【IS・ACLR fa】「IS学園か・・・。」千冬「歓迎しよう、盛大にな。」 (675)

注意1 少しだけ安価アリ
注意2 ISは漫画しか読んでない
注意3 ACは2、3、LR、faしかやってない(2、3はほとんど覚えて無いな。)
注意4 AC成分多め
注意5 人か死ぬ。(主にACメンバー)
注意6 独自解釈、適当設定多数
注意7 キャラの口調や性格等不安定
注意8 不規則更新(基本は土日の昼間)

それがOKなら歓迎しよう、盛大にな。

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『女性にしか動かせない。』
そんな事は世間の常識だ。だがここにISが使える男が二人いる一人は織斑一夏。何故彼がISを扱えるかは今はまだ謎である。

そしてここにもう一人・・・。

真耶「私がこのクラスの副担任を務める山田真耶です。それじゃあ早速自己紹介をしてもらいます。では男子からどうぞ。」

一夏「えっと・・・織斑一夏です。よろしくお願いします。」

主人公の名前は?
1レイヴン
2リンクス
3その他

1レイヴン

レイヴン「レイヴンです。よろしく。」

真耶「えっと・・・二人ともそれだけ?」

レイヴン「それがなにか問題?」

真耶「えぇ!?えっと、その。」

一夏とレイヴンの頭を出席簿が叩いた。

千冬「まったく最近の子供は。」

一夏「千冬姉!なんで」

もう一度一夏の頭を叩く。

千冬「織斑先生と呼べ、まったく。レイヴンもとりあえず席に着け。続きだ。」


自己紹介は滞りなく終わった。

休憩時間

一夏「レイヴンも男なのにISが使えるんだな。」

レイヴン「そういう一夏もだな。」

一夏「なんで使えるんだろうなぁ。」

レイヴン「俺の場合は染色体が原因らしいぞ。」

一夏「そうなのか。俺はよくわかんないんだよ。とりあえずここに入学しとかないとヤバかったらしい。」

レイヴン「それはそうだろう。なにかされなくて良かったな。」

一夏「なにかってなんだよ、怖いな。」

放課後

一夏「は?学生寮?」

千冬「そうだ。荷物なんて携帯の充電器と着替えがあればそれでいいだろう?もう送っておいた。」

一夏「じゃあレイヴンも・・・。」

レイヴン「俺は明日からだ。今日は近くのホテルをとってある。残念だったな。」

千冬「明日からはお前ら二人が同室だ。今日だけ我慢しろ。」

帰り道

レイヴン(やれやれ、周りに女の子ばかりというのは思ったより大変そうだな。

遭遇安価
1ウサミミ
2狐目

?「そこのキミ。少し道を訪ねたいんだが。」

レイヴン「ん?ああ、どうぞ。」

?「ーーーという場所なんだが知っているか?」

レイヴン「それならーーーの方に行けばありますよ。」

?「そうか、ありがとう。ところで君はIS学園生徒なんだな。制服わかる。君が織斑一夏君かい?」

レイヴン「いえ、違います。」

?「ほう。これなら・・・あるいは・・・。」

レイヴン「なにか?」

?「いや、なんでもない。ありがとう。」

男は去って行った。

名前伏せようかと思ったけど無意味だからやめた。

某所

束「お待たせー。」

ジャック「遅かったじゃないか・・・。」

束「ごめんねぇ。色々あったんだよ。」

テルミドール「まぁいい。それで、準備は出来ているんだろうな?」

束「大丈夫。今のところは順調よ。」

ジュリアス「こちらのISの設定も済ませて欲しいのだけれども?」

束「えー、しょうがないなぁ。」

ジャック「ところで、ここにくる前に一人の男に出会った。」

テルミドール「なに?」

束「あ、それってもしかして。」

ジャック「いや、織斑一夏ではない。」

メルツェル「・・・イレギュラーか。」

ライウン「迂闊だぞジャック。」

ジャック「だがアレも使えるかもしれん。」

テルミドール「何にせよしばらくは様子見だな。こちらの用意もまだ不完全だ。」

メルツェル「よく言う。動けない原因は主にお前だろうに。」

テルミドール「悪いな、完璧主義者なんだ。」

翌朝

千冬「では、クラス代表者と補佐を決める。その者にはクラス委員長と副委員長も兼任して貰う事になる。自薦他薦は問わない。誰かいないか?」

女子「はい、一夏君が良いと思います!」

女子「私はレイヴン君が良いと思います。」

一夏「いや、ちょっとまっt

セシリア「納得がいきませんわ!」

一人の少女が立ち上がる。

セシリア「男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!ここはイギリス代表候補生で主席で唯一試験官を倒した私が適任ですわ。」

一夏「試験官は俺も倒したぞ。」

レイヴン「俺もだ。」

セシリア「なんですって!?そんなはずは!」

安価
1挑発に乗る
2挑発し返す
3どうでもいい

レイヴン「俺は面倒が嫌いなんだ。代表とか補佐とかそっちで勝手にやってくれ。」

セシリア「あら殊勝な心がけですわね。」

千冬「そうはいかんな。推薦された以上拒否権はない。わかりやすく決闘で決めよう。来週の月曜日、アリーナで試合だ。どうしてもなりたくなければ早々に負けるといい。」

一夏「来週と言わず今からでも。」

一夏の頭を出席簿が叩く。

千冬「バカか貴様は。セシリアは専用機持ちだぞ。お前たち二人の専用機を用意する。それまでまて。」

レイヴン「面倒な事になったな。」

安価
レイヴンの得意な戦術
1どんな装甲でも撃ち貫くのみ
2特徴が無いのが特徴
3ミサイルカーニバル
4狙い撃つぜ

千冬「レイヴン、お前の専用機が用意できたぞ。」

レイヴン専用IS『ストレイド』
武装 レーザーライフルANTARES
高速ミサイルVERMILLION01
ENブレードDRAGONSLAYER

レイヴン「シンプルだな。」

千冬「良く言えば万能、悪く言えば特徴が無いのが特徴 だな。拡張領域が広いから、後々お前に合わせて武装を変えて行けば良い。」

レイヴン「成る程。まあ、適当にやてみよう。」

月曜日 アリーナ

安価 初戦
1一夏vsセシリア(原作通り)
2レイヴンvs一夏
3レイヴンvsセシリア

千冬「まずはレイヴンとセシリアに戦ってもらう。勝った方と一夏が戦え。」

一夏「千冬ねぇ、なんで俺が後なんだよ!」

千冬「織斑先生と呼べと何度も言っているだろう。別にたいした意味など無い。」

セシリア「別に私はどちらからでも構いませんわ。何でしたら2対1でも宜しくてよ。」

一夏「何だと!」

レイヴン「落ち着け、一夏。まったく面倒な。」

千冬「さあ、レイヴンとセシリアはアリーナに入れ。開始の合図があるまで待機だ。一夏はあっちの控室で待っていろ。」

アリーナ管制室

千冬が管制室に入る。そこには山田真耶がいた。

真耶「それで、一夏を後にした理由って本当に無いんですか?」

千冬「いや、あるさ。単純にレイヴンの力量に興味を持った。何となくだから上手く説明出来んが・・・。」

?「興味深いな。それがわざわざ私にISを頼んだ理由か。」

一人の女性が管制室に入ってきた。

千冬「セレンか。すまんな手間をかけさせて。」

セレン「構わんよ。今から開始か?」

セレンが席に座りながら訪ねた。

千冬「ああ。私の勘違いでなければ面白い事になるぞ。」

アリーナ

真耶『それではレイヴン対セシリア・オルコットの試合を始めます。』

セシリア「面倒なら速攻で終わらせてあげますわよ?」

レイヴン「そうだな。だがタダでは負けてやらん。こう見えて負けず嫌いなんでな。」

お互いにISを起動させる。

『システム、戦闘モード起動します』

真耶『始め!』

合図と同時にセシリアが引金を引く。素早く、そして正確な攻撃だ。それ故に躱すのは容易い。

レイヴン(動かなければ間違いなく頭だったな。)

セシリア「この程度は躱してもらわないとやり甲斐がありませんわ。」

セシリアが構えを崩さずに微笑む。

二発目、三発目と放たれる光弾は、回避先を予測して放たれる。レイヴンはそれを紙一重で躱す。

セシリア「良い動きですわね。ですがこれなどうでしょう?」

セシリアが飛び上がり、ISからパーツが4つ分離する。

レイヴン「!? 自立兵器か、面倒な物を!」

四方からのレーザーがレイヴンを襲う。

真耶「やっぱり織斑先生の勘違いじゃないですか?ずっと押されっぱなしじゃないですか。」

千冬「本当にそう思うか?」

真耶「え?だって避けるのに精一杯で反撃出来ていないじゃないですか。」

セレン「違うな。あれは『反撃出来ない』んじゃなくて『反撃していない』だけだ。」

千冬「必ず視界の端にセシリアを捉えている。にも関わらずブルーティアーズの攻撃を擦らせもしない。なかなか良い反応だ。」

セレン「だが、そろそろ何か手を打たねば、いずれ捕えられるぞ。どう出るか見ものだな。」

トリップ変わりました。

レイヴン「(このままでは持たない!)チィッ!」

レイヴンがミサイルを放つ。

セシリア「そんなもの!」

セシリアがブルーティアーズを操りミサイルを撃ち落とす。ミサイルは全て撃ち落とされ、爆煙が舞った。その爆煙からレイヴンが飛び出す。

セシリア「ッ! 甘いですわ!」

セシリアが接近して来たレイヴンに向かって二発のミサイルを撃つ。

レイヴンはブレードで切り払い、セシリアに掴みかかった。絡み合った状態で地面に落ちる。

セシリア「な!?は、離しなさい!」

2人はそのまま地面に衝突した。
仰向けに倒れたセシリアの上にレイヴンが覆いかぶさるように、喉元にブレードの刃を向ける。

レイヴン「勝負ありだな。」

セシリア「クッ・・・!」

真耶『勝負あり、勝者レイヴン!』

レイヴン「ふぅ。」

レイヴンがISを解除しながら立ち上がる。

セシリア「お待ちなさい!」

セシリアもISを解除しながら立ち上がり、レイヴンに声をかけた。

セシリア「何故止めを刺さなかったのです?情けをかけるつもりですか!?」

レイヴン「そんなつもりは無い。」

セシリア「では、何故貴方は自分が傷付いてまで私を攻撃しなかったのですか!」

レイヴンの体には爆煙を抜けた時にできた小さな火傷があり、セシリアはそれに気がついていた。

レイヴン「お前を (傷付けると周りが五月蝿く面倒臭そうだから) 傷付けたくなかったんだよ。」

セシリア「なッ!?///」(ドキッ

レイヴン「別に俺が勝手にやった事だ、気にするな。」

セシリア「べっ別に気にしてなど・・・その・・・///」

真耶「織斑先生の言った通りでしたね。」

千冬「いざ動いてからは速かったな。」

セレン「だが甘いな。まぁ、嫌いじゃないがな。」

真耶「あ、もしかして惚れちゃいました、ヘイズ先生?」

セレン「まさか。だが気に入った。千冬、あれを私のクラスに譲らんか?」

千冬「そんな事は私達には決められないだろ。もっとも、決められたとしても断るがな。」

セレン「フッ、だろうな。次は織斑一夏か。こいつも見ものだな。」

千冬『レイヴン、この後すぐに織斑と連戦になるが大丈夫か?』

アリーナ内に千冬の声が響く。

レイヴン「大丈夫だ。」

千冬『よし、ではセシリアは控室に入ってくれ。なんならもう帰っても良いぞ。』

セシリア「いえ、控室で待たせてもらいますわ。」

セシリアがアリーナから出ようとしたが、足を止めレイヴンに振り返る。

セシリア「私に勝ったのですから、無様な戦いは許しませんわよ。必ず勝ちなさい!」

頬をやや赤らめながら言い、走り去っていった。

セシリアと入れ違いに一夏がアリーナに入って来た。

一夏「次は俺が相手だ、この白式でな!」

一夏がISを展開する。

レイヴン「白式・・・白くないな。」

一夏「そうだよな。しかもこれ武器この剣だけなんだぜ。」

右手に持った剣を降りながら言う。

レイヴン「なんだその欠陥機は・・・。」

一夏「欠陥かどうかは戦ってみればわかるさ。さぁ始めよう!」

やれやれとため息を付きながらレイヴンもISを展開した。

『システム、戦闘モード起動します』

真耶『では、織斑一夏対レイヴンの試合を始めます。始め!』

レイヴン(接近されると面倒だ。)

レイヴンがライフルの引き金を引く。

一夏「うおっ!ひ、卑怯だぞ、そんなの!さっきは使ってなかったじゃないか!」

咄嗟に避けたが、一夏の肩を掠めた。

レイヴン「さっきはさっき。今は今だ。」

一夏「クソ、近付きさえすれば!」

光弾をブレードで防ぎながらブーストする一夏。それに合わせて距離をとるレイヴン。
2人の速度はほぼ同じであるため互いの距離は縮まらない。

一夏「クソ!(上手く壁際に誘導出来れば!)」

ストレイドの飛行能力はそれ程高くない。その代わりに地面を滑るように移動できる。逆に白式は空を飛び、レイヴンの移動先を誘導しながら追いかける事が出来た。

レイヴン「やってくれるな!」

一夏「もらった!」

アリーナの壁に背をつけるレイヴン。一夏がブレードを構え一気に近づき、振り下ろす。

レイヴン「フン!」

一夏「うおぁ!?」

レイヴンがライフルを捨て、一夏に向かい踏み込む。振り下ろす腕を掴み、そのまま投げた。投げられた一夏は地面を転がるがすぐに起き上がる。

一夏「いってーな、クソ!」

レイヴンがまた一夏から距離をとる。

一夏(このままじゃあ、なにもできずに負ける?・・・俺は・・・!)

一夏「負けない!」

一夏のISが輝き、白く変わる。

レイヴン「なんだ、変わった!?」

一夏の機体がその名の通り、白い機体へと変わった。

一夏「これなら・・・いける!」

一夏がレイヴンに向かって飛ぶ。

レイヴン「(速い!)チィッ!」

レイヴンが後ろへと下がりながらミサイルを放つ。だが一夏はそれをブレードで切り落としさらに加速する。

一夏「ハァ!!」

レイヴン「クッ!なに!?」

一夏の振り下ろすブレードをレイヴンがブレードで受け止めようよする。が、レイヴンのブレードは受け止める事なく掻き消された。

『EP30%減少』

レイヴン(切っ先が少し触れただけで!?)

ISにはシールドバリアーが搭載されており、それを発生させる為のエネルギーポイント(通称EP)がある。それが0となればシールドバリアーを発生出来なくなり、使用者本人へのダメージが発生する。

一夏「今度こそもらった!」

一夏が大きく振りかぶる。

レイヴン「そう安安とやらせるか!」

レイヴンがブレードを構える。だが・・・。

真耶『織斑一夏、EPゼロ。勝者レイヴン!』

一夏「・・・は?」
レイヴン「なん・・・だと・・・?」

こうしてクラス代表決定戦は幕を閉じた。

夜 学生寮 自室

2人とも納得できずに終わったが、結局勝敗はレイヴンの勝ちという事になった。つまりクラス代表はレイヴンがなることになった。

レイヴン「しかし、最後のあれは何だったんだ?」

レイヴンがベットに座りながら訪ねる。

一夏「あの後千ふy、織斑先生に聞いたら俺の武器に問題があったんだと。」

一夏の話によると、あの剣は自身のEPを消費するらしい。

レイヴン「何なんだよその欠陥品は・・・。」

一夏「確かにな。まぁ、俺は結構気に入ったけどな。」

レイヴン「それで、代表補佐はどっちなんだ?」

一夏「あれ・・・?そういえばどっちなんだろうな?」

安価
1 代表補佐一夏
2 代表補佐セシリア

モブ子s「代表決定おめでとう!」

翌朝、一夏とレイヴンが教室に入るとクラッカーがなった。

レイヴン「お、おう。」

モブ「はい、主役はこっち。一夏君はこっちね。」

連れられて教室の中心まで誘導される。

のほほんさん「きいたよ~。すごかったんだってね~。」

レイヴン「いや、それより教室の席勝手に動かしていいのか?」

千冬「構わんよ。」

千冬が教室に入ってきた。

千冬「とりあえずは代表決定おめでとうと言っておく。歓迎しよう、盛大にな。」

一夏「それで、代表補佐はどうなったんだ?」

セシリア「補佐は私ですわ。」

セシリアがレイヴンの隣に立つ。

セシリア「一夏さんの実力は認めます。バカにしてした点に関しては謝罪しますわ。ですがあの機体では、問題点が多いと思います。なのでとりあえずは私がレイヴンさんを補佐しますわ。」

千冬「そういうことだ。残念だったな織斑。」

千冬が一夏の肩を叩く。

一夏「まぁ、しょうがないか。そもそもあんな機体にした千冬ねぇのせいn 痛い痛い!肩が外れる!?」

一夏が膝をつき、ようやく千冬が肩から手を離す。

千冬「あれは使いこなせば間違いなく最強なんだがな。」

モブ1「これで専用機持ちが三人、二組にも負けないね!」

レイヴン「二組にも専用機持ちがいるのか?」

モブ2「そうらしいよ。聞いた話では2人いるって。」

セシリア「3人ですわ。先日転入生が入ったそうで、その方も専用機持ちだそうです。」

?「へぇ。良く知ってるじゃない。」

ドアの方から声がして、一斉に視線が集まる。そこには3人の少女が立っていた。

鈴「私は凰鈴音。二組のクラス代表よ。久しぶりね。一夏!」

一夏「鈴か!?久しぶりだな!」

レイヴン「で、その後ろの2人は?」

リリウム「リリウムはリリウム・ウォルコットです。二組のクラス代表補佐です。以後お見知り置きを。」

一夏「ウォルコットってことは。」

セシリア「従姉妹ですわ。」

レイヴン「なるほど。だから二組の事を知ってたのか。君は?」

エイ=プール「エイ=プールです。私も専用機持ちですよ。よろしく。」

箒「それで、一夏!その鈴とはどういう関係何だ・・・?」

一夏「ああ、幼馴染なんだよ。箒が引っ越してからしばらくして転校してきたんだ。と言ってもまた転校しちゃったんだけどな。」

鈴「でもまたこうやって同じ学校に通えたんだもん。嬉しいよ。」

リリウム「鈴、そろそろチャイムがなります。教室に戻りましょう。」

鈴「っと、そうね。またお昼にね一夏!」

エイ=プール「お邪魔しました。」

鈴とエイ=プールが手を振り、リリウムは頭を下げて教室から出て行った。

千冬「ではそろそろ席を戻せ。授業の準備だ。」



昼休み安価下1と下2
1食堂(一夏、箒、鈴)
2売店(エイ=プール)
3屋上(セシリア、リリウム)
4アリーナ(???)

大きいイベントの間に安価を挟みます。
どれを選んでも物語の進行には影響ありません。ただの日常パートだと思ってください。

レイヴンはアリーナの観覧席に向かった。自分が代表決定戦で戦った場所を上から見てみようと思ったからだ。
観覧席に入って見る。アリーナでは何人かの生徒が模擬戦をしていた。

?「うん?お前は確か一組のレイヴンだな。」

横から声をかけられ、そちらを向くと1人の女性が立っていた。

レイヴン「はい、そうですが・・・。」

ウィンディー「やはりそうか。私はウィン・D・ファンション。二組の担任だ。よろしく。」

レイヴン「はぁ、どうも。」

ウィンディー「覇気がないな。ヘイズ先生が言っていたのとは大分印象が違うな。まぁ、ISを装着すれば変わるのだろう。」

レイヴン「それは想像に任せます。」

ウィンディー「フッ、期待しているよ。」

ウィンディーそういうとレイヴンの肩を軽く叩いて観覧席から出て行った。

レイヴンが昼食を持って屋上に向かう。
教室や食堂では周りからの視線や声で落ち着けないからだ。

レイヴン(やれやれ、つくづく面倒な学園だ。)

屋上の扉を開けると、先客がいた。

セシリア「レ、レイヴンさん!どうしてここに!?」

リリウム「落ち着いてください、セシリア。」

レイヴン「っと、邪魔なら戻るよ。」

セシリア「と、とんでもございませんわ!どうぞこちらへいらしてください!」

セシリアがスッと場所を開ける。断る訳にもいかず、レイヴンが座った。

レイヴン「えっと、リリウムだったか。2人は仲が良さそうだな。」

リリウム「そうですね。セシリアとリリウムは長い間一緒にいました。姉妹のようなものです。」

レイヴン「なるほど。ところでオルコットとウォルコットで発音が違うのは何でなんだ?」

レイヴンがふと疑問を口にする。

セシリア「たいした意味はありませんわ。バイオリンとヴァイオリンの違いのようなものです。」

レイヴン「なるほどわからん。」

セシリア「そんな事より、今からお食事なのですね?あ、あのよろしければこ、これを食べていただけませんか!?」

セシリアが箱を差し出す。中身はサンドイッチのようだ。

レイヴン「サンドイッチか。良いのか?お前の昼なんだろう?」

セシリア「じ、実は材料が多かったので作ったのですが食べ切れそうにないので。」

レイヴン「そうか、じゃあ遠慮なく頂くよ。」

レイヴンがサンドイッチを手に取る。リリウムがそっと目をそらす。

レイヴン「・・・。」

セシリア「い、いかがでしょうか?」

レイヴン「今度一緒に料理をしよう。お前の腕前をぜひ目の前で見せてくれ。」

セシリア「!はい喜んで!!」

リリウム「お見事でした、レイヴンさん。」

レイヴンの額に浮かぶ汗にはリリウムだけが気がついていた。

夜、レイヴンが寮の部屋に戻ると一夏が凹んでいた。

レイヴン「どうした、何かあったのか?」

一夏「鈴に怒られ、箒に呆れられた。」

レイヴン「訳がわからん。一から説明しろ。」

ーーーーーーーーーー

レイヴン「それはお前が悪い。」

一夏「なにが悪かったんだ?」

レイヴン「それは自分で考えないと意味がない。ヒントはやろう。日本人なら味噌汁だ。」

一夏「もっとわからんわ!」

レイヴン「それよりも、その鈴と決闘するんだろう、勝算はあるのか?」

一夏「何とも言えないな。やって見ないとわからない。」

レイヴン「まあ、見物には行ってやる。」

一夏「応援はしてくれないのかよ。」

レイヴン「知らんな。その程度じゃこの先生き残れないぞ。」

一夏「何だよそれは。」

後日、アリーナで鈴と一夏の決闘が始まろうとしていた。

レイヴンが観覧席に入る。すでに何人か人が入っていた。

レイヴン「思ったより多いな。」

アリーナでの生徒の私闘は学園に申請し、許可が降りれば行われる。自由に見ることが出来るが、人が集まることは滅多にない。

箒「それだけ一夏が注目されている証拠だろう。」

レイヴン「篠ノ之も来ていたのか。」

箒「箒で構わない。一応幼馴染だからな。」

セシリア「あら、箒さんにレイヴンさん!あなた達も見に来られたのですね。」

セシリアとリリウムが後から入ってきた。

レイヴン「ルームメイトのよしみでな。あと凰鈴音のISにも興味はある。リリウムは何か知っているか。」

リリウム「知ってはいますが、見るのが一番だと思います。始まりますよ。」

一夏と鈴がそれぞれISを展開する。

レイヴン「ほう、どちらも近距離戦闘型か。」

鈴が二つの青龍刀を振り回す。それを一夏が受ける。遠目から見れば鈴が優勢だった。

リリウム「それだけではありません。まだ使用していませんが甲龍には龍咆という空気を圧縮して放つ射撃武器も搭載されています。」

箒「クッ、それでは一夏のほうが圧倒的に振りではないか!」

レイヴン「いや、まだそう・・・!!」

突然アリーナの上空のシールドが割れ、何かカプセルのようなものが一つ落ちてきた。

一夏「ゲホッ、何だ?」

鈴「コホッ、アリーナのシールドが・・・!何あれ・・・?」

並んで立っている2人の目の前でカプセルが開く。

一夏「何だあれは?」

カプセルから出てきた物は、人の形に近いが人では無かった。
足が無く、まるで戦車の様な下半身。背中には砲身が二つ。両の手はブレード。そして体の各部が青く不気味に光っていた。

鈴「何なのよ。私達の邪魔を・・・。」
一夏「鈴!避けろ!」

一夏が鈴の手を引き抱き寄せ、横に飛ぶ。2人が立っていた場所を青い光が焼いた。

鈴「ちょ、一夏ッ!か、顔が近い///」

アリーナ管制室

セレン「アリーナ内に侵入者だと?観覧席の生徒への避難指示は?」

セレンと千冬が管制室に入って来る。

真耶「はい!避難指示は出しました。非戦闘教職員が誘導しています。」

千冬「アリーナ内へは入れないのか?」

真耶「最初にシールドを突破された際にシステムエラーが起こりました。復旧まで三分程、それまではドアが開きません!アリーナ内にはまだ織斑一夏君と凰鈴音さんが!」

セレン「落ち着け山田先生。相手はどこのISだ?」

真耶「所属不明、生体反応は無し。無人機です!」

千冬(所属不明の無人機・・・まさか・・・。)

ウィンディー『こちらウィン・D・ファンション。アリーナへの入口に着いた。扉をこちらから破ってはダメなのか?』

真耶「ええ!?そんな簡単に破れないですよぅ!」

千冬「すまんが借りるぞ。」

千冬が真耶からインカム受け取る。


安価
1ウィンディー
2レイヴン・セシリア・リリウム

アリーナ内

千冬『織斑一夏、凰鈴音聞こえるか?システムエラーで戦闘部隊がアリーナ内に入れん。しばらくそいつを足止めしろ。』

一夏と鈴のIS千冬からの通信が入る。

鈴「こんな得体の知れない奴の相手をするの!?」

一夏から離れた鈴が嘆く。

一夏「でも、ほっておいたら皆が危ない。何とか俺達で抑えるんだ!」

一夏がブレードを構えて鈴を庇う様に前に出る。

鈴「・・・そう言うと思ったわ。いいわ、やってやろうじゃない!」

鈴も青龍刀を構えて一夏の横に並んだ。白き騎士と赤き龍の如く。

アリーナ観覧席

箒「何をやっているんだ一夏!早く逃げろ!」

箒が叫ぶ。すでに多くの生徒は誘導に従い避難を開始していた。

レイヴン「戦う気の様だな。」

箒「そんな・・・!?」

レイヴン「なんとかこっちからアリーナ内には入れないのか?」

セシリア「難しいですわね。私のブルーティアーズを一点集中させても恐らく小さな穴が開くかどうか・・・。」

アリーナには観覧席などへの被害を出さないためにシールドが貼られている。当然中から外への攻撃には絶大な防御力があるが、逆に外から中へは想定されていない。
それ故に破ること自体は不可能では無いが、それでもかなりの力が必要だ。

箒「クッ・・・!」

リリウム「・・・なんとか出来るかもしれません。」

3人の視線がリリウムに集まる。

リリウム「リリウムのアンビエントには小型のECMが搭載されています。それを最大出力で展開すれば・・・。」

レイヴン「シールドに干渉出来るかも知れない・・・か?」

リリウム「やって見る価値はあると思います。」

ーーーーーーーーーー

セシリア「リリウム!ひっつき過ぎですわ!もう少し離れなさい!」

リリウム「無理です。これ以上離れるとECM範囲外です。」

レイヴン(・・・当たってる///)

ISを展開したレイヴンの後ろからリリウムが抱きつき、そのリリウムにセシリアが後ろから抱きついている。

リリウム「アンビエントECM展開、最大出力。」

アンビエントの両肩の装置が輝き、光の粒子を発生させる。

箒「皆・・・すまない・・・。一夏を頼む!」

セシリア「私達にお任せなさい。必ずあの不届き者を成敗して見せますわ!」

レイヴン「まあ、最善は尽くすさ。」

レイヴンがゆっくりシールドに近づく。小さく放電している様な音を出しながらシールドが開いた。

レイヴン「よし!行くぞ!」

3機のISがアリーナ内へと飛び込んだ。

アリーナ管制室

真耶「システム復旧完了しました!ドアを」
千冬「待て。」

アリーナへの扉を開けようとする真耶を千冬が止めた。目線は正面のモニターのままだ。そこには所属不明機とら戦う一夏と鈴、そしてアリーナ内へと飛び込んだレイヴン達が写っていた。

千冬「あいつらに任せてみよう。」

真耶「本気ですか!?」

千冬「5対1でしかもこちらは全員専用機。これで負けるようなら話にならん。」

セレン「それはもっともな意見だが、怪我でもされたら面倒だぞ。」

千冬「大丈夫だ。恐らくな。」

ウィンディー『やれやれ、とりあえずいつでも行けるように準備だけはしておく。』

千冬「ああ、頼む。」

アリーナ

一夏「クソッ!見かけより速い!」

鈴「落ち着いて、一夏!我武者羅に動いてはダメ!」

一夏と鈴が不明機を挟む様に左右に開く。その度に不明機は必ず自身に近い方を攻撃する。光弾の数は消して多いとは言えないが、的確で躱し辛い。
上手く近づけたとしても二本のブレードに阻まれ、有効なダメージを与えられずにいた。
その不明機の背後を一発の光弾が襲う。

一夏「あれは、レイヴンにセシリア!」

鈴「リリウムも!」

セシリア「マッハで蜂の巣にしてあげますわ!」

セシリアがブルーティアーズを展開する。

千冬『お前達聞こえるか?』

全員に千冬からの通信が入る。

千冬『あれは無人機だ。全力であれを破壊しろ。』

一夏「簡単に言ってくれるなぁ。」

リリウム「アンビエントは先ほどのECMでEPの80%を消費しました。レイヴン、援護するので前衛をお願いします。」

レイヴン「わかった。一夏!鈴音!三方から仕掛けるぞ!」

レイヴンが不明機に向けて加速する。

一夏「よし!鈴、奴の左側に回れ!」

鈴「わかったわ!」

セシリアとリリウムのライフルが不明機を襲う。全てを避けられる訳もなく、確実にダメージを蓄積させる。

一夏「鈴、合わせろ!」

鈴「やあああぁ!」

一夏と鈴が左右から同時に斬りかかり、不明機がそれを受け止める。

レイヴン「行けるか!?」

正面から切りかかろうとレイヴンが加速。

一夏「うわっ!」
鈴「キャッ!」

一夏と鈴を弾き、レイヴンに向かって不明機も加速した。

2機が正面から鍔迫り合いをする。

レイヴン「この距離なら!」

空いた手でライフルを向けるレイヴン。そのライフルをもう片方のブレードで切り弾く不明機。ライフルを破壊され、レイヴンの手には。

レイヴン「撃ち取る!」

ハンドガン-LARE-が握られていた。

回想ー数日前 IS整備室

レイヴンが整備室を訪ねる。

そこにはセレン・ヘイズが待っていた。

セレン「改めて自己紹介をしておこう。二組副担任のセレン・ヘイズだ。千冬、織斑先生とは昔からの知り合いでな。今回お前のISを用意したのは私だ。」

レイヴン「よろしくお願い申し上げます。」

セレン「ああ。それで?今日わざわざ時間を空けさせたのは私に用があったからだろう?」

レイヴン「はい。新しく武装を追加してほしくて。」

セレン「いいだろう。どんな物が希望だ?」

レイヴン「接近戦で小回りの効く銃を。」

セレン「ほう、対織斑一夏か?」

レイヴン「・・・ノーコメントで。」

セレン「フッ。いいだろう任せておけ。」

ー回想 終ー

ハンドガンを頭部に向けて連射する。不明機の頭に亀裂が入り、火花を散らす。

レイヴン「火力不足か?チィ!」

レイヴンが離れる。不明機は完全に周りが見えていないようで、我武者羅にブレードを振り回した。

セシリア「そこですわ!」

セシリアのブルーティアーズが不明機の両ブレードを撃ち、動きを止め、それに合わせ一夏が踏み込んだ。

一夏「これ終わりだー!」

一夏のブレードが不明機を貫く。不明機が一瞬青く光ったあとに、完全に機能を停止した。

鈴「やったー!」

リリウム「お見事でした。」

セシリア「当然ですわ。」

鈴が飛び跳ね、リリウムとセシリアが手を合わせる。

アリーナ内に安堵の空気が流れるが。

レイヴン「! 一夏離れろ!!」

所属不明機が火花を散らし、爆発した。

一夏「うわっ!」

レイヴンの声に反応した一夏が咄嗟に後ろに飛び爆発は避けたが、大きく飛ばされ気を失った。

保健室

レイヴン「大した事無くて良かったな。」

一夏「ああ。本当に驚いたぜ。」

あの後気を失った一夏は直ぐに保健室に運ばれた。全身に打撲があるが、それ以外には何も問題なく、直ぐに目を覚ました。

一夏「とりあえず今日は大事をとって保健室に泊まる事になった。」

レイヴン「織斑先生から聞いた。ゆっくりしていけ。俺は部屋に戻るよ。じゃあな。」

一夏「ああ。また明日な。」

レイヴンが保健室を出る。すると一夏は直ぐに眠ってしまった。

レイヴン(最後の突進・・・。あれはヤバイな。次に戦う時は負けるかもしれない・・・。)

IS整備室

千冬とウィンディーが部屋に入ってくる。そこにはセレンと真耶がいた。窓を挟んだ反対側の部屋には所属不明機の残骸が並べてある。

千冬「何かわかったか?」

セレン「そうだな。何もわからないという事がわかった。」

ウィンディー「お前達二人掛かりでもか?」

千冬とウィンディーが驚いた。真耶とセレンは共にISの腕前だけでなく、整備やメンテナンス、情報処理等にも長けている。その二人が何もわからないと言ったのだ。

真耶「不思議な事にこの機体にはISのコアが搭載されていません。各部のパーツに関しても、IS規格に類似してはいますが・・・。」

千冬(あいつの仕業・・・ではないのか?)

セレン「すまんな。ここの設備では限界だ。」

ウィンディー「・・・止むを得ん、奴を頼るか。」


休日安価下1、下2
1アリーナ(エイ=プール、鈴)
2教室(一夏、セシリア)
3グラウンド(リリウム、ウィンディー)
4武道場(箒、千冬)

大きいイベントの間に安価を挟みます。
どれを選んでも物語の進行には影響ありません。ただの日常パートだと思ってください。

タイミングが悪かったみたいで安価無かったんですがそのまま続けます。



数日後
IS学園 応接室前

応接室前の廊下にウィンディーが立っている。そこに一人の男が近付いて来た。

ロイ「お客さんだぜ。ウィンディー。」

ウィンディー「待っていたよ。入ってくれ。」

ウィンディーが扉を開き、ロイを招き入れた。

ウィンディー「座ってくれ。今コーヒーを入れる。砂糖は一つだったな。インスタントで悪いが・・・。」

ロイ「構わねぇよ。美人が入れてくれりゃあ高級品だ。」

ウィンディー「変わらんな相変わらず。」

ロイが笑いながら椅子に座る。ウィンディーも微笑みながらコーヒーをおいた。

ロイ「こうして面と向かって話をするのは久しぶりだな。一年振りか?」

ウィンディー「一年と二ヶ月振りだ。相変わらず傭兵紛いの事をしているのだろう?いつか死ぬぞ。」

ロイ「その時はその時だ。成るようにしか成らん。」

コーヒーを飲みながらロイが笑う。内容はとても笑えたものではないが。

ウィンディー「早速で悪いんだが本題に入りたい。」

ロイ「・・・そうだな。」

引き締まった表情でロイが口に運んだコーヒーを机に置く。

ロイ「結論から言おう。"俺の口からは何も言えない"。」

ウィンディー「・・・事実か?」

ウィンディーが怪訝な顔をする。俄かには信じられない事だった。

ロイ「そういう事だ。残念だがな。じゃあ悪いがここに料金を振り込んでくれ。」

ロイが懐から封筒を差し出した。

ウィンディー「・・・やれやれ、高い買い物をしてしまったか?」

ロイ「そういうなよ。俺はお前に会えて嬉しかったぜ?んじゃ、仕事があるんでこれで失礼するよ。」

ロイが立ち上がり、扉に手をかけた。

ウィンディー「一応礼は言っておく・・・。無理はするなよ。」

ロイ「そう言ってもらえると嬉しいね。じゃあな。」

ロイがウィンディーに笑顔を向けて、応接室を出た。

ウィンディー「さて、どうしたものか・・・。」

ウィンディーが"分厚い"封筒を手にとり、部屋を出た。

一組 教室

モブ「なんか今日転入生が来るらしいよ。」

一夏「この間二組に鈴が来たばかりなのにか?」

セシリア「確かに変わったタイミングですわね。」

話していると扉が開き、千冬が入ってきた。

千冬「席につけ。既に知っているようだが、このクラスに転入生だ。入れ。」

千冬に言われ、一人の少女が入ってくる。

千冬「自己紹介だ。」

ラウラ「はい!教官!」

少女がピシッと背筋を伸ばす。

ラウラ「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」

名前を名乗ると直ぐにレイヴンの前に歩み寄る。

レイヴン「?」

そして不意に手を振りかざす。

安価
1直撃
2躱す
3受け止める
4カウンター

レイヴン「・・・殴られなければいけない理由が思いつかないんだが?」

ラウラが振り下ろした手を受け止めながらレイヴンが言う。ラウラの目には憎悪に近い感情が込められていた。

ラウラ「ほう、受け止めた事は評価する。だがお前があの人の弟であるなど認めない!」

レイヴン「人違いだ。」

ラウラ「・・・なに?」

一夏「えーっと・・・それは多分俺のことじゃないか?」

ラウラ「なっ!?///・・・きっ貴様のような軟弱そうな奴が教官の弟だと!?」

千冬「うるさい、席に付け。ホームルームが進められん。」

ラウラ「ハッ!失礼しました!」

ラウラが敬礼し、パッと席についた。

一夏「・・・今俺馬鹿にされたよな・・・?」

レイヴン「気のせいだ。」

放課後 アリーナ

アリーナで鈴とレイヴンが互いのISで模擬戦をしていた。離れたところには一夏、箒、セシリア、リリウムがいる。

鈴「ヤッ!タッ!」

レイヴン「フッ!ハッ!」

鈴が両手の青龍刀を振るう。レイヴンが左手のブレード、右手には打鉄の刀を振るう。

セシリア(流石ですわレイヴンさん\\\)

一夏「凄いな。鈴と正面から打ち合ってるぜ。」

箒「見てないでお前はこっちだ。私が相手をしてやろう。」

箒がIS・打鉄を展開する。

一夏「ああ、頼むぜ。」

一夏もISを展開した。それを鈴が横目で見る。

鈴「ムゥ・・・。」

レイヴン「・・・少し休もう。疲れた。」

鈴「あ、そっそう?私はまだまだいけるよ!」

レイヴン「ならあっちの相手をしてやってくれ。」

鈴「そうね!」

鈴が顔を輝かせながら一夏と箒の方へ(文字通り)飛んで行った。

セシリア「あ、あのっ」
リリウム「お疲れ様です。レイヴンさん。どうですか鈴は?」

ドリンクを持つセシリアの前にタオルを持ったリリウムがずいっと体を入れる。

レイヴン「強いな。一撃が重い。だが動きが単調だ。あいつ性格単純だろう?」

ISを解除したレイヴンがタオルを受けとる。汗はかいていないが軽く顔を拭いた。

リリウム「その通りです。ですが実力は本物でしょう?」

レイヴン「ああ、間違いない。」

リリウムが微笑んだ。そのリリウムを押しのけセシリアが身を乗り出す。

セシリア「ドリンクですわ。宜しければどうぞ。」

レイヴン「ああ、助かる。ありがとう。」

セシリアからドリンクを受けとり口のする。中身は市販のスポーツドリンクだった。

レイヴン(今回は助かったな。)

リリウム「?・・・あちらの方は。」

リリウムが指差した方では鈴と箒が揉めている。その向こう側にラウラが立っていた。

ラウラ「貴様も専用機持ちのか。ならば今ここで私と戦え。」

一夏「は?何でだよ。」

鈴「ちょっと何よあんたは!」

箒「ラウラ・ボーデヴィッヒ。どういうつもりだ?」

鈴と箒が一夏の前に立つ。

ラウラ「お前達に用はない。どけ。」

ラウラがISを展開する。そして突然一夏に向かい加速した。

一夏「うわっ!?」

一夏が白式のブレードで咄嗟に受け止める。

ラウラ「予想よりはいい反応だったが、遅い!」

そのまま一夏を蹴り飛ばし上昇し、銃を構え、躊躇なく引き金を引いた。

一夏に向かって放たれた銃弾を間に割り込んだレイヴンがブレードで切り払った。

レイヴン「面倒は勘弁してもらいたいな。」

ラウラ「邪魔をするなら貴様も撃つ。」

セシリア「その前に私達があなたを撃ちますわよ?」

ISを展開したセシリアとリリウムがいつの間にかラウラを左右から狙う。

ラウラ「面白い。やれるものなら
千冬「そこまでだ。」

千冬がアリーナに入ってきた。

千冬「これ以上の私闘は許さん。決着は個別近々行われる個別トーナメントでつけろ。」

ラウラ「教官・・・。了解しました・・・。」

ラウラが地面に降り、ISを解除してアリーナから出て行った。

千冬「貴様らも今日はもう上がれ。いいな。」

一夏「何なんだよ全く・・・。」

レイヴン「何か怨まれる事でもしたんじゃないか?」

鈴・箒「「一夏!?」」

一夏「お、俺は何も知らんぞ!?」

夜 ウィンディー 自室

シャワーを浴び、バスローブの格好で冷蔵庫を開ける。中から取り出したペットボトルを開け、口にし椅子に腰をかけた。机にはロイから受け取った封筒が置いてある。

ウィンディー「あいつが"口からは言えない"と言う事は恐らく軍事機密。それも最上級の物だろうな。 さて、鬼が出るか邪が出るか。」

封筒をあけ、中身は冊子が二束。一つ目に目を通す。

ウィンディー「・・・噂は本当か。」

表紙には『男性専用 汎用戦闘マルチフォーム・スーツ 【アーマード・コア】』と書かれていた。

ウィンディー「もう一つは・・・!?」

もう一つの冊子には『S級軍事機密 所属不明機 パルヴァライザーについて』と書かれていた。

某所

二人の男がチェスを挟んで座っている。盤の中央にはキングとクイーン。少し離れた所にナイトが二つ、その周りにもいくっつか駒が置いてある。

エヴァンジェ「また、パルヴァライザーが出たらしいな。」

盤の上にビショップをおく。ゲームをしている訳では無い。

オッツダルヴァ「ああ。通算で三機目。前回から約一年か。こちらの手駒では足りん。」

新たに盤の上にポーンを二つ置く。

エヴァンジェ「使えるのか、それは?」

オッツダルヴァ「わからん。可能性・・・としか言えないな。」

そして先ほど置かれたビショップを取る。

エヴァンジェ「せめてあと二つはナイトが欲しいところだな。」

オッツダルヴァ「やってみせるさ。そのためのお前と私なのだからな。」

一組 教室

真耶「えー、今日もこのクラスに転入生です。」

モブ「また?」
その2「なんて中途半端な。」
その3「どんな子かな?」

シャル「シャルル・デュノアです。どうぞよろしく。」

モブ「男の子!?」
その2「美男子!?」
その3「キタ━(゚∀゚ )━!」

一夏「へー、ついに三人目か。」

レイヴン「そうだな。」

安価
1レイヴンは気付く
2違和感を感じる
3全く気がつかない

シャルル「はじめまして、織斑一夏君とレイヴン君。これからよろしくね。」

シャルルが席に座りながら声をかけた。

一夏「おう、よろしくな!」

レイヴン「・・・?」

シャルル「な、なに?」

レイヴン「いや・・・何でもない。よろしく。(なにか・・・変な感じがする?)」

何か違和感を感じた。

レイヴン(服装?歩き方?声か?・・・よくわからんな。)

シャルル(ば、ばれてないよね?)

