美琴「ちょっとアンタ!」 禁書「なぁに?」(1000)

☆お断り☆
・とても遅筆です
・夜~深夜にかけて活動します
・書き溜め?なにそれおいし(ry

構わん続けたまえ

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バチバチバチズガーン!
上条「ひぃぃぃぃぃ!」

第七学区のとある公園で、一人の不幸な少年が命がけの鬼ごっこ…もとい、決闘が行われていた。

美琴「待ちなさい!」ビリビリ!

紫電をその身にまとった少女が雷撃を飛ばしながら吼える。

上条「待ったら黒コゲになっちまうでせう!?」バシュッ!

美琴「うるさい!アタシが『待て』って言ったら待つのが常識なのよ!」バチバチバチ

理不尽なことを言いつつ少女は両手に電気を溜める。

上条「そんな常識初耳なんですが!?」
上条(あの量はヤバイ!デカいのが来る!)

美琴「オラァァァァァァァァァ!!」バリバリバリバリバリ!!

少女は両掌を突き出し、まるで光り輝く龍のような巨大な雷の槍を放った。

上条「くそっ!ガッ●ュかお前は!」

避けきれないと判断した少年は振り返り、右手で龍をぶち[ピーーー]。

上条「ウオォォォォォォォォ!!!」バシュッ‼

雄叫びと共に、最先端の科学が生み出したバオウザ●ルガは消し飛んだ。


この後少年は自慢の逃げ足を使って少女から逃げる。
それがいつも通りの流れ。 ブロロロ‥‥!
そう、いつも通りの ブロロロロロロロ!‼







ドガシッシャァァァァァァァァァァァァァン!!!

美琴「えっ……?」

何が起こったか分からなかった。

学園都市第3位の頭脳でも。

ここは公園のど真ん中。

なのにどうしてだろう?

どうして

美琴「イヤァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

どうして













トラックが突っ込んでくるんだろう

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土御門「ハッハッ!フグッ…ゲエホッゲホッ!」

事故原因は飲酒による居眠り運転だった。

青髪「ヒィーッ…!ヒィーッ…!」

柵をぶち破って公園に侵入してきた4tトラックが時速80kmでたまたま少年に突っ込んだ、という不幸な少年ならではの…

土御門「ゲホッゲホッ!ゲエホッ!!」

青髪「アカン…!息が…!息が…でけへん!」


















上条「そんなに笑うなよ…」

不幸な少年ならではの大ワザであった。

また夜にノシ


  _ノ,´'´二 ーヽ_    込{、Y´    「 ̄ ̄`¨゛`ド=,=/`ヽ::::
  ゞY"⌒Z彡ミヽゝ  { }'¨ゝ____ ノ  u / } :i )'ヽ |:::
  〈ィ≦ _ }j^〉 r'   ソ   、      ,´   ! .:i '/_ノ::::
  厶` ′゛へ_f´    `┐` ′   |  / .:i_/ヽ::::::
   キ=, //へ_    ヒ..___       ,/ .::i    レヘ:
    'ーっt'´  / ̄`¨`ーハ` ̄     __,ノ ..:::i
     ,ハ_ /      //,_   __,,ィ''" ...::::,ツ |   ,イ´
    / 『7       ,' ィ".::" ̄´...::::::::::::r''"  | / /
   /   {{'"       l ツ,___....::::::::ィ'"    ,レ′/
  ハ    |!  {{ラ  、ノ  二ニ{  ̄´ ヽ、  / /   

冬月 「はじまったな・・・・。」  

碇 「ああ・・・・



土御門「で?かみやんはどこで轢かれたんだったかにゃー?」

上条「…公園」

青髪「ぶひゃひゃひゃひゃ!ありえへん!どうやったら公園の真ん中でトラックに轢かれんねん!」

上条「そんなもん俺が知りてぇよ!」




あの事故の後、上条当麻はいつもの病院に搬送された。
全身打撲に左脚と左腕の骨折。
とても4tトラックに撥ねられたとは思えないほど軽い怪我だった。


コンコン.ガラッ
冥土帰し「気分はどうかね?」

上条「ハハッ。最高ですよ」

入って来たカエル顏の名医に力無く笑う。
何度目だろう。この人の世話になるのは。

冥土帰し「それは良かったね?ところで…」

上条「…また入院ですか?」

冥土帰し「察しがいいね?」

上条「慣れてますから」

冥土帰し「左脚のヒビはまだしも、左腕は複雑骨折だからね?」

冥土帰し「リハビリも含めて最低でも一ヶ月はかかるね?」

上条「ってことは…」

土御門「留年が濃厚になってきたにゃー」

青髪「とりあえず委員長にメールしとくわ~」

上条「不幸だ…」

口グセを吐き、ガクリと脱力する。
留年の二文字が重みと現実味を増して肩にのしかかってきた。

冥土帰し「そうだ。それより…」

名医はドアに向かって「入っておいで」と手招きする。
すると、

美琴「うぅ…」

目を真っ赤にした、今回の事故の元凶が扉に隠れてこちらを見ていた。

美琴「うぅぅ…うぅ…」

上条「入ってこいよ御坂」

美琴「…」コクン

少年の出来るだけにこやかに繕う態度に反し、少女は申し訳なさそうに、目を潤ませて部屋に入ってくる。
その様子はまるで子犬のようだった。

上条「座れよ」

美琴「うん…」

言われた通りにベッドのそばの、少年の左側のイスに座る。

美琴「う、うぅぅぅぅ~」ウルウル

座って安堵したのか、今までかろうじて感情を抑えていた少女の脆いダムは、音を立てて決壊した。

美琴「うわぁぁぁぁん!ごめんねぇ、ごめんねぇぇぇ!」ガバッ

上条「うおっ!御坂、ちょっと離れいだだだだだだ!」

粉砕骨折した左腕を、少女の未発達な胸がギリギリと押しつぶす。
本来ならば柔らかい感触が左腕を包み込むヘヴン状態な訳だが、さすがは不幸体質。

上条(ちくしょう!Fuckinギプスちくしょう!)

堅牢なギプスによって、ヘヴンが痛覚だけが刺激される地獄にかわる。
が、そんな事本人以外に伝わるはずも無く、

土御門「邪魔したにゃー。もげろ」

青髪「お幸せに~。爆ぜろ」

心無い言葉を吐き捨てて出て行く友人達。
うるせぇ一回かわれ。

また明日の夜にノシ

冥土帰し「じゃあ僕はこれで。安静にね?」スタスタ ガラッ

上条「はい。…毎度毎度すみません」

冥土帰し「いいんだよ。慣れてるからね?」パタン

さすがの彼でも居づらいのか、足早に、振り返らずに出て行った。

美琴「ううっ…グスッ…」

病室には必然的に、困惑した被害者と首に手を回しすすり泣く加害者(間接的だが)が残ることとなった。
白くて殺風景な個室に、少女の嗚咽が響いている。

上条「…」

少女の栗毛の甘い香りが暴力的に鼻腔をくすぐり、頬をサラサラと撫でる。
密着している上半身にはほど良い重みがかかり、とても暖かい。
左の肩口は涙で変色していた。

上条「…なぁ、御坂」

美琴「ふぇ…?」

名字を呼ばれ、首に手を回したまま少し離れる。
泣き腫らし赤みを増したブラウンの瞳が少年の漆黒の瞳を真っ直ぐに射抜くが、少年は目をそらさない。

上条「あのな…」

御坂「…?///」ドキン

上条「ちょっと、言いにくいんだけどさ…」

何かを言いあぐねているような雰囲気をまとわせ、少年はうつむいた。
しばしの沈黙。
それはまるでいつしかテレビで見た、想いを伝える前の静けさとそっくりだった。

美琴「……!///」ドキドキ

ドクンと跳ねあがった心臓が早鐘を打つ。
張り裂けそうな想いが溢れ出してくる。

美琴(えっ…?もしかしてこれって…)ドキドキドキ

上条「御坂!」

美琴「ひ、ひゃい!」

少年が顔を上げ、少女は見つめられる。
吸い込まれそうな漆黒に目を奪われてしまう。
おそらく頬は上気し、とても変な顔をしているだろう。

上条「その…」

美琴「ちちちちょっと待って!私にも心の準備ってもんがあるっていうか、まだ早いっていうか、いや、もちろん嬉しいんだけどねって何言ってんだアタシは。とにかくちょっとだけ待っtt」ドキドキドキドキ

上条「そっ、そろそろ…」ガシッ

少女の左肩がつかまれる。

美琴「ッ~~~!///」ドキドキドキドキドキ

上条「離れてくれ。ちょっと暑苦しい」グッ

美琴「」

上条さんマジ上条。
左肩を押し、剥がすように遠ざける。

美琴「ア、アンタねぇ~」

ゆらりと揺れ、首に回した手を解き、演算を開始する。
が…

美琴「あれ?」

何故だ?
対象を消し炭にする悪魔の方程式は出来上がったのだが、電気が出ない。

美琴「あっ」ガッチリ

左肩が右手につかまれていることに気がついた。
あゝ麗しの君の忌々しき右手よ。
お前はいったい何なんだい?

美琴「はぁ…」ガックリ

意気消沈。攻撃する気も消え失せてしまった。

上条「お前面白いな」ケラケラ

コロコロと表情が変わる少女を見て笑う少年。
笑うなしばくぞ。

上条「あ!!」

何かを思い出したのか、目がぱっちりと開いている。
尋常ではない汗。
何か緊急事態が発生したようだ。

美琴「な、何何?どうしたの?」

突然の大声にビクッと肩を震わせ、尋ねる。

上条「…いや、いいんだ。アレを一般人に任せるワケには…」

美琴「いやいや言いなさいよ。アンタがこうなったのも元々アタシの所為なんだしさ。」

上条「いや、でも、うーん…」

唸る少年にだんだん苛立ちがつのる。
だが、加害者がとやかく言うワケにはいかない。
ここは相手から言われるまでじっと待…

美琴「あーもう!早く言いなさいよ!」

待てなかった。

上条「うぅ…わかりましたよ。言えばいいんでせう?」

「後悔するなよ」と前置きしてから話し始める。
どんなに深刻な問題なのだろうか?
この少年の抱えている問題は。

まだまだ序章です

また明日の夜にノシ

これはどういったジャンルのSSなの?

>>31
禁琴で

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禁書「うぅ… お腹空いたんだよ…」

時刻は完全下校時刻を過ぎ、燃えるような陽光は消え、宵闇が忍び込んできている。

禁書「こんな美少女を放ったらかしにして、とーまは何してるのかな!?」

…言っていて虚しくなってしまった。

禁書「もしかして…」

一抹の不安。それを暗闇が煽り立てる。

禁書「また女だったりして~。」

疑念を拭い去ろうと、できるだけ明るく言う。
が、胸の奥のほうにズキリと鈍い痛みが走った。

禁書「暗いよ…とーま、早く帰ってきてよぉ」グスッ

一筋の涙が頬を流れた。

禁書「うぇぇ…」ポロポロ

闇が寂しさを加速させる。
愛猫を抱きしめれば、止めど無い寂しさを止められるだろうか?

ガチャガチャ…ガチャッ!

禁書「!」

ドアの音の開く音。
それが意味するのは待ち人、上条当麻の帰宅だ。

禁書「とーま…とーまっ!」ダッ

寂寞の想いが弾け、たまらず駆け出す。

とーまのくせに私を待たせて!
その罰として、思いっきり抱きしめてやるんだよ!

禁書「とーまっ!」ダキッ!

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美琴(えーっと…)

禁書「~~~!」ギュー

聞いてない。アタシ聞いてない。
「居候のメシ作ってやってくんねーか?」
うん。了解したよ。でもね…

禁書「…?」ギュー

年頃の女の子なんて聞いてない。

街灯に照らされた銀髪がきらめいている。
まるで月輪のようだ。

美琴(とにかく電気をつけよう。うん。落ち着こう)

玄関口にあったスイッチをパチリと鳴らすと、モノクロだった世界に色がついた。

禁書「今日のとーまは何かいい匂いがするんだよ…それに、ちょっと痩せたか…も?」

顔を上げる銀髪。ああ、こいつか。
たしかイン…イン…

禁書「な…なんで短髪がここにいるのかな!?それにとーまは?とーまはどこ!?」

そうだ、インデックスだ。思い出せて良かった。
やったね美琴ちゃん!

禁書「質問に答えて欲しいかも!」

美琴「はっ!」

どうやらどこかにトリップしてしまっていたらしい。
現実逃避は良くない。

とにかくコイツには聞かなければならないことが山ほどある。
今夜は寝かさないぜベイベー。

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禁書「話しをまとめると、事故したとーまの代わりにご飯作りにきたってことかな?」

美琴「まぁ、そうなるわね。」

話してみるとこの少女、なかなか物分かりが良い。
ものの15分で説明が終わった。
『公園にトラックが突っ込んできた』という非現実的な話しも、
「とーまだからね。」
と言ってなんの疑いも無く信じた。
アイツは普段どんな日常をおくっているんだろう?

禁書「はぁ~。安心したらお腹空いちゃったかも。」

美琴「はいはい。今から作るから、ちょっと待っててね。」

母親のようなことを言って、スーパーの袋をゴソゴソとあさる。

禁書「でもさ、かんぜんげこうじこく?だっけ。守らなくても良いの?」

美琴「あ、その事だけどね、」

禁書「うん。」

美琴「アタシ、今日からここ泊まるから。」

禁書「…ごめんちょっと腹の音で聞こえなかった」

美琴「だから、アタシ今日からここに泊まるから。」

禁書「え…えぇぇぇぇーっ!!?」

泊まり込みなった経緯はまた、あしたの夜にノシ

美琴「何?イヤなの?」ムスッ

禁書「いや、そうじゃなくてね!?ちゃんと順を追ってこうなった経緯を説明してくれないと、さすがのわたしでも納得できないかも!」

美琴「ああ、それもそうよね。寮監に言われたのよ」

禁書「…りょーかん?」

美琴「あー…学生寮のボスみたいなもんよ」

禁書「ますます意味がわからないんだよ!何で学生寮ボスが他人の家に泊まることを命じるのかな!?」

美琴「うん。それはね、」

~~回想~~

-常盤台学生寮-
美琴「…というワケで完全下校時刻外の帰寮を許可していただきたいのですが…」ビクビク

事故のことをありのままに話す。
眼前には額に青筋を浮かべたBOSSがメガネを光らせていた。

寮監「御坂ァ…」

あゝ、私の御霊ここで果てるのでせうか。
覚悟を決め、「サヨナラ」とつぶやく。

寮監「その話、本当か?」

美琴「は、はい!ホントです!」

ウソなんてついていないのに、背中をイヤな汗がつたう。
その様子を怪訝そうに見つめるBOSS。
オワカレも時間の問題かもしれない。

寮監「…わかった」

そうら予想通りダメだっ…え?

寮監「お前の目を見る限りでは、やましいことはなさそうだな。」

美琴「え…?じ、じゃあ、許可してくださるんですか!?」

その言葉にギラリと光るメガネ。

寮監「だぁれが許可すると言ったぁ?」

畏怖。思わず「ヒイッ」と言ってしまった。

寮監「まぁ、今日は許可しよう。」

美琴「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!寮監!」

寮監「ただし、一つ条件がある」

人差し指を垂直に立て、少女を睨みつける。

美琴「…条件、ですか?」

寮監「そうだ。もしもその居候が男だった場合、その少年が完治するまで毎日時間外帰寮の許可をとってもらう。」

寮監「そして、女だった場合は…」

美琴「…ゴクリ」

寮監「その少年が完治するまで、そこに泊まり込みだ」

美琴「………ちょっと何言ってるかわかんない」

寮監「だから、少年が完治するまでそこに住めと言ったんだ」

美琴「いやいやいやいやジョークはもっとほがらかに言ってこそのジョークですよ?だいたい、学校はどうするんですか?」

寮監「張り倒すぞ?その寮も第七学区にあるんだろう?だったら登下校も問題ないじゃないか。」

寮監「その少年が食事の世話を頼むということは、一人で料理ができないってことだ。この時点で居候はおさな子の可能性が高い。」

寮監「それに、いきなり女の子一人になるのは何かと不安だろうが、お前のような強いヤツがいれば、その子も安心だろう?」

たしかに、スジは通っている。
だが少し納得できない。

美琴「ですが…」

寮監「わかったらウダウダ言わずに、さっさと支度して行く!」

美琴「は、はい!」

一喝されてしまった…
でも、いくらアイツでも女の子と同居なんてしてないよね?
ここは寮監の言う通り、一応泊まり支度をして、さっさと帰ってこよう。

~~回想終了~~

美琴「…というワケなのよ」

禁書「なんか…女でゴメンね?」

美琴「いいのよ。泊り支度がムダにならずに済んだわ。ハハハッ。…ハァ」

まさか本当に女の子とは。
さっと作ってさっと帰る計画がパーになってしまった。

禁書「えーっと…そ、それよりおなかへったなぁ!短髪の料理、食べたいなぁ!」アセアセ

雰囲気を変えようとしてくれているのか、はたまた本当に空腹か。
おそらく両方だろうが。

美琴「よし、わかった!パパッと作っちゃうからアンタ、手伝ってよ?」

禁書「お安い御用なんだよ!」

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◆キッチン

美琴「はい、これチンしといて。」

禁書「…それはわたしに対する嫌がらせなのかな?」

美琴「いや、何がよ!?電子レンジでチンするだけでしょ!?」

禁書「…」

美琴「もしかして…電子レンジ使えない?」

禁書「…」

禁書「…」ウルッ

美琴「あわわわわ、わかった!わかったからそれくらいで泣かないで!」

禁書「うん…ゴメンね…」グシッ

美琴「誰でも一つや二つはできないことがあるもんよ。ここはいいから、後で洗い物手伝ってね?」ナデナデ

禁書「うん!」

タタッと居間に駆けて行く銀髪。
一緒に布巾も持っていったので、机でも拭いてくれているのだろう。

美琴「さ、仕上げないと!」

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御坂美琴は今、人間の大いなる神秘を見ている。
お嬢様学校ではまず見られないであろう光景。
これはいったい…

美琴「どういうことだってばよ?」

禁書「ガツガツガツガツムシャムシャムシャムシャゴクゴクゴクゴク…ぷはぁ」

明日の朝ごはんにしようと取っておいた分まで平らげた銀髪。
おいおい、冗談じゃないぜ子猫ちゃn

禁書「おかわりないのかな?」

冗談じゃないぜ…。
あの時、上条当麻は言った。「後悔するなよ」と。

美琴(…こういうことか)

禁書「わたしを満足させるにはまだまだ足りないんだよ!」

なまいきだなこのやろう。
聞いてねぇよこんちくしょうめ。

美琴「予想外だったわ…。明日は多めに作るから、今日は許して?」

禁書「うーん…まぁ短髪がそう言うなら考えてあげなくもないんだよ」

回りくどいなコイツ。

美琴「それよりアンタさ、その短髪ってのやめてくれない?アタシには御坂美琴っていう名前があるんだから。」

禁書「むぅ…じゃあわたしのことも名前で呼んで欲しいかも!」

なぜかジト目で見られた。

美琴「わ、わかったわよ!……イ、インデックス?」

禁書「なぁに?美琴」ニコッ

美琴「-ッ!」ドキッ

小首をかしげ、上目遣いで笑いかける銀髪。
その無邪気なはにかみに、不覚にもときめいてしまった自分がいた。
欧ロリの上目遣いの破壊力をなめ過ぎていたかもしれない。

美琴(落ち着けアタシ!相手は女の子!黒子じゃあるまいし…)

禁書「どうしたの美琴?顔、恐いよ?」

美琴「だっ、誰の顔が恐いのよ!なんでもないわよ!」

禁書(美琴って、ちょっと面白いかも)


美琴の表情がコロコロと変わるので、いつまで見ていても飽きないインデックスであった。

ねむいよう

明日の夜は入浴~ を書いていきますノシ

★質問★
難しい漢字は平仮名にしているんですが、(例:纏う→まとう)漢字で書いた方がいいですか?
どっちの方が読みやすいですか?

            /)
           ///)

          /,.=゙''"/   
   /     i f ,.r='"-‐'つ____   こまけぇこたぁいいんだよ!!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |

     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /

平仮名云々の話なら
インデックスからは「とうま」、「みこと」になると思うんだが

>>64
わかった

0:30頃から書き始めます
悪いところがあれば改善しますので、どんどん指摘してくださいね

美琴「で、」

禁書「ん?」

美琴「お風呂、どうすんの?」

禁書「…考えてなかったんだよ」テヘ☆

美琴「テヘ☆じゃないわよ。今から沸かす?シャワーで済ます?」

禁書「うーん…とうまはいつもシャワーだけかも。」

『とうま』と聞いてハッとする。
よくよく考えれば、私は今から上条当麻が使っている浴室を使うのか。
と、いうことは…

美琴(か、間接混浴!?ダメダメダメ、まだ早いよぅ…///)カァァ

禁書「みこと?おーいみことー?」ブンブン

顔の前で手を振るが、まったく反応しない。
それどころか顔を真っ赤にしてクネクネしているので、なんだか気色悪い。

美琴「エヘヘヘヘヘヘヘ///」クネクネ

禁書「…はぁ。じゃ、先に入ってくるんだよ。」

美琴「ちょっと待って」

禁書「ん?」

トリップから戻ってきた美琴に静止させられる。

美琴「一緒に入らないの?」

禁書「」

禁書「ななななな何をおっしゃるのかな!?もしかしてみことって…」

美琴「え!?違うわよ!アタシにそんな趣味は無いわよ!」

美琴「アイツさ、電気代とか水道代とか結構気にしてるんじゃない?あんた大食いだし。」

禁書「いや、そんなこと…」

インデックスは思い出す。
クーラーのコンセントを抜く上条当麻。
すぐにシャワーの音が止まる上条当麻。
極力ガスコンロで調理する上条当麻。
セールに命を懸ける上条当麻。etc‥

禁書「みこと…」

美琴「ん?」

禁書「何もしないって……約束してくれる…かな?」モジモジ

美琴「だぁーかーらアタシはレズじゃないって!」

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★嫁力アピール計画
風呂に一緒に入る

電気&水道代が浮く

上条さん歓喜

めでたくゴールイン

……我ながら完璧だと思った。思ってた。なのに…

美琴(狭っ!)

こんなにも風呂が狭いとは。

美琴(アタシの部屋の風呂より小さいってどういうこと?なにこれ?おかしくない?)

常盤台中学学生寮の各部屋に備え付けられているユニットバスは、小柄な中学生二人なら少し余裕があるくらいの広さだった。
だからこそミスを招いた。

禁書「み、みこと…これはやっぱり…///」

美琴「ち、ちょっと無理があるわね///」

一糸まとわぬ姿で浴槽に立つ二人の少女。
その距離は二人の間に赤子を置けるか置けないかくらいのほぼ密着状態だった。

美琴(ヤバイヤバイヤバイヤバイ!心臓がヤバイ!)ドキドキドキドキ

透き通る白い肌に流星のような銀髪。
少し上気した頬の赤色と瞳の碧色がとても官能的だった。

禁書「そ、そんなに見ないでほしいかも」

美琴「あ、ああゴメン!」アタフタ

サッとそっぽを向くが、鼓動はどんどん大きくなる。

美琴(だぁ~~~もう!何やってんのよアタシ!これじゃまるでホントにレズみたいじゃない!)

禁書「みこと」

美琴「はひぃ!」ビクゥッ

禁書「早くお湯出してほしいかも」

浴槽に入って早2分が経過していた。
自称ノンケの御坂美琴は、2分間もインデックスの裸に魅入っていたのだ。

美琴「わわわわかった!」キュッ

一応言っておくが、ここはハンドルを捻ると必ずお湯が出る常盤台ではない。
お湯が出るまでタイムラグがあるのだ。
だがお嬢様がそんなこと知るよしもなく…

美琴「冷たっ!」バッ!

禁書「きゃあっ!」ガッ!



ザーーーーーーーーーー

まだぬるいシャワーが浴槽に叩きつけられてBGMのようになっている。

ザーーーーーーーーーー

禁書「みこと…」

美琴「あっ…」

背中にぬるま湯を浴びながら、御坂美琴はおのれの脊髄反射を人生で初めて恨んだ。

ザーーーーーーーーーー

美琴「あ、あの、その……頭打ってない?」

禁書「あ、う、うん。だいじょうぶなんだよ。」

気の利いたことが言えない自分がイヤになる。

美琴(どうしよう……)

ザーーーーーーーーーー

今、美琴の目の前にはトロンとした目のインデックスがいる。

美琴(事故とはいえ…)

禁書「あ…う….///」カァァァァ

ザーーーーーーーーーー

美琴(押し倒しちゃった……)

2:00なのでここまでで。

ちなみにインさんは美琴の下に滑り込むように倒れました。

また明日の夜に。

それと悪いところは指摘してくださいね。

乙! 悪いところは……、強いて挙げるなら、初見だと風呂場で押し倒したシーンが何が起こったのか分かりづらかったかな
期待してる。頑張れ

>>84
ワザとだよん
何が起こったかドキドキするでしょ?

いい具合に眠くなってきたので書きますね

今にも泣き出しそうな銀髪の美少女。
林檎に真っ赤な童顔が、背徳の念を煽り立てる。

美琴(ッ!)ドクン

背中に当たるぬるま湯がだんだんと熱くなっていくのを感じながら、鼻先数センチのところにある顔を出し見つめる。

美琴(ああ、もしかしたらアタシ…)

少し潤んだ碧眼が、心の奥底からドス黒い感情をズルリと引きずり出してきた。

美琴(堕ちちゃったかもしれない…)

コイツを自分のモノにしたい。

余すとこなく手に入れたい。

目も耳も鼻も口も乳房も秘所も。全部。

全部全部全部全部全部全部全部全部。

全部。

そして…


美琴「インデックス…」


そして御坂美琴は…

今にも泣き出しそうな銀髪の美少女。
林檎のように真っ赤な童顔が、背徳の念を煽り立てる。

美琴(ッ!)ドクン

背中に当たるぬるま湯がだんだんと熱くなっていくのを感じながら、鼻先数センチのところにある顔を出し見つめる。

美琴(ああ、もしかしたらアタシ…)

少し潤んだ碧眼が、心の奥底からドス黒い感情をズルリと引きずり出してきた。

美琴(堕ちちゃったかもしれない…)

コイツを自分のモノにしたい。

余すとこなく手に入れたい。

目も耳も鼻も口も乳房も秘所も。全部。

全部全部全部全部全部全部全部全部。

全部。

そして…


美琴「インデックス…」


そして御坂美琴は…

ザーーーーーーー

禁書「みこと…」

美琴「あっ…」

ザーーーーーーー


つい先ほど知り合い、友人となった少女に押し倒されてしまった。

表情から察するに、故意ではないのだろう。

さしずめ冷たい水をかぶって驚いた勢いで押し倒してしまった、というところか。

美琴「あ、あの、その……頭打ってない?」


ほら。ワザとじゃなかった。

だって気遣ってくれたもん。

ワザとじゃないって分かってる。

分かってるけど、どうして…


禁書「あ、う、うん。だいじょうぶなんだよ。」


どうして、声が震えるんだろう。

ザーーーーーーー

浴槽の底に溜まったぬるま湯を背中に感じる。

最初の冷水がまだ残っているのか、まだ少し冷たい。


禁書(ん…?)


なぜか美琴がどかない。

それどころか私の目をジッと見ている。


禁書(なんか…恥ずかしいかも…)


少し顔が熱くなった。

ザーーーーーーー

とにかく、どいてもらわないと動けない。

ちゃんと『どいて?』って言おう。

よし、3・2・1


禁書「あ…う…///」カァァァァ


言えなかった。

なんでだろう?

そういえば、さっきも声が震えた。

どうしたんだ私は?

ザーーーーーーー

顔にはりついた栗色の髪。

シャープな顎から滴り落ちる水滴。

健康的でしなやかな肢体。

少女を取り巻く大気さえもエロチシズムを奏でている。


禁書(あれ?目が…)ウルッ


押し倒されて以来、不可思議なことがよく起こる。

今度は目が潤んできた。

ザーーーーーーー

浴槽のぬるま湯は流れ、今は体温に近い温度の湯が滞留している。


禁書(もしかしたらわたし…)


一連の不可思議な現象に対する仮定。

シスターとして、女として、認めてはいけない仮定。


美琴「インデックス…」


ギラギラとしたブラウンの瞳が、潤んだ碧眼の瞳を射抜く。

そこに優しい言葉を投げかけてくれた美琴はおらず、欲望の片鱗を見せたニンゲンがいた。

禁書(やっぱり…)


仮定は、限りなく確信に近づいた。


禁書(ちょっと期待……しちゃってるかも)

美琴がゆらりと動く。

言いようの無い緊張に押し潰されないように、ギュッと目をつぶった。


禁書「~~~~~ッ」









美琴「ほら、立って」ニコッ


視界が明るくなった。

御坂美琴が手を差し伸べている。


禁書「う、うん」


強く、強くその手を握った。

心の内を悟られないように。

------

インデックスはベッドに、美琴はそのそばに布団を敷いて眠った。

風呂上がりから今まで、お互いぼーっとしていた。

本来ならば『アイツの布団だ!』って悶えたり、『アンタ、アイツと一緒に寝てるの?』とか言及すべきことが山ほどあるのに、そんな気にはなれなかった。


美琴(はぁ~~~~っ!アタシのバカ!バカバカ!)グシャグシャ


先ほどの感情が、自己嫌悪に変わった。

なんであんなことを思ったのか。


美琴(アタシ、女の子相手に……最低だ。)


初めて滲み出してきた欲望。

なんとか理性で押さえ込んだが、笑顔は歪だっただろう。

笑顔の裏には、醜悪な願望が渦巻いていたのだから。

今日はここまでです。
眠くて頭がまわんない。ノシ

んー、どっかでみた文体だ
前も琴禁で書いたことある人?

>>105
ss初めて。
だから右も左もわからんのよ。


やっぱ寝る前に描いちゃダメだな。
色々おかしいwww

>>110
いや、普通に上手いよ、>>1
シャワーのシーンとかゾクゾクしたぜ

>>109
サンクス!
さっき読んだwwwwww
一方さんくっそワロタわwwwwwwwwww

マダー?

>>111
ありがとう
励みになります

>>113
風呂入って落ち着いたら投下します
0:30くらいで

------

美琴「ん…」ゴロッ

美琴「ん…?」パチッ


薄いカーテンを突き抜けた光にまぶたを焦がされ、御坂美琴は目を覚ました。

いつもと違う風景。

いつもと違う匂い。

いつもと違う寝心地。

眠気でぐらぐらする頭をぐるぐると回転させる。

そうか、ここはアイツの家なんだ。


美琴(ねむ…)ファ~

お嬢様らしからぬ大あくびを一発。

『淑女としての自覚をうんぬん』と黒子にどやされそうだ。


美琴(黒子?)

美琴(…………あっ、学校!)


腹筋を使いガバッと起き、枕元にある携帯電話を開く。

ただいま午前7:50。

泊まり込み1日目から遅刻しそうだ。

美琴(あ~~もうっ!どうしよう!)ドタバタ


いつもならもうすでに起きている時間という事実が、焦燥感をいっそう駆り立てる。

パジャマのポケットに携帯電話をねじ込み、洗面所へ急ぐ。


美琴(えーと、まず顔を洗って歯を磨いてそれから…)


要領良く動けるように先々を考えプランを作り出す。

このプラン通りに動けばギリギリ間に合うはずだ。





が、どんなに完璧なプランを立てても不確定要素の干渉は必ず生じる。

たとえそれが天下のレベル5でも、どこぞの理事長でもだ。

ガチャッ!と乱暴にドアを開けると同時に視界に飛び込んできた浴槽が、昨日をフラッシュバックさせる。

電灯に照り映えた乳白色の肌が脳内を占拠し、プランをどこかに追いやってしまった。


美琴(落ち着け美琴!今やるべきことは何!?)


計画通りに進めなかった自分を叱咤する。

タイムロスはあったが、とりあえず顔を洗い、歯を磨いた。

美琴(今何時っ!?)


ねじ込んだ携帯電話を引きずりだし、ディスプレイに目をやる。

現在7:58(sat.)


美琴(………)


(sat.)


美琴(今日土曜日じゃん…)


おそらく脳ミソが覚醒していなかったのだろう。

曜日をど忘れしていた。

不覚だ。


美琴「はぁ~。アホらし。もっかい寝よ」


脱力し、ふらふらと布団が敷いてある部屋に戻る。

インデックスは幸せそうな顔をして眠っていた。

美琴「…」

すやすやと眠るインデックスをジッと見つめる。

が、昨日のような感情は湧いてこない。


美琴(いや、そりゃそうでしょ。女の子だもん。)


昨日はただ気分が高翌揚していただけで、深い意味は無かったんだ。

そうだ。そういうことなんだ。


美琴「ふぅ。安心したらお腹減っちゃった」


二度寝をやめ、キッチンへと駆けていく。

昨日買った食材を冷蔵庫から出し、5人前くらいの朝食を作った。

目をキラキラとさせたインデックスの嬉しそうな顔が頭に浮かぶ。

そんな自分が少しにやけているのに気がつき、


美琴(お、お腹が空いただけで、インデックスのためなんかじゃないもん)


苦しい言い訳を自分自身にした。

眠い。
短くてすみません。

まだ互いにlikeの関係です。
loveになるかdislikeになるかhateになるかはまだわかりません。

「~を改善して欲しい」などのストーリーに関係しないことであれば指摘してくださいね。

また明日ノシ

>>120
見直してて気付いたんだけど、「高翌揚」じゃなくて「高揚」です

>>125
それこの板の自動変換機能だと思う
メール欄に[saga]←サガ と入れると変換機能OFFに出来るので推奨
[saga sage]と入れるとsageと同時使用も可能なんで参考までに。

>>126
解説ありがとう

今日もいつも通りの時間からで

ちょっと話し込んでで遅くなりました
書き始めますね

------
シャッシャッ

遠くで聞き覚えのある音が聞こえた。

カーテンがカーテンレールを滑る音だろう、と彼女の記憶は告げる。

ガララッ

今度はベランダの窓が開いたようだ。

その証拠に冷たいがふわりとした11月の風が頬を撫で、過ぎ去ってゆく。


禁書「ぅぅん…」ゴロッ


溢れんばかりの朝日が部屋にずかずかと侵入する。

まぶたを貫く陽光が忌々しく、逃れるように寝返りをうった。

禁書「ふふっ…」


風の冷たさと毛布の暖かさのギャップが、とても心地良い。

その心地良さに無意識下でほほえんでいる私の毛布を


美琴「なーにニヤケてんのよっ!」バサァッ!


取り払う悪魔がいた。


禁書「むぅぅ~」モゾモゾ

美琴「こらっ!丸まらないで起きなさい!」


突然の肌寒さに対処するための手段さえ奪われてしまった。

ひどいんだよ。

美琴「ほら。顔洗ってらっしゃい。」

禁書「むぅ…」


よたよたと、おぼつかない足取りで洗面所に向かい顔を洗った。

冷たい水で脳が覚醒する。

それと同時に昨日の浴槽でのことを思い出して、少し赤面した。


禁書(昨日のわたし、ちょっとヘンだったかも)


そんなことを考えていると、キッチンの方から漂ってきた味噌の良い香りが胃袋を刺激し、食欲を煽る。

その欲に従い、居間へ急いだ。

------
美琴「フフン」ドヤ


目の前の席で得意気な顔をする御坂美琴。

今日の朝食の献立は白米に焼き鮭、煮豆にひじき、大量の味噌汁という上条家には不釣り合いなほど豪勢な食卓だ。

その光景にたじろぎながらも目を輝かせるインデックス。

だが、箸をつけない。遠慮しているのだろうか?

