QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」2(1000)



前スレ: QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307255457/)


注意!

このスレは、「魔法少女まどか☆マギカ」と「ボボボーボ・ボーボボ」のクロスオーバーSSスレです。
まどマギ側のキャラ崩壊や、ボーボボ原作にはないオリジナルの奥義やギャグを多分に含みます。
それらに不快感をお持ちの方はご注意ください。


ボーボボ「まさか2スレ目に到達するとは、オレの中のアレキサンダーさんも予想外だ」

アレキサンダーさん「ぶっちゃけ超びっくり」


前スレhtml化の依頼も終わったので、これから投下します。



前回までのあらすじ



ボーボボ「ウ・ン・コーーーッ!」

首領パッチ「ウ・ン・コーーーッ!」

天の助「ウ・ン・コーーーッ!」

三馬鹿「「「ウ・ン・コォーーーーーッ!!」」」

ソフトン「ウンコォーーーーーッッッ!!!」


というわけである


さやか「訳分かんねぇーーーッ!?」

まどか「み、みんな! そんな下品な言葉使っちゃダメだよ!」マドマド

ほむら(前回おもいっきり『ウンコ』って言ってしまったわ……)ホムーン…



第六話 「そうなの? そんなにおかしいの?」



ソフトン「そこまでだ」グググッ


バキィッ!!


さやか「なっ!?(け、剣が……!)」

杏子「ちっ!(魔力の籠もった槍を……! どんな握力してやがるんだ!)」


ソフトン「譲れぬ信念の為に争うということは理解できる」

ソフトン「だが互いに利益の無い戦いで命を落とす必要はない」

ソフトン「相手を殺し持論を押し通すのではなく、時には自らを抑え、相手の意志を尊重し、理解し会うべきだ」

ソフトン「しかし、杏子の考えは俺も気に入らないがな……」

杏子「ケッ!」

さやか「な、何よあんた! いきなり出てきて、邪魔しないで!」


ソフトン「……俺はバビロンの戦士」




  ~数分前~


バビロン35号< ブロロロロロロロロッ!


ほむら「次を右よ」

ソフトン「了解した」


バビロン35号< ブロロロロロロッッ!!


男A(ウンコだ……)

女A(ウンコが走ってる……)

子供(でっけぇウンコ……)

老人(う、ウンコ……)


ほむら(降りたい……)ズーン…

ソフトン「あんな所に渋滞が……。巻き込まれたら厄介だな」



バビロン35号 <ブロロロロロロロロ!!


ほむら(まどか達がいる筈の路地裏まではあと少し。間に合えばいいのだけれど……)

ほむら「ん……、ハッ!!」ピキーン!


 ほむほむは謎の電波を受信した!


ソフトン「どうした」

ほむら「今すぐ車を降りましょう!」

ソフトン「な、何故だ?」

ほむら「いいから!」


ガチャッ


ほむら「こっちよ!」タッタッタ

ソフトン「この裏通りに杏子達がいるのか?」タッタッタ

ほむら「おそらくね」タッタッタ



ほむら(この先は、過去一度も戦闘が行われていない)

ほむら(しかし、今確かに何かを感じたわ!)フンス!

ほむら(あれは間違いなく私を呼ぶまどかの声!)

ほむら(深い所で繋がっている私のみが受信できる心の声に違いないわ!)

ほむら(今行くからね、まどか!)ホムホムホム!


マミ「あれ、暁美さん!? どうしてここに?」マミッ!


ほむら「ごめんなさい、私の思い違いだったみたい。他を当たりましょう」

ソフトン「 ? そうなのか?」

マミ「何で無視するのぉーーッ!?」マミーン!?

ソフトン「君を知っているようだが、彼女がマドカか?」

ほむら「バカ言わないで。まどかはもっと愛らしいわ、バカ言わないで」スタスタ

マミ「暁美さーん!? ちょっと待って! 何でなの、ちょっとぉー!!」



――――――
――――
――


ソフトン「なるほど、この子は仲間の魔法少女か」

マミ「ど、どうも」

ほむら「ちょっと前の私を殴りたいわ」

マミ「暁美さん……。それよりあなたはどうしてここに……」

ほむら「それは私も知りたいわ。何故あなたがここにいるの?」

マミ「私の方はかくかくマミマミって訳で……」

ほむら「しかじかほむほむって訳ね」

ソフトン「それでは君は杏子達がどこにいるのか知っているんだな」

マミ「ええ……、そうだ! 使い魔も倒せたし、すぐにあの子達のもとに戻らないと!」

ほむら「案内できるの!?」

マミ「こっちの裏通りよ、ついてきて!」

ほむら「巴さん、あなたは出来る先輩だと信じていました!」ガシッ!!

マミ「そ、そう……」マミーン…

ソフトン「よし、行こう!」



 タッタッタッタッタ


ソフトン「………」

マミ「ねぇ……」

ほむら「何よ?」

マミ「あの人の頭って……」

ほむら「(純粋過ぎる巴マミには少々過激過ぎるわね……)ええ……。私も最初見たときは驚いt」

マミ「チョコ味のソフトクリームなんて素敵ね!」

ほむら「」

マミ「きっと優しい人に違いないわ!」

ほむら「そ、そう(と、巴マミ……)」


 「負けるもんかぁーーーッ!!」


三人「「「 ! 」」」


マミ「今の声は……!」

ほむら「美樹さやかね……」

ソフトン「相当緊迫した状況のようだ」

ソフトン「しかし、今の声でおおよその位置は把握した」ダッ


ヒュン!


ほむマミ「「び、ビルの上に!?」」

ソフトン「手遅れになる前に向かう! 君たちも後を追ってくれ!」


シュバッ!


ほむら「………」

マミ「………」

ほむら「何だか、私の出番取られる予感がするわ……」

マミ「私たちも急ぎましょう……」




  ~そして今に至る~


ソフトン「俺はバビロンの戦士。ソフt」

三馬鹿「「「ソフト~~~~ン!!!」」」

 ゴシャッ!!

ソフトン「ぐふぅッ!?」ゴキッ!

さやか「馬鹿どもが突っ込んできたぁッ!?」サヤーン!?


ボーボボ「ソフトーン! お前も来ていたとは~!」

首領パッチ「ウンコさーん! ウンコさーん!」

天の助「ウンコさん! ウンコっさーん!」

ソフトン「は、離せ!」


ボーボボ「ウーンコ! ウーンコ!」

ビュティパッチ「お兄ちゃん! ウンコお兄ちゃん!」

天の助「そうです、私がパピロンの戦士!」

ソフトン「………」


   バビロン真拳奥義<ウルミエの静かなる旋律>


  ガキィィーーーーン!

三馬鹿「「「ぐわあああぁぁッ!?」」」ズサー

さやか(弾き返した……)

ソフトン「今は再会を喜ぶ時ではない」


ソフトン「杏子」

杏子「……あんだよ?」

ソフトン「何故このような真似を? お前は頭は悪いがメリットデメリットは計算出来るはずだ」

杏子「おい、サラっと何言ってんだ、ウンコ野郎」


ソフトン「魔法少女同士で戦って何になる?」

杏子「分かってねぇな。グリーフシードが欲しいからに決まってるだろ?」

杏子「ここの町の魔法少女とついでにアフロ野郎共を全員殺して、獲物を全部独り占めするんだよ」

ソフトン「…………」

杏子「何黙ってんだよ」

ソフトン「馬鹿な。見たところ今ここに居る魔法少女は三人。それらに加えてボーボボ達まで倒すとなると、可能不可能は別として相当魔力を消費するだろう」

ソフトン「予備のグリーフシードもほぼ全て費やすことになるはず。そんな状態で魔女を倒せるものか」

ソフトン「まさか考えていなかったなどとは言わないだろうな」

杏子「……」

杏子(やべぇ、全然考えてなかった……)タラー…

ソフトン「……どうやらキュゥべえにそそのかされたらしいな」

杏子「ギクゥッ!? な、何のことだよ!」

さやか「うわ、リアクション古っ」



まどか「さやかちゃーん!」タッタッタ

マミ「美樹さん!」タッタッタ

ほむら「美樹さやか……」タッタッタ

さやか「まどかにマミさん……」

ほむら(私は無視か)

マミ「こ、こんなに怪我して……!」

さやか「大丈夫! 平気ですよ、あたし回復魔法使えるみたいですし、その内治りますって」

マミ「それでも、あなた……」

まどか「さやかちゃん……。私、さやかちゃんが死んじゃうんじゃないかって……」

さやか「ちょっと、まどか! 大げさすぎでしょ!」

ボーボボ「いや、決して大げさではないぞ。あのまま戦いを続けていれば、どちらかが果ててもおかしくなかった」

さやか「うへぇ……。ま、マジで?」


さやか「そうだ、それよりボーボボ。あの、う、ウン……コみたいなのは知り合い?」

天の助「今更何を乙女ぶってんだ」

さやか「   」つ さやかちゃんソード ブン

天の助「ぎゃああぁッ!?」スパッ


ボーボボ「奴の名はソフトン。バビロン真拳の使い手で、戦いの中を生きる戦士だ」

さやか「相当強いみたいだね」

ボーボボ「ああ。しかし何故あの少女とあいつが……」


ソフトン「キュゥべえに何を吹き込まれたんだ?」

杏子「う、うっせぇな! 大体、何なんだよお前は!」

ソフパッチ「ウンコだけど?」

杏子「テメーは黙ってろ!」


杏子「アタシに付きまとってると思ったら今度はそっちの味方して! ホントの所、お前はどっちの味方なんだよ!」

ソフトン「俺はバビロン神様の使い。全ての愚者に裁きを、全ての弱者に救済を。それがバビロンの教えだ」

ソフトン「俺はいつだって正しき道を行く者の味方だ」

杏子「くっ……うぅ……!」


杏子「おい、お前!」

さやか「な、何よ……」

杏子「今日はこれくらいで勘弁してやる。マミとかが来たみたいだし流石に分がわりー」

杏子(キュゥべえの言ってたイレギュラーの魔法少女もいるみたいだしな)チラッ

ほむら「………」


ソフトン「待て、杏子! 話は終わってないぞ!」

さやか「逃げるつもり!?」

杏子「ふん。あばよ!!」ダッ


 バッ! バッ! バッ!


杏子「ウンコバカ野郎ォーーーッ!」ヒューー



まどか「い、行っちゃった……」

ソフトン「杏子! くっ……!」ダッ

ボーボボ「待て!」

ソフトン「ボーボボ……」

ボーボボ「聞きたいことは山ほどあるが、お前もじっとはしていられないだろう」

ソフトン「すまぬ……」

ボーボボ「一つだけ教えてくれ。あの杏子という少女は……」

ソフトン「……根は優しい奴だ。ただ、育った環境があまりにも……」

ソフトン「しかし、あの子の心にはそこにいる魔法少女達と同じ、清きものが流れているはずなんだ」

ソフトン「杏子は俺に任せてくれ、頼む」

ボーボボ「お前からその言葉を聞けて本当に良かった。早く後を追うといい」

ソフトン「……」コクリ


シュバッ!!



マミ「ボーボボさん……」

ボーボボ「心配するな。このことはソフトンに任せよう」

ほむら「………」

まどか「………」



   「待ってよッ!」



まどか「さ、さやかちゃん……?」

ボーボボ「………」

さやか「何!? 何でもう解決してるみたいに話してるの!?」

さやか「あいつはまだ危険な考えのままなんだよ!? あのウンコ頭だっていい奴かどうか分からないじゃない!」

ボーボボ「ま、まあ! ウ○コなんてお下品な!/////」アワワ!

まどか(い、いまさらモザイク……?)

ボーボボ「ソフトンの素性は俺が証明しよう。しかし、何故お前がそこまで……」

さやか「でも! 今こうして話してる間にも、あいつのせいで罪のない人が、使い魔に襲われてるかもしれないでしょ!?」



さやか「私、やっぱり放っとけない! 今すぐ追いかけて、あいつに…」

首領パッチ「……」スッ

首領パッチ「せいッ!!」ゴキンッ!!

さやか「おぎゅぅッ!?」ゴハァッ!

まどマミ「「キャアアアアアッ!?」」ガビーン!

首領パッチ「まったく、錯乱しやがって……」

天の助「流石、首領パッチ。見事な当て身よ」フフフ

マミ「どこが当て身よ! CQCじゃない!」マミーン!

まどか「明らかに180度は首回ってたよ!?」マドーン!

さやか「」ピクピク

ほむら(癒しの魔女を一瞬で昏倒させるなんて……)



ボーボボ「物事を冷静に見れなくなっているな。一体さやかに何があったんだ?」

ほむら「どうやら願いを叶えてくれたキュゥべえにご執心のようね。私のことを未だに信用していないようだし」

ほむら「……あっ! そうよ、キュゥべえはどこ!?」キョロキョロ

まどか「あれ!? さっきまで近くにいたのに!?」キョロキョロ

首領パッチ「あの野郎、また逃げやがったか!」キョロキョロ


  「相変わらず騒がしいね君たちは。僕がどこに逃げただって?」


マミ「 ! キュゥべえ!」クルッ

天の助「てめぇ、そこにいやがったかッ!」クルッ



田楽マン「君たちはいつもそうだね。事実をありのままに伝えると…」




ほむら「死にたいようね」チャキッ

ボーボボ「後悔しな。五感を持って生まれてきたことを……」ゴキゴキ

首領パッチ「そうか、お前死にてぇか」スッ

天の助「……コイツ、クッテイイカ?」フシューフシュー


   ゴゴゴゴゴゴゴゴ


田楽マン(と、殺(ト)られる……!)



<ギャアアァァ! ゴメンナサイ、デバンガホシカッタンデス!
<ゴシャッ! メキッ! ドキュン!

マミ「け、結局もう逃げた後だったのね……」

まどか「みんな、それぐらいで許してあげようよぉ……」マドマド




  ~五分後~


首領パッチ「   」ジョリジョリ

田楽マン「……」ジョリジョリ

天の助「   」ジョリジョリ


まどか「あ、あれは何を……」

ボーボボ「止めるな、まどか。あれは田楽の懺悔の形」

ほむら「頭を丸坊主にして誠意を見せているのよ」

マミ「毛がないから剃れてないと思うけど……」

ボーボボ「いや、よく見ろ。頭の玉を」

まどマミ「「玉……?」」



田楽マン「……」

 玉 <「あんちゅわ~ん!」


ボーボボ「福山雅治になっている」

まどか(訳分かんないよぉ……)

首領パッチ「懺悔式、終わったぜ」

天の助「おら、なんか言うことあるだろ?」ゲシッ

田楽マン「……はい」スゴスゴ…

マミ「で、田楽くん……」

まどか「田ちゃん……」


田楽マン「すまねぇな、姐さん方。オイラ、またやっちまったよぉ……」ヘヘヘ…


まどマミ((よく分からないキャラになってる……))



マミ「それで、佐倉さんのことはあのソフトンさんという人に任せるとして、この子はどうしましょう……」

さやか「」チーン

まどか「わ、私が家まで運びます!」

ボーボボ「一人では大変だろう。おいバカ共、手伝ってやれ」

首領パッチ「ことわr」

ほむら「……」チャキッ

首領パッチ「しゃあねーなー!」

天の助「さやかー、生きてるかー?」

さやか「」ユサユサ



ほむら「それじゃあ、美樹さやかはまどかに任せましょう。でも、まだ誤解は解けてないわ」

まどか「え……?」

ほむら「見たところ、美樹さやかは大きな勘違いをしている。周りが見えていないわ」

天の助「そうだな。コイツ、ほむらの話も全然信じてなかったぜ」

まどか「そんな、さやかちゃんどうして……?」

マミ「願いを叶えてくれたキュゥべえを、全面的に信用しちゃってるのでしょうね……」

マミ(少しだけ昔の自分を見ているような気分ね……)


ほむら「まどか。美樹さやかが目を覚ましたら、あなたの方から魔法少女とキュゥべえの話をしてあげて」

まどか「え……、でもほむらちゃん。そういう大事な話はほむらちゃんから言ってあげないと、さやかちゃんも……」

ほむら「いいえ。多分この子は私の話は聞こうとしないわ。逆効果になりかねないわ」

ほむら「親友であるあなたの口からならば、あるいは……」

まどか「ほむらちゃん……」


まどか(よく分からないけど、それは間違ってる気がする……)

まどか「ほむらちゃんが一生懸命話せば、きっとさやかちゃんも……」

首領パッチ「おい、まどかもさやかを担ぐの手伝えよ」

天の助「コイツ、結構重てぇぞ! 隠れメタボだ、メタボ!」

マミ「女の子にその言葉は禁句よ……」

まどか「あ……」

ほむら「よろしく頼むわ、まどか」スタスタ

ほむら(悪いわね、まどか。私はすぐにでもインキュベーターを追いかけないと……!)

まどか「ほ、ほむらちゃん……」


田楽マン「マズい事態になりやがったな」ヘヘヘ

 玉 <「小雪ぃ……」




  ~さやさやルーム~


さやか「う~ん、う~ん…」

首領パッチ「僕らが生まれたこ~の星に、奇跡を起こしてみないか~」ボソボソ

天の助「パ~フ ザ マ~ジック ドラ~ゴン、暮らしてた~」ボソボソ

さやか「うぅ……、う~ん、う~ん」

首領パッチ「子を~呼ぶ母の、子を~呼ぶ母の、叫~びが聞こ~えぬか~」ボソボソ

天の助「懐かし~き河よ~、モ~ルダ~ウの~、清~き流~れは、我が~心~」ボソボソ

さやか「うぅ~、うう……」

まどか「や、止めなよ二人とも。さやかちゃん、うなされてるよぉ……」

首領パッチ「せっかく懐かしい合唱曲を聴かせてやってんのに起きないとは……!」

天の助「次はソーラン節をやってやろうぜ」

まどか「普通に起こしてあげようよぉ……。確かに小中時代を思い出すけど……」



さやか「うぅ~ん、……うん?」パチッ

まどか「ああっ! 良かった、さやかちゃん気がついたんだね!」

首領パッチ「俺たちのおかげだな」フフフ

天の助「ああ」フフフ

さやか「何だか寝起き最悪なんだけど……っと、それよりここは!? 私一体どうなったの!?」

まどか「実は、かくかくまどまどで……」

さやか「しかじかさやさやという訳ね」

  ガシッ

首領パッチ「お?」

さやか「よくもやってくれたわね、この駄菓子野郎がぁーーッ!!」ギギギギ!

首領パッチ「ぐええぇ!! チョークスリーパー!?」グギギギギ

まどか「止めなよ、さやかちゃん! あと、何でよくチョークスリーパーを使うの!?」



まどか「さやかちゃん……、ほむらちゃんの話なんだけど……」

さやか「……ごめん、まどか。今は一人にさせて欲しいな」

まどか「でも……」

さやか「転校生のことはあまり信じられないの。何を根拠にまどかが転校生の肩を持つのかは知らないけど」

さやか「今、まどかがいくら転校生のことを擁護してもやっぱり信じられない。そもそもあたし達、出会いが最悪だったし相性悪いし」

まどか「さやかちゃん……。でもそれだと、ほむらちゃんが可哀想だよ。ほむらちゃん、みんなの事を考えて行動してて……」

さやか「………」


首領パッチ「糞ッ!! 何故、蒼いイナズマは僕を責めるんだ!」ガン!

天の助「カラダを灼き尽くす程とは、かなりキレてるな……」




まどか「それにこのままじゃさやかちゃん、またさっきの杏子ちゃんって子と喧嘩を……」

さやか「喧嘩……ね。まどかにはさっきのアレがただの喧嘩に見えたの?」

さやか「アレは正真正銘の殺し合いだったよ。あいつもあたしも相手を殺す気で戦っていた。どっちが死んでてもおかしくなかった」

さやか「あんな危険な奴放っていたら、犠牲者はどんどん増えていく。ボーボボ達の知り合いか何か知らないけど、あのウンコ頭に期待なんかしてられない」

さやか「あたしがあいつを終わらさないと……」

まどか「そ、そんな……。ダメだよっ、ちゃんと話し合えば……」

さやか「話し合えばどうなるの? 解決するの? あいつがそんな簡単に考えを改めるわけ?」

さやか「まどかだって分かるでしょ。あいつはグリーフシードの為に一般人を犠牲にする奴。話し合いなんて意味が無いって」



天の助「この木何の木ここの木の木のこの何の木のきききき樹木希林ききき」ガタガタガタガタ

首領パッチ「ちっ、容量オーバーか……」


さやか「そうだよ。マミさんだけが特別だったんだよ、他の魔法少女はあいつみたいな奴ばっかなんだ」

さやか「転校生だってそう、何で最初からマミさんと一緒に戦わなかったの? 今更になって近寄って来るなんて、きっと何か良からぬことを考えてるに違いない……!」

まどか「そんな、ほむらちゃんはそんなんじゃないよ! 杏子ちゃんだってきっと本心は……!」

さやか「何でまどかはあいつらの肩ばっか持つの!? あいつらを絶対に信じられる根拠があるの!?」

まどか「そ、それは……」

さやか「ほら、言えないじゃない! あたしはあいつらとは違う!」

さやか「あたしはただ魔女と戦う為じゃなくて、大切な人を守るためにこの力を選んだの。だからもし、魔女よりも悪い人間がいれば、あたしは戦うよ」

さやか「例えそれが、魔法少女でも……」

まどか「さやか……ちゃん……」



さやか「家まで運んでくれて、ありがとう。でも、今日は帰ってくれないかな」

さやか「ちょっと頭に血が昇っちゃった。このまま話していても、冷静にはなれないと思う……」

まどか「……うん、分かった……」

まどか「行こう、首領パッチ君、天の助君」


首領パッチ「   」←断固拒否のポーズ

天の助「   」←人にお願いするならば、それ相応の態度ってものがあるだろう? のポーズ


さやか「出てけ」ゲシッ!!

パチ天「「ぎゃああッ!」」グバァッ!!

まどか「ご、ごめんね、さやかちゃん」ガシッ

首領パッチ「おい引っ張るな、引っ張るな」ズルズル

天の助「襟が伸びるだろ!」ズルズル

まどか(服着てないじゃん……)



ドア<バタン


さやか「………はぁ」

さやか(まどかにちょっと、キツく言い過ぎたかな?)

さやか(でもまどかがあそこまで転校生を庇うなんて……。もしかして、転校生の言ってたことは本当?)

さやか(いいや、そんなことはない。きっと転校生がまどか達を騙しているに決まってる)

さやか(まどかは優しいから簡単に信じちゃって……。そうだよ、そのはず……)

さやか(きっと、騙している……きっと……)



QB「やあ、さやか。何を悩んでいるんだい?」



さやか「き、キュゥべえ!? いつからここに!?」

QB「ついさっきだよ。奴らに見つからないようにあの場を離れて、ここに来るのは中々骨が折れたよ」

さやか「そ、そう。それで、何か用?」

QB「ソウルジェムのことさ。ちゃんと確認はしたかい?」


さやか「ソウルジェムを……? えっと、あ」ゴソゴソ

さやか「に、濁ってる……」つソウルジェム

QB「それはいけない。早くグリーフシードで浄化しなければ」

さやか「でも……アタシまだ、一個も持ってない……」

QB「それは不味いなぁ」

さやか「ど、どう不味いの? これが濁っちゃうとどうなるの?」


QB「このソウルジェムは魔力の源さ。ソウルジェムが濁れば濁るほど、魔力は少なくなり魔法を使えなくなる」

QB「佐倉杏子は強かっただろう。彼女はグリーフシードの予備があるから、魔力の消費を気にすることもなく魔法を使える」

QB「精神的にも大きな余裕があるわけだ。グリーフシードを余分に持っていなければ、君は杏子と互角には戦えないだろう」



さやか「でも、マミさんだって十分なグリーフシードを持っている訳じゃないよね。それでもちゃんと戦えるのって、やっぱり才能なの?」

QB「うん。確かに、魔法少女にも才能で向き不向きが存在している。杏子やマミは素質がある上にベテランだ」

さやか「そんな……。何だかズルイー!」

QB「こればっかりはどうにもね」


QB「しかし本当に不味いよ、さやか。杏子との戦いで多くの魔力を消費して、さらにグリーフシードが一個も無いのは……」

QB「新たな魔女を倒すにも、その為の魔力が十分に無い状態だ」

QB「君はおそらくもう一度杏子と衝突するつもりだろうけど、それさえも叶わないかもしれない」

さやか「う……」



さやか(どうしよう……。 弱い使い魔を倒しても、グリーフシードは落とさないみたいだし、魔女を倒すにはまだ経験が足りないかもだし……)

さやか(マミさんにお願いして分けてもらう? ダメだよ、マミさんに迷惑だし、余分なグリーフシードを持っていないかもしれない)

さやか(転校生に頼む? ううん、大却下)

さやか(本当にどうしよう……)


QB(困り果てているようだね、さやか……)


QB「さやか、さっき素質や才能の話をしたね」

さやか「え? うん」

QB「実はね、元々持っている才能だけで、何年も経験を積み重ねてきたマミや杏子に勝る子がいるんだ」

さやか「えぇっ!? マミさんやアイツを!? い、一体誰?」

QB「他ならぬ君の親友の鹿目まどかだよ。彼女の才能はとてつもなく大きなもの。並の魔法少女ならまず、歯が立たないよ」

さやか「 ! 」


QB「だから、いっそのことまどかに頼んでみるのも手だ。まどかが魔法少女になれば、魔女も簡単に倒せてグリーフシードも大量に手に入る」

QB「それを譲ってもらえれば、この事態はやり過ごせるし、杏子と戦う時の戦力にも……」

さやか「そ、それはダメだよ! これはあたしの戦いなんだ。あの子を巻き込む訳には……」

さやか(それに、まどかは優しいから、あたしが頼めば本当に契約しかねない……)

さやか「とにかく、まどかとの契約は絶対にダメ! これはこの前も言ったでしょ!」

QB「でも今回の事態はそんな四の五の言っている暇は……」

さやか「うるさい! もう出てってよ!」ブン!

QB「うわ、物を投げるんじゃないよっ。やれやれ……」トテトテ


さやか「はぁ……。アイツ、一体何を考えて……」


>>22の訂正です



さやか「私、やっぱり放っとけない! 今すぐ追いかけて、あいつに…」

首領パッチ「……」スッ

首領パッチ「せいッ!!」ゴキンッ!!

さやか「おぎゅぅッ!?」ゴハァッ!

まどマミ「「キャアアアアアッ!?」」ガビーン!

首領パッチ「まったく、錯乱しやがって……」

天の助「流石、首領パッチ。見事な当て身よ」フフフ

マミ「どこが当て身よ! CQCじゃない!」マミーン!

まどか「明らかに180度は首回ってたよ!?」マドーン!

さやか「」ピクピク

ほむら(癒しの魔法少女を一瞬で昏倒させるなんて……)




さやかがいつの間にか魔女化していたでござる

今日の投下はここまでです

新スレ開始早々すみませんが、また突然用事が入ってしまいました
また1ヶ月ほど、留守にする事になります

スレの皆様にまたご迷惑をかける事になってしまい、重ね重ね申し訳ありません

それでは、今日はこの辺で



お久しぶりです >>1です
皆さん、長らくお待たせしました
一ヶ月と言っておきながらオーバーしてしまい、申し訳ありません

しばらくスレを見ていない間にかなり伸びていますね
驚き嬉しく思う気持ちと同時に、速く投下しないといけないという使命感に燃えました

それでは、これより第6話の残りを投下いたします



  ~町中~


 ダッダッダッダッダ


ソフトン「待てッ! 杏子!」ダッダッダッ

杏子「うっざい! 追いかけてくるなぁっ!」ダッダッダッ

ソフトン「待つんだ、話がある!」ダッダッダッ

杏子「うるせぇッ! このウンコ野郎っ!」ダッダッダ

ソフトン「落ち着け! 話を聞くんだ!」

  ガシッ

杏子「 ッ! 離せよ!」バッ

ソフトン「話を聞けと言っているだろう!」ガシッ

杏子「う……」


ソフトン「キュゥべえとどういう話をしたんだ」

杏子「べ、別に話なんて……」

ソフトン「目が泳いでいるぞ。正直に話せ」

杏子「ちっ……。始末してほしい奴らがいるから手を貸してくれって言ってきたんだよ」

ソフトン「その相手とは、もしや……」

杏子「ああ。あのアフロ野郎達だ。イレギュラーだからとか何とかな」

ソフトン「イレギュラー……」


ソフトン(奴はボーボボ達を邪魔だと思っていた……。魔女をも倒す実力を持つボーボボ達を邪魔?)

ソフトン(魔女を倒す為に魔法少女の勧誘をしている筈の奴が、戦力にもなる可能性のあるボーボボ達を何故排除しようと……)

ソフトン(……イレギュラー?)

ソフトン(奴は何かを企んでいる? とても重要な計画を『イレギュラー』によって邪魔されるのを恐れている?)

ソフトン(ならば、その計画とは……?)



杏子「もういいか? そろそろ離せよ」

ソフトン「いや、まだだ。奴からはボーボボ達の始末しか頼まれていないのだろう? 何故、あの魔法少女とも戦っていたんだ」

杏子「あ? んなの当たり前じゃん。ムカついたから」

ソフトン「……何だと?」

杏子「マミはぬるいこと言っててムカつく。新人は全部がムカつく。髪長い奴は知らねぇけど、きっと話したらムカつくだろうね」

杏子「それ以外に理由があるかっつーの。確かにあいつら全員殺すのはキツイかもしれないけど本気出せば余裕~。上手く行けばグリーフシード大量GETもあるし」

ソフトン「………」


ソフトン「杏子、それは本心での言葉ではないな」

杏子「は、はあ? 何言ってんの、アタシが嘘ついてるってか?」

ソフトン「お前は決して心まで闇に染まってはいない筈だ」

杏子「ま、マジで何言っちゃってんの。気持ちわりーよ」

ソフトン「何故お前があの魔法少女の子を執拗に狙ったのか。それは彼女が他人の為に願いを使ったからだろう」

杏子「――っ!」

ソフトン「美樹さやか。それがあの子の名だ。あの子は自分の愛する人の為に奇跡を起こし、魔法少女となった」

ソフトン「まるで昔のお前のようにな」

杏子「………」

ソフトン「放っておけなかったんだな。迫り来る絶望に気づかず、目の前の奇跡に喜んでいるあの子を」

ソフトン「自分と同じ結果になってほしくなかった。だからあえてあの様なマネをした」


杏子「………何か証拠でもあるのかよ? これもバビロン神様とかいう奴のお言葉か?」


ソフトン「…………」

ソフトン「いや」

杏子「 ? 」

ソフトン「これは証拠や根拠の積み重ねである推測でも、バビロン神様の意向でもない」

ソフトン「俺の直感だ」

杏子「なっ!?」

ソフトン「お前は不器用だが、今も他人を思う慈愛の心を持っている」

ソフトン「見返りも求めず、自分が責められることも厭わぬ、最も優しい行動だ」

杏子「て、て、てめぇ! んなクサいこと言って恥ずかしくねぇのかよ!」アタフタ!

――――――
――――
――

首領パッチ「ウンコだけに?」

まどか「い、いきなりどうしたの首領パッチ君!?」ビクッ!?


――
――――
――――――

杏子「なんか、今すげぇムカついた……」イラッ

ソフトン「どうした?」

杏子「いや、何でも……。それより、なんでソフトンはそんなこと言うんだよ……」

杏子「アタシってお前が思ってるような出来た人間じゃねぇよ。素直じゃねぇし、乱暴だし……。あいつらが思ってる通り、アタシは自分本位な嫌な奴……」

ソフトン「それはあくまで外から見た佐倉杏子だ。初対面では内面までは測れない」

杏子「でも、魔法だって自分の為にしか使ってないよ。万引きとか犯罪に使ってたし……」

ソフトン「過ちを犯さぬ人間はいない。それに俺と出会ってから再犯していないのは知っている。ちゃんと反省しているじゃないか」

杏子「………」

ソフトン「彼女たちと共に戦おう。同族同士で争うこと程下らないことはない」

ソフトン「先のいざこざもお前が心を開き、謝れば……」

杏子「何で……」

杏子「何でお前はそんなに優しいんだよ……」ボソッ


ソフトン「……杏子?」

杏子「ダメだよ、やっぱアタシは戻れない」

杏子「アイツらだって納得しないよ。殺す気で襲いかかってきた人間を、そう簡単に仲間に入れる奴はいない」

ソフトン「杏子……、しかし、彼らは……」

杏子「止めだ。この話は止め。アタシは自分のやり方でいく」

杏子「アタシがさやかとかいう奴を、どう思っているかなんかどうでもいい。そんなのは今更関係ない」

杏子「アタシはアタシだ。好き勝手やる魔法少女……」バッ


  シュン!


ソフトン「きょ、杏子……」

ソフトン「何故だ……。お前もそれを望んでいるはずだ」

ソフトン「仲間と共に戦うことを……。お前にはその資格があるんだ」

ソフトン「杏子……」




  ~ 翌日 学校 ~


さやか「…………」

まどか(さやかちゃん……)

まどか(結局、朝はさやかちゃんとは会えなかった……。きっとまだ、昨日のことを……)

まどか(私はどうすればいいんだろう……?)

ほむら「………(美樹さやか……、あなたはどう動くつもり?)」

ほむら(そして私は次にどう動くべきか……)


魚雷ガール「つまり、ソクラテスもアインシュタインも、歴史上の偉人はみんな魚雷だったのよ」

魚雷ガール「ここセンター頻出だから、要注意」ピシッ

首領パッチ(うおおおおぉぉッ! ギョラゴン桜~~!!)カリカリカリッ!

天の助(この授業をこなせば、俺も東大に……!)カリカリカリッ!


まどか(えぇ~~……絶対無理だよぉ……)


魚雷ガール「次は物理よ。加速度の問題は先生得意なの。魚雷として当然の嗜みだわ」




  ~放課後~


まどか「ねぇ、さやかちゃん」

さやか「ごめん、まどか。今日はちょっと用事があるから先に帰るね」

まどか「あ、ううん。呼び止めちゃってごめんね……」

さやか「それじゃね」タッタッタッ


まどか「さやかちゃん……」

仁美「あら、残念ですわ」

天の助「んだよ、付き合い悪ぃな」

首領パッチ「あんな奴放っといて、旭山動物園にでも行こうぜ」

まどか「カラオケに行くノリで北海道に!?」



 飛行機 < ゴオオォォォーーーーッ


首領パッチ「という訳で北海道にやってきたぜ!」

まどか「本当に来ちゃった!?」マドーン!?

仁美「志筑家のプライベートジェットを使えば、ものの数分で北国ですわ」

まどか「うっそぉ!?」


シロクマ「ガアアアァァァッ!!」ガルルル!

天の助「すげぇ! シロクマがまるで目の前にいるかのような迫力!」ガジガジガジ

首領パッチ「流石、旭山動物園だぜ!」ガジガジガジガジ

まどか「噛まれてる! もろに噛まれてるよっ!」マドーン!




  ~病院~


さやか「はぁ……はぁ……!」タッタッタッタ

 タッタッタッタ

 ドア < ガララッ

さやか「恭介っ! 新しいCD持ってき……」


 がら~~~ん……


さやか「た………?」

さやか「き、恭介……!? ど、どこに……?」キョロキョロ

ナース「あら、上条くんにお見舞い?」

さやか「あ、はい……。恭介は?」

ナース「上条くんなら、ご両親と一緒に自宅に帰ったわよ。完治した腕に加えて足の方も良い兆候が出たから、退院が早くなったの」

さやか「そう……なんですか……」

さやか(あたし、そんなの全然聞かされてない……)

さやか「どうして……恭介……」ボソッ




  ~ゲームセンター~


ほむら「どうして……」

ほむら「どうして、まどかは私を置いて北海道に……」ホムーン…


ほむら(それよりも、佐倉杏子との接触を計らなければ)

ほむら(このままでは佐倉杏子と美樹さやかの溝は深まるばかり)

田楽マン「俺も置いてかれたんだぜ。俺ら仲間だな」ヘヘッ

ほむら「   」ドガッ

田楽マン「ぎゃああッ!」ズサー


ほむら(今までの私ならば、全面的に杏子の望みを取り入れ、美樹さやかとの対立を防ごうとしていたでしょう)

ほむら(しかし、そのやり方ではいけない。今回の世界は過去と比べてもBEST3に入るほど上手くいっていた)

ほむら(私はボーボボ達のおかげで、かつてないほどに巴マミやまどかと友好的な関係を結んでいる)

ほむら(このまま狂犬のような佐倉杏子を野ざらしにしていれば、遅かれ早かれこの絶妙なバランスは崩れてしまう)

田楽マン「ほむら、UFOキャッチャーしようぜ」

ほむら「三百円あげるから、そこらへんで遊んできなさい」つ300YEN

田楽マン「わぁーーーいっ!」スタタタタッ


ほむら(何とか説得して私達と共に戦ってもらう……。しかし、これは相当難しいこと)

ほむら(無理にこちらの仲間に引き込んでも、見えるのは最悪の未来。今のさやかと杏子はとてもじゃないけど仲良くなんて無理)

ほむら(そのためには、どちらにも大人になってもらわなければ。でも頑固なあの二人をどうやって説得する?)

ほむら(さやかはまどかに任せるとして、杏子は……)

ほむら(杏子と仲の良さそうだったソフトンの協力を得られれば、説得も成功しそうなのだけど……)



杏子「あぁッ!? ダムがレッパに化けた!!」ガチャガチャ



ほむら(いた、佐倉杏子……)



画面<フフフ、コノトキヲマッテイタノダ… ドウダクヤシイカ~! テーレッテー


杏子「ガアアァァァッ!! ダイヤ9:1じゃなかったのかよ!!」バンバンバン!

ほむら「この店は台パン禁止よ、佐倉杏子」

杏子「あ? 何だ、てめー」

ほむら「覚えてないかしら?」ファサッ

杏子「……昨日、マミ達と一緒にいた奴か。何の用だ、昨日の続きか?」

ほむら「あなたに話があって来たの」

杏子「話ぃ?」

ほむら「私達の仲間になってほしい」


杏子「………あ? 何言ってんの、アンタ」ポカーン

ほむら「そんな顔になるのも無理はないと思うわ」

杏子「アンタさぁ、マミやあの新人と同じおめでた脳味噌な訳? ったく、最近の魔法少女はみんなこうなのかよ」

ほむら「………頼むわ」

杏子「やだね。そういうのは性に合わない」

杏子「つか、何でアタシにそこまで? 見たところアンタ、あのバカ共よりかはよっぽど頭が切れると思うんだけど」

杏子「魔法少女が仲良しこよしするなんて効率が悪いって思わないの?」

ほむら「ええ、そうね。今までの私ならば、あなたの意見に概ね賛成していたでしょう」

ほむら「でもね、私は変わったの。守りたいと思う存在と、共に戦いたいと思う存在を持てたの」

ほむら「それはとても素晴らしいことだと、私は胸を張って言えるわ」

杏子「…………」


杏子「…………」

杏子「……くせぇ。超くせぇ」

杏子「結局アンタも、奴らと対して変わらないバカヤローじゃん」

杏子「もう、話すのも苛つくよ。じゃあな、他当たれ」スタスタ

ほむら「そう……」


ほむら「もうすぐ、<ワルプルギスの夜>が来ると言っても?」

杏子「   」ピタッ



杏子「何で、んなこと分かるのさ」

ほむら「それは秘密」

杏子「嘘こいてんじゃないの?」

ほむら「そう思うのはあなたの勝手よ」

杏子「奴らは知ってんのか?」

ほむら「まだ話していないわ。あなた以外にはね」



杏子「…………」

ほむら「<ワルプルギスの夜>を倒して、輝く未来を手に入れる為に、何としても戦える人間が必要なの」

ほむら「だから、あなたも協力してほしい」

杏子「……ふうん。奴らを利用してるんだ。<ワルプルギスの夜>を倒すために」

ほむら「…………」

杏子「だってそうでしょ。あいつらには襲来を教えてないじゃん。自分だけ楽して助かろうとしてんじゃないの?」

ほむら「いいえ。確かに最初の内は、利用できるものは全て使うことが私のスタンスだったわ」

ほむら「でも彼らと触れ合う内に変わったの」

ほむら「彼らと最悪の天災を乗り越えて……。乗り越えた先の幸せな未来を過ごして生きたいと……」

ほむら(まどかもさやかも、巴さんもボーボボ達も……。そして何よりあなたも欠けないみんなでね)

杏子「…………」



杏子「………やっぱくせぇな」

杏子「アタシはゴメンだ。そんな気持ちワリー関係。アンタらだけでやってろって感じ」

杏子「アタシは気に入らないもんは全てぶっ壊すよ。それが同じ魔法少女でも、訳の分からないアフロ野郎でも」

杏子「<ワルプルギスの夜>でもね」スタスタスタ…


ほむら「杏子………」

ほむら(彼女はこれからどんな行動に出るのかしら……)

ほむら(美樹さやかが危ないかもしれない。いや、その前にボーボボ達を襲撃するかも)

ほむら(分からない……、どう動けばいいのか……)

ほむら(私がもう少しでもボーボボの様な大胆さと力があったのなら、杏子を説得出来たのかしら……)



田楽マン「ほむらー、お菓子いっぱいゲットしたのらー!」トコトコ

ほむら「……」

田楽マン「 ? 落ち込んでるのら?」


   スッ


田楽マン「食うのら?」つ お菓子

ほむら「…………」


ほむら「いただくわ……」スッ




  ~その頃、マミ達 in 喫茶店~


マミ「…………」

ボーボボ「また悩んでいるようだな、マミ」

マミ「はい。佐倉さんのことで……」

マミ「あの子と昔、少しの間だけ一緒に行動していました」

ボーボボ「そして、方向性の違いで解散か」

マミ「バンドみたいなそれじゃ無いんですけど、まあ、それに似ていますね」

マミ「ヒドい喧嘩をして別れました。どうしてもあの子のやり方を許せなくて」


マミ「でも、考えてみると、私あの子のこと何も知りませんでした。あの子がどうしてその考えに至ったのかも」

マミ「そして、自分のことも伝えずにいました。自分の信念を話して、仮にそれが間違っていたら……と思うと怖くなって」

マミ「でも、信念というものは人の数だけあったんですね。それを私は頭ごなしに否定して、そして自分から伝えようともせずに……」

ボーボボ「…………」

マミ「…………」

マミ「私、佐倉さんに謝らなくちゃ! そして、今度こそ一緒に戦わないと……」

マミ「美樹さんとの問題も、きっと解決するはず……!」

マミ「ボーボボさん! 佐倉さんを探しに行きましょう!」


ボーボボ「ああ。俺もやる気が湧いてきたぜ」シャー芯<ポロポロポロポロ



マミ「きゃあぁッ! 鼻からシャー芯が湧いてるぅーーッ!?」マミーン

ボーボボ「む! エラーメッセージか!」

マミ「とんでもないエラーですよ! 早く何とかしないと……!」

ボーボボ「おい、親父! どういうことだ、これじゃ戦えな……」


 チョウ「私、日本語チョットシカ駄目ネ」ブンブン


ボーボボ(中国人がいるぅーーーッ!?)ガーン!

ボーボボ「な、何で中国人が!? おい、親父はどこに……」

チョウ「店長サン、AKBノライブニ行ッテルネ。私、店番ヨ」

ボーボボ「親父の奴、出稼ぎの中国人に店を任せるんじゃねぇ!」


マミ「ぼ、ボーボボさん、大丈夫ですか?」

ボーボボ「マズいな、これでは鼻毛真拳が使えない……。この状態で戦闘になれば厳しいことになりそうだ……」

マミ「そ、そんな……」

ボーボボ「親父の帰りを待つしかないな」触覚<ヒョコヒョコッ

マミ「ヒィッ!? 鼻からカミキリムシの触覚が出てる!」

チョウ「アイヤー。間違エタネ」

ボーボボ「とりあえず、さっき言っていた通り、佐倉杏子を探しにいくか」触覚<ヒョコヒョコ

マミ「え、ええ……(直視できない……)」



ドア<ウィーン


ソフトン「ボーボボ……」

ボーボボ「ソフトン! 一体どうしたんだ?」

マミ(昨日の人……)

ソフトン「杏子を見ていないか?」

ボーボボ「いや……。俺たちも探そうとしていた所だ」

ソフトン「そうか……」

ボーボボ「どうしたんだ、何かあったのか?」

ソフトン「杏子に逃げられてしまった……」

マミ「え……」

ソフトン「俺に任せてくれと言った癖に、情けないものだな……」

ボーボボ「お前は悪くない。きっとお前は最善を尽くしてくれた筈だ」

マミ「ソフトンさん、私達といっしょに佐倉さんを探しましょう」

ソフトン「すまない、同行させてもらう」

ボーボボ「時間が惜しい。すぐにでも出発しよう!」納豆<ネバネバ~

マミソフ((納豆が……))




  ~デパート~


さやか(ここにも居なかった……)

さやか(恭介……どこに……? やっぱり家にいるのかな? でも家に押し掛けるなんてやっぱり迷惑だよね)

天の助「こう見えても、ムーンウォークが十八番です」スルスルー

さやか(楽器店とかも探してみようかな……)  ミテミテー、ムーンウォーク アキレスケンヲサンドギセイニシテシュウトクシタ、ムーンウォークー>

さやか「………よし、行ってみよう」スタスタ

天の助「おい、無視かよオクタヴィアヌス」

さやか「誰が元老院からアウグストゥスの称号を得て実質的皇帝の地位についたカエサルの養子よ」

天の助「いいツッコミじゃねえか。未だにツッコミニストの力は衰えていなかったか」

さやか「あんた達と何年もツルんでたら自然とこうなるわよ」


さやか「それで、何の用よ。今はあんたを視界に入れることさえ不快なんだけど」

天の助「ひでぇ! てめーそれでも幼なじみかよ!」ガーン!

天の助「こっちはお前のことが心配で……」

さやか「あっそう、心配は無いから帰って」スタスタ

天の助「おおい! 待てって!」ダッ



  ~路上~


キムラタクの助「ちょっ、待てよっ!」バッ

さやか「(うぜぇ……)何でついてくるのよ」

天の助「何だか、今日のお前いつも以上にイライラしてるぜ?」

さやか「そんなこと……」

天の助「おじさんに話してごらん? ところてんに話せば、少しは気が楽になるかもだぜ」

さやか「…………」

さやか「…………分かった。ここじゃなんだし、公園に行こ」スッ

天の助「お、おう」←どうせ断られると思っていたからビックリ



壁|杏子「………」コソッ




  ~公園~


さやか「……それでね、新しいCD持ってさ、病院行ってみたら、恭介はもう退院してたんだ……」

さやか「あたしさ、今日退院するとか全然聞いてなくて……。今日一日、恭介を探してたんだ」

天の助「メールとかで聞いてみたのか?」

さやか「手……、治ったばかりだから……負担は掛けたくないの」

天の助「…………」



天の助(思ってたのより重い話題じゃねぇか……。どうしよう、下手な事言えねぇ……)タラー…

  さやか『レンタルDVDを入れた状態でプレーヤーが壊れて、取り出せなくなっちゃった……』←思ってたの



さやか「あたしね……」

天の助「お?」

さやか「何であたしに予め連絡しないの?……って思っちゃった」

さやか「あたしが手を治してあげたのに……、あたしが魔法少女になったおかげで手が治ったのに……って」

さやか「向こうは何も知らないし……。あたし達、ただの幼なじみなのにね」

天の助「…………」

さやか「あたし……、恭介と、もっと……」

さやか「…………」


さやか「話……聞いてくれてありがと。天の助でも話してみれば、少しは楽になるもんだね」

天の助「どういう意味だよ」

さやか「ふふ、さぁね~」


 スクッ


さやか「あたし、恭介の家に行ってみる。向こうにも事情があるのかもしれない」

さやか「でも、実際に会って話さないと何も分からないよね」

天の助「さやか……俺も」

さやか「いい。これはあたしと恭介の問題。話を聞いてくれただけで十分だよ」

さやか「あたし一人でこの問題は解決する」スタスタ


さやか(そう……、あたしは魔法少女。他人に迷惑なんてかけれない。一人で……解決するの……)スタスタ



天の助「さかな………」


天の助「あ、間違った。さやか………」

天の助「………」つケータイ スッ

 ピポパポパ

天の助「首領パッチか……、ああ、そう、まどかにも頼む……」




  ~上条邸~


さやか(結局、来ちゃった………)

さやか(でも、どうしよう……。恭介と何て話せば……)


  ♪~ ♪~ ♪~


さやか「 ! 」

さやか(恭介のバイオリンの音……。良かった、ちゃんと指は治ってるんだ……)

さやか(今日は帰ろう……。恭介の演奏聴けただけでも……)



杏子「会いもしないで帰るのかい?」




さやか「 ! お、お前はっ!?」バッ

杏子「………」ニヤリ

杏子「知ってるよ、この家の坊やなんだろ? アンタがキュゥべえと契約した理由って」

杏子「たった一度のチャンスをこんな下らないことに……。全く、呆れちゃうね」

さやか「お前に……何が分かるのよ……!」

杏子「…………」


杏子「分かってねーのはそっちだバカ」

杏子「魔法ってのはね、徹頭徹尾自分だけの望みを叶える為のモノ」

杏子「そこに他人を割り込ませた所で、ロクな事にはならないのさ」

杏子「マミの奴はそんな事も……って、マミの後輩ならこんな奴で当然か」ハァー

さやか「お前…………!」ワナワナ



杏子「それよりも、惚れた男を手に入れる、もっと冴えたやり方があるじゃない」

さやか「………!」ピクッ

杏子「せっかく魔法を持っているんだ。今すぐ乗り込んでいって、坊やの手足を二度と使えないくらいに潰してやりな」

杏子「アンタ無しでは何も出来ない体にしてやるんだよ」

杏子「そうすれば今度こそ坊やはアンタのモノだ。身も心も全部ね」

さやか「…………」プルプル

さやか「お前だけは……、お前だけは絶対に許さない……!」ゴゴゴゴゴ…

杏子「ふうん、ここでおっぱじめちゃうの?」ニヤリ

さやか「あんたがそうしたいのなら……」つソウルジェム スッ


天の助「そうはさせませんっ!」ガシッ

さやか「きゃっ!?」

杏子「あ?」

天の助「いけませんよ! いけませんよぉー!」ブンブン

さやか「いきなり何なの天の助! 離してよ!」

天の助「いけませぇーん! いけませぇーーーーーーんッ!!」ブンブーン!

さやか「うるさいよッ!!」

さやか「何なの、あんた!? 邪魔するならあんただって……!」

天の助「何熱くなってんだよ、冷静になれよ」ピタッ

さやか(こ、こいつ……!)



