L「訓練に付いていけません」アルミン「同じく」 (56)

L「全く、私達は頭を働かせるのが仕事だと言うのに......そう思いませんか? 」


アルミン「うーん、確かにそうかもしれないけど、エレン達の足手まといにはなりたくないしね。最低限、戦いで生き残れる程の技能を身につけないと」


アルミン「でも、そう言いつつ竜崎も真剣にやってるよね。対人格闘技なんて、サボってる人の方が多いくらいなのに」


L「はい、蹴るのは私の得意分野ですから。アニさんからの指導のお蔭で、よけいに威力が増しましたよ」


L「......本音を言ってしまえば、立体起動でのマイナスを取り返す為、ですがね」


アルミン「素直じゃないね、全く。取り返すもなにも、座学で歴代最高記録を連発してるんだからさ、もっと自信を持った方がいいと思うよ」


L「そういうものですかね? まあ、アルミン君が言うならそれで良しとしましょうか」


アルミン「......ところでさ、ずっと気になってたんだけど、一体どうやったらそんなに猫背になっちゃうの? そんなに前屈みになるような事も無いような......」


L「はて......どうだったのでしょう? 私、以前の記憶が曖昧なものでして」


アルミン「......」


L「少なくとも、今は猫背の方が落ち着きますね」


アルミン「......教官にあれだけ言われても直さないのは、ある意味勇者だよ」


アルミン「流石に三日連続走り通しは大変だったんじゃないの? 食事も制限されたみたいだったし」


L「まあ、結局根比べは私に軍配が上がりましたからね。今となればいい思い出です」


L「それに、私にはこれがありましたから。知ってます? この植物の方が、支給されている食事よりもエネルギーを得られることを」


アルミン「え......そんな雑草が? 」


L「はい。一口いかがですか」


アルミン「そ、それじゃあ......えっ、甘! 」


L「ここらの土地は痩せていますからね。大方、生き残る為に必死に溜め込んだのでしょう。ただの雑草と馬鹿にしてはいけません」


L「......他の人には秘密ですよ。サシャさんに知られたらお終いですから」


アルミン「......うん、僕もそう思う」

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L「さて、そろそろ夕食の時間ですね。エレン君達は? 」


アルミン「確か、居残りで立体起動の訓練をするって言ってたような......見習った方がいいのかな......」


L「その必要は無いかと。いや、必要が無いと言うよりも不可能と言った方がいいかもしれません」


L「ほら、もうまともに動けませんよね? 」


アルミン「......情けないよ」


L「......人には、それぞれ向き不向きがあります。私達の場合、偶々運動を不得意にさせられたのでしょう」


L「焦っても仕方がありません。休むのも訓練の内ですよ」


アルミン「......そうだよね。休むのも大切だよね。よし、今日は相談室は開かないぞ! 」


L「......雑草には、胃痛に効くものもありますよ。後でお教えしましょうか? 」


アルミン「......お願いします」

デスノートのLと巨人のクロスです。

今日はおやすみなさい

夕食


L「やれやれ、また水増しスープですか。確かにお腹は膨れますが、満足感が得られませんよね」


