一方通行「あれから一年か....」美琴「早いもんね....」(1000)

一方通行と美琴が主役のストーリーを書いてみました。
しかし、自分、文才無いな.....



学園都市を夕焼けが包む頃、白い髪と赤い目を持つ少年が大きな白いビーニル袋を持って歩いていた。
彼の名は一方通行。
この学園都市、最強の第一位である。
そんな彼はコンビニからの帰り道を歩いていた。


「チッ.....たっく、打ち止めの野郎、プリン十個ってなンなンですかァ?」


彼はそうブツブツ文句を言いながら、手元の袋を見る。
袋の中にはプリンとコーヒー缶がぎっしり詰まっていた。
その時、手元を見ていたせいだろう。彼は前方から走って来る人影に気が付かなかった。


ドンッ!


「いてっ!?」


「きゃっ!?」


彼と走って来た人影はぶつかって尻餅をついた。
一方通行はギロリとぶつかってきた人を睨みながら怒鳴る。


「テメェいきなり出てくんな!アブねェだろォが!」


「ご、ごめんなさ....!?あ、アンタは....!」


最初は謝ろうとしていた声の調子が変わったのを感じ、一方通行はよく目の前の人物を見た。
茶色の髪に茶色い瞳、そして常磐台の制服。
彼は目の前の人物が誰かをようやく認識した。


「あン?超電磁砲かァ?何してンだこンなとこで」


「あ、アンタには関係ないでしょ!?」


一方通行の質問に、御坂美琴は電気を帯電させながら答えた。
何故彼女が彼に対して敵意を剥き出しにするのかは、ある実験が関係している。
そんな彼女を見て、服をはたきながら一方通行は立ち上がった。


「まァそりゃそうだ。.....?」


ふと、一方通行は言葉を止め、ジッと美琴を見る。
その視線に少し後すざりしたくなりながらも、美琴は強気で問い返した。


「な、なによ?」


一方通行は珍しく躊躇うような表情をし、口を開いた。


「オメェ....泣いてんのか?」


その言葉に、美琴は大きく反応した。
慌てて目をこすり、顔を赤くさせたまま、


「な、べ、別に泣いてなんか!?」


怒鳴って走り去ってしまった。
その後ろ姿を見ながら、一方通行はポツリ、と呟く。


「......?なンだったンだアイツ?」




ガチャ、と一方通行は同居人三人と暮らしているマンションの扉を開ける。
開けた音を聞いて、一人の少女が走り出てきた。
そのアホ毛がまるでしっぽのように揺れるのを見ながら、一方通行は玄関の床にドスン!と、重たい袋を下ろす。


「オラ、これで満足かクソガキ」


彼がそう言うと、少女は目を輝かせて袋の中を除きこんだ。


「わーい!プリンだぁってコーヒーも多いーってミサカはミサカはあなたのカフェイン中毒っぷりに呆れて見たり!」


「プリンも大量にあンだろォがァ」

自分が買ってきたコーヒーの量について言われたので、言い返す。
その彼の言葉の意味が分かっているのかいないのか、少女は袋からプリンを取り出し、


「それは素直に受け取るって、ミサカはミサカは早速出して封を切ってみる!」


「玄関でやってンじゃねェよ!」


玄関で封を切って食べようとした打ち止めを、一方通行は怒鳴って止めた。



「なァ.....?」

一方通行は目を閉じ、ソファーに寝っ転がりながら少女に話掛ける。
打ち止めも、透明なプラスチックのスプーンをもくもくと動かしながらも答える。


「なになにーってミサカはミサカはプリンを食べながら返してみたり」





「超電磁砲になンかあったのか....?」


ピタッと、擬音が聞こえそうなくらい急に、彼女は動きを止めた。
沈黙が場を支配する。


「......」


「.....お姉さまに会ったのってミサカはミサカは尋ねてみる」


「でなきゃ聞く訳ねェだろォが」


なにを当たり前のことを、と言外に含み、一方通行は横になったまま続きをうながす。


「.....一言で言うと、失恋だねってミサカはミサカは答えを言ったり」


その言葉に、内心彼はとてつもなくびっくりした。
その少年のことはよく知っている。
どこかのゲームの主人公かというくらいモテて、それでいて鈍感なやつだ。

一方通行は尋ねる。


「失恋.....?ってえと、超電磁砲が振られたか、三下に彼女ができたってことかァ?」


「後者だねってミサカはミサカは拝呈してみる」


「あー、どおォりでな.....」

一方通行は納得した。
他人の気持ちに鈍感だとしても、自分の気持ちに鈍感だとは限らない。
おそらく、美琴は告白の場面でも見たのだろう。
そう、結論づけた。


「ネットワークも悲しみの渦に包まれてるよって、ミサカはミサカは報告してみる」


「まァ、あの三下に好意を持ってた奴等なンざ、いくらでも居たからなァ.....」

ミサカネットワークと呼ばれる物がある。
それは世界に散らばる美琴のクローン、「欠陥電気(レディオノイズ)」による、脳波ネットワークだ。これにより、ミサカ達は情報を共有することができる。
打ち止めは上位個体と呼ばれ、ネットワーク内での上司のような物だ。

当然、ネットワーク内での状況も分かる。
ミサカ達の八割はあの少年.....上条当麻に恋していた。
だからこそ、どれだけ落ち込んでいるか、打ち止めには簡単に分かる。

打ち止めは不安そうに、机の上にあるプリンの残りを眺めながら呟いた。


「.....お姉さま、大丈夫かなってミサカはミサカは心配してみる。お姉様の初恋だったから.....って、ミサカはミサカはションボリしてみたり.....」


「....チッ」


その言葉を見て何を思ったのか、一方通行はソファーから舌打ちしながら起き上がった。

そして玄関の方に行く彼を見て、打ち止めは首を傾げる。


「?どこに行くのってミサカはミサカは立ち上がったあなたを見ながら聞いてみたり」


そんな打ち止めの質問を聞いて彼は、



「ただの散歩だ」


そう言って玄関に通じる扉をガチャっと開けた。

一方通行は納得した。
他人の気持ちに鈍感だとしても、自分の気持ちに鈍感だとは限らない。
おそらく、美琴は告白の場面でも見たのだろう。
そう、結論づけた。


「ネットワークも悲しみの渦に包まれてるよって、ミサカはミサカは報告してみる」


「まァ、あの三下に好意を持ってた奴等なンざ、いくらでも居たからなァ.....」

ミサカネットワークと呼ばれる物がある。
それは世界に散らばる美琴のクローン、「欠陥電気(レディオノイズ)」による、脳波ネットワークだ。これにより、ミサカ達は情報を共有することができる。
打ち止めは上位個体と呼ばれ、ネットワーク内での上司のような物だ。

当然、ネットワーク内での状況も分かる。
ミサカ達の八割はあの少年.....上条当麻に恋していた。
だからこそ、どれだけ落ち込んでいるか、打ち止めには簡単に分かる。

打ち止めは不安そうに、机の上にあるプリンの残りを眺めながら呟いた。


「.....お姉さま、大丈夫かなってミサカはミサカは心配してみる。お姉様の初恋だったから.....って、ミサカはミサカはションボリしてみたり.....」


「....チッ」


その言葉を見て何を思ったのか、一方通行はソファーから舌打ちしながら起き上がった。

そして玄関の方に行く彼を見て、打ち止めは首を傾げる。


「?どこに行くのってミサカはミサカは立ち上がったあなたを見ながら聞いてみたり」


そんな打ち止めの質問を聞いて彼は、



「ただの散歩だ」


そう言って玄関に通じる扉をガチャっと開けた。



夕日も落ち、暗闇を人工の光が照らす中、大きな橋の上で美琴は一人、ため息を吐いていた。



「ハァ.....終わっちゃったな、私の初恋.....」


そう呟き、ポケットからPDAを取り出し、自分の顔を鏡のように映してみる。
そこにはいつもの明るい顔ではなく、今にも泣きそうな顔があった。
それを見て再度ため息を吐き、

「こんな顔じゃ、寮に戻れないよね......」


手すりによりかかり、街に挟まれた、巨大な川を見る。
美琴には悪いクセがある。
それは自分のことを溜め込むことである。
皆に心配かけたく無い、そう思い、一人胸に抱える。





カツ、と足音がした。



「!?」


美琴はとっさに振り向き、そこに居る人物を見る。
10m程先に、人が立っていた。
白い白い印象を持つ、その少年は、


「よォ」


一方通行だった。
彼はまるで友達に声をかけるように軽く、ニヤニヤ笑いながら話かけた。
一歩一歩歩いて美琴に近づく。
美琴はそれを見て、苛立ちながら返す。


「......なによ?殺し合いでもしに来たの?」


そしてバチバチと、美琴の周囲に電流が走る。
それを見ても一方通行は笑みを崩さず話かける。


「べっつにー、タダ、初恋が終わった第三位をバカにしに来ただけだ」


「へぇー.....アンタ喧嘩売ってんだ?」


美琴の手に日常じゃ絶対に見ないレベルの電流が巻き起こる。
一方通行は首元にあるチョーカーの電源を入れながら言った。


一方「ハッ!来いよ!」





二十分後、美琴は息を荒げながら膝に手を付いていた。
一方通行はチョーカーの電源を通常モードに戻した。


「ハァ、ハァ.....」

息を荒げる美琴を無視し、一方通行は辺りを見渡す。


「あーあ、周りがボロボロだぜ.....」


一方通行が呟いた通り、辺りはめちゃくちゃだった。
橋の鉄柱は折れたり、熱で溶けたりしていた。
道を覆っていたアスファルトも砕けたり、折れた鉄柱が刺さってたりしていた。

そんな状況を見て呟いた一方通行の言葉に、美琴はガバッと顔を上げ、怒鳴る。


「あ、アンタがベクトル操作で周りに飛ばすからでしょうが!」


「へいへい」


一方通行は適当に返した。
ソレを見て、美琴はハァとため息を再度吐く。

そう、この破壊は全て一方通行が操作して周りに飛ばしたからである。
何を飛ばしたかというと、電流や砂鉄、そしてレールガン。
ちなみに、美琴の攻撃だが、当たらない攻撃もわざわざ手を伸ばして操作してたりする。
そして、美琴が一切ケガを、それこそ擦り傷すら負っていないのは一方通行のおかげだ。
そこは美琴も分かっており、何故か残っている手すりに寄りかかって、波を眺める。

一方通行は手すりに背中から寄りかかり、夜空を眺めた。


「.......」


「.......」


沈黙が落ち、風と波の音だけが響く。


「......ここさ、」


「.......」


美琴が口を開くが、一方通行は黙ったまま続きを待つ。


「あの日、アンタがアイツに負けた日、ここでアイツと喧嘩したのよ.....いや、私の一方的な攻撃か...」


「あの日か。あの思い出したくもねェ、三下に殴り飛ばされた日」


美琴が言ったあの日という言葉に、一方通行は反応した。
一方通行の忘れられないあの日。
一方通行と美琴の因縁を作り出した実験を、身一つで止めたヒーローとの出会い。
その時のセリフは今でもまだ覚えてる。


