絵里「高坂さん、そこをどいてくれないかしら」 (47)

穂乃果「絵里ちゃんおっはよー!」

穂乃果「今日も練習頑張ろうね!」

絵里「……」スタスタ

穂乃果「絵里ちゃん?」

穂乃果「絵里ちゃんどうかしたの?…もしかして怒ってる?」

絵里「高坂さん、そこをどいてくれないかしら」キッ

穂乃果「えっ!?あ、ご、ごめん………」

絵里「………ふん」スタスタ


※多分シリアス。
書き溜めを投稿していくスタイルです。
規約等で問題がある場合、指摘お願いします。
拙い文章ですが、最後まで読んでもらえると幸いです。


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――放課後、部室――

穂乃果「どどどどうしよう…」

穂乃果「絵里ちゃん怒らせちゃったよ……」

真姫「それで朝練にも来てなかったのね」

ことり「穂乃果ちゃん。何か悪い事したの?」

穂乃果「ううん。全然心当たりないよ」

海未「困りましたね」

希「………実はな」

希「昨夜、絵里ちからメール来てな」

希「スクールアイドル辞めるって‥」

凛「ええっ!?」

にこ「ちょっと、それどういう事よ!?」

希「ウチもようわからん!でも、絵里ちは本気みたいやし」

穂乃果「そんな……絵里ちゃんが……」

ことり「みんなで会いに行こうよ!きっと何か訳があるんだよ!」

にこ「そうね。冗談だったらいいのだけど」

ガチャ

絵里「希、こんなところにいたの」

希「絵里ち」

絵里「『こんなところ』で油売ってないで早く来て。生徒会の仕事があるんだから」

にこ「ちょっと絵里ちゃん!『こんなところ』ってどういう意味よ!?」

絵里「言葉通りの意味よ」

絵里「スクールアイドルなんて……くだらないわ」

にこ「あ、あんたねぇ!!」

海未「にこ落ち着いてください!」ガッ

にこ「話しなさいよ!海未ちゃん!」

海未「絵里。冗談にもほどがありますよ」

絵里「……園田さん。上級生に対しての接し方、一度考え直しなさい」

海未「………!」

絵里「希行くわよ」

希「ごめんな。ちょっと行ってくるわ」

バタン

穂乃果「にこちゃん、海未ちゃん……」

海未「絵里……一体どうしたのですか」

にこ「知らないわよ!あんなの!」

凛「なんていうか……」

ことり「μ'sに入る前の絵里ちゃんみたい…」

花陽「……」

――生徒会室――

絵里「………」サラサラ

希「………」

絵里「……希、そっちの書類お願い」

希「え?う、うん……」

絵里「……」

希「なぁ、絵里ち」

絵里「昨日のメールの事なんやけど…」

絵里「昨日?…あぁ、あのお遊びの事ね」

希「お遊びって……、絵里ちそれ本気で言ってるん?」

絵里「当たり前でしょ」

希「嘘や!だって絵里ちスクールアイドルしてるん時、あんなに楽しそうにしてたやん!」

絵里「…なによ。急に大声だして」

絵里「希、何か勘違いしているようね。私はμ'sでスクールアイドルをしたかった訳じゃないの」

絵里「音ノ木坂を廃校にしたくなかった。だからμ'sを利用したの」

絵里「廃校は一年延びた。だからもうあそこにいる必要はない」

絵里「あとは、私でなんとかすわ」

希「絵里ち……」

絵里「作業に戻りましょう」

――部室――

真姫「じゃあにこちゃんはエリーの事どうでもいいって言ってるの!?」

にこ「ええ!そうよ!絵里のことなんてもう知らないわ!」

ことり「ふたりとも落ち着いて……」

穂乃果「そうだよ。一旦落ち着こうよ」

花陽「……」

凛「かよちんどうかしたにゃー?」

花陽「え。い、いやなんでも」

花陽「ごめんね。私今日は帰るね」ガチャ

凛「かよちん…」

海未「(絵里がいないだけでこうも簡単にバラバラになるのですね…)」

花陽「はぁ……」トコトコ

花陽「どうしよう……」

希「ほれ!わしわしや~!」ワシワシ

花陽「ひゃ!?の、希ちゃん!?」

