著莪「セイッ!」 (58)
ベン・トーの12巻における『シャガガガ』の続きです
勝手に妄想した物の産物ですのであしからずm(_ _)m
原作読んで無いとわからないかと…
キャラ崩壊してるかも…
エロは今のところわからない
書けたら書きます
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著莪「セイッ!」
著莪のその掛け声と共に、僕はベッドに押し倒されて…って、あれ?
著莪「目ぇ、覚めたか?」
目は覚めた
さっきまでの夢と現実の間に居たような感覚は無くなったが…
佐藤「なぁ、著莪」
著莪「何?」
佐藤「何で服着てないんだ?」
著莪「何でってお前…そりゃ、その、昨日の夜お前と、その…」
下を向いてモジモジ答えるという、滅多に見られないだろう著莪の姿を見ながら、僕はだんだんと理解した
著莪「シたからだろう!!」
現実だ、これ
著莪「なんだよ、そんなに夢であって欲しかったのか?」
佐藤「いや、そういう訳じゃ無くて、夢だと確信してたから、現実であることを脳が理解するのに時間がかかったと言うか…」
著莪「もう…いいよ、とりあえずお風呂にお湯貯めてくるから」
そう言って僕の上から降りて、著莪は風呂場へ向かって行こうとして…
その場にへたり込んだ
佐藤「大丈夫か!?」
著莪「だ、大丈夫!いや、立てないけど、足挫いたとかじゃ無くて…」
そこまで言われて、流石に僕も気づいた
…足腰立たなくなってるんだろう
争奪戦によって、筋力はお互い鍛えられているが、それとこれとはまた別の話だ
佐藤「…僕がやってくるよ
ベッドに座るか横になるかしとけって」
著莪「…ありがとう」
著莪をベッドに座らせ、風呂場へ向かう
その道中あいつが足腰立たなくなった原因を思い出し…僕の肉体の一部の高度と硬度が増した
いやー、我ながら大したものだと思うね!
数日間ポゥ!していなかったとはいえ、昨晩あれほど凶悪に使用したというのに、まだ立ち上がる元気があるとは…
しかもその、なんだ、従兄弟とはいえ、人の家の中で全裸のままズキューン!しながら歩き回るというのは、ある種の爽快感すら感じる
しかし、著莪を待たせている手前、お風呂を沸かしに行かねばなるまいなどと考えていると、風呂場に到着
取手をひねり、湯を出し、此奴を鎮めてから(ポゥ!したわけでは無い)部屋へ戻ると、…めちゃくちゃ悶えていた
まぁ、僕と同じく思い出していたんだろう…
そうそう割り切れるものでも無いし
佐藤「著莪…」
声をかけると、ビクッ!と震えたあと、こちらを向くことなく布団の中に潜って行った
…ヤバイなぁ~、もうそんな姿まで可愛くて仕方ない
すみません
寝てました
続き投下します
引っ張り出そうとすると絶対抵抗されると思ったので、布団の上から抱きしめてやった
「わぷっ」などと声がしたが、気にしない
佐藤「なぁ…」
著莪「なに?」
佐藤「愛してる」
見えないが、おそらく顔どころか全身真っ赤になっているのだろう
現に、布団を掴んでいる指先は赤くなっている気がする
著莪「お、お前よくそんにゃ…そんなこと素面(シラフ)で…」
佐藤「いや、著莪は現実だと思って言ってくれたのに、僕は夢なんだと思って言ってたから…」
噛んだことには触れない
真剣だと、わかって欲しいから
著莪「………」
佐藤「………」
あ、顔出してくれた
やっぱり、赤い
著莪「もう一回」
佐藤「愛してる」
著莪「もう一回」
佐藤「愛してる」
…………………
……………
………
…
著莪「…………………………………もういい」
言わせる度により赤くなってくもんだから、既に林檎みたいになっている
あと少しの間はシリアスに続けたかったのだが…
そんな姿を見せられたら、もう…たまらない
愛してる、と囁(ささや)いていた僕はどこへやら
気づけば僕の紳士はズキューン!どころか、フルチャージしていた
…やはり、達人クラスになると技を出された瞬間は、いつの間に!?と成るようだが…一瞬にしてここまで硬度(ちから)を跳ね上げるとは…
実戦を経て、達人クラスから超人クラスにまで到達したのかもしれない
これ程存在感があると、著莪が気づかない訳がなく…めっちゃ見られていた
著莪「…ケダモノ」
佐藤「あ、いや、これは…」
著莪「………洋」
瞬間、時が止まった
従兄弟なのに、苗字での呼び合い…思えばあの時から、僕らは互いに意地を貼り続けていたのだろう
それが今、完全に取り除かれたようだった
…なんてこった、僕の目の前にいるのは魔法少女だったのか…
著莪「もう一回」
佐藤「…………愛してる、あやめ」
僕はそう言ってあやめに唇を重ね……
___________
…起きた時はすでに9時半、ジジ様の半値印証時刻すら過ぎていた
いや、間に合ったところで僕もあやめも争奪戦に参加できる状態じゃないけど…
あやめに至っては、ただでさえ腰砕けの状態だったのに、更に酷使した訳だから…
こりゃ、明日も学校休みかな?
