上条「アンチスキルだ!」美琴「ジャッジメントよ!」(881)

頑張ります。

SSはよく書きますがこう言った形で書くのは初めてなので
至らぬところが多々あるかと思います
完結させて徐々にうpさせたかったのですが
8割くらい書いたところでHDDが吹っ飛んだため書きながらあげることにしました
遅筆です
完結はさせます
上琴になるつもりです
性的描写入るかもです

よろしくお願いします。

12月学園都市

学園都市第七学区に存在する「窓のないビル」
培養液が満たされたビーカーに逆さまに浮かぶのは学園都市統括理事長アレイスター・クロウリー。

「その格好はどうかと思うが…」

彼の眼前にはアロハシャツの上から学生服を羽織る男、土御門元春。

「年中培養機に詰まって衣替えしないアンタには言われたくないぜい」

土御門はサングラス越しにアレイスターを睨む。

「…忙しいんだ、手短にしろ」

「仕事だ、手筈はもう整っている」

土御門は舌打ちをして、顔を歪める。

「またか…お前も懲りない奴だな」

アレイスターが視線で何かを促す。
土御門が視線の先を見ると束ねられた書類が目に入った。
やれやれといった様子で書類を手に取り、それから何も言うことなく去っていった。

一人になったアレイスターは、培養機の中で静かに笑う。




「さて、今回は…どう動いてくれる?」



とある高校の職員室。

この学校の教師である黄泉川愛穂は椅子に腰掛けながら終業のチャイムを待っていた。
今はちょうど6限の途中。他の教師は授業のため全て出払っていたが、自身の授業が無いので、コーヒーを飲みながらぼんやりと考えごとをしていた。
考えているのはここ最近学園都市と騒がせているある事件。
警備員でもある彼女は最近その事件に引っ張りだこだった。

「能力の暴走…か…私にはわからないことじゃんよ」

と、そこへ一通の電話が掛かってくる。
電子音を鳴らす電話へ手を伸ばし受話器を取る。

「はい、こちら…」

学校名を告げようとしたところで止まる。


聞こえてきたのはビープ音、FAXを知らせる音だった。

「ったく…メールですればいい物を、資源の無駄じゃん」

そう言いながら黄泉川は送られてきた書類に目を通す。
送られてきたのはどうやら警備員関連の書類らしく、紙に小さな警備員の紋章がある。

「──え…」

驚きで時が止まった。手に持っていたマグカップを落としそうになる。
何かの見間違いだ、ともう一度ゆっくりと読みなおす。
しばらくして黄泉川は書類を机の上に置き

「ふ…ざけんな」

ガタン。と黄泉川は書類の上から机を力任せに殴った。



終業チャイムと共に伸びをするのは不幸少年こと上条当麻だ。

「ふぁ~~」

伸びをしながら本日これからの予定を考える。
夕飯の買出し、帰宅、夕飯。

(自由の身になってもやる事は変わらないか…)

自由の身…というのも、上条家の居候シスターインデックスは、昨日イギリスへ帰国したためである。
年末に大掃除を行うのはどの国でもお馴染みの習慣らしく、インデックスはイギリス清教内の大掃除の手伝いとやらに駆り出される羽目になった。

人手不足、というのが表向きの理由だが、
結局は彼女の絶対記憶能力が目的なのだろう、とステイルはつまらなさそうに言っていた。


魔術的な意味を持って配置させた物を掃除するために動かした後、それを元に戻す時少しズレが生じただけでもよろしくないのだとか。
そこで役に立つのが彼女の絶対記憶能力。
そして何しろ大きな組織だけあって大掃除にも1ヶ月といった時間が掛かるらしく、
それに合わせてインデックスも回収された。

あまり詳しいことはわからないし、裏の思惑も無いように感じられた上条はインデックスをすんなりと渡すことにした。

『まぁ僕が着いている限り、この子の心配をする必要は無いよ』

空港では何やらステイルが嬉しそうだったのを思い出すと、上条の背中に冷たい物が走った。
そして今日に至る。


短いですが、本日はこれまでで

期待^^


よし期待しておく

タイトルのシチュエーションが想像つかないな
期待してます

期待しているよ!

上琴マイスターの皆さんがアップを始めたようです

未来編かと思ったが時間軸は大して移動してないのか
期待

とりあえず乙~
続き待ってます!

スレタイからてっきり上条(26)美琴(14)みたいな設定かと思った

上条さん教師になれんのかしらってのがスレタイのファーストインプレッション

24,22くらいかと思った

>>1です
皆さんの期待を裏切る(?)ようで申し訳ないです
あまり意識はしてませんが
時系列ではまだ22巻後の12月のつもりです
第三次世界大戦が終わって一月でこうなるとはどうも考えにくいですが
なんとか脳内補完して頂けたらと思います
基本平和です

続きを少し投下

お、wwktk!


終礼までの時間雑誌でも読もうと、今朝購入した雑誌のページを適当に捲ったところで。

「にゃ~カミやん。今日この後どうするんだにゃ~」

ボーっとしていたところを背後から土御門に手を回され、軽いヘッドロック状態となる。

「いっつもカミやんは用事がある言うて帰る割には女の子とドキドキイベント満喫してるみたいやからなー今日は逃がさんでー!」

青髪が手をワキワキしながら迫ってくる。

「そんなわけねーだろ!大体俺だっていつもいつも不幸事に巻き込まれたくて巻き込まれてるんじゃねー!」

「ふーん…だそうですよ土御門サン!」

「そうらしいですにゃー」

ニヤニヤとしている二人を見て嫌な予感しかしない上条。

「あの…一つ聞きますが。なにを根拠にそのような不敵な笑みを浮かべてるんでせうか?」

二人は顔を見合わせた後、視線を下に落とす。
その先には先ほど上条が開いた雑誌がある。問題はその記事だった。


『能力者がまた暴走!一般学生にも負傷者!』

ここ最近噂になっているニュースだ。
ニュース番組をあまり見ない上条に詳しい事はあまりわからないが、どうも能力者の能力が暴走しその周囲の人間に危害を加えているとかいう。
無能力者であり、仮に能力者が近くで暴走しても幻想殺しの宿る右手がある自分にはあまり関係の無いニュースだった。

「にゃーどうせカミやんは暴走した能力者を助けだそうとか思ってるんじゃないのかにゃー?」

「なんやて!?それでその可愛い能力者を救った後、カミやん色に染めていくってわけやな?わかったで!なんて極悪非道なやつや!」

「助けるとして、何でその能力者が可愛い設定なんだよ!」

と、見事な突っ込みを入れたつもりだったが。

「にゃー!とりあえず助けるつもりだったんだにゃー」

違ったように解釈されたらしい。

別の言い訳を考えようとするが暴走した二人は言っても聞かない。
こうなると小姑のごとく、言うこと言うことに突っ込んでくる。

「不幸だー!」

やはり自由の身になっても変わることは何も無かった。
両手をワキワキさせながら迫る青髪を前に上条は初めからロックされたままの土御門の腕の中でジタバタと暴れる。

クラスの連中は連中で
「いつものことだ。平和だー!」
と言わんばかりに遠巻きに見ている。

頼れるはずの吹寄も姫神と会話していて知らないふり。
やはり自分は不幸だ。いつも通りだ。平和だ。

などと諦めかけたところで。




「はーい終礼を始めますよー」



その時上条にとっては、教室へ入ってきた担任、月詠小萌が本当に天使のように思えた。
そしてその天使は上条たち一行を見るなり、少しムっとした顔をして歩いて来る。
よかった。と上条は心の底から思った。
これから自分を含めて小言をグチグチと言われるのはいただけないが、この状況を打開できる唯一の手だった。


しかし、

「上条ちゃーん。さっき黄泉川せんせーが何やら怖い顔で上条ちゃんのこと呼んでましたよー何か悪いことでもしたんですか?
せんせーも黄泉川せんせーとは長い付き合いですがあそこまで怖い顔は見たことが無いのです」

え、という上条の反応よりも先にバカ二人が反応する。

「にゃー!なんという、黄泉川先生言うたらあの爆乳美人教師だにゃー!カミやん、今回は一体どこでフラグを立てんだにゃー!」

「ホンマやで!きっちり話してもらおか!」

遂に攻撃体勢に移る二人。

「だー!不幸だー!」

やはり自由になっても何も変わらなかった。


ここまでです。
少し書き溜めをしていますが、順調に無くなっていくことに冷や汗を書きつつ
支援してくれる方に感謝して書いていきます

上条「スキルアウトだ!」に見えた

北井

黄泉川「炊飯器以外にご飯つくれじゃん」
上条 「」

また楽しみな新スレが建ったようだ
続き待ってます

乙&期待

>>26
最強のアンチスキルだなwwww

最強のスキルアウトじゃね?
てか風紀委員に対して相性が良すぎるw

>>26
俺も一瞬誤解したww

なんにせよ期待

禁書板でグレてスキルアウトになった上条さんと、堕ちずに風紀委員になった一方さんネタがあったな
とりあえず期待してwwktk

続き超期待です

>>1です

>>26
スキルアウトのトップ辺りに立ってる上条が
ジャッジメントととして来た美琴をねじ伏せる
直後スキルアウトの下っ端集団に
美琴が腹いせされそうになるけど
トップの上条による一喝で美琴救う
まで思いつきました
でも他のスキルアウトには電撃喰らうから腹いせのくだりは難しいですかね
誰か頑張ってください

本日も短いですが投下していきます


職員室


「だからっ!わけがわからないじゃん!」

放課後の職員室で携帯に向かって怒鳴り声を上げるのは黄泉川愛穂。
電話の相手はさっきFAXを送ってきた彼女も所属する警備員の支部である。

「どう考えてもおかしいじゃん!上条当麻は学生、それがなんで…」

支部のほうからは上の決定としか言われなかった。
黄泉川自身も抗議の電話を入れているが、支部のほうでもその「上」に相当抗議したはずだ。
抗議もしないような腐った支部ではないのは、所属する黄泉川自身が一番わかっている。
わかってはいるが…


「…」

黄泉川は少し黙りこみ、冷静に考える。

「わかった…ただこの件は、私に任せてもらうじゃんよ」

相手の返事も待たず、黄泉川は電話を切った。
溜め息を付き、両手で頭を掻く。

「あ、あのー」

その時後ろから少し怯えたような声が掛かった。


バカ二人から逃げ出した上条は、
職員室で電話に怒鳴り散らす黄泉川愛穂に恐る恐る声を掛けて、
素晴らしい睨みを受けた後、校長室へ連れられた。

(いやいやいや…校長室しつってもうどう考えてもヤバい話しかしないでしょう…
遂に留年…出席日数がやっぱりアウトだったのか!?くそう…不幸だ)

きっと豪華であろうソファーに座らされ、目の前にはジャージ教師黄泉川と名前の知らない校長が座っていた。

(あーでもゴリラじゃないだけマシだよなぁ…あのゴリラならひと通り話が終わったら鉄拳喰らわされそうだし)

いろいろ考える暇があるのは、黄泉川と校長が何やらヒソヒソと話しているからだ。
それほど自分の留年が急な話だったのだろうかと考えていると。

「上条当麻!」
「はっ…はい」

突然黄泉川に声をかけられ肩を大きく震わせる。


突然黄泉川に声をかけられ肩を大きく震わせる。
と、黄泉川のほうは上条の名前を口に出したきり、何やらうんうんと考え込んでいる。

「あ、あのー」

しびれを切らせた上条から逆に声をかける。
しかし黄泉川は黙り込んだまま。


微妙な空気が流れる校長室。


校長は窓の外を見たままで「今日も部活動が盛んですな」とでも思っていそうだ。


「あー!もう!」

黄泉川が頭をぐしゃぐしゃと掻きながら叫ぶ。
上条は全く以て意味がわからない。
そこまで留年決定者に留年を告げるのが苦な仕事なのだろうか。

「上条当麻!今から言うこと、よく聞くじゃんよ!」

ようやく話が始まるのか、と上条は背筋を今一度伸ばす。

「先に言っておくけど、これは十分拒否可能!少しでも嫌だと思ったら嫌って言うじゃん!わ か っ た ?」

あまりの気迫に上条が小さく「はい」と返事をすると、

バン!

と机の上に何やら書類を突き付けられる。
見るのが恐ろしかった上条は突き付けられた瞬間閉じていた目を、恐る恐る開いていく。
と、そこにあったのは。


以上です。
やっぱり短い、ですね
申し訳ないです
少しずつペースを上げていければ
と思っています
たくさんの支援、期待とても励みになります
ありがとうございます

ここで止めるとかもォォォォおォォォォ

どーなってンですかァァァァァァァァァァァァァァ!?

引きが上手すぎて辛い

乙です!


>>1です。
こんばんわ



「任命状…?」


まず目に入ったのは大きく書かれた文字。
それをそのままを口に出す。
理解できず尋ねたつもりだが、黄泉川は腕を組みながら目を閉じている。
訳の分からない上条は、仕方なく読み進める。

「ここ最近学園都市内で多発している能力者暴走事件について以下の者を臨時のアンチスキルとして任命する。上条当麻。え…」

何かの冗談かと思ったが、書類の最後に書いてあった「学園都市警備員総本部」という文字とその判子は本物の証拠だろう。

「近頃騒がせてる事件は知ってんじゃんよ」

黄泉川がようやく口を開いた。

「近頃の…事件?」


「ニュースでよくやってるじゃん。能力者が暴走して周りに危害が及ぶっていう」

「あぁ…そういえば」

さっきの雑誌にも載っていた事件だ。

「確かに現状、アンチスキルでも抑えきれてないじゃん。それで何を血迷ったのか、上はアンタに助けを求めることにしたらしいじゃん」

「俺に…」

ちらりと、上条は自分の右手を見る。
どんな異能も打ち壊す、幻想殺しが宿った右手。
学園都市上層部が指示を出したのはその情報を知っているためだろうか。


「で、どうするじゃん?」

「え…」

あまりに急な話だったので、心の整理がうまくできない。

「悩んでるのか?それならやめるじゃん。アンチスキルは危険な仕事、そもそも学生に押し付けるって考え自体間違ってるじゃん」

「いや、そのー」

きっとこの黄泉川はこの話には猛反対なのだろう、一度ゆっくりと考えてから…とはいかないようだ。
あまり考えることなく、上条は答えを出した。




「やらせてください」



上条の答えに黄泉川は大きく目を見開く。

「なっ!何言ってるじゃん、アンチスキルの仕事は遊びじゃ無いじゃんよ!この事件だって、実際にアンチスキルが何人もやられてる。ウチの隊の奴もだ。アンタに例外なんて無いじゃんよ!」

「わかっています。でも、こうやって……
アンチスキルの上層部から必要とされているのに、断って、そのせいでアンチスキルの人や一般人が傷ついていくのを傍観していくつもりはありません。
やらせてください」

「ッ…!」


黄泉川は上条の胸倉を掴み、その手とは逆の手に力を込め、上条の頬を殴った。
校長が制止しようとするが、睨みで返す。

転がった上条をもう一度持ち上げ、
ギリギリと歯を鳴らしながら上条を睨む。
対する上条も黄泉川から目を逸らさずに、もう一度言った。



「やらせてください」




「─…」


やがて黄泉川はゆっくりと上条を下ろした。

「わかった…でも、アンタの活動は常に私の監視下で行うじゃん」

「…はい!」

「こうなった以上、アンチスキルでの私の命令は絶対じゃん。逆らったらそれで終わり、さっさと抜けてもらうじゃん」

さっきまでの力強さは無く、黄泉川はふらふらとした足取りで校長室を出て行く。

「あの…俺はこれから…」

上条も承諾したものの、これからどうすればいいのかまったく分からない。
と、既に校長室のドアを開けた黄泉川が囁くように言った。

「この後、そのまま支部に行くじゃん。いろいろ手続きもあるじゃんね、帰る準備ができたら駐車場に来ること。あとこのことは他言無用じゃん」

気を抜くと聞き逃してしまいそうなほど小さな声を聞き、それを頭の中で整理することで上条の頭はすでにパンク状態だった。




「返事は!?」

鬼のような形相で睨まれ、上条は固まった。



「はっ…はい!」

ぎこちない返事を上条がすると、黄泉川はまるでリストラを告げられたサラリーマンのように、校長室から出て行った。
上条もさっきから冷や汗ダラダラな校長に軽く会釈をして校長室を出たが、


「にゃー!」

「うぉわ!土御門!」

出て早々に土御門に捕らえられた。

「はっはーカミやん。校長室に呼ばれて、遂に留年決定かにゃー?この時期に伝えられる奴も珍しいぜよ」

「ちげーよ。ただの呼び出しだった」

「その呼び出しで何を言われたんだにゃー?」

「…」

「あれれー?もしかして留年決定じゃなくて留年予備軍だったのかにゃー?」

「そ、そうだよ。とにかく課題貰ったから、この後上条さんは忙しいんです!」

「そうかいそうかい、なら悪いことしたにゃー」

ぱっ、と今まで拘束していた上条を放す土御門。

「じゃ、その課題とやら…がんばるんだにゃー」

「お、おぅ。じゃぁな」


一瞬、あらゆる方向で活動する土御門にはこの件を話そうかと考えたが、後が怖い。
それに土御門ならもしかしたら既に何かを知っていたのかもしれない。

(とにかく…)

廊下を走りながら上条は今一度、右手を見つめる。



(そうだよ…今まで傍観してたなんて俺らしくなかったじゃないか。
俺が無能力者だからって、幻想殺しがあるからって…
俺の周りには御坂や白井、一方通行みたいに能力者がいる…
それにクラスの奴が被害を受けないなんて保証もない。
そいつらが暴走した時に止められるのは、そいつらを守れるのは…俺の右手じゃないか)



右手を一度ゆっくりと開いてから、力強く握る。


(やってやるぜ…アンチスキル!)




と、熱い決意を胸に教室へ走るが

「廊下を…走るなー!」

「だー!不幸だー!」

早速ゴリラに出鼻を挫かれる臨時警備員、上条当麻だった。



上条が去った校長室前で、土御門は学校では見せない笑みを作っていた。

「ふふん…なるほどにゃー」


以上です。

今回は少し長め
のつもりでしたが、そこまでですね
自分にしては長めのつもりだったので
ごっそりと書き溜めがなくなり焦ってます

次から超電磁砲メンバーにうつります
なおこの作品
超電磁砲の設定も入れていきます
佐天さん出ます

それではまた


殴られた理由がわからん

出来れば止めて欲しいのとやるならやるで覚悟の度合いを測ったんじゃね?
殴られてやっぱり止めますじゃいろんな意味で長持ちしないし

そして乙
続きが気になって眠れん

乙です!

お疲れ様です!

似たような流れで美琴もジャッジメントになるのかな


>>1です。
こんばんわ

短いですが毎日更新を目標に努力します


同日


風紀委員第一七七支部
キーボードのタイプ音だけがリズム良く響く支部内。
と、タイプ音が止まる。

「くぁー白井さんも固法先輩もいないとなると、私だけって劣等感がします」

頭の花を揺らしながら初春飾利は椅子で伸びをする。
今この支部にいる風紀委員は彼女一人である。

風紀委員は…

「私がいるじゃなーい。はい紅茶」

後ろから差し出される紅茶。


ありがとうございます、と返事をしながらサラサラと砂糖を入れていく。

「佐天さんはお客さんです。現に仕事しているわけじゃないですし…」

「それ言われるとちょーっと痛いかなー」

同級生の佐天涙子は困ったように笑う。

「ってか砂糖入れすぎ!」

紅茶にミルクとシュガースティックを5本入れたところで飾利スペシャルの完成だ。

「だいたいジャッジメントオンリーのセキュリティに佐天さんも登録しているんだから、仕事をしてくれても何もバチは当たりませんよ」

ずずずっと溶け残った砂糖に心地良さを感じながら紅茶を味わう。


「私の仕事はねー初春をいじめることだー!」

わー!という掛け声と共に抱き着かれてソファーに倒れこむ。

「これじゃ私の仕事の邪魔ですー!」

と言っても佐天は聞くはずがない。
やれやれと思っていると入り口のドアが開いた。


「あら、初春に佐天さん。お早いことで」

この支部の風紀委員である白井黒子は初春たちの様子を見るなり怪訝な表情を浮かべる。

「あれ、私たちが一番じゃなかったの?」

黒子の後ろから御坂美琴も顔を出した。

「えぇお姉様。初春と佐天さんが既に…」

と、美琴も初春たちの様子を見て微妙な表情をする。
4人が一気に無言となり、居心地の悪い空気が流れる。


「あはは…こんにちは、白井さん、御坂さん。
あ、これはですね、初春が男の人に初めてを捧げるための予行演習で」

「かっ…勝手なことを言わないで下さい!それに今のこの空気を打開できる言い訳じゃないです!」

真っ赤になりながら必死に抗議する初春に、美琴と黒子はいつも通りだなと笑みを浮かべた。



本日は以上です。

この後の展開で
上条が警備員として警邏活動の予定があるのですが
絡ませたいキャラがいましたら書いてください
余裕があればですが拾っていこうと思います

乙、三人目の主人公とその妻期待、愛人はどうでもいい

小出しで1日ソワソワさせる作戦だな…いいぜ乗ってやる!
やっぱ王道ってとこで通行止めコンビや妹達(番外含)が見てみたいな

乙ん。
あんまり出したらグダグダになっちゃうし、無理しない方がいいぜ。

学園都市まで上条を追いかけてきたレッサーさんでお願いします

おもしろい
書きたいように書いてくれ


>>1です。
こんばんわ

ご意見ありがとうございます
二人目三人目の主人公は
元から出すつもりでした
やはり同志はいるもの…
レッサーさん頑張ってみます

本日もお付き合いお願いします


「それにしても…遅いですね、固法先輩」

支部内の机の上には4つのマグカップが湯気を上げていた。
ポツリと呟く初春に対し

「どっかで買い食いでもしてんじゃないのー」

「佐天さんと違って、固法先輩はそんなことしないです」

「うわっ!ぐさっとくるねー」

ソファーに力無くもたれかかる佐天。

「あら、固法先輩今日はジャッジメントとアンチスキルの合同会議に出席されているはずですの、初春は知りませんでした?」

「あれ?そんなこと初めて聞きましたよ」

「何やら近頃騒がれている能力者暴走の件とかで…
緊急でしたから初春には回ってなかったのかもしれませんわね」


「あぁ、たしかにそんな事件あるわね」

美琴がマグカップを置きながら言う。

「なんだっけー?能力者の能力が暴走して周りの人や、それを取り押さえようとしたアンチスキルにも被害が出てるんだっけ?」

「アンチスキルだけではありませんわ、先日の発火能力者の一件ではジャッジメントにまで被害が出ていますの」

黒子は一つ、本当に困ったような溜め息を付いて

「しかも、今回の事件で一番の謎とされているのが、暴走した能力者本人。
まったく意志が無かったということですの」


え、と黒子以外の3人が驚く。

「ちょ…ちょっと待ってよ黒子、そもそも能力の暴走なんでしょ?
暴走なら本人の意志もなにも関係無いんじゃない?」

美琴が3人の心持ちを代弁する。

「えぇ…そうですわね…この事件の場合、
能力の「暴走」ではなく「乗っ取り」と言ったほうがいいかもしれませんわ」

「乗っ取りって…」

「お姉様達もご存知の通り、本来暴走と言うのは本人が無意識のうちに能力を使用してしまうこと、
しかしその暴走も能力者が意識すれば押さえ込めるはずですの」

「なるほど…ね…」

当の美琴も、とある少年の前では「ふにゃー」と能力を暴走させがちだが、
それはほんの気の緩みや焦りのため、しっかりと制御すれば正常に戻る。


「それに…どう考えても暴走では無いような気がするんですの…」

さらに?マークを浮かべる3人。
黒子もどう説明しようかと悩んでいるのか、考え込むが

「言葉で説明するよりも見ていただいたほうが分かりやすいですわ」

未だに?マークを浮かべた初春に声を掛け

「先日の発火能力者暴走の映像、ありますわよね?」

「はい、えっと…」

ソファーから立ちパソコンへ向かう初春。
しばらくタイプやクリックの音が聞こえた後、ありました。という返事。
黒子の返事を待たず初春は動画を再生する。

「見ていただけます?」


美琴と佐天もディスプレイを覗き込む。

そこで再生されているのは、ちょうど発火能力者と警備員が対峙しているところだった。
真っ黒な戦闘服に身を固めシールドを持つ警備員が横一列に並び。
対する能力者は何かに怯えているような表情だった。

再三警告をするも、能力者のほうは応じない。
そして、警備員達が徐々に距離を詰めようとした瞬間。
能力者の炎が彼らを薙ぎ払った。


「ここまで見て、お分かりなられました?」

「うーん…」

3者とも首を傾げるばかりだ。
必死に理解しようと、動画を見続ける。
体勢を立て直す警備員。

それを薙ぎ払う能力者の炎。

「次でお分かりになると思いますわ」

「あ…ジャッジメント」

美琴がディスプレイの一点を指差す。
駆け付けた風紀委員。
拘束しようと能力で応じるが、炎が風紀委員を狙う。


そう、



狙っていた。







以上です。

登場して欲しいキャラは
まだまだ募集しています

また、誤字脱字
設定の誤りなど
少しでもおかしい部分があれば
ご指摘と共に脳内補完、お願いします

それではまた

乙!

オルソラたんお願いします

科学サイドのお話っぽいけど魔術サイドリクエストしてもいいの?
いいなら建宮さんとステイルをお願いしたい。

ならば事件に巻き込まれる的な感じで婚后さんとかお願いします

じゃあ俺はレッサーを希望


>>1です
こんばんわ。

魔術サイドのキャラの需要が多く
少し驚きました
大掃除ということなので学園都市には登場できませんが
イギリス清教では何が起きているかといった
原作でいう「行間」のようなお話になりそうです
申し訳ないです
ただしレッサーさんは学園都市に…


「あ…」

3人がディスプレイから顔を上げる。

「ようやくお分かりになられましたか」

黒子は一つ溜め息を付き、

「そう、能力者はしっかりとアンチスキルやジャッジメントを狙って能力を使っていますの。
これはどう考えても能力の『暴走』とは言い難いですわ」

「でも、どうしてアンチスキルは暴走って言い切るの?」

「そうですよ、ここまで明らかな使い方をするのなら、れっきとした犯罪行為です」

「それが…」

美琴と初春の意見に言いにくそうに目を伏せる黒子。
しばらくして自分も信じ難いというように、ゆっくりと話し始める。

「容疑者である能力者によると…身体が無意識のうちに動いたとかで…自分が誰かに操られているようだと…」


美琴が眉をひそめる。

「どういうことよ!そんな言い訳で済むなら、街中暴れまくる輩で溢れちゃうじゃない」

「落ち着いて下さいまし。もちろん、アンチスキルも最初は相手にしませんでしたわ」

ですが、と黒子は一呼吸おいて。

「初めての事件が起きて以来、立て続けに同じような事件が起きましたわ。徐々に起きる頻度も高くなっていますし…」

うーん、と唸る4人。

「その容疑者の人って本当に悪いことした人じゃないんですか?その…悪い集団みたいなのが暴れて、口裏を合わせてるとか」

自身が無能力者であるがゆえか、佐天が遠慮がちに聞く。

「もちろんその可能性も考えましたが、暴走した能力者の方は至って普通の学生。
前科も無く、中には元ジャッジメントの方もいましたの。
不可解な繋がりもなかったですし…
先入観を持つのはいけませんが、どう考えても突然そのような道に進むとは思えない方ばかりですの…」

解けない謎に、4人がそれぞれ頭の中で考えていた。


あ、とパソコンで調べていた初春がと小さく呟く。

「スキルアウトによる『能力者狩り』も激化しているようです」

「ったく…ここぞとばかりに出てくるわね…」

美琴がやれやれと溜め息をつく。

スキルアウトは無能力者が自分の持てない能力を持つ能力者を妬み、
敵対視しているため、今回の事件はスキルアウトが暴れるのにはちょうど良い口実になる。
そのために、最近の警備員と風紀委員は能力者の暴走事件とスキルアウトの暴走への対処に追われ忙しく、人員不足と言っても過言ではなかった。

しばらくは各々が頭の中で事件を整理していたようで、沈黙が続いたが、
はぁ~と黒子が一つ大きな溜め息を付いて

「それに関しての今日の臨時会議でしたが…
遅いですわねぇ固法先輩。
もしかして本当に買い食いだなんて端ない真似を…」


「するわけないでしょ!」

黒子が言い終わる前に支部のドアが開き、固法美偉が抗議の声と共に入ってきた。

「げ、固法先輩…会議はもう終わったのですか?」

「遅いとか言っときながら、来たらその態度ってどういうことよ」

固法は黒子を呆れたように見ながら、鞄の中から書類を取り出す。

「まったく、これからは年末で冬休みも始まるからただでさえ忙しいのに…」

真面目な固法が珍しく愚痴をこぼしつつ、書類を黒子と初春に手渡す。

「今日の会議の資料よ。
最近起こっている能力者暴走の事件について、アンチスキルから正式な支援要請があったわ」

つまり、と固法は続ける。

「この事件については、ジャッジメントも捜査にあたれるわ」


風紀委員とは、本来学校内の治安維持をメインとした機関であり、都市内での活動は管轄外である。
そのために、初春は度々黒子の活動に対する始末書を書かされるわけだが…

「今回は白井さんのために始末書を書く心配が無いわけですね」

初春が心底安心したように呟く。

「心外ですわね…でも、この事件について公認で捜査ができるようになったのは大きいことですわ」

おもむろに、黒子は初春の後ろへ立つ。
黒子が今にも頭の花へ手を出しそうだったのを、首を振り避けながら初春は言う。

「でも、年末はその年の事件の整理とか、書類の提出とかで冬休みで学校が休みなのにジャッジメントはいろいろ大変なんですよね?
それに加えて今回の支援要請。なんだかとても忙しそうですねー」

「人事のように呟いているあなたには余裕が感じられますわ」

「あぁ、そのことなんだけど…」

固法が思い出したように、別の書類を渡す。

「ジャッジメントの臨時募集?」

書類を見ながら黒子が呟く。


以上です。

禁書のキャラは口調が難しいです
それぞれに特徴があるので会話のみの場面が作り易いですが
違和感無いでしょうか?

今後もよろしくお願いします

乙!


>>1です
こんばんわ。

昨日は上げ忘れたのですが
やはり投下の際は上げたほうがいいでしょうか?


