凛「海未ちゃんをタラシにしよう!」 (60)

音ノ木坂学院 部室

凛「おっつかれさまー…って、希ちゃんだけ?」

希「うん。にこっちは追試で、えりちはなんや打ち合わせやって」

凛「…生徒会副会長、仕事しなくていいの?」

希「んー…真面目なえりちについてっても邪魔するだけやからなぁ」

希「そういう凛ちゃんも一人やん。かよちんらは?」

凛「二人とも仕事があるみたいだったから先に来ちゃったにゃ」

希「…手伝わんで良かったん?」

凛「凛が居たら邪魔しちゃいそうだったからー」

希「ふふ、なんや、凛ちゃんも似たようなもんやん」

凛「へへ、そうだね」

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希「二年生ズもまだ来とらんし…何の話する?」

凛「それは……やはり、アレにゃ」

希「アレとは…いくで、凛ちゃん!」

凛「ぷらんたんは!」

希「純情!」

凛「びびは!」

希「色気!」

凛「りりーほわいとはぁ…」

凛・希「「芸人集団!」」

凛「決まった!希ちゃんハイタッチ!」パシッ

希「ほい。イメージ改善会議やね」パシッ

凛「なんで芸人の寄せ集まりみたいな言われ方されちゃうんだろうね…」

希「…間違いなく今のやりとりとかやと思うん」

凛「ううん!これはやっぱり凛たちに同じ特徴がないからだにゃ!」

希「まあ、ウチらはそれぞれがそれぞれって感じやしね」

凛「やはり個性を一本に…というわけで!」

希「うん?」

凛「手始めに海未ちゃんをチャラくするにゃ!」

希「……ええね!それ、ナイスアイデア!」

凛「(ぶっちゃけ暇なだけだし!)」キラキラ

希「(面白ければなんでもええもんね!)」ウンウン

希「ほんなら、今日仕入れたええモンがありますよ星空さん」コソコソ

凛「ちょっと!ここでは本名呼ばないでくださいよ東条さん」コソコソ

希「……これや」

凛「…にゃ?これ、水?」

希「水に見えるやろ?コレな、人の性格を真逆にするん」

凛「……マジで?」

希「大マジやで」

凛「海未ちゃんは今、真面目でヘタレだから……」

希「不良のチャラチャラ海未ちゃんが生まれるね」

凛「!それ採用にゃ!」

海未「不採用です!」

希・凜「!!」

海未「まったく…二人でLily whiteの今後についてちゃんと考えてくれているのかと思ったら…貴女たちはもっとですね、グループとしての自覚と、…」クドクド

凛「……ねえ、海未ちゃん喋りまくってるけど喉乾かないかにゃ?」

海未「乾かないです」

凛「うう……こうなったら!とうっ!」

海未「ちょ、ちょっと凜!」

凛「んぎぎ……無理やりでも飲ませるにゃー!!」

海未「んぐっ…!絶対、飲みませんからね……そんな胡散臭いもの!」

希「胡散臭いはひどないー?」

凛「負けない…!絶対飲ませる!」

海未「ま、負けるものですか…!」

10分後

凛「んー……!海未ちゃん手ごわい…降参だにゃ…」ゼハゼハ

海未「ふぅー…はぁ……日々の鍛錬の成果ですよ」

希「お疲れ、海未ちゃん。はいお茶」

海未「ありがとうございます」ゴクゴク

凛「………ふふふ」

希「……」ニヤリ

海未「って…まさか!あ…………」フラ

希「おっと」ボフッ

凛「やった!」

希「いえい!」

凛「……で、どうなるにゃ?」

希「どうなるんやろ……再び目が覚めてから効果開始やからな…」

凛「な、なんだかドキドキしてきたにゃ…」

花陽「おつかれさまでー…って、凛ちゃん、海未ちゃん、希ちゃん?」

凛「おお!かよちんいい所に!」

花陽「どうしたの……?海未ちゃん、寝てるの?」

凛「うん…ねえ、海未ちゃんの様子見ててくれない?」

花陽「え!?いいけど…二人は、どうするの?」

希「あー、ごめんな?ウチらスピリチュアルの世話しに行かんと」

花陽「そ、それは大変そうだね…頑張って」

凛「じゃあ言ってくるにゃ!」ドタタタ

希「ほな後はよろしくー」ヒラヒラ

バタン

凛「(小型カメラは?)」

希「(バッチリやで)」グッ