待てをくらった犬のような表情で、じっと美琴を見ている。

美琴「食べていいわよ」


表情がぱあっと明るくなる白い少女。

女目で見ても、とても愛らしい。


美琴「当たり前でしょ。アンタのために作ったんだから」


そう言い切った後、ハッとする。

インデックスのためだと認めてしまった。


美琴「ええと、違うのよ、アンタのたまっていうのはその…」


本音が出てしまったことに気恥ずかしさを感じ、顔が熱くなる。

その様子をインデックスは嬉しそうに眺めていた。


禁書「みこと、一緒に食べよ?」


つらつらと並びたてる言い訳の数々を遮って提案する。


美琴「う、うん」


まだほんのり赤い顔をうつむけながら、了承してくれた。


禁書「じゃあ、」

美琴「うん」

禁書美琴「「いただきます」」


上条家に、穏やかな時間が流れた。

------
美琴「そういやアンタさ、」


鮭の骨と格闘しながら、上目で美琴を見る。


禁書「ん?なに?」

美琴「今日なんか予定あるの?無かったらお見舞いに行こうと思うんだけど…」


「お見舞い」という言葉にぴくっと反応する。


禁書「わたしも行きたいかも!」


ガバッと顔を上げ、強い眼差しをおくる。

ご飯粒まみれでとても面白い。


美琴「行きたいのは分かったけど、アンタすごい顔してるわよ」プッ

禁書「ふぇ?なにが?」

美琴「もっと落ち着いて食べなさいってことよ」ヒョイッ パクッ


そう言ってインデックスの頬に付いているご飯粒をつまみ、パクッと食べた。

禁書「ふ、ふぇぇぇっ!?///ななな何してるのかな、みことっ!?///」ガタタッ

美琴「え?何って…」


頬に付いたご飯粒を食べただけ。

そう、食べただけ。

……食べた?


美琴「あっ///」


無意識の内に、口に運んでしまっていた。

何やってんだアタシ。

これじゃあまるで…


美琴(恋人じゃない///)カァァッ

『ダーリンお弁当ついてるぅ♪』
『ハハッ、ありがとう愛してるよハニー』

といった米国風の陳腐なドラマのワンシーンが思い浮かんだ。

それが恥ずかしさをかさ増しする。


美琴「あああアンタがっ!アンタがご飯粒なんか付けてるからでしょうがっ!///」

禁書「だからって食べるのはおかしいんじゃないかなっ!?/// それにみことだってほっぺに一つ付いてるんだよ!」ヒョイッ

美琴「あっ!///」

禁書「ほらねっ!」フフーン


美琴の頬に付いていたご飯粒をつまんで見せる。

とても得意気な顔をしているインデックス。

が…

禁書(これ…) 美琴(それ…)


親指と人差し指につままれた米粒に、二人の視線が集中する。


禁書(どうしよう…) 美琴(どうすんの…)


後先なんて考えない。

二人の良いところであり、悪いところである。

二人とも必死で「この米粒をどう扱うか」を思考する。

捨てるのも忍びないが…

美琴(やっぱりこうなっちゃったか。もったいないけど捨て)
禁書「えい!」パクッ!

美琴「いやいやアンタ何で食べちゃうのよ!///」

禁書「やられっぱなしはイヤだもん!///それに女は度胸ってとうまの先生が言ってたもん!」

美琴「変なところで変な度胸使ってんじゃ無いわよ!は、恥ずかしいじゃない///」

美琴「大体ね、人間の皮膚には皮膚常在菌っていうバイキンがいっぱいいるのよ!?」


「バイキン」。

本来なら忌避するものだが…

禁書(不思議と…)

美琴「アンタはイヤじゃないの!?バイキンだよバイキン!」

禁書「イヤじゃない…かも。」

美琴「えっ…?」ヒキッ

禁書「そんなにひかないで欲しいかも!」

禁書「そりゃ床に落ちたやつとかはイヤだけど…」

禁書「ミコトノ…」

美琴「ん?」キコエナイ…


気持ちを落ち着けるため、大きく息を吸い、空気の全てを吐き出すように言い放つ。


禁書「み、みことのだったら大丈夫なんだよっ!///」

はーい休憩します

衝撃の告白をされてしまった。

一瞬頭のなかが真っ白になった。


禁書「だってわたしはみことのこと…」

美琴「いいいインデックス!///それ以上は言っちゃダ」
禁書「友達だと思ってるからっ!///」

美琴「…はい?」


トモダチ?そうか、友達か。そりゃそうか。

何舞い上がってたんだアタシ。気持ち悪い。

そうよ。友達よ。

だって…


禁書「…あれ?みこと、どうしたの?」


だって私たち…


美琴「ううん。なんでもないわ。ありがとね。インデックス。」ニコッ

禁書「えへへ…」







…女同士だもん。

休憩終わりました。眠いです。

ここまでにしますね。

美琴「ほら、くだらないことやってないで早く食べる! 冷めちゃうわよ」

禁書「そもそもの原因はみことなんだよ!」

美琴「何? もうご飯いらないの?」

禁書「だ、だれもそんなこと言ってないんだよ! 食べるもん!」ガツガツ

美琴「ふふふ。よろしい」ニコッ


再び訪れる穏やかな時間。

今のうちに気持ちの整理をしよう。

おそらく今の私は、ひどく不安定なだけだから。

私は、御坂美琴は、上条当麻のことが好きだ。

認めてしまうのは悔しいが、誰よりも好きだ。


禁書「うぐっ!? ~~~~!」ドンドン

美琴「ああもう、急いで食べるからそうなるのよ。 はい、水」


おそらくインデックスも、上条当麻のことが好きなんだろう。

ということは、私たちは恋敵、いわゆるライバルの関係だ。


禁書「ゴクゴクゴク…ぷはぁ。死ぬかと思ったんだよ」

美琴「ちょっと落ち着きなさい。なんでそんなに急いで食べるのよ」


ライバル同士が同居しているというこの奇妙な状況は、「礼儀」「詫び」という古来より日本人の生活に息づく儒教的ファクターが作り上げたものだ。

よってそれは極めて不安定で、そこに友情の介入はあれど愛の発生はない。

禁書「だって、おいしいんだもん」

美琴「え?」

禁書「みことの作ったご飯、とってもとってもおいしいんだもん」

美琴「う…」ドキッ


手料理を褒められてドキッとした。

やはりインデックスは、可愛い 。

が、先ほどの考察から導くと、性の対象として可愛いと思ったのではないのだろう。

言うなれば母性。

私はインデックスに母性を感じたのだ。

そうに違いない。


そうして私は昨日より抱き始めた気持ちに、


美琴「そう言ってもらえると嬉しいわ」ニコッ


そっと、ピリオドを打った。

夜から見舞い編です。

まさか日常描写でこんなに長くなるとは思わなかった。

------
ウィーーン

自動ドアが開き、病院独特のツンとした薬品のにおいが鼻をつく。

時刻はAM10:00を少しまわったくらいだが、総合病院だからだろうか、院内には多くの人がいた。


禁書「みこと、とうまの病室は?」

美琴「208号室よ。しかも個室」

禁書「なんでとうまは個室ばっかりなんだろう?」

美琴「そういや不思議ね。あいつ貧乏なのに」


清潔感あふれる廊下を、他愛ない会話をしながらゆっくりと進む。

こんなに早い時間でもすれ違う人は様々で、点滴をかたわらに移動する人、見舞い帰りとおぼしき人、白衣の看護師、真っ白な肌が印象的な男、


美琴「ちょっと待ちなさいよっ!!」

禁書「ひゃっ!」ビクッ!

叫びが静寂を切り裂き、新たな静寂を作り出す。


??「?」クルッ

美琴「なんで…なんでアンタがここにいんのよ!!」バチバチ


帯電して威嚇しながら、地獄のような灼眼を睨みつける。


??「あァ、お前…」

一方「オリジナルか」

美琴「質問に答えなさ」
禁書「あー!あくせられーただー!」

美琴「えっ?」


突然の第三者の介入。

予想外の方向からのジャブに美琴の思考は少し停止した。


一方「うォっ!暴食シスター!」ギクッ


うろたえる学園都市最強。

目を輝かせ、よだれを垂らしながらにじり寄るちっちゃいの。

美琴の目の前でなんだかよくわからないまっしろ対決が繰り広げられていた。


美琴(……なんだこれ)

??「あ!お姉さまだーっ!」

美琴「は?」クルッ


後方からいきなり「お姉さま」と呼ばれて振り返ると、


??「ってミサカはミサカははしゃいでみたり!」ピョンピョン


今より少し、幼い頃の自分がいた。


??「お姉さまーっ!ってミサカはミサカは頬ずりしてみる!」ダキッ! スリスリスリス…

美琴(…状況が……)

美琴「こじれやがったぜ…」

一方「ちょっ!てめェやめろ!やめろー!」グギギギ…

禁書「奢って!奢って~!」グギギギ…

??「お姉さまいい匂い!ってミサカはミサカはもっと強くハグしてみる!」ギュッ!

美琴「………」

美琴「………」スタスタ

??「おおっ!お姉さま、あの人より力強い!ってミサカはミサカはあの人のもやしっぷりを情けなく思ってみたり!」ズルズル…

一方「いいかげンに離れろ!」グギギギ…

禁書「ご飯をくれるまで離れないんだよ!
」グギギギ…


ポン


一方「あァ?」グギギギ… クルッ


肩を叩かれた一方通行が振り返ると、そこには御坂美琴が立っていた。

腰に小さい自分を巻きつけて。


美琴「説明を…要求するわ」

一方「お…おゥ」グギギギ…


一方通行が見た美琴は、悟りを開いたような目をしていた。

ここまでで。短くてすみません。

見てる人少ないと思うけど毎晩来ます。

また明日。

------
院内の談話室のすみの方に、妙な四人組がいる。

二人はそっくりで、もう二人はまっしろ。

しかもまっしろの片方は修道服、もう片方は妙な杖を持っている。

そのため、誰も寄せ付けない、もとい、寄り付きたくないようなオーラを放っていた。


美琴「で、」

一方通行「ハイ」

美琴「その子、だれ?」


目の前にいる少年を睨みながら、対角にいる妖気アンテナ娘を指差す。


??「ミサカはミサカだよってミサカはミサカはミサカがミサカであることを主張してみる!」

美琴「元気ね~。ちょっと黙ってようか」

??「むぅ…」

一方通行「コイツはまァ、あれだ、妹達だ」

美琴「それくらい見りゃ分かるわよ!」

??「結局お姉さまは何がききたいのってミサカはミサカはやっぱりレベル5はどこかしらおかしいって再確認」

一方通行「だァれがおかしいのかなァァ?」ギュウウウウ

??「ほっへたつねりゃなひへっへみひゃかはみひゃかは」ギュウウウウ

禁書「たぶんだけど、みことは打ち止めの名前が知りたいんだと思うよ」

打ち止め「ああ!そーゆーことか!」

打ち止め「はじめましてお姉さま!検体番号20001、打ち止め(ラストオーダー)ですってミサカはミサカは自己紹介」

一方通行「先に言われてンじゃねェか」

美琴「……」


『検体番号』ということは、やはりあの実験の…

しかも『20001』?

たしか『絶対能力進化計画』の内容は20000通りの状況、方法で20000人の妹達の殺害…よって彼女は一方通行に殺されない。

じゃあ、この子は何のために作られたの?


打ち止め「…お姉さま、どうしたの?ってミサカはミサカはちょっと心配」

美琴「ん…? ううん。何でもないわ」

一方通行(…)

一方通行「おィ、白いの」

禁書「インデックスなんだよ!それにそっちの方が白いんだよ!」

一方通行「お?なんだとコラ?」ガタッ

禁書「あれあれ?見た目だけじゃなくて頭の中もウサギさんなのかな?」ガタッ

一方通行「カカカカカカカカカカッ上ォォォォ等ォじゃねェか!表来いやァ!」

禁書「言われなくても言ってやるんだよ!
それと気持ち悪いからその笑い方やめてくれるかな!?」


ギャーギャー……………


美琴「…なにあれ?」

打ち止め「さぁ…ってミサカはミサカは呆然…」

美琴「…!」


そうだ。これはチャンスだ。

一方通行という足かせが無い今、この子の本心からの声が聞ける、千載一遇のチャンスだ。


美琴「あの、打ち止め?」

打ち止め「なぁにお姉さま?」

聞きたいことは全て聞き、彼女の話も聞いた。

打ち止めが全妹達を束ねる役目を担っているということ、

実験終了後に処分される予定だったこと、

一方通行が何度も命を賭して救ってくれたこと、

そのせいで演算補助無しでは歩くどころかしゃべることすら出来なくなってしまったこと。

彼女の口からつむぎ出される一言一言が衝撃的だで、なにも知らずにのうのうと生きてきた自分がほとほとイヤになった。

美琴「アンタたち…10031人もアイツに殺されてるのよ?憎くないの?」

打ち止め「憎いよ」


少女は柔和な笑みを浮かべたまま、即答した。


打ち止め「今でもね、時々再生されるの。実験中の映像が。」

美琴「……ッ」

打ち止め「ミサカ達は感情ってのはよく分からないんだけどさ、殺される直前のあの感じが『恐怖』ってやつなんだとおもう。」

美琴「だったら!だったらなんで…」

打ち止め「それはね、あの人が優しいからだよ」


信じられない言葉を聞いた。


美琴「優しい?」

打ち止め「うん!」


一万人以上を殺したヤツが?


打ち止め「あの人はね、感情が無い妹達に話しかけるのを、10032回行われた実験の中で一度も欠かさなかったんだ」

打ち止め「まるでミサカ達が感情を持つのを待ってるような、懇願するような、そんな感じで」

打ち止め「たぶんあの人はやめたかったんじゃないかな?妹達の方からやめたいって言ってくれるのを待ってたんじゃないかな?」

美琴「もし…もし誰かがやめたいって言ってたら…」

打ち止め「片っ端から関連施設を関係者共々潰してたと思う」

打ち止め「その証拠に、ピストルに撃ち抜かれてまでミサカを助けてくれた」

打ち止め「しょせんは作り物だって心のどこかで思ってるミサカ達の存在理由になってくれた」

打ち止め「だから…」


すうっと大きく息を吸う。

溢れる想いを乗せた声が、美琴に届くように。


打ち止め「だから、ミサカ達は、一方通行のことが大好きなんだよってミサカはミサカは大胆告白!」

ここまでにしますね。

また明日の夜にノシ

妹達と一方通行については原作でも未解決問題だしなー
美琴が知る日は実際に来るんだろうかってくらい根深い

乙なんだよ!

>>186
どうしようかかなり迷ったけど、結果こんなんになった。
反省はしていない。

最初は一方通行による思想統制を疑っていた。

が、打ち止めは無邪気な笑顔を浮かべてそれを優しく否定した。


美琴「…そっか」


あぁ、この子は本当に


打ち止め「うん!ってミサカはミサカは即答してみたり!」


一方通行のことが大好きなんだ。

美琴「ふぅ…」ギシッ

肩の荷がほんの少し降りた気がして、木製のイスに身体をゆだねた。

打ち止めの後ろにある大きな窓から見えている晩秋の晴れやかな空が、心に染み渡ってゆくような感じがした。


美琴「ありがとね、打ち止め」

打ち止め「どういたしましてってミサカはミサカはニッコリしてみる」ニコッ

打ち止め「あ、二人とも、そろそろ出てきていいよってミサカはミサカは鋭い女ぶってみる」

美琴「え?」

談話室の入り口の方に目をやる

すると照れ笑いを浮かべたインデックスがおずおずと出てきて、元の席に座った。


禁書「なんでわかったのか教えて欲しいかも」

打ち止め「なーんとなく、かな?ってミサカはミサカは第六感!それよりあの人は?」

禁書「あくせられーたなら今入り口の陰で泣いてるよ?」

美琴「」

打ち止め「もう、あの人ったら照れ屋さんなんだからってミサカはミサカは迎えに行ってみたり」ガタッ.タタタタッ…

オ.オイ!ヤメロ!

ハヤクデテキナサイッテミサカハミサカハヒッパッテミタリ!

コンナカオミセラレネェカラ!ゼッタイバカニサレルカラ!ヤメテクレエエエエエ!!

なんということでしょう。先ほどまでムスッとしていた悪人面が


一方通行「…グスッ」


今は止まっているものの、涙でぐっしょぐしょではありませんか。


一方通行「…あンだよ」グスッ

美琴「いや…アンタみたいなのでも泣くんだなぁって」

一方通行「泣いてねェよ。これは青春の汗だ」スズーッ

美琴「いや、泣いてるじゃん。目も真っ赤でほっぺたぐっしゃぐしゃじゃん。」

一方通行「泣いてねェって言ってんだろォが!これは…そう、青春の汗だ」

美琴「アンタの汗腺どうなってんのよ」

打ち止め「さすがに苦しいよってミサカはミサカは苦笑してみたり」

禁書「ところでさ、二人はなんでここにいるの?」

打ち止め「それはね、ミサカのちょうせモガッ」

一方通行「コイツの体調が悪かったンだよ」

打ち止め「ぷはぁ!いきなり口をおさえるなんてひどいってミサカはミサカは憤ってみたり!」

一方通行「それよりお前ら行かなくていいのか?」

打ち止め「あ!スルーしたってミサカはミサカはむきぃーっ!」ポカポカ

一方通行「やめろ、暴れンな」

美琴「行くって?」

一方通行「あ?三下の見舞いに来てんだろォ?」

美琴「え?」

一方通行「粉砕骨折とか、戦争が終わってもアイツはやっぱり不幸のままってなァ!」カカカッ!

禁書「ねぇ、あくせられーた…」

一方通行「あン?」

禁書「……なんで知ってるのかな?」

ねむいです
ここまでで

再開しますね


インデックスの的確な指摘は、打ち止めを除く3人の時間に足かせをはめる。

先ほどまで騒がしかった談話室が凍てつくような静寂に支配された感じがした。


打ち止め「どうしたの?みんななんか怖いよってミサカはミサカはなにやら不穏な空気を察知……」オドオド

一方通行「………」

美琴「………」


疑念が緊張を増幅させ、緊張が疑念を掘り下げる。

まさか一方通行が?

しかし、もしそうなのだとしたら、なぜ突然公園にトラックが突っ込んできたのか、簡単に説明がつく。

彼にかかればトラックを弾丸に変えることなどたやすいからだ。


だが、メリットは?

上条当麻を[ピーーー]ことの利点は?

幻想殺しの抹殺?敗北への報復?それとも暗部がらみの?

しばし思考を逡巡させる。


一方通行「はン……」


張りつめた弦を最初に弾いたのは被告人、一方通行だった。


一方通行「看護師どものうわさ話をちょォっと小耳に挟んだだけですゥ」プイッ


そっぽを向き、目を細め、口を尖らせ主張する。

まるでいたずら好きの少年のようだ。


禁書「なぁんだ、それだけかぁ」ホッ


その様子に緊張から開放されたインデックスは、ヤレヤレというジェスチャーで安堵を示した。

が、


美琴(……)


灼眼のわずかなブレを、御坂美琴は見逃さなかった。


女のカンが告げている。

『コイツは何かを隠している。』と。


一方通行「さ、そろそろ帰ンぞォ」ガタッ

打ち止め「えーってミサカはミサカは別れを惜しむ」


小さな法廷からの脱出を試みる被告人。

引き止めて言及しなければ。


美琴「ち、ちょっと!」ガタッ

一方通行「…あン?」

打ち止め「?」


美琴「ア、アンタ…」


そう言ってフリーズする御坂美琴。

引き止めたまでは良いが、何を根拠に言及するか決めていなかったので、頭の中は絶賛雪景色だ。


美琴(落ち着けアタシ。最っ高にクールに真相を暴くために。)


何と言えば効果的なのか、頭の中でシュミレートする。


①『アンタの眼がブレた!だから何か知ってるでしょ!』

『はァ?頭おかしいんですかァ?』


②『看護師に聞いた?ウソね!』

『はァ?頭おかしいんですかァ?』


③『アンタがアイツを襲ったんでしょ!』

『はァ?頭おかしいんですかァ?』


美琴「ア、アンタ…」


そう言ってフリーズする御坂美琴。

引き止めたまでは良いが、何を根拠に言及するか決めていなかったので、頭の中は絶賛雪景色だ。


美琴(落ち着けアタシ。最っ高にクールに真相を暴くために。)


何と言えば効果的なのか、頭の中でシュミレートする。


①『アンタの眼がブレた!だから何か知ってるでしょ!』

『はァ?頭おかしいンですかァ?』


②『看護師に聞いた?ウソね!』

『はァ?頭おかしいンですかァ?』


③『アンタがアイツを襲ったんでしょ!』

『はァ?頭おかしいンですかァ?』

シミュレートに訂正しようしたのか?

………ダメだ。

自分の脳内ですら『頭おかしいンですかァ?』で一蹴された。


一方通行「おいおい、なァに固まってンだよ?」

打ち止め「お姉さまどうしたのってミサカはミサカは不審に思ってみる」


早く何か言わないと。早く何かを。

そう思えば思うほど、焦る気持ちは強くなっていく。


美琴「あーっと、あの、その、ええっとね、」ワタワタ


完全に混乱した。

ヤバイ。頭が回らない。


美琴「あの、ア、アンタ!」

一方通行「オォ?」ビクッ


この際仕方が無い。言ってしまおう。

大きく息を吸って呼吸を整えることもなく、思っていることをそのままアウトプットした。


美琴「アンタの服、ウルトラマンみたいね!」

一方通行「」


言ってやった。

なぜだろう。

何かに打ち勝ったような、晴れ晴れとした気分だ。


「くきゃ。くかかここここ…」


晴れ晴れとした気分を妨害するようなノイズが聞こえる。

どうやら発信源は目の前の白髪らしい。

何やら不穏な気配がする。


一方通行「くかかかききゃきゃきゃ!上ォォォォ等ォォォじゃねェか!」

一方通行「俺をこれだけ待たせて『ウルトラマンみたいね☆』だァ!?ケンカ売ってンですかァ!?」


首の拘束具に似たチョーカーに手を触れる一方通行。

次の瞬間、ゴウッ!っという空気が変わる音と共に、

一方通行「dsagvcrhzreqfvygdv」ドシャッ!!


いきなり地面に崩れ落ちる第一位。

笑い声しかり、意味不明な言語にしかり、なぜこんなに気持ち悪いのだろう。

顔は良いのに非常にもったいない。

地面で頭を強打し、ビクンビクンしている。


美琴(自分から頭ぶつけにいくとか、コイツ…マゾ?)


もしもそうなら、こんな壮大な一人エッチを可愛い妹とインデックスに見せるわけには行かない。


美琴「打ち止め!見ちゃダメ!オトナになるまでダメ!」ガバッ


警告しようと、地面に転がる一方通行から視線を上げ、打ち止めを見る。

すると、

打ち止め「ダメじゃない、一方通行。こんなところで能力使っちゃってミサカはミサカは教育的指導」


のたうちまわる一方通行を見て、打ち止めはニヤニヤ笑っていた。

ああそうか。もう手遅れか。

我が遺伝子を分けた妹は真性のサディストなのか。


打ち止め「はぁい。オシオキしゅ~りょ~ってミサカはミサカは演算補助をオンにする」


幼女から発せられた『オシオキ』という言葉に、少し戦慄した。

そもそも、オシオキとはなんだろう。


一方通行「打ち止めァァァ…」ムクリ


ゆらりと立ち上がるマゾ。

いまだにニヤニヤしている小悪魔的なサディスト。

なんだこれは。なんだオシオキとは。

一方通行「予告もなく演算補助切ってンじゃねェよ!」

打ち止め「あなたが病院で能力使おうとしたからでしょってミサカはミサカは指摘」


ああ、そうだったそうだった。

今、一方通行は演算補助を必要とする体だった。

それを切るとああなるのか。


一方通行「チッ…分かったよォ」スタスタ


うなだれるように出口へ進む、マゾヒストじゃなかった第一位。


打ち止め「お姉さま、インデックス、またね!ってミサカはミサカは手を振って別れの挨拶!」ブンブン


それについて行くサディスト幼女。

二人が出て行くと、嵐の後のように静かになった。

ここまでにしますね

>>218
ん→ん→ンに訂正しました

なんだ。一方さんが運転してたのか。


日付が変わったころにはじめます

------------

打ち止め「ねぇ、」

一方通行「ン?」


談話室にどれほど居たのだろうか。

南中した晩秋の陽光が差し込む廊下を歩きながら、少女は白肌の少年を見上げている。


打ち止め「あなた、ミサカが調整してた時なにしてたの?ってミサカはミサカは質問してみる」


なにやら不機嫌そうな少女。

じとっとした目で少年を睨みつける。


一方通行「……なンでンなこと聞くんだァ?」

打ち止め「別に~ちょっと気になっただけだよってミサカはミサカはオトナの事情を考慮してみる」


一方通行「オイちょっと待て。なンですかァ『オトナの事情』って」

打ち止め「だってあなた来た時と感じが違うんだもん!ってミサカはミサカはむくれてみる!」プクー


『オトナの事情』というドロドロしたものに敏感なお年頃なのだろうか?

ふくれた頬は、まるでフグのようだ。


一方通行「『感じ』ってなンだよ。『女のカン』ってヤツですかァ?」


『くっだらねェ』と吐き捨て、エレベーターのボタンを押す。

打ち止め「むぅぅ~!」プクー

一方通行「はァ…」


思わずため息をつく。

とにかく今はこの姫君のお怒りを鎮めようと、左手で小さな頭をなでる。


一方通行「なンにもねェよ。ねェから心配すンな」ナデナデ


頭を撫でられてくすぐったそうに顔をほころばせる少女。

何も言わないが、機嫌は良くなったようだ。

打ち止め「えへへ……」ナデナデ

一方通行「…」


女性というのは本当に不思議だ。

隠しごとをしていても、『女のカン』という非科学的なダウンジングマシンでおおよその予想を立ててしまう。


一方通行(『女のカン』か…)


無機質なアナウンスが聞こえ、ドアが開いた。

------------

一方通行に結局何も聞けず仕舞いだった美琴は、足取りの軽いインデックスと共に上条当麻の病室に向かっていた。

お見舞いといえばフルーツバスケットなどの果物や造花が好まれるが、今は何も無い。

談話室にて、見舞い用のフルーツバスケットはただのバスケットと化したからだ。

元凶は言うまでもないと思うが、目の前でぴょこぴょこ歩くまっしろシスターだ。


美琴「インデックス…」

禁書「ん?なぁに?」


まっしろな修道服をはためかせ、くるっと振り向くシスター。

銀髪が流れるようになびき、輝いていた。

美琴「これ…どうする?」


木で編まれた長細い鍋のような入れ物をくるっとひっくり返し、空っぽであることをアピールする。


美琴「どうする?」

禁書「う……し、仕方なかったんだよ!もうお昼だよ?おなかだって悲鳴をあげる権利くらいもってるかも!」


わたわたと両手を振って弁解するシスター。

腹の虫が悲鳴を上げる権利ってなんだよ。

シスター=禁欲だと思っていたおとといまでの自分に、バカヤロウと言いたい気分だ。

美琴「どうする?買いに戻る?」


我ながらなかなか良い提案をしたと思うが、


禁書「めんどくさい」


即答された。

もしかしてこの子、とんだ地雷かもしれない。

------------
コンコン


「どうぞ」


病室に入る前というのは、誰の病室であっても例外無く緊張がつきまとうのはなぜだろう?

そんなことを考えながら軽いドアをスライドさせる。


美琴「よっ。元気?」

禁書「お見舞いにきたんだよ」


病室に差し込むキラキラとした光の中に、腕を固定し、足を吊った少年がいた。

キレイな景観の中にはめ込まれた少年の姿は、ものすごくミスマッチだ。


上条「よっ!」


爽やかな笑顔と共に、晩秋の風がカーテンを揺らした。

ここまでで。

きぬはた荘見てきます。

寝てました…

夜に書きます

こんばんは

かきますね

上条「お!インデックスも一緒に来てくれたのか」

美琴「アタシが連れて来たのよ」

禁書「違うよ!ちゃんと自発的に来たんだよ!」

上条「ハハハ……インデックス、ごめんな。昨日、メシ作ってやれなくて」

美琴「いや、それはアンタのせいじゃな」
禁書「…ホントだよ」

美琴「…インデックス?」

禁書「ホントだよ。とうまはいっつもそう!」

上条「あ~…だからゴメンって。どんだけ腹減ってたんだよ……」

禁書「違うもん…」

上条「ん?」

禁書「……とっても怖かった。…とっても寒かった、とっても暗かった、とってもとっても寂しかった!」


内なる不満をブチまけながらじりじりとにじり寄るインデックス。


上条「お、おい、インデックス、」

禁書「とうま!!」

上条「はいぃ!」ビクッ

美琴「あっ…」


御坂美琴は見た。

怪我人に飛びかかるシスターを。


上条「あっ…」


上条当麻は見た。

いつも通り、飛びかかってくるシスターを。


ドサッと身体に重みが加わる。

ああ、屠殺前のニワトリとは、こんな気持ちなのかと悟りはじめた。


上条(こいよインデックス…。お前が俺に噛み付くことでストレスが晴れるってんならいくらでもくれてやる)

上条(だけどそれで良いのかよ!イヤなことがあったら噛み付くだけでお前は良いのかよ!)

上条(それでいいと思ってんならいいぜ!まずはーーその幻想を)

ズキリと痛みが走る。

ギプスをした左腕に。


上条(ぶち殺………あれ?)


気がつくと上条当麻は、


禁書「とうま…」

禁書「とってもとってもとっっても、心配したんだよ…」ギュッ


抱きしめられていた。

上条「イ、インデックスさん…?」

禁書「わたし…とうまの帰りが遅いから、てっきり魔術師に襲われたんじゃないかと思って…」グスッ

禁書「でもわたし一人じゃ助けになるようなこと何も出来なくて……待つことしか出来なくて…」

禁書「わたしの存在のせいで死んじゃったらって……また傷ついたらって…思ったら」

上条「バカヤロウ!」

禁書「ひっ」ビクッ

上条「俺が襲われるのに、お前は関係ない。だからもうそんなこと言うな」

禁書「でも、わたしの10万3000冊の魔道書のせいで」
上条「それが狙いなら、敵はまず寮に向かうだろ?」

禁書「でも、でも!……でも………」

上条「インデックス」

禁書「ヒグッ…グスッ…」

上条「俺個人が狙われる時はお前のせいじゃない。おそらくこのクソったれな右手のせいだ」

上条「だからもうそんなこと言うな。お前の存在のせいなんて言うな」

禁書「だって、」
上条「だってじゃない。お前にもしもそんなことを言うヤツがいたら、俺が右手でぶっ飛ばしてやるよ」ギュッ

禁書「ふぇ…ふぇぇぇぇん!とうま!とうまぁぁぁ!」

美琴「……」


少女を護る約束をする少年。

それを涙で受け止める少女。

ドラマのワンシーンのような世界を見ていた御坂美琴は


美琴(昼間っからサカってんじゃないわよ)


なにやらご機嫌ナナメだった。

ちょっと休みます。

すぐ再開するか、明日の夜か、どっちかわかりません

再開しやす

美琴「お取り込み中だけどいいかしら?」

上条「おぉ、いたのか御坂」

禁書「やっほーみこと」

美琴「風穴開けるわよ?」

上条「冗談だよ冗談」

禁書「短気はダメだよ? みこと」

美琴「インデックス? 後でちょっと」

禁書「冗談なんだよ冗談」

上条「てか、お前らいつから名前で呼び合うようになったんだよ?」

禁書「昨日だよ」

上条「そうか、昨日御坂がメシ作ってくれたんだっけか」

美琴「ふふん。感謝しなさいよ?」

上条「ああ、マジで助かったわ」

禁書「みことね、案外料理上手なんだよ」

美琴「案外って何よ案外って」


他愛のない話は弾み、あっという間に時間は過ぎた。

------------

「じゃあね」と別れの挨拶をして病院を出た時には、真っ赤な斜陽が輝きかけていた。

午後4時近くの秋の暮れの空は、心なしかとても澄んでいるような感じがする。

清々しい気持ちのまま、二人でスーパーで食材を購入しそのまま寮に戻る。

土曜日夕方、穏やかな時間がそこにあった。


禁書「ただいま!」ガチャ

美琴「おかえり」

禁書「…」

美琴「?」

禁書「みこと」

美琴「なに?」

禁書「おかえり!」

美琴「ふふ。ただいま、インデックス」

今からとてもだらだらします。

投稿が遅くなりますので他のスレを見ててくださいね~

こんばんは

------------

禁書「みことー、何か手伝おっか?」


カウンターからヒョコッと顔だけを出して問うインデックス。

背伸びをしているのか、心なしかぐらぐらして見える。


美琴「遠慮しとくわ。先にお風呂入って来なさい」

禁書「あー!遠慮しとくっていったね!?機械オンチだからってばかにしてるね!?」

美琴「今日はカレーよ」

禁書「わーい!」


先ほどまで腕をばたばたさせて猛抗議していたのに、『カレー』と聞くとあからさまに喜び勇んで風呂場に向かった。

銀髪少女の扱い方が、だんだんとわかってきた気がする。

単純…もとい、純粋な子なので、悪い人についていかないか心配だ。


美琴(ってアタシは母親かよ)


一人でツッコんで、一人で苦笑する。

どうやら私はやっぱり、あの子に母性を感じているのかもしれない。


美琴(アタシ何を悩んでたんだろ…バカじゃないの)フフッ


ふっきれたように笑うと、心に余裕ができた。

------------

禁書「むむむ…」


何か、釈然としない。

なぜだろう?

