美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」(1000)

・電磁通行(幼少期捏造)
・ほのぼのラブ
・キャラ崩壊やら設定弄りアリ
・脳内補完スキル必須

初SSです。
暇つぶし的なノリで読んでいただければ嬉しいです。



――学園都市・某所――


そこは学園都市内でも屈指の敷地面積を誇る能力開発研究所。
日中ならば研究者や能力開発被験者である子供で溢れている場所。
だが今現在の時刻は午後11時。
研究所に残っている人の数は限られていた。

研究室へ向かう白衣を着た若い研究者も限られたその一人だ。
2回のノックの後、目的の研究室のドアを開ける。
そこにはパソコンに向かいながらコーヒーを啜る上司の姿が真っ先に目に入った。


「芳川先輩~こっちの資料まとめ終わったッス」

「あらありがと。助かったわ」

「そっちは終わりそうッスか?」

「もう少しで終わるわ。コーヒー飲む?」

「いただきます」


背伸びをしながら椅子から立ち上がりコーヒーを用意する。
もう何百回と繰り返してきた動作だ。


「芳川先輩は今日泊まりッスか?」

「なるべくなら職場には泊まりたくないのよね。多分帰ると思うわ」

「自分はもう3日目ッスよ…今日はギリギリ帰れそうですけど」


研究者なら誰しもがしたことのある会話。言わば挨拶のようなものだ。
だが不意にその会話も終わりを告げる。



「――彼の様子は最近どう?」

「彼?……――あぁ!」


青年がこの研究所に来て1年近くになるだろうか。
伏し目がちに『彼』のことを話題に上げる芳川を青年は何度も見てきた。


「そうッスねー……今週は例の名前の変更が受理された事を伝えました」

「……彼はなんて?」

「普通というか……いつも通りでしたよ。興味無さげに「そォか」の一言でした」

「そう……」


コーヒーカップを口元へやりながらそう呟く彼女は何処か別の事を考えているように見えた。
そして青年はずっと気になっていた疑問を持ち出す。


「随分と気にかけてるんスね」

「……彼がここへ来た3年前、彼の担当をしたのが私だったから……なんだかほっとけないのよね。今の彼を見てると」

「今とは違ったんスか?もしかして明るかったとか?」

「まさか。寧ろ逆よ。私が初めて会った時の彼は地獄や絶望だとかを全て経験しましたって顔してたわね。
 久しぶりに先月会った時ーー名前の変更を申し出た時は『もう全て諦めました』って顔をしたから……気になってたのよ」

「……能力開発のカリキュラムには積極的に参加してますよ?」

「……能力では無い『なにか』を『諦めた』のかもしれないわね」

「能力では無い『なにか』……」



超能力者である彼が持ち得ないもの。それを想像してみる。
彼を特別よく知っている訳では無い青年ですら容易に想像することが出来た。


【人間】


家族・恋人・友人に限らず、誰しも生きて行く上で出会うであろう【他人という人間】の存在。
彼はそれを自ら遮断して、敢て孤独を選んだ。人間を求めること、受け入れることを『諦めた』。
そう考えれば芳川の言葉や一方通行の人を避ける態度にも合点がいく。
芳川の顔を見ると自分と同じ答えに辿り着いたのだと確信する。悲しげに眉に皺を寄せている。


「ここ『住んでる』人間は彼だけッスからね……しかも周りは研究者、学校にも行ってませんし。
 ……通常子供達がここに来る時間帯は、彼も彼専用の能力開発カリキュラム受けてますしね」

「そうよね……せめて彼と接するキッカケのある子がいれば何か変わるかもしれないけど」

「まぁ受け入れるかどうかは微妙ですけどね……」

「……」


確かにそうなのだ。
彼はもう人間を受け入れない準備をしている。その意識を変えることは難しいだろう。
だがこのままで良いのだろうか?
芳川も人間性を失った研究者を何人も見てきた。人の命を何とも思わない、ただ成果しか頭に無い人間。
そんな人間の皮をかぶった【怪物】を目の当たりにした時、力を手に入れ、欲に溺れた人間の恐ろしさを感じた。


(このままじゃ、貴方はただの【怪物】になってしまうわよ……)


そんな警告にも似た言葉を自らの心の内でしか言えないことを歯がゆく思う。


「……そろそろ自分帰りますね」

「引き止めちゃって悪かったわね。色々ありがと」

「こちらこそ。それじゃ失礼します」


ドアを開けようとドアノブに手を掛けた時。用件を一つ伝え忘れていたことに気付く。



「そうそう!伝え忘れてました!
 さっき渡した資料なんですけど、来週1人女の子が特別に能力測定に来るらしいんスよ」

「あらそうなの?」

「なんでも今レベル3でこのままいけばレベル5にいけるんじゃないかって言われてる有望株なんだとか。
 今いる学校じゃ、その子の能力測定が出来ないからここに来るそうです。
 細かい検査やテストをするらしいですから、二泊三日泊まりがけで行なうらしいんですよ?
 まぁ本音は上層部が研究対象として調べたがってるんだと思いますけど」

「分かったわ。この資料はその子のデータなのね」
 
「はい。なので目通しておいて下さいね~」


言葉が終わらない内にドアが閉まる。
ふぅっと一息つきコーヒーを啜りながら資料に目を通す。
名前は御坂美琴。11歳のあどけない少女の写真がクリップで添付されている。


「この娘……」


頭の片隅にあるさっきまで話題に上がっていた少年の顔が浮かべる。
目の前にある少女の写真。二泊三日。キッカケ。
何かが繋がる気がした。


「……試してみる価値はあるわね」


ほんの少しの悪戯心と好奇心に満ちた表情を浮かべ、カップに残っていた濃いブラックコーヒーを一気に飲み干す。




――――――――――――
――――――
―――



「ここかな?能力開発研究所って」


研究所と言うよりもお金持ちが通っている病院といった方が適切であろう、能力開発研究所の前に彼女は立っていた。
研究所の敷地に入ると庭園とまではいかないが美しく手入れされたガーデンスペースがあり、そこを抜けると研究所の建物が構えていた。
まるでここに来た人間が「研究所」という未知の領域を怖がらせない為の配慮の様に思えた。

自分だけ学校を休めるという特権を得た少女・御坂美琴は少しだけ舞い上がっていた。
とはいっても2日分の着替えの入った斜め掛けのバッグの重さを苦痛と感じない程度だが。
一人で出掛ける事自体が初めてであったが、今の精神状態では不安要素が入り込む隙はなかった。


「……よしっ!行きますか!」


自動ドアが開き、研究所内の様子が目に入る。
一歩踏み入れると清潔だが少しばかり寂しげな印象のロビーが広がっていた。
何人か白衣の人間が行き来している位で人も疎らのようだ。


「えぇっと……」


少しの不安に駆られた美琴はキョロキョロと周りを見回す。確か担当者がロビーで自分を待っていると言ってたからだ。
すると目線の端から肩につかない長さの髪型をした白衣の女性が近づいてきた。


「あなたが御坂美琴さん?」

「! はい!」

「初めまして御坂さん。今回の能力測定の担当責任者の芳川桔梗です。今回はよろしくね」

「はい!よろしくお願いします、芳川さん」

「で、いきなりなんだけどここへ来たのは初めて?」

「初めてです」

「そうよね。今回の能力測定はこの研究所の各研究室に移動して行なう事になってるの。
 本当は私がついていてあげられれば良いんだけど、そうゆう訳にはいかなくてね。
 だから代わりの人をよこしたから、今回はその人と一緒に行動を共にしてほしいと思うの。いいかしら?」

「はい!分かりました」

「良かった。それじゃあその人を紹介するわね。一緒に来てくれる?」



ロビーにあるエレベーターに乗り込みながら美琴は『代わりの人』がどんな人物か予想してみる。
女性か男性か、厳しい人か優しい人か、無口な人かおしゃべり好きな人か…………


(優しい人だと良いなぁ……)


エレベーターの扉が開かれ、芳川は美琴に着いてくる様に促す。
自分の研究室に向かう芳川は自分の鼓動が微かに早くなっているのが分かった。


(らしくないわね……緊張しているのかしら)


これから美琴に会わせる人物。
今日から3日間、その人物と美琴がうまく過ごせるか……はたまた人間関係を築くキッカケになるか……
その二点の疑問だけが彼女の鼓動を早くしていた。
思考をグルグル廻している内に、目的地であるその人物が待っているであろう研究室へ着いてしまった。


「……ここよ」


ガチャッとドアを開けると室内には一人の少年が立っていた。
芳川にとっては見慣れた少年。
美琴にとっては初めて会う少年。


「……!!!」


少年を見て美琴は息を呑んだ。
髪は雪の様に透き通るような白。肌も髪ほどでは無いが白く儚い。
そして紅い瞳。


(……キレー……)


一度見つめてしまったらもう離せないのではないだろうか。事実、美琴は少年から目が離せなかった。
何故か自分の頬が熱を帯びていくような気がした。


「……御坂さん?」

「……ふえっ!?は、はい!?なんですか???」


芳川の声に夢から覚めたような声をあげる。
美琴は思考を今に戻してここに来た目的を思い出す。
そうだ。自分は能力測定にしにきて、この部屋へ『代わりの人』に会いに来たのだ。


「紹介するわね。この子が今回御坂さんと一緒に行動してもらう
 一方通行(アクセラレータ)よ」

「えっと……」


ペコリとお辞儀をして初めて会う人間に対する常套句を口にする。
少年の表情は分からない。


「初めまして、御坂美琴です」

「……あァ?」


御坂美琴と一方通行の初めて出逢いだった。

面白そう
期待

頑張れや

超期待



――――――――――――


少年は不機嫌だった。


理由は三日前に遡る。
一日のスケジュールを終えた彼は自室へ戻る廊下を歩いていた。
すると自室の前に見覚えのある人間が壁に背をもたれながら立っていた。


「……なンの用だ」

「あらご挨拶ね。……久し振りね、一方通行」


芳川桔梗。この研究所に来て初めて自分の能力開発担当者となった人間。
担当者が変わってからは時折言葉を交わす程度で、改めて会話するのは確かに久し振りだ。
とは言っても彼自身会話らしい会話を誰かと交わす事はここ最近なかったのだが。


「……」

「……実は貴方に頼みたいことがあるのよ」

「……ハァ?」

「三日後の金曜日午前10時に私の研究室に来てちょうだい。その時に詳細を説明するわ。
 あ、その日のカリキュラムは全部免除になってるから心配しないで」

「ちょ……ちょっと待て」

「それだけよ。金曜の10時よ。忘れないで」

「オイ」


それだけ言うと芳川は半ば呆然としている一方通行の前から去っていく。


「……なンなンだよ……」


(下手に内容を言うと来ない可能性があるから、これくらい濁しといた方が良いわよね……あとは……)


早足で歩きながら芳川は自分の計画の算段をつけていた。



そして三日後の金曜・午前10時現在。


(どォなってンだ……オイ)


いきなり呼び出されたかと思えば『一緒に行動』?何を言ってるんだ??
一方通行は自分の目線を少し落とし、目の前の少女を見る。
斜め掛けのバッグの紐を両手でギュッとつかんだ少女。肩まで届く茶色い髪。大きな瞳が自分を見つめている。
柔らかそうな頬はなぜか熱を持ったようにほんのり赤くなっている。


「彼女は御坂美琴さん。今回能力測定の為にここに来たの。
 貴方には今日から三日間、彼女の付添人として御坂さんについていてもらうわ」

「……ハァ!?今なンつったァ!??」

「はいはい今から説明するから。御坂さん、ここで動きやすい格好に着替えてくれる?
 外で待ってるわ。荷物はここに置きっぱなしで大丈夫だから」

「あ、はい!」


目に見えて狼狽している一方通行の様子を見て、彼を連れて廊下に出る。


「……どォゆうことだオイ」

「さっき説明した通りよ。彼女はここに来るのが初めて。
 一人でこの研究所内の部屋を一日中、それも三日間まわるのは無理。だから貴方に付添人として指名したの」

「だからなンで俺なンだよォ!!!」

「貴方ならこの研究所の部屋という部屋の場所を知りつくしている。付添人としては適任でしょ?」

「お前らがやりゃあイイだろォが!!!」

「私達だって暇じゃないの。貴方なら今日のカリキュラムが無ければ明日明後日と休みでしょ?」

「…………チッ やってられっか……」



ここまでは想定内。
舌打ちをしながらその場を立ち去ろうとする一方通行に『トドメの一言』を言い放つ。


「言っとくけどこの件を断ったら、貴方三日間食事抜きになるわよ」

「ハアァァァァァ!!!????」

「食堂の担当者に言っといたのよ。この三日間『一方通行が女の子と2人で来ない限り食事を出さないで』って」

「……芳川……テメェ!!!」


ギリギリと歯を食いしばり悔しげに自分を睨む彼を見て、芳川は勝利の確証を得る。
するとタイミングを見計らったかのように美琴のいる研究室のドアが開く。


「……あのぉ~……」


ドアが開いた隙き間から申し訳無さそうに2人を見つめながら美琴が出てくる。
淡い桜色のパーカーに半ズボンという格好。どうやら着替え終わったようだ。


「あら着替え終わったのね。あとは彼と一緒に能力測定の研究室をまわってね」

「はい!」

「一方通行。これが三日間のスケジュール。能力測定が行なわれる研究室のことや他の詳細も書いてあるわ」

「……」


渡された紙の束がまるで重たいダンベルのように感じる。
どうして俺が。面倒臭い。関わりたくない。この場から立ち去りたい。
ネガティブな思考が頭の中を支配する。


「それじゃ私は仕事に戻るわ。御坂さんも何かあったら彼に頼りなさい。
 あとはよろしくね、一方通行」


それだけ言い残すと軽やかな足取りで彼女はその場から去っていった。
少年と少女だけを取り残して。


「……」

「……」

「えっと……三日間よろしくおねがいします!」


ペコリと本日2回目のお辞儀を一方通行に向ける。



(……マジかよ……)



今現在の彼の本心だった。

この頃ーーー上条当麻は魔術師と命賭けの戦いをしていたーーーーー

お前馬鹿か? これ過去編だぞ

とりあえず以上です。
おかしな所や誤字脱字は指摘してくれると有り難いです。
かなりスローペースですがお付き合いいただければ嬉しいです!

期待支援

総合のやつか
続き書いてくれるなんて俺得すぎる
支援

これは期待

うっはwwwwwwwwwwwwwwwwww

総合から期待してました楽しみにしてる

>>1
なるほど、難しい心理描写が必要な題材と思う。期待

ロリツンデレコンビか……

期待

総合の時から待ってたぜ!

面白そう期待

ふぅ…また新たに張り付くスレが見つかったな

期待

これは期待するしかないだろ

>>23
ロリコンビ…だと……

電磁通行だと!?

なんという俺得

>>23
美琴のツンデレって超能力者に至る過度のプライドが深く起因してる気がするんだが

そこのスレの人が気分悪くしてんだよ気持ち悪い
自治中心的な糞餓鬼がギャーギャー喚いてんじゃねえよ栃木さん(笑)
レスすんな構ってちゃん(笑)
偉そうにって言ってるけどお前の方が偉そうだよな(笑)
そんなに君は偉い立場なのかな(笑)そんなに上からギャーギャー言える立場なのかな?(笑)
迷惑かけてないって言ってるけど、レスしたスレもう一回行って見たら?
気持ち悪いとか、もうくんなとか言われてるんじゃないのかな(笑)
あっ、見ても書き込まないでね気持ち悪いから、君は迷惑かけてるから(笑)
本当は構って欲しかったんだよね(笑)自分にレスして欲しかったんだよね(笑)
『俺に指図すんな』一匹狼(笑)お疲れさん(笑)
黙れよ屑が、もう二度とレスすんなよ?お前のせいで色んなスレが汚されてんだよ
そんな事も分からないんなら二度とレスしない方が良いよ?ただただ人を不快にさせるだけだから
お前みたいなのを社会の底辺って言うんだろうなー
もうどうしようも無いもんな(笑)学生なら中二病とかで済ませられるけど
大人になったらどうしようも無いもんな
俺このコテ見たら無視するようにするわ、絶対にとは言わないけど出来たらみんなにも無視して欲しい
後名無しNIPPER君よ、君に書ける大作なんて無いからねwwwwwwwwwwwwwwww俺は出来る!!とか思って
立てたんだろうけど、君に書けるなら世界のみんな大作書けるからwwwwwwww
小学生でも君より良い作文書けるんじゃ無いのかなwwwwwwwwwwww

>>1のレスの誤字でそう『ゆ』うって見ると栃木ドラゴン思い出して吹くわwwwwwwwwwwwwwwww

産業で頼む

>>30
こいつどんだけ暇なんだよ

>>30
暇すぎるんだろうな

>>30は色々なところで貼られてる荒らしだからスルー推奨

これは誤爆なのか?

あっあっあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

ご主人様wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

凄いですっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

せっかくIDあぼんしてるのに、安価つけるから気になって見ちゃうじゃないか

さあSS速報恒例の行事が始まりました

おお!電磁通行きた!
俺の大好物!
>>1

これは楽しみだ

屑が迷惑かけてごめんな

沢山のレスありがとうございます!ものすごく嬉しいです。
誤字の指摘も有り難いです~ 今後気をつけますね。

では投下します。



「…………」


残された2人の間に流れる沈黙。
それを破ったのは一方通行の諦めを漂わせる溜息だった。


(必要以上に関わると面倒臭ェし、チャッチャと済ませるか……)

「……とりあえず行くぞ」

「は、はい!」


背を向けて歩き出す一方通行について行く美琴。
少し早足の少年に一生懸命ついて行こうとする少女。端から見ればカルガモの親子の様な図だ。
一方通行は無言で手元の資料のスケジュールに目を通しはじめる。


(採血検査、心電図検査にレントゲン、脳波検査ねェ……1日目は身体検査って訳か)

(……真っ白だぁ……触ったら柔らかくて気持ち良さそう……)


美琴といえば今から行なわれる能力測定よりも目線の先にあるものが気になってしかたない。
白い頭、というより目の前の少年・一方通行に。


(どんなひとなんだろう……)


気になる――だが後ろ姿では表情もなにもかも見えない。
元来彼女が持ち合わせていた好奇心が少しだけ疼くような気がした。



「着いたぞ」


ぶっきらぼうな声によって能力測定を受けにきた現実に彼女を引き戻す。
着いた先は先程までいた芳川の研究室と似たドア。


「ここで待ってるから……行ってこい」

「はい!」


美琴は視線を合わせ『行ってきます』と聞こえてきそうな眩しげな表情を向ける。
扉の向こうに消えた彼女を目で送りながら、内心その表情にギクリとした自分に気付く。
何故自分にあんな表情を向けるのか。
気付けば手に持つ紙に書かれた【能力測定参加者名:御坂美琴】の文字をジッと見つめていた。



――――数分後、扉の向こうから現れた彼女は涙目になりながら右腕を押さえて出てきた。
部屋に入る前の表情とのあまりのギャップに、必要以上に関わるまいという意識を瞬間的に置き去りにしてしまった。


「どォした」

「……なんで」

「ハ?」

「なんで……ちゅ、注射するって……教えてくれなかったんですか!!!!」

「ハアァァ??」


確か最初の検査は採血検査。
右腕を押さえてるのはそういう訳か。だが何故涙目?そして何故自分は責められている?疑問が尽きない。


「わ、私……ちゅ、注射苦手で……だから……その……こここ心の準備が……」

「……なンだそンなことかよ」

「なッ!?そんなこと!??
 わわわ私にとっては大事な事なんですッ!!
 大体ここで何するか分かってたのになんで教えてくれなかったんですかッッ!!!」

「苦手かなンて知らねェし、お前が聞かなかったんじゃねェか」

「普通教えてくれるでしょ!?~~~~いじわるッ!!バカッッ!!!」

「バ!?……なンだとテメェ!!!」



大声をあげながら睨み合う美琴と一方通行。
そんな2人の大声は他の部屋にまで届いていたらしく、「なんだなんだ?」と何人もの白衣の人間が廊下に出てくる。
その状況は2人を冷静な意識へ向かわせるには充分だった。


「……チッ 行くぞ」

「……」


この場からとにかく離れなければ。
無言のまま2人の足は次の目的地へ向かわせる。
我に返った美琴は俯く顔を真っ赤させながら脳内ではもう一人の自分が叫んでいた。


(あああ~~~ッッ!!初対面の人になにバカとか言っちゃってんのよぉぉぉ!!!)


彼が怒るのも当たり前だ。自分より年下の人間にバカ呼ばわりされたのだから。
売り言葉に買い言葉とはいえ自分の暴言は完全にアウト。
初対面でしかも『気になる』と感じていた人物に放った暴言。気まずい所の話じゃない。
顔色を赤や青に変えさせながら美琴の頭は後悔の波にのまれていた。

ふいに前を歩く一方通行に目をやる。やはり表情は見えない。


(~~~~ッこうなったら!)




「ッ!?」


美琴の手は後ろから一方通行の黒い長袖シャツの袖を掴んでいた。
表情を見たくても怒ってるのではと思うと顔を上げられない。俯いて目をぎゅっと瞑る。



「……なンだよ」

「さっきは……その、ご、ごめんなさい……」

「……別にどォでも「それでも!」……ハァ?」

「それでも……ごめんなさい」

「……分かったから離せ」

「お……怒ってない?」

「離せ」


パッと美琴の手はシャツを解放する。
するとスタスタと一方通行は歩き出してしまう。


(―――やっぱり怒ってるじゃん)


気持ちが重くなっているのが分かったがなんとか追いつこうと必死でついていく。
廊下を少し歩き進めた所で急に一方通行が止まる。


「次、ここ」

「え?」


研究室のドア。次の能力測定を行なう場所のようだ。



「あぁ……はい」


なるべくなら次の検査にいく前にこの雰囲気を打破したかった。まぁ原因は自分にあるのだが……。
そう思いながらドアノブに手を掛けようとした時―――


「オイ」

「はい?」

「……心電図」

「え?」

「……次の検査、心電図検査」

「……!!!」


『大体ここで何するか分かってたのになんで教えてくれなかったんですかッッ!!!』
『普通教えてくれるでしょ!?』


言ってる本人がそっぽを向いているせいで彼の表情が全く見えない。でも―――


「はい!行ってきます!!」


パッと花が咲いたような笑顔を彼に向けて美琴はドアを開けた。

とりあえず以上です。
思ってたより量が少ないですが…スミマセン

ちなみに2人はアニメのロリ美琴とショタセラレータをちょこっと成長させた姿でイメージしてます。
それでは~


面白いです

ヤベッ!
この二人可愛すぐる!!


ツンデレ二人かわいいな

何この兄妹ニヨニヨする

微笑ましくて可愛くて、たまらん!

乙!
注射で涙目になる美琴可愛いww
一方通行も意外と素直で可愛いなぁ

2人とも可愛いしこれは流行る(*´ω`*)

1
のうかりんが口説かれないか心配だしな

>>55
SS速報に来てもニコニコのネタは流行らないし流行らせない

これは期待

によによするw
かわいいなー二人とも、かわいいなー

イイねイイね最っ高だねェ

期待してます


ロリコンビが想像以上の破壊力だった
これからも期待!!

立ったね
良い感じだ

いいね

一方さん
さっそくデレやがって、可愛いな
こんちくしょう!!

一方さん
さっそくデレやがって、可愛いな
こんちくしょう!!

↑↑すいません 無駄消費しました

自重します。

あまあまも期待してよかとですか

読んで下さってありがとうございます!コメントも嬉しすぎます…

>>67
もうちょっと先になりますがあまあまにするとです。でもクオリティは期待しちゃいけません。

では投下します。

――――――――――





(ヘンなヤツ……)


午後2時。
遅くなってしまったがこれから昼食をとることになった。
1日分のスケジュールの半数分を終えた2人は食堂への道を歩いていた。
後ろには「ごはん♪ごはん♪」と上機嫌に両腕を大きく振りながらついてくる少女が一人。
ハァと溜息をつきながら彼女の方をチラリと見る。
昼食について何か思案しているようだ。ブツブツと「なにが出るのかな~」と声が漏れている。


(笑ったり泣いたり怒ったり……また笑ったり……なンなンだよコイツはァ……)


彼女と出会って数時間。
めまぐるしく変化する彼女の表情や行動に一方通行は戸惑ってばかりだった。
自分の服を掴み謝ってくる彼女を見て何故だか同情してしまい、気付けば許す意思表示をしてしまっていた。
そして途端に笑顔を向けてくる彼女に何故だかホッとしている自分。


―――振り回されてる―――


確信をもって言える、自分は今彼女に振り回されている。
研究者や施設の同類達。今まで関わった人間たちの中にはこんな人間はいなかった。
自分に対して悪意の無い笑顔を向ける人間は。
彼からしてみれば彼女はまさに【未知の存在】。宇宙人のようなものだった。


何より彼女の言動に戸惑っている自分の感情に驚いていた。


―――【人間】なんかに関わらなければいい―――


自分の心に課した決意を何度も思い出す。
だが人間の感情はそう簡単にコントロールできるものではない。
まして13歳の子供に。




「ここが食堂?」



『研究所の食堂』
そう聞くと暗く寂しげで閑散とした場所なのではと思っていた美琴の予想を反していた。
実際は天井の明るい照明に照らされた長方形のテーブルとイスが美しく並んでいる。
どれも清潔で整っているその空間はどこか良い匂いがした。


「お! やっと来たか~待ちくたびれちゃったわよ」


エプロンと三角巾を身に纏った中年の女性が厨房のカウンターから顔を出す。
どうやら自分達が来るのを待っていてくれたようだ。


「ちゃんと2人で来たわね~ それが例の女の子?」

「あァ(芳川のヤロォ……マジでメシ抜きにするつもりだったのか……)」

「は、はじめまして」

「あら可愛い娘ね~!彼のことよろしくね?」

「なンでだよ!!!」

「ハイハ~イ 今日のお昼はオムライスよ。三日間メニューは選べないけどよろしくね?」

「はい!いただきます!」

「チッ……」



一方通行は料理を乗せた皿をトレーに乗せ、さっさと窓際の端のテーブル席へ座ってしまった。
美琴も急いで後を追い、彼の真正面の席に座りテーブルにトレーを置く。


「……オマエ他の席で食えよ」

「嫌です。ひとりで食べるのは寂しいもん」

「俺は寂しくねェ」

「私が寂しいの!」


手を合わせながら「いただきます」と呟き、まだ湯気の出ているオムライスを食べ始める美琴をみて「……ハァ」と溜息を漏らす。
やはり彼女の考えてる事が理解出来ない。
だが自分から席を立つ元気もない。諦めて2人で食事をとることを選ぶ。




一方の美琴は一方通行に対してある印象を持ち始めた。


(この人、あんまり喋らないし言葉もぶっきらぼうだけど……)


でも―――自分が謝った後の彼の言動を思い出す。


(わるいひとじゃない)


実際に自分の非を謝った時だって許してくれた。
今だって強引にこの席に座ったのに何も言わずに受け入れてくれている。
胸の内の彼に対する『気になる』という気持ちが強くなる。
彼がどんなひとなのか、もっと知りたい―――そんな感情が知らない内に声になっていた。




「あのっ!」

「あァ?」

「えっと……能力者なんですか?」


咄嗟にだが無難な質問を投げ掛けることにした。


「……俺か?」


コクと頷く。出会ってからずっと興味があったことだ。



「あァ」

「どんな能力ですか?」

「……ベクトル操作」

「ベクトル操作……?」

「……触れたものの力の向きを操作できる能力」

「へぇ~…どんなものでも?」

「運動量・熱量・光量・電気量 なンでも」

「なら私の能力も操作できちゃいますね」

「ハ?」

「私の能力、電撃使いなんです」


そう言って目の前で両手の人差し指を向かい合わせる。すると指と指の間をパチパチと小さな電気が流れる。


「今回の能力測定の結果が良ければレベル4なんです」

「ヘェー……」

「レベルを聞いても良いですか?」

「……………………レベル5」

「……ふえぇぇぇッッッ!!?? レレレレベル5!!???」

「あァ」



ふと一方通行はこれから彼女がどんな反応をするのか興味が湧いた。
今まで経験してきた例は上げ連ねてみる。
1)恐怖する 2)敵意を向ける 3)研究対象を見つけ目を輝かせる
どれも見飽きた反応だ。





しかし彼女の言葉はそのどれでも無かった。







「すごいですね!!!!」






「……ハ?」

「だってレベル5ですよ? すっっっごくたくさん勉強とか頑張らなきゃなれないんですよ!?すごいです!!」

「お前……本気で言ってンのか」

「えっ!? 変ですか??」
 


『頑張った』『すごい』
どれも聞き慣れない言葉ばかり―――初めてそんなことを言われた。
自分に投げかけられたとは思えない。だが事実目の前の少女は自分に向けて言っている。




「……ハッ 変わってんな、オマエ」

「え~ なにがですか~」


オムライスをスプーンで突つきながらそう呟く美琴にポツリと言葉を落とす。



「別に良いもンじゃねェぞ レベル5なンざ」



その声の主である一方通行の方に目を向けると彼は窓の外に広がる学園都市を眺めていた。
乱雑に並んだ形の違う無機質なビル。高くそびえるビルによって凸凹に切り取られた空は暗雲によってどんよりと表情を崩している。
風が強いのかといつもより速度を増してまわる風車。どうやらこれから雨が降るようだ。


そんな景色を無表情で見つめる一方通行の瞳が悲しげに揺らいだのを美琴は見逃さなかった。




――――――――――


食事を終え食堂をあとにした2人はスケジュールを進める作業に戻った。
そして時刻が午後5時を指した頃、残すところ1つの研究室をまわるのみとなった。


「ここで最後だ。脳波パターン検査だとよ」

「は~い」


ガチャとドアを開け室内に入っていく美琴を見送りつつ、手元のスケジュールに目を通す。



(これで今日は終わりか―――って『夕飯』に『シャワー室と部屋への案内』ってこれも俺がやるのかよ……)



「本当に一日中付きっきりかよ……」と呟きながら腕をあげ背中を伸ばしているとガチャッと音がした。
そして背後から自分の服を掴む感触がした―――本日2回目のこの感覚。
振り返ると美琴が不安気な顔をして自分の服の裾を掴んでいた。


「今度はなンだ」

「あ……あれ」


怖々と研究室を指をさす美琴を背中につれて研究室に入る。
中では困ったように顔を見合わせる研究者が2人。
脳波を調べる仰々しい装置と何十本ものコードに繋がったヘッドギアがあるだけ。
一方通行は何十回も体験した装置であり、それ自体は見慣れた景色だった。


「あれって……」

「あァ 脳波を調べる機械だ」

「い……いたくないの?」



どうやら彼女にはあの装置が自分に危害を加える恐ろしい機械に見えているようだ。
あの見た目では初めてみた者が構えてしまうのも無理はない。
確かに普段受けるであろう能力測定では使用しない代物だから。


「痛くねェよ。早く行ってこい」

「う……うん」


外へ出ようとするも美琴はまだ手を離さない。


「まだなンかあンのか?」

「こ……こわいから一緒にいて」

「……」


こわばった美琴の体は一方通行が「分かった」と言わない限り動きそうも無い。
溜息をつき彼女の願いを受け入れることにした。


「……分かったから早く済ましちまえ」

「……うん」


そう言うと一方通行から手を離しゆっくりと研究者の方へ歩き出す。
用意された椅子に座り不安な表情をチラチラとこちらに向けてくる美琴。



(……このガキは本当に何も知らねェ……普通のガキなンだな……)



彼女は自分とは別の世界の住人―――彼女の姿を眺めながらそんな思いが頭をよぎった。





「おまたせしました~」


1日目の能力測定を終えた2人は夕食をとったあと、シャワー室へ向かい疲れを洗い流した。
一方通行もシャワーを済ませ、部屋に案内する為に女性用シャワー室付近の廊下に立っていた。
髪を少し濡らし肩にタオルを掛け、顔を火照らせた美琴がパタパタと足音をたててやってくる。


「行くぞ」


一方通行のぶっきらぼうな物言いにも美琴はすっかり慣れてしまった。
斜め掛けのバッグをグッと持ち上げ、今日一日そうしてきたように彼について行く。





「ここだ」


エレベーターを使い向かった部屋はベッドと壁際に小さなテーブルとイスがあるだけの殺風景な部屋だった。
どうやら研究所の職員がここに泊まる際に使用する部屋のようだ。


「……明日9時に迎えにくる」

「え! あ、あの」

「なンだよ」

「一緒の部屋じゃないの?」

「………ハアアアアァァァァ!???」


今日一日彼女の言動には散々振り回されてきたが、この時ほど理解できない状況は無かった。


「ンな訳ねェだろォが!!!」

「あはは……そうですよねー……」

「ったく……何言ってンだ」


気を取り直して出てこうとする一方通行の背中に美琴は急いで声をかける。



「あのっ……今日はありがとうございました!」



その言葉に一方通行は美琴を一瞥し部屋を出て行った。


ふぅっと息を吐き、ベッドにバッグを置き自身も腰掛ける。
外は雨が降ってきた様でサアァと地面に雨粒が当たる音が部屋に響いていた。


「ひとり……」


彼女にとって学園都市に来て初めてひとりで過ごす夜だった。






疲れた―――自室に戻った一方通行はベッドに仰向けになり呟いた。
こんなに一人の人間と接し続けるなどしたことがない彼にとって今日の出来事は多大な疲れをもたらした。



ふと今日一日行動を共にした少女のことを思い出す。
コロコロと表情を変え自分には予想もつかない行動をする少女。



(御坂美琴ねェ……)



頭の中で初めて彼女の名前を呟く。



(……ホント ヘンなヤツ)



ゆっくりと瞼を閉じるといつもよりも早い速度で眠りに落ちていった。

以上です~
とりあえず能力測定1日目終了って感じです

ではまた!