花陽「すぴりちゅあるの世話ってなんだろう…」

海未「ん………」ピク

花陽「あ、海未ちゃん起きた?」

海未「……?ああ、花陽ですか」ニコ

花陽「へ?わ、私だけど…」

海未「すみません……あまりに綺麗なお顔でしたので、太陽と見間違えてしまいました」

花陽「ふぇ!?」

――

凛「……こういう感じかぁ…」

希「ん?ご不満?」

凛「なんか、『ヘーイかよちんっ☆これから私と≪ピーーー≫しようぜ♪』みたいなのになると思ってたにゃ」

希「うーん……海未ちゃんに『タメ口』ってプログラムがなかったんやない?」

にこ「……アンタたち、3年の教室で何してるのよ」

凛「あ!追試の女王にこちゃんだ!」

にこ「なっ?!希言わないでって……!」

希「聞こえへんー。それより海未ちゃんが面白いで」

にこ「は?…海未ちゃんが?」

海未「花陽がμ'sに入った時から思っていました……この子は天使だ、と」

花陽「ちょっと海未ちゃん……恥ずかしいよっ…」

海未「ふふ、そうやって奥ゆかしく照れるのが花陽の素晴らしい所です」

花陽「う、海未ちゃん………」ポー

海未「ほら、こちらを向いて……?」

ガチャ

真姫「………花陽、海未ちゃん、何してるの?」

花陽「ま、真姫ちゃん……タスケテエエエエ」

海未「あら、Maji Angelがもう一人舞い降りましたね」

真姫「………はぁ?」

――

にこ「………」ダッ

希「行かさんよー」グッ

にこ「はぁ!?希、知ってるんでしょ?!守りに行かせなさいよ!」

凛「凛だってかよちんNTRてるけど我慢してるにゃー!」

にこ「そういう問題じゃないわよ!っていうかなんてもんを飲ませてんのこのアホーホワイト!」

希「……全然うまくないでにこっち」

凛「ちょっとどころじゃなく寒くないかにゃー?」

海未「やはり真姫は……可愛いですね」

真姫「な、何言ってるのよ当然でしょー?μ'sトップの…」

海未「はい、本当に可愛いです」

真姫「あ………えっと」

海未「可愛いです、真姫」

真姫「……う、ううぅ」カアアッ

海未「照れてる真姫も、可愛いですよ」

真姫「か、勘弁してよ……」

花陽「はわわ……海未ちゃんは、どうしてしまったのでしょうか…」

真姫「ど、どーせあのバカ達のなんかでしょ!?カメラあるのわかって…

海未「ダメですよ、真姫。あなたのような可愛らしい乙女が汚い言葉を使っては」クイッ

真姫「…待って、ホントに待って海未ちゃん。ちょっと……私は」

海未「……ふふ、伴侶の居る女性であっても、美しい女性は摘み取ってしまいたくなるのが人情という者でしょう?」ギュッ

真姫「!えっ………」

――

希「アカンな。にこっちを取りのがしてしもた」

凛「でもコレ、凄い映像になってるにゃ…腰まで抱いてチューしちゃいそう……!」

希「完全な浮気発言と寝取り発言もしちゃったしな。コレはえりちにシめられるん確定やな」

穂乃果「あれ?二人とも部室行かないの?」

凛「あ!穂乃果ちゃん!ことりちゃんは?」

穂乃果「先に行ったからもうすぐ部室に…って、何?カメラ?」

希「そうそう、ここで見とく?なかなかおもろいで?」

穂乃果「んー…、見る!」

ガチャ

ことり「おつか……お、お取込み中かな?」

真姫「ち、違うわよ!助けて!」

海未「あら……ことりではないですか」

ことり「!なるほどね……真姫ちゃんかよちゃん、後は任せて!」ニコッ

花陽「ことりちゃん……!」キラキラ

ことり「ほらほら、海未ちゃん真姫ちゃんばっかりずるいよー!ことりもギュッてしてぇ?」

海未「ふふふ、甘えん坊ですね、ことりは」

ことり「(おっけー。二人ともみんなを探しに行ってくれるかな?)」

花陽「(わ、わかりましたっ)」

真姫「(ありがと…助かったわ)」

バタン

ことり「………………」ニヤリ

――

凛「うわー…ごっつい悪い顔してるにゃ……」

希「体よく一年二人を追い払ったなぁ?」

穂乃果「あー、海未ちゃんウワキだー!」

凛「大丈夫大丈夫、そういうごっこだから♪」

