P「音無さんと俺の恋人未満な日常」 (17)

P「おはようございます」ガチャ

小鳥「あ、おはようございます、Pさん」

P「今日も朝早いですねー、音無さんは……俺なんかまだ眠いですよ」

小鳥「ふふっ、私の仕事は皆さんのサポートですからね。こうしてコーヒーを用意しておくのも……」スッ コトン

小鳥「私の仕事ですよ、Pさん。ブラックでよかったですか?」

P「あ、ありがとうございます!一杯いただきます」カチャ

P「ん~…………」ズズー

P「ふぅ……目、覚めますね~」コトッ

小鳥「それはなにより」ニコッ

P「………でも小鳥さんの笑顔の方が目覚ましになります、俺は」

小鳥「えっ?……も、もー!朝から変なこと言わないでください!」

P「あははは」

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小鳥「……って、あれ、今『小鳥さん』って」

P(あ、やべ)

P「き、気のせいですよ」

小鳥「そうですか……」

P「え、えーと、そう呼んだ方がいいなら俺はそうしますけど」

小鳥「えっ、いや、あの……は、恥ずかしいですから今までどおりでお願いします!」

P「あ、はい」

小鳥「……でもPさん、自分の思考をさらけ出しすぎてる時ありますから、注意してくださいね」

P「そうですか?あまり身に覚えが……」

小鳥「この前なんて『あずささん、竜宮の衣装似合ってるなぁ』って、ソファーで呟いてましたよ?」

P「え、いつですかそれ!?」

小鳥「先週の……確か竜宮の屋外ライブの日だったと思いますけど」

P「あっちゃ~……ありがとうございます、気をつけますね」

小鳥「まあ、今に始まったことでもないですから、セクハラで訴えられたりはしないと思いますよ」

P「そんな前からですか………」

小鳥「忘れもしません、去年ごろのあの日……真美ちゃんがサイドポニテにした日」

小鳥「事務所に少し照れながら入ってきた真美ちゃんに、Pさんは大声で言いましたよね」

P「………あ、あー!」

小鳥「『なんだあの美少女!?』……と」

P「いや、あれは本当に油断してたんです!急に真美が大人っぽくなってたもので……」

小鳥「世間一般から見たらかなりギリギリアウトなラインですけどね」

P「うぐ」

小鳥「そして顔を真っ赤にしてソファに倒れこむ真美ちゃん……可愛かったなぁ」ウフフフ

P「……音無さんも大概ですよね」

春香「おはようございまーす!」ガチャ

小鳥「あら、おはよう~、春香ちゃん」

P「おはよう」

春香「ありゃりゃ……二人とも早いですねー、今日はPさんより早く来て、色々準備しようかなーって思ってたんですけど」

P「ははは……早起きするのは感心だけどな、十分な睡眠を取って仕事に備えるのも大事だぞ」

春香「は、はーい、えへへ」

小鳥「もう……Pさん、もう少し女の子の心遣いを受け止めてあげてくださいね?」

P「あ、いや、決して嬉しくない訳じゃないぞ?というかそこまで考えてくれて俺は嬉しいというか……」

春香「い、いえ!私のなんとなくですから、そんな、お気になさらずっ」

小鳥「ふふふ、春香ちゃんにとってPさん、大切な人だもんね?」

春香「うぇええっ!?そ、そういうのじゃないですよ!あ、いえその、大切に思ってないわけじゃなくて!」

P「お、おう……どっち?」

春香「ああぁぁ……だからそのぉ……こ、この話はやめにしましょう!そうだ!私クッキー焼いてきたんです!クッキー!」

P「ん、また作ってきてくれたのか?最近は味とかも凝ってきてるから、楽しみだな」

小鳥「ふふふふ」ニヨニヨ

P「いただきまーす」カサッ

春香「はいっ、どうぞー」

P「あー、んむっ」パクッ

P「ふんふん……お、今日のはチョコ味か」

春香「はい、ビターのチョコチップ入りにしてみました!」

P「うーむ、うまい」パクパク

春香「ほんとですかっ!?よかったぁー……あ、よかったら小鳥さんもどうぞ!」カサッ

