千早「銀河鉄道の夜」 春香「のような夜」 (39)



「アイドル」

          「ルール」

「ルーズソックス」

 
         「スーツケース」


「ストレート」

          「東京都」

「と、と、と…」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394303705



ラーメンズのコント「銀河鉄道の夜のような夜」を元にしたアイマスSSです。

先に元ネタのコントをご覧になることをお勧めします。

なお、初SSですので何卒ご容赦ください。



* * * * 


私達は、アイドルという仕事上、「文字を読む」ということが多くあります。

ドラマの台本、新曲の歌詞、ラジオのパーソナリティー・・・

それだけ多く文章を読みますから、読み間違いも、しょっちゅうありました。


例えば、「月極」を、「げっきょく」。


警備員「すみません、この駐車場駐められないんですよ。」

  P「なんでですか? こんなに空いてるのに。」

警備員「いえ、ここは月極駐車場なんですよ。」

  P「月極だか何だか知らないけど、結局駐められるんですか?げっきょくだけにw」

警備員「…は?」




「猛者」を、「もうじゃ」。

  

 響「─など、たくさんの「もうじゃ」どもが集まっています。」

 千早「えっ?」

 響「そーんな中を生き抜いていくには様々な知識が必要です。」

 千早「というわけでここではそんな沢山の「猛者」どもを─」

 響「!」

 千早「─相手に闘いぬいている日高舞さんに…」


   

「会釈」を、「かいしゃく」

  