先ほどまでの会話の、どこかがおかしい。

焼き付けられ、録音された記憶を巻き戻す。


『あー!遠慮しとくっていったね!?機械オンチだからってばかにしてるね!?』

『今日はカレーよ』

『わーい!』


そうか。

ここで御坂美琴の超巧妙かつ不可避の心理トリックが発動したんだ。


禁書「……やられたんだよ」


脱衣所で、うなだれる少女が一人いた。


禁書「しょうがないからおとなしくお風呂に入るんだよ…」


脱衣所と直結している浴槽へ入る。

ひたひたと冷たく硬い感触が足裏から伝わってくる。

だから冬はキライだ。


シャワーのヘッドを下に向け、180°回るレバーで温度を調節、お湯を出す。

ふわっとした暖かい湯気に包まれた身体が、たまらなく心地良い。


禁書「♪」


『湯』というのは不思議だ。

浴びるだけでほっこりとした気持ちになれる。

もしかしてその昔日本人たちが編み出した『湯治』というのは、こういう精神的安息、リラックスによる心理療法なのではないだろうか。


しかし、不満が一つ。


禁書「……湯量が少ないかも」


おそらく台所で、美琴が湯を使っているのだろう。


シャワーだけなのに水勢が弱いと、なんだか余計に寒く感じる。

なんとかして暖かいバスライフを味わうことは出来ないだろうかと思案すると、


禁書「!」


案外簡単に解決策が見つかった。

膝下まできているぬるま湯に、身をつけてしまえばいい。

今よりは幾分かマシだろう。


じゃばっ


ぬるい湯に身を沈める。

いやぁしかしぬるい。

思ったとおり、先ほどよりは幾分かはマシだが。


禁書「………」


しかし、より良い環境を求めるのが人の常だ。

どうにかならないかと思っていると、急に水勢が強くなり、温かいお湯が勢いよく降り注いできた。


ザーーーーーーー


昨日も聞いた音。

その音に、否応無く記憶は叩き起こされた た。


ザーーーーーーー


『あの時はおかしかった』と結論付けた、あの記憶が、少女の目が、少女の身体が。


ザーーーーーーー


確かな熱を帯びた、確かな記憶として、不確かな感情に揺さぶりをかける。


ザーーーーーーー


私を押さえつける身体の熱。

私を射抜く瞳の熱。

私に向けられた激情の熱。

熱、熱、熱、熱、熱。


ザーーーーーーー

その熱は次第に強く大きなうねりとなって少女の心に、容赦なく侵入する。

そのひとつひとつを大切にしたくて、味わいたくて、聴きたくて、感じたくて抱きしめたくて。


恋しくて。


薄れゆく意識の中で、熱を帯びほてった身体が大きくふらついた。

------------

ばさっばさっ


冷たくて気持ちいい。


ばさっばさっ


肌が喜んでいるような気がする。


ばさっばさっ


ううん、ちょっと寒いかも…


ばさっばさっ


いや、寒い。寒い寒い寒い


禁書「寒いんだよ!」ガバッ


あまりの寒さに起き上がると、御坂美琴が窓を開けてタオルで自分を扇いでいた。

バスタオル一枚の自分を。


美琴「あ、気がついた?」


悪びれることなく言い放つ。

半裸の人間を冬の夜の外気にさらして扇ぐとは、新しいプレイか何かかな?

と言いたかったが、いかんせん、頭が回らない。

ふわふわと宙を漂うような、気持ちの悪い感じだ。


美琴「びっくりしたわよ、まったくもう。浴槽で『ぐで~』ってなって『ぷか~』って浮いてるんだもん」


『もうちょいでココがいわくつきになるところだったわよ』と、シャレにならなかったかもしれないことを言う。

ああそうか、わたしはのぼせてたんだ。


美琴「今日はこのまま寝なさい」


『ヤダヤダ!ごはんが食べたいんだよ!』なんて言える気分じゃない。

吐き気とめまいがしてそれどころではないので、今日はおとなしく寝る事にした。

------------

おでこの冷却シートがひんやりして気持ちいい。

なにか柑橘系の匂いがしていて、それが導眠の引きがねとなったのだろうか?

すんなりと眠れた私は、夢を見た。


寝ている自分の頬に、そっとキスをする御坂美琴。


妙に生々しく、リアリティのある、ただの夢。

脳が創り出した偶像であり虚像。

そのニセモノの体験が、自分と同じシャンプーの香りと共に記憶に焼き付いた。

インデックスさんが美琴さんを気にしはじめたようですがそんなことは露知らず、寝かしつけた後の美琴の行動やいかに--ッ!





なにも考えてません。寝ますノシ

------------

購入した大量の食材を洗っていると、お湯の出が悪くなった。

おそらくインデックスが入浴したのだろう。


美琴(……インデックス、寒いだろうな…)


こちらの水勢が弱いということは、シャワーの湯量が少ないということだ。

『インデックスが寒い思いをしている』。

そう思うとなぜかとてもそわそわしてきた。


美琴(うーん…)


気温のせいか少しためらい、


美琴(えいっ!)キュッ


お湯を冷たい水に切り替えた。


冷水で野菜を洗いながら考える。

なぜあの子はあんなにも他人の庇護欲をくすぐるのだろうか。

同い年くらいだとは思うのだが、どうにも世話をやきたくなる。

あの子に関わった何人かは、この気持ちを理解してくれるだろう。


美琴(よしっ。下ごしらえ終了)


色々と思考するうちに、ゴロゴロとしたジャガイモと大きな角切りニンジンが仕上がった。


油をしいた大きな鍋の底で肉を炒め、赤みがなくなったら野菜を入れる。

そして湯を張り、煮込んでからルーを投入。

さらに煮込めば完成だ。

スパイスや隠し味を何にしようかと考えている間に野菜も良い色になってきた。



料理の最中は本当に何か悪いものでも取り憑いたのかと思うほど、暇だ。

だから妄想や独り言が増えるのは必然である。

それがたとえお嬢様でも、レベル5であっても例外はない。


美琴(…)


鍋の底の肉、野菜をじーっと見つめる美琴。


美琴(ぐへへ、いい色してんじゃねえかジお姉ちゃんたち…)

美琴(いやっ!やめてお肉男爵!何するの!)

美琴(うるせぇ大人しくしやがれ!)


木べらでひょいっとカレー用角切り肉をジャガイモと絡ませる。


美琴(おねぇちゃぁん!ジャガイモおねぇちゃぁん!)

美琴(逃げなさいニン子!早く!)

美琴(おおっと、逃がすかよぉ)


肉を木べらでニンジンへ突撃させる。

美琴(きゃああ!)


ジュワッという肉の音と共に、ニンジンにも肉汁が絡み付いた。


美琴(やめて!その子には…その子にはっ!)

美琴(ごちゃごちゃうるせぇぞぉ!)


ジャガイモお姉ちゃんの悲痛な叫び。

それは木べらの一振りによってまんべんなく絡まる。


美琴(…)

美琴(何やってんだろアタシ…)


そこでカムバックした。


名役者の食材たちはそろいもそろってとても良い色になった。

そろそろお湯を入れようか。

と思ったが、最初食材を洗ってから20分ほどが経過している。

当然化粧などしていないインデックスは、もう風呂場から上がって夜風にあたっているはずだ。

が、カウンター越しに見えるベランダには、人影はない。

嫌な予感がする。

火を止め、エプロンを取り、風呂場へ急ぎ、ノックをする。


美琴「インデックス~?何してるの~?」コンコン


……返事はない。

嫌な予感は増幅された。


美琴「…インデックス?開けるわよ?」


鍵がかかっているが、レベル5の前ではそんなもの関係ない。

ホテルによくあるボタンロック式のチャチ戸は、力任せに回すとイヤな音で叫び、開いた。


美琴「インデックス!」ゴチャッ!


勢いよく戸を開けるとそこには、


美琴「きゃぁぁぁぁ!」

禁書「ふにゃ~…」


グルグルと目を回したインデックスが、クラゲのように浮いていた。

------------

のぼせた少女にバスタオルを巻き、フェイスタオルでばさばさと扇ぐ。

すると「寒いんだよ!」と言って覚醒した。

心底ホッとした。

ふらふらしていたので、今日は寝かせることにした。

明日の朝、この子は晩の分まで食べるだろう。

カレーを仕上げなくては。


体の熱を取るために、冷却シートを貼ってあげてから調理場に戻る。

カレーが完成した頃には、9時近くになっていた。


美琴(さて…)


風呂に入ろう。

のぼせないように、気をつけて。

今日はここまで。

書きたいとこまで書けなかった。

じゃ、また明日ノシ

こんばんは

トリつけた方がいいかな?

------------

インデックスがのぼせてから開けっ放しだった浴室は、すでにひんやりとした大気に支配されていた。

冬はやはり、服を脱ぐのがおっくうになる。

素早く服を脱いでざぶんと湯船に飛び込むと、


美琴「ひゃあぁぁぁぁ!」サバッ!!


言うなれば、ほんの少しぬるい冷水。

気休め程度のぬるさは、冷水につかるよりもキツいものがある。

となりから『うるさいぜよ!』と土佐弁が聞こえた気がしたが、肌寒さゆえの幻聴だろう。

気にしない気にしない。


栓を抜き、温かいシャワーを浴びる。

冷えた身体が徐々にほんわかとしてきた。

不意に、『充満する湯気が、浴槽を現実から切り離した』。

そんな気がした。


ザーーーーーーー


湯気で視界が白み、脳が視覚よりも思考を優先する。

思考の中を歩き回っていると、昨日の私がぶつかってきた。


ザーーーーーーー


欲望を剥き出した、醜悪な顔の自我。

それが私の腕にすがりつき、思い出せとささやく。

昨日の私を。

情欲に駆られた獣の姿を。

友人の一糸まとわぬ姿を。


ザーーーーーーー


私は必死で振り払ったが、『ワタシ』は一向に離れない。

それどころか、『ワタシ』が私に絡み付いてくる。

すがる程度だった『ワタシ』は、両腕で胸のあたりを締めつける。


ザーーーーーーー


胸が痛い。

締めつけ、ささやかれるたびにジュクジュクとした膿が心に広がっていく。

その痛みは記憶を叩き起こし、私になだれ込んでくる。


インデックスの恥じらう顔。

インデックスの潤んだ瞳。

インデックスの白さ。

インデックスの赤らんだ頬の色。

息遣い。

肢体。

髪。

におい。

全てが暴力的な渦となって、私の理性を飲み込んでいく。


ザーーーーーーー


思い出す。

今朝の私を。

理性から『母性』だと言い聞かせた私を。

恐れから『ワタシ』を封じ込めた私を。

いつの間にか理性的な『私』は頭から喰われていたのだろうか。

今、私は今朝の私を殺してやりたい。


ザーーーーーーー


今の私は『ワタシ』だ。

今の『ワタシ』は私だ。

理性の欠如したひどく動物的な自我であり、銀髪のシスターに見惚れた罪深き囚人なのだ。


ザーーーーーーー


私は結論に至った。

認めてしまうことが恐かった、一つのホントウを抱きしめた。

御坂美琴はーー



ーーーインデックスに恋をしている。



------------

何も聞こえない。

何も見えない。

シャワーのレバーを回す音も、ドライヤーの音も。

居間に引き寄せられる。

歩くたびに世界がぐにゃりと歪んでいるような感じがする。

しばらくして視覚と聴覚が舞い戻ったとき、目の前には


--インデックスの寝顔があった。


昨日と同じ体勢。

私が上で、彼女が下。

少女の目が覚めても構わない。

真正面から見つめていたい。

でも、覚めて欲しくなかった。

嫌われたくないから。気持ち悪いと思われたくないから。

どっちつかずの気持ちが不安定で、崩れそうで、泣き出しそうで。


美琴「インデックス…」


少女の名を呼ぶ。

熱を持った吐息。

熱を持った眼差し。

鼓膜をやさしく揺さぶる寝息が私を狂わせる。


禁書「ぅん……」モゾッ

美琴「ッ!!」ドキッ


心臓が爆発しそうな声を上げる。

『目よ覚めるな』とカミサマに祈る。


禁書「……」スースー

美琴「……」ホッ

禁書「えへへ……」

美琴「!!!」


起きたのか?

嫌だ。嫌われたくない。嫌われたくない。嫌われたくな


禁書「…みことー……」

美琴「イ、インデックス…?」ヒソヒソ


声を潜め問いかける。

ぐちゃぐちゃの頭の中で、ぐちゃぐちゃの
言い訳を組み立てては壊す。

『これは違うの』と言いたいが、声が出ない。


美琴「ち、ちが……これは…」ボロボロ


涙がでてきた。

止まれ。惨めな獣に成り下がるな。

脳が何度命令しても、涙は止まらない。


禁書「……みことー…」

美琴「~~~ッ」ボロボロ

禁書「………だいすき」

美琴「へっ?」

禁書「ぅぅん…」ムニャムニャ


寝言。

名前の後に『だいすき』。


美琴「…」


惨めな涙は止まった。


美琴「インデッ…クスぅ」グスッ


そしてそっと、壊れてしまわぬように抱きしめ、


美琴「アタシも……だいすき」


やさしく頬にキスをした。

ここまで

また明日ノシ

日付が変わったくらいからはじめます


------------

禁書「んぅ…」モゾモゾ

禁書「……さむい」


右半身が冷えている。

体感温度は5℃前後といったところか。

毛布と布団はどこかに消え去っている。


禁書「…ん?」


眠気で回らない思考を無理やりに回す。

毛布と布団をかぶっていないのに、なぜ右半身だけが寒いのか。

そもそも毛布と布団はどこにいったのか。


その答えは、左半身にあった。


美琴「…」スースー


床を見ると御坂美琴が使っている、布団一式がある。

年季の入った、悪く言えば薄っぺらくてなんだか黄ばんだ上条当麻の布団。

その布団セットは暗闇の中でも分かるほど整然としていて、まるで使用感は無い。


禁書(……)スゥッ


息を吸うと、なんとも形容しがたい香りがする。

イヤなにおいではない。むしろいいにおいだ。

寒くないどころか、あたたかい左半身。

頭が回りはじめたので、現実を見よう。


禁書(…)


頭だけを左へ回す。

壁際に蹴っ飛ばされた毛布と布団が見える。

置き時計の午前五時を示した、蛍光色に光る長身と短針が見える。

そして、


美琴「くぅ…」スースー


左半身に密着している、御坂美琴が見える。


禁書(なんでみことがベッドに…?)


昨日は、のぼせて倒れてからすぐに寝た。

同時に、のぼせた理由は御坂美琴だという事実も思い出し、なんだが居づらくなった。


禁書(あの後、看護してくれてたのかな?)ペリペリ


おでこから得体の知れないカサカサで少し柑橘系の匂いがするベタベタを剥がしながら考える。


考えている内に、ふと思い出す。

昨日見た夢。

頬にかかるくすぐったい吐息。

柔らかい唇。

リアリティのあるフィクションに過ぎない、ただの夢。

ただの夢とわかっているのに、どうしてこんなにもドキドキするのか。

どうして、右半身もあたたかくなるのか。


禁書(わたし…)


御坂美琴を見る。


禁書(わたし、ほんとうに…)


長いまつげ、整った顔立ちに、良い匂い。

小さく、心臓が脈打つ。


禁書(わたし、ほんとうに………気持ち悪い)


欧米では同性愛に寛容らしいが、今のインデックスには微塵も理解できない。

同性愛なんてものは歪んだ性欲に歯止めが効かなくなった、一番醜い愛の形だ。

加えて、仮にも主に仕える身であるシスターが、同性に対して恋慕の情を抱くのはいかがなものだろうか。

そう考えると、御坂美琴と一緒にいる時の自分が、理解不能の感情が湧き出る自分が、たまらなく気持ち悪い。


禁書「………わかんないや…」


ベッドを出よう。

とりあえず、この人から距離を取るために。

自分の心に、距離を取らせるために。


そっとすり抜け、毛布と布団をかぶせてあげた。

時刻は午前5時5分前。

まだまだ、外は暗い。


------------

美琴「ん…」パチッ


あたたかい。

昨日とは比べものにならないほど、あたたかい。


美琴(何時…?)


頭の上に置いてあるはずの携帯電話をつかもうと、なかなかの速度で腕を持っていく。

と、

ゴッ!


美琴「ほぉぉぉぉぉん!」


中指と薬指が、勢いよく壁に激突した。

朝から、妙な声が出た。


美琴(なんで壁があんのよっ…!)


指先からの刺激で、完全に覚醒した。

びりびりとしびれる指をもう片方の手で握りしめながら、昨日を振り返る。

ああそうか。あのままベッドで寝てしまったのか。

あのまま…


美琴(………)


また、自己嫌悪におちいった。

かってに頬にキスをして、かってに抱きしめて、かってに添い寝して。


美琴(…ハハッ。サイテーだわ、アタシ)


同性相手に向けるべきものではない感情。

同性相手にとるべきではない行動。

理解しているのに、わからない。

わかりたくない。


美琴(あれ?そういや、インデックスがいない…)


そう、故意ではないとはいえ、昨日は一緒に寝たのだ。

不思議に思って身体を起こすと、


美琴「ッ!」


インデックスが、床の布団で寝息をたてていた。


美琴「そう…よね。やっぱり…イヤ……だよね」ギュッ


はだけた布団と毛布を握り締める。

そりゃそうだ。

おとといは全裸で押し倒し、今回は添い寝だ。

気持ち悪くて当然だ。

こんな気持ちの悪い人間とは、別々に寝たいというのもうなずける。


美琴「なーにを考えてんだろアタシ。ホント…バカじゃないの」


自分を罵る。

溜まった涙が、こぼれて落ちない様に。

心が、崩れてしまわぬように。


美琴「ホント………バカだよ」ツゥ…


冷たい涙が流れたのを皮切りに、溜まった涙が流れておちる。

最近、泣いてばかりだ。


美琴「ひぐっ…ぐすっ……うぇぇ………」ボロボロ


下を向き、声を潜めて泣く。

あの子を見ていると、本当に自分を殺してしまいそうだから。

たった2日、それだけで、こんなにも苦しいのか。

などど思っていると、


禁書「…みこと?」

美琴「ふぇ…?」


一番見られたくない人に、一番見られたくないところを見られてしまった。

ここまでで

また明日ーノシ

日付が変わってちょっとしたら書きます

現代文だろwwww

>>346
なんか知らんが文が固くなるんだよ

許せ

そろそろはじめますね


禁書「みこと…どうかしたの?」


布団からひょっこりと顔を出しているインデックスと目があった。

なんだか眠たそうに、布団からもぞもぞと這い出してくる。


美琴(やめて……)


身を切るような寒さで冷える涙。

パジャマの袖口で拭えどもども拭えども頬を切り裂く冷たい涙。


美琴(来ないで……)


インデックスが再びベッドに戻ってきた。

ベッドの中央で泣く美琴の横でちょこんと正座をしている。


禁書「大丈夫?どこか痛いの?」


優しい言葉をかけてくれるシスター。

だが、私の心の弱いところが、それは偽りの優しさだと言っている。

この子は私のことがキライなんだと言っている。


美琴「……」


どうせなら、どうせ嫌われているなら言ってしまおうか。

『お前のせいだ』と。

そして『大好きだ』と。

隣にいる少女を思いっきり抱きしめて、言ってしまおうか。


その刹那、ふわりと背中があたたかくなった。


禁書「みこと…」

美琴「…うん」

禁書「大丈夫?」

美琴「…うん」

禁書「どこも痛くない?」

美琴「…うん」


安心感から、すうっと涙が引いていく。

気がつくと私は、


禁書「みこと」

美琴「うん?」

禁書「…落ち着いた?」

美琴「………うん」


逆に抱きしめられていた。


禁書「よかった…」ギュッ

美琴「ありがと。ゴメンね、心配かけて」

禁書「いいんだよ。…で、どうしたの?」

美琴「………ちょっと…」

禁書「うん」

美琴「………怖い夢を見ただけよ」

美琴「それだけ」


今日一日が、ゆっくりとはじまった。


------------

禁書「おなかへった…」グデー


小さなテーブルでぐでっとうなだれる銀髪。

寒さもあってか、完全に電池切れしている。


禁書「誰だよぅ、『冬はつとめて(キリッ)』とか言ったおバカはぁ…」


枕草子の冬の一節を全力で否定する欧米人。

清少納言もさぞかしビックリしているだろう。


美琴「しょうがないわよ。あいつらブルジョアなんだし」


平安のブルジョア、貴族たちは、早朝の寒さに対して趣があるといったのではない。

クソ寒い中、せわしなく動き回るメイドさんに趣を感じているのだ。


などという説明しながら、カレーをインデックスの前に置く。


禁書「うわぁ!いただきまーす!」


水を得た魚のように生き返る少女。

ちなみに本人は気付いていないが、私が動き回り、インデックスが毛布にくるまって朝食を待ち焦がれる光景は、まがうことなき冬の一節だった。


美琴「てか、よく知ってたわね、『枕草子』。」

禁書「うん。とうまの教科書に書いてあったんだよ」モグモグ

美琴「…え?読めるの?」

禁書「バカにしないで欲しいかも」モグモグ

美琴「はぁー…外国人なのに、スゴイわね」

禁書「それくらい当然なんだよ」フフン


無い胸を張って誇らしげにする少女。

口の端には白米がついている。


美琴(……いとをかし)


『いとらうたし』でもいいかなと考えたが、話の流れからして『をかし』の方がいいだろう。

だめだ。

眠たいです。

ものっそい中途半端だけど寝ますノシ

ちなみに『らうたし』は可愛らしいって意味です。

おやすみー

ナイトスクープが終わった頃からはじめます

だいたい0時ちょいくらいです

了解

今夜は期待していいですね?いいんですね?いいんですよね?


>>363
ちょっと何言ってるかわか(ry

どうもこんばんは

ぼちぼち書きますね


禁書「わたしは古文でも漢文でもアラビア文字なんでも読めるんだよ」フフン

美琴「ふぅん、そりゃすごいや」

禁書「……なんかバカにされてる気がするかも」

美琴「いやいやめっそうもない」

禁書「…………ホントは?」

美琴「教科書の注釈見たのかな~と」

禁書「むぅぅぅ!やっぱり信じてないかも!本当に読めるんだよ!」ブンブン

美琴「わかったわかった。だからスプーン振り回すのやめなさい」

禁書「むぅぅぅぅ」プクー

美琴「ほら、ふくれないの」グイッ

禁書「ひゃあ!ほっへたひっはららいへぇ!」バタバタ


おそらく、『ほっぺた引っ張らないで』と言いたいのだろう。

いやぁそれにしても…


美琴(かわいいなぁ…)ギュー

禁書「にゃがい!みひょと、にゃがい!(長い!みこと、長い!)」バタバタ

美琴「あっ、ごめん!」パッ

禁書「う~…じんじんするんだよ…」

美琴「いやぁちょっと考え事してて」


禁書「ふんだ!みことなんか嫌いなんだよ!」プイッ





美琴「え……えっ?」

禁書「えっ?」

美琴「えっ…………うえぇ…」グス

禁書「えっ!?えええええっ!?」

美琴「うぇ……ふぇぇぇ」グスグス

禁書「え!?ちょっとなんで泣いちゃうの!?冗談なんだよ!会話の流れの中の虚構なんだよ!」

美琴「………ほんと?」グスッ

禁書「当たり前なんだよ」

美琴「じゃあ……」

美琴「アタシのこと…………スキ?」


禁書「そりゃあもちろん………」

禁書(………ん?)


インデックスは考える。

このまま『好きだよ!』って言ってしまってもいいものか、と。

なにか、なにかが心にひっかかる。


禁書(わたしの気のせいかな?なんだかニュアンスがおかしかったような……)

美琴「答えてよぅぅ」グスッ


やばい、また泣く。


美琴「う、うぅぅ」グスグス


-ー-ちゃんと考えろよ!

まずスプーンを置け!

カレーなんて食ってる場合じゃねえ!

カレーなんてものにうつつをぬかしてる間にも目の前の女の子は泣き続けちまうんだろ!?

だったらもっと考えろよ!

お前だって望んでるんだろ!?

目の前のカレーよりもスパイスの効いた最高のレスポンスを!

含まれている可能性のあるニュアンスすべてに対応できる至極の返答を!

いいかげん言っちまおうぜ!

シスター!

禁書「み、みことはっ!」ガタン!

美琴「ふえっ?」

禁書「わたしの…」

美琴「わたしの…?」

禁書「……………た、」

美琴「た?」

禁書「大切な人なんだよっ!!」


美琴「…………」

禁書「…………」

美琴「……………えへ」

禁書「!」

美琴「えへへへ、そっか、『大切な人』か、えへへへへ」


ありがとう、脳内とうま!

やってやったんだよ、最高のレスポンスを!

ミッションコンプリートなんだよ!


美琴「えへへへへ」テレテレ

禁書「………ふぅ」


なんだか、ドッと疲れた。


----------

禁書「ごちそうさま!」

美琴「………」

禁書「みこと?」

美琴「へっ?あ、あぁ、うん、おそまつさまでした」

禁書「お水にお皿浸けてくるね」カチャカチャ

美琴「はーい……」


…言われてしまった。


美琴「『大切な人』…か」

美琴「~~~ッ」カァァァ


胸が苦しくて、身悶えする。

体の芯が、とてつもなく熱い。


美琴(『大切な人』って、『大切な人なんだよっ!!』って、~~~きゃー!)クネクネ


その様子をキッチンの陰から覗くインデックスは、


禁書「………」

禁書(一回、病院とかに連れて行こうかな……)


美琴の頭のほうを心配していた。


美琴「ふぅ…」

禁書(なんだか晴れやかな顔をしているんだよ…)

美琴「さっ!洗い物しちゃお!」ガタッ

禁書(うわっ!こっちにきたかも!)ビクッ

美琴「あれ?インデックス、まだいたの?」

禁書「あ、ええと、その…て、手伝おうと思って!」

美琴「いいのよぉぅ別に~、テレビでもみてなさい☆」キャピッ

なんだろう。

この得体の知れないハイテンションは。

なんだか気持ち悪い。

とにかく、今は離れよう。

なんだかこわい。


禁書「あ…わ、わかったんだよ」タタタッ

美琴「ふふん♪ふふふーふふふふーん♪」


キッチンからは、終始鼻歌が聞こえていた。

休憩

あらぬ方向にむかいだして自分でもビックリしてる

きぬはた荘見てきます

おおぅ…ねてた

いつも通りの時間から始めますね


----------


キュッ


静かなキッチンに、蛇口を閉める音が響いた。

カウンター越しに見えるインデックスは、ぼーっとした目でテレビを見ている。

おじさんが名目上『国民のため』の政治論を建築し、その他のおじさんたちがそれを取り壊す番組。

勧善懲悪もなければ正解不正解もない、そんな無味乾燥な番組。

そんな番組がつまらないのか、少女は大あくびをしている。

そんな光景を見た後、私はそっと外へ出た。


音もたてずにドアを閉める。

冷たい外気に抱きしめられると、私が私になっていくような、そんな感じがする。


美琴「……」


眼下に広がるのは無人の駐輪場。

一直線の廊下にも、人の姿は見えない。

私一人の空間。

目新しいものなんて無い、私を中心にまわる世界。

そんな何もない世界にいると、人はいつもより自分自身を客観視することができる。


冬の空は、私にノスタルジーに似たものをを運んできた。

ここに来て3日目だが、いろいろなことがあった。

私が知らない自分。

わがままな私。

いじっぱりな私。

意外と料理ができる私。

ちょっと寂しがりやな私。

そして、甘えん坊な私。


美琴「………」


甘えん坊な私…

甘えん坊な…


『アタシのこと…………スキ?』


美琴「…………」


『インデックスぅ、アタシのこと…………スキぃ?』


美琴「………………」


『ねぇ~ん、アタシのことぉ………………スキ?』(笑)



美琴(うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!やっちゃったぁぁぁぁぁぁ!!)ガバッ


寒空の下、男子寮の廊下で、女の子が一人。


美琴(うわぁぁぁぁぁぁどうしよぉぉぉぉぉ)


頭を抱え、懊悩している。

まるでどこかの原住民に捕らえられたイモムシのように、うねうねうねうねうねう


??「…………御坂?」

美琴「へあっ!?」ビクッ!


見られてしまった。

わたくし御坂美琴の人生でも最もドス黒く輝き続けるであろう歴史の片鱗を。


??「あー………」

美琴「えーと、えーと………………ね?」


何言ってんだ私。

脳みそフル回転で導き出した言葉が『ね?』って。


??「…………とりあえず、入るかー?」

美琴「…おじゃまします」クスン


間違いない。

今日は厄日だ。


舞夏「兄貴は仕事でいないから、ゆっくりしていけー」コトッ

美琴「アリガトウゴザイマス…」ズズッ


市販のものとは比べ物にならないほどおいしいカプチーノ。

だが今はそんなシロモノでさえも無味に感じる。

たくさんのトレーニング器具といかがわしいメイド系雑誌であふれかえっている部屋。

その部屋の中央のテーブル、私の対面に座るメイド少女、土御門舞夏は…


舞夏「ニヤニヤ」


二ヤケ顔で、私を見ている。

舞夏「で?」ニヤニヤ

美琴「…なにが」

舞夏「なんで部屋の前でうねうねしてたんだー?」

美琴「……直球で聞くわね」

舞夏「あんなの変質者くらいしかしないからなー。気になる」

美琴「はーい黙秘権ー。プライバシーの権利ー」

舞夏「あっ、こらー!耳をふさぐなー!」


美琴「答えなきゃ……だめ?」

舞夏「『だめ』って言ったらー?」

美琴「刺し違えてでも…」

舞夏「落ち着けー、変質者。」

美琴「変質者言うな!」


『姦しい』という言葉は女性が三人集まるとぎゃあぎゃあと騒がしいというのが由来らしいが、二人でも十分騒がしい。

間延びした声が、優秀なペースメーカーとしての役割りをしているのだろうか?


舞夏「で?」

美琴「今度は何よ…」


舞夏「なんで3日前から隣に住んでるんだー?」

美琴「あれ?よく3日前からってわかったわね?」

舞夏「実はそこに穴が空いているのですー」

美琴「それホント?本当なら今粛清しちゃうけど」バチバチィ!

舞夏「キレやすい若者はダメだぞー。冗談に決まってるだろー?」

美琴「じゃあなんで知ってるのよ?」

舞夏「だってお前ら、うるさいからー」

美琴「…そんなにうるさい?」

舞夏「うるさいぞー。うるさすぎて兄貴と
イチャつけないんだぞー」

美琴「えっ」

舞夏「ん?」


美琴「いや、アンタの兄貴って確かアイツと同い年じゃ…」

舞夏「そんなことより、」

美琴「露骨だけどすごくキレイなスルーね」

舞夏「御坂ー、なんか悩んでないかー?」

美琴「………え?」


舞夏「どうなんだー?」

美琴「……いや、悩みなんて何も…」

舞夏「あーウソついたー」

美琴「ホ、ホントよ!ウソじゃないもん!」

舞夏「………メイドさんはなー、」

美琴「ん?」

舞夏「ご主人様の身のまわりのお世話だけじゃ無くて、表情から気分や体調、その他もろもろを察せなきゃいけないんだぞー?」

美琴「………」カチャ‥


冷えたカプチーノを口に含む。

空気を介して侵入してくるマイルドな香り。

食道を通過した冷たい液体が、噴門を通り、するりと胃に落ちる。


舞夏「で、御坂自身はどうありたいんだー?」


すべてを見透かしたような目を向ける少女。

このまま、すべてを話してしまおうか。

シスターではなく、メイドに。

ぶちまけるように、懺悔してしまおうか。


美琴「アタシは…」


無意識に、ギュッと服を握りしめる。

私は、インデックスのことが好きだ。大好きだ。

あの子を見るたび話すたび、好きな気持ちが膨らんで、張り裂けそうで、苦しくて。

でも、私は、私はまだ、


上条当麻のことも、大好きだ。


今朝の情緒不安定な行動。

それは優柔不断な情けない私が、心の奥から這い上がってきたものなのではないだろうか。

そもそも、アイツとインデックスを同じ天秤に乗せる勇気が、私にあるのだろうか。


私は、『どうありたい』のだろうか。


美琴「アタシは…」


美琴「アタシは…」


臆病で優柔不断な私の、小さな決断はまだ、


美琴「姫で、いたい」


秘めていたい。


舞夏「…そうかー」

舞夏「じゃ、これ以上は詮索しないわー」

美琴「………あの」

舞夏「んー?」

美琴「今日は……ありがとね」

舞夏「どういたしましてー」


心の奥に、想いの炎をそっと隠した。

優柔不断なお姫様の、ささやかな秘めごと。

私は、上条当麻が大好きだ。

でも、


泣いた顔。

笑った顔。

怒った顔。

眠そうな顔。

不安そうな顔。

空腹の顔。

満腹の顔。

私と同じ髪の匂い。

触れていたい体温。

かわいらしい仕草。


そのすべてが臆病者の私を勇敢にしてくれた。

守って、護って、目ってあげたい。

たとえ彼女が私のことを好いていても、嫌っていても。

全力であの子を笑顔にしてあげたい。

この想いがばれないように、姫でありながら。


美琴「じゃあ、そろそろ行くね」


優柔不断な私の心よ。

もう今朝のように迷うことはないだろう。

今の私には選択肢が一つしか無いんだから。


---私は、インデックスを愛してしまったんだから


舞夏「おー。気をつけてなー」

美琴「気をつけてって、すぐ隣じゃない」クスッ

舞夏「…御坂ー」

美琴「ん?」

舞夏「選んだ道は、けわしいぞー」

美琴「……メイドさんってのは、みんな読心能力者か何かなの?」

舞夏「さぁなー。ま、一応応援するぞー」

美琴「ありがとね。一応でも、うれしいわ」

舞夏「じゃ、暴食シスターによろしくー」ヒラヒラ


ひらひらと手を降るメイド少女を後ろにその部屋を出ると、冬の朝の清々しい風が私を迎えた。

ここまでで

やっぱり地の文無しの会話はニガテ。
なぜか物語があらぬ方向に進む。

さぁ、きぬはた荘だ。

ひめ→『秘め』・『姫』の掛け言葉

目る→まもる:『見守る』の意

>>1は中学生だっけ?
古文のレベル高いなあwwww

>>409
んなわけねぇだろぴっちぴちの大学生だ

>>411
すまん
ほかのSSと勘違いしてたみたいだ

>>412
教えて

中学生のSS読んでみたい

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1286712390/

>>414
thx

あの数学が壊滅的なヤツか

久しぶりに読んだけど、やっぱりあの子文系だな

日付が変わった頃から始めます


----------

まぶたに光を感じる。

朝の冷たい空気。

深い眠りからゆっくりと、しかし確実に覚醒へと向かう脳。

階段を一歩一歩登るような感覚。

毎朝の楽しみの一つだ。

この階段を登り切った後、いつものように俺は


??「あなたー!!」ピョーン


一杯のブラックコー…ドスン!!


??「うが…ァァァァァァ……!」


とんだ思い違いをしていた。

今まで階段だと思い込んでいた段差は、クソったれなエスカレーターだったらしい。


??「ふぐゥゥゥゥゥ…うァァァァァ…」ゴロンゴロン


打ち止め「あれ?もしかして入っちゃった?ってミサカはミサカはもやしっ子なあなたを心配してみたり」


10歳くらいの女児一人の体重を30㎏弱だと考えよう。

人体におけるの弱点一つであるみぞおち。

そこに10歳前後の女児が突っ込んでくるというのは、先のとがった米俵をみぞおちにぶつけられたのとほぼ同義なのだ。

悶絶、どころの騒ぎでは無い。


一方通行「死ンだ……俺今絶対死ンだァァァ………」


たとえ、学園都市トップの男であってもだ。


打ち止め「大丈夫!生きてるよってミサカはミサかは体を丸めてるあなたに全力エール!」フレーフレー


ああもう最高に黙らせたい。

ガムテープでもはってやろうか。


一方通行「こンのォ…………アホガキがァァァァ!!」ガバッ

打ち止め「あ、起きた!」

一方通行「『起きた!』じゃねェよクッソガキィィィ! お前やっていいことと悪いことの」

打ち止め「おはよう!あなた!」ニコッ

一方通行「……………おゥ」


その後すぐにタタタッと部屋を出て行ってしまった。

怒鳴った時は恐がっているそぶりを見せなかったが、やっぱり、恐かったのだろうか。

正直、少しもの寂しい。

方法はどうであれ、起こしてくれたことにはかわりない。

なにも怒鳴ることなんて無かっ


打ち止め「ヨミカワ隊長! ねぼすけウサギを起こしてきました!」ビシッ

黄泉川「よくやった! 打ち止め一等兵!」ビシッ

打ち止め「ありがとうごさいます! あいかわらずのモヤシでした!」フンス


よし、シバく。


打ち止め「う~~~、痛い~ってミサカはミサカは非難がましい目であなたをギロリ」

一方通行「ほォう、まァーだチョップされてェのかァ?」

打ち止め「う~~~! あなたのいじわるっ!ってミサかはミサかはポカポカ!」ポカポカ

一方通行「反し…」カチ

打ち止め「えいっ」ビリッ

一方通行「sdffgvdjsefyvdjb!!!」ボフッ

打ち止め「えへへへへーってミサカはミサカはソファーでもぞもぞしてるあなたに頬ずりしてみる」スリスリ

一方通行「ぶっはァ! てンめェェェェェ! まァた予告無しに」

黄泉川「うるさいじゃん!」カッ!!

