている、と見て間違いなさそうね。 世界線移動の際に記憶をキープできるのは現代人では多分岡部だけだし、彼と接している私たちは普通の人よりも少し強い実感を持って他の世界線の記憶を受信する・・・やっぱり夢っていうカタチではあるけどね」


ダル「いきなり学者モード本気すぎだろ常考・・・」



紅莉栖「ちゃんとついてきて橋田。大事なことなんだから」


ダル「ラジャッ・・・」



紅莉栖「続きだけど、岡部は過去のどこかで何らかの理由でリーディングシュタイナーを強く発現。それでも今までやってこれたところを見ると、こちらも特に日常生活に異常は無し・・・と」



ダル「友達は少なかったお」



紅莉栖「それはリーディングシュタイナーのせいじゃないわ」

紅莉栖「橋田は高校から岡部と友達なんでしょ?」


ダル「そだおー」



紅莉栖「夢見はどうだった? やっぱり変わったの?」


ダル「う~~・・・ん、言われてみればあの頃からちょっとリアルな夢を見るようになった気も・・・」


紅莉栖「ま、その程度ね。岡部自身もおそらく時折そんな風に自分の夢見を感じていたはずよ」


ダル「ハッ・・・じゃあ、僕がロリ顔きょぬーのおにゃのこたちに囲まれてアッハンウッフンやってたのもどこかの世界線に存在するってこと!?」



紅莉栖「それはアンタの妄想よ」



ダル「やってやる・・・やってやるぅぅぅぁぁぁあああぁあああ゛ああああ゛あ!!!!タイムマシン、もしくはDメールで世界線変更!!!たった今それが、生きる希望になったおお゛!!!」



紅莉栖「(汚物を見るような目)」

紅莉栖「とりあえず、岡部に異常は無いわ。きっとラボを立ち上げなければ、リーディングシュタイナーに気付くことも無かったでしょうね」



ダル「・・・なんか、運命って感じだね」




紅莉栖「・・・」





ダル「皆がラボメンになったのも、運命で・・・出会って、いっしょに笑いあえるようになったのに」




ダル「なかなかうまくいかないもんだお・・・人生。へへへ」




紅莉栖「・・・ッッ」



紅莉栖「・・・・・・ふー」





紅莉栖「特殊ケース2」






紅莉栖「椎名まゆり」

紅莉栖「まゆりのリーディングシュタイナーは岡部のものよりも更に強力よ」



紅莉栖「自身の他の世界線での記憶を・・・おそらく、ほぼ100%に近いカタチで夢に見る」


紅莉栖「それが辛ければ辛いほど・・・きっとそう、まゆりの場合は特に・・・言葉に出来ないくらいの苦しみ」


紅莉栖「『死』が何度も何度も襲ってくる。寝るたびに。限りなくリアルに。」


ダル「想像しただけで、吐き気がするお・・・絶対に眠りたくない」


紅莉栖「まゆりの顔の理由が、今身に染みて理解できたわ・・・」



ダル「僕でさえあれだけキツかったのに、まゆ氏は・・・死ぬんだよな。何度も何度も」


紅莉栖「橋田はまゆりの影響を受けたのよね?」



ダル「まゆ氏の影響を受けて共鳴したオカリンの影響かもしれないけど・・・多分そうだお」



紅莉栖「どんな感じだったのか、差し支えなかったら聞いてもいい、かな・・・」



ダル「もちろん良いお。まず・・・」



ダル「夢じゃない。」



紅莉栖「それは、さっきの仮説の・・・」


ダル「そう。『100%』なんだよ。確かに寝てるんだけど、夢に思えないくらいリアルなんだ」


ダル「そして色んな人・・・たまに知ってる人も出るね。そこで僕が違う僕として人生のほんの一部分を送る・・・」



ダル「娘が未来から来る世界線の時が一番キツかった。まゆ氏を救うための希望を託して、過去に送るんだ」


ダル「タイムマシンを僕が治して、娘はそれに乗って最後まで笑顔で過去にいく・・・でも失敗するんだ」













ダル「タイム゛マシンがごわれ゛てだんだ・・・!!」


紅莉栖「橋田・・・」

ダル「・・・・・・」



ダル「ごめん」





ダル「タイムマシンは治ってなかった。僕は不完全な修理のまま娘を過去に送り出してしまった。そして娘からの失敗を報せる手紙が来る」




ダル「とうさんのせいじゃないと・・・手紙で僕を庇っていた!」




紅莉栖「・・・・・・」




ダル「そこで夢は終わるんだ。起きたときは汗びっしょりで涙も出てた。その日は怖くて悲しくて、何もできなかった・・・」



紅莉栖「・・・そんな、そんなに苦しいだなんて」



ダル「まゆ氏はもっと痛くて、もっと怖くて、もっと悲しいよ。きっと」






紅莉栖「・・・じゃ、続けましょう」



ダル「おk!」

紅莉栖「まとめに入りましょう」




紅莉栖「リーディングシュタイナーは他の世界線の記憶を思い出す能力。」




紅莉栖「岡部のリーディングシュタイナーは進化しており、他の世界線の記憶を覚えておく+保持しておく能力」




紅莉栖「対してまゆりのリーディングシュタイナーは記憶保持は出来ないが、夢の中で他の世界線の記憶を限りなく完全に近いカタチで夢に見る能力。これが岡部とは別の方向に一段階進んだカタチ。レベル2としましょう」




紅莉栖「そしてさっきの橋田のように、『まゆり、もしくはその影響を強く受けた者と接触することで、その者の他の世界線の記憶を限りなく完全に近いカタチで夢に見させる能力。これがレベル3」




ダル「既に相当ヤバイ件について」







紅莉栖「確かにね。だけど、本題はここからよ」

今日は以上ですッ


ありがとうございましたッ

乙!
wktkしてるぜ

ここで切るとか殺生な!


                         ,. -‐ "      \
                   ,. -‐ "              ヽ
              ,. - "´                    |
          ,. - "´                         |
    ,. - "´                    _____    |
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      ,. 、 --─  二´-─: . :/ /::::_:_:::::::::, 、::::::,-_-、::::ヽ ヽ: . : ヽ,|
    ̄, 、 -─ :" ´: . : . : . : . : . | /:::/ tッ_>:::| |::::ヽゞ'ノ::::::| |> 、ノノ

   ̄: . : . : . : . : . : . : . _:_:_:_:_:_: l| |::::::`´:::::::::|' 1::::::::::::::::::::/ | | | `lヽ、

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              ヽヽヽ:.:.ヽ:|   '、::::::;イ」 ┴┴ i弋:/  /   `丶、
         l ̄ヽ     `>─ト,  ヽ〈┬f T丁丁ン  /:|: .      \
         } /⌒ヽ  /  .: . : .|\ ー ` ̄ ̄´ -一'/: | : . : .      \
         〈 ヽ=rヘ /  : . : . : . |: ..\   __ /  |: . : . : .         !
         / / (l ト、   : . : . : . : | : . `〈´_二二 _|   |: . : . : .        ト、
        /   ,r.、l | }  : . : . : . : .|  : ..'、 -─-、|   〈: . : . :        |   `丶
        〉' ´ ̄  | ド,   : . : . : . | ヽ : .ヽr─ 、|  /´             l
       〈 、_,,  -| ト、|     : . : .|    : .ヽ、__ノ/             /
       | ´  __| | /       ` \   : /              /
     / レ     じ |          \ /               /

   /   | ヽ r-─r人           /               /
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面白い

涅さんはおかえり下さいお願いします

うおおおおおお!!!
何気なく読み始めて面白くてびっくり
病んでるまゆしいのSS初めて見た。続き待ってます

岡部 女 ss でググってしてこのスレ見つけることになったとは…wwwww

スマホからできました。再開

紅莉栖「いい?私がこれから話すのは仮説にすぎないということを忘れないで」

ダル「今までも仮説だったんじゃないの?」

紅莉栖「今までのもそうだけど、ラボで聞いた二人の話と、昨日の帰り道に岡部
から聞いた話を統合して出した限りなく真実に近い仮説よ」


ダル「スッゲー自信・・・」


紅莉栖「学者の私からすればワケないわ。学者の私からすればね」


ダル「大切なんですねわかります」






紅莉栖「説明するわよ。・・・レベル4」


ダル「最初に牧瀬氏言ってたよね・・・もうやばいみたいなこと」


紅莉栖「ええ。もう遅いわ。もう取り返しはつかない 」




紅莉栖「もうまゆりは救えない。」




紅莉栖「おそらく、この世界線は・・・もう」






ダル「・・・」


ダル「本気でいってんの、それ」





ダル「・・・本気でいってんの!!?」





紅莉栖「・・・・・・」

紅莉栖「諦めたくない。私も諦めたくないわ橋田」


ダル「そうだろ!?まだ終わってない!まだ終わってなんかないんだ!!」


紅莉栖「いいえ。終わったわ。まゆりは救えない」





紅莉栖「ディストピア形成は決まった・・・!」



ダル「・・・」



ダル「レベル4ってなんなの」




紅莉栖「レベル4はおそらく・・・」




紅莉栖「『まゆり自身の他の世界線の記憶を他人に知覚させる能力』」


ダル「えっ・・・」



ダル「そ、・・・それってつまり、まゆ氏が他の世界線で何回も何回も死んだのを無理矢理体験させられるってこと?」



紅莉栖「そういうことになるわね・・・まゆりのリーディングシュタイナーは彼女の精神に強く影響されているから、辛い記憶だけが他人に流れ込むはず」


ダル「じゃあオカリンもそのせいで今・・・」


紅莉栖「そうね・・・おそらく」












紅莉栖「分かった?橋田。これがどれほど恐ろしくて、危険で、悲しい能力か」


ダル「・・・まゆ氏がこの能力を持つ限り、もう人と接することができない。冗談言って笑いあったり、一緒に泣いて励まし合ったりできない! ふとした瞬間に他人を傷つけるかもしれないからっ・・・そういうことだろ!?」



紅莉栖「・・・」




ダル「だったらどうするんだよ!?」


ダル「そうして傷ついたあの子のこころは誰が救うんだよオ!!」

紅莉栖「分かってたことじゃない」


紅莉栖「私たちじゃ救うことなんかできないってことぐらい。この世界線じゃ誰も幸せになれない」


紅莉栖「決まっていたことだから・・・気に病むことなんてない。」


紅莉栖「だから私たちは託すのよ。岡部と、鈴羽さんに」









岡部「そうだ」



ダル「オカリン」


岡部「む・・・恥ずかしいところを見せたな。ダル、紅莉栖」


岡部「もう大丈夫だ。すべて分かった・・・まゆりの悲しみも苦しみも!!!」










ーーーー俺への想いも。









岡部「俺と鈴羽が必ず未来を変える・・・信じて待っていろ!!そして我がラボは永遠にその名を後世へ馳せることとなるのだ・・・!!!」





分かった。

全部分かったんだ。




さよならだ。


二人とも。



俺は未来へいく。



今日は以上です。

ありがとうございました。

悲しすぎるよオカリン
乙!

一気に読んでしまった…引き込まれるね

再開!