ことり「(たぶん希ちゃんあたりが海未ちゃんになんか飲ませたんだよね、コレ…)」

海未「どうしました?あまり見つめられると眩しくて溶けてしまいますよ?」ニコッ

ことり「!ご、ごめんね?(……カッコいい。し、たぶんこの海未ちゃんには浮気できる…!)」

海未「いえ、麗しい美少女に見つめられることほどの幸福は、なかなかありませんから」

ことり「えへへ……嬉しいなぁ?私も海未ちゃんが好きだよ?」

海未「ええ、私も………私も…?」

ことり「………?海未ちゃん?(言質撮ろうと録音始めちゃったんだけど…)」

海未「………いえ、なんでもありませんよ?」

ことり「んー……じゃ、チューして?」

海未「はい、お任せくだ……さ…ッ」ズキン

ことり「海未ちゃん……?はやく…」ズイッ

海未「えっと………」ジリッ

ことり「海未ちゃん!……あ」ドサッ

海未「!?ここここここことり!?」

――

希「!?」

凛「戻った!?」

穂乃果「海未ちゃん押し倒されちゃったねー」ポリポリ

花陽「ことりちゃん、ガッツリ攻めるね…!」


にこ「真姫ちゃん……無事でよかった…」ギュウウ

真姫「ちょっ……!離しなさいよ!」

ことり「(えー…ここで戻られたら既成事実が…)」

海未「……レディがあまりはしたないことをしてはなりませんよ、ことり」

ことり「え、あ。ごめんね?」

海未「いえいえ。可愛い子に迫られるのは嫌いではありませんから」

ことり「こ、ことりは可愛くないよー?」

海未「さて、キス、でしたね」チュッ

ことり「ふぇっ!?」

海未「ことり、可愛いです」

ことり「(ほ、頬か……)」

海未「どうしました?ことり」

ことり「こっちにも、チューして欲しいなぁ…?」ンー

海未「唇……ですか?」

ことり「ん……お願い、海未ちゃん………」

海未「……っと、そうですね、そういうのは心に決めた人に…」

ガラガラ

絵里「………あなたたち……!」

ことり「あ、えっと……!」

絵里「離れて……」

ことり「………これは、違うの、あのね?」

絵里「離れなさいって言ってるのよ!この泥棒猫!」グイ

ことり「きゃーっ!」ドタッ

――

にこ「……なにこれ」

希「東条さんの楽しい日本語講座の成果やね♪」

真姫「…穏やかじゃない日本語講座もあったものね」

凛「こ、これ、どうするにゃ?」

花陽「パッと見はもう事後だもんね……」

穂乃果「ジゴって何ー?」

絵里「海未もね、ことりには気を付けてっていっつも…!」

海未「ああ、怒らないでください、マイハニー」

絵里「はっ………?」

海未「私は部室に舞い降りた美しい蝶と戯れていただけですよ?ご心配していただくようなことはなにも」

絵里「……なるほど、わかったわ」ゴソゴソ

希「…あ、カメラ探し始めた。ウチらもそろそろ行こか」

絵里「はい、二人とも正座」

凛・希「……はーい」

海未「どうしました乙女二人をひざまずかせて?エンジェルを従えるあなたの姿はさながら大天使ミカエルのようですね♪」ギュッ

絵里「あのね、海未で遊ばないでって何度も言ってるでしょ?」

海未「私は遊ばれてなどいませんよ?絵里にもてあそばれるというのならそれも本望ですが…」ギュウウ

絵里「……ああもうウザい!この子ちょっとどっかやって!」

ことり「!了解だよ絵里ちゃん!」

絵里「あああ……そ、それはダメというか…もう、いいわ。海未、黙って私のことを抱いてて?」

真姫「」ブッ

花陽「わわ……」

海未「了解いたしました。では失礼します」ギュッ

絵里「………で?これ、いつ治るの?」

希「えー………明日の朝くらい?」

絵里「…なんで疑問形なのよ」

凛「凛たちも初挑戦のお薬だからわかんないにゃー!」

絵里「初挑戦のお薬を使わないの!」

希「………えりち」ポン

凛「誰にだって……『初めて』はあるにゃ」ポン

絵里「………そうじゃなくって!」

にこ「…ちょっと反応鈍ったわね」

真姫「海未ちゃんがずっとへばりついてるの、冷静に見ると気持ち悪いわね…」

穂乃果「……あの海未ちゃんを海未ちゃんのおうちに連れて行くのは抵抗あるかなぁ…」