一方通行「……………ハィ」


芳川「ふふ…朝からアツいわね」ズズズ‥

一方通行「コーヒーだよな? そのコーヒーのことなンだよな?」

芳川「あら、あなたが一番よくわかってるんじゃないかしら?」

一方通行「ニートこじらせて頭おかしくなったンですかァ?」

芳川「………ロリコン」ボソッ

一方通行「今なンて言ったコラもういっぺン言ってみろやニートコラァァァ!」ガタッ!

黄泉川「一方通行…?」ニコッ

一方通行「…………ゴメンナサイ」

黄泉川「桔梗も煽らないじゃん」

芳川「うふふ。自宅警備員に説教は効かないのよ」ズズズ‥


黄泉川「もう、桔梗もさっさと職探したらどうじゃん?」

芳川「間に合ってるわ」ズズ‥

黄泉川「何が間に合ってんじゃん…」

芳川「………愛穂」

黄泉川「なんじゃん?」

芳川「そんな小言ばっかり言うなら、もうよがらせてあげないわよん」ウィンク☆

黄泉川「なっ……///」カァァァ

一方通行「」


芳川「ま、それでも探せっていうならしょうがないわね」

黄泉川「あ! いや、その…なんじゃん…ゴニョゴニョ///」

芳川「んー?なぁに聞ーこーえーなーいー」

黄泉川「そ、そんなこと…言わないで欲しい…じゃん………///」

芳川「うふふ、しょうがないわねぇ愛穂は」

黄泉川「///」


打ち止め「ねぇあなたー、ヨガラセルってなぁに?ってミサカはミサカは好奇心をあらわにしてみる」

一方通行「ダルシムのことだよ。ヨガを極めたすごいやつだよ」

打ち止め「そうなんだ!ってミサカはミサカはまた一つ賢くなったぜイェイ!」



黄泉川家の朝はあわただしく過ぎてゆく。

思いのほか黄泉川家の朝編がすぐ終わった。
明日は外出編です。

じゃあまた明日の夜にノシ

日付が変わってちょっとしたらはじめます

こんばんは

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芳川・黄泉川「ごちそうさま」

打ち止め「ごちそうさまってミサカはミサカは何も言わないあなたをじ~~~っ」ジロジロ

一方通行「…………ごちそうさま」ボソッ

芳川「よくできました一方通行」

黄泉川「エライじゃん一方通行」

打ち止め「やればできるじゃん一方通行ってミサカはミサカはヨミカワの口調をまねてみる」

一方通行「おまえらバカにしてンだろ」

芳川「ええ」

一方通行「……クソレズニート」

芳川「レズじゃないわよ。ただ可愛い人が好きなだけよ」

黄泉川「///」ボンッ

打ち止め「ねーねーあなた、レズってなぁにってミサカはミサ」

一方通行「気にすンな。おまえには一生縁のねェもンだ」

打ち止め「むぅってミサカはミサカはちょっぴり不満」


芳川「打ち止めは今日どうするの?」

打ち止め「今日は服を買いに行くのってミサカはミサカは漠然としたプランをさらしてみたり」

一方通行「ほォう、誰と?」

打ち止め「あなたに決まってるでしょってミサカはミサカはまたまた不満!」

一方通行「ハッ、お出かけは夢ン中だけで十分だろォが」

打ち止め「えー!そんなのヤダヤダってミサカはミサカは足をバタバタして猛抗議!」バタバタ

一方通行「バタバタしてもダメなもンは
ダァメですゥー」

打ち止め「ヤダヤダヤダヤダ!」バタバタ

黄泉川「一方通行、いじわるしないで連れてってやるじゃん」

一方通行「……チッ、しゃァねェなァ…連れてってやるよォ」

打ち止め「ホント!?やったー!ってミサカはミサカは感謝感激!」


黄泉川(最初から連れてってやるつもりだったクセに…素直じゃないじゃん)クスッ

芳川「最初から連れて行ってあげるつもりだったクセに…素直じゃないわねぇ」

黄泉川「なんで言っちゃうじゃん…」

打ち止め「そうだったの?ってミサカはミサカはあなたの顔をのぞき込んでみる」

一方通行「バッ…! ン、ンなワケねェだろォが! 思い上がンな!」

打ち止め「……そうだよねってミサカはミサカは意気消沈…」

芳川「あーあ。やっちゃった。あーあ!」

黄泉川「桔梗…いつもよりなんかかがやいてるじゃん…」


一方通行「だァァ! もォうっせェ! オマエも早く着替えてこいクソガキ!」

打ち止め「! うん!ってミサカはミサカはあなたの優しさを再確認!」タタタタタッ!

一方通行「優しさ、ねェ…」

芳川「……一方通行」

一方通行「あン? まァたなンか嫌味ですかァ?」

芳川「違うわよ。あなた、気づいていないの?」

一方通行「はァ?」

芳川「いや、気づいていないフリをしてるのかしら?」

一方通行「はン。なンのことだかサッパリだぜェ」

芳川「あの頃のあなたと今のあなたが、ぜんぜん違うってことよ」


一方通行「……ハッ、意味わかっンねェな」

芳川「結論から言わせてもらうと、あなた、そうとう人間らしくなったわ」

一方通行「俺が…?」

芳川「あなた以外に誰がいるのよ」

一方通行「俺が…人間らしくなっただァ?」

芳川「ええ」

一方通行「………くきゃ…くきゃくかかかかかか!」


一方通行「この汚れた手のクソッタレなクズヤローが人間らしいだァ?」

一方通行「笑わせンじゃねェよ!」

一方通行「俺は…俺は汚れてなきゃいけねェンだよ…キレイじゃダメなヤツなンだよ!」

黄泉川「一方通行、それはちが」

芳川「それは違うわ」

一方通行「!」


芳川「一方通行、あなたが鏡に映った自分を汚らしいと思おうが思うまいが、正直どっちでもいいわ」

芳川「でもね、打ち止めと出会って、打ち止めと一緒にいて、打ち止めを護って、何か変わったと思えるものが心のどこかにあるんじゃないかしら?」

一方通行「…っ」

芳川「一方通行、あなたはもっと胸をはって、堂々と生きるべきよ。」

一方通行「…でも、俺なンかにそンな資格は」

芳川「資格って何よ。生き方に資格が必要なら、日本全国のニートはみんな死んでるわよ」

芳川「もう一度言うわ。もっと胸をはって生きなさい、一方通行。そうでなきゃ打ち止めにも失礼だわ。」


芳川「あなたは昔より、ずっとずっと優しくなったんだから」


一方通行「芳川…」

黄泉川「桔梗…」グスッ


芳川「幼女だけには、ね」


一方通行「芳川ァ………!」

黄泉川「台無しじゃん…」

ガチャ!

打ち止め「おまたせーってミサカはミサカは……ってあれ? どうしたの?」

黄泉川「なんでもないじゃん……」

打ち止め「ふーん? それよりあなた!早く早く!ってミサカはミサカはあなたをエスコート!」

一方通行「チッ…エスコートの意味わかってンのか………よっと」グイッ


打ち止め「ヨミカワ!ヨシカワ!行ってきますってミサカはミサカは元気にあいさつ!」

一方通行「じゃ、行ってくる」カツ.カツ.

芳川「うふふ…いってらっしゃい」

黄泉川「車に気をつけるじゃん」

一方通行「…………芳川ァ」

芳川「ん?」

一方通行「その……ありがとな」ボソッ

芳川「さぁ、なんのことかしら」

一方通行「…….ケッ」


カッ.カッ.カッ...バタン!




芳川「……さて、愛穂」

黄泉川「は、はい!」ビクッ

芳川「私たちは私たちで……楽しみましょうか」グイッ

黄泉川「ひゃ、ひゃあい……///」

芳川「うふふ…」

黄泉川家編はここまで

また明日ノシ

そんなのあるのか

やっぱり眠い時に書いたらダメだね
会話が飛びまくってておかしい

眠くなったら再開します

ごめん寝てた

再開

----------

ガチャ


鋭く冷えた金属のドアを、私はためらい無く開けた。

嗅ぎ慣れた甘い匂いが、鼻腔から全神経を占領していく。

大好きな匂い。

いつの間にかカレーの匂いはどこかに消えてしまったようだ。


美琴「ただいま」


外出が悟られないよう小さな声で、かつ帰宅を知らせるよう大きな声で。

二つの背反した目的がぶつかって、最終的には不自然な大きさの変な声が出た。


がやがやとしたテレビの音。

その波に混じって「おかえり」という帰宅を歓迎する言葉は聞こえない。

「おかえりは?」という風に必要以上に耳をすましてしまうあたり、私はまだまだ小さいようだ。


生活スペースまで一直線に伸びる冷たい廊下。

その先にいるであろう少女は、どんな顔で、どんな目で、どんな体勢で私を迎えるのだろうか。

玄関で少し立ち止まって考る。

もしもイヤそうな、「来ないで下さい」という空気で迎えられたら、私はどうなってしまうのか、と。


おじさん達の保守的な政論をBGMとした、静かな部屋。

私はためらいながらも、凍るようなフローリングに降り立つ。

一歩、また一歩と進むたびに悪魔が囁く。


『お前のことがキライだから、「おかえり」と言ってくれないんだ』

『同性愛者かもしれない人間に、優しくしたら何をされるかわからないだろう?』


臓物を直接犯されたような吐き気が、突然襲ってきた。

自分の弱いところを圧迫されて、水鳥みたいにキーキーもがく。

足取りは、重い。

こんなにも、こんなにも自分が弱いとは思わなかった。


パジャマを着た、小さな背中が見えた。

ドクン、と鳴くチキンハート。

あいかわらず退屈そうな感じで、テレビのある方向を向いている。

打ち立てた被害妄想。

さっき私が悪魔の囁きと言い換えた、脆弱な自分の心。

それがより現実味を帯びて、私にのしかかってきた。

もう一度、『さっきのは何かの間違いかも知れないから』と言い聞かせ、


美琴「………ただいま」


すがるように、言葉を発する。

ちょっと休憩。

戻ってきます。

再開


返事はない。

キッチンカウンター越しに見えるインデックスの背中。

机に身を預けているので、柱に顔が隠れて見えない。

一歩進めば、目が合うだろう。

さっさとそうすればいいのに。

そうすれば全部、全部悟ることができるのに。

私の足は鉄球を付けた囚人のように、動くことを拒んだ。


美琴(やっぱり…か)


ハハッと乾いた笑いがでた。

諦めの混じった、卑屈な笑い。

返事は、ない。


パジャマの少女の背中は動かない。

息をするたびに、膨らみ、しぼむ。

ただそれだけ。


美琴(………ん?)


何かがおかしい。

カウンター越しに見える背中は、とても覚醒状態にある人間のものとは思えない。

打ち立てられる一つの仮定。

それの最も簡単な証明方法は、一歩前へ進むこと。


美琴(もしかして…)


仮定にすがりつく形で一歩、前へと進む。

するとそこには、


美琴(やっぱり)クスッ


天使のような顔をした、ねぼすけがいた。


ーー真実は時に人を殺し、時に蘇生する。


どこかで聞いた格言を簡略化したものだが、その通りだと思った。

さっきまで私の中であぐらをかいていた悪魔はもういない。

弱い心が、少し強くなったような気がした。



くぅくぅと寝息を立てるインデックス。

がやがやと騒がしいおじさん達の怒号。

机に上半身をあずけ、すやすや眠る少女。

それはまるで彼女だけがどこか別の場所から切り取られ、貼り付けられたような異質さを漂わせていた。


美琴「もう。こんなところで寝てちゃ、風邪ひくわよ」


母親のようなことを言い、近寄る。

すると机には、


美琴「うおっ!」ビクッ


世界地図が、具体的に言うとユーラシア大陸が、唾液で描かれていた。


----------

湯で温めたタオルで顔を拭いてあげる。

少女は『いやいや』をしたが、「構うものか」と強引に、だが優しく肌を滑らせる。


美琴「ほら、だらしないことしないの!」フキフキ

禁書「う~~~!」イヤイヤ


「ベッドで寝なさい」とたしなめ、テレビを消すためにテレビに近寄る。

カチッというプラスチック的な音と共にテレビの電源が落ちた。

「まったくもう」と言って振り返ると、


禁書「うゆ……」フラ~

美琴「うおおおおい!」キャッチ!


また、粘液の海にダイブしようとしていた。

その頭を必死でキャッチする。



美琴「はぁ…」


ため息をつく美琴。

その顔はどこか嬉しそうで、ニヤニヤとしていた。


美琴「まったくもう…よいしょ」グイッ


本日二度目の『まったくもう』の後、俗称:『お姫様抱っこ』でベッドまで運ぶ。


禁書「ふふ…」スリスリ


『思ったより軽いな』などと思っていると、胸に頬ずりをして甘えてきた。


美琴「あ~もう、猫かお前は」


本来ならばそのまま抱きしめて頬ずりをしたいほど愛らしいが、もし起きてしまった時を想定して、悪態をつく。

終始、二ヤケながら。


----------

禁書「ぅん…ん?」パチ


ありのままに起こったことを話そう。

『私はテレビを見ていたのに、いつの間にかベッドで寝ていた。』

何を言ってるかわからないと思うが、私にもわからない。


禁書「………」


くだらないことがスラスラと出てくるあたり、私の脳はきちんと覚醒しているようだ。

ムクリと起き上がり、辺りを見回す。

が、御坂美琴の姿は無い。


禁書「………みことー…」


…返事がない。

出かけているのだろうか?


禁書「むぅ…またわたしを放ったらかしに…」


そこまで言って思い出す。

あの変な御坂美琴を。

トチ狂ったテンションの、絡むとめんどくさいランキング上位に君臨しそうな御坂美琴を。

私の優れた記憶力は、瞬時にフィードバックさせた。


禁書「何だったんだろ…アレ」


この時ばかりは、『夢だった』で片付けられる人間が羨ましい。

私の優れた記憶力は、夢オチを許さない。


うんうんと考えていると、


美琴「ただいまー」ガチャ


ドアの音が聞こえた。

ベッドから跳ね起き、裸足でペタペタと玄関までかけて行く。


禁書「お、おかえり!」


「また変なみことだったら変装を疑おう」と、アステカ辺りの原典を脳内で開く。

見た感じ魔翌力は無いな、と思っていたら、


美琴「あ、起きたの」

美琴「ただいま、インデックス」ニコッ


そこには


禁書「う、うん」ドキッ


いつもの、御坂美琴がいた。

ここまでで

変な時間になっちゃってごめんなさいね

乙と支援ありがとうございます

>>470は魔翌力→魔力でお願いします

俺はメルヘンなのか…

眠くなったらはじめます
メルヘンひかえめで


美琴「『コンビニ行って来ます』って書き置きして行けばよかったわね。寂しかった?」

禁書「むっ!子供扱いしないで欲しいかも!」プクー


ここに来て何度も見た仕草。

この子は気に入らないことがあった時、
頬を膨らませるクセがあるようだ。


美琴「そうよね。インデックスはオトナだもんね」

禁書「そうだよ。 わかればいいんだよ、わかれば」フフン


腕を組んで胸を張り、仁王立ちをする銀髪の少女。

しかし私の知っている仁王様はこんなにちんちくりんではない。


美琴「じゃあこの……」ガサゴソ

禁書「?」



美琴「子供に大人気のホイップクリームプリンはいらないわね」


禁書「………」ジ~ッ


何だかギラギラとした視線がホイップクリームプリンを持つ右手に突き刺さる。

まるで『おあずけ』をくらった犬のような表情だ。


禁書「ま…まぁ、今日くらいはお子様気分を味わってあげてもいいかななんて思ったりしちゃったりするんだよ」

美琴「なに錯乱してんのよ。 そんな無理しくても、アタシが食べるからいいわよ」

禁書「で、でもでも! いつまでも若々しい気持ちを保つにはこういうのも必要だって、主様が言ってたり言わなかったりしてたんだよ!」

美琴「カミサマはそんなこと言わないわよ。 それ以前に今のはシスターとしてどうなのよ」

禁書「でもでもでも! そのホイップクリームプリンはわたしの胃袋に入ることを望んで止まない感じかも!」

美琴「どんだけマゾなのよこのプリン。そんな危なっかしいものならアタシが食べてあげるわよ」


禁書「むむむむむ……!」

美琴「もう終わり?」ニヤニヤ

禁書「む~~~!」ジワッ

美琴「へ!? いやいやプリンくらいで泣かないでよ!」

禁書「罪悪感に…ヒグッさいなまれると…いいんだよっ……!」ウルウル

美琴「なに小者っぽいセリフ吐いてんてよ! わかったから! わかったから泣き止んで! ね?」

禁書「ほんと……?」ウルウル

美琴「ホントホント。ほら、居間に行きなさい」

禁書「…わかった」ゴシゴシ

美琴「ほんとにお子様ね…」クスッ

禁書「違!…わないけど違う…ことも無いっていうか…」ゴニョゴニョ

美琴「もうイジメないから素直に『違う!』って言いなさいよ」


----------

テーブルを挟んで対面する二人。

ベッド側にはインデックス、テレビ側には美琴が座っている。

先程からインデックスは落ち着きが無い。


禁書「さぁみこと………さぁ!」バッ!


片ヒザを立て両手を広げ、キラキラした目でプリンを迎えようとする。

なんだか、テンションがおかしい。


美琴「わかったから、ちょっと落ち着きなさい」ガサゴソ

禁書「わくわく」

美琴「はい」トン


テーブルの真ん中に、赤いパッケージで長方形のおかしが置かれた。


禁書「…………へ?」


そう、


美琴「おいしいわよ?」


ジャパニーズ・トラディショナル・スイーツの代表、『都こんぶ』である。


禁書「」ズゥーン


突然鉛のように沈んだインデックス。

まるで地球が終わるかのような表情をしている。


美琴「そ、そんなに沈まないでよ。 はい。 」コトッ


今度はちゃんとプリンを置いた。

すると、


禁書「はぁぁぁぁ」キラキラ


花が咲いたように元気になった。

この子はとてもからかい甲斐がある。


禁書「みこと! ありがとう!」ニコッ

美琴「ふふっ、どういたしまして」


さっきまでイジメていた人間に、懐いてきた。

この子がDV野郎に引っかからないか、とても心配だ。

今気づいた。
この場面まったくいらないわ。

ここまでで。

明日からバイト先の塾が完全受験体勢に入りますので、更新がまばらになります。

こんばんわ


----------

禁書「~♪」モチャモチャ

美琴「……それ、そんなにおいしい?」

禁書「うん!」モッチャモッチャ

美琴「そ、そうなんだ」

禁書「なんていうのかな、この味付けがたまらないよね! 」モッチャモッチャモッチャ

美琴「…うん」

禁書「これがエキゾチックジャパンなんだね! ううん、そうに違いないかも!」モッチャモッチャモッチャモッチャ


どうやら、いたく気に入ったようだ。


禁書「ごちそうさま! もう無いの?」ズイッ

美琴「寄るな。 酢昆布くさい」


嫌がらせのために購入した、『みやここんぶー』を。


禁書「えー! なんでもっと買わなかったの? 『みやここんぶー』!」

美琴「そんなにおいしかったの?」

禁書「うん! なんていうのかな、あのビネガーの」

美琴「わかった。 わかったから『都こんぶ』に『ビネガー』なんて小ジャレた言葉を使わないで」

禁書「あー! 『みやここんぶー』をバカにしちゃダメなんだよ! カミサマの天罰が下るかも!」

美琴「力の使い所を間違えたクソくらえな神様ね」

禁書「はぁ…これだからニッポン文化を知らない人は」ヤレヤレ

美琴「アタシ日本人。 あなた外国人。 OK?」


美琴「だいたい何よ、『みやここんぶー』って。『ぶー』って何よ?」

禁書「『みやここんぶー』は『みやここんぶー』なんだよ」

美琴「とろろ昆布は?」

禁書「とろろ昆布だよ」

美琴「なんだかややっこしいわね」

禁書「えへへー」

美琴「褒めてないわよ?」

禁書「むぅ…」


禁書「とにかく、『みやここんぶー』は『みやここんぶー』であって、それは『みやここんぶー』以外の何者でもないっていう『みやここんぶー』が創り出した『みやここんぶー』独自の『みやここんぶー』」

美琴「あーもう、ぶーぶーうるさい!」

禁書「ぶぅ」プクー

美琴「てかなんで都こんぶだけ『みやここんぶー』になるのよ…」

禁書「それだけじゃないよ。 『けいたいでんわー』もあるよ」

美琴「………へ? 携帯電話?」

禁書「うん。けいたいでんわー」

美琴「持ってるの?」

禁書「うん。 なんと! ぴかぴか光るんだよ!」フフン!

美琴「残念ね。 アタシのも光るわ」

禁書「むぅぅ」ムスッ


美琴「ていうかさ、そういうのは先に言いなさいよ。今どこにあるの?」

禁書「………行方不明なんだよ」

美琴「携帯電話を携帯しない人って、ダメだと思うの」

禁書「う~~~! だって! わたしのけーたいでんわーはブルブル震えるんだよ!
ぴかぴか光って、大きな音が出るんだよ! 明らかに怪しいでしょ!?」

美琴「残念ね。アタシのもブルブル震えてぴかぴか光って大きな音が出るわ」

禁書「まねっこ無しなんだよ!」

美琴「そういうモンなのよ」

禁書「なんだ。そういうものなんだ」


美琴「ちょっと待って、すぐ探すから」

禁書「? どうやって?」

美琴「こうやって」バチッ!




美琴「ベッドの下辺りから不自然な電波が出てるわね……」

禁書「えーっと」ゴソゴソ

禁書「あ! 何かあるんだよ!」グイッ

美琴「お!見つかった?」


ばさっ!


『週刊:オトコの世界 ~今月はノンケ祭り~』


禁書「……………」

美琴「……………」

禁書「で、電波が…」

美琴「出てないから早く戻しときなさい」

禁書「うん………」


禁書「あ! これっぽいかも!」ゴソゴソ

美琴「あなたの切り替えの早いところ、好きよ」

禁書「あった!あったよみこと!」

美琴「よかったわね。じゃ、赤外線で交換しよっか」

禁書「せきがいせん? なんだか強そうかも!」

美琴「残念ながら強く無いわ。 たとえ強かったとしても不可視光だから見えないのよ」

禁書「不可思考? 考えちゃダメってこと?」

美琴「誤認して漢文にシフトしちゃったか。 まぁいいわ、貸して」

禁書「…………大切に、してあげてね」

美琴「数十秒で返すわよ」


ピッピッピ……ピロリン♪


美琴「はい。登録しといたから」

禁書「ありがとう! おかえり、けーたいでんわー!」

美琴「もうなくしちゃダメよ?」

禁書「うん!」

美琴「…………それよりさ、」

禁書「?」

美琴「あの本……インデックスの本?」

禁書「『月刊:オトコの世界 ~今月はノンケ祭り~』のこと?」

美琴「素晴らしい記憶力ね。うん、それ」

禁書「そんなわけないんだよ。わたしは腐女子じゃないし」

美琴「赤外線知らないのになんで腐女子は
知ってんのよ。どんだけかたよった知識よ」

禁書「まいかに教えてもらったんだよ」

美琴「あのメイドは一回オシオキしないといけないみたいね」


美琴「ん?」


ということは、あの本は必然的に上条当麻の所有物ということになる。

アイツが?アイツがあんなの買うの?

いやいやそんなワケない。

こんなに可愛らしい白人ロリシスターがいるのに、あんな色々とゴツい雑誌買うワケない。

おおかた、あの友達たちにもらったんだろう。

そうだ、そうに違いない。


禁書「おーい、みことー?」

美琴「ふえっ?」

禁書「話聞いてたー?」ムスッ

美琴「あー、ごめん。ぼーっとしてた」

禁書「もう。もう一回言うから、聞き逃しちゃダメなんだよ。今日、どこか行かない?」

美琴「ああ、そんなことか。いいわよ。どこ行きたい?」


無理やりに自己解決して、早々に忘れ去ることにした。

ここまでで

金曜日の夜、土曜日の夜は中高生向けのテキストプリント作りで忙しいので、来れないと思います。
来れないときは、来れないと書きます。

今日中に高校入試問題あと2年分解いてプリント作らなければなりません

探さないでください

わからないとこあったらここで聞けよ

>>515
バイトやめたいんだがどうしよう

>>516
リアルで飲食店の店長やってる俺からすれば
やめたきゃ「やめます」って言われれば理由は聞くが下手にくい止めたりしないな

なんでやめたいかは知らんけどそれらしい「作った理由」でもいいからやめたきゃちゃんと言ったほうが良いと思う
バックレだけはやめとけ

>>517
わかった。やめない

>>518
いややめたいと思ってる奴がやっててもそれでなんかミスとかあったら店側としては嫌なんだから
やめたきゃやめろ

>>520
仕事はぬかりないぜb

というワケで、今日、もしかしたら明日も書けないです

こんばんは


----------

美琴「『ケーキバイキングのAcqua』ねぇ。ここに行きたいんだ」

禁書「うん!」キラキラ

美琴「てか、そのチラシどこでもらったの?やけにしわくちゃだけど…」

禁書「溝で干からびてたんだよ」

美琴「なんでそんなものわざわざ拾うのよ」

禁書「そういう広告とか本とか、なんだか拾いたくならない?」

美琴「ならないわよ。男子中学生かアンタは」


禁書「そんなことはどうでもいいから連れて行って欲しいんだよ!」

美琴「……ねぇ、ここ、ケーキしかないわよ?」

禁書「ケーキバイキングだもん。それくらい分かってるんだよ」

美琴「アンタさっき『すこんぶー』が好きだって言ってたじゃない」

禁書「『すこんぶー』じゃなくて『みやここんぶー』なんだよ!」

美琴「中身は一緒なのよ」

禁書「そうなんだ…」シュン

美琴「何が残念だったのか分かりかねるわ」

禁書「……連れて行ってくれないの?」

美琴「都こんぶ買ってあげるからガマンしなさい」

禁書「え~!ヤダヤダヤダヤダ!」バタバタ

美琴「コラ!じだんだ踏まないの!」

禁書「う~~~~!ううう~~~~~!」プクー


美琴(ホントはすぐにでも了承して『ありがとうなんだよみこと!だいすき!』とか言われたいんだけど……)

禁書「う~~~~~!」

美琴(かわいい~~~~!!この泣きそうな顔も捨てがたいのよね~)

禁書「うぅぅぅぅ!」ウルウル

美琴(ああ、ダメっ!泣いちゃう!アタシの良心がっ!良心が痛いっ!)チクチク

美琴「し、しょーがないわね!」

禁書「!」

美琴「連れて行ってあげるわ」

禁書「……ウソくさい…」ボソッ

美琴「いや、そこでなんで疑うのよ」

禁書「だって、今日のみことなんだかイジワルなんだもん」グシッ

美琴「ごめんごめん」

禁書「で、ホントに連れて行ってくれるの?」

美琴「うん」

禁書「わぁぁ!」パアッ

美琴「た・だ・し!条件が一つ」

禁書「へ?……その………え、えっちなことは…しないでね?///」モジモジ

美琴「………………し、しないわよバカ」

禁書「む、バカって言うほうがバカなんだよバカぁ!」

美琴「バカって言っちゃってるじゃないバカ」


禁書「で?条件ってなにバカ」

美琴「簡単なことよバカ」

禁書「早く言ってほしいかもバカ」

美琴「あせらないあせらない」

禁書「あ!今語尾に『バカ』って付けなかったんだよ!」ヘヘン

美琴「アタシはバカじゃないからね」

禁書「へ?どういう…」

美琴「バカって言うほうがバカなんでしょ?」

禁書「………………くっ、はめられたんだよ」

美琴「かってにはまっといてよく言うわね」


禁書「そんなことより!」

美琴「あ~はいはい、条件言うわね」

禁書「どきどき」

美琴「う~ん、じゃあねぇ……」

禁書「………もしかして、考えてない?」

美琴「そ、そんなワケないじゃありませんこと?」アセアセ

禁書「やっぱり考えて無かったんだね!」

美琴「か、考えてるわよ!条件!それはーー」


「ーーアタシに可愛くおねだりすること!」


禁書「…………へ?」


美琴「………」

禁書「………」

禁書「いや、何で………」

美琴「た、ただの気まぐれよ。気まぐれ」

禁書「………そういうのはキャバレーとかそういうところでやって欲しいかも」

美琴「キャバレーとかどこで知ったのよ」

禁書「とうまの本で」

美琴「タイトルは?」

禁書「『オクサマ24時 ~熟れた肉体が弾けて揺れる~』だよ」

美琴「アイツの趣味がわからないわ」

禁書「基本不定形だからね」


美琴「さ、とにかくやってもらおうかしら?」ニヤニヤ

美琴(ここまで来て引き下がれるかっ!)

禁書「え~………恥ずかしいんだよぅ」モジモジ

美琴「連れて行ってあげないわよ~ん」ニヤニヤ

美琴(きゃーーっ!モジモジするインデックスもかわいいーーっ!)

禁書「わ、わかったよ!やればいいんでしょやれば!」

美琴「よろしい」

禁書「えー、あのー、みこと……?」


美琴「なぁに?」


対面に座る少女は羞恥に頬を染め、うるうるとした瞳で美琴を見る。

上目遣いで唇をキュッと噛み、ふるふると体をふるわせながら、


禁書「つ、連れて行ってほしいなっ!」ウインク


なんだか古臭い感じのする、彼女なりの『かわいさ』を見せた。


美琴「………」


御坂美琴は言いたかった。


美琴(なにそれ)


禁書「………うぅ、『可愛らしく』なんて言われてもわからないんだよ…」

美琴「………はぁ」

禁書「?」

美琴「いいわよ。連れて行ってあげるわ」

禁書「え?今のでいいの!?」

美琴「もともと遊びだったしね」

禁書「うわーい!やったー!」バンザーイ

美琴「ほら、早く着替えちゃいなさい」

禁書「うん!」

美琴「まったく……」

禁書「みこと!」

美琴「ん?なぁに?」


禁書「ありがとう! だーいすき!」ニコッ

美琴「ーーーッ!」ドキッ


人懐っこく、とても愛らしい笑み。

それだけで、たったそれだけで私の血液は熱を持ち、高速で体を巡り始めた。

ドクドクと高鳴る鼓動。

おそらく頬も赤く染まっているだろう。


美琴「ち、ちょっと風に当たってくるわ!」タタッ

禁書「あ、うん」 ガチャッ


バタン!


美琴「はぁぁぁぁ………」

美琴「なによあれ。反則じゃない!」

美琴「なんで『条件』が終わった後に一番可愛いのを持ってくんのよ!」

美琴「ど、どきどきしちゃうじゃない…」

美琴「ああもう!かわいいかわいいかわいいーっ!きゃーっ!」クネクネ








「なぁ御坂ー」

美琴「えへへへへ、もう!インデックスったらぁ!」クネクネクネクネ

舞夏「ウチでクネクネしないで、外でやってくれないかー?」

今夜はここまで!

これからちょいちょい抜けることがあります

ではノシ

超乙です!
あーもうこいつら可愛いな!w


>禁書「『オクサマ24時 ~熟れた肉体が弾けて揺れる~』だよ」
>美琴「アイツの趣味がわからないわ」

上条さんェ……

今日も昨日と同じ時間帯にはじめます


----------


日曜日の朝の街はいつもとは違う新鮮さに溢れていた。

--午前8:20

平日なら悲愴な顔をした学生がカミカゼ登校を決め込んでいるこの時間。

この時間に外に出るのは久しぶりだ。


美琴「で?」

禁書「ん?」

美琴「なんで修道服なのよ」

禁書「へ?」


禁書「ダメかな?」

美琴「いや、ダメってワケじゃないけど…」

禁書「けど?」

美琴「それ、寒くないの?」

禁書「………」

美琴「ねぇ」

禁書「この服はね、主である神様の加護を視覚化したもので

美琴「寒いんでしょ?」

禁書「…………ノーコメントなんだよ」

美琴「寒いって言ってるようなもんじゃない」


禁書「これは!神様の加護を視覚化したもので!と~~~っても!ありがたいものなんだよ!」

美琴「………本音は?」

禁書「神様なんてクッソくらえなんだよ」

美琴「シスターにあるまじき爆弾発言ね」

禁書「だってただの布だもんこれ。ピンで止めてるとこのスキマから冷たい風が入ってくるんだもん」

美琴「だったら着なきゃいいのに」

禁書「ハッ、これだからシロウトは」ヤレヤレ

美琴「なんで鼻で笑われたんだろう」


美琴「てかさ、そのカッコ、正装じゃ無いわよね?」

禁書「」ピクッ

美琴「アタシはそういうのあんまり詳しく無いんだけどさ、修道服の下って基本マッパじゃなかったっけ?」

禁書「………み、見習いだから、禁欲うんぬんや忍耐うんぬんはしなくてもいいって決まりなんだよ」

美琴「なにサラッとウソついてんのよ」

禁書「じゃあなに!?凍死しろっていうの!?」

美琴「そ、そんなこと言ってないわよ!」

禁書「じゃあどんなこと!?」

美琴「いや、服買ってあげようかなって」

禁書「………ミコトダイスキー」

美琴「………インデックス、アンタ聖職者向いてないわ」

禁書「そうかもって思っちゃった自分が許せないんだよ……」


----------


打ち止め「ねぇしってる?ってミサカはミサカはあなたに質問」

一方通行「あン?豆知識かァ?」

打ち止め「あなたでもまめしば知ってるんだねってミサカはミサカはちょっとびっくり」

一方通行「くだらねェことはいいから早く話せ」

打ち止め「第七学区にケーキバイキングができたんだよってミサカはミサカは行きたいって願望を隠しながら教えてみる!」

一方通行「隠せてねェじゃねェか」

打ち止め「ねーねー、連れてってーってミサカはミサカは上目遣いでおねだり」

一方通行「……俺は甘いもン苦手なンだよ」

打ち止め「いいじゃんいいじゃんってミサカはミサカはヨミカワの口調をまねてみるじゃん」

一方通行「じゃンじゃンうるせェよ。パチンコのCMか」

打ち止め「………連れてってくれないの?」

一方通行「あきらめろ」

打ち止め「う~~~!連れてって連れてって連れてってってミサカはミサカはじだんだ踏んで猛抗議!」ジタジタ!


一方通行「はン。それくらいでこの俺が……」

ヒソヒソ…

ナニアレ? カワイソー

アノシロイノホゴシャカ?ワカイナー.

