黒子「……好きにすれば、いいですの」(692)

           _
         ,r'"= ニ三`ヽ-=-、)'゙ヽ  r、
        ////,r=三ミヾヽヾ} }'ヽ ノソッ
        /,////,r'" == ミヾヽ 川 l l./ /"リッ
      // /// ///,r三 ミヾ.l リ /ツ/ ノ/ノ ノ
      l l/// /////,r = ミヾ ノノ/ /,r"'"")
      f/// // / //,r`ヾ∨/,,.r''´/,r="ノ
     ノ// // / /// / /ヾ''""ヾ'、'r''''''r=''))     最初にこんなことを言うのもなんだが このSSは18禁です。

      ノ// // / /l l l l l       l.lll   レソ/
.    ////〃 / / l l l l |     リリ   |//      18歳以上の男性が読むといいと思います。さらに純愛スキーさんは回れ右を推奨します。
   //// / / ノ―-ヽトトl、   v-"---ッリノ

.  //// / /,ィl | F〒tテ‐〉  f:r〒tテッ l゙l |       気が向いたら投下する形式なので、スピードは期待しないでください。

  l 川 / / f{ {l゙|  ´´ ̄''"   {゙`' ̄゛` |,リ
  |川 〃/ハヽヾ|         l:}     l'ト|、       最後に、僕はジョジョが好きなのですがAAは内容に一切関係ありません。
  |.ll l / / ヾi`゙l       ヾ_フ    l l゙ト\
  |ll l l /   'il l',    _______  /'|.l | ヽo
  |l l l l    l.l.lヽ.  ''ニニニニ'' / |.l.l  ゙o

  |l l l |     | |  \      /  |リ
  | l l ll       l.|   ヽ____/   リ
  l l l,リ     f==r,===========l
  //./      |r┐ll: : : r―‐┐ : : : : : : : : |
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上条「俺のことが好きなんだろ?」

美琴「そ、そんなわけないでしょ!?///」

上条「正直じゃないな、顔赤くして否定しても無駄だぜ?」

美琴「んもうバカ!あんまり調子に乗ると・・・」

上条「そうなのか・・・俺の幻想だったのか・・・俺、美琴のこと好きだったのになぁ」

美琴「ちょっ・・・い、今なんて?///」

上条「ん?美琴のことが好きだって言ってんの。二回も言わせないでくださいよ(キリッ」

「ふにゃ!? すすすすすすす!?」

顔を赤く染めた美琴が、カチリと硬直する。

上条は、彼にしてとても珍しい、いわゆる「女性を愛でる」笑みを浮かべ、右手を持ち上げた。

「美琴」

そっ、と右手が、幻想殺しが、桃のような少女の左頬に添えられた。 

「ふにゃ、にゃ、にゃぁ……」

ぷしゅー、と美琴の頭から湯気が噴出した。

学園都市第3位。

つまり学園と、都市で3番目に聡明と言って過言ではない彼女の頭脳は、頬の丸みと柔らかさを楽しむように動く、上条の右手に侵食され、、完璧に停止した。

無理もない。

恩と、感謝と、それらを全て圧倒する恋心。

若干14歳の彼女が受け止めるには、それら感情の複合体は、あまりにも大きすぎたのだ。

「美琴」

上条が、頬に添えた指を僅かに動かし、少女の名を呼ぶ。

「は、はい……」

夢見心地。
 
あの実験場の夜から、昨夜まで。

夢の中で何度も見た光景が、いま目の前にあるのだ。

美琴はもはや、何も考えることができない。

何も、考えたくはない。

ただいまこの瞬間が、泡のごとく消えないことを、祈るのみだ。

もしかして最近途中で落ちた上×黒の人か?
とりあえず期待しとこうか

真剣な表情の上条。

彼の右手がほんの少しだけ動く。

それはただ、親指がうごいただけ。

彼の親指が、半ば開いたまま震えていた美琴の唇に触れたのだ。

「…いいか?」

問う声は静か。

「……ぁ」

美琴は何も返せない。うなずくこともできない。

視線を返すのが精一杯だった。

不安と期待に潤んだ眼差しを、返すのが。

「……」

上条の顔が、すっ、と近づいた。

空気が動き、かすかに彼のにおいを感じる。

いま自分はどんな顔をしているのだろう。

思考停止の中、僅かだけ残った理性は嘘のように冷静にそんなことを思った。

その間にも、上条の顔は、唇は、近づいていた。

何か言わなければ。

せめて、たった一言、それよりも先に言いたい言葉が。

唇が重なるよりさきに、言ってほしい言葉がある。

しかしそんな想いが少女の吐息を言葉に変える前に。

「ぁ……」

ふわり、と羽毛が大地に落ちるがごとく。

やわらかく、自然に、瞼が、降りた。

「っ」
 
目を開くと、天井が見えた。

見慣れた天井。

しかし一瞬、ここがどこだかわからなくなる。

「……」

続いて耳に響いた微かな雀の声で、美琴はようやく状況を理解した。

「ゆ、め……?」

掛け布団を力いっぱい握り締めていた両手を自覚しながら、呟く美琴。

「うぅん……」

「っ」

タイミングよく、隣から響いた声で、ようやく現実に引き戻された。

反射的に見た隣のベッドには、長い髪を身に纏わせた白井がいる。

「――っは、はっ、は……はぁ~」

白井の、どこか強張っている寝顔を0.5秒だけ見てから、美琴は大きくため息をついた。

肺から息が抜けていき、身体が弛緩する。

そうなってからようやく、自分がどれくらい身体を硬直させていたのかが自覚できた。

(そう、だよね。そんな、アイツが、あんな風なわけ、ないわよね)

右手を持ち上げて自分の目の前にかざす。

白く細い指先は、緊張からの解放を示すように、小刻みに震えていた。

「はぁ」

美琴は公園のベンチに座り、ため息をついた。

憂鬱というよりも、何かの感情を吐き出したような呼気は、両手で握ったヤシノミサイダーの飲み口に触れて、消えていく。

いつもの公園。

ちぇいさー、といったところなのだが、出てきたのはこの一本だけ。やはり、今日は、どこか調子が狂っている。

今朝あれから、ベッドで悶々とすること、気がつけば一時間。

休日とはいえ起床が少々遅くなったことに気がついた美琴は、気分転換に街に出ていた。

服装はいつもどおりの常盤台の制服だが、髪にはトレードマークとも言える髪飾りはつけられていない。

髪が乾いていないせいだ。

ドライヤーは音が大きい。

美琴がベッドから身を起こしたとき、白井はまだ眠っていた。

いつもなら美琴とほぼ同じ時間帯(つまり今朝よりはずいぶん早い時間)に起きるのだが、今日はベッドに沈んでいたのである。

昨夜は風紀委員の仕事がずいぶん忙しかったらしい。やけに遅く帰ってきたと思ったら、すぐにシャワーを浴びて寝てしまった。顔色も悪かったし、今朝心配になって覗き込んでみたら、どうにも疲労が抜けきっていない様子だったのだ。

そんなわけで美琴はいま、髪を乾かしがてら、暇つぶしの散歩に興じている。

自然の風に晒してしまうのは傷みが心配であるし、何よりそんな頭を人に見られたくはない。

そう思っていたら、脚はいつの間にか、いつもの公園に向かっていた。

(なんて夢見ちゃったのよ、私ったら……)

ぽわり、と、己の手元を見る視界に、夢の中で見た上条の真剣な眼差しが浮かぶ。

彼はゆっくりと顔を近づけてきていた。そして右手は自分の頬。

目を覚まさなければ、あの後どんな光景になっていたかなど、考えるまでもない。

(わ、わたし、あ、アイツと、き、き、キ……)

ぷっしゅー! と美琴の顔から、本日二回目の湯気が噴出した。

(そ、そりゃ私だってアイツには感謝してるし、それこそ恩だってあるし、でもだって、そんな私がそんな……で、でも夢は願望だって言うし……が、願望?)

視界に、上条の真剣な表情が――

ぷっしゅー! と三度、美琴の顔から湯気があがった。

(あう、あう……)

頬といわず耳といわず、首元まで真っ赤に染まった少女。抱え込むようにして缶を握る両手の人差し指が、ツンツンと、モジモジと先端を絡ませあう。

もう完全に、視界に浮かんだ幻想以外に何も見えていない。

だから気がつかなかったのだろう。

やや俯き加減の少女の前に、人影が立ったことに。

「美琴? こんなところで何してんだよ、お前」

「!?!?!?!?!?」

がばっ! と顔を上げる。

つい今しがたまで、目の前に浮かんでいた幻想が、現実となってそこに現われていた。

「?」

幻想とは違って、真剣な眼差しではない。

だが、そんなことは少女には関係がなかった。

ぷっしゅー!

本日四回目の湯気が、まだしんなりした赤毛から立ち上ったのだった。

常盤台中学校寮。その一室。

シャワールームから、ずいぶん長く水音が響いていた。

「……」

長い髪を身に纏わせ、頭からシャワーを浴びているのは、白井黒子だ。

美琴が部屋を出て行って、戻ってこないことを確認してからすぐシャワールームに入ったため、もう一時間近くにもなる。

やや熱目の湯を、長時間。しかしにも関わらず、彼女の顔は冷水でも浴びているかのように、青ざめていた。

――おまえが条件を呑むんなら、美琴には手を出さないぜ?

脳裏に浮かぶのは、普段からは想像もつかないような、酷薄な笑み。

いつも美琴とじゃれているときの顔は幻想だと言わないばかりの、下卑たモノだった。

歪んだ、彼の唇。

「っ……!」

ゾクリ、と身体が震え、白井は己の身体を両腕で抱え込んだ。瑞々しい唇が、強く噛み締められる。

昨夜、そこに重ねられた感触を思い出してしまったせいだ。

(……本当に、下衆な……)

美琴のため。

そう覚悟を決めた自分をあざ笑うかのように、唇だけが奪われた。

それ以上は、明日だ。

彼の言葉。すなわち、今日である。

勢いというものがある。短慮とも言えるが、決断を下すときや、覚悟を決めるときには、大きな後押しになるものだ。

だがそれも、こうして時間を空けられてしまえば、文字通り勢いを失わせてしまう。

決意は鈍り、覚悟は揺らぐ。

間違いなく、自分がこうして葛藤することを見越してのことだろう。

(……お姉様)

きゅっ、と両手を握る。

敬愛する存在。彼女のためなら、命すら惜しくないほどの。

きっと美琴は、このことを知れば哀しむだろう。いや、それだけでは済まないかもしれない。

心を失い、下手をすれば……

「っっっ」

最悪の想像に行き当たり、白井は今度こそ背筋を凍らせた。

だめだ。

そんなこと、させるわけにはいかない。

彼の本性も、自分の身に今から起こることも、絶対に隠し通してみせる。

しかしその悪寒が、揺れかけていた覚悟を、再び決然と固める要因となった。

お姉様は、わたしくが護ってみせる。

白井はシャワーを止める。

ポタポタと水滴の落ちる前髪の奥で、悲壮な決意の灯った瞳が、ここにはいない彼を睨み付けていた。

約束の時間まで、後、2時間。

「大丈夫か?」

「う、うん」

 左隣に腰掛けた上条の問いに、美琴は赤い頬のまま頷いた。

 基本的に休日に遭遇することがなかったせいで、完璧に油断していた。

 その上に今朝の夢である。

(し、静まりなさいって、この・・・)

 ドキドキと胸は鳴り止まないが、それを悟られるのも恥ずかしい。

 美琴は膝の上に缶ジュースを持った姿勢のまま、静かに深呼吸を繰り返した。

「……」

 ちらり、と目だけ動かして上条の方を伺う。

 上条は背中をベンチに預けながらもこちらを見ていたらしい。

 目があった。

「!」

 ひゅぼっ! と美琴の顔が燃え上がり、またも俯いてしまう。

(なななななな、なんでこっち向いてんのよ!)

 頭の中では威勢のいい言葉が出るが、口はまったく動いてくれない。

 それというのも、唇を意識してしまっているからだ。

「……」

 上条が首を傾げる気配がする。

 周囲の気配に敏感になってしまう電撃使いの特性。しかも、学園都市最高の敏感さが、いまは物凄く恨めしい。

(な、何か言わないと。何か……)

 えーとえーと、と話題を探して頭の中をひっくり返すが、普段は明晰な頭脳もこの時ばかりはうまく動いてくれない。

(話題話題話題……きょ、今日はいい天気ねー……って、そんなの絶対変に思われる! コイツのことだから思わないかもだけど、もおおおおお!)

 支離滅裂もいいところの自問自答。いや、混乱と言ってもいい。

「なぁ美琴」

「ひゃい!?」

 変な声が出た。

(て、わわわわたし、ひゃいって! ひゃいって何!?)

 色々な恥ずかしさが極まり、さらに顔が熱くなる。

 普段は平気で睨みつけることのできる彼を、まったく見ることができない。

「な、なんか調子悪そうだけど……ほんとに平気か?」

「わ、私のどこが変だって言うのよ!?」

 上条の言葉に噛み付く形で、癖が出た。

 反射的に上条に顔を向け――身長差から、彼の唇が目に跳びこんできた。

「――――っ!」

 ひゅぼん! と音をさせて再び顔を俯ける。

「いや、そういうところが、なんだけど……」

 辛うじて視界の端で捕らえている上条が、頬を掻いている。

「……」

 美琴はもう、色々といっぱいいっぱいで言葉を返す余裕もない。

 缶を持つ指が小さく震えて、前髪が僅かに漏電しているのがわかった。

 

 プルルルル



「!?」

 いきなりの携帯電話の音。

 身体がベンチから浮くほど驚く。

「わっ、俺か。誰だろ」

 原因は上条だった。

 彼はポケットからボロボロの携帯を取り出すと、パカッ、と開いた。

 ボタン操作をしているところを見ると、メールらしい。

 上条が携帯を見ている隙に、深呼吸をこっそりと。

 そうこうしているうちに、読み終わったらしい。上条が携帯電話をポケットに戻した。

(よ、よし……落ち着いたわ。普通に、普通にしゃべればいいのよ、御坂美琴)

 いつの間にか胸に当てていた右手には未だ激しい動悸を感じるが、無理やり気のせいだと思い込む。

 しかし、今こそ美琴が顔を上げようとした瞬間に、

「あ、ごめん美琴。ちょっと俺、行かなくちゃいけなくなった」

 上条が立ち上がった。

「え……」

「いやー、なんか友達に呼ばれちゃってさ。土御門と青髪。ほら、お前も前に会っただろ?」

 そんなことを言われても、気合一発さぁ会話! という出鼻を挫かれた美琴の耳には、うまく言葉が入ってこない。

 上条はそんな美琴の沈黙を肯定と解釈したらしい。

 じゃーな。体調、気をつけろよ? とあっさりと背を向け、走っていってしまった。

「あ……」

 大混乱から上条さん不意の退場まで、美琴の中ではめまぐるしく変わった状況についていけず、中途半端に手をあげて見送ってしまう。

「……」

 そして、そのまま、たっぷり一分。

 はー、と美琴が大きくため息をついた。

 寂しさと、自分を置いて言った彼への苛立ち。

「しゃべれなかった、な」

 ポツリと呟く。

 自分が悪いのはわかっている。

 一人で盛り上がって、彼の気遣いも無視して、その結果のこったのは、八つ当たりっぽい彼への感情だ。

 でも……

「……ばか」

 胸からあふれそうになった切なさが、彼への罵倒となって、唇からこぼれた。

指定された部屋に入って15分が経過した。

スキルアウトの溜り場として風紀委員も警戒している区域。そこにあるホテルの一室だ。

ホテル、と言ってもそう上等なところではない。いわゆる、ビジネスホテルよりは少しマシ、というところか。施設も、衛生も、普通レベルといえる。

違うのは、設えられたベッドがやけに大きなことと、壁が高機能防音性を持っていること。そして一度入ると、管理者か借主でなければドアの鍵をあけられないことだ。

よく観察しないとわからないが、そこかしこに巧妙に隠された撮影用の器具と、簡易AIMジャマー。

今は機能していない――どうもいまここを借受けて指定してきた彼はその料金までは払わなかったようだ――それらと、脱出できない部屋。何をする場所なのかは押して知るべきである。

もちろん、ジャマーが機能していない今、部屋に立つ白井には脱出など容易なことだ。

彼は当然、白井の能力を知っている。それでもないジャマーを機能させないのは、こちらが逃げないことを確信しているからだろう。

「……」

そして忌々しいことに、その確信は正しかった。

ふと、視線を動かした白井の目に、ベッドの枕元に置かれた、ラバー製の『器具』たちがとびこんできた。

「――っ!!!」

白井の背筋を、凍るような悪寒が駆け上がる。

小一時間の後には自分の身に起こるだろうことを想像してしまったせいだ。

汚される。

あの男の指で。

あの男の舌で。

そして、あの男の――

「っ!」

叫びだしそうになり、白井は両手で己が口を押さえた。

防音のこの部屋から、悲鳴は出て行かない。しかし、そうすることは彼女の矜持に反していた。

そう、自分は美琴を守る為にここにきた。

何が起こるのかは、とうに覚悟してきたはずだ。

声を飲み込む。動機を抑える。剥がれかけた決意の仮面を、改めて付け直す。

しっかりと、しっかりと、しっかりと。

白井にして、数十秒。

辛うじて平静を取り戻した彼女の背後で、


ガチャ


「!」

音がした。

ガチャガチャ

鍵が開く音。

ギィ、バタン

扉が開く音。

カキン

再び鍵がかかる音。

そして、

「よお。本当に来たんだな。どれだけ美琴が好きなんだよお前」
 
彼の声と、彼の足音。

白井は一息、呼気の呑む。

それから背を正し、振り向いた。

顔に浮かぶは、いつものような澄ました表情。そのまま、ふぁさっ、と髪を掻き揚げた。

「呼び出しておきながらレディを待たせるなんて……本当に最悪ですのね」

「そうか? むしろ良心的だと思うぜ? ちゃんとここに来て、取引を成立させてやったんだからな」

そう言って、彼が笑った。

彼にとっての宴が、白井にとっての悪夢が、始まろうとしている。

寝転がったベッドは、存外に心地よい感触だった。

纏う制服を全て脱ぎ捨てた白井の身体を、やわらかく受け止めるベッド。清潔な白いシーツに、少女を中心とした放射状の皺が刻まれた。

中学生。未発達の肢体。

瑞々しい肌を彩るは、年齢にそぐわない薄い下着と、小さな震えだ。

寒いわけので、もちろんない。

恥ずかしいのだ。

当たり前である。肌を晒しているのだ。それも、男性の前に。

想い人であっても――白井には男性を好きになった経験は無いが――恥ずかしいだろう状況。

しかしいま彼女の身体を見るのは、そういった感情とはほぼ対極の位置にいる相手だ。

恥ずかしさと、さらに言えば、怒り。震えの要因は、その二つだった。

「…………」

んくっ、と唾を飲みこむ。

嘗め回すような彼の視線。まるで物理的な感触を伴っているようだ。

「……へぇ」

彼はひとしきり、少女の肢体を鑑賞してから、声を漏らした。

それは賞賛の響きを帯びた声。
 
しかし白井にしてみれば、おぞましい感覚を呼び込むだけのものだ。

「……なんですの。おっしゃりたいことがあるなら、きちんと言葉にしてくださいまし」
 
身体に続いて震えそうになる声を抑えこみ、平静を装う。

「いや、ちょっと驚いたんだよ」

「な、何がですか?」

「白井ってバランスいい身体してるよな、ってさ」

まぁ胸は小さいけど。

「っ」

余計な一言に、思わず噛み付きそうになるが、言葉は口から漏れなかった。

再び彼の視線が、肌を這い回ったからだ。

ふともも、腰まわり、腹、そしてつい今しがた小さいと言われた胸。

ぬるり、ぬるり、とナメクジが這い回るかのような視線は、決意したはずの少女の背筋に悪寒を走らせるには、十分すぎるものだ。


「や、約束」

震える唇が言う。

「ん?」

「約束は、本当に、守ってくれますの?」

「ああ、いいぜ。でも白井こそ、本当にいいんだな?」

自分がなんでもするから美琴には手を出すな。

そう持ちかけたときと同じ、そして美琴と接しているときでは考えられそうもないような軽薄そうな顔をして、彼が笑う。

「……好きにすれば、いいですの」

こたえながら、白井は目を閉じた。

彼が、夜の街で幾人もの女性と不適切な関係にある。

風紀委員の仕事で、偶然耳にした情報。

その真偽を問いただした白井に、あっさりとそれを認めた彼。

美琴に近づくな、という要求は、拒否された。

力づくという選択肢は、美琴が哀しむというカードを切られ、封じられた。

風紀委員の権力は、まるで見えない誰かに阻まれたかのように、彼に対して一切、行使できなかった。

残されていたのは彼との個人的な取引だけだった。

「じゃあ、さっそく始めるか」

彼が近づいてくる気配。続いて、ベッドの端が、ギシと音をたてて、僅かに傾いた。

ギリ、と身体が強張るのを、白井はとめることができない。 

そして、彼の右手に―――能力を封ずる右手に肩を捕まれ、

「あっ……」

引き寄せられた。

「んっ……ふっ……」

 湿った音が、室内に響く。

 寝具の上に、半裸の男女。

 閉められたカーテンを透かす陽光にシルエットは、両人の頭がある一点をもって重なっていた。

「んんっ!」

 ぐっ、と頭を後ろから押さえつけられ、白井は思わず身を硬めた。

 口付けが深くなる。

 驚きに見開いた目と同様、半ば開いてしまった唇を、彼の舌先がこじ開ける。

 今まで唇の表面を這うだけだった舌は、一息に口腔内の、ちょうど歯の裏くらいまで侵入してきた。

「んんっ!? んんんっ! んんんんっ!」

 首を振り、顔を離そうとする。己の舌先で、彼の舌を堰き止めようと努力する。

 辛うじて歯を立てなかったのは、彼を思いやったのではなく、彼の機嫌を損ねたとき、美琴の身に振るかかることを恐れたからだ。

 しかし、唇は離れることなく、舌はとまらない。

「んううっ!?」

 逆に口の中で壁を作るようにしていた舌を巧みに絡めとられた。
 
 まるで対極図のように絡んだ舌は、今度はもう外れない。

 でたらめに動かし、はずそうと試みるが、その動きすらも逆手にとられ、より強く舌同士が絡み合う

 両腕を突っ張り、カッターシャツはおろかインナー代わりにTシャツを脱いだ彼の裸の胸を必死に押すが、そちらもまったく無意味だった。

 彼の腕力は強い。

 特別鍛えているという風情ではないが、荒事は豊富と聞いていた。おそらく、自然についた筋肉なのだろう。

 荒事の経験としなやかな筋肉は、格闘技経験がないにも関わらず、白井が紀委員として修めた格闘の技術も封じてしまっている。
 
 結論として。

 空間移動を封じられた今、白井がどんなに抵抗しても、無駄なのだ。

「…………」

 いや、そもそも。

 自分の身を捧げると決めた時点で、抵抗などする選択肢はなかったのだった。

 白井の胸中にある種の諦観が生まれる。

 それは彼女から抗う力を奪い、状況を受け入れる隙間へと変化した。

 少女の唇が、舌が、抵抗をやめ。

彼を受け入れる。

「んっ……んぅ……んふ……」

 うねうねと動く舌が自分のそれを絡み取り、唾液を攪拌するように動く。

 粘質な水音が大きくなり、時折角度を変えて重なる唇の端から、とろりと唾液がこぼれた。

 そして、つぅっ、と糸をひいた唾液が、ポトリとシーツに染みを作った時。

「っ!」

 彼の左手。

 頭を抱える右手と逆に、自由に動く彼の左手が。

 つつ、と白井の肩に触れ――胸覆う布の、肩紐を、するりと外側にずらした。

特に理由はない。

一歩も引かないやつ、とも言われる。

勇敢だ、とも言われる。

向こう見ず、とも言われる。

そうするのは、結局、理由がないからだ。

ただ、そこにいて、そんな状況があって、そうなった、だけだ。

そのときの言葉も嘘じゃない。

逆に、その言葉が信念じゃない。

そう思って、言っている。それだけだ。

きっと、そのときと、その状況が違えば、逆にことを言っていただろう。

図書館を救ったのも、きっとそういうことだ。

誘引物質を助けたのも、そういうことだ。

御坂美琴を護ったのも、そういうことだ。

そのような状況だった、だけだ。

そしていま。

腕の中で、涙を流しながら唇を噛み締める少女がいる。

御坂美琴を、慕うもの。

夜の街で適当な相手を探すのも、生理的な欲求に過ぎなかった。

それが御坂美琴の何かに繋がるかなんて、考えはなかった。

彼女が持ちかけてきた取引に応じたのも、夜にわざわざ街を徘徊する必要がなくなるから、というのが主な理由だ。

だが――。

「っ! ぅうっ! んんっ!」

口から漏れる声を必死に抑える少女を見ていると、興味が湧いてくる。

彼女のは、どう乱れるだろう。

彼女は、どう変わるであろう。

舌を絡める前に、口の中で溶かしておいた媚薬。

嫌悪を伴う相手と同衾するのだ。何をしても『濡れる』わけがない。

そのままでは、とても無理だろう。かといって、潤滑油に頼るのもつまらない。

薬は、用意に生理的反応を助長する。

本来ならば、もう十分だ。

だが、だめだ。興味がわいた。

彼女はどう変わるのか。御坂美琴と、どう接するのか。

少女の背中に舌を這わせ、彼は思う。

そこにいて、そんな状況があって、そうなった。

この娘は、どんなことになるだろう。

パァーン、と、破裂音にも似た高い音がコンビニに響いた。

周囲にいた客と、カウンターに立つ店員が何事かと視線を向ける。

雑誌コーナーに立つ、常盤台中学校の制服。

美琴だ。

「・・・・・・」

図らずも注目を集めることになった彼女であるが、そっちの方にはまるっきり意識を払えない。

無論、自分に集まる視線は把握しているが、ちょっとそちらに回す余裕がなかった。

落ち込んだ気分は晴れることなく、ついいつもの習慣で入ったいつものコンビニ。

いつものように立ち読みしようとして、いつもの雑誌を手にとって、いつものように開いた瞬間。

目に飛び込んできたのは、見開き一杯のキスシーンであった。

(ふにゃにゃにゃにゃ……)

妙な声を頭の中で繰り返す。

声に出さないあたりは、辛うじてここがコンビニだという自覚はあるらしい。

それでもタイミングがよすぎた。いや、悪すぎた。

美琴は反射的に閉じた本を、内心で「ふにゃふにゃ」言いながら小脇に抱え、浮き足立った様子でレジに一直線。

その動きにあわせて他の客と店員の視線が動き、結局、会計を済ませて店を出る前、奇妙な空気は継続されることとなった。



結局、元の公園に舞い戻った。

ふにゃふにゃ言う自分に気がつかないまま、再び「ちぇいさー」とミドルキック。

自販機もまさか一日二回もけられるとは思わなかったらしい。ヤシノミサイダーを、3本もはく羽目になった。

(きゃー! きゃー! きゃー!)

一方の美琴は、先ほどからベンチに腰掛け、雑誌を開いてはパーン! 開いてはパーン! を繰り返している。

正直怖いが、怖い人に声をかける者はそうはいない。

何より、違法行為が何もないのだ。通報することはできても、連衡するには無理がある。

その上、彼女は第3位だ。風紀委員もアンチスキルも、うかつに手は出せない。

(えっ!? そ、そこまでするの!? いいの!? これ、普通の雑誌なのに!?)

続きをめくって、美琴の顔はさらに赤くなる。

読んでいるのは、いつも立ち読みしている雑誌でも、お気に入りの漫画だ。

ツンツンした少女と、鈍感だがまっすぐな少年のドタバタラブコメディ。

そんなどこかで聞いたような、というか、思いっきり自分を重ね合わせることのできるストーリー。

先週のラストから、いよいよ主人公とヒロインが心を通わせる山場に突入するのは、美琴にもわかっていた。

しかし実際に、絵としてみると破壊力が違う。何より、自分の心持が違う。

美琴の脳裏に、漫画と連動して、妙な想像――世間様ではそれを妄想と呼ぶ――が浮かぶ。


――美琴、俺、実はさ

――な、なによ、真剣な顔して

――真剣にもなるさ。一大決心なんだからな

――な、あ、う、な、なによそれは。お金なら貸さないわよ!?

――…真剣なんだ。聞いてくれ。

――う、あ、う、うん。

――ありがとう。……美琴、実は俺、お前のことが……

(だ、だめよだめだめだめ! 私はまだ中学生なのよ!? そ、そりゃアンタは高校生かもしれないけど、そんな、こんなところで……)

妄想の中ですら、一足飛び以上に展開が飛んでいるが、恋する乙女に常識は通用しない。

イヤンイヤン、と首を振る美琴の前髪からは、バリバリと紫電が漏れまくっている。

ベンチの隣に三段重ねで置かれたヤシノミサイダーは、温度差ゆえに汗をかいていたが――美琴にあきれているようにも、見えた。

結局、彼女が正気を取り戻すためには、一時間ほど後に偶然通りがかった彼女の友人である、飾利と涙子の登場を待たねばならないのだった。

「んんんっ!」

ビクッ、と白井が背を仰け反らせた。

彼の指が、尾てい骨から背中中ほどまでを逆になぞったからだ。

シーツを握る手に力が入り、放射状のシワがさらに増える。

「はぁ、はぁ、はぁ」

背中から指が離れ、瞬間的な刺激から解放された白井が頭を枕の上に落とす。

うつ伏せた少女。

下腹部を覆う布はそのままの彼女は、ほんの刹那だけ息を吐いた。

だが、彼はそれで許してはくれない。

「あっ?」

左ひじを彼の右手がつかみ、そのまま、ぐいっ、と背中側に引っ張られた。

抵抗すれば筋を痛めてしまう。いや、それ以前に、どういうわけか力が入らない。

そうなれば、身体は素直だ。

身体を痛めないよう、無意識に、しかし自ら仰向けに転がった。

僅かな稜線しかない膨らみが、ふる、と揺れる。

すぐさま、彼が覆いかぶさってくる。

「うぅんっ!」

胸の先端から、甘く痺れる感覚。

左胸は彼の指で。右胸は彼の舌で。

ゆるりと左右に動く指。親指を除く四本の指の間に間で、ポツポツと飛び石のように刺激される。

対照的に小刻みに動く舌。ソフトクリームでも舐めるかのように、舌の腹が頂を這い回る。

「あっ、んぅっ…ぅあっ、あっ…まって……まってくださいま…あっ」

柔らかな愛撫に晒された頂は、反発するように――否、刺激をねだるように、硬くしこり立っていた。

(な、なぜ、わたくし、こんなにっ)

どうしても漏れそうになる喘ぎを無理やり飲み込みながら、白井は思う。

男性経験は、もちろんない。

だが、一人で慰める経験は、ある。

快楽を知るのが年齢的に早いかと言われれば、そんなことはないだろう。女と言うものは総じて男子よりも成長が早く、耳も早い。

美琴を想っての行為は、回数だけならばむしろ多かったかもしれなかった。

身体は、快楽を知っている。

しかし、いまは状況が異なりすぎるのだ。

悪寒と嫌悪しか感じないはずの、男性との行為。

それなのに、身体は忠実に、快楽を神経に乗せている。心とは裏腹に、欲望の熱を溜めていく。

もともと、空間転移能力者は触感というものに秀でていた。

年齢にそぐわない薄手の下着を身に着けているのも、衣類の感触で演算を狂わせないため。

それほどに、自分は、敏感なのだ。

「ああんっ!」

不意に頂から強い刺激。背が仰け反り、白井の顎が上がる。

彼が唇で桃色の先端を挟み、クニクニと弄んだせいだ。

「あっ、あっ、あっ、あっ」

刺激はそれだけにとどまらない。

彼の口内。唇から僅かに内側に入った部分に顔を出した頂を、彼の舌先が掠めるようにくすぐり続ける。

片や左側の頂では、いままで参加していなかった親指が先端をこね、あるいは、トントン、とノックする。

自己の指だけでは味わえない刺激と、慣れた指での刺激。

交互に、同時に入力される快感が、いよいよ下腹部にとろとろとした火をつけ始めた。

@@@@

「っ、っ、あっ、あ、はぁっ」

 頂から稜線をとおり、僅かに浮き出た鎖骨へと。

 再び稜線を上り、頂へと。

 彼の舌により繰り返される、緩やかな刺激。

 唇を噛み締め、漏れようとする声を抑えていた白井だったが、都合7回目の頂への愛撫によって、ついに堤防が決壊した。

「ああっ、ああっ、あっ、ああっ、あうっ! だ、だめですのっ。それ以上は、だめですのぉっ」

 薄い厚みの上にある、桃色の乳首。

 ツン、とごまかせないほどにしこり立ったその根元を、くるりくるりと彼の舌先がくすぐり、そうかと思えば、上下の唇が挟み、ふにふにと甘く噛む。

 その度に白井の背筋を蕩けるような小波が駆け上り、耐えようとする理性を揺さぶっていく。

「あんっ! ああぁんっ! あうんっ! ああぅっ!」

 彼の舌と唇と指が動くたび、細い白井の肢体が小刻みに跳ねる。

 その様は活きのよい魚が自ずから暴れているようにも、料理人にその鮮度を確かめるために暴れさせられているようにも、見えた。

「我慢せずに、声を聞かせてくれよ白井。どうせここには、誰も来ないんだからよ」

「ふ、ふざけ……んんんっ!」

 抗弁しようとした唇が、彼の唇に塞がれる。

 ぬめぬめとした舌が即座に進入し、白井の口内で粘度を増した唾液を絡めり、吸い上げる。

「んー?! んんー?!」

 吸い取られていく唾液。それは彼は己の物とブレンドしてから、再度白井の中に絡め戻してくる。

 ほぼ反射的に彼の両肩を押しのけようとするが、快楽に火照っている身体は、嘘のように力が入らない。

 唯一動く首だけをイヤイヤと振るものの、結局は、舌の絡み合いを助長するだけだった。

「んっ、んっ、んっ、んんんっ」

(こんな……こんな……)

 頬の裏、歯茎、口の上側、舌の裏。

 無遠慮に、しかし的確な彼の口内愛撫。想定外の刺激に、徐々に白井の目が霞がかり始めた。

「んふっ……んんん……はぁぁ、んんっ……んむぅ……」

(わた……くし……)

 阻害された呼吸がさらにそれを後押しし、やがて白井の両腕からは力が、瞳からは意思が消え去っていく。

「……」

 至近距離も至近距離でそれを覗き込む彼の目が、笑みの形に変わる。

 そして。

「んんぁ、はあっ、はあっ、はあっ……」

 つつっ、と糸を引きながら、二人の唇が離れた。

 解放された白井が、くたりとベッドに横たわる。

「はぁぁ……あ……」

 しかしもう、白井は動こうとしない。

 ぼんやりとした眼差しを、中空に這わせているだけだった。

「……」

 彼が、ずっと少女の右胸を愛撫していた左手で、少女の頬を撫でた。

「あ……ぁ……あぁ……」

 白井が熱く、甘い吐息を漏らす。

 抵抗らしい抵抗も、瞳に浮かぶ意思も、ない。

「……回ったな」

 薬。

 彼が、今度は確実に笑みを浮かべ、少女の肌に右手を伸ばした。

 着地する場所は、先ほどまでの、上半身では、ない。

 薄い布に人差し指が触れる。

 十分に水気を吸った下着が湿り気のある音を返した。

「くぅんっ」

 同時に白井が顎をあげ、背筋を逸らした。

「あっ、はぁ…」

 とろん、とした表情で彼を見上げる。

 薄く浮かぶ笑みは、いまの感覚を悦んでいる証だ。

 ニヤリと笑う彼は、ただ触れただけの指先を、上下に。

「あぁ……」

 張り付き、その向こうにある肉の割れ目をなぞる動きに、意思の大半を眠らされた少女は素直に反応を返した。

 鼻にかかる吐息と喘ぎを漏らしながら、投げ出された両手はシーツを握り、細い腰は指にあわせて緩やかに揺れる。

「んっ……んんっ……ん……ん……」

 繰り返される桃色の呼吸音の間で水音が大きくなっていく。

 零れていくような音ではない。

 ちょうど粘土に多量の水を混ぜこんだような、柔らかな粘りの音。

「はぁ……はあぁ……ぅあんっ……あぁん……あんっ……あんっ……」

 指先が上に向かう。

 なぞる動きの中で戯れるようにくるりと円を描き、さらに上へ。

「んんん……」

 布地の向こうで、僅かだけ顔を出した肉芽が、刺激を予想して震える。

 だが、

「……」

 そこに到達するより先に、彼は指にかける圧力を緩めた。

 触れるか触れないか。

 ギリギリの空間を持って――さきほど乳房の頂をくすぐった時のように――肉芽の直近で円を描かせた。

「ぅうん…やぁん……」

 小さくなった快楽と、与えられると予想した快楽。

 原始の欲望を求めて腰が指を追う。

 だが彼はそれを与えない。

 むしろ白井の動きにあわせ、ギリギリの触感をキープしながら、指を運び続けた。

「やぁ……やぁ……」

 むずかる声と、強くなるシーツを握る力。

 子供のような仕草に、彼が苦笑する。

 しかし彼の所作に変化はない。

 指はゆっくりと円を描き、白井の腰もまた、ゆっくりと円を描く。

「あぅ……だめです……やぁ……あ……だめ、ですのぉ……ああぁん……あっ、あっ、あっ!」

 刺激は一定。

 だが入力される快楽は、長い時間をかけて川の底に泥が溜まるように、白井の未成熟な身体に蓄積され続けていく。

「あぁ……もう、もう……」

「どうしたんだ、白井」

 彼が、わかりきった問いを放つ。

 白井は答えるしかなかった。

「もう、もう許して……許してくださいまし……もうわたくし……我慢できませんのぉ……」

 無意識に出たであろう言葉。無意識にでた、懇願の言葉。

 しかしそれを聞いた彼の指は、

「だめだぜ、白井」

 すっ、と湿地から離された。

「ああぁぁ…」

 哀願の声が響く。

 自分で触れようとするだけの思考も停止しているのか、ただ腰だけが、独立した生物であるかのように、クネクネと動いていた。

「もっとしてほしいか?」と、彼が瞳を覗き込んだ。

「は……」

 唐突な問いに、一瞬だけ白井の返事が遅れ――しかしすぐに白痴のような笑みを浮かべた。

「はい……してほしい、ですのぉ」

 トロリ、と、白井の口の端から、涎が零れる。

「……」

「してください……もっと、気持ちよく……」

 はぁはぁと、犬のように軽く舌を出し、荒い呼吸が重なる。

「それじゃあ、」

 彼が白井の耳元に口を寄せた。

「四つん這いになるんだ」

 ふっ、と白井の耳に息を吹き掛け、続けた。

「犬みたいにな。そうすれば、続けてやるよ」

「はぁ、夢見が悪かった、ですか」

「そ、そうそうそうなの! ちょっと、とんでもない夢みちゃって!」

 公園。

 美琴から渡されたヤシノミサイダーを手に、飾利がオウム返しに言った。

「それって、どんな夢だったんです?」

 問うたのは涙子。彼女の手にも飾利と同じ経緯で、サイダーがある。

「ふえっ!?」

 ピリッ、と稲光が漏れた。

「ちょ、ちょっと佐天さん」と、飾利。

「えー、でも気になるじゃん。第3位すらも動揺させる夢! どーんな内容なのかなーって」

 歌うように言いながら、横目で美琴を見る。

 件の電気娘は、「ふにゃふにゃ」と赤くなり始めた。

 これは恋話だ。ゴシップだ。からかいのネタだ。

 そういう話が大好物の涙子が、見逃す手はない。

「そ、それはその…」

 飾利としても気にならないわけではないが、美琴はさっきまでベンチを中心として同心円状5メートルに無差別落雷をさせていたのである。命をかけてまで聞きたいとは思わない。

「御坂さーん」

「にゃにゃにゃにゃに!?」

「好きな人の夢ですよね?」

 初太刀からおもいっきりいった。正に単刀直入。

「に”ゃ!?」と美琴。前髪で電撃が弾ける。

「ひゃ!」と飾利。頭上で花が一輪焦げた。

「あのいつも一緒にいる、黒ツンツン髪の高校生さんですよね?」

 さらに斬りこんだ。これぞ一刀両断。

「ふぎゃ!?」と美琴。襟首がパリッと鳴った。

「ひょえ!」と飾利。今度は三輪まとめて焦げた。

「しょ、しょれは、しょの……」

 美琴は完璧に真っ赤。ほんの数時間前と同じように、サイダーを持ちながらツンツンと指先をあわせる。

「さ、佐天さんその辺で……」

 対象的に真っ青になった飾利が、サイダーを持っていない方の手でクイクイと涙子の袖を引っ張る。

 しかしそれは、あまりにも控えめすぎる行為だ。

 調子に乗りすぎて周りが見えていない涙子が、美琴の顔を覗き込む。

「にっひっひー。御坂さぁ~ん、もしかして、夢でキスとかしちゃったんですか?」

「!」

 ヒュボッ! と音をたてて美琴の耳はおろか、首筋までが染まった。

「!」

 ヒュボッ! と音をたてて、飾利の花飾りがすべて焦げた。

 そこまで来ても、涙子は気がつかない。

「そ・れ・と・も」

 まだ何か言うのか!?

 あせりに満ちた飾利が次の言葉をつむぐ前に、

「エッチなこと、だったりします?」

「!!!!」

 半径10メートルに落雷が発生した。

「んあっ! あっ、はっ、あっ、ああんっ!」

 白井が身をよじる度、シーツに皺と水滴が刻まれていく。

 俯せた姿勢から、たてた両膝。

 高く上げられた下半身とは裏腹に、力抜けた両腕は上半身をささえきれない。

 結果的に白井は、桃のような尻を、彼に突き出した姿勢になっていた。

「ああぁっ! あんっ! あっ、あーっ!」

 喘ぎの他で部屋に響くは、粘質の高い液の音。

 ベッドの下端、ギリギリに位置する白井の膝。その内側から両腕を差し入れ、そのまま外側から腰を掴む。

 ベッドに接するほど近づけた部屋備え付けの椅子に座り、そのまま引き寄せれば、顔が埋まる場所は決まっていた。

 薬によって敏感になった秘裂を、彼の舌が上下になぞる。

 左側の陰唇を舌先が左右に動きながらゆっくりと下り、陰核の傍まで達する。

 かたくしこりたったソコを、ツン、と刺激してから、今度は舌を押し付けるようにして、右側の陰唇を舐め上げた。

 速度は速くない。ゆっくりと、じっくりと、ねっとりと上下する彼の顔は、白井の分泌した蜜によって、口元といわず鼻といわず、べっとりと濡れていた。

 彼の舌が陰唇を嬲るたびに、ピチャピチャと音がする。彼の鼻が秘孔を掠めるたびに、クチュリクチュリと音がたつ。 

 それは白井が、もう隠しようもないほど濡れていることを、誰でもない彼女自身に知らしめていた。

「すげぇな白井。洪水だぜ」

「あんっ、やあんっ!」

 彼の言葉に白井が強く首を振る。しかしそれは否定ではない。

 もどかしかったからだ。話しかけるために離れた彼の舌が。

 彼女はさらに尻を後ろに突き出し、小刻みに左右に振った。

 思考を奪われた少女は、羞恥心も、自制心も何もない。ただ与えられる快楽を逃したくないという衝動だけで動いている。

 彼は、やれやれ、と苦笑。薄く唇を開けると、やや顔を下側にずらした。

 顔の中で前に突き出た鼻が、じゅくじゅくと白濁の蜜を溢れさせる膣口に埋まる。そして、

「んひぃんっ!」

 がくんと、と白井が背を仰け反らせた。

「あ、あぁんっ! あっ! ああっ! あっ! あーっ! あーっ!」

 口の端から涎を零しながら、さきほど口腔愛撫をねだったとき以上に首を振る。

 彼が目だけで笑った。

 包皮から顔を出し、十分に硬くしこりたった陰核。それが唇で挟まれ、あまつさえ、ふにふにと甘噛みされている。

 形態としては乳首にされていたことと変わらないが、身体を貫く悦楽は、その比ではなかった。

「あぁんっ! あっ、あああっ! 駄目ですのっ! そんなの、駄目ですのぉ!」

 普段は理知的な瞳は完全に熱に浮かされ、凛とした表情は溶ろけてしまい、見る影もない。

 唇から漏れる否定の言葉。しかし、彼女の腰は、もっともっととねだるように、さらに彼の顔に尻を押し付けた。

「んぷっ」

 ソレを咥えている口は元より、鼻までがスライムのように柔らかくなった淫肉に埋もれた。

 呼吸ができない。しかし、彼はまったくとまらなかった。

 陰核を咥えたまま、唇を小さく左右に動かす。顔を小刻みに上下させ、埋もれた鼻先で白井の入り口を刺激する。腰をつかんでいた両手は、やや位置を後ろにさげ、あまやかな丸い曲線を、やわやわと揉みしだいた。

「あっ! あっ! あっ! あっ!」

 白井の声が、単音に、高音に変わっていく。

 快楽の頂きが、見えてくる。

 背筋は仰け反ったまま、力が入らないはずの両腕は、シーツを強く掴み、ピン、と伸ばされた。

 首が強く振られ、ツインテールを留めていたリボンが解けた。軽くウェーブのかかった髪が、彼女の背中に広がっていく。

 その髪の感触すら刺激になったのか、尻の動きが左右から、円を描くものに変化する。

 口元から、粘度の高い唾液が、つつっ、とこぼれ、糸を引いてシーツに垂れた。秘裂から溢れた蜜が、彼の顎をとおり、白い水滴として、糸を残してシーツに染みを残す。

 そして、その瞬間がやってくる。

「あっ! あっ! あっ! あはあっ! もうっ! もうっ!」

 白井の瞳から、ポロリ、と涙が零れ、同時に、じゅるりと彼の唇が、蜜ごと強く陰核を吸った。

「!」

 理性のない意識が、完璧な白で染め上げられ、

「んあああっ! イクっ! イキますのっ! あああああっ! イクーっ!」

 ビクビクッ、と全身を痙攣させ、白井が絶頂に達する。

「っ! っ! っ! っ!」

 背骨が折れるのではないかと言うほど身体を仰け反らせ、大きな痙攣を、四度。

 その度に、彼が鼻を埋めた膣口から、ぴゅっ、ぴゅっ、と蜜が噴出していく。

 酸素を求めるように舌を突き出した彼女は、最後の身震いの後、半秒だけストップモーション。

「あ、ああぁ、あああぁぁぁぁぁ……ああぁぁぁぁ…………」

 直後、かくりと力を失い、投げ出すようにベッドに突っ伏す。

 そのまま彼女は、白い闇の中に、意識を投げ出していった。

「……」

 常盤台中学、寮。

 出かけた時には持っていなかった手提げ袋を右手に、白井が自分の部屋のドアを開けた。

 美琴の姿はない。

 普段であれば門限の時刻は過ぎているが、休日はそれもやや緩くなる。美琴が帰ってくるのは、一時間後、と言うところだろうか。

「……」

 白井は、室内に美琴がいないことに、安堵の吐息を漏らした。

 いまもし、自分が敬愛する彼女の顔を見たら――――もしかしたら、泣いてしまったかもしれないからだ。

 右手の荷物。

 薬で狂わされ、快楽に屈し、気を失い、目が覚めた後。

 結局、それ以上は何もしなかった彼から手渡された、一式の器具が、納められてる。

「……」

 彼は、次に呼び出す日はいつがいいか、と問うてきた。

「貴方の好きにすればいい」と伝えたら、「怪しまれないほうがいいだろ?」などと、言ってきた。

 休日を彼のために空けるのは屈辱だ。しかし美琴に感づかれるわけにはいかない。

 結局、週に一回はある非番の日の、さらにそのひとつ向こう。二週間後の非番日を伝えることとなった。

 毎週じゃ男が出来たと思われるだろう、とは彼の弁だ。

 その主張は正しいと思うし、そう言った気遣いをしたことに、陵辱に恨みを置いておけば、感謝すべきことなのかもしれなかった。

 そう。

 帰り際に手提げ袋に詰まった、肛姦の準備をするための道具を手渡されなければ、だが。

「……」

 震える身体をそのままに、己のベッドに腰掛け、手提げ袋を開けた。

 カテーテル。

 注入する液体容積を量ることのできる、ビニール袋。

 カテーテルを肛門に挿入するため際に使う、また、洗浄の後にソコをいじる時に塗りこむ、媚薬入りのローション。

 快楽を導くための、アナルビーズ細身のアナルバイブ。

 何よりも屈辱なのは、それらをどう使えばよいのかと言う、彼手製の説明書だ。

 別れ際。

 この一式を渡してきた時の彼の声がよみがえる。

 彼は今日、奪わなかった。

 唇は、彼の唇で蹂躙された。

 身体は、彼の指と舌で汚された。

 しかし、もっとも奪われたくないものは、奪われなかった。

「……」

 それはただの気まぐれか、それとも、いまのこの葛藤を見越してのことか。

 ポケットから、携帯電話を取り出す。

 待ち受けには、メールが一件。

 美琴からのもの。内容は『門限ギリギリになる』旨の一文。

 約一時間後だ。

「……」

 白井は携帯電話をベッドに置き、立ち上がる。

 脚が向かう先は、各部屋ごとに設えられた、化粧室。

 ポケットから、携帯電話を取り出す。

 待ち受けには、メールが一件。

 美琴からのもの。内容は『門限ギリギリになる』旨の一文。

 約一時間後だ。

「……」

 白井は携帯電話をベッドに置き、立ち上がる。

 脚が向かう先は、各部屋ごとに設えられた、化粧室。

 本当は、いやだ。

 知識としては知っているが、そんなところでスルと思うと、怖気で脚が竦む。

 しかし。

(……お姉さま)

 その想いが、彼の言葉を無視することを、許さない。

(わたくしがいくら汚されそうとも。わたくしがどんなに辱められようとも)

 美琴だけは。

 先に待つのがなんであろうと、白井はその想いだけを胸に、破滅に進む。

 美琴が帰ってくるまで、あと一時間。

 涙子ともども飾利に連れて行かれた風紀委員の詰め所(公園放電でたいそう叱られた)からの帰り道。

「あれ、こんなところで何してるんだよ、美琴」

「ひゃ!?」

 背後からかけられた、数時間前と同じ台詞と同じ声に、ビクリと美琴は背筋を震わせ、振り向いた。

 立っていたのは、会いたくて会いたくない、件のツンツン頭だ。

「ああああああああ、アンタ! なんでこんなところにいるのよ!?」

 上条の寮は、ここからかなり離れている。

 今日はもう会うことはないのだろうな、と一抹の寂寥感を味わいながら歩いていたところなのである。

 幸い、さきほど思いっきり注意を受けたところなので、辛うじて自制心が働いてくれたらしく、放電まではしていない。

 それでも、頬が赤く熱くなるのを止められなかった。

「ん? ああ、俺は土御門たちと遊んで、今から帰るところだけど?」

 対照的にフラットな表情で返答する上条。

 ガリガリ、と後ろ頭を掻く仕草に、動揺の色は一切ない。

 思わず反射的に「私もよ! なんか文句あるの!?」と言い返しかけた美琴だったが、その直前に、ピタリ、と動きが止まった。

「アンタ、どうしたのよそれ」

「へ?」

「その、肘。引っかき傷なの、それ」

 頭を掻く上条の右手。その右手首の内側辺りに、赤い三本の線が走っている。

 いや、それははっきりと、引っかき傷だった。それも自分で掻いたような軽いものではない。皮膚は削れ、まだ血も滲んでいる状態だ。

「ああ、これ? いや、さっきちょっと」

「……アンタ、またなんかに巻き込まれてるんじゃないでしょうね」

 美琴の瞳に、心配と不安が浮かんだ。

 彼は記憶を失うまで、幾度も戦いに赴いている。

 それを知る美琴にとって、彼が怪我をしているという事実は、大きな不安の種となる。

「んな、たいしたことじゃねえよ。さっき土御門たちと、ちょっと取っ組み合いをしたんだ」

 いつものじゃれあいだ、と上条。

「……ほんとに?」

「こんなことでお前に嘘なんかつかねえって」

「っ」

 その言いように、美琴の頬が再度熱くなる。

(こ、コイツ、相変わらず……) 

 そういうことを、簡単に言う。

 その癖、本人にはそのつもりはまるっきりないのだ。

「……」

 それが悔しくて、美琴は僅かに俯いて、唇を噛んだ。

「……ね、ちょっと」

「?」

「ちょっと、手、出しなさい」

「あ、ああ」

「違う。左じゃなくて、こっち」

 ぐい、と美琴は上条の右手を引っ張った。もちろん、引っかき傷のところには触らずに。

「美琴?」

「いいから。じっとしてなさい。どうせ消毒もしてないんでしょ?」

「いやそりゃしてないけど、そんな大げさな傷じゃあ……」

「馬鹿。引っかき傷を甘く見ると、ひどいことになるわよ」

 近くで見ると、その傷はずいぶんと深いものだった。遊びで引っかくと言うレベルではなく、それこそ思いっきり爪を立てないとできないような傷跡だ。

 そう、まるで。

 意識を失うような刺激を受けた人物が、苦し紛れに握り締めた時に、できるかのような。

「消毒っても、コンビニくらいしか、今は開いてないぜ? それにこう言っちゃなんだけど、上条さんにはコンビニで買い物する余裕なんかありませんですよ?」

「んなことわかってるわよ。だ、だから……」

 言葉を切ると同時に、美琴は上条の手首――その傷に、唇を寄せた。

「しょ、消毒、したげるわ」



「ただいまー……」

 門限ギリギリで寮に戻った美琴が、己の部屋のドアをあけた。

 中に入り、閉めたドアに内側からもたれかかって、大きく息を吐く。

(や、やっちゃった……)

 頬に両手を当てる。

 手のひらに伝わる体温は、熱く、熱い。

(アイツ、変に思わなかったかな……い、いやじゃ、なかったかな……)

 右手がすべり、唇に。

 瑞々しい唇は、小さく小さく震えている。それは触れた指先も同じこと。

 思い出すのは、面食らったような彼の顔。

 遠慮して(というか大慌てで)手を引こうとしたが、絶対にやめるつもりはなかった。

(いやじゃなかった、よね? だって、最後にはさせてくれたんだし……)

 何度かの引っ張り合いの後、結局彼は好きなようにさせてくれた。

 その上、舐め終わったあと、照れくさそうに頬を掻きながら、

「さんきゅ、美琴」

 と言ってくれたのである。

「えへ、えへへへへ」

 いささか気味の悪い笑い声が口から漏れるが、美琴は、イヤンイヤン、と顔を振るだけで、自分の声に気がつかない。

 そして一しきり「きゃーきゃー」言った後で、ふと、気がついた。

 いつもならイの一番に「何があったんですのどうされたんですの何を赤くなってらっしゃるんですのあの類人猿ですの!?」と挑みかかってくる白井が、何も言ってこない。

 パタン、と美琴がバスルームに入った音がした。

 しばらくしてから、水の音と、微かな鼻歌が聞こえてくる。

「ぁ……ぅん……んぅ……」

 それに隠れるように、吐息と、くちゅりくちゅり、と言うシャワーではない水の音が響き始める。

 洗浄と、拡張。そのための、媚薬入りのローション。

 疼き、塗りこんだ薬のせい。

 塗りこんだのは、美琴のため。

 だが身体を弄る指と快楽は、すべて自分のせいで、自分のためだ。

 最初は指から。

 そう書いてあった、彼のメモ。

 前に回った白井の右手。

 後ろに回った白井の左手。

「こんな……あぁ……いや……うぅん……ですのぉ……」

 右手は、秘裂を掻き。

 左手は、肛門をくすぐる。

 口から漏れるは拒絶の言葉と、確実に甘い吐息。

 シャワーの音が響く。

 美琴の鼻歌が響く。

 粘質の音が、響く。

 そして白井の泣き声と。

「あっ、あっ、あああぁ……」

 喘ぎが、響く。

途中であげた。不覚。

今後は適当に、適度に、気が向いたら書き進める所存。

とりあえず今までの分と、ちょこっとした続きを書いたところで力尽きたので寝る。

期待しますね

あ、いかん、33と34の間が抜けてた。以下、挿入。




 もう寮の門限は過ぎているし、風紀委員は非番のはず。

 大きな事件でもあれば別だが、寮監は特に何も言っていなかった。

 部屋にいないはずが……。

 そう思って視線を走らせると、並んだベッドの片方――白井のベッドが膨らんでいるのが見えた。

「あ……」

 もう寝てたのか。

 抜き足差し足で歩を進めれば、白井はこちらに背中を向ける形で、横になっていた。

 解いた髪は幾分しっとりとしており、シャワーを浴びたであろうことを思わせる。朝から寝続けているわけでは、なさそうだ。

(んー……)

 美琴は音をたてないように注意しつつ、ベッドの反対側に回り込み、白井の顔を覗き込んだ。

 半ば頭まで被るようにしている掛け布団から覗く彼女の耳と首筋は、妙に赤く色づいている。また、静かな部屋の中に響く彼女の呼吸音は、まるで何かを我慢しているかのように、少しだけ荒い。

(風邪、かな? そういえば、朝もちょっと体調悪そうだったし……)

 どこか苦しげだった寝姿を思い出す。

「……」

 ぼふっ、と美琴の顔がまたも赤くなった。

 朝に見た白井を思い出し、そして、白井よりも早く起きることとなった原因に思考が行き着いたせいだ。

(お、お風呂。私も、お風呂に入ろっと)

 美琴は顔を振り、なるべく音をたてないように、バスルームに急いだ。

 熱い頬に、浮き立つ胸。

 その熱をシャワーで洗い流さなければ、恋心とはまた別の、身体の火照りとなるような、そんな気がしたせいだった。

常駐スレが増えた

ふう

素晴らしい。

私の愚息が暴れておるぞ!