ブラウン館工房ビル屋上――――



岡部「では、お前たちはラボで待機していろ。俺もしばらくしたら戻る」


紅莉栖「・・・」


岡部「・・・なんだその顔は」


紅莉栖「別に」



岡部「不服があるのか?」


紅莉栖「別にっ!」


岡部「ふぅ・・・」




岡部「しばらく考え事をしたいから、一人にしてくれと言っただけだろう」



紅莉栖「だから何も言ってないじゃない」


岡部「いぃーーやっ! 分かったことがあるくせに私には教えてくれないーとか思ってる顔だぞそれは」


紅莉栖「思ってないわよ・・・こどもじゃないんだから。ただちょっと心配なだけ」



岡部「何がだ」



紅莉栖「アンタが」



岡部「・・・・・・」


岡部「フゥーーーーハッハッハッハッハァ!!!」


岡部「この俺も堕ちたものだぁー狂気のマッドサイエンティストであり混沌の支配者である鳳凰院・凶真が助手ごときに気を遣われる体たらくゥゥ!!」



紅莉栖「助手って言うな! ・・・あとアンタはマッドサイエンティストでもなければ混沌の支配者でもない」




紅莉栖「・・・ただの岡部倫太郎よ」




岡部「フン・・・助手め」



紅莉栖「だから違うといっとろーが!」


岡部「いかん、この時間帯は組織が来る危険性が高い・・・ラボを頼むぞ」



紅莉栖「知るか。さっさと降りてきなさいよね」











岡部「・・・・・・」





助手って言うな。






岡部「・・・・・・まぁそうだ」

助手って言うなと言われる、ということは、俺がヤツを助手と呼んでいるということ。


それは特におかしくは無い、当たり前のことだ。


だが冷静に考えるとこのやりとり自体に少し違和感を感じる。






――――紅莉栖から、以前に戻ろうとする雰囲気を感じた。



それは非常に抽象的で曖昧な「なんとなく」だ。


しかしだからこそ俺は、付き合ってから二人の間ではあまり出すことの無かった設定を出した。



ふざけて出すことはあったが、今の感じは余りにも以前に近かった。




何より決定的なのが、付き合ってからは「紅莉栖って呼んでよ」「名前で呼んでよ」


そう返すのが決まり文句だったはずだ。







助手って言うな。






信頼している。


頭も良く、頼りがいもある。


変わらない、そこは変わらないが






何故だろう。













紅莉栖が、少し遠く感じる。





少しだけ、遠く。

岡部「・・・仕方の無いことだ。」




そう。それは仕方の無いことなのだ。






だがまゆりの件については、仕方無いでは済ませられない。


紅莉栖の推察は確かめようがないが、おそらく正解なのではと俺も思っている。やはりあいつは天才だ。




しかしあいつの言うレベル4についてだけは部分的に不正解だ。






俺は『何度も死ぬ』ことを体験したのではない。






『何度も死ぬまゆりを見る』ことを体験させられたのだ。





俺が世界線を行き来するきっかけになった出来事だ。


もちろん・・・全て一度体験している。




だがそんなコトは関係無いッ!!

まゆりが死ぬ!



それが嫌で嫌で仕方なくて、だから時空を跳んだのに!!


もう一度全てを!!俺のトラウマの全てを!!



繰り返す!





俺はまゆりを斜め上から見下ろしている。

体は動かない。


駅のホームだ。



電車が来た!ぐんぐん近づいてくる!


まゆり!まゆり!聞こえないのか!!俺の声が聞こえないのか!?


手が届かない!電車が来る!


後ろから綯が走ってきた!!悪意の無い目で!ただ純粋に抱きつこうと!!


やめろ!頼む動いてくれ、ダメなら声だけでもいい届いてくれ!!


隣にいる自分が、憎くて憎くてたまらない!!

お前は救えるのに!手も声も届くのに!なんでボーッとバカみたいに突っ立ってるんだよぉ!!


電車が、綯が、ああ、まゆり!!



手を伸ばせ!手を掴め!!なんでだよ後ろから足音が聞こえるだろう振り向けよ!!少し叱って制止しろよ!!


なんで、なんで止まらないんだよ!!



まゆり!!


まゆりが!!



誰か!!

誰か助けて!!


まゆりを助けてくれ!!


あああ!!




グチャッ

涙が止まらなかった。


救えないんだ。どうしたって死んでしまう。


もうホントに辛くて、絶望ってこういうことなんだなって、俺初めて分かったよとか一人で言って笑って、



泣いてた。




紅莉栖が助けてくれなかったら、俺は確実に死んでいた。


あまりの辛さに自ら命を絶っていた。




そんな紅莉栖を好きになることは、本当に、本当に自然なことではないだろうか。


いや、そうだと思う。自分で分かっている。




しかし、リーディングシュタイナーによってまゆりの世界線に触れたおかげで、しっかりと分かったことがある。





まゆりがいかに俺を想ってくれていたか、ということだ。



それは痛いくらいに、伝わった。










そして同時にそれは、答えを教えてくれた。

過去へ跳んだ時、俺と鈴羽は役割分担をして作戦に挑んだ。

俺はまゆりの想いにケリをつける。


鈴羽は俺の紅莉栖への告白を阻止する。


そして鈴羽は成功し、俺は失敗。


結果未来は変わらなかった。



その原因を帰りのタイムマシンで話し合った結果、二つの可能性が浮上した。



一、告白を阻止することは関係無かったので世界線は変動しなかった。


二、告白を阻止した後に何かが起こり、世界線を変動するには至らなかった。



世界線変動のためには、原因がこれらのうちどちらなのかを理解しておかなければならない。



今まで俺は『どうしたら紅莉栖と結ばれることができるか』を主軸にして考えてきたが、どうやらこれが間違いだったようだ。






結局は、まゆりだった。

俺は過去で行動を始めようとした時、己の行く末を予想してしまい激しく動揺した。



紅莉栖と付き合うとディストピア形成。

まゆりも紅莉栖も選ばなければディストピア形成。


したがって俺はまゆりと居続けるしか選択肢が無くなる。



その理不尽に激昂した。

神を恨んだ。




だが違ったのだ。


まゆりの世界線に触れた今ならば分かる。






正解は、二番。



紅莉栖と付き合ったことが悪いのではなかった!



まゆりの想いにケリをつけないまま紅莉栖と付き合おうとしたのが間違い、全てを狂わせた根源だったのだ!




俺は本当にバカだった。


呆れるほどに鈍感で、まゆりの気持ちに全く気付けなかった。



だが、今なら。




まゆりが満たされた状態で紅莉栖と結ばれるならば、何の問題も無い。






行ける。


明るい未来へ。

やっと、やっと光が差した。



過去に戻って俺がやることはたった一つ。


何の迷いも無くまゆりの元へ向かい、その想いにケリをつける。




一対一で話して、ケリをつける。







・・・・・・。



だが、今は――――








岡部「ハッ」


岡部(携帯・・・鈴羽か)




岡部「もしもし、俺だ。どうした」



鈴羽『オカリンおじさん?今平気?』



岡部「ああ、大丈夫だ。何かあったのか?」



鈴羽『ラウンダーが人員を補充したみたい。そっちに行くことは無いと思うけど、秋葉原を歩くなら・・・いや、極力ラボから出ないで欲しいかな』


岡部「分かった。奴らの今の動きは?」


鈴羽『そっちにはそんなに近くないよ。今私が見張ってる・・・・・・動いた。車に乗ったみたいだね。まだラボには帰れそうもないや』


岡部「そうか。・・・すまないな。お前も早く父親に会いたいだろうに」


鈴羽『気にしないでよ。父さんとはこれからいつでも会えるんだからさっ。・・・・・・』



岡部「そうだな。お前が幻滅しないといいんだが」



鈴羽『・・・・・・』


岡部「・・・鈴羽?」



鈴羽『・・・まって・・・まってまって行ってる、そっちに行ってる!車が向かってる!!逃げて!おじさん逃げ』ブツッ






「きゃああああああああああ!!!!」






岡部「!」




岡部「紅莉栖!!ダル!!」

今日は以上です。



ありがとうございました。

まっちょしぃはでますか

たまに出したい衝動にかられますがおそらく出ません

まじめに答えれくれるとはおもわなんだ
毎日投下楽しみにしてますよ

ありがとうございます

脱PC決めたのに良スレを見つけてしまったでござる
支援

いいところで終わってるw
最高ですわ。ここ最近のシュタゲSSの中で一番楽しみです。
支援せざるを得ないですぜ。ヤンデレまゆしぃかあいい。

再開

岡部「うおお! ぐっ・・・ぅぅ!!」


岡部「っくそ!何故開かないんだ!」



どうやら屋上の扉は、内側から施錠されてしまったようだ。


岡部「鈴羽に連絡もつながらん・・・!」


岡部「くそっ・・・!」



考えられる可能性は1つしか無い。

ラウンダーだ。


鈴羽に、そしてラボにいるダルにも紅莉栖にも、今現在ラウンダーの魔の手が伸びている。そう考えて間違い無いだろう。

しかし鈴羽はラウンダーにはラボの位置の特定ができないような口振りだった・・・。


なのに何故!?






くそッ・・・・・・!



やっと光が見えてきたのに!

ラボ――――


紅莉栖「・・・ッ」

ダル「ド、ドアが」



???「・・・・・・」



紅莉栖「誰っ!?」


???「あぁ、突然訪問していきなりドアを蹴り飛ばしたのは謝ろう・・・すまない」


紅莉栖「!!」


ダル「その声・・・」



???「ここにもう一度立たねばならんのだと思うと、」



???「無性に怒りが抑えきれなくなってな・・・!!」



紅莉栖「お・・・岡部なの?」



岡部(未来)「フン。やはり声で分かるか。貴様らの前ではこんなお面必要無かったな」


ダル「・・・オカリン、なのかお・・・?」



岡部(未来)「そうだ。1%の間違いも無く、俺は岡部倫太郎本人だ。ただし」




岡部(未来)「未来のな」

紅莉栖「未来の岡部が何をしにここへ・・・?」


岡部(未来)「何を、しに?フ、フフ」


岡部「フゥーハッハッハッハッハッハッハッハッハァ!!!」


ダル(笑い方変わってネェ・・・)


岡部(未来)「何をしにとは・・・何も聞かされてないのか。いくら若いとはいえ、お前とは思えん質問だぞ?牧瀬」


紅莉栖「!」ズキ


岡部(未来)「フン。鈴羽のやつめ、まさか過去の俺と接触していなかったのか。だとしたらここへ来たのは無駄足だったな・・・」


紅莉栖「そう呼ぶの?」


岡部(未来)「?」



紅莉栖「未来の牧瀬紅莉栖は、あなたにそう呼ばれているの?」



岡部(未来)「・・・さぁな。もう永らく呼んでいない。ふと思いついたのが、その呼び方だっただけだ」


紅莉栖「・・・」ズキ・・・

ダル「鈴羽を、どうするつもりだ・・・オカリン。」


岡部(未来)「・・・その様子だと」


岡部(未来)「お前たちも鈴羽からか、過去の俺からか・・・違いはあるだろうが、聞かされて知っているんだろう?」



岡部(未来)「俺が未来の支配者であることを」


紅莉栖「聞いてる。アナタがディストピアを形成したことは」


岡部(未来)「ハッ、何を馬鹿な」


岡部(未来)「他の人間にはそうだろうが・・・少なくともお前たちにとってだけは、未来はユートピアのはずだ」


紅莉栖「それは、私たちだけは幸せにしてくれるってこと?」


岡部(未来)「・・・そうなる」



ダル「・・・」


ダル(さっきはラボを憎んでいるようなこと言ってたのに、やってることはまるっきり逆・・・)


ダル(未来のオカリンは、本当に逃げ出したんだ。あまりの辛さに耐えきれなくて逃げ出したんだ。けどもう一度皆と仲良くしたいと思ってる。他の人を犠牲にしてでも)


ダル(歪んじゃったなぁ・・・オカリン)

岡部(未来)「さて、時間も無い。さっさと本題に移るとしよう」


岡部(未来)「言った通り俺は未来の支配者だ。時間を操り権力を手駒にし密約を結ぶことで、事実上最高の地位に立った。しかしこれは完全ではなかった」


岡部(未来)「俺に仇なす反乱分子どもが沸いて出たのだ。まぁ当然のことと受け入れ、ひとつひとつ確実に潰していったわけだが、最後のひとつがどうしても潰れない」


ダル「それ僕たちだろ?」


岡部(未来)「・・・!」



ダル「そっか、良かった。ねっ牧瀬氏☆」


紅莉栖「キモいわよ橋田。でも・・・ええ、未来の私たちも岡部を諦めていない」


紅莉栖「最後まで岡部の友達でいようとしてる・・・!」



岡部(未来)「何を言ってる・・・? 奴らは敵だ。俺の邪魔をしてくるのだ!! 奴らと俺の道は、もう違えた!」


紅莉栖「・・・大丈夫よ。もう全ての歯車は回り出してる」


紅莉栖「岡部は跳ぶわ。アナタを救うために」

岡部(未来)「黙れ!!もう遅い、もう遅いんだよお前らが何を言っても止まらない!理想郷は完成する・・・鈴羽を捕まえさえすれば!」


岡部(未来)「お前らをエサに鈴羽をおびき出し未来へ連れ帰る、それで全て終わるんだ!もう一度・・・もう一度・・・」


ダル「何で分かんないんだよ!過去のオカリンが全て変えてくれる! 幸せな世界線を絶対掴んでくれるはずだ!」


岡部(未来)「できなかったらどうするんだよ・・・過去の俺が失敗してさらに絶望して、もっと悲惨な世界線になってしまったらどうするんだよ!? もう嫌なんだよ辛いのはぁ!!」


岡部(未来)「だから俺がこの手でやりとげる・・・これ以上全てが悪くならないように!!」






紅莉栖「・・・何!?」



ラウンダー1234「鳳凰院様」



岡部(未来)「来たか。準備はいいな。絶対に鈴羽とこの世界線の俺を接触させるな」

紅莉栖(世界線を変えるには、岡部と鈴羽さんが一緒に過去へ跳ぶ必要がある)


紅莉栖(だけど、今岡部は屋上から出られない。鈴羽さんも秋葉原のどこにいるかもわからない、そもそもこの状態を知らない可能性もある・・・)



鈴羽さんが捕らえられるということは、


タイムマシンが使用不可能になることと同義。



それだけは避けなければならない・・・

たとえ私たちが死んでも・・・!