チイサイミサカサンハァハァ‥

打ち止め「連れてって連れてって連れてって連れてって連れてって!!」ジタジタ

一方通行「だァーもう!わかったから静かにしやがれクソガキ!」

打ち止め「ホント!?うわーいってミサカはミサカは感謝感激!」

一方通行「大げさなンだよ。……ったく」

打ち止め「あなた」

一方通行「あン?」

打ち止め「えいっ」ダキッ

一方通行「うおっ」グラッ

打ち止め「えへへ……」スリスリ

一方通行「いきなり腕組むな。暑苦しい」

打ち止め「そんなこと言いながらも突っぱねないんだねってミサカはミサカは引き続き頬ずり」スリスリ

一方通行「………歩きにくいっつゥの」


一方通行「最初に服買って、その後昼メシ。店はその………なンて店だァ?」

打ち止め「たしか『ケーキバイキングのAcqua』だよってミサカはミサカは記憶をたどってみる」

一方通行「……………オイ」

打ち止め「?」

一方通行「今ちょっと反射してたみたいだからもう一回言ってくれェ」

打ち止め「『ケーキバイキングのAcqua』」

一方通行「あっくあ?」

打ち止め「うん。あっくあ」

一方通行「………行かねェ。ぜェったいに行かねェ。行きたくねェ!」

打ち止め「えーっ!いきなりどうしてってミサカはミサカは突然のてのひら返しに怒り心頭!」ポカポカ

一方通行「…………打ち止め」

打ち止め「なに!ってミサカはミサカは若干いらいらしながら聞いてみる!」

一方通行「ヘタしたら………第七学区が壊滅すンぞ」

打ち止め「なにそのデンジャラスなケーキバイキングってミサカはミサカはただただびっくり」

短いですが、今日はここまで

『ミサカはミサカは~』がとんでもなくめんどくさい

ではノシ

こんばんは
今日は書けるかどうかわからないので書きません
書ける時間ができたら書き溜めします

wikiにまとめてくれている誰かさん
ありがとうございます

無理しないでくれよ
眠くなったら途中で切ってくれ
もし無理したら尻の穴耕す

>>574
返り討ちにしてやるよ

友人と話し込んでました
今から書きますね


----------


小綺麗な市役所を改装したような外観の洋服屋密集ビル、『セブンスミスト』。

そこは女子御用達お出かけ先であり、いわゆる『イマドキ』の女の子たちのオシャレの発信地でもある。

ボブカットにマタニティという『木村カエラ量産計画』の重要な片翼ともなったことでも有名だ。


「ねーねー!見て見てみことー!」


そんなセブンスミストで、


美琴「…………」

禁書「カッコ良く無い?ねぇねぇかっこ良く無い?」クルクル


女友達に試着姿を見せるためにくるくると回っている銀髪の少女は、


美琴(…………………なにこれ)


刑事ドラマを彷彿とさせるような、いわゆるハードボイルドな格好をしていた。


禁書「カッコいいでしょ」フフン

美琴「うん。いますぐ着替えよっか」シャッ

禁書「あー!なんでカーテン閉めるの!」シャッ!

美琴「どこで見つけたのよそんな服。太陽にでも吠えるつもりなの?」シャッ

禁書「意味わからないんだよ!それと閉めないで欲しいかも!」シャッ!

美琴「アタシが選んであげるから、まずはその茶色いトレンチコートと灰色のズボンとサングラスをこっちに渡しなさい」

禁書「………似合ってないかな?」

美琴「似合う似合わない以前に不自然ね」


禁書「………わかったかも…」シャッ

美琴「そこは『わかったんだよ』って言って欲しかったわ」

禁書「」ゴソゴソ

美琴「…………」

美琴「…………」ソーッ

禁書「ひゃわぁ!のぞいちゃダメ!」ワタワタ

美琴「よいではないかよいではないか」グイグイ

禁書「もう!だーめだって言ってるかも!」ググググ…

美琴「いいじゃんいいじゃん女同士じゃ~ん」グイグイ

禁書「…………………目潰しするよ?」

美琴「アタシが悪かったわ」


禁書「まったくもう。ハイ、刑事セット」

美琴「自覚あるじゃない」

禁書「う……そ、そんなことはいいから早く選んできて欲しいかも!」

美琴「はいはい。すぐもどってくるから、その中で待っててね」

禁書「なるべく早くね?」

美琴「わかってるー」タタタ…


----------

美琴「ええと、コレとコレとコレ。あとこれなんかも似合いそうね」

??「」ソ~~ッ

美琴「ていうかなんでも似合いそうね。あの子の場合」

??「ニヒヒ」ソ~~ッ

??「だ、だめですよぅ」ヒソヒソ

美琴「いや、似合うに決まってるわ。あんなに可愛いんだもん。似合わなかったら服の方が悪いわ」ウフフフフ

美琴「アタシのインデックスに似合わない服なんてアタシがこうしてこうして」

??「わっ!!」

美琴「うわぁぁあ!!」バッ!!


??「こんにちわ!御坂さん!」

美琴「なによもぉ~~ビックリしたじゃない」ハァ

??「だからやめようって言ったじゃないですか!」

??「初春も本気でとめなかったじゃん」

初春「それは……止めても聞かないでしょ!佐天さんは!」

美琴「アハハ………こんにちわ、二人とも」

佐天「はい!」

初春「こんにちは!」


美琴「あれ?今日は二人?」

佐天「はい!『でぇと』ってヤツです」ヒヒヒ

初春「もう!誤解を招くような言い方はしないでくださいよぅ!」ポカポカ

佐天「あはは、ごめんごめん」

佐天「ていうか、御坂さんのせいですよ。今日二人になったの」

美琴「ふえっ?アタシ?」

佐天「ええ、そりゃあもう原因です。諸悪の根源です」

初春「使い方間違えてますよ、佐天さん」

美琴「なんでアタシのせいなの?」

初春「簡単に説明しますと、白井さんがグロッキーです」

美琴「…ああ、なるほど………」

初春「白井さんいわく、『お姉様成分が足りない』と」

佐天「昨日、ついに禁断症状を起こしました」ハァ

初春「鎮圧に大変な労力を削ぎましたよ……」ハァ

美琴「そこまでくるともはや病気ね」

初春「お姉様欠乏症ですね」

美琴「その病名やめて」


美琴「黒子は明日学校で会うとして……二人は何してるの?」

佐天「見ての通り、買い物ですよ。御坂さんは一人ですか?」

美琴「いいや、二人よ」

初春「恋人ですか?妄想ですか?」

佐天「黒いのが出てるぞ初春」

美琴「違うわよ。……………『トモダチ』、よ」

佐天「…………『トモダチ』、ですか」

初春「20世紀少年ですね」

佐天「初春?ちょっと黙ろうか?」

美琴「あはは………じゃあ、待たせてるから」

佐天「はい。さようなら」

美琴「え?」

佐天「? 何か?」

美琴「い、いや、なんでもないわ」

初春「さようなら、御坂さん」ノシ

佐天「ではまた」ノシ

美琴「ばいばーい」ヒラヒラ

美琴「…………」

美琴(おかしいわね………いつもなら『私達と行動しませんか』的なことを言ってくるハズなのに)

美琴(ま、いっか。早く戻ろ)





初春「佐天さん」

佐天「なぁに?」

初春「何で『一緒に行動しましょう』って言わなかったんですか?いつもの佐天さんなら……」

佐天「………それはね、」

初春「はい」

佐天「せっかくの初春との『でぇと』を邪魔されたくなかったからだよん」ケラケラ

初春「へっ!? も、も、もう!じ、冗談はよしてください!///」カァァァ

佐天「あっはっは、ごめんごめん」

初春「まったく!」

佐天「冗談、か」ボソッ

初春「? 何か言いましたか?」

佐天「ううん、何でもないよ」

初春「そうですか」

初春(…………///)ドキドキ


----------

美琴「あれ?」



女性店員「すみませんお客様。試着室の独占は………」

禁書「ご、ごごご、ごめんなさい!あの、あの、と、友達がもうすぐ帰ってくると思われるますので、もうちょっと待っていただきたく存じあげましょうかっ!?」アタフタ

女性店員「わたくしに聞かれましても…」



美琴「………面白いからここで見てようかな」


禁書「あ!あれ!あの人です!」ビシッ

美琴(あ、指さされた)

女性店員「騙されませんよ」フフフフフ

禁書「ホントなんだよ!ほら!あれ!」

美琴(あの店員さんは何者なんだろう)

禁書「みことー!助けてー!」

女性店員「そんなこと言っても、振り向きませんよ」フフフフフフフフフ

禁書「主旨が変わってるよ!?最初の目的を思い出して欲しいかも!」

美琴(そろそろ行ってやるか)

美琴「すみませーん。その子アタシのツレですー」タタッ

女性店員「本当でしたか。当店は試着室の
独占は禁止ですので」

美琴「いやー、すみません。ちょっと遅くなってしまって」

女性店員「以後、お気をつけ下さい。では、ごゆっくりどうぞ」ペコッ

美琴「すみません」ペコッ



美琴「ただいまー」ヘラヘラ

禁書「…………」ムスッ

美琴「ゴメンって」ヘラヘラ

禁書「…………」ジワッ

禁書「なんでもっとはやくきてくれなかったんだよぅぅ」ウルウル

美琴「ゴメンゴメン。なんか面白くって」ナデナデ

禁書「こわかったんだよぉ」ウエエン

美琴「あーよしよし。こわかったね」ギュッ

禁書「……うん」グスッ

美琴「ゴメンね。次はもっと早く来るから」ナデナデ

禁書「………うん!」エヘヘ

美琴「……………」ナデナデ

美琴(………ホントになーんで懐いちゃうのかしら)ナデナデ


時刻はもうすぐ正午になろうとしていた。

小さい子をあやすように抱きしめながら、インデックスの身を案じた美琴であった。

このくだりいらなかったかもしれないとか言ったらまた怒られそうですね。

対話形式に慣れてきた気がします。

次回は通行止めです。

ではこのへんでノシ

今日はどうしましょうか
12:30までに音沙汰なかったら「書かないんだなぁ」と思って下さい

こんばんは

ちょいちょい書きます


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打ち止め「ねぇねぇあなた!この服どう?ってミサカはミサカは体に服をあてがってあなたに質問!」

一方通行「あァ、いいんじゃねェか?」ボケーッ

打ち止め「じゃあこれはこれは?ってミサカはミサカは再び質問!」

一方通行「あァ、いいと思うぜェ」ボケーッ

打ち止め「……………じゃあこれは?ってミサカはミサカは三度目の質問」

一方通行「あァ、なかなかじゃねェか」ボケーッ

打ち止め「………………もやし」ボソッ

一方通行「あァ、最高だ」ボケーッ

打ち止め「もう!!」

一方通行「うおっ!」ビクッ


打ち止め「なんであなたはさっきからボケーっとしてるのってミサカはミサカは怒りをあらわにしてみる!」

一方通行「うるせェな、考えごとしてたンだよ」

打ち止め「考えごとって何!?ミサカの服より大事なこと!?ってミサカはミサカはきぃーー!!」

一方通行「キーキーうるせェうるせェ。考えごとは考えごとだ。それ以上でも以下でもねェよ」

打ち止め「答えになってない!ってミサカはミサカは憤慨してみる!」

一方通行「つゥか、どんだけ時間かかンだよ。服選びくらい2秒で済むだろォが」

打ち止め「それはあなただけだと思うってミサカはミサカはモノトーンオンリーのあなたの間違いを指摘」

一方通行「そォか?」


打ち止め「はぁ、考えごとのことはもういいけど………その、ミサカのこともちゃんと見てねってミサカはミサカはちょっぴり赤面…///」カァァァ

一方通行「はいはい、善処しまァす」

打ち止め「あー!善処どころか気にもとめてないねってミサカはミサカは大激怒ー!」ウガー!

一方通行「だァーもう!さっさと選べェ!」

打ち止め「選んでるもん!あなたが好きそうなの選んでるもんってミサカはミサカは
今日のコンセプトを吐露してみる!」

一方通行「そんなもン気にしてんじゃねェよ」

打ち止め「………あなたってホントに女心がわかってないねってミサカはミサカは呆れてため息」ハァ~

一方通行「ンなもン興味ねェな」


打ち止め「もう………じゃあこれとこれとこれ、それとこれとこれとこれも欲しいなってミサカはミサカはカゴにたくさん詰め込んでみる」ドサドサドサ

一方通行「多いわクソガキ!」

打ち止め「あなたが選ばないからでしょってミサカはミサカは知らん顔」~♪

一方通行「チッ………まァいいか」


58980エンニナリマース

アリガトウゴザイマシター


打ち止め「さ!お昼まわってるし、もうケーキバイキング行こうってミサカはミサカは胸をはずませてみる!」

一方通行「……………」

打ち止め「あれ?いつもなら『無い胸をどうやって弾ませンだよ』とか皮肉の一つや二つ言ってくるのに、どうしたのってミサカはミサカはちょっと心配………」

一方通行「そんな心配より、今から会う水ゴリラの方に気ィ向けとけ」

打ち止め「?」

一方通行「あン時は状況が状況だったから共闘って形を取ってたが、今はどうかわからねェ」

打ち止め「??」

一方通行「けどよォ、もし、もしアックアがなンかしてきても、俺が全力で護ってやる」

打ち止め「!」

一方通行「まァ、戦う理由なンざねェから大丈夫だとは思うけどなァ…………ってどォした?」

打ち止め「あ、あの、その、め、面と向かってそんなこと言われるとやっぱり照れるって言うか………///」モジモジ

一方通行「はァ?」

打ち止め「い、嫌じゃ無いんだけど、その、心の準備が………///」モジモジ

一方通行「何言ってンだオマエ。さっさと行くぞォ」

打ち止め「あ!ちょっと待ってってミサカはミサカはあなたの腕に絡みつこうとジャーンプ!」ピョン

一方通行「うおっ」グラッ

打ち止め「えへへ」

一方通行「だァからいきなり飛びつくなって言ってンだろォが」

一方通行「ったくよォ………」

通行止めパートは書いててとてもつまんないです。ホントにつまんないです。

さっさと百合百合させたいのになかなか進みません。ちくしょう。

今日のは何でも無い、この後の踏み台程度のお話ですので、サラッと流し読みしてて下さい。

ではこのへんでノシ

どうも

今日は禁琴なので気が楽です

ナイトスクープ後に書きます

おわりました
ねむいです
かくね


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禁書「ケーキっ♪ケーキっ♪」

美琴「ちょっと落ち着きなさいよ」

禁書「甘いものを前にして落ち着いてられるなんて女の子としてどうかと思うんだよ」フッ

美琴「アンタ食べ物が絡むと毎回落ち着きないじゃない」

禁書「…………き、気のせいなんだよ」

美琴「なんで認めないのよ」

禁書「だ、だって! 人間は神様じゃないもん! 人間は食欲と睡眠欲と物欲と排泄欲と日光欲には耐えられないんだよ!?」

美琴「……欲の多さは百歩譲ってまぁいいとして、日光欲ってなによ日光欲って」

禁書「ひなたぼっこのことなんだよ」フフン

美琴「怠惰の極みじゃないの」


禁書「ちがうもん! 日光浴はとっても大切なことなんだよ!」

美琴「早くも『日光欲』が『日光浴』に変わってるじゃない」

禁書「なんで大事だと思う~?」

美琴「サラッと流したわね」

禁書「なんで大事だと思う~?」チラッチラッ

美琴「…………オシエテホシイナー」

禁書「よろしい!教えてあげるんだよ!」


美琴(ま、どうせあれでしょ。ビタミンDが血中のカルシウム濃度をあげるとか、骨を強くするとかでしょ)

禁書「それはね~~……」

美琴「うんうん」

禁書「『こうごうせい』をするからなんだよ!」

美琴「予想の斜め上を超えて行く解答ね」

禁書「ん?」


禁書「え?なにか間違ってる?」オロオロ

美琴「なんでオロオロしてるのかわかんないけど、間違ってるわよ」

禁書「なんでー?書いてたよー?」

美琴「多分それ植物のところを見たわね。
動物であるヒトにはできないのよ」

禁書「植物にできて人間にできないことなんてないんだよ!」プンプン

美琴「植物バカにすんな」


美琴「よかったら説明しようか? 光合成」

禁書「できないことを無理してやるより、今できることを一生懸命やる人のほうが輝いているんだよ」

美琴「いまさらシスター面してんじゃないわよ」

禁書「だってわたしシスターだもーん」~♪

美琴「…………」イラッ

禁書「~♪」

美琴「…………………えいっ」ギュー

禁書「うはゃ!いはい!いはいんはよみひょと!」ギュー

美琴「おお………いつ触っても柔らかいわね」ミョーンミョーン

禁書「あひょばなひで!はなひて!」バタバタ

美琴「ほふぅ、満足じゃー」ペチン!

禁書「あうっ。う~~痛い……」ヒリヒリ


美琴「なーんでそんなに柔らかほっぺなのかしら?同じ女としてなんか悔しいんだけど」

禁書「しいて言うならば日ごろの行いかな?」ドヤ

美琴「食う・寝る・遊ぶのエブリデイね。把握したわ」

禁書「違!………うって言いたかったけど冷静に考えたら違わなかったんだよ………」

美琴「『ニートで美肌促進!』とかいう本出したら?」

禁書「確実に太りそうだね、それ」

美琴「アンタ太ってないじゃん」

禁書「体質だからね」

美琴「体質、ね。だからそんなにぺったんこなのね」プププ

禁書「…………言ってて悲しくならない?」

美琴「なってるわよ。ああ、なってますともちくしょう」


禁書「ていうかまだなの?」

美琴「ううん。地図によると……このあたりなんだけどね」キョロキョロ

禁書「うーん……あ!あれかも!」

美琴「あ、あれね」

禁書「見つけたよ!わたし見つけたよ!」

美琴「よーしえらいえらい」ナデナデ

禁書「えへへ」ナデナデ

美琴「さ、競争よ!」ダッ

禁書「あ!ずるいんだよみことー!」ダッ


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「わぁぁぁぁっ」

「おお、なかなかシャレてるわね」


殺伐としたビル街に、外装に木材を使用したどこか温かみのある建物が建っている。

形はいわゆる『ファミレス』とほぼ同じで、大きなガラス窓から見える店内は混雑しており、まだ開店間も無いが人気を博しているということがわかった。


「みこと!早く入ろうよ!」

「はいはい」


なんだか興奮している可愛らしい少女の背中を眺めながら店内に入ると、木材特有のほのかに甘い匂いと、砂糖の甘い香りが鼻腔を刺激した。

「いらっしゃいませ、何名様でございましょうか」というテンプレートと共に聞こえる水のせせらぎは、上方のスピーカーから出ているとはいえ、なかなかに良い雰囲気を創り出している。


「ねぇみこと何名様!?何名様!?」

「落ち着きなさい。アタシたちは2人よ」


店員は苦笑と共に「2名様でごさいますね。ただいま4人席しか空いておりませんが構いませんか?」と質問。

この質問は、日本人にとってはもはや一種の脅迫である。

店員に『そこでいいよな?』と言われるがままに、私たちは四人席に腰を降ろした。


店員「当店は制限時間制度をとっておりまして、女性のみのご来店の場合は、90分2000円コースとなっております」

美琴「わかりました」

店員「ではごゆっくり」ペコ


禁書「………すっごく丁寧な人だね」

美琴「うんうん。なんだか執事っぽいわよね」

禁書「執事っていうのはもっとこうなんというかそういうものなんだよ」

美琴「どういうものよ」

禁書「あの店員さんみたいな感じかな?」

美琴「なんでさっき反論したのよ」

禁書「わたしに聞かれても困るんだよ」

美琴「じゃあだれに聞けばいいのよ」


禁書「そんなことより、早く取りに行こうよ!」

美琴「そうね。おしゃべりはいつでもできるしね」

禁書「行こっ!」ニコッ

美琴「うん!」ニコッ



色とりどりのケーキが甘い香りのクインテットを奏でている。

二等辺三角形+弧の、いわゆる『ケーキ』の形をしたオーソドックスなもの。

カップからふわふわと盛り上がっているもの。

一口サイズに切られた立方体のものと、種類も豊富だ。

創作メニューコーナーというのもあり、パティシエたちが作った試作品がずらりと並んでいる。

そのあたりを見ていた時、なんだか入り口のあたりが騒がしくなっていた。

客と店員がなにか、口論をしているようだ。

『クレーマーか何かかな?』などと思い覗いてみると、


「おィ、いいかげんにしろよォ?」

「ちょ、ちょっとあなた!ってミサカはミサカは必死で抑止!」アタフタ


なんだか関わりたくない知り合いがいた。


店員「申し訳ございません。お客様の言わんとしていることがわたくしめには少々わかりかねるのですが……」

一方通行「おィおィ、俺ァ愉快に素敵に平和的でいきたいンだぜェ?そこンとこどうよ?」

店員「『どうよ?』と問われましても……」

一方通行「だァかァらァさァァ!さっさとアックアに会わせろ!アイツとは一度話さなきゃァなンねェ」

店員「何度も言いますように、『ACQUA』はここでございます」

一方通行「ハァ?オマエがアックア?」

店員「いいえ、わたくしは田中でごさいます」

一方通行「ンなこたァどォでもいいんだよォ!はやくアックアだせ!」

店員「弱りましたね」

眠りかけて夢を見ました

ヤバイので寝ますねノシ

いつもの時間に

こんばんわ


美琴「…………」


ぎゃあぎゃあと騒ぐ全身白で統一した少年。

その後ろでおろおろとうろたえているアホ毛の女児。

二人は知り合いである。

しかし、知り合いであっても必ずしも関わらなければならないということは無い。

ーーー『こっそりと戻る』。

私の脳が導き出した最良の選択。

このままやり過ごしてしまおう。

そしてインデックスとの穏やかな休日デートを


禁書「あー!あくせられーたとらすとおーだーだ!おーい!」ブンブン


インデェェェェェェェックス!!


一方通行「あァ?」ピクッ

打ち止め「あーインデックスとお姉様だー!ってミサカはミサカは二人に手を振ってあいさつ!」ブンブン


インデックスと打ち止めの間に、友人との遭遇を喜ぶ暖かい空気が流れる。

が、彼女らと少年と私の間には明らかな温度差があった。

一度はこっちを見たものの、なおも店員をにらみつけている少年。

店中の店員、客の視線を一身に浴びる私。

その目は私の監督不行き届きを非難しているような鋭い目だ。

叫びたい。

私は穏便に逃げたかったのだと、声を大にして。


美琴「ハハッ…………」ガクッ


禁書「みこと!打ち止めたちなんだよ!ねぇみこと!」グイグイ

美琴「わかってる。わかってるから腕をひっぱらないで視線が痛い」


その時、不意に『チョンチョン』と肩を叩かれた。

振り返るとそこには、額に青筋を浮かべた、にこやかな表情のジェントルマンな店員が立っていた。


美琴「すみません。アタシ、いえ、私の知り合いがご迷惑をおかけしまして本当に、本当に申し訳ございません」ペコペコ


平身低頭、謝る美琴。

それを見ている銀髪シスターはケラケラと笑っている。

どうやらなにも考えていないらしい。


美琴「すぐに、すぐに黙らせますので。どうかここはひとつ」


その一言でにこやかな表情の額に青筋を浮かべたジェントルマンな店員は一礼して身をひるがえし、店の奥へと消えて行った。

さぁ、


美琴「次はあのバカね…………」


ケラケラと笑うインデックスの頭部に、粛清の一撃を放って入り口へ向かう。


一方通行「意味わっかンねェ!」

店員「ですから、わたくしは田中でございます」

一方通行「ンなことどうでもいいって言ってンだろォがァァァ!」キシャー!!


騒ぐバカの元へと、ゆっくり歩き出す。

刹那、空気の流れが濃厚になり、肌がそのうねりを敏感に捉える。

コンセントレーションが最高に高まった状態。

仏教でいう『無の境地』に、美琴は至っていた。

水の上を歩く様な感覚の中で、飛びついてきた打ち止めを床に転がす。

「うわぁ~」という声を遠くに聞きながら、身を屈め、腰をひねり、飛び上がったのちに、


美琴「何してんのよこんのクソバカ野郎ーーー!!!」


正拳突きの容量で、少年細い首の延髄あたりに、肘鉄を炸裂させた。


少年は「ご…ほっ………!」と言った後、床にビタンと倒れてがくがくと痙攣。

シンとした空気が流れた直後、店内には惜しみない拍手が沸き起こった。

その瞬間、少女はヒロインとなった。

「ありがとうございます」と感謝の意を述べる店員に、「4人で」と言い、席に戻った。

右肩に、白い少年を抱えて。


禁書「あぅぅ~~。痛いんだよみこと」ジンジン

美琴「アンタが悪いのよ。しょうがないでしょうが」

打ち止め「あ~!お姉様『しょうが』ないで『しょうが』だってってミサカはミサカはお姉様のダジャレに敏感に反応!」

美琴「打ち止め?コイツと一緒にねんねしたいの?」ニコッ

一方通行「」ピクピク

打ち止め「ミ、ミサカ、ケーキ取ってくるってミサカはミサカは緊急離脱!」ダッ

禁書「みことって、案外凶暴なんだね」モグモグ

美琴「銃を撃つにはね、必ずひきがねを引かないといけないのよ?」

禁書「わ、わたし引いてないもん!」

美琴「引いてたわよ。ガッツリしっかり引いてたわよ」


美琴「はぁ……アタシも食べよ」イタダキマース

禁書「食べ始めるの遅いね」モグモグ

美琴「もう一発いっとく?」

禁書「暴力は何も産まないんだよ?」モグモグ

美琴「もっともらしいこと言ってんじゃないわよ」モグモグ

禁書「シスターだからね」モグモグ

美琴「シスターは平身低頭謝罪する人間を見てケラケラ笑わないわよ」モグモグ

打ち止め「ただいまーってミサカはミサカは大漁大漁!」ゴトッ


----------

禁書「あと何分?」

美琴「えーっとね………まだ70分以上あるわね」

打ち止め「うわーい!まだまだいっぱい食べられるねってミサカはミサカはばんざーい!」

禁書「で、これどうするの?」グイッ

一方通行「」グデー

美琴「そのまま隣に置いておきなさい」

打ち止め「ぐっすりだねってミサカはミサカはお姉様の肘鉄に恐れをいだいてみる」

禁書「う……ち、ちょっとおしっこ」ガタッ

美琴「こら。女の子がおしっこ言わないの!」

打ち止め「ミサカも!ってミサカはミサカは人生初の連れションに挑戦!」ガタッ

美琴「連れションもだめ!」


美琴「まったく………」


窓辺に置かれた一方通行を見る。

相も変わらず、ぐったりと体を窓辺にゆだねている。


美琴「ねぇ、そろそろ動いてもいいんじゃない?」

一方通行「……………チッ」

美琴「バレてんのよ。レベル5の発電能力者なめんな」

一方通行「ほォ、生体電流を感知したのか……。やるじゃねェか、超電磁砲」ムクッ

美琴「ふん」


ピリピリとした鋭い空気が、二人を支配した。


一方通行「でェ?」

美琴「なによ」

一方通行「なァンで俺を起こしたンだァ?


美琴「逆に聞くけど、なぁんで起きたのよ?狸寝入りぶっこくこともできたんじゃないの?」

一方通行「質問に質問で返すのは感心しねェなァ」

美琴「………ふん。まぁいいわ」

一方通行「なにがいいンだよ。なンか俺に言いたいことでもあるンだろ?」

美琴「言いたいことがあるのは、アンタの方じゃないの?」

一方通行「ッ!」

美琴「図星………みたいね」


一方通行「………………」

美琴「………………」

一方通行「……………………オマエは」

美琴「………………」

一方通行「オマエは俺をどう思ってやがる」

美琴「殺したいわよ。今すぐにでもね」

一方通行「ハッ、即答だな。ま、俺みてェなクズにはお似合いの

美琴「でも、感謝してる」

一方通行「………………あァ?」

美琴「あの子たちが産まれたのは、アンタのおかげだしね」

一方通行「………憎くねぇのかよ、この俺が。一万人以上も殺したこの俺が!」

美琴「憎いわよ。憎くて憎くて、今すぐにでも超電磁砲でぶっ飛ばしてやりたいくらい憎いわよ。」

一方通行「だったら軽々しく感謝なンて
使ってンじゃねェよ」

美琴「…………でもね、」


美琴「あの子は、打ち止めは笑ってる。他でもない、アンタの隣で」

一方通行「……………」

美琴「本来なら20000通りの殺されかたを記憶するはずだったあの子が、20000通りの殺しかたをするはずだったアンタの隣で、笑ってる」

一方通行「……………」

美琴「理由はそれだけでじゅうぶんじゃない?」

一方通行「…………くっだらねェ。オマエはそれでいいのかよ」

美琴「当事者のあの子が前に進んだんだもん。お姉様であるアタシが進まないでどうすんのよ」

美琴「それにあの子が、打ち止めが許しちゃったら、アタシは口出しできないしね」ハァ

一方通行「……………………すまねェな」ボソッ

美琴「え?なんて?」

一方通行「なンでもねェよ」プイッ

美琴「ハッキリしゃべりなさい!男でしょうが!」

一方通行「だァもう!なンでもねェって!」


打ち止め「ただいまーってミサカはミサカは………あれ?あなた起きたの?」

一方通行「あァ、たった今なァ」

禁書「おはようなんだよ、あくせられーた」

一方通行「ったく、最悪の寝覚めだァ」フッ

美琴「ふふっ……」

打ち止め「?」

和解させました
二世代物語読んできます


Q1.グッドエンドかバッドエンド、どっちがいい?

Q2.魔術師出してもいい?

百合百合ハッピーエンドだな
把握した

上条×一方で

ネチョネチョ百合百合ハッピーエンドだな
把握した

>>650
どこか遠くで幸せになってください

そろそろ再開しますね


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打ち止め「ねぇあなた」

一方通行「あン?」

打ち止め「それ、何杯目?ってミサカはミサカは若干ヒキながら聞いてみる」

一方通行「52杯目だ」ズズズ

禁書「それ絶対どこかぶっこわれてるよね」モグモグ

一方通行「オマエにだけは言われたくねェよ。それ何皿目だァ?」

禁書「ざっと30皿目なんだよ」モグモグ

美琴「………アンタたち、ホントに控えてくんない?」

一方通行・禁書「「何を?」」

美琴「なんで理解してないのよ」

打ち止め「一口ケーキコーナーとブラックコーヒーサーバーが完全に枯渇してるねってミサカはミサカは店側の深刻な状況を心配してみたり」


一方通行「ちょっと行ってくる」ガタッ

禁書「あ、わたしもー」ガタッ

美琴「やめて。これ以上はホントにやめてあげて」ガシッ

打ち止め「もういいもう休めってミサカはミサカは福本伸行の某マンガのセリフで静止を促してみたり」ガシッ

一方通行「てめェ腕つかむな!俺に、俺にカフェインをォォォ!」グイグイ

打ち止め「離してみこと!糖分がわたしを呼んでるんだよ!」グイグイ




店員「ーーーお客様?」ニコ

美琴「すみません。ウチのバカどもがホントに申し訳ございません。きつく言っておきますので、なにとぞ、なにとぞ」ペコペコ

打ち止め「お姉様のこんなとこ見たくなかったってミサカはミサカはイマジンブレイク」

一方通行「チッ」スタスタ

禁書「いってきまーす」ヒラヒラ


美琴「はぁ……」グデー

打ち止め「お姉様ファイトってミサカはミサカは同情エール…………あ、帰ってきた」

一方通行「チクショウ」ガタッ

禁書「まだいけそうかも」ゴトッ

美琴「インデックス………さすがに胸焼けしそうになってきたわ」オエッ

打ち止め「あなたはなんで不機嫌なのってミサカはミサカは聞いてみる」

一方通行「コーヒーサーバー使用中止だとよォ」ケッ

打ち止め「ホントに枯渇したんだねってミサカはミサカはあなたってホントはバカなんじゃないかなって思ってみたり」

美琴「ホントに何やってんのよ………」


一方通行「クソが。なァにが使用中止だよ。仕事しやがれ仕事」ブツブツ

打ち止め「ケーキ食べなよってミサカはミサカはケーキバイキングで一つもケーキを食べてないあなたに提案してみる」

一方通行「あンなクッソあめェもン食えねェよ」

美琴「じゃあアンタはなんで来たのよ」

一方通行「そこのクソガキがごねたからだ」

打ち止め「おねだりしたら連れて来てくれたの!ってミサカはミサカはお姉様に自慢してみる!」フフン

美琴「よかったわね」ナデナデ

打ち止め「えへへ」

美琴「ま、これでわかったわ」

一方通行「はァ?何が?」


美琴「アンタ、ロリコンでしょ?」

一方通行「オーケェオーケェ、ぶっとばされてェみてェだな」

美琴「いやいや、それだと見ず知らずのインデックスにご飯おごったのも説明がつくのよ」

打ち止め「ねぇ、ロリコンってなぁに?ってミサカはミサカはあなたに質問」

一方通行「ある人いわく、『夢』だ」

打ち止め「そうなんだ!ってミサカはミサカはまたひとつ知識が増えた!」

美琴「それでいいの?」

一方通行「……………」

美琴「ねぇ、アンタはそれで

一方通行「ハッ、当ったり前だろうがァ」

美琴「開き直ってんじゃないわよ」

打ち止め「?」

禁書「おかわりー」ガタッ

頭が回らなくなって来たので寝ます

ではこれでノシ

当初の予定とはまったく違う方向に進んでおりますが、どうしようもありませんのでそのままいきます

今日は書けたら書きます

こんばんは


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「お客様方、お時間でございます」


丁寧な口調で紡ぎ出された言葉は、1時間30分の経過を告げていた。

ラスト20分というところで復活したコーヒーサーバーはものの10分で枯渇、ケーキコーナーは台風一過のように閑散と、荒涼としている。

残っているのは創作コーナーのゲテモノケーキのみだった。

原因は言うまでもない。


一方通行「安い豆使ってンなァ」ゲフゥ

禁書「最後の方は作りが荒かったかも」ケプッ


対面座席のホワイティコンビだ。

腹を突き出した状態で、一丁前に批評している。

にっこりとした顔で「さようでございますか」と言う店員さんの額の血管は、いつ破裂してもおかしくないと言うほど浮き出ていた。


一方通行「ごっそさん。じゃ、先に出てるぜェ」ガタッ

禁書「あ、わたしもー」ガタッ

打ち止め「え!? あ! ちょっと待ってってミサカはミサカはこの状況からの脱却を……試、て」ガシッ

美琴「……………」

打ち止め「お、お姉様?肩、離して欲しいなーってミサカはミサカは内心必死で懇願してみたり………」

美琴「もう………」

美琴「もう一人で謝罪するのはイヤなの………っ!」フルフルフルフル

打ち止め「………切実だねってミサカはミサカはお姉様の真っ直ぐな瞳を恨めしく思ってみたり」

店員「……………店長を呼んで参ります」

美琴「よろしくおねがいします」

打ち止め(逃げ遅れた……ってミサカはミサカはあちゃー)


-----

美琴・打ち止め「「はぁ………」」

一方通行「おお。遺伝子レベルのハモりってなァそうそう見られるもンじゃねェな」

禁書「遅いよ二人ともー」

美琴「誰のせいだと思ってんのよ誰の」

打ち止め「お姉様、今のは怒っていいってミサカはミサカはなんだかげっそりしてるお姉様に一言物申してみたり」

一方通行「何を食おうが何を飲もうが、ンなの人の勝手だろォが」

禁書「自由権なんだよ」

美琴「公共の福祉って知ってる?」

打ち止め「なんだか微妙に違う気がするけどまぁいいやってミサカはミサカはちょっと投げやり」


一方通行「つゥかよォ、さっきから気になってンだけど」

美琴「あぁん?」ギロッ

一方通行「たかがコーヒーの一滴や二滴でにらんでんじゃねぇよ」

打ち止め「一滴や二滴のレベルじゃなかったからにらんでるんだよってミサカはミサカはバカなあなたに教えてみたり」

一方通行「俺はバカじゃねェよ。バカってェのはコイツみたいなヤツのことを言うんだよ」

禁書「あ!今バカにしたね!わたしのことバカにしたね!」

一方通行「バカはバカじゃねェかバァカ」ケラケラ

禁書「バカって言う方がバカなんだよバカァ!」

一方通行「バカって言ってンじゃねェかバァカ」

禁書「むぅぅぅぅ!この真っ白バカァ!」

一方通行「オマエも真っ白だろォが」

禁書「あ!今語尾に『バカ』って付けなかった!わたしの勝ちなんだよ!」フフン

一方通行「俺はバカじゃねェからな」

禁書「へ?どういう……」

一方通行「バカって言う方がバカなんだろォ?」

禁書「…………………くっ、はめられたんだよ」

美琴「学習しなさいよバカ」

打ち止め「どっちもバカだねってミサカはミサカは結論づけてみる」


美琴「まったくもう」フゥ

打ち止め「………お姉様、なんだか嬉しそうだねってミサカはミサカはちょっと笑ってるお姉様をほほえましく思ってみたり」

美琴「まぁ………新鮮っちゃ新鮮かな?」

打ち止め「素直じゃないねってミサカはミサカはつられ笑い」フフッ

美琴「フフッ…………で、アンタ」

一方通行「あン?」

美琴「さっき何を言おうとしてたのよ?」

一方通行「あァ、忘れかけてた」

美琴「なんでアンタみたいなのがトップはってんのよ………」

一方通行「ま、演算能力の違いだろォなァ。俺の脳ミソはそのへんのチャチなスパコンよりも処理能力が

美琴「自慢はいいから早くしなさいよ」

打ち止め「この人の自慢、長いからキライってミサカはミサカはあなたの老人くさいところを指摘」

一方通行「チッ、これからなのによォ………。超電磁砲、オマエさァ、」

美琴「うん」

一方通行「なァんでこのチビシスターに怒らねェンだァ?」

美琴「…………うん?」


一方通行「コイツ、素行悪すぎだろォ。なンでオマエは叱らねェンだよ。三下の代わりやってンだろォ」

禁書「む、実際は結構怒られてるんだよ!」

打ち止め「へー、どんな感じどんな感じってミサカはミサカはお姉様の怒りかたに興味をいだいてみたり!」

禁書「うーんとね、ご飯はゆっくり食べなさいとか~、ちゃんとベッドでねなさいとか~、『けーたいでんわー』を携帯しろとか色々なんだよ」

打ち止め「ものすごく甘やかされてるねってミサカはミサカはお姉様の過保護っぷりにこの人との類似点を見いだしてみたり」

一方通行「カカカカッ!ダメダメじゃねェか!」ケラケラ

打ち止め「あなたも似たようなものだけどねってミサカはミサカは『人のふり見て我がふり直せ』ってことわざを思い出してみる」

一方通行「………で、なンで怒らねェんだよ」

禁書「あ、今スルーしたんだよ」


美琴「そ、そそそそんなのどどどどどうだっていいじゃにゃい!」

打ち止め「かんでるよお姉様ってミサカはミサカはいったん落ち着くことを提案してみる」

一方通行「『私のかわいいインデックスちゃんを叱るなんてとてもできないわ』ってかァ?三下が帰って来た時大変だなこりゃ」ケラケラ

美琴「う………あの………その………///」カァァァァ

禁書「もう!みことをいじめちゃだめなんだよ!」

一方通行「はン、お熱いですわねェ。三下もとっとと帰ってこねェと寮に入りづらくなっちまうなァ」ケラケラ

打ち止め「三下三下うるさいってミサカはミサカはからかうあなたをたしなめてみたり」

一方通行「ふン」

禁書(?)