期待

はぁああ やばい 二人ともかわいすぎる超かわいすぎる
本当に乙!!

ショタセラレータ…ハァハァ

1乙
なんだこの二人 かわいすぎるじゃないか

乙!

こいつは夜這いフラグと受け取ったッ!!

乙です!
一方さんの服の裾掴む美琴可愛い
実験終わるまで一緒にいてくれる一方さんも可愛い

2人とも可愛い。それだけでご飯5杯いけます

なにこれかわいい

ツンデレこじらせてない美琴とデレの割合が高い一方さんが可愛すぎてつらい

乙です
ひたすら可愛い

乙乙ー
デレ一方さんかわゆす(*´ω`*)

能力測定終わったらお別れなのかな

かわええのう

きゃわええのう

ちょっとこの二人さらってくるわ

>>92
顔面に刺青した見るからにやばいおっさんが呼んでたぞ

>>93
木イィィ原クウゥゥン

>>1

 夜中にトイレ探して、一方さんの部屋に間違って来ちゃう美琴に期待
あ、トイレくらい部屋に備え付けか

夜中一人が寂しくて二人で寝るイベント発動

酉つけました~ いつもコメントありがとうございます!

一方さんはデレてる訳じゃないよ!美琴に振り回されてるだけなのですよ!多分(キリッ

では投下します。



――能力測定・2日目――


時刻は午前9時。
外は昨日から降り始めた雨が本格的に大雨へと変化しているようだ。研究所内にも雨音が響いている。
一方通行は美琴が泊まった部屋を目指して研究所の廊下を歩いていた。
ポケットに入れたスケジュール表を取り出し今日の予定を歩きながら確認する。



(午前は筆記テスト、午後は面談と能力審査……もはや俺の役割いらねェンじゃねェか?)



昨日のように部屋を巡りめぐるようなスケジュールではない。
自分の役割の有無が怪しくなってきたが、だからといって投げ出せば食事抜き。考える余地も無かった。


部屋の前に着きドアノブに手を掛けようとするも、中にいる人物が少女であったことに思い出し手を止める。
ドアノブからドアに手を移動させノックを2回。


「はい~……」


中から眠気のまだ取れていない声の美琴が現れた。
昨日と同じ桜色のパーカーと半ズボン、中に着ているTシャツは昨日とは別の物のようだ。


「あ……おはようございます~……」

「メシいくぞ」

「は~い……」


スタスタと歩きだす一方通行について行く美琴。
そんな彼女をチラッと横目で見る。伏し目がちに歩く彼女は昨日とはうって変わって何処か覇気が無い。
声も昨日のようなハキハキ喋る声とは違いまだ夢の中にいるような声だ。まだ眠いのだろうか。



食堂で2人は朝食を受け取る。
メニューはこんがり焼けたトースト、レタスとトマト・ハムにサウザンドレッシングがかかったサラダ。
そして半熟の目玉焼きにウインナー、コーンスープといったものだ。


席に着き食事をとりはじめて数分、一方通行はひとつの違和感を覚える。



美琴が何も喋らない。



昨日は席に着いた途端話しかけてきた。聞いてもいないことをペラペラと喋ったりするほどだ。
能力測定中はあまり話さなかったが、こんな違和感がある空間では無かった。
伏し目がちにトーストをくわえているだけで食事のペースも遅い気がする。というより全く進んでいない。



気になる―――――



そして美琴のことを気にする自分にもイライラしつつも彼女が気になってしまう。
『心配する』という行為にあまりに不慣れな彼は、自分が美琴を『心配している』ことにすら気付いていない。
ただひたすら、この状況をどうすれば良いのか分からないのだ。



(……チッ ほっとけばイイだろォが……)




そう思っていたのに自然と口からは思いとは裏腹に言葉を発していた。


「オイ」

「……ふぇ? 何ですか?」

「全然食ってねェじゃねェか」

「そうですか?」

「…………」

「い、いえ全然大丈夫です!ほら!!」


一方通行の表情に何かを感じ取ったのか、そう言ってサラダを口に放り込む美琴はやはりどこかおかしい。



結局美琴は朝食の半分以上を残していた。





午前中に行なわれる筆記テストは研究室3部屋分ほどある大会議室で行なわれた。
部屋には美琴・一方通行・監督する研究者2人の4人だけ。
美琴は一番前の中央に座り、一方通行は後ろの端の席についてテストが終わるのを静かに待っていた。


ふとテスト中に美琴に目をやると、朝食時の伏し目がちな彼女とは違い真剣な眼差しでペンを走らせていた。
やはり自分の思い過ごしだったのだろうか。


―――彼にその答えが分かるのはこのテストが終わる約3時間後であった。





「はい終了~ お疲れさま」

「おつかれさまれす~…」


約3時間ものテストの終了を告げる研究者の声によって、ウトウトとしていた一方通行の目を覚まさせた。


美琴はというと余程疲れたのかグッタリと頭を机につっぷしている。


次のスケジュールは昼食。
彼女にとっては良い休憩時間になるだろう。
しばし美琴が起き上がるまで待ってみる。



……が、一向に彼女が動く様子がない。
5分、10分と経っても立ち上がるような素振りを見せない。
確かにテストは長丁場ではあったが昨日のスケジュールに比べたら体力的にも大した内容ではない。
朝食時の彼女のおかしな行動を思い出す。


気付けば一方通行は美琴の席へ足を向かわせていた。


「オイ」

「…あ~……テスト終わりました~」

「……」

「うぇ?…なんですか??」

「なんか……ヘンだろオマエ」

「そんなこと……ない」

「……」


明らかに彼女の様子がおかしい。

だがなにをどうすれば良いのか分からない。
なんて声を掛ければ良いのか分からない。
自分の頭脳をフル稼働させても答えが見つからない。


そんな状況が一方通行を苛立ちと戸惑いを与えていた。


今の彼は【レベル5の一方通行】ではなく、本来の姿である【不器用な13歳の少年】になっていた。



「……チッ」

「え?」


イライラが頂点に達した瞬間、一方通行は美琴の腕を掴んで大会議室から飛び出していた。

『様子がおかしい=どこか悪い=医者』の図式が頭で成立していた一方通行が目指すのは医務室。
どこか悪いなら医者に看てもらえばいい。
それが一方通行の出した結論だった。


引きずられるがままの美琴は、掴まれた腕に痛みを覚えながら現状が理解出来ないという顔をしていた。


「い、いたい……」

「ウルセェ!!黙ってろ!!!」


彼女のおかげで一方通行の苛立ちメーターがMAXを叩き出しているせいか、今の彼には彼女を気遣う余裕は無い。
自分の苛立ちを昇華するために、医務室への廊下を早足で歩いていった。












「寝不足だね?」




医務室に美琴を放り込んで暫く後、医務室の主である冥土帰しと呼ばれる男はサラリとそう言った。


「ハァ?」

「だから寝不足だよ。きっと彼女、昨日は殆ど寝てないんじゃないかね?」


医務室の隅にあるベッドにはコチラに背中を向けて横になっている美琴の姿があった。
表情は見えない。ただジッと静かに背中を丸めてうずくまっているだけだ。


「キチンと睡眠をとってなければ食欲も出ない。それで動き回れば具合も悪くなるものだよ」

「寝不足……」

「人間は環境が変わったり生活習慣が違うというだけで体調を崩すものなんだよ。ましてや彼女は子供だからね?」

「……」

「少し休んだら彼女を部屋で休ませてあげるといい。軽い食事を持っていかせるよう食堂に連絡しておく。
 あと午後のスケジュールはキャンセルにするよう私から伝えておくよ」



そう言って机に置いた電話に手を掛ける冥土帰しに背を向けて、一方通行は美琴の背中に目をやる。
その目に表情は映らない。ただボーッと彼女を見つめているだけだ。




そんな彼を見ていた冥土帰しはあることを思い出していた。


(ふむ……この間彼女が言ってたのはこの娘のことだったのか)


それは芳川の話していた計画―――「一方通行に『キッカケ』を与える計画」のことだ。
冥土帰しは当初この話を聞いたとき、そう簡単に事が運ぶようには思えなかった。
ひとりの人間の心を動かすなど易々と出来ることではない。


(けれど……) 


それは芳川の言っていた言葉。





『彼が―――まだ心の何処かで【誰か】を求めているなら……結果は分からないわ』





(君の計画は良い方向へ転がっているようだよ……芳川君)


フッと口元に笑みをこぼしながらカルテ用紙に『御坂美琴』の文字を書き入れた。




2人が美琴の泊まっていた部屋に着くとテーブルには2人分の食事が置いてあった。冥土帰しが用意させたものだ。
ベーコンや玉葱・人参などが入った野菜のコンソメスープ。一方通行にとっては少ないが今の美琴にとっては充分なメニューだろう。


そそくさとそれを食べ終えた美琴はベッドに入り頭から布団をかぶってしまった。
どうやら一方通行に顔を見られたくないようだ


すると一方通行がこの部屋にきて初めて声を掛けた。


「オマエ……なンで寝不足になったンだ」

「それは……」


彼には散々迷惑を掛けてしまった。美琴自身わかっていた。
昨日だって自分のせいで沢山手を焼かせてしまっていた自覚がある。
だからこそ、この質問には答えなければならない。


「ひとりで寝るの……こっちに来て初めてだったから……
 いつもは同じ部屋の友達がいるし……だから……な、なんかっ……不安で……ッ」


次第に美琴の大きな瞳から涙がポロポロとこぼれてくる。
子供扱いされるのが嫌なのに今の自分は完全に子供だ。いや、赤ん坊並なのかもしれない。


昨夜のことを思い出す。
いつもなら部屋の電灯を落として寝るのに昨日は消せなかった。恐かったのだ。

部屋に響く外の風と雨の音が。

暗く殺風景なこの部屋が。

ひとりきりという状況が。

お化けなど信じている訳ではない。
でも壁のシミがなにかの顔に見えてしまって眠れないのは事実だ。


誰かに一緒にいてほしいと思ったが美琴はこの研究所のことを全く知らない。
知っている部屋と言えば最初に訪れた芳川の研究室くらいなものだ。


昨日一晩で寮生活では決して出なかった自分の本性がまざまざと露呈されてしまった気がした。
そんな自分が情けなくて、悔しくて、涙が止まらない。


「……」


一方通行は何も言わない。
呆れられてしまったのだろうか。
涙がこぼれてるのを知られてしまわない様にギュッと布団を掴む。

これ以上迷惑を掛けて嫌われたくない―――



「……とにかく寝ちまえ」



そう言って彼は部屋を出て行った。








……と思われたが足音もドアを開ける音も聞こえない。

涙で濡れた顔を袖で拭き布団から顔を出すと、彼はベッドサイドにイスを移動させ美琴に背を向けて座っていた。


「え……」

「……」

「なんで……」

「……また寝れなかったとか言われてもたまンねェからなァ。
 テメェが寝るまでここに居てやる……だからとっとと寝ろ」

「! ……うん」


美琴は嬉しかった。
このコンクリートにペンキで白く塗られただけの壁も外の雨音もすべてが不安要素となっていたから。
ただひとり、彼がいるというだけで心が落ち着く。

美琴はただただ嬉しかった。




「あの……」

「なンだ」

「ずっとここに住んでるの?」

「……あァ」

「寂しく……ないの?」

「…………ねェな」

「そう……なんだ」

「いいから早く寝ろ」

「ふぁい……」


トロンと眠たい声を上げたかと思うと数分後にはスゥスゥと寝息が聞こえてきた。
しばらくして振り向くと美琴は布団に包まりあどけない顔をして眠りについていた。







自身の白い頭を掻きむしりながら一方通行は己の意味不明な行動に呆れていた。
何故ここまで彼女に関わるんだ。ただ与えられた役目を果たせばいいじゃないか。
なのに―――――



『寂しく……ないの?』



美琴の言葉が頭で反芻する。

【寂しい】なんて感じたことが無い。
そもそもそんな感情を自分は持ち合わせていない気がする。
【ムカつく】だとか【ウザい】などの感情が存在しているのは自覚してるが。



もう一度美琴に目をやる。
閉じた瞼に栗色の髪が掛かってしまって長いまつ毛が隠れてしまっている。



―――――気が付けば一方通行は彼女の額に手を伸ばしていた。



ハッと意識を戻し手をひっこめる。
一瞬胸の内に生じた得体の知れない「何か」を握りつぶす様に、掌をギュッと握る。




「まァ……どうせ明日で最後だ……」




美琴の寝顔を見つめながらそう呟いた。

部屋に響く雨音が止んでいく。
どうやら外は小雨になりつつあるらしい。

以上です~
テンポが悪いような気がするけど気にしない気にしない…

それではまた!

こいつら可愛いいいい乙

GJGJ二人が可愛くてニヤニヤがとまらんとです

>>105

>フッと口元に笑みをこぼしながらカルテ用紙に『御坂美琴』の文字を書き入れた。

学園都市でカルテ”用紙”かよ。リアル病院でも(オンライン)カルテ画面に入力だろ

>>115
きめえ氏ね

>>115
オンラインカルテに『御坂美琴』の文字を入力した。
だと雰囲気台なしじゃないか
それに冥土返しのデスクって紙媒体も多かった気がする

学園都市だからこそ、何時誰に侵入改竄されてもおかしくない媒体でなく、紙媒体にしたんじゃないかね。
現実でも、その理由であえて最新媒体使わないところもあるんだし。

まあ電化してた方が”らしい”気がするのは同意できる、けど
実はその用紙こそが紙にそっくりな超高機能媒体だったんだよ!
とかの方が結構夢wktkかもしれない

それはともかく二人ともかわいいな
まだ高レベル能力者になってからのアレコレがないせいかスレてない美琴見てると、
やっぱ打ち止めは美琴のDNAの産物なんだろうなと思う

学園都市の紙が普通の紙な訳ない

あれ?俺の家の近くの病院ほとんど用紙だった気がするんだが…用紙ってそこまで珍しい?

年配の人だと紙媒体の方が慣れてるしな

最終日には添い寝だな

不器用な関わり方が、すげぇむずむずする
堪んねぇ。良いもんだな…おつ

>>1
心象 描写 期待

クソ、追いついちまった

セロリたんが可愛すぎて学園都市がやばい

カルテのことですが、あれは学園都市最高技術でつくられた超極薄高機能媒体です。

というのは冗談で雰囲気重視で紙にしました。
それと人の名前って書くのと打つのと重みが違うという持論でこうなりました。
アニメで木山先生や冥土帰しが紙媒体を使ってる様子があったので良いかなと思って。なんか気にさせてしまってごめんなさい!

読んで下さってありがとうございます~ 明日投下します!

これはずっとこの年代のまま続くの?

こんなこと言うのも何だが
そのトリップを使うのはやめといたほうがいい、割れちゃってる

指摘があったので酉変えました

>>129
成長した2人のことも視野に入れてます
とりあえず幼少期が終わってからじゃないとなんとも言えないのですが…書きたいとは思っています

では投下します!



――――――――――――
――――――
―――





外は昨日の天気とは正反対の快晴。
雨の名残である水たまりは太陽と青空を映し輝きを放っていた。


朝、美琴が起きるとそこに一方通行は居なかった。
昨日の午後部屋で寝付いてしまってから時計の短針は一回り以上まわっていた。
体は昨日と違いダルさを感じず、それでいて頭はスッキリと冴えるような感覚。寝不足は改善されたようだ。


ふと美琴は自分の姿が昨日の格好のままであることに気付く。
少し汗もかいている。着替えをした方が良さそうだ。


おもむろにパーカーとTシャツを脱ぎ、上半身キャミソールでバッグの中の着替えを漁っていると―――



コンコン



「!?」


ドアをノックする音。
美琴は瞬間的にドアの向こうにいる人物の予想を立てた。
昨日朝1番に部屋に来たのはただひとり、一方通行だ。
そして自分の姿はキャミソール(下着)と短パン。


「~~~~~~~ッッッ!!!!!」




コンコン



追い打ちを掛ける様なノックの音が響く。



「ちょちょちょちょちょちょっっっと待ってえぇぇぇーーーー!!!!」



顔を真っ赤にしながら大急ぎでバッグから新しいシャツを取り出し乱雑に頭からかぶる。
シャツの表後ろなど関係無い、とにかく何か着なければ。こんな格好を見られてしまっては乙女として一巻の終わりだ。
プハッとシャツから顔を出し袖に腕を通す。さっき脱いだパーカーを羽織ってふぅっと息をつく。
ベッドの上で正座になり、髪の寝癖を手で押さえ、即興ではあるが最低限の身支度は整った。



「ど……どうぞ~」



カチャと開いたドアの先にいたのは―――――





「おはよう。御坂さん」

「あぁ……おはようございます、芳川さん」



研究所で最初に出会った人物、能力測定担当責任者・芳川桔梗だった。



「体調はどう?」

「大丈夫です。……すみません すごく迷惑かけてしまって……」

「良いのよ。ここに泊まるなんてこと、私は今でも慣れないわ。気にしなくて良いの」

「はぁ……」



小さく幼い彼女がひとり研究所で寝泊まりすることがどれだけ不安か、芳川は手に取る様に分かった。
申し訳なさそうに俯く美琴に優しく話しかける。



「昨日は眠れた?寝不足って聞いたけれど」

「はい。あの、一緒についてくれたから」

「一緒にって…………まさか一方通行が?」






照れながら頷く彼女をみて芳川は一瞬言葉が出なかった。




あの 一方通行が? 




怪訝そうにこちらを見つめる美琴の視線に気付き、コホンと咳をして自身も彼女の座るベッドに腰掛ける。



「そうなの……彼どう?いじわるされてない?」

「さ、されてません!むしろ……」

「むしろ?」

「その……私が変なこと言っちゃっても謝ったら許してくれたり、こわいとき一緒にいてくれたり……
 あんまり喋らないからよく分からないけど……いいひとだと思います」

「……」



驚きだ。彼は彼女と一体どんなやりとりをしたのだろうか。
「でもやっぱりよく分かんないひとだけど」と笑いながら一方通行のことを語る美琴は嘘をついているような空気はない。
心から思って言葉にしているのだ。







『誰かと関わることで彼が変われば』





確かに自分はそう思って今回、一方通行と美琴を引き合わせる計画を立てたのだが……
自分で計画しといてその結果に一番驚いているのも自分というのもなんだか情けない気がした。
けれど、まさかこんなにも大きな変化をもたらすとは―――嬉しい想定外だ。



(この娘が……ねぇ)



改めて彼女に目を向ける。
終始笑顔の美琴はとても可愛らしく、子供を持たない芳川でさえ母性にも似た保護欲を掻き立てられた。
もしかしたら彼女の愛らしさが彼の心を動かしたのかもしれない。
やはり男の子は女の子に弱いものなのだろうか。


しかし問題はこれからなのだ。


今日は美琴との別れの日。
彼女が離れていくと彼はどうなるのだろうか……また今までの彼に戻ってしまうのか。
人間との関係を置き去りにして、ひたすら孤独を望む彼に。



こればかりは彼次第。
芳川はキッカケしか与えることが出来ないのだ。





「……話は変わるけど、今日のスケジュールについて説明するわね」

「はい」

「今日は昨日の午後のスケジュールを午前に行なうわ。
 元々今日は午前中に御坂さんを帰せる予定だったんだけど……お昼はここで食べていくと良いわ」

「分かりました」

「それじゃ私は行くわ。昨日と同じ時間に一方通行が迎えにくると思うから待っててね」

「はい!」



にこやかな表情で部屋を出ていく芳川を見送り時計に目をやる。
一方通行が来る時間はまだ先だ。
シャワーを浴びにいこうと思い立ち荷物に手をやるが、ふと手を止める。



「今日で最後……なんだよね」



今日で能力測定は終了。
それは一方通行との別れを意味している。


短いですが以上です。
それではまた!



先の展開が気になってしょうがねぇぜ

乙!


成長した二人を見たくない訳が無い
期待してます!


しかしこの幼い2人を見てニヨニヨしていたい
ああもどかしい


続きが楽しみ
ツンが無い美琴も可愛い

追いついた…だと…?
>>1乙!

1乙、総合の時から期待してました。
二人ともかわいいすぎんだろ…。
http://wktk.vip2ch.com/vipper9854.jpg

保存余裕でした^^

>>145
GJ
光速で保存した

>>145
いいぞもっとやれ

>>145
ああああショタ一方たんペロペロしたいいいいい

>>145
悪くない、悪くないぞ

>>145
嬉しすぎて鼻水出ました 光の速さで保存保存…
ありがとうございます!

では投下します!




――能力測定・3日目――






「昨日いつごろ帰ったの?」


「……オマエが寝てすぐ」




一方通行が美琴の部屋へ行くと、昨日と違いハツラツとした笑顔で彼を迎えた。
今日の天気と同じ晴天マークが付きそうな眩しい笑顔。どうやら体調は良好らしい。


その証拠に朝食中は一昨日のように話しかけてきた。
そんな彼女に彼は一言二言しか返さない。嘘でも会話のキャッチボールとは言い難い状況だ。
だが一方通行は内心ホッとしていた。


この3日で分かったことがある。
どうやら自分は彼女の悲しげな顔は苦手らしい。
美琴が悲しげに俯いたり、涙声を聞いたりするとどうすれば良いのか分からなくなる。
だったらまだ笑っていた方がマシだ。まぁ彼にとってはどう扱えば良いのか分からないのは同じなのだが。



(コイツとは今日で最後……)



能力測定へ向かう道すがら隣を歩く美琴に目をやる。
自分より頭ひとつ小さな背。肩でサラサラと流れる栗色の髪。大きな瞳に被さる瞼と長いまつ毛。
この姿をみるのも今日で最後なのだ。



『最後』



得体も知れないものが胸の内をトントンと叩く。
それはどこか悲しい音だった。





今日のスケジュールは面談と能力審査。


まず行なわれたのは面談だった。
面談では美琴の座るパイプイスの前に研究者5人が長方形のテーブルを構え肩を並べて陣取っていた。
次々と投げかけられる質問に美琴は冷静に、それでいて的確に答える。
美琴の言葉を聞くと研究者達は各々メモをとったり手持ちの端末装置のキーをカタカタと叩く。


もしこの面談が能力測定初日だったならこんなにスラスラと答えられなかっただろう。
この3日で美琴は沢山の研究者を見てきたし関わってきた。彼女から見れば良心的な人間が多かったように思える。
そのおかげもあってか緊張も無く面談は難なくクリアした。



次に行なわれた能力審査は能力実技だった。
美琴は能力測定の中でも能力実技を一番重要視している。
自分の発電能力がレベルが上がるほど強力になり自在に操れるようになる度に今までの努力が報われていると実感する。
けれど決して自分の力に自信がある訳ではないし、今でも能力の不安要素をあげたらキリがない。
それでも審査をクリアした時の目の前のハードルを飛び越えるようなあの達成感が彼女の勤勉さを支えている。


彼女は自分の持つ能力がいつか自身の誇りになることを信じているのだ。



―――――こうして最終日の能力測定は滞りなく進められていった。



能力測定を進める一方で美琴の中ではある思いが巡っていた。


能力測定は今日で終了。ということは一方通行とは今日でお別れということだ。
そしてそうしたくない自分がいる。



(聞きたいことがいっぱいあるのになぁ……)



どうしてここに住んでるの?

どうして髪の毛が真っ白なの?

どうして時々悲しい目をするの?


聞けなかった言葉たちが宙を舞う。
どこかこの世界に背を向けて儚げに佇む彼の姿はそれを聞くのを躊躇わせる。
その姿に惹かれているのも事実なのだが。


最初は興味だけだったのかもしれない。
でも今はそれだけじゃないように思える。

頭の中でその思いをグルグルと巡らせる。



(もっと話したいし今日でさよならするのは嫌だな~……)


(でもあっちがどう思ってるか分からないし……)


(…………)


(これって『友達になりたい』ってことだよね?)