ブックマークした。

超期待

この黒子は生えているのかいないのか、それが重要だ

堕ちていく黒子かわいい

この上条さんはインデックスも性奴隷にし、ぶち切れて襲ってきたステイルも調教済みとみた

なーんか前に読んだことあるんだよなー
でも支援

続きまだー?

 夕刻。

 最終下校時刻が近づき、学園都市から人通りが少なくなりはじめる時間帯に、白井は第四学区からやや外れた公衆トイレの個室にいた。

 風紀委員も、常時稼働しているわけではない。

 緊急事態があれば別だが、時間を区切って休憩時間はある。そしてその休憩中をどのように過ごすかは、各々に委ねられていた。ハメを外しすぎるのは駄目が、食事や多少の娯楽程度は問題ない。

 だから白井がここ数日、自分の受け持ち学区から外れた公衆トイレに、わざわざ目立たない私服に着替え、トレードマークのツインテールも解いた上で篭っていようとも、何か言われるわけでもなかった。

「・・・・・・」

 個室に入り、確実に施錠の上、白井は右手に持っていた手提げ鞄を、ドア内側上部の上着かけに引っ掛けた。

 そしてしばらく耳を澄ませる。

 一応、他のすべての個室に人がいないことを確認しているものの、こうして密室に入ってしまうと、どうしても確認したくなるのだ。

 約十秒。

 それだけ待ってから、ようやく白井は閉じていた目を開く。

 その瞳に浮かぶのは、嫌悪と、悔しさと、使命感だ。

 すうっ、と息を吸い込む。

 悪臭はしない。

 学園都市の公衆トイレは、公衆といえども機械による掃除が行き届いている。その上、この場所はつい先程、機械が通ったところ。場所柄を考えれば衛生的と言えるだろう。

 白井は故意に事務的な動きで、胸の前ほどの高さにある手提げ鞄を開いた。



 ―――中に入っているのは、あの日、彼に渡された、洗浄器具一式だ。



 それらをひとつひとつ取り出し、便座の蓋の上に、落ちないように置いていく。

 ウェーブのかかった黒髪と、淡い青色のブラウスと、白いスカート。そんな清潔感のある私服とはまるで似合わない器具たち。

 だが白井にとっては、これらの器具も、この校則違反である服装も、結局は同じ忌々しさしかない。解いた黒髪は、ある種自慢のひとつではあるが、「なぜ解いているのか」を考えれば、とても気分のよいものではなかった。

 何しろこれから、洗浄器具を使い、自分自身で不浄の穴を拡張しなければならないのだ。

 あの、初めて呼び出された日の、次の日。

 彼に強制的に教えることとなったアドレスに、入っていたメール。



『今日から一日一回は必ず拡張して、その様子を動画でこのアドレスに送ってくれ。お前の携帯だって動画撮影くらいできるだろ? ああ、『出してる』ところは映さなくていいぜ? 洗ってるところはいるけどな』



 その文面を思い出しながら、洗浄の器具を組む白井の手に、力が篭った。

 それでも、もうここでこうするのも5回目だ。自室で行った一回を含めれば、6回目の作業。手馴れてしまっている。

 洗浄液の粉末をカップにいれ、魔法瓶からほどほどに冷めた湯を注ぐ。人肌程度までさらに冷ましてから、コックつきのスリムエネマに注ぎ込んだ。

 スリムエネマは水道に引っ掛け、チューブの先端が地面につかないように保持する。

 そこまで準備を整えてから、白井は己のスカートに手をかけた。

「……」

 一瞬だけ迷ってから、ゆっくりとスカートを下ろしていく。

 能力を使って、転移はさせない。

 風紀委員には、AIMを探査する機械も存在した。

 こんなところで、学園都市でも珍しい転移能力の痕跡を残したくはない。

 美琴にこのことが露見する可能性は、極力排する。

 このトイレに転移することなく、変装してまで歩いてくるのも、すべてはそのためだ。

 スカートの下端が床に接触する前に、白井は順々に脚を上げて、スカートの輪から抜け出ていく。

「……」

 腕の中で皺がよらない程度に畳み、個室に入って右手側にある、手荷物置き場に置いた。次に、能力のために極々薄くしている、シルクの下着に指をかける。

 指を動かすと、下着の布が肌から浮き上がり、するり、と滑るように降りていく。

 指が太もも半ばを過ぎたこと、あたかも抵抗を示すように閉じあわされた両の脚のその根元――股間部分を覆うクロッチが、肌から離れた。

「っ」

 ぐっ、と目を閉じ、先ほどと同じように、下着から脚を抜く。

 すべての布を失った股間。そこに僅かに存在する茂みが、脱いだ拍子の空気の流れに晒され、微かだが動いた。

「……」

 手の中にある、頼りない感触の下着。それを、覚悟を決めるように、やや強くスカートの上に置く。

 それから白井は、ブラウスの胸ポケットに入れていた、棒状の、いわゆる『口紅のような』携帯電話を、その下着の上に、上部先端が自分を向くようにして、設置する。

 そう、それは設置だ。

 彼女の携帯電話は、その先端部分で、動画を撮影するのだから。

 口紅を使うときのように、くるっ、と本体を捻る。これで、撮影が始まったはずだ。

 映っている。録画されている。

 髪を解き、薄手のブラウスを着て、膝半ばまでの靴下に、茶色のパンプス。

 それなのに。

 スカートも下着もなく。

 白い太ももと、薄い丸みを帯びた尻を丸出しにした、自分の姿が。

 トイレの個室の中とはいえ、ある種の倒錯を持つだろう光景。

「っ」

 白井の奥歯が、再び鳴る。それから、一度大きく、深呼吸。

「では、は、始めますの。よく、見て、くださいまし……」

 二回目の動画を送信した後、必ず言うように注文された言葉を、憎憎しげに紡ぎながら。

 細い指が、スリムエネマのチューブ部分に、かかった。

           /´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ

            {` ̄~¨¨""'''''''''''''"´}
              ヽ},.▽ヒ..[互].ご.L._/
             {ヽ._____ノ}
            r_Y ヘ..__、 ,_,,. ヘVヽ
           {ハ| ニf:i.   ,!iエ' |ハ.}
             ヾ,l "   i   " |ン′   靴下のみ残すのもいいけど
             ',    `'´    /   スカートとパンツだけ脱いでるってのも、いいと思うんだ
              ヽ  `二´ , '|
              __}.\____/__,|_
            __|「  ̄`|| ̄  ,!|,_

  /{´了`ヾ ̄ ̄ ̄  ``  〇 '"´  , `¨ ̄ ̄ ̄`}ヽ

  {  |   `        `ヽ ! ‐'乙 '´   _ ⌒ ,' }
  V  ',                        _二    / ハ
  ノ  ヽ            __○__             / / ノ
  /    ヽ.__,,, -‐ __二 -―-  ̄二__ー- _/ ノ (
 〈ノ    ノヽ-一''"            `'ー-イ /   〉

しかしここまで書いて、スカトロは苦手なので実際の排泄シーンはキンクリすると思われ。

で、レスとかで出てることは、まぁ、拾えるのがあれば拾うけど、積極的に組み込んだりはしないので悪しからず。

あと、前に読んだ印象持ってる人は、この大元になったやつ(大昔に書いた)をどこかで読んだのかも。

なんかのエロパロスレに落としてそれっきりにしたやつに手を入れた最初の部分作ったし。

というわけで寝る。

乙~
なるほど期待

http://red.ribbon.to/~eroparo/sslibrary/t/toarumajutu572.html

何か似てる

>なんかのエロパロスレに落としてそれっきりにしたやつに手を入れた最初の部分作ったし。

……ふう

>>56
お、これこれ。

確かこれもなんかのスレの乗っ取りしようとして書いたはいいけど、投下より先に落ちちゃったんだよね。
もうどこに投下したのか忘れてたんだけど、残ってるもんなんだなぁ……懐かしい。

今日のオカズ上黒が良いなって思って探してたら見つけた

「んっ……んん……ふぅん……」

 白く、清潔感を演出したトイレの個室に、押し殺した喘ぎが響いていた。

 洋式の便座に腰かけた白井。彼女の目の前には、もう空になったスリムエネマと、そこから伸びた細い注入管が垂れ下がっている。

 その力なく揺れる様は、都合4回、排出液が透明になるまで洗浄を行った白井の精神を代わりに現しているかのように頼りない。

「んんっ……ああっ……はぁ……ぁ……ぁぁ……」

 背を丸め、頭を垂れた彼女の右手は、背中側に回っている。

 その指が行き着く先は尻の割れ目の間――その中心とも言える窄まりだった。

 右手指は濡れ、ぬめぬめと光っている。

 指を通り、手の甲を滑り、内側にやや曲げた手首からぬらりと水洗トイレの中に落ちるのは、拡張用に彼が同梱した媚薬入りのローションだ。

 その潤滑力は、ここ数日で拡げられた白井の「そこ」を、人差し指が通過することに一役買っていた。

 その催淫性は、「そこ」から神経に流れる刺激を、不快から切り離すことに成功していた。

「んっ……ふあっ……んぅううっ」

 人差し指が上下に動き続け、それに応じて、口から漏れる声があからさまになりはじめる。

 第二関節。

 固いゴムのように締め付ける入口から、その僅か数センチ奥まで。

 指で机をトントンと叩くような一定のリズムで出入りする指から響く感覚は、決して痛みなどではなかった。

「あうっ、あっ、はあっ、あっ、あっ、あっ」

 白井はその感覚がなんなのか、知っている。

 背筋を駆け上がるその痺れが、自分の中でどういう風に受け止められているのか、わかっている。

 頬が熱い。

 吐息が甘い。

 首筋に浮かぶ汗は、艶という名の色を帯びている。

(わたくし……わたくし……っ!)

 はぁ、はぁ、と己にも香る温い呼気。視界が、熱で霞みがかり始めた。

 溜まっていっている。

 自分を狂わせる感覚が、確実に、自分の身体へと。

「んふっ、ふぅっ、んんっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ」

 やがて白井の中に蓄積したその感覚は、己の指の制御までを奪いはじめた。

(だめですのっ、そんなっ、奥にはっ、まだっ)

 指の出入りが早くなり、ローションが肛門と指の間で泡をたてる。

 第二関節までしか出入りしていなかった人差し指が、徐々にその埋没の幅を深めていく。

 指先が円を描き、入口を、そして奥を、くるくると刺激する。

「んあっ、んんんんっ、ふぅぅぅっ、ふくんんんっ」

 根本まで入り込んだ指が、腸壁をくすぐった。口からあからさまな喘ぎが漏れる。

 予想外に大きく響いた声に、慌てて左腕の袖を噛む白井。

 少しでもその『感覚』を抑えようとするがしかし、それがために篭めた力は、逆に指への締め付けを強めただけだった。

 それはそのまま、肛門への刺激に変換される。

 ジンジンと響く熱にも似た『感覚』が、全身に広がり、熱に浮かされた瞳から、徐々に、徐々に意思の強さが消えていく。

(ああぁぁ……)

 モジモジと少女の肉付きの薄い腰が、小刻みに動き始めた。

 口元で握り締められていた左手が、何かを求めるように、ゆるく開き、また、閉じる。

「んんんっ! んんんんっ! んふぅんっ!」 

 二度、三度。

 迷うように左手指がさ迷い、そして、

(し、しかたないんですの……治めなければ、仕事にならないのですから……)

 口から、袖が離れた。

 代わりに摘みあげたブラウスの襟を噛み締める。

 そうして空いた左手が、そろり、と下方に動いた。

(これは薬のせい……薬のせいですの……それに、こっちなら……)

 ゆっくりと下げられた左手が、緩く開かれた両膝の間に差し込まれ、

「んんっ!」

 クチ、と小さな、別の水音が響いた。

「ふぅんっ!」

 一気に跳ね上がった快楽に白井の身体がビクビクと跳ね、座っている便座がカタカタと揺れる。

「んむっ、んんっ、んんんっ! んむんっ!」

(こっちなら、感じたって仕方がないんですの。感じるのが、当たり前なんですから……)

 溢れようとする唾液を、たっぷりと含んだブラウスの襟。

 呼気を吸い込んだ拍子に、じゅるっ、と、唾液が三つ目の水音をたてた。

 /i /{/'⌒'}  }}Y/ / ,r-、ヽ,  /

 ノ、|、ヾ_,,ノ  ノ ノ{ ヾ {^')) }フ/ /          _/
   \ヽ、    彡'`、、  'ー' ノ //",,゙ """ /    ヽ
 ヽ-、ミ‐-、、 、,r=‐'¬ー=、、,-‐'_ ヽ、    /ノ     /  ぜ こ  今
 ミ/   ~          ̄ノ /\   /彡 ""  |/   :  こ  日
  /   ,'    u ∪   ! ヽ  | i、゙ー''"彡     /|   :   ま  は
  、、∪ / ノ /  _,,,...-‐‐ニ=,ノ,,/ ヽ、,,_ \   ,イ / |    :  で  
  ニ、=!, l_. レr=-ニ二、,,,.-'"    ー、==-ヽ'"/ / ヽ   :  な
  、(・,)>ノ⌒  ∠,(・,)_く  ゙`   ヽ゚ノ`ー=、_ /// ∠   :  ん
    ̄/""゙   ヽ ̄ ̄  \ヽ      ̄ ̄ //   ノ     だ
  u 〈  、     u   (ヽ          //     ̄ノ
    ヽ -'   lj     >、       //  /    ̄ヽ、
    /ヽー‐ 、      /'"´ 'i     //  /       ∨ヽ/
    ^゙"⌒ヾ、     ,i|  ,"__}    //  /  /
    ー-  -      ヽ_人`'′ //  /  /
               / i'゙' /-─‐‐''/_/_
   、         _/-‐ヽ、___,,,, -‐‐  ̄
   ー-、、,,__,-‐'//ノゝノ ノ  ヽ\



そしてageてしまったギギギ。
なんかしながらの投下はいかんなぁ……。

乙~

乙なのよな

乙ですの

上条さんとの絡みを早くっ

スカトロシーンカットはありがたいな
続きはよ

次まだー?

神SS復活していたのか

          ____
      , ‐:'':": ̄:::::::::::::::::::`丶、

     /::::::::::::r‐ (二)=== =、_:ヽ
    /:::__:r‐ こ.>'''l{::::l/__ u |「゙l
   こ>‐'l{:¨l{:::l{:::l{::::l` __,_,_ヽ\ リ ',    すまん、ちょっと待て!

   l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|`<(・)¨ヾ`=ノ,r=}

    l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|、 `゙`¨,r" f・)~     冬コミを優先するから書けないんだッ!
    l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|f゙  u   \!
    l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::| |j  u  ‐/l
    l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|   ,. ==ぅ.l
    l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::| u ( 二 ニリ
   l{_l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|    ー―"l|
   / /`ヽl:::l{:::l{:::l{::::|、_  u    l:!
___./_/ / /``゙l{:::l{::::|三=‐r‐rf::|

― - `_丶〈 ./l{:::l{::::|/  |}::l}:::|

__ __ __ __\ ` rl{:::l{::::|    |}::l}:::|
- ―― -`、ヽ.「l{:::l{::::l     |}::l}:::|
        ヽ l l{:::l{:::|     |}::l}:::|
          l.l l{::l{:::|    |}::l}:::|
          リ l{」{::l     l}」}:::|

サークル名うp!

>>74
そんなものはいい。さっさと続きを書け

風邪をひいたらどうするんだっ

「どうしたんですか御坂さん、ぼーっとしちゃって」

「へっ?」

 涙子に声をかけられ、美琴は、はっ、と顔を戻した。

 夕刻のカフェテラス。

 ストリートに面した屋外テーブルで向かい側に座る涙子が、不思議そうな顔をして美琴を見ていた。

「え、あ、ごめん。なんでもないの」

 放課後にいつものごとくブラブラしていたところで、こちらも飾利が風紀委員で忙しいらしくてやることなかった涙子と出会い、お互いに暇だから、ということで、前から気になっていたこのカフェに来たのである。

 紅茶やらコーヒーを注文し、なんくれとなく、いわゆるおしゃべりをしていた、その話題の切れ目だった。

「何かあったんですか? ……もしかして、気になる人が通ったとか?」

 ニヤリ、と笑みを浮かべる涙子。

 公園での一件は忘れていないが、その程度で色恋話を逃す手はない。

 案の定、美琴は即座に「んなっ!?」と顔を赤くした。

「そ、そんなんじゃなくてっ」

「またまたー、そんな赤い顔で否定した駄目ですって。で、どの人なんですか? 御坂さんが懸想する人って」

 涙子が背伸びするようにしてストリートを覗き見た。

「け、懸想……って、違う違う、そうじゃなくって!」

「えー、じゃあなんなんです?」

 そのまま美琴を見る涙子。

 いい顔である。

 対照的に、美琴はやや気まずそうに視線を逸らすと、

「いやその……最近、黒子がちょっと」

 と、言った。

「え、白井さんですか?」

 意外な人物の名前だ。

 美琴が続ける。

「うん。なんかあの子、最近元気がなくて。さっきそこに風紀委員の腕章つけた娘がいたから、ちょっと」

 もう一度ストリートをちらりと見る美琴の横顔には、僅かな憂いが浮かんでいた。

 さっきはそれを恋患いかと思ったのだが、どうも違う方向だったようだ。

「そ、そうだったんですか。すみません、茶化したりなんかして」

 ぺこりと頭を下げる涙子。

 美琴がパタパタと手を振った。

「あ、ううん、私こそごめん。暗い顔なんかしちゃって」

「……でも、白井さんどんな様子なんですか?」

 それがね、と美琴は前置きしてから、

「いつもだったら私がシャワー浴びてるときに中に入ろうとしてきたり下着漁ろうとしたり寝ようとしたら先に裸でベッドに入ってたり掛け布団を空間移動させたりそうでなくても不意にヨダレ垂らしながら飛び掛かってくるんだけど」

「……」

「最近は全然そんなことないのよ。学校帰りにお店に行っても普通に買い物するだけだし、早くに家に帰ってきても、普通に話とかするだけだし。一体全体どうしちゃったのかしら」

 心配そうにため息をつく美琴。


「……いえ、世間一般では、いまの方が正常なんだと思いますけど」

 対する涙子は若干引き気味だ。

 今までの言動が言動だったので、見る目が変わると言うほどでもないが…いや、やっぱ駄目だ変わる。

「本人にもちょっと水を向けてみたんだけど、素直に言う娘じゃないし」

「あはは、そうかもしれませんね」

「……やっぱ風紀委員関係かなぁ」

「んー…初春からは特に何も聞いてないんですけど。最近ちょっと忙しい、とは言ってましたが」

「確かに疲れてるっぽいんだけど……それにしては変なのよねぇ」

「…やっぱり、本人に聞くのが一番じゃないですか?」

「でも、さっきも言ったけど、素直に言う娘じゃ……」

「いえ、今です」

「え?」

「ほら、あそこ」

 涙子が美琴の顔の脇を通すように、ストリートを指差した。

 振り返る。

「あ、黒子」

 そこには、何か考え事でもしているのか、らしくなくボンヤリとした表情でこちらに歩いて来ている、白井の姿があった。


「……そうだったんですの。お姉様が、わたくし、お姉様に心配をかけてしまっていたのですね」

 美琴が最近の白井を心配していたこと。

 テーブルにつき、その事実を聞かされた白井は、ゆっくりと俯いた。

 その肩が小さく震え、

(くるか!?)(きますか!?)

 心配して頂けるなんて黒子感激ですのお姉様ー! とくることを予想して身構える美琴と、注文した飲み物をしっかりと確保する涙子。

 だが、

「申し訳ありません、お姉様。お気を遣わせてしまったようで。佐天さんも、わたくしは何ともありませんので、お気になさらないでください」

 と、白井は頭を下げた。

「あ、あれ?」「おおっとぉ!?」

 まさに肩透かし。

 対抗電撃を用意していた美琴の前髪で、バリッと小さな紫電が弾け、勢い余った涙子が、逆にすっ転びかける。

「ど、どうしたんですのお二人とも」

 顔をあげた白井は、驚いた顔で二人を見る――――驚という感情以外まるで見えない完璧な仕草で。 

「あんたこそどうしたってのよ!?」

「そうですよ! どうしちゃったんですか白井さん!?」

「な、何がですの?!」

「あんたがあの流れで飛び掛る仕草もなしで、しかも可憐に優雅に頭を下げるなんて考えられないわ! 『心理掌握』辺りになんかされたんじゃないでしょうね!?」

「白井さんまさか……おのれ魔術師!」

「……」

 はぁ、と白井がため息をついた。

 さっきよりも俯き、深く、深く、わざとらしいほど。



「お姉様たちがわたくしのことをどう見ていたか、よぉく理解いたしました」

「い、いや、だって、ねぇ?」

 同意を求める美琴に、こくこくと頷く涙子。

「まぁ確かに、少し以前までのわたくしを考えれば、仕方のないことなのかもしれませんが」

((自覚あったんだ……))

「でも最近、ちょっと淑女と言うものを考え直してみることにしましたの」

 白井は言葉を切って、美琴を真正面から見た。

「……あのようにしていても、お姉様は笑ってくださらない、と思いまして」

 どこか儚さすら匂わせて、微笑む。

「……」と、美琴。

「……」と、涙子。

「…、…」と、白井。

 数秒してから、はぁー、と美琴がため息をついた。

「……見直したわ、黒子」

「ええ、正直ちょっといま、ドキドキしちゃいましたもん。あ、そういう意味じゃなくて、ほんとに綺麗で」

「そ、そうですか?」

「そうよ! 今までのあんたじゃ考えられない笑顔してたもの!」

「ですよねぇ。なんだか”決意の表情”って感じでした!」

「っ!」白井の顔が僅かに強張る。

 しかし美琴と涙子は、彼女たちの胸中に目がいっており、それに気がつかない。

 そして白井がその強張りを完璧に消すより先に、さらに美琴と涙子がその強張りに気がつくより前に。

「お待たせしました」

 店員が、白井の注文したストレートティーを持ってきた。

「あ、きたわよ黒子。はい」

「ぁ――、ありがとうございます、の」

 美琴が受け取り、白井に差し出す。

 ティーカップを受け取ろうとした白井は、

「……」

 美琴に右手が触れないよう、慎重に受け取った。

 紅茶の水面に立つ波。

 それはきっと、店員に運ばれていたせいで、小さく、震えていた。

        ハ、 ∧ ハ           /\   /\   /\
        ,{! ヾ } / !i ヽ    ___/\/   \/   \/   \/ |_
.      |ソハ   !}   jレi   \
        } !/¨  〃  '{   /
       ト{´{ .ハ} r'"´} !{   \  エロばっかしじゃないから!
      FY'弍{ }' 斥ァ`}ハ   /

      ヾ{:i  /ノ〉` !rソ    ̄|/\/\   /\   /\

.        ヽ /'f=ヘ  ハト、         _/\/   \/   \/
       ,ノ´f\='/ノ!ヽ\._      \
    /ノ !|`ヽ三イ  ヽノノ `'ー-、._ /  そこは勘弁!
  / r'/   | /::|,二ニ‐'´イ -‐''"  /´{ \  
  {  V   ヽ.V/,. -‐''"´ i   /  |/
  ヽ {    r‐、___     i  /     ∩  ̄| /\/\   /\ /\
   } .ゝ二=、ヒ_ソ‐-、   i__,. '| r‐、  U          \/
.   |  〉 ,. -',二、ヽ. `ニ二i___ |:| l|   |
    |'}:} ,/|毒|\丶   i ,::'| 'ー'  {
    |ノノ  |,ノ:::::|ト、 \ヽ ! i }`i´  r|
    |_>'ィ毒::::ノ  丶 ハ し-' | !  | |
 ┌≦:::::::::::::/      lハ     | ) U
 /ィf冬::::::イ |::.. j:    }lハ.   |∩  '゙}

>>82
えー?(´Д`)

緩急を付けろ
エロSSには、それが必要だ

というわけでナイス緩!
乙!

イエ~イ ファイン!サンキュー!

非エロがエロのデュエット!んまぁ~い!

こうやって普段の生活からも堕ちていく描写があるからこそエロが映えるんだよな

最高や!

「おのれ魔術師!」って『美琴「た、たまには紐パンでも履いてみようかしら」』のネタでいいんかな
この文字列を見るだけで笑ってしまうww

懸想なんて言葉中学生は使わんだろ

>>90
俺も思った
黒子ならともかく中1のレベル0が知ってるとは思えない

>>90,91

     ,,.. -‐'''''""""ヽ            /  ::/
    /         l        ,.-‐ /  ::/  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   /,,,..-‐'''""""ヾ   l     / ̄,,//⌒'V  |
   | ::  ,,,:::"   |   .l    ノ ,/  /  ::/    |
   | ;;;;;:'''" ,,ノ  レイヽl))ニ二,ノ  /二‐〈    | なるほど……覚えたぞ!
   |、_""_,.イ-‐ラ    タノ`-、__ /\  ::/   < 
   ヽ|  :::" ̄"" ノ   l::   "''-=,|  _,ヽノ;;\_ \____________
    |_,"        |;;,,.     /‐'''::/;;;  ...:::::`
     \-==っ   /  ヽ.  /  :/;;; .:::;;:‐'"⌒
    -''' ̄.t一''  /:::    \/  :::/;;; /: /
       !、__/≧、_,,,.-―''/'''⌒/;;; l. 〈

         `ーっ  ...::::::::::/  :::/;;;.   ヽ

そういや佐天さん、中一なんだっけか……けしからん胸のせいでよく忘れゴホゴホ。
『年齢と性格と雰囲気を考慮した言動』ということだな、了解した。

じゃあ懸想うんぬんのくだりは「どの人が好きな人なんですか?」とでも置き換えてくれ。
もしくは黒子の普段の言動から覚えた、という方向で。


難しい言葉を多用するならおかしい気もするが、1つや2つなら普通じゃねぇの?

言葉尻よりも早く書いてくれよ

 テレビに、うつ伏せた白井が映っている。

 全裸に、解いた髪。

 波打った長い黒髪と珠のような肌は、水滴を称えて濡れていた。

 画質はよくない。

 どうやら、携帯電話で撮影した動画であるらしい。

 それでも、映っている場所がシャワールームであるということは、はっきりとわかった。

 どこか適当なホテルのシャワールームなのか、少なくとも、常盤台の学園や寮ではなさそうである。

 膝をたて、左手で身体を支えながら、右手を太ももの間に入れている。

 ちょうど、初めて彼の要求に従った時のような、尻を突き上げた姿勢。

 異なるのはそこにいるのが白井一人だと言うことと、その尻の間から垂れた、大きな数珠のような物体だった。

『はぁ、はぁ、はぁ……』

 数珠のように見えたのは、彼に渡された、俗にアナルビーズと呼ばれる拡張用器具である。

 全長20センチほどの球の連なりは、いまはその半分ほどが、白井の中に埋まり込んでいた。

 いや、その表現は正確ではなかったか。

 なぜなら、いま外に出ている連なりは、端の丸い金具――――取っ手部分を持った右手で、引っ張り出したものなのだから。

『くっ……うっ……』

 右手はゆっくりと引く動きを続けていた。

 内側に収まった球は、それに応じて外界に姿を現していく。

 ココア色の窄まりが徐々に広がり、白い球体が顔を出した。

 肛門が盛り上がり、球が半ばまで出たところは、則ちもっとも広がっているところ。

 そのタイミングで、白井はほんの僅かだけ右手に力を篭める。

『あんっ』

 ぴくんと、と頭をあげ、口から息とも声ともつかない音が漏れた。

 同時に、つるん、とゆで卵の殻を剥くように、また一つ球が外にまろびでる。

『はぁー、はぁー、はぁー』

 負担のかかる体勢に、通常ありえない行為。白井の肩が上下に揺れる。

 床を見る白井の顔に浮かんでいるのは、いままで彼に送信された動画と同じ、嫌悪と屈辱と、それからもうひとつ。

『こんなところで……なぜ……』

 思わず、という感じで漏れた己の言葉に、はっ、とする白井。

 驚きのような表情は一瞬。すぐにそれは戸惑いに変わり、慌てた様子で左手を、右手とおなじように太ももの間に差し入れた。

『―――くあんっ』

 左手の着地点は、今だ半分近く連なりが埋まったままの肛門ではなく、取っ手を持つ右手でもなく、じっとりと熱を孕んだ自身の秘裂。

 僅かに開いた陰唇の奥。そこから滲み出ていた蜜を指で集めるようにして、左手指を動かしはじめた。

『あああっ、あ、あううっ』

 突くべき手がなくなり、床に当たる頬。濡れた髪の一筋が張り付き、口元にかかっていた。

『あっ、あはっ、あうっ、んあぁぁ!』

 口内にある髪の先端を気にする様子もなく、指の動きは早くなっていく。

 それに応じて白井の口からは、ひっきりなしに喘ぎが漏れた。

 あからさまにも思えるそれは、あたかも自分は自慰によって感じているのだと、示すかのようだった。


「……」

 そこまで見てから、彼は手元の携帯電話を持ち上げ、二つ折りのそれをパカリと開いた。

 携帯は、テレビとケーブルで結ばれている。保存されている動画をテレビ側に映すためだ。

 ”右手が塞がっている”彼は左手の指先でそれを操作する。

 次の動画が、画面に表示された。

 トイレの個室。

 ブラウスだけを纏い、スカートも、下着も脱いだ状態の白井が、便座に腰掛けている。

『んっ、んく……んふっ……』

 解いた髪がくすぐるのは、真っ赤に染まった赤い頬。

 潤んだ瞳は、ドアの上着掛けにひっかかって揺れるスリムエネマを見ているようで、見ていない。 

『だ、駄目ですのぉ……』

 捲り上げたブラウスの端を唇で挟み、顕になった胸は、開いた左手によって交互にまさぐられていた。

 浅い稜線は荒い呼吸に上下し、その頂を指先がクリクリとこねまわす。

 そして緩く開いた両膝の間に差し込まれた白井の右手。

 股間の後ろ側まで潜り込んでいる手は、スムーズに、そしてやや激しく上下を繰り返していた。

『んっ・・・・・・んぅうっ・・・・・・んんんんっ・・・・・・』

 荒い呼吸と、漏れ出る喘ぎと、粘質の水音が、個室に響いている。

 異なりのは、動きのスムーズさだけではない。

『んうっ!』

 白井がビクリと震え、便座から腰を浮かせた。

 浮いた尻と便座の隙間から、左手の形が見える。

 揃えられた人差し指と中指。さらにその対面に位置する親指。それらは三本とも、テラテラと濡れている。

 関節の構造上、どちらがどこに入っていたのかは明らかだった。

 そして、その深度も。


 親指は、先端から滑り落ちたような濡れ方だ。むらがあり、垂れていない場所は当然濡れてもいない。

 しかし人差し指と中指は、明らかにその根元までを『濡れた場所』に突っ込んだように、均一に湿っていた。

 いったんは跳ね上がった白井の身体が、重力に引かれて再び便座に落ちる。

 それを同時に、右手が動いていた。

 タイミングを合わせて、ぐっ、と上に向かって突き上げられた右手――――揃えた二本の指が半ばまで尻に埋まるところまでを、携帯のカメラが捉えている。

 そこまで捉えた瞬間、落ちた尻によってその隙間は隠された。

『ああんっ』

 白井の顎が、かくっ、とあがる。強い刺激に、目が見開かれた。

 右手の高さは変わらない。それは、根元まで埋まったことを意味している。

 右手は動き続ける。

 人差し指と中指が上下する。その動きを土台として、親指が陰核を押しこみ、こねまわす。

 さらにその押す力の反動を、人差し指と中指の動きに――――

『あっ、あふぅっ あはっ、ああっ、ふあぁっ』

 開かれていた目は、すぐに霧に覆われたように、ぼう、としたものに変わった。

 胸をまさぐる左手の勢いが、強くなる。呼吸が激しくなり、喘ぎが高くなる。

 いまの彼女は、二本の指が窄まりを通り抜けることに苦痛と感じている様子は、まったく見受けられない。

 いまの彼女は、喘ぎがもう個室の外に漏れているということにも、気がつかない。

 いまの彼女は、もうこのトイレでこうすることに手馴れてしまっていることに、気がつけない。

『ぷはっ、あっ、あっ、ああっ、あはあっ、ああああっ』

 口からブラウスが離れた。

 吸いきれておらず、口内にたまっていた唾液が、布の動きに引っ張られて空中に糸を引いた。

『あっ、あっ、気持ち……んんんっ、ちがっ、違いますのっ! これはっ、あっ、あんんんんっ!』

 その続きを口走りかけて、白井は強く首を振った。

 それだけは、絶対に、言葉にしない。

 そう言うかのような強い拒絶。

 だがその言葉とは裏腹に。

『あうっ、あうううっ、、あっ、あっ、あっ、んはぁっ』

 親指の動きは激しくならず、人差し指と中指は、強く動く。

 その動きは、明らかに人差し指と中指が早く激しく、親指の方が補助的なものに変わっていた。

「……」

 そこまで見てから、彼は手元の携帯電話を持ち上げ、再びパカリと開いた。

 左手で操作しながら、別の動画を呼び出す。同時に右手で、硬く立ち上がっているピンク色の先端を柔らかく転がした。

「んんっ……んんんっ」

「おいおい、動くなよ白井」

 そう言いながら、彼の左手は決定ボタンを押しこんだ。

 画面が切り替わる。

 白井は右手に握ったアナルバイブを見ていた。

 こちらも、どこかのホテルだろう。

 白く、ピン、と張られたシーツのベッドで、白井は心臓を下にして、横向きに寝転がっていた。

 両膝を左手で抱え、体育すわりのような姿勢。

 すでに彼女の目元は赤く染まり、揃えられた太ももの間からは、べっとりとした蜜が溢れていた。

 よく見れば、膝を抱える左手も、アナルバイブを持つ右手も、同様の蜜で濡れていた。

 そして、背中側に転がっているのは、球の連なりである、アナルビーズ。

 ビーズの下のシーツには、薄く染みができている。

 もうそれは、使われた後だ。

『……』

 白井は手の中のラバー製の凶器に、渡されていた潤滑用のローションを塗りつける。

 右手で、丹念に、己の蜜もともに塗り付けられていることも、いとわずに。

 白井の顔には、まだ嫌悪がある。迷いがある。

 しかしそれと同時に、渦巻く欲望も、間違いなく見て取れた。

 始める前までは怒りとに彩られている表情も、一度『昂ぶって』しまえば、それだけに留まり続けることを許されなくなっていた。

『これは薬のせい……薬のせいですの……』

 呪文のように繰り返し、白井は、んくっ、と唾液を飲んだ。

 手の中のアナルバイブ――――通常のバイブよりも若干細身のそれを、じっと見つめる。

 畏れと、それ以外の何か。

 瞳に浮かんだ感情は、なんだったのか。胸中に渦巻くのは、なんなのか。

 その全てを無視して、白井は右手をそろり、と尻に回した。


 ピッ、とそれ以上見ようとせず、彼は携帯電話を操作し、動画の再生を中止した。

 持ち上げた携帯電話が示す動画ファイルの日付は、今日から三日前のもの。

 二週間で使えるようにして来い。 

 プライドの高い白井に対し、無謀とも無茶とも言える要求だった。

「感心したぜ白井。まさか十日と少しで”使える”ようにしてくるなんて、思わなかったからな」

 実際、彼自身もそこまで期待してなかったのだろう。声には紛れもない賞賛の響きがある。

 だがそんなもの、投げかけられる白井にはなんの価値もない。いや逆に屈辱なだけだ。

「っ!」

 だから白井は、首をひねって、己の背後にいる彼を睨んだ。

 猿轡を噛まされ、後ろ手に手首を縛られ、全裸にされ、ベッドに腰掛けた彼の膝の上に座った彼女には、それしか己の意思を表現する方法がなかったのだ。

 この部屋に入った途端、いまのように拘束され、そしてあろうことか、この二週間で送り続けた自分の動画を見せ付けられたのだ。

 彼はその視線に苦笑。

 ポリポリと左手で頬を掻き、ついでのように右手で、つつっ、と白井の腹を上から下になぞる。

「んぅんっ!」

 それだけで白井は身をビクリと震わせた。この二週間が、空間移動系能力者の体質以上に、身体を快楽に対して鋭敏にしていた。

「今日はもう洗浄してきたか?」

 その事実をはっきりと認識してしまった白井の耳に、彼が問う。

 質問というよりも、確認するような口調だった。


「……」

 胸中の畏れ――快楽への抵抗力――を隠し、再び彼を睨んだ後、白井はゆっくりと頷いた。

 二週間前、彼と約束した今日。

 指定時間の三時間前に、メールにあった指示を、白井は実行している。

「そうか。じゃあ、はじめるか」

 そう言って、彼は携帯電話を放り投げた。

 ケーブルごと、ベッドの下に落ちる携帯に見向きをせず、彼の両手が白井の胸に添えられる。

「っ!」

 白井の身体が強張る。

 行為の前の、洗浄。 

 それが今日、何をされるものか、想像したために。

 『二日目』が、始まろうとしている。

        ;;...;;:.. ;;    ;;
     _ /~~~~~~~~~~~~~~~ ̄ ̄~~~~~ヽ;;;; ;  :       ;;;
   『\===========@、   三三三 ヽ;; ;;  ;;  ;;   ;;;;
    ///////~/~~~~\ 三三三//~~~~~ヽ:::  ;;;  ;;  ;;::
  /////// /~  ////\三//  \~ヽ \::;;;  ;;;;;;;  ;;;  ;;;
  ////////| / /;|//// ~- ~    | )/|_/~~~\---~~~~~~~\;;;;  ;;
 ||///// |_| ||_///      「|~~~~~~~~~~~~~~\ヾ|ミ   く\;; ;;;;   ;
 ||////// ~~          ||~  =   |~|| /      \:::::  ;;;  ;
 ||/////| ___          \\       \\)    //~~\;;;;;;;;;; ;;

 |||////|/~/~|\ヾ   __      ヽヾ      ⌒/    ///~ ̄/ ̄ ̄~~;;
 ((/////(_(_ ヽ|\川  /// / =   \\   //
  \///// ~~~~~~\ ~|/||___/______|/\\(//