興味をそそられたのか、
今までの風紀委員限定の会話に微妙な居心地だった佐天と美琴も黒子の書類を覗き込む。

「えぇ、さっき初春さんが言ったように、年末ただでさえ忙しい状況なのに今回の支援要請。
さすがにそれではジャッジメントも仕事が多すぎるってことでの措置らしいわ」

「では、一般学生がジャッジメントになるための試験も研修もせずに配属されるってことですの?あまりにも無茶苦茶なことかと…」

「いいえ、誰彼無しにってわけじゃないわよ。大能力者以上で、もちろん本試験までとはいかずとも、試験もあるわ。
今回は急な話だから、初春さんみたいに隠れた能力を持った人が来られないのは心苦しいけど…」

「ま、どうであれ苦渋の決断ですわね…ってお姉様?」

黒子が隣を見ると、美琴が何やら真剣に書類を読んでいる。

「あ…あの、お姉様?」

「私…やってみたい」


黒子の悪い予感が当たった。

いつだったか、美琴が風紀委員に憧れて初春の腕章を使い、一日風紀委員をしたことがあった。
その時は大きな事件も起きず、何も無い退屈な風紀委員の仕事に、風紀委員の大切さを知りながらも飽きてしまった美琴だった。

だが、今回は状況が違う。

風紀委員が捜査を許されるこの事件。
臨時であろうと、風紀委員なら事件の捜査ができるだろう。

むしろ今回の事件をより早く解決するための臨時風紀委員なのかもしれない、だから大能力者以上なのかもしれない…

いつも「で検索して読んでるが200より下だと更新された事に気付きにくいから
100よりしたになったら上げればいいんでない

投下の最初だけageるって人もいるな


「やっぱりですの…」

「あれ?黒子、あんまり食いついてこないのね、私はてっきり反対されると思ってたんだけど」

周りを見れば、全員が黒子へ注目していた。
黒子は溜め息を一つ吐いて

「どのみちお姉様なら風紀委員でなくとも事件には関わってきそうでしたし、わたくしが言ったところで聞かないのはわかりきっていますわ」

それに、と黒子は続ける。

「おおかた、この手の厄介事にはあの殿方も関わるはずだとかお考えでしょう?
そんな下心満載の乙女なお姉様には黒子はかないませんわ~」

黒子が呆れた目で美琴を見る。


なっ、と美琴が顔を真っ赤にしていると。

「白井さんの言ってる殿方ってやっぱりあのツンツン頭の高校生ですか?」

「え、え、初春!誰なのそれ?御坂さんの彼氏?」

途端に初春と佐天が食いついてきた。

「ばっ…バカ!なんで今あの馬鹿のこと考える必要あるのよ」

「あの殿方、いろいろと面倒事に巻き込まれているようですけど、お姉様はいつも置いてきぼりですものね」

「うっ…」

「これに乗じて急接近しちゃおうってことですか!?」

うわぁ…と目をキラキラさせ、乙女モード全開になる初春。

「ち、違うから!初春さんまで…」

「そうでもしないと接近できないなんて…御坂さんって案外奥手なんですね」

「さ、佐天さんまで…!」


必死に否定する美琴だが、周りから見れば顔を真っ赤にしながら否定するあたり、
どんなお約束だよ。
と突っ込みたくなるくらいだ。

(た…確かにアイツなら、この事件もどうせ放っておけなくて首を突っ込んでるんだろうけど…
でもアイツに接近したいからとかじゃなくて、アイツいつも一人で突っ走ってるから…
いやいやいや、そうじゃなくて!
私だって能力者の一人として、学園都市の一人としてやっぱりこんな事件は放っておけないわけで、決してアイツのことを考えたわけじゃなく…
あ、でももしもアイツがこの事件に関わってるなら、やっぱり共同戦線張っちゃったり?
確かに接近できちゃうの?いや、だから決してそういうつもりがあったわけじゃ…)

「あぅあぅ~」

「お姉様、考えていることがダダ漏れですわよ」

「へっ!嘘!今考えてたこと全部嘘だから!」

「冗談ですわよ…そんな聞かれちゃまずいことをお考えでしたの?」

見事に鎌を掛けられた美琴だった。

「と、とにかく、御坂さんが臨時ジャッジメントに立候補するってことでいいのね?」

美琴の焦りように少し驚きながらも、固法は話を仕切り直す。

「はっ…はい!」

「それじゃ、この書類に必要事項をお願い」

いくつかの書類を渡される。
それらには自分の情報を書くものや、規則に対しての誓約書などが何枚もあった。


以上です。

>>98-99
リアルタイムでの返信ありがとうございます
以後参考にさせていただきます

佐天さんがちょっとかわいそうだな
まあ遊びにこれるか

実際ドンパチ前提だと実戦的な人が必要になるからな

乙!
からかわれる美琴可愛い過ぎる…

上条さん「ヲイヲイ、ビリビリ中学生がそんなことすると逆に風紀乱れるだろ」

これは続きが楽しみ


>>1です
こんばんわ。

今日はいつも以上に短いですが
投下していきます


「でも御坂さんが捜査に加わってくれれば百人力ですよねー」

書類を記入していると、佐天がポツリと呟いた。

「本当、私も大能力者だったらなー…なんだか私だけ何もできないって疎外感感じちゃうよ。
今回はさすがにバット一本で何とかできる様子じゃないし…」

佐天が困ったように笑うのを見て

「そんなこと無いです!
佐天さんは…佐天さんは仕事に疲れた私たちを癒してくれる。
仕事を忘れさせてくれる大切な存在です!
私の隣に居てくれるだけで、十分なんです!」

初春が叫ぶように言った。

「初春…」

佐天は自分を必要としてくれる親友に心から感謝し、気を使わせてしまったことを反省した。


そして、

「ありがとー初春!」

飛びつかずにはいられなかった。

「わー!今は必要な時じゃないですー!」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人を見て、美琴は佐天のように
「何かしたくても何もできない」人がいるという事を実感する。


(そっか…)

誓約書へのサインへ力を込める。

(でも、)

頭に浮かぶのは、やはりあの不幸少年。
彼なら「何もできなくても」立ち上がるだろう。

(なら…)

自分だって立ち上がってやろう。
学園都市第三位と鼻を高くするつもりは無い。

誰かを助けたい。

助けたいと思っても何もできない人の気持ちも全部引っ括めて。





(やってやろうじゃないの!ジャッジメント!)




最後の書類にサインをした。

「お願いします」

書類を固法へ提出する。

「確かに受理したわ。
入るための試験は明日からやっているから、いつでも行ってね」

固法から試験場所などを記入してある書類を渡される。

「ま、お姉様なら受けるまでも無いですわ」

「馬鹿言ってんじゃないわよー」

美琴は否定するが、どうやら美琴以外は全員そう思っているようだ。

「これからよろしくね、御坂さん」

「改めましてお願いします」

「頑張ってください!御坂さん」

臨時風紀委員、御坂美琴が誕生しようとしていた。


以上です。

自分が佐天さんの立場なら耐えられないと思います
ですのでしっかりと補完、したつもりです
頑張れ佐天さん

佐天さんよかったね佐天さん
しかし毎度続きが楽しみすぎる

乙~
続き待ってます!

つまり佐天さんはジャッジメントサイドのヒロインということか


いや違うねごめん



亀だが
>>32
kwsk


>>1です
こんにちわ。

昨日は忙しくて来れませんでした
申し訳ないです


車内は居心地の悪い雰囲気に包まれていた。

(……気まずい…)

上条は窓の外を見ながら、何か会話をしようかと考えるが、どう話しかけていいのかまったく分からない。
結局学校を黄泉川の車で出てから、上条は一言も話していなかった。

黄泉川のほうは特に気にした様子もなく、
急停車、急発進無く丁寧で上条にとって(身体的な面で)快適な運転をしていた。

と、気がつけば3車線道路が交差する大きな交差点に来た。
今目の前の信号機は赤だが、前を横切る車は無い。
今までも交差点には何回か止まったが、少ないとはいえいくらかの車が横切っていったはずだった。


だが、この交差点はまったく車が通っていない。
不思議に思い後ろを見ても信号待ちをしている車もなかった。
まるで「人払い」の魔術を使用したようだ。

上条は何か嫌な予感がした。
しかし、黄泉川は何も気にした様子は無く。

「上条、一つ聞かせて欲しいじゃん」

「え?はい」

緊張していたため、声が上ずる。

「アンタ、まさかとは思うけど。
生活費が苦しいとか、遊びたいがために、このアンチスキルをやるつもりじゃないだろうな?」


「え?生活費?遊び?」

上条は全くわけが分からず、間抜けな声をあげる。

「…ったく、その様子で安心したじゃん」

黄泉川は呆れたような、それでも安心したような表情で運転席の横の鞄に手を入れる。
そして取り出してきたのは、さっきの任命状だった。

「月詠先生から聞いてるけどアンタって後先考えず突っ走るバカらしいじゃん?
でも、こういう書類はちゃんと読んだほうが人生得することがあるじゃん」

書類を手渡されて、上条は目を通す。
さっき見た「臨時のアンチスキルとして任命する。上条当麻」の下に、まだ文章が長々と書かれていた。


上条は校長室の時と同じように音読する。

「なお、学生からという特別な形のため、今回は特例としてアンチスキルながらに給与が発生する。
その額はこの文書では書かないが、それ相応のものとする」

「ま、物で吊ろうっていう汚い考えだろうけど、アンタがそんなバカじゃなくてよかったじゃん」

さっきから、後先考えず突っ走るバカだの、物に吊られないバカでよかっただのと言われているが、
いったい自分はどんな人間なのだろうと考えるバカ学生、上条当麻だった。

「ま、冬休みの課題もあって大変だろうじゃん。
そのあたりも踏まえて、お小遣い程度の軽い気持ちで貰っとくといいじゃん」


え、と上条の「果たして自分はバカであるのかないのか」というバカな思考が途切れる。

「や、やっぱり…宿題は免除されないのでせうか?」

「当たり前じゃん?ま、休憩時間とか隙間の時間にやればなんとかなるじゃん。
そのあたり、私が教師としてしっかり指導してやるじゃん」

「ふ、不幸だ…」

がっくりと頭を抱える。
先日の期末考査でさえ散々な結果だった上条は、今でも鞄の中に大量の補習用プリントが入っている。

それに加えて冬休みの宿題だ。
きっと不幸な自分は警備員の仕事に恵まれすぎて、やる暇も無いだろう。
二度目の一年生もそろそろ見えかけている。


実際今日、校長室に呼ばれたのもそれを覚悟してのことだった。

(留年とか親に会わせる顔がありませんよ。そして周りの連中にバカにされまくるんだ…不幸だ…)

「それで、上条当麻」

これからの人生どう生きようかと、本気で悩んでいた上条は、黄泉川に呼ばれ我に帰る。

「さっきアンタ。この道で車が通らないことに違和感を覚えたみたいじゃん?」

「え、えぇ…まぁ…」

そう言っている今も、車が通る気配も無い。

「いい観察力じゃん…ご褒美として、教えてやるじゃん」

黄泉川は運転席の位置を前後へ調整しながら言う。

「この道は一般道じゃないじゃん。
緊急車両用特別道路。つまりアンチスキルや救急の車が通る道」


何だか嫌な予感がした。
今までの不幸体質で養った、第六感が赤信号を灯している。

「こんなこともできるじゃん!」

目の前の信号機が青を示すと同時に、車の後部からタイヤの悲鳴が聞こえ、大きなGが上条の身体を襲う。

「口を閉じてろ、下噛むじゃん」

口の中で上条は色々な意味を込めていつもの言葉を叫んだ。
ビルが立ち並ぶ街を一台のスポーツカーが凄い速度で走り去っていった。


以上です。
>>1多忙のため
明日も来れると言い切れません

次はステイルさん達の登場です
何もしませんが


読みやすいし適度な緊張感が漂う雰囲気がたまらんww


あげ忘れです

下噛むじゃんとか卑猥です!!

>>127大きなG、で別のものを想像してしまった……

>>1

ちょっと早いですが、wikiに収録させて頂きました。
http://www35.atwiki.jp/seisoku-index/pages/13.html
>>1さんがんばってください!


>>1です
こんばんわ。

>>131
>>127
「下噛む」×
「舌噛む」○
です。ご指摘ありがとうございます

>>131
ありがとうございます
多くの名SSと並んでも恥じない作品になるよう努力します


英国 聖ジョージ大聖堂


「はぁ…」

煙草を咥え、煙と共にステイルは溜め息をついた。
溜め息の理由は

「おなかすいた…」

「…」

「おなかすいたって言ってるんだよ!」

服の裾をぐいぐいと引っ張るのは、暴食シスターインデックス。
彼女は霊装を運ぶステイルの後ろを歩きながら

「せっかくお手伝いで来たっていうのに、大したおもてなしもされないまま、すぐに掃除なんて酷いかも」

「君は元々イギリス清教のシスターなんだから、掃除を手伝うのは当然だろう。
それに、さっき昼食を食べたばかりじゃないか」


「もうおやつの時間なんだよ!」

はぁ、とまた溜め息をつく。

しばらく地下通路を歩いていると少し開けた広場へ出た。
あちらこちらに霊装やら書物が置いてあり、それを整理する人員もちらほらといる。

今、ステイル達は地下の霊装保管庫から霊装を運び出しているところだ。
聖ジョージ大聖堂はとある一戦により地下まで崩落しており、復旧作業が行われているが地下はとても使える状態ではない。

しかし、地下保管庫には普段使う霊装から貴重な物まであるので、復旧するまでそのまま…
というわけにはいかない。
そして霊装の中には配置を覚えとかなければならないとか、厄介な物もある。


そんなわけでステイルはインデックスと霊装を運び出しているのだが

「これが運び終わったらおやつにしてほしいかも!」

「はいはい、わかったよ」

途端にインデックスの表情が明るくなる。

「やった!それじゃぁさっさとするんだよ!」

今まで後ろを歩いていたインデックスだが、ステイルの服を引っ張りながら前を走る。
両手に霊装を抱える彼からすれば正直迷惑な話だが、実際は満更でも無いようだった。

「これはここで、その箱はこっちなんだよ!」

霊装を並べる広場に、インデックスの元気な声が響いた。



そんな元気な声の響く広場の一角。


「う~ん」

男たちが何かを考えているのか、難しそうな呻き声を上げていた。

「この服…どう考えても、考案者と俺たちには同じ血が流れていると思うんよな」

建宮斎字は、静かに呟く。

「これはやっぱり、着てもらうしかないんよな」

周りの男たちもうんうんと頷く。
彼らは天草式十字凄教(の男衆)である。
イギリス清教の傘下に入った彼らもまた、例外なくこの大掃除に参加させられていた。

そして今、彼らが円形に立つ中心にあるのは…


「どう見てもメイド服よな」

そう、いつの時代のものか、古ぼけたメイド服があった。
しかもどこかの義妹が着ているような由緒正しきメイド服とは違う。
胸の辺りは大きくひらけていて、付属品では頭の上に着けるわっかのような物がある。

それは…

「これこそ堕天使エロメイドの元祖だったのよな!」

おぉ…と、その場にいる男衆がざわめく。

「でも、どうやって女教皇様に着てもらうんすか?」

男衆の中でも小柄な少年、香焼が尋ねる。

「それを今から考えるんよ。よし、班をわけるぞ」


おぉ!と無駄な団結力を示す男衆を対馬は遠巻きに見ていた。

「ったく…くだらないことで時間を…って五和?」

隣に目線をやると、対馬の隣にいた五和はなにやらモジモジと胸のあたりを見ていた。

「はっ…そうですね!さっさと片付けましょう!」

そそくさと去っていく五和。
対馬は小さく溜め息を付いた後…

「…」

チラリと、
自分の胸に視線を動かした。



「はぁ…」

こちらの一角では金髪碧眼の少女が溜め息をついていた。
彼女の格好は、別に運動をするわけでもないのにラクロスで使うような服を着ている。

「なーんで私たちがこんなことしないといけないかなぁ」

「仕方ないわ、むしろこれくらいで済むのなら安いものでしょ」

銀髪の少女は荷物を抱えながら言う。

彼女たち『新たなる光』のメンバーは、ある年齢詐欺女から

「あれほどの騒ぎを起こしけるのだから、これくらいは手伝いべくものよ」
と、笑顔の威圧を受け今に至っている。


「あんの女狐め…」

「それよりフロリス、ランシスは?」

「ん、くすぐったさと戦ってる」

フロリスの指差す方向では、ランシスがピクピク肩を震わせながら他の修道女と荷物の整理をしていた。

「危なっかしくて荷物を運べないからねぇ」

「困ったものね…レッサーは?」

あれ?とフロリスは首を傾げる。

「さっきベイロープと一緒にいたじゃない」

「見失ったの。まったく…あんまり仕事しないくせにすぐどこか行くんだから…
ま、後ででいっか」

ベイロープは溜め息をついて、荷物運びを再開した。


以上です。

魔術サイドのリクを頂いた為
今回ちょっと無理矢理ながらに出しましたが
いかがだったでしょうか?

軽い気持ちで書いたため
時差や魔術の知識など
細かい事に関して考えていないため
脳内補完して頂ければと思います。

乙!

乙です!
年齢詐欺女ww

レッサー逃亡して学園都市に来るのか?
上条さんと絡むのは当たり前として超電磁砲SSでの絡みがあると噂の美琴とも色々絡みがあるといいなぁ


>>1です
遅くなりました、こんばんわ。


「それじゃぁよろしく頼むよ」

「はい。よろしくお願いします」

上条は差し出された手を強く握った。

黄泉川の車で警備員の支部に到着した後、ふらふらな足取りのまま連れられたのは支部長室という部屋。
そして、さっきの校長室と同じようにソファーに座らせられ、いくつかの書類を記入させられた。
初めはここの支部長の男性からいくらかの謝罪を受けたが
上条はむしろ感謝していると言うと、困ったように笑われ黄泉川からは拳骨を食らった。

「ったく…そう思ってるのはアンタぐらいじゃん」

ともあれ、書類を記入した後簡単ながら規則などの説明を受けて今に至る。


「まぁ習うより慣れろです。以後のことは黄泉川に従ってください」

支部長は言いながら黄泉川のほうを見た。

「さ、それじゃさっさと行くじゃん。失礼しました」

「あ、失礼しました」

何やら書類を見ながら歩く黄泉川の後ろを上条は付いて行く。

「っと…まずはココじゃん」

黄泉川が立ち止まる。


自動扉には「男子更衣室」と書かれていた。

「さて…と」

黄泉川は上条に視線で何かを促す。

「?」

何かを求められているようだが、何をすればいいのか分からない上条は首を傾げた。

「私は女だから男子更衣室のIDは無いじゃん。さっさと手出して」

「あ、あぁはい」

上条が扉の横に付いていたパネルに手を触れるとロックが解除される音がして扉が開く。

「誰もいないか見てきて欲しいじゃん」

中に入るとロッカーがいくつも並んでいて、人は誰もいなかった。
誰もいませんよー
と入り口に声を掛けると黄泉川も入ってきた。


「アンタのロッカーは…ここじゃん」

黄泉川はロッカーの一つを指差した。
上条が手を掛けると、ここでも指紋か何かを読み取っているのか自動的にロックが解除される音がした。

ロッカーの中には警備員が普段の警邏活動で使用しているジャケットと、有事の際に着ている戦闘服が入っていた。

「へー手際がいいじゃん。サイズ合ってるか、着てみるじゃん」

「はい…」

と、上条が着替えようとして止まる。

「どうかしたじゃん?」

「あのー黄泉川先生は出るか、少なくともむこうを向いてくれないのでせうか?」

「なんでじゃん?今の男子はそんなに人目を気にする程デリケートだったっけ?
ウチのクラスの奴でも女子がいるところで堂々と着替えてるじゃんか」

「それは他の男子もいるし、女の子だってまじまじと見ないからいいんです!」

上条は叫びながら黄泉川を回れ右させた。


黄泉川は納得がいかないようで、何やらぶつぶつ言っていたが聞かないことにした。

「着替えました」

「お、まぁまぁ似合ってるじゃん」

上条は近くにあった鏡を見る。
警備員の戦闘服。

「重い…」

「何言ってるじゃん?今は装備付けてないからいいけど、作戦時はそれより更に重くなるじゃん。
あとアンタにはあまり持たせたく無いけど、場合によってはライフルだって装備するし…」

あぁそれと…と黄泉川は言って。

「これ、現場に行く時は付けるじゃん」

「フェイスマスク…」

「警邏活動の時は第七学区から離れるから付ける必要は無いじゃん。
でも緊急の時はそうはいかない、第七学区かもしれないし、カメラだってある」


要するに、知り合いに警備員をしているのを知られないための措置らしい。
とはいえ、別学区で知り合いに会わないとも限らない。

御坂美琴が22学区の温泉へ通っていたように、土御門元春が諜報員として様々な学区を駆け巡っているように、学区の移動は自由だ。
加えて、上条は知らないが風紀委員は都市内のカメラを自由に見れる。
頭に花畑を営む少女が所属する風紀委員の支部でも例外は無い。
むしろ一般の支部よりも深部の情報を手にしている。

「でも俺だけコレ付けてたら不自然じゃ…」

「隊員の中には付けてる奴もいるからそうでもないじゃん」

ま、いざと言う時は何とか言い包めるから安心するじゃん。
という答えを聞いて、案外知られたくないのは一部の警備員だけで、上層部はそうではないのかもしれないという適当な予想をする。
気休め程度だろう。

「サイズが大丈夫なら次行くじゃん。着替えて」

「…」

この後、上条はもう一度突っ込みを入れることになった。


以上です。

最近調子に乗って載せてたら
書き溜めが無くなりかけです
ちょっと頑張ります

カウンターストライクみたいなものを想像した

>>156
大体同じじゃね? アニメ知識だけど。

ちょっと思ったんだけど
幻想殺しって手袋つけた状態で異能に触れても効果あるんだっけ?

問題ないんじゃない?ロシアでは手袋つけてたっぽいし

そか。原作まだ18巻までしか読んでないからその辺わからんかった

装甲服の手袋はかなり厚そうだが大丈夫だろうか

そもそも手袋程度で抑えれるなら
上条さんは常に手袋つけて
不幸を回避すると思うんだ

手袋で仮に不幸が回避できても
今度は厨二病乙って言われそうだな。
上条さんマジ不幸。

ぬ~べ~みたいになるな

鬼の手(笑)

ガキの頃持ってた鬼の手グローブ(ビニル製)を思い出した。

乙wwww

上条×黄泉川とか俺得


めっちゃ面白そう!!1さん乙です

 レッサー出すなら、新たなる光4人組全員学園都市入り&上条さんと共闘
(仲間or部下)ってどうでしょう?来日理由は観光なり上条当麻訪問なりありそうですが


 やば……↑の者です
ページを何日か開いたままにしてたためにレッサーが行ってしまうところを見逃してました
すいません!!!!


>>1です
こんばんわ。

警備員の戦闘服は
灰村キヨタカさんのHPでも確認できます
ぜひぜひ


更衣室を出た後もいろいろな所に案内された。
広い施設だったので、少し歩き疲れたなーとか上条が思っていると。

「ま、だいたい案内するところはしたじゃん。あとは使う時に教えるじゃん」

黄泉川は腕時計で時間を確認しながら言う。

「今日は以上、もう帰るじゃん」

上条も携帯電話で時間を確認する。
気がつけばここに着いてから2時間以上も経っていた。

「明日から訓練所でみっちり鍛えてやるじゃん。
だから今日は早く帰って明日に備えて寝る!」

「は…はい」

あ、それと。
と黄泉川は何かを思い出し、手元の書類をあさる。


「これ、IDカードじゃん。
この支部やアンチスキル関連施設に入るのに指紋と声紋とこれが必要だから、無くさないように。
あと身分証明証にもなるじゃん」

IDカードと言われたが、定期入れのような物を渡された。
つまりはドラマのように相手に、警備員だ!と言って見せる物にもなるらしい。
IDカードには書庫に登録されていた写真を使われたのか、やる気のない目でレンズを見る自分に、さっきの警備員の制服が合成されていた。

「明日からは学校終わったら第二学区の訓練所に来ること。
あ、明日は学校休みか…
とにかく、電車ならそのIDでタダじゃん」

「わかりました」

「まぁ…学校のある日なら私が送ってやったほうがいいんだけど、どうする?」

「えっと…」

上条はしばし考える。
毎日のように黄泉川の車に乗るところを青髪や土御門が黙って見ているわけがない。

「電車にします…」

本当なら黄泉川に車で送ってもらったほうが楽なのだが、ここは泣く泣く電車を選んだ。

(不幸だ…)


上条がいつもの言葉を心で呟いていると、ピピピピピと無機質な電子音が鳴った。
音のするほうを見ると黄泉川の携帯電話が音を上げていた。
黄泉川は携帯電話のサブディスプレイで相手を確認すると、ニヤリと笑う。

「アンタの担任からじゃん。
多分アンタを心配してのことだろうけど」

2つ折りの携帯電話を開け、黄泉川は電話に出る。

「はい、黄泉川」

『あっ…あのっ!黄泉川せんせー!ウチの上条ちゃんは…』

声が高いためか、焦っていて大きいためか電話から声が漏れて上条にも聞こえる。

「大丈夫じゃん。
別にやましい事したわけじゃないし…」

と、ここで黄泉川は黙って何かを考える。


電話から何か声が漏れるが、相手はもう落ち着いているためか上条は聞き取れない。
ただ、この状況からして相手も困惑しているだろう。

「月詠先生、話したいことがあるじゃん。
この後、いつもの場所で」

『え…えぇ!?あの、状況が少し』

再び焦ったのか、声が鮮明に漏れていた。
だが、黄泉川は電話を耳から離し通話を切る。

黄泉川の行動に上条も怪訝な表情で見ていたが、黄泉川は上条に笑いかけながら。

「前言撤回。今日は帰りが遅くなるじゃん」

「はぁ?」

突然の前言撤回と共に意味の分からないことを言い出す黄泉川に、上条は間抜けな顔でしか反応できなかった。


以上です。

上琴にするとか言いながら
ここまで絡みが無し
もうしばらくお待ちください

乙です

先が楽しみで仕方ないぜ
乙乙

乙~

>>1流の焦らしプレイってやつか
待ちますよ

>>1
超乙です
早く挙げてくれ
俺のフラストレーションが爆発してしまう!

早く絡まないかwwktk


>>1です
こんばんわ。
進むのが遅くて本当に申し訳ないです


「こんなのまだあったのか…」

上条が黄泉川に連れて来られたのは、
昭和の雰囲気漂う屋台、赤い提灯、頑固そうな親父、おでんと書かれたのれん。
黄泉川愛穂御用達のおでん屋だった。

「何してんのさ、早く席着くじゃん」

屋台を見て呆然と立っている上条に、黄泉川は席に着きながら声を掛ける。

「あ…あぁ、はい」

「じゃ、親父。まぁいつもどおり適当に頼むよ」

頑固そうな親父は無言のままカチャカチャと食器を準備し始める。


しばらくして、おでんと一升瓶が出された。

「ちょ、先生車じゃ…」

「代理頼むじゃん。
あぁ、アンタはどうしようか」

「水で大丈夫です」

コップとボトルに入ったミネラルウォーターが出される。

「あの、黄泉川先生…
さっきの電話で小萌先生に言ってたことは…」

コップに入れた水を飲みながら上条は聞く。

「んー?」

黄泉川はおでんを頬張っているのですぐには答えてくれない。
ハフハフと熱さを我慢しつつ、途切れ途切れに話す。

「じき…に、あつっ…わかる、じゃん」

答えになってない答えに、上条は納得しないながらも、自分も出されたおでんを食べようとする。


すると

「黄泉川せんせー!」

遠くから聞こえる幼い声。

「ほらな」

しばらくすると、学園都市七不思議とされる幼女先生がのれんを揺らさず登場した。

「あれ?上条ちゃん!どうしてこんな所に?」

「私が連れて来たじゃん。ホラさっさと座って」

よいしょ、という可愛らしい掛け声。

「今日は一体何事だったのですか?」

小萌も黄泉川と同じように親父におでんを頼みながら首を傾げる。

「ま、そのことで呼んだわけじゃん」

「まさか…上条ちゃんが留年?
でも先生はそんなこと聞いてないのです!」

早くも涙目になる小萌。

「違う違う。
上条、自分から言うじゃん」


「え、いいんですか?」

さっきあれほど周囲に知られるのを嫌っていたので、上条は少し驚いた。

「月詠先生はアンタの担任。
そうでも無い私が知ってるのに、一番近い先生が知らないのはおかしいじゃん」

それに、と黄泉川は続け

「こういう心配性な人がいれば、アンタ少しは無理しないじゃん?」

「…」

黙って考える上条を見て、小萌はオロオロする。

「あの、上条ちゃん?
そんなに言いにくいことなら、無理して先生に言う必要は無いのですよ?」

「先生!」

「はっ…はい!」

まるでプロポーズを受けるかのごとく、背筋をピンと張る小萌。


「俺、今日呼ばれたのは…」

そこまで言って、上条はカウンター越しにいるおでん屋の親父を見た。
親父は上条に目を合わせなかったものの、黙って小型ラジオを取り出し耳にイヤホンを挿し込んだ。
イヤホンから音が漏れて聞こえたところで、上条はさっき貰ったIDカードを見せる。

「アンチ…スキル?」

小萌は不安そうに呟いた。

「臨時ですが…
アンチスキルになったんです」

「…どうして、ですか?」

小萌は下を向いたまま、机の上でキュッと小さな手を握りしめる。

「上条ちゃんは…ただの生徒なのに…」

「その経緯に関しては私から説明するじゃん」


その後、黄泉川から上条が臨時警備員として選ばれた経緯が話された。
上層部からの命令であったこと。
支部も含めて必死に抗議したこと。
激情したあまり上条を殴ってしまったこと。

中には上条に伝えられていないこともあった。
そして、最後に黄泉川は上条を責任を持って護ることを約束した。

小萌は話を聞いている間、ずっと俯いたままだった。


以上です。

話と全然関係のないモブに
動きをつけるのが好きだったりします

おでん食いたくなったな

親父イケメソ

親父に惚れた
こういうモブの描写は好きだなー

親父まじかっけぇ
こういう描写があるとメリハリがあってすごく読みやすい


 そういう細かい描写大好きです。
親父かっけえ。分かる人だな。
てか、黄泉川せんせーが、上条さんが
対異能決戦兵器であると知ったらどんな反応するんだろう。

>>1
面白いっす

自分のスレも更新せねば……


>>1です
こんばんわ。

モブのウケが良いようで安心しました
今後も自然な形で入れていければと思います

黄泉川先生の幻想殺しに対する反応は今考えています
初めはここのシーンで上条が明かすとかも考えていました

あと前回の投稿で
黄泉川先生が上条が臨時警備員に選ばれた経緯について説明する描写のところに
今回起きている事件が理由で呼ばれた
と書くのを忘れていました
申し訳ないです


「そう…ですか…」

話が終わり、しばらくの沈黙があったが小萌がそれを破った。

「先生からは何も言うことは無いのです」

顔を上げる小萌、いつもの笑顔を見せるがその目は潤んでいた。
そんな小萌を見て、妙な罪悪感に駆られる二人。

「確かにとても不安です。
でも、上条ちゃんはいつも誰かを助けるために全力を尽くして、今回だってこうして立ち上がってくれました。
それは先生にとっては凄く嬉しいことなのですよ」

小萌はコップのお酒をぐい、と飲み。

「いつも通り独りで突っ走っちゃうのなら、先生は止めていたかもしれません。でも…」

目が潤んでいるのに気付いたのか、ごしごしと両手でこする。


「今回は、黄泉川先生がいるので安心なのです!」

ぐっと手に力を込めて、自分に言い聞かせるように言う小萌。
それを見て、黄泉川は上条を全力で護らなければならないということを、改めて実感した。

「黄泉川先生、ウチの上条ちゃんをよろしくお願いします」

黄泉川に向き直り、丁寧に頭を下げる小萌。
対する黄泉川は自信に溢れた笑みを漏らした。

「まかせるじゃん。
私だって、こんな生徒が持ちたかったんだ」

「さ、それでは今日はお祝いってことで先生の奢りなのです!」

「何言ってるじゃん。
私だってお祝いするじゃんよ」

がやがやと騒ぎ出す二人を見て上条は、自分は不幸とは言ってられないな、と思いながらコップに手を伸ばす。


黄泉川が説明している間は水を飲む気が引けたので我慢していた。
その結果、乾いた喉を潤すためにコップを一気に傾けたのだが。

「あ、上条。そのコップは私の…」

小萌との話に夢中になっていた黄泉川は、上条が自分のコップを取ったのに反応が遅れた。

「ぶっ!」

上条は口に入って初めて酒だと気付いたが、吹き出すのも汚いので必死に堪える。
口に入った酒を徐々に喉に通していく、アルコールがキツイのか、喉元が焼けるように熱い。

「お、案外いける口じゃん?」

「教師兼アンチスキルが未成年者飲酒を公認でせうか!?」

ぜぇぜぇと息を荒くしながら上条は叫ぶ。
なんとか言ってくれよと小萌を見るが。


「うへぇ今日は無礼講なのですよ」

既に潰れ始めていた。
彼女の横には既に空になった一升瓶。

「え、あのしんみりとした空気から何分経ちましたよ?
明らか小萌先生コップで飲んでませんよね!
なんとか言ってください!お願いします!」

頭を抱える上条を尻目に、黄泉川は特に気にした様子もなく

「親父、もう一本頼む」

顔を青く(なった気がした。実際は赤い)する上条。

親父は何の気兼ねも無く、黄泉川に一升瓶を手渡した。
おい親父、未成年者の飲酒を黙認するっていうのなら、
まずはそのふざけた幻想をさっそく警備員という立場を使ってぶち殺そうか、
とか上条は考えながら親父を睨むが。

親父のほうは、
若い頃を思い出すわ、ちなみにコイツらの感性はわしが育てた。
と目で語っていた。


以上です。

未成年者の飲酒は法律で固く禁じられています。

美琴さん、このシーンの日が終わったら出てくるはずですが
夜はまだ長い

おつ


以上です。

未成年者の飲酒は法律で固く禁じられています。

美琴さん、このシーンの日が終わったら出てくるはずですが
夜はまだ長い

大事なことなので

あらあら当麻さん

親父wwwwwwwwwwwwwwwwww


 二人の神がかった先生の素晴らしさにホロリと行きかけて


 黄泉川先生アンタ…そして親父wwwwwww

 先が楽しみでしかたない!!!!頑張ってください!!!!

盛大に釣られるやつ↓

面白いSS発見!