今まで友達になりたいと思って人と接したことが無かった。
むしろ自然な流れで友達関係を築くことが普通だと思っていた。でも今回は違う。


彼への気持ちが学校の友達に対して抱く思いと同じなのか……美琴にはよく分からなかった。




その気持ちの名前を知るにはまだ彼女は精神的に幼かった。



――――――――――――
――――――
―――




「3日間お疲れさま。御坂さん」

「はい! ありがとうございました!」


美琴・一方通行・芳川の3人は研究所1階の玄関ロビーに来ていた。
能力測定を無事終えた美琴は着替えの入ったバッグを肩に掛けすっかり帰り支度を済ませていた。
歩きながら他愛も無い話を続ける2人を少し離れて一方通行は眺めている。



「御坂さんの学生寮はここからわりと近いのよね」

「え~っと……駅2つ分でした」

「行きは電車で来たの?」

「はい」

「駅から少し遠かったでしょう」

「でもこの研究所大きいからすぐ分かりました」




―――ピピピッピピピッ


突然機械音が鳴り響いたと思うと、芳川の白衣のポケットから携帯電話を取り出した。


「ここで少し待っていてくれる?」


そう言うと芳川は携帯を耳に当てながらロビーの端へそそくさと行ってしまった。



その場に残された2人。
一方通行はチラリと美琴に目をやると、重そうなバッグを肩に掛け芳川の姿をボーッと眺めている。


「オイ」


美琴に声を掛けると、一方通行は出入り口近くにあったロビー備え付けのソファーに向かって歩き出した。

ソファーを目指して先を歩く一方通行にトテトテとついて行く美琴。
何だかここへ来た時よりも持っているバッグが重い。
自分の思いとバッグの重さは比例しているのだろうかとこの時初めて気付いた。


「ぅあっ」


バッグのせいでバランスの悪い歩き方をしていたせいか、何も無い所で足をつまずきよろけてしまう。
前のめりになり転ぶこと覚悟した瞬間―――




「オイッ!!」


―――気付けば後ろの美琴の声に振り向いた一方通行が咄嗟に手を出し彼女の腕を掴んで転ぶのを防いでいた。
小さく軽い美琴の体は標準よりも細めの一方通行の腕一本でも軽々と支えることが出来た。


「あぅ……ありがとう」


ギュッと掴まれた腕が熱い。腕から全身に熱が伝っていくような気がした。
斜めになった体を起こすが一方通行は美琴の腕を放さない。また倒れると思っているのだろうか。


「……気ィつけろ」


そう言うと腕を掴んでいた手を離しさっさとソファーへ座ってしまった。
同時に腕に感じた熱も離れていく寂しさが美琴を襲った。まるでこれから来る別れを彷彿とさせる感覚。
不器用な優しさのせいで余計に寂しさが込み上げてくる。




(やっぱりさよならするの――――イヤだ)



気付けば美琴はソファーに座る一方通行の目の前に立っていた。



「ねぇ」

「あァ?」

「えっと……」

「なンだよ」

「……」

「早く言え」



コクリと頷きながら手で胸を押さえながら深呼吸を始めた。
一方通行は何が何だか分からないといった顔をしながらもとりあえず美琴の言葉を待った。
深呼吸を終えたのかと思うと、次は斜め掛けバッグの紐を両手でギュッと固く握りしめた。彼女と最初出会った時にしていたポーズだ。



次の瞬間 美琴は視線を一方通行に定めた。





「わ、私のこと嫌い!?」







「……」

「……」



時が止まったのかと思う程の沈黙が2人を包む。



「……な、なに言ってンだァ!?オマエ!!」

「質問に答えて!!」



真剣な表情で詰め寄る女の子。その言葉と様子に戸惑う男の子。
端から見たら幼いカップルの告白現場のように見えるかもしれないが彼女の心情は違った。
実際美琴の表情は恋する乙女の顔ではなく、人生の重要な判決が下されるのを待っている顔をしている。


彼女自身も自分の言葉に驚いていた。
無意識に出た言葉とはいえ、自分の素直な疑問が口に出たとも思えた。


『一方通行は私のことを嫌っているか』


美琴が気にしていたのはそこだった。
そこが分からないからこそ彼に対して一歩踏み出せなかったのだ。

本来なら赤面モノの台詞だが今の彼女の場合、恥ずかしさよりも彼からの返事を貰う緊張感が勝っていた。
おそらく身悶える程に恥ずかしくなるのは答えが出た後だろう。




「……」

「……」



そんな彼女の真剣な眼差しは時を刻むたび迫力を増しているようだ。



『わ、私のこと嫌い!?』



さっき彼女はそう言った。

美琴と出会って3日間。
最初面倒な仕事を押し付けられたと思った。
面倒を見る事になった少女は言葉も行動も予想外なものばかりで自分を混乱させた。
ヘンなヤツだと思った。そして自分が今まで出会った人間とはどこか違う人種のように思えた。
だが不思議と彼女から離れたいとは思わなかった。
本当にヘンなヤツだ。




でも―――――




答えはすぐに出た。









「……別に」

「……」

「…………嫌いじゃ、ねェ」

「ホント?」

「……あァ」

「ホントにホント??」

「そうだっつってンだろォが」

「ホントにホントにホント???」

「しつけェぞ!何回聞くンだよ!!!」


(ったく……なンでこンなこと聞くんだよコイツ……恥ずかしくねェのかよ)


目を輝かせながら問いかけ続ける美琴から目をそらす。
馬鹿正直に答えたは良いが、美琴の言葉の真意が読めない一方通行の頭の中は大混乱真っ最中だ。




彼女はさらに追い打ちを掛ける。



「じゃあ今度ここに会いにきてもいい?」

「ハァ!? なンでだよ!!」


「そんなの会いたいからに決まってるじゃない!」

「なッ!?」



学校の友達なら学校に行けば会える。
なら彼に会いたければここ(研究所)へ来れば良い。それだけのことだ。


「意味分かんねェ……」

「分かんなくない! 嫌いじゃないなら会いに来てもいいでしょ?」

「そうじゃなくてだなァ……」


自分に会いたいなんて言う彼女の神経が理解出来なかった。
自分の様な超能力者に会いたいなんて言うのはレベル5に興味のある研究者達くらいだ。
なぜそんなこと言うのか、理解不能だ。

彼の目をジッと見つめる彼女の目は髪と同じ色をしていて美しく澄んだ瞳をしている。
完全に気圧されている雰囲気にグッと喉が鳴るのが分かった。


とりあえず彼女が待ってる答えは『YES』であることは理解できた。



ハァ…と溜息を吐き、自身の白い頭を掻きながら降参の意を表明した。



「……もう勝手にしろ」

「ぃやった~~~ッ!!!!」



万歳ポーズをしながら飛び跳ねて喜ぶ顔はこの3日間の中で1番の笑顔だった。
何をそんなに喜んでいるのかよく分からないが、とりあえず笑っているのでこれで良かったのだろう。
彼はそう結論づけることにした。







「あ!あともう1個」

「今度はなンだよォ……」


もういい加減にしてくれと言わんばかりの声色を出す一方通行に対して美琴は終始ご機嫌だった。
ニコニコしながら前かがみになり上目遣いで彼を見つめる。


「名前」

「ハ?」

「名前、呼んでいい?」

「……」

「……ダメ?」







「チッ……好きにしろ」

「うん!」


「えへへ~」と頬を赤く染め照れながら喜ぶ美琴をみて一方通行は耳をほんのり赤らめそっぽを向く。
その瞬間の幼い2人を包む空間は、誰も入り込めないカップル特有のソレにとても似ていた。



そんなやりとりを知ってか知らずか、タイミング良く電話を終えた芳川が2人のもとへ歩いて来た。


「ごめんなさいね~ 待たせちゃって……っ!?」


芳川はその場を見てギョッとした。
ソファーに腰掛けながらも顔をあさっての方へ向き表情を隠す少年。
そして見るからに「良いことがありました」と言わんばかりのニコニコ顔の少女。
両極端すぎる2人の現状は何かが起こったであろう空気を醸し出していた。


「……なにかあったの?」

「ううん~ 何にもないです♪」

「……」


首を横に振りながら笑顔で否定する美琴と無視を決め込んでいる一方通行。

明らかに嘘だ。

だがこれ以上ツッコむのは野暮の様に思えた。
少なくとも自分の計画にプラスになっている、そんな予感がしたからだ。



「そう……じゃあ御坂さん、外まで送るわ。いきましょう」

「はい!」

「あなたはどうする?一緒に行く?」

「……行かねェ」

「あらそう? じゃあ行きましょうか」


玄関ドアまでそそくさと歩き出す芳川に急いでついて行く美琴。
しかし美琴はピタッと足を止め振り返る。自動ドアが開き、外からの午後の太陽と柔らかい風で彼女の髪がフワリと揺れて光る。
そして彼に向かって大きく手を振りながらこう言った。





「またね 一方通行!」





笑顔を送りながら返事を待たず2人はそのまま光溢れるドアの向こう側へ去っていった。







(アイツ、どォいうつもりなンだ……?)




一方通行は美琴がさっきまで居た場所に視線を戻す。
そこに彼女がいたことを示す印は無いが、さっきの言葉や表情・姿が一気に甦る。



『そんなの会いたいからに決まってるじゃない!』


『またね 一方通行!』



胸をトントンと叩く音。
今日の朝感じた切ないものとは違う、もっと柔らかく暖かいような―――そんな音。
その音に共鳴するように、これまで感じたことのない胸に迫る感情が溢れてくる。



(なンだこれ……)



彼はそれが【嬉しい】という感情だとはまだ気付くことが出来なかった。


とりあえず『出逢い』は以上です。
こんな感じでこれからも続くと思います。

それではまた~

乙!


二人にニヤニヤしてんのは俺だけでいい

>>168
お前だけじゃないぜ

>>168
ずるいぞ!
俺にもニヤニヤさせろよ!!

じゃあ俺はニヨニヨするぜ!

ニマニマしてるのは俺だけか…

俺はマヨマヨしてる

おっと俺はゴロゴロ転がっちまったぜ


相変わらず可愛いすぎる二人だな
これ以上可愛くなったら悶え死んでしまうww

(^ω^)ペロペロ

紳士は心にてペロる

朝からほっこりした

か、顔が、ニマニマと緩んだ顔が戻らない!?

俺はビンビンしてます

オリゴ糖ふいた

 乙!
 幼い美琴と幼年通行がほのぼのっていうのは本当にいいな
 二人とも初初しくて凄くイイ


なんかいいなぁこのかんじ…

1乙・&これからに超期待なんだよ!

こんばんは~ 
マヨマヨってなんか可愛いですねマヨマヨ

投下します!



――――――――――





水を吸った青色の絵の具のように澄み渡る水色の空。
梅雨が明け、初夏を感じさせる爽やかな風が通り抜ける土曜日の午後。


見た人を圧倒させる大きさを誇る能力開発研究所。
そこは土日は研究者も非番が多く、被験者として訪れる子供たちも少ない。


だがそんな今日に限って研究所の一室から子供の笑い声が漏れていた。
研究所から笑い声など大人だろうと子供だろうと普段ならありえないことだ。
だが現実それは起こっている。




「ふっふっふ~ 今度こそ絶対勝ってやるんだから!」

「オマエなァ……何回やるンだよコレ」

「そ、そんなの……私が勝つまで!!」

「……ガキが」

「ううううるさいッッ!!!」



研究室と呼ばれる部屋に不似合いな子供の会話が響いていた。
正方形のパイプテーブルで向かいあい、手持ちのカードに目をやりながら話す少年と少女。


一方通行と御坂美琴は本日8回目のトランプゲームをスタートした。

待っていたヨ





「貴方達ねぇ……部屋に入るのは許したけど、あんまり騒がしくするなら出てってもらうわよ?」

「……は~い」



この研究室の主・芳川桔梗は2人をたしなめる反面、彼等と共に居るこの空間を好ましく思っていた。
殺風景な部屋に並べられた温度を持たないデスクに無機質なデザインのモニター。
それが彼等がいるだけでまるで花を添えられたように明るく色彩を加えられたようだ。
彼等の声は穏やかに響き、心地よく部屋の空気を揺らす。

彼等、というより彼女のおかげ、なのかもしれない。



2人の出逢いは約1ヶ月前に遡る。
御坂美琴がこの能力開発研究所へ能力測定をしに訪れた。
そして付添人としてこの研究所に住む一方通行が抜擢されたことが出逢いの始まり。

―――――すべては芳川が仕組んだ計画なのだが。


あの3日間に2人の間に何があったかは分からない。
端から見れば少なからず良好関係を築いていたように見えた。
ただ能力測定を終えて6日後に美琴がこの研究所に訪れた時は流石の芳川も驚いた。
何をしに来たのか聞くと笑顔で彼女はこう言ったのだ。



『会いに来ました!』



玄関ロビーに一方通行を呼び出し美琴と会わせた時の彼の顔はなかなか見物だった。
目を見開き唖然とした顔をしたかと思えば、溜息をつき「マジで来たのかよォ……」と呟いたのだ。
どうやら彼女が来ることを予期していたようだった。



それ以来、彼女は毎週土曜日の午後1時に研究所に訪れるようになった。




そして3回目の訪問である本日はトランプゲームがメインイベントらしい。



「ふっふっふ~! ババ抜きをチョイスしたのは正解だったみたいね~」

「オマエ……そこまでして勝ちてェのかよ」

「当たり前でしょ!? 今日はまだ1回も勝ててないもん!」

「今日『も』の間違いだろォが」

「むきぃぃぃぃーーーーーッッッ!!!」



トランプを折り曲げんばかりに握りしめ怒る美琴と彼女をからかう一方通行。
そのやりとりはとても子供らしいもので見ている側は微笑ましい。
芳川と、彼女と共に資料整理をしている青年研究者はそれを優しく見守っていた。



「いや~ 2人共仲良しッスね」

「そうね」



さっきまで2人と共にゲームの相手をしていた青年は芳川とフッと微笑みながら顔を見合わせた。


研究所へ訪れる度に美琴は何かしらのゲームを持ち込んでくる。
オセロやパズルゲーム、それを持って来ては「次はこれで勝負ね!」と挑み、それを渋々承諾する一方通行。
それが毎週土曜日の恒例行事となっていた。


そして今回はトランプゲーム。
七並べ・大貧民・神経衰弱・ポーカーetc……
2人ではやらないようなゲームばかりやろうとする美琴の為に仕事をおいて青年研究者は参加してあげた。
青年の参加を喜ぶ彼女を見て、つい自分にこんな妹がいたらなぁ…と一人っ子が抱きがちな妄想を彼は膨らませてしまう。
ニヤケ顔全開の自分に対して目の前にいる少年の視線が痛い気がするが気にしない気にしない。


結果は一方通行の全戦全勝という当然のオチだった。




一方通行の頭脳はこの学園都市内でもトップレベル。そんな彼に頭を使うゲームで勝てるはずは無いのだ。
ましてや年下の女の子だからといって彼が接待ゲームなんぞする気遣いがあるわけない。

そんなわけで美琴はまだ一度も一方通行に勝てたことがなかった。



「これで負けた人は勝った人にジュースおごるって覚えてる?」

「ハァ? そンなこと言ってなかったじゃねェか」

「この前からそういうルールにしようって言ったもん!なのにそっちが嫌がるから……」

「あれはオマエの財布を心配したンだよ スッカラカンで帰れなくなりましたァって言われても迷惑だしなァ」

「負けるの前提にすんなぁぁぁ!!!」

「つーかババ抜き2人でやるとか、勝ち負けなンてほとンど運じゃねェか……」

(ふふっ だから選んだんだけどねー♪)

(コイツ、自分が勝ちそォだからって調子にノってンな)

「~♪」

「……ったく」



彼を知る者なら誰かとこんなに会話している一方通行を珍しく思うだろう。


芳川達も初めて彼等が会話している所を見たとき少なからず驚いた。
一方通行は決して優しい態度で美琴に接している訳ではない。むしろ見ている側がヒヤヒヤものの言葉ばかりだ。
なのに彼女はそんな言葉達を好意的に捉え、自分の感情をそのまま言葉や態度に変え彼に示す。
まるで彼の態度の裏の本質を見抜いているかのように。




彼等のことを眺めながらそんなことを考えていると、ふと感じた疑問を口に出していた。
それは今日2人がこの研究室にいる理由だ。



「そういえば貴方達、どうして今日はここに来たの?いつも食堂にいるでしょ?」

「今日は食堂が清掃中で入れなかったんです」

「そうだったの」

「それでゲコ太先生の所に行ったんですけど……」

「……ゲコタ?」

「確かオマエが気に入ってる珍妙カエルキャラのことだったかァ?」

「珍妙じゃない!可愛いでしょ!?……じゃなくて医務室に行ったんです。
 部屋使わせてくれるかなーって思って。でも先生忙しそうだったから結局諦めたんです」

「それでここへ?」

「ううん~ その前に一方通行の部屋に行ったんです」



フルフルと首を振りながら答える美琴。
彼女の言葉にピクッと一方通行の肩が動いた様な気がしたが見なかった振りをする。



「でも部屋入ったらいきなり一方通行に追い出されて」

「違ェよ!! アレはオマエが……」

「なによぉ~!」



プーっと頬を膨らませる美琴に対して珍しく動揺している一方通行……一体何があったのだろうか。
気になるがそれはあとで聞き出すとしよう(勿論美琴から)



「まぁまぁ。それでその後ここへ来たのね」

「そうです! ……やっぱり迷惑でしたか?」

「そうじゃないわ。でも今度から部屋に入りたいときは先に声をかけてね?勝手に入られては困る時もあるし」

「は~い!」


この世界なら妹達は製造されない・・・・・よな?




そんな会話をしている一方で当人のババ抜き勝負は佳境を迎えていたようだ。



「ぐぅ~……どっちがハートの10なのか……」

「早く選べ」

「~~~~~ッこっち!!!」

「……」










「やったーーーッッ!!!あっがりぃぃーーーーッ!!!」



手持ちのカードが宙を舞う。ようやく美琴が念願の初勝利を手に入れた。
敗者の一方通行は悔しがるわけでもなく喜ぶ美琴を眺めて溜息をついた。どうやら勝敗には執着していないようだ。
両手を上げ喜ぶ彼女はハイタッチを求めて立ち上がりスキップで芳川達の元へ駆けて行った。
仕事の手を止めハイタッチに付き合う面々は美琴につられるように表情を緩める。



ハイタッチをすませ、クルッと一方通行の方へ向き直り美琴は彼へ詰め寄る。



「ねぇねぇ一方通行! ルール覚えてるよね?」

「アレ有効なのかよ」

「もっちろ~ん♪」

「はァ……めンどくせェ」

「今度から私もルール守るから! ね?」

「チッ……」



舌打ちをしつつも立ち上がりドアの方へ向かう。
先程決まった新ルール『負けた人が買った人にジュースをおごる』を実行すべく1階の自販機に行くようだ。



「私はね~ 炭酸がいい!」

「私はレモンティーが良いわね」

「自分は緑茶よろしくッス~」

「テメェら便乗してンじゃねェ!!!」



怒号と共にバタンッッ!!!と大きな音でドアを閉め一方通行は部屋を出て行った。




ご機嫌な様子でテーブルに散らばったトランプを掻き集める美琴に芳川はさっきの会話を思い出す。
一方通行が動揺していたあの話。聞くなら今しかない。鬼の居ぬ間にというヤツだ。



「ねぇ 御坂さん」

「はい?」

「さっき話してた一方通行の部屋に行った時の話……詳しく教えてくれない?」

「あ! それ自分も気になってたんスよ~!」

「へ?」



青年と芳川は美琴の居るテーブルへにじり寄りまるで内緒話をするように彼女の周りへ集まった。
大人げなく興味津々好奇心丸出しの2人に対して、美琴本人は口をへの字にして思い悩む顔をしている。



「ん~ でも私もなんであんなに怒られたのか分かんないんですけど……」

「自分らが聞けばその理由も分かるかもしんないッスよ!ねぇ先輩!」

「えぇそうよ」

「……そーかなぁ?」

「そうッスよ!」

「…………じゃあ聞いてもらおうかなぁ」



「私、研究所の部屋ってみんな同じ感じだと思ってたんです。私が前泊まった部屋みたいな。
 でも一方通行の部屋に入ったら全然イメージと違っててビックリしたんです。
 なんていうか……こう……本当にお家の中にある部屋!って感じで」

「まぁ彼はかれこれ3年はここに住んでるから、多少カスタマイズされてるのよ」

「それで部屋入った途端はしゃいじゃったんです。それがいけなかったのかなぁ」

「はしゃいだっていうのは?」

「部屋の中で騒いじゃって。色々部屋中ジロジロ見ちゃったり……あ、あと」

「あと?」

「一方通行のベッドも私のいた部屋のと違って布団がフワフワで柔らかそうに見えたからつい」

「……つい?」

「ベッドに飛び込んじゃったんです」

「あら」

「おわっ」


「それでお布団の中潜ったり「一方通行と同じ匂いがする」って言ったら一方通行の顔が固まっちゃって」


「……」

「……」

「そのあとはすぐにつまみ出されて……「他の部屋行くぞ」って」

「あぁ……」

「そういうことッスか……」

「やっぱり他人にお布団触られたりするのが嫌だったんだろうなぁ……失敗しました」

「えぇそうね……」

「そういうことにしておいてあげて下さい……年頃の男子は色々繊細なんスから」

「え?」



美琴は理解していないが年頃の男子から見れば『ソレ』はとてつもない破壊力を秘めているのだ。
特に美琴のような可愛らしい容姿の女子からなら尚更破壊力は格段に上がる。
青年は心から一方通行に心から同情するような表情でうんうんと頷きながら自分の仕事へ戻っていった。



頭にクエスチョンマークを出したままテーブルのトランプをまとめる美琴を芳川はぼんやりと見つめる。


確かに彼女の天然系小悪魔的な行動に振り回されている一方通行を想像すると少し笑ってしまう。
その反面で彼がそんな人並みの反応をするのかという驚きも隠せなかった。良い傾向だ、そう思う。

そう思ったらつい意識よりも言葉が先に出てしまっていた。



「……ありがとう。御坂さん」

「ふぇ!? いきなりどうしたんですか??」


ふいにお礼を言いたくなった。


「彼と……一方通行と仲良くしてくれて」

「……え?」

「彼はずっと孤独だったから……貴方みたいな娘と出会えたのは幸運だわ」

「ずっと……?」

「えぇ」


美琴の瞳が揺らぎ真剣味を帯びていく。2人の間の空気が少し張りつめたものに変わる。


「一方通行はここにずっと住んでるんですか……?」

「ずっとではないわ。3年前よ、ここへ来たのは」

「あの……一方通行のこと、もっと聞いて良いですか?」

「え?」

「私知りたいんです……なにがあったか」

「……」



その言葉はそれが好奇心や興味本位ではない事が伺えた。
そして一方通行の過去に何かがあったとすでに察しているようだ。


美琴の顔を見るとすぐに分かった。本気で彼を『知ろう』としているのだ。


まだ出会って間も無い関係だ。しかし……
彼女には彼のことを知ってもらう権利がある―――――そう思った。





芳川は目を瞑り記憶の海に沈み込む。


忘れられない3年前のあの日。
芳川桔梗が研究者として、この学園都市内最大級の能力開発研究所に転属してきて1ヶ月も経たない頃だった。
直属の上司から呼び出しをくらい指定された研究室へ入るとそこには白髪の小さな少年が立っていた。
少年の隣に立つ年老いた上司は彼・レベル5の世話役兼能力開発担当者に芳川を任命した。

彼を見た瞬間、芳川は体から血の気が引いていくほどの衝撃を味わった。
彼の虚ろな瞳には今まで味わったであろう計り知れない絶望・怒り・悲しみが映っていた。
瞳はそれ以外は何も映らない、そして彼自身は生きたまま死んでいるという表現が当てはまる表情をしている。


こんな表情 10歳の子供がする顔ではない

これがレベル5として能力を開花させた子供の姿なのか


芳川の頭の中でそんな言葉達がグルグルとまわっていたのを今でも覚えている。
それが彼との最初の出会いだった。



「彼はね……私と会った時にはとても辛い経験をしてきた顔をしてたわ」

「……!!!」

「ここに来るまでにいっぱい傷ついてきたのよ。心も体もね」

「……どうして」

「貴方にはあまり聞かせたくない話だけど……研究所には良い人間ばかりがいる訳ではないの」

「え……?」

「研究の為なら被験者である子がどうなろうとかまわない。そう思う人間がいるのよ」

「そんな……ッ!!」

「そう、そんなこと本来ならあってはならないわ。……でもね 一方通行はそんな人間に沢山傷つけられてきたの」

「……ッッ」



だが美琴は袖で顔を拭い、目元にキュッと力を入れて視線を芳川に向けた。
どうやらまだ彼女はこの話を聞くつもりのようだ。



「それで……ここへ来てからは……?」

「……そうね。ここへ来て暫くは話しかけても一言も返ってこなかったわ。
 まぁ接していくうちに少しずつ話してくれるようになったけれど」



少なくとも彼がここへ来る前にいた場所と比べればここは天国と地獄の差であろう。

彼がいたその場所とは特例能力者多重調整技術研究所。
通称:特力研は研究者たちの間でも知るものは多くない。
それほど特異な、限りなく闇のそのまた深くに存在する研究所。
研究材料は置き去りの子供たち、非人道的な人体実験は日常茶飯事。いわば殺人施設だ。

少し前に警備員が特力研を制圧したと聞いた。話によればそこは見るもおぞましい地獄絵図だったという。

生き残るのは奇跡に等しい、そんな場所で彼は生きていたのだ。



そのことを知ってからだろうか。芳川が一方通行の心配をするようになったのは。


悲惨な過去を背負い孤独を愛そうとする彼は痛々しく見ていられなかった。
一言でいえば『ほっとけない』―――そんな言葉がピッタリだと思う。
彼に会う度に母親が子供に抱くような感情をよぎらせた。もしくは生徒を過度に心配する先生のような思いだ。
自然と彼に一方的に言葉を投げかける日々が続いた。マトモに会話するまでに半年掛かったのを覚えている。
担当が変わった今も後輩の研究者から彼のその後を聞くのが習慣になっている。


だからこそ最近の一方通行の変化に戸惑いつつも嬉しさを押さえ切れないのだ。




芳川は思考を現在に戻す。

美琴は切なげな表情で俯き黙りこくっている。
さっきまでの会話を噛み締めているように見えた。



「……ここ最近、また彼は昔のようになってしまう気がしてたの。……でも御坂さんが来てからかしら」

「私……?」

「ええ。貴方と会ってから彼、表情が豊かになったわ。貴方とはよく喋るし」

「えええぇぇ!!? そ、そんな……」



ポンッと顔を発火させて恥ずかしがる美琴を目を細めながら眺める芳川。一気にその空間が和むのを感じた。
重苦しい空気を表情ひとつで一転させる。美琴のコロコロと変わる表情は彼女の魅力のひとつだ。
そして芳川は心から溢れ出したかのように言葉を紡ぐ。



「貴方が能力測定のあとも彼に会いに来てくれて……本当に感謝してるわ」

「……でも私が勝手に来てるだけで、本当は嫌がってるのかも……いつも「また来たのかァ」って言われちゃうし」

「そんなことないわ。素直じゃないのよ。不器用とも言うのかしら?」

「そうかなぁ……」

「そうよ」



確信を持ってそうだと言える。
確かに彼の心情は深い霧に包まれているようでそれを知ることは困難だ。
しかし彼女と出会ってから彼は少しずつ変化している。勿論上向きに。
言葉数が増え彼女と関わっていることがその証拠だ。



美琴は柔らかく微笑みながら、さも当然のことを言うような声色で言った。




「私は……これからも会いに来ます。 私が、一方通行に会いたいから」




同情・哀れみ・悲しみ……そんなもの欠片も感じないただ純粋に『会いたい』という気持ち。
それが美琴の声とともに胸に伝わってくるのが分かった。


(ありがとう……)


「なんか恥ずかしいな~」と言いつつ照れる美琴の頭をそっと撫でながら心の中で礼を述べる。
何度も、何度も。



「あの子のこと……よろしくね」

「……芳川さん、なんかお母さんみたい」

「あらそう?でも私まだ20代よ? せめてお姉さんとか先生とか呼んでほしいわねぇ」

「はーい 芳川先生♪」



クスクスと笑い合う2人は年の差を感じさせない、まるで心を許し合った姉妹のようだった。








タン タン タン タン


外の廊下を誰かが歩く足音が聞こえてくる。その音はどんどん近づいてくるようだ。



「あっ! 帰って来る!!」



パイプイスからピョンと飛び降りドアの前に向かう美琴。
目的は勿論、廊下の足音の主とその人物が持ってるであろう炭酸飲料だ。
ドアの前でウズウズした気持ちを押さえ切れずピョンピョンと飛び跳ねる彼女はまるでご主人の帰りを待つ子犬のようだ。



ガチャッ



「おかえり~!」



ドアの開く音と少女の明るい声が部屋に響き渡る。





これからどうなるか分からない。
彼等の関係がどう変化するかなんて誰にも分からない。
だけど、もう少しこのままでいてくれれば―――――芳川は誰にも聞こえないようにそう囁いた。

以上です。
芳川さんはママ代わり、パパはもちろん…

ではまた~ ノシ

乙!!

まるで本当の姉妹のようだ…………これはあとで血的な意味で本当の姉妹がでるフラグ…………?

乙です
今一番のお気に入りSS

>>1乙!
芳川さんいいな

最近いい芳川が多くて嬉しい
SSだと激甘ニートが際立たされてるけど、本来は一方通行の育ての母みたいな立場なんだよなぁ

パパはもちろん…
私だ

>>207

木ィィ原クゥゥゥン

なにこの美琴天使で小悪魔すぎる

ベッドをクンカクンカするとは…さすが20000号の遺伝子

>>210
美鈴さん遺伝子とも言える

これが原因でロリに目覚めたのか

追いついちまった・・・・
早く続きを読みたいwwwwwwww

電磁通行みっけ
今から読んでくる

電磁通行は少ないからなぁ……
こう言うスレがたつのは非常にありがたい

電磁通行は少ないからなぁ……
こう言うスレがたつのは非常にありがたい

こんばんは~
今回は脳内補完スキルをMAXにして読んで頂ければありがたいです
描写力に乏しい文章なので…すみません

では投下します!


―――
――――――
――――――――――――






( ―――――ここは…… )







そこは果てしない暗闇
五感の機能を麻痺させるほどの黒
広いのか狭いのかすら分からない空間




そこに自分はいる



立っているのか 座っているのか 寝ているのか 宙に浮いているのか
それすら分からない

何故ここにいるのかも分からない
記憶が曖昧でどうしてここへ辿り着いたのか覚えていない



でも知ってる この空間を自分は知っている

何度も 何度も 何度も 何度も 何度も

訪れたことのある空間だ





瞼が重い
決して眠いわけではない
なのに睡魔に教われたように瞼が重い



( 閉じるな 閉じるな 閉じるな )



自らに警告する
なのに意思とは逆に瞼は下へ下へと落ちていく



( 閉じちまったら――――――― )



自分は知っている
この暗闇は次へ向かう場所へのステップに過ぎないことを
瞼を閉じた後に開かれた瞳が何を映すかを
それを自分は頑に拒んでいるということを

だからこそ警告する



( 止めろ 止めろ 止めろ 止めろ―――――― )







―――――だが警告は空しく意識の真横を通り過ぎる











ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ


ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ


ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン






戦車が唸りをあげながらコンクリートの上を闊歩している
警備員が大きく隊を成し敵軍を待ち構える軍隊のように銃器を構えている
耳障りなヘリコプターのプロペラ音が癇に障る


すべてがこの場所に不似合いなものばかりだ


形の違うビルや建物が立ち並ぶ学園都市
子供たちの声が似合うはずのこの街に不釣り合いな戦闘重機達
そして本来なら都市の主役である学生が今はどこにもいない



そこにいるのは自分だけ



その姿は今より少し幼い―――――3年前の自分だ






『動くなッッ!!!!』




気付けば自分の周りを烏の羽根の様に黒いスーツの男達が取り囲んでいた
手に拳銃を構えて自分に対して大声を張り上げる



うるさい



歩き出そうとする自分を捉えようとする男達



邪魔だ



歩みを止めようとしない彼に男達は拳銃を握る手に力を込める
瞬時に自分に弾丸が送られてくることを悟る



ガシャアアアアンッッッッ



銃弾を放つ音と拳銃が破裂する音が同時に鳴り響く
弾丸は彼を傷つけることなく巻戻しボタンを押したかのように通過したはずの銃口へ戻っていった
無傷の男達は恐怖・愕然それぞれの表情で少年を見る



( もォそンな顔は見飽きたンだよ )



その場でへたり込む男達の脇を通り過ぎ彼は歩き進めた
目前にある歩道橋を目指して歩く




この動作を『あのとき』からもう何回繰り返したのだろう
分からない


歩道橋から学園都市を眺める
下の道路では戦車が硬い地面を鳴らしながらこちらに向かってくる
空ではカーキー色のヘリコプターが空の青を汚していた
警備員は美しく整列してこちらに銃口を向けている



( ……ハッ )



もうこの風景は何度見ただろうか
いつもこの場面を見る度に自分は『あのとき』と同じ台詞を吐く



( ―――――くっだらねェ )



笑いたい訳じゃないのに口を歪め笑う自分がいる


楽しいのか

可笑しいのか

泣きたいのか

怒りたいのか

悲しいのか


もう分からない


分かりたくもない



今更『あのとき』の気持ちなど―――――







これですべてにシーンが終了
記憶という名の演目は幕を下ろし 現実の幕が上がり瞼を開ければ見慣れた天井が視界に現れる
それが『あのとき』を繰り返すいつもの顛末だ








だがそれは まだ終わってはいなかった












『     』



( ……? )



何処からか聞き覚えのある声がする
そしてその声を自分は知っている
だが周りを見渡してもその声の主はいない


いるわけない

いるはずがない



『     ! 』



背後からの声にビクッと肩を震わせる
声の主の存在を感じ後ろへ振り向く




『     !! 』



10m程先に自分と同じ背丈の少女が立っていた
栗色の髪を揺らし笑顔でこちらを見つめている



( なンでオマエが――― )



『     ! 』



少年の名前を呼んでいる
両手を広げ少年の元へ駆け足で向かってくる少女は笑顔のままだ
少女につられ少年も自分の手を彼女に伸ばす



少女と少年の手が触れようとした瞬間だった







バキイィィィィィィン





何かが壊れる音がした
物体が壁にぶつかり壊れる そんな音


そして届くはずだった少女の体は弾かれるように宙を舞い少年から離れていく


数秒後にドサッという音と共に地面に少女は力無く落ちる
まるでただ布に包まれただけの塊のように
少女の元から赤い液体が地面を伝いはじめる


自分の震える手を恐る恐る見る
繋ぐはずだったその手は赤く染められている
それが誰の赤なのか 答えは分かりきっていた


分かっているのに 信じられない 信じたくない


自分の顔が怒りと悲しみで醜く歪んでいくのが分かる
水中の魚のように口を無意識にパクパクと動かす
全身の血の気が引いていく




( あ あ あ あ )