   ~~~~~      ~~~ ~~~        //  ヾ

あげちまった……なんで俺は……

超乙~
いやぁ素晴らしい。最高だね

超ストライクな作品でやばい。
まじ乙

くう・・・・・・っ!鎮まれ・・・我が下半身・・・!
まだ早い・・・まだ早いんだ・・・!

御坂に関係がばれたときの反応を想像するとニヨニヨしてしまう

このねちっこさがたまらん


更新頻度は少ないがその分めちゃクオリティ高いなw

次も期待してる

乙っす

>>1はもしかして初春佐天が木山のとこで能力開発するSS書いてた?

            ,......
       ピ         {.⊂"´
    ピ ク          `´

    ク         ,. '´`:   , :'´i.
        , 'i  ;'´ '、,',  _`' '´    `´__ ^ヽ`ィ ,,_
............. _, '´′ '- '  , ィ´;'''"`ヾ、¨三"´:¨ `ヽ  : : : : : . : . :..

.. ....;:;:,,_ 「r _/}-‐'´~ ヽ-‐'''7 ,イ・   y'"∵ノ.ノー-----――-、
 - ー:: :: r‐'´,.ィ....)-ー ¨__ヽ-/ ,/ `>-/ -一く`¨"¨´ ̄ ̄ ̄~¨´
     ` ̄マノ¨ ̄⌒\丶`r-ミ厂:::(`ー/ , く ::..,,__""´´

      ´" __"´c:   \ ヽ  r',二/ ィ"-‐'    ´" "´´" "
       {,':.-'     -‐=ヽ\::`"....`"::::......: : : :: : . . .
        ..... ー= - ‐… `!,ミ   { r:^)

                         ` '´    .. ,,__ ,_

……すまんが……忙しい……更新は……少し待て……年内には……なんとか……

>>115
残念ながら別人。
前からいくつか禁書SSは投下してるけど、有名な物はひとつもないよ。


把握ワッフル

>>116
把握
レス感謝!

まだぁー?


「んっ……んんっ……」

 白井のくぐもった声が室内に響く。

 ベッドに腰掛けた彼の、その両腕にすっぽりと収まったような格好。胸を這う両手は、背中側から回されている。

 それは真正面から押し当てられる場合と比して自慰をするときに近い感覚でありーーゆえに、声が漏れることを押さえきれない。

 薄いと自分でも理解している乳房を、彼の両手が包み込んでいた。

 掌全体を使って、温度を分け与えるかのように、ゆっくりと撫で回す。

 揉むのではなく、また、こねるでもないそれは、明確に与えられる刺激よりもずっと

優しく、だからこそ、白井の身体は快楽として受け入れてしまう。

「我慢しなくてもいいんだぜ? まぁ、その猿轡? のせいで出したくても出せないんだろうけど」

 言葉が終わると同時に、彼が、その舌を白井のうなじに押し当てた。

「……っ」

 想定外の刺激にさらに声が漏れそうになり、奥歯を噛み締める白井。

 だが、舌がそこで離れず、動きだしたがために、

「んうっ!」

 その努力は無駄とならざるを得なかった。

 たっぷりと唾液を乗せ、白い肌を蹂躙する彼の舌。

 頭自体を動かし、舌の厚みを以って肌を這うそれは、『嘗める』というよりも『ねぶる』という表現が相応しい。

 うなじから、右肩。ヌルリと下方に転じ、腋ギリギリをとおり、今度は肩甲骨の外をなぞる。

 背骨まで達した後は、舌を左右に動かしながら、じっくりと背筋を嘗めあげてーーいや、ねぶり上げていく。

 その道程で時折、唇を押し当て、あるいは、その場で円を描くように肌を味わう。

「んんんっ……んふっ……んんむうっ……」

 自分を慰める時には絶対に有り得ない、背からの口腔愛撫。

 白井は逃げるように背筋を伸ばすが、それは逆に、彼の両手に胸を押し当てる結果に転ずる。

 意思とは裏腹に立ち上がった桃色の頂きが、胸を覆う彼の指を押し上げた。

「んんっ」

 しかし、彼の両手の動きは変わらない。

 やんわりと、胸の形を歪めることすら忌引するような静かなもの。指の間に入り込んだ乳首を摘むようなことは、気配もみせていない。

 翻って背中側では、背筋からうなじまで戻った彼の舌が、今度は左肩へと移動を開始する。 

 体温の上昇にあわせて立ち上る白井の香りを堪能するように、こちらもまた、じんわりとした動きでしかなかった。


「んんんっ、んふぅっ、んんぅんっ」

 いっそもどかしいとも言えるほのかな愛撫に、白井はピクン、ピクンと身を震わせた。

 彼の手からの熱で温められ、緩やかな動きでほぐされた乳房は血流そのままに快楽を白井に供してくる。

 しかし立ち上がった乳首に刺激はない。グミのように固くなったまま、指の間でほっておかれ、片や背中の舌も、決定的な悦楽にはなりえない。

 背を曲げれば、彼の舌。背を反らせば彼の指。

 ジリジリとあぶるように、白井の身体にナニカが溜まっていく。

 どうしようもない白井の噛む猿轡が、口内に溜まった唾液を吸い、呼吸とともに、じゅるっ、と音をたてた。

 彼が苦笑する気配。

「もう少ししたらその猿轡、外してやるよ。息苦しいだろうしな」

「っ!」

 その言葉に、霞みがかっていた白井の瞳に、理性の光が戻る。

 しかしそれも一瞬。

 まるで理性を取り戻すことを見越したかのように、彼の指が、くい、と乳首を挟み込んだ。

「んふうっ!」

 白井が、ピン、と背筋を伸ばした。視界が再び、ぼう、と霞む。

(だ、だめですの……飲み込まれては……)

 頭ではそう思っても、快楽を引き出すことに慣れた身体は応えてくれない。

 背を反らしては震え、背を丸めては震える。


「……いいんだぜ白井」

 再びうなじまでもどった後、彼が耳元に唇を寄せ、囁いた。

「言ってなかったけど、おまえが噛んでるその猿轡には媚薬が吹き付けてあるんだ。おまえが今まで使ってたローションに混ざってるのと、同じやつな」

「っ!」

 息を呑む白井に、彼は言葉を続ける。

「息してたら、吸い込むだろ? 時間的にもうそろそろ回ってくるころだと思う。……だからいま、おまえは薬のせいで感じてるんだよ。薬のせいだ。おまえが悪いんじゃない」

 いまの快楽は、薬の作用に依るもの。だから、それに溺れてもいいんだ。

 そう言っている彼の言葉に、とろりと白井の表情が溶けかけて、

「っ……!」

 白井は強く首を振った。

 やれやれ、と彼が、三度目の苦笑。

 その気配を感じながら、白井は後ろ手に縛られた両手を握り締める。

 彼の言葉は、きっと真実だ。

 この感覚は、二週間、無理矢理高ぶらされてきたローションを使った後のそれによく似ていた。

 確かに身体は快楽を引き出すことと、受け入れることに慣れ始めている。

 しかし、薬を使った感覚は『異常』として認識が可能だった。




 すくなくとも、まだいまは、だが。





 その状況で彼がこんなことを告げてくる理由は、ただひとつ。

 免罪符。

 「性欲に流されるのは薬のせいだ」と言い訳をつけることで、快楽に屈してもよい、と思わせることが目的に違いない。

「んんうぅっ、うふぅっ、ふぅぅんっ」

 手を強く握り、掌に爪を食い込ませる。

 受け入れるわけにはいかない。

 絶対にその『理由』を心の隙間に挟み込んでは、いけないのだ。

 理由というのは恐ろしい。

 それがあるだけで、楽に流される自分すらも肯定できてしまうモノ。

 白井がいま声を抑えることができないのは、確かに、薬のせいだろう。

 しかしそれを是として、快楽を受け入れてしまえば、きっと戻れない。

 今後、薬を使われたら、絶対にその『理由』を言い訳に、自分を許してしまうに違いなかった。

「ふぅんっ、んんんっ、んんんんんっ」

 背中の舌、胸の指。

 白井は必死に首を振り、誘惑を振り切ろうとする。

 感じてしまうのは、身体の作用だ。

 それでも心は、これを否定する。いかなる理由があろうとも、理由を用意されようとも、これを肯定するわけにはいかないのだ。


「……まぁいいけどな。好きにしろよ」

 言葉とともに、舌の動きが再開される。

 彼の口調からは、白井がいまどんな思考で快楽を否定しているかを、正確に把握していることが伺えた。

 いやもしかするとーー彼はそれを見越して、囁いたのかもしれない。

 肯定や否定と言う確定的な態様ではなく『迷い』という状態に陥れるために。

「んううぅぅぅ……!」

 それがさらに忌ま忌ましさを助長しーーそして、それでも感じてしまうのを止められない自分の身体が、悔しかった。

「んんっ! んんんっ! ふぅうんっ!」

 喘ぐ少女の口元から、猿轡が吸いきれなかった唾液が漏れ、つつっ、と顎を伝う。

 無駄な肉のない、綺麗なラインを滑り落ちた粘性高い唾液は、その下方先端で珠となり、糸をひいて堕ちた。

 太ももに、ミルクの王冠のごとく弾ける唾液。

 それにあわせるように。

「じゃあ、そろそろこっちにいこうか」

 彼が胸から右手を離し。

 先ほどのように、腹を伝って、その下ーーすでに十分に蜜を讃えるに至った、下腹部を目指す。

「っ!」

 期待か、拒否か。

 白井の胸を、ゾクリとナニカが走った。
  

      _..  - ―‐ - ._
        , '"          \
      /"レ'/  /\_. へ、 ∧lヽ
     / /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′  ',
   /  / // ノ´    ヽ ', l

   |  /   //   :    ', l |
   | l| l  /     .::     ,,l !l |       もう年末だっけ?
   |l |l |  ド==、、::  ,r='"-| ! |        なんとか間に合ったから、
  ノ|| |l l  |t‐t・ッテ,  ィrt・ッラ|l  |         まぁ読んでくれよ
≦ノノll│ |  |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、
_./ノ|l | |  l:.   ゙:. ′゙    ,'|l l|ヽヾニ=‐       冬コミの本の合間の
‐''"ノ| | |  ト、     `''"__  /:l  l\ー-`ニ=-       一服くらいに思ってくれや・・・
:::´ノ,l li l  | ヽ、 '‐ニ-'' ,イ:::l  lヾミヽ::l
:::‐"/ / ハ l  | ヽ ヽ、._"_/ l:::! l`ヽ、`二>‐
:::::/ノ/ } i l― -、ヾ三/ __ll l::::::::::::::`>― ---- 、

::::"´:::::::;.' ノ、 ', ⊂) 〈フフ  _,l l::::::::::::r'´ /¨>'"  )
:::::::::::::://::| ヽ ⊂⊃ノ7 '"´l _l. ― 、`='-、/( _,∠ヽ
:::::::::/´:::(cl=  ⊂二ノ   ,r'‐、  ‐= }   `ヽ |   }
:::::::::::::::::::::::`l   ⊆¨l  ハ __ノ} <l ,' ⊂) 〈フフ\-‐'´}

::::::⊂) 〈フフ:::l    ⊂ 」  { `¨´ l_> / ⊂⊃ノ7  ヽ/}
::::⊂⊃ノ7:(cl"´┌i 00 V ム Δ /   ⊂二ノ    l/}
::::⊂二ノ:::::::::l`⊂ ⊃   {` ー''"     ⊆¨l   l/
:::::::::::⊆¨l::::::::l (フl」<)=、‐-∨⌒ヽ     ⊂ 」   /
 ̄ ̄⊂ 」 ̄ ̄ ̄r'rブノ   `  ',   ┌i 00 // ̄ ̄
  ┌i 00'" ̄ ̄} }} ̄ ¨''‐、____ノ_  ⊂ ⊃ //

  ⊂ ⊃ |`` ========''"r==、ヽ-(フl.」<)‐'´
  (フl」<) ',          ノ   } }

なんとか間に合った。

来年もよろしくでござんす。

乙です
焦らしプレイ最高だな

乙、相変わらずエロいな
sageだと気づきにくくてあれだなー

乙~
そこは>>1があえてsageてるから仕方ないね

>>127

ちなみにそのアバ茶は誰の黄金水ですか?ww


本当クオリティ高えwww

そして上条さんマジ知将

全裸待機

 触れるか触れないか。

 そんな調子を保ちながら、指先が、肌を滑りおりていく。

(……)

 薄桃色の頂きから稜線を下り、僅かに浮いた肋骨を。

(……っ)

 腹部に差し掛かる寸前に内にずれ、形よい臍を擽り、さらに下へ。

(……っ、っ)

 そして下腹に至り、そのまま、肉裂に向かうかと思われた指が。



 ふと、止まった。



「……?」

 反射的な仕種で、白井は彼を見上げた。

 首を捻った横目は、見方によっては流し目のよう。

 赤く染まった頬。小刻みに震える睫。ほんの僅か開いた唇。

 不思議そうに、彼を見上げている白井。

 その唇から漏れる甘く湿った吐息を一度、香るように吸い込んでから、彼はニヤリと笑った。

「そう焦るなって。すぐに楽しませてやるから」

 と、彼が言った。

 白井の胸に在ったナニカが、ギクリと音をたてる。

「っ!?」

 白井はギュッと目を瞑り、強く首を振った。

 違う。

 いま、胸の中で音をたてたのは、絶対に違う。

 絶対に、落胆だなんて、感じていない。

 イヤイヤするように首を横に振り続ける白井に目を細めてから、彼は止めていた指を動かしはじめた。

 しかしそれは下っていく動きではない。

 生えそろう、とまではいかないが、指に絡むほどには存在する茂み。

 彼はそれを、あたかも幼児の頭に揃いはじめた髪であるかのように、愛でるように撫ではじめたのだ。


「……この前も見たんだけど、お前って生えてるんだよな。少し意外だったぜ」

(っ……!)

 カッと白井の頬が赤く染まり、ギッ、と奥歯が鳴った。

 以前見られたというのは、あの我を忘れ、彼に快楽をねだった時のこと。

 しかし、今のように恥毛をただ撫でられて煽られる羞恥心は、下手すれば秘所を弄ばれる以上だ。

 誘惑を振り払うために握り締めていた両手に、別の意味で力が篭る。

「っと、すまん、ちょっとデリカシーなさすぎたな。わりぃ」

 彼が、どういうわけか茶化す様子もなく謝罪した。

 揶揄の反応を予想していた白井の胸に意外感が浮き上がる。だがそれに何か反応するより早く、

「んふっ!?」

 白井がピンと背筋を伸ばした。

 彼の左手が、左胸の先端を刺激したせいだ。

「お詫びに、こっちにもサービスしてやるから、機嫌直してくれ」

 指は止まることなく、白井の身体に流れる痺れも止まらない。

 一定の間隔を持って、親指の先端と人差し指の第一関節とでクリクリと扱き続ける。

「ふぅんっ! んんんっ! んゃんっ! ふうっ!」

 そのたびに彼の膝の上で跳ねる白井の身体。

 彼の、まだズボンを履いたままの太ももに、薄いが柔らかい尻の感触が響いてくる。

 解放されていた右の乳首が、片側の刺激で、再びプクリと立ちあがった。

「ふぅぅんっ、んんっ、んんっ、んんっ、んんふぅぅぅ!」 

 胸の刺激から逃れようというのか、それともただ刺激に耐えられないのか、白井が背を曲げて指から逃げようとする。

 しかし彼はそれを許さない。

 少女の耳元に唇を寄せ、耳の裏に舌を這わせた。

「ひぅんっ!」

 白井が肩を竦める。

 行き場をなくした重心が、グリグリと彼の太ももに尻を擦り付けさせた。

 桃のような割れ目を中心に、左右の尻たぶが、むにむにと歪んでいる。

「気がついてるか、白井」

 彼が耳を這わせる中、ついでとばかりに囁いた。

「お前の漏らしたやつで、俺のズボンも、もう濡れてるぜ?」

「!?」

 彼の言葉を聞いてはじめて、白井は気がついた。

 快楽から逃れるために――少なくとも白井はそう認識している――はしたなく彼の太ももに擦り付けてしまっていた尻の、そのやや前側から。

 動くたびに、くちゅ、くちゅ、と小さく湿った音が漏れているということに。

 表面はもう粘液でじっとりと湿り、尻の動きで『開かれ』た拍子に、蜜がこぼれ落ちているということに。

 彼が笑う。

「何もしてないのにこんなに濡らすなんて、イヤラシイやつだな。おまけに尻まで振っちまって……美琴がいまのお前を見たら、なんて思うだろうな?」

(これは薬の――!)

 弾かれたように身を捻り、彼を睨み付ける白井。

 だが彼は、耳に唇を寄せたままの、直近からその視線を受け止めた。

 彼が再び笑う。

「わかってるよ、白井」

 言葉が続く。



「お前が感じてるのは、薬のせいなんだよな? だから、今からどんなに乱れても、お前は悪くないんだって、俺はわかってるぜ?」



「!」

 白井が目を見開いた。

 彼の右手が、触れ続けていた茂みから離れる。

 するっ、と滑るように下る右手。

「んんーっ!」

(待って、待ってくださいまし!)

 白井が視線が、哀願の色に染まる。

 だが彼はそれににっこりと、三度笑い返し、

「んふぅっ!?」

 水音が響いた。

        ,.、,、_,,ノヽヘ.,___                   ごめん……………
       /    ,r‐''"~  \
    ,,,ノ  入 {__ ヽ    ヽ                終わりだよ… 今日の投下はもう
   {  《  へゝ,ム,    v'ニヽ

    }i、ヽ\   { @ノ  /  、'Y! }ニ." ̄`>ー---―‐ァァ-―-、  ………………
    ヾ._、>-`  'ニ´   !  Vへ \        //     ,.l     終わったんだ……
    /トl^l@}   ,     l   }.、 ヽ ヽ      //    / l.__
    ./  l | ,}   ・ ,,r一ァ′!  / i  }  }ノ  __//  , '    \>-
   ヽ  l.|、 )、  l、/l{. ' /   '、/   /  ( ̄ ̄´l  /  何かわからないが
    ∧ !ト、  \ Y{ U  /    /   /    `}}  /! /       風邪をひいちまってもう
   /{ ヽィ \  `丶二/\__/  /    ,リ ハ', {     これ以上は倒れそうなんだよーーッ
  〈 ヽ   l._____lヽ.____ノ ヽ /´ \ /    /|  {  ヽ\ `丶、
    \ ヽr={二二ニニ!、 `  / Y     / |      `><乙__\ 本当はもっと色々書きたかったんだけど、
     〈. l._ ‐v'(0   }、ー、_()) |   /|  |    (  /´  )  終わりなんだよォォォォーーーっ!!
      V ト、 、(O   「\ヽ\  (|   / ! j    ,ノ    / /
      〈/ |! ヽ.   |  \ー-  |  ./l         {    / /|
       | /| !',    .ト、    ヽ.  |  || n     ノ   / / |
      | /  i ',    〈`丶、  \|  |し }    /  ノ  {  |
      〈   i ヽ   }   `丶、 }   l


すまん、ちょっとここまで。
別にじらしてるわけじゃない。

というか表現の泉を補給せねば……なんか似たようなヒキが続いてるような気がするぞなもし。

乙なんだぜ

乙です
朝っぱらからフルおっきしたぜ
体はお大事にね

一体本番はいつくるんだwwwwww

毎回ラストのジョジョaaで吹くwwwwwwww

お大事に!

乙~

乙!

∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
<                   >
<  風邪がやっと治った!  >

<                   >
  ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨    ,、
     __           ,. へ 二二/|8| \
    :il|仞仞l     ニ, <丁/>、_|: |8|  :|
    |||后后|    二,.<\>'^`<// :|」」凵」」」
    `ト、Дィ    /ム><  二`|   ヽ.|д|ノ\
  ,くEl〈V〉El  'レレレ^J ニ二/\_ノ八   へ
  |;ト、゚;Y;゚||         二ハ/ /`凶-‐|E曰|
  .l;|〈;; |;;l|       ,ノ ヽ/___// |E曰|
  |;|ノ;/キ-==ニニ二三三 _____,...--c‐-、__| |
. ん!'7;;/|;;|             そ⊂>川川 ⑪
   /;;/ |;;|    ドギャアァァ    ̄  ̄ ̄ ̄
  /;;/ /;;/

  /;;/ /;;/
. / /  | \
. `ー′   `ー'′

……というわけで、また明日からちょこちょこ書いていくよー。
別に明日投下するわけじゃないけど。
やっぱりね、こういうのはテンションがね、大事でね。

そのAA股間からスタンド出てるみたいで笑える



「んっ、んうっ……」

 恥毛の根本の、僅か下方。 

 薬の影響か、あるいは身体が順応したせいか――包皮からもう顔を出した陰核に、彼の人差し指と中指、そして薬指が被さるように触れていた。

 そして三本の指も、もちろんただ触れているだけではなかった。

「んっ、んんっ、んふっ、んっ……」

 寒さに震える時よりもなお細かく、彼の右手が動いている。

 微細な振動が快楽の源泉にダイレクトに伝わり、白井は身悶えることを止められない。

「んんんっ……んぅんっ……」

 白井がいまこうしているのは、全て美琴のためだ。

 彼女が哀しまないため。

 彼女がこんな男に弄ばれないため。

 彼女が抱いている幻想を護るために。

 美琴への思慕と使命感。

 白井が彼の戯れを許す理由は、それだけのはずである。

 しかし――

「んんっ……んっ……んんんっ……ぅんっ」

 いま、白井の中で、何かがさざ波立っていた。

 彼の右手が股間で震える度に、ソレは大きくなる。 

 彼の左手が乳房を摩り、その先端を擽る度にソレは輪郭を帯びていく。

(な、なんですの、これは……!?)

 いつの間にかソレは、心の中で、染みのような黒い点に変化した。

 黒点は、胸と股間に響く感覚を糧にして、徐々に徐々にその面積を広げていく。

 だが白井には、それがなんなのかを深く考えるような余裕はなかった。


「んんぅっ! んはぁっ! んっ、んっ、んっ、んんんっ!」

 微細な振動が、僅かに強度を増した。

 陰核から生まれる甘美な痺れが腰の奥を突き、背筋を駆け登る。

 触れられる前から解れていた媚肉はもうスライムのように柔らかくなり、陰唇からジワリジワリと滲み出す愛液で、さらに泥のような有様に墜ちていく。

 その上、二週間前と違って意識も理性も削り取られることがない――その程度の薬量なのかあるいは身体が耐性を得たためか――ため、自分を見失うこともできなかった。

「んむっ、ううんっ、んっ、んんうっ!」

 白井は必死に耐える。

 首を振る。

 歯を食いしばる。

 後ろ手に縛られた両手を握り込む。

 だが白井の努力を嘲笑うかのように、口から漏れる喘ぎも、猿轡が吸い取りきれずに漏れ落ちた唾液も、溢れる蜜液も、その量を増していくばかりだった。

「んんっ! んふんっ! んふぅんっ!」

 そして忍耐を繰り返す度に、心の黒点が、風船のように膨らんでいく。


 ――もっと欲しい



「――っ!?」



 不意に耳に声が響く。

 

 ――もっと強く



 ――もっと激しく



(わ、わたくしはなにを考えているんですの!?)



 ――気持ち良くなりたい



(そんなことありませんの!)



 ――我慢したくない



(我慢なんかしていません! こんな、汚らわしいこと……!)



 ――身を任せたい



(違います! わたくしはそんなことは!)



「んんんーっ!」

 白井は現実に声をあげ、心の声を打ち消そうとする。

 しかし、


 ――お尻でも感じるような変態になったじゃありませんか



(あれはそうなれと言われたからですの!)



 ――彼が望んだらなんでもスルんですの? 気持ち良かったからではありませんの?



(すべてお姉さまを護るためです!)



 ――本当ですの? お尻でシテいる最中、気持ち良くなりたくて前も触っていたのに?



(それは……そ、そっちで感じるなんか、おかしいから、だから、ですの……)



 ――じゃあなんで、お尻でシテ終わった後に、必ずオナニーしていたんですの?



(あ、あれは、疼きをなんとかしなければ……)



 ――薬のせいだから、ですの?



(そう! そうです! あの薬のせいで……) 



 ――嘘ですの



(嘘じゃありません!)



 ――じゃあなんで、






 ――なんで、彼にされていることを想像して、シテいたんですの?






「!?」

 胸の奥からの言葉に、白井の表情が凍り付いた。

(そ、それは……)

 抗弁しようとする。

 しかし、心の声が告げたことは事実だった。

 風紀委員の休憩時間や美琴のいない自室で『拡張』した後。

 媚薬入りローションで高ぶってしまった己を慰める時に想像していたのは、

 

 ベッドに肘と膝をつき、



 尻を高くあげ、



 彼の手で尻たぶ大きく割り開かれ、



 固くなったペニスの先端を、解れた肛門に添えられた、



 ――お尻を犯されるところを、想像していたではありませんの



(違います!)



 白井は耳に響く己の声に、否定の言葉を投げ付けた。

 首を、外れるかと思うほど強く横に振る。



 ――違いません。だってわたくしは貴女ですのよ?


(っ!)



 ――全部、知っていますもの。わたくしが、浅ましく快楽を貪っていたことを。お姉さまのためと言いながら、自涜を辞められなかったことを。



(ち、違うと言ったら違いますの! わたくしは……!)

 ギクリと胸の奥が軋む。

 だが、それをさらに否定するだけの時間を、白井は持ち得なかった。

「苦しそうだな。もう外してやるよ」

 と、彼が含み笑いを込めて、耳元で囁いた。

「!?」

 目を見開く白井。

 彼の言葉は、白井が荒い息を繰り返し、喘ぎを疎外されていることを指したものなのだろう。

 しかし当の彼女には、自分との葛藤を見抜かれているようにしか思えなかった。

(そんな、いまこれを解かれたら……)

 抑えられない。

 声だけではなく、何かが。

(駄目、駄目、駄目、駄目……)

 しかし彼は、口を猿轡の結び目に近づけると、そのまま紐の端をくわえ、スルリと引き解いてしまった。

 部屋に入ってから今まで、一時間近く拘束されていた発声器官が解放される。

「ふはっ!」 

 呼吸が正常に戻る――酸素不足のために、麻痺していた感覚が、完全に復活する。

 同時に、彼の人差し指と薬指が、陰核の両脇を、くっ、と押した。

 包皮が左右に引き延ばされ、半ば顔を出していた陰核が、完全に露出する。

 すかさず中指がそれを押さえ付けた。


「!」

 背筋を電撃が駆け上がる。

「あっ、」

 白井の身体がビクリと震え、

「あはぁっ、あっ、あっ、あああっ」

 甘く、溶けるような声が、よだれと共に白井の口から零れた。

 続けて彼の指が、小さく、しかし早く動き出す。

 プルプルと弾かれた陰核が、爆発したような快感を白井に伝達した。

 堪らず、白井の上半身がビクビクと痙攣し、逆に下半身がクネクネと前後し始めた。

「あっ、あんんっ、ううぅん、ううん!」

 必死に口をつぐみ、動く腰を止めようとする白井。

 だが無駄だ。

 坂を転がり落ち始めたボールは、動かしはじめるよりも強い力でなければ止まらない。

 そして動きはじめる力にすら負けた身体が、今もって応えてくれるはずがないのだ。

「素直になれって。おまえだってもう、自分でわかってんだろ?」

 そこに滑り込んでくる彼の声。

 白井の中で、黒点が大きくなる。

「ふぁんっ! ちがっ……ひぅんっ!」

 爪でクリッと刺激され、白井が顔をのけ反らせた。


「かっ、はっ、あっ……」

 空気を求めて口をパクパクと開閉し、大きく見開いた目で天井を見る。

「おっと」

 軽く驚きの感情を込めて彼からの攻めが止まった。

 倒れないようにか、彼の左腕が、力の抜けかけた身体をギュッと抱きしめてくる。

「はーっ、はーっ、はーっ」

 ぐにゃりとなった白井は、後頭を彼の左肩に乗せるようにして大きく息をついた。

 霞みがかった瞳が口の端から漏れた唾液と相俟って、まるで白痴のような表情。

 だが暴風のような快楽にさらされつづけ、それを不意に取り上げられた身体は正直だった。

「ふぁぁ、うぅんん……」

 秘所から離れた彼の指を求めて、腰が動く。

 グミのように固くなった乳首は、胸に巻き付いている彼の左腕に押し当てられていた。

「そんなに欲しいのかよ。おまえ、美琴のことなんかもうどうでもいいんじゃねぇのか?」

「な、何を、言って……わたくしは……お姉さまのために……」

 僅かに理性を取り戻した表情で、白井が彼を見る。

「せめて腰を止めてからその台詞言えって」

 彼は苦笑まじりに返事をしながら、右手を下に滑らせた。

「ひぅんっ」

 人差し指が押したのは、この二週間で白井自身が拡張させたすぼまりだ。

 膣口から溢れる白く濁った蜜は、蟻の門渡りを通って肛門にまで達している。

「まぁ、俺はどっちでもいいけどな」

「ああっ! だ、だめですっ! やめっ、あっ、あっ、そこはっ、ああっ、い、いやですのっ」

 指が円を描いてすぼまりの外周をグルグルとなぞった。

 十分な潤滑力のある蜜が肛門の皺に染み込んでいく


「何言ってんだよ。今日、ここにどんなことされるかくらい、覚悟してきたんだろ?」

「それはっ、でもっ」

「でもって言われてもなぁ」

 いきなり彼が、ベッドから腰を浮かせ、半ば立ち上がった。

 彼に腰掛ける恰好で、しかも肛門に指を添えられたままの白井も、反射的に脚を伸ばし身体を浮かそうとする。

「よっと」

「っ!」

 それを利用して白井を左腕だけで抱え、ベッドに上がる彼。

 そのまま、後ろ手に縛られた彼女を、枕に顔が埋まるような位置に下ろした。

「――っ」

 俯せ。膝をたてた姿勢。

 後ろ手に縛られている以外は、二週間前と、そして想像の中と同じ恰好。

「あっ!?」

 肛門に、何かが当たる感触。

 慌てて首だけで彼を見る。

 まだYシャツも脱いでいない彼が、人差し指をすぼまりに当てているのが、わかった。

 彼の左手には、歯磨き粉のような、チューブが握られている。

 それはねじ式の口が外れており、そして肛門に感じる指は、どこか冷たく濡れていて――

「待っ、あっ!?

 ぐちゅ、と音がたつ。 


「ああああっ!」

「おお、入ってく入ってく。すげぇぜ白井。流石は二週間足らずで自己開発しただけあるな」

 感心しているのがわかる彼の声。

 蜜と、媚薬入り軟膏の補助を得た指は、たいした苦労もなく根本までてズブズブと沈んでいく。

「い、いやっ、だめですのっ! 指、入れないでっ、あっ、あっ、あああっ、だめですっ、動かさないでくださいましっ」

 自分の指とも、器具とも違う、少しゴツゴツした感覚。それが奥を突いたかと思うと、すぐに逆方向に戻っていく。

 いつもと違うのは感触だけではなかった。

 突っ込んでいる側の彼は、白井のペースなど把握していない。

 そして白井が苦痛を訴えない以上、遠慮が入る隙間はないのだ。

「んっ! んんあっ! あはぁっ! あっ、あっ、あっ!」

 無遠慮な前後運動。

 しかしアナルバイブまで飲み込む白井の肛門は、それを苦もなく喘ぎの元へと変換してしまう。

「……これなら指増やしても、ぜんぜん大丈夫そうだな」

「なっ!?」

 一旦抜かれる指。

 広げられていた菊座が、活約筋の作用ですぐにすぼまり、

「はうっ!?」

 ぐぐっ、と再び押し広げられて、尻が前に逃げる。

 だが彼の左手がその丸い曲線に指を食い込ませて、逃がさない。

「あっ! がっ! ああっ! あぐっ……!」 

 限界近くまで広げられ、ズブズブと潜り込んでいく感触。

 拘束された両手が握り締められ、背中が反り返っていく。

 無理もなかった。

「ははっ」彼が笑う。

「やっぱり三本でも大丈夫だったな」

 人差し指と、中指と、薬指。

 ぐっ、ぐっ、と。段階的に、揃えられた三つ指が白井の排泄器官に埋没していく。

「っ! っ! っ!」

 完全に息を吐ききった白井は、悲鳴をあげることもできない。

 5回。

 声なき悲鳴をあげて、そこでようやく、挿入が止まった。

 いや、最奥まで到達したのだ。

「……!」

 ガクリ、と白井が頭を枕に落とした。

 そのまま、肩を大きく揺らして、呼吸を繰り返す。

 ジン、ジン、と後ろの穴から、心臓の鼓動にあわせて何かが背筋を駆け上がってくる。


(わたくしのお尻、こんなに広がって……)

 荒い息の中、白井は自分が何をされているのか、はっきりとわかった。

 彼女の瞳には酸素不足の陰りはあっても、理性が戻ってきている。あまりの圧迫感で頭から興奮が消え去っていた。

 白井は今まで、指は二本までしか入れたことがなかったし、アナルバイブも、彼女の指三本よりは細かった。

 それに彼に渡された器具でもっとも太いものがアナルバイブだったので、それが入った時点で、拡張は終わりと思っていたのだが。

 幸いにも、自分で拡張した排泄口は、想像よりもずっと頑丈だったらしい。彼の指が三本、根元まで埋まっていても、裂けた様子も、裂ける様子もない。

 そして疲労と圧迫感で動けない白井は、しかし、頭の中は逆にクリアとなっていた。

 なんとなく、どこか他人事に、頭の中に思考が流れていく。

(こんなの、苦しいですの……)

 呼吸はなんとか出来た。

 しかし圧迫感と異物感は、圧倒的だった。

(こんなの、恥ずかしいですの……)

 二週間前は理性を失っていた。いまでも、あの時のことはぼんやりとしか覚えていない。

 しかし今は、彼に全てをさらけ出している。しかも、ある意味は秘所よりも隠しておきたい場所に、指まで突きこまれて、だ。

(こんなの……)

 こくんと、と唾液を飲み込む。

 その拍子に、尻の穴が窄まったのか、ジン、と痺れが響いた。

(こんなの、おかしいですの……)

 今はまだ、耐えていられる。

 しかしこれから、こんな目に遭い続けるのか。

 二週間前に唇は奪われた。

 今日にも肛門を犯される。

 すぐに口も汚されるだろう。

 そして近い将来、純潔も散らされるに違いない。

 いや、それは。


 すうっ、と空調によって動かされた空気が、白井の尻の割れ目を通っていく。

 彼の目の前に晒している、女の全て。

 拘束され、能力も封じられた今、抵抗することはできない。


 今日、今、これから。

 すべて失くすかもしれないのだ。

「――っ!」

 唐突に背筋に悪寒が走った。

 いつか起こるだろうと覚悟していたこと。

 しかしそのいつかは、すぐにと同義なのだ。



 イマカラ、犯サレル。



(いや……)



(いやですの……)



(こんなの、いやですの……)



(わたくし、こんなのは、いやですのよ……)



(助けて……)



(誰か……)



(誰か……助けてくださいまし……)

 しかしこのホテルに白井がいることを知っているのは、誰もいない。

 助けなど、くるわけがない。

 それでも白井は思う。

 自分の敬愛する御坂美琴ならば、もしかしたら、ここに自分がいることに気がついてくれるかもしれない。

 そう、思い切り叫んだら、もしかしたら。


 

 お姉様。





 ――黒子。

(!)

 その衝動にしたがって叫びかけた白井の脳裏に、美琴の顔が浮かんだ。

 彼のことを話す美琴の笑顔。彼の愚痴を言う美琴のむくれた顔。彼と会話してきた美琴の晴れ晴れとした顔。彼のことで哀しむ美琴の浮かない顔。


 そうだ。

 くじけるな。

 美琴を護る。そのために、決心したではないか。

 たとえ自分がどうなろうとも、美琴さえ、彼の手に落ちなければいいと、そう思ったではないか。

「っ!」

 白井の目に、力が戻る。

 しかしその瞬間。

「動かすぞ?」

 彼の声とともに、指が動き出す。


「うあああっ!?」

 ギリギリまで、指が引き抜かれる。

「くふあっ……!」

 すぐにまた、根元まで。

「あああっ!」

 引く。

「ああああっ!」

 押す。

「ひぐぅっ!!」

 抜く

「くあっ!」

 それほど早くない。

 しかし止まらない。

 音がする。

 出入りの度に、グポッ、グポッと、空気と粘液の音が。

「指とか汚れてない。ほんとにきちんと洗浄してるのな。褒めてやるよ」

「いやあっ!? 」

(そんなこと言わないでくださいまし! 思い出させないでくださいまし!)

「いやってなぁ。褒めたんだから素直に喜べって。それに何かついてたほうが、お前もイヤだろ?」

「ふざけっ、くあっ、ああんっ!」

「強情だな……ご褒美にもっと激しくしてやるよ」

 指の出入りが加速する。

「ああっ! あああっ! ああああっ!」

 白井が枕に顔を押し付けたまま首を振った。

 結んだままのツインテールが、バサバサとシーツを叩く。

 やがて、そんな彼女に変化が起こり始めた。


「はぁっ! んんっ! うぅんっ!」

 声に、どこか甘い響きが混ざり、

(は、激しいっ、でもっ、これっ、この感じっ……!)

 腰の奥でムズムズとした感覚が燻る。

「んうっ! んくっ! あうんっ! んはあっ!」

 肛門を抉られ、腸壁を擦られる。

 そこに生まれているのは、排泄感にも似た感覚。

 それは、彼に命じられ、拡張をしている最中に感じていたもので、

「あれ? 白井、お前もう感じ始めてるのか? なんか前側から、また白いのが出てきてるぜ?」

(っ!?)

「ちがっ! そんなことっ! 違いますのっ! ああっ! くうんっ!」

「いや流石の俺でも、こんな近くで見てりゃわかるさ。お前のココ、やっぱり濡れてきてる」

「嘘ですの! わたくし、こんなところで感じたりなんか、あっ、あっ、あっ、あああっ!」

「感じてないのか? ぜんぜん?」

「あ、あ、あたり、うあっ、当たり前ですのっ!」

「ふぅん?」

「あっ!? あっ! あっ! あーっ! だめですのっ! だめっ! だめっ! だめぇっ!」

 髪を振り乱す白井。

「……」

 そこで不意に、彼が手の動きを止めた。 


「はっ――はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 ポスリ、と再び、白井は枕に顔を埋めた。

「……なぁ白井」

 彼が右手をギリギリまで抜いた状態で止め、左手で尻を掴んだまま、言う。

「もういい加減、認めないか? 大丈夫だって。お前はよく我慢したよ。誰もお前を悪く言わないって。それに言ったろ? 薬のせいだって。そもそも尻の拡張だって俺がお前にやらせたんだ。お前がここで気持ちよくなるのは当たり前なんだよ」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

(耳を傾けては駄目ですのよ白井黒子……この男の狙いは『わたくしが快楽を選択する』こと自体なのですから……)

「……」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

「……」

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

「……そうかよ」

「あんっ!?」

 クチュ、と音をたてて、彼が右手を完全に抜いた。

 愛液と腸液と軟膏に塗れ、ぱっくりと開いた肛門が、ゆっくりと、元の形に戻ろうとする。

(抜いた……? いったい何故……)

 白井が疑問に思うと同時に、今しがた抜かれた彼の右手が、左手とは反対側の尻たぶを、ぐっ、と掴んだ。

 続けて、窄まりかけた肛門に、何か硬いモノが押し当てられる。

「え……」

 その体勢と、気配。

 白井が首を後ろに向けかけて――




 ズン、と衝撃があった。



ついに待ちわびた瞬間が来たか…

素晴らしいぞ!

「ひぐぅっ!?」

 先の三本指より一際太いものが体内に入ってくる官職。

「おっ? 予想よりもずいぶん楽に入ったな。流石は学園都市暗部特製の媚薬だな。柔軟効果もすげぇ」

 そして、彼の声。その内容。

「あっ……?」

 一瞬、何が起こったのか理解できない

 いや、何かが肛門に突き込まれたのはわかる。今までのなによりも、太く、長いモノが。

「しかし、ははっ、こっちもすげぇな。なんか中でぬるぬる絡み付いてくる。普通、こっち側はこんなにならないんだけど」

 尻を掴む彼の両手。

 ふとももの裏に感じる、誰かの脚。

 四つんばい。

 長く、太いもの。

(まさか……まさか……)

 ガクガク、と白井が身を震わせ始める。

「わりぃな、白井」と、彼。「我慢できなかったんだ」

(っ!)

 反射的に後ろを振り返る。

 無許可とかいえ、ここはラブホテル。しかし強姦の撮影に使うことを念頭においているところだ。

 部屋の壁面は、鏡張りになっていた。

 何が起こっているのか、白井は、その両目で見ることになる。

「い、」

 




「いやああああああっ!」



 絶望的な声が、室内に響き、防音効果ゆえに、外には一切、漏れなかった。

                     ,.-‐‐‐‐-、

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                 /  \',.;;;l  ::::::ll;//;;;;;;;;;;;;;l、
               /、   \';;l、  'l//;;;;;;;;;;;;;;;;,''、

               /;\、  ::::\、,.,.,.//;;;;;;;;;;;;;;/;;;;l
               l ;;''',.,'-、::::::::::::'-'l'/;::::::::::/,.,;;;;_|      いや、最初はもっとライトにいくつもりだったんだけど、なんか力入れすぎちゃった。
               'll'";-"''\:::::::::''::|;;;/:::::/';"'''''''ト、

              ,.-''l、:, ><"'、'、:::l:l;;;;;;//''"/'l、:/ ll     やっぱしもっとライトに書いたほうがいいやなぁ……個人的にも読み手的にも。
              |:: |'l、,.‐-,..,.'\、lレ/-l‐l‐、/,.,ll

               ll;;;;lll、\|_lメ"'"'Y;'''(、l,lメ::/'''//     表現に拘ると時間かかるねん……書いてて重いねん……。
               "'┬l\./''"~\,.|,/   メト;;;l
                /''lll,入\,.__ /|\,._,、./"',''ll''l      パープルヘイズ・ディストーションみたく、手加減した方がいい感じとわかったので、今後は気楽にライトに泥酔で書きます。       
                |.//ll‐、\∥=ll|=||=レ/,.人l;ノ /  
               └l''Vl"\/\ -.|,.,.,,./,/l>;lメ、      
                /"l\;;l\,入 | .//l;/''レ/ヽヽ、  _,.,.,.--,.,.,、

               /-,.-"'-、'l'l"'-"llイl'''''ll,/'' '''V''>''";;;''''''''  '"''‐-,.、
             / '/,.-,. :"'":: l'l";'';;;;l"l "'''l  ,.-//";;;;;;;;ー,.,./;;;;;;;;;;;;;;;;''''\
            /"l"  '''''''>-l,,.. //;;;l'''''''l   l:: メ,ー''''''-,、 "'、-'-,.''-,.、;;;;;;;;;\
     ,.-‐‐''''''l'l'",./,.メ'''"~~''"、''l,.//;;;l  ,.,l  ''''メl",.,.  ::::'l,__,.,,''‐-,、',、l\;;;;;;;;;;'l、

   ,/''''';;;//,.'''''‐‐‐--Χ,.,.、:::l、'' /;;;l、,.-/'l ,.-‐'"',、''''-'''',/:  ̄"ヽ、''''-" |\;;;;;;'l

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でも酔ってたらうっかりageちゃうこの矛盾。
いやこういう内容だしさぁ……あんまり人目につくのもどうなん。やっぱしエロはこっそり楽しむべきだと考えます。
あ、冬コミは間に合いました。次は夏ころが(そこまで書いてれば)危険です。

乙。

今日は投下量も多くてよかた

白井かわいいよ白井

良いねぇ
悔しいけど感じちゃう///
って良いねぇ

ふぅ

相変わらず良質やでぇムラムラするわ

……ふぅ、乙

おつ
よかったらサークル名を…

ちんちんおっき


「おや、外出か御坂」

「はい、ちょっと学校まで」

 常盤台中学校学生寮、玄関。

 外出しようとした美琴は寮監に呼び止められて脚を止めた。

 休日の昼下がり。出かける生徒は多いが、それでも美琴は目立つ存在だ。おまけに白井と共に、割と問題行動もある。

 気をつけろ、と寮の玄関を出る者たちに告げる寮監が、ふと呼び止めてしまうのも自然なことだ。

 とはいえ呼び止めた当人にも美琴にも、後ろ暗い様子はない。

 美琴から見れば寮監は怖い対象でもあるが、生徒に愛情を注いでいるのはわかっている。そして寮監にして見れば、第三位の美琴も、手のかかる娘、の一人なのだから。

「学校に? 今日は休日だぞ?」

「そうなんですけど、研究所以外じゃ、学校くらいしか私の訓練場所がないので」

 『超電磁砲』の出力は、そんじょそこらの電撃使いの比ではない。全力を出せば、周辺一帯の停電すら招くほどの大規模なものだ。

 大袈裟と思うなかれ。

 なにしろ前科あり。

 疑いない。

 そんなわけで、彼女が能力の訓練をしようと思えば、電撃使い専用の研究所か、発電所か、『超電磁砲』のための施設を持つ常盤台中学しかないのである。


「休日に訓練とは熱心で感心なことだが、どうしたんだ急に」

 美琴が努力の人だとは承知しているが、休日には年相応に遊ぶことの方が多かったはずだが。

「あはは、ちょっと最近、思うところがありまして」

「ふむ?」

 心配そうな顔を浮かべる寮監。

「あ、違うんです。えー、と……」

 言っていいかなぁ、と美琴は少し考えてから、

「黒子が最近、努力してるんですよ。何に、というか、全般的に。だから私も、ちょっと頑張ろうかなって思いまして」

 あのカフェでの衝撃の発言から一週間。

 確かに白井は、いわゆる淑女になろうとしているらしい。

 普段のシャンとした態度は変わりなく、しかし日常での気遣いや、いままで悩まされてきたセクハラ紛いの言動は影を潜めている。

 今日も、風紀委員の非番だと言うのに、何やらマナーの復習にいく、とどこかに出かけていた。

 美琴としては少し無理をしているようにも思えたし、こういう休日に遊びにいけないのは少し寂しい。セクハラ紛いの言動も、なくなればなくなったで物足りないものだ。

 しかし、白井が頑張っているのは素直に尊敬する。

 そしてその原動力が、『御坂美琴が笑顔でいられるように』と言うのだから、嬉しくもあり、気恥ずかしくもあり、

(私も黒子が笑っていてほしいと思えるような人にならないとね)

 何よりも、自分への刺激となった。


「ふむ。よい方向への刺激のようだから、詳しくは聞かないこととしよう」

 野暮だからな、という寮監の言葉に美琴は微苦笑。

 休日でもスーツ姿な寮監が、野暮という言葉を使ったのが、どこかミスマッチで可笑しかったのだ。

「じゃあ失礼します」

「ああ、気をつけてな」

 頷く寮監に軽く一礼して、門をくぐる。

 外に出て空を見ると、抜けるような晴天だ。

(……気をつけて、かー)

 第三位の自分が気をつける相手など、それこそ両手で数えるほどしかいない。

 しかしそれは、まだまだ自分より上がいるということ。

「一方通行に勝てるくらいにはならないと、ね」

 小さく口に出す。

 それは壮大というよりも、無謀なこと。物理現象である電撃は、ベクトル操作に通用しない。

 だが美琴が言う勝つとは、ある意味ではその無謀を指し、ある意味では違う。


 右手ひとつで、一方通行に立ち向かった少年。

 彼が持っていたあの意思を、自分でも体現できるように。そして、今度こそ大切なモノを護れるように。

 そう、せめて、

(あのカフェの時の黒子みたいな『決意の顔』ができなくちゃ、愛想尽かされるわ)

 目指すは、少年と後輩。

 御坂美琴は軽い足取りで、彼女の目標に踏み出した。


「あぐっ! ああっ! はうっ!」

 土下座でもするように顔を枕に埋め、尻を高くあげられた白井が、途切れることなく声を上げ続けている。

 涙を流し、辛そうに――痛みのせいではなく――顔を歪める少女の口から漏れるのは、苦鳴にも似た意味なき言葉。

 背後から腰をたたき付けられる度に響くグチッ、グチッ、と言う鈍い水音が、その言葉を艶めいたモノに塗り替えていた。

 彼はワイシャツもズボンも脱いでいない。それがゆえに、屈辱的な声と音は、ダイレクトにその源泉――白井に届いている。

「ああんっ! あんっ、あっ、ああっ、あはぁっ!」」

 しかし白井はそれを抑えることができない。

 一定の速度を保った腰は、事が早く終わることを予想させず、口は閉じるどころか、後ろから前に通り抜ける快楽を喘ぎとして吐き出すことに終始していた。

 そう、喘ぎだ。

「うんっ! あっ、あっ、あっ、き、気持ちいっ、あっ、んんっ、なっ、なぜっ、ですのぉ!?」

 意思どおりに動かない唇は、内心にだけにしておきたい言葉を、なぜかよく外に吐く。

 辛うじて言い切ることだけは耐える白井だが、誰が見ても彼女が快楽を得ているのがわかるだろう有様だ。

 呼吸するためか、枕に顎だけを乗せた彼女。

 眉を顰め、涙を流し、喘ぎを止めようと歯を食いしばっている。

 しかし。


「あっ! くふっ! はぁっ!」

 眉の角度は甘く垂れ、

「んはぁっ! あっ! あうんっ!」

 涙濡れる頬は紅く、

「んんんっ!  んあっ! うぅんっ!」

 食いしばったがために篭る力は返って締付けを強くしてしまう。前後する快楽を、より身体に響かせてしまう。

「んはあっ!」

 彼の両手が、まだ芯の残るやや固めの尻を、それぞれ左右外向きにこね始めた。

 肉は薄くとも、そこは溶けたオンナの身体。

 広げれば、剛直が突きこまれている肛門周辺はより剥き出され、閉じれば肉棒の幹部分を挟むほどには、尻たぶが寄る。

「くあっ! ああんっ! すごっ……くっ、ちがっ、んんん! ふあっ! ううんっ!」

 中だけではなく、入り口周辺までペニスで擦られた白井の声が、より高くに変化した。

 彼からも、白井自身も見えない太ももの内側。

 しかし秘裂から溢れた白濁の蜜は、高い粘性ゆえに白井に太ももを流れているのを感じさせ、その量ゆえに彼のズボンを濡らして彼にそれを悟らせてしまっていた。


「ああっ! んんんっ! いやですのっ! わたくしぃっ!」

 彼に何か言われるよりも先に、白井が強く首を振った。

 枕を支点にしているため、それにあわせて尻が左右に揺れているのにも気がついていない。

 いやそれはむしろ無意識か。

 後ろ手に縛られた白井は、そうすることで身体を、乳房をシーツに擦り付け、肛門以外からの快楽を得ようとしているのだ――自分が濡れているのは肛姦ではないと、言いたいがために。

「あうっ! あんっ! あっ! あっ! んはぁっ」

 白井が膝をつかい、自ずから腰を上下に揺らし、あるいは、彼の動きにあわせて左右に振り始めた。

 重力の助けを得て、お椀形になった乳房。小さく揺れるその硬くとがった先端は、シーツに掠るか掠らないかのところを、行ったり来たりしている。

 乳首への刺激ゆえに濡れている。

 そう言うかのように、白井は積極的に腰を振る。尻を上下に動かす。彼が突きこむのにあわせて後ろに突き出し、抜くにあわせて前に引く。

「うぅんっ! あっ! あっ! ああんっ! んあああっ!」

 喘ぎも、水音も、尻がズボンにあたる布の音も、どんどん大きくなっていった。


「……」

 彼はそこまできてもなお、白井に声をかけない。

 揶揄することもなく、許す言葉をかけるでもない。

 挿入から今まで。

 彼は無言のまま、速度を変えないまま、ただ尻をこねる手だけを変化させ、律動を繰り返していた。

 それは彼女に情けをかけているのではない。

 逆だ。

 ここで、白井に無理に何かを言う必要はないからだった。

 今日の白井の精神の変化は、彼にとっては明白かつ、予想通りの反応である。

 白井は強い。

 それは彼女のレベルが高いから、というそんな一面的なものでは、もちろんなかった。

 彼女と同年齢で、彼女ほど聡明で、誇り高く、心の芯に折れないモノを持ち、しかしそれに寄りかからない確たる己を持つ者は、まずいないだろう。

 事実、彼女はこんな目に遭って二週間、それを誰にも悟らせていないのだ。

 御坂美琴と信頼しあう友人で、同室であるにも関わらず、だ。

 それほどの彼女は、だが残念なことに、聡明すぎて、誇り高すぎて、芯が強すぎた。確たる自分を、持ちすぎていた。


 聡明だから、薬の影響で周囲に露見しないよう、自ずから自慰を行う。

 いくら美琴を想って行為しようとしても、実体験は強烈な彼のとの一件だけ。

 そうなれば、それを思い出すのは当たり前だ。よかれわるかれ、それは強い思い出なのだから。

 誇りが高いから、自分の弱さを認めなかった。

 いくら強くあろうとも、彼女はまだ中学生になったばかりなのだ。

 どんなに取り繕うとも、汚される恐怖に、その想像に、その現実に、耐えられるわけがない。

 しかし彼女はそれを認めない。自分は強くあり、美琴を護ることを誇りとし、他の誰も巻き込まないと決めている。

 だから、ただただ強い自分のままで、耐えるしかない。

 芯が強いから、彼に屈服しない。屈服しない以外の選択肢が、存在しない。

 快楽を与えられば抵抗する。羞恥心を煽れば抵抗する。免罪符を与えれば抵抗する。

 肛姦でイカされようとすれば、抵抗する。

 そしていま、腕を縛られ、能力も封じられ、薬で性感を高められた彼女は、抵抗している。

 自分で快楽を得ることで、尻穴でイカされるという事実に、抵抗しようとしている。

 結果的に、自分から尻を擦り付けているという事実に、目を瞑って。


 今日が終わっても、彼女は変わらない。変わることが出来ない。

 薬を与えれば今日のことを思い出して自分を慰める。そして自己嫌悪すると同時に『陵辱の記憶に美琴への想いが負けた』という観念に囚われ、自涜をやめることができないだろう。

 美琴を見れば折れかけた今日の自分を思い出すだろう。次は折れないと決意し、折れかけた自分を恥じて、そして心を磨耗させていくだろう。

 鏡の前では、今日を乗り越えたことに安堵するだろう。尻でイカなかったというだけで、快楽を得たことに違いがないことに、目を向けないまま。

 そして何より、それらのことをすぐに自覚するだろう。確たる己を持つがゆえに。

 なんのことはない。




 白井を追い詰めるのは、白井自身だ。




「ふあっ! ああんっ! あはっ! あっ、あっ、あっ、はぁんっ!」

 そんな彼の視線に気がつくことなく、白井の声が早くなる。高くなる。

 腰の動きが――彼女の今の意思の中では乳首への刺激が――大きく、強くなる。

 ぐっ、とこね続けていた彼の手が、逆に尻を強く掴んだ。そのまま、白井の動きに逆にあわせ、激しく前後に揺さぶった。

 グポッ、グポッ、と音が響く。乳首が強くシーツに擦れる。

「ああっ!」

 一気に快感が強くなり、白井が強く首を振った。

 汗を吸った髪がバサバサと、吐息の混じった空気を大きく揺らす。

「あはあっ! あぅんっ! あ、当たってるますのっ! ああんっ!」

 完全に白濁した愛液が、白井のふとももにも彼のズボンにも触れることなく、珠となって股間から垂れ落ちた。

 強くたたきつけられる腰により、それ以外の蜜が、飛沫となってシーツに散る。

「ああっ! いやあっ! だめですっ! そんな強くっ、だ、だめですのぉっ!」

 言葉は拒絶。しかし声は甘く蕩け。

「あっ! ああんっ! はぁっ! もうっ! もうっ! あっ! ああああっ!」

 両足の指先が、くっ、と力を入れて曲がる。

 汗の浮いた白い背中が、ぐぐっ、と仰け反った。

 そこに、彼が一際強く腰を突きこんだ。


「はうっ!?」

 白井が大きく目を見開き、ヒクヒクと震えた肛門が、根元まで突きこまれたペニスを、ぎゅう、と締付ける。

 その瞬間。

 

 ドクン、と白井の中で、大きな拍動が響いた。



 熱いものが直腸の奥に叩きつけられる。

 同時に彼が唐突に白井に覆いかぶさり、いままで尻を掴んでいた両手で、乳首を、きゅう、と抓り上げた。

「!」

 胸から響く、痺れるような快感。

(あっ――)

 白井の中で、ギリギリまで高まっていた性感が、爆発した。

「ああっ! ああああっ! イ、イクっ、イキますのぉっ! ああっ! イクっ!」

 手を縛る布を千切れんばかりに動かし、絶頂する白井。

 視界が真っ白に染まり、甘く痺れる電撃が、全身を駆け巡る。


「っ! っ! っ! っ!」 

 グリグリと尻を押し付け、膝でシーツを蹴るように、何度も何度も痙攣した。 

 背を覆う彼を押しのけるように限界まで身を反らし、身体を震わせる。

「っ!」

 そして彼の歯を食いしばる音が一度だけ響き、身体の中で震える剛直が、最後の一滴までを吐き出したのと、時を同じくして。

「あっ――あぁ、あっ、あ……ぁ……あぁ……」」

 白い意識の極みに達していた少女が、ようやく降りてきて、がくり、とベッドに身を沈めた。

「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……」

 目を閉じ、肩で息をする白井。ピクン、ピクン、と肩が震えている。

 意識があるのか定かではない状態の彼女の口元。

 そこには、この部屋に入ってきたときとは考えられないような、蕩けた笑みが、確かに浮かんでいた。

              ハ
   =``````````````{ }"'r

  ミ     ,rrrrrrr、  | | =      ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
  =゙    0「「「「「「「l0 | | =   <    調子に乗って    >
   ミ   /_..ノilヽ._ヽ |.| ミ    <     書いちまったー! >
    ゞ__( lヾ・北・フl )_|.|゙     <  スパン短すぎたー!! >
   r'uuぅ lヨ C=う lヨ〃|」ヽ     ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