千冬「今日は二組と合同でISの実習だったな。すぐに用意してグラウンドに集合。以上だ。」

一夏「よし、急ぐぞレイヴン。」

レイヴン「そうだな。嫌な予感がする。」

シャルル「え、何が?」

レイヴン「いいから行くぞ。」

レイヴンがシャルルの手を握る。

シャルル「えっ、ちょっ///」

三人が廊下に出ようとすると直ぐ。

モブ「あ!まだ何も聞いてないのに!」
その2「ずるい!私も手を繋ぎたい!」
その3「レイヴン×シャルル キタコレ。」

シャルル「な、なに!?」

一夏「捕まると着替える時間が無くなるぞ!」

シャルル「う、うん。(やっぱり男の子ってだけで大変なんだなぁ。)」

グラウンド

一夏「よし、余裕で間に合ったな。」

シャルル「う、うんそうだね///。」

一夏「?顔が少し赤いぞ。大丈夫か?」

シャルル「大丈夫だよ!気にしないで!(男の子と同じ部屋で着替えちゃった///)」

レイヴン(やっぱり何か変だ・・・。)

箒「速いな。三人とも。」

セシリアと箒が歩いてきた。

一夏「ああ。結構急いだからな。」

鈴「ヤッホー一夏。あれ?新しい子がいる。」

鈴が手を降りながらよって来る。

一夏「転入生だよ。三人目の男だ。」

シャルル「シャルル・デュノアです。よろしくね。」

鈴「へぇ。実は二組にも今日転入生が来たんだよ。」

メイ「はじめまして。メイ・グリンフィールドです。GA社でISのテストをしてたの。よろしく。」

鈴の後ろから一人の女性が現れた。

シャルル(GA社・・・やっぱり他の企業も動いてきたんだ。)

メイ(デュノアね・・・。息子がいたなんて聞いてないわよ。しかも向こうは一組か。ちょっと不利かしらね。)

メイ「貴方が織斑一夏君ね。変わったISを使ってるって聞いたんだけど。」

一夏「ああ、白式っていうんだけど。っと先生らが来たからまた後でな。」

メイ「そう、残念ね。また後でなお話しましょう。」

千冬「近々行われる個別トーナメントにむけてISの駆動実習を行う。専用機持ちの者以外でもある程度自由に動かせるが、今回はより精密に動けるようにする訓練だ。」

千冬前に出て話をする。少し離れた所にウィンディーとセレンが立っている。

千冬「では、まずは演習の前に軽く模擬戦を見てもらう。セシリア・オルコット、凰鈴音前に出ろ。」

千冬に呼ばれて二人が前に出た。

鈴「ふぅん、あなたが私の相手ね。」

セシリア「二組代表が相手なら不足はありませんわ。」

千冬「お前達の相手は、こっちだ。」

安価
1ウィンディーが本気出す
2空から山田

ウィンディー「私が相手だ。」

鈴「え、先生が相手?」

セシリア「いくら先生でも代表候補生との2対1では流石に無茶では・・・。」

ウィンディー「ほう。わかった。久しぶりに本気を出そう。」

ウィンディーがISを展開する。専用機『レイテルパラッシュ』だ。

ウィンディー「かかって来い。手は抜くな。」

セシリア「では。行かせていただきます。」

セシリアと鈴がISを展開する。

鈴「先手必勝!」

飛び出し、青龍刀を振るうが。

ウィンディー「遅い。」

ウィンディーはその一撃を躱し、離れ際に背中のレーザーキャノンを放つ。

鈴「キャア!?」

一撃で鈴が吹き飛んだ。

セシリア「な!?クッ!」

セシリアが飛び上がり、ブルーティアーズを展開し、攻撃をするが。

ウィンディー「火力だけか。それで候補生とは笑わせる。」

セシリアの放つ光弾はすべて躱される。それどころかウィンディーはセシリアとの距離を詰める。

セシリア「そんな!?ッ!」

接近されたセシリアはなす術もなく地面に叩き伏せられる。

鈴「ヤアァ!」

体制を立て直した鈴が二本の青龍刀で斬りかかるが、ウィンディーはそれを一本のブレードで全て捌ききった。

ウィンディー「単調すぎる。話にもならんな。」

セシリアと同様に鈴を地面に叩き伏せたウィンディーがISを解除した。戦闘時間は5分もかからなかった。

セシリア「ううっ。まさかここまでとは思いませんでした。」

鈴「強すぎるよぅ。」

千冬「少し本気を出し過ぎではないか?」

ウィンディー「・・・すまん。やり過ぎたか。」

千冬「見ての通り教員の実力が理解出来ただろう。最もファンション先生の実力は学園内でも間違いなくトップクラスだがな。他の教員も引けは取らん。以後は敬意を持って接するように。では、グループに分け、実習を行う。リーダーは専用機持ちがやる様にし、別れろ。」

モブ「織斑君!一緒にやろう!」
その2「レイヴン君私と組んで~。」
その3「金髪美少年!!」

レイヴン「・・・面倒な。」

一夏「俺教えられる程扱い上手くないぜ・・・。」

昼休み

一夏「そういえば、個別トーナメントのパートナー申請って確か今日からだっけ?」

レイヴン「そうだったか?」

一夏「お前本当そういうのに興味ないよな。」

レイヴン「面倒は嫌いなんだ。」

シャルル「でもクラス代表なんでしょ?しっかりしなきゃ。」

個別トーナメントは2対2で行われる。二人で申請すればその二人が一つのチームとなり、申請が無ければ、学園側がランダムで決めることになる。

モブ達「「「私とパートナー組もう!!」」」

三人が話しているといきなり沢山の女性に囲まれた。

一夏「えっと、俺はレイヴンと組むんで!!」

レイヴン「聞いていないぞ。」

一夏「今言った!」

レイヴン「まあ、別に構わんが。」

モブ「えー!ずるい!」
その2「仕方ないかな。」
その3「レイヴン×イチカ ハアハア。」

モブ「じゃあデュノア君!」

シャルル「ごめんね。僕は転入したのが遅かったせいで今回の個別トーナメントには出れないんだ。」

モブ「そんな~。」

これにより、レイヴンと一夏で個別トーナメントに出ることが決まった。

放課後 アリーナ

シャルル「一夏君はもう少し飛び道具に対して意識しないと。」

一夏「って言ってもなぁ。白式に銃はないからどうもよくわからないんだよな。」

レイヴン「使ってみるか?」

レイヴンがライフルを渡す。

一夏「いいのか?サンキュー。・・・ふーん、見た目より少し軽いかな?」

レイヴン「だが反動はあるからな。試しに撃ってみろ。」

一夏「よし!」

一夏が構えて引き金を引く。撃ち出された光弾はアリーナの壁に当たって四散した。

一夏「狙いが少しずれたな・・・。真っ直ぐ飛ばないのか?」

シャルル「反動で銃口がずれたんだよ。それ、レーザーライフルのANTARESだよね?使い勝手は良いけど、標準が少しぶれ易いんだよ。どちらかと言えば近距離用のライフルだね。」

レイヴン「詳しいな。」

シャルル「そうかな?ありがとう。」

一夏「うーん、もう少し練習していいか?」

レイヴン「ああ、構わんよ。」

シャルル「あ、じゃあ僕は先に戻っていいかな?荷物とか少し整理しておきたいから。」

一夏「おう。そういえば部屋同じなんだよな。運ぶの手伝おうか?」

シャルル「ううん、大丈夫。じゃあお先に。」

シャルルがアリーナから出て行った。

レイヴン(・・・やっぱり何かが変な気がする。)

一夏「どうしたんだ変な顔して?」

レイヴン「・・・シャルルに何か違和感を感じないか?」

一夏「いや、別に感じないけど。」

レイヴン「そうか。」

学生寮 自室

アリーナから戻った一夏とレイヴンが部屋に入る。部屋には誰も居らず、シャワーの音が聞こえた。

レイヴン「シャワーか。」

一夏「あ、そういえばボディソープなくなってたはずだ。換えがここに。ホラ。」

レイヴン「っと、やれやれ。」

一夏がボディソープの容器を投げ、レイヴンが受け取った。
洗面所の扉を開けると同時にシャワーの音が止まった。
風呂場の扉が開く。

レイヴン「シャルル、ボディソープの
シャルル「え?・・・!!」
レイヴン「!?」

レイヴンが咄嗟に洗面所から出て扉を閉めた。

レイヴン(違和感の正体はこれか・・・///)

一夏「な、何だ!?」

レイヴン「・・・違和感の原因がわかった。」

一夏「何だったんだ?」

レイヴン「シャルルが女だったと言ったら信じるか?」

一夏「何を言ってるんだ。・・・マジなのか・・・?」

レイヴン「マジだ・・・。」

一夏「つまり・・・今その扉の向こうは・・・。」

レイヴン「まぁ・・・そういうことだな・・・///」

レイヴン「・・・。」
一夏「・・・。」
シャルル「・・・。」

シャワーから出たシャルルを含め、三人で座る。

レイヴン「とりあえず・・・謝ろう。すまなかった。だがお前にも非はある。」

シャルル「う、うん。そうだね。こっちこそゴメンね騙すようなことして。」

シャルルが俯きながら誤った。服装はジャージで、制服とは大分違う印象になる。

シャルロット「私の本当の名前はシャルロット・デュノアっていうの。見ての通り女だよ。」

~説明一部省略~

一夏「それで、なんでわざわざ男装なんかして入学したんだ?」

レイヴン「おそらく、俺やお前に接近することが目的だろう。世界初の男のIS適合者だ。色々調べたデータが欲しかったんじゃないのか?」

シャルロット「流石レイヴン君その通りだよ。もし君達がISを使える理由がハッキリすれば、男の人でも使えるISが開発出来るかもしれない。そうすればデュノア社の地位は一気に跳ね上がるもの。」

レイヴン「ラウラ・ボーデヴィッヒや、二組のメイ・グリンフィールドも同じ目的か。」

一夏「なんでその2人なんだ?」

レイヴン「転入時期が不自然だ。俺たちが専用機を与えられた事がわかったから、それを調べようと思ったんだろう。」

シャルロット「ラウラの方はわかんないけど、多分メイの方はその通りだろうね。GA社も大きな企業だから。でも、私はもうダメかな。女って事がばれちゃったし。恐らく本国に連れ戻されちゃう。」

レイヴン「国には帰りたく無いのか。」

レイヴンに問われ、小さな肩をさらに落とす。その瞳には悲しみが溢れていた。

シャルロット「・・・できることなら帰りたくないかな。きっと怒られる程度じゃ済まない。牢獄か、最悪の場合は・・・。」

レイヴン「なら帰らなければいい。」

レイヴンに言われ、シャルロットが顔を上げた。

レイヴン「確かここの生徒は他所の国や組織の影響は受けないんじゃなかったか?」

一夏「『IS学園特記事項、本学園にいる生徒は、その在学中においてその国家、組織、団体に帰属しない』って奴だな!」

レイヴン「よく覚えてるな、そんなの。」

一夏「覚えさせられたんだよ、千冬姉にな。」

シャルロット「でも、私は・・・。」

レイヴン「帰りたいなら止めないさ。残りたいなら手を貸そう。俺としては(有能な)お前が残ってくれた方が(楽が出来るから)嬉しい。あとはお前次第だ。」

シャルロット「・・・ありがとう///。」

翌朝 一組 教室

モブ「それって本当?」

その2「本当らしいよ!学園中その話ばっかりよ!」

セシリア「つまり優勝すればレイヴンさんと///」

その3「つまり男子が優勝なら薔薇に!!」

その2「で、これは女子の中だけの取り決めらしくて、男子3人は知らないんだって。」

箒(どうしてそういう話になったんだ・・・!いや、まだ私にもチャンスはある・・・!)


そして時は進み、個別トーナメント一回戦

安価
ラウラのパートナー
1箒
2メイ・グリンフィールド
3モブ

ネタバレになりますが、登場済み以外ではPS2側からは、アップルボーイ、リップハンター、フォグシャドウ、ジナイーダ、リム・ファイアー、ジャウザー、烏大老が登場予定です。因みにナインボールも出します。

ACfaからは、ジェラルド・ジェンドリン、ヴァオーが登場します。
一応ですが、ホワイト・グリント、有澤隆文も出ます。

現段階でfaが多いのは、ISが女性専用なのでfaメンバーが扱いやすかったのと、>>1の好みです。

ストーリー構成的には4部構成で、2部後半から少し血生臭くなる予定なので、AC組が表立ってくるまでもう少しだけ待ってください。



個別トーナメント 当日 男子更衣室

一夏「まさか一回戦目からとは・・・。」

レイヴン「しかも相手はラウラ・ボーデヴィッヒにメイ・グリンフィールドか。」

シャルロット「僕は出場出来なかったのに、なんでメイさんは出れたんだろう?」

レイヴン「知らん。だが、まぁシャルルとやり合わなくて済んだのは有難いな。(手強そうだから)」

シャルロット「そ、そうなんだ///。」

レイヴン「?顔が赤いぞ大丈夫か?」

シャルロット「だ、大丈夫。2人共頑張ってね。」

一夏「ああ!」
レイヴン「最善は尽くすさ。」

女子更衣室

メイ(ラウラ・ボーデヴィッヒね。丁度いいわね。ドイツのISのデータも取らせてもらおうかしら。)

ラウラ「一回戦からか。フッ、面白い。」

ラウラとメイが並んでアリーナに向かう。

メイ「私のISはメリーゲート。重量級のISよ。」

ラウラ「貴様のISに興味はない。」

メイ「あら、釣れないわね。私はあなたに興味があるんだけど。」

ラウラが横目でチラッとメイを見る。

メイ「?」ドタプ~ン

ラウラ「貴様に用は無い!」

アリーナ

一夏とレイヴンがアリーナに入る。続けてラウラとメイもアリーナに入った。

一夏「恐らくラウラは俺に向かってくるんだろうな。」

レイヴン「だろうな。メイ・グリンフィールドの方はまず俺が引き受ける。合図をしたら予定通りに頼むぞ。」

一夏「ああ、任せてくれ。」

一夏とレイヴンがISを展開する。

ラウラとメイもISを展開した。

メイ「うまく盾にしてね、その為の重量機よ。」

ラウラ「私の邪魔はするな。」

『システム、戦闘モード起動します』

アナウンス『個別トーナメント一回戦、織斑一夏、レイヴン対ラウラ・ボーデヴィッヒ、メイ・グリンフィールド。始め!』

開始の合図と共にラウラが飛び込んだ。それに合わせるように一夏も前に出る。

一夏「いくぞ!」

一夏がブレードを振り、ラウラの手刀とぶつかり合う。

ラウラ「フッ!」
一夏「うわっ!?」

ラウラの蹴りを受け、後ろに下がった一夏をワイヤーが追撃するが、そのワイヤーはレイヴンの放ったライフルに弾かれた。

一夏「くっ、サンキューレイヴン!」

レイヴン「すまんがここまでだ。あとは自力でなんとかしてくれ。」

レイヴンがメイの砲弾を躱す。

メイ「本当は織斑君の方に興味があるんだけども、あれには近づけそうにないの。だからまずは貴方からね。」

レイヴンがライフルを撃つが、メイは避けること無く前に出てバズーカとライフルを放つ。

レイヴン「見た目通りの重装甲に高いエネルギー容量か?これは面倒そうだな。」

メイ「流石に良い動きね。でも一気に終わらせてあげる。」

メイがミサイルを放った。大きく上昇し、上からおちるミサイル。正面への連装式ミサイルだ。

レイヴン「チッ、出し惜しみ無しだな。」

レイヴンが右手のライフルと左手のブレードを消し、両手にマシンガンWR07M-PIXIE3を握り、ミサイルを撃ち落とす。

メイ「器用な事をするわね。」

レイヴン「そうか?」

メイ「でもいつまで耐えられるかしら?」

レイヴン「安心しろ。すぐ終わる。」

一夏とラウラがブレードと手刀をぶつけ合う。どんどん斬りかかるラウラに対し一夏はそれを防ぐだけだった。

ラウラ「どうした、その程度か!」

一夏「まだまだ!」

一夏がブレードを大きく振り、ラウラと距離をとる。

レイヴン「一夏!今だ!」

一夏「おう!」

レイヴンの合図で一夏が急加速する。イグニッション・ブーストだ。だが加速した方向はラウラの方ではなかった。その先にいたのはー

メイ「!?嘘、EPゼロ!?」
ラウラ「!?成る程。」

一夏が零落白夜を発動させ、メイを背後から断ち切った。零落白夜の効果によりメイのEPは0、戦闘不能である。
一夏に合わせるようにレイヴンも加速し、ラウラを背後から斬りかかるが、これは手刀で受け止められた。

レイヴン「これはタッグ戦だ。卑怯とは言わんだろう?」

ラウラ「当然だな。だが2対1でも私は負けない!」

一夏「よし!」

一夏が手を開いたり閉じたりする隣でメイのISが解除された。

メイ「驚いた。今のが噂の零落白夜ね。」

一夏「凄いだろ。っとそんな話している場合じゃないな。よっと。」
メイ「!?」

一夏がメイを抱きかかえる(所謂お姫様抱っこ)。

メイ「なななにを///」

一夏「ここは危ないからな。とりあえずアリーナの外まで運ぶよ。」

メイ「あ・・・ありがとう・・・///」


観覧席

鈴・箒「うぐぐ・・・。」

レイヴン「チィ、さすがに強いな。」

レイヴンが左手にブレードを構えつつ、右手のマシンガンを放つがラウラは怯む事なく前に出る。

レイヴン「この間合いなら、!?」

斬りかかるレイヴンが空中で止まった。

ラウラ「私にこれを使わせた事は素直に褒めよう。だがそこまでだな。」

レイヴン(体が動かない・・・。武器は動く!)

空中で止まった状態から背部のミサイルを撃つ。

ラウラ「チィ!」

ミサイルを受け、ラウラが距離をとり、レールカノンを撃つ。

レイヴン「クッ!」

自由になったレイヴンがギリギリで砲撃を躱す。

レイヴン(体が止まったが・・・。原理はよくわからんが万能ではなさそうだ。ならばどうとでもなる。)

一夏「またせたな!」

ラウラの背後から一夏が斬りかかる。ラウラはそれを躱し一夏に斬りかかるが一夏もそれを躱した。

レイヴン「(調子は良さそうだ。)よし、一夏に合わせる。一気に決めるぞ!」

一夏「おう!」

一夏に合わせ、ライフル、ミサイルを使い分けるレイヴン。確実にラウラを追い詰めていた。

ラウラ「クッ!貴様ら如きに!」

ラウラが向かってくる一夏の動きを止めて斬りかかる。

一夏「残念だったな!」
レイヴン「そいつは囮だ。」

一夏の背後から現れたレイヴンのブレードを受けきれず、切られた。その瞬間に自由を取り戻した一夏のブレードに貫かれる。

ラウラ「グッ!?」

ラウラが膝をつく。

ラウラ(私は・・・負けるのか・・・?こんなところで・・・!?教官の前で!?私は・・・!!)

突然ラウラのISが姿を変えた。

ーアリーナ管制室ー

千冬「トーナメントは中止だ!あれは不味い、ウィンディーを呼べ!真耶、来賓及び生徒を緊急避難だ!」

真耶「は、はい!」

千冬(VTシステムだと!?あんな物を搭載させたのか、変態どもが!)



ーアリーナー

一夏「変形!?いや、ISに飲み込まれているのか!?」

レイヴン「お前の白式の時とは違うな。何だあれは?」

ラウラのISが大きく変わった。ラウラ自身は完全にISに飲み込まれ、外見が完全に別物となった。その姿はー

一夏「ッ!ふざけんなよ!!」

レイヴン「!?おい、一夏!」

レイヴンの静止を聞かずに斬りかかる一夏。

一夏「うおおおぉ!!」

一夏がブレードを振り下ろす。それをラウラ(だったもの)が受け流し、いつの間にか握られていたブレードで切り返した。

一夏「くっ!」

それを咄嗟に受け止めたが大きく後ろへ弾き飛ばされ、壁にぶつかる前にレイヴンが受け止めた。

レイヴン「落ち着け。どうしたんだ。」

一夏「あれは、昔の千冬姉のISと同じなんだよ!外見も動きも!!」

レイヴン「なんだって?それは本当か?」

一夏「間違いない。俺が見間違えるはずねぇ!」

レイヴン「ならば尚更落ち着け。織斑先生相手に一人で勝てるものか。」

一夏「む・・・おう・・・。」

レイヴン「幸いなことにあいつはこちらから仕掛けなければ動かないみたいだな。」

一夏が立ち上がり、二人で相手を確認する。

レイヴン「こっちのEP残量はあと70%程だ。そっちはどうだ?」

一夏「もう結構使っちまったからな、あと30%も無い。零落白夜は使えてあと二回か。どうする?」

レイヴン「このままおとなしくしてれば直ぐに教員部隊が来るが・・・。」

レイヴンがアリーナの観覧席を見る。すでに多くの生徒や来賓が避難を始めていた。

一夏「やっぱりあれは何かおかしいんだな。だったら尚更俺はあいつを許せない。」

レイヴン「やれやれ、そう言うと思った。付き合ってやる。やれるだけやってみよう。

一夏「サンキューレイヴン!行くぜ、援護頼む!」

一夏がブレードを構え、前に飛び込んだ。レイヴンブレードとハンドガンを構えて前に出た。

ーアリーナ管制室ー

真耶「ええ!?ちょ、織斑君!レイヴン君!避難してください!」

千冬「彼奴ら・・・!止むを得ん。山田先生、インカムを借りる。」

真耶「え、あはい。」


ーアリーナー

千冬『織斑、レイヴン。聞こえるだろう。もう気が付いているだろうが、あれはVTシステム。詳しいことは省くが、私の動きをコピーしている。
だがあれはモンド・グロッソの私の動きだ。一対一の動きしか出来ない。上手く連携して仕留めろ。直ぐにファンション先生がそこに到着する。それまでしか待てんぞ。』

一夏「十分だ!あれは、俺たちが止める!!」

レイヴン「力尽くだがな。」

千冬『かまわん。だがボーデヴィッヒは必ず助けろ。いいな。』

レイヴン「了解した。最善は尽くす。」

千冬の言うように、VTシステムは二対一の動きができていなかった。二人の攻撃に対し、片方は完璧に防御するも、もう片方へが散漫になっている。

レイヴン(ダメージは通るが、火力が足りん。やはり零落白夜に頼るしかないか?いや、接近すればいける・・・はず。)

一夏(くそ!EPが足りないか?このままじゃああと一回が限界・・・確実に当てるタイミングを・・・!)

一夏「ここだ!」

レイヴンのブレードが受け止められたタイミングで一夏がブレードで斬りかかる。

一夏「浅いッ。ここで、切り返す・・・!」

自重を利用して振り下ろされたブレードを反動を利用して切り返す。二回の斬撃は確実に相手を切り裂く・・・筈だった。

一夏「!?EPが足りない・・・!」

二回目の斬撃はただの斬撃となり、ISを切り裂くには至らなかった。

レイヴン「だが、この距離なら当たる!」

レイヴンがISへと密着するその右手には射突ブレード「NIOH」。
距離は完全に零距離である。

レイヴン「撃ち貫く!!」

ISが砕ける。その中からラウラが現れ、ゆっくり倒れる。レイヴンそれをそっと抱き止めた。

ラウラ「わ・・・たし・・・は・・・。」

レイヴン「もう大丈夫だ、ラウラ・ボーデヴィッヒ。(試合は終わったから)なにも心配する事はない。お前はもうゆっくり休んでいいんだ。」

ラウラ「そう・・・か。」

ラウラがそのまま目を閉じる。その顔は安らかな顔だった。

レイヴン「ギリギリだったが何とかなったな。」

一夏「結局またレイヴンに助けられたな。」

レイヴン「いや・・・一夏の一撃が無ければ届かなかった。俺たち二人での勝利だ。」

一夏「そうだな!ヘヘッ!」

一夏が満足そうに笑う。レイヴンもそれにつられて微笑んだ。

ー保健室ー

ラウラは夢を見ていた。暗闇の中、一人で浮いている。

ラウラ(私は・・・。)

何もない。誰もいない。そんな暗闇が割れ、一つの光が刺す。その先には・・・。

ラウラ「・・・私は・・・。」

千冬「目が覚めたか?」

ラウラ「教官・・・。」

~以下略~

千冬「っと、一つ言い忘れていた。お前をここまで運んだのはレイヴンだ。あとでちゃんと礼を言っておけ。」

ラウラ「レイヴン・・・。そうか・・・私が見たあの光は・・・。」

食堂

試合の翌日。一夏、レイヴン、シャルロットの三人は食堂にいた。
個別トーナメントは結局中止となり、今日の午後と明日で各一試合だけすることになった。

一夏「えっとVTシステムだっけ?」

レイヴン「あのラウラのISに搭載されて奴だな。それがどうした?」

一夏「結局あれってなんだったんだ?」

シャルロット「モンド・グロッソの出場者の動きをトレースするシステムだよ。ISがスポーツである以上、他者の動きをそのままトレースする事は不正だって事で禁止されてたんだけどね。」

一夏「成る程ね。確かにみんなが優勝者と全く同じ動きをしたら勝負にならないもんな。」

箒「確かに各々がしっかり鍛錬をした結果をそのままコピーするのは卑怯だからな。あれは禁止されて当然のものだ。」

箒と鈴がやってきて一夏のそばに座る。

一夏「おう。箒に鈴か。ところで周りの女子がすごく凹んでいるのは何でなんだ?」

一夏が指差した方向にな項垂れている女子は数名いた。

その1「ゆうしょうしょうひん・・・」
その2「彼氏欲しかったなぁ・・・。」

箒「・・・さあ、なんでだろうな?」
鈴「・・・しらな~い。」

一夏「?そうか。あ!そういえば箒、この間の話なんだけどな、付き合ってもいいぞ。」

箒「!!」
鈴その他「「!!??」」

箒「ほ、本当か!?」

一夏「ああ、本当だ。付き合うよ。買い物ぐらい。」

何処からともなく取り出した木刀により一夏は殴られた。

箒「そんな事だろうと思ったわ!!」

一夏「痛ぇ・・・。」

鈴「じ、じゃあ私とも付き合ってくれる!?」

一夏「お、おう。いいぞ。」

鈴(よし!デートの約束ゲット!)

箒「な!?(しまった!!)や、やっぱり私も頼む!」

一夏「?わかった、じゃあ三人で行くか。」

箒・鈴「「どうしてそうなる!?」」

レイヴン「ここまでくると最早わざとではないかと疑いたくなるな。」

シャルロット「あはは・・・確かに。」

放課後

レイヴン「たしかこの後に他の試合がだったな。」

安価
1当然見に行く。(セシリア・リリウムvs鈴・エイ=プール)
2まあいいか。(翌日に進む)

ーアリーナー

セシリア「優勝商品はなくなってしまいましたが、手は抜きませんわよ。」

リリウム「当然です。鈴、申し訳ないですが本気でいかせてもらいます。」

鈴「当たり前よ。もちろん私も全力よ!エイプー!援護よろしくね!」

エイ=プール「(リリウムと相性最悪だけど)私も精一杯頑張りますよ!」

『システム、戦闘モード起動します。』

アナウンス『セシリア・オルコット、リリウム・ウォルコット対凰鈴音、エイ=プール。始め!』

ーアリーナ観覧席ー

レイヴン「ちょうど始まったか。ギリギリ間に合ったな。」

一夏「お、レイヴンも来てたか。」

一夏と箒が座っていた。レイヴンも一夏の隣に座る。

レイヴン「エイ=プールのISは始めて見るな。」

一夏「ああ。どんなのか楽しみだな。」


ーアリーナー

エイ=プール「ヴェーロノーク行きます。先手は譲れません。」

エイ=プールがミサイルを発射する。圧倒的な物量である。普通なら全てを躱す事は不可能であろう。

リリウム「ECM起動。セシリア、下がって援護をお願いします。」

セシリア「承りましたわ。」

セシリアが大きく下がり、リリウムが前に出る。ミサイルの多くはリリウムを避け、地面に落ちた。

エイ=プール「やっぱりダメですね!」orz

鈴「諦め早い!?もう少し頑張ってよもう!」

鈴が青龍刀構え前に出る。

リリウム「やはり前に出ましたね。」

セシリア「頂きますわ!」

セシリアがライフルを構えて鈴を撃つ。鈴はそれを青龍刀で掻き消した。

鈴「遅いよ!その程度なら簡単に防げる!」

セシリア「やりますわね。」
リリウム「やはり強敵ですね。」

リリウムもライフルを撃つが鈴には簡単に防がれてしまう。

鈴「たとえ距離が詰められなくても戦える!」

鈴が龍咆を放つ。見えない砲弾は当然躱せる事なくリリウムを襲う。

リリウム「ッ!厄介ですね。」

セシリア「そちらが見えない砲撃ならばこちらな全方位攻撃ですわ!」

セシリアがブルーティアーズを展開させる。

鈴「今よ、エイプー!!」

エイ=プール「ターゲット確認!援護します!」

エイ=プールがセシリアに向けてミサイルを発射する。その弾幕を全てを躱せる訳もなく、複数が直撃した。

セシリア「キャア!?ま、まだいけますわ!」


安価
1セシリア・リリウムの勝ち
2鈴・エイ=プールの勝ち

どっちが勝っても特に影響はありません。

鈴「チャンス!いっけー!!」

鈴が急加速してセシリアに突っ込む。青龍刀を振りかぶり切りかかろうとするが。

セシリア「掛かりましたわね!」

青龍刀が振り下ろされる直前に二対ミサイルが鈴を直撃した。

鈴「ッ!?やられた!でもまだー
エイ=プール「鈴!避けてー!!」
えっ、きゃああ!?」

セシリア・リリウム「あ・・・。」

エイ=プールがセシリアを狙って放った大量のミサイルが、間にいた鈴に降り注いだ。

鈴「・・・。」バタンキュウ

リリウム「あとは貴女だけですね。」

エイ=プール「弾薬が切れました!降参です!」

アナウンス『勝負あり!勝者、セシリア・オルコット、リリウムウォルコット!』

セシリア「・・・何なんですの!?この決着は!?」

ーアリーナ観覧席ー

一夏「何だかなぁ。」

レイヴン「以外に呆気なく終わってしまったな。」

箒「だが、あの弾幕も、セシリアのブルーティアーズも実際かなり強力だ。レイヴンはよくセシリアに勝てたな。」

レイヴン「運が良かったんだろうさ。改めて見ると、正直もう一度相手にはしたく無いと思うよ。」

ー翌日 教室ー

真耶「えーっと、実は今日も転校生?です。」

シャルロット「シャルロット・デュノアです。皆さん改めてよろしく。」

モブ「は?」
その2「つまりデュノア君じゃなくて?」
その3「なん・・・だと・・・!」

真耶「つまりデュノア君はデュノアさんだったという事でした。」

モブ「そうなんだ。(狙ってたのになー。)」
その2「あれ?男子三人同室だったよね?」
その3「!?という事は!」

突然壁が破壊され鈴が飛び込んできた。

鈴「しねぇ!一夏ぁ!!」

一夏「なんでさ!?」

生命の危機を感じた一夏が咄嗟にISを起動したが、青龍刀が振り下ろされる事なく静止した。

一夏「ラウラ!サンキュー、助かった。」

ラウラ「気にするな。これは今日までのお前に対する暴言の詫びだ。」

レイヴン「もうISもお前も大丈夫なのか?」

ラウラ「うむ。予備のパーツで修復した。少し性能が落ちたが大丈夫だ。」

レイヴン「そうか。(後始末が面倒だから)大事にならなくて良かったよ。」

ラウラ「!心配してくれていたのか?」

レイヴン「(何からあったらクラス代表の俺に責任がくるから)当然だろう。」

ラウラ「そうか。」

そういうとラウラがおもむろに近づき、レイヴンにキスをする。

レイヴン「!?」

ラウラ「お前は私の嫁にする!決定事項だ!異論は認めん!」

一同「えええぇーーー!?」

セシリア「聞き捨てなりませんわ!!」
シャルロット「ず、ずるいよ。」
リリウム「リリウムは意義を称えます。」

レイヴン「俺は男だから嫁にはなれんぞ。」

箒「つっこむ所はそこなのか!?」

セレン「そんな事よりHRの続きをするからこっちに帰って来い。」


放課後安価下1、下2
1武道場(一夏、箒、メイ)
2食堂(鈴、エイプー)
3IS整備室(セシリア、リリウム、セレン)
4寮内(シャルロット、ラウラ)

大きいイベントの間に安価を挟みます。
どれを選んでも物語の進行には影響ありません。ただの日常パートだと思ってください。

3と4でいきます。


ーIS整備室ー

セレン「やはり使い辛いか。」

セレンがキーボードを叩く。画面にはレイヴンのISデータが表示されていた。

レイヴン「威力に関しては申し分ないんですけどね。反動と射程に難ありです。」

セレン「では外すか?」

レイヴン「余裕がある内はまだそのままでいいです。切り札にはなりますから。」

セシリウム「「失礼します(わ)。」」

レイヴンとセレンが話をしているとセシリアとリリウムが部屋に入ってきた。

セレン「なんだ?」

セシリア「昨日の試合のデータ解析とISの整備をと思いまして。」

セレン「成る程。そこの装置を自由に使ってくれ。何かあったら質問するように。」

セシリア「ありがとうございます。あの、失礼ながらお尋ねしますが、レイヴンさんとヘイズ先生はどの様な御関係で?」

リリウムが椅子に座り、機械を操作する隣でセシリアが尋ねる。

セレン「うん?レイヴンのISを用意したのが私だという程度の関係だが・・・。」

セシリア「そうなのですか。」ホッ

リリウム「あのシンプルなISであれ程の性能が出せたのはそういう事でしたか。」

セレン「いや、性能というよりレイヴンの技量のおかげだ。正直そこまで動けるとは思っていなかったからな。」

セシリア「流石はレイヴンさんですわ!」

リリウム「お見事ですね。」

レイヴン「そうか。ありがとう。」///

セシリウム((かわいい。))

セレン「青春だな。」

ー学生寮ー

シャルロットが女子である事が公にされた事で、引っ越す事となりレイヴンはその手伝いに呼ばれた。

シャルロット「わざわざごめんね。」

レイヴン「気にするな。それで、この荷物を運ぶんだな?」

シャルロット「うん。段ボールにまとめたけど、一回じゃ無理かな。」

目の前には段ボール箱が四つ程置いてある。

ラウラ「大丈夫だ。私も手伝う。」

レイヴン「ラウラ?どうしてここに?」

シャルロット「ラウラと同室になったんだよ。」

ラウラ「早速運ぼう。私が二つ持つから、一回で行けるな。」

レイヴン「いや、俺が二つ持とう。」

ラウラが荷物を持とうとするのを止め、レイヴンが段ボールに手を着ける。

ラウラ「しかし、嫁に重いものを持たせるわけには・・・。」

レイヴン「だから俺は嫁にはなれんと言っただろう。そんな事よりさっさと運ぼう。」

レイヴンが二つ段ボール持ち上げ歩き出した。

シャルロット「大丈夫?」

レイヴン「見かけより軽いな。大丈夫だ。」

ラウラ「むむむ。私も二つ運ぼう。」

シャルロット「ええ!?悪いよ!」

ラウラ「気にするな。さあ、行こう。」

ラウラも二つ段ボール持ち上げ歩き出した。

シャルロット(い、いいのかな?僕の引越しなのに・・・。)


ーラウラ・シャルロットの部屋ー

ラウラ「すまんが扉を開けてもらえるか?」

シャルロット「うん。二人ともありがとうね。」

シャルロットが扉を開け、ラウラが中に入る。続いてレイヴンも入ろうとするがー

レイヴン「っと。」

段ボールの角が扉に当たり、傾いた。咄嗟にレイヴンが体で受け止めようとするが間に合わず、蓋が開いてしまし中身がレイヴンかかってしまう。その中身はー

シャルロット「み、見ちゃダメえぇぇ!!!」///

シャルロットの鋭い一撃により、レイヴンは気を失った。

ラウラ「ほう、中々機動性の良さそうな下着だ。」

シャルロット「まじまじと見てないではやく片付けてッ!」///

ここまでが第一部です。思っていたよりも短くまとまりました。

次から第二部(学園内イベントメイン)が始まります。ここのラストから少し血生臭くなってくる予定です(多分)。

レイヴンステータス
IS適性B
格闘センスB
射撃センスB
反応A
情報処理B
判断力A
運動A
指揮C
その他 ??? 高速切替B
レーザーライフルANTARES
高速ミサイルVERMILLION01
ENブレードDRAGONSLAYER
ハンドガンLARE
マシンガンWR07M-PIXIE3
射突型ブレードNIOH

織斑一夏
IS適性B
格闘センスA
射撃センスC
反応B
情報処理D
判断力B
運動C
指揮D
その他 ??? 鈍感S

セシリア・オルコット
IS適性A+
格闘センスD
射撃センスA
反応B
情報処理S
判断力C
運動C
指揮C
その他 料理D- 妄想癖A

凰鈴音
IS適性A
格闘センスA
射撃センスB
反応B
情報処理C
判断力C
運動A
指揮D
その他 驚異AA

ラウラ・ボーデヴィッヒ
IS適性A
格闘センスA
射撃センスA
反応A
情報処理A
判断力A
運動B
指揮A
その他 驚異A

シャルロット・デュノア
IS適性A
格闘センスB
射撃センスB
反応C
情報処理A
判断力B
運動B
指揮C
その他 高速切替S

リリウム・ウォルコット
IS適性A
格闘センスB
射撃センスA
反応B
情報処理C
判断力B
運動C
指揮C
その他

エイ=プール
IS適性A
格闘センスD
射撃センスB
反応C
情報処理A
判断力B
運動C
指揮D
その他 財力D

メイ・グリンフィールド
IS適性A+
格闘センスD
射撃センスA
反応B
情報処理B
判断力A
運動A
指揮C
その他

ー体育館ー
千冬「今日は来月の運動会の出場競技を決める。赤はこっち。白は向こう側に移動してくれ。」

IS学園の運動会は各クラス二つに分け、他クラスとの合同チームで行われる。

レイヴン「俺は赤だったか。確か他のメンバーは・・・。」

安価
下1~2
一夏、セシリア、シャルロット、ラウラから。重複した場合は安価下。

その下1~2
鈴、リリウム、エイプー、メイから。重複した場合は安価下。

その下
箒はどっちか。

セシリア・ワンサマー

一夏「よう、レイヴン。2人しかいない男子だから敵同士になったらどうしようかと思ったぜ。」

レイヴン「ああ。だが、男子が2人とも同じなら不公平じゃないか?俺はてっきり別々になるものだと思ってたんだが。」

セシリア「人数の都合で白組の方が1人多いからだそうですわ。私も赤なのでよろしくお願いいたします。」

安価下1~2
鈴、リリウム、エイプー、メイから。重複した場合は安価下。

リリウム・スマイリー
鈴が白なので箒は赤にしておきます。

リリウム「リリウムも赤です。よろしくお願いします。」

メイ「私もよ。楽しみね。」

メイが一夏の隣に入ろうとするが箒にブロックされた。

レイヴン「という事は、白はシャルロット、ラウラ、鈴、エイ=プールか。」



ー白組ー

鈴・ラウラ「「・・・」」orz

エイ=プール「あの2人どうしたんでしょう?」

シャルロット「あはは・・・そっとしておこう。」

千冬「あからさまに白組の指揮が低いな。」

真耶「あはは・・・仕方ないですね。男子が2人とも赤組ですから。」

セレン「差があり過ぎだろう。」

ウィンディ「ふむ・・・。一夏、レイヴン、すまないが準備室の奥からホワイトボードを二つ出してきてくれないか?」

一夏「あ、はい。わかりました。」

ウィンディに言われ、一夏とレイヴンが体育準備室へと向かった。

千冬「おい、ファンション先生。まさか・・・。」

ウィンディ「そのまさかだ。」ニヤリ

ウィンディ「さて、諸君。今回の運動会に限り、優勝した方のMVPに副賞を着ける。」

ウィンディの言葉に全員(一夏とレイヴン以外)の目線が集まる。
千冬が頭を抱える。セレンが口を抑えながら笑をこらえる。真耶は楽しそうだ。

ウィンディ「MVPには、男子のどちらか片方を一日自由にできる権利を与える。」

一同「「「「「!?!?」」」」」

箒「先生!そっそれはどういう意味ですか!?」

ウィンディ「言葉通りだが?あくまで学生という身分で健全な範囲内でだがな。興味の無い者には代わりに食堂のスイーツ一週間無料券でも良い。」

一部生徒「「「!!!」」」

モブ「しかし、それでは専用機持ちが有利で不公平だと思います!」

セレン「それは仕方あるまい。お前は『陸上部は足が速いので100m走に出るのがズル』と言うのか?」

モブ「それは、その・・・。」

千冬「はぁ・・・。安心しろ。競技によっては必ずしも専用機が強いという訳ではない。やり方次第でどうとでもなる。」

一夏「先生、ボード持ってきま、し・・・た・・・。なんか皆急にやる気になってないか?」

レイヴン「いったい何があったんだ?」

ウィンディ「なに、MVPに副賞として食堂のスイーツ一週間無料券を出すと言っただけだ。」

一夏「ああ、なるほど。女子って甘い物好きだもんなぁ。」

レイヴン「・・・それだけでここまで変わるか?」

ウィンディ「さあ、そんな事より次は各生徒が出る競技を決めようか。」

ウィンディがボードを持って白組の方へ行く。

千冬「お前らはこっちだ。競技を決めるぞ。」

千冬がボードを持って赤組へむかう。何故か少し不機嫌そうだ。


安価下1
レイヴンは何に出る?

1ハンティング
複数のターゲットを撃破したポイントを競う。ターゲット毎にポイントが決まっており、高い物ほど硬く、種類によっては回避だけでなく反撃してくる物もある。射撃機が有利とされる。選手同士の戦闘は禁止。

2ラビリンス
別々の場所からスタートし、各エリア毎に設置されているターゲットを破壊後次のエリアへ向かう。先にゴールした物が勝ち。エリア内で他選手と遭遇時には戦闘可能。エリアの広さにもよるが、格闘機が有利とされる。

3サバイバル
単純な殲滅戦。最後まで生き残っていたチームの勝利。シングルスでは万能機が有利とされるが、チームの場合は他の選手との連携は重要視される競技。

下2 一緒に出る選手
一夏、セシリア、リリウム、メイ、箒から1人 。無しも可。

千冬「それぞれの競技はこの説明の通りだ。まずはこの三つから決める。」

千冬がボードに書いた競技を指しながら言う。

レイヴン「ISを使った競技の三つか。」

モブ「やっぱり専用機がある人が出た方がいいよ。」

一夏「じゃあまずは俺たちを優先で決めてもいいか?」

モブ「そうだね。」

セシリア「恐らく白もそのように組むでしょうから、どれも考えて選ばないといけませんね。」

メイ「どの競技でも強敵になりそうなのはラウラちゃんとシャルロットかな。」

一夏「確かにあの2人は何でもできそうだしな。ってラウラ『ちゃん』?」

メイ「この前のトーナメントで組んだ後に仲良くなったのよ。」

一夏「へぇ。ちゃん付したら凄く怒りそうだけどな。」

箒「そんな事より競技を決めるぞ。専用機持ちはこちらの方が1人多い分有利なはずだ。」

箒がボードに名前を上げる。
一夏、レイヴン、セシリア、リリウム、メイの5人。
それに対して白はラウラ、シャルロット、鈴、エイ=プールだ。

セシリア「まずはサバイバルが重要だと思いますわ。チーム戦ですので、指揮官となる方が必要です。」

サバイバルはシングルスとチーム戦があり、今回はチーム戦となっている。つまり個々の強さより連携が重要となってくる。

メイ「全体の士気向上をかんがえるなら、レイヴン君か一夏君が出た方がいいわよ。」

一夏「そうなのか?」

レイヴン「まあ、そうだろうな。」

一夏がレイヴンに小声で尋ねた。

一夏「ふーん。じゃあ俺がサバイバルに出るぜ。」

レイヴン「・・・あっさりしてるな。いいのか?」

一夏「ああ。その代わり箒も一緒でいいか?」

一同「「「!?」」」

メイ「それはなんでかしら?」

一夏「いつも特訓に付き合って貰ってるからな。一緒の方がやり易いかと思ったんだけど。」

箒「な、ならばしょうがないな!私も一緒に出よう!」///

メイ「じゃあ私もサバイバルに出るわ。援護は任せてね。」

リリウム「では御二人は決定ですね。」

リリウムがボードに書き込んだ。

リリウム「後はハンティングとラビリンスですが、射撃ならセシリアが特化しているのでどうでしょうか?」

セシリア「確かに私達の中なら私が一番好成績ですわね。」

千冬「ハンティングは射撃だけでなく機動力も重要だ。セシリアよりはリリウムの方が向いているな。」

レイヴン「なら俺はラビリンスか。」

リリウム「ならリリウムもラビリンスに。」
セシリア「でしたら私もラビリンスに。」

2人の視線が交差する。

レイヴン「ジャンケンにしろ。」

セシリウム「「・・・。」」

結果、セシリアが勝ち、
ハンティング・リリウム
ラビリンス・セシリア、レイヴン
サバイバル・一夏、メイ、(箒)
となった。

白組サイド


鈴「何としてでも優勝するわよ!!」

一同「「「オー!!」」」

ラウラ「私は軍人だ、作戦の立案は任せておけ!」

一同「「「オー!!」」」

ラウラ・鈴「「優勝するぞ!!」」

一同「「「オー!!」」」

ウィンディ「うるさい、早く競技を決めろ。」

ラウラ「うむ。まずは各々のISの成績及び部活、得意なスポーツ等と参加したい競技の希望を教えて欲しい。」

ー数十分後ー

ラウラ「大体の戦力は把握した。これを踏まえて競技を決定させる。まずは各々の希望を踏まえた上で大体を編成した。これを見て意見を聞かせてくれ。」

ラウラが書き込んだボードを見せる。

モブその2「あれ、私はリレーなの?100m走が良かったな。」

ラウラ「ああ、君は短距離が得意だろう?尚且つ手先が器用ならバトンも上手くいくだろう。君を中心に練習して欲しい。」

その3「私走るのはちょっと・・・。」

ラウラ「だが、芸術部の君でも障害物競争ならば十分勝機はある。運動テスト自体は中々の成績だったからな。」

鈴「私はサバイバルなんだ。」

シャルロット「僕もサバイバルなんだね。」

ラウラ「ああ、ここがある意味一番重要だからな。2人で協力してくれ。」

エイ・プール「私はやっぱりハンティングだ。」

ラウラ「うむ。好きに暴れると良い。」

ラウラ「そして私がラビリンスだ。個人プレーでは私のISが一番スペックが高いからな。」

ウィンディ(流石は黒ウサギ隊の隊長か。確かに適材適所だ。)

ラウラ「後は優勝するだけだ!勝つぞ!!」

一同「「「オー!!」」」

各々が練習を重ね、そして運動会当日。

校舎屋上

レイヴン「ここからではあまりよく見えんな。」

一夏「まあ、しょうがないな。」

競技中は校舎は閉館、競技は主にグラウンド、アリーナ等で行われる。生徒の保護者や来賓はアリーナ観覧席で大きなモニターで競技を見ることができる。

シャルロット「2人ともここだったんだ。」

ラウラ「もうすぐ開会式だ。アリーナの方に行くぞ。」

開会式はクラスごとに整列する。

レイヴン「ああ、そうだな。ところで2人は何の競技に出るんだ?」

ラウラ「うむ、私はっと、いくらレイヴンの頼みでもそれは教えられないな。軍事機密だ。」

一夏「そうなのか?ちなみに俺はサバイバルだ。」

シャルロット「あ、じゃあ僕と対決だね。負けないよ!」

一夏「へぇ。シャルロットのISとははじめて戦う事になるな。俺も負けないぜ!」

レイヴン「・・・軍事機密ってなんだ?」

ラウラ「・・・なんでもない。」

レイヴン達がアリーナへと入る。

レイヴン「思ったより人が多いな。」

観覧席の方にある来賓席は既に人で埋まっていた。

シャルロット「軍事関係の人や企業の人も着てるらしいからね。あ、ほらあっちの方。あれ、デュノア社の人だよ。見たことある。」

シャルロットが来賓の方を指す。

ラウラ「それだけでは無いな。その隣はミラージュ社、キサラギ、オーメルサイエンス、アクアビット、有澤重工は社長自ら来ているではないか。」

メイ「GA社も来るらしいわよ。今はまだ到着してないみたいだけどね。」

メイが後ろから声をかけてきた。その隣には鈴とエイ=プールもいた。

一夏「すごい事なんだろうな。よくわからんけど。」

レイヴン「それだけISに注目しているという事なんだろう。」

アリーナ観覧席

エヴァンジェ「あの2人か?お前が言っていたのは。」

オッツダルヴァ「ああ。片方はまだ何とも言えないが、片方は織斑千冬の弟だ。」

エヴァンジェ「成る程。だがそれだけではISが使える理由にならない。」

?「それについては私が説明しよう。少し場所を移したい。」

話している2人に男が1人近づき声をかける。

エヴァンジェ「!?なぜ貴様がここにいる!ジャック・O!!」

オッツダルヴァ「それも踏まえて、お前に全て話す。今は従ってくれ。」

エヴァンジェ「・・・いいだろう。話を聞こう。」

アリーナ

鈴「宣誓!我々選手一同は~(ry」

開会式が終わり、それぞれが競技の準備をし、一夏とレイヴンは赤組の待機室へと向かう。

一夏「鈴が選手宣誓だったんだな。レイヴンがって話もあったんだろ?」

レイヴン「面倒は嫌いなんだ。」

一夏「ははっ、レイヴンらしいな。しかしよく鈴が引き受けてくれたな。」


~回想~

レイヴン「選手宣誓すれば目立つし、一夏にかっこいい所が見せれるじゃないか。」

鈴「やる!!」

~回想終わり~


レイヴン「噂をすれば。」

遠くから鈴が走ってくるのが見えた。

鈴「いっちかー!どうだった?」

一夏「おう!カッコ良かったぜ。まさしく白組のリーダーって感じだな!」

鈴「えへへ!たとえ相手が一夏でも負けないからね!優勝は私達白組なんだから!」

一夏「へん!俺達だって負けないぜ!」

レイヴン「若いな。」

一夏「お前も同じだろ!」
鈴が「あんたも同い年でしょ!」

安価 午前中のIS競技
1ハンティング(赤リリウム、白エイ=プール)
2ラビリンス(赤レイヴン、セシリア、白ラウラ)
3サバイバル(赤一夏、メイ、箒、白鈴、シャルロット)

実況席

薫子「さて、午前中の競技最大の目玉、サバイバルがはじまります。実況は引き続き黛薫子がお送りします。
メタ発言ですが、私の出番は今回の運動会だけだそうですコンチクショー!
今回の競技はISを使用するとの事で、解説にはセレン・ヘイズ先生をお呼びしております。先生、よろしくお願いします。」

セレン「ああ。よろしく。」

薫子「さあ、赤白各選手が入場しました。今回のアリーナですが、幾つか障害物がセットされていますね。」

セレン「ステージは市街地をイメージして作られている。二階建ての建物や大型のトラック等。サバイバルではこれらを如何に上手く使うかが重要だ。あとはチーム内での連携だな。」

薫子「成る程。今回のルールを大まかに説明しますと、単純な全滅戦ですね。
参加人数はそれぞれ7対7。時間内に相手を全員戦闘不能にするか、最終的に戦闘続行可能選手が多かった方が勝ちということです。」

薫子「さあ、双方の選手が入場し終わりました。もうすぐ試合開始です。」

赤組サイド
メンバー 織斑一夏、メイ・グリンフィールド、篠ノ之箒、モブ1、モブ2、モブ3、モブ4

メイ「こちらは専用機を除くと、打鉄2機、ラファールのライフル2機とマシンガン1機ね。」

一夏「バラバラになると各個撃破される。みんなで纏まっていこう!」

箒「一夏と私が前衛を務める。他の皆は左右を警戒して欲しい。」

ラファール4(マシンガン)「じゃあ私がバックアップね。」

ラファール2「なら私は右翼側。」

ラファール3「じゃあ私は左だね。」

メイ「私も前に出るわ。せっかくの重装甲だもの。うまく盾にしてね。」

一夏「いや、女の子を盾にはできないな。俺が前でみんなを守るよ。」

モブs「「「「キャ~!かっこいい!!」」」」

箒「・・・むぅ。」

白組サイド
メンバー 凰鈴音、ジャルロット・デュノア、モブA、モブB、モブC、モブD、モブE

鈴「さあ、作戦通りに行くわよ!」

シャルロット「そうだね。Aさん、Bさんは鈴について行って。Cさん、Dさん、Eさんは相手の右翼側へと回り込んでね。」

打鉄A「プランAね!」

打鉄B「それで、プランBは?」

鈴「は?無いわよ、そんなもの。」

打鉄C「と、とりあえず作戦開始よ!」

ラファールD、E「「了解!」」

実況席

薫子「さあ、試合が開始されました。おや、白組は早速舞台を二つに分けましたね。」

セレン「サバイバルでは戦力を一カ所に固めるか、または幾つかに分けるか、大まかにこの二つになる。赤と白は別の戦略をとったことになるな。」

薫子「これはどちらが有利なんでしょうか?」

セレン「まだなんとも言えんな。所持戦力を考えると、赤の方が若干有利に見えるが・・・。」

薫子「お、早速白の部隊(鈴隊)が赤の間合いに入りますよ。」

>>1はサバゲー未経験なんですけど、実際ではどんな戦略があるんでしょうかね?

