垣根「ジャッジメントか……悪くねぇ」(1000)

ヘッドギア「……」

心理定規「……以上、これが『スクール』の決起内容よ」

砂皿「学園都市を敵に回すか……思い切った事を考えるな、最近の若造は」

垣根「まぁな、いつまでも統括理事会に踊らされてるタマじゃねぇってわけだ……高っけぇ金払ってんだ、しっかり頼むぜ?」

砂皿「フ、言われなくとも報酬に見合った活躍はするつもりだ」

心理定規「時にリーダー、少しの間だけど……アナタには風紀委員(ジャッジメント)になってもらうわね?」

垣根「はぁ?何でだよ」

ヘッドギア「プッ」

垣根「……オイ、何が可笑しい」

ヘッドギア「……」

心理定規「勿論アナタも知っているでしょ?風紀委員になった一方通行(アクセラレータ)の噂は」

垣根「第一位……そいつがどうした?」

心理定規「今回の作戦、ほぼ間違いなく彼は邪魔してくるでしょうね」

垣根「……成る程な、俺に野郎の見張りをさせようってのか……心理定規(メジャーハート)、どっちかっつーとそれってお前の役じゃねーの?」

心理定規「嫌よ、何かアイツとは相性悪そうだし」

垣根「俺だって嫌に決まってんだろ、何で今更学園生活を謳歌しないといけねぇんだ」

ヘッドギア「……」

心理定規「文句言わないで、彼を足止めできるのはアナタだけなんだから」

垣根「足止め……ね、倒せとは言わないんだな」

心理定規「ちなみにコレが……現在の彼のスペック表よ」バサッ

垣根「風紀委員第一七七支部所属、長点上機学園に在学、身長・体重は平均的……ってオイ、アイツって確かモヤシ野郎じゃなかったか?」

心理定規「そうね、つい最近までは」

垣根「……風紀委員の恩恵か」チッ

心理定規「えぇ、相変わらず能力の使用に制限はあるんだけど……身体の障害もリハビリしちゃったみたいだし、何より戦闘スキルを身につけた彼は以前に増して厄介かもね」

垣根「どうって事ねぇよ、『未元物質(ダークマター)』にかかりゃあ……」

心理定規「ねぇ、できると思う?」

砂皿「無理だな」

ヘッドギア「残念だ」

垣根「……一応言っとくがな、俺はお前達のリーダーなんだぜ?」

ヘッドギア「……残念だ」クッ

垣根「輪っか野郎、テメェは黙っとけ」

心理定規「とにかく学校の編入手続き、風紀委員の工作活動は済んでるから頑張ってね、頼りにしてるわよ?」クスッ

垣根「最初っからさせる気マンマンじゃねぇの……しゃあねぇ、やるか」ポリポリ

ヘッドギア「垣根」

垣根「あん?」

ヘッドギア「残念だ」

垣根「……わかった、お前それ言いたいだけだろ」

っつーわけで、半年くらい前にVIPで書いた  一方通行「待ちな、ジャッジメントだァ」
http://punpunpun.blog107.fc2.com/?mode=m&no=1661&cr=207206c0fe37becd7573f1b8d6fd0b6d

の続編になります

「んなSS知るかハゲ!」って人は↑を見てください



見るのめんどいって人はとりあえず一通さんが風紀委員に入ってスキルアウトぶっ潰したってのを知ってれば誰でも楽しめると思います

―――風紀委員第一七七支部

初春「お茶淹れましたよー」コトッ

固法「ん、ありがと」

一方通行「学校つまンねェンだけど」

初春「ほぇ?」

黒子「ぶっ」

一方通行「……っつーか何で俺にはダチができねェンだァ!?教師も生徒も妙にヘコヘコしやがってよォォ!!」ダンッ!

固法「だって口悪いし」

初春「顔怖いですし」

黒子「ロリコンですの」

一方通行「チィ……」

固法「この話題も一体いつまで続けるの……」ズズーッ

一方通行「俺にダチができるまで……スかねェ」

黒子「では半永久的に解決しそうにありませんわね」

初春「一通さんガンバですー」

  ガチャ

打ち止め「皆さんこんにちわ~!ってミサカはミサカは元気に挨拶してみたり!」ヒョコ

初春「あ、アホ毛ちゃんいらっしゃいです~」

打ち止め「アホ毛じゃないもん!ってミサカはミサカは憤慨してみる!」プンプン

初春「その一本角は立派なアホ毛ですよー」

黒子「むひょひょひょひょ!やっと来ましたわね……さぁ黒子の胸にダイブしてきなさいな打ち止めちゃん!」ンバッ

打ち止め「わーい固法お姉ちゃ~ん!ってミサカはミサカは笑顔で抱き付いてみたりー!」ムギュッ

固法「よしよし♪ケガしなかった?」ナデナデ

黒子「……」

打ち止め「大丈夫だよーミサカは一人でできるもん!ってミサカはミサカは胸を張って言い放ってみたり」フンス

固法「一通くん……ちょっと」チョイチョイ

一方通行「ェ……何スかァ?」ガタッ

固法「フー……」

一方通行「?」

固法「アホかあああぁぁッッ!!!」ブンッ

グワラガキイィンッ!

一方通行「ねぼしィッ!?」

打ち止め「わわっ」

初春「殴った!?」

黒子「あー」

固法「何度言わせるの?こんな小さな子を一人で出歩かせたらダメじゃない!」

一方通行「痛ッ……ち、治安良くなったンだから大丈夫っスよォ…」ヒリヒリ

固法「そういう問題じゃないでしょ……」フゥ

初春「確かに前よりは良くなりましたけど……ここは不良大国学園都市ですよ?」

黒子「な、何なら私が打ち止めちゃんを迎えに行きましょうか……?」エヘヘ

固法「……」

初春「……」

一方通行「……」

打ち止め「……」

黒子「……へ?」

一方通行「明日から俺が責任持って連れて来まァす」

打ち止め「ミサカもそれがいいなってミサカはミサカは希望してみたり」

黒子「チィ……」

今日はここまで

結構長いので切りの良い所で

今回の主人公は第一位と第二位、そして……?

では少し投下

―――翌日

生徒「でさー」

生徒「へー」

  ワイワイガヤガヤ

……ガラッ

一方通行(あー……今日も学校かァ…)トコトコ

生徒「あっ」

  シ―――ン……

一方通行(何だよ……俺がオマエらに何やったってンだよ……)ガタッ

  ガラッ

教師「皆さんおはようございます」

一方通行(さっそく帰りてェ……)

教師「えー……き、今日からこの長点上機に転入し、このクラスの一員となる生徒を紹介します」

  ざわ……

一方通行(転入生……だと?)

教師「は、入ってきなさい……」

……ガララッ

  カツカツカツ……

一方通行「あァ……?」ピクッ

教師「えー……紹介します、転入生のかき―――」

垣根「垣根……垣根帝督です」ザッ

教師「……」コホン

  ざわ……

一方通行(へっ……成る程ねェ、さっきから教員が妙にキョドりやがるワケじゃねェか)

垣根「ヨ~ロ~シ~クゥ~ね♪」ニィッ

一方通行(相手がLv5第二位……垣根帝督だってンなら仕方ねェな)ニヤニヤ

垣根(……アイツだな)ジー

一方通行(さっきから俺ばっかりガン見しやがって……ホモヤローが)チッ

教師「じ、じゃあ垣根くんの席は……一方通行くんの後ろで良い……かな?」オドオド

一方通行「……あ?」ギロッ

教師「ひっ!?」ビクッ

垣根「オーケーオーケー、構いませんよー?」カツカツ…

一方通行「チィ……」

垣根「『未元物質』の垣根帝督だ、仲良くしようぜ?第一位『一方通行』さんよ」ザッ

一方通行「……あァ、こちらこそだぜクソ野郎」ギロッ

垣根「ははっ、初対面の相手にクソ野郎たぁご挨拶だな……えぇ?」

一方通行「だからその挨拶をしてやってンだろォがボケ、理解できる脳ミソを持ち合わせていねェのかよ垣根くゥン?」

垣根「くくっ、流石は第一位…大したムカつきぶりだ」

一方通行「おォ?」

生徒(オ……)

生徒(オイオイオイオイオイオイオイ!!?何でだよ!?何でいきなり衝突してんだ意味わかんねぇ!)ガクガク

生徒(何でLv5が二人も同じクラスなんだよ!?クラス崩壊即崩壊!!)ブルブル

教師「ゴ、ゴホンッ!」

垣根「……」

一方通行「……」

垣根「……フン」ガタッ

一方通行「ケッ」プイッ

教師「で、ででででは一時間目のHRを―――」ガタガタガタ

生徒(先生カワイソー)

では続きは夕方に

まさかの続編…って結構見てくれてた人多いのなwwww

やっぱこっちにスレ立てたのは正解だったか~、では投下するぜ

キンコンカンコーン

―――屋上

一方通行「……で、だァ……」

垣根「よぉ」モグモグ

一方通行「オマエ、人様の聖域(サンクチャアリ)に何勝手に脚踏み入れてやがンだコラ今すぐ出てけブン殴るぞ」

垣根「うるせーよ、俺が何処でメシ食おうが勝手だろうが」ムシャムシャ

一方通行「チィ……」

垣根「まぁ何だ、お近づきの印に一緒にメシでも食うか?」

一方通行「……いつの間に俺はオマエとお近づきになったンだァ?」ストン

垣根「と、言いつつ前に座るのね」

一方通行「やかましいわ」

垣根「そんな汚ねぇ言葉ばっか使ってっからテメェは友達の一人もできねぇんだよ」モグモグ

一方通行「何で今日知り合ったばっかのオマエに指摘されねェといけねンだ?」

垣根「此処だってテメェが居座ってるから誰も寄り付かねぇんだろうなぁ……なぁ、ぶっちゃけマジで独りだろ?」

一方通行「独りだとォ……!?と、ととと友達くらいいるに決まってンだろォがァ!?」アセアセ

垣根「……へぇ、何処にだよ?」

一方通行「ジ、風紀委員の支部に……」

垣根「……」

一方通行「……三人ほど」ボソッ

垣根「他校じゃねぇか」

一方通行「悪りィかよ」

垣根「笑えねぇぜ」モグモグ

一方通行「まったくだ」グビッ

垣根「コーヒー牛乳だぁ?ははっ、意外と可愛いじゃねぇの」ニヤニヤ

一方通行「うるせェよ、ブラックよりこっちのが健康的だって眼鏡先輩がやたらと推してくンだ」

垣根「眼鏡先輩?」

一方通行「オマエにゃ関係ねェ、風紀委員の先輩だァ」グビグビ

垣根「……ふーん」

一方通行「それより……だ、何で此処に来やがった?」

垣根「しっつけぇな……屋上は誰のモンでもねぇだろーがよ?」

一方通行「違げェっつの」コトッ

垣根「あ?」

一方通行「どォして長点上機へ来やがったって聞いてンだ……」ギロッ

垣根「……くくっ、知りたいか?」ニィッ

一方通行「気持ち悪りィ笑み浮かべてンじゃねェぞタコ」

垣根「と、に、か、く……良い席に着けた」

一方通行「……何だと?」ピクッ

垣根「一方通行、いつでもテメェを真後ろから攻撃できるんだからなぁ……?」ニヤッ

一方通行「オマエ……ッ!?」

垣根「バッカ冗談、テメェまさか自分が狙われてるだとか思ってんのか?自意識過剰なんじゃねーの?」ハハッ

一方通行「……だったら何だってンだァ?」

垣根「俺が此処に来た理由はな……」

一方通行「……」ゴクリ

垣根「な~いしょっ♪」キャピ

一方通行「……」ヒクッ

垣根「しっかしここの売店のメシ美味いよなー、流石は天下の長点上機」モグモグ

一方通行「ブ チ 殺 す」カチッ

垣根「いちいちキレんなよ一方通行、コーヒー牛乳ぐらいじゃカルシウム足りねぇんじゃね?」トントン

一方通行「……オイ」

垣根「あん?」シュボッ!

  轟ッッ!!!

垣根「あ……」

一方通行「オマエ……風紀委員の目の前で堂々タバコたァ良い度胸してンじゃねェかチンピラが」

垣根「ヒュ~ッ♪今のが大気を操るベクトル変換……それより良いのか?タバコ、ゴミになっちまったぜ?」

一方通行「問題ねェな、風のベクトルでバラバラに引き裂いた」

垣根「……はっ、テメェに正義は似合わねぇよ一方通行……この世の誰もが思ってる」

一方通行「心配すンなよ……自覚はある」

十時頃に再開しまふ




一方通行「―――で、いつまで尾いて来やがるホモ野郎」トコトコ

垣根「誰がホモだぶっ殺すぞ」トコトコ

一方通行「授業は終わってンだろ、真っ直ぐテメェの部屋にでも帰ってシコって寝ろ」

垣根「悪いが俺もこっち方面なんでな」

一方通行「おいおいマジかよ?フザけンなよ……」チッ

垣根「うっせーボケ、それより今日は風紀委員の支部行かねぇの?」

一方通行「オマエにゃ関係ねェ」

垣根「何だ何だ、遂に風紀委員にも嫌気が差したのか?」

一方通行「カアァァンケェエエねェェンだよォォオオオオ!!!」

垣根「だからいちいちキレんなっての……じゃ、またな」トコトコ

一方通行「お、おゥ」

一方通行「……」

一方通行(……何なんだよアイツ……)チッ

打ち止め「ねぇねぇ」クイクイ

一方通行「あン?」

打ち止め「こんなトコで何してるのかな?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

一方通行「……その言葉、そっくりそのままベクトル変換」ビシッ

打ち止め「アナタがいつまで経っても帰って来ないから支部に行こうとしてたの~っ!ってミサカはミサカは待ちくたびれたーっ!」プンスカ

一方通行「……せっかくケータイ持たせてやってンだから電話すりゃ済む話だろが」

打ち止め「うぅ~ん、ミサカからすれば一人で何でもやってみたい年頃なのかもってミサカはミサカは腕を組んでウンウンしてみたり」ウンウン

一方通行「オマエが勝手したら誰が顔面フルスイング喰らうのか理解しての行動かソレは?」

打ち止め「そんな事より支部にちょっこ~う!ってミサカはミサカは先陣を切ってみる!」トテトテ

一方通行「聞けやコラ」

―――第一七七支部

打ち止め「ドーナツ美味しいねーっ!ってミサカはミサカは同意を求めてみたり!」モグモグ

初春「そーでふねーっ」モギュモギュ

黒子「ではセロリさん、それが終わりましたら次はこちらの書類を…」ズシッ

一方通行「何だ何だよ何ですかァ?今日はやけに仕事が多いじゃねェか……どォなってンだよクソババァ」

黒子「はぁ……セロリさん、明日が何の日か知ってのご質問ですの?」ヤレヤレ

一方通行「一〇月九日ァ……?確か学園都市の独立記念日……」

固法「そ、演説や盛大なパレードも行われるみたいだから……」

一方通行「あー……、言われれば確かに出店願いの書類がチラホラあったよォな気が……」

打ち止め「お祭り?ミサカも行きたいな!ってミサカはミサカは可愛いくおねだりしてみるんだけど……」ネーネー

一方通行「何でせっかくの休日に外出しねェといけねンだよ……初春さン達と一緒に行きゃ良いだろが」

初春「一通さん、さりげなく子供のお守りを押し付けないでくださーい」

黒子「何を言ってますのセロリさん」

一方通行「あァ?」

固法「風紀委員は全員駆り出されるのよ?警備員(アンチスキル)だけじゃ手薄だからってね」

一方通行「チッ、なーンなンですかァー」

打ち止め「わーい!おっ祭っりおっ祭っり♪」

黒子「遊びに行くわけではありませんのよ打ち止めちゃん?」

  ガチャ

黄泉川「お前らちゃんとやってるかーっ」

ミサカ「あーっ、ヨミカワだぁ」

固法「どうしたんです?」

黄泉川「単刀直入に言う、今日はお前らの新しい仲間を連れて来たじゃんよ」

一方通行「新入りだァ……?ケケケ、たっぷりコキ使ってやろォじゃねェか」

初春「一通さんも遂に先輩ですねー」

黒子「こんな時期にですの?それは新人と言うより……」

黄泉川「そうだな、学校が変わったから支部の配属も変更になっただけじゃんよ」

一方通行「ンだァ?最近は転校生キャラってのがブームなのかよ?」

固法「何の話?」

一方通行「何でもねっス」

黄泉川「まぁいい紹介するじゃん、入れ入れ」

  ガチャ

黄泉川「えーっと、第二九六支部より転属された……」

一方通行「~~~~~~ッッ!!?」



垣根「よぉ、一方通行」ザッ

黄泉川「垣―――……って何だ、お前ら知り合いじゃん?」

垣根「まぁ、同じクラスなもんで」ニコニコ

一方通行「待 て コ ラ」グイッ

垣根「……何だよ?」

黒子「あらま」

固法「い、一通くんっ!?」ガタッ

初春「ひいぃぃぃぃ!!喧嘩ですぅ!!!」

垣根「……ホラ、怖がってんじゃねーか」

一方通行「すンませンねェ皆さン、ちょっと二人でパトロール行って来ンぜェ」グイグイ

垣根「あー俺、垣根帝督ってんだ!皆よろし―――」ズルズル

  バタン

初春「どうしてまたあんなに怖そうな人がぁ……」クスン

黒子「これはまた……何かワケアリなのでしょうか?」フム

固法(垣根……帝督……?)

打ち止め「ドーナツ美味しいよーってミサカはミサカは……」モグモグ

黄泉川「おっ、一つもらうじゃん」ヒョイ

―――とあるコンビニ前

一方通行「こいつァ一体何の冗談だァァ!!?」

垣根「うるせぇウゼェ喋んな離れろ」サッサッ

一方通行「何考えてやがンだマジで……オマエが風紀委員だなンて聞いてねェぞ」

垣根「あれ、言ってなかったか?」

一方通行「殴るぞテメェ……」ヒクッ

垣根「……ってか、何で俺達はコンビニの前掃除させられてんだあァ!?」サッサッ

一方通行「風紀委員なンだから当たり前だろ」サッサッ

垣根「Lv5が掃除……シュールな光景だよな」

一方通行「しかも悪人面ときたモンだ」

垣根「テメェはともかく俺は違うだろ、訂正しろ」

一方通行「知ってるか?そォいうの目糞鼻糞ってンだ」サッサッ

垣根「あーそうかい」サッサッ
(風紀委員って面倒くせぇなぁ……)




  カタカタカタ……

初春「えーっと、垣、根、帝、督……出ましたっ!」タンッ

固法「ハイ説明お願いね」

初春「垣根帝督さん……Lv5の第二位、能力はこの世に存在しない物質を生み出す『未元物質』……??良くわからない能力ですね」

固法「やっぱりLv5の……」

黒子「……ヤレヤレ、また厄介払いですのね」フゥ

初春「固法先輩ドンマイですー」

固法「ぐぐ……」

黒子「それよりLv5の風紀委員の存在を今まで存じなかった我々も些かどうかと」

初春「それなんですが……どうやら垣根さん、一通さんが風紀委員になった次の公募で推薦を貰ってるみたいでして……」

固法「対抗心メラメラね、良い事じゃない」

黒子「しかしセロリさんが目立ちすぎて光を浴びなかったみたいですわね、二番目なだけに」

初春「まぁ一通さん一人でスキルアウト壊滅させるとかメチャクチャやってましたからねー」カタカタ

固法「……ホント、誰かさんも一緒にねー?」

初春「タハハ……」

黒子「で、あの二人は今何処に?まさか殴り合いでもしているのでしょうか」

固法「それくらいならまだマシよ、能力使った喧嘩なら……」

初春「学園都市が崩壊します」




  アー、イッツーニイチャンダー

  セロリサーン

垣根「何だ何だどういうこった、学校以外なら人望あるんだな」

一方通行「ンな事ねェよ、俺をヒーローか何かと勘違いしてンのはそれこそ何も知らねェヤツらばっかりだ」

垣根「だろうな、Lv5で最強で風紀委員で白髪で短気な社会不適合者ときたモンだ、常人なら近寄ろうとも思わねぇ」

一方通行「……オマエ、さっきからババァ並みに腹立つよなァ……」イライラ

垣根「なぁ、テメェは何で風紀委員なんかやってんの?」

一方通行「あ?」

垣根「テメェだって今まで学園都市に散々非人道的な扱い受けて来たんだろ?」

一方通行(テメェ……『も』だと?)

垣根「おかしいだろ、何で学園都市の犬に成り下がってんだよ……」

湾内「ア、アノ……」ボソボソ

一方通行「だったらオマエはどォなンだ?」

垣根「うるせぇぞ、今質問してんのは俺だろうが一方通行」

一方通行「どォしてオマエに話さなきゃならねンだっつ―――」

湾内「あ、ああああのっ!」ワタワタ

一通・垣「あ゛あァァ!!?」ギロッ

湾内「ごごごごめんなさぁぁいっ!!!」ビクッ



泡浮(湾内さん頑張って!我々は文字通り陰ながら応援してますわっ!!)ガッツ!

婚后(湾内さんもあんな不良のどこが良いのやら……)コソコソ

湾内「あうぅぅ……」ビクビク

垣根「ホレ見ろ……テメェが怒鳴るから」ボソッ

一方通行「オ、俺のせいだってのかよォォ!?」ボソボソ

垣根「……どうかしましたか、お嬢さん?」キラキラ

一方通行「……」

湾内「え、えと、その、あの……」オドオド

垣根「大丈夫、怖がらずに落ち着いて息を吸って……?」ニッコリ

一方通行「」ゾワッ

湾内「は、はいっ////」



泡浮(一方通行様も素敵ですが……隣の殿方はもっとステキですわぁ……////)ハァハァ

婚后(あ、泡浮さんっ!?)

湾内「あ、アアアッアアア一方通行様ぁっ////」

一方通行「あン?」

湾内「わわわ私、湾内絹保と申しますの!以前、一方通行様に救って頂いた事がありまして……!お、お礼を言う事もできずに……その……////」モジモジ

垣根「だってさ」クルッ

一方通行「ぜーンぜン覚えてねェな」ホジホジ

垣根「うわ最悪」

湾内「わっわわわ私の想いを手紙にしました!よよよ読んでくださぁいっ!!」スッ

一方通行「あァ……?お、おゥ」パシッ

垣根「テメェも隅に置けねぇな一方通行」ニヤニヤ

一方通行「うるせー馬鹿」

婚后(や、やった!受け取りましたわよっ!?)

泡浮(嗚呼……御名前は何と呼ばれるのでしょうか……////)ウットリ



垣根「ははっ、お前らこのまま付き合っちゃえば?」

湾内「ひぇっ!!?」ビクッ

一方通行「はァ、コイツと……?」ジー

湾内「////」カアァァ…

一方通行(中学生か……ねェな)

湾内「さ、ささささささようならあぁぁぁぁっっ!!!」ダッ

垣根「またねーっ♪常盤台のお嬢サ~ン」フリフリ

一方通行「オマエ……マジで何なの?」

ドドドドドドドドドドドドドド……

婚后「わ、湾内さんっ!?どちらへ!?」

湾内「うわああああぁぁぁぁぁん!!嬉し恥ずかしー!!!////」ドドドド

泡浮「し、白井さんに後日情報提供をー!」タタタ




  ガチャ

初春「あ、やっとこさ帰って来ましたよー」

固法「お帰りなさい、あんまり遅いから打ち止めちゃん眠っちゃったわよ?」ナデナデ

打ち止め「すぴー……」ムニャムニャ

黒子「ぐひひ!何という無邪気な寝顔……今夜はコレでご飯三杯はイケますのっ!はあぁ~んシャッターチャンスシャッターチャンスゥゥ!!」パシャパシャ

一方通行「あー……とにかく紹介しとくわ、この馬鹿がLv5の第二位……」

垣根「『未元物質』の垣根帝督、皆さん改めてお見知り置きを」キリッ

固法「ん!私は固法美偉、よろしくねっ」ニコッ

黒子「おっと、少々お見苦しい場面を見せてしまいましたわね……白井黒子ですの」クルッ

初春「う、初春飾利ですー!」タハハ
(明るく明るく……悪い人じゃないですよ!きっと)

一方通行「チッ……」

固法「で、このアホ毛をピコピコさせてるのが打ち止め(ラストオーダー)ちゃん♪」

打ち止め「うぅ~ん、アホ毛じゃにゃいも~ん……」ムニャムニャ

垣根(打ち止め……能力名か?)

固法「じゃ、ていとくんも帰って来た事だし恒例の……」

垣根「て、ていとくん……?」

一方通行「ぎィィやァははははははははは!!!イイねイイね最っっ高だねェェ!?ていとクゥゥウウウウウウン!!?」

初春「……何がそんなに楽しいんでしょうか?」

黒子「アホですの」

垣根(ていとくん……ていとくん……)ポクポクポク

一方通行「ひゃはははっははははははははは」ゲラゲラ

垣根「!!」チーン

垣根「気 に 入 っ た」

一方通行「は……ァ?」ヒクッ

垣根「そしてアンタも気に入った、確か固法さん……と言ったか」ズイッ

固法「えっ……?」

垣根「成る程、アンタが例の眼鏡先輩か……Lv5を前にして臆さねぇその態度、顔も悪くねぇしオマケにスタイルも抜群だ……」ジロジロ

固法「あ、あの~……」タジ…

初春「はわわ……」オロオロ

垣根「よし決めた、アンタを俺の女にしてや―――」

一方通行「ちょっと待てやテメェ垣根コラ」グイッ

垣根「あ?」

一方通行「何ソッコーで眼鏡先輩に手ェ出してやがンだオマエ……着こなしがホスト流ならやってる事もホスト気取りってかァ?」

垣根「オイオイ何だよ一方通行、まさかテメェも固法さんにホの字なのか?」

初春「えっ、ちょ……ええぇっ!!?」

一方通行「冗談キツイぜ、ていとくンよォ……高校生なンてババァ通り越してホトケさンじゃねェか」

固法(ホ、ホトケ……?)

初春「ホッ」

黒子「セロリさんもていとさんも、いい加減にしなさいな」

打ち止め「うにゅ……どうかしたの?ってミサカはミサカは目をゴシゴシしながら聞いてみるんだけど……」ウトウト

固法「打ち止めちゃん、お腹空いた?」

打ち止め「お腹いっぱいご飯を食べさせてくれると嬉しいな!」

初春「ででででしたら早く行きましょうっ!ていとさんの歓迎会にーっ!!」ワタワタ

一通・垣「歓迎会だァ?」

黒子「セロリさんの時もしたでしょう?さっさと準備してくださいな二人とも」

―――とあるレストラン

  ケッキョクサバカンガキテルワケヨー(゚∀゚)

  サバヨリシャケデショーガシャケサイコー

  ハマヅラ、ミナサンノドリンクチョウカラッポデスヨ-

  …シンゴウガキテル…

黒子「……では、殿方二人がドリンクバーに行って来てくださるかしら?」

一方通行「ああァ!?」

打ち止め「ミサカはカルピスソーダ!7:3で割ってねってミサカはミサカは所望してみたり」

垣根「はいよ」ガタッ

一方通行「何で俺まで行かなきゃなンねンだよ……垣根一人に行かせときゃイイじゃねェか」

固法「文句言わないの、人数多いんだから……」

一方通行「チィ……」ガタッ

初春「今度は喧嘩しないでくださいねー」フリフリ



垣根「女だらけの職場ってのもアレだな、今まで大変だったろ?」トコトコ

一方通行「あァ、オマエが思ってる以上にな」トコトコ

浜面(どうしてこうなった……)カチャカチャ

浜面(くそっ、俺はスキルアウトを束ねていたリーダーだったんだぞ……)コポコポ

浜面(それが今は暗部組織『アイテム』の雑用係、何だよこの大暴落は)コポコポ

一方通行「……ウゼェな、前の野郎……一体何杯入れる気だァ?」イライラ

垣根「俺達と同じ『パシリ』なんだろ、まぁウゼぇのは否定できねぇがな」

浜面(聞こえてんだよコンチクショー!!)コポコポ

浜面(それもこれもアイツが悪い!スキルアウトを粛正しやがった風紀委員……一方通行ァ!!)コポコポ

浜面(憎い憎いっ!一方通行が憎いぃっ!!)トコトコ

一方通行「チッ、やっと行きやがったか……」カチャカチャ

垣根「なぁ……一つ聞いて良いか?」

一方通行「あン?」コポコポ

垣根「ロリコンってマジなの?」

一方通行「だーれがロリコンだってェェ!?」

垣根「白井……だっけか?『セロリさんは国宝級のホワイトロリータですから打ち止めちゃんに変な事しないよう見張ってて欲しいですのー』ってな」

一方通行「言ってくれンじゃねェかあのババァ……お礼に塩をくれてやる」パサパサ

垣根「中学生はババァで高校生はホトケさん、それ以上は肉骨粉ってか?第一位様は大層な性癖をお持ちのようで」ハハハ

一方通行「このボケが、だからロリコンじゃねェっつの」コポコポ

垣根「話を戻すか、何で風紀委員になろうと思ったんだ?」

一方通行「こりゃまた大分巻き戻しやがったなァ……」

垣根「それくらい教えてくれても良いんじゃねぇか?減るモンでもねぇんだし」ニヤニヤ

一方通行「チッ、半ば強制的に入れられたよォなモンだよ……まさか俺みてェな野郎が自分から志願するとでも思ってやがンのか?」

垣根「ん……だったら何で続けてんだよ?」

一方通行「ある事件がきっかけでよ……ブッ壊すしか能がなかった俺でも、やっと何かを守れるってのに気付いたンだ」

垣根(計画が頓挫した『絶対能力進化実験(レベル6シフト)』……か?内容は極秘にされてるが……)

一方通行「風紀委員に入って……そこで仲間が出来た、守る対象が増えた、俺の大事なモンはこの腕で守るって決めたンだ」

垣根「……で?」

一方通行「それだけだよ」

垣根「……はぁ?」

一方通行「分かったら残り分はオマエが持って来い」トコトコ

垣根「……」

垣根(風紀委員であり続ければ……最強のヒーローであり続ければ……)

垣根「……は」

垣根「笑えるな、犬野郎……弱者を守るために戦ってりゃ善人になれるとでも?」ククッ




打ち止め「ねぇねぇ」

一方通行「ンだよ?」ムッシャムッシャ

打ち止め「お肉ばっかり食べてたら凶暴になっちゃうよーってミサカはミサカは忠告してみるんだけど……」

一方通行「結構じゃねェか、漢は多少ワイルドじゃないとなァ!」

垣根「馬鹿になるって言ってんだよ」

黒子「ですの」

一方通行「ンだとォォ!!?」ガタッ

初春「ひっ!?」

固法「やめなさい、また暴れる気?」ギラリ

一方通行「ぐっ……」

垣根「はっ、そんなに食いてぇなら俺の『未元物質』を腹いっぱい食わせてやるよ」

一方通行「上等じゃねェかていとくン、もォ出せねェくらいヒーヒー鳴かせてやっからさっさと差し出せやコラ」

初春「け、結局ていとさんの能力ってどうなんですか?」ビクビク
(また喧嘩ですうぅぅ!!)

垣根「ん?」

黒子「イマイチ実感が湧きませんのよね」

垣根「この世の全てはな……素粒子によって作られている」

初春「そ、素粒子……?」キョトン

黒子「素粒子というのは物質を構成する最小の単位ですの」

垣根「大雑把に言えば今、お前が食ってるスパゲティ…それは茹で上がった麺にほぐした明太子を合えているんだが……そこにハチミツという未元物質を混入するとどうなる?」

初春「上等な料理にハチミツをブチ撒けるがごとき思想ッッ!!」

固法「初春さん、何を言ってるの?」

垣根「すると別のメニューになっちまうわけだな、只の明太子スパゲティから何だかワケわかんねぇグチャグチャの物体に」

打ち止め「えっ、この場面でもコーヒー牛乳?それはちょっと合わないんじゃないかなーってミサカはミサカは議論してみる」

一方通行「うるへー、晩飯にコイツが合わねェなンざ誰が決めた?」グビッ

垣根「他の物質と結びつく事でまったく新しい物質を生み出しちまう……異物ってのはそういうもんだ、たった一つ混じっただけで世界をガラリと変えちまうんだよ」

初春「つ、つまり……どういう事ですか??」

黒子「ふむ……つまり初春の頭のお花畑が今、急激に成長を遂げているのも……何かと結びついた『未元物質』の影響を受けているからですのね」ジー

初春「……へ?」ワシャワシャ

固法「ぎゃああああっ!!育ってるうぅぅっ!!?」ガタッ

打ち止め「ジュラ紀だジュラ紀だぁー」

黒子「巨大ゼンマイですのー」

一方通行「ぎゃはははははは!!似合ってンじゃねェか初春さンよォォ!!!」ゲラゲラ

初春「ひいぃぃぃぃぃ!!元に戻してくださぁぁい!」ワシャワシャ

打ち止め「あっ、実ができてるよ!ってミサカはミサカは真っ赤な果実を摘んでみる!」ブチッ

初春「痛いですっ!><」




初春「はうぅ……酷いですぅ」クスン

固法「随分遅くなっちゃったわね……」トコトコ

垣根「あ、何なら俺……送って行こうか?」

固法「だいじょーぶっ!私の寮この近くだからねっ」ニコッ

一方通行「くかこきくけかかか」ケラケラ

垣根(ガードが堅いお姉さんでいらっしゃる)チッ

打ち止め「今日は固法お姉ちゃんのお家にお泊まりしたいかもってミサカはミサカはお姉ちゃんのスカートを軽く引っ張ってお願いしてみる」クイクイ

一方通行「馬鹿言え、眼鏡先輩に迷惑だろォが」

黒子「そうですのよっ!外泊したいなら私と二人でホテ―――」

初春「言わせねぇよ!!?」

打ち止め「やだやだやだーっ!お姉ちゃんともっと一緒にいたいよー!ってミサカはミサカは駄々っ子交渉術を行使してみたりっ!!」ジタバタ

垣根「えらい固法さんに懐いてんのな、あのチビガキ」

一方通行「あの人やたら面倒見イイからなァ……過保護だ過保護」

初春「そのお陰で支部の人員構成がドえらい事になってるんですけどねー」タハハ

固法「むっ、私は別に構わないけど?どうせ明日また会うわけだし……ねーっ?」

打ち止め「ねーっ♪」ニコニコ

一方通行「チッ……しゃあねェなァ、行儀良くすンだぞクソガキ」

打ち止め「うん!ってミサカはミサカは元気にお返事してみたり!」

黒子「一人では色々と大変でしょう……仕方ありませんわね先輩、ここは私もご一緒しますの」キリッ

初春「白井さんは常盤台なんで色々厳しいでしょーっ!さっさと帰りますよっ!」グイグイ

黒子「あぁーん!邪魔するなですの初春もといジュラ春ぅ~!」ズリズリ

初春「だ、誰がジュラ春ですかっ!!?」

固法「じゃ、私達も帰ろっか?」キュッ

打ち止め「うん、背中流しっこしようねお姉ちゃん!ってミサカはミサカは手を握ってスキップしてみたり!」

黒子「打ち止めああぁぁぁぁぁぁぁ……!!!」ズリズリ

垣根「俺達はどうするよ、もう一杯行っとくか?」

一方通行「アホか、こっちは一分一秒でも早くオマエと離れてェっつの」ザッ

垣根「あれ?テメェは学生寮じゃねぇの?」

一方通行「寮みてェな甘ったるいセキュリティじゃ安心して眠れねンだよ、じゃあな」トコトコ

垣根「おーおー流石第一位様は言う事が違―――」

垣根「……って、行っちまったよ釣れねぇなぁ」

ピロピロピロピ~♪

垣根「……」ピッ

垣根「チョリーッス!あー俺俺、俺だよ垣根帝督!!こっちはマジ余裕っつーか?」

垣根「……あん?ふざけるなって?悪い悪いそんな怒んなよ、ちゃんと仕事やってんだからよ」

垣根「……で、例のブツは回収できたのか?心理定規さんよ」

垣根「……あぁ?やっぱ他のヤツらも噛み付いて来やがるわけか……面倒くせぇ」

垣根「了解だ、予定通り品は明日受け取る……任せとけ」

垣根「グッナ~イ♪」ピッ

垣根(さぁて……そろそろ動くぞ、俺達『スクール』もな……)ニィッ

今日(昨日?)の分の投下終わりです

明日(今日?)からは十月九日、風紀委員メンバー+一名の長い長い一日が始まります、乞うご期待!

―――翌日

黒子「遅っそいですわねー……」イライラ

垣根「……なぁ、ここの連中はこうも時間にルーズなのか?」

黒子「い、いえ!いつもはこんなハズでは……」

垣根(俺は一方通行に引っ付いてないといけねぇってのに……)チッ

黒子「時にていとさん……アナタ、風紀委員の腕章は如何されましたの?」

垣根「……腕章?」

黒子「今日はお仕事ですのっ!ちゃんと付けてくださいまし!!」

垣根「へーへー」ゴソゴソ
(そうかそうか、俺は今風紀委員だったな)

黒子「んまっ、誇り高き風紀委員の証をポケットにしまっているだなんて……」

垣根(常盤台中学Lv4の白井黒子……どうやらコイツは風紀委員にそれなりのプライドを懸けているらしい)パチッ!

黒子「まったく……最近は平和ボケしてられるのか、皆さん気持ちが弛んでますのよ」

垣根「あぁ、本当にそう思うぜ」

黒子「何を言ってますの……アナタもその一人ですのよっ!?」プンプン

垣根「あぁ!?誰が―――」

黒子「大体ていとさんもセロリさんも制服の着こなしからしておかしいですの!仮にも風紀委員で常盤台に並ぶ超エリート校の一員なのですからそれに恥じぬような身だしなみを常日頃から心掛けて―――」クドクド

垣根(相当機嫌が悪りぃな……面倒くせぇ)トコトコ

黒子「ち、ちょっと!どちらへ行かれますの!?」

垣根「突っ立って待つってのもアレだろ、飲み物でも買って来ようと思ってな……」
(勿論嘘だけど)

黒子「あー……でしたら私もご一緒しますわ」

垣根「あぁ?他の連中と入れ違いになっちまうだろうが」

黒子「私だけずっと待たされる役なんて嫌ですのっ!他の方々も我々と同じ苛立ちに悩まされればよろしいんですのよ、ざまぁ見やがれですの」ツカツカ

垣根「成る程な、これが風紀委員の腹黒『空間移動能力者(テレポーター)』の本性か」

黒子「……ていとさん、今何か仰いましたの?」ニコッ

垣根「ん?気のせいだろ」トコトコ

―――とあるオープンカフェ

黒子「ふむ……朝のカフェでご一服するのも悪くありませんわね」ズズーッ

垣根(あークソッ、一服してぇなぁ~!これじゃ吸えねぇ……ムカつくぜ)イライラ

黒子「ていとさん、いつまで苛立ってますの?貧乏揺すりなど止めてくださいな」

垣根「っつーかさ、何でわざわざこんな小洒落たサ店に入ってんの?俺はそこらの缶ジュースを期待してたんだが」

黒子「そこのウェイターさん、サンドイッチおひとつ追加頂けるかしら?」

  カシコマリマシタ-

垣根「あぁ……余裕で無視かよこの野郎」

黒子「ところでていとさん……アナタ、固法先輩には本気でご執心ですの?」モグモグ

垣根「何故そんな事を聞く?」

黒子「ど う で す の ?」ズイッ

垣根「……」

黒子「……コホン」

垣根「……どうだろな、他のヤツらと違って大人で美人で巨乳だし……まぁ支部の中では一番魅力的と言える」

黒子「んまっ、初春はともかく私がお子様ですって?」

垣根「俺の知り合いにもお前と似たようなヤツがいるんだがな、そうやって大人ぶってる間はまだまだガキんちょだよ」

黒子「むぅ……」

垣根(ガキと言われたりババァと言われたり……コイツも大変だな)グビッ

垣根「……で、それがどうしたよ?」コトッ

黒子「仕事人間……ってご存知ですの?」

垣根「あぁアレだろ?仕事が楽しくて楽しくて仕方がなくて他の関係をブッ壊しちまうようなダメなヤツ」

黒子「そうですの、固法先輩が正にソレですのよねぇ……」フゥ

垣根「へぇ、そうなのか?全然そうは見えないが……」

黒子「私は先輩とのお付き合いが長いので分かりますの、先輩が殿方と交際しているなどあった例しがありませんし……女性としてのせっかくの淡い青春を風紀委員だけに捧げるなんてあってはなりませんのよ……」

垣根「……ふーん」

黒子「で、す、か、らっ!ていとさんがその気なら私、全力で応援してもよろしくてよ?」

垣根「お前さ……何言ってんの?」

黒子「……?何がですの?」

垣根「良いか、俺とお前らは昨日知り合ったばっかりだ……もしも俺が外道のクソ野郎だったらどうする?いきなり人を信用するなんざマヌケすぎるとは思わねぇのか?」

黒子「アナタの方こそ何を言ってますの?」

垣根「……なに?」ピクッ

黒子「風紀委員にそんな方がいるわけありませんの、万一いたとしてもそれは……ていとさん、アナタではありませんわ」

垣根「……何でだよ、何故そう言い切れる?」

黒子「何故ですって?……生憎ですが私、人を見る目は有しているつもりですのよ?」

垣根「……はっ、とんだお人好し野郎だな、お前は」

黒子「そうですわね、ですから風紀委員などをやっているわけですし」ズズーッ

垣根(見る目があるだと……?本当にそう思ってるなら白井黒子、テメェの目は間違いなく節穴だ)

垣根「……」

垣根「そうか……ま、そん時は頼むわ」

黒子「えぇ、よろしくですの♪第二位の実力者なら安心して任せられますわ?」ニッコリ

垣根「お前はしないのか?その……恋とか」

黒子「愚問ですわね、勿論してますわよ?絶賛恋焦がれ中ですの」

垣根「オイオイ、まさか例のセロリだとか言うんじゃねぇだろな?」

黒子「失敬な、誰があんなロリコン……私はお姉さま一筋ですのっ!」

垣根「お姉さまだぁ?お前姉妹がいるのか?そうだとしても全っ然意味がわかんねぇ」

黒子「ハズレですのっ、我が常盤台中学が誇る最強の電撃姫……御坂美琴お姉さまですのよー!!」キャーッ!

垣根「御坂美琴って……あの第三位、『超電磁砲(レールガン)』の?」

黒子「それ以外に誰がいると言うのです?」

垣根「メスじゃねぇか」

黒子「愛に性別など関係ありませんのよ~ん♪」

垣根「あぁー、打ち止めに手ェ出してるのはネタだと思ってたんだが……お前はガチでそっち系の趣味らしい」

黒子「んー……私にそんな事を言ってよろしいんですの?」ニコニコ

垣根「はぁ?」

黒子「サヨナラですのー♪」ヒュンッ

垣根「テメッ……!?俺に支払わせるつもりかよ!!?」ガタッ

  ホホホ、サキニイッテマスノヨー!

垣根「……クソッ、ムカつく野郎だ」ゴソゴソ

心理定規「随分楽しそうじゃない、ねぇリーダー?」ボソッ

垣根「その声は……心理定規か、こんな所で何して―――」

心理定規「待って、振り返らずにそのまま聞いて?今からアナタのケータイに『残骸(レムナント)』の受け取り場所のデータを直接転送するわ」ピッピッ

垣根「面倒くせぇな、一々ここまで出向かなくとも電話で話せば一発じゃねーの?」

心理定規「電話は傍受される危険があるからね……念のためよ」

垣根「はっ、今更聞かれた所でどうする事もできねぇよ」

心理定規「それよりアナタが巨乳好きだったなんてね……通りで私と一緒にいても欲情しないわけか」フゥ

垣根「バーッカ、俺に抱かれてぇならあとツーランクはバストアップしてから来やがれ、お子様が」

心理定規「別にそんな気は毛頭ないんだけど……っと、送信完了」ピッ

垣根「『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の大脳部、『残骸』……これを元に復元できりゃあ学園都市を出し抜くのだって不可能じゃねぇ」

心理定規「そうね、だからしっかりして欲しいわ」

垣根「あぁ?何がだよ?」

心理定規「久しぶりに表の人間と接したからって変な気を起こしちゃダメよ?バカはそうやって失敗するんだから」

垣根「……フン、何を言ってやがる?俺は『スクール』のリーダー垣根帝督……クズの中のクズ野郎だ、そんな甘めぇ心はとうの昔に切り捨てた」ザッ

心理定規「……そ、なら良いんだけど」

垣根「あ~ムカつく、タバコ吸いてぇなぁー」ザッザッ

心理定規「……」



心理定規「切り捨てた……ね、本当にそうかしら?」ボソッ

心理定規(だったらよ垣根帝督……アナタの『一般人は極力巻き込まない』っていう、その信念は一体何なのよ)

心理定規(学園都市の暗部には数え切れない程の悲劇があるって言うけど……アナタ、本当はまだ己を棄て切れてないのではなくて?)

心理定規(……ふふっ♪でもね、アナタのそんな可愛いトコ……嫌いじゃないわよ?)クスッ

ここまでです

日付変わっちゃったけどていとくんの命日だったね、アーメン




垣根(ゲ、やっぱ入れ違いかよ……)トコトコ

打ち止め「あーっ!垣根のお兄ちゃんやっと来たよーってミサカはミサカは隊長に報告っ!」ビシッ

初春「遅刻ですよーていとさん!」

垣根「いや一応言っとくがな、此処に最初に来たの俺だから……だよな?白井」

黒子「重役出勤ですわねていとさん、遅刻した罰として全員にジュースを―――」

垣根「踏み砕かれてぇかテメェ……」ヒクッ

一方通行「馬鹿はほっといて……眼鏡先輩よォ、俺達がする仕事ってなァ何だ?」

固法「基本的には自由行動よ?普段の休日を満喫してもらって結構、ただ暴動が起こった場合は速やかに鎮圧する事」

一方通行「……ありゃ?帰って寝てても良かったンじゃねェの?」

垣根「中身は本っ当にモヤシだなテメェは……栽培してやろうか」

打ち止め「それについてはミサカも同意してみたり」

初春「でもでもっ!自由だったら皆さん集まった意味ないですよね?」

黒子「時間帯によって各支部毎に見回りのポイントが決められてますのよ、我々は丁度これからですの」

一方通行「チッ、ダリィからちゃっちゃと済ませちまおうぜ、何処に行きゃイイ?」

固法「それがココ、第七学区のコンサートホール前広場よ」




  ワイワイガヤガヤ

打ち止め「うぅ~ん!人がいっぱいではぐれちゃうかもってミサカはミサカは……助けてーっ!」ムギュギュッ

一方通行「ったく、何やってンだ」グイッ

初春「迷子にならないように手を繋ぎましょうねーアホ毛ちゃん」キュッ

打ち止め「これはアホ毛じゃないもーんっ!!」

初春「こうやって子供を挟んで手ぇ繋いでると私達夫婦みたいですねー」タハハ

打ち止め「むぅっ!?」ピクッ

一方通行「はァ?」

固法「すいませーんジャッジメントでーす」

黒子「道をお開けくださいですのーっ」

一方通行「あーウッゼェなァ!何なンですかァこの人だかりはァァ!?」

黒子「セロリさん……あの壇上の女性を見てわかりませんの?」

一方通行「……あン?誰だよあのオイボレは」

黒子「……ハァ、御上様のご講演ですのよ?」

垣根「あの婆さんは親船最中、学園都市に一二人しかいない統括理事会のVIP野郎だ」

一方通行(統括理事会だと……?)

初春「親船最中さんと言えば……私達みたいな子供にも選挙権を与えようと頑張ってる人ですよね?」

固法「そうね、特に学園都市なんかは殆どが未成年だから……大人が作った政策に逆らえないもんね」

黒子「ですから学生達がこんなにも興味を示しているわけですの、ご理解頂けました?」

一方通行「ケッ、どォだかな……上っ面ァ綺麗事並べても裏ではどォせ薄汚ねェ仕事やってンだろ?お高くとまりやがって……統括理事会なンてビチクソの集合体じゃねェか」

打ち止め「ぁ……」

垣根「初めて意見が合ったな、わかってんじゃねぇかよ一方通行」

初春「て、ていとさんまで……」オドオド

固法「……本当にそうかしら?」

一方通行「あン?」

垣根「……」ピクッ

固法「確かに学園都市の上層部には裏を持った人物が多いのかもしれないわ、今までの一通くんの話を聞く限りではね?」

垣根(今までの……?)

固法「でも私は……あの親船さんは違うと思う、あの人を見て何か気付いた事はない?」

初春「ほぇ?」チラッ

一方通行「はァ……?」ジー

黒子「んー……」フム

垣根「……えらく身軽だな」

固法「そ、統括理事会の地位ともなればそれなりに命の危険性も高くなる、自分を恨んでる人間も少なからずいるハズよ」

固法「でも彼女の周りにはたった四人のボディーガードと一人の秘書しかいない、彼女自身は防弾服すら着ていないのよ……これがどういう意味か分かる?」

一方通行「そンなモン決まってる、完全武装の駆動鎧(パワードスーツ)なンざ着込ンで演説してみろ、一体誰が付いてくるってンだァ?『オマエ達は信用していませン』ってご丁寧に身体で言ってるようなモンじゃねェか」

初春「あ、成る程っ」

垣根「それとも恐ろしくバカなのか、な」

固法「今日び学園都市の技術力なら、わざわざ表に立たなくとも市民に伝える方法なんていくらでもあるハズよ、それこそ世界で一番安全な場所からでもね?」

一方通行「……」

固法「それでも親船最中はあの壇上に立っている、あんな危険地帯から丸腰で訴えてる」

垣根「……」

黒子「つまりはセロリさんが言ったのと逆に『アナタ達を完全に信用しているから』こそ出来る……という意味で捉える事もできますの」

固法「そんな命を張ってまでバカな行動が取れる人を……私は悪い人間とは思えないな……」

初春「……そ、そうですよっ!アレで親船さんが悪党だったら……もう誰も信じられなくなっちゃいますー!」ワタワタ

一方通行「……チッ」

垣根(……ダメだな、やはり風紀委員ってのはどうしようもねぇお人好しばかりらしい)

打ち止め「あの壇上の隅っこにいるメガネの人、固法お姉ちゃんに似てるねってミサカはミサカは率直な感想を述べてみる」

初春「わっ、そう言われれば……」

黒子「名前は確か親船素甘、最中さんとは親子で高校教師だとか……もしかして固法先輩の親族の方ですの?」

固法「んなわけないでしょっ!」

垣根(テメェらみてぇなヤツらが真っ先に貧乏クジを引かされるんだ、あの親船然り……な)


……ベコンッ


一方通行「―――ッ」ピクッ

垣根(……始まったか、砂皿緻密)

打ち止め「どうかしたの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

一方通行「なァ眼鏡先輩よォ……この車に積まれてるデッケェ扇風機は何なンだァ?」

垣根「……っ」

固法「ん?妨害気流(ウインドディフェンス)って言ってね、見た目通り強風を起こして狙撃手(スナイパー)から身を守る為の機材よ?」

一方通行「でもよ、コイツ……仕事してねェぞ?」

固法「ッッ!!?」

初春「こ、故障ですかぁ!?」ワタワタ

黒子「いえ、この小さな穴は……!?……先輩っ!『透視能力(クレアボイアンス)』を―――!!」

固法「もうやってる!!」ギュンッ

垣根(思ったより早く気付いたか……『スクール』の計画は砂皿による親船最中の暗殺から始まる、その為には会場の妨害気流は邪魔だからな……)

固法「……マズイわね、スチール弾が的確にバッテリーへの配線をブチ切ってる」

初春「じ、銃弾って!!?それじゃあ……」

一方通行「ぎゃはははははッッ!!面白くなってきたじゃねェか、本当に狙撃手がお出でなすったぜェェ!!?」

黒子「初春っ!この無駄に広い会場に妨害気流はいくつセットされてますの!?」

初春「ま、待ってください!今調べます……」カタカタカタ

固法「ここから見えるだけでも四基……その内二つが既に機能停止か……白井さん、お願いっ!」

黒子「了ぉ解ですのっ!」ヒュンッ

垣根(まさかコイツら……自分達で何とかする気か?)