  /ト=l  ハ`= ''ハ (三)ヽ
 |l `ー| |  |` ゙̄|  |l 「| ノ l}

美琴パートだけじゃ落差なくて書いちゃった……。
たぶん次はちょっとかかるぞなもし。

来週の白井さんはどうしようかしらん。

おつっす
自然と息子に手がのびるぜ

>>182

  ヽ- ,r, ミミ Y' ,、i 、ヽ. 、└ヽ      l
  三 { l`ヾ ゙ "! ノ リ `ヽ\ ヽ  _ノ

  ´,. ト ヽ    レ'/^}ヾ, } ミシ  `ヽ
  ノ //`ヽミ:、 _,.ノ  ,l::::( ( (     i
  _-ニ -‐ ''´ ,r ^ー' |:::::::ヽ ヽ l    l   
   i` ‐ r-- '  _,〉 |:::::::::ハ  l    }   ごめん内緒なんだ!
  、._i  l      ;:=ュ |:::::::i' /' /    ノ
  ヽ.`、 l    /ニ、l |::::;r'彡-'    `7
 ::::::::::\. `   l、__,)゙i |::'":::i、      フ
 ::::::/\::::`ヽ、 ` ー ' |::::::/::ヽ     ´ ̄`ヽ、_....._,.--v‐-、/⌒^`

 ::::〈   〉::::::::::`ヽ-‐':::::/:::::::i'
 ::::::::\/:::::::::::::::/::::::::::/::_. -ミ 、
 ::::::::::::::::--─O::::::::::/^    ヽ

おつおつ

乙乙

美琴の為に一方さんを殴りに行くあたり、芯では上条さんゲスではないんじゃないかと思ってしまった

>>202
逆に考えるんだ、原作の上条さんが芯ではゲスなのかもしれないと

乙~



本編と投下終わりのレスでの>>1のイメージが合わないww

なんというかこの>>1からは才能を感じるな


 肩まで湯に浸かった白井は、脱力感に任せて、バスタブにもたれかかった。

 ちゃぷっ、と湯気をたてる水面が揺れる。入浴剤を落とした湯は、赤く、そして薔薇の香り。

 バスタブは、白井が脚を伸ばしてちょうどという程度の大きさだ。

 ここは、彼と会うホテルではない。寮とは逆方向の、小さなビジネスホテルである。

 彼と別れ、すぐに駆け込み、シャワーを浴び、湯舟に沈んだ。

「……」

 背もたれながらも、俯いている白井。

 投げ出した脚と、太股の間にだらりと下げた腕。そして頭だけが、かくんと落ちたような姿勢は、まるで疲労という言葉をを体言しているかのようだ。

 解いて垂れた髪で、少女の表情は伺えない。

「……。……」

 しかし覗く唇が、何事かの繰り言を紡ぎ続けている。


 大丈夫ですの。

 耐えられます。

 お姉様。


 湯舟に浸かってから身じろぎひとつしていない彼女の周りに響くのは、その繰り言のみ。ちゃぷ、と水音もたっていない。

 壁にかけられたシャワーヘッドも、確かに使った形跡がありながら、もう垂れるような水滴が残っていなかった。

 どのくらい、ここでこうしているのか。

 それは白井にも、わかっていないのだろう。

「……。……」

 そんな、終わろうとしない彼女の声を途中で途切れさせたのは、ほんの小さな音だった。

 心地よい温度の湯。そこから立ち上る湯気は天井に集まり、液体に戻る。

 設計上のミスではなく、使用劣化によって小さく凸凹のできた天井は、その僅かに集積した水気を、いつしか水滴に変えていた。

 音は、それが落ちて、バスタブを叩いたもの。

 小さな小さな、水音だ。

 しかしそれが何かの契機になったのか。



 ――よう。起きたか



「っ!」

 白井の耳に、彼の声が甦った。


 

 ――大丈夫か? 悪かったな、いきなりシちまって。我慢できなかったんだよ



 目が覚めたとき。

 ベッドの中で、彼は服をきたまま、自分は全裸のまま。

 左隣に寝転ぶ、彼。

 シーツから、そして俯せた自分に重ねるように置かれた彼の右腕から伝わる、人肌の温もり。

 驚き、力が入った拍子に、尻からゴプリと音をたてて漏れたモノ。

 すべて、克明に思い出せてしまう白井。

 振り払う前に次の声と記憶が響く。



 ――そうだ、参考までに教えてくれよ

 

 そう問う彼の顔には、なんの色もない。ただ『気になったから』というだけの視線。

 彼の唇が、質問を吐き出そうとする。

「っ!」

 白井は強く首を振った。

 だが頭の中の映像は止まらない。

 残酷な台詞は、気軽投げ掛けられた。




 ――処女より先に尻を犯されるのって、どんな気分なんだ?





「うぅぅぅっ!」

 喉の奥から絞り出すような声をあげ、ぎゅっ、と両腕で己を抱きしめる白井。

 バスタブから背を離す。

 顔をさらに俯かせる。

 歯を食いしばる。

 あまりに強く噛み締めた奥歯が、ミシリ、と軋む。

 それでもなお、心の慟哭は治まらない。

「……っ」

 白井の喉が震え、言葉が溢れようとした。

 彼女は腕に爪が食い込むほど強く力をこめる。

 耐える。

 耐える。

 耐えた。

 だが。

「っ!」

 そうして力をこめた少女の神経が、ズキリと痛みを知覚した。

 彼女にとっては、この二週間で馴染みのある痛み。

 指、ビーズ、バイブをはじめて使ってから、それに慣れるまでは感じていたものである。

 今日はそれよりも大きなものだったから、痛んでもおかしくはない。

 

 処女より先に――



 治まりかけた衝動が再び白井に襲い掛かった。



「っ!」

 白井は身を折って、顔を湯に浸けた。浮かんだ髪がゆらりと拡がる。

 声は水中では形にならない。

 彼女の顔の左右で、ボコボコと泡が咲く。

 太股の間で、両拳が湯圧ゆえに緩やかに、バスタブの底を何度も殴った。

 屈辱、嫌悪、悔恨、恐怖、怨嗟。

 負の感情がないまぜになった中、白井は何度も声をあげ、泡を咲かせる。

 美琴に助けを求めようとした自分が情けなかった。 

 尻を犯された直後に、泣き叫んだ自分が悔しかった。

 何よりも、そんな中で快楽に喘いでしまった自分が哀しかった。

 いっそ、折れてしまった方が楽なのかもしれない。

 彼との『契約』は、満足させることだ。スルことさえスレば、美琴の安全は保証してくれるはずだ。

 いやむしろ、そういう風に積極的に、従順になった方が、彼も喜ぶかもしれない。

 それもまた、美琴を護る手段なのかもしれない。

(あぁ……)

 ミシミシと、心が悲鳴をあげ、胸の奥に再び、あの時自分に囁きかけてきた黒点が拡がっていく。ジクリ、と甘い毒が、心に滲んだ気がした。



 しかしそれを止めたのは、



 ――黒子



 やはり、瞼の裏に焼き付いた、美琴の笑顔。

 折れた自分がその笑顔を向けられて、自分を恥じないでいられるのか?

「っ!!!」

 白井は一気に顔をあげた。

「ぷはっ! はっ――はあっ、はあっ、はあっ、はあっ」

 いつの間にか限界以上に息をとめていたらしい。機関銃のように呼吸を繰り返す。

 顎先と髪先からポタポタと水滴が落ち、震える肩とともに、湯の水面が小さく波立った。

「……」

 いずれ必ず純潔を。

 今日の経験で、それは予想ではなく、想像のつく確信と変わっていた。

 犬のように這い、固いモノを押し当てられ、一気に貫かれる。

 それを明確に想像した白井の背筋に悪寒が走り、

「――っ」

 パン、と両の頬を叩く白井。



「しっかりしなさい白井黒子! お姉様を護るのでしょう!」

 撫で回された身体は、シャワーで清めた。

 奥に出された白濁は、慣れてしまった手順で洗浄した。

 目を覚めました瞬間に不覚にも温かく感じた彼の体温は、湯の熱で拭い去った。

「わたくしが護ってみせますの……!」

 もう大丈夫だ。

 もう折れたりしない。

 絶対に御坂美琴の幻想を、殺させはしない。



 ――この動画撮った場所、使えそうだよな。



 ――今度から行く前に連絡しろよ。大丈夫だったら俺も行くから。



 別れ際に告げられた言葉。

 明日からは、自涜ではなく、彼からの行為が日常になる。

 その日常を繰り返した先にあるのは、貪り尽くされた自分自身と、美琴の笑顔だ。

 彼のことを話す時は白井が嫉妬してしまうほどかわいらしい、笑顔だけだ。

「……」

 それでも――いや、それだけで、どこまで浅ましく、汚らわしく、惨めに堕ちたとしても、耐えられる。

 湯を含んで、簾のように垂れた前髪。

 その向こう側にある瞳には、再び決意の光が灯っていた。




 ……決意に囚われ、決意にすがりついた光が、宿っていた。



             (⌒).(⌒)
      (⌒) /.:/___! :| (⌒)

       }: レ;{.:〈= =j.::ト/.:/_) (⌒)
‐ 、    ,ノ = ≡ィ=ミ ミ :/.:/:、! /.:/
`ヽヽ⌒〈: ミ ミ ミ: >べミ.ミ ミ ミ:Y.:/ /¨ヽ

   \`ヽi~/,イフノ ミ ミ ミ ミ i/,//¨  厂 ̄ ̄ ̄`ヽ

-‐=ニ、 ヾj} 〈_ノ' ` ヾ-'⌒>'Y´/    〈 エロか !? |
-―- 、\jリ,/    / `! y<,.} j'´    _,厶_  _____,ノ
┤イ ト丶∨    ノ / 、},。)j/  ┌'´ ̄ ̄´  ` ̄` '┐
┬ 卜 イ ! }  // _ "¨ ン′  | エロいのが    〉
┬ ┤ト 」ハ{/´  fエl ,. '"|    < 読みたいのか? |
L.卜 ┬ /\.〉   iノ┴'‐--'     └、______,r‐'
\_. イ   `ー'´      
イへ./    , ---、_____ヽ丶   、__,/ ̄ ̄ ̄ ̄`'ー┐
}-‐'´    _ノ_,入_`ブ┐    \  ふむ…       ヽ
 ̄`7ー'7´/  ノ  jレーく__) ))   |  だが断る !!  |
  {l __{ ..:\__┌<_>‐'´        \_______,/
_____ヽ __,>-‐'´ `´___ ____ ┐7

---‐'´     /___/| ̄又又>|
二ヽ ̄ヽ~'ニ三ヾ⌒ ̄ヽ、又>'´|
  }}  └ =ニ~~}}  `ー--く_|_/
==' _ -‐ ___,ノ、二._ーァー'
___,. -一'¨¨ ̄  `'ー‐'´ ̄

気合を入れるとエロスパワーの回復に時間かかるのである。
ゆえに今回はエロくない。でも個人的にはこんな葛藤こそが堕落物の醍醐味と考えます。かしこ。

次はそろそろお口ですな。ご奉仕ですな。よぉーしよしよしよしですな。

お口でレロレロレロレロタイム来るのか!

乙を三個あげよう。このいやしんぼめ!


上条さんからゲロ以下のにおいがするな

これで表でまっとうに美琴とお付き合いしてたら黒子どうなんの?

ゲスイ
まさにゲス条

吐き気を催す邪悪とは! 何も知らぬ無知なるモノを(略

墜ちていく黒子可愛い

これでみこっちゃんに「裏切り者」とか言われたら黒子はどうなるのか
ゾクゾクする

こちらスネーク
至急投下してくれ
繰り返す
至急投下してくれ

続きが気になりすぎて眠れないだろうがぁぁぁぁぁ!!!!!!

作者から才能を感じる

スネークは無闇に上げたりしない

だからと言ってageなくてもねぇ

>>1があえてsageているスレだからなぁ
まぁ不注意はわからんでもないが

ふう…なんだ神スレか

ささやかながら参考画像を献上させていただきます
http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper32097.jpg 注:18禁

凄いGJ

ありがたや…ありがたや

藻なしで頼む

もう見えない

>>233
専ブラ捨てろ

 __
二`.ヽ ヾ ̄ `ヽ
‐- `  l } } ノ- 、

-‐  、リノノ∠ニ   ヽ
-‐',ィ1ハヾく<-、_ヽ   |
‐'" | |. | }ハj  ヽ.j i l
 ̄工_`!   ',二Yノノ  まあ!

r'',ニヾ`   ,r',ニヾソ
、_L⊥ , /ハ.L⊥{    >>229ったら
, ///// ' r‐ぅ//ハ   . . . . . .

"      , -、   l   いけないひ.とッ!
      /  {  |
      `ニ´   ,'
、           /
 ` ‐ 、._     _/
       ̄「

うおおおお、これはいい……これはいいものだ……。
こ、こんなものを頂いては、こちらもがんばって(酒を飲みながら)書く必要がありますな。

まぁ、今日は投下できませんけど、しかしかなり充電できましたぜ。

……ふぅ。

あ、お礼言い忘れた。

ありがとうございました!
SSに絵を描いてもらったのは初めてです。
とても励みになりました!

>>225

     ゙ヽ.ヽ、
 <‐ 、_  ''ヽ ヽ、
  ヽ 二--''' ニ''‐-...._、                     __,,___......------ョ~コ、

  丶 ´ ..r‐''丁''ミ''コニ 、                ..-‐''' コ匸ニニ ..- |ム===―'冖''゙ニ------------------------------------、
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   |│   ''|´   、  {i]ョi \ー\ iぃ ニΓニj〉」 r‐j」   丨_____ノ._ _ _ -====L コココニニニ――――‐''''''' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´
   |弋   、|´ 、     l六 Eぅ厂 ̄|`lテテ|  .. `,'|l! |! ''゙‐‐―、___|_|` ̄"" ̄ ̄
   ヾ' 、_  .| 、   _厶j!」=ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`'―───----┤
       ゙''‐---‐''ゞ、‐lっゝ `ヽ_____,,.....     、  _ 丶 `.ヽ.、
              |` ニ .. i 冖′         |`ヽ.. '' ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
          --‐7=j lゝ .ヽ   ...n___ _  . |′ ヽ、  ヽ、 ..____」
          |  | 」 ´ ぃヽ.... ヽ ../'◎==‐ノ`ー-.|    ヽ__ヽミ◎弋¦
          ヽ.、:凵 ''  ヘ:ン ニ..jユン─´´ .、 ..-''|    .|  .|- ̄~ヽノ
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          !::f l!jコ ⊂ニ _ 丈│           .\:::::::`ミ辷__ゝ
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          |:::凵Iニニ!llL                      ̄''`'〃―〃                        
         1::' lコ――l! ∥                       >―●  俺達は仕事や勉強の道具じゃない。

         〉:::j | } 、 │卜                              エロスでしか自分を表現できなかったが、

         |::_'' コ┬ーェ'コ′                              いつも自分の都合と欲望で投下してきた……。
         ヽ::」厂   "l卩
          ヽ|i-==‐ |リ

           〃 ̄ ̄ ̄||

というわけで、すまないスネーク。追い込まれたスレ主は締切り前の漫画家並に遅筆なんだ。



応援してるぜ作者

今更だがこの上条さんはイケメン
控えめに言ってもミケランジェロ

あげんなよくそ

ミケランジェロってプチマッチョの人じゃ・・・


「ん~っ」

 バスから降りて美琴は大きく伸びをした。

 夕暮れの空気が、胸に染み込んでいく。

「ぷはー」

 肺いっぱいの空気を吐き出すと、美琴は身体の中にあった淀みのようなものが消えたことを実感できた。

 学園の園から出ている巡回バスは、施設としての居心地はよいものの、美琴にはあまり落ち着ける空間ではない。それは乗客の少ない休日で同様である。

 常盤台も、学園の園も、そこから出ているバスも、どうにも学校という感覚がついてまわるせいだ。

 彼女は超電磁砲。学校が纏われば、どうしたってそこに行き着く。

 もちろん能力自体は美琴の誇りなのだが、肩書というのは往々にして肩を凝らせてくるもの。そして美琴はそういうのが苦手なのである。

「さて」

 ポケットから携帯を取り出して、時刻を確認。

 今日は休日なので普段より門限が遅い。まだ余裕があった。

 美琴は携帯とは逆のポケットを探り、食事券と書かれたチケットを取り出した。

 以前、何かの取材協力の時に正規の報酬とは別に渡されたものである。なんでもスタッフの親類が開店しているものらしい。


(みんなを誘って、これに行ってみようかな)

 有効期限が近い。それに、訓練での疲労もある。

 せっかく出てきたのだし、いつものメンバーと連絡をとって夕食というのも悪くない。

(黒子の復習ってのも、もう終わっただろうしね)

 朝から出掛けていたのだから、まぁ大丈夫だろう。

 そう思って、とりあえず待ち合わせ場所になりそうなカフェにでも、と顔をあげる美琴。

 踏み出しかけたその脚が、

「あ……」

 目の前の交差点を見て、とまった。

 美琴の口元に、本人も無自覚であろう喜びの微笑みが浮かぶ。

 赤信号待ち歩行者の群れ。

 その中に、見覚えのあるツンツン頭の姿があった。


「ほんとによかったのか? 別に上条さんだって、餓死するほど貧しくはないのですよ?」

「だから良いって言ってんでしょうが! 何回言わせんのよアンタ」

「いやでもやっぱり、年下に奢って貰うというのはですね」

「食事券自体がもらいもんなんだから奢るも奢らないもないわよ」

 交差点まで走って捕まえてうっかりビリビリしそうになるところを何とか抑えて。

 夕食の食材を買いに行くという上条を強引に誘った、その帰りである。

 そもそも奢り、というか食事券があるということで誘ったというのに、この男は店に入った当初から支払いのことばかり。

(なんでコイツ、バーゲンバーゲン言う割に、そういうところだけは気にするのかしら)

 かなり緊張しながら誘ったのに。

 照れ隠しで喧嘩腰にならないように一生懸命我慢したのに。

 せめて料理を楽しんでくれたら食事の好みも知れようものだが。

 救いらしい救いと言えば、すべて食べ終わった後に、

「すげぇ美味かった。誘ってくれてありがとうな、御坂」

 と真正面から告げてくれたことくらいだろう。

 そこまで思い出した美琴の頬が、かあぁっ、と染まった。

(な、なんだってコイツ、ああも真っ直ぐ人の目を見られるのかしら。そんな、たいしたことしてないのに。ま、まぁ、そういうところも好……き、きらいじゃないけどさ)

 みょうな言葉がするりと頭に浮かびかけて、美琴は慌てて首を振った。

 しかし抑えきれなかった何かが電撃に変わり、ビリビリと前髪を鳴らす。


「あ、あの御坂さん?」

「ななななな、なによ!?」

「いえ、なんでいきなりビリビリしてんでしょーか、と」

「なんでもいいでしょ!? アンタには関係ないでしょーが!」

 隣で高圧電流を流されて関係ないもないが、まぁそこは乙女理論。感情は理屈は凌駕するものである。

 普段であればここから美琴が突っ掛かり、恒例の追いかけっこが始まるところなのだ。

 だが、美琴は、はっ、とした表情を一瞬だけ浮かべて、さらに続こうとする乱暴な言葉を止めた。

(って、だめよ御坂美琴! 素直になるって決めたじゃない!)

 白井の、あの決意の顔を見たあとに、自分で決めた小さな決まり事。

 彼女のように凛とした目標ではないものの、どうしてか自分の中で、一番に変えなくちゃ、と思った事柄だった。

 美事は背筋を伸ばし、ゆっくりと深呼吸。。ジジジ、と電気が納まっていく。

「ご、ごめん。ちょっと、驚いちゃってさ」

 努めて冷静に、美琴が言った。

 しかし、

「……おい、御坂。大丈夫なのか? どこか具合が悪いのか? 熱でもあるんじゃないんだろうな」

 極めて真剣な上条の口調と表情。

「あ、アンタねぇ……」

 ヒクヒクと口の端がひくつる美琴であった。

 こうなれば、抑えた努力は無意味だ。いくら決意しても、短期間で人は変われない。

 美琴が(言葉で)噛み付こうと口を開け――




 ――ぴと、と額にちょっと硬くて、柔らかい感触。




「え……」

「別に熱くはないけど、でも、引きはじめだったらやばいよな」

 視界には大きく、彼の右手。

 自分を救ってくれた、感謝してもし足りない男性の、右手だ。

「……」

「うーん」

「……」

「って、あれ? なんかだんだん熱くなって……」

「ああああああアンタなにやってんのよ!」

 のけ反って顔を離そうとする美琴。

「わ、ばか動くなって。よくわからないだろ?」

 しかし上条は、さらに近づいて右手を押し当ててくる。

「ぁ……」

 見えた彼の目は、真剣なそのもの。

 本気で心配してくれているのだ。



 ――素直にならなくちゃ



 小さな決意が聞こえてくる。


「……」

 美琴の脚が一瞬だけ、後ろに下がるかどうか迷い、

「……だ、大丈夫よ、熱なんか、ないから」

 その場に留まった。

 半端に持ち上げた両手はゆっくりと降ろされ、そのまま腰の後ろに。

 手指を組んで、居心地悪そうに、しかしどこか柔らかな雰囲気で、もじもじと。

「そうなのか? でもなんかやけに熱いんだけど」

「だい、じょうぶ。それ、風邪なんかじゃないから」

 美琴はそこで言葉を切り、小さく、本当に小さな声で、続けた。

「……お医者様でも草津の湯でも、治せない病気だけど」

「ん? なんか言ったか?」

「……なんでもない」

「?」 

 首を傾げる上条。

「まぁ、大丈夫ならいいけど、無理すんなよ?」

「わ、わかってるわよ」

 彼が右手を離す。

「……」

 すうっ、と体温がなくなっていくことを寂しく感じてしまう。


(ん……?)

 そんな中、彼の右手が掻き交ぜた空気に、ふと、かぎなれた香り。

 赤くなっていた美琴が、訝しげに眉をひそめた。

 かなり薄くて、気のせいかとも思ったそれは、

(黒子の香水?)

 自身と白井の部屋にいつも香っているものだ。

 元々、常盤台は化粧が禁止だ。同様の理由で香水もアウトだが、そこは常盤台の伝統。『気のせいかと思うほどほんのりと』香水を振る技術も確立されていた。

 この香りは美琴にとって、馴染み深いゆえに気がつきにくく、逆に気がつけば間違いないと確信が持てる。

(……なんでコイツから?)

 上条が自分からつけているとは初めから考えない。そもそもこれは女性用だ。

 もちろん市販品なので、彼の周りの誰かがつけていて、それが移ったということも考えられる。

 美琴の付けているものは制汗スプレー程度であって香りが違うし、白井は上条のことをそれほど好んでいない。会ったとしても肌に触れさせることはないだろう。

「……」

 上条にだって女友達はいるだろう。そうでなくとも学生だ。クラスメイトの半分は女子に違いない。

 休日なのだから、誰かと会って、その時に移ったのだ。少なくとも、どこかに遊びに出掛けていて移るにしては、弱すぎる香りである。

 要するに、深い意味はない。この香りは、たんなる偶然だ。

 そうとしか考えられない。

「……」

 考えられないのだが、どうしても、そうだとは思えない。

 理屈じゃなかった。これもまた、乙女の理論。

 いわゆるヤキモチからの疑問である。

 世界はそれを女の勘と呼ぶ。


「ね、ちょっと」

「?」

「……まさかとは思うけど、アンタ、香水なんて付けてないわよね?」

「は?」

「香水よ、香水」

「んなの、つけてるわけないだろ? 上条さんちにはそんな金銭的余裕はありません」

「……そう、よね」

 予想通り。

 支払いを気にしまくってる男なのだから、というかそれ以上に、美琴の知る上条は、そんな風な気をつかえるタイプではない。

(だったらやっぱり誰かから移った?)

 さっき、誰かと会っていたのか。

 そう問おうとして、美琴は一度だけ言い淀んだ。
 
 もし、誰かと会っていたら。

 もしそれが、友人というカテゴリー以上の相手だったら。

 しかし、美琴がその内心に何かのケリをつけるよりも先に、上条が「あー……」と漏らした。

 失敗した、と、言うような声色である。

「……なによその顔。アンタ、なんか私に隠してることでもあるんじゃないでしょうね」

 というか、何か隠している態度だ。

 乙女のなんやかんやもそうだが、彼があからさまに隠し事をしている態度に、苛立ってしまう。

 すっ、と美琴の両目が細まった。


「あいや、その」

「……私には、言えないこと?」

 次に、声に険と、寂しさが混じった。

 彼には隠し事が多い。それはなんとなく、わかっている。

 彼がそれを言わないのはきっと、それだけの理由があるのだろうし、きっと、美琴への配慮であるに違いない。

 しかしやはり、隠し事をされると言うのは、寂しく、辛いものだ。

 それが、自分の信頼している相手であれば、なおのこと。

「……」

 上条も美琴の内心がわかるのか、ガリガリと頭を掻いた。 

「……」

 それ以上何も言わない美琴の眼差しを見て、ひとつ、ため息。

 それから、

「いや、実はさっき」

 ポリポリと。

 気まずそうな顔で。

「白井と会ってたんだ」

 と、上条は言った。


「ただいまー」

 言いながらドアを開け、美琴は自室に入った。

「お帰りなさいまし、お姉様」

 勉強机についた白井が、振り返って応える。

 机に拡げられているのは、参考書か何かだろうか。

「アンタも帰ってたのね。お疲れ様。マナー講座? だっけ。どうだったの?」

「普通、ですの。基本の復習のようなものでしたわ。もっとも、それが一番大切で、難しいのですけど」

 微笑を浮かべて返す白井。

 返ってきてシャワーを浴びたのか、髪はどこかしっとりとしている。

 美琴は「そう」と簡単に返事。クローゼットを開け、ハンガーを取り出した。

「……それより、黒子?」

 上着をハンガーにかけ、今度はクローゼットにしまいながら、美琴が言った。

 位置関係的に、美琴も白井も、お互いに背を向けた形。

「何ですの?」

 いつもどおりの様子で、白井が問い返す。

 サラサラとシャープペンシルが線を書く音は、淀みない。まるで適当に落書きでもしているかのように。

「アンタさ」

「はい」




「今日、アイツと会ったんですってね?」




「――!?」

 ビクンッ! と白井が震えた。

 アイツ――美琴がそんな呼称をする相手など決まっている。

 しかも、ただ問われただけではない。

 美琴の声は、いつもよりも低く、僅かに怒気の混じったものだったのだ。

「なっ、えっ、そっ、なっ……?」

 ひくっ、ひくっ、と喉が痙攣するように動き、白井は言葉を作れない。

 錆びたネジを回すように、ぎこちなく巡らした首。

 背後の美琴は、クローゼットに上着をかけた姿勢で、白井に背を向けている。

「今日、たまたま偶然、アイツと街で会って。……それで聞いたのよ」

「……、……」

 声の調子は変わらない。呼吸のとまった白井は、次の声も発せられない。

 しかし美琴が振り返る気配。

「っ」

 白井は弾かれたように、顔を前に戻した。

「……」

 トン、トン、と美琴が床を歩く音がする。

 その音が白井に近づいてきていた。

「……。……」

 その音一回一回に、身を震わせ、カタカタと歯を鳴らす白井。

 とても振り向けない。とても美琴の顔を見ることができない。

 やがて足音が真後ろで止まる。

 白井の震える右手から、ポロリと、シャープペンシルが零れた。


「ねぇ、黒子」

「……」

 返事もできない。

 しかし美琴は、そんな様子に構う事なく、言葉を続けた。

「聞いたわよ? アンタ、疲れて公園で倒れかけたんですって?」

「え……」 

 それは、無茶を叱る柔らかい声。

「黒子には黒子の目標とかあるんだろうし、その努力をやめろなんて言わないけど……それにしたって限度を考えなさい」

「……」

「ここんとこ、毎日何かの訓練してるんですって? そんなんじゃ、身体を壊しちゃうわ」

「……」

「アンタの目標の一部に私がいるのは嬉しいし、それを目指すのはいいんだけど……身体壊すんだったら、私は嬉しくなんかないわよ?」

「……は、はい、ですの」

 白井がぎこちなく頷く。

「まぁ、よりによってたまたま通り掛かったアイツに介抱してもらった上に、倒れた理由まで聞き出されたなんて、言いづらいのはわかるけど」

 くすり、と美琴が苦笑した。

 淑女になろうとは言え、中々今までの癖を拭い去るのは難しい。

 それこそ、美琴が素直になろうとしているように。

 白井の上条嫌いは、結構な深度だ。

 上条相手に弱みを見せたとあれば、美琴への口止めをさせるのも頷ける話である。

 しかしここで美琴から告げてしまったのだから、次に上条と白井が会えば、きっと彼は痛い目に遭うだろう。

(ま、これくらいはいいわよね)

 いくら白井が相手とは言え、他の女性の香りをつけて自分の前に立った罰だ。

 美琴は、自分の小さな決意――素直になること――を自分自身に少しだけ実行し、小さく笑みを漏らした。



 背中越しに、美琴が幸せそうに微笑する気配。

 白井は、美琴に決して気がつかれないように唇を噛み締め、

「……」

 胸に、そっと、右手を当てた。

       ,,,..........、--、_ ___,〃    ヽ、_=_ ー-、       ヽ,
       ~ ̄``''ー-;、  、、、  冫  - 、    `"''‐、`'ヽ     '"''''''''i  ,
      , -‐'ヽ_,.--'~ ,,.〟``''、''ー─''"~``''ー、  、 、_ ゙i, ~    , .r‐‐-`‐"
     ´ ̄j、_,_,ヾ,-‐'",. ,r-、 `'‐''''''''二、 ,_  二_ヽッ ヾ  '‐:;  | 'r/ /l

  ____ ,.〟--ヽ--、_i:::::::)  r''     ヽヽ,.......ゝ   ヾ  、ヾ  i ,..`' ノ
‐''~,   i'!,  ヽ、 i、 i,  ``'''i i  'r''::、  /___ ``'''ヽ i!ヽ二 ヽ ,//`;
‐、、\、_ヽ,``i ヽ、,-'=ニ,''、ー',',~,,i,  i゙:::::::::l ;  r:':::::i  l  、  ., l li r// /,.....、、
ヾ:::`i:::::::'''``''ヽ (  ,  `''+'r_‐-、 ヾ-‐,'゙ i  l;:::::::;!  ト、_ `ー'゙  ノ /"´:::::::::/ やばいな……『エロスが充電できた』とか、『次はご奉仕かな』とか、キッパリ言ったばかりなのに……スマン、ありゃウソだった。
::::::::::l:::::::::::::::ヽ:::i i,'-ヽ、_ iノ ``''ー; -‐'' ,.入 _゙'_'ノ/ 丿`i , ‐'" /:::::::::::::/

--、::lヽ;_;:::::::l.::l l  i `''゙','ーr=ニ~,-─''~r'''´,.. --_ュ-:、';_/  /r'~:::::::::::/   でもまあ、いつ書くかまでは言ってないし、きちんと書くつもりでいるから、 こらえてくれ。
-、,ヽ!   ''ー、ヾ、 iー-ゝ、, i__/   ヽ, / i r '_,.;ェニ゙-‐''゙'^  ,.> __,i/ ̄/::i
  ゙i   ,._. \`´  l i~ `i``''ー=、--'  .l.|´,.:-i;'''。';ァ、_  i ;:/ ,.、`;./:::::|::l,,,.. -‐、
   l,_  ,...ヽi"``''ー亠-ゝ--' 、_丿./....... `'; `‐゙=;ニ;-‐"/'/ .i  i/::::_i::::l:::::::::::::i
`'''''-、 , '゙   ヽ,       l  ,/  :::: /  ´   ` l!゙  ;:< /,r'''ニ、:::::ノ::::::::r'~
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. lヽ   / /:::::::::::::::::::::::::i l  ``'''ー-、ノ   '-、    /   /i  |/         /
.| /|''~ i~:::::::, ---、:::::::::ノ/       `ヽ  -‐ ヽ--'   "  ヽノ         /

いや美琴パートも、それはそれで大事な部分だと思うのですよ。つか大事です。たぶん、きっと。
ゆえに反省はしていないが後悔もしていない。
あ、それと開始当初は本気でなんにも考えてなかったから、上条さんたら「美琴」って呼んでるけど、「御坂」に脳内変換してください。

寝る。


今回はなかなかハラハラしたぜ

いいねぇ!最高だねぇ!

乙です

これも上条さんの策略の一つなんじゃ・・・

とりあえず乙

あと作者、あとどのぐらいの量で完結予定?

この話の肝は異常な状況下での登場人物たちの心の動きだから
エロにこだわる必要はないとおも

上条さんまじ下衆いでぇ……

黒子がつけてる香水はなんですか

Caboshard

いちおつ
エロもいいけど心情の揺れみたいのが持ち味だと思うから
書きたいように書いてくれていい


 学園都市のビジネスホテルが賑わうのは、もっぱら夜からである。

 それは利用者の多くが、遅くなりすぎて『家に帰る手段をなくした』大人たちであるからだ。

 何しろここは(少なくとも名目上は)学生のための街だ。最終下校時刻以降の外出を防止するため、日が落ちると公共交通機関は激減する。

 そのため、まだ夕刻である今は、ホテルの廊下にひと気はない。

 しかし不意に誰かが部屋から出てくるとも限らない。

 私服姿に着替え、髪を解いた白井は、足早に部屋に入った。

「……」

 パタリ、と背中でドアが閉まると、入室を感知したセンサーが自動的に明かりを点ける。

 間取りは確認する必要もない。今まで数回、『拡張』時に利用しているのだ。

 5歩分しかない、カーペット敷きの通路。窓際に並ぶテレビや、スタンド。部屋の6割の面積を占めるベッド。通路の途中で右手側にあるドアは、中でさらに左右に入口を持っており、浴室とトイレがある。

 標準的なビジネスホテルだ。

 白井は故意に事務的な動きで通路を抜け、クローゼットの扉を開けた。

 ハンガーだけがかかっているそこに、常盤台の制服を入れたスーツバッグをしまい込む。

 今日は風紀委員の準勤務日。

 警ら等の通常業務はないが、事件があれば呼び出される、いわゆる待機の日だ。こうしている間にも呼び出されるかもしれない。

 制服を持ち歩かないわけにはいかないが、少しでも部屋の空気に晒したくない――特に腕章をそうすることは、避けたかった。



(運が悪ければ、ここから出動することになりますわね)

 白井の瞳が、不安そうに揺れる。

 呼び出されるということ――つまり、余剰人員すら投入する事件が起こるということは、一刻の余裕もないということに等しい。

 そんな中、のんびりとシャワーを浴びることなどできはしない。

 情事のニオイを纏わり付かせたまま、出動することになるのだ。

「……」

 いや、ことによると。

 自分は出動することが、できないかもしれない。

 彼が、許してくれなかったら。

「……」

 白井は唇を噛みながら、丁寧にクローゼットを閉めた。

 しかしどうしようもない。本当に出動がかかれば、なんとか説得するしかないのだ。

 そう、たとえば、

(次はきちんと満足をさせますから、とでも言って……?)



 ――ズクッ、と白井の下腹の奥で、何かが動いた。




「っ!」

 即座に首を振り、息を止め、右手を胸に当てる。その右手を左手で包み込み、目を閉じて俯いた。

 告げられる恐怖を、意識的に思い出す。

『今日、アイツと会ったんですってね』

「!!!」

 あの時感じた凍つくような感覚が背筋をかけあがり、白井はぶるりと身を震わせた。

「――はっ」

 悪寒を吐き出すように一息。頬が強張っているのが、自覚できる。

 その時にはもう、腹の奥で動いたはずのナニカは、恐怖に凍らされていた。

「……」

(ごめんなさいお姉様……)

 続いて襲い掛かってくるのは、とてつもない罪悪感だ。

 美琴を護るため。

 その思いと彼への嫌悪で表面化していなかった感情は皮肉にも、自分を心配してくれる美琴によって形持たされていた。

 事情はどうあれ。

 白井は美琴を裏切っているのだから。

「……」

 白井が胸の痛みを庇うように右手と、それを包む左手に、きゅっ、と力をこめる。

 それとほぼ、同時に。

 トントン、と部屋のドアがノックされた。


「っ!」

 即座に首を振り、息を止め、右手を胸に当てる。その右手を左手で包み込み、目を閉じて俯いた。

 告げられる恐怖を、意識的に思い出す。

『今日、アイツと会ったんですってね』

「!!!」

 あの時感じた凍つくような感覚が背筋をかけあがり、白井はぶるりと身を震わせた。

「――はっ」

 悪寒を吐き出すように一息。頬が強張っているのが、自覚できる。

 その時にはもう、腹の奥で動いたはずのナニカは、恐怖に凍らされていた。

「……」

(ごめんなさいお姉様……)

 続いて襲い掛かってくるのは、とてつもない罪悪感だ。

 美琴を護るため。

 その思いと彼への嫌悪で表面化していなかった感情は皮肉にも、自分を心配してくれる美琴によって形持たされていた。

 事情はどうあれ。

 白井は美琴を裏切っているのだから。

「……」

 白井が胸の痛みを庇うように右手と、それを包む左手に、きゅっ、と力をこめる。

 それとほぼ、同時に。

 トントン、と部屋のドアがノックされた。


「すげぇよな、こんなところを気安く借りられるんだから。やっぱ空間系の高レベルって、奨学金や実験報酬が多いのか?」

「……ええ、それなりには」

 ベッドに腰掛け、物珍しそうに室内を見回す彼に、白井は押さえ付けた平坦さを持つ声で答えた。

 三日前の、あの日。美琴がシャワーに入ってから。

 どういうつもりか、と電話で問うた白井に対し、彼の返答は「手を出さなきゃいいんだろ?」というものだった。

 白井としては、自分がこうしている以上、美琴と接触はしてほしくもない。ましてや、自分たちが会っているという情報など、たとえ冗談でも伝わってほしくないのだ。

 現実問題、前者については今までも美琴の側から接触する形だったのでなんともできないが、後者はどうとでもなる。ましてや今回のように、身体に触れた、と明確にわかる話をするなど、言語道断だった。

 しかし今の彼を見る限り、その一件はまったく気にしていないようだ。

 不機嫌そうな白井を見上げる視線は「まぁいつものことか」くらいの色である。

「じゃあ先にシャワー浴びてこいよ」

 ひとしきり観察の終わった彼が、ベッドに腰掛けながら、シャワールームへの入口を指した。

「……何をなさるつもりですの?」

 今日は、いつものような洗浄器具は持ってきていない。今からホテルに行く、と彼にメールを送ったとき、そう指示されたからだ。

「そんな警戒するなって。別に覗いたり、乱入したりしねぇよ。ただのレディファーストさ」

「紳士的で何よりですの」

 皮肉を込めて、白井が言う。彼はその言葉に苦笑した。


 昨日も、一昨日も、『拡張』は続けさせられている。ビデオメールも同様だ。

 しかし、そのどちらにも、彼は来ていない。

 流石に、彼も女子トイレに侵入するのは控えたいようで、ホテルに入る時だけでいい、とのことであった。

「では、お言葉に甘えさせていただきますの」

 ツインテールを靡かせて、バスルームに向かう白井。

 どうせ逃れられないし、そもそも逃れるという選択肢もない。ならば早く済ませるのが上策だ。

「ああ、ゆっくりでいいぜ? 俺はこのベッドの感触をもう少し味わってたいからさ」

「……」

 子供のようにクッションを確かめる彼から視線を外し、白井はドアをあけ、中に入った。

 入ってすぐに洗面台があり、左右に再びドアがある。左はトイレで、右はバスルーム。

 真正面の洗面台に映る表情は、硬く、嫌悪の表情が覗いている。

 勤務日は公衆トイレを。待機はホテルを。

 なんでトイレとホテルを使い分けてたんだ、という彼の問いに、ばか正直に答えたのは失敗だった。

 公衆トイレがいっぱいだったから、とでも言っておけば、彼を呼ぶようなことにはならなかったかもしれないのに。

(……いえ、それは甘い考えですわね)

 白井は首を振り、その思考を打ち消した。

 そうなれば、もっと見つかる危険のある状況を強制されたに違いない。

 己の裁量がある今の方が、まだマシだろう。


(……それよりも、)

 今日は何をするつもりなのか。

 『器具』を持ってきていないのだから、洗浄もできるわけがない。

 てっきりまた、前のように――



 ――尻を高くあげ、後ろ手に縛られ、肛門を犯され――



 ――ズクッ、と再び下腹の奥でナニカが動いた。

「っ!」

 慌てて首を振る白井。

 再び『恐怖』で払拭しようとするが、今度は上手くいかない。

 生々しい行為の方が、より強く思い出されたからだ。

 激しく、貫かれた記憶。

(か、身体が驚いているだけですの。あんな激しいこと、普通ではありませんから……)

 ただそれだけですの。

 そう頭の中で呟き、動くナニカから目を逸らし、白井は右手側のドアを開けた。

 脱衣所は、当然のごとく利用者を待ち構えている。

 ここで服を脱ぎ、身体を清めれば、彼の前に出なければならない。


(だとすれば、やはり、やっぱり……)

 そろり、と右手で、スカート越しにソコを押さえた。

 カチカチ、と奥歯が鳴りはじめる

 それはすぐに全身に伝播をはじめて、

「っ!!!」

 白井は奥歯を強く噛み合わせた。

 ガチン、と音が響き、震えが止まる。

「わたくししかおりませんの。わたくしだけが護れるんですの。わたくしが護りたいんですの」

 それは白井の唇から奏でられた。

 何度も唱え続けて、もはや言葉や声ではなく、呼吸の一部のように、淀みなく。

「わたくしさえ我慢すれば、お姉様は笑っていられるんですの……!」

 それは、まるで呪文のようだった。


「寒くないか?」

「だ、大丈夫、ですの」

 彼の言葉に、白井は横を向いたまま言った。

 彼女の口調がやけに素直なのは、理由がある。

 素裸。

 ベッドの上。

 身体に浴びせられる視線。

 いずれも、忌まわしいことに初めてではない。

 ただひとつ異なったのが、

「そんなに恥ずかしいか?」

 仰向けに寝転んだ彼も、その三要素を満たしているということだ。

 彼の両脚の間に正座し、身体を前に倒した白井。

 それこそ土下座のような恰好の彼女の目の前にあるのは、隆々とそそり立っている、彼のペニスだ。

 いや正確には、嫌悪と羞恥で顔を逸らしている彼女の右頬の前に、か。


「あ、当たり前ですの!」

 まったく見たことがないわけではない。何年も前に父親と風呂に入ったこともあるし、保健の授業では写真入りの教材だってある。

 こういう風に立ち上がった状態だって、風紀委員の仕事でその手の変態を取り締まった時に目撃していた。望んだわけではなかったが。

 望んでいないことは今も同じだが、状況が違いすぎる。ここまで間近では初めてであったし、

(こ、こんなものを、本当に、口で……?)

 血管の浮いたそれを目の端で捉えながら、白井は彼の要求を頭の中で繰り返した。

 彼は交わりではなく、口淫を望んできた。

 こういう行為があるのは当然知っている。いずれ必ず、させられるということは予測していた。

 しかし実際に間近で見た白井は、とても直視することができないでいる。

 赤黒く、ヒクヒクに震え、熱を持ち。

(わたくしを、あんなに激しく貫いたモノ……)

 すぼまりを出入りした、あの感触。

 手を触れていない今でも、その硬度は想像できた。


「さ、観察はもういいだろ? そろそろ始めてくれないか?」

「っ」

 はっきり言って醜悪としか思えないペニスにキスをし、口内に含み、舌を絡め、唇で扱き、そして吐き出される汚濁を受け止めなければならない。

 想像するだけで、吐き気を催す。

 そもそもの彼への嫌悪感に加えて、このペニスは三日前には己の肛門に突き込まれていたモノだ。

 彼も入浴しているだろうし、いまさっきシャワーを浴びている。

 それでもその意識は消えてくれない。

 しかし、彼の促しは、命令のようなものだ。

 おずおず、と白井の手が伸びた。

「っ」

 白魚のように細く綺麗な指が巻き付き、ピクリと震える彼。

(硬い……ですの)

 それは想像どおりの硬さがあった。

 血液の流れが指先ではっきりとわかるほど、内側から張り詰めている。

(熱い……ですの)

 そしてそれは、想像以上に熱をもっていた。

 シャワーによるほてりなどでは決してない、人肌よりも確実に高い体温。


「……」

 ちらり、と彼を見上げる白井。

 怒張の向こうから投げ掛けられる彼の瞳には、期待はあっても、侮蔑はない。

「は、始めますの」

 自分を後押しするために、声に出し、顔を寄せる白井。

 近づくにつれて、怒張からの熱を頬に感じる。

 いま、自分は。

(こんなこと、たいしたことではありませんの)

 土下座するように身を縮めて、男の股に、顔を埋めようとしているのだ。

(お姉様のためですの)

 精液を吐き出すところを、舐めしゃぶろうと言うのだ。

(純潔より先にお尻を犯されたことに比べたら、このくらい……)

 そして。

「んっ……」

 唇の間から差し出された舌先が、ペニスの表面に触れる。

     、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、

     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)

  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}    逆に考えるんだ
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´   「寸止めの方が妄想できていいや」と
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-~、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ        考えるんだ
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {

              ′ / ! ヽ
状況説明に力を使い果たした!
個人的には一日一日を区切って書いたり、短いスパンの話のが得意なのでな。

しかしまぁ、個人的にはエロスは義務というか、我が本能よ欲望で書きたがっているので、けっこう好き勝手です。大丈夫大丈夫。
そしてえーと、今どれくらいか? だったっけ? 
ノリと気分でルート分岐しますが、たぶん全体で3~4段階ありまして、いま1段階目完了というところですな。
まぁもう少し時間かかります。

あと香水は……エンジェルハート?
いえ、あんまり詳しくないのでね……まぁ相当甘い香りなので、さすがは伝統の技術ですな。


そんなわけで睡眠。

おつです
俺得お口ルートついに来たか

乙です

乙です
参考にさせてもらってます

いちもつ
リョナられてる黒子はやっぱ素晴らしい

お口の恋人

シャルロッテ

俺の恋人↓

千葉ロッテ

ワロタww

嫌がる女の子に自分の意思でフェ○させるのってエロいよなあ・・・

それがそのうち自分の意志でしゃぶってくるように……とかみなぎるよね

この黒子には最後まで上条さんに屈してほしくないな

馬鹿、最後の最後にとことんまで堕ちるのが良いんだろうが

インさんとかどうしてるのかねえ……

インさんは既に墜ちているキリッ

~穢された修道女~散らされた純潔なんだよ!

収録時間120分

長い
3分で

>>296
ステイルさん、速射砲すぎるやろ…

ステイルに監視されています

ステイルに監視されています

このスレはステイルに視姦されています

ステイルェ……

おのれステイル!

このスレでステイルが賢者になっています

>>295

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まだかな

最近スローペース気味だよなー

作者も大変なんだろうな


 てろ、てろ、てろ、と。

 指が緩く絡んだペニスの裏筋中ほどからカリ首までを、白井の舌が舐め上げる。

 動きはゆっくりと。

 左肘で上体を支え、右手指をペニスに緩く絡ませた白井の首と口が痛まない程度の早さで。

「んっ……んん……」

 探り探りと戸惑い、さらには嫌悪の雰囲気が見て取れる白井の動きだが、しかしそれでもただ上下するだけでもなかった。

 時に裏筋を、時に舌先でカリ首の溝を、時に赤く充血した亀頭を、舐め、なぞり、ねぶる。

「とりあえずはアイスとかを舐める感じだよ」

 舌先をペニスに当てたまではいいものの、そこから20秒ほど動けなかった白井に、彼がかかけた言葉である。 

「そのくびれてるところとか、縫い目みたいなところ。あとは先っぽのところとかを重点的にな」

 彼のモノを舐める。

 その状況に吐き気を耐えていた部分もあったのだが、何をどうすればいいのかわからなかったのも事実。

 ありがたいとは決して思わない指示指導に従っての動きは、忌ま忌ましいことにそれなりの効果があるらしい。

 起立はますます硬度を増し、僅かだが生臭いニオイ――性臭を臭わせ始めていた。

 鼻を抜ける生臭さにえずくのを辛うじて堪えながら、顔を右に傾けて幹部分に舌を這わせる。

「んぅ……ふ……ん」

 その拍子に、解いた髪が一房、パサリと頬にかかった。


「ん……」

 恥羞によって朱に染まった少女の頬。そこにかかる黒髪とのコントラスト。

 白井はそれを左手で掻き上げ、邪魔にならないように耳にかける。

 ふわりと、己の髪の香りが、性臭と混ざったのがわかった。

「……」

 彼から、何やら含みのある気配。

「……なんですの?」

 白井は口を離して問うた。

「ああ、いや」

 険しい視線に彼は苦笑し、

「今の仕種、艶っぽいなって思ったんだよ」

 と、てらてらと唾液に光るペニスの向こう側の、その彼女の瞳を見ながら言った。


「……」

 虚を突かれ、ぽかんと言葉を失う白井。

 だがすぐに眉を潜め、続いて彼の視線から逃れるように、舌の動きを再開させる。

 誉められたのかもしれないが、相手と状況が悪すぎた。

 かけられた言葉を無視するように、あえて舌の動きを早める。

 唾液がそれを生み出した舌に絡まり、ピチャ、ピチュ、と音をたてた。

 彼は、やれやれ、と一息

「じゃあ次は、唇かな。キスしてみたり、くっつけて横に滑らせたり、吸ってみたりしてみてくれ」

「っ!」

 キス。

 その単語に、白井は心がギシッ、と軋むのを感じた。

 過剰な神聖さを抱いているわけではなかったが、それでも白井は、ただ舐めるということに比べてキスというものを、どこか大事なモノのように感じてしまうのを止められない。

(……)

 無意識に舌がペニスから離れる。

 美琴のことを思って大切にしていた。目の前の男に契約代わりと奪われた。そしていま、ただ性の道具として使う。

「わかりました、の」

 白井は一度だけ、ぎゅっ、と目を閉じてから薄く開き、

「んっ……」

 瑞々しい唇が、醜悪な剛直に押し当てられた。


「んんっ……ちゅっ、ちゅぶ……」

 押し当て、離し、押し当て、滑らせる。吸った拍子に、少しだけ冷えた唾液が性臭をとともに口の中に入ってくる。

「ああ、あと舐めるのも一緒にな?」

「……はい」

 右手に僅かに力がこもり、しかし指示に従う白井。

 舐めるときと同様、うずくまった姿勢から膝で身体を持ち上げて顔を寄せた。

「んっ、んぅ……ちゅぷ、ちゅ、ちゅる……んぅ、れろ……」

 キスの雨を降らせ、その合間に舌がてろてろとペニスを濡らす。

 時折頬にペニスが当たり、唾液が頬を彩った。

 舐め、接吻し、吸いつき、滑らせ、頬を掠め。

 小さな水音だけが、ビジネスホテルの室内にただ響く。



(どんどん、熱くなって……)

 唇と舌と頬から、その脈動と熱が伝わってくる。

 充血したペニスは、もう褐色と言っていい色に。

 白井はもう何度目かわからないループを繰り返すため、顔をやや下げ、その根本に舌を当てた。

 たっぷりと唾液を乗せた舌の腹で、先端までを、ぬろおっ、と舐め上げる。

 唾液を増やしているのはその方が滑りがよくて楽だと気がついたためだ。

 ゆっくりと言うには若干勢いよく動いた舌が亀頭から離れ、移りきらなかった唾液が糸をひく。

「っ……白井、次はくわえてくれ。歯をたてないようにな」

 次の指示。

 白井の動きが止まり、その眉がひそめられた。

「……」

 しかし次の瞬間、白井の顔は無表情に変わる。

 そのまま口の中で何事かを呟いた後――ぐっ、と身体をやや前に乗り出した。

「んっ」

 大きく開けた唇を剛直の先端を被せる。

 赤黒い亀頭が、口内に沈んでいった。



「ん……んんん……」

 先端だけでは終わらない。

 どうせ命じられるのなら――まるでそう言うかのように、白井は自ずから顔を下げ、深くペニスを口に収めていく。

 カリ首が歯の間を通り、先端が口腔上部に触れた。反り返ったペニスはその角度ではそれ以上飲み込めない。

 だからさらに身体を前に傾ける。

 正座のように踵に触れていた尻が浮き、動いた空気がいつかのように――尻を犯される直前に感じたように、尻たぶの間、秘裂と肛門を撫でていった。

「んぐ……んんぶ……」

 しかしそれでも、物理的な限界というものがある。

 小柄な白井の口に収まったのは、結局全体の半分程度。これ以上くわえこもうとすれば、それこそ喉まで使わなければならない。

 ディープスロート、と言う単語は知っているが、とても無理だった。いまでも苦しくて、目の端に涙が浮かんでしまっているのである。

「そこまででいい。無理すんなよ」

 ちょうどそのタイミングで、彼が白井の頬を撫でた。

「そのまま顔を動かすんだけど、いまみたいに限界まで飲み込まなくてもいいからさ。それよりも唇で扱くみたいにして、後は口の中で舐めるんだ。ペースは白井に任せる」

「んん……」

 鼻だけで息をしながら、白井は頬に添えられた彼の手を払った。

 頭を動かすのに邪魔だと言うことと、何より、気遣われたくなどなかったのだ。

 開き気味に投げ出した彼の脚の間で、少女の頭が上下を始めた。



「んっ、んぅっ、んんっ、んっ」

 剛直が出入りし、ぐちゅぐちゅと音をたてる。

 口内に満ちる性臭が、直接鼻に抜ける。

 口の周りが唾液にまみれ、おとがいに向けて垂れていく。

 長く、ウェーブのかかった白井の髪がその白い背中を撫でるように揺れる。

 舐めるときより、キスするときよりも激しい運動と、鼻でしか呼吸のできない状況に、白井の息がふーっ、ふーっ、荒くなっていく。

「……?」

 それに伴い、ペニスの向こう側から響く彼の吐息も、徐々に乱れ始めた。

 水音と己の呼吸音。

 その間に混じる彼の吐息の調子に、白井は覚えがあった。

(気持ち、いいんですの……?)

 それは白井が自涜のとき、声を漏らさないためのものだ。

「……」

 試しに顔を前後させながら舌先だけを幹に当てて小刻みに動かしてみる。

 すると、彼の脚が小さく震えるのが二の腕から伝わってきた。

 快楽を、得ているのだ。



(では、こうすればもっと……)

 浅くくわえ、カリ首をぐるりと刺激する。

 先ほどよりも大きく、震えが響いた。

 自分の攻めで、彼が追い詰められている。

 自分を蹂躙するだけだった、彼が。

 自分が。

(……)

「っ?」

 と、彼の呼吸に僅かな戸惑いが混じる。

 いきなり白井の動きが変わったせいだ。

「んんっ、んぐっ、んぶっ、んふぅ」

 歯が当たらないように口はあけたまま、しかし幹は唇で締める。

 裏筋に添えるように当てた舌はときおり左右に動き、あるいは舌先が横側を舐めた。

 口腔の上側で先端をこすり、あるいは頬の内側に埋める。

 浅くくわえて、カリ首を唇でやわやわと圧迫した。

 時折故意に唇を緩めて、グポッグポッと出入りの音を響かせる。



「んんふっ、んぶっ、んっ、んんんっ」

 白井は口淫など初めてだ。

 だが、能力的に複雑怪奇な演算をこなし、また、常盤台の先進的な授業についていける頭脳である。

 開始してから今まで。

 指示されて行った行為と偶然行った行為の中で、彼が同様の反応を示した動きを思い返してトレース、あるいは組み合わせ、そしてまたあるいは予測し、実行する。

 性感帯は概ね決まっている。

 ならば後はそこをどう刺激するか――どう興奮を高めるかがポイントなのだ。

「んぐっ、んふっ、んんんっ、んむんっ」

「っ……っ……っ……」

 じゅる、じゅる、と音が響く。

 己が行為に効果があったのは、彼の呼吸がさらに早まったことと、伝わる震えが大きくなったことと、脈打つペニスからの性臭が強くなったことで確認できた。

 上下する視界の端で、彼が拳を握りしめるのが見えた。

 ぐぐっ、とペニスの根本から、ナニカが競り上がってくるのを唇に感じる。

 近い。


「んんっ」

 白井はさらに頭を大きく、早く動かし、唇を締めた。

 それはしゃぶるというよりも口で扱くという表現が相応しい。

 自分が飲み込めるギリギリまで彼の股間に顔を埋め、亀頭から離れる寸前まで顔を引き、また埋める。

「うあっ」

 彼が初めて声らしい声をあげた。

「んふっ」

 それがどこかおかしく、くぐもった笑いが漏れた。だがそれはねばついた水音に遮られて、彼の耳にも、彼女の耳にも、彼女の心にも届くことなく、消える。

 だから白井は同じように、前後抽送を繰り返した。

 頭の動きが大きくなった分、持ち上げられた尻がゆらゆらと揺れる。

 運動量が増え、頬に、首に、背中にうっすらと汗が浮いた。

「んぷっ、じゅるっ、んんんんっ、んちゅっ」

 一往復ごとに、ナニカが上にあがってくる。

 根本、幹半ば、カリ首。

 そしてついに、ナニカが先端に。


「んんっ!」

 そのタイミングをもって、白井は顔をひき、舌の裏側で亀頭の先端――尿道を、ぬるりと横に撫でた。

「くっ! 出すぞ白井っ」

 彼が歯を食いしばり、そう宣言した。

 口内の亀頭が一層膨れあがり、次の瞬間。

「!」

 ペニスが鳴動し、大量の白濁が白井の舌を、口腔を、喉の入口にたたき付けられた。

「んぐっ、ぬぶっ、んんんっ」

 ビクンビクンと何度も震えるペニス。

 奥に向けて射精されているとはいえ、量が問題だった。白井の小さな口はすぐに一杯になってしまう。

 苦み、辛み、生臭さ。

 とても飲み込むことができず、白井はペニスを口から引き抜いた。