『歯ァ食いしばれよ最強(最弱)。俺の最弱(最強)は、チッとばっか響くぞぉ!!』


あの時がなければ、今の一方通行はあり得なかった。


「そーよ.....あの日、アイツが居なかったら、今頃アンタと戦って死んで、あの子達も助けられ無かったわね」


「.......」

美琴の独白を黙って彼は聞く。
美琴の言葉は続く。


「それから、色々あって、アイツの存在が私の中でドンドン大きくなっていって、」



すぅ、と息を吸って、


「気がついてたら、好きになってた」


美琴はそう言った。



「.......」


「.....あははっ、わたし何言ってるんだろうね。よりにもよって、アンタに言うなんて.....
本当に、バカみたい......」


美琴は自嘲するように笑い、力の無い声で言う。


「.....ほらよ」


一方通行は突然何かを取り出して美琴にひょいと投げた。
美琴は片手でキャッチし、怪訝そうに尋ねる。


「.....なに、これ?」


「ブラックコーヒー」


そう言って、彼はどこから取り出したのか、缶コーヒーを口に含む。
美琴は手元にあるものをまじまじと見て、


「うわっ、よくアンタこんなの飲めるわね.....」


「いいから、サッサと飲みやがれ」

美琴の非難を無視し、一方通行は飲めと言う。
いつもの美琴なら、投げ返していただろう。
だが、今はいつもの美琴では無かった。


「......」


プシュっと缶飲料を開けた時どくとくの音が響く。
そしてそれを口に含み、美琴はポツっと呟く。




「......苦い」


「ハッ、だろォな」


その言葉を聴いて少し笑いつつも、一方通行はコーヒーを飲む。



「....に、がすぎて」



「.....」



「泣いちゃうじゃ、ないの.....!」



「......そォか」


「ばかぁ.....!」



嗚咽を漏らし涙をポロポロ流しながら言う美琴の言葉に、一方通行は、


「今に始まったことじゃねェよ」


そう、返した。


「ただいま、ってなァ」


一方通行がそう言いながら家に上がると、トタトタと、足音が近付いて来る。


「おかえり!ってミサカはミサカは返事をしてみる」


打ち止めが元気にそう言うのに、軽く手を返し、ボスッとソファーにめり込んだ。


「あー、慣れねェことはするもンじゃねェなァ.....」


「.....お姉様のこと?」


思わず呟いた一方通行の言葉を聴いて、打ち止めは何故か彼女の姉とも言える存在.....御坂美琴を出した。

一方通行は顔を上げ、若干打ち止めを睨みながら聞く。


「オイ、なンでテメェがソレ知ってンだゴラ」


「うーん、10032号が近くに居たみたいでね、ってミサカはミサカは説明してみる」


「.....そォかい」

打ち止めの言葉に納得し、一方通行は頭の後ろで手を組んで、天井に顔を向ける。


「.....お姉様のこと、有難うってミサカはミサカはあなたに感謝する」


打ち止めの感謝の言葉に、どう思ったのか、彼は横を向いた。


「別に、対したことはしてねェよ.....オレァもう寝るぞ」


「もう!ソファで寝たら風邪引くよってミサカはミサカはあなたに注意してみる!」


この後、ソファーで寝ようとした一方通行に打ち止めがダイブして一方通行は気絶しかけたそうな。



「...........」


美琴は夜の道を歩きながら、一方通行が去り際に言った言葉を反復していた。


『テメェには沢山頼れるヤツ等が居ンだろォが。とっと帰れ。こんなクソッタレの悪人と居ンじゃねェよ』


「......頼れる、か」


「お、お姉様?こんな時間までいったいどうしたんですの?」


寮の外で待っていてくれた後輩兼ルームメイトを見ながら思う。


ーーー全く、勝手に来たのはアンタの方でしょうに......でも、


「......あのね、黒子。私、失恋しちゃった.....」


ーー今回だけは、その言葉通りにしよう.....


正直な話、もうすでに投稿していた台詞だけの方がいいですか?

自分の文才の無さに絶望した!

続くかは実は未定だったり.....

だよねー!おれのばか!
ほんとどうしよ.....

①開き直おってこのスレで続ける。

②このスレどうにかして前スレでやる

どうしよ....
あ、あと作品としてはどうなんだろ....?

もういい!開き直るに決定!
というか両方やってく!

もういい!開き直るに決定!
というか両方やってく!




三日後



今日この日、一方通行は気分がダルかった。
何故なら朝からイキナリ仕事だったからである。
それも五時の。

今は十時。
休日の今日はお出かけする若者で賑わっていた。

そんな歩く人達を横目に見ながら、一方通行は言う。


「ダリィ.....さっさと帰ってコーヒー飲みてェ.....」


「ちょっと」


「くそ、コンビニにでも寄って「無視すんなコラ!」.....なンだよお前。あえて視界に入れなかったってのによォ」


そう、わざわざ横目で周りを見ていたのは、目の前の少女.....美琴から顔を逸らしてたからだ。



「......ちょっと来なさい」


グイッと中学生らしくない筋力で首元捕まれて引っ張られ、一方通行はズルズルと連れて行かれる。

一方通行は普段は杖をつかないと歩けない。
それに筋力も同年代から見ると弱い方に入る。
結局、チョーカーに手を伸ばすまも無く、一方通行は連れて行かれた。


「って、シャツ掴むンじゃねェ!伸びンだろォがァ!」


オープンカフェにて、


「で?こりゃあどーいう風の吹き回しだ?」


一方通行の「ボク不機嫌です」といったオーラを無視しつつ、美琴は一方通行にメニューを差し出した。


「いいから、とっととデザートと飲み物注文しなさいよ」


「あァ?なンでそンなこ「いいから!」....クソガキの頑固さは遺伝のせいか......たっく、チーズケーキにブラックコーヒー」


自分の同居人の頑固(ワガママ)っぷりを思い出しつつ、彼は余り甘く無いと思われるチーズケーキと、ブラックコーヒーを頼む。

それを聞いて呆れた表情で美琴は言った。


美琴「またブラック?余りコーヒー飲み過ぎると胃を壊すわよ?あ、私はショートケーキにミルクティーで」


「テメェに関係ねェだろォが」


そんな美琴の心配を拒否するように、一方通行は返すが、


「関係無くても、心配するわよ。ソレにアンタに何かあったらあの子が泣くし」


「.....そォかい」


美琴のその言葉に、ちょっと気をつけようかなと彼は内心思った。

そんな彼の内心など知らず、美琴は言葉を続ける。


「.....あの子は元気?」


「元気過ぎてうぜェくれェに、な」


「そっか」


一方通行の呆れた風に言うのを聞いて、美琴は笑顔で返した。

一方通行はそれを見て、頭の中にクエスチョンマークを浮かばせる。

ーーこいつ、どうしたンだァ....?

少なくとも、一方通行は自分の目の前で彼女が笑うのを初めて見た気がする。
それもそうだ。なにせ自分はソレだけのことをしたのだ。

そんな疑問を消し去るように、店員の声がした。


「お待たせしました、ショートケーキにミルクティー、チーズケーキにブラックコーヒーです」


「じゃ、いただきます」


店員が持って来たケーキに早速フォークを刺す。
一方通行も考えるのが面倒になったため、ケーキを口に含む。

しばらく、食事の音がする。


「.....やっぱ甘いもンは苦手だな」


そう言いながらコーヒーを飲む一方通行を見て、美琴が、


「甘い物苦手って、人生損してるわね」


「コーヒー飲まねェヤツよりは損してねェよ」


そんな風に普通に会話した。
周りに二人を知っている人が見たら、卒倒したのでは無いだろうか?

この二人が、こんな風に普通に会話するなど。


「ごちそうさまでした」


「.......」


美琴はちゃんとごちそうさまを言い、一方通行は無言で完食する。


「.......」


「.......」


「「.....あのさぁ(よォ)」」


気まずい、沈黙が訪れた。
何というか、お見合いの時のような、冷や汗が垂れる沈黙である。

一方通行は苦い表情をしながらも、美琴にアゴをしゃぐった。

ーーお前から言え

そういう感じを受け取り、美琴は一旦ゴホン、と咳払い。
そして、真剣な表情で一方通行を見る。
先ほどまでの気まずい沈黙は消え去り、ピリピリとした、雰囲気が場に満ちた。

意を決したように、美琴は口を開く。


「......ねぇ、アンタさ」


「ッ!?」


ドンッ!と一方通行は動いた。
チョーカーの電源を入れ、食器達をテーブルごとなぎ払い、美琴を椅子ごと横に突き飛ばす。


「きゃ!?ちょっと何し」


美琴が何か文句を言う前に、高速で何かが一方通行の手に当たった。
それは反射の膜に遮られ、同じ速度でおなじ道を帰ってゆく。



ドォォォォォン!!


はるか遠くから、爆音が響いた。


「.....へ?」


一体何が起こったのか、理解できず、美琴はボーゼンとしていた。

対して一方通行はキレていた。


「チッ!朝から堂々と!周りを巻き込むのもお構いなしってかァ?面倒クセェ!」


幸い、届くかなり前に気がついたからよかったものの、もし反射が間に合わず、着弾していたら確実に周りの人間は死んでいた。


「えっ、ちょ、今の何!?」


「見て分かンねェのか!狙撃されたんだよ!そ・げ・き!ロケットランチャーでな!」


「え、えええええ!?」


美琴は慌てて一方通行に尋ねるが、予想だにしない返答に叫ぶ。

そして一方通行は地面をダンッ!と踏みしめ、音速以上のスピードで動き、美琴の視界から一瞬で消えてしまった。


「え?ちょ、ちょっとドコ行ってんのよぉおおおお!?」


美琴の声に、周りの人達は若干引いたそうな。

さて、ここから完璧オリジナルですよー

はい、仕方無いんです。
ピリピリさんを惚れさせるためにはどうしても戦闘が必要なんです!
もう一つの方も、ネタが思いついたら書きます!

もう片方のURLがわからないんだが 誰か助けて

>>41ここです。

御坂妹14510号「MNWの力で一方通行とのデートを成功させる」

何というか、続きを書いてくれという声が多くて超ビックリ。
電磁通行とか邪道じゃね?うわー絶対叩かれるよ俺、とか思ってたのに。
いや、叩いて欲しくは無いですが!Mじゃないし!

所で、一つ聞きたいんですが、上のスレにある、台本形式のとどっちがいいですかね?
友達に聞いたら、二対二になったんですよ.....
やっぱ、自分が書きやすいほうでいいんですかね?

>>45 え!?マジっすか!?詳細プリーズ!教えてくださいいやマジで!
そうですか。あれ?でも台本型式と字の分ありの型式ってメリットとデメリットどう違うんだろ?