 社長「アイドルが出社したら、介錯をしてあげたまえ。」

  P「えっ」

 社長「えっ」

  P「首を切れということですか?」

 社長「なぜクビにするのかね!?まだ始まったばかりではないか!」

  P「も、もう始まってしまっているんですか!?」

 社長「えっ」

  P「早く助け出さないと!」

 社長「ちょ、助けだすって、引き入れたのは君じゃないか!」

  P「僕はそんなひどいことしませんよ!この人殺し!」

 社長「えっ」

  P「えっ」





「団塊」を、「だんこん」



   伊織「社長、だんこん世代にしては元気よねぇ。どこにそんな元気があるのかしら。」

 事務員O「ピヨッ!?社長の男根がそんな世代で元気になる!?ななな何を言っているの!?」

アイドルH「社長に弾痕があって元気がない!?誰かに撃たれたんですかぁ!?」

   律子「伊織ー、それを言うなら団塊よー」

   伊織「えっ、私なんて…」

   律子「だんこんなんて可愛い言い間違いしちゃうのねー、伊織も。」プププ

   伊織「もっ、もう、やめなさいよ!////」

    O「だだ、男根が可愛いなんてて、律子さんなんてことを////」アワワワワ

    H「律子さんに「やめろ」だなんて…、まままさか律子さんは内通者!?」アワワワワ



「お神酒」なんかは、ぱっと見では全く読めませんでした。



  P「美希、そろそろ起きないか。」

 美希「あふぅ…お正月ぐらいゆっくりさせてほしいの…」

  P「正月だからピシッとするんだろ?ほら、俺もそろそろお神酒を貰いに行くから。」

 美希「…ミキを、もらう?」

  P「そうだ。新年はやっぱりお神酒を味わわないと始まらないからな。」

 美希「ハニー、ついにミキのことを貰ってくれるんだね!」キラキラ

  P「おう!もうグビグビいっちゃうぞ!」

 美希「グビグビ!?」

  P「おう!グビグビ!」

 美希「グビグビ!」

  P「グビグビ!!」

 美希「グビグビ!!!」

  P「グビグビ!!!!」




そんなミスばかりですから、お仕事もあまり増えず。

もちろんアイドルランクはちっとも上がりません。

今日はアイドルのお祭りがありますが、私達はもちろんお客さんです。



* * * *



春香「あ、千早ちゃん!」

千早「春香、お疲れ様。」

春香「千早ちゃんは、今日、お仕事?」

千早「いいえ。こんな日に仕事があるのは売れっ子アイドルぐらいよ。」

春香「そっかー。そうだよね。」

千早「そういう春香は?」

春香「今日はロケ一本だったよ。」

千早「どこ?」

春香「東尋坊。」

千早「へぇ……………………えっ?」




春香「ところで千早ちゃん!聞いて聞いて!」

千早「もう聞いてるわよ。」

春香「さっき、凄いもの見ちゃったの!」

千早「何を?」

春香「UFO。」

千早「UFO?」

春香「うん。キラキラした細長い未確認飛行物体がね、こう天の川にそって、スーっと。」

千早「どこ?」

春香「いや、もう見失っちゃったんだけど。」

千早「『見た』って証明できるの?」

春香「確かに見たんだよ!未確認飛行物体をこの目で確認したの!」

千早「確認したのなら、もうそれは『未確認飛行物体』ではないんじゃないかしら。」

春香「あれ?ってことは『確認飛行物体』か。」

千早「『確認飛行物体』なら、『UFOを見た』とは言えないわよ。イコール見てないんじゃないの?」

春香「イコールじゃないよ。ヒコーキだよ。」

千早「飛行機じゃない。」

春香「あ、飛行機だ。そっかー、私が見たのは飛行機だったんだね。」

千早「ええ、そうよ。お祭り楽しんでらっしゃい。」

春香「うん!じゃあまたねー」

←│OUT



IN│→

春香「ねえ。」

千早「どうしたの?」

春香「あれやっぱり飛行機じゃないよ。確かに動く光が見えたもん。」

千早「それは、UFOを見たんじゃなくて、『光確認をした』じゃない。」

春香「光確認って言われると、なんか業者みたいになっちゃうね。」

千早「今日から我が家も、光確認ね。」

春香「速くて安くて、もうサイコー!」

二人「さあ、あなたも!レッツ光確認!」




千早「CM来ないかしら。」

春香「多分来ないと思うなぁ。」


千早「で、なんの話だったかしら。」

春香「もー、UFOも話も見失っちゃったじゃーん。」

千早「きっと、天の川の水を見たのよ。」

春香「天の川の水!?イコールUFOだ!」

千早「イコールじゃないわ。スコールよ。」

春香「そっか、スコールか。道理で私の上着がビショビショなんだね。それじゃあまたねー」

千早「ええ。お祭り楽しんできてね。」


ふと眼前を見上げると、満点の星空が広がっていました。

でも、それは本当の星ではなくて、街頭ビジョンに映しだされたCG。

なんでもこのイベント中は、東京中のビジョンにこの映像が流されるそうで。

流れ星を見つけるといいことがあ、る、と、か… あっ!


「大した努力もしないでDカップになれますように!」



…少し自分が嫌になりました。

* * * *


千早「ただいま戻りました。」


その日は、事務所に牛乳が届いていませんでした。


千早「牛乳屋さん、来てくれなかったのかしら…」

リーン

ガチャ

「ハイ牛乳屋デス!」

千早「あの、牛乳が届いていないのですが。」

「アー、ドウモスイマセンデシター!」ガチャ


千早「あら?」リーン

ガチャ 
「ハイ牛乳屋デス!」

千早「牛乳が届いていないんですけど。」

「アー、ドウモスイマセンデシター!」ガチャ


千早「あら?」リーン

「ハイ牛乳屋デス!」

千早「牛乳が届いていないんですけどという電話をしたら切られたんですが。」

「アー、ドウモスイマセンデシタ。失礼シマース。」

千早「あの、だからですね、」

「ハイ?」

千早「なんとかしてくださいよ。」

「…アー!ハイ、ワカリマシタ。チョット待ッテテクダサイネ。」

千早「わかりました。」

ガチャ

千早「…ん?」リーン

ガチャ
「ハイ牛乳屋デス。」

千早「あの、ちょっと待って下さいというのは、今から届けてもらえるということですか?
   それとも、どうするか決めたら連絡をくれるということですか?」

「ハイ」

千早「いや、ハイとかじゃなくて。」

「ハイ?」

千早「今どうしようとしてたんですか?」

「テレビ見ヨウトシテマシタ。」

千早「あらあら、ちょっと待って」

ガチャ

千早「あ。」リーン

「ハイ蕎麦屋デス。」

千早「牛乳屋ですよね?」

「ハイ!」

千早「何で嘘ついたんですか?」

「アー、ドウモスイマセンデシター!」ガチャ

リーン!

ガチャ
「ハイ牛乳屋ジャナイデス。」

千早「牛乳屋でしょ?」

「ハイ」

千早「なんで切るんですか?」

ガチャ

リーン!!