希「元気ないんね。まぁなんでかは分かるけど」

花陽「う、うん……」

希「どうしたんやろうね」

花陽「の、希ちゃん。あのね……」

希「ん~?」

花陽「わ、私のせい……いや、なんでもないの!また明日ね!」タッ

希「かよちん…?」

――翌日――

穂乃果「やっぱり絵里ちゃん少しおかしいみたい」

穂乃果「雪穂から亜里沙ちゃんに聞いてもらったんだけど」

穂乃果「μ'sの事を毎日嬉しそうに話してたのに、一昨日からパタッと話さなくなったって」

穂乃果「それでね。亜里沙ちゃんから絵里ちゃんにμ'sの話題を振ったら」

穂乃果「すごく嫌そうな顔したらしい」

海未「本気のようですね」

真姫「演技……って訳じゃなさそうだし」

ことり「でも、なんでいきなり」

穂乃果「それとね。大嫌いだった梅干しも普通に食べてるみたい」

凛「不思議だにゃー」

花陽「………」

にこ「………ふん」

絵里「……」スタスタ

凛「あれ?あれって絵里ちゃんだにゃー!」

海未「希もいますね」

穂乃果「よし、皆で聞きに行こうよ!」

にこ「どうせ無駄よ」

穂乃果「無駄かどうかやらなきゃ分からないよ!」

穂乃果「ことりちゃん、海未ちゃん行こう!」ダッ

ことり「あっ、穂乃果ちゃん待ってよー」

海未「もうっ。待ってくださいよ」

海未「(いつも穂乃果の無計画な行動でなんとかなってました)」

海未「(きっと今回も…)」

凛「ほーら、凜達もいくにゃー!」グイ

真姫「えっ。ちょ、ちょっと!引っ張らないでよー!」

花陽「わわ!り、凜ちゃん。私は……!」

希「なあ絵里ち、やっぱり考え直さへん?」

絵里「何度言わせるのよ。私の考えは変わらないわ」

穂乃果「絵里ちゃん!」

絵里「…またあなた達なの」キッ

穂乃果「絵里ちゃん!」ギュ

ことうみ「!?」

絵里「……これは何のつもりかしら高坂さん」

穂乃果「え?こうすれば治るかなー?って」

絵里「どいてもらえないかしら。邪魔だわ」

穂乃果「絵里ちゃんが元通りになるまで放さないよーだ」ギュー

ことり「ほ、穂乃果ちゃん…」

絵里「だから邪魔だって言ってるでしょ!」

穂乃果「」ビクッ

絵里「何のつもりだか知らないけど、私にかかわらないで!」

絵里「不愉快だわ!」

穂乃果「ごめん……なさい」

花陽「え、絵里ちゃん……」

絵里「」イラッ

絵里「小泉さん。あなた確か一年生だったわよね?」

絵里「友達でもないのに上級生に対してその呼び方なんのつもりなの!?」

希「絵里ち言い過ぎや」

花陽「で、でも、えりちゃ…」

絵里「ああもうっ!あなた達見てるとイライラするの!」

花陽「………!」ポロポロ

希「絵里ち!」

絵里「………もう来ないで!」スタスタ

希「絵里ち……」

――――

にこ「それでお通夜ムードってわけね」

穂乃果「………」

花陽「うう……ぐす…」ポロポロ

凛「かよちん大丈夫?」

ことり「とても怖かったね……」

真姫「もうお手上げね」

希「ウチもどうしたらいいのか…」

にこ「……さて、私は用事が出来たから行くわね」

海未「え?どちらへですか?」

にこ「決まってるでしょ。あの生徒会長のところよ」

にこ「花陽ちゃんを泣かせといて、そのまま黙って引き下がれるわけないでしょ」

海未「暴力はいけませんよ!」

にこ「うるさいわね。一発殴っても気が収まらないわよ」

花陽「ご、ごめ……ぐすっ…ごめんなさい」ポロポロ

真姫「かよちんが謝る事じゃないわよ」

凛「そうだにゃー」

花陽「ちが、違うの……ひっぐ…花陽が悪いの…」

花陽「花陽のせいで……え、えりちゃんが…!」

海未「……どういう事ですか?」

―― 一昨日、放課後の部室――

絵里「花陽。なに熱心に読んでいるの?」

花陽「へ?あ、ああ。これだよ絵里ちゃん」

絵里「なになに…『だれでもかけれる催眠術』?」

花陽「そう催眠術!昨日テレビでやってて面白うだなって」

絵里「催眠術ねぇ……」