アルミン「同感かな。最初のうちは3食しっかり取れるだけで満足してたけど、慣れちゃうとどうにもね」


アルミン「特に、さっきあんないいものを知っちゃったから......後で少し貰えない? 」


L「いいですけど、ほんの少しですよ」


L「次々に生えてくるとはいえ、貴重な雑草ですからね。上納分も合わせて、計画的に摂取していかないと」


L「あっ」


アルミン「上納? ......もしかして、教官はこの草のことを知ってるの? 」


L「......理由は後ほど。人が来ましたので」


ミカサ「アルミン、エレンと一緒じゃないの? 」


アルミン「ああ、エレンはライナー達と立体起動の練習をしてるみたい。夕食の時間は分かっているみたいだし、そろそろ来るんじゃないかな」

ミカサ「分かった。エレンはアルミンのところでご飯を食べるから、私もここに居ることにする」


ミカサ「竜崎も構わない? 」


L「構いませんよ。折角の休息時間なのですから、癒しを求めるのは悪いことではありませんし」


L「ミカサさんにとって、エレン君は......」


アルミン「(ちょ、竜崎!? やめてよ)」


ミカサ「......アルミン、話したの? 」


アルミン「(ほら、胃痛が......)」


L「いえ、様子をみれば誰でも。気付いていないのはエレン君ただひとりですね」


ミカサ「竜崎は、どうしたらいいと思う? 」


アルミン「(竜崎にも聞くんだ。......どう返すのかな? 頼むから『不可能』とか言わないでよね)」


L「......」


L「(さて、そろそろですかね)」


エレン「お、ここ空いてるな。アルミン、座っていいか? 」

アルミン「(エ、エレン! 助かったよ! )」


L「(予想通り、現れてくれましたか。こうなってしまえばこっちのもの。ミカサさんの目には彼しか映らなくなりますからね)」


ミカサ「勿論構わない。エレン、早く座って。食事の時間が終わっちゃう」


エレン「そう急かすなよ。ミカサ、お前は俺のかーちゃんかよ」


L「それよりも、世話焼きの彼女と言った方がしっくりきますね」


エレン「はぁ? なんだそりゃ」


アルミン「(さっきからさ、やけに攻めてるよね竜崎......今のも正直危険だと思うんだ)」


エレン「彼女? そんな訳ないだろ。ミカサは家族なんだから」


ミカサ「......」


アルミン「(やっぱり......今日も相談室を開かないといけないのかな)」


アルミン「は、はは、時間も少ないし、さっさと食べちゃわない? 」


エレン「この色のついた水をか? 食事に文句は言いたくないが、もうちょっとどうにかしてもらいたいよな」


アルミン「食べ物は貴重だからね。僕達にはどうしようもないよ」

エレン「それで.....」


ミカサ「え、それって......」


アルミン「ははは」


L「いや、それは......」


ワイワイガヤガヤ


バタン!


教官「貴様ら、少し話がある。よく聞け」


シーン


教官「......上からのおつそわけだ。感謝して食え」


サシャ「も、もしかして教官殿......それは、クゥッキーなるものでしょうか? 」


教官「......知らん。訓練兵サシャ・ブラウス、貴様が責任をもって全員に配れ。......以上だ」


バタン!


サシャ「ぐへへへへ、クゥッキーが1枚、クゥッキーが2枚......」


おい、あいつに任せたら全部喰われちまうぞ!


ああ、さっさと配らせろ!