って事で続き期待してまっせ~


>>1です
こんばんわ。

昨日の連投は
多分未成年者の飲酒禁止が
大事だったからでしょう


「あ~疲れた」

寒い部屋の電気をつけながら、上条は溜め息をついた。
結局あの後もしっかりと飲まされ、酔った小萌を家まで送り、道中泣き出す小萌の相手をして帰宅したのだった。

上条は鞄を適当に置き、かさばる学ランを脱いだところでベッドにふらふらと倒れこむ。

「上条さんは意外とお酒に強いのですね、将来安心」

風呂は明日の朝でいいやと思い、枕元に置いてあるリモコンで部屋の電気を消す。
ウトウトとしていたところで携帯が鳴り出す。

「誰でせうか、こんな時間に…」

時計を見ると午前1時、この時間帯にかけてくるのはどう考えても非常識だ。


ディスプレイで番号を確認せず、電話に出た。

「もしもし~上条さんは本日もう終業しましたよと」

『とうま!何寝ぼけたこと言ってるの?』

電話から聞こえてきたのは、聞き慣れた声だった。

「あれ?インデックスさん、まだ起きていらしたのですか?
良い子は寝る時間です。そんなわけで寝ます、おやすみなさい!」

電話も切らず、そのまま枕に顔を埋める上条。

『何訳のわからないこと言ってるのかな?まだ午後の4時なんだよ!』

インデックスの年相応の高い叫び声に上条の頭が揺さぶられる。

「えぇ~あぁ…世界は広いなぁ」

『も~とうまのバカ!毎日電話するって言ったのに』


もうほとんど寝ている頭を回転させる。
そういえばそんな事を言っていたような気がした。

「あ~そういえば」

このまま切って寝てしまいたかったが、それは少し可哀想だったので上条はベッドから降りた。

窓を明けてベランダへ出る。
夜風が酒で火照った身体に当たり、心地良い。

『あれ?そういえば今の時間日本は…』

電話越しに少し困ったようにインデックスが呟く。

『わわっ。よく考えたら今日本は午前1時、ごめんなんだよ、とうま!』

「あーいいっていいって。
それで切らないでくださいよインデックスさん、夜中に不幸だとは叫べませんよ」


『?なんだかとうま、いつもと調子が違うかも』

「んー?そうか?」

酒のせいだろうかと思う。
それとも…

『何か隠し事してない?』

「…」

『やっぱり…何か隠し事してるんだ』

敵わないな、と上条は心の中で呟く。

『正直に言ってくれないと噛み付くかも』

「それは勘弁して欲しいですよ」

調子がおかしいな、と自分でも感じてきた。
そもそも月明かりに照らされ、夜風を感じながら、年頃の女の子と電話をするなど自分のキャラではない。

さっきの時点で寝てしまうのが上条当麻だろう。


『まぁいいや』

しばらく無言が続いた後、インデックスが諦めたように呟いた。

「え?インデックスさん?」

『とうまのことだから、また人助けしてるんでしょ?』

「まぁ…遠回しに言うとな」

『だったら私は何も言う事は無いかも』

電話越しにカチャリと食器の当たる音がする、時間的にむこうはティータイムだろうか。

『とうまが信じた道を、とうまが全力で進むならわたしは止めない』

ただね、と呟くように言う

『気をつけてね』

インデックスのこの一言に、どれだけの気持ちが込められているのか、と考える。
インデックスといい、小萌といい、黄泉川といい、自分はどれだけの人間を不安にさせているのだろうと考える。
そして自分を心配してくれる人に、どれだけの不幸を与えているのだろうと考え、自嘲的に笑う。




「あぁ…わかってる」



ゆっくりと、噛み締めるように言った。

何の映画ワンシーンだろう、と思う。
普段のテンションの自分が見たら腹を抱えて笑い転げるだろう。

そう思いながらも、今の雰囲気はなぜかとても大切なものに感じられた。

『それじゃぁ、今日はもうおやすみなんだよ』

「おぅ。おやすみ」

『明日はもう少し早い時間に電話するんだよ』

ははは、と上条は小さく笑い


「まぁインデックスのことだから、
どうせ3時のおやつに夢中になって気がついたら1時間経ってたってオチだろ?」

『なっ…!そそそ、そんなことないんだよ!』

図星だったようだ。
まさか本当だったとは、イギリス清教様、ご愁傷様です。

『もう知らないんだよ!バカとうま!』

「はいはい、おやすみ」

ブツリと電話が切れる。
きっと今頃は煙草臭い溜め息を付く神父にブツブツ文句を言いながら、追加のおやつを頼んでいるのだろう。


「ま、寝るとしますか」

しばらく夜風に当たっていたので、身体はすっかり冷えてしまった。
ブルッと身震いを一つすると、上条は自室に戻り一度身体を温めるために風呂へ向かった。

ちなみに上条宅の給湯器、一度インデックスによって破壊されたが今はしっかりと修理が施され、
(自称)寂しい上条にとって唯一の温もりをくれる存在となっている(上条談)。
修理に来た業者が何故か意味深な溜め息をついたこと、上条が修理代を見て例の言葉を叫んだことは言うまでもない。

上条が風呂場に入り湯を出し始めると、台所にもある給湯器の操作器が点灯し暗い部屋へ僅かな光を与えた。


以上です。

インなんとかさんとは言わせない。
このお話、インデックスさんを蚊帳の外にせず
うまく織り交ぜていけたらと思っています

お湯を出している時は
給湯器の操作器が点灯するということを
覚えておいて頂ければと思います

>>219
まるで翌朝まで出しっ放しになってそうな言い草だな

乙なんだよ!
科学サイトの話だといっつも私はロンドンに送られてそのあと出番がないのに
この>>1はちゃんと私もだしてくれるんだよ

乙!

乙!

乙、スレタイまでの道のりは遠そうだ

乙ー
このスレのインデックスはいいインデックス

乙~
くそ、このまま上インでもいいかなとか思っちまったじゃねーか


 乙~~!!
 
 ヤバいかも……これは一巻で出てきたかっこよくて可愛いインデックスなんだよ

 続きがめっちゃ楽しみだ!!

乙なんだよ!


>>1です
申し訳ないです
多忙なため、手付かずの状態です
明日必ず投下します

無理しないでいいのよ

面白いSS書いてくれてる上に経過報告もしっかりしてくれてるんだから誤る必要なんてないですよ~
超期待してるのでワクワクしながら待ってます~


>>1です
こんばんわ。

この時期は忙しいですね

学園都市第二学区


「では、始め!」

静かな部屋に、紙をめくる音とシャーペンのノック音が響く。

ここは第二学区の風紀委員訓練所。
今は臨時風紀委員の希望者試験の真っ最中で、この部屋では適性試験が行われていた。
特に難しくはない、小学生でも解ける問題を時間内にいかに多くできるかというものだ。

(んー変に集中力使うから嫌なのよね、こういうの)

美琴は盛んにシャーペンを動かしながら思う。

(っと…集中集中)

この手の試験は試験中にどうでもいい事を考えるとペースが乱れてしまう。
この後の試験内容も気になるが、とにかく今ある問題を解くことに集中した。


「やめ!各自答案を提出した後、次の試験会場に向かってください。お疲れ様でした」

「くぁー」

生徒達は手早く身支度をするが、美琴は椅子で伸びをする。
周りの顔ぶれは強力な能力者が多いためか、美琴も何度か雑誌の記事などで見たことのある人もいた。

「あら、御坂さんもいらしてたの?」

う、と美琴は苦虫を噛み潰したような顔に変わる。
この頭に響く声、癇に障る話し方、そしてバサリという扇子を開く音を同時に奏でる者は一人しかいない。

「婚后さんも来てたんだ…アハハ、偶然」

必死に作り笑いをする美琴。
婚后は美琴の手を取り

「私達、常盤台にかかればこんな試験チョロいもんですわよねー
さらりとジャッジメントになって、さらりと事件を解決してみせましょう!」


おーほっほっほ、と高笑いする婚后。
周りの視線が痛い。

「あ、それじゃぁ私こっちの試験会場だから!また後でねっ!」

半ば逃げるように美琴は走って次の試験会場へ向かった。
幸い、婚后は別の試験会場だったようだ。

「次は体力と能力テストを行います。各自ウォーミングアップしてください!」

試験監督の声が響く。

「っと…まずは着替えないとね」

キョロキョロと辺りを見回して、更衣室を探す。
と、その時遠くから─パン、と乾いた音が響いた。


「銃声?」

その後何度も響く銃声。
美琴は少し嫌な予感がしたが

「今のなに~?」

「アンチスキルだよ、訓練所が隣みたいだし」

という他の生徒達の会話を聞いて安堵した。

周りの生徒達も銃声に気付いたようだが、特に焦る様子も無い。
実は何も知らないで冷や汗を掻いていた自分は恥ずかしいのかもしれない、と少し落ち込む。

「アンチスキル…か」

銃声のするほうを見ると、こことあまり変わらない建物が並んでいた。


そして今美琴がいる風紀委員訓練所の運動場と
警備員訓練所の運動場は隣接していて、コンクリートの壁一枚で区切られているようだ。

美琴はその区切りのための壁際を歩いているので、
壁の向こうからはランニングをしているであろう足音と、大人の男性であろう太い声で「1.2.1.2」と掛け声が聞こえていた。

そして

『ダッシュじゃん!チンタラ走るんじゃない!』

拡声器を使っているのか、風紀委員の運動場まで女性の声がしっかりと響く。
おぉ、という掛け声の後、聞こえてくる足音が一際大きくなった。

「うっわー超体育会系ね…
志願制だからいいけど、徴兵制なら不幸ってもんじゃないわね」

美琴は治安を維持してくれている部隊の日頃の努力に感謝しつつ、更衣室へ向かった。


警備員訓練所


「ダッシュじゃん!チンタラ走るんじゃない!」

拡声器によって黄泉川の声が運動場に響く。

「ふ、ふこ…」

走る上条はいつもの口癖を叫びかけて飲み込む。
自分が選んだ道だ、不幸などと言ったら黄泉川に鉄拳制裁を喰らいかねない。

なんとか訓練の一つ、走り込みを何人かの隊員とやり遂げた上条は、地面に座り込んだ。

「うへぇ~」

情けない声を出してスポーツドリンクの入ったボトルを傾ける。
座り込む上条に対し周りの隊員は足早に去っていく、これから各々の判断で訓練をするようだ。

そんな隊員を労いながら、黄泉川が近づいて来た。


「なんだ、もうバテたじゃん?」

「いえいえ…これくらい平気ですのよ」

強がってみたのが仇となった。

「そうか、じゃぁこの後逮捕術を含めた柔道と警棒術、射撃訓練を入れるじゃん」

え、と愕然とする上条を見ないで、黄泉川は独り言のように続ける

「なんたって急だからね、
とりあえずアンチスキルになるための訓練一通り受けてもらわないといけないから、まだまだ忙しいじゃん」

「ふ、ふ…ふこ」

また言いかけて飲み込む。
黄泉川はそんな上条に気付かないで腕を引く。

「じゃーまずは柔道場行くじゃん」

半ば引き摺られるように上条は連れて行かれた。


以上です。

やっと登場してくれました美琴さん
でも上条さんとの絡みはまだまだお預けです
壁一枚…

乙ー
壁一枚隔てた向こうって逆に燃えるものがある

おもわず耳を当てたくなるな


 乙乙乙!!!
この壁が崩れるのはいつかな~
上条さんがプロの戦闘スキル学んだら相当強そうだな

寝技が楽しみ

これで土御門を物理的に…

引っ張るなぁ
早く2人の絡みがみたいぜ


>>1です
こんばんわ。

柔道は割愛しようと思っていましたが
寝技を楽しみにしてくれている方がいたので
急遽入れることにしました

本日はその回


「状況はどうだ…?」

アレイスターはいつもと変わらず逆さに浮いた状態で問う。

「言わなくてもわかっているだろう」

それに対峙するのは土御門。
いつもここにいる時は不機嫌そうだが、今日はいつも以上にそう見える。

アレイスターは静かに笑い。

「他人の感情まではわからないからな…」

「わからなくても、幻想殺しの性格を考えると答えは導き出せるだろう?」

アレイスターは黙りこむ、しかし不気味な笑みは絶やさない。


土御門は奥歯を噛み締めてから言った。

「超電磁砲に関しても同じだ。人の厚意を…」

睨まれてもアレイスターは表情を崩さない。
そして土御門の意見に反応することなく、自分のペースで話す。

「いかなる場合もプランに変更は無い。
これだけは、必ず阻止せねばならない」

言うだけ無駄だ。そう思った土御門は舌打ちを一つすると、くるりと踵を返し歩き出す。
途中立ち止まり、アレイスターに背を向けたまま小さく言った。

「これで、最後にすることだな」

そのまま土御門は部屋から消えた。

アレイスターは表情を変えず目線だけを動かす。
すると、近くのディスプレイにウィンドウが表示された。
そのディスプレイを見ながら、アレイスターは少し上がっていた口の端をさらに上げた。


「じゃ、始めるじゃん」

サイズの合っていないブカブカの柔道着を着た上条は、黄泉川と対峙していた。

「あのーもしかして黄泉川先生が相手なんでせうか?」

黄泉川は構えたままキョトンとした顔になる。

「何か問題あるじゃん?
もしかして、私が女だからってナメてるんじゃないだろうね?」

「いや、そういうわけでは…」

そう言いながら、上条は黄泉川の全体像を見る。
上条と同じように柔道着を着た黄泉川、あちらもサイズが合っていないようだ。
だが、上条とは逆でどうも向こうは柔道着のサイズが小さい。

特に胸周り。
いつも以上に強調され、谷間が見えている。

(女性の柔道選手って中にシャツを着てるよな…
あれ絶対着てないよな着てないよね着てません三段活用)


いや、と上条は考え直す。

いくらなんでもそれは無防備すぎないかと、結局はこうして期待させておいて、
いざはだけたら、残念実はギリギリのシャツを着てましたというパターンかもしれない。

そうだ、きっとそうだろう、難しく考えるな上条当麻。
と上条は強引に自分を納得させた。

上条がおもむろに構えると

「じゃ、いくじゃん!」

そう言って黄泉川がすぐに柔道着の胸あたりを掴んできた。
そのままバランスを崩され、倒されそうになる。

「ちょっ…わわわ」

倒れないように必死に踏ん張る上条。
なんとか転倒は逃れることができた。


「ふん、なかなか良い反応じゃん」

「あの、先生」

やる気満々な黄泉川に上条は申し訳なさそうに言う。

「柔道のルールをいまいち知らないのですが…」

「なんだ、簡単じゃん」

黄泉川は上条の胸元を掴んだまま答える。

「背中を付くと負けじゃん!」

上条は足を払われる。
今度は完全に不意打ちだったため、倒れることは確定。

そう判断した上条は、とにかく背中を付けないように転ぼうとする。

「──ッ」

体を捻り、なんとか肩から落ちることができた。


だが

「甘いじゃん!」

そう言って上条は上から押さえ付けられた。
強制的に背中を畳に付けられ、手足を拘束される。

「技が決まらなくてもこうやって寝技ってやつに持ち込んで一定時間抑え込めば一本じゃん」

黄泉川は上条を抑え込みながら言う。

「ほらほら、抜けてみるじゃん」

一方の上条は声を出せないでいた。

原因は黄泉川の胸。
寝技で上に乗る黄泉川の胸が上条の顔を覆い、上条は会話、もとい呼吸ができなくなっていた。
それと同時に、突然のフラグイベントに上条の頭は爆発寸前だった。

酸素は来ない。
それでも悲しきかな男の性、血流の速さは勢いを増す。


そろそろ意識がヤバいと感じたところで、ようやく黄泉川が起き上がった。
寝技の一定時間が過ぎたのだろうか。

「まったく、こんなんじゃ先が思いやられるじゃん」

そう言って黄泉川は溜め息をつく。

「さっさと立つじゃん」

口はもちろん、まぶたも押さえられていたため視界がぼやけてはっきり見えない。
とにかく早くしないと怖いので、立ち上がろうとした。





「っとっと…」

不意にバランスを崩し、続けて足がもつれた。
近くに支えは何も無いが、今の上条にそんな思考ができるはずもなく、ぼやける視界で何かに手を伸ばした。


「なっ─」

すると黄泉川の小さな悲鳴が聞こえ、上条が手をついた物も倒れていく。
その瞬間上条は、自分の手に柔道着の感触があると気付いた。

どさり、と結局上条は倒れてしまった。
しかし倒れた時の衝撃は無く、何か柔らかいクッションのような物に受け止められた感じがした。

特に顔のあたり…

(このクッション性…というか圧迫感、何か思い出す気が…)

そこで上条は少し冷静に考える。

足がもつれた、倒れると思って何かを掴んだ、それは柔道着だった、黄泉川の声が聞こえた、倒れた…

何かを理解した上条は、全身から嫌な汗が出る。


(これは…拳骨ものっ!)

などと考えていると、頭の上から声が掛かった。

「いつまで人の胸に顔うずめてるじゃん?
ったく赤ん坊じゃあるまいし」

そして、頭を掴まれ引き剥がされた。
また圧迫されたせいで視界がぼやけている、目の前には黄泉川がいるのだろうが、はっきりと見えない。

そこであることに気付く。

(さっき掴んだのが柔道着なら…)

少しずつ視界がクリアになってくる。

「何してる?さっさと立つじゃん」

上条が手を取ろうと視線を上にすると、クリアになった視界に初めに入ったのは黄泉川の腹。
続けてその上に見える大きな丘二つに目が行きかけたところで、上条は目を逸らした。


「どうした?」

黄泉川が怪訝な表情で覗き込んでくる。

「先に柔道着をなおして下さい!」

「あー?アンタも細かいねぇ」

やれやれと言った調子で黄泉川は柔道着をなおす。

なるほど、さっきの悲鳴は自分が柔道着に手を掛けたからではなく、突然自分が倒れてきたことに驚いただけか。
と上条は納得した。

「というか、何で何も付けてないんですか!?」

立ち上がりながら上条は言う。

「何でって…武道で何も付けないのは常識じゃん」

「え…」


じゃぁつまり下もですか?

と心の中で思った上条だったが、黄泉川がすでに自分の胸元に手を持ってきているため、慌てて対応する。
柔道のやり方は知らないが、とにかく黄泉川を倒そうと上条も足を払ったりするが。

「うっ…」

強く引っ張ったりすると、また柔道着がはだけそうで怖い。

そして

「甘いじゃん!」

倒されて寝技を掛けられる
そうしてまた乳地獄へ陥る上条当麻だった。

(これは言ってもいいですよね。さんはい、不幸だー!)


以上です。

申しわけありません
話が進みません
いい加減見捨てられそうなので
予告すると、この日の後半に
ちゃんとお二人の絡みあります
だから見捨てないで、石投げないで

幸運だろくたばれ

おい上条さん代わ……らなくてもいややっつぱ代われ


ちょくちょく更新してるんだし気長に待ってるんだぜ

俺はずっと黄泉川先生と絡んでいて欲しいよww

むしろ黄泉川センセがヒロインでいい気がしてきた

ちょっと柔道習ってくる

しかし教官は鉄装

特別顧問の災誤先生です

乙!
なにが不幸だ、コラ

 乙!!
 黄泉川先生、全然自分のこと分かってないじゃんwwwwww
そうかこれだからこそ残念美人の称号を欲しいままに

木山「その称号は譲れない」

>>270
あなたはむしろ範囲を広げて残念人間といった方が…。

芳川「その称号は譲れない」

>>272
あなたは社会人として残念だよね

>>266ヤル気MAXになったは

>なったは


>>1です
こんばんわ。


(不幸だ…)

学園都市第三位、電撃姫こと御坂美琴は心の中で呟く。
その原因というのも

「あの、御坂さんですよね!第三位の!」

「私も電撃使いなんです!」

「噂の超電磁砲っての見せてください!」

「レベル5になったまでの経緯を!」

何人もの生徒達に囲まれての質問攻め、かれこれ20分以上はこの状態だ。
試験はいくつもの項目を何人かで行うようで、人数が多いためか待ち時間が長い。
退屈だなぁと思った矢先、近くの生徒に声を掛けられたのが運のツキ。

(はぁ…)

美琴は心の中で溜め息をつく。

「ま、また次の機会にでも。
今日はほら…みなさん試験もあることですし」

普段は使わないような丁寧な言葉で丁寧に断る。

「そんな!御坂さんになんて今後会えるかどうか!」

「アハハ…そんな大袈裟な…」


これは厄介だと思った美琴に救済の手が差し伸べられる。

「次のグループの人、移動して下さい」

試験監督の声が掛かり、美琴とグループの生徒たちがぞろぞろと運動場の中心に集まる。

「あ、ほら私もう行かないといけませんから…」

ラッキーと小さく呟き、美琴も移動する。

同じグループの生徒も会話をしたそうにしているが、試験を気に(美琴はふりを)しているようで、黙り込んでいた。

「試験内容を説明します」

試験監督による説明が始まる。
どうやらこの試験は自分の能力をとりあえずぶっ放せばいいようだ。

(ま、とにかくやってやるしか無いわけだ)

説明を受けた生徒達が各々で準備運動をする中、美琴は一人ぱんぱんと顔を両手で軽く叩く。

(さ、行くわよ御坂美琴!)


「つ、疲れた…」

更衣室のベンチに座りながら上条は呟く。
柔道の後、逮捕術や警棒術も教えてもらい、遅めの昼食を取ったところでこの更衣室へ戻ってきた。
次は射撃訓練らしく、警備員の戦闘服に着替えろと言われたのだが…

「正直体が持ちませんよ…」

体全体がだるい、このまま寝てしまえそうだ。

もちろんそんなことができるわけなく、ノロノロと立ち上がり自分のロッカーを開ける。
紺色の戦闘服を取り出し、ベンチにもう一度座った。

昼食後ということもあり、眠気が濃い。
ぼーっとしていると目が霞んでくる。

「あー…おやす」

「上条!遅いじゃん!」

眠りに落ちかけたところでハッと覚醒する。

「あ、あぁ…今行きます!」

全速力で着替える上条。
ファスナーを首もとまで上げながら出ると、既に着替え終わっていた黄泉川は腕組みをしながら待っていた。

「遅いじゃん!
緊急時にこんなにモタモタしてたら部隊全体が遅れる、そして事件の早期解決ができなくなる。
個人のミスは全体のミスじゃん!わかった!?」

「は、はい…」

厳しい世界だと実感しながら、上条は力無く返事した。


「それじゃ、射撃訓練場に行くじゃん」

先を行く黄泉川の後ろを、上条はふらふらとした足取りでついて行く。

「射撃の経験は?」

歩きながら黄泉川が尋ねる。

「ありませんよ。
というか、俺の年齢で経験がある人もそうそういないと思いますよ」

「そうか」

素っ気ない返事だが、どことなく安心しているように聞こえた。

その時。



─ズドン



と、遠くから聞こえる轟音。


「─ッ」

焦りを見せる上条だが、黄泉川のほうは気にせず歩いたままだ。

「い、今のもアンチスキルの武器の一つなんでしょうか?」

黄泉川の態度に冷や汗を掻きながら上条は尋ねる。

「んー?あぁあれは能力者じゃん」

「え、どうしてまた…」

「近くにジャッジメントの訓練所もあるじゃん。
くわえて、今日は入隊の試験らしい」

その試験で能力をぶっ放しているのか、と上条は納得するが一つの疑問を持つ。

「え、でもジャッジメントってこんな時期に人員募集しませんよね?」

「それが、ジャッジメントにも臨時の人員募集がかかったじゃん」

「やっぱり、例の事件ですか?」


上条の問いに、黄泉川は少し考えてから答える。

「そう。表向きは年末の雑務処理用の募集だけど、資格が大能力者以上、どうみても事件の捜査にあてるためじゃん…っと」

そこで黄泉川は何かを思い出したようで

「そういえばアンチスキル上層部がジャッジメントに正式に捜査協力を依頼してるじゃん。
ま、事件の早期解決を目指すなら必要な措置かもしれないけど…」

トーンダウンする黄泉川。
上条はこの教師がいかに生徒思いであり、今苦しんでいるのかを悟った。

本来自分が全力で護るべき生徒達が、自分達と同じ戦場に送り込まれる。
それでも、生徒達の能力を借りなければ事件解決も難しい。
そんなジレンマにとらわれているだろう。

しかし今の黄泉川はそんなことを思わせない、いつもの黄泉川。
そんな強さを上条は素直に羨ましいと思う。

「さ、着いたじゃん」

黄泉川がある部屋の前で止まった。

今まで施設の中ではカードを挿し込むと開いたが、ここは特に厳重だった。
IDカードを挿し込み、黄泉川が所属部隊と自分の名前を告げ、手のひらを小さなパネルに当てると扉が開く。


中は事務所のような所とガラスで区切られていて、奥から係りの警備員がこちらを見ていた。

「こんにちは黄泉川さん」

微笑む警備員。
初老の男性で、見た目から判断すると「優しい」と感じられる。

「どうも。例の件の…」

黄泉川が言うと、男は何かを理解したようで奥の部屋へ向かった。
しばらくするとアサルトライフルと拳銃を持って帰ってきた。

安全のためかマガジンは抜いてあり、少し間抜けな見た目だ。

「はい、お待たせ」

男がガラスの小窓へ銃を置く。

「これが、アンチスキル正式採用の武器じゃん」

黄泉川はアサルトライフルを手に取り上条へ渡す。

(これが…ライフル…)

ずっしりと、鉄の塊特有の冷たさと重量感を感じる。

「はい、マガジン。ゴム弾と実弾ね」

次にマガジンを受け取った黄泉川は、適当にポケットに突っ込んだ。

「以上だよ」

「ありがとうございます。じゃ、次の部屋に行くじゃん」

拳銃を持ちながら、黄泉川は入ってきたのとは別の扉を開ける。


次に入った部屋はもう射撃訓練場だった。
自分達以外には一人の男が練習している。

「銃の細部の説明は割愛するじゃん。
まぁメンテナンスは係の隊員がやってくれるし、アンタに銃自体あまり持たせたくない」

溜め息をつく黄泉川。

「アンタは弾の装填の仕方と撃ち方を覚えること」

黄泉川はポケットからマガジンを取り出し、机の上に並べる。

拳銃とアサルトライフルのマガジンがそれぞれ4つずつ。
マガジンには赤もしくは青のテープが巻かれていた。

「このテープは?」

「青がゴム弾、赤が実弾じゃん。
ゴム弾は非致死性、通常はこれを使うじゃん」


上条は青テープが巻かれたマガジンを手に取り中を見る。
見た目はゴムだが触ってみるとかなり固い。

「ゴムだけど至近距離で撃つと死傷する可能性があるじゃん。
発砲はしっかり考えてからすること」

続いて赤テープが巻かれたマガジンを見ると、そこには銅色の弾が入っていた。

「実弾は許可が無い限り絶対に使わないこと!わかった!?」

「は、はい!」

黄泉川の威圧感に押される上条。
この射撃場に入ってきてから、黄泉川はピリピリしたままだ。

「じゃ、装填方法から教えるじゃん」

かくして射撃訓練が始まった。


上条が射撃訓練を始めたころ、美琴は風紀委員訓練施設内のシャワールームにいた。

「ふー」

心地良い温度に設定されたお湯が身体を優しく包む。

「ま、いつも通りって感じかな」

腕を伸ばしたり回したりしてストレッチをする。
ついでに少しビリビリとしたいところだが、水気のある床を通じて他の所へ電気が行ってしまうので我慢。

ちなみにこのシャワールームは常盤台にあるのと同じようなもので、個室は胸くらいまでの仕切り板で仕切られてある。

「あとは結果を聞くだけか…」

シャワールームに備え付けられてある時計を見ると、針は15時をさそうとしていた。

「そんなに遅くないし、さっさと結果聞いて黒子誘って遊びに行こうかな」

独り言を呟いたつもりだったが

「あら、御坂さん。
合格者はこのあとレクレーションを受ける手筈ですわよ」

「うっ」


まさかと思い隣の個室を恐る恐る見ると、やっぱり婚后光子がいた。
豊満な胸と綺麗な長髪に目を奪われたのは悔しいので認めたくなかった。

とにかく婚后に言われたことを整理する。

「え、レクレーション?」

「そうですわ。
合格!はい明日からよろしく!
というわけにはいかないのでしょう」

「えー」

まだ合格したわけではないが、やっぱり受けたからには合格したい。

それでもその後のレクレーションは面倒だ。

「(遅くなるとアイツにも遭遇できないかもしれないし…)」

ごにょごにょと呟く美琴に気づかず、婚后は言う。

「予定では門限より遅くなるそうなので、寮には連絡したほうがいいですわよ」

「うー」

あの寮監に事情を説明するのも面倒だ。
婚后もそのことを考えてか表情が曇っている。

シャワールームの壁に頭をぐりぐりと押し付ける意味不明な行動をしていると、ピンポンパンと案内音が響いた。

『只今より放送にて合格者の発表を行います。なお、結果は正面玄関にも貼り出しています』



数分後二人の少女が一つの携帯に気難しい顔で話しかけていた。


以上です。

テンポが悪いですね
申しわけありません
でもここはしっかりと書きたいと思っています
もう少し>>1の自己満足にお付き合いください

年内完結を目指していましたが
少しできそうにないです


早く遭遇展開こないかなー

乙!
あせらずゆっくり完結してくれればいいよー

ゆっくりでもしっかり書いてくれたほうがありがたいです

乙!!!

乙です!

おつ
もしかしてオリエンテーションorレクチャーと言いたかったのだろうか…。

レクリエーションじゃね?

  乙です!!!
 次も楽しみに待ってます!みんなの活躍が早く見たい!

合格者たちの顔合わせがてらの懇親会だろ?>レクレーション

こんごーさんて同じ寮だったっけ?
アニレーだと婚后さんは泡浮湾内と同じく学舎の園の中のほうって言ってたような。


こまけぇこたぁいいんだよ!


>>1です
こんばんわ。

>>294-295
>>1が言いたかったのはレクチャーでした
オリエンテーションとかいろいろ頭の中巡った結果
レクレーションとかいう変な言葉まで生まれてしまいました

>>298
婚后さんの寮に関しても
書く前には頭に留めてましたが焦って書いたためか抜けてました
寮監にも連絡網があるといった感じに脳内補完お願いします

頭が回ってません、申し訳ないです




「またハズレじゃん。これじゃ持たせられないな…」

「うー」

上条はぎこちない様子で拳銃を構えていた。
さっきから人の形が書かれた的を狙って発砲しているがなかなか当たらない。

「今は実弾だからマシだけど、ゴム弾になればもっと当たりにくくなるじゃん」

そして実戦ではゴム弾のほうが使用率が高い。

とはいえ、黄泉川の指導にも問題があると上条は思う。
習うより慣れろじゃん。そう言って、弾の装填方法以外は何も教えてくれなかった。

映画やドラマの見よう見真似でやってみるがなかなか当たらない。
一向に上達しない上条を見て黄泉川は小さく溜め息をつく。

「ちょっとトイレ行ってくるじゃん。
まぁアンタならそれ使って妙なことしないだろうから、練習しとくように」

黄泉川はそう言って射撃場から出て行った。


「初めてだから仕方ないのですよ」

上条は自分に言い聞かせるように呟く。

戦うときは拳一つで戦ってきた身なため、銃撃戦など一般人レベルだ。
それでも構え直し引き金を引く。


またハズレ。


上条は構えたまま溜め息をついた。

ちなみにゴーグルはしているが耳栓はしていない。
黄泉川曰く、実戦で耳栓なんて着けないじゃん。らしい。

自分も休憩がてらトイレにでも行こうかと思ったが、後ろから声が掛かった。


「肘を伸ばしすぎだ、肩の力抜いて、自然に肘を曲げる」

「え?」

後ろを振り向こうとしたが、今はアドバイス通りに実践する。

「発砲の直前、息を止めて神経を集中させろ」

言われた通りにする。

(肩の力を抜いて、自然に肘を曲げて…息止め集中、発砲!)

引き金を引いた。

的の胴の辺りではあったが、初めて当たった。

「ほら、当たるだろ」

上条は後ろを振り返る。
そこには自分達より先にここで練習していた警備員の男だった。

「あ、ありがとうございます」

「いいよ。どうせ黄泉川さんのことだ、まともに教えてくれなかったんだろう?」

いたずらっぽく笑う男。


「え、えぇまぁ。
どうせ…って黄泉川先生は、まともに教えない人なんですか?」

「教えない、じゃなくて教えられない。
といったところか」

上条は男から、黄泉川が子供に対しては銃を向けない主義であること、強能力者程度なら暴走能力者でも敵では無いことを聞かされた。

「そ…それは凄いスキルの持ち主で…」

「射撃もうまいんだけどね。
まぁ、本人が使うことが少ないから教えられない感じだな」

おしいんだよな、いろんな所…
と男がぼやいているとドアが勢い良く開けられた。

「好き勝手言ってくれるじゃん!才郷!」

才郷と呼ばれた男はギョッとドアのほうを見る。


「あ、あぁ黄泉川さん。
これはアドバイスをしてた結果こうなっただけですよ」

「ほほぅ…それで、私の何がおしいんだって?」

「な、何もありません!
それじゃ、俺はあがりまーす」

そそくさと銃器をまとめる才郷。

「俺は警備員第84支部の才郷良太だ。
以後、何かあったら頼むよ」

両手に銃を抱えながらも右手を差し出す才郷。

「あ、上条当麻です」

上条も右手を出し握手する。

「上条って…例の高校生のやつか」

才郷が驚いた表情で黄泉川を見る。
黄泉川は黙ったまま小さく頷いた。

「どうりで若いわけだ、まぁあまり無茶をしないようにな。それじゃ」

そう言いながら才郷は出て行った。

「アイツは84支部で分隊を指揮してるじゃん。今後も現場でよく会うだろう」

良いヤツじゃん、と黄泉川は付け加えた。

「それじゃアドバイス貰ったみたいだし、続きやるじゃん!」


以上です。
本日この後もう一度来れれば来ます

才郷さん登場です
13巻の寝坊した警備員です
当初は名無しのモブ的な人を出そうと思ってましたが
この後少し重要な役をしてもらうので
才郷さんに来てもらいました

才郷×黄泉川
とかありますかね?

黄泉川×上条だと思ってたのに!


一方さんだったら…と妄想しますた
GJっす

乙~


 乙~!!
上条さんに射撃スキルまで加わったらマジ怖いwww
御坂妹に秘密裏に鍛えてもらってもいいかも

ここから上司と部下の禁断の愛が始まるんですねwktk

上条×黄泉川×美琴
だろjk

才郷×黄泉川なんぞいらん

いやいや 上条×美琴が俺得であり究極

>>312
いや…
上司(黄泉川
部下(上条

だろ常考…

後は二人でよろしくやるじゃんって煽ったり
教師のくせにいかがわしいこと教える黄泉川と
それに慌てふためく上条さん、話の内容が危なすぎて妄想の世界から夢の国に旅立ってしまい気を失う美琴なら見てみたい

そろそろ上条と美琴の絡み見たいし、才郷×黄泉川はいらないな

いるいらないの判断は書き手がするんだからいいんだよ

ありかどうか聞いてるじゃん

才郷×上条じゃないんですか?

才郷×美琴とか誰得

>>320
えっ?