小鳥「あら、じゃあ……いただこうかしら」カサカサ パクッ

小鳥「………ん~! 春香ちゃん、お菓子作るのほんと上手よね~」モグモグ

P「そうですね。しかもいつも違う味とか作ってきてくれて、飽きないんですよねぇ、これが」モグモグ

春香「あ、あはは……なんか照れちゃうな」

P「『天海春香の手作りクッキー』………新商品としてイケるかもな」

春香「え、ええっ!?そんな、私のクッキーなんて、売り物にできるようなものじゃないですから……」

P「いやいや、十分うまい。というかかなりうまい」モグモグ

小鳥「そうよ春香ちゃん、もっと自信持たなきゃ!」モグモグ

春香「そ、そうですか?……よーしっ、次はもーっと気合入れて作っちゃいますからね!」

P「お、そうか!楽しみにしてるぞ」

春香「はい!」

小鳥「ふふ、Pさんもスミに置けない人ですよね」

P「へ?」

春香「こ、小鳥さん!」

小鳥「……ファイト、春香ちゃん♪」ボソッ

春香「も、もー……」

春香(……一番ファイトしなきゃいけないのは、小鳥さん、あなたです)

P「じゃあ春香、先に今日の予定の確認だ。今日は……」ペラッ ペラッ

春香「あ、はい!」

P「……9時から昼ごろまでレッスン、その後は2時から───………」




小鳥(……本当は、人の応援なんてしてられないはずなのにね)

小鳥(でも、あの人は多分、私には振り向いてくれないから……)

小鳥(ううん、頑張らなきゃ、私)

言い忘れてました。毎日の短編集的な感じにしたいと思ってます。とりあえずここまでの話はここで区切りです。


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次の日。


P「おはようございます」ガチャ

小鳥「おはようございます、今日はまたお早い出勤ですね」

P「音無さんほどじゃないですよ」

小鳥「こんな歳になると、家ですることも少なくて……事務所に来て、お仕事してるほうが楽しいんですよ」

P「あれ、音無さんっておいくつでしたっけ?」

小鳥「………Pさん、レディーに年齢を聞くものじゃありませんよ?」

P「え?………あ、す、すいません!ただ、若そうなのに意外だなーと……」

小鳥「わ、若そう?」

P「え、だってお肌だって綺麗ですし、体つきとかもハタチのそれとさほど変わらないくらいですし……」

P「……ていうかふつうに美人さんじゃないですか」

小鳥「び、びじんさん………」カァァ

P「………あっ!! いや、あの……すいません!完全に油断して、また思考がダダ漏れに……」

小鳥「は、恥ずかしいからやめてください……」

小鳥「Pさんはもう少し、女性の気持ちを考えましょう!」

P「はい……」

小鳥「私だって、もう若いとはいえない歳ですけど……」

小鳥「それでも人並みに恥ずかしがったりはするんですっ」

P「……以後気をつけます」

小鳥「それに……」

P「……それに?」

小鳥「男性と二人きりでいると……そ、その、ちょっとドキドキしちゃったりも……するんです」

P「…………あ」

P「……はい」

P(少し頬を赤らめてうつむく音無さんは、それはもう、とてもとても可愛らしかった。)

小鳥「あ、えと………」

小鳥「…そ、空、綺麗ですね、雲ひとつないっていうか」

P「……ええ、とても綺麗です」

小鳥「………」

P「………」

小鳥「………私、こうやってぼーっと何かを眺めてるの、好きですよ」

P「……同感です、俺も好きです」

小鳥「…………」

P「…………」

小鳥「……こういう、微妙な会話の間も、とても」

P「気まずくないなら、よかったです」

小鳥「ふふ」

P「こういうの、距離感っていうんでしょうか」

小鳥「さあ?私はそういうことには疎いので」

P「ええ、残念ながら俺もです、はは」

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