紅莉栖(でも、何も良い手が思い付かない。くそ、こんなときに私は・・・)



岡部(未来)「鈴羽と連絡をとれ」


ダル「僕たちはできないお。オカリンじゃないと」


岡部(未来)「チッ・・・一人行け。銃で脅して携帯を奪え」


ラウンダー4「了解」



岡部(未来)「いや・・・」




岡部(未来)「[ピーーー]か」

岡部(未来)「鈴羽は殺せんが、過去の俺が死んだところで・・・いや、その場合俺も消えることになるのか?」


岡部(未来)「・・・・・・」



ラウンダー1「鳳凰院様」



岡部(未来)「チッ分かっている。殺さずに携帯だけ奪え」


ラウンダー4「了解」



岡部(未来)「まゆりはいるのか。このラボに」


ダル「・・・今はいないお」



岡部(未来)「そうか」




・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・






ラウンダー4「鳳凰院様ッ」


岡部(未来)「!」


ラウンダー4「岡部倫太郎が屋上に、おりません・・・!」


岡部(未来)「なんだと・・・!?」

今日は以上です。



ありがとうございました。

乙!

乙一

乙!

待ってます。楽しみです。

楽しみです。待ってます。

支援

再開

岡部(未来)「屋上に逃げ場など無い。銃を貸せっ俺がいぶりだしてやる」


ラウンダー1「いけません鳳凰院様!!この時代の自分と接触すると深刻なタイムパラドックスが発生する危険性があります!!それぐらいお分かりでしょう!?」


岡部(未来)「・・・知るか」







屋上――――



岡部(未来)「出てこい!」


岡部(未来)「どこに隠れようが無駄だ。もうよせ。諦めろ。お前が思っているほど、未来を変えるのは簡単ではない」




隠れているとしたら、向かって右の陰になっている部分。そこしかない。



しかしお互いの姿を認知したとき、とんでもないことが起こる・・・昔の鈴羽はそう言っていた。






だが、もう・・・いいんじゃないか。


どうせこれ以上良くはならないなら。

あのクソみたいな未来が変わらないと分かっているなら。



いっそのこと、もう・・・

奴と接触して、そのとんでもないこととやらを起こして。


その後奴を撃って、俺も消える――――それでこの時間の連鎖から逃れられるのなら。


それもいいかもしれない。



未来に帰っても虚しい。独りだ。理解してくれる人間などいない。まゆりは俺を見ていない。紅莉栖は敵。ダルは敵。
フェイリスも敵。るかも敵。


この作戦が成功したらまた昔みたいに戻れるかなって、いや戻りたいなって、昔みたいに皆で――――



岡部(未来)「ぐっ・・・う」




でもやっぱり。


無理かなって。






岡部(未来)「・・・!・・・!」




もう疲れた。


もう、もう――――




岡部(未来)「し、んでくれ・・・」

岡部(未来)「!」




岡部(未来)「いない・・・?」


岡部(未来)「・・・まさか」




岡部(未来)「!」




ブラウン館前の道路に広がる、大きな大きな血痕。


それが現すこと、それは




岡部(未来)「と・・・跳んだのか?・・・ここから!?」




な・・・なにが



何がお前をそうまでさせる?



何が・・・




岡部(未来)「クソ・・・クソ・・・!!!」


岡部(未来)「やはり何があろうと・・・もう俺も・・・!」



岡部(未来)「引き下がれない!!!行くところまで行ってやるぞ、岡部倫太郎!!俺の名は鳳凰院・・・」





岡部(未来)「凶真だ!!!」

ラボ――――


岡部(未来)「ラウンダー1、2はタイムマシンに戻れ。残りは岡部倫太郎を追え」

ラウンダー1「鳳凰院様・・・それでは」


岡部(未来)「逃げた。屋上から飛び降りてな・・・」



紅莉栖「!!」


ダル「オカリン・・・無茶しやがって・・・」



岡部(未来)「急いで行動にあたれ。そう遠くまでは行ってないはずだ」


ラウンダー3、4「了解」


岡部(未来)「・・・もう会うこともあるまい」



紅莉栖「いいえ」



紅莉栖「次会う時は・・・笑顔でね。岡部」


ダル「またな。オカリン」



岡部(未来)「・・・」

秋葉原某所――――

鈴羽「おじさん!大丈夫!?」


岡部「だから大丈夫だと言ってるだろ・・・骨がいくつか折れただけだ」


鈴羽「先に病院に行った方がいいんじゃないかな・・・」


岡部「ダメだ。奴らは俺たちを追って来てる・・・捕まるのは時間の問題だ」


岡部「やっと分かったんだ。未来を変える方法が。今この時このタイミングを逃したら、もう次はない。お前が捕まれば全てが終わりなんだからな」


鈴羽「分かったよ。行こう」



岡部「あいつらに別れの言葉を言えなかったのが残念だが・・・まぁ許してくれるだろう。フフ」



鈴羽「いらないよそんなの。また会えるんだからさ」



岡部「・・・そうだな」

鈴羽「おじさん、車に乗って。急ごう」


岡部「安全運転で頼むぞ」


鈴羽「へへ、それは保証しかねるよ」



まゆり「オカリン」















まゆり「どこいくの?」

岡部「!」ドン


鈴羽「たっ・・・おじさん!?」


岡部「車を出せ」


鈴羽「何言って」


岡部「早く!!!」

鈴羽「・・・ッ」


岡部「後で必ず合流しよう」


鈴羽「・・・絶対だよ」

岡部「ああ。行け」

鈴羽「うん」








俺は、過去のまゆりと話さなければならない。


全てを聴いて、まゆりの想いを知らねばならない。




そして今のまゆりともし話すことができるなら、


それは願ってもないチャンス。



リスクも高いが、何かのヒントを知ることができるかもしれない。



・・・建前はこんな感じでいいだろう。





俺はただもう単純に





まゆりと話がしたかった。

今日は以上です。

ありがとうございました。

本編でもやっとしたものをここで補完している。楽しみに待つ。乙。

乙!遂にまゆりと決着か…。次回待ってます。

乙!
とうとう、クライマックスですか!

素晴らしい。乙です。
続きまってますよー

  `` ‐- ..,_                          |
             ,. ┴、``'' ‐- ..,,_               _,.. r‐''"
           ,. <  \\      フー──----─一 '''":::::::::{ヽ
        ,. <   ヽ  ヽヽ    /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |}
        / n ヽ   i   i i   /::::::::::::;:::::;__::::::::::::::::::::::::::::::;ィ7ノ ノ_,,.. -、
    ,. -─{ U  }   |.  | |  /::::::::::::::く (.・) ̄ヽ:::::::::r┐/゚'.ノイ      ヽ

  , '´    ヽ.  ノ    /  ./ /  〈:::::::::::::::::::`ー‐一'´`::::::/. ::|:`'"l |::.
/        `'''"- ..__/ ノ/.   ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/;;〉:::!::::/  !:::
           |    ̄ヽ \    ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/  :::|:/   l:::
              |   ::  ::ヽ \   ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ-、__」    |:::
           l      ::::\.\   ヽ::::::::::::::::::::::::::_;:::/    |::
              i.      :::::::\ \    \:;:::ィエ工⊥ノ」     l::
            ',       ::::::::\ \   `ヾr┬tェ-/     i
            ヽ  :.    :::::::::\ \     ̄ __.ム       /
              ヽ ::    ::::::::::::::ヽ、ヽ、, -‐_ニ-‐''{     /   ..     .:
               ヽ::    :::::::::::/ `ヽ>'"  ,. -|   /!    :::..   ..:::
                \    :::::/    ヽ, ‐'"  ,,.|  / |     :::::::....:::
ヽ、                \  r''´       \, ‐'" ! / |     ::::::::::
  `ヽ、               ∨          ヽ、_,ノ/   |      :::

さっさと更新し給えヨ
読者様を待たせるンじゃないヨ

意見には同意だがマユリ様はお帰りください

期待しつつ保守

ss速報は保守いらない

再開

期待なんだよー

岡部「・・・」


まゆり「・・・」



右手にナイフを持つまゆりを見て、なんだか緩やかな衝動が体の中を駆けめぐった。


ここは本当に、シュタインズゲートではないんだな。


でなければまゆりが俺にナイフを向ける訳がない。




まゆり「オカリン」

岡部「なんだ?まゆり」


まゆり「まゆしぃ、いろいろ考えたんだけど・・・」






まゆり「やっぱり死んでくれないかな」



まゆりは自分の首元にナイフを向けた。






まゆり「いっしょに。」

岡部「フゥーハッハッハッハッ!!なーかなか言うようになったではないかまゆりぃ。この鳳凰院凶真に、共に死んでくれと」


まゆり「うん・・・もうたえられないの。ねたくっても、ねむれないの」


岡部「ほう。何故眠れない?」


まゆり「寝たら死ぬからだよ。なんかいもなんかいも・・・オカリンにも見せてあげたでしょ。もう、ほんとにいやなの。くるしいの」


岡部「だから、死ぬのか。だが俺を[ピーーー]理由はなんだ?」



まゆり「ひとりで死ぬのはこわいけど、オカリンがいたらこわくないの。それどころか・・・すっごくしあわせ。それにやっぱり紅莉栖ちゃんにオカリンをとられるのはいやなの」


岡部「だだっこめ」


まゆり「えへへ」

岡部「だがまゆりよ、この鳳凰院凶真の命は決して安くないぞ。代償に何を支払う?」



まゆり「え、と、まゆしぃにできることならなんでもするよ。オカリンのやってほしいことなーーんでも」


岡部「え、何でも?」



まゆり「・・・オカリン、えっちなこと考えたでしょ」


岡部「考えとらんわっ!マッドサイエンティストに淫らな気持ちなど・・・」


まゆり「ウッソだぁー」


岡部「か、からかうのはよせっ!」



まゆり「あっははっ!」


岡部「まったく・・・フフ」




まゆり「・・・ずっと、こうやってたいな」



岡部「ん・・・?」

まゆり「ふたりで、ずっとこうしてたいな。朝も夜もこないでほしい。オカリンが冗談言って、まゆしぃが笑って、今度はまゆしぃが冗談言って、オカリンが呆れた顔して仕方ないなって・・・」


まゆり「・・・ううん、思ってたの。心のどこかでずっとふたりでこうしていられるって、思ってたの。でもダメだったね。オカリンは紅莉栖ちゃんを好きになっちゃったんだもん」


岡部「まゆり・・・」


まゆり「まゆしぃは・・・、あの日の報告を聞いて、もうオカリンといっしょにいれないんだって分かってすっごく悲しくなって、そしたらちがう世界のことが一気に頭にながれてきて・・・」