著莪「洋…」
何?と返すが、返事が無い
…寝言だったようだ
そんなあやめの髪をなでながら…僕は本当に最高の幸せを感じていた
そして、思い出す
お風呂のお湯を止め忘れていたことを…
取り敢えず、書き溜めていたのはここまでです
続きは需要があるなら書きます
需要があるなら書くと言っておいて、今日はもう無理そうです…
書けても深夜になりそう…すみません
後、途中からsage忘れてました…
これは、sageた方がいいのか、sage無い方がいいのか、どっちなんでしょうか?
書き手本人ならsageなくても全然平気だと思う
むしろ表現規制とかされちゃうかも知れないからメール欄にsagaって入れたほうがいいくらいかな
偉そうに書いたけど間違ってたらごめん
無理せず書けるときに書いたらいい
こまけえこたぁ
vipと違ってそう簡単に落ちないし気長でいい
続き投下しまーす
さて、それから一夜明けた更に次の日、僕は烏田高校の生徒会室まで来ていた。
…いや、連れて来られたと言うのが正しいだろう。
あやめのマンションから烏田まではだいふかかるだろうと早朝から出発したら、かなり早くについてしまい、どうしようかと考えていた所…首筋(くびすじ)に一撃。
気がつけば生徒会室の床に転がされていたという展開である。
初めは高段位桜桃少年団のメンバーによる襲撃かと思ったが、この場所から考えるに…
白梅「おはようございます。」
…やはり白梅様か。
佐藤「あぁ、おはよう白梅。ところで…」
白梅「怒っていいですか?」
佐藤「なんッ!」
バァン!!とまるで銃声のような音を立てた張り手によって、僕は疑問を口にする前に、驚く前に吹き飛ばされた。
佐藤「ぼ、僕が何をしたと言うんだ!?」
白梅「二日も学校を無断欠席しておいて、そのセリフですか?」
…そういえば、学校への連絡を完全に忘れていた。
佐藤「た、確かに学校に連絡するのを忘れてたけど、それと白梅とに何の関係が…」
白梅「私とあなたの仲が良いと思っている担任に、この事に関することを一任されたんですよ。…ただでさえ忙しいこの時期に仕事を増やされ、しかもあなたと仲が良いなどと…怒っていいですよね?これはもう怒るしかありませんよね?」
佐藤「もうすでに一撃叩きこんで…」
ズンッという音と共に、鳩尾(みぞおち)に蹴りがめり込んだ。…爪先で蹴ってくる辺り、本気で殺りにきているのがわかる。
そして唸(うな)る僕をよそに、彼女は淡々と言葉を続けた。
白梅「まぁともかく、任されたからにはキチンとしなければならないので…佐藤君、さっさと起きてこちらの書類に必要事項を記入して下さい。」
…暴力はともかく、今回は全面的に僕が悪い。痛む体を引きずり、書類に目を通して…フリーズ。
佐藤「…白梅。」
白梅「はい?」
佐藤「これって…」
白梅「? 特におかしな所は無いと思うのですが?学年、組、出席番号、名前、そして…」
白梅「あなたがこの二日間何をしていたかを記入して下さい。」
…一昨日はナニをして過ごし、昨日は昨日で…一日中あやめの下僕と化していた。
どうやら二度の行為に渡り、僕が寝ている間いろいろ考えていたらしく、次目を覚ました時には吹っ切れていた。
僕としても、あやめが何時もの調子に戻ってくれるのは嬉しいのだが…