>>321
えっ?

美琴X黒子が至高ですの

更新来たと思ったらなんだよこれ


>>1です
こんにちわ。

この前の「ありますか?」
というのは存在するのかという意味です
余計な事を言ってややこしくしてしまいました
さすがに遠回りしすぎなので
才郷×黄泉川は無いです

いろいろなカップリングの好みがあるでしょうが
このスレでは上琴になります

待ってくれている方がいるので
少し時間が無いのですが投下します
急いでいるので誤字脱字多いかもしれません


学園都市には学生寮の他に教職員用の住居もある。
たいていは学生寮とあまり変わらない設備だが、なかには最新設備を備えた住居もある。
そんなマンションの一室。

リビングのソファーでは学園都市第一位の少年、一方通行が寝息を立てていた。

そこへ

「どーん!ってミサカはミサカはダイブしてみる!」

「ぐふォ!」

一方通行が飛び起きる。

「打ち止め…」

腹の上に乗っている、アホ毛が特徴的な少女を睨む。

「はっ…やり過ぎたかも…ってミサカはミサカは自分の行いを反省してみたり」

俯き加減で言う打ち止め。

心なしかアホ毛の元気も無い。

「ったく…普通に起こせねェのかよ」

「ゴメンなさい。
でもね、ミサカとデートの約束をしたのにいつまでも寝てるアナタにも責任があるかもってミサカはミサカは自分の行いを正当化してみる」


「デートだァ?」

「忘れたの!?酷い!ってミサカはミサカはドラマのごとく、おいおいと泣いてみる」

打ち止めは一方通行が被っていた毛布を頬の下に当て、泣いたふりをする。

「くっだらねェ…ただの買い物だろォが」

「アナタには乙女ゴコロってものがわからないの!?ってミサカはミサカはぶーたれてみたり」

「お前が乙女ゴコロなンて言葉使うのは10年早いわ」

一方通行は打ち止めの首根っこを掴み上から下ろす。
目を擦りながら立ち上がり、自室へ向かう。

「あれ?もしかして本当に怒っちゃったの?寝ちゃうの?ってミサカはミサカはアナタのズボン裾を引っ張ってみる」

ちょいちょいとズボンの裾を引っ張る打ち止め。

「だー!うぜェな!買い物行くンだろ、さっさと着替えやがれ」

打ち止めがズボンの裾を放し、しばし立ち尽くす。

「あァ?」

急に静かになった打ち止めをおかしく思った一方通行は歩みを止めて後ろを振り返る。
そこには年相応の満面の笑みを浮かべた打ち止めがいた。

「やったー!ってミサカはミサカはアナタの胸にダイブ」

「だァ!うぜェって!」

「そう言いながらも受け止めてくれるアナタってやっぱりツンデレさんだよね、ってミサカはミサカは調子にのってみる」

「本気で行かねェぞ」

呆れたように一方通行が言うと打ち止めは、はわわ、と焦った声を出しながら自室へ向かった。


「ったく…クソガキが…」

頭をボリボリと掻きながら、一方通行はしんとしたリビングを見渡す。


異変は朝起きた時に気付いた。


昨夜自分がリビングで読んでいた雑誌、打ち止めが読んでとせがんできた絵本。
それらはリビングの机に置いたはずだが、朝になると消えていた。
その程度ならおかしいことはないが、
食洗機に入れていた食器、いつもは出ている炊飯器、玄関の靴まで、ありとあらゆるものが片付けられていた。

この家の主は問題が起きると部屋を片付ける癖がある。
この状況をみる限り、彼女に何か問題が起きたのだろう。

でなければ深夜1時に帰宅して片付けをするはずがない。

(黄泉川のヤツ…夜中に何ゴソゴソしてンのかと思ったら…)

何か詳しい話を聞きたい、しかし聞ける同居人は出かけているし、そもそも自分の柄ではない。

「チッ…」

力になれ無いことに歯噛みし、舌打ちをする。

「準備完了!ってミサカはミサカは部屋から勢い良く飛び出してみる!って…アナタはまだ着替えてないの?」

さっきと変わらない服装の一方通行を見て、打ち止めは不機嫌そうな表情を浮かべて近付いてくる。

「なンでもねェ…」

一方通行の声を聞いて、少し不安そうな顔を浮かべる打ち止め。
もう一度、なンでもねェよ、と言って打ち止めのアホ毛を指先でつつき、部屋に入った。



(疲れた…)

上条は電車の手すりに掴まりながら、眠気と戦っていた。
外はもう暗く、窓には自分のやつれた顔が映っている。

射撃訓練を夕方まで行った後、片付けやシャワーを浴びたりしていると夜になってしまった。
悲鳴を上げる身体を引き摺り、電車に乗ったが風紀委員の試験帰りの生徒たちもいたせいで電車は満員状態。
今はかなり空いているが座席はうまっている。

(本当に不幸ですよ)

電車に乗って以来何度目かわからない溜め息をつく。
そもそも今日は人生で溜め息を一番ついた日かもしれない。

そんなことを考えているうち、電車が駅に止まる。

まだ降りる駅は先なので、ドアの前に立っていた上条は乗降する人の邪魔にならないよう少し横によける。

と、ドアの外に立っている人を見て上条は止まった。
肩までかかる茶髪、髪止め、都市内の人なら誰でも知っているベージュのブレザー。



そして、胸元にハートのアクセサリー。


相手も自分に気がついたようで、微妙ではあるが表情が変わった。
電車のドアが開く。

「こんばんは。とミサカは意外な出会いに心踊らせながら挨拶します」

御坂美琴のクローン。
そしてその10032号、御坂妹は電車に乗りながら言った。
いつもの軍用ゴーグルは手に握られている。

「あまり嬉しそうに見えないんですけど。何してたんだ?こんな時間まで」

注意放送が入りドアが閉まったので、上条はドアに体を預ける。

「それはアナタにも言えることでは?とミサカは…」

御坂妹はそこまで言って上条をじっと見つめる。

途中で言葉を切ったことを含めて不思議に思っていた上条だったが次の御坂妹の行動で凍りついた。
御坂妹は上条に顔を近付けて、傍から見ればキスをするような体勢になっていた。
しかし御坂妹の顔は上条の横を通過し、首元で止まった。

少しホッとする上条。
もちろん今の体勢でも傍から見れば十分怪しいのだが。


「あ…あの~」

「微量ではありますがあなたから硝煙の臭いがします。とミサカはこの理由を考えながら報告します」

「─ッ」

上条は咄嗟に後ずさりした。
が、電車の壁にごつんと頭をぶつける。

「臭いからして学園都市のアンチスキルが使用している銃器である可能性が高いです。とミサカはネットワークを使って手に入れた情報を報告します」

上条から顔を離し、正面から見る御坂妹。

(どんだけ鼻いいんですか、シャワー入ったのにそこまでわかりますか普通!?)

「硝煙の臭いは他の衣服にも移り易いです。
硝煙の着いた服を抜いだ際今の服の所に置きませんでしたか?
それだけで臭いは移ってしまうものなのでご注意を。とミサカは的確なアドバイスをしてできる女をアピールします」

シャワールームと更衣室は一体だったため、最低限の肌着だけ取り出し、戦闘服はロッカーに入れてシャワーを浴びた。
その際ロッカーに入れてあった私服に臭いが移ったのだろう。

自分の行動を後悔すると共に再び起こさないようにと心に誓う。


(しかし、だ)

この状況をどう打開すべきか。

現に御坂妹はほとんど気付いているだろう
上条はしばらく考えた後、諦めたような溜め息を吐いた。

「御坂妹、ちょっと話がある」

「なんですか?とミサカはベタなゲーム的展開に期待を膨らませます」

「誰にも聞かれたくない、降りる駅は一緒だよな?電車を降りてからでいいな」

「わかりました。とミサカは秘密のお話を聞く準備をします。お口チャック」

御坂妹は人差し指で自分の唇をなぞった。
そんな行動を見て上条が微笑んだところで、アナウンスが駅にもう到着することを告げる。

駅は上条と御坂妹以外誰もいなかった。
駅のホームを歩きながら、上条は自分の今の状況を話す。
御坂妹は無言のまま聞いていた。

最後に

「まぁ、御坂妹には隠しきれないくらい鋭い質問されたから話したけど、他言無用だからな」

御坂妹に話してよかったのかと思った。
だが彼女が疑問を持ったまま
『上条当麻からアンチスキル使用銃器の硝煙の臭いがした』
などと噂を立てられるより、こうして訳を知ってもらって黙っといてもらうほうが善作だと上条は考えた。

「わかりました、これはアナタとミサカだけの秘密事です。とミサカは他の妹達に対し優越感を感じます」


「はぁ?」

「いえ、何でもありません。それより、お姉様はこのことをご存知なのですか?とミサカは無理矢理話題を変えます」

「さっき説明した時にも言ったように、このこと知ってるのはほんの一部だ。御坂が知ってるはずねーだろ」

「そうですか…とミサカは意味深に呟きます」

御坂妹の声色は嬉しそうで、どこか悲しそうな、たしかに意味深な呟きだった。

「こんなことアイツが知ったらすぐに飛び込んできそうだからな…
迷惑掛けたくないし、いくらお姉様の御坂でもお口チャックで───」

「迷惑を掛けないことが…
お姉様のためになるとは限りません。とミサカは自分勝手な発言をします」

え、と上条の思考が止まる。

「それってどういう…」

「それではミサカはこちらですので。とミサカは強引に話を切り上げます」

立ち尽くす上条を置いて御坂妹は歩いて行く。
上条は一瞬追いかけようかと考えたが少し言葉の意味を考えることにした、と言うより考えなければならない気がした。

(あの御坂妹があそこまで言う事だもんな…)

いろいろな予測が立つが、どれもピンと来ない。
自分の吐く白い息のように、出てきては消える。

(お馬鹿な上条さんにはわかりませんよ)

一際大きな溜め息をつく、大量の白い息が風に流され消える。

と、そこで


「─っくしゅん!」


可愛らしいくしゃみが聞こえた。


御坂妹も、上条と別れてから考え事をしていた。

(ミサカは何がしたいのでしょう…)

歩きながら夜空を見上げる。

(お姉様があの人に好意を持っているのは周知のことです。
そして、ミサカも含め多くの妹達もあの人へ好意を持っています)

かじかんだ手を擦り合わせる。

(ミサカはお姉様のクローンです。
仮にあの人がお姉様に好意を持った場合、そっくりなミサカ達にも好意を持つのでしょうか?)

もしくは逆の場合も…

(いえ…彼ならそんなことはしないでしょう。
仮にそんなことされてもミサカは嬉しくありません)

お姉様には負けたくない、それでも、自分とお姉様に感じる壁は何なのだろうか。


(やはり、クローンと人間の壁なのでしょうか?)

幻想御手事件というものがあった、
ネットワークで得た情報によると、高能力者に負い目を感じた低能力者が、能力が上がる装置を使った事件らしい。

その低能力者たちも、今の自分のように何かの壁を感じていたのだろうか。

(…難しく考えるのは止めましょう)

御坂妹は一度立ち止まって溜め息をつく。

(お姉様の幸せは妹達の願いです。
今回はミサカが朴念仁なあの人に少しでもお姉様を意識させるために一役かった、ということにしましょう)

はー、と自分の息で手を温めてから御坂妹はまた歩き出した。

「あとは上手くやってくださいツンデレ姫のお姉様。とミサカは皮肉をこめてお姉様を応援します」


以上です。

徐々にリク消化していこうとしてます

イイミサカダナー

リクはもういいので本編を進めてください
早く上琴が見たいです
見たいです

美琴は上条さんにやる

ということで妹は俺が面倒見てやるから安心しろ

乙~

>>1が書きたいように書くのがベストだと思うぞ。
つーかぶっちゃけ本編が、つまり上条さんと美琴の絡みが見たいんだッ!!

>>341
おい一行目と二行目で矛盾しとる

原作でのクローン人間の倫理どうあつかうんだろうな
GJ

これ別々に事件追って最後の最後にスレタイになるのか


 こうやって主役以外の背景の人物もしっかり描いてくれるからいいんじゃないか
リクでもなんでもそれは変わらないんじゃ?

 乙です!!健気な御坂妹ができるだけ幸せになれますように
そして上琴決定俺得! 続き楽しみです

追いついた
シエンタ

今夜は>>1来てくれンのかなァ

年末だしあんまり期待するのも悪い気がするな
着てくれたら嬉しいけど

>>1が来ないと「年末」を逆から読んだ状態になりそうだ


>>1です
こんばんわ。

今日はいろいろとあって
書ける気がしなかったのですが
期待してくれている方いるということで

皆さんも雨の日は自転車自動車お気をつけ下さい


「─っくしゅん!」

「あ、」

上条はくしゃみのしたほうを見て声を上げた。

「え?」

上条の声に振り向いた少女も声を上げる。

さっき上条が別れた少女と同じ服装、同じ色の髪、同じ顔。
ただし睨みつけるような目は絶対に見間違えない。

「御坂…何してんだこんな時間に?」

「え、あ…いや、アンタこそ何してんのよ?」

「う…ほら買い物ですよ。閉店間際の安売りを狙った」

ふぅんと興味無さげに頷く美琴。

と、上条が既に歩き出しているのを見て慌てる。

「ちょ、ちょっと。もう帰るの?」


「当たり前だろ。
もう夜も遅いから危ないし、話は歩きながらでもできるだろ」

「え、それって…」

「いくらレベル5でも、女の子を一人で帰らせるほど上条は腐っていませんよ」

「そ、そう…」

素っ気なく返事する美琴、だが彼女の頬は紅く染まっている。
あたりが暗いので上条には見えることは無かったが…

「どうした?帰らないのか?」

なかなか来ない美琴を上条は不思議そうに見て言う。

「い、今行くわよ」

美琴が上条の横に着くと、二人揃って歩き出した。
美琴のほうは、風紀委員のレクチャーが終わり、バスで最寄りの停留所まで帰ってきた後、寮までの道を何も考えずに歩いてところ上条に出会った。

(油断してたら現れるんだから…)

「それで、御坂は何でこんな時間に出歩いてるんだ?門限とかあるだろ?」

「あ、あぁ…それはね」

ごそごそと鞄の中をあさる美琴。

「じゃじゃーん」

どうよ、とばかりに見せてきたのは風紀委員がいつも付けている腕章。


「何だ?白井のを探しててこんな時間までかかったのか?」

「違うわよバカ!」

バチン、と軽い電撃が走る。

「臨時のジャッジメントよ!」

「臨時ジャッジメント…」

「そ、最近能力者の暴走事件が多いじゃない?それの補充員らしいわ。
内容は雑務処理ってなってたけど、大能力者以上を採用する時点でその事件に充てるのはまる分かり」

「それで、今日は何で遅くなったんだ?」

もちろん上条はその訳を知っている。
内心では第二学区内で遭遇しなかったことに安堵しつつ、わざと質問をなげかけた。

「採用試験よ、その後に簡単なレクチャーがあって遅くなったの」

「それで見事合格か…さすがですねー美琴先生」

なによそれ、と言いながら美琴はくすりと笑う。



しばらくするといつもの公園に来た。


「あ、ちょっと待って」

美琴は上条の腕を引いて立ち止まる。
止まったのはいつもの自動販売機の前だった。

「ま、せっかく送ってくれたしね」

そう言いながら美琴は鞄を置き、トントントンと軽やかにステップする。
上条は何だか嫌な予感がした。


そして


「常盤台中学内伝!おばーちゃん式ナナメ四五度からの打撃による故障機械再生法」

「─ばッ!御坂!やめろ!」

「ちぇい──キャッ」

完全に回し蹴りを繰り出す体勢の美琴だったが、上条に腕を引かれたためバランスを崩す。

どさり、
と人の倒れる鈍い音が、静かな夜の公園に響いた。


「ちょっ…ななな、何すんのよ」

今の体勢は美琴が上で上条が下。
倒れた時は上条が受け止めてくれたので痛くも何とも無かった。
だが、今の状況を冷静に考えると顔から火が出そうだ。

「馬鹿野郎、お前臨時でもジャッジメントになったのに、そんなことしていいと思ってんのか?」

はっと気付く。

「そ…それは、その…」

「ったく…白井だって、本当のところは注意しないといけないのを黙認してるようなものだろ?
もう少し自分の行動に責任を持たないといけないんじゃないのか?」

「ご…ごめんなさい…」

俯く美琴。

しかし、俯いたところで上条は下にいる。
結果真剣な眼差しの上条と目が合ったところで、美琴は真っ赤になりながら目を逸らした。

「わかればいいんだ」

上条は微笑む。

(その笑顔は反則よ…バカ!)


「で、美琴サン」

「ふぇ?」

「いつまでも上にいられると起き上がれないんでせうが…」

「な、あああ…」

今まで紅かった顔がもっと紅く染まっていく。
とはいえ上条も焦っていないわけではない。

(ちょっと当たってるんですよ)

美琴の柔らかいお尻がいつまでも腹の上にあるのは一般男子として少し耐えられなかった。

美琴がどいて、遠慮がちに上条に手を差し伸べる。
上条はその手を引いて立ち上がった。

「もう、バカなことするからアンタの服汚れたじゃない」

そう言って上条の背中に付いた砂を、ぱんぱんとはたいて落とす美琴。

「いやいや、いつものことですよ」

と、美琴が何かに気付く。

「あれ?さっき倒れた時も思ったんだけど」

ここで上条は自分のミスに気付いた。
が、遅すぎた。




「アンタ…火薬臭くない?」






以上です。

やっと二人が揃って出てくれました

あとスレタイなんですが
物語の途中に出るか微妙なところです
必ず出すべきでしょうか?

乙乙
こういう上条さんと美琴の何気ない絡みがとても和むなぁ
上手い事使えそうな場面があれば使う、無ければ物語の方向性を示すだけのタイトルって事にすればいいんじゃない?

乙乙
二人が会ったの拝めて安心して年が越せる

台詞自体は内容がそれに沿っていれば気にしないなあ
たまにあるしそういうスレ

タイトルはタイトルってことでいいと思うよ。
出そうとして変になっちゃったら本末転倒だしなー。

超乙です
無理に入れなくていいと思います。
上琴ばんざ~い


 結局、超乙って訳よ!!!!
 とうとうゼウスの胸甲と雷が運命の?邂逅!!やっぱり上条さんと美琴の絡みは最高です
 てか美琴、上条さん完全武装した姿見たら プシューッ/// ってなりそうwww
 
 スレタイ入れるかどうかは、上の皆さんが仰る通りに
 無理がないように決めたらいいと思います

このスレタイ言う場面間違わなければ絶対カッコ良く決まると思うから言わせた方がいいな
まぁ、頑張って下さいな

乙~
やっと2人が出会ったか…
待ちわびた

上琴ついにきたか!乙なんだよ!


それと山田君、>>349の座布団全部持ってっちゃって

>>365
そりゃないにゃ~!

>>366
年末

年末なのに来てたのか。>>1、乙!

スレタイについては他の読者も言ってるけど、無理に出さなくても良いと思うぞ。
然るべき場面でスレタイの台詞出せば確かにバッチリ決まるとも思うけどさ。

ともあれようやく上条&美琴の絡みが出てきて「よっしゃーッ!」てな感じ。
続きは年明けになるのかな。
時間が掛かっても完結してくれればそれで良しだけどな。

>>1
明けましておめでとう!…待ってるからな

「アンタ…イカ臭くない?」

>>370
そう言う短髪はネギ臭いんだよ

>>370
「ベランダに干してあったイカを飼ってるからな」

そういうのは一行リレーのスレでやれや

>>1早くこないかな・・・

忘れてた。>>1


明けましておめでとうございます
>>1です
今年もよろしくお願いします
なかなか来れなくて申し訳ないです
ここ一週間が忙しすぎました
今日からまた適度に書いていこうと思っています


上条の表情が固まった。
同時に体の動きも止まる。

美琴はそんなことを気にせず上条の服に顔を近づけ、すんすんと臭いを嗅ぐ。

「やっぱり…少しだけど火薬の臭いがする」

そして体勢を元に戻し、上条を睨みつけた。

「アンタ…本当は何してたの?」

上条は必死に頭を回転させる。

(この場面にピッタリの言い訳は…)

「ねぇってば!」

なかなか答えない上条に美琴が怒鳴る。


「あ、く…クラッカーですよ、御坂さん」

「へ?クラッカー?」

「そう、あのパーンって鳴る。
今日は友達の家で少し早いクリスマスパーティーだったんです」

美琴が何か突っ込もうとするが、上条はその隙を与えない。

「クラッカー程度の火薬に気付くなんて凄いな。
あれってそんなに火薬入ってないだろ」

「べ、別に大したこと無いわよ」

「いやいや、恐れ入ります」

上条が褒め続けたためか、それ以上美琴は踏み込んで来なかった。

心の中で安堵の溜め息をつく上条。


「さて、と。何が飲みたいんだ?」

「え?」

自販機の前に向き直る上条を見て美琴が驚きの声を上げる。

「何驚いてんだ?
もともと何か飲みたかったんじゃねーのかよ」

「い、いいわよ、自分で…」

と言うものの今日は財布にはバスに乗るためのカードしか入れてない。
上条は既に小銭を入れているようで、自販機のボタンが赤く点灯していた。

「じゃぁ…」

そう言って美琴はボタンを押す。

「うわっ寒いのにヤシの実サイダーかよ!」

美琴の選んだ商品を見て上条は引きつった声を上げる。

「い、いいでしょ別に」

照れ隠しに適当に押したボタンがヤシの実サイダーだったとは言えない。
とは言え、ガラナ青汁やイチゴおでんよりマシだとは思った。

それでも寒さでかじかんだ手に冷たい飲み物を持つのは憂鬱と感じながら、取り出し口に手を伸ばした。



だが


「あっつ!」

「?何してんだ?」

突然取り出し口から手を出した美琴を、上条は怪訝な表情で見る。

「ヤシの実サイダーが…熱い…」

取り出し口を指さしながら言う美琴。

「はぁ?」

上条は取り出し口に手を入れる。
確かに缶は熱く、上条も一瞬手を引く。

指先でつまむように缶を取り出すと『ホットおしるこ』が出てきた。

「おぉ、御坂。お前のおかげでこの自販機、気遣いができるようになったみたいだぞ」

「何で私のおかげなのよ!」

美琴から来る電撃を右手ではらい、上条はホットおしるこを渡した。

「さ、帰るとしますか」

「え?アンタのは?」

「残念ながら上条さんの持ちあわせはさっきので最後なのです。あぁ悲しき貧乏学生」

「何か悪いじゃない」

「気にすんなって。そんなこと気にする間柄でもないし。
それとも、お嬢様な美琴さんが貧乏学生の上条さんに奢られるのが気に入りませんか?」

「そういう訳じゃ…」

ごにょごにょと言って、なかなか缶を開けない美琴。


見かねた上条が美琴から缶を取り上げ、プルタブを引く。
開ける時の独特の音が響き、缶から湯気が上がった。

上条はそれを一口飲み、美琴に手渡した。

「ほら、これでいいだろ」

「え、えぇ…!」

缶を受け取った美琴は黙ったまま飲み口を見つめている。

(こここ…これって、これってかかか…かんせつキ─)

「っと、口付けたのはまずかったか。
悪い御坂、気になるなら口付けないように飲んでくれ」

「なっ!ななな!」

意味のわからない言葉を発する美琴。

「あ、アンタ!私がこんな間接キスを気にするような、器の小さい女だと思ってたの!?」

「いやいや、間接キスに器の大きい小さい関係無いだろ」

「うるさい!子供扱いすんな!」

顔を真っ赤にしながら、美琴は缶に口を付け一気に缶を傾け、

「あっつ!」

見事に吹き出した。


「あーもう何やってんだよ」

上条が持っていた鞄からタオルを取り出し、美琴の口周りを拭く。

「汗臭いかもしれないけど我慢してくださいよー」

「じ、自分で拭くわよ!」

上条から強引にタオルを奪い、口周りを拭く美琴。

(…コイツの匂い)

知らず知らずのうちにタオルに顔をうずめて、軽いふにゃー状態になる美琴。
しかし、朴念仁上条当麻はまったく気付かない。

「ほら、だいぶ時間くっちまったから、早く帰ろうぜ」

「ふぇ?あ、うん!」

タオルから顔を上げて、慌てて上条を追う美琴。

「いつまでタオル持ってるんだ?」

いつまでも美琴が持っているタオルに手を伸ばす上条。

「バカ、洗って返す常識くらい持ってるわよ」

美琴は慌てて上条がいるのとは逆のほうへタオルをやる。

「そんな大層な…」

「いいから!少しくらい気を使わせなさい!」

「はいはい…」

美琴はいい温度になったおしるこを、ちびちび飲みながら歩く。


しばらくは沈黙が続いたが、
微妙な空気に耐えられなくなったのか、美琴が口を開く。

「今回の事件…アンタは首突っ込んでないんでしょうね?」

美琴の質問に上条はドキッとしたが、あくまで平静を装う。

「今回の事件…?」

「さっき言ったじゃない、能力者が暴走してるってやつ。
アンタその右手でなんとかできるとか思って、また危ないことしてるんじゃないかって…
その様子じゃ、何もないみたいだけど」

「…」

「今までアンタにたくさん助けられてきた。
アンタが助けるところを何度も見た。でもその度に、アンタはボロボロになって、リアルゲコ太のところに入院して…」

上条は美琴を見るが、その表情は俯いているので見えない。

「私、アンタ見てたら何で自分がレベル5でアンタがレベル0なんだろうって思う。
おかしなこと言うけど、もしこの学園都市のレベルが活躍による歩合制なら、私はレベル0でアンタはレベル5だと思う」

何言ってるんだろ…と自嘲的に笑う美琴。


「でもね…」

しばらくの沈黙。

「私だって、悔しいんだよ…?」

「…」

「悔しいって言うのはね、アンタが活躍してることに関してじゃなくて、アンタの力になってあげられないこと」

超能力者、学園都市第3位、電撃使いの頂点、常盤台中学のエース。
周囲からは憧れと期待の目を向けられ、常にスポットライトを浴びる美琴。

しかし、彼女自身はそれだけの能力を持ちながらも、とあるお節介少年の力になれないことに歯噛みしていた。

「だから…今回ジャッジメントの募集を聞いた時に、やろうって思ったの。
もしかしたらアンタが首を突っ込んでるかもしれない、それなら力になりたい」

美琴は目線をゆっくりとあげる。

「結局アンタはまだ何もしていなかったけど」

そう言って微笑む。


「ちょっと…安心した」


「─ッ」

普段なら上条には絶対に見せないような笑顔。
それを見て、突然大きな罪悪感にとらわれる上条。


「どうかしたの?」

少し苛立ったような表情を浮かべる上条を見て、美琴は不安そうに声をかける。

「い、いや…とにかく、頑張ってくれよな」

「アンタこそ…首突っ込んでくるんじゃないわよ。
怪我してほしくないんだから…」

「ん?今日の御坂さんはやけにお優しいですね。いつもこうなら助かります」

「う、うっさい!人がせっかく心配してるのに!」

顔を真っ赤にしながら叫ぶ美琴。

「冗談だよ、ありがとな。
お、あれ寮だよな」

話しているうちに、街に似合わない西洋の建物が見えてきた。
寮の前で二人は立ち止まる。

「じゃぁ…ありがとね」

「いやいや、これくらい当然ですことよ」


美琴が寮に入ろうとしないので、上条も立ち去ることができない。
無言のまま微妙な空気が流れる。

「…気をつけてくれよ」

先に口を開いたのは上条だった。

「俺だって御坂と一緒で、御坂の傷付くところなんて見たくない。
本当ならこの事件に首突っ込んで、少しでも御坂に危険が及ばないようにしたいくらいだ」

そう言って右手を見つめる上条。

「だ、大丈夫よ。私だってまったくの戦闘初心者ってわけじゃないんだし、自慢するわけじゃないけど一応はレベル5よ」

「そうか…そうだったな」

上条は安心したように笑い、美琴の頭に右手を乗せる。
美琴は顔を真っ赤にして、ふにゃー状態になるが、上条の右手のおかげで漏電はしない。

「頑張れ、御坂」

ぽんぽんと頭を軽く撫でて、上条は踵を返す。

「あ…う、うん。私頑張るから!」

「おう、じゃあな」

上条が歩き出すが、美琴は寮には入らない。
そんな美琴を振り返って見た上条は、軽く笑ってまた歩き出す。

そして曲がり角でもう一度振り返り、美琴に手を振ってから上条は消えた。

「…頑張らないとね」

まだ少し頬の紅い美琴は、足取り軽く寮の中に入っていった。



以上です。
次回からまた別ルートなので
上琴成分が薄くなるかと思われます
少しずつ、話も進めていきます


本命の上琴ルートをきっちりこなすためには、脇を固めるのも大切ですよね

いい上琴ごちそうさまです

そして美琴は>>382のタオルをオカズにけしからん事するわけだな。

乙乙
右手バレ楽しみ

待ってたぜー。>>1乙!
次回から別ルートでも最終的に俺得な上琴になるのが解ってるから安心だな。

上琴宣言のあるSSほど安心して読めるものはない。

青春っていいなァァアアアアアアア!!!!

この美琴は萌えますなぁ


オカズ(タオル)確保wwww

>>395
それ俺も吹いたwwwwww

更新超乙です
そんな>>1を応援してるぞ!

久しぶりに美琴がかわいいと思った

あとあけおめことよろ!がんばってくれい!

続き気になる


 待ってたぜ!!

 しかし上条さん、アンタ自分が話術サイドにいるからって
話術だけで美琴の疑問をうやむやにできたとは思わないことだねwwwwww
やっぱり褒められても、美琴は軽くふにゃ~化するんだなwwwwww

怖いのは、美琴にアンチスキルに入っていること、というより入った時期が後後ばれること
どんな反応するんだろうな~

>>1更新乙です!

心待ちにしていただけあってかなり面白かったです。
なんだろうな、書いてる文だけ読む限りは俺と同じぐらいの語彙力のハズなのに、
読みやすいし分かりやすいし面白い。これが文才の差なんですかね(´;ω;`)
SS作るに当たって努力したこととかあったら教えてほしいす。

ニヤニヤが止まらないwwww美琴かわええww

ふにゃーかわええwwww

>>1乙だぜェ!

>>1さん あけおめ乙なんだよ
みことがみょうにかわいいんだよ
とうまはいままでたってもとうまのままだけどね

それを言うなら「いつまでたっても」だよ、禁書さんや

>>1乙、大変よろしい上条美琴で。

>「…頑張らないとね」
>まだ少し頬の紅い美琴は、足取り軽く寮の中に入っていった。
おやおやこれから何を頑張r(ry

>>406
いくらあちらこちらで(公式に)いけない妄想しちゃってるムッツリスケベな美琴ちゃんでも
上条さんのタオルが確保出来たからってそんなはしたない事する子じゃありません。

と言えないところがまた何とも。


>>1です
こんばんわ。

最近モチベが下がり気味ですが
頑張っていきます


上条は歩きながら大きな溜め息をついた。

(気をつけろ、か…よくもまぁそんな事が言えたもんだ…)

空を見上げると星が綺麗だ。
雲一つない夜空だが、今の上条には美しいと思えない。

おもむろに、ポケットから携帯を取り出し操作する。
日常の通話では聞かない断続的なビープ音。

しばらくして、ブツリと音が聞こえ

『と、とうま!?こんにちは…いや、こんばんはなんだよ!』

少女の少し慌てた声が聞こえた。

「おぅ、昼飯時に悪いなインデックス」

『なな、どうしていつも私を食いしん坊扱いするのかな?むぐっ』

ごくん、と電話越しにも彼女の喉の音が聞こえる。

「まぁ、この時間に掛けた俺も悪かったな」

携帯をいったん耳から離して時間を見ると、午後10時をまわったところ。
時差を考えると、向こうはちょうど昼食時だ。

『そうなんだよ、私もお昼ご飯が終わったら電話しようと思ってたのに』

「それを待ってたらまた遅くなるだろ」

『なっ!やっぱり私を食いしん坊扱いしてるんだね!』

ガルルルと唸るインデックス。

電話越しでなければ噛まれていたな、と上条は少し笑う。


『それにしてもとうま。今外にいるの?風の音が凄いんだよ』

「ん?まぁちょっとな」

『また何かに巻き込まれたの!?大丈夫!?怪我は!?』

「あ…い、いや…別に何も異常はない」

上条が慌てて答えると、安堵の溜め息が聞こえた。

『そうなの?よかった…』

やっぱり、と上条は思う。
知らず知らずのうちに心配かけている。
自分が誰かを不安から救おうとしている隣で、誰かが不安になっている。

『何かあったの?とうま』

「なぁ…インデックス…」

『…なに?とうま』

「俺が記憶喪失を隠していたことを知った時…どう思った?」

電話の向こうでカチャリと音が聞こえた。
インデックスが皿にフォークか何かを置いたのだろう。
むしろ今まで持っていたことに笑いたい上条だったが今は堪える。

とにかくインデックスも真剣に話をする体勢になったようだ。


『私は…嬉しかったよ』

ゆっくりと、話しだすインデックス。

『どんなに遅くても、とうまが本当のことを言ってくれて私は嬉しかった』

インデックスの優しい声色に、上条は少し救われた気がする。

『でもね…不安にもなったんだよ?』

小さく言うインデックス、そこには不安の色があった。

『とうまがまだ隠し事していないかって…
これからも隠し事をしないかって…
たしかに、後からでも打ち明けてくれるのは嬉しいことなんだよ、でも…』

「…」


『とうまの身に何かあってからじゃ遅いこともあるんだよ?』


インデックスの消えそうな声を聞いて、上条は今すぐにでも頭を下げて謝りたかった。

「それは…やっぱり俺に関わる奴全員が思っているのか?例えばその…御坂とか…」

『もちろんだよ、短髪なんて私ほど優しくないから、とうまが隠し事してたらすぐにビリビリってしちゃうかも』


言い終えたインデックスが、ふと疑問を抱く。

『ってとうま、どうしてそこで短髪の名前が出てくるのかな
?もしかして、私という足枷が無くなったからって、一夜の間違いを起こしたりしてないよね?』

バンバンと机を叩く音が聞こえ、シリアスモードに入っていた上条は呼び戻された。

「いっいえ!インデックスさん!
そんないけない事情ではなくて、昨日お話したように今上条さんは人助けをしようとしているのですが、やっぱり他の人には隠しているんです」

『それで今日短髪に会ってちょっとマズイ雰囲気になったってことなの?』

「いや…なんというか…
御坂も同じような人助けをしていて、俺に首を突っ込むなとかなんとか…」

『それで既に突っ込んじゃってるとうまは、短髪に嘘をついたってことなんだね?』

「まぁ…そんなところです」

『そう…』

何かを考えているのか、それとも躊躇しているのか、インデックスはしばらく黙り込んだ。


「あの…」

上条が聞き直そうとしたところで、インデックスが話しだした。

『さっき言ったように、短髪だって私と同じでとうまのことを心配してるんだよ。でもね、短髪のは少し特殊かな?』

「特殊って…」

上条は言われた意味が全くわからない。
普通の人間ならこのあたりで変な期待を持つが、この朴念仁には通じない。

『少し言いにくいし、どこまで言っていいのかわからないけど、きっと私以上にとうまのことを心配してるのかもしれない』

「え?アイツが?何でだよ…」

さすがにここまでとなると、温厚(自称)な少女インデックスでも噛み付きたくなる。

『それはとうまが自力で気付かないといけないことじゃないのかな?それじゃ、私はお掃除があるからもう切るんだよ』

「え、あ…おい!」

ブツリと音がして、続いてツーツーと無機質な音が寂しく響く。

「なんだよ…インデックスの奴…」

しばらく携帯のディスプレイを見つめていたが、諦めたようにポケットに突っ込んだ。

「はぁ…なんとなく、不幸だ…」

結局心のもやも晴れぬまま、むしろ考えることが増えてしまった。
上条は頭をガシガシと掻きながら、家路についた。



以上です。

タオルおかずは自分も思いました
思っただけですが

乙です
うん、インデックスさんが綺麗なインデックスさんだww


これはいいシスターインデックス

オカズにはしないまでも多分ぬいぐるみに巻き付けて抱きしめて寝るぐらいはしたよね絶対

乙です
つかインさんあんま美琴と会ってないのに恋心に気づいてるとかすげえwwwwww

未来話っぽいしそれまでの過程になんかあったんじゃろう多分

未来話なのか?
最初に12月ってあったけど時系列としてはどのへんなんだろうな

乙です!
インデックス原作でもこんな感じだったらもっと人気でただろうに…
続き待ってます!