クッキーか......何年ぶりだろ、ううっ


おいおい、クッキーごときで泣くんじゃねーよ


ワイワイガヤガヤ


アルミン「......これが理由? 」


L「はて、どうでしょうか? 」


アルミン「素直じゃないね、全く」


L「本日二度目ですね。まあ、自覚はありますよ」

莨第�

あれ、文字化けですね。

夜にきます

翌日

教官「よし、揃ったな。それでは、今より課外訓練を実施する! 」


教官「今回、貴様らには三日間森の中で暮らしてもらう。食料については非常食を一日分支給するが、後のことは知らん。寝床と同様、自分達でどうにかしろ! 」


教官「勿論、ただ滞在するだけではキャンプと何ら変わらんからな。普段は行わない特別な訓練も用意してある」


教官「さて、説明はこのくらいだ! 何か質問があれば、訓練兵サシャ・ブラウス以外からなら受け付けるぞ! 」


サシャ「え!? 」


クスクス


L「(ああ、今日はこれがある日でしたか。全く、私は持続的な運動は苦手だと言うのに)」


教官「無いようだな。では一旦集まってもらった訳だが、三日間ここに戻らない事も考えれば準備も必要であろう。装備を整えて一時間後に集合だ。分かったな? 」


生徒「ハッ!! 」



訂正

教官「よし、揃ったな。それでは、今より課外訓練を実施する! 」 を


教官「よし、揃ったな。早速だが、本日から三日間、課外訓練を行う! 」


ザワザワ


教官「......貴様らは人の話を黙って聞くことが出来ぬようだな。このペナルティは後にするとして、概要だけは話しておこう」


に変更おなしゃす

男子寮


L「はぁ......憂鬱ですね」


エレン「何言ってんだ、今まで無かった折角の実戦訓練じゃねーか」


エレン「調査兵団に入るなら、尚更のことだろ。森を拠点に活動するって座学で習ったの、まさか忘れた訳じゃねーよな? 」


L「勿論ですよ。ただ、雲行きが怪しいと思いましてね。ずぶ濡れになるのは御免ということです」


アルミン「げ、そうなの? 雨なんて降ったらますますサバイバルが難しくなっちゃうよ」


L「はい、火が起こせないのは何よりもキツイですね。身体を温める手段を失いますし、食料の幅も狭まりますから」


エレン「食料か......確かに一日分しか支給されねーのはキツイよな。それに支給されるったって、あの兵糧丸だしな。栄養価はいいかもしれねーけど、ありゃ酷いわ」


ライナー「全くだ。俺はまだいいが、ベルトルトなんてあれ喰っただけで真っ青になってたしな」


ベルトルト「......ライナー、いる?」


ライナー「いらねーよ。アニにでもやっとけ。蹴られても知らねーがな」


L「......」


L「(アニさん......ですか)」


ライナー「ところで、どうして竜崎は雨になると? 今の天気を見る限り、二、三日は持ちそうだが」


L「......」


L「さあ、昔からの勘ですかね。私、天気に関する勘はよく当たるんですよ」


ライナー「......」


ライナー「まあ、そんなもんだよな。でも、雨が降るんならそれなりの装備をしていかねーと」


アルミン「そうだよね。ビニール製の上着と防寒着は必須かな」


L「それ以外だと、ナイフも持っていったほうがいいかもしれません。食料調達にソードを使う訳にもいかないですしね」


エレン「お、ナイフは要るよな。これ一本で寝床も作れるだろうし」


アルミン「え? 寝袋を持っていくんじゃないの? 」


エレン「あほかお前は、遠足じゃねーんだぞ。そんなかさばるもの、どう考えたって移動の邪魔だろ」


アルミン「あはは、さすがに冗談だよ」


アルミン「(まあ、ミカサがエレン用に寝袋を持ってくるかもしれないから、一概に冗談とも言えないんだけどね......)」


ジャン「おい、ペラペラ喋ってるとこ悪いがそろそろ時間だぜ。お前らが遅れた所為で俺まで走らされる、なんて事がねーようにな」


エレン「へいへい、分かってるよそんぐらい。おしっ、さっさと詰めるか」


L「......」


L「(さて......どうやら私の予想は当たっているようですね。そうなると、この課外訓練は千載一遇のチャンスとも言えましょうか)」


L「(その為には......やはりこの草は要りますよね。彼が教えてくれた、甘味草が)」

今日はこの辺りで。

月は......多分出てきますね。あとワタリも

_________________________


_____________

教官「では出発だ。目的地までは走っていくぞ。歩くような奴は置いていくつもりだ。分かったな? 」


生徒「ハッ! 」


__________________________
アルミン「はぁ...はぁ...」


ライナー「おいアルミン、それをコッチに寄越せ! 遅れちまったら元も子もねぇぞ!! 」


アルミン「大丈夫! 僕はいけるぞ! うおおおお!!」


