幼女「ぷりんにしょうゆをかけたウニあじ」 (17)

デパート
一階ホール・ベンチ


スーツ男「……」スタスタ

スーツ男「ふむ」ピタ


幼女「……」


スーツ男(今日はあの幼女に決めた。可愛らしいブルーのくまさんバックを抱えた娘に決めたぜ)

スーツ男(くくく。さてこの子はどんなプリティなおパンツを履いてらっしゃるのかな…?)

スーツ男(──何を隠そう、俺は泣く子も黙るロリコンである。今日も今日とて…)

スーツ男(デパートへ出向き、親同伴で買い物来た幼女のパンツを隠し撮るのが趣味なのだ)

スーツ男(今日の獲物はチョロいぞ。幼女の隣に座り、カバンを足元に置けば難なく…ククク)

スーツ男(しかしながら不自然さを出さないためにも、さり気なく話しかけて…それから)

スーツ男「──隠し撮りすればおk! いざゆかん!」

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幼女「………」

スーツ男「……」スタスタ

ストン

スーツ男(よし隣に座った。ここまで何も不自然じゃない、全然普通。マジ一般人ってる)

スーツ男(さり気なくカバンを足元において…)ストン

幼女「?」

スーツ男(こっち向いた!? い、いや…ただ単に気になっただけだろ…そうだろ…?)ドキドキ

幼女「…」ジッ

スーツ男(見てる! すっごい見てるよ! あ、ヤバ…どうしよ…バレてる? 搭載されたカメラ、バレちゃってる?)

幼女「…」

スーツ男(くっ…だが諦めんぞ! 久しぶりの獲物なのだから、そう簡単に諦めてはいけぬ…ッ!)

スーツ男(プランBだ。あめ玉取り出して話しかける、近頃の幼女は警戒心が強いなんぞ言ってるが…)

スーツ男(甘いものに弱いってジブリの人も言ってたし、大丈夫、いけるいける…!)

スーツ男(カメラが安定した位置にずれるまで、この苦行を乗り越えてみせる…ッ!)

スーツ男「やぁこんにちわ」ニコリ

スーツ男「今日は一人でデパートに来た───」


「やぁ待たせたなー幼女ー」


スーツ男「……………」

ジャージ男「まさかあんなに並んでるとは思わなくって、あれ?」

スーツ男「……………」ダラダラダラ

ジャージ男「アンタ…」

スーツ男(ヤバイ)

スーツ男(ヤバイヤバイヤバイヤバイ! このタイミングはヤバイ! 完全に話しかけている状態で見られた!)

スーツ男(知らぬ大人が幼女に気さくに話しかけている…それはもう…アウトだ…事案発生だ…!)

ジャージ男「………」

スーツ男(めっちゃ見てるし! こっち不審顔で見てるし! だぁーもうばっか俺のばっかくっそー!!!)

ジャージ男「…」ストン

スーツ男(…!? す、座っただと…!? 幼女の隣に、座るだと…!?)

ジャージ男「ほれ。買ってきてやったぞ、飲みな」

幼女「…」コクリ

スーツ男(ど、どういうことだ…!? ──ま、まさかッッ!? これはまさかッッ!?)

ジャージ男「~♪」

スーツ男(その余裕感…幼女の隣にいながら不自然さを感じさせない…風体…まさか…お父様ですか!?)

スーツ男(幼女のお父様…だと…もう…駄目だ捕まるわ…通報されるわ…)


ジャージ男「……」チラリ

スーツ男「……」ズーン

ジャージ男(やっべー…どうしよ、マジでどうしよう……)ダラダラ


ジャージ男(──お父さん来た感じじゃねこれって!?)


ジャージ男(可愛い幼女居たからジュースおごってかわいがって、お友達になって、それからメル友さんになって…)

ジャージ男(…フォトフォルダ入りしようかなって思ってたのに! ま、まさか…お父さん近くに居たとは…!

幼女「…」ズゴゴゴ

ジャージ(テンパッて買ってきたジュース目の前で渡しちゃったよ!? 飲んじゃってるよ不審者のジュース!)

スーツ「…」ちらり

ジャージ「っ!?」ビクッ

スーツ「ッ!?」ビクゥ

ジャージ(め、めっちゃこっち見てるし…! 不審がってるし…! こ、こわわっ! やべぇ…通報される…!)

スーツ(ぎゃー!? 目があってしまった! もうダメだ人生まっしぐら、既にもう無職だけどさーぁ!?)

ジャージ(どうする…っ…ここに居座り続けるのも首を締めるだけだぜ…ッ…隙を見て逃げ出すか!?)

スーツ(いやいやいや、諦めるな! 未だ助かる手段は残っているはずだ! そう、まずは話しかけるべきだ…!)

ジャージ(いちにのさん、で立ち上がってゴー! よし! 立ち上がってゴー! だ!)

スーツ(まだ一般人風に見せているからこそできる手段…行ける俺はまだ行ける…)ソワソワ

ジャージ(いちにの、さん!)

スーツ「今日はいい天気ですねぇー!?」

ジャージ「っ……!?」ガタタ

スーツ「……!?」

ジャージ(話しかけてきた…だと…!?)

スーツ(立ち上がった!? なんで急に!? うそ…まさか人を呼びに行こうとしたの…!? うそうそ! それだけはやめてください!)

ジャージ(し、しまった! 不自然な体制になっちまってる! 完全に逃げ出す感じ伝わっちゃってる!)

スーツ(ゴァ~ッ…ハッッ…お、押し通すしか無いッ…不審がられても押し通してお話申すしかない…ッ!)ギリリッ

ジャージ(睨んでるよ…!! こっち物凄く睨んでらっしゃるよ! ぐぉ~ッ…ッ)

スーツ「いい、天気、ですよね?」ニゴリ

ジャージ(!? お、お父さんは…絶対にオレをここから逃がさない為に…ッ…あえて話しかけてきている…?!)