一方通行「面倒くせェな、この車ブッ壊して他の騒ぎを引き起こしゃ済む話なンじゃねェのかァ?」

垣根「やめとけ、余計な被害が出るだけだ」
(ここでコイツを止めるのが俺の役目……だが)

固法「そうよ!一通くんは―――」


  ベコッ!ベコ!!ベコンッ!!!


打ち止め「わわわわっ!見えてる範囲は全部止まっちゃったよーってミサカはミサカは両手を縦に振って慌てふためいてみたりーっ!」ワタワタ

固法「くっ!一通くんは今すぐ壇上まで跳んで標的(ターゲット)を保護!ていとくんは警備員(アンチスキル)に連絡を……!」

一方通行「ッしゃァァあああああああ!!その言葉を待ってたンだぜェッ!!!」カチッ


……ダンッッ!!!


垣根(コイツらがどう動くのかってのも気になる……面白れぇ、だったら見せてもらうぜ?テメェらの実力ってヤツをな)ニィッ

お休み

  ヒュウゥゥゥ……ズダンッッ!!!


一方通行「オラオラオラァァ!!ジャッジメントだぜェェ!!?死にたくねェなら静かにしな!!!」ザッ

親船「え……!?」

黒服「コイツ……ヒットマンか!!?」ジャカッ

一方通行「ジャッジメントだっつってンだろォがクソボケ、テメェらみてェな三下は大人しく俺に……」グッ

  バギッ!!ベキメキメキィィ……!!!

一方通行「―――守られてりゃ良いンだよォォ!!!」グイッ


……ゴバンッッ!!!


  ドワーッ!ナンヤナンヤァ!?

  テロダニャー!テロリストダニャー!!

  フ、フコウダー!


垣根(ムチャクチャだなーあの馬鹿、床をムリヤリ捲り上げてバリケードを作りやがった……まぁ悪くねぇ判断だ、が……)

黒子「あぁのロリコンはぁあああッッ!!もっと隠密に事を運べませんの!?」


垣根(―――しかし如何せん派手過ぎる、お陰で『スクール』の目的は達成されたぞ?)

初春「出ました!設置されてるのは全部で一二基です!!白井さんから得た他の機材の銃痕の向き、角度から推測するに……」カタカタカタ

固法「あのホテルね、あそこに狙撃手が……」ジー

初春「全て同じ建物からの攻撃ですので犯人は単独かと思われますねーはい」カタカタカタ

固法「……そうみたいね」ギュン


  ヒュンッ


黒子「初春っ!犯人は発見出来ましたの!?」シュタッ

初春「場所は特定できましたけど……流石に何号室かまでは分かりませんよーっ!」

黒子「逃げられちゃいますのよっ!?何とかしなさいですのーっ!」

初春「無茶言わないでくださーいっ!」

垣根(……ま、良く頑張ったがここまでってトコロだな)

固法「静かにして!コレすっごい疲れるんだからねっ!!」

初春「すいませんっ!」ビクッ

黒子「ですのっ!」

垣根(……何だ?)

固法「六○八号室に……銃を構えた男性……」ボソッ

垣根「あァ……!?」

固法「見ぃ~つけたっ♪」

初春「きゃっほーぅ流石先輩!そこに痺れる憧れるゥゥ!!!」カタカタカタ

垣根「オイオイ……見つけただと……!?」

黒子「驚きましたか?固法先輩の視神経制御系能力は何も透視だけではございませんのよ?」

垣根(この位置から砂皿までどれだけ離れてると思ってやがる!?約七○○メートルだぞ……!!?)

黒子「先輩、準備は出来てますわよ?私なら十秒と経たずに犯人と接触可能ですの」

固法「風紀委員がここまでするなんて明らかに越権行為なんだけど……」

初春「今はそんな事言ってる場合じゃないですよーっ!警備員じゃ間に合いません!!」

垣根(砂皿緻密は『アイテム』にブッ殺された正規メンバーの代わりに急遽補充した狙撃手だ、助けてやる義理はないが……やられっぱなしってのは性に合わねぇ)ギラッ


  バラ……ッ


一方通行「っ!?」


  バラバラバラバラ……ッッ!!


打ち止め「うわーん!どうしてここに来て盾が崩れちゃうのよーってミサカはミサカはイジワルな神様に抗議してみるーっ!!」プンスカ

垣根(フン、俺がここまでしてやってんだ……磁力狙撃砲でさっさとブチ抜け、コイツらに己の無力さってモンを思い知らせてやれ)

黒子「先輩っ!!」

初春「こりゃマズいですよォ!?」

固法「んもぅっ!責任は全部私が取るわよっ!!六○八号室はここから見て六階の左から四つ目の部屋よ、覚えたわね!?」

垣根(マヌケ野郎だな一方通行、テメェはさっさと親船を連れて逃げるのが正解だったんだよ)

初春「白井さん早くうぅぅぅぅぅ!!」

黒子「さぁ、行きますわよ白井黒子……風紀委員の名の下に、戦場の一番奥深くへと」ザッ


……ヒュンッ

―――とあるホテルの一室


砂皿「妨害気流は全て破壊した、そしてバリケードも崩れたか……フ、優しいリーダーじゃないか」

砂皿「一方通行が現れた時は潮時かと思ったが……これで私の仕事は終わりだな」ジャカッ

砂皿(仕事後のビールが楽しみだ……親船最中、当てるぞ)カチッ


……バッガァァァン!!!


砂皿「うおおぉぉぉッッ!!?」ズキッ!

砂皿「ぐ……っォォあああ……ッッ!!」ゴロンゴロン
(磁力狙撃砲が……ブッ壊れた!?)


ヒュンッ


黒子「動かないで頂けます?ジャッジメントですの」ザッ

砂皿「ッッ!!?」ビクッ

黒子「不法侵入、器物損壊、親船最中暗殺未遂の現行犯でアナタを拘束致しますわ……そのまま床に伏せて手を頭の後ろに回して頂けますかしら?」

砂皿「チイィ!」
(コイツ……いつの間に!?)

黒子「このバッテリーは……成る程、火薬ではなく磁力を利用した狙撃銃(スナイパーライフル)ですのね?通りで音が静かなわけですの」ヒュパパパッ


  シュカカカカカカッ!!


砂皿(鉄杭が……コイツが資料にあった空間移動系能力者か……助けは来ない、絶望的だな)

黒子「しかし……ま、残念でしたわね?よりによって銃弾をセロリさんに当ててしまうだなんて……」ピポパピピ

砂皿(『ベクトル反射』……寸前でヤツが庇ったのか、ツイてないな)フゥ

黒子「初春?無事に犯人を拘束しましたのよ、とっとと警備員をこちらに回してくださるかしら?」




  ワーワー!

  ニゲロニゲロー!


初春「あいあ~い、その声は白井さんですねー?犯人に返り討ちにされてなくて良かったですー」

警備員「あの白髪の風紀委員はキミの所の人員だな!?この騒ぎは一体何だーっ!!?」ドタドタ

固法「親船最中の暗殺未遂事件です!犯人は―――」

垣根「フフ……はっ、ははははははは……!」

垣根(やるじゃねぇか、まさか本当に暗殺を阻止するたぁな……個々のスキルを要求される暗部組織とは違い、コイツら風紀委員に求められるのはチームワークってトコか)

垣根(凄腕ハッカー、空間移動能力者、透視能力者、そして最強の超能力者……奇襲にはもってこいのメンバーだ)

垣根(もしかしてコイツら……そこらの中途半端な組織よりか全然使えるんじゃねーの?)ククッ

垣根「―――さて、長居は無用だな……この騒ぎに乗じて『残骸』を―――」ザッ


  ピロピロピロピ~♪


垣根(ヘッドギア……?)ピッ

垣根「……どうした、こっちは相当な騒ぎを起こしてやったぜ?今からそちらへ向か―――」


  『おー出た出た!アンタが「スクール」のリーダーで間違いないのよね?』


垣根「……誰だ、テメェは」
(女の……声……?)

  『そかそか、自己紹介がまだだったね……むぎ☆のん♪って呼んでくれる?』

垣根(むぎのん……?くくっ、成る程な……)ニヤリ

  『しっかしアンタも懲りないねェ……せっかく死体を送って忠告してあげてたのに、わざわざ狙撃手を雇ってまで実行するなんてさ』

垣根「『アイテム』か、その電話の持ち主はどうした?」

  『あー、土星みたいに変なゴーグル付けた男の事?多少抵抗されちゃってさー……ウチのも何人か真っ二つにされちゃったのよね』アハハ

垣根「……」

  『でも……ま、今は私の横で脳ミソブチ撒けて転がってんだけどにゃーんっ!!ぎゃっはははははははッッ!!!』

垣根(殺られたか……つまり『残骸』もヤツらの手に渡った事になる)チッ

  『だっからさぁー、残りのアンタ見つけんのも面倒くさいし……待っててあげるから殺されに来てくんないかな?』

垣根「……」

  『……ねぇ、ちょっと聞いてる?むぎのんは構ってくれないと死んじゃうんだよぅ!』クスン

垣根「ははっ、テメェ……むぎのん、と言ったか」

  『違う違う、もっと可愛いらしーく……むぎ☆のん♪って―――』キャハ

垣根「ム カ つ い た」

  『……あ゛?』

垣根「ナメてやがるな……よほど愉快な死体になりてぇと見える」

  『ナメてる……ね、あははっ』

垣根「……」

  『テメーこそ……ウチら「アイテム」ナメんなよ?ク、ソ、ヤ、ロー』


  ブチッ、ツーツーツー…


垣根「野郎……ッ」ギリッ




黒子「アーミーナイフにハンドガンが三丁……狙撃銃以外は随分と古い型式を使ってますのね」ガサガサ

砂皿「……」

黒子「さて、警備員が来る前に聞いておきましょうか、アナタ……単独犯ではありませんわね?お仲間は何処に潜んでますの?その数は?」

砂皿「……さぁな」

黒子「隠しても無駄ですわよ?あのバリケードが勝手に崩れたのは明らかに能力によるモノ、銃の型式を見たところアナタは『外部』の人間のようですし……能力開発は行っていないのでしょう?」

砂皿「……さぁな」

黒子「……フン、まぁ良いですの、いくら口を塞ごうが『読心能力者(サイコメトラー)』に任せれば一発なので―――」


  ヒュンッ


黒子「……え?」

  グシャンッッ!!!


砂皿「ぐがァァああああああああああッッ!!?」ゴキペキメキ

黒子「こ、これは……っ!!?」
(冷蔵庫が急に―――!?)


  ヒュガッッ!!


黒子「ぐうぅっ!!?」ズキンッ

砂皿「ご……ぁ……!」ジタバタ

黒子(そんな……何故……!?どうして私の肩に……アーミーナイフがッ!!?)ブシュッ


  「……あらあら、報告では男だけだと聞いてたんだけど……ハメられちゃった?」


黒子(……こ、この女―――っ!!?)クルッ


  ド ド ド ド ド ド ド ド ド・・・・・


結標「そ、れ、と、も……アナタも『スクール』の構成員なのかしら?」クスッ

よーし今日はここまでだぜ

見てくれてる人いねーと思ったらそんな事はなかったぜ!次の展開からは絶対に面白くなるので見てくれよな!!

バトル描写も容易に想像出来るように台本形式の限界を見せてやるぜ

黒子「ぐっ!アナタ……一体何処から……!?」ズキズキ
(まさか……仲間!?)

結標「あら、あらあらあら……ちょっと待ってよ、もしかしてソレ……風紀委員の腕章?」

黒子「はぁ……はぁ……!」ドクドク…

結標「あっちゃー……表の組織巻き込むのは流石にヤバいんだって……」

黒子「『スクール』……?表……?組織……?な、何の話ですの?」

結標「ゴメンゴメン、無かった事にしてくれる?私が用あんのはそっちの男でー」テヘッ

黒子「ふ……っ!!」プルプル

結標「え?」

黒子「フザけてますの!?一体何なんですのよアナタは!!?私の質問には何一つ答えずに風紀委員相手にこの暴挙!!そこの男とまとめて収容所送りにしてさしあげますわっ!!!」

結標「……そう、それは残念ね……せっかく話し合いで解決しようと思ってあげたんだケド」スッ

黒子(警棒……?)ハァ…ハァ

結標「見られたからには隠蔽しないといけないわねっ♪」チュッ

黒子(何かが……来る!?)タタッ

結標「さぁ……逃げないとフッ飛んじゃうわよ?」ヒョイ


  ヒュンッ……ドズンッッ!!!


黒子「ま、マズい……っ!?」タンッ!


  ドスッ!ドスドス!!ドズンッッ!!!


黒子「くっ……!ああああぁぁぁぁぁ……っ!!」ゴロゴロゴロン

結標「アーッハッハッハッハ!!どう?……素晴らしいでしょう!?」

黒子「はぁ……はぁ……っ!」ササッ
(周りにある物体を次々と……間違いない、あの女は……っ!)

結標「それにしても……此処の部屋広いのね、スイートルームっていうのかしら?」キョロキョロ

黒子「……?」

結標「上手く隠れたつもりでしょうが……『座標移動(ムーブポイント)』には関係ないわよ?」スッ


  ガオンッッ!!!


黒子「ッッ!!?」
(壁ごと消し飛ばされた!?)

結標「……ん?一緒に外に放り出したハズだけど……」
(『座標移動』が干渉しない……?)

黒子「やはり……空間移動系能力者ですのね?」ハァ…ハァ

結標「―――てことは……アナタが風紀委員の腹黒空間移動能力者、白井黒子さん……か」ニヤリ

黒子「知って頂いてるとは光栄ですわね、しかしお話は後でゆ~っくりと―――」スッ


  ヒュンッ


結標「へぇー……このダーツがアナタの武器なのね」パシッ

黒子「な……っ!!?」
(奪われた……!?)

結標「ふふっ、驚いた?私の『座標移動』はアナタの陳腐な『空間移動(テレポート)』とはワケが違うのよ」

黒子(物体に触れずに転移を……!?)

結標「アナタの『空間移動』や、物体を手元に引き寄せる『空間転移(アポート)』とも違う……それが私の『座標移動』」ヒュパッ


  ヒュガッッ!!!


黒子「ぐ!!っぁ……!!?」ズギッ!

結標「私の能力はアナタのように、いちいち物体に触れなくとも転移が可能なのよ……周辺にある物体が全て私の味方、だからわざわざ武器は持ち歩かないの」ニコニコ

黒子「痛ぅっ……!さっきから……調子に乗ってベラベラと……!!」ボタボタ

結標「最初の一撃を喰らわせた瞬間から勝利を確信しているからよ、そうでなければ自分の手札を軽々と晒すもんですか」

黒子「そう……ですの、ナメられたものですわね……私も……」ヨロッ

結標「アラ……まだ立ち上がるの?大した根性ね」

黒子「厳しい先輩がいましてね……生憎……鍛え方が違いますのよ」スッ

結標「……今更ダーツを構えてどうすると言うの?」

黒子「今からアナタに……ブチ込みますのよ」ハァ…ハァ

結標「ムリね」

黒子「……っ」ドクドク…

結標「肩にはナイフが突き刺さり、綺麗な太股やふくらはぎにはダーツが貫いてる……灼け切るような激痛で演算なんて不可能でしょう?」

黒子「……しかし……風紀委員の身分で言うのも不謹慎ですが……安心しましたわ……」フフッ

結標「……?」ピクッ

黒子「アナタや……そこでノビている男のような小悪党が……まだこの街に蔓延っている限り……私は己の正義の為に戦えるのですから」

結標「フン……仕事熱心だこと、嫌いじゃないわ?私に勝てたらお友達になってあげる」

黒子「最高の誉め言葉ですわね……ふふっ、そう感じるという事は私も仕事人間……という事なのでしょうか……」

結標「……」スッ

黒子「……しかし、お友達は……お断りですのよ?」ヨロッ

結標「……さようなら」ヒョイ

黒子「チ……ッ!!」ヒュパッ


  ヒュンヒュッヒュン……ヒュガッッ!!!





初春「先輩も一通さんも事情徴収に追われてますし、白井さんは遅いですねーアホ毛ちゃん……ってあれ?アホ毛ちゃーん?」キョロキョロ

垣根「……」ピポパ


  トゥルルルルルル……カチャ


心理定規『あら垣根、そっちはどうしたの?』

垣根「他の二人がやられた、『残骸』も奪われた」

心理定規『そっ……か』

垣根「……」

心理定規『……やっぱりね』クスッ

垣根「そうか……テメェか……」ギリッ

心理定規『ふふ……♪』

垣根「テメェが俺達を売りやがったんだなぁ……心理定規ォォオオオオオオオ!!!」

心理定規『ダメじゃない垣根……闇に潜む人間が自分以外を信じるだなんて』

垣根「あ゛あァァ!!?」

心理定規『でもね……特別に教えてあげる、アナタには何とか生き延びて欲しいから……ね?』

垣根「オイオイオイ、この期に及んで俺の心配かぁ?いつもは温厚なていとくんも流石にブチリと来ちまったぜ……蒸発させてやっからとっとと殺されろ、コラ」

心理定規『今「残骸」を欲している組織は沢山いるわ、「アイテム」に「グループ」、そして―――』

垣根「それがどうした?殺ス、俺の敵になるバカ共は全員ブチ殺して進みゃ済む話なんだよなクソッタレがよぉッ!!?」

心理定規『私に出し抜かれてるようじゃ学園都市を手に入れるなんて不可能よ……そんな野望は諦めて、もう一度表の舞台で生きてみるなんてどう?』

垣根「黙れ……」

心理定規『私は知っているわ、アナタは本当は優しい人……あの事件に触れて……学園都市の闇に堕ちて壊れちゃっただけなのよ』

垣根「知った風な口を 利、き、や、が、る、な この野郎……何もわかってねぇテメェが―――」

心理定規『……わかるわよ』

垣根「……あぁ?」

心理定規『だって私は……人の心の距離を測る「心理定規」だから』

垣根(このアマ……ッ)

心理定規『「スクール」はたった今壊滅したわ……唯一人、リーダーであるアナタを残してこうも簡単に、ね』

垣根「……」

心理定規『ごめんなさい垣根帝督、そして……』



心理定規『―――さようなら』

  ブツッ、ツー…ツー…ツー……


垣根「……」

垣根「……何でだよ」

垣根「意味わかんねぇ……何が『ゴメンナサイ』だ、嫌なモン思い出させやがって……ちくしょう……!」

初春「あ、あのっ!てててていとさん……!!」ワタワタ

垣根「ん……」クルッ
(聞かれちまったか……?まぁ、良いか……)

初春「アホ毛ちゃんがいなくなっちゃったんですよーっ!」

垣根「……」

垣根「……は?」

初春「はわわわわわ!きっとさっきの人混みに巻き込まれて……!」ワタワタ

垣根「は……ははっ、本当にコイツらは……」ヒクッ

初春「早く見つけないとマズイですよー!悪い人に連れ去られてとんでもない事にっ!?」

垣根(……馬鹿だ俺は、諦めるだと?凡人にならその選択も有るかもしれねぇよ……だがな)ニヤリ


  バサアァッ!!


初春「ふぁっ!?」ビクッ

垣根「―――俺の『未元物質』に……常識は通用しねぇ」

初春「え……、白い……翼……?」ポカーン

垣根「……悪いな初春、用事が出来た」

初春「ス、スゴいですっ!これが……!!」ドキドキ

垣根「……じゃあな」タンッ


……バオッッ!!!


初春「わ……わあぁぁぁぁぁぁっ!!?」ドテッ


垣根(『残骸』は誰にも渡さねぇ……!)バサッ

  ヒュウウゥゥゥ……


初春「はわわ……」

初春「カッコイイ……!まるでホーリーエンジェモンみたいですよー……」ウットリ

一方通行「一件落着だなァ初春さンよ、他の連中は何処に―――って何だァ?この羽毛は……」トコトコ

初春「はああぁ一通さんっ!ていとさんってばスゴいんですよっ!?背中から急にゴバーっと出て来てバビューンって飛んでっちゃったんですからーっ!」

一方通行「……何が言いてェのかサッパリわかンねェ」ポリポリ

初春「あーもーっ!ですからていとさんから白いのがいっぱい出て来て―――」

一方通行「……」

書き溜めが進まない>>1です

ひとまずここまで、あわきん嬢と黒子が初対面ってわけなので八巻の内容丸々フッ飛んでる設定になってまつ。いやぁ一通さんが風紀委員になるだけでここまで未来が変わってしまうとは^^;

ではまた次の投下でお会いしましょう、このりんは俺の嫁ノシ

ξ(´ー`)ξ<ていとくは本当は優しい子なんだよ…

ノ人`Д´人<うるせぇ!お前に何がわかるんだ!蒸発させるぞ心理定規!

ξ(´ー`)ξ<ていとく…


こうですか

砂皿は犠牲になったのだ……土星と犠牲にな




結標「えぇ……わかったわ、こっちは済んだから回収に向かうわね」プチッ

結標「―――ったく、本当に人使いが荒いんだから……さて、と」クルッ


黒子「……かはっ!」ゲホッ


結標「急所は外したんだからまだ死んじゃいないでしょ?」

黒子「……本当に……どういうつもりですのよ……」ハァ…ハァ

結標「最初に言ったでしょ?表の人間を殺すのはマズイのよ……他との繋がりが広い風紀委員や警備員は特に、ね」クスクス

黒子「ぐっ、ですから……その意味が……!」

結標「アナタには関係ないわ、どうせすぐに何もわからなくなるんだし」

黒子(警備員がいつまで経っても来ない……何故……?)

結標「助けなら来ないわよ、既に警備員には連絡してるんだろうけど……」

黒子「はぁ……はぁ……」

結標「今から此処に来るのは事件の後処理係……つまりはそういう事よ」クルッ

黒子(隠蔽……記憶でも消されるのでしょうか……)

結標「―――じゃ、この男は貰って行くわね、ジャッジメントの白井黒子さん?」グイッ

砂皿「ぐ……」

黒子(く……そ……っ!!)ギリッ

結標「アナタは少しの間、そうやって自分の無力さに嘆いていると良いわ……記憶に残っていたら、また会いましょ?」ニッコリ


……ヒュンッ


黒子(負けた……なんという失態ですの……っ!手も足も出せずに……犯人まで奪われて……!!)

黒子(くそ……!あの、女……っ!!)

黒子「ふざけるな……」ギリッ


黒子「フザける……なぁぁあああああああッッ!!!」ググ…


黒子「絶対に逃がさない……!このまま終わってなるものですか!!ナメるな……私はジャッジメントの白井黒子ですのよ!!?」ヨロッ

黒子(早くしないと時間がない……何秒後にその後処理係とやらが来るかが分からない……!)フラフラ

黒子(高級ホテルの一室……応急セットくらいあるハズですのよっ!)ガサゴソ




  パラポロピレパレ~♪


一方通行「あン?」

初春「ほぇ?白井さん……?」ピッ


黒子『初春ゥゥあああああああああッッ!!!』


初春「ひいぃぃぃぃ!!ずびばぜんーっ!!」

黒子『今すぐ書庫(バンク)を開きなさい!クソッタレの追跡開始ですのよ!!』

初春「えぇっ?犯人はどうしたんです?」

黒子『そ、それは……痛ぅっ!』

初春「し、白井さんっ!?もしかして怪我してるんですか!?」

一方通行「あァ……?しくじったのかよババァ、情けねェ」

黒子『うるっさいですのっ!!聞こえてますのよセロリ!!!』

一方通行「ンだァ?ピンピンしてンじゃねェかよ」

初春「に、逃げられちゃったんですかぁ!?さっきは確かに捕まえたって……」

黒子『……あぁそうですのよっ!もう一人いて逃げられちゃったんですの!!ですから私は後を追う!!!その為には初春、アナタのバックアップが必要ですの!何より時間がないっ!!早くしなさい文句がおありで!!?』

一方通行(やっぱり仲間がいやがったのか……)チッ

初春「どうしましょう一通さん、白井さんってば相当キレちゃってますー」ボソッ

一方通行「イイぜ初春さン、さっさと検索掛けちまいな……眼鏡先輩には俺から言っといてやンよ」

初春「わ、わかりましたよー……白井さん、犯人の特徴をお願いしまーす」カタカタカタ

黒子『確かあの制服は……霧ヶ丘女学院、そして空間移動系能力者……それだけでヒットするハズですの』

初春「が、学生ですか!?……って本当に出ました!名前は結標淡希さん、霧ヶ丘二年生で能力名は『座標移動』!!」カタカタカタ

黒子『そんな糞情報はどうでも良いんですのよ、監視カメラでも衛星カメラでも何でもハッキングしてさっさと場所を特定なさい!手段を選んでる暇はありませんわよ、一秒でも早く見つけて身心共々八つ裂きに―――』

初春「そ、そんな無茶な……相手はLv4ですよ?自身を飛ばせるんです!例え見つけても……」

一方通行「いや、コイツのAIM拡散力場の波長を記憶させてマップ上に表示するよう書き換えちまえばイイ……オマエなら出来ンだろ?」

初春「んもーっ!怒られるの私なんですからねー!?」

一方通行「バレなきゃ良いンだよ、バレなきゃな」

初春「一通さん、私達そんなノリで前に先輩泣かせちゃいましたよね?ね?反省してます?」

黒子『今回は先輩も責任取って頂けると仰ってますし』

初春「うわーご都合主義ですねー白井さん、今度こそ先輩にオシオキ(ジャッジメント)されても知りませんからね、えぇ知るもんですかされてしまえ」カタカタカタ




黒子(あれほど深かった傷の痛みが確実に引いている……流石は学園都市製の傷薬と言ったトコロでしょうか)マキマキ

黒子(ブレザーにまで滲んだ血はどうしようもありませんわね……洗っている暇も寮に戻って着替えている時間もありませんし……)キュッ

黒子「……初春、結標淡希は今何処に?」

黒子「……は?能力を使わずに走っているですって?何故……?」

初春『わかりませんよ、一通さんもここから近かったので追いかけて行っちゃいましたし……』

黒子「チッ、私がやると言ってますのに……!」

初春『結標さんの能力ですが……明らかにLv5認定されててもおかしくない実力者ですよ?調子の良い時は一度の空間移動で八〇〇メートルは移動できるみたいですし、ここは一通さんに任せた方が……』

黒子「では何故Lv4止まりなんですの?何故自分の脚で走ってますの?」

初春『し、知りませんよそんなの……急いでないんじゃないですか?今調べてますけど』

黒子「そんな強力な能力を持ち合わせていながらLv5の壁に届かない……という事は必ず何か致命的な欠陥があるハズですのよ、例えば……」

初春『例えば?』

黒子「そう言えばあの女……能力を使用する直前に必ず警棒を振るってましたわね、それはまるで魔法のステッキのように」

初春『警棒?武器じゃないんですか?』

黒子「いえ、自分から武器は持ち歩かないと豪語してましたし……」
(つまりあの警棒の意味は……?)


……コンコン


黒子(ご丁寧に……来ましたわね)

黒子「……行きますわよ初春、結標淡希の現在のポイントは?」

初春『……ってぁぁあああああああっ!!!』

黒子「うるっさい!何ですのよ!?」

初春『アホ毛ちゃんが迷子になっちゃったんですよー!』

黒子「打ち止めちゃんが!?何やってますのよこのおバカっ!!」

初春『ていとさんも何処かに行っちゃいましたし捜す人が―――ってあれ?これって私だけお説教フラグ立ってませんか!?一通さんってば本当に先輩に説明してくれたんですよね!!?』

黒子「まったく……」フゥ

初春『早く戻って来てくださいよー白井さん、事態はかなり面倒な事になってます!』

黒子「心配ご無用ですわよ、今からその面倒を片付けに行くんですから……」ザッ


……ヒュンッ





初春「はい一通さん、そこの角を左に曲がると……あーっ!ちょっと白井さん、回線に割り込まないでくださ―――」


  「随分楽しそうねー初春さん、何してるの?」


初春「……」クルッ

固法「んー?」ニコニコ

初春「せ、せんぱ!?いいえいえいえ拙者、楽しくなんてないでござるよ!!?」ワタワタ

固法「……で、皆は何処に行ったのかな~?」ズイッ

初春「ち、近……っ!えーと……迷子になったアホ毛ちゃんを全力で捜索中なう」

固法「ふーん……打ち止めちゃん迷子になっちゃったんだ?」

初春「そ、そうなんですよー!ですから先輩も早く捜しに……」タハハ

固法「……」

初春「ささ、どうぞどうぞ」エヘヘ

固法「……」

初春「……ダメ?」

固法「ふふーん♪また私に内緒で何かやらかしてるのね……?お姉さん怒っちゃうぞ~?」ニッコリ

初春「タハ……ハ……」ガタガタガタ


  ぐ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ





  『qwせdrftgyふじこlp;』ブツッ


  ツー…ツー…ツー……


一方通行「……あァ?通信が切れちまいやがった……」

一方通行(まあイイ、この先だな……)ザッ

一方通行(大通りを離れて大分路地裏を進ンだが……此処は元はスキルアウトの溜まり場だったのかねェ……汚ったねェなァ)トコトコ


……カチッ


一方通行「……ンだァ?今の―――」


  ドッッゴォォオオオオオオオオオンン!!!!


  バキバキバキッッ!!ガラガラガッッシャァァッッ!!!


  バラバラバラ……ッッ


フレンダ「……ぬっふっふ♪」ソローリ
(死んだ……今のは絶対確実に死んだ!)

絹旗「フレンダ……火薬の量を超間違えていませんか?」ゴホゴホ

フレンダ「きゃっほほぉぉおおおおおいっ!!『スクール』リーダーの首ゲットォ~ッ!!!悪いねー絹旗!結局、私のお手柄ってわけよーん♪」ルンルン

絹旗「手柄なんてのは超どうでも良いんですが……死体の確認だけは怠らないで―――」


  「あは」


絹旗「ッッ!!?」バッ

フレンダ「えっ、えっ?」

絹旗(コイツ……ッ、まだ生きて―――)


……ドッッバァァアアアッッ!!!


フレンダ「爆発ぅぅうううううッッ!!?」ビクッ

  ガラガラガラガラ……ッ!!


一方通行「待ち伏せ……か、……ったく、シケた遊びでハシャいでンじゃねェよ、三下」チッ

絹旗(風紀委員……!?この男はまさか……!)ハッ

フレンダ「な~んてねっ!」ポイポイポイッ

絹旗「バッ……!?」

一方通行「……あン?」
(人形だァ……?)

絹旗「フレンダッ!待ち―――!!」

フレンダ「大人しく死んでろっての!!」カチッ


  ズドドドドドドドドゥッッ!!!


絹旗「くっ……!」バフッ!
(粉塵で視界が……)

フレンダ「しつっっこいのよ!結局アンタ達『スクール』は……ここでくたばるのが運命ってわけよ!!」バチンッ!


  シュバアアァァァァァァァッッ!!


フレンダ(鋼をも焼き切るツール……コイツで脚を吹っ飛ばす!)

……バシュンッ!!


フレンダ「……」


……シ―――ン……


フレンダ「……ありゃ?」
(手応え……なし?)


  ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


一方通行「……はン、俺達に手ェ出すたァ……身の程知らずのブタ共が、下拵えの準備は終わってンだろォな?」ザッザッ

フレンダ「……って、やっぱり効いてなーい!!」ヒーッ

絹旗「やってくれましたねフレンダ……彼の右腕に付いてる物を見てください、状況は超最悪です」

フレンダ「え」ジー


一方通行「ジャッジメントだァ……ウチのババァが世話になったらしいなァ……?」ニタァッ


フレンダ「あわわわわ!!本当に風紀委員の腕章付けてるし……どうしてこんな場所に!?結局人違いってわけ!?どうしよ絹旗ぁ~!」オロオロ

絹旗「『スクール』の裏切り者……心理定規と言いましたか、彼女に超騙されたと考えるのが妥当ですね」

一方通行「親船最中暗殺未遂……いや、そンなモンどォでもイイわ、俺の仲間を傷つけやがった理由で殺してやる」ギロッ

フレンダ「いきなりの殺害予告!!?風紀委員なのにっ!!!しかも……とてつもない勘違いしてる予感!」ワタワタ

絹旗「フレンダ……超『最凶』の風紀委員の噂を知ってますか?」

フレンダ「へ?何それ」

絹旗「相変わらず超情弱ですね……だからこんな展開になってしまうんですよ!バカ!アホ!!帰れ!!!」

フレンダ「言い過ぎ!言い過ぎだってば!!そして帰れる事なら帰りたいっ!!!」

絹旗「超白髪で超紅眼の風紀委員……たった一人で超多くのスキルアウトのグループを超壊滅させ、我々のブラックリストにも超堂々と載っている超S級要注意人物!」ゴクリ

フレンダ「も、もしかして浜面のチームを潰したってのも……!?コイツは結局何モンなのよ!!?」

絹旗「それこそ今、我々の目の前にいるのが学園都市Lv5の頂点……第一位の『一方通行』ッッ!!!」

フレンダ(……詰んだ、人生詰んだ……)ホロリ

一方通行「オマエら、さっきから勝手にコソコソ喋くりやがってるけどよォ……」コキッ

絹旗(来る……!)ゾク…

一方通行「……もォ終わらせちまっても構わねェンですかねェ……?」ニタァッ

フレンダ「むぎのぉ~……」グスン

絹旗「流石にわかっているとは思いますが、我々『アイテム』が四人一斉に掛かっても勝てる相手ではありません、ここは……」ジリ…

フレンダ「あうあうあー」メソメソ

一方通行「あン?」

絹旗「超後方ダーッシュ!!!」ダッ!

フレンダ「高級鯖缶食えずに死ねるかっての!」タンッ!

一方通行「ンだァ?急に愉快にケツ振り出しやがって……」ヒョイ

絹旗「……!?」タタタ
(さっきの砕けた瓦礫を……)

一方通行「誘ってンのか……っよォォ!!?」ドガッッ!


……ゴバッッ!!!


絹旗「ぅぐっ!!?」メキッ…!

フレンダ「絹……っ!?」


  ドンガラガッシャアアァァァァァン!!!


フレンダ「吹っ飛んだああぁぁぁっ!!?」

一方通行「ゴオォ~ゥル♪一通選手先制点でェーっす」


  ガラガラガラ……


絹旗「ベクトル変換……噂以上の超絶威力ですね」ケホッ

一方通行「お?」ピクッ

フレンダ「だ、大丈夫!?絹旗……!」タタッ

絹旗「私は大丈夫です、それより逃げてください……超早く!!」

一方通行「ほォー……すげェすげェ、こいつァ驚いた」パチパチ

フレンダ「うぅ……!」
(結局、最強のレッテルは伊達じゃないってわけ!!?)

一方通行「今のをマトモに喰らってまだ動けるたァな、それがオマエの能力かァ?」ザッザッ

絹旗「生憎……私の『窒素装甲(オフェンスアーマー)』はこの程度の衝撃では貫けませんので」

一方通行「……面白れェな、簡単にブッ壊れンじゃねェぞ?どこまで耐えれるか試してやっからよォ」ニヤッ

フレンダ「と、とりあえず謝っとく?風紀委員だし許してくれるかも……」ボソボソ

絹旗「彼が『最凶』と恐れられる所以は、悪党相手には一切の容赦をしないからです……既に我々は敵と認識されているでしょうし、そして何より言葉よりも先に拳が超飛んできます」

フレンダ「結局、また私の失態ってわけよね……」ショボン

絹旗「いきなり落ち込まれても慰めの言葉を掛けてあげる暇などありません、とにかく相手が悪すぎます、フレンダはとっとと皆さんの所へ」

フレンダ「き、絹旗はっ!?」

絹旗「私は此処に残って時間稼ぎをしますので」

フレンダ「でも……!」

絹旗「勘違いしないでください、彼の攻撃を防げない生身のアナタでは超邪魔以外の何者でもないと言ってるんですよ」

一方通行「おいィ?まァーた内緒のコソコソ話かァ?」ザッザッ

フレンダ「くっ……」

一方通行「……俺を仲間外れにしてンじゃねェよ、こっちはオマエらを狩りに来てンだ」ザッ

絹旗「早く皆さんを連れて私を助けに来てください……超理解してくれましたか?」ニッ

フレンダ「……うんっ!」ポイッ

一方通行(これは……)ハッ


……カッ!!!


一方通行(チイィ!スタングレネードか!!?)

フレンダ「待ってて絹旗!すぐに戻るからねっ!!」タタッ

絹旗(それにこの方とは超個人的な因縁がありますからね……)

一方通行「あークソ面倒だな、小道具ばかり使いやがって……」イライラ

絹旗「……」スック

一方通行「……ったくよー、何ですかァこの展開はァ?これじゃまるで俺が悪役じゃねェか」

絹旗(『絶対能力進化実験』の被験者、一方通行……どの面引っ下げて正義を気取ってるつもりですか)

一方通行「さてさて、どォやって更生させてやりますかねェ……?」

絹旗「……ご存知ですか、一方通行さん」

一方通行「あァ?」

絹旗「『暗闇の五月計画』……とある最強の超能力者の演算パターンを参考に、『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』を最適化させようとした実験なのですが」

一方通行「……知らねェな」

絹旗「実験は超悲惨なものでしたよ?能力が暴走して首を飛ばす者や自我が崩壊した者、そして役立たずはボロ雑巾のように捨てられたんです」

一方通行「そォかい」

絹旗「……」

一方通行「……ンで、それがどォした?お情けで涙でも流してやりゃ満足か?」

絹旗「……別に?ただ知って頂きたかっただけですよ、アナタがいたから―――」

一方通行「ハッ、馬鹿馬鹿しい……俺がいなけりゃ悲劇は生まれなかったとでも言いてェのか?」

絹旗「……」

一方通行「……小っせェなァ」ボソッ


一方通行「小っせェ『悪』だ……来いよ三下、悪党の立ち振舞いってのを教えてやるからよォ」

ここまででーす、バトル描写迫力出てるかな……?

今日は仕事お休みだから俺……今日こそは書き溜めするんだ……




麦野「さっきの派手な爆発……フレンダかな、っつー事は本当に来たみたいだね」フフッ

滝壺「私達行かなくて良いの?」

麦野「いーのいーの、たまには手柄を分けてあげないとねー」

滝壺「むぎの、優しいね」

麦野「ホホホ、もっと褒め讃えなさい」

滝壺「……あっ」ピクッ

麦野「……ん、どしたの?」

滝壺「……天使……」

麦野「は?アンタ何言って―――」


……ズダンッッ!!!


滝壺「……降りてきたね」

麦野「え……何よ……?何なのよこの白い塊……」




……バサアァッッ!!


滝壺「わっ」

麦野「な……!?」


垣根「―――よぉ、テメェらが『アイテム』のクソ野郎で間違いねぇんだよな?」ニィッ


麦野「……誰?私は風紀委員に知り合いなんていないんだけど」

垣根「あー悪りぃ、この腕章な……今の俺には関係ねぇシロモンだわ、気にすんな」

麦野「ふーん……て事はアンタが『スクール』の大将で良いのかな?派手な登場の仕方してくれるじゃない」
(だったら絹旗達は一体何と戦っている……?)

垣根「カッコイーだろ、勝利宣言をしに来たぜ」ザッザッ

麦野「あはは、よくもまぁノコノコと……恐れる心が無いのかい?」ニヤニヤ

垣根「テメェらに寝返った心理定規もここにいやがるのか?」ザッ

麦野「さぁね、あの売女ってば今頃どっかの男に股開いてんじゃないの?捨てられちゃって可哀想ねーアンタ」

垣根「……まぁ良いや、あの女は後で犯しまくってから殺すとして……『残骸』を何処にやった、まさか壊したりしてねーよな?」

麦野「知る必要無いんじゃないの?どうせテメーは原子レベルで粉々になって死ぬわけだしさぁ」

垣根「やめとけよむぎのん、テメェの『原子崩し(メルトダウナー)』如きじゃ俺には傷一つ付けらんねーよ」

麦野「ハッ、命乞いでもしに来たと思ったら……粋がってんじゃねーよバーカ、私を第四位の『原子崩し』と知ってながら此処まで来たのは褒めてやる、だがな」

垣根「……哀れだな」

麦野「あ?」

垣根「興が醒めた……予習が足りてねぇなァむぎのん、自分の敵になる相手くらい調べとくべきじゃねーの?」

麦野「……何言ってんだテメー?」

垣根「名前で呼んで欲しいもんだな、俺には垣根帝督ってぇ立派すぎる名前があるんだから、よ?」ニィッ

麦野「垣、根……だと……?」ゾワッ
(まさ……か……ッ!?)

垣根「もう一度言うぜ麦野沈利、テメェの『原子崩し』じゃ俺の『未元物質』には届かねぇ……二位と四位じゃ差が開きすぎてんだ、悪りぃがストレッチにもなんねーよ」

麦野「バカな……そんなハズあるわけねぇだろうが!?どうしてよりによって『スクール』のリーダーが……!!?」

滝壺「焦らなくても大丈夫だよむぎの、私はそんなむぎのを応援してる」ポンッ

麦野「うるせえぇぇぇぇ!!黙ってろ!!!」

垣根「―――良いか、今の俺は半端じゃねぇくらいに相当ムカついている……だがな、それを圧し殺してでも哀れなテメェにチャンスをやる」

麦野「なに……!?」

垣根「『残骸』は何処だ、俺が知りたいのは そ れ だ け だ」

麦野「フ……ザけてんのかテメェ……!」プルプル

垣根「俺は外道のクソ野郎だが……自分なりの良心ってのは持ってるつもりだ、大人しく質問に答えてりゃ格下のテメェなんざ見逃してやるっつってんだよ」

麦野「かっ……」ブチッ

垣根「死にたくねぇなら無意味なプライドなんざ捨てちまえよ……なぁ頼むぜーお嬢さん、俺にテメェを殺させるんじゃねぇ」

麦野「こ、この……ッ!!」ピキピキッ

滝壺「むぎのっ!?」


麦野「このっ……!クソッッッタレがあぁぁああああああああああッッ!!!」ヴンッ


垣根「……馬鹿が」


  ゴッッバァァアアアアアアアッッ!!!!





フレンダ「っわ……!な、何っ!?」ビクッ
(麦野達が待機してる方角……?)

  『な、何だよ今の爆音は!?こっちまで聞こえて―――』

フレンダ「どうでも良い心配してないでさっさとUターンして戻って来いって言ってるでしょ!!一方通行はアンタの敵じゃなかったわけ!?」タタタ

  『確かに一方通行は憎いよ!でもLv0の俺に何ができるってんだこの野郎!』

フレンダ「うっさい下っ端!結局アンタは車動かすしか能がないんだからアクセル全開でブッ飛ばしゃ済む話な―――えっ……!?」

  『ふっっざけんな!アイツは車どころか音速ジェット機ですら鼻歌混じりのスキップ交わしながらでも余裕で追い抜かすようなバケモンだぞ!?』

フレンダ「う、嘘……でしょ?麦野……滝壺……!」プルプル

  『嘘じゃねーよ!とにかく俺は行かねーからな!?「残骸」を上層部に届けて今日の仕事はオシマイだざまぁみ』ブチッ

フレンダ「な、何よアンタ……!?何やってんのよ……ッッ!!?」


垣根「あん?」ゴリッ…


…………グゴキッッ!!


麦野「―――ッッ!!?」ズキッ

垣根「あぁ悪りぃ、ビックリして力入れちまった……大丈夫か?」グリグリ

麦野「ぎ……ィィああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!?」

フレンダ「麦野っ!!」

垣根「ははっ、たかが腕ェ外されたくらいで大袈裟だぜむぎのん」

滝壺「痛……い……」グッタリ

フレンダ「あ……ぁ……!」タジ…

垣根「で……何だ、テメェも『アイテム』の構成員だよな?」ギロッ

フレンダ「む、麦野に……何やってんだって聞いてんのよおぉッッ!!」

麦野「うっ……うっううぅ……!」ズキズキ

垣根「何って……そりゃお前、見てわかんねぇのか?聞き分けのねぇお嬢さんにキッツーイお仕置き か ま し て ん だ よ」グリッ

麦野「っあッッ!!?」ビクッ!

フレンダ「や、やめてよ!やめ―――!」ダッ

垣根「は」


…………ガンッッ!!


フレンダ「ぅあ……っ!!?」ドテッ

垣根「暗部に属してるってェのに、いつ死ぬかもわかんねぇ仲間が大切か?だったらテメェが代わりに踏まれてみるかよ、あぁ?」ザッザッ

フレンダ「ひ……っ!」


    ズドッッ!!


フレンダ「ぃあ……っ!?ちょ……待っ……!!」メキメキ…

垣根「待たねぇよ」ミシミシミシ…!

フレンダ「あっあっああぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」メキメキメキメキ
(千切れる!胴体千切れちゃううぅぅぅぅ!!!)

滝壺(フレンダ……!)

垣根「チ、くだらねぇな……『アイテム』ってのはただの仲良し集団なのか?」

フレンダ「痛い……げほっ!痛いよぉ……!麦野……助けて……!」グスッ

垣根「俺は一般人には極力手を出さねぇし、相手が格下だってんなら見逃してやるくらいの良心も持ち合わせてる……だがな、それでも俺の敵になるってんなら容赦はしねぇ」

麦野「はー……はー……」ズキズキ

垣根「コラ原子崩し、テメェさっき言ってやがったよな?ウチの正規の狙撃手ブッ殺して俺達に忠告だの何だの」

麦野「それが……どうしたってんだ……!」ハァ…ハァ

垣根「自惚れてんじゃねーぞ格下が、逆だよ逆、俺がせっかく笑いで流してやったのに『スクール』に楯突く道を選びやがって……身の程を知れ、ク ソ ボ ケ」ギリギリギリ

フレンダ「あがっ!む……ぎ……ヒック」ポロポロ
(どうして……!?どうして私が……こんな目に……!!)

麦野「……」

垣根「さぁどうするよむぎのん、助けてやんねぇの?早くしねぇと大事なお友達が公開処刑されちまうぜー?」

フレンダ「助……け……」


麦野「……チッ」


垣根「ははははははっ!!酷でぇヤツだなぁ!?あー……そうだお嬢さん、良い事考えたんだけどよ?」

フレンダ「え……?」

垣根「薄情なリーダーに代わって『残骸』の在処を教えてくんねーかな?それならお前に免じて全員見逃してやっても良いんだぜ?」ニコニコ

フレンダ「ホ……ホン……ト……?」クスン

麦野「テメ……ッ!!?」

滝壺「ダメだよ……フレンダ……」

垣根「おーっと黙れ黙れ、俺はテメェらに見放された可哀想なフレンダたんに聞いてんだよ」

ちょいメシ

ていと無双はまだまだ続くよ

フレンダ「ヒック……『残骸』……は……ヒック」

垣根「よしよし良い子だ、その調子だぜ?」ニヤリ

麦野「やめろフレンダ……テメーどうなるか分かってんのかあぁぁぁ!?」

垣根「うるせー、聞こえねぇだろが」

麦野「フレンダぁぁああぁぁぁぁッッ!!!」

フレンダ(仕方ない……うん、結局仕方ないわけよ……死んじゃったらそれで終わりなんだし……麦野には怒られちゃうかもだけど……仕方が―――)


    ズギャギャギャギャギャギャァ!!!


滝壺「!!?」

垣根「あん?」
(車だと……)

麦野「あのワンボックス……ま、さ、か……!!?」


    バタンッ!!


浜面「おーっと、そのままピクリとも動くんじゃねーぞ?平和にイこうぜ、風紀委員ならよ……」ジャカッ

滝壺「あ……!」

フレンダ「浜……面……?」

麦野「バカが……!どうして戻って来やがった!?テメェがどうにかできる相手じゃねぇんだよ!!」

浜面「―――コイツだろ?『スクール』のリーダーってのは……相手が一方通行じゃねぇなら俺だって……!!」

滝壺(はまづら……カッコイイ……)

垣根「ナメられたモンだな、テメェ……今誰に銃向けてんのか分かってんのか?分かってねぇなら只のバカだが、分かってんなら大バカだ」

浜面「うるせえぇぇぇ!!風紀委員には絶望を味わわされてんだ!よくもスキルアウトを……俺達の居場所を奪いやがってぇぇ!!」

垣根「はっ、その怒りの矛先は一方通行に向けるモンじゃねぇのか?そんな理由で他の風紀委員が狙われるってのはちと可哀想じゃねぇか」

浜面「一方通行との抗争で駒場の野郎は『保父になる』とか世迷い言を言い出すわ、半蔵に至っては『俺……久々に学校行ってみるわ……』って粛清されてすっかり丸くなりやがった!そしてスキルアウトHみたいな扱いであの野郎にブッ飛ばされたこの俺、浜面仕上は駒場からリーダーの座を奪い取るも他の奴らは風紀委員にビビって付いてこねぇしチームは即刻解散、そして今に至るんだよちくしょうが!!」


垣根「……」


滝壺(はまづら……超カッコ悪い……)

垣根「……フン、テメェのくだらねぇ生き様なんざに興味はねぇんだよ」ザッ

浜面「う……動くなって言ってんだろ!?」チャッ

垣根「どうしたよ無能、撃てよ……俺を殺しゃ大出世間違い無しだぜ?」ザッザッ

浜面「てめぇ……っ!!無能力者をバカにすんじゃねぇぇえええええ!!!」ギリッ

垣根「まぁ……焦ってたのかな?安全装置(セーフティ)が掛かってちゃ引金なんざ引けねぇんだが」

浜面「……え?」チラッ
(そんなハズは―――)


…………ゴンッ!!