ラファール3「!左から来るよ!」

箒「数は!?」

ラファール3「2!いや、3!迎撃するね!」

モブ3がラファールのライフルを撃つ。だが障害物に当たり、鈴達には届かない。

鈴「一気に近寄るわよ!私に合わせて!」

打鉄s「「了解!」」

一気に加速し、三機のISが間合いを詰める。

ラファール4「弾幕張ります!」
メイ「援護するわ!」

メイともモブ4がそれぞれの武器を構える。が、モブ4が撃ち抜かれた。

ラファール4「キャ!?EP60%ダウン!?どこから撃たれたの!?」

打鉄A「ビューティホー・・・。」

鈴「貰ったわ、ッ!?流石ね。そう簡単には崩れてくれないか。」

箒「当然だ。勝負はまだ始まったばかりだからな。」

一気に距離を詰めた鈴に箒が斬りかかった。互いに鍔迫り合いで動きを止める。

箒「援護!」

打鉄2「了解!」

鈴「まだまだ!!」

鈴に対して打鉄2機で立ち向かうが鈴はそれを捌く。

箒「やはり強いな!」

一夏「箒!!」

箒「来るな一夏!恐らくすぐに別働隊が来るぞ!!」

一夏に対しても2機の打鉄が距離を詰めようとする。その間でメイとモブ4が弾幕を張った。

ラファール2「!!右からも来た!数は3!キャア!?EP0!?」

右を警戒していたモブ3が狙撃された。EP0となった選手はアリーナから退場となる。

白組スタート地点側、二階建ての建物の上でスナイパーライフルを構える。

シャルロット「まずは一つ。後は乱戦かな。なら僕も直ぐに移動しないと。」

実況席

薫子「なんと、狙撃によりモブ2選手がはやくもリタイア!」

セレン「良い戦略がとれているな。赤組をうまく翻弄できている。」

薫子「白組はこのまま攻め切れるでしょうか?」

セレン「キーとなるのはやはり前衛を務める凰鈴音と織村一夏だな。どちらが先に落ちるか・・・。」

メイ「スナイパーがいるわね。(シャルロット・デュノア・・・想像以上の腕前ね。)」

一夏「あっちの方からだ!皆、ここは任せた!」

一夏が一気に飛び出した。

メイ「え、ちょっと!?1人は危ないわ!(ってさっきので狙撃手の場所がわかったっていうの!?)」

箒「一夏!クッ、だが今ここを離れるわけには!」

鈴は1人で打鉄を2機相手にしている。赤組はすでに1人やられており、5対6で包囲されてしまっていた。

鈴「このまま一気にやっつけるわよ!」

メイ「ああ、もう!私も正面から行くわ!細かいのは性に合わないの!」

メイが一夏を追う様に前に出る。

ラファールD「!?しゅ、集中攻撃!」
ラファールE「うそ!?硬い!ズルい!」

ラファール2機の攻撃を正面から受けながらミサイル、ライフル、バズーカ撃つ。

ラファールD「EP0!?」
ラファールE「ウソ、やられた!?」

メイ「・・・こっちもEP0よ。流石に2対1での正面からの撃ち合いは無謀だったわね。」

実況席

薫子「あーっと!ここでメイ選手が白組のラファール2機を道連れにリタイア!」

セレン「弾をばら撒きすぎたな。もう少し命中率を上げで欲しいものだ。」

薫子「これで中央は赤白共に4対4!ラファールに対して打鉄では中々距離を詰められず、しかし鈴選手が1人で打鉄2機と互角!」

セレン「このままでは赤組はもたない。後は織村一夏とシャルロット・デュノアがどうなるか・・・。」

>> 字間違えた・・・orz
セレン「このままでは赤組はもたない。後は織斑一夏とシャルロット・デュノアがどうなるか・・・。」


一夏はフィールドを地を滑るように飛ぶ。何故かスナイパーのいる方向がわかった。

一夏「見つけたぞ!シャルロット!」

シャルロット「!?クッ!」

スナイパーを構えるシャルロットを見つけ、一気に加速して斬りかかかった。シャルロットは咄嗟にスナイパーライフルを消し、大型の盾で受ける。
このシールドはEPを消費せず、物理的に受け止めるシールドだ。だが、その分反動も大きい。

シャルロット「ッ!!い、今のは危なかったぁ。凄いよ一夏。よく僕の場所を見つけたね。でも近距離でも負けないよ!」

シールドを消し、両手にマシンガンを持ち弾幕を張る。

一夏「うおっ!?くそ!」

近くの障害物に身を隠す。数発受けたがまだ大丈夫のはずだ。シャルロットも障害物の影に身を隠す。

シャルロット(もう援護はできないな。皆とも距離がある。ならここで一夏を1人で倒す!)

実況席

薫子「なんと1人で突出した一夏選手がスナイパーのシャルロット選手を捕まえた!これでもう狙撃はできないか!?」

セレン(どういうことだ?なぜスナイパーの方向がわかった?)

薫子「中央では赤組が相変わらず不利な状況、これで一気に覆せるか!?」

箒(なんとか現状を打破しなければ・・・!)

鈴(もう第二射撃のタイミングは過ぎちゃったのに援護がない。シャルロットに何かあったの・・・?まさか一夏!?)

箒「!ハアァ!!」

鈴「クッ!」

打鉄1「もらったぁ!!」

鈴「甘いわ!!」

鈴が箒の一撃を受け体制を崩す。それを隙と見て斬りかかったが龍砲で撃たれてしまいEPが0となった。

打鉄1「ウソ!?ご、ごめん。」

箒「気にするな。危ないから早くアリーナから出るんだ。」

箒(だが・・・これでかなり分が悪い!)

箒が鈴から一旦距離をとる。

鈴「シャルロットの援護に行って。ここは私が1人で何とかするわ!」

打鉄A「ええ!?大丈夫なの?」

鈴「持ちこたえて見せるわよ。だから急いでね。」

打鉄C「わかったわ。厳しくなったらすぐに逃げてね。」

白組の打鉄3機が後方へと下がった。

箒「・・・正気か?」

鈴「MVP目指すならこれぐらい何とかしないとね。」

ラファール3「例え3対1でも専用機倒したらMVP貰えるよね?」

ラファール4「可能性は高いんじゃない?」

鈴「・・・ちょっとミスったかも。」

箒「今更遅い!いくぞ!」

実況席

セレン「おいおい、それは流石に無理があるだろう。」

薫子「中央では鈴選手が3対1!流石に全てを躱す事はできずに少しずつダメージが蓄積してますね。」

セレン「良くて相打ちか。だが、これで赤組の一番の戦力である織斑一夏は圧倒的に不利だ。」

薫子「先に落ちるのは鈴選手か、一夏選手かどっちだ!?」

一夏「クソッ!(障害物をうまく使われて近づけない!)」

シャルロット(消極的な戦いだけど、これが確実。時間は・・・残り少し。なんとかこの間に他の子達と合流できれば!)

前に出ようとする一夏をライフル、マシンガンを使い分け牽制し距離をとる。移動しながらも、戦況は硬直していた。

シャルロット「!来た!」

シャルロットが上空に飛び上がる。

一夏「!?罠か!!」

思わず飛び出そうとしたが、踏みとどまり、障害物の影に身を隠そうとする。しかしー

打鉄C「見つけたわ!」
打鉄B「今こそ必殺!」
打鉄A「ジェッ◯ストリームアタック!!」

打鉄が3機縦に並んで突撃してくる。

一夏「なんの!!」

打鉄Aの一撃を受け流す。続けて飛び掛かる打鉄Bをすれ違いざまに零落白夜で切り裂く。さらに斬りかかる打鉄Cと鍔迫り合い、一気に押し返す。

打鉄C「なぁ!?」

一夏「悪いな。そう簡単には負けたくないんだ。」

そのまま打鉄Cを一刀でEPを0にする。

打鉄A「・・・うっそーん。」

一夏「これで2対1!」

シャルロット「油断したね、一夏!!」

一夏「!?」

上空からシャルロットが急降下する。その左腕には炸薬式六九口径パイルバンカー『灰色の鱗殻』。

シャルロット「これが僕の切り札!!」

一夏「なんの!!」

シャルロットのパイルバンカーと一夏の雪片弐型が互いにギリギリを掠め、互いの使用者を貫いた。

一夏「相打ち・・・か。いや、俺の負けだな。」

シャルロット「4対1だったんだけど・・・。試合に勝って勝負には負けちゃった感じかな。流石だね一夏。」

打鉄A(・・・なんか生き乗っちゃったんですけど!!)

実況席

薫子「こ、これは凄い!4対1の状態から、勝負は一瞬でした!残ったのは白組の打鉄1機のみ!恐るべき太刀筋でしたね。」

セレン「私としては織斑、デュノアは当然ながら、あの状況で生き延びたAを評価したいな。」

薫子「あとは白組の鈴選手が1対3のまま!このまま時間切れなら2対3で赤の勝利ですがどうなるか!?」

鈴「ええい!飛び道具が鬱陶しい!」

箒「お前がいうな!」

箒とつば競り合う鈴が龍砲を撃つが、障害物を上手く利用しているラファールには中々当たらない。逆に箒とつば競り合う事で自由に動けない鈴には、ラファールの攻撃を全て躱しきる事ができなかった。

箒(このまま粘れば倒せるはずだ!)

鈴「こうなったら一気にまとめて倒す!!」

鈴が一気に大きく上昇する。そして狙いをつけて急降下した。

箒「まずい!躱せ!!」

ラファール4「無理いぃ!?」

障害物ごと一撃で切り裂いた。瓦礫の中から鈴が立ち上がる。

鈴「これであと2機!」

箒「クッ!なんて無茶苦茶な!」

鈴「このまま一気に決着をつけてあげー」
『タイムアップです!試合終了!!』

鈴「・・・・・・ええええぇ!?」

箒「た、助かった・・・。」

実況席

薫子「何ということでしょう!最後の最後に鈴選手の突撃が決まり、2対2でタイムアップ!!この試合はドローとなりました!!」

セレン「専用機の鈴を相手に援護ありとはいえここまで粘った箒、大した者だな。」

薫子「いやー、終始手に汗握るとても良い試合でしたね!みなさんお疲れ様でした!」

昼休み 屋上

午前中の競技が終わった。今のところは赤が若干リードしているが、それほど大きな点差ではない。

一夏「しかし惜しかったなぁ。もう少しで四人抜き出来たのに。」

鈴「十分凄いじゃない。私なんか調子に乗って結局倒しきれなかったんだし。」

箒「かなりギリギリだったがな。正直時間がまだあったら確実にやられていた。」

屋上にはレイヴン、一夏、箒、鈴、シャルロット、ラウラ、セシリア、リリウムの8人が座っている。
昼食は各自で用意する者もいれば保護者一緒に食べるものもいる。何故かこの8人は打ち合わせする事もなく集まった。
この時間は赤組も白組も関係がない。

レイヴン「それで、午後の目玉はハンティングとラビリンスか。確かハンティングが先だったな。」

一夏「白組は誰が出るんだ?」

ラウラ「それは機密事k
シャルロット「エイ=プールさんだよ。」
ラウラ「シャルロット!?」

リリウム「赤組からはリリウムが出ます。これでお相子ですね。」

ラウラ「う、うむ。ならば良しとしよう。」

セシリア「それよりもはやくランチにいたしましょう。あの、レイヴンさん。実は、張り切りすぎて、多めに作ってしまったんです。もしよろしければわたくしのお弁当を食べて見ませんか?」

レイヴン「・・・好意は感謝するが遠慮する。食べ過ぎると昼からの競技に影響が出てしまうかもしれないしな。」

セシリア「そ、そうですわね。」ショボン

シャルロット(そっか、残念。)
リリウム(´・ω・`)

一夏「あ、ヤベ。飲みもんなくなっちまった。ちょっと買ってくるよ。」

レイヴン「じゃあ俺も行こう。誰か他に何かいるか?」

鈴「あ!じゃあ烏龍茶よろしく。」

セシリア「わ、私もお願いします。レイヴンさんと同じ物で良いですわ。」

一夏「わかった。他の皆はいいのか?」

箒「大丈夫だ。この時間は売店も自動販売機も混むから急いだ方がいいぞ。」

レイヴン「そうだな、ありがとう。」

一夏とレイヴンが立ち上がり、ドアから校舎へと入って行った。

鈴「・・・折角のチャンスだから、少し皆で話をしましょうか。」

ラウラ「そうだな。ここで一度ハッキリさせておくべき事がある。」

ラウラと鈴が箸をおく。皆の視線が2人に集まった。

シャルロット「な、何かな改まって?」

鈴「ズバリ!MVPをとったら一夏とレイヴンのどっちを選ぶのかよ!!」

箒シャルセシリウム「「「「!?」」」」

箒「いいいいきなりなななにをいうんだ!?」

鈴「落ち着きなよ。どうせ皆MVPとったらデートに誘うんでしょ?」

ラウラ「私はレイヴンを誘うつもりでいる。そのための作戦プランも予習も既にしてある。」

セシリア「な!?」
シャルロット「!?」

鈴「私は当然一夏ね。そのためにこの学園に来たんだもん。」

箒「クッ!」

リリウム「お2人共ストレートですね。羨ましいです。」

セシリア「わ、私だって負けませんわ!MVPもレイヴンさんも誰にも渡しません!!」

シャルロット「ぼ、僕だって!」

鈴「やっぱりレイヴンはモテるわね。という事は。」

箒「わ、私だって・・・!」
(だが、先の試合でも、私は大きな活躍はなかった・・・やはり私では無理なのか・・・!?)

鈴「リリウムはどっち?」

リリウム「・・・リリウムは・・・わかりません。」

鈴「はぁ?わからないってどういう
一夏「戻ったぞー。」
レイヴン「思った程人はいなくて助かったな。」

屋上のドアが開き、一夏とレイヴンが戻ってきた。皆が慌てて座り箸を持つ

レイヴン「・・・どうしたんだ?」

一同「何でもない!」

レイヴン「お、おう。」

かなり間が空いてしまい申し訳なかったです。少しずつ書き溜めてたのをまとめて上げます。

一夏「まあ、いいや。さっさと食べようぜ。」

箒「そ、そうだな。」

一夏が弁当の蓋を開ける。中身は唐揚げ以外箒と全く同じだった。

鈴「!?一夏・・・そのお弁当・・・。」

一夏「うん?ああ、箒が作ってくれたんだ。」

鈴「!?」
箒 ドヤァ

一夏「あれ?箒のには唐揚げ入ってないのか?」

箒「あ、いや、その・・・上手くいったのが・・・それだけだったのだ・・・。」ボソボソ

一夏「ほら、あーん。」

一夏が唐揚げを箸で挟んで箒に向ける。

一同「!?」(レイヴン以外)

箒「な!?・・・あーん。」

鈴「なななななな!?」

セシリア「」チラッ
シャルロット「」チラッ
ラウラ「」チラッ

レイヴン「やらんぞ。」

セシリア「」ショボーン
シャルロット「」カーッ///
ラウラ「」クッ!

鈴「一夏!私が作った酢豚よ!」

一夏「おう。じゃあ、」

鈴「はい、アーン。」

一同「!?」(レイヴンと箒以外。)

一夏「うん、うまい!流石鈴だな。」

セシリア「」チラッ
シャルロット「」チラッ
ラウラ「」チラッ

レイヴン「だからやらんぞ。」

セシリア「」ショボーン
シャルロット「」カーッ///
ラウラ「」ナゼダ!

昼食を終え、各々が控室へと向かう中、リリウムは1人、視線を落としながら廊下を歩いていた。

リリウム(・・・リリウムは、本当はどうなんでしょうか?)

考えて見ても答えはわからない。ただ、モヤモヤした物が心の中にあるだけだった。

セシリア「リリウム、少しよろしいかしら?」

セシリアが俯きながら歩くリリウムに声をかけた。

セシリア「先ほどの話の続きなのですが・・・。本当の所はどうなのですか?」

リリウム「・・・セシリアはどうなんですか?」

リリウムに問われ、セシリアは少しだけ困ったような顔をし、微笑みながら話し始めた。

セシリア「あの方はとても御強く、優しい方です。その優しさは私の心を溶かしてくださいました。こんなのは恐らく私の独り善がりなのはわかっているのですが。」

セシリアの頬は紅く染まっている。表情は柔らかく暖かい。リリウムが初めて見るセシリアの表情だった。

セシリア「私は、あの方の隣に立ちたい。共に歩んで行きたい。そう心から思っておりますわ。」

リリウム「愛・・・ですか。」

セシリア「愛なのか、恋なのか。それはこれからなのだと思いますわ。貴女はどう思います?」

微笑みながら尋ねるセシリア。リリウムは考えた。

リリウム(・・・リリウムは、そう思えるセシリアの事が羨ましい。)

セシリア同様に両親を亡くしたリリウムは後見人となった王小龍に育てられ、セシリアのオルコット家を補佐するように育てられた。
故に昔からのセシリアを見ており、変わったきっかけであるレイヴンに対して興味を持った。ただそれだけの事だった、筈。

リリウム「彼の事を考えると不思議な気持ちになります。・・・暖かいような・・・モヤモヤするような・・・。」

よくわからない。生まれて初めての気持ち。

リリウム「・・・リリウムは、あの人の事をもっと知りたいです。側にいたい。」

セシリアが微笑み、リリウムの手を取る。

セシリア「なら、わたくしと同じですわね。これでわたくし達はライバルです。でも、負けませんよ。」

リリウム「はい!」

セシリアの手を強く握り返しながらリリウム笑った。

白組控室

エイ=プールは大きく深呼吸をする。

エイ=プール「よし。」

エイ=プールは貧しい家庭で育った。それが、たまたま受けたIS適性がAとなり企業から声がかかった。奨学金、企業からの支援を受け、ここに通っている。

エイ=プール「大丈夫。私はまだまだ頑張れる。」

しっかりと自身に気合を入れ、フィールドへと入って行った。

エイ=プール(この競技なら負けない。例え相手があのリリウム・ウォルコットでも!)

実況席

薫子「引き続き午後の目玉、ハンティングの時間となりました!」

セレンがどこにしまっていたのか、フリップを取り出した。

セレン「これはそれぞれのチームから1人ずつ、計2人がフィールドに入り、設置及び随時追加されて行くターゲットを撃墜する競技だな。タイムアップか、自身のEP0で終了となる。」

薫子「あと、選手同士の戦闘は禁止です。明らかに故意だと判断された場合は減点、または失格です。」

セレン「ターゲットの種類によって得点が異なっている。硬いもの程高得点で、固定・浮遊ターゲットは5点、移動ターゲットは10点、自立砲撃ターゲットは20点だな。あと、今回は特殊ターゲットが用意されている。それを撃破した場合は50点となるが、まあ無理だろうな。」

薫子「ほほぅ。その特殊ターゲットとは?」

セレン「それは見てからのお楽しみだ。」

セレンが意地悪そうに笑った。

アリーナの中には既に固定、浮遊ターゲットが複数設置されていた。ドアが開き、リリウムとエイ=プールが入場する。

エイ=プール「一対一なら誤射の心配はないわ。この間の様にはいかないからね。」

リリウム「負けませんよ。(少しでのあの人につか付けるように!)」

互いにISを展開する。

『システム 戦闘モード起動します』

開始の合図と共にエイ=プールが上昇する。視界には複数のターゲット。

エイ=プール(マルチロック・・・完了、ターゲット数12。発射角調整。ASミサイルセット、軌道パターンはシステムに委任。)

エイ=プールの目に前を大量の情報が目まぐるしく流れて行く。それを全て処理し、操作していく。

エイ=プール「今度は外さない・・・!」

エイ=プールのIS『ヴェーロノーク』から大量のミサイルが降り注ぐ。その雨は的確にターゲットを破壊していった。

実況席

薫子「何というミサイルカーニバル!凄い爆炎ですね!」

セレン「エイ=プールの『広域情報処理』の賜物だな。あれだけのミサイルを同時に扱う事は私でも難しい。」

薫子「無理ではないんですね。」

セレン「当然だ。しかしあれは素直に驚嘆に値する。上手くやれば学年新記録も狙えるかもしれない。だが、相手が悪いな。」

エイ=プール「マルチロックターゲットの撃墜数8?外した、いえ外された!?」

リリウム「お見事です。確かに貴女ならこの競技で間違いなく最高得点をだせたでしょう。相手が私以外なら。」

リリウムが両肩のECMを起動させながらアリーナ内を飛び、エイ=プールがロックしていたはずのターゲットを破壊していく。

エイ=プール「やっぱりECMね。それでもまだ私の方が撃墜数は多い。勝機はまだこちらにある!・・・はず。」

エイ=プールが新たに追加されていくターゲット補足しミサイルを放ち、次々と破壊していく。

リリウム(クッ!やはりあのミサイル群は脅威ですか。今は少しでも点差をつけられないように粘ります!)

実況席

セレン「やはりエイ=プールは対ECMが課題だな。だが、大した量だ。」

薫子「しかしリリウム選手も的確にターゲットを破壊しています。見事です。そもそもECMもあの大量のミサイルも扱える人って少ないですよね。」

セレン「さあ、そろそろ特殊ターゲットの投入時間だな。」

安価
1???・?
2??
3????

安価は下1で。

まあえいぷーよりリリウムの方が格上だったしな
つーか王大人のコネであのランクだったとしても普通に優秀なリンクスだしなリリウムは


個人的にはウィン・Dの方が強かった感じがする

(あれ?選択肢の一番上ウィン・Dさんじゃね?)

>>186正解です。でも残りの二つはわからなかったでしょう。(ドヤァ
1ウィン・D
2AF
3有澤重工


アリーナへの扉が開き、戦車(?)が入ってきた。

薫子「あれですか。あれはいったい?」

????「有澤重工、『雷電』だ。」

実況席に1人の男が現れ、椅子に腰掛けら。

薫子「え、えっと、どちら様でしょうか?」

セレン「こちらの方は有澤重工第43代目社長、有澤隆文社長だ。」

薫子「ええ!?あの『お風呂用品からグレネードまで、何でも重量級。』の有澤重工の社長様ですか!?」

有澤隆文「ぬぅ、そんなフレーズで呼ばれているのか我が社は。」

セレン「まあ、間違いでは無いかな。それでは社長、あの機体の解説を。」

有澤隆文「良いだろう。あれは我が社の開発した無人戦車『雷電』だ。遠隔操作が可能で、ISとは違うが一級品の戦力を持っている。
特に背部に搭載された大型グレネードのOIGAMIは例えISといえども多大なダメージ与えるであろうな。」

セレン「装甲も分厚く、突破するのはかなり大変だ。正面からの撃ち合いは無謀だな。」

有澤隆文「そういう事だ。」

薫子「うわぁ。それは何とも恐ろしい事で。(この人、ターゲットなのに破壊させる気無いんだな。)」

エイ=プールとリリウムのISに雷電のデータが映し出された。2人はそれに目を通す。

エイ=プール「これは・・・厳しいかな。」

リリウム「特殊ターゲットは撃破すれば50点。リスクを負ってでも狙わなければリリウムには勝ちはありません。」

リリウムが雷電へと狙いを定め、ライフルを構える。それとほぼ同時に雷電の背部の砲身が伸びた。

リリウム「!?回避を。」

リリウムが咄嗟に避けると、一発の砲弾がリリウムがいたところに着弾。大爆発を起こす。

リリウム「ッ!!(この威力・・・直撃すると危険ですね。)」

エイ=プール「クッ!ミサイル発射!」

エイ=プールが放った多数のミサイルが雷電を爆煙に包む。煙が晴れたそこには相変わらず雷電が佇んでいた。

エイ=プール「ええ!?ちょっと硬いすぎない!?」

実況席

有澤隆文「ふっふっふっ。そう簡単にやらせはせんよ。」

薫子「社長さん、話し方が悪役にしか聞こえません。」

セレン「現在の2人の点差は・・・45点か。思ったより差は開いていないな。あの雷電を除き、残りのターゲットをすべて撃破すればリリウムは逆転できるが・・・。」

リリウム(クッ・・・ならばまず先に他のターゲットを!)

リリウムが雷電へ意識を向けつつ、他のターゲットを破壊していく。

エイ=プール「あっ!私もマルチロックで!」

エイ=プールが雷電と距離を取りながら、ミサイルを放つ。すべてのターゲットを破壊し、フィールドに残ったのはヴェーロノーク、アンビエント、雷電のみとなった。

リリウム(得点差は、30点!)

エイ=プール(このまま時間切れでも勝ちだけど、あれを倒されたら負ける!)

実況席

薫子「この場合は、ターゲットに与えたダメージ量が多かった方に得点なんせすよね?」

セレン「そうだな。リリウムは時間切れになる前に削り切れるかどうか・・・。」

有澤隆文「そう簡単に削り切れると思うなよ。」

薫子(本当に発言が悪者にしか聞こえない。)

雷電が砲弾を放つ。リリウムがライフルを撃つ。エイ=プールのミサイルが爆ぜる。そして時間は過ぎ去り、結果は。


『タイムアップです。試合終了!勝者、エイ=プール!』


雷電を削り切れる事は出来なかった。

ISを解除し、大きく息を履きながら座り込むエイ=プール。

エイ=プール「か、勝った・・・!」

リリウム「お見事でした。リリウムの負けです。」

ISを解除したリリウムが小さく微笑み、エイ=プールに手を差し伸べる。

エイ=プール「あ、ありがとう。」

エイ=プールも微笑み、その手をとった。

実況席

薫子「いやぁ、中々(物理的に)熱い勝負でしたね。」

セレン「ああ。どちらも良い動きだった。」

有澤隆文「こちらに今、雷電の被害が届いた。はっきり言って危なかったな。もう少し時間があったなら削り切られていた。」

薫子「あれだけ撃たれ続けて耐えれたんですから凄いですね。」

有澤隆文「当然だ。」ドヤァ

セレン「あとはラビリンスか。楽しみだな。」

赤組控室

リリウム「申し訳ありません。負けてしまいました。」

一夏「惜しかったな。やっぱりあのミサイルはこわいなぁ。」

箒「確かにな。」

セシリア「お疲れ様、リリウム。」

各々がリリウムに声をかけた。それに答えながら、リリウムがレイヴンの側へ歩み寄る。

リリウム「・・・どうでしたか?リリウムは、良くやれたのでしょうか?」

レイヴン「そうだな。まあ、アリじゃないか。あれを相手に良くやれたと思うよ。」

リリウム「はい。」ニコッ

実況席

薫子「さあ、本日最大の見所となるラビリンスのお時間となりました!」

セレン「それぞれが別の入り口から侵入、部屋の中のターゲットを全て撃破することで次の部屋への扉のロックが解除される。それを繰り返して二階にあるゴールへと向かう競技だ。」

薫子「『わかる人には「衛星兵器破壊」とか「データバンク侵入」をイメージするとわかりやすいかも』との事です。」

セレン「ゴールへのルートは一本道では無い。場合によっては他の選手と遭遇も有り得る。選手同士の戦闘も有りとされているから、道中で味方と合流できればかなり有利になるな。」

薫子「当然今回も?」

セレン「ああ。勝利条件は特殊ターゲットの撃破だ。」ニヤリ

赤組控室

レイヴン「よし、次は俺たちの出番だな。」

セシリア「私の本気を見せて差し上げますわ!」



白組控室

ラウラ「相手に不足はない。全力で行く!」

モブ子(私の方が不足してるんですけど!?)

実況席

薫子「それぞれの選手がスタート地点でISを展開します。」

セレン「専用機3機に打鉄か。(これは酷い。)」

薫子「さあ、試合開始の合図です!各選手が開いたゲートをくぐる!中の様子はそれぞれ正面モニターに表示されます。」

ゲートを抜け、少し進むとと広い部屋へと出た。

レイヴン(ターゲット3機。ならすぐに終わるな。)

レイヴンがミサイルを放ちながら急加速し、ブレードを振る。振り抜き様にライフルを構え、引き金を引いた。

『ターゲットの破壊を確認。ゲートロック解除します』

レイヴン「よし、次だ。」

実況席

薫子「おお!やはりレイヴン選手とラウラ選手は速い!やや遅れてセシリア選手が続く!」

セレン「やはり狙撃特化のブルー・ティアーズでは他の2機に比べてやや不利か。それでもかなりの速度だな。」

薫子「モブ子選手も打鉄を使用している割にはかなり速いんですが・・・相手が悪すぎますね。」

『ターゲットの破壊を確認。ゲートロック解除します。』

ターゲットを破壊し終え、ゲートが開くのを確認する。

レイヴン(そろそろ二階へのゲートか、他の奴らと遭遇しても良さそうなんだがな・・・。)

開いたゲートは三つ。

安価
1右(????ターゲット破壊済み)
2左(??戦闘中)
3正面(???同時)

1右(セシリアターゲット破壊済み)
2左(モブ戦闘中)
3正面(ラウラ同時)


レイヴンがゲートを抜けるとそこはすでにターゲットが破壊されていた。咄嗟にライフルを構えたが、すぐに下ろした。

セシリア「まぁ!レイヴンさん、ご無事でしたか?」

レイヴン「ああ。ここにいるということはまだ二階へのゲートは見つかっていないんだな。」

セシリア「ええ。でもここでお会いできて心強いですわ。私はあちらのゲートから来ました。」

セシリアが後ろのゲートを指差す。この部屋にはゲートは三つしかなかった。

レイヴン「戻って見てもいいんだが、とりあえず進むか。」

セシリア「はい!」

実況席

薫子「ここでセシリア選手とレイヴン選手が合流!どうやら共に行動するようですね。」

セレン「確かにその方が安全ではあるが、探索効率は下がる。お、ラウラが二階へのゲートを見つけたか。これで白組がややリードだな。」

O
※○※
< \
とか

とか

とかな。



二階 某エリア

ターゲットを撃ち抜くラウラ。

ラウラ「クッ、ゴールはまだか。情報が少なすぎる。完全に運だな。」

ゲートを潜る。そこには一階とつながるゲートがあった。

ラウラ「二階へのゲートは一つじゃなかったのか。」

そしてそのゲートが開いた。警戒体制へと入るラウラ。しかしそこから出てきたのは友軍だった。

モブ子「うわ!?ビックリした!でも味方で良かった〜。」

ラウラ「フッ。そうだな。ここからは協力して行こう。よろしく頼む。」

モブ子「うん!」

実況席

薫子「おおっと、ここで白組も合流しましたね。」

セレン「あとは、どちらが先にゴールにたどり着くかだな。やや白組が有利か?」

薫子「しかしここで赤組も二階へとたどり着いた!これで勝負はわかりません!」

レイヴンがターゲットを斬る。セシリアがターゲットを撃ち抜く。

レイヴン「よし、次だ。」

セシリア「大分動き回りましたわね。(私は一緒にいられて嬉しいですけれども)そろそろゴールが見えても良いと思うのですが。」

レイヴン「・・・どうやら当たりの様だな。」

ゲートを抜けた先にいたのはー

安価
1?-?????
2?????????
3??

1R-リヴァイブ
2レイテルパラッシュ
3雷電


あの戦車(?)だった。

セシリア「あれは・・・まさか・・・。」

レイヴン「まあ・・・あれだな。」

頭を抱える2人。そこに放送が入る。

『今回の最終ターゲットは、背後に背負っているボックスの破壊です。あの雷電を破壊する必要は無いのでご安心を』

レイヴン「・・・だそうだ。狙えるか?」

セシリア「やって見せますわ。」

セシリアがブルーティアーズを展開する。そこで新たなゲートが開き、ラウラがとびこんできた。

ラウラ「やらせん!」

レイヴン「チィ!」

手刀を下ろすラウラをレイヴンがブレードで受け止める。その隙をついてラウラの背後から打鉄が飛び出した。

モブ子「てええぇい!」

セシリア「クッ!」

咄嗟に下がり躱すセシリア。
その間に雷電が肩部の砲身を展開する。

レイヴン「ああ、これは・・・。」

ラウラ「・・・マズイな。」

部屋を爆炎が包んだ。

実況席

薫子「えええ!?ちょっ、ええ!?」

有澤隆史「フッ。」ドヤァ

薫子「いやいや!っていうか社長いつからいたんですか!?」

セレン(やれやれ。だが、見栄えだけだな。4機ともほぼダメージ無しか。)

炎が収まる。
部屋を覆う爆煙の中からワイヤーが伸び、雷電の動き止めた。

ラウラ「捉えたぞ!」

ブルーティアーズが雷電の砲身を焼き切った。

セシリア「今ですわ!」

モブ子「えええい!」

モブ子が飛び込み、上から雷電を突き刺す。

雷電がバチバチと火花を散らす。その懐へレイヴンが一気に距離を詰めた。

レイヴン「もらった!」

射突型ブレードが雷電ごと背後のターゲットを撃ち貫いた。


重要安価
これによりストーリーが少しだけ変わります。

MVPは誰?
白組優勝 鈴 シャルロット ラウラ
エイプー モブ子(!?)
赤組優勝 箒 セシリア リリウム メイ
レイヴン 一夏

先に二票になった人物がMVP。

雷電が完全に機能を停止させる。

『勝負あり!白組の勝ちです!』

セシリア「な、何故ですの!?あれを仕留めたのはレイヴンさんです!」

レイヴン「いや、ターゲットは背中のボックスだ。仕留めたのは俺じゃない。」

抗議の声をあげるセシリアを制するようにレイヴンが言う。

ラウラ「その通り。良くやってくれた!我々の勝ちだ!」

モブ子「やった!勝った!」

学校中で歓声が沸き起こった。

実況席

有澤隆史「この雷電を削り切るとは・・・!」

薫子「まさかのモブ子選手大活躍!白組に軍配が上がりました!」

セレン「これで優勝は白組で決まりだな。あとはMVPが誰になるかだ。」

アリーナ 閉会式

生徒が並ぶ中、白組の代表鈴が前に出て優勝旗を受けつった。

『それでは最後に、今大会のMVP発表します。これは教員の方々や、来賓の方々による投票で決定いたしました。』

生徒達が一様にソワソワし出す。

『それでは発表します。今大会のMVPは・・・。』

鈴(私私私私!!)

ラウラ(全力は尽くした。どうなろうと文句はない。)

シャルロット(選ばれたら嬉しいけど、無理かなぁ。)

エイ=プール(お腹空いたなぁ。)

『モブ子選手です!』

モブ子「わ、わたし!?」

アリーナが歓声に満たされた。

『えー、理由は色々ありますが、最も多かったのは打鉄を使用していたにも関わらず、専用機に引けを取らない活躍をしていたという声が来賓の方々から出ておりました。』

モブ子「イヤん。恥ずかしい。」///

『以上で運動会を閉会いたします。』

放課後

生徒達が後片付けをしている中、モブ子友人達と話をしていた。

1「それで、MVPの商品どうするの?」

モブ子「うーん、まだ考えてない。」

2「どっち狙い?」

モブ子「どっちって///」

ウィンディー「ああ、ここにいたか。少し良いか?」

3人で話しながら廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。振り向くと、ウィンディーともう1人スーツの男性が立っていた。

2「え、何でしょうか?」

ウィンディー「モブ子に用がある。」

重役「はじめまして。私はデュノア社の者です。先ほどの最終戦を見させていただき、声をかけさせていただきました。」

懐から名刺を3人に差し出した。

3人「「「!?」」」

重役「もし良ければですが、貴女に我が社の試作機を是非テストして頂きたいと思いまして。如何でしょうか?」

モブ子「わ、私ですか!?」

1「マ、マジ?」

2「凄いよ!やったじゃん!」

モブ子「テストとは?」

重役「難しい事ではありません、普段の授業で我が社のISを使用して感想やデータを提供するだけです。」

1「簡単じゃん、やりなよ!」
2「そうだよ、折角のチャンスよ。」

2人が嬉しそうに声をあげる。少し迷ったがー。

モブ子「わかりました。やってみます。」

重役「ありがとうございます!試作ISは後日お届けします。一応御名前と連絡先を確認させていただいてもいいですか?」

モブ子「あ、はい。私の名前は。」






エクレール「エクレールです。」

鈴・ラウラ「「・・・はぁ。」」

一夏「なあ、あの2人なんで優勝したのにあんなに暗いんだ?」

一夏2人を指差しながらレイヴンに尋ねた。

レイヴン「知らん。俺に聞くな。」

シャルロット「た、多分MVPになれなかったのが悔しいんじゃないかな?」

シャルロットが苦笑いしながら答えた。隣にいたセシリアも苦笑する。

セシリア「まあ、悔しい気持ちはわかりますわ。みなさんとても頑張っていらっしゃいましたから。」

一夏「ふーん、そんなにスイーツ食べたかったんだな。」

レイヴン(それだけじゃ無いんじゃないか?)

この2人にのみ、MVPの景品は知らされていなかった。

一夏「しょうがない、鈴、これが終わったらなんか食いにいくか?一週間分は無理だけど今日ぐらいはデザート奢るよ。」

鈴「え、マジ?」

ラウラ・シャルロット・セシリア「」チラッ

レイヴン「・・・そんなに金は無いからな、1人一品だけにしてくれ。あと、アーンも無しだ。」

ラウラ「クッ」

シャルロット「ヤッタ。」

セシリア「ベベ、ベツニソノヨウナコトハ…。」





別所

箒「・・・なにか物凄く損をしたような気がする。」

リリウム「同感です。」


安価下1と下2
1アリーナ(一夏、シャルロット、エクレール)
2食堂(箒、鈴、エイプー)
3IS整備室(ラウラ、セレン、千冬)
4グラウンド(セシリア、リリウム、メイ)

大きいイベントの間に安価を挟みます。
どれを選んでも物語の進行には影響ありません。ただの日常パートだと思ってください。

さっさとレイヴンはACにに乗って、どうぞ

>>229 おk把握。

4グラウンド(セシリア、リリウム、メイ)

グランドの端にある体育倉庫に入る。

レイヴン「じゃあこのポールは運ぶからネットとボールを頼む。」

リリウム「承知しました。」

リリウムがネットを持って外へ出る。

メイ「ボールはこのカートごと持って行っていいのね。」

メイがバレーボールの入ったカートをおしながら外へ出たところで一旦止まった。

セシリア「どうかなさいましたか?」

メイがバレーボールを二つ手にとった。

メイ「・・・大体同じぐらい。」

セシリア「な、何がですの!?」ボイ〜ン

メイ「何だと思う?」ドタプ~ン

リリウム「」イラ

レイヴン「くだらん事やってないでさっさと運ぶぞ。」

放課後、レイヴンの所にシャルロットがやってきた。

シャルロット「ねぇ、レイヴン。今度の土日って空いてるかな?」

周りのモブ「!?」

レイヴン「なんだ、デートか?」

周りのモブ「!?!?」

シャルロット「そそそそそんなんじゃないよ!?」

シャルロットが顔を真っ赤にしながら大袈裟に手を降った。

シャルロット「こ、今度の臨海学校でさ、僕とラウラは水着が無いから買いに行こうと思うんだ。そ、それで良ければレイヴンに選んで欲しいかなぁ、なんて。」

レイヴン「・・・断りたい。」

シャルロット「あ、も、もしかしてもう予定があるの?」

レイヴン「いや、そういう訳じゃないんだが・・・その・・・。」

レイヴンが口元を隠す。少しだけ顔が赤く見える。

レイヴン「そういう店に入るのはちょっと恥ずかしい・・・。」///

モブ’s(可愛い〜!!)

シャルロット「だ、大丈夫!僕も恥ずかしいから!」

レイヴン「・・・そういう問題じゃないだろうが。」

シャルロット「と、とりあえず考えておいてね!」

シャルロットが顔を赤くしながら教室を出て行った。

夜 学生寮

一夏「なんだ、じゃあレイヴンも土日のどっちかで出かけるんだな。」

レイヴン「というと一夏もか?」

互いに椅子に座りジュースを飲みながら話をしていた。

一夏「ああ。ほら、運動会でMVPとった子。エクレールさん。あの子に買い物したいから一緒に来て欲しいって言われたんだ。」

レイヴン「へぇ。それで、行くのか?」

一夏「ああ、断る理由はないだろ?」

レイヴン(箒と鈴は大変だな。)

一夏「それで、レイヴンは土日のどっちだ?」

安価
1土曜日(レイヴンルートを先にします。)
2日曜日(一夏ルートを先にします。)

ただの順番なんで、正直どっちでもいいです。

土曜日

私服のレイヴンが学生寮の外で待つ。

シャルロット「お待たせ!」
ラウラ「・・・。」

同じく私服の2人がやってきた。

レイヴン「どうした?随分しおらしいじゃないか。」

ラウラ「・・・変では無いか?」

ラウラがシャルロットより一歩下がった位置から少し俯いて尋ねる。
(服装は各々脳内補完するんだ!そしてどんな服か >>1 に教えてください!)

レイヴン「大丈夫だ。可愛いんじゃないか?勿論シャルロットもな。」

シャルロット「!・・・えへへ。」///
ラウラ「か、かわ・・・!?」///

レイヴン「さあ、早く行くぞ。じゃないと門限までに帰れなくなる。」

歩き出したレイヴンを挟むように三人で歩く。

それを離れた所から追う二つの視線。

セシリウム「「・・・。」」

電車に乗り、少し離れた街へ行く。電車を降りてまず向かったのは・・・。

レイヴン「へぇ。こんな所に新しいゲームセンターが出来たのか。」

シャルロット「入って見る?」

レイヴン「水着買いにきたんじゃないのか?」

シャルロット「時間はまだあるし大丈夫だよ。」

三人でゲームセンターへ入ると最初に目に付いたのは大きなボックスだった。

レイヴン「『ACVD(アーケードゲーム・ヴァーディクトデイ)』か。新しいのが出たんだな。」

ラウラ「知っているのか?」

レイヴン「ああ。コックピット視点のロボットゲームだ。ちょっと前に何回かやった事がある。」

シャルロット「へぇ。ねえ、やってみてよ。」

ラウラ「ほう、2人で対戦も出来るんだな。ならば勝負だ!」

レイヴン「初心者でも手は抜かんぞ。」

レイヴンとラウラがそれぞれボックスへと入った。

ボックスの中にはいると、そこはまるでSFの世界だった。

ラウラ「なるほど。軍にいた時のシミュレータと似たような物か。」

お金を入れると画面が変わる。

『神様は人間を救いたいと思ってた。だから、手を差し伸べた。』

ラウラ「中々壮大だな。ん?」

ラウラの携帯がなり、メールを受信した。それを開く。

『宛名 レイヴン
件名 無し
要件 インカムを付けて、番号は一番。』

ラウラ「これか?」

レイヴン『ああ、それだ。』

ラウラ「!これで会話が出来るのか。」

レイヴン『ああ。ラウラはこのゲームはじめてだろう?対戦までを説明するよ。』

〜ラウラ回想 前日夜〜

クラリッサ『なるほど、理解しました。』

ラウラ「それで、私はどのようにしたら良いのだろうか・・・?」

クラリッサ『日本では女性は男性の一歩後ろをお淑やかに歩くことを好むそうです。ゆえに、素直に相手の好意を受け入れましょう!そして好きあらば後ろから抱きついたり、押し倒したり、壁ドnムグッ!何をッ・・・はなs・・・!!』

ラウラ「!ど、どうしたら、クラリッサ!応答しろ!」

隊員A『失礼しました隊員。先程の後半は聞かなかったことにしてください。』

ラウラ「!?あ、ああ、わかった。それで、私はどうすれば?」

隊員A『積極的かつ、お淑やかに。いわゆる大和撫子のように行きましょう。ここは少し甘えてみるのも手です。他にも云々・・・。』

ラウラ「わ、わかった。感謝する。」

〜回想終了〜

ラウラ(ここは素直に・・・。)

ラウラ「ああ、頼む。」

レイヴン『じゃあ、先ずは初期機体と武装を決めようか。まず画面の・・・。」

〜10分後〜

ラウラ「よし、これで決定で良いんだな?」

レイヴン『もう決まったのか。速いな。』

ラウラ「ああ、私のISに似たような武装があったからそれにした。」

レイヴン『よし、じゃあ最後に店内対戦を選択。相手の番号は一番だ。それで、俺と対戦できる。』

レイヴンに言われや通りに設定すると、画面が切り替わる。

『接続を完了しました。戦闘を開始します。』

レイヴン『さあ、はじめようか。』

ラウラ「手加減は無用だ。いくぞ!」

レイヴンとラウラの対戦が始まると、ゲームセンター内のモニター変わった。

シャルロット「あ、もしかしてこれで2人の対戦が見れるのかな?」

画面には2機のロボットが激しく飛び回る。

「おい、見ろよあれ。」
「うわ、すげぇ。あれ両方初期機体だろ?」
「ハラショー!」

シャルロット「よくわかんないけど凄いんだ。」

レイヴン「本当にはじめてか?」

マシンガンとミサイルを放ちながら横に飛ぶ。

ラウラ『当然だ。だが似たようなのは軍にあったな。』

建物を盾にし躱し、急上昇しながらライフル放つ。

レイヴン「成る程。厄介だな。うん?なん・・・だと・・・?」

レイヴンとラウラ画面に『DANGER』の文字が表示される。

ラウラ『何だ・・・!?』

レイヴン「乱入だ。たまにある事だが・・・。躱せラウラ!!」

画面の奥から急速接近した機体がラウラ機体蹴り飛ばした。

ラウラ『馬鹿な!!一撃で終わりだと!?』

レイヴン「・・・ここまでか、しょうがない。決着はまた今度に。」
????『私とも戦ってもらおうか。』

レイヴン「・・・誰だ?」

???『安心しろ、手間はとらせん。』

画面の機体がそのままレイヴン銃を向けた。

ラウラ「クッ、ここまでか。」

ラウラがボックスから出る。正面のモニターではまだ対戦が続いていた。

シャルロット「あ、おかえり。」

ラウラ「レイヴンはまだやっているのか?」

シャルロット「そう見たいだね。」

画面上では2機のロボットが激しく飛び回る。


「乱入者はカスタム機か。でもどっちもすげぇな。」
「それが初期機体の動きだと!?じゃあ俺はなんだ?」
「的。」
「鴨。」
「ゴミ。」
「ひでぇ・・・。」

〜レイヴン ボックス内〜

レイヴン「悪いが、友人と予定があるんだ。早々に引き上げたいんだが。」

????『抵抗しなければ直ぐに終わるが?』

レイヴン「何もせずに負けるのは流石にな・・・。」

????『そうか、わかった。ではすぐに終わらせる。』

画面の機体が突然形状を変えた。

レイヴン「!?」



〜????ボックス内〜

『不明なユニットが接続されました。』

????「これを躱せたらお前の勝ちで良い。上手く躱せよ?」

レイヴン『チッ。面倒なもんを。』

躊躇なくトリガー弾く。画面が白い閃光に包まれた。

レイヴンがボックスから出てきた。

レイヴン「あれは無理だ。」

シャルロット「あはは、お疲れ様。」

ラウラ「今のはなんだ!?画面が真っ白になったぞ!」

レイヴン「あれは隠し武器だな。まあいい。さっさと買い物に行こうか。」

ゲームセンターから出る3人。それを後ろら見る男が1人。

ジャック・O「どうだ?」

????「所詮ゲームだ、くだらん。」

ボックスが開き、中から出てきた女性がタバコに火をつける。

ジャック「確かにな。では直接試してみるか?」

????「別に構わんが。しかし、あんな子供にそれ程の価値が有るとは思えないな。」

ジャック「まあ、な。だがそれは試して見ないとわからん。ジナイーダ、お前のようにな。」

ジナイーダ呼ばれた女性は小さく煙を吐いた。

海の側の商店街。そこの水着売り場へと来た。

レイヴン「・・・俺も一緒に入らねばならんのか?」

ラウラ「私は別に構わんが。」チョットションボリ

シャルロット「・・・駄目かな?」ウワメヅカイ

レイヴン「・・・少しだけで許してくれ。」

シャルロット引き摺られる形で店へと入って行った。

それを少し離れた建物の影から覗く2人。

セシリア「私達も入りますわ!」

セシリア「危険です。そこまで広くない店内では発見される恐れがあります。」

セシリア「くぅ・・・。」

店内

そこのは様々な水着が売られていた。

レイヴン(これは・・・思ったよりキツイ・・・。)

シャルロット「レイヴンはどんなのが好きかな?」

レイヴン「・・・さぁな。考えたこともない。」

シャルロット「むぅ。じゃあ僕にはどんなのが似合うと思う?」

レイヴン「何でも・・・という答えば無粋だろうな。・・・これとかあれ辺りが合うんじゃないか?」

レイヴンが二つほど選ぶ。(どんなのかは各々脳内保管でよろしく!)

シャルロット「へぇ。じゃあ試着してみようかな。あ、でもその前にラウラのも決めなきゃ!」

ラウラ「!?わ、私は別に今ある奴で十分だ!」

シャルロット「ダメだよ、それじゃあ!せっかくなんだから色々来てみないと!ほら、これとか可愛いよ!」

シャルロットが楽しそうに、顔を少し赤らめて困惑しているラウラを引き回す。

レイヴン(よし、今のうちに逃げよう。)

外に出て、海を背にするように手すりに体を預ける。

レイヴン「ふぅ。」

店先の自動販売機で買った缶コーヒーを飲み、一息つく。
平日の昼間にもかかわらず、あまりにはほとんど人はいなかった。

レイヴン(・・・最近の商店街なんてそんなもんなのか?)

すると、店内から顔を赤くしたラウラが足を少しフラフラさせながら出てきた。

レイヴン「大丈夫か?」

ラウラ「あ、ああ。まさかたかが水着程度でここまで苦戦させられるとは・・・。」

レイヴン「それで、良いのはあったか?」

ラウラ「う、うん。シャルロットが一番似合うと。」///

ラウラがさらに顔を赤くし、俯く。

レイヴン「じゃあ、臨海学校を楽しみにしておこう。・・・何かようですか?」

2人で話している所に1人の女性が近づいてきた。

ジナイーダ「なに、先程の続きをしようと思ってな。」

ジナイーダが専用機のIS『ファシネイター』を起動させ、斬りかかってきた。

ー脳内再生推奨BGM AC4 fallー

斜めに切り裂かれた缶が中身を撒き散らしながら地に落ちる。

ラウラ「!?」

咄嗟に動こうとしたラウラの背中硬いものが突き付けられた。

ジャック「すまないが、少しだけ大人しくして欲しい。」

ラウラ「ッ・・・!(こいつは・・・ジャック・Oだと!?なぜ国際指名手配者が!?)」

レイヴン「(ここでは不味い!)どういう積りだ!?」

レイヴンもISを展開させ、海上へと飛びで出す。
ジナイーダもそれを追うように飛ぶ。

ジナイーダ「知りたいならば、お前の力を見せてみろ。今、この瞬間は力こそが全てだ!」

シャルロット「!?な、なに!?」

外の様子に気付いたシャルロットが店の外に出ようとする。

ライウン「おっと、動かないでもらおう。」

入り口に1人の男は立ちはだかり、銃を向けた。

シャルロット「!?」



レイヴン(ISスーツが無い分反応が鈍い・・・機体が重い・・・!!)