「さァてェ?なンであンなことしたか、ドコの組織に所属してやがンのか、きっちり吐いてもらォか?」


「クッ.....」


千mほど離れたビルの十五階。そこに狙撃手は居た。
黒く煤けた絨毯のうえに、男は這いつくばる。
跳ね返されたロケットランチャーはガラスを壊し、そこから死神を招いた。

白く、白い、死神を。


一方通行は笑いながら男の近くへと歩いていく。


「さて、どォされたい?全身の骨を折るか?それとも皮を掃いでいくかァ?バナナの気持ちが分かるぜェ?」


そう言って近付く。
後五m。
その時だった。


「おっと、彼も仲間なのでね、手出しは止めてもらおうか?」



バッ!と一方通行は声のした方をふりかえる。
そこにいたのは20歳程度の若い男だった。
髪は金髪で瞳は青。一方通行の髪と目の色とは正反対だった。
肌は白く、身長は180センチ程ある。


「リーダー....」


倒れ伏した男がポツリと漏らした声を聞き、ニヤッと一方通行は獰猛な笑みを浮かべた。


「お前がこいつの親玉って訳かァ?」


「ああ、始めまして『一方通行(アクセラレーター)』。学園都市最強のレベル5よ。私のことはクサナギとでも読んでくれ。本名は長すぎて名乗りたくないんだ」


そう言って、どう見ても外国人にしか見えない男.....クサナギはニッコリ笑う。
対して正反対の笑みを浮かべながら、一方通行は言う。


「ってこたァだ、さっきの狙撃もテメェが命じたってことか?」


「そうだ。分かっているのだろう?」


「あァ、確認しただけだ」


そして、動きを止め、フッと消えた。


いや、正確に言うなら消えてはいない。
ただ余りにも早く動いているのと、光のベクトルを捻じ曲げているだけだ。

そして一方通行は腕をクサナギに向かって振るう。
一方通行は触れさえすればいい。
触れれば相手の体に関するベクトルを操作して殺せるのだから。

その、一撃必殺の腕が振り切られる。



振り切られる。


「いきなりひどいな」


一方通行が地面に足をつき、振り返ると、先ほど倒れていた男をクサナギが抱えていた。
今さっき、一方通行は音速を超えていた。
つまり、彼はそれ以上の速度でかわしたということになる。


(どういうことだァ?肉体操作系の能力者?いや、チゲェ。音速を超えれる程のヤツなら俺が知らねェはずがねェ)


一方通行が知っている音速を超えれる人間は二人だけ。
一人は第二位『未元物質(ダークマター)』、垣根帝督。もう一人は『原石』と呼ばれる第七位の男。
一方通行は見たことがないが、上条が見たことがあるらしい。
だが、目の前の男はそのどちらでも無い。

ここで、一方通行の脳は一つの答えを弾き出した。


「テメェ....魔術サイドの人間か」


「Yes」


そうだ、とクサナギは顔に笑みを浮かべながら答える。
一方通行がよく知る科学サイドにいないのなら、科学の対極に位置する、もう一つのサイドの人間だ。


「さて、今回は引かせてもらうよ。なんの準備も無い状態で君と闘うなど、自殺行為だからね」


「ハッ!逃がすかよォ!」


クサナギの言葉に一方通行は言い返し、身を屈める。
しかし、クサナギの方が動きが早かった。
コートのポケットから何かを取り出し、地面に投げつける。

ボフン!と白い煙が部屋を包み込んだ。
一方通行は舌打ちし、無駄だと思いながらも、クサナギがいると思われる場所に、風を叩きつける。

ブオッ!という音とともに、煙も吹き飛ぶ。
そこに、一方通行以外の人間はいなかった。


「....逃げ足の早えェ野郎だ」


そう言って一方通行はチョーカーの電源を切り、部屋を見渡す。
ガラスは全壊。壁も所々黒く染まっている。
ヒラヒラと、一枚の紙が、一方通行の目の前に落ちた。


「.....」


無言で一方通行はソレを拾う。
その紙は習字に使うような紙で、流暢に一方通行では理解できない文字が書かれていた。


「なンだこりゃ?とりあえずとっととずらかるか.....」


そう言って一方通行はポケットに紙をしまった。



うん、やはりあれです。最低でも戦闘シーンは地の文が無いと無理です。
あぁ、そろそろ授業が始まる.....

向こうのスレのネタが思いつかない!

表現とかは意見を言ってけばその内洗練されてくでしょ

まーでも
漢字とかがちょくちょく違う
以外→意外
類猿人→類人猿

応援してる

俺得すぎて2828が止まらない

とあるSSまとめブログとかあったら教えて下さい

>>152 うわっ、自分は本当にどれだけバカなのかと...orz

>>153 あざーす!こっちも嬉しさの余り2828です。

>>154 うーん、スレまとめならのくす牧場とかですかね?


先に一言、まじすみません。
では下へ。

とあるifの物語




美琴、十歳、レベル5についに到達。
次の日。


研究「今回は君以外のレベル5に会ってもらいたいんだ」


美琴「どんなヤツですか?」


研究「二人いてね。君より順位が上だ。『一方通行』と『未現物質』という」


美琴「第一位に第二位......」


研究「あぁ、ここだよ」


プシュー






一方「死ねェェェェェェェェェエエ!!!」


垣根「テメェが死ねェェェェェェェェェエエ!!!」


ドゴーン!ズギャ!バキッ!ドゴーン!!バガッ!!


美琴「......はい?」


研究「はっはっはっ、今日は一段と激しいねぇ」


美琴「え?日常!?こんな音速を超えてる喧嘩が!?」


研究「大丈夫。ここは核シェルターの五倍の強度を持つ特別室だから」


美琴「いや、そうじゃなくて!(ダメだこの人!なんか家のお父さんに似てる感じがする!)」


一方「このメルヘン野郎がァ!また冷蔵庫に閉じ込めんぞ!?」ブォッ!!


垣根「黙れモヤシ!人のトラウマほじくんな!テメェこそまた激辛コーヒー飲まされてぇのか!?」シュン!スパッ!


一方「お前イタズラに能力使ってンじゃねェェェェェェェェェ!!」ギュオッ!!


垣根「テメェも使ってたろうがァァァァァァァァァァ!!」ギュオッ!!


一方「メルヘンヤロォォォォォォォォ!!」バッ!


垣根「モヤシヤロォォォォォォォォ!!」バッ!



ドゴォォォォォォンッ!!




一時間後


美琴「は、始めまして、御坂美琴って言います......」


一方「......一方通行だ」


垣根「始めまして、お嬢さん。自分は垣根帝督と言います。宜しければ今度デートにでも...「なにイキナリナンパしてンだよ」ゴンッ! グボッ!?なにしやがる!?」


一方「何って、ケリ?」


垣根「そうかそうか、そんなに死にてぇのかテメェ!!」


一方「上ォ等だァ!!」


研究「はいはい、あんまり暴れると音爆弾喰らわすよ?」


一方・垣根「すみませんでした!!」


美琴「ねぇ、音爆弾って何?」


一方「(なんで俺に聞く?)アー、手榴弾みてェなヤツで、大きな音がするやつだ。...この前は黒板を爪で擦る音だった......グボッ!?なにしやがるテメェ!」


垣根「ちくしょー!なんでだ!どうしてテメェの方がモテるんだ!?クソ!俺の方がこんなアルビノ野郎より百倍かっけぇーよ!」


一方「アルビノじゃねェ!能力の弊害だっつーの!」



美琴「お、落ち着いて......あれ?そういえばさっきの一方通行って能力名よね?名前は?」


一方「っ、それは」


垣根「あー、こいつな!能力名を大層気にいっちまってな!こっちを本名にしちまったんだ!」


美琴「へー、そうなんだ.......」


一方「(テメェ......)」


垣根「(礼はいらねぇよ)」


一方「(お前、意外といいや)」


垣根「(今度奢れ。一万単位で)」


ブチッ!


一方「あァそうですね!ちょっと見直しかけた俺がバカでしたァ!」


垣根「バーカバーカ!」


バキッ!ベキッ!ドカッ!ゲシッ!


美琴「い、いいの?止めなくて?」


研究「まぁ、能力を使わないタダの殴り合いだしね。それにしても......意外だね」


美琴「?」


研究「いや、彼が簡単に打ち解けていることが、だよ。垣根君の時も三日目ぐらいからようやく会話をし始めたのに」


美琴「えーと、やっぱり女の子だから?」


研究「はっはっはっ、かも知れないね。君は彼らを見てどう思う?」


美琴「...やっぱり同じ人間で、男の子だなぁと」


研究「そうか」


垣根「へいへい!どうした一方通行!反射を含む能力を使わなかったら、んなもんか!?」


一方「なめンなァ!ナンパ野郎に負けてたまっかァ!」


ドコッ!


研究「おっ、クロスカウンター」


美琴「あっ、二人とも倒れた」


研究「さて、酸素カプセルに入れるか。ちよっと一方君を運んでやってくれないか?」


美琴「あっ、はい。おーい、自分で立てる?」


一方「あ、ああ......」


垣根「な、なんでアイツにフラグが.......」


研究「さぁ?」


一ヶ月後



垣根「この前よ、第四位にあったぜ」


美琴「へー、どんな人だった?」


垣根「......なんかかめ◯め波打ってた」


美琴「......何それ?」


垣根「後恐らくヤンデレ」


美琴「......かめ◯め波打つヤンデレって......」


垣根「あり?そういや一方通行はどうした?」


美琴「家に行ったけどいなかったって、どうしたの?」


垣根「...ちくしょう、なんであんな野郎が......」


美琴「よ、よく分からないけど。ほら、テレビでも見て待ちましょ」


垣根「くそ、昨日負けたポーカーの借りを返してやるつもりだったつーのに......あのバカは今何して「緊急速報です!」っ!?」


美琴「えっ?」


『第七学区にて、十二歳程度の少年が警備員と戦闘している模様です!第七学区のーーー近くにいる人はスグに避難して下さい!』


垣根「おいおい、まさか......」


『情報が入りました!少年の容姿は白い髪に赤い目ー」



美琴「そ、そんな......」


垣根「チッ!あの時と一緒かよ!」


美琴「アイツを助けないと!」









一方「あーあ、人助けでもしてみるかと思ったらこれだ」


一方通行は歩道橋の上で、遠くを見る。
戦車や大形警備ロボットが音を立てながらやって来ているのを。

不良に絡まれてた奴を助けたら、不良がどっかのお坊ちゃんで、やって来たボディガードを吹き飛ばし、気がつけばこんな状況に。


一方「やっぱ、俺は普通に生きるのは無理なンだよ.......オレみてェな化け物には、到底無理だったンだ」


バッサバッサ!


一方「っ!?」


一方通行が上を見上げると、そこには、


美琴「こらー!何やってんのよ!」


垣根「ば、暴れんな!誰か抱えて飛ぶの始めてなんだからよ!」


一方「て、めェら、なンで、ここに......」


美琴「なに言ってんのよ!アンタバカぁ!?」


垣根「テメェにはポーカーの借りがあんだよ!サッサと帰んぞ!」


一方「......垣根、今スグ、そいつ連れてここから離れろ」


美琴「ちょ、なんでよ!?」


一方「見りゃわかンだろうが!俺はな、化け物だ!テメェ等みてェな人間と一緒にいちゃならねェンだ!だから、サッサと帰れ......オレのこたァ、もォ忘れろ。いつか、巻き込まれるぞ......」


美琴「......そう、化け物だから、ね......」チャリ


一方「っ!オイテメェ何」


ドォォォォォォォン!!


一方「おま......なにして...!?」


美琴「さて......十歳で無人戦車をコイン一枚で吹き飛ばせるやつは、人間って言うの?」


一方「っ......」


垣根「オイこら一方通行。テメェが言う最強ってのはんなもんなのか?」


一方「......」


垣根「女の子にここまでさせといて、今更どうこう言わせねぇぞ!最強!」


一方「っ!」


垣根「テメェはどうしてぇんだ!サッサと行動で示しやがれ!」


一方「ウ、ウォォォォォォォォッ!!」


「警告、警告、スミヤカニ「ウッセェ!!」グシャ!!


一方「化け物とでもなんでも言うやがれ!俺は、帰ンだよォォォォォォォォ!!」



ーーーーーーーー


結局、この後色々あったものの、最初のたかられていた少年の証言で、一方通行はお咎め無しだった。

ーーーーー


三年後、



初春「あっ、あそこですよ!ゲコ太ストラップが貰えるクレープ屋さんは!」


美琴「よし!ゲットし、よ......」


黒子「あら、あのベンチにいらっしやる方達......」




一方「だー!テメェウゼェ!アイツとはなンもねェっつてンだろォがァ!」バキッ!


垣根「黙れリア充!川に石持って飛び込んで死ね!」ドカッ!


美琴「あんたら何やってんだゴラぁ!!」バリバリ!