浜面「が……ッ!?」ヨロッ

垣根「バーッカ、安い手に引っかかってんじゃねーよ」パシッ

麦野(カッコ付けやがって……だから言っただろうが……!)

垣根「あらよっ」グイッ

浜面「う……わっ……!?」
(な、投げられ―――!)


…………ズダァンッッ!!!


浜面「ごあぁっ!!」ベシャッ

垣根「愉快な脳ミソしてやがるな、鉛弾ごときで俺を殺れるとでも?」クルックルッ


    ジャカッ


浜面「ッッ!!?」
(しまっ……!!)

垣根「口開けろよ、オラ」ゴリッ

浜面「ん……んー!んーっ!」モゴモゴ

滝壺(はまづら……ダサい)ハァ

垣根「能力使わずともこの程度か……素手喧嘩(ステゴロ)もダメならテメェが俺に勝てる要素ってのは一つでも残されてんのか、あぁ?」

フレンダ「はは……け、結局全員殺されちゃうわけよね……あは、アハハっ♪」

垣根「なぁ、確かテメェ……さっき風紀委員に絶望させられたっつったよなぁ?」ゴリゴリ

浜面「ぐ……も……っ!」ジタバタ


垣根「もう一度ここで絶望しろ、コラ」ニタァッ


浜面(こ、殺され…る……!!?)ゾク…

滝壺「―――来る」

麦野「え?」


    ドガァァアアアアアンッッ!!!!


フレンダ「ひゃーっ!?」ビクッ

麦野「壁を突き破って……!?」

垣根「次から次へと……今度は何だぁ?」


絹旗「まったく……いつまで経っても来ないと思ったら!!」ズザザザッ


フレンダ「絹旗っ!?」

絹旗「頭を上げないでください、フレンダッッ!!」ブンッ

垣根「お……っ」


…………バガァンッッ!!!


絹旗「いよっし顔面ヒット!皆さん早く逃げ―――!」


垣根「痛ってぇな」ケロッ


絹旗「超無傷!?」

垣根「投擲物に冷蔵庫をチョイスするたぁ……センスがあるじゃねぇか、クソガキ」バッ

浜面「ぷぁっ!?」ヌポッ

垣根「そしてムカついた、まずはテメェから粉々にしてやる」ジャカッ


    ダンッ!パンパンッッ!!


垣根「……あぁそうだったな、テメェの能力は―――」

絹旗「甘く見ないで欲しいですね、銃弾などは超無意味ですよ?」ニッ

垣根「窒素を利用した自動防御能力……成る程、『暗闇の五月計画』の残骸か……そこで転がってる女の『体晶』といい、つまり」

滝壺「……」


垣根「テメェら……ははっ、まさか『置き去り(チャイルドエラー)』かぁ?」ニィッ


絹旗「ッ」ピクッ

フレンダ「!!」

滝壺「……」

垣根「良く考えりゃおかしいもんな、テメェらのような年端も行かない女の子達が既に闇に堕ちちまってんだから」


麦野「……」


垣根「なぁ麦野、まさかテメェもそうなのか?はっ、まさかそんなハズねぇよなぁ……?」


絹旗「だったら……何だというんですか」


垣根「……あん?」

絹旗「私達が『置き去り』だったら何なんだと聞いてるんですよっ!!」ガシッ

浜面「バカやめろ!その車には『残骸』が入ってんだぞ!?」

垣根「勘違いしてんじゃねーぞ絹旗最愛、俺はむしろテメェらが可哀想だって思ってんだぜー?」

絹旗「戯言を……!笑いたければ笑えば良いんですよ!!両親に見捨てられ……実験動物として扱われ……!命以外何もかも失った、超クソッタレな人生を歩まされ……ッッ!!」ブルブル…

フレンダ「絹旗……」

垣根「そう、大事なのはソコだな……腐ってやがるよなー学園都市ってのは」

絹旗「……何ですって……?」

垣根「そもそもテメェら、上層部に従って素直に行動してるみたいだが……俺が何の為に『残骸』を欲してるのか分かってんのか?」

絹旗「知りたくもありませんね、どうせ超ろくでもない理由に決まって―――」グイッ


絹旗「……え?」ズシッ


絹旗「え……っ?……あれっ!?」グイグイッ
(持ち上がらない……!『窒素装甲』が機能しない!?)

垣根「やめとけ、今テメェの周りの大気中には窒素なんてモンは殆ど含まれてねぇ」

絹旗(まさかこの男も大気操作系能力者……!?)

垣根「そこにあるのは窒素分子と結合させた『未元物質』……今のテメェはただのか弱い女の子なんだよ」

絹旗(『未元物質』……!?麦野をここまでに出来る相手だと……Lv4程度の私では……!!)

麦野「絹旗……退いてなさい」

垣根「これで分かったか?テメェらがどんな小細工を労しようが『未元物質』はそれら全てを根底から覆す、工夫次第でどうにかなるレベルを超えちまってんだよ」

麦野「コイツは……私が直接殺してやるんだからさあぁ……!?」ググ…

絹旗「ダ、ダメです!不可能ですよ麦野……そんな身体では……!」

垣根「そうか……ははっ、そんなに死に急ぎてぇか……」ニタァッ

滝壺「……ッ!!?」ゾワッ


  「おーおー、こンな所にいやがったかァー」


滝壺「き、きぬはた……!そこから逃げ―――!!」


    ブォッッ!!


絹旗「あ……っ!?」ゴ…ッ!


    バガッッシャアアァァァァァァン!!!!


浜面「絹旗ぁぁあああああああ!!?」

垣根「オイオイ、言っとくが俺はまだ何もしてねぇぞ」

フレンダ(今の衝撃波は……!来たんだ、アイツが……!!)ブルブル

滝壺(この強大で……禍々しいAIM拡散力場は……!)


一方通行「何だなンだ、かくれンぼはもォ終わりかァ?喰われるだけのブタで終わってンなよ三下ァ」ザッザッ


フレンダ「結局、結局ぅ……!」

麦野「な……っ!?テメェは……!!」

浜面(うわああああああああああ)



    パラパラパラ…………


絹旗「あぅぅ……がはっ……ぁ……!!」

一方通行「効いてやがるな、何で防御能力を解除してたのかは知らねェが……これに懲りたら二度とつまンねェ真似すンじゃ―――」

絹旗「はぁー……!はぁー……っ!」ゴフッ

一方通行「ありゃ、血ィ吐いてンじゃねェか……ちとヤバくねェかコイツ」

垣根「一方通行……ッ!?」

一方通行「あン?」

一方通行「いよォ~ていとくン、オマエが此処にいるっつー事ァいよいよ間違いねェみてェだなァ」ザッザッ

垣根「その『ていとくン』ってのやめろ、男のテメェに言われてもムカつくだけだ」ケッ

絹旗「ぅ……」グッタリ

垣根「……にしても酷っでぇ野郎だな、こんなクソガキにまで容赦なしか」

一方通行「知るか、相手が悪だってンなら女だろォが関係ねェ、鉄拳制裁で更生させる」

垣根「風紀委員って普通話し合いとかしねぇの?」

フレンダ「……???」

フレンダ(ど、どうしてこんなにフレンドリーなわけ?だってアイツは『スクール』の……あ、そういえば風紀委員の腕章付けてたんだっけ……アレ?でもそれだと風紀委員が親船暗殺を企てて一方通行はそれを止めに来てって意味わかんなくね?しかもその風紀委員が私達をボコボコにして一方通行とアイツはお友達で風紀委員が『スクール』でって結局、結局……)


フレンダ(結局……どういう事だってばよ??)


垣根「……で、どうしてテメェが此処にいる?」

一方通行「ンだァ?オマエも親船暗殺の犯人を追ってたンじゃねェのかよ?」

垣根(何と勘違いしてんだコイツ……まぁ知らねぇならそれで都合が良い、『残骸』を回収してトンズラかませば闘う必要もねぇし)

一方通行「それより何だ、どォするよコイツら」

垣根「テメェは警備員にでも通報してろ、どうせマトモに動けるヤツは一人もいねぇ」

一方通行(結標っつー女が此処にはいねェな……どォなってンだァ……?)ポリポリ

麦野「ちょっと待て……どういう事だこれは……」
(とにかく腕を……)グッ


…………ガコッ!


麦野「ぁぐっ!!」ズキンッ

浜面「ま、まだやるつもりなのかよ!?敵うわけねぇって!相手はLv5が二人も―――」

麦野「るっさいんだよ、はーまづらぁ……テメーはそこで寝てろ、役立たずのヘタレ野郎が」ギロッ

浜面「はい」

滝壺「……」

一方通行「どォやら奴さンはヤル気らしいぜ?」

垣根「いい加減にしろよな麦野ー、今テメェがやってんのは現実的とは言えねぇよ」

麦野「良く言うね、アレイスターに選ばれなかった『第二候補(スペアプラン)』の分際で……」


垣根「……分かってねぇな」




    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


フレンダ(Lv5の二等辺三角形……な、何かあっこだけ空間が歪んでるっての!)ビクビク

一方通行「なァ、垣根ェ……」

垣根「何だよ?」

一方通行「―――誰だァ?このババァは」

麦野「バッ……!?」

垣根「テメェがババァっつったら中学生になんだろが、この場合高校生以上の肉骨粉かぁ?」

一方通行「あァそォだな……オイ粉モン、例の空間移動系能力者は何処だ?」

麦野「野、郎ぉ……!!私は高校生だぁぁあああああああ!!!」ヴンッ

フレンダ「げっ!」

浜面「ま、待てよ麦野!落ち着け!!お前はそれほど老けてな―――」


    ズバアアアァァァァァァァ!!!


垣根「おっと」ヒョイ

麦野「フーッ!フー……ッッ!!」

浜面(あ、あっぶねぇ~……)ドキドキ

麦野「く……そ……っ!」ギリッ


一方通行「この電子線の威力……そして麦野っつー事ァ」シュウゥゥ…


フレンダ(麦野の攻撃も通用しない……!)

一方通行「……知ってるぜ?まさかオマエ、第四位の『原子崩し』かァ……?」ニタァッ

麦野「ちくしょう……ちくしょう……!!」

一方通行「―――ったく、いきなり即死技仕掛けてくンなよな……わざわざ電極オンオフさせンのもダリィからよ」カチッ

フレンダ(結局ここでジ・エンドってわけよね……)

麦野「……どうしてだ……!」ボソッ

一方通行「あン?」

麦野「場違いなんだよ……テメェが出て来る幕じゃねぇんだよ!どうして風紀委員が『スクール』に荷担してやがんだこの野郎ォォおおおおおお!!」

一方通行「『スクール』だァ……?」

垣根(余計な事を……)

麦野「分かんねぇのか!?テメェはその野郎に!垣根帝督に利用されて―――!!」

滝壺「……待って、まだ何か来る」


    ザザザザザザザザッッ!!


垣根「……ム」ピクッ

猟犬「―――動くな」ジャカッ

一方通行「あの兵装……警備員か?まだ通報してねェのに早えェじゃねェか」

浜面「な、何か雰囲気ヤバくね?」ダラダラ

滝壺「うん、ヤバいね」

フレンダ「む、麦野っ!」

麦野(いや、まさか……コイツらは!?)ハッ


  「おーっと待て待てストップだストーップ、俺の合図無しに撃つんじゃねーぞクズ野郎共ォ」ザッザッ


一方通行「ぶっ」


木原「間違ってそこの白いクソガキに当ててみろ、テメェらが血飛沫上げるハメになるんだからよぉー?無駄死には許さねぇ、死ぬなら少しは俺の役に立ってから 死 ね」ニヤニヤ


今日分終わりでふ

ここで木原くンがログインなされました

こっから先もバトル展開続くけど風紀委員になって成長した一通さんを是非見届けてあげてくだしぃ

もちろんていとくンもね

昨日よりはちょい短いけど今日分投下しますー




    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


垣根(『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』……木原数多か、また面倒なのが出て来やがった)チッ

麦野(何故追撃部隊のヤツらまで出てくる……上層部は何を考えて……!?)

木原「ハアァ~イ、アセロラドリンクちゃ~ん♪」フリフリ

一方通行「ありゃりゃ~!?木原クンじゃねェかァ……何ですかァその思わせ振りな登場はァ?散歩にしちゃ白衣のままってのはおかしいよなァ~?」ニタァッ

木原「いや~ちょっとな、ちょいとこの車の中身を頂戴しに来ただけなんだよ」

垣根「……」

木原「『アイテム』から横取りする為に待ち伏せてたんだがいつまで経っても通りかからねぇからよー?こっちからわざわざ来てみりゃ何だこりゃ、何だぁこのザマは?やっぱアテになんねーわガキってのはな」

麦野「フン、どうやら命拾いしたみたいだねぇ浜面ぁ」

浜面(じゃあ俺……あのままだったら殺されてたかもしれねぇってのか!?)ゴクリ

一方通行「まァ~たくだらねェ研究材料かァ?……丁度イイ、風紀委員としてオマエもここらで引導渡してやンよ」

木原「ぎゃは!マジ勘弁だぜぇ一方通行……正義のヒーロー気取りか、笑わせてくれるなぁオイ?」ニヤリ

一方通行「あ?」ギロッ

木原「できればテメェとは一生面ぁ合わせたくなかったんだけどよー……あーもうダメだわ、うん、もう我慢の限界だ」

一方通行「……馬鹿が、オマエからノコノコ出て来やがって何ホザいてやがる」ケケッ

木原「あー殺してぇ、メチャメチャ殺してぇわー……昔っからテメェのそのクッソ生意気な面ぁ間近で見るだけでとんでもねぇ殺人衝動に駆られちまうんだよなぁー、ずーっと我慢のしっぱなしだったがよ、もう無理だわ……―――っつーわけで!」ニコニコ


木原「―――テメェの外も中身も、今度こそ全てをクチャクチャにしてやっから……ここらで潰されてくんねぇかなぁ?ク、ソ、ガ、キ」


一方通行「ハッ、面白れェな……その楽しめそーなプランってのを懇切丁寧に教えてくンねェかなァー木原センセーよォ?」

木原「良いだろう……死ぬ前に教えてやる、テメェを地獄に引き摺り戻す魔法のアイテム……それがコイツだ、このワンボックスに入ってんのは『残骸』っつってなぁ?」コンコン

一方通行(『残骸』ォ……?)

木原「何でもハイパーシュミレートマシン、『樹形図の設計者』の大脳部分らしいんだよなぁ~?」ニヤニヤ

一方通行「……なに?」ピクッ

木原「そうだなぁー、まずはコイツを何とか復元してもう一度テメェの大好きな『妹達(シスターズ)』とやらの残酷な使い道をだな……」

一方通行「オイオイ、まさかあの実験を繰り返そうとか考えてンじゃねェだろォな木ィィ原クンよォ……」

木原「だったらどうするよ、ん?」ニッコリ

一方通行「どォするって、そりゃオマエ……」アハハ


…………カチッ


一方通行「フッッ……ざけてンじゃねェぞ三下がァァあああああああああッッ!!!」ダッ!


猟犬「木原さん!!」ザザッ

木原「だー邪魔だ退け、テメェらじゃ無理だ」ドカッ

猟犬「ウッ!?」ドテッ

一方通行「木ィィ原ァァあああああああああ!!!」バッ

木原(甘々だぜェ一方通行!真っ直ぐ突っ込ンで来るたァ……それが風紀委員の立ち回りなのかァ?)ククッ

垣根(……終わりだな、馬鹿ミンチの出来上がり―――)


…………ドパンッッ!!


麦野「ッ!?」

浜面「いっ!?」

一方通行「ぁ……がっ!?」メキッ…


垣根(―――何だと?)


一方通行「あ、っは……?ち、血ィ……?」ボタボタ


木原「ひゃ」


一方通行「……っ!!?」ハッ

木原「あははぎゃはあはははひひひぎゃははあはアハあはははッ!!調子乗ってんじゃねェぞ……クッッソガキがァァあああああッッ!!!」ブンッ


    ズカドスメキバゴッ!!!


一方通行「ご……ッッ!!?」ヨロッ
(こいつァ……どォいう……!?)

フレンダ「ど、どういう事!?『原子崩し』すら効かなかった一方通行が……!」

麦野「あの男……」

一方通行(ベクトル反射が通用しねェ!!?)

木原「↑↑↓↓←→←→BA!!!ヒ―――――――ハ―――――――!!!」


    ズドドドドドドドッシャアァ!!


一方通行「ごぼァ……っ!!ゲホッ……ゲホッ!」

垣根「どうしたよ、ボッコボコじゃねぇか……手ェ貸してやろうか?」
(反射を切っている……?いや、この状況でそんなハズは……)

一方通行「るっ……せェ……!」ハァ…ハァ

浜面(何モンだよあの科学者……やべ、弟子入りしてぇ)

木原「テメェさぁ、ちょっとばかりチカラァ持ってっからって……つけ上がってんじゃねぇのか?」ザッザッ

一方通行(あのツンツン頭ン時と同じ……能力を打ち消す能力……?いや、違げェな)グシグシ

木原「そのつまんねーチカラは一体誰が与えてやったモンだと思ってんのよ、ほーれ思い出したかー?」ヒュッ


…………ドゴスッッ!!!


一方通行「ごはっ!!?」ゲホッ

木原「ぎゃははははははははは!!良いザマだなぁ!!?テメェはそうやって地面這いつくばってんのがお似合いだ、表舞台に湧き出て来るんじゃねぇよウジ虫野郎!!」ゲシッゲシッ

一方通行「ぎァ……ッ!グッ……かふっ!!」

木原「止めたきゃ止めてみろよ……!テメェの大切なモン一つ一つご丁寧にブッ壊してやっからよおぉぉぉ!!?」

一方通行「……くくっ」

木原「あははあはぎゃは……は……はぁ?」ピタッ

一方通行「くく……ク、クククク……!」クスクス

木原「……何が可笑しいよマゾ太クン、木原センセーのデスコン喰らって頭沸いたか?」

一方通行「はァ……成る程ねェ、どォしてオマエの拳や蹴りが俺の反射の膜を突き破るのか疑問に思ってたンだが……」ゴロン

木原「あー、まさか俺が能力開発したとかホザくんじゃねぇだろーな?バカ言え、それはテメェらモルモットの仕事―――」


一方通行「つっっまンねェ手品だ、その膜に触れた瞬間に拳を引き戻してやがンだな……戻るベクトルを『反射』すれば自分に返って来る……だろ?」


木原「……なに?」

一方通行「俺にキメる為だけにシコシコ練習してやがったンだろォ?ソイツを想像したら思わず吹いちまってよォ……あはぎゃはっ!ギャグの腕上がったじゃねェかよ木原クン!?」

木原「テメェ……!」ビキビキッ

一方通行「プッ!」

木原「う……っ!?」ビチャッ
(眼に―――!!?)



…………ドゴンッッ!!!


木原「ぐがっ!!?」ミシッ…!

一方通行「木原神拳……てかァ?俺を研究し尽くしたオマエだけが成せるクソ技だ、褒めてやンよ……ま、ネタがバレちゃどォって事ねェがな」ペッ

木原「ぐ……この……っ!一方通行……ッ!!」ヨロッ
(見えてやがっただと……!?)


一方通行「残念だったなァ……悪りィが、今の一方通行は全盛期以上に 絶 好 調 だぜェェ!!?」


垣根「ははははっ!安心したぜ、そうこなくっちゃなぁ!!」

一方通行「とにかくオマエは今ので一回死亡だ、ク ソ 野 郎」ニヤリ

木原(能力使ってたら……爆散してたとでも言いてぇのかァ……!?)ギリッ

木原「つ、け、上がんじゃねぇって言ってんダロ……一方通行ァァアアアアアアアア!!!」


    ザザザザザザザザンッ!!!


猟犬「……」ザザッ

一方通行「あァン?尻尾ォ巻いて逃げンのかよ木原クン、どォせならここで決着付、け、よォぜ」チョイチョイ

木原「うるっせぇなぁ!?今俺が用あんのはテメェじゃねぇ……『残骸』だっっ!!」ガチャ

木原「……?」ガチャガチャ

木原「~~~~~ッッ!!?」ガチャガチャガチャ

木原「ああぁぁぁウゼぇなこのクソトランクぁ!?生意気にロック掛けてんじゃねぇよ!!」ジャカッ


    ダンッガンガンッッ!!


浜面「焦ってんなーあのオッサン」

滝壺「愉快だね」

一方通行「とにかくオマエは今ので一回死亡だ、ク ソ 野 郎」ニヤリ

木原(能力使ってたら……爆散してたとでも言いてぇのかァ……!?)ギリッ

木原「つ、け、上がんじゃねぇって言ってんダロ……一方通行ァァアアアアアアアア!!!」


    ザザザザザザザザンッ!!!


猟犬「……」ザザッ

一方通行「あァン?尻尾ォ巻いて逃げンのかよ木原クン、どォせならここで決着付、け、よォぜ」チョイチョイ

木原「うるっせぇなぁ!?今俺が用あんのはテメェじゃねぇ……『残骸』だっっ!!」ガチャ

木原「……?」ガチャガチャ

木原「~~~~~ッッ!!?」ガチャガチャガチャ

木原「ああぁぁぁウゼぇなこのクソトランクぁ!?生意気にロック掛けてんじゃねぇよ!!」ジャカッ


    ダンッガンガンッッ!!


浜面「焦ってんなーあのオッサン」

滝壺「愉快だね」

垣根(一方通行に『残骸』を破壊されるのはこちらとしてもマズイ、そしてこの包囲網だ、今は泳がせた方が……)

木原「ひゃははははっ!よ~く見曝せ一方通行ァ!!コイツが―――」ガチャッ

一方通行「……」

垣根「……」

麦野「……」

フレンダ「……」

浜面「……」

滝壺「……冷蔵庫?」

木原「……は?」クルッ


木原(―――何だコレは??)


垣根(アレが『残骸』……?いや、あの冷蔵庫は絹旗がさっき俺に投げつけた物―――)


  「あらあらァ皆さんお揃いで、何かお捜しかしら?」


浜面「な、何だ!?」キョロキョロ

フレンダ「み、見て!あの屋根に!?」ピシッ

一方通行「アイツ……ッ!!」ギリッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・



結標「アナタ達には悪いけど……『残骸』は私達『グループ』が頂くわね?」ニッコリ


垣根(あの女……窓のないビルへの案内人……!!?)

連投しちまったーご勘弁を

今日分終わりです

キャラいっぱい出てきて複雑だなー矛盾とかなければ良いけど……ではまたノシ

あえて前作を読んで復習してみるのも一つのプレイスタイルかもしれませんね



では今日分透過

浜面「―――ちょっと待てよ、アイツが腰掛けてるキャリーケースって……!?いつの間に奪ったんだ!?」

麦野「滝壺、気付いてた?」

滝壺「うぅん、急に反応が現れた……空間移動系能力者だよ、たぶん」


木原「あーあーあーあー」


猟犬「……ッ!」ビクッ

木原「あーあーあーあーあーっ!アレだアレ、アレ持ってこいアレェェ!!」

猟犬「ハ、ハイ!」ガサゴソ

猟犬「……どうぞ!」ササッ

木原「……」


…………ゴンッ!!


木原「遅っせーんだよこのノロマが!」パシッ

猟犬「ウゥ……」ヒリヒリ

浜面(酷でぇ、麦野より理不尽だ……)

木原「んじゃあ良い感じの肉片になって飛び散ってくれるよなぁぁ!?いいともーっ!!」ガショッ

フレンダ「ロ、ロケットランチャーって……!待ちなさいよ!『残骸』まで吹っ飛ばすつもり!?」

木原「耐衝措置くらい施してンだろォォ!!?発射(ファイア)アアァァァァァァ!!!」ガチッ


…………ボシュッ!!


結標「無~駄っ♪」ヒョイ


    ヒュンッ……バッガアアァァァァァァァン!!!


浜面「どわ―――っ!!?」

フレンダ「ひいぃぃぃぃぃ!!」

麦野「あのアマ……ウチらの車を盾にしやがって!!」

浜面「盗難車なんですけどねっ!?」




    バラバラバラバラ……バガンッ!!


結標「ちょっとー……、一〇〇〇kg以上の転移は疲れるんだから勘弁してよね」フゥ

木原「おーおーネェちゃんよぉー、ソイツはガキの玩具じゃねぇんだぜ?」

結標「よく吠えるワンちゃんね、何を考えて行動してるかは知らないけど……私を狙うのは筋違いではなくて?」

一方通行「木ィィ原ァ!アイツは俺のエモノなンだよ!!手ェ出してンじゃねェぞボケナスがァァ!!!」

木原「じゃかぁしゃぁぁああぁぁぁぁ!!!」

結標「あらら、私ったら人気者ね~……でもね、残念だわ一方通行くん」

一方通行「あァ?」


結標「アナタみたいな白髪ジジィには私、全っっっ然興味がないから♪」ニコニコ


一方通行「な……!?だ、誰がジジィだコルァァ!!?」


結標「いい?耳ん中かっぽじって良く聞きなさい……高校生なんて既にオイボレなのよっ!!」カカッ!


一方通行「ッ!?」

フレンダ「結局、ショタコンてわけよね」

浜面「引くわー、せっかく良い女なのに勿体ねぇ……」

垣根「……フン」ザッ…


    ドンッッ!!


結標「ッッ!!?」

垣根「テメェの性癖が何だろうが、今はそれ程重要じゃねぇ……だろ?」タッ

結標(跳んだ……!?速いっ!!)

垣根「『残骸』……貰うぞ」スッ

結標(ヤッバ……!!)タジ…



    ズバアアアァァァァァァァ!!!


垣根「うおぉぉっ!!?」サッ

結標「ひゃん!?」ドテッ

麦野「『グループ』のアンタ、そいつを持ってさっさと行きな」ヴヴヴンッ


    ドドドドドドドドドドゥッッ!!!


垣根「ウゼぇ……そんな乱れ撃ちが俺に当たると思ってんのかよ麦野ォォおおぉぉぉぉぉぉ!!?」

麦野「ヘタに動きゃ当たっちまうかもねェ?」ニヤッ


結標「あいたたた……じゃ、お言葉に甘えて……」スック


垣根「逃がすかよ……っ!!援護しやがれ一方通行ァァ!!!」

一方通行「俺に命令してンじゃねェぞ垣根ェェ!!」ヒュッ
(空を引き裂き……)



一方通行(大気のベクトルを……掌握するッッ!!)グッ!




    バオオォッッ!!!


フレンダ「わわっわっ!?」アタフタ

麦野「チイィ!邪魔してんじゃねぇよ第一位っ!!」ヴンッ…


    ッバシュウウゥゥゥゥゥゥ……!!


一方通行「ほォ~!すげェすげェ、『原子崩し』ってなァバリアも張れンだな……が」ニィッ


…………ブアァッ!!


麦野(クッ、巻き上げられた粉塵で何も見えねぇ……だが!!)

麦野「一旦退くよ!浜面は何とかして絹旗を回収!!」

浜面「相変わらず無茶をおっしゃる!!」

麦野「……ふーん」ガシッ

浜面「ひっ!?」ビクッ


麦野「素直に従うか、逆らって顔面吹っ飛ばすか……どっちが良い?」ニッコリ


浜面「ハ……ハハッ!!負け犬上等ォおおおおおおおォォう!!!」

結標「うひゃー、流石はLv5……まるで戦争ね」タタタ

垣根「はっ、余所見ですかぁお姉サーン!?」ダッ!

結標「さっきは面食らっちゃったけど……速さで私に敵うのかしら?」スッ

垣根「……げっ!?」ヒュンッ


…………ズドオオォォォッッ!!!


結標「地球とキスしてなさい、第二位の垣根くん♪」

一方通行「何やってンだァていとくン、テメェから地面に突撃しやがって」ザッザッ


垣根「……ムカついた」ムクッ
(流石にやりやがる……手ェ抜いてる場合じゃねぇな)


結標「さっきも同じようなのがいたけど……風紀委員が私達の世界にまでしゃしゃり出て来るなって言ってるのよ」

一方通行「学園都市の闇……か、そこの馬鹿はともかくとして……今更『樹形図の設計者』を修復して何に使うつもりだァ?」


木原「……」


結標「別に……私達はただ命令に従って行動しているだけよ?まぁ私も個人的に導き出したい答えもあるんだけど」

一方通行「……ソイツをこっちに渡せ」

結標「そんなに『残骸』を組み直されるのが怖いのかしら?あの実験の悲劇が繰り返されてしまうから?」

一方通行「……!」ピクッ

垣根(『実験』……『妹達』……)

結標「『どォしてそれを知ってやがる?』って顔してるわね……私はあの人の近くにずっといた、だからこの街の内情については少しばかり知識があるの」

一方通行「チッ、どいっつもこいっつも……構わねェ、だったら俺がまとめてブッ壊してやるまでだ」

結標「そ、アナタに私が捕まえられるのならね?風紀委員の一方通―――」


    ヒュガッッ!!


結標「い゛ぃっ!!?」ズキッ!

垣根「ッ!?」

一方通行「ンだァ……?」

結標「痛ッ……!?肩が……っ!」ズキズキ
(このナイフ……!?まさか―――)


    ヒュンッ


黒子「これはこれは……お久しぶりですわねぇ結標淡希さん?」シュタッ


結標「ふふ……ふ、白井……さん、まさか追って来るなんてね……」

黒子「フン、我々ジャッジメントがアナタのような危険人物を見過ごすわけには い か な く て よ」

結標「だったら今の一撃で確実に私を殺しておくべきだったわね……アナタが個人的に邪魔をするってなら容赦しないわよ?」
(集中……集中―――!)

黒子「……殺す?何を言ってますのよ、私は風紀委―――」


    ヒュンッ


黒子「……あら、逃げられましたわね……初春、追いますわよ」ピピッ

垣根「白、井……?」

一方通行「ババァ……!?」

黒子「―――アラ?そちらにいらっしゃるのはセロリさんにていとさん……」ザッ


…………ヒュンッ


黒子「まったく……セロリさん、言いましたわよね?あのブタ野郎は私がこの手で仕留めると」シュタッ

一方通行「チッ、そのボロボロな身体でやれンのかァ?俺ァ心配してやってンだぜェ!?」

黒子「しつこいですわね……大丈夫と言っているでしょう?ですからアナタ方は打ち止めちゃんの捜索に回って頂けるかしら?」

一方通行「打ち止めァ……?どォいう事だ?」

黒子「聞いてませんの?あの子、迷子になっちゃったみたいですのよ……」

一方通行(手間ァ取らせやがってあのガキ……)

黒子「ところで……そちらの完全武装の方々はどちら様で?警備員ではないですわよねぇ?」

一方通行「……こっちはこっちで色々あンだよ、気にすンな」

垣根「……」ジロジロ

黒子「……何ですの?」

垣根「……白井、やっぱお前じゃダメだわ」フゥ

黒子「な、何がですのよっ!?」

垣根「強がってんじゃねぇよ」ポンッ

黒子「ぃぎ……ッ!?」ズキッ

垣根「ホレ見ろ、本当は立ってるだけでもギリギリだろうが」

黒子「ぐっ……」

垣根「誇りと死を天秤にかけるな、感傷的だが現実的じゃねぇんだよ」

黒子「し、しかし……空間移動系能力者を追えるのは同じ能力者の私だけですのっ!」

垣根(コイツ……)イラッ

一方通行「行かせてやれや垣根ェ……その熱血には何を言っても無駄だろォよ」

黒子「信じてくださいましよ、我々は仲間なのですから」ニッコリ

垣根「へぇ……そうかい、だったら好きにしろ」

黒子「では、後ほど……」ヒュンッ

垣根「……チ」

一方通行「ババァはあれでも結構強えェよ、まァ俺程じゃねェがな」

垣根「いやーマジでわかってねぇわテメェら……戦場じゃあアイツみてぇな自分の力量も計れねぇ身の程知らずが真っ先に死んじまうってのを知らねぇのか?」

一方通行「……」

垣根「テメェらが今までどんな不良を相手にしてきたかは知らねぇよ……だがな、テメェらが今敵に回してんのは学園都市の闇だ、目的の為なら悪人だろうが善人だろうが関係なく殺すようなヤツらなんだよ」


一方通行「……死なせねェよ」


垣根「……なに?」

一方通行「言っただろォが、俺の仲間は俺が守る……その為にはまずコイツらだな、くだらねェ事はさっさと終わらせるに限る」

垣根「ははは、コイツぁたまげた……間違いねぇな、完全に平和ボケしてやがる」

一方通行「あァ、その平和を守ンのが俺達ジャッジメントだからなァ」

垣根(……付き合ってらんねー)

木原「チッ……追うぞ、班を三つに分けろ」

猟犬「ハ!」


    ザザザザザザザザッ!!!


木原「……わかってるな、片方は殺しても構わねぇが白髪のガキは生きたまま連れて来い」ザッザッ

猟犬「クッ……」ジャカッ
(出来るわけねぇだろ!!)

一方通行「ぎゃは、みすみす逃がすと思ってンのかァ?木ィィは―――」ザッ


…………バヂッ!!


一方通行「……なに?」


    バチバヂバチバリバリバリィィッッ!!!


一方通行「ッ!?」

垣根(落雷……!?いや、コイツは―――)


    ブシュウウウゥゥゥ……!!


番外個体「……やっほぅ♪殺しに来たよ、第一位」バチバチッ


垣根(能力者……新手か!)チッ

一方通行(な、何だ……この感覚は……!?)ゾワッ

木原「コラ番外個体(ミサカワースト)、勝手に出て来るんじゃねーよ」

番外個体「意地悪だねぇ木原サン、ミサカもコイツを殺したくて ウ ズ ウ ズ してるのに……ぎゃははっ!」

一方通行「ミサカ……だと……?」

番外個体「そうだよー一方通行、このマスクの下の顔に見覚えはあるよねぇ?」パカッ

一方通行「ミサカ―――『妹達』……っ!!?」

番外個体「せ、い、か、い♪」ジャラッ

垣根(鉄釘……?)

番外個体「も一度言うね」バチバチバチッ…!


…………ッパアアァァン!!!


一方通行「―――ッッ!?」ビクッ


番外個体「殺しに来たってねぇぇ……!!一方通行ァァああぁぁぁぁはははははっっははははアハハははぃひゃっひゃっひゃ!!!」


一方通行「チ……!」ツー…
(頬を掠めるよォに、わざと外しやがった……)

垣根(今のは超電磁砲……いや、使用電力や加速度からして磁力狙撃砲に近い……)

一方通行(―――遊ンでやがるのかァ……ッ!?)ギリッ

番外個体「優しいねェ一方通行、さっさと『反射』を発動してミサカに風穴空けりゃ楽なのにさ」ニタニタ

一方通行「……」

番外個体「ぎはっ♪出来ないよねぇ?何せアナタは―――」

木原「おいィ?そのガキィ殺すのは後っつってんだろ……培養器に詰め直されてぇか?」

番外個体「……挨拶代わりだよぉー木原サン、コイツには肉体的にも精神的にも、もっともっと苦しんでもらわないとミサカも困るんだしさ」クルッ

一方通行「待て……待てよ……っ!何モンだ……説明しろよ!!」

木原「答えは簡単だ、テメェを殺す為だけに俺が生み出した……行くぞ」ザッ

一方通行「っ……!!」ピキッ


番外個体「だから逃げ回ってよ、無様に命乞いしてよ、最低でも一万倍は人権を踏みにじらないと帳尻が合わないんだからさぁ」ザッザッ


一方通行(―――何でだよ……!!どォして……今更『妹達』が……!?)

垣根「まぁ……何だ、テメェも結構恨まれてんのな」
(ミサカ……あのチビガキに似てたが……気のせいか?)

一方通行「うるせェ……」

垣根「はっ、情っさけねェ野郎だなぁ!?それでも第一位かよ!!?」

一方通行「あァ……!返す言葉が見当たらねェよクソッタレ!!」


猟犬「……クソッ、何でこんな事に……」


垣根「退けコラ、木原の飼い犬が……誰を相手にしてっかわかってんのかぁ?」ギロッ

猟犬「うるさい……!やらないと俺達が木原さんに殺されちまうんだよォォ!!」

一方通行「……だろォな、木原数多はそォいう男だ……オマエらの事なンざ人間とも思ってねェだろォよ」

垣根「知ってるかー、一方通行」

一方通行「何がだよ?」

垣根「コイツらは『猟犬部隊』っつってな……生きてるよりか死んだ方がマシみてぇなどうしようもねぇクズばかりを集めたクソ部隊だ、木原数多はそのリーダーだな」

一方通行「……それがどォした?」

垣根「クズってのはいくらでも勝手に堕ちて来るもんでよ……元警備員もいれば、以前テメェがブッ潰したスキルアウトもこん中に混じってるかもしんねぇな?」ニッ

一方通行(何でそンな情報持ってンだよコイツ……)

垣根「つまりテメェにブチのめされて暗部入りしちまった野郎も少なからずいるってこった、さっき金髪でジャージの男も倒れてたろ?どうやらアイツも同じ境遇らしい」ククッ

一方通行「……」

垣根「ま、別にテメェが気にする必要はねぇよ、暴力を以て暴力を征すってのも悪かねぇと思う……実際そこまでしないといけねぇくらいに学園都市は世紀末状態なわけだしな」


一方通行「だったら……闇の底から引き摺り出してやるまでだ……」ボソッ
(相手が『妹達』だろォが……俺は……!)


垣根「ん?」

一方通行「オーケー垣根ェ、オマエは手ェ出すな」ザッ

猟犬「ッ!?」ビクッ

一方通行「オマエらは運がイイ、ここで収容所送りにでもされてりゃ木原の馬鹿にも殺されずに済むンじゃねェか?」

垣根(『スクール』程じゃねぇが『アイテム』もほぼ壊滅……後は『グループ』に『猟犬部隊』、そして『風紀委員』……これら組織の『残骸』争奪戦……)

一方通行「お片付けだ、十秒で終わらせてやる」ニタァッ

垣根(面白くなってきやがった……存分に掻き回してやろうじゃねぇか、アレイスター!!)

終わりですー

何か 第一章、完 みたいな終わり方だけどまだまだ続くよ!

決まってんだろうが。「インデックスは魔法を使えない」なんて、教会が嘘ついてやがっただけだろうが。
ああそうだよ、「インデックスは一年置きに記憶を消さなきゃ助からない」ってのも大嘘だ!
コイツの頭は教会の魔術に圧迫されてただけなんだ。つまりソイツを打ち消しちまえば
もうインデックスの記憶を消す必要なんかどこにもなくなっちまうんだよ!!冷静に考えてみろ。禁書目録なんて残酷なシステム作りやがった連中が、
テメェら下っ端に心優しく真実を全部話すと思ってんのか!
何ならインデックス本人に聞いてみりゃいいだろうが! とりあえず、だぁ?ふざけやがって
そんなつまんねえ事はどうでもいいたった一つだけ答えろ、魔術師!
テメェはインデックスを助けたくないのかよ? てめぇらずっと待ってたんだろ!?
インデックスの記憶を消さなくてもすむ、インデックスの敵にまわらなくてもすむ・・・
そんな誰もが笑って、誰もが望む最高なハッピーエンドってやつを。
今まで待ち焦がれてたんだろ?こんな展開を・・・
何のためにここまで歯を食いしばってきたんだ!?
てめぇのその手でたった一人の女の子を助けてみせるって誓ったんじゃねえのかよ?
お前らだって主人公の方がいいだろ!?
脇役なんかで満足してんじゃねえ、命を懸けてたった一人の女の子を守りてぇんじゃないのかよ!?
だったら、それは全然終わってねぇ、始まってすらいねぇ・・・ちょっとくらい長いプロローグで
絶望してんじゃねぇよ!手を伸ばせば届くんだ!いい加減に始めようぜ、魔術師!!








―――では投下します




浜面「ぜはー、ぜはぁー……ちょっ……待てって……いや待ってくださいお願いします!」ヨロヨロ

麦野「遅いよ浜面、大の男がだらしない」グイグイ

滝壺「頑張ってはまづら、私はそんなヘタレなはまづらを応援してる」ズリズリ

浜面「シャラアァッップ!!!」

滝壺「」

浜面「俺はフレンダと絹旗を担いで走り回ってんだ!それに対してお前らは何だ!?っつーか滝壺をキャリーバッグみたいに引き摺るなっつの!!」

フレンダ「ダメだよ皆ぁ~!もっと遠くに逃げないと殺されちゃうよ~!」メソメソ

浜面「……」ポイッ

フレンダ「あ痛いっ!?」ベシャッ

フレンダ「こっ、この馬鹿投げるなっ!こっちはメチャクチャに踏みつけられて腰が限界を迎えてるわけよ!?」プンプン

浜面「うるせぇ!あの戦場から生きて帰れただけでも神様に感謝しやってんだ!!」

フレンダ「あぁそうなのよね、何だかんだで結局生き延びれたわけよ……これも日頃の行いよね……ナンマイダー」ナム

麦野「はーまづらぁ」

浜面「はいぃっ!?」

麦野「アンタ何戻って来ちゃってんの?何か忘れ物でもしたわけ??まさかとは思うけど本当に垣根を倒せると思ってた程アホじゃないよね???」ズイッ

浜面「そ、それは……!」タジ…

麦野「同業者の『グループ』が来てくれたから良かったものを……あのままなら確実に『残骸』は奪われてたよね?もしそうだったらどう責任取るつもり?あ、責任以前にあのまま垣根に銃殺されてたか」アハハ

浜面「ち、違う!俺は来いって言われたから命令通り来ただけだ!一方通行から逃げ切るだけの簡単なお仕事ですって言われたから……」ワタワタ

麦野「ん……誰に?制御役から?」

浜面「……」チラッ

フレンダ「ギクッ!?」

麦野「……ふーん」

フレンダ「……」ダラダラダラ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


麦野「フ、レ、ン、ダぁ~?」

フレンダ「ひゃい!?」ビクッ

麦野「殺されかけたからって垣根に情報売ろうとするわ、風紀委員である一方通行を敵に回すわ……オシオキ程度じゃ済まされないのはわかってる?」ツカツカ

フレンダ(結局殺される!?)

麦野「ちょーっと、頭のネジが弛んでるみたいだね」ガシッ

フレンダ「むむむむむ麦野っ!?一体何を―――!」


麦野「締 め 直 し て 欲しい?」グッ


フレンダ「」


…………ゴキュッ!!


麦野「……さてと、『アイテム』のこれからだけど……」パンパン

フレンダ「ブクブクブク……」ガクガクッ

浜面「アーメンソーメン生ラーメン」

滝壺「南無大師遍照金剛……」ナムナム

麦野「ホラそこ、水でもぶっかけてさっさと叩き起こしなさい」

絹旗「に……ちゃ……」グッタリ

麦野(……こっちはもう使い物にならないか)チッ


    ンデンデンデー♪


麦野「むっ」ゴソゴソ
(アイツか……)



    ウェルカムネコマネキー♪


麦野(調子に乗っちゃダメ~♪)ピッ

麦野「……何よ今更、私ら今忙しいから後にしてくんない?」


    『ここここいつときたらーっ!!いつまで経っても「残骸」が搬入されて来ないらしいんだけどどういう了見よ!?まさか失敗したとか言うんじゃないでしょうねーっ!!?』


浜面「『アイテム』の制御役かぁ……」

滝壺「けたたましいね」

麦野「多分大丈夫よ、『グループ』の構成員が持ってったから」

    『多分って何よこいつときたら!「スクール」が既に学園都市を裏切ってるってのに他の組織も信用出来るとは断言できないでしょーっ!?』

麦野「それだけど……もしかして『猟犬部隊』も裏切ってんじゃないの?何か『残骸』運んでたヤツを襲おうとしてたらしいけど」チラッ

浜面「んだんだ」コクコク

    『アイツらは何せアレイスターの直轄だからね、私達には分かんないわ』

麦野「ちょっ、何よそれ……巻き込まれるとか堪んないっつーの」イライラ

    『はぁー……まぁ良いわ、もし裏切ってたらアンタらに狩らせれば良い話だし……それで「スクール」の残党はどうなのよ?アンタらが生きてるって事はオーダーはクリアしたってのでオッケーかしらん?』

麦野「ん、悔しいけどあっさり戦闘不能にされちゃった」テヘッ


    『また失敗かこいつらときたらあぁぁッッ!!!』


麦野「やっかましいなクソ馬鹿!そして一体どういう事よ!?『スクール』のリーダー垣根帝督、アイツは少なからずウチらの情報を持っていた!!機密レベルは『アイテム』や『グループ』と同等じゃなかったの!?」

    『だって「スクール」の制御役が殺されちゃってたんだもん、こいつときたらっ』クスン

麦野「なん……だと……」

    『こっちのデータの漏洩は何とか途中で防げたけど……あっちは綺麗サッパリ抹消されてる、心理定規とも連絡取れないし本当にこのままじゃヤバいんだってば!』メソメソ

麦野(制御役が殺された……って全然制御仕切れてないじゃねぇか使えねぇ!!)ギリッ

    『―――っつかアンタ、「スクール」の正規の狙撃手ブッ殺したから親船最中の暗殺はないって言ったよね?「アイテム」を配備する程じゃないって言ったよね?こいつときたら!何とか現場の風紀委員と「グループ」が阻止したらしいけど怒られるの誰だか分かってんのー!?』

麦野「心理定規の情報を鵜呑みにしたテメーにも責任はあるだろうが!?」

    『うわーん!うるさいうるさいこいつときたらー!!』

麦野(本当にこんなのが制御役で良いのか……)

フレンダ「う、う~ん……」ムクリ

滝壺「……フレンダ、歪んだ顔してるね」

フレンダ「どういう意味よ!?」

滝壺「頭の角度がおかしい」

フレンダ「え、嘘っ!?治して治して!」

滝壺「うん」ガシッ


…………グリュッ!


浜面「Wow!」

    『とにかく次のオーダーよ、アンタらは「グループ」の援護に回って!「残骸」を「スクール」や、世にも奇妙な「猟犬部隊」に奪われるのだけは何としても阻止―――』

麦野「悪いそれ無理だわ」

    『キーッ!何よそれどーなってんのよーっ!?』

麦野「何故なら、これからその『残骸』を奪おうとするクソ野郎共を皆殺しにするからです」

浜面「えっ」

    『……意味一緒じゃね?』

麦野「結果的にはそうかもね」

    『まぁ良いわ……でもそれ、しくじると同時に人生も終わる位の危機感持って行動しなさいよ』

麦野「え?」

    『今まで積みに積もった失態の数々……アンタら全員クビって意味よこいつときたら!言わせんな恥ずかしい////』

麦野「ちょまっ!!?フザけん……」

    『じゃ、そうならないように頑張りなさいな♪』プチッ


    ツー、ツー、ツー……


麦野「……クソがッッ!!」

浜面「な、なぁ……」

麦野「……なによ?」

浜面「まさかとは思うが……アイツらとまた闘うつもりなのか?」

麦野「そうだね」

浜面「そうだねってお前……っ!」

麦野「―――滝壺」

滝壺「?」

麦野「あのホモヤロー共に逆襲開始よ、死んでも結果を出してもらうんだから」

滝壺「うん」ゴソゴソ

浜面「おい聞けよ!!」

麦野「うるさい」

滝壺「検索対象は『未元物質』で良い?」パサパサ

麦野「そうね、一方通行の能力使用モードってのは一五分しか持たないらしいし……できるだけ搾り取ってから狙うとしますか」

フレンダ「えぇっ!?ど、どうして一方通行まで……!?」

麦野「あのハゲは『残骸』を破壊しようとしてるわけでしょ?だから私はわざわざこう言ったのよ、『「残骸」を狙うヤツらを 皆 殺 し にする』ってね……これで風紀委員を殺しても問題ナッシン♪」

浜面「何考えてんだよ……勝てるわけねぇだろ!?現にお前だって手も足も出なかったじゃねぇか!!」

麦野「ゴチャゴチャ騒ぐなよ童貞、闘うのはアンタじゃないんだからさ」

浜面「お前達の心配してやってんだろぉ!?主力の絹旗なんてマトモに動け―――!!」

麦野「しつっけぇな……うるさいっつってんだろ、なァ?」グイッ

浜面「……ッ」

麦野「まだスキルアウトみたいな仲良し感覚とごっちゃになってるのかなァ……ついさっきアンタ以外の下部組織の連中が目の前で殺されたの忘れちゃった?―――……遊びでやってんじゃないんだよーぅ?」ギロッ

浜面「……!!」ゾワッ

フレンダ「お、落ち着いてよ麦野っ!ね?……ね?」ワタワタ

麦野「……フン、分かったらさっさとアシとシャケ弁見つけてきな」パッ

浜面(こ、怖えぇ~……!)ゲホゲホ

麦野「どうせやるしかないのよ、もう後には引けないんだしさ」

フレンダ「えっ……?」

麦野「終わりだって、『残骸』を奪われたらもう終わり、ここには居られなくなる」

滝壺「……!」ピクッ

麦野「仮に生き延びれたとしても表舞台に居場所なんて無いんだし、アンタ達だってバニー服とか着せられて身体売る生活なんてしたくないでしょ?」

滝壺「やだ……」

フレンダ「結局、一生闇に食い潰される運命なのよね……」ショボン

浜面(バニー服かぁ……良いかも)ボケー

麦野「アンタ達は私みたいにLv5じゃないんだから研究所にも拾ってもらえないだろうし……頑張りなさい、失敗したらジ・エンドにゃん♪」

フレンダ「うぅ……」

滝壺「ん……」ペロッ

浜面(でも……やっぱりおかしいだろ、こんなのアリかよ……)

―――第七学区 地下街


打ち止め「む~、お姉ちゃん達とはぐれちゃったかもってミサカはミサカは現在の状況を確認してみたり」トテトテ

打ち止め「あっ、コレは決して迷子じゃないんだからねってミサカはミサカは釘を刺してみる」ビシッ

打ち止め「―――って強がってみたけど、あの人に会う前みたいでやっぱり一人は不安なのってミサカはミサカは……」グスッ

打ち止め(助けて固法お姉ちゃ~ん!初春のお姉ちゃ~ん!!でも白井のお姉ちゃんはヤダ~!!!)メソメソ


打ち止め「……むむっ!?」ビビッ


打ち止め「うーん、あの人があっちにいる感じがするってミサカはミサカはミサカアンテナからの情報に足を運ばせてみるんだけど……」トテトテ


鋼盾「はががが……!だ、誰か風紀委員を~~~~~~~!!!」ジタバタ


打ち止め「あっ」

不良「暴れんじゃねぇよこのトド野郎、早く金を出さねぇか!?」ゲシッゲシッ

不良「最凶の風紀委員が飛んで来ちまうだろぉ!?このご時世はスピードが大事なんだよ!!」

鋼盾「助けてくれよ僕のヒーロー!!!」


    オマエタスケロヨー

    ムリムリー


打ち止め「あやや~、あんなのってまだ絶滅してなかったんだ……でも都合良くあの人が来てくれるわけないし……!」オロオロ

不良「……よし、あったぜ!」ゴソゴソ

不良「ッッシャアァァ!!急げ!」ザッ


打ち止め「まままま待ちなさい!ってミサカはミサカは腰に手を当ててビシッと大声出してみる!!」ドーン!!