まゆり「・・・それがいけなかったのかな? まゆしぃはオカリンとずっといっしょにいたいって思っちゃいけなかったのかな?」



まゆり「泣いちゃ・・・ダメだったのかなぁ・・・?」

岡部「バカなやつめ・・・」


まゆり「・・・バカじゃないよー」


岡部「俺などといっしょになったところで、お前にいいことはひとつもあるまいに」


まゆり「だってオカリンの横が一番安心するんだもん・・・」


岡部「それはお前が無知だからだ。世界は・・・本当はもっと広いのだ」


岡部「事実、お前が俺と全く関係をもたない世界線も存在したぞ」


まゆり「ないよぉ、そんなの」



岡部「・・・あったのだ」



まゆり「うーん・・・?」

トゥットゥルー♪マユリンだヨ★


               {乂}
               {乂}
               {乂}
              /⌒\
             r' =ニニヽ)
                く -‐‐‐‐ミ)
                i/ -===-く   /ノ
                |  ,_____..ノ //
             .`ミニニ{㍉く}//
              .|>}-=㍉ィ'ニニ==--
       _,.ィニ二ニニニ}ミ/{iく\:::>..
       ̄   '"    }T¨T彡\\::::::::>..
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イ⌒>‐=彡     / ノ { 乂 } .乂   .' <       ヽ
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{       ./  ./   /  r‐ァ   .\ ‘,            ̄¨7
|     ,イ.  ./   /x==气  〈`ー‐ミ∧  :、           /   掻き毟れ
|   /.i}  /   /i′  ノ  .\   ノ  i:::>..        /
i ../  }‐‐.{i  : `         ̄  }  i}:::::_x-=ミ::::::} ___/i:i:i:\      ‐‐┬‐ァ  メ .r┐       -|--|-
|〔    i}. .{i  i                 i   |:::⌒迄ア}:::::} //\:i:i:i:∧      ,  |--   ┼ '__`. _|_ 斗‐|┐ r‐┼`
|    ノ.  i|   :  /  }  、  \  i   }:::::::::::::::: :/ // / .ハi:i:i:i∧     .人__|__   /ト メ、 .⊥ {__ ノ臣乂,
|   /   .八  乂/  ./   }   ∨  /::::::::::ィ:/ .イ{/_/_./ノi:i:i:i:i:i}
|  /     . Yr㍉  /    .}    i}-ァ.i77=‐'′ イi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i i}
{ ./      rヘ____ノ   /i     .}ト、   乂_ノ`Y-<i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}
{/      .}      r=ミ    .r‐-㍉    {i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i 人
|i ___ノ   ,.ヘ___ノi:i:i:}   .|乂__{ixzz、  乂___i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: /  .\
/       ./  \i:i:i:∧   .∨i:i:i:i:i:i:i:i \      ∨i:i:i:i:i:i:/
  . / ̄ ̄       .\i ∧   .∨i:i:i}/i:i:i:i:  ̄ ̄‘, ∨i: /
  {          / \i:}   .}i:i:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}  }
  |         ./  .{/    /i:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:_,..-'''".}  }
  }         /   ./    ∧i:{i:i:i:_,.ィ ¨   }  .}
. ノ       ./   .{   .{ ∨i:i:/./    }  .乂   \

岡部「まゆりよ。お前の痛みは、想像を絶するものだ。だから俺はもはや、お前が死ぬのを止めはしない。むろん俺を殺すこともな」


岡部「だが、ひとつだけ頼みがある。聞いてくれるか?」


まゆり「・・・うーん」



まゆり「・・・いいよ。いっこだけなら」




岡部「フッ・・・」



岡部「ならば聴け!!椎名まゆりよッ!!!」


岡部「俺は必ずお前を救う!! お前が今苦しんでいる全てを、跡形も無く消し去ってやることを約束しよう!! 悪夢も何もかも、俺が絶ち切ってやる・・・」


何故か、鼻の奥がツンとした。



岡部「俺は今からある場所へ行く!!! そして帰ってきたら、殺すなりなんなりすればいい!!あまりの己の幸せに、そんなことをする気も起こらんだろうがな!!だから、だからっ・・・」



岡部「少しだけ、待っていてくれ・・・。必ずお前を救うから・・・」


最後の方は、かすれた声しか出なかった。



悪いのは全て俺だ。

だがもう謝らない。それに何の意味も無い。



皆を幸せにすることこそが、俺に許された唯一の謝罪なのだ。

まゆり「あっはははは!」


まゆり「そんなの、いまさら信じろっていうのオカリン?まゆしぃに?あっはははは!」


まゆり「あっはははは」





まゆり「ふ・・・ふ・・・」







まゆり「・・・・・・」








まゆり「・・・」













まゆり「・・・早く帰ってきてくれなきゃ・・・殺すから」

今日は以上です。



ありがとうございました。

乙でした

乙。楽しみ。

なんか凄く感動した
なぜか

まゆしぃ悲しすぎだろオイ。。。

乙です!相変わらず面白い!


つーか随分とマユリ様が大量発生してるスレだなwwwwwwwwwwwwww

泣けた

乙です。
ひぐらし思い出した(笑)これは泣ける予感!

>>468
俺も思い出したww

ますます続きが楽しみになってきたぜ…!

再開

岡部「ああ。必ず帰ってくる」


まゆり「・・・」


岡部「・・・では、もう行くぞ」


まゆり「待ってオカリン」


岡部「・・・なんだ?」


まゆり「白衣。汚れてるよ?」



言われて見ると、骨の折れた左腕が出血し、俺の白衣は血まみれだった。

さらに泥などが真っ白な生地に色濃くこびりつき、とても見れたものではない。



岡部「あぁ・・・まぁ仕方あるまい。用事が全て済んだら、新調するとしよう」


まゆり「・・・はい」



まゆりが自分のバッグを探り、取り出したのは、なんと俺のまっさらの白衣だった。

岡部「なっ・・・なぜお前が俺の白衣を持っている!?」


まゆり「ラボにあったの、ナイショでもってかえっちゃったのです。ごめんね、オカリン?」


岡部「むぅ・・・ま、まぁ一枚減っているのに気づいていなかった訳ではないがなぁぁー、フハ、フハハハ」



まゆり「・・・・・・それがあるとね、ちょっとだけ安心してねむれるの。」


岡部「・・・?」


まゆり「夜になるとこわくて、ほんとにこわくって・・・がまんしてても、どうしてもねむたくなっちゃうのです。 でもそれをだきしめてると、オカリンが横にいてくれる気がしてちょっとだけ安心するんだよ」


まゆり「結局夢はみちゃうんだけど・・・泣きながら起きたときにそれをだきしめると、オカリンが守ってくれる気がして、ちょっとだけ、安心、するんだよ・・・」



まゆり「・・・オカリン、ぜったい帰ってくるよね・・・・・・?」

岡部「心配か?ならば何度でも言ってやる。・・・俺は、必ず帰ってくる。絶対にお前を救ってやる。」


まゆり「・・・うん。わかった。じゃあこれは、オカリンに返すね。オカリンがぜったい帰ってきて、まゆしぃをたすけてくれるって、信じてるから・・・」



俺は血まみれの白衣を脱ぎ、まゆりから真っ白な白衣を受け取った。










まゆり「・・・いってらっしゃい。」





岡部「・・・いってきます。」

秋葉原某所――――

鈴羽「おじさん!」


岡部「鈴羽・・・」


鈴羽「大丈夫だったの!? どこも刺されたりとかしてない!?」


岡部「問題無い。それより奴らの動きは?」


鈴羽「大丈夫だよ。アイツら、ぜーんぜん違うところ探してるから。やっぱり着地場所、変えといて正解だったね」


岡部「そうか。ならば急ぐぞ。問題は、未来に到着してからだ」


鈴羽「うん。未来では時間が無いから、ポイントから離れすぎた場所には着地できない。奴らと近距離に着地せざるをえないからね」


岡部「そうなると、ハチ合う可能性が高い・・・いや、必ず接触するだろう。厄介だな・・・」



鈴羽「だいじょーぶ!それはあたしがどうにかするよ!」


岡部「お前が一手に引き受けるのは、リスクが高すぎる・・・別の方法を考えよう」


鈴羽「・・・っはぁー」


岡部「な、なんだ」


鈴羽「ガッカリだよ、おじさん。」


岡部「どうしたというのだ鈴羽、急に・・・」


鈴羽「おじさんが言ってるリスクっていうのは、あたしのリスクでしょ?」


岡部「ああ。もちろんだ」



鈴羽「じゃあ、そんなことは考えなくていいよ。あたしに全部リスクが来て、おじさんにノーリスクなら、こんなにいい作戦はないんだから」


岡部「しかしそれではお前が!」


鈴羽「おじさん!!」

鈴羽「おじさんはあたしのこと、信じてくれてる・・・?」


岡部「も・・・もちろんだ。俺はお前に全幅の信頼を置いて」


鈴羽「じゃあ、あたしは何のために過去に来たんだと思う?皆の悲しむ顔を笑顔に変えるために、何をしに来たんだと思う?」


岡部「お前は、ディストピアのある未来を変えに――――」


鈴羽「ちがうっ!!」


鈴羽「あたしは、未来を変えに来たんじゃない!そんなこと、あたしにはできない!悔しいけど、悔しいけど・・・あたしにそんな力は無い!!」



鈴羽「助けに来たんだよ!! オカリンおじさん! 君を助けに来たんだよ!!」


鈴羽「未来変革の鍵が椎名まゆりである以上、未来を変えることができるのは君しかいないんだよ!!」



鈴羽「それが何!?たかが付き添いのあたしなんかのリスクを気にして!!本当に大事なことを、見落として!!」



鈴羽「はぁ、はぁ、・・・覚悟をして、おじさん。」


鈴羽「戦士の顔で、過去へ跳ぶために。」

岡部「ッ・・・」



俺の心の中に、寂しい色の渦巻が回る。



つまり鈴羽の意味するところは――――局面において、自分を見捨てろ。


こういうことだ。




だができるのか。俺に。


鈴羽を見捨てて、新たな世界線に到達して、それで俺は満足できるのか。


いや・・・?良く考えたら、それは今までずっとやってきたことではないか。


他人を散々辛い目に合わせて、俺はこの世界線にたどり着いたのではないか――――。



休憩

乙なのです☆

乙リン

乙!悩む所がオカリンらしいww

>>469
もうすぐひぐらしの季節か…
この気持ちのままやるか!

うぐう

乙でゴザル!

このレスを見たら
7日後以内に死にます
無残な姿で死にます
回避する方法は1つ
このレスをコピペしてほかのスレに7つ貼る事です。
100%これをやってください
本当に死にます
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100%これをやってください
本当に死にます

再開

まゆりを助ける。


そのためだけに俺は、幾多の人々の願いを断ち切った。


だが、そのためMr.ブラウンや萌郁にまゆり、そして紅莉栖の命が助かったのも事実・・・



それも事実なのだ。



岡部「・・・ッ・・・」




もう俺には、何が正しいのか分からなかった。



鈴羽「おじさん」



鈴羽は車を止めて、小さく震える俺の右手を手にとった。



岡部「な、何をしている・・・。俺たちには時間が・・・」


鈴羽「聴いて。おじさん」

鈴羽「オカリンおじさん。おじさんが気に病むことなんか、何にもないんだよ」

岡部「・・・俺は、多くの願いを失わせた。夢を持たせるだけ持たせておいて、最後には奪ったんだ・・・」



ますます自責の念を深める俺とは対照的に、鈴羽は平然としていた。



鈴羽「そうだよ。今自分で言ったじゃん!」


岡部「え・・・?」








鈴羽「『夢』なんだよ。『願い』なんだよ。本来は、無かった・・・無くて当然のものだったんだよ」



鈴羽「秋葉留未穂の父親は、飛行機事故で死亡している。漆原るかは、仕草は女のコにしか見えない」


岡部「だが、男だ・・・」


鈴羽「そう。そして椎名まゆりは、17歳の時点で死亡することは無い。牧瀬紅莉栖も、18歳の時点で死亡することは無い。それら全てを狂わせているのは・・・」



岡部「タイムマシン・・・」



鈴羽「・・・そう。」

鈴羽「わかるよね、おじさん。」


岡部「・・・」



鈴羽「今ここにいる・・・こうしてあなたと話しているあたしも、『夢』なんだよ。本来あってはならないもの」


鈴羽「だって橋田鈴羽は、今から7年後に生まれてくるはずなんだからさ。それが正常な未来。SG世界線。あたしたちはそこにいかなきゃならない」


岡部「わかってるッ・・・」


鈴羽「じゃあ、あたしを見捨てて。何があっても、振り返らないで。まゆりさんの心を変えるまでは。」



岡部「!・・・」



鈴羽「おじさん」



岡部「・・・ッた」


鈴羽「おじさん?」



岡部「わかッた!わかった、わかったよ、わかった・・・!」



岡部「未来だけ見る・・・それでいいんだろう・・・!」

短いですが今日はここまでです。


ありがとうございました。

男なんだろ!