一方「美琴!?ちょ、今反射切ってギャァァ!?」


垣根「あぶな、ギャァァ!!」





美琴「たっく、あんた等のせいでゲコ太取り逃がすとこだったじゃない!佐天さん、ありがとね!」


佐天「い、いえ......あ、あの、それでこの人達は?」


一方「お前もしつけェな!ツインテジャッジメントォ!!」


黒子「あなた本当にお姉さまとは何もありませんの!?本当の本当に!?」


一方「オイこの変態どうにかしろォ!」


垣根「始めましてお嬢さん。私は垣根帝督と言いまし「助けろォ!」ちょ、おまっ!今いいとこなんだよ空気よめよ!」


初春「あわわわ......」


美琴「恥ずかしいから落ち着けあんた等!」

佐天「だ、第一位と第二位......!?」


垣根「あっ、それ間違いだから。俺の方が強えから」

一方「黙れ。カードゲーム全敗したろうが」


垣根「だけど人生ゲームは俺が勝ったぞ!?」


美琴「うん、黙ろうね」


初春「はわぁー凄いです。一、ニ、三とこの学園都市最強のレベル5が同じ空間に居るなんて......」


黒子「あなた、レベル5でしたのね......しかも第一位。だがしかし、黒子は負けませんわよ!」


一方「うン、テメェもう警備員に捕まって来い」


佐天「......」


初春「?どうしました?佐天さん?」


佐天「いや、なんかさ、凄いなぁと。私レベル0だし......」


美琴「レベルとかあんま関係ないと思うんだけどなぁ......」


一方「そォだな。同じ息を吸う人間ってのは変わんねェしよ」


垣根「変わるのはウサギが茶ウサギになるくらいだぞ?」


一方「テメェウサギってのは俺だな?俺なンだな?」


垣根「ハッハッハッー、なんのことやら?」


一方「ムカつく!スゲームカつく!こいつぶっ飛ばしていい!?」


美琴「落ち着け!」


初春「あはははは.....あれ?」


黒子「?どうしましたの?」


初春「いやあの銀行、なんでこんな昼間から防犯シャッターを閉めてるんでしょう?」


佐天「へ?」


美琴「え?」


ドゴォォォォォォォォン!!


一方「!」


垣根「チッ、誰だこんな昼間っから」


黒子「みなさんはここに居て下さいな!」




美琴「避難しそこねた男の子いた!?」


一方「バスの中には居ねェ!」


垣根「こっちもだ!」


佐天「ハッ!?」


強盗「オラ来いガキ!」


子供「誰か助けてー!」


佐天「その子をはなして!」ガシッ!


強盗「こっの、ガキっ!」


ゲシッ!


佐天「あう!」



フワッ

ガシッ


佐天「えっ?」


垣根「おいテメェ。女の顔足蹴にするとか、ふざけてんじゃねぇぞ?」ギロッ!


佐天「つ、翼......?」


強盗「ひ、ひぃ!」


黒子「マズイ!車に乗って逃げますわ!」


美琴「あー、大丈夫よ」






強盗「だ、誰か道路の上に立って?」





「残念、ここから先は地獄までの一方通行だ」


グシャァ!!


強盗「ぶくぶく」


一方「はっ、その小せェ脳みそシェイクできたかよ?」



黒子「なっ、車が、潰れた?触れただけですのに......」


美琴「あれが、最強の力って訳よ」



はい!ゴメンなさい!書きたかったんです、はい!
明日本筋の方頑張るんで!マジすみません!

心理掌握の口調どうしよ......

>>176 いや、まだまだ続きます。しかし、投稿していいのか......垣根×佐天になるし、レベル5の第六位はあいつになるし......

話は面白いんだけど、
アジ「ド」、これがひたすら気になったw

>>213-214 もう、ね。自分のバカさ加減にもほどほど飽きた。ねぇ、ダイブしていい?来世にダイブしちゃっていい?

また、一言。すみません!本筋も頑張るから見逃してください!


少し時間経過



黄泉川「全く......お前達はいつもいつも......あり?垣根は?」


一方「あそこだ」



垣根「おい、顔大丈夫か?」


佐天「えっ、いや、はい、その......」


垣根「ちょっと待ってろ」


パアアッ


佐天「あっ、痛みが......」


垣根「太陽光の性質を変えたんだよ。こういう時は能力が頼りになるな」


佐天「あ、あの......ありがとうございます......」


垣根「別にいいぜ、気にすんな。あっ、なら今度デートでも「アホかー!?」グハッ!?」


美琴「あんたバカぁ!?いい空気が台無しでしょうが!」


佐天「......///」


初春「佐天さん?」


佐天「はっ!?いやいや!何でもないよ!?」


初春「?」



黄泉川「おお?脈ありそうじゃん?とうとう垣根に春が......って一方通行!逃げんなじゃんよ!」


一方「あーあ、聞こえねェ!」




ファミレス


一方「つーかよ、飯食うのはいいけどここ多人数用だろォ?俺ら六人で陣取っていいのかよ?」


垣根「一方通行が常識を述べた、だと?」


一方「お前後で体育館裏な」


美琴「しょうがないでしょ。ここしか空いてないんだから」


黒子「あー、大概こういったパターンの場合、誰かが相席しますわね」


初春「い、いくらなんでもそんな漫画みたいな「すみません、相席よろしいでしょうか?」


佐天「......初春、来たよ」


初春「...そうですね......」


美琴「いいですよー」



「おっ、相席いいみたいだぜ」


「いい人みたいだにゃー」


「ムムッ!?感じる、感じるでぇ、美少女のオーラを!」


「青髪、頼むから少し離れてくれ。同類に思われたくない」


美琴「あっ!?」


上条「ゲッ!?あの時の電気女!?」


一方「あン?知り合いかァ?」ギロッ


上条「睨まないで!」


土御門「レベル5が三人、だと?」


青髪「うひょー!ワイのセンサーはやっぱ正確やな!」


垣根「土御門?」


土御門「まぁ、とりあえず座るにゃー」



初春「それで、その上条さんと御坂さん、どこで知りあったんですか?」


一方「そうだなァ、すっげー気になるぜェ」ギロッ


上条(さっきから睨まれっぱなしで上条さん大ピンチ!主に精神的に!)


美琴「ほら!前メールでいったじゃない!私の電流を打ち消した自称レベル0のこと!」


一方「......こいつがァ?」


佐天「み、御坂さんの攻撃を防いだんですか!?」


初春「どんな能力を...あれ?でもレベル0ってことは何か特別な武器でも?」


上条「いや、俺は正真正銘ただのレベル0だよ。生まれつき変な力をもってるけど」


青髪「確か、幻想殺しやったっけ?」



上条「あぁ」


垣根「なんだその雄二くせぇの?」


美琴「あんたも大概だと思うわよ」


上条「この力は~(中略)~ってわけだ」


一方「...なンだそりゃ」


土御門「本人に聞いても分かんないと思うにゃー......」


垣根「あり?ってことは一方通行の反射を打ち破れるのか?」


一方「おいおい、おれがレベル0に負けるってかァ?」


上条「いやいや、ないない」


美琴「でもさぁ、その力が本当なら貴重どころの騒ぎじゃないわよ?」


初春「確かに......幻想殺しなんて始めて聞きましたし」


佐天「やっぱすごいの?」


黒子「その方の言った通りなら、珍しいとかいうレベルではないですわね。世の中に噂として出回ってないのが不思議ですわ」


垣根「...(おい、土御門)」


土御門「(あぁ、アレイスター関係だにゃー)」


垣根「(チッ、なに考えてんだあのバカは)」


佐天「?垣根さん、どうしたんですか?」


佐天「?垣根さん、どうしたんですか?」


垣根「うん?なんでもねぇよ」


青髪「いやー、それにしても美人ばかりで僕はもうハッピーやでぇ!」


美琴「なんでだろ......なんか黒子と同じ感じがする」


一方「いや、同じ変態だからだろォ」


黒子「まぁ、私が変態ですって!?そんなことはありませんわよ!ただ、お姉さまに対する愛が止まらないだけであって!」


初春「それを世間一般では変態と呼ぶって痛い痛いです!白井さん!」


店員「すみませーん。相席よろしいですか?」


上条「いいよな?」


美琴「いいわよ」




麦野「あれ?なにこれ?」


心理「あら、お久しぶりですね、御坂さん」


垣根「第四位!?」


美琴「心理掌握!?」


上条「へっ?誰?」


一方「かめ◯め波使いに、お嬢様だ」


麦野「誰がかめ◯め波使いだゴラ!」


心理「あら、第一位に知ってもらえてるなんて、光栄ね」


美琴「なに、このカオス」




上条「今覚えば、これめっちゃ凄いことだよね?」


一方「ハッ、まァ珍しくはあるなァ」


垣根「あといないレベル5は第六位と第七位か」


佐天「あれ?でもその二人噂すら聴いたことないんですが......」


美琴「第七位は居るわよ。とてつも無いバカだけど」


垣根「ただ、第六位は無理だな」


佐天「へ?」


初春「えっと、バンクのデータを見て見たんですけど、故意に消されているようで詳細がわから無いんです」


黒子「バンクのデータが無い?レベル5なのに?」


麦野「逃げ出したのよ。実験が嫌になってね」


黒子「実験?」


美琴「私も詳しくは知ら無いけど、地獄だったらしいわね」


土御門「本人は今どこに居るんだろうにゃー」







心理「あら、そこに居るじゃ無い」


全員「はっ?」


心理「ねぇ?そこの青髪さん?」


青髪「......ハァ、やっぱその能力えげつないわー」


全員「え、ええええええええ!?」



うん、ごめんなさい。
本筋の方ははっちゃけられないから時々書いてしまうんです。

ただ最後に一つ、俺はもし麦のんに憑依したらかめ◯め波を打つ!必ずだ!




クサナギはこの瞬間、完璧に油断していた。
聖人としての力、草薙の剣(レプリカ)の力に頼りすぎていたのかも知れない。


クサナギはこの瞬間、完璧に油断していた。
一方通行はまだ、終わっていなかったというのに。


(なっ!?)


振り終えた体制でクサナギの目に入ったのは、自分の後ろに回る、一方通行の姿だった。


(ばかな!?手ごたえはあったはず!?)


クサナギの目の前を、スローモーションで落下していく物体があった。

それは、


(腕!?)


一方通行の左腕だった。

蜃気楼というものをご存知だろうか?
砂漠などである、空気が熱によって密度が変化し、光は違う密度の物体間を直進することが出来ないという性質のせいで、ありもしない物が見えるという現象だ。


さて、問題です。

風と光のベクトルをも操れる一方通行は何をしたのでしょう?



(まさか、こちらの油断を狙って!?)


一方通行より、クサナギは早い。
一方通行の一撃を当てるためには、完璧な油断を誘う必要があった。


「腕の一本くらい、くれてやンよォ......」


大事な者を守るためだ。
何を躊躇う必要がある?


「歯ァ食いしばれ、聖人(格下)......」


そして、一方通行は、いつかの少年がやったように拳を握りしめ、


「俺の、悪党(最強)の拳は、チッとばっか響くぜェ!?」


ゴギッ!!


凄まじい轟音を立てて、クサナギの顔面に、一方通行の右拳が叩き込まれた。

ギュン!っと空気を切り裂いてクサナギは吹っ飛ぶ。



それを忌々しい目で、一方通行は見ていた。




「......あぶなかった、ですね」



空中でくるりと回転し、クサナギは地面に着地する。

もし、ここに一方通行の力を知っている第三者がいれば、何事かと、騒ぎ立てるだろう。


一方通行の一撃は触れるだけで相手を絶命させることができる。
体の電気信号や、血流操作でだ。


なのに何故クサナギが生きているのか、答えは簡単。


直接触れてないから、だ。


「天使の羽衣......術式を構築しておいてよかったです」


クサナギの顔面に確かに叩き込まれた筈の一撃は、肌から数センチ離れて存在していた透明な鎧に防がれていた。

だがダメージが無いわけでは無い。
所詮盾ではなく鎧。
衝撃をある程度軽減することしか出来ない。



「私の勝ち、ですかね?」


確信を持って、クサナギは言う。
確かに今一方通行は左腕から流れる血を操作して、死ぬのを防いでいる。
もう、先程までのような能力使用は無理だろう。



だが、

ニヤッ、っと一方通行は口を歪める。


「バーカ」


「っ!?」


言われて、クサナギは気がついた。


自分が、魔法陣から足をだしていることに。


魔法陣の外には、もう一人のレベル5がいることに。



ゴッ!っと、クサナギの身を、衝撃が襲った。
それと同時に、辺りに暴風が吹き荒れる。


「ガッ!?」


「ハアァァァァァァァァァッ!!」


美琴の手から、普段よりもはるかに威力の高いレールガンが放たれる。

それは、一方通行がわたした弾丸を使ったからだった。



いかな聖人といえど、音速の五倍に届きそうな砲撃を受けて、無事ですむ筈が無い。


ゴッゴッガッ!!