原作のインさんは一巻がピーク

自身が魔術使えないって設定のおかげでどうしても活躍の場がねぇ…

まぁヒロインって立場のキャラに戦闘力を求めるのは不必要だと思うがな。
インさんはもうちょっと心理描写増やして一巻の頃の優しくて可愛らしいシスターって設定を活かせば良いと思う
つかやたらと他の凶キャラと比較される美琴みたいなヒロインは珍しいと思うわ。


これは……上条さん悩みまくりだな……
警備員になったことは機密事項&他の奴等を巻き込みたくない
けど、嘘をついている、しかも自分のことをあれだけ心配して
力になろうとしてる者に対して。凄い罪悪感だろうな

そして禁書の言葉が分からず悩む鈍感旗男wwww
ていうかインデックスさんが半端なくいい人
原作でもこういう(一巻的な)描写があればいいのに

それでも美琴だってデッドオアアライブな血みどろの戦闘まではないし
黒子なんかと比べるとやっぱりどこか大事にされてるなあと思う
まあレベル5で暗部でなきゃそうそうピンチにはならんってのもあるだろうけど

インさんは上条さんに恋愛感情抱いてないんだろうか?
一巻のときはわからないみたいな発言してたが

いま、みんなの心は一つになってるな
「原作でもこんな感じだったら…」

なんとなくインデックスには恋愛より慈愛って言葉が似合うイメージなんだよな
俺の勝手な意見でスマンけど
まあ原作はまだこれからどう転がるか分からないしなんとも

文字通り花より団子って感じがする

ウニ頭とインさんは兄と妹のような関係なんだと勝手に思ってる

ゴミ琴厨のインデックス叩きウゼェ
原作だってゴミ琴は負け犬決定してんだからいい加減諦めろ

センセ、板間違えてるよ

◯◯厨だのアンチだの、一体何と戦ってるんだ
現実のアイドルならともかく、2次元のキャラクターで争ったところで何も変わらないだろうに

>>433
大抵はスレを荒らして過疎らせるのが目的
スレ住人と戦ってるんだよ

美琴厨にしろイン厨にしろ他のキャラ叩くのはよくねぇよ
つかそうゆうのは>>1に迷惑だからやめとこうぜ
不満はチラシの裏にでも書いて発散してくれ

このSSの禁書△

キャラ叩いてるっつーかなんか一人が勝手に暴走してるだけだしスルーしとこうぜ

叩いてるやつなんかいないじゃんどんだけ被害妄想激しいんだよww
つか>>431みたいな突然発狂する奴本スレにもいるけど二次SSスレにまで出張してくんじゃねーよww
あっちこっちで暴れてWikipedia荒らしたりほんと糞だなキャラアンチは

一応言っておくけど本スレでも暴れてる>>431みたいなのはいつもの人含めた一部の過激派だからね
22巻以降インデックス好きを装ってキャラスレ荒らす奴もいるからマジで勘弁してほしいわ

ここまでにしとけ

こっから先は甘甘上琴だ。糞レスは禁止ってなァ!

>>440
セロリさん何やってんですか

>>440
セロリ△

>>440
セロリ△

大事な事なンで二回言いました、ってなァ?


>>1です
こんばんわ。

今日の投下は
上条さんが警備員になってから一週間たってます
あとインデックスさんは美琴さんの好意に気付いている感じです


上条が臨時警備員になって早くも一週間。
相変わらず訓練は厳しいが、徐々に慣れ始めている。

今日は第二学区ではなく、始めに手続きをした警備員の支部に二人は来ていた。

「今日は私の部隊に挨拶してもらうじゃん」

支部内の廊下を歩きながら黄泉川が言う。

「ま、アンタが特別なのは皆知ってることだから、改めて挨拶っていうのもおかしいけど…」

黄泉川は第一会議室と書かれた部屋の前で止まった。

「転校生ってこんな気分なんですかね?」

「そうかもね」

くだらない事を言う上条に黄泉川は笑って答える。
黄泉川がIDカードを当てると扉が開いた。

「あ、おはようございます」

扉の中では数人の隊員が談笑していた。
上条は映画のようなピリピリとした空気を想像していたが、それとはまったく正反対の空気に驚く。

(教師で組織されてるあたり、やっぱり違うのか…)


「今日は前から言っていた臨時の奴を連れて来たじゃん」

「へぇ…あの高校生の…」

黄泉川が言うと隊員達は珍しそうな顔で上条を見る。

「ほら、自己紹介するじゃん」

向けられる視線に少しどぎまぎしていた上条だったが、黄泉川に肩を小突かれ我に戻る。

「え…あ、臨時警備員の上条当麻です。
短い期間かもしれませんがよろしくお願いします」

そういえば自分はどれくらいの期間警備員をすればいいのだろうか、と思う。
そのあたりは詳しく教えられなかったが、やはり例の事件が解決するまでだろうか。

頭を下げながら少し重要なことを考える上条に拍手がおくられる。
その後、各々の隊員から紹介があった。

「ま、ここにいるのが私の部隊だから、名前と顔くらい覚えとくじゃん」

そう言えば黄泉川の部隊にも例の事件で怪我人が出ているということだったが、
隊員たちを見ると頬に絆創膏を貼っていたり、手を包帯で巻いていたりと無傷の隊員のほうが少ない。

これが現実か、と上条は改めて今回の事件がいかに危険なのかを実感する。

本職の人間でさえこの有様だ。
遊び半分で首を突っ込めば命を落とすかもしれない。
そして中途半端な新参者が来れば、それだけで部隊に危険が及ぶこともある。
黄泉川はこれだけの危険を背負って、自分が警備員になることを承認してくれたのだと思うと、
単純に人を助けたいといった理由で返事をした自分が憎くなった。


「どうした上条?早く席につくじゃん」

「あ、はい…」

「ここにいるのは皆教師。そんなに固くなることはないじゃん」

黄泉川に促され椅子に座る。
黄泉川は冊子を隊員達に配り、ホワイトボードに何かを書き始めた。

ホワイトボードには『冬休み』と書かれた。

「さ、明日から冬休みじゃん!」

バン、とホワイトボードを叩きながら言う黄泉川。
ちなみに今日は終業式が終わった後。
昼過ぎからの出勤(?)となっている。

「みんな知ってのとおり、長期休業中は生徒達の夜間徘徊や生徒間のトラブルがよく起こる。
また、生徒達が街に出るようになるということは、例の事件も街で起こりやすくなるじゃん」

例の事件、と言われて隊員達の表情が強張る。

上条が臨時警備員になってからはまだ事件は起こっていない。
一部報道機関ではすでに解決したのでは?とまで噂されている。
上条もその報道を見て少しそう思っていたが、当事者である警備員達の様子を見て思い直した。


「例年通り、今日から警邏活動を強化するじゃん。二人一組の班にわける」

名前を読み上げ、次々とペアを作っていく黄泉川。
案の定、上条は黄泉川と組むことになった。

「それじゃ、皆気を引き締めて警邏するよう!以上じゃん!」

黄泉川が言い終えると、隊員達はペアを組んだ者同士で打ち合わせを始めた。

「よし、私たちも動くじゃん」

そう言って黄泉川は机に地図を広げた。

「今日行くのは第十五学区。
繁華街があるから夜遅くまで生徒がウロウロしてることもあるじゃん。当然、生徒間のトラブルも多い」

地図にはところどころ印が付けられている。

「この印はあまり人目につかないところ、カツ上げとか喧嘩とかちょっと危険なところじゃん。
ま、あとは行ってから説明するか」

出発じゃん。と言って地図をしまう黄泉川。

「さ、初出動、張り切って行くじゃん!」

「はい!」

上条と黄泉川は勢い良く会議室から飛び出した。


一方、美琴も風紀委員の177支部で挨拶をしていた。

「臨時で来ました御坂美琴です。本日からよろしくお願いします」

「お姉さまー!黒子はこの日を待ちわびていましたのよー!」

「うっさい!アンタこの一週間ずっとその調子で私に飛び付いてたでしょ」

飛び付く黒子を手でおさえる美琴。
臨時風紀委員は冬休みからの参加となっていた。

「年末にかけて、どんどん忙しくなるけどよろしくね、御坂さん」

黒子の様子にやれやれと笑いながら言う固法。

「あ、はい。覚悟のうえです」

「一緒に頑張りましょう!御坂さん!」

「私も応援してます!」

初春と佐天は拳をぐっと握り、目を輝かせている。

「あはは、何もわからないから役立たずかもしれないけど、よろしくね」


固法は支部の扉を開けて

「それじゃ、まずは支部管轄内の見回り、行きましょうか」

「さすがは警備員との共同戦線なだけありますわ。こちらのほうが私たちの性にあっていますの」

「私はいつも通り、支部内から連絡します」

「お願いね初春さん。それじゃ御坂さん、白井さん行きましょう」

「はい!」

三人が出て行くと、支部内を静寂が襲った。

「…」

扉を見つめながら、目を細める佐天。

「佐天さん。私、佐天さんの入れる紅茶かココアがあると、作業効率が120%になるんです」

「え?」

佐天を見ながら微笑む初春。
眩しくて、それでいて壊れそうな綺麗な笑顔。
抱きつきたい衝動を押さえ、佐天は給湯室に向かおうとしたが、くるりと振り返る。

「やっぱりこらえられなーい!」

「わわわ!佐天さん!」

支部内の静寂はどこかへ消えてしまった。



以上です。

上条さんFNG
そろそろレッサーさんの登場です
多分

レッサー…だと…!?
かなりの くせ者が登場するのかww

センセー、カミやんとレッサーの絡みが見たいでーす

次は頑張ってる美琴ちゃんからか

乙~
続き待ってます!

FNGってなんですか?

FNGをしらないでここに?(キリッ

ポマギーチェ

初春の気遣いが俺の心にも染みた

>>457,>>458
なんかワロタ

>>1乙!!

レッサーはむしろ美琴さんと絡む事を期待している俺


乙乙!!!! レッサーはどんな活躍をするのか楽しみ

 

レッサーと聞いて俺のレッサーフォルダが火を噴いた

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1353342.jpg.html

>>464
俺の幻想を返せ

これたしか一方さんが一方さんのまま上条さんのヒロインになったSSの時に見たな


 >>464 ヴェントより怖いんですけど……

>>467 ヴェントは可愛いということが何故わからんか

>>464 これはひどいww

板移転みたいだから依頼出したほうがいいぞ作者

■ 【必読】 SS・ノベル・やる夫板は移転しました 【案内処】
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

読んできた 面白いなこれ

テス


>>1です
こんばんわ。

しばらく来れなくて申し訳ないです
ここしばらく超忙しくて
なかなか書けてません
生存報告と共に少しだけ投下

>>470
報告ありがとうございます
混乱することなくスレ進行ができます

管理者様もお疲れ様です


「はぁ…」

浜面仕上は人ごみの中で溜め息をついた。

ここは第十五学区の繁華街。
つくづく自分はこのような洒落た場所は似合わない、と思う。
そう思うのになぜここにいるのかと言うと。

ついさっきファミレスで


『浜面、超12月です!12月と言えば何でしょうか!?』

向かいに座っていた絹旗最愛が乗り出すように聞いてきた。

『はぁ?あー…一年も終わりだな。あ、大掃除!』

凍りつく空気。
麦野沈利がやれやれというように頭に手をやる。

『アンタって…』

『やっぱり超キモいです』

麦野に続いて絹旗が言う。


『12月ですよ!大掃除もですが、その前に超超大事なイベントがあるじゃないですか!?』

『んー?あぁ…クリスマスのことを言ってるのか?』

ブクブクとコップにストローで息を吹きこみながら、絹旗はつまらなさそうに

『浜面みたいな人に滝壺さんは、やっぱり超もったいないのかもしれません』

『はぁ!?どういうことだよ!』

浜面が少し頬を赤らめながら言うのが、絹旗と麦野にとっては面白くもあり、悔しくもあった。

『女の子にとってクリスマスは超大事なイベントなんです!
それを「あぁ…」で済ませるなんて超呆れました!
罰としてクリスマスツリーに飾る飾りを超買ってきてください!』

『その罰が意味わかんねーよ!』

『結局、浜面は超パシリってことです』

『ま、お金くらいは工面してやるから行ってきなよ』

麦野が財布を開きながら言う。

『はい、自分のに使ったら殺す』

微笑む麦野。このセリフが無ければ男のほとんどが惚れているだろう。

『じゃ、浜面。超早く行ってくるです。
ついでにクリスマスに必要そうな物も超買ってきてください』

『結局俺はパシリか…』

『何をいまさら…さっさと行って来い』


そんなわけで面倒な人混みの中を歩いているのである。

「はぁ…」

また溜め息をつく。

(ま、一人ならもっと嫌だろうけど)

そう思って視線を横へ向けると

「?」

滝壺理后が首を傾げていた。

「はまづら、大丈夫?さっきから溜め息ばっかりだよ?」

「ん、心配ねぇよ」

視線が合ったことに少しどきりとしたが、慌てて目を逸らし浜面は平静を装う。
しかし、その行動が裏目に出たのか、滝壺は少し不安そうな顔をする。

「私とじゃ楽しくない?」

しまった、と浜面は慌てて滝壺に向き直る。

「そそ…そんなことねぇよ!
むしろ滝壺がいないともっとブルーな気持ちだったよ」

「本当?」

小さく首を傾げる滝壺。


「あ、あぁ!」

浜面は顔を赤らめながらまた目を逸らした。

滝壺と出会ってしばらく経つが、このような可愛らしい行動に浜面は未だに耐性がない。
お互い好き合っているのは知っているのに、このような人ごみの中でも手を繋ごうとしない、
といっても甲斐性なしの浜面には到底できないことだった。

(あの仕草は反則だよ…)

しかし浜面の返事を聞いても納得がいかないのか、不安な表情は戻らない。
沈黙が息苦しく感じた浜面は、何か話題を探す。

「あ、クリスマスといえばプレゼントだよな…滝壺は何か欲しい物ないのか?」

「欲しい物…?」

「そう!高い物は買えねえけど、何か買ってやるよ」

お財布の中はそこまで暖かくは無いが、滝壺のためなら気にしない。


「うーん…」

顎に人差し指を当てて考え込む滝壺。
なんとも可愛らしい、愛おしい、このまま抱きしめてしまいたい。できるわけがない。

と、浜面は滝壺の姿を見てあることを思いつく。

「そうだ滝壺!服でも買おう!」

「?」

手はそのままで首を傾げる滝壺。

「ほら、さすがにジャージだと寒いだろ?
一応セーターもあるけど、別の物も買おうぜ」

そう言って軽く笑う。

「…うん」

滝壺もつられて笑う。
ようやく不安そうな表情が消えた。

浜面が近くの店に入ると滝壺も後に続く。
入った店は学園都市ほか、日本全国にチェーン展開している安いと有名な店だった。


以上です。

>>68のリクにあった第三の主人公とその妻です
遅くなりました
>>1もこの二人大好きです、この二人のSSでオススメあれば教えてください
一区切りしてから投下したかったのですが
少し間が空きすぎていたので中途半端ながら投下
なのでもう少し二人のお話が続きます
ちゃんと上条さんとも絡む予定

アイテムが仲良しになってますが
途中のワンクッションは脳内補完お願いします

しばらくは忙しいので
まったりとお待ちください


風邪には気をつけて

乙~
気長に待ってます!


乙!! 久々に読めて嬉しかった
無理しないでくださいね!

なんだか…このスレ あたたかいな

やっぱり良いよね浜面と滝壺、心が洗われるよ

>>484
このスレ…暖かいなりィ


支援


>>1です
こんにちわ。

体調に気をつけてとお気遣いされたにも関わらず
流行りに乗ってインフルにかかりました
熱が下がりつつあるので投下
明日か明後日も頑張って更新できたらと思います


(っと…入ったまでは良いが…)

浜面は自分のミスに気付いた。

センスが無い。

今の自分の服装に自信があるかと聞かれると、どちらでもないし別にどう言われても構わない。
だが、滝壺のような女の子の服を選べる程のセンスは自分に無いのは確かだ。
かと言って自分から入ったにも関わらず、どうぞご自由にとはなんとも身勝手だ。

(どうしたものか…)

浜面が腕を組みながら考えていると、滝壺が何かを見つけたようで店の中を歩く。
慌てて浜面が追いかけると、滝壺が見ているのは手袋の売り場だった。

そこにしゃがみこんで、手袋をひとつひとつ見ていく滝壺。


浜面はその行動がわからない。

滝壺は既に手袋を持っているし、別に古いものでもないので買い換えるには早過ぎる。
もしくは今のデザインが気に入らないのか。
それだとしても、使える物があるのに新しい物を買うという行為は滝壺の性格からして考えにくい。

嫌な例えだが、そうだとすれば自分なんてとうの昔に捨てられていただろう。
とにかく理解できない滝壺の行動を見守っていた浜面だが、

「はまづら、これ欲しい」

と言われ、滝壺に差し出された手袋を見てさらに驚く。

「お…おぉ?でも滝壺、これ男物の手袋だぞ、こんなデザインでいいのか?」

「うん、大丈夫…」

何が大丈夫なのかわからないが、とにかくレジへ向かう。
浜面自身手袋は持っていない。もしかして、それに気を使ってわざわざ買わせようとしているのか。
しかしそうだとすれば男のプライドとして少し悔しいものがあるのだが…

(まぁ買うって言ったのは俺だけどな…)


支払いを済ませて少々落ち込みながら店を出ると、隣では滝壺が手袋に付けられた商品ラベルと戦っていた。

「はい、はまづら」

ラベルの取れた手袋を浜面に手渡す滝壺。
やっぱりな、と落ち込みながらも滝壺の気遣いに感謝して右手に手袋をはめた。

だが、滝壺は左手の手袋をなかなか渡してこない。
疑問に思い滝壺のほうを見ると、彼女は自身の左手にさっきの手袋をはめていた。

「え?」

浜面はさっきから滝壺の行動がまったくわからない。

もしかして、自分のように鈍い男じゃなかったら滝壺の行動の意味がわかるのだろうか。
絹旗の言うように、浜面仕上に滝壺理后はもったいないのか。
そんなことを考えてずーんと沈む浜面に、滝壺が声をかけた。

「はまづら…」

「ん?」


浜面が顔を上げると滝壺は少し頬を赤らめながら、
そしていつものしっかりと構えるような視線とは違い、目をチラチラと気まずそうに逸らしながら小さく言った。

「右手…寒い…」

「ん?え?」

浜面は一瞬意味がわからなかったが、しばらくして言葉の意味が少しずつ理解できてきた。

(つまり…これは…)

すすす─と寒い左手をかわいらしい右手によせる。
だが、あと少しで触れる、といったところで止まった。

(本当にこういう意味なんだよな?)

浜面の中に広がる大きな不安。
その不安のあらわれか、浜面の左手はふわふわと二人の間を行き来している。

しかし、その時きゅっ─と右手が左手を捕らえた。

「─ッ!?」

驚いた顔で滝壺に向き直る浜面。

「…」

滝壺のほうは無言のまま目を逸らすだけ。

「…あったけーな」

浜面は独り言のように言う。

「私のほうが暖かく感じるから、はまづらは冷たいはずだよ?」

「いや…あったけーよ」

浜面は手に少し力をこめる。
確かに小さい滝壺の手は冷たい、しかしそれに勝る何かが浜面の中を満たしていた。


以上です。

>>457
亀レスですが
FNGとは「Fucking New Guy」(くそったれの新人)
という軍隊俗語でして
統率の重要な軍隊では何も知らない新人は毛嫌いされてしまうものなんです

皆さんも体調にはお気をつけて

黒子 「御坂シね」

なんという浜滝いちゃいちゃ
コーヒー淹れてくるわwwwwww

じゃあ俺はビターチョコもってくるわ

初々し過ぎるぜこの2人…

 なかなか進展せずにもどかしくて、しかも初々しいのがこのカップルの魅力だと思う

 乙乙!!!!

浜面爆発しろ

やだなにこいつらかわいい…

終わり……じゃないよね?


>>1です
こんにちわ。

まだだ…まだ終わらんよ!
でもどんどん筆は遅くなってます
申し訳ないです


しばらくは二人そろって幸せ気分で街を行くあても無くとことこと歩いていた。

麦野や絹旗が見たら鬼の形相で「買い物は?」と聞いてきそうだが、今の二人にはどうでもよかった。
相変わらず人の量は多く、対向する人と避け合いながら道を進む。
滝壺は、手は繋いでいるが浜面の後ろに続くように歩いている。
後ろの滝壺の様子を見ようと振り返りながら歩いていると


─どん、と浜面の頭に向かいから来た人の身体が当たった。


(あーこれはマズイかもしれん…)

浜面は直感でそう思った。
そもそも人が多いとはいえ、相手が気を付けていればここまで綺麗に当たるはずが無い。
そして浜面仕上は知っている、綺麗に当ててくる相手と当ててくる理由を。

「ってーな!どこ見て歩いてんだコラ!」

(あーやっぱり…)


浜面がゆっくりと視線を前に戻すと、柄の悪い男が3人立っていた。

スキルアウト、浜面もそこに身を埋めていた。
確かに社会的に見ればクズかもしれないが、居心地は良かった。

「い、いや…すいません。後ろのこの子が気になってたもんで」

「はぁ?すいません、で済む話じゃねーんだよ。あーいてぇ…これダメだ、慰謝料モンだわ」

(はぁ…)

やれやれ、と浜面は心底呆れる。

このスキルアウト達にでは無い。過去にこのような行為をした自分にだ。
ここまで腐った行動は無かったはずだが、他人の迷惑を考えずに騒ぐ暴れるの行動はあった。

しかし今はこの場を切り抜けるのが最優先事項だ。
滝壺が不安そうに手に力を込める。

「え、あーそんなヤワな身体じゃないでしょう?はは…」

「あー?俺の身体は一番俺が知ってるんだよ!さっさと有り金渡せや!」

胸倉を掴まれた。


これであと少しの言葉のやり取りで拳が飛んでくるだろう。
別に自分が殴られるのは構わないが、自分がぶちのめされた後の滝壺が心配だ。

(金なんか渡したら俺の命も危ないし、奪ったこいつらの命も危ないだろうからなぁ…)

誰か仲裁に入ってくれる勇気ある人はいないか、と思った時に。
ヒーローは絶妙のタイミングで、遠慮がちに入ってきた。

「あのーちょっとよろしいでせうか?」

浜面と男の間に入ってきたツンツン黒髪。
にチョップが入った。

「馬鹿野郎!そんなヘコヘコしてるとアンチスキルがナメられるじゃん!」

警備員であろう二人。
浜面はどちらの顔も見覚えがあった。というかどちらの顔も忘れるわけがない。

「アンチスキルじゃん。恐喝してんならそれなりの対応させてもらうけど?」

「…っち。おい、行こうぜ。兄ちゃん覚えとけよ」

警備員と聞くなり引っ込むあたり、まだまだヘタレだなぁと浜面はくだらないことを思う。

「さてと、だいじょう…あれ?浜面じゃん」

浜面の知っている警備員、黄泉川愛穂は驚いた顔をする。


「可愛い女の子連れてるからてっきり純情カップルだとばかり思ってたじゃん」

「それってどういうことだよ!俺が滝壺みたいな子連れてたらやっぱり似合わないって事かよ!」

半ば自暴自棄になって叫ぶ。

「大丈夫。私はそんな浜面でも大丈夫」

慰めるように言う滝壺に、浜面は天使を見たような気分になった。


「それで、なんでお前がアンチスキルなんてやってるんだ?」

浜面は男のほうに向き直った。

「これはまー…いろいろとありましてね」

言葉を濁す上条。
それに何かを察したのか、それとも興味が無いのか、それ以上探求してくることはなかった。

「それじゃ、俺らもう行くわ。
今回ばかりはありがとうな黄泉川」

「当然のことをしたまでじゃん。
車盗るんじゃないよ」

「しねーよ馬鹿!」


立ち去って行く浜面たちを見て、黄泉川は小さく言った。

「アイツも変わったじゃん」

「俺も思います」

呟く上条に黄泉川は意外そうな目を向ける。

「あぁ、そういえば知り合いだったのか?」

「えぇ、ちょっと…」

「何だろうね…恋のおかげなのかなぁ…」

「本気で言ってます?」

真剣そうに考える黄泉川がおかしく、上条は吹き出してしまう。
そんな上条に軽く拳骨を下ろしながら

「馬鹿!人は大切な人が出てきたら本当に変わるじゃん。
上条もそんな人の一人や二人、いないのか?」

言われて考えてみる。
確かにインデックスは大切な人だが、今言っている大切な人とは少し違う。
吹寄とか姫神とか、学校のメンツで考えてみるがイマイチしっくり来ない。
どちらかと言うと、インデックスは人懐っこい妹のような感じで、吹寄や姫神は面倒見の良い姉といったところか。


「俺は音沙汰無しですよ」

言ったあとで、美琴はどうなのだろうと考えたが、わざわざ訂正するのもおかしいので上条は考えるのをやめた。

「ま、若いんだからこれからじゃん。何かあったら相談してくるといいじゃん」

それなら最近のインデックスや御坂妹の意味深な発言を相談してもらおうとか考えたが、それはできなかった。



肩口につけた小さな無線機のノイズをたてた。


『至急!至急!本部から各隊へ。
第七学区において能力者の暴走が発生。コードイエロー。
能力者は電撃使い。付近を警邏中の隊員は速やかに現場に急行せよ』


以上です。
次あたりで話がやっと動きます

週一の更新になっていますね
申し訳ないです
この一週間、ざくろに浮気してました

最初は書き溜めが尽きないようと
小出しで毎日更新してましたが
最近は一区切りと決めてからになってます

クォリティ的にはあまり変わらないとは思うのですが
どちらのほうが皆さん的には読みやすいでしょうか?

個人的には毎日のほうが話の繋がりを忘れないからいい。

乙乙
先が気になる
電撃使い…まさかな

できるなら1、2日に1回はあった方が記憶に新しいね

毎日少しずつ更新がいいです

でも、>>1さんがやりやすいのが一番いいと思います

毎日更新はキツくて書くのダルくなるから
毎週更新目指すぐらいで良いよ

3日に一度は投下してくれると嬉しいですが
>>1の満足できるやり方でいいですよd

何?エレクトロマスター?wwww上条さん一人で十分じゃん……
とか言ってると足元すくわれたりして……

キテターー! 乙!

一区切りっていっても一週間で約5レス程度とか…
だったら1レスでもいいから毎日の方がいいわ

乙~

打ち切りだけが怖い


>>1です
こんにちわ。

ご意見ありがとうございます
確かに大した量無いくせに週一は酷いですね
要は>>1さっさと書けって話ですね
頑張ります
方針としてはこまめに来るようにします


一瞬で情報だけを伝えてくる無線機。
上条はそれを聞きながら緊張した表情をしていたが、黄泉川はそれを解すように優しく言った。

「何緊張した顔してるじゃん。ここは遠いんだから私たちが向かう必要は無いじゃん。
幸い、警戒態勢はコードイエローだし、私たちは私たちの仕事を…」

と、黄泉川が言い終わる前にもう一度無線機がノイズと共に鳴る。

『なお七十三支部所属、黄泉川及び上条は至急現場に急行せよ。以上』

驚きの表情をもらしたのは上条だけでは無い。

「なっ…!こちら七十三支部の黄泉川!
どういうことじゃん!私はまだ別として、コイツはまだなりたての新兵だっていうのに」

しばらくして返事がくる。

『命令は上層部の決定だ。こちらに言われても困る…』

相手のオペレーターも悔しそうに言う。

「くそっ!上条!今から現場に行くけど、私の後ろから絶対離れるなよ!」

「は…はいっ!」

現場に向かう黄泉川の車で、上条は状況の整理をする。
第七学区、電撃使いと聞いて少し嫌な予感がした。


(まさか…御坂がとは思うけど…)

不幸体質の上条からすれば、大抵このような予感はいつもあたってしまうのだが、

『本部から各隊へ、暴走者は女子中学生、レベル4大能力者。現場の民間人避難率は60%』

大能力者と聞いて上条はひとまず安堵の溜め息をついた。
しかし仮に美琴が暴走していないとしても、臨時風紀委員になった彼女が関わってくるのは眼に見えている。

(無茶はしないでくれよ…御坂!)