スーツ(返事してくれ頼む頼む頼む頼む頼む頼むッ!)

ジャージ(す、既に通報済みの可能性も…あるってわけか……?)

スーツ(お願いしますなんでもしますから神様仏様へるぷみぃー!)

ジャージ「ッ……あ、あはは……そ、そうですねぇ……」ストン

スーツ「!」

ジャージ(──やるしかねぇッ……ここでオレを不審者じゃないと思わせる! 警察が来てもお父さんに間違いだったと思わせるッ!)

スーツ(座って…くださった…? 神様ありがとう! 今度は絶対に就職して社会に貢献しまっす!!)

ジャージ(ッ…お父さんもどこかホッとした表情してやがるぜ…クソ、ここからどう挽回するべきか…ッ)

スーツ(し、しかし勝負はこれからだ…まずはなんとか一般人の気さくな大人を出しつつ、颯爽と去れるか…)

ジャージ(なんでこんな日に限ってボロボロのジャージ着てるかなオレ…これじゃあまるっきし不審者だろ…)

スーツ(かわいいお子さんですね、なんて言えば一般人ぽいかな? うーん…)

ジャージ(それに比べて頭良さそうなスーツ姿だし…うおおっ…どうしよう!?)

幼女「ぷはっ」

スーツ&ジャージ「っ!」ビク

幼女「…きょうはあめだよ」

スーツ「……」

ジャージ「……」


スーツ&ジャージ(そ、そうだった────ッッッ!!!)


スーツ(しょうだほぉん! 雨じゃないですかばっかぁああああああああああんっ!)

ジャージ(めっちゃ雨振ってたじゃん晴れて無いじゃんうわぁああああああああああ!!)

スーツ(なのになのにいい天気ですねってアホか! 俺アホか! 焦ってるのモロバレじゃないですかやだー!)

ジャージ(テキトーな返事したのがモロバレだくそッ………え、待って、まさか、これって……)チラリ

スーツ(どうしようどうしようどうしよう…完全に普通じゃないこと言っちゃった…変人っぽいこと言っちゃった…)

ジャージ(もしかして…この人はオレのことを試していたのか…? 雨なのに、いい天気ですね。とあえて聞くことによって…)

スーツ(これじゃあ颯爽とされない…挽回しないとなんとか挽回しないと…ッ)

ジャージ(──オレの頭のレベルを図っていた…? 日常会話を行えるレベルなのかどうか、探っていた…?)

スーツ「い、いやー」

ジャージ「っ…!?」

スーツ「すみませェん、そういえば雨が振ってましたね…」ニコリ

ジャージ「…………!」

スーツ(と、取り敢えずごまかしに入ってみる…!)

ジャージ(び、ビンゴだ…ッ! あえてここで種明かし、自ら『お前の答えが間違っていたぞ』と告げてきた…完全にオレのことを試していたんだお父さん…)

スーツ(…もうダメ出しぬ心臓が止まりそう)スッ

ジャージ(なっ!? そっと胸ポケットを触って……携帯のバイブを確かめたのか!? ヤバイ、なんとかして疑いを晴らさねえと!)

ジャージ「あー…やっぱこんな日だと、買い物も大変ですよねぇ…?」

スーツ「っ!? あ、はい! そうですよね、気軽に買いたいものも買えないのは辛いですねぇ…」

ジャージ「お、オレもそうなんですよー。晩飯買いに来るだけなのに、手間かかるなって」

スーツ「わ、わかりますわかりますー! 今日は一人用のおでん買いに来たんですけどね~」

ジャージ「一人用!? いやいや! もっと買いましょうよ! 一人だけじゃなくって!」

スーツ「ええっ? それほど食欲無い方なんで…」

ジャージ「そうはいっても育ち盛りですよ!? だめだめ!」

スーツ「育ち盛り…あはは、こう見えて二十後半ですよ」

ジャージ「二十代後半なんですか!? 若すぎません!?」

スーツ「ええ、よく言われます。童顔だとは」

ジャージ「ど、童顔ってレベルじゃないと思うですが…」

スーツ(おおっ? なんだか打ち解けてきた感じか?)

ジャージ(この幼女二十代後半なのかよ…ちょっと興奮してきた…違う違う! ここまではお父さんのブラフも見抜けてる! よ、よし!)

スーツ(いい感じに日常会話できてるし、コレはっ!? もしや切り抜けることも可能であるか!?)

ジャージ(とにかく話をして、この人に不審者じゃないことを認めてもらうしか無い…!)

スーツ「やっぱり…子育ては大変ですよね」

ジャージ「え?ええ…でもオレはそんな経験ないんで…」

スーツ「け、経験がない?」

ジャージ「あ、はい。今まで親に全てめんどうみてもらってた身なんで…」

スーツ「頑張りましょうよ! もっと未来のことを考えて!」

ジャージ「この服だって親が買ってくれたもので…十年ぐらい同じままなんですよ…」

スーツ「買いましょうよ!? いくらなんでも可哀想じゃないですか!」

ジャージ「匂いも結構染み付いてて…」

スーツ(え、匂い? クンクン)

ジャージ「って、あ、あははっ! なんてー嘘ですよー! なわけないじゃないですかー!」

スーツ「ッ!? そ、そうですよねー!? あはっはー!」

ジャージ(やべぇ! 思わず愚痴って不審者ぶりを発揮しちまった!)

スーツ(い、いまいま…っ…俺はお父様にろ、ろろろろろりこんかどうか判別させられていた…!?)

今日はここまで
明日に続きを

ではではノシ

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