地面を削り飛ばしながら吹き飛び、瓦礫に衝突する。
所々黒焦げでいても、死んでいないのはさすが聖人といった所か。

ザシュ、と、クサナギの手から離れ、宙を舞った剣が、地面に突き刺さる。


戦いは、終った。

一人の復讐者ではなく、一人の死神と、一人の雷姫と、その仲間達の勝利だった。




「ハッ、やンじゃねェか、御坂」


「あったり前でって、アンタ、今名前呼んだ?」


「呼ンでねェよ。ソレより冥土返しのやつ呼べ」


「そ、そういえばアンタ無茶しすぎでしょぉが!?死ぬわよ!?」


......まぁ、最後が締まらないのはこの二人だからということで。




はい、次は後日談です。
また明日~。

そんなに書くんだったらトリップつけたらどーだい?

遅れたけど乙なんだよ!

電磁通行の文字を見る度にトキメイて仕方ないよ
何故か、電磁通行をモノレールって呼んでしまう助けて

>>309 タイトルをつけますね

>>310 モノレール、だと?その発想は無かった!

とりあえずif行きまーす!


あらすじ
なんかどんどんキャラが揃うファミレス。
心理掌握によると、なんと第六位は青髪ピアスだった!?




上条「おおおお落ち着け上条当麻!素数を数えるんだ!1 2 3 5 7 9 11....」


一方「1は素数じゃねェし、9は3で割れるぞォ!」


土御門「ほ、本当なのかにゃー......?」


青髪「マジや。「完全変化(ドッペルゲンガー)」ゆう能力なんやけど」


垣根「少し資料を見た程度だが......確か、遺伝子レベルで肉体を変化させることが出来るっていう」


初春「い、遺伝子レベルでぇ!?」


佐天「ほぇ?ソレってそんなに凄いの?」


黒子「当たり前ですの!遺伝子レベルでの変化ということは、この世のありとあらゆる人間、生物になれるのですわよ!?」


青髪「まぁ、研究所の人間は新しい生物を作ろうとしてたみたいやけど」


麦野「どんな?」


青髪「なんかドラゴンとか、ユニコーンとか」


美琴「うわ~......」


垣根「なんかガキっぽいな」


初春「やっぱりそういうのが好きな人っていますよねー」








一方「後いねェのは第七位だけか」


佐天「第七位ってどんな人なんですか?」


垣根「バカ、無茶苦茶、意味不明、番長、だな」


美琴「不死身?」


心理「あと原石かしらね」


黒子「原石!?実在したんですの!?」


上条「原石ってなんでせう?」


青髪「原石っちゅーのは~(中略)~ってことやな」


佐天「へぇー」


麦野「まぁ、あいつは別格らしいけど」


一方「......まえよォ」


美琴「?」


一方「路地裏歩いてたら第七位やつがな、銃で打たれてたンだが......なンかきかん!とか叫んですぐ立ち上がってたンだよ......」


上条「あー、なんかその人見たことあるかも......」


一方「でよォ、なンで死ンでねェンだって言われてそいつなンて答えたと思う?」



垣根「さぁ?」


一方「そんなもの、根性があればどうにでもなる!って」


シーン


黒子「いやいや、根性じゃどうにもならないでしょう......」


心理「彼らしいわね」


美琴「あー、なんかアイツなら私のレールガン喰らっても無事でいそうだわ......」


店員「すみません、相席宜しいでしょうか?」


佐天「っ!?」


麦野「この展開は......!?」


土御門「もしかして!?だにゃー」



全員「「「「「「「「「「ゴクッ......」」」」」」」」」」











浜面「あっ、すみません」


滝壺「むぎの、ここにいた......」


全員「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」


浜面「えっ?」


滝壺「?」



短いけどここまで。

ビリィさん本当ゴメンなさいいいいいいいいいいいいい

でも、一方さんも上条さんも浜面も、最ッ高にカッコイイぜええええええええええええええ!!!


エレキックロードと来たか…なるほど

楽しみにしてる

電磁通行で存分にいちゃいちゃしてほしい。

プロローグだけだと?

HKB

>>319 やっぱダサいかな?一応無い頭ヒネって考えたんだけど......まぁ、ダサくてもこのまま突っ走る!

>>320-322 今から行きます!

>>321 総合の方にイチャイチャじゃ無いけど、和み系の短編投稿したよ!

>>323 なめんなー!HKBなど、跳ねのける!......すみません嘘です。なるべくがんばります!

さて、いくっくよー!



「とある科学の電磁通行(エレキックロード)」
始まります。





「どォいうことだ!?」


一方通行は部屋の中で叫ぶ。
彼は困惑していた。
確かに、自分は八月三十一日に、打ち止めと言う少女を助けるため、死んだ筈だ。

それがどうして傷一つ無く生きていているのか?

しかも、何故今日の日付が四月一日になっているのか。


「クソ!ワケわかんねェ!」


一方通行は苛立ちを部屋の隅にあったゴミ箱にぶつける。
ゴミ箱は一方通行に蹴られ、粉々に粉砕された。


「チッ、落ち着け、まずは情報を......」


ゴミ箱を破壊した事で少しは落ち着いたのか、一方通行は情報を得るため、玄関へと向かった。




三日後


「やっぱりか......」


夜の街を歩きながら、一方通行は納得した。
三日間、徹底的に情報を探った結果、どうやらタイムスリップというものをしてしまったらしい。
いや、


(あくまで推測だが、時間のベクトルを操作したのか......?)


だが、一方通行はそんなことができるワケないよなと、思考を中断する。
そんなことが出来れば、今頃自分は絶対能力者(レベル6)だ。


「よお、君ちょっと俺たちと遊ばない?」


なにやら下品な声が聞こえ、チラッと一方通行は視線を動かす。

どうやらどこかの女子が不良達に絡まれてるらしい。
自分には関係無いなと思いつつ、歩き出そうとした瞬間、




「___ッ」



茶色の髪が目に入った。
不良達は五人いて、囲んでいるため顔は見えてないが、それでも、それが誰かは一方通行には分かった。


「......チッ」


間をタップリ開けて舌打ちし、一方通行は歩き始めた。




「ハァー......」


美琴は壁に寄りかかりながら大きくため息を吐く。

美琴にとって周りの不良達はザコ。
正直言ってハエにたかられているようなものである。
だからこそうざったいのであるが。


(まぁ、適当に能力で追っ払えばいいか)


美琴はそんなことを思考しながら腕を組んで目を閉じる。
不良達が何か言っているが無視。


が、


「あぁ?なんだテメェ?」


ふと、耳に入った不良の苛立った声。
なんだと思いつつ目を開けると、こちらに向かって1人の少年が歩いていた。
白い髪というのは珍しいが、ソレ以外は普通に見える少年は、ゆっくりとこちらに歩いて来る。
まるで、不良達など眼中に入ってないが如くの行動だった。

不良に怒鳴られても、彼はそちらを向きもしない。
ただ真っ直ぐに、美琴の方へやって来る。


その態度が気にいらなかったのか、不良がポケットに手をつっこみながら、彼の前に立つ。
恐らくガンつけするつもりだったのだろう。
だが、


ドンッ!


「はっ?」


彼は弾き飛ばされた。
巨体の不良は変な声をあげる。
何故か、不良の方が体も大きく、彼は対したスピードじゃないのに、だ。

そしてそのまま横に倒れた不良など無視し、ただ歩く。
不良達の顔に冷や汗が伝った。
美琴も直感的に感じる。


______コイツは強い、と


だが美琴は焦らない。
彼女はこの学園都市の第三位なのだから。
不良達はとうとう五メートルまで近づいたのを見て、一人が殴りかかった。



「おらぁ!!」


拳が彼の顔面に吸い込まれー、


グシャ!っと音がした。
しかし、


「ギャァァァァァ!?」


悲鳴をあげたのは殴った方だった。
汚いコンクリートの地面をゴロゴロ手を抑えて転がる。


「おい!?」


「チッ!能力者か!」


不良達は警戒しながら、各々の武器を取り出す。
特殊警棒、スタンガン、ジャックナイフ、そして拳銃。
五人の男は武器を彼に向ける、






が、


トンッ、彼が軽く地面を踏んだ瞬間、ゴバッ!っと彼を中心に地面が砕けた。

破片が散弾のように囲んでいた不良達に命中する。


「グボッ!?」


「がァ!?」


「......」


地面に倒れ伏す男達を見ながら、彼はチラッと美琴の方を見る。
その紅い目を睨みかえす。
だが、それを無視したのか、彼はそのままどこかへと行こうとする。


「はぁ?ちょ、あんた」


「......」


美琴は呼びかけるのだが......


「おーい?聞いてる?」


「......」



勝手に助けたつもりになってどこかに行こうとするその姿に、美琴はついに切れた。


「聞いてんのかあああああああ!?」


完璧に無視して歩いて行く少年の背中に前髪から放たれた雷撃が飛ぶ。

当たっても精々気を失う程度の電撃。



それが背中に当たった瞬間、弾かれた。


「!?」


とっさに美琴は体を横に動かしてかわす。
もといた場所を、反射された電撃が通り過ぎた。

こんな現象は、始めてであり、美琴は目を見開く。


どこかに行こうとしていた彼は、ふと立ち止まり、美琴の方に体を向ける。
周りが暗闇なだけに、少年の白い髪はよく目立った。

美琴は思わずツバを飲み込み、尋ねる。


「アンタ、何者?」


美琴のこの質問に、彼は少し躊躇う素振りを見せた後、言った。



「......一方通行(アクセラレーター)」


ただ一言、この学園都市最強の名を。

ただそれだけ言い、一方通行は去って行った。


これが、この世界での二人の出会いである。





帰り道、一方通行は自分の行動に苛ついていた。
何故、あそこで不良達をボコしたのか。
何故、放っておかなかったのか。


「チッ、今更善人気取りかよクソが」


答えは、すでに出ていた。


ピピピッ、と携帯のノーマルな着信音が聞こえる。
一方通行はズボンのポケットに手をつっこみ、黒い携帯を取り出した。

着信者は、研究所。







彼は、明日があの実験の始まりだったことを思い出した。




はい、ここまでです。
次回は実験に対して、一方通行がどういった選択肢を取るのか、お楽しみに。

これは期待

続きが気になるんだよ!
あと細かいことだけど「アクセラレーター」じゃなくて「アクセラレータ」なんだよ

遅くなったけど、総合の短編読んできた!
すげー和んだ!ありがとう。

1乙。

一方が過去に戻るSSは他にもあるからifの方が読みたいと
そう思っていた時期が俺にもありました。

どっちも楽しみにしてるぜ。

そういえばこのスレでの蒼ピってどんな能力なんだろう

>>335-336-337-338-340 期待に添えるよう、がんばります!