ジナイーダが撃つマシンガンをギリギリで躱しながら海面を滑るレイヴンがハンドガンを構える。

ジナイーダ(成る程。スーツ無しでこの反応か、確かに悪くない。)

ジナイーダが距離を詰め、ブレードを振る。

レイヴン「クッ!(片手では防ぎきれんか!?)」

レイヴンがハンドガンを消し、左手にENブレードMLB-HALBERD、右手にDRAGONSLAYERを装備して受け止めた。

ジナイーダ「中々器用なことだな。面白い。」

レイヴンがチラッと視線を横にする。

レイヴン(シャルロットは店内で入り口には見知らぬ男、動けないか。ラウラも同様。これは・・・不味いか・・・?)

一瞬の思考。時間で言えば恐らく一秒にも満たない本の僅かな時間。

その一瞬を見逃さずにジナイーダはブレードを突き立てた。
本来ならどうという事の無い突き。しかしISスーツ無しというハンデと僅かな思考が反応を鈍らせる。

レイヴン「グゥッ!?」

ジナイーダ「どこを見ている。次は無いぞ。」

肩の装甲を貫く。シールドを貫通する高出力のブレードは僅かだか確実にレイヴンの肩を傷付けた。

レイヴン(チィ!このままでは・・・!)

ジャック「よく動く。これは予想通り・・・。」

ジャックが海上のレイヴンとジナイーダをまるで飾られた展示品を見るように眺める。

ラウラ「フッ!!」
ジャック「!?」

ラウラが姿勢を落とし、足を払った。ジャックが一瞬姿勢を崩した所で手を狙い蹴り上げ、握っていた拳銃を蹴り飛ばす。
一歩引いたジャックに対し、ラウラが手刀を放つ。
ジャックはそれを状態を逸らして躱しながらカウンター気味に足を振り上げたが、それを後方へ宙返りして躱し、互いに距離をとった。

ジャック「良くやるやる。さすがは『シュヴァルツェ・ハーゼ』か。」

ラウラ「お前も良く今の攻撃を捌いたな、ジャック・O。」

ジャック「ほう。私を知った上でなお、挑むか。良いのか?友人がピンチだろ?」

ラウラ「問題ない。私はレイヴンの腕を信じている。それに、数ではこちらが有利だ。」

ラウラが自由になると同時に2体のISが飛び出した。

ライウン「クッ!」

ライウンが大きく飛び退く。
そこにリリウムのアンビエントが滑り込む。

リリウム「シャルロット!急いでこちらへ!」

シャルロット「えぇ!?な、何でリリウムが!?あれ、セシリアも!?」

リリウム「説明は後です。速く!」

ライウンとジャックが背中合わせで立つ。それをシャルロットとラウラ、そしてISを展開したセシリアとリリウムが囲む。

セシリア「あなた方が何者かは知りませんが、ここまでですわ。大人しくお縄に着きなさい!」

ライウン「おい、ジャック。聞いてないぞ。」

ジャック「そうだな。これは想定外だ。」

ライウン「・・・使うか?」

ジャック「いや、まだ『あれ』を晒す訳にはいかん。」

そう言ってジャックが通信機を取り出し、スイッチを入れる。

ラウラ「貴様、動くな!」

ジャック「もう遅い。」

上空からレーザーが降り注ぐ。思わずその場に伏せる一同。そこに1機のISが降り立った。

ジュリアス「まったく、手間をかけさせないで欲しいものだな。ほら、掴まって。」

ジュリアスが2人の腕を取り、飛び立った。

セシリア「あ、逃がしませんわよ!」

ラウラ「まて、追うな!」

ラウラがISを展開させ、セシリアを止めた。

セシリア「クッ、なんで止めるんですの!?」

ラウラ「あいつはジャック・O、国際指名手配のテロリストだ!危険すぎる!」

セシリア・リリウム・シャルロット「!?」

ラウラの言葉に3人は思わず息を飲んだ。

リリウム「なぜそんな人が・・・それよりレイヴンさんを!」

セシリアとリリウムが海上へと向かう。それを見送り、ラウラはゆっくりと降り立ち、ISを解除した。

ラウラ(あの機体、恐らく『アステリズム』だ。なら使用者はジュリアス・エメリーか。なぜ彼女程の人物がジャック・Oと?)

ジナイーダ「状況が変わったようだ。勝負は預けるとしよう。」

ジナイーダがブレードを納め、ゆっくり浮き上がる。

レイヴン「まて、どういうつもりだ?」

ジナイーダ「いずれわかる。次にまた会える事を楽しみにしている。・・・次があればだがな。」

そう言ってジナイーダは小さく微笑み、飛び去って行った。そのあとすぐにセシリアとリリウムがやってきた。

セシリア「レイヴンさん!」
リリウム「ご無事ですか?」

レイヴン「・・・ああ。大丈夫だ。とりあえず陸に戻ろう。」

シャルロットとラウラの元に戻り、ISを解除する3人。
レイヴンの左肩に赤い染みが浮き出る。

リリウム「レイヴン、肩が!」

レイヴン「擦り傷だ。ほっとけば治るさ。」

セシリア「傷が残ると受けませんわ。幸いにも傷薬はあるので簡易的にですがすぐに治療しましょう。上着を抜いでくださいな。」

セシリアに言われ、止むを得ず上着を脱ぐ。肩には小さな切り傷があった。

シャルロット「でも無事で良かった。さっきの人達は結局なんだったんだろう・・・?
あれ・・・?そういえばなんでセシリアとリリウムがここにいるの?」

シャルロットの問いにセシリアとリリウムが固まる。

レイヴン「気づいていかなかったのか?学校を出た時からいたぞ。」

ラウラ「そうなのか。私が気付いたのはゲームセンターを出た時だったんだが。」

シャルロット「ええ!?知らなかったの僕だけなの!?」

セシリア「わわわわ私達はたまたま方向が同じだっただけですわよ!?」

リリウム「セシリア、それは少々苦しいかと・・・。」

レイヴン「まあいい。2人のおかげで助かったんだから良しとしよう。」

シャルロット「むむむ・・・。」

レイヴン「それで、水着はもう買ったのか?」

シャルロット「あ、えっと、うん。」

レイヴン「そうか。じゃあそろそろどこだでお昼にしてから帰ろうか。」

シャルロット「そ、そうだね。2人も一緒に行く?」

リリウム「よろしいのですか?」

シャルロット「うん。みんなの方が楽しいしね。」

セシリア「そうですわね。それではせっかくですから。」

ラウラ「・・・。」

服を着たレイヴンと共に笑い、皆で歩き出す。その少し後ろをラウラだけが訝しげな表情で歩いた。

別所


地に降り立ち、IS解除するジナイーダ。
ポケットから携帯を取り出し、電話をする。

ジャック『私だ。』

ジナイーダ「やれやれ、だな。」

ジャック『すまなかったな。』

ジナイーダ「構わん。だが報酬の上乗せは欲しいところだな。」

ジャック『わかった。それで、感想は?』

ジナイーダ「ああ、悪くない。寧ろ良い方だ。」

ジャック『そうか、礼を言う。また近い内に連絡をする。』

ジナイーダ「待っている。」

携帯を切り、ポケットにしまう。

ジナイーダ「レイヴンか・・・。」

夜 寮外

ラウラが電話をかける。

クラリッサ『はい。』

ラウラ「クラリッサか。至急調べて欲しい事がある。」

クラリッサ『・・・緊急事態ですか?』

ラウラ「まだわからん。しかし最悪貴様らの力を借りる可能性もあるかもしれない。」

クラリッサ『わかりました。それで、内容は?』

ラウラ「・・・ジュリアス・エメリー。それと最近のジャック・Oの動向についてだ。」

クラリッサ『!?・・・下手をすれば軍事機密事項に触れる可能性もあります。』

ラウラ「わかっている。問題のない範囲で良い。無理はするな、絶対にだ。」

クラリッサ『了解しました。』

日曜日

エクレールが寮の前で立っていると、一夏がやってきた。

一夏「早いな。まだ待ち合わせの30分近く前だぞ。」

エクレール「ふふ、それだけ楽しみだったのよ。さぁ行きましょう。」

エクレールと一夏が歩き出す。少し離れた所から除く2つの影。

箒「MVPの賞品だから、邪魔はしてはダメだぞ・・・。」

鈴「わかってるわよ。でも覗いちゃダメとは言われてないわ!あんたもそう思ったからここにいるんでしょ?」

箒「それは・・・そうだが。」

電車を降り、2人並んで歩く。

一夏「それで、何処に何を買いに行くんだ?」

エクレール「臨海学校に必要な日用品を少しと、あとは服かな。そこの百貨店で一通り揃うと思う。」

エクレールが指差した方に大きな百貨店が見える。

エクレール「できれば服はあなたに選んで欲しい。」

一夏「俺で良いのか?俺、女の子のファッションなんてわからないぜ?」

エクレール「大丈夫、あなたの好みでいいわ。」

2人が店に入って行く。

鈴「よし!追いかけるわよ!」

箒「し、しかし!」

鈴「ここまできて何言ってんのよ!」

鈴が入り、渋々箒も続く。
店内は日曜日なのでやはり人が多かった。故にみつかりにくいが、見失いやすい。

鈴「見失うもんか!」

エクレールが一通り必要な物を買い揃えた所で服売り場へと向かう。

一夏「最近の女の子の服って色々あるんだなぁ。」

エクレール「そうね。私もあまりこないからどんなのが良いかあまり良くわからないな。」

一夏「うーん、とりあえず奥の方まで一通り見てみようか。」

エクレール「そうね。」

2人が並んで奥の方へと進む。



鈴「クッ、これ以上近付くのは危険かも・・・。」

箒「仕方が無い。出てくるまで待とう。」

一夏「うーん、これとかどうだ?」

一夏が一着の服をエクレールに見せる。(どんなのかは各々脳内補正!)

エクレール「悪くないわね。でも色はそれよりこっちの方が好きかな?」

一夏「ふーん、じゃあこっちの方が好きか?」

一夏が更に別の服を見せる。

エクレール「ああ、そっちの方が良いな。」

一夏「なるほどね。じゃあこれとかも好きなんじゃない?」

エクレール「!そうね。確かにそれも好きだわ。」

一夏「やっぱりな。なんだか好みが箒と似ているな。」

エクレール「・・・女の子と買い物中に別の女の子の名前を出すのはタブーよ。」

一夏「そ、そうなのか?ごめん。」

エクレール「いいよ。あなたのそういう所も嫌いじゃない。」

エクレールが小さく微笑み、思わずドキッとしてしまう一夏。

一夏「お、男に向かってそういう顔をするもんじゃない。」

エクレール「フフ、それじゃあこれを買うわ。ちょっとだけ待っててね。」

一夏から服を受け取り、レジへと向かった。

箒「む、2人が出てきたぞ。」

鈴「よし、尾行再開!」



一夏「思ったより早く買い物が終わっちゃったな。このあとどうする?」

エクレール「・・・少し行きたい所があるんだけど付き合ってくれる?」

一夏「? ああ、良いぜ。」

2人は店を出て駅へと向かった。

2人が電車を降りるとそこは小さな工業団地のような所だった。

一夏「なんだここは?」

エクレール「私が子供の頃に住んでた所よ。少し進んだ所に全体を見渡せる小さな岡があるからそこに行きましょう。」

2人が歩く。その少し後ろを箒と鈴が歩く。

箒「まずいぞ。人気がなさすぎる。」

鈴「・・・どうしよう?」

一夏「うん?」

一夏が振り返る。
箒と鈴が咄嗟にすぐ側の工場内へと隠れた。

エクレール「どうしたの?」

一夏「・・・多分気のせいかな、何でもない。」



箒「・・・ふぅ、ばれなかったか?」

鈴「・・・多分。あれ?」

2人が隠れた工場は人の気配がなかった。しかし、奥の方で僅かに機械の音がした。

箒「ここは確かに一年ほど前に廃棄された工業区画だ。・・・どういう事だ?」

鈴「ちょっとだけ調べてみましょ。」

箒「な、おい、不法侵入だぞ!」

鈴「大丈夫、大丈夫!どうせ人なんかいないでしょ。」

岡にたどり着いた一夏とエクレール。
そこから見下ろして見えるのは灰色の工場だけだった。

エクレール「昔はもっと綺麗な所だったんだけどね。」

エクレールが少し悲しそうに笑った。

エクレール「この前の運動会で私にISのテストをしないかって声がかかったの。」

一夏「本当か。凄いじゃないか!」

エクレール「ありがとう。もしそれで良い結果を出せて、そのまま上手くいったら、この辺り一帯を元に戻したいなって思ってるの。」

一夏「うわぁ。そりゃかなり大変そうだな。」

エクレール「それはそうでしょう。まあ、私の目標ね。何年先か、何十年先かわかんないけどね。」

一夏「・・・そっか。」

エクレール「ここに連れて来たのはあなたが初めてよ、一夏君。」

一夏「え・・・。」

エクレール「フフフ、あまり深い意味は無いわよ。・・・多分ね。」

工場内部

鈴と箒が通路を歩く。足元には僅かな誇りが足跡を作る。

箒「思ったほど汚れていないな・・・。どういう事だ?」

鈴「でも人がいるような感じじゃないわよ。もうちょっと奥まで行ってみよ。」

歩く2人を天井に設置されたカメラが写す。





工場最深部

『新たな侵入者を確認

修正プログラム 第一レベル

全システムチェック終了

戦闘モード起動』

2人がそのまま歩を進めると、広い部屋へと出た。

鈴「広い・・・。学園のアリーナぐらいかな?」

箒「しかし、なぜ工場内部にこんな場所が・・・!?」

2人が入ってきた扉が閉まる。そして反対側の扉が開き、そこから一体のロボットが現れた。

『ターゲット確認

排除開始』

赤と黒に染めれた機体が無慈悲に背中の砲身を向ける。

箒「な!?」
鈴「あんたは下がって!!」

咄嗟に鈴がISを展開した。

ー脳内推奨BGM ペルソナ4 霧ー

しかし、突然謎の機体の目の前で爆発が起こった。それと同時に上から3人の男は飛び降りてきた。

箒・鈴「「!?」」

CUBE「なぜ民間人がここにいるんですか。」

アップルボーイ「ど、どうしますか、隊長?」

フォグシャドウ「お前達、中国代表候補生の凰鈴音に篠ノ之箒だな。なぜここいるかは聞かん。緊急事態だ、大人しく我々の指示に従ってもらう。」

鈴「はぁ!?何よあんたらは!?」

鈴が声をあげたが、フォグシャドウに銃を向けられ、思わずだまってしまう。

フォグシャドウ「緊急事態だと言った。今からここで起こることは最高軍事機密だ。お前らは何も見ていないし、そもそもここには来ていない。良いな?」

そう言ってフォグシャドウが前へ一歩踏み出す。

フォグシャドウ「ミッションは終了。2人を連れて今すぐ脱出だ。ここは任せろ。」

CUBE「はい。」
アップルボーイ「了解です。」

煙は晴れ、赤と黒の機体がこちらを向く。

フォグシャドウ「ここは通さん。」

そう言ったフォグシャドウの体がISのような機体に包まれた。

フォグシャドウが両手にショットガンを構えて飛び込む。

鈴「嘘!?な、なんで男がISを!?」

CUBE「うるさい小娘ですね。最高軍事機密と言ったでしょう、詮索してはいけません。はい、離れて。」

CUBEがしまった扉に小型の爆弾を設置する。小さな爆音と閃光によって鍵は壊され、扉が開いた。

アップルボーイ「2人ともこっちへ。」

箒「あ、あの、あなた方は何者なんですか?」

アップルボーイ「国際企業連盟特殊部隊・アライアンス戦術部隊です。細かい事はきかないで。」

アップルボーイの先導に続いて箒と、鈴もIS解除して走る。

CUBE「それでは御先に、隊長。外で待っています。」

フォグシャドウが専用AC『シルエット』を駆り、縦横無尽に飛び回る。

フォグシャドウ(試作段階ながら良い機体だ。良く動ける。あとは活動限界までに決着をつける。)

謎の機体が放つグレネードを紙一重で躱し、距離を詰めた。
フォグシャドウがショットガンを放つが、謎の機体はそれに怯むことなくブレードを振るう。それを飛び越え背後に回り再度ショットガンを放った。
小さく火花を散らしながら急速旋回してパルスライフルをばら撒くがそこにフォグシャドウの姿は無く、更に上空から散弾が降り注ぐ。

『ダメージレベル上昇

修正プログラム 第二レベル

全システムチェック終了

戦闘モード起動』

フォグシャドウ(センサーに新たな反応?まさか・・・!)

フォグシャドウが振り返るとそこには、今戦っている機体と全く同じ機体がもう1機立っていた。

フォグシャドウ「これは・・・キツイか・・・?」

霧影先生VSナインボール×2
ガッツリ書いた方がいいですか?

お好きなようにガッツリいってください

>>284 おk。うまく表現できたかわからんけどガッツリいきます。

新しく現れた機体がパルスライフルを放ちながら距離を詰める。もう1機の機体も同様にパルスライフルを放った。
左右からの同時攻撃をすべては躱す事は出来ずにダメージ受けてしまう。

フォグシャドウ「チィ!しかし!」

片方に狙いを定め、フォグシャドウが肩のロケット砲を撃つと同時にもう1機へと距離を詰める。

フォグシャドウ「この距離ならば!」

近距離から両手のショットガンを連射した。
動きが鈍った所で一気に加速し、2機を正面に捉える。

フォグシャドウ「食らえ!」

放ったミサイル群が2機を捉える。パルスライフルで撃ち落とされていく影から別のミサイルが片方の機体を直撃。もう片方へは急加速したフォグシャドウがゼロ距離からショットガンを撃ち込んだ。しかし振り抜かれたブレードによってショットガンを破壊されてしまう。

フォグシャドウ(手応えはあったが・・・まだ足りないか!)

振り下ろされるブレードを身体を捻って紙一重で躱し、捻った反動で回し蹴りを放つ。蹴られた機体は大きく後方へと飛ぶが、直ぐに着地し、肩の砲身からグレネードを発射した。
フォグシャドウの足下で爆発が起こり、一瞬動きを止めてしまう。
そこへもう1機が急加速で距離を詰められた。

フォグシャドウ「クソッ!!」

すれ違いざまにブレードがフォグシャドウの肩を切り裂く。しかし、構えたショットガンが謎の機体の近距離で爆ぜる。

ダメージが溜まったのか、謎の機体の動きは明らかに最初より鈍くなって行った。

フォグシャドウ(こちらの機体もそろそろ限界か・・・?)

フォグシャドウはミサイルとロケット砲を放ちながら一気に上昇。最初に降りてきた通路へと戻った。
下からフォグシャドウを見上げる2機。

フォグシャドウ「悪いがここまでだ。頼むから追ってくるなよ。」

そのまま通路を戻って行くフォグシャドウ。



『侵入者撤退を確認

修正プログラム 解除

機体ダメージチェック

システムを通常モードへ移行』

アップルボーイが扉を開けた。眩しい光に顔をしかめる。

アップルボーイ「ここまでくれば大丈夫です。」

CUBE「あとは隊長が無事戻れば終わりですね。」

鈴「それで、あんた達は何なのよ!」

CUBE「しつこいですよ。私達から話す事は何もありません。ここでの出来事は一切他言無用。よろしいですね。」

鈴「何いっt」ムグムグ

まだ何か言おうとしている鈴を箒が後ろから口を塞ぎ、頭を下げた。

箒「わかりました。助けていただいてありがとうございました。」

CUBE「あなたはこの小娘とは違い、理解が良い。あなた方は2人とも其れなりに有名な方ですからね。もし何かあったら真っ先に疑われます。十分ご注意を。」

箒「・・・はい。」

箒がまだ何か言いたげな鈴を引っ張って行こうとした所で上の方で窓ガラスが割れる音がし、フォグシャドウが降り立った。

フォグシャドウ「ふぅ・・・危なかった。」

フォグシャドウの機体が警告音を発し、解除された。

アップルボーイ「御無事でしたか、流石ですね。」

CUBE「活動限界ギリギリでしたね。」

フォグシャドウ「ああ。まだまだ調整が必要だな。」

フォグシャドウが鈴と箒の方を向く。

フォグシャドウ「怪我はないな?」

箒「は、はい。大丈夫です。」

鈴「あのISは何なの!?なんで男なのに!?」

フォグシャドウ「それには答えられない。もし外部へと情報が漏れるような事があれば、君達を拘束しなければ成らなくなる。大人しく帰って欲しい。」

鈴「ぐっ・・・。」

箒「・・・わかりました。」

まだ何か言いたげな鈴を箒が引っ張って行こうとする。そこでフォグシャドウが声を上げた。

フォグシャドウ「・・・私の使っていた男性専用の機体、AC(アーマド・コア)は、まだまだ調整が必要だな。」

CUBE「隊長!?」
鈴・箒「「!?」」

思わず足を止めた箒と鈴。CUBEが慌てた声を出す。

フォグシャドウ「しかし、これは軍の最高機密。迂闊に外に漏らすわけにもいかない。」

フォグシャドウがチラッと箒と鈴の方を見る。

フォグシャドウ「まあ、仮に今の私の声が聞こえてしまった者がいたとしても、それ以上の事を調べようとする者はいないだろうな。任務は終了だ。早々に撤退するぞ。」

フォグシャドウが箒と鈴とは反対の方へと歩き出す。それにアップルボーイとCUBEが続いた。

CUBE「重大な軍規違反ですね・・・。」

フォグシャドウ「上層部へ報告するか?」

CUBE「・・・止むを得ずに戦闘になったとだけ、報告します。」

フォグシャドウ「すまないな。」

ここでいつもの日常パートを挟みたいんですが、非リア充の >>1 にはネタがもうそんなにないんで、なんかください。

安価下1と2
誰(複数可)が何をするか。
ただし、エログロは無しで。

なければ普通に続きます。



安価ならレイブンとラウラが道場で寝技訓練してるところに、勘違いしたセシリア乱入。

>>290

放課後

セシリア(はぁ・・・レイヴンさんはどこに行ってしまたんでしょうか?)

セシリアが廊下を歩く。授業が終わり、クラスの友人と少し話をしていた間にレイヴンは教室から出て行ってしまっていた。

セシリア(もっと色々お話をしたいと思ってますのに・・・。)

ふと、窓の外に視線を移す。視界に入るのは窓の空いた武道場。
その空いた窓から見えたものはー

セシリア「!?!?!?」

思わず窓に張り付いてしまった。

セシリア「なななななな!?」///

窓の向こう側に見えたものは、2人の人間。下になっているのはレイヴン。その上に覆いかぶさるように跨がっているのはラウラ。
よく見れば2人とも小刻みにうごいている。

セシリア「〜〜〜〜!!」///

顔を真っ赤にし、声にならない唸り声を出すセシリア。
窓を開け、勢いよく飛び降りた。

セレン「こら、セシリア!二階の窓から飛び降りるな!やるならせめて一階にしておけ!」

モブ生徒(突っ込むとこそこですか!?)



武道場

セシリア「何をなさっているんですか2人とも!!」///

顔を真っ赤にしたセシリアが勢いよく武道場の扉を開いた。
そこには武道着をきたレイヴンとラウラが立っていた。

セシリア「・・・あら?」

ラウラ「組手をしているだけだが?」

セシリア「え・・・でも先程はレイヴンさんに覆いかぶさるように・・・。」

レイヴン「上手く崩されて寝技に持ち込まれてしまってな。さすが軍にいただけあって強い。」

セシリア「・・・失礼しましたー!!」///

セシリアがさらに顔を赤くし、慌てて武道場から出て行った。

ラウラ「何だったんだ?」

レイヴン「さあな。」

某軍事施設内 一室

sound only 02『あーあー!聞こえてるかなぁ?』

sound only 03『大丈夫です、聞こえています。』

sound only 02『いやー、遅くなってごめんよぉ。こっちも色々あってね。』

sound only 01『まあいいよ。これで全員揃ったね。』

sound only 05『やれやれ。相変わらずこのメンバーか。』

sound only 02『おやぁ?5番さんは今日も仲介人なんだ?』

sound only 05『文句は雇い主に言ってくれ。俺に言うなよ。』

sound only 04『そんなことはどうでもいいでしょう。今問題になっている方を先に片付けるべきでは?』

sound only 01『ごもっとも。話が長くなった、始めようか。』

部屋の明かりが点く。
中央にはフォグシャドウが立ち、それを囲うように6つの『sound only』と数字のモニター。

sound only 01『罪状は「試作ACの無断使用、及び軍事機密漏洩の未遂」。
この未遂ってのがよくわからないね、説明をよろしく。』

sound only 03『某工業施設内の調査中に所属不明の機体と接触。撤退するために止むを得ず交戦。
その際に試作段階であったACを使用。それにより機体の情報が外部に漏れた恐れがあるようです。』

sound only 02『あ、そうなんだぁ。で、それがなにか問題?』

sound only 03『!? 問題です。ISが表に出ただけでこれだけの影響があった中、さらにACという存在を独自で所持、管理しているんです。それが世間に知られれば・・・。』

sound only 05『快く思わない連中が山ほど出てくるってわけだ。そいつは厄介な事だな。』

sound only 04『しかし、未完成のACの実践的なデータが入ったことは、我々にとっても悪い話ではないと思いますが?』

sound only 03『それとこれとは別の話です。』

sound only 01『とまぁ、そんな話なんだけどさ。ズバリ聞くけど、その不明機は撃墜したのかな?』

フォグシャドウ「いえ、こちらの機体の稼働限界になる前に私が引きました。」

sound only 01『追撃は?』

フォグシャドウ「ありませんでした。」

sound only 01『もしACの情報が欲しかったなら追撃するはず。少なくとも僕ならするね。
でもそれがないってことは、もう「情報は得た」か、そもそも「どうでも良い」かのどっちかだ。』

sound only 02「あ〜なるほどね。それじゃあ、きっと後者だ。侵入者だから迎撃しただけなんじゃないの〜?』

sound only 01『なら、違反行為は「試作ACの無断使用」だけだね。ま、これだけでも結構な重罪なんだけどもさ。』

sound only 03『しかし・・・。』

sound only 02『気にしてもしょうがないんじゃないの?相手の事がなーんにもわかんないんだしさ〜。』

sound only 03『・・・。』

sound only 01『そういう事。それじゃあ罰則は「半年の減給、及び一ヶ月の謹慎」ってことで。』

sound only 05『えらい軽いな。てっきりもっと重くなるもんかと思ってたんだが。』

sound only 01『彼は優秀だからね。以上。お疲れ様。』

フォグシャドウが無言で頭を下げ、退室する。それと同時に画面が3つ消えた。

sound only 01『さてさて・・・どうしたものかね。』

sound only 02『ナインボールだってよ。でも目的の物が見つかったのはある意味収穫だったかな?』

sound only 01『ま、この程度、想定の範囲内だよ。あとはもう少しACの調整がスムーズならなんの問題もないんだけれどもさ。』

sound only 02『別に俺にとってはどうでも良い事なんだけどもね!ギャハハハハ!』

sound only 01『最後に君の意見を聞こうか。あと、ずっと黙っていたのは何でだい?』

sound only 06『話す事なと、何もない。』

一言だけ残し、画面が消えた。

sound only 01『・・・やれやれ、食えない傭兵だ。』

部屋を出たフォグシャドウが大きくため息をついた。

エヴァンジェ「ご苦労だったな。」

そこに缶コーヒーを持ったエヴァンジェが声をかける。手にしたコーヒーをフォグシャドウへと差し出した。

フォグシャドウ「ああ。全く運がない。しかし、あまりにも罰が軽すぎる。どういうことだと思う?」

コーヒーを受け取りながら率直な感想をいう。
エヴァンジェが少しだけ迷ったあとに口を開いた。

エヴァンジェ「それも含めて今、私が知っている範囲の事を全てお前に話す。そして私、いや私達に力を貸して欲しい。」

フォグシャドウ「・・・わかった。話を聞こう。」

2→係長
4→悪い話の人
5→いつもの人

1がVDで3は企業連かな?

>>296 お見事全問正解です。
03に関しては「絶対わからないだろうなー。少なくとも >>1 が読んでる側だったら絶対わからん。」って思ってたんで、正直すごく嬉しいです。


校外特別実習期間。所謂臨海学校である。IS学園では三日間行われ、各国や各企業が開発したISのパーツをテストする事になっている。

のほほんさん「う〜み〜!!」
モブ’s「「イェーイ!!」」

ただし一日目は自由。実際にテストが行われるのは二日目からである。
各々水着に着替えて浜辺に出る。

一夏「海なんて久しぶりだな。ていうか何年ぶりってレベルだ。やっぱ海に来るとテンション上がるよなー。」

レイヴン「そうか。俺はついこの前に行ったばかりだ。と言っても眺めただけで泳いではないけどな。」

メイ「いやいや、学園からすぐ側に海あるじゃない。」

エクレール「でもこうやって浜辺に立つのは確かに久しぶりかもね。」

浜辺に適当にパラソルとシートを引いている所にメイ、エイ=プール、エクレールがやってきた。

一夏「お、もう着替えたのか。3人ともその水着似合うな。」

メイ「フフフ、ありがとう。」
エイ=プール「ちょっと恥ずかしいですね。」///
エクレール「」///


そこへ鈴が一夏の背後から飛び付いた。少し後ろからシャルロットとセシリアもやってくる。

鈴「一夏ー!沖まで競争しよう!」

一夏「うわっ。危ないじゃないか。いきなり飛び付くなよな。」

セシリア「鈴さん、はしたないですわよ。」

シャルロット「ふふ、元気だね。バスが違ったから一夏とお話出来なくて寂しかった?」

鈴「バッ!?ち、違うし!!」///

レイヴン「結局シャルロットの水着はそれにしたんだな。まぁ、似合ってるんじゃないか?」

シャルロット「ありがとう。ほら!ラウラも出ておいでよ!」

シャルロットに呼ばれ、海の家の影から顔を赤くしたラウラが姿を表した。

ラウラ「その・・・変では・・・ないか?」

メイ「ラウラちゃん可愛い!」

レイヴン「そうだな。良いと思うぞ。」

ラウラ「そ、そうか!」///

セレン「フッ、若いな。羨ましいよ。」

真耶「もー、ヘイズ先生もまだまだ若いじゃないですか!」

ウィンディー「山田先生は中身もまだまだ幼いものな。」

千冬「確かにな。」

真耶「ふ、2人とも酷いですよぅ。」

真耶>ウィンディー=千冬 越えられない壁 セレン。(何がとは言わない。)

一夏「・・・。」

鈴「・・・。」ペターン
エクレール「・・・クッ。」フツー
メイ(大丈夫、負けてない。)ドタプーン

レイヴン「ふむ・・・。」

リリウム「・・・鼻の下が伸びてます。」

レイヴン「おっと。」

後ろからリリウムに声をかけられ、手を口元に当てた。

シャルロット「!?」
セシリア「!?」

レイヴン「・・・リリウムの水着も似合っているぞ。」

リリウム「ありがとうございます。レイヴンは年上の方が好みですか?」

レイヴン「そういう積りはないんだけれどもな。」

リリウム「・・・お誕生日は何時ですか?」

レイヴン「まだとだけ言っておくよ。」

リリウム(ガッツポーズ)すでに誕生日済み


安価下1と2
1泳ぐ(一夏、鈴、メイ)
2ビーチバレー(シャルロット、ラウラ、千冬)
3浜辺・海側(セシリア、リリウム、セレン)
4浜辺・道側(ウィンディー、ロイ・ザーランド(!?))
5海の家(エイ=プール、山田)
6岩陰(箒、エクレール)

忘れられてる子はいませんよね?

岩陰という響が妖しいので5

>>303 そんな怪しい事なんて無いですよ(棒読)。
岩陰は6ですが、5でいいんですね?



3浜辺・海側(セシリア、リリウム、セレン)

セシリア「レイヴンさん、もしよろしければサンオイルを塗っていただけませんでしょうか?」
リリウム「!?」

セシリアがシートの上に寝転がる。

リリウム「私が塗ります。」

セシリア「む・・・。」

レイヴン「良かったなセシリア。」

セシリア「ぐぬぬ。」

リリウム「ついでにレイヴンにもお塗りしましょうか?」
セシリア「!?」

リリウムが手にオイルを垂らす。

セレン「お、オイルか。済まんがついでに私も頼む。」

レイヴン「だとさ。」

リリウム(´・ω・`)

セレン「しかし・・・。ククク、残念だったかレイヴン?」

セレンがレイヴンに楽しそうに耳打ちする。

レイヴン「わざとですか。ノーコメントで。」

セレン「何だったら私にはお前が塗ってくれるか?」
セシリウム「「!?」」

レイヴン「・・・色々怖いんでやめておきます。」

セレン「今少し迷っただろう。」

セシリア「レイヴンさん!?」
リリウム「・・・クッ。」

レイヴン「そんなことないですよ。」

>>304
間違えました、6です。
でも、5で書いちゃったなら5でもOKです。
(山田先生大好きだしww)

>>305 それじゃあオマケで5、6両方行きますか。

5海の家(エイ=プール、山田)

エイ=プール「ラーメンと、海老チャーハンと、たこ焼きと、あとデザートにイチゴかき氷練乳付きお願いします!」

真耶「バニラアイスと、メロンかき氷と、カットフルーツ盛り合わせとアイスコーヒーお願いします。」

臨海学校中は旅館及びビーチ周辺はIS学園によって貸切になっている。当然海の家もそうである。
そして、ここでの飲食は全部、学校への参加費用に含まれていた。

エイ=プール「つまりどれだけ頼んでも、追加でお金を払う必要は有りません!沢山いただきます!」

店員「お待たせしましたー・・・でゲソ。」

2人そろって「「いただきまーす!!」

モブ「ちょっ、2人とも食べ過ぎ!」

エイ=プール「美味しいですよ。」

モブ「そうじゃなくて!そんなに食べると太っちゃうよ。」

真耶「そうですか?不思議なんですけど私、食べてもそんなに太らないんですよね〜。」

モブ(全て胸にいくとでもいうのか!?)

6岩陰(箒、エクレール)

箒「・・・。」

箒は岩陰に座り、小さくため息をつく。そこにエクレールが姿を現した。

エクレール「篠ノ之さん、皆の所には行かないのかい?」

箒「・・・うん。」

エクレール「一夏君が心配していたよ。」

箒「知っている・・・。さっき声をかけられたからな。」

エクレール「そう。・・・大丈夫?」

箒「大丈夫だ、私の事は気にしないで欲しい。皆の所に戻ってくれ。」

エクレール「ちょっと休憩。」

そう言ってエクレールが箒の隣に腰を下ろす。
少し間を置いて箒が口を開いた。

箒「・・・デュノア社の機体のテストをする事に成ったらしいな。」

エクレール「ええ。と言っても、まだ片手で足りる程しか動かしてないけどね。」

箒「・・・羨ましいな。そうやってちゃんと周りに認められ、結果が出せているのだから。」

箒が小さく、弱々しく頬笑む。
箒は良くも悪くも、常に『篠ノ之束』という天才の姉の存在によって評価に影響を受けていた。そして周りには専用機を持つものが多く居る中で、劣等感と焦りを感じていた。
現に、今隣に座る者は、自身の努力の結果を手にしているのだから。

エクレール「・・・私は君が羨ましい。」

箒「え・・・。」

エクレール「何でもない。それじゃあ私は行くよ。」

そう言ってエクレールは戻って行った。

そして時は進み、校外特別実習二日目。

千冬「それでは、早速はじめよう。専用機持ちは私とファンション先生の下で各国及び企業のパーツをテストする。他の生徒は山田先生とヘイズ先生に従ってISの・・・。」

轟音が響く。そして地面に巨大な人参(?)が突き刺さった。

モブ1「な、なに!?」
モブ2「なんか降ってきた!」
モブ3「親方!空から人参が!?」

人参(?)が割れ、中から1人の女性が現れた。

束「はろーはろー!みんなのアイドル篠ノ之束、ここに参上ーう!」
一同「!?」

束が人参から飛び降り、そのまま千冬に飛びかかる。

束「ちーちゃーん!!」
千冬「うるさい黙れ。」

飛びかかる束を正面から片手で頭を掴む。

束「うわー相変わらず容赦のないアイアンクローだね!」

千冬「まったく。」

千冬が手を話すと、束は今度はセレンの方へと飛びかかった。

束「わーい、スミちゃーん!!」
セレン「その名で呼ぶな。」

飛びかかる束の腕をとり、そのまま組み伏せた。

束「うーん、相変わらずの素早さ。やっぱり胸がない分動きg
セレン「いい度胸だ・・・授業がが終わったら待っていろよ、貴様。」

束「あはは、腕の関節はそっちに曲がるようにはできてないよ!そろそろ折れちゃうよー!」

セレンが離し、起き上がった束が周りを見渡す。今度は箒に近付いて。

束「箒ちゃんも大きくなったねー。とくにむn」
箒「そう言うのやめてください。」
束「・・・・・・。」

束「いっくーん!!皆がすごく冷たいよーぅ!!」

今度は一夏に泣き付いた。

一夏「あ、あはは・・・お久しぶりです。束さん。」

千冬「それで、貴様なにしにやってきた?」

束「あ、そうそう。これだよ。」

束が指を鳴らし、手を空へと翳す。空から正八面体がゆっくり降りてきた。

モブ3「まさか、ラミエルか!?」

束「君は何を言っているんだい?はい、御開帳!」

開かれた正八面体の中にはISが1機。

束「これは第4世代型IS、紅椿。箒ちゃん専用のISだよ!」

某軍事施設

士官「暴走だと?チッ、緊急停止信号を出せ!実験は中止だ!」

オペレーター「ダメです、こちらからのシグナルを受信しません!!」

士官「なんだと!?マズイ、隔壁閉鎖急げ!!」

オペレーター「隔壁閉鎖!第1ゲートから第3ゲートまで閉鎖確認・・・!?第4以降が機能しません!外部からのハッキング!?」

士官「ば、馬鹿な!?」

オペレーター「シルバリオ・ゴスペル、隔壁を破壊!外の出ます!」



安価
1士官「クッ・・・やむを得ん、ACを出せ!」
2士官「アームズフォート発進急げ!」

追いつけるAFって一機くらいしかないような……

クソ早いAFといえば海の上を走るアイツぐらいしか思い浮かばない

そしてとっつきで即死

オッツダルヴァ「まぁ、(私が)空気で構わんがな。」
>>314 >>316 ですよねー。


2士官「アームズフォート発進急げ!」

オペレーター「り、了解です。メインドック!緊急事態です!AF・スティグロ発進願います!」

オペレーターが通信機を操作し、命令をすると館内全域に警報が鳴り響いた。



スティグロ内部・艦首部

複数の兵士が座り、機器を慌ただしく操作して行く。

兵士1「こちらスティグロ。発進用意よし。」

士官『目的はシルバリオ・ゴスペル。破壊しても構わん、力ずくでも止めろ。』

兵士1「了解しました。機関最大、全速前進!」

兵士2「機関最大。発進します。」

兵士3「ターゲット、シルバリオ・ゴスペル。補足急げ!」

兵士3の命令で正面のモニターに周辺の地図が表示される。中央には青い点。少し離れた所に赤い点が移動している。

兵士3「補足完了。有効射程内までおよそ1分。」

兵士1「ミサイル装填。範囲内に入ると同時に一斉射。その後一気に距離を積める。」

兵士4「ミサイル装填完了。何時でも撃てます。」

しかし、ここでモニターに映る赤い点が停止。突然方向を変えた。

兵士3「!?シルバリオ・ゴスペル進行方向変更!こっちに来ます!!」

兵士1「!?」

兵士3「有効射程まであと4・・・3・・・2・・・1・・・ターゲットロック!!」

兵士1「ミサイル一斉射、撃て!!」

兵士4「発射!!」

スティグロから大量のミサイルが発射された。それは高速で飛び、目標を海面に叩き落すミサイル。
正面のモニターにはミサイルを示す大量のグレーの点が赤い点へと飛ぶ。
しかし、目標が落ちる事はなかった。グレーの点は赤に接触する前に全てモニターから消え去った。

兵士1「馬鹿な・・・全て・・・撃ち落とされたというのか・・・!?」

兵士3「ターゲット健在!距離0!?しょ、正面!!」

兵士2「か、回避を・・・!?」



某軍事施設内

オペレーター「スティグロ完全に沈黙しました・・・。」

士官「・・・クソ!ISにはISを当てるしかないのか!?」

海岸

箒「私専用の・・・!」

束「それじゃあ最適化処理(フィッティング)するからこっち来てね。」

新型のISを箒が纏い、その隣で束が操作をして行く。

束「はい、終わり。あとはオートでやってくれるからちょっと待ってね。」

そう言って束が一夏とレイヴンの方へと走り寄る。

束「で、2人のIS見せてくれないかな?」

一夏「あ、はい。」

一夏が待機状態の白式を渡す。携帯用の機器繋ぎ、目を通していく。

束「・・・へぇ。中々面白いISだね。じゃあ次はレイヴン君の。」
真耶「た、大変です、織斑先生!!」

真耶が慌てて走ってきて、手にした端末を千冬に渡した。千冬がそれを操作する。

千冬(これは・・・!)

千冬「今日の実習は中止だ。各生徒は各々の部屋で待機、絶対外へは出るな。もし出歩く者がいた場合はその場で身柄を拘束する。」

場がどよめく。その隣では束が微妙な表情を浮かべていた。

千冬「専用機持ちは私と共に来い。篠ノ之箒とエクレールもだ。」

箒「は、はい!」
エクレール「はい!」

臨時指令室

千冬「まず始めに今から話す内容はSランク軍事機密に相当する。一切他言無用だ。いいな?」

千冬に念を押され、各々が厳しい表情で頷いた。

千冬「よし。時間がない、大雑把に説明する。アメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型軍用無人IS、シルバリオ・ゴスペルがシステムにエラーを起こし、軍の指揮下から外れ暴走状態となった。幸か不幸か、こちらに向かっているらしい。それを海上で撃墜しろという事だ。」

レイヴン「簡単に言ってくれるな。」

メイ「まさか。軍ならISとはいかなくてもAFぐらいはあるんじゃ・・・。」

ウィンディー「1機発進したが既に撃墜されたようだ。不幸中の幸いなのは重軽傷者だけで死人がいないことだな。」

部屋にウィンディーとセレンが入ってきた。ウィンディーの手には通信端末が握られている。

千冬「やはりな。つまりISを止めるにはこちらもISを使うしかない。」

セレン「教員部隊は海域の封鎖及び生徒の護衛のために動かせん。つまりお前らに託すという事になる。」

セシリア「目標のスペックはわかるのでしょうか?」

千冬「これだ。以後、ターゲットを福音と呼称する。」

千冬が画面にでた映像を指す。

千冬「速度と距離の関係上、チャンスは一度。」

ラウラ「海上での戦闘か。教官、福音のEP残量は予測可能ですか?」

千冬「不明だ。ある程度消費しているとは思うが期待はするな。」

鈴「武装は飛び道具がメインなのね。」

シャルロット「撃ち合いは避けたいね。海上での戦闘に持ち込むなら、こちらも急いで用意しないと。」

エイ=プール「こちらは複数で挑めるのは有難いですが、移動後に戦えるだけのEPを確保できるかどうかが問題です。」

リリウム「確か今回のテスト用パーツの中にイコライザバッテリーがありました。あれは使えるのでしょうか?」

千冬「どうだ?」

真耶「あ、はい、確かにエクステンションのKEEP-MALUMあります。大丈夫ですが、数は二つしか有りません。」

セシリア「持久戦は避けたいですわね。」

ラウラ「ならば一撃必殺か。」

全員の目線が一夏に集まる。

一夏「お、俺か!?」

千冬「零落白夜ならば間違いなく必殺だ。だが、失敗すれば最悪死ぬ・・・。やれるか?」

一夏「・・・ああ!やってやる!」

箒「私にも行かせてください!」

箒が声をあげた。皆の目線が集中する。

箒「私の紅椿がスペックでは1番です。」

リリウム「ですが、箒はまだ機体に慣れてはいません。」

箒「それでも・・・!」

千冬「・・・束。聞いているのだろう?」

束「あ、やっぱり気づいてた?」

天井があき、束が顔をのぞかせる。

千冬「貴様の意見を聞こう。正直に言え。」

束「・・・・・・確かに紅椿がスペックは1番だよ。そうなるように私が作ったもんね。展開装甲には多目的動力が使われているし、どんな状況でも対応可能。箒ちゃんの言ってることに間違いはないよ。」

束が眈々と答える。それを聞いた千冬が少し悩んだが、顔を上げて言った。

千冬「いいだろう。」


一夏、箒、レイヴンは固定。

安価下1
セシリア
シャルロット

ラウラ
メイ
エイ=プール
リリウム、
エクレール
この中から1人。

元モブ子


千冬「メインアタッカーは織斑、お前だ。援護に篠ノ之、近接防御にエクレール。バックアップにレイヴンだ。KEEP-MALUMは篠ノ之とレイヴン、お前達が持ち、海上までの足になれ。」

鈴「な!?近接防御なら私でも!」

千冬「お前は熱くなりすぎる。今回はエクレールに防御に徹してもらう。」

身を乗り出して声を上げた鈴を一蹴した千冬が話を続ける。

千冬「作戦は海上で福音を待ち伏せる。有効範囲内に入ったら作戦開始だ。篠ノ之とレイヴンで先制攻撃をし、その後に織斑とエクレールが接近、一撃で仕留めろ。
束、紅椿の設定はあとどれぐらい掛かる?」

束「今からすぐに取り掛かればあと5分もかからないよ。」

千冬「わかった。では10分後に出撃。最悪を想定して残りのメンバーもいつでも出られるように待機だ。」

4人がそれぞれのISを展開して海に面して立つ。

一夏「箒、大丈夫か?」

箒「大丈夫だ。お前も、みんなも私が守ってやる。守って見せるさ。」

紅椿を身に纏った箒が一夏に向かって微笑む。それを見て一夏はわずかな不安を感じた。

一夏(箒の奴、浮かれすぎてるな。こういう時こそ何かが起こりそうな気がするんだけど・・・。)

一夏「エクレールも大丈夫か?」

エクレール「・・・大丈夫。やれるよ。」

試作型のIS「ラファール・S」を纏ったエクレールは箒とは対象的に表情を固くしていた。

レイヴン「力を抜け。容易いことでは無いが、無理ではない。そのために俺がバックアップにまわるんだからな。」

エクレール「ええ。ありがとう。」

一夏がレイヴンに続けて何か言おうとした所で止まる。

一夏「え・・・あ、うん。済まん、ちょっと外す。」

そう言って一夏が少し離れた。

レイヴン(プライベート・チャネルか?っと、俺もか。)

セレン『わかっているとは思うが、これはお前にしか聞こえていない。』

レイヴンがそっと、箒とエクレールからはなれる。

レイヴン「はい。」

セリフ『2人は新しい機体に慣れていない。目標接触後はお前が上手く判断してやってくれ。』

レイヴン「・・・面倒な事になった。」

セレン『すまんな、お前に負担をかける事になってしまう。だがお前なら出来るだろう?』

レイヴン「まぁ、やってみるさ。」

セレン『・・・勝手に落ちるなよ、色々と無駄になる。』

そう言って通信は切られた。

千冬『全機発進。』

千冬の命令で4機のISが浮き上がる。レイヴンが一夏、箒がエクレールを背中に乗せる形で飛ぶ。

しばらくビーコンに従い飛び続けた。

真耶『目標進行線上まであとおよそ1分です。』

レイヴン(EPはまだ持つな。ならばバッテリーはギリギリまで使わない方が良いな。)

真耶『目標進行線上に到達。福音との接触までおよそ5分で・・・!?福音が加速しました!?』

レイヴン「!?全機戦闘用意!箒!!」

箒「わかっている!」

真耶からの通信が入ると同時に一夏とエクレールを背から降ろす。

一夏「クッ!エクレール、行けるか?」

エクレール「大丈夫だ、やれる!」

一夏とエクレールが上空に浮き上がる。
箒が2人の前で構え、レイヴンが海面上で右肩にスナイパーキャノン「050ANSC」を構える。

箒「目標確認!まだ遠い!」

レイヴン「いや、射程圏内だ。初弾は貰うぞ。」

レイヴンが砲弾を放つ。それは真っ直ぐ目標へと届き、福音を怯ませた。

レイヴン「よし!行くぞ!」

レイヴンの合図で上空の3機が前へ飛び出した。

箒「はああぁぁ!!」

箒がブレードを振るうとエネルギー刃が発生し、福音を襲う。福音もそれに合わせ大量のエネルギー弾を放った。

箒「まだまだ!!」

もう一方のブレードを振り、複数の光弾で福音の攻撃を打ち消していく。全てを撃ち消す事はできなかったが、数はかなり減った。

エクレール「これならば!」

エクレールも両手に装備したブレードを振り、エネルギー刃を放出。残りをかき消していった。

一夏「よし!これなら行ける!!」

一夏か瞬時加速し、一気に距離を詰め、ブレードを振り被った。
しかし福音はそれを紙一重で躱す。

箒「逃がさん!」

箒も急降下する福音を追い、急降下する。
その目は福音しか見えていなかった。
新たに手に入れた自分専用の機体。一夏と共に並んで飛べる喜び。
故に、耳に聞こえるアラートに気付かなかった。

一夏「箒!!」

一夏が箒の前に飛び出る。その背中を3つの光弾が貫いた。

箒「!?い、一夏ぁぁ!?」
エクレール「一夏君!!」

翼が砕け、背中から血を流し、力無く落ちる一夏を箒が抱きとめる。

箒「な、なにが・・・。」

レイヴン「下がれ箒、エクレール!新手だ!!」

肩のスナイパーキャノンを消し、いつものミサイルとライフルを装備したレイヴンが箒の前へと出る。
その先にいたのはあの青い不気味な光を放っている謎の機体だった。

臨時指令室

真耶「新たな反応を確認!?あ、あの時の所属不明機です!織斑君が被弾、気を失ってます!!」」

指令室がざわめく

鈴「そんな・・・!」

ウィンディー「馬鹿な!?このタイミングでパルヴァライザーだと!?」

セレン「・・・ウィンディー、パルヴァライザーとは何だ?」

思わず声を上げたウィンディーにセレンが詰め寄る。

ウィンディー「!?・・・あとで説明する。今はこっちを優先させてくれ。」

セレン「・・・いいだろう。今はこっちを
????『いか-!-いつに-手を出すな!!』

真耶「え、つ、通信回線に割り込み!?」

雑音を含みながら男の声が部屋全体に響く。それを無視し、千冬が真耶かたインカムを奪う形て手にとった。

千冬「貴様が何者かは知らん。だがあそこで戦っているのは私の生徒だ。口出ししないで貰おうか。」

そう言って一方的の通信を切った。

千冬「束、VOBを出す。用意に何分かかる?」

束「・・・5分。」

千冬「遅い。2分で用意しろ。」

ウィンディー「あれを使う気か。」

ラウラ「教官!私に行かせてください!」

リリウム「リリウムも行けます。」

千冬「ダメだ。お前らはここで待機。

出るのは私だ。」

今回はここで。



千冬は原作同様、徹底して生身で戦うのかな?