「各隊急いで配置に!俺達は一番先頭を固めるぞ、続け!」

才郷は早くも現場で指揮を取っていた。
しかしそこまで階級の高くない自分ができるのはごく少人数だ。
自分の指揮を聞く人間を連れて自分が前に出るしかない。

分隊を連れて現場の中心地へ進むにつれ、街の状態がどんどんと荒れていく。
飛び散ったガラスに、倒れてショートした警備ロボット。

そして、その荒地の真ん中に立っているのは。

「たすけて…ください…」

まただ…と才郷は思う。

(また泣いている…)

ここ最近増えた能力者の暴走事故。
何度も起こる事故、その度に出動している才郷はあることに気付いていた。
自身は能力者ではないので、暴走と聞いてもいまいち理解ができない。
話によると能力者が気を抜いた瞬間に能力が出てしまうらしいが、それは意識して止めることはできるという。

そうだとすれば暴走とは言っても、仮に今回のこの電撃使いなら漏電程度で済む話なのだ。
にも関わらず、街の物を壊す、他の生徒や警備員、風紀委員にまで危害をもたらす。

最初才郷も能力者が適当に暴れた後の言い訳だと思っていた。
しかし、ある事故でいち速く現場に駆けつけると、件の能力者は泣いて自分達に助けを求めてきた。


それ以来才郷は危険を冒してでも現場中心地に駆けつけ、暴走者を確認しているわけだが。

「私の意志じゃ無いんです…
本当に、身体が勝手に…操られているみたいで…」

(これも他の能力者と同じ、身体が勝手に、操られているみたい…
どうやら…暴走、の一言で片付けられる事件じゃ無いな)

見れば女子中学生の腕には緑の腕章が着いていた。

「君は…ジャッジメントか」

少女に向かって叫ぶ。
民間人の避難が完了し、がらんどうとした街に自分の声がやけに響く。

「そうです…でも、臨時のジャッジメントで、今日が初めてだったのに…どうしてこんな…」

うわぁぁ─と少女の泣き声が響く。
才郷は銃を下ろすように指示し、

「シールドを持った奴を前にゆっくり進もう」

そう言いながらも、自分はシールドの前に出る。
才郷一人を先頭にシールドを持った隊員が横一列に並ぶ。
応援の部隊も到着したようで、人数もかなりのものになっていた。

(俺の出しゃばりとは言え、このカリスマ的なとこ、黄泉川さんに見せてやりたいぜ)

くだらね、と才郷は自嘲し鼻で笑った。

「今からそっちに行くから、できるなら能力を抑えてくれ」

「はっ…はいっ!」

少女のほうも泣き止み、少し落ち着いたようでしっかりとした返事が聞こえた。


さすがにこの人数がシールドを持って向かってきたら怖いだろうと思い、
才郷は後ろの2人にバックアップを頼み残りは待機してもらう。


じりじりと、少女との距離を詰めていく3人。

「何とも無いか?」

近付きながら少女に声を掛ける。

「はい…今のところはさっきみたいな感じは無いです」

不安そうに答える少女。
距離はあと15m程。

(しかし保護した後はどうしようか)

また暴走しないとは限らない。
しかし、保護しない限りはこの事件を解決できなければ、この少女を救うこともできない。
とにかく保護が最優先だと、才郷は思い直した。


しかしあと10mとなったところで、少女の表情が変わった。


「─ッ!ダメです!離れて!」

そう言うや否や、少女の身体から青白い光がバチンと弾けた。


光は槍のように噴出され、3人に向かった。

咄嗟に才郷の後ろにいた2人が、シールドに身体を傾けて前に出る。
電撃はシールドに当たったが、それを持っていた2人は身体だけ10m程吹き飛ばされる。

「くそっ!」

才郷は残されたシールドに手を伸ばす。

「─ッ!」

しかし、シールドに触れるとバチンと音がして腕が跳ね返された。
自分の腕が奇妙に震えているのに気付くと同時に、しびれるような痛みが走った。

「やだ…いやだ…ごめんなさい、ごめんなさい」

少女が怯えるように呟きながら、それでも身体からバチンバチンと火花を散らせて近付いてくる。
言葉や表情と行動が矛盾するのが、ここまで恐ろしいとは思わなかった。

少女が涙を流すが彼女の手はそれを拭うことも許さず、その手を才郷にまっすぐに向けた。
ここで、才郷はもう一度あることを確認できた。

やはり、暴走ではなく意図として攻撃をしているということ。
能力だけでなく、身体の自由もきかないということ。

(わかったはいいけど。これじゃぁ…まずい…)


自分の生命がでは無い、今のこの状況だ。


警備員3人が能力者に向かったところ能力者が警備員を攻撃、そして警備員へさらに危害を加えようとしている状況。
誰かが発砲してもおかしくない。
判断基準はわからないが、実弾の使用だって考えられる。


しかし、流石に頭が回らない。もし名案が思いついても今の自分には行動できる力が無い。
少女の手が青白い光を帯びる。

「いやだっ!イヤだイヤだイヤだ!
やめて、もう殺して!
拳銃くらい持ってるでしょ!もう片方の腕は使えるでしょ!」

少女の悲痛な叫びが響く。
それでも才郷は自分が攻撃されても誰も発砲しないことだけを祈りながらその時を待った。


しかし、少女の腕はガクンと別の方向に向けられると、そのまま電撃を放った。
才郷の後ろで電撃のバチバチという音が聞こえる。

少女は身体だけが慌てるようにバックステップを取り、才郷から離れた。

才郷が呆気に取られてあたりを見回すと、倒れている警備員の他に二つの人影があった。
小柄な人影、目をこらしてよく見ると、見覚えのあるブレザーの制服に腕には緑の腕章。

2人とも見覚えがあった。
ツインテールの少女は確か、風紀委員なのにことあるごとに事件に首を突っ込んでは始末書を提出しに第二学区へ来ていた。
そしてもう1人のショートヘアの少女は、よく学園都市内のモニターにも映る少女。


確か超能力者で、常盤台中学校の第三位。


「御坂美琴…」


以上です。

警備員の階級とかってどうなってるんですかね
警戒態勢のコードイエローとかは適当です

打ち切りは絶対にしませんが
仕事の関係で
今年の4月から来年の2月までネット環境が無い状態になるので
準備などで忙しくなる3月までには完結させたいです

気になるとこで引いたなー
乙乙

>今年の4月から来年の2月までネット環境が無い状態になる
なにそれこわい
ぜひ頑張ってくれ

乙!


楽しみにしてるぜぃ

 そうですか……頑張って下さいね!
まあまだ上条さんの出る幕じゃないなこれは

おつ
打ち切りは絶対にしないと断言する責任感…ッ
そこに痺れる憧れるぅぅうッ!

しかし世の中には冨樫という現象があr

もし完結しなかっても来年の2月まで待つぜ。

乙です! 体壊さないように頑張ってください!

更新キテマシタワー

乙~
気長に待ってます!

お~面白くなってきたましたね~
ドキドキワクワクしながら続き待ってます~

乙! 続き楽しみ!


>>1です
こんばんわ。

少ないですが
ちょくちょく更新を目指していきます


「大丈夫ですか!?」

才郷の呟きは彼女達には聞こえていないようだった。

「あ、あぁ…俺は大丈夫だ」

他の隊員を…と才郷が言いかけたところで、美琴が驚いた表情で電撃を飛ばした。
電撃の飛ばしたほうを見ると、道路の中心で雷のように電気が散っていた。
その先にはさっきの少女。

「ちょっとアンタ!」

美琴は少女に向かって叫ぶが、あることに気付く。

「あれ…アンタ試験の時の…」

「御坂…さん」

少女も驚いた表情で美琴を見る。

「どういうつもりよ!臨時のジャッジメントにもなって」

美琴は勘違いしているためか、声を荒げ、髪の毛の先からバチンと電流をはしらせる。


咄嗟に才郷が止めに入った。

「待て、彼女の意志じゃ無いみたいだ。
君だって見ただろう?さっき君と彼女が距離を取った時、彼女は俺のほうを見たままだった」

あっ─と美琴はこの前黒子が言っていたことを思い出す。
風紀委員や警備員を狙っていて、暴走とは言い難い。

「確かに、あなたの方に手を向けていて、私を見て無いのに突然私の方に手を向けた…」

「とにかく、彼女の本望じゃない。
彼女を止めるなら、彼女に怪我をさせないようにしてくれ」

我ながら無茶な注文だと思う。

「わかりました」

それでも美琴は、才郷の眼をしっかりと見ながら力強く返事をした。

「下がっていて下さい。
あと、後ろでシールド持っている警備員の人達も下げて下さい。
できるだけ相殺させるようにはしますが、もし電撃が飛んでしまった時、
電撃をシールドで防いでもさっきの人のように身体に電気が流れて感電します」

「あぁ、了解した」


最新鋭の対能力者兵器を揃えた警備員が、女子中学生に指図されるのに納得できない者もいるかもしれない。

しかし、才郷の中では今は警備員の下手なプライドよりも事件解決が最優先だ。
プライドのためにここに残っても彼女の邪魔になるだけだろう。

仕方が無い、いくら教師とは言っても所詮は無能力者だ。

ゆっくりと立ち上がって歩き出す、だがさっきシールドに触れて感電したのが全身に回ったためか、足がおぼつかない。
ふらふらと歩いていると、本隊のほうから2人の警備員が走ってきた。
1人は自分の分隊の者で、もう1人は

「才郷!えらく無茶するじゃん」

「黄泉川さんには言われたく無いです」

「とにかく、安全なところまで行こう。肩貸すじゃん」

言う事の聞かない腕を黄泉川へ回す。

「本隊を下げて下さい。
今第三位の御坂美琴がなんとか抑え込もうとしてくれてますが、流れ弾があるかもしれません」


「なに!?」

黄泉川が顔を上げて後ろを振り返る。

「おい、才郷を頼む…」

「黄泉川さん!」

慌てた様子で現場に戻ろうとした黄泉川を才郷は止めた。

「黄泉川の気持ちはわかります。
でも待って下さい。今回の事件ばかりは、俺たちにはどうすることもできません」

「何を根拠に言ってるじゃん!」

「今まで能力者の暴走で片付けられてましたが、
事件を見ていくうちにどうも暴走だけでは片付けられない事がいくつもあります。
簡単に説明すると、能力者は本当に操られているかもしれません」

「操られている…?」


「とにかく、自分の意志でも無いのに暴れて、
大量のアンチスキルに囲まれて攻撃されるなんて、生徒にとって理不尽極まりないです。
かと言って、俺たちが攻撃しないでただただ能力者が静まるのを待つのも危険です」

ぎりぎりと黄泉川は奥歯を噛み締める。

黄泉川だって変なプライドの為にここで悩んでいるのでは無い。
子供を戦場に向かわせる。この行為が今の黄泉川を悩ませていた。

「とにかく能力者に任せるしかありません。俺たちがいても、邪魔になるだけです」

くそ─と呟いて、黄泉川は才郷を支え直す。
無線で本隊に下がるように指示して、のろのろと本隊のほうへ向かった。

歩き出したのと同時くらいに、3人の後ろでバチバチと電気の走る音が聞こえ始めた。


以上です。

誤字脱字などありましたら
よろしくお願いします

乙です!

楽しみにしてます !

>>542で才郷が黄泉川のこと呼び捨てにしてるね

乙です!
上条さんはどうしてるのか気になる…

AIMキャンセラー使わない理由は更に暴走する可能性があるからか?

>>548
細かいことはいいっしょ
せっかくの良作なんだから余り水を指さないようにしようぜ~

乙 続き楽しみにしてる

AIM「ジャマー」にしろキャパシティダウンにしろかなり大掛かりな装置みたいだからな。
基本的に施設に設置するぐらいの使い方しかできないみたいだよ。

AIMキャンセラー(能力返し)
かっこいいな

AIMジャマーは意図的に能力を暴発させて能力者を自滅させ無力化させる装置。能力を使えなくする(結果的に使えなくはなるが)装置では無い。
キャパシティダウンは普及して乱用させると音波をサンプリングされて学生側が対抗措置を取る可能性がある為(逆の音波で中和等)重要施設などの切り札的にしか設置されてないレア装置。

 御坂のいる手前、上条さん出てきにくそうだし
黄泉川先生が前線に出すとは思えない
 超乙です!


>>1です
こんばんわ。

脱字申し訳ないです
AIMジャマーは
大掛かりな設備がいること
能力の暴走を誘発させること
から今回の事件で出番は無いものとしてください
キャパシティダウンは作中であまり詳しい説明が無いので
なんとも言えないです、、、
とりあえず脳内補完お願いします


美琴は珍しく苦戦していた。

いくら超能力者とは言え、相手の出す電撃を周りに飛ばないように打ち消しながら、
そして相手へのダメージを最小限にするよう戦えば苦戦するに決まっている。

「黒子!アンチスキルの位置が近過ぎるわ!もう少し下がるように言って来て欲しいんだけど!」

近くでサポートしてくれている黒子に向かって、電撃を放ちながら叫ぶ。

「了解しましたの!」

短い返事と共に黒子が消えた。
倒すだけなら楽なのに…

(何かを守りながら戦うってこんなに難しいことなのね…)

とにかく相手に隙があれば軽い電流を流して身体を動けなくする。これが基本方針だ。

(操られても身体が動かないなら操りようがないでしょ!)

とは言え、もし相手の身体の状態が関係なく動いたら、例え痙攣した身体でも操れるとしたら…
そんなことを考えるのはとにかく相手に一撃を当ててからだ。そう言い聞かせるように電撃を放つ。

相手の少女は身体を捻って回避する。身体の動きは一流だが、その表情にあるのは恐怖と絶望。
それでも容赦なく美琴に向かって、そして警備員の本隊のいる方向へ電撃を放つ。

「ねぇ!少しは能力抑え込めないの!?」

淡い期待を寄せて叫ぶ。


しかし少女のほうは涙を流すだけ、美琴の声は届いていない。
仮に抑え込めても、今の彼女では到底できないだろう。

「こうなったら…」

美琴はポケットからコインを取り出し、近くの道路工事現場に置いてある紙袋に放った。
超電磁砲ではあるが、威力は抑えてある。
それでもコインは工具をまき散らしながら紙袋を貫いた。

紙袋の中身はコンクリートの粉、美琴と少女の間に粉塵が舞い上がる。

少女を包み込めるほどの煙幕ではないが少なくとも目の前、つまり少女からは自分とその後ろの警備員本隊は見えないだろう。
見えなければ電撃は狙いを定められない。
仮に闇雲に撃たれても自分と本隊に向かうのを打ち消せばいいだけだ。

(これなら…いけるっ!)


シールド隊を横一列に並ばせた本隊は困惑した空気が流れていた。
その中上条は、知り合いのいない不安感とピリピリと緊張した雰囲気で居心地が悪かった。

現場に着くなり、近くの隊員に状況を聞いた黄泉川は焦った顔で走り出し、自分にはここで待機しておけとしか言わなかった。
待機している途中、50m程先にいた警備員のシールドを持った部隊が、なぜかぞろぞろと後退し始め、今は上条のすぐ目の前まで来ている。


どうやら怪我人が出たらしく、ついさっき担架で2人の隊員が運ばれてきた。
応急手当をしている一角は救護班が慌ただしく動いている。

自分は本当にここにいていいものなのか、そう思った時、自分達のいる道路のかなり奥から、聞き慣れたビリビリ音が聞こえた。

「おい、どこかの部隊が戦っているのか」

「いや、それはないだろ。例の暴走者に向かったのは3人。
うち2人は戦闘不能でさっき運ばれてきたし、残りの1人も今運ばれている途中らしい」

「なら…ジャッジメントか?最近共同捜査とかでかなり介入してきてたが」

「かもしれん…くそっ!俺たちは所詮無能力者だよ」

近くの隊員達の会話が耳に入った。


ジャッジメントとなれば、この地域なら美琴たちの可能性が高い。
そしてそれを裏付けるかのタイミングで聞き慣れた声が響いた。

「アンチスキルの皆さん!ジャッジメントですの!
今、この先でおね…わたくしの支部の者が戦っていますの。
同じ電撃使いですので飛ばす電撃を相殺できるようですが、流れ弾があるかもしれませんのでもっと下がって下さい」

それを聞いた警備員達はお互いに顔を見合わせた。

上条は急いでヘルメットとフェイスマスク。
さらにゴーグルを付け、近くの隊員に紛れる。

隊員達の隙間から様子を伺うと、見慣れた制服に身を包んだツインテールの少女が、シールド隊の前に立っていた。

さっきまでざわざわと騒がしかったが、咳払い一つでも響きそうなくらいの静けさがはしる。

険悪な空気ではない、どちらかと言うと困惑の空気が本隊に流れていた。

「お願いします。事件の被害を最小限にするためですの…」

少女が頭を下げる。


それでも本隊は動かない。
しかし、子供のように駄々をこねて動かないのではない。

張り詰めた空気の中、少女の後ろから声がかかった。

「その子の言う通りじゃん!本隊を下げろ!」

え─と少女が驚き、後ろを振り返る。
上条も目を凝らして見ると、3人の警備員が立っていた。

間の隊員は身体が動かないらしく、両脇から支えられている。

「とにかく!今私たちが行ってもコイツみたいになるだけじゃん。
そうだからって、むやみに発砲もしたくない。被害を最小限にするためにも、私たちにできることをやるじゃん!」


黄泉川が言い終えてからもしばらくは膠着状態だったが、1人の隊員が叫んだ。

「戦闘地域に誰も入れないように東側の道路を固める、分隊は俺に続け」

それに続くように、次々と指示が飛ばされる。

「我々は西側を固める、行くぞ」

「民間人の救護にまわるぞ」

「逃げ遅れが無いか調べる」

「戦闘後の能力者、及び戦っているジャッジメントの保護の準備急げ!」


次々と散っていく隊員達を見て、少女は黄泉川達に頭を下げた。

「ありがとうございます」

「当然のことじゃん。それよりも、君もサポートに向かったら?」

「はっ…はい!本当に、ありがとうございます」

少女はもう一度頭を下げてから消えた。
どうやら空間移動系の能力者だったようだ。

「さ、とにかく才郷の手当てを…」

そう言いかけたところで、黄泉川の身体にぞわりと悪寒がはしった。
人間の第六感。くわえて警備員で培った勘が赤信号を灯している。



危険だ──



しかし何が…何処に…
その時一際大きな電撃の音が後ろから聞こえた。


慌てて振り返ると、その先からは青白い光が迫ってきていて──


以上です。

黒子の口調が難しい今日のこの頃

次回から幻想殺しの本領発揮だな・・・!?

乙~
ついに上条さん出番か?

>>554
そんな理由で行かない奴は上条さんじゃねぇよ

>>565
その通りだ

突っ込んでなんぼ

 確かに危機に陥っている人がいれば万難を排して
突っ込むのが上条さんを彼たらしめているものだもんな。
さてと、幻想殺しのヴェールが取り去られる時が来たようだな。

上条「え、A・I・M・ジャァァマーァァァァ!!」 そげぶ!

美琴「なんだAIMジャマーか」

これでいける

いける訳ねえだろwwww

話と全く関係なくて悪いんだが美琴って他の電気系の能力者に電撃うたれたらビリビリしちゃうの?

少なくともスタンガンは無効
まあ電気を云々出来る以上自分以下の出力なら無効化できるんじゃないかね

スタンガン程度なら大丈夫っつってたな
とはいえ強い能力の場合は相殺しようと思わないと感電するんじゃね?

HPが1/4回復する

とくせい:ちくでん

9982号は反射された電撃を食らってた気がする

暗殺一家の息子さん「効かないってのは我慢できるって意味でさ 」

なるほど
軽い攻撃なら大丈夫なのか

ありがとう

待機

『もちろん全裸は基本だよね』

美琴が帯電してたら美琴より弱い電気系能力者は気絶したな

孵化したばかりのピチューが「ときわのピカチュウLv5」にでんきしょっくをやったらどうなるか。

後はわかるな?

ビクッビクッ


>>1です
こんばんわ。

こんばんは。


美琴は油断していたのかもしれない。

いや、油断していた。
コンクリートの煙幕を張ってからしばらく少女からの攻撃が無かったこと、
そして黒子が警備員達を下げることに成功して戻って来たこと。
少女からは本当に見えていないと思っていた、黒子と2人なら大丈夫だと思っていた。

黒子が空へテレポートして、煙幕の先にいる少女を確認後、少女の元へテレポートして確保。

完璧な計画。
少女が本当に手も足も出ない状況だと思い込んでいたのだから。
だからこそ思いもしなかった

無数の電撃が美琴達に向かってくるとは。

「お姉さま!」

「え──あっ!」

電撃を放って打ち消すが間に合わない。数が多すぎる。

黒子は電撃に対して為す術無く、テレポートで避けるしかできない。
いつも美琴が遊びで放っている電撃とは違う。当たれば無傷では済まない。

待ってたぜェ……


美琴も電撃を放っては打ち消し、横をすり抜けた電撃には追撃するように電撃を放ちなんとかやり過ごす。

しかし、次々と放たれる大量の電撃。
彼女にここまでの能力は使えるはずが…

は─と美琴はあることに気付いた。

煙幕として放ったコンクリートの粉。
それらの摩擦電気を利用して、威力は小さいながらも大量の電撃を放つ。

なぜ電撃使いの頂点に立つ自分がこんな簡単なことに気付かなかったのだろう、
もし自分が同じように煙幕を張られていたら利用していたに違いないのに。

後悔したところですでに遅い。
間髪無く電撃は放たれているのだ、今は後悔よりも先にすることがある。
目の前の電撃を打ち消し、時には身体を捻って避けた電撃を追撃する。

秘策を返された悔しさからか、次第に焦りと苛立ちが出てくる。

「あー!もう!」

ふと、電撃の嵐が止まった。
相手の次の手を考え、攻撃の間隔を掴み、その間隔に合わせて電撃を放っていた美琴は拍子抜けする。

立ち相撲で相手を勢い良く押そうとしたが、相手が手を引いて空回りしたように、美琴の力は一瞬ふっと行き場を失う。


その瞬間、またも無数の電撃が向かってきた。

空回りをした状態から元に戻るのには時間を要する。
電撃の準備が完了した時、既に美琴の目の前に光があった。

「──」

間一髪で黒子がテレポートで現れ、横から突き飛ばしてくれた。
黒子と一緒に倒れこむ、痛いなんて言っている暇は無い。

倒れたままの体勢で電撃を放ち、次々と撃墜していく。
だが、最後の1つだけが追いつかなかった。



よりによって、一番大きな電撃だなんて。

「あ……」

既に彼方にある青白い光は、ある所で四方に弾けた。

きっとそこは…
考えたくも無かった。

「くっ─」

悔しさのあまり道路に拳を叩きつける。
痛みが走り、血が滲み出るが今はどうでもよかった。


「お姉さま!能力者が!」

黒子に呼ばれてはっと意識を戻す。

まだ戦いは終わってはいない。とにかく少女を─

と振り返ると、少女が力無く倒れる瞬間だった。
警戒しながらも近寄ると、少女は気を失っているようだった。

呼吸は浅く早い。
じっとりとした汗で前髪が額に貼りついているのを見ると、少女がいかに無理を「させられた」のかがわかる。

「黒子!アンチスキルの本隊までお願い!」

この少女の容態も気になるが、なにより気になるのはさっきの電撃。

「お安い御用ですの!」

美琴と少女の肩に黒子が触れる。
程無くして3人は消えた。


荒れたビル街に静けさが走る。


背の高いビルに人影が一つ。
手にはゲームのコントローラーのような物が握られていて、口元の端は釣り上がっていた。


時間が止まった。

という表現が正しいだろうか。
黄泉川達の後ろから青白い光が迫った瞬間、誰もが息をのんだ。
そして迫る強烈な光に、目を塞いだ。


――おかしい、何ともない…

不思議に思いながら黄泉川はゆっくりと目を開く。
まず目に入ったのは静けさから変わって、騒然とした本隊。

眩しさのため、光の方向から顔を背けたようだ。

本隊の隊員達も、黄泉川と同じことを思っているのだろう、
自分の身体を動かしたり怪訝な表情で見ている者ばかりだ。

ふと、ある一角がどこかを指差しながらざわめいている。

周りの隊員達もそれにつられて、つられて、黄泉川もつられてそちらを見た。
だが、すぐ目の前に人影があり、黄泉川は思わず顔だけ後ろにずらす。

少し顔を離して見ると徐々に焦点があってくる、
その人影は右手を突き出した状態で立っていた。


「─上条!」

なぜこの名前が出たのかわからない。
その人影は、自分達に背を向けていて表情はおろか横顔も見えないのに…
それでも、反射的に出た言葉は間違ってはいなかった。

「あ…えと、大丈夫ですか?黄泉川先生…」

「お前…いったい…」

この場にいる全ての警備員が上条に注目し、上条の返答を待った。
妙な静けさが漂う。

「えっと…詳しいことは後ほどお話します!
とにかく、お願いがあります。
今ここで起きたことを、他に漏らさないでください!」

ざわざわと、隊員達が静かに騒ぎ出す。
上条の頼みが通じたかどうかはわからないが、しばらくすると隊員達は各々の仕事に戻りだした。
上条の近くにも、才郷を運ぶための担架が持って来られる。

「あとは頼んだじゃん」

黄泉川は担架が遠ざかって行くのをしばらく見て、上条に向き直った。

「とにかく、車のほうに戻るじゃん」


車はちょうど本隊の真ん中あたりになっていて、そこに行くまでに多くの隊員達が慌ただしく動いていた。
しかし上条が通ると、仕事の手を止めて声をかけてくる。

「さっきのどうやったんだ?すげーよ!」

「それなんて能力だ?聞いたことないぜ」

「上条だっけ?高校生なのに臨時で雇われた理由がわかったよ」


労いの言葉の中を、上条は会釈しながら歩いて行く。
車まで戻ると、黄泉川はまずカーラジオの下に付けてある無線機のマイクに手を伸ばした。

「本部、こちら黄泉川。
本隊にいる隊員全部に向けて、今この場で起こったことの口止めを頼むじゃん」

本部からの応答はなかったが、しばらくしてその旨を伝える命令が上条の無線機からも聞こえた。

「それで、その右手はどういうことじゃん?
お前、無能力者じゃないのか?」

黄泉川が車のボンネットに手を付きながら訪ねてくる。
表情は険しいが、上条の右手をまじまじと見つめている。

「俺は無能力者です…
それでも、この右手は能力者の能力を打ち消すことができます」

上条は握りしめた右手を見つめる。

「俺はこれを幻想殺しと呼んでいます」


「幻想殺し…ねぇ…」

黄泉川は腕を組んで俯きながら考え込む。
今日まで無理矢理に自分を納得させてきた。

上層部が選んだのが、なぜウチの学校だったのか、なぜ無能力者なのか、なぜ彼だったのか。

いろいろな仮説を組み立ててきた。
新米警備員に対して自分の研修が悪いからそのための訓練とか、
上条が実は超問題児でその戒めとか、
その逆で実は超重要人物で警備員の保護下に置くためとか。

その仮説が無駄になると共に全ての疑問が解けた。
結局、上層部は上条を道具としてしか見ていなかった。

「それで、お前がアンチスキルの話が持ちかけられた時に、上層部の企みも分かっていたのか?」

「えぇ…まぁ薄々は…
そうでないと、俺が呼ばれる筈も無いですし」

バツが悪そうに頬を掻く上条。
黄泉川は小さく溜め息をついて

「小萌先生は、その能力を知っているのか?」

「はい…」

とは言っても上条自身は小萌が右手について知った時を体験していない。
あくまで人に聞いた話だ。


「そうか…」

もしかしたら、おでん屋で小萌の言った言葉

『黄泉川先生がいるので安心なのです!』

この事件に限って言ったのではなく、上層部の企みも見越して言ったのかもしれない。
上層部は本当にこの能力者暴走事件を早急に解決したくて上条を呼び込んだのか、それとももっと裏の計画があるのか。

黄泉川には分からない。分かるはずもない。

自分は本当にこの上条当麻を守ることができるのか。
逆ではないか、ついさっき電撃から守られたのはどこのどいつだ。

己の無力さを実感しながら、黄泉川はバンとボンネットに両手を付いた。

「くそっ!」

黄泉川の行動に、怒らせてしまったのかと焦る上条だが、表情を見るかぎりそうは思えない。

「あ、あの…黄泉川先生」

恐る恐る声を掛けると、黄泉川は俯いたままだったが視線を自分へ向けてくれた。

「そんなに自分を責めないでください。むしろ責められるのは俺のほうです。
わざわざ隠すようなことをして、すいませんでした。
隠すつもりは無かったのですが、言うタイミングが無くて…
最初から言っていれば黄泉川先生が悩むことなんて無かったのに…」

黄泉川と同じように俯く上条。


黄泉川はしばらく横目でそれを見ていたが

「っぷ…はははっ!」

突然笑い出した。

「な、なんですか!
今のシリアスな場面じゃなかったんでせうか!?」

「いやっ!はははっ悪い!
お前でもそんな顔するんだなって…はははっ!」

「どういうことですか!
俺にはシリアスキャラは似合わないってことですか!?」

「うん」

「即答!?ふ…不幸だ…」

案外その空気に溶け込んでいた上条は心の底から思った。

「冗談…かな。
とにかくお前はいつも明るくしていればいい。そうやって悩まなくていいじゃん」

「そ、そうですか…」

なんだか無理矢理納得させられた感じだが、何だか少し傷ついた上条にはどうでも良かった。
とにかく自分が元気ならいいのだろう。そう言い聞かせる。

「あー…なんか笑ったら難しく考えるのも馬鹿らしくなってきた。
いや、どうでも良いってわけじゃ無いじゃん」

わかってますよ、と上条が薄く笑うと、
黄泉川はボンネットに座って小さな溜め息と共に鼻で笑う。

どうやら今日は部屋を片付けなくていいようだ。


以上です。
守秘義務大活躍
ボンネット大活躍

小萌先生との一件って
本当に何があったんでしょうね

乙!
美琴と上条さんの邂逅はまだまだかかりそうですね

乙~
続き待ってます!

 乙―!!
こういうときは流石上条さん!!
上層部にたくらみがあるとすれば……

黒幕さんも出てきたか

乙~

>>599
上条さんと美琴を極限の状況で出会わせることにより二人の関係を早期に進展させて
早く結婚させようという上琴厨上層部の陰謀
上条さんと結ばれる琴によって美琴はレベル6になるがそれは副産物のオマケ

なんだそれならしょうがないな

「~でせう」の読み方って
「~でしょう」だよね?
禁書SSだと「~です」って使い方が多いけど原作でもこうなの?

面白いよ~

原作は大体「でしょうか」⇔「でせうか」だったと思うが……
古語全くしらないとわからんからな


されど気にならねばよし

めっちゃ気になる

こまけぇこ(ry


>>1です
こんばんわ。

古語は原作のように使ってるつもりですが
違ったらごめんなさい
あまり気にせず気楽に読んで頂ければと思います

短いですが投下


「ジャッジメントが戻ってきたぞ!」

黄泉川に促されて上条も車のボンネットに腰掛けた頃、本隊の誰かが叫んだ。
急いでヘルメットを深く被り、下ろしていたフェイスマスクを鼻まで上げる。

救護班が慌ただしく動き始め、その中で2人の少女が心配そうに救護用のストレッチャーを見つめている。
自分を見るときは闘争心をあらわにする瞳も、今は不安の色でいっぱいだ。

しかし、救護車がストレッチャーを乗せて走りだすと、美琴は周りの隊員達に立てつくような勢いで話しかけた。
文句を言っているわけでは無いようで、隊員が美琴の威圧感に押されながらも何かを答えると、美琴はすんなりと下がった。

しかし美琴は次々と隊員達に話しかけていく、美琴ほどの勢いは無いものの黒子も何やら隊員に話を聞いていた。
もちろん手当たり次第に聞いて回っているわけで、自然と上条達の所にも美琴が向かってくる。

一瞬席を外そうとしたが、それも不自然だし1人でいるときに話しかけられたら声で完全にバレてしまう。
それなら質問には黄泉川に全部答えてもらって、自分は黙っているのが吉だろう。
そう考えているうちに美琴は目の前に立っていた。


その表情は不安からなのか少し強張っていた。


「お手柄じゃん御坂美琴」

黄泉川が笑いながら言う。

「え、あ…どうして」

「常盤台の超電磁砲…教師の中では知らない奴のほうが少ないじゃん。
今回はありがとう、君のおかげで事件を早急かつ安全に解決できたじゃん」

「あ…いえ、私は何もやってないです。
あの能力者だって、勝手に気を失っただけで…」

もじもじしながら、フラフラと彷徨う美琴の手が真っ赤になっているのに上条は気付く。
手だけではない、いつも綺麗な制服もボロボロに傷んでいて、ところどころ赤く滲んでいる。

(御坂…)

そして思わず。




──ぱしり、と。




「え?」

手を取ってしまった。

さっきから一言も話さないうえに、この行動だ。
美琴のほうは怪訝な表情で上条を見つめる。

「あ、あの…」

手当を、の一言を発せばそれでおさまる。


しかしそれをする訳にはいかなかった。
自分の行動に後悔しつつ、上条は黄泉川へ視線をおくる。

「これは…酷い傷じゃん。すぐ救護班に見てもらったほうがいい」

黄泉川も美琴の怪我に少し驚きながら言う。

「い、いえ…大したこと無いので…」

美琴自身、悔し紛れに地面殴って怪我しましたなんて言えない。

「あの!それより、こっちに電撃が一つ飛んできた筈なんですが…」

それをさっきから隊員達に聞いていたのか、と2人は納得する。

「それをさっきから聞いて回ってるじゃん?」

「はい…でも、皆さんよく見ていなかったとしか答えてくれなくて…」

「私たちだってよく分からないじゃん。眩しくて目を逸らしたら、電撃が消えていた」

「そう…ですか…」

本当にがっかりしたように、美琴は肩を落とす。

「とにかくまずは手当てじゃん。おい!救護班!」

黄泉川が呼ぶと、赤十字の腕章を付けた隊員が来た。
事情を説明すると、隊員は美琴に手当てをするため、救護車のほうへ向かうように言う。

「あの、ありがとうございました」

美琴は黄泉川達に一礼して救護車へ向かうが、しばらくは上条から視線を外さなかった。


美琴が救護車に入ったのを見届けると、2人は車に乗った。

「上条…」

「はい…」

黄泉川の真剣な声色に、上条は背筋を伸ばす。
叱られるだろうか、そう思ったが黄泉川は予想外に明るくなり。

「お前って以外と大胆じゃん」

「はぁ…?」

「いやぁ、バレるかもしれないってのにあんなに気遣っちゃって。いや、悪いことじゃないじゃん」

クスクスと笑う黄泉川に上条は嫌悪の視線を向けるが、黄泉川は気に留めず車を発進させる。

「さ、一旦支部に戻るじゃん」


流れる風景を眺めながら上条は物思いに更ける。

美琴の手を取った時、正直怒鳴ってやりたかった。
どうしてこんな無理をしたんだよ、と。

そんな心配が混じった怒りと共に、全く別の怒りも湧いた。
前者は無茶をした美琴に対して、後者は何もできなかった自分に対して。
何もできなかったわけではない、確かに自分の右手のおかげで警備員本隊は損害を受けずに済んだ。

(それでも、俺がのんびり待機してる間に御坂は…)


無力な自分のせいで美琴が怪我をしたことへの絶望。

それでも自分の正体が明かせない、自分が行っても戦力にはならなかったかもしれないという合理化。

戦うことのできる美琴への憧れと嫉妬。

そして珍しくそんな感情を抱いた自分への嫌悪。


はぁ─と、身体の底からの溜め息。
いろいろな感情が混ざりに混ざって、さっきの行動、そして今の憂鬱に繋がっていた。



以上です。


ニヤニヤするなあ…人間臭くていい上条さんだ

 乙!!別に上条さんが抱いている感情は
半分以上誰かの役に立ちたいとか、誰かを心配するとかいうもんだから……
まあそれでも自己嫌悪はするかもな

 しかし、咄嗟に美琴の手を取ってしまうところは流石上条さん(いい意味で

超乙です!
あっさり共闘しない展開は好きなので次回も楽しみにしています。
体調に気をつけてがんばっとください

乙だぜぇ!!
もし黄泉川先生が一方通行をぶっ飛ばした張本人だったことを知ったらどんなリアクションをするのかwwktk

乙~ 

乙~
続き待ってます!