不良「……は?」ピタッ

鋼盾「キタ!風紀委員キ……タと思ったらそんな事なかったー!!?」

不良「んだよ?この可愛いお嬢ちゃんは……」


打ち止め「……ふ」プルプル


打ち止め「ふっっふーんだ!ミサカの保護者は風紀委員なんだもん!それもさっきアナタ達が言ってた最凶の風紀委員、一方通行!!だからアナタ達なんて全然怖くないんだから!!!ってミサカはミサカは虎の威を借りてみたり」フンス

不良「……」

不良「……フーン」シレー

打ち止め「あぁっ!その眼は信じてないよね!?本当だもん!風紀委員だけじゃなくて警備員も自宅警備員も一万人以上のミサカも各種取り揃えてるもん!!ミサカは嘘ついてないもーんってミサカはミサカは必死に弁明してみたりーっ!!!」ワタワタ

不良「おぉーソイツは恐ろしい……つまり嬢ちゃんよぉ、てめぇを痛めつけりゃあアイツの悔しがる顔が見れるってわけだよな?」ザッ

打ち止め「ほぇっ?」

不良「どうなんだ、えぇ?」

打ち止め「え、え~と……あの人はミサカが大好きだから、その場合仕返しがとんでもない事になっちゃうかもってミサカはミサカは……あ、他にも変態空間移動系能力者もいるしってミサカは更に後押ししてみるんだけど……」タジタジ

不良「そうか……まぁそれが本当の話ならなぁぁ!!?」

不良「ヒャッハー!汚物は消毒だー!!」

打ち止め「ひーっ!?逆効果ぁーっ!!!」ワタワタ


    「……オイ待ちな、何をやってる」


不良「「へっ?」」

鋼盾「あぁっ!?」

打ち止め「ま、まさか……!!?」クルッ


削板「大の男二人がかりでこんな小っせぇお嬢ちゃんをなぁ……スゲェなお前ら、とんでもぇ根性無しだ」ザッザッ


打ち止め(一方―――じゃなかった!!誰っ!!?)

不良「―――何だてめぇは?」ギロリ

不良「オ、オイ!?右腕見てみろ!」ボソッ

鋼盾(あ、あの腕章は……っ!!)

削板「貴様ら小悪党に名乗る名などは持ち合わせていない……と、言いたい所だがッッ!!」シュババッ


    ドドドドドドドンッ!!!


削板「ここは第七七七支部の新人ジャッジメント、削板軍覇と言わせて貰おう!貴様らの腐り切った根性……この俺が入れ直してやるゥッ!!」ビシッ


打ち止め「ジャッジメントぉ~~~~~~~!!!」パアァァ

鋼盾(後ろから色とりどりな爆粉だとっ!?コイツ……出来る!!)

また新キャラ出てきちゃったよ……てなわけで今日分終わりです

明日は来れないかも……?ゴメンね

削板さんって学校行ってるのだろうか

まさかあれが制服なのだろうか




チッ、うっせーな……投下してまァ~す

不良「チイィ!この馬鹿どうする!?」

不良「落ちけつ!今あの白ランは新人っつったろ?つまりは……」ニヤッ

不良「ただの下っ端風紀委員って事かァ!!」ダッ!

不良「二対一だ!大人しくくたばりやが―――!」


    ズダンッッ!!!


削板「―――覇ッッ!!!」ドウッ!


    ブオオァァアアアアアッッ!!!


不良「「お……おおォォぉぉぉぉぉぉぉ―――!!?」」ブアァッ


…………バガラッシャアアァァァァン!!!


削板「……足りねぇなぁ、根性が全然足りてねぇ、わざわざ拳を振るうまでもないとはどういう事だ?」


不良「「は……が……」」ピクピクッ


打ち止め「ひ、ひえぇ~っ!ってミサカはミサカは口を開けて驚愕してみる……」ポカーン

削板「気絶されちまったら根性入れ直せないな、一昨日来やがれスットコドッコイ」

鋼盾「な、何だそれ……アホすぎる……!何なんだ今の衝撃破は……!?」ゴクリ

削板「己の周囲に不安定な波を発生させ、それを一気に四散させる……その名も新技、すごいフィールド!!」ガハハ

鋼盾(最初の踏み込みで床が砕けている……このパワーは……!?)

削板「嬢ちゃんにそこの肉ダルマよ、ケガはねぇか?」

打ち止め「すっごーい!ありがとうお兄ちゃんってミサカはミサカは感謝の気持ちを現してみたり!」ペコリ

鋼盾(肉ダルマ……)ヒクッ

削板「たった一人でヤンキーに立ち向かうたぁ大した根性だな!」ニカッ

打ち止め「えへへ、誉められちゃったかもってミサカはミサカは頬を染めてみたり」テレテレ

店主「……」ツンツン

削板「ん?」クルッ

店主「コレ、破壊した店の修理代ね」ペラッ

削板「どれどれ、ヒーフーミー……ヨー……」


削板「……」パクパク

打ち止め「わぁ、ゼロがいっぱいだぁ」

削板「ぬ……!」プルプル

鋼盾「ぬ?」

削板「ぬがあーっ!!」ビリビリバリ

店主「なっ!!?」


削板「すごいエスケープ」スタコラサッサ


打ち止め「あぁっ!待ってよ~!!」トテトテ

店主「逃げやがった!!?だ、誰かその風紀委員を捕まえてー!!」

鋼盾(何だったんだ……)

―――第七学区 とある街角


固法「ふっふふん♪ふっふふん♪ふっふっふ~ん♪」テクテク

初春「はうぅ……」ガタガタ


    ンデ…♪


初春「!!」ビクッ


    ンデンデー♪(ニャア)ニャーンデ♪


固法「むふー、キタキタ♪」ピッ

初春(白井さんらめぇええぇぇぇぇぇぇ!!!)

黒子『初春ーっ、次は何処に行けばよろしいんですの?』

固法「そうねー、まずは私のトコまで戻って来てくれる?このバカチン」

黒子『―――って!せ、先輩!?何故に初春のケータイに……!!?』

固法「あらぁ、いちいち説明が必要かしら?」ニコニコ

初春(そ、相当怒ってますよーっ!!)ヒーッ!

黒子『ぐぐ……!』

固法「犯人、追ってるんだって?それも大ケガしてるにも関わらず」

黒子『申し訳ありませんの……私の責任ですの』

固法「責めるつもりは毛程も無いわ、私が怒ってるのは今の白井さんの行動よ」

黒子『しかし……』

固法「また独断専行?前もこんな事あったわよね……自分の力量も考えずに突っ込んで、沢山の人に迷惑かけて」

黒子『……』

初春(……白井さんが悪いんですからねー)

固法「今回も一時の感情に流されて追いかけ回してるんでしょうけど……もしかしてアレから何も学んでないのかしら?」

黒子『し、しかし結標を追えるのは……!』

固法「そうね、確かに空間移動系能力者なら警備員の包囲網さえ簡単に突破できるかもしれない」

黒子『ですから―――』

固法「無理ね……今の白井さんでは彼女を捕らえるのは不可能よ、勝る要素が一つも無いんだから返り討ちが関の山とは思わない?」

黒子『……』

初春「ふえぇ……」オドオド

固法「黙らないの、何とか言ってみなさい」


黒子『……「己の信念に従い、正しいと感じた行動を取るべし」』


初春「ッ!」

黒子『この言葉を私に教えて下さったのは他でもない……固法先輩、アナタではありませんの』

初春「はわわ……!」

黒子『私はジャッジメントの白井黒子ですの、身を呈して街の人々を守るのが我々の役割でしょう!?」

固法「……」

黒子「例え先輩に何を言われようと……ここで退くわけには参りませんの!!』

固法「……えぇ、その通りよ白井さん」

黒子『……』

黒子『……はい?』

固法「ゴメンなさいね、試すようなマネしちゃって」ニコッ

初春「???」

黒子『ま、まったく……お人が悪いですわよぉ……』ホッ

固法「また熱くなって周りが見えてないかもって心配だったんだもん……でも、その調子なら大丈夫かな?」

黒子『セロリさんのような危なっかしい方が下に入って来て、私も先輩の今までの苦労を知りましたもの』

固法「……そっか、やっぱり一通くんと白井さんを組ませたのは間違いじゃなかったみたいね♪」

黒子『はいデスノー』

初春「ほぇ~、『人のフリ見て我がフリ直せ』って言いますもんね、先輩ってばそこまで考えて……」

黒子「先輩、警備員は……」

固法「ん、何故かは知らないけど……警備員はこの事件には消極的なのよね、取り入ってくれたのは区間道路の閉鎖程度」

黒子『やはり……』

固法「まぁ何が起こっているにしろ……警備員が動けないのなら、私達―――」

黒子『風紀委員が動くまで、ですの♪』

初春「はいです!」

固法「ちなみに……こっちも結標さんについて面白い情報を手に入れたのよ?」フフッ

初春「私が見つけたんですよー!」

黒子『情報……?』






    ドッッッッッッッ!!!!


猟犬「ヤラレマシター」バタリ

一方通行「……さてどォする?木原を追うにしてもアテがねェ」ポリポリ

垣根「んー?」ゴソゴソ

一方通行「なァにコイツらの服漁ってンだァ?オマエやっぱりホ―――」

垣根「知ってるか?『猟犬部隊』ってのは女もいるんだぜ……お、コイツかな」ヒョイ

一方通行「ンだァ?その拳銃みてェなマイクみてェな……」

垣根「何だと思う?」ニヤニヤ

一方通行「チッ……オイ」

猟犬「ッ!?」ビクッ

一方通行「わざわざ一人だけ残してやった意味は分かンだろ、説明しろ」

猟犬「……」

垣根「おっ、黙り利かすつもりだぜコイツ」

一方通行「その小っせェ脳ミソで良く考えろボケ、俺達と木原……どちらに付けばオマエはより長く生きられるのかをな」

猟犬「グ……」

垣根「俺達を殺せなかった時点でテメェらの死刑は確定してんだろ、くだらねぇ事に時間を食わすな」

一方通行「死ぬか生きるか……オマエが選べよ」

猟犬「……」

猟犬「―――……そ、それは『嗅覚センサー』……対象の匂いを記憶して追跡する為の小道具だ」

一方通行「……ほォー、要は警察犬の機械化か」

垣根「コイツで標的に近づき、重武装でさっさと殺すのが『猟犬部隊』のやり方ってわけだな」

一方通行「気に食わねェな、必ず奇襲される側に回っちまうってなァ好ましくねェ」

垣根「木原はさっきの女の血をアテに追跡してるハズだ……どうする、白井お嬢様のピンチだぜ?」

一方通行「心配ねェよ、アイツらは空間移動系能力者……点から点への移動なら嗅覚センサーで追うにしても難航するハズだ」

垣根「ふんふん」
(やっぱそう考えるか……)

一方通行「それならコイツを利用して逆に奇襲してやるってのもイイが……まァ木原の事だ、そン位は想定して匂いを消す対策はしてンだろ」

垣根「そうなのか?」

猟犬「あ、あぁ……匂いを消す洗浄剤ってのがある」

一方通行「オマエはソレを持ってンのか?」

猟犬「いいや、足跡を追う係と消す係は分業だ……持ってない」

一方通行「チィ……抜かりねェな、あのインテリヤローは」

垣根「テメェらの移動手段は?」

猟犬「此処に来るまでは黒のワンボックスだった……が、パレードの準備やら親船暗殺未遂やらで交通規制が酷い、車両での移動は無いかもしれない」

一方通行「……いンや、木原にそンなモンは関係ねェ……その気になりゃブルドーザーで爆笑しながら渋滞を無双しかねないよォなイカレたクレイジー野郎だ」

垣根「だったらどうする?嗅覚センサーでは木原も白井も追えやしねぇぞ」

一方通行「まさか馬鹿みてェにあの大人数で一人を追跡するわけじゃねェだろ……野郎の目的は『残骸』だけじゃねェ、俺を如何に苦しめて殺すかで頭ン中いっぱいだろォよ……っつー事ァ―――」

猟犬「な、なぁ……」

一方通行「……あン?」

猟犬「ほ、本当に大丈夫なんだろうな?アンタ達を信じても良いんだよな?」

一方通行「チッ、ごッちゃごちゃやかましい野郎だなァ」

猟犬「嫌だ、死にたくない……」

垣根「……ッ」イラッ

猟犬「死にたくない……死にたくない!死にたくないんだよ!!だから助けろよ!!!アンタ達は街の人間を守る風紀委員だろうがよ!!?」

垣根「……オイ、何言ってやがんだテメェ」グイッ

猟犬「ひっ……!?」

垣根「闇の世界に浸っておいてテメェの口から『死にたくない』だの表の組織に『助けてくれ』だの……」

猟犬「うっ、うぅぅ……!」

垣根「寝言を言ってんじゃねェぞボケが、テメェはそうやって命乞いしたヤツらを何人も殺して来たハズだ、そんな人殺しにまだ救いの道が用意されてると思ってやがんのか、あぁ?」

一方通行「……」

猟犬「……何だよ、怒ってんのか?何なら殺してみろ!正義の風紀委員が俺を殺せるのか!?出来るわけないよな?はははっ!」

垣根「……」

猟犬「はははっ、はは……は……―――え?」ゾク…


垣根「……ムカついた」ギロッ


猟犬「ヒ……!?」

一方通行「待て、よせよ垣根ェ」ガシッ

垣根「……あ?」

一方通行「ソイツの言う通りだ、相手がどンなクズだろォが殺しちまうのは許さねェぞ」

垣根「はっ、ヌリぃ台詞吐いてんじゃねぇぞ一方通行……こんなゴミ一人燃やした所で何の罪にも問われやしねぇよ」

一方通行「そン時は俺がオマエを裁く」

垣根「……ほおォ~」ニヤリ

猟犬「ち、ちくしょう……もう嫌だ!お前ら全員バケモノだ!!殺される……俺達は木原さんに殺される!い、いやヘタしたら……こ、殺してもらえないかもしれない……!!」

一方通行「……そンなに死ぬのは嫌か」

猟犬「あ、あぁ」ガタガタ

一方通行「このまま生き延びてェか」

猟犬「あああ当たり前だろおォォ!?さっきからそう言ってるじゃねぇか!!死んだ方が良いなんて生き方じゃねぇ!ちゃんと大手を振って生きてみてぇよ!!」

一方通行「よォ~っく分かってンじゃねェか」ニヤリ


…………グシャッッ!!


猟犬「え……?」ズキン

垣根「ヒュ~ッ♪」

猟犬「が!?うぎゃあああああああああああッッッッ!!?脚が……!俺の脚があああああぁぁぁぁぁ!!!」ジタバタ

一方通行「三下が、美学が足りてねェからこォいうハメになるンだよ……こンな世界に生きて、散々人ォ踏みつけにして、オマケに俺達や木原を敵に回してまだ幸せに生きてみたいだと?」

猟犬「ぐぎっ……い゛……」ガタガタ

一方通行「上等だ、オマエは死なねェよ……そォ簡単に死ぬのは俺が許さねェ、生きて死ぬまで詫び続けろよ、己の過ちってヤツをなァ」

猟犬「お、お前は……わかってないからそんな台詞が言えるんだ、木原さんの本性を……あの人は相手が地球の裏側にいようが笑顔で殺しに来るような人なんだ……俺だって知らなきゃ良かったよ、あの人の恐ろしさを……ッッ!!」ズキズキ

一方通行「ほォ、そォかい」ピッピッ

猟犬「き、聞いてんのか……!?」

一方通行「感謝しろよ、今病院に運ぶよォに手配してやっからよ」

猟犬「病院に行った所で何になるってんだよぉ……警備員は上から圧力が掛かって動けないんだ……」

一方通行「俺がアテにしてるクソ医者は一応患者を見捨てるよォな人間じゃねェらしい、涙が出るよォな話だな?」

一方通行「治療を受けてェならオマエの身体はオマエが守るこったな、それまでに木原のクソが俺にボコボコにされちまえば話は別だが」

猟犬「な、なんだ……アンタ、実は良いヤツだろ?」

一方通行「……ンなわけねェだろ、俺ァ悪党だ」

一方通行「―――正義名乗ンには程遠い……クソッタレの悪党だよ」

垣根(フン、風紀委員の身分で悪党……ね)

猟犬「うぅ……ぅ」バタリ

垣根「あーあ、気絶しちまったよ」

一方通行「チッ、まだ聞きてェ事が山ほどあンのによ……」

垣根「俺達の時間稼ぎを課せられるような使い捨てだ、どうせ大した情報も持ってねぇよ」

一方通行「木原を直接叩くしかねェって事か……」

垣根「そうだな、んじゃ……俺は先に行くぜ」ザッ

一方通行「行くって……何処にだよ?」

垣根「白井に加勢して勝利を確実の物にする……そうだな、ついでに『残骸』もブッ壊しといてやるよ」

一方通行「嗅覚センサーは使えねェンだぞ」

垣根「俺には俺のやり方がある……気にすんな」

一方通行「……アテがあンのか?」

垣根「んなモンねぇよ」

一方通行「おいィ?」

垣根「だがな、俺は『未元物質』の垣根帝督……常識が通用しない男だ」ニヤリ

一方通行「何だそりゃ?だったら初春さンと連絡とりゃイイ、アイツは結標を追える手段を持ってっからよ」

垣根「ははっ、流石は風紀委員の『守護神(ガーディアン)』……」

一方通行「……悪りィな」

垣根「は?」

一方通行「俺の勝手に付き合わせちまってよォ」ポリポリ

垣根「ぅげっ……」ゾワッ

一方通行「……ンだよ?」


垣根「気持ちが悪りぃ」


一方通行「チッ、うるせェよ」

垣根「くくっ、まさかテメェの口からそんな台詞が飛び出すたぁな?」ニヤニヤ

一方通行「うるせェっつってンだ」ケッ

垣根「構わねぇって、仲間なんだろ?……俺達は」ニッ

一方通行「……なァ、垣根ェ」

垣根「ん?」

一方通行「俺ァさっき偉そォにオマエを止めたけどよ……以前の俺ならコイツをブチ殺してたかもしンねェ」

垣根「そうしなかったのは今のテメェは風紀委員だから……か?」

一方通行「まァ……確かにそれもあるだろォよ、だがそれ以外にも……」

垣根「……何だ?」

一方通行「……ハッ、何でだろォな?わっかンねェ」

垣根「俺はさっきからテメェの言ってる意味が分かんねーがな」

一方通行「チッ、平和ボケしてヤキでも回ったンだろ……ちくしょォめ」

垣根「忠告しといてやるよ、これからアイツらと闘おうってんなら……さっきみてぇな甘さは捨てた方が良いんじゃねぇか?正義の悪党よ」

一方通行「俺ァ……」

垣根「じゃないと死ぬぜ?テメェだけじゃねぇ……テメェが守ろうとしてるアイツらも、だ」

一方通行「……」

垣根「……あばよ、一方通行」ザッ

一方通行「なァ垣根……オマエは―――」クルッ

一方通行「……って」

一方通行「チッ、消えンのが早えェっつーの……」フゥ


一方通行「……」


一方通行(甘い……か、確かにな……)

盛り上がりに欠ける投下だったけど今日分終わりです


ここからそれぞれの目的の為に動き出すわけですね、特に垣根とか

気まぐれで朝に少し投下してみたりする

―――とあるビルの屋上



結標「うぇ……気分悪ぅー、休憩休憩……」ストン

結標(あの風紀委員を撒く為とはいえ……何度も自分を飛ばすのはやっぱキツいのよね……)フゥ


結標「―――……うふっ♪」


結標「……ふふ、うふふふふ……♪でも『残骸』は手に入れたんだし……後はコレを『グループ』の隠れ家に持ち帰れば任務完りょ―――」


    「お 待 ち な さ い な ♪」


結標「……へ?」


…………ヒュガッッ!!


結標「ぎィ……っ!?」ズキッ!


    ドスッ、ドブ!ガシュッッ!!


結標「うぁ……!?ぁぁぁぁああああああああ゛あ゛あ゛っっっ!!?」


黒子「ごめんあそばせ♪あまりにも隙だらけでしたので狙い撃ちしてしまいましたの」ニコニコ

結標「ぃあ゛っ……!う…あぁ……!!」ゴロンゴロン

黒子「あらあら、それほど無様にのたうち回られればダーツが余計に食い込んでしまいますわよ?」

結標「な、何故……?何故……此処が……!?」ズキンズキン

黒子「んまっ、浅薄ですのね……二度や三度の空間移動ごときで我々風紀委員の目から逃れられると本気でお考えでしたの?」クスクス

結標(監視カメラは避けて移動した、人目に付かないように屋根を飛んだ……まさか……!)ハッ


結標「まさか……衛星……!?」


黒子「……ご名答、しかし気付くのが少々遅かったみたいですわね」

結標「そんなのあり得ない……いくら風紀委員と言えど、こんなにも早く衛星使用の許可が下りるハズが……!」

黒子「一七七支部には憎ったらしいですが優秀なオペレーターがおりましてね……許可を取るより奪った方が早いでしょう?」

結標「奪う……?―――……成る程、その優秀なオペレーターとやらは今、アナタのその耳に付いている……」スッ


…………ヒュンッ


結標「このヘンテコな携帯端末の向こう側にいるのかしら?」パシッ

黒子「……『座標移動』……」

結標「それなら話は簡単、この端末を……」ポロ…ッ


…………ガシャッ!


結標「こうやって踏み潰してしまえばアナタはもう私を追って来る事はできない……!」ゴリゴリ

黒子「他人の所有物の窃盗、及びそれの破損……また罪を増やしてしまいましたわね、結構気に入ってましたのよ?その携帯電―――」

結標「……一々 う る さ い のよ、アナタ」スッ

黒子(来る……!上っ!?)ヒュンッ


…………ゴッシャアァッッ!!!


結標「私の『座標移動』の転移可能最大重量は四五二〇kg」

黒子「今のように貯水タンクを飛ばす程度なら造作もない、とでも?」シュタッ

結標「そうね、不出来なアナタと違って……」スッ


    ガオンッッ!!!


黒子「ちッ!!」ヨロッ…
(私の足場の空間ごと……ッ!?)

結標「―――優 秀 な 私なら!!」ヒョイ

黒子(また頭上に……はん)

結標「サンドイッチにしてあげるわ……!白井さんッ!!」

黒子「……ワンパターンですこと」ボソッ


    ガラガラガラガラガラァァ!!!!


結標「アハハハッ!アハハハハハハハハ!!アハハハハハハハ―――!!!」


    ヒュンッ


黒子「演算が複雑な能力者同士の闘いは……肉体よりも精神と精神の削り合い」シュタッ

結標「ハ……!?」

黒子「先に飛べなくなった者が敗れますのよ?」ヒュパッ


    ザスンッ!!


結標「あぁっ!?」
(警棒が……!)

黒子「どちらを向いてますの……よッッ!!」ブンッ!

結標(しま……っ!!)


    ズドッッ!!!


結標「ぐぎゅ……ぃっ!!?」メキメキッ…!

黒子(このまま……振り抜くっ!)グンッ!


…………ドッシャアァッッ!!


結標「あううぅっ!!」

黒子「……油断大敵、物事はそう自分の思い通りには進まないモノですわよ?」

結標「痛ァっ……!ぁい……あ゛……!?」ビクッビクン
(い、息……が……!!?)

黒子「とてつもなく痛いでしょう?学生鞄の角で思いっきり殴られるのは」

結標「はぁー……!はー……っ!!はー……!!!」

黒子「『座標移動』の弱点は……その強力すぎる能力故、繊細な制御を行う場合に著しく不安定になってしまう事ですの」

結標「はー……、はー……」ガクガクッ

黒子「ですからアナタは警棒を振るって能力に基準を付けていたわけですのね……まぁ、それも先ほど私がルーズリーフで真っ二つに切断させて頂きましたが」

結標(わ、私が……負け…る……?最もLv5に近い……この、私が……!?)フラッ…

黒子「警棒を失ったアナタは今までのように能力を上手く扱えない……投降なさいな、これ以上の戦闘は無意味ですのよ?」

結標「ハァ……ハァ……わ、悪いけど……それはできないわ?」ストッ

黒子「む……?アナタが腰掛けているキャリーケース……ホテルの一室では持ってませんでしたわよねぇ?」

結標「あ、あら……そうだった……かしら?」ハァ…ハァ

黒子「……ソレには何が入ってますの?まさかさっきの狙撃手のバラバラ死体では……」

結標「アナタには……うっ!……関係ない……物、よ」

黒子「まぁ……宜しいですわ、どうせ後で分かる事ですし」フンッ

結標(悔しい……けど、ここは……!)フー…


…………ヒュンッ


黒子「……あら」キョロキョロ

黒子(あの状態で空間移動を……しかし、移動したポイントでしたら大方予想はできますの)

黒子「私とアナタの能力は非常に良く似ていますものね……また直ぐにお会いしましょうか、結標淡希さん?」ザッ


…………ヒュンッ


朝分終わりっす

あわきんリョナってるなぁwwww
……まぁ原作でもこんな扱いだからねぇ

短いけど投下するお

アイテムパートで釣るおー




滝壺「……対象は南西へ現在も高速移動中」

麦野「浜面」

浜面「渋滞なんだよ、無茶言うな」

フレンダ(このまま時間が解決してくれるってのは……無いわよね、結局)ボケー

麦野「もうシャケ弁無くなっちゃった……あー、何かイライラしてきた……」イライラ

フレンダ「ははは浜面二等兵っ!!」ワタワタ

浜面「くっ……これが最後のシャケ弁だっ!味わって食え!」スッ

麦野「今日のシャケ弁……何だか昨日とは違う気がするんだよにゃーん」モグモグ

浜面(いやいや、どれも一緒だろ……)

フレンダ(お弁当食べてる時は機嫌が良いわけよ)フゥ

絹旗「スー……スー……」

滝壺「はー……はー……」

フレンダ「ちょっと滝壺……大丈夫!?」

滝壺「う……ん、大丈夫だよ、フレンダ」ハァ…ハァ

フレンダ「で、でも変な汗かいてるじゃん!」フキフキ

麦野(滝壺の限界も近い……此処でモタついてる暇は無いって事か)モグモグ

浜面「なぁ麦野、やっぱり病院に連れてった方が……」

麦野「ごちそーさん、充電完了!」ガチャ

浜面「お、おい!?」

麦野「滝壺にフレンダ、こっからは歩いて行くよ」

フレンダ「う、うん……」ガチャ

滝壺「あ……ま、待って……」フラッ


…………ドサッ


フレンダ「滝壺っ!?」

浜面「あ……っ!」

滝壺「だ、大丈夫……大丈夫だから……」ハァ…ハァ

麦野「……滝壺、やっぱアンタは付いて来なくて良いわ」

滝壺「っ!?わ、私……まだやれるよ……!!」

麦野「えっ?当たり前よ、だから垣根の位置は電話で知らせて?フラフラのアンタが一緒でも私達にとっては一利も無いから」

滝壺「……っ」ハァ…ハァ

麦野「安心なさい、言ったでしょ?死んでも結果を出してもらう……って♪」ニコッ

浜面(あ、アンタにとっちゃ仲間ってのはその程度のモンなのかよ……!?)

麦野「浜面は此処で待機、絹旗が目覚めたら大至急こっちに向かわせてね」ザッ

浜面(もうアンタには……付き合いきれねぇよ……!!)ギリッ

フレンダ「ゴメンね浜面……二人をお願い」タタッ

浜面「……くそっ」

滝壺「はぁ……はぁ……」グッタリ


浜面「何でだよ……っ!意味分かんねぇ……!!」


滝壺「はまづら……?」

浜面「勝てる勝てないの問題じゃねぇ!命懸けで闘って……たとえそれで勝ったとしてもだ!!」

滝壺「……」

浜面「それで得られるのはアイツ一人の自己満足だけじゃねぇのかよ!?結局はアイツが気に入らない野郎をブチ殺したいだけじゃねぇのかよッッ!!?」バンッ!

滝壺「……『アイテム』だけだから」

浜面「……え?」

滝壺「私達の居場所……此処だけだから……」ゼーゼー

浜面「だからってお前……」

滝壺「はまづらも……スキルアウトっていう居場所を失いたくなかったから、風紀委員……一方通行と闘ったんでしょ?」

浜面「……ッ」

滝壺「それと……一緒だよ……」フー…

浜面(……あぁ、そうか……俺はあの時……一方通行にやられた日……)


―――『ぎゃはははははははははッッ!!!何だなンだァ!?殺す覚悟ァあっても殺される覚悟はねェ……ってかァァ!!?』―――


浜面(俺は今のコイツらみたいに……何かの為に命を懸けてまで闘う事ができなかったんだ……)

滝壺「……どうしたの?はまづら……」

浜面(ついさっきだって……ちくしょう……俺は……っ!!)

絹旗「んぅ……?」パチ

浜面「絹旗……?目ェ覚ましたのか」


絹旗「お兄ちゃん」


浜面「……は?」

絹旗「あれ……お兄ちゃんは?」キョロキョロ

浜面「目覚めたと思ったら開口一番何を仰っているのでせうか絹旗さん、話が全く見えないのですが」

絹旗「超浜面っ!!」グイッ

浜面「ひっ!?」

絹旗「私のお兄ちゃんは一体何処に行ったんですかあぁっ!!?」ギリギリギリ

浜面「ぐ、苦じい死ぬ……首から手を離してくださいますか絹旗さん……生命の維持が困難ですたい……」ミシミシミシ

絹旗「お兄ちゃん……せっかく会えたのに……!」ガチャ

浜面「ぅげほっげほっ!!……ぅおぉーいっ!?お前まで何処に行くつもりなんだよーっ!!?」


    オニーチャーン!!ドコデスカー!?


浜面「くそっ、何なんだよ……アイツって兄妹いたのか?」

滝壺「いないと思う、私達は『置き去り』だから……」

浜面「……そうか、悪りぃ」

滝壺「良いよ別に、私は気にしてないし」

浜面「……」

滝壺「……」

浜面「……よっしゃ、俺達も行くぞ滝壺!」ガチャ

滝壺「え……?」

浜面「病院だよ病院、ほら掴まれ」スッ

滝壺「でも……」

浜面「絹旗もどっか行っちまったし、このまま此処に留まってる理由もねぇだろ?」


滝壺「―――っ!!?」ゾワッ


浜面「俺バカだからさ、難しい話は良くわかんねぇよ……でもこれだけはわかるんだ、お前みたいな―――」


滝壺「逃げて」


浜面「……へ?」

滝壺「はまづら……!私の事はいいから早く逃げてっ!!」

浜面「逃げろってお前……何言って……?」


    「おー、いたいた」


浜面「う……ッ!!」ゾク…
(この……声は……!?)



…………ドクン


浜面「あ、ああぁ……!!そんな……嘘だろ……!?どうしてアイツが……!!?」

滝壺「お願い……はまづら、お願いだから……」


…………ドクンッ!



    「見つけた見つけた」ザッザッ


滝壺「早く……逃げてっ!」

浜面「……最悪だ、ちくしょう……」ギリッ


…………ドクンッ!!


浜面「『未元物質』……!垣根…帝、督……っ!!」


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


垣根「……見 つ け た、よん♪」ニィッ


終わりでし

明日はGEBの発売日だけど投下出来るように頑張るよ、そGEB!!

急に寒くなりすぎて排尿行為が収まる事を知らないんだが……

投下します

―――とある駅前



一方通行(チンタラやってたら大分時間を食っちまったか……)ピッピッ


    トゥルルルル……カチャ


一方通行「こンのクソガキャアアア!!オマエ一体今何処にいやが―――!!!」


    『うっっるさあああいっ!!耳元で怒鳴るな三下ァッッ!!!』


一方通行「うえェっ!?」ビクッ

    『……ふふ、教えてあげるわ一通くん……私の怒りはグレンラガンも真っ青な程に限界突破してるのよ?ふふふのふ』

一方通行「そ、その声……まさか眼鏡先輩っスかァ……?」オドオド
(このテンションは……キ、キレてやがる……だと……!?)

固法『……まったく、今何処にいるか聞きたいのは私の方よ!いっつもいっつも勝手ばかりして!!本当に怒られるのが大好きみたいね一通くんはっ!!!』

一方通行「で、でもよォ……でもですよォォ……!?」アセアセ

固法『ふーん……でも、何?何か正当な言い訳でもあるのかしら?私を黙らせる程の理由が言えるのなら、ムギューって抱き締めて頭ナデナデしてあげる』

一方通行「ェー、あー垣根の馬鹿がっスねェ……」

固法『……』

一方通行「……サ、サーセン」

固法『ん、分かればよろしい』

一方通行(相変わらずマジ怖えェなこの人……)

固法『白井さんから話は聞いてるわよね?まぁ……その様子だとまだあの迷子は見つけれてないみたいだけど』

一方通行「……?打ち止めのケータイをアンタが持ってるって事ァ、そっちにいるンじゃねェのかよ?」

固法『それがね……あの子ったら携帯電話だけ道端に落っことしてたのよ、GPS機能でさっさと見つけたかったんだけど……これでまた振り出しね』フゥ

一方通行「……ったく、ケータイ持ってる意味マジで皆無だなァあのクソガキは……」ポリポリ
(いや……待てよ?)

一方通行「眼鏡先輩よォ、アンタ今何処にいンだ?」

固法『んーと……ちょっと待ってね、確か……』

一方通行(俺の手元には『猟犬部隊』から奪った嗅覚センサーがある、打ち止めのケータイから匂いを探知できりゃ……)

固法『うん……分かったわ、第七学区の地下商店街北口よ?』

一方通行「了ォ解だ、俺も今からそっちに向かう、そのまま待っててくれや眼鏡先輩よォ……」キョロキョロ

固法『……って事は何か手掛かりがあるわけね?』

一方通行「そォいうこったな、へィタクシーっ!」スッ


…………キキッ!


一方通行「ジャッジメントだァ、悪りィが事件解決に協力してもらうぜ?」ガチャ

運転手「治安維持の方ですか、どちらまで?」

一方通行「第七学区の地下商店街北口だ、急ぎで頼む」バタン

運転手「とは言いましてもねーお兄さん」

一方通行「御託はイイからさっさと出せ、交通状況が悪りィのは承知してる」

運転手「分かりましたよ……でも、此処からだと結構掛かっちゃうよ?」

一方通行「裏技がある、表通りは通らなくてイイから人通りの少ない裏道を回れ」


    ブロロロロロロ…………


運転手「うーん、おじさん裏道はあんまり詳しくないなぁ~」ハハハ

一方通行「あァ?そンなので良く運転手やってられンなァ」

運転手「暗い道はスキルアウトの溜まり場だからねー、まぁ最近はその数も減ってきたみたいだけど……」

一方通行「チッ、だったら俺の言う通りに車ァ動かせよ」

運転手「お兄さん詳しいの?」

一方通行「ったりめーだ、俺ァ風紀委員だぞ?街ン中の大体の地理はこの脳ミソに詰め込ンでる」トントン

運転手「ハハハ、これは頼もしい……ま、風紀委員の方が一緒なら襲われる心配もないかな」

固法『―――ねぇ、一通くん……?』

一方通行「お?」

固法「白井さんから聞いたわ、ていとくんや一通くんも変なのに巻き込まれてる……って」

一方通行「……あァ」

固法『今この街で何が起こってるのかは分からないけど……だ、大丈夫よね?白井さんも打ち止めちゃんも、他の皆も……』

一方通行「……らしくねェな」

固法『え……っ?』

一方通行「そンな自信のねェ弱気な態度なンざ、全っ然アンタらしくねェよ」

固法『な……っ!?し、心配させてるのは何処の誰だと思ってるのよっ!!』

一方通行「ハッ、俺達一七七支部のメンバーはそンな簡単にやられるよォなタマかよ?俺らの実力を一番良く知ってンのは誰でもねェ、アンタだろォが」

固法『……バカ、一通くんは無責任よ……結果オーライなんてダメなの、私は誰にも傷ついて欲しくないのに……!』

一方通行「……心配すンなよ委員長、アンタの後ろには俺達が付いてンだろォが」

固法『……っ』

一方通行「アンタは何だって一人で背負い込み過ぎなンだっつーの、ちったァ俺達に背中ァ預けて楽になれよ……じゃねェと潰れちまうぜ?」

固法『な、何よっ……人の気も知らないで……』クスン

一方通行「何なら風紀委員長の座、俺に引き渡しちまっても一向に構わねェンだぜェ?」ニヤニヤ

固法『ダ、ダメよっ!一通くんみたいな無責任男は絶対にダメっ、ムリ!!私以外にこの役はあり得ないっ!!!』

一方通行「あァ……そォでなきゃな、アンタは今まで通りに堂々と胸ェ張ってりゃイイ、俺達のリーダーはアンタしかいねェンだ」

固法『……もぅ、だったら少しは安心させてよね』

一方通行「任せとけよ眼鏡先輩、きっと……いンや、俺が絶対にキレイに収めてみせるからよ」

固法『ホー……ント、自信だけはたっぷりねぇ一通くんは』

一方通行「何せ学園都市の一位と二位が組ンでンだ、ハナっから結果は見えてンだよ」

固法『うん……そうよね、一通くんに励まされてる程度じゃ私もまだまだね……』

一方通行「へっ、心配すんのも面倒臭せェだろ?俺がすぐに犯人のクソ野郎を叩き潰してやっからよ」

固法『……うんっ♪待ってる!』


    プツッ、ツー…ツー…ツー…


一方通行(あァ……そォだ、コイツらの世界を守ンのが俺の……)

運転手「随分楽しそうだったね……もしかして彼女?」

一方通行「アホ、聞いてなかったか?風紀委員の先輩だァ……あ、そこ右な」

運転手「良いなぁ~お兄さん青春してるなぁ~、おじさん羨ましいなぁ~」

一方通行「……悪りィがオマエのコントに付き合ってる暇はね―――」

運転手「……ってわああああああああっっ!!?」


    ダゴンッッッ!!!!


一方通行「ぶべっえェ!!?」ゴンッ!

運転手(や、やっちゃった……!)

一方通行「グ、オおおおォォォ……!!」ヒリヒリ

運転手「あわ、あわわわわ……!!」ガタガタ
(やっちまったぁ~~~~~~~!!!)

一方通行「く、そ……!?事故りやがったのか……!!痛っ……てェー……!」ピクピク

運転手「ゴ、ゴメンねお兄さん……」プルプル

一方通行「ああァ!?」ガバッ

運転手「おおお女の子……撥ね飛ばしちゃった……!!」

一方通行「じょ、冗談じゃねェぞ……!?このクソオヤジ……ッ!!」グイッ

運転手「だ、だって急に飛び出して―――!」


    「あはっ♪超ラッキー!随分捜したんですよっ!!」


一方通行「……あ?」ピクッ

運転手「あぁ良かった!女の子には傷一つ無いなんて何たる奇跡!!俺……神様信じる!!!」

一方通行(無傷だと……!?そりゃそォだ、コイツの能力は―――!)


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


絹旗「―――『窒素装甲』、絹旗最愛です……覚えてますか?」トコトコ


運転手「え、なに?お兄さんのお知り合い?」

一方通行(此処で闘る気か……ツイてねェ!!)カチッ


…………バガァンッッ!!!


運転手「や、屋根があああああ!!商売道具があああああああ!!!」

一方通行「とっとと失せろ!巻き込まれたくねェならな!!」ザッ

絹旗「や~ん!超シビれるぅ~っ!!」キャーッ!

一方通行(こンなボロ雑巾相手にバッテリーなンざ割いてらンねェ……節約だ)カチッ

運転手「逃げたいけど……!で、でもタクシー代が……!!」

一方通行「仕事に忠実なのは評価するが、オマエはブン殴られてェのか?」

絹旗「隙ありぃーっ!!」ガバッ

一方通行「うおおォっ!!?」ドテッ

運転手「お兄さんっ!?」

一方通行「ンの野郎ォ……!!」ギロッ
(調子に乗りやがって……!)

絹旗「えへへ……超会いたかったですよ、私のお兄ちゃんっ!!」ムギュッ


一方通行「……」


一方通行「……は、はァァ??」


絹旗「うぅ~ん、お兄ちゃんの胸板ってば超硬いんですね……抱き締め甲斐があるってもんです!」スリスリ

一方通行「お兄ちゃン……だと……?」

絹旗「そうですよ?大好きなお兄ちゃん……超発見ですっ♪」ニコッ

一方通行「……だ、誰がアニキだこの野郎離せコラ……!人違いってレベルじゃねェぞ!?俺にゃ兄妹なンざいねェし仮にいたとしても俺の妹がこンなにババァなわけがねェェェ!!!」グイグイ

絹旗「は、離しませ~ん!アナタは私のたった一人の家族なんです~っ><」ムギューッ

一方通行「トチ狂った事ホザいてンじゃね―――って痛てェ!?痛てェっつの!!痛でででででで!!!」ミシミシ…!
(ヤベ……これってピンチじゃねェのかクソッタレ!!)

絹旗「あぁっ!大丈夫ですかっ!?」パッ

一方通行(―――と思ったら今度は攻撃を中断した……?)

絹旗「ごめんなさい、嬉しさの余り……思わず能力を超発動させちゃいました♪」テヘッ

一方通行(意味分かンねェな……コイツ確か俺を恨んでたンじゃねェのかよ?)

絹旗「……む?」キョトン

一方通行(この眼には敵意ってモンが全く感じらンねェし、フザけてるわけでもねェらしい……)ジー

絹旗「お、お兄ちゃん……どうしたんです?も、もしかして超怒ってるんです……か?」オドオド

一方通行「……オマエ、男の目の前で無様なローアングルを晒してンじゃねェよ」


絹旗「……へ?」チラッ


絹旗「―――っわ!?わわわぁっ!!?////」ババッ


一方通行「チィ……とにかく退け、いつまで上に乗っかってやがる」

絹旗「は、はーい」ササッ

運転手「……何だ、お兄さんの妹さんだったのかい」フゥ

一方通行「あァ……気が動転しちまってたが、落ち着いて良く見りゃコイツは俺の妹だわ」ポリポリ

絹旗「もぅ!お兄ちゃんってば……だから私は何度もそう言ってるじゃないですかーっ!」プンプン

一方通行(どォなってやがンだちくしょォ……痛め付けすぎてマジで頭イカれてンじゃねェだろな……?)


運転手「それならお兄さん、タクシーの修理代請求するね」


一方通行「あ、あァァ!!?」

運転手「だってその子が飛び出して来たからこっちに非は無いんだし……」

一方通行「おいオッサン……オマエ正気か?道路交通法って知ってるか?」

運転手「それにお兄さん急いでるんでしょ?事後処理やってる場合じゃないんじゃないの?お兄さんが屋根吹っ飛ばしたのは紛れも無い事実なんだし……」

絹旗「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!それは超理不尽じゃないですか!?そもそもアナタは人を轢いてるんですよ!!?もし私でなかったら……!!」プンスカ

運転手「でもねー妹さん、お互いの為なら―――」

絹旗「でも、じゃないですよおおおおおおおッッ!!これ以上お兄ちゃんを困らせないでくださいっっ!!!」バンッ!


    グワッシャァァアアアアアアンッッ!!!!


絹旗「あ」

一方通行「」

運転手「タ、タクシーが……」

絹旗「……」

運転手「……」

一方通行「~~~~~~~ッッ!!!」プルプル

絹旗「フ、フン!ど……どうです!?アナタもこんな風に超悲惨なスクラップになりたくなければ―――」


    ゴンッッ!!


一方通行「こ、の、馬鹿野郎ォォ~~ッ!!」

絹旗「あぁうあぅあぁ~っ!!」ズキズキ

運転手「あ~ぁ……こりゃダメだ、商売道具がオシャカになっちゃった……」

一方通行「……」

絹旗「えへへ、また怒られちった……////」ヒリヒリ

運転手「……」チラッチラッ

一方通行「ちくしょォォ……ッ!風紀委員にツケとけクソッタレ!!」

運転手「まいど♪」

今日分終わりでふ
明日は削板パートなんだってばよ!!

今日分投下するよー(^q^)ノ




打ち止め「―――と、言うわけだから風紀委員経由で何とか一七七支部の人達と連絡取れないのかな?ってミサカはミサカは聞いてみたり」トテトテ

削板「俺だって根性出して何とかしてやりたいが……悪いな嬢ちゃん、そいつぁ無理なお願いだ」キリッ

打ち止め「えーっ?」

削板「何せ俺は新米風紀委員、この仕事の全貌を全く把握していないノダ」ガハハ

打ち止め「いやいや、そこ胸張る所じゃないし……だったらすごいお兄ちゃんの先輩達に連絡取ろうよってミサカはミサカは提案してみる」

削板「悪いな嬢ちゃん、そりゃ無理だ」

打ち止め「えぇーっ!?」

削板「何故なら俺は携帯電話という近代科学に頼り切った根性の無い代物を持っちゃいない」キリリッ

打ち止め(学園都市で何言ってんだろうこの人……ってミサカはミサカは心中コソっと心配してみたり)




    ドドドドドドドンッッ!!!


削板「加えて!何を隠そう我が七七七支部にゃこの俺、削板軍覇しか人員がいないのだーッッ!!」

打ち止め「ええぇーっ!!?指導者もいないのにこんなのをほったらかしにして大丈夫なのってミサカはミサカは不安要素がK点突破ー!―――……って、ウザいねこの煙!!」ケホケホ

削板「コラコラコラーっ!こんなのとは余計だぞ嬢ちゃん!!これでも漢、削板軍覇は学園都市に七人―――」

打ち止め「って言うか、どうしてすごいお兄ちゃんしかいないの?ってミサカはミサカは小首を傾げて素朴な疑問を投げ掛けてみたり」

削板「えっ?あー……新しい支部を立ち上げてもらったんだよ、貝継のじーさんに殴り込みに行ったらすんなりOK貰ってな、昨日の今日から俺も立派な風紀委員ってわけだ」フンス

打ち止め「へっ?支部を……?」

削板「うん」コクリ

打ち止め「……」

削板「……」


打ち止め「……か、軽っ!?ナメてるよね?すごいお兄ちゃんもその貝継って人も風紀委員のお仕事を完っ全にナメてるよね!?」


削板「なっ!ナメてなどいないぞ!?強いヤツと闘い己を磨き、オマケに街の平和も守れるという正に一石三鳥の素晴らしい仕事じゃないかッ!!」

打ち止め「分かってない全然分かってないっ!風紀委員が街の平和を守るのをオマケに感じてるってどういう事なの!?ってミサカはミサカは問いただしてみる!!」




原谷(不幸だ……せっかくの休日だというのに、まさか筋肉モリモリのこの人に捕まっちまうとは……)チラッ

横須賀「憎っくきナンバーセブンは何処だぁ~ん?」トコトコ

原谷「……内臓入りのモツ鍋さん、どうせ負けるんですからそろそろ削板さんに決闘仕掛けるのは辞めにしません?っつか、モツ鍋さんが勝とうが負けようが正直どうでも良いんで無関係な通行人Aの俺を毎度毎度巻き込まないで頂けますかしら?」

横須賀「例えナンバーセブンを倒したところで証人がいなければ意味が無いだろ?貴様はこれから『内臓潰し』の横須賀サマ伝説を子々孫々に渡って語り継ぐハメになるのだ、感謝しろ」

原谷「……それって別に俺じゃなくてもモツ鍋さんの舎弟に任せれば良いのでは―――んん!?」ギョッ



打ち止め「ガミガミガミ!!」

削板「……」ショボン



原谷「っっぴゃあああっああああああああ!!!!!!????」

横須賀「何だいきなり……さんまか貴様は」

原谷「だってホラ、アレですアレ!アレ見てくださいよ、削板さんですよ削板さんっ!!あのナンバーセブンがこの往来で正座して幼女に説教垂れ流されてんですよおおおおお!!?」



打ち止め「だから風紀委員のお仕事は―――って、ちゃんと聞いてるの!?ってミサカはミサカは両手を組んで怒鳴ってみたり!!」カッ!

削板「はい……すいません」クスン



原谷「しかもちょっと涙目ーっ!!?ナンバーセブンが幼女にしてやられているううううう!!!」

横須賀「おっしゃ見つけたぜ削板ァァああああああああ!!!」ビシッ

原谷「わああああこんなに美味しいツッコミ所満載なのにいきなり切り開いたーっ!?この人脳ミソまで筋肉だ絶対そうだーっ!!」

削板「……ん?」チラッ


削板「おー、ナベアツ」


原谷「ブフォッ!」

横須賀「クフフ……この『内臓潰し』の横須賀、今日こそ貴様に引導を渡してやるぞ」ニヤリ

原谷「はわわわわわモツ鍋さんっ!?ナベアツにすらツッコまないんですか!?堂々とあだ名間違えちゃってんですよ!!?『既に横須賀の原型留めてねぇなオイ!!ビシッ』みたいな返しくらい言ってくださいよおおおぉぉぉ!!!そんなので良いんですかモツ鍋もとい『内臓潰し』の横須賀さああああん!!?」

    ナンダナンダァ?

    ケンカダケンカダー


    ゾロゾロゾロ…………


横須賀「よしよし、良い感じにギャラリーも集まって来たか……」

原谷「シカトされたあああああ!!?もしかして間違ってるのは俺なのかーっ!!!」ゴロンゴロン

打ち止め「わわっ、見るからに強そうな人ってミサカはミサカは焦ってみたり」アセアセ

削板「俺の後ろに下がってな嬢ちゃん、ケガするぜ」ザッ

打ち止め「でもあぁいう人って存在自体が歩く死亡フラグなんだよねってミサカはミサカは小声で一言付け足してみる」ボソッ

横須賀「削板よ……悪りぃが、この大観衆の前で負けてもらうぜ?」

削板「応ッ!!」

原谷(いや応じたらあかんやろ……あ、ツッコんじゃった)




    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


横須賀「……」ニヤリ

削板「……」ニッ


削・横「―――……決闘(デュエル)ッッ!!!」カカッ!