あれが食べたいと言われれば買いに行き、体が痛いと言われればマッサージを施(ほどこ)し…終いには、服が着替えれないと言うあやめの着替えを手伝わされたりした。
まぁ、このくらいでいいなら安い物だと思ってやっていたのだが…それを書かなければいけないとなると…
白梅「どうしました?作業が進まないので早く書いて下さい。」
…馬鹿正直に書く必要も無いかと思い直し、『従兄弟の看病』と簡単に書いた。
即座にそれを奪い取り見て…ため息をつく白梅。
おや?おかしな事は書かなかったと思うのだが…
白梅「佐藤君。」
佐藤「な、何でしょう…」
白梅「この看病というのは、泊まりで?」
佐藤「そ、そうだけど。」
はぁ…とまたため息をつく。
白梅「従兄弟とはいえ男女なのですから、学生である以上その辺をしっかり意識して……」
…はっはーん。さては妬いてるなるんだな、白梅。
佐藤「安心しなよハニー☆僕は君一す…」
吹っ飛んだ。僕が浮翌遊感に襲われている時に聞こえてくる、ゴッシャアという破壊音。
…白梅の奴、音を…置き去りにしやがった。
僕の紳士も超人クラスになっていると自負していたが、彼女の拳に比べるとまだまだだなぁ。
…僕は一体何とナニを比べているのだろうか…
白梅「ふざけないで下さい。それとも、家に連れて行った時のことをまだ引きずっているのですか?あれは父を納得させるためにしょうがなくやったに過ぎません。」
まぁ、いいでしょう…と白梅は続ける。
白梅「今日は特に忙しいですから、早く終わらせましょう。」
そう言って数枚書類を取り出し、何かを書いていく。
佐藤「や、やっぱり生徒会って忙しいんだね…」
白梅「はぁ?何を言ってるんですか?」
白梅「今日は新学期の初めにある学力テストの日でしょう。」
学力テスト。
高校では特に珍しくもなく、難易度も前年の復習程度の物のはずなのだが…春休みの間、白梅の計画に加担したり、茉莉花の看病をしたり、あやめと遊びに行ったりと、勉強のべの字も見えない生活を送っていた僕にとって、中々厳しい物になってしまった。
(後に聞いた話だと、有名な塾の模試を応用して作られていたらしい。)
だが、僕はカンニングという行為を絶対にしない。もちろんそれはやってはいけないことだし、成績にも影響しないこのテストでやる意味が無いのも有るのだが…それだけでは無い。
僕はカンニングによって、地獄へ落ちた者を知っているからだ…
そう、今こそ語ろう。あの伝説に残るであろう『三沢の乱』と双璧をなす、三沢君が起こしたもう一つの革命…『カンニングの変』を!!
すいません、今日はここまでだと思います。
___________
あれは、中学三年の一学期のことだ。
受験について本格的に考えないとなぁと、話し合っていた時、唐突に小口君が言い出したのだ。
そろそろ野辺(のべ)をどうにかしないか?
野辺君は、小口君をずる賢いとするなら、ずるい奴だった。
何せ中学に入ってからのテストで、カンニングしなかったテストの方が少なかった程だ。
そんな彼を今までは、しょうがない奴だ…と放っておいたが、成績が直に内申に響くこの時期に、そのままにしておく訳にはいかなかった。
しかしどうする?確固たる証拠も無しに教師に言うと、逆に俺たちの内申が…などと言いあっていた時、彼は立ち上がった…
そう…革命家、三沢君である!
