グリP「ああ、ここはオレが払うよ」バリバリ (24)

グリP「お子様ランチって、もう卒業する歳なのか?」

桃子「推奨年齢は8歳ぐらいまでかな」

育「いまどきは小学生でも頼まないかもね」

環「たまき、お腹いっぱいになるなら、なんでもいいぞ」

桃子「でもファミレス側の利益は小さいって言われてるよね、お子様ランチって」

グリP「子供のために安値でサービスしているところが多いらしいな」

育「な、なんの話してるの?プロデューサーさん」

環「なんでもいいって言っても、美味しいものじゃないとダメだぞ。お肉とかお魚とか」

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桃子「んー、量が多い。桃子、ちょっと残しそうかも」

環「じゃあ環が食べるぞ。いただき〜」

育「わたしはぜんぶ食べられるよ!」

グリP「すいません、追加注文で白玉ぜんざいを」

桃子「あーっお兄ちゃんがデザート頼んでる!」

環「たまき、チョコレートパフェ」

育「わたしはアイスクリームを」

桃子「も、桃子は、あー、うー、ちょっとまって!メニュー見るから!」

グリP「腹いっぱいなんだろ?」

桃子「デザートは別腹なんです!」


グリP「ごちそうさま、ここはオレが払っておくから」

桃子「自腹?経費?」

グリP「なんでそんなこと聞くんだ、桃子」

桃子「今後の参考のために」

育「け、けいひってなに?」

グリP「とりあえず、先に外出てろ」ベリッ

桃子「え?!(ば、バリバリ財布?!)」

環「桃子、どうした?なにに驚いているんだ?」

桃子「育ちゃん、環ちゃんを連れて外に行ってて」

育「え?」

桃子「はやく」

育「う、うん。環ちゃん、行こうか」

環「おー」

店員「お会計○○円〜」

グリP「どうした桃子」ベリベリ

桃子「お兄ちゃん、ストップ。桃子が払う」

グリP「え?!」

桃子「ここは桃子が払うから、お兄ちゃんは財布をポケットに戻して」

グリP「は、はい?」

桃子「ここは桃子に任せて。お兄ちゃんは何もしないで」

グリP「ん、んん?」

桃子「はい、カードでお願い」

店員「カシコマリヤシター」

グリP「ご、ゴールドカード!?」

グリP「(11歳の女児にランチをおごって貰ってしまった……)」

桃子「お兄ちゃん、ちょっと」

グリP「な、なんだ桃子」

桃子「これからお兄ちゃんとご飯するとき、お金は桃子が払うから、分かった?」

グリP「あうっ?!」

桃子「分かった?」

グリP「は、はい……」

桃子「行こうか、お兄ちゃん」

グリP「はい……」

店員「アリガトーゴザイヤシター」

チャリンチャリン

グリP「——ってことが以前あってな」

志保「まるで手懐けた飼い犬みたいですね、小学生相手に情けない」

グリP「あうっ」

ひなた「ご、ゴールドカードってどういうカードだべか?」

グリP「クレジットカードの一種だよ。まとめてお金を後払いできるカード」

未来「ほえー。そんなカードが持てるなんて、やっぱりアイドルってすごいですね!」

グリP「いや、普通は子供には所持できないシロモノなんだが」

杏奈「…………」ピコピコ

ひなた「プロデューサーのハンバーグ美味しそうだねえ、一口もらっていいかい?」

グリP「おお、いいぞ。ほら、口開けて」

ひなた「あーん。んー、なまら美味しいよっ」

杏奈「…………」ピコピコ

グリP「杏奈、飯きてるぞ」

杏奈「……もうちょっと、キリがつくまで」ピコピコ

グリP「早く食べないと冷めちゃうじゃないか」

杏奈「…………あーん」

グリP「まったく。お前もかよ」

志保「(プロデューサーに甘えるのがウマいな、この人たち……)」

未来「志保ちゃん、あーん!」

志保「へ?!どうしたの未来?」

未来「プロデューサーさんを羨ましそうに見てたから。あーんってやりたいのかな、なんて」

志保「べつにやりたくないわよっ」

未来「そうですかー」モグモグ