天の助「落ち着けよ、さやか。ここで戦闘なんて始めたら、恭介ん家にも被害が出るぜ?」

さやか「う……」

杏子「へっ。ならここじゃなけりゃ良いわけだ」

杏子「ついて来いよ。もっと暴れれる所に場所替えだ」スタスタ

さやか「上等じゃない……」スッ

天の助「さやか、止めとけ。あんな奴の口車になんか……」

さやか「あんたはどっかに行っててよ。あたしはあいつをぶちのめさないと気が済まない……」スタスタ

天の助「さやか……、さやか!」

さやか「…………」スタスタ


天の助「あのバカ野郎……!」ダッ




  ~町中~


まどか「首領パッチ君!」タッタッタ

首領パッチ「来たか。すぐにさやかを探しにいこうぜ」

まどか「うん! さやかちゃん大丈夫かな……」

首領パッチ「天の助の話だと憔悴してて、まるでしけたエディ・マーフィみたいだとよ」

まどか「その例え全然分からない……」マドーン…

首領パッチ「しかし、マズイぜ。そんな精神状態で昨日の小娘にでも会えば、きっとまともな判断は出来ないぜ」

まどか「そんな……、早く見つけないと……」

首領パッチ「ああ。しかし、何事にも精神の安定が必要だ。まずは休憩所で英気を養おうぜ」スタスタ



 <☆WILD BOYS☆>

    スタスタスタ…

まどか「ちょちょちょ、ちょっと! 何ホストクラブに行こうとしてんの!?」ガシッ

首領パッチ「離しなさいよ、今夜だけ私はシンデレラなんだから! 待っててねジュンイチ君! ドンペリ頼みまくっちゃうわ!」ズルズル

まどか「ホストに貢いでるシンデレラなんて聞いたことがないよ! こんな所で道草食ってないで、早くさやかちゃんを見つけないと……」ズルズル


ホスト一同「「「いらっしゃませ、パチ美様!!」」」

ホストA「コートお預かりします!」

首領パッチ「あら、ありがと」

支配人「いつも通り、ジュンイチを指名ですね! すぐに呼び寄せます!」

ホストB「え、でもジュンイチさん、もう入っちゃってますよ……?」

支配人「バカ野郎、すぐに呼べ! そっちの客には適当な奴入れときゃいいんだよ!」

首領パッチ「んじゃー、とりあえず、ドンペリ10本」

ホストA「ドンペリ入りましたーーーッ!」

まどか「首領パッチ君、常連だったの!?」マドーン!?


ショウ「パチ美さん、ご無沙汰です! たまには俺も指名してくれたら嬉しいな~って……」

首領パッチ「ボディ!!」ドゴォッ!!

ショウ「ぐっふぅぅッ!?」ガシャーン!

首領パッチ「貴様には呼吸すら許した覚えは無い」

ショウ「」ピクピク

まどか「な、何でその人にだけ辛辣なの……?」ミゾオチニクイコンデタ…




まどか「そ、それよりもう行くよ!」グイグイ

首領パッチ「ちょ、止めなさいよ! ああん、ジュンイチ~~!」ズルズル  マタノオコシヲ~>

マミ「か、鹿目さん!? どうしてホストクラブから!?」

ソフトン「……」

ボーボボ「不潔! 不潔よ!」


まどか「え、あ、え!? ま、マミさん……!?」

マミ「鹿目さん……、中学生なのにもうこんな……。だ、ダメよそんなの、お母さんが見たら何て言うか……!」

まどか「違いますよっ! 変な誤解しないでぇ!」

まどか「これは首領パッチ君がいきなり……」


ソフトン「……」

ボーボボ「最近の子ってホント怖いわぁ~!」ヒソヒソ!

首領パッチ「ホント困っちゃうわね、奥さん!」ヒソヒソ!


まどか「おい、何でそっち側にいんだ金平糖」



  ~まどまど説明中~


マミ「そう、首領パッチ君の暴走だった訳ね。安心したわ」ハー

まどか「もうっ! マミさんも人の話を聞いてくださいよね!!」プンプン!

首領パッチ「トゲが何本か足りねーんだけど……、俺生きてる?」ボロボロ

医者ボーボボ「鏡は見ない方がいいでしょうな」


まどか「それで……、マミさん達はどうしてここに?」

マミ「佐倉さんを探していたの。途中でソフトンさんも合流してね」

ソフトン「杏子のことだ。きっとあのさやかという子を探しているはずだ」

ソフトン「あいつはあの子に少し過剰な執着を持っていたからな」

まどか「そうなんですか……。あの、私たち、さやかちゃんを探していたんです」

マミ「え、美樹さんを? 私はてっきり鹿目さん達と一緒にいるかと……」

まどか「天の助君からメールがあって……。何だか精神的に不安定っぽいから来てくれって……」

ボーボボ「そんな状況のさやかに、もし杏子が出会ってしまえば……」

首領パッチ「ああ、俺もそのことを危惧していた」

ソフトン「それならば、尚更すぐにでも探さなければ……」

まどか「私達も一緒に行きますっ!」

ボーボボ「ではさっそく……」

首領パッチ「ああ……」


   <☆WILD BOYS☆>


ボボパチ「「英気を養いに……」」スタスタ

まどか「もうホストクラブはいいからっ!!」マドーン!!





  ~歩道橋~


QB<杏子……>

杏子<あ、キュゥべえか? いきなりテレパシー使ってくんなよ>

QB<ごめんよ、少し気になることがあってね>

QB<君は今から何をしようとしているんだい?>

杏子<見てて分からない? 新人の教育。つーか潰すけどね>

QB<…………>

杏子<あんだよ、何か文句あんのか?>

QB<僕との約束はどうなったのかなと思ってね。イレギュラー達の排除の話は?>

杏子<あー……、あれだ。これ終わったらな>

QB<…………早くしてほしいな。あと、僕としたら魔法少女が(絶望せずに)消えるのは避けたいんだけど……>

杏子<いちいちうっさいよ、アンタ。とにかくアフロ野郎共を潰しゃいいんだろ? あとでやるよ、あとで>

QB(えぇ~……。何だか夏休み終わる直前の小学生の親になった気分だよ……)

杏子<しばらく話しかけてくんなよ>




杏子「さっ! ここなら文句も無いよね?」

杏子「いっちょ派手にやっちゃおうじゃない」

さやか「お前だけは……絶対に許さないんだから……!」つソウルジャム スッ

天の助「………」

さやか「へぇ、止めないんだ天の助。さっきまですっごくうるさかったのにさ」つソウルジャム

天の助「いやいや。お前、自分が持ってる物よく見てみ」

さやか「は? 何言ってん…」つソウルジャム

さやか「の……!?」つソウルジャム


   つ『ソウルジャム 自家製熟成 定価300円』


さやか「な、な、何よこれーーーっ!? ジャム!?」サヤーン!

天の助「ぷぷぷ、ジャム持ってカッコつけてたよアイツ」つソウルジェム

さやか「あ、アンタ、私のソウルジェムを……!!」ワナワナ

さやか「返しなさいよ!」バッ

天の助「ほーら、ほーら! 取れるもんなら取ってみーろ!」スッ

さやか「ああ、もう! 返せっ! 返せっ!」ピョンピョン!

天の助「はっはっは~! 届くかな~?」

杏子「おい、イチャついてないで早くしろよ」イライラ



さやか「返せっつってんでしょ!!」ボコッ!

天の助「うごぉッ!? 届かないからって暴力に頼ったでこの子!?」ズサー

さやか「それが無いと戦えないでしょ!? 返しなさいよ!」

天の助「ダメだ! 俺はこれを死守するんだぁーーー!」つソウルジェム ヒシッ

杏子「うっとーしーな、そいつ。さっさと変身しろよ」←すでに変身済み

さやか「ちょっと待ってて! こいつ、ところてんの癖して何気に握力強い……!」グググッ

天の助「止めろぉ! 俺のモノだぁ! コイツを売って、大金持ちになるんだぁ!」つソウルジェム グググ…

さやか「もー、何なの!? ホントにぶっ飛ばすよ!?」

さやか(何でこんなことするのよ? あたしが戦うことで何かコイツに不都合でもあんの!?)

さやか(天の助、あんたは何でこんなこと……!)



   「さやかちゃん!」



まどか「ダメだよ、こんなの絶対おかしいよ!」タッタッタ

マミ「美樹さん!」タッタッタ

首領ロッキー「エイドリアーン!!」タッタッタ

さやか「まどか……、それにみんな……?」

天の助(やっと来たか、遅いんだよ……)

杏子「ふん。ウザイ奴にはウザイ仲間がいるもんだね」

ボーボボ「これが俗に言うボボちゃん走り!」タッタッタッタッ

ソフトン「…………」タッタッタッ


杏子(ちっ、何でソフトンもいんだよ……)



QB(まどか……。自分から来たか、呼ぶ必要もなくなったね)コソッ

QB(しかし、余分なイレギュラー達もついてきたか。厄介だな……)

QB(さやかが危険に陥った時に契約を迫るつもりだけど……、彼らが邪魔だな)

QB(杏子が始末してくれたら嬉しいんだが、望みは薄いね)

QB(さあ、どうすべきか……)


まどか「さやかちゃん! やっぱりおかしいよ! 魔法少女同士で争うなんて!」

さやか「止めてよ、まどか! そもそもまどかには関係ないでしょ!」

マミ「それは違うわ、美樹さん。私達はもう全くの無関係では無いし、鹿目さんはあなたのことを心配して……」

さやか「マミさんまで……。何で!? 何でなの!?」



さやか「みんなしてあたしの邪魔して! あたしが誰と戦おうがあたしの勝手じゃない!」

さやか「しかも相手は悪い魔法少女だよ!? あんなの懲らしめられて当然じゃない!」

さやか「ボーボボ達だって! 昨日はあたしの味方をしてくれたのに……。昨日話してたよね、信念を傷つけられたら黙っていないって」

さやか「あたしは自分の信念を貫き通す為に戦うの! 何でそれを邪魔するの!?」

まどか「さ、さやかちゃん……」


ボーボボ「さやか、お前の言っていることは間違っている」

さやか「どうして……?」

ボーボボ「お前は実際には信念というモノを持ち合わせていない」

さやか「なっ!? ど、どういう意味!?」

ボーボボ「確かに昨日のお前からは大きな意志を感じた。一つ一つの言葉には力が篭もっていた。だから俺は共に戦うことにしたんだ」

ボーボボ「だが、今のお前からはそれが感じられない。佐倉杏子への憎悪しかみられねぇんだ」

さやか「!?」



まどか「ぼ、ボーボボ……、そんな言い方……」

ボーボボ「まどかは下がっていてくれ」

さやか「何でよ……どうしてそんなことを言うの?」

さやか「あたしは……あたしは……」

ボーボボ「それなら聞かせてもらうが、お前は昨日と同じ気持ちで奴との戦闘を迎えようとしたのか?」

さやか「た、確かに……頭に血が昇っていたかもしれない……!」

ボーボボ「お前に必要なことは相手を理解することだ」



   杏子『坊やの手足を二度と使えないくらいに潰してやりな』

   杏子『アンタ無しでは何も出来ない体にしてやるんだよ』


さやか「……っ!」ギリッ


さやか「じゃあ、ボーボボはあいつの味方なの!? あいつと同じ考えなの!?」

ボーボボ「そうは言ってねぇ。相手と同じ思想になるんじゃない。相手を理解しつつ、自分の考えを伝えるんだ」

ボーボボ「お前にはその全てが中途半端に足りねぇ。相手を知れてないし、信念も貫けてない」

ボーボボ「そして、それは向こうにも言えることだろう」

杏子「………ふん」


ボーボボ「この戦い……俺が買った」スッ

まどさやマミ「「「え?」」」

杏子「へぇ……」

首領パッチ「マッ」

天の助「ジデ~?」

ソフトン「……」



さやか「ちょ、ちょっと待ってよ! 喧嘩を売られたのはあたしだよ!? ボーボボは関係ないでしょ!」

ボーボボ「ああ、関係は無い」

ボーボボ「だがな、たまには大人が子供にお灸を据えてやらねぇとな」

ボーボボ「俺個人のワガママだ。佐倉杏子、俺と勝負しな」ピッ

杏子「ふふふ、面白いじゃん」

さやか「そんな、無茶苦茶な……!」

マミ「そうですよ、ボーボボさん! こんな戦い……」

ボーボボ「俺は魔法少女じゃない。魔法少女同士の同族争いにはならねーだろ?」

マミ「うう……、でも……!」

ソフトン「…………」


ボーボボ「ソフトン、構わないか?」

ソフトン「ああ、これはお前の仕事だな」

ソフトン「きっと俺ならどこかで手加減をしてしまう。それではおそらく駄目な筈だ」

ボーボボ「ソフトン……」

ソフトン「行ってくれ、ボーボボ」

ボーボボ「ああ」



ボーボボ「おい、天の助」

天の助「お?」

ボーボボ「そいつをさやかに渡すんじゃねーぞ?」

天の助「お、おう、もちろん」つソウルジェム ギュッ

ボーボボ「…………」

ボーボボ(濁っているな……。おそらくグリーフシードを一つも持ってないのだろうな)

ボーボボ(濁ることにどんなデメリットがあるかは知らねーが……。あのエセ宇宙人のことだ、ろくなことじゃないはずだ)

ボーボボ(それはさやかも直感的に気づいていると思うが、それでも戦おうとするとは。勇気か無謀か……)


ボーボボ「今回はお前らの手出しも無用だ」

首領パッチ「チッ、出番無しかよ」

マミ「大丈夫かしら、ボーボボさん……」

まどか「マミさん、心配なんですか? ボーボボならきっと……」

マミ「ええ、分かってはいるけど、ちょっと心配事が……」



ボーボボ「またせたな」

杏子「ほんっと遅いよ」

  スチャッ!

杏子「さあ! 今度こそ、てめぇらの息の根を止めてやるよっ!」

ボーボボ「やってみろ! 俺の鼻毛真拳が相手する!」

  鼻 < ミミズ ニュルニュル

まどか「ひっ!? み、ミミズが出てるよ!」

マミ(そう、これが心配なのよね……)


天の助「ど、どういうことだ、ボーボボの奴鼻毛真拳を使えてねえじゃねーか!」

首領パッチ「鼻毛真拳の無いボーボボなんて、職の無いお父さんじゃないか!」


  お父さん『父さんな……、長い夏休みもらっちゃったよ……』

  犬『クゥーン』ナデナデ


さやか「ひどっ!! いくら何でも辛辣過ぎでしょ!」



QB(いいぞ、事態は好転している……!)

QB(杏子とボーボボ……。強さや戦闘のセンスはボーボボの方が桁外れに高いのは明白だ)

QB(だが、鼻毛真拳が使えないのなら杏子の方にも分がある。オマケに今回取り巻きは戦闘に参加しな

いときた)

QB(どさくさに紛れてまどかと契約も出来るかもしれない)


杏子「へぇ、良いこと聞いちゃった。あの変な鼻毛使えないんだ」

ボーボボ「お前などミミズで十分だ」ウネウネ

杏子「甘く見てたら痛い目見るよッ!」ダッ!

杏子「らああぁぁッ!!」ズバァッ!

ボーボボ「迎え討つッ!」グワッ


   鼻ミミズ真拳奥義<雷轟怒龍>!!


  ガキイィィーーーーンッ!!!


ボーボボ「ダメでしたーーッ!」グバァッ!

さやか「ミミズ弱ぇーーーーッ!?」サヤーン!?


杏子「弱い弱い! 笑っちゃうね!」

ボーボボ「くそッ! 親父さえ帰ってくれば……!」


  鼻 < とろろ ネバ~

  チョウ「アイヤー、また間違えたアル」


マミ「鼻からとろろが……。めちゃくちゃかゆそう……」

首領パッチ「こうなったら俺たちが親父の代わりをするしかねぇ!」

天の助「だが、俺たちに出来るか……!?」

首領パッチ「四の五の言うな! やるしかない!」

ボーボボ「頼んだぞ、お前ら!」

ボーキド博士「ゆめとぼうけんと! ポケットモンスターのせかいへ! レッツゴー!」

首領パッチ「   」シュンシュンシュン…

天の助「   」シュンシュンシュン…

まどか「懐かしい感じで小さくなっていった……」




  <鼻>

  首領パッチ「こちら首領パッチ。今、鼻に到着した」

  天の助「お前はもう帰れ。こっからは俺たちがやるぜ」

  チョウ「アイヤー」



ボーボボ「まずい! 攻撃が来たぞ! 早く鼻毛を出してくれ!」ググッ

杏子「ほらほら、どうした!!」シュバババッ!



  首領パッチ「えーと、このボタンだっけ?」ガチャガチャ

  天の助「馬鹿、こっちのレバーだよ」ガシャン

  首領パッチ「くそっ、ボタンが多すぎて分からねぇ! ……ん?」



  押したらダメなボタン「自分押したらヤバイっすよ?」



  首領パッチ「   」ポチッ

  押したらダメなボタン「あ」

  天の助(押したッ!?)ビクッ

  首領パッチ「ダメだ、操作方法がさっぱり分からねぇ!」

  天の助(そんで流した!!)



ボーボボ「な、何だ、鼻から力が湧いてくるぞ……! 首領パッチ達、ついにやってくれたか!」

まどか(押したらダメなボタンのせいだと思うな……)

ボーボボ「うおおぉぉーーッ!! いまこそ鼻毛を解放するぜぇーーッ!」ボワッ!

 ゴゴゴゴゴゴゴ!!

杏子「な、何てオーラだ!?」

ボーボボ「うおおおおおおぉぉぉぉ!!!」


   ピカッ!


         『 鼻 毛 解 放 』


  ドオォーーーーン!!



ボーボボ「見ろ! 俺の鼻毛を!」

    鼻 < 鎖鎌 ヒュンヒュンヒュンヒュン

まどか「鎖鎌だぁーーーーッ!?」マドーン!

さやか「普通に凶器が出てきたぁーーーッ!?」サヤーン!

ボーボボ「何!?」つ手鏡 スッ

    鼻 < 鎖鎌 ヒュンヒュンヒュン!

ボーボボ(やだ、おしゃれ! 今年のトレンドかしら!?)ポッ

まどさや「「絶対違うよ!!」」


杏子「無視してんじゃねぇぞ、こらぁーーーッ!」ダッダッダッ


杏子「そんな子供騙し通用しないよ!!」ブン!

ボーボボ「それはどうかな!」ヒュン

    ガキン!

杏子「うッ!?(こ、こいつ鼻毛だけじゃなく、鎖鎌まで使いこなしてやがる!)

杏子「失せろぉ!」ブン

ボーボボ「その技はすでに見切った!」ヒュンヒュンヒュン!


槍< ガシャーーーン!! バラバラバラバラ……


杏子「なっ!?」

まどか「すごい、槍を分解しちゃった……!」

ボーボボ「そして、このバラした槍をーーーッ!」ガシッ

  ダッダッダッダッダッ

ボーボボ「駅のコインロッカーにどーーーーん!!」

コインロッカー < ガチャッ
コインロッカー < ガチャッ
コインロッカー < ガチャッ
コインロッカー < ガチャッ

杏子「何やってんだぁーーーッ!?」ガビーン!

杏子「てめぇ、アタシの得物を! おい、鍵をよこしやがれぇ!!」ガチャガチャ

ボーボボ「五百円ちゃんと払えよ?」

杏子「誰が払うか!!」


天の助「しゃあッ! これで奴はもう武器を使えねぇ!」

杏子「ふ、ふん、甘いね。こっちは魔法少女だよ? 武器なんていくらでも出すことが……」パァァ…

 ボワン!

キャプテン・ハーナッゲ「ぐっへっへっへっ!」モクモク

  『キャプテン・ハーナッゲ』
   カリブ海で活動している極悪海賊。義手のカギヅメからしけたちりめんじゃこが出てくる。
   ピーターパッチとは犬猿の仲。しかし、一緒に麻雀をすることがあるぞ。


杏子「な、何だこいつはぁーーーーッ!?」ガーン!?

まどか「変な人が出てきたぁーーーッ!?」マドーン!?


キャプテン・ハーナッゲ「奴は俺の腕をワニに食わせやがった!」

杏子「な、何だよお前! 糞っ! 何で武器が出てこないんだよ!」

ピーターパッチ「それは僕が説明しよう」

  『ピーターパッチ』
   レバーランドの王様。子供を拉致しては、聖帝十字陵を建造させる奴隷にしている。
   キャプテン・ハーナッゲとは犬猿の仲だが、実は一緒にぬか漬けを作る仲でもあるぞ。


さやか「このよく分からない説明は毎回出てくるの!?」サヤーン!?


首領パッチ「お前の武器が出ない理由……。それはさっきのボーボボの行動に秘密がある」

杏子「な、何ィ!?」

ボーボボ「うっそー、バラしちゃう系ー?」

まどか「い、一体何をしたの、ボーボボ!?」

ボーボボ「特別に教えよう」


 ホワンホワンホワン……

~~~~

杏子「失せろぉ!」ブン

ボーボボ「その技はすでに見切った!」ヒュンヒュンヒュン!

~~~~

ボーボボ「この瞬間の俺の鼻を拡大しよう」

~~~~



  ~ボーボボ 鼻~


  首領パッチ「よっしゃ! 上手く行ったようだぜ!」

  天の助「そのようだな。だが、速く避難しないと、俺たちも戦闘に巻き込まれるぜ?」

  首領パッチ「おう、ではこの脱出ポッドで……」つポッド

  天の助「きゃー! ドラゴンボールっぽい!」

  チョウ「チョットチョット」チョンチョン

  天の助「ああ? んだよ?」

  チョウ「店長サン、帰ッテキタアル」


  親父「フライングゲットぉ~♪ 一足先に~♪」ヨロヨロ

  親父「えへへへ、手振ってもらっちゃったよ~~ん」グデグデ

  パチ天「「………」」

  親父「あれぁ、首領パッチさん達じゃないですか~。そんな怖い顔してどうしたんですかぁ~」ヨロヨロ

  親父「あ、もしかして俺のこと待ってたとかぁ? まいったな~。I want you ~♪ I need you ~♪ て感じですかぁ~?」グデグデ

  首領パッチ「残念だったな……」

  親父「えへへ~……え?」

  天の助「次の総選挙に貴様の票が入ることはない」

  親父「え……え?」

  パチ天の助「「二度とその面見せんなハゲチャビンがぁーーーッ!!」」ドゴオォォ!!

        ゴシャァッ!!

  親父「友美ちゃ~~~~~ん!!」ドゴーーーン!!



   ======『親父』   『杏子の鼻』
     ヒューーーーーーーーー 



        ========『杏子の鼻』
               スポッ

~~~~


ボーボボ「と、いう訳だ」

杏子「何ィーーーーー!?」ガーン

さやか(親父うぜぇ……)


杏子「な、何を馬鹿なことを! アタシの鼻にちっさいおっさんがいるなんてそんな……」


  <鼻>

   親父「ジーーーーッ」ジー


杏子「居た!? しかもめっちゃこっち見てる!?」

杏子「何やってんだお前! 早く出て行きやがれ!!」


  <鼻>

   親父「…………」

   親父「よっこらしょっと」つリモコン ピッ

   テレビ<迎えた八回、阪神の攻撃……


杏子「居座る気マンマンじゃねぇか! 何アタシの鼻の中にテレビ持ち込んでんだ! 出てけよ!」


ボーボボ「不純物を取り込んだお前の体は、もはやまともな魔法を使うことは出来ん。勝負あったな」

杏子「くぅッ!! だ、だがな、武器が無くなった所でそれがどうした!」

杏子「得物なんていらねぇ! アンタらごときにはちょうどいいハンデだよ!」スッ

ボーボボ「面白い……。俺も親父が帰るまで鼻毛は使えない身。シンプルな力比べで勝負だ」スッ


杏子「……」ジリ…

ボーボボ「……」ジリ…


まどか「す、すごい静か……、戦いの最中とは思えないよ」

さやか「二人とも少しも動いていない……!」

ソフトン「この戦い……先に動いた方が負けるぞ」

マミ「そ、そんなに……!?」ゴクリ…



 ヒュウゥ~~~~…


天の助「お互い相手の気の緩みを探っている。少しでもこの静寂を破る事態が起これば、壮絶な死闘が始まるぞ……」

まどか「ボーボボ……」


ボーボボ「……」

杏子「……」


首領パッチ「生卵を……」つ生卵 スッ


杏子「……」

ボーボボ「……」


首領パッチ「落とします」つ  パッ

                川  ヒ
                川  ュ
                川  |
                川  |

                生卵

      ________________
       地面



杏子「……」

ボーボボ「……」


    ヒューーーーーーー…


生卵「五点着地!!」ズシャッ!

杏子「おらぁッ!」ブン!

ボーボボ「はぁっ!!」ゴシャッ!

マミ「始まったわ!」

さやか(あの卵すげぇ……)



ボーボボ「ふん!」バシュッ!

杏子「せいっ!!」ブン!


   シュバババババババッ!


まどか「う、動きが見えないよ……!?」

ソフトン「達人同士の殴り合いだ。無理もない」

マミ「ボーボボさん、頑張って!」


杏子「そこだッ!」ブン!


  バキィッ!


ボーボボ「ぐッ!?」ヨロッ



首領パッチ「ああッ!? ボーボボの奴、イカで言うゲソの部分をやられたぞッ!!」

まどか「普通に足って言えばいいじゃん!?」マドーン!?

さやか「何故、わざわざイカで……」


ボーボボ「うぅ……」ガクン…


天の助「たまらず崩れ落ちた! 足のダメージは相当だぞ!」

まどさやマミ「「「そ、そんな……」」」


杏子「勝負あったね。そのド派手なアフロごと、頭をかち割ってあげるよ」スッ

ボーボボ「ふっ……」ニヤリ

杏子「何笑ってんの? アンタ状況分かってる?」

ボーボボ「油断大敵だ。俺のチャームポイントは鼻毛だけじゃないんだぜ?」



 アフロ<パカッ


杏子「なっ!? まさか、アフロに引きつける為にわざと攻撃を……!?」

ボーボボ「至近距離でくらいな」


    鼻毛真拳奥義<藪から棒 アフロからアフロ>


 アフロ<ボヨ~ン アフロ<ボヨヨ~ン アフロ<ボヨ~ン



杏子「な、何じゃこりゃ……もががっ!?」ボフッ

まどか「アフロから大量のアフロが出てきたーーー!?」

ボーボボ「アフロの良い所……それは」


 アフロ<ポーン アフロ<ボヨンボヨーン アフロ<ボヨ~ン


ボーボボ「マリモと同じ飼育方法だッ!!」カッ

マミ「そうだったんですか!?」マミーン!?


杏子「ぐおおおぉッ!? なんつー量のアフロだ!?」


 アフロs<ボヨヨヨヨヨ~~~~ン


杏子「み、身動きが取れない……!?」ボフンボフン!



さやか「まるでアフロの大洪水ね……」

まどか「あ、ちっちゃいアフロもある。ちょっと可愛いかも……」ポヨヨーン


杏子「負ける訳がねぇ……!」ザバン!

杏子「アタシがこんなフザケた技に負ける訳が……!」ザバザバン!


マミ「あの子、アフロの海を泳いでいるわ!?」

まどか「すごい……」

さやか「な、何だか、端から見たらマヌケな図だなぁ……」



杏子「 ! アフロ野郎がいない!? このアフロの中に紛れ込んで不意打ちするつもりかい!?」

杏子「どこに行きやがったーー! 出てこい、アフロ野郎ーーッ!」


   「そんなに大声出さなくても聞こえているぜ」


杏子「!!」ゾワッ…

杏子「う、後ろ……!?」クルッ





ボーボボ「さあ、次の一撃で最後だ」ジー…

美容師「縮毛液が染み渡るまでもう少しお待ちください」シュッシュッ

ボーボボ「あ、はい」ジー…

まどさやマミ「「「ストレートパーマあててるぅーーーーッ!?」」」ガガーン!?



ストレートボーボボ「ストレートになった俺には誰も勝てないぜ」ファサッ

杏子「ナメんじゃないよ……! 訳の分かんねー技を使いやがって……!」ハァハァ…

杏子「何でアタシが押されてるんだよ……。何でお前なんかに……!」ゼェゼェ…

ストレートボーボボ「…………」

杏子「アタシが負ける訳がないッ! お前らみたいにのほほんと生きてきた奴らなんかに! 負ける訳がない!」


杏子「がああぁぁーーーーッッッ!!」ダッ

 ダッダッダッダッダッ!


ストレートボーボボ「今のお前には理解できねぇだろうな」

ストレートボーボボ「俺とお前の決定的な違いは二つだけ……」



杏子「ああぁーーーーッッッ!!」

 ダッダッダッダッダッ!


ストレートボーボボ「一つは守るべき仲間だ」

ストレートボーボボ「他人を拒絶して生きてきたお前に、仲間を持っている俺の強さを理解できる訳がねぇ」


杏子「うおおあああぁぁーーーーッッッ!!」

 ダッダッダッダッダッ!!

ストレートボーボボ「そして、もう一つは……」




ストレートボーボボ「俺の誇り高き強靱なアフロだぁーーーーッ!!」カッ!


 ボキャァッッ!!



まどさやマミ(((いやいやいや! 今のあんたアフロじゃないから! 見事なストレートだから!)))ガビーーン!



杏子「ぐ……う……ぁ……」ガタガタ…

ストレートボーボボ「アフロを抱き……そしてアフロと共に眠れ」

   ストレートヘア < ボフンッ

       アフロ < ボヨ~ン

まどか(あ、アフロに戻った)



杏子「こ、こんなのアリか……よ……」ガクッ


マミ「か、勝ったわ……」

マミ「ボーボボさんが、あの佐倉さんに勝ったわ!」

まどか「ボーボボ!」タッタッタ

首領パッチ「やったな、ボーボボ!」タッタッタ

天の助「流石、我が弟子じゃ」ヨボヨボ

ソフトン「怪我は大丈夫か」タッタッタ

ボーボボ「ああ、親父も戻ってきたぜ」

   <鼻>

    親父「やっぱ余所の枕じゃ寝られねーや」ゴロゴロ

ボーボボ「杏子を頼んだぞ」スッ

杏子「   」キゼツチュウ

ソフトン「ああ」ガシッ



     ワイワイガヤガヤ


さやか「…………」

ボーボボ「さやか」

さやか「ボーボボ……」

ボーボボ「あの戦い、お前が出ていれば間違いなく負けていたぞ」

さやか「……」

ボーボボ「お前はあの時、仲間を省みていなかった。周りが見えていなかったんだ」

ボーボボ「その先には最悪の事態しか見えない」

さやか「ボーボボ……」


さやか「ボーボボはさ、杏子の間違いを指摘すると同時に、あたしにも同じことをしてたんだね」

さやか「よく考えれば、あたしはあいつと同じだったかもしれない。自分が一番なりたくない大嫌いなあいつと……」

ボーボボ「やっと分かったか」

ボーボボ「さやか、今度からは仲間に頼れ。そして仲間を思え」

ボーボボ「そうすれば、自然に自分が何をすればいいのか見えてくる筈だ」

さやか「うん……」


天の助「さやか」

さやか「天の助……」

天の助「ほらよ」ヒュッ

さやか「あ、っとと……」パシッ

     つソウルジェム

さやか「あたしのソウルジェム……」



まどか「さやかちゃん!」

マミ「美樹さん!」

さやか「まどか、マミさん……」

さやか「二人ともごめん。あたし、みんながどれだけ心配してたかも知らずに……」

マミ「いいのよ、美樹さん。もう過ぎたことよ」

まどか「そうだよ。前みたいな、明るくてちょっとおバカなさやかちゃんに戻ってくれるならさ」

さやか「何だとー!? さやかちゃんにおバカとはどういうことだ、このこの~!」サヤサヤ!

まどか「ティヒヒ、止めてさやかちゃん! くすぐったいよ、ウェヒヒ」マドマド!

マミ「ふふふ」



ソフトン「…………」スッ

さやか「あ、えっと、ソフトンさん……?」

ソフトン「杏子が……迷惑をかけてしまった」

杏子「すぅ…すぅ…」

さやか「いや、いいんですよ。というより、こちらこそです」

さやか「あたしもその子とそんなに変わらなかったと思うんですよね~」ア、アハハ…

首領パッチ「二人とも今回のことで学ぶところがあったわけだ」ウンウン

まどか「何かいい感じ! 珍しくいい雰囲気だよ!」



    ウフフ、アハハハ


ほむら「美樹さやかの身を心配して来てみれば……、何なのこの状況……」

ほむら「佐倉杏子が気絶している所を見ると、おそらく戦闘があった筈だけど、何故か皆が和気藹々としている……」

まどか「あれ、ほむらちゃん。いつの間に?」

さやか「あ、転校生じゃん」

ほむら「こんばんわ、まどか。ねぇ、一体どういう状況なの?」

ほむら「杏子を倒したのは美樹さやか、あなたなの?」

さやか「う~ん、色々あったんだけどなぁ。どう説明すれば……」

ほむら「早くしなさいよ(こっちはあなたのことを心配してわざわざ……)」つソウルジェム イライラ

さやか「ちょ、何でイラついてんの!? ソウルジェムまで出すこと無いじゃん!」

ほむら「それなら尚更、さっさと教えなさい」つソウルジェム イライラ



まどパッチ「ダメだよ、ほむらちゃん! こんなの絶対おかしいよ!」ダッ

まどさやほむ「「「!?」」」

まどパッチ「えい!」つソウルジェム ガシッ

ほむら「なっ!? ちょっと、私のソウルジェム!!」

まどパッチ「魔法少女同士で争うなんて!」ガンガンガンガン!

ほむら「止まりなさい! ちょっと割れ物なんだから、ドリブルしながら走らないで!!」ダッダッダッダッ

まどパッチ「ほむらちゃん、ごめん!」ポイッ

ほむら「ああッ!?」ホムーン!?



           歩道橋
     ――――――――――――――――

            川 ヒ
            川 ユ
            川 |
            川 |
            川
         『ソウルジェム』


ほむら「あああぁーーーーッ!?」


トラック「ぶっぶー」ブゥーン

   <トラック荷台>

     ソウルジェム「五点着地!」ボフン



ほむら「あ、あなた一体どんなことをしてくれたか分かってるの!?」グイッ

首領パッチ「知るかボケ」ホジホジ

ほむら「早く取りに行かないと……! あれは私の命と同じ……」

ほむら「」フッ


  パタン


まどか「ほむらちゃん? ほむらちゃん!?」

さやか「え、え、え!? ちょっと、どうしたのさ転校生!?」

マミ「暁美さん!? ど、どういうこと!?」

天の助「メディック! メディーーーーック!!」

首領パッチ(あれ、これってもしかして……。俺、やっちゃったパターン?)タラー…

ボーボボ「そ、ソウルジェムが離れた瞬間に……?」



杏子「……うーん、何だよ、騒がしいぞこら」ウーン

ソフトン「気がついたか杏子」

杏子「は? そ、ソフトン!? なななな何でお前、アタシを担いで!?」

杏子「下ろせよウンコ野郎!」ジタバタ!

ソフトン「そうか、一人で立てるか」スッ

杏子「お、おう(お、下ろしちゃうのかよ……)」

杏子「てか、アタシは何してたっけ……」

ソフトン「向こうで問題が起こったようだ。行くぞ」

杏子「問題?」



まどか「ほむらちゃん! 起きてよほむらちゃん!」ユサユサ

ほむら「」ユサユサ

さやか「い、一体どういうことなの!?」

ソフトン「退いてくれ」スッ

マミ「ソフトンさん……」

さやか「ん? それじゃ……」チラッ

杏子「……」ジー

さやか「げっ、気がついたんだ……」

杏子「悪いかよ」


ソフトン「……」スッ

ほむら「」

ソフトン「脈が無い……。死んでいるぞ……!」

まどさやマミ「「「えっ!?」」」

ボーボボ「何っ!?」

天の助「ひっ、犯人は誰!?」

杏子「ど、どういうことだよ、オイ!」



首領パッチ「い、今の内に逃げよっ」ソロソロ

ボーボボ「おい」ガシッ

首領パッチ「逃走経路遮断」ギャー

ボーボボ「お前がソウルジェムを投げた直後にあんなことになった。原理は分からんがアレがこの事に関係してるのは明白だ」

さやか「た、確かにそう考えるのが自然だね」

首領パッチ「は、はい、それで僕に何の御用でしょうかー……」タラタラ

ボーボボ「取ってこい」ズイッ

首領パッチ「む、む、む、無茶言うなよ! 向こうは高速を走るトラックだぞ!? 追いつける訳が……」

ボーボボ「そう言うと思って、特別なマシンを用意したぞ」


    <にゅーとりの号>

      ババーーン!


ボーボボ「さあ、乗るがいい!」

さやか「ニュートリノ!? このSS、ニュースに敏感!」

マミ「しかもよく見たら材料ダンボールじゃない! こんなの誰も乗ろうなんて……」

首領パッチ「さっすが博士! 最高のマシンだぜ!!」

さやマミ((良いんだ……あれが……))



ボーボボ「発射三秒前……! スリー…ツー…」

首領パッチ(ライドオン)「ドキドキ」

ボーボボ「ワン……GO!!」

首領パッチ「パッチ行っきまーーす!」


トラック「ぶっぶー」ゴオオォ

 ゴシャァッ!!

首領パッチ「ぶべらッ!?」グシャッ!

さやマミ「「大破したぁーーーーッ!!」」トウゼンノケッカダケド…

さやか「ど、首領パッチが脱落しましたけど、どうするんですか、ボーボボさん!?」

ボーボボ「大丈夫だ。すでにソフトンが回収に向かった。今頃トラックに追いついているだろう」

杏子「あれっ!? ホントだ、アイツいつの間に?」

マミ「さっきの首領パッチ君は何の為に!?」マミーン!?



まどか「ほむらちゃん! ほむらちゃんてば!」

ほむら「」

まどか「どうして……何で……!?」


QB「首領パッチはマズイことをしてくれたね」


まどか「き、キュゥべえ!?」

天の助「てめー、よくノコノコ出てきやがったな」

マミ「キュゥべえ……」

ボーボボ「何か知っているようだな。全て話してもらおうか」

QB「やれやれ、怖いなぁ」



QB「そもそも首領パッチの行動が異常だね。君たちがあれほど大切にしていた<親友>を投げ捨てちゃうなんてね」

まどか「な、なに? 何言ってるのキュゥべえ……?」

QB「君たち魔法少女が身体をコントロール出来るのは、せいぜい100m圏内が限度だからね」

杏子「100m? 何のことだよ、どういう意味だ!?」

天の助「メートルってのは長さの単位だぞ。俺からまどかの距離が約1メートルすれば、その百倍ってことさ」フフン

杏子「100mの意味を聞いてんじゃねぇよ!? 小卒だからってバカにし過ぎだろうが!!」アンアン!


QB「普段は肌身離さず持っているものだから、こういう事故は珍し……」ボトボト…

ボーボボ「………」つ牛乳 <ボタボタボタッ

QB「………」ボトボト…

ボーボボ「続けろ」つ牛乳 <ボタボタボタ

QB「う、うん(突っ込んだら負けな気がする……)」ボトボト…



QB「ただの人間と同じ、壊れやすい身体のままで、魔女と戦ってくれだなんて、とてもお願い出来ないよ」ポタポタ…

QB「君たち魔法少女にとって、元の身体なんていうものは、外付けのハードディスクでしかないんだ」ポタポタ…

天の助「つ、つまりアイアンマン!?」

QB「それをどう捉えるかは君たちの勝手だよ」


QB「君たちの本体の魂には、魔力を効率よく運用でき、なおかつ安全な姿が与えられるわけさ」

QB「僕の役目は、契約と同時に君たちの魂を抜き取って、ソウルジェムに変えることなんだ」

まどか「そ、そんな……ひどいよ、あんまりだよ……」

杏子「ふざけんじゃねぇぞ……! それじゃアタシたち、ゾンビにされたようなもんじゃないか!!」

QB「むしろ便利じゃないか」

QB「心臓が破けようが、脳が破壊されようが、その身体を魔力で修理すれば、すぐにまた動くようになる」

QB「ソウルジェムさえ無事ならば、君たちは無敵なわけだ」

QB「弱点だらけの人体よりも、余程戦いは有利じゃないか……」


マミ「キュゥべえ……、あなた、私たちを騙して……!?」

QB「君たちはいつもそうだね。事実をありのまま伝えると決まって同じ反応をする」

QB「騙すも何も、君たちはその事について質問すらしなかったじゃないか。人聞きの悪い」

ボーボボ「てめぇ……!」つ牛乳 <グシャッ!

ボーボボ「お前を今からこの牛乳のように……、ん?(よく見るとこれ牛乳じゃなくて……)」つ牛乳 ジー


    つ『低脂肪乳』


ボーボボ「…………」つ低脂肪乳

ボーボボ「絶対に許さねぇッ!!」ゴシャッ!

QB「きゅっぷい!?」ボキャッ!

マミ「キレるポイントおかしくないですか!?」マミーン!?



さやか(そ、そんな……。あたしの身体が……そんなことに……)

さやか(これじゃ恭介に……恭介に……!)


ボーボボ「ゆりゆららららゆる許さねぇッ!!」ドゴォ! バキーン!

QB「ぐふぅッ! ウギャァッ!?」バキッ! ベキィッ!

杏子「おい、アタシにも殴らせろよ!」

まどか「ほむらちゃん……! ほむらちゃぁん……!」

ほむら「」



ソフトン「はぁ……はぁ……、待たせたな」つソウルジェム

マミ「ソフトンさん、取ってきてくれたんですね……!」

杏子「ソフトン! そのソウルジェムはそいつの魂らしい! 早く元に戻さないと……!」

ソフトン「何!? 分かったすぐに……!」つソウルジェム


天の助「本物のほむらはどれだ!? 3択問題~~!」パンパカパーン!

  Aほむら「」

  Bほむパッチ「」

  C市松人形「」


ソフトン「うおッ!?」ビクッ!?

さやか「何やってんのよ~~!!」サヤーン!

天の助「さあ、本物はただ一つ! 挑戦者は正解なるか!?」

マミ「こんなの間違えるわけが……」

まどか「ほむらちゃん! ほむらちゃんってば!」

  C市松人形「」ユサユサ

さや杏マミ(((あ、この子案外アホの子だ)))



  Bほむパッチ「ドキドキ」ドキドキ

  Bほむパッチ(これで私が選ばれれば、この作品のヒロインの座は貰ったも同然だわ!)


ソフトン「邪魔だ」ズン!

Bほむパッチ「ぎゃあぁッ!? 何故ばれたぁ~~!?」グフゥッ!


  スッ……


ほむら「」つソウルジェム

ほむら「……っ! はっ!?」つソウルジェム ビクッ!

まどか「良かったほむらちゃん!」

ほむら「ま、まどか!? い、一体何が……」つソウルジェム

ほむら「ソウルジェム……? ま、まさか!?」


ボーボボ「まだやるか? まだやるのか?」ドゴォ! ボコォッ!

QB「う、うぐぅ……」バキィ! ボキィ!

天の助「安いよ~。サンドバック、三分百円だよ~」

首領パッチ「おい、ボーボボ。早く替われよ」



ほむら「キュゥべえがいるってことは……そう」

ほむら「あなた達も知ってしまったのね……」

まどか「ほむらちゃん……」グスグス…

マミ「暁美さん……」

さやか「…………」

杏子「…………」

ソフトン「…………」





 B市松人形「何だよ……、呼びっぱなしな上に放ったらかしかよ、俺……」




第六話 「そうなの? そんなにおかしいの?」 完

お前Cだよ!


第6話はこれで終了です
待っててくれた皆様、ありがとうございます
これからは早めの投下を心掛けたいと思います

次回は書き上がり次第、投下します

>>262
ご指摘ありがとうございます

訂正です



ほむら「キュゥべえがいるってことは……そう」

ほむら「あなた達も知ってしまったのね……」

まどか「ほむらちゃん……」グスグス…

マミ「暁美さん……」

さやか「…………」

杏子「…………」

ソフトン「…………」





 C市松人形「何だよ……、呼びっぱなしな上に放ったらかしかよ、俺……」




第六話 「そうなの? そんなにおかしいの?」 完




  ( ゚д゚)  「ふわり!どんぱっち」
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
  \/    /

     ̄ ̄ ̄
 
  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
  \/    /
     ̄ ̄ ̄

>>1です まさかの首領パッチ復活……!
今から12月が楽しみですね

それでは第七話前半を投下していきます





前回までのあらすじ


スマート諸葛亮「やあ! 諸葛孔明ことスマート諸葛亮だよ!」

スマート諸葛亮「じゃ、前回までの『手のひら三国志』、あらすじを始めるよ!」

スマート諸葛亮「曹操軍のまさかの水攻めには驚かされたけれど、流石私の策は大陸一! 綿密に練られているから最小限の被害ですんだね」

スマート諸葛亮「しかし、こんな方法で起死回生を図るなんて、敵軍も中々頭がキレるようだ」

スマート諸葛亮「優秀な軍師がいるのかな? でも曹操軍にそんな奴いたっけ? まあ、記憶に無いから大した奴ではないだろうけど」

スマート諸葛亮「それでは、『手のひら三国志』第24話 <無双みたいな鎧が欲しい>。始まるよっ!」



マミ「だ、誰ですか、あなた……」

さやか「全然違う話のあらすじになってるじゃん……」


  第七話 「本道 清志 と向き合えますか?」







QB「どうして僕がそんなこと言われなければならないんだい。まったく訳が分からないよ」

QB「聞かれなかったから答えなかっただけなのに。気づかずに一生を終える子だっているんだよ?」

QB「それにしても人間は魂の居場所だとか言うものを、妙に大切にしているよね。脳も心臓もタンパク質の集まりだというのに」

QB「そもそも人間の身体は弱くて脆過ぎるんだよ。槍の一本でも刺されば一歩も動けなくなってしまうほど、神経と肉体がリンクしている」

QB「実に不合理だ。君たちは僕のお陰で強大な魔女と互角に戦えているというのに……」

QB「感謝こそあれ、恨まれる筋合いなんて無いよ」

QB「むしろ喜ぶべきさ。君たちは貧弱な人間とは根本的に違う存在になれた、とね。理論上は不老不死と同義でもある」

QB「君たちは魔法少女になるとともに、願いとは別にそういう幸運なオプションが付いてきてると思えばいい。だから……」

QB「だから……」




    大砲 <「だからさ……」




QB「だから落ち着いて話し合おうじゃないか。こんなことをしたところで何の意味も……」

ボーボボ「点火」つ マッチ シュボッ


  ドオオォォーーーーンッ!!


QB「きゅっぷいぃーーーーーーーー!?」ドゴォーーン!!

首領パッチ「まあ、綺麗な花火」

天の助「君の方が美しいよ」

首領パッチ「お上手なのね」



さやか「……」フラフラ

まどか「さやかちゃん……」

さやか「……」

さやか「ごめんね、まどか……今は一人にさせて。先に帰るね……」フラフラ…

まどか「あ……さやか…ちゃん…」


杏子「アタシもだ。アタシも抜けさせてもらうよ……」スッ

ソフトン「……」

杏子「へぇ。今度は止めないんだ?」

ソフトン「……」

杏子「…………あばよ」


  シュン!