彼は言った。
三沢「野辺の技術は一流だ。証拠を掴むのは厳しい。…ならば、奴には奴自身の力によって地獄に落ちてもらう!!」
普通の人がこれを聞けば、ただの中二病だと思うだろう…
しかし僕らにとっては彼こそが道標、英雄の一声の如く心酔しきっていた。
しかし、実際何を言っているのかは良く分からない。
彼は続けた。
三沢「この作戦は野辺のカンニングを防止するのでは無い、野辺にカンニングさせる作戦だ!!」
作戦はこのような物だった。
・最初は普通に解きながら解答欄を少しもじった答えで埋める
・その後、出来て安心した素振りを見せながらワザと野辺君に見えやすいようにする
・終了直前にもじった答えを少しずつ元に戻す
作戦だけで言えば何てこと無い、いかにも中学生が考えた物だが…僕らがすごいのはここからだった。
まずは野辺君の隣の席の鶴島君を説得した。ある意味、これが一番の難点だったのだが、鶴島君は快く承諾。…やはり、野辺君の行為は目に余っていたらしい。
その後、一番身長が近い笹山君に最も見えやすい位置を探して貰い、どのようなもじり方がバレにくいかを皆で研究していく徹底ぶりである。
そして、次のテスト。見事野辺君は三沢君の作戦にはまり、悲惨な結果となった。
この作戦が功を成したのか、その後野辺君はカンニングをしなくなったが…元々カンニングで点数を取っていた彼が、普通にしても点数を取れるはずが無く、成績は下がっていった。
…その後彼は、成績が下がった理由を親に咎められたが、もちろんカンニングしてたとは言えず…うん、まさに一人で地獄へ落ちて行った。
しかもこの作戦、カンニングされたくないと思った生徒…というか男子のほとんどが真似し始めたので、クラス全体のカンニング対策になっていった。
この野辺君を地獄へ落とし、のちにクラスのカンニング対策になった作戦を、僕らは『カンニングの変』と呼んだ。
さて、この『カンニングの変』によって地獄へ落とされた野辺君だが、僕の言う地獄へ落ちた者とは彼だけではない。
…言わずと知れた石岡君である。
実は彼、今回の作戦には参加しておらず、後になって野辺君がカンニングをしたと言う、今更過ぎる情報を手に入れたらしい。
そして彼は背徳的行為であるカンニングに興味を持ってしまい…実行してしまったのだ。
だが既に僕らは三沢君のカンニング対策を行っており、とても見やすく、間違った答えしかない答案用紙を彼はガン見していた。
しかし、野辺君程の技術が無い彼が興味にそそられて行ったカンニングは…教師にバレて幕を下ろした。
もちろん内申はガタ落ち、テストも0点になった彼を、僕はこの時ターゲットに決めt…キーンコーンカーンコーン
……チャイム鳴り響く。
あ、あれ?僕が回想(という名の現実逃避)を始めたのは、テストが始まって僅か10分後だったはず…
しかし今、時計はテスト終了時間を指している。
こ、これは、キングクリムゾン……ボスか!?
白梅「佐藤君?早く解答用紙を渡して下さい。」
…後ろから解答用紙を回収している白梅に言われ、僕はようやく現実に直面した。
佐藤「し、白梅!!少しだけ待ってくれ!せめてここの選択問題だけ…」
白梅「ダメです。時間外に記入するのは不正行為です。」
一瞬にして解答用紙を取られ、白梅は次の人の用紙を回収して行く…
『カンニングの変』によって、地獄に落とされた者が増えた瞬間だった…
さて、この『カンニングの変』によって地獄へ落とされた野辺君だが、僕の言う地獄へ落ちた者とは彼だけではない。
…言わずと知れた石岡君である。
実は彼、今回の作戦には参加しておらず、後になって野辺君がカンニングをしたと言う、今更過ぎる情報を手に入れたらしい。
そして彼は背徳的行為であるカンニングに興味を持ってしまい…実行してしまったのだ。
だが既に僕らは三沢君のカンニング対策を行っており、とても見やすく、間違った答えしかない答案用紙を彼はガン見していた。
しかし、野辺君程の技術が無い彼が興味にそそられて行ったカンニングは…教師にバレて幕を下ろした。
もちろん内申はガタ落ち、テストも0点になった彼を、僕はこの時ターゲットに決めt…キーンコーンカーンコーン
……チャイム鳴り響く。
あ、あれ?僕が回想(という名の現実逃避)を始めたのは、テストが始まって僅か10分後だったはず…
しかし今、時計はテスト終了時間を指している。
こ、これは、キングクリムゾン……ボスか!?