ひなた「東京はなんでも食べられるね、杏奈ちゃんのも一口もらっていいかい?」

杏奈「ん……どうぞ、ご自由に」

グリP「さて、会計するか」

店員「オカイケー○○エンニナリシャーッス」

グリP「ここはオレが払うから」バリバリ

志保「(ば、バリバリ財布?!)」

グリP「ん、どうした驚いた顔して」バリバリ

志保「(か、限りなくダサい!)」

未来「いいえ、この前お給料が入ったので、たまには私に払わせてください!」バリバリ

志保「お前もかよ!!」

グリP「べつに無理しなくていいんだぞ未来」バリバリ

未来「ムリなんてしてないですよ、プロデューサーのほうこそ!」バリバリ

グリP「オトナに変な気を遣わなくていいんだぞ」バリバリ

未来「プロデューサーこそ、アイドルに変な気遣いは無用なのです!」バリバリ

グリP「いつもお前たちには感謝してるから、せめてランチぐらいは」バリバリ

未来「感謝の気持ちなら私も負けません、プロデューサーさんにはいつもお世話に」バリバリ

グリP「いやでもやっぱり、中学生にお金を払ってもらうのは男として情けないというか」バリバリ

未来「それはアイドルも同じです。プロデューサーにご飯をおごれないアイドルなんて、アイドルとして情けないです!」バリバリ

志保「(ひいいいいい、バリバリの大合唱が〜!)」

杏奈「……じゃあ、折衷案でワリカンは?」バリバリ

志保「お前もかい!!」

志保「(ちゅ、中学生は普通なのかな、バリバリ財布って……)」

ひなた「そうだね、ここはワリカンで行くべさ」パカッ

志保「そっちはがま口財布かよ!」

グリP「しょうがない、そこまで言うならワリカンにするか……」

志保「わ、私もそれでいいです……」サッ

ひなた「わぁ、志保ちゃんの財布、大っきくてかっこいいねぇ」

志保「そ、そ、そう。ありがと」カアーッ

未来「ほんとだー、やっぱりアイドルってすごいね!」

志保「…………///。(なんで私が恥ずかしい目に)」

店員「アリガトーゴザイヤシター」

チャリンチャリン

グリP「と、以前はこんなことが」

恵美「じゃあ私たちにおごる余力は残っているんだね」

のり子「よーし、いっぱい食べるぞー」

翼「とりあえず、メニューの中で一番高価なものを!」

恵美「お酒じゃん、ファミレスで一番高いものって」

翼「んー、しょうがない!お酒を頼もうっ、ダメ?」

グリP「……お前ら」

のり子「いやー、中学生組はおしとやかでいいね!」

翼「私も中学生なんだけどなー」

恵美「翼はコッチ組でしょー、明らかに」

翼「えー、やだー」

のり子「どういう意味かな、翼くん」

翼「キャーっ」

グリP「こいつら、うるせえ……」

のり子「このページの、クリップラー・クロスフェイスって言うんだけど」ペラッ

グリP「なんの呪文だ、それは」

のり子「立派な格闘技のワザだよ。まず相手の片腕をふとももで固定して可動域を狭める。それから相手のクビを捕まえてヘビみたいに両腕で巻きつく」

恵美「おー。格闘雑誌、いつも持ち歩いているの?」

のり子「だって事務所にも置いてないからさ」

翼「ふつうは読まないよなー、女子は」

のり子「いや、格闘技は女子ファンも多いって」

グリP「すごい迫力だな。恐ろしい形相してる」

のり子「このワザを習得したいんだ」

恵美「わざわざ身につける必要あるの?」

のり子「そこはファンとしてね〜。ということでプロデューサーは実験台よろしく」

翼「ちょっとまって、実験台って。これけっこう際どくない?」


恵美「たしかに。股間に手を持っていくし、顔面に胸元がモロに当たるよねコレ」

グリP「男女でやったらシャレにならんな」

のり子「えー、そんな下心ないって。純粋に相手を痛めつけることしか考えてないよ」

グリP「それはそれで問題なんだが」

翼「じゃあ私は下心でこのワザを習得しちゃおっかな〜。悩殺ポーズ並に効果ありそう」

グリP「いつも思うんだが、そんなに誰を悩殺したいんだ、お前は」

恵美「ドリンクバー取ってくるよ」

翼「あ、私も行く〜」