>>339 本当だ......ちょっと一方さんに土下座してきます。

>>341 和んで貰えてなりよりです。機会があったら続き書くので。

>>342 さっき見て来たけど、確かにありましたね。でも書くのですよ!
ifは今シリアスな雰囲気に脳内がなっているので、しばらく無理かもしれません。

>>343-344 完全変化(ドッペルゲンガー)。肉体をあらゆる形や性質に変化させることができる。
あまり深くは考えてないですけど、ダイヤモンドみたいに硬くなることも出来ます。
まぁ、レベル5の中で第六位って最弱(7は例外)らしいですから。


投稿な一時から二時の間になりそうです。

>>335-336-337-338-340 期待に添えるよう、がんばります!

>>339 本当だ......ちょっと一方さんに土下座してきます。

>>341 和んで貰えてなりよりです。機会があったら続き書くので。

>>342 さっき見て来たけど、確かにありましたね。でも書くのですよ!
ifは今シリアスな雰囲気に脳内がなっているので、しばらく無理かもしれません。

>>343-344 完全変化(ドッペルゲンガー)。肉体をあらゆる形や性質に変化させることができる。
あまり深くは考えてないですけど、ダイヤモンドみたいに硬くなることも出来ます。
まぁ、レベル5の中で第六位って最弱(7は例外)らしいですから。


今日の投稿は昼の、一時から二時の間になりそうです。

あれ!?なんで二回!?おっかしーな......


あっ!なんかレス増えてる!?すげーやったね!乙ありがとう!

ーーーダッシュはこんなんなるから変じゃないかなって、思ってアンダーにしてましたすみませんってえっ?なんか雲行きが怪しく......

えっ?助言は嬉しいけど議論になってきてる!?

助けて!ドラえもーん!!(友達にメール)

とりあえずもちつけ。俺はタヌキじゃない。とりあえず暫く様子を見て、作品を投下しろ。大丈夫、お前ならできる。(メールの返信)

俺、がんばるよ......!

今ここ。

流れてきにこんな感じです。
正直こんな夜に投下しても大丈夫?って思うけど、明日も休みだし、いいよね!
後、良スレって言われてテンションクライマックスだし。
では、いきます。


「とある科学の電磁通行(エレキックロード)」
始まります。





ピピピッ!


朝、いや昼、昨日のうちに買ったコンビニ弁当を一方通行が寝起きのボャーとした頭で食べていると、机の上に置いていた携帯がなり始めた。
一方通行は箸を動かしながら、左手で携帯を掴み、着信を切った。
理由は簡単。
研究所からだったから。


「たっく、しつこいってンだよなァ。そンなにレベル6を作り出してェのかねェ」


そう呆れたように言いながら、一方通行はもぐもぐと牛肉弁当の肉を頬張る。


あの、一方通行が実験を拒否した日から一週間がたっていた。








「で、だ。なンで俺ァここにいるンですかァ!?」


「まぁまぁ、細かいことは気にしない」


「上やんの友達なら大歓迎やでぇ!」


「にゃー。かみやんはついに男まで落とすようになっちまったのか?」


一方通行は腕を捕まれ、ズルズルと引っ張られていた。
街中をアテもなくブラブラしていると、この三人組、上条、土御門、青髪に出会ってしまったのだ。
そして右手で腕をつかまれ、現在にいたるというわけである。


「第一、何処に行こうとしてンだボケ!後腕いてェから離せェ!」


「ゲームセンターだよ。三人よりも四人の方が楽しいだろ?後逃げんなよ」


上条はそう言って一方通行の腕を離す。
右手が離れて能力が使えるようになるが一方通行は渋々ついて行く。




「そういえば今日は何やるんやー?」


「うーん、シューティングゲームがいいな」


「かみやんが運関係のゲームやっても全滅だしだにゃー」


「それを、言うな......」


土御門の言葉にズーンとうなだれる上条を見て、ふと疑問に思ったことを聞いてみた。


「こいつなンで落ち込んでやがンだ?」


「それはやなー、上やんが不幸すぐていっつもミスるけやでぇー」


青髪曰く、クレーンゲームでは絶対に途中で景品が落ちるらしい。
なんだそりゃと思いつつ、一方通行は三人と隣り合って歩いていた。

暇だったのもあるし、心の奥底ではこういった日常を望んでいたのかもしれない。








「シネェ!ハラワタブチまけろォ!」


「ノリノリだにゃー」


「お前等強すぎだろぉ!?」


「もう達人の域やね」


ゲームセンターにて、一方通行は土御門と一緒にシューティングゲームをLet’sプレイしていた。
それはもはや達人で。
3分の2あたりですでにハイスコアを更新していた。
さすが学園都市での最強の頭脳を持つ少年である。


「おらおらァ!まだパーティは終わってねェぞォゾンビどもォ!」


「なんか、画面のゾンビが可哀想になってくるんだが」


「そこは突っ込んだら負けぜよかみやん」


そういいながらゾンビを正確に撃ち抜く土御門も鬼である。

画面に出て来たゾンビはドンドン倒されていった。


「ヒャッハァー!」








「スゲーな、お前!俺あの台のハイスコア更新始めて見たぜ!」


「ほんまやなー。周りに人だかりが出来とったし」


「ハッ!あンなもン楽勝だっつの!」


帰り道、夕日が街を染めるころ、四人は帰り道を歩いていた。


「あっ、僕こっちやから」


「俺ァこっちだ」


「じゃ、ここでさよならだな」


上条と土御門は寮の部屋へ。
青髪はパン屋の下宿へ。
一方通行も自分の寮の部屋へ。


「じゃあ、またな!」


上条のまたなという言葉が、強く一方通行の耳に響いた。






「悪くは、なかったなァ」


一方通行は歩きながら呟く。
騒がしかったし、うっとおしかったし、疲れたし、だけど、楽しかった。


「けど」


本当に自分みたいなやつが、こんな平和に過ごしていいのだろうか。
そう思うが、


視界に見なれた人物が入ったため、思考は中止された。


「あー!アンタはっ!!」


それは、ある意味一番、一方通行が会いたくない人物だった。


「......なンだよ、お前」


「私の名前は、御坂美琴だ!覚えとけ!」


「いや、なンでだよ」


何故なら、一方通行は彼女に対して一番罪悪感を持っているから。


「超電磁砲(レールガン)」御坂美琴。
学園都市序列第三位。最強の発電能力者。


妹達のオリジナル、お姉様。

彼女は、今、一方通行の目の前に指を突きつけて立っていた。


輝く夕日が街を照らす。
赤い明るいオレンジへと。

お帰り!!

こうなると妹達はどういう処分が下されるのだろうか

そのことについて美琴が言及しにきたのかと思っていたけど>妹達の処遇

あー、テンション高くてもやっぱ眠いです。
後シリアスな脳内でほのぼのはちょっと厳しい。
てな訳で明日はもっと多く、うまく書きたいと思います。

レスはどんな形であれ嬉しいです。
自分のスレを見ている人がいるって分かるから。
まぁ、乙とか期待とか助言とか感想だともって喜びますが。
これからもよろしくお願いします。


PS雑談してくれるのも、ある意味嬉しいですが、一方さんや上条さんについてならもっと嬉しいです!

乙!
一方通行が悪党への道を進むのか、別のやり方を選ぶのか、楽しみにしているぜ。

今日も書いてくれるというのか!なんという幸運

続きまだ~



すみません。
いまプロットから見直し中です。
取り合えず大体は決まってるんですが......
また時間が飛ぶし、難しい!


後アスネギがヤバイ。

スゲー短いけど行きますね。

と、その前にレス返しを。

>>408 ただいま!

>>409-410-416-417 それは今後の展開を見てからのお楽しみです。

>>411 違うんですよ、これが。まぁ、いまから見て下さい。

>>413 なるべくカッコイイ一方さんにするので、よろしくお願いします。

>>414 暇なんですよね(笑) 他にすることといったら漢字検定の勉強とかぐらいしか。

>>418-419 はい、投下しました。クソ短いですが。

>>420 ありがとうございます。


さて、では今度こそタイトルを忘れずに......!

「とある科学の電磁通行(エレキックロード)」
始まります。





さて、突然現れた美琴に一方通行がとった行動、それは、


「......」


無言で立ち去る。
つまりスルー。


「あっ!どこ行こうとしてんのよ!?」


一方通行はスルーして行こうとしたが、ガシッ!と腕を捕まれて止まった。







腕を捕まれて止まった。


(ハァ!?)



一方通行は心の中で驚愕した。
普段、一方通行には反射がある。
反射は全てに適応される筈だ。
それなのに、何故彼女は自分に触り、腕を掴んでいる?


「どーしたのよ?そんな驚いた顔をして」


「ッ!なンでもねェよ!」


顔をいきなり至近距離まで近付けられたため、一方通行は驚きながら慌てて下がる。


「?まぁいいや。アンタ!本当に一方通行なの?」


「......そォだよ。なんか文句でもあンのか?」


ぶっきらぼうに一方通行が言った言葉を聞いて、美琴はじろじろ一方通行を見る。



「アンタが、学園都市最強の......想像したのと大分違うわね」


「どンなの想像してたンだよテメェ......」


ハァ、とため息を吐きながら一方通行は考える。
何故、彼女は自分に関わるのだろうか、と。

彼女はまだ現段階では実験のことを知らない筈だ。

だったら態々絡んでくる理由はー



「私はねぇ、負けっぱなしは嫌なのよ」


訂正。理由とかいうレベルじゃなかった。というかガキだ。

付き合ってられんとばかりに、一方通行は歩き出す。


「だからアンタが第一位だろぉがって、無視すんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


ズン!と美琴が足を地面に叩きつけ、周りに電流が迸る。

一方通行は自分の体に当たった電流を操作し、周りへと散らさせる。
振り返って文句を言おうとした所で、




ビー!ビー!ビー!ビー!


なんか途轍もなくやな男が聞こえた。
ギギギと一方通行と超電磁砲は音の発信源に顔を向ける。


そこにいたのは黒い煙を吐き出す警備ロボット(120万円)だった。


「......」


「......」


タラーと、冷や汗を垂らしながら互いに顔を見合わせ、走り出した。



「テメェバカだろォ!?巻き込ンでンじゃねェよ!」


「う、うっさいわね!アンタが悪いのよ!?」


「なンだその無茶な理論はよォ!」


後ろを向かずに二人は怒鳴り合いながら走る走る。
誰だってこんなことで捕まりたくない。

夕日は地平線に沈みかけていた。







「あー、クソ。疲れた......」


夜、結局能力を使って逃げ切った一方通行はベットに、ボフッと倒れこむ。
今日は疲れる日だった。
特に最後の追いかけっこが。


「......クソッ」


一方通行はボソッと呟く。
自分が笑っているのに気がついたからだ。
きっと、時間が戻っていなかったら、こんなことは無かったのだろう。
上条とも、美琴とも、きっと。
こんなバカな日常は無かっただろう。


(......神様ってのがいるンなら)


一方通行の意識は闇に落ちていった。


(今回だけ、感謝、してやる......)







窓の無いビルという建物がある。
その中の密室でいくつものモニターが光っていた。


それを見るのは、ビーカーの中に浮かんだ、逆さまの人間。


その、男にも、女にも、子供にも、老人にも見えるその人間は、モニターを見て、ニヤッと笑った。



時は動き出す。
罪を背負う少年は何を思い、どうするのか。




はい、短いけどこれくらいです。
最近総合の方の短編も少し書いてます。

最後に、最近またネギまにハマり始めたけど、一方さん上条さん浜面かっけぇぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

そろそろなんだよ!

>>436 製作よ!私は帰って(ry

夕方になってしまいました。
まぁ、少し長め?なので。
では、ゴホン。


「とある科学の電磁通行(エレキックロード)」
始まります。



朝、当てもなく一方通行はブラブラとしていた。
四月二十日、当然一方通行は学校に行ってない。
まぁ、特別クラスに本来行かなければならないのだが、サボっている。

さて、四月七日から今日まで彼が何をしていたか。ダイジェストに説明しよう。


「あんた待ちなさい!」ビリビリ!