打ち止め「ちょっとちょっとちょっとー!!?一体何を始めるつもりなのってミサカはミサカは……」

削板「えー……何だよ嬢ちゃん、せっかくアツい場面だったのに……」クルッ

横須賀「火蓋は切って落とされた!!何処向いてやがんだこんにゃろう削板死ねやああああ!!!」ダッ!

原谷「……いや、やっぱやめた方が良いんじゃないですかナベアツさん」

横須賀「ちょ、人がせっかく……おいソコ、やる気削ぐような台詞言うなってー」クルッ

原谷(あ、構ってくれた嬉しい……でもナベアツにはツッコまないのね)

打ち止め「すごいお兄ちゃんは風紀委員なんでしょっ、決闘だか何だか知らないけどむやみに暴力振るっちゃダメってミサカはミサカは指導してみたり」ビシッ

削板「暴力ではないぞ?俺はコイツの根性を拳を以て叩き直そうとしただけだ」

打ち止め「えーと……ちょっと何言ってるか分かんないから考えさせてねってミサカはミサカは三分間だけ時間が欲しいな~って」

削板「うむ、良く悩む歳頃か嬢ちゃん」

打ち止め「うん分かった、薄々感ずいてたけどすごいお兄ちゃんはとってもお馬鹿サンなんだねってミサカはミサカはネットワークで導き出された結論を述べ―――」


削板「バカって言うなッッ!!!」カッ!


打ち止め「」

原谷「どういうわけか削板さん……風紀委員になってるみたいですし、今までみたいに軽い気持ちでケンカふっかけるわけにもいかないんじゃないですかね?」

横須賀「良く見りゃ本当だな……でもそんなの関係―――」

原谷「冷静に考えて相手は治安維持組織ですし、ヘタしたら逮捕とか……?」

横須賀「……」タラリ

削板「う~む……悪いなナベアツ、この嬢ちゃんが言うにはどうやら俺から仕掛けるのはムリみたいだ」

横須賀「あーもう、じゃあどうやって収拾着ける気だぁ?せっかく集まってくれた皆さんに失礼だとは思わねぇのか、プロレスだったら椅子が飛んで来るトコだぞ」

削板「そうだな、だからお前が俺を先に殴れ」

横須賀「は?」

削板「ホレ、早く」ズイッ

横須賀「いやいやいや……え、良いの?俺の『内臓潰し』を喰らわせちまって良いのコレ、なぁ問題ナシ?」

原谷「仲間だと思われたくないのでやっぱりこっちを見ないで話しかけないで!」

削板「早くしろ!正義の味方が先に拳を振るうわけにはいかんのだ!!」ウズウズ

横須賀「あ、わかったぞコイツぅ……俺は騙されんからな!そうやって俺を悪者に仕立て上げて手柄を立てるつもりだろ!?危っぶねぇ危ねぇもう少しで引っ掛かるトコだったぜ」ホッ

削板「んなわけあるかぁっ!!俺の魂は光輝く太陽の如く―――」

横須賀「バーカバーカうるせー死ね!」

削板「バカって言うな怒ったぞこの野郎すごいパーンチ」

横須賀「ハハハっ、やれるもんならやってみドゥブルチ!!?」メキィ!

原谷「あ、殴った」

削板「あっ」

打ち止め「……」ジー

削板「……」

横須賀「」

原谷「……」


削板「―――正義は勝つ、と言う事か」グッ


打ち止め(……ダメだこの人達)テクテク


    ド ズ ン ッ ッ ! ! !


打ち止め「ひゃわあぁっ!!?ってミサカはミサカはいきなりのGO-ONに跳びはねてみたりー!!」ビクッ

原谷「雑だな!何て雑すぎる急展開なんだ!!」

削板「おぉっ、事件か!?」クルッ

打ち止め「ち、ちょっ……!行くつもりなの!?ってミサカはミサカは余計ややこしくなりそうだから止めてみる!!」

削板「フッ、任せてな嬢ちゃん……何せ俺は風紀委員なんだからな!!」ザッ


…………ドンッッ!!!


原谷「っわ……!?」

削板「うおおおおおすごい青春マッハ垂直跳びぃぃッッ!!俺より強いヤツに会いに行くーっっ!!!」

打ち止め「―――って結局平和は二の次なのー!?」

原谷「……キミ、一々ツッコミ入れてたら身が持たないよ?」


横須賀「」


原谷「あ……それと、この人病院まで運ぶの手伝ってくれるかな?」

打ち止め「泣きたい」クスン




猟犬「―――ッが!?あがが、ががァ……ッ!!」ミシミシ…ッ

麦野「え、浜面くん今なんて?ちょっと目の前の犬野郎がうるさくてさー……聞き違えたかもしんないからもう一度言ってくれるカナ?」ギリギリギリ

浜面『何度だって言ってやる……悪りぃが俺も滝壺も、もうアンタには付いて行けない』

麦野「……へぇ~」ヴンッ

猟犬「あ゛―――!?」


    ッドォウウゥッッ!!!


フレンダ「ひいぃっ!」ビクッ

麦野「……あ~ぁ」


    ブシュウウゥゥゥ…………!!


麦野「跡形もなく灼き払っちゃたじゃーん……ねぇ、はーまづらぁ」

浜面『……』

麦野「……もしかしちゃったりするとアンタもこうなりたいのかな?」ニッコリ

浜面『今……アンタがやろうとしてるのは只の自殺行為だ、そんなモンに滝壺を付き合わせるわけにはいかねぇ』

麦野「……はは」

浜面『そんな無駄遣いで……アイツの命を終わらせてたまるか』

フレンダ(ど、どうしちゃったのよ浜面……アンタの方が自殺行為だっての!)オロオロ

麦野「ウフフ♪どういう風に餌付けされたの浜面……滝壺のカワイー顔つきにやられたとか?」

浜面『……アンタは、垣根帝督には勝てない』

麦野「……あ゛?」ピキッ

浜面『実際に対峙して分かった、第四位とか第二位とかの問題じゃねぇ……多分アンタは、もっと違う部分でもあの男に負けてやがる』

フレンダ(ヤ、ヤバいって……!)

浜面『アイツも外道は外道だったが、それでも格下の人間を見逃すぐらいの人間性はあった……敵である滝壺が目の前で力尽きても、止めを刺そうとも……!今のアンタみたいに「体晶」を酷使させようともしなかったんだ!!』

麦野「エラく強気だと思ったら……テメーら、まさか「スクール」に寝返ったのかい?」

フレンダ「……っ!」

浜面『そんなんじゃねぇ……もう何処かに行っちまったよ、そう言やぁアイツはアンタの事なんか気にも止めてなかったぜ?未元物質にとっちゃその程度でしかねぇんだよ、アンタはな』

麦野「……ッ」ギリッ

浜面『今更アイツの居場所が分かった所でそれが何になるんだよ、仮に倒せたとして今度は更に上位に君臨する一方通行も……だぁ?』

フレンダ(それ以上は……言っちゃダメだっての……!!)

浜面『もう止めにしようぜ麦野、素人目の俺でも分かる……不可能だ、馬鹿げてる』

麦野「……うん、そうだね……もう良い、分かったよ浜面」

浜面『……?』

麦野「別に……意見を求めてるわけじゃないしさ、だから……―――」

フレンダ「……ゴクリ」


麦野「テメーら二人まとめて焼きゴテの刑に決定だ、離れたくねェなら結合部で溶接してやっから汚ったねェ〇ン〇洗ってそこで待っとけ」ミシミシ…ッ!


…………ベキバキバギンッ!!


麦野「っつーわけで標的追加、浜面仕上に滝壺理后……」バラ…ッ

フレンダ「む、麦野ぉ……」ガタガタ

麦野「あ?……何だ」

フレンダ「あの二人を殺すって……ほ、本気な―――」


    ザザザザザザザザッッ!!

猟犬「……いたゾ!こっちだ!!」ザッ

フレンダ「えっ!?ま、また来た!!?」

麦野「あは、あはははは……」クスクス

猟犬「相手はLv5だ!構わん撃ち殺―――」ジャカッ


    ズバアアアァァァァァ!!!


麦野「足りない、全っっ然足りないねェ……!!オーバーヒートしちまいそうなこのムカつきを静めてくれる……赤黒く染まった冷却水がさあァ!!?」ザッ

フレンダ(も、もしかして……!ブチ殺し確定モード!?)ゾク…


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


麦野「ぎゃはははははははははッッ!!溶けた鉄と一緒に絡めて冷やして面白オブジェに変えてやらァァああああああッッ!!!」ザッザッ

フレンダ(『アイテム』がバラバラになっちゃう……!私……どうしたら良いの……!?)ペタン


フレンダ「……こ、こうなったら私も『スクール』に寝返って第二の人生を―――……って、アハハ……まさか、ね……」


フレンダ「は、ぅ……うぅ……助、けて……誰か……!」グスッ
(こんなんじゃ……皆死んじゃう、殺されちゃうよ……!)


    「うおっ、何だこりゃぁ!?」


フレンダ「ひゃいぃっ!!?」ビクッ

削板「さっきの爆音はこの壁の大穴かぁ……?すげぇな、向こう側までポッカリだ」

フレンダ「なっななななななな!?アンタ何処からっっ!!?」ワタワタ
(敵っ!?ばばば爆弾爆弾ボムボムBOMBーっ!!!)

削板「おっ?どうした嬢ちゃ―――」

フレンダ「えぇーいっ!!!」ポイポイポイッ

削板「……ん?」


    B O M B ! ! !


フレンダ「はぁー、はぁー……!」ドキドキ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


フレンダ「アハ……?や、やった―――」


削板「ぶっっはあぁっ!!」ボフッ!


フレンダ「」

削板「いや~ビックリしたぞ嬢ちゃん……いや、ビックリさせちまったのは俺の方なのか?」ケホッ

フレンダ「あ……ぁ……っ」ガタガタ
(む、無傷……コイツもバケモノ……!)

削板「うむ、そりゃあ悪かったな……ホラ立てるか?手ェ貸す―――」スッ


フレンダ「ひっ!?い、嫌……!やめて……っ!!お願いだから殺さないでぇっ!!!」ババッ


削板「oh……」

フレンダ「もう、やめてよ……パパ……!ママ……っ!!」ブルブル…

削板「……お前さん、よっぽど怖い目に遭ったんだな……だが、風紀委員が来たからにはもう大丈夫だ!」フンス

フレンダ「……え?」クスン
(ジャッジ……メント……)

削板「―――安心しな、助けに来たぜ?」ニカッ

フレンダ「ふぇ……!」グスッ
(助、けに……!!)

削板「お?」

フレンダ「ふぇぇええぇぇぇぇぇ……!」メソメソ

削板「おぉっ!?どうした煙が目に染みたのか!!?」ワタワタ

終わりス

大変申し訳ないんだが書き溜めが尽きそうである(泣)

なので少し休暇を頂きたいの、3日後ぐらいにまた会いましょう

みんな~




待たせたな……投下するお




浜面「ぅっげ、マジかよアイツ……ケータイを握り潰しやがったのか……!?」

滝壺「……むぎのにあんな事言って大丈夫なの……?」

浜面「ハハ、実はまだ脚が震えてんだよ……でも、あれぐらい強気で行かないとLv5とは渡り合えない」トコトコ

滝壺「闘うつもりなんてない癖に……」

浜面「当たり前だ、無能力者が超能力者に勝てるハズがねぇ……俺はまた思い知らされた」

滝壺「……」

浜面「でも、この騒動が落ち着くまで逃げ続けてやるさ……『アイテム』からはリタイアしちまうが、お前だって絶対に『崩壊』なんてさせねぇよ」

滝壺「……うん」コクリ

浜面「大物達の争いに下手に手を出せば自分がケガするんだ、その為には……―――」

滝壺「他力本願?」


浜面「……当 た り 前 だ」

滝壺「結局……かきねの目的って何だったのかな……?」

浜面「さぁな……俺達みたいな地獄の三丁目程度にいる人間には理解できないのかもしれない」

滝壺「……」

浜面「でも、アイツにはそれを成すだけの理由があるんだろうな……ずっと、ずっと深い闇の悲劇を覗いて来た一人の人間だから……」

滝壺「……哀しいね」

浜面「え?」

滝壺「あの時、かきねのAIM拡散力場から……とても哀しそうな信号を感じたから」

浜面「……そうか、アイツって本当は……―――」トコトコ

滝壺「うん」ギュッ

―――数分前



浜面「……ダ、未元物質……ッ!どうしててめぇが……!?」

垣根「どうして……だと?そいつは俺がテメェらの居場所を掴んだ方法なのか、それとも―――」ザッザッ

浜面「……ッ」ゴクッ

垣根「テメェの後ろに隠れている『能力追跡(AIMストーカー)』、ソイツの検索結果が違った理由なのか……どっちだ?」ザッ

滝壺「……!」ゼーゼー

垣根「……はっ、そんなモンを知ってどうする?説明すればこの絶望的な状況を打破できるヒントにでも繋がんのか―――……ん?」ピクッ

浜面「ぅ……あぁ……!く、くそっ……震えてんじゃねぇよ!!」ガタガタガタ

滝壺「はまづら……」

垣根「蛇に睨まれた蛙……ってヤツか、オイオイ……なぁにビビってんだよ?女の前でみっともねぇな」ニヤニヤ

浜面(ち、近づかれただけでこうも違うのか……!?同じLv5なのに……麦野とは迫力も、存在感も!プレッシャーも……ッッ!!)ブルブル

垣根「さっきまで俺に銃口向けてた人間たぁ思えねぇ豹変っぷりだな……ま、頭は鈍くても身体は優秀じゃねぇか、『どう足掻こうが目の前の男には適わない』……ってェ現実に拒絶反応を起こしちまってんだろ」

滝壺「私の事は……」

浜面「う、うるせぇ……ソコから出て来るんじゃねぇぞ」

垣根「……つまんねぇな、コレじゃまるで俺が悪者だ」

浜面「……さ、さっきの質問……俺が聞いてるのはそんな話じゃねぇんだ」

垣根「ん?」

浜面「麦野達はもういない……今いるのは非戦闘員が二人だけだ、アンタが此処に留まる理由はないハズだろ……?」

垣根「はぁ……麦野、ねぇ……」ポリポリ

浜面「……?」

垣根「アホかテメェは、何でこの俺がわざわざ格下を潰しに足を運ばなきゃならねぇんだ?」

浜面「ッ!!む、麦野と闘いに来たんじゃねぇのかよ!?」

垣根「弱い者イジメに興味はねぇよ、死にたい野郎は勝手に死ねば良い……俺が此処に来た理由、それは―――」スッ

浜面「え……お、俺っ!?」ドキッ

垣根「なわけねーだろ無能、後ろだ後ろ」シッシッ

浜面「―――……まさか」

滝壺「ぅ……」フラッ


垣根「あァ……滝壺理后、テメェだよ」ニヤリ


浜面「っな……!?」

垣根「『能力追跡』は優秀な能力だ……一度記憶しちまったAIM拡散力場ならば、例え対象が太陽系の外に逃げ出そうが確実に捕捉する事ができる」ザッ

浜面「っ!く、来るな……っ!!」タジ…
(武器になるのはスペアの拳銃一丁……だが、コイツでは……!!)

垣根「だからソイツを使って『残骸』を持ち去った『グループ』の居場所を突き止めてやろうってんだよ……なぁに、協力的になってくれるんなら―――」

浜面「くそ……っ!くそっ、くそっ!!来るなって……滝壺に近付くなって言ってんだろォォおおおおおおおおおおおおぉぇぶっっ!!?」メキ…ッ!


    ぱぐしゃッッ!!!


垣根「―――……黙ってろ」

浜面「……痛、あ……っ!?ぐあッあああああああッッ!!!」
(は、鼻……が―――ッ!?)

滝壺「はまづら……っ!!」

垣根「つっても滝壺を置いて逃げれば『アイテム』に始末され、だからって俺に抵抗すりゃ殺される板挟みか……ははっ、大変だなぁ下っ端は」

浜面「ぐ……あ、あぁ……!」ボタボタ

垣根「だが、まぁ……俺も鬼じゃねぇんだよ、だから……」パシッ


…………グギッッッ!!


浜面「あ゛……ッ!?」ズキン


垣根「仕方ねぇなァ……指二本で許してやるよ、うん」ニッコリ


浜面「うぁっ!?うわああああああああああああ―――あぷっ!?」

垣根「……はぁ、ギャーギャーと喚くなよ」グイッ

浜面「も、ご……っ!?」

垣根「……このまま顎も握り潰されてぇのならサービスしてやるが……」ギロッ

滝壺「や、めて……!」

浜面(……ダメだ、やっぱり……この男には……!)ブルブル

垣根「ははっ、どうする?滝壺理后」

浜面(垣根帝督には……勝て、ない……っ!!)

滝壺「お願いだから……!もう……やめて……!!」

垣根「……だな」ブンッ

浜面「……ぐぅっ!!」ドシャッ

垣根「大人しくそこで寝てろボケ、俺だって今は目立つような真似をしたくはねぇんだ」

浜面「う……う、ぅ……」ズキズキ

滝壺「……分かった、アナタに……協力するから……!」

垣根「あぁ、それが良いな……さっきテメェも言ってやがったろ浜面仕上、確か……」

浜面「……ダメ……だ」

垣根「―――……『平和に行こうぜ』、だったか?」ニヤニヤ

浜面「ダメだ……滝、壺……殺され―――」

滝壺「大丈夫、私はLv4だから……Lv0のはまづらを、きっと……きっと、守ってみせる」ゴソゴソ

浜面「……ッ!!」

垣根「……ん?」ピクッ

滝壺「はぁ……はぁ……」パサパサ

垣根「オイ……ちょっと待て」ズイッ

滝壺「え……?」ハァ…ハァ

垣根(コイツの……この、汗は……―――)


…………ガシィッ!!


垣根「……あん?」

浜面「手を……出すな……っ!!」

垣根「……何だテメェ、汚い手で足に触るな」

浜面「命なんか……賭けちゃいなかったんだ……」

垣根「……はぁ?」

浜面「ただ気に入らないって理由だけで一方通行に喧嘩振っかけて……アイツは風紀委員だから、まさか殺されるような真似はしないだろと……勝手に思ってた……!」ギリッ

滝壺「……」

浜面「『殺す覚悟はあっても殺される覚悟はない』……か、はは……その通りだよクソッたれ、俺なんて麦野よりか全然タチが悪りぃじゃねぇか」

垣根「……ハァ」

浜面「でも、滝壺は……!!こんな打算だらけのクソ野郎に死んで欲しくないって言ったんだ!そういう事を言えるヤツなんだよ滝壺理后は!!そんなヤツは幸せにならなくちゃいけないんだ!!!」

滝壺「はまづら……」

浜面「人の上に立つのは俺でもテメェでもねぇ……!優しい馬鹿が頂点に立って皆を導くような社会を作らなくちゃ、このクソッたれな世界はいつまで経っても救われねぇんだよッッ!!」

垣根「……」

浜面「はぁ……はぁ……!」

滝壺「……私……」

垣根「―――……あぁ、そうだな……だが残念だ、俺がどうこうするまでもなくコイツの方は勝手に死んじまうってのがな」パシッ

滝壺「あ……っ」

浜面「え……?死ぬ……って、な……何言ってんだ!?」

垣根「このケースん中に入ってる白い粉は『体晶』ってヤツなんだが……この女が使ってるのは知ってたか?」ポイッ


…………カランカランッ


浜面「……能力を、発動させる為の……」

垣根「厳密には意図的に拒絶反応を起こし、能力を暴走させるってぇシロモンだ……ま、ちょっと詳しく言うと『暴走能力の法則解析用誘爆実験』ってので使われてたヤツだな」

浜面「暴、走……?だから滝壺は……!?」

滝壺「……」

垣根「『暴走能力の法則解析用誘爆実験』……身寄りのねぇ『置き去り』を被験者に、AIM拡散力場を刺激して暴走の条件を探るっつー愉快な研究なんだが……」

浜面(『置き去り』を……!?)

垣根「―――そこで引金にされていたのがこの『体晶』、大抵の場合はデメリットしかないハズなんだが……ごく稀に暴走状態の方が良い結果を出せる野郎もいるらしい、コイツもその類いなんだろ」

浜面「……そうだ、滝壺は……滝壺はどうなるんだよッッ!!?」

垣根「……こんな状態なら長くは保たねぇよ、今日から一生能力を使わないっつーなら大丈夫だろうが……あと一回か二回チカラを使えば、この女は確実に『崩壊』する」

浜面「ちょ、ちょっと……待ってくれ……!何だよ『崩壊』って……!?」

垣根(……馬鹿に説明は疲れる……)フゥ

浜面「『体晶』だとか……その暴走何たら実験とかもだ……!そんな事をどうしてアンタは……っ!?」

垣根「……」

滝壺「アナタ……もしかして……」

浜面「……え……?」


垣根「―――……当たり前だ、俺が潰した」


今日分終わり

更新ペースと投下量少なくなるかもだけどご了承くらはい;;

―――……神様、この世界が



    アンタの思い通りに描く、奇跡(システム)の通りに動いてるって言うのなら……



―――……まずは



    そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 す ! ! !





てなわけで投下しますん

滝壺「っ!」

浜面「潰、した……?アンタが……!?」

垣根「あまりにもムカついたんでな……だがまぁ、その検体が……」チラッ

滝壺「ぁ……」

垣根「―――……今度は暗部に堕ちちまってるんなら世話ねぇわな」

浜面「そんな……おかしい、おかしいぞ……!?アンタみたいなのが、どうしてそんな善人みたいな真似を……っ!?」

垣根「善人……?」ピクッ

浜面「滝壺を……『置き去り』を助ける為に……?」

垣根「馬鹿言え、助けようとするなら今コイツが此処にいるのは何故だ?……俺が勝手にムカついて勝手に潰した、それだけだ」

浜面「ムカついたから……って、結局はアンタもその実験がイカれてると思ったからだろ、それが理由じゃねぇのかよ!?」

垣根「……テメェには関係ねぇだろうが、それに……そもそも俺に、人は……―――」

浜面「……人、は……?」

滝壺「……っ」

垣根「……チ、しかし……ま、こっちはハズレだったか……『体晶』が無ければコイツの能力はたかが知れてる、索敵はできても検索なんてのは不可能だろ」

浜面「俺達を……殺さないのか……?」

垣根「言ったろうが……今はあまり騒ぎを起こしたくねぇ、能力の使えねぇ能力者なんざに興味はねぇしな……クソッ」ポリポリ

浜面「そ、そうか」ホッ
(よ、良かったぁ~~~~~~~!!!)


滝壺「―――……一度なら……」ボソッ


浜面「……!?」

滝壺「あと一度くらいなら……大丈夫だよ……ね?」ハァ…ハァ

浜面「た、滝壺っ!?」

垣根「……っ」

滝壺「はまづらが言った通りだから……アナタにその気が無くても……アナタが来てくれなかったら、私の命はあそこで終わってたから……」

垣根「……分かってねぇな、そこら中をピョンピョン飛び回る空間移動系能力者の絶対座標を一度や二度掴んだトコで何になる?」

浜面「そ、そうだぞ滝壺!せっかく命拾いしたんだ、無理に能力を使う必要は……」アセアセ

滝壺「でも、私……」

垣根「……悪りぃがただの迷惑だ、次の一回でテメェが『崩壊』を起こさない保証ってのもねぇし、そんなモンに巻き込まれるのはゴメンだ」

滝壺「……ぅ」ショボン

浜面「な、なぁ……一つ、良いか?」

垣根「……何だ」

浜面「一方通行と組む為に風紀委員に潜伏してるわけじゃない……それぐらいは俺にだって分かる、アンタ達は目的が食い違ってるんだからな」

垣根「……」

浜面「組織を失って……『スクール』の最後の一人になってまで、アンタは……垣根帝督は、『残骸』を手に入れて一体何をするつもりなんだ……?」

垣根「テメェ……何言ってんだ?」

浜面「下手したらその一方通行とも闘うハメになるかもしれないってのに、そこまでしてアンタがやろうとする理由って―――……え?」

垣根「……拍子抜けだな、さっきの絹旗といい……本当にそんなのもあの野郎から聞かされてねぇのかよ」

浜面「あの野郎……?」

垣根「チッ、心理定規に決まってんだろが……アイツはテメェら『アイテム』に寝返ったんじゃなかったのか」

浜面「だ、だって俺は下部の人間だし……」

滝壺「……彼女は……心理定規は……行方を眩ませたよ」ゼーゼー

垣根「……なに?」

滝壺「彼女と直接顔を会わせたわけじゃないけど……『裏切り者の私には必要無いモノだから後は好きにしちゃって?終わったら全てを話すわ♪』って……」

垣根(それはコイツのサーチ能力を事前に知り得ていたからだ……元から逃げるつもりだったなあの野郎)

滝壺「罠かもしれないとも思ってたけど、話には乗ってみないと分からないし……実際に『残骸』はあの路地裏に運び込まれてて、敵の数も情報通りだったから……てっきり私達は……」

浜面「む、無理するなよ滝壺……」

滝壺「ぅ……ん……」

垣根(心理定規はどこまで暗躍してやがる……『アイテム』だけじゃねぇ、『グループ』も『猟犬部隊』も出てくるタイミングが絶妙すぎた……薄々感ずいてたが他の組織にも……―――)

垣根「……」



垣根「―――いつからだったか……随分と昔に俺は、全てを失っている」


浜面「……え?」

垣根「知りたがってたろ、俺が闘う理由をよ」

浜面(い、いきなり何言って……!?)

垣根「テメェらと違って今までに俺はそれなりの地獄を見て来たっつー事だ」

滝壺「……」

垣根「闘う理由なんてのはな……それだけで充分なんだよ」

浜面「……なぁ、アンタ……―――」

    「あーっ!見つけましたよ、ていとさーんっ!!」


垣根「……」

浜面「げっ」
(あの……ハワイアンな風紀委員は―――!)

初春「一体何処行ってたんですかー!?全員分のとばっちり受けたの私なんですからねっ!!」プンスカ

浜面(忘れやしねぇぞ……!あん時、一方通行と一緒にいやがった風紀委員だ……それに、こっちの眼鏡の風紀委員って―――!!)


固法「ヤレヤレ……やっと一人捕まえたわ」ザッ


垣根「……固法さん、アンタもか」

固法「コラ、私に何か言う事はないの?」ムスッ

垣根「ははっ、怒ってる顔でも相も変わらず素敵でいらっしゃる」ニコニコ

固法「ん、ありがと♪……ってこのバカチン、誤魔化そうとしたってそうは―――……む?」ピクッ

浜面(や、ヤバいぞ……この女はヤバい……!!)ドキドキ

滝壺(……しんどい……)ゼーゼー

固法「ていとくん」

垣根「うぃっす」

固法「―――……この二人は?」ギュン
(鼻骨が折れている……そして中指と薬指の脱臼、もう一人の症状は……)

初春「はわわ……て、ていとさんまさか……!?」

浜面「い、いや違うんだよこれはだな……!」アセアセ

垣根「あぁ、コイツが無免許運転してやがったから制裁してやったんだよ」ビシッ

浜面「うん、そうそう……―――ってうぉおおーいっ!!?」
(せ、せっかくフォロー入れてやろうと思ったのに……このド外道が……っ!?)

垣根「あぁ?違うのかよ」ギロッ

浜面「本当でず;;」

固法「本当なのね」

初春「だ、だからってこんなボコボコにしなくてもーっ!」ワタワタ

垣根「あれ、鉄拳制裁ってダメなのか?だって一方通行は―――」

初春「一通さんの真似しないでくださーい!!」

固法「まったくもぅ……ゴメンなさいね、ウチの後輩ったら血の気が多い子ばっかりだから」

浜面「イエ、デハボクタチハコレデ……」ザッ

固法「待ちなさい」ガシッ

浜面「……」ダラダラ

固法「そこの女の子を背負うにしても、この指じゃ力入らないでしょ?」パシッ

浜面「へ」


…………グキンッッ!!


浜面「アァオゥッ!?」ビクン

固法「痛くなかったでしょ?これで大丈夫っ」ニコッ

浜面(関節技……!?こ、この女……やっぱり本物だ……!!)ゾク…

垣根「何だ今の?」

初春「固法先輩の十八番です~」タハハ

固法「本当は此処で補導したいトコなんだけど……どうやら病院に行くのを優先した方が良いみたいね」ゴソゴソ


…………ガチャン


固法「それと……優秀なドクターを紹介するわ、このメモを参考にして頂戴」カキカキ

浜面「……あの~……」

固法「ん?」

浜面「指を治してもらったのには感謝してる」

固法「ん」

浜面「しかもアンタは病院への手配までしてくれようとしてる」

固法「ん!」ニコッ


浜面「それなのにどうして僕は手錠を掛けられているのでせうか……」


固法「ちょっと甘いトコ見せると逃げ出す輩が多いからね……ホラ、もう片方はアナタに……」スッ

滝壺(……私、何も悪い事してないのに……)


…………ガチャン


垣根「……面倒くせぇやり方だな」

初春「仕方ないですよー、今は非常事態ですし人員を裂けませんから」

固法「―――これでよし、っと……病院に着いたらメモに書いてる番号に連絡してくれる?部下に鍵を持って行かせるから」

浜面「あ、あぁ……さ、行くか滝壺」スック
(一刻も早く此処から立ち去りてぇよ……)

滝壺「待って、はまづら」

浜面(えぇー……)

滝壺「かきね」

垣根「……?」


滝壺「―――……ありがとう」


垣根「っ……!」

浜面(あ……)

滝壺「あの時から、ずっと……言いたかったから」

垣根「……」

滝壺「……」

初春「……ほぇっ?」

滝壺「―――……行こ、はまづら」

浜面「お、おぅ……」ザッ

初春「今の……ど、どういう意味ですか?」

固法「イマイチ話が見えないんだけど……説明してくれる?」

垣根「んー……じゃあ以前路地裏で助けた女の子って設定で」

固法「ふーん……そっか」

初春「でも暴力はダメですよっ!」ビシッ


垣根(―――……クソッタレが)





浜面「……良かったのか?」トコトコ

滝壺「何が?」

浜面「いや、本当はもっとアイツと話したかったんじゃないかなーって」

滝壺「どうして?」

浜面「そりゃ……滝壺にとっちゃ、アイツはヒーローなんだし」

滝壺「……はまづらも、カッコ良かったよ?」ギュッ

浜面「そ、そうか?」テレッ

滝壺「うん、かきねの次に」

浜面(Nooooooooooooooooッッ!!!)

滝壺「それにはまづら、何だか逃げたがってたし」

浜面「あぁ……まぁ、風紀委員ってのはスキルアウトの天敵だからなぁ……」

滝壺「……それだけじゃないよね?」

浜面「……良いか滝壺、スキルアウトには『コイツにだけは近付くな』、『コイツを見かけたら武器もプライドも全てを捨ててさっさと逃げろ』、『死にたくなければ抵抗するな』ってェ程の風紀委員や警備員の要注意人物が何人か存在する」

滝壺「……」

浜面「そん中でもタチが悪いのが言わずもがな『白髪で紅眼の最凶の風紀委員』、身も心もズタズタに引き裂く『風紀委員の腹黒空間移動系能力者』……しかし、その二人をも震え上げさせるのがさっきの眼鏡の風紀委員長……その通り名は『関節技(サブミッション)』!!」

滝壺「関節技……?」

浜面「あぁ……『透視能力』ってのは人間の筋肉や骨の動き、勿論眼球の向きだって直接視る事ができるわけだ……あの女の恐るべきはソイツを使って相手の次の行動を先読みし、それら全てをカウンターで対処できるレベルのしなやかな体術にある」

滝壺「……何だか地味」

浜面「だが強い、Dr.スランプアラレちゃんで言えば、めちゃんこ強い」

滝壺「……」

浜面「そもそも風紀委員長ってのは風紀委員をまとめる風紀委員で、俺達で言う麦野ポジションでエリートの中のエリートっつーか存在そのものがルールって言うか―――」ウンタラカンタラ

滝壺「はまづら」

浜面「え?」

滝壺「死にそう」

浜面「そ、そうか……うん、そうだよなっ!」アセアセ

滝壺「うん」コクリ

浜面(恋敵はLv5か……喧嘩も能力も適わないかもしんねぇけど……そんな事よりも、まずは滝壺を死なせるわけにはいかねぇんだ……!)

浜面(……俺には垣根が言ってた『崩壊』ってのが具体的にどんなのか分かんねぇけど……でも、どうせろくでもない事に決まってる、とにかく滝壺に能力を使わせなきゃ―――)


    マヨラ~♪


滝壺「……はまづら、ケータイ鳴ってるよ」

浜面「あぁ悪い、両手塞がってるから取ってくれるか?」

滝壺「うん」ゴソゴソ


    コノッテッヲーヒークモノナドイナイ♪


滝壺「……むぎのだ」

浜面「……俺が出る」

滝壺「うん」ピッ

麦野『はーまづらぁ、そっちに滝壺理后はいるかな?』

浜面「……あぁ」

麦野『やっぱ面倒くさいよねー、いちいちアイツ殺すのにこんな手間取らないといけないなんてさ……また向こうから来てくれりゃ楽なんだけど』

浜面「―――……アンタ、知ってたんだよな……滝壺の身体の事、『体晶』の事……」
(今、この街は……俺達はこんな事をしてる場合じゃないってのに……!)

麦野『うん、それがどうかした?』

浜面(こんな時に……!何やってんだよ、アンタは……ッ!?)ギリッ


    『―――ッが!?あがが、ががァ……ッ!!』


浜面「聞こえるか麦野、悪りぃが俺達はもう……アンタには付き合えねぇよ」


浜面パート終わりです

随分間空いちゃったけどサーセン(泣)

うん、何か三角関係になっちったね……トライアングラーってやつか……きーみっはだれっとキッスをすっるぅ~♪





垣根「お前達は俺の翼だ!!!」

……違うか

垣根「よぉ、待たせたな……」

投下する




フレンダ「……」

削板「アッチョンブリケ」ギュー

フレンダ「……」プイッ

削板(くっ、コレもダメとなると……)

フレンダ「……ねぇ、アンタ」

削板「おっ、やっと口開いてくれ―――」

フレンダ「まさかとは思うけど……もしかして、その変顔で笑わせようとしてるつもり?」

削板「応!!」

フレンダ「つまんない、っつーかアンタみたいなのは結局ウザイわけよ」

削板「なん……だと……?」

フレンダ「だからそれがウザイ」

削板「すいませんでした」


フレンダ「それに……別に、助けなんて求めてないし」ツンッ


削板「でも泣いてたじゃねーか」

フレンダ「アンタには関係ないでしょ」

削板「あぁアレか、お前みたいなの……え~と、ツン、ツン……ツンデレドジっ娘メイドキャラって言うんだっけか?」ハハハ

フレンダ「デレてないし、そもそも私の何処がメイドなわけよ」

削板「もし俺で良かったら相談乗るぞ?」

フレンダ「アンタじゃダメだから乗らなくていい」プイッ

削板「さっきの様子だと誰かに襲われたのか?」

フレンダ「そんなんじゃないっての」

削板「じゃあ道に迷ったのか!?」

フレンダ「この歳で迷子になって泣くって何なのよ」

削板「親父さんとお袋さんに会いたくなったのか?両親と離ればなれだからなぁ……確かホームシックって―――」

フレンダ「……アンタ、次その話したら殺すわよ」ギロッ

削板「むぅ……だったらこの大穴は何なんだ……?なぁ、自然現象?」

フレンダ「……ガス爆発じゃないの」ボソッ

削板「おぉ、それにびっくりしちまったわけか……成る程、納得」ポンッ

フレンダ(……馬鹿だコイツ)

削板「まぁ何だ……とにかくお前さんが無事で良かった、女の子に傷が付くと大変だもんな!」ニカッ

フレンダ(それに……変なヤツ)プイッ

削板「……なぁ、無視しないで聞いてくれるか」キリッ

フレンダ「っ!……な、何よ?」

削板「恐らくコレが風紀委員になっての俺の初仕事になると思うんだが……」

フレンダ「……」

削板「―――ところで俺はコイツをどう対処すれば良いんだ?」ポリポリ

フレンダ「……アンタみたいなのが、良くもまぁ風紀委員になれたもんよね」

削板「そんな褒めるなよ////」

フレンダ「うわウザっ」

削板「……っ」ショボン

フレンダ(今度はホントに落ち込んじゃってるし……どんだけ繊細なわけよ)

削板「……」ウジウジ

フレンダ「……っだぁーもう分かった!私が悪かったわよ、だから元気出しなさいっての!!男でしょ!?」

削板(ヲトコ……!?)ピクッ


    ドドドドドドドドンッッ!!!!


削板「応ッッ!!そうだな、漢が根性見せずにウジウジしててもカッコ悪いもんな!!!」ガハハ

フレンダ(……結局、どうして私が励ます側になってんのよ……っつか、この煙は一体何なわけ?)ケホッ

削板「ありがとな、お前良いヤツだな!!」

フレンダ(ホント……変ヤツ)クスッ

削板「おっ、やっと笑ってくれたか」

フレンダ「……!!」

削板「人間ってのはせっかく笑う事ができる生き物なんだからな、辛気臭い顔してても幸せが逃げちまうだけだぜ!」

フレンダ「べ、別に笑ってなんか……!」

削板「……」

フレンダ「う、ん……何かアンタ見てたら、私もちょっと元気出た気がする」
(幸せ……か……)

削板「おぉそうか、そいつぁ良かったな」ガハハ

フレンダ「……ホントはね、コレ……私の友達がやっちゃったの、警備員とかには内緒にしててくれる?」

削板「え、マジ?」

フレンダ「うん、だから私……もう行かなきゃ」スック
(このまま私と一緒にいたら……この馬鹿まで不幸になっちゃう)

削板「……そうか、そりゃ残念だな」

フレンダ「私達……もう会う事も無いかもしんないけどさ、アンタ―――」

削板「そんな事ねぇよ」

フレンダ「え……?」

削板「もう会えないなんて……そんな悲しい事言うなよな、同じ街の中に住んでんだぜ?生きてりゃその内バッタリ再会ってのも不思議じゃねぇだろ」フンス

フレンダ「生きてれば……」ボソッ

削板「ん?」

フレンダ「うぅん、何でもない!あのさ……結局アンタ、名前なんて言うの?」

削板「よくぞ聞いてくれた!!第七七七支部所属……ジャッジメントの削板軍覇だ!!!」ビシッ

フレンダ「そっか……ねぇ、削板ぁ」

削板「応!!」

フレンダ「世界中の人間がさ、もしアンタみたいな能天気馬鹿だったら……争いなんて起きないのかもしんないのにね」ニコッ

削板「人類皆削板化計画か……―――って、俺は馬鹿じゃねぇぞッッ!!」プンスカ

フレンダ「……ふふっ♪バーカ」ベーッ

削板「むぅ……」

フレンダ(……ありがと)クルッ

削板「……」

フレンダ「……」


    「―――……さよなら」





削板「……」

削板「―――ったく、何が『元気出た』だ……嘘つけよ、メチャクチャ哀しそうな眼ェしてたじゃねーか」

削板(しかも帽子忘れて行っちまってるし……それに気付かねぇ程に思い詰めてんだろ)ヒョイ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


削板(しっかしこの圧倒的破壊力……そして分かり難いが、辺りに蒸発した血肉の匂い……つい先程、複数の人間が此処でアイツの友達に虐殺された)

削板(こんな芸当ができんのは深い闇に堕ちたLv5超能力者……ってトコか、そしてソイツは今もこの街を徘徊してる)

削板「……」


削ぎ板「―――……仕方ねぇ、根性出して届けてやるとすっか」ザッ


以上です

続きの黒子パートはいつも通りの夜に投下予定

ヘッドギア「実は黒幕は俺だったりする」

砂皿「そうか、では投下だ」

―――とある路上バザー通り



佐天「おっちゃん!天然ヤシの実ジュース一丁!!」

オヤジ「へィらっしゃい!モヤシジュース入りやっしたー!!」

佐天「おいおいおいおい堂々と間違えるなっ!!違う違う私がドリンクしたいのはそんな得体の知れない液体ではなく、南国ワイハでたわわに実った―――」

オヤジ「お待ちどう、380円ね」ドンッ

佐天「……ぅおーい、完全スルーかよコンチクショウ」

オヤジ「しっかし嬢ちゃん物好きだねぇ、新商品なのに誰も手をつけてくんないからさぁ……やっぱ若者にはウケないかな」ハハハ

佐天「……うん、まぁ……私も頼んでないんだけどね、可哀想だから買ったげる」チャリンチャリン

オヤジ「ちなみに言うとこのモヤシ、自家栽培なんだ」

佐天「……うん、まぁ……聞いてないんだけどね」

オヤジ「また来てねっ!!」フリフリ

佐天(二度と来るかっ!)テクテク


    ワイワイガヤガヤニギニギヤカヤカ


佐天「……せーっかくの休日だってのに初春は風紀委員のお仕事があるって言うし、ホント暇だなぁ~」ズゾゾー

佐天(……むぅ、意外と美味なのが悔しいな……)

佐天(初春の頭ってモヤシ育つのかなぁ……)ボケー

佐天「……ん?」ピクッ


結標「はぁ……はぁ……」ヨロヨロ


佐天「……」ズゾゾー

結標「うぶ……っ、ぐっ……!」フラッ

佐天「―――……え?え~っと……??」
(ち、血塗れのお姉さんが今横を通り過ぎて行ったけど……え、映画の撮影で良い……の、かな?)

結標「はぁ……っ!う、ぁ゛……!?」ガクンッ

佐天(え、演技凝ってるなぁ~……ってか、もしホントに撮影だったら私……こんなガン見してても良いのかな?カ、カメラ回ってるんだよね……もっとオシャレして来たら良かったかも)ズゾゾー

結標「あっ……あ、あ……っ!?」ブルルッ

佐天(それにこのお姉さん、服装とか汗とか凄いし……ち、ちょっと……エロ、い……?もしかしてそっち系の……)ムラッ


結標「うぷっ」


佐天「へ?」


結標「ぇ……うげぇッ!ぉえ゛……っ!!うえ゛え゛えええぇぇぇぇぇ……!!!」ビチャビチャビチャ


佐天「わわわわわわわっ!!?だ、大丈夫ですかっ!?」タタッ
(ウ、ウソっ吐いた!?これマジじゃん!マジゲロじゃん!!)

結標「ぶが……っぇ……」ビクンビクッ

佐天(と、とりあえず背中をさすってみよう……)サスサス

結標「っ!うぁ……や、らめぇ……っ」ハァ…ハァ

佐天「うわぁ……エッッロい顔……―――じゃなかった!い、今救急車呼びますからねっ!!」ワタワタ


    「いい~え、結構ですの……その必要はございませんわよ?」


佐天「ッ!……こ、この一度聞いたらクセになる声帯の持ち主は―――!?」クルッ


    パシュッ…………ポンッッ!!!


吹寄「えっ……風紀委員の避難信号弾!!?」

姫神「色は赤(コードレッド)。第一級避難警告……つまり―――。」


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


Ω ΩΩ(((『死にたくねぇならとっとと失せろ!!!』だとォー!!?)))


黒子「ジャッジメントですのっ!!一般人の方々は今すぐ私の視界から消え失せてくださいまし!!!」ザッ


佐天「し、白井さんっ!!?」
(こ、こっちもボロボロだ……っ!)

黒子「……佐天さん、聞こえませんでしたの?そこの女は大変危険な能力者ですの……早く他の方々と同様に逃げてくださいましよ、この領域は直に戦場と化しますわ」

結標「……しら……い……」プルプル

佐天「で、でも……」オロオロ

黒子「でも、ではございませんでしょう?……分からないのならば、と~っても耳寄りな情報を教えてさしあげますわ?」ズイッ

佐天「え……?」

黒子「空間移動系能力、『座標移動』……その女のチカラは最大射程八〇〇メートル、つまり彼女の視界全域が攻撃可能範囲と言っても過言ではありませんのよ……無能力者なアナタの身体を、その空間ごと抉り取れば一体どうなるかぐらいはご想像できて?」ニッコリ

佐天「……っ!」ゾク…

黒子「ご理解頂けたのならば回れ右、決して振り返らずに逃げてくださいな?四方三里にいる内は、巻き込まれても救う手立ては私にはございませんことよ?」

佐天「……でっ、でもそれは白井さんだって同じじゃん!」

黒子「ご心配なさらずに、空間移動系能力者同士は互いの能力に干渉できない法則というモノがありますのよ……彼女を止められるのはセロリさんでも、ていとさんでもない……学園都市中でも私しかいませんの」ポンッ

佐天「や、やだよ!白井さ―――!!」ヒュンッ


黒子「……アリーデヴェルチ(さようなら)」


結標「はぁ……はぁ……!!」

黒子「そうそう、先程は渡しそびれてしまったのですが……私、アナタにくれてやる物がありますのよ」ゴソゴソ

結標「ぁ、あ……?」

黒子「……どうぞ、ご自由にお使いなさって?」ポイッ


…………ポトッ


結標(コレは……?チューブ型……止血剤……)

黒子「さぁ……服を脱いで下着も取って、みっともなく這いつくばって……傷の手当てをしてくださいな?」

結標「……は?」ビキッ

黒子「私が味わった屈辱をアナタにも身を以て受けてもらうと言ってるんですのよ、私とアナタはそこまでやって初めて お、あ、い、こ ですのよ?このクズ野郎」ニッコリ

結標「……やって、くれたわね?……でも、こういう子供みたいな仕返しは嫌いじゃないわ」

黒子「いいえ、単なる仕返しとは違いますわね……アナタはそれによって、今こうして私に追い詰められているのですから……」


…………ドクンッッ


結標「―――……なん、ですって……?」

黒子「あら、まだお気付きになりませんの?通信機器を失った私が、何故アナタの居場所が此処だと分かったのか……不思議だとは思いませんでしたの?」

結標(さっきの携帯端末はフェイクとでも……?まさか、まだ隠し球が―――)


黒子「ブブーッ残念、ハズレですの~っ」ベーッ


結標「っ!?」

黒子「右肩、左脇腹、右太股、右ふくらはぎ……簡単ですわよねぇ?自分がやられた場所を、そのまま貫けばよろしいんですもの」ニヤニヤ

結標(っ!ま、さか……いや、そんな……!?)ハッ

黒子「ふふっ、その苦い顔……理解できましたの?……でしたら、わざわざ説明するまでもありませんわよね?」

結標(この状況……この怪我、この場所!そして……この、能力!!同系統の能力者である私と同じ状況を作り出す事で、その行動パターンをも予測したとでも……!!?)


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


黒子「―――……それにしても、マズイですわよねぇ……」フフッ

結標(このっ……小娘が……ッッ!!)ギリッ

黒子「公でこんな騒ぎを起こしてしまえば、あのLv5の風紀委員共が直ぐにでも駆け付けてしまいますの♪」ニコニコ


結標「!!!」


黒子「私がハッタリでも使っているとお思いでしたら、『座標移動』で逃げてしまってもよろしくてよ?……しかし、例えアナタが地球の裏側に逃げてしまおうが私は必ず逃走先を暴きますケド」

結標(一方通行……垣根帝督……っ!マズい……マズいわ……!!今の状況に加えて、更に強力な能力者まで乱入して来るとすれば、私の勝利など……っ!!!)

黒子「書庫からの事前情報、アナタと刃を交わした時に得た経験、そして同系統能力者としての似たような心理構造……私は己の直感を、既に様々な情報で補強していますの」

結標(ならば……私が取るべき行動は―――!!)ギロッ

黒子「さぁ……どうすれば良いんでしょうねぇ?こんな時、せめて自分の体を軽々と空間移動できれば少しは気休めにでもなるのでしょうに……」

結標「……っ」ピクッ

黒子「ふふっ、確かアナタ……二年前の時間割(カリキュラム)において、転移座標の計算ミスにより片足が壁にめり込んでしまった……とか」

結標「……それが何か?」
(やはり調べ上げている……『座標移動』の、結標淡希の致命的な欠陥を……!)

黒子「その事故で大怪我を負い、大きなトラウマを生む……それ以来、自分への能力作用時には体調を狂わせるほどの激しい精神的消耗が伴うようになってしまった、と」

結標「……黙りなさい」

黒子「……墓穴、掘ってしまいましたわね?決死の覚悟で行使した空間移動も無駄に終わり、既にアナタは疲労困憊……後は赤子の首を捻るようなものですの」

結標「だ、ま、れ、と言っている……ッ!!」

黒子「確かにアナタの能力は私の『空間移動』よか遥かに強力……しかし今は、初見ではなくお互いの手の内は明かされてますのよ?そのトラウマがある時点で私とアナタの戦力差はひっくり返ってますの」

結標(そんな……ハズがない、私の……『座標移動』は―――)

黒子「もう一度言いますわね……結標淡希さん、投降なさい」

結標「黙れ……っ!黙れ、黙れ黙れ黙れぇ……ッッ!!」

黒子「はぁ……三下、ですわね」ヤレヤレ

結標「……っ!!」ビキビキッ

黒子「本来は超能力者(Lv5)認定される程の怪物能力、『座標移動』……しかし、己を飛ばせぬ空間移動系能力者などは私にとって既に恐るるに足らず……フン」

結標「白、井……っ!?」プルプル
(言うな……それ以上は……!!)



黒子「―――……陳腐な能力者ですこと」ボソッ


結標「~~~~~~~ッッ!!!」ブチブチブチッ


…………カシャンッ


黒子「っ……!?」ピクッ
(乗用車のウィンドウがいきなり……これは攻撃?否―――)


    ヒュンッ、ヒュンッ…………


結標「う、ううう゛ううううぅぅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……っっ!!!」ガシガシガシ

黒子(―――……こ)ゾク…


    ヒュンヒュンッヒュッヒュンヒュンッ…………!!


黒子(これは……!?)

結標「  し  ら  い  ・  ・  ・  ・  っっ!!」ギロッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


結標「しらいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッッ!!!!」

黒子(能力の……暴、そ―――!!)


    ゴアッッッッ!!!!