>>330 生身でVOB・・・だと・・・!?
千冬さんならやってのけそうで怖い。

ー脳内推奨BGM ACfa Rememberー

千冬がISスーツを着込み、特殊なカタパルト上に立つ。

束「おまたせー。ちーちゃんは本当に人使いが荒いなぁもう。」

笑顔で言いながら束が千冬に走り寄る。

千冬「よし、では接続を頼む。」

千冬がISを展開させる。



全身を包む純白の装甲。

それはまるで白騎士の様だった。



束「オッケー。」

束のISに大型のブースターが接続される。

束「起動させれば、目標までおよそ30秒。ま、ちーちゃんなら問題ないよね。それじゃあ行ってらっしゃい。」

手を振りながらカタパルトから束が降りると同時にブースターに火が入り、ゆっくりISが浮き上がった。

千冬「織斑千冬、ホワイトグリント、出るぞ。」

白い閃光と成った千冬が空を割った。

海上

幸運にも突如現れた不明機は、レイヴンだけでなく福音も敵と判断した。同様に福音も不明機へと攻撃をする。
三竦みの状態になった事により、箒、エクレールは一時的に標的から外されていた。

レイヴン(クソ、これは面倒な事になったな・・・!)

ビームシールドのKES-ES/MIRRORを左腕にしながら攻撃を防ぎ、ライフルを撃ち牽制をする。
海面を走る不明機。空を駆る福音。状況はやや福音が優勢だった。

セレン『レイヴン、聞こえるか?今そちらに援軍が向かった。当てにしてくれ。』

レイヴン「しかし、この状況では。」

千冬『ほう、私では不服か?』

超高速で接近してきた千冬がVOBをパージし、打鉄のブレードを構え、そのまま不明機を吹き飛ばした。
沈みかけた不明機だがすぐに体制を立て直し、構える。

レイヴン「な!?織斑先生!?」

千冬「行くぞ。援護しろ。」

ブレードを正眼に構えた千冬に福音が一斉にレーザーを放つ。
それを躱し、受け流し、切り払い、そのまま距離を詰めて行く。

レイヴン(強い・・・!この人も化物か!?)

千冬(このブレードでは強度が不安だな。どこまで保つか・・・。)

箒「一夏・・・!一夏あぁ・・・!」

涙を流し、顔をくしゃくしゃにしながら必死に一夏に声をかける箒。
それを見ていたエクレールが突然箒の頬を叩いた。

エクレール「そうやって泣いて、嘆いて、どうするの?」

箒「ッ!?・・・。」

エクレール「・・・昨日、あなたが羨ましいって言ったの覚えてる?」

箒は俯いたまま何も言わない。しかしエクレールは言葉に怒気を含みながら続けた。

エクレール「私は一夏君の事が好き。
周りをしっかり気にかけていている彼が。
学校であの変な機体が現れた時に凰さんを守ろうと前に出た彼が。
運動会でも真っ先に皆を守ろうと前に出た彼が。」

声が少しずつ震えてくる。それでも声を出し続けた。ここで辞めたら恐らく後悔し続けると思ったから。

エクレール「だからあなたが羨ましかった。
ふと私が見たとき、隣にいるのはあなただった。
彼と一緒に頑張っているのはあなただった。
学校の事も、昔の事も、一緒に話せるのはあなただった。」

箒が顔を上げる。エクレールは既に前を向いていて表情は見えない。

エクレール「こんな所でウジウジして、後悔しているだけのあなたは私が羨ましいと思ったあなたじゃない。」

エクレールが両腕にブレードを構える。

エクレール「逃げる?それもいいわ。でも、前を向かぬものに勝利は無い!」

箒「私は・・・。私も前へ進む。一夏為に。私自身のために!」

一夏を強く抱きしめ、顔を上げる。その目に既に涙は無い。まっすぐ前を見つめていた。

箒の決意と呼応する様に紅椿が赤く光る。それと同様に、まるで共鳴するかの様に白式も白く輝き出した。

一夏「ッ・・・!」

箒「い、一夏ッ!!」

一夏が目を覚まし、思わず抱き着く箒。

一夏「・・・大丈夫。俺はもう大丈夫だから。」

その言葉の通り、傷は治り、白式も完全な状態になっていた。

エクレール「良かった・・・。本当に良かった・・・!」

一夏「ああ。行くぞ2人とも!まだ戦いは終わっていない!」

一夏を先頭に飛び上がる3機のIS。

一夏「あれ、千冬姉!?なんで!?」

そこには打鉄の剣を振るう千冬と、ライフル構えるレイヴンがいた。

千冬「フッ、やっと目を覚ましたか馬鹿者が。説教は後だ、いけるな貴様ら?」

一夏「ああ!」
箒「はい!」
エクレール「はい!」

千冬「良い返事だ。そっちは任せた。こいつは私がやる。」

千冬が福音に向かって剣を向けた。

レイヴン「援護は?」

千冬「いらん、邪魔だ。代わりにそっちを殺れ。」

レイヴン「了解しました。」

レイヴンが不明機の方へ向きを変える。それと同時に千冬が一気に加速し、福音に飛びかかった。

千冬がレーザーを躱しながら距離を詰め、福音に取り付いた。

千冬「場所を変える。付き合ってもらうぞ。」

そのままブーストし、一気にレイヴン達と距離を離して行く。
数分程飛び、急停止して福音と距離を離した。

千冬「貴様が有人ならば色々聞きたいところだが、そうじゃ無い。悪いが次の一撃で終いだ。」

切っ先を向け構えをとる千冬に、福音が一斉にレーザーを放った。

千冬「芸が無いな。所詮機械などその程度か。」

放たれたレーザーは一つたりとも、千冬に触れることはなかった。2機のISが一瞬ですれ違う。

千冬「折れたか。やはり保たなかったな。まあいい。」

真っ二つに折れた剣と、真っ二つに切り裂かれた福音が水飛沫あげ、沈む。

千冬「さて、あいつらはどうなったかな?」

とりあえず書き溜め分はここまで。

最強のIS乗りが水没するフラグかと思ったが……違ったか

生身で第三世代を圧倒する千冬がISに乗ったら、もう勝てるISないじゃん……。

>>338 それはもうちょと先のお話。
>>339 まぁ、「IS」では確かに最強ですね。


レイヴン「一夏、いけるか?」

一夏「大丈夫だ。レイヴンにも心配かけたな。」

レイヴン「全くだ。帰ったら何か奢れ。」

一夏「ああ!でもあんまり高くないのな。」

笑ながら言うレイヴンに一夏も笑ながら答える。

箒・エクレール(羨ましい・・・。)

不明機を4機で囲うように飛ぶ。

レイヴン「タイミングは任せる、3機で連携して仕掛けろ。援護する。」

一夏「ああ!」

箒「任せろ!エクレール、合わせる!これを使え!」

エクレール「わかった箒。先に行く!」

箒がバッテリーをエクレールに渡し、EPを回復させる。そしてそれぞれ両手に構えた剣をまるで演武、いや、演舞の様に縦横無尽に飛んだ。

一夏「・・・凄いな。俺が気を失っている間に何があったんだ?」

レイヴン「俺の口からは言えんな。」

EPを回復させたレイヴンがライフルとハンドガンをそれぞれ構えて不明機を牽制する。

箒「ハアァァ!」
エクレール「タアァァ!」

左右から斬りかかる2人を両手のブレードで防ぐ。不明機を動きが止まった。

一夏「よし、もらった!」

一夏が瞬時加速で懐に入ろうとするが、ここで不明機は一気の後方へと加速した。

一夏「なに!?」

レイヴン「逃がすか!」

レイヴンがスナイパーキャノンを発射、不明機のタンク型の下半身を撃ち抜き、一瞬だが動きが止まる。

一夏「今度こそ!!」

零落白夜を発動させた一撃が不明機を切り裂いた。

機能を停止させた不明機はそのままゆっくりと沈んでいく。

一夏「・・・今回は爆発しないよな?」

箒「大丈夫みたいだな。」

エクレール「作戦完了。お疲れ様。」

レイヴン(・・・零落白夜が効いた?あれはISなのか・・・?)

3人が喜び、レイヴンが怪訝な表情を浮かべていると千冬が戻ってきた。

千冬「よし、全員無事だな。帰還するぞ。」

そう言って千冬が一夏の頭をクシャクシャに撫でた。

あ、わすれてた。明けましておめでとうございます。新年も相変わらずの不規則更新ですがよろしくお願いします。



海岸に降り立つ4人。それをウィンディーと専用機持ちのメンバーが出迎えた。

鈴「一夏ーーー!!!」

瞳に涙を浮かべながら鈴が一夏に飛び付く。

一夏「おわっ!鈴、いきなり・・・。」
鈴「良かった・・・。本当に無事で良かったよぅ・・・!」

一夏の胸に顔をうずめる様に泣きじゃくる。少し戸惑ったが、微笑み頭を撫でた。

一夏「大丈夫だ。心配かけたな。」

ウィンディー「やれやれ。篠ノ之、エクレール、レイヴン。3人も良くやった。救護班が待機している。一応見てもらえ。特に織斑、お前は最優先だ。凰、そろそろ離れろ。」

箒とエクレールに(ほぼ無理矢理)剥がされる形で一夏が連れていかれた。

シャルロット「ほら、レイヴンも。」

レイヴン「いや、後で大丈夫だ。それよりもヘイズ先生は?」

メイ「それなら向こうの指令室の方よ。」

レイヴン「そうか、ありがとう。」

セシリア「お待ちください。」

メイに礼を良い、指令室の方へと向かおうとするレイヴンをセシリアが止めた。

レイヴン「なんだ?話なら後で聞くが。」

リリウム「ヘイズ先生とのお話の方が後です。」

リリウムがレイヴンの肩を軽く掴む。一瞬だがレイヴンの表情が歪んだ。

セシリア「やはり、肩ですね。救護班への方が先ですわ。」

ラウラ「!? あのスナイパーキャノンか?」

レイヴン「いや、あれじゃない。・・・それに大した事は無いから。」

セシリア「ダメですわ。さあ、行きましょう!」

レイヴン「・・・わかった。」

渋々救護班の元へと向かっていった。



束が岬で海を見下ろしながら機器を操作する。

束「・・・へぇ。やっぱり不思議だねぇ。そうは思わないかい?」

束が視線を後ろにすると、そこには千冬が立っていた。

千冬「何が不思議だと?」

束「白式だよ。まさか生体機能の再生なんてね。ビックリだよ。」

千冬「まるで白騎士の様だな。
それもだが、あの紅椿。セレンに聞いたのだが、あれのワンオフ・アビリティー『絢爛舞踏』。明らかに白式を意識したものだな。」

束「本当に偶然だよねぇ。」

束がディスプレーを閉じながら笑う。

千冬「・・・例え話をしよう。ある天才が1人の男子生徒の行動を意図的に操作できるとする。
本来動くはずの無いISをその時だけ遠隔で動かせば、あっと言う間に唯一ISを動かせる男子学生の出来上がりだ。」

束「へぇ。凄い天才がいたものだね。でも、何で白式が動くのかは、私にもまだ完璧にはわかってないんだよねー。」

立ち上がり、振り向きながら笑う。

千冬「・・・もう一つ。ある天才が自分の妹を晴れ舞台でデビューさせたいと考えた。
そのために専用機を用意。同時に軍事用ISを暴走させれば、最新型の高性能機を駆って晴れて専用機でデビュー。存在をアピール出来るという訳だ。」

束「・・・大切な妹を好き好んで危険に巻き込む姉がいると思う?」

笑みが消えた。氷の様に冷たい目には僅かな怒気がこもる。

束「全く・・・どうしてこう、余計な事が起こっちゃうかなぁ。シルバリオ・ゴスペルも、パルヴァライザーも・・・。」

冷たい目のまま悪態をつく。その目は千冬を全く見ていなかった。

千冬(・・・束は事件に関与していないのか?)

千冬「まあいい。回りくどいのは無しにしよう、お前の目的はなんだ?」

束「・・・ねーちーちゃん、昔話をしてあげよっか。」

千冬に尋ねられた束が笑顔で言った。

束「世界が破滅に向かっていた頃の話なんだって。」

束が千冬の返事を聞く事なく話し始めた。まるで子供に昔話をする様に。

束「神様はね、人間を救いたいと思ってたんだ。
だから、手を差し伸べた。」

手を空へと翳す。指の隙間からは月が見えた。

束「でも、人間の中から邪魔者が現れたんだよ。
神様の作ろうとする秩序を、壊してしまう者。本当にいい迷惑だよねぇ。」

掲げた手を下ろしながら千冬に向かって笑う。その目はもういつもの束に戻っていた。

束「だから神様は困惑しちゃったんだ。
人間は救われることを望んでいないのかって。」

千冬「それを私のに話してどうする。昔話に興味なんてないぞ。」

束「アハハ、だよねぇ。それでね、救われたい人間は考えたんだ。一層の事、神様を人間が救おうってね。」

束「でも、私は神に救われる事を望んでない。
ねぇちーちゃん。今の世界は好き?」

千冬「・・・そうだな。嫌いじゃあ無い。」

束「私は嫌い。だから証明するんだ。可能性をね。」

岬から束が飛び降りた。

千冬「!!」

一瞬だが驚く千冬。しかし、すぐに飛び降りた束を肩にのせ、1機の機体が浮き上がってきた。

千冬「・・・それが噂のACか。ジャック・O。」

ジャック「我々に必要なのは真の強者のみ。いずれまた会おう。」

千冬は、飛び去る機体をただ見送る事しかできなかった。

上空

大型の輸送機に乗り込むジャックと束。

束「さて、ジャッ君。説明してもらおうかな?」

AC解除したジャックに冷たい目と無表情の束が詰め寄る。

ジャック「勝手にシルバリオ・ゴスペルをハッキングした事に関しては謝る。だが、あの場にお前がいるなど聞いていない。そっちにも批はあるだろう?」

束「・・・まあ、言ってなかったからね。いいよ。
それで、あれをハッキングした甲斐はあったのかなー?」

ジャック「難しい所だ。だが時間がない。急がねばならんな。」

書き溜め分はここまで。

宿泊施設内 夕食

モブ1「ねー、何があったか教えてよー。」

メイ「駄目。一応機密なのよ。」

モブ2「なんか目、ちょっと赤くない?」

鈴「き、気のせいよ!」

シャルロット「フフフ、でも大事にならなくて良かったよね。」

ラウラ「もっとも、私達は何もしてないんだがな。」

モブ3「実に興味深い。」

エイ=プール「ダメですよ?」

大広間で夕食を皆で食べる。当然話題は何があったかである。
専用機持ちの者は他の生徒に質問攻めだった。

モブ1「あれ?そういえば織斑君とレイヴン君は?」

メイ「・・・篠ノ之さんとエクレールさんもいないわね。」

鈴「!?」

エイ=プール「あれ?セシリアとリリウムも?」

シャルロット「!?」
ラウラ「!?」

救護室

エクレール「はい、一夏君。あーん。」

一夏「いや、大丈夫だから!もうどこも怪我してないからさ!」///

箒「だ、ダメだ!見かけだけでまだ体に負担が残ってるかもしれない!ほ、ほら、こっちも・・・あーん。」

一夏を左右から挟んだ箒とエクレールが口まで箸を運ぶ。

セシリア「」チラッ
リリウム「」チラッ

レイヴン「俺は大丈夫だ。」

セシリア「し、しかし肩を!」

レイヴン「指は動く。」

リリウム「でも口まで箸を運ぶのは。」

レイヴン「・・・実は箸は左でも持てる。」

そう言ってレイヴンは左手で食事始めた。ちゃんと箸は使えている。

セシリウム「「むむむ・・・。」」

レイヴン「そんな事よりお前らの食事はいいのか?」

セシリア「大じょ『グー』・・・。大丈夫ですわ!」

リリウム「・・・。」

僅かな沈黙の後にセシリアが顔を真っ赤にして俯く。
小さな溜息をついたレイヴンがおかずを箸でつまんだ。

レイヴン「一回しかせんぞ。ほら、口を開けろ。」

箒レールセシリウム「「「「!?」」」」

セシリア「こここれここれれはままままさか!?」
レイヴン「落ち着け。」

セシリア「コホン・・・そ、それでは・・・あーん。」///

レイヴンの伸ばした箸へと、頬を赤く染めたセシリアがゆっくり口を開けて近づいて行く。

ラウラ「させるかあぁぁ!!」

窓を割り、部屋へと飛び込んだラウラがISを起動させる。

ラウラ「そのおかずは私の物だ!!」

セシリア「な!?こ、これは私がレイヴンのご厚意、いえ、ご好意でいただく物ですわ!何人にもわたしません!」

ラウラ「ならば決闘だ!」

セシリア「受けて立ちますわ!リリウム、行きますわよ!」

リリウム「お断りします。」

セシリア「な!?クッ、私1人でも負けませんわ、表に出ますわよ!」

セシリアもISを装備して2人で外へと(文字通り)飛び出して行った。
入れ違いに鈴、メイ、シャルロットが部屋へと入ってくる。

シャルロット「ごめんね、騒がしくしちゃって。」

リリウム「大丈夫です。所でレイヴン、リリウムもお腹が空きました。」

シャルロット「はい。そう言うと思って持ってきたよ。」

シャルロットがラップをしてある皿を差し出す。リリウムはそれを無言で受け取った。

鈴「ほら、一夏。私が食べさせてあげるね。」

メイ「箸よりスプーンの方が食べやすいでしょ?はい、アーン。」

一夏「俺は大丈夫だから!!」///

レイヴン(食事くらいゆっくりしたい・・・。)

学園夏休み前に日常パート。

安価
下1〜2
誰(複数可)が何をするか。
ただし、エログロは無しで。

なければ普通に続きます。

安価だよな
レイヴン、一夏
男二人でお出掛けとか

>>354

一夏「よし、じゃあ行くか。」

レイヴン「ああ。」

2人で学生寮を出て駅へと向かう。

モブ1「あ、2人揃ってお出かけ?」
モブ2「レイヴン君も一夏君も怪我したって聞いたけど大丈夫なの?」
モブ3「イチカ×レイヴン キタコレ!」

レイヴン「ああ。ちょっと買い物にな。怪我はもう大丈夫だ。心配ない。」

学校を出てすぐの所で同じクラスの3人と出会って声をかけられた。

一夏「俺も大丈夫だ。心配してくれてありがとうな。」

笑顔で答える一夏。それを見て思わずドキッとしてしまう3人。

モブ's(これは惚れるわ・・・。)

一夏「うん?どうした?」

モブ1「な、何でもない!いってらっしゃい。」

手を振り、3人と別れて駅へと向かう。

レイヴン「で、何を奢ってくれる?」

一夏「うーん、とりあえず適当に見て回るか。良いのが無ければ適当なファミレスでいいか?」

レイヴン「良いんじゃないか?というか、お前の財源はどこから来てるんだ?織斑先生か?」

駅へと向かう道中でふと気になった事を一夏に尋ねた。一夏は少し照れ臭そうに笑いながら話し出した。

一夏「いや、俺たち両親がいなくてな。これは少しでも家の助けになればと思って、あっちこっち頼んでバイトさせて貰ってたんだけど、千冬姉には『いらん』って一蹴されてしまってな。そのまま俺の小遣いなったんだ。」

レイヴン「お前も苦労してたんだな。」

一夏「『お前も』・・・?じゃあレイヴンも・・・。」

レイヴン「俺もバイトさせて貰ってたからな。ま、今は奨学金でなんとかなってるが。」

一夏「へぇ。っと、そろそろ急ぐぞ。電車が来てしまう。」

そう言って2人で駅まで走り出した。

第二部 終

あんまり血生臭い事になりませんでした。
当初は >>92 で言ってた通りのメンバーでしたが、ストーリー作ってる内に予定に無い人物が続々と・・・(特にモブ子。まさか名有りに出世するとは)。
この程度は想定の範囲外です。

第三部〜四部は実は大雑把な流れしか考えてないので、正直どうなるか完全に未定です。一応最終的な結末だけは既に決まっているので、最悪無理やり終わらせるかもしれませんが、不慮の事故でもない限り必ず完結させます。


最後に重要安価
レイヴンに両親は
1いた
2いない

乙!
3部からも期待して待ってる
安価なら下

>>359 ありがとうございます。
そう言って頂けると本当に嬉しいです。


後日 IS整備室

扉には「使用中」の掛札が掛けてあり、扉は締め切られている。部屋には2人の女性。

セレン「さぁ、話して貰おうか。」

椅子に腰を下ろしながらウィンディーに言う。机を挟んで向かい側に立つウィンディーは手にした封筒をセレンに渡した。

ウィンディー「これは私の友人から貰ったものだ。わかっているとは思うが。」

セレン「多言は無用か・・・。」

セレンが受け取った封筒から冊子を出し、目を通す。

セレン「・・・やはりS級機密か。」

ウィンディー「噂は知っているだろう?だが、重要なのはもう一つの方だ。」

そう言われ、もう1つ冊子を取り出し、目を通す。驚愕した表情で一通り目を通し終え、セレンは冊子を机に叩きつけながら勢いよく立ち上がり声を荒げた。

セレン「なんだこれは・・・!?」

ウィンディー「確証はない。だが、嘘だとも言える根拠がない。実物が現れてしまったのだからな。」

セレン「どうしろと言うんだ・・・こんなもの。」

ウィンディー「今は・・・何もできん・・・。」

2 レイヴンに両親はいない

IS学園 教室 放課後

一夏「もうすぐ夏休みだけどなんか予定とかあるか?」

一夏が鞄を肩に掛けながら尋ねた。IS学園は全寮制で、長期の休みでも生徒は学生寮に住むが、地元(国外含め)に戻る者も多い。

箒「そういえば篠ノ之神社で夏祭りがあるな。」

同じく鞄を手にしながら箒が言う。

シャルロット「へぇ。お祭りか。行ってみないなぁ。」

セシリア「私は一度、自国の方に戻ろうかと考えていますわ。」

一夏「弾の家に遊びに行くのもいいかもな。レイヴンは?」

レイヴン「・・・そうだな、一度家に顔を出すか。会いたい人もいるしな。」

その何気無い一言が教室内の空気を一変させた。クラス中の視線と耳がレイヴンに集中する。

ラウラ「その会いたい人とは何者だ?」

セシリア「ままままままさか!?」

レイヴン「落ち着け、ただの恩人だ。」

シャルロット「恩人って?」

レイヴン「・・・命を助けてくれた人達だ。俺の大切な家族だよ。」


一緒に来る人 安価下1〜3
一夏

セシリア
シャルロット

ラウラ
メイ
エイプー
リリウム
エクレール

この中から1人ずつ。
被ったら下へ。

セシリア
リリウム
ラウラ


一夏「いつ帰るんだ?」

レイヴン「そうだな・・・。夏休みに入って直ぐでいいか。」

セシリア「あ、あの!私も一緒にご自宅の方へお邪魔させて頂けないでしょうか!?」
ラウラ「それなら私も良いだろうか?」

ほぼ同時に声を上げたセシリアとラウラが互いに目を合わせる。

レイヴン「うん?別に構わんが、面白い物なんか何にもないぞ?」

シャルロット「僕も・・・と言いたいんだけど、夏休みの間はエクレールさんと一緒にISの調整をする事になってるから行けないなぁ。」

箒「仕方あるまい。一夏も家に戻るのだろう?いつ頃だ?」

残念そうな顔をしたシャルロットの肩を叩きながら箒が一夏に尋ねた。一夏は腕を組んで考える。

一夏「うーん、俺もレイヴンと同じタイミングで帰ろっかな。」

鈴「じゃあ一夏の家に行ってもいい?」

突然廊下から顔を出した鈴が笑顔で言う。

一夏「おう。いいぞ。せっかくだし酢豚作ってくれよ。」

鈴「まっかせてよ!」

箒「わ、私も良いだろうか?」

一夏「ああいいぜ。じゃあ決まりだな。」

夏休み

僅かな荷物をまとめ、一夏とレイヴンが正門に立って待つ。そこに箒、鈴、セシリア、リリウム、ラウラがやってきた。

レイヴン「なんだ、リリウムも出かけるのか?」

リリウム「リリウムも御一緒します。いけませんか?」

レイヴン「いや、構わんよ。」

セシリアと共に少しだけ申し訳なさそうにしていたが、そう返され、パッと表情を明るくした。

一夏「そんじゃあ行くか。途中までは一緒なんだよな。」

そうして皆が駅へと歩き出した。
駅で電車に乗る。途中で下車した一夏らと別れ、またしばらく電車に乗る。

真昼という事もあり、車内に乗客は殆ど人は居ない。そして降りた所も殆ど人がいないような寂れた駅だった。

ラウラ「ここがレイヴンが育ったところか?」

改札をでて、車も人通りもないが舗装された道を歩く4人。

レイヴン「そうだな。車で2、30程走ると少し大きめの町があるんだが、この辺りは何にもない。」

リリウム「でも、とても自然豊かで良い所だと思います。リリウムは好きです。」

レイヴン「そうか。ありがとう。」

少し頬を緩ませる。そのまま歩くと、大きな建物が見えた。

門には『アスピナ』と『アナトリア』と書かれた看板が立てかけてあった。

セシリア「ここが・・・。」

レイヴン「俺が育った孤児院だ。」

レイヴンを先頭に門を抜ける。建物の中からは、いくつかの子供の声が聞こえた。

レイヴンが呼び鈴を鳴らし、扉を開ける。

????「はーい。」

奥から声を上げ、1人の女性が小走りでやってきた。

????「!? もう、駅についたら連絡してって言ってたのに。」

レイヴン「忙しいのはわかってたからな。・・・ただいま。フィオナさん。」

フィオナ「ええ、おかえりなさいレイヴン。」

広いリビングルームへと入り、荷物を部屋の端に置く。

フィオナ「とりあえずお茶でいいかしら?あなた達も。」

ラウラ「お構いなく。」

セシリア「あ、お手伝いいたしますわ。」

フィオナ「大丈夫よ。そこに座ってて。」

四人が椅子へと座ると、フィオナはにこやかに微笑み、キッチンへと入った。

リリウム「レイヴン、いまのお方は?」

レイヴン「フィオナ・イェルネフェルト。俺と同じくここ出身で、今はここで働いている人だ。」

セシリア「私達より少し上、ですか?」

レイヴン「そうだな。俺が物心ついた時には既にここにいた。本格的に働くようになったのは1、2年前だったか?」

フィオナ「今年で二年目よ。」

フィオナ皆の前に紅茶を置いていく。セシリアがそれを口に運び、驚いた。

セシリア「・・・凄く美味しいですわ。」

フィオナ「フフ、ありがとう。ところでレイヴン。彼らが待ってるわ。」

フィオナがレイヴンの後ろの扉を指差した。レイヴンが嬉しそうにしながらも、小さく溜息を付き立ち上がる。

レイヴン「やれやれ。」

扉に手を掛け、それを開けた。と同時にその場にしゃがみ込む。
開いた扉から勢いよくボールが飛び出した。

セシリア「ギャフン!?」

そのボール顔面に受けて後ろに倒れるセシリア。

ラウラ「敵襲か!?」

リリウム「落ち着いてください。ただのゴムボールです。セシリア、大丈夫ですか?」

セシリア「だ、だいふぉうぶでふわ。」

鼻を抑えながらセシリアが立ち上がる。

「どぅおりゃあああ!!」

ボールを躱したレイヴンに今度は子供がドロップキックをかます。しかしそれは正面から受け止められ、そのまま地面に押さえつけられた。

「やっぱりかあぁぁぁ!!」

「えぐらせてもらうで!」

今度はゴムバットを持った子供が突っ込んでくる。それを弾きとばし、やはりまた地面へと押さえつけた。

「ワシらしいのつくづく・・・。」

レイヴン「どうした?もう終わりか?なら、ここからは俺のターンだな。」

「話が・・・違うっすよ・・・!」

「ノーカウントだ、ノーカウント!」

レイヴン「知らんな。」

「「うわああああああぁ!!」」

指を鳴らしながら笑顔で部屋へと入り、扉を閉めた。そして部屋から子供たちの楽しそうな声(絶叫?)が建物中に響いた。

リリウム「あんな表情のレイヴン、始めて見ました。」

ラウラ「とても楽しそうだったな。」

フィオナ「フフ、IS学園に入るまでは彼がここの最年長だったの。だから今みたいに、子供達の相手ばっかりだったの。」

フィオナが嬉しそうに微笑み、口にした紅茶を置く。

フィオナ「安心したわ。変わらないわね、彼。でも、まさかあなた達みたいな可愛い子を3人も連れてくるとは思わなかった。」

少し困ったような表情をしながら3人を見る。3人とも少し顔を赤くしながら俯いた。

フィオナ「あら、まさか・・・。フフフ、隅に置けないわね。」

セシリア「あ、あの・・・失礼ながら、お尋ねします。レイヴンさんの御両親は?」

セシリアに尋ねられ、フィオナが少し表情を暗くした。

フィオナ「・・・彼に両親はいないわ。拾われてきた子なの。」

フィオナ「昔ね。ここを作った人、もう亡くなってしまった人だけど、その人が道端で拾ったらしいの。詳しい事は私も知らないのだけれども。」

リリウム「そうなんですか・・・。」

レイヴン「気にするな。今更対した事でもない。」

隣の部屋からレイヴンが戻ってきた。相変わらず子供達の声はする(ただし、少し騒がしくなくなったかもしれない)。

フィオナ「もう決着?早かったわね。」

レイヴン「学園で鍛えられたからね。」

フィオナに笑顔でレイヴンが答える。

セシリア(始めて見る笑顔ですわ。)///

リリウム(レイヴンが年上が好きなのはきっとこの人が影響しているかもしれません。)

ラウラ(・・・私が感じた親近感は、レイヴンの過去と似ているからか?)

フィオナ「そういえば、そろそろ彼も帰ってくるわ。」

レイヴン「!」

フィオナ「あなたに合わせて戻ってくるって連絡があったの。時間的にもそろそろよ。」

フィオナがそういうと、玄関の方から声が聞こえた。当然の様に子供達の歓声があがる。

フィオナ「丁度見たいね。行きましょう。」

フィオナと共に、レイヴンも、3人も玄関へと向かう。そこには子供達に群がられる1人の男がいた。

フィオナ「お帰りなさい。」

ジョシュア「ああ、ただいま。フィオナ、それに、レイヴン。」

ラウラ(!?ジョシュア・オブライエン・・・!?)

ジョシュア「うん?そちらの3人のお嬢さんは?」

フィオナ「レイヴンの同級生よ。」

フィオナに言われ、3人がそれぞれ自己紹介をし、頭を下げた。

ジョシュア「よろしく。私はジョシュア・オブライエン。一応今はここの管理人だ。」

リビングに戻り、6人で話をする。学校の事。孤児院の事。他愛のない雑談をしている内に日が傾き、夕暮れになった。

フィオナ「もうこんな時間ね。みんな、今日は泊まっていくのでしょう?すぐに夕食の用意をするわ。」

フィオナが台所へと向う。それに合わせて何人かの子供達も台所へとついて行った。

レイヴン「・・・時間はあるんなら、ジョシュア。いいか?」

ジョシュア「当然だ。そのために帰ってきたような物だからな。」

そう言って2人は外へと出た。

セシリア「なんなんでしょう?」

リリウム「気になりますね。一緒に行きますか?」

ラウラ「当然だな。」

3人も2人を追い、外へと出た。

広い庭で向かい合う2人。

ジョシュア「こい。手は抜かんぞ。」

レイヴン「今日こそ一撃当てて見せる。」

ジョシュアに向かい、拳、蹴と繰り出していく。しかし、ジョシュアはそれをすべて、いなし、躱し、受け止めていった。

ジョシュア「動きは良くなったな。だが、まだまだ未熟だ。」

レイヴン「舐めるな!」

レイヴンが、攻撃を受け止めたジョシュアの腕を握り、引き寄せ足を祓う。
ジョシュアが前のめりになった所で拳を突き出した。

ジョシュア「フッ!」
レイヴン「!?」

しかしその拳がジョシュア届く前に、レイヴンが掴んだ腕を利用し、地面へと背中から叩きつけた。

ジョシュア「今のは危なかったが、私の勝ちだ。」

レイヴン「・・・ああ、その様だ。」

地面に寝転がったまま、レイヴンが笑う。ジョシュアも微笑んだ。

ラウラ「そうか・・・レイヴンが強い理由がわかった。」

セシリア「どういう事ですの?」

建物の影から除く3人。

ラウラ「あの男、ジョシュア・オブライエン。数年前までは世界中で有名な傭兵だった男だ。」

セシリウム「「!?」」

3人が驚いていると、門の方から歩いてくる人影が見えた。


超・重要安価
1財団
2主任

先に二票になった方。

とりあえず今回はここまで。

書いてから思ったがこいつら人影あるのか?

>>380 財団「人間だよ、今はまだね。」

>> 383 凄腕の戦争屋の可能性も・・・。
または空賊のリーダーとかな。

財団「やぁ、ジョシュア。調子はどうだい?」

ジョシュア「財団か。・・・直々にやって来るとはな。何の用だ?」

財団「この間の話の続きをね。」

ジョシュアに近付く財団と呼ばれた男。顔は笑顔だが、何故かその雰囲気は異質な物に感じられる不気味な男だった。

ジョシュア「話す事など何もないと言ったんだが・・・まあいい。そこの覗き見している2人、いや3人か。」

ジョシュアが振り向いた。

リリウム「ばれていました。」

ラウラ「クッ。何故お前達は気配を消していないんだ?」

セシリア「普通そんな事出来ませんわよ!?」

ジョシュア「レイヴンも、済まんが先に戻っていてくれ。私もすぐに戻る。」

レイヴン「わかった。戻るぞ、みんな。」

立ち上がったレイヴンに続いて皆建物の中へと入って行ったのを確認し、ジョシュアが口を開いた。

ジョシュア「それで、何を話せと?」

財団「そうだね、まずは。」

財団がポケットに手を入れ、銃を引き抜く。しかし、構えるより先にジョシュアが一瞬で距離を詰め、どこから出したのか、ナイフを喉元に突き付けた。

ジョシュア「・・・そんな玩具を取り出してどういう積りだ?」

ジョシュアが不機嫌な顔でナイフを終う。逆に財団が笑顔で引き金を引いた。銃の先端に火が付く。ただのライターだった。

財団「いやお見事お見事。大した者だよ君は。だからこそ、話す意味がある。」

ライターを終い、一枚の紙を取り出した。

財団「この前の続きとは言ったけど、別な話。僕独自の情報で、まだ誰にも話をしていないんだけどね。既にわかってる『白い騎士』と『白い猫』。この間見つかった『紅い天使』。そして、最後の1つである『黒い鳥』の所在が判明したよ。」

ジョシュア「!?」

財団「僕としては、あれを君に使わせたい。どうだい?」

ジョシュア「それで貴様に何のメリットがある?」

財団「そんなのはどうでも良いんだよ。ただ、メチャクチャにしてくれれば、ね。」

ジョシュアが紙を受け取った。それには地図が描かれている。

財団「こちらでACを1機用意したよ。それでも下手をすれば最悪死ぬけど、まあその積りで。もっとも、君には要らぬ心配かな?」

紙と一緒に差し出されたアクセサリーような腕輪。それを受け取り、ポケットにしまった。

ジョシュア「・・・これで貴様を殺すかもしれんぞ。」

財団「本当に殺す気ならさっきのナイフで既に死んでたはずさ。そういう意味でも、傭兵としての君は信頼できる。」

ジョシュア「お前は信用できんがな。」

財団「それはお互い様さ。僕も君個人は信用してない。それじゃあ、話はこれでおしまい。生きてたらまた会おう。」

笑顔で手を振り、帰っていった財団。ジョシュアは小さく溜息を吐き、目を通した地図に火を付けた。

レイヴン「ジョシュア、さっきの人は?もう話は済んだのか?」

ジョシュア「仕事の話さ。さっさと要件だけで帰って行ったよ。」

ジョシュアが建物の中に戻ると、料理を並べている途中だった。子供達が食器を運んで並べている。

子供「ジョシュアもてつだってー。」

ジョシュア「ああ、そうだな。任せなさい。」

台所へとジョシュアが向う。

フィオナ「ジョシュア。もう話は済んだのね。・・・また出かけるの?」

ジョシュア「ああ。明日には出かけるが心配するな。今回はすぐに帰れる。」

フィオナ「そう・・・。じゃあ夕食にしましょう。」

フィオナは、少しだけ悲しそうな表情をした後に微笑んだ。



皆が寝静まった頃に、ラウラが建物の外へと出て、電話をかける。

クラリッサ『はい。』

ラウラ「先ほどメールを確認した。どこまでわかった?」

クラリッサ『はい。それよりまずは。』

ラウラ「わかった。少し待て。」

ラウラが一度携帯を切り、番号をもう一度打ち直す。十秒程してから再度電話がつながった。

ラウラ「またせたな、すまない。これで特殊回線を経由できた。傍受の心配は恐らくない。」

クラリッサ『こちらでも確認しました。』

ラウラ「しかし、この回線を使うという事は、B以上か。」

クラリッサ『わかりません。ただ、安々と外部に漏らす内容ではないと思います。』

ラウラ「? 要領を得ないな。どういう事だ?」

ラウラが眉を顰めた。軍内部の情報はほぼ全てランク付されている筈だからだ。

クラリッサ『結論から言います。ドイツ軍内部の情報ベース上に「ジュリアス・エメリー」の名は存在しません。』

ラウラ「!?」

クラリッサ『外部からのハッキングの可能性も否定できませんが、内部犯の可能性もあり得ます。』

ラウラ「・・・時間がかかった理由はそれか。ジャック・Oに関しては?」

クラリッサ『最近は目立った行動はしていない様です。どこで何をしているかも不明です。申し訳ありません、役にたてなくて。』

ラウラ「いや、充分だ。もうこの一件は・・・!?」

ラウラが咄嗟にISを部分展開し、振り向き手刀を構えた。

ジョシュア「待て。こちらに敵意は無い。」

ジョシュアが両手をあげ、数歩後ろへ下がった。

ラウラ「・・・済まないなクラリッサ、この一件はもう充分だ。また何かあればこちらから連絡する。」

クラリッサ『了解しました。』

ラウラは電話を切り、ジョシュアに頭を下げた。

ラウラ「済みませんでした。」

ジョシュア「いや、こちらこそ驚かせて悪かった。電話中だったろうに。」

ジョシュアが軽く手をあげ、タバコを咥え、火をつけた。

ラウラ「・・・確認させて頂きます。あなたは、あのジョシュア・オブライエンですよね?」

ジョシュア「流石黒ウサギだ、よくわかったな。まあ、ドイツ軍には世話になったからな。」

ラウラ「・・・少しだけ、御時間よろしいですか?」

ジョシュアの返答を聞く前にラウラが一瞬で距離を詰め、飛び上がりながら体を大きく回し上段へと蹴りを放つ。
ジョシュアはそれを軽く上体を反らして躱した。掠めたタバコの火が消える。

ラウラが再度体を捻り、今度は下段、中段と連続で蹴り出す。消えたタバコを吐き捨てたジョシュアはそれをも最小限の体捌きで躱していく。

ラウラ「ハッ!」

攻め続けるラウラが顔に向けて手刀を突き出そうとして途中で止めた。
一瞬だが、フェイントによりジョシュアの動きが乱れる。そこに、肩から体当たり気味に一歩大きく地面を踏み込んだ。

ジョシュア「ほう・・・。」

ジョシュアが僅かにフラついた所で、鳩尾へと蹴り上げる。しかし、ジョシュアはそれを片手で防ぐ。

ラウラ(やはり強い・・・!)
ジョシュア(良い動きだ。手強いな。)



ラウラ「ありがとうございました。」

軽く息を切らせたラウラが頭を下げる。結局まともな一撃を与えるには至らなかった。
ジョシュアの腕は本物だと改めて実感する。それと同時に疑問が浮かんだ。

ラウラ「何故、あなたがここに?あなたの名は『砂漠の狼』と並び、ドイツ軍では英雄として知れ渡っています。」

ジョシュア「私もここ出身でな。だが・・・私は多く殺しすぎた。」

新たに取り出した煙草に火を付け、煙を吐きながら自分の手の平を見る。

ジョシュア「こんな事をいう資格は無いと思うが・・・ここの子達に同じ道を歩ませたく無い。だから戻って来た。」

振り返り、孤児院を見る。その目は優しく、強く、そして哀しかった。

ジョシュア「君は人を殺した事があるか?」

ラウラ「・・・いえ、まだ。」

ジョシュア「そうだろうな。それで良い、その方が良い。今の学校は楽しいだろ?」

ジョシュアが優しく微笑んだ。

ラウラ「はい。」

ラウラも微笑んだ。

ジョシュア「良い顔だ。そろそろ部屋へ戻りなさい。私もこの煙草が終わったら眠るから。」

ラウラがまた、深々と頭を下げ、部屋へと戻って行った。それを見送るジョシュア。

ジョシュア(・・・だが、それでも引き金を引かねばならぬ日が来てしまうのだろうな。)

書き溜めはここまで。

ぶっちゃるとラウラが凄く使いやすい(軍人という意味で)。
逆に鈴が使いにくい(ACメンバーとの絡みという意味で)。
でも >>1 はISのキャラは皆好きです。

>>390
あれ? 明言されてないけど、鈴ちゃんも人民解放軍所属じゃなかったっけ?
軍人っぽくないと言われればその通りだけどさ。

>>392 ハハッ、そんなバカな。
と思い、漫画一巻読み直してみると確かにそんな描写がありました。
・・・これは使えるな。




ジョシュア「本当に良いのか?」

車に乗り、エンジンをかけるジョシュア。

レイヴン「ああ。周りをゆっくり見ながら行くさ。」

ジョシュア「そうか。では、また会おう。」

軽く手を振り、車を発進させた。それを見送ってから、フィオナの方を向く。

レイヴン「それじゃあフィオナさん。行って来ます。」

フィオナ「行ってらっしゃい。」

微笑んだフィオナを背に、レイヴン達は駅へと歩き出した。

セシリア「心温まる良い方達でしたわね。」

リリウム「はい。是非また来たいと思える様な所でした。」

ラウラ「そうだな。」

3人も皆笑顔で歩く。

レイヴン「そうか。なら良かったよ。」

3人の表情を見て、思わずレイヴンも顔が緩んだ。

某工業施設

孤児院を出てから3日目。
ジョシュアがバイクを止めた。
日本を発ち、とある国のとある山の中にある工場を丘の上から見下ろしている。

ジョシュア「・・・先客がいたか。」

工場から煙が上がっており、銃撃音も聞こえる。ジョシュアがヘルメットを被り直し、バイクを走らせた。



兵士「くそ!だれか救援を!」
兵士「アームズフォートはもう無いのか!?」
兵士「バックアップを!うわああぁー!」

工場施設内では1機のACが施設を破壊していた。そこにジョシュアがバイクで走り込んで来た。

??????「ん?なんだ貴様は?」

ジョシュア「やれやれ。予定の仕事は勝手に片付いた様だが、余計な仕事が増えたな。」

ジョシュアがACを展開した。

??????「傭兵か・・・知らんな。」

それを見て、少し驚いた様な表情をしたかと思えば、不意に不敵な笑みを浮かべる。

??????「丁度良い、AFにも飽きていた所だ。遊ばせてもらうぜ、メルツェル。」

不明機のバズーカが火を吹いた。

施設内を2機のACが飛び、走り、互いに撃ち合う。

ジョシュア(ライフルにブレード、背中にレーザー砲。私好みにしてある訳か。)

自身のACの武装、スペックを確認しながら飛び回り銃を撃っていく。

??????「良いぞ、やはりでかいだけの鉄屑とは違う。戦場はこうでなくてはな!」

不適に笑いなが地を滑る。肩に装備された整波装置がジョシュアの放つ弾丸を跳ね返し、地面や壁に弾痕を作っていった。

壁が砕け、地は割れ、照明は落ち、外からの僅かな光だけの薄暗い部屋で火薬とプラズマが迸る。

ジョシュア「もう良い、わかった。そろそろ終わりにしよう。」

??????「何だと・・・?」

ジョシュア「遅すぎる、これは。もらった。」

ジョシュアが瞬間的に急加速し、所属不明機へと近付いていく。

??????「馬鹿め、この距離では躱せまい!」

間合いが近くなれば、放たれる砲弾が到達するまでの時間が短く回避は困難になる・・・筈だった。

ジョシュアは、全ての攻撃を躱していく。QB(クイックブースト)を細かく使い分け、左右へと激しく動き回り、体を捻り、所属不明機の背後を取った。

??????「バカな・・・!?」

ジョシュア「終わりだ。」

背後からブレードが胸を貫いた。

??????「雌伏の内に・・・、果てるとは・・・。これも、戦場を甘く見た報いか・・・。」

ACが強制解除され、口から血を流し、膝から崩れ落ちた。

ジョシュア「許しは乞わん、恨めよ。」

ACを展開したまま、ジョシュアは施設内を歩く。既に人の気配は無く、なんの障害に会う事なく奥まで進んだ。

ジョシュア「ここか。」

扉を押し開けると、地下へと真っ直ぐ続く空洞があった。そこを降りる。辿り着いた先にはまたも扉があった。
ジョシュアが手をかけるが、扉は開かない。

ジョシュア「・・・。」

無言でブレードを振り、扉を切り開く。その先にあったのは真っ黒な1機の機体だった。

ジョシュア「黒い鳥・・・か。」

とある小さな喫茶店。

店内の入り口から一番遠い奥の窓際。
小雨が軽く窓を叩く音が心地良いBGMとなる中で、手にした文庫本に目を歩かせながら熱い珈琲をそっと口にする。

千冬(・・・やっと来たか。)

窓の向こう側で傘をさしながら歩く軍服の男を見つけ、本を閉じた。軽やかなベルの音と共に開いた扉から、肩と足を僅かに濡らした男が千冬へと歩み寄って来る。

エヴァンジェ「待たせたな。こんな雨の日に呼び出して済まない。」

店員に珈琲を頼み、千冬の向かい側にエヴァンジェが座った。

千冬「構わん、雨は嫌いじゃない。」

エヴァンジェ「そうか。なら良かった。私も雨はどちらかといえば好きな方だ。」

表情を変える事なく言う千冬に、小さく微笑むエヴァンジェ。その前に店員が珈琲を置いた。それに砂糖を少し入れ、一口、口にする。

千冬「好きとは言っていないんだが、まあ良い。貴様には私も色々聞きたい事がある。」

エヴァンジェ「・・・わかった。ではそちらから先に聞こう。」

珈琲を置き表情を引き締め、指を組んで机におく。

千冬「言葉での駆け引きは得意ではないのでな。単刀直入に聞こう。まずは現状でのACの開発状況、あとパルヴァライザーだ。どこまでわかっている?」

千冬の質問に対し、エヴァンジェがが表情をより一層険しくした。

エヴァンジェ「それを知りたいのなら、私と共に来て欲しい。」

千冬「・・・それは軍事機密だからか?私に軍に戻れと?」

エヴァンジェ「それもあるが、それ以上に私個人の望みでもある。軍属になる必要は無い。今は1人でも多くの信頼出来る力が必要なんだ。私に協力して欲しい。」

真剣な表情で言葉を発するエヴァンジェ。それを受け、千冬は小さくため息を吐いた。

千冬「断る。今は生徒を見るだけで手一杯だ。これ以上の面倒は御免蒙る。」

エヴァンジェ「・・・きっとそう言うだろうと思ってはいた。残念だ。」

エヴァンジェがゆっくり立ち上がる。一瞬だけ悲しそうな目をしたのを千冬は見逃さなかった。

千冬「・・・詳しい事は聞かん。だが、何かあれば連絡をして欲しい。可能な範囲で手を貸したいとは思う。」

エヴァンジェ「そうか。一応礼は言っておこう。」

小さく微笑み、机の上に2杯分の珈琲代を置いて店を出て行った。

千冬(・・・どうやら軍内部も一枚岩では無いという事か。)

千冬が面倒臭そうにため息を吐きながら、文庫本をまた開いた。
外ではまだ、雨が降り続いている。

書き溜め分はここまで。

AC組は学園ではリリウムが凄く動かし易い(セシリアとの絡みで)。
逆にエイプーとメイが使いにくい(出番の少なさ的に)。
好きなのはウィンディーやジナイーダです。

でも1番は隊長です。

書き溜めてた内容を大幅に変更しちゃったんで、少しだけ。


某所

とある部屋に2人の男と1人の女。

ジャック「我々に残された時間はごく僅か・・・か。」

メルツェル「現在所在がわかっている所は全部で3つ。そのうち2つに強襲をかける。」

メルツェルが取り出した小型の端末に地図が映し出された。三つの点が浮かび上がり、うち2つが点滅する。

ジャック「今はまだ全てを曝け出す訳にはいかん。陽動も必要だ。それを踏まえた上で、作戦を立てるしかあるまい。」

メルツェル「そうだな。先ずは・・・。」




ジャック「成る程・・・。やってみよ
う。」

メルツェル「篠ノ之束、お前にも働いてもらう。」

束「・・・しょうがないなぁ。」

IS学園 IS整備室

セレン「零落白夜が?」

レイヴン「はい。間違いありません。」

夏休みが終わり、レイヴンはまずセレンへと報告した。

セレン「・・・つまりあの所属不明機はISとの関係性が高いと。」

レイヴン「1回目の戦闘ではそのような様子はなかったのに、2回目では、一夏の攻撃を受け完全に停止した、という事は1回目と2回目は外見だけ似せた別物だという可能性があると思います。」

セレン「わかった。よく教えてくれた。教室に戻れ。」

セレンに言われ、レイヴンは一礼してから部屋を出た。

セレン(・・・成る程。ISを学び、よりISに近付いたという事か。)

パソコンの前に座り、キーを叩いて行く。そこに映し出された物は解析された所属不明機のデータだった。

セレン(しかし、まだまだ不明な点が多い。やはり、迂闊に関わらないのが吉だな。)

教室

セレンへの報告を終えて教室へと戻ったレイヴン。

一夏「よう、レイヴン。どこ行ってたんだ?」

レイヴン「IS整備室にちょっとな。」

一夏「ふーん。で、どこに行くんだ?」

一夏が1枚の紙を差し出した。それには『工業施設体験』と書かれていた。

IS学園では、ISについて学ぶために学外に他の企業へと直接出向く体験実習が行われる。

レイヴン「そうだな・・・。」


割と重要かもしれない安価
1ラインアーク
2アルテリア・カーパルス


下2〜3で同じ班になる人物。
ただし、
織斑一夏
篠ノ之 箒
凰鈴音
ラウラ・ボーデヴィッヒ
エイ=プール
モブ(戦力外)
の中から1人ずつ。被ったら下へ。

ラインアークとかの選択は↓1でいいのか?
2

>>406 その通りです。表記ミスですね。ごめんなさい。

2アルテリア・カーパルス
同班 ラウラ 一夏
負ける気がしない。


レイヴン「このアルテリア・カーパルスかな。興味があるのは。」

一夏「なんだ。じゃあ俺と一緒だな!まぁ、希望が通るかどうかはわかんないけど。」

レイヴン「第一希望通りに行くとは思えんがな。」



後日

体験先
アルテリア・カーパルス
体験者 織斑一夏 レイヴン ラウラ・ボーデヴィッヒ

レイヴン「希望通りになったな。」

一夏「やったじゃん。」

ラウラ「」ガッツポーズ

メイはGA社、シャルロットとエクレールはデュノア社、セシリアとリリウムはイギリスの大企業へと行く事が最初から決定していた。他の物は基本的に候補の中から希望をとり、決める事になっていた。

ラウラ「無事第一希望が通って良かったじゃないか。早速日程や時間の確認をしなければいけないな。」

レイヴン「面倒だな。」

一夏「おいおい。しっかりしないと学園にも相手の企業にも迷惑だぞ。」

体験日当日

アルテリア・カーパルス。
大規模な発電施設。これ1つで大国家の電力を全て賄う事が出来る。更に、その膨大なエネルギーを使ってISの試験や開発にも関わっている。
中心となっている企業はローゼンタール社。
(因みに場所は一応日本国外。言語に関してはツッコんではダメ。)


職員「ようこそ、アルテリア・カーパルスへ。」

ラウラ「よろしくお願いします。」

職員「こちらこそ。誉れ高いシュヴァルツェ・ハーゼの隊長に、2人だけの男性IS操縦者とお会いできて我々も嬉しく思います。」

一夏「ありがとうございます。」

大きな橋の入り口で3人は職員と挨拶をかわす。

職員「まずはこちらにお乗りください。到着までの間に施設の説明をさせてもらいますね。」

職員の案内に従い、目の前にあるモノレールに乗った。扉が閉まり、静かに走り出す。

職員「既に御存知だと思いますが、ここはアルテリア・カーパルス。大規模発電施設です。」

窓の外には広大な海。進行方向の先には巨大な外壁が見えた。

職員「様々な研究施設だけでなく、広い試験場、宿泊施設も完備。常に皆様により良い物を送り届けられるように様々な機械や技術の開発に貢献しています。」

職員が自慢気に様々な事を話す。

レイヴン(・・・外壁がやけに高いな。それに、その上にあるのは砲台っぽいが・・・。随分物騒な造りだ。)

レイヴンがふと視線を横にすると、やはりラウラも同様に思ったのか、やや険しい表情をしていた。

レイヴン(やれやれ、また面倒な事にならなければ良いんだがな・・・。)

長い橋を渡り終え、施設の中へと入って行く。

職員「まずはここにある様々な施設からご案内いたします。迷われると困りますので、私にしっかりついて来てください。」

職員の案内で中へと入って行った。

職員「ここが〜で〜の開発に〜ですから〜。」

解説を聞きながら階段を降りて行き、どんどん奥へと入って行く。
突然、極僅かだが施設が揺れた。それは歩いていれば気にならない程である。だが2人はその揺れ反応した。

レイヴン・ラウラ「「!?」」

職員「ん?どうかしましたか?