少女の元に駆け寄ろうとするも体が動かない
体が拒否しているのか 意識が邪魔をしているのか


動かない 息ができない


苦しい 苦しい 苦しい







( ああああああああぁぁぁ―――――――ッッッ!!!!!! )









――――――――――――
――――――
―――







「―――――ッッ!!!」




重たい瞼を無理矢理こじ開ける。
開かれた目に映るのは見慣れた天井。どこにどんなシミがあるのかすら覚えている天井だ。

周りを見渡せば見慣れた家具に空間と匂い。それが少しの安堵感をもたらす。
ここは自分の住む研究所の一室、自分の部屋だと気付く。



一方通行は自身の部屋のベッドで寝ていた。



「ハアッ……ハァッ……ハァ……ッ」



呼吸が浅い。苦しい。
まるでフルマラソンを完走した走者のように息があがっている。
一方通行は胸元のシャツを掴み落ち着ける為に自身を押さえつける。
部屋が熱いわけではないのに着ているシャツは汗でグッショリと濡れている。




「フーッ……フーッ……」



少しずつ息を吸い少しずつ息を吐く。
そうして何とか呼吸を整え、次に頭を冷静にすることに思考を向ける。
ここは自分の住む研究所で自分の部屋だ。


さっきのは【夢】だ。

そして今は【現実】だ。



「クソッ……なンで……」



暗闇から一転目を開けると10歳の頃に経験した『あのとき』に身を投じている。
おそらく一生忘れることは無いであろうあの出来事。
一方通行はその【夢】をもう幾度となく見てきた。


何回 何十回と。



だがこの一週間それは形を変えまた自分の前にやってきた。
しかも新しく登場人物を加えて。



「……なンでアイツが……」



美琴だ。【夢】の最後に現れた少女は美琴だった。
そして彼女の体は一方通行に触れること無く弾かれ宙を舞った。
まるで自分の『反射』を食らったかのように。

【夢】なのに手には生々しい赤い液体がこびり付く感覚が残っている。
【夢】なのにあの時の絶望感が体全身を這いずり回る。
【夢】なのに未だに汗が止まらない。




「…………ふざけンな」






ギリリッと鈍く重い歯軋りの音が鳴る。





「ふッッざけンなクソがァァァァァァ!!!!!」





バキバキバキバキイィィッッッ――――――




握りしめた拳をコンクリートの壁に叩き付けると部屋は悲鳴をあげた。
能力によって生み出された扇型の亀裂は壁の一辺を壊滅状態にした。


「ハァ……ハァ……」と息切れを起こしながらも握りしめた拳を緩めない。


何故彼女が【夢】に出てきたのだ。
あの【夢】はいつも自分に自分の立場を分からせる為の警告のようなものだった。



何故美琴が―――――








「ッ!」




答えを探し当てたようにハッと目を見開き、一方通行はゆっくりと顔を歪め笑いだす。



「くはッ……そォか……そォいうことかよォ……」



そうだ。自分は忘れていた。
美琴に出会う前の自分を、その自分が何を自らに課したのかを。

美琴と関わるようになってからの自分はどこか油断していた。
彼女といることで自分を普通の人間だと思い込んでいた。

だから忘れていたのだ。自分が『超能力者』であることを。
そして自らに課した決意すら。



(なに忘れてたンだ俺ァ……)



ククッと乾いた喉が鳴る。






一方通行が自身に課した決意



それは『無敵になること』



戦う意志すら奪う存在……それが無敵。
それになれば無闇やたらに近寄ってこなければ攻撃することも無い。誰も傷つけなくて済む。
傷つけたくないし、傷つきたくない。最大級の自己防衛が『無敵になること』だった。
だから自分への決意表明として持っていた名前を捨て能力名でもある『一方通行』を名前にした。
その名を聞くだけで震え上がる、そんな存在になれば良い。そう思った。


ただただ絶対的なチカラが欲しかった。


そう決意してから彼は周りにいる人間を拒絶し始めた。
自分の瞳に無敵の二文字しか入らないように、自分に鎖を繋いだのだ。




その決意を【夢】で思い出すなんて 我ながら笑えてくる。


戻らなくては 無敵を望んだあの時の自分に。
ひたすら無敵を目指し孤独を望む自分に。

ここで立ち止まるわけにはいかないのだ。




(ハッ……友達ゴッコなンて似合わねェンだよ……クソが)




薄笑いを浮かべながら両瞼に手で蓋をする。


一瞬美琴の顔が脳裏でちらつく。
彼女と出会う前からしてきたことをすればいい。
むしろ最近の自分がおかしかったのだ。友達の真似事のようなことをしている自分が。




もう美琴に会ってはいけない。



(アイツといると……俺はおかしくなるンだ)



彼女と過ごした日々を思い出して一方通行は悲し気に笑う。
振り回されていながらもそれを心地よく思う自分を自嘲するように。



(アイツも……俺といたら……)



【夢】で見た美琴の姿を思い出し掌に爪が食い込むほど拳を握りしめる。
一方通行は顔を落とし白い前髪は彼の紅く揺らぐ瞳を覆い隠す。






部屋の窓から場違いな程に明るい朝日が差し込んでくる。



時計は現在午前7時、曜日は土曜日。
それは6時間後に美琴がやってくることを指していた。



――――――――――





「ふふふ♪ ふふふ♪ ふ・ふ・ふ~♪」




研究所1階のロビーに流れる鼻唄は彼女のご機嫌な気分を象徴していた。
美琴はロビーに置かれたソファーに座りニコニコしながらお気に入りのフレーズを口ずさむ。


ソファーに深く座ると床に足が着かない。
だから背中を背もたれにすべて預けサンダルを履いた足を浮かせプラプラと遊ばせる。
小花柄の入った白いキャミソールワンピースの裾がフワフワ揺れるのが楽しい。
それが母親から送られてきたおNEWのワンピースだからだろうか、着ているだけで嬉しくてたまらない。



(まだかな~ 一方通行)



いつもロビーのソファーに座っていると面倒臭そうな顔をした一方通行がやってくる。
溜息まじりに「また来たのか」と言ってくるのを無視して彼に着いて行く。そして2人で遊ぶ場所を探しに行くのだ。
毎回当たり前のように繰り返す恒例行事。それが美琴は好きだった。


気付けば一方通行と出会って2ヶ月が経っていた。



今の時刻は午後1時。
いつも一方通行は時間ピッタリに来ることはない。5分10分遅れてくるのが常だった。
もう少しすれば研究所の奥から彼はやってくる。ロビー奥の出入り口に視線を送りながら待つのも身に付いた習慣だ。



(ふふふ♪ 今日はお土産があるんだからねー!)



美琴の手には握られているのは2つのキーホルダー。
それは彼女のお気に入りのキャラクターであるゲコ太とピョン子の顔をかたどったものだ。
厚手のプラスティックで出来ているそれは掌サイズでキャラクターの頭にストラップ用の紐が取り付けてある。
街中でこの景品が入ったガチャガチャで見つけて飛びついたのは先週の話。
両の手で足りる回数でこの2つを手に入れられたのは滅多に無い幸運だと美琴は神様に感謝した。



(まったく一方通行ってば……ゲコ太の可愛さを全然分かってないんだからっ!!!)



ゲコ太の話をするたびに一方通行から帰ってくる言葉は大体決まっていた。

「どこが可愛いンだよ」

「リアルのカエルは嫌いなクセになンでこっちは良いンだよ」

「ガキが」

美琴は毎度の如く反論するようにゲコ太への愛を語るが彼は「ハイハイ ソォデスネェ」と返すだけ。
その適当な言葉が美琴の神経を逆撫でさせては前髪からパチパチッと電気を発生させていた。




(へへーん!これを見ればこの子達の可愛さが伝わるでしょー!!)



へへっと得意げな顔でキーホルダーを見つめる。
ピョン子を自分に、そしてゲコ太を一方通行にプレゼントしよう。
喜ぶか分からないがプレゼントというものは何を貰っても嬉しいはずだ。
「あげる」ということが重要なのだから。使わないとしてもせめて貰ってくれれば良い。
その反面、頭の片隅で囁く『お揃いのプレゼント』というキーワードはとてもむず痒く感じたが、
(お揃いなのはちょっと恥ずかしい気もするけど違うキャラだし大丈夫だよね?)と自己完結して誤摩化した。


キーホルダーを手の上で転がせながら美琴はふと先週の一方通行を思い出す。



(そういえば……この前会ったとき、ちょっとヘンだったよね)



いつも仏頂面で決して笑うことはない彼だが先週は様子がいつもと違ったように見えた。
通常のそれとは異なって、どこか上の空でいつもより伏せ目がちに視線を落としていた。
元々言葉数の多くないので何を思っているのかはその時全く分からなかった。



(う~ん……これで元気になってくれれば良いんだけど)



キーホルダーの紐を持ちゲコ太をユラユラ揺らしながらそう思った。
自分なら速攻で元気になるけどなぁ……と苦笑いしながらゲコ太を見つめた。











しかし



5分経っても 10分経っても 30分経っても 1時間経っても

一方通行は現れない








(……何かあったのかな……)



なかなか来ないことに最初はイライラしたものの、時間が進むにつれそれは心配という気持ちに変わっていった。
この研究所内にいるのにこんなにも長い時間来ないのはやっぱりおかしい。
彼に何かあったのだろうか……病気?怪我??ネガティブ要素ばかりが思考を働かせている。

落ち着かなくてソファーに座ってもいられない。
サンダルを鳴らしながらその場を右往左往してしまう。彼の無事を確かめるには研究所の中に入らなくては―――。



(中に入りたいけど私一人が勝手に入っていいのかな……でも私のことを知ってる人は多いし良いんじゃない?でもでもでも……)







「―――――あら? 御坂さん?」



背後からした声に勢い良く振り向くとそこには見慣れた女性がいた。



「芳川さんっっ!!!」



眉をハの字にして半泣き状態の声をあげた美琴に芳川はギョッとした。
駆け寄ってきて自分の白衣にしがみつく美琴は明らかにいつもと違う。



「どうしたの?? そんな顔して一体何が…………ってあら?」



何かに気付いたのか芳川は素早く左腕につけた腕時計に目をやる。
時刻は2時15分。なのに美琴は一人でロビーにいる。一人で。



「一方通行は?彼まだ来てないの??」



コクコクと頷く美琴は不安そうな表情から驚いたように芳川を見つめ返した。




「へ? 芳川さん知らないの??」

「ええ」

「じゃ、じゃあ一方通行が病気したり怪我したりっていうわけじゃ……」

「そんな報告受けてないからそれは無いと思うわ」



「よかったあぁぁ~」と胸を撫で下ろし安心する美琴は余程一方通行の身を心配していたようだ。
心配が空振りで終わったのは良かったが、新たにまたひとつの疑問が浮かんだ。





「あれ?じゃあなんで来ないんだろ??」

「そうね……確かに変ね」

「あの……私探してきても良いですか?」

「え?」

「何か心配なんです。この前もちょっとヘンだったし……」

「ん~……そうねぇ……」

「お願いしますっっ!!」

「……分かったわ。でも無闇に研究室には入っては駄目よ、分かった?
 あとここは広いから迷ったらときは壁にあるマップをみること。あと無茶はしないこと」

「はいっ!」

「私も探してみるから。あと見つからなくても5時にはロビーに戻ること、いいわね?」

「はいっっ!!」


互いの携帯番号を交換し合い何かあった場合に連絡する約束をして美琴と芳川は別れた。



・・・・・・
・・・・
・・





―――――タッタッタッタッタッ



サンダルで廊下を走る音が木霊する。
美琴は大きく翻るワンピースの裾も気にせず走り続ける。



「ハッ……ハッ……ハッ……」



息をきらせながら美琴はキョロキョロと周りを確認しながら廊下を駆ける。
あの白髪頭を探して。




(もう! どこ行っちゃったのよぉ……)





(一方通行……)






以上です~
もっと文章力あげたい…勉強してきます
ではまた!

このまま仲良くなっていくかと思ったけど…きついなあ
今後の展開への期待が高まるばかり

乙!

乙!

どーなるのかな二人

仲良く友達ゴッコなんて似合わないけどここの一方通行には幸せになって欲しい

この一方さんなら妹たちと出会ったらぷんたにあったミサカ妹と仲良くなったスレみたいに最終的には実験に参加する展開になりそうで怖い・・・・
妹達には悪いけど美琴と仲良くなって妹達の製造を止めて欲しいわ。

やっぱりそう簡単にいかないよね…
美琴が一方通行のトラウマを取り除いてくれたらいいなぁ

電磁通行は茨の道だからな
だが!

ほのぼのって>>1に書いたじゃないですかーー!

        .∧_,,_∧
        ( ゙'ω゙` )
 ほのぼのSSって言ったじゃないすか!

      n.∧_,,_∧n
      ヽ( ;ω; )ソ
       〉    |
      √r─‐ァ.)
      ー''   一
     やだ───!

梅雨、明けたね

時々シリアスな話が入っても良いじゃないか。
>>1

ここまでクォリティ高いならむしろ鬱展開からの~を所望する

どうもです
唐突な展開で驚かせてしまったようで…
でも一方さんのトラウマ描写は自分の中でどうしても必要だったのです。どうかお許しを!

では投下します!

来た!



――――――――――





午後4時をまわる頃、美琴は当初走っていた足はサンダルのストラップが擦れて赤い擦り傷をつくっていた。
そして今、研究所内の大体の廊下を制覇した彼女はとぼとぼと目的地も分からずに歩き続けた。
いや目的地は一方通行のいる場所なのだが、まだ彼の居場所を特定出来ていないのが問題なのだ。



「食堂にもいなかったし……どこに……」



美琴はとにかく手当たり次第彼を捜した。
研究所の中だけではなく、研究所の外も捜しにいった。
真夏のガーデンスペースに彼がいるはずもないと心のどこかで分かってはいたが捜さずにはいられなかった。





ついさっきは能力測定の時にお世話になった食堂のおばさんにも彼の行方を聞いた。



『あらあなた! いつもはもっと早く来るのに、今日は遅いのねぇ?……ってどうしたの!?』

『あのッ……一方通行見ませんでしたか……!?』



走り回っているせいで汗びっしょりで息も絶え絶えになっている美琴をみておばさんはギョッとしながらも質問に答えてくれた。



『えっと、今はここにはいないわよ?
 今日は……朝食は食べにきたけど、あまり食べなかったわねぇ。かなり残してたわ。
 ……そういえば!昼食時には来なかったわねぇ……珍しいわ、あの子が昼食を抜くなんて……』

『……そうですか、ありがとうございましたッ!』

『ってちょ、ちょっと!!大丈夫~?あなた汗びっしょりよぉ~~~??』



汗で髪の毛が濡れた頭をペコリと下げ走り去る美琴を心配する声を背にして彼女は走り出していた。




だがその足も少しばかり限界に近づいていた。
集中力が途切れてしまうと途端に体の痛みに神経がいってしまうものだ。



「あとは……ゲコ太先生の所……かな」



芳川の言葉では病気や怪我はしていないとのことだった。
だから医務室には行かなかったが、もしかしたら―――――


思い立ったら即行動がモットーの美琴は足の痛みも忘れて医務室へ走り始めていた。









「一方通行?彼は今日ここへは来てないよ?」

「ふぇ……ソウデスカ……」



息をきらしながら訪れたは良いものの肝心の一方通行は居なかった。



「ふわぁぁ~~……」

「おい、君!……大丈夫かね?」



医務室へ入ったばかりの美琴の体は足下から崩れ落ちるようにフラフラと床に座り込んでしまった。
どうやら希望を打ち砕かれた思考と体は一旦機能を停止する措置をとったようだ。



「……君、少し休んで行きなさい。汗もこんなにかいているじゃないか」

「あぁ……これはさっき外を走ってたからで別に……」

「ならば尚更だ。こんな炎天下の中走っていたら熱中症になってしまってもおかしくないんだよ?」

「大丈夫ですよぉ……」

「……これは医者としての命令だ。少し休んで行きなさい。いいね?」

「…………はい」





少し不貞腐れながらもしぶしぶ冥土帰しの言うことをきく彼女は誰からみても疲れていた。
冥土帰しは医務室に備え付けの冷蔵庫から500mlのペットボトルに入ったミネラルウォーターと冷えたタオルを出す。



「さぁ、まずは汗を引かせないとね?それと水分も補給しなさい」

「すみません……ありがとうございます」



美琴は冥土帰しから受け取ったミネラルウォーターをゴクゴクッと喉を鳴らして飲む。
捜している最中は気付かなかったが、自分の体はかなり水分を求めていたようだ。気付けばペットボトルの半分の量を飲み干していた。



「彼を、一方通行を捜していたのかね?」

「……はい。いつもは待ち合わせの場所に来てくれるのに……今日は来なかったから」

「そうか……」

「でも……どこ捜してもいないんです……」





冥土帰しは美琴の言葉を聞きながら頭はある思いが巡っていた。



(そろそろ彼が、色々考えはじめる頃だと思ってはいたが……)



一方通行は今、美琴を避けている。そう思った。
ここ最近美琴と一方通行が2人連れ立って遊んでいるのをよく見かけた。
美琴は笑顔で彼に話しかけ一方通行は無愛想ながらも彼女の相手をしている図。それは研究所の人間の間でも少々話題になった。
その人間の大体は微笑ましくその2人を見つめ、半数は一方通行が誰かと一緒にいることに驚く……といった反応をした。


だが自分の思いはそのどちらでもないように思える。
自分は彼がこれまでどんな経験をしてきたか知っている。非人道的な研究の犠牲となり能力を手に入れた少年の過去。
そして彼がこれからどうなりたいか……それも透けて見えるように分かった。それが分かったのはきっと自分もそれなりに地獄を見てきたからだろう。


だからこそ―――――彼は美琴と出会ったことで苦悩するだろうと思った。


最初こそ戸惑いや混乱に身を任せて彼女と接していれば、自分の過去や『これから』から目を背けていられる。
ただ彼女への感情の置き場を定めようとしたときにそれは目前にやってきて彼に判断を迫るだろう。


「どうするんだ」「このままでいいのか」と。



だから彼は苦悩している。
それは彼女を『どうでもいい存在と思っていない』からこそ。


当てが外れシュンとした表情をする美琴を見ればと彼女が一方通行のことを大切に思っていることは歴然だ。
彼女の優しい思いを素直に受け取ることすら出来ないほど、一方通行の傷はあまりにも深い。
そんな傷をあんな子供に背負わせた学園都市の闇を冥土帰しは心底呪った。


そんなことを思いながら冥土帰しは美琴を見つめる。
美琴は額に当てていたタオルとペットボトルをギュッと握りしめ、絞り出すように言葉を発した。



「先生……」

「なんだね?」

「一方通行は……その……、私に…………会いたくないのかな……?」

「……どうしてそう思うんだい?」

「だ、だってだって!いつも迎えにきてくれるのに来ないし!ど、どこにもいないし!!」

「……」



「だから……私……」

「……もしかしたらそうなのかもしれないね」

「!! や、やっぱり」

「だけど、そうじゃないのかもしれない」

「え……?」

「それは彼にしか分からないことだよ。僕や君が決めつけるのは良くないだろう?」

「そうですよね……」

「彼のことだ、何か理由があるんだろう。そう思わないかい?」

「はい……」



彼女に彼が今『苦悩』しているであろうことを言うべきか一瞬躊躇った。
だがそれも憶測である以上彼女に自分がどうこう言うのは事を混乱させるだけだと思い留まった。




「この間も……ヘンだったから」

「どういうことだい?」

「一方通行です。なんか……落ち込んでるっていうか」

「……そうかい」

「だから心配で……でもそのときも何も言ってくれなかったし」

「……」

「私、頼りないのかなぁって……」

「悩みを人に話すのが苦手な人もいるものだよ」

「うん……でも……」

「……君はとても一方通行を大切に思ってるんだね?」

「えぇ!? え、えぇっと……あの……その………はぃ」





顔を真っ赤にしながらも小声で正直に答える彼女は非常に子供らしくて可愛らしい。
笑みをもらしながら冥土帰しは言葉を続ける。



「なら待ってあげるといい。彼が君に話すまで」

「待つ?」

「あぁ。人はそれぞれに気持ちのタイミングを持っているんだよ。心の準備ともいうかな?
 今彼を悩ませていることは、その心の準備が出来ていないと話せない話なのかもしれないよ?」

「……!」

「だから待ってあげるんだ、彼の心の準備が出来るまで。もし彼がそれを打ち明けたとき、それを君は真剣に聞いてあげるといい」

「……はい!」





そのとき冥土帰しは希望的観測で美琴に話していた。
だが美琴と話しているとそうなるのではないかと思えてくるから不思議なものだ。

そんな話をしている内に時計は4時半を指していた。
初夏の陽がそろそろ落ちていく時間だ。



「あっ そろそろ行きます!捜さないと……」

「そうか。気をつけるんだよ?」

「はいっ!ありがとうございました!」



さっきまでの疲れが嘘のようにパッと立ち上がる彼女はまだ彼を捜す気満々のようだ。
ペコリとお辞儀をすると手を振りながら美琴は医務室から去っていった。
冥土帰しはやれやれと言いながら楽しげな表情のまま彼女を見送った。





・・・・・・
・・・・
・・




「さてと……あとはどこを捜せばいいのかなぁ~ あと捜してない所っていうと入っちゃいけない場所ぐらいしか……」



何時間も研究所内を捜索した美琴にとって、入るのを断られた研究室くらいしかもう捜していない場所はなかった。
腕を組みながらう~んと唸り声をあげて美琴はテクテクと廊下を歩き進める。



「ん~……ってあれ?ここどこ??」



気付けば自分が知らない内に廊下の真ん中にある暗い階段の前に来ている事に気が付いた。
上への階段が続くその場所には『立ち入り禁止』のプラカードとチェーンで入ってはいけませんオーラを存分に醸し出していた。





(うぇ~……なんか恐いし戻ろ~)



振り返り来た道を戻ろうとしてピタッと足を止める。
そして時間を巻き戻すように思考と足をさっきまで居た場所へ戻らせる。



(……入っちゃいけない場所………もしかして!)



そう思った途端、美琴の足はすでにハードルのように連なるチェーンをくぐり抜けて階段を駆け上っていた。


短いですが以上です。
次回は土曜の夜に投下できると思います。

ではまた~ ノシ

おつおつ

ほんと幸せになって欲しい2人だな

土曜の夜が待ち遠しいな

うずうず((((゜_゜)))

土曜の夜のサタデーナイトフィーバーさ!

こんばんは~ 投下しますね!

ktkr









(……ここなら誰も来ねェだろ)






一方通行は辺りを見回して人が来ないことを確認する。



彼がいる場所。
そこは立ち入り禁止場所でもある研究所の端の端に存在するさびれた廊下の一角だった。
過去に能力開発研究の際に問題を起こし閉鎖に追い込まれた研究室が並ぶ場所。この廊下はその研究室に面している。
そしてその廊下の一番端にある場所は休憩所だったようで、古びたソファーが幾つか並んでいる。



そのソファーに腰を掛け一方通行はフッと息を吐く。





薄汚れた窓から陽指しが床に反射する。
外は7月の午後に相応しく既に真夏日と変わらない気温を叩き出しているようだ。
時の経過は太陽の色を変えて夕日に近い光が人の肌を焦がそうと必死になっている。


そんな外の気候などこの研究所では関係無い。冷暖房完備で24時間快適空間が保たれている。


だがこの場所は違った。
使われていない事もあって空調管理も行き届いていないし電気だって通っているか分からない。
現に今、照明は点いておらず外からの光だけでこの場を照らしている。そして生暖かい空気が淀んでいる。


一方通行はこの場所が好きだった。


誰も近づかないこの空間になにか安心するものを感じていた。
だからこの場所を見つけて以来、心を落ち着けたい時や何かを決める時にはいつもここへ来た。
名前を変えることを決めたときもここへ来てそれを決めたのだ。





一方通行はソファーに背中と頭を預けて天井に顔を向ける。
その顔はひどく疲れていた。



(アー……だりィ……)



起きてからずっと体が怠く重い。
暑くもないのに首や額からじんわりと汗が滲んでくる。顔色も目に見えて悪い。
きっと今朝見た【夢】のせいなのだろう。あれを見てから身体的にも精神的にも調子が悪い。


過去のトラウマをあんな形で見せられたら動揺した結果がこの体調不良。
能力面ではレベル5を誇っているのに身体面の弱さがこうでは格好がつかないなと自分を笑う。










(……アイツはもォ帰っただろ)







確か今は午後4時半をとっくに過ぎている筈だ。流石に3時間以上も待ちぼうけを食らえば帰るだろう。


怒って、呆れて、嫌いになって、もうここへ来なければいい。


そして忘れてくれれば。そうなればいい。


そうなれば―――――









………―――レータ!!!






「……?」









目を瞑り思考を泳がせていた一方通行はどこからか聞こえた音に目を開ける。
だが廊下には誰もいない。気のせいだったのだろうか。


そう思いソファーへ寝転がろうとすると―――――




タンタンタンタン



床を叩く音、いやこの研究所の階段を走る音が聞こえてきた。
その音はどんどんこちらに近づいてくるような気がする。



タンタンタンタン



研究者か用務員か?それとも清掃員か??
……だがその足音は明らかに大人のものよりも軽い音。子供だ。


顔を上げ音のする方向を凝視する。



すると、




「――――ァクセラレータ!!」


「…………ハ?」




自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
聞き間違いで無ければその声を自分は知っている。



次の瞬間、廊下の中央に位置する階段から勢い良く少女が飛び出してきた。




美琴だ。






「ハァ……ハァ……」



肩で息をしながら周りをキョロキョロと見回しているうちに一方通行と目が合ってしまった。
その途端美琴は口をあんぐり開けて驚きと喜びが混ざった顔をした。




「やっと見つけたあぁぁ~~……」

「なンでオマエここに……」



パタパタと早足でこちらに向かってくる美琴に一方通行は慌てた。
まさか自分の所に来るとは思ってもいなかったのだ。
そんな彼の気持ちを全く知らない美琴は顔をほころばせながら近づいてくる。



「一方通行~!!」



自分の目の前に来た美琴は額の汗が前髪を濡らしていた。
露出した肩や首周りにも汗を光らせている。冷房の効いた研究所内ではこうはならないはずだ。
スカートから覗くサンダルを履いた足は転んだのか靴擦れなのか所々赤く擦り剥けている。
さっきの言葉を聞く限り、彼女は自分を探していたようだった。
ということは自分を捜す為に走り回ってたということだろうか?足を傷つけてまで??


一方通行はますます混乱した。




「はぁ……よかった見つかって……」

「オマエ……」

「もう!なんでこんな所にいるの!?そりゃ見つかんないよ!!」

「ハ?」

「待っても待っても迎えにこないから心配したじゃない!!」


息を整えながら美琴は一斉に捲し立てる。


「研究所の中も外もありったけ走り回って探してもいないし、芳川さんから部屋にはいないって言われるし……
 研究所の殆どを見たけど一方通行いないから……あとはどこかなーって思ったの」

「……」

「なら『入っちゃいけない場所』しかない!って思ってたらそこの立ち入り禁止の看板見つけて。
 入ってみたらビンゴ!いるんだもん!」

「……」

「はぁ~……良かったぁ」




そう言いながら美琴は一方通行の隣に座り、手でパタパタと扇の代わりに顔を仰いでいる。



「芳川さんに連絡しなきゃ。あ!あと……」



ゴソゴソと肩にかけたポシェットの中に手を入れ何かを探し始めた。


喜ぶ美琴の隣で一方通行は己の考えに打ちのめされていた。





(なにやってンだ……なにやってンだ俺はッ!!)




美琴が来たことで分かってしまった。


結局自分は逃げていたのだ。


彼女に直接今後会わないことを告げるのを恐れていた。
自分に悪意を持たない希有な存在である美琴にどんな顔をさせてしまうか。
どんな反応をされるのか、何と言われるか、それを知るのを恐れていたのだ。
だから事をなあなあにしてこの関係が自然消滅するのを望んでいた。
他人を傷つけたくないと言いながら結局は自分が傷つきたくなかっただけ。


美琴が目の前に現れて動揺したのがその証拠だ。



(クソ…………ッッ)



己の甘さを知った一方通行は怒りで脳が沸騰状態になっていた。
自分に腹が立ってしかたない。






「え~っと……あっ!あったあった!!」


ソファーからおりて再び一方通行の前に立つ美琴は何かを握りしめている。
得意げな笑みを浮かべながら両手の拳を彼の目前に突き出す。



「ジャッジャジャ~~ン♪ ゲコ太とピョン子の激カワキーホルダーで~す!!」

「……」

「あれ?やっぱリアクション薄いなぁ……まぁいいか。
 これね、この間ガチャガチャで見つけたの!んでね何と8回でこのゲコ太とピョン子をゲット出来たの!
 一方通行がこれの可愛さが分かんないって言うから、実物を見せてあげようと思って。どう?可愛いでしょ??」



一方通行が見つかった安心感からかハイテンションになりながら話す美琴は彼の変化に気付いていなかった。
掌に置いたキーホルダーを突き出しながらさらに言葉をかける。




「そんでもってこっちのゲコ太を一方通行にあげる!私はピョン子を貰うから。はい!」



「…………らねェよ」

「え?」

「…………いらねェよ」

「あぁ~……別に使わなくても良いから貰って!もうあげるって決めてきたから」



「……いらねェって言ってンだろォがァッッ!!!」



パキンッッッ




いきなりの怒号と共に掌にあったキーホルダーは一方通行の手によって床に叩き付けられた。
ゲコ太とピョン子は床に落ちると同時にプラスティックの欠ける音が響いた。



「ちょ……ちょっと! なにすん」

「うるせェンだよ!!」



落ちたキーホルダーを拾いながら体をビクッと震わせる美琴を見ずに一方通行は言葉を続ける。




「馴れ馴れしく話しかけてンな! ……ウゼェ」

「……え? な、なに言っ」

「ウゼェって言ってンだ!!聞こえねェのか!?」

「ちょっとま」

「大体今日だって会いたくねェから行かなかったって、オマエ分かンねェのか」

「え、え」

「友達ゴッコに付き合ってやったからって何勘違いしてンだ?」

「なっ!」

「テメェの相手するのもいい加減ウンザリなンだよ……とっとと帰れ」



「………」



美琴が自分の顔を見つめているのが分かる。
一体自分はどんな顔をしているんろうか。そして美琴はどんな顔をしているんだろう。




「馴れ馴れしく話しかけてくンな! ……ウゼェ」

「……え? な、なに言っ」

「ウゼェって言ってンだ!!聞こえねェのか!?」

「ちょっとま」

「大体今日だって会いたくねェから行かなかったって、オマエ分かンねェのかァ?」

「え、え」

「友達ゴッコに付き合ってやったからって……何勘違いしてンだ」

「なっ!」

「テメェの相手するのもいい加減ウンザリなンだよ……とっとと帰れ」



「………」



美琴が自分の顔を見つめているのが分かる。
一体自分はどんな顔をしているんろうか。そして美琴はどんな顔をしているんだろう。





「……」




美琴は何も言わない。
一方通行の首や額にジワリと汗が流れる。




――――タッ



突然足音がした。しばらくすると人がいなくなる気配を感じ顔を上げる。
すると目の前にいた美琴は姿を消していた。








「プハァ……ッ」



まるでずっと息を止めていたかのように呼吸をし始める一方通行の顔色は優れない。
美琴に投げかけた言葉はどれも本心の言葉ではなかった。でもこれで良かったのだ、そう自分に言い聞かせる。



(ハッ……前に戻っただけじゃねェか)



目を閉じ一方通行はそう呟く。


これで良かった はずなのに。


なのに 


どうしてこんなに悲しいのだろう。


どうしてこんなに苦しいのだろう。











しかし次の瞬間 彼はもう一度動揺することになる。













―――――ヒヤッ




「ッッ!!??」





突然顔に冷たいものを感じて、驚いた拍子に勢いよく背中をソファーに思いきりぶつけてしまった。
驚きすぎて目の焦点を合わせるのに時間がかかった。





「だ、大丈夫?」



見るとそこには濡れたハンカチを持った美琴が立っていた。
またも一方通行の頭は混乱状態に陥った。美琴の方は心配そうに彼を見つめている。



「オ、オマエ……な」

「だって……さっきすごい顔色悪かったし、汗もすごいかいてるし」

「だっ……なン……ッ」

「だから下の階に行ってハンカチ水で濡らしてきたの。冷たくて気持ちいいでしょ?」

「……そォじゃなくて」

「ここ少し暑いし、涼しい場所に行った方が良いんじゃない?まだ顔色悪いし……」

「聞けよッ!!!」

「へ?」




美琴の顔を見ると心配そうな顔をしている以外いつもと変わらない。
まるでさっきの出来事が無かったかのように。



(コイツなに考えてンだァ?あンなこと言われた後に……)



ますます混乱する頭は一方通行の口を馬鹿正直にさせるだけの力があった。



「……オマエなにやってンだ」

「なにって……ハンカチ持ってる」

「そォじゃなくて……さっき俺が言ったこと聞いてなかったのか」

「え?聞いてたけど」

「ハアァァッ!??」

「……あれって具合悪いのに私がいっぱい喋りかけたから怒ったんでしょ?その……ごめんね?」

(全然ちげェよ……)



「あと……」

「ア?」

「もしかしたら、と思って」

「……?」


「……一方通行はさ、私と話すときはいつも私の話を聞いてくれるの。つまんない時でも自分が興味無い時でも……怒る時でも。

 ちゃかしたりもするけどいつも最後まで私の話を聞いてくれるもん。でもさっきは……私が何か言おうとしても聞こうともしなかったでしょ?

