咲「新しいお姉ちゃんをつくる」 (45)

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他所で書きかけで落ちたSSに加筆や修正を行ったものです

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ゴッ
メラメラメラメラメラメラメラメラ

咲「ひっく、ぐすっ、ぅ、ぐすっ」

咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん」ポロポロ

咲「お姉ちゃん、どうしてお姉ちゃんは私の前からいなくなっちゃうの?」

咲「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」

咲「ねぇ、お姉ちゃんもいなくなっちゃうの?」ポロポロ

咲「そっか・・・」

咲「なら、新しいお姉ちゃんを作っちゃえばいいんだよね?」

咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん」

咲「新しいお姉ちゃんはどんな人がいいかなぁ?」

咲「どう思うお姉ちゃん?」

咲「うん。うん、うんっ!」

咲「そうだよね。やっぱりお姉ちゃんは麻雀の強い人じゃないといけないよねっ!」

咲「うん。私よりもずーっと麻雀が強い人」

咲「それが、私のお姉ちゃん!」ぱぁぁ

咲「・・・。」じー

TV『決まりました!全国1万人の頂点、インターハイチャンピオンは彗星のごとく現れた白糸台1年生、宮永照選手です!!』

咲「宮永?」ぴくっ

TV『圧倒的打点力の高さで他を制した宮永選手。来年以降の活躍にも期待が持てますね』

咲「すごいなぁ、この人。すっごく麻雀が強いんだね」

咲「・・・すごいなぁ、私のお姉ちゃん」くすっ

咲「新聞、雑誌、スポーツ新聞、麻雀専門誌、インターネット・・・」

咲「ふふっ。お姉ちゃんの記事がいっぱい」にこにこ

咲父「ん?何しているんだ咲?」

咲「記事をスクラップしてたんだよ、おとーさん」

咲父「ああ、宮永照選手か?ニュースで見たよ。1年生なのにチャンピオンなんてすごいよな」

咲「うん。大好きなんだ」にこっ

咲父「そうなのか?なら、今度から新聞や雑誌で見かけたら買ってくるよ」

咲「ありがとおとーさん!」

咲父「ハハッ。咲が麻雀の選手に興味を持つようになるなんて。なんだか父さんも嬉しいよ」

咲「うん!だって・・・」

咲「お姉ちゃんは特別だもん」ぼそっ

咲父「ん?何か言ったか?」

咲「ううん。何も言ってないよ」

咲「はぁ、お姉ちゃんは秋の大会でも大活躍。やっぱりすごいなぁ」

咲「私のお姉ちゃんは麻雀が強くて、とっても素敵なお姉ちゃん。なのに・・・」

咲「お姉ちゃん、どうして私の前からいなくなっちゃうんだろう?」

咲「・・・。」じわっ

咲「会いたいよぉ、お姉ちゃん・・・」ぐすっ

咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん」

咲「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」ぶつぶつ

【1年後】

咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん」ぶつぶつ

咲父「咲、今いいか?」コンコン

咲「どうぞ」

咲父「なぁ咲。今度宮永選手の試合を観に行ってみないか?」

咲「えっ?」

咲父「来週仕事で東京へ行く予定があるんだ。
ちょうどインターハイの日程とも合うし、お前の好きな宮永選手も見られるかもしれないからな」

咲「行くっ!!」ガタッ

咲父「ははは、咲は本当に宮永選手の事になると顔色が変わるなぁ」

咲「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」ぶつぶつ

【東京・インターハイ当日】

咲父「それじゃあ父さんは仕事だから、楽しんでおいで」

咲「うん!ありがとおとーさん!」ブンブン


咲父(やれやれ。咲は本当に宮永選手のファンなんだな)

咲父(どんな形であれ、あの子がまた麻雀に興味を持ってくれたのなら、それは・・・)


咲「やっと会えるんだね、お姉ちゃん」

咲「ずっとずーっと会いたかったよ!」

ざわざわざわざわ

咲「うわぁ、人がいっぱいだ」

咲「ふふっ。お姉ちゃん私に気付いてくれるかな?」

咲「優しくしてくれるかな?」

咲「会えたらいっぱいお話したいなぁ」

咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん、大好きだよお姉ちゃん」にこにこ

「あっ!来たぞ!」
「きゃー!宮永さーん!」

咲「お姉ちゃん!?」ぴくっ


照「・・・。」てくてく


咲「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
「きゃー!きゃー!」
「宮永選手!今年の選手たちはどうでしょうか?」
「今回も優勝を目標に?」
咲「お姉ちゃん!私だよっ、咲だよっ!」
「宮永選手。最も注目している選手は?」
「きゃー!サインください!」
咲「ずっと会いたかったよお姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!!」


照「・・・。」てくてく

咲「あ・・・」


照「・・・。」てくてく


咲「お姉ちゃんが行っちゃう!」

咲「待って!待ってお姉ちゃん!」ダッ

「押さないでくださーい。下がってー」

咲「通してください!お姉ちゃんが、お姉ちゃんが!」グイッ

「痛っ!誰だ?」
「押さないでくださーい。危ないですよー」

咲「お姉ちゃん!お姉ちゃーん!」

咲「お姉、ちゃん・・・」がくっ

咲「お姉ちゃん、どうして私と話をしてくれないの?」

咲「お姉ちゃんは私のことが嫌いなの?」じわっ

咲「お姉ちゃんは私を怒ってるの?」

咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん」ポロポロ

咲「許してお姉ちゃん。お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」


咲父「どうだった?憧れの宮永照選手は?」

咲「・・・。」

咲父「どうした?」

咲「もう、いいよ。もう帰ろうよおとーさん」

咲父「本当にどうしたんだ?今朝はあんなに楽しみにしてたのに。宮永選手、また優勝したんだろう?」

咲「・・・帰ろうよ、お父さん」ぐすっ

咲父「・・・わかった」

【自宅】

咲「・・・。」ぼーっ

咲父(あのインターハイ以来、まったく宮永選手の話をしなくなった)