ことり「そうだ!海未ちゃん一人だと危なっかしいし、私の家に泊ろ?」

海未「……儚き小さなプチッツァが、その美しい歌声をもってこちらへ囀っておりますが、いかが致しましょう?」

にこ「(真姫ちゃん真姫ちゃん、プチッツァって何?)」ゴニョゴニョ

真姫「(……ロシア語で「鳥」よ)」ゴニョゴニョ

絵里「………却下ね。それならウチの家に泊めるわ」

海未「絵里の家ですか?それもハラショーなものですね♪」

ことり「う……」

穂乃果「ことりちゃん、ウワキは良くないんだよ?」

希「じゃあ、親御さんへの連絡はウチがしとくから、えりちはその子連れて帰り?」

海未「♪~」

絵里「……わかった、わ」


ここまで

あああ…凛ちゃんの名前今度は間違えないと思ったら東條で誤植とは…
すみませんが、続きは明日のこのぐらいの時間に書きます。

ありがとうございました

絵里「……じゃ、海未、今日は私の家に泊まって。良いわね?」

海未「もちろんですよ。姫の仰せとあらば」

絵里「……っ!もう、やめて!それ!」

希「ふふ、ちょっとずつカッコええ海未ちゃんに堕ちて来とるね」

凛「そのまんま絵里ちゃんをパクッといっちゃえばいいにゃー!」

絵里「希と凜は黙ってて!海未、帰るわよ!」グイ

海未「ふふふ、姫にエスコートされるのも良いものですね」ズルズル

バタン

花陽「はあ……」ヘナヘナ

真姫「妙にボキャブラリーあったわね、海未…」

にこ「まぁ普段から歌詞書いてくれてるくらいだし、そんなもんでしょ」

ことり「海未ちゃん…カッコよかったねぇ……」ポーッ

穂乃果「カッコいい……?ちょっと気持ち悪かったような…」

凛「明日が楽しみだにゃ♪」

希「いや、今晩が一番のお楽しみやろ♪」

にこ「アンタたちホントに趣味悪いわね…」

海未「♪~あ、こんな所に女神が……って、絵里でしたか」

絵里「(…マジでこの子連れて帰らなきゃいけないの…?)」

後輩「園田先輩!」

海未「?」

絵里「(あら……確か、弓道部の)」

後輩「お会いできてよかった…これ、来週の予定表です」

海未「ふふ、ありがとうございます、可愛い袴のお嬢さん」ナデ

後輩「!?そ、園田先輩?」

海未「今度…いっぱい、プリントのご褒美、あげますね?」ボソッ

後輩「~~~~~!?」

絵里「ご、ごめんねこの子今ちょっと頭がラブアローショートしてるの!」グイ

海未「ふふ、また嫉妬ですかマイエンジェル」

後輩「は、はぁ……そ、そんな感じですね」

絵里「いいから口説いてないでさっさと帰るわよ!」スタスタ

海未「はい!では、またお会いしましょう?袴の天使さん」ヒラヒラ

絵里「……」イライラ

海未「……あ、あの子遠巻きからこちらを見ていますよ。出待ちですかね」

絵里「……今日は相手しなくていいわ」

海未「えー……じゃあ、ちゅっ♪……あ、投げキッスしたら倒れちゃいました!」

絵里「そういうのもしなくていいから!さっさと帰るの!」

海未「あ、早く家に帰って私と遊びたいということですね!」

絵里「違うわよ!いいから」

海未「そういうことならお任せください!」ギュッ

絵里「!(普段は絶対自分から手を繋いできたりしないのに……)」

絵里「やっとついた……」ハァ

海未「お疲れですか?絵里」

絵里「海未が道行く人を片っ端からナンパしてるからでしょ!」

海未「なんぱ…?私はただ、道行く可憐なる小鳥たちにご挨拶を」

絵里「もういいから。ともあれ着いて良かったわ。これで安心…」ガチャ

亜里沙「お帰りなさい!……あれ、海未さん?」

海未「ふふ、お久しぶりです亜里沙」

絵里「(ああああ忘れてた亜里沙ああああハラショおお!!)」

亜里沙「本当にお久しぶりです!私、日本語上手になったんですよ!」バフッ

海未「わっ……ふふ、綺麗な日本語でますます綺麗になっていますね」ナデナデ

亜里沙「海未さんっ」スリスリ

絵里「……海未、いいから上がって?夕飯作るの手伝ってちょうだい」

海未「ん……亜里沙、名残惜しいですが私のエンジェルがご立腹です」