レイヴン「今少し揺れたような。」

職員「そうですか?・・・おや、ちょっと失礼。」

呼び出し音がなり、職員が携帯電話を取り出した。

職員「はい。!?はい、わかりました。はい、直ちに。」

驚いた声を出したかと思えば、すぐに冷静になり電話を切った。そして申し訳なさそうにレイヴン達に頭を下げる。

職員「申し訳ないですが、少し上でトラブルのようで。こちらに休憩室があるのでそこで少しだけ待っててください。」

職員が指した方には何台か並んだ自動販売機に大きめの椅子と机。そして何冊か雑誌がおいてあった。
怪訝に感じながらも、とりあえず椅子に座る。

レイヴン「・・・どう思う?」

一夏「何が?」

ラウラ「さっきの揺れ。そしてあの職員の慌てよう・・・だな。」

レイヴン「そうだ。」

一夏「・・・何が?」

訳もわからず首を傾げる一夏にレイヴンとラウラは小さくため息を付いた。

警備室

3人を案内していた職員が慌てて入ってきた。

職員「防衛部隊は!?」

通信使「既に全滅しています!」

職員「馬鹿な・・・20秒足らずでか・・・。」

通信使「イレギュラーは外壁の上にそのままとどまってます。」

正面に映像が映る。そこには外壁に立つ1人の女の姿が見えた。

職員「おのれ・・・!」

通信使「!高速で接近する物体・・・!?こ、これは!!」

室内に音声が響き渡る。

?????「こちらAC部隊。遅くなってすまない、直ぐに戦闘に入る。」

職員「噂のACだと!既に実践配備されていたのか・・・。」

外壁から外側を見る。小型の輸送機らしきものが見えた。

ジュリアス「来たか。」

専用ISの「アステリズム」を展開させる。
輸送機をスキャンすると、中に2人、いや、2機の反応があった。

ジュリアス「2機か・・・。侮られたものだな、私とアステリズムも。」



輸送機の後部ハッチが開く。
そこから2人の男がACを展開させた。そのACは外見はほぼ同じ。


全身が真っ白で背中に2対の翼。宛らそれは天使の翼の様だった。


その2機のACが同時に飛び立った。

ジェラルド「イレギュラーを排除する!」

レオハルト「我が名にかけて!」

書き溜めはここまで。

乙です
職員はオーメル仲介人のアディ・ネイサンかな?

「悪い話ではな↑いと思いますが?」

>>420 その積りはなかったんですけどね。そう言われるとそれっぽく見える。

みんなして言うから、また出る予定がなかった人出したくなっちゃうじゃないですかー。


ー脳内推奨BGM STAR WARS Duel of Fateー

ジェラルド(あのISは・・・まさか!)

ジュリアスが背中のレールキャノンを構えた。それを確認した2機は同時に左右に別れる。

ジュリアス「チッ・・・やはり素人では無いか・・・!」

後方へと下がりながら片方に狙いを定めて砲を放つ。レオハルトはそれを紙一重で躱しながら一気に加速した。

レオハルト「行くぞ!」

レオハルトがブレードを振り抜く。だがそれは、ジュリアスが一気に高度をあげることで躱された。しかし、回避した先にはもう1機。ジェラルドのブレードが振り切られる前に腕を掴み、そのまま密着した状態で壁沿いギリギリを飛ぶ。
ジュリアスが掴んだ腕を力付くで振り払い、そのまま反動を利用してジェラルドを蹴り飛ばした。

ジュリアス「鈍ったものだな、ジェラルド・ジェンドリン・・・。」

ジェラルド「ッ!なぜ君が・・・!ジュリアス・エメリー!」

質問に応えることなく、ジュリアスが引き金を引く。それを躱しながらジェラルドもライフルを構えた。

ジェラルド「クッ・・・!」

レオハルト「躊躇うな!撃たねば殺られるぞ!」

レオハルトが横からライフルを放つ。それは的確にジュリアスを捉えた。

ジュリアス「チッ・・・!」

レオハルトとジュリアスが互いにライフルを撃ちながら飛ぶ。

ジュリアス(EP残量も決して多いとは言えない。少し・・・マズイか・・・?使い所が重要だな。)

ジュリアスが左手のハイレーザーライフルを握り直した。

休憩室

レイヴン「・・・やはり騒がしいな。上で何かあったようだな。」

休憩室で待つ3人。さっきから何人かの職員と思われる者が小走りに移動しているのが見えた。

一夏「うーん、どうするかなぁ。このままここにいた方が良いんだろうけど。」

ラウラ「命令がない以上、相当な理由がない限り待機だろうな。ッ!?」

突然ラウラが椅子を倒しながら勢いよく立ち上がった。

一夏「ビックリしたな!?何だ?」

ラウラ「あの男・・・あの時の!」

ラウラの視線の先には1人の男。曲がり角を曲がり、見えなくなった。

レイヴン「誰だ?」

ラウラ「あの時、ジャック・Oと一緒にいた男だ!」

レイヴン「・・・それは相当な理由になってしまうな。追うか?」

ラウラ「・・・危険だが放っておく訳にもいかない。」

一夏「よし、よくわからんが追いかけよう!」

ライウン「こっちは終わったぞ。そっちはまだか?そろそろジュリアスが持たんかもしれん。」

Ω『終わった。あとは脱出するだけだな。急ごうか。』

ライウン「よし。」

通信を切って、少し歩く速度を上げる。

ライウン(付けらてている・・・か?だが、まだここで目立つ訳にはいかん。)

そのまま通路を歩く。そして曲がり角を曲がったと同時に走り出した。



ラウラ「!?気づかれた!追うぞ!」
レイヴン「チッ、面倒な事を!」

一夏「ちょ、まてよ!」

銃弾とレーザーが飛び交う。互いに一歩も譲らず、周りへの被害が増え、エネルギーは逆に減っていく。

ジュリアス(使えてあと5、いや4発・・・。)

ジュリアスが左腕のハイレーザーを構える。だが、構えただけで引き金は引かない。ギリギリまで相手を引きつけた。

レオハルト「(動きが鈍った?) そこか!」

クイックブーストで一気に間合いを詰める。ブレードを振りかぶった。
しかし、その動きを完全に読み切ったジュリアスが引き金を引いた。
高出力のレーザーが迸る。

レオハルト「ッ!!!!」

力尽くで無理やり体を捻り、軌道を変える。胸から肩にかけてを異常な熱量が抜けて行った。
紙一重で体制を立て直し、地を滑る。

ジェラルド「レオハルト!」

レオハルト「大丈夫だ。(だが、右腕に力が入らない・・・。抜かった・・・!)」

ジュリアス(あれを躱すか・・・。)

冷静に2機から距離をとるジュリアス。だが内心ではやや焦りを感じていた。

ジュリアス「私か。侮ったのは・・・。」

???????『まさか、ジュリアス・エメリーがこうも てこずるとはな。メルツェルの先見も凄まじい。』

ジュリアスに通信が入る。外壁の方から接近するACが見えた。

ジュリアス「トーティエント。お前、いけるのか?」

トーティエント「ああ。二流には二流なりの戦い方がある。それを見せてやるよ。」

書き溜めはここまで。
同時進行で場面が、施設内と施設外でコロコロ変わるのは難しい。

ライウンが通路を走り、新たな曲がり角を曲がって十字路に差し掛かった。向かい側からも1人の男が歩いているのが見える。その男も、ライウンの姿を確認すると走り出してきた。

Ω「何を慌てている?」

ライウン「つけられている。急ぐぞ。」

Ω「成る程、わかった。」

少しだけ息を荒げ、急かすライウンを無視し、Ωはいきなり専用AC『Clown Crown』を展開した。

ライウン「貴様?!」



ラウラを先頭に3人が走る。
曲がり角を曲がった所でラウラが声を上げた。

ラウラ「マズイ、下がれ!!」

その声に反応した一夏が後ろへ大きく飛び、レイヴンがラウラの腕を掴み抱き寄せるように後ろへ飛んだ。それとほぼ同時に大量の銃弾と硝煙、火花が通路を埋めた。

ライウン「やめろ!」

ライウンがΩの腕を掴む。Ωが手にしていたガトリングの引き金を離し、表情を変えることなくライウンへと向き直った。

Ω「何故だ?付けられると邪魔だ。なら排除するしかない。」

ライウン「やり過ぎだ、もう良い。急ぐぞ!」

走り出すライウン。ΩもACを解除して後ろを追った。



レイヴン「無事か?」

一夏「ああ。」

埃をはたき、立ち上がる。

ラウラ「仲間にISの装着者がいたのか。クッ!」

ラウラがIS頭部のみ部分解放する。

『システム、スキャンモード』

ラウラ視界に壁の向こう側が見える。そこには階段を上がる2人の人間が見えた。

ラウラ「逃がさん!」

地上では1機のISと3機のACが飛び交っていた。

レオハルト「あのAC・・・動きが悪いな。ならば先にISの方を止めるぞ。」

ジェラルド「了解した。ジュリアス・エメリー、力尽くでも話を聞かせてもらう!」

2機の白いACが同時に跳ぶ。その時、施設の扉が開いた。

ジェラルド「!?施設の職員か?」

ライウン「チィッ、やはり押されているか。もはや隠す意味もない。」

ライウンがAC『ストラックサンダー』を展開すると両腕のレーザーライフルを同時に放った。

ジェラルド「!?」

右手のライフル、左手の二連装のライフル。連続で撃ち出される3つのレーザーは的確にジェラルドの足を止めさせた。

ライウン「計画実現のためだ。」

ジェラルド「クッ!」

ライウンの背の砲身がジェラルドを狙う。
ジェラルドの背の羽が一斉にライウンを狙う。

ライウン「死んでもらう!」

ジェラルド「そう易々とはやらせない!」

強烈な一本の閃光と青く光る螺旋状の粒子が空中で激しくぶつかり、あたりを揺らした。

ライウン「やるな・・・。ジュリアス!トーティエント!時間がない、離脱するぞ!」

トーティエント「よし、隙は作る。すぐに引け!」

ジュリアス「!・・・お前、まさか。」

ライウン「・・・すまん!」

ΩもACを展開させて飛び上がった。ジュリアス、ライウンと3機並んで外壁を超える。

レオハルト「逃がしは・・・ッ!?邪魔をするな!」

3機を追おうとするレオハルトにトーティエントがしがみ付いた。レオハルトがブレードでトーティエントを貫く。
血を流しながらも掴む腕は放さない。

トーティエント「所詮は二流だ。」

『グレイグルーム』のコアに美しい緑の粒子が集中する。

トーティエント「フェアじゃないか?だが、だからこそ俺が勝った。重要なのはそこさ。」

レオハルト「なッ!?アサルト・アー・・・!!」

壮絶な爆音と共に空中に緑の花が舞った。

ジェラルド「レオハルト!?クソ。センサーに異常・・・追えない・・・か。」

ジェラルドがゆっくり降り立つ。

ジェラルド「信じられん・・・ノブリス・オブリージュがこうも抑えられんとは・・・。」

目の前には破壊尽くされた施設、そして2人の遺体。
背後のドアが開き、レイヴン達が現れた。

レイヴン「これは・・・!?」

一夏「一体何が・・・。」

ラウラ「!?あなたはジェラルド・ジェンドリン・・・?」

ジェラルド「! ラウラ・ボーデヴィッヒ。なぜ君が・・・。!?」

突然施設が激しく揺れた。

ジェラルド「・・・下からか。すまない、君達を拘束させてもらう。私も状況が把握しきれていないんだ。」

ラウラ「従います。私達もよくわかっていないですから。」

書きダメはここまで。
最近、中々上手く時間が作れないorz

その後、ジェラルドと共に施設の内部へと戻った。
結論からいう。あの下からの揺れは、施設内にある一室が爆破された衝撃だった。

職員の話によれば、発電施設の復旧は容易だが、研究設備に関しては完全に目処が立たないとの事だ。人数は明言されてはいないが、死者も出た。

結局あの襲撃でアルテリア・カーパルスは一時的とはいえ、その機能を完全に停止する事となった。


ジェラルド「君達も実に運がなかったな。」
職員「我々としても、非常に残念です。」

施設の出口で職員とジェラルドが3人を見送るように声をかける。

ラウラ「いえ、私達は大丈夫です。」

職員「こちらからも連絡は入れておきますが、実習に関しては一応は終了とします。ですがご希望があれば、また別の日にこことは違う場所で対応いたしますと、学園側にはお伝えください。」

一夏「はい。わかりました。ありがとうございました。」

レイヴン「それでは失礼します。」

3人が頭を下げ、バスに乗った。それが出発したのを確認し、ジェラルドが口を開く。

ジェラルド「・・・反動家どもめ、何を考えている。」

その呟きに、職員はただ、厳しい表情で黙るだけだった。

レイヴンらがアルテリア・カーパルスにいた同刻。


篠ノ之 箒
凰鈴音の体験場所

もしかしたら、それなりに重要かもしれない安価

下1〜3 多かった方
1ラインアーク
2ナイアー産業区

鈴「はぁ・・・。」

電車の中で溜息をつき、隣にチラッと目を向ける。
そこにはピシッと背筋を伸ばした箒が真面目な顔で座っていた。

箒「うん?どうかしたのか?」

鈴「べっつにー。」

箒に尋ねられ、ぶっきらぼうに答えてそっぽを向いた。

鈴(ウチの方(人民解放軍)から実習不能の連絡が来たから、一夏と一緒になれるかもって期待したのに・・・。)

小さく溜息をつく。それとほぼ同時に車内にアナウンスが流れた。

箒「次だな。」

鈴「・・・そうね。」

ナイアー産業区。
国際企業連合に所属していない数少ない産業区である。多くの中小企業の集合体で、各々が独立して動いている一方で互いに技術を提供して大きな工業製品も造れるように連携している。


箒と鈴が歩を進める。待ち合わせの場所には1人の女性が立っていた。

スミカ「IS学園の方ね。スミカ・ユーティライネンです。」

名乗り、差し出された手を交互に握る。

箒「篠ノ之箒です。よろしくお願いします。」

鈴「凰鈴音です。」

スミカ「それじゃ、施設へと案内するわ。」

スミカの案内で、工業区内で今回の体験及び見学する範囲を歩く。一通り説明を受けた所で広いアリーナを見下ろす部屋に入った。

スミカ「ここでISの適性訓練及び、能力試験が受けれるわ。やって見る?」

箒「ありがたい申し出ですが、私たちは。」

スミカ「専用機持ちでしょ?大丈夫、打鉄を1機用意してあるわ。」

スミカがアリーナを指差す。そこには打鉄が1機待機状態で用意されているのが見えた。


安価
1箒
2鈴
3だが断る

鈴「へぇ。面白そうじゃない。私がやるわ。」

そう言って鈴が制服の上を脱ぐ。その下はISスーツだった。

箒「しかし・・・。」

鈴「これも実習の一環よ。さぁ!早速やりましょう!」

ここに来るまでとは打って変わって、元気になった鈴が意気揚々と階段を降りて行った。

スミカ「元気ね。それじゃあ早速そこから降りて。」

それを見て、スミカが笑い、箒は少し困ったように微笑んだ。

係員の指示に従い、鈴が打鉄を装着する。そして軽く腕や指を動かした。

スミカ『どうかしら、調子は?』

鈴「いい感じね。私の専用機ほどじゃないけど、学園の打鉄よりスムーズだわ。如何いうこと?」

鈴がその場で軽く飛び跳ねながら感想を言った。それを聞いたスミカが自慢気に話す。

スミカ『その機体は外見こそ打鉄だけど、中身はアップグレードされててフィードバック性能が向上してるわ。差し詰め第2.5世代って所かしら。』

鈴(ふーん。中小企業だからって馬鹿にできないのね。)

スミカ『それじゃあ早速だけれど、運動及び反応テストは全部カットで良いわね。能力試験のレベル3からはじめましょう。』

スミカがそう言うと同時にアリーナにある扉が開いた。そこから無人歩行ターゲットが入ってくる。

スミカ『試験は簡単。開始の合図でターゲットを3つすべて破壊すること。動きは緩慢だけど、攻撃してくるから気をつけて。タイムと機体EP残量で評価が決まるわ。

それじゃあ・・・試験開始!』

合図と同時に鈴が飛んだ。それは大きく弧を描き、だが速く、ターゲットへと向かう。

鈴「良好ね。行けるわ!」

ターゲットがゆっくり首を回しながら弾を撃つ。しかし旋回が間に合わず、急速に接近した鈴のブレードの一撃で切断された。

鈴「次!」

1つ目を破壊した鈴が今度は直線で次のターゲットへと向かう。ターゲットはまだ鈴を捉えておらず、やはり一撃で破壊された。

鈴「ラスト!」

鈴が手にしたブレードを振り被って勢い良く投げた。
それは確実にターゲットの芯を捉え、最後のターゲットも真っ二つに折れ、崩れ落ちた。

鈴「どんなもんよ!」

『ターゲットの破壊を確認。テストを終了します。』

アリーナに機械音声が流れ、テストの終了を告げる。

スミカ『すごいわ。流石中国代表候補生ね。判定はS。タイムは最高記録よ。』

鈴「ふふん。当然よ!まだまだ行けるわよ!」

鈴がブレードを拾い、胸を張る。
すると、アリーナの扉が開いた。

??「ハハハッ!見てたよ ルーキー。なかなかやるじゃない?ちょーっと時間かかったけどね?」

正直、鈴はもっと評価されるべき(主にISの性能面で)。

つまり、書き溜めはこれだけということ。
スミカ・ユーティライネンです(´・ω・`)

スミカ「・・・?何処から入って来たの?」

スミカが機器を操作する。

スミカ「システムエラー?違う、外部からのハッキング!?」

突然部屋の扉がロックされ、目の前には赤い『DANGER』の文字と耳障りな笑い声。

箒「な、なんなんですか?」

慌てて、スミカがすぐ側の赤いスイッチを押す。しかし全く反応は無い。画面にも変化は無く、警告音もならなかった。

スミカ「そんな・・・!」

鈴「なによあんた、ここの施設の人?」

違和感を感じた鈴は、悟られない様にISの状況を確認し通信を入れようとする。

鈴(妨害されている?・・・こいつ、何者なの?)

ヘラヘラ笑う男に危険を感じ、一歩下がりながら剣を向ける。

??「良い判断だお嬢ちゃん。それじゃあ、もうちょっと遊ぼうか。」

謎の男がまるで抱きしめようとする様に両腕を真横に広げる。全身が輝き、現れたのは、全身が濃い青色をした重量級の機体だった。

鈴「! IS・・・じゃない!?」

??「見せてみな、お前の力をさ。」

箒「鈴!クッ、なんとか扉は開けられないんですか!?」

窓に張り付くようにアリーナを見下ろす。

スミカ「ダメね。仕方ないわ、篠ノ之さん。今すぐIS使える?」

機器を操作するスミカに尋ねられ、箒が制服を脱いだ。下にはISスーツ。

スミカ「いけるわね。いいわ。その扉、打ち破って!」

箒「は・・・?し、しかし。」

スミカ「緊急事態よ。急いで!」

箒「は、はい!」

箒が紅椿を展開し、扉を斬り裂いた。

箒「行きます!」

書き溜めはここまで。

つまり、VS主任は次回ということ。
スミカ・ユーティライネンです(´・ω・`)



考えてみたらさ、主任と鈴って相性的に鈴有利だよね。
同じ重二だけど、鈴の衝撃砲に対して主任はKE紙だし。

>>457 と思うじゃん?その通りです。


ー脳内推奨BGM ガンダムOO O-RAISERー

謎の機体が両腕に装備したライフルを連射する。それを躱そうと、鈴がイグニッション・ブーストを細かく切り替える。

鈴(クッ、やっぱりこの機体じゃあ重たい!)

躱しきれず、なんとかブレードで受けるが、確実に機体へのダメージは増えていく。

??「あれあれぇ?こんな物かのかなぁ。期待はずれも甚だしいねぇ。」

鈴「ッ!ふざけた事言ってんじゃないよ!」

鈴がイグニッション・ブーストで、一気に距離を離した。
鈴の行動に謎の機体が一瞬動きを止める。そこに紅椿を纏った箒が背後から斬りかかった。

箒「はああぁ!!」

??「おっと、残念。」

箒「な!?」

その場で突然回転をし、背後からの斬撃を躱す。その反動をそのまま利用し、箒を蹴り飛ばした。

箒「クッ・・・!!」

なんとか体制を立て直して壁にぶつかるのを防ぎ、再度剣を構る。

??「ほらほら、はやくなんとかしないと死んじゃうかもよー?」

鈴「調子に乗んな!!」

鈴が打鉄を解除し、甲龍を装着。両端に刃の付いた青龍刀『双天牙月』を構えた。

??「アハハハハッ!! いーいじゃん! 盛り上がってきたねぇ!」

鈴「でやああぁぁ!」

鈴が青龍刀振り回す。遠心力を加えた重い一撃を紙一重で躱す謎の機体。
その一撃は地面に巨大な亀裂を作る。

地面を滑り、ライフルを連射しながら距離を取ろうとする。そこに、箒の放った帯状の斬撃が降りかかった。
しかし、各装甲から火花を散らしながらも、怯むことなくそのまま弾をばら撒きつ続ける。

箒「なんて奴だ!」

??「あまいあまい。俺を止めたきゃ殺す気でかかってきな!ギャハハハハ!!」

殺す・・・。その言葉が出てきた事で箒の動きが鈍った。

箒(そうだ、これは演習や学校での試合じゃない・・・下手をすれば・・・。)

剣を握る手が僅かに震え、緩む。それを察した瞬間に謎の機体が急加速し、箒の首を掴んで壁に押し付ける。

箒「ガッ!?ぐ・・・!」

??「やり合ってる相手の心配してる暇はねぇんだよ、小娘・・・。でないと、本当に殺すぞ?」

さっきまでとは明らかに違う、明確に殺意を込めた声。箒の背中に冷たい汗が流れる。

箒「わ、たし・・・は・・・!!」

両手で相手の腕を剥がそうとしながら、必死に声を絞り出す。
緩むことのない腕。しかし、その腕が突然力を失った。

鈴「あんたの相手は私でしょうが!」

青龍刀が地面を抉る。切断された左腕を残し、謎機体が後方へと下がった。

??「ハハハッ、やるじゃない!もっとだ!もっともっと足掻いて見せろ!!」

咳き込み、膝を付く箒の前に鈴が立つ。

箒「す、すまない。」

鈴「箒、一瞬でいい。あいつの動き止められる?」

箒「・・・何か手があるのか?」

鈴「有るから言ってんの。どう?できるかできないか。」

意を決した表情の鈴。それを見て箒も剣を握り直し、覚悟を決めた。

鈴「オーケー、行くよ!」

鈴が衝撃砲『龍咆』を放つ。
それは見えない砲身、見えない砲弾。躱せる筈がない。
初弾は命中。謎の機体がガクッと姿勢を仰け反るように崩した。
しかし、二発目、三発目と放たれた砲撃は軽々と躱される。

鈴「チッ!でも!!」

鈴が青龍刀を構えて飛び上がる。
それを追うように視線を上にしたタイミングに合わせ、謎の機体の懐に箒が滑り込んだ。

??「うおぅ!?」

箒「これで!!」

高エネルギーを帯びた斬撃。それは相手の右膝から脛にかけてを切り裂く。膝から崩れ落ち、思わず右手を付く。動きは完全に止まった。

??「やるじゃない。でもまだまだいける・・・!?!?」

スミカ「なんとか、このハッキングを・・・!?」

スミカが機器を操作していると、突然画面が切り替わった。

映し出されたのは大量の人参。

それと同時に警報器がなり始めた。

スミカ「もう、一体なんなの!?」

謎の機体が立ち上がろうとして、突然動きを止めた。

??「チッ・・・やってくれる、あのクソガキが!!」

悪態をつき、再度立ち上がろうとする。
しかし、それより速く鈴が動いた。

青龍刀を構えて、上空から加速。
自重と加速を加えた圧倒的な重さを持つ一撃。



それは完全に謎の機体の正中線を貫いた。

鈴「私は、箒とは違う。覚悟は出来ているわ。」

鈴の手に伝わるのは、まるで何か柔らかい物を切ったような、気味が悪い感覚。



箒「な!?鈴!まさか・・・!」

鈴「・・・。」

ゆっくり抜く青龍刀。その刃に滴るは赤い雫。

??「くくっ・・・ハハハ・・・あーっはっはっはー!!」

謎の機体が笑い声を上げながらゆっくり立ち上がる。
鈴が驚き、後方へと下がった。

??「これだから面白いんだ、人間ってヤツは・・・。」

謎の機体が残った方の腕を前へと延ばす。その手に握られているのは小さなスイッチ。

??「そうだ、それでいい!

最高だ!貴様ら!!」

雑音を含む不気味な声を出しながらスイッチを押す。

??「ハハハハハッ!!

アーハハハハハハハッ!!!」

機体の各部から火花が迸り、炎上した。笑い声と共に上がる炎。
その声が消えると同時に機体は爆散した。

軍属である以上、殺し、殺される覚悟はあるはず(殺したとは言ってない)。

書き溜めここまで。

扉が開き、慌てた様子の職員が3人、アリーナへと入って来た。入ってくると同時に、異臭に顔を顰める。

職員「2人共大丈夫ですか!?」

某然と立ち尽くす鈴と箒に走り寄る職員。

職員「医務室に行きましょう。こちらです。」

箒「・・・鈴、大丈夫か?」

鈴「うん・・・。」

それぞれISを解除し、1人づつ職員が寄り添う形で部屋を出て行く。1人残った職員は、それを見送り、そして無表情で通信機を耳に当てた。
それと同時に通信機の向こう側から声がする。

??『キャロりん、聞こえるー?』

キャロりん「主任、全く無茶をなさいます。」

主任『いいじゃん、盛り上がったでしょ?それであの2人、どう思う?』

キャロりんと呼ばれた女性が残骸を見る。

キャロりん「それは主任自身が一番わかっているのでは?」

主任『そりゃそうだ。でも、せっかくだから他人から見た意見も聞きたいわけじゃん?』

キャロりん「・・・それなりの力はあるようですね。」

小さく溜息を尽きながら、そして面倒そうな目で答えた。

主任『あれ、キャロりんが褒めるの、珍しいね。』

キャロりん「事実を述べただけです。」

主任『ハハハッ! クールだよね、いつも。』

キャロりん「それで、どうするのです?」

主任『・・・今はまだ様子見かなー。状況は緩慢だしね。もっとも、もう手遅れかもしれないけど・・・。』

医務室で座る2人。会話はなく、特に鈴は顔色が良くなかった。

箒・鈴「「・・・。」」

唯々時間がすぎる。二時間近くして、スミカが医務室へと入ってきた。

スミカ「2人に怪我がなくてなによりね。早速で悪いけど、良い話と悪い話があるわ。」

声をかけられ、2人が顔を上げた。それを確認し、スミカが話を続ける。

スミカ「まずは悪い話。残念だけど実習は中止。2人には後日またここに来てもらうこときなったわ。」

そう言ってスミカが2人に紙を渡した。そこには別の日付と、変更になってしまった旨を謝罪する文が書かれていた。

スミカ「そして良い話。凰さんが破壊したあの機体を軽く調べたわ。」

鈴がビクッとする。それを見たスミカが優しく微笑んだ。

スミカ「あの機体の中からは、タンパク質の残骸は見つかったけど、あれは人工タンパク。つまり、あれの中には人間は入っていなかったわ。」

鈴「え・・・。」

箒「そ、それじゃあ・・・!」

スミカ「ええ。あの機体には人間は乗っていなかったわ。だから凰さん、あなたは誰も殺していない。」

鈴「そう・・・なんだ・・・。」

鈴は、急に力が抜け、椅子の背に全身を預ける形でグッタリした。

箒「良かった・・・本当に・・・。」

箒はうっすら目に涙を浮かべながら笑った。それを見て鈴も涙を浮かべながら笑う。

鈴「もう、なんであんたが泣きそうになってるのよ!」

スミカ「フフフ、良かったわ。それじゃあ2人共、今日はここまででにして帰りなさい。再実習については学校に連絡しておくから。」

箒・鈴「「はい。ありがとうございました。」」

2人は笑顔で頭を下げ、施設を後にした。

同刻某所

束「ふぅ・・・全く面倒な事をしてくれるよね、あの木偶人形。」

束が軽く息を吐きながら言う。
部屋には何人かの男が座っている。

テルミドール「だが、これで奴らの目的も検討が着いた。」

ジャック「しかし、あまりに限られた時間か・・・。」

メルツェル「場所の特定は容易い。あとはタイミングだ。」

話しをしていると1人の男が立ち上がった。

メルツェル「・・・どこへ行く?」

オールドキング「貴様らは温すぎる。」

そう言って部屋を出た。そしてタバコに火を付け、通信機を手にする。

オールドキング「よぉ、首輪付きィ。オールドキングだ。

IS学園を襲撃する。付き合わないか。」

後日 IS学園

レイヴン強化安価 先に二票になった方
1アリーナ1(セシリア)
2アリーナ2(ラウラ)

書きダメはここまで。

キャロりんはかわいい。

>>474
,;゙ ・ω・;, <そろそろ本気出す……?

>>475 ,;゙ ・ω・;, <もうちょっとしたらね。


レイヴンがアリーナへと向かう。扉を開けるとラウラが待っていた。

レイヴン「何のようだ?」

ラウラ「ああ。実は頼みたいことがあってな。」

そう言ってラウラがISのデータが入った端末を差し出した。

レイヴン「これは?」

ラウラ「ドイツ軍の試作型ハンドレールガンだ。」

レイヴン「軍の?軍事機密じゃないのか。」

端末を受け取りながら疑問を口にする。

ラウラ「機密にもランクがある。これは最低ランクだから問題ない。是非レイヴンに使って欲しい。ヘイズ先生の許可は得た。」

レイヴン「いいのか?近々個人戦があるだろう?」

近々、専用機を持つ者たちで、一対一のトーナメントが行われる予定になっている。

ラウラ「だからだ。より沢山のデータが収集できるだろ?」

レイヴン「敵に塩を送るか。」

ラウラ「・・・塩?」

レイヴン「気にするな。言葉の綾だ。」

受け取ったデータを開く。表示された映像には「YWH16HR-PYTHON」と書かれていた。
スペックに目を通していく中で、ふと疑問が湧く。

レイヴン「しかし、レールガンか。そういえば、ラウラのISはレールガンだったか。」

ラウラ「いや、レールカノンだ。似たような物だが。それがどうかしたか?」

レイヴン「なんで薬莢が出るんだ?」

ラウラ「あれは薬莢ではない。小型バッテリーだ。あれを使用する事でEPの消費を抑えている。」

レイヴン「成る程な。だが、このハンドレールガンには無いんだな。」

ラウラ「だから試作型だと言っただろう。」

レイヴン「・・・ハンデレールガンか?」

ラウラ「安心しろ。OP仕様だ。」

ちなみにセシリアだったらコアパーツ「C01-GAEA」でした。

安価下1
個人戦のレイヴンの相手。ただし、一夏以外。

また、下2、3でレイヴンの相手ではない者を1人ずつ。

織斑一夏
篠ノ之箒
セシリア・オルコット
凰鈴音
ラウラ・ボーデヴィッヒ
シャルロット・デュノア
リリウム・ウォルコット
エイ=プール
メイ・グリンフィールド
エクレール

この中から。

レールガンだって、初期加速には通常通り火薬を使うんやで?
一から電力Onlyで加速しとったら、いくら蓄電しとっても間に合わんわ……。

>>491 マジっすか・・・。知らなかったです。ありがとう。


後日、専用機所持者による個人戦の第一回戦と二回戦の組み合わせが発表された。

『第一回戦 レイヴンVSシャルロット・デュノア』

『第二回戦 エイ=プールVS織斑一夏』

シャルロット「レイヴンが相手だなんで・・・運がないかなぁ。」

電光掲示板を見ながらシャルロットが少し照れ臭そうに小さく笑った。

ラウラ「ふむ・・・。この場合私は、嫁とルームメイト、どっちを応援すればいいんだ?」

一夏「どっちでもいいんじゃないかな?同じクラスの仲間なんだしな。っていうか俺も応援してくれよ。」

レイヴン「・・・やりにくいな。」

シャルロット「え・・・それってどういう意味?」

レイヴン「正直(機体性能が似ているから)シャルロットと戦いたくない。」

シャルロット「そ、そうなんだ///」

ラウラ「顔が赤いぞ?大丈夫か?」

シャルロット「う、うん!大丈夫!」

個人戦は、一日二回行われる。組み合わせが発表された翌日が試合となり、ギリギリまで相手がわからないということになる。

夜、寮の部屋で一夏と共にデータを見ていた。

一夏「うーん、やっぱりシャルロットとレイヴンのISって性能も武器も似てるよな。」

レイヴン「特徴が無いのが特徴だからな。距離を選ばないが、特化もしていない。互いに決め手にかけるか?」

レイヴンがパソコンを操作し、画面に映像を移す。運動会の時の物だ。

レイヴン「俺もシャルロットも、攻撃力が最大なのはパイルバンカーだな。」

一夏「という事は接近戦か。」

レイヴン(ラウラにもらったこいつが役立つかもしれんな。)

一夏「エイ=プールさんはミサイルだよな。どうやって接近するかが重要だな。」

レイヴン「逃げ続けて弾切れを狙うのも手だぞ?」

一夏「いやいや、それは格好悪いだろ。」

同刻。シャルロットとラウラもパソコンで映像を見ていた。

シャルロット「出来れば近接戦闘は避けたいかな。多分、僕よりレイヴンの方が強い。
何とか搦め手を突きたいけど、オールマイティなストレイドが相手じゃ厳しいかなぁ。」

ラウラ「むむむ・・・。」

映像を見ている後ろでラウラが腕を組んで唸っていた。心配してシャルロットが振り返る。

シャルロット「大丈夫?」

ラウラ「大丈夫だ。気にしないでくれ。」

ラウラ(ハンドレールガンの事をシャルロットに教えるべきか・・・。しかし、そんな事をすればレイヴンが不利に。だが、フェアじゃない。むむむ・・・。)

シャルロット(・・・何なんだろう?)

そして、翌日。試合の時間となった。

個人戦は一般の人や企業等に公開される。今回も沢山の人々が集まった。

セレン「さて、そろそろ始まる訳だが、一戦目、二戦目共に期待度はでかい。やはり来客も多くなるな。」

セレンと千冬が管制室からアリーナを見下ろす。
観客席には生徒だけでなく、運動会の時と同様に企業関係者がいた。

千冬(・・・なにも起こらなければいいんだがな・・・。)


観覧席への人の出入りが減り出した頃、入り口にウィンディーが立っていた。そこに1人の男が歩み寄ってくる。それを見てウィンディーが少しだが驚いた表情をした。

ロイ「よう、ウィンディー。」

ウィンディー「なぜお前がここにいる?」

ロイ「なんだ、わざわざ会いにきたらダメなのか?」

ウィンディー「悪いとは言わんが・・・。」

笑いながら手を上げるロイに少し複雑な表情をするウィンディー。
そのウィンディーに、表情を厳しくしたロイがスッと耳元に顔を寄せる。

ロイ「ーーーーーーーー。」

ウィンディー「!?」

ロイ「未確定な話だが、警戒しておけ。俺も何かあれば手を貸す。」

ウィンディー「・・・。」

この話をしている後ろで、深くフードを被った男が通った事に、2人は気がつかなかった。




そして、そのフードの中が小さく緑色に光っていた事にも、誰も気がつかなかった。

書き溜めはここまで。

,;゙ ・ω・;, <そろそろ出番かね。

首輪付きがビットマンに乗ってる可能性が微レ存?

>>501 大丈夫、もっとえげつないのに乗るから。

男は夢を見る。

遥か昔、神様が世界を救おうとしていた頃の話。

幾多の兵器が動き、大国同士が互いの思惑で争い、手を取り、また争う。

そんな中で武器をとり、人々の中で引き金を引き続ける。


『俺は見たいんだ。』




????「・・・任?・・・主・・・?」

何処かの一室


キャロル「主任。起きてください。すでに始まっています。」

椅子に背を預けて、机に組んだ足を乗せていた男がゆっくり瞼を開く。

主任「あー、うん・・・。あれ?始まっちゃったの!?」

ゆっくり足を降ろし、視界に映る情報を確認する。目の前には大きなスクリーン。そこにはアリーナの2人が映っていた。

キャロル「しっかりしてください、主任。早速ですがこれを。」

隣に立つ女性がリモコンを操作すると、スクリーンの半分が別の映像に変わった。そこに映るのはフードの男。

主任「へ〜、やっぱりね。」

それを見てニヤリとする。対象的に女性は不安な表情を浮かべた。

キャロル「よろしいのですか?危険すぎます。このままでは何の成果も得られないまま死んでしまう可能性も。」

主任「俺はそうは思わん。戦いこそが人間の可能性なのかもしれん。」

笑みが消え、真剣な表情で映像を見る。その目は何を見、何を考えているのか、それは誰にもわからない。

観覧席 裏側通路

オールドキング「よぉ、首輪付き。待ってたぜ。」

フードの男が向かった先には1人の男が立っていた。

オールドキング「あいつは先に行った。始めるのはこの試合が終わってからだ。」

首を向けた先には小さくアリーナの映像が写っている。

オールドキング「所詮は戦争屋なんだ。どうせなら刺激的にやろうぜ。」

アリーナ中央に立つレイヴンとシャルロット。

シャルロット「僕も全力でいくから、レイヴンも全力で来て欲しいな。正々堂々戦おうね。」

レイヴン「わかった、できる範囲で全力を出そう。」

それを聞いてシャルロットが微笑み、ISを展開する。続いてレイヴンもISを展開した。

互いにゆっくり距離をとる。

『システム、戦闘モード起動します』

セレン『それでは、第一回戦、はじめ!』

ー脳内推奨BGM ガンダムW 屍に埋もれた平和を探してー

開始の合図と同時に、2人は全く同じタイミングで武器を装備した。
シャルロットはアサルトライフルを。レイヴンはレーザーライフルを。
そしてやはり同じタイミングで引き金を引く。

シャルロット(抜き撃ちの速度は同じ。だったらあとは手数と機動力!)

シャルロットが飛び上がりながら躱し、今度は左手にマシンガンを装備し、両手で上空から弾幕を張る。

レイヴン(やはり空中戦か・・・。機体の性能的にあちらが有利か?)

弾丸を擦らせながらも、高速で地を滑るレイヴンが上空へとミサイルを放つ。
しかし、シャルロットは冷静に手にした武器を消し、ショットガンを放った。
放たれた散弾がミサイルを破壊し、爆煙が舞った。それを意に介さず今度はアサルトカノンでレイヴンを狙い撃つ。

レイヴン(チッ、向こうの方が切り替えが速いか。)

弾丸をブレードで切り払いながら、空いた右手にマシンガンを装備して弾をばら撒く。しかし空を舞うシャルロットには大した効果は与えられない。

シャルロット(よし、このまま押し切る!)

レイヴン(機動力に差はないが、上を取られている分こちらが不利だな・・・。いきなりの本番だが、試してみるか。)

レイヴンが飛ぶ。しかし、『ストレイド』は地上での滑走に特化している分、空中では速度も運動性も決して高いとは言えない。

シャルロット「今度は当たる!」

シャルロットがアサルトカノンを構えて狙いを定めた。
レイヴンをロックオンする。だが、それ同時にレイヴンの肩にある武装が消えた。

シャルロット(!?今更武器を変えたって!)

一瞬躊躇仕掛けたシャルロットだが、ためらう事なく引き金を引く。だが、放たれた砲弾は何もない地面に弾痕を造っただけだった。

シャルロット「は、速い!?」

空中で振り返るシャルロット。

レイヴン「これはとんだじゃじゃ馬だな。だが、これで地の利はなくなった。ここからは単純に技量の勝負だ。」

WB31B-PEGASUS。文字通り天馬の如き翼を得たレイヴンが天を舞う。

レイヴン(初速度が速いのは良いが姿勢制御に難あり、か。なかなか面倒だが、まぁ、どうにでもなる。)

シャルロット(クッ・・・。こうなっちゃったら、もう・・・。でも最後まで諦めない!)

シャルロットが両手の銃を撃ちながら距離をとる。レイヴンはそれを躱しながらさらに加速していった。

レイヴン「やはりEP消費量が高い。そろそろ決着を着けようか。」

レイヴンがブレードを構えて、振り被った。

シャルロット「まだだよ!」

そのタイミングに合わせ、シャルロットも前へと瞬時加速。その手には、『灰色の鱗殻』。

それは、間違いなく必殺の間合い。

の筈だった。

打ち出された杭はレイヴンの腹部を紙一重の差で外す。
突き出されたその腕を掴み、そのまま一気に壁まで飛び、押さえつけた。

壁に押さえつけられたまま、首元に突き付けられるブレード。

レイヴン「良い試合だった。だが、勝負あり、だな。」

文字通り鼻先まで近付いたレイヴンが言う。

シャルロット「そう、だね。ははっ!やっぱりレイヴンは強いなぁ!」

きっとこの顔の熱さはブレードの熱だけではないだろう。
負けを認め、悔しさの中に清々しさも含ませ、頬を少しだけ赤く染めながらシャルロットは笑った。

セレン『勝負あり!勝者レイヴン!』

観覧席で湧き上がる歓声のなか、ゆっくりと2人は降り立った。

シャルロット「悔しいなぁ。結構自信あったんだけど。」

レイヴン「実際紙一重だった。シャルロットは十分強いさ。次にやる時は俺が負けるかもしれん。」

シャルロット「フフフ、ありがとう。それじゃあ、一旦控え室に戻るね。また後で。」

そう言ってシャルロットは控え室の扉へ向かっていった。その顔は晴れやかだった。
レイヴンもシャルロットとは逆側の控え室への扉を開けた。

一夏「よう。流石だな。」

そこには一夏が待機していた。

レイヴン「次は一夏の番だな。頑張れよ。」

一夏「ああ!」

互いにハイタッチをし、一夏がアリーナへと向かって行った。

レイヴン(さて、俺は観覧席にむかうか。)

アリーナ

一夏がアリーナ中央へと向かう。反対側からはエイ=プールが入ってきた。中央で向かい合う。

一夏「こうやって向かい合うのは始めてだっけ?」

エイ=プール「そうですね。良い試合にしましょう。」

一夏「そうだな。それじゃあ始めよう・・・!?な、なんだ!?」

2人が話していると、突然学園全体が揺れた。

エイ=プール「地震・・・じゃないですよね?」

さらに揺れる。それどころか爆発音も聞こえてきた。音の方を見ると観覧席の一部から煙が上がっていた。

一夏「なッ!?一体なんなんだ!?」

更にもう一度爆発音がした。それもすぐ近くである。振り向くと一夏、エイ=プールとは別の扉が砕け、煙をあげていた。そしてそこから1人の男が入ってくる。

リム・ファイアー「待っていた・・・貴様らと戦えるこの日を・・・!」

書き溜めはここまで。

だんだん登場人物が >>1 の想定を無視して動き始めた。どうしよう・・・。

一夏「何なんだあんた!?」

一夏がエイ=プールを庇うように前に出る。

リム・ファイアー「俺はISが憎い・・・。貴様らの存在を否定するために、あえて精神負荷を受け、力を手に入れたんだ!」

男が叫ぶと同時に、その体を鋼の装甲が覆った。
全身が完全に飲み込まれ一回り大きくなったその姿は、四本の足に二本の腕と言う人から離れた姿だった。

リム・ファイアー「すぐに終わらせてやる! すぐにな!」

両手を前へと突き出す。そしてその両手の先から大量の弾丸がばら撒かれた。

一夏「クッ、容赦無しかよ!」

一瞬でISを起動させ、エイ=プールを抱きかかえて急上昇をする。
2人が立っていた所に大量の弾痕と土煙が上がった。

エイ=プール(か、かかかか顔が近い!///)

レイヴン「爆発だと・・・?」

観覧席へと向かう途中の通路で学校が揺れ音が響き、レイヴンは足を止めた。同時に警報が校内に鳴り響く。

レイヴン「アリーナか?」

シャルロット「レイヴン!何、今の!?」

駆け出そうとしたレイヴンの後ろからシャルロットが走り寄ってきた。

レイヴン「わからん。何かトラブルだろうが・・・嫌な予感しかしないな。!?」

アリーナの方へと向かおうとするレイヴンの視線がフードをかぶった男を捉えた。その瞬間、全身が危機感を感じ取る。

レイヴン(なんだ・・・この感覚は!?)

