歌い手「妹の友達にお兄さん紹介してって言われた」

歌い手「でも俺イケメンじゃないし……」

歌い手「フツメンでごめんな……」

歌い手「はあ、仕事疲れた……ニコニコ見て嫌なことは忘れよう」

歌い手「ん？なんだこれ？歌ってみた？」

歌い手「素人がカラオケしてるのか。何が楽しいんだこんなの」

歌い手「下手くそばかりだな。俺のほうがよっぽど上手いじゃねえか」

歌い手「しかしこんなんでよく人気あるな」

歌い手「……」

妹友『えっ！？妹ちゃんのお兄さん、あの有名な歌い手なの？すごい！格好いい』

妹『えへへ。大したことないよ。家じゃただのオタクだし』

妹友『でもあんなに有名でイケボで歌上手い人がお兄さんなんて羨ましいな』

妹『そ、そうかな～。えへへ』


歌い手「……」

歌い手「なけなしの給料で器機を買い揃えてしまった」

歌い手「何やってんだ俺……こんなことしたって……」ﾁﾗｯ


ニコニコ「うますぎるｗｗｗ 」

ニコニコ「鳥肌たったわ」

ニコニコ「歌で泣いたの初めて……ありがとう」


歌い手「……」

歌い手「……俺だって」

歌い手「とりあえず歌を録ろう。俺の一番得意なアニメソングだ」

歌い手「つってもリア充が歌う曲なんて知らないだけなんだけどな」

歌い手「おかげでカラオケにも行ったことがない。マイクの前でで歌うのはこれが初めてだ」

歌い手「よし、やるぞ」

母「近所迷惑だから大声出すんじゃないよ！」

歌い手「うるせえババア！声入っちまっただろうが！」

歌い手「ちきしょう、上手くいかねえな……」

歌い手「防音設備も用意しなきゃいけないのかよ。歌い手も大変なんだな」

歌い手「終わった……疲れた……」

歌い手「いつもボソボソ声で喋るからこんなに大声出したの小学生以来だ」

歌い手「ちょっと今録ったやつ聞いてみよう」

歌い手「……」

歌い手「……」

歌い手「……気持ち悪」