ガチャ
「ハイ店屋デス!」

千早「牛乳のね。」

「ハイ」

千早「あの、」

「只今、留守ニシテオリマス。ファックスノ方ハ…」

千早「遅いですよそれやるなら。」

「ハイ」

千早「一回コミュニケーションとってるじゃないですか。」

「パーフェクトコミュニケーション!」

千早「バッドです。そこ頑張らなくていいんで、牛乳何とかしてください。」

ガチャ

リーン!!!

ガチャ
「♪ピンポンパンポーン。気象庁予報部、午後六時発表ノ」

千早「牛乳屋さん。」

「ハイ」    

千早「『これから届けます』とか、『明日2本届けます』とか、
   何かしらの方針を示してもらえないかしら。」

ガチャ

リーン 

リーン

「……………」

千早「あっ出ない気ね!」

リーン! リーン!!

ガチャ
「名前は如月千早で

千早「牛乳屋さんでしょ?」

「ハイ」

千早「今テレビ見てましたよね?」

「ハイ」

千早「もういいです。ありがとうございました。店長さんを」

ガチャ


千早「………。  取りにいきましょう。」


* * * *

prrrrrr prrrrrr

千早「あっもしもし、プロデューサー。」

「プロデューサァー?………プロデューサーだよ。」

千早「はい。ちょっと牛乳屋まで行きたいのですが。」

「牛~乳~屋さん~?………はい。」

千早「1時間で戻りますので。」

「い~ち~じ~か~ん~?………」

千早「……はい。」

「今夜はお祭りだろう。」

千早「ええ。まあ。」

「寄ってくるがいい。」

千早「いいんです。私は牛乳を取りに、」

「寄ってくるがいい!!」イイ…ィィ…

千早「…………はい。大丈夫ですか?」

「何が」

千早「プロデューサーが。」

「プ~ロ~デュ~サァ~?………プロデューサーだよ。」

千早「………あの、何を匂わせているんですか?」

「に~お~わ~せ~て~い~る~?………匂わせているよ。」

千早「ですよね。お祭りに行ったら何かが起きるっぽいですよね。」

「っぽい~?………っぽいだよ。」

千早「プロデューサー。」

「プ~ロ~…

千早「行ってきます。」

* * * *

カタンカタタン……カタンカタタン……

千早「座席は…ここね。」ストッ

ガサッ

千早「あら?これは……今日の新聞ね。誰かが忘れていったのかしら。」

千早「『中堅アイドルプロダクション、言葉禁止条例に所属アイドルがクーデター』…、
   おかしなプロダクションがあるものね。」


コツ、コツ、コツ、

春香「あれ?千早ちゃん。」ストッ

千早「ん?」

春香「ねえねえ、さっきの光確認の話覚えてる?」

千早「うん。」ガサッ

春香「私がUFOだと思ったのは、この鉄道だったの!」

千早「ええ?」

春香「どうりで細長いと思ったの!」

千早「へぇー。」

春香「凄いでしょ。」

千早「凄いわね、16歳で105cmなんて。」

春香「何の話ー?もう、千早ちゃんが小さいんですよぉー。」


カタンカタタン……カタンカタタン……

カタンカタタン……カタンカタタン……


春香「…ねえねえ」

千早「ん?」

春香「昔、千早ちゃんが前座をやった、『ハミング・バード』ってバンド覚えてる?」

千早「あの人、なにやってるのかしら。」

春香「なんでも、今は歌わずに、詩の提供に専念してるらしいよ。」

千早「歌詞作り、か。」

春香「それで、今は『サチ・バヤシコ』って名前なんだって。」

千早「なんだか、トリみたいね。」

春香「そのうち、私達も作詞してもらえるかな。」

千早「うまく、できるかしら。」

春香「大丈夫だよ!千早ちゃんは歌上手だし!」

千早「………」

春香「………」


カタンカタタン……カタンカタタン……

カタンカタタン……カタンカタタン……

ガサッ
春香「あれ?千早ちゃんの切符、私のと違うね。あ、乗る電車間違えてたりして!
   もー、千早ちゃんったらー。何が書いてあるの?」

ゴソッ
千早「三時到着予定。結構時間あるわね。」

春香「結構時間あるねー。」

千早「…しりとりでも、しましょうか。」

春香「ふっふっふー、やめときな千早ちゃん。私これでもしりとりは強いんだから。
   千早ちゃんなんて、弱すぎて話にもならないよ。」ムフー

千早「アイドル」