今日分終わり

此処から女の闘いがががががが((((゚д゚;)))))

うおおおおおおおおリョナリョナパートはお休みして、行くぜ!!!『俺の妹がこンなにババァなワケがねェ』パート投下だァァー

―――とある街角



絹旗「お兄ちゃんっ♪」

一方通行「……」トコトコ

絹旗「あ、あれっ?待ってくださいお兄ちゃーん!」トテトテ

一方通行「……ッ」プルプル

絹旗「超お兄ちゃんっ><」

一方通行「うるせェェええええええええええッッ!!!」

絹旗「なうっ!?」ビクッ

一方通行「さっきからお兄ちゃンお兄ちゃンお兄ちゃンお兄ちゃンあああああああああもォォォおおおおおおおおおッッ!!!オマエは俺のトラウマに新なる一ページを刻むつもりかそォなのか!!?」

絹旗「よ、呼んでるのにお兄ちゃんが返事してくれないからじゃないですかっ!!」プンスカ

一方通行「何なンですかァこの展開はあァァ!!?クッソ一大事な時に次から次へとどいつもこいつも俺の邪魔ばっかりしやがってェェええええええッッ!!!」ゴロンゴロンッ

絹旗「私は邪魔なんかしてませんっ!例え世界中を敵に回しても最愛はお兄ちゃんの超味方ですよっ?」ムギュッ

一方通行「オーケーオーケー、感激して涙がちょちょ切れちまいそォだなァ?オマエがイカれてンのは充分理解したから一々引っ付くンじゃねェっつの!!」グイグイ

絹旗「お、男だったらこんな時は『な、何か腕に超ムニムニした柔ァーらかい感触がァ~』とかって超照れながらも心中堪能するモンだと思いますけどねっ!?」

一方通行「俺にそのセリフを言わせる程の膨らみをオマエは持ち合わせちゃいねェだろ、漫画の読みすぎだ」

絹旗「漫画ではなく超C級映画の影響ですよーっ><」ムギュー

一方通行「だから離せってンだろこの野郎!街行く人々の冷たい視線が突き刺さってンだろォがよおォォ!?」

絹旗「……おや?」ピクッ

一方通行「……何だ」

絹旗「お兄ちゃんってば良く見たら頬っぺた超怪我してますね……バイ菌でも入れば大変ですっ!!」ワタワタ

一方通行「あァ……?」
(番外個体の磁力砲の……)

絹旗「待っててくださいね、今私が……」ゴソゴソ

一方通行「……っ!?」ゾクッ


絹旗「―――……液体窒素で瞬間凍結させますので♪」ニコッ


一方通行「オ……オマエは馬鹿か!?ンなモンやったら顔面粉々になって御陀仏に決まってンだろ!!」グイグイ

絹旗「う、上手くやりますから大丈夫ですよー!!」

一方通行「大丈夫ってェ自信はオマエの何処から湧き出て来やがンだァァ!!?」

絹旗「うぅ……!」グスッ

一方通行「ンな……!?」

絹旗「窒素ぱーんち><」ブンッ


    ボグシャアァッッ!!!


一方通行「がっ、ァァああああああああああッッ!!?」ゴロゴロゴロンッ

絹旗「酷いです酷いです!お兄ちゃんってば超酷いです!!いつもなら超優しい言葉掛けてくれたり私の頭いっぱいナデナデしてくれるのにぃっ!!!」

一方通行「ち、ちょっと……待て、俺の知ってる一方通行さンとはイメージが余りにもかけ離れてンだがァ……?」ヨロヨロ

絹旗「お兄ちゃんが傍にいてくれたから最愛は実験だって超頑張れたんですっっ!!」

一方通行「っ……!?」
(『暗闇の五月計画』……確か俺の演算パターンを参考に……そうか、コイツまさか……!?)

絹旗「ふええっふぇぇぇぇぇぇぇん……!!」メソメソ

一方通行「あ、あァ~分かった分かった、俺が悪かった……だから泣き止め、な?」

絹旗「ナデナデしてくれるなら泣き止むかもですよ?」

一方通行「」

絹旗「うわーんうわーん」ビエーッ

一方通行「ッッ~~~~~~~!!!」ナデナデ

絹旗「えへへ……////」クスン

一方通行(……学習装置(テスタメント)で強制入力されたのか、コイツが自分で暗示を掛けてたのかは知らねェが……俺の肉親と信じ込む事で『自分だけの現実』を最適化しよォとした……?)グシグシ

絹旗「ち、ちょっ、痛っ!?お、お兄ちゃん力入りすぎです!頭ハゲます超ハゲます!!」

一方通行(ソイツを俺がフラッシュバックさせちまったってェのかァ?そンな奇跡があって堪るかよクソッタレ!!)ガシガシガシ

絹旗「ハ、ハゲーッッ!!!」

一方通行「―――なァ、オマエ」

絹旗「な、なんです?」ヒリヒリ

一方通行「……何でこンなくだらねェ事件起こしやがった?」

絹旗「むぅー……お兄ちゃんってば、まだ勘違いしているんですね……でもそういうトコも可愛くて超大好きなんですけどっ♪」ニコニコ

一方通行「真面目に答えろ」ギロッ

絹旗「うぅっ……わ、私達は『アイテム』です……今回の親船暗殺騒動を引き起こしたのは『スクール』っつー超馬鹿共ですよっ」

一方通行(『スクール』……確か、第四位も言ってやがった……)

絹旗「私達『アイテム』の活動内容は学園都市統括理事会を含む上層部や極秘集団の暴走の阻止です、今回の『スクール』の反逆を事前に阻止する事はできませんでしたが……」

一方通行(『スクール』、『アイテム』……そンで確か結標の野郎は『グループ』っつってたな、狙撃手は『スクール』の構成員……ならば俺は誰を取っ捕まえりゃイイ……?)

絹旗「私だって好きでこんな超クソッタレな仕事をやっているわけではありませんよ、ただ『置き去り』である私達には他に居場所が無い……それだけです」

一方通行「……そォか」
(成る程ねェ……そォいう使い捨てのイカれた実験は全て『置き去り』が被るワケか)

絹旗「でも、お兄ちゃんが超カッコ良く颯爽と助けに来てくれたから私は超オッケーなんです!」ムギュッ

一方通行「あァ?」

絹旗「風紀委員の身寄りがいるとなれば、きっと私もこんな闇からオサラバできるはずなんですからーっ♪」スリスリ

一方通行(やっぱりコイツも……)

絹旗「えへへ♪」ニコニコ


    「いィィィィィィィっつうゥゥゥゥゥゥゥゥゥクゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……?」


一方通行「……ッ!?」ゾクッ

絹旗「んぅ?」チラッ


固法「い、一体何をやっているのかしらぁ~……?」ヒクヒク


一方通行「ばびゃばらはばばぶァら」


固法「あ、あぁ~ナルホドね……私に見せたい物ってソレの事だったの、ふーん……白井さんが頑張ってるってのに、アナタは女の子引っ掛け回してヘラヘラ遊んでいたと……」

一方通行「ち、違うンスよォォ……!」アセアセ

固法「ふーんだ、何よ……見直して損したわっ!」プイッ

一方通行(ど、何処から説明すりゃイイってンだァ……!?考えろ、俺ァ学園都市一の頭脳を持つ―――)

絹旗「むうぅ~!!」ムスッ


…………もにゅんっ


固法「え……っ」ビクン

絹旗「ちょっとお兄ちゃん!!一体誰なんですか、さっきから偉そうなこの超ニセ乳女はっ!!?」モミモミ

一方通行「」

固法「な、っな……?なぁ……////」カアアァ…

一方通行「バァァあ゛あ゛ああああああああああああああああッッ!!?」

絹旗「む……むむ?」ムニムニ

固法「……っ!ちょ……こ、コラぁ……んっ」

絹旗(こ、この感触は……)フニフニ

固法「や……やめなさい!いきなり何するのっっ!!?」シュババッ

絹旗「……」ワキワキ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


絹旗「―――な、何ですか……妙に本物っぽいじゃないですかぁ……」

固法「本物だあああッッ!!!」プンスカ

一方通行(どォしてこォなった)

絹旗「お兄ちゃんっ!」ジロッ

固法「一通くんっ!!」ギロッ

一方通行「っっ!!?」ビクッ

固法「またこんな小さい子を捕まえて……どういう事か説明しなさいっっ!!!」ズイッ

一方通行「ま、『また』って何だよ……!?それじゃ俺がただのホワイトロリータみてェじゃねェかよォォ……」

絹旗「ち、小さいって何ですか!?私の胸だってあと二、三年もすれば……」

固法「胸の話をしているんじゃないのっ!!」

絹旗「ううぅぅ!お、お兄ちゃん的には巨乳さんが超ヒットなんですかっ!?」ズイッ

一方通行「バ、馬鹿野郎ォ……乳のデカさなンてモンはステータスなンだよォォ……」

固法「本っっ当に呆れたわ……もう良い分かった、ずっとそうしてなさい」ヤレヤレ

絹旗「言われなくてもそうしますよ~―――だばッ!!?」ミシ…ッ

    げ ん こ つ !!!!


一方通行「もォ頼むからオマエは黙ってろ!!」

絹旗「ど、どうしてですか~っ!?」ヒリヒリ

固法「いいわよ、私もう行くから」プイッ

一方通行「ッ!だ、だから違げェンだよ!!俺がアンタに渡したかったのはコイツだ!!!」スッ

固法「……何?コレ」
(銃……ではないわね、流石に)

一方通行「嗅覚センサーってヤツだ、アンタが持ってる打ち止めのケータイから足跡を辿れるハズなンだよ」

固法「こんな物を何処から……―――ってのは」チラッ

絹旗「むっ」ササッ

固法「……聞けば長くなりそうね……分かったわ、一息ついたら話して頂戴」

一方通行「あァ、ついでに言っとくが俺ァ遊ンでワケじゃねェぞ」

固法「ん、分かったからちょっとこっち来なさい」チョイチョイ

一方通行「あァ?」

固法「気付いてないの?ホラ鼻血……みっともない」フキフキ

一方通行「ぶァい」

絹旗「っ!?」

固法「―――と、頬の切り傷ね……ハイ、絆創膏……っと」ペタッ

一方通行「……サーセン」

固法(他にも殴られた跡が沢山だけど……話してくれないわよね……)

絹旗「ちょちょちょ!アナタ一体何やってんです!!?」ワタワタ

固法「ん?何って……傷の手当だけど」

絹旗「私がやりますから超結構です!お兄ちゃんもどうしてアッサリと受け入れてんですか!?私の時は超全力で拒否ってたのにぃっ!!」

一方通行「オマエのは何か殺意が籠ってる」

絹旗「超誤解ですうううぅ!そんな事ないですってばー!!」ゴロンゴロンッ

固法「ふぅ、じゃあ私もう行くけど……アナタは白井さんの応援に行ってあげて、初春さんなら先にあるカフェでていとくんと休憩してるから」

一方通行「うっス」

固法「それから一通くん、何度も言ってるけど……アナタの何でも一人でこなそうとするその癖、直さなきゃダメよ?」

一方通行「……」

固法「皆の為に頑張るのは良い事だけど、力があるからって一人で突っ込むのはまた別よ?私達はチームで動いてるの、だからしばらくは彼と一緒に行動しなさい」

一方通行「っ!?な、何でアイツと……!」

固法「先輩命令よ、理由は……何となく分かるわね?」

一方通行「……チ」

固法「ん、素直でよろしい!」ニコッ

一方通行「ちっくしょー……ババァはともかく、どォしてアイツなンかと……」ブツブツ

固法「それじゃ……くれぐれも無理はしない事」

一方通行「チッ……だからアンタは心配し過ぎだっつの」

固法「されてる内が華だと思いなさい、バカモノ」クルッ

一方通行「……眼鏡先輩よォ」

固法「ん?」

一方通行「ババァは俺が何とかする、だから……クソガキを頼む、アイツも狙われてるかもしれねェンだ」

固法「『俺が』じゃなくて、『俺達が』……でしょ?」

一方通行「あァ……俺達が、何とかする」ポリポリ

固法「……よし来た、先輩に任せなさいっ♪」ニコッ

今日分終わりー

一回の投下で一パートずつ終わらしてく事になりそう

ではまたノシ

ふと思った、いつ完結するんだろうこのスレ……と


投下しまふ




一方通行(木原の馬鹿が『妹達』を引き連れてる以上、打ち止めが狙われる可能性だって充分にありやがる)

絹旗「お兄ちゃーん」クイクイ

一方通行(ヤツらは手掛かりを掴ンでねェ……とは言い切れねェが、既に捕獲されてンなら何か動きがあるハズ……)

絹旗「んもぅ、またシカトですか……―――はっ、まさか私のテンションを下げて下げて……か、ら、の 超上げる事で喜びの反応を楽しもうって魂胆ですね?いやーやっぱお兄ちゃんってば、流石は私の超お兄ちゃんですね」

一方通行「……」

絹旗「あ、あれ……?どうしたんですか、その超冷めた目は……泣いちゃいますよ?えーんえーん」

一方通行「……」グッ

絹旗「分かりました!超分かりましたから拳を握らないでください!!」

一方通行「……なァ、『スクール』の目的ってのは何なンだ」

絹旗「それは分かりません……が、『残骸』を手に入れて超くだらない悪巧みを試みてるのは確かですね」

一方通行「チッ、結局は『残骸』絡みかよ……」

絹旗「それを手にする事は世界一の頭脳を得るのと等しいですからね……何せ世界最高峰のシミュレートマシン、世界中のお偉方が喉から手が超伸びる程に欲しがってると言いますし」

一方通行「何処の馬鹿が『樹形図の設計者』を破壊したのかは知らねェが、そンなモンが潰されたとなれば大々的に報告すンのが普通じゃねェのか?」

絹旗「余計な混乱を避ける為ですよ、ある意味核より超厄介な代物ですし……だから上層部は極秘裏に回収作業を進めていたらしいんです、ですが……―――」

一方通行「そこで『スクール』の連中に狙われた、ってかァ?……マヌケだな」

絹旗「以前から『スクール』が影でコソコソやってるのには超気付いてました、なので三日前くらいに狙撃手を尋問して……ってまぁ、麦野がブッ殺しちゃいましたけどね」

一方通行「……狙撃手?」

絹旗「はい、『スクール』の正規メンバーですので……今日のは急遽補充した雇われ、ってトコでしょうか」

一方通行「そもそもよォ……ヤツらの狙いが『残骸』なら、だが」

絹旗「はい?」

一方通行「親船を暗殺する理由は何処にある?仮に理事会を皆殺しにする為だとして、『残骸』を修復する前に宣戦布告されてもなァ……」

絹旗「それは私達の間でも超議論しましたよ?……しかし結果を見ますと、それは単なるオマケでした……」

一方通行「……陽動、か」

絹旗「はい、ヤツらが『残骸』を手にしたのはつい先日です……しかし追っ手が絶えないのも超事実、そこで他の騒ぎを引き起こし混乱させた所で完全に撒くつもりだったみたいですね」

一方通行(つまり……騒ぎを起こせるならば誰でも良かった、ってかァ……?)

絹旗「そして私達は超まんまと騙されました、『スクール』の裏切り者にです」

一方通行「裏切りだと……?」

絹旗「……いえ、実際は裏切りと言えるのでしょうかね?『残骸』の隠し場所をあえて私達に教え、集まった所をリーダーがまとめて潰す作戦だったのかもしれませんし……」

一方通行「……」


…………ドクンッ


一方通行「―――いや待て、オマエらを単独で潰せる程の実力者だと?ソイツは……あの場所にいたのか」

絹旗「はい、『スクール』の最後の一人……コイツの能力が超厄介です、私の『窒素装甲』もまるで通用しませんでした」

一方通行(俺達以外に……あの場所にいたのは―――)

絹旗「私は窒素を扱って特殊なフィールドを展開する能力者です、しかし逆を言えば……窒素が無ければ本当に何もできないんですよ」

一方通行「……っ」

絹旗「……彼は大気中の窒素をまったくの別物へと変換する事で私の能力を無効化しました……今まで私達の常識だった物理法則を―――」


―――『だがな、俺は……の……常識が通用しない男だ』―――


一方通行(……常、識……)

絹旗「……完、全 に否定する……それが『スクール』のリーダーの『超』能力」


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


一方通行「―――……ソイツの名は?」

―――とあるオープンカフェ



垣根「フラグメイカーだぁ?」

初春「そうなんですよ、一通さんってば……助けた女の子に見境無くフラグをおっ立てて行くんです!ですからファンレターやラブレターが毎日支部にた~っくさん届くんで、皆さん超迷惑してるんですっ!!」パクパク

垣根「そしてそのフラグを回収しねぇからタチが悪い……と」

初春「まったくでふ!」モグモグ

垣根「……」

初春「あー美味し」ムシャムシャ

垣根「っつーか白井のヤツと通信切れちまったんだろ?良く呑気に腹拵えなんかしてられるな」

初春「腹が減っては何とやらってヤツですよー、ていとさんは何も食べないんですか?」

垣根「ならタバコ吸っても良いか?」ゴソゴソ

初春「……」

垣根「……冗談だよ、学園都市は終日禁煙、風紀委員が吸うわけねぇだろ」
(……チックショー……)

初春「白井さんなら心配しなくても大丈夫ですよ、その内ひょっこり帰って来ますって」

垣根「猫かアイツは」

初春「ていとさんは知らないでしょうが、白井さんだってただの突撃馬鹿ではありませんよ?今までの経験から引き際ってのは充分理解してるはずです」

垣根「あーそうかい、仲間想いなこって」
(あの野郎……結局足止めすらできてねぇじゃねぇか)

初春「んもー、だから大丈夫ですって」タハハ

垣根(甘い……優しすぎんだよ馬鹿が、もうコイツらをあまり巻き込みたくはねぇってのに……)

初春「とにかく命令通り一通さんと一旦合流しましょう、そこからLv5二人のコンビで結標を叩く……完璧ですね」

垣根「……あの程度の女ァ俺一人で充分だろ、だから―――」

初春「ダメですよ、どっちか片方が絶対にやり過ぎちゃうんですから……止める人間が必要です、一通さんが来るまで居場所は教えません!」ムグムグ

垣根「何だよ、信用してないのか」

初春「してませんよ?二人の暴力的なトコとかは特に」

垣根「……チ」
(こうなったら力づくで……―――)

初春「んまんま♪」ニヘニヘ

垣根「……」

垣根「……見てるだけで胃もたれ起こしそうだな、その……えー、今食ってる大型何とか……」

初春「大型甘味パフェ(1480円)ですー!」

垣根「そうそれ、分かったから食いながら喋るなよ」

初春「あ、あげませんよっ!?これを一人で完食するのが私の今期の目標なんですから!」ササッ

垣根「そうか、さっさと食え」

初春「は~い」カチャカチャ

垣根「……」

初春「う~ん、このカラメルが何とも……」パクパク


垣根「……そしてお前もアイツに惚れた一人ってぇわけか」


初春「ぼほォっ!!?」ゲホッ

垣根「……」

初春「げほっげほっ!す、すいませ……―――げほんっ!!」

垣根(汚ったねぇ……)

初春「……な、ななな何ですか急に!?私が一通さんをす、すすす好きだなんてそんなわけわけわけわけ―――」ワタワタ

垣根「何だ、違うのか」

初春「ち、違うますっ!そんなわけないですっ!!」プイッ

垣根「そうかそうか、俺の思い違いか」

初春「ま、ままままったくもう……」

垣根「……」

初春「は、早く食べないとアイスが溶けちゃいま―――」

垣根「あー……そう言やぁ昨日アイツ、常盤台の子にラブレターもらってやがったなー(棒」


初春「URYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYッッ!!!!」ガタッ


垣根「……」

初春「―――……はっ」ビクッ

垣根「分かりやすいなァ……お前」ニヤニヤ

初春「はうぅ……////」カアァァ…

垣根「んまぁ、そりゃ妬いちまうわな……ライバルがどんどん増えて行くのに、自分は眼中にもないと来た……」

初春「ううぅ……」ショボン

垣根「ならどうだ?いっその事、俺に乗り換えちまうってのは」

初春「!!?」

垣根「ん?」

初春「ど、どどどどういう……?」オドオド

垣根「どうって……言葉通りの意味だよ」

初春「」



    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


垣根「―――はっ、カワイーじゃねぇか……口元にクリーム付いてんぞ?」スッ

初春「は、はひ……////」カアァァ…

…………クイッ


垣根「初春よ、実は俺な……」ペロッ

初春(な、舐めた!?拭ったクリームを……あのていとさんがばばばばばばばば)

垣根「今……巷で有名な『スイーツ男子』ってヤツなんだよ」ニッ

初春「て、ていとさん……////」ドキドキ

垣根「美味めぇんだろ、そのパフェ……良かったら俺に食わしてくんねぇかなァ……?」

初春「はうっはうぅ……////」モジモジ
(う、嘘っ!?そんなぁ……!)

垣根「でも……違うな、やっぱ俺が一番食いてぇのは……」ズイッ

初春「ふぇ、え……!?」ドキドキ


垣根「―――初春飾利……お、前、だ、よ」


初春「」プシュー

垣根「ん?」ニッコリ

初春「ほぇ……////」ウットリ

垣根「……は、なーんつってな」ガタッ

初春「……ほぇ?」

垣根「ほぇ?じゃねぇよ、芝居だ芝居……決まってんだろ」

初春「な、なっ……!?女心を弄ばないでくださああぁぁいっっ!!」プンスカ

垣根(……面白い)

初春「うぅ……酷いですぅ」クスン

垣根「アイツのフラグ体質もそうだが……どうやらお前の男に対する惚れ易さにも問題があるんじゃねぇか?」

初春「だ、だって私の周りの男性は一通さんとかていとさんとか……イケメンさんばかりなんですもん!!」

垣根「一方通行ねぇ……女には好かれるみたいだが、男にはサッパリだな」

初春「そう、ソレですよ!」ビシッ

垣根「は?」

初春「と、いうわけなんでていとさん……一通さんと仲良くしてあげてください」ペコリ

垣根「アレか、アイツはお前にこんなお願いされる程にヤバい状況なのか」

初春「だって一通さんってば、友達がいねェだの学校つまらンだの事ある毎に私達にブツブツブツブツ……」

垣根「ぶっははははは!?何だよアイツ……やっぱり友達が欲しいのか!!」

初春「やっぱり?」

垣根「柄じゃねぇよなぁ……昨日学校で昼メシ一緒に食ってたんだけどよ、アイツ―――」

初春「わー!もうそんなに仲良くなったんですかー?」パアァァ

垣根「……あ?」

初春「一通さんとお昼ご飯一緒に食べる人なんて、私達以外にきっと初めてですよ?」

垣根「まぁ……そうだろうな、あの感じだと」
(っつーかコイツらにはそこまで心開いてんのかよ)

初春「じゃあていとさんが一通さんのお友達第一号ってわけですね♪」ニコニコ

垣根「はぁ?冗談じゃねぇぞ……誰が友達だ だ、れ、が」

初春「嫌なんですか?」

垣根「お前も知ってんだろ?俺とアイツが面と向かい合えばアホボケ死ねカス、暴言祭のヨイコラセッセだぞ?」

初春「でも、そうやって何でも言い合えるのが友達ってモンじゃないですか?」

垣根「いやコレは違うだろ……」

初春「……今までていとさんには、そんな人がいましたか?」

垣根「もういねぇ」

初春「へっ?」

垣根「……いや、何でもない」

初春「私……気が合うと思うんですよ、第一位と第二位……一通さんとていとさんって、すっごく似た者同士ですから」

垣根「似た者同士……?」

初春「はい、何か雰囲気とか」

垣根「……すごくと言った割にはアバウトだな」

初春「うぅ……」

垣根「まぁ……似た者同士、か……確かにそうかもしんねぇなァ」ポリポリ

初春「……ありゃ、認めちゃうんですか?」

垣根「アイツなら此処でキレるんだろうが……そこで大人な対応を取っちまうのが俺とアイツの違いなんじゃねぇか?」ニッ

初春「一通さん……本当は嬉しいんですよ?どんなに暴言を吐いても、ていとさんや白井さんはちゃ~んと相手にしてくれますから」

垣根(そうだな……確かにバケモノの相手ができるのは、それと同じレベルのバケモノしかいねぇが)

初春「お互いに必要だと思うんですよ、気を使わないで何でも言い合えるような相手が……Lv5みたいな雲の上にいるような人だと余計に……」

垣根「……そうか」

初春「やっぱ力を持ちすぎてる人って、色々な悩みとか引きずってそうですし……」

垣根「……っ」ピクッ

初春「……あ!ていとさんは別ですよ?まだ知らない事もいっぱいありますし……気に障ったのなら謝ります、ごめんなさ―――」

垣根「いや……良い、それよりお前……何か知ってんのか」

初春「ほぇっ?」

垣根「……一方通行」

初春「ぁ……そう、ですね」コトッ

垣根「……」

初春「第三者の私が勝手に言うのはどうかと思いますが……これから一通さんと同じ目線に立って、向かい合うのならば……知っておかなければならない必要事項なのかもしれません」

垣根「何だ……興味があるな、アイツの過去に何があった?」

初春「はい……彼、一通さんは……―――」

投下終わり!

次こそは長かった黒子とあわきんの闘いの決着だァよ?やっとクライマックスに近づいて来たと思ったらカーチャンが伏線ばら蒔いたおかげで下手したらまだ中盤なのかもしれない

そして明日はモンハン発売日( ̄∀ ̄)

>>1乙ごろごろ

軍覇さんの『ジャッジメントですの』の決め台詞って何になるんだろ


削板「ジャッジメントだッッ!!!」はありきたりだしなぁ

うわあああああああああああ待たせてごめんよおおおおおおおおおおおおおお三週間ぶりに投下するよおおおおおおおおおおおっっ!!!






    ゴァァァアアアアアアアアアッッッ!!!!


結標「しぃぃぃぃらぁぁぁぁいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッッ!!!!!」


    ヒュンヒュンヒュッヒュンッヒュンッヒュン…………!!!


黒子(これは……ま、マズいですの……っ!!)ヒュンッ


    グッッシャァァアアアッッ!!!!


黒子「―――……間、一髪……」シュタッ
(精神攻撃が有効と言いましても……少々調子に乗り過ぎたかもしれませんわね)

結標「う……ァ……!あ、あ、あああああああああああああああああァァああああああああああァあああああああああああああああああ!!!!」

黒子(空間移動系能力者は似た系統の能力者を転移させられない……この法則が無ければ、私の身体などは今頃空中分解してますの)

結標「い、い゛い゛……!!ぎ、ぁあ゛……!!!」ガシガシガシ

黒子(暴走の範囲は彼女を中心に半径約三〇メートル、屋外ならばこれだけ離れれば……しかし、これは……)


    オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ・ ・ ・ ・


黒子「―――何という……光景ですの……っ!?」ゴクリ
(酷い……まるでサイクロンの通過痕のような……!!)

結標「こ……っっっのォォおおおおおおおおおおお逃げるなぁぁあああああああああああああッッ!!!!」

黒子「お止めなさい……!!そして周りを良く見なさい!!!アナタ……!」

結標「っ!?」ビクッ


    ヒュンヒュンヒュンッヒュンヒュンッ…………!


黒子「―――能力が暴走していますのよっ!!?」

結標「は……ひ……ぃっ!?」




…………ゴトッ!ゴトンッッ!!


黒子「……っ!」

結標「や……いや……ぁっ」ペタン

黒子(宙を舞っていた器物が落下して行く……)


    ガシャンッガシャッガシャンッッ!!


結標「はぁ、はぁ……はー……うあ、あぁ……!」ブルブル

黒子(落ち着いて……頂けましたの……?)ザッ


…………ヒュンッ


黒子「大丈夫ですの?結標さ―――」シュタッ

結標「……ぐ、ぎぎ、い……!!」ギロッ

黒子「っな……!」ゾクッ


結標「―――……殺、す」ヨロッ





    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


結標「殺す……殺す……っ!!絶、対、殺、す !!!よくも……よくも私を壊してくれたわね!!?」

黒子「ぅ……」タジ…

結標「うふ、うふふふふふふひゃははははははは♪ブチ壊してあげる……アナタが私を壊したのだから、私もしっかりお返ししてあげなきゃねぇ……白井さん?」クイッ


    ヒュンッ…………カタンッ


結標「少し……お話ししましょうか」

黒子(椅子が……?)

結標「立ちながらじゃあ辛いでしょう?どうぞ座って頂戴、警棒が無いから転移座標が少しズレちゃったけど……問題ないわよね」

黒子「……」

結標「罠だと思ってる?用心深いのね……でも大丈夫よ安心して、そんなくだらない決着は望んじゃいないでしょう?……お、互、い にね」

黒子「……そう、ですわね」ガタッ

結標「止血剤……有り難く使わせてもらうわ」ヒョイ

黒子「あら、アナタの性格ですと絶対に使わないと勝手に思い込んでいたのですが……」

結標「えぇ、まさか私も真っ昼間の路上でストリップを晒すハメになるとは思いもしなかったわ」ヌギヌギ


…………パサッ


結標「『残骸』……と、言っても分からないわよね……『演算中枢(シリコランダム)』でも難しいかな」ヌリヌリ

黒子「……??」

結標「知りたがってたわよね、このキャリーケースの中身……この子は破砕された『樹形図の設計者』の大脳部なの」

黒子「……」

黒子「……ツ、ツリー……は?」キョトン

結標「壊れて尚、朽ちて尚、莫大な可能性の残されたスーパーコンピュータの演算中枢……それがこの『残骸』……って言えば?」

黒子「……ば、かな……だってアレは、今も衛星軌道上に浮かんでいるはずでしょう……?」
(この女……澄ました顔でサラリと何を言ってますの?)

結標「馬鹿馬鹿しくって現実味が湧いて来ないかしら?……そうよね、そんな大それた物が破壊されたとなれば、自分達風紀委員の耳に入って来ないハズがない……でもね、これは現実よ」シュビッ

黒子(写真……?)

結標「見てみる?学園都市の撃墜レポートの添付資料というヤツなんだけど……」ピシッ


    ヒュルルルルル…………ッ


黒子「……」パシッ

結標「……どう?レアでしょ」クスッ

黒子(そんな物を一体何処から……いえ、今はそんな話を考えるだけ無駄ですの)

結標「如何かしら?日付を見ても分かる通り、『樹形図の設計者』はと~っくに破壊されているの」

黒子(しかしコレは……CGでも合成写真でもなく、本当に……!?)

結標「……御坂美琴」ボソッ

黒子「っっ!!?」ビクッ

結標「あの雌狐には本っっ当に手を焼かされたわ……何処から嗅ぎ付けたのか、外部組織と接触した私を執拗に追いかけ回して来るんだもの」

黒子(どうして……この女の口からお姉さまのお名前が出て来るんですの……!?)

結標「お陰で一度は手にした『残骸』も『スクール』の連中に奪われるわ、組織を潰されて『グループ』に協力せざるをえなくなるわ……もう散々よ」フゥ

黒子「一体……どういう……!?」

結標「御坂美琴も一方通行も大変よねぇ……もし『残骸』を組み直されてしまったら、またあの実験が開始されてしまうかもしれないんだもの」

黒子(……実、験……)

結標「……あら、まさかそこまで蚊帳の外ってわけではないんでしょう?何せ白井さん、アナタはあの最凶の風紀委員……一方通行の仲間なのだから」ニヤニヤ

黒子「……一つ一つ状況を整理して行きましょうか、まず『グループ』や『スクール』……というのは学園都市内の組織名か何かですの?」
(事は私が思っている以上に複雑に絡みあっているみたいですわね……)

結標「そうよ、アナタ達風紀委員が表で働く組織ならば……彼らはこの街の裏で暗躍する闇の組織、と言えば分かりやすいわよね」

黒子「どうしてそのような者に協力を?」

結標「簡単な事よ、いくら価値ある『残骸』を手に入れても私一人では修復できない……だからそれを組み立てられる技術と知識、そして目的を持つ集団が必要だった」

黒子「しかし今アナタが『グループ』に所属しているのを見るに……大方、外部組織を聡明かつ行動的な御坂美琴お姉さまに潰されてしまったからだと言った所でしょうか?」

結標「残念、あの無能共を実際に潰したのは『スクール』の連中よ……そして行き場を失った私達の目の前に現れたのが『グループ』だったの」

黒子「……私、達?」

結標「何も気にする事はないわ、私と同じ志を持った仲間の能力者達よ」

黒子「……成る程、『スクール』から『残骸』を奪い返す為、強力な能力者であり利用価値のあったアナタは招き入れられた……と」

結標「彼らも学園都市には不満を抱いてるみたいなのよ、表向きは素直に『残骸』の回収作業を進めている……そう、表向きは……ね?」

黒子「しかし本当は学園都市を出し抜くチャンスをコソコソと伺っている」

結標「そういう事ね、まぁ私はこの街が……統括理事会がどうなろうが興味はないけど」

黒子(……やはり、こういった者達を裏で操っているのは統括理事会ですのね……つまり『残骸』を彼らの手に渡すという事は―――)

結標「……くふっ」クスクス

黒子「……っ」ゾクッ

結標「ねぇ……白井さん、ねぇねぇ白井黒子さん、能力ってのは……必ずしもヒトにしか宿らないモノなのかしらね」

黒子「……なん……?」

結標「……むかぁ~し昔、ある所に……強大な能力者と組織がアリマシタ」


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


結標「組織はその強大な能力者をどうにか量産できないかを考え、行き着いた先が能力者のクローニング技術でした」

黒子(クローン……)

結標「……しかし結果は散々でした、出来上がった哀れな子羊達はオリジナルの力の一%にも満たないクズばかり」

黒子「何が……言いたいんですの」

結標「作られた個体達は人工的にオリジナルと全く同じ才能開花を迫られた、それでも結果は追い着かなかった……同じ脳を使って同じ結果が出ないのならば、脳の構造以外の項目が能力開発に関わっているとは思わない?」

黒子「……まさか」

結標「そして……もし、その項目を見つけ出す事ができれば……能力の発現に、ヒトの脳を使う必要なんてあるのかしらね」

黒子「まさかアナタ……そのデカブツに私達と同じような能力が発現するとでも……?」

結標「機械は所詮機械よ、無理でしょうね……しかし、他の動植物ならどうかしら?」

黒子「……っ!?」

結標「私は機械に心を宿そうだなんてメルヘンチックな幻想など抱いちゃいない……でも、コレがあれば『予測』ができる……!そして私は目の前にある全ての可能性に問い掛けるの、人間の代わりに超能力を扱える個体は存在するか否かを……ね?」ニッコリ

黒子「一体……何の為に……!?」

結標「白井さん、アナタは初めてその能力を手にした時……どんな気分がしたかしら?」

黒子「……そんな事―――」

結標「当たり前すぎて覚えていない?でも……私はね、正直恐ろしかったわ」

黒子「……っ」

結標「アナタもさっき言ったわよね?怪物能力『座標移動』、と……そう、怪物なのよ……自分の想像の通りに人すら殺せてしまう、このチカラが」

黒子(……同じ、ですのね……頑張っても能力を得られなかった無能力者が不良に転落してしまうように……)

結標「アナタにだってあるんでしょう?自分の能力を使って、誰かを傷つけてしまった事が」

黒子(強大な能力を持ってしまったが故、その者にしか分からない苦悩や葛藤……お姉さまも、セロリさんも、そしてきっと……ていとさんも……)

結標「―――そして思ったでしょう?私達は……何故こんな力を宿さなくてはならなかったのか、と」

黒子(しかし……ですの)キッ

結標「っ?」

黒子「結標さん、アナタの思想は大方理解ができましたの……ですがね、それでも『残骸』を組み上げられる事で悲劇が繰り返される可能性が万に一つもある限り……はいそうですのと言って持って行かせるわけには参りませんのよ」

結標「……それは彼女の為?それとも彼の為?風紀委員の一方通行……?ハッ、何よ……馬鹿馬鹿しいくらいに身勝手じゃない」

黒子「……えぇ、分かってますの」

結標「そんなになってまで貫き通すものだと言うの?人殺しの一方通行が……身勝手に思い描く世界を守る事が」

黒子「分かってますの……確かに身勝手ですのよあのセロリは……!あんな馬鹿げた実験に身を委ね、それで誰も傷付けたくないからだのと……馬鹿の大馬鹿、正に愚の骨頂ですわ!!」

結標「へぇ、そこまで知ってながら……『絶対能力進化実験』の全貌を知って尚も、まだ彼を仲間だと言い張るのね?」

黒子「それでもですの……今の彼はきちんと己の能力を正義の為に振るっていますのよ……!?たとえ遠回りになったとしても、それで私達を……この街の人間全てを本気で守ると我々に誓ったのですわよ!!」

結標「はん、そんな薄っぺらい約束が信じられるだなんて……アナタ達風紀委員のお気楽な思考回路は本当にどうかしてるわ」

黒子「強大な能力を持ってしまっても、そこで重要なのは『その能力をどう使うのか』ですのよ……!それを振るう方向が間違いでないのならば、何も言いませんわよ私は……っっ!!」

結標「……っ」

黒子「そもそも、ですのよ……既に能力を得てしまった我々が新たな可能性を掴んだ所で、一体それが何になると言うんですの……?」

結標「何って……もしかしたら私達はこんな能力を持たずに済んだかもしれないのよ?……そうよ、それならアイツだって……一方通行だってあんな実験を行わずに済んだのに―――」

黒子「私はその考えが既に逃げだと言ってるんですのよ……力が恐い?人を傷つけるから欲しくない?口ではそう言っておきながら!人様にこんな傷を負わせたのは一体何処の誰ですのよ!?」

結標「ぅ……」

黒子「馬鹿ですのよアナタは!!どうしてその能力を平和利用しようとは思わなかったんですの!!?そんなにチカラが恐いのならば、アナタも風紀委員へと参りなさい!能力の正しい使い方など我々がその腐った性根に叩き込んで差し上げますわっっ!!!」

結標「うるさい……うるさいッッ!!人殺しの一方通行を風紀委員などに迎え入れてる時点でアナタ達も同罪なのよ!この……偽善者っ!!」

黒子「結標さん、アナタ……ッッ!!」ギリッ

結標「アハ、アハハっ!!垣根帝督にしたってもそうよ……私はアイツを何度も運んだ事があるわ!あの人の所へと……窓もドアも無いビルへとね!!」

黒子「ッッ!?」
(窓もドアも無いビル……学園都市統括理事長の根城……!?しかしそれは噂の範疇だと……)

結標「あそこに招かれるのは、この街の運命を左右する程の有力者ばかり!アイツはいつもあの人を喰い殺すように見ていたわ……」

黒子(そんな……ていとさんが……?)

結標「だから私には分かる!!そんな男が……一介のお人好しな風紀委員であるわけがないのよっっ!!!」

黒子「……それでも、私は……あの殿方が本当の悪に身を染めてしまっているとは、とてもとても思えませんわ」

結標「あらあら白井さん、引くに引けなくなっちゃったのかしら?失望しちゃったわ……私はアナタをもう少し賢い人間だと思っていたんだけど」

黒子「……」

結標「んっふ……?垣根帝督、Lv5、『残骸』、風紀委員……!?ふ、ふふふ……♪そうだったのね……!まさかあの女が言ってた……『スクール』のリーダーってのは―――」

黒子「風紀委員になって……私は今まで沢山の人間を見て来ましたもの」

結標「ん……は?」

黒子「上は超能力者から下は無能力者まで……捕らえた不良共でさえ、根っからの悪党など……唯の一人もいなかったですの」

結標(コイツ……まだ戯言を……!!)イラッ

黒子「大体眼を見れば分かってしまうんですのよ、その者の内に秘めているモノが……彼も心の何処かにきっと……まだ、迷いがあるんですのよ」

結標「分からないの……!?アナタ達は騙されているのよ?利用されているのよっ!?あの男に……!垣根帝督に……っっ!!!」

黒子「えぇ……そうでしょうね、初春はともかく……先輩もセロリさんも私も、本当はとっくに気付いてたのかもしれませんわ……しかし、きっとそう思いたくはなかったんですのよ」

結標「どう……して……っ!?」プルプル
(意味が……分からない……!!)


黒子「だって我々は……仲間、なんですもの」ニコッ


結標「どうして……どうしてそんな事が言えるのよ……?彼らは超能力者なのよ!?私達以上のバケモノなのよ!!?」

黒子「結標さん……」

結標「いつまた自分達に危害を加えるかも分からないのに!危険な存在なのに……っ!!どうして……どうしてそんな彼らを信じられるのよッッ!!?」

黒子「……」

結標「ッッ……!!何とか言ったらどうなの……!?黙るな……気持ちが悪いのよっっ!!!」

黒子「……」

結標「……こ、この……っ!!」ギリッ

黒子「……当たり前、でしょうに……」ボソッ

結標「……!?」

黒子「超能力者は怪物、バケモノ……その考えがアナタの中から消えて無くならない限りは、理解する事など到底不可能かと思われますわ」

結標「っな、にぃ……!?」

黒子「何処の誰が、どんな力を有していようが……我々と同じ人間である事に変わりはないでしょう……?」

結標「ぁ……」


黒子「―――……我々ジャッジメントが人を信じずして、一体誰が人を信じると言うんですの?」


結標「……っ」

黒子「彼らがまた迷い、仮に道を踏み外してしまったとしましょう……その時はひっぱたいて、お説教して、正しい道へと後押ししてやる……それが風紀委員のお仕事なんですのよ」

結標「……」

黒子「……結標さん、人間以外の生物に能力の発現は有るか否か……仮にアナタがその答えを見出だし、これからの子供達の為に可能性を追求すると言っていたならば……私は素直に涙を流し、賛同していたかもしれませんわね」


結標(……そう、か……)



…………ドッ


黒子「……今からでもアナタを、いつもの日常へと返して差し上げますわ」スック

結標(この子は……白井黒子は強い、私なんかとは……心も、身体も……)


…………ドッ、ドッ、ドッ、ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ


黒子「―――誰かが願い……そして、誰かが築こうとしている世界へと」

結標(仲間を信じる、誰かの為なら闘える……それがジャッジメント、白井黒子の真の強さ……)

黒子「その為には、哀しみの連鎖を生む……その『残骸』は必要の無い物ですのよ」

結標「……それでも、私は負けるわけには行かない」スッ


…………ヒュンッ


結標「―――負けられない理由があるッッ!!!」パシッ
(仲間……人質として学園都市に捕らえられた私の同志達)

黒子(ステッキを……警棒の代わりに……?)

結標(……そう、彼らを救い出すまで……私は……っ!!)キッ




    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


黒子「……飛ぶ気、ですのね」
(眼の色が変わった……)

結標「えぇ」クルクルクルッ


…………ビシィッ!!


結標「―――……悪いけど、全力で行かせてもらうわ」

黒子(迷いを……捨てた?)ゴクッ

結標(生憎……これが今の私に求められているリーダー性なのよ)クスッ



    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


黒子「あらやだ、いけませんわ……少々お喋りが過ぎてしまいましたかしら?」

結標「そうね」

黒子「早くしないと……彼らが来てしまいますわね」

結標「御託は良いわ……さっさと終わりにしましょ」

黒子「……」

結標「……ねっ?」ニッコリ

黒子「……ふっ」

結標「……」

黒子「……いざ、参りますわ―――」ザッ


    ゴッッシャァァアアア!!!!


結標「アッハハハハハハハ!!!合図など必要あるかしら……ねええええええぇ白井さああああああんっ!!?」クルクルクルッ
(まだよ……まだ、足りないッッ!!)


    ヒュンヒュンヒュンッ…………グシャッ!!!ゴシャグジャッッ!!!!


結標「―――……だってそうでしょう?何せ私達は……これ程まで不意打ちに長けた能力を持ってしまったのだから」




  「……ですわよねぇ」


結標「ッ!?」バッ

黒子「何度も何度も押し潰すような攻撃ばかり……パターンですのよ、目を瞑ってても避けられますわ」

結標「っ……本っっ当に憎らしい子―――!!」スッ

黒子「結局は当たらなければ意味は成しませんのよっ!!」ヒュンッ

結標「……チ!」キョロキョロ
(消えた……!後ろ?上!?否……一体何処へ―――!?)ハッ


…………シ―――ン…………


結標(攻撃が来ない……まさか隠れたつもり!?このまま時間稼ぎを―――)

結標(……いえ、そんな結末は彼女自身も良しとはしていない……つまり)ゾクッ

結標(このままでは……狙撃される!?留まるのはマズイ……!!)タタッ


    オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ・ ・ ・ ・


黒子(えぇ……分かってますわね、ですからご自分の脚で逃げ惑いなさいな?)シュタッ

黒子(何せこれ程の深手、フルパワーで動けるのは……)ササッ

結標(―――保って十秒、それが限界か……っ!)ギリッ


…………10


黒子(しかしそれは同時に……)スッ

結標(彼女とて状況は同じという事よっ!!!)ピタッ

黒子「っ?」
(立ち止まった……?まさか諦め―――)


    9


結標「『座標移動』を……舐めるなああああああああああああああッッ!!!!」


    ガオンッッ!!!!


黒子「ッッ!!」

結標「アハハハハハハハッッ!!!だから言ったでしょう!?如何に上手く、何処に隠れようが……『座標移動』には無意味なのよッッ!!」


    ガオンッッ!!ガオッッ!!!ガオオッッ!!!!


黒子(無差別に空間を抉り取って……!!ここら一帯をサラ地にでも変えるつもりですの!?)


    8


    ガオンッッ!!!


黒子「っ!しまっ……」

結標(見つけたわ……!)ニイッ


    7


黒子「チイィ!!」ザッ

結標「逃がさないッッ!!!」シュビッ


    ヒュンッ…………ゴトンッッ!


黒子「っ!?」ビクッ
(目の前に消火器!?転位ミス……のわけがありませんの!これは―――!!)


    ブシュゥゥアアアアアアアアアアアアアア!!!!


黒子「わぷっ!?」ボフッ!



    6


結標(さぁどうかしら?視界を奪われる……という事は、空間移動系能力者にとって最も恐ろしい事態なのよねぇ……)ニヤニヤ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


黒子「ゲホッ……!」キョロキョロ
(やられた!このままでは……!!)


    5


結標(周りが全く見えない……これでは下手に転位すれば自滅に繋がり―――)


    4


黒子(かと言って……煙が晴れるのを待ってる内に『座標移動』で潰されてしまう……!!)


    3


結標(今の彼女は袋の鼠……脱出するなら……上しかない!!)バッ

黒子(目測修正……ですのっ!!)ザッ

結標「―――……ふ、うふふふふふふ……っ!!」ニヤリ
(飛ぶ先が分かっていれば……当てられる!!)


    2


…………ヒュンッ


黒子「……くっ!?」
(やはり……待ち構えて……!!)

結標「……勝った……!!」スッ
(彼女は連続で転位する場合、インターバルが最低でも一秒以上は必要……)


    1


黒子(やられる……っっ!!?)

結標「これで終わりよ……!!白井さ―――!!!」


    バラアァァッ!!!


結標「っな……ッ!?」ビクッ




    バラバラバラバラ…………ッッ


結標(ルーズ……リーフ……?)ポカーン


    0


結標「……そんな、嘘よ……だって、今……彼女は―――」


    ザクッッ!!!


結標「っぎいぃ!!?」ズキン
(な……に……っ!?)


    「飛ばれると厄介ですので……少々手荒な手段を取らせて頂きましたわ」


結標「っ……!」ビクン

黒子「はー……はー……勝負有り、ですわね……少しでも動けば……ダーツが首を貫きますの」チキッ

結標「ぐ……っ」ズキズキ
(脚をブチ抜かれた……これではもう……!!)

黒子「私の転位後の隙を狙うまでは良かったのですが……痛っ、どうやらお互い……傷口が完全に開いてしまったみたいですわね」ボタボタ

結標「おかしい……アナタは……手に触れた物体しか転位できないハズ、よ……あの、紙束はどうやって……?」

黒子「……」

結標「はぁっ、物体に触れずに転位を……?アナタまさか……この土壇場で能力進化(レベルシフト)を―――!!?」

黒子「……いいえ、まだ私はLv4……手に触れた物体しか転位する事はできませんわよ」

結標「だからおかしいと言っているのよ……!確かに鞄しか持っていなかった……取り出す余裕なんて……!!」

黒子「えぇ……確かにのんびりと取り出している時間など皆無でしたわ、しかし……中身をそのままに、鞄だけを転位すればどうでしょうね?」

結標「鞄……だけ、ですって……?そんな事―――」

黒子「鞄だけを転位し、中身を取り出す……私の『空間移動』ならば、不可能ではないですのよ」

結標「……!!」

黒子「同じ空間移動系能力でも、繊細な制御が困難な『座標移動』では……難しい芸当になってしまうのかもしれませんがね」

結標「く……っ」

黒子「……さぁ、終わりですの……凡俗な私に倒される事によって、己の凡俗っぷりを存分に自覚しなさい!!」

結標「……ならば……」ボソッ

黒子「……?」


結標「―――……ならば、その期待を裏切れれば私の勝ちかしらね……?」ニタァッ


…………ヒュンッ


黒子「な……っ!?」
(消え―――)


    ヒュガッッ!!!


黒子「ぎ……っあ……!!?」ズキッ!

黒子「―――そん、な……!!」ガクンッ
(ステッキを……足の甲に……ッ!!)


    「私の勝ちね……白井さん」


黒子「結標……さん……!」
(地面に突き刺さって抜けない……動けない……!!)

結標「はぁっ、はぁっ……私を拘束した時点で、アナタはさっさと『残骸』を破壊するべきだったのよ……それなら、こんな目に会わずに済んだのに……!!」

黒子「あ、ら……まだアナタに、必要だったんですの?それ……」ググ…

結標「も、もう……立ち上がらない方が良いわ」ハァ…ハァ
(お願いだから……もう、来ないで……!)

黒子「っ……!あ、アナタ……まだ、ご自身の異変に気が付いていませんの?」

結標「え……?」

黒子「転位ミス、ですのよ……ご自分の……片足が……」

結標「……っ?」チラッ

黒子「―――アスファルトに……埋まってしまっている事に……っっ!!」


…………ドクンッッ!!


結標「……ヒ……!!?」ゾワッ

黒子(怯んだ!?今しか……ないですの!!)ガシッ

結標「いやっ!いやっ!!い……やぁぁぁぁ……っ!!!」ガタガタ
(違う……違う……!!恐れるな、眼を……背けるな……!!)

黒子「痛ぅっ……ァァァああああああああああああああっっっ!!!!」グイッ


…………ズボッッ!!


黒子「はぁ……!ふぅ……!!こ……こんな、モノぉぉおおおおおおおっっ!!!」ポイッ


…………カラカラカランッ


結標(此処で退けば……もう、勝てないのよ……っ!!)