>>619
ん?黄泉川って一方通行ぶっ飛ばしたっけ
間違いなのかどうかよくわからん

どこぞのSSと原作を混同しちゃってんじゃないの?

上条当麻が一方通行をぶっ飛ばした張本人だったことを黄泉川が知ったらってことだろ

ああやっとわかった

>>624
お前エスパーか本人だなww

乙です!



>>626
普通に読みとりゃ>>624みたいになるだろ

乙! お…俺も見たら一発で分かったよウン

>>624の言う通りだとしたら、>>619

もし上条が一方通行をぶっ飛ばした張本人だったことを知ったら、黄泉川先生はどんなリアクションをするのかwwwwktk

にしたほうが伝わりやすかったんじゃないかなと、ミサカモドキはミサカモドキは提案してみる。

なんだか恥ずかしいな俺

乙!

>>630ドンマイ、きにすんな

ゼロシリーズで強いとか言ってたらXシリーズ無理だな
X5のイカとか特殊武器無しだと無理ゲーだし

我ながら酷い誤爆……ごめん

>>633
気にすんな

なにはともあれ>>1は何時来るんだ?俺を[ピーーー]気か?

>>365
二日も我慢出来ない上にsageてもいないとか・・・

ひでえ安価ミスだ
>>635

この板でsageる必要性を感じない

まぁまぁ、そう斑鳩って

>>639
いかるな、な


>>1です
こんばんわ。

忙しすぎて今年に入って
早くも二回目の風邪を引きそうです
みなさん風邪にはお気をつけて


「あと包帯巻くので、ちょっと取ってきますね」

「はい…」

警備員の救護車の中で、美琴は手当てを受けながらさっきの事を思い出す。

(さっきの人…)

勢いよく握られたが何故か優しさを感じた。
自分を見る瞳は澄んでいて綺麗だったが、そこには不安と動揺が見られた。


そして、

(初めて会った感じじゃない…)

なんとなくだが、そう感じた。

とは言え、相手は警備員。
つまり教師になるのだが、思い当たる教師はいない。

(ってか、常盤台でアンチスキルの先生なんていたっけ?)

ぼんやりと考えているとさっきの警備員の顔が出てくる。


フェイスマスクはしていたが、整った顔つきをしていた。
自分をしっかりと見つめた澄んだ瞳。


(って!私ったら何考えているのよ!相手は教師なんだから)

ぶんぶんと頭を振って心を落ち着かせる。
生徒と教師、それだけで何か不穏な響きがする、何より自分には意中の人が…



ぼん─


という効果音が似合いそうなほど、美琴は一瞬で顔を真っ赤にする。

(って!何でアイツのこと考えるのよ!私のばかぁっ)

ぶんぶんと、さっきと違い顔を真っ赤にしながら、横に振る速度も早い。
御坂美琴、いつもより多く回しております。
包帯を取ってきてくれた救護の隊員も、苦笑いしながら美琴を眺めている。

(あれ?)

と、美琴はあることに気付いて静止する。


隊員はここぞと言わんばかりに美琴の元へ寄り手早く包帯を巻いていく。

(そういえばあれ…)

1つだけ撃墜できなかった電撃。
それは倒れている美琴のはるか遠くで四方に散った。

(あの散り方…)



ちょっとアンタ!

無視

このっ…無視すんな!

うぉわっ!あぶねーだろ、ビリビリ



不思議なことだった。

今までほとんど敵無しだった自分の能力。
そのご自慢の電撃を放っても弾かれる。
無能力者のはずなのに、彼の右手に触れた瞬間、自分の自信は四方へ消え失せる。

(まさか…ね)


そんな筈が無い。そう自分に言い聞かせるが、気になり始めたら気にしてしまうのが人間である。

手当てを受けていないほうの手で、ポケットから携帯電話を取り出す。
隊員に一言断りを入れて、美琴は電話を耳へやった。

(お願い…)

コール音の前のピッピッピッという音がやけに長く感じる。

(お願いだから…)

音が止んだ。
コール音が来るのかと、息をのむ。

“─お掛けになった電話は、現在電波の届かない所にあるか───”

はぁ─と小さく息を吐き、肩を落とした。
ゆっくりと耳から電話を遠ざけ、鬱陶しい音声案内を切る。


「お願いだから、置いてかないでよ…」


救護車の天井を見ながら、美琴は小さく呟いた。


以上です。

前にも言ったように4月から来年の2月まで
ネット環境がなくなるので
どうしても3月中に完結させたいのですが
遅筆なため、少し難しくなってきたかもしれません
3月中に完結はできなくても
甘々な上琴を書くまではいきたいです

>>1乙~

>>639あえて言おう!「いかるが」であると!!

気長に応援してる

乙!

体調に気をつけて頑張ってくれ!!

乙!
無理しない程度に頑張ってくれー

乙です!
無理せずに頑張って頑張ってください!応援してます!
続き楽しみに待ってます

どっか海外にでも行っちゃうのか…?

乙!このすれ違ってる感がなんとももやもやするな
無理せず頑張ってくれー

>>651
引越しじゃね?時期的に考えて

自衛隊に入隊するんじゃね?
一年くらい外出すら禁止されるらしいって聞いたことあるし

防大?

大丈夫。間に合わなくなったとしても、>>1もこのSSも応援してる!!
美琴の「神浄」補正流石。あーでも上条さんって結構整った顔してるしそんなもんか

くれぐれも体調崩さないようにしてくださいね!

>>655
防大の友人はパソコン使えてるぞ?

気になるのは分かるけどあまり詮索するのは止そうぜ

期待

乙! 

出来たら1がパソコン使えなくなる前に完結まで一気に読みたいけどなー
ちなみに今全体の何割くらい?

性描写はどこにいった……

11月末からパンツぬぎっぱなしって風邪ひくってレベルじゃねぇ…

>>1です
こんばんわ。

物語的には今で半分くらいかと思います
性描写期待している方はとりあえず服来て下さい
というか>>1の性描写は多分かなり下手なので過度の期待はしないで下さい


上条が寮から最寄りの駅に帰ってきた時には、日が暮れていた。
暗くなった道をふらふらと歩く。

支部に戻ってから、
黄泉川に『隠してた罰として今回の報告書を書くじゃん』と言われ、
結局最終下校時刻ギリギリまで残るはめになった。

「うぉー寒い」

時折吹く風に身を縮ませながら、電灯が並ぶ幹線道路の歩道を歩く。

この時間帯なら学生が出ていてもおかしくはないが、寒さのためか一人も見かけない。
当然のことであり、いつものことだが、今の上条には何故かそれが寂しく思える。

あの事件の後、正確には美琴にあった後から、
上条の頭の中というか心の中というか、
とにかく説明しがたい身体の内が、説明しがたい感情で溢れていた。

何が原因で何に対してなのか、上条にはわからない。



ただ



──御坂美琴に会いたい。



なぜなのかわからない、愛しいなどの意味ではないし、会えば何か解決するとも思わない。

ただ…何となく。


いつもの公園に差し掛かった。
彼女と会うのは大抵この場所。

居るわけがないとわかっているが、どうしても公園を見回してしまう。
少し遠回りにはなるが壊れた自販機の所を通る。

上条は知っている。
いつも急いでいる時に現れるくせに、こうしてたまに会いたいなんて思った時に限って──




「─っくしゅん!」

「…あれ?」

「あーやっと来た。アンタってばいっつも遅いんだから。
おかげでこっちは鬼の寮監にラブコールをするはめになったのよ」

美琴は自分の腕を寒そうに撫でながら言う。

「え、何してんだ?ビリビリ」

「何って、これよ」

美琴がポケットから何かを取り出して上条へ投げる。
慌てて受け取ると『ホットおしるこ』だった。

「この前奢ってくれたでしょ、それのお返しよ」

「お返しって…それじゃ奢りにならねーじゃん」

「いっ…いいから!ありがたく受け取りなさい!」

「へいへい」

そう言って上条はプルタブを引いて一口飲むが。


「あの…美琴さん」

「何よ?」

「冷めてるんですが…」

「え…う、嘘!」

「お前ここまで冷めるまで待ってたのかよ、缶ジュース一本にどれだけプライドかけてるんだ」

美琴は顔を真っ赤にしながらそっぽを向く。

「ち、違うわよ!
故障…そう、この自販機が故障してて温かくないだけよ、ほらこの前だって間違って商品出してきたじゃない!」

必死な美琴を見て、上条は小さく笑う。
少し虐めてみたくなった。

「いやぁ、でも冷めてるっていっても冷たいんじゃなくて、生温いって感じなんですがねー」

「う…」

「何と言うか、買ってしばらくたってしまった生温さってとこかなー」

「───」

「あ……」

バチバチという音が聞こえて、上条は顔を青くする。
美琴を見ると、顔は俯いているが耳まで真っ赤で、髪の毛先からはバチバチと青い光が散っている。


「この野郎!」

「うぉわ!」

バチンを飛ばされた電撃を右手ではらう。

「あ…」

間抜けな声と共に美琴が立ち尽くした。
あぶねーだろ!と一喝しようとしたが、そんな美琴を見て上条は不安そうに問いかける。

「あの、御坂?」

「ね、ねぇ…変なこと聞くけどさ」

「あぁ?」

「今日、お昼過ぎって…何してた?」

美琴の質問に身体が強張る。
今回は身体から火薬の臭いがする筈もないし、昼間のことを仄めかす言動もしていない。

「あぁ…昼は補習だったよ。
何分出席日数が足りない上条さんは冬休みなんて無いも同然です」

「そう…そうよね!しっかりしなさいよ!
分からないとこあれば教えてあげるから!」

少し安心したような、それでも不安そうな笑みを浮かべる美琴。

「おいおい、それ言われた俺の立場になってみろって!
俺は高校生ですよ!美琴さんより2つも年上ですよ」

ふざけながらも、上条は心の中で美琴に謝る。
嘘だらけの中で、いつもの自分が演じられているのかが不安だ。


「あ、冷めてるんだったわね、貸してみなさい」

思い出したように美琴が手を出す。

「あぁ?いいよ、冷めてても大丈夫だし」

「いいから!さっさと貸す!」

そう言って上条から強引に缶を奪う。

「私は電撃使いよ?電子レンジでも電磁調理器にでもなれるわ」

「それって言ってて悲しくないか?」

「う…細かいことはいいの!」

美琴は缶をベンチに置いて両手をかざす。
美琴の手と缶の間に電撃が走ったりはしないが、しばらくすると缶から湯気が上ってきた。

「んー調節が難しいのよね…」

「御坂、右手…」

上条は美琴の右手に巻かれた包帯を見て小さく言う。

「ごめん、ちょっと今集中してる」

「いいから!」

美琴の右手を強く引く。
上条の声に一瞬驚いたためか、缶から中身が少し溢れてしまったが、上条が右手で手を引いたため能力は止まる。


「ちょっ…ちょっと!」

「この怪我は?また何か無茶したのか?」

もちろん上条は、美琴がどこで怪我をしたのか知っている。
しかし詳しいことが知りたい、毎度のように美琴が怪我を負う危険があるのなら、指を咥えて見ていられない。

「ちょ、ちょっとした事件よ。ほら、ジャッジメントになったって言ったでしょ?
それで今日事件があって…もちろん!私が行ったんだから、ささーっと解決しちゃったけど」

「それで、この怪我は?能力者にやられたのか?」

「えぇっと…これは、その、何と言うか…」

もじもじと、なぜか恥ずかしそうにする美琴。

「や…八つ当たりというか…」

「八つ当たり?」

予想外の質問に思わず言葉を返してしまう。

「わ、笑わないでよ…ちょっと悔しいことがあってね、ガツーンと地面殴ちゃったわけ」

「ぷっ…なんだよ、そうだったのかよ」

思わず吹き出し、ヨタヨタと力無くベンチに座り込む上条。

「ちょっと!笑ったわね!笑ったでしょ!」

「笑いました、三段活用。あー心配して損した」


「何よそれ!アンタは私が自分でコンクリートに壁を打ち付けて怪我しても、笑って済ませるの?」

フーフーと、美琴は頭から湯気が上りそうな程顔を真っ赤にする

「冗談だよ。怪我も心配だったけど、とにかく危険なことしてるんじゃないかって」

「アンタに言われたくないわよ」

「そりゃごもっともで…」

「だからアンタ、今回だって首突っ込んでないかと思ってね」

そう言って美琴は上条の右手を見つめた。

「さっき話した今日の事件なんだけど…」

「あぁ?」

「私と同じ、電撃使いが暴走したの。
それで私が抑えようとしてね」

「それで、しっかりと事件解決できたんだろ?」

あくまで事件の概要は知らないフリ。
その場しのぎでは無い嘘をつくことがここまで難しいとは思いもしなかった。

「結果はそうなんだけど…ちょっと気になることがあって」

「もしかして俺に関係あることか?」

「わからない…
でも、ちょっとドジして、暴走した能力者の電撃がアンチスキルとかの居るところにいっちゃったの…
さっき言った悔しかったのはこのこと。
だけどね…その電撃は消えたの」


消えた─という単語を聞いて、上条は次に来る質問がどんなものなのか予想はついていた。


「アンタが右手ではらったみたいに…」

「そう…か」

「本当に何も知らないの?本当に今日のお昼は補習受けてたの?」

美琴の問いかけに、上条は固まる。

正直なところ、隠さずにはなしてしまえればどれほど楽だろうと思う。
それでもなお隠し続ける必要はあるのだろうか。
元はといえば、美琴のような人が事情を知って首を突っ込んでくるのを恐れていた。

しかし、結局美琴は自分の考えで、自分の道で事件と向き合っている。
それなら隠す必要も無いのではないか…



いや──



上条が事件に関わっていると知れば、美琴はもっと深く危険なところまで来るかもしれない。
それならば、今の状況がいいのかもしれない。

と上条は少々強引に、甘える自分を押し込めた。

「ねぇ…聞いてる?」

「あ、あぁ悪い…少し考えたけど、本当に何も知らない。
そんなことより、その能力者は結局どうしたんだ?」


「その電撃の行方を見た後に振り返ったら、気を失うところだった…」

「気を失ったから、電撃は消えたんじゃないのか?」

「そう考えるのが自然よね…ごめん、疑ったりして」

美琴は悔しそうに両手を握る。

「さっき、ささっと解決したとか大きいこと言っちゃったけど、結局私は何もしてないの…」

力無く言う美琴の手を、上条は思わず握った。

「そんなことねーよ!
御坂が戦ったから、抑えられた損害だってあるはずだ。
いや、絶対にある。御坂が戦わなかったら怪我人だってたくさん出ていたかもしれないだろ」

上条は美琴を見つめながら言う。
美琴は上条の行動に拍子抜けしていたが、合わせられた視線を外すことができない。

「そう…なのかな…」

「そうだよ、もっと自信持てよ。学園都市第三位の御坂美琴だろ」

真剣な顔で、まるで自分のことのように力説する上条を見て、美琴は小さく笑う。

「そうね…もっと自信持たないとね」

つられて上条も笑みをこぼす。
どちらからともなく手を解くと、美琴もベンチに座った。


「まったく、変なこと言い合ってる間にまた冷めちゃったじゃない」

上条との間にある缶に、美琴はもう一度両手をかざす。

「あ、悪いな」

「いいから、集中するから話しかけないこと」

「お…おぅ」

上条はぼんやりと星空を眺める。
しかしそれに飽きたため、上条は横で難しそうな表情をする美琴を見た。

細身の身体から伸びるしなやかな腕。
その先手には包帯が巻かれているが、手の甲だけなので綺麗な指が見える。


そんな美琴の右手を見て、

「綺麗な指してるんだな…手の甲の傷跡、残らないといいけど」

上条は本当に純粋な気持ちで、独り言のつもりで言ったのだが。

「ふ──」

「あれ!?美琴さん!溢れてます!溢れてます!」

「ふにゃー!」

結局、ホットおしるこは温かく美味しく飲まれることのないまま散っていった。


以上です。

鋭い方はお気づきになるかと思いますが
上条さんがちょっとしたミスを犯しています
これは上条さんのミスであって>>1のミスではありません、念のため
次の投下でどんなミスかわかるのであまり難しく考えないでさっくり読んで下さい

というか、急いで書いて
後々文の間にいろいろ挟んだりしているので
普通に>>1のミスが多すぎて
逆に上条さんのミスに気付かないかもしれないです

だからさっくり読んで下さい

>>674乙!
IDすごいね

乙!

脳内上琴バレンタインも無事終了したので俺は落ち着いて投下をまつ。


楽しみにします!

 乙乙!!
ん?これか?んー……美琴は気づいたっぽいな>>1の予告を見ると……

よくわからんとこが1つあったけど素で間違えてるっぽいな
伏線ではない…と思う

あーこれか。
捉え方によっては致命的?

つまり…

……どういうことだってばよ??

つまり、傷跡におしるこをかけると危険ということだな

地面に裏拳を叩き込む美琴さんマジ男前

>>680
コンクリートは犠牲になったのだ。
美琴の八つ当たりの犠牲にな…

俺には上条さんのミスが2箇所あるように見えるんだが…うん

乙~
続き楽しみに待ってます!

わ…わからん…
どういうことよ?

ミスっぽいのが二つと、怪しいのがもう一つかな?

わからん…
残るほどの傷だと知ってたってことか?

上条、黄泉川なら一方さん欲しいところだな

ヒント:包帯

怪我人の件じゃないのか

包帯は手の甲にだけ巻かれてあるから手の甲の怪我というのはミスにならない

アンチスキルの方に電撃が飛んだって美琴が言ったから、怪我人が出たかもというのもミスじゃない

>>691
釣られるけど手の甲だけに包帯巻いてみろよ…

>>691
俺も釣られるけど、
アンチスキル、ジャッジメントの損害、一般人の被害について
明確な言及が見られないんだよな。
「ささーっと解決」「しっかり解決」としか言ってない。
その上、にも拘らず数人のけが人が出ている。
つまりしっかり=怪我人無しってわけじゃない。
だから怪我人がどうのこうのを何も知らないはずの人間が言うと……

美琴自身地面殴ったって言ってるし殴ったら普通は手の甲側が傷つくからミスじゃないと思ってるが

>>694
地面殴って傷ついたなら包帯巻くのは指

>>695
いや、地面殴ったのは事実だろ…

釣られると書けばとりあえず適当なレスしてもいいやとか思って書いてんのかしらんが

>手の甲だけに包帯まけるわけない
殴って手のひら怪我するわけない
地面を殴るのは指からだけとは限らない
何より殴って怪我したのは事実で美琴も説明してる

手のひらを上に向けて拳握って床殴ってみろよ。

>>693
怪我人がたくさん出たかもしれないとは言ってるが、怪我人が少なくて済んだなんて言ってない。
現場に居なくたってそれくらい言えるだろ?


突っ込みいれようとして突っ込まれるような粗いレスすんなよ。
俺が釣られたわ。

話振っといて更に食いつきながら言うのもなんだが、どうせ次にわかるんだからもう終わりな。

>>697
釣んな

何処を縦読みすればいいんだ
斜めか?それとも置き換え…?
ノストラダムス…!?

>>687
>予想外の質問に~
>コンクリートに壁を打ち付け~
この二点かね ミスっぽいのは

後、上条さんの言い訳が少し引っ掛かったなぁ

議論は他所でやれわりとがちで


>>1です
こんばんわ。

>>669
>予想外の質問に思わず言葉を返してしまう。
予想外の回答に

>>670
>「何よそれ!アンタは私が自分でコンクリートに壁を打ち付けて怪我しても、笑って済ませるの?」
コンクリートに頭を

黒子的な行動をイメージして下さい



誤字ひど過ぎるorz
しかも指摘されるまで、読み返しても気付かない酷さ
こんなんじゃ伏線とか言ってられねェぜ!
もうこんな事しません。多分

>>1の力不足のために
読者の方に混乱を招いたこと
また不快な思いをされた方に深くお詫び申し上げます


「じゃ、わざわざありがと」

「いえいえ、これくらい当然ですよ」

上条と美琴は常盤台の寮まで来ていた。

「ま…また今度おしるこ奢るから」

「あー今度は俺が来てから買ってくれよな」

「わ、わかってるわよ!」

「じゃぁ帰るわ」

「うん…気を付けて…」

トコトコと歩き出す上条。
ゆっくりと離れていく背中を見ながら、美琴は心のどこかが締め付けられる。

(やっぱり…)

上条が遠くの曲がり角で振り返って手を振ってくる。
美琴もそれに応じて胸のあたりで小さく手を振った。
その手を胸元へ持って行き、小さくキュッと握る。

(やっぱり嘘ついてる…)

包帯の巻かれた右手を左手でさすりながら考える。


(最初にこの怪我の話をした時、私は事件とは言ったけど、
一言も能力者の暴走だなんて言ってない…なのにアイツ…)

『それで、この怪我は?能力者にやられたのか?』

(…)

事件の内容が能力者の暴走だと言ったのは確かにこの後だ。
この時点ではまだ事件があって怪我をしたとしか言っていない。


偶然かもしれない。
今の事件と聞けば能力者の暴走と考えるほうが自然かもしれない。


(だとしても…)

美琴は納得できなかった。
上条の言い方に、どことなく違和感を覚えた。
かと言って、本当に上条がこの事件に関与しているという確証もまだ無い。

上条が現場にいたかは謎だ。
ジャッジメントの支部に戻ってから、
初春に頼んで現場付近にある防犯カメラの事件当時の映像を読み込んでもらおうとしたが、電撃使いの能力者が暴走したためかどれもダウンしていた。

上条の言う通り、能力者が気を失ったから電撃が消えたのかもしれない。

仮に上条が右手を使って警備員本隊の前で電撃を打ち消したのなら、誰か警備員は見ていたに決まっている。
本隊の中に学生服の彼がいれば目立つだろうし、現場から離れさせられるはずだ。

だが警備員の答えの中に上条の目撃情報は無かった。


(難しく考えないほうがいいのかしら…)

美琴は頭の整理をしながら寮の中へ入る。
寮監に帰ったことを伝えると、無言のまま視線だけで部屋に戻るように指示された。

部屋に戻ると、黒子は珍しく普通に寝ていた。
鞄を置き、手の包帯をゆっくりと取る。

(綺麗…か)

さっきの言葉に少し顔を赤らめながら着替えを持ってシャワールームへ入る。
タッチパネルに触れると今の自分に合った温度のお湯を出してくれるが、今は少し熱いお湯を浴びたいので少し温度を上げる。

(わからない…アイツの考えも、私の考えも…)

肌に当たるお湯が心地良いが、頭の中はもやもやとしたままだ。

(仮にアイツが何か隠してるのなら…どうして?私じゃ役不足だって言うの?)

あの少年がいつも厄介事に首を突っ込んでいるのは知っている。
だが美琴が知るのはいつもボロボロになった彼、入院している彼。

ある時はボロボロになった身体で、病院から抜け出してきたところの彼に会った。
その時も、結局美琴は止めることしかできず、それでも彼は止まらなかった。


そして






(何もできなかった…)






ロシアで彼が戦っていることを知り、自分の能力を最大限に駆使して無我夢中に追いかけた。
やっと同じ土俵に立てたと思っていたのに、彼の背中は思っていた以上に遠くて。

(嫌だ…)

頭に浮かぶのは、ロシアでやっと彼を見つけた時のこと。
VTOLから必死に手を伸ばした。
自分に気付いた時、純粋に嬉しかった。


しかし自分の手を取ることは無く、遠ざかっていく──。


(置いてかないで…)


はっ、と涙が出そうになるのを堪える。

(ダメダメ!ここで泣いても仕方ないでしょ、第一何がそんなに悲しいのよ)

ペチペチと頬を軽く叩く。

もしも彼が関わっていたとしても。
今回の事件は学園都市の中で起こっている。
自分だって風紀委員として事件に関われる。
いつものようにはさせない。



同じ場所に立っている。



(しっかりしなさい、御坂美琴。
私情を持ち込んでたらジャッジメントなんてやってられないわよ。
よし、とにかく。今後このこと考えるの禁止!)

仮定を立て続けても仕方が無い。
美琴は気を取り直して髪の毛を洗おうと手を上げるが。

「いッ───!」

考え事をしていたからか、今まで右手の痛さに気付かなかった。
手を上げたために、シャワーから勢い良く出るお湯が傷口へ直撃。

「───」

黒子を起こすとまた面倒なので、必死に声を抑える。
結局堪えた涙はお湯と共に流れることになった。


以上です。

皆さんの予想はあってましたか?
>>1は自分のミスを棚に上げて、できる作者を気取ってみます
こんな粋なことできるのは、誤字脱字無く、ミスも無く書ける作者だけです

普通に>>1のミスかもしれないのに
予想を書き込まないでくれた読者の方に超感動、超感謝しています

手の包帯は手の甲から、
指の付け根くらいまでグルグル巻いてるとお考え下さい

以下>>1のミス指摘は良いのですが
良く思わない方もいるので
あまり議論にならない程度でお願いします


ミスというか役不足って
まあ市民権得てきちゃってる間違いだしなぁ

乙~
続き待ってます!

 乙でした!!
上条さんも美琴も物凄く葛藤してるな……

乙ー
ただ、
美琴自身臨時風紀委員は暴走能力者対策だって>>353で言い切ってるから
それで怪我した→能力者にやられた、ってのは割りと自然な推論じゃないかと思うのぜ。

乙~

>>役不足
こういう場合って結局なんて言えばいいんだっけ?役者不足だったか?

役者が足りないとか荷が重いとか

役不足 やくぶそく (一般)
正しい意味は、「素晴らしい役者に対して、役柄が不足している」という意味、つまり能力のある人につまらない仕事・簡単な仕事をさせるという意味なのですが、最近は逆の意味で使われることが多く、アンケート調査などでも日本人の半分が逆の使い方で覚えているようです。

(ただ最近は、逆の意味で使われていること自体はよく知れ渡っており、逆なのを承知の上で使っている人が多いと思われます。[要出典])

「この人には荷が重い」というような使い方をする際は、「力不足」「役者不足」が正しい。

http://d.hatena.ne.jp/keywordtouch/%CC%F2%C9%D4%C2%AD

やっぱ能力者云々のとこだったか
「俺関係か?」的な部分もちと怪しいが

終業式に補習、てのがおかしいのだと思ったけど外れたか

>>715
http://bunsyousahou.web.fc2.com/yakubusoku.html

もっと前の描写の話だけど警備員って能力者訓練すら受けていない
教師だから「俺達は無能力者だから……」ってのは違和感

無能力者=レベル0の能力者だもんな。
まあ俺は言われるまで気にしなかったけどww

とりあえず上条さんが化け物みたいに銃使いこなして
上黄泉希望


>>1滅茶苦茶過ぎワロタwww


>>1です
こんばんわ。

もうイロイロと無茶苦茶で何も言えませんw
役不足は力不足と変換しておいて下さい

生存報告程度の短い更新ですがどうぞ


『至急!至急!本部から各隊へ。学園都市上空において未確認飛行物体を確認。』

あの電撃使いの暴走事件から数日、警備員支部内の食堂で昼食を取っていると、そんな一報が入った。

何でも上空レーダーに一瞬の反応があったらしく、誤作動の可能性はあるが警戒態勢を敷けとのこと。
事件の復旧作業でも全て業者任せとはいかず、何かと忙しい警備員としては迷惑な話だった。

上条も報告書などの作成を手伝い、空き時間には課題に手を付ける。
まわりが教師だけというのは、環境としてはベストだし実際進むペースも早い(と思う)。
しかし普段から机に向かわない上条は見事に頭痛を起こし、支部内では常におデコ冷却材を付けている。


「仕方ないじゃん。昼から警邏するか」

上条の向かいで既に食事を終えた黄泉川が言う。

ここ数日間ずっとデスクワークをしていたわけではない。
午前の警邏を1時間に短縮し、支部内で書類の作成。
午後は最終下校時刻前の夕方から警邏をする。

帰宅が最終下校時刻を過ぎてしまうが仕方がなかった。
ちなみに風紀委員はこれに関しては許されていない。
事件が起こるなどの特別な理由があれば許されるが、共同戦線を張っているとはいえ大人と子供の境界線は健在だ。
つまり上条は少しだけ大人の待遇を受けているのだが、嬉しいものでも無い。

とにかく昼からは体を動かせるということで、心の中でガッツポーズ。

「ほら、さっさと食べるじゃん」

黄泉川に急かされたので、手早く食事を終えて食堂を後にした。


「え?侵入者ですの?」

携帯に向かって意外そうに話す黒子に、美琴も反応する。
それに気付いた黒子は通話をスピーカーモードに切り替える。

『そうなんです。
今アンチスキルのほうから連絡があって、上空レーダーに一瞬未確認の物体が映ったとかで…』

携帯から聞こえる初春の声も困惑気味だ。

「一瞬なら誤作動じゃありませんの?」

『アンチスキルもそう考えていましたが、念のためしっかり見回りして下さいということです』

「面倒ですわね…」

「いいでしょ黒子、見回りするのに変わりは無いんだし」

『御坂さんの言う通りです。
詳しいことがわかり次第、また連絡しますねー』


ブツリと切れる通話。
切れる直前に遠くから「ココア入ったよー」という声を2人は聞き逃さなかった。

ビル風の突き刺すような寒さに身体を縮ませる。

「わたくしも温かい支部でゆっくりしたいですわー」

「それは同感するわね」

仲良く溜め息をつく2人。

「にしても…手掛かりゼロとは、どうしようもありませんわね」

「まぁ、怪しい行動してる奴がいたら引っ張っていけばいいでしょ」

「そうですわね…侵入者であれ、スキルアウトであれ、厄介事を起こさせなければいいのですわ」

「よし、そうと決まれば手分けして探すわよ」

「はいですの!」


以上です。
頑張って書きます

おつ!

がんばってね。まってるよ!

 とうとうあの子が来たか!?

乙でした!頑張ってください!

乙上琴

乙~
続き待ってます!