乙乙

乙!待ってるからマイペースにドゾ

保守

おっつ。相変わらずギャグでもないかぎりオカリンは
苦渋の選択を強いられますな

新作やってる?>>1

>>496
新作ってどこや?

続き待ってる

再開。

その後、俺たちは山中に着地させたタイムマシンへ向けて三十分ほど車を走らせた。


その間はお互い、全く口をきかなかった。


俺は夢のように流れていく夜景を、ただ眺めることしかできなかった。


この景色を見るのも、これが最後になるかも――――ふとよぎったそんな考えを、すぐに振り払う。


すぐに、戻ってこれる。


その時は皆笑顔だ。





そうやって俺は、独り戦士の顔した鈴羽から、逃げていた。

鈴羽「・・・着いたよ」


岡部「ああ」


鈴羽「おじさん、やることは分かってるよね?」


岡部「俺は未来に着いたと同時にまゆりに会いにいき、あいつの心を変える。そしてお前は、ラウンダーをひきつける」

鈴羽「完璧。じゃあタイムマシンに乗る前に、この世界線の仲間たちに、最後のお別れを告げようか」


岡部「なっ・・・できるのか?」



鈴羽はポケットから丸い卵型の機械を取り出した。


鈴羽「父さんの開発した未来ガジェットだよ。これのもう一方はラボに置いてるから、もし紅莉栖さん達がまだ中にいれば・・・」


岡部「・・・!」

ラボ――――


紅莉栖「・・・」


ダル「・・・ふー。あいつら、行ったみたいだお」


紅莉栖「そう」


ダル「うん・・・」


紅莉栖「・・・・・・」


ダル「・・・牧瀬氏さ」


紅莉栖「・・・」




ダル「オカリンのこと、まだ全然好きじゃん」


紅莉栖「・・・」



紅莉栖「・・・・・・どういう意味?」


ダル「だって好きじゃないんなら、そんな風に膝抱え込んで沈んだりしないでしょ」


紅莉栖「・・・――――!」



紅莉栖「これでいいでしょう?」


ダル「うぉぉ、そんな気合い入れて立ち上がらなくても・・・」


紅莉栖「別にショック受けたりなんかしてない」


紅莉栖「岡部が何も言わずに行っちゃったことに対してショック受けたりなんか・・・」


ダル「自白乙」


紅莉栖「うるさい!」


ダル「まぁ僕もショックっちゃあショックなんだけど」


紅莉栖「それにしては平然としてるじゃない」


ダル「僕のはなんつーか・・・心残りっていうか」


紅莉栖「?」


ダル「残念だなぁって、感じなんだお」


紅莉栖「・・・うぅ」


ダル(ついに泣き出しちゃった・・・)


ダル(「岡部がいなくなってせいせいしたわ!」とか言い出さないとこ見ると、素でかなりショック受けてんなぁ・・・)



紅莉栖「うっううっうーーうううああぁあぁあっあっ・・・はぁ、ふっ、ぐっぐぐ」


紅莉栖「うえええぇっえっえっえっ・・・うえええええええぇぇぇぇぇん」



ダル(かなりじゃないな。相当だお)

ダル「ん?」


ダル(牧瀬氏の超うるさい泣き声でかきけされかけてるけど、なんか鳴ってる)


ダル「僕の携帯じゃないな。牧瀬氏、けいた・・・」


ダル「・・・ってテーブルにあるじゃん。じゃあ何なんだろ」


ダル「・・・・・・奥だ」










ダル「なんだこれ・・・ちっちゃいメカ。鳴ってる・・・」


ダル「まさか・・・このボタン押したら」





岡部『誰だ?ダルか?』



ダル「オカリン!?」





紅莉栖「!!!!」

紅莉栖「ノスタルジアドライブッ」


ダル「ぐわあああああああっ!?」



岡部『ちょっえっ・・・ダル!? まずいぞ鈴羽!まだラウンダーの残党がっ』

紅莉栖「岡部!!!???」


岡部『のわあああっ』


紅莉栖「ふー、ふー・・・!」


岡部『紅莉栖・・・?』


紅莉栖「ああんたなんでぇ・・・!」

岡部『待て紅莉栖、落ち着け。確かに何も言わずに行ったのは悪かった!』


紅莉栖「私がどれだけ心配したと思ってんのよ!? もう会えない、話も出来ないと思って私がどれだけ・・・どれだけっ」


岡部「何を言っている!?俺はすぐに帰ってくるのだから心配などする必要も無いッなぜならこの鳳凰院凶真に不可能はっ」


紅莉栖「うるさいっ!!!!」



岡部「・・・えー、はい。」



紅莉栖「黙って聞きなさいっ・・・」



岡部「はい。」

紅莉栖「私は一度あんたのことを諦めた!どうせこの世界線で結ばれないなら・・・結ばれないなら愛さない方がよっぽどいいって!楽だって!」


岡部「・・・!」



紅莉栖「でもダメ!!今分かったの!私はどうしてもあんたを諦めることができない!結ばれることはないって分かっていたって・・・!だから、だから」


紅莉栖「だから聞きなさい岡部倫太郎!!私はあなたを、愛しているから!!どの世界線にいたって、そんなのありえないって否定されたって・・・この想いだけは、変えようの無い事実だから!!」


紅莉栖「岡部!必ず帰ってきて!!そして私を抱きしめて!!」



紅莉栖「それがあんたの・・・償いよ・・・!」



岡部『・・・』



岡部『・・・ふっ』


岡部『ふふふっ・・・』



岡部『フハハ・・・何を言っているのか・・・この天才HENTAI少女め・・・』



岡部『もう後悔しても遅いぞ!覚悟していろっ・・・お前がどれだけ嫌がっても!どれだけ俺を拒んでも!』




岡部『お前をっ抱きしめてやるからなッ・・・必ず!』


紅莉栖「うん!」



ダル「・・・・・・グスッ」








紅莉栖「橋田・・・これ」


ダル「うん」




ダル「も、もしもし」



鈴羽『もしもし・・・』

ダル「!あ・・・」



だ、ダメだ・・・色んな、言いたかったことが頭の中で、ぐちゃぐちゃになって・・・声を聴いただけでこれだ、僕は・・・


いっぱいあるのに。オカリンを助けてくれたこと・・・前の世界線で何も言えなかったこと、謝りたい・・・くそっ何も、まとまらない、何もっ



いや、もう、それなら・・・・・・







ダル「鈴羽・・・」


もう、ひとつでいい


鈴羽『はい・・・』



ダル「鈴羽・・・・・・!」



今度こそ。



鈴羽『はい・・・・・・!』







ダル「鈴羽!」















ダル「がんばれ・・・!」

鈴羽『・・・・・・』



鈴羽『うん・・・・・・!』











ダル「・・・切れちゃった」


紅莉栖「ぐっ、ぐすっ・・・うぅ」




ダル「・・・届いた」





やっと届いた――――





ダル「・・・がんばれ」

今日は以上です。


ありがとうございました。

おつおつ
ダルの頑張れにウルっときた

とぅっとぅるー、だるしぃです★

更新頑張れ?

一周年

まだ更新続けていたのか
頑張って

SS読んでてウルッとくるとは思わなかった、いよいよクライマックスか・・・
どれだけ時間をかけてもいいから是非最後までやり遂げてほしい

頑張れ

再開。

秋葉原某所――――


ラウンダー1「・・・鳳凰院様」


岡部(未来)「どうした」


ラウンダー1「これだけ秋葉原全域を探しても見つからないということは、彼女らは既に過去へ跳んだ可能性がございます」


岡部(未来)「なにィ・・・」


ラウンダー1「我らも一刻も早く過去へ跳んで、彼女らを待ち伏せした方が良いかと」


岡部(未来)「・・・」


岡部(未来)「総員に伝えろ。各自持ち場へ戻れ。タイムマシンで過去の牧瀬紅莉栖たちが存在した時点のアメリカへ跳べ」


ラウンダー1「了解。各自持ち場へ戻れ――・・・」







あそこから全てが始まった。そんなことは、言われなくても解っていた。



だから跳んだ。ラボを出て、タイムマシンを自分で開発してからは何度も何度も――――期待に胸を膨らませて。



やっと終わるって思った。


本当に辛かったんだ。

まゆりがおかしくなってから皆もおかしくなって、それに耐えきれなくて、俺はラボを出た。


タイムマシンを開発するために。



もう一度・・・あの楽しかった頃に戻りたかった。




岡部(未来)「・・・ッ」





でもダメだった。


過去の俺にバレないように未来を変えようとしたが―――俺にはまゆりが壊れる原因がわからなかった。


独りでずっと考えた。仮説を立てては跳んだ。



だけど・・・ッ





変わらない・・・変わらないんだ





どうしても変わらないんだ・・・・・・!








ラウンダー1「鳳凰院様、準備が完了いたしました」



岡部(未来)「ああ。いくぞ」







だから俺はもう、





現在を変えることに決めた。







岡部(未来)「決着をつけよう」

タイムマシン内――――



鈴羽「あともう少しで着くよ」



岡部「ああ・・・時間との勝負だ。しかし鈴羽、お前はどうやって過去の俺に接触するのだ?」


鈴羽「もちろんお母さんにのせてってもらうよ。すいませーん!って言って、ヒッチハイクだねっ」


岡部「そうか・・・それは二重で驚くだろうな過去の俺も・・・」


鈴羽「おじさんはなんにも考えずにまゆりさんのところへダッシュでいって、未練を断ち切ってくること! それさえすればきっと大丈夫だよ!」


岡部「そうだといいがな・・・」



あくまでも仮説。しかしチャンスは一回だ。


尻すぼみするのも、仕方がないと言え・・・


岡部「んぐっ」



そんなことを考えていたら、鈴羽に鼻をつままれた。




鈴羽「リラックスリラックス! だーいじょーぶ、なんとかなるって!」



岡部「・・・分かっている」






これから死ぬかもしれないのに、俺を気遣ってウインクができるお前に、




7年後、ちゃんとお礼を言いたい。

ガコンと、タイムマシンが激しく揺れた。






鈴羽「着いた・・・」


岡部「あ・・・」




鈴羽「いくよおじさん!」



岡部「あ、ああっ」



タイムマシンの扉が開いた。

ラウンダーがいないのを確認して、鈴羽は勢い良く飛び出していく。




鈴羽「じゃあねっおじさん! また、7年後っ!」




鈴羽は笑顔でこちらに手を振った。




岡部「・・・ッ」




俺は無言で手を振りかえして、雷ネットの会場へと走り出した。


岡部「ハァ、ハァ、・・・」



まゆりはどこだ。



雷ネット会場は広い。ただ闇雲に走っていては見つけられないだろう。


俺は一度立ち止まって頭を回した。



思い出せ。


今は昼飯時・・・まゆりはどこにいるんだった?




岡部「しまった・・・!」



焦りが、思わず口をついて出た。


この時間、俺は会場の店で猫耳メイドの格好をした紅莉栖を茶化していたのだ。



よってまゆりとは別行動――――




岡部「くっそ、俺のバカめ・・・!」



ラウンダーはまだ来ていないのだろうか。


鈴羽は引き付けると言ったが全員はきっと無理だろう。


奴等が何人いるか俺は知らないが、そのうち何人かはこちらへ来て俺をとらえようとするはずだ。




心臓の音が痛いくらい大きくなり、冷や汗が流れる。




急がないと。急がないと。

怖い。


俺が捕まれば全てが終わりだ。



なのに、足がガクガクして力が入らない。



時間が無い。はやく、はやく――――!




「ねー、あれコスプレ?」



コスプレ!!


側にいた日本人がそう言ったのが、確かに聞こえた。



そうだ、コスプレだ。


コスプレを見せるために、まゆりはルカ子と一緒にお立ち台に行っているのだ!