 だから変だと思ったの。いつもと違う、何かあったのかなーって」





「―――……」



言葉が出なかった。
自分でも気付かなかった些細な変化も嘘も彼女の洞察力によって見抜かれていたのだ。
彼女と自分の間に立てていた嘘や建前の壁がガラガラと音をたてて崩れていく。そしてそこに見えてくるのは美琴と自分自身の本音。
呆然とする一方通行の額に美琴は湿ったハンカチをあてながら彼を見つめている。



「何か……あったの? 一方通行」


 






もう限界だった。






「クッ………」

「えっ? どうしたの??」



突然うつむいて苦しそうな声を上げる一方通行に美琴はどうすればいいのか分からずその場でオロオロする。
(芳川さん呼べば良いの?あぁでもゲコ太先生の方が??)と考えを巡らせていると一方通行の微かな声が耳に届く。
それはとても切羽詰まった苦しげな声だった。




「オマエはッ……なンで」

「え……?」

「なンで………俺の……俺の……ッ」

「……?」

「俺の……傍に、いるンだよ……」

「え……なんでって……」



一方通行の口からダムが決壊したかのように感情が溢れる。
それは途絶えがちに紡がれていながら、どこか吐き出すかの様な言葉。まるで泣いているようだった。
美琴はその言葉を一言も逃さないように優しく、大切に拾いあげそれに耳を傾ける。



「俺の傍に……いちゃ…………ダメなンだ……」

「……どうして?」

「俺と……いたら……みんな傷つくンだ」

「……」

「……この……能力が…… いや……俺がみんなを…………傷つけてきたンだ」

「!」



幼い美琴にも分かった。
彼は今初めて『本音』を話しているのだと。



『もし彼がそれを打ち明けたとき、それを君は真剣に聞いてあげるといい』



冥土帰しの言っていたことを思い出す―――――そうだ。聞かなくては、彼の言葉を。
そして美琴は決して邪魔をしないようにそっと彼の言葉を待つ。



「だから…………俺は……『無敵』に」

「……『無敵』?」

「『無敵』になっちまえば…………誰も……誰も……」

(レベル5よりも……ってことはレベル6ってこと?そんなのになれるの??)

「誰も……近寄ってこねェから…………」

「……!」

「だから………俺はッ……」


美琴は瞬間的に理解した。
一方通行が何故自分にあんなことを言ったのか。今日何故迎えに来なかったか。
何故悲しい目をしていたのか。何故ひとりになろうとするのか。
パズルのピースがすべて揃ったような感覚だった。



『とても辛い経験をしてきた顔をしてたわ』


『一方通行はそんな人間に沢山傷つけられてきたの』



芳川の言葉がフラッシュバックする。








(……ダメだよ 一方通行)





「ッ!?」












気付けば美琴は座っている一方通行の頭をかかえ込むように抱き寄せていた。








「オ、オイ 離せッ」

「……やだ」




ずっと触れてみたかった白い髪は柔らかく汗でしっとりと濡れていた。
真っ白で細い髪の毛が微かに震えている。まるで雨に濡れた子猫のようだ。


何故自分が彼を抱きしめているのかよく分からない。ただ抱き寄せずにいられなかった。
自分の腕から彼の温もりを感じて、胸からジワリと熱いものが込み上げてくる。
恥ずかしいのに、胸がドキドキするのに、頬が熱くなるのに、そんなことはひどくどうでもいいことように思えた。



美琴は彼の優しさを知っている。
不安な時なにも言わずに一緒にいてくれたことを知っている。
つまずいた自分を助けてくれた手の温もりを知っている。



今だって―――――





でもそれを上手く言葉にしようとすると声が出ない。
だから美琴は自分の思ったことを正直に彼に伝えようと思った。
ちゃんと思いが伝わるように、彼を傷つけないように、大切に言葉を伝えよう。




「私は傷ついたりしないよ 一方通行」


「!」


「だからそばにいちゃダメなんて、言わないで」


「……オマエは分かってねェンだ……俺が」


「私はちゃんと一方通行を見てきたよ。……短い間かもしれないけど」


「……」


「一方通行がどんな人か、私は分かってるつもりだよ?」


「……」


「今の一方通行は人を大切に思う優しいひとだよ」


「なに言って……」


「でもね、もしもその『無敵』になろうとしたら……一方通行が……変わっちゃうような気がして……それが、ちょっと恐い」


「……」



「……一方通行はさ、自分は誰かを傷つけちゃうって言ってたでしょ?」


「……あァ」


「もしかしたら……そういうこともあるかもしれない。能力者なら誰でも」


「……」


「だからね……もしも一方通行が、誰かを傷つけようとしたら……私は全力でそれをとめるよ」


「!!」


「傷つけられた方もイタイし、一方通行だって絶対イタイはずだもん」


「……」


「だから一方通行が悪いことしようとしたら、私が絶対一方通行をとめるよ。絶対!」


「……ハッ なに言ってンだか」


「本気だもん! 能力測定の結果もレベル4だったしヨユーだよ!」


「そォかよ……」



「……でも逆もだよ」


「あァ?」


「一方通行が誰かに傷つけられちゃいそうなときは……私、一方通行の味方だからね」


「……」



「だから…………そばにいちゃダメなんて言わないで」



美琴の声は一方通行の耳を優しくくすぐる。
ずっと自分は誰かにそう言ってほしかったのかもしれない。
美琴の言葉が胸に淀んでいたドロドロとした感情を溶かしていくようだった。
あんなにゴチャゴチャと巡らせていた思いが胸からストンと落ちていくような、まるで憑き物が落ちたような感覚。



「オマエ……ホント、バカだなァ……」



心底呆れるような声がこぼれ、それは美琴の心をキュッと締め付けた。


美琴は両の手に優しく力を込めて一方通行の頭を抱きしめる。
私はあなたの味方なのだと、そばにいたいんだと、ちゃんと伝わるように。
すると抱きしめている頭が少し揺れ、彼の肩も小刻みに震えだした。
最初は具合が悪くなったとかと心配したがそれは杞憂だった。




しばらくすると床にポタポタと透明な雫が落ちていった。




「ッ……」


「……」



美しい真っ白な頭をそっと撫でる。
昔母親にやってもらったときのことを思い出してそれを真似てみる。



優しく、優しく。




――――――――――






「まったく……あの子達どこ行っちゃったのから」



研究所内のスピーカーを使いアナウンスしたり、職員達に聞いてまわったが一方通行は見つからなかった。
美琴は美琴で携帯に連絡しても出やしないし5時になってもロビーには来ない。

5時を過ぎ外は日が暮れて学園都市をオレンジ色の光で満たしている。
部屋を半壊状態にした一方通行の動向も気になる。
そして美琴を遅く帰らせてはいけないしどちらにしても2人を早く見つけなければ。


そう思っていた矢先、ひとつまだ探していない場所を芳川は思い出した。



「まさか……ねぇ」



立ち入り禁止の閉鎖された研究室。
あそこなら誰も出入りはしないし、電気も通っていないからアナウンスも聞こえないだろう。
芳川はとりあえずそこへ足を向かわせることにした。



・・・・・・
・・・・
・・






『立ち入り禁止』のプラカードと道に括られたチェーンを跨ぎ階段を上がる。
閉鎖された研究室の廊下の端から端を見渡すと奥の方にソファーに腰掛ける人影を見つけた。



(こんなところに居たのね……もう)



近づいていくと人影は2つあった。どうやら2人は一緒だったようだ。



「あら、これは……」




芳川の目に入ったのはソファーに座りながら眠りこける美琴と一方通行の姿だった。
2人は隣同士に座りお互いの体を預け合ってスヤスヤと寝息を立てている。
美琴は一方通行の肩に頭を乗せ、一方通行は美琴の頭に自分の頬を乗せてお互い支え合っているように眠っている。
窓から入る夕日の光が幼い2人の姿をより美しく輝かせた。



「……なんだか起こしちゃうの勿体ないわね。写メでも撮っちゃおうかしら」



2人の心から安心しきって眠る顔は愛らしいの一言でまるで天使のようだ。
それを見てしまったがため芳川は携帯を持ちながらベストショットを求めて数分間その場を歩き回ることになった。



「ん? なにかしら……これ」




ふと2人の手の内にあるものに目がいった。
一方通行の手には緑色、美琴の手にはピンクの物体が握られている。



(どこかで見たことが…………)



こめかみに指を当てながら記憶の引き出しを開けてみる。確か、美琴に関係ある―――――





「……あっ! 確か御坂さんが好きだっていう―――」







それぞれの手にはゲコ太とピョン子のキーホルダーが握られていた。

2人が大事そうに握る少しヒビが入っているそのキャラクターの表情はどこか幸せそうに微笑んでいるように見えた。

以上です。
なんだか長くなってしまいました……読んでくださった方、お疲れさまです!

ではまた~ ノシ

~一方通行著「僕がロリコンに走った理由」~

それを見た者の感想は以下の通り





『読んだらいつの間にかロリコンになってた』
『仕方ない』
『美琴ちゃんマジヴィーナスぅぅ!!』

美琴ちゃんの天使度具合がやばすぎてやばい

これ現代編ものちのち書いてくれるんだよね?

超期待……してもいいですか?

>>1
ここが天国か……
ここにいるのが天使か……

きっと数ヶ月後には…あ、間違えた数年後にはズッコンバッコンしてるんだろうな

美琴ちゃんええこやわぁ、さすが打ち止めの原型なだけはある
このまま育って欲しいような、成長して原作のツンデレ具合を発揮してほしいような複雑な気分ww

美琴ちゃんマジ天使
そして>>328に全面的同意

同意せざるを得ない…
超乙

もうロリコンでいいや

みんな騙されるな!20000号の遺伝子だぞ

我々の業界ではご褒美です

この美琴ちゃんが原作みたいなツンデレこじらせるとしたら、一方さんが過保護こじらせて妹分扱いしかしてくれないという展開かもしれん
まあ、こっちにとってはどっちでもおいしいんだけどなwwwwww
これからも期待して待ってる

>>332
危ないとこだった

これは期待

>>1

読んで下さってありがとうございます!

>>322-323
ジワジワくるw
>>325
書きたいとは思ってますが期待はしないで下さいお願いしますホント

では投下します!

ガタッ


                                 * * *




7月下旬。
外の気温は日に日に上昇していて人間の外出する気力を十分奪わせていた。


そんな夏真っ盛りの今日は土曜日。
ここ2ヶ月間芳川は土曜日は必ず出勤している。
今日もこうして後輩の若い研究者とともに仕事をこなしている。
本来なら非番をとっても良い立場にある彼女が出勤する理由、それは土曜日に職場に来る楽しみが一つ出来たことだ。


それはひとりの少女とひとりの少年の来訪。


芳川はすでに彼等が今日どこへ向かうか予想がついていた。
今日は食堂が午後から点検中、医務室は冥土帰しが出張中。ということは―――――




コンコン



小さなノック音。
部屋に居る人間にはドアの外に誰がいるか分かっていた。





「どうぞ」

「こんにちわ~」

「あら、いらっしゃい」

「お邪魔しま~す」



明るい声の主は予想通り、美琴であった。
開いたドアから水色のTシャツとショートデニムを履いた美琴と白いTシャツ姿の一方通行が入ってきた。見慣れた2ショットだ。



「お部屋使っていいですか?」

「良いわよ。でもあまり騒がないでね」

「は~い」



入ると2人はすぐに彼等がこの部屋を使う際に必ず使用するテーブルへ向かっていった。
向かい合わせに座ると2人はすぐに話し始めた。




「あっ! そういえば今日ロビーで見たことある人見かけたの」

「ダチか?」

「ううん~ 白衣着た男の人」

「オマエ何回もここ来てンだから、見たことあるヤツだって多いだろォが」

「そうじゃなくて、前にどっかで会ったことあるような……ここじゃない所で」

「……まァ、ここには他から派遣されてくるヤツもいるからな」

「そうなんだ」

「他の研究所で会ったヤツじゃねェのか?」

「ん~……そうなのかも」





(……あら……?)



芳川はどこか違和感を覚えた。
いつもの彼等の会話は美琴がひたすら言葉を投げかけ続け、それを一方通行がただ「ヘェ」とか「ふゥン」と返すだけ。はたから見れば会話にならない事が多いように思った。
まさに一方通行(いっぽうつうこう)な会話。ドッチボールとまではいかないが、会話の打ちっ放し状態だった。




だが今はどうだろう。



「それかオマエの見間違いなンじゃねェの? 早とちりとかしそォなタイプだろ、オマエ」

「なっ!そんなわけないもん!」

「どォだかなァ……ま、勘違いして他人に迷惑かけンなよ」

「もおおおぉぉぉぉ失礼なッ!!そんなことしないっつーの!!!」



いつもよりも会話がスムーズのような気がした。
というより一方通行が美琴に対してちゃんと受け答えをしている。一方通行が会話をしようとしているのだ。



「(なんか前より仲良さげッスね……)」

「(そうね……)」



今まで彼等を見てきた芳川とその後輩の青年は彼等の変化を敏感に感じ取った。
まず2人を纏う雰囲気が前とは違うことに気が付いた。明らかに穏やかなものへと変化している。
例えるならばいびつな形していた物体が角のとれた球体になったようなものだ。
美琴はいつも通り。しかし、一方通行の顔もいつも通り仏頂面なのだが少し表情が柔らかくなったように見える。




(何かあったのかしら……?)



そういえばこの間の出来事もおかしな事件だった。
一方通行の部屋へ行けば部屋の壁の一辺が壊滅状態になっており、美琴との約束の日なのに姿を表さない。
正直彼はとうとう壊れてしまったのではないかと思った。だが、やっと見つけたかと思えば美琴と2人で寄り添いながら眠りこけていた。
その2人を起こし、美琴をロビーまで送って行くときも、彼女が外へ出て行った後も、一方通行はずっと不思議な眼差しで彼女の姿を見つめていた。
愛おしそうな、泣きそうな、嬉しそうな、切なそうな―――――そんな感情が入り混ざった複雑な瞳をしていた。
そしてその瞳を覆う瞼はまるで涙を流した後のように少しだけ赤く染まっていた。

一体2人の間に何があったのだろうとその日は首を傾げていたものだ。



(……ま、この雰囲気をみると良いことだったみたいだし、そっとしておきますか)



部屋に置いてある小さな冷蔵庫から麦茶を取り出し、彼等の為にそれを硝子のコップに注ぎながら芳川はそう結論づけた。
彼等の問題に周りがあーだこーだ聞くのは無粋だ。当人達に任せて、それを自分は見守ろう。
二つのコップをテーブルまで運ぶ間そうして先程の疑問に終止符を打つことにした。





「はい。外は暑かったでしょう?」

「ありがとうございます!」



お礼を言って麦茶を飲む美琴とは違い一方通行は何も言わずにそれを一口飲む。
相変わらずの無作法っぷりに(流石にこういう所までは変わらないわよね)と思いフッと笑みがこぼれる。
美琴の方に目を向けると腕や顔がほんのり日に焼けて白い彼女の肌がもっと健康的な色に変わっていることに気付いた。
季節はもう夏。光り輝く太陽の下で子供たちが無邪気にはしゃぐ季節だ。



「そういえばそろそろ夏休みね」

「はい。一昨日終業式でした」

「そうなの」



もうそんな時期かと芳川は時間の経過の速さを噛み締める。
どうも研究所にこもりきりの生活だと季節感覚が狂ってしまう。改めて外が夏なのだということを思い知る。




「御坂さん、夏の予定は何かあるの?」

「あっ そうなんです! だから今日は芳川さん達にも会いに来たんです」

「どういうこと?」

「夏の間は当分ここには来れないかもしれないから。だから挨拶しときたいなーって」

「……!」



そっぽを向いていた一方通行がパッと美琴に視線を向ける。
その顔は驚きを隠しきれておらず、その表情はどうやら彼も初めて聞いたということを示していた。



「……どこか出掛ける予定でもあるの?」

「えーっと……、ま、ママに夏休みは家に帰って来なさいって言われたんです」

「あら、そうなの」

「あと先生が夏休み中に学校見学に行ってきなさいって」

「御坂さんレベル4になったんだもの。しかたないわ」

「それと、学校のプールとか宿題とか色々あって……夏休み中はここへ来るのが難しいかなって」

「そう……寂しくなるわ」





「…………」



会話に全く入って来ない一方通行の表情を時々確認しながら芳川は美琴と会話をしていた。
その表情は彼女の言葉を聞く度、不機嫌に俯きがちになっていくように見えた。沈黙はまさに苛立の表れのように思える。
最初自分が2人の仲を贔屓目で見ているせいかもしれないと思ったが、次の彼の行動でそれが間違いないものだと確信を得ることになった。



ガタンッッ



「ぉわっ! ……どしたの?」

「…………コーヒー買ってくる」



急に音をたてて立ち上がったかと思うと白い前髪で表情を隠しながらおもむろにドアの方へ歩き出した。
どうやら文字通りコーヒーを買いにいくようだ。そんな彼の態度はどうみてもご機嫌なものでは無かった。
美琴は突然の彼の行動が理解出来ない様子だ。



「へ? 麦茶あるのに?」

「……俺はコーヒーが飲みてェンだよ」



そう言って一方通行はさっさと部屋を出て行ってしまった。




(あらあら、拗ねちゃったかしら?)



彼の行動に少し可笑しくなってしまったが、子供らしい一面を垣間見ることが出来たのは喜ばしいことだ。
口元に笑みをこぼしながら芳川は彼の居た席に目をやる。




一方、美琴はある人に言われた言葉を思い出していた。
それがここ数日間の悩みの種であり、これからの夏休みの行く末を左右する事柄であることも分かっていた。
でもそれを誰にも相談出来なかった美琴は芳川といるこの状況は好機のように思えた。



(今ならいないし……芳川さんに聞いてみようかな)



そして美琴は目の前のオトナの女性に相談してみようと決めた。




「ぁ……あの、芳川さん……」

「ん?」

「あのぅ……その、そそ、相談があるんですけど……」

「? なにかしら」

「えっと、ですね……」



小声で顔を赤らめモジモジしだした美琴に芳川はいつもと違う雰囲気を察知した。



「ママが……」

「お母さんが?」

「か、帰ってくる時に……とと、友達も、ぃ、一緒にって……その……」

「そうなの。学校のお友達と?」

「……ぅうん」

「え?」

「その……えっと……あ……」

「?」

「ぁ……ぁあ一方通行を……その……一緒に……つつつ連れてこいって……」



「―――え?」




・・・・・


それは先週の日曜の朝の出来事だった。
寮に母である美鈴から電話が掛かってきたのだ。
日頃くることの少ない母からの電話に驚きながらも喜びながら受話器を持った。耳に明るくテンションの高い声色が伝わってくる。



『やっほ~~! 美琴ちゃん、元気にしてた?』

『ママ! どうしたの?いきなり』

『美琴ちゃんの声が聞きたくて♪』

『ふふっ なにか用があるんじゃないの?ママは用も無しに電話しないじゃん』

『アチャー、見抜かれてたかー 美琴ちゃんそろそろ夏休みよね?』

『うん』

『だったら夏休み中、コッチに帰って来なさい。たまにはいいでしょ?』

『! うんっ!そうする!!』

『あ、あともう一個』

『え?なになに??』

『前に電話で言ってた~……え~っと……あくせられーたくん?だっけ? その子も連れてきなさい』


『』


『美琴ちゃん?』

『――――ちょちょちょちょちょちょっと何言ってるのママ!!???』

『だって美琴ちゃんのボーイフレンドでしょ?ママの目でしっかり見定めてあげるから♪』

『くぁwせdrftgyふじこlp』

『それじゃ来る日にち決まったら教えてね じゃあね~』


ガチャン ツー… ツー…


『ぅえ!? ちょママ!??ママァァぁぁぁ―――ッッ!!??』



・・・・・




「……ってことがあって」

「……随分とパワフルなお母さんね……」

「はぁ……」

「それで彼には言ったの? そのこと」

「いいい言ってませんよっっ!!!」

「あら、何故?」

「だだだだだってだって!!! じょ、女子がだだ、男子をおおおお泊まりに誘うって……変ですよねっ!?」

「あー……」

「そそそれにッ……か、勘違いしてるもん!!べつに……ぼ……ぼーいふれんどじゃないしっ!!!」



両手を頬に当てて真っ赤になる美琴は今にも頭から湯気が出そうな勢いだ。とはいっても既に額からバチバチッと電気を走らせてはいたが。
そんな彼女の反応に胸がむず痒くなる感覚を覚えながら、とりあえずは美琴を落ち着かせることを優先した。



「まぁまぁ。別に変ではないと思うわよ?」

「……ふぇ? そ、そうなんですか??」

「お母さんも御坂さんのことを心配してるのよ。だから仲良くなった友達にも会いたいのよ、きっと」

「う~……」

(ま、それだけじゃないでしょうけど)


そんなこと言えば美琴はまた漏電してしまうだろう。本音は胸の内にしまっておくことにした。


「御坂さんはどうしたいの?」

「へ?」

「御坂さんは一方通行と一緒は嫌なの?」

「……」

「……」

「べ……べつに……い、ぃゃじゃ……」

「なら彼に聞いてみなさい。お家に友達を招くのは恥ずかしいことじゃないわよ」

「ッ~……」



そう言い残すと芳川は席を立ち、自分のデスクに戻っていった。




残された美琴はまだ顔を赤らめたまま眉をひそませ悩んでいた。

そんな彼女の中ではある葛藤が生まれていた。



(でも……この間……あ……ぁんなことしちゃったし……なんか……)



一方通行が美琴に心の内を明かしてくれたあの日―――――自分は彼を抱きしめた。



その時は何とも思わなかった。
壊れそうな彼を抱きしめずにはいられなかった。バラバラになってしまいそうな彼の気持ちをこぼれてしまわないように守りたかった。
そして自分の正直な気持ちを伝える為にも美琴は彼を離さなかった。後悔なんてしていない。


だがあの日研究所から寮へ戻る道の途中、掌に一方通行の白い髪の毛に触れた感触を思い出した途端自分のした行動の大胆さを思い知らされた。
一気に気恥ずかしさが全身に込み上げてて、寮に戻ってすぐにベッドの上で一人悶え苦しんだのは言うまでもない。
今まで生きてきて恥ずかしくて死ぬかと思ったのもその時が初めてだった。




今日だって一方通行が普通に接してくれている分、自分がそのことを気にせずにいられるだけだ。
……と、そう思う反面ちょっとした苛立が美琴の心を波立っていた。



(いつも通りになってくれて良かったけど……けどッ……なんでいつも通りなのよおおぉぉぉ!!!)



言ってる事がめちゃくちゃなのは美琴もよく分かっていた。だが思わずにはいられなかった。
彼は至って普通なのだが、自分は『あのこと』を思い出すだけで恥ずかしくて体が熱くなって沸騰しそうになる。
なんだか自分ばかり気にしているみたいで一方通行が全く気にしている素振りを見せないことが無性に腹が立ってしまう。


そこへきて母からの提案だ。
女の子が男の子を家に招く(しかも泊まり)ことの重大性くらい11歳の美琴だって理解している。
そして『あのこと』との相乗効果もあり意識しまくってしまう始末だ。
そんなこんなで彼を意識する気持ちが邪魔して母からの提案を素直に受け取ることが出来ない。
本心では夏休み中に一緒に遊べるのは嬉しいと分かっているのだが心はなかなか言う事を聞かないのだ。



(ぼ、ボーイフレンド……とかママが言うから……っ!ママのバカッ!!)


『お家に友達を招くのは恥ずかしいことじゃないわよ』


(そう! 一方通行は友達……友達よ!!友達ともだちトモダチTOMODACHI……)



美琴は頭を無にして暗示のように呟く。
「それ以外なんなのだ?」という疑問は頭の隅に追いやって見ない振りをする。



自己暗示に気を取られていたせいか部屋のドアが開く音など全く耳に入って来なかった。



「……なにやってンだ? オマエ」

「ひゃあッ!!」



頭を両手で押さえつけている美琴をみて一方通行は不思議そうに声を掛ける。
缶コーヒーをコンッと音をたててテーブルに置きイスに座る一方通行。そんな彼の動向を見つめる美琴。
突然の本人の登場に驚いたが彼に事を話すタイミングは今だと感じた。
なんだかんだ言いながらも美琴の一方通行と夏を過ごしたいという気持ちは変わらないのだから。
自分の両頬をパチンと叩き、頭から余計な雑念を振るい落とす。



(大丈夫!友達なんだから……トモダチともだち)



「あっ……あのね!」

「あァ?」

「えっと……」





夏の予定について話し始める美琴。
芳川はその話に聞き耳を立てながらデスクに向かっていた。
その話はどことなく誘う言い訳を母親のせいにしているように聞こえるがそこはスルーしてあげるとしよう。




同じくそれを聞いていた後輩の研究者が芳川に慌てた様子で小声で話しかけてきた。



「(ちょっと先輩!大丈夫なんスか?一方通行を学園都市外に出掛けさせるなんて……)」

「(分かってるわよ)」



美琴は理解していなかったようだがこの学園都市は最先端の科学技術を持つ故に厳重な警備と監視が敷かれている。
一般市民ですら簡単に出入りすることが出来ないしくみになっている。しかも幼い子供とはいえ一方通行はレベル5だ。
どんな理由があろうと学園都市の外に出るなどそう簡単に許可がおりる訳が無いのだ。


だが芳川の頭の中ではある男の存在がそんな不安を掻き消していた。




「(多分大丈夫よ)」

「(へ?)」

「(彼には強力な後ろ盾(サポーター)がいるのよ。あなたも知ってるでしょ?)」

「(っていうとまさか……)」

「(えぇ。『彼』に頼めばなんとかなるでしょ)」



芳川には考えがあった。
一方通行を特力研からこの研究所へ移動させた張本人である、あの強面の刺青男ならどうにかしてくれるだろうと。
一方通行とは犬猿の仲らしいが、その人物が悪態を吐きながらも色々根回しを施し一方通行をこの研究所に入れたことは裏では有名だ。
本人は否定していたが勿論その根回しは一方通行を思ってやったことだろう。素直じゃない所まで似ていてまるで父親のようだと思った。


芳川とは顔見知り程度で何回か言葉を交わしたことしかない。
だがどうやら自分と同じ考えを持っているらしいことは直感的に通じ合っていた。


それに彼は学園都市で巨大な力を持つ一族の出。許可書のひとつやふたつ容易いだろう。




そんなことを考えているうちに、どうやら美琴は一方通行に夏休みの件について話し終えたようだった。
視線を自分の膝に向けながらモジモジする美琴は彼の返事を待っていた。








「どう……かな……?」


「………………考えとく」








2人の夏休みがはじまりを告げた。

以上です
次回から親への挨拶へn…『夏休み編』入ります!

ではまた~ ノシ


なにこの二人かわいすぎる ボタボタ


二人ともかわいい!木原くンもかわいい!!

ああもう!かわいいなちくしょう

ここにきて木原パパかよ!イイねェイイねェ最ッ高だねェ!!


更新速度が速くてありがたい
美鈴さん二人のこといじりまくるだろうなぁww

やはり時代は電磁通行だな



この御坂はアホ毛の無い打ち止めを連想するな
口をあわあわしてきょどってる御坂を妄想して和んだ

>>1

 甘酸っぱいなぁチクショーめ

乙!
二人がかわいすぎる
そして木原くンwwww

>>354
>その話はどことなく誘う言い訳を母親のせいにしている


ツンデレの兆候があるな
こじらせる前に美鈴さんの治療が必要か

美鈴さん関わると美琴だけじゃなく、一方さんまでツンデレ加速しそうなww

(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ

美鈴ちゃンまじGJ

乙乙wwwww

美鈴ちんピンチ!!

何時も次の投下が楽しみで毎日来てます(^_^;)
>>1最高に乙

電磁通行大好きな俺にはマジでたまらん作品。
木原くンがパパやっても、何か違和感が無いよね

>>1
あまあまはええのぅ


あのまま関係が自然消滅してレベル6計画の話に以降する鬱展開からの~をwktkしてた俺涙目

って言うか何気に天井君らしき影が……

こんばんは~ 投下します!