乙黄泉上

乙上琴

乙黄泉上

乙上琴

乙黄泉琴

もういいから3Pやら4Pやら乱交やらにしときなさい

上琴泉

レッサー期待

>>738
なんか四股名っぽいなww


>>1です
こんにちわ。


警邏を始めてはや数時間。
侵入者らしき人物を見かけることもなく、それらしい事件も起こっていない。
短くなった日は既に沈みかけていて、そろそろ街灯の光が欲しいところだ。

「結局それらしい事件は起こってないか…こちら黄泉川、異常無し」

黄泉川と上条はやれやれとベンチに座り込む。
黄泉川はしばらくイヤホンを付けた耳に手を当てる。

「他の地域でも、特に異常は無いらしいじゃん」

「無駄足でしたかね…」

ぽかり、と軽い拳骨をくらう。

「そんなことないじゃん。警備を強化したから、事件が起きなかったかもしれないじゃん」

「そうかもしれないですが…」


しかし、学園都市の防衛網を突破したにも関わらず、警備強化程度で怖気つくだろうか。
その程度のやる気なら、とっくに防衛網で捕まっていただろう。

だとしたらやっぱり誤作動の可能性が高い。

「さてと…もうすぐ最終下校時刻じゃん。
まだ遊んでる生徒達に注意しながらもう一回まわるじゃん」

「了解です…」

昼から外に出たまでは良かった。
しかし、侵入者を探すために第一五学区をひたすら歩きまわっただけ。
結局例の侵入者も見つからず、何度も一五学区をまわるのにも飽きてきた。

服屋や雑貨屋、初めは物珍しかったものの、今日一日でその新鮮さも失われた。
今ならバイトで一五学区案内ができるかもしれない。
くだらない事を考えながら、上条は重い腰を上げて黄泉川の後に続いた。


見慣れてしまった繁華街を歩く。
街灯が点いて、街路樹のイルミネーションも輝き始めた。

「もうすぐクリスマスじゃんよ」

「そういえばそうですね…」

「そういえばって…学生からすれば一大イベントじゃないのか?」

黄泉川の意外そうな反応に、上条は大袈裟に溜め息をつく。

「それは恋人のいる学生にとってです!寂しい上条さんには関係ございません…」

「そんな奴らで集まってワイワイやるのが楽しいじゃん?」

「とは言っても、この仕事があるんじゃないですか?」

もっともな上条の意見に、珍しく黄泉川は押され気味だ。

「う…だ、だからこそ!今の能力者事件を早く解決して、それで特別休暇貰って、楽しいクリスマスを過ごすじゃん!」

楽しいと決まったわけじゃないクリスマスを目標には出来ませんよ
と言いたい上条だったが、そろそろ本気で殴られそうなので心のなかに留める。

「───ってミサカはミサカは反論してみる」

ふと聞こえた声に、2人は顔をそちらへ向ける。


そこにはアホ毛を揺らした少女が、杖をついた白髪の少年の周りをくるくるとまわっていた。

「だァ!うぜェって言ってンだろォ!だいたい、この人混みの中でちょこまかするンじゃ…」

少年のほうが、自分達に気付いたようだ。
少女も気付いたようで表情をより明るくして走ってきた。

「ヨミカワー!ってミサカはミサカは思わぬ出会いに心踊らせてみる」

「打ち止め、こんな所で何してるじゃん」

黄泉川は勢い良く走ってきた打ち止めを抱き上げる。

「あの人とデートだよ、ってミサカはミサカは頬を染めてみたり」

「へぇ…一方通行と?」

黄泉川が一方通行へ視線を向けると、心底鬱陶しそうな表情のままカツカツと杖をついて歩いて来た。

「ただの買い物だっつーの。クソガキも変なこと言ってンじゃねェ」

打ち止めにゴスゴスとチョップを入れる一方通行。

「痛い!どうしていつも乱暴するの?ってミサカはミサカはアナタの行動を非難してみる」

「お前が余計なことしてるからだよ」

「あの時はいつも優しいのに…ってミサカはミサカは意味深に頬を染めてみる」

「は?なんのことじゃん?」

「なンでもねェよ」


そンなことより─と呟いて、一方通行は上条に視線を向ける。

「あ…久しぶりだな、一方通行」

「久しぶり!ってミサカはミサカは本当に久しぶりの出会いに感動してみる」

「あぁ、打ち止めも久しぶりだな」

上条は打ち止めのアホ毛をツンツンと突付く。

「何やってンだお前…」

怪訝な表情をしながらも上条を睨む一方通行。

そんな一方通行を見て、変わったなと思う。
初めて一方通行を見た時、彼の眼にあったのは悪意、憎悪、殺意、そして戸惑い。
ロシアで会った時、戸惑いと共に何か信念があった。絶対に譲れない、彼なりの決意があったのだろう。
それを彼に与えてくれたのは、彼を変えてくれたのは、目の前でアホ毛を揺らしている彼女なのだろう。

「見ての通りアンチスキルです」


その答えに、一方通行はハッと鼻で笑った後口の端を上げた。

「オマエがアンチスキルですかァ?
ハッ!黄泉川!こンな三下雇うなンてアンチスキルも最近の能力者暴走の事件とかでほぼ壊滅状態ですってかァ?」

「仕方が無いじゃん。人員不足じゃなくて、大人の事情ってのがあるじゃんよ。それに上層部が決めた事だし」

上層部と聞いて、一方通行の顔から笑みが消える。

「…どうかしたのか?」

上条が声をかけると、元の不気味な笑みを戻した。

「なンでもねェよ。せいぜい頑張って死なねェことだな三下ァ」

「う…何かお前に言われると妙にリアルに感じるのですが」

「ねー!ミサカは早くケーキを予約しに行きたい、ってミサカはミサカは自分の欲望を丸出しにしてみる」

「あァ、オマエさっきからそれしか言って無いじゃねェか」

「じゃぁミサカたちは行くね、ってミサカはミサカは手を振ってみる」

一方通行のズボンの裾を引っ張る打ち止め。

「だァ!歩きづれェンだから引っ張るんじゃねェよ」

「早く早く!予約したら番外個体のお見舞いにも行くんでしょ、ってミサカはミサカはアナタを急かしてみる」

打ち止めはズボンの裾は放したが、人混みの中をさっさと走り抜ける。

「それじゃ一方通行。もうすぐ最終下校時刻だし、あんまり遅くならないようにするじゃん」

「わかってるっつーの」

一方通行は面倒くさそうに答えて、カツカツと杖をついて人混みの中に消えた。

「さ、私たちも警邏再開するじゃん」


「あー足がダルい…」

美琴はベンチでぐったりとしていた。
黒子と別れて侵入者の捜索に最初は熱心だったものの、見つからなければ疲労と苛立ちが溜まるばかりだ。

ふと、ゲコゲコと携帯が鳴る。

『お姉さまぁ捜索のほうはいかがですの?』

相手は疲労困憊の黒子だった。

「こっちは全然。その様子だと黒子も駄目みたいね」

『えぇ…騒ぎを起こしているスキルアウトを注意したくらいで、あとは何も…』

「こっちは歩きまわっただけだったわ、やっぱり誤作動だったのかしら?」

『その可能性が高いですわね。
どのみちもうすぐ最終下校時刻ですし、あとはアンチスキルに任せてわたくしたちは支部に戻りましょう』

「わかった、了解」

電話を切って、ふう─と一つ溜め息。


「何も起きないに越した事は無いんだけどね…」

それに対して退屈だと思ってしまう自分に自己嫌悪する。
レベル5の肩書きを誇示する気は無いし、特別扱いもされたくは無い。

それでもどこかで、自分の力を最大限に使って事件に関わりたい、誰かに見せつけたいと思っている。
そんな本音があると同時に、自分がレベル5だという責任。
しかし、下位能力者を守るのが上位能力者の義務と自分が考えていても、下位能力者からすれば見下されているように感じるのだろうか。

「さて、と」

考えていてもしょうがない。
この寒空の下物思いに耽っていると行く末は見えている。
立ち上がると、歩き疲れた足の裏がじんじんと響く。

「私も佐天さんにココア入れてもらおうかな」

暖かい部屋で温かいココアを飲むと考えただけで思わず頬が緩んでしまうが、帰るまでが見回りなので顔を引き締め直す。


早速ゲームセンターで遊びに没頭している学生の集団を見つけた。
黒子がもうすぐで最終下校時刻と言っていたのでここは注意したほうがいいだろうと思って近寄る。


「ちょろっとーもうすぐ最終下校時刻だからそろそろ帰りなさいよ」

「あぁ?」

鬱陶しそうな、いかにもな反応をする学生たち。
美琴と同じ年か一つ上くらいだろう。

「ジャッジメントがアンチスキル気取りですか?」

挑発するように言う学生に、美琴のイライラは募るばかりだがここで爆発させるわけにはいかない。

「お、おい。コイツ御坂美琴じゃね?」

「え、嘘だろ?」

学生の1人が気付いたようで、次々と美琴のことに気付いていく。
そんなことはどうでもいいから、さっさと帰ってくれるのが美琴としては有り難いのだが、信じられない言葉が聞こえた。

「おい、離れようぜ。いつ暴走されるかわかんねーから」

え─と固まる美琴に対し、学生たちはそそくさと距離を取る。

「最近ホントに能力者怖い、今回ばかりは俺無能力者でよかったわ」

「学校でも高能力者は…な…」

「今回の事件でも能力の低い奴らは、自分の身すら守ることができないからな」


美琴に投げられる視線は拒絶、憎悪。

「ちょ、ちょっと待ってよ…私別に暴走なんか…」

「100%言えることかよ?だいたいアンタレベル5だろ?
暴走したら、他の能力者より比べ物にならないくらい被害出るんじゃないのか?」

「そ…んなこと」

なんとかして歩み寄ろうとするが、できない。
さっき受けた拒絶があまりにも強烈すぎて、今の美琴の足を固めていた。

両者の間、というよりさっきから周りで見ていた野次馬たちも、美琴を中心に円形に距離を取っていた。その間に流れる、嫌な空気。
息苦しい、目眩がする。自分にはこの空気を取り繕うことは───。



「アンチスキルだ!何している!」



突如聞こえた声に、周りの生徒たちは慌てて美琴から目を逸らす。

「もうすぐ最終下校時刻だ!さっさと帰れ!」

ざわざわと騒ぎながらも、帰路につく生徒たち。
口々に「先生が言うなら仕方ないか」と言いながら。


「くだらない奴らだ。大丈夫か?」

立ち尽くす美琴に警備員の男が話しかける。
その顔には見覚えがあった、確か…前の事件の時に。

しかしぼんやりと美琴は頭が回らず、無言のまま首を縦に振る。

「そうか…もう帰ったほうがいい。このあたりの支部だろ?一人で帰れるか?」

「大丈夫です…」

力無く答える美琴。

「そんなに気にすることは無い。ア
イツらはアイツらで苦労しているだろうが、君の苦労なんて全く知らない。
知らないうえに知ろうともしない奴らのことを気にするだけ無駄だ」

「あなただって…私の苦労を知らない…」

口に出してから後悔した。せっかく心配してくれているのに。
呆れられたのではと、恐る恐る男のほうを見るとあまり気にした様子は無く、むしろ申し訳なさそうな表情でいた。


「そうだな、確かに俺は君じゃないし、能力開発も受けてないんだからそのへんの学生より君の苦労を知らない」

でもな、と続ける。

「能力開発を受けていないからこそ、能力での優劣を付けられていないからこそ、生徒と対等の気持ちで接することができる」

それを生徒も知っているから、教師の言う事なら聞ける。
どれほど自分が別け隔てなく接しようとも、他の能力者は劣等感からの壁を感じるに違いない。
そして自分が厚意のつもりでした行動も、他の能力者は見下されたように感じているのかもしれない。

「そして俺たちは何があろうと生徒の味方だ」

目の前の人物が羨ましい。
自分より遙か遠くにいて、どれほど努力しようと決して届かない。
いや、努力をしたからこそ超えてしまった存在で、決してそれに戻ることだできないのだ。

そんな大切な存在を、正直に言うと今さっきまで見下している自分がいた。
だからこそ、さっきの言葉が出たのだろう。

申し訳ない気持ちと、伝えきれない感謝の気持ちが溢れてくる。


「ご…ごめんなさい。私、生意気なこと言って…」

「いや、こっちだって無責任な発言だったよ」

「あの、この前のアンチスキルの方ですよね?怪我のほうはもう…」

「あぁ?覚えてくれてたのか、ちょっと電気流れただけだから大した事無いよ。他の奴らだってもう前線復帰している」

男は腕をぐるぐると回して、健康をアピールする。

「そうですか…」

「あの時はホントに助かったよ。君がいないと俺はここにいなかっただろうし」

「そんな大袈裟な…」

「本気だよ。君が来た時、俺は彼女に電撃を撃たれる直前だった。
電撃使いについては詳しく知らないけど、あれは撃たれたらやばかったなー」

笑いながら言うので、美琴には軽口にしか聞こえない。

「君が戦ってくれたおかげで、被害も少なかった」

「…」

「生徒を前線に出すのは気が引けるが、アンチスキルが大量に集まったところでレベル5の足元にも及ばない」


男の顔に一瞬、悔しさがうつる。
瞬きをすると元の表情に戻っていたが、見逃さなかった。

「だからこそ、俺たちはバックアップに全力を尽くす。
戦う君たちが、暴走した生徒が、何の関係も無い生徒が傷付かないようにな。
こんな事態だからこそ、それぞれができることを全力でやるべきなんだ」

だからこそ、と男は美琴の目を見る。
男の目には何らかの決意が見えて、どこかの野郎と同じ目をしていた。

「君も、君にできることを全力でやってほしい。
他の奴らが何と言おうと、能力者を止めれるのはやっぱり能力者なんだ。辛いこともあるだろうが、やってくれるか?」

答えを出すのに時間はかからなかった。

「はい!」



男は美琴の返事を聞いて、優しく笑う。

「それじゃ、気を付けてな」

男が立ち去ろうとするが、美琴は慌てて止める。

「あのっ!まだ名前を…」

「あぁ、そういえばそうだった。アンチスキル八四支部の才郷良太だ、これから先現場でもよろしく頼むよ」

「はい、ジャッジメント一七七支部の御坂美琴です。改めてよろしくお願いします!」


以上です。
投下に間が空いてすいません

アニメの才郷さん
どっちかわからないけど
どっちであろうと思ったよりおっさんっぽかった

乙!


美琴に盾突く学生とかないわ





乙です!

乙!!
高位能力を持ったが故の苦悩を越えられないやつが
残骸事件のときのあわきんみたいになるのかな

乙です!
続き楽しみに待ってます!

乙!

俺だったら美琴と気づいた瞬間に飛び付くのにな。
黒子げになるだけだが。

>>762
誰がうまいことry

乙ー

黒子毛…
ツインテになるのか

>>760
一方さんに思いっきり殴られるのか

こんなペースで4月までに完結できるのか?

>>1です
本当に申し訳無いです
最近思っていた以上に忙しく
手をつけていません
この一週間も忙しいので
3月中の完結は少し難しいです
本当に申し訳ありません

最後まで見せてくれるなら大丈夫さ

待ってるよ   

みな就職活動でもしとるのか

幾ら時間かかっても良い。
最後まで続けてくれるなら問題ない。
がんばってください!!

てことは来年までお預けかー
この上なく残念だが仕方ないな

何年でも待つ

おれは何時までも待つあなたが書き終わるまで。

来年を楽しみに待ってます

すでに調教済みの俺には問題ない
むしろ完結を楽しんで待つ時間が延びてうれしい

>1よいお年しを

>>1
リアルだいじ
待ってる

>>1の無事を祈ろう

わたし まーつーわ

>>780
sageろよ

>>1です
更新は無いのですが一応生存報告です
震災のあった日にちょうど東京にいて
少し大変でしたが無事に戻っています
身内で未だに連絡が取れない人もいて、精神的に少し不安定ですが
身体はいたって健康です

明日あたりに更新できればと思っています

頑張れ
無理はすんな
HKB

楽しみにしてるぜ!!(^ω’)b

超楽しみです!

なれないこと経験したんだからむりすんな

がんばれ

無理すんな馬鹿
ちゃんと休め馬鹿
リアルが一番大事だ馬鹿

>>1です
投下します

wwktk


上条たちは一五学区内の大きな交差点に来ていた。
交差点と言っても車の通る道では無く、歩行者でいっぱいだ。
それでも最終下校時刻が近いためか昼間よりも人は少なく、買い物袋を下げた学生たちが商店とは逆の方向に歩いていた。

どこからか流れているクリスマスソングは今日初めて聞いた曲だったが、すでに上条の頭に染み付いている。

「さてと…」

黄泉川が立ち止まる。
三方向に別れている交差点。いわゆるT字路だが、上条たちから見て二手に別れる道は後で合流する。
商店の種類で二手に分けたようだが、一組で警邏をするとなると非常に厄介だ。

「時間も時間だし、二手に別れるじゃん」

「え?」

黄泉川の予想外の提案。
これまでは上条の経験が浅いこともあり、2人1組を崩さないまま警邏していた。
その結果、毎回この道に差し掛かった時はぐるりと一周まわった後、また同じ道を通って次の場所へ向かう形になっていた。

これでは時間もかかるうえ、疲労も溜まる。


そのためこの道に来るたび上条は憂鬱になっていたのだが。

「もういい加減慣れただろうし。あぁもちろん上条はそっちの道じゃん」

そっちの道、と言って黄泉川が指差したのは若年層向けの商店が集まった道。
若年層と言っても、学生の街学園都市においての若年層と言えば小学生や中学生のことである。
年齢層が低いため、起こるトラブルと言えばマセたガキんちょによるカツアゲ程度。

大体は警備員の注意で事はおさまる。

「何も無いとは思うけど、もし何かあればすぐに連絡するじゃん」

「了解です」

「まだ侵入者がいる可能性はあるじゃんよ。見つけたら考えるより連絡じゃん」

もう一度上条が返事をして、二人は別れた。


人通りが疎らになった通りを歩く。
上条と同じ方向に歩く者はいない。
すれ違うのは小学校高学年から中学生くらいで、時折律儀な学生が挨拶をしてくる。

「さようならー」

「おぅ、気を付けて帰れよ」

少し擽ったい気持ちになりながら挨拶を返す。

ふと時間が気になって、周りを見渡すが時計は無い。
仕方が無いのでポケットから携帯電話を取り出す。
サブディスプレイに時間を表示させようと、横のボタンを適当に押したところで上条は固まった。

“不在着信20件”

仕事中は気にならないようにサイレントモードにしていたので全く気付かなかった。
とにかく携帯を開いて誰からの着信なのか確認しようとしたところで、また着信が来た。

警邏中のため迷ったが、着信件数から考えて異常だと思い電話に出る。


「もしもし…」

『やっと繋がった!』

最大音量の声が上条の耳を駆け抜けた。

『とうまとうま!今から私の言うことをよく聞いてほしいんだよ!』

聞き慣れたその声は、上条の返事を待たずに話を続ける。

『今ね、学園都市のほうに──わわっ』

突然話が途切れて、どさり─と音がする。

『ちょっと!今私が説明しているんだよ!』

『うるさいなーこういうのは当事者が説明するべきでしょ』

なんだなんだと思っている間に、電話の相手が代わったようだ。

『あーもしもし。使えない頭を最大限に使って考えてね日本人』

「あれ?どこかで聞いた声だな…」

『私はフロリス。アンタとはハロウィン以来かしら』

面倒くさそうに、そして少し苛々とした口調で答えるフロリス。

「あぁ…あの時の…」

『アンタはいつかぶっ飛ばしてやるから』

「それは何故でせうか…」


上条の問いは無視される。

『話がずれたね。こっちも忙しいから手早く話すけど、レッサーって知ってるでしょ?』

頭に浮かぶお転婆少女。
随分と振り回されたが、いくらか迷惑もかけた。

「あぁ、レッサーがどうしたんだ?」

『こっちにいないんだよね。そのうえさ、どこかの噂ではアンタに会いに行くとか』

「え?それじゃあ、もしかしたら学園都市にいるかもしれないってことか?」

『そんなところ。でもまだ確証は無いから何とも言えない。
その様子じゃアンタのところにはまだ来てないみたいだし』

はて、と上条は考える。
今この学園都市は空からの侵入者か何かで警戒態勢。
そしてイギリスでは魔術師が1人行方不明で日本に向かったという噂。

「これはきっと…不幸だ…」

侵入者が名前も顔も知らない輩ならまだしも、知り合いとなればいろいろと面倒だ。
最悪自分が侵入を手伝ったと疑われかねない。

『はぁ?何?どうかしたの?』

「いいや…とにかく、学園都市のほうで見つけたらどうしたらいいんだ?」

彼女の性格上、言ってすぐに聞かないのは上条も知っている。


『んーそうだなーちょっと、ベイロープ』

しばらく遠くでの会話が行われたようだが、上条には聞き取れなかった。

『もしレッサーに会ったら、ベイロープの手が暴れだす前に帰ってこい。とでも言ってもらおうかな』

「はぁ?そんなことでアイツが帰るのか?」

『文句はいいから。多分血相変えて戻ると思うよ』

面倒くさそうに、それでも余裕そうにフロリスは答える。

「そうか?じゃぁそうさせてもらうよ」

『さっきも言ったけど忙しいから、そろそろ切るよ』

上条があぁ、と返事をするかしないかで電話は切れてしまった。
切れる直前、何やらカッチンカッチンと聞き覚えのある音がしたがもしかして向こうでも噛み付いて回っているのだろうか。

(とにかくインデックスには夜に電話するとして…)

ぐるりと繁華街を見回す。

疎らと感じたさっきよりも人通りは無く、わずかな生徒は早足で駅に向かっていたりして、店では店頭の商品を戻し始めている所もある。
今日一日中歩きまわったのに、今からいるかもわからないレッサーを探すと考えるとさすがに気が滅入る。
かと言って確証の無い情報を無線機で流すわけにもいかないし、そんな事をすればレッサーが学園都市にいようといまいと面倒なことになる。

「あー…不幸──

上条が力無く呟こうとした時、あるものを見つけた。

以上です

昨日言っていた身内とは今日連絡が取れました
3月の最後までしっかりと
適度に来れるように努力します

フロリスちゃん
ちゅっちゅ

乙 無事でよかった。

>>1

乙~
無理はせずに
続き楽しみに待ってます!

乙です。
あせるといい物書けないからゆっくりしたほうがいい


よかったね

乙乙 無事で良かったな

フロリス可愛いよフロリス

まってる

真面目な話。
最後の更新終わったら、1回html化スレに依頼出して、書けるようになったときに立て直して下さい。

復活楽しみにしてます。

もう帰ってこないのかね・・・(´・ω・`)
待ってるよ>>1

こんばんは
>>1です

一度でも更新したかったのですが
多忙なうえ思うように進まず微妙な所になってしまうので
申し訳ありませんが更新できません

html化ですが
2月まで全く書けないわけでも無いはずなので(>>1のやる気次第)
このスレは残させてもらおうと思います

ふざけんな
という意見があれば今一度考えさせて頂きます

何もかも中途半端で本当に申し訳ありません
そしてこのスレを見てくれている事に心からお礼申し上げます
早ければゴールデンウィークあたりにお目にかかれるかもしれません

それではまた

私待つわ

待ってるぜ

さあ原稿用紙に書きためておくんだ

迂遠だが、PCでtxtに起こしてMicroSDに保存、携帯でコピペして投稿っていう方法がなくもない

待ってる

ここは毎朝更新するスレの一つ

いつまでも待~つ~わ

待つに決まってんだろ

待つぜー

超まつぜ~!!

舞ってる

超待ちます

まってる

マッテイル

大丈夫。そんな≫1を私はずっと待ってる

そろそろGWだけど来てくれれば良いなー

大丈夫だッ!
>>1は必ず来るッ!

アナログがあるだろ!
原稿用紙でもメモ帳にでもネタを書き起こす作業に戻るんだ

>>824
sageろ

続きwktk

久しぶりに上がったから開いてみたら、824ェ……

同じ愛知県民として遺憾の意

これで作者来たって勘違いする奴来るんだろうなー・・・
あーあ

雑談はsage進行で

orz

おいもうゴールデンウィークだぞ

そしてGW終わるぞ

まだ慌てるような時間じゃない

GWごろ、とは書いてあるがGWに来るとは書いて無いしな

これたら来るってだけだったしやっぱきつかったか

ゴールデンウィークとは書いたが今年のゴールデンウィークとは書いていないしな

そもそもゴールデンウィークがいつだか書いてないしな


お久しぶりです
遅くなって申し訳ありません

少ないですが
生存報告を兼ねて投下します


長い黒髪を先だけ三つ編みにくくり、ラクロスのユニホームのような服装。
そして、両手には大量の買い物袋。

「──!」

相手も上条に気付いたようで、視線が合う。


「「あー!!」」


二人の声が閑散とした商店街に響く。

「やっと見つけまし、むぐぐぐぐ」

トーンの高い声が周りの視線を受けるので、上条は咄嗟に相手の口を塞いだ。

「叫ばなくていいから!とにかく落ち着け!」

それは自分にも言い聞かせるように小さく叫ぶ。

「落ち着いていられませんっ!
今日一日身を削り、骨を折り、この広い街を探し続けたんですから!」

「その割にはやけにショッピングを楽しんでいるようで…」

「あ、あははは…噂には聞いてましたが、珍しい物が多いですね」

もじもじと、買い物袋を後ろに隠すレッサー。


上条は溜め息を一つ。

「で、学園都市の防衛システム破ってまでショッピングですか?」

「ち、違います!これまでの事を全て引っ括めてアナタにお礼をと思い!」

「お礼されるような事したっけ?」

キョトンとする上条を見て、レッサーは買い物袋をドサドサと落とす。

「なななな…アナタって人は…」

そんなレッサーを横目に、上条はこの一件をどうするか考える。

(これは…報告するべきなのか…)

報告するとなると上条自身も取り調べられるだろうし、レッサーを学園都市に留めとかなければならなくなる。

(イギリス側はレッサーを早く帰らせろって言ってたしなー)

そうするとなると、ここで悩んでレッサーを留めておく訳にもいかない。
事情を説明してさっさと帰ってもらうのが得策だ。


「あー…レッサー?」

未だに絶望モードのレッサーに声を掛ける。

「なんですか…
私は…私は今苦労が水の泡になった事で立ち直れないです」

「それに追い打ちをかけるようで悪いんだけど…さっきフロリスから電話があって…」

上条が言い終わるより先に、フロリスとの単語が聞こえたあたりからレッサーの顔から血の気が引いた。

「な…な、何て言ってましたか?」

「早くイギリスに帰ってこいとか」

「そっ!それ以外に何か!」

「えーっと…ベイロープの手が暴れ出す前にどうのこうのって」

はひぃ!と意味不明な言葉を発してその場で頭を抱えるレッサー。

「うぅ…いつかバレるものとは思っていましたが…こうも早く…」

「おーい…レッサーさん?」

「こんな事をしている場合じゃありません!早急に帰らねば!」

それまで頭を抱えていたレッサーだが、まさに血相を変えながら何やら道具を取り出す。
レッサーが何かを小さく呟くと、その道具は蒼白く光りスケボーのように平らになった。
霊装のようだが、どうも科学的な代物に見える。


「それじゃ、私はもう帰りますのでっ!」

「お、おぉ…お気をつけて」

我侭であろうレッサーがここまですんなり帰るとなると、イギリスには相当恐ろしい何かがあるのだろうか。
そんな事を上条が考えている間にも、レッサーが取り出した霊装からモーター駆動のような何やら科学的な音が聞こえてきた。

「次お会いした時は、きっちりとお礼しますのでえぇぇぇ!」

レッサーの言葉だけを残して霊装は物凄い速さで飛び立っていった。
上条はまた溜め息を一つ。

「だから何の礼だよ…」

そう呟きながらレッサーの消えた方向を見上げた。
藍色の空に真っ赤な光りが名残惜しそうに残っている。
今はビルの谷間にいるので見えないが、高い建物からなら沈みかけの夕焼けが見えそうだ。

『本部から各隊員へ、只今上空レーダーに未確認飛行物体あり。
学園都市内部から外部へ出た模様。昼間と同じ物体の可能性が高いため警戒態勢は解除。以上』

上条はイヤホンを耳から外して首をぐるぐると回す。

「あー何か無駄に疲れた気がする…」

欠伸を堪えながら伸びをしていると外しているイヤホンから怒鳴り声が漏れてきた。

『上条!どこで油売ってるじゃん!何かあればすぐに連絡しろって言っただろ!』

「いえっ!何も異常ないです!すぐ行きます!」

イヤホンを外していなければ…と冷や汗を掻きながら、上条は悲鳴をあげている足で走りだした。


第七学区の病院


「コイツが着替えで…日用品はこっちだ」

病室の椅子に座りながら、一方通行は提げた買い物袋を指さして入っている物ひとつひとつを説明する。

「ンでこっちが…」

「あーもうわかったわかった。
荷物なんて後で確認するからさぁ」

少々乱暴に買い物袋を奪う手。
その手は普通の人より白く、1万人近くいる彼女の姉妹と比べても白い。
白く無機質なこの部屋では溶けこんで消えてしまいそうだ。

「お前この間もそう言って後から何が無いだの言ったよなァ?その度にここまで来るのは俺なンだよ」

「はいはい。上位個体の検査でよく来るんだし、物はついでじゃん」


番外個体

ロシアで死闘を交えた仲だが、その時の威勢は殆ど無い。
目の隈は薄くなり、睨みつけるような眼差しは眠そうな、とろんとした目付きに変わっていた。


「じゃァこれで」

やれやれと椅子から立ち上がり、ドアへと足を向ける一方通行。

「はぁ?もう帰るのー?
愛しの番外個体に会いたくて会いたくてウズウズしてたんじゃ無かったのかにゃー?」

「勝手に言ってろ」

いつものやり取りなので気にせずに足を進めるが、今日はいつもと違った。

何かに引っ掛かっているシャツの裾。

違和感を覚えた一方通行が振り返ると、番外個体の綺麗な手がシャツをキュッと握り締めていた。
番外個体の表情は髪で隠れて見えず、黙り込んだまま。

「ったく…ガキじゃねェんだから」

そう言って番外個体の手を振り解こうと足を進める一方通行。
しかし、番外個体は手をギュッと握り強くシャツを引っ張る。

「…おい」

さすがの一方通行も少し不安気味に声をかける。
それでも番外個体は黙り込んだまま。

「……番外個体…」

一方通行は諦めたように番外個体へ歩み寄る。


が、ここで違和感に気付いた。

番外個体の肩が小刻みに震えている。
同時に広がる「やってしまった」という後悔の渦。

「っくっくっく……」

「番外個体、てめェ…」

「アッハッハー!引っかかりやがったー!」

番外個体は一方通行のシャツから手を離し、その手を自分のお腹へ持って行く。

「ギャハハ!番外個体…だって!
っくくく、ホント可笑しいの何のって!」

お腹痛いーとお腹を抱えて笑う番外個体。
どうしようもない怒りを堪え、ギリギリと歯ぎしりをしながら一方通行は回れ右をした。

「あははっ──っと帰さないよー!ミサカの演技が勝ったんだから、延長戦だよーん」

番外個体はベッドから乗り出して、今度は一方通行の腰に後ろから腕を回す。
それでも無言のまま一方通行は足を進める。

「わわっ!ちょっと、一方通行!」

一方通行に掴まっていた番外個体は見事にベッドから転げ落ちる。


それでも回した腕は離さない。


「あれれー?もしかしてミサカの演技に騙された事がそんなに悔しかったかにゃーん?」

まさにその通りだが、素直に認めるわけにもいかず適当に合理化する。

「うっせェな…俺はあのクソガキ迎えに行かなきゃなんねェんだよ。
それよりこのまま病院抜け出す気かァ?」

「あ、それいいかも。
上位個体なんて放ってこのまま夜のホテルに行っちゃう?」

アホらし、と一蹴する一方通行。

「とにかく俺はクソガキをだなァ──」

「ミサカはココだよー!ってミサカはミサカは自分の存在感をアピール!」

病室の扉を開きながら打ち止めが現れた。
と、番外個体と一方通行を見て固まる打ち止め。

「ご…ゴメンね。まさか二人がそんな関係だったなんて知らなくて。ってミサカはミサカは二人のイカガワシイ関係を見ないように両手で目を覆ってみる」

「アホかおま─

「そうだよーん。ミサカと一方通行の関係はお子ちゃまな上位個体にはちょっと刺激が強すぎたかにゃーん?」

一方通行の口を手で塞ぎ、今度は首に手を回す番外個体。

「そそ…そんな事ないもん!
ミサカだって大人な付き合いしてるもん!ってミサカはミサカは自分も大人な女性ってことをアピール!」

打ち止めは真っ赤になりながら必死に叫ぶ。


「はぁ!?アンタもしかして本気でロリコンだったわけ?」

向けられる軽蔑の視線。

「だァ!うぜェっての!」

首に絡まっている番外個体の腕を強引に振り解くと「キャァ」と似合わない悲鳴が聞こえたが無視。
とにかく病室から出たい一方通行だが、口実としていた打ち止めは此処へ来てしまった。
それでも足をドアへ進める一方通行。

「あれ?もう帰るの?ミサカはまだいたいよ。ってミサカはミサカは─

「飲み物買ってくるンだよ」

短く言い捨てて一方通行はピシャリとドアを閉めた。


「……可愛い人」


さっきの下品な笑い声とは打って変わって、静かな声で番外個体は呟いた。


「本気で食べにかかっちゃおうかにゃーん?」

意地の悪い目付きで打ち止めを見る番外個体。

「ななな…それは絶対ダメかも!ってミサカはミサカは必死に自分の存在をアピール!」

「なーんて…冗談かもね」

「え?冗談なの?違うの?ってミサカはミサカは曖昧な答えに戸惑ってみる!」

「さぁね」

隣で不安そうな表情を浮かべる打ち止めのおでこを軽く突付く。

「アンタも可愛いヤツ…」

「え?なんてなんて?」

何でも無いよ、と言って窓の外を見つめる。
その横顔は普段の番外個体からは想像できない表情で、打ち止めでさえ見惚れて、悔しくも大人の壁を感じてしまった。

「でもでも、やっぱり負けられないかも。ってミサカはミサカは宣戦布告!」

「ふっふーん。じゃぁミサカもお子ちゃまの遊びに付き合っちゃおうかな」


以上です。

書く時間があまり無く
本編を進展させると中途半端な所で止まってしまい
>>1自身が話の流れを忘れてしまいそうだったので
本編とあまり関係無い番外通行小話を挟む形になりました
上琴成分無くて申し訳ありません

そして更に申し訳無いのですが
次回いつ来れるかが少しわかりません
できる限り早く来るよう努力しますので
気長にお待ち下さい

それではまた


続き来てくれてありがとう

乙!
続きが読めるとは…
どんなに時間がかかってもいいから完結してほしい

乙!!

わー生きてたー
いつまでもあなたのこと待ってるわ

乙!
生きててくれたか。

まぁ、気長に待ってる。

待ってて良かった!
GJ!!!

久々に読めてよかったよ

待ってるからな!!

だれかあらすじ書いて

追いついたと思ったら更新が止まってた

今更だけど、黄泉川先生ってシェリーのときに上条さんの右手について小萌先生から聞かされてるはずなんだが

>>859こまけえこたぁ(ry

>>859
気にしたら負け、という事で。
>>1
乙!

>>乙!
気長に待ってるぞー

>>1に惚れた

バルス

わーれはゆくー

わたしまーつーわ

いつまでもまーつーわ

早くしろよks

いくらなんでも遅すぎる

>>869
>>646

ネット環境がなくなるってどんな状況なんだ
収監でもされたか

寮住まいになるとか?

いつまでも待ってる

>>873
お前、何故あげたし……


期待しちまったじゃねぇかよ…

埼玉爆発しろ

上げんな厨は黙って専ブラも使えよ

上げんな厨の次は専ブラ厨か

早く書けし

まってる

とうとう8月……

早く!来て!くれ!

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