あれはかなり反響を呼んだと言っていたから、雷ネット以外で人が集まっていて、シャッター音の絶えない場所へ行けばいい!


パァ、と目の前が明るくなった気がした。


しかし、そんな気分は次の一言で消し飛んだ。









「そうね・・・でもなんか恐くない?軍人みたい」










ラウンダーだ。

岡部「あ、あ・・・」


間違いない。



人混みの中で、俺を探している。



白衣を脱いで身をかがめた。


左腕に激痛が走ったが気にもならない。


バレたら終わりだ。



しかし幸運なことに、ラウンダーとは逆方向にルカ子の姿が見えた。




しめた――――。




俺が足早にお立ち台に近付くと、側にいたまゆりが手を振った。



まゆり「あーっ!オカリ」



岡部「しっ!出るぞ」


まゆり「えー?」








るか「ま、まゆりちゃ、え、どこいくの、えええ・・・」

雷ネット会場から歩いて五分ほどの公園のベンチに、俺たちは腰を下ろした。



岡部「飲むか」


途中で買ったジュースの缶を渡す。



まゆり「わ、ありがとーオカリン」




まゆりは、元気だった。


目にクマが少しだけついているが、俺のいた時間ほどじゃない。



岡部「クマができているぞ。眠れなかったのか?」


嬉しくて、逆にそんなことを尋ねてみる。



まゆり「んー?・・・まゆしぃ、ちゃんと寝たよ?」






はっと、気づく。





今日の・・・この日の前日は、俺がまゆりをはねのけた、あの夜の日ではなかったか。





このクマは、まさか俺があの日、まゆりを拒絶したから眠れなくて・・・?



良く見ると、かすかに目も赤く腫れている。



岡部「あ・・・」



そして今日の夜、俺は紅莉栖と付き合うことになったとラボメンの皆に報告するのだ






幸せいっぱいのその笑顔で。





岡部「う・・・ああ・・・!」



まゆり「オカリン・・・?」

吐き気がした。


俺はなんて、なんて――――ッ



岡部「う・・・」



まゆり「オカリン、大丈夫」


まゆりが背中をさすってくれる。



まゆり「・・・もし昨日のことでなやんでるなら、そんな必要、ぜんぜんないのです・・・まゆしぃ、気にしてないよ」


岡部「うぐぅ・・・!」



涙が出そうになるのを必死にこらえる。



俺は本当に、バカ野郎だった。



何で気付かなかったんだ・・・!?



まゆりはもう、今の時点で、こんなに苦しんでいたのに・・・。




まゆり「オカリン・・・」



岡部「ふ、ふふ・・・すまないなまゆり、もう、もう大丈夫だ。少し取り乱しただけだ・・・」



まゆり「ほんと?」


岡部「・・・まゆり」














岡部「俺のこと、好きか」

今日は以上です!



ありがとうございましたー

まゆしぃ…

更新来てたか

とうとう、ここまできたか・・・!

今日初めてこのスレ見たわ
クライマックスが楽しみ

久々にきたらまだ更新続いてたのね
クライマックスまで見届けよう

ぐおお…

もう少しで終わりか

ageんなよクズが

期待

すまんsage忘れてた

まだかな...

>>1は忘れてないよな

>>539
今さらだが時間スゲエな

次は10月ぐらいになるか

これは面白い
一気に読んでしまった

すごく長いな(期間が)

トゥットゥルー♪

1ヶ月は経ってるのか

再開

まゆり「トゥッ、ヘアー!」

まゆり「・・・? オカリン?」


岡部「答えてくれ、まゆり。俺のことが好きなのかどうか」




まゆり「・・・」




まゆり「まゆしぃ、好きだよ。オカリンのこと。」



まゆり「でもね、もしオカリンがまゆしぃのこと好きだったとしても・・・それはとってもとってもうれしいことだけど・・・だけど」



まゆり「それはきっと、まゆしぃの好きとはちがうのです。」


まゆり「だからまゆしぃは、もうオカリンのこと好きでいたくない」



岡部「・・・・・・」






まゆり「・・・辛いから。」


岡部「・・・そうか」



まゆり「うん・・・」


岡部「まゆりは俺のこと、好きなのか。くくくくッ」



まゆり「そ、そんな言い方してないよ・・・好きでいたくないって言ったのです」


まゆり「だってオカリンは、紅莉栖ちゃんが好きなんでしょ?」



岡部「・・・ああ、そうだな・・・」





岡部「だがもう・・・、分からなくなってしまったよ・・・」




俺はこの時間に出発する前、まゆりに「お前に関わらなかった世界線も存在した」と言った。





しかしそんなものは・・・真っ赤な嘘だ。


まゆりに見せられたどの世界線においても・・・岡部倫太郎は存在した。



ほぼ全ての世界で17歳の生涯を終えてしまうまゆり。


そんなまゆりと、俺は必ずどこかの時点で出逢っていた。



幼稚園で。


小学校で。


中学で。


高校で。




死にゆくまゆりの側には、いつも、俺がいた。

信じられない。


そんなことがあり得るのだろうか。


幾百、幾千を超える世界の中でただのひとつも、俺とまゆりが出逢わない世界線は無い。



そして彼女の、俺を想う強さが――――苦しくて。嬉しくて。





もう、分からない




こんな自分の気持ちにもケリをつけられない、弱い弱いこの俺が、まゆりに強くなれなどと言えるか?


そんなこと・・・言える筈がない。







自分の中で、何か大切なものが急速に萎えしぼんでいくのを感じた。

岡部「なんでだろうな」


岡部「なんで俺はこんなに・・・」



まゆり「・・・オカリン? 大丈夫?」


岡部「運命が、重い」


岡部「重い重い重い重い重すぎる!重すぎるんだ!!なんで、俺、なんだ・・・!」


まゆり「オ、オカリン」


岡部「俺はただ、普通に・・・ラボメンの皆と過ごしたい、仲良く、いつまでも、楽しく・・・。それだけ、本当にそれだけなのに、それだけなのに、なんでだろう。それはとても難しいんだ」












岡部「俺だけ。」











岡部「ぅぅぅううううわああああああああああああアアアアア」



まゆり「だめ!オカリン!!」

まゆり「ま、まゆしぃは分からないけど・・・ダメだよ!落ち着いて!」


岡部「な、なぜリーディングシュタイナーなど持ってしまったのだろう・・・?それさえなければ俺は、皆と同じように俺は、」


まゆり「オ、オカリン・・・何言ってるの」



岡部「ああああぁぁぁぁ・・・・・・」






???「あのー、発狂してるとこ悪いんだけど、至急この車に乗って欲しい件」



まゆり「だ・・・だぁれ?」




???「あぁ、ちょっと事情があってマスクとサングラスと帽子は取れないんだけど、この声でわからん?」



まゆり「もしかして・・・」






まゆり「ダルくん?」



岡部「!」



岡部「ダ、ダル・・・?」








ダル(未来)「久しぶり。・・・オカリン、まゆ氏。」

ありがとうございます。今日はここまでです。



更新のペース上げます。


次も楽しみー。

おつ!!
めっちゃ待ってた!!

待ってたぜ!


続き待ってた

待ってる

まだかなー

まだかな

まだかなー

トゥットゥルー

まゆしぃです

マッチョシィだよ

とぅっとぅるー☆

ペースを上げるとはなんだったのか

別の世界線で投下してるのさ

>>569
それ何でも使えるじゃないですかやだぁ

くそう
俺にもリーディングシュタイナーがあれば

待ち続けてるぜ

もう10月も終わろうとしてるわけだけど

完結してるだろうと思って読み始めたら終わってなかった
応援してる頑張れ1!

期間空いてもきっちり続き書いてくれてるだけで十分だぜ
今まで一体幾つのSSが未完のまま作者失踪したことか・・・

最後まで読みたい!応援してます!

今日で2ヶ月か…

頑張って!
待つよ!いつまでも!

もうアカンわ此処…

もう放棄したかな

再開

岡部「ダル・・・?」


ダル(未来)「一応はじめましてになるかな。 君はまた違った世界線からきたんだろ?」



岡部「う、うぅ・・・」




岡部「嘘だっ!!」


ダル(未来)「お・・・」



岡部「お前はSERNのッ・・・そうでなければラウンダーのまわしものだっ! もし本物のダルだと信じて欲しいなら・・・しっかりと顔を見せろ!!」


まゆり「オカリン、でもダルくんの声だよ・・・」


岡部「声など変声機を使えば誰にでも真似できるッ! さあ顔を見せろよ!見せろ!」



ダル(未来)「・・・・・・」



岡部「どうした!できないのか! できないなら・・・俺はお前を、ダルだと認めない!!」



ダル(未来)「同じ眼をしてる」


岡部「何!?」






ダル(未来)「僕らの時代のオカリンと・・・」



岡部「!・・・」

ダル(未来)「悪いけど顔は見せられない。理由があってね」


ダル(未来)「僕が僕だと証明してくれるものは・・・今となっちゃ、これしかない。ずっと着けてたから、もうボロボロになってしまったけど」



岡部「それは・・・」




ラボメンバッジ――――。





岡部「――――いや、そんなもの、いくらでもコピーは」



ダル(未来)「そんなものよばわりするな」

岡部「な、何がだよ」


ダル(未来)「オカリンが作って僕にくれたこのバッジを・・・そんなものよばわりするな」




ダル(未来)「僕はラボメンNo.003であることに誇りを持っている!」


ダル(未来)「どんなに笑われたってあれがお遊びだったって、あの日々は僕の宝物なんだ」



ダル(未来)「だから、力を貸してくれよ。昔のオカリン。頼みがあるんだ」



岡部「俺に何をしろと言うのだ・・・」




ダル(未来)「・・・鈴羽はこの世界線で命を落としたら、もう生まれてくることができない」







岡部「な、・・・に・・・?」

鈴羽は・・・死ぬ。


少なくともこの世界線では、奇跡が起きない限り、間違いなく。


そしてヤツがラウンダーを引き付けている間に、俺はまゆりの気持ちにふんぎりをつけさせ、それと同時に世界線変動・・・世界は救われる。それが俺たちの作戦。



ダル(未来)「・・・鈴羽は気付いていないけど」


ダル(未来)「僕達はずっと未来から鈴羽の動きを観測していた。計画は、順調だった」


岡部「!?ならばお前たちが未来から原因を究明すれば良かったではないか!!」



ダル(未来)「・・・僕達は長年、何がなんだかわからなかった。オカリンとまゆ氏は突然おかしくなって、僕や牧瀬氏もおかしな夢に苦しまされて、気づけばラボはバラバラさ」



ダル(未来)「やっと、やっとここまで来た。仮説を立てては議論を戦わして、ついに原因はリーディングシュタイナーの突発的発生だと解った」


岡部「そうだ!ならば――――」


ダル(未来)「落ち着けよ、オカリン」


岡部「んぐっ・・・」



ダル(未来)「・・・へへ、なんかこのやりとりも懐かしいな」

ダル(未来)「少し冷静になって考えてみろよオカリン。僕達は確かに原因を突き止めた。でもそれは、更なる闇に踏み込んだだけだった」



岡部「・・・! 原因の、原因」



ダル(未来)「そう、原因の原因だ。一番大切なのは結局それだったんだ」



ダル(未来)「《椎名まゆりのリーディングシュタイナーは何故突発的に発生したか―――?》」


まゆり「・・・ダル君、何のこと言ってるのかなぁ」



まゆり「りぃでぃんぐしたいなーってなぁに?」



ダル(未来)「」パン



まゆり「はうっ」プシュッ ドサ




岡部「まゆりぃぃーーーー!?ダルおまおまおまおま何をッ!!」


ダル(未来)「ちょっ、こっちくんなってオカリン!只の麻酔銃麻酔銃! まゆ氏が余計なこと知っちゃったら困るっしょ!?」

岡部「だからっておまっ」


ダル(未来)「いいから、車に乗れよ!説明はそれからする!」




ダル(未来)「時間が、無いんだ、時間が・・・」

岡部「ダル・・・お前車ちゃんと洗っておけよ。なんかベタベタしたものがついているぞ」


ダル(未来)「借り物だからね。所有者がよっぽど激しいプレイでもしたんでない?」


岡部「あほか・・・」





車中――――



岡部「くっ・・・少し飛ばしすぎではないか」


ダル(未来)「鈴羽とラウンダーがカチ合うのはまだ先だけど、何しろ結構距離があるからね」


岡部「そうか・・・で、さっきの話の続きだが」



ダル(未来)「ああ。とにかく原因の原因を究明しなきゃってことになって、牧瀬氏と色々考えたんだけど、まあわかるわけないよな。思い出すにしても限界があるし」


岡部「それはそうだな。というかお前、まさかずっと紅莉栖と一緒にいるのか」

ダル(未来)「お?」

岡部「・・・」


ダル(未来)「お?お?」


岡部「・・・」





ダル(未来)「気になる?」



岡部(うぜぇ・・・・・・)