黒子(結局……最期に頼れるのは……己の拳のみ!!)グッ

結標(だから……前、へ……ッッ!!)キッ


…………ドクンッッ!!


結標「―――……超える」ボソッ


黒子「っ!?」

結標「私は超えてみせる!!この……クソ忌々しい!傷の全てをっっ!!!」グンッ!


…………ベリベリベリイィッッ!!


黒子(引き抜いた!?しかし……)

結標「しら……ィィィいいいいいいいいいいいいいいいいッッ!!!」ダッ!

黒子「お互い……もう後には引けませんのよっっ!!!」ザッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


結標「う……ああああああああああああああああああああッッ!!!!」

黒子「ああああああああああああああああああああッッッ!!!!」


    ッッパァァアアアアアン!!!!


黒子「……っ!!?」ビクン

結標「……か、っは……!!?」コフッ


    「―――……ぎはっ♪」


黒子(な……何、ですの……?……一、体―――)ガクンッ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


    「……ミサカは『残骸』の行方なんかに興味はない、そういう風なオーダーはインプットされていない……ミサカの目的は第一位の抹殺のみ」


結標(な、なに……ィ!?)ズルッ


    「それでも『残骸』を使ってアイツを地獄に落とせるのなら、ミサカは自分勝手に興味持っちゃうかもしんないね☆」


黒子「お……姉、さま……?」グラ…ッ


…………ドサッ


番外個体「お姉さま(オリジナル)程の出力はないけど、ミサカだって二億ボルトぐらいまでなら何とかなるんだし……大体Lv4ぐらいになるのかな」ニタニタ


あれ? 黒子っていつ一方さんの実験のこと知ったの?
前スレ見てもこのスレ見ても見当たらないんだが




    「しっかし現実ってなァ厳しいよなぁー、せっかく死力を削り合って決着付けようってんのにこうなっちまうんだからよー?……バーカ、そんなモンは少年漫画の中だけにしとけ」ザッザッ


番外個体「むっふふ♪二連ヒットだよー木原サン、ミサカの射撃技術も上達したでしょ?」ニヤニヤ

木原「あぁ~ん?調子ィ乗ってんじゃねぇぞ人形が、コイツらまだ生きてんじゃねぇかよ……俺なら二人まとめて脳髄ブチ抜けてるっつの」ザッ

番外個体「うぅ~ん……殺しの技術って楽しいケド、案外難しいんだね」

木原「あー、もっともっと人をブチ殺さなきゃいけねぇなァ……まぁそりゃ後だ、とにかくこれで―――」パシッ


黒子(一方、通行……垣根……帝督……)


番外個体「……『残骸』、ゲ~ットォ♪」ニヤリ

長かった


うん、長かったね、三週間っていう間が


そして今回の投下で>>1が成長したのはっ!

    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・



    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・

に加えて

    オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ・ ・ ・ ・

が登場しました!!少年漫画SSじゃ効果音って大事だよね、今回使いすぎで違和感アリアリアリアリアリーデヴェルチだね!


さて、遂にあわきんと黒子さんがリタイアしました!番外個体も木原サンも久しぶりの登場だったよね!カーチャン嬉しいよオヨヨ


んじゃ次回もお楽しみに!


>>736
それは後々分かるから見ててくだしぃ><

えーと、>>1です

とにかく次の投下の下準備までできました、見直しして今日の夜に投下する予定です、本当は今すぐ投下したいですハイ

上条さんジャッジメントのスレが立ってたので負けじと報告してしまいました

自分の頭で色々脳内補完できるのも台本形式の魅力なのかもしれませんね、ハイ言い訳です

客観的に見れば戦闘描写難しいのか……努力してみます


思ったより忘年会が長引いたので今から投下しまつ

BGMは only my railgun でお願いします

結標「……」ドクドク

黒子(大丈夫、ですの……気を失ってますが……まだ呼吸はある……)ハァ…ハァ

猟犬「ご報告があります」ザッ

木原「あぁん?」

黒子(……しかし、血が……もう長くは……保ちませんの……)ボタボタ

猟犬「―――たった今、第弐班より最終信号(ラストオーダー)を発見した……との連絡が」

木原「はぁ、今頃見つけただぁ?俺ァとっくに捕獲して亀甲縛りにでもしちまってるもんだと思ってたんだが」

猟犬「……は」

番外個体「ありゃ、まぁた随分と時間掛かっちゃったんだねぇ……やっぱ数だけワラワラいても無能は無能なのかにゃーん?

猟犬「……」

木原「チッ、んじゃあさっさと行くかぁ……こんだけ派手に地形を変えちまってんだ、面倒なのが来る前に―――」ザッ


    「……お待ち、なさい……」


番外個体「っ」ピクッ

黒子「はっ……はっ……」グッタリ
(……黒子の馬鹿、引き止めた所で……どうするつもりですのよ……)


番外個体(……な、何なの……?コイツの顔を見た瞬間……ミサカネットから……!)


…………ドクンッッ


番外個体「ひ……っ!?」ゾワッ
(ネットワークから溢れ出てくる憎悪……!?ち、違う……これは……とんでもない、恐怖の塊が―――!!)


    オネエサマーオネエサマーオネエサマァーラストオーダー!!


木原「ん……?オイどうした」

番外個体「う、ぅぅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……!!な、何だか変だよ……気持ち、悪いよぉ……っ」

木原「気持ちが悪りぃだぁ……?ンなワケねぇだろーがよ、毎度毎度誰がメンテしてると思ってやがる」

黒子「が、は……っ!」ゴボッ

番外個体「っはぁ、うっ……!き、木原サン……!!」ムギュッ

木原「おぉっと、いきなり抱き付くんじゃねぇよ番外個体……兵が見てんだろ」

猟犬「……」

黒子(し……死、ぬ……?私、が……?)

番外個体「こ、コイツがアイツと同じ……風紀委員だから、かなぁ?」ブルブル

木原「おーおーこんなに震えちまってよぉー……可哀想だなぁオーヨシヨシ」ナデナデ

番外個体「恐い、恐いよぉ……!アイツを……一方通行を見ても、何ともなかったのに……っ!!」ブルブル

木原「そうか……だったら良い事ォ教えてやる、気持ちが悪くなっちまったんならよぉ……」チラッ

黒子「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」ゼーゼー
(ミサ、カ……『妹達』です、の……?し、しかし……容姿が余りにも……っ)

木原「……くくくくっ!!逆にスッゲェ気持ちの良い事ォすりゃあ案外すんなりと治っちまうのかもしれねぇなぁぁぁ?」ニタァッ

黒子(まさかあの子のように……特別、な……)

番外個体「……そ、そっか……気持ち良い事……イッちゃうくらい気持ちイイ事……!!」ギョロッ

黒子「っっ……!?」ゾク…

番外個体「ぎゃはっ、ぎゃはははははははっっ!!!そ、そうだよ……アイツの仲間を殺せば……アイツの歪んだ顔が見れるんだよね……?」ゴソゴソ

木原「あぁーそうだぜ番外個体、あの厨二をブッ殺す時は中身からジワジワとなぶり殺しだぁ……簡単に死なれちまってもつっまんねーダロ……?」ニヤニヤ

黒子(こ……殺、される……!?い、や……嫌ですの……誰か……っ!!)ブルブル

番外個体「殺さなきゃ……殺さなきゃ……ッ!木原サンの敵……ミサカの敵……!!一方通行の仲間はミナゴロシ……っ!!!あひゃっ!?あぎゃははははははははははははははははっっ!!」ジャラッ

黒子(く……釘ですって……!?そんなモノを取り出して一体何を―――っ!?)ハッ


…………バチンッッ!!!


番外個体「……うひ、ひひ……っ!!ひひひひひいひひひひひひひひひひひひひひひひッッ!!!」ニタァッ


    バチバヂッ!!バチバチバチバチバチバヂィッ!!!

黒子(この発電量……そしてあの構え……そ、そんな……!?)

番外個体「ぎゃははははははははは!!!気持ちが悪いの……消えちゃぇぇぇええええええええっっっ!!!」バチバチバチッ!!

黒子(ごめんなさい……!お姉さま……っ!!)




…………ひらり


番外個体「……え?」ピタッ


    ひらっ、ひらひらひら…………っっ


猟犬「……っ?」

番外個体「……??な……何この羽、綺麗……」

黒子(……げ、幻覚……ですの?僅かに白く発光した……これはまるで……)


    「よぉ……楽しそうな事してんじゃねぇか」


木原「……なッ!?馬鹿野郎……ワースト上だああああああっ!!!」

番外個体「……う、え?」


…………ズダンッッ!!!!


番外個体「え、お……!?」ゾク…

垣根「―――……俺も混ぜろよ、犬ヤロー」ニィッ

番外個体「ッッ!?お、お前はああぁぁぁぁぁぁ!!?」


…………ガシイィッ!!


垣根「喋って良し……と言ったか、コラ」ギリギリギリ

番外個体達「―――ぁぶ!?ぎゃ……っ!!?」ミシミシ…ッ!

黒子「……て、天、使―――?」

初春「し……しししし白井さぁぁぁぁひゃわああああああああ結標淡希までぇぇぇっっ!!?」

黒子「っっ、うい……はる……!?」

初春(ど、どどどどどどうしましょう!?とにかく傷口を……でも救急箱なんて持ってませんしぃっ!!)ワタワタ

黒子「オ……ホホ、最早此処までですの……短い生涯でしたわ、よもやお迎えの天使様がお見えになろうとは……」ドクドク

初春「ちっ違いますー!!まだ逝かないでください白井さぁぁぁぁんっっ!!?」

黒子「……はっ!?」ビクン

初春「と、とにかく安心してくださいねっ、ねっ?今からていとさんが悪者をズバーンドカーンってやっつけてくれますからっ!!」

黒子「っっ!て、ていとさん……です―――ぐっはああああっ!!?」ゴフッ

初春「ひぃぃぃぃぃぃ!!!も、もう喋らないでくださいっ!本当に死んじゃいますよぉっ!!?」

黒子「はぁ……っ!はぁ……っ!!」
(違う……ダメ、ですの……っ!今すぐあの男を止めないと……!!)




    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


木原「テメェ……ッ」

垣根「ちぃ~っとばかし犬っコロ共の躾がなっちゃいねぇんじゃねぇか?……なぁ、木原のオッサンよぉ」

木原「ク……くくくくくくくくくっっ!!!良いね良いねぇゾクゾクするねぇ……!!シビれちまったぜ未元物質ッッ!!!」ニタァッ

垣根「悪い事は言わねぇよ……その手に持ってる『残骸』、ソイツを大人しく俺に渡―――」

番外個体「むぐぐぐぐぐぐぐぐぐぅぅぅッッ!!!」ジタバタ
(は、離せ……コイツぅ……!!)

垣根「……っつーかテメェは邪魔だ、消え失せろ」グイッ


…………ブンッッ!!!


番外個体「う、あ……っ?」ヒュルルル…
(……と、飛んで―――)

猟犬「……へ?」ギョッ


    ドンガラガッシャァァアアアアアアアッッッ!!!!


番外個体「ぎゃァァあああああああああああああああああああッッッ!!?」

猟犬「「「ぐあ゛っっあ゛あ゛あああああああああああああああああああっっっ!!!」」」

垣根「……は、第一位を封じる程のカラクリが有るかと思えば……何てこたぁねぇ、そこら辺の雑魚じゃねぇか」

木原「おーおーやりやがったな、車ァ何台オシャカにしてくれてんだ若造が……まぁパクったモンだから別に構わねぇんだけどなー」ポリポリ

垣根「はははっ、まぁそう言うなよ木原数多……直にテメェも鉄クズに変えてバザーにでも出荷してやっからよ」ニヤニヤ

木原「あー本当イラつくな、だから変に力ァ持ったガキは嫌いだっつってんだよ……」パチン!


    ズザザザザザザザザザザザッッ!!!


猟犬「……」ザザッ

木原「―――……ホザけ二番目、言っておくが『残骸』は渡さねーぞ」

垣根「交渉決裂……面白れぇ冗談を言う野郎だな、その程度(Lv0共)の戦力でこの『未元物質』を止められるとでも?」ニィッ

木原「冗談だぁ?ハッ、ソイツぁさっきの翼だけにしとけや鳥ヤロー……ゆとりのテメェにも大人の恐ろしさってのを教えてやろーか、あ?」ギロッ

垣根「ぐだぐだ抜かしてねェで来るなら来いよ、今テメェらが臭っせぇ息撒き散らしながら喋れてんのは誰の気まぐれによるモノだと思ってやがる」

初春(か、カッコイイ……////)

木原「……チ」

垣根「エラそうな口ィ叩いてやがるが何もできねぇのがテメェらの現状だ……待ってろよ、今すぐその右腕もぎ取って―――」ザッ

黒子「……ていと、さん……」

垣根「……ん?」チラッ

黒子「はぅ……ぐっ」ハァ…ハァ

初春「あぁっ!ていとさん闘いは後にしましょう!!まずは白井さんを一刻も早く病院に―――」ワタワタ

垣根「……ははっ、何だ白井テメェ……いたのか」

初春「……え……っ?」

黒子(もう……我々などは眼中にもないんですの……?)

垣根「……ほォー、その横に転がってんのは『座標移動』か……くだらねぇ、ブザマだなァ白井黒子」

初春「て、ていとさん……?」

黒子「え、ぇ……言い返す言葉がございませんのよ……」

垣根「価値のねぇ闘いに五分五分の勝負なんざ仕掛けるからそうなる……救えねぇ野郎だ、そこで死んでろ」クルッ

初春「ま……待ってください……!そんな言い方ってないです!!」

垣根「……フン」

初春「ひ、酷いですよぉ……白井さんはこんなにボロボロになったのに……精一杯頑張ったのに―――」

垣根「反吐が出るな」

初春「ふぇ……」

垣根「だから俺は来るなと言ったハズだぜー初春飾利、テメェだって薄々感ずいてんだろ?この血溜まり……そのガキも結標淡希も直に死ぬ」

黒子「ぐ……っ」

初春「でも……でも!さっき私を運んだみたいに……ていとさんが翔んでくれればまだ手遅れじゃありませんよぉっ!!」

垣根「無理だ」

初春「無、理……?どうして……なんですか、そんなわけないじゃないですかっ!?ていとさんは私なんかよりずっと凄い力を持ったジャッジメントじゃないですかぁっっ!!!」

垣根「……俺の『未元物質』には他人を救う力なんざ持ち合わせちゃいねぇんだ」

初春「ぇ……?」

垣根「これがどういう意味か……テメェに分かるか?」

黒子「やはり……『スクール』……!」

初春「ス、『スクール』……?白井さんが言ってた……」

垣根「『未元物質』……コイツは 人、を、殺、す、為、の チカラだ……俺とテメェらでは住む世界が余りにも違いすぎる」

初春「待って、くださいよ……じゃあ……嘘だったんですか……?ていとさんが風紀委員だって事も……」

垣根「あぁ」

初春「一七七支部に来たのも……一緒にご飯食べて皆さんと笑ってたのも……!!」プルプル

黒子(初春……)

垣根「あぁ」

初春「ひぐ……っ!さっき私をからかってたのだって……あの笑顔だって……!!全部……全部、嘘だったって事なんですかぁ……っっ!!?」ポロポロ

垣根「……しつこいぞ」ザッ

初春「ぁ……っ!!」

木原「おーおー罪だねぇ、女の子を泣かせちゃ可哀想だろーがよ」ニヤニヤ

垣根「はっ、気にすんなよ……今からテメェらの飛び散った肉片でも見せつけりゃ嫌でも枯れ果てるさ」ザッザッ

初春(そん、な……!)ペタン


垣根(―――……そうだ、涙も……心もな)





    「……木原サンが手を下すまでもないよ、ミサカが直接殺してあげる」


垣根「……あぁ?」ギロッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


番外個体「どいつもこいつもアイツと同じ腕章ばっかり付けやがって……気に食わない、噛み千切ってあげるよ」バチバチバチッ!!

垣根「ほー……車両を浮かす程の電磁力を放つか、大したモンだな」

木原「あァ……何せこの俺、木原数多の最高傑作だ」

初春「ぇ……み、御坂……さん……?」

黒子「違いますのよ初春……お姉さまのお胸は発展途上、あそこまで豊胸ではございませんの……つまり彼女は―――」


垣根「……『妹達』」ボソッ


黒子「っっ!?」

垣根「木原幻生の遺産……確か『量産異能者計画(レディオノイズ)』だったか?その残りカスがあの野郎やチビガキとどう繋がってんのかは知らねぇが……」

初春(ほぇ……ど、どうして……?)

垣根「しかし変だな、話じゃそのクローンはオリジナルの一〇〇分の一にも力が及ばねぇってハズだが……―――は、流石は頭のイカレた木原の家系だ……やったじゃねぇかよ、クローン共の品種改良に成功したのか?」ニヤニヤ

木原「……い~んや、まだまだだよ……未だLv5個体の大量生産は見込めねぇ」

垣根「いやいやそれでもスゲぇって、息子がこれなら逝っちまった親父さんも鼻が高けぇなァ」

木原「……あ?」ピクッ

垣根「ウチの元構成員には鋼だろうが何だろうが問答無用でブッた斬れる野郎がいてな……まぁ、ソイツもついさっき死んじまったんだが」

木原「テメェ、まさか……」

垣根「学園都市中に散らばったテメェの親父さん……タイムカプセルみてェに捜してみるかい?」ニッコリ

木原「……ハ」

番外個体「……?」

木原「っぎゃはははははははははッッ!!!何だァァあの野郎、最近姿ァ現さねぇと思ってたら……ひひひっ!まさか死んじまってたとはな!!」

垣根「悪(クズ)は悪によって裁かれなきゃいけねぇ……テメェも同類の悪党だ、楽に死ねるとは思ってねーだろ」

木原「くはははははははっっ!!!よォォ番外個体ォ……!」

番外個体「なぁに?木原サン♪」

木原「どうやらこのガキは俺を殺すつもりらしいぜー?やべー、やべーよ番外個体ォォ」メソメソ

番外個体「安心してよ木原サン!ミサカは『猟犬部隊』よか、ずっっと頼りになる……木原サンを傷付けるヤツはミサカが殺してあげる」


木原(だがコイツは対一方通行専用……相手が『未元物質』ではまず勝目がねぇ)


木原「……退くぞ」ボソッ

猟犬「ハ」

垣根「良いぜ……相手ンなってやる、新型の性能ってのを見せてみろよ」チョイチョイ

番外個体「言われなくても……お前が一番気に入らないんだよォォっっ!!!」クイッ


…………ッッ轟!!!!


初春「ひ……っ!?」

黒子(持ち上げた車両を……!!?)

番外個体「ぎゃはははははははははっっ!!!皆まとめて潰れちゃえええええええええッッッ!!!!」

垣根「……だが、所詮その程度」スッ


…………ゴッッシャァアアアッッ!!!!


垣根「―――……鈍いな、鈍すぎる」ギシ…ッ


番外個体「っな……!!?」ヒクッ

黒子(……か、片腕で……)ゾワッ

初春「受け……止めた……!?」




…………バラッ


木原「ッッ!?」
(何、だ……!!?)

垣根「確か『オジギソウ』つってたか……名前は知らねぇが、過去にブッ殺した『メンバー』のクソジジィが使ってた細菌兵器なんだが……」


    バラバラバラ…………ッッ


番外個体(車が……分解して行く……?)

黒子(間違いないですの……!この現象はあの時……親船の壇上でのバリケードを突破した―――)

木原(『未元物質』……これ程のモノか!!?)


    サアアアァァァァァァ…………


初春(最期は……粉末に……?)

垣根「……どうやら俺の『未元物質』でも似たような真似事ができるらしい」ニィッ

番外個体「は、ひ……ッッ!!?」ゾワッ

黒子「お……おやめなさい!!垣根帝督―――!!!!」


    ズドッッッ!!!!


番外個体「あ゛が……っっ!?」ミシミシミシ…ッ!!

垣根「……俺の生み出す『未元物質』は、この世界には存在しない新物質だ」


    みしっ、みしみしみしみし…………ッッ!!!!


番外個体「ぎィ……ッあ……!!」メキメキメキ…ッ
(な、何……!?見えない何かが……ミサカの背中に乗っかって―――!!?)

垣根「『まだ見つかっていない』だの、『理論上は存在するはず』だのってぇチャチな話じゃない」


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


垣根「―――……本当に 存、在、し、な、い、ん ダヨ」ニタァッ

番外個体「う゛、ぁぁぁあああああああああああっっ!!?木原サ、ン……た、助け―――」

木原「チィ……!」

垣根「……本当に潰れるってのはな、こういう風なのを言うんだよ」

番外個体「あ゛、あ゛……あ……!!」

初春「や……やめてくださああああいっっ!!!」ガバッ

垣根「おっ……とぉ」

黒子「初春っっ!!?」

初春「やめてください!もう……ヒック、やめてくださいよぉ……っ!!彼女は『妹達』なんです……一通さんが守るべき存在なんですよっ!!!」ギュッ

垣根「……そんなモン知った事か、俺の邪魔するってんなら誰であろうが容赦はしねぇ」

黒子「はぁっ、は……離れなさい初春……!その男は……危険ですの!!」

垣根「……ッ」ニィッ

初春「違う……違います!!ていとさんは私達と同じジャッジメントなんです!!!」

黒子「分からず屋ッッ!!その男は……もう我々の知っている垣根帝督ではありませんのよっっ!!?

垣根「は、馬鹿を言うなよなー白井……テメェらが俺の一体何を知ってんだよ?」

黒子「―――ッ!?げほっ!げほっ……!!」
(もう……身体が……!)

初春「お願いですから……乱暴はやめて……ひぐっ、優しいていとさんに……戻ってくださいよぉ……っ!!」ポロポロ

垣根「テメェらが知ってる垣根帝督など……そんなモンは元より何処にも存在しねぇ、それはテメェらが勝手に抱いてる幻想だろーが」

初春「……ていと、さん……っ!!」プルプル

垣根「……だから離れろ、できればテメェら一般人まで殺したくはねぇんだ」

初春「離、しません……!私だって……私だって立派なジャッジメントなんですッッ!!!」

垣根「そうか……良いだろう、テメェがそう言うんなら……それはもう仕方がねぇ」フゥ

黒子(いけ、ない……!!)ガクガク


垣根「……だから此処でお別れだ」スッ


初春「ぇ……」ゾク…

黒子「ッッ!……初、は―――!!!」


    ガゴォォオオオオンッッ!!!!


初春「……っっ」

初春「―――……?」パチ
(ぶ、無事……?)

垣根「づ……ッッ!!?」ヨロッ
(な、に……っ!!)

黒子(な、何事……ですの……?)


    ガラガラガラガラン…………ッッ


木原(っ……!!?これはATM機器の残骸……!?)

黒子(コレが今……ていとさんに突っ込みましたの……!?こ、こんなメチャクチャな暴挙が可能なのは―――!!)ハッ


    「ハァッ、ハァ……ッ、何だよオマエ……!!ナニ……やってンだよ……ッッ!!?」


番外個体「あ……?」ハァ…ハァ

初春「……っ!!」グスッ

垣根「ッッ、よぉ……随分と遅っせぇご登場じゃねぇか」


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


垣根「―――……なぁ、一方通行」ニィッ


一方通行「……かァァァァァァァァきィィねェェェええええええええええええええええええええッッッ!!!!」

次回予告


    「ヤツの計画に幾ら支障をきたそうが……俺とテメェは今日、此処で殺し合う運命らしいなぁッッ!!?」

遂に衝突する二人の風紀委員、『一方通行』と『未元物質』

    「フザけンじゃねェ……フザけンじゃねェェェぞォォおおおおおおおおおおおおッッッ!!!」

各々の少年、少女達は己の正義の為に闘い……

    「『光の三原色』って知ってます?赤、青、黄色……三つの光を合わせると白になるってヤツなんですケド」

    「……気合い、根性……?確かにそれもあるが、今この魂を真っ赤に燃やしてんのはそれだけじゃねぇッッ!!!」

    「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね・♪」

そして暗躍する元『スクール』の構成員

    「……おかしいわね、私の『心理定規』は例外なくアナタにも働き掛けているハズなんだけれど」

『残骸』と『最終信号』は誰の手に―――

    「今の私はちょ~っと不機嫌だから……手加減できないかもしれないわ」

    「負けないもん……正義のジャッジメントは絶対に負けないんだもん!!ってミサカはミサカは言ってみる!!!」



……そして、何故かあの男も!!

    「俺の『絶対等速』は動きはニブいが……俺が能力を解除するか、能力範囲外に至るまで 前、進、し、続、け、る」

乞うご期待!!

本当はもっと書き溜めてから投下したかったんですが、肛門がヤバイ人がいるみたいなんで急遽投下します



    ど う し て こ う なっ た !!!!!!!?


絶対等速「おぉ……久しぶりだな、学園都市では最強と謳われるベクトル操作系能力者……の端くれ、『絶対等速(イコールスピード)』だ」


能力名:絶対等速
職業:現無職(以前在籍していた大学は退学処分)
能力レベル:3
前科:有り


絶対等速「一〇月九日……俺はこの日、最高にラッキーだった……そう、ラッキーだったハズなんだっっ!!!」バンッ!!

絶対等速「……ぐぬぬ……!」プルプル

絶対等速「……や、取り乱してすまない……では、ありのままあった事を話そう」

絶対等速「少年院から解き放たれた俺……最初に思ったのは『温かいうどんが喰いてぇ……』だった、何せブタ箱ン中の飯は本当にブタのエサと同様だったからな」

絶対等速「しかし財布に金はないわけで、俺は預金を下ろしに行く事にした……そう、あの忌まわしい郵便局へとな!!」

絶対等速「しかしどうだ、外は何か騒がしいと思ったが……中はどういうわけかガラッッガラの状態だ、職員も客も一人だっていやしねぇ……『どうなってんだこの店のセキュリティは?』と半ば呆れつつも、渇いた喉に唾が流れ落ちる感覚がした……ごくり、とな」


絶対等速「『―――……今ならやれる』」


絶対等速「その瞬間、俺の頭の中で二人の絶対等速が火花を散らしながら殺し合いを始めやがった……一人は真っ白な翼を生やした絶対等速、もう片方は真っ黒な翼を生やした絶対等速」


絶対等速「しかしソイツらの勝敗なんてモンは意味なかったんだ……何故かって?気が付きゃ俺は盗んだ自動車で走り出していた……自分でも何を言ってるか分からんが、後部座席には何故かゴツゴツとしたATM機器の姿……そう、俺はまたやってしまった……俺の心は完全に暗黒面(ダークサイド)へと堕ちていたんだ!!!」


絶対等速「『ツイている、今日の俺は最高にツイてるぞ!!!』口を大に開き未だかつてない高笑いをしながら前を向いて運転するこの俺、絶対等速……と次の瞬間、絶対等速に思いがけない事態がぁっ!!!」


絶対等速「―――今は一〇月……大分涼しくなってたもんだからウィンドウを全開で走行するような気分ではなかった、だから密閉してたんだ……が、確かにこう聴こえた、『借りるぞ、三下』……とな」


絶対等速「俺は『?』マークを頭上に幾つも浮かべながら速度計(スピードメーター)を確認する、時速六〇キロメートル……その公道は四〇キロメートル指定だったが、今はそんな事どうでも良い……問題はこの状況で外部から人間の声が聴こえたという事実だ」


絶対等速「……刹那、 バリィィイイイン!!! という何かが割れる音が車内に響き渡る、それが左リアドアのウィンドウが粉砕される音だってのは確認するまでもないよな」


絶対等速「『ななな何だ!?警備員にしては早すぎる!!!』咄嗟にミラーをチラ見し、後部座席を確認する!そこに映っていたのは外部から侵入する細く、白い悪魔の腕……!? ソイツは俺が盗んだATMを鷲掴み、乱暴に引き摺り出しやがった!!」


絶対等速「『能力者……ッ!?』意味が分からず反射的に急ブレーキを踏み込む俺、二回、三回と高速スピンする車に対してヤツは白い閃光が如くそのまま前へと突き抜ける……その時、かろうじて確認できたのは右腕に光る忌々しい風紀委員の腕章だった」


絶対等速「んー……、そこから一〇~二〇メートル程だったか? それぐらいの短距離を爆発的に加速し、前方に存在するであろう標的目掛け、槍投げの動作でATMを一気にブン投げたんだ……メチャクチャだろ?」


絶対等速「生み出された究極の加速度と遠心力に耐えきれず、ヤツが踏み込んだアスファルトが岩盤より一気に捲れ上がっていやがった……!!あまりの迫力に流石の俺も二、三滴失禁してしまったのは言うまでもない」


絶対等速「 轟!!! と大気を引き裂き、烈風が吹き荒れる……まぁ、軽く音速は超えてたんじゃないか?……放たれた弾丸(砲弾?)は地と平行となって疾走し、激突……ボロボロになっていた路上商店街に渇いた爆音が鳴り響き―――」


絶対等速「……そして、吼える」



    「……かァァァァァァァァきィィねェェェええええええええええええええええええええッッッ!!!!」



絶対等速「真っ白に染まった長天上機のワイシャツと頭髪を風に靡かせ、右腕には盾のエンブレムを施した正義の証……そう、ヤツこそが学園都市最凶と謂われるジャッジメント」


絶対等速「運動量、熱量、電気量……どんな力であるかは問わず、ただ『向き(ベクトル)』があるものならば全てを手中に収める事が可能……それが学園都市Lv5の頂点、能力名は『一方通行』」


絶対等速「……噂じゃあ単身で学園都市中のスキルアウトを壊滅させたって話らしい、まぁ……皆は都市伝説だなんて言ってるが、俺はそうは思わない」


絶対等速「何がすげぇってさ、やっぱりそんな馬鹿みたいに強大な力を街の平和の為に使おうって思えるトコだよな……俺なんてたかがLv3でこのザマだ」


絶対等速「かっこいいよな……俺達ベクトル操作系能力者の憧れであり、誇りなんだよ……ホント」


黄泉川「……」


絶対等速「……なぁ、ところで美味いうどんはまだなのか?沢山喋ったら腹が減った」

黄泉川「……その風紀委員に憧れてるってのに、どうしててめーはまた此処に戻って来ちまったんじゃん?」ガシッ

絶対等速「え、いや~そりゃやっぱアンタの顔がまた見たくなったっつーか小悪党に生きるのが俺の生きザマっつーか……」ハハハ

黄泉川「反省の色ナシ、今度はもっと深い場所にブチ込んでやる……もう簡単に出られるとは思わない事じゃんよ」グイグイ

絶対等速「なッ……馬鹿な、どうしてだ!?たかがATM泥棒ごときでどうしてこんなぁっ!!?」ズルズル

黄泉川「それに加えてスピード違反に車両泥棒……うどんはもう一生食えないかもしんないから覚悟しとくじゃーん」

絶対等速「ち、ちくしょう!!どうしてだ!?どうしてこうなった!!?」ジタバタ

黄泉川「じゃんじゃかじゃ~ん」


    ど う し て こ う なっ た !!!!!!!?





黒子(……セロ、リ……?)ハァ…ハァ

木原(こ、の、ヤロウ……!最悪なタイミングで出て来やがってぇ……っっ!!)ギリッ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


一方通行「……垣根、オマエ……今何しよォとした」ザッザッ

垣根「チ、痛ってぇな……死ぬかと思ったじゃねぇか」

一方通行「答えろ」ザッ


初春「ひっく、一通……さん……!」


一方通行「初春さンに……何しよォォとしやがったって聞いてンだよォォォ……ッッ」ギロッ

垣根「……殺そうとした」

一方通行「……っ」ピクッ

垣根「―――……って、言えば良いのかい?」ニィッ

一方通行「……本気で言ってンのか」

垣根「……」チラッ


初春「う、あぅぅ……」グスッ


垣根「……あぁ、そうだ」

一方通行「……フザけやがって」ギリッ

垣根「フザけてる……?」

一方通行「あァ?」


    「お兄ちゃあぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」


垣根「だったらテメェ……ありゃ何だ」

一方通行「……チッ」

絹旗「ま、待って……急に置いてきぼりなんて超酷いです―――げっ!?」

垣根「『アイテム』の絹旗最愛、どうしてあのガキがセットで付いてきやがる」

絹旗「ダ……未元物質……!?」
(それだけじゃない……『猟犬部隊』まで……!)

垣根「しっかし、あんだけのダメージ貰っといてまだ動けるたぁな……驚いたぜ、この死に損ない」

絹旗「ふんだ、予想が外れて超残念でしたね……お兄ちゃんへの愛の力で華麗に復活したんですよ」

垣根「はっ、テメェが息してようがしてなかろうが元より気にもしてねぇよ……それよりだ」

絹旗「……?」

垣根「知ってんだろー一方通行、もう説明するまでもねぇよなぁ? 俺がテメェらの様なお人好しなんかじゃねぇ……『スクール』のリーダーだってのは」

一方通行「……」

垣根「しかもテメェが絹旗の『お兄ちゃん』だぁ? ……っは、一体どんなルート進みゃそうなるんだよ……えぇ、一級建築士」ニヤニヤ

一方通行「……るっせェクソ野郎、オマエはもォ黙ってろ」

初春「一通さん……白井さんが……ヒック、白井さんがぁ……っ!!」

一方通行「あァ……分かってる、悪りィな……遅くなった」

黒子「ふ、フン……誰も、待ってなど……―――ひゃっ!?」ビクン

一方通行「傷見せてみろ」ゴソゴソ

黒子「な、なななな何をなさいますの!?気安く私の身体に触れないでくださいましっっ!!!」ワタワタ

絹旗「あぁっ!う、羨ましい……」

一方通行「うるせェ」
(他の傷は何て事ァねェ……が、腹に突き刺さった釘が致命傷か)

黒子「や、やめろと……がふっ!言ってるんです―――」

一方通行「うるっっせェェえええええええクソババァ!! オマエは本当に死にてェのかァァ!!?」

黒子「ひ……っ」

一方通行「誰が好き好んでオマエの身体に触れてやるってンだ、あ゛ァ!? だがな、俺はオマエを死なせるわけにはいかねェンだ!! だから勝手に死ぬンじゃねェ!!! 分かってやがンのかクソボケが!!?」

黒子「ぅ……! ば……馬鹿……っ」グスッ

一方通行「チッ……泣くンじゃねェよ、血ィ止めて瘡蓋作ってやる……だから安心しろ、オマエは絶対に死にはしねェ」

黒子「うぅ……泣いてなど……いませんの……っ」プルプル

一方通行「……恐かったろ」

黒子「馬鹿……私がどれだけ心細かったと……本当に、本当に……恐かったんですのよ……!?」ギュッ

一方通行「……チッ、だから謝ってンだろォが」

黒子「う……っく、ヒック……!」

一方通行「ババァ、結標はまだ生きてンだな?」

黒子「そ……そうですの……私は後にして……先に彼女の治療を……」

一方通行「ナメンじゃねェよ、俺を誰だと思ってやがる……二人同時にやりゃ済む話だろォが」

黒子「セロ、リ……」

一方通行「何だ?」

黒子「ヒック、ごめん、なさい……私では……」ハァ…ハァ


黒子「―――私では『残骸』も……彼も、止める事はできませんでしたのよぉ……!」ポロポロ


一方通行「ッ、オマエ……」

黒子「ですから、私の……尻拭いは頼みましたわよ? ジャッジメントの一方……通……」ニコッ

一方通行「……」


黒子「―――……っ」カクッ


初春「い、一通さん……白井さんは……!?」

一方通行「……気を失っただけだ、それに此処じゃ応急措置までしかできねェ……初春さン、絹旗、オマエらはコイツらを連れてあのクソ医者ン所まで行け」

初春「……ていとさんは―――」

一方通行「後は俺がやる」

初春「……」

一方通行「俺が叩き潰して……終わりだ」

初春(……そんな……)

垣根「仕方がねぇ……おい、オッサン」

木原「あ゛?」

垣根「野郎が来ちまったからにはテメェを殺すのも『残骸』も後回しだ……ソイツを持って何処かに失せろ」

木原「おーおー、そりゃあ有難てぇな……時間稼ぎはしっかりと頼んだぜー未元物質ちゃんよ」

垣根「クソが、テメェが死ぬ時間が多少伸びただけだろうが……残りの短い人生、震えながら念仏でも唱えてろ」

木原「へーへー、んじゃあそうならねぇように祈っとくとするか……オラ、行くぞ」ザッ

猟犬「ハ」

一方通行「待てやコラ」

木原「……あぁん?」

一方通行「鬱陶しいンだよ、これ以上俺の周りをウロチョロするンじゃねェ」

垣根「……フン」


一方通行「―――木原、垣根……オマエらは俺がこの場で 捻、り、潰、す」


木原「まぁまぁそう急ぐなよなー早漏野郎、どうせテメェは今ァ動けねぇんだろ?それよりよー」チラッ


    「……一方……通行……」


一方通行「ッッ……!」ゾク…


番外個体「水を……差すな……ぁ……一方ッ……通行はァァ……」ズルッ


木原「ひゃははっ!!ところでテメェはどうしてぇんだ?なぁぁ番外個体ォ……」ニヤニヤ

番外個体「こ……殺、さなきゃ……一方通行はミサカ、が―――」ズルズル

木原「よーし良い子だ、それじゃあ俺達は先に行ってるぞー」ザッザッ

番外個体「ぅ、う……ん」ハァ…ハァ


…………バタン


猟犬「……宜しいのですか?」

木原「ちぃ~っとアクシデントが起きちまったが……これで良い、それがアイツの仕事だからな」

猟犬「……」

木原「順調に進み過ぎて逆に恐いくらいだ……それよりどうした? テメェの仕事は何だよ運転手、さっさと出せ」

猟犬「……ハ」


    ブロロロロロロ…………


以上です

忘れがちだけど皆制服だよ!セロリは縞々シャツじゃないよ!!

投下してみせる

一方通行「……意味が分からねェな」

番外個体「ぁ……あ?」

一方通行「垣根、オマエの目的は『残骸』を奪取する事だ」

垣根「……そうだ」

一方通行「その為には親船への狙撃を成功させる必要があったワケだ……だから護衛の俺達を警戒して張り付いてた、ってなァ何となく分かる」

垣根「あぁ、俺もまさかテメェらがあそこまでやれるとは思ってなかったぜ? 俺がいなけりゃ砂皿の野郎は騒ぎすら起こせずに終わってたかもしれねぇしな」

一方通行「だが番外個体……俺がオマエや木原に狙われる理由が分からねェ」


番外個体「……ふひゃ」



一方通行「木原はこの状況を作る為に……俺のトラウマを刺激する為だけに、俺の心を折る為だけにオマエを作り出したンだろォよ、だがそりゃ何故だ……俺は『残骸』の存在なンて今日まで知らなかったンだぜ?」

番外個体「『第三次製造計画(サードシーズン)』……って言えば、ミサカの事は分かるか……な?」

垣根「……っ」ピクッ

一方通行「ナニ……?」

番外個体「木原サンの『猟犬部隊』は統括理事長の直轄部隊……今回は『あの人』が直々に指令を下した……それが何を意味するかは分かるよね?」

一方通行「……」

初春(ど、どうしてそんなに偉い人が……?)

垣根「……成る程ねぇ」スッ


…………ズドッッ!!!


番外個体「かふっ!!?」ミシ…ッ

絹旗「ッ!?」

初春「ぁ……っ」

垣根「分かるヤツには分かる……つまりだよ一方通行、とうとうテメェはアイツの計画にとって不必要な存在になっちまったわけだ」

一方通行「やめろ……」

垣根「あぁ?」

一方通行「ソイツから脚を退けろ」

垣根「何言ってんだ、テメェじゃ手ェ出せねぇって言うから俺が代わりに始末してやろうとしてんだろーが」グリグリ

番外個体「ぅあっ……ああっ!!」ジタバタ

一方通行「……聞こえねェのか……ッッ!!」

垣根「ははっ……不思議だよな、何故『やめろ』なんて言葉が出てくる?」グリッ


    みしみしみしみし…………ッッ


番外個体「痛っ……ァァああああああああああ……っ!!」メキメキメキ…ッ

垣根「動きを止めたきゃ俺を殺せば良い、気に食わねぇなら壊せば良い……テメェは自分を悪党だとか抜かしてやがったが、ならば何故抱えてるガキ共を捨てて俺に掛かって来ない?」

一方通行「……ッッ!!」

垣根「なぁ一方通行……あのチビガキも『妹達』なんだろ? だからテメェは同類のコイツを攻撃できない、だがコイツはテメェを襲って来る、しかしテメェはコイツを救いたい……まぁ簡単に言えばそんな所か」

一方通行「あァ……そォだよ、その通りだよ……」

垣根「だが俺には関係ねぇ、邪魔をするからコイツは殺す……分かったか? 『悪』ってのはそういう事なんだよ、こんな道に走っちまったヤツに……そんなクソ野郎共に救いなんてあるわけがねぇだろうが」

初春「違います……そんな事は絶対にないです……っ」

垣根「あぁ……そうか初春、さっきサ店でテメェが俺に言おうとしてたのはコイツら『妹達』の事だったのか?」

初春「うぅ……そう、ですよ……私は二人が……―――」グスン

垣根「面白そうな話を聞けるかと思ったんだが……まぁ、『座標移動』が馬鹿みてぇに暴れ出しやがったから、そういうわけにもいかなかったろ」

一方通行「……」

垣根「……フン、第一それを聞いた所で何かが変わるわけでもねぇ……俺はこんな腑抜け野郎の内情なんかよりも『残骸』の方がよっぽど大事なんでな」




    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


垣根「さて、『妹達』……学園都市によって生み出された哀れな生命体か……」

番外個体「ひ……」ゾク…

垣根「不運だったな、せめてもの情けだ……楽に 逝、か、せ、て、や、る」スッ

初春「や……やめて! やめてください……!!」

絹旗(マズイ……彼は本当に殺るつもりです……!)


番外個体「……助、け―――」


一方通行「ッッ!!!」ピクッ


垣根「あばよ」




    ガッッシャァァァアアアアアアアアアンッッッ!!!!


初春「っ! ……あ、ぁ……!!」


    「くそっ……くそ……っ! 調子のイイ事言ってンじゃねェ……!!」


絹旗「お兄ちゃあぁんっっ!!?」

番外個体「―――ぇ……?」


    ガラガランッガラ…………ッッ


一方通行(『助けて』だと……? 当たり前だろォが、そンなモン……)

垣根「ったく……仮にも風紀委員なら突っ込むにしても場所を選べよ、店内がメチャクチャだろーがよ」ケホケホ

一方通行「……フザけやがって」ボソッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


一方通行「―――……ッッザけやがってェェェええええええええええッッッ!!!!」


垣根(……だが、やっとやる気になったか)ニヤリ



一方通行「ううゥゥいはるゥゥゥうううううううッッッ!!!!」


初春「は、はひぃっ!?」ビクッ

一方通行「今すぐ第七学区全域に緊急避難命令だ……!! 猫の子一匹入れンじゃねェぞォォ!!!」

初春「で、でも……」

垣根「バーカ……それだけじゃ足りねぇよ、その周りの学区にも……あーもう面倒くせぇな、学園都市中の人間を核シェルターにでも籠るように伝えとけ」

一方通行「チッ、何してる……早、く、し、や、が、れッッ!!! 俺達は市民を守るジャッジメントじゃなかったのかよ!!?」

初春「い……嫌です……嫌ですよっ!! 一通さんとていとさんが闘うなんて―――」

一方通行「絹旗ァァッ!! ソイツらを全員連れてけェ!!!」

絹旗「行きましょう、此処に留まっても巻き込まれるだけです」グイッ

初春「うぅ……っ! は、離して……」


一方通行「さっさと行けェェェええええええええええええええええッッッ!!!!」


垣根「ははっ」

一方通行「ハァッ、ハァッ……!」

垣根「『俺達は市民を守るジャッジメント』か……何だ、台詞だけは立派にヒーローやれてんじゃねぇか」

一方通行「くそっ……ちくしょォが……どォしてオマエが『スクール』なンだよ……」

垣根「はぁ……今更何言ってんだ? ……まさか本当に何も気が付かなかったってわけじゃねぇんだろーが」

一方通行「……そォいう意味じゃねェよ」

垣根「……あぁ?」

一方通行「初春さンが何で泣いてたか分かンのか……ババァが死にかけてまで闘った理由がオマエには分かってンのか……ッッ!!?」


垣根「甘い」


一方通行「っ、なにィ……?」

垣根「言わなかったか一方通行……闇に挑むのなら そ、の、甘、さ、は、棄、て、ろ ……とな」

一方通行「俺は……俺達はなァ……!?」

垣根「テメェは甘い……その甘さ故に白井も初春も死にかけ、番外個体なんてモンも作り出された……本当にソレ分かってんのか?」

一方通行「ぐッッ……!!」ギリッ

垣根「テメェは今、こうして俺に掴み掛かっている……その気になりゃ血流でも操作してさっさと爆死させりゃ終わる話なのに……だ」

一方通行「俺はもォ人は殺さねェ……そォォ誓った!!」

垣根「……成る程、つまり昔は殺してたわけだな……言ってみろよ人殺し、一〇〇か五〇〇か……それとも一〇〇〇か?」

一方通行「うるせェよ……ブン殴られねェと言ってる意味も分かンねェか」グイッ

垣根「『悪』を潰したいならテメェも徹底した『悪』になれ、言っておくがな……アイツらが本気になればこんな程度じゃ済まねぇぞ」

一方通行「……っっ」

垣根「テメェはそっち側の人間じゃねぇ、どう見たって俺達側の人間だ……なぁ、違うか」

一方通行「……違、う」ボソッ


    「―――……本当にそうか?」


一方通行「ッッ!!?」ビクッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


垣根「―――本当はテメェも……心の何処かではそう思ってるんじゃねぇのかよ」


一方通行「……クソッ、クソッッ……!! 目ェ覚ませよ……!!!」

垣根「どうしたよ悪党、何て情けねぇツラぁしてやがる……!?」ニタァッ


一方通行「この……大馬鹿野郎がァァァああああああああああああああああああッッッ!!!!」ボッ!!


垣根「……は」


    ドッッッバァァァアアアアアアアアアッッッ!!!!





初春「ひゃわああああっ!!?」ビクッ

絹旗「呑気に驚いてる暇があるなら超走ってください、本当に死んでしまいますよ」タタッ

初春「うぅっ……さっきから思ってたんですけど……アナタは一体誰なんですか? 一通さんの事をお兄さんって……」

絹旗「言葉通りの意味ですが……まぁ細かい話は後にしましょう、今は―――」


絶対等速「……オイオイ、何だぁこりゃ?」ポカーン


絹旗「おぉっ、これは超絶妙なタイミングで移動手段発見ですね」ポイポイポイッ

結標「ぅぐ……」

番外個体「っあ……」

黒子「ですのっ!」

絶対等速「ちょ……っ!? 何だこのガキ共は!!? 勝手に車ン中に放り込むんじゃねぇ!!」

初春「……じ、ジャ―――」

絹旗「超ジャッジメントです!!! 緊急事態の為、この車両を急遽利用させて戴きます!! ……ちなみにアナタに拒否権はありませんのであしからず」

絶対等速「お、おのれ風紀委員だとぉ!? だったら尚更オマエらを乗せるわけには―――!!」


    バギィィイイッッ!!!!


絶対等速「……は?」

絹旗「片方だけドアが外れてて超ダサいワゴンですね、気に入らなかったのでもう片方も外しときましたが……」ポイッ


…………ガラガラガシャンッッ!


絹旗「―――ところで何か言いました?」


絶対等速「……サ、サー!! イエス、サーッッ!!!」

初春(こ、この男の人……何処かで……?)






…………ドシャアアアァァッッ!!!


一方通行「―――ッチイィ!!」ズザザザッ
(何ださっきの爆発は……この俺が吹っ飛ばされた……!?)


    ざわ…………っ


一方通行(それに……何だってンだ……? 拳に残った、最後の……違和感は―――)


    「『目を覚ます』、か……それは違うな、目ならとうの昔に覚めている」


一方通行「ッッ!!?」ハッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


垣根「この街を……クッッソ汚ねェ現実を……っ!! この目で直視したその瞬間からなぁッッ!!!」ザッザッ


一方通行「かき、ね―――!?」ゾク…


    ふぁさ…………っ


垣根「……フゥ」コキ、コキッ

一方通行「ッッ……オイ、何だそりゃあ……」

垣根「……ッ」ニィッ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


一方通行「……白い翼ァ……? ハッ、似合わねェな……メ、ル、ヘ、ン、野、郎」

垣根「くくっ、心配するなよ……」スッ


…………バサアアァッッ!!!


垣根「―――……自、覚、は、あ、る」ニィッ


一方通行「……チ」

垣根「良いぜ? 俺だって一般人を巻き込むやり方は流儀じゃねぇしな……避難が完了するまで―――」

一方通行「その必要はねェな」

垣根「……あ?」

一方通行「オマエに費やしてる時間はねェし、そもそも俺ァ一般人を巻き添えにする気もサラサラねェ」

垣根「フン、守るつもりか……テメェはまだそんな妄言を口にする」

一方通行「……ッ」ピクッ

垣根「いい加減に見せてみろよ……そのジャッジメントっつー偽善の仮面を払い棄て、散々偉そうに語ってやがったテメェの『悪』ってヤツをよぉー……」

一方通行「……ハッ、分かってねェな」カチッ


    バオォッッ!!!


垣根「ッ!!」


一方通行「―――丁度イイ、悪党にも種類があるって事を教えてやる」ニタァッ


垣根「ははっ……テメェに酔ってんじゃねぇぞ、一方通行」
(風を従えたか……)

一方通行「あァ?」

垣根「仕方がねぇなぁ……そういう事なら俺だって蟻を踏まねぇように気を配ってやる」ニィッ

一方通行「……ンだァ? ム、カ、つ、い、た かよ、チンピラ」

垣根「バーカ……面倒くせぇが仕掛けてやるっつってんだよ、牙の抜かれちまったテメェを相手に……五、分、五、分 の勝負をな」

一方通行「ケッ、気を使って貰ってそりゃどォも」



    ヒュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…………


垣根「さて、っとぉ……何せ今日の俺は忙しい、テメェをさっさと叩き潰して木原も追わなきゃならねぇ身だ」

一方通行「あン? 奇遇だなァていとくン、俺と全く同じスケジュールじゃねェか」

垣根「……だな、んじゃあ似た者同士……そろそろ始めるとすっか」ニッ


一方通行「来いよ……」クイッ


垣根「……あぁ」ザッ



…………ビュォォォオオオオオオオオオオッッッ!!!!