美琴「う……………///」カァァァァ

今日はここまでで


台本形式と小説形式って混ぜるな危険と聞きましたが、小説形式だと


○○「~~~~」ドキドキ←コレ


が使えないのが苦痛で仕方ないです。でも


「~~~~」

○○はドキドキしていた。


だとテンポが悪くなるんですよね。

使い分けしなくてもいいかな?


インデックスをもっと可愛く書きたいノシ

今日もいつもの時間くらいにはじめます

こんばんは


一方通行「まァいいか。じゃあな」

禁書「え?もう帰るの?」

一方通行「まァな」

打ち止め「えーなんでーってミサカはミサカはブーイング」ブーブー

一方通行「仕方ねェだろォが。晩からやることあンだよ。今から寝とかなきゃもたねェ」

打ち止め「……………それってあぶないこと?ってミサカはミサカはとっても心配」

一方通行「………ンなわけねェだろ。心配すンなクソガキ」

打ち止め「………うん」

打ち止め「ってミサカはミサカはやっぱり心配」ボソッ

一方通行「ン?」

打ち止め「な、なんでもないよーってミサカはミサカはスマ~イル」ニコッ

一方通行「そォか。…………つゥかよォ、オリジナル、オマエいつまで赤面してンだよ」

美琴「ふえっ!?………ほ、ほっといてよ///」

禁書「………ねぇ、なんでみことはさっきから真っ赤なの?」

美琴「それはインデックスが!…………な、なんでもない!///」

禁書「?」

一方通行「ほォ…………じゃあな」スタスタ

打ち止め「ばいばーいってミサカはミサカは右手を振って別れのあいさつ!」ブンブン

禁書「ばいばーい」ブンブン


----------

打ち止め「ねぇあなた」

一方通行「ンだよ」

打ち止め「なんでお姉様をからかってたの?ってミサカはミサカは不思議に思ってたり。普段のあなたはそんなことしないよね?」

一方通行「あァ、あれか………………打ち止め」

打ち止め「なぁに?」

一方通行「オマエのお姉様、レズビアンかもしンねェぞ」

打ち止め「? れずびあん?ってミサカはミサカは聞き慣れない単語の意味を考えてみたり」ウーン

一方通行「簡単に言うと、女が男じゃなくて女を好きになっちまうことだ」

打ち止め「ふーんってミサカはミサカはそれはたぶんあなたの間違いじゃないかって考えてみたり」

一方通行「ほォ、 なンで」

打ち止め「だって、ミサカはお姉様と同じ遺伝子なんだよね?」

一方通行「あァ」

打ち止め「だったら大丈夫。ミサカは男のひとが好きだもんってミサカはミサカはあなたを見つめて言ってみる!」

一方通行「はいはいこっち見ンな」

打ち止め「む。それに、そんな気持ち悪いことお姉様がするはずないしねってミサカはミサカは確信を持って言ってみたり」

一方通行「……『気持ち悪い』…………か」

打ち止め「ん?」

一方通行「そォだよなァ、オマエがノーマルならオリジナルもノーマルだよなァ」

打ち止め「うん!そーゆーことってミサカはミサカはサムズアップ!」グッ

一方通行「…………………」


----------

美琴「まったくもう………あのもやしめ………」ブツブツ

禁書「みこと?」

美琴「ん? あぁ、何?」

禁書「あのね………」

美琴「うんうん」

禁書「どこか、食べに行きたいな」

美琴「インデックス?叩くわよ?」

禁書「じ、冗談なんだよ………」

美琴「冗談じゃなさそうなのが恐いわね」

禁書「だってぇ~ケーキばっかりだったしぃ~なんかぁ~もの足りないなぁ~なんて」

美琴「語尾にちっちゃい母音付けるな」

禁書「……………………だめ?」

美琴「うっ!くぅ………う、上目遣いしてもダメ!」

禁書「ケチ~」ブーブー

美琴(危なかったわ。もう少しでコロッとOKしちゃいそうだった)


美琴「ていうかアタシもうお腹に入んないし」

禁書「フッ……軟弱な胃袋なんだよ」

美琴「満腹中枢イカれてるヤツには言われたくないわ」

禁書「まぁ、しょうがないから許してあげるんだよ」

美琴「どうしよう。なんだか腹が立ってきたわ」

禁書「あ!それ、『かるしうむ』不足なんだよ」フフン

美琴「小学生でも知ってることを得意げに言ってんじゃないわよ」

禁書「えっ…………」

美琴「そんな喪失感MAXな顔しないで。なんだか罪悪感がわいてくるわ」

禁書「大ニュースだったのに………」

美琴「そんなのがトップニュースだったら苦情が殺到するわよ」


禁書「まぁいいや。どこか行きたいな」

美琴「いいんだ。どこ行きたいの?」

禁書「う~~~~ん………あ!」ピーン

美琴「どこどこ?」

禁書「ガラガラってなってて、ピカピカーってなってて、ピコピコってなってて、ガヤガヤってなってるところに行きたいな!」

美琴「うん、いったん整理させて。今あたまの中ぐっちゃぐちゃになった」

禁書「『げーむせんたー』なんだよ」

美琴「はじめからそう言いなさいよ」

眠くて頭が回らない
まだ途中ですが、寝ます

昨日は寝ちゃってすみませんね

もいつもの時間から書きます

こんばんは

昨日の続きからいきますね


美琴「でも、大丈夫なの?」

禁書「なにが?」

美琴「アンタ、電子レンジすら使えないじゃない。そんな機械だらけのところ行っても錯乱するだけじゃないの?」

禁書「む! 『てれび』は使えるもん!」

美琴「使えるもなにも、電源をワンプッシュするだけじゃない」

禁書「甘いねみこと。わたしは『りもこん』だって使えるんだよ」

美琴「いや、だからどうしたのよ」

禁書「えっ」

美琴「…………どうやら『リモコンを使う=なかなか高度な技術』っていう認識だったみたいね」


禁書「う……じゃ、じゃあみことは『ぷりくら』とったこと、あるの?」

美琴「なに『私はあります』的な顔してんのよ」

禁書「あるの!?ないの!?」

美琴「あるわよ」

禁書「………………」

美琴「………………」

禁書「こ、今回は一時休戦なんだよ」

美琴「アンタは何と戦ってたのよ」


----------

日曜日の昼下がりに似つかわしい穏やかな会話をしている内に、目的地の地下街に到着した。

この地下街には服屋や飯屋、地下街のみに店舗を構える有名スイーツ店など色々な店があり、言うなれば現代版の商店街のようになっている。

少し前、何者かの襲撃により大パニックに見舞われたこの地下街だが、今は見る影も無い。


美琴「そういやさ、」

禁書「ん?」

美琴「インデックスと初めて会ったのって、ここだっけ?」

禁書「そうだよ。みことが走ってきたんだよね」

美琴「そうそう。………っていうかさ、アンタあの時初対面のアタシに『品の無い女』って言わなかったっけ?」

禁書「………………」

美琴「ねぇ」

禁書「………い、言ってないんだよ」

美琴「見上げた『バレ無きゃいい』の精神ね」

禁書「お、覚えてるなら聞かないで欲しいかも!」

美琴「あんなの忘れろって言われても忘れられないわよ」


禁書「もう……」

美琴「ふふ……」

美琴(あの時、アイツのことでちょっとした口論になったっけ)

美琴(………はぁ、時間の流れってのは人を変えるのね)

美琴(あの時はアイツのことが大好きで………いや、今も好きだけど……って何言ってんだアタシ///)

美琴(まったくもう、落ち着けアタシ)

美琴(あの時はアイツだけ。そして今は………)

禁書「? わたしの顔になにか付いてる?」

美琴「ひえっ!? いや、な、なにも!///」

美琴(インデックスのことも、大好きなんだもんねぇ)

禁書「変なみこと」フフフッ

美琴「わ、笑わないでよ///」


禁書「あ、あそこだ!あそこだよみこと!」

美琴「はいはい、はしゃがないの」

禁書「は、はしゃいでないもん」

美琴「よちよち。そーでちゅねー」ナデナデ

禁書「あー!また子供あつか………」

美琴「………あれ? 『子供扱いしないでー!』って言わないの?」

禁書「プリンの一件があるからね」

美琴「そんなに心配しなくても もうしないわよ」

禁書「…………ホントかなぁ?」

美琴「信じなさいよ。仮にも聖職者でしょ?」

禁書「悪魔の囁きは聞いちゃダメなんだよ」

美琴「悪魔ってか。アタシは悪魔ってか」ムニーッ

禁書「ひゃめへー!いはいんはよ!」ムニーッ

美琴「こいつめ。この柔らかほっぺめ」ムニーッ


禁書「うぅ………もうお嫁にいけない………」

美琴「そこまでやってないわよ」

禁書「責任とってもらうからね!」

美琴「そりゃもうよろこんで」

禁書「ん?」

美琴「ううん。なんでもない」

美琴(ひゃー、危なかったわ。つい……)

禁書「まぁいっか」

美琴「何したい?」

禁書「うーん………じゃあ、ぬいぐるみのやつ」

美琴「オッケー。じゃ、両替してくるからちょっと待っててね」

禁書「はーい」


-----

美琴(ぬいぐるみのやつ………ってユーフォーキャッチャーよね? だったら1000円ちょいで足りるかな)ジャラジャラジャラジャラ!

美琴(よし……っと。………あれ? なんか人だかりが………)


女学生A「ねぇねぇそれさ~コスプレでしょ~?後で貸して?」

禁書「ち、違うよ!これは『歩く協会』っていう防御結界で…」

女学生B「アルクキョーカイって何?新しいブランド?」

女学生A「ブランドでもなんでもいいからさぁ、貸してよ」

禁書「これはわたしのものなんだよ!自前なんだよ!」

女学生B「いやいやいや、そんな私服持ってるやつ見たことねぇから」アヒャヒャヒャヒャ


美琴「………なんか頭の悪そうなのに絡まれてるわね…」


女学生B「あひゃひゃひゃひゃ」

美琴「ちょっとごめんねー」

女学生A「なにあんた?」

禁書「みことー!助けてー!」

女学生B「保護者?その歳で保護者?」アヒャヒャヒャヒャ

美琴「この子の着てる服ね、修道服なの。だから貸せないんだ。ごめんなさい」

女学生A「へー、シュードーフクって初めて見た」

女学生B「え?なに?この子マジモンのシスター?」

美琴「うん。まだ見習いらしいけどね」

女学生A「じゃあそう言ってくれればいいのに。悪かったわね。じゃ」

女学生B「さよーならー」アヒャヒャヒャヒャ


美琴「ふぅ………」

アヒャとかギャハって笑い方の奴にはろくなのがいないな


禁書「………」ギュー

美琴「ほら、アンタもいつまで後ろに隠れてんのよ。服が伸びるから手離しなさい」

禁書「う、ううぅ……うううう~」ポロポロ

美琴「うおっ! なに泣いてんのよ!」

禁書「ヒグッ………身ぐるみ………剥がれる、かと………グスッ思っ………てズズッ………」ポロポロ

美琴「それ何時代よ。もう大丈夫だから、泣き止みなさい」ナデナデ

禁書「ううぅ……」グスグス

美琴「………はぁ。たとえ剥がれそうになっても、アタシが守ってあげるから」

禁書「ホント……に?」

美琴「ホントよ。だから泣き止んで。ね?」

禁書「………うん。約束ね」グスッ

美琴「うん。約束」

美琴・禁書「ゆーびきーりげーんまーん………」


美琴「落ち着いた?」

禁書「うん!」ニコッ

美琴「よかった」フフッ

今日はここまでです

ではノシ

>>708
一方さんバカにすんな

>>709
なんか、はしょった感があるな
眠かったのか?

>>716
やっぱ分かるか?
実際1レスくらい飛ばしてる

ではまたいつもの時間から

どうもこんばんは


ザワザワ……

ヒソヒソ………


美琴「?」


そういえばこの騒動に気づいた時私は、何かに群がる『人だかり』を見たのだ。

そしてその人だかりはインデックスと彼女に大声で絡む女学生2人を取り囲むヤジウマたちによるもので、私はインデックスを救出するためにその輪の中に入って行った。

その後すぐに女学生2人どこかへ行き、私たち2人がその場に残された。

『ヤジウマたちの輪の中』に。


美琴「………!」


そこまで思考すると、多くの視線が背中、いや、私たちに突き刺さっているのが感じられた。

汗腺が開き、ひやりとした感覚が全身に波及する。

眼前にはインデックスの顔。

目線を合わせるためにかがめた私のからだ。

銀髪を撫でる手が、汗でだんだんとじっとりと濡れてくる。


美琴「ッ!」バッ!


かがめた体を跳ね起こし、辺りを見回す。

すると、


人数にして20人くらいのヤジウマたちが、


「カワイー何あれー」

「ひゅーひゅーもっとやれー」

「百合でござる!百合百合でござるぅぅ!」

「きゃははは、はずかしー」

「いいぞーもっといちゃつけー」

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ………


美琴「うわぁぁぁぁぁぁ!/////」ダッ!

禁書「ふぇ!?どうしたのみこと、置いてかないでー!」タタタッ


ニヤニヤと私たちのセカイをのぞいていた。


----------

美琴「はぁはぁはぁ………」グデー

禁書「ぜぇ………ぜぇ………」グッタリ

禁書「み、…………み、こと」ゼェゼェ

美琴「な、に?」ハァハァ

禁書「なぜに………走ったの………かな?」ゼェゼェ

美琴「ああ、なんか、恥ずかし、かった、から」フゥーフゥー

禁書「ひさし、ぶりの………全力、疾走、は、……つら、いんだよ」ゼェゼェ

美琴「ふぅ。情けないわねー。体力不足よ?」フー

禁書「みことは、足、速い、もん。それに、なにが、恥ずかしい、の?」ハァハァ

美琴「えぅえ!?そ、それは………///」


『もっといちゃつけー!』ハハハハハ


美琴「…………な、なんでもない///」

禁書「そんなこと……どうでも……いい……」ハァハァ

美琴「自分から聞いてきて『どうでもいい』って酸欠なの?酸欠で錯乱してるの?」

禁書「どこかで……休みたい……かも」ハァハァ

美琴「うーん……休めるところはー………あっ!」

美琴「インデックス、あそこは?」

禁書「この、際どこで、もいい、よぅ」ハァハァ

美琴「じゃあ決まりね!」フフフ


----------

御坂美琴の手の中には、2枚の中学生用入場券が握られている。

一枚は近くのソファでへばっているインデックスの分で、もう一枚は自分の分。

2人分の学生証の提示を求められたが、『常盤台』の『超電磁砲』というインパクト大の肩書きに加え、『公共のソファで寝そべるどう見ても14歳以下の少女』見せられた店員は「じゃあいいですよ、もう」と、なんだか投げやり気味に学生証の掲示を無しにしてくれた。

久々に「レベル5になって良かった」と思った。

さぁ、ポップコーンのSとL、ドリンクのSとLをエサにし、寝そべっているシスターを釣りに行こう。


美琴「おーい、起きなさい」

禁書「もう今日はいい………」

美琴「ポップコーンあるわよ」

禁書「いい日だね今日は!」ガバッ

美琴「あっ!まだだーめ!映画が始まってから」ヒョイッ

禁書「むぅ……。で、何を見るの?」

美琴「上映時間が一番早いのを買ったから、内容わかんない」

禁書「いいかげんだね」

美琴「誰かさんが突然休みたいって言ったんでしょうが」

禁書「私のせいじゃないんだよ」

美琴「じゃあ誰のせいなのよー?」

禁書「この世界は神に導かれているんだよ」

美琴「サラッと神様になすりつけてんじゃないわよ」


禁書「細かいことは気にしちゃ損なんだよ」

美琴「高田純次もそんなこと言ってた気がするわ」

禁書「たかだじゅんじ?」

美琴「日本一いいかげんなコメディアンよ」

禁書「そんなのと一緒にしないでほしいかも」

美琴「一緒よ。アンタも半ニート生活してるじゃない」

禁書「………………え、映画はいつはじまるのかな?」

美琴「話題の転換が下手くそね」

禁書「い、いいから!後どれくらい!?」

美琴「えっと、………うおっ!後4分!急げっ!」タタタッ

禁書「えぇぇ、また走るの~?もうやだ~」

ごめんなさい眠いです。今日は途中で切ります。

映画→夜→次の日という流れの予定ですが、バイトが本格的に忙しくなってきたので、今度の投稿は土曜日~日曜日に掛けてのこの時間帯になります。

3日も空けちゃってごめんなさいね

書き溜めは3レスのみです


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ビル街の裏手に『ペガスス座』と書かれた板が掛かった、古びた建物がひっそりとたたずんでいる。

そこに、絹旗最愛はいた。

がらんとした劇場内でところどころ破れ繕われた座席に身をゆだね、どこかくたびれたスクリーンに映るハリウッド産の新作CG映画を眺めながら、あくびを一つ。


(いやぁ、なんといいますか、)


欧米人俳優の「キャメハメハァーン!」という波動砲発射時のセリフを聞きながら、


(この超クソさがたまりませんね)


一人、悦に浸っていた。


ある者は舌打ちを、ある者はブツブツと不満をこぼしながら、エンドロールの流れるスクリーンを背にぞろぞろと劇場を後にする。

彼女一人を残して。


「いや~これはホントに金の超無駄ですね~」


この産業廃棄物並みの作品に視聴料を支払い笑っていられる人間は、おそらく彼女一人だろう。

彼女一人が残った場内が、それを暗に肯定していた。


「あのハリウッドが産み出した、何億という金を使って産み出した作品という超事実………」

「それに加えてこのクソさ!これは超ポイント高いです!」


古びた建物の暗闇で「くぉぉぉぉ!」と悶える小さな影。

言うなればその姿は、『世界変質者協会のエリート候補生』である。


「ふぅ。さて、次は………」


ペガスス座の『一日視聴券』を購入時に付いてきたポップコーン(L)とジュース(L)を隣の席に置き、『上映スケジュール』をガサガサと開く。

上映後のオレンジ色の薄明かりが灯った場内はどこか近代的な趣きがあり気に入ってはいるのだが、文字が見えにくいのが玉に傷だ。


「えーっと………『火熾おばさんの2人のこども』………か。超聞いたことありませんねぇ!」


「オラ、なんだかわくわくしてきたぞ!」と先程見た映画のセリフを口走ってしまう程、B級、いや、C級臭のただようタイトルに、彼女のテンションは本日最高値を記録した。


後方でドアが乱暴に開けられる音を聞いた。

それとほぼ同時に、場内は闇に暮れた。


----------

美琴「ほら、こっちこっち!早く!もう始まっちゃう!」ヒソヒソ

禁書「ちょっ、ちょっと待って欲しいかも!」ヒソヒソ

美琴「えーっと、B-29は……ここか」

禁書「じゃあわたしは隣だね」

美琴「違うわよ。アンタはあっちでしょ」

禁書「えー。こんなに閑散としてるんだから、どこに座ろうと一緒なんだよ」

美琴「うーん、まぁ、そうなのかなぁ?」

禁書「それに………その、」

美琴「なに?」

禁書「映画………初めてだから、ちょっと怖くって…………///」

美琴「うん。全力でいいわよ。ていうかもう全力でここにいなさい。いや、むしろいるべきだわ」

禁書「うん………?」

禁書(これが現代の日本語なのかな?)


<上映中、携帯電話でのご撮影は………>


美琴「お、きたきた」

禁書「え?これ、映画の本編なの?」

美琴「もしそうだったとしたら制作会社はクレーム地獄に堕ちることになるわね」

美琴「これは映画を見るにあたっての諸注意とか、他の映画の宣伝とかをしてるのよ」

禁書「へぇーそうなんだ」パカッ ピッピッ

美琴「なんでケータイ開いたのよ。人差し指で一生懸命なにしてんのよ」

禁書「いや、『押すなよ』=『おしてくれ』っていうのがジャパニーズカルチャーで………」

美琴「どこで知ったのよそれ。今の小学生知らないわよ」

禁書「『撮るな』=『撮れ』ってことで………」

美琴「そのカルチャーはあの人たちが一身に受け止めてくれてるから、アタシたちはアマノジャクしなくてもいいのよ」

禁書「おぉ!現代に生きるジーザス=クライストなんだね!贖罪的な感じなんだね!」

美琴「まったく違うからキリスト様に謝ろっか。ってかなんでカメラじゃなくてメモ帳開いてんのよ」

禁書「機械は苦手なんだよ」

美琴「もはや死活問題レベルね」


----------

大きな画面、大きなスピーカー、大きな音。

その全てが体を揺らす。

びりびりと響く音の波が、高鳴る鼓動とリンクするような感覚。

この感覚に魅了されたのが、映画館通いのきっかけだった。


(なんか………超のどかですね)


スクリーンには火熾おばさんが料理をしているシーンが流れている。


前半のあらすじはこうだ。

『時は第二次世界大戦後。

戦争未亡人の火熾おばさんとその子供A子のところに、戦災孤児であるB子が養子としてやってくる。

心を閉ざしたB子は、A子との触れ合いで徐々に心を開いていく、ハートフル戦後ドラマ。』

というものだ。


(なんで超戦後間も無い時に養子として迎えようとするんでしょう………超作りが粗いですね)


などと心の中で批判しながら、B級C級判定を進める。

ハートフルドラマ。

ほのぼの系の王道とも言えるジャンルだ。

しかし、絹旗最愛は知っている。

「たまには、こういうほのぼのもいいもんだ」などという思考は大概、物語の進行と共に崩れ去ることになるということを。


(さ、どんな展開が超待っているんでしょうか)


わくわくとスクリーンに釘付けになりながら、ポップコーンをむしゃむしゃと頬張る。

Lサイズは、まだまだ無くなりそうにない。




A子「B子ちゃん!今日はなにする?」

B子「えっ」

A子「もぉ~~~、ちゃんと聞いてたぁ?」

B子「ごめん!聞いてなかった!」

…………』



「………制作者の意図が読めないわ…」


御坂美琴はうんざりしていた。

かれこれ40分にも及ぶハートフル人生劇。

『日常を写実的に再現した』と言えば聞こえはいいが、それはイコール『平坦でつまらない』というものだ。

この映画に、期待はもう無い。

今の楽しみといえば、隣で鼻をフンフン鳴らしながら始めての映画体験をしているインデックスをながめることくらいだ。

手を胸の前でグーにし、身を乗り出し、興奮している。

何がそんなに楽しいのか。


(…………なんか、ぎゅ~~~~ってしたくなるわね)


そんなことを考えたあと、「おっといけない」と頭を横に振り、暗闇に理性が飲まれないよう警戒する。

そうこうしていると、


「…………?」


館内が、シンとした。

どうやら状況が変わるようだ。




A子「ねぇ………B子ちゃん、」

B子「なぁに?」

A子「『キス』って知ってる?」

B子「うん。おさかな」

A子「魚類じゃないよ!ちゅーだよ!」

B子「知らなかったー」

…………』



「ほぉ、テーマは超『性への目覚め』ですか」


完全に読めた。

ここから好きな男子に告白し、フられる。

そして友達に励ましてもらい、立ち直る。

『人生にはこんなこともあるんだよ』を教訓とする、ハートフルC級映画。


「ま、そんなトコでしょうね」


「ふぅ」とため息をつき、就寝体勢に入る。

これ以上観る価値は無いだろう。



A子「おっくれてるぅ~」

B子「遅れてないもん!」

A子「いいや、遅れてるわ」

B子「じゃあA子ちゃんはやったことあるの!?」

A子「い、いや、ないけど………」

B子「ほーらね、A子ちゃんも遅れてる」

A子「B子ちゃんだってないじゃない!」

B子「むむ」

A子「ねぇ」

B子「なによ」

A子「あのね…………ちゅー………」

B子「?」


A子「B子ちゃんと、ちゅーしてみたいな………って」

B子「なんだ。そんなことか。いいよ」

…………』



「えっ………」

どんどんと落ちていく意識は、聴覚によってサルベージされた。





A子「んんっ………んっ」チュッ

B子「んっ………」チュッ

B子「ぷはぁ。こんなんなんだ。キス」

A子「…………B子、ちゃぁん」

B子「ん?」

A子「私ね、本当はね、」


「B子ちゃんのこと、好きなんだ」





「………ッ」


絹旗最愛は奥歯を噛み締めた。

意識と共に、こみ上げるものが一つ。

金色の髪、碧眼と共に、こみ上げるものが、一つ。


彼女の名前はフレンダ。

『アイテム』を売った、裏切り者だ。

そうだ。

あいつは死んで当然のことをしたんだ。

よく二人で買い物をして、よく二人で遊びまわり、よく二人で映画を見て、よく二人で缶詰めを探し、よく二人で風呂に入り、よく二人で眠ったあいつは。


(…………………フレンダ………)


友達として、姉として、仲間として。

裏切り者は私にやわらかく接してくれた。

一度、お姉ちゃんと呼んでみたかった。

一度、ありがとうって言いたかった。

一度、おもいっきり甘えてみたかった。

一度…………、一度だけでも、


「フレンダ………」


大好きって、言いたかった。


「……フレンダぁ……………」


もやがかかるスクリーン。

届かぬ声は、音響にかき消され、暗闇に投げ出された。




おばさん「何やってるのあなたたち!」

A子「ち、ちがうの!これは………」

B子「チューしてるだけだよ?」

おばさん「な………なんですって?」

…………』



御坂美琴は、A子の恋路を応援していた。

抱いてはいけない感情。

抱いてしまった者の苦悩。

それがわかるから、応援していた。




A子「どうして!?どうしてダメなの!?」

B子「A子ちゃん」アセアセ

A子「私は好きなの!B子が好きなの!」

…………』



これだけ、これだけ素直になれたら、私も変われるだろうか?

主張することは大事だ。

芸術しかり小説しかり、自分の見解を伝えることは、自分の内面をリアルの世界に反映させる唯一の手段だからだ。



おばさん「まだ何も知らないくせに」

A子「知ってるもん!好きな人とはチューするものって、知ってるもん!」

おばさん「やかましい!このド素人が!」

A子「ひっ……」ビクッ

おばさん「なんにもしらないくせに、知ったふうな口をきくな!」

……………』


ぐさり、と突き刺さる。

私は、何もしらない。

まともな恋愛だってしたことない。

だが、この気持ちは、罪なのか?



おばさん「いい?これはいけないことなの。女は男に、嫁がなきゃいけないの」

A子「いけない………こと、なんかじゃ……」ウルウル



「ないもん………」


ポツリ、とつぶやく。

映画のセリフを否定するように、振り払うように。



A子「お母さん!B子が、B子がいない!」

おばさん「あぁ、B子ちゃんなら、親戚のおばさんに引き取ってもらったわ」

A子「…………………へ?」

おばさん「あなたの為なの。それに、親戚のおばさんの家はお金持ちだし、B子ちゃんだって…」

A子「………ばか」

A子「お母さんのバカァァァァァ!」ウワーン!

…………』



「『あなたの為』……か」


寂しさが込み上げてくる。

私と密着している、私よりも小さな肩。

その肩から伝わってくる体温が、私を異端だと、おかしいと告げ始める。


上映開始から、約105分が経過した。



B子「久しぶりね、A子」

A子「B子……なの?うわぁ!懐かしい!綺麗になったね!」

B子「ありがと。それより、私ね、」

A子「うんうん!」

B子「今度、結婚するの」

A子「………え?」

B子「だからさ、もう、やめてくんない?そういうの」

A子「え………そういうのって………」

B子「わかってるんでしょ?あんたさ、気持ち悪いのよ」

B子「もう私につきまとわないでくれる?」

A子「ーーーッ」

B子「いいたいことはそれだけ」


「じゃあね、レズビアン」』



「ーーーッ」


淡々と、エンドロールが笑っている。

まるで、えぐられた傷を拡げるように。

ここまでで

>>649から全裸なわけだがいつになったら百合百合が・・・
へへっ目の前が霞んできやがったぜ・・・

>>757
苦悩に継ぐ苦悩を乗り越えてからさ

どうやら百合が足りないらしいですね………

サイドストーリーでも投下します


----------

初春「見てくださいよ佐天さん!あれ、とってもかわいいですよ!」

佐天「どれどれー?…………………初春、気は確かかい?」

初春「?」

佐天「いやいや『何言ってんですか?』みたいな顔されたらこっちが困るよ。」

初春「何言ってんですか?」

佐天「なんだろう。二回くらい言われた気分だよ」

初春「ま、どうでもいいんですけどねー」

佐天「たまに初春が分からなくなるよ」

初春「佐天さん!あれ、とってもかわいいですよ!」

佐天「さっきのやりとりを亡きものにしようとしてるね?」

初春「かわいくないですか?」

佐天「さすがのあたしも人を丸呑みにしてる植物のフィギュアはちょっと…………」

初春「そうですか………」ショボン

佐天「………………」


佐天「……あーもう!」

初春「………」ショボーン

佐天「取ってあげるから、そんな顔しないの!」

初春「!」パァァァ!

佐天「はぁ…。初春はホントに、子供だね~」ヤレヤレ

初春「確信犯的行動ですよ」

佐天「一度鉄拳をもって制さなきゃいけないみたいだね」

初春「女に二言は………ですよ?」ニヤニヤ

佐天「うっ………はぁ、やればいいんでしょやれば」

初春「それでいいんですよ」

佐天「お金は?」

初春「割り勘で」

佐天「さっきからちょいちょいおかしいよね?」

初春「気のせいですよ」


……………

佐天「あっ!おしい!」

…………………

佐天「くそっ!もうちょっとで……」

…………………………

佐天「なにこれ?アーム弱すぎない?」

………………………………ゴトッ

佐天「や、やった………!」

佐天「取れたー!やったよ!初春!」

初春「佐天さん、おめでとうございます!」

佐天「うん!ありがとう、初春!初春のおかげで………」

佐天「…………ん?」

初春「どうかしましたか?」

佐天「いや、なんだろう。なんだか立場が逆転………」

初春「はい?」

佐天「いや、だから立場がぎゃ

初春「どうしました?」

佐天「いや、だか

初春「お疲れのようですね」

佐天「おい」

初春「チッ」


佐天「はぁ、ま、いいよ」

初春「ハァマイヨニィ?」

佐天「…………今日の初春なんかへん」

初春「ハッ、怖いかポッター!」ヘッ

佐天「殴るフォイ」グッ

初春「落ち着くフォイ」

佐天「ホントに今日どうしたの?初春」

初春「いやぁ、それはなんといいますか、


佐天「ふんふん」

初春「2人っきりのお出かけって………なんか新鮮で」

佐天「!」

初春「ちょっと………舞い上がっちゃいました///」モジモジ

佐天「な、な~んだ!だったらそう言ってくれればいいのにー!///」アハハ

初春「なに舞い上がってるんですか?」

佐天「許容範囲外だよ、初春」ガシッ

初春「絞首はいけないと思います」


佐天「もう」プンプン

初春「ふふふっ」

佐天「なに笑ってるの?」ジロッ

初春「いやぁ、やっぱり佐天さんはかわいいなーって」

佐天「なっ………!何言って………///」カァァァァ

初春「あぁもう!佐天さーん!」ダキッ

佐天「ち、ちょっと!」

初春「えへへへ、とっても柔らかいです!」フニフニ

佐天「ひゃぁっ!初春!ここゲーセンだから!みんな見てる!見られてるよ!///」アタフタ

初春「視姦ですね」ボソッ

佐天「ほかの人に聞こえなきゃいいって問題じゃないよ、それ」


ガヤガヤガヤガヤガヤ……………

「また女の子同士かー」

「ふひぃ!またもや神が、神が我を百合の世界へ導いてくれた!」

「今日多いなー。なんかの撮影か?」

ガヤガヤガヤガヤガヤ……………


佐天「うわぁぁぁぁぁぁぁ!/////」ダッ

初春「うわっ!さ、佐天さん!引きずらないでくださいよぅ!」ズリズリズリズリ


----------

佐天「はぁ、はぁ」

初春「すごく興奮してますね」

佐天「こ、興奮ちゃうわっ!」

初春「生物学的には興奮で合ってますよ。何考えてるんですか?」

佐天「それ社会学的には屁理屈っていうんだよ」

初春「学園都市で社会学(笑)」

佐天「やめなさい。社会学専攻の人に怒られるから」

初春「というか、なんで逃げたんですか?」

佐天「いや、なんか………は、恥ずかしかったから///」

初春「なにが恥ずかしかったんですかァ?」ニヤニヤ

佐天「う………そ、それよりこれっ!」サッ

初春「?……あ、さっきのフィギュア!」

佐天「初春にあげる」

初春「モノで釣る作戦ですか」

佐天「あたしは誘拐犯か」

初春「連れ去ってくださいよ」

佐天「この場合誘拐って成り立つのかな?」


初春「あ、そんなことより佐天さん」

佐天「ん?」

初春「まつげ、付いてますよ」

佐天「えっ、どこどこ?」

初春「取ってあげますから、ちょっと目つぶっててください」

佐天「ん」ギュッ


……………………………チュッ


佐天「ん!?」パチッ

初春「えー、あの、一応、今日のお礼………といいますか、あの、その、/////」

佐天「え?あの、ういは

初春「ご、ごごご、ごごめんなしゃいでした!じ、じゃあ!/////」ダッ!