――――――――――






「ほらほらっ! あそこが私の家があるところ!みてみて!!」

「分かったから何度も叩くなッ 痛ェッ!」



座席に膝立ちして窓の外の景色に興奮する美琴と彼女にバシバシと叩かれた肩を押さえて顔をしかめる一方通行。
少し大きめのリュックとショルダーバッグを傍らに置き、2人は窓の外の学園都市とは違う生活感の漂う街に目を奪われていた。
美琴にとっては久し振りの『外』、一方通行にとってはほぼ初めて見る『外』だった。




芳川・美琴・一方通行の3人は学園都市外へ繋がる電車に乗っていた。






「ほらほら、他に乗ってるひともいるんだから静かにね」



2人を嗜める芳川はまるで自分が2人の子を持つ母親、あるいは遠足に引率する先生になった気分を味わっていた。
どちらかと言えば後者の方が正しいのかもしれない。教員を目指していた頃をふいに思い出し当時の自身の夢が何だか懐かしく感じる。
この日の芳川の姿はいつもの白衣ではなく灰色のパンツスーツを軽やかに着こなしていた。
今回の自分の役割はまさしく『目的地までの引率』であった。


車内は満員とまではいかないが夏休みという季節柄もあって座席が埋まる程度に混み合っていた。
人の話し声はどこか明るく高調している様子が伺えて、電車がガタンゴトンと揺れる音と絶妙にマッチしていて気持ちよく耳に入ってきた。


久し振りに見る自分の住んでいた街並みはあまり変わっていないらしくそれは美琴にとってそれは喜ばしい事のようだ。
ずっと窓の外を笑顔で見つめて時折、「あれはね~」「あそこに見えるのは~」とガイドのように説明してくるのは彼女が喜んでいる証だろう。



すると一方通行は美琴に気付かれないように声を押さえて隣に座る芳川に話しかけてきた。





「オイ」

「何かしら」

「……どォやって俺を『外』に出れるよォに仕組ンだ?」

「……なんのことかしら?」

「とぼけンな。コイツは気付いてねェみてェだが……普通ありえねェだろ、俺が『外』に出れるなンて……裏があンだろ?」

「裏なんてないわよ。ただ、貴方の『保護者』に頼んだのよ。そしたらあっと言う間にこの通り」

「……? 『保護者』って…………まさかッ!」

「多分、そのまさかよ」



一方通行は心底嫌そうに苦々しく顔を引きつらせて芳川を見つめ返した。
あの男が少なくとも彼の中では『保護者』的な認識を受けていることが少し予想外で可笑しく思えたがそれは胸の内だけで笑う事にする。


実際この件に関して『保護者』に連絡をとってみると二つ返事で外出許可がおりた。多少の条件がついたがそれも微々たるものだった。
本来なら喜ぶべき所なのだが彼と犬猿の仲である一方通行はどうやらそれが不満の様子だ。





「……チッ あの野郎ォ余計な真似しやがって……」

「あら、むしろ感謝すべきじゃない? こうして出掛けることが出来たのは彼のおかげなのよ」

「はァ!? 俺は別に……」

「こういうことは素直に受け取りなさい。よかったじゃない、御坂さんと夏も過ごせて」

「別に俺が行きてェ訳じゃねェ……。コイツがどォしてもって言うから……こっちは仕方なく付き合ってやってるだけだ」

「ふーん?」

「……なンだよ その顔は」

「いいえ~? 何でもないわよ?」

「……チッ」



都合が悪くなるとそっぽを向くのはどうやら彼のクセのようだ。舌打ちをするとさっさと芳川から視線を反らせ窓の外に顔を向けてしまった。





(まったく……素直じゃないんだから)


呆れがちに笑みをこぼしながら不器用な少年を見つめていた。



そんな当の本人の頭の中は言い訳めいた言葉を自身に囁いていた。



(俺は別にコイツと居てェわけじゃ……)



―――ないわけではなかった。



初めは自分とはあまりに真逆な、純粋培養で育った彼女の明るさや無垢なオーラにあてられているだけだと思っていた。
だが実際美琴といると楽しいと感じるようになり、今は騒がしさに心地よさを覚えているのも確かだ。彼女の笑い声は自身に安心感を与えた。
そして夏の間、彼女が来ないと知ったときは無意識に苛立ちを覚えたのも事実だった。


嬉しそうに外を見つめる美琴の横顔を横目でチラリと見る。
栗色の艶のある髪を揺らしながら上機嫌に鼻唄を歌っている。太陽の光が彼女の頬に反射して細やかな肌を輝かせていて眩しい。
視線に気付いたのか振り向いた美琴は一方通行の顔を見てニカッと笑う。



「次の駅だよ!」

「……知ってるよ」





あの日―――――彼女によって自分は救われたのだと一方通行は思う。





『そばにいちゃダメなんて言わないで』



それはずっと誰かに言ってほしかった言葉のような気がした。
誰かに必要とされる自分、それは能力でも頭脳でもなく自分自身を見てくれる存在。そんな存在になりたかったのだと初めて気付いた。
そう言って自分を抱きしめる美琴の腕の熱と彼女の鼓動の音。心地よい温もりがまだ記憶に新しい。
彼女の言葉や行動は今まで出会ったなによりも優しく、衝撃的で、心を打たれるものだった。
自分はそれによってひどく情けなくみっともない姿を曝してしまった。


だがあの日を境に一方通行の肩に積もっていたレベル5という重圧が少しだけ軽いものに変化していることに気付いた。


あの日以来あの忌々しい【夢】を見なくなった。そして『無敵』への執着も少し薄れている自覚もある。
闇の奥深くにいた光など知らない過去の自分とは全く違い、今こうして太陽の光を浴びているという実感が存在していた。
そして自分はそれを心地よく感じている。
初めて外の世界に触れた様な感覚、それはすべて彼女の影響だ。
少なくとも自分は美琴の存在によって負の感情が減っているという事実は彼自身の体を楽にさせているらしい。
きっとこの感覚を人は『救われた』と表現するのだろう。



それに気付いたとき、一方通行は美琴に借りをつくってしまったと思った。それは恩にも似た感謝の気持ちだ。





でも―――――




(コイツには借りがあるからってだけじゃねェ……それは分かってンだ)



それだけでは無い別の感情が胸の奥で息づいていた。


最初は自分に悪意を持たない希有な存在だと思っていたが、今の思いはその頃とはまた違うもののような気がする。
確かに変化している。もっと温度のある気持ちになっているという確証が一方通行にはあった。



だが自分が美琴に対して抱く気持ちが何なのかよく分からない。





人間に興味を持ったことが極端に少ない一方通行は自分の気持ちにもかなり鈍感になっていた。
だからこそ自分の気持ちを測りかねているのだ。



(グダグダ考えンのは性に合わねェンだよ……クソッ)



得体の知れない気持ちに振り回されている感覚は好きじゃない。


電車の揺れに身を任せながら、一方通行は早くこの感情の正体を突き止めたいと強く思っていた。




・・・・・・
・・・・
・・






「とぉちゃーーーくっ!!」



目的地に到着し車両の扉が開いた途端、美琴は勢い良くジャンプして駅のホームに降り立った。



「ちょっと! あぶないわよ~」

「はいは~い!」



芳川の声も聞こえているが目的地に着いた興奮が勝っているせいかスキップをしながら歩く美琴は今にも転びそうだ。
持っている荷物が左右に揺れ体のバランスが崩れているのは火を見るより明らかだった。



「ちゃんと歩けバカ」

「痛ッ なにすんのよー!ちゃんと歩いてるじゃない!」



一方通行から頭にチョップを食らいプーっと頬を膨らませる美琴は移動手段をスキップではなく早歩きに変更することになった。
3人は駅のホームから階段を降りて改札を通り、切符の券売所や売店などが並ぶ場所に出た。人混みで夏ならではの熱気が漂う。


美琴の地元とは言え彼女自身何年も来ていない場所なので自信は無かったが記憶を頼りに外への出口を目指した。
すると人の流れが吸い込まれるように出て行く場所を発見し、3人がそこへ向かうと予想通り街に出ることが出来た。



「確か駅のロータリーで待ってるって……」



美琴は周りをキョロキョロと見回して自分の母親を捜した。確か車で迎えにきてくれると言っていたのだ。
すると3人がいる場所から少し離れた所でシルバーの乗用車に寄りかかった女性がこちらに対して大きく手を振っていた。



「美琴ちゃ~~ん!!!」

「あっ! ママ~~!!」



その人物こそ美琴の母・美鈴であった。大声で愛娘の名前を呼ぶ声が木霊する。
荷物を持っている体をおぼつかない足どりで美鈴へ駆け寄る美琴の姿はまさにドラマで見る親子の再会シーンを切り取ったようだ。
駆け寄った美琴を美鈴は愛おしそうにギュッと抱きしめる。



「もぉ~~ 美琴ちゃん元気だったあぁ~~?」

「元気だったよ……って苦しッ、苦しいよママ」



芳川と一方通行は2人の元に歩み寄る。
嬉しそうな2人の邪魔をするのは些か気が咎めたが取り敢えず話をしなければ始まらない。





「どうも初めまして。2人の引率で来ました芳川です」

「あ、はい! いつも美琴がお世話になってます~」



美鈴は抱きしめていた美琴の体を離し、芳川に改めてお辞儀をして保護者同士の世間話を始めた。
髪型はロングヘアー、スキニーパンツと体のラインを強調したシャツを着こなす美鈴は11歳の子持ちとは思えない程若々しく美しかった。
彼女の持つ華やか雰囲気は母親というよりキャリアウーマンという肩書きが似合うように思えた。



(顔がコイツそっくりだな……)

(ん? なに?)



芳川と談笑する美鈴と隣にいる美琴を交互に見ながら一方通行はそんなことを思った。
視線を感じてキョトンと一方通行を見つめ返す美琴は瞳の色から髪の色・顔の作りまで美鈴にソックリだ。
美琴も大人になったら美鈴のような容姿になるのだろうと容易に想像出来て、なんだか不思議な気持ちになった。




「それでこの子が……」

「えぇ 彼がそちらでお世話になる一方通行です」

「へぇ~~……」

「……?」



美鈴は興味津々といった顔でまじまじと一方通行を見つめる。
まるで品定めをするかのように彼の足の先から頭のてっぺんまで隅から隅まで視線を這わせた。
一方通行もその視線にたじろぎ足を半歩後ろへ下がらせていた。



(なにジロジロ見てんのよ……ママ)



自分の母親の何をしでかすのか分からない行動に言い知れぬ不安がよぎった。



そう、母に会えた喜びで浮かれていた美琴は完全に忘れていたのだ。





自分の母親の性格を。






次の瞬間、美鈴は満面の笑みで右手の親指を立てウインクをしながらこう言った。








「グッジョブ!美琴ちゃん!! こんな美少年ゲットするなんて流石ママの娘ね♪ でかしたでかした♪」



「」









美琴は絶句した。






「……はァ?」

「いや~ 話には聞いてたけどホント真っ白な子ねぇ みとれちゃったわ」

「な、なっ……なっななななに言ってんのよママッ!!!??」



我に返った美琴は一方通行をより近くで見ようと詰め寄ってくる美鈴と彼の間に入りこんだ。
その理由は半分は美鈴が彼に余計なことを言わせないため、もう半分は自分の真っ赤な顔を一方通行に見せないためだった。
そんな様子を楽しむかのように美鈴はニヤニヤしながら言葉を続ける。



「なによぉ~ 美琴ちゃんはいつも彼のこと見てるんでしょ?だったら私に見せてくれても良いじゃな~い」

「はっ……はぁ? 何よそれ!意味分かんない!!」

「顔真っ赤にさせちゃってそんなに怒らないでよ~ 獲るわけじゃないんだし」

「ままま、ママ……ホンッットいい加減に……」

「大丈夫!美琴ちゃんの彼氏に色目なんて使わないから! 安心して?」

「だっ・かっ・らあぁ!!違うっつってんでしょおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」

「御坂さん電気! 電気出てるわよっ!!」

(なンだこの状況)



体のまわりに帯電させた電磁波をパチパチと音を鳴らし光らせ始めた美琴は今にもそこら中を黒こげにする勢いだった。
美琴と美鈴のやりとりをイマイチ理解していない一方通行は騒がしいこの現状に呆れて見守る他なかった。
そんな彼の表情に気付いたのか美鈴は子供の様な笑顔から母親の顔に変化させ一方通行の方に向き直った。




「そういえば自己紹介がまだだったわね」

「あァ?」

「初めまして!美琴の母の御坂美鈴です。いつも美琴ちゃんがお世話になってます!」

「……どォも」

「色々話したいことはあるけど……取り敢えず家に行きましょうか!」



そう言って車の後ろのドアを開け美琴と一方通行を入るように促す。
やっと母のひやかしが終わりを告げたことで美琴は顔を火照らせながらも安堵していた。
一方通行もこの場が治まり事が先に進むと聞いて溜息が出た。





「ったく……俺のことどンな風に吹き込ンだらこォなるンだよ……」

「べっ、別にヘンなことなんて言ってないッ!!」


「(彼、この通り言葉遣いが悪いんですが……)」

「(全然気にしませんから大丈夫ですよ)」



ニコッと微笑みかける美鈴の顔は母親特有の寛容な面持ちを秘めているなと芳川は感じた。
子供のようにはしゃいでいた一面や母性溢れる一面、美鈴は容姿だけでなく内面的な美しさを沢山持っている女性なのだ。
それは同性である芳川から見てもとても魅力的で母親としての立場も彼女を輝かせる要因なのだろう。



「では3日間宜しくお願いします」

「はい!確かにお預かりしました」



3日間―――それが外出を許された一方通行の条件のひとつだった。
子供たちが車内へ乗り込み美鈴も一礼して運転席へ向かう。
エンジンが掛かる音が響き、美琴が車の窓を開け手を振って芳川に別れを告げようとしていた。




「あ」



突然、一方通行が何か思い出したかのように声をあげた。
すると美琴の開けた窓の方へ来て顔を出してきた。なにか忘れ物でもしたのだろうかと芳川は首を傾げた。
だが彼の口から出たのは予想外な言葉だった。



「アイツらに伝えとけ」

「? アイツらって?」

「学園都市(むこう)から俺らにずっとついてきてるヤツらだよ」

「……え」

「護衛だか見張りだか知らねェが、隠れ方がヘタクソで見てらンねェって伝えとけ」

「……」



彼の外出の際の条件その2、それは見張り兼護衛を付けることだった。
外には学園都市の科学力や技術を狙う輩が世界中にゴマンといる。だからこそ学園都市のセキュリティーは尋常じゃなく厳しい。
そこでレベル5が外出したとなればその輩にエサを撒くのと同一だ。それだけは避けたいというのが学園都市上層部の判断だった。
だから今回何人もの能力者を雇い彼を監視させていたのだ。勿論彼を守るためではなく学園都市を守る為に、だが。
一方通行にそのことは伏せていたのだが彼の勘の良さなのか持ち前の洞察力のせいか……どうやら彼には最初からお見通しだったようだ。



彼ははそれだけ言うと車内へひっこんでしまった。
彼等を乗せた車が前方へ進み始めると、美琴は窓から体を乗り出し「またね~!」と言いながら大きく手を振ってくる。
芳川はそれに答えるように車が見えなくなるまで笑顔で手を振り続けた。



「あの子ったら……ホント可愛くないんだから」



別れの時も振り向きもしない所は彼らしいなと苦笑する。






(楽しんできなさいね、2人とも)



そう呟くと芳川は眩しい日射しの中、今出たばかりの駅の中へ再び戻って行った。

以上です~
全体的にほのぼのグダグダと続くと思います

それではまた!

乙!


一方通行が寝る部屋はどこになるのか今から気になる


美鈴のこの対応、美琴はツンデレこじらせそうだなww

土「第一位を外に出すとはどういうつもりだアレイスター!」

星「なに…とても興味深いとは思わんかね。電磁通行…これでプランも大幅に短縮できる」フフフ

土「しかも相手は将来のレベル5だぞ。正気とは思えんな」

星「安心しろ。ちゃんと優秀な見張りをつけてある」

木「たりめーよ!俺の可愛いアクセラちゃんの初めての外出だぜ?きっちり撮影してもらわないとな」クカカ

星「どうかね土御門、君も一緒に鑑賞会と洒落込もうではないか」

土「」

ダメだ。同年代だと分かっていても、どうしてもロリコン乙と思ってしまう。

おつおつ
自然と口元が緩んでしまう
美鈴さんイジリストだなぁww

>>398

色々と血生臭いけれど、今日も学園都市は平和です。

土御門いくつだよ……

海原「撮影は任せろ~」

やめて!

旅掛パパは出るのかな?
まぁ、何にせよ>>1超乙

伸びる予感!

超期待です

>>1
お、俺は美鈴通行期待

>>408
どうしたらそんな発想になるのやら

>>408
抵抗する一方通行を抱えて三人で風呂に入ろうとする美鈴さんが頭から離れない

美琴?
顔真っ赤にしてフリーズしてるぜ

>>408
中学生以上はババァのセロリさんから見れば、美鈴は干物………
いや、化石だぞ?

アホめ
一方通行が母親を手に入れる話になるに決まってる

つーかロリコンじゃねぇだろ

美鈴通行はロマン枠

予想はよそう

予想はよそう

大事なことなので

沢山のレスありがとうございます!
ものすごく嬉しいです~

少し投下します!





車から見る外の景色はビルや住宅街が並ぶ中、遠くには幾つもの山がそびえていてこの土地は田舎と都会の中間という印象だ。
車内ではカーステレオから流行りの洋楽が心地よいボリュームで流れている。
陽気にその音を口ずさみながら運転する美鈴はここへ来るまでの上機嫌な美琴にソックリだと一方通行は思った。
改めて2人は親子なのだと実感する。そしてその中にいる自分の立ち位置が何だか可笑しなものに思えた。
そんな事を考えていたら美鈴はバックミラー越しに一方通行を見つめながら話しかけてきた。



「一方通行くんは年はいくつ?見た感じ美琴ちゃんとそんなに変わんないかな?」

「……13」

「ってことは美琴ちゃんの2コ上か~ 年上男子をゲットとはなかなか」

「ママ、それ以上ヘンなこと言ったら私この車壊すことになりそう……」



再びワナワナと震え出した美琴は急に何かを思い出したようにハッと顔を上げた。



「それよりママ!パパは帰ってきてるの?」

「あー……パパはお仕事で帰れないって」

「えっ……あぁ……そっか」

「でもパパも美琴ちゃんに凄く会いたがってたわよ?」

「うん……」

「……」



「……! うん、大丈夫!しょうがないもんね!」



一瞬悲し気な顔をしたと思ったら何かを感じ取ったかのように突然笑顔になった美琴の声は努めて明るい。
美鈴の方はどこか心配そうに彼女をバックミラー越しに見つめている。
そんなやりとりを一方通行は車の外を流れる景色と共に黙って見ていた。



・・・・・・
・・・・
・・





「さ、着いたわよ 御坂家へようこそ~!」



車が着いた先は住宅街から少し外れた場所にある一軒家、美琴の実家でもある御坂家。
白い壁で覆われた外観に手入れの行き届いた庭と玄関。まさに「誰もが憧れる夢のマイホーム」を具現化したかのような家。
美鈴は車庫に車を入れるとすばやく美琴と一方通行の旅行バッグを持ち、玄関の鍵を開け2人を招き入れる。



「もう夕方だし夕飯の準備しちゃうわね 美琴ちゃんは一方通行くんに部屋案内してあげて」

「は~い」




「ここがトイレでここがお風呂。それから~……」

「……」



他人の家に入るのが初めてな一方通行は『人が住む家』独特の空気感を味わっていた。
案内されるがまま美琴について行きながら彼は生活感のある場所というものを初めて肌で感じていた。

すみません。ネットの調子がヘンなのか上がらないしちゃんと投下出来てるか分からない……
今日のうちにまた来ますのでしばしお待ちを。






「んで、ここが私の部屋!」



そう言って『MIKOTO』の文字の入ったプレートが掛けてある部屋のドアを勢い良く開ける。
2人の目の前に広がる景色は勉強机とベッド・クローゼット・カエルのぬいぐるみ…………そして一組の布団が畳んで置かれている部屋だった。
それは美琴にとっても見慣れない、部屋には無かったはずのものがひとつ混ざり込んでいた。それは一方通行にも何を示しているのか理解できた。



「……」

「……」



「…………オイ」

「ちょ、ちょっと待ってて」



2人の時間が一瞬止まったが美琴はすぐさま現実に戻り、部屋に一方通行を残しキッチンにいる美鈴の元へ走り出す。
能力測定の時は寂しさ故に一緒の部屋で寝ることを望んでいた美琴だったが今はそれがひどく恥ずかしくてたまらない。
何故あの時はそう思わなかったのか不思議なくらいだ。



キッチンで料理の下ごしらえを始める母に必死に詰め寄る。



「ちょっとママ! 私たち一緒の部屋で寝るの!?」

「そりゃそうよ~ あの子だって知らない家で一人で寝るのは寂しいでしょ」

「でっ、でも だからって……」

「まぁ他の部屋もあるから良いけど……美琴ちゃんは良いの?」

「へっ?」

「折角泊まりにきてくれたんだし、同じ部屋の方がお喋りも出来て楽しいんじゃない?」

「そ……そんな……こと……は……」



・・・・・



「い、嫌なら別の部屋にしても良いんだけど……一緒の部屋なら色々便利だし!ほら!朝も一緒に起きれるしっ!」

「……」

「あと……そう!すぐ遊べるし!!」

「…………まァ……良いけどよォ」

「!」



モジモジとした態度から一変、パアアアッと効果音がしそうなほど表情を明るくなったのは言うまでもない。
「荷物取ってくる!」と言い残し美琴が出て行てしまったので(まったく……)と呟き追いかける一方通行。
たとえ2人が存在する場所を変わってもお互いの立ち位置はあまり変わらないようだった。




夕食のメニューはハンバーグ(どうやら美琴の好物らしい)
テーブルには付け合わせの人参のグラッセやブロッコリー、海老と蛸のマリネやポテトサラダ・スープが並べられている。
焼きたてのハンバーグと炊きたてのご飯が湯気を上げ、その香りが食卓の美味しさや温かみを倍増させているようだ。


3人テーブルを囲んでの食卓が始まると案の定2人は美鈴の質問攻撃にあった。
美琴には学園都市での生活・学校・友達のこと、一方通行には今いる研究所での生活・能力のこと。
美鈴は子供のように好奇心を丸出しにして2人の話に耳を傾けていた。



「へ~! それで髪の毛や肌が真っ白なのね~」

「まァ……」

「羨ましいわ こんなに髪も肌も綺麗なんですもの」

「そう! 私も最初会ったときそう思ったの!」

「……」


(なンなンだよコイツら……そンな言う程のモンでもねェだろォ……)

(あの一方通行が恥ずかしがってる……! めっずらし~♪)



喜々として自分の外見を褒められると褒められ慣れていない一方通行は居心地が悪くてしかたない。そのことが白い頬を紅潮させている。
美琴だけでなく美鈴にまでニコニコと優しい笑顔を向けられるとなんだかこそばゆい気持ちになってしまう。
一方通行はそれを誤摩化すように皿の上の食事を口に入れる作業に没頭することにした。
美琴はそんな日頃見ない彼の一面を垣間見て何だか得した気分になっていた。





「……で、2人は能力測定で初めて会ったんだっけ?」

「うん」

「一方通行くん、ウチの美琴ちゃんは迷惑かけなかった?」

「あァ…… !」



そう言いながら急に一方通行の口元がニヤッと悪戯な笑みが溢れる。
それは何か悪巧みを考えているときの顔。しかもこの状況は明らかに美琴に対して向けられた笑みだ。
彼の表情にオレンジジュースを飲む美琴の脳裏に一抹の不安がよぎった。
大概彼女の勘は当たることが多い。



「そォいえば……コイツ注射が嫌いとか言って俺に泣きついてきたなァ」


「ブフッッッ!!!!」



口に含んだオレンジジュースが逆流した。
そんなことおかまい無しに一方通行は得意げに話を続ける。




「そンで2日目は寝不足になって医務室の世話になったりィ」

「ゲホッ!ゲホッッ!…………ちょっと!!」

「あと、ひとりじゃ寝れねェとか言って泣き出したり……」

「あっ……!や……!!」

「あン時は大変だったなァ……」

「わあああぁぁぁぁん!!!言うなああああぁぁぁぁッッ!!!!」


「あら~……美琴ちゃんたら、まだ注射もひとりで寝るのもダメだったのね……」



やれやれという眼差しを向ける美鈴は美琴には呆れているようにも見えて羞恥心が全身を駆け巡る。
折角会話の中で学園都市で頑張ってますアピールをしてきたのにそれを一方通行にガラガラと崩されてしまった。
してやったりといった顔をした一方通行がニヤつきながら真っ赤になって恥ずかしがる美琴を見て楽しんでいる。どうみても楽しんでる。
先程褒めちぎったことがそんなに気に食わなかったのだろうか。だが褒められた仕返しに恥ずかしい過去話をされるなんて聞いたことが無い。


恥ずかしさが一周して怒りに変わったとき、その矛先は勿論一方通行に向けられた。




「ちょっと!そのこと話すなんて卑怯じゃない!!」

「卑怯じゃないですゥ。事実ですからァ」

「てか泣いてないし! 寝れないって言って泣いてないしッ!!」

「嘘吐け。布団被ってても涙声になってンのがバレバレだっつーの」

「なっ……!なっ……!!」



反論しようにもなまじ事実なものだから反論出来ない。
結局美琴は最終手段である『ひとのせいにする』を実行することにした。



「ちゅ、注射は!? アレはちゃんと先に言っといてくれればあんな目に遭わなくてすんだのよ!」

「あァ? 俺のせいだって言うのかよ」

「そうよ!ぜーんぶ一方通行のせいッ!!」



「だからそのペナルティとしてこの人参を全部食べること! ……よっと」

「オイッ!自分が嫌いだからって俺によこすンじゃねェ!! つか今更ペナルティって何ヶ月経ってンだよ!!」

「へ~ん 関係ないも~ん、えいっ」

「だからよこすなっつってンだろォ!!」

「そうやっていっぱい食べないから細いまんまなんでしょ~」

「テメェ……! 人が気にしてることをよくも……」





「ほらほら 喧嘩しないでちゃんと食べなさ~い!」



口では注意しながらも美鈴は頬杖をつきながら顔を柔くほころばせていた。
こんなに賑やかな食卓は久し振りだ。やはり誰かと一緒に食卓を囲むのは食事の美味しさに関わるのだと実感する。
御坂家では夫は長期間家を空ける事は無いにしろ一般家庭に比べたら彼が家にいる時間は短い。
娘である美琴も学園都市へ送り出して以来美鈴は一人で過ごす事が増えた。端からみれば楽に見えるかもしれない。
だがその何倍もの寂しさが募るというのが事実だ。




(やっぱり良いわね……みんなで食べる夕御飯は)




だからこそ、子供たちが口論する食卓すら美鈴にとっては愛すべき空間であり慈しむに足る時間なのだ。




夕食を終えると皿を流し台へ運ぶ作業が始まった。
「ほら!一緒にやるの!」と美琴は所在無さげな一方通行をひっぱり後片付けの手伝いに巻き込んだ。
面倒臭くはあったがひとり何もせずにボーッと突っ立っているよりかはマシのように思えたので渋々彼は参加した。
そして片付けの半分が終わった頃、濡れた皿を拭きながら美鈴が2人に声を掛ける。



「あとはやっておくわ お風呂沸いてるから入ってきちゃいなさい」

「は~い じゃあどっちが先に入る?私あとで良いよ?」

「俺はあとで良い オマエ先入れ」

「そう?」



了承を取り合い美琴が先にお風呂へ入ることに決まる。
一方通行はテレビの点いたリビングのソファーで美琴が出るのを待っている。


数十分後、例のカエルキャラの柄がプリントされた薄いピンク色のパジャマを着て頬を紅潮させた美琴が現れた。



「次どうぞ~」

「あァ」

「じゃあママも一方通行くんと一緒に入っちゃおうかなぁ♪」


ガバッッ


「グエッッ」

「ちょ、ちょっと!」



美鈴が一方通行を後ろから抱きつき首に腕を回された結果がカエルのような呻き声となって出てきた。
首をまわされた腕が苦しくて美鈴が言っている言葉がよく分からない。
美琴は美琴で風呂上がりというのもあったせいか上気した表情が一層赤くなり今にも湯気が出そうだった。




「は……離せェ……」

「一緒に入るって……」

「えぇ~いいじゃな~い 仲良しのしるしに♪」

「ま、ママ?何言ってるの?ダメに決まってるでしょ?? そして何やってんの!?」

「あら? もしかして美琴ちゃんも一緒に入りたかったのかにゃ~?」

「バ、バカママッ! 違うわよ!!」

(ふふっ♪ 美琴ちゃんたらかっわい~♪)



「離せッ!! ……ったく……」



何とか美鈴の腕を振りほどき、今日何度も見た親子喧嘩に愛想をつかせ一方通行はそそくさとバスルームへ向かってしまった。
「あら~残念」と言いながら悔しそうにする美鈴をキッと睨みつけ美琴は「もう!いじわるしないでよッ!」と捨て台詞を吐き自室へ戻って行った。
目を細めて笑みをこぼす美鈴は2人とは対照的に悪態をつく子供たちを優しく見守っていた。

中途半端ですがとりあえず以上です!

ではまた~ ノシ


これからも期待!!

中途半端なんかじゃないよ!
これからも頑張ってくれ!
>>1乙!

これは美鈴さんGJと言わざるを得ない

>>1乙そして感謝なのである。
美鈴殿のイメ-ジよく反映されている、と言わせてもらおう。

俺の顔がニヤニヤしてもどらねぇ・・・
続きも期待してます~
いいな、こいつら、ホントに

進化実験があった前提での電磁通行は違和感ありまくりなんだけど、こういうパターンのはいいなぁ

乙!

おもわずニヤニヤしちまうぜ

乙!!ニヤニヤもんだぜちくしょう!!!!



そして>>419のときに美琴さん一方さんになられてたよ
つまり二人はもう夫婦なんですねわかります

この頃だとデフォルト反射はかかってないのか?
対人を切ってるだけかな。


からかわれる二人もいつものほのぼのな二人とは違った感じでニヤニヤできるな

反射設定から御坂DNAは抜いてるんじゃね?

>>443
なぜ!?