L「......ゲホッ」


L「(......荷物は軽くしておいて正解でしたね。まあ、ついていけないことに変わりはありませんが)」


ミカサ「......」


ミカサ「(......しまった、寝袋がかさばって走りにくい)」


______________________________

教官「よろしい、遅れた者は一人もいないようだな。集合時の態度から何か罰を与えようかと思ったが、貴様らの真面目さに免じて今回は見逃そう」


教官「尤も、ここに辿り着くだけでくたばるような軟弱者もいるようだが......己の惨めさはとうに自覚している筈だ」


教官「さて、そんな軟弱者にも名誉挽回のチャンスを与えてやろう。竜崎、聞こえているな? 」


L「はぁ...はぁ...勿論です」


教官「では聞こう。サバイバルに於いて最も重要なものは何だ? 」

エレン「(最も重要なもの? 食料じゃないのか? )」


コニー「(食料だな)」


サシャ「(食料ですね! )」


アルミン「(食料......っていうのは間違いだよね。確かに重要なものだけど、調達する段階を踏まなきゃいけない訳だから......)」


L「そんなの、決まって...はぁ...ますよ。最も重要なもの、それは情報です」


教官「......理由は?」


L「目的にも寄りますが、一般的にサバイバルというものは長続きしません。一見、充分な食料と安全な寝床を確保しており、快適な生活をしているように見えたとしても、精神は摩耗していきます」


L「それに、安全と思われたものでもいつ崩壊するか分かりませんしね。丁度、ウォール・マリア陥落のように」


エレン「ッ! 」


L「要は、そのような状況から速やかに抜け出さなくてはならないのです」


L「じゃあ、どうすればいいのか。それは得られた情報によって決まります。場合によっては更に過酷な状況に巻き込まれるかもしれませんが、目的がはっきりしている分だけ先に進むことが出来ます」


L「ただ生き残ろうとするより、そちらの方が容易いと思いますね」


L「戦場では、目的意識の高い人は大抵生き残ります。志半ばで倒れる人もいますが、何もせずに逃げ回ったまま死んで行く人の方が圧倒的に多いのです」


L「でも、これっておかしなことだと思いませんか? 危険に立ち向かう人の多くは前者に挙げた人達です。何故、助かるのでしょう? 」


L「それは......」





円環の理を外れた者達が、彼らを救っているからです。


アニ「ッ!」


アニ「(......こいつ)」


L「おや、何だか宗教じみた話になってしまいましたね。まあ、それ以外にも食料の選別や道具の作成にも情報は必要という理由もありますがね」


一同「......」


教官「......色々と言いたいこともあるが、正解だ」

教官「さて、その重要な情報とらやらは既に叩き込んである筈だ。座学で習ったことなど忘れた? そんな奴がいたとしたら、喜べ。この訓練は免除してやる」


教官「ただし、訓練所を出ていってもらう条件付きでな」


一同「......」


教官「よし、それでは始める。本日は各自で食料と寝床の確保を行え。それだけだ」


教官「ただし、争うなよ? 貴様らは仲間同士だ。仲間割れなどといった無様な姿を私に拝ませることのないようにな」


生徒「ハッ!」





______________________________



サシャ「......うふっ、ぐへへへへ」


ミカサ「......」


ミカサ「(......すごい表情をしてる。きっと、何かいい食べ物でも見つけたんだろうけど、少しだけ......気になる)」


ミカサ「(でも、同じ女として......あの顔はどうかと思う)」


サシャ「はっ、私としたことが。ついニヤけてしまっていましたね」


サシャ「まさか、こんな物を頂けるなんて......貰った人からしても予想外でしたが」


パクッ


サシャ「うん、この味! やはり甘い物は格別ですね! 」


ミカサ「(私に気付いていない? それに、甘い物? 誰から貰ったの? )」


ミカサ「......」


ミカサ「(あ、早くエレンに寝袋を渡してこないと。風邪でもひいてしまったら大変。サシャは......まあいいか)」


サシャ「(さて、折角こんな美味しいものを教えて頂いたのですから、しっかりと役目を果たしませんとね)」


___________________________
アルミン「おーい、こっちに良さそうな場所があったよ! 」


エレン「おお! 結構広い洞穴だな。丁度近くに川もあるし、寝床にするには最高じゃねーか。お手柄だぞ、アルミン! 」


アルミン「うん! でも、やっぱりここは訓練生に見つけてもらう為に作ってある場所だよね。洞穴の中にしては凸凹が少ないし、その他の条件も揃い過ぎてるような......」