    「―――……行くぜ、一方通行」



    「……オゥ」



…………ッッッ轟!!!!!


私ハ、コノ場面ヲ書キタクテコノSSヲ書キ初メタノカモシレナイ……

ってなわけで何度も何度も、ついさっきまで修正を加えての投下でしたが如何でしたでしょうか?
台本形式はどんな動きやどんなポーズを取っているのか、あえて詳しく説明しない事で、読んで貰ってる皆さん自身の脳内で最もカッコ良い『ソレ』で再生されてると思いますが……(?)
と言っても台本形式でのバトル……此処からが本番と言っても過言ではありません、次は多分あの『アツい漢』も登場予定?

乞うご期待!!

流石に間空けすぎはヤバいので投下します






    ド ン ッ ッ ッ ! ! ! !


初春「ひ……っ!?」ビクッ

絹旗(後ろから……!?)チラッ

絶対等速「っ……オイオイオイオイ、何が起きてやがるんだ……説明しろよ風紀委員ッッ!!」


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


初春「……な!? な……なぁ……!!?」ギョッ

絹旗(あ……あれ、は―――!!?)ゾワッ


    バァァァキバキバキバキバギバギバギイィィッッッ!!!!


絶対等速「―――街を薙ぎ払って……こっちに向かって何かが来るぞォォおおおおおっっ!!?」

絹旗「あ、あれは……余波です!!」

初春「えぇっ!? ち、ちょっ……もっと速く走ってくださああぁいっっ!! 私達まで吹き飛ばされちゃいますよーっ!!?」ワタワタ

絶対等速「騒ぐなこのガキッッ!!こんなポンコツじゃここいらが限界なんだよ!!!」

初春「だ、だったらそこを曲がってくださいぃ!! 建造物を盾にするんですよっっ!!!」

絶対等速「無茶言ってんじゃねぇぇぇえええええええええええッッッ!!!!」

絹旗「ダメです……もう間に合いません!! 皆さん衝撃に超備えて―――」


…………ガクンッッ!!!


絹旗「ひぎゃぁぁぁああああああああああっっっ!!?」

初春「と、止ま―――はぅっっっ!!?」


    むぎゅっっ!!!


結標「」ゴロンゴロン

番外個体「」ゴロンゴロン

黒子「」ゴロンゴロン

絹旗「あうぅ……っ」
(無、事……?)

絶対等速「……ぐ、ぐぐ……!!」ピクピク

絹旗「オぇ……だ、大丈夫ですか? 何とか超助かったみたいで―――……ひっ!?」ビクン

初春(う、うぅ~ん……)

絹旗「……わわぁっ!!? ち、ちょっ!? アナタ……!!」


初春「~~~~~~~~~ッッ!!?」モガ…


絹旗「ど……何処に顔を埋めてるんですかぁ……っ////」カアァァ…

初春「―――ふむ!? ふむむぅぅうううっ……!!?」
(お、重……!)

絹旗「ふあぁっっ!!?」ビクッ!

初春「ふもふもふもーっっ!!?」モガモガ
(退いてください……! 息がぁ……っ!!)

絹旗「あぁっ!! ダ、ダメ……ひぁっ!? ダメぇ……っ! く、口を動かさないでくださ……ぁっ!!」

初春「の、退いでぐだざあ゛あ゛あぁぁぁい……!!!」ジタバタ

絹旗「ぁ、んうぅ……!!」ゾクゾクッ
(あ、アツぃっ!? 息が……! は、鼻が超擦れてぇ……!!)


初春「―――……ぷはぁっ!!!」


絹旗「あぁンっっ!!!」ビクンッ!

初春「はー、はー……!」ゲホゲホ

絹旗「はぅ……はふぅ……!」ハァ…ハァ

初春「……」ジー

絹旗「ぅ……////」

初春「へ……変な声を出さないでください!!」

絹旗「だ、だってそれは……////」モジモジ

絶対等速「ちっくしょー……キャンキャンうるっせーぞガキ共め……」




    オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ・ ・ ・ ・


絹旗「超とんでもないですね……Lv5同士の激突、それも余波だけでこれ程までの被害が……」

初春「そ、それより……外はメチャクチャなのに、どうして私達だけ無事だったんです?」

絹旗「む……それは確かに」

絶対等速「……『絶対等速』をこの車のボディに発動した」

初春「っ? い、いこーる……?」キョトン
(何処かで聞いた事があるような……ないような……)

絹旗「『絶対等速』……? それがアナタの持ち得る超能力ですか?」

絶対等速「……あぁ、俺の『絶対等速』の力を受けた物体は動きはニブいが……俺が能力を解除するか、能力効果圏外に至るまで一度力の掛かった方向へと 前、進、し、続、け、る」




    のろのろのろのろ…………


絹旗「な、成る程……『前進を続ける』という事は、その定められたベクトル以外の干渉は一切受けないわけですね……」
(だから衝撃波を背後から受けたとしても、ワゴンは飛ばされなかった……)

絶対等速「しかし物体自体はモロにダメージを受けてしまうんだが……このボコボコになったボディがその証拠だな」

初春「へ? そ、それじゃあ下手すれば私達……」ゾク…

絹旗「衝撃波と車の仕事量でバラバラになっていたかもしれなかった……と?」

絶対等速「まぁ……生き延びれたのは偶々ってワケだ」

絹旗「……」

初春「……」

絶対等速「……」

絹旗「イ、絶対等速さん……超ナイスプレイですね、超グッジョブです!!」ビシッ

初春「危機一髪ですううぅぅぅぅぅ!!」

絶対等速(あ……危っぶねえぇ~!! やっぱり今日の俺はツイてるのか!!?)ガタガタガタ




    のろのろのろのろ…………


絹旗「しかし……今のでエンジンからの動力伝達経路が超イカレてしまったハズです、『絶対等速』の効果で何とか前進は可能でしょうが……」

絶対等速「……」

初春「はい、とてつもなく遅いですね」

絹旗「これでは歩いた方が超マシってモンです……仕方ありません、此処からは自分の脚で―――」


…………バチンッッ


初春「ぇ……」ゾク…

絹旗(この紫電……まさ、か―――!?)


…………バチッッ! バチバチバチバチッッ…………!!


番外個体「ぎゃは、ははッッ……!?」バチバチッ!

絶対等速「んなぁっ……!? そこの白いヤツ……漏電してるぞおおォォォッッ!!?」

絹旗「あぁーんもう!! 一難去って超一難ーっ!!!」

初春「わわわわわわわっ!!?は、ははは早く逃げげげげーっ!!!」ワタワタ

絹旗(無理です……! 今からでは絶対に間に合わない!!!)

番外個体「っっぎゃはははははははははははははははは―――ッッア゛ッ!!?」メキ…ッ!

絹旗「―――超☆窒素パァーンチ!!!」


    ボグシャァァアアアアアアッッ!!!!


番外個体「ぶぎゅるわああああああああああああっっ!!?」ゴロゴロゴロンッ

初春「あぁっ!?」

絹旗「……超ギリギリセーフです」フゥ

絶対等速(ノ、ノーバウンドで五メートル以上は吹っ飛んだぞ……!?)

初春「な……何て事するんですかぁっ!!?」

絹旗「アナタこそ現実を超見てください……こうでもしなきゃ私達は全員死んでたんですよ!?」

番外個体「」ピクッ

絶対等速「っ! ……オマエら、少し黙れ」

絹旗「……!」ハッ

絶対等速「―――……来るぞ」ゴクリ

番外個体「ひ……ひゃ」ムクッ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


番外個体「ふひっ、ふひひひひ……ひひひいひいひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ひぃぃぃぃぃぃははははハハハハハハハハハハーっっ!!!!」ゲラゲラゲラ

初春「……っ!」ゾワッ

絶対等速(く……狂ってやがる……!?)

絹旗「何てタフなんですか……」ザッ

初春「あっ!? ま、待ってください……!」ギュッ

絹旗「……離してください、此処で仕留めます」

番外個体「……あハ、は」フラ…ッ

初春「いい加減に……もう、皆さん……いい加減にしてくださいよぉ……!!」プルプル

番外個体「あ、一方通行は……何、処……何処なの……?」ヨロヨロ

初春「どうしてそんなに人を殺したがるんですか……どうして無意味な血を流す必要があるんですか……!!」


―――『俺とテメェらでは棲む世界が余りにも違いすぎる』―――


番外個体「うへ、へ……殺さなきゃ、殺さなきゃ木原サンに叱られちゃうもん……ね☆」フラフラ

初春「そんなの私には……分からないですよぉ……っ!!!」

絹旗「……何を言っても超無駄です、あぁなってはもう聞こえちゃいませんよ」

初春「ぅっ、う……! どんなに強い……凄い力を持ってたって……皆と仲良くできなきゃ……楽しくなんかないのにぃ……!!」

絹旗「……」

番外個体「ン……あっち、かナ?」バチ…ッ

絹旗「ッ!? ま、待ち―――!!」


…………ボッッッ、バッッッ!!!!


初春「っわ……ッ!!」

絶対等速「……と、跳んだ……!?」

絹旗「……くそっ!!」
(今の大跳躍……空気を爆発させる事で高速移動まで可能なんですか!!?)

初春「そんな……今あっちに行けば……!」

絹旗「……仕方ありません、私は彼女を追います」

初春「え……っ?」

絹旗「少々手荒になるかもしれませんが……安心してください、アナタ達を全員無事に還す事……それがお兄ちゃんの命令ですからね」ニッ

初春「で、でも……!」

絹旗「さっきの超巨乳メガネさんと良い、生意気にもお兄ちゃんの手を握りしめた……この超ですの口調さんと良い、アナタ達がお兄ちゃんの超守りたい人達だってのは理解ができました、それに……」


絹旗「―――……アナタもジャッジメントなら、今……やるべき使命がありますよね?」


初春「……使、命……?」

絹旗「はい、さっきお兄ちゃんも超叫んでいた……ジャッジメントとしての使命です」

初春「……」

絹旗「……なので絶対等速さん、この二人はアナタが一刻も早く病院へと」

絶対等速「はぁ?何で俺がそんな真似―――」

絹旗「お願いします、学園都市最凶の風紀委員……一方通行の望みなのです」

絶対等速「……っっ、さっきのはやっぱり……あの第一位なのか……!?」

絹旗「はい、彼は手が離せない状況にあります……今、超頼れる人物はアナタだけなのです」

絶対等速(オイオイすげェよ、マジモン生で見ちゃったよ……!)ドキドキ

初春「ああああの、あの……っ! 私からもお願いします!!」ペコリ

絶対等速「ぐっ……」タジ…

初春「あの二人の闘いよりも……私はジャッジメントとして、一刻も早く避難勧告を出さないとダメなんです!! だから……だから……!!!」

絶対等速「……チィ」グイッ

黒子「づ……!」

絶対等速「気が進まない……がな、尊敬する第一位のオーダーともなれば話は別だ」ヒョイ

初春「ほぇ……い、良いんです……か?」

絶対等速「オイ馬鹿力、そっちのJKを俺に背負わせろ」

絹旗「なっ……ば、馬鹿力ではありません! 『窒素装甲』です……」ヒョイ

結標「ぁ、ん……っ」ポスッ

絶対等速(……やっぱり二人は重い)ズシッ

初春「イ……絶対等速さん……っ!」グスッ


絶対等速「あぁ? どうした……早く行ってこい、俺の気が変わらん内にな」


絹旗「あは……絶対等速さん、アナタ……やっぱり超イケてますね」

絶対等速「……フン」プイッ

初春「ありがとうございます!! 本当に……ヒック、本当にぃ……っ!!!」

絶対等速「……乗り掛かった船ってヤツだ」ザッ
(まぁ……もう乗ってしまったがな)

絹旗「あーもう、誰かさんみたいに一々泣かないでくださいよ」ヨシヨシ

初春「だって……ヒック、だってぇ……! 本当にどうすれば良いのか分からなくて……!!」メソメソ

絶対等速(しかしあん時、偶々人質に取ったクソガキがなァ……まさか今は……―――)チラッ


初春(助かる……誰も死ななくて済む……! 白井さんも……結標さんだって……!!)


絶対等速(……ハッ、立派な……とは言えないが、風紀委員サマになってたとはな)ザッザッ


…………ザリッ


    「―――……頑張れよ、泣き虫風紀委員」


絹旗「……では、私も行きます……後は頼みましたよ?」ザッ

初春「っ! あ、あの……」

絹旗「ん?」

初春「お、お名前を……」

絹旗「絹旗最愛です……超事前に釘を打っておきますが、モアイではありませんよ?」

初春「え、と……その……絶対に無事でいてください!! 私達せっかくお知り合いに……お友達になれたのに……!」

絹旗「お、お友達……?」ドキッ

初春「はい! 私達……歳も近そうですし、絹旗さんとは何だか仲良くなれそうな気がして……」タハハ

絹旗「お……お友達、ですか……言われてみれば超初めてですね」テヘヘ

初春「ほぇっ?」
(初めて……?)

絹旗「……し、かぁ~し」ズイッ

初春「ふえぇっ!?」タジ…

絹旗「超お花さん、アナタ……お兄ちゃんの事が好きなんですか?」

初春「!!?」ドキッ

絹旗「む……す、好きなんですね?」

初春「はうぅ……す、好きですよぅ……超が付いちゃう程……」モジモジ

絹旗「……やっぱり」フゥ

初春「あぁっ! でも、ていとさんだって勿論……だから私……」

絹旗「むぅ、Lv5に二人も恋心を抱くだなんて……お花に似合わず超欲張りなんですね」ムスッ

初春「スイマセン……」ショボン

絹旗「……いえいえ、逆に超気に入りましたよ?」ニコッ

初春「あっ……私、飾利って言います! 風紀委員、第一七七支部の初春飾利……!!」

絹旗「ジャッジメントの初春さん……ですね? 了解です、超覚えました」

初春「えへへ……////」

絹旗「でも私達は友達だなんて超生易しい関係ではありません」

初春「へっ?」

絹旗「初春さん、私達は……今日から恋敵(ライバル)です♪」ニッ

投下終わり

絶対等速さんは投げた物体にしか能力が付与しないというツッコミはなしの方向で



絶望的だった初春さンにもやっと光が見えて来たって感じだなァァ

行くぜ、このスレラスト投下ぁぁっっ!!

―――『冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)』の病院



美琴「ちょっとー……アンタが私を呼び出す時ってのはさ、毎度毎度ロクでもない事件が起きた時だってのは分かるわよ」イライラ

御坂妹「はい……と、ミサカはお姉さまを横目に適当な返事をします」

美琴「それが今回は何よ、病院周辺の護衛って一体どういう事なのよー!!?」ビリビリ

御坂妹「放電を抑えてください、院内の機器に支障が出るとすこぶる大変ですので……と、ミサカはイエローカードを差し向けます」ピッ

美琴「ぐぐ……」
(な、何て事なの……この私があと一枚で退場だなんて……っ!)

御坂妹「お姉さまを召喚したのは先程説明した通り……院内へと運ばれて来た黒ずくめの件なのですが……と、ミサカは念のために復唱します」

美琴「……一方通行が護衛しろって言ったのよね? 自分でボコした連中を今度は守れ、だとか意味分かんないんだけど」

御坂妹「はぁ、詳しい話はミサカも聞いておりませんので……と、ミサカは興味のない声で答えます」

美琴「ふーん……まぁアンタ達だけじゃ何だか心細いし、別に良いケドね」

御坂妹「おぉ、何だかんだ言ってもお姉さまは我々を見捨てないツンデレ心をお持ちなのですね……と、ミサカは目薬の使用によって深く感涙します」ウルウル

美琴「それにしても……何時来るかも分からない相手を待つってのも退屈よねー」フゥ

御坂妹「学生は本来休日だというのに、お姉さまは暇人なのですね……と、ミサカは心の傷をグサリと突き刺し、グリグリと掻き回します」

美琴「……帰って良い?」クスン

御坂妹「冗談ですのでまだ帰らないでください……と、ミサカはお姉さまの頭部を撫で回します」ナデナデ

美琴「ち、ちょっ……恥ずかしいじゃない////」テレテレ

御坂妹「胡麻すりに肩でも揉みましょうか……と、ミサカはいやらしい手つきでお姉さまの両肩を……ぐへへ」ワキワキ


    もみもみも~みっもみ♪


美琴「あ~そこそこ……流石は私の妹ね、気持ちイイ……!」

御坂妹「気持ち良い、といえば……お姉さま」キリッ

美琴「っ、な……何よ?」

御坂妹「固法お姉ちゃんの乳枕はフカフカしてて大変気持ちが良いらしいです……と、ミサカは上位個体からの電波を開示します」

美琴「……何で固法先輩は『お姉ちゃん』で私は『お姉さま』なのよぅ」ムスッ

御坂妹「ツッコむべきはソコではないでしょう……と、ミサカは後頭部へと逆ツッコミをかまします」ビシッ

美琴「あ痛っ」


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


御坂妹「―――……時にお姉さま」

美琴「っ、な……何よ?」
(急にシリアスになるなっつの!)


御坂妹「『樹形図の設計者』の『残骸』の件なのですが……」


美琴「……あぁ、結局『スクール』の連中の居所は掴めたの?」

御坂妹「いえ、ミサカネットを駆使しても未だに彼らの消息は……と、ミサカは正直に答えます」

美琴「……そっか」

御坂妹「申し訳ありません……と、ミサカは腰から三○度の角度で頭を下げます」ペコリ

美琴「何言ってんの……アンタ達が気にする事じゃないでしょ、それに……」

御坂妹「……」

美琴「―――逆に申し訳なく思わないといけないのは、アンタ達を巻き込んじゃった私の方」

御坂妹「……」

美琴「まぁ……それもこれも結標のヤツや『スクール』のハイエナ共が―――……む?」

御坂妹「……」

美琴「……どした妹ー、急に動かなくなって……もしかしてお腹空いた?」ツンツン

御坂妹「ソレについてなのですが……お姉さまにお伝えしなければならないお話があります」

美琴「……?」

御坂妹「その結標が……つい先程、『残骸』を手にしたという事実をお姉さまはご存知でしたか? ……と、ミサカは質問します」

美琴「んな……っ!? それって……!!」

御坂妹「先程……第七学区中心地をブラブラと散歩していたミサカ一九〇九〇号の報告によると、現時刻より八分と二三秒前に結標淡希と思われる少女を目撃したらしいのです」

美琴(だって『残骸』は昨日、『スクール』の連中に奪われたまま……!!)

御坂妹「かなりの深手を負った状態でしたが……その手にはしっかりと例のキャリーケースが握られていたので、まず間違いはないかと……と、ミサカは結論付けます」

美琴「深手ってアイツ……仲間を潰されたからってまさか、たった一人で『スクール』と戦闘を……!?」

御坂妹「いえ……彼女を傷付けたのは『スクール』ではなく、恐らく一人の風紀委員によるものです……と、ミサカは口からコピー用紙を吐き出す様な口調で続けます」

美琴「風紀委員……? そ、そっか……一方通行よ、ね? なら安心だわ、アイツが結標なんかに遅れを取るわけないんだしさ……」ホッ

御坂妹「……」

美琴「で、でも残念よねー、結標のヤツは私がケジメつけさせてやろうと思ってたのに―――」

御坂妹「……いえ、その風紀委員とはお姉さまが良くご存知でおられる白井黒子嬢……」

美琴「……っ!!?」

御坂妹「何故彼女が結標淡希と対峙していたのかは不明ですが……」

美琴「そ、そんな……どうしてよ……っ!? 黒子は関係ないじゃない!!」

御坂妹「どうして……と言われましても、ミサカでは返答しかねます」

美琴「それじゃあの子は……黒子はどうなったのよ!!?」

御坂妹「その後彼女達がどうなったのかは、残念ながらミサカにも分かりません」

美琴「っっ、何でッッ!!?」

御坂妹「何せ一九○九○号は彼女の姿を視認した瞬間、余りの恐怖心に駆られて反射的に此処まで逃げ帰って来たもので……と、ミサカは顔面蒼白の一九○九○号を思い返しながら自らの身体をも震え上がらせます」ブルルッ

美琴「あの……バカっ!!」ザッ

御坂妹「お待ちくださいお姉さま、どちらへ行かれるつもりなのですか?」

美琴「そんなの……決まってるでしょうが……っ!!」

御坂妹「現在この病院の周辺に配置しているミサカ達は九人、サークル状に電磁網(センサー)を展開していたのですが……」

美琴「だから何っ!!?」

御坂妹「―――たった今、何者かがそれに引っかかる反応がありました」

美琴「……チッ!」

御坂妹「侵入者です、数は二……と、ミサカは緊急報告します」

美琴「こんな時に……っ! 良いわ、二秒で消し炭にしてくれるわよ!!」バチィッ!

御坂妹「目視可能まで残り四秒……三、二……と、ミサカはデバイスを下ろしながらカウントします」スチャッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


浜面「えーっと……メモだと此処で間違いないんだよな」トコトコ

滝壺「zzz……」

美琴「……」ビリビリ

御坂妹「……」

美琴「……あ、アイツら?」ヒクッ

御坂妹「はいそうです……と、ミサカは頷き答えます」コクリ

美琴(どう見てもただのカップルじゃないの!!)

御坂妹「そこの二人組、止まりなさい……と、ミサカは安全装置を解除し、第一の警告をします」ジャカッ

美琴「」

浜面「うおおおおおおっっ!!? ちょっ、待て!! いきなりそんな物騒なモン向けてんじゃねえええええっっ!!!」

御坂妹「ホールドアップ」

浜面「わーわー待てって!! 今両手上げたら背負ってるヤツ落ちるから!!! だからちょっ……滝壺さぁん!? キミからも何か言ったげてーっ!!!」ワタワタ

御坂妹「ヒーハーッッ!! 見ろよジョニー、このファッキンボウヤめ! ガタガタと怯えてやがるぜ!!! ……と、ミサカは若干ノリ気味で―――」ワクワク

美琴「この馬鹿妹っ……! こっち来なさい!!」グイッ

御坂妹「……」

美琴「何やってんのよアンタは!? 明らかにコイツらは違うでしょうが!!」コソコソ

御坂妹「今のはただやってみたかっただけです……と、ミサカは己の心中をポロリと吐露します」

美琴「クソみたいなC級映画の観すぎよ、ダアホっ!!」コツン

御坂妹「痛いです」

浜面「な、何だぁ……!? 常盤台の双子……?」ドキドキ

美琴「い、いやぁーすいません! ちょっとウチの妹ってば中二病入ってまして~!!」アハハ

浜面「あ、あぁ~そっか! 通りで変なゴーグル付けてると思ったんだよなァー」ナハハ

御坂妹(中二病……? ミサカは何かの病に掛かっているのでしょうか……と、ミサカは軽く不安気になります)ソワソワ

浜面「見て分かると思うけど……コイツ急患なんだ、此処……通っても良いか?」

美琴「あっ、はい勿論オッケーで―――って!?」ギョッ


滝壺「ぅん……?」パチ


美琴「……」パリッ

浜面「いやー悪いね」トコトコ


…………バヂィッ!


浜面「……へっ?」

美琴「ゴメンお兄さん、今のウソ」バチッ…!

浜面「っな、な……っ!?」ゾク…


    バババチバヂッッバリバリバリバリバリバリィィッッ!!!!


浜面(―――なんじゃこりゃあああああああああっっ!!?)

美琴「オドレら……ちょっち待たんかいやゴルァァァあああああああああっっ!!!!」

浜面(こ、この発電量……並の『電撃使い(エレクトロマスター)』ってレベルじゃねェーぞ!?)

滝壺「っっ、アナタ……常盤台の『超電磁砲』……!?」

浜面「レ……!? 『超電磁砲』だぁぁ!!?」

御坂妹(中二病……何か危険な香りがします)ゴクリ




    ブシュウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…………!!


浜面(こ、この子が一方通行や垣根帝督に続く……第三位の―――!!)

美琴「……さぁ後ろの、ボーッとしてないで説明しなさいよ」ギロッ

滝壺「……」

浜面(滝壺と……知り合いなのか……!?)

美琴「ま、た、ア、ン、タ、達 がこの件に一枚噛んでるわけ? アンタがいるって事は、あのオバサンも近くにいると考えても良いのよねぇ?」

浜面(オバサン……?)

滝壺「……麦野は……」

浜面(……あぁ、麦野か)

滝壺「麦野はきっと……私達を殺しに来る」

美琴「ッ……何、ですって?」




    ピンポンパンポーン♪


御坂妹「……む」ピクッ


美琴(アナウンス……?)


    『―――……一五学区、一八学区……つ、繋がった……!? うー、あー、マイクテスマイクテス……いよっし、音声クリアーです……!』


美琴「っ……!?」ハッ

御坂妹「……お姉さま、この甘ったるい少女の声は……ミサカにも聞き覚えがあります」


    『え、えと……学園都市中の皆さん、聞こえてますか……? 私は風紀委員第一七七支部の……』


美琴「う、初春さん……?」

滝壺「この声……」

浜面「さっきのハワイアンな風紀委員……だよな?」

美琴「っ、どうして……アンタ達が初春さんを知ってんのよ?」


    『―――……って、自己紹介してる場合じゃないですね……お伝えする事があります、どうか落ち着いて聞いてください』


浜面「そりゃだって……俺達をこの病院に導いたのが、ソイツの先輩の世にも恐ろしい風紀委員長だからだよ」

美琴「風紀委員長……固法先輩が……?」




    『現在……第七学区の中心部が凄い被害になってるのは……も、もうお気付きの方もいらっしゃるかもしれません』


美琴「ど、どういう事……? ねぇ……被害って一体どういう事なのよっっ!!?」

浜面「し……知らねぇよ!!」

美琴(黒子もきっとそこにいるハズなのに……っ! アイツは……一方通行は何をしてるのよっ!?)

浜面「ただ言えるのはな、こんな放送をしなきゃいけないぐらいの闘い……Lv5同士の本気の殺し合いが始まっちまったってェ事だ!!」


    『あっ! で、でも心配しないでください!! べ、別に宇宙からインベーダーが攻めて来たとか……決してそんなんじゃ―――』


美琴「Lv5同士ですって……? 誰と誰がよ……一方通行と、あの麦野って女が!!?」

浜面「違う、確かに麦野もすげーヤツだけど……あの程度じゃ一方通行とは渡り合えない、今第一位と闘りあってんのは……きっと―――」ゴクッ

滝壺「……『未元物質』……」

美琴「ッッ!!?」




    『そ、その……アレです! 夜のパレードの準備が忙しくて……できるだけ皆さんの目に映らないように、その……二人の風紀委員が街の解体作業を……なんちて』タハハ


美琴「二人の風紀委員……? その一人はLv5の『未元物質』……!? 何でそんなヤツが風紀委員に……!!?」

浜面「違うんだよ、アイツは元から風紀委員なんかじゃない……暗部組織『スクール』のリーダー、垣根帝督……」

御坂妹「お姉さまが彼を知らないのも無理はありません、何せ彼は昨日……一七七支部へと転属されて来たばかりですから」

美琴(昨日……『スクール』……!? まさ、か―――)ハッ

御坂妹「お姉さまは昨夜遅くまで結標や『スクール』との戦闘に入ってましたが故、白井黒子とは入れ違いになってしまったのでしょう……と、ミサカは淡々と説明します」

美琴「『スクール』はこの日の為に……そのリーダーが今、一方通行と争っている……? それじゃ結標は、『残骸』は……黒子達は―――」


    『で、でも絶対に大丈夫なんです!! 安心してください……何も心配する必要はないんですよ……!?』


美琴「……っ」




    『な……何たって私達風紀委員には凄い人が沢山いるんです!! 固法先輩だって白井さんだって……一通さんだって、ていとさんだって……』


美琴「……ハハ」


    『今はケンカばかりしてますけど……! ほ、本当は二人共優しくて……っ!!』


美琴「心配するな……か」ボソッ

御坂妹「……お姉さま?」

美琴「……分かった、アンタらの話は後で聞く」

滝壺「え……?」

美琴「アンタ達が仲間割れ起こしてるとか、麦野ってヤツに狙われてるだとか、私には関係ないしどうでも良い……でもね」

美琴「―――どんな理由があるにしろ、患者を絶対に守り抜くってのが此処の先生のポリシーみたいなのよ」

御坂妹「……」

美琴「この病院にはね、『残骸』争奪戦とは関係なく……普通の治療を受けてる患者さんだって勿論いる、だからアンタが此処にいる内は……仕方ないけど私達が守ってあげる」

滝壺「超電磁砲……」

浜面「……すまねぇ、恩に着る」

美琴「フンっ」プイッ

御坂妹「ミサカはお姉さまが彼らの元へと駆けて行ってしまうのでは……と、内心ヒヤヒヤしていたのですが……」

美琴「確かに心配よ、今だってそう……心配に決まってるじゃない」

美琴「私の力量不足で結局皆を巻き込んじゃって、物語は私の知らない所で雪だるま式に膨れあがって……!」ギリッ

御坂妹「……」

美琴「それでも……初春さんが『心配ない』って言うんだもん、だったらまぁ……大丈夫、でしょ?」ニッ

御坂妹「冷静なご決断、ありがとうございます……と、ミサカは頭を下げます」ペコリ

美琴「でも黒子には……また怒られちゃうかもしんないけどね」ボソッ

御坂妹「……?」

美琴(私は今、私のできる事をする……だから皆を頼んだわよ、風紀委員の一方通行……!)







…………ズダンッッ!!!


番外個体「……チ」スック
(一方通行……ミサカはね、アナタの位置ならネットワークを介して何となく知る事ができるんだよ……でも―――)

番外個体(アナタの移動スピードが段違いに速い……追い付ける気が ま、る、で、し、な、い)

番外個体(身体もあちこち痛いし……さて、どうしようかナ)フゥ


…………ガリリッ


番外個体「っ!」ピクッ


   ガガリガリガリゴリィ…………ッッ


番外個体「な、なに……?」キョロキョロ
(この音……何か重厚なモノを……)


    ガガガリガリゴリゴキゴリゴキィ…………ッッ!!!


番外個体(乱暴に……引き摺る―――ッ!?)ハッ



    「たあありゃぁぁああああああああああっっ!!!!」





    ゴギギガギガガガッッガガガガガガガァッッッ!!!!


番外個体「馬鹿な……!!? あ、アイツ……!!」タジ…

絹旗「とうっ!!」タンッ

番外個体「さ、さっきのワゴンを……片手に―――」

絹旗「……超っっ☆ハンマぁぁぁアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」ブオ!!


    ガ ゴ オ オ ォ ッ ッ ! ! ! !





    バァァァキバキバキバキバギイィィッ!!!!


絹旗「―――……む!?」
(手応え……超皆無!!)


    「ななななぁ~んちゃって☆ まさかそう簡単にヤれると思った?」


絹旗「っ!?」バッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


番外個体「それにしてもさ……大した怪力だよねぇ、それがアナタの能力なのかな?」ニヤニヤ

絹旗(あんな距離まで……一瞬でこれ程の間合いを……?)ゴクリ

番外個体「そーいえば……アナタからはついさっき、ミサカの横っ面に刺激的な一発貰ってたんだったよねー?」

絹旗「……ふん」ザッ

番外個体「丁度イラついてたトコだし……ぎゃはは♪ そーだ、二億倍にして返して―――」

絹旗「とは言いましても、元々当てるつもりなんて超何処にも無かったんですよね」ゴソゴソ

番外個体「……は?」ピクッ

絹旗「何せ初春さんと約束しましたから……うっかり死なれても超困りますし」スッ

番外個体「っ、何ソレ……? マラカス……いや、クラッカー?」

絹旗「いい~え? どちらも間違いです、フレンダから勝手に拝借した……!」キュポッ


…………バシュゥゥッッ!!


絹旗「―――超対戦車ミサイル(×三)ですよっ!!」

番外個体「ッッ!? 無……駄ァァァあああああああああああああああああッッッ!!!!」


    ヒ ュ ド ッ ッ ! ! ! !


絹旗「……!」ピクッ




…………ッッゴォォォオアアアアアアアアアアア!!!!!


絹旗「……」

絹旗「―――……成る程、超納得しましたよ……アナタ程の『電撃使い』にもなると、自身の周りに超強力な磁界を発生させる事も可能なんですね?」


    メラメラメラメラ…………!!


絹旗「磁石のSとS、N極とN極同士が反発し合うように……弾頭の軌道がアナタの身体を超避けるように、確かに反れやがりました」


…………バチッ


絹旗「……恐らくはさっきのワゴンによる一撃をかわせたのも、その反発を利用して―――うっっ!!?」ビシ…ッ


    ッッパァァァアアアアアアン!!!!


絹旗「っ……!!」ゴロゴロゴロンッ

番外個体「ハエが……う、るっ、さ、い、ん、だ、ヨ」バチバチバチッ!

絹旗「―――……っ」パタッ

番外個体「アナタの言う通りだよ……だから鉄分などの強磁性体を多く含む武器なんて物は、最初っからミサカには通用しない」

番外個体「それが例えミサイルだとしても例外ではない……まぁ、爆発で空気まで奪われるのは流石にヤバかったんだけど―――……って」


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


番外個体「ひゃははっ♪ 言うだけ無駄か……もう死んじゃってるもんね」

絹旗「……」

番外個体「うぅ~ん……そーだ、イイ事思い付いた」ニヤリ


…………ザッ


番外個体「きひっ……!」ザッザッ

番外個体「コイツの生首を手土産に持ってけば、第一位は一体どんな表情をするのかなぁ?」ニタァッ


    「……それは余り考えたくはありませんね、スプラッター映画ってのはどちらかと言うと超苦手なジャンルでして」


番外個体「……え?」ピタッ

絹旗「でも超好きな人と一緒に観れるなら抱き付き作戦が使えますし……」ムクッ

番外個体「なっ、あ……っ!?」タジ…


絹旗「―――……それはそれでアリなんでしょうか?」ニッ


番外個体(こ、コイツ……どうして……!!?)

絹旗「衝撃で超ブッ潰れちゃってますが、今アナタが放った……ふむ、コレは釘ですか」

番外個体(確かに磁力砲は眉間に命中したッ!! ……それ、なのに―――)

絹旗「オリジナルの『超電磁砲』はコインを使うと聞きますが……アナタはコレを弾丸代わりとする事で殺傷能力を超高めてるわけですね」ポロ…ッ


…………カラカラッ、グシャッ!!


絹旗「―――それでも肝心な威力はオリジナルに遠く及ばず……超残念ですが、この程度では私の『窒素装甲』は突破できませんよ」グリグリ

番外個体「お、おかしいねェ……アナタの能力は攻撃系だと思ってたんだけど……っ!?」ギリッ

絹旗「ただの馬鹿力だけじゃLv4にはなれませんよ、それにこのチカラは……最強の一通お兄ちゃんが私に与えてくれた特別なモノなので―――」


    『ピーガガ……地下を移動してる方々は……ザザーから隣の、そのまた隣の学区まで速やかに退避を―――』


絹旗「……おや?」ピクッ

番外個体(カーステレオ……? この声はさっきの……)

絹旗「おやおやおやぁ?」クスッ




    『繰り返します……! この放送をザザザー……る方々―――』


絹旗「信じられますか? 初春さん……さっきの超お花さんってば、手持ちのノートパソコンとケータイだけで本当に街中の電波ジャックまでできちゃったんですよ」

番外個体「……」

絹旗「アナタみたいな高位の『電撃使い』でも超難しい芸当なんじゃないですかね? それをこうも容易く……ふふっ、あの子は本当に何者ですか?」

番外個体「あっそ、悪いけど……生まれたてのミサカの脳ミソはまるで興味が無いみたい」

絹旗「……それでは話が変わりますが、私の胸に付いてるこの超真っ赤なお花……アナタには何だか分かりますか?」ツンツン

番外個体「……あ?」

絹旗「ハイビスカスですよ、御守りだって彼女から戴いたんです」

番外個体「……チッ」

絹旗「彼女が言うにはハイビスカスの花言葉は『まぁやってみたまえ』らしいですよ? 堂々と間違ってたので超指摘してあげましたけど」

番外個体「……覚えが悪いね、そんなくだらない話……ミサカには 興、味、が、無、い と言ってるんだよ」

絹旗「……や~れやれ、まるでお話になりませんね? 超仕方がないです―――……む?」ピクッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


絹旗「……ッッ!?」プルプル
(こ、こんな所に……!!)

番外個体「……?」

絹旗(一方通行の……道路標識が―――っ!!)ガシッ


…………ボギンッッ!!


絹旗「えへへ……これで絹旗最愛の攻撃力は三〇%アップです! お兄ちゃんと一緒ならもう負ける気がしませんね♪」スリスリ

番外個体「……ハッ」

絹旗「むむ……何ですか?」

番外個体「まさかそんなポールを武器にするつもり? その様な鉄クズがミサカに通用しないのはアナタも分かってるハズなんだけど……」

絹旗「果たしてそうでしょうか? ならばアナタの磁力と私の『窒素装甲』」ザッ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


絹旗「―――……どちらが強いか、力比べしてみますか?」

番外個体「ッッ!! いっっちいちと長いんだよ……! 御託がさああッッ!!?」ボッッ!!


    ッバチバヂッッ!! バァァチバリバヂバヂィッッ!!!


番外個体「ミサカはねェ……一秒でも早くアイツを地獄に叩き落とさなきゃいけないんだ……っ!!」ビリリッ!

絹旗(超帯電モード……物理攻撃には無類の強さを誇る『窒素装甲』でも、彼女の電撃までは防げない……)

番外個体「―――ミサカはその為に……ただその為だけに、わざわざ培養器の中から放り出されたんだからね……」ニタァッ

絹旗「そうですね……どうやらアナタとは話し合いも通じないみたいですし」

番外個体「……ひゃはっ!」バチチッ!

絹旗「……まぁ、やってみましょうか」

番外個体「さぁ……早く始めようよぉっっ!!」ザッ


…………ボバッッッ!!!!


絹旗「ふん……超舐められたものですね、真っ直ぐ突っ込んで来るとはっ!!」ニッ
(守ったら負ける……今の私には―――)


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


絹旗(―――攻めて攻めて……攻め、あるのみぃっ!!)


番外個体「死ぃぃ……ねぇぇぇえええええええええええええええええっっっ!!!!」


絹旗「バスタァァァアアアアアホームラァァァアアアアアアアアアアン!!!」ブオ!!


    ッッカキィィィイイイイイイイイイン!!!!





初春「風紀委員活動第一七七支部、初春飾利より……警備員の救援要請をお願いしま―――……え?」

初春「警備員は……この期に及んで動けない……? まだ……そんな事を言ってるんですか、アナタ達は……」

初春「……いえ、もう結構です……分かってますよ、理事会が圧力を掛けてるんでしょ?」

初春「後は私達……風紀委員だけでやりますから」プツッ


    ツー、ツー、ツー…………


初春「……」フゥ

初春(警備員は動いてくれない……けど、黄泉川さんならきっと何とか―――)カタカタカタ


…………ザリッ


初春「っ」ゾク…


    「そこのアンタ……ちょっっと良いかにゃーん?」


初春「……ふぇ?」クルッ


…………ドゴスッッ!!!


初春「ぅげ……ッ!!!」ミシミシ…ッ!

麦野「どういうわけかテメーからは『未元物質』の臭っせースメルがプンプンしてんだよなぁ……」

初春「……う、ぅあっ……!?」ペタン
(な、何……け、蹴ら……れ―――?)

麦野「さっきから『嗅覚センサー』がイッちまうくれェにビンビンに反応して―――……おっ?」

初春「っァ゛……!」ブルルッ


…………ドクンッッ!!


初春「―――……うえ゛っ!? おげッ、オェェええええええ……っっ!!」ビチャビチャビチャ

麦野「ハハッ、あ~あ~汚ったないねェ……」クスクス

初春「うぶっ、がふ……!?」ガクガクッ

麦野「……ま、テメーも風紀委員なんだからさぁ」ガシッ

初春「っ、だ……だ、れ……―――ぇぶっ!?」


    ドチャッッ!!!


麦野「ほーれ、ご奉仕活動ってなァ……? テメーでブチ撒けたゲロの後始末は テ、メー、で、や、り、な」グリグリ

初春「ぃ……っああぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

麦野「掃除が終わったら着いて来て貰うよん? 第一位と第二位……アイツらの所まで一緒にさぁぁ?」ニヤリ

初春「っぁ、ぁあ……!」ゲホゲホ
(い、痛い……苦、しい……)


麦野「ホレホレ、ゲロまみれで恍惚とした表情してないで……ちゃんと話聞いてんのかテメーコラ」グイッ

初春「うぁ……っ! ア、ナタ……」

麦野「あの二人の争いを止めて欲しいんだろう? むぎにゃんが止めてあげるって言ってるんだぴょ~ん♪」キャハッ

初春「は、はふ……何を言ってるんです……ぅっ、アナタが何者かは存じませんが……二人を、止める事なんて―――!」


    ズバァァァアアアアアアアアアッッッ!!!!


初春「……え?」

麦野「『原子崩し』」ボソッ

初春(……ッ!? じ、地面が……)ゾワッ


    ブシュシュゥゥゥウウウウウウウウウウ…………!!


初春(溶断……している―――っ!!)

麦野「……別名、『粒機波形高速砲』」ニィッ




    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


麦野「くそったれな学者が言うには、生存本能がセーブをかけてるからこの程度の威力しか出ないらしいんだけど……本来なら超電磁砲ぐらいは瞬殺できるらしいよ?」

初春(ま、さか……この人も……?)ハァ…ハァ

麦野「……ま、実際にそれをやると反動で私の体も粉々に吹き飛ぶって話だけど……それでも私の『原子崩し』に撃ち抜けない物体など、この世には存在しねぇ」

初春「Lv……5……」

麦野「そうさ、学園都市が誇る七人の超能力者が一人……―――第四位の『原子崩し』」ヴンッ

初春「ひ……!」ビクッ

麦野「ねェ……今の私は気が短いんだ、テメーの四肢をブッた斬って引き摺ってっても別に構いやしないんだよ?」




…………ざわっ


初春「っ!?」

麦野「ありゃー……見なよ、テメーは市民共を巻き込まないように誘導したつもりらしいが……」


    ざわ…………ざわ…………


麦野「一部のアホ共は珍しいモノ見たさに、我こそはと集まって来ちまってる……バカだよねぇ、せっかく頑張ったのに全部裏目に出ちゃってさぁ?」ニヤリ

初春「……そ、そんな……!」
(無駄……無意味……!! 何もかも水の泡……っ!!)

麦野「せっかくだし叫んでみるかい? 正義の風紀委員が、一般人に向かってブザマに『助ケテー』ってさぁ……!?」

初春「……うっ、うぅううううう……!!」


―――『……あはっ♪ 初春さん、それは超間違いですよ』―――


初春(っ、絹旗……さん、私……!)ハァ…ハァ

麦野「ホラホラどうした……? 哭けよ、喚けよ!! もしかしたらあのゴミカス二人が助けに来てくれるかもしれないぜぇぇええええッッ!!?」


―――『ハイビスカスの本当の花言葉、それは……』―――


初春(ハイビスカスの……本当の、花言葉は……―――っ!!)ギリッ

麦野「まぁお互い死合いに夢中でそれどころじゃないんだろうがねえェェ!!? ぎゃはははははっ!! ぎゃっははははははははははは!!!!」ゲラゲラ

初春「……、……」ボソボソ


麦野「―――はは……は? 何……だって?」




    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


初春「うっ、き……聞こえなかったん……ですか? アナタみたいな人では……はぁっ、あの二人を止めるなんて……絶対にできないって言ってるんです」

麦野「……ソイツぁどうだろうね? 垣根のクソは別として、テメーを盾にすりゃ一方通行は確実に手出しができないとは思わねぇか、あ?」

初春「私を人質に……ですか? ははっ……アナタはLv5で、あの二人に闘いを挑むと言うから……やっぱりスゴい人なのかと思ってたら……」

麦野「……ッ」


初春「―――何だぁ……ただの三下さん……だったんですね……っ」アハハ


麦野(コイ、ツ……っっ!!)ビキッ

初春「一通さんも、ていとさんも……私なんかとは違う、とっても強くてカッコいい……Lv5のジャッジメントなんです……!」

麦野「く、ククッ……言うね、餓鬼」

初春「これは……風紀委員の初春飾利として、アナタに忠告してあげているんですよ……? アナタみたいな人が……どんな卑怯な手を使おうが……っ!」

初春「私達が思っても見ないような方法で……アナタを打ち倒し……っ!! 何事も無かったかのように、私を無傷で助け出してくれるに決まってるんですッッ!!!」

麦野「……そうかい」

初春「ヒーローってのはそういうモンなんですよ!! いつも何処の誰かの希望であり、勇気であり! その期待を絶対に……絶対に裏切らない……!!!」

麦野「だったらテメーは今から確実に絶望する、何せこの『原子崩し』の逆鱗に触れちまったんだからねェ……」ヴンッ

初春「はぁ……はぁ……うぅ……それなのに……ヒック、それなの、にぃ……っ!!」グスッ

麦野「……あ?」

初春「どうしてですか……ヒック、どうしてあの二人が殺し合わないといけないんですか……っ!!? あんなにスゴい二人が……力を合わせれば……っ」
(……ダメ、もう……!)


…………ポタポタッ、ポタッ


初春「―――学園都市だってきっと……きっと変えれるのにぃ……っっ!!!」ポロポロポロ…
(もう……止まらない……っ!!)

麦野「……」

初春「はぁっ……ヒック、どうして……どうしてぇ……っ!!?」
麦野「そりゃ残念だったな……だが、今の私に情けなんてモノはありゃしねぇ」


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


初春「ぐっ、うっ……! あぅうぅ……っ!!」

麦野「―――……だからテメーも此処で死ね」

―――あの日、あの時、あの場所で起こった一連の事実を、野次馬の一人だった佐天涙子氏は後にこう語る



佐天「いやいや……そりゃびっくりしましたって、気が付きゃ初春がスクランブル交差点の中心でメチャクチャ怖そうなお姉さんに絡まれてたんですよ? 私なんて一瞬世紀末の世界に入っちゃったんじゃないかって―――」


能力名:?
職業:中学生(柵川中学在校)
能力レベル:ゼロ
前科:あり(『幻想御手(レベルアッパー)』に着手)


佐天「しかもアニメや漫画で敵キャラにグイーって胸ぐら掴まれる場面あるじゃないですか? そう、まさにあんな光景だったんですよね……初春の足なんて地面から二○センチくらい宙に浮いてましたし」


佐天「え……何故助けに行かなかったのか、って?」


佐天「……」フゥ


佐天「いや~ムリムリムリ、無茶言わないでくださいよぉ……だって相手はLv5の『原子崩し』、麦野沈利ですよ? 私みたいなLv0がのこのこ出た所で死体が一つ増えるだけです」

佐天「私の周りにいた人達も皆同じです……彼女から放たれる殺気にアテられて、逃げようにも助けようにも脚が前にも後ろにも全く動かなくなってたんでしょうね」


佐天「それに何より、動けない理由にはもう一つありました……その時の初春の右腕には正義の象徴、風紀委員の腕章が装着されてたからです」


佐天「私みたいに風紀委員の友達がいるなら別ですけど、風紀委員の中でもエリートや落ちこぼれってのが存在するわけでして……いや、初春だって落ちこぼれってわけじゃないんですよ? ただあの子は能力も身体レベルも戦闘向きじゃないって言うか……」


佐天「そして何より……とっても優しい子なんです、きっと誰かに暴力を振るう事なんて未来永劫できないでしょうね……例えそれが、どんな悪党であったとしても」


佐天「それでも詳しい事情を知らない普通の学生からすれば『治安維持組織の警察や自衛隊にも等しい人間が、簡単にねじ伏せられている』としか考えられないんです……それを助けに飛び出そうとは誰も思えないでしょ」

佐天「そんな私達を無視するように、麦野沈利の周りにはテニスボールくらいの真っ白で不健康的な光の球体が次々と出現していました……そう、『原子崩し』によって初春の全てを終わらせる為に」


佐天「良く見れば初春の頭の花びらも一枚、また一枚とはらはら散って行くのが確認できたんですね? それはあたかも初春の魂が磨り減る様を表現するかのように」


佐天「『嗚呼、あの花びらが全て散る時が初春の最期なんだなぁ……』って私はちゃんとハンカチも用意したんですけど、でも……」


佐天「―――……その幻想すらも、たった一人の声によって全てを打ち消されました」



    「あー駄目だ、もう見てらんねぇ」




佐天「『光の三原色』って知ってます? 赤、青、黄色……三つの光を合わせると白になるってヤツなんですケド」



    「第三者の俺からすりゃあ、どういった経緯でそうなったのかは知らねぇよ……もしかしたらお前さん方は実は姉妹で、その嬢ちゃんが一方的に悪かったのかもしれねぇしな」


佐天「偶然か意図的か、はたまた神様による悪戯か……この死で埋め尽くされたスクランブル交差点でも、全く同じ現象が起きたんです」


    「……でもな、もう許してやったらどうなんだ? だってその子……根性出し切ってボロボロに泣いてんじゃねぇか」


    「……ッ、何だテメーは」



佐天「赤、青、黄色……三つの光を宿す自動車用信号機……それの頂点に見参し、真っ白に白熱するは学園都市のナンバーセブン」



削板「―――……オイタはいけねぇぜナンバーフォー、俺と一緒にスカッッ!! と根性入れ直してみねぇか?」



佐天「白く、白く……ただ白く、真っ赤に燃える炎を瞳に灯した……愛と気合いと根性のヲトコです」


黄泉川「……」

佐天「……」

黄泉川「私の専門は保健体育じゃん? だからあんまり化学について詳しくは分かんないけどよー……」ポリポリ

佐天「……」

黄泉川「『光の三原色』ってのは確か……赤、青、緑だったじゃん……?」

佐天「……」

黄泉川「……」

佐天「えぇっっ!!?」ビクッ

このスレでの投下はここで一旦終了です、次スレはもう少し書き溜めが進んでから立てようかと

結局>>782の台詞回収する前に終わっちゃったけども……

だがそんなもんは関係ねぇ、ガチ少年漫画SS、第二巻もよろしくね!!!!!!!好きなように埋めてくれキャピ


ジャッジメントで検索し続ければいいのかな?
それとも絶対等速?

>>978
今の所スレタイは

垣根「ジャッジメントか……悪くねぇ」第二巻

にするつもりです、センスの欠片もないけど

ちなみに絶対等速さんは下手したら出番終了してるかも

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