春香「ルール」

千早「ルーズソックス」

春香「スーツケース」

千早「ストレート」

春香「おっ、それはまっすぐって意味のストレート?それともポーカーの役?
   まあいずれにせよ、東京都!」

千早「と、と、鳥」

春香「理科係」

千早「リズム」

春香「無味無臭ガム」

千早「無糖コーヒー」


春香「昼コーヒー」

千早「ひきこもり」

春香「倫理」

千早「リゾラ」

春香「おっ、それは伊織の持ち歌?それともリゾットライスのこと?
   まあいずれにせよ、ら、ら、ライラ!」

千早「らららわんだぁらんど」

春香「楽しかったねー。皆で歌うの。また歌えればいいね。えっと、、ドナーカード」

千早「ドナー」

春香「あー取られた。ナズナ」

千早「765プロ」

春香「ロクロ」

千早「ロウ」

春香「運動場」

千早「宇宙ステーション…あ」

春香「やった!」

千早「だめね。」

春香「一人でやってな!」

千早「一人でやっても、つまらないわ。」



春香「でも、まさか千早ちゃんもこの列車に乗るなんてね。」


春香「ずぅっと、いっしょに行こうね!」


春香「あ、東尋坊が見える。。。!そういえば、」ガサゴソ

春香「これ!東尋坊で貰ったの!おまつりくじ!これ凄いんだよ。1等賞が1億円!
   で、2等が豊乳手術の権利なんだって。」

   


   …でも、なんでここから東尋坊が見えるんだろう。

   … ……んん!?これ路線違う!?あ、私乗る電車間違えちゃった!
   
   もー、こういうときにドジッちゃうんだよなぁ…

   ねぇ、千早ちゃん?聞いてる?
  
   ねーえー。なんか言ってよー。そんな透明人間扱いしないでさ。

   ていっ! 


   ペシンッ

   …あれ?千早ちゃん、私の声、聞こえてないの?
   
   私のこと、見えてないの?

   だって、さっきまであんなに千早ちゃんとおしゃべりして…

  
   ………ないや。







   ああ、私、本当はここにいないや。  
  

    
      


        ←┃   ┃→  





千早「座席は…ここね。」ストッ

ガサッ

千早「あら?これは……今日の新聞ね。誰かが忘れていったのかしら。」


千早「『中堅アイドルプロダクション、言葉禁止条例に所属アイドルがクーデター』…、
   おかしなプロダクションがあるものね。」

千早「ん?」


千早「うん。」ガサッ


千早「ええ?」


千早「へぇー。」


千早「凄いわね、16歳で105cmなんて。」


カタンカタン……カタンカタン……



千早「ん?」


千早「あの人、なにやってるのかしら。」


千早「菓子作り、か。」


千早「なんだか、鳥みたいね。」


千早「うまく、できるかしら。」


千早「………」



カタンカタン……カタンカタン……


ガサッ
ゴソッ
千早「三時到着予定。結構時間あるわね。」


千早「…しりとりでも、しましょうか。」


千早「アイドル」


千早「ルーズソックス」


千早「ストレート」


千早「と、と、鳥」


千早「リズム」


千早「無糖コーヒー」


千早「ひきこもり」


千早「リゾラ」


千早「らららわんだぁらんど」


千早「ドナー」


千早「765プロ」


千早「ロウ」


千早「宇宙ステーション…あ」


千早「だめね。」




千早「一人でやっても、つまらないわ。」







(BGM)(http://www.nicovideo.jp/watch/nm16760578


ペシンッ

千早「痛っ!………って、あれ…?」




「私は、ずっと誰かと一緒だった気がする。」

ガララララッ




「遠いわねぇ牛乳屋ぁ!」



「…ああ、天の川…あれが牛乳の海だったらいいのに。」



「…ん?何かしら。『おまつりくじ』?」


「……………」





「…かすりもしてないじゃない!」



ポォォォォォォー!



* *終* *

ラーメンズとアイマスが今後も発展していくことを願ってます。
SS初心者でしたが、1時間ありがとうございました。

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