レイヴン「・・・とりあえず避難だ。シャルロットは管制室の先生達のところに行ってくれ。」

そう言ってレイヴンが走り出した。

シャルロット「え、ちょ、ええ!?・・・ああ、もう!」

困惑しながらも、シャルロットはレイヴンとは逆の方へと走り出した。

慌ただしく走る生徒達とは逆の方向へとシャルロットが走る。

アリーナ観覧席への入口が見えた。その向こう側には管制室のへの階段がある。すでにほとんどの人が避難を終えたのか、周りには誰もいない。

そこへ向かう途中で突然曲がり角から腕を掴まれ、止められた。

真耶「デュノアさん、どこに行く気ですか!避難所は逆ですよ!」

シャルロット「あ、山田先!。一体何が起こってるんですか?」

真耶「正確にはわかりませんが、校内に爆破物が設置されているようです。今、他の先生方とボーデヴィッヒさんが解除に向かいました。さ、はやく避難しましょう!」

オールドキング「そうはいかないな。」

声の方へと振り返る。そこには不適に笑う男が立っていた。

オールドキング「思っていたより対応が速くてな。このままでは被害が少なすぎる。悪いが貴様らにはここで犠牲になってもらおう。そうでなければこれだけ派手にやった意味がない。」

笑いながらオールドキングがACを纏った。

真耶「・・・止むを得ませんね。デュノアさん、援護お願いできますか?」

何時に無く真剣な真耶が服の上から、IS『ラファール・リバイブ』を纏った。
シャルロットも無言で頷きISを展開する。

オールドキング「せっかくなんだ、刺激的に殺ろうぜ。」

フードの男が外へと出る。レイヴンもそれを追って外へと出た。
広場に出たところで男が足を止め振り返る。

身を隠す場所のない広場。レイヴンは堂々と正面に立った。

レイヴン「俺は面倒が嫌いなんだ、単刀直入に聞く。この騒ぎはお前の仕業なのか?」

レイヴンの質問に答えることなく、男は無言でフードを脱いだ。

レイヴン「!?」

皮膚が薄黄緑色に光り、無表情でこちらを向く男。

その男が右腕を伸ばす。全身が光り、ACを展開した。

レイヴン「IS・・・ではないな。問答は無用か?仕方ない。」

レイヴンもISを展開する。

睨み合う2人は、再度起こった爆発の音を合図に、全く同じタイミングで上空へと飛び上がった。

ー脳内推奨BGM イースⅥ MIGHTY OBSTACLEー

管制室

千冬「アリーナ外にも不明な反応が二つ?」

セレン「チッ、厄介な!」

セレンが機器を操作する。目の前には二つの映像が映し出された。

セレン「真耶とシャルロットか。真耶!何とか施設外へと誘導しろ!これ以上被害は出すな!」

真耶『了解です!』

通信を入れると同時にキーを叩いていく。緊急用の防御シャッターが次々と降りて行った。

千冬「外の機体は・・・レイヴンか。全く無茶をする。」

??????『そちらは私に任せてもらおう。』

千冬が部屋出ようとしたところで通信が入った。

セレン「なんだ貴様は?」

千冬「・・・いいだろう。頼んだ。」

セレン「なに・・・?どういうつもりだ。」

二つ返事を返した千冬にセレンが眉を顰める。

千冬「彼奴なら大丈夫だ。」

そう言ってカップに珈琲を注ぎ出した。

ミス。>>519 の前にこっち。

エイ=プール「ヴェーロノーク、準備出来ています。援護は任せてください!」

一夏から離れ、ISを展開したエイ=プールが大量にミサイルを発射した。

リム・ファイアー「無駄な足掻きだ!」

しかしミサイルは悉く撃ち落とされていく。

一夏「クソ、このままじゃあ!」

分厚い弾幕に中々近付けない一夏が舌打ちを鳴らす。すると、最後の一つの扉が蹴り開けられた。

ロイ「くっそ頑丈な扉だな。」

ウィンディー『追い、貴様。壊した扉の修理費は払えよ。』

ロイ「手厳しいな、おい。」

そこから1人の男がアリーナに入る。

リム・ファイアー「なんだ貴様は。邪魔をするなら貴様も殺す。」

ロイ「おいおい、物騒なおっさんだな。まあ、良い。相手になってやるよ。あんまり気は進まねえがな。」

そう言ってロイは専用AC『マイブリス』を展開した。

ロイ「おいガキども。危ないから下がってな。ってか邪魔だ。」

書き溜めはここまで。

>>1としては、このレイヴンはRLか4のイメージです。というより>>1のイメージ的にRLのレイヴン≒4の伝説的なレイヴンな感覚があるので。
まぁ、ご想像にお任せします。

さぁ、そろそろマジで収拾がつかなくなってくるぞー(棒



細かいことだが「LAST RAVEN」だからLRじゃね?

>>523

レイヴンが空を舞う。それを追う様に謎に男も飛ぶ。

レイヴン(機動力は五分五分か。)

EPを確認する。先の試合で消費しており、残りはあと6割もない。

レイヴン(PEGASUSは消耗が激しい。このまま・・・いけるか?)

内心焦りつつもライフルを的確に放つ。しかしそれは一つも当たるこのはなく、相手もこちらの様子を伺うように両手にしたライフルを放つ。

レイヴン(チッ・・・やりにくい・・・!)

互いに牽制し合いながら撃ち合う。そこでレイヴンに通信が入った。

セレン『聞こえるか?なんとか海面上まで誘い出せ。いけるな?』

レイヴン「面倒なことを・・・。」

愚痴をこぼしながらも海の方へと向かうレイヴン。それを警戒することなく後を追う相手に違和感を感じつつも海面が見えた。

レイヴン「あれは・・・船か?」

>>523 わかっていたのに間違えたorz
そして文字消えてたorz


船の甲板に2人の男が立つ。

オッツダルヴァ「行けるな?フラジール。」

CUBE「はい。その積りです。」

オッツダルヴァ「そいつは良かった。それじゃあ行こうか。」

2人の体が光り、ACを纏う。

エヴァンジェ『優先すべきは首輪付きだ。私もすぐに出る。奴は任せた。CUBEはオッツダルヴァの援護を頼む。』

CUBE「はい、隊長。」

オッツダルヴァ「いいだろう。精々気張る事だな。」

2機のACが同時に飛び出した。

オッツダルヴァ「首輪付きか。試験体ごときが。進化の現実ってやつを教えてやる。」

アリーナへの通路を3人の少女が走る。しかし途中の通路は防御シャッターがおりており、回り道をしていた。

鈴「あーもう!なんでここも閉まってんのよ!!」

曲がり角を曲がったところでまたシャッターが降りており、鈴が苛立ちながらシャッターを蹴る。

箒「落ち着け。もう回り道する時間もない。なんとか開けられないか?」

エクレール「こちらの制御装置を破壊すればその通路のロックが開くはずだ。」

鈴「こうなったらシャッター自体をぶった斬る!」

来た道の方を指差すエクレールを無視し、鈴がISを展開した。

??????「やめておけ。」

声がすると同時にシャッターが開く。その向こう側には1人の男が立っていた。

エヴァンジェ「アライアンス戦術部隊隊長エヴァンジェだ。悪いが、ここから先に行かす訳にはいかん。素直に来た道を・・・いや、もう遅いか。」

エヴァンジェが拳銃を引き抜き、躊躇なく引き金を引く。
箒の後ろにいた機体が火花を散らしながら動きを止めた。

箒「なッ!?」

鈴「これは・・・MT!?」

エヴァンジェ「私に続け。時間がない。」

そう言ってエヴァンジェが走り出し、火花を散らしているMTを蹴りとばして道を進む。

鈴「なんであんたの命令に従わなきゃなんないのよ。私は先に進むわ!」

エクレール「しかし、この先にもまだシェルターが・・・。」

鈴「関係ない、突き破るわ!」

エヴァンジェ「よせ!」

鈴の腕をエヴァンジェが・む。その腕は特殊な装甲で覆われていた。

鈴「!?これって・・・。」

エヴァンジェ「専用機持ちの代表候補生ならば己の成すべき事を理解しろ。ここ以外にも先のMTのような物がいるはずだ。それを優先して排除する。いいな。」

鈴「・・・わかったよ。」

渋々頷いた鈴がエヴァンジェに続いて走り出した。顔を見合わせた箒とエクレールも2人を追った。

主任「へぇ。アライアンス・・・独自で動くにしては随分と仕事が速いね。」

キャロル「どうします?主任。」

目の前の画面には2つの映像。一つは海の上を飛ぶ2機のAC。そしてもう一つは廊下を走る男と3人の少女。

主任「それじゃあ、いっちょ行きますか!」

膝を叩き、勢い良く主任が立ち上がる。それを見てキャロルは小さく溜息をついた。

キャロル「ではどうぞ。準備はできてます。」

主任「さっすがキャロりん!それじゃあ行ってきますかね。」

そう言って足取り軽く部屋を出た。

主任(盛り上がってきたねぇ。見せてもらおうか・・・人間の可能性をさぁ!!)

書き溜めはここまで。

唐突に安価
1 VS首輪付き(前半戦)
2 VSリム
3 VS古王

先に2票になったものをちょっと本気だしてすっごくガッツリ書く。他の二つは割とサッパリ。

首輪付きのベース機体ってやっぱりランスタンなんですかね?

それともアリーヤ?

>>533 ご想像にお任せします。そこはそれ程重要ではないので。


オッツダルヴァ「そこのIS、まだやれるのか?」

オッツダルヴァとCUBEが2機の間に割ってはいる。

レイヴン「・・・面倒は嫌いなんだ。だが、あれを放っておく訳にもいかない。」

オッツダルヴァ「フッ・・・まぁ、空気で構わんがな。」

小さく笑った後で表情を厳しくし、首輪付き呼ばれた男の機体に目を向ける。

オッツダルヴァ(しかし、財団か主任か・・・どちらの首輪がついているのやら。)

海面上で止まっていた首輪付きが水飛沫を巻き上げ、加速した。

オッツダルヴァが両手のライフルを。CUBEも背の四連装の機関砲で弾幕を張る。
しかし、首輪付きは怯むことなく直進した。放たれた弾丸はことごとく首輪付きに当たる。

が、それは総て球状のバリアで防がれて行く。

オッツダルヴァ「チッ、プライマルアーマーか。先ずはあれを削る。CUBE!」

CUBE「了解です。そのためのフラジールです。」

オッツダルヴァが首輪付きの左手側へ、CUBEが右手側へと挟むように開く。それと同時にレイヴンは後方へと距離をとった。

一瞬速度を落とした首輪付きにCUBEが大量の弾をばら撒いていく。首輪付きは細かくステップを踏むように軌道を動かし、少しでも躱せるように動く。

CUBE「速いですね・・・ですが、その程度の速度では。」

CUBEが速度を上げた。フラジールは高機動戦に特化した機体である。首輪付きの移動先を読んで弾幕を張り、動きを阻害する。しかし、首輪付きは止まらない。それどころかCUBEに向かってライフルを撃ってきた。
咄嗟に回避する。弾幕が止んだ。

そのタイミングを狙ったかのようにオッツダルヴァが首輪付きの懐に滑り込んだ。首輪付きがオッツダルヴァへと銃を向けようとするがそれより速く腕を狙って蹴り上げる。

右手の銃が手から離れ、海に沈む。蹴りの反動をそのままにもう一度回し蹴りを放った。首輪付きが左手のライフルを消し、両腕をクロスさせて蹴りを受け止める。だが勢いは殺せず、後方へと飛ばされた。

そこに続け様にオッツダルヴァは両腕をのライフルを連射する。プライマルアーマーが弾けて四散し、エネルギー弾と実弾が首輪付きを襲った。

装甲が砕け、僅かに血飛沫が上がる。表情が僅かにだが厳しくなった。首輪付きが両肩からミサイルを放つ。それは空中でそれぞれ四つに分裂し、オッツダルヴァを狙って加速する。だが、それはCUBEの放った弾幕が一つ残らず撃ち落とした。空中で煙が舞う。その煙の中から一発の銃弾が首輪付きを襲った。

距離をとったレイヴンが放ったスナイパーキャノンだ。それは首輪付きの左腕を撃ち抜いた。

緑色の飛沫が舞い散る。

撃たれた反動で一瞬仰け反った首輪付きだが、直ぐに態勢を立て直した。その目の前にはオッツダルヴァ。

額へと銃が突き付けられる。

躊躇なく引き金を引いた。

だが、撃ち出された弾丸は海面で爆ぜた。

首を傾け銃弾を躱し、身体を回転させた首輪付き。そのままオッツダルヴァの背後に周り、動く右腕で頭を掴み、海面へと叩きつけた。

オッツダルヴァ「!?チイィ・・・!」

掴まれた頭を無理矢理振り払い距離をとろうとする。しかし、その動きにピッタリ合わせて首輪付きが動いた。
互いの距離は変わらない。近すぎるが故に、銃は使えず、かといって徒手格闘には僅かに遠い。当然、援護は貰えない。

オッツダルヴァ「ならば!」

オッツダルヴァも両手のライフルを消し、急停止した。

一瞬遅れた首輪付きとの距離が僅かに近くなる。

オッツダルヴァが拳を繰り出す。頬を掠めた。
首輪付きが動かない左腕を肩から無理矢理振り回す。腰を落とし、振られた腕が頭を掠めた。

互いに繰り出される打撃を互いに紙一重で躱す。

オッツダルヴァ(ここまでとは・・・だが!)

首輪付きが繰り出した拳をオッツダルヴァが受け止めた。そしてその腕を両手でしっかり掴む。

レイヴン「もらった!!」

レイヴンが首輪付きを背後から斬りつけた。

ACの背部装甲が砕け、ブースターがスパークする。そして首輪付きの身体に緑の光が集中する。

オッツダルヴァ「!?離れろ!!」

オッツダルヴァの声に、レイヴンが高速で距離をとった。オッツダルヴァも首輪付きから離れる。

しかし、何も起こらなかった。

オッツダルヴァ「・・・限界か?」

注意深く様子を見る。殆ど表情を変えることがなかった首輪付きが目を見開く。

首輪付き「ーーーーーーーーー!!!!!」

言葉にならない叫び声をあげると同時にACが砕け散った。そして首に下げていたチョーカーを引き剥がす。

眩い光と共に首輪付きが別の機体に飲み込まれた。

アリーナ内

一夏「またISじゃない?何なんだよ一体!」

ロイ「細かい事は言いっこなしだぜ。逃げるのが嫌ならおとなしく俺の指示通り動け。死にたくはないだろ?」

一夏「クソ、何なんだよ!」

ウィンディー『落ち着け織斑。その男を援護しろ。エイ=プールもだ。』

一夏とエイ=プールに通信が入る。一夏が観覧席の方をみると、通信機をつけたウィンディーの姿が見えた。

エイ=プール「・・・了解しました。後で詳しく説明してください。」

ウィンディー『善処はする。織斑もいいな?』

一夏「あーもう!わかりました!」

ロイが手にしたデュアルハイレーザーの引き金を躊躇なく引く。
高出力のレーザーがリム・ファイアーを撃ち抜いた。
全身の装甲が火花を散らす。

リム・ファイアー「グッ!調子に乗るな!」

全身からミサイル、マシンガンと、大量に弾をばら撒きながら突っ込んでくる。

ロイ「おいおい、マジか。援護頼むぜお嬢ちゃん。」

ロイがガトリングを撃ちながら一夏達とは反対側に移動する。リム・ファイアーも当然ロイへと向かった。

エイ=プール「!今ならいけます!」

チャンスと見たエイ=プールがミサイルを放つ。背後の攻撃を躱せる筈もなく、大量のミサイルを受け、動きを止める。

リム・ファイアー「グッ・・・認めない! 貴様らの存在など認めないぞ!」

リム・ファイアーがチェーンガンを構える。

一夏「やらせるか!」

瞬時加速した一夏がチェーンガンを横から斬り裂いた。
その切っ先は『バレットライフ』の装甲をも斬り裂く。

ロイ「よし。これで終わりだ。」

フラつくリム・ファイアーに上から飛び付いたロイがハイレーザーを放った。

凄まじい閃光が走り、装甲が崩れて行く。

リム・ファイアー「死ねるか・・・! 死ぬわけには!」

装甲の隙間から姿を見たロイが顔をしかめた。

ロイ「・・・あばよ、酔っ払い。」

ACを解除し、手にした拳銃の引き金を引いた。一発の乾いた銃声。

わずかに緑に輝く光が舞ったように見えた。

一夏「こ、殺したのか!?」

ロイ「来るなよ、ガキども。それ以上近付いたら戻れなくなる。お前らはこっち側には来ちゃ駄目だ。」

エイ=プール「織斑君・・・。」

一夏「・・・ああ。」

弱々しく頷き、エイ=プールと一夏はゆっくりその場を離れて行った。

ロイ「胸糞悪りぃが、仕方ない。」

ウィンディー『・・・すまない。感謝する。』

ロイ「構わねぇよ。また珈琲でも奢ってくれや。」

ゆっくりと、残骸と化した『バレットライフ』から降りる。その時、アリーナの外の空が緑に輝くのが見えた。

ロイ「!?またコジマか!?クソが、空気読みやがれよ!」

施設内通路

オールドキング「フン・・・中々やるじゃないか。面白い。」

真耶(この人・・・強い!)

シャルロット(ふ、2人とも凄い・・・!でも、何とか援護しないと・・・!)

オールドキングが狭い通路を下がりながらショットガン、ライフルを使い分け、真耶とシャルロットの連携を崩す。

真耶はライフルと実体シールドを上手く使い、シャルロットへと弾が当たらないように、また、自分自身が標的となりやすいように動く。

シャルロットもライフルをでオールドキングを狙うが、それは悉く躱された。

シャルロット「クッ・・・でも、このまま行けば!」

オールドキングが下がった先の通路は既にシャッターが降りていた。咄嗟に隣りのドアを蹴り開け、部屋へと入る。しかし、そこは部屋ではなく、そのまま外へとつながる広い廊下だった。

オールドキング「っと。誘導されたか?やるじゃないか。!?」

外へ出た所で高速の弾丸がオールドキングを襲った。
反動を受け、思わず足を止めてしまう。

エヴァンジェ「そこまでだ、オールドキング。おとなしくするんだな。」

専用AC『オラクル』を纏ったエヴァンジェがライフルを向けていた。そこから離れた所には箒、鈴、エクレール。周辺には既に残骸となったMTが幾つも転がっていた。

オールドキング「フン・・・。」

オールドキングが全部装を一斉に展開した。あたりを弾幕が包む。ミサイルが炸裂し、放たれたショットガンがあたりの壁を削り、ライフルが弾痕を生む。

エヴァンジェ「無駄な足掻きを!!」

躱しきれなかった銃弾を装甲に受けながらも一気に距離を詰めたエヴァンジェが左腕のブレードを突き刺した。オールドキングの身体が浮く。

オールドキング「・・・ぐ・・・ハッ・・・!」

力無く微笑みながら通信を繋ぐ。

オールドキング「早すぎるが、まあ、仕方ない。殺しているんだ、殺されもするさ。」

引き抜かれたブレード。
そのまま地に膝を着ける。

オールドキング「すまねぇな相棒。どうやらここまでが俺の器らしい。良かったぜ・・・。お前とは・・・。」

そのまま空を眺める様に、オールドキングは倒れた。

真耶「な、なにも殺さなくても!」

顔を青白くして震えるシャルロットや箒を見た真耶がエヴァンジェに向かって声を上げた。
しかし、エヴァンジェは冷静に答える。

エヴァンジェ「死ぬよりはマシだろう。君はあの子らを連れて安全な所へ迎え。私はまだやるべきことがある。」

倒れたオールドキングを担ぎ上げ、飛び立ったエヴァンジェを真耶はただ複雑な表情で見送ることしかできなかった。

背中を斬られた首輪付き。咄嗟にアサルトアーマーを起動させようとする。

それを察したオッツダルヴァが咄嗟に離れた。それとほぼ同じタイミングで通信が入る。

オールドキング『早すぎるが、まあ、仕方ない。殺しているんだ、殺されもするさ。』

思考が停止した。アサルトアーマーも起動を停止する。

オールドキング『すまねぇな相棒。どうやらここまでが俺の器らしい。良かったぜ・・・。お前とは・・・。』

叫ぶ。その言葉に意味はない。感情も既にない。痛覚も、味覚も、何もない。だが、心が痛かった。
だから

すべてが憎かった。

すべてを壊そうと思った。

そして首にはめられていた『首輪』(リミッター)を引きちぎった。


全身を覆う装甲。
傷が強制的に塞がる。
全身に緑の光が走る。

研ぎ澄まされる感覚。

全身をまるで焼かれるような熱を受けながらも、その姿は完成される。

激しく光る緑の粒子が辺りを照らす。そこに現れた姿は、右腕には五つのガトリング。左腕には巨大な砲身。全身を黒い装甲に覆われた巨大な化物だった。

書き溜めはここまで。

IS組の影が薄い・・・なんとかしないと。

ー脳内推奨BGM AC4 Overtureー

無言で五連装のガトリングを向ける。

オッツダルヴァ「チッ・・・。こいつは・・・まずいか?」

CUBE「プランD、所謂ピンチですね。」

大量に展開される銃弾の嵐。レイヴンも含めた三人は三方向に跳び、躱す。



エヴァンジェ「!?これは・・・。」

オールドキングの遺体を降ろしたエヴァンジェが海上へと向かった。そして目に写った物に驚愕する。

エヴァンジェ「プロトタイプネクスト!?あんなもまで持ち出したというのか!」

ブーストしながら海上へと飛び出すエヴァンジェ。そこに通信が入る。

??『隊長、仲間はずれはよくないなぁ。オレも入れてくれないと。』

通信と同時にエヴァンジェの期待に警告音は鳴り響く。

エヴァンジェ「!?」

急速に身体をひねって避ける。躱された高出力のエネルギーが海面を蒸発させながら通り抜け、進行上にいたCUBEを掠めた。

CUBE「!?!?AMSから、光が逆流する・・・!ギャァァァァァッ!」

掠ったフラジールはそのまま空中で爆発、海中へと沈んで行った。

エヴァンジェ「主任!?貴様、何をする気だ!」

武器を構えて校舎の方を見る。そこには巨大な銃を構えた気体が立っていた。

主任「いやいや、ちょっとお手伝いをね!」




次回、更新する時はもっとまとめて沢山更新したいorz

エヴァンジェ「貴様、手伝いだと?」

苛立った声で主任へとライフルをむける。

エヴァンジェ「『誰』の手伝いの積りだ。標的はあれか?それとも私か。」

主任「そんなことはどうでもいいんだよ。さぁ、見せてみな、人間の可能性って奴をなぁ!」

主任が飛び出し、海面を滑る。両手にしたライフルを構え、エヴァンジェに狙いを定めた。

エヴァンジェ「・・・面白い。ならば私が相手をしよう!」

エヴァンジェも主任にむかい加速する。互いに放った銃弾が空中で弾けあった。

オッツダルヴァ「チッィ!このままでは・・・!」

オッツダルヴァが焦る。何とか弾幕を躱すが近づけない。

レイヴン「クソ・・・!」

レイヴンも同様に躱すが、やはり躱すだけで限定だった。



管制室内

セレン「このままでは不味いぞ。」

千冬「・・・。」

映像を見ながら焦るセレン。千冬も表情を厳しくする。

ラウラ『教官、聞こえますか?こちらラウラ・ボーデヴィッヒ。校内の爆発物は全て無力化することに成功しました。時間がかかってしまい、申し訳ありません。』

通信が入り、映像の端にラウラが映る。その後ろにはセシリアとリリウムもいた。

千冬「そうか、良くやった。」

ラウラ『いえ。それではレイヴンの援護に・・・。』

千冬「ダメだ。貴様らはそのまま待機。」

セシリア『な!?納得できません!外の状況はよくわかりませんが、レイヴンさんが危ないのではないのですか!?』

セシリアが割り込む。その表情は焦りと困惑、僅かな怒気を織り交ぜていた。

千冬「だからだ。レイヴンが苦戦する相手に貴様らが善戦出来るとは思えん。」

セシリア『それは・・・それでも・・・!!』

ラウラ『・・・我々三人掛かりでも・・・ですか?』

千冬「そうだ。」

ラウラ『クッ・・・。』

悔しがるラウラとセシリア。その後ろではリリウムが複雑な表情で空を仰いでいた。

校内通路

セレン『真耶、いけるか?』

真耶「大丈夫です。他の子等は保健室で一夏君らと合流させました。すぐに出ます!」

ISスーツに着替えた真耶が廊下を走る。グラウンドに出た所で同じくISスーツを着たウィンディとロイに出会った。思わず笑顔になって走り寄る。

真耶「ウィンディさん!」

ウィンディ「真耶か。他の生徒は?」

真耶「おそらくもう大丈夫な筈です。」

ロイ「ほう・・・。」

ウィンディ「貴様、なに惚けている。」

ロイ「は!?いやいや、濡れ衣だ!」

ウィンディに睨まれ、慌てて手を振るロイ。それと同時に空がまた緑に輝いた。

ウィンディ「チッ。急ぐぞ!」

ウィンディと真耶がISを。ロイがACを纏い、飛び上がった。

オッツダルヴァ(持久戦ならいけるか・・・?だが時間が・・・!?)

オッツダルヴァのブースターが小さな閃光と共に煙をあげる。

オッツダルヴァ「メインブースターがイカれただと?よりによって海上で・・・!」

速度が急激に落ちる。何とか相手の射程外へと飛ぶも、そのACにはもはや飛行能力はなかった。

オッツダルヴァ(・・・潮時か。止むを得んか・・・。)

オッツダルヴァ「クッ、ダメだ、飛べん!・・・馬鹿な、これが私の最後と言うか!」

そして「ステイシス」はそのまま海中へと沈んだ。

エヴァンジェ(時間切れか、オッツダルヴァ・・・。最悪のタイミングかもしれんが・・・。)

エヴァンジェ「どうする、主任。このまま続けるか?貴様らの目的は私だけではあるまい。」

放たれた高出力のエネルギーを同レベルの高出力ブレードで打ち消しながら銃を向ける。

主任「・・・しょーがないね。まずはあっちが先かな。」

主任が銃を下ろし、向きをレイヴン達の方へと変えた。

エヴァンジェ(・・・はったりだったが、効いたか。主任め、何を考えているのか・・・。)

エヴァンジェは小さく息を吐き、すぐに表情を引き締めて未だ戦う二機へと向かって飛び立つ。
それと並走するように主任も海上を滑走した。

セレン『限界か、それ以上近付くな!退避しろ!』

オッツダルヴァが沈み、セレンがレイヴンに指示を出す。

レイヴン「だが、引けば追ってくる。奴を陸上に上げる訳にはいかない!」

レイヴンの視界に自身のISのデータが表示される。EPはすでに残り三割をきった。

レイヴン(やれるか・・・?いや、やって見せる!)

自身のISを操作する。警告音が鳴り響く。当然それは管制室のセレンにも届いた。セレンが目を見開く。

セレン『貴様、本気か!?』

「ストレイド」が輝く。それと同時にEPの表示が最大になり、減らなくなった。

セレン『リミッターの解除は諸刃の剣だ。こちら側の表示では、タイムリミットは1分30秒!それを過ぎれば、最悪死ぬぞ!』

レイヴン「なにもしなければ結局死ぬ。ならその1分に賭ける!」

レイヴンがあり得ない軌道で弾幕を躱し、レーザーライフル、ハンドガン、そして肩のスナイパーキャノンを同時に放つ。

しかし、着弾する瞬間に首輪付きの機体が姿を消した。一瞬でレイヴンの背後に回り込んだのである。その速度はまさに瞬間移動したかのように。

それをレイヴンが振り向き様にブレードで斬り裂いた。
切断されたガトリングが海中へと沈む。

怯むことなく首輪付きが蹴りを放つ。
重量級の蹴りを受けたレイヴンはまるで石ころのように吹き飛んだ。
空中で体制を直しながら両手にマシンガンを装備し、弾幕を張る。

それを物ともせず、レーザーライフルを撃つ首輪付き。
それを紙一重で躱すレイヴン。

レイヴン(辛うじてやりあえる・・・だが、この感覚はなんだ・・・?いや、今は気にしている余裕はない!)

感覚が研ぎ澄まされて行く。光弾が、水飛沫が、相手の動きが、すべてゆっくりに感じる。

首輪付きの巨大な砲身が緑色に輝き出す。だがそれより早く、最大チャージされたレイヴンのハンドレールガン、YWH16HR-PYTHONが眩い閃光を放ち、飛び散った海水を一瞬で蒸発させながら首輪付きを撃ち抜いた。

わずか1分のはずが、5分にも10分にも感じられた。奇妙な感覚の中、喧騒が遠ざかる。

止まない警告音の中で、レイヴンが足を止めた。「ストレイド」は全身から白い煙をあげていた。

完全に動きを止めた首輪付きにゆっくりに近付く。

装甲が砕け、赤い液体と緑の液体が海水へと混じり溶けて行く。

レイヴン「あなたは一体何者なんだ?」

レイヴンの問いかけに答える様に装甲が弾け、操縦者である首輪付きが姿を見せた。その姿は全身傷だらけで、身体の各部が淡く緑に輝いている。

そして、彼は、緑の涙を流し、小さく微笑み、口を開く。

しかし、その口は何も語らなかった。語れなかった。

そして一発の銃声が響く。

レイヴン「!?」

力なく崩れ落ちる首輪付き。レイヴンが振り向いた先にいたのは青い鉄人。

エヴァンジェ「主任!貴様ぁ!!」

エヴァンジェがブレードを構えて斬りかかる。不快な笑い声を上げながら主任も銃を向ける。

レイヴンが再度視線を戻すと、不明機が緑色に輝き出した。

セレン『離れろ!急げ!!」

咄嗟に大きく後ろへ飛ぶ。警告音が止んだ。

レイヴン「起動限界!?」

爆風に巻き込まれたレイヴンが意識を失う瞬間に見たのは、焦った表情のウィンディと泣きそうな顔の真耶が必死に手を伸ばす姿だった。

書きダメはここまで。

安価
下1、下2
レイヴンが病院で目を覚ましたとき、居た人。
『今まで登場した名あり人物』すべての中から1人ずつ。
ただし、死亡者及び行方不明者は不可。

味方っぽくないやつでもいいのか?
とりあえずセレンさんで

>>560 大丈夫だ。問題ない。

安価下1でもう1人。

レイヴンが意識を戻し、ゆっくり目を開ける。
窓からは眩しく輝く太陽が見えた。

レイヴン(生きてる・・・。あれは朝日か、夕日か・・・。)

そんな事を考えながら体を動かそうとする。全身の筋肉が固く軋む感覚がした。

セレン「目が覚めたか。」

首を横に向けると、セレンが手足を組んで座っていた。

セレン「どこまで覚えている?」

レイヴン「起動限界で爆発に巻き込まれたところまで。」

セレン「その後、山田先生とファンション先生に回収されたお前はすぐに病院に運ばれた。丸一日寝込み、もうすぐ2日目の日がくれる。」

レイヴン「被害は?」

セレン「学園内の施設に影響が出た。また、個人戦を見にきていた来賓に少数だが、死傷者が出ている。」

レイヴン「・・・。」

セレン「あまり背負い込むなよ。あの状況だ、お前にできなければ、誰にもできなかったんだ。」

表情を暗くするレイヴンにセレンが優しく声をかけた。

セレン「あの戦いの中で、よく生き残った。それだけで十分なのだからな。」

セレンが微笑んだ。
その笑顔はレイヴンは思わず見惚れるほど優しかった。

レイヴン「それで、あの後はどうなったんですか?」

セレン「・・・学園はしばらく臨時で休みとなった。少し早い秋休みと言ったところか。」

セレンが一枚の紙を見せる。その紙には施設の復旧で一週間学園を閉鎖するという旨が書かれていた。

セレン「残っていた機体は海上で戦闘を継続。あの不快な声の機体が撤退して終わった。」

そう言ってセレンが立ち上がる。

セレン「詳しいことはまた今度だ。今はゆっくり休め。また明日、見舞いに来る。私ではないがな。」

セレンは部屋を出て、静かに扉を占める。

セレン(しかし、あの時のレイヴンの動き・・・普通じゃなかった・・・。いや、今はよそう。)

怪訝な顔をしながら、セレンが病院を出た。

翌日、朝から真耶がレイヴンの病室を訪れた。点滴を付けてはいたが、ベットから立ち上がっているレイヴンを見て、涙を浮かべながら微笑んだあとに、レイヴンを叱った。

真耶「まだ立ち歩いちゃダメですよ!すっごく心配したんですからね!」

腕を激しく上下に振る姿を見て、子供っぽく感じながらもレイヴンは言われたとおりベッドに腰掛ける。

真耶「ヘイズ先生から聞いたとは思いますが、学園はしばらくお休みです。あ、レイヴン君は明後日には退院できるそうですよ。大した事なくて本当に良かったですね。」

笑顔で話す真耶だが、表情は暗い。少し妙に感じた。

レイヴン「何かあったんですか?」

レイヴンの質問に、真耶がさらに表情を暗くした。

真耶「・・・今回の事で、学園を退学する子が何人か出たんです。それだけじゃなく、あっちこっちからISに対して批判的な声が・・・。」

俯きながら話す真耶の目には僅かに涙が滲んでいた。

一通り事務的な話をした真耶が部屋を出た。帰り際の表情はいつも通りだった事に、レイヴンは少しだけ安心できた。

部屋に残ったレイヴンはベットに座りながら1人で考える。

レイヴン(あの首輪付きと呼ばれていた人・・・そして主任と呼ばれていた男・・・。)

考えようにも情報が足りない。だがそれ以上に気になる事。

レイヴン(目の前で人が死んだ・・・。なのに、何とも思わなかった・・・。)

それに加え、リミッターを解除してからの自身の動き。

周りの時間が遅く感じる。相手の一瞬先の動きが見える。瞬時に最適な動きがわかる。

レイヴン(俺は・・・一体なんなんだ・・・?)

某所

テルミドール「首輪付きは散り、ステイシスは海中に没し、オッツダルヴァは生死不明、か。やりすぎだな、ジャック・O。」

ジャック「まったく手間をかけさせる。」

テルミドール「すまんな。完璧主義者なんだ。」

メルツェル「予想より被害は出なかった。オールドキングのおかげで、1つ片付いたのは良い方向に転がったな。・・・不服か?篠ノ之束。」

メルツェルが手にしていた紅茶を静かに机に置きながら、束に声をかける。
束は窓際に座って不機嫌に操作していたパソコンの手を止めた。

束「うるさいなぁ。あんまりふざけた事言ってるとAMS暴走させるよ。」

テルミドール「織斑一夏と篠ノ之箒は無事だったんだ。それで良しとしてくれ。」

宥められ、不機嫌な表情のまま束はパソコンに目を戻した。

ライウン「これで、最大の問題は片付いた。後はタイミングか。」

テルミドール「そのことだが、少し待てないか?」

テルミドールの一言に視線が一斉に集中する。

ジュリアス「どういうつもりだ?」

ジャック「あの少年か。」

テルミドール「ああ。もしかすれば、切り札となり得るかもしれない。」

ライウン「ジナイーダだけでは足りんか?」

テルミドール「試す価値くらいはあるだろう。」

メルツェル「まさか・・・ドミナントとでも言うのか。」

テルミドール「可能性は、ある。」

某所

エヴァンジェ「報告は以上だ。」

フォグシャドウ「そうか・・・オッツダルヴァに、CUBEも・・・。」

ベルリオーズ「良い戦士だった・・・。」

セロ「ハッ、存外そんなものか。」

フォグシャドウ「貴様!」

2人を死を鼻で笑ったセロにフォグシャドウが掴みかかった。その手をエヴァンジェが止める。

エヴァンジェ「よせ。また謹慎になるぞ。」

フォグシャドウ「・・・クソッ。」

セロ「大袈裟なんだよみんな。」

ジャウザー「何にせよ、彼らを許すわけには行きません。」

ジェラルド「だが、主任の乱入、首輪付きの暴走。一体何を考えているんだ。」

エヴァンジェ「わからん。だが、我々は軍人だ、上の命令に従うだけだ。」

エヴァンジェ(今は、それしかできん。)

書き溜めはここまで。

某所 ドイツ軍基地 情報管理室

深夜、暗い一室の中で機器を操作する。表示された情報を片目で確認しては、またすぐに違う情報を検索、調べていく。

クラリッサ(・・・やはり、内部、外部のどちらからもデータを改竄した形跡がある。)

ラウラから手を引くように言われた後も、自身の権限で許された範囲内で情報収集を続けていたクラリッサ。
だが、今回の学園襲撃の話をきき、深夜に独断で情報室へと忍び込んでいた。自身の権限外の情報をハッキングするためだ。

クラリッサ(ジュリアス・エメリーに関しては外部から。だが、アクセス先の特定は不可能・・・か。なぜ彼女のデータを消す必要が?)

??「こそこそ嗅ぎまわってるらしいね。黒兎としての名声が泣くよ、クラリッサ・ハルフォーフ。」

不意に声をかけられ、咄嗟に立ち上がりホルスターから抜いた拳銃を構える。だが同時に、内心激しく動揺し焦った。

時間外に情報室へと侵入。自身の権限外のアクセス。批は確実に自分側にある。だが、すぐに冷静さを取り戻せた。

目の前に立つ男は軍服を着ていない。薄暗くてハッキリはしないが、若そうな顔で笑顔を向けていた。

クラリッサ「・・・何者ですかあなたは。軍部の人間ではないですね。」

??「まあ、そうだね。それで、どうする積もりだい?」

クラリッサ「身柄を拘束します。」

拳銃は向けたまま、右手で機器を操作、アクセス履歴を消す。

??「できるかな?」

男がポケットから小さな銃を出す。それと同時にクラリッサが引き金を連続で引いた。

小さな二つの発射音。二発の銃弾が男が手にした銃と右足に届く。
そして二つの『金属音』が響く。

クラリッサ「!?」

銃は落とした。だが、撃たれた筈の足は微動だにしなかった。

??「これは驚いた。予想以上だ。でも、まだ想定外ではない。」

クラリッサ「あなた・・・ただの人間ではないな?」

??「人間だよ、昔はね。」

気配が変わる。クラリッサの全身を貫くような感覚。咄嗟に天井を撃った。同時に警報が鳴り響く。

??「・・・これは参ったね。退散させてもらうよ。」

男がゆっくり歩き、窓を開けて飛び降りた。慌てて駆け寄り警戒しながら覗き込むが、そこには既に誰もいなかった。

クラリッサ「・・・。」

拳銃をしまう。それと動じに銃を持った軍人が数名、部屋へと入ってきた。

軍人「!ハルフォーフ大尉!?」

クラリッサ「すまない、侵入者が居たのだが、取り逃がしてしまった。すぐに周辺への警戒を。」

軍人「ハッ!」


だが、結局侵入者が捉えられる事はなかった。

少ないけど書き溜めはここまで。

安価下1と下2

1織斑千冬
2篠ノ之箒
3アマジーグ
4ジュリアス・エメリー

この中から1人ずつ。かぶったら下へ。

某所・旧軍事施設内部

ジュリアス・エメリー が周囲を警戒しながら歩く。足元には埃が溜まっており、クッキリと足跡を残してしまっていた。

ジュリアス(おかしい・・・。電源は生きている。だが、人が出入りした形跡が全くない。)

拳銃を手に、タッチパネルを操作し、扉を開いた。

ジュリアス(軽い偵察のつもりだったが、もう少し奥まで行くか。)

周囲への警戒を更に強めながら進む。しばらくすると部分展開していた頭部が反応した。

ジュリアス(!熱反応・・・。この先か。)

壁に背を当てながら扉を開いた。そっと中を覗く。

??・???『ずいぶんと調子よさそうだねぇ。・・・だまされたとも知らずに』

まるであざ笑うかのような声が館内に響いた。

ジュリアス「・・・成る程。なら、せめて姿を表したらどうだ?臆病者が。」

挑発するようにジュリアスが拳銃をしまいながら通路に出た。

??・???「・・・ッ!ば、バカにして・・・!」

広い通路の反対側の扉が開き、ACを展開した男がライフルを構えた。

モリ・カドル「この機体で負けるはずがないんだ・・・やってやる!」

ライフルの引き金を引くと同時にジュリアスが跳ねた。

モリ・カドル「くそっ、くそっ!」

続けてライフルを連射するが、それは全て躱される。ジュリアスはまだISを脚部にしか展開していない。

ジュリアス「折角の機体を扱いきれていない。話にならんな。」

そのまま距離を詰め、ハイレーザーライフルを抜く。

モリ・カドル「そんなはず・・・。」

懐に入ったジュリアスがそのままライフルを突きつけた。

ジュリアス「!?」
モリ・カドル「!?」

その引き金を引く前に、『ピンチ・ベック』のコアが輝き、爆ぜた。

その規模は通路全てを炎と衝撃で埋め尽くす。
壁がひび割れ、扉が吹き飛び、天井が崩れた。

?「この程度で終わりではあるまい?」

崩れた天井から男が通路を覗き込む。

粉塵の中から瓦礫を吹き飛ばしながら『アステリズム』が飛び出した。そこは広いアリーナのような場所だった。

ジュリアス「・・・やられたよ。」

降り立ったジュリアスが膝を付く。額と左腕から血を流し、地面に血痕を作る。

ジュリアス「貴様・・・何者だ?」

?「俺が何者かはどうでも良いだろう。お前はここで終わりだ。」

男がスッと右手を上げる。
四方の扉が開き、そこから無人機が姿を表した。

ジュリアス「UNAC・・・。まさかもう投入されていたのか。」

?「俺は手段を選ぶ気はない。これが使命だからな。 」

ジュリアス「・・・すまんな皆。最早共に成就は叶わん。」

男が手をジュリアスに向けて下ろす。

四方からの弾幕がアリーナを埋め尽くした。

千冬が街中を歩く。休日に日用品を買いに出ていた。

千冬(面倒だが、仕方ない。)

昔は一夏に全てを任せていた。軍人時代は支給品だけで事足りた。だが、学園の教師になってからはこうやって出かけることも多い。

千冬(・・・やれやれ、レイヴンではないが、私も面倒事はごめんなんだが。)

あえてひと気の少ない所へと足を向ける。二十分ほど歩を進め、たどり着いたのは街から離れた古いビルの小さな通りだった。

千冬「出て来い。わざわざ足を運んでやったんだ。」

足を止め、振り返る。ビルの影から一人の男は姿を見せた。

?「その態度・・・気に入らんな。」

千冬「それはお互い様だ。まぁ、良い。なんの様だ。」

?「お前で28人目 。
恐れるな、死ぬ時間が来ただけだ。」

言うと同時に男の全身を機体が覆い、ブレードで斬りかかってきた。

書き溜めはここまで。

原作のジュリアス・エメリーはもっと出番があっても良かったと思う。味方で共闘したかった。

ー脳内推奨BGM 空の境界 M12+13ー

振り下ろされるブレードを掻い潜り、地面を転がる千冬。立ち上がる反動を利用して大きく後ろへ飛んだ。千冬が転がっていた地面が散弾で砕け飛び散る。

立ち上がった千冬が、転がった時に手にしていた石を放り投げた。
撃ち出されていたロケット砲弾と空中でぶつかり、爆炎を起こす。

?「チッ・・・。」

爆炎をブレードで振り払う。
煙が晴れた時、半開きになったビルの扉から階段を駆け上がる音が漏れていた。

?「候補者は抹消する。」

千冬が階段を文字通り跳び駆け上がる。不幸中の幸いだったのは、いつものスーツではなく、私服のズボンだった事か。

千冬(人の様な感情の起伏が感じられん・・・AIか?その割には流暢にじゃべる。)

三階に来た所で扉を蹴り開け部屋へと入った。何もない広い部屋だった。おそらく会議室か何かだったのであろう。
中を確認し、別の扉へと向かおうとした所で壁を砕き、先ほどの機体が部屋へと突っ込んできた。

破片を撒き散らしながらブレードでなぎ払う。千冬も手持ちの短いブレード『CR-WL88LB3』を出して唾競り合った。
しかし、ACを展開した謎の人物に対して生身の千冬。重量の差で吹き飛ばされてしまう。
空中で態勢を立て直して壁に着地、そのまま直ぐに壁を蹴って横に飛ぶ。
今度は高速で撃ち出された電磁弾が壁を焼いた。

千冬「あまり他所様のビルで派手に暴れるな。」

部屋の外に出た千冬が今度はビルの外側に備えられた階段を駆け上がる。そのすぐ隣をACが飛ぶ。

?「逃がさん。貴様はここで終わりだ。」

千冬「いや、終わるのは貴様だ。」

階段から飛ぶ。そしてISを展開した。全身を包む純白のアーマー。羽のような二対のブースターが点火し、そこまま相手へ組みついた。そのまま上昇する。

?「ッ!?」

千冬「この高さなら周りに被害は出ん。色々聞きたいことがある。話してもらうぞ、力付くでな。」

二機が離れた。瞬間、千冬の手に握られていた打鉄の刀が唸る。

?「なッ!?」

両腕が肘の部分から綺麗に切断される。両腕から火花を散らせながらも肩部のロケット砲を向けるが、それより早く刀が突き刺さった。そのまま首を掴み、抜いた刃を喉元に突きつける。

千冬「さぁ、大人しく答えてもらうぞ。貴様は何者で、誰の差し金だ。そして、何故私を狙った?」

?「・・・一つずつにしろ。最も、答える気はない。ただ一つ言えることは・・・イレギュラーである貴様はこれからも狙われ続けると言うことだけだ。」

千冬「そうか。ならば、消えろ。」

千冬のISに光が収束する。そのまま空中で光の花が咲いた。

破片と噴煙の中からゆっくり降り立つ千冬。

千冬「ふぅ・・・。しかし・・・あれと同レベルの物がこれからも来るのなら、少々骨が折れるな。」

ISを解除し、軽く服を叩いてから街の方角へと戻っていった。

レイヴンが退院し、学校へと戻ってきた。まだ学校は休みなため、校舎の中には入れない。
とりあえず寮へと足を向ける途中で見知った姿が見えた。

レイヴン「セシリアか。1人なのは珍しいな。」

声をかけられたセシリアがハッとしてレイヴンへと歩み寄る。

セシリア「無事退院なされたのですね。安心いたしましたわ。」

そう言って微笑む。セシリアの話では、レイヴンがどこの病院で、いつ退院するかは一切知らされていなかったらしい。

嬉しそうにレイヴンと話す。だが、わずかな違和感。

レイヴン「何かあったのか?」

セシリア「・・・レイヴンさんには隠せませんわね。」

セシリアの表情が曇った。

セシリア「リリウムが学園を退学、今朝イギリスへと帰国してしまいました・・・。」

レイヴン「・・・そうか。その見送りの帰りなのか。」

セシリア「はい・・・。ほかにも退学された方が。」

セシリアが名前をあげる。同じクラスメイトの名前以外にも数名上がった。

レイヴン「そんなにか・・・。」

セシリア「ISへの風当たりが悪くなっていますから・・・仕方のない事ですわ。最近ではEGFと呼ばれる方々が何やら声を上げてるそうですし。」

レイヴン「面倒な事にならなければいいんだけどな・・・。」

小さく溜息を吐いたレイヴンはセシリアと共に寮へと入った。

寮内が歓声に包まれたのは言うまでもない。

書き溜めはここまで。
新年もこんな感じですが、よろしくお願いします。

今までより学校全体が少し暗い雰囲気を出しながらも、日常は動く。通常授業も始まり、数日過ぎた。

真耶「それじゃあ、今日はここまでー。宿題はこのページの大問の8。公式に当てはめるだけだから簡単ですね。」

真耶がいうと同時にチャイムがなる。レイヴンが号令をかけるのに合わせ、生徒が一礼し挨拶をする。

真耶「今日は特に連絡事項もありませんので、ホームルームはありません。あ、レイヴン君と織斑君と篠ノ之さんはこの後、IS整備室へと来て下さい。」

そう言って真耶が教室をでた。

首を傾げながらレイヴンの席に一夏と箒がよってくる。

一夏「俺たちだけか?」

箒「何か心当たりはないか?」

レイヴン「さぁな。俺と一夏だけならわかるが、箒が呼ばれる理由がわからないな。」

シャルロット「専用機持ちって訳でもなさそうだよね。」

シャルロット、セシリア、ラウラもよってきた。やはり3人も首を傾げている。

セシリア「クラスや学校での何かなら、補佐である私が呼ばれる筈ですし・・・何か三人に共通点・・・。」

ラウラ「まあ、行けばわかるだろう。一緒に行こうじゃないか。」

レイヴン「・・・ついて来るのか。」

ラウラ「 当然だ。『呼ばれたもの以外は来るな』とは言われていないだろう?」

一夏「そりゃそうだ。それじゃあ行くか。」

レイヴン(それでいいのか?)