花陽「あ!絵里ちゃん信じてない!」

絵里「テレビでやってるのだって仕込みなんだし…」

花陽「そ、そんなことないよ!」

絵里「じゃあ、私にかけてみなさいよ」フフン

花陽「い、いいよ!絵里ちゃんに催眠術、かけちゃうよ!」

花陽「この五円玉にひもを結んで……」

絵里「また古典的なものを…」クスッ

花陽「絵里ちゃんよくこの五円玉見てて!」ブラーンブラーン

花陽「絵里ちゃん。あなたはだんだん眠たくなーる」

絵里「古典的ねぇ」

花陽「眠たくなーる。眠たくなーる」ブラーンブラーン

花陽「……絵里ちゃん?」

絵里「………すぅ」

花陽「せ、成功しちゃった!」

花陽「それじゃあ、なんて催眠かけようかな」

花陽「………小さなころの絵里ちゃん観てみたいかも」

花陽「それじゃあ絵里ちゃん。あなたは『昔』の絵里ちゃんになーる」

花陽「はいっ」パンッ

絵里「んっ……」

花陽「……」ワクワク

絵里「ここは……」

絵里「……」スクッ

花陽「え、絵里ちゃん…?」

絵里「なに?小泉さん」キッ

花陽「えっ、こいず……えっ?」

絵里「用がないなら話しかけないでもらえるかしら。私は忙しいの」

ガチャ

――――――――

希「なるほど」

海未「にわかには信じ難いですが」

真姫「でもそれなら合点がいくわね」

希「でも、絵里ちはスクールアイドルも穂乃果ちゃん達も毛嫌いしてたわけやなかったんやけど」

ことり「催眠が変なふうにかかったとか…かな?」

花陽「ぐす…ごめんなさい…」

凛「かよちん、もう泣かなくてもいいにゃ」

海未「どちらにせよ、解決の糸口が見えました」

海未「希。なにかわかりますか?」

希「ん~。催眠術は専門外やから詳しくはわからんけど」

希「なにか衝撃与えたら治るんやないんかな?」

凛「なんだか雑だにゃー」

穂乃果「いや、漫画でもそれで治ってるし、いけるかも!」

にこ「漫画と一緒にされても……ねぇ」

海未「とにかく、今はこれしかないです。真姫、作戦を立てますよ」

真姫「ええ、わかったわ」

―――――――――

海未「と、いうことで」

海未「穂乃果と凜が絵里を確保、部室に監禁します」

海未「あとは、皆で色々試します」

穂乃果「わかったよ!凛ちゃん頑張ろうね!」

凛「うん!凛頑張るにゃー」



にこ「なんていうか、海未ちゃんと真姫ちゃんが立てた作戦にしては…」

希「えらい雑やんなぁ」

希「まぁそれだけ焦ってるってことなんかな」

穂乃果「ようし!作戦も決まったことだし、善は急げ!皆行こう!」

ことり「うん穂乃果ちゃん!」

希「頑張ってな。ウチは待っとるわ」

凛「にこちゃんは…?」

にこ「だ~か~ら~、何度言わせるのよ」

にこ「もう絵里の事なんてどうでもいいって言ってるでしょ」プイ

希「にこっちはウチとお留守番やね」

穂乃果「そう、なんだ。それじゃあ穂乃果達は絵里ちゃん連れてくるね!」ダッ

絵里「まったくなんなのよ。希もあの子らも…!」スタスタ

カキーン

絵里「スクールアイドルスクールアイドルって」

絵里「音ノ木坂にそんなの必要ないわよ…!」

生徒A「あぶなーい!」

絵里「えっ?」ドスン

バタン

生徒B「せ、生徒会長!?」

生徒A「大変!生徒会長の頭にボールが!」

生徒C「わ、私先生呼んでくる!」

にこ「………」ソワソワ

希「………」

にこ「………」ソワソワ

希「にこっち気になるんやったら行ったらいいのに」

にこ「はぁ?べ、別に気になんかしてないわよ」

希「あ~…。にこっちも面倒な性格やったね」

にこ「なによそれ。それより希ちゃんこそ行かなくていいの?」

希「ウチは信じてるから。絵里ちも皆も」

希「それに………」ペラッ

希「『太陽』の正位置、か……」

にこ「なによ……」

希「意外と簡単に解決するかもしれんで?」ニヤッ

希「さ、にこっち準備するよ」

にこ「準備ってなにをよ?」

希「なにってそりゃ決まってるやん」

希「絵里ちお帰りなさい会や!」