白梅「佐藤君?早く解答用紙を渡して下さい。」
…後ろから解答用紙を回収している白梅に言われ、僕はようやく現実に直面した。
佐藤「し、白梅!!少しだけ待ってくれ!せめてここの選択問題だけ…」
白梅「ダメです。時間外に記入するのは不正行為です。」
一瞬にして解答用紙を取られ、白梅は次の人の用紙を回収して行く…
『カンニングの変』によって、地獄に落とされた者が増えた瞬間だった…
連投すみません~_~;
今日はここまでです
また ノシ
駄文、不定期更新、遅筆の三拍子揃った>>1です。
ほんともう、ふざけてるのかと思います。
自分で書き出すと、世の中の作家の人達の凄さが分かりますわ(^_^;)
数日ぶりですが投下します(・Д・)ノ
悲惨なテストが終わり、午前中で学校が終わったのだが…
一日学校があると思って来ていたので、この後の予定が何も無い。
となると、やはりあの場所しか無いな。
僕は鞄を手に取り、部室棟へ向かおうとして…足を止めた。
去年までは違うクラスだったので意識した事は無かったが、一応同じ同好会の一員として声をかけた方がいいだろう。
佐藤「おーい、白粉。」
白粉「は、はい!何でしょうか!?」
すぐに返事が返ってきた。
そう、二年になった時のクラス替えで、僕と白粉は同じクラスになっていたのだ!
だからと言って特別変化がある訳では無いんだけどね…
佐藤「いや、今から部室に行こうと思ってるんだけど、お前はどうする?」
白粉「あ、はい。私も行きます。」
片付けをする白粉を待ち、他愛もない話をしながら部室へ向かう。
…前言撤回。同じ教室から一緒に部室に向かうというのは、違うクラスだった頃には無かったことで…なんだが新鮮で楽しい。
やはり、些細な事だが何かしら変化はあるようだ。
すっかり慣れた部室棟の階段を登りきり、部室の鍵を開ける。
…掛かってしまった。どうやら先輩が先に来ていたらしい。
鍵を開け直し入ると、先輩が居た。
いや、居るには居るのだが、机に突っ伏して眠っていた。珍しい事もあるもんだなぁ、と思いつつ白粉と共に忍び足で移動し座る。
僕はしょうがないのでソリティアを、白粉はパソコンを取り出す…と思いきや、本を取り出し読み始めた。
佐藤「白粉、小説の方はいいのか?」
白粉「小説……あ、『筋肉刑事』ですか…」
僕の問いに対し寂しげに、しかし満足そうに答える白粉。
なんだ?やけにしおらしいな…
白粉「実は、『筋肉刑事』は完結したんです。」
なん…だと…!!
奴の腐のエネルギーの象徴とも言えるアレが完結したと言うのか!しかもそれにエネルギーを使い切り、今は唯(ただ)の奥手の少女になっていると見ていいだろう。
で、ではなにか!?僕はこれから下半身を狙われる事も、背筋が凍るような視線で眺められる事も無くなると言うのか!
佐藤「あぁ、おめでとう!いや、お疲れ様!白r…」
白粉「で!第二部なんですよ!!」
…いつの間にジョジョの話が始まったのだろうか?
まぁ、僕としてはやはりドラゴンボールで言うところの『かめはめ波』、全少年の憧れである『スタンド』が導入され始める第三部が素晴らしいと……
白粉「第一部のラストにて遂に完全な攻めのやり方を習得したサイトウ刑事!そして、第二部からはガントウが自分にしてくれたように、あぅ!、サイトウ刑事が次世代へのバトンを渡して行く話にシフトして行くんです!あぅ!