まどか「そんな……、こんなことって……」

マミ「落ち着いて鹿目さん。美樹さんも佐倉さんも強い子よ。きっと乗り越えれるはず……」

まどか「マミさん……、あっ」


マミ「…………っ」カタカタ

まどか(震えてる……。マミさんもやっぱり不安なんだ……)


ほむら「……」

ほむら(これは仕方のないこと。いつかは皆が知らなければならなかったこと……)



 ~~~~~~~~~~~~
       O
      0
     。
首領パッチ「…………」ホワンホワン

まどか「首領パッチ君、黙っちゃってどうしたの……?」

首領パッチ「あらすじがロクに機能してなかったから、昨日のあの後の出来事を簡単に思い出していたんだ」

まどか「だったら、ちゃんとあらすじしようよ……」

天の助「ちなみに、今は翌日でここは学校ですぜ!」

ほむら「誰に言っているのよ」



魚雷ガール「はーい! 着席しなさーい、調きょ…授業の時間よ」

首領パッチ「せんせー! 美樹さんがお休みでーす!」ハイッ

魚雷ガール「職員室にも連絡が来てるわ。でも、元気の有り余るあの子が休むなんて、何だか心配ね」


    さやか席 < ガラーン…


まどか(さやかちゃん……)

仁美「どうしたのかしら、さやかさん……」

ほむら「……」


魚雷ガール「まあ、いいわ。授業を始めるとしますか……」

魚雷ガール「っと! ハイ、中沢君! 目玉焼きには黒色火薬派? それとも下瀬火薬派!?」ビシィッ!

中沢「え、ええっ!? 不意打ち!? ていうか、目玉焼きに火薬って……」

魚雷ガール「早く答えなさい。5…4…3…2…」ギロン

中沢「ヒィッ!?(冷血動物の目だ!)」ビクッ


中沢「え、え~と……。その、どっちでもいいと……思います……」



魚雷ガール「この草食系弱小男子がぁーーーーー!!」ドゴォォン!

中沢「ぎゃあああああああぁぁぁ!!??」ゴシャーーン!

魚雷ガール「女の子は! リードしてくれる男が好きなの! どっちでもいいなんて、軟弱よ! 軟弱!」プンプン!

中沢「」ピクピク

魚雷ガール「……でも」

魚雷ガール「でも、そういう守ってあげたくなる男の子も……キライじゃないぞ☆」ウィンクパチン


  全員((((((うぜぇ……))))))



魚雷ガール「ちなみに私は何もかけない派」




  ~昼休み 屋上~


まどか「ほむらちゃんはさ……知ってたの? ソウルジェムのこと」

ほむら「ええ」

マミ「暁美さんが、いつか私たちに話す魔法少女の真実っていうのは、コレだったのね……」

ほむら「そうよ」

ほむら(巴マミ……、思ったより強いのね。美樹さやかと同じで休むかと思っていたけど)


まどか「どうして……」

まどか「どうして、言ってくれなかったの? あらかじめ知っていれば、みんなあんなことに……」

ほむら「……」

マミ「鹿目さん。暁美さんを責めるのは筋違いよ」

まどか「マミさん……。でも、でも……!」

マミ「ほとんどの魔法少女は……、例え魂がソウルジェムに変えられると知っていたとしても、結局は契約をしていたと思うの」

マミ「私なんかは特にね」


ほむら「……」

まどか「……」

マミ「でも、怒っていないわけじゃないわ。私の時は別として、忠告も無く契約を結ぼうとするキュゥべえに、大きな憤りを感じているわ」

マミ「そして、自分自身にも……」ギリッ

まどか「マミさん……」


ほむら「まどか。私の認識も甘かったわ」

ほむら「この事は慎重に明かすつもりだったの」

ほむら「前もって話しても信じてくれないことがほとんどだし、仮に信じてくれたとしても大きな凝りを残してしまうことになる」

ほむら「私たちが皆、心で信じ合う仲になってから話すつもりだったけれど……、考えてみれば相手を信じていないのは私の方だったわ」

ほむら「特に美樹さやか。彼女には、完全に嫌われてでも言い聞かせるべきだった」



まどか「さやかちゃん達はもう、元の暮らしには戻れないの……?」

ほむら「魔法少女から人間に戻ったなんて話は聞いたことがないわ」

まどか「そんな……、酷いよ、酷すぎるよ……」

まどか「さやかちゃんはただ……好きな子の怪我を治そうと……」ポタポタ

まどか「マミさんだって、今までみんなを守ってきたのに……」

マミ「鹿目さん……」ギュッ

まどか「マミさぁん……」グスグス

マミ「泣かないで、鹿目さん……ひっく」ポタポタ

まどか「うぅ……」ポタポタ

ほむら「まどか……。許してとは言わないわ」

ほむら「ただ理解して欲しい」



  ドア < ガチャッ


天の助「おーい、パン買ってきてやったぜ」

首領パッチ「俺らにパシらせるとはいい度胸……って、何で泣いてんだお前ら?」

ほむら(シリアスな雰囲気の時、こいつらには席を外してもらうのが一番ね……)

ほむら「色々あったのよ。まどかも巴マミもすぐに泣き止むと思うわ」

ほむら「ヤキソバパン……ありがと。200円だったわよね?」サイフゴソゴソ

天の助「いやいやいやいや」ブンブン

ほむら「何よ? まさかパシリ料を払えだとか……」

首領パッチ「いや、ほむらよぉ…」



首領パッチ「オメーも泣いてんぞ?」



ほむら「………え?」ツーー

ほむら「そんな……え、私が……?」ゴシゴシ

首領パッチ「どうやらマジに気づいてなかったみてーだな」

天の助「なんだほむら。お前冷たい奴だったと思ってたら案外優しいじゃん」

ほむら「…………」ツーー

ほむら(…………私もまだ、人間だったのかしら)




  ~放課後 教室~


     キリーツ キョーツケー レーイ サヨウナラー


仁美「皆さん、ごめんなさい。今日は急ぎの用がありますから、お先に失礼させていただきますわ」

まどか「ううん、いいよ仁美ちゃん」

首領パッチ「またお稽古か?」

仁美「ええ、今日はフィーエルヤッペンですの」

まどか「ふぃ、フィーエ……?」

ほむら「フィーエルヤッペン。棒高跳びの要領で運河を飛び越えるマイナースポーツよ」

仁美「あら、お詳しいのですわね。それでは皆さん、ごきげんよう」スタスタ

首領パッチ「またな」

天の助「しかし、彼女の背中はどこか影を帯びていた……」

まどか「ばいばい」



魚雷ガール「あら、あなた達。ちょうどいい所にいたわね」

まどか「あ、魚雷先生。どうしたんですか」

魚雷ガール「今から休んでいるあの子に、宿題や学校の連絡プリントとかを届けに行くのよ。付いてきてくれるかしら」

まどか「さやかちゃんに……? はい! もちろんです!」

天の助「俺達も行こうと思ってたんですよ! いやぁ、流石先生!」

ほむら「私も同行させてもらうわ」

首領パッチ「じゃあ、さっそく美樹家へ……」



パチ天魚雷「「「レッツゴー!!」」」ピョーーン!

まどか「テレビ番組とかで場面転換の時に行われるジャンプだーーー!?」

ほむら「ジャンプしたらタレントが消えて、次の瞬間目的地にワープしているあのジャンプね!」

パチ天魚雷「「「……」」」シュタッ…

スタッフ「はい、OKでーす」

まどか「誰ッ!?」




  ~さやルーム~


さや母「さやか、お昼ご飯くらい食べたら……」

さやか「いらない」

さや母「そ、そう? 部屋の前に置いておくから、お腹が空いたら食べてね」コトッ

 スタスタスタ…


さやか「………はぁ」

さやか(これが……、このちっぽけな宝石があたしの魂……)

さやか(そして、あたしはゾンビ……。こんな体で、どんな顔して恭介に会えばいいんだろう……)

さやか(でも……)

さやか(これはもしかすると自業自得?)

さやか(思い返すと、転校生は必死にあたし達の契約を止めようとしていた……。それはこんな裏があったから?)

さやか(それなのに、あたしは転校生を悪者扱いしたり……)

さやか(あたしってバカだなぁ……)



  <いつまでメソメソしてんだよ、ボンクラ>キーン


さやか「!!」

さやか(この声……!)ガバッ

カーテン < カラカラカラ


杏子「………」つ林檎 モグモグ

杏子<ちょいと面貸しな。話がある>

さやか「……」




  ~町中~


天の助「もちろんワープなんて出来るわけもなく、歩いてさやかん家に向かってます」スタスタ


魚雷ガール「そう、そんなことがあったの。そのキュベレイとかいう奴、ずいぶんとふざけてるわね」スタスタ

まどか「き、キュゥべえです、先生」

首領パッチ「もうすぐ、さやかん家だぜー」スタスタ

ほむら「そういえば……佐倉杏子は……」

まどか「え、杏子ちゃんがどうしたの?」

ほむら(彼女はソウルジェムの真実を知って、どう動くか。まさか、もう美樹さやかと接触を……)

まどか「杏子ちゃん、あの後どうしたんだろう……。ソフトンさんと一緒にいるのかな……?」

魚雷ガール「ソフトン様!?」ガタッ

まどほむ「「ひっ!?」」ビクッ



魚雷ガール「ちょっと! 今、ソフトンって言ったわね!? どういうこと!? 答えなさい!」ガシッ

まどか「え、え、あ、あの……!?」

ほむら「そ、ソフトンなら佐倉杏子と一緒に行動していると思うけど……」

魚雷ガール「そう! やっぱりこの世界にソフトン様はいたのね! きっとこれは運命に違いないわ!」

魚雷ガール「魚雷は恋にまっしぐらーーーー!!」ダッ


   チュドオォォーーーーーン!!


首領パッチ「ぐっはぁっ!?」ドォーン!

天の助「ごばぁっ!?」ズゴォーン!

まどか「首領パッチ君達をハネながら空の彼方に消えていったーーー!!」

パチ天「「うわあああぁぁぁぁ!!??」


     ヒューーーーーー…


ほむら「ハネられた奴らもどこかに吹っ飛んでいったわね……」

まどか「みんな居なくなっちゃったから、二人だけでお見舞いに行こっか……」

ほむら「そうね……」





  ~並木道~


杏子「アンタさぁ、やっぱり後悔してんの? こんな体にされてさ」スタスタ

さやか「……」スタスタ

さやか(もうすぐ隣町……。こいつ、どこに連れていくつもり?)

杏子「アタシはさ、まぁいっかって思ってるんだ。何だかんだでこの力のおかげで好き勝手出来てた訳だし」

杏子「後悔するほどでもないってね」

さやか「……好き勝手って? 魔法少女の力を犯罪とかにでも使ってたの?」

杏子「んんー? そりゃねぇ、せっかく手に入った力だよ? それにアタシは文ナシ職ナシ住所ナシ。使わねぇ方がオカシイって」

杏子「魔法少女の力は自分自身以外に使っちゃダメな訳。自分だけが得する使い方が本来正しいの」

さやか「…………」

杏子「……ありゃ? 前みたいにキレないの? また勝負仕掛けてくるかと思ったんだけど」

さやか「あんたって正直じゃないよね」

杏子「は?」

さやか「そうやって嘘ついてて楽しい?」

杏子「……どーゆー意味だよ」

さやか「あんたって本当は結構優しいんじゃないかな……って思ってるよ。あたし」

杏子「は、はああぁぁ!?」



杏子「わ、ワケ分かんねーよ!! 一体いきなり何言ってやがる!!」

さやか「何かさ、あたしにはあんたが無理して悪人ぶってる気がするの」

杏子「な、な、何を証拠に!」

さやか「勘……かな?」

杏子(コイツ……ソフトンみてーなこと言いやがって……!)

さやか「それにさ」

杏子「あ?」

さやか「ソフトンさんを見てたら分かるよ。あんなにいい人があんたを庇ってるんだ。だったらあんたが悪人な訳ないじゃん」

杏子「……」

さやか「あたしよく考えたらさ、あんたに偏見持ってたよ。頭から悪い奴って決め込んじゃってさ」

さやか「思えば、そういう考え方になる背景ってもんがあるよね。それも分からず、親の仇のようにさ」

さやか「ゴメンね、杏子」

杏子「……!」



杏子「な、何だよ、何なんだよ! いきなり……」

杏子「そーやって何でも簡単に信じたら、後で痛い目に合うんだぞ!」

さやか「ふーん。それじゃあ、あたしを連れ出したのは痛い目に合わせる為?」

杏子「い、いや、今日はしけたオメーをちょっと励ます為に……」

さやか「やっぱ優しいじゃん」

杏子「あっ! 違う! そーいうんじゃ無ぇ!!」プンプン!

さやか「ふふっ。あんた結構カワイイじゃん」

杏子「な、かわ、え、なああぁ!?」カアアァッ


  ヒューーーーー……  ウワアアァァァ


さやか「ん?」

杏子「……あ? 何だこの悲鳴?」

さや杏「「上から……?」」チラッ


ヘリコプター < バララララララッ!!

首領パッチ「糞っ! テイルローターをやられた! スーパー61墜落する!!」

天の助「ブラックホークダウン! ブラックホークダウン!!」


さや杏「「な、何じゃあああああああぁぁぁッ!?」」ガビーーン!?


     チュドーーーーーン!!


全員「「「「ぎゃああああああぁぁぁぁッ!!??」」」」




  ~さやか'sマンション~


まどか「え、いないんですか?」

さや母「そうなのよ、気づいたらもう部屋に居なくてね。どこにいっちゃったのかしら……」

さや母「プリントありがとうね、まどかちゃん。さやかが帰ってきたら連絡するわ」

まどか「はい、さようなら……」

 ドア < バタン

まどか「さやかちゃん、どこに……」

ほむら(まさか、佐倉杏子がすでに?)




  ~マミルーム~


マミ「…………」

ボーボボ「入っていいか、マミ」天板ガタッ

マミ「ドアから入ってください……」

ボーボボ(ツッコミに力が無い。相当堪えているな……当然か)シュタッ

マミ「はぁ……。私ってゾンビだったんですね……」

マミ「動いているこの体は仮のモノ。本体はこんなちっぽけな宝石だなんて……」つソウルジェム スッ

マミ「鹿目さんには気にしないでとか言ったけれど、やっぱり……キツイですね」

マミ「私って一体……」

ボーボボ「…………」


ボーボボ「マミ。俺はキュゥべえの野郎がどうしても許せねぇ。必ずぶっ潰してやるつもりだ」

ボーボボ「だが、それが直接お前を救うことになるとも思っていない」

ボーボボ「その体については俺にはどうすることも出来ないだろう」

マミ「…………」

ボーボボ「お前の考え方しだいだ」



ボーボボ「おっと。それより、客が来たようだな」

マミ「……え?」


     ピンポーン…


マミ「だ、誰? 鹿目さん? いやさっき別れた所だし……」

ボーボボ「行ってみるといい」

マミ「は、はい」タッタッタ


 ドア < ガチャッ


マミ「どなたですk……あ」


OL「あ、あの! この間は本当にありがとうございました!」

絶望君「感謝感激雨霰」



マミ「あ、あなた達は……!」

OL「はい、あなたに助けてもらった者です!」

絶望君「ふがいない」

OL「この間、何故だかあんなことになってしまって……。でもぼんやりだけど、あなたが助けてくれたということだけは覚えていたんです」

OL「それで、同じように助けてもらったという絶望君さんと一緒にお礼を……」

絶望君「絶望君 決して恩は 忘れない」

マミ「そ、そうですか……。でもどうして私の家が……」

OL「それは、そこのアフロの人に教えてもらって……」

マミ「え、ボーボボさん!?」

ボーボボ「さあ? 何のことやら?」ヤレヤレー



OL「あの時、あなたが居なければ、私は……!」

絶望君「まさに絶望」

マミ「そんな! 私は当然のことをしたまでで……!」

OL「その当然のことに感謝したいんです! これ、つまらない物ですけど……」つ 菓子折り スッ

絶望君「俺からも……」つ 顔を隠す袋×50枚 スッ

マミ「あ、ありがとうございます……」


マミ(この感覚……久しぶり。思えば、魔法少女をやっていて感謝されたことなんて殆ど無かった)

マミ(でも……)

OL「本当に感謝してもしきれません!」ニコニコ

絶望君「あなたは希望です」

マミ(忘れてたわ……。私はこの笑顔の為に戦ってた……)

マミ(そうよ、ゾンビなんて関係無い……。私はこれからも、この笑顔を守る為に戦い続ける……!)



マミ「皆さん、よろしければ紅茶でもどうですか? ごちそうしますよ?」

OL「え、いいんですか?」

マミ「はい! 折角のお礼の品ですが、みんなで食べた方が美味しいでしょうし」つ菓子折り

絶望君「クッキー! クッキー!」

OL「絶望君さんも言っていますし……それじゃ、お言葉に甘えて……」

マミ「すぐに支度しますね! さあ、上がってください」

絶望君「クッキー!!」ドタドタ

OL「ふふ、絶望君さん、クッキーは逃げませんよ?」クスクス


マミ「ボーボボさん、ありがとうございます」

ボーボボ「一体何の話だ?」

マミ「ふふ、とぼけちゃって……。私、まだまだやっていけそうです」

ボーボボ「そうか……、それは良かった」




  ~杏子の教会 略して杏会~


杏子「酷い目にあった……」ボロ…

さやか「全くよ……」ボロ…

首領パッチ「お前らいつも人に迷惑かけるよな」ボロッ

天の助「被害を受けるこっちの身にもなってくれよ」ボロッ

さや杏「「お前らだろうがッ!!」」


さやか「何なのよあんた達。いきなり空から落ちてきて……」

首領パッチ「RPGにやられたんだよ」

杏子「意味が分かんねーよ」


天の助「つか、お前らこそ何やってんだよ。このツーショットって中々無いだろ」

さやか「あ、そういえば。杏子、何の為にここまで呼んだの?」

杏子「い、いきなり名前で呼ぶなよ。今までは、あんたとかお前とかだったのに……」

さやか「じゃ、あたしの事さやかって呼んでいいからさ」

杏子「いや、そういうのじゃ……」

首領パッチ「何だ何だ? 二人ともいつの間にか仲良くなりやがって」

天の助「ま、まさか、今日さやかが休んだのって……」


天の助「一流不良の杏子に弟子入りしたからかーーー!!」

首領パッチ「何ィーーーー!?」


  さやか『姐さん! あたしを立派な不良にしてください!』

  杏子『アタシのシゴキはキツイよ? まずは学校をサボリな!』

  さやか『なっ! あ、姐さん、いくら何でもそれはワル過ぎじゃ……!?』

  杏子『アタシの言うことが聞けないのかい? サボりなんて初歩の初歩だよ!』

  杏子『アタシレベルになると、図書館の本を返さないとか、試食を何個も食うとか、トイレを流さないとか悪行三昧だ!』

  さやか『さ、流石姐さん! シビれるっす!!』


さやか「違うわ、アホ!!」サヤーン!

杏子「つか、何だその小学生が考えそうな不良像は!!」アンアン!



杏子「アタシはコイツが落ち込んで……」

さやか「さやかちゃんの名前はコイツじゃないですよー」

杏子「ちっ! さやか! が落ち込んで死人みてーになってるだろうと思って、ちょっくら励ましてやろうと思ったんだけど……」

杏子「どーやらその必要は無いみてーだ。元気が有り余ってやがる、どこにこんなゾンビがいるんだよ」

さやか「ふーんだ! ゾンビーノとゾンビランドを抑えているさやかちゃんにそんな罵倒は効かないのだ!」エッヘン!

杏子「何だその威張り」

首領パッチ「俺たちも立派なゾンビだぜ! ハワイや沖縄に飛ばしてやる!」

天の助「お前に数億の借金を背負わせてやるぜ!」

さやか「それボンビー」



さやか「でもさ、こんなところに呼んだってことは、やっぱ何か話すことがあるんでしょ? あたし、知りたいよ」

杏子「……ちょっとばかり長い話になるがいいか?」

さやか「いいよ、別に。とことん付き合おうじゃない」

パチ天「「右に同じ」」

杏子「分かった」ゴソゴソ


    つリンゴ スッ

     ヒョイッ

さやか「ん?」つリンゴ パシッ

天の助「お?」つリンゴ パシッ

首領パッチ「ほ?」つリンゴ パシッ


杏子「長いし、退屈するかもだからね」

杏子「食うかい?」



さやか「……」つリンゴ

天の助「最澄!」ガツガツ!

リュークパッチ「人間って面白っ!」ガツガツ!


さやか「一つ訊いていい?」

杏子「何だよ?」

さやか「このリンゴはどうやって手に入れたものなの? あんたの好意は受け取りたいけど、盗んで手に入れたモノとかは嫌だな……」

さやか「さっき、文ナシって言ってたよね? 疑いたくは無いけど、確認しないとって思ってさ」

杏子「う……」

さやか「言えないの……? まさか……」

杏子「いや、ちが……!」

まどパッチ「何でだろ、私、杏子ちゃんのこと信じたいのに、嘘つきだなんて思いたくないのに……」オロオロ

杏子「完食したお前は黙ってろ!」

さやか「で、どうなのよ」

杏子「う、……わ、笑うなよ?」



杏子「そ、ソフトンからのお小遣いで買った……」カアアッ



さやか「………」

首領パッチ「………」

天の助「………ぷっ」

杏子「だから言いたくなかったんだよ……。アタシのイメージが……」

さやか「何か、その…ゴメンね」

杏子「謝るくらいなら食えよ……」ウゥ…

さやか「あ、うん、分かってるって!」アワワ


     シャリ…


さやか「 ! 美味しい!」

杏子「ふふふ、だろ? アタシのイチオシだ」

杏子「ちゃんと残さず食えよ? アタシは食い物を粗末にする奴が大嫌いだからな!」フフン!


杏子肩 < とんとんとん


杏子「ん?」クルッ


天の助「………」ニコッ


     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


杏子「……え? な、何……?」

天の助「クイモノヲ……」


     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


天の助「ソマツニスルナ……トイウコトダナ?」

杏子「ま、まさか……」


杏子「その、アタシは、食えるものを食う主義で……。しょ、賞味期限切れは……」



      ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




天の助「コロスゾ?」




杏子「ひ、ひいいぃぃッ!?」ビクッ

さやか「お、落ち着いて、天の助……(何この執念……)」ガシッ

天の助「離せ! 離せよぉッ! 俺はこの口だけ野郎に全ての食品を代表して天誅を与えるんだ!!」ジタバタ

さやか「暴れないで! あんた、ただ食べてもらいたいだけでしょ!」

天の助「そうだよ、悪いかよ! 食べられもせず食品としての尊厳を失い、罵倒されるだけの日々も知らないで……」

天の助「食い物を粗末うんぬん、語ってんじゃねーぞコラァッ!!」クワッ

さや杏「「顔恐ろしッ!!」」



天の助「ぐあああぁぁぁ!! うおおおおぉぉぉ!!」ジタバタ

杏子「な、何なんだよ、このゼリーお化けは!」

首領パッチ「落ち着け、いつもの発作だ」

さやか「そうなの!? こんな天の助見るの初めてなんだけど!?」

天の助「オレタチ人間食ウ……。人間ヤッツケルチカラ欲シイ、ダカラ食ウ」ボソボソ

首領パッチ「不味いな、もう理性が無ぇ。こういう時は特殊な治療が必要だ……」

さやか「だ、大丈夫なの?」

首領パッチ「一か八かだ。いくぞ……」



首領パッチ「部屋とYシャツと!!」ブン!

天の助「大五郎ッ!?」ボゴォッ!!

さやか「普通にぶん殴ったーーー!?」サヤーン!

天の助「お、俺は今まで何を……?」ヨロヨロ

さやか「それで治るの!?」

首領パッチ「己の心の闇に飲まれておったぞ」フガフガ

天の助「ろ、老師!?」

首領パッチ「これからは肉体だけでなく精神も鍛えるのじゃ……」

天の助「ハッ!」ピシッ

杏子「そろそろ、初めていいかい……?」

さやか「うん、話進まないもんね」



杏子「ここはね、アタシの親父の教会だった。正直過ぎて、優しすぎる人だった……」




 ~再現VTR~


  ~教会~

   チュンチュンチュン…

杏子「お父さんおはよー」

 「……」

杏子「お父さん……?」

 「……」ツー

杏子「泣いてるの? お腹痛いの?」

 「見なさい、杏子。この新聞を」

杏子「え?」

 「毎日、戦争でたくさんの人々が命を落としている。お前のような歳の子供も、お年寄りもだ」

 「何故人間は、人間同士で争わねばならないんだ……」

杏子「お父さん……」

杏子「大丈夫だよ! 神様の教えは正しいんだから、お父さんの話を聞いたらみんなケンカなんて止めちゃうよ!」

 「ふふ、ありがとな、杏子」



父パッチ「それじゃ、朝食にしようか」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「おい」

首領パッチ「何だよ、早く続き言えよ」

杏子「何で、アタシの記憶の中の親父がお前になってんだよ!!」

首領パッチ「いいじゃねえか、別に。再現VTRなんだし」

杏子「良くねーよ! アタシの過去を知れる貴重なシーンなんだぞ! お前はしゃしゃり出てくるな!」

天の助「そうだぞ、首領パッチ。いくらなんでもおふざけが過ぎる」

首領パッチ「ちっ、なに優等生ぶってんだよ、天の助」

杏子「ゼリー野郎……」ジーン…

天の助「さ、話を続けてくれ」

杏子「ああ、ありがとな」ジーン…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「朝ご飯だぞー!」

 「わーい、ご飯だー!」タッタッタ

杏子「こらこら、朝のあいさつはどうした?」

 「ごめんなさい、お姉ちゃん」

杏子「よし。おはよう」ニコッ




妹の助「うん、おはよう!」ニコッ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「テメーも出てんじゃねーかああぁぁぁぁッ!!!」ギリギリギリ

天の助「ぎゃあああぁぁぁ! ギブギブ! 間接技は止めて!」バシバシ

さやか(どこに間接があるのよ……)

首領パッチ「もういいじゃねーか。早く続き見ようぜ」ポチッ

  リモコン < ピッ

杏子「あっ! 勝手に再生するんじゃねぇ!!」

さやか(あれ、この回想の仕組みってどうなってんの?)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「なんか、お前見てない内に角張ったな……」

妹の助「 ? 何言ってるの、お姉ちゃん?」

杏子「そういえば、お父さんも何か金平糖みたいだったような……」

妹の助「お姉ちゃん、大丈夫?」

杏子「いや、お前らのせいで全然大丈夫じゃない。でも、これで進めないといけないからアタシが無理して話を合わせてるんだよ……」ドンヨリ…

妹の助「変なお姉ちゃん。ねえ、朝ご飯食べに行こっ?」

杏子「何で親父や妹がコイツらなんだよ……。これで本当にアタシの悲惨な過去を演出できるんだろうな……?」


父パッチ「来たか、遅いぞ」

杏子「こいつを起こすのに時間がかかっちゃった」

妹の助「てへへ☆」

母さやか「ふふ、いつまで経っても甘えんぼなんだから」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


杏子「おい、さやか」

さやか「いや~……、やっぱバレた?」

杏子「当たり前だろ! 何でお前まで紛れ込んでるんだよ!?」

さやか「首領パッチ達にどうしてもってお願いされちゃってさ。お母さん役が空いてるって」

杏子「空いてるって何だよ! 意味分かんねーよ!! お前らはアタシの過去をどうしたいんだよ!!」

首領パッチ「おい、そろそろCM終わるぞ?」

天の助「この映画CM多いよな」リンゴモグモグ

杏子「おい、待てよ! アタシが主役だぞコラ!」

さやか「だから、どうなってんのよコレの構造……」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


信者A「おはようございます」

信者B「今日もいい天気で」

  ゾロゾロ…

佐倉一家「「「「おはようございます」」」」


杏子(佐倉一家っていう括りにして欲しくない……)


母さやか「あなた、もうすぐ時間よ」

父パッチ「ああ、すぐ行く」

杏子「お父さん、頑張って!」

妹の助「頑張って!」

父パッチ「お前達は外で遊んでてもいいんだぞ?」

杏子「ううん、アタシもお父さんのお話が聞きたいんだ!」

父パッチ「はは、将来有望だな」

母さやか「あなた……」

父パッチ「ああ」スタスタ


父パッチ(これからの時代、既存の教えだけではいけない。例え私個人の考えであっても、皆に伝えなければ……)スタスタ


父パッチ「皆さん、ごきげんよう。まずは神への感謝の祈りを捧げましょう……。我らが神は常に私たちを見守っており……」

杏子(やっぱりお父さんはかっこいいなぁ。みんなもお父さんの言うことを真剣に聞いている……!)



父パッチ「……よって我らが神は唯一の救世主であるのです」


   パチパチパチパチパチッ


父パッチ「ところで、話は変わりますが……。皆さんは何故この世界で戦争が消えないか分かりますか?」

父パッチ「今、この世界では多くの幼い子供や老人が飢えと病気に苦しんでいます。それはこの世界情勢の……」

   ざわざわ…

信者A「な、なんだこれは……」

信者B「佐倉さんは一体何を言っているんだ?」

   ざわざわ…

杏子「お父さん……?」

母さやか「あなた……」


父パッチ「この紛争は我らが神でも止めることは出来ません。私達一人一人、個人の問題なのです」

信者C「なっ!? 我らが神になんということを!」

信者D「聖教者でありながら何たる無礼を!」

    ざわざわ…

父パッチ「落ち着いてください! これは大切なことです!」

父パッチ「世界から戦争が消えない理由……、それは……それは……」




 父パッチ「鞄の中に入れておいたイヤホンのコードが絡まりまくるからです!」キリッ






母さやか(ええーーー……)

杏子「…………」

母さやか「き、杏子、やっぱり怒ってる? いくら何でもこんな改変……」

杏子「……いや」

母さやか「へ?」

杏子「これ、合ってるんだよね……」

母さやか「え」



父パッチ「人はイヤホンの絡まりによって多くの血と涙を流してきました! それが憎しみを生み、戦争を作り出すのです!」

信者D「どういうことだ!」

信者E「教義にも教典にも無いことを!」


母さやか「ええええええぇぇーーーーッ!? 合ってるって、これ再現出来てるの!? 正真正銘の再現VTRなの!?」

杏子「  」コクッ

母さやか「あんたの父親バカじゃねーの!?」



信者R「我ら、『紐状のモノの絡まりに興奮を覚える教』に対する冒涜だ!」

母さやか「何その宗教!? しかもそんな教会にいるのにあんな事言っちゃった訳!? 教義うんぬん以前の問題じゃん!!」

信者F「一信者として理解できん!」

母さやか「信者じゃなくても理解できないよ!!」


信者U「こんな所にいれるか! もう帰るぞ!」

信者G「そうだ、こいつは反逆者だ!」

信者W「このことは本部に通告させてもらう!」

  ぞろぞろぞろ……

父パッチ「待ってくれ、話を聞いてくれ! イヤホンのコードの絡まりは興奮では無く、もどかしさだ! こっちは早く音楽を聞きたいんだ!」

父パッチ「五分でいいんだ! 話を聞いてくれぇーーー!!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


さやか「……ホントに合ってるの?」

杏子「役者がお前らってところ以外はほぼ事実だよ……。宗教も親父が話した内容も……」

さやか「ちょっと本気で訳分からないわ」

杏子「安心しろ。アタシも、何で昔はあんなことを大真面目に信じていたのか心底不思議だよ……」

さやか「でもあんた、さっき悲惨な過去って……」

杏子「悲惨だろ? ある意味な」

さやか「そ、そうね……」

首領パッチ「ちくしょー、泣けるぜ!」ボタボタ

天の助「俺も思わず男泣き!」グスグス

さやか(同レベルのバカには受けるのかな……)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


父パッチ「ちくしょう、世間が悪いんだ……。俺は何も悪くない……」つ酒 グビグビ

母さやか「あなた……、ちょっと飲み過ぎじゃない?」

父パッチ「うるせぇ! さっさと注げ! スクリュードライバーだ!」つ酒 ガン!

母さやか「カクテル!? バーじゃないんだから無理よ!」

妹の助「お父さん……」

杏子「……」


杏子(お父さんの言っていることは間違っていない……。五分でも聞いてくれれば、正しいってことが分かるんだ)

父パッチ「え……マジで? あの親父意味分からないっしょ」

妹の助「流石の俺も、あの宗教はどうかと思うわー」

母さやか「ごめん、あたしも……」

杏子「さ・い・げ・ん・VTR!! 今は思ってないから!! つーか、急に素に戻るな! やるんなら最後まで付き合えよ!」アンアン!

さやパチ天「「「ごめん」」」シュン

杏子「ほら、もういいから持ち場に戻れ」シッシッ




  ~町中~


父パッチ「お願いです、話を聞いてください!」

杏子「お願いします!」

男A「俺は宗教なんかに興味ねーんだよ!」つバケツ バシャッ

妹の助「きゃあっ! 冷たい!」

杏子「くっ! 酷い……」

父パッチ「私は無力だ……。本部からは追放され、こんな幼い子供達に辛い思いを……」

杏子「お父さん……。アタシ、大丈夫! 平気だよ!」

父パッチ「……すまない、本当に」



  ~公園~


妹の助「お腹空いた……」

杏子「ほら、リンゴあげるよ」

妹の助「え……。でも、それ、お姉ちゃんが買った奴じゃ……」

杏子「アタシはいいよ、お腹いっぱいだもん」

妹の助「わーい! ありがとう、お姉ちゃん!!」モグモグ

杏子(アタシは別にいいが、コイツにだけは辛い思いをさせたくない……)

杏子「お前は先に帰りな。お父さん達が心配するだろ」

妹の助「お姉ちゃん、信者さん達が戻って来……、あ、ヤベ。え~と何ページだっけ」台本ペラペラ

杏子「五ページ三行目」ボソッ

妹の助「あ、ここか。え~と、お姉ちゃんは一緒に帰らないの?」

杏子「後から行くよ。お姉ちゃんちょっと用事があるんだ(やるんなら台詞は完璧に覚えとけよ、糞が……)」



  ~町中~


杏子「一万円とか落ちてない……よね。やっぱ探しても小銭がちょっとしか落ちてない」トボトボ

杏子「はあ……。お父さんの話は正しいハズなのに……。みんながお父さんの話を聞くようになればなぁ……」

杏子「でも、そんなうまい話なんて……」







杏子「……」

杏子「あ~あ、お父さんの話をみんなが聞くようにならないかな~」チラッ







杏子「………」

杏子「この願いが叶えられたら、魔女でも何でも一生倒し続けてやるのにな~」チラッ







杏子「…………」

杏子「な、何か、願いと引き替えに人を魔法少女的なアレに変えて色々やる、白くて小さい獣みたいなソレとかいないかな~」チラッチラッ









杏子「早く出てこいやキュゥべえええええぇぇッッ!!!」アンアーン!!

妹の助「うわ、ビックリした!」

杏子「何でだよ! さっきからいらない奴らは出まくるのに肝心なアイツが出ないでどうするんだよ! 話進まねーよ!!」

父パッチ「いや、だってここにキュゥべえいないじゃん。それに役者の数も俺たちだけだから足りないし」

杏子「別にお前らが何かしらの役をしないといけない訳じゃねーから! しかもさっき山ほど信者がいたじゃねーか! 役者ぜんぜん足りてるじゃん!」


杏子「そこはご都合主義で出てくる流れでいいんだよ! 信者Aとか男Bとかの流れでいいの!」

父パッチ「よし分かった、そうしよう。んじゃ、さっきの場面からね」

杏子「本当だな? ちゃんとやれよ」





杏子「はあ……。お父さんの話は正しいハズなのに……。みんながお父さんの話を聞くようになればなぁ……」

杏子「でも、そんなうまい話なんて……」



    「あるよ。たった一つだけね」



杏子「だ、誰!? どこにいるの!?」キョロキョロ

    「こっちだよ、こっち」

杏子「えっ!?」クルッ

杏子(な、何アレ……。犬? 猫?)

    「こんにちは、佐倉杏子。僕の名はキュゥべえ」

    「君にお願いがあるんだ」


男QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」



杏子「ちっがあああああああああうぅッッ!!!」アンアーン!!

父パッチ「今度は何が不満だよ」

杏子「アタシが言ってるのは男Bが出てくるように自然にキュゥべえ出せってことだよ! 誰が男QBを連れてこいって言った!!」

杏子「つーか、男QBってなんだよ! ただの人間じゃねーか!」

妹の助「ホント、注文多いなお前」

杏子「当然のクレームだろうが!!」

男QB「あのー、僕はどうすれば……」

母さやか「と、とりあえず楽屋に戻ればいいと思うけど……」



妹の助「それじゃ、キュゥべえは無しで。なんやかんやで契約したってことで」

杏子「そのなんやかんやが一番重要だろうが……」



  ~教会~

信者A「……」ゾロゾロ…

信者B「……」ゾロゾロ…

  ぞろぞろぞろ…

父パッチ「み、皆さん、戻ってきてくれたのですね……!」ジーン…

妹の助「お姉ちゃん、信者さん達が戻って来たよ!」

杏子「そうだな。良かった、本当に良かった……」

父パッチ「さっそく、イヤホンコードの悪行とワイヤレス式の素晴らしさを説いてくる!」タッタッタ

杏子(お父さんも元気になったし、信者さん達も戻ってきたし……。これでもう、辛い思いはしなくていい……!)

    キーーーン!

杏子( ! )

杏子(これは……魔女の気配だな! よーしさっそくぶっ倒してやる!)




   こうして杏子は家族に内緒で魔法少女として戦い続けた。

         しかし、そんなある日…




  ~教会~


父パッチ「おかしいと思ってたんだよ……」

杏子「ごめんなさい……」

父パッチ「信者の目がなんかリンゴになってたし……。大体、私みたいなゴミくず野郎の話なんて聞く人間がいる訳ないし……」

母さやか「うわ、すっごい卑屈! この場面転換の間にお父さんに一体何があったの!?」


父パッチ「ちくしょう! お前は魔女だ! 人の心を惑わせる魔女なんだ!」バシィッ!

杏子「きゃあぁっ!」ズサー!

妹の助「お姉ちゃん!!」

母さやか「あなた、いくら何でも……!」

父パッチ「うるさい! こいつは魔女なんだぞ! イヤホンのコードの絡まりの原因だ!」

母さやか「いや、それは違うっしょ……」

父パッチ「二度と私達に近寄るな! 魔女め!」

妹の助「お姉ちゃーーん!!」

  ドア < バタン!


杏子「く、お父さぁん……。何でこんなことに……!」ヨロヨロ




  ~町中~


杏子(キュゥべえに頼んで元に戻してもらおう……。私の願いも消えていいから……魔法少女の力もいらないから……)

杏子「どこに行ったんだよ、アイツ……」トボトボ

男QB「……」チラッ

杏子「…………」

男QB「……」チラチラッ

杏子「……もう、お前でいいや」

男QB「あ、妥協なんですか……」


杏子「キュゥべえ! アタシの願いはナシでいいから、元に戻してくれよ!」

男QB「それはダメだ、佐倉杏子。一度魔法少女になった者はもう戻ることは出来ない」

杏子「そ、そんな……」

男QB「残念だけどね。さて、僕は次の魔法少女を探しに行くとするよ」タッタッタ

杏子「ま、待って! ……ああ」

杏子「……」

杏子(あいつ、バカ共よりよっぽど真面目に演じてやがる……。何か複雑な気分……)アンアン…




  ~教会~


杏子「結局戻ってきちゃった……。やっぱり入れてもらえないよね……」

杏子「ん? 玄関の前に張り紙……? 何だこれ?」



    『 杏子へ

      お前のことを魔女と罵ってしまったことは

      本当に後悔しています。

      どうにか許してほしく思い、お父さん達は

      徳川の埋蔵金を探すことにしました。

      今度お前に会う時、それは埋蔵金を見つけ、

      大金持ちになった時です。

      もう決してお前に苦労は掛けさせません。

                             父より 』



杏子「…………」


杏子「えぇーー……」



   ~再現VTR終了~




さやか「…………」

杏子「…………」

さやか「マジで?」

杏子「マジで」

首領パッチ「何ていい話なんだ~!!」ボタボタ

天の助「感動巨編だぜ!」グスグス


さやか「それで、お父さん達今はどうしてるの……?」

杏子「さあな。今もどこかで徳川埋蔵金を発掘してるんじゃねーかな」

さやか「あんたはそれでいいの?」

杏子「なーんかさ、吹っ切れちまって。だったらこっちはこっちで好き勝手やってやろうと思ってね」



さやか「何でこんな話をあたしに? 本当に励ますだけの為?」

杏子「うん。アタシの悲惨でおちゃらけた昔話を聞けば元気になるかなってさ」

杏子「奇跡ってのは生まれると同時に、訳の分からないモノを引き連れて来ることもあるって話よ」

杏子「結局は差し引きゼロ。だからアンタも開き直って好き勝手やればいいんだよ。今までのマイナスを取り戻すって位にね」

さやか「どうしてあたしを励ましてくれるの? 今まで敵だったのに」

杏子「アンタもアタシと同じ間違いから始まったんだよ」

杏子「これ以上後悔を続ける必要は無い」


杏子「アタシはそれを弁えてるけど、アンタは今も間違い続けてる。それが見てられないんだ」

さやか「………」

さやか「杏子ってやっぱ優しいんだね」ニコッ

杏子「ぐっ! まだ言うかテメー……」

さやか「うん、ホントに優しいんだもんっ。さやかちゃんの事をそんなに心配してくれるなんて嬉しいわー!」



さやか「でもね、やっぱあんたが言ってるようなことは無理」

杏子「なっ!?」

杏子「何言ってるんだよ、お前はもう十分過ぎる対価を払ったんだぞ!?」

さやか「確かにゾンビになちゃったのはキツイよ。でもね、あたしは自分の願いに後悔なんてしたことは一度も無い。間違ってるなんて思ってない」

杏子「ーーーーっ!」

さやか「あたしはこれからも自分のやり方で行くつもり。あんたが言っていることは間違ってると思うの」

杏子「ばっ、バカ野郎! アタシ達は魔法少女だぞ!? 他に同類なんて居ないんだぞ!!」

さやか「…………」


さやか「やっぱりあんたって嘘ついてるね」

さやか「自分でもこのやり方は良くないって思ってるんでしょ? あたしにはすごく無理してるように見える」

杏子「……ちっ! またかよ! ソフトンもテメーも、アタシをどういう目で見てんだ!」

さやか「うーん、ソフトンさんの気持ち分かるな~。あんた素直じゃないし、何とかして守りたいって奴?」

杏子「い、意味分からねー……」

さやか「うーーん……、あ、そうだ」




さやか「杏子、あたし達と一緒に戦わない?」






杏子「へ?」

さやか「そうだよ、それがいいよ! アンタって認めたくは無いけど強いし! これならどんな魔女でも怖くないね!」

杏子「……」ポカーン…

さやか「ねえ、あんた達はどう?」

天の助「別にいいんじゃねーか?」

首領パッチ「ま、最初は下っ端だがな」

杏子「お、おい、なに話を進めてやがる……!」

杏子「どういうことだよ、オイ! アタシが一緒に!? お前らの仲間になれってこと!?」

さやか「そうだけど? え、ダメなの?」キョトン

QBパッチ「僕と契約して雑用係になってよ!」

杏子「そのしゃべり方止めろ、イラつく!」



杏子「い、意味分かんねー。魔法少女同士で徒党を組んで? 仲良しこよし? 馬鹿じゃねーの!?」

さやか「でも、マミさんが魔法少女達はみんな友達だって……」

杏子「それは奴の頭がお花畑だからだ!」

杏子「普通の魔法少女はそんなことしねーよ。メリットデメリットを考えたら……」

さやか「えー。友達ってのはメリットデメリットで動くものじゃないでしょ?」

杏子「た、確かにそうだけど……、いや! アタシはお前らと友達じゃない!」

さやか「今からなればいいじゃん。というより、あたしはもうあんたを友達って思ってるよ」

さやか「だって、赤の他人に自分の過去を晒してまで励まそうとしないじゃん」

杏子「く、くそう。ああ言えばこう言いやがる……!」


杏子「だ、大体、アタシがいきなり仲間になれる訳ないだろ……。マミとは印象最悪のままだし、他の奴らだって……」

さやか「ちゃんと話せば分かるって。あたしだって全く気にしてないし!」

杏子「群れるのは性に合わないんだよ……」

さやか「何もいつも一緒に居ろって話じゃないって。ちょっと戦闘するだけ」

杏子「しゅ、集団戦とかしたこと無いぞ、アタシ……」

さやか「それはみんな同じじゃん。みんなで一から学んでいけばいいのよ」

杏子「うぅ……」



さやか「ねえ、あたしは杏子と一緒に戦いたいな。だってあたし達どこか似てるんだもん」

さやか「マミさんだって転校生だってまどかだって、ボーボボ達だって……、きっと杏子のことを受け入れてくれるよ」

さやか「それでも……ダメ、かな?」

天の助「うんまい棒を十本つけるぞ?」

杏子「…………」




   「分かったよ、仕方ねーな」




杏子パッチ「その代わり、味はハンバーガー味しか認めないぜ!(うんまい棒! うんまい棒!)」ワクワク

さやか「邪魔」ドカッ

杏子パッチ「ぎゃああっ!」

天の助「貴様に食わすには埃すら惜しい」バキッ

杏子パッチ「うぎゃぁぁっ!!」



さやか「話が逸れたけど……。で、どうなの?」

杏子「………」

杏子(仲間を持てば……変わるのかな?)

杏子(アタシも仲間を持てば……、あのアフロ野郎の様に強くなれるのかな……?)

杏子(あいつらみたいに、強くて意味不明で優しくて……)

杏子「…………」


杏子「……分かった、アタシの負けだ」

杏子「ほんのちょっとだけなら手を貸してやってもいい」

さやか「ホントに!?」キラキラ

杏子「あ、ああ(どんだけ嬉しいんだよ……)」

天の助「はい、うんまい棒」スッ

杏子「おお、さんきゅ……」


   つ『うんまい棒 ところてん味』


杏子(い、いらねぇ……)タラー…

天の助「クイモノヲソマツニ……」

杏子「ひっ!? 分かった、食うよ! 食うから!」



さやか「めでたく杏子が仲間になったー!」

さやか「んじゃ、さっそくみんなの所に行こっか!」

杏子「は!? 今から!?」

さやか「今すぐじゃないと意味ないじゃん! 早く行こ!」

杏子「いや、待てよ! アタシらがゾンビって判明した今日昨日だぞ!? 他の奴らだって落ち込んで……」

さやか「まどかやマミさんはあたしより全然強いから大丈夫だって! 転校生は何かもう知ってたみたいだけど」

杏子「で、でもこれは流石になんか……」

さやか「つべこべ言わない!さ、出発」グイグイ


天の助トレイン「駆け込み乗車はご遠慮くださーい」


さやか「みんなの所まで超特急で!」

天の助トレイン「畏まりましたー」プシュー!

首領パッチ「切符拝見しまーす」

さやか「まどかやマミさんにもメールしとこっ」ピポピポ

杏子(な、何なんだよ。こいつらの無茶苦茶具合……!? 訳が分からねー!)

杏子(で、でも……)



杏子(案外こういうのも悪くないかも……?)




第七話前半はこれで終了です
今回の首領パッチ復活を期に、澤井先生もジャンプ連載復活しないかな…と妄想したりしちゃいます…

さやか「クッキー食べよ!」

首領パッチ「ごめん、もうない。」

さやか「クッキーないなら死んでもいいや…」パリーン


こんな感じならいけるんじゃね?



お待たせしました、>>1です
かなり遅れてしまい、すみませんっ!

第七話後半を投下していきたいと思います





  ~町中~


  ピロリロリン♪ ピロリロリン♪


まどか「あ、メール……ええっ!?」

ほむら「どうしたの、まどか?」

まどか「さ、さやかちゃんからメールが来たの!」

ほむら「本当に!? それで、内容は?」

まどか「杏子ちゃんとお友達になったって…」

ほむら「はぁッ!?」




  ~マーミーマンション~


OL「今日は、本当にありがとうございました!」

絶望くん「クッキー……、それは永久に続く荒野に差し込んだ一筋の光」

マミ「それじゃあ、お気をつけて!」

ボーボボ「また来いよ」


マミ「こんなに楽しいのは久しぶり……。あ、もちろんボーボボさん達と一緒にいるのが楽しくない訳ではないですよ」

ボーボボ「一瞬、死を考えた」ズーン…

マミ(めちゃくちゃ落ち込んでる!? どうしよう!?)


  ピロリロリン♪ ピロリロリン♪


マミ「あら? メール…?」

マミ「美樹さんから……? さ、佐倉さんが!?」




  ~道中~


天の助トレイン「最速! 俺はまさに風!」


 ゴオオオオォォォー!


首領パッチ「ママー、すごく速いよー」

さやか「こら、座席に靴で登らないの」メッ!


男A「な、何だあのゼリー……ぐばぁっ!!」バキィッ!

天の助トレイン「はっはっはっはーーー!!」

杏子「交通ルールガン無視じゃねぇか……」


さやか「あ、杏子。マミさんの家で歓迎パーティ開くことになったから」つケータイ

杏子「あ、アタシの知らない間にどんどん話が進んでやがる。つーか他の奴らの都合は……」

さやか「だいじょーぶ。みんな、あんたを歓迎してるから!」

杏子「だといいけどよぉ……ん?(今、外に見覚えのあるとぐろ頭が……)」



杏子「お、おい! ちょっと停めてくれ!」

さやか「どうしたの?」

杏子「さっきソフトンを見たんだ……、アイツに話さねぇといけないことが……! おい、停めろっつってんだろ天の助!」

天の助トレイン「光速をーーーーーー超える!」ゴーー!

杏子「超えんな! 停めろ!」

首領パッチ「無駄だ、今のこいつは正に暴走機関車! 停めるには少々骨が折れる……だが、」


首領パッチ「………」

杏子「………?」

さやか「………?」


首領パッチ「………俺なら止めれる!」キリッ!

さや杏「「何故、今タメた!?」」



さやか「やれるんなら、ちゃっちゃとやりなさいよ!」

杏子「そうだ、そうだ!」

首領パッチ「やりましょう」深呼吸スーー…



アシタカパッチ「鎮まりたまえー! 何故そのように荒ぶるのかーー!!」

さやか「それ、絶対鎮まらないヤツじゃん! よりによってそれかよ!!」サヤーン!

天の助トレイン「ドンストッピーナ~ウ~♪ フンフフフンフ~ン♪」

杏子「止まる気ゼロじゃねーか!! ノリノリで『Don't stop me now』歌ってやがる!!」アンアーン!!


天の助トレイン「ハッハッハッハ!! 俺はもう絶対に停まらないぜ!!」

さやか「ふざけてんじゃないわよ、このゴミ虫!!」

天の助トレイン「ご、ゴミ虫……!?」ピクッ



――――――
――――
――




   思えば、あの時もこんなことを言われたな……


息子の助「父ちゃん、もう止めてよ~! もう、家にはお金が無いんだから、競馬なんて……!」

天の助「うるせー! この馬は絶対に勝つ! 前のレースだって一番人気のデーブインパクトを……」

母の助「あなた……」


息子の助「いいかげんにしてよ、このゴミ虫!!」

天の助「ご、ゴミ!? 父親に向かってなんだその口は!!」

 ボキャッ!

息子の助「うわあぁッ!?」ズサー

母の助「あなた、止めて!!」

天の助「うっせぇ!!」

 ドゴッ!

母の助「きゃあぁぁッ!!」



  今考えると、あの時が引き返せるチャンスだったんだ……

        だけど、俺は停まれなかった




天の助「と、東京の大学!? そんな金、家にはねーぞ!」

息子の助「親父に内緒でバイトして貯めてたんだ……。それに授業料だって、バイトを掛け持ちして奨学金で何とか……」

天の助「……ふん! オメーが金を全部払うというんなら、勝手にしやがれ!」

息子の助「親父も一緒に行こうよ」

天の助「何言ってやがる。そんな金どこにも……」

息子の助「お金とかの問題じゃないよ。このままじゃ入院中のお袋が可哀想だよ!」

天の助「……っ!」

息子の助「お袋言ってたよ。初めての東京旅行でプロポーズされたって」

天の助「…………」

息子の助「もう、長くないってことくらいお袋だって気づいてるよ。最後に一度くらい、思い出の東京に……!」

天の助「……」スクッ

息子の助「お、親父!どこへ!?」

天の助「気がわりーからパチンコ行ってくる」

息子の助「親父……! あんたって人は!」

天の助「……」スタスタ




     停まれなかった。停まろうともしなかった。

        そして、残ったものは……。



    ピーーーーーッ!


医者「ご臨終です」

息子の助「お袋! お袋ぉーーーー!!」

天の助「…………」

息子の助「あんたのせいだぞ!! 何でそんな顔していられるんだよ!」

息子の助「このゴミ虫!!」

天の助「……」



      そうだ、その通りだ。俺はゴミ虫だ……。

  あの時は停まることが出来なかった。ちっぽけなプライドのせいで。

          今度は……今度こそは……


             停まれるかな……





――
――――
ー――――――



天の助トレイン「停"ま"れ"る"がな"ぁ"ーーーーッ!!」ボタボタボタ!


 キキイィーーーーーーーッ!!


杏子「停まったぞ!」

さやか「やった、何か知らないけど突然号泣しだして停まった!」

杏子「ソフトンの所に行ってくる!」ダッ

さやか「あ、あたしもついてくよ!」パッ

イヌパッチ「走るモノを追いかけるのが犬の本能だワン!」タタタッ

天の助「停"め"れ"だ! 停"ま"れ"だぞ! 息"子"よ"ォーーーーッ!!」ボタボタ!




  ~バス停前~


杏子「ソフトン!」タッタッタ

ソフトン「……杏子? どうして、お前がここに?」

杏子「色々あってな。さやかやバカ共にちょっと世話になってね」

さやか「あははー、どうも」エヘヘ

首領パッチ「それで、お前は何してるんだよ?」

ソフトン「…………」

杏子「ど、どうしたんだよ、言えねーようなことなのか?」

ソフトン「……聖地バビロンに帰ろうかと思ってな」

さや杏「「ええっ!?」」

首領パッチ「何ィーーーーーーッ!?」ガビーン!

天の助「もう首領パッチの目玉が飛び出す季節か」つお茶 ズズズ…



杏子「ど、どういうことだよ、オイ! 帰るって……!」

ソフトン「聖地バビロンのバビロン寺院にて、俺は修行をしていた」

ソフトン「そこはバビロンのあらゆる知恵が学べる、まさに英知の結晶……」

ソフトン「そして、修行中に一度聞いたことのある伝説がある。バビロンには死者の魂を呼び戻す禁術があると……」

杏子「なっ!?」

ソフトン「構造は違えど、お前たち魔法少女を元の体に戻す手がかりになるはずだ」

杏子「そ、ソフトン……、お前まさかアタシ達の為に……!?」

さやか「ソフトンさん……」

杏子「だ、だけどそんなことって……!」

ソフトン「ああ。勿論、到底信じられるものではない。何者かが創った与太話かもしれない。ただの噂話かもしれない」

ソフトン「だが、俺はその僅かな可能性に賭ける。お前たち、未来ある少女を絶望させない為に」


ソフトン「たとえ、俺がその禁術によってバビロンを追放されようとも、俺の命と引き替えになろうとも……」

杏子「ソフトン、何でそこまで……」




ソフトン「時間はあまり無い。ボーボボにはお前たちから伝えてくれ」

ソフトン「今ここを起たなければ、次のバビロン界行きに間に合わない」

運転手「お客さーん、乗らないんですかー?」

ソフトン「あ、もうちょっと待ってください」

さやか(大型バスで行くんだ……)

杏子(日帰りの観光かよ……)


杏子「ソフトンっ! いいんだよ、お前がそこまでしてくれなくても!」

杏子「アタシはこの体のままでもいいんだ! 魔法少女になったことを後悔なんてしない!」

ソフトン「だが、杏子……」

杏子「ソフトンがそんな辛い目に合ってまでも、元の体に戻りたいなんて思わねぇ!」

ソフトン「!」



杏子「アタシさ、こいつらと組もうと思ってるんだ」

ソフトン「何? 本当か?」

杏子「うん。上手くやっていけるかは分からないけど、チャレンジしてみよっかなって……」


杏子「アタシは仲間っていうかダチっていうか、そんな存在が今まで居なくてもやっていけると思ってた」

杏子「でもそれは間違いだったよ。だって、アタシの側にはいつもアンタが居てくれたもんな」

ソフトン「…………」

杏子「アタシはこの体でもやっていける。もちろん、元の体に戻りたい訳でもねぇ。でも、誰かの犠牲の上で希望を得るなんてもうまっぴらだ!」

杏子「魔法少女のこの性質を肯定する訳じゃねーが、全否定する気もない」

杏子「だって、魔法少女にならなかったら、アタシはアンタと出会えなかったもん!」

ソフトン「杏子……」


運転手「お客さーん?」

ソフトン「…………」



ソフトン「…行ってくれ」

運転手「いいんですか?」

ソフトン「ああ」


  バス < ブロロロロロ…


さやか「あ、行っちゃった……」


ソフトン「俺が間違っていた。確かに、こんな方法では誰も喜ばない。俺の、俺だけの自己満足だろう」

ソフトン「そして、お前がボーボボ達に歩み寄ってくれたことが何よりも嬉しい。仲間を持つことで互いに強く成長していくことになる」

ソフトン「ならば、俺も共に戦わなければなるまい。お前達の側にいよう」

杏子「ソフトン……!」

さやか「良かったね、杏子!」

杏子「ああ!」

さやか「そうだ、ソフトンさん。今から、マミさんの家に行く予定なんです。杏子が仲間になってくれた歓迎会を兼ねて」

さやか「ソフトンさんもご一緒にどうですか?」

ソフトン「喜んで同行させてもらおう」

さやか「それじゃ、さっそく……」

首領パッチ「おう!」




サツキパッチ「メイが迷子になっちゃったの! 今頃、きっとどこかで泣いてるわ!」

サツキパッチ「お願いメイを探して!」

ととろ天の助「ヴオオオオオオオォーーー!!」


ネコバスの助「ミャアアアアーーーッ!」キキーー!

 ドア < ホワァ~~ン


首領パッチ「準備完了だぜ」

さやか「よし、さっそく乗ろっか!」

杏子「お、おう(この演出は必要か?)」

ネコバスの助「にゃおぉ~~ん」

   <見滝原総合病院>カシャン

   <見滝原中学校>カシャン

   < マ  ミ >カシャン

杏子(あ、行き先変わった)




  ~マミマミホーム~


まどか「さやかちゃんまだかな……」

ほむら「それにしても、あのメールは本当かしら? 佐倉杏子が仲間に…なんて、にわかに信じ難いわ」

マミ「美樹さんのことを信じましょ。意味のない嘘をつく子じゃないわ」

マミ「紅茶のお代わり入れるわね」スッ

まどか「ありがとうございます、マミさん」

ボーボボ「俺もアフロに頼む」カパッ

マミ「え、アフロの中に…、え、えぇ?」アセアセ

ほむら「相手にしなくていいと思うわ」


  ピンポーーーン!


まどか「 ! きっとさやかちゃんだよ!」

マミ「今開けてくるわ!」

  タッタッタッタ

  ドア<ガチャッ


マミ「美樹さんね!?」

さやパッチ「YES」

さやの助「よく分かったな」

さやか「ハイハイ、あんたらは退いててね」



杏子「じゃ、邪魔するぜ……」

ソフトン「失礼する」

マミ「佐倉さんにソフトンさん……! それじゃメールの内容はホントだったのね!」

さやパッチ「サヤカ嘘ツカナイ」

さやか「お前じゃねぇ」


マミ「佐倉さんっ!」ギュッ

杏子「うわわ!? な、何だよ急に!?」

マミ「私、あなたに酷いことを言ってしまったわ……。あなたのことを何も知らないで……!」

杏子「うっ……。別にそんな気にしてねぇよ……。その、アタシだって、マミに、その、悪いこと……」ゴニョゴニョ

天の助「まあまあ積もる話は部屋に入ってからで」スタスタ

さやか「それはマミさんの台詞でしょ」




  ~マァミィルーム~


さやか「と、いうさやかちゃんの働きのお陰で、めでたく杏子が仲間になったのでーす!」サヤサヤ!

まどか「さやかちゃんすごーい!!」マドマド

ボーボボ「やんややんやー!」

ほむら「今の話は本当なの?」

杏子「ま、まあ、大方合ってるよ」

ほむら「そう……。中々やるのね、美樹さやか」

さやか「どんなもんだーい!」エッヘン!

マミ「新しい仲間も増えて……。これならどんな魔女にも負ける気がしないわ!」

首領パッチ(チッ! 俺の出番がますます減るじゃねぇか!)



杏子「あ、あのさぁ……。アンタらは本当にこれで良いわけ? アタシ、いわゆる危険思想の持ち主なんだよ?」

杏子「この前だって、アンタ達に手を出した訳だし……。何でそんな簡単に仲間に出来るんだよ」

さやか「そんな決まってるじゃん、杏子!」

杏子「え?」

さやか「みーんな杏子を信頼してるからだよ!」

さやか「杏子はホントは優しいことだって知ってるし、仲間になって欲しいって思ってるの」

さやか「それなら、仲間にしない方がオカシいじゃん!」

杏子「……」ポカーン


マミ「その通りよ、佐倉さん」

マミ「私、あなたにしてしまったことを後悔してるの。だから、もう逃げない。自分から心を開かないと、お友達なんて出来ないものね」

まどか「私も杏子ちゃんとお友達になりたい! あの時だって、私が怪我しないように魔法で柵を作ってくれたもん!」

ほむら「あなたの戦闘能力は私たちの大きな力になるはず。それに、私個人としてもあなたと親しくなりたいと思っているわ」

ボーボボ「戦隊ヒーロー的に考えて、赤の要素が欲しいと思っていたところだ」

杏子「お前ら……」

ソフトン「杏子」

杏子「あ、ソフトン……」

ソフトン「言っただろう? お前が心を開けば、向こうもそれに答える。奴らは小さなことは気にしない主義だからな」

杏子「……うん」




杏子「よし、分かった! アンタらがどーしても仲間になって欲しいって言うのなら、本当に仕方なくだけどなってやるよ!!」

杏子「その報酬と言っちゃなんだけど、何か奢れよコノヤロー!」

さやか「もう、調子いいんだから」ププッ

ほむら「すっかり元の佐倉杏子に戻ったわね」

さやか「あ、そうだ。転校生、あんたに話があるんだけど」

ほむら「え?」


さやか「あたしさ、転校生に謝ることがいっぱいあるんだよね」

さやか「ずっと、あんたのこと信じないで勝手なことばかり言ってさ。今考えてみると、酷いもんだよね」

ほむら「……別に気にしてはいないわ」

さやか「転校生の話だって間違ってなかったし。今回のソウルジェムのことだって、忠告を聞かなかったあたしの自業自得な部分もあるよね」

さやか「ごめん、転校生っ!」



ほむら(美樹さやかからこんな言葉を聞けるなんて……。この子はまるで絶望をしていない。暗い闇の中でも一筋の光を探し続けている……)

ほむら(美樹さやか、あなたを絶望に染まらせたりはしない。私もあなたを含んだみんなと、希望に溢れた未来を歩みたい)


ほむら「私の方こそ、あなたへの態度に問題があったわ。あんなのじゃ、信じないのも無理ないもの」

さやか「許してくれるの?」

ほむら「ええ」ニコリ

さやか「ありがとうっ! ほむらっ!」

ほむら「ほ、ほむぅッ!?」ビクッ!


ほむら「な、な、何を急に名前で……!?」アセアセ

さやか「だって、もうあたしら友達じゃん! いつまでも『転校生』って呼ぶわけにはいかないでしょっ!」

ほむら「そ、それは確かにそうかもしれないけど……!」アセアセ

さやか「それと、あたしのことはフルネームじゃなくて『さやか』って呼んでね」

ほむら「ほむむぅッ!?」ビクビクーン!




杏子「そりゃ、いい考えだ。"友達"をフルネームで呼んだりはしねーもんな。アタシのことは『杏子』って呼んでくれよ~」ニヤニヤ

マミ「そうよね、鹿目さんだけ名前呼びなんて不公平よね! あ、私のことは『巴さん』でお願いねっ! あれから呼んでくれないんだもん」

ほむら「あ、あなた達~……! わ、私はこの呼び方が癖になってるし、そんな恥ずかしいこと……!」

まどか「えぇー? 私も、そうした方がほむらちゃんがみんなともっと仲良くなれると思うのに! 名前を呼ぶって、とってもステキなことだと思うな!」

ほむら「う、うぅ……」


ほむら「よ、よろしく…さやか、杏子、巴さん」カァァッ…

さやか「こちらこそね、ほむら!」

杏子「ずいぶん態度が違うんだな……」

マミ「ああ! いいわ、『巴さん』って! 何かいいわ!」マミマミ!


    ワイワイガヤガヤキャーキャーウフフ




       キィーーーーン!!


ほむさやマミ杏「「「「 !! 」」」」

さやか「この感じ……!」

マミ「ええ、魔女ね」

まどか「えぇっ!?」

ソフトン「なに!?」

杏子「こんな時に来るなんて空気の読めねーヤローだな」

ほむら「まったくね」

ボーボボ「しかし、ちょうどいい練習となる」

まどか「どういうこと?」


ボーボボ「実はマミ達は未だに集団戦というものは経験していない。つまり、みんな完全な初心者ということだ」

ボーボボ「この度、めでたく杏子が仲間になった。今の内に集団戦の練習をしておけば、強力な魔女との戦いも有利に進められるようになるぞ」

さやか「た、確かに……。あたしなんて初心者過ぎてヤバイし……」

マミ「私も二人以上での共闘はしたことがないわ」

杏子「マミと同じだぜ」

ほむら(私は一応、やったことがあるけどね)



さやか「それじゃあ、さっそく行こうよ。善は急げだよね!」

首領パッチ「うおおぉぉッ! 暴れさせろぉーー!」

天の助「血が疼くぜ……!」

ボーボボ「マミ、魔女の反応は?」

マミ「こっちの方向です。確か向こうには廃工場があったはずです」

ソフトン「魔女の好みそうな場所だな」

ボーボボ「よっしゃぁーー、殴りこみに行くぜぇーー!!」



  ~マミルーム外~


QB「どういうことだ。彼女たちの顔、希望に満ちているじゃないか!」

QB「それもやせ我慢ではなく、本当に絶望を感じていないようだ」

QB「大抵の魔法少女は、ソウルジェムの仕組みを知ると大きな精神的負担を受け、魔女化への一歩となる場合が多い」

QB「しかし、まさかこんな状況になるとは……」

QB「彼女たちが絶望しない限りはエネルギーの回収も見込めない……」

QB「さらに、あんな状態の彼女達が側にいれば、ますます鹿目まどかとの契約が難しくなる」

QB「……さて、どう動くべきか」




  ~廃工場~


マミ「ここね、大きな魔力の反応を感じるわ」

杏子「そして、あそこが結界の入り口か……」


     結界入り口 < ゴゴゴゴゴ…


さやか「うわぁ、いかにもボスが待ってますって雰囲気……」

天の助「怖いのなら帰ってもいいんですよ、さやかさん」ニヤニヤ

さやか「な、何をーーーっ!? さやかちゃんをナメるなー!」


ほむら「まどか、今回の魔女はかなり凶悪よ。危険だからこの場に残っていてちょうだい」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん。でも私、みんなと一緒にいたいの」

まどか「自分は何の役にも立たないって分かってる……。でもせめて側にいたいの……」

ほむら「まどか……」


ほむら「分かったわ。あなたは私が守る。絶対に危険に晒させたりしないわ」

まどか「ほむらちゃん……」

マミ「あら、こっちも忘れてもらったら困るわね。私も全力で鹿目さんを守るわ」

まどか「マミさん……!」



ボーボボ「よし、結界の中に入るぞ!」

全員「「「「おー!!」」」」


  ギュオオォーーーン!





  ~結界内~


 ゴゴゴゴゴゴゴ……


まどか「うわわ、何ここ!? 崖になってる!?」ギュッ

ほむら「ほむっ!?」ビクッ

まどか「あっ、ごめんねほむらちゃん。服伸びちゃうね」パッ

ほむら「いいえ、構わないわ。落ちてしまったら大怪我は必至よ」

まどか「そ、そうだよね。じゃあ、お言葉に甘えて……」ギュッ

ほむら「ええ、しっかり掴まって(暁光♪暁光♪)」ホムホムホーム


さやか「みんな、見て! 崖の先にいるのって、魔女じゃない!?」



  エルザマリア「…………」


首領パッチ「ポニョ!?」

マミ「違うわね」

杏子「でも、何も仕掛けて来ねぇな。これならサックリ殺れるんじゃね?」

ほむら「甘いわよ、杏子。あの魔女の性質は『独善』。自分の祈り以外には何の興味を示さないけれど、祈りを邪魔する者は徹底的に潰す魔女よ」

さやか「なんか随分と詳しいね……。まるで前に戦ったみたいじゃない」

ほむら「む、昔に似たような魔女と戦ったことがあるのよ」




ボーボボ「あ! いっけなーい! いつの間にかお祈りの時間だったわー!」ダッダッダ

まどか「 !? ぼ、ボーボボ!?」

さやか「ちょ、ちょっといきなり魔女の所に行ったら危険だよ!?」


  エルザマリア「…………」

  首領パッチ「遅いわよ、シスターボボンソワーズ」

  天の助「もう、いつも遅刻するんだから!」

  ボーボボ「ごめんなさい、シスターパチジェリカ、シスター天ジャミン!」


まどか「あれれぇーー!? すでに向こうに人がいるぅーーーっ!?」マドーン!!


  エルザマリア「…………」

  ボーボボ「おはようございます、シスターエルザ!」


杏子「で、でも攻撃しねーぞ。以外と溶け込めてるんじゃ……?」



  エルザマリア「…………」ジー

  ボーボボ(神様、いつかオバマ大統領とカラオケでデュエットさせてください……!)お祈り中…

  天の助(辛そうで辛くない少し辛いところてんをヒットさせてください……!)お祈り中…

  首領パッチ(水道は止まってるがガスは出る……、そんな小さな幸せ!)お祈り中…

  エルザマリア「…………」


  触腕 < ブン!


  ドゴオオオオオォォーーーーン!!


  三馬鹿「「「ぎゃああああぁぁッ!?」」」


マミ「やっぱり駄目だったぁーーーーーッ!?」マミーン!?

ほむら「邪心を見抜かれたのね……」


 触腕 < ゴゴゴゴゴ!!


杏子「糞っ、バカ共のせいでこっちにまで攻撃が来やがった!」

さやか「まどか、危ないから離れて!」

まどか「う、うん!」マドマド…



首領パッチ「ちっ! 聖教につく者でありながら暴力とはな!」

天の助「これは神罰を与える必要がありますな」眼鏡クイッ

ボーボボ「フォーメーションGで行くぞ!」ダッ

パチ天「「おう!」」ダダッ

まどか「フォーメーションG!?」

ほむら「い、一体どんな作戦なの……」


ボーボボ「おりゃおりゃおりゃ~~!!」カサカサカサ!

首領パッチ「どりゃどりゃどりゃ~~!!」カサカサカサ!

天の助「ちぇや~~~~~~!!」カサカサカサ!


さやか「うわあああぁぁ!? ゴキブリみたいに走ってるーー!?」キモチワルッ!

まどか「GってゴキブリのG!?」

杏子「普通に走った方がいいんじゃね?」

マミ「しかも、ボーボボさんは鼻毛で触覚を模していて、かなり本格的だわ!」

ほむら「そんな本格さはいらないわ……」オエップ…



三バカ「「「あらゆる環境を支配下に置くゴキブリの猛攻を防げるかーーーっ!?」」」カサカサカサ!


  エルザマリア「………!!」


  触腕 < ビターーーン!!


  三バカ「「「ぶべらっ!?」」」


さやか「ほ、本物のゴキブリ相手のように叩き潰した……」

ほむら「魔女も『女』よ。全ての女性が忌み嫌うモノになればああもなるわ……」


三バカ「「「」」」チーン


まどか「あわわ、三人とも地面に埋まっちゃったよ!」

マミ「ボーボボさんと首領パッチ君は、アフロとトゲの先がちょっと出てるけど…」

杏子「天の助は完全に埋没してるな」


三バカ「「「」」」ググググ…


さやか「周りの土が盛り上がってきた! 出てくるつもりだ、あいつら!」

まどか「三人とも頑張って!」



   グググググ……


   ガババーーッ!!


ボーボボ「死ネ! グランドウォーカー!!」ダダッ

首領パッチ「ツマラン人間メ!!」ダダッ

天の助「グオオオオオォォォッ!!!」ダダッ


さやか「ローカストになって帰ってきたーーーッ!?」サヤーン!?

ほむら「地底にいる間に一体何が……」


ボーボボ「そのまま奥義<ベルセルク走り>だ!!」ダダダダダッ!

パチ天「「ウガアアアアアアァァッ!!!」」ダダダダダッ!

ソフトン「まさに猪突猛進だな」

まどか「で、でもあのスゴイ突撃なら魔女の攻撃も弾いて……」


 触腕 < ブン!

  ドゴォーーーン!

 三バカ「「「ぐぎゃああぁーーー!?」」」

マミ「全然ダメじゃないっ!?」マミーン!?

ほむら「待ち受けてたのは物理的ドーンハンマーだったわけね……」



ボーボボ「ぐぐぐ、何て威力だ……」ボロッ

パチ天「「」」チーン

杏子「ほいっと」ピョーン!

ボーボボ「!」


まどか「あっ、杏子ちゃんが前線に…!」


杏子「へへへっ、次はアタシにやらせろよ!」タッタッタッ

ボーボボ「よすんだ、杏子! まだお前の出番ではない!」ダッダッダ

杏子「うっぜーな。アンタみたいなヘマはしねーよ。それにそっちはさっき散々だったじゃん」タッタッタ

杏子「今度はアタシの番って訳。なんか文句あんの?」タッタッタ

ボーボボ「待てと言っているのに……仕方ない」

ボーボボ「杏子、これを見ろ!」

 アフロ < パカッ

杏子「あ?」



 アフロ < 田楽マン「ドゥン!ドゥン!ドゥン! アナザーワンバイツァダスッ♪」

      田楽マン「デン!デン!デン! アナザーワンバイツァダスッ♪」


杏子「…………」

ボーボボ「…………」


 アフロ < 田楽マン「ふふふんふん、ふふふんふん♪ ふふふんふふふふん♪」

      田楽マン「ヘイッ! ふふんふんふんふん♪ アナザーワンバイツァダスッ♪」


ボーボボ「…………」

杏子「…………」

ボーボボ「隙アリ! 田がQUEENアタック!!」

 アフロ < ボヨン!

田楽マン「わぶッ!?」メキッ!!

杏子「ぶへッ!?」バキィッ!!



杏子「いってぇ~~、鼻が…! てめぇ、何しやがる!?」アンアーン!

ボーボボ「今回の戦いはさやかの初陣だ」

杏子「は!? アイツまだ魔女と戦ったことが無かったのかよ!?」

ボーボボ「ああ。俺たちはさやかも経験を積めるように戦わなければならない」

ボーボボ「お前は確かに強いが、一人だけで突出することはチーム戦では最悪だぞ」

杏子「そ、そうか、そうだよな……。悪かったな、ボーボボ」

ボーボボ「いや、分かってくれたならそれで……?」  オラー!>

杏子「ん?」  シネヤー!>



 首領パッチ「はっはっはっは! 死ね死ね!!」バキドゴッ!!

  触腕 < バキィッ! メキィッ!

 首領パッチ「この首領パッチ様が華麗にぶっ倒してやるぜ!!」ドガッメキョッ!




杏ボボ「「…………」」

杏子「なあ、アレって……」

ボーボボ「………」スタスタ

杏子「あ、おいってば……」


ボーボボ「……」スタスタ

首領パッチ「お、ボーボボか? へへ、下がってな、お前に手柄はやらねーぜ?」

ボーボボ「……」つ拳銃 スッ

首領パッチ「え」



                      パン! パンパン!



ボーボボ「……」スタスタ

杏子「……」

ボーボボ「お前は何も見ていない」


ボーボボ「お前は 何も 見ていない」

杏子「お、おう……(マジ怖ぇ……)」




天の助「さやか! お前も来いよ! がくしゅうそうちなんてねぇんだから、後ろで見てても成長しないぜ!」

さやか「うぅ、そうだよね。アタシも一人でも魔女を倒せるようにならないとね!」

マミ「美樹さん、安心して! こっちも援護をするし、危なくなったら助けに入るわ!」

ほむら「私もよ、さやか」

さやか「マミさん、ほむら……ありがとう! ふっふっふ、さやかちゃん、やる気出ちゃいましたよーー!!」

ボーボボ「作戦はこうだ。前衛は俺と天の助の二人。その後ろにさやか。後衛はマミ、ほむらで遠距離攻撃だ」

ボーボボ「手薄になっているさやかの側面はそれぞれ左右にソフトンと杏子をつける」




              <天の助>    <ボーボボ>

         <ソフトン>    <さやか>      <杏子>




             <マミ>         <ほむら>






ソフトン「攻撃も防御も完璧な布陣だな」

マミ「なるほど、前衛の取り損ねた触手を後衛の私達が担当……」

ほむら「それで、無防備なまどかに敵の攻撃が向かわないように、二段階に分けているのね」

杏子「前衛を二人にすることで、さやかに掛かる負担も分割しているってことか」

さやか「はぁ~~~! よく考えてあるな~!」


まどか「…あれ、首領パッチ君は?」

ボーボボ「ソンナ奴、知リマセーン」

まどか「きゅ、急にカタコトになった!? 今まで普通にしゃべってたじゃん!」

ボーボボ「アイキャントスピークジャパニーズ」

まどか「白々しい! 首領パッチ君に何があったの!?」

杏子「まどか、落ち着け。奴は最初からこの場に居なかった……そうだろ?」

まどか「何を言ってるのか分からないよ杏子ちゃん! ねえ、何で目を合わそうとしないの杏子ちゃぁん!?」

ほむら「と、とりあえず首領パッチのことは置いておきましょう(前線に行っている間に何があったのかしら……?)」



  触腕 < ゴゴゴゴゴゴゴ!!


マミ「どうやら魔女の方も、これ以上放っておいてはくれなさそうね」

杏子「本格的に邪魔になったから潰しにきやがったか!」

ボーボボ「さっそくさっきのフォーメーションで向かうぞ!」

全員「「「「おう(ええ)!!」」」」



ボーボボ「行くぞ!」ダダッ

天の助「食品代表ところ天の助……、いざ参らん!!」ダダッ

ソフトン「かの者にバビロンの裁きを」ダダッ

杏子「さやか、無茶すんなよ!」ダダッ

さやか「ありがとね、杏子! 頑張っちゃいますよ~あたし!」ダダッ

マミ「こんなに大勢で戦うなんて、初めて!」ダダッ

ほむら「まどか、あなたを怪我させたりはしないわ」ダダッ

まどか「うん、頑張ってねみんな!!」手フリフリ

首領パッチ「う、うぅ~~……酷い目にあったぜ……」ヨロヨロ

まどか「あれ、首領パッチ……君?」


まどか「な、何だか顔がレンコンみたいになってるんだけど……大丈夫?」

首領パッチ「大丈夫なもんかよ……。くそ、ボーボボの野郎!」




  触手A < ヒュン!

  触腕B < ゴオオーーッ!

  触手C < ブン!!


ボーボボ「第一波が来たぞ、天の助!」

天の助「おう!」


   協同奥義<ほぼ三分間クッキング>!!

     テテレッテテテ♪ テテレッテテテ♪


さやか「何か変なのが始まった!?」


  ボーボボ「今日は魔女の触手の唐揚げを揚げたいと思います」ニコニコ

  天の助「はい、先生」ニコニコ

  ボーボボ「それではまず材料の触手をちょうどいい大きさに切りましょう」シュン!

  触腕 < ズパッ!!

杏子(素手で!?)



  ボーボボ「あとは適当に調理して油で揚げれば完成です」ニコニコ

  鍋 < ジュウウゥゥ~!

  天の助「先生……俺……俺!」

  ボーボボ「どうしました?」

  天の助「俺も食材なんですよ! それなのに、先生はいつも料理は違う食材ばっかり……!」

  天の助「俺だって料理されたいのに! ところてんの極上料理になりたいのに!」

  ボーボボ「だまらっしゃい!!」バキッ!

  天の助「うぎゃぁッ!?」ドゴォッ!

  ボーボボ「そんなに調理されたいなら思う存分してあげるわ!」グイグイ

  鍋 < ジュワワワワッ!!

  天の助「ガボッゴボボボ!? ありがとうございゴボッ!! ありがとうございますッ!!」ジュウ~!

  ボーボボ「ホラ! これがいいの!? これがいいのかしら!?」グイグイ

  天の助「ゴボボボボボ!! ありがガボボッ!!!?」ゴボゴボ


さやか「どんな料理番組だーーーッ!?」サヤーン!?



ボーボボ「さやか、パスだっ!」つところてん添え触手唐揚げ ポイッ

さやか「うわわ、調理されたモノが来た!?」

さやか(で、でもこれならあたしでも倒せる!)つ剣 チャキッ

さやか「おりゃぁ~~~!」

   スパッ!!

さやか「や、やった切れた!!」

杏子「上出来だぜ、さやか!」

さやか「うん、ありがと……う」つ剣 ポタポタ

さやか「…………」つ剣 ポタポタ



さやか(剣が油まみれだぁーーー……)ズーン…



マミ「そ、そりゃそうなるでしょうね」

ほむら「ええ(何だか気の毒……)」



  触腕 < ビュン!!

マミ「おっと、上手くかいくぐって来たようね。でも通したりはしないわ」チャキッ

ほむら「当然ね」チャキッ

    パン! パン!

   触腕 < ボトッ

   触腕 < ピクピク…

マミ「ごめんなさいね♪」

ほむら「まどかには指一本触れさせないわ」

まどか「すごいや、マミさん、ほむらちゃん!!」




   触手A < ヒュンヒュン!!

   触手B < ブン!

杏子「横からも来やがったか!」

さやか「うわわ!?」アセアセ

ソフトン「安心しろ、俺たちがいる」スッ

杏子「だなっ!」バッ


   バビロン真拳奥義<オシュ=マハアルの落日>!!

    触手A < バシュゥ…

ソフトン「バビロンは『守り』の戦いであっても遅れをとることは無い」


杏子「うおりゃぁッ!!」つ槍 ブン!

    触手B < ズバァァン!!

杏子「へへっ、ちょろいちょろい」


さやか「二人とも、ありがとう……!」

ソフトン「礼は後でいい」

杏子「その通り、今は自分の敵に集中しな。横槍を入れてくる相手はアタシらが殺っちまうからよ!」

さやか「分かった!」




まどか「すごいよ! 初めてやる戦い方のはずなのに、まるで何年も共闘してきたかのように息ピッタリ!!」

首領パッチ「ん、あいつら何やってんの?」

まどか「え、何って……魔女と戦ってるよ?」

首領パッチ「何だとォ!? 俺様を放っといて、勝手に戦闘を始めるなんて許せねぇ!!」

首領パッチ「俺より目立つんじゃねぇーーーッ!!」ダッダッダッ!!

まどか「ど、首領パッチ君!? ……行っちゃった」




  ~最前線~


さやか「だいぶ、魔女の近くまでやってこれたね」

ボーボボ「気をつけろ。接近すると共に攻撃も激化する」

さやか「た、確かに攻撃の間隔がどんどん短くなってる……」


   触手 < グオオオオッッ!!


天の助「おいでなすった!」ザッ!

ボーボボ「みんな、構えろ!」


   触手 < グインッ!


さやか「 ! きゅ、急上昇!?」


   触手 < グオンッ!


天の助「今度は急降下だ!」

杏子「これってまさか……」

ソフトン「前衛を飛び越えての中央狙い! こいつ、最初から……!」

ほむら「最も経験の浅いさやか狙いよ!!」



   触手 < ゴオオオオォォーーッ!


杏子「さやか、避けろ!!」

さやか「……いや、あたし一人でやるッ!」つ剣 チャキッ

杏子「ばっ!? 無茶を言うな!」


   触手 < ゴオオオオォォッ!!


さやか「てええぇぇいッ!!」つ剣 ブン!


杏子「さやかぁぁーーーーッ!!」

マミ「美樹さん!!」

まどか「さやかちゃん!!」





     スパァァン!!






   触手 < ゴトン…


杏子「   」

ほむら「   」

マミ「   」

まどか「   」





さやか「あれ、ホントに出来ちゃったや」



杏子「ま、マジかよ……」

マミ「す、すごいわ美樹さん!!」

ほむら「まさかまさかね……」

まどか「すっごい、さやかちゃーん!」手ブンブン!

さやか「う、うへへへ! いやあ、舞い上がっちゃってますね、あたし!」エヘヘー!


ソフトン(この少女……学習能力の高さや、実践での勝負強さも去ることながら……)

ボーボボ(生まれつき備わっている戦闘のセンスが高い……!)



ほむら「いい反応よ、さやか。でもね、今回は運が良かっただけと考えなさい」

ほむら「一人で先行することなく、ちゃんと周りの意見にも耳を傾けるのよ」

さやか「分かってるって! つか、ほむらが褒めてくれるって珍しいね。さやかちゃんに惚れちゃったのか~い?」クスクス

ほむら「バカ言いなさい」フン




 触腕s < ゴオオオォォォッッ!!



天の助「うおっ、何つー数の攻撃! 向こうも躍起になってきやがった!」

ボーボボ「フォーメーションを崩すな! 冷静に対処すれば切り抜けられる!」

さやか「分かった!」


 ダッダッダッダッダ…


さやか「……ん?」クルッ

ほむら「何かしら……」クルッ

マミ「この音?」クルッ

杏子「何かが近づいてるような……?」クルッ




ネコパッチ「フガフガフガフガガガァーーーーーッッ!!!(ボーボボ、この野郎ーーーッ!!!)」『ネコ科代表首領パッチ』 ダッダッダッダッダッッ!!


さやほむマミ杏「「「「な、何ィーーーーーーッ!!」」」」ガビーーン




ネコパッチ「フガガフガフガーーーッ!(皆が託してくれたこのタスキ!)」つ『ネコ科代表首領パッチ』ギュッ

ネコパッチ「フガフガガフフガァーーーーッ!!(そして、強走効果のある口に押し込んだ増えるワカメ!!)」ダッダッダッダッダッ

ネコパッチ「フガガガフガ、フガ!!(この二つを背負い、今!!)」ダッダッダッダ!



      ボ ー ボ ボ に 復 讐 し ま す

                          ドドン!!



ネコパッチ(フッ、決まった……!)ダッダッダッダ!


さやか「何アレ……」サヤーン…




ボーボボ「上等だ! かかって来いやぁーーーーッ!!」キシャー!

ネコパッチ「フガガフガッ!!(退け、小娘どもッ!!)」ドカッッ!

マミ「きゃあッ!?」ステン!

杏子「何しやがる!」ヨロッ

ネコパッチ「フガガフガガフフガ!(俺の狙いはボーボボ一人!)」ダッダッダッダ!

ネコパッチ「フガフガフガフガガ……フゴッ!(この増えるワカメ装備の俺様の前ではテメーごとき……フゴッ!)」

ネコパッチ「ゴフォッ!!(喉に詰まった!? ば、馬鹿な!?)」

杏子「馬鹿だな」



ネコパッチ(ぐおおおおぉぉッ!! 復讐を果たせず力尽きてたまるか~~~~……)ジタバタジタバタ

ネコパッチ(そ、そうだ、こんな時こそ皆の応援メッセージ!!)つメッセージ スッ

ネコパッチ(復讐に向かう俺の為に、皆がメッセージをくれたんだ!)


   ネコA『おやびん、頑張ってくださいニャー』

   ネコB『これ、僕たちの応援の手紙ニャ。苦しくなったら読んでほしいニャー』


ネコパッチ(今こそ使わしてもらうぜ、お前たち!!)つメッセージ ババッ



     『ニャニャニャ、ニャーニャーニャニャ

      ニャンニャ、ニャナニャンにゃー、

      ニャーミャーニャニーニャンニャナン

      ニャッキ、ニャンニャマニャン。  』



ネコパッチ「読めねぇーーーーーーーーーッッ!!」ゴバァッ!!

さやか「何がしたいのあんた!!」サヤーン!?



ネコパッチ「ま、まだだ……。まだ、この皆が手作りしてくれたタスキがある限り、俺はまだ…………ん?」つ『ネコ科代表首領パッチ』


         『ネコ科代表首領パッ≪テ≫』


ネコパッチ(微妙に間違えてる…………)ガーン…

ボーボボ「ねこたち町に帰れぇーーーーッ!!」バキィッ!!

ネコパッチ「万策尽きたかぁーーーーッ!」ヒューーー!



ボーボボ「ふん、手間かけさせやがって……」

マミ「ぼ、ボーボボさん!」

ボーボボ「!」



  触腕s < シュゴオオオオォォォォッッ!!


さやか「あ、ああ……!」

杏子「さやかッ!!」


ボーボボ(しまった! あの馬鹿(※1)のせいでフォーメーションが崩れた!)   ※1 首領パッチのこと

マミ(全ての攻撃がさっきみたいに美樹さん狙い……!)

ソフトン(いくら彼女でも、あの量の攻撃を受けてしまえば……)

ボーボボ(くそッ! あのハゲチャビン出っ歯太郎次郎(※2)め!!)   ※2 首領パッチのこと

ボーボボ(俺からは間に合わん! ならば一番近くにいる……)


ボーボボ「天の助! さやかのサポートを頼む!」バッ



天の助「……」つ『ラバランプ2000円』ゴポゴポ



マミ「小洒落たインテリアになろうとしてるぅーーッ!!」マミーン!



天の助(冗談じゃねぇ! あんな攻撃食らったらところてんじゃなくてもバラバラになるわ!)ガタガタ

天の助(と、とりあえず今は雑貨屋とかにある、色の付いた液体が上がったり下がったりする電気スタンドのフリをして、この場をやり過ご……)ガタガタ

さやか「早く助けなさいよッ!」バキッ!

天の助「うごぉッ!? 何故バレた!?」ドガッ!

さやか「何、我関せずっつう風に佇んでるのよ! さやかちゃんがピンチでしょうがーーッ!」ギャーギャー!

天の助「うっせぇ、ボケ! 俺を巻き込むんじゃねぇ!」ギャーギャー!

天の助「つーか、いきなり殴るなよ! あのラバランプを割っちまって、水浸しになった部屋を片づける虚しさが分かるのかよ!」ギャーギャー!


     天の助『あ……、あー……あぁ』

     天の助『やっちまった……』


さやか「知るわけないでしょ、つかそれ以前にあんたところてんだし!!」ギャーギャー!

まどか「さ、さやかちゃんッ!」



 触腕s < ゴオオオオォォォォッッ!!


さやか「げっ、もう目の前に……!」

天の助「ひいぃ、もう体バラバラネタはイヤだ!! あれ、平気そうに見えて無茶苦茶イテーんだぞ!」

さやか「あーー、仕方ない! こうなったらヤケクソで相手してあげるわ!」チャキッ!

杏子「よせ、さやか!! さっきの攻撃とはワケが違うんだぞ!」

ほむら「逃げなさい、さやか!」


 触腕s < ゴゴオオオオオォォォォッ!


さやか「そんなこと言われたって、ここまで来たらもう逃げれないよ!」

天の助「ちっくしょー! 俺もヤケだ!」


     プルプル真拳奥義<ヤクザっぽい顔で睨んだら引き返してくれるといいなぁ>


天の助「やんのか、コラ!!」オラオラ!

さやか「いや、奥義じゃなくて願望じゃん!!」




マミ「このままじゃ二人とも……!」

ボーボボ「くっ……!」

田楽マン「シーズキラァクイィーーン♪」

ボーボボ「……」


ボーボボ「よし」スッ

田楽マン「え」ガシッ

ボーボボ「行ってこい、田楽」

田楽マン「いやいや! 無理っすよ! 自分クズっすから、誰からも必要とされませんって! 行っても迷惑ですって!」ブンブンブン!

ボーボボ「やってみなくちゃ分からねーだろ! チャレンジ6年生ーーーーッッ!!!」ブン!

田楽マン「ぎょへえええぇぇぇッ! 絶対無理だってぇぇぇぇ!」ヒューー!




  キラン☆

さやか「ん? 何かが光って……」

天の助「あれは、きっとボーボボからのヘルプアイテムだ!」

さやか「え!? ってことはきっとすごいモノが……!」


  田楽マン「ぎゃああぁぁぁぁぁ!! 誰か止めてぇぇぇッ!」ヒュー



天の助「……チッ」

さやか「……ハァ」


  田楽マン(滅茶苦茶イラついてらっしゃる!?)ナンデ!?



田楽マン「おっと着地」スタッ

田楽マン「ちょ、ちょ、ちょっと! 何で喜ばないのら!? 折角僕が助けに来たっていうのに!」プンプン

天の助「……」

さやか「……」


田楽マン「こっちだって、命がけでやってきたのに、そういう態度は……!」

天の助「なぁ」

田楽マン「大体、この前だって……、え?」

天の助「黙れ」

さやか「……」コクッ


まどか(あ、あんな冷めた顔の二人初めて見た……)マドーン…




天の助「お前さぁ、こっちは命がけな訳よ。それなのに、そういうノリで来るってどうよ?」

田楽マン「え、あの、その……」

天の助「ハッキリしゃべれよ」

さやか「さっきはあんなに威勢良かったじゃない」

田楽マン「あ、あの僕……その……」


まどか「そのまま説教に!? ちょっと二人とも! 状況をよく考えて! すぐそこに魔女の攻撃が!」



 触腕s < グオオオオオオォォッッ!!


田楽マン「で、でも僕は皆の為になると思って……」ガシッ

天の助「その割には随分と行くの渋ってたよな?」ガシッ

さやか「あんたさ、戦いナメてんの?」ガシッ


マミ「あぁっ! 三人とも魔女に捕まったわ!」

杏子「ていうか、説教に夢中で全然気づいてねーじゃん!!」



  グググググググ……


        触腕塊 < ガッキーーン!!


ソフトン「触手同士が絡み合い、まるで木の幹のように太く……!」

ほむら「三人が閉じこめられた!」

まどか「さやかちゃぁーーーーーんッ!!」



   触腕塊 < 僕トシテハ反省シテマシテ…

        誠意ガ見エナインダヨ、誠意ガ!

        フザケルノモイイ加減ニシテヨネ…


まどか「まだ説教やってたッ!?」マドーン!





杏子「くっ! さやか、今助けるぞっ!」ダッ

ボーボボ「待て!」

杏子「な、何だよ! このままじゃさやか達が絞め殺されちまうぞ!」

ボーボボ「ここはひとまず三人に任せてみよう」

杏子「はぁッ!?」


杏子「正気かよ! さやか達は今にも魔女に握り潰されそうだってのに……!」

マミ「そ、そうですよ、ボーボボさん! 美樹さんはまだルーキーの域を越えていません! 無茶です!」

ソフトン「落ち着け、二人とも。ボーボボにも考えがあるんだ」

ほむら「その考えとやらを早急に教えてほしいわ。さやかが死んでしまうより前にね」


ボーボボ「確かに、今は危機的状況だ。ボンバーマンで開幕真横に爆弾置きをしてしまったくらいにな」

ボーボボ「だが、このピンチをチャンスに変える技術が戦士に必要だ。もしもさやかが自分の力でこの窮地を脱することが出来れば、名実ともに本物の魔法少女になれるだろう」

杏子「た、確かにそうだけど……」

ボーボボ「さやかの成長の為にも、今は堪えて待つべきだ」アフロパカッ


 アフロ < ミニボボ「さやかは助けたいけど、側にいるバカ二人の為に動くのはすげぇだりー」ダラダラ


マミ「本心! 本心が見えてますよっ!」マミーン!



ソフトン「俺もボーボボの意見に賛成だ。今はさやかの側に奴らがついている。不安要素は残るが最悪の事態は避けられるはずだ」

ボーボボ「それに、俺たちも忙しくなりそうだからな」


  触手s < ゴオオオオオォォォォォッッッ!!!


マミ「また攻撃が来た……!」

ほむら「物量で押し切れると踏んだようね……。厄介だわ」

ソフトン「俺たちはこの攻撃に対処し、今捕らえられているさやか達に新たな攻撃が加わることを阻止しなければならない」スッ

杏子「くそっ! さやか……、絶対出てくるんだぞ!」チャキッ!






  ~触腕塊~


天の助「で、ここどこよ?」

さやか「あれ? みんな居ないし暗いし狭いし……。あたし達どうなったの?」

田楽マン「多分敵の攻撃を受けたんだと思うのら」

天の助「ってことはアレか? 俺たち、あのニョロニョロしたのに閉じ込められてるってことか」

さやか「あ~、通りで暗くて狭いわけだ」

田楽マン「俺たち結構ピンチなのら~」アハハハハ

天の助「だよなー。これって敵の手に握られてるとの同じじゃ~ん」アハハハハ

さやか「それマジでヤバイじゃん、あたし達~」アハハハハハ


    アハハハハハハ~



さや天田楽「「「って、えええええぇぇぇぇーーーーーッッ!?」」」ガビーン!!



  ダイナシン『これは漫才や漫画によくある時間差リアクリョンだ!』

  ダイナシン『突然起こった驚愕的な事態にまるで大したことないように振る舞い、時間差で過剰な反応をして笑いを取るテクニックである!』


『ギャグにすかさず解説を入れて面白さを半減させる台無し怪人 <ダイナシン>』




さやか「ど、ど、ど、どーすんのよ! あたし達絶体絶命じゃない!」

天の助「どーするもこーするも……」


   ググググググ…


田楽マン「ひっ! 間隔が狭くなってきた! このまま握り潰すつもりなのら!!」

天の助「な、何ィーーーーッ!?」

さやか「ええぇーーーッ!? 確かに最近ダイエットしてたけど、こんな過激なのはヤダぁ!!」

田楽マン「ま、マズイのら! どうしようどうしよう!!」オロロ

天の助「ん!? おい、田楽! そのポシェットを寄越せ!」つ 田楽ポシェット バッ

田楽マン「あぁッ! 僕のポシェット返すのら!」

天の助「何かこの場をやり過ごすアイテムとかねーのかよ!」ゴソゴソ!

田楽マン「そ、そんな美味い話はないのら……。そのポシェットだってライバルであり強敵ドラえもんのポケットには流石に負けるのら……」

さやか(ライバル視してたんだ……)



天の助「おっ! いいのがあるじゃねーか!! これならこのピンチも打開できるぜ!」ガシッ

さやか「ほ、ホントに!?」ワクワク

田楽マン「マジで!? 僕のポシェットにそんな奇跡的アイテムが!?」

天の助「てめー、わざわざ隠しやがって!あるじゃねーか、ほら……」


天の助「大阪おばちゃんが5ダースも!」バッ

  おばちゃんA「奥さん、佐藤さんのお子さんがね……」ベラベラ

  おばちゃんB「えぇっ、ホンマにー!?」ベラベラ


田楽マン「何だそれ!? 入れた覚えねーぞ、そんなの!!」ガビーン!?

さやか「しかも、5ダースって何!? 単位おかしいでしょ!!」サヤーン!

天の助「このおばちゃんを使えば……!」ババッ!


  超絶奥義<大阪おばちゃん異常発生 ~シーズン2~>!!


  おばちゃんC「そんでな、うちのお父んがな……」

  おばちゃんD「飴ちゃんいるか?」

  おばちゃんE「あんた、アホ言っとったらしばくで!」


 ドドドドドドドドオオオォォォォォッッッ!!!


さやか「と、とんでもない量のおばちゃんが、小さなポシェットの中から溢れてきた……!」

田楽マン「5ダースって60人!? どう考えても入らねーだろ、そんなに!!」



天の助「だが、このおばちゃん達が壁を押さえているおかげで、スペースが出来たぜ! これで俺らが潰される心配は無くなった!」


   おばちゃんF「この前、『欧米か!』やる人見てな……」ペチャクチャ

   おばちゃんG「あの人、テレビで見るより太っとうよな」ペチャクチャ


さやか「この状況下でもおしゃべりしてる……」


田楽マン「でも、マジにどうするのら? このおばちゃん達も長くは持たないだろうし」

さやか「う……、確かにヤバイね」

天の助「ふっふっふ~。天ちゃん、またまた妙案が浮かんじゃいましたよ!」

さや田「「えっ!?」」

天の助「このでっけぇ触手は魔女に直接繋がっている。つまり、ここを掘り進んでいけば本体にダイレクトアタック出来るわけだ」

田楽マン「すごいのら、天の助!!」

さやか「天の助にしては冴えた考えじゃない! 体内に入って攻撃って何だかSFみたいっ!」

天の助「それじゃ、さっそく掘りまくるぜーーー!!」

さや田「「おおーーーッ!!」



     協力奥義<夢見る者達のプリズンブレイク>!!


田楽マン「おい! 看守が来たぞ、早く戻れ!」コソコソ

天の助「あと10センチだけ! もうちょっとでこの監獄から出られるんだ!!」つ スプーン ガリガリガリ!

さやか「いや、看守とか居ないから。それにスプーンより、あたしの剣の方が掘りやすいと思うんだけど」つ さやかちゃんソード ブォン!

天田「「俺達の努力はッ!?」」