「ぶぱっ、えぶっ、うえっ――げほっ、げほっ、かはっ!」

 目からは浮いた涙が零れ、口からはどろどろの白濁が漏れる。

「はあっ、はあっ、けほっ、はあっ、はあっ」

 阻まれていた呼気を取り戻すかのように、肩を上下される白井。

 ゆるく開いた唇の端から垂れた唾液は、白濁まじりゆえに粘性に富み、ぬるりと糸を引いて、正座をした白井の膝に落ちた。



「……では、これでお暇いたしますの」

 シャワーを浴び、私服に着替え、制服の入ったバッグを持ち。

 白井は、制服姿でベッドに腰掛けたままの彼に言った。

 ここはビジネスホテル。その気になれば明日の朝10時まではチェックインしていられる。

 もちろん白井にはそんなつもりはない。業務でやむ終えなくならばともかく、宿泊など常盤台が許さない。

 そもそもこんなことの後に、泊まりたいとも思わなかったが。

「俺はもう少し休憩していくよ。これ、カードをフロントに返せばそれでいいんだよな? 料金とか、とられないよな?」

「……清算はチェックイン時に済ませているので大丈夫ですの。冷蔵庫の飲み物を飲んだり、有料のチャンネルを見れば別ですが」

 彼の口調とその内容に若干の情けなさを感じながら、一応はありのままを告げる。

 冷静に考えればここの代金を請求してもいい気もするが、ここを選んだのは白井だ。彼に任せたら、それこそどこで何をされるかわからない。

「では、これで」

 背を向け、ドアに向かおうとする白井。

 そこを、

「あ、ちょっと待てよ」

 彼が呼び止めた。



「……っ」

 これ以上何かするつもりなのか。

 踏み出しかけた脚を止め、白井の肩が僅かに震える。

 ゆっくりと、嫌味のような動きで振り向いた先にあったのは、ひょい、と放り投げられた紙袋。

「え」

 思わず、という調子で受け止めてしまう白井。

 ガサリ、と乾いた音が、腕の中で響く。

 中に何か入っている。

「それやるよ。練習するときと、それから拡張……ああ、いまは維持かな? それと、オナニーするときは必ずそれを咥えてやるようにな?」

「……」

 彼の言葉に何が入っているのかを概ね推測しながら、紙袋を開く。

 バイブレータ。

 それも、大きさは先ほどまで咥えていたものに、近い。

「流石に俺のと同じ形じゃないぜ? でもバカにしたもんじゃなくてさ。臭いや味は本物に近いらしい」

 確認したわけじゃないけどな、と彼は言葉を追加。

「……」白井は俯いたまま返事もしない。

 彼はそれを気にしなかった。

 ニヤリと酷薄な笑みを浮かべる。

「今日は、ずいぶん積極的だったよな。次もああいう感じで頼むぜ?」


 部屋を出て、乱暴にドアを閉める。

 バタンという音も置き去りに、白井は廊下を歩き始めた。

 先ほど受け取ったバイブは、忌々しいことに、制服を入れたバッグの中にある。

 誇りある常盤台の制服とこんなものを同梱することに抵抗はあったが、いまはそれよりも、脳裏に響く彼の言葉の方が白井にとっては心の枷になっていた。




 ――今日はずいぶん積極的だったよな




「……」

 確かに、今日の自分は少しおかしかった。

 特に後半の、自分は。

 その考えは、口の中に思う様に出された後に、シャワーを浴びながら考えていたことだ。


 ……あんなに、自分が積極的に、彼に奉仕するなどと。


(早く終わらせるためですの)

 白井はそう思う。強く思う。

 シャワーを浴びながら結論づけた、自分の口淫――特に後半の、積極的な自分の動きについて、そう思っている。

 技巧に長ければ、それだけ早く終わる。

 屈辱でも彼が悦べば、美琴の危険は減っていく。

(……それだけ、ですの)

 白井は廊下を強く踏みしめ、歩く。

 足音で、己の心の中にある感情を、払拭するかのように。



「……」

 誰もいない室内で、彼は口元に歪んだ笑みを浮かべた。

 思考するは、口淫の途中、彼女が急に技巧を凝らし始めたこと。

 白井は、どちらかと言えば従属的ではない。

 心酔する相手に対しては献身的な態度を取るが、それはあくまで、彼女からの積極的な献身だ。相手に全てを委ねる従属とは異なる。

 しかし今日。
 
 従属するしかないはずが、部分的にではあっても攻勢に出ることのできる手法を意識した。

 そのことは、彼女にどう影響を与えるか。

 どう、転ぶのか。

「……」

 彼は笑う。

 彼は音も無く、笑い続ける。


    /.                 `'‐、l  /  /  ``''^''"´ .  /
.   /                     \ l  /    /  / /
  /                   _    `'‐、_/    / / /
  i.                  〔``''ー-、、__``''ー---‐_'./

.  |                   :i.  /ミ'ー-、~ヽ'''''''''"~  投下に『考える所や計画性』が
  i                   l ,.:'/ ``ヽ、`'iヽ           まったくない!

   ヽ                 /,:/  ,. -‐‐,.='‐./     オレはエロを書くことだけが
.   ヽ       ,〟‐- 、.    f.      <~f,゚! ヽ、          目的なんだ
    ヽ.      | i'ヘ、. ヽ、  .〉       ``''   `‐、   やはりオレは『閲覧者に優しくない』って
   ,.ヘ,ヽ.     !  r'`,、 `ー''~               ゙,'    推理はいい線いってるぞッ!
 / _ `'`ゝ    ヽ,   (_.               v'"/        つじつまが合うッ!
', ‐'"´ ヽ、     i~ `ヽ,ヽェヽ、              `,、
    ヘ,>-‐''''''"~    ヽ、゚、ノ            ,. ‐,゙-〈
i  /``-=、           !.           ー'~  ,)   レスした人たち!我慢だッ!我慢してくれッ!
;il/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`'-=、        、            '''‐'、     やはり、オレは好き勝手に『投下』するのが
;;;;|;;;;;;;;;;;;;/ヾ;_、_;;;;;;;`'-、、     ヽ,             !         性にあっているッ!
;;;;;|;;;;;;;;;;i   i ゙j __;;;;;;;;;;;ヽ、    ``''ー─ ______,ノ     いま『性』をショウって読まずにセイって読んだ奴はIDの数だけ腹筋なッ!
;;;;;|;;\;;|_,.ノノ/゙`ヾ;,_;;;;;;;;;;;\      ,. ‐'"
;;;;;|;;;;;;;\;;;;;;;;;;;;l   `''iヽ;;;;;;;;;;ヽ、 ,.,‐'"

;;;;;|;;;;;;;, ‐'"´`ヽ;   ,ノノ;;;;;;;;;;;;;;;;;>;;;';/

いや、フェラってさぁ。あんまり動きないしさぁ。なかなかさぁ。表現がさぁ。難しいしさぁ。
まぁ基本的に気が向かないと書けないので、スローなのはもう習性として諦めてくれ。
エタっても怒るな。いまのところそのつもりないけど。


つーかステイルさん人気ありすぎでワロタ。
ステイル×インデックスか……うーむ。

まぁ純愛は書けませんがね!

おいなぜごっくんさせない

うっふぅ…乙です
うむ黒子は本来どっちかというと受けより攻めだよね
ついに本能出してきたか


「……優しくして、ほしんだよ」

 そう言って、白い少女はベッドに横たわり、覆いかぶさる男を見上げた。

 その言葉にも関わらず、彼女の顔に不安はない。

 彼が――ステイルが、ただ自分に優しく、ただ自分を愛し、ただ自分を抱きたいと思っているということを、知っているからだ。

「インデックス。僕は……」

 赤い神父は、この期に及んで迷っている。

 愛を。

 欲を。

 この目の前の少女にぶつけるべきかを、迷っていた。

 だからインデックスは指を持ち上げる。

 いくじのない彼の唇に、人差し指をそっと押し当てる。

 言葉は不要。

 必要なのは、心と身体。

「……」
 
 たったそれだけの仕草でインデックスの言いたいことを読み取ったのか。

 赤い神父――ステイルの中から、迷いが消える。

 浅ましい欲望が、己の中にある。

 しかしそれでもなお、それを圧する愛情が、確かにある。

「愛してる」

 告げる。

 飾り気のない、ありふれた、使いまわされた言葉を。

「……うん。私も、愛してる」

 しかし白い少女は、幸せそうに目を閉じた。

 ステイルは、手を伸ばす。
 
 絶対の防御を持つ『歩く教会』は、なぜか容易くその結び目を緩ませた。

 ――知っているのだ。そこにあるのが、欲望であっても、無上の愛であることに。

 夜は更ける。

 蝋燭は短くなる。

 しかし、彼らの時は、まだ、永く。


                              r‐、r つ(⌒)(⌒)(⌒)r‐、      /⌒\

                                 r_つ,(⌒),(⌒)(⌒),(⌒)(⌒)(´`)    {  チ  }
                               l:::::::ll:::::::l:::::::ll::::::l.l::::::l':::::/::::::/ __  {   ッ   }
                                   l;;;;;;;ll;;;;;;ハ;;;;;ハ;;;;ム;;;;ィ;;;;ノ;;;/´:::::)  {  ♪  }
         _      _               {ニ==-ミ丶<.._‐ - 二二ニぅ"´    \  /
       r ⌒ヽ ̄ ̄     ̄ r'⌒ヽ         {ニ =,、‐''">- .._`丶、= = ニ}      ソ
    -+‐=キ― - = ==|     l         'r<¨'( (r―――`''ッ、``ー--}      /⌒\
   ‐=キ‐  ノ,  ___ ‐= =l、   |           K弋・〉 ¨7¨で・ラ> l ``>‐〈      {  チ  }
     -=',== 〒‐ ‐=≡≡l ` ー ´|         │フ/   ヾ、 ̄   ``'イリ }       {   ッ   }
    -= キ‐=-ハ __  ― l、. ___ , |             | j〈{__ ノ  `i      r_ノ-、     {  ♪  }
     -‐=l=‐  l ̄ - = ==|    |   _      |ノ `"    `i    l(ヾoソ)      \  /
      _l   ノ`r‐、‐-、ノl`  ‐'´l`r‐ァ ′ `ヽ ,r‐- l r=‐==-  `i  l ノ>ー <        ソ
    ___ ̄ ノ ¨ '' - .._  / ` ‐- .._  / __  /(ヾoソ | `ー---‐'′  ゙/ /(ヾoソ)、
  - == r'゙= ‐    l´⌒      ){ (  `)/  >ー < l         /   / >‐-<〃\
  _ ノ  ̄ ¨ ''' ‐-ノ    `¨ '' ‐ 、′ヽ、二ノ‐ /=o =} '、ー― - /   / /=o =}//`7'' ‐-
  三〈 二 =-   l⌒       /   / ̄   ヽムノ /| ` ̄´    // ヽ.ムノ //
 -= f´= -  ̄ ¨ '' l     ¨ '' ‐-、′ /-‐=‐ /ヾ7ヽ   |   _ ‐'´///ヾ7ヽ//
   〈 == ‐-   {⌒       /   ノ  --‐ { =O= } ̄ ̄ _ ‐'´/ {= O =}

ステイルさん救済。

あ、これはオレの妄想であり、本編には全く関係ありません。

全く関係ありません。

全く関係ありません。盛り込むつもりもありません。

続きも書きません。

悪く思うな。

いちもつ
好きな様に書いてくれ期待してる

ステイルはずっとハァハァ言ってそう

ちくしょうステインまで堪能できるのかと思って脱いだパンツはどうすればいいんだ


おしゃぶり中に髪の毛をかきあげるしぐさっていいよなすげーわかる

なんで三回も言ったし
ステイルさんにも幻想くらい抱かせてやれよ


幻想だけ抱かせた結果がこれなんだろう

え? なんなん? 黒子エロいんですけども? ああぁーエロい

ステイルとかいらないから[ピーーー]

上黒だけでいいわ

黒子が堕ちる瞬間が楽しみで仕方がない

誰かヤンデレインさんが読めるサイト知らない?

誰かヤンデレインさんが読めるサイト知らない?

>>1がsageてるんだからsageんかい
っていうかスレチだし

着実に堕ちていってるな……

乙乙!


 パタリ、と背中でドアが閉まると、流水の音はほぼ聞こえなくなった。

 場末のビジネスホテルといえども、素材は学園都市製。『外』とは数十年レベルで差のある技術で造られた建材は防音効果も密閉効果も高い。

 ドア一枚隔てただけで浴室内の音も何も、ほとんど通さないレベルである。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 バスルームから出てきた白井は、一糸纏わぬ身体を右腕で抱きしめて――左手には何かを包んだバスタオルを持っている――座り込みそうになるのを必死で耐えた。

 彼女の瞳は潤み、頬やうなじが、否、全身が赤く上気している。吐息さえすでに熱く、甘く濡れていた。

 今しがた終えた『拡張』で使うローション。それに混ぜられた媚薬は、もう三週間使い続けているにも関わらず、薬物耐性による効果逓減がない。

 いやむしろ身体に馴染んでいくかの、性感が開花させられているようにも思える。

「んぅ……はぁ………はぁ……」

 現実にいま。

 ドアが閉じた際に起こった風が肌に当たるだけで、甘く疼くような感覚を得てしまうのだ。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 今日も待機の日。

 昨夜、三日前の口淫を思い出さないようにしながら送ったメールへの回答は「補習があるから行けない」というやや情けないものだった。

 しかし彼が来ないとは言え、何もしないという選択はできない。

 動画撮影は続けるように言われており、さらに今日は、返信メールで指示のあったことを実行しなければならないのだ。


「んんぅ……ふぅん……」

 身体を廻る欲望と衝動をなんとか押さえた白井は、ぼう、と霞がかった視線をベッドに向けた。

 ほんの数歩で行ける距離。
 
 しかしそれは、普段浴室で拡張を済ませ、そのままそこで薬が抜けるまで自らを慰めている白井にとっては、遠くすら感じてしまう。

 しかも今日は、準備しなければならないことがあった。

「はぁ、はぁ、はぁ」

 ふらふらと覚束さい足取りで、白井はベッドの横を素通りし、備え付けのテレビの前に立った。

 左手に持ったバスタオルを開くと、その中には携帯電話、彼に手渡されたバイブレーターと、そしてなんに使うのか、ポータブルHDDが入っていた。

 白井はまずHDDを取り上げ、テレビに接続して電源を入れる。テレビは瞬時に内部のデータを読み出し、DVDよろしく画面に再生チャプターを表示させた。

 3×3のサムイネルは、すべて裸の女性がひざまづき、男性の股間に顔を埋めている静止画像だ。圧縮されているためか、ぼんやりとしか写っていないが、何をしているのかなど見ればわかる。

 口淫の映像ばかりだ。

 データの中身は、昨夜の返信メールに記載されていたURLからダウンロードしたもの。

『これを見ながらヤれば、上達もはやいんじゃないか?』

 彼のメールに記載されていた言葉が、幻聴となって耳に響く。


「っ」と、白井。

 唇をかみ締めようとするがしかし、早くなった呼吸がそれを許さない。

 白井は一度首を振り、次にテレビの横に携帯電話を置いた。

 撮影用のカメラがある先端をベッドに向け、小さなボタンを操作する。

 手の動きは淀みない。

 自分を汚す姿を撮影する準備にも、慣れてしまっていた。

「はぁ、はぁ、はぁ」

 撮影に、凌辱されることに慣れる。

 その事実は相変わらず、胸の奥に昏い感情を呼び起こしている。

 モードに切り替わり、撮影開始を示すLEDが点る。

「あんっ」

 と同時に、背筋がブルリと震える。

 震わせたのは、紛れも無い期待の感情。

 ついさきほど――尻をほぐし、アナルバイブを突っ込む行為をする直前にも感じたものと、同じだった。

(……まるでパブロフの犬、ですわね)

 自嘲する白井。

 身体が覚えてしまったのだ。

 準備が終われば快楽を得られるということに。





 ――もっと欲しい



「っ」

 不意に耳に響く声。

 ゾクリ、と先ほどより強く、痺れが駆け抜けた。

 語りかけてきたのは、心に染みついた、黒い点――白井自身の、浅ましい欲望だ。



 ――気持ち良くなりたい





 ――我慢したくない





 ――身を任せたい



「んっ、ふぅっ、んんっ」

 黒点が、いつかのように誘惑を囁いてくる。



 己を抱きしめる右手に、さらに力をこめる白井。

 だが呼吸がさらに早くなり、吐息は室内でなお白くなりそうなほど、熱を持ち始める。

 しかめられた眉も、苦しげというよりはむしろ、もどかしさを顕しているように見えた。

(流されたのでは、だめですの……)

 言い訳を作ってはならない。

 一度言い訳をしてしまえば、それ以降は容易く快楽へと流され、屈服する鍵となる。

 それはわかっている。

 しかし。

「ふぁっ、んぁっ、んあぁ……」

 もじもじと膝を、太ももを擦り合わせる白井。ジワリと小さな快楽が湧き上がり、僅かに尻を後ろに突き出してしまう。その乳房の先端は、触れてもいないのに、固く自己主張をしていた。

(身体の方はずいぶん素直にさせられてしまったようで。……完全に抵抗するのは難しそうですわね)

 軋む理性の中で、僅かに存在する冷静な自分が分析する。


 ――薬のせいなのでしょう? 彼も言っていたではありませんか



 ――それに口でしてさしあげたときのことを思い出してくださいまし。積極的だった方が彼も喜んでいたはずですの



 ――彼が満足すれば、お姉様も護れますのよ?



「んふっ、んんっ……」

 声に導かれるように、白井の表情がとろけていく。

 擦りあわされ続けている太もも。その内側に、とろりとした感触。

 蜜が溢れ出していた。

(……ここまで変えられてしまったら、感じないように努力することよりも、感じても理性を失わないことに力を注ぐ方が得策と言えそうですの)

 性交渉は何もすべてが実である必要はないのだ。

 特に男性側は、ある程度の結果が出れば満足するし、構造的に回数の限界がある。

 しかし彼が限界を迎えるまでに、己を見失ってしまっては、それこそ本当に言い訳に流されてしまうかもしれない。

 彼に促されて承諾したのでは、おそらくもう戻れない。妥協はどんどん大きくなり、どこまで彼の言いなりになってしまうのか、わからなくなる。

 ならば今のうちに、己でそれを制御できるようになれば。


(わたくしが積極的になった方が事も早く終わり、満足もするのも事実)

 擦り合わせられる脚。

 流れ落ちた蜜は肌を滑り、もう膝にまで。

(……ここでこんなことをするのもそのため。そう考えれば、まだ気分的にマシですの)

 そう結論付けた白井の指先がもどかしそうに持ち上がり、タッチパネル式の画面を適当につついた。即座に選択された動画の再生が始まる。

 ダウンロードした段階でサムネイルまでは確認しているが、再生させるのは初めてだ。

 一切の修正がなく、また、画質もそれほどよくない。

 おそらく非合法に撮影されたものだろう。風紀委員の立場からすれば、この映像だけで調査を開始するべきものである。

 映し出されたのは赤毛の女性と線の細い男性。いや、年齢だけを見れば10代半ばと言えるかもしれない。

「っ!」

(お姉様!?)

 女性――少女を見た白井の息が一瞬止まり、目が見開かれる。

(い、いえ、違う……違い、ますのね……)

 だがアップになった少女の顔を見て、白井は胸を撫でおろした。


 とてもよく似ている、容姿のみならず雰囲気も。

 実際、アップにしなければ白井にもわからなかったほどだ。

 しかしよく見れば少女の髪はやや長く、年齢的にも美琴よりも少し上くらいか。

 年齢が下ならば白井の心配は完全に晴れなかったかもしれないが、上であれば美琴という線は消える。学園都市ではいまだ完全な未来視能力者もいなければ、それを映像に残せる技術も存在しないのだから。

(でも、本当にそっくりですの……)

 思わずマジマジとアップになった少女の顔を見る。

 だがテレビの中の彼女が不意に妖艶に微笑み、右手で画面外からフレームインした『それ』を掴んだ瞬間。

「!」

 一瞬だけ忘れていた性衝動が、再び燃え上がった。

「ああっ」

 白井は思わず、両手で身体を抱きしめた。

 取り落としたバスタオルが、中に包まったままのバイブレーターごと床に落ちる。

『んっ……』

 その音に連動するように、画面内の少女がゆっくりとペニスに唇を寄せた。

「――っ」

 お姉様。

 潤み、霞んだ白井の目には、それはそうとしか映らなかった。

 一気に情欲の火が燃え上がる。

「んんんっ! もうっ、だめですのぉっ」

 白井はふらりとよろけ、そのまま背後にあるベッドに腰を落とした。

 ゆるく開けた膝の間に右手が滑り込む。

 水音と、嬌声は、一秒もたたずに部屋に満ちていく。

_,,,,....-----、-‐‐‐-、
 =ニ_...,,__,..-‐'´‐‐--、 ヽ
    〈ェ  _,,ェェ,,冫/\ 冫

    /(・|,,  /・)> ヽ___ /
    /〈~、 '。゚, ̄i  `,r`i
    |::rニ、   /  ( /   <あげちまったー……
    |::`こ'  /  /入|
    \__,,,.....,,,,_//|| |
     〕;;;;;;;;='´/|| || \

   _,..|| || || ||/||  \

切腹。

腹を割って、開き直ってしまえ!
乙!

>>337

        /           _______   \  \
.        /   ハ _ ..-‐・・・7 :. :. :. :. :. :. : √. :. ̄:ヽ   ヽ.
        /     レ´7 :. :. :. :. : / :. :. :. :.    '  :. :.ノノ: ハ   '.
      ′   ! :〃 :. :. :. :../ :. :. :. :.   '⌒ヽ +:. /:. .|     | とうま今日は朝8時に家を出たあと短髪にあってたよね? 楽しそうにお話してたよね? 
      .i      |〃:. :. :. :. 〃 :. :. :. :. 〆:. :. :.ノ:._:. :.〃:....:|    | だめだよ早く学校に行かないと。短髪とお話なんかしてて遅刻したらとうまが悪く思われるんだからね?
.       i     |:.+:.(( :..ム_-‐='「 ̄'干i:ー―ト、 ̄ヽ:ー┤   | それから朝礼の前にあいさともお話してたよね? 料理の話題だったよね? わたし、あいさの味付けじゃなくてとうまのご飯が食べたいんだよ。
     i    | ..イ ,..千ハ∧ !   | ト、 ハ∧ ∧ ミz - | 出席してる最中、返事だけじゃなくてこもえとお話したよね? なんで? なんで? なんでなんでなんで? 出席だよとうま。返事するだけでいいんじゃないかな?
     |     レ′/イ /升小 、i    ノ '/ィァテミV、, ) ト、!   ! 一時間目が終わった休み時間に胸の大きくて健康そうな女の子とお話したよね? 頭突きされてたけど、なんでとうまは避けなかったの? 
     |   -=彡' ! |,ィてVi!ミ       f0::::::ハ Vイ ハ!\  | 魔術師と戦えるとうまがあんなの避けられないわけないと思うんだよ。もしかして頭突きされたかったの? あの女の子にされたかったの? ねぇこたえてとうま?
     |    / 从| '〃し::::oハ        iハ::: ○ ハ||    | それから昼休みなんだけど上級生かな? 大人っぽい女の子に話しかけられてよね? 知り合いじゃないっぽかったけど、なんで話しかけられたの?
     |    ∧  | 从 iハ:::(⌒       ゝ-‐' ,, i! l:     | 相手は上級生だよね? 知り合いでもなかったら話しかけられないんだよ。
     |      ∨| !   `ー_ ’             i! |:     | それから放課後にまたこもえの補習を受けてたよね? 宿題を忘れてたからって話だけど、とうまはなんでそんなに忘れるの?
     |        ',| !          ,           i! |:    | わたしが完全記憶能力者だから言ってるんじゃないんだよ? あれだけ補習受けてたら忘れるなんてありえないかも。それに補習を受けたら帰ってくるのが遅くなるかも。
     |        |ハ、                 ,イ 人;   | わたしとの時間が減っちゃうんだよ。……もしかしてこもえに会いたいからわざと忘れてるの? もしかしてとうま、わたしと一緒にいたくないなんて言わないよね?
     人       | ヽ.ト、         ,_、      イ /!: : :!   | ……まぁそれは後でしっかり教育するからいいとするんだよ。
    ′ ',      ト、 \i>           イ }|イ!: : :!   | それよりとうま。今日もまた帰る途中で女の子を助けてたよね? とうま、自分が不幸だって言ってるのに、どうしてわざわざ路地の近くを通ったりするのかな?
    ! ::!:       レ' ヽ ヽ:. \>‐- __ .. '´ ノ /| !! : |   | 何かに巻き込まれたいって言ってるようなものなんだよ。それにとうま。なんで助けた女の子の頭を撫でたの?
    |  ::|:     |   ヽ. ヽ :.\‐--一… ¨  .:..| !! :∧   ヽ. 泣いてたから? ふーん、でもそれって理由になってないかも。だって泣いてたら頭を撫でるなんて、せいぜい小学校までなんだよ。
    !  ::|:     |     \ ヽ-、ヽ.       /:. :.! !ト   ヽ.   ヽ なんで? なんで撫でたの? なんでわたしを助けてくれた右手で他の女の子を撫でるの? ねぇとうま。なんで? なんで? なんで?
    ノ  :::!:     |       〉 i / :...>=≡了:):. ! !|ノ\! i|     '. 早く答えてほしいんだよ。早くわたしを安心させてほしいんだよ。じゃないとわたし、なにするかわからないかも。
.  /         |   \ /:!  i′((_))_\〃 :. :.! !\_ノヽ!      ! ねぇとうま。とうま。はやくこたえて? とうま。とうま。とうま。とうま。とうま。とうま。とうま。とうま。とうま。とうま。
/             |   ∧:!  |:. :. :. :. ¨ 7:\:. :..| |  ゝ- '|      i
              |   ! i!  ト、:. :. :. :./ .:i : ヽ/| |   !   !      !
             |   \ー'| | \ /__:f⌒:y:从: |!  |  |    ヽ.
            ノ    ヽ.!  |   ヘ: : ゝ-イ/ :. ヾ.  !  |      \
            /       i! |    ヘ: :|:/ :. :. :. |  !  ∧        .
          ,.へ        i!  |、  / :. :.`ハ :. :. :.リ ノ   ハ        '.
        /:.:.:.| \      !  | \./:. :. .:/ ! ∧:. :...:!/     ∧        |
          /:.:.:.:∧  ヽ.    ノ 人:. :.ヽ :. /: !  !〉:. 人    /:.:.:ハ         |
       /:.:.:.:./!:.ハ    、 z彡 '⌒) )、:. :. /::  ! / :./   ヽ /:.:.:/.::.!       |

指が疲れた。即興でやるもんじゃない。

乙です
ビデオの中身はもしやワーストとゲスセラか?

ワーストちゃンとあっくンか、まあ驚きはしないな

おっつん
あ、あの二人か

……そっちの方を描写してくれても構わないんだぜ?(チラッチラッ

一方さんはむしろドMで手足しばられて目隠し状態でワーストちゃンに搾り取られてると俺得

ただでさえ焦らされてるのに別キャラとかいらない。萎えます。

はげどー

お前らの粗末なちんこのテンションなんてどうでもいいよ

1乙

>>351

おい




























もっとやれ

久々に見てみたが、全く書き込みがない・・・

お前はなんで毎回上げるの

おまえがあげるから書かないんだよ

好きにしろよ三下ァ


「ふぁっ、んんあっ、あっ、ああんっ」

 白井があられもない喘ぎを零し、未成熟な身体を震わせる。

 そのスイッチとなっているのは、細い指先の、小さな動きひとつひとつだ。

 乳房の先の固くなった部分を人差し指と親指が摘み、クリクリと弄ぶ。

 秘裂上部の、もう顔を出しかけた性感の豆粒を指の腹で包むようにしてやわやわと揉み揺する。

 たったそれだけが、白井の身体に蕩けるような快楽を提供した。その繰り返しが、白井の秘裂から溢れる蜜を白濁した、粘度の高いものに変えていった。

(わ、わたくしは何を……これを、コントロールするつもりで……)

 思考を体言するように、ベッドに腰掛けた白井は胸の痛みに耐えているかのような姿勢で背を丸めている。

 だが、

「ああっ、お姉様、お姉様ぁっ」 

 想いとは裏腹に、赤い頬を持つ顔は俯くことがない。

 視線はテレビから離れようとせず、展開されている口淫の映像を凝視し続けていた。

 敬愛する相手の痴態。

 興奮が視神経から直接性感覚に響いているようで、白井は己が指を止めることが叶わない。


(このままでは、このまま流されてしまったら……)

 自ら抑制する、という理由で始めた行為だ。

 それを『言い訳』にしないためには、身体が訴える渇望を理性側で制御しなくてはならない。

 そうでなければ負けたも同然。『言い訳』を自分で作ったことになってしまう。

「はぁっ、あっ、ああんっ!」

(止まって……いえ、止まらずとも、勝手に動くのをやめてくださいまし!)

 必死に指の動きを御しようとする。

 薬で目覚めさせられた身体をまさぐるのは、紛れも無い自身の手指。

 だがそれは他人に――彼にサレている時とは異なって、全てが己の心に依ると同時に、己の最も心地よいタイミングと強さを提供できることと同義であった。

 そしていま、その指先を支配しているのは、心に染み付いた黒点の方だ。

「んんっ、んっ、んあっ、んっ、んんっ、んんんっ!」

 白井に出来たことは、せめてもの抵抗とでも言うように、喘ぎ声を抑えることのみ。

 しかしそれも、やがて身体の作用に侵食され始める。



 ――我慢せずに声を出せばいいじゃありませんの



 ――いまここにはわたくししかいませんのよ?



 ――公衆トイレのように、自室のように、彼に弄ばれている時のように、声を聞く人なんかいないんですのよ?



 ――彼に動画を見られる? ああ、そのようなもの、



(後で編集すればいいのではありませんか……?)

 この一連のことを素直に送信する必要などない。

 淫らに振舞っても、わかる者などいない。

 我慢の必要はないのだ。


「っ!」

(だめ、ですの……こんなことを考えては……!)

 いつのまにか心の声に迎合していた。

 甘い誘惑を、白井は首を強く振ることで振り払おうと試みる。

 だが。

「ひあっ!?」

 乳房の先端を、自らの左手に強く摘まれて、仰け反る白井。

 声への拘束はあっさりと打ち破られた。

「んふあっ、はあんっ、んんやあっ」

 すぐさま振り払った誘惑を取り戻そうとするように、両手が動きを変えた。

 左手が乳首を弄るのをやめ、掌全体を胸に押し当てる。

 厚みに乏しい膨らみを撫でるようにこねまわし、五指の間を渡らせて乳首に刺激を与え、そうかと思えば、手首を浮かし、指先だけを触れるか触れないかの拍子を保ちながら、つつっ、と首筋から顎先まで逆になぞりあげ、同じ道をゆっくりと戻る。

 一方の右手は、あえて動きを連動させない。

 喉元に指が滑り間は強い刺激を味わえるよう、白濁の蜜を陰核に塗り付け、滑らせることでプルンと揺らす。

 胸をこねまわす間は、陰唇の両内側を指紋で削るように、じっとりとなぞり回した。

 それらの動きは、紛れも無く彼にそうされたことを、そのままなぞってのもの。


「ふあっ、あっ、あっ、ああんっ、ああっ!」

 廻る刺激に耐えきれないように首を横に振る白井。

 ビクビクと脚が震え、その拍子に、爪先が何かに当たった。

 床に広がるバスタオル。その上のバイブレーター。

 つい先ほど『拡張』時に口にくわえて舐め回した、張型の性具だ。

 昨日も、一昨日も、風紀委員の休憩時間にトイレで咥えていた模擬男性器。

 彼の言ったとおりの、本物に近い味と性臭が記憶から喚起され、味覚と嗅覚に香る。

『ん、ぷはぁ』

「!」

 続いて響いた少女の声に、引っ張られて、白井はテレビに目を移した。

 少女が口を離し、張り詰めたペニスをうっとりと見つめている。

『……ふふっ、おっきぃ』

 淫蕩で、肉欲にまみれた笑みが、白井のよく知る顔に浮かび上がっていた。

 ペニスの先端と少女の唇の間にかかった唾液の橋がプツリと切れ、再び少女が少年の股間に顔を埋めていく。


(お姉様……!)

 美琴に似た少女の舌が張り詰めた起立に絡み、亀頭を弄び、唇が先端に被さる。

 その美麗な横顔は、時折内側からペニスの先端に押し上げられてプクリと膨らみ、また、吸い上げる際にはひょっとこのように凹んだ。

(ああ、お姉様……お姉様が、あんな……)

 情けなさすら感じる表情。

 しかしそれを見る白井の唇は胡乱に開き、覗く舌先は少女の動きを追うように艶かしくのたうち、円を描き、口内に溜まった唾液を撹拌した。

「んはぁっ!」

 左手が再び、右の頂を強く摘みあげる。パンパンに固く膨れた陰核を右手人差し指と中指が挟みこみ、小刻みにすり潰した。

 もはやその刺激を、驚きではなく快感として受け止められるほど、白井は昂ぶっている。

 トクトクと溢れ出す愛液は指を濡らし、太股を流れ、シーツに染み込む限界を超えて水溜まりと化していた。

「あっ、あっ、あっ、あっ」

 目の前がチカチカとする。
 
 声を抑えられない。抑えるという発想まで思考が動かない。


 心の天秤が揺れる。

 このまま溺れてしまえばいい。

 黒点が囁きかける。

 淫らになれば、彼はきっと満足する。

 美琴を護ることができる。

 自分も、いまよりずっと気持ち良くなれる。




 ――楽に、なれる。



「いやぁっ、あっ、あうっ、いやですのぉ!」

 しかし。

 このまま淫らに溺れてしまっていいのか、と理性が叫ぶ。

 堕ちればもう、美琴の前に立つことはできなくなる。

 欲望に折れた自分が恥ずかしくて、顔を見ることができなくなる。

 彼に身体を許し、それを喜々とする己が許せなくて、笑いあうこともできなくなってしまう。

「あっ、くるっ、ああっ、あっ、ふぁあっ」

(だめです、だめです、だめです、だめですの)

 股間から快感が突き上げてくる。

 肩が震え出すのがわかった。口の端から唾液が零れたのがわかった。両足爪先が、ぎゅっ、と曲がるのがわかった。陰唇がパクパクと開閉し、ゴプリと蜜を吐き出したのがわかった。

「ああっ! あああっ! ああああっ」

 折れないと誓ったはずだった。

 もう大丈夫だと思ったはずだった。

 それなのに、心とはこうも、弱いものか。

 こんなにも、身体に引きづられてしまいものなのか。

 目の前は真っ暗になった。

 抵抗をやめない心を、黒い染みが支配していく。

 そしてもはや抵抗をやめた身体は、決壊の絶頂に手をかけていた。


「もうっ、もうっ、わたくし、もうっ……!」

(だめっ、このままイったら、わたくしは……)

 折れる。

(お姉様……!)

 助けを求めるためではなく、己を支えるため。

 目を閉じた白井の瞼の裏側。

 望んだのは、今まで何度も折れそうになった白井を救った、美琴の笑顔。

 だがいま浮かび上がったそれは、映像の少女が浮かべていた、淫らな笑み。

「!」

 ギシ、と心にヒビが入る音がした。

 願い虚しく快楽を紡ぐ手指が、そのヒビを押し広げる。

(あ……)

 そして最後の快楽を押し込もうと、陰核にかかった指が――



・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・




(……んー)

 最近お気に入りの喫茶店で読書をしていた美琴は、ふと、目の端に見慣れた人影が通った気がして顔をあげた。
 
 しかしそこにいたのは、思い浮かべた白井ではなく、背格好の似通った同じ常盤台中学の女子生徒だ。

 見慣れたように感じたのは、その女子生徒が茶色のツインテールで、さらには風紀委員の腕章をしていたからだろう。

「……」

(黒子は確か今日、非番だったわよね)

 頭の中で後輩のスケジュールを思い起こしながら、携帯電話を取り出す美琴。

 今日も白井は何か教養を入れているのか、学校が終わると同時にどこかに行ってしまっていた。

(また無理してなきゃいいけど)

 三日前にも、公園で気を失ったばかりだ。

 それにも関わらず、昨日も一昨日も彼女は風紀委員の仕事に出ている。

(……習い事終わったら、ちょっとお茶でもできるかな?)

 同室の先輩で、かつ、もっとも親しい友人でもある。

 体調は心配だ。

 それに加えて、最近はちょっと付き合いが悪いようにも思う。

(淑女もいいけど、ちょっとはこっちにも気を回しなさいっての)

 認めたくはないが、美琴としてもちょっと寂しいのである。



「お、わ、っ、た、ら、お、ちゃ、で、も、い、か、な、い、? ……と」

 カチカチとメールを打つ。

 そして送信ボタンを押そうとしたところで、

「……んー」

(もし静かにしないといけない教養だったら、メールはまずいかなぁ)

 白井は風紀委員だ。役職上、そういう場でも携帯電話の電源を切らないでおくことが許容される立場にある。

 マナーモードにしているのはしているのだろうが、もしも設定を忘れていたら、あまりいい顔はされないだろう。

 知らないのであればともかく、習い事参加中ということを知っていながら緊急ではない連絡をするのもどうなんだ、という気もした。

(さて、どうしよっか)


 ①ま、いっか。送っちゃえ。

 ②黒子の邪魔しちゃ悪いわね


※選択によって過程とエンディングに変化があります。
※日が変わるまでのレスで選択数が多い方を採用。

           ` / ダ  s 自. 誰  エ
  豊 独      | メ.  a 由. に  ロ
  か り        | な  g. で も  を
  で で        | ん e    邪. 投
   ・ 静      .| だ な. な 魔 下
   ・ か      ,,,|    き ん. さ  す
   ・ で   ,=;;;;ミヽ    ゃ と れ. る
   ・    .,彡;;;;;;;;;;;;三ヽ. あ い ず 時
     彡;;;;;;;;;彡;;;彡、;;ヽ.   う.    は
     彡;;;;;;;;;;';;;彡;;/:::::::::ヽ__. か   ね
    彡;;;;;;ミ;;//./ :     `ー------

、_   彡/;;;;// / :  ,..-ー'ー ヽ ::::|;;;;;;;;;

  `∨- ///;;|//ー-ー'       :::::`-;;;;;;
      '/ヾ| '   l -、,,,,,,=====、 :::::::`-
       /  ,,,,,='........."',-、-,-、::::`::::::::::::
       |="",-,、_,-、:::'-`-~'`:::::::::::::::::

       ヽ/,' `'.| ミ::::        ::::::
        |   | ::::::::::       :::::::::
        |  / :::,--、:      :::::::::

        .|  .|  ':::,..ヽ::::     ::::::::
        ヽ ヽ.二'~ '~:::      ::::::::::
         `l  .; '-,----、__    :::::::::::
         ヽ ` '三三ニ-'::   ::::::::::::

          ヽ ,-----,-::::   :::::::::::::::
          .ヽ  """::::::::   :::::::::::::::
          ヽ       :::::::::::::,.--

           ヽ     ::::::::::,..-' /
            ヽ_........::::::,.-'://

              `/-、~;;//
             ./| `=='~     /
           //::| /彡ミヽ    /
         /::/::::/ /彡|lミ/ヽ  /

まぁそんな感じで。強制はしないし別にそれで投下しないこともないけど。俺も間違ってあげることあるし。

それと選択形式を好む好まないは人によってあると思うが、ここは俺が好き勝手にしてみようと思ったので嫌いな人は許せ。

なお、最近投下できなかったのは、超電磁砲アニメの黒子のかっこいいシーンをいくつか見たせい。
だって、あんな、かっこいいんだから、ねぇ?

さーて、来週の黒子さんは、と。


①でよろしくお願いします。

>>354

          
  /_ ‐- 、 ヽ  、ミ  レ- 、
  〈  ヽ \ j /ヽ∨∠_    ヽ    一方通行は…
.   ヽ`ー三う ,ィ, ハ 'ニ, i |ヽ. i l   書け…ないん…
.     ト、ニ∠イ_:ヽ{ ::'''_:ノル'  i { 〉     です
     レ' : =;;三`テツy;ッzj' イ; } :}.{    354…さん
    l  j'  ::: : |「 ソ   ,ンノ ,〉   諦めて…
   ノ  {'   、_;;j' /__ (. ( r'     ください…

  ,.イー=ゝ、 fF==ァ′~ )_ノ    口調とかじゃなく………
  {、 ,.ヘ\{  ̄「/三ニ=('
  ヘミ \_> ` ー'rう'´ ー-、       キャラ的に難しくて……
    ヽ\=-‐''´ `ー-
        

2でおねがいします。

知らないところで堕ちてゆく黒子を読みたいです

乙です
両方みたいが①で
じっくり時間を掛けて堕とすのがいいんだよぉ~

悩むが2で

1だと堕ちないオチになる気がする(おやじギャグではありません)

ageまくってる馬鹿はなんなの?
死んで欲しい

1乙
①で

2

2がいいな

ふぅ…



昼間っから何てものを…けしからん!

選択肢は2で
救いが無く落ちていく様って素敵やん?

2でお願いします

1で

2 2 2 22 2 22 22

2が見てみたい


まだ、折れたら、あかん

いちもつ
どっちがどういう話になるのか予想出来ないけど御坂との絡み具合の暗喩であるとするならば
黒子1人の話になりそうな2でお願いします。

1で

2

1

2

1

票、割れてるなー

2

既に2に投票してるけど正直な話両方読みたいです。

2

1は御坂がうざく絡んできそう

割れてんなー

1
御坂が絡むのがいいんじゃないか

2でお願いします

堕ちる展開は1と予想
1だ!

>>1
②でオナシャス!

>>379
確かに考えてみれば一方さんのエロって難しそうだな、無理いってすまんかったw

2

あの、日が変わるまでじゃ…

                     -――- 、        / ̄ ̄ ̄\

  / ̄ ̄\        c=o==、。、:::::::::::::::::::` ‐- 、     |     1  |
  |  決  |           {:::::::!l::::::::!l::::`=o==O==Oヽ   |    が  |
  |   定.  |         ゝ:::!l:::::::!l::::::::::!l::::::::!l:::::::!l:::::::}   | 16  10  |
  |   し   |      __ }ヽイ}、,=、:_:!l_ノ^|:::≦=/ _,,,| だ.  で  |
  |   た.  |_   /::::::::::/:::::レ | '=;='  <__>}}!、:/     ̄ ; な  . 2   |
  |      厂  /:::::::::::::::|l//l、___,==、__./:::::::|‐ 、      | .     が  |
  \__/  /:::::::::::::::::::::ト 、<>:\__n__/`ヽ/:::::::|     \___/
        /― , 二>、:::::|  \:!l:::::::::::::!l:::::/|:::::!l::ヽ‐''⌒ー‐‐/  ̄ ヽ
       |    / /l、 .|::|   \::::::::::::/  .|:::::!l/::::/l ̄ ̄ ̄ヽ }  ト、
       |  / / ̄|`|ニ|::ト、______/::/l:::::|____/:::::/::::<_//7=、___ } }  } }

       \/ |ニ|二|. |ノ |::::::::::::::::/ ヽ:::::::::::::::::/::::::::::|/::|ニl /| 7く_/_ノ-'

        |::::|ニ|ニト、/_,/ ヽ::::::::::::|_  \:::::::::!l:::::::::::::::: |/|/::|/::Y‐‐'
        |::::|ニト、!:::::::::::::ゝ__ノ:::::::::/  ̄ \/ヽ::::::!l:::::::::::::::::::::::::::::::::::|
        |::::`''’:::::::::::::::::::::::::::::::::/   /  l::::!l:::::::::::::::::::::::::::::::::::|

そんなわけで制限時間内の選択でルートが決定しました。
いやほんとは日が変わったところでこれを書き込むつもりだったんだけど寝てた。
まぁ日替わり後の投票部分を含めても2だしなぁ。

なお、選択肢の解釈を書いてなかったけど、仮に1だった場合でも美琴さんはエロスに絡まない方向でした。

さて、ではこれから2パートの続きを書きますか。

御坂エロじゃなくて御坂バレを期待してたんだぜ



「……」

 結局、美琴は送信ボタンを押さなかった。

(黒子の邪魔しちゃ悪いしね)

 未送信のメールは削除し、携帯をテーブルの上に置きなおす。

 自慢の後輩ががんばっているのに、それを自分の我侭混じりで邪魔するわけにはいかない。

 心配なのも本当であるが、それならお茶に誘うよりも部屋でゆっくりさせた方がいいだろう。

「ま、私もがんばりますかー」

 一口、紅茶を飲んでから美琴は読書に戻った。

 読んでいるのはAIMに関する研究の、基礎となる本。

 基礎的な内容を高度に研究した『上級者向けの基本』を記したものである。

 美琴は他のレベル5と異なり、レベル1から5まで上り詰めた存在だ。

 それを考えれば、能力向上に基礎の習熟は重要な部分と言えた。

(私も負けらんないしね)

 もう何度目かわからない言葉を苦笑とともに思い浮かべながら、美琴は読書を再開する。



 ――そして。

 白井の下に、救いは来なかった。そんなものは、幻想でしかなかった。

 蜜にまみれた指が、絶妙な強さを持って、陰核を圧迫した。

「あ――」

 息を呑み、白井が一瞬だけ硬直する。

 直後。

 真っ暗だった目の前が、一気に白く染まり、

「ああっ! イクっ! イきますっ! あああああぁーっ!」

 仰け反り、ベッドに倒れ、白井は声をあげた。

 左手は右胸を掴み。右手は秘裂を掻き。

 背筋を仰け反らせ。両爪先だけを床につけ。

 大きく開いた膝の間の、その最奥から射精のように蜜を飛ばし。

 光を失った瞳から、大粒の泪を零し。

「っ! っ! っ! っ!」

 白井は腰を突き上げるように、何度も、何度も痙攣した。

 その痙攣の度に絶頂した。

 そして絶頂の度に、実感した。



「あぁぁぁ……」

 白井が白い世界から降りてくる。

 シーツから浮き上がっていた尻が、ベチャリと、蜜の泉に着地した。

「ああぁぁぁ……ああああぁぁぁぁ……あああぁぁぁぁぁぁぁ……」

 続いて力の抜けた身体がベッドに沈む。

 そのまま、白井は動かない。

 蜜は、快楽の余韻を示すように、まだトクトクと漏れている。

 しかし泪は止まっていた。

 光を失った瞳は、泪を流すことすら許さない絶望に染まっていた。

「わた、くし…………わたく……し…………」

 白井は実感していた。

 自分は、自分で自分を折ったのだと。

 彼に命令されたから。

 美琴を護るためだから。

 自分の大事なものを失わないためだから。

 そう言った理由もなく、ただ、快楽を貪った。

 それも、初めから最後まで、誰も介在しない、自分の意思で。自身の、欲望で。

「わたくし……うそつき……ですのね……」

 何も映していない白井の瞳。

 頬に張り付き、唇にかかった髪一筋に、とろりと、唾液が絡んだ。


 ノックの後、数秒の間をとってから、部屋のドアが開いた。

「黒子?」

 美琴はそろそろ読み終わろうとしている基礎本から顔をあげ、音のした方に目を向ける。

 口調は疑問系だが、声の響きには確信しかない。

 ノックの調子だけで白井か否かはわかる程度には、付き合いが深いのだ。

「ただいま戻りましたの」

 と、白井が軽く頭を下げた。

「おかえり黒子。今日はどうだったの?」

 相変わらず、どこか堅苦しさの抜けない白井に、美琴は苦笑しつつ問うた。

 何の気のない、ただの質問。今日は非番だから、どこぞの教養に顔を出す。

 そう聞いていたからこそのもの。

 しかし。

「っ!」

 白井は肩をビクリと震わせ、うつむいた。

「黒子?」

 その様子に美琴が眉を顰めた。

 今の質問に、何かおかしなことがあっただろうか?


「……」

 だが白井はうつむいたまま応えない。

 その様子は、何かを耐えているような、そんな雰囲気だ。

「どうしたのよ?」

 本を置き、立ち上がる美琴。

「お、お姉様……わたくし、わたくし……」

 白井は、なんとか、という様子で美琴を呼んだ。

 名前でも、苗字でも、二つ名でもない、しかし彼女にとって、それこそが御坂美琴を顕す呼び方で。

「!」

 そこで美琴は気がついた。

 白井が、肩を小刻みに震わせていることに。

(え、黒子、泣いて……?)

「黒子? ちょ、ちょっとどうしたのよアンタ」

 美琴が白井に近づいた。

 常盤台の寮室はそこそこに広い。

 だが美琴の位置からドア近くの白井の場所までは10歩も進めば十分だ。

 そして美琴が進み、己のベッドの近くまで来た途端、

「わたくし、もう我慢できませんのー!」

 白井がいきなり美琴に跳びかかった。


「はあっ!?」

 いきなりのことで咄嗟過ぎて反応できず、ルパンダイブよろしく、美琴はベッドに押し倒された。

「ああ! お姉様お姉様お姉様! この声この香りこの温もり! 久しぶりのお姉様ですのー!」

「ちょっ、な、こら、やめっ」

 両手を美琴の両腕の外側に突き、顔を近づけて髪の香りをスンスンと嗅ぐ白井。

「ああ、なんと甘美な! なんと恍惚なのでしょう! お姉様ー!」

「こ、この、」

 美琴が大きく息を吸い込んだ。

 前髪に紫電が走る。

「淑女の話はどうしたー!!!!!!!」

 空気を切り裂く音が室内に響いた。


「ったく……少し見直した、と思ったら」

 美琴はシャワールームに入り、入浴のために服を脱ぎながらため息をついた。

 白井を焦げ焦げにしてから、改めて狼藉の理由を聞いてみたところ、返ってきたのは「禁断症状がでましたの……」というふざけた言葉だった。

 とりあえず電撃で動けなくなった白井はそのままに、先にシャワーを浴びてしまおうとしたのであるが。

「禁断症状って、薬物中毒かっつの」

 ぶつくさ言いながらも、美琴の顔には僅かな微笑みが浮かんでいる。

 いわゆる、あれが今までの、いつもの白井だったのだ。

 ここ最近のおとなしさはそれはそれでありがたかったが、やはりああいうやり取りもどこか嬉しいものなのである。

 もっとも、実際に何かされるとなると話は別であるが。

(お風呂出たら回復してるでしょうし、ご飯でも食べにいこっかな)

 そんなことを思いながら、美琴は機嫌よくシャワールームに入った。

 変わるのはいいことだと思う。

 だが、自分にもっとも馴染み深い白井がきちんといることに、美琴は安心感と、嬉しさを禁じえないのであった。


「……」

 シャワールームから水音が聞こえてきた。

 それを確認してから。

 白井は身を起こして、自分のベッドに腰掛けた。

 胸に手を当て、そこにある痛みに耐える。

 口元に浮かんでいるのは、哀しそうな、力のない、諦観の笑み。

 うまくいった。

 美琴は、いつもの自分だと、思ってくれたはずだ。

 いつもの自分を、演じることができたはずだ。



 ――快楽に折れた情けない白井黒子だとは、気がつかなかったはずだ。



(これが……これしか、ないんですの)

 美琴の前に立てない。立つ資格はない。

 それでも現実問題、白井は常盤台中学校在籍であり、美琴と同室であり、何より美琴ともっとも親しい友人であるのだ。

 会わないですむ選択肢はない。それに、仮に転校などしたところで、付き合いは続いていく。

 美琴の性格上、それでさよなら、などとはならないだろう。


 何より、

(……お姉様を、悲しませたくないですの」

 折れた自分が、彼女を護ろうと考えるのは、おこがましい。そんな恥知らずなことなど、もう思えない。

 それでも、美琴を敬愛する気持ちが、なくなるわけではないのだ。

 哀しませたくは、ないのだ。

「……」

 だったら、こうして『白井黒子』の仮面を被ればいい。

 今後も、ずっと。彼女とつながり続けている限り。

 そう、

(……彼と会うときと、同じように)

 仮面を被ることで、身を汚されることを耐えていたときのように。

 美琴の前で、自分を偽り続ければいいだけの話だ。

「……」

 これからも、彼の相手をしなければならない。

 彼の前で『御坂美琴を護る白井黒子』を演じなければならない。

 これからも、美琴のパートナーでいなければならない。

 美琴の前で『いつもの白井黒子』を演じなければならない。

「わたくし、うそつき、ですもの」

 俯き、ポツリと呟く白井。

 だから、出来る。

 泪は、こぼれなかった。

        、__っー-==ーー-、
       ノ´  _⌒ 、_`ヾミ:、`ヽ,

     ,/ ミ   _,;三ラ'''`````''''"⌒丶.
    〈ノ ミ _,,ニミ/    >く 丶 ヽ \
   / ./  .:=ミ!  U    X ヽ  ',   ヽ
  ,ノ //  _,:三{ } {  _........_ X ',  }, u ヽ
  / / /´/,=ニラ´ U '´ ____、`_ノ};;;;j,ノ,,__u )
 / ,'〃 / _,∠-=_ u'   彡'"e`ミ='`´ >' eY`/  うう…や
_ノ '/丿!l/´\"ノジ, , }!`''"⌒´_,}こ ヾーぐ{     やべえ……

 ノ 'ノノ|/゙フ,ハ '彡!i;' し   ''"´r┴  └、u ヽ
/ '〃j ノ八''>-/⌒ハ{;!i:  U ∪ ヽ二ニ`Yン:、 }\     ……うっ
ノ ノ丿/¨/ー广´ .j」j;i,;     ,;jjノノリ !:!{:{:!i:, V__, !
ノ '/ !厂j== |__  j__,ハ!i;,. , j;川ir匕广匸lヽ!`!|{  ヽ

l { l.({= |  :{¨´ l,,,  }川小 l {ー、__   7小!:(¨~  ヽ
 ヽ' ハ|. j_,,. |_,,  「´ ヾi}川||  ヽ \ |! { {:::::;ゝ   }
   丶!,,..|''" {¨´ ヽ_, `ヾ{i  ト、 __ ' __Yヘ`ヽ,'   /
    |''"{  ヽ;   ヾ¨    \ `'┴┴┴ ′ノ-、  /
    .l:. !:、 ヾ::...  ヽ:::....  ヽー------イi{   ヽ{

つーか実は1のバージョンでお話くんでたから、これから先は一方通行……じゃなくて、これはこれとして草案レベルのやつをプロットに組み上げんといけなかったり。
草案あるだけマシか……なんで選択形式にしたかと言うとだな。ビールがだな。すべてだな。悪いのだな。

でもまぁ、こっちはこっちでいい修行になるからある意味いいかも。

というわけです。かしこ。


>>403
__、_、ヽ`ニ、ニ`二、ニ`ニ`、=、=ヾァー:-:ー丶、,、、,,_,.,、
⌒>\丶\ヽヽ ',!|/〃/ //,. ゙ : ' .: ゙ ,: ゙ ,/
 ⌒丶\丶ヽ`、', 《〈 〃ノ/. ' . '_;.,;._ ;.' , ゙ //
   __\ヽヾ:ヾ_ヾミ[]―‐[〕-''''"~´ 彡 . ゙ .゙〃
   ⌒\ ミ|{「己川ロ后叨:.: し___! 彡 ;' . ゙ /     そ ・ ・ ・
      ヾレュ三<´{(厶ニニ-‐、>ヽ ; : . ,゙i

  ⊂   ,{ {(j  } }==Y∠r:ュ.ヾ,  く;/^ヽ!
   c    { ト >-<ン ,'  ~厂 ̄´`ヽ  ,ィ个 }     そんな無茶言うんじゃあないッ!
   '   {〔!厂〈ー‐、 '":::...  u  }  )丿,ハ
       )|丨 `-'"       / (__/,/     日本男児は無茶を言わないッ!
.        !|  「r三三ヽ J   l  /⌒l !
        l |    } ,. ―-| u   ,/ 、_,ノj  ,r一''"~´)
         !.ハ  ノノ二ニ二!     ノ `7〈 /  ゝ''"´ __
.        | .ハ ヽ-r―‐-    ,f 、__// ヽ/-‐''(´  _,,ノ、