「おっ!遊ぼうぜ!」

「不幸だー!」「死ねバカ!」

「一方通行、テメェを倒せば俺が最強の(ry」

「待ちなさいって言ってんでしょ!」ザァァァ!

「一方通行様!私めに慈悲を...!」

「これで、一週間は持つぜ!ありがとな一方ってギャー!不幸だー!」

「待ちなさい!」ズドーン!

「一方通行、実験に」ピッ

「一方通行、テメェを(ry」

「雑魚の相手してどうして私と戦わないんだぁー!」バリバリ!

「不幸(ry」

「戦わ(ry」

「実(ry」

「一方(ry」

......


まぁ、まとめると、


「めんどくせェことばっかよォ......」


ちょっと自分だけでなく、まわりもおかしいと自覚しはじめた一方通行だった、まる。





突然だが、一方通行はファミレスに結構通う。
基本的に自分で料理しないからだ。
何もそれは一方通行だけの話では無い。
世の中にごまんとそういう人はいる。


つまり、ファミレスというのは他にも結構人が通う訳で、


「相席お前かよ......」


「こちらとしてもビックリです、とミサカは座った人物を見てビックリ仰天します」


「全然ビックリしてるようには見えねェぞォ......」


一方通行はそう言ってため息を吐く。
目の前の少女は変わらず無表情で、本気で驚いたのか問い詰めたくなる。



「しっかし、お前がファミレスにいるとはよォ。あっ、俺ァこっちのステーキ定食」


「かしこまりました」


一方通行はそう言いながら近くを通りかかった店員にそう告げた。
ミサカはソレを見ながら目の前のスパゲッティーをフォークに絡ませる。


「私もですよ。こちらとしてはエプロンアクセラレータを期待したのですが、とミサカはエプロン姿を想像しながら言います」


「キメェ想像すんな」


ビシッとつっこむ。
最近ツッコミが上手くなってきた一方通行である。



「ちなみに、その想像をしたのは20000号です。ちなみに裸エプロンで、とミサカは変態を思い出しながら述べます」


「......なんだ、そいつバッカじゃねェの?」


「ちなみにいつも一方たんハァハァ、と言っていますとミサカはどういうやつかを説明します」


「決めた、絶対そいつとは会わねェ」


ミサカの報告に、一方通行は断言した。
そんな危ないやつと関わりあいになりたくない。
一体、その個体に何があった?と思いつつ、コップを手にとる。



「そォいや、実験はどォなったンだ?」


「停止中です、とミサカは簡素に言います」


一方通行が実験を実質、拒否したため、実験は停止している。
そのおかげで、研究員達は妹達の延命処置でてんてこまいなそうだ。
そのため、妹達の管理も大変で、


「外で食事という物をしろと命令があったため、ミサカはここにいます、とミサカは説明を終えます」


「つまり、俺の気が変わるのを待ってるって訳か。たっく、しょうもねェ」


一方通行は呆れ返った。
つまりいつでも実験を再開できるようにしているという訳だ。
一方通行本人が実験をする気が無いというのに。



「......何故、なのですか?」


「あン?」


「何故、実験をしなかったのですか、とミサカは問いかけます」


始めて困惑に近い表情をミサカは浮かべ、尋ねる。
彼女にとっては不思議でたまらないのだろう。
自分の命は模造品で、いくらでも作れる物だ。
なのに何故、彼はそんな模造品のために実験を中止させたのだろう、と。


「......簡単なことだよ」


「......」



一方通行の言葉に、耳をしっかりこらす。











「殺したくなかった。ただ、ソレだけだ」


一瞬、ミサカは完璧に思考が停止した。
ソレだけ?


「まァ、殺したくねェって思うまでの家庭はあンぜェ。だけどなァ、ンなのどォでもいいだろォが」


本当に大事なのは、


「テメェは今生きてる。ソレだけで十分だろォが」





「わか、りません。と、ミサカは、抗議します」


ミサカはポツリポツリと、切れ切れに言う。
俯いたまま、言い放つ。

まるで、分からないことを恐れる弱い人間のように。


「あなたの言っていることは、理解、不能「理解出来なくていい」


少女の言葉を遮り、彼は続ける。


「もう一度言うぜ?生きている。これだけで充分だ」


「本当に、そうなのでしょうか、と、ミサカは確認を、取ります」


その言葉に最強は、


「あァ」


短く返した。






「じゃァな」


「......はい」


すっかり時間が立っていた。
あれほど賑わっていた店内も、今や極一部の人しか居ない。

一方通行は財布から一万円札を取り出し、机の上に置く。


「釣りはテメェが持っとけ。俺ァいらねェからよ」


そう言って席を立ち上がる。
通路を通って外に出ようとした所で、


「っ、あの!」


ガタン!と椅子を揺らして彼女は立ち上がる。
一方通行は其方の方を向いた。


「......また、会えますか?」


「......さァな」


彼はドアを開けた。






ピピピッ!


「あン?」


ちょうど近くの公園を通過していると、携帯が着信を告げた。
鳴り始めた携帯を見て、一方通行は首を傾げる。
ディスプレイには芳川と書かれていた。

芳川は一方通行に関わった研究員達の中でも、比較的人らしい人間だった。
一方通行が個人の名前で登録している珍しい一人である。


ピッ


「もしもし?」


その電話の内容は、










「妹達の強制実験、だと?」


一方通行を闇へと踊らせる。
ガチン!と、銃のトリガーを引く音が、公園内に響き渡った。



彼は、彼女達を救えるのか。
彼は、最強の力を振るう。



一方通行はこれから妹達をどう守るのか。
何をし、誰と戦うのか。
次回、戦いが始まります。

では。

お久しぶりです……
すみません!iPhoneぶっ壊れてました!
いや、嘘じゃなくて。一応どんな症状が出たのかというと、

①文字を打っていると途中でフリーズしてホーム画面に戻る。
②漢字変換が可笑しくなる(明日になる筈が翅になったり)
③インターネットに繋げない。繋げてもフリーズしてホーム画面に戻る。
④メールを打てない。というより文字を打つためのカーソルを出現させた瞬間、ホーム画面に戻る。(つまり①の悪化)
⑤電源を一旦切って、再度起動させようとするとずっとホーム画面に行くためのロックを解除する画面にならない。オーバーヒートする。
⑥充電機を刺すと、一応充電は出来るがバイブがずっと鳴り続ける。

こんな所です。
つまり自分、今までネットやってませんでした。
只今変わったばかりの携帯からやってます。
取り合えずメモ帳のデータ全部パァです。死にたい……orz
しかも学校もヤバイし……英語とか人生に必要無い……
そしてブックマークも取り直さなきゃならない……やばい、本当に死にたくなって来た……

謝罪をもう一度。本当にすみませんでした。
取り合えず、再度書きますがかなり遅くなると思います。
最後にもう一度。本当にごめんなさい。

生存報告があれば俺はいつまでも待つぜ

スレ内での>>1への暴言が多かったのは期待してたからだと思うぜ

まあ、それはともかく

おかえり!!

>>535
ありがとうございます。あぁ、俺はまだ書いていいんだ……

短いですが、早速行きます。



四月二十日。

この日、学園都市第七学区に銃声が轟いた。








「クソが!メンドクセェ!」


ビルとビルの間を飛びながら、一方通行は叫ぶ。
重力と風力を利用した凄まじい速度でビルの壁面に足を付くが、その衝撃のベクトルを拡散させる事で壁に傷一つ入れない。
音速に近い速度で移動しているのだ。下手すると倒壊させかねない。


『頑張ってね』


「オマエ他人事だからって余裕そうだなァオイ!」


『あら、私これでも焦っているつもりなのだけれども』


「どの口が……クッ!」


ビルの壁面を蹴って飛び、一方通行は宙を翔る。
狙いは外したミサイル弾。
態々一方通行はそれに追いついてベクトルを変換。
真上へと向け、向かい側のビルに直撃されるのを防ぐ。


「本ッ当に周りへの被害考えてネェンだなァ!」


『余程レベル6が惜しいのよ。研究員の殆どがね」


「オマエはどうでもいいって思ってるのかよ」


『まぁね』



携帯から聞こえる短い返事に、フンと一方通行は忌々しそうに鼻をならす。


彼は今、大量の「妹達(シスターズ)」から逃げていた。
一般人もいる、第七学区のビルとビルの間を飛びながら。







芳川からの情報、それは新たな実験の内容だった。
最初の実験での一方通行の行動をツリーダイアグラムに入れて計算しなおした場合、出た答えは「強制実験」。
武装した妹達で一方通行を襲わせる。そして一方通行が妹達を全員殺した時に、一方通行はレベル6になる、『らしい』。

だが少しばかりおかしい。
前が一人一人決められた戦場だったのに対し、今回は戦闘回数も、戦闘人数も、戦場もどうでもいいのだ。
明らかに前に比べて「適当」に感じられる。



まるで、どうあっても一方通行に妹達を殺させたいような。



『恐らく、レベル6になるためには精神的な何かが必要なのね。だから』


「殺させたいと。ハン、むかつく、なァ!」


携帯電話を持ってない方の手で、飛んで来た銃弾を真上に弾く。
反射すると打った妹達の誰かが危ないし、真横と真下には何も知らない一般人がいる。だから真上に弾くしかない。


『さてどうするの?このままじゃ貴方の精神も持たないんじゃない?』


「……確かにこのまま戦うのはしンどいな……なンか策でもねェのかァ?」


『そうね……』



『そうね……』


暫くカチカチと、キーボードを叩く音が携帯のマイクから聞こえて来る。
それを聞きつつ、一方通行は屋上のフェンスを蹴り、更に上へと飛ぶ。
いきなり音を立てたフェンスに屋上に居た誰かが驚くが気にしている時間は無い。


『……これなら、行けそう』


「どンな作戦だよ」


『研究員達は幾らでも居る』


「あン?」


突然の意味不明の言動に一方通行は首を傾げ、電話の向こうは更に続ける。


『同じように施設も沢山ある。じゃあ、学園都市にとって失いたく無いものは?それこそレベル6に匹敵する程の』


「……ハッ、なァるほどォ。そりゃあイイ!」


答えを出した一方通行はニィと笑みを浮かべ、飛ぶ方向を変えた。












戦闘機という物は高く、そして重要な物だ。
何故か?学園都市があらゆる国、地方で強気に出れるのはこの圧倒的な兵器軍が存在するためだから。

そしてもう一つ重要なのは、情報。その兵器軍、ありとあらゆる技術の情報。






「さすがにこの二つがあったら手ェ出してこねェ、か」


その兵器軍がある倉庫の一つに、一方通行は居た。
手にあるのは黒いメモリーチップ。
メモリーチップに収まった情報は学園都市に存在する技術の一パーセントに過ぎないが、ソレだけでも多大なる力を持っている。


「まァ、先にぶっ壊してもイイけど、その場合開き直られても困るからな」


そのチップを弄びながら、一方通行は呟く。
芳川を通して研究所に脅しを入れた。
後は芳川の立ち回りに期待するだけだ。


「……他人任せか、オレらしくねェ……」




普段の無愛想な顔を苦笑に変える。
変わったが、これは多分人間らしくなったのだろう。
そう一方通行は自分の思考を結論づけ、








「で?ナァンでオマエがここに居るんですかァ?」


倉庫の入り口に呼びかけた。
その誰かは重苦しい兵器に支配された倉庫を、ゆっくりと一方通行に向かって歩く。






額に掛けたゴーグルが鈍い光を放った。


「また会いましたね、とミサカは複雑な心境で貴方に話しかけます」


「こんな状況で会いたくなかっがなァ」


ゆっくりと、一方通行は其方を向く。
そこにはあの無表情で、此方に銃を構える彼女が居た。








00001番目のミサカ。

本来なら殺されていたはずの彼女が、

この世界で一方通行が触れ合った唯一のミサカが、


立っていた。






はい!何かエラー出て遅れました!
では。

一方通行「何してンだ、超電磁砲?」 美琴「え・・・・・・?」

美琴「アンタは……!」一方通行「超電磁砲か」

垣根「いい加減返事をきかせろ、原子崩し」麦野「黙れ」


俺が知ってる電磁通行(一方通行×美琴)はこれぐらい


エピローグって事は、もうすぐ終わっちまうのか?