  ~~~


杏子「ちっ、潰しても潰しても……」ザシュッ!

ほむら「どんどん湧いてくるわね!」パァンパァン!

ボーボボ「鼻毛旋風!」バシュバシュッ!

ソフトン「ふん!」シュバッ!


   触手s < ゴゴゴゴゴゴゴゴオォォ!!


まどか「み、みんな押されてる……。このままじゃ負けちゃうよぉ……!」



杏子「くそっ! いつになったらアイツら出てくるんだよ! こっちもそろそろしんどくなってきたぞ!」ハァハァ

マミ「た、確かにキツイわね」

ボーボボ「奴らを信じるんだ。今の俺たちにはそれしか出来ない」


   触腕塊 < シーン…


ほむら「でも、もう何分も反応がないわ……。そろそろ救出も想定して動かなければ……」


   触腕塊 < グググググ…



ほむら「こ、これはっ!?」

マミ「軋みが聞こえるわ……、まさか……!」

杏子「アイツらついにやりやがったか!」


   触腕塊 < ギギギギギ!!


ほむら「で、出てくるわよっ!」


   触腕塊 < ボゴォッ!

        おばちゃんA「   」ズボォッ!


ほむマミ杏「「「おばちゃんが出てきたぁーーーーーッッ!?」」」ガビーン!


おばちゃんA「…………」ジー…

おばちゃんA「何見とんのや」

ほむマミ杏「「「す、すみません……」」」



杏子「な、何でおばちゃんが出てくるんだよ!? さやか達はどうしたんだよ!」

ほむら「こ、このおばちゃんはどこから……!?」

ソフトン「おい、あれを見ろ!」

ほむマミ杏「「「えっ!?」」」クルッ


  触腕塊 < おばちゃんD「これな、3000円やってんで!」

        おばちゃんE「うっそぉ、めっちゃ高そうや~ん」

        おばちゃんF「どこで買うたん?」


ソフトン「大量のおばちゃんが突き抜けている……」

ほむマミ杏「「「うわあああぁぁ!? 気持ち悪ーーーいッ!?」」」



ボーボボ「あれはまさしく、田楽マンの大阪おばちゃんズ! 奴らめ、あんな方法で切り抜けるとは……!」ニヤリ

杏子「あ、アレはいいことなのか!? つまり、さやか達は無事なんだな!?」

ボーボボ「ああ」

マミ「で、でもそれなら、何で美樹さん達は脱出しないんですか!? 穴も空いているっていうのに……!」

ソフトン「あいつら……まさか」

杏子「ど、どういうことだ?」

ソフトン「おそらく魔女を体内から攻撃するつもりだ」

マミ「な、何ですって!?」

ほむら「そんな倒し方、前代未聞よ!」

杏子「さやか……!」




  ~触腕塊~


天の助「だいぶ掘れたな」フゥ…

さやか「でも、今どれくらいなんだろう……。半分くらい掘れてたらいいんだけどさ……」ハァハァ

田楽マン「手がマメだらけなのら……」

天の助「多分そろそろ本体だ! いっちょやるぞ!」

さや田「「おぉーーーッ!」」



      ~ Now 掘ぅding~


さやか「よいしょっ!」ザクッ

さやか「ふぅ、手が痺れてきちゃったよ……」

さやか「ん?」



天の助「おらおらおら!」ザクザクッ!

田楽マン「そいやそいやっ!」ザクザクザクッ!

さやか「ね、ねぇみんな!」

天田「「あ"?」」ギロン!

さやか(え、何でそんなキレかけなの!?)


さやか「こ、コレ見て!」ホラホラ!


     核 < ドクン…ドクン…


天の助「こ、こりゃ魔女の"コア"って奴じゃないか!?」

田楽マン「つまりコレを壊せば……!」

さやか「魔女を倒せるって訳ね!」

田楽マン「やっとゴールなのら!」

天の助「手間かけさせやがって…」

さやか「よーし! それじゃ、さっそくぶっ壊そうかっ!」




  天田さや協力奥義<ファフロッキーズ ~剣、時々ところてん及び田楽の雨が降るでしょう~ >



さやか「さやかちゃんの猛攻撃をくらえーーっ!」

  ザシュザシュザシュッ!!


天の助「お食べなさい! お食べなさい!」

  ドドドドドドドドォッ!!


田楽マン「ブリキの傘が必要な一日になります」

  ドゴォーーーーン!!