_,,.. -ー―ノ / ヽ  ゙ー‐  / ! `゙{'′ ノ  >‐'''(´_,,/
       ー-、 ヽ-r―‐< ,r'゙{:___ノ`ー(、__/ >''"´

   、_,,,,,,,,,,,,,,,}!,,___{  ;' /´ '゙ ̄´ ̄´  丶イ  __
  \     r―ー>''"/~"''ーく⌒ヽ._,,ノィ´   `)
    \    /  /7゙ <´      ノ  /〈   ><~´
      ヽ,/   { ヽr、\   ''"    ,. -''"―-ヽ `'ー- 、
    //     \ \ヽ、`丶、__,,..ィ´}! ,iリ    ``丶、 \

堕ちたな…
淫乱黒子の出来上がり…
ゾクゾクするぅ

黒子堕ちた

上条さんとの絡みが楽しみ

いちもつ
このスレ楽しみすぎる
2のルート書き終わったら、ルート分岐で1のルートも見てみたいなー(ちらちら

おつです

両方やるのが無茶とか結局はお前もその程度の作者なのか

これだからAU関西北陸は

作者だって忙しい中一生懸命書いてるんだからそんな事言ってやんなよ

>>432
確かに、忙しい中学生を懸命に書いてるな
うむ

>>432忙しい中一生だもんな

>>433 >>434

ダジャレ!?

>>432
中と一の間に「、」を入れるべきだったorz

なんでageるの?

sageしらねーのかわざとやって煽ってるのかしらんが>>435はいい加減にしろ

>>435
もしかしてsage知らない?

ホミャア~ミャロカ♪

だからなんでageるの?
カスなの?

これだからエロスレは

プロット組むとかなんとか言ってたからしばらくは更新こないんかな…

それこそ、好きにすればいいですの。

いつごろ帰って来るのやら


 朝。

「おはようございます、お姉様」

「おはよう黒子」

 起床し、身支度を調え、朝食をとって学校に向かう。

 今日は月曜日。週初めということもあってか、登下校する生徒たちの雰囲気はどこか重苦しい。

「昨日は楽しかったわねー。またみんなで行きたいわ」

 しかし美琴の機嫌は上々だ。

 昨日、久しぶりに四人で外出したのが、よほど楽しかったようだ。

「ですわね。四人揃うのは、久しぶりでしたの」

「次に休みが合うのって、いつだったっけ? あんたと初春さん」

「来週と、再来週は同じですが、」

 白井は言葉を一瞬だけ切ってから、

「……来週はわたくし、用事が」

「そっかー。じゃあ再来週にしようかな?」

「再来週、どこかに?」


「次は4人で買い物に行きたいなって思ってさ。学校帰りに見てもいいけど、やっぱりみんなで行った方が楽しいもの」

「あら? お姉様はわたくしだけではご不満ですの?」 

「不満というか不安というか」

「なっ、ひ、ひどいですのお姉様!」

「あんた一昨日の自分を省みてごらんなさい」

「あ、あれはっ……」

「なによ」

「……っ」

「黒子?」

「い、いえ……あれはただの間違い、ただの気の迷いですの。ちょっとした、そう、つい魔がさしたんですのよ」

「魔がさしたって言葉と禁断症状って言葉は同居しないと思うわ」

「お、お姉様。そろそろバス停ですの。降りる準備をなさったほうが」

「あんたねぇ……まぁ、いいけどさ」


 夕刻、風紀委員活動中、休憩時間。

 公衆トイレ。

 便座に座った白井の目の前で、洗浄に使ったカテーテルが揺れている。

「んんんっ!」

 両膝を持ち上げ、M字に開いた脚の付け根で、白井の右手が前後に動いていた。

 ラバー製の器具が、柔らかく解れた後ろ側を出入りする。その度に、ぐちゅ、ぐちゅ、と音をたて、

「ふぅぅんっ! んんんんっ! んふぅんっ!」

 白井がくぐもった声をあげる。

 スカートと下着は洗浄の前に脱いでしまう。身につけているのは淡い青色のブラウスと、ふくらはぎ半ばまでの靴下と、スニーカーだ。

 しかしブラウスは裾を大きくまくりあげられ、口にくわえられていた。その下のブラジャーは薄い膨らみに辛うじてひっかかる形で上にずりあげられている。

 ほぼ露出した上半身前側。ぴん、と立った乳首を左指が摘み、しごき、押し潰す 

。乳房を揉み、撫で回せば、小ささゆえにダイレクトに性感を刺激した。

「ふぅんっ! んんふぁっ! んんんっ!」

 右手首のスナップはリズミカル。

 器具が肛門を入り出る一往復が一往復が、白井の背筋に快感を流し、全身に熱を廻らせていく。


(こんなっ、なぜっ……前よりっ、気持ちいいっ……!?)

 身体に響く快楽は、一昨日の同じ行為よりずっと強い。

 そのことに白井は混乱しながらも、うっすらと汗の浮いた肢体は素直に反応を返した。

 もう異物の挿入に抵抗を示さないすぼまりの上。いまだ純潔を保っている秘裂は、そうであると思わせないそぶりでパクパクとひとりでに開閉し、白濁した蜜を吐く。

 どろりとしたそれは蟻の門渡りを通って肛門に達し、新たなローションとして機能した。

「んんんんっ! んんんんんっ! んんんんんんっ!」

 ツン、とどこか甘酸っぱい性臭が己の股から鼻先に届き、白井は身体がさらに高ぶったのを自覚。爛れた欲情に油を注ぐかのように、右手のスナップの角度が深くなり、左手は強く乳首をすり潰し、そして何度もそれは繰り返される。

(いやらしいですのっ、はしたないですのっ……わたくし、こんなにお尻で……胸も固くなって……こんなにも、ここを濡らして……)

 ほんの一月前の自分の常識では有り得ない肛虐の魔楽を自覚し、白井はゾクゾクと身を震わせた。

 無意識はそのことを危機感として訴えるものの、

(ああっ! すごっ、気持ちいっ、お尻、気持ちいいですの……! わたくし、こんなに淫らで、情けない……!)

 だめだ、という言葉は浮かんでこない。

 口にくわえた裾のせいで満足に呼吸ができず、思考力の低下した白井は、それを自覚することができなかった。

 ただ求める欲望と自虐の思いがそのまま言葉として頭に満ちる。


「ああっ!?」

 サーモンピンクの乳首を、人差し指と親指の爪が、きゅっ、と抓った。

 軽い痛み。それを数倍する快感。

 あからさまな喘ぎが、思わず裾を離した白井の口からあがった。

 両手は塞がっている。ぺちゃっ、と無駄な肉のない腹に落ちた裾部分が唾液の音をたてた。

 手の形にもりあがった服の下でモゾモゾと指がうごめき、そのもりあがりに邪魔されて尻を犯す右手の動きが見えなくなった。

「ああっ、んんあっ、あああっ、あはあっ」

 見えなくなった――視覚による興奮を得られなくなった白井の身体は、それをさらなる動きで代用しようとした。

 ぐぽっ、ぐぽっ、と尻が音をたてる。空気の出入りを自覚して、白井の胸に羞恥がわき、

「だめぇっ! わたくし、あぅんっ、恥ずかしっ、あっ! ああっ! ああああっ!」

 羞恥は瞬く間に自虐の快楽に変わった。

 アナルバイブが引き抜かれるごとに、押し込まれるごとに空気の音が響き、あわせてグイグイと絶頂までの水域があがっていく。

 何も考えられない――考えなくていい、真っ白の世界が見えてくる。


「あぁっ! だめですのっ! ああんっ! 声っ! だめっ! ひああっ!」

 声が抑えられない。

 それだけは、と微かに残った理性が、自制を叫ぶ。

 白井の無意識はそれを拾い、頭の片隅に置くことを許した。

 しかしそれは、外向きへは防衛意識であったが、内向きへは違っていた。

 無意識の選択は、危険の自覚。味を覚えはじめた、別の快楽の火種。 

 声が個室から漏れてしまう。

 トイレに響いてしまう。

 誰かに聞かれてしまう。

 人に、気がつかれてしまう。




 こんな自分を、見られてしまう。




「――ふあっ!」

 ゾクゾクゾクッ、と今までで最大の痺れが背中を撫でた。

「あっ、あっ、あっ、あっ」

 グポグポと。クリクリと。

 口元からよだれを垂らし、白井は霞んだ瞳で前を見る。

 目の前にはドア。カテーテルのかかったドアは開いていない。

 だが、白井の瞳には、立っている誰かが見えた。

 ここを開けた誰かの驚いた顔。

 次の瞬間に浮かぶだろう戸惑いの顔。

 そして最後に浮かぶであろう、軽蔑の顔。

 その顔は――

「っ!」

 白井がそれが誰なのかを認識した瞬間、左手が乳首をつねりあげた。右手がアナルバイブを根本まで肛門に突きこんだ。

 右手の親指が掬い上げるように動いて、包皮から完全に外に出た、グミのように固くなった陰核を、ぴん、と弾いた。

 手の届きかけた絶頂が、転がり落ちてくる。

 反射的な動きで上半身は身を縮め、M字の脚は限界まで引き寄せられた。

「イクっ! イクっ! あああああっ!」

 顎をあげ、嬌声をあげる白井。

 舌先から跳ねた唾液が、動きに引っ張られて、円弧の軌跡を描いた。


 そして、休憩時間は、あと20分。

 今から後始末をすれば、余裕をもって仕事に復帰できる時間だ。

 こんなことで、焦らずにすむ時間だった。

 だが。

「こんなの、だめですの」

「こんなの、あの人に見せられないですの」

「我慢できなかったことがわかってしまいますの」

「……」

「……これをくわえてもいませんし」

「……くわえてたら、声はたちませんの。彼に、ばれませんの」

「……消して、もう一度撮り直せば……」

「……もう、一度」




 次の日。

 昼休み。

「……・、……」

 常盤台中学校のトイレ個室は、流石の施設だ。

 完璧な防音密閉脱臭静穏機能は、背中側でドアが閉じる音を内部にも外部にも響かせない。

「……、……」

 しかし中に入った白井は、背をドア内側にもたれかけ、右手で胸を押さえて俯いたまま。

 その唇が、小さく動いていた。

 何かを、繰り返し、呟いている。



『第三位の露払いを自称するなら、もっとしっかりした方がよろしいのではなくて?』



 午前中に行われた能力測定。

 散々な結果だった白井に、投げ掛けられたトンデモ発射場ガールの言葉。

 きっとそれは、彼女なりの叱咤激励だったのだろう。

 だが。


「……、……」

 空洞のような瞳で、繰り言を紡ぐ白井。

 叱咤激励は、それを放った本人が想像もしていなかった影響を白井に与えている。

「……、……」

 もう何度目かもわからない、言葉の繰り返し。

 一度止まった唇が、再び開こうとしたところで、個室内に据え付けられた小さなスピーカーから、チャイムの音が響いた。

 予鈴だ。昼休みが終わる。

「……」

 白井はそこで呟きを止めた。

 目を閉じ、息を吐いてから、顔をあげる。

「いつもの、わたくしですのよ」

 うっすらと微笑みを浮かべた、『普段の白井黒子』の顔が、そこにはあった。


 夕刻、風紀委員活動中、休憩時間。

 ビジネスホテル。

「んっ、んんっ、んんむぅっ!」

 右手で股間を押さえて数回。

 僅かにのけ反り、天井を見ながら痙攣した後、白井は、何も纏っていない肢体から力を抜いた。

「――ぷぁ、……はぁ、はぁ、はぁ」

 胸に当てていた左手で、口からバイブレーターを取り、そのまま横に置く。シーツに唾の染みがついた。

『んっ、んふっ、んむっ……』

 備え付けのテレビから漏れる艶声――美琴によく似た少女が少年に奉仕している――だけを残し、室内に静寂が満ちる。

「……」

 しばらくそのまま息を整えていた白井は、けだるげな動きで身を起こし、テレビの横に置いてあった携帯電話に手を伸ばした。その動きについていけなかった黒髪が一房、ふわりとその翻る。

 小さなボタンを、蜜に濡れた指が押す。離れた指先からひいた糸が切れると同時に、撮影を示すLEDが消えた。

「……」

 やるべきことを――風紀委員の休憩時間中に『拡張』し、その後の自慰行為も性具をくわえて行った白井は、ぽふりとベッドに座り込む。

 丸みを帯びたというにはまだ乏しい尻を、ベッドはギシとも言わず受け止めた。シーツにシワがよる。

 太もも内側の、蜜の跡。まだ渇き切っていないそこに、寄って盛り上がったシーツの一部が張り付いたのを、白井はまだ敏感な肌で感じ取った。

 媚薬入りのローションは、変わらず白井の性感を短時間で開花させてくれる。

 使えば、使うほど、早く。


「……」

 数秒。

 風紀委員の訓練で鍛えられた少女の呼吸は、もう調いかけていた。動画の保存も終わり、もはやこのホテルに用はない。

 だが、目の前のテレビの映像を見る白井は動こうとせず、その目もどこか放心したように、ぼんやりとしたものだった。

(昨日は結局バタバタしてしまいましたし……広い分だけここは楽でしたの)

 今までは公衆トイレだった休憩時間の行為を、今日ビジネスホテルにしたのは、昨日の失敗を踏まえてのこと。

 狭い場所ではどうしても後始末に時間がかかり、シャワーがないため、ニオイ消しにも手間取ってしまう。その点、ここならばシャワーがあるだけ、楽なのだ。

 休憩時間に入り、能力を使って着替えを済ませる。ビジネスホテルの近くで休憩時間になるように計算していた警らコースのため、チェックインまで3分。

 そしていま、一連の手続きを終えて、残り時間は30分。

 昨日よりは早く、動画も問題ない。

 後始末はシャワーを浴び、身体の表面の水を転移させれば、すぐに済む。

 これは、利便性を考えた末の結論なのだ。

「……」

 白井のぼんやりとした表情に、自嘲の微笑。

(そう、ですの)

 そのように、彼には説明するつもりだった。

「……」

 だが白井は自覚している。




 ――それ以外の理由が、自分の中にある。




(わたくし……嘘ばかり、ですの)

 いつの間にか下を向いていた視線を、再びテレビに向ける白井。

 動画はいつの間にか、四つんばいになった少女が、少年に尻を向けて誘っている場面に変わっていた。

「お姉様……」

 ポツリと呟く。

 動画の少女が美琴ではないと確信している。 

 それでも浅ましい欲望は、どうしてもその声を、表情を、瞳を、美琴と重ね合わせてしまう。

「お姉様……」

 僅かに、息が速度が上がる。

 少女の尻を少年が掴み、押さえつけるようにして身体を寄せた。

 ビクビクと震える唾液にまみれたペニスが、少女の股間にあてがわれた。

「お姉様……」

 白井の左手が、ゆるりと胸に当てられた。

 その行為の真意は、美琴に似た少女の痴態に胸が痛んだのか、否か。

 視線の先で、アップにされたカメラが、ズブズブと肉裂に沈んでいくペニスを映し、少女の嬌声を的確に拾う。


「お姉、様……」

 白井が右手を股間に添えた。

 息がもうあがっている。

 画面の中の少女はあられもない声をあげ、貫かれるだけでは足らず、自ずから腰を振りたてていた。

(あぁ……)

 身体が燃え上がっていくのを感じる。

 中途半端に餌を与えられた欲望の獣が、再び動き出すのを感じた。

 先程は、彼に送信するために抑え気味の行為だった。

 自身への愛撫も映像への注意もそこそこに、媚薬の力を借りて駆け上がったかのような絶頂。

 ゆっくりと根本から持ち上げられた上での、極まったものではない。

『ああっ! あっ! ああんっ! もっとっ、もっと突いてっ!』

 少女が短い髪を振り乱す。

 後ろから少年に激しく貫かれるその様は、発情期の犬か何かのよう。

 そしてその体勢はきっと、

(わたくしも、こんな風にサレましたの……?)

 あの日、あの時、この場所で。

 こんな風に正体をなくし、彼に。



「はぁ、はぁ、はぁ」

 左手が、右手は動き出す。

 時間は後27分。

(だめですの……これからでは、間に合わないかもしれないですの……)

 20分で、終わらせられるだろうか?

 7分で、シャワーを浴びて身支度を整えられるのだろうか?

 27分後に『いつもの白井黒子』に戻れるのだろうか?

「ふぁ……あ、あっ、だ、だめ、ですのにぃ……」

 クチュクチュと音が立ち始めた。

 瞳が再び霞み始める

 白井の脳内で、映像の少女が美琴の姿から彼に犯される自分自身に変わっていく。


 ここに入る前。

 休憩時間でも、ビジネスホテルを使おうと決めた、そのときに思ったこと。

(声が、漏れたら困りますもの)

(不自然ではありません。今までも、公衆トイレが使えないことはありましたし……)

(万が一、声を押さえられなくても大丈夫ですから……)

 それは、もう自覚できるレベルで、声を抑えきれないということ。


 そしていま。

「ああんっ、ああっ、わたくしっ、あああっ!」

 あられもない声は、映像の他に。

 もうひとつ。


 夕刻。

 風紀委員、○○支部。

「白井さん、警らですか?」

「ええ、そうですの。貴女は今日は、珍しく外出のようでしたけれど?」

「そうなんですよ。なんでも支部の端末でいくつか妙なエラーが出たらしいんです。今日はそれの修復と対策ですね」

「ウィルスや、ハッキングの線はありませんの?」

「そっちの心配はありません。ただ、ついこの間更新された業務システムの一部との相性が悪いみたいです」

「システム化も良し悪しですわね」

「まぁ、相性だけはいつまでもなくならない問題なのかもしれませんねぇ」

「貴女なら大丈夫でしょうけど、がんばってくださいまし」

「はい、ありがとうございます」

「では、わたくしは行ってまいりますの」

「あ、白井さん」

「はい?」

「いえ、特にたいしたことじゃないんですけど」

「はあ」

「最近よく、そのバッグ持ってますよね。」

「え……」

「いえ、今までは白井さんって、基本的に手ぶらで警らが多かったじゃないですか。それなのに最近、そのバッグを持ってますから。ちょっと気になっただけなんですけど」

「……」


「? 白井さん?」

「あ、い、いいえ、なんでもありませんの。これはその……着替え、ですわ」

「着替、ですか? でもなんでまた」

「この間、空間移動した時にうっかり泥水の真上に着地したことがありましたの。その時は帰り道だったので良かったのですが、活動中にそんなことになってはいけませんので。……取り締まる側の服装が乱れていては、説得力にかけますの」

「はー、なるほど。確かに足元まで見て跳ぶのは難しそうですもんねぇ。それに説得力の維持ですかー。やっぱり現場の人は色々なことまで考えるんですね」

「ええ、そうですのよ」

「あ、今から仕事なのに、つまらないことですみませんでした」

「いえ、構いませんわ。では、行って参ります」

「警ら、気をつけてくださいね」

「あら、誰に向かって言ってますの?」

「あはは、ですよね。白井さんが負ける人なんて、それこそ数えるほどしかいませんもんね」

「……ええ、そうですわね」


 夕刻。

 風紀委員待機日。

 ビジネスホテル。

 メールには彼から「今日は行く」との返信。

「ご、ご奉仕、いたしますの」

「ああ」

 お互いにシャワーを浴び、お互いに全裸のまま。

 昨日、休憩時間ギリギリまで自慰による快楽を貪ったベッドの傍らに正座した白井は、その真正面に立った彼のペニスに唇を寄せた。

「ん……」

 ちゅっ、と醜悪な先端に瑞々しい唇が触れる。

 僅かに押し当てられ、すぐに離れ、またすぐ押し当てられる。

 実際の音は小さなものだ。

 しかし鳥が果物を啄ばむがごとく、少しだけでも触れ合えば、そこに音は生まれる。

 それを自覚してさえいれば、音は脳が勝手に作り出してくれる。

 ちょうど漫画で、無音の場面を『シーン』と表現するように。

 ビジネスホテルの部屋の中、白井の耳には、ちゅっ、ちゅっ、と男性器の粘膜と、女性の唇の触れ合う音が響いていた。


「んぅ……」

 尿道から、亀頭。

 亀頭からカリ首。

 カリ首から、裏筋。

 裏筋から、根元まで。

 キスの雨がペニスに降らされ、その後、

「は……ん……」

 ちろちろと、小刻みに左右に動きながら、舌先が先端まで駆け上がる。

 そして再びキスの雨。

 また、小刻みな駆け上がり。

 何度も繰り返される口淫。

 それは単一の動きではなかった。

 正面から降りていき、その道を逆に返るだけではなく、時には右から、あるいは左から。

 登るときも同じ道と、異なる道を、ランダムで選択した。

 押し当てるものもキスだけではなく、時に頬であり、舐め上げるのも舌先だけではなく、ぬろぉっ、と舌全体を使う。



「っ」

 右手を当てた彼の左腿と、左手を添えた彼の右腿が、彼の飲み込んだ声とともに震えるのを感じる。

「……」

 目を閉じた白井は、彼の表情を視認することはできない。 

 それでも、その反応が何を示しているのか、わからないわけがなかった。

(……次、こうすれば)

 顔を傾け、ちょうどフルートを吹くように、ペニスを横から唇で甘く加え、そのまま唇を滑らせる。

 根元から先端まで。そしてそのまま逆側の根元まで。

 繰り返す、繰り返す、繰り返す。

 彼の脚が震える。彼の脚が震えた。彼の脚が、震えを返す。

(……)

 手を沿えた自分はそれをどう感じているのか。

 白井はそれにあえて目を向けない。

 向けてしまったら『彼に陵辱される白井黒子』が、剥がれてしまうかもしれない。

 そうなってしまえば、もしかしたら、泣いてしまうかもしれない。


 自分は魔女だ。

 嘘つきで、二枚舌どころか三枚も四枚も舌を持つ、己のもっとも敬愛する人も、もっとも憎い人もだます、魔女。

 しかし魔女は泪を流せば、その力を失ってしまう。

 ただの娘に戻ってしまった本当の『白井黒子』は、どんな顔をしているのか。

 それは、知りたくなかった。

 だから白井は目を閉じる。彼の反応を、少しでも見ないために。己の心に、何も浮かばないように。

 そして白井は目を閉じる。頭の中で、動画の少女の動きを少しでも思いだせるように。少しでも早く彼が絶頂に至ってこの陵辱が終わるように――そう、白井が思っていると、彼にも、白井自身にも疑わせないために。

「くっ……白井、そろそろ咥えてくれ」

「はい……」

 彼の指示に、一瞬だけ躊躇う素振りを見せてから、白井はペニスを口腔に納めた。

 この数日、自慰の時にバイブレーターを口に宛がっていたためだろう。自分でも驚くほど深くまで飲み込むことができて、そして臭いにも味にも大きな拒否感を感じなかった。



 今日は待機の日だ。

 時間制限は、呼び出されることがなければ、門限だけ。

 

「いいぞ白井。っ……、うまくなったな」

 彼の右手が前後に揺れる白井の頭に置かれた。

、相対的な動きではなく、彼自身の右手が優しく柔らかく、乾ききっていない白井に髪を解いていく。

 それを、彼女はどう思ったのか。

 彼の右手と、腿と、そしてペニスから伝わる熱を、どう感じたのか。

「んんっ……んふっ……んっ、んっ……」

 白井は、それを考えない。

 考えてはいけないと、考えていた。



「あの……もしかして白井さん、ですか?」

「!?」

 休憩時間。

 私服に着替えて髪を解いた白井の耳に、予想もしていなかった声と言葉が飛び込んできた。

 動揺、焦り。

 反射的に振り向いた結果、後悔が追加される。

 どこか自信なさそうにこちらを見ているのは、

「佐天さん!?」

 思わず名前を呼んでしまった。 

 まずい、と思った時は手遅れだ。

「やっぱり! どうしたですか白井さんそんな格好で!」

 一瞬にして迷いある視線から好奇心で埋め尽くされた視線に。

 四人組の中で最も好奇心の強い彼女――涙子は、身を乗り出すようにして白井に半歩近づいた。

「い、いえ、その、これは」

「にっひっひー。もしかしてあれですか白井さん。彼氏さんでも出来たんですか?」


「っ!」

 彼氏。

 男性。

 彼。

 白井の表情が強張る。

 涙子はそれを見逃さなかった。

「おおっと、その反応。えー、いつですか白井さん。いつの間に男の人に興味を? というか御坂さんはこれ知ってるんですか? そんな格好してるのはやっぱり学校が厳しいからですよね? これから秘密のデートとかですか?」

 矢継ぎ早に畳みかける質問。

 相手の動揺がなくならないうちに頭を一杯にさせて混乱させる。

 そうなれば相手は質問への理解と、答えを考えることに終始しなければならない。それが後ろめたいことならなおさらだ。混乱は混乱を呼び、受け答えは曖昧になる。

 パソコンでいえば処理落ちさせると言ったところか。

 この状態から漏れる言葉は真実であることが多く、仮に嘘であってもその場凌ぎで深く練られていないため、容易に看破できるのだ。

 これが美琴相手で、話題が『好きな人』だったら高い効果をあげたに違いない。

 しかしここにいるのは美琴ではなく白井であり、そして白井は誰よりもこのことを他人に――美琴に知られたくないと願っている人間だ。

 こんなときにどうするか、考えていないわけがなかった。

 白井は即座に右手で涙子の口を塞ぎ、そのまま空間移動した。

 直近のビル――いつも使うビジネスホテル――の屋上に移動すると、すぐに手を離して、今度は彼女の両手を、ぎゅっ、と握った。


「佐天さん。わたくし、今は秘匿捜査の最中ですの」

「え……」

 一瞬で風景が、さらに白井の表情が極めて真剣なものに変わったことで、おちゃらけていただけの涙子の目が驚きの色を浮かべる。

 白井は言葉を続けた。それこそ、先の処理落ちの仕返しのように。

「詳しいことは言えませんが、これは風紀委員でも極秘のものですの。初春も知りません。わたくしがこんな格好をしているのも、常盤台の生徒は常に制服であるという心理的盲点をつくためですの。実際、佐天さんもわたくしであると確証が持てなかったでしょう? そういう点と、何かあっても離脱の容易なわたくしがこの捜査に従事することになりましたの」

「そ、そうなんですか」

「初春でさえ、今日この時間、わたくしは警らに出ているものと思っています。仲間にも存在を隠さなければならない類のものですの」

「……」 

 ようやく理解が追いついたのか、涙子の表情が引き締まった。

「ですから、このことは初春にも、お姉様にも秘密にしてほしいんですの。今日ここでわたくしと接触したことも、絶対に漏らさないでくださいまし」

「はい、わかりました」

 即座に涙子は頷いた。

「このことは絶対、誰にも言いません。初春にも、御坂さんにも。もしどこかでまた白井さんを見かけても、その格好をしてる限りは知らんぷりした方がいいんですよね?」

 期待どおり、涙子は真剣に確認をとってくる。

 彼女も何度か、命の危険を孕んだ事件に遭遇している。なんのかんの言っても、白井の仕事の重要性は知っているのだ。

「ええ、お願いします」

 頷く白井。

 この様子ならば、彼女から漏れることはないだろう。



 ――それを見越して嘘をついたのだから、当たり前なのだが




 夕刻。

 風紀委員活動中休憩時間。

 ビジネスホテル。

「ああっ! ふああああっ! だめぇっ! ああっ! 強いですのっ! んふぅあああっ!」

 浴室で、白井は四つんばいで大きく喘いでいた。

 とうに『洗浄』は済ませ、その後の自慰も終わらせている。

 撮影用の行為は『彼に陵辱される白井黒子』が済ませた。

 そしていまは『いつもの白井黒子』に戻る前の、空白の時間。

「あはあっ! ああっ! いいっ! いいですのっ! あっ、こんなっ、すごっ、あっ、あっ、あっ!」

 力抜けた腕は上体を支えず、膝を立てた尻は高く上がり。

 固くなった乳首を先端に持つ乳房は、小さく揺れ。

 媚薬入りローションゆえ、あるいは、白井自身の身体の作用でぐしょぐしょに濡れた秘裂は右手が弄び。

 その尻たぶの間からは、もう使い慣れたと言っていいアナルバイブが突きこまれ、肛門はそれを放すまいと強く締まり。

 そして左手に握られた、四角形のリモコンのスイッチは、ONになっていた。

 今まで一度たりとも使わなかった、アナルバイブの遠隔操作用のリモコンが。



「んんっ! んぁっ! くぁっ! もっとっ! もっと、強くっ! ああぁっ!」

 グネグネと、尻から映えた性具が蠢いている。

 腸内をかき回す振動。肛門入り口を押し広げようとする動き。どんなに力をこめても、徐々に引き抜けていく刺激。

 潤みきった白井の瞳は何も映していない。

 何も見えていない――いまここで喘いでいる淫らな『自分』はなんなのか、白井自身にもわからなっていない。

 白井に意識の中にあるのは、ただ尻穴から突き上げる快感と、昨日、彼に奉仕したときに口内に満ちた白濁液の味と臭い。

「あっ、あっ、あっ! ああんっ! 当たってますのっ! 奥にっ!」

 彼は昨日、口淫以外は何もしてこなかった。

 口で、二回。

 いずれも白井が彼を導き、無理に動かされることすらなかった。

 彼にされたことはただ、頭を撫でられることのみ。

 確かに拒否の態度は示した。憎悪の視線を向けた。憎まれ口をたたいた――いずれも、尻の奥が疼くのを隠しながら。

 しかし、白井に拒否権はないのだ。

 彼がその気になれば、尻も。

 純潔も。

「あっ! ああっ! はぁぁっ! だめっ! イクっ! イッちゃうっ! イッちゃうぅっ!」

 白井は上り詰めていく。

 何を考えているのか、何を望んでいるのか、それをあたかも遮断するように。快楽で塗りつぶしてしまうように。

 白井の左手がカチリとメモリを『最強』に移動させるとともに、右手が陰核を強く強く摘みあげた。



 午前中。

 常盤台中学校。

 校庭。

 今日は能力誤差修正訓練。

 先の測定で落差が大きかった生徒が受ける訓練だ。

「はー、こんなものですのね」

 呟きながら白井は、手の中のA4の紙をピラピラと振った。

 書かれているのは修正訓練結果。

 いずれの数値も、元来の白井の測定値に戻っている。

「調子が戻ってきた、ということか?」

 担当の教師が微苦笑しながら問うてきた。



 それに白井は、同じような苦笑を返し、

「まぁ、オンナには色々とありますのよ」

 と、言った。

 教師も女性だ。それだけで何が原因なのかを把握したらしい。

「それはちょっとどうしようもないが、極力、体調は万全にな? 特に白井は風紀委員もしているのだから」

「お気遣い痛み入りますの」

 ペコリ、と優雅に頭をさげる白井。

 体操服であっても、仕草は完璧だ。

 そう、まさに、いつもの彼女。

 いつもの、彼女である。


 夕刻。

 風紀委員活動中休憩時間。

 ビジネスホテル。

 電子音がなっている。

 音源は、テレビの横に置いてある、白井の携帯電話。

 4回ほどコールが鳴った後、粘液に濡れた手がベッドから伸びて、携帯を取った。

「も、もしもし。ああ、初春、ですの?」

「休憩時間は過ぎてっ、ぅぁっ、はいっ、申し訳ありませんのっ、すぐに……」

「い、いえ。っ! ちょっと、体調不良でっ……すのっ」

「そこまではっ、はいっ、ええっ、ぅぅんっ、少しだけっ、休んでもっよろしいですのっ?」

「っ、っ、っ……はいっ、お願いしますっ、の。ええっ、またっ、っ、連絡を入れますのっ」

 通話が終わり、携帯電話は即座に投げ捨てられた。

 粘液の水音と、何かが振動する機械音。

 そして艶やかな声。


 下校中。

 風紀委員準勤務日。

 カフェテラス。

(……)

「黒子? どうしたのよぼーっとして」

「えっ!? な、なんですのっ?」

「わっ!? びっくりした!」

「あ、え……あ、も、申し訳ありませんのお姉様」

「いや、いいけど……どうしたのよアンタ。なんかさっきからぼーっとしちゃって」

「いいえ、特に予定はありませんけれど……、わたくし、そんなにぼんやりとしてましたの?」

「ぼんやりっつーかなんつーか。……もしかして今日、なんか用事でもあった? それともこの喫茶店、気に入らなかった?」

「そ、そんなことありませんの! わたくし、お姉さまのお誘いでしたら、火の中水の中電撃の中! どこにでも駆けつけますわ!」

「いやそれは自重しなさい」

(……あれ? いつもの黒子だ。おかしいわね。なんだかさっき、やけに見慣れない黒子がいた気がしたんだけど)

「はー……お姉様はつれないですの。いったいいつになったらわたくしを受け入れてくださるのやら」

「流し目送ってくんな! 私はノーマルだって言ってるでしょうが!」



「まぁまぁまぁ。お姉様、いけませんわ。世界では場所によっては同性婚も認められているのですわよ?」

「そ、そりゃそうかもだけど……でも私はそういう趣味はないんだから!」

「うえへへへへ、でもお姉様。いやよいやよも好きのうちと……っ!?」

「? 黒子?」

「あ、あ、い、いえ……なんでもありませんわ」

「いや、なんでもないって顔じゃなかったわよ? アンタ、ほんっとーに大丈夫なの? やっぱ疲れてんじゃ……」

「そ、そんなことありませんの! ちょっと自分の台詞で思い出したことがあっただけですの! お姉様が心配することなど、何一つありません!」

「いや一応、頭こっち出しなさい。ちょっと体内電流で簡単にだけど体調チェックしてあげるから……」

「……」

「黒子?」

「……お姉さまに心配していただけるなんて、黒子は! 黒子はー!」

「だー! また禁断症状かあんたわぁぁぁぁぁ!」



 空気を切り裂く音が、カフェテラスに響く。


 そして、その次の朝。

 朝食が終わり、美琴が恒例の漫画立読みに出かけてから。

 らしくなく、なんとなくゴロリとベッドに寝転がった白井の携帯に、着信があった。

「……」

 枕の横にある携帯。

 これもまたらしくなく、ノロノロと手にとり、スイッチを押す。
 
 すすっ、と出てきたシート状の画面には、メール着信を示す表示。

『午後から』

 簡単な、たった一文だけのメール。

「……」

 だがそれは、らしくなくぼんやりと天井を見つめていた白井を、すばやくベッドから立ち上がらせるのに十分な内容だった。

 今日は風紀委員は休みの日。

 なんの予定も入れてない日。

 二週間ごとに来る、彼からの呼び出しの日。


「……」

 白井はシャワー室に向かう。

 うつむいたその表情は、前髪に隠されて、見えない。

 今の彼女は、どの彼女なのか。

 それは怒りで赤くなった白井の首筋が顕している。

 それは羞恥で赤くなった彼女の耳が示している。

 それは屈辱に噛み締められた少女の唇が訴えている。



 だが真実は。

 仮面の下にある『白井黒子』は。





 赤くなった、オンナの頬だけが、知っている。

 

      _            ┌                     n /7           _      .
       | |            ヘ 「ト                  L|ム//)   __ ┌┘└┐    
       | |__        く  ゝ)      _        へ人  ヘ∠    | _ . | ニニ! !ニニ    
       | __|         て彡      |  ハ        `┤フ⌒ヘ⊃   | .|_|. |└‐┐┌┘   .
   ._ . | |             .| ヘ     .| ノ |-イ_  - 不 ーーイ   .....| _ . |i二二 二i    
   .| |  | |             |\ ⌒\  .Y / √ /イ  \二 彡    .....| .|_| .|┌、 .| 「     
 ._| |_| |___         ヘ  i⌒ <~ Y//  / ヘ /    ノ       | ......| ヽゝ」 |    ....
 |________|         ーへ //⌒>イ.( ヘ  入   /         ̄ ̄   ヽ |    ....
                       \《   / / |ヘ ノ </ーイ                 ̄    .....
                         ヽヘノ へ ヘ√  | |                         ...
      _                  .| |ーー| |へ ム┘                         ..
   __| |__              //ーー// √                            ..

   |__ __|             √(⌒)□へ      ww                      ..

   ┌─┘└─┐             i (^"^)\  ゝ    <イヘ|                      ..
   └─┐┌─┘             |/ ヽイ⌒ -イヘ    ヽヲiヘ                      
   . , ─┘└- 、            . / /ヽヒ/ /  ヽ / フ⌒( ヘ                    ...
   イ と‐┐┌- .,/            ./ ん )ヘ (   <⌒ へ  ト ノ                     
   ゝ,  ̄ ノ              ./   )/  \ヽ人 ⌒) )イムi )                    .
      ̄               ん   /     √  イイヘムイ                    .....
                      | ) (  n /彳ヲ/ミヲ   | ヘ                    ...
    ._                 イ(⌒) ヒ >    /  ( \ (彡ヘ          _        
  ._| |__  ,.-‐.、           .|  イ Eイ  イ |   ヘ  ) mm7          | |       ....
  |_  .// イ .|            ) (  <  イ ヽヘ  ヘ ゝ             .| └─┐   ......
   /    / |  |            へイ   |ア~ヘ   く ヘ人               | ┌─┘   ......
   /   /  |  |           入ノ    \_/ヘ   ヽ|_\へ            . | |       ....
   |__.....|   |  レイ         //      | ノ)     へ ヘii|          , ─┘└- 、    ....
    .| |   |   /               ∠_/      んゝ \       イ と‐┐┌- .,/   .  .
    .| |   ゝ-イ                             ̄        ゝ,  ̄ ノ       ....
    . ̄                                              ̄         ..
何回こう思ったことか。気がついたら徹夜だった……投下中もあまりの眠さにageちまったし。



さぁ……寝る……寝るぞ……。

                ムヾ 川 /////〃〃/// /
              タ´`ヾリ////〃〃// .彡 /
             タ   `"""´´´`ミ ニ 彡彡/
            /   〃    J ミ ニ彡彡/    ニ 、 ⊥   士  士   士  士  士   | |
            { __{(( .._   ミ ニ 彡 /     ノ  ノ| ) (メ ) (メ ) (メ ) (メ ) (メ ) ・ ・
            }どo ゞ‐`ヱo~ゞ ヾミ彳う)
            ,'   /   ```     りノ
            !  ({ 、       ├タ<      し・・・ 信じられん
         /|  ィニ‐-、      /〃リ
        r'´}! }   __ ',      / r'")       さささ さ さ 最後の最後に!
      ,r==、Zノ| レ三‐ -フ   / <ノ
    /  ハ {      ̄  /    |リ         a g e ち ま う な ん て  ! !
  _../ ヲ /_ ノ) \ -‐-       リ

/´/ 〉ー "/ー‐ ヽ |`==‐ '"     ト、



順調に堕ちていってる黒子たまらん

よっしゃ来とった乙


ここの上条さんは相当自制心が強いな

うおお今回は長いぞ
超乙です
セルフ開発エロいすなぁ

エロエロやないですか!
乙!

それでも佐天さんは怪しんでいると信じたい…!

そして黒子を尾行した佐天さんは、上条さんの餌食に……

予想はよそう

もっとゲス条が読みたいんだよ!

黒子が幸せそうで、なによりです

うっ、ふう・・・・・・


 午後0時になる10分前に、白井は寮を出た。

 メールの指定は午後から。ホテルは空間移動すればほんの数分で辿り着ける場所にある。

 しかし空間移動系能力者は学園都市でも希少だ。着替えているとは言え、自分に繋がる確率を少しでも減らすためには歩くのが無難だった。

 いつものように制服姿の白井は、最寄の公園に脚を運び、その公衆トイレの個室に入った。

 ここではまだ着替えない。不自然にならない程度の時間をおいて、何もせずに出る。

 そのまま誰も入らないことを視界の端で確認しながら、精密転移限界距離まで徒歩で離れて、そこから能力を使って再度個室に。

 こうしておけば『白井が入った個室から別の人物が出てきた』という目撃を減らすことができる。

 個室の中で着替えた後は、普通に出る。

 今度は転移先が見えない以上、迂闊に能力は使えない。それに『突然出現した私服姿の少女』が目撃されては、白井にたどり着く可能性が残ってしまう。

「……」

 もはや流れ作業のように、いつものこととして一連の作業を終えた。

(……もう、これも習慣化してますのね)

 個室のドアを内側から押し開ける白井の口元に、ふっ、と自嘲と諦観の笑みが浮かぶ。

 しかし、どうすることもできない。

 耐えるしかないのだ。

 彼からの凌辱にも。

 ……美琴からの笑顔にも。


「っ」

 出入口までの短い通路を歩く白井が、眉を詰めて胸を押さえた。

(……お姉様、申し訳ありません。黒子は、お姉様を騙していますの)

 安らぎを感じる相手の笑顔はいま、それと同時に痛みを伴うようになってしまっている。

 昨日も、カフェテラスで心配をしてくれた。

 いや、昨日だけではない。

 心配をかけまいと意識している白井の小さな変化にも気がついてくれるほど、美琴はいつも気にかけてくれている。

「……」

 だが、白井にはそれが辛い。

(……なぜ、わたくしはお姉様にあのようなお顔をさせてしまっているんですの? お姉様の笑顔だけは、護りたかったはずですのに)

 折れた情けない自分を隠してでも護りたかったものは、いま自分のせいで曇ることが多い。

 これまでの白井だったら、たとえそれでも美琴の持つ彼への幻想を殺させないために、と考えられるだろう。

(わたくしのせいでお姉様に無用の心配をかけていますの……わたくしのせいで……わたくしが……)

 しかし、今日はダメだった。

 今日は、思考は止まってくれない。


 ただでさえ汚される屈辱を感じ、また事情はどうあれ美琴の想い人と同衾する罪悪感にさらされてきた白井だ。

 そこにこの数日間は折れた自分を取り繕い、嘘ばかりをついている。しかも、嘘をつくことになれてきてさえいる。

 今までは支えとなっていた美琴に対しても安らぐことのできなかった白井の精神は、彼女自身が想像している以上に憔悴していた。憔悴しきっていた。

(……わたくしが抵抗してもしなくても、彼に身を委ねていればお姉様の身は護れる。わたくしがお姉様の前から消えれば、お姉様は憂えることもなくなる)

 疲れからの思考が――胸の中の多くを覆ってしまった黒いナニカが、どんどん自分自身を追い詰めていく。

 言葉が頭の中に響くのに伴って、白井の顔から、最後まで残っていた抵抗力が失せていった。

(お姉様は強く、魅力ある方……わたくしがいなくとも、すぐに笑顔を取り戻し、すぐに人が集まって……)

 そこまで考えたところで通路は終わった。

 出入口を出れば、後はホテルに向かうだけ。

 ふらりと、まるでそのまま消えてしまいそうな様子で外に出た白井が――ふと、公衆トイレから出たところで脚を止めた。

 後ろめたい人間の心理として、入ったときとは逆の出口から出たせいで、最初は見えなかったモノが、目に飛び込んできたのだ。

「……お姉様?」

 ポツリと呟く白井。

 その視線の先にあったのは、美琴の姿。

 こちらに気がつくことなく、公園の子供たちと追いかけっこをしている御坂美琴が、そこにいた。


「……」

 きっと公園でジュースでも飲んでいたところを、子供らに無理矢理引っ張りこまれたのだろう。

 相手は5、6人ほどの男女取り混ぜたグループで、歳のころは10歳になるかならないか、という子供たちだ。流石にやりづらいのか、手加減しながら逃げ回っている美琴は、どこか困ったような雰囲気である。

 それでも、彼女の顔に浮かんだ微笑みは、本物だった。

 それは白井がずっと見ていたいと思った、笑顔のひとつ。

 護りたかったモノだ。

 今でも、護りたいモノだ。

(そう……そうですの)

 それを見つめていた瞳に、僅かに光りが灯った。

(わたくしは何を考えているんですの? わたくしが姿を消したとして、あのお姉様が哀しまないとでも、わたくしのことを忘れてしまうとでも、そんな方だと、本気で思っていますの?)

 答えは否だ。

 御坂美琴は、そんな人間ではない。

 納得のいく理由があったとしても、会えなくなれば必ず哀しむ。

 仕方のない事柄で離れてしまっても、絶対に忘れてなどくれないだろう。

「お姉様……!」

 白井の顔に生気が戻る。

 白井は自分の中で腐りはじめていた何かが、急速に蘇生していくのを感じた。

 救えないところまで堕ちた自分に誇りが戻ってくるのを、明確に確信した。


 自分は強くなかった。むしろ弱かった。

 だが、

(お姉様とて、決して弱さがないわけではありません。いえむしろ、弱さを知っているからこそ、お姉様は、敬愛すべき優しさと強さを持っているんですの)

 視線の先で、美琴を追い掛けていた子供が、盛大に転び、これまた盛大に泣きはじめた。 

 美琴は心配そうな顔でその子供――男の子だ――を抱え上げ、ベンチに座らせる。周囲に、心配そうな顔をした他の子供が集まった。

 ベンチに座っても泣きじゃくるその子供の前に膝をついて屈み、美琴は努めて苦笑を浮かべ、「男の子がその程度で泣くもんじゃない」とでも言うように、そしてどこかの誰かを彷彿させる仕種で、男の子の頭を撫でる。

(弱かったからと言って、それだけでお姉様の前に立てないなどと、それこそお姉様への侮辱ですの! 御坂美琴を、見損なうんじゃありませんのよ白井黒子!)

 久しく忘れていた活力が胸の中から沸き上がるのを感じ、頬が笑みを形作った。

 俯いている場合ではない。

 一度折れたからと言って、それがなんだというのか。ただ一度の失敗ですべてを諦めるのは、明らかに間違っていることだ。

 自分の中にある、護りたいという想い。それを信じられないようでは、それこそ何を信じればいいのか。

 白井は、己の中にある何かを取り戻した。そう思って、笑うことができた。

 そしてそれは、











 しかし、ただの幻想でしかなかった。










 傷を確認しようとしたのか、美琴が男の子の頭を撫でるのをやめて、血の滲む膝に顔を寄せる。

 その光景を見た瞬間。

「っ!?」

 ゾクリ、と白井の背筋に何かが走った。

 ベンチに座った年端のいかない少年。

 その前にひざまづき、膝に手をかける美琴。

 それはまさに。

 いつもホテルでの『拡張』を終えた後に見ている、奉仕する直前の少女のようで。


 白井の姿が掻き消えた。

 視界の端にあったコーポの屋上に転移し、そこからさらにテレポートする。

 周りのことを気にしていられない。

 自分に繋がる確率を少しでも減らすという、そんな思考は働かない。

 ただ一刻も早く、その場を離れたかった。一瞬でも早く、その光景から目を背けたかった。

 しかし、自身が可能な最大速度で公園から離れても、白井は逃れられなかった。

 自身が纏っている私服の下で。



 興奮で固くなった乳首が、ブラジャーを僅かに押し上げていたのだから。



 堪えることを忘れた秘裂が、下着を肌に張り付かせてしまっていたのだから。



 いや、それよりも何よりも。



 ほぼ衝動的な空間移動であったにも関わらず、到着した場所が――白井の無意識が選択した場所が、誰にも見られず、誰にも知られず、欲望を掻き捨てることのできる、いつものホテルだったのだから。

            i| i !i il  i                   ______
          _、、,r'``''ヾ`ヽ、| i   ,r‐-'" ̄} ノ`7      /             \
         ,r=ツ::/:i||l::リ:}):)),  /     , <i゙  i゙       l   今日は         |
         7/:::::{{''''""}}})リノ  /  ィ /l |l /     │  ここまでだ!! |
         イ il:::::|lヽ ''_リリ_彡 /// / l ル''´         \          /
          リツi::::}}::l゙l=・= hリ '" / 〈  ´` ,r、_ -‐z    `フノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ハ'r`i:::|〈ッ``ヽ|ノ,  / ハ `'ーr/ _, , /
          /ソ'{::|===- /llト、./ / ヽ、_{{./´/ /ノ

        //:l:|l:::|゙ ̄´/ .|ハ l /      / /、r、

        ゚/{l:l:| ヾl三ツ/ リ ゚ ´    f0 レl l ノ、
        ゚  ヾf======'1   i     | |  し'/ /
        i, i ノ三三冂三ニl、i |!     ,r|`ト、  / /
    i  i/三三ヽ=三三三三ニヽ、r‐、__f ヲ l| ト//
  i |i/三三三ミ\=三三三〇三=ヽ、 ``   }l
  |i/三三三三三ミヽ=三三三三三三`ヽ     | i
  /三三三三三三三 }三三三三三〇≡\   } !|
  |三三三三三三三 ノ三三三三三三三 _>ッ ,ハi|

まぁそんな感じで。
さてさて、ちょっと予定と違うけどそろそろ終わりも見えてきましたかねぇ。

おつ

濡れ場は勿論のこと、それに至るまでの黒子の心の揺れ動きを一つたりとも逃すまいといい放つかのような細部の細部にまでに行き届いた描写に毎回読了後脱帽してるよ。
まあ帽以外も脱いでいるんだが、な!

うまいこと言ったと。ドヤ顔でいるのかと思うと。ムカつく。

乙ヌス
>>511
姫神さんなにやってんすか

必要なシーンだししょうがないんだろうが、自慰シーンばっかで正直飽きてきてたから

そろそろ上条さんとの濃厚なセクロスが来そうで久しぶりにwktkしとるでぇ

>>513
この早漏野郎

ただの自慰ではないセルフ開発だ。ここ重要ね

真夜中になんてスレに巡り会ってしまったんだ・・

続きまだー?

バレた時の美琴の反応がすげー気になる…
どちらかもしくは両方を糾弾するのかはたまた自分自身が壊れてしまうのか
まあ自分は美琴も入れて3[ピーーー]でも全然構わないんだけどね!

まだきてねーのかよ


 ガチャリ、と部屋のドアが開いたのは、午後1時を少し回った時刻だった。

「?」

 入って一歩。そこで彼は僅かに首をかしげた。

 いつもであれば廊下に立ってこちらを振り向く白井の姿が、そこにはない。

「白井?」

 呼び掛けながら数歩進む。

 短い廊下を抜け、壁の曲がり角の陰から覗き込めば予想通り。

「……」

 白井は背中を向ける形で、ベッドに腰掛けていた。

 だが、様子がおかしい。

 いや様子というよりも、一目見ていつもの彼女ではなかった。

「珍しいな。シャワー浴びて待ってるなんて」

 白井は、バスタオルを体に巻いただけで、そこにいた。

 ウェーブのかかった髪はしっとりと濡れており、うなじも、肩も、そして彼の立ち位置からはよく見えない両脚も、汗とも湯の名残ともつかない湿り気を帯びている。

「……」

 呼び掛けられても白井は無言。

 揃えた太もも――そこにタオルを挟み込むことで出来た溝に両手を置いた姿勢で、身じろぎひとつしない。


「でもどうしたんだ? 別に雨が降ったわけじゃないし、なんかあったのか? ……もしかして、風紀委員の仕事かなんかか?」

 僅かに心配の色を帯びた彼の声色。

「……」

 ぴくっ、と白井の肩が動く。

「まぁ、お前が負ける相手なんかほとんどいないと思うけど、気をつけろよ? なんかあってからじゃ遅いんだからさ」

「……」

「?」

「……」

「白井? どうしたんだ? やっぱりどっか、怪我でも「どうしてですの?」

 白井が背を向けたまま、彼の言葉を遮った。

「え?」

 彼が聞き返す。

 それに返ってきたのは、平坦な声だ。

「……どうして、そんなことをおっしゃるんですの? どうして貴方がわたくしの心配なんてなさるんですの?」

「なんで、ってそりゃ」

 彼は軽く驚いた表情を浮かべた後、ガリガリと頭を掻いた。

「誰だって知り合いの様子がおかしけりゃ心配くらいするだろ。そいつのこと、嫌っているんなら別だろうけどさ」


「……」

 彼の言葉に、白井は無言。

 だがよく見れば、先程一度だけ震えた肩が、いつの間にか小刻みに揺れ始めていた。膝の上に置かれた両手も、ぎゅっ、と握り締められている。

 数秒。

「……ですの」

 ポツリと、小さな声が響いた。

「?」

「……ないですの」

「白井?」

 一歩、彼がその背中に近づいた。

 瞬間。

「……ふざっけんじゃないですのっ!」

 怒気ととも叫び、白井が立ち上がった。

 唐突かつ激しい動きについていけなかったバスタオルが身体から離れる。

 一糸纏わぬ姿が見えたのはほんの一瞬。

 振り返りながら跳ね上がった彼女の左手がタオルを掴んだ。

 はためいた黄色の布が視界一杯に広がり、彼と白井との壁となる。


「!」

 彼が反射的に腰を落とし、右手を構えた。

 同時にタオルのど真ん中が何かで突かれたように紡錘形となって彼の顔に迫った。

 拳。

 それを認識した瞬間、彼は背後にバックステップ。

 届かなかったタオルは白井の腕が伸びきると、バサリとはためいて壁に張り付き、床に落ちた。

「どの口が心配などとおっしゃりますの!」

 裸身を隠そうともせず、白井が前に跳ぶ。

 ステップ直後で体勢の整いきらない彼に肉薄し、身体に染み付いたコンビネーションを放った。

 拳、蹴り、フェイントを織り交ぜた鋭い連撃が彼を襲う。

「!」

 短く狭い廊下。回避はできない。

 数発の手応えが白井の拳に、脚に響いた。


 だが駄目だ。舌打ちする白井。

 彼女の攻撃は確かにヒットしたが、それはすべて『当たっても当たらなくてもよい』攻撃だけだ。それらの中に隠しこんだダメージとなる打撃は、すべて防がれてしまっている。

 逆に最低限の動きしかしていない彼は、その間に体制を整えていた。

 今度は彼が一足で接近する。

「くっ」

 白井の姿が掻き消え、ほぼ同時にベッドの上――置き時計や性具の置かれたベッド枕側に出現した。

「貴方さえいなければこんなことにはなりませんでしたのに!」

 白井はそれら備え付けてある物品をビンタするようにして片端から空間転移。

 すべて無くなってしまうと、今度はテレビのある位置にテレポートして、同様に転移させた。

 行き先はすべて彼。

 彼の頭、心臓、頚椎――即死する急所だ。

「甘ぇ!」

 しかし身体を調度品が破壊するより早く、彼は右手を前面で×字に振り回した。

 その軌跡上から突如、置き時計が、性具が、そして最後にガチャンとテレビが床に落ちる。

 空間移動能力は、空間を無視しているのではない。

 11次元を移動させることで、3次元の制約に囚われないようにしているだけだ。

 その別次元を移動中の物体に右手が触れたことで、転移が解除されたのである。



「!?」

 予想外のことに目を見開く白井。

 打撃も能力も防がれた白井は、思考が空転し、次に何をすればいいのか一瞬だけ判断できない。

 攻撃か、防御か。

 いやそもそも、衝動的に動いた彼女は、まず己の行動と結果を認識する努力で精一杯だったのだ。

 動けなかった。

 それが命取り。

 彼が跳躍。

 テレビの残骸を踏み越え、さらに床を蹴り、彼が接近する。

 そして彼が目の前に。

「――!」

「っらあっ!」

 白井が身構える暇もなく、能力を打ち消す右手が水平に打ち振るわれ、その円を描く軌道上で白井の顎先を僅かに掠めた。

「!?」

 一瞬で白井の目の前が真っ暗になる。

 脳を急速に揺さぶられた彼女は、ただそれだけで床に崩れ落ちた。


 最初はゆっくりと浮き上がるような感覚。

「ん……」

 まず思ったのは、やけに苦しい、ということ。

 体勢がおかしいせいだ。

 仰向けの状態だということはわかった。

 しかし 両膝は曲げられて胸につくかというくらいまで引き寄せられている。

 それだけではなく、両腕は伸ばされて手首がそれぞれの足首に触れていた。

 苦しさから腕を曲げようと、なぜか動かせない。

(わた……くし……?)

 体勢の苦しさと動かせない不思議さにうっすらと目を開くと、一本の棒のようなものに括りつけられた両手首と両足首が見えた。

「……?」

 それがなんなのかわからず、視線をさ迷わせる白井。

 脚、腕、身体。

 見えるのは、素肌。

 全裸である自分。

 それを把握しつつふと視線を真正面に向けた。 


「!」

 そこに映った――天井は鏡張りに加工されている――己の姿を見た瞬間、白井の意識は急速に覚醒した。

 M字開脚。

 俗にそう言われている格好に、拘束されている。

 ベッドの下端ぎりぎりに、荷物のように留め置かれていた。

「な、なんですの!?」

 背を伸ばそうとするが、それも無理だ。

 標準よりも小さな体格とは言え、手首と足首が同じ直線上に――しかも手首に揃えて――あれば、背中が丸まってしまうのは道理である。

 反射的に手首と接している棒を転移させようとするが、能力がまったく働かない。

 その原因は簡単だった。

「お、目が覚めたか?」

 軽い調子で声をかけてきた彼の右手が、肩に触れている。

「貴方っ……!」

「おっと、動くなよ白井。まぁ、動けないと思うけどさ」

「くっ」

 ギチッ、と革の擦れる音がする。

 棒と両手足首は単純に縄で留められているわけではなかった。

 頑丈な革製の輪を持つリストバンド、アンクルバンドと、おそらくそれらと対になるように設計された専用の棒。

 決して身動きが取れないように、しかし被拘束者が多少抵抗しても怪我をさせないように設計された器具だ。白井の腕力で解けるようなものではなかった。大の大人でも無理だろう。


「それよりも、さっきはどうしたんだ? 飛んできた物とか、ちょっとどころじゃないくらい危なかったんだけど」

「!」

 ギクリ、と白井が震えた。

「あ、あれは……」

 釈明しようとするが、言葉が続かない。

 徹頭徹尾衝動的な行動だったのだ。ただただ自分が情けなくて、憎らしくて、惨めで。

 そんなところに、その元凶からの予想外の言葉をかけられた。



 なんでこんなことにんっていると思ってるのだ。

 こんなことになったのは誰のせいだ。

 誰が自分を、こんな風にしたのだ。



 彼からの心配は己の境遇をはっきりと知らしめるとともに、そうなったことへの罪悪感がないということを明確に語っていた。