タイトルは『筋肉刑事 New Generation』彼らの行為は決して次世代を産むことをは無いのですが、あぅ!これがちょっとした皮肉としてかかっていましてね…更にガントウが自分にしてくれたようにバトンを渡す、つまりこれはサトウ刑事の肉バト…ふぐぅふぐぅ~!」
佐藤「もういい…黙れ…」
使い切ったどころか、むしろ溜めていたエネルギーを爆発させるように喋り始めた白粉の口を塞ぐ。
佐藤「で?その執筆はしなくていいのか?」
白粉「あぁ、はい。この本は私の友人が書いた本でして、少し英気(えいき)を養おうと…」
やはりこいつは危険だ。しかも今は同じクラスに居ると言うのだから…前言撤回を撤回せねばならないかもしれない。
槍水「んんっ、ふぁ~あ。あ、佐藤、白粉来てたのか。」
そうこうしてる内に、先輩を起こしてしまった。騒ぎ過ぎたな…
佐藤「すいません、先輩…起こしてしまって。」
槍水「気にするな。部室で寝てばかりも居られないしな。」
うーん…ここはお言葉に甘えるべきであろう。
槍水「でだ、佐藤。ここ数日の無断欠席についてだが…」
……やはりここでもそのことは問題視されるか…
だが、今回の相手は白梅ではなく先輩だ。嘘だろうが理由を言えば咎められないだろう。
佐藤「先輩、そのことなんですが…」
槍水「言わなくていい。私は分かっているぞ、佐藤。」
その言葉を聞いて、ドキッとした。
まさかあやめとの関係がすでに…いや、付き合っていないと断言したのは先輩だし、今は仲の良い先輩後輩の関係で落ち着いている。後ろめたくは無いはずだが…
槍水「今日のテストの為に勉強していたのだろう!」
…一瞬頭の中が真っ白になった後、ものすごい安心感に襲われる。
だよなぁ、先輩だもんなぁ。
勝手に勘違いしてくれているので、そのまま騙し通すことに決めた。
佐藤「は、はい。そうです。その通りで…」
槍水「では、今回は勝負といこう!」
何のこっちゃ、と言いそうになるが、テストの点数で勝負すると言いたいのだろう。よく見ると先輩、寝ていたはずなのに目に隈がある。あの…内申にも成績にも関わらないテストで、そこまで本気出したんですか、先輩…
テスト勉強で休んでいたと言った上に、全力で頑張った先輩のそれを断れる訳が無く…
佐藤「分かりました。今回は勝負と言うことでいきましょう。」
僕がそう答えると、先輩は満足そうに頷いた。まぁ、僕が少々の劣等感に苛(さいな)まれればいいだけだ。
槍水「あ、あと負けた方は相手の言うことを何でも聞くと言うことでいいな?」
え…と息が詰まった。
それは罰ゲームの内容ではなく、もし本当に僕が勉強してきていても、先輩はその罰ゲームを口にしていたからだ。
あの、先輩。それは少々無防備すぎやしませんか…?
白粉「せ、先輩!そ、それはその、佐藤さんに提示するのは、あの、ちょっと危ないって言うか、その…」
槍水「ん?やはりそれ位でないと面白みがないだろう?」
微塵も負ける気が無いのが、自信満々の表情でいる先輩…いや、実際僕の完敗は目に見えてるけどね…
だが、ここで引いたら怪しまれると思い、それも承諾した。
白粉が、佐藤さん!?などと言っていたが…後で説明してやろう。
槍水「ではそういうことだ…ふふふ、覚悟しろよ、佐藤!」
ドヤ顔と共に、今日最高の笑顔になった先輩を見て、やっぱり敵わないな…と心から思ってしまった、僕の負けなのだろう。
もう少し投下出来ると思ったのですが、今日はここまでです…
遅筆ですみませんm(_ _)m
どうも>>1です
ストーリーを考えていたら、あれよあれよと言う間に数日経ってしまい…イメージを文字にするって難しい(汗)
見てる人いないかもしれないけど、投下しま~す
キングクリムゾンとまでは行かないが、時間の流れとは中々早いようで、気づけばだいぶ時間がたっていた。
…ちなみに今まで先輩と将棋やオセロ、チェスをしたのだが…全てにおいて先輩が勝利している。
僕もこの一年間先輩と共に相当やりこんだので、技術は格段に上がっているはずなのだが、むしろ勝率は下がっているように感じる。
…先輩の成長速度は僕を遥かに上回ると言うことか…
スーパーに向かおうと皆で立ち上がった時、先輩が口を開いた。
槍水「ああ、そうだ伝え忘れていたことがあった。お前達、今日はアブラ神の店には行かんぞ。」
いつもならアブラ神の店に行き、そこで負けた者はジジ様の店に行くのが僕らの定番なのだが…何故だろう?
槍水「いや、アブラ神の店に行っても良いのだが、今日は中華を得意にしているスーパーで名物となっている弁当が出る。詳しくは言わんが、残っていれば間違いなく月桂冠となるものだ。」
月桂冠。しかも僕らの知らない弁当なのだから…行かない理由は無くなった。
先輩は続ける。
槍水「ここで伝えたかった事は、弁当のことだけではない。私達は同じ同好会の仲間だが、あの掟を無くした以上スーパーでは敵同士…つまりだ佐藤、白粉。」
今日は覚悟しろよ?
ドスの効いた声でそう言われたが…もうそれで怯む僕らではない。
白粉と同時に返事をした…
望むところです!!