     核 < パリィーーーンッ!



  ~~~




エルザマリア「………!」ビクッ!


エルザマリア「」 ガクン


杏子「な、なんだ!? 急に魔女の動きが止まったぞ!」

マミ「一体何が……!」


 触腕 < サラサラサラ…


ほむら「魔女が消えていく……まさか!?」


   ドッゴォーーーーン!


天の助「ぶはぁっ!! 数週間ぶりの新鮮な空気っ!」ガバッ

田楽マン「シャバの空気は最高なのら!」ガバッ

さやか「よっしゃぁ、出れたッ!」ガバッ


マミ「美樹さん! みんな!!」

ボーボボ「フ、やってくれたな」

杏子「まさか、マジで中から魔女を倒すとは……」


    ぐにゃぁ~~…


まどか「結界が消えていく……。さやかちゃん、魔女を倒せたんだね!」




  ~廃工場~


まどか「さやかちゃんすごいよ!!」マドマド!

さやか「い、いやぁ~照れるなぁ!」サヤサヤ!

ほむら「見事よ、さやか」

ソフトン「初陣でこの戦績は素晴らしい」

杏子「やるじゃねーか」

マミ「すごいわ、美樹さん!」

さやか「みんなまで……。あたし参っちゃうなぁ~!」

天の助「アレ!? 俺たちの活躍は!?」

田楽マン「ちくしょう! ヒドいのら~!」


ボーボボ「さやか」

さやか「あ、ボーボボ……」

ボーボボ「ほら、お前の分だぞ」つ グリーフシード スッ

さやか「グリーフシード! そっか拾いそびれてた……、ありがとっ!」

さやか「でも、みんなで戦ったんだし、みんなで分けなきゃ……」

ボーボボ「お前のソウルジェムが一番濁っていることはお見通しなのさ」ババーン!

さやか「う……、バレてたの?」

ボーボボ「ああ。この場合ソウルジェムが濁りが激しい者を優先すべきだ」

さやか「そ、それじゃあ、みんな、お先に……」つグリーフシード スッ

マミ「いいのよ。私はまだ、ソウルジェムに余裕があるしね」

杏子「アタシもだ。グリーフシードならちょっと余分に蓄えがあるんだよ」

さやか「それじゃ、遠慮なく……」



   ソウルジェム < パアァァーーーッ


さやか(あ……)

さやか(一回だけじゃ完全にキレイに出来ないんだ……)

さやか(このグリーフシードはもう一回使えるみたいだけど……)

さやか(…………)


さやか「はい、ほむら」つグリーフシード スッ

ほむら「え?」

ほむら「それはあなたのモノよ? あなたが使えばいいのよ、私はまだ……」

さやか「そんなこと言っちゃって~。あたし、ほむらのソウルジェム、ちらっと見ちゃったんだから」

ほむら「!」ホムッ!?

マミ「どういうこと……?」

杏子「おい、ほむら。ソウルジェムを見せろよ!」

ほむら「…………」つソウルジェム スッ


マミ「た、確かに酷いとは言えないまでも濁っているわね」

杏子「お前、何で黙ってたんだよ?」

ほむら「…………」

ほむら(最近は忙しいこと続きで、ついグリーフシードの使用を忘れていたわ……)



ほむら「でも、あなたのソウルジェムだって完全に澄み切ってるわけじゃないんじゃ……」

さやか「だ、大丈夫だって! あたしもう最高に回復しちゃったもん!」


さやか(今まで、ほむらに酷いこと言っちゃったもん。これくらいは返さないと……)

さやか(ちょっとだけ、ソウルジェムのことは心配だけど……)


ほむら(正直なところ、ソウルジェムの濁りは問題ではない……。グリーフシードのストックはまだある)

ほむら(でも、ここはさやかの好意を素直に受け取るべきね……)


ほむら「分かったわ。ありがとう、さやか」

さやか「ふふふ、いいってことよ!」



まどか「さやかちゃん優しいね!」

さやか「そんなに誉めないでよ! あ、そうだ! まどかもありがとうね!」

まどか「えっ!? 私は何も……」

さやか「戦ってる間も、まどかの応援は感じていたよ。あんたのお陰で頑張れたの。ありがとね!」

まどか「ティヒヒ、そんな私は何も……」

天の助「俺たちには何もナシかよ」

田楽マン「ホントホント~」

さやか「あんたらにも一応、ありがと!」


さやか(何だか、気持ちが楽になっちゃった。自分の体がたとえゾンビでも、あたしにはこんなに良い仲間達がいる……)

さやか(明日、恭介に思いを伝えよう……。拒まれても絶対に後悔はしない……!)





  しかし、この時のあたしはあんな事になるなんて夢にも思いませんでした。


  ~同時刻~




仁美「…………上条君」

仁美「私は……、何て罪深いことを……! さやかさん……」



  まさか、あんな事態になるなんて……。





首領パッチ「ところで、あれから一切僕の出番が無いことに、誰か一人でも気づいたでしょうか……」シクシクシク

まどか「ど、首領パッチ君……」



  第七話 「本道 清志 と向き合えますか?」 完



第七話はこれで終了です
早い内に投下出来るよう、>>1も尽力するつもりです
それでは八話の執筆に戻るとします…


>>1です
またまたかなり遅れてしまいました…
『ふわり!どんぱっち』を読んでかなりモチベーションが上がった所で、ようやく投下です




前回までのあらすじ



首領パッチ『特大ハジケ砲!!』

エルザマリア『ーーーーーーーッ!?』


  ドゴォーーーーン!


さやか『すごいよ、首領パッチ!』

まどか『首領パッチ君……カッコイイ!』キラキラ

ほむら『流石主人公ね』

マミ『これはティロ・フィナーレを超えたわ…!』

杏子『やべぇ……痺れたぜ』

ソフトン『心、技、体、どれをとっても一流だ』

天の助『参りました、首領パッチ様ぁ~!』土下座!

田楽マン『のら~!』土下座!

ボーボボ『キー!! 悔しい~~!』エグエグッ

首領パッチ『ハーーーハッハッハッハ! やっと俺の強さを理解したか、凡人どもめーー!』



    こんな感じだった




さやか「いやいやいや! なに脚色してんのよ、あんた!」ブンブン!

首領パッチ「こんな感じだった」

杏子「テメーは出番ナシで、さやかがトドメを刺しただろーが!」

首領パッチ「こんな感じだった」

ほむら「壊れたカセットテープのように……。見せ場が無かったことが余程気に入らなかったのね」

まどか「う、ウェヒヒ……」

首領パッチ「こんな感じだっt」

ボーボボ「うるせー!!」

  ボカッ!

首領パッチ「グバァッ!?」ズサー!




 第八話 「インキュベーター氏、推薦! ~あたしって、ほんとバカ…~ 絶望に染まった少女の赤裸々告白!!」




  ~通学路~


さやか「おはよっ、まどか!」

まどか「さやかちゃん、おはよう!」

さやか「何だか久しぶりの登校だなぁ。あたし、ちょっと不良になってたからね~」

まどか「仁美ちゃんやクラスの皆も、さやかちゃんのこと心配してたよ」

さやか「ありゃりゃ! いやぁ、人気者は辛いねぇ~!」サヤサヤ

まどか「もう、さやかちゃんったら」ティヒヒ

さやか「あれ、そういや仁美や首領パッチ達は?」

まどか「そういえば……。いつもはもう合流してる筈なのに……?」キョロキョロ



首領パッチ「おはようございますぅ(超小声)」ぬっ!

天の助「はい、おはようございます(超小声)」ぬっ!


さやか「うわ、びっくりした!? 急に出てこないでよ、心臓に悪い!」

首領パッチ「静かに! ターゲットが気づいちゃうでしょ!(超小声)」ボソボソ!

まどか「た、ターゲット?」

天の助「そう、起きちゃったらせっかくのドッキリが!(超小声)」ボソボソ!

さやか「……もしかして、寝起きドッキリ?」

まどか「で、でも首領パッチ君? ドッキリも何も、ここはホテルじゃないし、今は早朝でもないよ?」

さやか「そうだよ、こんな所でノンキに寝てる奴なんて…」チラッ


 仁美「う~ん、ムニャムニャ……」ZZZ


まどさや「「いたああああぁぁぁぁッッ!?」」ガビーン!



さやか「ひ、仁美っ!? 何で道ばたで布団敷いて寝てるの!?」

まどか「めちゃくちゃ目立ってるよ! 通行人、皆見てるよ!?」

首領パッチ「ターゲット確認!」ダッ

天の助「さっそく、バズーカの用意だ!」つ バズーカ ガシッ


まどか「まさか、こんな町中で早朝バズーカを!?」

さやか「ただでさえ目立ってるのに、そんなことしたら余計に注目を……!」



首領パッチ「おはようございます!」

天の助「起きてくださ~い」つ バズーカ チョンチョン

仁美「う~ん……ZZZ」ユサユサ


まどさや((バズーカそう使うの!?))




仁美「うぅ~……うん?」パチッ

首領パッチ「おはようございますっ!」

仁美「うぇ? ……え、あ、あら? え……?」

天の助「ちゃらっちゃ~ん♪」つ『ドッキリ成功!』スッ

仁美「あ……、やだ、そんなっ! ああん、もう、止めてくださいっ! 顔は映さないで!」アセアセ

首領パッチ「寝起きドッキリでぇ~す」ニコニコ

仁美「もうっ、来るなら来ると言ってくださいまし!」プンプン

天の助「それじゃ、ドッキリになりませんからねぇ」ハハハ

首領パッチ「いい顔が撮れましたよ~」

仁美「ちょちょ、カット! カットしてください!」チョキチョキ


       アハハハハハハハ~~~♪


さやか「何か、このやり取りすごくウザイ……」

まどか「分かるよ、さやかちゃん……」




パチ天ワカメ「「「HAHAHAHA~」」」

さやか「ちょっと、いつまでやってんのあんたら…」

     チャキッ

さやか「……ん? チャキッ?」クルッ



 田楽マン「…………」つバズーカ スッ…


 田楽マン「将軍の仇だ……」つバズーカ カチャッ



     ドゴォーーーーーーン!!!



まどか「さやかちゃぁーーーーん!?」マドーン!?


   モクモクモクモクモク…


さやか「う”う”ぅ……」ケホケホッ!

まどか「あぁッ! さやかちゃんの髪の毛がすごくボンバーに! 例えるなら、オープニングに出てくるアフロな私並にボンバーに!!」

さやか「例えなくていいから」


さやか「何すんのよ、あんた!!」



    モクモクモクモク…





田楽マン「ドッキリーーー?」

パチ天仁「「「大成功ぉーーーーーーッ!!」」」つ『ドッキリ!!』


      パンパカパーーーン!!




さやか「…………は?」

首領パッチ「テメーさ、急に休むんじゃねーよ」

天の助「これでも心配したんだぜ?」

田楽マン「だからこれぐらいの仕返しは許されるのら!」

仁美「私の会心の演技に、皆様騙されていたようですわね」


さやか「は、え、その、あたしの……為に?」

天の助「他に誰がいんだよ!」

仁美「もう、体はいいんですね?」

さやか「あ、うん、ばっちり!」

さやか「…って、なぁーんだ! それならそうと言ってくれれば!」

首領パッチ「言ったらドッキリになんねーじゃん」

さやか「ふふ、それもそだね」

まどか「ティヒヒ、良かったね、さやかちゃん!」



      キャッキャッウフフッフ♪



さやか(本当にみんな優しいなぁ)

さやか(こんな、お馬鹿で楽しいみんなが居てくれるなら、あたしいくらでも頑張れそうだよ)

さやか(仁美もわざわざ手伝ってくれて……。みんな、みんな最高の友達だね……!)




恭介「な、何だあそこの集団は……」

恭介「志筑さんは寝巻き姿で、さやかは特大アフロヘアー……。オマケにみんな馬鹿笑いしている……」

恭介「さやかに声掛けようと思ったけど……今は止めとこう(休み明けで無茶なギャグに付き合わされたくないし……)」





  ~学校~


先生「えー、今日は魚雷先生はお休みです。何でも、『運命の人と再会したので無期限の有給を取る』というような内容の連絡が……」

さやか「ど、どうしたんだろうね、先生」

まどか「さ、さぁ……」

首領パッチ(ウンコさん……、あなたの犠牲は無駄にはしない……)

天の助(彼の者にパピロンの加護を……)



  その頃、魚雷…


 魚雷ガール「新婚旅行先はやっぱりハワイギョラね♪」ゴオオオォォォッ!!

 ソフトン「……」ズルズルズルズル

 杏子「おい、こら!! ソフトンを捕まえてどこに連れていくつもりだコノヤロー!! 止まれ、魚雷ババア!!」ダッダッダッダッ!!

 魚雷ガール「南国のホテルのもと、ロマンチックな雰囲気で初夜へ……! キャー! 恥ずかし魚雷~~!!」ゴオオオォォォッ!!

 杏子「無視すんじゃねーーー!!」ダッダッダッダッ!

 ソフトン(足腰の鍛錬か。杏子の為にここまで買って出てくれるとは、流石魚雷殿だ……)ウンウン

 杏子「オメーは何一人で感心してんだ!! お前が一番危ない状態だって分かってんのかーー!?」ダッダッダッダッダ!!




  ~学校 休み時間~


ほむら「美樹さやか」

さやか「お、ほむら。どったの?」

ほむら「調子はどうかしら?」

さやか「調子ー? バッチリだよっ! ついに来た感じだね、あたしの時代が!」

さやか「杏子が仲間になって、もうあたし達に敵は無し! ほむらとも仲良くなれたし、もう絶好調ですわー!」アハハハー!

まどか「そうだよね、さやかちゃん!」

ほむら「そう。でも、まだ一つ心配ごとがあるんじゃないのかしら」

さやか「えっ、心配ごと?」

首領パッチ「まさか……」

天の助「痔!?」

さやか「違うわ! 失礼ね!!」サヤーン!



ほむら「上条恭介のことよ。好きなんでしょう?」

さやか「うぇっ!? い、い、一体何のことでででで/////」アセアセ

まどか「さ、さやかちゃん、焦りすぎ……」ティヒヒ…

さやか「何でほむらがそんなこと知って……、まさかまどかがバラした!?」

ほむら「あなたの言動や反応を見てればイヤでも気づくわ」

さやか「げっ……。あたしって、そんなに分かりやすかった?」

ほむら「そりゃあ、もう。大体、好きでもない人の怪我を、一生に一度の願いで使わないでしょう」

首領パッチ「確かにー(笑)」プークスクス

天の助「言えてるー(笑)」プークスクス

さやか「一番願いを下らないことに使いそうなお前らが言うな!」



ほむら「それで、どうするのかしら? 思い人に早く告白したほうがいいんじゃないの?」

さやか「う……」

まどか「ほ、ほむらちゃん……。さやかちゃんには自分のペースがあると思うし、さやかちゃんのやり方で……」

ほむら「…………」


ほむら(杏子も仲間になり、集団戦のチームワークもほぼ完璧にとれている……)

ほむら(そんな理想的な世界線の中で次に危惧すべきは、さやかの魔女化)

ほむら(さやかの絶望によって得られるモノはゼロ。失うものは計り知れないわ……)

ほむら(ここでさやかの背中を押しておけば、後に起こる悲劇を食い止められるかもしれない。最悪の結果は防げるかもしれない)

ほむら(多少強引な手を使ってでもさやかをけしかけなければ……)



ほむら「上条恭介……。名家の生まれで、運動神経は高く学力もトップクラス。バイオリンの並外れた才能を持ち、オマケにアイドル顔負けの美形」

ほむら「他の娘は放ってはおかないと思うわよ。退院したチャンスに我こそはと告白に乗り出す者もいるかもしれない」

さやか「……っ!!」

さやか「ま、マジ? だ、だ、誰が? 田中さん? カオルちゃん?」アセアセ

ほむら「客観的事実と私の主観を伝えただけよ。でもどう考えるかはあなた次第ね」

さやか「…………」

まどか(ほむらちゃん……。もしかしてさやかちゃんに告白させる為に、わざとこんな言い方を?)

天の助「モテる男は辛いって訳か」

首領パッチ「まさに俺のことだな」フフン!

首領パッチ「この間も登校して下駄箱を開けると、中に大量の春雨があったんだぜ」つ『春雨20パック』 フフフフ

まどか「それ絶対虐められてるよ!?」

首領パッチ「マジで!? 畜生!! ラブレターだと思って必死に読もうと思ったのに!!」

首領パッチ「春雨って何だよ! 俺は鍋の具じゃねーぞ、コノヤロー!!」ピシピシッ!

まどか「痛い痛い! 止めて! 春雨で叩かないで!」

天の助(春雨は未だに俺の軍門に下っていなかったな……。プルプル連合総長としてそろそろシメとくか)




さやか「よしっ、決めた」

さやか「あたし告白します、今日!」

まどほむパチ天「「「「!!」」」」

さやか「……か明日か明後日かに!」

まどか「付け足しちゃった!?」

ほむら「決めれてないじゃない!」

さやか「え、えへへ……。やっぱりそう簡単に決めれるモノじゃないよ」

さやか「でも、昨日から決心はついてたの。絶対に恭介に思いは打ち明けるってさ。ホントだよ?」

まどか「それじゃあ、さやかちゃん! やっぱり今日中に上条君に告白を……!」

さやか「う~ん、やっぱいざ今日中ってなると、ちょっと尻込み……」

ほむら「そんなんじゃ何時まで経っても告白なんて出来ないわよ」

首領パッチ「僕は死にましぇん!」

さやか「な、何をー!!」

まどか「でも、さやかちゃん頑張って! 私、応援してるよ!」

ほむら「私もよ。あなた達は何だかんだでお似合いのカップルみたいだし」

天の助「結婚式ではてんとう虫のサンバ歌うから呼べよな」

首領パッチ「バカ、気が早えーよ! 子供の命名は特別に俺がしてやるぜ?」

さやか「あんたも十分気が早いわ!」

さやか「……でも、みんなありがとっ! 何だかやる気が沸いて来ちゃったよ~~!!」




  さやかは張り切って告白に挑んだものの……



恭介「……」ツカツカ

恭介「ん?」クルッ

さやか(やばっ!)サッ

恭介「あれ……(誰かに見られてると思ったけど気のせいかな?)」

恭介(それにしてもさっきから全然さやかを見ないなぁ……。今までのお礼を言いたいのに……)ツカツカ

さやか(あー、やっぱダメだぁ……。こんなんじゃ告白出来ないよ……)ドキドキ



  思い切っての告白が中々出来ずに、ついに放課後を迎えてしまった






  ~放課後 教室~


さやか「むー……。難しいもんだなぁ。マンガの女の子達はポンポン告白してるってのに……」

まどか「ま、また頑張ろうよさやかちゃん! そうだよ、明日! 明日こそはね!」

ほむら「そうやって、明日また明日と延ばしていくことが最も危険よ」

さやか「ですよねー」

天の助「告白出来ない、勇気が出ない、そんなあなたにコレ! 数十種類のビタミンとミネラルが入ったこの『元気のところてん』!!」

さやか「はいはい、いらないから」

天の助「今なら一箱、たったロクキュッパ!!」

まどか「地味に高い!?」



仁美「あの……」

まどか「あ、仁美ちゃん。もしかして今日、お稽古だった? ゴメンね、すぐにみんなで帰ろ……」

仁美「いえ、今日は休養日ですわ。それよりも、相談事がありまして……」

まどか「相談?」

首領パッチ「金持ちの悩みかー。贅沢にも牛乳をジョッキで飲むからすぐ無くなり、買い物がメンドクサいとか?」

天の助「毎日コンビニで唐揚げを二種類買っちゃうから、最近腹がたるんできたとかか?」

ほむら「発想が小市民過ぎて泣けるわね」

さやか「仁美が相談事って珍しいね。じゃあ、みんなでスタバにでも……」


仁美「申し訳ございません、さやかさん。あなたと一対一でお話したいのです」



さやか「へっ? あたし?」

仁美「ええ。ですから、本当にすみませんが他の皆さんには……」

まどか「う、うん分かったよ。私たちは先に帰ろっか?」

ほむら「そうね……」

さやか「仁美があたしにねー、何だろ? あ、それじゃあね、まどかほむら」ノシ

まどか「うん、バイバイ」ノシ

ほむら「それじゃ」

仁美「ええ、ご機嫌よう」


貴族パッチ「さようなら、まどかさん、ほむらさん」

貴族の助「ワタクシ達はこれから優雅に午後のお茶会と洒落込みますわ」

ほむら「あなた達も帰るの」ズルズルズル

首領パッチ「やだやだ、俺たちも行きたい!!」ズルズル

天の助「離せ、離せよ!」ズルズル

まどか(仁美ちゃんに奢ってもらう気マンマンだ……)

まどか(それにしても、あんなに真剣な目をした仁美ちゃん、初めてみた……)

まどか(さやかちゃんと一体、どんな話をするのかな……?)


ほむら(志筑仁美も動き出した……か)




  ~喫茶店~


さやか「それで、話って何?」

仁美「恋の相談ですわ」

さやか「こ、恋!?」

仁美「私、前からさやかさんやまどかさんに秘密にしてきたことがあるんです」

さやか「そ、そうなんだ」

仁美「ずっと前から……、私、上条恭介君のこと、お慕いしていましたの」

さやか「っ!?」



さやか「あはは、は……、まさか仁美がねぇ……。恭介の奴も隅に置けないなーっ!」

仁美「さやかさんと上条君は、幼なじみでしたわね」

さやか「う、うん、幼なじみっていうか腐れ縁っていうかねー」

仁美「本当にそれだけ?」

さやか「な、何の話を……」

仁美「私、決めましたわ。もう自分の気持ちに嘘は付かないって」

仁美「明日の放課後に上条君に告白します」

さやか「 !! 」


  ほむら『退院したチャンスに我こそはと告白に乗り出す者もいるかもしれないわ』



さやか「…………」

仁美「あなたは私のお友達……。だから、抜け駆けや横取りなどという汚い手は使いたくありません」

仁美「上条君を見つめていた時間は、私よりさやかさんの方が上ですわ」

仁美「だから、あなたには私の先を越す権利があるべきです」

さやか「それって……」

仁美「一日だけお待ちします。さやかさん、決して後悔なさらぬよう。上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」

仁美「それでは」スクッ

    スタスタスタスタ…

さやか「…………」

さやか「仁美が……恭介を……」

さやか「あたしは……」




  ~店外~


QB「中々面白い展開になったね」

QB「恋敵の出現か……。さて、さやか。君はどう動く?」

QB「どうやら人間は友情の他にも、愛やら恋というモノに異様な執着を見せるらしい」

QB「僕にとっては下らないことだけども、これで大きな事件や事故が生まれたりするんだから、人間は不思議だね」

QB「志筑仁美のアクションによって、さやかの心には微かな歪みが生まれた」

QB「小さな小さなソレは、今は大したものではないだろうけど、着実に成長していく……。まさに絶望だね」

QB「美樹さやか。果たして君は、未熟な精神と僅かに濁ったソウルジェムでこの事態を乗り越えられるかな?」

QB「きゅっぷい!」





  ~まみるーむ~


マミ「そ、そう大変だったのね、佐倉さん」

杏子「あんなに走ったのは久しぶりだよ……」ジュースゴクゴク

ソフトン「いい鍛錬になったな」

魚雷ガール「ソフトン様♪」スリスリ

杏子(しかもまだ居やがるし……)ムスー

ボーボボ「こうなってしまった先生を引き離すには、たまごっち全色で釣るしかないな」

マミ「それ、絶対無理ってことじゃないですか……」


   ピンポーン


マミ「あら、きっと鹿目さん達ね」


 ドア < ガチャッ


まどか「こんにちはっ!」

ほむら「お邪魔するわ」

首領パッチ「俺はアメリカンだから靴は脱がない主義!」ズカズカ

天の助「そして俺には靴すらない!」ズカズカ

ボーボボ「ならば、足の裏の皮を剥げ!」バキィッ!

首領パッチ「グバァッ!?」ドガッ

天の助「ぎゃあッ、キツ過ぎる!?」ドゴッ


首領パッチ「皮を剥ぐなんてそんな……そんなこと……!」

天の助「そんなことをしてしまったら……しまったら……!」



カレー < パチ天「カレーのじゃがいもになってしまうーーーーッ!!」グツグツ

カレー < パチ天「うわああぁぁぁ……」グツグツ


カレー < ホカホカ~


ボーボボ「……」つスプーン スッ

ボーボボ「パクッ」つスプーン

ボーボボ「まずいわーーッ!!」ガシャーン!

首領パッチ「うわー!? 食い物を粗末にするなー!!」

天の助「好き嫌いは良くないぞー!!」

魚雷ガール「ふざけ過ぎーーーーーーーッッ!!!」ドゴォーーーン!!

三バカ「「「うぎゃぁーーーーッ!?」」」グバァッ!

ほむら「何やってんのよ……」



 ドア < ガチャッ


さやか「じゃーん! さやかちゃん登場なのだー!」

まどか「あ、さやかちゃん。仁美ちゃんとのお話は終わったんだ」

さやか「うん。みんなを待たせる訳にはいかないし、ダッシュで来たよ~!」

まどか「それで、仁美ちゃんのお話って何だったの?」

さやか「……ぅっ」

ほむら(――――?)

さやか「……、ああ、仁美のっ? 何でも今度の掃除当番を代わって欲しいってねー!」アハハ

まどか「そうなんだ。仁美ちゃんにしては珍しいね」

さやか「あいつ、キャラを壊したくないから、あたしにこっそり言ってきたみたいだよー?」

ほむら「…………」




ボーボボ「さあ、役者は揃った。話を始めてくれ……ほむら」

ほむら「ええ」


 ほむら(今回の集まりは私が企画したもの……)


マミ「暁美さんが集まって欲しいだなんて……、断ることは出来ないわ」

さやか「そうだよー。一体何の話?」

ほむら「魔法少女に関することよ」

ソフトン「ほう……」

杏子「お前はいつも何か知ってる顔してたからな……。やっと教える気になったって訳ね」

パチ天「ドキドキ」

魚雷ガール「ソフトン様~」スリスリ


 ほむら(それは勿論……。もう間近に迫っている私にとって最も大きな事態……)


ほむら「<ワルプルギスの夜>についてよ」



        ~ほむほむ説明中 しばらくそのままお待ちください~



   田楽マン「俺ね、たまーに考えちゃうのよ。俺はこの話に必要無いんじゃないかな~ってさ……」

   田楽マン「今だって大事な話なのに、俺だけ呼ばれてないじゃん」

   おちょぼ口君「そんなことないですよ、お客さん」

   田楽マン「大将は優しいね……。あ、熱燗おかわり、それとガンモも」

   おちょぼ口君「へい」コトッ

   田楽マン「ありがとよ。それでね、やっぱ俺って人気無いんじゃないかなって。他の奴らばっか出番あるし……」

   田楽マン「この際、魔法少女なっちゃおっか。まどかとの契約の場面で、俺が魔法少女になってさ、『お前かよ!』ってのどう?」

   おちょぼ口君「ここで言っちゃあ採用されませんって」

   田楽マン「あ、それもそっか……」

   田楽マン「はあ……。何でこうなっちゃったかな……」



        ~ほむほむ説明 終了~



    (キムタク「剛……、サイボーグだったのか……!?」)
    O
  。0 ホワンホワン
ボーボボ「そんな強大な魔女が……!」

まどか「想像図オカシくない!?」マドーン!

杏子「<ワルプルギスの夜>……、聞いたことあるよ」

首領パッチ「知っているのか、雷電!?」

杏子「だ、誰だよ……。史上最強最悪最大の伝説の魔女さ」

マミ「あまりの強大さに現実世界にダイレクトに影響を及ぼしていて、魔女を関知出来ない一般人には巨大な自然災害として認識されているの」

ほむら「魔法少女の間では有名ね」

さやか「え、あたし知らなかったんだけど……」ガーン!

パチ天「「俺も……」」ガーン!

杏子「魔法少女じゃねーお前らには関係ねーだろが」

ほむら「ルーキーのさやかは知らなくても問題な……くはないわね」

さやか「お、お恥ずかしい……」



マミ「確かに有名な魔女だけど、まさかこの見滝原に発生するだなんて……」

杏子「確かに、どーにも信じられねーよな。根拠は?」

ほむら「統計よ」ファサッ

杏子「統計って……」

マミ「統計と言っても、少なくともここ数十年の間に<ワルプルギスの夜>が出現したなんて話、聞いてないわ」

マミ「暁美さんを疑うわけでは無いけど、その情報を信じるに値する証拠が欲しいわね」

杏子「マミにさんせ~い」

ほむら「…………」


ほむら(どうする? 言ってしまうべきかしら?)

ほむら(魔法少女と魔女の関係も、私の時間移動も全て……)

ほむら(でもこの場の勢いで全てブチ撒けてしまって、混乱を招かないという保証も……)

ほむら(でもやっぱり、仲間や友達に隠し事をするなんて、そんなのでは本当の信頼関係とは言えないのでは……)



ほむら「ほむむむ……」

杏子「言えねーのかよ?」

首領パッチ「情報開示しろーー!」ヤンヤ

天の助「市民には知る権利があるーー!」ヤンヤ


ボーボボ「はい、そこまでだ」スッ

杏子「あ? 邪魔すんなよ」

ボーボボ「俺は根拠も何も必要ねーと思うぜ。何故なら、ほむらの情報ってだけでも十分に信用出来るからだ」

ほむら「ぼ、ボーボボ……」

ボーボボ「ほむらがわざわざみんなを集めてまで伝えようとしたことだ。嘘っぱちな訳ねーだろ?」

まどか「私もそう思うなっ! ほむらちゃんの言うことって、今まで間違ってたこと無いもん」

さやか「そう考えればそうだね~。魔法少女のこととか、キュゥべえのこととか」

ソフトン「その通りだな」

ボーボボ「ああ。仲間を疑うなどという無粋な奴は馬に蹴られて死んでしまえ」


  馬「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒーーーン!!」ドドドドドドドドォーーン!

  首領パッチ「ぐわぁぁ!? 何てラッシュだーー!?」ドゴッバキッ!

  天の助「馬に蹴り殺されるーーーーッ!?」メキッ!ゴシャッ!



ソフトン「しかし、そんな強大な魔女の接近が近づいているとは……!」

ボーボボ「話によると今までの魔女とは桁が違うらしい」

ほむら「あの魔女を倒す為に、ずっと戦い続けてきたわ。私の目的は奴を倒すこと……」

ほむら「今まではまったく歯が立たなかった……。しかし、それは一人だったから」

ほむら「今回は違う。巴さんにさやかに杏子に、ボーボボ達がいる。あなた達が協力してくれれば、かすかな希望が見えるかもしれない」

ほむら「お願い、みんな……! 私と一緒に、<ワルプルギスの夜>と戦って!」ペコリ!

まどか「ほむらちゃん……!」

ほむら「敵は伝説の魔女……! 勝てるという保証は無いし、命の危険もある……。それでも……それでも……」

ほむら「お願いします!」

ボーボボ「……」

ソフトン「……」

マミ「……」

杏子「……」

さやか「……」

すみません、ミスしました

>>594>>595の間にこれが入ります



マミ「…そうね。ごめんなさい暁美さん。人には誰だって一つくらい知られたくないこともあるわよね」

杏子「そ、そうだな。仲間だからって、何でも話さなきゃいけない訳じゃねーもんな(ああはなりたくねー…)」

ほむら「気にしてないわ」

ほむら(ボーボボ……私のことを庇って…?)

ほむら(また借りが出来てしまったわね……)

馬「気にするな。俺はただ弱き立場の少女を救いたかっただけさ」ギリギリギリ

首領パッチ「あ、足を退けろ、バカ馬~~……!」グググ…



校長パッチ「皆さんが静かになるまで五分掛かりました」

教頭の助「六年生の皆さんは一年生の見本となるような集合の仕方を…」

魚雷ガール「ふざけすぎ!!」バキィッ

パチ天「「ギャアァッ!」」


杏子「……ったく、仕方がねーな! ちょっくらやってやるか!」

マミ「佐倉さんの言うとおり! これは暁美さんだけでなく見滝原全体の問題……」

さやか「それなら皆で戦うしかないよねっ!」

ほむら「みんな……」

ボーボボ「倒しがいのありそうな奴だ」

首領パッチ「俺が華麗に倒してやるぜ!」

天の助「じゃ、法事があるんで帰りますね」イソイソ

ソフトン「邪悪の所業を見過ごす事は出来ない」

魚雷ガール「ワルプルギスぅ? ふざけた名前をしたヤローね」

ほむら「ありがとう……ありがとう!」

まどか「ティヒヒ、良かったね、ほむらちゃん!」




ほむら(皆のおかげで悪夢を止められるかもしれない……。もう誰も傷つかなくても……!)


 ボーボボ「このヤロー、恥晒しが!!」バキッ

 首領パッチ「情けねーぞ!!」ドガッ

 天の助「ぎゃああぁ!! だってだって、死ぬの嫌だもん!」グバァッ!


マミ「そうと決まれば、さっそく作戦会議ね! 備えあれば憂い無しよ!」

杏子「幸い、こっちにはほむらのデータがあるし、ある程度の対策は立てれそうだな!」

ボーボボ「襲来までの時間はまだ先だが、集団戦法の特訓も必要だ」

ほむら「今まで多くの魔法少女が奴に挑んだけど、全て悲惨な結果に終わったわ。でも、内部の歯車を完全に破壊できればあるいは……」


   ワイワイガヤガヤ


まどか「すごい! みんなすっかりやる気になちゃって!」ウェヒヒ!

さやか「そうだね!」



さやか「…………」


さやか(はは、こんな時に『恋の相談を聞いてくださーい』なんて、言える訳がないよね)

さやか(<ワルプルギスの夜>か……。確かにコイツは相当厄介なんだろうね。あのほむらが言うほどだもん)

さやか(みんなが一致団結して取り組んでいるこの空気を、あたしの私情でぶち壊すなんて出来ないよ……)

さやか(みんなに要らない心配を掛けちゃうかもしれないし、何よりも……)


さやか(今までも散々迷惑を掛けちゃった訳だし、これくらいは自分で解決しないと……)





   キィィーーーーン!!


マミほむさや杏「「「「!!」」」」

さやか「これは……!」

首領パッチ「戦え……戦え……!」

マミ「魔女ね」

まどか「えっ!?」

杏子「こんな時に来るなんて空気読めねー奴だな」ハー

ソフトン「放ってはおけない。すぐに向かおう」

ほむら「そうね」


さやか(考えてもダメだ……。今は魔女を倒すことに専念しよう……)





  ~町中~


女子「じゃあね、仁美さん」

仁美「ええ、さようなら」スタスタ

仁美(……はあ、フラッシュ暗算の塾は単調でつまらないですわ。やはり体を動かせるカバディでないと)

仁美(もうこんな時間……。さやかさんは上条くんへの告白を済ましたのかしら……それとも……)

仁美(…………)

仁美(私の行動は、本当に正々堂々? 正しいことなの?)

仁美(私は……さやかさんに……)


女A「ちょっとそこのあなた」

仁美「えっ、は、はい?」

仁美(な、何なのでしょう、この人……。それに私、いつの間にこんな路地裏に……? はっ!)

男D「……」

女B「……」

男E「……」

女F「……」

仁美(他にもたくさん人が……。い、一体何……?)



女A「何か悩みを抱えている顔ね。ねえ、あたし達と一緒にこない?」

仁美「え、え?(目の焦点があっていない……。まるで何かに操られているみたい……)」

女A「みんなで走って、風を感じれば、嫌なことなんて全部吹き飛んじゃうよ」

男G「俺らと一緒に楽しい所にいこうぜ?」ゾロゾロ

女F「すごく気持ちいいのよ?」ゾロゾロ

仁美「い、嫌、来ないでください……! やめて!」

仁美(怖い! 早く逃げないと……)ダッ

女A「待ってよ、ねえ!」ガシッ

仁美「は、離して……!」クラッ

仁美(あれ、何だか……意識が……)

仁美(……この人達……みんな、首に同じ模様が……?)

仁美「……」

仁美「素晴らしいですわ……。それはとても素晴らしいですわ!すぐにでも行きましょう、ええすぐにでも!」

女A「そうよね! その通りね!」

男F「行こう! 素晴らしい世界へ!」

女G「素晴らしい世界へ!」

    スバラシイセカイ! スバラシイセカイ! スバラシイセカイ!



魔女「ケケケ……」





   ~寂れた商店街~


マミ「反応はここからね……」

まどか「ここは、よく暴走族とかの騒音が問題になってる所ですね……」チョットコワイ…

さやか「もしかしたら、そういう連中が巻き込まれてたりして」

杏子「じゃあ、助けなくてもいいんじゃね?」ウザイシ

さやか「そーいう訳にはいかないっしょ?」

マミ「その通りよ」

ほむら「あそこが結界の入り口ね」


  入り口 < ゴゴゴゴゴゴ…


ボーボボ「よし! フィギュアの脚部パーツ集め隊、突撃!!」ダッ!

パチ天魚雷「「「おおーー!!」」」ダダダッ

まどか「何その名前!?」マドーン!




  ~結界内~


  ブオンブオオンブオン!!! パラリラパラリラ!!


まどか「わわっ、何この音!?」ビクッ

ほむら「バイクのマフラー音みたいだけど……」

杏子「まさか本当にヤンキーの馬鹿共が連れて来られたのか?」

首領パッチ「やはり私の一押しはこの『綾波レイ』の脚部ですな」メガネクイッ

天の助「ほう……。王道を持ってくるとは中々……」メガネクイッ

さやか「あんたら本当にそのクラブに入ってるの?」

魚雷ガール「甘いわね。先生はこの『不空羂索観音像』の脚部よ」ババン!

パチ天さや「「「この人、スゴイもの持ってきちゃったーーー!!」」」ガビーン!!



マミ「みんな、アレを見て!!」


 使い魔A「ブロロロロォォン!!」ゴーーー!

 使い魔B「パラリラパラリラ!!」ゴーーー!


杏子「何だありゃ!? バイクか!?」

ソフトン「どうやら、使い魔のようだな。それも大量に編隊を組んでいるぞ」

さやか「一番前にいるデカイのが親玉だね!」


 ギーゼラ「ケケケケケ!!」ゴオオオォ!!



杏子「暴走族の魔女かよ。うっとおしいな」

マミ「とても速いわ……。あれに追い付けるかしら……」

ほむら「ちょっと待ってみんな。奴らの背中をよく見て……」

まどか「えっ?」


 男A「サイコー!!」ゴーー!

 女B「あははははは!」ゴーー!


ほむら「人が乗っているわ……!」

マミ「 ! 本当ね。おそらく魔女の口づけを受けた一般人……」

杏子「じゃあ、あれを運転してるのはあいつらか!?」

ほむら「それは無いでしょうね。彼らは速さに酔っているだけみたい」

さやか「あんなスピードであんな乗り方してたら、落っこちちゃうよ!」

ボーボボ「事故でも起こしたら目も当てられないな」

まどか「はやく助けようよ!」



ボーボボ「今回は数を分散させて戦おう。三人が魔女と戦い、他の者は使い魔の破壊と人々の救出だ!」

ほむら「賛成よ。それじゃあ、魔女担当の三人を決めましょう」

ボーボボ「公平にアミダの神様に決めてもらおう」

さやか「アミダくじだね!」

天の助「いや、違う。ボーボボは本物のアミダの神様を召還出来るんだ」

まどか「えぇっ!?」

さやか「あ、アミダって、もしかしてブッダ!?」

ボーボボ「アミダの神よ! ふさわしい三名をお決めください!」


   パアアアァァーーー!!


  アミダ神「俺は天才だ……!」ボワン!

まどさや「「アミバが来たぁーーーー!?」」ガビーン!



  アミダ神「お前と」スッ

ほむら「ほむ!?」

  アミダ神「お前と」スッ

マミ「わ、私ですか?」

  アミダ神「お前」スッ

魚雷ガール「ギョラッ?」

             デク
  アミダ神「い~い木人形になりそうだぁ」ニヤニヤ

杏子「絶対公平じゃねーだろコイツ!!」

ボーボボ「この三人以外は使い魔担当だ! 各自行動に移れ!」

.           ヘッド
魚雷ガール「あの頭に追いつく為には何よりもスピードが必要ね。あなた達、乗りなさい!」

ほむら「い、いいのかしら?」

マミ「ていうか、乗れるの…?」

魚雷ガール「大丈夫よ、1トンくらいなら先生耐えれるから」ポン

マミ「何で私に向かって言うんですか!?」マミーン!?



魚雷ガール「乗ったわね? 準備はいいかしら?」

ほむら「何とかね」

マミ「い、一応大丈夫よ魚雷さん」

魚雷ガール「それじゃ、しゅっぱぁーーーーつ!!」ゴオオォッ!

  ドゴオオオォォーーーーン!!

      アミダ神「うわらばっ!?」グバァッ

さやか「アミバ撥ねていったぁーーー!!」


ソフトン「向こうは魚雷殿に任せていれば大丈夫だろう」

ボーボボ「問題はこっちだな。使い魔とはいえ、あの速さに追いつき、なおかつ人質を無傷で救出するのは難しいな」

首領パッチ「乗り物が欲しいぜ」

ソフトン「旧型のバビロンバイクがあるがどうだろうか?」

杏子「いや、遠慮しとく(どうせウンコだろうな……)」

さやか「そ、そうだね。悪いけど…(ウンコに乗って戦いたくはないな……)」

ソフトン「確かに、あの旧型ではスピードが足りないな」

まどか「ちょうどいい乗り物はないかな……?」



ボーボボ「もう、仕方がないなぁのび太君は! そんな君にはこの道具だ!」アフロ < ゴソゴソ

ボーボボ「アフロソーサー~~!」つアフロソーサー

     テーテテーテ テレレレー♪

さやか「BGM! BGM違う!」


まどか「ボーボボ、それは何なの? 平べったいアフロに見えるんだけど……」

ボーボボ「アフロソーサーだ。小型のUFOで僅かに空を飛べる。手前についている鼻毛を引っ張ることで操作するんだ」

パチ天「「すげえ近未来的だ~!」」キラキラ

ボーボボ「操作は単純な上、軽い速いオシャレの三拍子! 今なら29800円で、送料は天の助が負担!」

天の助「!?」

杏子「中々良さそうじゃねーか! さっそくソレで奴らを追おうぜ!」

さやか「賛成!」





――――――
――――
――


   ゴオオオォォォォォッッ!!


ほむら「くっ、すごいスピード…!」

マミ「で、でもこんなに速く魔女達に追いついたわ!」

魚雷ガール「盗んだバイクで走り出す~♪」ゴオオォ!


 男E「うひゃひゃひゃひゃ!!」ゴーー!

 女T「気持ちイイーー!!」ゴーー!


マミ「私たちが近くにいるのに、全く気がつかないなんて……」

ほむら「スピード狂って奴ね。彼らは皆に任せましょう」

魚雷ガール「親玉が見えてきたわよ」ゴオォーー!


 ギーゼラ「アヒャヒャヒャヒャー!」ゴオォォー!

 ギーゼラ「ダレモアタシニオイツクコトハデキナイゼー」ゴォーーー!

 ギーゼラ「アヒャヒャヒャーー!!」ゴオオォォ!

 魚雷ガール「すいません、市役所ってドコっすか?」ぬっ

 ギーゼラ「!?」ビクッ!!




――――――
――――
――


   ゴオオオォォッ!

杏子「へぇ、乗り心地いいじゃん!」ゴー!

ボーボボ「プリンを作る課程でたまたま出来た代物だ」ゴー!

さやか「その課程でどうしてできたの……?」ゴー!

ボーボボ「科学って不思議♪」テヘ

ソフトン「最後尾に追いついたぞ!」ゴー!

さやか「まどか、しっかり掴まっててね!」

まどか「うん!」ギュッ

首領パッチ「暴走族といったらやっぱり……!」←リーゼント

天の助「この格好だよな~~~!?」←特攻服

杏子(変に気合い入れてるよ、あいつら)


 女E「えへへへへへ……」ゴーー!


さやか「こっちに全然気づいてないね」ゴー!

まどか「うん、でも……」


 使い魔「ブオオオォォンッ!! ブオオンブオオオオオォォン!!」ゴーーー!


まどか「使い魔は気づいてるみたい……」

杏子「うっせぇ音出しやがって。威嚇のつもりかよ」

ボーボボ「さっそく相手をしてやろう。鼻毛真拳奥義……」




   <鼻毛警察24時!! 平和を守れ、日本の警察官!>



金沢(ボーボボ)「そこのバイク止まりなさーい!!」ファンファンファン!

太田(首領パッチ)「応援を要請します」ファンファンファン!


       深夜3時! 人々の寝静まる丑三つ時に騒音を鳴り響かせる若者達がいた!

              鼻毛県警特別機動隊は住民からの通報を受けて出動!
        そこで金沢達の前に現れたのは、危険な運転を繰り返す珍走団だった!


まどか「たまにテレビでやる特番だぁーー!?」

さやか「このナレーションは何なの?」


金沢(ボーボボ)「糞っ! まったく止まる気配が無い!」

太田(首領パッチ)「金沢、奴らに寄せてくれ! 写真を撮る!」

金沢(ボーボボ)「分かった!」


  暴騒の瞬間の写真を撮ることで、たとえ今日捕まえられなくても、後日その写真を証拠に逮捕することが出来るのだ!

             法を乱す者は決して許さない! 太田の目が鋭く光った!



                          しかし!!


太田(首領パッチ)「ちくしょう、ブレまくって全然撮れねぇ!」つケータイ < ピロリン♪

太田(首領パッチ)「どうコレ? 顔見える?」スッ

金沢(ボーボボ)「むりむり、分かんねーわ」


  鼻毛県警は予算不足! 末端の特別機動隊にはカメラを買えるほどの予算を回して貰えなかったのだ!


金沢(ボーボボ)「あーあ、路地に逃げちゃった。こりゃもう無理だ」

太田(首領パッチ)「おめーの運転が下手だからだぞ」

金沢(ボーボボ)「はぁ? お前助手席に座ってるだけで何もしてねーじゃん」

太田(首領パッチ)「俺はちゃんと写真撮ったろーが!」

金沢(ボーボボ)「あれで証拠になるか、クソが!!」


   ギャーギャーワーワー!


 珍走団を逃がしてしまった金沢……! しかし、これは敗北では無い!
   彼らはさらに熱い使命感に駆られた! 絶対に捕まえる、と!

         こうして彼らの長い夜は過ぎていった……!



                 <END>



さやか「いや、全然ダメじゃん!!」サヤーン!!

杏子「結局逃がしてるじゃねーか!」アンアン!



 男B「ひゃっひゃっひゃっひゃ! 俺たちは絶対に止まらねーぜ!」


ボーボボ「安心しろ、俺たちは前座だ」

首領パッチ「行けっ! 天の助!」

まどか「て、天の助君!?」



天の助「はーい、止まってくださいね。ごめんねお兄さん、今飲酒運転が多くてね。悪いけどここに息を吹きかけて…」

男B「いや、俺そんなのやってないっすよマジで…」



さやか「ただの検問だーー!?」

まどか「あっさり止まっちゃった……」


ボーボボ「動きを止めたところでーーー!!」ゴオオォォ!!



   鼻毛真拳奥義<プライバシーは保護します>!!


ボーボボ「オラオラオラ! 顔にモザイクかけてやるー!」

首領パッチ「加工して高い声にしてやるぜーー!」

天の助「仮名なのに無駄に凝った名前をつけてやろう!」

  使い魔「グワァァァァ!?(加工済み)」

  ▓▓▓「ヤメテクレーー!!」

  御手洗 太郎左衛門(仮名)「ウワアアアァァァッ!?」


さやか「これって攻撃なの!?」

まどか「で、でも使い魔だけを的確に倒していってる……!」

ボボパチ天「「「一斉検挙!!」」」キリッ

杏子「なーんか、締まらねーなー……」

ソフトン「人々は皆無事だ」

  男F「うーん……」

  女S「うう……」

まどか「良かった……!」

ボーボボ「この調子でどんどん倒していくぞ!」

全員「「「おおーー!」」」




――――――
――――
――



マミ「あっ…、使い魔達の数が減っている……!」

魚雷ガール「ふふ、あの子達も上手くやっているようね」ゴオォォ!

ギーゼラ「グギギギギ!!」ゴオオォォ!

ギーゼラ「ガアァァッ!!」キッ!


  道路 < ぐにゃあぁ~!


マミ「み、道の形が変わった!」

ほむら「ここは魔女の結界……、自分の思い通りに出来るようね!」

ギーゼラ「ウケケケッ!!」ゴオォォ!


  道路 < ぐにゃぁ~…

  急カーブ < ピキーン!


マミ「あんな急カーブにこのスピードで突っ込んでいったら……!」

ほむら「崖から海へ落ちてしまう……!」

マミ「魚雷さん、スピードを落として! このままじゃ大事故に……!」

魚雷ガール「それは出来ない相談ね! このまま突っ切る!」

ほむら「な!? 正気!?」



ギーゼラ「アヒャヒャヒャ!!」グギャギャギャ!!

ギーゼラ「ヒャッハー!」ゴオォォ!


ほむら「魔女は楽々と越えていってしまった……!」

魚雷ガール「ここでスピードを落としてしまったら、奴との距離は大きく開いてしまうわ。行くわよ!」ゴオォォ!

マミ「くうぅ! 無茶ですよ!!」

魚雷ガール「極悪残血真拳奥義……!」ゴオオォォ!


       <男と女と心中と……>!!


魚雷ガール「ショートカットコーーーース!!」キキキキキィーー!!


    ドボン!!


マミ「ぶわぁっ!? 真っ直ぐ海に突っ込んだ!?」アップアップ

ほむら「これじゃ魔女に追いつくどころか私たちが……!」アップアップ

魚雷ガール「安心しなさブクブブク」

マミ「す、すごい勢いで沈んでいってる……」

ほむら「そりゃ鉄だし……」



    クイッ


ほむマミ「「え?」」

ジュゲム「はい、コースアウトね」グイグイ

ほむマミ「「ジュゲムだぁーーーッ!?」ガビーン!?

    プラーン…

魚雷ガール「これぞ秘技、ジュゲムショートカット」ポタポタ

ジュゲム「下ろしまーす」ボトッ


    ガタンッ!


ギーゼラ「ヒッ!?」ビクッ

ほむら「魔女の真後ろに接近できた!」

マミ「まさかこんな方法で……!」

魚雷ガール「ふふ、元ボディコンを舐めるんじゃないわよ!」

ギーゼラ「ヒイイィィ!?」ゴオォォッ!





――――――
――――
――



首領パッチ「横隔膜チョップ! 横隔膜チョップ!!」ビシッバシッ!

使い魔F「グエエェェ!?」

まどか「な、何なのそのチョップ……」



女R「うーん……」

さやか「この人も無事だよ!」

ソフトン「よし、他の人々と一緒にそこに寝かせておいてくれ」

さやか「わかった!」



杏子「オラァッ!!」

天の助「ズバァッ! ぐわぁ、やられた!」

杏子「せいっ!」

天の助「デュクシ!! ぎゃあ、死ぬ~!」

杏子「そりゃっ!」

天の助「ブッシャア!! 鬼、悪魔、使い魔殺し~!」

杏子「オメーは何やってんだ」ブスッ!

天の助「ちょ、ちょっとアテレコしてみようかと……」ブシューー!

杏子「いらん。つーか、働け」

天の助「イエッサー!」ダラダラ




まどか「だ、だいぶ倒せたね」


  使い魔s「」チーン


さやか「使い魔の死骸がどっさりと……。随分、狩っちゃった訳だ」

ボーボボ「その通りだな」

まどか「あれ、ボーボボどこ行ってたの?」

ボーボボ「少しこの結界内を調べていたんだ」

 ガチャッ 『 アイテムポーチ <<3/4>>
       特産タケノコ.    7
       クモの巣       3
       釣りフィーバエ   2
       モンスターのフン  5
       竜のフン.      2

       ツタの葉       1
       ハチミツ       6
       ロイヤルハニー  2  』



さやか「嘘だぁーー! 絶対、素材ツアーに行ってたでしょ!!」

ボーボボ「3DSを買おうかどうか迷う」

まどか「これで、使い魔は全部倒せたかな?」

天の助「いや、待てアレを見ろ」スッ

まどさや「「え?」」

杏ボボ「食うかい?」つ特産タケノコ グイッ

杏子「いや、それ精算アイテム……」




     使い魔「ブウウゥゥゥン!!」ゴオオォォ!

     女H「あははははは!!」

     首領パッチ「ぎゃははははは!」ゴーー!



天の助「まだ生き残りがいるぞ」

まどさや「「変なのもいる!!」」ガビーン!

ボーボボ「人質が心配だな。すぐに助けに首領パッチぶっ殺す!」

さやか「本音出ちゃってるよ!」

ボーボボ「さやか! 仕留めに行くぞ!」ゴオォォ!

さやか「うん! まどか、掴まって!」

まどか「分かったよ、さやかちゃん!」



          ゴオオオオーーーー!!


使い魔「ブオオンブオオオオン!!」ゴーー!

女H「あはははははは!」

首領パッチ「今ならシューマッハに勝てるな」ゴーー!

さやか「何やってんのよ、あんた」ゴーー!

首領パッチ「お、さやかか?」

まどか「はやく使い魔を倒そうよっ!」

ボーボボ「私はそれに同意します」ゴーー!

首領パッチ「俺はこいつとサシのスピード勝負をしてんだ! 手出しすんなよ!」ゴオォォ!

さやか「またアホらしいことを……」ハァ…

首領パッチ「ボーボボ! お前のこのおもちゃは中々悪くねーぜ! この首領パッチ様に使ってもらえるんだから有り難く思えよ!」ゴーー!

首領パッチ「ハーーハッハッハッハ!!」ゴオオオォォ!

まどか「あっ、また飛ばして……」



ボーボボ「…………」

さやか「? どうしたの、ボーボボ?」

ボーボボ「あのアフロソーサー、実は不良品なんだ」

さやか「えっ、そうなの!?」

ボーボボ「ああ。開発段階で生じたある不具合が最後まで直らず、結局販売には至らなかったんだ」


     ミニボボA『ちくしょう! どうしてだ!!』

     ミニボボB『部長、自分を責めないでください!』


まどか「ど、どんな不具合……?」

ボーボボ「それはな……」

  首領パッチ「ぎゃーーはっはっはっはっは!!」ゴオォォ!




ボーボボ「一定時間首領パッチが乗っていると爆発するんだ」




       ドゴオオオォォォォーーン!!


首領パッチ「ぎょへえええぇぇぇぇッ!?」ドゴォーーン!

まどか「何そのピンポイントな不具合!?」マドーン!

ボーボボ「ごめんね、僕がダメなばっかりに……」プルプル…

さやか「ボーボボ、それ笑い堪えてるよね?」

まどか「と、とりあえず使い魔を倒そうよ……」


   使い魔「ブオオオオン!!」ゴオォー!

   女H「あはははははは!」


さやか「そうだ、忘れてた! 接近させて……っと」グイッ

ボーボボ「さやか! その使い魔の弱点は砂肝だぞ!」

さやか「こいつ鳥類だったの!? いやそんなことより、はやくこの人を解放しな……」

まどか「さ、さやかちゃん!」

さやか「え? ……あぁっ!?」



    使い魔「ブオオオン!」ゴォー!

    仁美「あははははははっ!」


さやか「ひっ……」

まどさや「「仁美(ちゃん)!?」」

ボーボボ「新キャラ?」

まどか「違うよっ! 散々出てきたじゃん! ていうか準レギュラーだよ!」


    使い魔「ブオオオオン!」ゴー!

    仁美「あはははははは!」


まどか「仁美ちゃん、仁美ちゃん!?」

ボーボボ「無駄だな、完全に洗脳されている。何にせよ、早く助けなければ」

さやか「…………」

まどか「さやかちゃん?」



さやか「…………」

 仁美「あははははははははっ!」

さやか「…………」

ボーボボ「さやか、早く攻撃を!」

さやか「…………」

ボーボボ「さやかッ!」



      仁美『明日の放課後に上条君に告白します』

      仁美『一日だけお待ちします』



さやか「くっ……うぅ……!」プルプル

まどか「さやかちゃん!」

ボーボボ「さやか!」

 仁美「あははははははっ!」

さやか「うぅ……っ!」ギリッ!




――――――
――――
――



ギーゼラ「ギギギギィーー!」ゴォーー!

魚雷ガール「組の金持ち出して、逃げれると思うなよコラァーーー!!」ゴオォォ!

マミ「く、すごいスピード……!」

ほむら「でも、変ね……。全然間隔が狭まらないし、魔女に疲労が見えない……」

魚雷ガール「なーにか、妙な術を使ってるギョラね」

マミ「でも、どうやって……あ!!」

ほむら「どうしたの?」

マミ「周りの風景をよく見て!」

ほむら「え……! こっ、これは!?」


     道路 < ギュイーーーン!

     ガードレール < ギュイーーーン!

     海 < ギュイーーーン!



ほむら「風景が前に動いている……これって…!」

マミ「ええ、レッドクイーンズ・ランド(赤の女王の世界)ね」キリッ

ほむら「と、巴さん……?」

魚雷ガール「成る程、この世界は前へ前へと進んでいる訳ね」

マミ「その場に留まるにはその世界と同じスピードで……。さらに前へ進む為にはその2倍のスピードで進まなくちゃいけない」

魚雷ガール「そして、奴だけはこの世界の法則に当てはまらずに、僅かな力で前へ進める。厄介な奴だわ」ゴォォー!

ほむら「で、でも私たちは宙に浮いて進んでいる訳だから、世界に置いていかれないんじゃ?」

マミ「暁美さん……。ザ・フライ・イン・ア・トレイン(電車の中の蝿)ってご存じ? 世界ごと動いている訳よ? 私たちも世界の法則に固定されてしまうわ」ハァ…ヤレヤレ

ほむら(この巴マミ、すごくウザイ)

魚雷ガール「ややこしい話はナシで……。つまりこの世界の法則をまるごとぶっ壊せばいいのよ」

マミ「そ、そんな! ここは魔女の結界内ですよ!? その法則を破壊するなんて、そんなこと……!」

魚雷ガール「可能不可能の問題じゃないわ……出来る出来ないの問題よ!」

ほむら「それ、どっちも同じ意味!!」


魚雷ガール「覚悟しなさい、鉄クズ野郎!」



   極悪残血真拳奥義<恐怖の高速ババア>!!



魚雷ガール「さあ、行きなさい、金髪!」ビシッ!

マミ「私ぃーーーー!?」マミーン!?

マミ「いや、私まだババアなんて年じゃないし、そもそもあれに追いつくなんて……!」

魚雷ガール「早く行きなさいって」ゲシッ

マミ「あっ」グラッ


     ビターーーン!!


マミ「あああああああああぁぁぁぁぁ!?」ゴロゴロゴロゴロゴロ!!

ほむら「巴さぁーーーん!?」

魚雷ガール「くっ! 何て卑劣な攻撃なの!?」

ほむら「今のあなたでしょ?」

魚雷ガール「しかたないわ、2代目高速ババア行くわよ」

ほむら「次は私!? じょ、冗談じゃないわ!」



  <「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」


ほむら「ん? この声……」


マミ「ああああああああぁぁぁぁぁぁッ!」ダッダッダッダッダッ!!


ほむら「巴さんんんんん!? 血まみれの必死の形相で追い上げてるーーー!? その様子は正しく高速ババア!!」

マミ「誰がババアよ! ていっ!」シュバッ

マミ「はあはあ……何とか追いついた……」シュタッ

ほむら「すごいです、高そ、巴さん……」

マミ「今、間違えかけたわね!? フィナるわよ!?」



ほむら(これじゃ埒が明かない……。ここは私の時間停止で……)


魚雷ガール「効いてきたみたいね」

ほむら「えっ?」

マミ「こ、これは!?」


  ギーゼラ「ギギギッ!?」ゴゴ…ゴー…


ほむら「魔女のスピードが落ちて……いや、この世界の法則が崩壊してきた!?」

マミ「魚雷さん、これは一体!?」

魚雷ガール「あなたを落とした時に、道路や標識などのそこら中の物に<殺印>のマークを貼ったのよ」

魚雷ガール「私の愛の呪いで、奴の世界もメロメロになったって訳♡」

マミ「それって私を落とさなくても良かったんじゃ……」

信なガール「尾張良ければ全て良し!」ゴオオォォォ!


  ギーゼラ「ギギィ~!?」アセアセ


魚雷ガール「さあ、タイミングを合わせなさい!」ゴオオォォォ!

マミ「はい!」

ほむら「ええ!」




   極悪魔法奥義<峠越えのヴァルキリー3姉妹>!!



魚雷ガール「走り屋失格ぅーーーーーッ!!」ドゴォーーン!

マミ「ティロ・ピオージアッ!!」ドゴォーン!

ほむら「死になさい!」ズダダダダダダ!!

ギーゼラ「ギィヤアアアアァッ!?」


     ドゴオォォォーーーーーーン!!



 グリーフシード < カランッ



マミ「やった!」

ほむら「上手くいったわね」

魚雷ガール「まあ、合格点よ」


  結界 < ぐにゃあぁ~~~



  ~結界外~


マミ「結界が消えたわ」

ほむら「あれは、ボーボボ達……。それに、操られていた人たちも無事みたいよ」

マミ「良かった……」ホッ

ほむら「それより、まどかは? 大丈夫だったかしら?」




ほむら「まどか!」タッタッタ!

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「怪我はない?」

まどか「う、うん……」

ほむら「良かった……ん?」

仁美「すう……すう……」

ほむら「志筑……仁美? どうして彼女がここに…」

まどか「そ、それが……」

さやか「…………」



さやか「…………」フラフラ

まどか「さ、さやかちゃん!」

さやか「   」ピタッ

杏子「ど、どうしたんだよ、さやか…」

ほむら「そうよ、一体何が……」

首領パッチ「うんこか?」

さやか「…………」

さやか「ごめんね、みんな。先に帰るよ……」

さやか「仁美に合わす顔が無いもの……」フラフラ

マミ「美樹さん!」

ボーボボ「さやか!」

ほむら「何があったの……?」

まどか「さやかちゃん……」


キリもいいので本日はここまで
後半はまた後日です

年末も近づいてきて忙しくなりそうですが、出来るだけ早く書き上げるつもりです

「ふわり!どんぱっち」については賛否両論でしょうが、
女の子の描き方などが上手くなっていて、個人的にはアリだと思います
結論:ビュティ可愛い

これからの展開が楽しみです

それでは



あけおめです、>>1です
最近は投下頻度がハンパなく遅くなってしまいました
初期の頃はバンバン投下していたのに……
反省の意も込めて、ちょっくら暮東京にでも単身で乗り込んできます

それでは、8話後半を投下します





マミ「一体何があったのか教えてくれないかしら、鹿目さん?」

杏子「アタシも気になるね。そこの奴が関係してるってのは分かるけどよ」

仁美「すぅ……すぅ……」

まどか「じ、実はさっきね……」



――――――
――――
――



ボーボボ「さやか! 早く攻撃を!」

さやか「………」

まどか「さやかちゃん、どうしちゃったの!? 早く助けてあげないと仁美ちゃんが……!」

さやか「……ったら……かな?」ボソッ

まどか「え……? い、今なんて……」





さやか「もしも、助け……ったら、恭介は私の……かな?」




まどか「―――――――え?」


ボーボボ「くっ! 鼻毛真拳奥義……!」ゴオオォォ!


         <と、見せかけてタイキック>!!


使い魔「ウギャアアアァァァ!?」ドゴォーーン!

仁美「あはははっ!?」フワッ

ボーボボ「そして、人命救助!」キャッチ!


――
――――
――――――



まどか「ボーボボが使い魔を倒して、仁美ちゃんも無事だったけど……」

マミ「その子を見た瞬間に、美樹さんの様子がおかしくなったのね」

杏子「恭介って、さやかがゾッコンの小僧だろ? それとこの女がどういう関係があるってんだよ?」

まどか「それが分からないの……」

首領パッチ「使えねーな、クズが」

天の助「全くだ」

ほむら「…………(これはもしかすると魔女化の兆候……!?)」

ほむら(他の時間軸でのさやかは皆、志筑仁美との衝突をキッカケに堕ちていってしまった……)

ほむら(明るく振る舞う彼女からは、まるで絶望を感じなかったけど……、まさかアレは無理をしていたの?)グリグリグリグリ!

首領パッチ「痛い痛い痛い! ほむらさん、踏まないでぇ~!!」グリグリ!

天の助「謝るから! 謝るからぁ~!!」グリグリグリ!

まどか「ほ、ほむらちゃん!? 私怒ってないよっ! や、止めてあげて!」




仁美「う、う~~ん……ここは?」パチッ

まどか「仁美ちゃん! 怪我は無い? どこか痛かったりしない?」

仁美「あ、あら、まどかさん!? それに何やら皆さんお揃いで……?」

仁美「ここは一体どこでしょうか……? 何故か周りには気絶した人々が……、ハッ! まさか!」

首領パッチ「そう、そのまさか!」

天の助「俺たちは実は宇宙人で、貴様ら地球人を実験の為にキャトルミューティレーションしたのだーーー!!」

仁美「や、やっぱりですのーーー!?」

まどか「お願いだからややこしくしないで!」

ボーボボ(キャトルミューティレーションって何だろう? キャトルミューティレーションって何だろう?)オロオロオロ

ボーボボ「ね、ねぇ、ほむらさん。キャトルミューティレーションって…」チョンチョン

ほむら「後にしてちょうだい」ピシャッ




       ボーボボ「うぅぅ……」シクシク…


       その日、ボーボボは涙を飲んだ


       近日公開『1デシリットルの涙』


マミ(多いのか少ないのかピンと来ない……)





仁美「まさか、集団夢遊病が再発しただなんて……。またお医者様の厄介になってしまいますわ」ハァ…

仁美「どうやら、皆さんが私達を保護してくれたようですね。何とお礼を申せばいいのか……」ペコリ

まどか「いいんだよ、仁美ちゃん。それよりも……」

杏子「おい、テメー! それよりも、こっちは聞きてーことがあんだよ!!」ズイッ

ソフトン「落ち着け、杏子」

仁美「あら? まどかさんのお友達ですの? 初めまして私、志筑仁美と申します」

杏子「んなこたぁどーでもいい! オメー、さやかと何があった!」

仁美「っ!?」ピクッ

仁美「……さやかさんから、話を聞いたのですか?」

まどか「ううん、さやかちゃんは何も言ってないよ。だからこそ私たちはよく分からなくて……」

マミ「気絶していたあなたを見るなり、美樹さんの様子が明らかにおかしくなったの。そして逃げるように帰ってしまったわ」

杏子「アタシ達は、アンタとさやかの間に何かがあったんじゃねーかって睨んでる」

仁美「そうですか……」




仁美「……あなた方の言う通り、私とさやかさんは共通の問題を抱えております」

仁美「しかし、それは私とさやかさんの問題ですわ。無関係のあなた方にお話することは出来ません」

天の助「な、何だそりゃあ……」

まどか「仁美ちゃん……」

杏子「テメー……」

仁美「…………」





仁美「…と、言いたいところでしたが……。いいでしょう、包み隠さずお話しますわ」



マミ「え?」

まどか「い、いいの? 本当に?」

仁美「ええ。あなた方の真剣な表情を見ていたら、既にこの問題が私達二人だけの問題では無いということが分かりましたわ」

杏子「トーゼンだ。さやかがあんな調子じゃ、こっちまで暗くなっちまう」

仁美「さやかさんは、とても慕われているようですね」クスッ

仁美「それではお話しましょう。私はさやかさんに……」


ボーボボ「zzz…」スヤスヤ

首領パッチ「……」PSP < ポチポチ

天の助「ふんふーん♪」ipod < シャカシャカ

まどか「み、みんな、もうちょっと興味を示そうよ……」マドマド…




     ~ひとひと説明中~



まどか「ひ、仁美ちゃんも上条君のことを……!?」

仁美「ええ。ずっと秘密にしていましたの」

魚雷ガール「教え子がいつの間にこんなドロドロした恋愛を……。先生、鼻が高いわっ!」

ほむら「喜ぶところかしら?」

マミ「なるほどね。これで大方の話は分かったわ」

杏子「でもそれってよぉ、結構勝手な話なんじゃねーのか?」

仁美「……」


杏子「いきなり、自分が告白するけど猶予やるからさっさとコクれってどーよ? 卑怯とか関係ナシにそんな方法で納得するとでも?」

杏子「告白っつーのは個人のタイミングってのがあんだろ。無理に急かしゃ、さやかだって焦って自爆するかも……ってそれが狙いかテメー!」

まどか「きょ、杏子ちゃん。仁美ちゃんはそんな、その……」

仁美「いいんですの、まどかさん。そう思われても仕方のないことを、私はしてしまったのですもの……」

まどか「仁美ちゃん……」

天の助「見損なったぞ、仁美ー!」

首領パッチ「オメーも映画とかに出てくる小金持ちの類だったとはー!」


マミ「暁美さん……。美樹さんが逃げるように帰ったのってもしかして……」

ほむら「ええ。まどかと志筑仁美の話から察するに……」





  ~町中~


さやか(…………)トボトボ

さやか(私……、どうして……)トボトボ



  <もしも、助けなかったら、恭介は私のモノになるのかな?>



さやか(あんなこと……)ググッ

さやか(仁美を見殺しにすればって、あんな……あんなこと!)



   ほむら『恋の邪魔者が消えるかもしれない……と、少しでも思ってしまった自身に嫌悪して……』

   マミ『会わせる顔が無い、とこの場から去ったという訳ね……』




さやか(仁美は親友なのに……!)

さやか(きっと仁美は辛かったんだろうな……。ずっと私が側で恭介の話をしていて)

さやか(そんなんじゃ、自分も好きって言えなかっただろうね。だから、ああするしかなかった筈だよ)

さやか(それなのに私は、仁美のことも考えずに……!)ガクン


さやか「私、魔法少女失格だよ!!」



    マミ『美樹さんは本当に優しい子だから、今頃、自分を必要以上に責めているはずだわ』

    ほむら『精神状態は芳しくないでしょうね。そんな時に余計な奴に出会ってしまったら……』

    マミ『余計な奴って……?』

    ほむら『そんなの一人…、いえ一匹しか居ないでしょう』







         「その通りかもしれないね」



さやか「 ! 」

さやか「あ、あんた……!」