 自分に絶望した白井は、もう虚ろな精神に浮かび上がった感情を止めることができなかったのである。 

 どうしよう彼を怒らせた。どうしよう約束を反古にした。どうしようこれでもし美琴の身に危険が迫ったら……ここまで堕落した意味は、なんだったのだろう。

 白井の表情が恐怖に青くなり、唇が小刻みに震える。

 言い訳をしようとするが、声がでない。なんとか彼の怒りを納めようとするが、言葉を創ることができなかった。

 だが、そんな白井に向けて彼は、

「まぁ、いいんだけどな」

 と、言った。


「え……」

 呆気にとられる白井に苦笑し、彼は続ける。

「お前との約束は、お前を好きにする代わりに美琴に手を出さないってだけだろ? お前が俺の要求以外のことで何しても、約束とは関係ない。もっとも、」

 彼はそこで間を溜めるように一息置いた。

 楽しげな視線が、怯えに陰る白井を映す。

「俺に何かあったら――お前が俺を殺したら、美琴が哀しむはずなんだけどな」

「っ!」

 ギクリ、と再び白井の顔が強張った。

「いやいや、安心しろよ。べつに約束が反古だ、なんて言うつもりはねぇよ。いま言ったろ? 約束と今日のお前の行動は無関係だって。俺が言いたいのは、もっと別のことだ」

「……」

 沈黙する白井。

 彼が何を言いたいのか、わからない。

「わかるか? わからないだろ? 教えてやるよ、白井」

 笑う彼は動けない白井の前髪を掴み、「ひっ」顔を上向かせ、その瞳を覗き込んだ。

 そして告げる。

「お前はもう、美琴のことなんかどうでもいいんだよ」

「!」


「お前は俺を殺したかった。そして実際殺そうとした。さっきの転移とか、おもいっきり急所だったろ? それも即死コースの」

「ち、ちが「ははっ」

 白井の必死の抗弁を、彼の笑い声が遮る。

「じゃあ美琴の顔を見てるつもりで言ってみてくれ。『わたくしはお姉様のために殺そうとしたんですの』みたいな台詞を」

「っっっ!」

 ギリッと音がしたかのように白井の顔が強張った。

 美琴のため。

 その言葉が、とてつもない罪悪感をもって胸をえぐる。

「結局お前は、美琴を見捨てたんだろ? 俺が死んで哀しむ美琴を見捨てたってことだよな?」


 ――そんなことありません、見捨ててなんて



「美琴が大事だから。あいつを護るためなら。今のお前はそう思うことで、自分の本心から目を逸らしてたんだよ」



 ――違いますの、ソンナわけがナイですの



「確かに最初は美琴ためだった。最初は、お前は間違いなく美琴のために犠牲になってたよ。俺が認めてやる。でも、」

 

 ――駄目、ソレ以上言わないで



「今はどうだ? 美琴のため? 違うだろ? 違うよな? お前はもうそんなこと考えてない」



 ――イヤ、聞カセナイデ



「お前が言葉にできないなら、俺が代わりに言ってやるよ」

 

 ――ヤメテ



「……」

 そこで彼が言葉をとめた。

 そのまま、すっ、と白井の耳元に唇を寄せる。


「お前は美琴のためなんかじゃない。お前は、白井黒子は今、美琴の『せい』で俺を殺そうとしたんだよ。」


「ぅぁ……」

 喉の奥から漏れたのは、小さな小さな呻き声。

 しかしそれに篭められたのは、真っ黒な絶望だ。

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

 沈黙が数秒、横たわる。

 やがてゼンマイ仕掛けの人形のように、白井の目がゆっくりと彼に向き、

「……」

 彼が、それを微苦笑とともに見返した。

 視線が合う。

 それが合図となって、

「違いますのっ!」

 白井が絶叫した。

「そんなはずありませんの!」

 目を閉じ、

「絶対に違います!」

 首を振り、

「わたくしがっ、このわたくしがっ!」

 拘束された手足に力を篭め、

「お姉様をっ、そんなことありませんのよっ!」

 塞げない耳の代わりに声で彼の発言を掻き消そうと言うのか、全力で叫ぶ。


 だが無駄だ。

 目を閉じても、うかんでくるのは公園で見た美琴――子供への奉仕の幻想。

 首を振っても、それは瞼の裏から消えてくれず。

 手足を動かそうにも、革製の器具はミシミシと音をたてるだけでまったく緩む様子はない。

 声をあげても、いちど耳に響いた言葉は記憶に残る。

「違いますのよぉっ! わたくしっ! わたくしっ!」

 もう白井は自分が何を言っているのかもわからない。

 しかし――白井にはそんなことどうでもよかった。

 叫び、暴れ、喚き、当たり散らす。

 それら一瞬一瞬に縋り付かなければ、全てがバラバラに壊れそうだった。

 彼女はいま、ただ己を保つだけで精一杯。精一杯であることに気がつくだけの余裕もない。

 だから気がつかなかった。

 彼の右手が髪を放し、彼がベッドから降りたことにも。

 ベッドに寄り添うように床に置かれたタライにも。

 そのタライの隣に転がっている、大人の腕ほどの太さのある浣腸器を彼が取り上げ、その先端を白井の剥き出しの尻に向けたことにも。


「ありえませんのっ! お姉様のせいだなんてっ、わたくしがそんなことを思うわけが…はうっ!?」

 肛門から響いた衝撃に白井の声が止まる。

 何が起こったのかは、視線を向ける必要がない。

 天井は鏡張りだ。驚きに見開いた目が、そこに映った彼の行動をすぐに捉えた。

 彼が顔を上げた。天井を見た彼の目が、鏡越しに白井の目と合った。

 口元の笑み。

 突きこまれた浣腸器のシリンダーを、彼の手がゆっくりと、押し込んでいく。

「あっ!? ああっ!? あああっ!?」

 響く白井の声には戸惑いの色。

 今まで何度も経験した――そしてつい数時間前に洗浄したときにも感じた――薬液が入ってくる感触だが、今日のそれは今までとは異なり、液と表現するには粘度が高かった。

 ずるり、ずるり、とゼリーのような何かが腸内を逆行する。

 彼の右手がシリンダーを完全に押し込んだ。

 中身がすべて白井の腹に収まったのを確認し、一息に抜く。


「はあっ!? なっ、あっ、ひぐぅっ!?」

 しかし彼はすぐに、もう一本床に置かれていた浣腸器を取り、同じように先端を突きこんだ。

「あがっ!? うああっ! ああああっ! やめてくださいましっ! 無理っ! もう無理ですのっ! もう限界っ……!」

 白井が目を見開き、口をパクパクと開閉させる。

 二本目はもう、腸に収まるという量ではなく、そして粘液はそう簡単に奥まで滑り込まない。

 結果として、白井の腹は、二本目のシリンダーが押されるに従って、徐々に膨らんでいった。

「なっ、かっ、ひっ」

 十数秒。

 シリンダーは無慈悲に動き、中身が全て収まった。

「抜くぞ白井」

「待っ、そんなっ、こんなっ……!」

 白井が天井を見ながら切れ切れの声を出す。

 それを意に介することなく器具をゆっくりと引き抜く彼。

 ツルン、と抜け出た先端と肛門の間で、薬液のゼリーが糸を引く。


「……よし、じゃあ白井。ちょっとしたゲームをしよう」

 彼は用済みになった浣腸器を床に置き、空いた右手を白井の膨れた腹の上に置いた。

 同時に、グルルル、と腸内で音がする。

 限界以上に異物を投入された腸は、もうすでにそれらを排斥しようと動き出していた。 

「ひぃっ!」

 ぞっとするような悪寒が白井の全身に回り、一気に血の気が引いた。

 生理的な排泄欲求により悪寒だけではない。

 手足を縛られ、彼の右手に触れられた自分。

 この段階ですでに、全力で肛門を締めて置かなければ、すぐにでも出ていきそうな腸の中身。

 ベッドの下端に転がった自分の尻の真下に設置されたタライ。

 それが何を意味しているかは、明白だった。

 いくら洗浄していようが、どうだろうが関係がない。今まで何度も動画を送っているが、それは排泄した後の拡張シーンと、その後始末の自慰行為だけだ。

 『出す』ところは、誰にも見せていない。いや、見せてはいけない。

(うそ、ですのよね……そんな……まさか……)

 声を出すだけの余裕もなく、鏡に映った光景を目にしながら、それでも白井は一縷の希望を模索する。

 何かの間違いではないのか。

 これはただの脅しで、すぐに拘束を解いてくれる――あるいは、右手をどけてくれるのではないか。

 白井はさっきまでの己の狂乱も忘れ、縋るような瞳を彼に向けた。

 いまの彼女の中には、美琴のことは浮かんでいない。美琴のことで己を見失いかけていた思考は、どこにもなかった。


 無理もない。

 『御坂美琴を敬愛する白井黒子』のそもそもの根幹。『白井黒子』自身の、尊厳の危機。

 そんなところを誰かに見られてしまったら、もう駄目だ。

 白井が人間として最低限持っていたかったモノが、なくなってしまう。

「……」

 少女の視線を受け止め、彼がゆっくりとその腹を撫でた。

「いまさっき、お前は美琴を見捨てない、って言ってたよな? だから試してやるよ」

 しかし放たれた言葉は、最悪の形で白井の耳に届くことになる。

「ルールは簡単」

 ぴ、と彼は左手人差し指を立てた。

「美琴を好きにしていい、と一言言えば、オレはこの右手をどかせてやるよ」

「!?」

「能力が回復すれば、拘束具を転移させることが出来る」

 グルグル、と腹がなった。

「いや、この部屋のトイレの位置はわかってるんだから、直接そこにテレポートしたっていいすればいい」

 悪寒に、カチカチ、と白井の歯が音をたて始める。

「どうしても無理なら、それこそ腸のなかにあるものだけを便器に飛ばせばいいんだ」

 恐怖に、ブルブルと白井の肩が震えはじめた。


「簡単なゲームだろ?」

 彼が目を細めて、笑う。

「美琴を護りたいんなら、お前が漏らせばいいんだよ。ここで、この中身をな

 彼の手が、もう一度腹を撫でた。」

 その言葉と手の感触に、淡い希望という幻想が打ち消されたのか。

「いっ、」

 ギシ、と革の軋む音とともに、

「いやっ! いやっ! いやっ! いやあああああっ!」

 白井の悲痛な叫びが、部屋に響き渡った。

        ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは引越しをしてから書き進めようと思ってたら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        いつのまにか三週間くらいたっていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わかりやすいと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれは何でこんなに時間がかかったのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \   古い雑誌を読みふけってたとかアルバムを見てたとか

   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  引越しの恐ろしさってやつの 片鱗を味わったぜ…

まだ片付かねぇ……でもこの物語はもう少しで片付く。
次のスカトロイなシーンはなるべく描写しないというかしたくないんだけど……まぁ、がんばるかねぇ。

おぉまちくたびれたぜ
あいかわらずのゲス条で安心した


完落ちまであと一歩ってところか


エグい……。エグすぎてwwktkが止まらん

どうオチをつけるんだこれは…

もうほぼ堕ちてるじゃん


「嫌です! 絶対に嫌ですのっ!」

 白井が半狂乱になって叫ぶ。

 必死に拘束具から逃れようと暴れる勢いは、さきほどまでとは較べものにならない。

 リストバンドとアンクルバンド、それに棒とを結ぶ革が、軋むというよりも悲鳴をあげているような音をたてていた。

「トイレに行かせてくださいまし! 右手をどけてくださいまし!」

 しかしそれでも、身体は自由になってくれない。演算を組み立てても、能力は応えてくれない。

「……」

 それを無言で見下ろす彼。

 絶対的な優位と余裕の表情は、膨れた腹をゆっくりと撫でる手の動きと連動して、いっそ優しげにも見えた。

 この男は、許すつもりはない。

 そう確信した白井の背筋を肉体的なものと精神的なものの、双方による悪寒が貫き、脂汗がどっと噴出した。

「お願いですの! なんでもします! 舐めろと言われればどこでも舐めますの! お尻を差し出せというのなら、どんなに犯しても構いません! 純潔を捧げろと言うのならお好きになさってください!」

 一息に、唾を飛ばすことも気にせず白井が言葉を重ねる。

「だからお願いしますの! トイレに行かせてくださいまし!」

「何言ってんだよ白井」

 彼は苦笑。

「なんでも、なんかする必要はないって。言ったろ? 『美琴を好きにしろ』って一言でいいんだよ」

 ぐっ、と彼の右人差し指が、幼児のように膨れた腹を押した。


「ああっ!」

 ガクン、と白井が顎を上げた。
 
 白い首筋が数瞬、小刻みに震え、

「だ、だめですのっ! やめてくださいましっ! 出てしまいますの!」

「おいおい、こんなのでもう駄目なのか? 早いとこギブアップしないと、本気で間に合わなくなるぜ?」

 彼の言葉を証明するように、白井は己の恥ずべき窄まりがヒクヒクと震えているのを感じていた。

 力を抜いた瞬間に、すべて出てしまいそうだ。

「っ!!!」

 間に合わない。

 その言葉が、いよいよ現実的な事実として白井に圧し掛かってくる。

 しかしソコを締めているのはボルトやネジではなく、括約筋という筋肉だ。

 常に力をいれていても、息継ぎのように力が抜ける瞬間がある。

 締める、勝手に抜ける、締める、勝手に抜ける。

 それは我慢でありながら、腸の蠕動を誘発してしまう。

 確実に、破滅への階段をあがっていた。

「い、いやですのぉ……! 許して……許してくださいまし……! トイレに……右手を……お願いですのぉ……」

 徐々に白井の声と身じろぎが弱まっていく。

 諦めたわけではない。

 自分で暴れた衝撃ですらも、己を追いつける要素になってしまっているのだ。


「ひあああ……だめぇ……もう……もう……」

 奥歯を食いしばり、息継ぎのように声を漏らしながら白井は必死に耐える。

 半狂乱だったときとは違う、理性のある懇願。

 痛みで気を失うことができれば、いっそ楽かもしれない。絶望で気が触れたのならば、むしろ幸せなのかもしれない。

 だが腹部から立ち上がる苦痛と、そして何よりも白井自身の強靭な精神力は、それを許してくれなかった。

 彼女は彼女のまま、追い詰められていく。

「いやぁ……そんなの……そんなところを見られたら……わたくしはもう……」

 諦められない。

 いやだ。

 絶対にそれだけは。

 我慢しなければならない。

 乏しくなった自分の誇りを護るために。

 しかし同時に白井は、この我慢が絶対に長続きしないということも自覚していた。

 いくら人為的原因とはいえ、生理現象だ。永遠に我慢することはできない。遠からず限界がくる。

 もしも漏らしてしまったら。

 もしも彼に全部見られてしまったら。

 きっと『白井黒子』は完全に屈服してしまう。彼に逆らうことができなくなってしまう。

 そんな確信に近い予感が、白井の中にあった。


 それを防ぐ手段はただひとつ。

 美琴を見捨てるしかない。

 自分可愛さに、美琴を彼に売り渡すしかないのだ。

 売るのか? 

 いやだ。

 もらすのか?

 いやだ。

「あぁぁぁ……あああぁぁぁぁ……」

 ガリガリと己が削れていく。

 ゴリゴリと最後の誇りが小さくなっていく。

 そうして出来た隙間は瞬く間に黒い染みが埋めつくし、そして白井に囁いてくる。

 もう諦めよう。もう諦めたい。

 自分はここまでよく頑張った。これ以上頑張れなんて誰も言わないはずだ。

 誰が聞いても、絶対に同情してくれる。誰に言っても、情けないだなんて思われない。


 いやそもそも――言わなければ誰にもばれないのだ。

 いままでだって、誰にもばれていなかったのだ。

 ばれないのだ。

 周りにも。

 初春にも。

 佐天にも。

 美琴にも。

 ばれるのはただ一人。

 目の前にいる、彼に、だけ。

 唇を奪われ、肛門を犯され、自慰を見られた相手に、これ以上何を隠すというのだ。

 だから諦めよう。

 彼にだけ情けない自分を曝け出せば、自分は護れるのだ。

 たった一言だ。

 言ってしまおう。

 言おう。

「あぁぁぁぁ……いやぁ……いやぁ……」 

 弱々しく首を振る白井。

 心の声に、もはや言い返すことすらできない。

 彼女はもはや幼子のように、聞きたくないことをただ拒絶することしかできなかった。


「……」

 彼は何も言わない。

 促すことも、諭すことも、貶めることもない。

 ただ待っている。

「ふあっ、ひぐっ、うぅぅぅぅ……ううぅ、でちゃいますっ、もれちゃいますっ、ひぐぅ……!」

 ついに白井の瞳に泪が浮かび、上擦った声が吐き出された。

「お願いです……お願い、ひくっ、しますのぉ……もう虐めないでください……ひぅ、ぐすっ……黒子が悪い子でしたから……良い子になりますからぁ……ひぅぅ……ひぅぅぅぅ……」

 歯を食いしばった白井の頬を泪が流れていく。

 白井は己の肛門が、ぽっこりと膨らんでいるのを感じた。おぞましい最期が、もうすぐそこまで来ているのだ。

 そして。



 グルルル

 

 苦痛と絶望の中で、それでも抵抗をしていた白井の腹は、己が主の意思を完全に裏切って声をあげた。

「!」

 白井が泪で濡れた目を見開いた。

 今までの音とは異なったのは、その音が、腸の動く感触とともに生々しく背筋に響いたこと。


「――っ」

 白井が小さく息を呑み、

「ああああっ! だめっ! だめっ! だめっ! だめっ! だめぇっ!」

 不意に叫びはじめた。

 己の我慢の限界も無視した叫びとともに、強く、強く首を振る。

「はうっ、ひあっ、はぁ、ぁ、ひぅぅ……ううう、ううぅぅぅぅ……」

 しかしその叫びもすぐに途切れた。

 細く、ゆるく息を吐く白井。叫ぶことすら、いや、呼吸で肺が膨らむことすら耐えられない。

 目の前が白く、心は黒く染まっていく。

 

 もう、本当に駄目だ。

 もうこれ以上がまんできない。

 もう漏れてしまう。見られてしまう。

 なんでこんなことになったのだ。

 なんでこんなに苦しんでいるのだ。

 どうすれば、この絶望から逃れられるのか。



 真っ白になった精神の中、ただこの苦痛と絶望から逃れたかった白井の耳に。

 声が響いた。




 ――美琴を好きにしていい、と一言言えば、オレはこの右手をどかせてやるよ




「ぁ……」

 パキッ、と白井は、己の中で決定的に何かが折れた音を聞いた。

 絶望が心を全て飲み込んでくのを感じた。

「っ、っ、っ……」

 白井の口が、一度それを言いかけて、すぐに躊躇い、しかし再び口は動き。

「お、お姉様を」

 ポロリ、と瞳から泪を零し、白井はついに、その一言を言った。



「……お姉様を貴方のお好きになさってください」



「……」

「……」

 一瞬の沈黙

「……はははっ」

 彼が笑った。

「あぁぁ……言いました……言いましたのぉ……だから早く右手をどかせてくださいまし……お願いですのぉ……」

 彼の笑いが何を意味しているのかを理解しながら、それでも白井は懇願した。

 自分を助けてくれ、と。

 そんな彼女の目を彼は覗き込む。



「いいのか白井。本当に、美琴のことはもういいのか?」

 かみ締めるような問いに、白井は即座に頷いた。

「はい……もういいですの……もう諦めましたのぉ……ですから、わたくしを、もう、許してください……」

「ははっ」

 彼はもう一度笑ってから、

「ああ、いいぜ」

 頷き、白井に負担がかからないようすっ、と右手を浮かせた。

「ぁ……」

 その途端、自分の中で空回りしていた能力演算が明確に像を結んだ感覚を白井は得た。

 その瞳と心に、微かな希望が浮かぶ。

 いける。大丈夫。まだ間に合う。

 最後の力を振り絞り、白井は能力を使って己を転移させようと――その直前。



 グルルル……



「あっ!?」

 腹が鳴り、今まででもっとも強い痛みが、白井を貫いた。


 額に浮かんだ脂汗の玉が、一気に大きくなる

「はっ、あうっ、ああっ!?」

 さらに白井はビクリと痙攣した。

 肛門がヒクヒクと蠢いたのを感じた。

 細身ながらも柔らかさを湛えていた身体はいま、全力を振り絞ってカチカチに固まっていた。

 そこまでの力をもって制御していたはずの肛門の筋肉がいま、白井の制御を離れて痙攣したのだ。

「だめっ、だめっ、まってっ、とまってっ」

 もう後は跳ぶだけだった演算は、一気に0へと戻ってしまった。

 己を汚してまで 色々なものを失ってまで護ろうとした美琴を売り渡し。

 その美琴を敬愛する自分自身をかなぐり捨てて。

 そこまでして護ろうとした『白井黒子』を救うための演算式が、消えてしまった。

 極限まで高まった排泄欲求が、演算を霧散させてしまった。

「そんなっ、そんなのっ、待ってくださいまし、そんなっ」

 白井が叫ぶ。

 手足を拘束する革が、ミチリ、と鳴いた。

 そして、その後に。

 小さく、小さな音が響いた。

 それは腸内で暴れていたゼリーが、肛門をこじ開ける音だ。



「あ……」

 その瞬間、白井の顔から、いっさいの表情が失せた。

 失望、絶望、諦観。

 美琴を売ったのに。

 誇りを捨てたのに。

 全てを諦めたのに。

「もう、だめですの」

 ポツリ、と白井が呟いた。

 泪に濡れた瞳に瞼で蓋をして、食いしばっていた歯から力を抜き、最後まで残っていた『白井黒子』を脱ぎ捨てたその表情は、あたかも天使か何かのように、透明で、美しく、はかなくて――

 一拍。

 そして、己の肛門がたてた汚濁そのものの音を聞いた白井は、

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 一瞬でその神々しさを絶望に染めて全力で絶叫し、

「いやっ! いやっ! いやっ! いやあああああああっ! いやあああああああああっ!!!」

 そこで、プツン、と意識を失った。


 再び意識を取り戻した白井が最初に感じたのは、頭を撫でてくる手の感触だった。

「んぅ……」

 ゆっくりと、労るように髪を梳く指の動きは存外にここちよくて、思わず、額を押し付けるように、小さく頭を動かしてしまう。

「起きたのか?」

「ぇ……」

 不意に響いた声に、白井が間の抜けた声を出した。

 撫でていた手が、ゆっくりとどかされる。

「大丈夫か? 手とか脚とか、痛くないか?」

 僅かに心配そうな色をもって覗き込んでくる彼。

「ぁ……ぇ……わた、くし……?」

 一瞬、ここがどこで、なにがどうなっているのかわからなくなる。

「ああ、安心しろよ。ここ、さっきと違う部屋だから。荷物とかはチェックアウトするときにフロントで渡して貰えるように言ってるし」

「え、あの……? え、と……」

「身体の方も、シャワーで綺麗にしといたからさ。まぁお前、完全に寝てたから、俺がやったんだけど」

「その、え、シャワーって……なぜ、その、わたくし……今はまだ寮にいたはずでは……」

「ほ、本当に大丈夫か? さっき漏らした拍子に記憶まで出てったんじゃあ……」

「え……」

 呆けた表情を浮かべる白井。

 一瞬後、

「っ!」

 その顔が一気に強張り、青ざめる。

 思い出した。


「わたくし……わたくし……」

 ガクガクと白井の身体が震え始める。

 瞳からあらゆる意思が、表情からあらゆる意志が失せていく。

 美琴を売った。

 なのに結局、自分を護れなかった。

 漏らした。

 人間として持っていたかったものを亡くしてしまった。

「あ……あ……あ……」

 目の前が真っ暗になった。頭の中はグルグルと廻るような錯覚。

 掻きむしりたくなるほどの哀しみが胸を塞ぎ、しかしどういうわけか頬は笑みを形作ろうとする。

「あは……あはは……」

 自分が壊れていく。

 ボロボロと、笑い顔の中で泪が零れるたびに『白井黒子』がなくなっていく。

 だらりと手足が弛緩し、肺はひとりでに大きく息を吸い込んだ。

 最期の叫びの準備だと、千々に砕けた理性が自覚させた。

 この息を悲鳴と否定に変えれば、すべて終わり。

 『白井黒子』はもう消え去る。

 壊れた精神は、二度と彼女を元に戻さないだろう。

 しかし――。

 
「白井」

 白井の精神が崩壊を告げるよりも一瞬早く、さらりと、彼の右手が泪を一滴掬い上げた。

 そして、思いもしなかった声が降りてくる。

「今までよくがんばったよな。えらいよ、お前は」

 言葉とともに、叫びの発生源である少女の唇に、ふわりと彼のそれが重なった。

「!」

 包み込むような、柔らかく、温かい接吻。

 舌を絡めることもなく、ただ重なっただけのキスだ。

(ぁ……)

 しかしそれは、もう発狂するだけしかなかった、疵だらけで皹だらけの『白井黒子』にとって、すがりつくのに十分な優しさを持っていた。

 自分から全てを奪った憎むべき相手。

 にも関わらず、白井はもう彼にすがりつくしかなかった。彼がかけてくれた言葉と口づけが甘い毒だとわかっていても、それを否定することができなかった。

 すべてが凍りような冷たい心の中、白井は必死にその温もりにしがみ付いた。


「んんっ」

 彼の唇を自ら追い掛ける白井。

 両手で彼の頭を掻き抱き、深く、深く口づける。

 目を閉じると、間近で感じるのは彼の体温と、彼の鼓動。

 ポロポロと、さきほどまでとは異なる理由で泪が零れはじめる。

(もうだめですの……全部見られてしまった……全部知られてしまった……もうわたくしは、この人のものになるしかありませんの……こんなわたくしを知って、それでも褒めてくださるこの方しか、もう残されていませんの……)

 閉じた目の端から、零れる泪は止まらない。

 それは今までのような、絶望の泪ではなかった。

 そこに篭められているのは、圧倒的な安堵。

 その泪の珠が頬を滑り落ち、襟足を濡らし、シーツに次々と吸い込まれていく。

「……」

 彼の右手が、優しく首筋を撫でる。

 その感触に紛れも無い安らぎを感じながら、白井はゆっくりと唇を離した。

 そして彼を見上げる。

 間近にある彼の顔。その向こうの鏡張りの天井に映るのは、全裸でベッドに転がる自分と、その自分に腕枕をしている服を着たままの彼。

 それはまるで、恋人との情事の前のよう。

 んくっ、と唾を飲み込む白井。

 それから、

「お願いですの……」

 呟くように言いながら、白井は胸の中から彼の顔を見上げた。


 ゆっくりと、両脚を開いていく。

 膝を曲げ、膝の裏にそれぞれ両手を入れて、しかし視線は彼を見たまま。

「……」

 彼は動かない。何も言ってくれない。

 しかし白井は構わない。

 さきほど拘束されていたときと同じ格好を自らとりながら、白井は言葉を続けた。

「わたくしを、犯してください……」

「……」

 白井はもう一度唾液を飲み込んでから、言葉を続ける。

「わたくしの純血を散らしてください……」

 最後に残された清らかな部分を自ら晒しながら、獣が服従するポーズで、白井は、いままで一度も言わなかった呼称をもって、彼に告げた。



「わたくしを、上条さんのモノにしてくださいまし……」

      .,. ‐'''"¨~ ̄ ̄~"''ー 、
     /-‐'     f了 ̄`''ー‐'\
   ./      rー'ノ _____、    |   、 、 、 、 
  / 彡     ∨`'゙,rfッヾ'′{ィ=j    ラブエロ ?
  / / ,:ニイ´\  〉イ'¨' ̄'´ ..::〈`’{
  !、  ;ニ |〔ス' | { l    ヽ,,ノ ハ
  {ヾ=c-、ヽ二L..>l.   ,r'三j {/   宇宙のハテを知らねーように
.  \_,ノヽ厂 }ヽ、 ',  `''一 /
        ノ  〉 \,,.......,,____,/          そんなもんの書き方知らねー
  「>'⌒'ー-、{  ¦ !ヽr‐''"´

 /  lヽ.    `'ー-、 L人_/{ ,.ィ
/   ,ノ  \\_,、  \ } `< |,ノ|
     lヽ   ノハ    \.    `ベ:‐-、_/∟ィ
   ノ |::..\'´/ \ー--‐,ニ==ー、‐,ハヽヽ  /./
  ー_‐┐   `丶、   `'<     ヽj| \-{/ _
ヽ.   ヽ._  /丶._   \    ,ノハ  _,.二 -‐
 ヽ     ¦/ ___ `ヽ.  `>ァァ'"´ ̄
  ヽ   ,' ` ̄\ゞ'´   V´ィ'´      _.. -‐ '' "
   \ノ_ _   '―<´     !_.. -‐ '' " ´  _.. -‐'''"´
      \ `丶、  \,___,. --r''T"´


ようやく完堕ち! 長かった! というか、ここまでの表現方法がなくなってて繰り返しになって書いてるこっちが「この表現多いぞなもし」とか思ってた!
個人的にはやっぱし調教系は長いこと苦しんで、最後は一気に、が王道だと思うのですよ。
あるいは徐々に信念が腐っていって、そんな自分を自覚しつつもとまれない、とか。

まぁ個人的な趣味はともかく、次の散花シーンを書けるだろうか…いや、ラブ(偽)エロスなんぞ苦手なんだが……。

いちもつ

キターとか大人気ないこと言ってしまった…。次回すごい楽しみにしてる。

黒子の純潔が散る前に俺のパンツが散ったわ


クズ条は黒子が美琴を売るのも、その後失敗してこうなるのも分かってて追い込んだんだろうか…こえー

黒子かわいいよおおおおお

おれ初めて黒子がかわいいと思えた

いちもつ

パンツどころか天井まで突き抜けちまったぜ…

これで「黒子が好きにしていいと言ったから」と美琴と普通にいちゃいちゃし始めたらどうなるんだろ

乙ー
もう美琴とは元の関係に戻れないだろうな

乙うううう

すげえ、「アレ」のことを描写しているのに全く嫌悪感がない!ただひたすらエロいと思ってしまう!俺属性持ってないのに!

丁寧で完璧な調教だった

最高です!見習いたい。

やっと堕ちたか・・・良きエロスだ
にしてもこのゲス条さんすげえ・・・他の女もいろんな手段で堕としてそう

さてここから先が本番だが前座で盛り上げ過ぎたみたいな感じだけど大丈夫なのかね

まだ炸裂してない超ド級の爆弾が残っているじゃないか

炸裂させるかは知らんがな!


「んっ……」

 一度は離れた唇が再び重なり、白井は鼻に抜けるような声を漏らした。

 両脚を抱え込んだ姿勢は崩さないまま、真正面のキスをそのまま受け入れる。

「ふ……んん……」

 彼の右手が髪に、左手が頬に添えられて、深く、深く、口の端がお互いに触れ合った。

 一度目は契約代わりに。

 二度目は凌辱の始まりに。

 その後は弄ばれる最中に、何度も。

 そんな風に奪われるだけだった唇を捧げ、白井はいま餌を与えられた小鳥のように、彼からの温もりを味わっていた。

「んぅ……んむ……ん……」

 もっと深く。

 そう言うように、僅かに顎をあげる白井。

 しかし、両肩の外側にそれぞれ置かれた彼の肘は、その願いどおりには動かなかった。

 彼が体重をかけ、肘がシーツに刻む皺が深くなる。

 それを感じた次の瞬間、彼は僅かに頭を上げ、接吻は終を告げた。


「ふぁ……」

 小指の先ほどの隙間に細い唾液の糸を残し、吐息だけが交わる。

「やめないで、くださいまし……もっと……お願いしますの……」

 僅かに霞み、多いに潤んだ瞳で彼を見上げる白井。

 ボロボロになった心を包み込む柔らかな感触を失うのが、不安なのだ。

「……」

 ふっ、と彼が笑う。

 情を湛えた微笑み。

 慈しむようで、愛でるようで、暖かな眼差し。

 だがそれは対等の人に向けられたものではない。

 その笑みは、愛玩動物に注がれる類のものだ。

(あぁ……)

 篭められた感情がなんなのか。

 それを正確に理解した白井は、

(それでも構いません……いいえ、捨てないでくださるなら、黒子は貴方の望む黒子になりますの……)

 哀願と媚びの視線で彼を見上げてから、そっと目を閉じた。

 家畜のように、ただ餌を与えられるのを待つ。


 彼がもう一度微笑む感覚。

 笑みの息が頬を滑り落ちると同時に、再び唇が合わせられた。

「んっ」

 今度は、ただ重なるだけではない。

 首の角度を変え、時に啄むように、時に左右に滑らせて。

 手を擦り合わせるように強く、しかしねっとりと濃密に唇を支配されていく。

 目を閉じた視界には、当然覆いかぶさる彼の姿が見えることはない。

 それでも間近にある体温と吐息は、彼に組み敷かれていることを実感させてくれる。

 股間を自分から晒した姿で男の下にいるのだと、どうしても意識してしまう。

(もっと……ほしいですの……)

 ドキドキと駆けはじめた動悸。

 乱れはじめた呼吸の中、唇を割って口内に侵入してくる感触。 

 彼の舌。


「んんむっ、んぁっ、ふぁん……」

 喜々としてそれを、己の舌で迎える白井。

 いつかのように絡んでくるそれを今度は抵抗することなく、逆に自ら進んで囚われていく。

 ぬるり、ぬるり、ぬるり。

「んんっ、んんぅっ、んふぁ……」

 口の中で吐息と唾液と、微かな媚声が混じり合い、溢れた余剰が漏れ零れる。

 吐息は鼻腔を擽り、唾液は頬を彩り、声は部屋の空気を艶めかせた。

「んぁっ……」

 彼の右手が髪から離れ、首筋をそろりと撫でた。

 続いて肩に添えられていた左手が胸へと滑る。

 ピクリと震える少女の身体。

 恐怖は微塵もなく、ただ不意な驚きと胸に湧いた期待によって。

(胸、もう固く……)

 自分の胸の先端が、キスだけで立ち上がっていることに気がついた。

 今までのように極力意識から外していたときと異なり、全てを受け入れた今。

 不安や嫌悪や畏れ、そして何より誇りと目的と失った心は、その隙間ゆえに逆に彼女にそれを気づかせるだけの余裕を与えていた。


「ぅんっ」

 左手が到達し、膨らみに押し当てられる。

 人差し指から小指までの第二間接を押し当てた手の形は、ちょうど掌の中央あたりが乳首に触れる格好となっている。

 手が動き出す。
 
 指先が鎖骨を左右に撫で、指の内側が膨らみを押し、そして掌が乳首を刺激する。

 それは薄さゆえに揉むというよりも撫でるに近い。

 連動して右手が首筋を上下にはい回った。
 
 それは場所ゆえか、触れるか否かギリギリの位置を保ったままの擽りに近い。

 それでも、

「んんっ……はぁ……ふぁ……」

 性感に直結する部分と、そうではない――少なくとも未発達のいまは――部分とを同時にせめられて、白井は身を震わせた。

「んくっ……んっ、んぁっ、あっ…」

 左手が一度円を描く度に、ぴくんっ、ぴくんっ、と白井が小さく跳ねる。右手が一度上下する度に、重なったままの唇の隙間から小さく喘ぎ漏らした。

 彼の目が細まり、口の中で舌が解かれた。

 上下の歯茎の裏をゆっくりと舌先がなぞってから、ぬるりと大きく糸をひいて唇が離れる。

 今度は白井も抵抗しない。

 なぜか――あるいは隙間だらけの心の余裕ゆえか――彼の意思がわかったからだ。

 声を聞きたい。

 そう言っているのだ


「はぁ、はぁ、はぁ、あ、ああっ、はぁっ」

 だから白井は我慢しなかった。

 今までであれば抑制していた衝動を、嬌声に変えて解放していく。

「あんっ」

 彼が右手も胸にあてがい、入れ代わりに首元に顔を埋めた。

 さっきまで口内を巡っていた舌が白い首を舐め、唇が吸い付く。

 吸われる肌。

「あっ、そ、それはだめですの……跡がついて……ばれてしまいますの……」

 少し困ったような声色と口調で、白井が首を竦めた。

「……」

 その言葉に彼の動きが止まる。

 唇も、両手もだ。

「ぁ……」

 途切れた温もり、白井が薄く目を開けた。

 見下ろしてくるのは、真剣な表情。

「だめか?」

 と、彼が問うた。


「あ、その……」

 承諾しなければ見捨てるぞ、というような脅しの意思は微塵も感じさせない、真正面からの瞳。

 美琴という取引材料も効力を失い、代わりとなる白井の心に訴えるわけでもない。
 
 その行動が意味するところを、先程と同様に白井は悟った。

 求められている。

 そうすることを。

 そうする自分を。

 それも強制ではなく、自身の意思をもって、だ。

(そう、ですの……わたくしは、上条さんのモノになるのですのに)

 今から、今までのようにこの身体を弄ばれて、そして今までとは違う過程と終わり方をするに違いない。

 これはその第一歩だ。

(……)

 トクン、と心臓が高なったのがわかった。

「……」 

 頬を染め、視線を外す白井。

 くい、と自分から首を晒した。


「ど、どうぞ」 

 掠れるような声。

「……」

 彼は無言のまま、再び首に顔を埋めた。両手もまた動き始める。

「んっ、ああっ、」 

 今度は逃げることなく、彼の為すがまま。

 ちゅっ、と枕詞のような音とともに、左鎖骨の上を強く吸われる。

「ん……」

(ああ……刻まれてます……上条さんの物という印を、衆人に見えるところに……)

 諦観とは程遠い陶然とした表情が白井の顔に浮かぶ。

 確実に跡が残るだろうほどの時間がたった後。

「あっ!? あっ、あっ、ああっ、あはあっ」

 その跡をなぞる動きを起点として舌先での愛撫が再開された。

 胸の手も変化する。

 ただ撫でるだけから、指先であるかなしかの乳房をこねる。
 
 尖った乳首を、人差し指と親指で優しく摘み、上下にリズミカルにしごく。

 これまでの陵辱は白井の身体を変化させていた。

 強いと思えるような、痛みを伴ってもおかしくない刺激を、快楽として入力できるだけのモノに。


「あっ、あっ、うぅんっ、くっ、ひあっ」

 はふ、はふ、と嬌声の隙間で呼吸を繰り返し、白井はその全て受け入れる。

 少しの痛みもなく、ただ『気持ちよい』と感じれる自分に一抹の戸惑いと、彼に変えられたという背徳的な喜びを感じながら。

「あっ、ああんっ、やあっ、んっ、んんーっ」」

 首と胸から注ぎ込まれる刺激はどんどん身体を廻り、全身の熱を高め、やがて下腹部に溜まっていく。

(すご……すごいですの……今までと、全然……)

 否定と忍耐に塗れた情事とはまったく異なる高ぶり。

 白井は己の吐息がはっきりと甘く熱くなっているのを感じる。

「ふぁっ、んんっ」

 彼の舌が、一度だけ顎(おとがい)まであがり、次いで首からさらに下がり始めた。

 左手はそのままに。

 右手は胸から離れ――何の手入れもなくとも滑らかな腋を一撫でしてから――するすると少女の左上腕に移動した。

「あっ、あっ、あっ」

 舌の動きを意識した白井の胸に、紛れもない期待が浮かび上がる。

 コクリ、と愛撫を失った喉がなった。


(今から、キスだけで固くなったような、敏感なところを……)

 唇で。

 啄ばまれ。

 舌で。

 舐られ。

 歯で。

 挟まれ。

「ぅんっ」

 ジン、と疼きが背筋を駆け上がる。

 与えられるだろう快感を想像した白井の、いまだ姿勢を保ったままの両脚の付け根がヒクと動き、クチ、と微かな水音をたてた。


「ぁ……」

(もう、濡れて……)

「濡れてるな、白井」

「っ」

 音が聞こえたのだろう。

 思った瞬間に告げられ、白井が反射的に彼を見る。

 今更ながら沸き起こった羞恥に思わず膝を抱える手を放しかけるが、

「いや、いいぜ? 俺がしたことで悦んでくれた方が俺も嬉しいからな。そのまま素直に感じてるところを見せてくれよ」

 彼はちらりと股間を見てから、左胸の先端を口に含んだ。

「あんっ、は、はい、わかり、あっ、わかりましたの、あっ、あっ、ああっ」

 乳首を舐められる感覚に喘ぎを漏らしながら、視線を天井に向ける。

 鏡張りの天井。

 視力のよい白井には、溶けかけた己が顔がはっきりと見えた。

「あんっ! あっ、あんっ、あぅんっ!」

(恥ずかしがらずに、わたくしははしたなく、淫らになってもいいんですの……そのほうがいいんですの……上条さんがそれをお望みで、それにもうわたくしは、何も隠す必要がないのですから)

 排泄を見られるという最大限の恥辱と誇りを棄てるという最上級の屈辱。

 それをもってなお自分を包んでくれた彼が、淫らな自分を望んでいる。

「んはぁっ、あっ、あっ、あっ、ああぁっ!」

(もっと見てください……もっと聞いてくださいまし……いやらしい黒子を……)

 じっとりと肌が汗を浮かばせ、ねっとりと秘裂が蜜を湛えている。

 それを実感しながら、白井は両脚をさらに開いた。

 秘裂が淫らさを讃えていることを彼により見せ付ける――いや、見てもらえるように。

        l |            ,r'´  ̄ `ヽ
        l |          /          \
        l |           /  ....        \
        l |       /   ::ヽ、::..   ... _ _   \-.、
        l |        l      ::::::r'´  ̄    ........:::::: l
        l |     │....     ::::l::               |
        | l       i´`ヽ::...     ::l::             |    まぁ、焦るこたぁない。じっくりといこうや。
       | |     |         ::l:::    ._:_::::::::::..  |    ここじゃ『焦らす』なんていつものことじゃないか……。
      l l     | _......_     ::l::   :r'´    :::..  |
      | |     ,r´⌒ヽヽ    ::l::   :i::  ___.. -‐ '"} ̄ ̄ ¨  ― -- 、
      l l     {    }ノ...__.::i::::.  -‐ '´ ○)_..  '"      _..  ‐''"
      | |    _.ゝ、__. < (○   _..  -‐ '´    _.. r‐''"
_   _. { l ‐ '"         ̄ ̄        _,,、rt爪リノ| |
`ヽ、 ̄  j l                _.. -==-ー--ッ}゙l‐、| |
   `` ―ハ ----r.r rョ―ァ‐t tッッ、爪`フ、‐tモテッラ" E}う.| |
      {ヽ.)    | |h{ヨ  `"¨ ̄ヲ      ̄¨¨´   E}シ| |
      ヽ、ヽ、.  | |ヽ{ヨ        ¦:          E}.ノ| |
         ヽ)} | |\{ヨ`    { ¦:       〃  E川.| l|
         {.l  | |  .{ヨ  ミ    ヾミ、. /    ¦   E川| ||
           ヾ .| | _lミl ¦     `"      、¦  ノ"川| |l|
  -- ‐_... = = ())))ニニニニニlニ>==‐''" ̄   /  川| |lF ‐=== = .._
  \\:: ==-‐::::| |:::::::::::| ::ヽ  ヾ ____     /  : 川| |l|:::::::::::::::::‐-==
   : :\\ ::::::::::::::| |::::::::::::| :: ヽ     ̄ ̄    /     : 川| |リ::::::::::::::::::::::::::::::
    : : : ヽ ヽ :::::::::| |:::::::::::::l ::  ヽ   ゙ Y ゙   /     :: |リ゙| |::::::::::::::::::::::::::/
  : : : : : :::ヽ、`ヽ、| |::::::::::::::l ::.  ヽ ___l___ /        :: |::::| |::::::::::::_:: ‐'´/


最初は『ラブ(偽)なんか書けないからキンクリ!』ってするつもりだったんだけど、なんか怒られそうだったから書いてみる。
まぁ苦手分野なんでな……ちょっとくらいの味踏みは、まぁ、こらえてつかぁさいや……。

そんなわけで次回!

>>1

パンツが大気圏突破した

うおおおおおおおおおおおおおおおお
どこまで焦らすんだああああああああ
乙乙!つ、次こそは!?

作者が一番鬼畜だった件

黒子かわいい

上条が黒子を調教するんじゃなくて、>>1が俺らを調教してるのか…
だんだん気持ち良くなってきた

いつもいつも更新分だけ読んでいるから最後のフィニッシュまで辿り着けない・・・・ぐぬぬぬ

Sなんて忘れちまったよ


これ黒子を捨てたりしないよな?

くそう、はよぉ

大人しく待たんかこの早漏め!

むしろもう黒子に調教されて焦らしプレイされたくなってきた俺がいる


 彼の左手は右胸に。

 彼の顔は左胸に。

「んっ……んあっ……んふぅ……あんっ」

 舌が動く度に、ぴくん、ぴくんと跳ねるは、白井の背。

 ぷくりと立ち上がった桃色の乳首はいま、彼に存分に味わわれている。

 物理的な快楽に加え、彼に望んで身を委ねているという、今までの自分に対する背徳感――たとえ心が変わろうとも記憶は消えない――がゾクゾクと白井の何かを刺激していた。

 その何かをマゾヒズムと呼称することまで、今の彼女は思い当たらない。

 乳首の根本。乳房との境界を、唾液に濡れた舌先がくるりと円を描き、

「あっ、ああっ」

 そこからなだらかな稜線を、少しだけ押すほどの圧力で、つ……と降りた後、

「やっ……んっ、んんーっ!」

 一転、舌全体で力をこめ、ゆっくりと舐めあげられた。

「んんっ、ああっ」

 そして弾力の限界で掬うように上がった舌の先端が、乳首を弾く。

「やんっ!」

 強い刺激。

 白井の股間から、くち、と新たな水音。

 それが消えるか消えないかの狭間に、彼の唇が乳首を覆った。


「んっ、んっ、んっ、あっ、はぁっ」

 グミのような弾力に負けないよう、やや強く甘噛む。

「くぅっ、んんっ、あっ、あっ」

 しかしそれは歯ではなく、唇のみの刺激だ。

 ふにふにと、むしろ唇側が押し負けているそれは、優しく、柔らかい。

「あっ、あっ、ああんっ」

 彼の左手が繰り返すこねる動きと対照的な、繊細な口の動き。

 そして快楽の喘ぎを繰り返す白井は、その中でふと気がついた。

 どちらかと言えば緩い動きにも関わらず、胸元を擽る彼の呼吸が速くなっていることに。

 それに気がつけば、他のこともまた気がつく。

 彼の体温が高い。

 彼の鼓動が早い。

 それが意味するところはひとつだ。

「……」

 自分を求めてくれている。

 興奮してくれている。

 ……欲情してくれている。

「んんっ」

 こぷっ、と股間が大きく蜜を吐いた。


 白井は胸元の彼の頭を抱きしめたい衝動に駆られ、しかしそれは叶わない。

 その腕は、脚を支えているから。

 だから代わりに、白井はもっと脚を――股を開こうとする。

 両脚がやや前に出た姿勢から、もっとよりM字を描くように。膝の外側が、シーツに着くかというほどに。

(ぁ……)

 とろり、と粘質の液体が秘裂の端から零れたのを感じる。

 開脚に伴ってさらに口を開けた秘裂が、湛え溜めていた蜜を支え切れなくなったのだ。

 重力に引かれた蜜の珠はぬるり蟻の門渡りを舐め、そのまま肛門に達する。

 そうした蜜はさきほどの『おもらし』のせいでやや腫れたすぼまりの、その皺に次々に染み込まれていった。

「あっ、あっ、あっ、ああっ、あああっ、んんんっ、ああっ」

 白井の声の質が変わる。

 快楽の吐露だけではなく、快感を予感し、望む色。

 媚びの響きだ。

 胸から入り込む痺れるような性感は、己が舌先が届かぬゆえに慣れていない。

 しかし粘液が肛門にまぶりつき、ぬめりを帯びるのは、紛れもなく慣れ親しんだ快楽の予兆。

 秘裂が吐き出す蜜が、さらに増える。

「んんっ、あっ、だめっ、んはっ、んくぅっ」

 白井の息はもう、甘い甘い桃色吐息。

 彼の黒髪を見る瞳は欲情と媚びに濡れ、餅のような柔らかさと滑らかさを持った尻は、快楽をねだって半ば無意識にシーツに擦り付けられ、むにゅりと歪む。


 ――と。

「白井」

 不意の声とともに、彼の口が乳房から離れた。

「はぁ、はぁ、は、はい……」

 快楽が途切れた胸に切なさを感じながらも、白井が尋ねる。

 やめないでください。もっと舐めてください。

 そう言うような視線には、かつて彼を睨みつけ、決して折れないと誓っていた勇ましさは微塵も残っていなかった。

「……」

 彼は何も言わないまま、白井に見せ付けるように、たっぷりと唾液を載せた舌を出す。

「あはぁ……」

 汚れた希望の光が瞳に点った。

 舐めてもらえる。また気持ち良くしてもらえる。

 はっ、はっ、と荒くなる白井の息。

 その舌は、彼女の見ている目の前でゆっくりと高度をおとし、ぺたりと、鳩尾に降りた。

「んっ!?」

 性感帯ではない肌の上。

 期待した快楽が与えられないことに、白井がせつなげな眼差しを送る。

 彼はそれに目を細めると、

「……」

 ゆっくりと、その舌を動かしはじめた。


 下方に。

「あ……」

 下に、下に。

 ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりと。

 視線を、白井から離さないまま。白井は、視線を逸らせないまま。

「あっ……あっ……」

 白井の口から細切れの喘ぎが漏れる。

 しかしそれは快楽によるものが原因ではなかった。

(そっちは、そっちにあるのは……)

 その源泉は、期待。

 このまま降りていけば、舌はどこに達するのか。

 胸から腹に。

 腹から下腹に。

 下腹から脚の付け根に。

 そしてそこから……。



(……)



 秘裂から蜜が溢れる感触。


「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ」

 快楽への期待は、ナメクジが這ったような跡が延びていくに従って痺れるような疼きになっていく。

 やがて跡は無駄な肉のない腹に届いた。

 そのまま、つぅ、と流れるように近づくのは、

「あっ、あっ、そこは、だ、だめですの、そこを舐めては、あん、ひゃうんんっ」

 形のよい臍に舌先が達する。淵をくるりとなぞり、唾液がとろりと窪みに流れ込む。

「やあぁっ、は、恥ずかしっ、ですのぉっ」

 臍を舐められる。

 すべてをさらけ出しているにも関わらず、みょうな羞恥心が沸き上がり、白井の頬をさらに羞恥の染が彩る。

 しかしそれでも白井は視線を逸らさない。

 普段は意識もしないところを、性的な意味をもって弄ばれる。

 白井はそのことに、羞恥と、えもいわれぬ背徳を感じてしまっていた。

「……」

 彼が口の端を歪めた。

 そして。


「ひゃあんっ!?」

 臍から離れた舌は、水切りの石のように一越えに、白井の脚の付け根に跳んだ。

 臍への刺激で気がそれて、それでなくても、今までのゆっくりとした動きによって腹の次は下腹と思い込んでいた白井は、その刺激に対応しきれない。

 驚きと、無自覚に起こった快楽の予感に、白井の手が緩んだ。

 脚を支えていた手が離れ、左右のシーツに着地する。

「あっ」

 慌てて手の位置を戻そうとするが、

「ひゃっ!?」

 それよりも早く彼の両手が両の太ももを押さえた。

 普段は自分でも触れることの少ない太ももの裏に指が食い込む感触に、白井が大きく震えた。

「はっ、はっ、はっ」

 中途半端な位置で手を止めた白井は、同じように太ももを押さえたまま、右足の付け根――女陰部分に辛うじて入らない位置――に唇をつけたままの彼を見る。

「……」

 彼は唇を押し当てたまま白井の目をしっかりと見返すと、

「……」

 そこを啄ばみながら、徐々に、徐々に、左方向に顔を滑らせていく。


「あっ、あっ、あっ、あっ」

 彼の頭がずれていく。その先にあるモノは、もはや考えるまでもない。

 白井は両手を、手首を逸らせ、肘を曲げ、ちょうど掌が頬に当たるか否かのところまで引き寄せて。

 動くたびに高まっていく期待に、小さく声を漏らすのみ。

 動きは遅い。一度肌を啄ばまれた後、ほんの数ミリだけずらされ、また啄ばまれる。

 ジリジリと近づくその行為の意味を、焦らしだと理解するだけの思考は、いまの白井にはない。

 いまもトクトクとひとりでに蜜を吐き出すはしたない秘裂に、いずれ彼の唇は到達する。

 そして必ず、そこを舐められるのだ。

 蜜を舐めとられ、陰唇を弄ばれ、そしてまだ誰の侵入も許していない『そこ』を舌先で嬲られ。

「ああっ、ああっ、ああっ、ああっ、ああっ」

 白井の両手の指がもどかしげに空気を掻く。

 唇が近づく。

 もはや触れている領域は、ただの肌から性感に繋がる部分に変わっていた。

 啄ばまれるたび、顔がずれるたび、神経には弱い快楽が響いている。

 しかもそれは、だんだんと大きくなっていっていた。

 そして――

 ちゅるっ、と音が響き、

「っ!」

 がくんっ、と白井の顎がのけぞった。



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                  ヽ '':::ヽ:ヽ ヽ,,. !/ .::::::ヽ::::::::::ヽ :ヽ::::ヽ|     な な 方
                   ヽ..._::::ヽ:::ヽ.... ' ::ヽ::i、:::ヽ::::::ヽ ヽ:::::|.     い く└
   苦 オ い 覚        .,,,-'':::::、:::ヽ::::::'''::::: | ヽ/ ̄ ̄ ̄ヽ     っ っ

   手 レ い 悟        .(::::::、:::::::::::::::-:::::::::/              て ち
   だ は か は         ヽ::::、:::::::-:::::::::/  だ つ  ┐      の ゃ
   !    ?           ./:::'''::::::::::::: -::/    な ら こ      .が あ
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                 ./::::::::::/     .|       .ろ  ト
                                     の



そんなわけで死ぬほど難しいこの一連の流れ。
過去から今に至るまで濃厚なラブエロ記述の経験がないので、結構悩みつつ悩みつつ。
まぁここで経験と勉強不足を把握できれば収穫か。

とりあえず、たぶん次回には突っ込めるかな……うん、たぶん。
じらしてないよ!(Working!の種島さん風に)


パンツ下ろしたまま動けないよ

>>603

 後ろ手に手錠を嵌められ、脚は足首を縄で縛られ、口には布を噛まされ、ベッドに仰向けに転がされ。
 そうして見上げるのは、自分の両膝を跨ぐようにして立つ、ツインテールの少女。
「どうされたんですの? そんなに怯えた顔をして」
 彼女の顔に浮かぶのは、余裕の笑みと、ほんの僅かな興奮。
 それは補食者の表情と言い代えてよい。
 何をするつもりだ。
 そう言いたいが、声にはならなかった。
 口は、薄い何かの布でさるぐつわを噛まされているのだから。
「ご安心くださいな。わたくし、風紀委員ですの。手荒な真似をするつもりは毛頭ありません」
 クスクスと笑い、 
「まぁ、いまの状況がすでに手荒と言えばそうなのですが」
 ゆっくりと右脚を――細く、すらりとした脚を持ち上げる白井。
 ここはベッドの上だ。
 片足をあげてバランスを取るのは容易ではない。
 にも関わらず彼女は平然と、腰に手を当て、右膝を90度まで曲げた姿勢を取り、そのまま維持している。 
 脚の意図を知ろうと、視線をあげ――
「!」
 ビクリ、と身体が震えるのを自覚した。
 要因は二つ。
 ひとつめは、いまの白井の体勢が、まさにこちらの股間を踏み潰すのにちょうどよい姿勢であると言うこと。
 そしてもうひとつは、
「ふふ」
 こちらの視線に気がつき、妖艶と微笑む少女の、そのスカート。
 脚を持ち上げた拍子にふわりと持ち上がったその下に、あるべき布がない、ということ。
 見えたのだ。
 いや、見えているのだ。
 否、見せ付けられているのだ。
 何も履いていない、スカートの、その中を。
「どこを見てますの?」
「!」
 やゆの声。僅かに不機嫌な口調。
 危険を感じ、慌てて視線を逸らす。
「あら、目を逸らしてもよろしいのですか? わたくしが、これから脚をいつ、どこに降ろすのかを見ずとも」
「!?」
 歌うような声。少しだけ楽しむような口調。
 畏れを覚え、あわてて顔を元に戻す。
 不意の衝撃よりも、まだ自覚のある衝撃を。来るのがわかっていれば、堪える準備もできる。
 だから『その場所』とともに、少女の顔を見上げるしかない――見ると言う行為が、彼女の牙を磨くことになるかもしれなくとも。
「……大きくなっておりますわね」
 少女がこちらの股間を見ながら言った。
 常盤台という誰もが知る名門校の制服の裾から覗く、中学一年生の秘裂。
 なんの陰りもないそこはただ縦の筋のようで、しかし、それはオンナの部分であるのだ。
 欲求が、状況とは裏腹に男性の生理現象を促してくる。
「まったく……わたくしのような子供の身体に欲情するなんて、本当に救いようがない方ですのね」
 視線と言葉に嫌悪が混じったのがわかった。
 慌てて動こうとする。踏み潰すならば、まさにこのタイミングだ。
 だが。
「ふふ」
 少女は一転、笑みを浮かべた。
 圧倒的な精神的高さから、こちらの目を覗き込んでくる。
「怖いでしょう? おそろしいでしょう? 殿方の最もデリケートを、踏み潰される恐怖に曝されて」
 一息。
「でも安心してくださいまし」
 白井は一度足首をくるりと回したかと思うと、
「きっと癖になりますのよ?」
 笑みを浮かべたまま、脚を踏み降ろした。

>>603

「!」
 思わず目を閉じる。歯を食いしばる。
 そして響いた衝撃は、

 ふにゅ

「!?」
 まったく、弱いものだった。
「大丈夫、ですのよ?」
 まるで羽根のように、ただ置くだけのように降ろされた足は、恐怖に少し萎えかけた陰茎に、ズボン越しに触れるのみ。
 靴下をまとった彼女の足親指の裏が、亀頭の丸みに沿うように当てられているだけだった。
「っ、っ、っ」
 口の布がなければぜーぜーと呼吸しているだろうこちらの顔を見て、クスクスと白井は笑った。
「いやですの、そんなに息を荒くされては」
 見下ろしてくるは、興奮が大きくなった流し目。
 少女が唇を舐める。
「……貴方のお口の中に、わたくしのニオイが染み付いてしまいますのよ?」
 するりと、白井は左手で己の秘裂を撫で上げた。
「!」 
 ドキリ、と心臓が跳ね上がる。

 ――いま突っ込まれているこの布は、まさか

「そうですの」
 あっさりと頷く白井。
「ですから、あまり一生懸命吸い込まないでくださいまし。今日は体育があったのですから」
 いいながら、彼女の右足が一度上下に動いた。
「っ」
 ジワリ、と陰茎から伝わる刺激。
 見える少女の秘裂。口と鼻腔に広がる甘酸っぱい香り。そしていましがた響いた直接的な快感。
 それらすべてを無視できるほど我慢強くない。
「ご存知ですの?」
 再び足が上下する。スカートが動き、見える。
 こちらの動揺を無視して白井が続けた。
「人は、苦痛はある程度耐えられますの。当たり前ですわよね? 苦痛は命に直結するのですから、耐えられなければ生きていけません」
 再び足が上下する。呼吸が荒くなり、布の――白井の下着のニオイが、さらに強くなる。