佐天「えっ………」





初春(や、やっちゃったぁ~~~~~/////)タタタタタッ






佐天「…………ほっぺに………ほっぺに………」

佐天「ちゅー…………され…ちゃった/////」

佐天「きゃ~~~っ!」ドキドキ

サイドストーリーはここまで

百合成分はういさてサイドストーリーで許してください

こんばんは


----------

パチッという音の後、漆黒は薄暗いオレンジ色に染まった。


「うっ………ふぇぇ………」


嗚咽。

あの時、流れなかった涙。

裏切り者が殺された時流れなかった涙が、今になってようやく出てきた。


「レン……ダ、フレン、ダぁぁ………」


まるで氷を溶かすように、ゆっくりと、しかし確実に、彼女の笑顔は私をむしばむ。

頭の中、心の奥。

にっこりと笑い、私の名前を呼ぶ裏切り者は、世界で一番大好きな人。


「も、ぅ………会えないんで、すか?」

「そんなのイヤ、です。…………超あんまりじゃありませんか」


一人ぼっちだった私に、初めてできた友達。

一人ぼっちだった私に、初めてできたお姉ちゃん。

一人ぼっちだった私に、初めて笑顔をくれた人。

そして、


一人ぼっちだった私を、初めて抱きしめてくれた人。


「くぅ……くぅぅぅ………」


大声で泣きたいが、こんなところでは泣けない。

声を出すまいと下唇を噛むと、寂しさに震える仔犬のような声が出た。

周りから見ると、今の私はどんな人間に見えるのだろう?

きっとみっともない顔で、迷子のように見えるのではないか。


「なんで……死んじゃったんですか………」

「私に、超寂しい思いをさせて、自分はどこに行っちゃったんですか………」


心の融解は、ひどく平坦な、しかし掛け替えのない思いでと共に加速する。


本当に壊れそうになった時、


「どうしたの?」


私のすぐ後ろに、シスターがいた。


禁書「どこか痛いの?」

絹旗「………誰ですか?」

禁書「シスターなんだよ」

絹旗「で、そのシスターさんが超何の用ですか?」

禁書「君が泣いてたから」

絹旗「ふん。映画に超感動しただけですよ」

禁書「でも、今の君、すっごく辛そうな顔してる」

絹旗「…………………何でもないです」

禁書「うん」

絹旗「だから………だがら、ほっどいでぐだざい」ウグッ

禁書「大丈夫だよ」

絹旗「うぐっ………うう……」プルプル

禁書「頑張ったんだね。辛かったんだね」

絹旗「……………」コクン

禁書「だったら、泣いてもいいんだよ?みっともなくなんてない。」

絹旗「ぞ、ぞんなの………うぞでず」プルプル

禁書「もう一回、言うね」



禁書「君は、泣いてもいいんだよ」


絹旗「う、ううぅ……うわぁぁぁぁん!」ダキッ

禁書「辛かったね。寂しかったね。もう、大丈夫なんだよ」ギュッ

絹旗「うぇぇ、わぁぁぁぁぁん!」

禁書「君は泣いてもいい人間なんだよ。ただ、恥ずかしかっただけ」ナデナデ

絹旗「フレ、ンダぁ!フレンダぁぁ!」

禁書「フレンダさんの分も、幸せになりなさい。君にはその権利と義務があるんだよ」ナデナデ

絹旗「うん、うん………」ウワァァァァァン!


----------

エンドロールが流れている最中、私は席を立った。

肩から伝わる体温。

それから必死で逃れるために、席を立った。

行くあては、無い。

ふらふらと歩いている内に、いつの間にかロビー出てしまっていたらしい。

上方には『W.C.』と書かれている、薄汚れたプラスチックプレートがぶら下がっている。

どこでもよかった。

どこでもよかったので、そのままトイレにこもった。


洋式の便器。

そのフタを閉じた状態で座る。

トイレのひんやりとした空気は、先程まで居た劇場内とは対照的で、まるで別の世界に飛ばされたような心地がした。


「………………………」


御坂美琴は考える。

もしも『あのセリフ』が私に牙を向いたら。

もしもインデックスに『あのセリフ』を言われたら。

私はどうなってしまうのか。


「…………やっぱり、キモいわよね」


A子を思いだす。

B子に、同性に惚れてしまった、バカな女。

性にうといB子に手をかけ、唇を奪った醜女。

最後の最後で、大好きな人に蔑まれた、みじめな女。

そのすべてが、私と重なってしまう。


「ホント、A子キモすぎー………」


一人、つぶやく。

外気にさらされた頬に感じる体温。

それは、いつの間にか流れた涙だった。


「あれ?おっかしいな。なんで泣いてんだろアタシ」


流れ、頬を伝い、落ちる。

その過程で冷たくなった水滴は、手の甲を濡らした。


「あんな映画で泣くとか、バッカじゃないの」

「あんな………あんな、レズビアンの、気持ち悪い映画で」


自分の言葉で、傷つく自分の心。

ギリギリと、胸の辺りが苦しい。


「………………何が、バカなのよ」

「どうしていけないのよ」

「私はただ!ただ………」




「インデックスが、好きなだけなのに………」




上を向く。

下を向いていると、この涙が、私を溺れさせてしまう気がしたから。

トイレで一人、泣く女が一人。

以上で。


★カップリング一覧★

美琴×禁書
初春×佐天
芳川×黄泉川
絹旗×フレンダ(故人)

上条×??
一方×??

上条×一方でいいじゃん

>>786-787
お前らはどこの世界の人間なんだ…

お前らカップリングの話好きだな
女子か

いつもの時間より始めます

こんばんは


----------

涙が枯れるという表現があるが、実際そう簡単には枯れてくれない。

どれくらい時間が経ったのか、御坂美琴は泣き止んだ。

今の私は、きっとみじめな顔をしているだろう。

真っ赤に腫らした目をしているだろう。

そう考えると、ますます個室から出難くなった。


「はぁ……ついてないわね」


ズルズルと鼻をすすり、溜息をつく。

インデックスは、どうしているだろうか。

もしかしたら、自分を探しているかもしれない。


「…………」


もしかしたら、また絡まれているかもしれない。


「…………………」


もしかしたら、悪い人について行ってしまってるかもしれない。

そしてその悪い人に騙され、監禁され、脱がされ、体をすみずみまで舐め回され「いやー、みことー、たすけてー」と悲痛な叫びをあ


「させるもんですかっ!」


バン!と勢い良く個室のドアを開く。

洗面台までダッシュし、洗顔。

その後すぐにロビーに舞い戻り、純白の修道服を捜す。


「うわぁぁぁぁぁ!」


彼女の声がした。

ロビーの奥の方、『休憩所』と書かれたプレートのぶら下がった場所のさらに奥。

そこから、彼女の叫びが聞こえた。


「インデックス!?………くっ!」


少数の客の目も気にせず、一心に駆け抜ける。

「遅かったか!」という後悔が焦りと共に背中を這い上がってくる。

休憩所の古びた木製のドア。

そのノブをつかみ、思い切り回して


「インデックス!!」


休憩所に飛び込んだ。


禁書「すごーい!何これー!」キラキラキラ

??「ふふふ、これはですね、1960年に公開された時に特定の映画館のみで配布された主演俳優の………」ペラペラ

美琴「でえぇぇぇぇ!」ズガシャーン!

禁書「うわっ!み、みこと、どうしたの?」

??「関西を彷彿とさせる見事な超ズッコケですね。周りの机も巻き込むっていうところが超グッドです」

美琴「な、なに、してるの?」ボロッ

絹旗「!」

禁書「えっとね、さいあいに『映画の超素晴らしさ』を教えてもらってたんだよ!」

美琴「あ、ああそうなの。心配して損したわ」

禁書「心配?」

美琴「なんでもない。こっちの話よ」

絹旗「……………」


美琴「えーっと、はじめまして?」

絹旗「ハ、ハジメマシテ。キ、絹旗最愛デス」カチコチ

美琴「あはは、そんなかしこまらなくてもいいのに」

絹旗「イ、イエ」

絹旗(なんで超電磁砲が超ここにいるんですか!?)

禁書「さいあい、どうしたの?」

絹旗「い、いや超なんといいますか、その」

美琴「まぁ、いきなり年上に話しかけられたら怖いわよね」

絹旗「い、いえ、そうではなくて」

美琴「ところで絹旗さんは何年生?」

絹旗「超中学生ですー!」ウガー!

禁書「ええっ!?そうだったの!?」ビクッ


絹旗「………何歳だと思ってたんですか」

禁書「11歳くらいかなーと」

美琴「同じく」

絹旗「もうそれでいいですよぅ……」ガクッ

美琴「いやー、ごめんね」タハハ


禁書「……ねぇ、みこと」

美琴「ん?」

禁書「なんでそんなに眼が真っ赤なの?大丈夫?」

美琴「うえっ!?えーっと、それはー…あの………あのね!その………」

絹旗「…………超こすってたんでしょう?乾燥、してますから」

美琴「そ、そう!それよ」

禁書「なんだ。超こすってただけかー」ホッ

美琴「インデックス、『超』がうつってるわよ」


禁書「うっ……」ブルッ

美琴「?」

禁書「ち、ちょっとおしっこ!」ダッ!

美琴「女の子がおしっこなんて言っちゃダメって何回……………行っちゃった……」

絹旗「…………」

美琴「あ、そういや自己紹介してなかったわね。アタシは」

絹旗「常盤台中学2年、御坂美琴。通称『超電磁砲』」

美琴「!!」

絹旗「ですよね?」

美琴「い、いやー、びっくりびっくり。読心系能力者かー」アハハ…

絹旗「『第四位』」

美琴「!!!」

絹旗「『麦野沈利』『布束砥信』『クローン』『妹達』」

美琴「アンタ………何者?」バチバチッ!

絹旗「私ですか?」


絹旗「『アイテム』元構成員、絹旗最愛です」

美琴「ッ!!」バチッ!

一旦切ります
今日中にまた書くかもしれません


本当にどうでもいいことですが、今日は私の誕生日です。

今日は私の誕生日です。

ただいま
ちょっと出かけてて遅くなりました

トイレ行ったら書きはじめます


ざわついた空気が肌を舐めまわし、皮膚がピリピリと叫んでいる。

Lサイズのポップコーン2つの影に忍ぶ少女は、笑っていた。

不敵な笑みでは無く、あざけるような笑みでも無く、ただ「お久しぶりです」というような、友好的な笑み。

それは逆に言いようの無い不安や焦燥につながった。

何故そんな笑みを見せるのか。

何を考えているのか。

疑念が疑念を呼ぶ連鎖。

それがじゃらじゃら音をたてて私を縛りつけてゆく。


「アンタ……………今さらなんの用?」


紫電をまとわず、迎撃体制をとる。

空気は依然、弦のように張り詰めたままだ。



「ふっ………そんなあからさまに、超構えないでくださいよ」


木製のイスに身をゆだねている少女。

身構えるのでもなくうろたえるのでもなく、ただ憮然に泰然に、超然と座っている。

どっしりとした様子でくつろぐ少女からは、なんとも形容しがたい、言うなれば『オーラ』のようなものが感じられた。


「……………」


ゴクリ、とのどが鳴る

摂氏8℃下の環境で流れる汗が、緊迫し、切迫した心理状態を表している。


一触即発。


そんな空気が御坂美琴を支配した。



「何しに来たのかって聞いてるのよ」


鋭い眼光はポップコーンの林を貫通し、彼女の眼光と衝突する。

互いに眼を逸らさず、ジッとした、冷戦が展開された。

約5秒の沈黙。

永久凍土の中に放り込まれたかのようなこの時間は、


「別に。超偶然ですけど?」


彼女の一言で融解した。


美琴「偶然なら、なんで正体を明かしたのよ?このままの、初対面の関係で良かったんじゃないの?」

絹旗「…………まぁ、超そう言われればそうですね」

美琴「まさかアンタ、インデックスに接触したのもアタシと話すのが目的?」

絹旗「いえ、超違います」

美琴「なら、インデックスが目的なのね……………!」ギリッ!

絹旗「いや、そんなわけ無

美琴「あの子に何をしたの?勧誘?洗脳?それとも『何かをしようとしてた』のかしら?」

絹旗「いえ、ですから違

美琴「はっ!もしかして……誘拐………っ!?」

絹旗「あの、超電磁砲?話を

美琴「あーあー、そーゆーことか。……………アンタ、」


ーーーー「覚悟は………できてるんでしょうね?」バチバチバチッ!!!




絹旗「だから私の話を超聞いてください!」ガタッ!


美琴「何? あの子を狙ってるなら辞世の句すら言わせないわよ?」バチッ!

絹旗「………はぁ。そんな気、さらさらありませんよ」

美琴「じゃあ何?さっさと言いなさいよ」

絹旗「自分が超言わせなかったんじゃないですか……」ボソッ

美琴「なに?」ギロッ

絹旗「い、いえ、なんでも」

絹旗「簡単に言うと、近況報告です」

美琴「はい?近況報告?」

絹旗「ええ。私たち、『アイテム』の」


----------

美琴「へぇ。アンタたちも大変だったのね」

絹旗「ええ、まぁ」

美琴「でさ、原子崩しを倒した無能力者って、黒髪のツンツンで、身長170㎝くらいの男子高校生?」

絹旗「いえ、超茶髪のボサボサで、身長180㎝くらいの元スキルアウトです」

美琴「なんだ、聞いて損したわ」

絹旗「今の時間を超返還を要求します」

美琴「たった数秒じゃない。チマチマしてると、身長もチマチマしてくるわよ」

絹旗「それは超関係ないでしょう!」ウガー!

美琴「あはは……疑って悪かったわね?」

絹旗「いえ、こちらこそ、超説明不足でした」


美琴「で、あの子………誰だっけ?欧米人の………」

絹旗「……………フレンダ、ですか?」

美琴「ああ、それそれ。あの子はどうなったの?」

絹旗「いえ…………まぁ…………」

美琴「?」

絹旗「………あいつ、私たちを敵に超売ったんです」

美琴「………さしずめ、保身のため、ってとこかしら?」

絹旗「鋭いですね。それで、麦野に超粛清されました」

美琴「……………え?」

絹旗「殺されたんですよ。上半身と下半身が超真っ二つ」

美琴「いや、そんな………」

絹旗「内臓がね、切断面から超出てるんですよ。なんとも滑稽な死に様でしょう?」

美琴「………………」


絹旗「あはははっ!ホント、超いい気味ですよ」アハハハハ

美琴「……………ねぇ」

絹旗「なんですか?『そんなのダメっ!』とでも言いたいんですか?だから表の世界の人間は……」

美琴「もう、やめなさいよ」

絹旗「何がですか?『死者を冒涜するな!』とでも?」アハハ

美琴「違うわよ」

絹旗「じゃあなんですか?」アハハハ

美琴「もうさ、自分を傷つけるのはやめなさいよ」

絹旗「ッ!!」


絹旗「あはは……超何を言ってるんですか。私は何も傷ついてなんか

美琴「じゃあ、なんでそんな辛そうな顔してんのよ」

絹旗「…………」ギリッ

美琴「アンタ本当はさ、悲しいんじゃないの?その、フレンダさんが亡くなって」

絹旗「………レベル5の超推測ですか?それとも事件大好き乙女の超妄想ですか?」

美琴「さぁね。アタシには、なんにもわからないわ」フゥ

絹旗「…………」

美琴「でもね、なんだろうな。なんかさ、アンタがフレンダさんの話する時、なんか痛そうだった」

絹旗「…………」

美琴「ま、それだけよ。根拠もなにも無い、ただの妄想。忘れて」


絹旗「……………なんでですか」

美琴「ん?」

絹旗「あのシスターも、あなたも、なんでそんなに超鋭いんですか…………っ!」

美琴「………顔にでてんのよ、アンタ」

絹旗「くっ………………そうですよ」

美琴「うんうん」

絹旗「私は、フレンダが、あの裏切り者の超クソヤロウが、」

美琴「うん」


絹旗「大、好きだったんです………!」

美琴「!」

絹旗「あぁ、友達うんぬんの好きじゃありませんよ。…………性の超対象としての、好きです」

美琴「ッ!!」

絹旗「ハハッ………超、キモいですよね。…………笑って、下さいよ」

絹旗「女が女を好きになるって………どこの超D級映画ですか。ホント、気持ち悪い」ハハッ


絹旗「ま、超そーゆーことです。さ、笑って下さい」

美琴「……………ホント、滑稽よね」

絹旗「………ッ!」ギリッ

美琴「女が女を好きになるなんて、ホントに気持ち悪い。ありえないわ」

絹旗「……………」

美琴「ホント、ありえ、ない………わよ」ポロポロ

絹旗「………え?」

美琴「気持ち悪い。気持ち悪い気持ち悪い!」ポロポロ

絹旗「えっ?あ、あの……」オロオロ

美琴「ホントになんで………」

美琴「好きになんて、なっちゃったんだろうねぇ…………」グスッ

絹旗「! …………まさか」

美琴「…………………どう?自分と同じ性癖を客観視した感想は?」グスッ

絹旗「!!」

美琴「気持ち悪いでしょ?おかしいでしょ?アンタもこんな感じ。気持ち悪いよ。アタシも、アンタも」

絹旗「……………」


美琴「アンタこそさ、笑いなさいよ。指差して、腹かかえて、笑いなさいよ」

絹旗「…………できません」

美琴「そうよね。アンタもアタシも同じ異端だもんね。アタシのことを笑ったら、自分のことを笑ってることになっちゃうんだもんね」

絹旗「……………超、違います」

美琴「何が違うの?同情?偽善?やめてよそんなの。ヘドが出るわ」

絹旗「私たちは………私たちは、」


「同じ痛みを、知ってるじゃありませんか」


美琴「ッ………!」


絹旗「あなた、さっき泣いてたんでしょう?」

美琴「…………」

絹旗「実は私も、泣いてたんですよ。さっき」

美琴「!」

絹旗「そこに、インデックスが超来たんです」

美琴「…………」

絹旗「『君は泣いてもいいんだよ』って超言われちゃいました」

美琴「…………」

絹旗「それと、こんなことも言われましたよ」

絹旗「『誰かを好きになった気持ちを大切にすることは、とってもとっても素敵なことなんだよ』って」

美琴「……………あの子が?」

絹旗「はい。私も超一瞬見失ってましたけど」タハハ…

絹旗「だからあなた……御坂も、好きになった気持ちを、大事にして下さい」

絹旗「それがたった一つのプライドに変わる日だって、来るかもしれないんですから」

美琴「…………くっ…」ウルッ

絹旗「御坂、超大丈夫ですよ」

美琴「絹旗……さん?隣に座っ、て、くれる……かな?」

絹旗「はい」チョコン

美琴「う………ううぅぅぅ」ダキッ

絹旗「……………」ナデナデ

美琴「うええっ……ううぅっ……うえぇぇ……」

絹旗「大丈夫です。大丈夫、ですよ」ナデナデ

以上で
ヘヴィですみません

              /   /          \
              /    ,r'ー──────-  \
                /     |            \},/
                ,′    |     ___        |!

            j    / ̄了´ /レj: / 「、¨T メ、 l|
             l   ∠/: ; :/厶匕_|:/|/ j从`ト|-!∨|
             |/   レイV fてハ     fてハj∧}\    美琴は百合っ娘だったんだよwwww
.            /    /| :| 弋_.ノ      弋_ソ´:.リ | .        
             |  ,   人| :|Nとつ   '   C''! : | |        ちょっと汚らわしいかもww
.           j/    /:.!:| :ト、 ,v ,v' ,.   _ ,,'~ノ '~ | ゚ 。                         
           /    /: :r'| :|;/|、  ゝ'゚     ≦ 三 ゚。 ゚
        /      /: :∧| :| ㌧-`≧        三 ==-
       ./     /:/{ | :| ^Nヘ,、-ァ ,        ≧=- 。

久しぶりにインデックス視点から始めたいと思います


----------

ジャーーーーーーゴボゴボゴボ…


禁書「ふぅ」ガチャ

禁書「いやー、大量大量だったんだよ」

禁書「『おしっこ』って言ったのに、遅くなっちゃったかも」ジャバシャバ

禁書「………ん?」ゴソゴソ

禁書「あ、ハンカチ忘れた」

禁書「う~~~、冷たいんだよ……」

禁書「…………」チラッ

禁書「温風の出る箱………『ジェットタオル』………」

禁書「つ、使っても大丈夫なのかな…?」

禁書「いきなり熱風が吹き荒れたり………しないかな?」

禁書「……て、手を入れてみるくらいなら………」ソ~~~…

ウゥ…フォーーーーン!!

禁書「ひゃわぁっ!」バッ!

禁書「あ、あったかい風が!フォーンって!フォーンって出てきたんだよ!」ビクビク

禁書「恐ろしきかな科学都市、なんだよ………!」


この街に来てから結構になるが、『機械』というものには まだ少々抵抗がある。

爆発する機械、『電子レンジ』。

指を挟んでくる冷たい機械、『冷蔵庫』。

目が回る機械、『洗濯機』。

私の唯一の味方は、喋る箱、『テレビ』のみだ。

そんなことを考えながら、どんどんと冷えてゆく手を合わせ、息を吹きかけた。

ふわりとした温風。

先ほどのびっくりさせる機械、『ジェットタオル』と比べて、幾分も優しく、思いやりのある風。

だが、思いやりと風勢は比例するようで、そよ風程度の温風は、私の手にまた冬を輸入した。


「みことにハンカチ借りよっかな………」


びちゃびちゃの手をブンブンと降ると、冷えた手が棒きれの様に硬くなった気がした。


『冷えた手』。

それから、いたずらを思いついた。

氷のように冷たい手を、誰かの暖かい背中に押し付けるという悪魔の計画。

標的はすでに決まっていた。

御坂美琴である。


「むっふっふ、わたしの怖さ、思い知るといいんだよ」


そう一人でつぶやき、猫のような足運びでトイレを出る。

休憩室の木製のドア。

それをそっと開けた。



(さぁ、覚悟を………………あれ?)


なんだか、空気がおかしい。

あの2人しかいない休憩室全体の空気が、なんだか『重み』のようなものを孕んでいるような気がする。

磨りガラスすら はめこまれていない、薄い木製のドア。

それを薄っすらと開き中を伺うも、2人いる席は見えない。

もう少し開かなければならないようだが、なんだか、開いてはいけないような、そんな感じがする。

本当に漠然とした、言うなれば『女のカン』。

それがドアを開けることを阻害していた。


(なんだろう………?)


恐る恐るドアを、少しずつだが開いていく。

キィィという音。

それと共に、見える2人の姿。


「ーーーー!」


さっき見た、映画を思い出した。

同性愛者のA子、ノーマルのB子。

私はもちろん後者で、前者は異端だと思う。

おそらく日本国の大体数の人間が前者であろう。

そう思うのは、私が、私が所属する環境が、『A子的性癖』とはあまり関係の無いところにいるからなのだろうか。

まぁとにかく、前者は異端である。


が、



(……え?なんで?)


見えるのは、泣きながら抱き合う2人。

さっきの映画で聞いたレズビアンを指す言葉、『百合』という言葉がポップアップしてきた。


(え………?みことってもしかして……)


ざわり。

胸の奥、心の隙間、そこに釘が打ち込まれた様に身動きが取れなくなる。


(い、いやいや、わたしだって、さいあいを抱きしめたんだよ。そうだよ。あれは、みこと なりの慈悲なんだよ)


必死に自身を洗脳するも、なかなか上手くいかない。

『友達がレズビアンかもしれない』。

そんな疑念が浮かんでは消え、大きくなってまた浮かぶ。


『泣いている絹旗最愛を慰めていた』という理由なら、美琴が抱きつき、泣く必要は無い。

『絹旗がせがんできた』という理由なら、応じた美琴も同類だ。


(違うよね?そうだよ、違う違う。みことがレズビアンなワケが)


そこまで思考した時、御坂美琴が絹旗最愛を強く、深く抱きしめた。

絹旗最愛もそれに応じる。

その姿はまさに思い人同士だった。


(みことは………)

(みことは、レズビアンなのかな?)

(だったら、ちょっと汚らわしいかも………)


踵を返し、もう一度、トイレへ向かう。

寒い個室の中、考えることは一つ。

友人、御坂美琴のことだ。


(ねぇみこと、どうして?)


返答は、返ってこない。


(どうして?)


胸の中、頭の中、音が反響し、私の孤独を浮き彫りにする。


(どうして?)


冷えた身体に鞭を打つような洋式便器の非情さが、私を凍えさせた。


(どうして?)


ねぇ、みこと、


「どうして…………どうして、わたしじゃないの?」


不意に、頬を冷たい液体が撫でた。

インデックスには、その正体が分からなかった。

ここまで

今日のコンセプトは、『THE すれ違い』です

では

                 弋´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.フ     ニ=上 そ -=

                 <:.:.:.:.::.:.:/^.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>    ニ= 条 れ =ニ
                <:.:.:./:.:..:/!:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:..!.::.:.:.>   =- さ で -=
                厶:.:.:.!:/V┼!:.:| ┼!、!:.:.|:.:.:.:...>   =- ん も -=
                 厶小 rャ‐ !V rャ‐ぃ小::..::之    ニ な    ニ
                  八,!  ̄ ,!   ̄ |f .}.:.::ト、    =-. ら    ニ
  、、 l | /, ,           ハ   ` '    ムィ.:|ヽ!      r :   ヽ`
 .ヽ     ´´,           \  - 、  ,イⅣV        ´/小ヽ`
.ヽ し き 上 ニ           ム|` -  Ⅳ

=  て っ 条  =ニ         __i     {
ニ く. と さ   -=      ,. -<ヽ `ー―― 予-、_
=  れ何.ん  -=    /       ̄ ̄ ̄ ̄ / >、
ニ る と な  =ニ   ∧                  \
/,  : .か ら  ヽ    / !                  / ハ
 /,     ヽ    /  V           ◇    /  !:|

この感じだとこのスレじゃ終わりそうに無いけど無理して終わらそうとしないで
何スレ使ってもいいからこの2人をじっくり百合百合させてください

>>864
出会って3日目の夕方でスレが終わるなんて思ってなかったさ
引っ張りすぎたわ

こんばんは


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晩秋の正午過ぎは釣瓶落とし。

16時を表示するデジタル時計を、まだ明るい斜陽が煌々と照らしていた。

女性看護師が「日光も大事ですよ?」と言って開けて行ったカーテンから容赦無く差し込む光線。

それが動けない少年の網膜、視神経をチクチクと攻撃していた。


「看護婦さん、早く来てくれよ………」


右手で遮光するがあまり意味は無く、毛布を被ろうにも日光で暑いので被りたくない。


「あーもー!ちくしょう」


緩やかな八方塞がりの最中、少年は


「不幸だ…………」


彼の代名詞とも言える言葉を吐き出した。



「何が『釣瓶落とし』だよ。落ちねぇじゃないですか。ずっと止まっているじゃないですか」


ぶちぶちと不満を漏らす少年。

『自分でカーテンを閉められない』。

それはある種拷問以上の辛さだった。

吊り上げられた左脚を恨めしそうに睨むも、状況は不変だ。


「だれかー………だれかいませんかー………」


そんな都合良く誰かが来てくれるワケがない。

そんなこと分かっている。

分かっているが、『すがってもいいじゃないか』というのが不幸な彼の切実な叫びだった。


コンコン


そんな叫びが通じたのか、


「おーっす!かーみやーん!」


金髪にサングラスの友人、土御門元春が、何か袋をぶら下げて入って来た。

返事も待たずに。


上条「うおっ!土御門!お前ノックしたなら返事くらい待てよ!」ビクッ

土御門「いいじゃないか かみやん。俺と かみやんの仲ぜよ?」

上条「いや、だから上条さんにだってプライベートやプライバシーはあるわけで

土御門「知る権利だにゃー」ケラケラ

上条「微妙に使い方間違ってんだよ!」

土御門「ま、そんなことはどうでもいいんですたい」

上条「良くねぇよ。上条さんには権利無しですか。No Rightsですか」

土御門「おお!かみやんが英語使ったぜよ!」

上条「バカにしてるのかバカにしてるなバカにしやがって」

土御門「ま、そんなことはどうでもいいんですにゃー」

上条「お前どうでもいいこと多すぎだろ」


土御門「ちょっと近くに用事があるから、見舞いに来てやったんだぜい」

上条「用事?なんだよ用事って」

土御門「余計な詮索は賢くないにゃー、かみやん」

上条「はいはいそうですかー」

土御門「…………ところで、かみやん」

上条「なんだよ?」

土御門「コレ、なにか分かるかにゃー?」

上条「ん?袋の中身を当てろってか?」

土御門「シュレディンガーじゃ無いぜよ?」

上条「わかってるよ。う~ん、形からして、雑誌?」

土御門「何の?」

上条「う~~~~ん………幸せになれる10の方法とか……」

土御門「切実だにゃー」

上条「ほっとけ」


土御門「ヒント!エロ本だにゃー」グフフフフ

上条「何っ!?エロ本だとっ!?」

土御門「そうだにゃー。買うのに苦労したぜい」

上条「ジャンルは…………メイドか?」

土御門「不正解」

上条「なんでそんな冷たく言い放つんだよ………」

土御門「こんな薄っぺらい紙ごときでメイドさんの真の良さが伝わるワケが無いだろう」

上条「なんで仕事モード入ってんだよ。てか早く くれよ」

土御門「欲しがり屋さんだにゃー」ガサゴソ

上条「うるせぇよ」

土御門「じゃじゃーん!!」バッ!

上条「うぉぉぉぉ!!それは………っ!」

土御門「『オクサマ24時』シリーズ最新刊だぜい!」

上条「くれっ!!早く!それをくれっ!」ウヒョー!