  ~~~~



杏子「おい、お前らも会話に参加しろよ!」

首領パッチ「サボんなー!」ギャーギャー

マミ「あ、ごめんなさい」

ほむら「あなたに言われたくないわ、首領パッチ」


マミ「それで、志筑さん? あなたは一体どうしたいのかしら?」

マミ「客観的に見てもあなたの行動は、少し疑問を感じてしまうわ。まあ、それは私がよく考えがヌルいって言われるからかもしれないけど……」

マミ「今の美樹さんが上条君に告白しに行くとは考えられない。恋愛に卑怯は無いって言うけれど、あなたはこのままでいいの?」

仁美「…………」

仁美「私自身も同感です……。自分の行動は、正々堂々ではないかもしれません……」

杏子「分かっててずりぃ真似をしてた訳か! テメーは一発殴られたいよーだな!!」

ソフトン「止めろ、杏子。相手は一般人だぞ」

まどか「杏子ちゃん抑えて!」

仁美「…………」



仁美「もう一つ、皆さんにお話したいことがあります」

杏子「あ?」

まどか「な、何? 仁美ちゃん…」

仁美「ですが、その前にさやかさんにだけはこの事を言わない、と約束して頂けますか?」

杏子「オメー、自分がどういう立場か理解してんのか……! 今すぐにでも捻り潰して……!」

ほむら「抑えなさいって。私は構わないけれど、みんなは?」


まどか「私もだよ」

マミ「私も」

三バカ「「「異議なし!」」」

ソフトン「無論だ」

魚雷ガール「ソフトン様が犬と言えば、例え聖徳太子だって犬よ」


ほむら「民主主義は多数決第一よ、杏子。悲しいことにね」

杏子「むむむ……チッ、仕方ねーな!」

まどか「約束するよ、誰もさやかちゃんに言わないって。だから話してくれる、仁美ちゃん?」

仁美「ええ……」




       ・
       ・
       ・



さやか「あ、あんた、よくヌケヌケと姿を表せたわね!」

さやか「キュゥべえ!」

QB「…………」

さやか「あんた、私達の体を……!」

QB「おっと、そんなことを話す為に出てきたんじゃないよ? 僕の考えは変わらないし、論争は平行線を辿るだけさ」

QB「にしても、やはり気にしてたのかい、体のことを。杏子や他の皆の前では、まるで何でもないように振る舞っていたじゃないか」

さやか( ! こ、こいつ、どこかで私たちを監視してたの!?)

さやか「……じゃ、何の為に出てきた訳? 生憎、今の私はいつもの優しいさやかちゃんじゃないよ」

さやか「いくら可愛いカッコしてても、残機∞の宇宙人ならストレス解消に持ってこいだしね」つ剣 スチャッ

QB「やれやれ、あんなに敵視していた暁美ほむらの話をすっかり信じたのか。ま、事実だし言い訳のしようがないね」

QB「僕はただ君の意見に同意を返しただけさ。魔法少女失格だ、って言ってたろ?」

さやか「っ!」


QB「君が望む魔法少女は正義の味方だったはずだ。自分の恋路の為に親友を見殺しにする行為は正義の味方では無い。つまりそれは、魔法少女失格という訳だ」

さやか「あ、あんたに何が……!」

QB「分からないよ。感情という精神疾患にかかった生物の考えなんて」

QB「しかし、これは人の歴史から見ても自然なことかもしれない。恋によって裏切りが起こり、愛によって殺し合いが起こった……、なんてことは珍しくない」

QB「ただ、それが正義の味方の所行かと問えば、疑問が残るね?」

さやか「く……! あたしは、そんな、あの時そんなつもりじゃ……」

QB「僕は別に責めている訳じゃないよ。実際、佐倉杏子のように悪逆非道を繰り返す魔法少女だって沢山いる」

さやか「きょ、杏子はそんなのじゃ……!」

QB「おや、杏子を庇うのかい。ならばその調子で自分の行動も庇えばいいじゃないか」

さやか「う、うぅ……!」ズキン!

QB「繰り返すけどね、僕は君を責めてないよ。人間ならば当然の行動だ。ただね……」



QB「ほんの少し前まで『正義』がどうと息巻いていた人物とは思えなくてね。君の行動があまりにも『オカシい』と感じただけなんだ」



さやか「うぅぅ……。くぅ……」ガクガク


QB(ここまでは順調。彼女の心の中には次々と絶望の種が生まれているだろう)

QB(いつもは側で支えてくれる仲間がいないね、さやか。君がこんな目に合っているなんてどういうつもりなのかな?)

QB(まあ、僕には都合がいい。次にするべきは……)



QB「ねえ、さやか。話があるんだ」

さやか「はぁはぁ、……な、何よ……」

QB「この間、君達に責められて気づいたんだ。もしかしたら僕には人間を思う気持ちが少し足りなかったんじゃないか、ってね」

さやか「……はぁ……はぁ」ガクガク

QB「考えた事もなかったよ。僕たちはこれでも人間に譲歩していると思っていたからね」

QB「でも調べてみると、僕の契約方法はこの国では法に触れるかもしれない。どうやら、隠し事をしての契約はタブーみたいだ」

QB「僕が『聞かれなかったからね』と答えると決まって君たちが激怒する理由に気づいたよ。要は真実を話せばいい訳だ」

さやか「な、何が……言いたいのよ……」

QB「……」





                   「さやか。この国では成長途中の女性を少女って呼ぶんだろ?」




.



    ・
    ・
    ・


仁美「少女、というものは恋を経て女性に成長すると教わりました」

仁美「私は今よりずっと幼き頃より、恋する乙女に憧れていましたの」

仁美「そして、さやかさんやまどかさん、首領パッチさんや天の助さんに出会い、そして上条君に出会いました」

仁美「皆さん掛け替えのない親友です。しかし、ある日その認識が変わる日が来たのです」



  まどか『上条君の発表会、楽しみ~~!』

  パチ・フェット『ふっふっふ~、礼装で着てやったぜ』ジェット・パック < ドドドドド!!

  天ス・ヴェイダー『俺だって、自慢の一張羅を!』コーホーコーホー

  さやか『お前らはSFの世界に帰れ』

  仁美『バイオリンを習っているとは聞いていましたが、生で聞くのは初めてですわ』

  さやか『恭介の演奏はすっごいんだよ! そりゃもう恭介だしトーゼンと言っちゃトーゼンだけどね!』

  仁美『ふふ、さやかさんは本当に上条君のことが……』

  さやか『えっ! ちょ、何のことよ、もう! 早く行くよ!』タッタッタ!

  まどか『待ってさやかちゃん! 仁美ちゃん、あまりからかっちゃダメだよ』クスクス

  仁美『あら、申し訳ございませんわ』クスクス


  警備員『何だこいつら! おい止まれ!』

  天ス・ヴェイダー『ジェダイの残党か! 離せ!』ジタバタ!

  パチ・フェット『俺の雇い主を誰だと思ってんだ!!』ジタバタ!



仁美「あの日……」




     ♪~  ♪~  ♪~  ♪~


  まどか『すごい……流石、上条君だね……!』

  さやか『恭介……』ウットリ

  首領パッチ『酷い目にあったぜ……』ボロロ…

  天の助『あの野郎……』ボロロ…

  さやか『あんたらはまた馬鹿やって……』

  仁美『……』ポー

  さやか『仁美?』

  仁美『…………』ポー

  さやか『ちょっと、仁美。大丈夫?』

  仁美『あぅ? あっ、はい、もちろん!』アセアセ



仁美「あの日、上条君は親友から想い人に変わりました」

仁美「気持ちを伝えたいけれど、怖くて伝えられない……。もどかしいのに何だか心地の良い日々……」

仁美「私は初めて恋というモノを体験しました」

仁美「同年代の子に対するちょっぴりの優越感。そして、さやかさんに対する競争心を感じながらも、私は行動に移そうとはしませんでした」

仁美「この感覚をもっと長く感じていたかったんです。この、片思いという魔法をもっと長く……!」

仁美「しかし……」




  まどか『交通事故って聞いた時はホントに驚いたけど、命に別状はなくて良かったね』

  仁美『ええ、本当に……』ホッ…

  首領パッチ『アイツ、ピンピンしてたりして!』

  天の助『言えてる。きっと今頃、エロい目でナース視てるぜ』


       恭介『はぁはぁはぁはぁ…!』


  まどか『うわぁ、想像したくない……』


  さやか『……』ツカツカ

  まどか『あ、さやかちゃん! 上条君、どうだった? 命に別状は無いって聞いたんだけど……』

  さやか『…………』プルプル

  まどか『さ、さやかちゃん……?』

  さやか『きょ、恭介がぁ……。恭介の腕がぁ……』

  さやか『ええぇぇぇぇん!! 恭介ええぇぇ!』

  仁美『ど、どうしたんですの、さやかさん!』

  仁美『上条君に、一体何が!?』




仁美「ショックでしたわ……。もうあの雄々しく優しい旋律は聞けないのか……。一心に演奏する彼の姿は見れないのか……」

仁美「しばらくはお見舞いに行けませんでした。彼との距離を詰めるのが怖かったのです」

仁美「習い事の量を増やしてもらったりして、他の事に意識を向けました」

仁美「そして、ある程度自分の心に余裕が出来た時に、ついに彼の病室に向かいました」

仁美「大きな花束と、最高級の見舞い品を持って……」



  仁美『…………』ツカツカ

  仁美(何だか足取りが重いですわ……。きっと上条君に久しぶりに会うから、緊張してるのですね)

  仁美(上条君、喜んでくれるかしら……)ツカツカ

        「××号室 上条恭介様」
 
  仁美『ここね』

  仁美『あ、あの、失礼……あっ!』




  さやか『それでね、中島のバカ、スリーポイント狙って外してさ、男子達から総スカン!』

  恭介『ははっ、中島らしいね』

  さやか『まあ、首領パッチ達よりはマシだよ。アイツらバスケットとクリケット勘違いして来てたし』

  恭介『あははは、簡単に想像出来ちゃうや!』

  さやか『やっぱ恭介が居ないとダメだわ。恭介抜けたら、男子は女子に勝てないんだよ』

  恭介『それは、さやかが強すぎるからじゃないかな?』

  さやか『何おーう!』



  仁美『…………』



仁美「聞けば、さやかさんは入院初日から一日も欠かさず来ていたらしいのです」

仁美「愛する人の為なら当然という意見もあるかもしれませんが、中々出来ることではありません」

仁美「私はと言うと……、それを見て元来た道を引き返しました……」

仁美「そして、気づいたのです。私は上条君に恋をしていなかった……。ただ恋に恋していた、と」



仁美「私は女性どころか少女にすらなっていませんでした。まるで、気に入った玩具のように上条君に好意を寄せて……」

仁美「しかも、その好意すら偽り。上条君は私にとって、『恋』をする為の道具だったのです」

仁美「考えれば考えるほど、自分の醜さが浮き彫りになりました」


仁美「私は……、私はきっと上条君がさやかさんでなく自分を選ぶだろうと驕っていました。名家の長女である自分を選ぶだろうと」

仁美「何故、彼を好きになったのか? それも酷い理由です。私の側に彼が立てば、とても絵になると思ったからです……」

仁美「私は恋を特別視していました。だから、私は美男の彼を好きになったのです……」

仁美「私は、恥知らずな痴れ者です……。さやかさんと同じスタートラインにすら立てていなかった……」


仁美「この話を聞いても、それでもさやかさんは私を庇うでしょう。仁美の気持ちに気づけなかった自分が悪い、と言うでしょう……」

仁美「そう考えると、あまりにも自分が惨めで、あまりにもさやかさんに申し訳なくて……!」




仁美「……上条君が退院した時、きっとこれは奇跡だと思いました」

仁美「誰よりも彼のことを想っていたさやかさんの祈りが通じた、奇跡が起きたんだと……」

仁美「私も何か出来ないか、お二人の為に何か出来る事はないかと考え、そして今回のことを思いつきました」

仁美「私は心から、さやかさんと上条君が結ばれればいいと考えています。どうにかして想いを繋げることは出来ないかと」

仁美「さやかさんが恋愛に奥手なことは知っていました。退院しても中々告白はしないだろうと」

仁美「でも、それではダメなんです! あの二人はすぐにでも結ばれなくちゃ! そうなってもいいほど、さやかさんは上条君に捧げてきた筈なんです!」

仁美「そして、私は多少強引な手でも……と、さやかさんを呼び出し、告白を促したのです」



仁美「でも、それはやはり正々堂々ではありませんね……。すごくズルい……。人にはそれぞれのやり方があるのに……」

仁美「あの半ば強要の告白宣言によって、余計にさやかさんが離れるかもしれないという事に、何故気づけなかったのでしょう……」

仁美「私って……やること為すこと全部空回りで……。ほんとバカ……」





仁美「これが、私の話したかったこと、全てです……」

まどパチ天「「「…………」」」

杏子「み、緑髪、悪かったな。色々酷いこと言っちまって……」

仁美「気にしてませんわ。言われて当然ですもの……」


仁美「まどかさん、首領パッチさん、天の助さん……」

仁美「軽蔑……しますわよね、こんな酷い女」

まどか「仁美ちゃん……」

仁美「縁を切ってくださってもかまいませんわ。私みたいに、平気で親友を裏切る……、いや親友と思っていたのは私だけで本当は……」

まどか「………」ツカツカ




            ぱんっ!



仁美「……あ」ジンジン

仁美(頬をはたかれた……。余程、怒っていらっしゃるのですね……)

まどか「仁美ちゃんっ!」プルプル



まどか「バカっ! 何で相談してくれなかったの!!」



仁美「え……?」

まどか「相談してくれれば皆、ちゃんと聞くよ! 皆で一緒になって悩むよ!」

まどか「皆で考えれば、さやかちゃんも仁美ちゃんも、二人とも納得のいく答えが見つかった筈だよ!」

まどか「酷い女だなんて、そんなこと二度と言わないで! 親友じゃないなんて、二度と言わないで!」

まどか「仁美ちゃんは優しいよ! 上条くんを心配する顔は偽りとかじゃなかった。今だってさやかちゃんのことを考えてくれてる」

まどか「だから……、一緒にさやかちゃんを探そう。それでさ、さやかちゃんに謝ろ!」

仁美「ま、まどかさん……、私…私……!」

首領パッチ「俺からも一つ言わせてくれ」ツカツカ

仁美「首領パッチさん……」






まどパッチ「バカっ! 何で相談してくれなかったの!!」


        バッキィッ!!


仁美「ぐふぅっ!?」

まどパッチ「相談してくれれば皆……」

まどか「首領パッチくーーーん!? 今それやったよ!? ねぇ、今それ私がやったから!」マドーン!


天の助「……」ツカツカ

まどか「て、天の助君も首領パッチ君を止め……!」







まどの助「バカっ! 何で相談してくれなかったの!!」

       ドゴォッ!!

仁美「うぶふぅっ!?」

まどか「だから私の話聞いてたーー!?」マドーン!?


まどか「だ、大丈夫仁美ちゃん?」オロオロ

仁美「え、ええ、これくらいムエタイのお稽古で何度も……」ヨロヨロ

仁美「ぐばぁっはぁッッ!!」ゴボォォッ!

まどか「尋常じゃないくらい吐血した! これ絶対何度も経験ないよね、仁美ちゃん!?」




ほむら「事情は分かったわ、志筑仁美。そして、もう一度尋ねることになるけれど、あなたは一体どうしたいの?」

ほむら「あなたが最初に言った通りに、私たちはこの事をさやかに言うつもりはないわ」

スパイボーボボ「え"っ!? マジで!? せっかく掴んだ極秘情報なのに!!」つパソコン < 『仁美ハ山デ冬ヲ越ス』 カタカタ

マミ「何この情報!?」

ほむら「でもこれでいいのかどうかは……あなたも判断はつくでしょう?」

仁美「…………」

仁美「私……探さないと。さやかさんを探さないと!」

仁美「そして、全て話して、謝って……!」

仁美「親友として、さやかさんの恋を応援したいです!!」

まどか「仁美ちゃん……!」



ほむら「決まり……ね。それじゃあ、さっそく手分けをしてさやかを探しましょう」

まどか「うん!」

仁美「ええ!」

ボーボボ「よし、チーム分けの事だがこれでいいな」つ紙 ペラッ


   『ボーボボ 首領パッチ
    まどか ほむら 仁美        『天の助』
    杏子 ソフトン 魚雷』


天の助「何コレ、効率悪っ!! ていうか、俺ぼっちじゃん!!」

天の助「変えろーー! さもなくばスト起こすぞー!!」ギャーギャー

ボーボボ「ちっ、仕方ねーな」



      こうしてさやか見つけ隊が結成された




 チーム<まひゃど>

まどか「がんばろうね、仁美ちゃん!」

仁美「ええ!」



 チーム<黄系統>

首領パッチ「その縦ロールをあまりチラつかせないでくれ……。発作が起きる……!」

マミ「ほ、発作って……」

ボーボボ「お、俺はマスケットで発作が……!」

マミ「私のシンボル全否定じゃないですか!?」マミーン!



 チーム<残さず食え!>

天の助「俺の背後に立つと死ぬぞ?」

杏子「どっちが背中か分からねー体してるくせに」



 チーム<愛の爆心地とヒットマン>

ソフトン「必ず見つける……!」

魚雷ガール「ソフトン様ぁ~」スリスリ

ほむら(居心地悪い……)




ボーボボ「さやか見つけ隊、出動ーー! えいえい…」


      「「「おおおぉーーー?」」」


まどほむマミ杏仁(((な、何故疑問系……?)))





  ~~~~


まどか「さやかちゃ~ん!!」

仁美「さやかさーーん! お話がしたいのですがーー!」


  ~~~~


杏子「どこだーー!? さやかーー!」

天の助「いるんならアイコンタクトしてくれー!」

杏子「それ、発見してないと確認出来ねーだろが!」

杏子「お前、さやかと付き合い長いんだろ? どこかさやかが行きそうな場所とか知らねーか?」

天の助「それなら知ってるぞ! さやかは必ず一日に一度はトイレに行くんだ!」

杏子「ああ行くね! アタシも行くね! そりゃ誰でも行くね!!」


杏子「しかしホントにどこ行きやがったんだ? まさか、もうこの町に居ないとかねーだろーな……」



  ~~~~


ソフトン「くっ! 何故、バビロンレーダーが正常に作動しない!」

バビロンレーダー < ガガッピー

ソフトン「近くに巨大な鉄の塊でも無ければこんなことには……」

魚雷ガール「ソフトン様ぁ~」スリスリ

ほむら「すぐ横に原因いるけどぉ!?」ホムーン!


  ~~~~


首領パッチ「あそこからさやかの気配がーーー!!」ダッダッダッダ!

      あそこ→『トイザらス』

マミ「絶対おもちゃ見に行きたいだけでしょーーー!?」タッタッタッタ!

ボーボボ「いや、俺も何か感じたぞ! サンタの袋的なスピリチュアルを……」ダッダッダッダ

マミ「それは間違いなくおもちゃです!」

首領パッチ「いい加減にしろマミ! 俺だって一日中遊ぶことを『おもちゃ』いないぞ! 自分勝手な『レゴ』しか持っ『トイ』ないガキとは違うんだ!!」ダッダッダッダ

マミ「完全に浸食されてる!?」


パチボボ「「入店どぉーーーん!!」」ダッ

自動ドア「ぐふぅ!」パリリーーン!

自動ドア(お、俺の開閉を待たずに入店したのは、お前さんらが初めてだぜ……!)ゴバァッ!




首領パッチ「わーい、おもちゃだーー!」キラキラ

ボーボボ「すげぇ、新作だー!」キラキラ

マミ「ふ、二人とも! 早く美樹さんを見つけないと……!」

マミ「あっ!」



     さやか「……」フラフラ


マミ「店の外に……! 人混みでよくは見えなかったけど、きっと美樹さんだわ!」

マミ「今の見たでしょ! さあ、すぐに追いかけましょう!」



ボボパチ「「…………」」



     三三三三三三ボボパチ 『ゲームコーナー』
      スタタタタタッ!


マミ「何で!?」


                ボーボボ達にとって店の外のさやかを見つけたことは、
         トイザらスで外国から輸入された変なデザインの人形を見つけたことに等しい。


マミ「ほとんど興味ナシってことじゃない!!」マミーン!




   ~~~~


まどか「すみません、人を探してるんですが……。青い髪の珍しい子で……」

通行人A「いや、髪の色なら君も十分珍しいよ」

仁美「手がかり無しですか……」

まどか「あっ! あの人は……。あの人なら知ってるかも……!」


まどか「ショウさ~~ん! ねえ、ショウさ~~ん!!」

ショウ「うわ、見知らぬ中学生に名指しされた!? ちょっと怖い!」

後輩「知り合いッスか?」

まどか「ショウさーん! ホストで働いてて、女の人を人間扱いしてなくて、お金が無くなったら平気で捨てるショウさーーん!!」

ショウ「ええぇ!? あの子、往来で俺の個人情報を漏らしおる!!」

後輩「しょ、ショウさん、中学生にまで手を出してたんスか……」チョットヒク…

ショウ「違う! 俺はノーマル!!」



ショウ「は、ははは、お嬢ちゃん、人違いじゃないかな? お、俺は田中三四郎っていうちゃんとした名前が……」

後輩「あんなに気に入ってた源氏名を簡単に捨てて、田舎臭いと毛嫌いしてた本名を!?」

まどか「ねえ、ショウさん! ホストクラブで成り上がりを狙ってるショウさん! さやかちゃん知らない!?」

ショウ「ぐ、ぐうぅ、何故そこまで……。って、さやかちゃん? 誰?」

まどか「ほら、青い髪の! とっても優しくて可愛くて!」

ショウ「ほらって言われても……」


後輩「あー、ショウさん、あの子じゃないッスか? 青いって言ったら……」

ショウ「え? ……あぁ、アレか? 青っつったらそれしかねーか」

まどか「知ってるんですか!」

ショウ「ああ、さっき電車でそんな感じの子、見た気がするわ」

後輩「何か怯えてましたね。俺らと視線が合うなり、すぐに電車降りちゃって」

まどか「ど、どの駅か分かりますか?」

ショウ「えーと、俺らが降りた2個くらい前だから……」

後輩「<絶望まみれ駅>ッスね」

まど仁「「なんて酷いネーミングセンス!!」」ガガーン!



仁美「でも、ここからでは時間が…!」

まどか「大丈夫! 他の皆にメールしたから、近くにいる人が向かってくれるよ! 私たちも急ごう!」

仁美「はい!」

まどか「ありがとうございます、クレジットで名前が出てこないショウさーん!」タッタッタ



ショウ「何なんだろ、この気持ち……。感謝してるのか、貶してるのか……」



  ~~~~


天の助「まどかからのメール……!」

杏子「<絶望まみれ駅>っつーと、こっからすぐだ! よし、行くぞ天の助!!」

天の助「おう! 俺の本気の走りを……!」グググ

天の助「見せてやるぜぇーーーッ!!」ピュン!


        ピューーーーーーーーーーーーーン!!

杏子「と、トムとジェリーみたいな走り方だぁーー! マジで足が回ってる! どうなってんだ!?」

杏子「つか、アタシを置いてくなーーー!!」ダッダッダッダ!!






   ~絶望まみれ駅~



さやか「…………」

杏子「さやか!」

さやか「 ! 杏子……!」

天の助「心配したぞテメー」

さやか「天の助も……」

杏子「急に帰りやがって……。ワケぐらい話せよな。あの仁美とかいう奴だって……」

さやか「仁美の話はしないで……」

天の助「さやか……」


さやか「私、仁美に酷いことしちゃった……。きっと許してくれないよ……」

さやか「自分の為に、仁美を……うぅ……」

杏子「お、落ち着けさやか。緑髪もお前と話したいことがあるって言ってたぞ。誰もオメーのことは責めちゃいないよ」

さやか「でも、でも私、皆に迷惑かけてる……。足手まといで、場をかき乱して……」

杏子「何言ってんだよ! お前はアタシの恩人だよ! さやかのおかげでアタシはマミと仲直り出来たし、皆と友達になれた!」

杏子「迷惑なんかじゃないよ!」

さやか「違うよ。きっと、今も皆、私のことなんて……」

天の助「おい、さやか。お前さっきから様子がおかしいぞ」

杏子「そうだよ、何があった? ど、どこか怪我でも……」スッ





            さやか「それ以上近寄らないで!!」






天杏「「 ! 」」

杏子「さやか……?」


さやか「あんた達も死んじゃうよ……。あたし、正義の味方なんかじゃなかった……」

さやか「あたし、もうダメみたい……」スッ


         つ『ソウルジェム』ズズズズ…


杏子「なっ!? け、穢れがこんなに……!」

さやか「そうだよね。親友を殺そうなんて……魔法少女の思うことじゃないよ……」

さやか「まるで、魔女だ……」

天の助「一体、何の話を……」スッ

さやか「近寄らないでって言ったでしょ!?」

さやか「あたし、もう終わりだよ! 魔女になっちゃう! あんた達だって殺そうと思っちゃう!」

杏子「魔女に……って、お前、どういう……」


さやか「キュゥべえから聞いたんだ……。魔法少女は穢れを溜めると、魔女になるってさ……」

杏子「なっ!?」


さやか「あたしみたいなのが、魔法少女であっていい筈がないもんね……。醜い魔女がお似合いだよ」


さやか「絶望が溜まるとね、どんどん悪い方へ悪い方へって考えちゃうの……」

さやか「マミさんが居たから魔法少女に憧れちゃったんだ、とか。転校生のせいでキュゥべえを怪しめなかったんだ、とか」

さやか「仁美のせいで恭介を取られるんだ、とか。まどかが契約しないからあたしが苦労してるんだ……とか」

さやか「そんな自分がイヤになって、また沈んで……」

杏子「さやか……」

さやか「杏子ぉ……、あたし、皆のこと嫌いになりたくないよぉ……」



杏子「ま、まだ分かんねーだろ! 魔女になるなんて、キュゥべえのデマかも……」

さやか「あの場で嘘を言う必要はないでしょ? あいつ、魔法少女が絶望した時のエネルギーが欲しいんだって……」

杏子「ほ、ほむらの奴だってそんなこと言ってないだろ……」

さやか「私たちに要らぬ心配をさせない為だよ……。あいつ、根は優しいから……」

さやか「それに分かるんだ。今、あたしがあたしじゃない何かに変わっていってるって……」



さやか「ねぇ、杏子……」

杏子「……」

さやか「あたしを殺して」


天の助「おい!?」

杏子「何言ってやがんだ!!」

さやか「魔女になって皆に迷惑をかける前に、殺して……」

さやか「もうこれ以上、絶望に染まりたくない……。絶望を造りたくない……」

杏子「バカな事言うなよっ!! ほ、ほら、アタシのグリーフシードを……」

さやか「……ダメなの。もう、遅いよ……」




        ゴオォッ!!




天の助「ぶわぁっ!? な、何だ!?」

杏子「くっ!? ま、まさか本当に魔女化の前兆……」


さやか「あ……、ああっ……、ううぅ……!」ガクガク



さやか「は、早く、殺し……。きょ……こ……」

杏子「ふざけんなよ……! ふざけんな!」

杏子「誰が友達を殺すかよ! もう、誰かが死ぬのなんてまっぴらだ!!」

杏子「迷惑なもんか!! 友達はメリットデメリットで動くもんじゃないって、お前が教えてくれたんだろ!」

さやか「くぅぅ……、うぅぅ……」ガクガク


      『ソウルジェム』ゾゾゾゾゾォ!


杏子「糞っ! 何で、グリーフシード当ててんのに……!」つグリーフシード グググ

さやか「穢れが……多すぎるの……。もう、逃げ……」

杏子「諦めるかよ! 最後まで諦めねーぞ!」

杏子「魔法少女が魔女になるんなら、魔女から魔法少女に戻す方法だってきっとあるはずだ! 例えお前が魔女になっても絶対殺さねー!」

杏子「アタシをどん底から救ってくれたのはさやかだ! 今度はアタシの番なんだ!!」





            ゴオオォォーーーーー!!



杏子「うっ!? うわああぁぁーー!」ゴオォォ!

さやか「きょ、杏子!」

杏子「くぅ、飛ばされっ……」

     ガシッ!

天の助「掴まれ!」

杏子「て、天の助……!」

天の助「もう、魔女化自体は止められないかもしれない……。でも、まだ諦めてねーんだろ?」

杏子「たりめーだ!」

天の助「最後のチャンスだ。行ってこい!」グッ!


    ぷるぷる真拳奥義<ところて砲丸投げ>!!


室伏の助「うおおりゃあああぁぁーーーー!!」ブン!

杏子「さやかーーーー!!」ビュン!



さやか「きょ、うこ……。何で戻って……」ガクガク

杏子「何度だって来るに決まってんだろ!!」ガシッ!

さやか「……」

杏子「さやか……。友達ってのは迷惑を掛け合って、助け合って生きていくんだろ?」

杏子「全て自分の力だけで生きていくような奴がいれば、それは正義の味方なんかじゃない。ただのバケモンさ」

さやか「……」

杏子「さやか、皆のところに帰ろうよ? 皆待ってるよ」

さやか「………杏子」



さやか「ねえ、1コだけ…わがまま言っていい?」

杏子「ああ、何でも言いやがれ」

さやか「あたしね、皆に会いたい……。もう一度、皆と話したい……!」

さやか「でもね、これ、止められないみたい……。魔女になっちゃうみたい……」

杏子「……かもな。だけど、アタシは諦めねーぞ! お前が魔女になっても、絶対に!」

さやか「ふふ、それが聞けて、良かった……」







               さやか「きょ、うこ……。魔女になっちゃった、バカなあたしを助けて……」








                           パリン!





.

     ゴオオオオオオオオオオオォォォォッッッ!!


杏子「 ! うあああぁぁぁ!?」ゴオォォ!

天の助「うわああぁ!?」ゴオオォォ!



さやか「」ドサッ


         『グリーフシード』ゴゴゴゴゴ!



オクタヴィア「GAAAAAAHHHHHH!!!」ゴゴゴゴゴ!



天の助「さやかぁーーーー!!」ゴオオォォ!

杏子「待ってろよ! 絶対! ぜってー助けるからな!!」ゴオォォ!

杏子「絶対にお前を救ってみせる!」グッ!




第八話 「インキュベーター氏、推薦! ~あたしって、ほんとバカ…~ 絶望に染まった少女の赤裸々告白!!」 完



第8話はこれで終了です
さやかちゃんが魔女化して、ようやく肩の荷が下りました
この辺はどうしても、シリアスの度合いが大きくなってしまいますね
次こそは早く投下出来るように、努力します


>>708の紙にマミさんが…

>>726
ご指摘ありがとうございます

修正です


ほむら「決まり……ね。それじゃあ、さっそく手分けをしてさやかを探しましょう」

まどか「うん!」

仁美「ええ!」

ボーボボ「よし、チーム分けの事だがこれでいいな」つ紙 ペラッ


   『ボーボボ    首領パッチ
    まどか  ほむら   マミ       『天の助』
    杏子 ソフトン 魚雷 仁美』


天の助「何コレ、効率悪っ!! ていうか、俺ぼっちじゃん!!」

天の助「変えろーー! さもなくばスト起こすぞー!!」ギャーギャー

ボーボボ「ちっ、仕方ねーな」



      こうしてさやか見つけ隊が結成された

そういえばドラゴンボールネタが無いね

パチーザ「オーホッホッホッホ!この超ボスキャラである私をザコ呼ばわりとは聞き捨てなりませんね!」
ドドリアの助「馬鹿な奴ですパチ-ザ様。」
ガ王ザーボン「戦闘力5のゴミめ。」

>>1DEATH
予告です
本日22時より第9話を投下します





前回までのあらすじ


  セントルイスをでて
  こうだいなる ミシシッピーがわを くだり
  ニューオリンズへと むかう
  がいりんせん デルタ・プリンセスごう
  その いっとう せんしつでは
  たんてい チャールズが
  じょしゅの ワトソンを つれて
  のりこんで います

  さわやかな 6がつの あるひ
  あたたかい かぜが……


まどか「ミシシッピー殺人事件の冒頭だぁーー!!」

ボーボボ「とりあえず、左隣の部屋に入ってみるか」ピコピコ

さやか「あのー、あたし大変なことになってるんだけどー……」



   第九話 「そんなのお天道様が許しても、この桜吹雪の印籠を持った仕事人が許さない」


マミ「混ざってる! 色々と混ざってる!!」





さやか「  」ドサリ…

杏子「さやかー!!」シュバッ


     ガシィッ!


杏子「さやか……さやか!」ユサユサ

さやか「  」シーン




オクタヴィア「GOOOAAAAAHHHH!!」ゴゴゴゴ!




天の助「マジで……あれがさやかなんだな……!」

杏子「くっ……!」




オクタヴィア「GAAAAHHHH!!」ギュン!

  車輪 < ゴロゴロゴロッ!

天の助「うわっ!? 危ねぇ!」

杏子「さやか! 目を覚ませよ! 助けてって言ったろ! さやか!!」




オクタヴィア「UUUOOOOOOOHHHH!!!」ゴゴゴゴ!




天の助「杏子、今は逃げるぞ! いくらお前だって、さやかの体を担いでの戦闘は……」

杏子「諦めんのか! さやかはアタシに、助けてって! 助けてって言ったんだぞ!!」

天の助「違う! 一旦逃げるだけだ! この状態で死んだら元も子もねーだろ!」

杏子「うぅ……!」

杏子「絶対助けるからな、さやか! 待ってろよ!」

天の助「よし、すぐに結界から脱出してボーボボ達と合流だ」b スッ

杏子「ああ……」ギュッ

天の助「…………」b

杏子「…………」

杏子「おい、さっきから親指立てて何やってんだ」

天の助「え? 何って、ヒッチハイクだけど?」b

杏子「アホかぁーーーーッ!?」アンアーン!?



杏子「こんな魔女の結界内に車が通る訳ねーだろが! 殺人車輪しか来ねーよ!!」

天の助「えぇっ!? じゃ、どうやって帰んの!?」

杏子「考えてなかったのかよ!?」


オクタヴィア「GOOOAAAAHHH!!」ギュン!

    車輪 < ギュルギュルギュルッッッ!!


杏子「げぇっ!? やべぇ!!」

天の助「ひいぃ!? 神様仏様ぬ神様~~~!!」







       カチリ…




   ドゴオオオォォォン!!



.



ほむら「まさか、既に魔女化していたなんて……」シュン!