絵里「う……ん」

絵里「あれ…私……、確か部室で花陽と…」ボー

生徒A「せ、生徒会長大丈夫ですか!?」

生徒B「ご、ごめんなさい!私がボール取れなかったせいで…!」

絵里「え!?あ、いいのよ?」

絵里「それよりも私急いでるから」スクッ

生徒「ほ、保健室に行った方が…」

絵里「大丈夫よ。ありがとう」

絵里「どういう事かしら」スタスタ

絵里「確か部室にいたはず」

絵里「そこで花陽と……」

絵里「なんだか靄がかかったみたいで思い出せないわ」

絵里「とにかく希に話を聞きましょう」

穂乃果「絵里ちゃんが来てるよ…!」

海未「それでは手筈通り、ますは穂乃果と凜の出番ですよ」

凛「う、うん……」

ことり「やっぱり怖い?」

穂乃果「いざ出番となったら…」

凛「さっきみたいに怒られるかもって思うと……」

海未「もう、しっかりしてください」

海未「こうなったら私とことりで…」

ことり「ええっ!?う~み~ちゃ~ん~」ユサユサ

花陽「(花陽のせいでこんなことになったんだ。花陽が何とかしなくちゃ…!)」

花陽「………」ダッ

真姫「かよちん!?」

花陽「せっ!生徒会長!」

絵里「………花陽?どうしたのいきなり」

花陽「(勢いで絵里ちゃんの前まで来たけど)」

花陽「(ど、どうしよう…。さっきみたいに怒られたら……)」

花陽「(で、でも言わなきゃ。ちゃんと…私の想いを…!)」

花陽「あ、あの……生徒会長」フルフル

花陽「わ、私のせいで……生徒会長が……」

花陽「ごめ、ごめんなさい…!」ポロポロ

花陽「(違う)」

花陽「ごめ、んなさ……せいとか……」

花陽「(言いたいことはそんなことじゃない)」

花陽「(言いたいこと、伝えたいことがあるのに)」

花陽「ごめっ……ひっぐ…ごめんな…さ……」

花陽「(言葉にできない…!)」

絵里「……」スッ

花陽「ひっ!?」ビクッ

絵里「ごめんね花陽」ギュ

花陽「せいと……かいちょう…?」

絵里「記憶が飛んでてよく分からないけど」

絵里「どうやら私が花陽を困らせたみたいね」

絵里「花陽の言いたいことは、何となくだけどわかったわ」

絵里「私の事で悩ませて、苦しませて、ごめんなさいね」

絵里「そしてありがとうね」

花陽「せい……と…か…」

絵里「ああ、それとね花陽」

絵里「その生徒会長って堅苦しいのやめて、いつもみたいに絵里ちゃんって呼びなさいよ」

花陽「え、絵里……ちゃん…?」

絵里「なぁに?花陽」

花陽「絵里ちゃん…。絵里ちゃん……!」ポロポロ

真姫「ど、どういう事よ…!?」

海未「よ、よくわかりませんが、絵里が治ったという事でしょうか」

凛「かよちんマジックだにゃー」

ほのこと「………」ウルウル

ほのこと「絵里ちゃああぁぁぁん!」ダッ

海未「あっ!穂乃果!ことり!」

ほのこと「絵里ちゃああぁぁぁん!」ギュ

絵里「穂乃果、ことり。いきなりどうしたの?」

穂乃果「絵里ちゃああぁぁぁん!」

ことり「治ってよかったよぉ!」

絵里「えっ?何、なんなのよ?」

海未「絵里…」

絵里「海未、凜、真姫。丁度よかったわ。いったいなんなの?」

海未「よかったです……」ギュ

絵里「え?えっ?海未までどうしたの!?」

凛「凜もやるにゃー」ギュ

絵里「ええっ?ちょ、ちょっと凜倒れ…」バターン

絵里「お、重い…」

凛「真姫ちゃんもやるにゃー」

真姫「わ、私は別にいいわよ///」

絵里「い、いったいなんなのよ。説明……いや、説明の前に皆どきなさいよ…!怒るわよー!」

海未「ふふっ」

絵里「な、なによ。皆して笑って」

真姫「やっぱり」

穂乃果「この絵里ちゃんなら」

海未「いくら怒っても」

ことり「ぜんっぜん」

凛「怖くないにゃー」

凛「だよね。かーよちん」

花陽「うんっ!」



おわり

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