「でも逆に、与えられる快楽に抗うことは容易ではありません。特にそれが与えられ、中途半端に止められてしまうのは、いっそ苦痛と言えますの」
 再び足が上下する。グニグニと足指が波立つように動き、快楽が強くなる。
 彼女の足の裏にある怒張は、もう圧力を跳ね返そうかというほど、膨らみきっていた。
「恥ずかしいですわ。汗に塗れた下着のニオイを胸いっぱいに嗅いで、スカートの端から秘所を覗き見ながら、わたくしのような子供に足でここを扱かれて、こんなになってしまっているなんて」
 左手の指先をねっとりと舐める白井。
 紅い舌が指に絡む光景に股間がさらに膨らみ、少女の足を押し返す。
「また大きくして……情けないですのね。男の意地も沽券もないのですか?」
 ぐりん、と足をひとまわし。
 痛みは一切なく、的確に快楽だけを与える絶妙な力加減に、下着で塞がれた口の奥から我知らず声が漏れた。
 ふう、と白井はため息。
「まぁ、いいですの。むしろ手間が省けて好都合ですし」
 そして笑う。 
「いまからたっぷりと、躾てさしあげますの」
 妖艶に、挑発的に、そして、淫靡に。
「せいぜい、愉しませてくださいまし?」



……こういうのは得意なんだけど。

ってageちまった! ぎゃあああああ!

うおおおもっと踏んでくれぇ~~~
おまけも乙です

このスレから始まって堕ちたり壊れたりする黒子を見るのが最近たまらん訳で

※中学1年生です

※登場人物は全員18歳以上です

世の中の世知辛さを垣間見た

10万13歳ですね、わかります


「はんっ! んああっ! んあぁ! あっ! あっ! あっ! あああっ!」

 白井の口の端からよだれと喘ぎが零れる。

 脚の付け根のちょうど中央。とくとくと蜜を吐き出す秘こうの左右を、上下に動く柔らかな感触は、今まで以上にダイレクトに快感を白井に提供していた。

「ひゃあんっ! あっ! ふあっ! ああんっ!」

 陰唇の右側を舐め上げられ、左手を強く握る。

 左側を舐め下ろされ、右手がシーツを掴む。

 蟻の門渡りを擽られて腰が跳ねる。

 鼻先で陰核を押し潰され、腰が引ける。

 上下だけではなく、秘こうを中心に右周り、左周り。

 舌先や鼻先で線を引くようにすることもあれば、舌全体や、それこそ口で陰部を覆うようにしながら、顔を振る。

「んはぁっ!」

 耐え切れなくなり、左手もシーツを掴んだ。

 右手がシーツを握ったまま上に反り、皺を深く刻む。

 そのタイミングを図ったかのように、彼が口を付けたまま、ぐっ、と両腕を押した。

「きゃっ!」

 白井の身体はその圧力を柔軟性で対処する。

 結果として白い背中の、腰後ろ辺りまでがシーツから浮き上がる。

 そうしてできた、シーツと白井の背中の隙間には、彼の膝が滑りこんだ。

 屈曲位。

 直後、今まで『そこ』の周囲を巡っていた彼の舌が、にゅるりと膣口に差し込まれた。


「ひあっ!」

 すぐさま舌はのたうち始める。

「んんんっ! あああっ! んはぁっ! あっ! ああんっ! んんっ! ああああっ!」

 上下、左右、前後、方形、円形。

 もはやスライムのごとく柔らかくなった媚肉と、奥から溢れ出る白濁した愛液を残らず舐め取ろうかというように縦横無尽に、しかし、決してある一定以上奥には入らぬように。

「ああっ! ああっ! あああっ!」

 快楽は波のように身体を巡る。

 しかしそれは漣ではなく、津波のような大きな痺れ。 

 今までに秘裂は何度も弄ばれた。膣口を舐められたことだってなかったわけではない。

 だがここまで膣口の中にまで――たとえそれが純潔の証に届かない範囲だとしても――何かの侵入を許したことはなかった。自分を慰める時でも、もし万が一という恐怖のために中に触れることはなかったのだ。

 未知の感触と、

(舐めっ、中っ、気持ちいっ、っ、っ、もっ、イッ、あっ)

 そうまでされているという認識が、感じる悦楽を助長する。

 全開の蛇口から水を注ぐがごとく、快楽は瞬く間に白井の許容量を満たしていった。

「あっ、だめっ、だめっ、だめですのっ! もうっ、ああっ!」

 ビクビクッとシーツを掴む左右の手の、その肘が引き付けられる。

「あっ、あっ、ああっ! ああぁっ! くるっ! きますっ! あっ! イクっ! あっ、あっ、イクますのっ! イッちゃいますのぉっ!!」

 絶頂はあっさりと訪れた。

「イクっ! あああああっ!」

 押さえられたままの両脚をピンと伸ばし、白井が大きく震える。

 腰が無意識に突き上がり、彼の顔が媚肉に埋まる。

 膣口が差し込まれた彼の舌をぎゅうと締め付け、締め付け、締め付けた。

 一瞬だけ、音が室内から消える。


「はっ」

 白井が息を吸い込み、

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 重力に引かれて、力の抜けた脚が降りてくる。

 引き寄せていたシーツも、ゆっくりと皺を失っていった。

 だが。

「あっ!?」

 ぐりんっ、といまだ差し込まれたままの舌が円を描いた。

 掻き出された蜜が肛門に垂れるのを感じると同時に、再び舌が動きはじめた。

「あっ!? ああっ!? 待っ、わたくしっ、もうっ、あっ、あっ、あっ!」

 絶頂に達し、敏感になった秘裂は即座に反応し、再び白井に快楽を注ぎ込む。

 まだ降りきっていなかった身体は、容易にさきほど駆け上がった位置にまで白井を押し上げた。

 左右に激しく首を振る。ツインテールが解け、白いシーツの上に髪が広がって綾を為した。

「駄目ぇっ! イクっ! またっ、あっ、ああんっ、イッちゃいますっ! イクーっ!」

 再びの絶頂。

 両脚は指先まで伸ばされ、シーツは破れるほど引っ張られる。彼の舌は、それこそ手で握られるほど強く締め付けられた。

「あっ……! かっ……! はっ……!」

 身体の硬直は数秒。 

 一度目よりも長く、深い絶頂の前に、白井は白を通り越して、眩しさを覚えた。

「あっ……、ああっ……はぁぁぁ……」

 そして白井が、嵐のような快楽から再び意思の世界に戻り――

「はひぃ!?」

 だが、それでもなお舌は止まらなかった。


(っ!? っ! っ!! っ!!!)

 もはや白井にはまともな思考をする余裕がない。

 閃光が頭の奥で激しく明滅するような感覚に、全身に力をこめ、嬌声をあげ、髪を首を振り乱す。

 そうすることは彼女の意思ではなかった。

 少しでも己を保とうと、無意識のうちに限界を超える快楽を逃がそうとしているのだ。

 だが痙攣でもするかのような上半身に対して、太股と尻の境目を彼の両手で強く押さえられて固定された下半身は、快楽を真正面から受け止めざるをえない。

「おねがっ、もっ、ゆるしっ、あっ、くあっ!」

 白井が尻を上下に振る。

 それは逃れようとも見える仕種だが、この状況では逆効果だ。

 だがその意図はともかく、尻が動くことは結局、溶けた秘所を彼の顔に押し付け往復させることにしかならなかった。

 三度目の絶頂。

 屈曲した体勢でありながら背中を反り返らせる。

 もはやあげる声もなく目を見開いた少女の秘裂から、白濁の蜜とは別の透明な液体――潮が吹き出し、彼の前髪を濡らした。

「っ、っ、っ」

 二秒と、少し。

「――――はあっ! ――――はあっ、あはあっ、はぁあっ」

 全身から力が抜けた白井は、くたりとベッドに身を投げ出した。

「……」

 そこまで待ってから彼は舌を膣口から引き抜き、唇を陰唇から離した。

 次いで太ももを押し上げていた手からも力を抜く。膝を少し開いて身を引くと、彼の両足の間に、白井の尻が滑り込むように軟着陸した。


「はあっ、はあっ、はあっ、あっ、はっ、ああぁ」

 理性の光を失った表情で天井を見上げながら激しい息切れを繰り返す。

 天井鏡に映っているのは、両のふくらはぎが彼の肩にそれぞれかかった仰向けの自分。

 もちろん彼女はそれに羞恥を感じるだけの意思がない。

 今の彼と彼女の体勢が、どういう行為の正に直前に見えるかなど、判断がつくはずもなかった。 

「はあっ、はあっ、あはあっ、はあっ、んんっ、はああぁ」

 苦しげに息継ぎをしながらも、白井の顔にあるのは蕩けた多幸感。

 快楽の余韻にモジモジと腰を動かしながら、うわごとのように喘ぎの名残を、甘く熱く染まった吐息とともに吐露し続けた。

「……」

 彼はそんな白井に声をかけることも、髪を撫でることもしようとせず、肩にかかった彼女のふくらはぎに手を回して、逆に上から脇に抱え直した。

 ぐっ、とそのまま引き寄せる。

「ふあっ」

 秘裂に何か熱く硬いものが当たる感触に白井が喜色を滲ませた声をあげた。

 解けたツインテール。髪の先が汗で頬に張り付いて、口元で唾液と絡まって幸せの表情に淫靡な色を追加している。

「はぁ、はぁ、あ、わ、わた、くし……?」

 呼吸が落ち着きはじめて、ようやく白井の顔に理性が戻り始めた。

 何も映していなかった瞳に光が灯る。

「……」

「上条、さん……?」

 ぼんやりと彼を見上げてから、呟く白井。

 不思議そうにいちど首を傾げかけて――一気に視線の焦点が結ばれた。


「あ、わ、わたくし、いま……」

「ああ」

 彼は薄く笑い、

「俺の顔だけじゃなくてベッドがビチャビチャになるくらいだったぜ?」

 尻の下にあるシーツの感触は、湿っているというよりも濡れていると言っていい状態だ。

 そして記憶が途切れる直前までの自分の状況と、微かに残っている、何度も達した感覚。

「~~~っ!」

 白井が、両手で顔を覆い、さらに背けた。

 汗の浮いた首筋に浮かぶキスマークが映える。

「じゃあもういいか?」

「え……」

「いいか?」

「あ、あの……?」

「……」

 無言のまま、白井の脚を抱え直す彼。

「んっ!」

 股間に当たったモノが動き、小さな快感が走る。

 ぴくっ、と白井の肩が震え、

「ぁ……」

 そこでようやく気がついた。

 いま自分の秘裂に当たっているものが、なんなのか。

 そしていまのこの体勢が意味することが、なんなのか。


「……」

 こくっ、と口の中の唾液を飲み込んだ。

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「白井」

 名を呼ばれた。

「は、はい」

 返事をする。声が震える。身体が震える。

 彼が告げる。

「今から、お前を犯すぞ」

 『抱く』でもない。

 『もらう』でもない。

 女性の幻想を殺す言葉を投げ掛けられ、白井は確かに息を呑んだ。

 今から彼にこの身を汚される。

 自分の尻に、口に突きこまれた、あの太くて硬くて熱いモノで。

 純潔を散らされる。



(……っ)



 ゾクリと背中を走るは背徳――本当に堕落したのだと言う実感。



 ドキリと胸に響くは期待――もう後戻りができないという予感。





 ジワリと心に染み込むのは安堵――彼に全てを委ねることへの。

 甘い。

 甘い。







 依存。




「……」

 すうっ、と息を吸い込み、白井は彼を見る。

「はい」

 頷く。

 彼女は、自由になっている両手を股間にそろそろと伸ばすと、

「黒子を犯してくださいまし」

 『そこ』を左右に引っ張った。

 くちゅっ、と水音が響く。

 眉根を下げ、媚びと欲情に塗れた表情で、

「黒子を、お好きなように、してくださいまし」

 と、白井黒子はそう言った。


 最初は押し広げられる感触。

 それはすぐに、中を割り開く感覚へと取って代わる。

 彼の袖を掴む手にひとりでに力が入った。

 入り口を越え。

 先ほどまで舌を差し込まれていた位置を超え。

 そして、その奥にある――

 そこで、一度止まった。

 数秒。

 何かあったのか。

 ぎゅっ、と閉じていた目を開ける。

 落ちてくる視線。そこには情がある。

 口付けをされていた時と同じモノ。

 ほんの僅かだけ感じた哀しさは、誰へのモノか。

 捨ててしまった敬愛する相手か。

 堕ちてしまった自分にか。

 それとも、彼のその眼差しに対してか。

 だがそれはもう考えない。これ以上考えない。これから先は考えない。


 もう自分の大事なものはなくなったしまった。

 今後、もし何か見つけることがあったとしても、絶対にそれを確信することはできないだろう。

 だって自分はもう捨てたのだから。嘘だとわかったのだから。

 あの想いは命よりも大事と思い込んでいただけだったと、思い知らされたのだから。

 彼だって、自分の大事なモノではない。そんな不遜なことを思うわけにはいかない。

 彼は、壊れた自分を拾ってくれているだけなのだ。

 だからその『情』――ナサケだけを貪ればいい。

 雛鳥のように与えられるのを待つ。そして与えられるように、彼にすがりつく。彼の憐憫と愛玩を得られるように。

 再び目を閉じる。

 暗くなった視界で、彼が笑う気配。

 嘲笑う気配。

 自分の有様が、彼の自尊心を満足させた。

 ただそれだけで満足を感じ、口元に安堵の笑みが浮かぶのがわかった。

 再び嘲笑の気配。

 ついで、止まっていた己の中の彼が、ぐっ、と前に進んだ。





「あっ」





「あっ、あっ、あっ」





「あ……ああああああっ!」






 常盤台中学校学生寮。

「ん……んぁ……あふ……ん……んん……」」

 艶やかだがくぐもった声と小さな水音が、数十分前から響いていた。

「ああっ、あっ、あぅ、ん、はぁ」

 ベッドに寝転がるのは、赤毛の少女。

 ルームメイトからは『子供っぽい』と評される下着だけをつけた姿。そしてその下着と肌の間には、左右それぞれの手が滑り込んでいる。

 左手は胸。右手は股間に。

「んっ、んぅっ、んふっ、あっ、あっ、んんっ」

 普段の彼女――第三位であり、常盤台のエースと称される彼女からは想像もできない、甘く蕩けた声。

 誰にも聞かせたことのない嬌声は、徐々に熱を高め、音を高め、そして、

「んんんっ! んんんっ! イクぅっ!」

 胎児のように身体を丸め、ビクビクッ、と震える美琴。

「あっ、はっ――」

 詰める息を最後に、刹那だけ部屋から音が消え、

「はあっ、はあっ、はあっ」

 息切れが再び響き始めた。


(はぁ……またやっちゃった……)

 右手を下着から引き抜き、目の前に。 

 トロリとした透明な粘液が絡み付いている。

(今日は遅くなるって黒子から連絡があったから、つい……)

 この寮は二人部屋だ。はっきり言って、こういう風にベッドで出来る機会はほとんどない。

 基本的にはシャワー室(流石にトイレは自重)で行うが、寝転がれない上、あまり時間をかけられないのだ。

「ん……後始末……しなきゃ」

 ぼんやりとしていた虚脱感を振り切り、身を起こす美琴。

 遅くなる旨の連絡があるときの白井は、本気で遅い。具体的には門限どころか就寝時刻もすっとばすほどに。

 だからこのひと時は、いつしか美琴にとって己を慰める時間として機能していた。

 しかしそうは言っても、シタ後は早めに後始末をすることにしていた。

 なにしろ白井は空間転移ができる上に、仕事が早めに終わることもないではない。

 連絡があった上で早く帰ることができる時などは必ず携帯に連絡があるのだが、過去に一度夢中になりすぎてそれに気がつかず、事後直後に帰宅されて非常に焦った経験があった。

 そのため、最中は必ず直近に携帯を置き、終わった後はすぐに後始末をするように決めていた。

 今日は携帯はなっていない。だからすぐに後始末を――




 トントン



 ノック。

「!?」

 

 ガチャリ



 ドアが開く。

「!!??」



「っ!」

 右手を見る。

 蜜が付着しっぱなし。

 下着を見る。

 股間部分が、濡れたまま。

 室内の空気。

 声を漏らさないために窓は閉めていたので、ニオイが。



「ただいま戻りまし――」

 白井が、ドアの向こうから顔を出し、

「だああああああっ!」

 バリバリバリ! と破裂音にも似た音が大きく響いた。


 寮内の能力使用で寮監に見つかる前に手を洗って強引に制服を着込んで液体入浴剤をわざと零し、そして寮監に見つかって15分正座した後。

「お、お姉さま、わたくし、何かしまして?」

「ご、ごめんね黒子」

 ベッドに寝ている白井の腕をマッサージしながら、美琴は頭を下げた。

 幸いというか、以前からの慣れもあって白井に怪我はなかった。しかし流された電流は、慌てていたこともあっていつもより出力が高かったようだ。

 スタンガンを食らったあとのように、まともに身体が動かないらしい。美琴への罰が正座15分で終わったのも、白井の面倒を見ろ、という意味合いが強いのだろう。

「ちょっと、着替えてたところだったからびっくりしちゃって、つい、ね」

 不自然ではない理由を捏造することに罪悪感を覚えないでもないが、まさか本当のことを言うわけにもいかなかった。

「そうでしたの……いえ、それではわたくしも返事を聞く前にドアをあけてしまいましたし……そもそも連絡を忘れておりましたのが悪いので、お顔をあげてくださいまし」

「う、うん」

(……禁断症状を誘発するかと思った)

 むしろこっちを気遣うようなことを言われて驚きを禁じえない。

 一時期納まっていた変態的行為も、ここ最近は蓄積が爆発するような形で何度か発揮されていた。

 だから着替えの言葉に反応するかとも思ったのだが。



「……お姉さま、何を考えてますの?」

「うぇっ!?」

「わたくしが禁断症状を出すとでも考えたのではありませんか?」

「あ、な、そ、そんなこと考えてないわよ?」

「ふふっ、そうでしょうか?」

 微笑みを浮かべる白井。その笑みを彩るように、髪が一筋、サラリと頬を撫でた。

「っ」

 ピタリとマッサージしていた腕が止まる。

 完全にこちらの思考を読んだ言葉と、

(な、なんて綺麗に笑ってんのよ。子の子ったら、いつの間にこんな)

 何よりも同性であるのにドキリとする微笑に、動揺を隠し切れない美琴。

「……お姉さま」

 不意に、白井の真剣な声。

「な、なによ」

 笑顔からいきなりまじめな視線を当てられ、さらに動揺する。ついドモリが入ってしまうのはご愛嬌。

「……」

 だが自分から話しかけておきながら、白井は口を閉ざした。

 美琴を見るその眼差しは、どこか哀しそうで、しかし何か決意を秘めた、不思議な視線。

 それは確か、以前カフェで見た『決意の表情』に似ていて、決定的に、何かが違っていた。

「? 黒子?」 

 妙な色を持つ瞳に、美琴の中に違和感が生まれ、

「その……お、お手洗いにいきたいのですけれど……う、動けませんの。肩を貸してくださいませんか?」

 ガクリと美琴が突っ伏した。


「よっ、と」

 肩を貸して立ち上がる。

 白井の方もまったく動けないわけではないらしい。こちらにあわせて身を起こそうとしてくれたので、比較的簡単に立ち上がることができた。

「よし、じゃあ行くけど、いい?」

「はい、お願いしますの」

 なんとか体勢を整え終えた。

 ヨタヨタと"妙に脚を気にする"白井とともに、備え付けの化粧室に向かう。

 ほんの数歩進んだところで、

「……ありがとうございました、お姉さま」

 と、白井が言った。

「何言ってんのよ。元々私が悪いんだから。こっちこそごめんね黒子」

 苦笑とともに目を向けると、恥ずかしいのか、白井は目を閉じている。

(ま、そりゃそうよね)

 連れて行かれるだけとはいえ、トイレのお願いというのは恥ずかしくないわけがない。


「……」

 白井は横目で、己に肩を貸してくれている美琴を見た。

 美琴はこちらの視線に気がつくことなく、転ばないように注意しながら、バランスを取ってくれている。

「……」

 ふと、白井の表情が曇った。

 白井のその横顔に、ほんの僅かだけ浮かび上がった、煩悶の表情。

 おそらく、美琴が白井を掬いあげることができたかもしれない、最後のシグナル。

 それを、

「ととっ、あぶな」

 美琴は、まったく気がつくことが、なかった。

「……」

 ゆっくりと、目を閉じる白井。

 美琴は、気がつくことが、なかったのだ。

  l ー,,  く` 、._ )
  ヽ | ``'ー i、 〉 \
   ヾ `-、// /  乙    流石にこれ以上引き伸ばせないからちょっと強引にまとめてみた!
   │   / │   ゙|゙l"'ー、、 
i、  ,/    |   l゙,/.,,‐`'`'''i、'i,ヽ    次にラブエロを書く時はもっとクオリティ高いのを書いてやる楽しみに待っててくれっ!
│.,i     ヽ_彡-ilニ--_  .〕 l ,!
''''゙゙ ,,,,,,,''ゞ `,,,,,,,,,,,, ``―i,,,,,,i´ _,,-‐''゙/⌒`ヽ

 ^ 'レ=″  i;;;;;;;/,-ニニ   ,iシ''ヽ,/  广  ヽ
^'-‐~,、   |;;;;;;| /"- 、 i      `''く  |ニミ l |⌒ヽ     ____
  ,ィ "    |;;;;;| i ( ●/`'-,,、     \「'(┘|  〉\   / ソ'"`''ニッ"\/
''''"v‐     'l;;;;| ヽ_' ノ,i     `'丶   \ ) ! l l   l/ ,,/ ^゙二二___
  |ノ     、|;;;ト`~彡'  、,,、       \/ヽ,,l゙   /  ,;;‐'/ニニ ヽ、ヽ
 ,/,     ゙l,'ー'、      ._,,`'         ヽ ゙|  / /  /   ,√ ゝ
r二彡.  ..,`ヽ,ミ ̄ ;;;;;;;;;;;;;; / `\         ゙l l゙ " /   /l'' ̄`''、ノ |
  /ッ、、 ` ' ニ,_ ;/'"゙゙ニ#l  r'"i`ヽ、       l | l /   ,| `―-'ン、  '' ̄
ー'゙゙l゙ _,>' ノ ノヽ|〈__ | ノ i´ ノl,、_      | / | .l  /`ヽ_,,ィi'ノ  
 /´l ヽ r'´|イ` 'ノ ヽ;;;;;;;;;,| `i 〉,i´/ `'''7r,,、  l 7,r゙‐'┴-、, ゙―‐ツ′   
 |  \  .!'゙l-ぐ-、   ゙l゙i |__i´〈 `_/ /   `  /,i´ `ヽ      フ 、    /
 | /.,二ッ-,,,`-,゙'',,,,,   ̄``ー ソ,゙'''-,,,、    /|l"l    i      l  `ミ、 ,,/ 
 ゙i  l'" .,-''''フヽ`'- ̄'‐.  `'-、,,`"'‐、   / i' /   |      ヽ 、 `ノ
  | ノ  |''''t'''゙ <´ ヽ , `''-,,`'''''''く,"゙^゚~_,,, ノ  レ'   ,/\      `,エ     /
  |/ |   |  ヽ' \├ `ー-,,,_゙'ー、___ y '' // /  `、_ ノ ,! く――x;´ ヽ,__/

というわけで流石にグダりそうなので、ちょっと旅情的にまとめてみた。
映画的に言うと、ブラック背景で声だけとか。絡み合う脚だけとか。
文章でこれやるのはマジで実験してみるしかないのでなー。
まぁ、上記の康一くんの言うとおりだ……こらえてくれ……。


さぁて、あとは『その後』を1エピソードですかね?
どんなラストにしようかなぁ……。

では次回、最終回で!

おい



おい
待ってるよ

>では次回、最終回で!

なん…だと…?
最終回ももちろん濡れ場はありますよね

ホミャア~//マロカァ//

ふぅ…


ハイパー賢者タイムの俺は全てをあるがまま受け入れるしかないのであった

次で300レスも投下するのか
期待

おいおい作者黒子が挿入されてアへるシーン貼り忘れてるじゃねえか

一番大事なとこ貼り忘れるなんてどうしたんだよ

できれば黒子にとってハッピーエンドになって欲しいな

 《 《  《  《  《  《 ,_||__,--||--___________

\》 》  》___》__||--||~~||~ ||   彡  ;;;;;;;;;;;;;;;;
  (___》,,,--';;;\(((/;;;;;/(,,,,,,,,   )) 彡   二   あ  う  う
 Oヽヾ_-_,-ヽ,( ミ;;/,ノ~'''__-,,_, ノノ彡  二     ん  う  :

   /--~~''"iiノ;;ヾミ;;ヽ二~ヽ""´ノ  ミ //)     ま  う  :
 O/;;;/;;;iii/ ;; \;ii;;\ .)..ノヽヽ   //ii /     り
  .(/;;;iii;;;;(___,,,--,;;)ii|ヾ;;;;;;;|  | |   ;; |;; /      だ
//ヽ/\ヾ-'~~ ,_, "ヽ;;;;\ ||   ii_)ii )      ぁ
  ノ ( (\-,__,-'~  ) )ヾ;;;;;;;;| | ./;;;;)/ヽ      :
 ノ ノ~~└└└└( (  |;;;;;ii\/;;;/~ヽノヾヽ

     .\;;;;;;;;;;;;;(___;;;;;;;>- |;;;;;iiii(;;;;(     ) )
     __|,>┌┌┌ /  ..|;;;;;;iiiiiヾヽ,,____ノ /
     ('' 二''--,___ ノ  _,-~~´~ \, .  ノ
     > ii~~~--   /iiiiii       ~~~~
     / ii    __./iiiiiii
     ~'-~'----’'ヽiiiii
            \

あー、ごめん最終回をさ。書いてたんだけどさ。
一応ラストのエロスに気合いれてたんだけどさ。ラブエロ(偽)じゃないわけだし。

なんつーかさ。パソコン様がさ。青い画面だしてくれてさ。
結構必死こいて書いたエロスがさ。軒並み吹っ飛んでさ。
すごい勢いでテンションさがった上にもう一回書き直すこと考えたらすごい落ち込んだからさ。

つまり何が言いたいかというと、モチベーション回復までちょっと時間ください。
とても一日二日で回復できそうにないので……あぁ……諸行無常……。


誰だよ最終回見たくないからって>>1のPCにサイバーテロかけた奴は
少年忍者吹雪丸じゃねーんだぞ

ホムゥ…ホムホムッ!

SS書いてるやつのパソコンってデータ吹っ飛びやすいの?

>>652
そりゃすごいスピードで文字打ち込んで添削してんだから大変よ

わたしま~つわ~

いつまでも

♪待つわ

まだかよ


 抜けるような青空の下、いつもの公園のいつものベンチに、美琴は腰をかけていた。

 座った彼女の隣には、いつもの蹴撃で吐き出されたいつものヤシノミサイダーが汗をかいている。

 缶の数は二つ。両方ともに口は開けられていない。

 いつものようにさっさと飲まず、気温にあてられて温くなるのに任せているのは、何より美琴自身がいつもの彼女からはほど遠い心持ちだからだった。

 真っ赤に染まった顔を伏せ、両手は握って膝の上。肩は力がはいりっぱなしで、前髪には時折紫電が走る。

(お、落ち着きなさい私。ちょ、ちょっと買い物に行くだけよ? そ、そうよ、黒子たちと一緒にいくのと、全然変わらないんだから)

 この状態の原因は簡単だ。

 今日の午後、上条と買い物に行く。

 その約束のせいである。



「手紙を書いてみてはいかがでしょうか?」



 事の発端は、一昨日の、白井の発言。

 白井突然帰宅ビリビリ事件から約二週間。

 どうやら本当に淑女化に成功したらしい白井に、そう提案されたのだ。


 カフェで彼女の決意を聞き、上条相手に素直になろうと決めて奮闘していた美琴だったが、何しろ今までが今までで、そして美琴は美琴である。そう易々と上手くいけば苦労はない。

 会っていきなり喧嘩腰になるようなことはなくなったものの、あまりにも鈍い対応しかしない上条に、結局喧嘩(というか美琴が一方的に攻撃する)になってしまう日々。

 対する白井はもう禁断症状も起こさず、かつ、美琴を敬う態度は前以上。しかもあれほど嫌っていた上条にも「二度も体調不良を助けて頂いたのですから悪い方ではないと思いますの」と理解を示す見事な変化ぶり。

 後輩は成長し、自分は成長が見られない。

 そんな風に落ち込んでいた内心を、どうも見抜かれたらしい。

 手紙という提案には当初、この学園都市で何をアナログな、とやや否定的だった美琴であったが、言いたいことだけを言葉にできるし、何より『先に書くので見直しできる』という利点を説明されて考えを変えることにしたのだ。

(だ、だけどでも、やっぱり……は、恥ずかしい、わよ)

 ポケットの中にある封筒が気になって仕方がない。

 なるほど、確かに文章にするのは有効だった。ぎゃーぎゃー悶えながらも、普段は言えない感謝の気持ちを言葉にすることができたのだから。

 少なくともこの内容を面と向かって言うのは、

(ぜ、絶対無理……)

 文面には色恋を匂わせる内容は一切入っていない。というか、何度も何度も何度も見直して極力その要素は排除した。

 それでも普段から憎まれ口しか言えない美琴にとっては、照れ臭いやら恥ずかしいやら。手紙を入れる封筒を茶色の業務用封筒にしたのは、せめてもの抵抗と言うか、意地というか、照れ隠しである。

 そんな有様なので、渡すことを想像する以前に、自分のそんな言葉が明確な形でそこにあるというだけで平静ではいられなかった。

 いっそ渡さないという選択肢も散らつかないではなかったし、それはそれで魅力的な考えだったが、

(黒子にここまでしてもらっといて、渡さないわけにはいかないし)

 流石にそんなことをすれば、白井に顔向けができない。

 彼女がそれくらいで自分に幻滅したり、友人であることを止めたりしないとは思う。

 むしろこれは意地や面子、そして何より、白井に置いていかれたくないという美琴の内面の問題である。

 そもそも、今日これからの買い物の予定だってそうだ。これは美琴が段取りしたのではなく、これまた白井の助力に依るものである。

 手紙を書き終えたあと、今度はそれをどうやって渡すかで二の足を踏みまくっていたところに、どこをどうしたのか上条に渡りをつけてきてくれたのだ。


(そ、そうよ! あの黒子がここまで気を遣ってくれてんだから! ちょっと買い物行って、で、別れ際に手紙渡すだけなんだから!)

 キリッ、と表情を整えて顔を上げる美琴。

 そうだ。考えてみれば手紙を渡すだけなのだ。

 それも、何度も推敲した言葉を、だ。まともにお礼を言うよりも、ずっと正確で、誤解がない。

(それにアイツのことだから、絶対この手紙で変な誤解はしない! そう! 私は純粋にお礼を言いたいだけで、それ以外のことなんて、ぜんぜんないんだから!)

「……」

 脳裏に浮かぶのは、夕日の公園。

 約束は午後から。

 買い物に行き、それから適当にフラフラとして、おそらくこの公園に戻ってくることになるのだろう。

 それから、渡すのだ。ポケットにある、この封筒を。手紙を。

(……)

 だが、手紙を渡すだけで終わらなければならないことはない。

 手紙を渡して、その上で、何か言うことがあっても、それは美琴の判断によるものである。

 何を、言おうとも。

「ぜ、ぜんぜん、な、ないんだから。べつに、そんな、アイツに伝えたいこと、なんて……伝えたい、なんて……」

 ゆっくりと俯きながら、膝の上で両手の指をモジモジと擦り合わせる。

 制服上着の裾から覗く腕時計が指し示す時間は、午前9時。

 約束は、午後。

 13時から、である。


 同時刻。

 スキルアウト御用達のホテルの一室。

 水音が響いている。

 何かを舐めているときに起こるであろう、水音が。

「……ってことは、佐天って娘の方はそれなりに順調なんだな」

「んっ、ぷあ……はい、大丈夫だと思いますの。この二週間で、7回は成功しておりますし」

 ベッドに腰掛けた全裸の彼の両膝の間で、その股間に顔を埋めていた制服姿の白井が口を離して返事をした。

 頬にかかった髪を掻き揚げ、耳にかけながら彼を見上げながらも、その繊手は起立したペニス――彼女自身の唾液に塗れている――に絡み、ゆるりと上下に動いている。

 手の動きに合わせて、ツインテールが小さく揺れ、指の間から跳ねた唾液とカウパー氏腺液が、常盤台中学校制服の胸元に染みこんでいった。

「じゃあ明日からは」彼はちらりとベッドのサイドボードに目を向け、そこに置いてあるカプセル型錠剤を見た。「あれを『投与』するんだ。それをまた二週間続けてくれ」

 『投与』。

 あの日。

 心が折れ、そして救われなかった日から二週間。

 白井は、彼の命令で佐天涙子の体内に媚薬を転移させ続けていた。

 涙子が飾利に会いに支部に来るたびに、遅溶解性のカプセルに入った媚薬を、だ。

 流石に毎日ではない。しかし、この二週間で言えば7回ほど。

 おそらく涙子は『投与』された日の夜、とても身体の疼きを抑え切れなかったはずだ。そしてまた、回数を重ねるごとに、自らが貪ることのできる快楽が増大していくことに気がつき、戸惑い、そして――期待しているはずである。

 その心理が、白井には手に取るようにわかる。何しろ、自分が歩んでみた道なのだから。

 明日からはそれがさらに効果の強い薬に代わる。

 佐天涙子はどうなってしまうのか、それは想像に難くない。そしてそれがどういう意味を持つのかも。

 だが――

「はい、わかりましたの」

 頷く白井。

 その瞳には、一切の迷いがなかった。

 友達で、仲間を裏切っているというのに。

 言われたことをそのまま実行しようとする、純粋な承諾だけしか、そこにはないのである。


「……」

 彼は、ふっ、と微笑み、ツインテールを解かないままの彼女の頭に、ぽん、と手を置いた。

 それの意図を正確に解釈した白井は、すぐに唇をペニスに寄せる。手淫は口淫に移り変わり、水音が再び部屋に響き始めた。

「んぷ……んっ……んんん……」

 口を開くというよりも、唇で陰茎の直径よりも大きめの円をつくり、そこに挿入するように口内に迎え入れる。

 反り返っているため、上あごの内側に先端が触れた。白井は正座の脚を少しだけ浮かせて、上から覆いかぶさるようにして、さらに奥に。

 顔を左右に傾けて口内粘膜に擦り付けながら、ギリギリまで飲み込んだときには、鼻先が彼の陰毛に触れていた。

「ん、んぐ、んむ……ん、んむ、んんん……」

 何も言われないうちに、少女の頭が前後を始めた。

 後ろに引くときは唇を締め、飲み込むときはやや開く。その間にも、口内ではペニスの幹部分に舌を絡め、また、左右に動かす。

 口で作った空洞の中を動かすというよりも、吸い付くようにする口淫。

 最初はゆっくりと。徐々に、徐々に、本当に徐々に早く。

 じゅる、じゅるとすする音。口の端から顎を使う唾液を空気とともに口内に戻し、それを使ってさらにペニスを刺激する。

「んっ、んぶっ、んぐ、んんっ」

 奉仕を続けながら、白井は左手を彼の右太ももに置いたまま、右手を床についた。

 少し腰を浮かした正座から、両脚を後ろにずらし、四つんばいの状態に体勢を変える。

 そしてそのまま、膝と左手で身体を支えながら、右手をスカートに包まれた自分の尻に当てた。

「んぐ、んん、むぐ、ちゅぶ、ふぅん」

 そのまま、撫で上げるようにしてスカートの裾を捲り上げる。

 下から現れたのは、彼女が好む薄い下着ではなく、白く丸い尻。

 いや、正確には尻がよく見える――いわゆるTバックという種類のものだ。

 元々アダルティな下着を好む白井だが、この手の下着をつけたことは、いままでなかった。

「言い付けどおりだな」

 彼が目を細める。声には褒める響き。

「んっ、んちゅ、ちゅっ、ちゅっ」

 いったん口からペニスを抜き、亀頭にキスの雨を降らせる白井。潤んだ瞳には、彼の言葉に対する喜色が浮かんでいた。

 彼の視点から尻の円みがよく映えるように、さらに腰を後ろに突き出す。尻たぶの合わせから細い布地部分が覗くのが、えもいわれずエロチックだ。

 白井の目の前で、彼のペニスがヒクと震えたのがわかった。


「んふっ」

 れろん、と根本から先端まで舐めあげ、再び口の中に咥え込む。

「んっ、んんっ、んふっ」

 そして先ほどよりも早い調子で頭を前後させる。

 ぐぷっ、ぐぷっ、という空気の音とじゅるじゅるという水気の音が、白井の唇から何度も響いた。

 口内のペニスが熱さと硬さを増していく。

 添えた左手が感じる彼の身体には、やや力が入っていた。

 絶頂が、近い。

 だから白井はもっと強くしようと――だがそこで、頭に乗せられたままの右手に、ぐっ、と力が入った。

「ぅんっ!」

 無理やり前後運動を止められ、白井がうめき声を上げる。

 彼はそのまま右手を伸ばし、「んんっ、ぷぁ……」彼女の口からペニスを抜いた。

 その拍子に太い粘性の橋が唇とペニスの間にかかる。

 引いた唾液の糸はすぐに、その中央で己の重みに耐え切れず、切れる。

「はぁ、はぁ……ど、どうされたんですの? わたくし、何か粗相を……?」

 口元に右手を当て、白井が問うた。

 彼を見る視線には先ほどとは打って変わって、見たものが惨めさを感じるであろうほどの、不安と媚び。

「……」

 彼はそれに何も応えないまま、つい、と視線を白井の背後――部屋の壁に向けた。

「ぁ……」

 それだけで、彼の求めているものを理解する白井。

 表情が、ぱっ、と明るくなった。



 そこに手を突け。



 彼はそう言っている。

 決して、自分が何か失敗したわけではないのだ。

 そして、その体勢が今、何を意味しているか。


「はぁ、はぁ、はぁ」

 白井は立ち上がり彼に背を向け、指示どおり壁に両手をつき、スカートに包まれた尻を突き出した。

 壁に跳ね返って己の鼻に香る吐息は、甘く甘く甘い。

 その甘さにさらに身体が昂ぶるのを感じながら首を巡らし、背後――彼に潤んだ流し目を送る。

 濡れた情欲と、嘲笑いたくなるような媚びと、屈服の悦びを湛えた隷属の視線だ。

 調っていながらも幼さの残る彼女の顔立ちは、頬の赤みと相俟って、異様なほどの淫らさを映し出していた。

「……」

 彼が立ち上がる。

 引き締まり均整の取れた体駆の中心でそそり立つペニスに、白井の喉がコクンと動いた。

 一歩、二歩、三歩。

 彼の足音が響くごとに白井の中の衝動は、疼きは、強くなっていく。

 無意識に腰が左右に動き、呼吸は、はー、はー、と早く深く変化していった。

 たった二週間。

 あの日から、15日足らずの間。

 その間に与えられた媚薬は、性感と性欲を促進し。

 その間に行われた野外露出や性具をつけての生活は、彼女の常識と理性を覆し、背徳と被虐と屈服の快楽を教え。

 これまでの抑圧からの解放は、彼女に堕落の道を否定させず。

 何より、全てを彼に委ねる安堵と捨てられる恐怖を知った精神は、彼の望みのままでいることを無上の悦びだと、白井に認識させていた。

(あぁぁ……垂れてますの……わたくし、いやらしいですのぉ……)

 くりん、くりんと尻が小さく円を描く。

 彼の指示で履いた、尻を覆う面積がほとんどない下着は、その布地の少なさゆえに吸水量も応じて少ない。

 貫かれることを想像し、太ももの内側を蜜が垂れていくのがわかった。

 そして彼の両手がスカートの上から尻を掴む。

「んぅっ」

 ぴくん、と顔をあげる白井。

「くぅんっ……んっ、んんっ……」

 まだ薄く、しかしオンナの柔らかさの予感を感じさせるそこを乱暴にこねられて、白井は小刻みに身を震わせた。


「なんだよ白井。期待してたのか?」

 彼の手によって布地がこすりつけられたからか。

 尻の丸みに沿って甘やかな曲線を描くスカートの、その中央付近が、じわりと濡れていた。

 下着がほとんど吸い込んでいないとはいえ、スカートにまで染みるだろう蜜の量は、とても今しがたの愛撫だけとは思えない。

「あ、は、はい……期待して、いました……」

 はにかみ、頷く白井。その仕草はまるで純情な乙女のよう。

 しかしそこに篭められているのは、爛れた感情のみ。

「いつからだ?」

 彼はさらに問う。

「あはぁ」

 白井が甘い屈服の声を上げた。

 曖昧に誤魔化すことも、許されない。

 だから白井は正直に口を開く。

「ご奉仕している時から、ずっと、疼いておりましたの……」

 言った瞬間、背筋をえもいわれぬ感覚が駆け上がった。

 己の浅ましさをはっきりと自覚させる、それは背徳と被虐の痺れ。

 そして、痺れに反応した膣内がさらに蜜を吐き出していく。

 白濁したものが混じりはじめた液体が、太ももの内側から膝まで伝いおりていった。

「……」

 彼は声をたてないように笑む。

 そして、ペニスの先端をスカートの向こう側にある、秘裂に位置に向けた。

「あんっ!?」

 不意に秘裂に固い感触を得て、白井はその白い背中をうねらせた

「んっ……んっ……んっ……んくっ……」

 分厚いスカート越しにグリグリと押し当てられ、白井が肩を震わせる。

 常盤台中学校指定スカートの、ちょうど股間に押し当てられている部分の染みが拡がっていった。


 名門校で、おそらく、ほんの少し前までは白井の誇りの一部であった制服に、淫らな紋様が刻まれていく――そして白井がその行為から逃げることなく、むしろ積極的に尻を押し付けてくることに、彼の笑みはさらに深くなる。

 そして、

「あっ!」

 スカートからペニスが離れると入れ替わりに、彼の手がスカートの裾から入り込み、剥き出しの尻たぶを掴んだ。

 払いあげるようにしてスカートを捲くり、白桃のような丸みが顕わにするとともに、腰後ろにある横紐の部分、ちょうどTの字の交点に指をひっかけた。

 真上に引く。

 一度、二度、三度、それ以上に。

「あっ、あっ、上条さん、んくぅっ、あっ、だ、だめですのっ……」

 くいっ、くいっ、と断続的に下着が食い込み、ニチュ……ニチュ……と水音がなった。

 後ろ側と違い、前側部分は紐というほど細くはない。しかし腰のT字部分が浮き上がるほど引っ張られたら、前側も相応に食い込むというものだ。

「はみ出てるな」

「や、やぁっ! そんなところ見ないでくださいましっ!」

 下着が食い込んだところ――秘裂に食い込んだ下着の両脇から濡れた媚肉がはみ出す様に視線が当たるのを感じ、羞恥に頬を染める白井。

 しかし彼の指は止まらない。

 むしろ少女の反応を楽しむように、何度も、強弱をつけて下着を引っ張った。

「んんんっ、んっ、んはぁっ、あっ、あっ、あっ、ああぁっ」

 白井の吐息の熱があがっていく。

(ああぁ……すごいですの……気持ちいいですのぉ……アソコも、お尻の穴も……)

 瑞々しく柔らかな唇から、だらしなく涎を零し、快楽に身を浸す白井。

 秘部に食い込み――いや、むしろ秘部が咥えこんだかのごとく埋まった下着は、その前側布地を以って陰核と膣口を、そして元より紐状の後側で十分以上に開発された肛門を、同時に刺激する。

 とろぉり、と布の脇から糸を引いて床に落ちる蜜。すでに白井の身体は男性を迎え入れる準備は整いきっていた。

(でも、でも、上条さんがわたくしを苛めてくださるのはきっと、)

「ひゃぅんっ! ああんっ! んくぅっ! あはあっ!」

(見てください……見てくださいましぃ……わたくしが浅ましく快楽を貪るところを……わたくしのだらしない絶頂の顔を……)

 ビクビクと白井の身体が小刻みに震え始め、目の前が真っ白になっていく。

 絶頂の余震。

「あっ、あっ、あっ、あっ」

(イク……イク……イッてしまいますのぉ……!)

 ごぷっ、と陰口が、下着を押しのけるように白濁の蜜を吐き、

「いくぞ白井」

 だが、そのタイミングをまるで待っていたかのように、彼の指がT字部分を横に引っ張った。


「えっ、あっ!?」

 媚肉がねじれ、毛色の違う快楽が起こり――

「ああああああああっ!?」

 辺りはばからぬ大声をあげて仰け反る白井。

 ずらされた下着の紐の、その真横。

 陰唇を割り開いて、胎内を進む 熱く、硬く、太い感触。

 そして尻たぶには、彼の下腹部の感触。根元まで埋まっている。

 しかしそれは即座に動き出す。

 細いウエストをがっちりと両手で押さえられたかと思うと、パン、と音が響いた。

「んはぁっ!」

 電流のように入った快感に白井が目を見開いた。喘ぎとともに唾液が壁に散る。尻の間からは、蜜が弾けた。

 腰は動き出し、それはどんどん勢いを増していく。

「あっ、あっ、あっ、ああっ! ああああっ!」

 一突きごとに、嬌声は高く、早く、甘く、熱く。

 いっそ乱暴な動き。

 しかしそれを身に受ける白井の声には一片の苦痛なく、ただ快美感のみ。

「んんんぅっ! あっ、ああっ! 激しっ、激しいですのっ!」

 二週間の調教の間、数え切れないほど咥え込んだゆえに、白井はもはや交わりの快楽を余すことなく享受することができるように変えられていた。

「んはぁっ! いいっ! 気持ちいいですっ! ふぁぁっ! んんんああっ!」」

 暴力的と言ってもいい快楽の津波が股間から背筋を駆け上がり、脳の天辺に達してから全身を巡る。

 前後運動はとまらない。

 腰をあわせて拍子をとろうにも、完全に腰を固定された白井には叶わぬ行為。逃れる術なく、細い身体をただくねらせた。

「っ」

 彼が歯を食いしばる音が、パンパンと肉と肉がぶつかる音と、グチュグチュと粘質の音が鳴る音と、

「あっ、ひっ、あはぁっ! ぅうんっ! ああっ! あんっ! あぁんっ!」

 白井の喘ぎの影に響く。


「どうだ白井。気分は、どうだ?」

 荒い息を押さえつけるように彼が問う。

「んんんっ! 気持ちいいですっ! 気持ちよくてっ、とけてしまうそうですのっ! もっと、もっと激しく黒子を突いてくださいましっ!」

「はははっ、今のお前、半月前にお姉さまお姉さま言ってたお前からは想像もできないよな。男に突きぬかれて、尻振ってさ」

「い、言わないでくださいっ、そんなっ、ああっ、前のことっ、ひああっ、もうわたくしはっ、わたくしはっ!」

「わたくしは、なんだよ?」

「んあっ、わ、わたくしはもうっ、上条さんのモノですのっ! ああんっ、黒子は今もっ、お姉さまをっ、敬愛、しておりますけれどっ、ああっ、今のわたくしはっ、貴方のモノですのっ! 貴方のためでしたら、なんでもっ、しますのっ!」

「……本当か?」

「んっ、んんっ、んぁっ! くぅっ、ああっ、はいっ、はいっ、本当ですのっ! お姉さまをっ、ああんっ、貴方に売ることだってっ! なんだってっ!」

「じゃあ」

「ああんっ!?」

 彼は腰の動きを止め、白井の背中に覆い被さった。

 はー、はー、と続く呼吸音の中。

 髪の間から覗く小さな耳に唇を寄せ、囁く。

「もしも俺以外の誰かに抱かれろって言ったら、どうするんだ?」

「え……」

「お前、今から外に出て行って、適当な誰かを誘惑して、抱かれて来い。……そう言ったら、従うんだな?

「そ、それは……」

 白井の瞳が僅かに泳ぎ、

「どうするんだよ、白井?」

「はうっ!」

 再び腰が打ち付けられる。

 先ほどよりも、まだ早く、強く。

「ふぁぁぁっ! わたくし、わた、くしっ」

(べ、別の男……!? 上条さん、以外の……!?)

 頭を垂れ、己の脚の付け根がたてるグポグポという音を聞く白井。

「あっ、あっ、あっ、あっ」

 その胸の内が、

(見ず知らずの殿方に、犯され――)



 ――路地裏で、スキルアウトの集団に輪姦される、己の姿



「あっ」

 危険な屈服感に、確実に疼いた。


「ああぁっ!」

 白井がかぶりを振る。

 しかしその仕草は、己が胸の内を否定するものではない。

 その証拠に、壁に向けられている白井の顔に浮かんでいるのは、明らかな陶酔の表情。

 ごぷっ、と完全に白濁した蜜があふれる。

 そして続く言葉は、

「あああっ、しますっ、わたくし何でもしますっ! 上条さんのためなら、誰にでも、何でもっ! ああっ! ああっ! ああああっ!」

「――ははっ、今の言葉忘れるなよ?」

「はいっ! 忘れませんの! わたくしはもう貴方のモノですの! あっ、あっ、あっ、も、もうダメですっ! イクっ! もうっ、イっちゃいますっ!」

 ぎゅうっ、と膣が、己の内部のペニスを締め付けるのがわかった。

 そしてその締め付けゆえに快楽がさらに増し、そして、ペニスがぐぐっ、と膨れたのも把握させる。

「いいぞ、イけ。俺も出すぞ」

「く、ください! 精液、黒子の中に! 黒子の一番奥に、たくさん出してくださいっ! ああ! あん! あん! あああっ」

「くっ!」

 彼が息を詰める。

「イク、イク、イク、イク、イきますのっ!」

 白井の全身に力がこもる。

 同時。

「あっ!?」

 どっ、と爆発するように、白井は身体の奥に、何かが撒き散らされる感触を得た。

 熱い。

 その感覚が、白井の理性を焼ききった。

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ! 中に! 中に出てますっ! ああああああっ! イ、イクぅーっ!」

 がくっ、と海老のようにのけぞり、白井は大きく開けた口から絶叫と涎を垂らし、絶頂した。

 ヒクッ、ヒクッ、ヒクッ、と何度も何度も痙攣し――やがて、唐突に動きがとまった。

 一秒と、半分。

「ああぁぁぁ……あぁぁぁぁ……」

 直後、全ての悦楽を味わいきった白井が己を支えきれず、崩れ落ちた。

 部屋の絨毯の上に、倒れこむ白井。
 
 その格好は、つぶれたカエルか何かのような、みっともない、情けない、ガニ股のうつ伏せ。

「あ、ああぁぁぁ、ああぁ、あ……ああああぁぁぁ……」
 
 その股間から。

 流れ出る蜜と膣の力加減と、そしてその量によって。
 
 こぷっ、と精液が吐き出され、床に、白溜りを作った。



 その『荷物』が部屋に届いたのは、白井が目を覚まし、腰がたたないまでも、上半身を床から起こしたときだった。

 不意になった、部屋の内線電話。

 電話をとった彼が、頼んでいたルームサービスが来た、と言って全裸のまま部屋を出て行き、そして戻ってきたときに抱えていたのが、その『荷物』だった。

 彼が、どこかに手を回して『準備』させたらしい。

 その『荷物』がなんなのか、白井には一目でわかった。

 それは白井にとって、よく見知った相手だったのだから。



「んーっ! んーっ!」

 両手首は後ろ手に、両足首は揃えて、それぞれ布で縛られ。

 視覚はアイマスクに、言葉はボールギャクで封じられ。

 両の耳たぶは洗濯バサミのように挟む形のイヤホーンが装着されて、白井にまで聞こえるほどの大音量の『喘ぎ声』――おそらく美琴に似たビデオのものだ――が流されている。

「んふーっ! むぅぅぅ! んんんっ!」

 そして何より、彼女の頬と、その口元と、両の太もも。

 頬は真っ赤に染まり。

 ボールギャクの穴からは唾液が流れ。

 太ももはせわしなく擦り合わされ。

 薄手のブラウスとチェックのスカートで包んだ幼い体躯をクネクネと動かし続ける、明らかに媚薬を与えられているのだろうその少女の頭には。

 まるで花瓶か何かのように、大量の花飾りが乗っている。

「初春……」

 己が置かれた状況への混乱と身体の中で渦巻く欲望に身悶える少女――初春飾利を見ながら、白井はぼんやりとその名を読んだ。

 今日はお互いに非番の日。

 確か涙子と予定があわなかったので、一人で買い物に出る、と言っていた記憶がある。

「んふーっ! んんんーっ! んんんんーっ!」

 荒れ狂う性欲と快楽への渇望に堪えられなくなったのか、飾利が身を捻り、俯せになったかと思うと、ベッドにグリグリと股間を押し付けはじめた。

 しかし、ホテルのグレードとしては不釣り合いなほど上等なベッドは、真上からの圧力を効率的に逃がしてしまう。また、揃えられた両脚ゆえに、その刺激は極めて限定されたものでしかない。

 ただ、スカートが捲れてしまうだけである。

「んんんっ! んんんんんっ! んんんむむむっ!」

 花飾りの頭をブンブンと振り乱す彼女は、己の境遇まで思考が回っていないようだ。

 まるでまな板の上の鯉のように動く少女をちらりと見てから、彼はその隣に腰を下ろした。

「確かこの娘も美琴やお前や、あと佐天だっけ? その友達だったよな」

 質問の言葉だが、口調は確認、そして声には確信の色。 

「は、はい」

 飾利のあまりの暴れ具合に若干驚きながらも、すぐに頷く白井。

 彼は、ふん、と鼻を鳴らすと、白井に向けて己の両膝を開いてみせた。


「ぁ……」

 愛液と精液に塗れたペニスを向けられて、白井の顔がトロリと解ける。

 先程、荷物を取りにいってしまったためにお預けにされた『後始末』。

 コクンと唾液を飲み込んだ白井が女の子座りのままズリズリと彼に近づき、

「お掃除、いたしますの」

 股間に顔を埋めた。

「はむっ、んっ、ちゅるっ、んちゅ……」

 目を閉じ、ペニスに舌を絡めて粘液を舐めとる白井の顔からは、もはや飾利に驚いていた表情はない。

 前後するツインテールの頭に再び右手を置き、彼は隣の転がって未だ股間をベッドに擦り付けようとしている飾利に視線を向けた。

「白井。俺はこれから美琴と会ってくるからさ」

「んっ、ふぁい」

 答えながらも、白井の口淫は淀みない。

 当たり前だった。

 彼の指示で、今日の彼と美琴のデートを設えたのだから。

「お前、俺が帰ってくるまで、この娘を楽しませてやってくれ。ギャグは取ってもいいけど、目隠しやイヤホンは取るなよ? お前がやってるってわからないようにな?」

「っ」

 一瞬、白井の動きが止まった。

(わ、わたくしが初春を?)

 自分の手で。

 自分以上に幼く、まだ情欲という言葉はかけらも似合わない彼女を。

「……」

 わたくしが。

 初春を。

 この手と、舌と、身体で。

 彼女に快楽を与える。

「っっっ」

 ゾクゾクと、白井の背筋を快感とも畏れとも異なる感覚が貫いた。

 それは白井の中に潜む支配欲。

 白井の瞳と頬が確かに笑みを浮かべる。


 美琴を陥れようとしていることも。

 涙子に『投与』していることも。

 結局、彼の命令で、最後は彼が手を下すものと考えていた。自分がその一部であっても、直接的に、という感覚は、どこか空ろだった。

 しかしこれから行うことは違う。

 彼の命令というところでは同一でも、飾利自身をどうしてしまうかは、白井の裁量にかかっているのだ。

 快楽を与えることも、与えないことも。

 焦らすことも、欲望のままに求めさせることも。

 汚すことも。奪ってしまう、ことも。

(初春を、わたくしの自由に……)

「んっ、ぷあ……」

 白井がゆっくりとペニスから口を離し、彼を見上げた。

 そして、まるで犬かなにかがじゃれるように、目の前の『綺麗になった』男性器にほお擦りをしながら、

「はい、黒子に、お任せてくださいまし」

 と欲望と興奮に塗れた声で、白井は言った。


「……」

 シャワーを浴び、服を整えてドアノブに手をかける。

 ノブを捻り、ドアを開け、外に一歩踏み出したところで、彼は背後を振り返った。

「ああんっ! あっ、あっ、あっ、ああっ! す、すごいですっ! ああっ! いいですっ! 気持ちいいですっ! ふああっ! もっと! もっとしてください!」

「うふふ……可愛いですの、初春……たっぷり愛してあげますから、楽しんでくださいまし……」

 嬌声とともに震える少女と、それに絡む少女。

「……」

 数時間内に、花飾りの少女はこれまでの生活では想像もしなかった快楽を知ってしまうのだろう。

 数週間後に、花飾りの少女の親友だという少女は、これまでの自分が信じられなくなるほどの欲望に取り付かれるだろう。

 数ヶ月後にはきっと、美琴の3人の友人たちは、今までとは考えられないような、淫らな関係で結ばれているのだろう。

 その中で。

 ただひとり、夢見る少女でありつづける美琴は、どうなるか。

「……」

 彼が、声もなく笑う。

 彼女たちの友情が、どんな幻想で終わるのかを想像し。

 彼は笑う。

 白井はこんな風に変わった。

 涙子は、いま変えられつつある。

 飾利は、これから変えられる。

 そして。

 美琴は、どんな風に、変わるだろうか。

「……」

 彼は、音もなく、笑い続ける。



      __∧/|/  ヽ//
      \   こ  終 ∠、

        >  の わ   >
      <   話  り    ゝ
       .>  完  ッ    二=-

       .. ̄>.!  !   >
        .. ∧/~\  /\|     ./

     ..,,_,_/,|.~|    \/   ,,___,.  /
 . ,__,-/;(|,__,)'~)~" .,_______、  /,,  "'/ ;i
,/,,,, |;;;;(,:::_,-~",)..'~,-'''''''' ~~'-/.;;",,,,  / :;;ii
(  ""\;;;(  ;;-~,')"   .   ;i;'''" "/ .;:;;iii
ヾ;;;;;;:""\ヾ,_;,-~;;;;;      .;i   /  ;:;;iii
  ヾ,,___;;;;;二"ノ;;;;;;;;;;;;,,,,,,   ,,,,,;;,,/ i::::;;;iii/

   ~''-,____,-'~'-,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,_,-;;/,,,  ;;;ii/
                  /;; ''''';;;;i/
                 /i;;,,,:::::::;;;/
というわけでお疲れ様でした。
このお話はこれにて終了です。

最後、白井完堕ちあたりからちょっとグダッたかなー、という反省はあれども、まぁ、完結できてよかったよかった。
ラブエロ気味なのはやっぱ苦手ですな。要修行というところで。

いやしかしこれ、本気で終わりまで書くとはおもわなんだー。
そもそも最初が乗っ取りで『こっそり書いてやろうふひひ』とか思ってたらうっかりageちまってこっそりも何もなくなったのはいい思い出。
そんな感じで始まったから、最初は本気で着地地点考えてなかった。
なんとか再構成して、せっかくだし練習してやれ、と色々書き方試してみたり、ついでに『書き手の想定外』ということで安価でルート決定してみたりと、個人的にはよい勉強になり、また楽しかったですな。

というわけで思い出話を書き連ねるのもなんですので、このくらいにしときましょうかねぇ。

ってなわけで、読んでくださった方々、ありがとうでした。
数日したらHTML化依頼出す方向で。

では、またどこかで。



そして次回は、

「た、滝壷さん? ど、どこを超触って、ちょ、待っ」
「きぬはた……かわいい……」

みたいにAIMを妨害されて能力の使えない絹旗とレズもいける滝壷さんのお話……いや、書かないけどね。構想はしたけど。


蛇足もなくスッキリ終わって良かったよ
乙でした~

┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ

乙でした。すごかった… 黒子可愛すぎる…
絵を見たい

乙、エロかったぜ!

乙、次回作はレズ物か

乙!
ゲス条さんは久々だな
3人の方も見たかったがそれこそ蛇足になるから諦めるか

そっか、黒子これから輪されちゃうのか
公衆便女にされちゃうのか
くうううううう

乙~
調教モノの堕ちる過程やっぱいいものだ

ふぅ…
いや、楽しませてもらったよ

それをまわすなんてとんでもない!

神SS乙でした
こんなにムラムラしたSSは久しぶりだったぜ
ねちっこい描写がたまらない




では次回作もまってます(ボソッ

ここまで調教モノを上手く書けるやつはじめてみたわ

くっそーーー
美琴で抜こうと期待してたのに!!

乙!

乙でした
これは次回作に期待するしかないですね。わっふるわっふる

ふぅ…




やるじゃん

>>687
俺は佐天さんで抜こうとしてた

いちもつ

11月に始まったのが5月末に終わったのか。長かったけどいい作品だったわ
改めて乙

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