結局一夏を先頭に、皆で向かうことになった。

IS整備室

扉には使用中の札がかけられている。一夏がノックをすると、中か千冬の声がした。

千冬「入れ。」

一夏「失礼します。」

扉を開く。そこには千冬とセレンが立っていた。
一夏、レイヴン、箒と見たあとに、後ろの3人を見て軽く頭を抱え、小さくため息をついた。

千冬「なんだ、ぞろぞろと。貴様らはカルガモか何かか。」

セレン「悪いが、呼ばれた三人以外は外で待て。」

笑いそうになりながらセレンが言う。渋々セシリア、シャルロット、ラウラは外へとでた。

レイヴン「それで、どのような要件で?」

千冬に座るように促されて椅子に座りながらレイヴンが尋ねた。

千冬「まずはこれを見て欲しい。」

千冬が差し出した数枚の写真。映像が乱れてハッキリしないが、謎のISと思われる姿があった。

箒「これは・・・何ですか?」

セレン「ここ最近、目撃されている所属不明機だ。」

千冬「先日、私も襲撃を受けた。」

一夏・レイヴン・箒「「「!?」」」

突然の発言に驚く3人。

一夏「千冬姉!だ、大丈夫だったのか!?」

千冬「織斑先生と呼べ。私を誰だと思っている。」

心配する一夏に笑って見せる。だが、すぐに表情を厳しい物に変えた。

千冬「何者かはわからん。だが、そいつは私を『イレギュラー』と言った。」

レイヴン「『イレギュラー』・・・。規格外、ですか?」

セレン「ああ。お前たち2人はそのままの意味で該当する。つまり。」

レイヴン「襲撃される恐れがある・・・と。」

無言でセレンが頷いた。続けて箒を見る。

セレン「そして、篠ノ之束の妹であるお前も、襲撃される可能性があるというわけだ。」

セレンに言われ、箒が思わずゴクリとツバを飲む。

千冬「そういう訳で、これからしばらくお前たち3人は、単独行動及び校外への外出を禁止する。校内でも可能な限り複数人で行動するようにしろ。いいな。」

一夏・レイヴン・箒「「「はい。」」」

セレン「話は終わりだ。退室して良いぞ。」

セレンに言われ、頭を下げた3人は部屋を出た。

セレン「それで、これはどうするんだ?」

セレンが机に冊子を放り投げながら千冬を見る。

千冬「私がでるさ。」

その冊子には
『依頼:所属不明部隊撃破
クライアント:アライアンス戦術部隊隊長 エヴァンジェ』

と書かれていた。

千冬(それに、力を貸すと約束したからな・・・。)

書きダメが少ないけどここまで。

安価下1〜2
恐らく最後になるであろう日常パート。
誰(複数可)が何をするか。
ただし、エログロは無しで。
無ければ普通に続きます。

乙!
「安価ならレイブンが気になる女性キャラと一緒に外出する」で。
もちろんデートじゃなくてもOK

>>595
レイブン『が』、気になる(気にしている)女性キャラ。


セレン「・・・馬鹿かお前は。」

レイヴン「そう言われると思ってました・・・。」

千冬、セレンに警告された翌日、早速レイヴンがセレンに相談していた。

セレン「昨日話した通り、外出許可はだせん。」

レイヴン「しかし、このままでは冬の服がありません。」

セレン「まぁ・・・一年目にいきなりこんなゴタゴタに巻き混まれるとは思わんだろうな。」

セレンが頭を抱える。相談の内容。それは外出許可だった。季節が秋になり、肌寒くなってくる。
レイヴンは私服を買う為に街へ出ようといいのだ。

セレン「春と夏用しかないんだな?」

レイヴン「季節が近くなってから用意するつもりだったので。」

セレン「・・・仕方が無い。だが、単独での外出はダメだ。誰かと共に行動するなら許可を出そう。ただし、織斑、篠ノ之以外だ。」

レイヴンが腕を組みながら廊下を歩く。

レイヴン(・・・誰かを誘えと。と言っても、誰に声をかけたものか・・・。)

パッと思い浮かぶ者は何人かいる。

レイヴン(面倒な事になったな・・・。)

教室に入る。既に放課後だが、何人かの生徒が談笑をしていた。

レイヴン(・・・そうだな。)

教室に残っていた1人に近付く。

レイヴン「セシリア、ちょっと頼みたい事があるんだが良いか?」

セシリア「あ、はい。なんでしょう?」

裏でこっそりとってた好感度が役に立つ日が来るとは思ってなかった。

実は現在好感度が1位はセレンさん。

レイヴン「あー・・・どこから話すか・・・。」

自身が狙われているかもしれない事は、話すべきではない。少し悩んだ結果、特に理由を着けることなく要件を述べる。

レイヴン「次の土曜日、時間はあるか?」

一同「「「!?!?!?」」」

セシリア「・・・・・・。」

僅かな沈黙。

セシリア「!!」

ハッとしたセシリアの顔がみるみる紅く染まり始めた。

セシリア「そそそそっそっれはもしや、デッ、デートのおさs。」

レイヴン「いや、そういう訳ではない。」

セシリア「・・・・・・あ・・・そうですの。」シュン

あからさまにテンションを下げたセシリア。しかし、笑顔でレイヴンに向き直る。

セシリア「それでは、どの様な要件でしょう?」

レイヴン「実は、冬用の私服を全く持っていなくてな。もし都合が悪くなければ、買い物に付き合って欲しいんだが。」

セシリア「まぁ、そうでしたの。それでしたら大丈夫です。お付き合いいたしますわ。」

笑顔で答えたセシリアを見て、内心でホッとした。

レイヴン「急に悪かったな。ありがとう。」

礼を言ってレイヴンが教室を出た。同時にセシリアの周りに一気に人が集まる。

モブ1「やったじゃんセシリア!」

モブ2「デートじゃないって言っても、2人で買い物とか完全にデートじゃん!」

セシリア「・・・・・・!た、確かに!!」

モブ3「爆発すればいいのに。」

セシリア(わ、私が・・・レイヴンさんと・・・デ、デート!?)///

そして土曜日。粧し込んだセシリアが寮の入り口でそわそわしながら待つ。そこにレイヴンがやってきた。

レイヴン「早いな。待たせてしなってすまない。」

セシリア「いえ、私も先ほど来たばかりですわ。」

笑顔で答えるセシリア。だが、その表情が笑顔のまま氷った。

セレン「よし、それじゃあ行くぞ。車はすぐそこの駐車場だ。」

私服のセレンが親指で駐車場を指す。

セシリア「・・・これはどういう事でしょうか?」

レイヴン「ヘイズ先生もちょうど出るらしくって、一緒に車を出してくれるそうだ。」

セシリア「そ・・・そうでしたの・・・。」

レイヴン「だからデートじゃないと言っただろう?」

セレン「フフフ、残念だったな。」

後ろの席にレイヴンとセシリアが座ったのを確認し、エンジンをかける。

セレン「それで、近くの百貨店で良いんだな?」

サイドミラーに映る悔しそいにしているシャルロットとラウラを見えなかったふりをしながら車を発車させるセレン。

レイヴン「はい、お願いします。」

セシリア「それで、レイヴンさんはどのような物をお求めなのでしょう?」

レイヴン「考えてないな。予算もあまり無いから、適当に見てから決めようと思ってる。」

20分程走った所で、大きな百貨店に着いた。駐車場に車を止め、店内に入る。

セレン「それじゃあ、私は私で用がある。そっちの買い物よりは早いと思うから、そっちの用が終わったら連絡をくれ。」

軽く手を振って離れて行くセレン。

レイヴン「さて、それじゃあ行こうか。」

セシリア「はい!(ふ、二人っきり!これはまさしくデートですわ!!)」

しばらくして。

セレン(殺気は無い・・か。流石にこんな人混みでは事は起こさんだろう。)

必要な雑貨を買い終え、店内の中でも人気の無い、端の方にある階段へと向かう。
ベンチの腰をおろし、手にしていた缶コーヒーを開けた。

セレン「さぁ、ここなら人目につかん。姿を見せても良いんじゃないか?」

?「あのピンクのISにはもう乗らんのか。霞スミカ。」

1人の男がセレンの隣のベンチに座った。それを見て目を見開き、少しの嬉しさ、悲しさ、そして怒りを織り交ぜた複雑な表情をする。

セレン「・・・今はもう選手じゃないさ。そういう貴方はまだ傭兵をしているのだろう?」

?「それしかできない。」

咥えた煙草に火を付ける。空いた方の手で小さな端末装置を手渡す。

?「ここで出会えたのは運が良かった。恐らく近いうちに必要になる。」

無言で受け取るセレン。

?「すまない。あとは・・・頼んだ。」

そう言ってタバコを灰皿に突っ込み、男は去って行った。

セレン「馬鹿野郎が・・・。」

大きな溜息を吐いた後に、残りのコーヒーを一気に飲み干し、立ち上がった。

書きためはここまで。

次回、平和(?)なデート回(!?)

紳士服売り場に着いたレイヴンとセシリア。

セシリア「どのような物にするかはもうお決まりなのでしょうか?」

レイヴン「いや、まだだ。予算はそれなりにあるが、上下それぞれ3着程あればとりあえずは何とかなるか?」

レイヴンが掛けてある服を適当に手にとって見る。

セシリア「それでしたら、是非私にコーディネートさせてくださいまし!」

ずいっとセシリアが身を乗り出す。レイヴンは思わず一歩引いてしまいそうになりながら、考えた。

レイヴン(まあ、そんなに高い物にはならんだろう。・・・ならないよな?)

レイヴン「それじゃあ頼むよ。休日に私服で着れそうな物で頼むぞ?」

セシリア「お任せあれ!」

そして・・・。

セシリア「それでは、まずはこちらをどうぞ。そして、こちらの試着室へ!」

セシリアが畳んである上下のセットをレイヴンに渡した。

レイヴン「ああ、じゃあ試しに着てみよう。」

試着室に入りカーテンを閉め、服を広げ、固まった。

レイヴン「・・・俺に・・・これを着ろと・・・?」

セシリア「是非!!」

小さな溜息を吐き、着替えるレイヴン。

レイヴン(どう考えたらこれが私服になる?というかなんでこんな物が普通の紳士服売り場にあるんだ?)

着替え終えたレイヴンがカーテンを開けた。

セシリア「完璧ですわ!」

その声に周りの女性の目線が集中する。

思わず感嘆の声を上げる者。顔を赤らめ惚ける者。
当のセシリアは実に満足げな顔でレイヴンを見ている。

その姿は上下共に白を基調とし、まるでお伽話で白馬に跨る王子が着る様な、キリッとした正装だった。

レイヴン「どう考えても私服じゃないだろう。」

女性店員1「そんなの関係ありません!とってもお似合いです!ぜ、是非こちらの服も試着して頂けませんか!?」

女性店員2「こ、こちらはいかがでしょう!?今なら半額で良いので、是非着ていただけませんか!?」

セシリア「いえ、レイヴンさんにはそっちより、こっちの物の方が似合いますわ!合わせるならこちらの服を!」

レイヴン「・・・普通の服が欲しいんだが。」

女性店員3「あ、でしたらこちらの方をどうぞ。お値段もリーズナブルで、組み合わせも色々ございます。」

何処からか現れた若い2人の店員とセシリアが白熱しているのを尻目に別の店員の勧めでレイヴンは服を選び直した。

セシリア「本当にごめんなさい。」

紙袋を両手にしたレイヴンにセシリアが頭を下げた。

レイヴン「いや、大丈夫だ。気にしてないさ。」

結局セシリア店員達の談議が盛り上がっている間にレイヴンが服を購入してしまった。
セレンに連絡をし、合流するために歩いているところだ。

セシリア(ああ・・・!私ったら、せっかくのチャンスに、何という失態をしてしまったのでしょう!)

落ち込みながらレイヴンの後ろを歩く。遠くにセレンの姿が見えた所でレイヴンが歩幅を少し小さくし、セシリアの隣に合わせた。

レイヴン「今日はありがとう。また、機会があれば頼むよ。」

セシリア「!・・・はい、お任せください!」

輝く様な笑顔で頷いた。半日にも満たない時間だったが、満足の出来る物となった。

レイヴンらが買い物に行った翌週。

真耶「はい、それじゃあ授業を始めますよー。」

扉を開け、真耶が教室に入ってきた。同時に教室が僅かに騒めく。

一夏「あの、この時間はちふ、じゃなくて、織斑先生の授業の筈じゃなかったですか?」

一夏が手を上げ、尋ねた。

真耶「そうだったんですが、織斑先生、急な出張が入ってしまって、急遽私になりました。ごめんなさいね、皆さん。」

真耶が少し困ったような表情で答える。

真耶「それじゃあ早速始めますよ。えーっと、前回の続きですね。それではテキストのーーー。」

同刻。某所。

エヴァンジェ「済まないな、わざわざ。」

千冬「構わん。サッサと終わらせよう。」

軍用車の後ろの席で向かい合って2人が座る。その後の会話は無いまま、2時間近く道無き道を走った。

ドライバー「車両で行けるのはここまでです。ご武運を。」

車が止まり、扉が開く。高めの丘から見下ろすと、砂漠が広がっており、地面から砂埃が上がっていた。

エヴァンジェ「敵を殲滅する。支援してくれ。」

言うと同時に、ACを展開。飛び立つ。
それに合わせ、千冬もISを展開した。

書き溜めはここまで。
そろそろ三部目も終わりが近い。

砂埃を上げながら地下を走る機体にエヴァンジェは手にしたリニアライフルのトリガーを引く。それは地面を抉るが、相手には届かなかった。

エヴァンジェ「やはり深いな。地上に誘き出すか。」

千冬「私が前に出る。出てきた所を撃て。」

千冬が打鉄の刀を構え、前に出た。
それを察した様に地面ら機体が姿を見せる。複数の機体が一斉に砲身を向け、砲撃しはじめた。

千冬「遅い!」

一気にブーストを吹かし、一撃たりとも掠らせる事なく斬り伏せた。

エヴァンジェ「流石だな。」

エヴァンジェも千冬に合わせて、飛び出した機体を次々撃ち落としていった。

千冬(・・・この程度なら1人でも大丈夫だったろう。何を考えている・・・エヴァンジェ。)

違和感を感じながらも、背後から飛び出した機体を一撃で斬り捨てた。

数分で辺りには残骸だけが残り、砂埃も完全に消えた。

千冬「これで終いか。」

エヴァンジェ「ああ、その様だ。」

地に降り立つ千冬。そのすぐ後ろにエヴァンジェも降り立った。

エヴァンジェ「それでは私が相手をしよう。」

背後から斬りかかエヴァンジェ。その斬撃を振り返る事なく刀で受け止めた。

千冬「・・・どういうつもりだ、貴様。」

エヴァンジェ「言葉通りだ。次は私が相手だ。」

言うや否やバッと飛び上がり、肩のレーザーキャノンを放つ。それを軽く身体を傾けるかけで躱し、刀を構えたまま距離を取る。

千冬「貴様・・・!」

声に怒気を含ませながらも、思考をクリアにする。冷静にエヴァンジェの攻撃を躱した。

エヴァンジェ「悪く思うな。私が・・・、この私が成すべき事なのだ!」

砂漠の上を飛び交う2機。

千冬「クッ・・・!?」

放たれるレーザーを躱し、ライフルを刀で受け、なんとか近付くも高出力のブレードとの鍔迫り合いでは分が悪い。

エヴァンジェの気迫にやや焦る。動きは完全に互角、ならば、遠距離武器を持つ『オラクル』の方が『ホワイトグリント』より有利である。

千冬(このままでは・・・。)

連続で放たれるリニアガンを紙一重で躱し、地面に降り立った千冬。だが、それが最大のミスだった。

先の戦闘によって脆くなった砂に一瞬だが足を取られる。

千冬「しまっ・・・!?」

刹那の瞬間。オーバードブーストで接近したエヴァンジェがブレードを振り翳す。
咄嗟に刀で防ぐも、既に何度も使い脆くなった刃ではーーー受けきれなかった。

千冬「ッ・・・!」

何年か振りの、痛み。視界が歪む。

その目が閉じる瞬間に見た物は、悲痛な面持ちのエヴァンジェだった。

書き溜めはここまで。
打鉄の刀で月光を受け止められる訳がない。

病院内の廊下を早足で進む。角で看護師の女性とぶつかりそうになり、思わず抱きとめた。

一夏「ご、ごめんなさい!」

女性「あ・・・いえ、だ、大丈夫です・・・。」///

頬を僅かに高揚させた看護師から離れて再度足早に進む。

一夏「千冬姉!」

大声を上げながら扉を開いた一夏の顔に、投げられた本の角が突き刺さった。思わず額を押さえながらしゃがみこむ。

一夏「・・・いてぇ。」

千冬「院内で騒ぐな。馬鹿者が。」

顔を上げた一夏。そこにはベットの上で上体を起こした状態の千冬がいた。

一夏「良かった・・・。本当に良かったよ・・・。」

その姿を見て思わず泣きそうになりながら、微笑んだ。本を拾って、ベットの横の椅子に腰を下ろす。

千冬「当然だ。私を誰だと思っている。」

そう言って優しい顔で一夏の頭を撫でた。

千冬「心配をかけたな。すまなかった。」

一夏「それで、なんでこんな事になったんだよ。」

千冬「それに関しては教えられん。機密なんでな。」

一夏「そっか・・・。」

その一言で黙ってしまう。僅かな沈黙。それを破る様に扉がノックされて。

一夏「あ、俺が開けるよ。」

一夏が立ち、扉を開けた。そこには軍服を着た男が2人、立っていた。

フォグシャドウ「失礼。私はアライアンス戦術部隊小隊長フォグシャドウと言うものだ。」

敬礼をしながら部屋へと入る。思わず身を硬くしてしまう一夏。

千冬「一夏、悪いが売店でコーヒーでも買ってきてくれないか?少し時間をかけてな。」

一夏「あ、ああ、わかったよ。」

頷き、部屋を出る一夏。それに合わせ、もう1人の軍人と思われる若い男も部屋を出て扉を閉め、そのまま扉の前に立った。

アップルボーイ「申し訳ありません。せっかくお見舞いに来ていたのでしょうに。」

一夏「あ、いえ・・・。あの、千冬姉は・・・。」

不安になり、一夏が声をかける。それに対してアップルボーイは優しく微笑んだ。

アップルボーイ「大丈夫です。千冬さんは被害者側であり、何かの疑いが掛かっているという訳ではありません。」

それを聞いて、少しだけホッとした一夏は売店へと向かった。

フォグシャドウが椅子に腰を下ろし、近くの机にボイスレコーダーを置き、スイッチを入れる。

フォグシャドウ「入院中に申し訳ないが、いくつか質問させて欲しい。隠さず正直に答えてくれ。」

千冬「隠す様な事は無いんだが、まあ良い。答えられる範囲で答えよう。」

フォグシャドウ「先ずは貴女の下に届いた依頼に関してなのだがーーー。」

ーーーーーーー

フォグシャドウ「協力に感謝する。」

いくつかの質疑応答をした所でフォグシャドウがボイスレコーダーのスイッチを切った。

フォグシャドウ「・・・ここからは個人的な話になる。」

千冬「ほう。アライアンスの軍人らしく無いな。それで小隊長とはな。」

フォグシャドウ「フッ・・・よく言われるよ。」

千冬の皮肉を受け、思わず苦笑いする。

フォグシャドウ「実施の所、エヴァンジェとの付き合いは長い。」

フォグシャドウが表情を引き締める。その瞳には力強い意思が感じられた。

フォグシャドウ「詳しい事は言えないが、彼の行動には訳がある。」

千冬「・・・死神部隊か?」

フォグシャドウ「それだけでは無い。本当ならば、私たちの手で終わらせねば成らない事なんだ。だが、既に時間が足りないし、手も足りない。」

千冬「それで、あいつは結局行方を眩ましたままか。1人で全て終わらせようとでも思っているのか?バカが。」

フォグシャドウ「彼の代わりに謝らせて欲しい。そして、少なくとも貴女だけは、彼を信じていてやってくれ。」

フォグシャドウが深く頭を下げた後にゆっくりと立ち上がる。

フォグシャドウ「これから数日は、軍の者が貴女の護衛に着く。堅苦しいかもしれないが、我慢してくれ。」

そう言ってフォグシャドウは部屋を出た。
千冬が少し大きめに息を吐く。

千冬(やれやれ・・・私も鈍ってしまったものだな。)

エヴァンジェの離反。そして織斑千冬の負傷。この二つの事件は瞬く間に各国の軍、企業へと広まった。

これにより、今まで堅実となっていたISとう物への信頼が揺らぎ、ACという物の存在の秘匿性も失われていく。

それに伴い、各国に潜む者と物の行動が水面下で激しく動き出す事となった。

某企業会議室
そこには2つの映像。写るのは『sound only』の文字。

sound only 01『予想より遅かったね。もっと早くに動くのかと思ったけれど。』

sound only 02『そう?大体想定のタイミングじゃないの?』

sound only 01『まぁ、どうでもいい事さ。残りの候補者の数はもう僅かだ。場所も割れている。時間の問題だ。」

sound only 02『そう上手くいくもんかねぇ〜?』

sound only 01『上手くいくよ。例外なんて存在しないんだ。』

01と書かれた映像が消える。残ったのは真っ暗な部屋には02と書かれた映像。

sound only 02『・・・俺はそうは思わん。』

そして部屋は暗闇に戻った。

某所

ジャック「エヴァンジェが動いたか・・・。」

テルミドール「独断だろう。こちらも急がねばならん。」

向かい合って座る2人。間の机の上には拡げられた紙の地図。ジャックの携帯が一度コールをした後に扉がノックされた。

ジャック「来たか。入ってくれ。」

扉が開き、1人の女性が部屋へと入ってきた。

ジナイーダ「やっと仕事か。えらく時間がかかったな。」

テルミドール「すまないな。早速だが頼みたい事がある。」

一枚の紙を差し出す。

ジナイーダ「・・・高くつくぞ。」

ジャック「わかっているさ。」

第三部 終

うーん、広げた風呂敷がたたみきれないorz

ここからは先は、学園外での事がかな増えます(それどころか、学園内の話が無いかもしれない)。

ご意見ご感想質問ツッコミ誹謗中傷その他諸々あればどうぞ。 >>1の励みになるかもしれません。

サイレント・ゼフィルスとかシュバルツェア・ツヴァイクどうしましょうかね・・・。

箒「・・・どう思う?」

緑茶を手に、食堂で円卓に着いた箒が、向かい側に座る鈴とエクレールにたずねた。

鈴「・・・良くないね。」

フォークで切り取ったケーキを口に運びながら鈴が答えた。

エクレール「私にはいつも通りにしか見えない。そんなに違うのか?」

紅茶の入ったカップをテーブルに置きながら疑問を口にする。

鈴「まあ・・・ね。間があったと言っても、幼馴染だもん。」

ここ2、3日、一夏の様子がおかしいという話で集まった3人。箒、鈴の2人は敏感で、直ぐに違和感を感じていた。

箒「織斑先生が出張で休み始めた2日目からか?」

エクレール「今日で1週間だな。普通の出張にしては長いけど。」

箒「世間でのISの風当たりが悪くなってきているからな。それの影響もあるのだろう。」

鈴「・・・。」

少し悲しそうな表情でお茶を啜る箒。
鈴は厳しい表情で周りを気にし始めた。

エクレール「どうした?」

鈴「今から話す内容は、私が軍から聞いた話。絶対秘密よ。」

鈴の鋭い目付きを受け、只事ではないと察した2人は無言で頷いた。

鈴「良い?驚かないで。・・・千冬さん、何か軍関係の任務で怪我したらしいわ。」

箒「なっ!?」

エクレール「まさ・・・ッ・・・!!」

思わず出そうになった声を必死に殺す。
だが、これで一夏の様子には納得がいった。

箒「その、任務の内容や、織斑先生に関しての情報は他には?」

たずねられた鈴は無言で首を振った。

エクレール「機密なんだろうな・・・だが・・・まさか・・・。」

鈴「私も信じられないけどね・・・。でも、千冬さんが怪我するとか、一体どんな任務なのよ・・・。」

箒(姉さんは・・・この事を知っているんだろうか?)

放課後、廊下を歩く一夏。授業が終わり、レイヴンはIS整備室へと行ったため、1人で先に寮へと戻ろうとしている所だった。

一夏(・・・。)

外見はいつも通りを装っている。だが、内面は複雑だった。

感情で言えば怒りに近い。だが、その対象がわからない。


無力な自分か。

姉を傷つけた相手か。

ISという存在か。

それとも全く別の何かか。


只々不愉快な感情が胸中に渦巻く。

校舎の外へと出ようとした所で、1人の見た事がある男が見えた。

一夏「あれ、あの人って。」

ロイ「おっと、確か織斑一夏だな君は。」

男が気さくに話しかけてきた。

一夏「あ、えっと、あの時はありがとうございました。」

頭を深々と下げ、お礼を言う。するとロイは申し訳なさそうな顔で頭を下げた。

ロイ「すまなかった。あんな場面に遭遇させてしまって。」

一夏「え、あ、いや、その。」

困惑してしまう一夏。顔を上げたロイ。だが表情は暗く厳しいままだった。

ロイ「あんな場面は本当は君達の様な若者には、絶対見せてなならないものだった。俺にはそれを防ぐ事が出来たはずなのに、だ。
本当に申し訳ない事をしてしまった。」

その態度と対応を見て一夏はロイの人柄を察した。そして、意を決してたずねた。

一夏「あなたは軍人なんですか?」

ロイ「いや、今はフリーの傭兵の様なものだが・・・それがどうした?」

一夏「千冬姉に・・・織斑千冬に何があったのか、知っていますか?」

一夏の問いに、ロイが表情を厳しくする。

ロイ「それを知って・・・どうするつもりだ?仇討ちでもするってか?」

一夏「それは・・・わかりません。でも、何かしないと、俺が俺自身を許せない。」

目を逸らさず、まっすぐロイを見つめる。
その視線を受け、少し悩んだが、ロイが口を開いた。

ロイ「アライアンス戦術部隊隊長、エヴァンジェ。それが織斑千冬を斬った男の名だ。」

一夏「!?」


かなり重要な安価
箒か鈴かエクレールの3人のうち1人。
先に2票になったもの。

箒、メインヒロインへと仮昇格。


ロイ「そして幸か不幸か、俺は奴の居場所を知っている。ISで飛べば直ぐに着く場所だ。」

一夏「!?」

ロイが一枚の紙を取り出した。

一夏「・・・俺に・・・その場所を教えてください。」

ロイ「良いだろう。持っていけ。」

紙を受け取った一夏は深く頭を下げて走り出した。

ロイ(若いな・・・どうなることやら・・・。)

校舎を出た一夏。荷物や制服は更衣室に置いてきた。すぐにでも飛び立てる。

箒「一夏・・・そんな格好で何をするつもりだ?」

声をかけられ振り返った先には、厳しい表情の箒が立っていた。部活帰りなのだろうか、手に竹刀袋を握っている。

一夏「・・・。」

箒「答えられないのか。ならば何も聞かん。」

何も言えず黙ってしまった一夏に対して、箒が小さく息を吐いた。竹刀を校舎の壁に立て掛け、制服を脱ぐ。何故かその下には既にISスーツを着衣済みだった。

箒「だが、何処かに行くなら私も行く。」

一夏「は!?な、何を言って。」

箒「邪魔はしない!だから・・・私も一緒に行かせてくれ・・・!」

強い意志の籠った目。その目を見た一夏も小さく息を吐いた。

一夏「駄目って言っても来るんだろ?」

箒「当然だ。」

ニコッと笑う箒に、一夏も思わず笑みがこぼれた。

一夏「じゃあ、行こう。」

共にISを起動させ、対となる純白と真紅の2機は飛び立った。

ロイ「・・・ヤベェな・・・。」

応接室で待っていたロイが呟く。窓から2つのISが飛び立つにが見えた。
勢い良く開かれた扉。凄まじい剣幕でウィンディーが入ってくる。

ウィンディー「貴様ッ!」

掴みかかろうとするウィンディーの手を紙一重で躱し、距離をとる。が、直ぐに壁際に追い詰められた。

ウィンディー「あれは織斑と篠ノ之だ。貴様、2人に何を吹き込んだ!」

ロイ「おいおい、落ち着け。せっかくの美人が台無しだぜ。」

慌てながらもなだめるロイに舌打ちをし、外へと出ようとするウィンディー。だが、今度はロイがウィンディーの肩を掴んだ。

ウィンディー「死にたくなければ、今直ぐ手を離せ。」

静かに、強烈な怒気を含み睨みつける。しかしロイも怯むことなく目を鋭くする。

ロイ「あれは覚悟を決めた男の目だった。それを阻むことは出来んし、させん。たとえお前が相手でもな。」

僅かな沈黙。ウィンディーが舌打ちをし、ロイの手を振り払い、ぶっきらぼうに椅子に座った。

ウィンディー「さっさと要件を済ます。とっとと寄越せ。」

ロイ「おいおい、今日は珈琲はないのか?」

ウィンディー「ないッ!」

ロイ(おぉ怖・・・。)

渋々座ったロイが何枚か重ねてある紙を差し出した。

どれ程飛んだか。山の中に入った所で降り立つ。
小さな研究施設の様なところに着いた。扉を開けると通路と扉が幾つか。正面にはエレベーターが見えた。どうやら地下があるらし。

箒「これは・・・以前も似た様なものを見た気がするが・・・。」

一夏「・・・下か。」

一夏の声に、箒もスキャンモードを起動させる。確かに直ぐ下に人が1人いるのが見えた。

一夏と箒がエレベーターに乗る。

僅か一階分なはずなのに何故か1、2分程かけてエレベーターが止まった。扉がゆっくり開く。
そこは広いアリーナの様な場所だった。

中央に立っていた男がゆっくり振り返る。

エヴァンジェ「なにをしに現れた。」

箒「あの人は・・・あの時の・・・!」

学園の個人戦を思い出す。あの時に協力してくれた人だと、箒は安心した。だが一夏は違った。

一夏「・・・なんで千冬姉を斬った?」

一夏の一言に箒の全身が凍りつく。

エヴァンジェ「ここはただの学生が来る場所ではない!」

一夏の問いを無視し、エヴァンジェが声を上げる。

一夏「そんな事はどうでもいい!質問に答えろ!」

怒気と殺気を込めて怒鳴る。思わず箒が一歩引いてしまう程に。
だがそれを受けてもエヴァンジェは冷静に答えた。

エヴァンジェ「ドミナントである私が・・・ 私が為すべきことなのだ。」

一夏「訳わかんないよ・・・なんなんだよそれ・・・それと千冬姉になんの関係があるんだ!!」

感情的になり、『白式』を展開。一足で距離を詰め斬りかかる。エヴァンジェはそれを僅か半身ずらすだけで躱して見せた。

エヴァンジェ「理解できんと見える・・・。ならばその証を見せてやろう!決定的な違いをな!」

エヴァンジェも専用AC『オラクル』を展開した。

書き溜めはここまで。

隊長はカッコいい。

ー脳内推奨BGM インフィニット・ストラトス The Battle of ISー

もう一度振りかぶった一夏を蹴り飛ばし、距離をとるエヴァンジェ。

一夏「クソッ・・・ッ!?」

空中で態勢を立て直す一夏をリニアライフが襲った。身体を捻って躱し、地面へと足を着いた瞬間、目の前に高エネルギーの光刃が迫った。

一夏「ッ!!」

無理矢理身体をねじり、頬を刃が掠める。
切られた痛みと焼けた熱を受けるも、視界にエヴァンジェを捕らえた。

一夏「このッ!」

振り下ろす刃は空を切り、真上からライフルを受ける。一夏は態勢を崩しながらも、振り返りながら背後へと刀を振るう。だがそこには既に姿は無く、離れた所からまたもライフルが襲った。

エヴァンジェ「言ったはずだ。ただの学生が来る場所ではないと。」

一夏「うるさい!」

一夏が刀を構え、瞬時加速した。それをエヴァンジェは正面からブレードで受け止める。
零落白夜を発動させている筈の雪片弐型を受け止めるだけの出力を持つブレードをエヴァンジェは力任せに振り抜いた。
それは本来ならば織斑一夏もろとも斬り裂いたかもしれないほどの力を持つ。

エヴァンジェ「なに!?」

だがその光刃は空を切った。いや、正確には空を切った訳ではない。だがそう感じるほどに手応えが無かったのだ。

振り抜こうとする刃に合わせ、一夏が脱力。その光刃を見事に受け流した。それだけではない。受け流した刀をそのまま切り返し、振り上げる。その切っ先はエヴァンジェを掠めた。

エヴァンジェ「クッ・・・ドミナントの力・・・こんなはずがない・・・!」

右手にしたライフルを消し、腕に装着していたブレードの形状を変え、両手で握る。

互いに一歩も退かず、その場でブレードを振り回す。

頬を掠め、身体を捻って躱し、刃で受け流した。

箒は2人をただ見ている事しか出来なかった。
本当なら一夏を援護するべきだ。頭ではそう考えている。それと同時に『邪魔をしない』約束した以上、手は出すべきではないとも思っている。

箒(私は・・・クソッ!何のための専用機だ・・・!)

意を決して踏み出そうと身を構える。そこで一夏と一瞬だが目があった。あってしまった。

箒「ッ・・・!!」

その目は鋭く、覚悟を決めた強い目だった。それを受けて悟ってしまう。

箒(手を出してはいけないと言うのだな・・・。)

せっかく手にした力。共に飛べると、隣に並べると思った。
だが、今ここで手を出せば、それは恐らく一夏を裏切ってしまう。そう、思ってしまった。

箒(ならば、せめて最後まで見届ける。それがどんな結末になろうとも!)

決意を固め、目を逸らさず、最後の瞬間まで。

互いに刀を振り合う。完全に互角に見えたその戦いは、僅かにだが、均衡を崩し始めていた。

エヴァンジェ(この力・・・まさか・・・。)

一歩、歩を後ろへ下げる。下げなければ捌ききれない。僅かにだが、押され始めた。

エヴァンジェ「こんなはずは・・・!」

大きく後ろへと飛び退いた。完全に不意を突くタイミングだ。一旦態勢を手て直す。

エヴァンジェ「!?」

だが距離は開かない。全く同じタイミングで一夏が踏み込んだのだ。

一夏「これで!」

一夏が刃を斬り上げる。エヴァンジェは紙一重で受け流す。だが直ぐにそれは降り下ろされた。

エヴァンジェ(笑わせる・・・。)

刃は見えている。受け流せずとも受け止められる。だが・・・。

エヴァンジェ「偽物は私のほうだったか・・・。」

その降り下ろさせる刃を甘んじて受けた。

書き溜めはここまで。

研ぎ澄まされていく感覚。まるで自分が自分で無いかのように、冷淡に、鋭く、そして確信へと近付いていく。

さっきまでは追いつけなかった。
だが、今なら近付ける。

一夏「これで!」

追いつける。

対等になった。

斬り上げる刃はまだ届かない。
下す刃も弾かれる。


筈だった。

一夏の手には、まだ伝わる筈の無い感覚。

そして一気に目が醒める。

全身を襲う重圧、悪寒、怒り、戸惑い。荒げる呼吸を落ち着かせ、全身から流れ出る汗が体温を奪い、焦る心を無理やり冷静にさせる。
そして再度襲う困惑。

一夏「何のつもりだ!!」

やっと絞りだせた声は相手への怒号。
手に残る感覚が心をざわめかせる。

エヴァンジェ「・・・これが、今の私にできる最初で最後の贖罪だ。」

機体の各部から火花散らせながら、エヴァンジェはゆっくり振りかえり、一夏に背を向けた。

一夏「何を言って・・・!?あの機体は・・・!!」

ー脳内推奨BGM Janne Da Arc 月光花ー

視線の先、空中に浮かぶのは完全に人の形をしているパルヴァライザーだった。

一夏がブレードを構えようとした所をエヴァンジェが大きく回転し、蹴り飛ばした。

一夏「ッ!?」

箒「一夏ッ!」

吹き飛ばされた一夏を箒が受け止める。反動でエレベーターに入ってしまった。

一夏「クッ、この・・・!」

何とか立ち上がり、顔を上げた所で今度は別の何かが飛び込んできた。咄嗟にそれを受け止める。それと同時にエヴァンジェが放ったライフルがエレベーターのスイッチを破壊。緊急シャッターが閉じた。

一夏・箒「「!?」」

エヴァンジェ「餞別だ。持っていけ。」


一夏「これは、剣?」

『Moon Light』
一夏のISにデータが流れ込む。それは間違いなく、最強を誇る光の剣。

エヴァンジェ『ここは10分程で爆発する。』

エレベーターが動き出した。

一夏「!?待てよ!それじゃあお前は!」

エヴァンジェ『おまえならやり遂げるかもしれん。・・・後は頼んだぞ。』

一夏『頼んだって、何の事だ!ちゃんと話せよ!!』

通信機の向こうで一夏が怒鳴る。その声に思わず笑みがこぼれた。

エヴァンジェ「篠ノ之箒、そいつが大切なら、力強くでも引っ張ってここから離れろ。いいな。」

箒が息を呑む気配を通信越しに感じ、返事を聞く前に続ける。

エヴァンジェ「最後に1つ頼みたい・・・。織斑千冬に一言・・・『すまなかった』と伝えておいてくれ。」

そしてこの返事も聞かず、一方的に通信を切った。

エヴァンジェ「待ってくれるだなんて、機械のくせに律儀じゃないか。」

エヴァンジェがゆっくり振り返る。
その先には変わらず空中に浮くパルヴァライザーの姿があった。そしてそれはゆっくり構えをとる。

エヴァンジェ「後数分だが、貴様をここから出すわけにはいかん。どうしてもと言うのなら、私を超えていけ!!」

最後の力を振り絞り、エヴァンジェが吼え、飛びかかった。

地面に紅い線を描きながら・・・。

書き溜めはここまで。

1レスだけですまぬ


病室

千冬「・・・そうか。」

ベットに座る形で一夏の話を聞いていた千冬が大きく息を吐いた。

千冬「言いたいことは山のようにある。が、今日はもう帰れ。」

一夏「・・・わかった。」

力なく頷いた一夏は部屋を出た。外には心配そうな顔の鈴とエクレール、箒がいたのが見えた。

扉が閉まり、1人になった千冬が窓へ近寄り、カーテンを開けた。

日は沈みかけており、薄っすらと三日月が見える。

千冬「・・・馬鹿野郎が・・・。」

小さく嘆き、一筋の雫が頬を伝った。

病院を出て、バス停まで無言で歩く一夏。その後ろを3人も無言で歩いていた。

バス停についたところで3人へと振り返る。

一夏「俺はもっと強くなりたい・・・いy、強くならなきゃいけない。」

腕につけているガントレットへと目を移す。
これにはすでに『Moon Light』がインストールされており、いつでも使える状態である。

一夏「だから・・・3人共?力を貸してくれ。」

その言葉に3人が目を合わせ、同時に微笑んだ。

鈴「当然よ、任せなさい!しっかり鍛えてあげるから!」

トンと、一夏の胸に拳を当てた。

エクレール「私もまだ不慣れだけどね。協力するよ。」

優しい笑顔で答える。

箒「皆で一緒に、強くなっていこう。」

凛とした表情で一夏の手を取った。

某所 砂漠 朝方

砂漠にある、砂色に染められた工業施設。
それを離れた山の上から双眼鏡で眺める。

その女性の後ろでは駱駝が気だるそうにうつ伏せていた。

ジナイーダ「やれやれ・・・。ここに来るだけに砂漠を3日も彷徨うとは・・・、随分いい加減な地図だ。追加報酬を貰わんとな。」

双眼鏡を置き、駱駝の背から大型の通信機を取り出し、周波数を合わせる。

?????『こ-らメルツェ--。やっと見--たか。』

やや雑音が混じりながらも、男の声が聞こえた。

ジナイーダ「ああ。これでいつでも動けるぞ。タイミングはどうする?」


?????『今-の昼12:00。こちら-同じタイ--グで同時に強襲をか-る。』

ジナイーダ「了解した。」

駱駝から荷物を降ろし、簡易的な日よけを立てた。

ジナイーダ(昼までならこの程度でなんとかなるな。後は・・・。)

伏せている駱駝へと歩み寄る。

ジナイーダ「短い時間だったが礼を言う。じゃあな。」

手にしたナイフで駱駝の首を掻き切った。

某所

メルツェル「聞いての通りだ。」

メルツェルが通信機を切り、椅子から立ち上がった。

部屋には他に3人。

ジャック「よし、では我々も急ごう。」

烏大老「配置はどうする。」

テルミドール「概ね予定通りだ。だが、ビッグボックスは・・・。」

メルツェル「私が行こう。」

驚く3人を無視し、椅子にかけていた上着を羽織る。

テルミドール「お前がか?だが、あそこは!」

メルツェル「その時は、私が死ぬだけだ。」

部屋を出て扉を閉めた。そのまま階段を降りようとしたところで足を止める。

ヴァオー「よう、メルツェル。どこへ行こうってんだ?」

煙草を咥え、壁に寄りかかった状態で階段の踊り場から見上げた。

メルツェル「ヴァオー、なぜここにいる。お前は待機だろう。」

ヴァオー「だからここで待機してんだろうが。で、お出かけなら、運転手が必要なんじゃないか?」

メルツェル「フッ・・・では、頼むとしよう。」

12:00

砂漠

ジナイーダ「時間だ・・・。」

テントから出てISを展開した。


ーーーーーーーーーーーーーーー
クラニアム

テルミドール「では、行くとしよう。」

ACを展開した状態でビルの上から施設を見下ろす。

ーーーーーーーーーーーーーーー
ドイツ軍 IS研究施設

Ω「さて、どうなることやら。」

山の中にある施設を大木の上から眺める。

ーーーーーーーーーーーーーーー
イギリス 流通管理局

ライウン「行くぞ。」

ACを展開し、施設の扉に砲を向けた。

ーーーーーーーーーーーーーーー
ビッグボックス

メルツェル「時間だ。」

ヴァオー「おうよ。」

車からゆっくり2人の男が降りた。

書き溜めはここまで。

ビッグボックス

メルツェルとヴァオーが並んで歩く。

メルツェル「・・・おかしい。」

ヴァオー「ああ。」

周りに人の気配がない。そして建物の入り口に来たら扉が自動で開いた。

ヴァオー「電源は生きてやがるが・・・。」

メルツェル「生体反応がない?まさか・・・!」

スキャンモードで中を見ていたメルツェルが走り出した。慌ててヴァオーも走る。
入ってすぐ正面にあった受付の台を飛び越え、奥の扉を蹴りあけた。

ヴァオー「おい、メルツェル!なんだってんだ?」

呼びかけを無視し、ACを腕だけ展開し、機械へと回線をつなぐ。すぐに目の前に様々なデータが映し出された。

メルツェル「やはり・・・行動が読まれていた!」

焦るメルツェルに通信が入る。

メルツェル「私だ。」

束『やられたね・・・これはちょっと、束さんも予想外だよ・・・。』

メルツェル「ああ、そうだな・・・プランの変更が必要だ。」

いつもよりやや重いトーンだが冷静に話す束。メルツェルも奥歯を噛み締め、だが冷静に思考を巡らせる。

束『折角だから、そこの設備は貰っちゃおっか。ある程度は復旧できるよ。すぐ行くね~。』

メルツェル「ああ。頼む。」

通信を切ったメルツェル。

映し出されたデータ。
その目の前に映し出された文字は『All Delete』。
そして、いくつか表示された地図とそこへ派遣されたであろう部隊の名前があった。

イギリス 流通管理局

扉を撃ち破り、中へと侵入する。警報が鳴り、慌てふためく職員らを無視し、最深部へと向かう。

ライウン(よし、このまま行けば・・・!?)

やや広い部屋へと出たところで回避行動を取る。レーザーが地面を焼いた。
なんとか態勢を立て直し、地面へと着地する。

ライウン「チッ、簡単にはいかんか。」

視線の先には巨大なライフルを構える少女。

リリウム「目標を確認。問題ありません。」

言うと同時に天井が開き、所謂アリーナの様な状態になる。

リリウム「サイレント・ゼフィルス、作戦を開始します。」

新しいISを展開してリリウムがゆっくりと浮かび上がった。

ドイツ軍 IS研究施設

クラリッサ「止まれ。ここはドイツ軍の施設だ。それ以上近付けば身の安全は保証できない。」

施設へと近付く男にクラリッサが銃を向けて警告した。偶然休憩で外へ出たところで遭遇したのだ。

Ω「ふむ、施設に入る前に呼び止められてしまったのは予定外だな。」

スッと両手をあげる。だがその口調に焦りや警戒は全くない。

クラリッサ「そのまま去るなら良いが、その前にいくつか質問したい。」

男の態度に違和感を感じたクラリッサ。前の男といい、不審な出来事をが多かった事から無関係ではないと思い、提案する。

Ω(面倒だな。だが、ここで事を起こせばもっと面倒だが・・・。)

Ω「わかった、なら去るか。」

そう言って方向転換をする。それを見てクラリッサも銃を下ろした。

だが、施設を挟んだ反対側で爆発が起こった。

クラリッサ「!?」

思わず振り返るクラリッサ。

Ω「・・・タイマーの時間が早すぎた。仕方ない。」

声に向き直すと目前に投げられたナイフが迫っていた。体を捻って躱すが、肩をかすめる。

Ω「良い反応だ。だがそこまでだな。」

AC「Clown Crown」を展開し、ガトリングを向ける。

クラリッサ「チッ!少しでも情報をと思ったが!」

クラリッサもIS「シュヴァルツェア・ツヴァイク」を展開した。

書き溜めはここまで。

ライウン「その声に容姿・・・リリウム・ウォルコットか。チッ・・・王小龍の差し金か、やりにくい相手を!」

ライウンがリリウムの手足を狙って両手のライフルを連射する。ここを突破するだけの時間を稼げれば良い。ここでリリウムを倒す必要は無い。

リリウム「無駄です。あなたではこの最新型であるサイレント・ゼフィルスを止めることは出来ません。」

リリウムが手をかざすとシールドビットが飛び出し、全ての攻撃を防いだ。

そして右手に持つ大型のレーザーライフルを構え、引き金を引く。高出力のエネルギーがライウンの足元で爆ぜた。

ライウン「なんだと!?」

衝撃で吹き飛ばされ、地面を滑る。なんとか姿勢を立て直し、顔を上げる。

ライウン「!?クソ!!」

四方からシールドビットのガトリングが降り注いだ。不快な警告音がライウンに鳴り響く。

ライウン「この程度!」

両手のライフルを左右に構えて乱射。ビットを1つ、2つと墜とす。だが3つ目を墜とす前に右腕のライフルが撃ち砕かれた。

ライウン「グッ・・・!」

反動で態勢を崩されながらも地面を滑りなんとか距離を取ろうとする。だが今度は肩、膝、腹と砲弾が突き刺さる。

リリウム「実弾ならチャージなく連続で撃てます。もうあなたに勝ち目はありません。」

各部に異常をきたし、警告音がなる。体を襲う痛みに膝をつく。

ライウン「ここまでか・・・すまん・・・。」

動けないライウンにリリウムがゆっくり近付いた。

ライウン「だが、このままでは終わらん!」

歯を食いしばり、リリウムへと肩の砲身を向け、放った。
不意をついた砲撃を紙一重で躱した。そして続けざまに撃たれるレーザーライフルを全てビットのシールドで防ぎながら、銃身を向ける。

リリウム「抵抗は無駄です。大人しく降伏する事を勧めます。」

再度警告するリリウムの背後から銃声がなった。ライウンが力なく倒れ、ACが解除された。

王小龍「リリウム、私に恥をかかせるな。」

振り向いた先にはスナイパーライフルを手にした老齢の男が立っていた。

リリウム「はい。申し訳ございませんでした、王大人。」

淡々と答えるリリウム。だがその瞳には困惑と哀しみが混じっていた。

Ω「もう一機のISか。興味はあるが、あいにく暇がない。」

淡々と話しながら、ガトリングを乱射する。
クラリッサがそれを躱しながら通信をしようとするが、雑音がなるばかりで一向に繋がらない。

クラリッサ「ECMか、厄介な!」

シュバルツェア・レーゲンより一回り小さくしたレールガンで狙い撃つ。だがΩはそれを躱し、弾幕を展開しながら施設の入り口へと進む。

クラリッサ「!貴様、中へは入らせない!」

叫び、両腕のブレードでΩへと斬りかかった。

Ω「ッ・・・。いい腕だ。」

ブレードを掠めながらも施設に入る。そのまま一直線に内部を進む。まるでその先に何があるかを既に知っているかのように。

クラリッサ(くそ!施設に中では撃てない!AICを積んでいないのが悔やまれるな。)

慌てる施設の職員とぶつかりながらもそれを無視し、そのままΩは進んでいく。吹き飛ばされた職員は横たわったまま動かない。

クラリッサ「貴様!」

Ω「悪いが構っている暇はない。」

そのまま直進し、厳重な扉を蹴り破って中へと入った。

Ω「!?・・・嵌められたか?」

??????「そういう事だ。」

部屋には何もなく、広い空間が広がっているだけだった。その中央に立つ男が1人。

ベルリオーズ「無謀だったな。終わりだ。」

AC『シュープリス』が体を覆うと同時に一瞬で距離を詰めた。

Ω「!?」

咄嗟に横へと跳ぶ。刺突が肩をかすめた。
全身を襲う鋭い殺気を心地よく感じながら弾をばら撒き、距離を取ろうとする。
だが、それに合わせてベルリオーズもスッと回転し、そのまま手にした突撃銃を突き刺した。Ωも左腕のグレネードを突き出し、放つ。

爆音が1つ。勝負は一瞬だった。

ベルリオーズ「残念だが終わりだ。」

そのままゆっくり銃を引き抜いた。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月09日 (土) 21:08:07   ID: aTnuqazR

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