城ヶ崎「永沢、あなたのこと好きなんだけど」(10)

永沢「いきなり何を言い出すんだ、君は」

永沢「冗談も休み休み言えよ」

城ヶ崎「本気で永沢のこと好きなのよ!」

永沢「……」

永沢「へー、そうかい」

永沢「僕は嫌いだけどね」

城ヶ崎「な、なんでよ!?」

永沢「フン、言わなきゃわからないのかい」

永沢「クラスの中でも君は何かとお高くとまって不愉快なんだ」

永沢「それに僕は君なんかよりもっと美人な女子が好みなのさ」

城ヶ崎「そんな……」

永沢「それじゃあな」

永沢「待たせたね、藤木君」

永沢「さあ、帰るか」

藤木「遅かったね。何があったんだい?」

永沢「ちょっと、城ヶ崎に呼び出されてな」

藤木「えぇっ。城ヶ崎さんに!?」

藤木「どうして城ヶ崎さんが?」

藤木「一体、何の用件で呼び出されたんだい?」

藤木「二人でどんな話をしたんだい?」

永沢「うるさいなあ。いっぺんに聞くなよ」

藤木「ご、ごめんよ」

永沢「ただ城ヶ崎に好きだって言われただけだよ」

藤木「な、永沢君。それって告白じゃないか!」

藤木「それで、君は当然城ヶ崎さんの告白を受け入れたんだよね」

永沢「なんでそうなるんだよ」

藤木「えっ」

永沢「僕は嫌いだって伝えてそのまま戻ってきたよ」

藤木「断ったのかい!?」

永沢「ああ。受け入れる理由がなかったしな」

藤木「そ、そうかなあ……」

藤木(永沢君は変わってるな)

藤木(僕はクラスの女子では笹山さんが一番好みだけど)

藤木(城ヶ崎さんほどの美人に好きだって言われれば)

藤木(僕だったら即オーケーするのに)

永沢「何、ブツブツ言ってるんだよ。気持ち悪いな。早く帰ろうぜ」

藤木「あ、うん」

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