土御門「…………さすがにキモいにゃー」

上条「けっこう頑張ってテンション上げたんだよ」


土御門「ほれ」パサッ

上条「おお!ありがとな!土御門」

土御門「いいんだにゃー。じゃ」

上条「えっ、もう帰るのか?」

土御門「ああ、用事があるからにゃー」

上条「そっか……あ、帰る前にさ、カーテン閉めてってくれないか?」

土御門「……………かみやん、俺にその気は無いぜよ?」

上条「俺もお前には劣情を抱かねーよバカヤロウ」

土御門「安心したぜよ」シャーッ

上条「お前の眼に上条さんはどう映ってるんですか………」

土御門「ハハハッ、じゃーな、かみやん」ガラッ

上条「おー、さんきゅーなー」


ピシャリ

とドアが閉まり、部屋には静寂が舞い戻った。

手元には友が差し入れてくれたアダルト雑誌、『オクサマ24時』がある。

以前青髮から貰った月刊誌の最新刊。

歳上好きの上条に合わせた友人のチョイスである。

そう、


『名目上』歳上好きの上条の。



「……………」

「………土御門、ごめんな」


そう言って上条は、まだ開いてもいない『オクサマ24時』をゴミ箱に放りこんだ。


----------

美琴「ぐすっ……ぐすっ………」ギュー

絹旗「泣き止みましたか?御坂」ギュー

美琴「ゔん。もう大丈夫」ズズーッ

絹旗「良かった………それと、」ギュー

美琴「ん?」ギュー

絹旗「………超酸欠寸前なんですけど」ギュー

美琴「えっ?ご、ごめん!」パッ

絹旗「ふぅー……いいんですよ。元気になってくれて超何よりです」

美琴「…………いつの間にか、立場逆転してたわね」

絹旗「御坂が超錯乱したんじゃないですか」

美琴「し、してないわよ!」

絹旗「いや、いきなり『キモチワルイ、キモチワルイ』って」

美琴「そんな外人みたいな言い方してないわよ」

絹旗「正直、超ビビりました」

美琴「でしょうね」アハハ…


絹旗「それにしても、超遅いですね」

美琴「インデックスのこと?」

絹旗「はい。普通トイレぐらいでこんなに超時間かかるワケないでしょう?」

美琴「そうよねぇ………うん、ちょっと探してくるわ」ガタッ

絹旗「あ、じゃあ私も一緒に」ガタッ

美琴「あ、絹旗さんは席とっといて」

絹旗「む………まぁ、いいですよ」

美琴「ごめんねー、じゃっ」タタタッ

絹旗「…………」

「……………フレンダ、」

「私、超吹っ切れましたよ」

「だから、超心配しないでくださいね」

「たまに泣いちゃうかもしれませんが、」

「私は、もう大丈夫です」

「…………独り言なんて、超らしくないですね」フフッ

「フレンダ…………」

ここまでで


★お知らせ★
昨日から、一部レスポンスを反映させることにしました。

気づいてる人もいるかと思いますが、
昨日のは>>839のセリフを引用、
今日のは>>859より上条さん視点で開始しました。

@CAUTION
なんだか暗くて陰鬱なお話になっちゃった

では、始めます


----------

「うっ……ひぐっ……」


トイレで一人、泣く女が一人。


「ぐすっ………うぅ………」


私はB子だ。

B子やおばさんと、同じ目線を持っている。

持っているはずなのだ。

A子のように、女性に焦がれることはありえないはずのだ。

なのに、


「ふぇぇ………うくっ………」


痛い。

痛いのだ。

存在すら不確かな『こころ』が。

確かに、痛いのだ。



「……わた、しなら………」


私なら。

私なら、もっと優しくできるのに。

私なら、もっとぎゅってできるのに。

私なら、もっと上手く慰められるのに。

私なら、私ならもっと絹旗よりも………

そんな思考と共に、じわじわと傷口を広げるような痛みを伴って理解した。



私は、最低な人間に成り下がった。



絹旗最愛に向けられた、醜い、ドロドロとドス黒い羨望。

御坂美琴に向けられた、醜い、ぐらぐら判然としない感情。

それらが混ざり、ぐちゃぐちゃな心と脳をぐちゃぐちゃと揺さぶる。

催した吐き気は心労か、嫌悪か。

涙を拭う袖口は、非情なまでの冷たさに支配されていた。


その時、


キィ………


という古臭い木製のドアが、気圧の変化を伴い、鼓膜を揺さぶった。

誰かが、入ってきた。

誰かは分からない。

分からないが、


「……みこと…………?」


名前を、呼んでみる。

今一番会いたい人で今一番会いたくない人の名前を。

「来ないで」という感情と「来て」という願望を込めた小さな、本当に小さな叫びに乗せて。

それから一呼吸おいて、


「インデックス?」


「コンコン」という乾いたノックと共に、返事が返ってきた。

それだけで、たったそれだけで私の心は臆病者のように怯え、跳ね上がった。



「インデックス? お腹、いたいの?」


いつもと変わらない声。

その普通さが普通では無いように感じる私は病気なのだろうか。

何かを隠して『普通』を作っていると思う心は忌むべきものなのだろうか。


「う、うん。ちょっと、食べすぎちゃったかも」


声よ、震えるな。

涙よ、流れるな。

そう思えば思うほど、私の中の奥、『ココロ』と言われるものは、ぎゅうぎゅうと締め付けられる。

痛みを伴う会話。

それを続けなければならない苦痛。

今、私の顔は醜く歪んでいるだろう。


「もう。だから『やめときなさい』って言ったのに………」


「えへへ、ごめんねみこと」


ごめんね、みこと。

わたしは、わたしはそんなにキレイな人間じゃなかったみたいなんだよ。


「早く済ませなさいよ。絹旗さんも心配してるし」


その証拠に今、キヌハタサンに嫉妬してるもん。

『みことが取られた』って。

わたしのものでもないのに。

ごめんね、みこと。

でも、


「ねぇ、みこと」


これだけは、


「ん?なに?」


これだけは、聞かせて。


「………みことは、」




「みことは、………………『A子』、なの?」



「ーーーーーー!!」


閑散とした狭苦しい女子トイレが、二人を呑み込んだ。


----------

「みことは、………………『A子』、なの?」


絶句。

全身から嫌な汗が噴き出す。


「…………いきなり、どうしたのよ?そんなこと聞いて」


インデックスは知っていたのか。

インデックスに知られていたのか。

その現実が、私の頭をぶん殴る。

ぐらり、と空間が歪んだ気がした。

そんなことお構いなしに、


「みことは、『A子』なの?」


彼女は問うことをやめなかった。

まるで機械のように、淡々と、ただただ無表情に感じられたそれは、私の思考をえぐり取った。

真っ白な思考の原野を手探りで歩く。

惨めに腰を曲げ、目を見開いて、ぱたぱたと両手を動かしながら、びくびくと。


「…………質問の意味がわからないわ」


必死の解答。

やめてくれ。

これ以上はやめてくれ。

そう思えば思うほど、私は追い詰められてゆく。


「だから、」


非情なまでに普通の、彼女の声。

やめてくれ。

それ以上はやめてくれ。

やめ


「みことは、レズビアンなの?」

「ーーーーーーッ!!!」


胃の腑に、ガツンと衝撃が走った。

込み上げる吐き気、めまい、異常発汗。

手足はガクガクと、唇はブルブルと震え目の前の現実を否定しようとする。

言え。

「違う」と、たった一言「違う」と。

それだけで、それだけでいいんだ。

たったそれだけで、何もかもが元のように回り始めるのだから。



「ぁ……う」


必死に、言葉を集める。


「ち……ぁぅ」


さらさらと、砂漠の砂のように集めた言葉は手から地面へ。


「アタシは、そんなんじゃ………」


涙で砂を固め、一つ一つ、丁寧に拾い集める。


「アタシは、レズビアンなんかじゃ………ない………からっ!」


拳を握りしめ、隔てられたドアに向かって叫ぶ。

まるで絞り出すように、苦しみながら、一言一言を紡いでゆく。


「……………そう、だよね。やっぱりみこと、レズビアンじゃなかったんだね」


一定のトーンで喋る彼女。

無表情の声は、嘘つきな私を責め立てた。


「当たり前じゃない。そんな気持ち悪い。じゃ、外で待ってるから」


いつもの調子で彼女に言う。

拳には力を、目には涙を。

そのまま歯を食いしばって、トイレを後にした。

ここまでで

すれ違いパート2でした

ホモレズNTR系統は注意書きが必要なんですね

ぼちぼち書き始めます


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『アタシは、レズビアンなんかじゃ………ない………からっ!』


御坂美琴が放った言葉。

それを聞いた私は、言いようの無い安心感に抱かれていた。

「レズビアンなどではなかったのか」と。

「絹旗とは何も無いのか」と。

彼女自身が、御坂美琴自身が放った言葉であるからこそ信用に足るものであった。


「なんだか、寒いんだよ」


ぽつり、と一言。

私は、安心したのだ。

ホッと胸をなでおろしたのだ。

そう心の中で、頭の中で反芻する。


しかし、止まらない。

止まってくれないのだ。


「ううぅ………ぐすっ………」


涙が。

安堵したはずなのに、何か、何かが私をチクチクと痛めつけるのだ。

彼女は、御坂美琴は『レズビアンでは無かった』のだ。

それでいいはずなのに。

なにもかもが元通りのはずなのに。


「ふぇっ………うぇぇ………」


何か、何かが私をぎゅうぎゅうと締め付けるのだ。


「苦し、いよ………助、けて………」


両腕で自分の身体を抱きしめ、ぶるぶると震える。

寒さからか、わびしさからか。

はたまた別の感情か。


「助けてよ………ねぇ………」


名前を呼ぶ。


「助けて………とうま………」


大好きな人の、名前を。


トイレで一人、泣く女が一人。


----------

泣き止んだのは数分後だったと思う。

表現が曖昧なのは、どれほどの時間が経過したか分からないからだ。

何日も、何時間も泣いていた気もするし、ほんのわずかな時間だった気もする。


「うわぁ、ひどい顔なんだよ………」


腫れたまぶた、真っ赤な目、頬に刻まれた紅い筋は「私は泣いていました」と言わんばかりに、冷たい蛍光灯の光の下、主張をしていた。

こんな顔を見せたら、2人を心配させてしまうだろう。

そう思い、ばしゃばしゃと顔を洗う。

湯は出るが、あえて冷水で。

肌を切り裂くような冷たさが、今の私には心地良かった。



「ぷはっ!」


顔を上げフェイスミラーで確認すると、まだほんのりと赤みのある目をしていた。

ハンカチで顔を拭き、フードを深めにかぶる。

見られないように、悟られないように。

自分の心を隠すように。

深く、深く。


「よしっ!」


いつもの笑顔を作り、気合を入れた。

『らしく無い自分は、ここに置いて行こう』。

そんな決意が見られる笑顔。

それを『作った』。

まるで呑んだくれのように自分自身を騙す。

それに気づかないまま、トイレを後にした。


----------

絹旗「…………ねぇ、御坂」

美琴「……………」

絹旗「これ、超どうします?」

美琴「………………」

絹旗「これ、超どうします?」

美琴「二回も聞かないでよ」

絹旗「御坂が超答えないからでしょうが」

美琴「そんなこと、私に聞かれても………」

絹旗「じゃあ!じゃあ…………私は、超どうすればいいんですか………っ!」

美琴「…………ごめんね、答えられない」

絹旗「この、この…………」

絹旗「この超ポップコーンの山をどうすればいいんですか…………っ!!」

美琴「いや、だから知らないって」


絹旗「そんな反応は あまりにも超薄情じゃないですか!?」

美琴「『あまりにも』か『超』かどっちかにしなさいよ。そんな欲張り要らないわよ」

絹旗「『超』は超口癖だから超いいんです!」

美琴「『超』増殖してるじゃない。『超』が超増えて超面倒なことになってるじゃない」

絹旗「超真似しないでください!」ウガー!

美琴「それより早く食べちゃいなさいよ」

絹旗「……………超手伝って、くれないんですか?」

美琴「超ファイトっ」ガンバレ

絹旗「さすがにLサイズソロは超キツイですよ………」


美琴「そもそもなんでLなんて買ったのよ」

絹旗「今日は超一日中映画館にいるつもりでしたので………」

美琴「へぇ、映画好きなんだ」

絹旗「いや、超好きですけど、普通の映画じゃあ超ダメなんですよ」

美琴「はい?」

絹旗「超莫大な資金を超つぎ込んで作られたにもかかわらず、結果超クソになった超産業廃棄物並みの映画でないと私は超NGなんです。たとえば超ハリウッドが

美琴「早く食べなさいよ」

絹旗「人が超熱く語っている時に………」ムシャムシャ

美琴「ごめんね。超超言い過ぎてて超めんどくさそうだったから、つい………」

絹旗「サラッと超ヒドイこと言ってません?」

美琴「気のせいよ」


絹旗「で、それは?」

美琴「ああこれ?インデックスのポップコーンよ」

絹旗「…………いや、超無理でしょう」

美琴「何が?」

絹旗「いやだって、インデックスってだいたい私と超同じくらいですし………」

美琴「だから?」

絹旗「いや、超食べられないんじゃ………」

美琴「なんで?」

絹旗「超おちょくってんですか」

美琴「いやいや滅相もない」


絹旗「とにかく、インデックスにLサイズは超無理があります」

美琴「いや、それがね

禁書「ただいまー」

美琴「あ、おかえりー」

絹旗(なんかフードを超深めにかぶってますね………超見えてるんでしょうか?あれ)

禁書「よいしょっと」

美琴「おっさん臭いわよ」

禁書「いやぁ、いっぱい出たんだよ」

美琴「汚い話題に持っていかないで」

絹旗「そ、それよりインデックス、そのポップコーン、超どうするんですか?」

禁書「何が?」

絹旗「インデックスは私と超一緒くらいの体系じゃないですか」

禁書「だから?」

絹旗「いや、超食べられないんじゃないかなーと」

禁書「なんで?」

絹旗「超おちょくってんですか」

禁書「?」

美琴「この子は素なのよ」


禁書「ねぇみこと。さいあいは何言ってるの?」

美琴「早食いが見たいんだって」

禁書「そういうことならそう言えばいいんだよ、さいあい」

絹旗「そんなこと超一言も言ってませんが」

美琴「制限時間は10秒ね、よーい………」

絹旗「なぜ超始めるんですか。超誰も望んでいない事をなぜ始めるんですか。」

美琴「スタート!」



小さな茶髪の少女は、息をのんだ。

目の前で繰り広げられる、現実を超越した光景。

まるで「カレーは飲み物」「パスタはおやつ」と言わんばかりの所業だ。


銀髪の少女。

華奢な身体をした、雪のような肌をしたシスターが、アメリカンサイズのポップコーンを小さな両手で持ち、ざらざらと、ざらざらざらと、天を仰ぎ流し込んでゆく。

まるでキリスト教の大天使達が世界の終末のラッパを吹くような様子なで、少女は少女の顔よりも大きいポップコーンを、

外人でも一時間はかかりそうなシロモノを、



ものの数秒で、丸呑みしてしまった。




美琴「あー、ちょっとオーバーしちゃったわね」

禁書「もももも!もももももも!」モシャモシャ

美琴「ごめんなに言ってるかわからない」

禁書「も~~~」シュン

絹旗「」ポカーン

美琴「絹旗さん?大丈夫?」

絹旗「……………え?手品?」

美琴「何が?」

絹旗「いやいや超ありえないじゃないですか」

美琴「だから?」

絹旗「いや、だから超手品かなーって……」

美琴「なんで?」

絹旗「……もういいですよぅ…………」グスッ

今日はここまで

ほのぼので終われてよかった
ホントによかった

                 _..  -‐-  .._
            . ::´: :: :: :: :: :: :: ::`丶、

            / :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :\
           /:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :,
          /: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::_::_::_::_:: :: :: :‘,

       ,.: :: :: :: :: :: :: :: :: :. イ「 : }: 、:`ヽ,:: :: i
        {:: :: :: :: :: :: :: ::、/ ノ ̄ ̄`ヽ、―ニ 二
       . :: :: :: :: ::_/i:l// ´`ヽ _  三,:三ー二

          、.:: :: :: :{.i(⌒}.  ...|  /!
           ∨:: :: ::i|:`T}.  ...|  /!
         }:/⌒ 弋: :_}、ー‐し'ゝL _

           /ハ.   ヽ| {ヘr--‐‐'´}    ;ー------  
        {:{  》.__/く}∠ヘr--‐‐'´}    ;ー------  
         丿:T´:: :\___. -r`ヾ:::-‐'ーr‐'"==三 i.i  
        {:: ::|、:: r‐‐、_{:_:ノ⌒}
         ) ::|::>`ー‐…‐ 、‐' 、
        {//   .     }  }
          ({ {{  /    .ノ´ .ノ′

悔しい!でもビクビクンッ

>>947
『感じちゃう!』ってか

昨日は寝ちゃってごめんなさい
始めます



禁書「~♪」トテテテテ



絹旗「……………あの、御坂」

美琴「ん?」

絹旗「超化け物ですか?あれ」

美琴「化け物って………インデックスはいつもこんな感じよ?」

絹旗「いやいや『こんな感じよ?』で超済ませないでくださいよ。『飲んだ』んですよ?ポップコーンを。私の分まで。ざらざらーって」

美琴「? そんなもんでしょ」

絹旗「えっ」

美琴「えっ」


絹旗「………御坂……………」

美琴「なんでそんな かわいそうなモノを見るような目で見るのよ」

絹旗「だって感覚が超狂っているとしか思えないし………」

美琴「く、狂ってないわよ! それに、狂ってるのは絹旗さんの口癖の方じゃない!」

禁書「?」クルッ

絹旗「なっ……!ち、超狂ってませんよ!」

美琴「超超狂ってるわよ」ヘヘン

絹旗「『超』を超真似しないでください!」ウガー!

禁書「もうっ、二人とも!ケンカしちゃダメなんだよ!」

美琴「はぁ?事の発端が何言ってるのよ」

絹旗「元々の超原因はインデックスですよ!」

禁書「わたしの知らない所で何かが うごめいているんだよ………」


美琴「ていうかアンタ、何をそんなに急いでるのよ?」

禁書「もう5時過ぎなんだよ?」

美琴「うん、そうね」

禁書「てことは、もうすぐ『某平安貴族の少年の物語』が始まっちゃうんだよ」

絹旗「あぁ、あの超教育テレビの。超不思議な『しゃく』を持った超貴族の子が石が大好きな超小学生の家に超居候するアレですね」

美琴「超超うるさいー」

絹旗「超ほっといてください!」

禁書「その後の『某忍者少年達の日常の記録』も見たいし………」

美琴「あぁ、あれか。土井先生素敵よねー」

絹旗「私は山田先生が………」

美琴「えっ、あの男色ティーチャー?」

絹旗「あの人は超男色じゃありませんよ。あの変装の良さが分からないなんて、御坂も超まだまだですねー」

禁書「やっばり『はなぶさ まきえもん』なんだよ!」

美琴「無いわ」

絹旗「超最弱[ピザ]浪人じゃないですか」

禁書「むぅ、名前カッコいいのにー!」


美琴「そもそも『まきえもん』って。何を巻いてんのよって感じじゃない?」

絹旗「御坂、超何言ってんですか?」

禁書「理解できないんだよ」

美琴「今なんで同時に考えるのをやめたの?」

絹旗「ま、超結局『フルハウス』が一番って訳ですよ」

美琴「今その話題じゃ無

禁書「うんうん、あれ面白いよね!」

美琴「もうなんでも有りか」


絹旗「じゃ、そろそろ」

美琴「え? 家あっちなの?」

絹旗「はい。オンボロ寮にひっそりと暮らしてますよ」

美琴「そうなんだ。………大変なのね」

絹旗「いえいえ、『アイテム』の時超貯めた かなりの額の貯金が有りますので」

禁書「………さいあい、ウチ来ない?」

絹旗「えっ………でも、」チラッ

美琴「? アタシはいいわよ」

絹旗「…………いや、今日は、今日はいいです」

美琴「あれー?遠慮してんの?」

絹旗「ち、違います!超やることがあるんですよ!」

禁書「そうなんだ……。いつでも来ていいからね」

絹旗「ありがとうインデックス。ホントに今日は、超感謝してます」

禁書「えへへ………」

美琴「よかったわね、インデックス」


絹旗「それと、御坂」

美琴「?」

絹旗「私はもう伝えられませんが、御坂はまだ大丈夫なんでしょう?」

絹旗「だったら一回、超ぶつかってみるのもいいと思いますよ」

美琴「…………そう、かな?」

絹旗「そうですよ!ぶつかれる時に超ぶつかっておかないと、いつか超後悔しますよ」

美琴「…………そうよね、うん。ありがと」

禁書「?」


絹旗「では、また超いつか」

美琴「『超いつか』っていつよ」クスッ

禁書「ばいばーい!」ブンブン

美琴「じゃあね」ヒラヒラ




絹旗「……………」

絹旗「ふぅ…………」

絹旗「超久しぶりですねぇ。こんな風に談笑したのは」

絹旗「アイテム崩壊後初かも知れませんね」

絹旗「…………もう、戻れないんですよね………」

絹旗「……………はぁ、やめやめ。考えるだけ超ムダ。思い出すだけ超損です」

絹旗「………………」



絹旗「…………サバ缶でも、買って帰りますか」

ここまで

もう終わりそうですね

ピザ→デブに変換で

こんばんは

このスレで3日目終了まではいきたいと思います


----------


禁書「ただいまー」ガチャ

美琴「はーい、おかえり」

禁書「おかえり、みこと」ニコッ

美琴「ただいま、インデックス」フフッ

禁書「さ、てれびなんだよ!」タタタッ

美琴「え? あ、こら!手洗ってうがいしなさい!」

禁書「えー」ブーブー

美琴「ちゃんとしないと、ご飯作ってやんないわよ?」

禁書「え!? そ、それは困るんだよ!」ビクッ

美琴「じゃ、さっさと手洗いうがいする!」

禁書「は、はーい!」タタタッ



「さて、と。夕飯の準備でもしますか」


そう言ってエプロンを装着し、流し台で手洗いとうがいを済ませる。

今日の献立を考えようと冷蔵庫を開け、肉皿や野菜室を確認する。

あったのは豚肉と白ネギ、それに玉ねぎ。

その他チューブ系調味料がちらほら。


「…………あれ?」


なにかがおかしい。

そう思い、野菜室をごそごそと探る。

が、見当たらない。



「あれ………?おっなしいな…………」


再度、ごそごそと野菜室を探る。

が、やはり見当たらないのだ。

見つかったのは変色したレタスの葉2枚のみだった。


「ふんふふ~ん♪」


突如、鼻歌が横から聞こえてきた。

インデックスが洗面所から出てきたのだ。

リビングに向かって上機嫌に直進する彼女を、


「ちょっと、インデックス」


尋問するために呼び止めた。

>>967
「あれ………?おっなしいな…………」

「あれ………?おっかしいな…………」

ですね

何度も寝落ちちゃってごめんなさい
では



禁書「ん?なぁに?」ピタッ

美琴「…………夜中さ、お腹減らない?」

禁書「? 質問の意図はわかんないけど、まぁ減るかな?」

美琴「そうなんだー。そうよねー」

禁書「そうだよそうだよ」ウンウン

美琴「何か食べたくなるわよねー」

禁書「そりゃあもうね」

美琴「たとえば…………トマト………とか?」

禁書「」ギクッ

美琴「たとえば…………バナナとか」

禁書「」ギクギクッ

美琴「…………ゴーヤとか」

禁書「…………し、知らない……かも」

美琴「『知らない』?」

禁書「あっ」

美琴「『知らない』って?」

禁書「あ、そ、それは、その、」アタフタ

美琴「………………」

禁書「うぅ………」シュン


美琴「………はぁ、まぁいいわ」

禁書「えっ………」

美琴「夜食にしたんでしょ?野菜」

禁書「う、うん」

美琴「で、野菜はちゃんと洗ってから食べたの?」

禁書「ううん。そのまま食べたんだよ」

美琴「………お腹、痛くならなかった?」

禁書「大丈夫だったんだよ」

美琴「バナナは?産地はちゃんと見た?」

禁書「うーん………覚えてないから見てないんだよ」

美琴「バナナはアイツが買ったやつよね………てことはフィリピン産?」ブツブツ

禁書「? みこと?」


美琴「フィリピンバナナってまだポストハーベストやってんのかな? もしやってたとしたら…………の、農薬まみれのバナナがインデックスの体に………」ブルブル

禁書「み、みこと?どうしたの?」

美琴「てことは農薬にどっぷり浸かったバナナの悪い成分がインデックスの血に乗って全身を駆け巡っているというの!?」ヒィィッ!

禁書「ひゃっ! い、いきなりどうしたの!?」ビクッ

美琴「あぁ………どうしよう、どうしよう! 大丈夫? なんともない?体とか心とか痛くない?」オロオロ

禁書「だ、大丈夫! わたしは大丈夫だから! ね!? 心身共に元気花まるなんだよ!」アワアワ

美琴「ほんと? ホントになんともない?」

禁書「ほ、ほら! 元気元気なんだよ! ね!?」

美琴「はぁ、良かった………」ハァ

禁書(もう、夜食はやめるんだよ………)


禁書「じ、じゃあ、居間にいるんだよ」タタッ



美琴「………………ふぅ」

美琴「これくらいしとけば、もうつまみ食いみたいなことはしないでしょ」

美琴「さーて、冷蔵庫ー冷蔵庫ー」ガチャ

美琴「うーん…………今日は、生姜焼き……かな?」

美琴「お醤油とお砂糖は………っと」


----------

調理開始から20分弱で、およそ4人前の生姜焼きの山ができた。

白米が山盛りの茶碗に、小盛りの茶碗。

それを配膳していると、銀髪の少女が前にちょこんと座った。

見ていたテレビそっちのけで「いただきます」を今か今かと待ち焦がれている、そんな食欲旺盛な愛らしい少女が。


「ねぇみこと、食べてもいいかな?食べてもいいかな?」

「ふふっ、『ダメ』って言ったら?」

「もぉ、意地悪しないで欲しいかも!」

「ごめんごめん。じゃ、食べましょっか」

「うん!」

「「いただきまーす!」」



それと同時に少女は『ガツガツ』という擬音がよく似合う気持ちの良い食べ方をする。

この子はどんな料理でも笑顔で「おいしいよ!」といいながら食べてくれる。

おそらく、そういうところにも惹かれたのだろう。

食事が始まって数分で、生姜焼きの山はサラ地になった。


「ごちそうさまでした!」

「はい、おそまつさまでした」

「みこと」

「ん?」

「今日のごはんもとってもおいしかったんだよ!」


ニコリと屈託のない笑みを見せる少女。

また一つ、


「ふふっ、ありがと」


ほんの少しだけど、また一つ好きになった。

眠いです
ここまでで



美琴「じゃあ洗い物しちゃうから、お風呂入ってきなさい」

禁書「やだ」

美琴「……………」

禁書「……………」

美琴「洗い物しちゃうから、お風呂入ってきなさい」

禁書「だから『やだ』って言ってるかも」

美琴「……………」

禁書「……………」

美琴「何? 反抗期? お望みは? 鉄拳制裁?」ユラリ‥‥

禁書「ぅえ!? ち、違うんだよ!話しは最後まで聞くものなんだよ!」アタフタ

美琴「…………話?」

禁書「そ、そうだよ! 短気はダメなんだよ、みこと!」

美琴「短気言うな!………で、話って何よ?」


禁書「うん、あのね………その、ね?」

美琴「いや、『ね?』って言われても………」

禁書「だから、そのぉ…………」モジモジ

美琴「?」

美琴(……………)

美琴(………………)

美琴(…………………ハッ!)

美琴(もしかして、もしかしてこれはっ………!)

禁書「えっとね、その、たいしたことじゃ無いんだけどね、」モジモジ

美琴(このもじもじはっ………見たことある! ってかアタシやったことある!)

美琴(アイツとたまたま会った時のっ! あの甘酸っぱい、なんだか切ないもじもじ!)

禁書「た、たいしたことじゃないんだよ?」モジモジ

美琴「う、うん」ドキドキ


美琴(も、もしかして、もしかしちゃったり? もしかしちゃってもしかしてたりもする!?)

美琴(『みことの事、好きなんだよ』)

美琴(『ええっ!? だ、だってアタシたち女の子同士だし………』)

美琴(『ふっ……………二人の愛に性別なんてオマケ程度にしかならないんだよ』)

美琴(『あぁん! インデックスぅ!』)

美琴(『ハハッ、わたしの腕の中で存分に甘えるといいんだよ』)

美琴(ってね! なんてね! なんちゃってね! キャーッ!)モジモジ

禁書「……………みこと、聞いてる?」

美琴「えっ? えへへへへへ」ニヤニヤ

禁書「うえっ!?」ビクッ

美琴「コホン、あーあー………。インデックス、心の準備は出来てるわ」キリッ

禁書(…………なんだかキリッとしたかも。それに、なんかいい声だし)

美琴「さぁインデックス。話してごらん」キリッ

禁書「う、うん。あのね、」

美琴「あぁ」キリッ


禁書「…………さ、先にお風呂、入って?」

美琴(さ、『先に風呂入れよ』って………え?もうシちゃうの? サれちゃうの!?)

美琴「え………で、でもぉ」モジモジ

禁書「いいから! 早く早く!」

美琴「う………うん///」ドキドキ

禁書「なるべくゆっくりね!」

美琴「は、はぁい///」ドキドキ





禁書「…………………よぉし!」


----------

シャーーー キュッ


美琴「ふー、さっぱりした」

美琴「こ、この後アタシ達は………うへへ///」

美琴「あ、お皿洗ってないや」

美琴「………ま、いっか。インデックスが入ってる時に洗えば」フキフキ


<キャーーー!!


美琴「ッ!? インデックス!?」

美琴「インデックス! どうしたの!?」ガチャッ!

禁書「うぅ………み、みことぉぉ………」グスッ

美琴「な、 何があったの!?」

禁書「……………お皿…………」

美琴「お皿? お皿に何かされたの!?」

禁書「お皿、割っちゃったんだよぉぉぉ!」ウワァァァン!

美琴「…………はい?」

禁書「うわぁぁぁん!」


美琴「…………え? なんでインデックスがお皿を?」

禁書「あのね、みことがね、お風呂に入ってる間にね、洗っておこうとおもったんだよ」グスッ

禁書「でもね、石鹸で手が滑っちゃってね、お皿を、お皿割っちゃったんだよ」ヒッグ

美琴「…………だからさっき先にお風呂入れって言ったの?」

禁書「うん」グスッ

美琴「…………………」

禁書「ぐすっ……ひっぐ………」ポロポロ

美琴「……………………はぁ、もおっ」ギュッ

禁書「ふえっ!?」ギュウッ

美琴「ありがとね。インデックス」ナデナデ

禁書「え………? わたし、お皿割っちゃったんだよ? 『ありがとう』は日本語的におかしいかも」

美琴「いいのよ。インデックスがお皿洗ってくれたことに、アタシは感謝してるのよ」ナデナデ

禁書「で、でも、わたし、割って

美琴「結果そうなっただけじゃない。アタシはインデックスがアタシのためにお皿洗ってくれてたことが嬉しいのよ」ナデナデ

禁書「…………ほんと? おこってない?」ウルウル

美琴「怒ったりなんてしないわよ。それと、ケガしてない? 」ナデナデ

禁書「う、うん、大丈夫かも」

美琴「よかった」ナデナデ
美琴「…………え? なんでインデックスがお皿を?」

禁書「あのね、みことがね、お風呂に入ってる間にね、洗っておこうとおもったんだよ」グスッ

禁書「でもね、石鹸で手が滑っちゃってね、お皿を、お皿割っちゃったんだよ」ヒッグ

美琴「…………だからさっき先にお風呂入れって言ったの?」

禁書「うん」グスッ

美琴「…………………」

禁書「ぐすっ……ひっぐ………」ポロポロ

>>990修正


美琴「…………え? なんでインデックスがお皿を?」

禁書「あのね、みことがね、お風呂に入ってる間にね、洗っておこうとおもったんだよ」グスッ

禁書「でもね、石鹸で手が滑っちゃってね、お皿を、お皿割っちゃったんだよ」ヒッグ

美琴「…………だからさっき先にお風呂入れって言ったの?」

禁書「うん」グスッ

美琴「…………………」

禁書「ぐすっ……ひっぐ………」ポロポロ

美琴「……………………はぁ、もおっ」ギュッ

禁書「ふえっ!?」ギュウッ

美琴「ありがとね。インデックス」ナデナデ

禁書「え………? わたし、お皿割っちゃったんだよ? 『ありがとう』は日本語的におかしいかも」

美琴「いいのよ。インデックスがお皿洗ってくれたことに、アタシは感謝してるのよ」ナデナデ

禁書「で、でも、わたし、割って

美琴「結果そうなっただけじゃない。アタシはインデックスがアタシのためにお皿洗ってくれてたことが嬉しいのよ」ナデナデ

禁書「…………ほんと? おこってない?」ウルウル

美琴「怒ったりなんてしないわよ。それと、ケガしてない? 」ナデナデ

禁書「う、うん、大丈夫かも」

美琴「よかった」ナデナデ


禁書「……………」

美琴「……………」ナデナデ

禁書「………み、みこと、あのね、」

美琴「なぁに?」ナデナデ

禁書「さ、さすがに裸にタオル一枚で抱きしめられるのは…………///」

美琴「え? ………うええっ!?///」バッ

禁書「…………///」

美琴「あの、わ、わざとじゃないわよ!? 事故なのよ!? ///」アタフタ

禁書「…………///」

美琴「…………///」

禁書「あ、あの、えっと、///」

禁書「た、たいへん慎ましやかでございました///」ペコリ

美琴「う、うるさいっ!///」ウガーッ!

美琴「お、お皿はアタシが片付けておくから、アンタはさっはとお風呂入ってきなさいよ///」

禁書「う、うん///」


----------

ドアを開けると、暖かい湿り気が体を包んだ。

御坂美琴と同じシャンプーの匂い。

それにある種の安らぎを感じながら服を脱ぐ。

思い返せば、誰かの後に風呂に入るのは久しぶりかもしれない。

そんなことを考えている間にも暖かい湿気は着々と冷たくなっていく。

生ぬるい湿気を肌で感じながらシャワーハンドルに手を掛け、



手を止めた。



美琴と同居してから、シャワーハンドルを回すと不可解な事が起こる。

どの禁書にも載っていないどころか、微小な魔力さえ感じられない魔術が、シャワーハンドルを回すと発動するのだ。

湯気の立ち込める、幻想の世界。

その世界で私は幻想に拘束され、虜囚となる。

しかし、冷気が私をせかし、異界へと歩む私の背中を押す。

肌寒さに全身が震えるのと同時に、


キュッ


暖かい雨と共に、私は幻想に迎えられた。



ザーーーーーーーーーー


私は、迷子になっている。

中央の台に天秤が乗せられた大きな広場で、とても小さな重りを手のひらに持って、さまよっている。


ザーーーーーーーーーー


ゆらゆら揺れる錆び付いた天秤。

その両翼の皿に乗せられている、人の形をした二つの金属の塊。

その二つは明らかに大きさが違う。

にも関わらず天秤は、ゆらゆらと、ゆらゆらと揺れ続け、どちらかに傾こうとはしない。

まるで私が持っている小さな重りを待っているかのように、ゆらゆらと、ゆらゆらと。


ザーーーーーーーーーー


この小さな、本当に小さな重りをどちらかにおいてしまうと、もう戻れはしないだろう。

うろうろしながら決めあぐねていると、金属製の人形の口が動いた。

金色の、少女の形をした金属製の人形が。

銀色の、少年の形をした金属製の人形が。

御坂美琴か上条当麻か、どちらかを選べと告げる。

ゆらゆらと揺れていた天秤の両翼が、がたがたと震えだす。



ザーーーーーーーーーー


いったい私は、どちらが好きなんだろう。

上条当麻か、それとも御坂美琴か。

私の心よ。

私の体のどこかで私を笑っている私の心よ。

私の体のどこかで私を憂いている私の心よ。

私の体のどこかで私を怒っている私の心よ。

どうか教えて下さい。

この小さな、とても小さな重りを、

この小さな、とても重たい重りを、

この小さな、少し赤錆びた重りを、

どちらにおけば、『正解』なのでしょうか。


ザーーーーーーーーーー


真っ白な幻想の世界をさまよっていた私は、錆び付いた天秤の前に立っていた。

揺れのない、静寂に包まれた天秤。

その両翼の皿の上の金属製の人形は閉口し、横たわっている。

異常な静けさ。

その静けさの中で私は、銀色の少年の皿の上に重りを持った手のひらをゆっくりと持ってゆく。

迷いは、無かった。

そして私は手のひらに隠した小さな重りを、


ザーーーーーーーーーー


真っ白な幻想の世界に、思いきり投げ捨てた。

その途端、朽ちて崩壊する天秤。

両翼から金属製の二つの人形が落てゆく。


キュッ


「がらん」という音を立て地面に落ちた二つの金属製の人形。

その二つの人形の恨めしそうな慟哭を背に、私は幻想の世界から逃げた。


----------

風呂場から出て、ベランダへ直行した。

冷たい風が私の体を、頭を冷やしてゆく。

この感覚がたまらなく好きだった。

そこへ、


「インデックス? 寒くないの?」


御坂美琴がやってきた。


「うん。きもちいいんだよ」


その問いに笑顔で答えたが、幻想世界の『もや』がまだ残っている。


「じゃあ、アタシも」


そう言って御坂美琴は、私の隣に来た。


禁書「寒くないの?」

美琴「うーん………ちょっと、寒いかな?」

禁書「じゃあ来なきゃいいのに………」

美琴「む。別にいいじゃない。それに………」ダキッ

禁書「ひゃっ!」

美琴「風呂上がりのアンタに抱きついちゃえば、あったかいしね」ギューッ

禁書「もうっ。ちょっとだけだからね」

美琴「ケチケチしないの。んー、あったかい」

禁書「背中が暑いんだよ~」

美琴「アタシはあったかいからいいの」

禁書「エゴイスト」ボソッ

美琴「なんとでも言いなさい。抱きしめやすいサイズの背中したアンタが悪いのよ」

禁書「むぅ、今遠回しに『小さい』って言ったね」

美琴「事実じゃないの」

禁書「相手への配慮は日本人の基本理念なんだよ」

美琴「はいはい。インデックスちゃんはおっきいですね~」

禁書「あ、それもバカにしてるかも!」


暖かい、小さな身体。

良い匂いのする、銀色の髪。

もしも天使がいるのなら、きっとこの子のことをそう言うのだろう。

このまま、ずっと抱きしめてたい。

このまま、ずっと話していたい。

このまま、ずっと独占したい。

このまま、このまま、


「インデックス…………」


ずっと、ずっと、


「なぁに?」


私の、


「…………ううん、」

「ちょっと、呼んでみただけ」

「ふふっ。変なみこと」


私の、腕の中で。

ここまで。
物語上は序章~3日終了までなのに1スレ消費しちゃいました。
びっくりです。

続きはバイトの都合で3月ごろからまた『必ず』書きます。
ごめんなさいね。

再開する時用に、トリを付けときます。

再開までに、wikiの大幅な編集もしますので、再開時に見ていただけたら幸いです。

それでは。

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