>>444
可愛いからだろ

御坂DNAにデレッデレな一方さんか・・・

>>445
なるほどw

まあ親子だとクローンと違ってDNA違うけどねw

普通に外だと能力使用禁止だからじゃないのか?w

まだクローン出てないからDNAじゃなくて「美琴と同じ顔」を設定から抜いてるんだろ
つまり旅掛パパは引っかかる

>>448
ロマンがないぞwwww
生きるのに必要な物は通す→つまり御坂一族は生きるのに必要
こう考えた方がにやにやできるだろ

やべえその発想に至るとはこいつLevel6だわ

まぁ人傷つけて化け物扱いがトラウマだろうしなぁ
受け入れてくれた美琴の家族だから、見た目で気持ち悪がって害を与えたりしないと
信用して反射切ってるって設定でも充分ニヤニヤできるぞ

個人的には初SSとは思えん程素晴らしい出来だと思う。
期待

うおマジに初SSなんだ!
クオリティすげえな

>>450
天 才 現 る

こんばんは!
いつもレスありがとうございます!
毎回とてつもなく励みになっております……

投下しますね~



・・・・・






「お疲れさま~ 麦茶飲む?」

「……どォも」



風呂を済ませ、てっきり美琴がいると思いやってきたリビングには美鈴ひとりしかいなかった。
出迎えた美鈴によってテーブルに氷の入った冷えた麦茶を差し出された一方通行はイスに座りそれを頂くことにした。



「髪、まだ濡れてるわよ~? ほらほら」

「お、オイッ」



問答無用で背後から一方通行の首に掛けたタオルを取り上げ彼の白い頭をワシャワシャと優しく撫で付ける。
抵抗しようと思ったが髪を拭かれる感覚が予想外に気持ち良くそのまま身を任せることにした。
もっとも抵抗しても彼女は無理矢理にでも拭こうとするだろうとも想像出来たというのもあったが。



お互い終始無言で静寂な空間の中で時は進んでいった。
その静寂を破ったのは美鈴だった。



「……美琴ちゃんと仲良くしてくれてありがとうね」

「……あァ?」



「あの子、人一倍寂しがり屋だから心配だったのよ」

「……」

「そのクセ 強がりも人一倍しちゃうもんだからね~」

「強がり……?」

「えぇ。今日だって……パパがいないのがショックなクセに強がっちゃって……」

「……」



車内で見せたあの表情、あれはそういうことだったのか。その時一方通行は初めて理解した。
一瞬悲しい表情をしたもののすぐに笑ってみせたのは母親を心配させない為に笑顔を取り繕っていたということか。
その時は少しの違和感を抱いた程度で特に何も思わなかったが実際彼女の行動には意味があったのだ。
一方通行はそんなことにも気付かなかった己の鈍感さを思い知ってなんだかやるせない気持ちになった。
そして自分は美琴のことを多くは知らないということも思い知らされる。

それはなんとなく、面白くない。



「ちょっと前に電話したときも落ち込んでるみたいだったから心配でね…… まぁもう大丈夫みたいだけど」


(落ち込んでる? ……そンな時あったかァ……?)



彼女が落ち込んでいる姿など見たことが無い。あるとすれば能力測定の時くらいだろうか。



「でも君と一緒にいる美琴ちゃんは楽しそうだし、安心したわ」

「……!」

「喧嘩するほど仲が良いって言うでしょ? あなた達ってまさにそれよねぇ」

「……別に喧嘩したくてしてるワケじゃねェし……」

「分かってるわよ あの子って良い反応するからからかい甲斐があるのよね♪」

「……」

「そのへんは君も既に心得ているようだし、心配してないわ」

「……ふン」



白い頭からタオルを離し美鈴は一方通行のテーブルを隔てた向かい側の席に座る。
澄まし顔でコップを口へ運ぶ彼はそこらの13歳とは違う何か深い表情を持っているようだと美鈴は感じた。
美琴は何も言ってなかったが彼はきっと今まで良くも悪くも沢山の経験をしてきたのだろうと直感的に知ることが出来た。
それは彼女が大人だからこそ・母親だからこそ察せることが出来たのかもしれない。


その表情を見ていると彼女の胸に好奇心が沸き上がってくる。
そういえば今日一日美琴をからかうだけからかったが一方通行はまだ美鈴の毒牙には掛かっていない。



ふと彼の澄まし顔を崩してやりたいという衝動に駆られた。
自然と彼女は瞳を細めて彼に送る視線を小悪魔的なものに変えていく。







「……ところでさ」







「君は美琴ちゃんのことが好きなのかな?」

「ブフォッッッ!!!!!」





美鈴の発言は一方通行を夕食時の美琴と同じ状況に陥らせた。




「ゲホッ!ゴホッッ!!」

「ちょっと! 大丈夫?」


「…………なンだァァァァ!?いきなりッッ!??」

「言った通りよ? これで君が美琴ちゃんのことが好きだと嬉しいんだけどなぁ」

「なッ……! ……ンなことあるワケ」

「ないの?本当に?? あ!もしかしてもう彼女がいるとか?最近の子はマセてるのねぇ~」

「違ェよ! どォなったらそォいう思考になるンだよ!!」

「じゃあ好きな子がいるの?ウチの美琴ちゃんより?? そりゃ聞き捨てならないわね……」

「なンも言ってねェだろォが! イイ加減にしやがれッ!!」

「じゃあ美琴ちゃんといてドキドキしたりしない? あとはそうだなぁ……守りたいとか抱きしめたいみたいな?」

「オイ 聞いてンのかァ!?」

「あっ、でも安心出来る存在ってのもアリよね。う~ん、難しいわねぇ~一概に『好き』って言っても」


「ダアァァ―――ッッ!!! 聞けっつってンだろォォがアァァァ!!!!」




美鈴が自分の顎に指を当てて思惑する様はまるで探偵が頭の中で推理のパズルを組み立てている最中を彷彿とさせた。
かたや一方通行は話を全く聞こうとしない美鈴に怒号を送り続けた結果、息切れを起こしぐったりと頭を垂れることになった。
そんな姿を見て美鈴は内心(やりすぎたかな?)と少し反省しながらも、彼の澄まし顔を崩すという目的を達成できてご満悦のようだ。



「ふふっ ごめんなさい からいすぎちゃったかな?」

「チッ…………ふざけンなよ……」



「でも君が美琴ちゃんのことを大切に思ってくれたら嬉しいのは本当」

「……」





「だから……ウチの美琴ちゃんをこれからも宜しくお願いします」






そう言って頭を下げる美鈴の姿に一方通行は驚いた。
先程のからかう姿から態度が一変したのが理由でもある。
だが何よりまるで自分をひとりの対等な人間として見ているかの様な彼女の言葉や行動に驚いたのだ。




こんな子供に、こんな得体も知れない自分に。




「……」




この親子は本当に似ている。外見だけじゃなく、中身まで。






「……寝る」


「えぇ おやすみなさい」




無言を肯定と受け取り美鈴はリビングから去っていく一方通行を笑顔で見送った。









(チッ……なンだよクソッ…………)


(それに好きだのなンだの……ンなもンあるワケねェし)



さっきの美鈴とのやりとりを思い出し何だか腑に落ちない気持ちを抱えたまま、一方通行は美琴の部屋の前に立っていた。
気を取り直してドアノブに手を掛けようするが、中に美琴がいることを思い出しドアをノックする。



コンコン



「どうぞ~」



ドアを開けるとカエルのぬいぐるみを抱いてベッドの中央で体育座りした美琴が目に入ってきた。




「遅~い 待ちくたびれちゃった」

「待てなンて言ってねェし、眠けりゃ先寝てればイイだろォが」

「そんなのつまんないじゃない! それに眠くないもーん」



部屋に入り無意識にどこへ腰を据えるか考えていると、美琴がベッドでの座る位置をずらし無言で隣へ来るように催促してきた。
少し抵抗があったが仕方なくそこに座ることにする。美琴との距離がいつもより近く感じる場所。ほのかにミルクのような甘い香りが漂ってくる。



「ねぇ またママに何か言われなかった?」

「……まァな」

「やっぱり!絶対何かヘンなこと吹き込んでくると思ったのよ!!」

「……」

「それで……なんて言ってたの?」



「……オマエのことが心配だとよ オマエが寂しがり屋で強がりだとか言ってたなァ」

「なっ!! ……そんなわけないじゃない!まったくママは……」





美鈴の言っていることは当たっている。美琴の寂しがり屋という一面は自分も見てきたからだ。
膨れっ面をする美琴を横目にあの会話の後半部分は自分の心の中にしまっておこうと一方通行は考えた。
そしてふいに美鈴との会話で気になる点があったことを思い出す。



「あと……」

「? あと?」


「……電話でオマエが落ち込ンでたとか言ってた」

「電話……? ―――あぁ!」

「なンだよ」

「別に対したことじゃないよ」

「……気になンだろ、言え」



珍しく一方通行が突っ込んで聞いてくることに少し驚きつつ美琴はその事を話すのを躊躇った。
少し前のことだがそれはあまりいい思いをした話ではないからだ。だが話せばその思いを少しは昇華できるかもしれない。




「……ママには内緒にしてよね」

「あァ」



「……ちょっと前に、1ヶ月位前かな。学校でいじめがあったの」

「いじめ?」

「うん……クラスの男子がね私の友達をいじめてたの。女子相手に男子が、しかも2対1だよ? ホントありえないッ!」



なんとも彼女の性格を表した言い分だなと思った。
そう言いながら彼女の中でその時の怒りが甦ったのか、眉間に皺を寄せ持っていたカエルのぬいぐるみを力一杯握りしめる。
カエルの顔がめちゃくちゃのしわくちゃになったのは言うまでもない。



「私それにムカついちゃって……ついその2人をバチバチーッとやっちゃったの。でも脅かす程度よ?当ててないし」

「……ハッ」

「笑うなっ! ……そしたら先生に呼び出されて「そういう風に能力を使っちゃいけません。2人に謝りなさい」て怒られたの。
 だから私は「あの2人が友達に謝るまで謝りません」って言ったの。……で、結局はお互いとも謝ったんだけどね」

「ふゥン」





「……でもね……そのあとクラスで私のことを『アイツと一緒にいるとすぐ電気が飛んでくる』って噂が流れてね……。

 丁度その頃は私がレベル4になったって事みんな知ってて……そしたら仲良かった子も怖がって私に近寄らなくなっちゃった……」

「……」



「……まぁいじめられてた友達とは仲良しのままだし、すぐ夏休みに入ったから……別に良いんだけどねっ」

「……」



視線を落とし睫毛を震わせる美琴は言葉とは裏腹に表情は暗い。
唇をキュッとしめて感情がこぼれないように押さえつけている。喉も微かに震えているのが分かった。









「……あ―――ッ! この話はこれでおしまい!!しゅーりょーっ!!」




美琴は顔を隠すようにカエルのぬいぐるみを前に出し一方通行に向けてそれを動かしおどけてみせる。
態度こそ明るいがその声はどこか曇っている。涙を流さずに喉でそれを溜め込んでいる時の声だ。




(私バカだ……やっぱり話さなければ良かった……ッ)



楽しい夏休みを過ごすはずなのに嫌な事を思い出してしまい気分は最悪。美琴はそう思わずにはいられなかった。








「……」





(コイツ……泣いてンのか……?)




(泣くほどツライなら……なンでそォ言わねェンだよ……)




それは自分に似合わないひどく同情的な言葉だと一方通行は理解していた。



自分に言った所でどうなるわけもないことは分かってる。
そして彼女が弱音を吐くタイプの人間ではないことも知っている。



だが思ってしまう。何故黙っていたのか。



一ヶ月前なら自分は彼女と既に会っていた。なのに全くと言っていいほど気付かなかった。



能力者故に誰かに拒絶される気持ちは自分はよく知っている。
彼女と自分のそれは大きさは違えど胸の痛みの種類は均一だからだ。





(どォすりゃいいンだァ……)




美琴は必死で強がっている。それは分かっているのに―――――



目の前で顔を隠して手を震わせる彼女になにをすればいいのか、分からない。



慰める? そんなこと今までしたことがない。


笑う? 笑い飛ばせるわけがない。



自身の不甲斐無さに腹が立ち、拳を強く握りしめる。
一方通行の顔は悔しげに歯をギリッと鳴らしながら口を苦々しく歪ませていた。



(チッ……情けねェ なにがレベル5だ……クソッタレ)



いくらレベル5と讃えられても所詮ひとりの女の子を救うことも出来ないただのガキじゃないか。
この頭脳が今この状況を打破出来ないなら、一方通行にとってそれは役立たず以外のなにものでもない。



次第に美琴の顔が見えないことに自分が不安を抱いていることに気付く。
せめて顔を見て彼女と向きあうべきだ。そう思った。




「……オイ」

「な……なに?」

「顔見せろ」

「えっ…………い、今はやだ」

「……いいからそのカエルどかせ」

「や、やだって言ってんでしょ!」

「……チッ」



なかなか言う事を聞かない美琴に気の短い一方通行は直接ぬいぐるみを取り上げる作戦にでる。



「わっ ちょ、やめて! ば、バカッ!えっち!へんたいっ!!」

「ウッセェ!!」



抵抗する彼女を無視して、一方通行は美琴の顔を遮るカエルのぬいぐるみを無理矢理ひっぺがす。





「!!」


「あ…………バカ!見るなッ!!」




涙を流してはいないが今にもそれが頬を伝いそうな顔。
見た相手に彼女の思いが感染してしまうのではないかと思うほど悲し気な瞳。
そこには茶色い瞳に涙をいっぱい溜めて眉をハの字にさせた美琴の顔があった。
どんな表情をしているかは想像していたが、改めてそれを目の当たりにすると思っていた以上にショックだった。



「……」

「な……なによっ」



自分は半ば唖然とした表情をしていたのだろう。美琴はそんな彼から目を逸らして涙が落ちないよう空を睨みつけている。
彼女の強がる姿を正面から目の当たりにした途端、自然と口から言葉が滑り落ちる。




「オマエは……そのダチを助けたンだろォが」


「……」


「そンでソイツもオマエに感謝してンだろォ?」


「……ぅん」


「ならそれでイイじゃねェか ……オマエは間違ったことなンかしてねェよ」


「そう……思う?」


「少なくとも、俺はな」


「……ッ」



一方通行の言葉で美琴の大きな瞳が一層潤いを増し頬を伝って雫となり彼女のパジャマを濡らした。
ポロポロと溢れ続ける涙をそのままに口はへの字にギュッと閉じている。彼女なりの意地なのだろうか。


辛いことは我慢するくらいなら吐き出した方がいい。その方が楽になる。
そのことを自分に教えてくれたのは誰でもない彼女だった。




「ったく……我慢してンじゃねェよボケ」

「し、してないわよっ…………それに……勝手に出てくるんだもん」



パジャマの肩口で涙を拭いながら憎まれ口を叩く彼女はいつもの美琴だ。
そのことにホッとして一方通行も表情を緩める。



「オマエはこォいうマヌケ面の方が似合ってンだよ」

「……うっさいバカ」

「あァ? さっきからバカバカうるせェンだよ、バァカ」





むにゅっ




「ふみゅっ」



そう言うと一方通行は美琴の両頬を両手でつねりひっぱる。勿論力はいれていない。
きめ細やかな彼女の肌の触り心地は驚くほど柔らかくまるでマシュマロのようだ。
頬を伸ばした美琴の少し情けない顔につい一方通行は意地の悪い笑みをこぼす。



「ふぉらっ! らにふんろよ~~!!」

「おォ? こっちの方がお似合いかもなァ」






「~~~~ッ!! こんのおぉぉぉッッ!!!」




からかってくる一方通行に恥ずかしさやらムカつきやらが込み上げてきた美琴は反撃に出ることにした。
一方通行の白い頬をつねりかえしてやろうと彼の頬めがけて一気に体ごと両手を伸ばす。


瞬時に彼女の行動を読んだ一方通行は後ろへ上半身を引き、美琴の両手は空を切る。



しかしそんなやりとりは2人の体のバランスを崩していく。




「ゥおッッ」

「きゃっ!」









ドサッ







「………ッ!」


「…………あ」






2人は美琴が一方通行に覆い被さるような形でベッドの上に倒れ込んだ。





美琴の体は一方通行の上半身に抱かれるように顔を彼の胸板に預けていた。少し速い心音が耳を通り抜ける。
一方通行は身長が自分と10cm程しか変わらない彼女の体が軽いことをやけに冷静に受け止めていた。
もっともそれは混乱した彼の思考回路が脳で唯一処理した一部の思考に過ぎないが。





「……」


「……」





沈黙が部屋を埋めつくす。
何故かお互いに体を動かせない。

2人共目の前の相手に向ける言葉が出てこない。呆然としているという表現が正しいだろう。
今、理解出来るのは互いに触れている体の温度が高いということだけだ。








「……お……オイッ」


「………あっ!ご、ごめんっ!」




我に返り、互いに体を離して目にも留まらぬ速さで2人はベッドの両端に身を移動させた。お互い決して目を合わせない。
美琴は案の定羞恥で顔を赤くさせ目を泳がせている。一方通行は顔を白い髪で隠していたが隙き間から覗く耳を赤一色に染め上げていた。




「……」


「……」








「えっと……寝よっか」


「…………あァ」




「あの……ベッド使っていいからっ!私こっちで寝るから!」

「あ……オイ」

「良いの!一応お客様だからっ!! ねっ!?」

「お、おォ」


「そんじゃおやすみ!」



一方的に捲し立てて喋り続け強制的に就寝へこぎつけた美琴は部屋の電気を消し床に敷いた布団に潜り込む。
ベッドに残された一方通行も何も言わずにぎこちなく布団へ潜り込んでいった。






カチッ カチッ カチッ カチッ




時計の時を刻む音がやけに耳につく。
いつもなら気にならない筈の2人きりの空間が胸の鼓動を速くさせる。



(いいいい今なにが起こったの!? えええええぇぇぇ!??)



美琴の思考回路はまさにショート寸前だった。
初めて男の子である一方通行の体に触れたという事実だけで今にも心臓が飛び出してしまいそうだ。
近くにいる彼にこの心臓音が聞こえてしまうのではないかと心配してしまうほど脈打つ鼓動。
瞼をギュッと閉じ呪文を唱えるように頭の中で言葉を巡らす。



(あぁもう! 忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ―――……)



けれど一瞬―――――






『オマエは間違ったことなンかしてねェよ』



(あ……)




思い出したのは彼の言葉。
一方通行がくれた自分を肯定してくれる言葉。


その言葉が胸のつかえを取り払ってくれたようだった。


もしかしたら自分が悪いのかもしれない。間違っているのかもしれない。
それでも彼の味方になってくれる言葉に美琴は今、これ以上にないくらい救われている。





体を向き直しベッドの方へ顔を向ける。暗闇に目が慣れたのか薄く光る白い髪が見えた。
壁側に顔を向けていてその表情は伺えない。




「……ねぇ」




返事はない。もしかしたらもう寝てしまったのだろうか。
かまわず美琴は言葉を紡ぐ。











「………………ありがと」









闇の中、淡く白い彼の頭が少し揺れた気がした。

以上です
後半二人が11歳と13歳なことを一瞬忘れそうになってしまった…あぶないあぶない

読んで下さった方、お疲れさまでした!
ではまた~ ノシ

忘れてしまってもいいのよ


なにはともあれ乙

相変わらずニヤニヤしてしまった。
>>1

乙。
セロリペロペロしたい

鏡にキモいのがいるんだが

乙なんだよ。

当麻はインデックスに任せろー


映像として残しておきたいくらいに初々しいww
美鈴さんあたりがビデオ片手に録画とかしてないかなあ

ちくしょう二柱の天使が俺の顔をニヤニヤさせたまま変えさせてくれない

1乙

いつも良いタイミングで更新されてるから嬉しい幼少期からこんなニヤニヤできるのに大きくなったらどうなっちゃうんだろう

やっぱり一方さんは小学生には優しいな



美琴が先生に怒られるところでバーディーをすこし思い出した
大きい力持つってのは大変なことだよなぁ

それでも一通さんは何年後かに反抗期に入るんだろうか

>>491
見張り役が>>398のように撮影してくれてるから大丈夫だ


電車の中なのに物凄い顔でニヤニヤしちゃったじゃねーか!!不審者まっしぐらだぜチクショー

>>1

>>488に20000号がいるぞ、どうにかしろよ

この一通さんだったら一方さんマジイケメンの最終形態になれるな。

ていとくんを見てみたいなwwww

おいついちまった……
もう一泊あるんだよな……ゴクリ
コロスケ「はじめて~の~♪」
幼馴染からの一途な想いって最高だよな

>>477-478で事故チューしたと思った

それにしてもこの一方さん
なにより凄いのが上条さんが説教するところが特にないってことだな

やっぱ上琴より電磁通行だわ

>>505
そういう発言は控えろ

そんなことよりあくせられーたんをペロペロしようぜ。

誰だよ20000号をこのスレに呼んだ奴
お前らの嫁だろなんとかしろ

上位個体を呼べ!

黒子なら何とかしてくれる…って思ったが
黒子は俺の隣で寝てたわ

>>501
同意。
しかしクォリティ高いな。
初SSって知ったらビビったw

初SSでこのクオリティってすごいよな
ちょっと前にVIPでやってた内P×とあるも初めてだったらしいがかなり面白かった

>>509
打ち止めたんなら俺の隣で寝てるよ。
頼んでやろうか?

>>513
それ20000号じゃね

20000号ならそれはそれでいいだろ

どうもです~
ここは20000号が出没するスレになっているのか……悪くないッ!

では投下します!








「ン…………」



穏やかなまどろみの中、微かな熱気を感じて一方通行は目を覚ます。
瞼を開けるとそこはいつもの無機質なコンクリートの天井は無く、もっと柔らかな質感を持った天井が視界に入ってきた。
クーラーを切っているのか窓が開いていた。薄い生地の水色に染まったカーテンが風と太陽の日射しと共にユラユラと揺れている。



(そォか、ここは……)



ここは美琴の実家。そして一方通行がいるのは美琴の部屋だ。
首まわりの広いTシャツから鎖骨を覗かせた肌にじんわりと汗が滲む。白い前髪とTシャツを優しい微風がふわりと通り抜ける。
体に掛けていたタオルケットを退けてベッドから体を起こし、ガシガシと頭を掻き眠気眼で部屋を見渡す。
部屋には自分ひとり。床を見ると昨日の夜美琴が寝ていた布団が綺麗に畳まれていて、彼女がもう起床していることを物語っていた。


ひとしきり彼女のいたであろう場所の一点をボンヤリと見つめる。




(そォいや昨日…… !!)



昨日の夜のことを思い出し一方通行は一気に目が覚める。



思えば昨日の自分はおかしかった。
美鈴に散々からかわれるわ、強がる美琴を慰めたいと考えるわ、あげく事故とはいえ―――――
思い出すと脳の機能が停止するのではないかと思うほど焦りが汗となってダラダラと流れ出す。
いつもの自分では考えられない行動ばかりだ。



(なにやってンだァ……)



御坂親子のオーラに当てられたのだろうか。
苦い顔をしながら頭を掻きむしり、どうにかして頭の中から昨日の出来事を何処かへ追いやろうと考えあぐねる。その結果……



(……まァ アイツは忘れてるだろォ、うン)



彼女が忘れていれば自分も素知らぬ顔で接すれば良いだけの話だとひとりで納得する。
そんな都合の良い事がある訳ないのだがそう思い込む事で一方通行は自分を落ち着けることにした。
彼が同年代の女子の思考回路というものを全く理解していないことは言うまでもない。





格好をそのままに部屋を出て2人がいるであろう場所に向かった。
ダイニングルームの扉を開けるとテーブルに向かって美鈴と美琴が朝食の準備をしていた。
カチャカチャと食器が重なる音が鳴りトーストの焼き上がる香りが部屋を充満している。



「あら 起きたわね~!今起こしにいこうと思ってたのよ」


「あ…………お、おはよ」


「……おォ」



コップを運んだトレーで口元を覆い一方通行と目線を合わせない美琴は明らかに動揺している。
無論昨日の出来事を思い出しての態度であると鈍感な彼でも流石に理解出来た。先程彼の立てた予想はあっけなく崩れ去った。
この場合彼の考えが甘過ぎたというのが敗因なのだろう。




一方の美琴は恥じらいながらも一方通行の反応が気になりチラッと彼に視線を送る。
すると彼の白い頭からピコッとアンテナのように髪の束がハネているのが目に入ってきた。サラサラの白い髪の毛に寝癖がひとつ。



「プッッ!!!」



予想外過ぎる彼の寝癖に思わず吹き出してしまった美琴の頭からさっきまでの動揺が飛んでいく。



「一方通行ッ……あたま……寝癖っ……プフッ」

「あァ?」


「……ダメッ あはははははっっ!!」



大声で笑い出した美琴はもう止まらない。さっきまでのやりとりを忘れてお腹を抱えて笑い出してしまう。
急いで頭を手で撫で付ける一方通行の動作も何故か面白く見えてしまうから不思議だ。




「くふふふっ……」

「オイ 笑い過ぎだろォ!」

「ご、ごめん……予想外でっ……くふふふ」

「テメェ……ッ!!」

「ほんとにごめんって~! ププッ」



笑い声をもらしながら目元の涙を拭い笑顔で一方通行に向きあう美琴には先程までの恥じらう空気はない。
笑われるのは不本意だが彼女がいつも通りに戻るなら正直それに越した事は無い。
一方通行は無理矢理そう思い込むことで笑われる憤りも「チッ……」と舌打ちひとつで抑えることにした。



「はいはい、そこまで! 朝御飯にするから君も洗面所行っておいで~」



そのやりとりを微笑ましく見守っていた美鈴はタイミング良く2人の間に入る。




しばらくして食卓につくと3人は話を交わしながら朝食をとる。もっとも一方通行は主に聞き手にまわっている。
一方通行は昨夜も思ったが誰かと食事をとりながら会話をするのは難しいものだと実感する。
食事をしながらポンポン会話を交わし続ける2人の器用さに改めて感心してしまった。




・・・・・・
・・・・
・・




「じゃあ行ってくるねー」


「あ、2人共ちょっと待って!」



時刻がお昼を過ぎた頃、美琴と一方通行は家の外へ出掛ける事になった。言い出したのは美琴だ。
一方通行も学園都市の外の世界というものに少なからず興味があったのもあり美琴の提案に乗ることにした。
出掛ける前に一声掛けた所、玄関で外へ出る準備をしていると美鈴が家の奥から駆け寄ってくる。



「外の日射しも強くなるから帽子被って行きなさい ほら」



そう言うと美鈴は白いリボンの付いた麦わら帽子とベースボールキャップを2人に差し出す。




「俺はいらねェ」

「ああ、反射してるんだっけ? でも折角あるんだから被っときなさい。こういう好意は甘えとくモンなのよー?」

「ォわッ オイ!」

「ほらー 似合う似合う♪」



美鈴はキャップを一方通行に被らせると彼の白い髪の襟足を指先で揃えてあげる。それはまるで本当の親子のやりとりのようだ。
自身も麦わら帽子を被りながら横でそのやりとりを見ている美琴は彼が自分の家族と馴染んでいくのが嬉しくてクスッと微笑む。
いつも自分を年下扱いしてくる一方通行も美鈴の前では同じ『子供』にさせてしまうのは母親の力なのだろうか。
最初こそ美鈴に抵抗していた一方通行も根負けしたのか成されるがままになっている所が何とも可笑しい。



「これでよしっと…… 帰りはあんまり遅くならないでね」

「うん」



サンダルを履きながら母の言葉に相槌を打つ。
すっかり支度を終え玄関にたった2人は美鈴に向き直る。まさに準備万端といった感じだ。




「行ってきます ほらっ 一方通行も!」


「………………………イッテキマス」


「(プフッ 照れてる照れてる)」

「…………」



ギュウウウウ



「い、いはいいはいッ!! ほっぺつねんらいでよぉぉぉ!!!」



頬をつねられた美琴の抗議を含めた悲鳴が玄関に木霊する。
もうこのやりとりも美鈴にとってはお馴染みになっているようで2人を止めもせずに見つめているだけだ。
これぐらいやれば反省しただろうと一方通行は「ふン」と不貞腐れた顔で美琴の頬から手を離す。
美琴はつねられた頬をさすりトホホという顔をしてつねった当人を軽く睨みつけている。彼は全く気にしていない様子なのがまた憎らしい。







「イテテテ…… それじゃ行ってきまーす……」


「はい 行ってらっしゃい!」



ドアを開けると夏特有の湿り気の無い爽やかな風が玄関を通り抜ける。
今日の天気は快晴、日射しは強いが外の気候は熱気をあまり感じず外出には最適のようだ。
手を振る美琴と視線だけを送る一方通行はゆっくりと太陽の光が瞬く外へ出て行く。
美鈴は暖かい眼差しのまま手を振りながら彼等を見送った。


アルビノショタに麦わら帽子……ハァハァ

短い上に話も進んでませんがとりあえず以上です
ではまた~ ノシ


>>1乙!
ほんわかしたぜ!

一方通行で寝癖と聞くとなんというか無条件で吹いてしまう

最近甘いSSが多くて蕩けそうだぜ
ニヨニヨしすぎで頬の筋肉がヤバい

打ち止めみたいな髪型になってる一方さん想像して吹いたwwwwww

某スレのAAは貼るなよ!?絶対だぞ!


乙!
なにこいつらかわいい

麦わら帽子を被った美琴と、キャップを被った一通……

ちょっとサラってくる。

他のロリショタレベル5達も気になるぜ
一名ロリじゃない気がするが……

>>534
おまえの体蜂の巣みたいになってるぞ?

>>534
上半身と下半身分かれてるぞ?どうした?

ロリじゃないって言っただけで、麦野を思い浮かべるお前らも結構ひどいぞ

ロリじゃないわけじゃない。無理があるだけだよ。

あれ?なにあれカードみたいなのがいっp

どう考えてもババア

そっちにビーム飛んでったぞ

まあ、最近はケバイ中学生とかもいるからn

>>1

ほのぼのスレなのにどうしてここには愉オブが多いんだろう
あれだ、きっとあのオバサンのしわZ

ここに墓を建てよう

凶人、麦野沈利に挑み散った名も無き勇敢なる猛者どもここに眠る

ところで麦野の推定年齢

麦のんかわいいのにおまえらひどいこというね

>/>/5/4/4

屠殺場に迷い込んだようだ……
ロリ蜂さんは俺が保護したから安心しろよ

だが、むぎのんが老けてるのは事実だなw

まんがで小学生の麦のんでてたろ...

おしゃまさんと言うんだ、おしゃまさんと

見た目がババァで発言もババァならぶっちゃけババァだよn

正直な話、ロリむぎのんとか想像しただけて股間がメルトダウンするわ

ロリむぎのんは笑顔が今よりも無邪気で残酷
そんなことよりショタそぎーの話しようぜ

実は病弱で気弱だったショタソギー

なにそれ萌えるww

そんなもやしソギーは、ある男と出会い、運命を変えることとなる

男の名は木原数多
「根性」が口癖の、熱く優しい青年だった

美琴LOVEなみさきちがでてきたら
俺得すぎて氏ねる

俺のその他のLevel5幼少期の脳内イメージ
ていとくん…超絶リア充。女子からモテモテ、ただしバカ
むぎのん…お嬢様育ちゆえ、かなり内気で小心者
みさきち…男女問わず人気者。若干八方美人
第六位…ぼっち。あれアイツいたっけ?誰だっけ?が日常茶飯事
そぎー…今とは全く正反対の内気、ハートは熱いが外に出せない

異論は認めますん

>>558
内気なロリむぎのんは破壊力の危険が危ない

てかむぎのんは登場するのだろうか

しないだろ

むぎのーーーん!!俺だーーーー!!結婚してくれーーーーー!!!