現在、僕らはあの中華を得意にしているスーパーの前まで来ている。
…だが入れないでいた。
梗「鏡ぉぉぉぉぉぉ!!あなた今まで二階堂さんと何処に行ってましたの!?学校が終わるなり私に何の連絡も無しに行ってしまわれて…更にはメールで『二階堂さんと二人で行くので、先にスーパーに向かっておいてください。』だなんてぇぇぇ!」
鏡「落ち着いて下さい。二階堂さんと出かけることは、昨日伝えたはずで…」
梗「私がどれだけ寂しい想いをしたと!!ここに来るまでに、何度も何度も自分で自分を慰めて…」
鏡「姉さん、それはアウトです。スーパーの前まで来たのに、帰らなければいけなくなります。」
梗「第一、こんな夜まで2人っきりでいたなんて…鏡はすでに大人の階段を昇って…」
鏡「姉さん!!」
二階堂「……落ち着け、梗。俺達はお前が思っているような事はしていない。」ハァ
梗「それ以上の事をしたんですねぇぇぇぇぇぇ!!」
二階堂「バッ!違う!!」
…相変わらず、見事にカオスな空間を作り出している。
とりあえず、あれだ。二階堂の奴、鏡と上手くやれているようでよかった。
だがこのままでは店に入れない上に、隣にいる先輩が目に見えてイラついているのが分かる。
…僕も参戦するしかあるまい。
佐藤「…梗、久しぶり。」
梗「さ、佐藤さん!」
意識がこちらに向いたことで、二階堂と鏡に対する言葉は止まった。それと同時に鏡が安心しきった顔をし、二階堂はよくやった。と視線で送ってくる。
…今回は相当厳しかったようだ。
梗「お久しぶりですわ。最近はこちらのスーパーに来ていたのですが、お会い出来なかったみたいで…」
佐藤「ああ、うん。ここ数日争奪戦自体に参加してなかったから。」
梗「あら…そうでしたの。是非あの夢を実現、更にはその先まで行こうと思ってましたのに…」
佐藤「?」
鏡「佐藤さん、気にしないで下さい。」
よくわからないことを言われたが、
通常の状態に戻ってくれたのでよしとしよう。
槍水「佐藤、早く入るぞ。もう時間は迫っている。」
先輩にそう言われ時計を見ると、確かにこの店の半値印証時刻が近づいている。思ったより足を取られしまった。
先輩に続き僕と白粉、沢桔姉妹、二階堂も入店する。
…後ろで梗がまた何か言っていたが、気にしないでおこう。
野菜、惣菜を見て回り、弁当のコーナーにたどり着いたとき、僕は足を止めそうになった。
いつもなら目を奪われる『豚の角煮弁当』や『四川風エビチリ弁当』も鎮座しているのだが、僕…いや、僕だけじゃない、白粉や沢桔姉妹も見入っていた。
この『旬の餃子弁当 810円』に!!
副菜にもやしと豚肉を炒めたものや、ミニシュウマイ、マカロニサラダがあるものの、所詮貴様らは脇役…と言わんばかりに、弁当の面積の殆どを大人の拳二つはあろう巨大な餃子が支配している。
こ、これが例の弁当か!!
僕の驚愕する表情を先輩は満足そうに見つめ、二階堂は早く行けと睨んでくる。
本当に立ち止まってはいけないと自分に言い聞かせ、その場を去る。
…しかし驚いた。大食いの世界でしか見ないような餃子を、目の当たりにする日が来ようとは…
ホットケーキの素を手に取りながら、僕は考える。
だが、何故旬?餃子が春の定番になっているとは考えにくい。副菜も旬とは言えないものだ。
となると、餃子の中身に秘密があるのだろう。
そんなことを考えていると、また誰かが入店してきた。
…すでに店内には10を超える気配があると言うのに…
今宵残されている神の恵みは六つ。『豚の角煮弁当』が一つ、『四川風エビチリ弁当』が二つ、『チキンカレー弁当』が一つ、そして『旬の餃子弁当』が二つだ。相当厳しい戦いになるだろう。
その気配は弁当コーナーで一瞬止まりそうになるが、その後は真っ直ぐこちらに向かってくる。
ってか、この気配は…
視線をそちらに向けた瞬間、金色が視界を支配し、腹部と胸部に衝撃が走る。
著莪「オッス!洋!」
…やっぱりお前だったか、あやめ。
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