岡部「まあ紅莉栖に限ってそんなことあるはずが・・・」


ダル(未来)「甘いな・・・甘ェよオカリンッ金平糖かよてめえはッッ!?」


ダル(未来)「大人 なんだぜ・・・?牧瀬氏も、そして、この、僕も・・・」


岡部「な、なぁ~にを言っておるのかさぁ~ぱりわからんなー我が右腕よ」



ダル(大人)「・・・」



岡部「・・・」





ダル(未来)「まぁいいや、話に戻ろうか」


岡部「いやちょっ、」


ダル(未来)「ん?」



岡部「・・・何でもない!話せ!」


ダル(未来)「KOWAAAAI」


岡部「だまれ!」



ダル(未来)「どっちだよ・・・」



ダル(未来)「原因の原因の究明は、率直に言えば無理だった。僕達は過去のこの時点では、完全に部外者だったから」



ダル(未来)「じゃあもう過去を諦めて、現在のオカリンを説得しようって牧瀬氏は提案したんだ。僕もそれに同意した。・・・でもその頃にはもう、オカリンは大きな力を持っていて、普通に会えるような相手じゃなかった」


岡部「・・・では結局会えずじまいなのか?今まで?」



ダル(未来)「いや・・・一度だけ。会ったと言っていいのか、とりあえず僕とオカリンの最後の接触はもう10年も前だった」

ダル(未来)「雨の日だった。何度アポを取っても会えないから、もう直接会って話をしようと決めた」


ダル(未来)「強行手段さ」



ダル(未来)「どこぞの大物と会談をするっていう予定を押さえて、僕と牧瀬氏はそのホテルの前で待ち伏せした。 屈強そうな男に囲まれて出てくるオカリンを見るなり、僕は傘を捨てて飛び出したんだ」


ダル(未来)「後ろの方でかすかに牧瀬氏の待って、って声が聞こえたけど関係なかった。もう僕はやりきれなくなってた。それでボディーガードが止めるのも構わずに、オカリン、て叫んだんだ」



岡部「っ・・・」



ダル(未来)「オカリンはこっちを見たよ。でもあれは」








ダル(未来)「仲間に向ける眼じゃなかった・・・」

ダル(未来)「愕然として、動けなくなったよ。オカリンは構うな、って一言呟いて車に乗って行ってしまった。びしょ濡れになって、ワケわかんなくて、泣きそうになった。けど泣けなかった」



岡部「・・・何、故」


ダル(未来)「・・・・・・」





ダル(未来)「牧瀬氏が、泣かなかったから・・・」


ダル(未来)「一番辛いはずの牧瀬氏が泣かなかったから、僕も泣くワケにはいかなかった。・・・ホントは泣いても良かったんだ、あの子は。泣いて当然だった。けど、絶対泣かなかった。代わりに一言、『過去に行きましょう』って言った」


岡部「・・・!」


ダル(未来)「その日から僕達のタイムマシン製作は始まった。色んな人に支援してもらって、ついに一台のタイムマシンを完成させた。オカリンはこの時間に全ての元凶があると踏んで何度もここにきたらしいけど、僕達は少し時間をずらして、最高の味方に手伝ってもらおうと考えた」




ダル(未来)「つまり君さ」


岡部「そして鈴羽をこちらによこしたという訳か」


ダル(未来)「自分がいくときかなくてね。彼女はフットワークも軽いし」


ダル(未来)「ただひとつ問題が発生しちゃったんだよね・・・」


岡部「鈴羽が死ぬ、という話か?」


ダル(未来)「そう。君と鈴羽がタイムマシンを発動させた途端、世界干渉率がとんでもない数値を叩き出してね。まあ、それほど重要な世界線ってことなんだろうけど」


岡部「つまり、ここでの結果が他の世界線にも影響を及ぼす可能性が高いということか・・・」


ダル(未来)「だから、鈴羽がここで死んでしまったら、たとえオカリンが世界線が変動したとしても」


ダル(未来)「そこに鈴羽はいない。そこでオカリンにひとつ質問」


ダル(未来)「シュタインズゲート世界線には鈴羽は必要だよな?」


岡部「当たり前だ」


ダル(未来)「ならよかった。僕の選択は正しかった」



岡部「ラボメン全員が揃って初めてハッピーエンドに決まっているだろう?」





ダル(未来)「・・・そうだな」

今日は以上です。

ありがとうございました。

ダルかっこよすぎだろ!

乙!

うおおおきてたあああああ!!
乙乙!

書くまでが長いが読んでしまう・・・

乙!

棄ててなかったか
おつおつ

おつん!!
待ってたああああ!!

再開

わーい

ダル(未来)「・・・僕達、ホントアホだったよなー、昔は。君にとっては、つい最近のことなのかもしれないけど」


岡部「どうした、急に?」


ダル(未来)「なんだか懐かしくなってさ」


岡部「・・・俺がバカなことを言い出したとき、お前は文句をいいながらも必ずついてきてくれる」


岡部「なんというかその・・・感謝はしているぞ」


ダル(未来)「Fuuuuuuuuu!鏡越しからでもわかるぜ、オカリンがタコみたいに真っ赤なのがなぁ!」


岡部「なぁ、なっとらんわ!」


ダル(未来)「フゥーハッハッハッハッ!!」


岡部「き貴様、それはマッドサイエンティストの称号を与えられた者のみに許される、」


ダル(未来)「よーし、なんとか間に合いそうだね」


岡部「聞けィ!!」

ダル(未来)「いやー、ホントに良かったよ。時間は待っちゃくれないからね」


ダル(未来)「僕が生きている間に、君たちを送り届けられた・・・」










・・・・・
・・・・
・・









岡部「え?」

岡部「・・・ダル?」


ダル(未来)「使命は全うできた。」



岡部「何を言ってる?ダルお前っ・・・」















岡部「お前」













岡部「なんだその手は」

ダル(未来)「・・・うん」



ダルの手は緑色のかたまりになり、ぼたたっと膝の上に落ちた。




ダル(未来)「時間切れみたいだね」



岡部「は・・・あ、わ、訳がわからん。ワケがわからない!どういうことだ!説明しろダル!」



俺はもう、目の前で起きたことに対して頭を回転させることができず、ただ、ただすがるようにダルへ質問を投げつけた。



わからない。


何が起こった?


説明してくれ。




ただひとつ、頭の中で点灯している予感がある、









ダル、お前、




いなくなっちゃうのかよ?

ダル(未来)「心残りは二つある」



岡部「待て・・・ちょっと待て」



ダル(未来)「ひとつはもちろん、オカリンを僕の手で救えなかったこと・・・」

岡部「待て。やめろ、ちょっと待て!」

ダル(未来)「もうひとつは、」


岡部「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」




途端に、






急速に脳が回転を始めた。


もやのかかった頭を風が吹きさらうように、一気に謎がとけていく。



不思議な感覚。


こんなに熱いのに、こんなに冷たい――――









岡部「ダル・・・」



岡部「ダル、お前、」




岡部「カーブラックホールを無理やり抜けてきたのか・・・!?」

ダル(未来)「・・・」


岡部「さっきお前は・・・タイムマシンは一台といった」



岡部「タイムマシンはもう一台作ってたんだな?」



岡部「お前はもうひとつの・・・つまり完成してない方のタイムマシンに乗って、ここへ来たんだな・・・?」




ダル(未来)「・・・・・・牧瀬氏は、止めたよ」


ダル(未来)「いや、牧瀬氏だけじゃない。みんな止めた」



ダル(未来)「けど、ただ黙って娘が死んでゆく様を見ているだけなんて・・・できると思うかい」



ダル(未来)「なぁオカリン!!できると思うかい!!」





車は止まった。


ダルは座席を離れ、俺の胸ぐらをぐっと掴んだ。



帽子も、サングラスも、何もない。



そこには、もうほとんど緑色に変色したダルの顔があった。


そしてその眼からは、確かに緑色ではない涙が流れていた。

ダル(未来)「あの子を過去に送り出すのもほんとは辛かった!!でもあの子は笑顔で承諾してくれた・・・研究ばかりで家庭を蔑ろにし続けた僕のために!!幼いころ自分を可愛がってくれた君のためにぃ!!」


ダル(未来)「また皆が仲良くなれるならって・・・!」



ダル(未来)「オカリン・・・」




ダル(未来)「君ともっと、分かり合いたかった」


ダル(未来)「僕がもう少し君を分かっていれば・・・こんなことにはならなかったから!」




胸ぐらを掴む、ダルの手が落ちて、俺の膝の上にべたりとついた。




岡部「・・・カ・・・・・・・が」





岡部「バ、カ野郎が」



岡部「・・・お前はどうなるんだよぉ!!?」

岡部「ここは他世界干渉率が高いんだろう!? お前が死んだらどうなるんだよ。シュタインズゲートにお前がいなくなったらどうするんだよぉぉ!」


ダル(未来)「・・・・・・」



ああくそっ・・・。


あれだけ泣いたのに、まだ枯れてないのか、俺の涙腺は。



ダル(未来)「大丈夫。きっとまた逢える」


岡部「ソースは!」


ダル(未来)「そんな気がするからだ」



岡部「バカか!」




ダル(未来)「・・・鈴羽に、まだ愛していると伝えてない」


ダル(未来)「ずっとずっと、どれだけ世界線が変わっても、君のことが大切だと、まだ言葉にして伝えていない」





ダル(未来)「オカリン、頼めるかな?」

岡部「取るなよダル・・・それは俺のセリフだろう・・・」


ダル(未来)「家族に伝えてくれ、愛していると(キリッてヤツだお☆」


岡部「自分で・・・言え」




ダル(未来)「・・・じゃあ・・・またなオカリン」


岡部「待てよ・・・ダル・・・俺を置いていかないでくれよ・・・」



ダル(未来)「次会うときは、笑顔で・・・な」













バシャッ

今日は以上です。ありがとうございました。

ダルぅぅうぅぅゥゥゥゥ!

乙です
ダルかっこよすぎ

ダル…

きてたあああ!
乙です

乙です
次待ってます!

ダルがイケメンすぎる・・・

ダル熱い。やばい。


まだかな

おーい

まゆしぃです

とぅっとぅるー

12年7月に開始ってことはさすがにもう終わってるよな、と思って読み始めたが、まさかまだ途中とは…

内容はすごく面白いのでどうか頑張って完結させてほしいです、応援してます

新年に入って生存報告すらないのは心配になってくる

ちょっとだけ待ってください!生きてます!

まってる

待ってる…ぜ

別の世界線で投下してるのか…

絶対完結させるって言ってたのになあ

まぁ書くのも読むのも自由だからあんま文句は言えんけど残念だ

絶対完結させるって言ってたのになあ

まぁ書くのも読むのも自由だからあんま文句は言えんけど残念だ

絶対完結させるって言ってたのになあ

まぁ書くのも読むのも自由だからあんま文句は言えんけど残念だ

しつこい

まぁ待とうぜ

んほおお!まだ来ないのおおお!

シナリオを考えるのに苦労してるのか?