アルミン「......もしかして、この場所は罠だったりしないかな? 巨人に見つかり易いポイントと指定されてて、此処で寝たら得点にマイナスがつくとか」


ベルトルト「......確かにそうかもしれないが、もう少ししたら夕暮れだ。今更新しい場所を探すのは危険だと思うよ」


ライナー「食料も確保しなきゃいけねーいしな。お前さんだって、出来れば兵糧丸を食わずに終わりたいだろう? 」


アルミン「うーん、それもそうだけど......」


アルミン「ねえ竜崎、どう思う......って、あれ? さっき迄一緒にいなかったっけ? 」


エレン「そういえば、さっきから見当たらねーな。ライナー、何か聞いてるか? 」


ライナー「......」


ライナー「いや、俺は何も聞いていない。ついさっき見たような気がしていたんだがな」


エレン「ったく、一体どこをほっつき歩いてるんだか......」

___________________________
L「......」


L「(どうやら、上手く離れることが出来たようですね。今彼らと居るのは、少々不便でしたから)」


L「さて......」


L「サシャさん、お願いした事は上手くやっていただけましたか? 」


サシャ「それは勿論、こんな美味しい物まで頂いたので! あれだけ貰いましたけど、もう殆ど残ってませんよ! 」


L「......それは自慢することではありません。全く、今朝教官が貴方の事を注意した時はびくびくしましたよ......」


L「ニヤニヤするのは、周りに誰もいない時だけにしてください」


サシャ「う、結構キツイこと言いますね。でも、しょうがないんです! こんな美味しい物があることがいけないんです! 」


L「はぁ......まあいいでしょう。ちゃんと配達はして頂けたようですし」


L「それでは、約束していた加工方法をお教えしますよ」


サシャ「そうです、これを待っていたんです! 幾ら私といえども、見た目が雑草と変わりないものを咥え続けるのは遠慮したいですし」


L「えっと、確かこの辺りに......」


L「ありました、これがレシピです。くれぐれも落とさないようにお願いします」


サシャ「はい! これで交渉完了ですね。では、おやすみなさい! 」


L「......おやすみ、ですか」


L「(残念ながら......今夜は長くなりますよ)」


ポツ ポツ


L「雨、ですか。全く、嫌な天気だ」

本日はここまで。

先に断っておきますが、オリジナル要素がかなり含まれます。御承知ください

____________________________
夜中


とある洞穴


L「......意外と早かったですね。もう少しかかるかと思いましたが」


「......」


L「どうです、楽しんで頂けましたか? 」


アニ「......やっぱりあんただったのか。芋女にこんな物持って来させたのは」


L「はい、色々と確認する為に必要なことでしたからね」


アニ「ふーん、それで思惑通りにアタシが現れたってか。結構なことね」


アニ「何となく分かっちゃいるが、訳を聞かせてもらうよ」


L「むしろ、分かっていてもらわなければあの暗号の意味がありませんからね......一応聞いておきますが、此処に来ないという選択肢もあったのでは?」


アニ「......フッ、あんなに白々しい『演説』を聞かせて貰ったんだ、来るに決まってるよ。あれは教官や他の訓練生ではなく、アタシに向けて言っていたよな? 」


L「......70%はその通りですが、30%分誤りがありますね。まあ、これについては貴方が気にする事ではありませんので」


アニ「......言う必要はないってか。まあ、アンタの性格からしたらそんな感じかもね。むしろ何の臆面も無くあんなこっぱずかしい事を言えるもんだと感心したくらいだよ」


L「ただデタラメを並べ立てただけですから、恥ずかしさはあまり。それに、あれしきの事で貴方が釣れるのなら安いものですよ」


アニ「......やっぱ変わってるよ、アンタ」


L「大丈夫ですよ。自覚はありますので」

L「と、前置きが長くなりましたね。本題に入りましょうか」


アニ「......それに関係してだが、アンタの蹴り、アタシのアドバイスも含まれているよな? 」


アニ「蹴り出す時の癖やら、遠目で見ただけでもそっくりなんだよ」


L「ええ。元々習っていた格闘術とはまた違った脚の使い方でしたので、是非とも参考にと」


L「ただし......」


アニ「アタシが教えたのは......」











L・アニ「前回のループでの出来事」


アニ「......」


アニ「今、これまでの疑問が確信に変わったよ。竜崎、いや、L・ローライト」









アニ「邪魔。いや、それ以上に危険」


アニ「......悪いが、排除させてもらうよ」

乙乙
ループ説か。結構いろんなところにそれっぽいこと描かれてるんだっけ
作者は否定したってどっかで聞いたけど、あくまでもこのスレでのオリジナル要素ってことかな?