>>526
誰だ!このスレに結標読んだ奴!

>>526

いつの間に…

>>526

いつの間に…

早く続きを読んでニヤニヤしたいんだか…!!

取り敢えずsageよう

こんばんは~ 沢山のレスありがとうございます!
いやーむぎのん愛されてるなー(棒

ちょこっとだけ投下しますね








「思ったより暑くないね」



燦々と輝く太陽の下、ワンピースの裾をフワフワと風にはためかせながら美琴が呟く。
一方通行はポケットに手を突っ込みながらぼんやりとした顔をキャップの影で隠して後ろをついて歩く。



「さてっと、どこ行く?」

「……オマエにまかす」

「ん~ じゃあとりあえず街の方に行こっか」



美琴の家は街を見下ろすような高台のような場所に建っていた。家を出ると目の前に車道が入ってくるという立地だ。
視界の開けたその場所はドライブがてら通った人間なら誰しも目が奪われる、そんな景色が一望できる場所だった。
特に目的があって出掛けた訳ではない2人は、坂になった道路の脇に白線で隔てた歩道をゆっくりと下って行く。

2人の頭上には入道雲を引き連れた青空が隅から隅まで広がっていた。



しばらく歩くと上から見えていた街並が視界に入ってくる。どうやら坂道を降りきったようだ。


辿り着いた街並は学園都市のそれとはあまり変わらないように一方通行は思った。
違いと言えば高い建物が無いこと、警備ロボやらお掃除ロボがいないこと、そして空気だ。
学生ばかりで騒がしい学園都市とは違いこの土地は緩やかな空気を放っている。どこか時間がゆっくり流れる様な感覚。

美琴は懐かしげに目をパチクリさせながら一方通行にバスガイドのように土地の思い出を語り始める。



「あ、あそこはよくママと買い物来たんだ! 懐かし~」

「ふゥン」

「この公園! ここで小さい頃によく遊んだなぁ……」

「へェ」


「……」

「……」


「つーかオマエの思い出巡りの旅かよ……」

「なによっ てか派手な街じゃないからそんなに期待されても困るんだけど?」

「まァ そこまで期待してねェけど」

「それはそれで腹が立つ! ったく……私は人の思い出に触れるってのも結構好きなんだけどなぁ」

「……そォいうモンかァ?」

「まぁ人によるかも でも私はそう思ってる」




その考えは彼女の人柄を表しているなと感じる。
昨日の学校での出来事を聞く限り美琴は周りの人間を大切にしているようだ。
人と接することを拒まず受け入れる、そんな人間だと一方通行は冷静に彼女のことを分析している。
今の言葉はその象徴のように思えた。


街並に視線を置いたまま美琴は話を続ける。



「一方通行はさ」

「あァ?」


「学園都市に来る前のことって、覚えてるの?」



「………………覚えてねェ」



それはまぎれも無い事実。全くと言っていい程なにも覚えていない。
気付いた時には親の顔などを知らずに『置き去り』として学園都市に身を置いていた。
その後はありとあらゆる研究所の名のつく場所をたらい回しになった。それこそ思い出したくもない過去。
正確には学園都市に来た後の記憶も抹消したいことばかりだったように思う。






「そっか」




フワッと涼やかな風が2人の間を通り抜ける。
しばし無表情の一方通行を横目に美琴は風で麦わら帽子が飛ばされないように手で押さえる。



「なら、これからいっぱい思い出作んなきゃね」



不思議そうな顔をする一方通行をそのままに美琴は風に乗せるようにサラリと言葉を紡ぐ。


「だってそうでしょ? 昔のこと覚えてないならその分、これからの思い出をいっぱい作んなきゃ!」

「……だからってなンでテメェが張り切ってンだよ」

「何言ってんの! 今は私と一緒にいるんだからあたりまえでしょ?今日の思い出は私と一緒なんだから」


「……そォかよ」


つくづく彼女は自分の予想の斜め上を行く思考回路をしている。どこか楽しげな美琴に対してそんなことを思った。





(ホント、コイツは―――――)




だがそこが自分が彼女に惹かれる要因になっていることに彼自身まだ気付くことはない。



クルッとスカートを浮き上がらせながら一方通行に方に向き直り美琴はニカッと笑う。



「じゃあまず思い出ひとつめ! あのお店のアイスを食べよー!!」


「絶対オマエが食いてェだけだろォ!」



明るい声をあげながらアイスクリームショップへ向かって大股で歩きだす美琴。
そんな彼女にツッコミを入れながら一方通行はゆっくりと着いて行く。




アイスを購入した2人は美琴がよく遊んだという公園のベンチに座りそれを食べることにした。
午後に入ってから太陽はより強く輝きを増している。美琴の額や首もとにも汗が滲んでいるのがその証拠だ。
ベンチの頭上には屋根がついており、太陽からの日射しからも隠れられる絶好の休憩所になっている。
2人は並んでベンチに腰掛け溶ける前にアイスの封を開ける。



「何味にしたの?」

「ソーダ」

「美味しい?」

「……まァまァ」

「……なにそれ ひとくちちょーだい」

「ヤダ」

「むっ 私のバニラ味もあげるからちょーだい!」

「断るゥ」


美琴は膨れっ面で一方通行を睨みつける。彼の方はそんな視線おかまい無しにアイスを頬張っている。
どうにかして彼のソーダバーをひとくち頂くことは出来ないだろうかと美琴は考えあぐねる。
次の瞬間彼女の頭の端っこでピーンと豆電球に光が灯った。美琴は口元から(ふふふ……)と意地悪な笑みを零す。


「あっ あれ見て!」

「あン?」


「……隙ありっ」



一方通行が美琴が指差した方に目をやった瞬間、手の持ったソーダバーに美琴が食らいつく。



「ア!? テメェッ!!」

「なんだー 美味しいじゃん♪」

「チッ 食い意地張りやがって……」

「怒んないでよぉ はい、私のもひとくちあげるから」

「…………いらねェ」

「いいから~ はいっ!」


ズイッと口元の差し出されたバニラアイスの乗ったスプーンを仕方なく受け入れることにした。
そうでもしないと彼女は諦めないだろう。


「どう?」

「……まァまァ」

「プッ またそれー?」



彼女が買ったバニラアイスは甘過ぎずミルクの風味を重視したものだった。
美琴は一方通行のぶっきらぼうな言い方に吹き出してしまう。どうやら甘いものが苦手な彼のお口もお気に召したようだ。
上機嫌な様子で美琴もバニラアイスを口に運ばせる。暑い中で食べる冷たい食べ物の偉大さを感じて表情をほころばせた。

本当に短いですが以上です。
間接キスにも気付かないのがロリショタクオリティー!

ではまた~ ノシ

>>1乙!
ニヤニヤしちまうぜ…

ロリ美琴は俺のモノ

甘すぎず、どころか甘すぎてとけそうだ……

乙!!

後で美鈴さんに間接キスの事を言われて赤面する美琴&一方さん期待(*´∀`*)

これ明らかに一方は間接キス意識してるだろwwww
これがあれか

小さな恋のメロディ

甘い、甘過ぎるぜ
だがしかしこの甘さは昨今の乱立している似非恋愛SSの人口甘味料的なくどくしつこい甘ったるさではなく
言うなれば高級和三盆糖のどこか懐かしささえ感じる天然物の甘さなんだ
な、なんちゅうものを食べさせてくれたんや…

おつ

>>581
褒めるために、他の作品を貶すのはよくない

まあー電磁通行じたいが偽極まりないんですけどもね
厨二って訳よ

数年後の美琴は思い出しては枕に顔を埋めるんですね

よくわかんないけど乙
アイス食いたい時期だなあ

>>583

そう思うなら見なければ良いだろ。
自らが気に食わないカップリングだからと言って、批判コメはすんな。
楽しく見てる奴等の迷惑にもなるからそう言うとこを考えてコメしような

おまえら自分がロリと同年代のときに合法的にいちゃいちゃできなかったからってカリカリすんなよ

ちくしょう

>>583
頭悪い自己中レスはするもんじゃ無いよ

お前らこれだけほのぼのしたSSスレで、よくもまぁそれだけ剣呑になれるもんだな。

電磁通行=厨二言われたくらいでなぁ
そこになんの因果関係があるかも言ってないだけの押し付けにいちいち反応するなよっと

まあまあ喧嘩すんなって。
美琴ちゃん泣いちゃうぞ。

そこにあっくんが出てきて慰めるんですねわかります

ウヒョー
ペロペロ(^ω^)

>>590
厨二言われて怒る奴はそうそういないと思うぞ

むしろ褒め言葉?

本物の厨二の時は言われても気付かない


うわあああああああああ

続きが気になって眠れん…続きをー(m'□'m)

早く続きが読みたいwww
1はまだか!

追い付き支援

まぁ当時は勝手に設定決めてたよね
眼鏡外したらキレるとかさ…
まぁ厨二言われてもわからんかっただろうなぁ
今でも妄想はしてるけどな!!!

アルビノショタですって!?







おっとよだれが. . .

>>600
結標!またお前か!

>>602
ジャジメントですのおおおォォォォ!!

御坂さん!! 御坂さっん、んん!!
ふぅ















結標さんもあいかわらずですねぇ(笑)

エツァリまで来たんだが土御門はなにやってんだ?

もうやだこの学園都市

>>576乙そして残暑見舞い。
一方さん赤外線、紫外線反射はどうしてるのか?

勝手に一方通行をライバル視している
ていとくんが美琴に一目惚れして『好きだ(キリッ』って言う夢を見た






(チラッ………)

>>606
隣にいる美琴ちゃんにまきちらさないようにベクトル操作してるよ
てか脳を損傷してもこれだけスイッチなしで発動するぐらいだし
それぐらい当たり前のものとして反射してるんじゃね

>>607

何かありえそう…
美琴とていとくんが仲良くしていて一方通行が嫉妬しちゃうんですね(●´∀`●)/

チラチラしてる暇があれば自分で書けよ
何を書くかは作者の自由だろ

とりあえず嫉妬している第一位は私が奪っていくわぁ
レベル5で恋愛関係グチャグチャにさせたいなら、私も出てこなきゃダメよねぇ

セロリたんペロペロ(^ω^)

>>610
小6のみさきち……

ありだな

小6のみさきちに平常心は残したままで深層意識だけドMに弄くられて
それはもうサディスティックにイヂめられたいです

追いついた。一方さんかわぃぃよおお

>アルビノショタ

ふぅ………

>ベースボールキャップをかぶったアルビノショタ

ふぅ………

>アルビノショタと間接キス














ふぅ……
>>1乙よ……

ここはひどいインターネッツですね

>>1よ…どうしたんだ…続きが気になって気になって仕方がないんだか!!

電磁通行不足になってしまったー

ここはいつからイカ臭いスレに変わったんだ…

幼電磁通行とか中毒性やべぇ。よし、ちょっと描いてくる。

俺もちょっとマスをかいてくる


むぎのん

ていとくん→美琴→←一方通行

みさきち


これなら天国

むぎのん
 ↓
 ↑
みさきち

むぎのん→ていとくん→みさきち→美琴→←一方通行

ええと……今日一日でこのスレになにがあったんだ……? 久々に暑かったからか……?

1が戸惑うからみんな落ち着こうぜ

むぎのん→ていとくん→美琴→←一方通行←みさきち

むぎのん→ていとくん→美琴→←一方通行←みさきち

むぎのん→ていとくん→美琴→←一方通行←みさきち

連投はよそう

むぎのん→垣根→御坂→一方通行→みさきち→むぎのん→か(ry

これはひどい

流石に流れがキモくなってるからそろそろ自重しとけ

>>632
季節的に無理 時期が悪かった

ここは季節関係なくいつも沸くだろ

俺の家
ネズミ駆逐→ゴキ発生→G駆逐→ネズミ発生
の無限ループなんだけど

美琴総受けもいいと…コホン、電磁通行最高wwwwww

来ないな

来ないね

来ませんね

半年ROMれ

永遠にROMってろ

待っている

待ってるんだよwwww

つーかまだ1週間じゃねーか

>>644

いつもは3日おきぐらいにくるんだよ…

>>644
きっと新約とSPを読むのに忙しいのさ

>>645

さすがに図々しく見えるぞ今までが三日で来てたからってこれからも三日でくるとは限らないだろ


あとsageような

夏は雑草がよく伸びるな

新約二巻は失敗作。

>>649何言ってんだ


かまちーだから予告と違うって大体予想出来るだろ
三主人公が交わったんだから三人が協力してるところをやるってわかった筈だぞ個人的に面白かったぞ

とりあえず番外個体が上条さんに行かなくてよかった

>>650
番外通行の俺としてはスゲー安心できる発言だわ

しばらく買いに行けなさそうだからネタバレ待ちだなぁ

そういう話は禁書スレで

禁書次巻もこのスレの続きも楽しみに待ってるよ

生きてるかー?

どうもです~
残暑お見舞い申し上げます!

それにしてもレス数といい賢者たちといい…一体何が起こったというの…?

よく分かんないけど投下します!




・・・・・・
・・・・
・・




夏に食べるアイスの寿命はとても短い。
早急にアイスを食べ終えた2人は座るベンチで少しの時間ゆったりとまどろんでいた。

すると突然―――




「あっっ!!!」


「ッ!?」




突拍子も無い声が耳に飛び込んできた。
声の主は勿論美琴。声も表情も共に驚いた様な何かを発見した様なそんなリアクションをしている。
隣からの突然の大声に驚き、大抵のことには冷静に対応出来る一方通行もつい声を荒げる。



「いきなりデケェ声出すンじゃねェッ!! ……ってオイッ!」





一方通行の声が聞こえていないかのように美琴は突然ベンチから飛び降りて一直線に走り出した。
まるで状況が理解出来ないが放っておく訳もいかず反射的に一方通行は美琴を追いかける。



「チッ……なンなンだよ」



美琴が向かったのはベンチから10m程先にある公園の端の木が植え付けられ木陰になっている場所。
何かを見つけたのか突然彼女はその場に座り込んだ。ギョッとしながらも一方通行は彼女の元に駆け寄る。



「オイッ! 一体どォいう……」



「みてみて!」

「あァ?」






「ほら、子猫!」




美琴の座り込んだ場所から1m先に小さな三毛猫がチョコンと座っている。木陰を利用して涼んでいるようだ。
こちらに向かってニャーと鳴く姿からどうやら人には慣れているらしい。よく見ると首もとに赤い首輪をつけている。
彼女が「はぅ~」と両手を頬に当てながら顔を緩ませる様子を見るといきなり大声を出して走り出した原因はコレのようだ。
半ば呆れながらも一方通行は溜息を吐いて美琴の隣にしゃがみこむ。



「かわいいぃ~~!!触りたい~~!!!」



膝を抱えニヤケ顔でトロけそうな声をあげる美琴は今にも子猫に飛びつきそうな勢いだ。というか飛びつくだろう。





(…………ン?)



一方通行の予想を反して美琴はその場にしゃがみこんだままだ。
思い立ったら即行動タイプの美琴がウズウズしながらもその場から動こうとしない。
ただしゃがんで少し離れた所から子猫を見ているだけ。いつもの彼女の行動としてはどうみても妙だ。




「オイ、触りてェなら触れば良いじゃねェか」

「あー……うん。そうなんだけどねぇ」

「あン?」


「…………私さ、体から微弱な電磁波が出てるんだ。動物ってそういうのに反応するの」

「……」

「犬とか猫とか好きなんだけど、怯えられちゃって……」

「ふゥン……」


「あ~~ 触りたかったなぁ~……」



子猫を眺めながらどこか切なげにそのことを語る美琴は触るのをもう諦めているようだ。
きっと彼女はもう何度も同じ状況に出会ったのだろう。なんとなくだが一方通行にはそう思った。


そして一方通行は自らの掌を開いてもうひとつの考えを巡らせる。
ならば自分の能力で体内電流を操作すればどうだろうか。だが一方通行自身今まで誰かの体内電流を操作したことはない。
正直彼女に対してやったことのない方法で能力を使うというのも少し気が引ける。




(実際やったことねェけど)



自身の右手を眺めながら心内で呟く。隣では美琴が子猫を愛おしげに見つめている。



(……やってみるか)





「オイ」

「ん? なに~」



ペタッ



「ッ!!!???」





何も言わずに一方通行は美琴の頬に手をあてた。
頭は帽子で隠れているし、腕は膝を抱えているし、自分が触れられる所は顔くらいだったからだ。他意は欠片も無かった。


しかし美琴の方はそんな理由知ったこっちゃない。
頬に触れられた瞬間、ボンッと爆発音がなったかと思うほど一気に顔面を紅潮させた。
いきなりすぎる一方通行の行動に理由も分からず恥ずかしいやら何やらで目が回りそうになった。
やっとの思いでアワアワと口を動かして何が起こったのか説明を求めることが動転する彼女が唯一出来たことだった。



「ふ……ふええぇぇっ!!?? ちょちょっとッ!!?」

「いいからちょっと黙ってろ」



美琴の頬に手を当てたまま、瞼を閉じて何か思考を巡らせ始める一方通行は至って冷静だ。



(~~~~~な、何なのよおぉぉ!!!)



彼のそんな様子を見てふざけているわけでは無いと察することは出来たが、触られてる事実が美琴を混乱させていた。
触れられている頬が熱いことや、心臓がバクバク鳴っているのは無視しようと必死で目をキュッと瞑る。
一方通行が一体何をするつもりなのか全く想像がつかない。そのことへの緊張感が胸の鼓動を速くさせていた。



フッ


しばらくすると一方通行の手が自分から離れて行くのを感じた。
そっと瞼を開けると一方通行の紅い瞳が自分を見つめていたので、美琴は思わずドキンと心臓を飛び跳ねさせてしまう。



「猫、触ってみろ」

「え?」

「電磁波出ねェから、触ってみろ」



「もしかしてさっきのって……能力使ってたの?」

「……いいから早く触れ」



おそるおそる美琴は子猫に近づき、そっと小さく柔らそうな頭を撫でてみる。





「…………あっ!」



すると子猫は目を細め気持ち良さそうにミャーと可愛らしい鳴き声を上げて美琴の手にすり寄ってきた。
その瞬間美琴はパアァァと顔を輝かせて子猫と一方通行を交互の見て、言葉にならない感動をアクションで伝える。
瞳から星が飛び出してくるのではないかと思う程にキラキラと煌めかせている。嬉しさがそのまま表情に溢れているのだ。



「ありがと~~~ッッ!!!」



子猫に触れた喜びでさっきまでの緊張が吹っ飛んでしまった美琴はとびっきりの笑顔で一方通行にお礼を言った。
彼の方もとりあえず体内電流のベクトル操作が成功したことに胸を撫で下ろしていた。美琴の喜ぶ顔を見るのも悪くない。




(そォいやァ……)



終始笑顔の美琴にふとさっき感じた疑問を投げ掛ける。





「ところでよォ」

「ん~~? なにぃ~~??」



子猫を抱き上げながら幸せそうな声色で美琴は返事をする。
一方通行の言葉に耳を貸しながらも彼女は目の前の小さな三毛猫に夢中だ。そんな彼女に一方通行は爆弾を落とす。



「オマエの顔すげェ熱かったけど、熱でもあンのか?」

「ッ!!!」



折角忘れていたのに。何故わざわざ思い出させる様なことを……。
恨みがましくも思ったがどうせ彼のことだ。意識など全くしていないのだろう。不思議そうにこちらを見る顔でそれが分かる。



「べ、別にっ……暑いだけ!!なんでもないッッ!!!」

「そォか?」

「そ・う・な・のッ!!!」

「?」



死んでも本当のことなんか言うもんか。そう固く決意して隣の鈍感野郎の言葉を跳ね返す。
「ねー?」と抱いた子猫に話しかけると子猫の方は「ミャ?」と首を傾げているが気にしない。
何故そんなに強く否定するのか分からない一方通行は怪訝な顔をしたまま、楽しげに子猫を抱く美琴を見つめていた。








公園にいるのは2人だけ。

だが、そんな彼等を見ていた人物がひとりいた。












「その子は貴方達の猫ちゃん?」





突然後ろから話しかけられ2人揃って肩をビクッと震わせる。
声の正体を突き止めるべく勢いよく振り向く。するとそこには日傘を差した女性が立っていた。
ふわっとしたセミロングの髪に何処か品の漂わせる装いのその女性は2人を驚かせてしまったことに気付いたらしい。





「あらあら、ごめんなさいね。驚かせてしまったかしら?」


「あ、いえ……」



申し訳なさそうな表情で謝られてしまっては、こっちまで申し訳なく思ってしまう。とりあえず美琴はペコリとお辞儀をした。
逆に一方通行はその女性に対して警戒心丸出しの視線を送っている。どうやら彼女を信用していないようだ。
そんな彼等の心情を知って知らずか、女性は美琴達の傍にしゃがみこみニッコリと笑顔を向けてくる。



「可愛い猫ちゃんね。あなた達が飼っているの?」

「えっと……違います。私たちはたまたまここで見つけたんです」

「そうなの。あら、首輪もしてるし何処かのお家の猫ちゃんなのね」



子猫の顎の下をくすぐりながらそう言うその女性の優しげな顔に美琴は直感的に(このひとは良い人だ)と感じ取る。
美琴は自分にはそれなりに人間を見る目があると自負している。少なくとも自分の直感には自信があった。
年は自分の母親くらいだろうか。服装や表情といい、お嬢様のような雰囲気を纏った彼女を悪い人間と思うことは美琴には不可能だ。



するとその女性は美琴と一方通行に笑いかけながら話しかけてきた。



「あなた達、この辺じゃあまり見かけない子ね。学園都市から来たの?」

「あ、はい」

「オイ」



まだ警戒心を解いていない一方通行が美琴の言葉を静止させる。



「(ちょっとなによ!)」
「(テメェが警戒心無さ過ぎなンだろォが!)」
「(はぁ?なんで警戒すんのよ)」
「(だからそォいう所が無防備だっつってンだよッ!)」



小声で喧嘩を始めた2人。
元来、子供同士の喧嘩というのは大人から見れば可愛らしいものが多い。これはまさにそれだった。
にこやかに彼等を見守る女性は母性溢れる様子でまるで自分の子供を見つめる目をしている。
それに気付いた美琴と一方通行はバツが悪そうに口論を止めると、笑い声をもらしながら女性は話しかけてくる。





「ふふっ 2人はとても仲良しなのね」

「えっと、あの……」



「実は息子が今、学園都市にいるの。丁度あなたと同い年くらいかしら」



そう言って一方通行に視線を向けて懐かしげに微笑むその女性は、昨日見た美琴を心配する美鈴の姿にとてもよく似ていた。
一方通行は自分に対する恨みや憎しみの眼差しには慣れている。だがこういう暖かで包み込む様な視線は別だ。
むず痒く慣れない温もりを感じてどうすればいいのか分からなくなる。胸に淀んだ警戒心が徐々に萎えていく。



「なかなか会えなくてね……だからあなた達を見てつい話しかけてみたくなっちゃったの。勿論猫ちゃんも見たかったのだけれど」



睫毛を下ろし子猫と手を戯れ合わせる彼女はどこか寂しげだ。息子と会えない寂しさを募らせているのだろう。





「いきなり話しかけたんですもの。怪しい人だと思われてもしょうがないわ、ごめんなさい」


「そんなことないです! えっと……この子も触られて喜んでるしっ!ほら!」




美琴によって急に体を持ち上げられた子猫が「ミャッ!?」と驚く鳴き声を上げている。
そんなことおかまい無しに女性に子猫を突き出す美琴は必死に彼女に喜んでもらおうとしているように見えた。
それを察したのだろうか。女性はクスッと笑い、三毛猫の体を撫でながら優しげな声で美琴に囁く。




「ありがとう」






・・・・・・
・・・・
・・




「さよならー!」



手を振りながら去って行く女性を公園から美琴も彼女に伝わるように精一杯手を振る。
結局少しばかりの談笑をしたあと、彼女は用事があったことを思い出したらしく2人の元から去っていった。
差した白いレースの日傘がどんどん遠くなっていくのを見つめながら自然と言葉がこぼれる。



「優しいひとだったね」

「…………」



「もう、一方通行ったらあんな態度取らなくても」

「テメェが全然警戒しねェからだろォ。ったく……」





彼をそんなに呆れさせる様なことはしたのだろうか。
イマイチ納得がいかないが美琴の頭には女性が言っていた言葉が少し気になっていた。



「さっきのひと、息子も学園都市にいるって言ってたよね……もしかして知ってる子だったりして」

「ンなワケねェだろ。学園都市にどンだけ学生がいると思ってンだ」

「もしかしてってこともあるでしょ? 名前聞いておけばよかった~」


「…………オマエはホンッッッットにバカなンだなァ」


「しみじみとバカって言うなっ!!」









(可愛らしい子達だったわねぇ……)




セミロングのウェーブのかかった髪を揺らしながら女性は思う。


そして先程出会った少年と少女を思い出していた。
少年はかなりの色白で被ったキャップから見える髪の毛も真っ白。風貌も相まって警戒するさまには子供らしからぬ迫力があった。
かたや少女は可愛らしいという言葉がピッタリな容姿と笑顔を持っていた。まさに無邪気を絵に描いた様な少女。
無邪気な彼女と警戒する彼の構図。それはまるでお姫様と彼女を守る騎士(ナイト)の関係のようでとても微笑ましい。



ふいに我が息子の顔が脳裏に浮かび上がる。








「当麻さん元気にしてるかしら……」





大切な息子の名前を呟く。
息子と同年代の少年少女と接したことで日頃隠している息子への想いがひょっこり顔を出し始めた。
まだ中学生の息子は学園都市で上手くやっているのだろうか。
いや、上手くなくていい。ただ楽しく毎日を幸せに過ごしていてくれれば親としてこれ以上に嬉しいことはない。


そうだ、帰ったら電話してみよう。用事なんて特にない。
あるとすれば声が聞きたいだけ。自分は母親なのだから理由なんてそれだけで充分だろう。



光り照る太陽の下、白い日傘をクルッとまわしてしまうのは機嫌が良いことの表れ。
息子の声を聞くという淡い楽しみが増えたことに幸福感を覚えながら上条詩菜は日傘を白く輝かせていた。


以上です。

いつも読んで下さってありがとうございます!
前は一週間に2回投下を心掛けていたんですが実際やってみるとなかなか…
これからもなるべく早いペースで投下したいとは思っていますが、遅いときもあるのでご了承下さいませませ。

ではまたっ ノシ

リアタイ投下初遭遇!!

乙です!! 相変わらずニヤニヤさせてもらったww
自分のペースで投下していけば良いと思うよ


今回も癒されたわ~

無理せず自分のペースで投下すればいいと思うよ
楽しみに待ってる


このスレ本当癒しだわ~
自分のペースでやってって下さいな

>>674 ノスタルジィ-やね

>>675 俺も楽しみに待ってる。


乙(*´∀`*)

久々にニヤニヤさせてもらった♪
続き待ってますよ(●´∀`●)/

中学生の上条さんも気になるwwwwww

乙なんだよ!!
毎回ニヤニヤをありがとうっ!!
次回の投下も待ってるよwwww
マイペースでがんばって!!

無理しないで>>1のペースでやってください
どれだけ遅くても待ってますから

乙です

>>1

そういえば、上条家と御坂家って結構近いのかね
原作でも、奥様同士スポーツクラブで逢ってるくらいだし

                   _. --──── -- 、
                   /               ` ー 、
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                    /       /  ________ ノ /
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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
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        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

                   _. --──── -- 、
                   /               ` ー 、
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

トリ割れた?

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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

                   _. --──── -- 、
                   /               ` ー 、
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                   /     /              \
                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

荒らし久々に見たわー

                   _. --──── -- 、
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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

                   _. --──── -- 、
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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                   /               ` ー 、
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                   /     /              \
                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

>>1のトリを読まれたかね

この調子じゃ埋められるか分かもしれんから
>>1が気が付いて次のスレを立ててもらうしかないな

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

荒らしをする様な奴はクズだ!生きていちゃいけないヤツなんだ!

                   _. --──── -- 、
                   /               ` ー 、
                 /                      \
                   /     /              \
                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
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        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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トリバレ?

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                    /       /  ________ ノ /
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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
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トリバレたっぽいね

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NGしてるけどレスは消費されるんだよなぁ……
埋められても>>1はめげずに新スレ立てて投下して欲しい

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.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

何を思ってやってるのか知らんがこれはひどいな
とりあえず>>1がスレ建ててくれるのを待つしかないよな
こんな良作がこんな形で終わっちまうのはもったいない

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
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    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
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.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7




とりあえず>>1は酉変えて
新スレ立ててくれ

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                   /               ` ー 、
                 /                      \
                   /     /              \
                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                   /               ` ー 、
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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
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.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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コイツ手動かよ
>>130みたいな奴もいればこんな屑もいるんだよなぁ

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                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
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    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
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                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
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             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

NGの所為で分からんわ

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.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
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                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
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    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
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.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
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             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
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        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
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    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

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                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

                   _. --──── -- 、
                   /               ` ー 、
                 /                      \
                   /     /              \
                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

                   _. --──── -- 、
                   /               ` ー 、
                 /                      \
                   /     /              \
                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
             / |    ∧| ノ   弋zノ      辷ノ' ノ∨|/|
.            / |   // | |、           ,    | |   ノ
.           /       // | | \            人 ハ  |
        /         厶-、| ト._个 、  ∠フ _. イ|    \|
        /       /   / ̄ ヽ、 >- ≦ノ| | /´⌒ く\
.    /     __. イ     / /⌒ヽ\   //  | | しl⌒ヽ ∨
    /        ̄   |   {   /⌒l\\/7  | | 〈⌒ヽ |
    ,′           l     ヽ  /⌒l \ /  / /  〈⌒  ノ
.   {            |      >ー-く´   /   / /  /`ー'7

>>1です。

他のスレで自分のトリが使われているのを見つけて気付きました。
来週中には新スレを建てたいと思います。
タイトルは同じにするので読んで下さった方はそれを目印にしていただければ見つかります。

では新スレでもよろしくお願いします ノシ

                   _. --──── -- 、
                   /               ` ー 、
                 /                      \
                   /     /              \
                    /       /  ________ ノ /
              ,′    イ ̄             `l |
                |     /|                | |
                |   / ハ__________.ノ |
              ノ  /_.イ / ノト、_」/ |/l/_.斗  \ 〕
.               / l   ̄ 7|/| 」ィfて-カ`    ィf リハ  ! 「|
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>>1です。

他のスレで自分のトリが使われているのを見つけて気付きました。
来週中には新スレを建てたいと思います。
タイトルは同じにするので読んで下さった方はそれを目印にしていただければ見つかります。

では新スレでもよろしくお願いします ノシ

>>1です。

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