のり子「よろしく〜。アタシなんでもいいよ」

グリP「オレはコーヒーで」

グリP「コーヒー言ったよな」

翼「そうだっけ、忘れちゃった。ダメ?」

グリP「ドリンクですらないぞ」

恵美「えー、ちょっとコーラとお茶とオレンジジュースと紅茶とサイダーをブレンドしただけだよ。……くくくっ」

のり子「アイドルからの差し入れだよ。ちゃんと残さず飲むんだよ」

グリP「くっそ、ドS集団が……」

翼「私、プロデューサーのイッキが見てみたい」

恵美「私も、プロデューサーのちょっといいとこ見てみたい」

のり子「いっき・いっき!」

翼「ほら、ぐいーっと行きたまえよ」

恵美「ふふふっ、あははは!」

グリP「ごくごくごくごく……あーマズい!」

翼「ぎゃははははは!」

のり子「うはははははっ、プロデューサーさいこー!」バシッバシッ

グリP「いてえ!いてえよ!」

店員「シャーセンテンナイデハオシズカニー」

グリP「す、すいません……」

恵美「くくくっ、プロデューサーが怒られてるっ」

のり子「激おこプンプン丸っ」

翼「ぎゃははははは!」

グリP「お前らもだよ!」

店員「……チッ」

グリP「ほらっ、店員にマークされてるからっ。さっさと食うぞお前ら!」

恵美「はーい、スイマセーン」

のり子「反省してマース」

翼「のり子ちゃんのなにそれ!」

のり子「ふふ〜、カルビ焼肉カレー」

翼「なるほど、そういうのもあるのか!」

恵美「翼ちゃんはビーフステーキね」

翼「肩ロースの150gいってみました」

のり子「恵美はチキングリル?」

恵美「そうそう、鳥さん。ガッツリいかないとね」

グリP「……ウチのテーブル肉くせえな」

のり子「プロデューサーも肉食べようよ、肉をっ」バシッバシッ

グリP「だから痛いっつーの!」

グリP「……さて、会計行くか」

店員「八千円なりやーす」

グリP「ちょ、高っ!」

翼「あれー、なんでだろ」

のり子「デザート2品が効いたのかな」

恵美「ご飯もお代わりしたしね」

翼「そういえば、スープも頼んだっけ」

グリP「ま、まあいい。払うぞ」バリバリ

恵美「…………」

のり子「…………」

翼「…………」

グリP「ど、ど、どうしたお前ら。急に静まり返って……」

恵美「ば、バリバリ財布……」

のり子「え、ちょっと待って……え?」

翼「…………っぷ」

恵美「あはははははははは」

のり子「ははははははは!」

翼「ひゃははははははは」

グリP「え?…………あう?」

恵美「ちょ、ちょっとなに仕込んでんのプロデューサーっ!」

のり子「わ、笑わせないで。……満腹なんだから、ああっ、あははははは!」

翼「バリバリ財布!バリバリ財布!旧石器時代の産物だと思ってたのに、じっさいに存在していたなんて、うひー!」

恵美「はははっ、旧石器は言いすぎだよ翼っ。せめて江戸時代ぐらいで」

のり子「はー、ジョークにしても酷いなこれは」

翼「あー、お腹がよじれそう」

恵美「え、え、もしかしてカメラ回ってる?ドッキリですか?!」

翼「ドッキリでもこれはダメだって、笑うって!」

のり子「もう勘弁してよプロデューサー」バシッバシッ

グリP「……………………」

店員「アリガトーゴザイヤシター」

チャリンチャリン

のり子「ぷ、プロデューサー。こんどアタシとショッピング行こうよっ」

翼「わ、私も行こうかな。ちょうど新しいお財布が、欲しかったんだ」

恵美「そ、それなら任せて。私がオシャレな財布を選んで、選んで……」

グリP「………………」

のり子「もー、元気だしなよプロデューサー!」バシッバシッ

翼「笑った私たちも悪かったけど、プロデューサーも悪いんだよっ」

恵美「むしろ、気づけて良かったじゃん!前向きに行こうよっ」

グリP「………………」バリバリッ


おわりです、ありがとうございました!
画像もありですー

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