>>51

はい、ループはこのssだけのオリジナル設定です。

その他の設定についてもなるべく原作に準拠したものを使っていきますが、結末に行き着く為にオリジナル設定を使わざるを得ないので、御承知願いたいです。

L「......」


L「L・ローライト、ですか。本名で呼ばれたのは本当に久しぶりですね」


アニ「......」


L「確か、私が初めて一本獲った時に教えたのでしたっけ? 覚えてますか? 」


アニ「......急にどうしたんだい? まさか、命乞い替わりの泣き落としでもしようかと? 」


アニ「残念だけど、此方は殺しに慣れているんだ。命乞いされようが何されようが、問答無用で叩き潰す、それがアタシ」


アニ「相手がアンタになったところで、それは変わらないよ」


アニ「それと......今から殺す相手への言葉ではないだろうけど......らしくないよ、アンタ」


L「......らしくない、ですか。前回の私の事、しっかりと覚えてくれていたようですね」


アニ「......」


L「覚えていてくれたからこそ、あの暗号を解くことが出来たんでしょうね」


アニ「はぁ......だから言ってるでしょ。アタシは命乞いを受け付けない」


アニ「これ以外続けても、無駄だと思うけどね」

L「では、勝手に続けさせてもらいますね。貴方は最初、私の事を相当警戒していましたよね? 此方としても意味も無く睨まれるのは不快でしたので、対人格闘技の時、真っ先に勝負を挑みました」


L「実は私、カポエラーの訓練を一通りこなしており、自身の格闘術にはそれなりの自信を持っていたのですよ。ですから、貴方を甘く見ていました。一本獲るくらい楽勝だと高を括っていたのです」


L「......結果はご存知の通り、貴方の圧勝でした。その時は、悔しいなんてものではありませんでしたよ。ただ、純粋にムカつきました」


L「何故勝てないのか、どうして目の前の女性はこんなに強いのか、私の中で堂々巡りが始まりました。全く、世界一の探偵の名が泣きますね」


アニ「......やめろ」


L「堂々巡りの末、結局貴方に尋ねることになりました。尋ねるというより、詰問に近い形だったかもしれません」


L「ですが、貴方はこう答えてくれました。『......格闘術は父から教わった。そんなに負けたのが悔しいのかい? 』とね」


L「そんな余裕を見せられたら、調子が狂うのは当然ですよね。私の勢いが弱まるのを感じると、更にこう続けてきました」


L「『......アタシを超えてみたいか? 』と」


L「こうして、初めて話した次の日には師弟関係が結ばれていたのです。負けず嫌いの私には、珍しいことでしたね」


L「さらに......」


アニ「やめろって言ってるだろ!! 」

アニ「......もう思い出話は結構だよ。アタシはアンタを殺す。それでおしまいにする」


L「......」


L「......貴方が私を殺せない理由、実は思い出以外にもあるんですよ」


アニ「殺せる! いや、絶対に殺してやる! 」


L「アニさん......」


アニ「......分かった、この時間軸ではこっちの姿を見ていないからそんなことが言えるんだね。今、見せてあげるよ」


スタスタ


L「ッ! 」


L「(少々語り過ぎましたか、これはマズイ)」


女の巨人「......」


L「......」


L「(これで......終わってしまうのか? )」


アニ「......」


アニ「......どうだい? アタシは正真正銘の化物なんだ。だからアンタくらい簡単に......」


アニ「簡単に......」


L「(アニさん......)」


L「アニさん、ひとつ言い忘れていた事があります。本当は最初に言うべきでしたが......」


L「私は貴方の味方です。いくら貴方が巨人、つまり人類の敵であっても」


休憩します

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