天の助「うひゃぁぁ!? って、アレ? 車輪は?」

杏子「ほ、ほむら!? また、オメー妙な技で……、いや、それよりも!」

杏子「テメー、魔法少女が魔女になることを知ってたのか! 知ってて黙ってたのか!!」

ほむら「…………」

ほむら「今はそのことを話している場合じゃないわ。目の前の魔女に集中しなさい」


ほむら(ついに……間に合わなかった……。これで残った魔法少女は三人……)

ほむら(さやかの魔女化によって周りの絶望は加速する。特に次に注意すべきは巴さんね……)

ほむら(ここで始末しなければ、ワルプルギス前に要らぬ労力と損害を被ってしまう)

ほむら(せっかく、仲良くなれたのに……)

ほむら(許して……とは言わないわ。さやか……)



ほむら「……」つ手榴弾 スッ

杏子「お、おい! 何しようってんだ!」

ほむら「決まってるでしょ。いつもしていることじゃない……魔女退治よ」

杏子「あれはさやかだって、分かって言ってるのかよ!!」

ほむら「ええ」

杏子「てめぇ……!」

ほむら「予め言っておくけど、魔女になった者を元に戻す方法なんて存在しないわ」

ほむら「さやかは……もう戻らない。そこを退きなさい」

杏子「イヤだね!」


杏子「さやかを絶対に助けるって約束したんだ! 戻す方法がないって、オメーが知らねーだけかもしれないだろ!」

ほむら「私も過去に、魔女を元に戻す方法を模索してきたわ。でもダメだった……」

ほむら「杏子……。世の中に絶対は無いけれど、限りなく不可能に近い事象だってあるものなの。分かって……」

杏子「それはオメーが勝手に諦めてるだけだろ!」

ほむら「な、何ですって……!」



杏子「確かに今のアタシらにゃ、何も出来ないかもしれない……。現に、アタシの呼びかけに何も反応しないもんな」


オクタヴィア「GUUUUUHHHH!!」


杏子「でも! 大勢で呼びかければ、何か伝わるかもしれない! もしかしたら、ボーボボとかがちょちょいと治してくれるかもしれない!」

杏子「アタシはどんなに小さい可能性でも、それに賭けるんだ!」

天の助「そーだそーだ!!」

ほむら「…………!」



ほむら「……分かったわ。私の手に掴まってちょうだい」

杏子「え?」

ほむら「一端逃げるんでしょう? 行くわよ」





              カチリ…



.



       ・
       ・
       ・


杏子「こんな便利な技があるのに、何でもっと早くバラさなかったんだよ」タッタッタッタ

ほむら「敵を騙すならまず味方から……って言うでしょ?」タッタッタッタ

杏子「それとこれはちげーだろ」タッタッタッタ

承の助「俺が……時を止めた!」タッタッタッタ

ほむら「出口よ!」


        パアアアァーーーー……



   ~結界外~



まどか「杏子ちゃん、ほむらちゃん!」

ソフトン「皆、無事か?」

マミ「良かった……。ちょうど美樹さんの居た駅から魔女の反応があった時はどうしようかと思ったけれど、大丈夫だったみたいね」

首領パッチ「魔女は倒さなかったのか?」


天の助「……」

杏子「…………」グッ

さやか「   」ギュッ


仁美「さやかさん!」

まどか「さやかちゃん! どうして寝てるの? どこか怪我しちゃったの!?」



さやか「   」


仁美「さやかさん!? 何とか言ってください!」

まどか「ね、ねえ、杏子ちゃん!? さやかちゃん、どうしたの!? 魔女に何かされたの!?」

杏子「……これは」

杏子「これは……さやかの抜け殻だよ」

まどか「え……?」


マミ「ちょ、ちょっと、どういう意味!? まさかソウルジェムを落としたんじゃ……!」

ほむら「ここからは、私が説明するわ」

マミ「暁美さん……」

ほむら「志筑仁美……。こうなってしまった以上、あなたも無関係とは言えない。あなたの為に魔法少女の事を一から話すわよ」

仁美「え? ま、魔法少女? よく分かりませんが、その事とさやかさんに関係が……?」

ほむら「大いにあるわ」




     ~ほむほむ説明中~


田楽マン「嗚呼、神様……!」

田楽マン「聞いてください、神様! 俺の出番が無いんです! 鞄の中にも机の中にも! 探したけれど見つからない!」

田楽マン「このままじゃあのコアラ野郎と同じ末路だ!」

田楽マン「神様! どうか、俺に出番を!」


      神<その願い、叶えてしんぜよう……>

          パアアァーーー!

田楽マン「おお! ついに俺に出番が……!」


       ヒューーーーーーー!

          ドシン!

   ロボット「猪木のモノマネが得意です」

         しゅ~~~…

田楽マン「顎のスゴいロボが降ってきたぁーーーッ!?」


       神<お前はそれに乗り、使徒と戦うのだ>

田楽マン「碇指令!?」

       神<乗らないならお前など必要ない。須磨か明石に帰れ!>

田楽マン「なぜ兵庫県限定……」


田楽マン「し、しかし、急なテコ入れで漫画の人気に火がつくことだってある!」

田楽マン「これからの俺は、カワイイ路線から熱血ロボ路線だぜ!」

       神<オールグリーン! 出撃準備完了!>

田楽マン「行くぜ、相棒!」

ロボ「ブータン国王にも似てなくない?」


        神<デヴァ初号機、発進!!>


         『新世紀 出番ゲリオン』

         毎週夕方午後6時 放送!



.



     ~ほむほむ説明終了~



ほむら「これが……、魔法少女の真実よ」

まどか「そ、そんな……、そんなのって……」ガクリ…

ボーボボ「なんということだ……!」

杏子「くッ……!」

仁美「う、嘘ですよね、そんな突拍子の無い話……。み、皆さんで結託して私を騙そうだなんて……」

ほむら「志筑仁美……残念だけど、全て現実なの。魔法少女から魔女化の話まで、全てね」

仁美「こんなことって……」プルプル


まどか「ホントに……さやかちゃんは魔女になっちゃったの?」

杏子「ああ……」

まどか「冗談だよね? ね?」

杏子「天の助と二人でな、変わる瞬間を見ちまったよ……」

杏子「アイツのソウルジェムは間違いなくグリーフシードになった。今頃魔女の腹ん中だろう」

まどか「そんなぁ……」



マミ「…………」プルプル…

ほむら「巴さん……」

マミ「ソウルジェムが……、魔女を生むのね」

ほむら「……ええ」

マミ「……」スッ


ほむら(巴さん……まさか!)


    ソウルジェムが魔女を生むなら―――――


             ―――――みんな死ぬしかないじゃない!



ほむら「だ、ダメっ! 巴さ……!」


マミ「みんな! 今、私たちがするべきことは何!?」

まどか「うぅ……ひっく、マミさぁん……」

マミ「鹿目さん、落ち着いて。今は泣いている場合じゃないでしょう?」

マミ「今、この瞬間、一番辛い思いをしているのは誰? 鹿目さん? それとも私?」

まどか「……うぅっ、ううん」フリフリ

まどか「さ、さやかちゃん……」

マミ「そうよね」ニコッ


マミ「じゃあ、今すべきことは何?」

杏子「んなの決まってんだろ。さやかを助ける!」

マミ「そうね。ここで悲しんでいてもどうにもならないわ。でもすぐに乗り込むのも愚策よ」

ソフトン「その通りだな。魔女は今、杏子達が突然消えたことを不審に思い、警戒状態のままのはずだ。少し時間を空けたほうがいい」

ボーボボ「その間に作戦を練るべきだな」

ほむら「……」ポカーン



ほむら「と、巴さん……あなた……」

マミ「どうしたの、暁美さん?」

ほむら「いえ、何でもないわ……」

ほむら(私が馬鹿だったわ……。そうよね、この巴さんはあの時とは違う……)

ほむら(もっと優しく、そして強くなっている……!)


まどか「でも……、一体どうすればいいの? 魔女を元にもどす方法なんてみんな知らないんでしょ?」

杏子「ああ、知らねーな。でも絶対に不可能って訳じゃねーだろ?」

まどか「でも、そんなの出来るかなんて……」

マミ「鹿目さん、ネガティブに考えすぎよ。そんなのじゃ出来るものも出来ないわ」

マミ「信じればきっと叶うわ。魔法少女モノのお話って、最後に愛と勇気が勝つでしょう?」

杏子「アタシのキャラじゃないけど……、マミに賛成だな」

まどか「マミさん……杏子ちゃん……。私、私……」




NIPに変わりましてGYORAPPERがお送りします(大阪府)saga 02/06(木)23:00:21:22 ID;MiyAbiGirL


まどか「私、間違ってました、魚雷先生!」

マミ「魚雷先生!」

ほむら「流石、魚雷先生ね」

天の助「先せーい!」

首領パッチ「せんせーい!」

魚雷ガール「もう、この子達ったら…」ウフフ


――――――――――――――――――――――――――――――




魚雷ガール「ふんふーん♪」パソコンカタカタ

杏子「うおおぅッ!? テメー、魚雷! なに捏造してやがる!」

魚雷ガール「イヤね、あるべきストーリーに修正してるだけよ」カタカタ





NIPに変わりましてGYORAPPERがお送りします(大阪府)saga 02/06(木)23:01:46:31 ID;MiyAbiGirL

ソフトン「魚雷殿……」ギュッ

魚雷ガール「ソフトン様ぁ♡」

――――――――――――――――――――――――――――――

杏子「おい、今すぐそれを消去しろ」




首領パッチ「今日乗り込まないならどーすんだよ。俺はすぐにでも暴れてーのによ」

ほむら「魔女を倒すことが目的じゃないのよ。あくまでさやかを元に戻すことを前提に動きなさい」

ボーボボ「そうだな。もう夜も遅い……。さやか救出作戦は明日決行としよう」

杏子「ホントはすぐ行きてーところだが……、コイツらの家の連中が心配するしな」

仁美「……」

まどか「ご、ごめんね……」

天の助「明日までに各自で作戦を考えたり、戦闘を想定して修行するってのはどうだ? どうしても体を動かしたい奴もいるだろうし」

杏子「天の助にしてはいい考えだな」

マミ「異論ナシね」


マミ「それじゃあ鹿目さん、そして志筑さん。今日はもう帰りなさい。親御さんも待っている筈よ」

まどか「はい……」

仁美「あのっ!」

マミ「?」

仁美「明日……私もお供してよろしいでしょうか?」



杏子「…………」

マミ「…………」

ほむら「…………」


仁美「確かに私は魔法少女や魔女というものを正しく理解できていないかもしれません……。皆さんの足手まといになるかもしれません……」

仁美「しかし、さやかさんがこんな目にあったそもそもの原因は私です! ならば、私があの子の側に居なければ! さやかさんの苦しみを感じなければなりません!」

仁美「お願いします! どうか許可を!」ペコリ



杏子「………今の状態のさやかを見ることは、アンタにとってかなり辛いことだと思うぞ。それでもいいのかい?」

仁美「無論です」

杏子「自分を責めねーか?」

仁美「……えっ」


杏子「さやかはなぁ、自分だけを責めちまったんだ」

杏子「自分だけを責めて責めて。呪いを溜めこんで魔女になっちまった」

杏子「最後の最期まで、他人を呪おうとはしなかったんだ。バカな奴さ……」

杏子「それは確かにいいことかも知れねーが、アタシは自己中な自己完結だと思うね」

杏子「誰だって業を背負ってるもんさ。それを少しくらい周りにブツケることはちっとも悪いことじゃない」

杏子「仁美……、アンタは魔法少女じゃない。だけど、さやかみたいに自分だけを責めることは止めてくれ」

杏子「約束してくれるか?」



仁美「…………」

仁美「……!」コクリ…



杏子「……なら勝手にしな。どうせまどかもついてくるんだ。サポーターが増えていいハンデさ」

仁美「あっ、ありがとうございます!」


ほむら「ホントにいいの、杏子?」

杏子「ああ。アイツはさやかの親友だ。まどかと一緒に呼びかければ、さやかも何か答えるかもしれない」

ほむら「彼女に危害が……」

杏子「アタシが守るさ。言われなくともね」

ほむら「……そう」



杏子「それと、仁美……だっけか?」

仁美「は、はい」

杏子「さやかが魔女になっちまったのはアンタのせいじゃないよ。全部クソッタレなキュゥべえのせいだ!」

ボーボボ「杏子の言う通りだ。今度会ったら強制実写版デビルマン上映ショーに招待してやろう」

まどか「ボーボボ、それはいくらなんでも……。キャシャーンくらいにしておこうよ……」




 草陰<「……」



    ~草陰~


QB「どういうことだ……。まったくの想定外だ!」

QB「何故誰も絶望に染まっていない! さやかが魔女に変貌したっていうのに……」

QB「何故彼らの目から希望の光が消えていないんだ!」

QB「ソウルジェムの真相を知った時と同じように、お互いがお互いを励ましあっている……、無駄なこととも知らずに……!」

QB「魔女を元に戻すだなんて無理に決まっているのに、何故……!」

QB「これが人間なのか……? 感情を持つ生命体だからなのか?」

QB「感情を持っているから……?」

QB「…………」





QB「キャシャーンも嫌だなぁ……」





   ~帰り道~


まどか「……」テクテク

仁美「……」テクテク



仁美「まどかさんは……、知っていらしたんですね。魔法少女の事も、さやかさんの願いも」

まどか「……うん」

仁美「どうして私に教えてくれ……、いいえ。今更こんな話をしても意味はありませんね……」

まどか「……」

仁美「皆さんの事情を知ったからといって、私に何か出来たのか……。見当もつきません」

仁美「それに、さやかさんの願いを知ってしまっていたら……、私は……」

まどか「……」


まどか「仁美ちゃん。さやかちゃんはどんなに辛い事があっても、魔法少女の事は、家族にも仁美ちゃんにも相談しなかった……。どうしてだと思う?」

仁美「それは…」

まどか「それは、多分だけどね。みんなを危険な目に会わせたくなかったからだと思うの」

まどか「さやかちゃんは、すごく優しい。だから、他人に迷惑を掛けるなら、自分だけが……って考えちゃったんだ」

まどか「その優しさが、こんなに悲しいことになっちゃったんだけどね……」

仁美「……」



まどか「仁美ちゃん。明日、みんなで頑張ろっ!」

まどか「さやかちゃんは、きっと自分なんかの為に助けなくてもいい、とかそんな優しいことを考えてると思う」

まどか「でも、たまにはちょっと反抗してもいいよね?」

まどか「どんなに危険でも、どんなに痛くても、どんなに嫌われても、私はさやかちゃんを助けるつもりっ!」

まどか「だから……ね?」

仁美「まどかさん……!」


仁美「私……、さっきの杏子さんのお話をようやく本当の意味で理解したような気がします」

仁美「この志筑仁美! 全身全霊で皆様のお手伝いをさせていただきます!」

まどか「ティ、ティヒヒヒ、やる気だね、仁美ちゃん! ……あ」


   まどほーむ「おう、おかえり」


まどか「いつのまにか、家についちゃった……。それじゃあね、仁美ちゃん!」手フリフリ

仁美「はい、また明日……!」手フリフリ


仁美「さやかさん……待っていてください……!」スタスタ

仁美「……」

仁美「い、今、家がしゃべっ……?」クルリ

仁美「???」




  ~まどホーム「いや、しゃべってないッスよ」~



まどか「ただいま……」ガチャッ


詢子「まどかっ! あんたやっと帰ってきて……!」

知久「さやかちゃんや仁美ちゃんの家に連絡してもいないって言っていて、心配したんだよ?」

まどか「ママ……パパ……」

詢子「こんな時間まで何してんだ」

まどか「……」

詢子「黙ってちゃ分からないだろ!」

知久「ま、ママ。タツヤが寝てるし今は……」

まどか「……」

まどか「ママ。明日、学校休んでもいい?」

詢子「はぁ!? あんたフザケてるのか!」

知久「どうしたんだい、まどか。まさか、どこか怪我でも……」

まどか「違うの。友達を助けに行かなきゃいけないの」

知久「友達?」

詢子「……帰りが遅かったのも、その友達が関係してるのかい?」

まどか「……」コクリ

詢子「……そうか」



詢子「今日はもう遅い。寝な」

詢子「明日の朝イチで学校に連絡いれてやる」

まどか「ママ……!」

詢子「ホラ! 早く寝る!」

まどか「はいっ!」タッタッタ


知久「良かったのかい?」

詢子「あの子のあんな真剣な目、初めて見たよ。友達ってのもきっと、さやかちゃんのことだろうね」

知久「さやかちゃんか……。それならまどかの態度もよく分かるね」

詢子「あーあ……。子供って知らない内に大きくなってるって本当だったか……」シミジミ

首領パッチ「だな」シミジミ

知久「なんだか、ちょっと寂しいね」シミジミ



  ~まどルーム~


まどか(さやかちゃんの体は杏子ちゃんが保管してくれています)

まどか(いつ元に戻ってもいいようにと、魔法で腐らないようにしてくれているのです)

まどか(他のみんなも明日に備えて、色々と準備をしているようです……)




   ・
   ・
   ・


杏子「さやか……」

さやか「   」

ソフトン「杏子、今、魔女の気配は?」

杏子「……あ、ああ。廃工場に留まってる。多分、そこを根城にするんだろうな」

ソフトン「なるほど……。複数の戦闘方法を想定してみよう」

杏子「さんきゅ。こういうのはアタシ、考えつかないからさ」


杏子「……」

杏子「なあ、ソフトン…」

ソフトン「ん?」

杏子「アタシの言ってたこと……、どう思う?」

ソフトン「……どういう意味だ」

杏子「だから、どうにかしてさやかを助け出すって話さ……。正直にいってくれ。夢物語だとか思ってたり……する?」

ソフトン「何を言っている。一番熱を持ってさやかの救出を語っていたのはお前じゃないか」

杏子「うん、そう……、そうなんだけどよぉ。もしも、それでダメだったらとか……考えちゃって」

杏子「ああ、ダメだこんな考え! さっきアレほど偉そうに語ってたのに、アタシって奴は~!」ジタバタ!

ソフトン「……」



杏子「わ、忘れてよ! こんな弱気、アタシらしくもない!」

ソフトン「杏子……。俺も心のどこかに、本当に上手くいくのか? という気持ちはある」

杏子「お、お前がか?」

ソフトン「ああ。しかし、これは仕方のないことだ。何故ならば、今まで誰も成し得なかったことを俺達はしようとしているんだからな」

ソフトン「だが、それと同時に、何とかなるんじゃないか? という気持ちもある」

杏子「え?」

ソフトン「ボーボボたちや、お前たち魔法少女。そして、応援してくれるまどか達。彼らが揃えば不可能だって可能になる気がするだろう?」

杏子「そ、そうか……。そうだよな…」

ソフトン「ならば、俺たちのやることは決まっている。全力を出し切る、ただそれだけだ」

杏子「そうだよな、ソフトン! アタシとしたことが、ちょびっとネガティブが入ってたみてーだ!」

杏子「よーし、やってやる!」

ソフトン「ああ。……それと、杏子」

杏子「ん?」

ソフトン「愛と勇気が勝つストーリー……俺はキライじゃないぞ」

杏子「ソフトン……」


杏子「さやか、聞いてたか?」

杏子「アタシ、絶対助けるよアンタをさ」

杏子「だから、待っててくれ」

さやか「   」



   ・
   ・
   ・


ボーボボ「かーめーはーめ……」

ボーボボ「波ぁーーーッ!」

   ゴオオォオォーーー!

ボーボボ「ふん!」クイッ

   波 < くるりっ

   ドゴォーーーーーン!

ボーボボ「ぐわぁああぁぁぁ!!」

ボーボボ「へ、へへっ、また死線を乗り越えたぜ……」シュウゥ~

マミ「そ、その修行本当に効果あるんですか!? マンガの知識でしょう!?」

ボーボボ「もういっちょう!」



   ・
   ・
   ・


天の助「……」つワイン

天の助「……」つワイン クイッ

天の助「……」ゴクリ…


天の助「ボジョレー・ヌーボォ」

男「あ、当たっている……!」



   ・
   ・
   ・


首領パッチ「好きって訳じゃないのよ? でも嫌いでもないの」

ブタ「……」

首領パッチ「この距離感……どう思う、よしこ?」

ブタ「ぶー……、ぶーぶ、ブヒィ(訳:ズバリ、恋だぜ。それは)」

首領パッチ「よしこ……(そろそろ出荷時期か)」



   ・
   ・
   ・


まどか(みんな、さやかちゃんのことを第一に考えてくれている……)

まどか(このみんなの思いが……さやかちゃんに届いてくれますように……)



   窓 < コンコン…


まどか「え……」



QB「入ってもいいかい、まどか?」

まどか「キュゥべえ……」



まどか「あなたと話すことなんて……ないよ」

QB「やれやれ、すっかり嫌われてしまったようだ。暁美ほむら様々ってところかな」

QB「それじゃあ、もう全て知っている訳だ。魔法少女が魔女になる事も、僕の個体が事実上無限にある事も」

まどか「……」

QB「怖いなぁ、睨まなくてもいいじゃないか」

QB「これは仕方のないことさ。今のところ、十代の少女の感情エネルギーよりも効率の良いモノは発見出来ていない」

QB「エントロピーを凌駕出来ないのならば、宇宙の存続も危ぶまれることになる。これは君たちだって困ることだろう?」

まどか「あなたの言っていること、全然理解出来ないし、納得できない」

QB「そうかい、それは残念だ」

まどか「話がすんだなら、帰ってよ……。私、明日は忙しくなるもん……」

QB「……」

QB「いや、まだ話は終わっていない」

QB「僕からも聞きたいことがあるんだ、まどか」



QB「君は……いや、君たちは何故未だに絶望していないんだい?」




まどか「……どういうこと?」

QB「そのままの意味さ。ソウルジェムの真実や、魔法少女と魔女の関係……、さらに親友の変貌」

QB「これほどまでの巨大な事象を受けて、たかだか十数年しか生きていない君たちの精神で、何故平気でいられるのか……。本当に疑問だ」

QB「高度な文明を持った僕でも全く理解できないよ」

QB「はっきりと言おう。君たちのしていることは全くの無意味だよ。魔女を元に戻す? 無理に決まっているじゃないか」

QB「過去、有史以前の時代から繰り返されてきた魔法少女の絶望……。魔女から魔法少女に戻すなんてただの一つも前例が無いんだよ」

まどか「……そう」

QB「……」


QB「それだ。その目だ。未だに君の目は光を持っている、絶望していない……。一体どういうことなんだ」

QB「君は一体何に縋りついているんだい? 多大な絶望をも吹き飛ばす程の希望が、その胸に秘められているのか?」

QB「あの鼻毛男達に期待でもしているのかい? 確かに僕らの科学でも推し量れない無茶苦茶な技を持っているが、それでも無駄だよ」

QB「魔法少女と魔女の関係も、エントロピーだ。美樹さやかの心の絶望を覆す希望は起こせない。それは自然の摂理だ」

まどか「……」

QB「それでも……、君の瞳の色は変わらないね。ますます理解できないよ。これも『感情』という精神疾患を持った生物の病なのかな」

QB「ここにいても埒があかないから、お暇させてもらうよ。特殊な精神病の生物の研究をするほど暇じゃないからね」

QB「せいぜい、愚かな虚実の未来に思いを馳せているといい」スッ



まどか「待って、キュゥべえ」

QB「なんだい?」ピタッ

まどか「教えてあげる、あなたの知りたいこと」

QB「……」

まどか「わざわざ説明するほど難しいことじゃないよ。私たちは、ただ信じているだけ」

まどか「みんなが笑って納得してくれるようなハッピーエンドを、信じてるだけなの」

まどか「そして、みんながみんなを信じあっている。たとえ絶望の中でも、みんなが居てくれたら笑顔になれる」

まどか「ただ、それだけのことなの」


QB「……」


QB「訳が…分からないよ…!」ピョン


       タッタッタッタ…



まどか(キュゥべえ……。私は、あなたのことを許せないし、好きにはなれないかもしれない)

まどか(でも、信じ合えるみんなの中にあなたも入れたらなって、思ってるんだよ……)





   ~翌朝~


   チュンチュン…チュンソフト…


まどか「仁美ちゃん早いね」

仁美「まどかさんこそ……。昨日は寝れましたか?」

まどか「ううん」フリフリ

仁美「ふふ、一緒ですわ」

ほむら「おはよう、まどか、仁美」

まどか「ほむらちゃん! みんなは?」

ほむら「もうすぐ来るはずだけど……」


マミ「お、お待たせ……」

まどか「あっ、マミさん! ……あれ、ボーボボは?」

マミ「そ、それが激しい修行のし過ぎで……」

まどか「え……」

ほむら「まさか、大けがでも……!?」




マミ「野生の血が騒いでオオカミ男になってしまったわ……」

ボーボボ「ウガアアアアァァァァァッッ!!!」ガルルル!

まどほむ「えええええぇぇッ!?」ガビーン!

ほむら「ぜ、全然意味が分からないわ!」

マミ「それは私もよぉ!」



ボーボボ「ガアアァッ! オオカミが来たぞぉ! 今度はホントだぞぉ!」

まどか「ボーボボ、それ少年の方だよ!?」

ほむら「本人がキャラを把握していないじゃない……」



???「おいおい、何だよこの騒ぎは」スタッ

まどか「そ、その声は天の助くん……」クルッ




天津飯の助「餃子は俺が置いてきた」


まどか「じゃなかったぁーーーッ!?」マドーン!

ほむら「餃子って誰よ……」

天津飯の助「はっきり言ってこの戦いについていけそうにない」



杏子「オメーら、こんな状況でもバカやってんだな」ポカッ

天の助「痛ッ!」

まどか「杏子ちゃん!」

ソフトン「待たせてすまない」スタスタ

まどか「ソフトンさんも!」

絶望君「すぐに向かおう」スタスタ

まどか「と関係無い人まで来ちゃった!?」

絶望君「クッキーの違法売買の場は俺が摘発する!」

マミ「この人だけ主旨を全く理解してないわ!」

ほむら「何しにきたのよ……」

天の助「だいぶ揃ってきたなー」

まどか「あとは首領パッチ君と魚雷先生……」

                  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…>

まどか「ん……?」




魚雷ガール「……」ゴロゴロゴロゴロッッッ!

      ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロォォッッ!!

まどか「きゃああぁぁっ!? 魚雷が無表情で転がってきたぁーーーッ!?」コワイ!

魚雷ガール「急ブレーキ!!」ズシャァッ!

天の助「がぺぇッ!?」ゴバァッ!

魚雷ガール「さぁ、得点は!?」ガバッ!

クマ「  」つ『10点』スッ

クマ「  」つ『10点』スッ

ボーボボ「  」つ『おきゅぱいとーきょー』スッ

魚雷ガール「やった……! やったわぁーー!」ウオオオォ!

ほむら「意味が分からないわ!」



マミ「これでまだ来ていないのは首領パッチ君だけね……」

ボーボボ「奴も修行をしてきた筈だ。以前よりもパワーアップしているだろう」

ほむら「パワーアップ……? 何にせよ、ここまで重役出勤ならば、その修行の成果を見せてもらわないとね」 

杏子「にしても遅すぎねーか? バックレてんじゃねーだろうな」

???「誰がバックレただってぇ……?」

まどか「あ! 首領パッチ君!」クルリ

杏子「てめー、遅ぇんだよ!」クルッ

???「わりぃ、わりぃ…」






目領パッチ「ちょっと、立て込んじまってよ」





まどほむマミ杏仁「「「「首領パッチが『目』領パッチになってるぅーーーーーーッ!!??」」」」ガビーーン!!




まどか「ええぇ!? それってパワーアップなの!? ていうか何て読むのソレ!?」

杏子「何で『首』の上の部分がキレイに消えてんだオメー!?」

目領パッチ「あ、ああコレか? ちょっと、壮絶な修行のせいでな……!」


   ブタ『うおおおぅ、ただで肉塊になるものか! 貴様も道連れじゃああぁぁ!!』ギギギギィ!!

   首領パッチ『ぎゃあぁぁ! 引っ張らないで! 『首』の上の部分を引っ張らないでぇぇ!!』


マミ「何この回想!?」マミーン!

まどか「ぶ、ブタと争って取れただなんて……」


小"ーボボ「笑えるぅ~」プププ!

人の助「マジで馬鹿じゃ~ん」プププ!

まどか「同じ境遇の人いた!!」マドーン!


目領パッチ「もう揃ったしそろそろ行こうぜ、広志」

まどか「広志!? 私、探偵ナイトスクープの主題歌歌ってる人じゃないよ、首領パッチ君!」

天の助「まあまあ、首領パッチの言うとおりだぜ。積もる話は後、後!」

マミ「ほ、本当に後にしていいのかしら?」

目領パッチ「大丈夫、大丈夫~」

杏子「おめぇが言っても説得力ゼロだよ」



杏子「でも、あんまり遅くなっても仕方ないよね。ちゃっちゃとさやかを助けちゃおーぜ!」

ほむら「その意気ね」

マミ「もちろんよ」

ボーボボ「それじゃあ……」







            『行くぞ!!』






    エエエーエーエー♪  エエエーエーエー♪

      イーツカキミガ♪ ヒトミニトモス♪




杏子「いや、まだ終わらねぇよ!?」アンアン!

ほむら「何、次回に持ち越そうとしているのよ!?」ホムーン!?

天の助「チッ、バレたか」

ボーボボ「おバカ!」バシン!

天の助「うぐぅえッ!?」グバァッ!




    ~教室~


中沢「おっす、上条」

恭介「やあ、中沢。おはよう」ツカツカ

中沢「まだ松葉杖なのか。いつになったら治るんだよ」

恭介「うーん、こればっかりは分からないよ。腕は簡単に完治したんだけどね」

中沢「へぇ、まさに奇跡じゃん! すげぇなお前」

恭介「ははは、さやかみたいな事を言うね。……アレ?」キョロキョロ

中沢「ん? 何キョロってんだよ」

恭介「いや、さやかが居ないなあって思ってさ……」

中沢「おやおや~? 超鈍感な上条クンもついに身を固める決心をしたかー? 美樹の奴もついに努力が報われるな!」

恭介「な、何を言っているんだ君は……。僕はただ入院してた時の見舞いの礼を言いたくて……」

中沢「…はぁ。こんな奴じゃ、美樹も苦労するわな……。ってアレ? 美樹どころか、いつも一緒の鹿目や首領パッチ達もいねーじゃん」

恭介「あ……、ホントだ。何かあったのかな?」

中沢「どーせ大したことは無いでしょ~。大方、首領パッチ達のバカに付き合わされて遅刻寸前とかそんなのだって」

恭介「ほ、本当にそうかな……?」

恭介(何だかイヤな予感がするぞ……)




中沢「つーか、前回の志筑の回想なんだよ。誰だよ中島って。中沢だろうが、糞>>1が、クソッ!」ボソボソ

恭介「な、中沢、どうした…?」アセアセ





   ~廃工場~


ボーボボ「ソフトンと考えた作戦はこうだ……」

ソフトン「前衛三人が魔女と戦う。注意しなければならないのは、魔女を倒しきることは絶対にあってはならない」

ボーボボ「その間、後方でさやかの親友……。この場合はまどかや仁美、首領パッチ達だな。彼らはさやかに向けて呼びかけてもらう」

ソフトン「前衛以外は全て無防備なまどか達を守る」

ほむら「守りながらの戦い……。魔女との戦闘においてこれほど難儀なことは無いわ」

マミ「確かにね……」

杏子「ちょっといいかい、ボーボボ」スッ

ボーボボ「何だ?」

杏子「何で三人なんだ? こっちは数で上回ってる。ならもうちょっと前衛に力を割いてもいいじゃねーか」

杏子「魔女を死なない程度に弱らせるのなら、人数が多い方が早く片がつくし」

ボボ上彰「いい質問ですねぇ!」ズイッ

杏子「うわ、びっくりした!」


ボーボボ「そういう疑問が上がるというのも予想の上だ。俺の経験上、戦闘において三人一組がもっとも戦いやすい。俗にいう<3狩リア>だ」

ボーボボ「そして、SSにおこしやすい」

まどか「えすえ……何?」

仁美「まどかさん、それ以上はいけません……」フリフリ

ソフトン「そして、俺たちはかなり加減をして戦わなければならない。魔女へのダメージがどれほどさやかへ影響を及ぼすかは未知の領域だ」

杏子「そっか、さやか自身だもんな……。生かさず殺さずは出来ねーか」

ボーボボ「第一に確保しなければならないのは、まどかと仁美の安全だ。力無き彼女達を怪我させることは許されない」

まどか「ボーボボ……」

仁美「申し訳ありません……」



ソフトン「さらにもう一つ懸念しなければならないのは……。前衛が力尽きた場合だ」

マミ「えぇっ!?」

ほむら「当然、頭に置いとかないとね。こっちは本気を出せない訳だから、いくら実力差があってもいつかは体力に響く……」

ソフトン「その事だが……。例え、前衛三人の命の危機となっても、助けに入ってはならない」

まどか「そ、そんなぁ!?」

杏子「お、おい! どういうことだよ!」

ボーボボ「落ち着け。いいか、前衛が力尽きたら、次は後方の防衛から三人が出なければならない」

ソフトン「相手の実力は未知数だ。こちら側の体力は温存しなければならないんだ。前衛の為に回復魔法を使うなどの、魔力消費も好ましくない」

ほむら「……合理的ね」

まどか「でもでも、そんなのって……!」

ボーボボ「確実にさやかを取り戻す方法はこれくらいだ。そして今言った確実とは無事であることのみ」

ソフトン「さやかが元に戻るという確証は全くない。……これはかなり危険な作戦だ。博打の要素が多すぎる」

ソフトン「それでも、僅かな希望に賭けたいというのなら、一緒に行こう」



  全員「「「…………」」」


     シーーン…




杏子「ソフトン……」

ソフトン「何だ?」

杏子「前衛は、もう決まってるのか?」

ソフトン「まだだが」


杏子「なら、アタシがいく」


ソフトン「…いいのか?」

杏子「ああ。他の奴が死にそうになってるのに手を出さないなんて、アタシには無理だよ」

ソフトン「そうか……。止めはしない」

杏子「ありがとよ」

ソフトン「お前が横にいるのならば、俺もやっていける」

杏子「えっ? あ、アンタも前衛に!?」

ソフトン「ああ。この作戦を考えたのは俺だ。なら俺が第一に責任を取らなければな」

杏子「ソフトン……」



ボーボボ「後一人か……、よし天の助行け」

天の助「ええぇッ!? 何で俺!? 俺さ、馴染みだしホラ、さやかに呼びかける係じゃん! 後ろの安全な所でさ!」

ボーボボ「至近距離での呼びかけが効果あるかもしれねーだろ! つべこべ言うな!」

天の助「納得出来るか! つべこべ言っちゃうもんね! つべこべ!つべこべ!つべこべ!!」ピーピー!

魚雷ガール「うるせぇ!!」バキィッ!

天の助「ペギャァァッ!?」グバァッ!



    津部『はいどーもー! 津部でーす!』

    神戸『神戸でーす!』

    つべこべ『二人合わして、<つべこうべ>! よろしくお願いしまーす!』

    津部『いやぁ、最近暑くなりましたねー!』

    神戸『ですね! 暑いって言えば……』



天の助(こ、これが……走馬燈?)バタン!



ソフトン「前衛は、俺、杏子、天の助の三人だ。みんな納得……はしてくれなさそうだな」

マミ「……」

ほむら「……」


マミ「ソフトンさん。確かに私、この作戦には納得出来ません」

ソフトン「……」

マミ「でも、理解は出来ます。確かに今までのやり方では、魔女を倒すことは出来ても、戻すことは出来ない」

マミ「美樹さんの為にも……、私はあなたの作戦に乗ります」

ほむら「私もよ。生半可な覚悟では太刀打ち出来ないというのは、何より私がよく知っているわ」

ほむら「あなたの言葉からは大きな覚悟を感じる。この作戦に身を委ねられるほどのね」

ソフトン「……感謝する」




魚雷ガール「ソフトン様の作戦に異論がある訳ないわ」

首領パッチ「ケッ、俺はまた出番ナシかよ」

杏子「さやかに呼びかけるっていう大切な役目があるだろうが」

まどか「そうだよ! 一緒に頑張ろうね首領パッチ君、仁美ちゃん!」

仁美「もちろんですわ!」


首領パッチ「仕方ねーな。『暗黒面に落ちた友人の魂へ呼びかけ大会』関東地区代表決定戦一回戦敗退の実力を見せてやるぜ!」

まどか「何その大会!? しかも一回戦敗退じゃん!」

まどか「そんな変な大会出てても、全然期待できないよ!」

首領パッチ「何だと!? この大会の価値を理解してねーな!」プンプン!

まどか「理解したくもないよぉ……。ねぇ、仁美ちゃ……」


仁美「…………」つ『暗黒面に落ちた友人の魂へ呼びかけ大会 予選敗退 参加賞』プラーン…


まどか「出場経験者だったぁーーーーッ!? しかも首領パッチ君より成績悪い!」マドーン!?

仁美「そうですわよね……。私や首領パッチさんの呼びかけがさやかさんに届く訳が……」ズーン…

まどか「違うの、そういう意味じゃないの! 落ち込まないで、仁美ちゃん!!」マドマド!




杏子「……」

天の助「ん、どうした?」

杏子「ここだ……。今、目の前に魔女の結界があるぜ」

まどか「えっ!」

マミ「確かに気配を感じるわ。でも佐倉さん、本当に美樹さんなのかしら?」

杏子「昨日、対面した魔女と全く同じニオイだよ。間違いねぇ」

ほむら「確かなようね」


杏子「ふんっ!」ポワワワ!


   結界入り口 < ギギギギィ~


杏子「開いたぜ。さっそく入るか」

ソフトン「みんな、ここからは気を引き締めて行け。おそらく魔女はまだ俺たちの存在に気づいていない筈だ」

ソフトン「無防備な状態の魔女に出来るだけ接近したい。決して騒ぐな」

ほむら「そうね。魔女に近づかれて逃げられたり、遠距離攻撃の臆病作戦に出られたら厄介だわ」

マミ「了解よ。騒がず焦らずね」


首領パッチ「そんなこと言われなくても分かってるぜ!」

天の助「そうそう、俺たちを誰だと思ってんだ!」

ボーボボ「当然だな!」



      全員『…………お前らに言ってんだよ』



ボーボボ「行くぞおおおぉぉぉぉぉッ!!」

パチ天「「ウオオオオオオォォォォッッ!!」」

マミ「言ってる側から!!」シー!シー!




   ~学校~


先生「今日はお休みの人が多いですねぇ。ちなみに魚雷先生も欠席しているので、今日は私が……」


    ザワザワ…


恭介(やっぱり何かがオカシい……。結局、さやかや天の助達は来なかったし、先生まで……)

恭介(最近さやかの様子が変という噂を聞いていたけど……、まさかさやかに何かあったのか?)

恭介(いやいや、どうしてそこでさやかが出てくるんだよっ! 何考えてるんだ僕は……!)ブンブン!

恭介(落ち着け、上条恭介! 僕はただ、お見舞いのお礼と、謝罪を……)

恭介(謝罪を……)



   『さやかはさぁ……僕を苛めてるのかい……?』

 『どうして今でもまだ、僕に音楽を聴かせるんだ。嫌がらせのつもりなの……?』




恭介(……本当に酷いことを言っちゃったなぁ)

恭介(そういえば、まだちゃんと、面と向かってお礼も謝罪もしてないや……)

恭介「…………」



恭介「先生! 気分が悪いので早退します!」ガタッ!




先生「え……、ええ?」

クラス一同「ポカーン」

中沢「か、上条、何言ってんだ?」

恭介「失礼します!」ダッ!

先生「き、君! カバンを置いて……。ていうか、松葉杖無しでどうやって……!」

恭介「うおおおおおぉぉぉッ!!」ガクガク!


恭介(再び動いてくれ! 僕の足……!)ゴゴゴゴゴ!



  男『黄金長方形の軌跡だぜ…、無限の回転だ』

  男『恭介! お前は今から『できるわけがない』というセリフを4回だけ言っていい』

  男『ネットに弾かれたテニスボールに…』

  男『馬から得たエネルギー…。騎兵の回転だ!』

  男『Lesson5だ、恭介。俺達の近道は遠回りだった……。遠回りこそが最短の道だった』



恭介「うおおおぉぉぉぉーーーッッ!」ガクガク!

先生「何だこの回想!? 上条君、絶対これ記憶にないよね!? 体験してないよね!」


  松葉杖 < カランッ


恭介「ジャイr…さやかぁーーーーッ!!」ダッダッダッダッダッダ!!!

先生「んで走ってったぁーーーッ!?」ガビーン!

中沢「さ、流石だぜぇ上条!」

恭介(さやか……!)ダッダッダッダッダ!!





  ~さやさや結界内~



マミ「な、なんだか劇場の中みたいね……」ツカツカ

仁美「まどかさん、ここって……」ツカツカ

まどか「うん……。上条君がコンサートしてたところにそっくり……」ツカツカ

マミ「どうやら、美樹さんで間違いないようね」

仁美「この空間をさやかさんが創ったんですの……?」

ほむら「ええ。もうさやかは完全に魔女に変わってしまっている」

仁美「百聞は一見に何とやらですわ……」


ボーボボ(騒がない騒がない騒がない……)

天の助(静かに静かに静かに……)

首領パッチ(黙る黙る達磨丸々……)


杏子「一応堪えてるな……」

まどか「すごい……みんながここまでフザケないなんて!」

ほむら「喜ぶことかしら?」

絶望君「クッキ~……」プルプル

マミ「い、今は持ってません!」



魚雷ガール「あぁ~! それにしても寒いわ! ここって空調設備ちゃんとしてるの!?」

魚雷ガール「タートルネック着ちゃおっと」スポッ

魚雷ガール「あーん、暖かい♡ 首まであったまるって素敵! それにこのタートルネック、あたしの首にジャストフィットだわ!」ホッカホッカ

まどか(首って……。いやいや、首って……)マドーン…


ボーボボ「く……うぅぅ…!!」ググ!

パチ天「「はぁ……はぁ……!」」ピクピク…

マミ「ああっ!? 魚雷さんがボケたから、ボーボボさん達が釣られそうになってる!!」

ほむら「ま、不味いわ! ここでフザケられたら、魔女にバレてしまうかもしれない!」

杏子「そ、それにこの魚雷、誘いボケだ! 相手にボケを誘発させて、ボケたところで突っ込む気だぞ!」

まどか「それじゃあ、皆が静かにフザケてもその騒ぎでバレちゃう! みんな踏ん張って! 絶対にボケないで!」


ボーボボ「あ、安心しろまどか……!」グググ…

首領パッチ「そうだ、俺たちは……!」グググ…

天の助「俺たちはそこまで浅はかじゃ……!」グググ…








            ボボパチ天『『『ねーぜ!!』』』




         新感覚ヴィジュアルバンド  <NeーErzE>
           リーダー Dorn-Pachi の痺れるリリック!
            ボーカル BorVo のセクシーな歌声!
                殴られ役 天の助!

       こんなバンド見たことない!? 平均年齢60越え!
           今夜、キミは未知との遭遇を果たす!




まどほむマミ杏仁(((あぁ……、やっぱりね……)))




魚雷ガール「おふざけは許さなぁーーーい!!」ゴオオォッ!


    ドゴオオオォォォン!!

三馬鹿「「「がッぺまぁッッッ!?」」」グバアァァッ!

ほむら「本当に学習しないわね……」

マミ「で、でもこうなってしまったら…!」




     『GUOOOOOOOHHHHH!!!』


        ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


マミ「……やっぱりね」

杏子「そりゃ、バレるわな…」


        ドア < バタン!

        ドア < バタン!

        ドア < バタン!

    ゴオオオオオオォォォォーーーッ!


仁美「こ、これは……!」

ほむら「向こうから招待してくれるようね。魔女の居場所へ……!」

まどか「ゴ、ゴクリ…」

ソフトン「いよいよか」



天の助「ちょ、ちょ、ちょっと、待てよ! 何で俺だけ背景と同じように取り残されてんだよ!!」ダッダッダッダッダ!!

首領パッチ「あ? 知らねーよ」

ほむら「さやかに嫌われてるからじゃないかしら?」

天の助「ふざけんなぁ! 俺も、ドラえもんの映画の遊園地に出てきた滑る床みたいに、楽々進みてぇよ!!」ダッダッダッダ!

    柱 <ガンッ!!

天の助「ぶべッ!?」グブゥッ!

天の助「」スィーー…

まどか(死体がハケていった……)



       ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!



ボーボボ「オーラが今まで以上に膨れ上がった……! 魔女は近い!」

杏子「ついに来たか!」


         ゴオオオオオオオオォォォォォッッ!!


            ドア < バタン!!






         オクタヴィア「GAAAAAAAAAHHHH!!」




.





まどか「これが……、さやかちゃん……?」

仁美「何という……」

絶ぼっちゃん「中学校に居た時ヰッチと云う言葉を習った事があるが此女房は正にヰッチに似ている」


オクタヴィア「GUUUUURURUR!!」


ソフトン「作戦通りに行くぞ、杏子!」バッ

杏子「おうッ!」バッ


まどか「あれ……。でも、まだ天の助君が追いついてないよ?」

ほむら「一人分空きが出来たわね」

マミ「いくら佐倉さんとソフトンさんでも、二人だけではキツイわ。誰かが出ないと…」

首領パッチ「へぇ~……」チラッ



首領パッチ「へぇえぇ~~?」チラチラッ

まどか(あれはきっと……)

ほむら(出たいのね……)

首領パッチ「へえぇ~? 一人空いてるんだぁ~?」チラチラチラッ

マミ(暁美さん……)コソコソ

ほむら(相手にしちゃダメよ。アイツが出てもロクなことにならないわ)

首領パッチ「……」



首領パッチ「一人空いてるんだぁーーーー!?」ダッダッダッダッダ!!

まどか「誰も了承してないのに走り出したぁーーー!?」マドーン!

ほむら「あの馬鹿っ……!」



首領パッチ「へえええぇぇ~~~ッ!?」ダッダッダッダ!

ボーボボ「そうはさせん!」ガシッ!

首領パッチ「き、貴様は根絶やしにしたはずの闇の一族!?」

ボーボボ「俺は最後の生き残りだ! くらえ、恨み晴らしシュートォッ!!」スパアァン!

首領パッチ「ぐわああぁッ!? まさか俺をサッカーボールのように!?」グバァッ!


   首領パッチ「うわあああぁぁぁッッ!!」ヒューーーー!


     ヒューーーーーー
    三三三三『首領パッチ』ウワアアァァ!  『観客席』


              スポッ!

   首領パッチ「上映前は静かにしろよ?」つポップコーン ポリポリ


まどか「席にキレイに収まった!?」




ボーボボ「全く、あの馬鹿野郎は……」フー…

ボーボボ「でも……」


ボーボボ「一人分空いてるって言うのなら、仕方ないけど俺が行かなきゃなぁ? しょうがないなぁ~?」チラチラッ

マミ(あ、行きたかったのね)

ボーボボ「ソフトン! 加勢する!」ダッ

ソフトン「助かる」



     ~観客席~

   首領パッチ「トイレ行ってくる」

   絶望君「だからジュース飲み過ぎるなって言っただろ」




杏子「お前らはちょっと後ろに下がってろよ」

まどか「う、うん」

仁美「はい……」

杏子「よーし、良い子だ」ニッ


      パアアァーーーーーッ!


        柵 < ガシャァーン!


まどか「 ! これって、私を守ってくれたあの……!」

杏子「ケガしちゃダメだもんね」

仁美「すごい……。本当に魔法が!」

ボーボボ「それだけじゃ、強度に心配があるな。毛を貸そう」鼻毛シュルシュル


        柵 < シュルシュルシュル


マミ「防護壁に鼻毛が絡まっていく……!」



         ピカァーーーーーー!


.




           『哺乳綱霊長目ヒト科ヒト属魔法少女』  
 
     『ガラスを叩かないでね! ビックリして絶望しちゃうから!』


        『グリーフシード以外の餌を与えないでください』


ボーボボ「これでよし!」

マミ「動物のオリになったぁーー!?」マミーン!?

ほむら「す、スゴく腹が立つわ……!」グヌヌ…

仁美「わ、私たちは魔法少女じゃないのですけど……」

まどか「ティ、ティヒヒ…」

杏子「でも、かなり補強されてやがる……。ありがとな、ボーボボ」

飼育員ボーボボ「むっ、魔法少女! 一匹脱走したか!」麻酔銃 チャキッ

杏子「うわっ! アイツらと同じ括りにすんな!」

ほむら「ちょっと! 哀れみの目で見ないで!」ガラスバンバン!

杏子「うーん、オリの中で暴れるチンパンジーを見る気分……」



杏子「じゃあ頼んだぜ。まどか、仁美、呼びかけ続けるんだ!」ダッ

まどか「う、うん! さやかちゃん! 私の声が聞こえる!?」

仁美「さやかさーん!」

マミ「私たちじゃ意味ないかもしれないけど……やってみましょ?」

ほむら「私より、まどかの声が届きやすいと思うけれど……いいわ。ここで見てるだけというのは性に合わないもの」

マミ「ええ! ……って、アレ? 魚雷さんは……?」キョロキョロ

ほむら「あれ? さっきまでここに……」キョロキョロ



     ~観客席~

  首領パッチ「つまんねぇ映画ー」つポップコーン ポリポリ

  魚雷ガール「全くだわ。全然ソフトン様が活躍してないじゃないの」つポップコーン ポリポリ

  絶望君「パンフレット買っちゃった」


マミ「あっちにいた!?」






オクタヴィア「GUOOOOOOHHHH!!」


杏子「さやか! みんなの声が聞こえねーのか! みんな来てくれたんだよ!」

ボーボボ「俺も指揮者してみたいな」ジー…


オクタヴィア「GAAAAHHH!!」ブン!

   車輪 < ブオン! 車輪 < ブオォン! 車輪 < ブォン!

杏子「あっ!」

ソフトン「攻撃だ! 気をつけろ!」

   車輪 < ガラララララッ! 車輪 < ゴロゴロゴロゴロッ!!

杏子「うおっと!」シュバッ!

ソフトン「くっ!」シュババッ!

ボーボボ「ブッ!?」ガン!

ボーボボ「バタンQ~…」ドサッ!

ソフトン「ボーボボ!?」

杏子「おい、大丈夫か!」

    「あ、ああ。悪い、油断した……」ムクリ…



車輪ボボ「心配はない!」           アフロ < ボヨンボヨーン!

杏子「アフロと車輪が入れ替わってるーー! ホントに大丈夫かよ!?」

車輪ボボ「大丈夫だって!」

杏子「うわ、横から見たら何か気持ち悪い…」


     ~観客席~

   アフロ < ボヨーーン

   アフロ < スポッ!

   首領パッチ「ん? ボーボボのアフロじゃん、何でこんなところに?」

   魚雷ガール「ソフトン様ぁーー! ファイトーー!!」






車輪ボボ「俺からのお返しだ!」   

       鼻毛真拳奥義<アフロから左フック>!!

杏子「おい、お前アフロは……」



     ~観客席~

   アフロ < パカッ!

       ドゴオォッ!!

   首領パッチ「ぶべぇッッ!?」グシャアァッ!

   絶望君「!?」ビクッ!

   首領パッチ「え、ええ!? 何!? 何事!?」アセアセ



車輪ボボ「な、なぜ攻撃がでない!?」

杏子「いや、だからお前、アフロが…」

車輪ボボ「糞っ! 左フック! 右ボディ! 左アッパー!!」



     ~観客席~

   アフロ < パカッ!

     ドゴォッ! グシャァッ! ズシャァッ!

   首領パッチ「ぐえええぇぇ!? 何で!? 何でなの!」グバァッ!

   魚雷ガール「黙れ!」ドゴォッ!