咲「お姉ちゃん・・・」ぼそっ

咲父「な、なあ咲!」

咲「なぁに、おとーさん?」

咲父「咲は高校はどこに進学したいんだ?」

咲「えっ?」

咲父「もしお前が望むなら、東京の白糸台だっていいんだぞ?あそこは寮もあるしな!
ああ、自宅から通うなら風越って手もあるな!ここら辺で麻雀をやるならあそこが強いんだろ?」

咲「・・・清澄でいいよ。近いし」

咲父「そう、か」

咲(お姉ちゃんは私の事なんかもうどうでもいいのかな?)

咲(お姉ちゃんは私なんかとは、話しをするのも嫌なのかな?)

咲(もう私と麻雀も打ってくれないのかな?)

咲「・・・お姉ちゃん」ぐすっ

咲「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」

【初夏・清澄高校】

和「・・・。」てくてく

咲(ぅわ、キレーな子。あれで同じ1年生なんだ)


京太郎「咲ー!メンツが足りないんだ!いっしょに麻雀しようぜ!」

咲「・・・私はいいよ。麻雀、あんまり好きじゃないし」

京太郎「そうなのか?」

咲「・・・家族麻雀で、いろいろあったから」

京太郎「??」

ピシャッ!ゴロゴロゴロゴロ
ザァアアアアアアアアア

和「3連続・・・プラマイゼロ!?」

久「あの子がうちに入ってくれたら、全国狙えるかもよ?」

和「・・・!」ダッ

優希「のどちゃん!?」

ザァアアアアアアアア

和「3連続プラマイゼロ、わざとですか?」

咲「私が打つといつもああなっちゃうんです」

和「もう一回!もう一回打ってくれませんか?」

咲「・・・ごめんなさい」

咲「私は麻雀、あんまり好きじゃないんです」

和「・・・私は麻雀が好きです。だからあなたに負けたのがとても悔しい」

和「麻雀が好きでもないあなたに」

和「それに、手ごわい相手はたくさんいますよ・・・全国に!」

咲「・・・。」


【自宅】

和『麻雀が好きでもないあなたに』

咲「・・・。」

咲父「珍しいじゃねーか、卓なんて出して」

咲「あ、お父さんおかえり」

咲父「売っちまうか、それ。もー家族で打つ事もないだろ」

咲(ダメっ!この卓は、お姉ちゃんがうちに来たら必要になるんだから!)

咲「まだとっておこうよ。ねっ?また家族で打つこともきっとあるよ」

咲父「どうだか」

咲「・・・。」

バサッ

咲(雑誌?)

咲父「57ページ!」

咲「?」ペラッ

咲「・・・あっ」

『全国大会覇者 宮永照(17)「今年も優勝を狙います」』

咲「お姉ちゃん・・・」

和『手ごわい相手はたくさんいますよ。全国に!』

咲「全国・・・!」

【麻雀部】

ガチャ

咲「失礼します!」

咲「ここに入れてもらえませんか?」

久「おお!」

和「・・・!」

咲「私、もっと麻雀で勝ちたいんです!」

咲「全国に行くために!」

和「全国?」

咲「私、全国に行かなきゃダメなの」

咲「全国で会わないといけない人がいるの」

和「会いたい人?」

咲「前に会った時には一言も口をきいてくれなかった。きっとまだ私のことを怒ってるんだ」

和「?」

咲「でも麻雀なら」

咲「麻雀を通してならお姉ちゃんと話せる気がする!」

和「・・・!!」ゾクッ

和「お姉さんはインターハイに出てくるの?」

咲「たぶん。優勝候補だって本にも出てた」

久「そういえば、まだあなたの名前も聞いていなかったわね」

咲「私は・・・」

咲「私の名前は、宮永咲」

和「まさか!宮永さんのお姉さんの名前は・・・!」

咲「『照』っていうの」

京太郎「・・・。」

和「聞いたことがあります。去年のインハイ二冠優勝者、宮永照!!」

咲「私、もっと頑張るから」

咲「原村さん一緒に行こう!」

咲「一緒に全国に行こう!!」

和「・・・!」

和「じゃあもう手加減とかしないでくださいね?」ぎゅっ

咲「うんっ!」ぎゅっ


咲「全国・・・」

咲「全国に行けば」

咲「お姉ちゃんに会える・・・!!」

咲『リンシャンカイホー?』

『麻雀の役の名前だよ「山の上で花が咲く」って意味なんだ』

咲『咲く?』

咲『おんなじだ!私の名前と!』

『そうだね、咲』

『高い山の上、そこに花が咲くこともある』

『お前もその花のように、強く』

咲「・・・ようやくわかったよ、お姉ちゃん」

咲「咲くならば、山の頂きの上」

咲「全国の決勝で!」

咲「そういう事なんだよね?」

咲「そこでお姉ちゃんは待っているんだよね?」

咲「待っててねお姉ちゃん。私、すぐに行くから・・・!」

咲「そこにたどり着くまでの障害は・・・全部!」ゴッ!!

咲「倒す!!」

咲「だから、もう少しだけ待っててね」

咲「私だって、早くお姉ちゃんと一緒に麻雀したいんだから!」

咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん・・・」


咲「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん
お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん
お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん
お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」

終わり・・・?

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