待ってる

待ってるぜ

シュタゲSSの中でも最高傑作じゃないかこれ…
劇場版より前から書き始めてたのか

時間がかかっても良いから書き上げてくれ
楽しみだ

もう無理です、みなさんすみませーんwwwwww

偽物黙れ

作者が酉をつけてないから本物か分からないっていう

まあ>>638は違うけどな

パソコンからですがご了承ください。再開

まゆり「ん・・・」


岡部「まゆり」

まゆり「んん・・・オカリン・・・あっ、お、おはよう」

岡部「おはよう。着いたぞ、まゆり」

まゆり「ええ?ここ、どこだろ・・・、オ、オカリン!白衣ビショビショだよ?まゆしぃのハンカチあったかな・・・」


岡部「いいんだ。拭かなくて」

まゆり「ええ?」



岡部「いいんだ」


岡部「さぁ、降りるぞまゆり!オペレーション・スクルド・リバース、最終段階だ!!フゥ――ハッハッハッハッハ!!」

まゆり「おりるぞってオカリン、ここ、道路のど真ん中だよー?」








着いたぞ。ダル。



みんなが行きたくて、仕方なかった場所。

鈴羽「この時代のおじさんには身を隠してもらった・・・紅莉栖さんへはあたしが未来ガジェットで連絡を取った・・・これで時空が捻じ曲げられるリスクは回避!」


鈴羽「あとは過去のおじさんがうまくやってくれるのを祈るだけ・・・」



鈴羽「ね?おじさん♪」






岡部(未来)「・・・・・・」


岡部(未来)「残念だがそれは無理な話だ・・・。ここへはラウンダーの中でも精鋭を集めてきた。もうじき捕縛の連絡が入る」


鈴羽「・・・」


岡部(未来)「お前も」



岡部(未来)「動くな」チャキ・・

鈴羽「・・・やめてよ、そんなもの向けるの」


岡部(未来)「・・・鈴羽」


岡部(未来)「俺と共に未来へ帰れ」


鈴羽「それはできない相談だよ」


岡部(未来)「何故」


鈴羽「まだおじさんを、救ってない・・・!」


岡部(未来)「・・・もうやめろ」


岡部(未来)「もうやめろ!」


岡部(未来)「ワケのわからないことをいうのは、もうやめてくれ!! お前も、ダルも、紅莉栖も・・・!」


鈴羽「ワケのわからないこと・・・?」


岡部(未来)「そうだ。いつまでもこどものようなことを言って・・・本気で世界線の向こう側にいけると信じている」


岡部(未来)「俺が一度それに成功したのは!! 未来のお前が助けにきてくれたからだ!俺の力じゃないんだ!」


鈴羽「助けに来てるよ?」


岡部(未来)「!?」


鈴羽「おじさん、あたし、助けに来てるよ・・・!今も!」



岡部(未来)「・・・ッ」

岡部(未来)「・・・フ、フフ・・・鈴羽よ」


岡部(未来)「過度な期待を最悪な形で裏切られたことはあるか?」

鈴羽「・・・」


岡部(未来)「それはそれはもう・・・ひどい気持ちになるぞ?」

岡部(未来)「己の一生がゆがんでしまうくらいにはなぁ」


鈴羽「おじさん・・・」


岡部(未来)「一生をともにしたいと思っていた仲間たちが、狂っていくのをみたことがあるか?・・・ッ」


鈴羽「・・・おじさんッ・・・」


岡部(未来)「・・・・・・辛いぞ?」






岡部(未来)「つらいんだぞ・・・・・・?」


岡部(未来)「すべてを見た俺が、変わらないと言ってるんだ・・・」


岡部(未来)「従え。」


鈴羽「・・・・・・」






「フゥ――――――ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハァ!!」







岡部(未来)「・・・な、」




「そんな奴の言うことに耳を傾ける必要はないぞォォォ?鈴羽アアアア!!」









岡部「所詮俺だ。」

鈴羽「おじさ・・・それにまゆりさんも!どうやってここに・・・」


岡部「わざわざ助けに来てやったぞ・・・感謝しろ、未来の俺よ」


岡部(未来)「ご苦労なことだ・・・わざわざ自ら捕まりに」


岡部(未来)「どうやってここまでたどり着いたかは知らんが、手間が省けた。捕ま・・」


岡部「ダルだよ」


岡部(未来)「・・・?」



岡部「未来から来た橋田至が、俺をここまで連れてきてくれた」


岡部「・・・命を懸けてな」



岡部(未来)「・・・・・・」


岡部(未来)「え?」



岡部(未来)「え・・・」



岡部「見ろ。こんな姿になってまで俺を助けてくれた、そしてお前を助けようとしてくれていた親友を」


岡部「ダルは最期のひとときまで、お前を救えなかったことを悔やんでいた!!」


岡部(未来)「う、うそだ・・・ダル・・・?ウソだよな?」


岡部(未来)「ダルが、死んだ・・・!?」

岡部「死んだよ」


鈴羽「・・・・・・!! とう、さん・・・?」


岡部(未来)「あ、ぐうう、うそだ、うそだ、うそだ!!!ダルがここに来れるはずがない!!」


岡部「未完成のタイムマシンに乗ってきた。カーブラックホールを無理やり抜けて、あいつの体は半ゲル化し、辛うじて人間の形を保った」


岡部「しかし長くは持たなかった。俺にすべてを託してあいつは笑って逝った・・・」




岡部「見ろ!!!眼を背けるのは、俺が許さない!!俺たちのために歴史から消えるリスクも厭わず、命を投げ出してくれた親友の最期を!!」


岡部「この白衣こそが、ダルの生きた証なんだ・・・!!」


岡部(未来)「そんな・・・はず・・・あるか、ダル・・・」


岡部(未来)「約束・・・したんだ。すべて終わったら、またみんなで、いっしょに・・・」


岡部「鈴羽よ」

鈴羽「・・・」


岡部「お前の父親の最期の言葉を伝えておこう」



鈴羽「・・・」


岡部「ずっとずっと、どれだけ世界線が変わっても・・・、お前のことを愛している」


岡部「そう伝えてくれと、最期に頼まれた」



鈴羽「・・・」



鈴羽「なに、かっこつけてんの、とうさん・・・」





鈴羽「そんなのいいから、・・・生きていてよ!!バカぁ!」



岡部「・・・」


岡部(伝えるべきことは、すべて伝えた・・・あとはもう、作戦を遂行するだけだ)



岡部(ダル、お前がしてくれたように・・・俺も命を懸けよう)



岡部(すべて救って・・・俺も救われてみせる!!)

今日は以上です。ありがとうございました

乙。
続き待ってるお

続ききてたのか
待ってるよ

おぉ戻ってきてくれたか
ゆっくりでもいいから完結させてな

おつ

ゆっくりでいいから完結させてくれることを期待しています

>>656
下げろよ俺の期待を返せ

>>656
ゆっくりじゃなくていいから、
このスレからいなくなることを期待してます

追い付いたー

鯖生き返ったみたいだけど>>1は戻ってくるのか

支援支援

もうだめかもわからんね

続けてくれ

まだだぁ!!まぁだぁ!!終わる時ではぁなぃいいいいい!!

もうだめぽ

ここまできたら終わらせるのが礼儀

呼ばれた気がしたヨ
                       _______ ___
                        ̄ ー==≦二二二二二二ニ≧、
                           `ヽ二二二二二二ニニ}
                     ..,,______ノ二ニニニ〇ニ=〇ニニ}__
                      ` ̄ ー ―ニニ ニ ィTTT㍉二二}

                               ー=ニニゞ竺彳/  ̄´
                              _ -=≦ニニニ≧=- _
                            /ニニニニニニニニニヽ

                              〈二二二二二二二二二二}_
                         _ -=≦二二二二二二二二二二=ゝ
                          /二二二二二二二二二二二二二二=\__
                         /二二二二二二二二二二二二二ニニニニニヽ
                    /二二二二二二二二ニニニニニニニニニニニニ\

                    /二二二二二二二二二二二二二二二二ニニニニニ\
                  /二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二≧=- ___

                  /二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二≧=- __
                   /二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニ=- _
       _ -=≦≧=‐--‐'二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二=-
   -=≦二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニニニニニ/

    `ヽ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニニニ/

      }二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニ\__
      八二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二人ニニニヽ
       ノ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニ/  `¨\ニ\
      /ニ/ヽ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニニニ/ ̄      \ニ
    〈ニニ{   ゝ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二/

再開



確信はない。



これだけ必死にひきずりまわって、ボロボロになって、やっとの思いでたどりついたこの場所に来ても―――



どの学問の見地から見ても、この計画が100%成功するという確信は、絶対にない。





しかしそれは、・・・もうしかたのないことであって。




無駄な荷物は、背負っていても無駄。


やれること、やらなければならないことを、


俺はただ、


もう、




全力でやるしかないんだ。


おおおおおい!!!!!

岡部「仕方のないことだろう?」


岡部(未来)「・・・!?」

岡部「お前は己の理想郷を作り出すために必死でやってきた。多少の犠牲は厭わない、とでもいうように、平気な顔をしていればいいではないか」

岡部「何故そんなにも苦しむのだ?」


岡部(未来)「・・・・・・ッ」


岡部(未来)「何も・・・」


岡部(未来)「何も知らないくせにッ偉そうなことをほざくなァ!!」


岡部「・・・」


岡部(未来)「何も・・・何も・・・・・・ッ!」


岡部「仕方のないことだろう?」


岡部(未来)「・・・!?」

岡部「お前は己の理想郷を作り出すために必死でやってきた。多少の犠牲は厭わない、とでもいうように、平気な顔をしていればいいではないか」

岡部「何故そんなにも苦しむ?」


岡部(未来)「・・・・・・ッ」


岡部(未来)「何も・・・」


岡部(未来)「何も知らないくせにッ・・・偉そうなことをほざくなァ!!」


岡部「・・・」


岡部(未来)「お前は知らない!何も・・・何もだ!!」


岡部「知ることはできん。しかしもし俺がおまえだったとしても」


岡部「・・・お前のようにはならん。軟弱者め」


岡部(未来)「!・・・フフ、そうか」



岡部(未来)「俺の過去を・・・体験してもか」


ラウンダー1「鳳凰院様ッ!!!」


岡部「貴様」






岡部「まさか」

岡部(未来)「教えてやる。」

休憩

今追いついた、続きを期待してるぜアンタ

なりすましかもわからんぞ
もとからトリつけてないから

更新待ってます!!

おつおつ

うお、まだ続くのか。期待!

うお、まだ続くのか。期待!

うお、まだ続くのか。期待!

頼む。完結させてくれ!!

まゆしいです

まっちょしいです

げるしぃです

まだか!!

ガンバレ

保持

1ヶ月消息不明か

ミスってageちゃった

毎日確認しているのだが・・・。
まだだろうか。

楽しみだてん

頼む!続きをォォォオォ

頼む!続きをォォォオォ

頼む!続きを書いてくれよォォォオォ

待ってるぞ

2か月か・・・。長いな。
でもきっと戻ってくると信じている。

いつ完結するんだろうなこれ

あれだろ
今作者タイムワープしてるから
しばらくして投稿日時が未来になってる投稿がされるんだろ

>>1の次のレスは「失敗した失敗~」だというのに3ドル

なんだ消えてないの?

追いついたー
2年もやってるなんてスゴイな
面白いから続き期待してる

やっば鳥肌立つわ

いまきたー
先生…続きを読みたいです…

もうすぐ落ちてしまうん?

良ssですなー。
お陰で一限の出席が不可能だ

流石に限界、ですかね…?

まーだー?

もうすぐ3ヶ月だぜ☆

生存報告くれないかな

まだか

生きてるか?

まだかい

大丈夫か?

まだか

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年02月25日 (火) 01:34:24   ID: whiyi8gm

面白い

2 :  SS好きの774さん   2014年03月09日 (日) 06:28:32   ID: 8TJhba-k

もう更新ないのかなぁ…(´・ω・`)

3 :  SS好きの774さん   2014年04月19日 (土) 22:20:25   ID: mh20zB1S

続きは!続きはないんですかー!

4 :  SS好きの774さん   2014年10月18日 (土) 10:46:47   ID: P0sU_jWF

あーめっちゃ続き読みたい!

5 :  SS好きの774さん   2015年03月27日 (金) 04:01:50   ID: GoaCeWOy

もう待ちきれないよ!早く(続きを)出してくれ!

6 :  SS好きの774さん   2015年04月09日 (木) 01:57:10   ID: D_hahlyN

続きはよ

7 :  SS好きの774さん   2015年06月01日 (月) 22:17:03   ID: FJsPP2KY

この終わり方ひっど
あと少しで話し完結だろ~

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