   首領パッチ「うぎゃぁ! 理不尽!」

   絶望君(OH、バイオレンス…)




車輪ボボ「お、俺は奥義を使えなくなってしまったのか……!?」

杏子「だからアフロ……いや、もういいわ」

ソフトン「おい、気をつけろ!」

ボボ杏「「えっ?」」



オクタヴィア「GOOOOAAAAHHH!!」

    車輪s < ゴロロロロロロロロッッ!!

車輪ボボ「な、何て数の車輪……、ぐわぁッ!」ドゴッ!

杏子「うわああぁッ!」ドゴッ!

ソフトン「杏子! くっ!」ガシャン!

仁美「ああッ!」

まどか「み、みんなぁ!」



杏子「アタシらの心配はいい! お前らはさやかを呼びつづけろ!」グググ…

車輪ボボ「アフロが使えないならば、これでどうだ!」車輪 < ガララララッ!

杏子「なっ! 頭の車輪で走ってる!? どうなってんだそれ!」

車輪ボボ「くらえ! 俺の新たなアフロ(車輪)と鼻毛の融合技!」シュバッ!


    鼻毛真拳奥義<鼻毛ヨーヨー大回転>!!


杏子「車輪と鼻毛で巨大なヨーヨーを作りやがった!」

車輪ボボ「超速スピナアアァァー!!」ブン!

オクタヴィア「GAAAHH……!?」


        ゴシャァッッ!


車輪ボボ「どうだぁ!」

オクタヴィア「……」

オクタヴィア「GUUUUUHH……」フシューフシュー!

車輪ボボ「何ッ!?」

ソフトン「き、効いていない…!?」



オクタヴィア「GAAAAHHH!!」ブン!


         ドゴォッ!

車輪ボボ「ぐわああぁぁッ!」グバァッ!

杏子「ボーボボ!」

車輪ボボ「う~ん、車輪が壊れて力が出ないよ~」



     ~観客席~

   首領パッチ「ぐ、ぐふぅ……」チーン…

   絶望君「ボーボボ! 新しいアフロよ!」つアフロ

   絶望君「ジル・ド・レイっ!」ブン!

      ↑絶望豆知識 : 『受け取れ』と『ジル・ド・レイ』を掛け合わせたセンセーショナルなギャグ

   魚雷ガール「ふざけすぎっ!」ドゴォッ!

   絶望君「絶望ォッ!!」グバァッ!


   ヒューーーーーーーー!
  三三三三三三三『アフロ』   『車輪ボボ』

          三三三三三三『アフロ』ボボ』 < ポッコーン!


ボーボボ「元気百倍! 某菓子男ぉッ! やなせ先生、草場の陰から見守っててください!」

まどか「死んでない! まだ死んでないよ!」

ほむら(…………)




ほむら(おかしい……。いくら何でもこのさやかは今までより強すぎる)

ほむら(まさか、さやかにも少なからず因果が巻き付いて……?)

ほむら(これは死なない程度に手加減をして、とは言っていられないかもしれないわ……)



ボーボボ「しかし、予想以上に強い!」

杏子「ああ、今までの魔女とは比べ物になんねぇ!」

ソフトン「これはこちらも本気を出さなければ、やられてしまうかもしれん」

杏子「仕方ねぇ! もう手加減はしてやらねぇもん! 戻るなら今がチャンスだぞ、さやか!」

オクタヴィア「GOOAAAAAHHHH!!」


ボーボボ「杏子、ロッソ・ファンタズマだ! 分身して魔女の目を撹乱するぞ!」

杏子「は!? な、何でアンタがその技のことを……! それはマミにしか見せたこと…」チラッ


マミ「ピュ~♪ ピュ~ピュ~♪」アセアセ…!


杏子「マミてめえええぇぇぇッッ!!」

ボーボボ「早くしろ、ロッソ・ファンタズマ! ロッソ・ファンタズマ!!」

杏子「そ、その技名を連呼するな!」



杏子「でも、悪いけど今は無理だよ! もう何年もやってねーし、デキるかどーか……」

ボーボボ「ならば、俺たちが協力する!」

ソフトン「ああ」

杏子「えっ? 協力……?」

ボーボボ「とっておきだ」バッ!

ソフトン「……」バッ!



杏子ボボ「これが必殺<ロッソ・ファンタズマ>だ!」

杏子ソフトン「……」

杏子「はっ倒すぞテメーら!!」アンアーン!!



杏子「協力ってコスプレかよ! つーか、ソフトンまで何やってんだ!」

杏子ボボ「くーかい?」

杏子「黙れ! だいたい、こんなので魔女の目を騙せるわけが…」


オクタヴィア「MUUUHH? MUMUMU???」オロオロオロ


杏子ボボ「やったな」ニヤリ

杏子ソフトン「ああ」ニヤリ

杏子「成功してるのにすげぇ複雑な気分……」アンアン…


ほむら「流石さやか。魔女になっても肝心なオツムはそのまんまね」

まどか「さやかちゃーん! 気に病まなくていいよ! バカじゃないもん、バカワイイもん!」

マミ「鹿目さん、それってフォローになってないんじゃ……?」




     協力奥義<ロッソ・ファンタズマ>!!


杏子ボボ「うおおおぉぉッ!」ダッダッダッダ!

杏子ソフトン「バビロン神の御心のままに…!」ダッダッダッダ!

杏子「頼むから、これをロッソって呼ばないでくれ……」ダッダッダッダ!


     バシーーン! ズバァッ!


オクタヴィア「UOOOOHH!?」イタイタイ!

オクタヴィア「GAAAAHHH!」オクタヴィアチャンソード < ブン!

杏子「あっぶね!」

杏子ボボ「あっ、カツラが飛んだ! これじゃ、ロッソ・ファンタズマができん!」     カツラ < ヒューーーーン!

オクタヴィア「!!」ソコカ!

オクタヴィア「GAAAHH!」ドゴッ!

ボーボボ「ぐっふぅ!? やはりバレたかぁーー!?」グバァッ!



     ~観客席~

    ヒューーーン パサッ!

   杏子パッチ「ん、何このカツラ?」

   絶望君「 ! (横に知らない人がいる!?)」

   魚雷ガール「小娘が三人に増えた!? ちょっと、ソフトン様はドコにいったのよ!!」ギャーギャー!


ほむら(同じレベルの奴らがいた……)




マミ「美樹さーーん!!」

まどか「さやかちゃん、言ってたよね!? みんなを助ける為に魔法を使いたいって!」

仁美「さやかさーん!!」


杏子「くっ! さやか! 本当に聞こえねぇのか!」

ボーボボ「少し強引な手になるが、連続奥義を使わせてもらう! 二人とも協力してくれ!」

杏子ソフトン「わかった」

杏子「もちろんだ! ……ってまだ着てたのかソレ!? もう脱げコノヤロー!!」

ボーボボ「有り難い。幸いここは音楽ホール……、あの奥義しかない!」

杏子「あの奥義?」

ボーボボ「鼻毛真拳奥義……!」




          <鼻毛カンタービレ>!!


ボだめ「千秋センパイ!!」

ソフトン(千秋)「……」

杏子「何だコレ!? のだめのつもりか!?」

ソフトン(千秋)「そろそろ、授業の時間だ」

ボだめ「ぎゃぼ! 忘れてました! すぐ行きましょう!」



ボボソフ「「YAMAHAへ……」」スタスタ!


               ドレミファソーラファッミッレッド~♪


杏子「音楽教室かよ!!」


ボボソフ「「ソーファミッソファミッレ~♪」」

オクタヴィア「GAAAAHH!!」ブン!

      ドゴォッッ!

ソフトン「くっ!」シュバッ

ボーボボ「ぐばぁッ!」バチーーン!



まどか「ぼ、ボーボボだけ潰されちゃった!」

杏子「何やってんだ、お前はーー!」

マミ「いいえ、みんなよく見て!」

まどか「え!?」



オクタヴィア「UUUUOOOOHH……!!!」イタイタイ!


仁美「魔女が痛がってますわ……!」


オクタヴィア「UOOOOO、OOOON!」チクチク!


ほむら「魔女の手に何かが大量に刺さっている……? あれは……」

杏子「指揮棒!?」




       『恐怖! 地獄のゾンビ指揮者!』


ボーボボ「げへへへへへ、俺を殺したシンバル担当を地獄に落としてやる……!」フラァ~


まどか「B級ホラー映画の殺人鬼になって蘇った!?」マドーン!?

マミ「タイトルからしてツマらなさそうだわ!」


ボーボボ「そしてここから、畳みかけて~~!」






杏子ボボ「ロッソ・ファンタズマ!!」シュピーン!


杏子「もうロッソはいいって言ってるだろ、いい加減にしろ!!」アンアン!

オクタヴィア「GAAAHHH!!」ブン!

      ドゴォッ!

ボーボボ「がっはぁ!?」グバァッ!

杏子「アタシまで!?」ゴバァッ!

ほむら「ほ、本人もろとも……」



オクタヴィア「GOAAAAHHHHH!!」

ボーボボ「追撃がくる……!」

杏子「や、やっべ!」

ソフトン「二人とも、頭を下げろ!」ダッ!

杏子「ソフトン!?」

ソフトン「バビロン真拳奥義……!」ダッダッダッダ!




        <空の涙 バビロン流星群>!!


         ヒューーーーーーーー…


  ウンコ < ボトッ! ウンコ < ボトッ! ウンコ < ボトッ! ウンコ < ボトトッ! ウンコ < ボトボトッ! ウンコ < ボタボタッ!


まどか「イヤああああぁぁぁッッ!? 大量のウンコが降ってきたぁーーーーッ!?」

仁美「ひ、ひいぃぃ、アワワワ……」バタン…

ほむら「仁美が……。純粋なこの子には刺激が強すぎたわね……」

マミ(チョコ味のソフトクリームじゃないのアレ!?)

まどか「わ、私たちはオリのおかげで助かったね……」



     ~観客席~

  ウンコ < ボトッ! ウンコ < ボタボタッ! ウンコ < ボトッ!

   首領パッチ「うわぁぁん! 僕のポップコーンがウンコまみれに~~!!」エェ~ン!

   絶望君「これが、2012年世界の滅亡……!?」

   魚雷ガール「そ、ソフトン様がいっぱい……! き、気絶しちゃうギョラ~♡」




オクタヴィア「UGGAAAAAAHH!?!?」キタナイ!

まどか「効いてる! これでボーボボたちが助か……」


     ウンコs < ボトボトボトボトボトッッッ!!

ウンコウンコ杏ウンコウン子ウンコ「……」←杏子

ボウンコウンコーボウンコボンコ「……」←ボーボボ


まどか「きゃああぁぁぁぁ!? ある意味無事じゃなかったぁーー!!」


ソフトン「大丈夫か」スッ

ウンコウンコ杏ウンコウン子ウンコ「そ、ソフトンてめー……」プルプル…

ボウンコウンコーボウンコボンコ(お肌にいいかもしれん……)

ソフトン「元気そうで何よりだ」

杏子「キレるのは後にしてやる……。とりあえず、助けてくれてありがとうよ」ゴシゴシ



オクタヴィア「UOOOOOOHHHH!!」モウオコッタモンネ!


杏子「向こうはマジギレか……」

ソフトン「ゆくぞ。まだ手を休める訳にはいかん」

ボーボボ「ああ」

杏子「さやか、すぐに目を覚ませてやる」チャキッ!


オクタヴィア「GUUUUUHHH!!」




    ~???~


       さっきから何なのよこいつら  わたしの為のコンサートを邪魔してくれて……

       それに、もう! 汚い! それにうっとうしい! 本当にイライラする~!

       こんな奴らなんかすぐに潰して、恭介の演奏を……



                       …恭介?



                   キョウスケって誰だっけ?



                       ま、いっか



.



   ~結界外~


    すっぽーーーーーーん!


天の助「ぶべッ!?」ドサッ!

天の助「こ、ここは……、外じゃん!?」

天の助「チクショー! 俺だけ追い出しやがって、さやかの野郎!!」

天の助「すぐに追いついて、直接文句を言ってやるぜ!」スクッ!

天の助「…………」



天の助「どうやって結界に入ればいいんだ……?」



天の助「マミや杏子は魔法で簡単に開けてたけど、一体どうやって……?」


天の助「開けゴマッ!!」


結界入り口 < シーーン…

天の助「やっぱりね」




     パカラッパカラッ……


???「天の助!」

天の助「ん? お前は……!?」




恭介「ここにいたのか……!」

馬「ヒヒーン」


天の助「恭介! 何でここに……って、何で馬乗ってるのこの子!?」

恭介「ありがとう。我が愛馬、スロー・ダンサーよ……」オリオリ

馬「ヒヒヒーン」

恭介「それで天の助……、さやかはどこにいるか知ってるかい?」ゴゴゴゴゴゴ!

天の助(こ、コイツの目に宿るのは漆黒の意志! ヤダ、この子怖い!)



天の助「うーん、お前も連れていくべきかどうか……?」

恭介「連れていく…? どういう意味だい?」

天の助「分かった、道中でお前にも詳しい話をしてやる。よく考えたら、オメーにも問題があるしな」


天の助「でも、どうやってこの中に入ればいいんだー?」

恭介「この中? よく分からないけどここに見えない空間があって、その中にさやかがいるのかい?」

天の助「まあ、大体そんな感じだよ。つーか何でそこまでピンポイントに分かるんだ」

恭介「分かった、離れててくれ天の助」

天の助「は?」



恭介「『黄金長方形』のスケール! 行くぞォッ!」つ鉄球 ゴゴゴゴゴ

     バシイィーーーン!


天の助「ええええぇぇぇーーーッ!?」


    鉄球 < ギャルギャルギャルギャルッッ!!

    結界入り口 < クッパアアアァーーz___ン!!


天の助「開いたぁーーー!? コイツ少し見ない間に他のマンガの主人公みたいになっとる!!」

恭介「さ、行こうか」スタスタ…

天の助「お…おう」タッタッタ

天の助(コレ、こいつ一人で何とかなるんじゃないの?)タッタッタ





   ~結界最深部~


オクタヴィア「GAAAAAHHHH!!」

     ドゴォーーーン!

杏子「ちっ! 全く、聞き分けがねぇな!」シュバッ!

ボーボボ「落ち着いて対処しろ。奴は小回りが効く体ではない。こっちの方が幾分か有利だ」スタッ

ソフトン「……」シュバッ



まどか「さやかちゃん! 本当に聞こえないの!? さやかちゃぁん!」

仁美「さやかさん! 私は、あなたとまだお話が……!」

マミ「美樹さん……あなたの必殺技、まだ名前付けてないでしょう!? このまま終わっていいの!?」

ほむら「巴さん、それは別に……」ホムゥ…




      ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!


オクタヴィア「……?」

杏子「な、何だこの地響きは!?」

ソフトン「何かがこっちに来るようだが……」

ボーボボ「あの野郎、やっと追いついたか」ニヤリ

杏子「えっ!? す、助っ人か!?」



       ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!



        ドゴオオォォォン!





出番ゲリオン「UOOOOOHHH!!」プシューー!

田楽マン「待たせたな!!」


杏子「田楽が変なロボに乗ってきたぁーーーッ!?」アンアン!?



田楽マン「俺の本気を見せてやるぜッ!」


出番ゲリオン「GOOOAHHHH!!」ガシッ

オクタヴィア「GUUUUU…!?」グググ!


マミ「あ、あのロボット、魔女と同じくらい大きいわ!」

ほむら「さらにパワーも中々のものね。魔女を押している…」

まどか「スゴイよ、田ちゃん!!」


出番ゲリオン「GEEEENKIDESUKAAA!!」

田楽マン「ふふふ! 見てる! みんなが俺を見てるぜ!」

田楽マン「これでこの魔女もぶっ殺せば、俺は一躍主人公になれる!!」

田楽マン「ふーはっはっはっは! 笑いが止まらねーぜ!」


杏子「な、中々やるじゃねーか……! そうか、ボーボボが待ってたヤツってコイツか!」

ボーボボ「……」

田楽マン「はっはっはっはーーッ!」




ボーボボ「いや、全然違うけど……、誰アイツ?」




田楽マン「」

すまん、恭介の元ネタはなんですか?



恭介「なあ、>>886……さっき僕の脚が動いたんだ……」

恭介「見てくれよォォォ~~~ッ!!」つ『スティール・ボール・ラン』




オクタヴィア「GOOOAAAHH!!」グオオオ!

出番ゲリオン「UGGUU!?」グググ…


まどか「あれっ、押し返されてる!? どうして!?」


田楽マン「そうですよね……。僕、お呼びじゃないですもんね……」ズーーン…


     説明しよう! 出番ゲリオンはパイロットのテンションによって実力が大きく変わる!

     さらに言うと、出番ゲリオンは昨日クラスメイトのアスカちゃんに告白をして玉砕したので、かなりコンディションが悪い!


   アスカちゃん『あんたバカ?』 出番ゲリオン『ガーーン!』


まどか「えええぇーー!? このロボットすごく使い勝手悪い!」


オクタヴィア「UOOOOOHHH!!」ドゴォッ!

出番ゲリオン「痛い! やめて!」グバッ!


マミ「つ、ついに押し負けたわ!」


出番ゲリオン「も、もう……無理……」ガクガクプシュー!


        ドッカァアアァァーーーン!!


まどか「爆発したぁーーーー!?」

ほむら「ロボットの宿命ね……」



田楽マン「ちくしょーーー! やっぱり俺は永遠にこんなポジションなのかぁーーッ!」ヒューーン!


      ヒューーーーーー!
    三三三三三三三『田楽マン』<チクショー!  『観客席』


            スポッ!

   田楽マン「あの女優ってバイオに出てたよね?」

   首領パッチ「あ、確かに……」

   魚雷ガール「そう言われて見ると、そうね」


まどか「またキレイに収まった!?」マドーン!




杏子「せっかく勝てそうだったのによぉ!」

ソフトン「いや……、まだ誰か来る」

杏子「またか?」

ボーボボ「今度こそヤツが来る!」


         ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!


         ドア < ガチャッ!



???「ボーボボ……待たせてしまって……」




カンチョー君「すまない」

まどか「何か変なのが来たぁーーーー!? 何アレ!? ホント何アレ!?」



ボーボボ「全く遅いぞ」

カンチョー君「少し手間取ってしまった」

杏子「そ、それなんか役に立つのか!? すっげぇチッコいけど!?」

ボーボボ「おい、この方を誰だと思っている!? お尻の革命児『カンチョー君』様だぞ!」

カンチョー君「まあまあ、許してやれ」

杏子「カンチョー君!? 何だよ、そのフザケた名前!? ま、まさかお前の攻撃方法って……」

ボーボボ「ああ、想像の通り……」




ボーボボ「カンチョーだ!!」

カンチョー君「ふっ」


杏子(……期待しなきゃよかった)


ボーボボ「さあ、カンチョーさん! 絶好のポジションへ!」

カンチョー君「了解した」シュバッ!


まどか「カンチョーなんかでホントに倒せるのかなぁ……?」

マミ「でも、ボーボボさんのお友達だし、もしかすると……」

ほむら「もしかするかもしれないわね……」

仁美(さ、さやかさんにカンチョー……!?)ゴクリ…




オクタヴィア「GOOOAAAAHHH!!」

      車輪s < ガラララララララッ!

杏子「でも、この猛攻の中でどうやって奴の股下に潜りこむんだよ!?」ガキン!

ソフトン「危機を察知したのか、攻撃の間隔が短くなっているな」シュババッ!

杏子「たとえケツの真下に行っても、奴はイスに座ってる! カンチョーなんて無理だ!」

ボーボボ「問題ない」鼻毛 < シュピン!


      鼻毛真拳奥義<ドリフ的大爆笑>!!

          鼻毛 < ピン!

        イス < ガタターーンッ!


オクタヴィア「UOOOHHN!?」ヨロロッ!

ソフトン「イスが崩れた……!」

ボーボボ「今までの戦いで、鼻毛をイスの各部位に巻き付けておいたんだ」




     カンチョー君「助かった、礼を言う」スッ


まどか「あ、あの人、いつの間にか真下に!」

ほむら「そして魔女は今、尻餅をつく途中! その落下速度とカンチョーのパワーが合わされば!」

マミ「威力は絶大よ!」

仁美(ドキドキドキドキドキ!)




オクタヴィア「UOOHHHHHH!?」グオオオ…



カンチョー君「みんな、悪いが先に逝かしてもらう……」

カンチョー君「グオオオオオ!」

        ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

カンチョー君「GO TO HE……ハッ!!」



オクタヴィア「GOAAAAHHH!!」ズオオオン!

カンチョー君(ケツが割れていない……、人魚だと!? こ、こいつの尻はどこなんだ!?)

オクタヴィア「GAAAHHHH!!」ズオオオン!

カンチョー君(へ、ヘマ踏んじまったぜ……。みんな……すまな…い…)



       ドオオオオオオォォォォン!!


ボーボボ「小隊長ォォーーーーー!?」

まどか「ま、魔女に潰されちゃった……」

ほむら「アホね」




オクタヴィア「GUAAAAAAAAAHHH!!!」


     車輪s < ガラララララララッ!!

       オリ < ガンガンガン!


まどか「きゃぁっ!?」

マミ「激昂した魔女が、こっちを攻撃してきたわ……」

ほむら「大丈夫よ、まどか。私がいるわ」

仁美「オリが軋んでいますね……」


杏子「マズい! あんな攻撃連続で食らえば、いくらあのオリでも……!」

ソフトン「ボーボボ!」

ボーボボ「ああ、最後の手段と考えていたが……仕方ない。あの技を使う」

杏子「あの技……!?」

ボーボボ「さやか! いくらお前でも、まどか達を傷つけることは許さん!!」

オクタヴィア「UGUUUU!?」



                       ボーボボ・ワールド
             鼻毛真拳奥義<聖鼻毛領域>!!!


                   ブオオォン!!


.



首領パッチ「出た出たぁーーーー! ぼくらのボーボボ・ワールドだぁーーーッ!」 

杏子「なっ!? 何だこりゃ!?」

まどか「景色が変わった……!」

マミ「ここは一体……?」


KING鼻毛「Nーーー、YEAHーー!!」ドドーーン!

まどか「わッ!?」

ほむら「また、なんか変なのが……」

KING鼻毛「ついについに来たぜ、俺の出番がぁーー!! こんにちはSSスレ! 初めましてSSスレ!」

マミ「あ、あなたは?」

KING鼻毛「チッチッチ! 俺を知らねーとはモグリだな、嬢ちゃん。俺は鼻毛の中の鼻毛、KING鼻毛!!」

KING鼻毛「これから俺のスーパーショーが始まるぜぇ!」



オクタヴィア「MUUUHH……?」


ボーボボ「ここは『鼻毛空間』……。俺が作り出した世界だ」

ボーボボ「この世界に入った者は魂を解放させられる……。もしかすすると、あの魔女の中にいるさやか自身が現れるかもしれない」

杏子「す、すげぇ技だな! でも、何でもっと早く出さなかったんだよ!」

ボーボボ「この『聖鼻毛領域』で魂を解放出来ないものは死ぬことになる。一般人であるまどか達に被害が出る前に終わらさないといけない!」

杏子「そうか、万能って訳じゃねーのか……」


首領パッチ「来るぜ、来るぜ魂の解放がーーーーッ!!」

KING鼻毛「俺の出番だぁーー!!」


オクタヴィア「……」スー




オクタヴィア「GAAAAAAAAAAAHHHHHHHHH!!!!!」ゴオオオオォォォ!




            パリィーーーーーーン!!



.



ボーボボ「な、何ィッ!?」

ソフトン「バカな、『聖鼻毛領域』が……!?」

杏子「壊れちまった!!」


まどか「も、元の結界に戻っちゃったよ……」

首領パッチ「お疲れーっす」

KING鼻毛「OH……」シュン…


杏子「どういうことだよ、オイ!」

ボーボボ「しまった……、すっかり忘れていたぞ。魔女の結界のことを……」

ソフトン「説明してくれ、ボーボボ」

ボーボボ「ああ……」



   <考えてみると、魔女とはそれぞれ己の結界を持っている。そして、結界内の人間の精神に影響を与えるなどの攻撃を皆が有しているんだ>

       力士『ドスコイ! ドスコイ!』ドシンドシン!


杏子「おい、何だこのイメージ図」



   <これはつまり、俺の『聖鼻毛領域』と全く同じ領域支配系統の技!!>


       委員長『りーきし君!』ヒョコッ

       力士『い、委員長!? どうしてここに…?』

       委員長『えへへ、力士君と一緒にお弁当食べたくて……。ちゃんこ鍋作ってきたんだ!』

       力士『委員長……!』キュン!


    <奴は俺の『聖鼻毛領域』を破壊したのではない……。俺の世界に自分の結界を上塗りしたんだ!>


       委員長『ねぇ、力士君……、私に稽古つけて……』

       力士『えっ!? い、いいの、俺なんかで……?』

       委員長『力士君じゃないとダメなの! でも……、初めてだから、優しくしてね……?』

       力士『い、委員長ぉーーー!!』ガバッ


     <俺が何度、世界を再構築しても、奴はその上から結界を張るだろう……。つまり俺の『聖鼻毛領域』は全く通用しない!>



ボーボボ「こういうことだ」

ソフトン「なるほど……」

杏子「だから、何なんだよあのイメージ図は」



ボーボボ「最後の手段が破られてしまった……どうすれば……」

まどか「みんな、危ないッ!」

ボーボボ「ハッ!?」

ソフトン「なっ!」

杏子「しまっ!?」


    車輪 < ガララララララララッッ!!


ボーボボ「ぐばぁッ!!」ドゴォーーン!

ソフトン「く……ぐふっ!」ガシャーン!

杏子「うわああぁぁッ!?」ズサァーー!


まどか「み、みんなが……!」

ほむら「まどか、仁美! 衝撃に備えて!」

仁美「えっ!?」

マミ「車輪はまだ止まっていない……! こっちに向かってくるわ!」


   車輪 < ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッッ!!


     オリ < ガシャーーーン!!


まど仁「「きゃあぁぁーーーッ!!」」

ほむら「くっ!」

マミ「ううぅッ!」




オクタヴィア「GAAAAAHHHHHHH!!!!」ゴオオオオ!




ボーボボ「く、うぅ……」

ソフトン「まずい、オリが……!」

杏子「まどか! 逃げろぉーー!!」ヨロヨロ


まどか「うぅ……? えっ?」


オクタヴィア「AAAHHHH!!」ガシッ!


まどか「きゃあぁぁッ!?」グググ!


ほむら「しまった、まどかが!!」

マミ「鹿目さん!」

仁美「まどかさん!」



オクタヴィア「GUUUUUHHHH!!!」グググ!

まどか「さ、やかちゃん……離して……!」グググ!


杏子「おい、止めろさやか!! まどかはアンタの一番の親友だろ!? 止めろぉーー!!」

杏子「ぼ、ボーボボ!」

ボーボボ「…………」シーン…

杏子「ボーボボ? おい、まさか……!?」



オクタヴィア「GOOOAAAAAHHHHH!!!」

まどか「さやかちゃん……、ホントはこんなことしたく、ないんだよね……?」グググ!

まどか「こんなの、ダメだよ……うぅッ! さやかちゃんは、優しい……子だもん……」グググ!

まどか「さやかちゃん……、目を覚ましてぇ……!」グググ!


まどか「さやかちゃん!!!」




          ガッシャァァンッッ!!



.



     ~???~


      へっへ~ん! 途中で結界が無くなったのは驚いたけど、それがどーしただもんね! 新しく作ればいいだけだよーだ!

                    後はこのウルサい虫どもを潰せばいいだけ やっと静かになるよ

            こいつら、いちいちフザケてて意味分からないんだよね あたしも何回ツッコみそうになったか……



                    …って、ツッコむ? あたしがあいつらに? いやいや何の冗談よ


               どうやら、こいつらの変な空気に釣られそうになってるみたい さっさと殺さないと……



                   まずはこの弱っちそうなのにしよう なんか叫んでる……うっせぇー

                        もう、クズ虫ってホントやだ 握り潰しちゃえ

                    じゃあね、コンサートを邪魔したあんたが悪いんだから……









                          『さやかちゃん!!!』









                         あ…れ…? まど……?



.




   ~結界最深部~



         ガッシャァァンッッ!!  



杏子「え……?」

ほむら「これは……!」

マミ「あ…あぁ…!」



オクタヴィア「HUU……HU…」フシューフシュー!

まどか「さ……やかちゃん……?」



ソフトン「魔女が、まどかを掴んでいた手をもう一方の手で押さえている……!」

杏子「あ、あたしにはまどかの声に反応したように見えた……」

マミ「私もよ……」




オクタヴィア「GUU…Uu…」グググ…

まどか「さやかちゃん……? 聞こえるの!? もしかして!?」

オクタヴィア「UUU……。MA…ど……カァaA……」グググ!

まどか「さ、さやかちゃん……!!」


仁美「さやかさん、意識が……!」

ほむら「こ、答えた!? まどかの名を呼んだわ!」

マミ「美樹さんが……! 美樹さんが姿を表している…!」

杏子「でも、今まで散々無視を決め込んでたのに、何で今になって……」

ソフトン「 ! どうやら、あれが答えのようだ……」

杏子「えっ?」

ソフトン「あれを見ろ」スッ



オクタヴィア「ま…dO、Kア……、mあDオカ……」グググ…

まどか「そ、そうだよ、私だよ! さやかちゃん!」キラッ!


マミ「鹿目さんの胸辺りから何か光るモノが伸びてるわ……」

ほむら「そして、それは魔女に繋がっている……」

仁美「あれは……糸、いえ……」

杏子「鼻毛だ!!」



ボーボボ「その通り……」ムクリ…


杏子「ボーボボ! 無事だったか!」

マミ「じゃ、じゃああの鼻毛はボーボボさんが!?」

ボーボボ「ああ。俺は戦闘中絶えず細い鼻毛を伸ばしながら戦っていた」

ボーボボ「それを巻き付けていたのはイスだけじゃない。魔女の体にもだ」



ボーボボ「今、まどかとさやかを結ぶ鼻毛は、言わば糸電話の糸!!」

ボーボボ「まどかの声は直接さやかの心の中に響いている!」



ボーボボ「これこそ鼻毛真拳超絶奥義<魂の渡し綱>だ!!」




オクタヴィア「UUH……、GぉメNnネ…ごめ…ンNe…」ウウゥゥ…

まどか「泣かないで……泣かないでさやかちゃん。みんなで助けてあげるからね……!」




ボーボボ「みんな! さやかから伸びている鼻毛を掴め! あと少しだ、全員で呼びかけるんだ!」ガシッ!

仁美「はいっ!」ガシッ!

マミ「もちろんです!」ガシッ!

杏子「おうッ!」ガシッ!

ソフトン「うむ」ガシッ!

ほむら「ええ!」ガシッ!

首領パッチ「よっしゃぁ!」ガシッ!

絶望君「絶望してはいけない」ガシッ!

魚雷ガール「全く、手のかかる生徒ね」ガシッ!

田楽マン「オレもっ!」ガシッ!

KING鼻毛「これって俺も参加していいの?」ガシッ!


まどか「みんな……!」

オクタヴィア「UUH……UUUU…」ウウウゥ…


.




      ~???~


              あ、あれオカシいな、何でだろ? 何でこんな虫一匹殺せないんだろう?

                      何で、奴らの声が……声が……!?



                           『さやかちゃん…』


                              !!!

       『辛かったよね? 悲しかったよね? みんなのことを考えて、考え過ぎて、自分を責めちゃって……』


                         止めて……! 止めてよ……!


         『私はそんな優しいさやかちゃんが、大好きだよ。だから、元のさやかちゃんに戻って欲しいな』


                  私は、サヤカなんかじゃない! 私は……私は……!



                               あれっ?



                           わたしは……だれ?



.




                            『さやかさん……』


                      こ、この声はひと……、ひと……なに?


        『さやかさんには謝っても謝り切れませんわ……。あなたとはちゃんと話をつけないといけません』

                      『殴ってもらってもかまいません……でも』

        『出来るならば、元に戻ったさやかさんに殴って欲しいです。私の大切なお友達のさやかさんに』



                            ひ……とみ……?



.






                              『美樹さん』


         『元はと言えば、魔法少女の世界にあなたを引き込んしまったのは私……。責任は感じているわ』

           『だから、美樹さんだけ特別に私の家でケーキ食べ放題! 美味しい紅茶もつけるわ!』

             『食べたかったら、早く元に戻りなさい。ちょっと困っちゃう可愛い愛弟子にね』



                            ま…みさ……ん


.







                    『本当にあなたは手がかかるわね、さやか』


           『あなたのせいで私が何回酷い目に遭ったと思っているの? もう数え忘れたわ』

           『文句を言いたいからさっさと戻ってきなさい。この身長差じゃ首が痛くなるでしょ』

              『…………みんな心配していますよ。早く帰ってきてください、美樹さん』



                       転こ……いや、ほむら……?



.







                      『バッカ野郎ぉーーーーーッ!!』


『アンタ、どれだけみんなに迷惑かけたか分かってんの!? 何、車輪で攻撃してんだよ! 何で、まどかまで攻撃してんだよ!』

                 『お前がそんな奴だったなんて、心底ガッカリだぜ!』

                『……あと、ちゃっかりアタシより強くなってんじゃねーよ』

                  『みんな待ってんだから、早く来てよさやか』

           『アタシはさ、アンタとのコンビ……。結構悪くないって思ってるよ、さやか!』




                      『さやか、俺は君に感謝している』


               『手の掛かる杏子を、ここまで素直にしてくれたのは君だ』

                  『俺は、君と杏子が争う姿をもう見たくはない』

                  『さやか。もう一度、杏子の側に戻ってきてくれ』




                        杏子……ソフトンさん……




.






                      『あー! マイクテスマイクテスッ!』


          『さやか! オメー俺より目立ってんじゃねーぞ! んだよ、デカくなりやがって!!』

          『しかも、暗黒面に落ちたとかオイシイ設定まで……! 調子乗るのも大概にしろ!』

      『あと腹立つのは……ツッコめよ! メチャクチャいいギャグ放ってんのに、何で拾わねーんだ!』

            『さっさとツッコみに来い! ツッコミキャラを他の奴らに取られちまうぞ!』



             『ギョラ~、恋の悩みっていいわね~。先生、昔を思い出しちゃったわ』


    『でも、中学生の恋にしてはちょっと事態が大きくなり過ぎね。自分一人で溜め込むからこんな事になるのよ』

           『あなたは私の生徒よ? 私のクラスは一人でも生徒が欠けたらいけないの!』

       『あなた専用の宿題はたんまりあるわ! それに補修もね! 分かったら登校しなさい!』


                『無断欠席は許さない! なぜなら私は魚雷だから!!』



                          首領パッチ……先生……




.






        『今回の作戦の指揮を取ったのは俺だ。どうしてもお礼がしたいのなら、受け取ってやってもいいぜ』

                         『クッキ~……クッキ~……』

              『Nーーー、よく分からねぇけど、これも出番だよな? ヤッフゥー!』



                        こいつらは……どうでもいいや




.






                         『さやか……、聞こえたか?』

               『みんながお前に呼びかけてくれたんだ。みんながお前を待っている』

        『帰ってきたら、ワキ毛真拳の極意を少しだけ教えてやろう。お前の衣装はワキ毛真拳に丁度いい』

                  『いつでも受け入れる準備は出来てるぞ。安心しろ』



                               ボーボボ……





                            み、んな……私、私……





.




    ~結界最深部~



オクタヴィア「UU、UOOOOOHHH!!」ゴゴゴゴ!



杏子「さやかが暴れだしたぞ!」

ボーボボ「皆の声が届いている証拠だ。今、さやかは己の絶望と戦っているんだ!」

マミ「で、でも鼻毛で繋がってる状態で暴れられたら私達も危ないわ!」

ほむら「いえ、それ以前にさやかの手の中にいるまどかが……!」



オクタヴィア「GAAAHHH! AAAAAAHH!!!」ゴゴゴゴォォ!


まどか「さやかちゃん! 落ち着いて! 大丈夫だよ、大丈夫だから!」


オクタヴィア「OOOOOHHH!!」


ソフトン「くっ! どうすれば……!」

ボーボボ「声は届いてる筈なんだ! しかし、あと少し足りない……!」

ボーボボ「あと少しでも、声が届けば……!!」






             バタン!!


         天の助「お困りのようだな!!」

           恭介「みんな……」





杏子「は……!?」

まど仁「「か、上条くん!?」」

ほむら「上条恭介!? どうしてここに!?」

天の助「ちっくしょー! 俺は無視かよ!!」


ソフトン「どうして彼がここに……?」

天の助「外に出たら、たまたま会って連れてきたんだよ」

ボーボボ「結界の外に……そうか、逃げるつもだったのか」ペキペキッ…

天の助「ひ、ひええぇぇッ!? 違います違います! 出ちゃったの! スポーンって出ちゃったの!」


恭介「向かう途中で、だいたいの話は天の助から聞きました」

恭介「これがさやか……なんだね」

杏子「ああ……」


オクタヴィア「GAAAAHHHH!!」ゴゴゴゴォッ


杏子「それで、何しに来たんだよ、金持ちの坊や。ここは危険だよ」

恭介「……何しに来ただって?」スッ

天の助「決まってるだろ?」スッ







恭介「ケジメをつけに来たよ。さやか……」つ鼻毛 ガシッ!

天の助「そのとーり」つ鼻毛 ガシッ!




    ~???~




                   何であたし、みんなの名前知ってるんだろう……?

                         みんな知らない筈なのに……



            体が熱い… 私の中の黒いモノが暴れてる…… 私の心の変化を嫌がってる……


      あとちょっとで、みんなの所にいける気がする…… あとちょっとでみんなの声に応えれる気がする……!



                        みんな……私は……あたしは……





                             『さやかー!』



                                ん?



              『さやか! 俺はお前に言いたいことがたっくさんある! 心して聞け!』


         『第一に、俺をもっと敬え! 俺はホントはめっちゃ強いんだ! プルプル真拳の達人だぞ!』

           『第二に、ツッコミは優しく! お前のツッコミはツッコミじゃねぇ、暴力そのものだ!』

      『第三に、ところてんを食え! 食う食うって言っといて食ってねーじゃん! 食えよ! 食物の王様だぞ!』


                   『んで、最後に……、二秒で戻りやがれ!! 以上!』



                      ふふふ、コイツはまたアホな事言ってる……


                             ありがとね、天の助




.




                       『ハイ、次はスペシャルゲストでーす!』


                               ゲスト……?




                               『さやか……』



                                  あっ



  『正直、今の僕には訳が分からないよ。天の助から話は聞いたけど、魔法少女とか魔女とかで頭がこんがらがっちゃったや』

『でも、これだけは分かった。君がこんな姿になっている大きな原因は僕なんだろう? 自分でも思うけどホントに情けない男だよ……』

           『君にはまだ、お礼を言えてない。腕を治してくれたことも、僕の為に命を張ってくれたことも……』


                        『今まで一緒に居てくれたことも……』



                                 …………



.




               『さっ! さやか! 君さえ良ければでいいんだけどさ……その……』

                        『お、おい、首領パッチ、茶化すな!』


                             『……えー、コホン』


              『僕の側に居てほしい。今までみたいに……これからもずっと……ね』




                                恭介……




                                 恭介!



.







                      みんな、ありがとう……、思い出したよ……


                     あたしは……、あたしの名前は美樹さやか……


               最高の友達と彼氏に囲まれた……世界一幸せな魔法少女!!




                            みんな、今いくよ!!





.




    ~結界最深部~


天の助「ヒューヒュー!」

首領パッチ「ヒューヒュー!」

恭介「止めろって、2人とも!」カアァッ!

仁美「まあ……大胆…」ポッ

ほむら「よ、よくそんなこっ恥ずかしいこと言えるわね……////」

まどか「上条くん、ステキ!」

恭介「み、みんな止めてくれぇ!」


ボーボボ「おい、さやかを見ろ……!」



オクタヴィア「OOH……OO…」ガクガク!


      ピカァーーーーッ!


マミ「体の中から光が……」

杏子「……希望だよ」

杏子「絶望も優しく包み込む……希望の光だ」




オクタヴィア「AA……みnナ……」


まどか「さやかちゃん…」

オクタヴィア「MUU……」スッ

まどか「あっ、降ろしてくれるの……?」

オクタヴィア「UUUH……」コクッ

まどか「ありがとう……!」



オクタヴィア「MUUHH……AAA……」


        ピカアァーーーーーッ!


天の助「うあっ!? 眩しくて見てらんねぇ!」ウゥッ!

ボーボボ「そんなこともあろうかと備えておいたのが、このサングラスだ」ニヤリッ

マミ「そうなんですか!? この日の為にかけてたんですか、それ!?」マミーン!


オクタヴィア「AAAAAAAAHHHHH!!!」



            カッッッ!



.




   ~廃工場~


仁美「こ、ここは……」

ほむら「うぅ……? 結界が……消えている」

杏子「さやかは!?」キョロキョロ!

マミ「魔女の姿はないわね……」

まどか「あっ、みんなアレを見て!」



          ソウルジェム < コロコロ…


杏子「魔女のいた所にソウルジェムが……」

ほむら「しかも、あの色は……さやかのに間違いないわ」

マミ「黒く濁ってもいない……」

まどか「ということは……!」

仁美「つまり……!」






   『やっ……』



                『やったあああああああぁぁぁぁッッ!!!』



.




まどか「やった! やったよ、さやかちゃああぁぁん!!」つソウルジェム ギュッ!

ほむら「まどか、泣かないで……、レディが泣き顔を見せるものじゃ……」

杏子「ほむらだって泣いてる癖によぅ! コノヤロー!」

マミ「あなたも泣いてるわ、佐倉さん。それに私もね、うふふ!」

仁美「ううぅぅ! さやかさん! さやかさぁーーん!」


        わーいわーいわーい!!


ボーボボ「ソフトン、立てるか?」

ソフトン「すまない、手を貸してくれ」

ボーボボ「ああ」スッ

ソフトン「助かる」ガシッ…

首領パッチ「やったぜ、俺たちの勝利だ!」

天の助「イエーー!!」

ボーボボ「いや、違うな」

パチ天「「えっ」」

ソフトン「彼女達の……信じる力の勝利だな」




まどか「ほら、上条くん! 未来のお嫁さん! 未来のお嫁さん!」つソウルジェム グイグイッ

恭介「うわわっ!? 鹿目さんが喜びの余り変なテンションになってる!?」

ほむら「受け取りなさい、花嫁を!」

恭介「暁美さんまで!?」

マミ「上条君、もう認知しないとね」

杏子「男に二言はねぇんだろ、オイ!」

仁美「誓いのキッスを、さあさあ!」

恭介「そして四面楚歌!」


恭介「そ、それにしてもこの小さな宝石がさやかの魂だなんて……。これが魔法少女というものか」

まどか「早く、さやかちゃんを元の体に戻してあげようよ!」

マミ「そうね! それがいいわぁ!」

仁美「ええ、すぐにでも!」

ほむら「杏子! さやかの体は!?」

杏子「おう! あ……!」



杏子「ホテルのベッドだ……」




まど仁マミほむ「「「「………はぁ」」」」


恭介(うわ!? さっきとの温度差ひどッ!)

まどか「私はすぐにさやかちゃんと再会したかったんだよ、杏子ちゃん……」

仁美「これだから低所得者は……」

ほむら「元に戻すことを前提で動いていれば、この場に持ってきてた筈よね……」

マミ「佐倉さん、こればかりは擁護出来ないわ……」

恭介(みんな、スゴい辛辣!!)

杏子「うぅ……そんなこと言っても……」


ボーボボ「ダイジョーブ! ボクニマカセテヨ!」

首領パッチ「ああっ! ダイジョーブ星人!」

恭介「誰ッ!?」

ボーボボ「アフロオープン!」アフロ < パカッ!

ボーボボ「ミキサヤカ、排出ッ!」


           さやか「」デロローン!


恭介「うわあぁ!? アフロからさやかがこぼれ落ちた!?」ドーナッテンノ!?

天の助「博士の方じゃなくて良かったぜ…」フー…

恭介「確かに!」



マミ「流石ボーボボさん!」

杏子「恩に着るぜ!」

まどか「さやかちゃん、起きて!」つソウルジェム スッ!




  さやか「  」ソウルジェム

  さやか「――――ん」


さやか「……あ、あれ? どこここ?」スッ

さやか「み、みんな……?」


まどか「さやかちゃああぁぁん!!」ガバッ!

仁美「さやかさああぁぁん!!」ガバッ

さやか「ゔえぇっ!? な、何!? 何なの!?」

まどか「さやかちゃん、さやかちゃああぁぁん!」

仁美「もう離しませんわーー!」



マミ「……!」

杏子「……!」

ほむら「……!」

さやか「な、何のよ、これ!? ちょっと、ほむらもマミさんも杏子も黙って見てないで……」


ほむら「さやかっっ!!」ガバッ!

マミ「美樹さあああぁぁぁん!!」ガバッ!

杏子「さやかああああぁぁぁッ!!」ガバッ!

さやか「お前らもかーーーい!」サヤーン!



首領パッチ「……!」ウズウズ

天の助「……!」ウズウズ

田楽マン「……!」ウズウズ

絶望君「……!」ウズウズ


さやか「お前らは絶対来んなよ。来たらはっ倒す」




さやか「でも、みんないきなり何なの? あたし何か……し…た……?」

さやか「…………」

さやか「あー……そっか……」

杏子「やっと思い出したのか、このバカちん!」

ほむら「もう! あなたは、ホントに愚かね!!」

まどか「さやかちゃああぁぁぁん!!」

さやか「ご、ごめんねみんな……みんな……」


さやか「ありがとう……みんなぁ……!」ポタポタッ

マミ「もう、美樹さんったら泣いちゃって!」

さやか「みんなだって、泣いてる癖にぃ~……!」

ほむら「こ、これは汗よ、ソウルジェムの汗!」

杏子「あた、アタシはいっぱい欠伸しただけだからな!」

さやか「素直じゃないんだからぁ! えへへへ!」

まどか「さやかちゃんは、魔女になっちゃってる時の記憶ってあるの……?」

さやか「う、うーん、何となく? で、でもみんなの声は聞こえたよ! みんなの……あっ!」




恭介「さやか……」

さやか「きょ、恭介!? あれっ、足治って!? いや、それより……!」

恭介「さやか……、僕の声が聞こえてたんだね?」

さやか「あうっ! あ、あの……はい……!!」



首領パッチ「ヒューヒュー!」

天の助「ヒューーヒュー!!」

田楽マン「ヒューイ! 我が名は風のヒューイ!」

ほむら「いい雰囲気を邪魔しないの!」

杏子「ぶっ潰すぞ!」

天パチ田「「「」」」オクチチャックマン




恭介「さやか。君がいいのなら、答えを聞きたいな」

さやか「え、えっと!? ここで!? で、でもみんな見てるし……!」

恭介「今聞きたいんだ」

さやか「え、えぇ~!」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「う、うぅ…!」カァーッ!


さやか(な、何だか今日の恭介は一段とステキ……どうして!? 何でこんなに指から爪を発射する姿を簡単にイメージ出来ちゃうの!?)


天の助「『ジョウ』に『ジョウ』? ケッ! これから上条、テメーを『ジョジョ』って呼んでやるぜ」




ネコパッチ「……」コソコソ

恭介「さやか、教えてくれ…!」

さやか「う、ううぅ~!」

ネコパッチ「セット完了にゃん」つカンチョー君 コトッ


カンチョー君「俺はまだ死んでいない……! 最後の力を……」

カンチョー君「ウオオオオォォ!」



       ゴオオオオオォォォーーーッ!!


カンチョー君「GO TO HELL!!」ドゴオオオン!



            ずん!



.




恭介「ぎょへえええぇぇぇッッ!!??」グバァッッ!

さやか「きょ、恭介ぇーーーーッ!?」サヤーン!

恭介「ぐえええぇぇ!!」ゴロゴロゴロ!

さやか「落ち着いて! 恭介どうしたの……うッ!?」


     カンチョー君『』


さやか(変なのが刺さってるぅーーー……)サヤーン…

恭介「ぐ、ぐふぅ……」


ボーボボ「戦犯はコイツです」スッ

天の助「俺もバッチリ見てました」スッ

首領パッチ「あ!? お前ら寝返ったな!」

ボーボボ「最初から仲間であった」

天の助「覚えは無い」

首領パッチ「ひ、ひどっ!!」ガーン


さやか「ううおおおおぉぉぉッ!! 首領パッチてめえぇぇぇぇぇぇ!!」ダッダッダッダ!

首領パッチ「ひいいぃぃ! お助けぇ~~!!」ダッダッダ!


杏子「アイツはまた……」

マミ「困ったものね」

ほむら「全く……」



まどか「……」ポカーン…


まどか「ぷっ! ウェヒヒヒヒ!」

さやか「ちょっと、まどか何笑ってんのよ!?」ダッダッダッダ!

まどか「ティヒヒヒ、だって、嬉しくて!」

さやか「はあぁ!?」



まどか「みんなでまた、こうやって大騒ぎできるのが嬉しいの!!」




           さやかちゃんは魔女から元に戻りました

             これは正に奇跡と言えるでしょう


           でも、私はこのことに驚いたりしません


   だって、この奇跡が起こるって、ずっと信じて疑わなかったからです!


.



まどか「さーやかちゃん!」

さやか「ん、何?」

首領パッチ「痛いよ~、もう殴らんといて~!」



                      『おかえりっ!』



さやか「……」

さやか「うんっ!」ニカッ!



                      『ただいま!』









       あ、ちなみに上条くんはまた一週間ほど立てなくなりました




  第九話 「そんなのお天道様が許しても、この桜吹雪の印籠を持った仕事人が許さない」 完



オクタヴィア戦、完!
今回は前半後半に分けなかったから、長かった……
結構好き勝手出来て楽しかったです

トリのことですが、>>1はつけるつもりはありません
こんなスレで成りすましをする物好きはいないでしょう

あと、スレが残り少ないですが、次回投下の時に新スレを立てるつもりです
残りは皆さんで自由に埋めてもらって構いません

それでは今日はこの辺で…


>>919にて脱字を発見したので修正です







                              『美樹さん』


         『元はと言えば、魔法少女の世界にあなたを引き込んでしまったのは私……。責任は感じているわ』

           『だから、美樹さんだけ特別に私の家でケーキ食べ放題! 美味しい紅茶もつけるわ!』

             『食べたかったら、早く元に戻りなさい。ちょっと困っちゃう可愛い愛弟子にね』



                            ま…みさ……ん


.


>>1です
新スレを立てたので誘導します

QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」3
QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1330168873/)

埋め代わりとして、また誤字を見つけたので修正しておきます。


>>927



杏子「は……!?」

まど仁「「か、上条くん!?」」

ほむら「上条恭介!? どうしてここに!?」

天の助「ちっくしょー! 俺は無視かよ!!」


ソフトン「どうして彼がここに……?」

天の助「外に出たら、たまたま会って連れてきたんだよ」

ボーボボ「結界の外に……そうか、逃げるつもりだったのか」ペキペキッ…

天の助「ひ、ひええぇぇッ!? 違います違います! 出ちゃったの! スポーンって出ちゃったの!」


恭介「向かう途中で、だいたいの話は天の助から聞きました」

恭介「これがさやか……なんだね」

杏子「ああ……」


オクタヴィア「GAAAAHHHH!!」ゴゴゴゴォッ


杏子「それで、何しに来たんだよ、金持ちの坊や。ここは危険だよ」

恭介「……何しに来ただって?」スッ

天の助「決まってるだろ?」スッ







恭介「ケジメをつけに来たよ。さやか……」つ鼻毛 ガシッ!

天の助「そのとーり」つ鼻毛 ガシッ!

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