亜里沙「えんじぇ……?」

海未「また今度、二人でお話ししましょうね…?」チュッ

亜里沙「へっ……え!?う海未さん?」ボンッ

海未「赤くなっているリトルエンジェルも素敵です♪」

絵里「(海未からキスなんて…頬にもされたことないのに……)」イライラ

海未「すみません、マイエンジェル」

絵里「……頼むから、名前で呼んでくれないかしら?」

海未「失礼しました、絵里♪」

絵里「ん……それで、どうしたの?」

海未「いえ、お夕飯も食べたことですし、一緒にお風呂でもいかがでs」

絵里「認められないわ」

海未「なんでですかぁー」ギュ

絵里「だって今の海未と入ると碌なことにならなそうだし……」

海未「……ならば、仕方ないですね」トボトボ

絵里「はぁ……すぐ上がるから、ゆっくりしてて?」

海未「はい……」

絢瀬邸 お風呂場

絵里「……なんだか、凄い疲れたわ。シャワー浴びよ」

シャアアアア

絵里「(今日の海未……言葉は臭いんだけど)」

絵里「(なんというか…目つきがカッコいいのよね……)」ドキドキ

絵里「(スキンシップもいつもの数百倍激しいし…)」

キュッ

絵里「……ダメね、考えるのをやめましょ」

海未「何を考えていたんですか?」ピトッ

絵里「~~~~!な、なんで海未っ」

海未「私が諦めると思いました?甘いですよ、絵里♪」フニッ

絵里「ちょっと、どこ触って」

海未「言ってほしいんですか?」フニフニ

絵里「っ!……いいから離れなさい、命令よ」

海未「ゆっくりお風呂、ですね♪」

絵里「(普段は誘ったって一緒に入ってくれないのに……どうしてこんな)」

海未「♪~」バシャバシャ

絵里「(なんだかんだ、セクハラは免れてお風呂を上がった)」

絵里「(……リビングで亜里沙がひくひくしてたのは気になるけど、もう気にしない)」

絵里「(……で、残された問題は)」

海未「絵里?どうしました?早く寝ましょう?」ポンポン

絵里「(当然のように私のベッドに入ってるこの子なのよね…)」

絵里「海未、私は別の布団で寝るから」

海未「何を言ってるんですか、せっかくのお泊りですよ?」

絵里「せっかくのって……あのね、海未」

海未「私と寝るの……嫌、ですか?」

絵里「!……」

絵里「(……ずるいわ、そんなの)」

絵里「わかったわ。ホント、仕方ないわね」

海未「えへへ、今日それ、いっぱい言っていますね」

絵里「(……いうこと聞くしか、無いじゃない)」

海未「えり、えりー、かわいいえりー」ギュウウ

絵里「邪魔だし熱いから、離れて?」

海未「嫌ですよ!好きな人の傍からは離れたくないんです!」

絵里「好き……ねぇ」

海未「?どうしましたか?」

絵里「……海未、今日のあなたはおかしいわ」

海未「そうですか?絵里はいっつも規格外に可愛いですけどね!」

絵里「……そういう所よ」

海未「?」

絵里「私の海未はね、天然で、ヘタレで、『好き』なんて滅多なことがないと言ってくれない」

絵里「……でもね、海未は、私だけを見ていてくれるの」

絵里「そりゃあ、今の海未はカッコいいわよ?いっぱい可愛いって言ってくれるし、こうやって腕枕してくれるし」

海未「えっと……」

絵里「でもね、違うのよ。今の海未の『可愛い』は皆に向けられてる、私だけのものじゃない」

海未「…………」

絵里「酷い独占欲だと思うかしら?でもね、やっぱり、私は、私だけを見てくれる海未が好きなの」

海未「……絵里」

絵里「え?…………きゃっ!」

ドサ

絵里「う……海未、どうしたの?」

海未「大丈夫ですよ、絵里。それが誰のことかわかりませんが、そんな女の事、忘れさせてあげます」

絵里「え?いや、そうじゃなくてね?……ちょっと、服を脱がさないで!」

海未「絵里の身体も心も、私でいっぱいにしてあげますから」

絵里「海未……いやあっ!」

翌日

海未「ん……」パチッ

海未「んぅー……あれ、朝?確か部室で寝ていたような…って」

絵里「…………」スヤスヤ

海未「(ええええええり!?は、裸!?)」

海未「(おお落ち着きましょう私、まずは状況を整理します)」

海未「(確か昨日は……希に何かを飲まされて眠ってしまって……)」

海未「(………起きたら全裸の絵里を抱えています)」

海未「……アウトですね、切腹です」

海未「(…………と、とりあえず下着だけでも着せないと………)」ゴソゴソ

海未「(あった。絵里の……ぱ、ぱんつっ……)」カァッ

海未「(ああいけません余計なことを考えてはっ!)」ブンブン

海未「(とりあえずこれを絵里に着せなければ)」

海未「絵里……すみません、失礼します」ギシッ

海未「(え、絵里にぱんつを履かせる……)」ドキドキ


絵里「海未………何してるの?」

海未「はらしょー!?」

絵里「使い方間違ってるわよ……ふぁ」

海未「お、おはようございます絵里」

絵里「それ……私の下着よね?何しようとしてたの?」

海未「え、えっと、そのき、着せようかと…」

絵里「……………へんたい」ジトッ

海未「……すみませんでした」

絵里「(……ホントに効果切れてるみたいね)」

海未「それで………あの」

絵里「もしかしなくても……昨日のことは覚えてないわよね」

海未「う………すみません」

絵里「覚えてくれてなくて大丈夫よ」

絵里「(私を襲いかけて寝落ちしたなんて……知りたくもないだろうし)」

海未「(ややややってしまった………!かくなるうえは……)」

海未「え、絵里」

絵里「ん?なぁに?」

海未「その……結婚しましょう」

絵里「…………は?」

海未「一夜の過ちを起こした責任です。私が一生幸せにします」

絵里「ああ………ふふ、大丈夫よ」

海未「は、はい?」

絵里「その言葉が聞けたから、問題ないわ」

海未「いえ……ですが、これでひいては園田の名が……!」

絵里「そうねぇ……とりあえず、学校で希の話聞いてからでいいんじゃない?」

海未「!………ですが」

絵里「先輩の言うことは聞くものよ?」

海未「は……はぁ」

絵里「ねえ、海未、私のこと、好き?」

海未「はぇ!?い、いきなりなんですか?」

絵里「ねえってば」

海未「そ、それは…うぅぅ」

絵里「どうなのよー」プニプニ

海未「さ、触らないでください!…というか服を着てください!」

絵里「答え聞くまで離れないわよ!」

海未「あう……す、好きですよ」

絵里「ふふふー、ありがと」ギュー

海未「ちょ、ちょっとっ…!」

絵里「なら、なら、……こ、ことりは?」

海未「はい?ことり…ですか?あ、ひょっとしてまた浮気だと思っているのですか?」

絵里「む……しょうがないじゃない、昨日、あんな……」

海未「……昨日何があったかわからないですけど…」

海未「ことりは大切な幼馴染ですが、絵里の思っているような人ではありませんから」ナデナデ

絵里「んっ……♪そうなの?それならいいわ」

海未「(ちょっと学校に行くのが怖くなってきました…)」

音ノ木坂学院

海未「はぁ……なんだか今日は体が怠いですね…」

ことり「海未ちゃん海未ちゃん♪」ボフッ

海未「へ!?こ、ことり!?」

ことり「あ……なんだ、戻ってるの?」

海未「なんだとはご挨拶ですね?昨日の私はそんなにひどかったのですか?」

ことり「…………知らないっ」プイ

海未「え、ええ……?」

部室

凛「海未ちゃーん!」

希「ゆうべはお楽しみでしたね」ニヤニヤ

海未「凛!希!正座です!」

凛「それ昨日絵里ちゃんがやったにゃー」

海未「反省の色がないなら何度でも正座です!」

希「それより、海未ちゃん海未ちゃん」

海未「な、なんですか?」

希「ん、動かんで………よし、取れた」

海未「へ?耳に………って、これ!」

希「今日の部活で、海未ちゃんに付けてた小型カメラの上映会するで!Lily whiteで先行上映しようや!」

凛「凛もさんせーい!」

海未「………一生、お蔵入りでお願いします!」

おわり

誤字あったらごめんなさい

読んでいただきありがとうございました

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