>>595第一部完って感じじゃね?

ほとんど御坂出てないし




レス数増えてる!有り難うございます!
書いて見て思った。一方さんいくらなんでも可哀想過ぎる……研究員達マジで死ね。

では、いきます。






エピローグ






「……っ!?」


目を開けたら、白い天井が目に入った。
ガバッと彼は身を起こす。


「こ、こは……」


体に一定の感覚で走る鈍い痛みを無視し、一方通行は辺りを見渡した。
白い、全てが白い。
天井も壁もベットのシーツも自分の服も、全てが白い。

窓の右側に寄せされた白いカーテンが風によって揺れ動き、衣擦れの音を立てる。


窓から見える空は、とても青かった。


「一体、何がーっ!?」





彼は、思い出した。
何があったのかを、全て。






「……クソ」


ポツリ、と一方通行の口から言葉が漏れる。


そこから、




「クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソガアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」


濁流のように言葉が迸った。
手をベットの布に叩きつけたせいでさしていた点滴が抜けるが、彼にそれを気にするだけの理性など無い。


「なァにが最強だ……なァにがレベル5だ……!」


ブルブルと、怒りの余り震える右手を目の前に持って来る。




(結局、オレの手は誰かを殺す事は出来ても、誰かを助けることはできねェじゃねェか!)




あのヒーローは右手一つで妹達を救ったのに、自分は、最強と呼ばれる力を持つ自分はーーー!!


「誰も、助けれねェのかよォ……!」




















「周りの人の迷惑になりますので中二病は自分の家でして下さい、とミサカはコイツ何やってんの?と思いつつも冷静に言い放ちます」






「……はっ?」


誰かの声に思考が停止し、首をゆっくり動かす。
病室のドアは開け放たれており、そこには“彼女”が立っていた。


普通、ドラマならこういった場合泣きながら抱きつくのだろうが、




「……なァァァァァァァァっ!?」




一方通行は変な叫び声をめいいっぱい上げた。












「で、どういう事だ?」


「それはですね……むっ!このリンゴ中々やりますねと、ミサカは赤い果実を賞賛します」


「オマエ諦めろよ」


ハァ、と彼はため息を吐く。
その言動とため息をスルーし、ミサカ00001号は新しいリンゴへとナイフを向ける。ちなみに三個目。他のはギザキザした形の生ゴミになってしまっている。


あれから幾分か一方通行も落ち着き、冷静にベットの横の椅子に座ってリンゴ相手に悪戦苦闘している彼女を見る。
彼女は白い病院ならではの服を着ており、腕の見える部分は包帯だらけだった。恐らく、服の下も。
頭にはあの砕け散ったゴーグルと同じ型のがかけられている。


「あー……無駄な努力しながらでもいいから、さっさと状況説明しろ」


「無駄とは酷いですね……まずミサカが何故助かったというと」


コトン、と果物ナイフを台の上に置く。
リンゴはボロボロでグチャグチャになっていた。



「あれが麻酔弾だったからですよ、とミサカはあれ結構痛かったなーと思い出しつつ語ります」


「麻酔、弾、だとォ?」


「万が一にでも貴方(レベル5)を失いたく無かったのでしょう、とミサカは研究者達の意図を言います」


「……」


その言葉に納得する。
考えてみればわかることだった。
研究員達にとって一方通行は宝だ。この学園都市二百三十万人の中で唯一レベル6に到達出来る存在。
そんな彼をいくらツリーダイアグラムのお告げとはいえ殺そうとはしないだろう。


「……実験はどうなるンだ?」


「凍結されることになりました」


「……理由は?」


慌てず騒がず、一方通行は理由を尋ねる。
それにリンゴの汁に塗れた手を舐めながらミサカは答えた。


「芳川という研究員による交渉、それと上層部直々の凍結命令が出ましたので、とミサカはリンゴの甘酸っぱさを感じながら答えます」


「きたねェから止めろ」


一応言っておく。聞くとは思わないが。



(上層部直々に、ねェ。一体なに考えてやがンだ……)


一方通行は平静を装いつつ、思考をフル回転させる。
が、


(情報が足りなさすぎンな……クソ)


一体なにが目的なのか、サッパリ分からない。
もうすこし時間と情報が欲しい所だ。




「……私達、妹達は」


そんな沈黙の中、彼女はポツリと語り出す。


「いつか実験が再開された場合のため、調整が施されることになりました、とミサカは芳川という研究員から聞いたことを伝えます」


「……そうか。オマエらクローンだったしなァ」


「はい。……全国に、散らばることになる全ミサカを代表して貴方に言います」


そこで彼女は言葉を切り、






「ありがとうございました」


「……ハッ」


ぺこりと、一礼してくるミサカから彼は視線を外す。
それは俗に言う照れ隠しと呼ばれるものだった。







「ありがとう、ねェ」


「?どうかしたかい?」


「なンでもねェよ」


此方の体調を調べているカエル顔の医者に、彼はぶっきらぼうに返した。
あれから一時間立ち、ミサカも自分の部屋へと戻っていた。


(……ンなこと、言われる立場じゃねェンだけどな……)


結局の所、一方通行は悪人なのだ。
たとえ今この世界で一方通行の罪が無かったとしても、一方通行自身の記憶にはあるのだ。
そしてそれは現実にあったことであり、どう足掻いても消せないものだ。


「うん、問題無いね?多少能力を無理して使ったせいで頭がダルイかも知れないけど一時的なものだからね?」


「……」


無言を返事と受け取ったのか、聴診器を掛け直し医者は立ち上がる。
そして白いドアに手をかけて、


「あぁ、そうそう」


「……なンだよ?」


振り返って医者は言う。


「彼女のことなんだけどね?君の能力のお陰で大事に至らなかったのだから、誇りに思ってくれ」


「……」



まるで心の中を読まれたかのような医者の言動に、一方通行は息が詰まる。
その姿を見て医者はニコッと笑い、ドアを開けた。


「じゃ、くれぐれも無理はしないようにね?」


その言葉とともにドアはゆっくりとスライドして閉まった。


「……何もンだ?あのカエル顔は……」


只者では無い。
普通の人間が持たない何かを感じる。
もしかしたら裏ではそれなりに名が通っている医者なのかも知れない。ミサカの治療がこの病院で行われてるのもある。


「……ヨシカワに聞いてみるか」


あの女性研究員ならもっと詳しい話しを知っているだろうし、自分に教えてくれるだろう。
台の上にある黒い携帯電話をひっ掴み、パカッと開く。










着信 57件
メール 86件







「……」


一方通行は携帯をぱたっと閉じ、目を瞑る。
そして首を回してコキコキ鳴らした。どうやらかなりの時間、寝っぱなしだったようだ。
ちなみに今日の日付けは四月二十三日だ。さっき見た携帯のカレンダーが正しければ。



「……」


いい加減現実逃避するのアレなので、彼は嫌々ながらも携帯を開けた。


「……ナニコレ?」


大量の着信にメール。
しかもだ、


「なんで未登録のが一番多いンだよ……」


そう、着信とメールの実に約八割以上が一方通行の電話帳に登録されていない誰かからだった。
ちなみに一方通行が登録しているのは、

研究員A
研究員B
研究員C
ヨシカワ
三下(上条)
金髪(土御門)
青髪

以上。


「しかも全部同じ奴からだわァ……誰だマジでよォ……」


今までに無い人生初めての出来事に戸惑い、行動出来ない一方通行。なんか身震いがする。

そんな彼に追い打ちをかけるように、



ピピピッ!



その登録していない番号からの電話が来た。


「……」


取り合えずピッ、とボタンを押し、左耳に当てる。
そしてボソッと慎重に尋ねた。


「もしもしィ……?」












『アンタ何してたのよおおおおおおおおおおっ!!!』


ドォンッ!と爆音が響き、携帯のマイクがミシミシと悲鳴をあげる。
爆音が耳に直撃した一方通行は、


「がはっ……?」


余りの声の大きさに意識を吹き飛ばしかけていた。赤い眼の焦点が定まらなくなる。
だがギリギリの所で踏ん張り、意識を保っていた。



『ちょっと!どうしたのよ!返事しなさい!』


「オマエぶちのめすぞ……そしてなンでオレの携帯の番号とアドレスを知っているのか、なるべく簡潔に答えやがれ」


頭に走る頭痛を堪えつつ、一方通行はキャンキャン喚く携帯に向かって言った。
ちなみに携帯は耳に当てず前に持って来ている。


『?あの上条ってのに教えて貰ったんだけど?』


「三下いつか殺す」


犯人が分かった一方通行はゴゴゴッ、と効果音が付きそうな怒りの炎を背中に浮かばせながら、そう呟いたそうな。







その頃、


「ぶるっ……な、なんだ今の殺気は……」


街中を歩いていた幻想殺しの少年は、突然体に走った悪寒に体を震わせていた。









『それって本当なの?』


「こンな事でウソ付く訳ねェだろォが」


一通りの状況を(入院した理由は適当に誤魔化した)説明し終わった一方通行は、携帯を耳に当て直していた。
それを聞いた美琴の声からは信じられないという気持ちが強く滲み出ている。


『だってアンタを入院させるだけの出来事がこの世にあるってのが信じられないもの』


「……はっ、オレも買われたもんだ」


『しょうが無いでしょ?アンタにはそれだけの力があるんだから』


美琴の言っていることは正しい。
彼は、それこそ世界を相手にしても生き残れるだけの力を持っているのだ。
そんな彼が入院するだけの出来事があるのが異常なのだ。

美琴の言葉に一方通行は、



「……女一人助けるのさえ、命懸けの悪党だがな」



そう、ポツリと呟いた。



『えっ?なんか言った?』


「なンでもねェよ……切るぞ」


『わー!待った待った!お見舞いに行くからなんか欲しいものある?』


いい加減会話するのが億劫になって来たので切ろうとしたのだが、質問されたため仕方無く答える。


「肉」


『分かった肉ねってなんじゃそりゃ!?肉って!?病人が肉って!?』


「サヨウナラー」


『ちょ、まっ』


ブツッ!と一方通行は思いっきりボタンを押して通話を切る。
そして素早く電源ボタンを長押し。携帯の電源を切った。


「はァ……全く、メンドクセェ」


そう言いながら彼は四角い窓から外を見る。
そこには雲一つ無い、真っさらな青空が広がっていた。


「……」


青空を見ながら、今更ながら幸福感が舞い降りて来た。
もしかしたら、人生で今一番幸せかも知れない。
何も失わず、得たものは、とてつも無く大きい。



「悪く、ねェかもな……チクショウ……」


彼は、人生で久しぶりに、自然な笑みを浮かべた。







「一方通行、か」


学園都市にいくつもある高層ビルのうちの一つ。
そこに“誰か”は立っていた。しかも淵に、後一歩踏み出せばはるか下にある地上にダイブしてしまいそうな場所に。
その“誰か”は持っていた携帯の画像を見る。


そこにはとある兵器倉庫が爆発するシーンが映っていた。
音声は無く、画像だけ。
爆発の中から出て来たのは、血塗れの少女を抱えた少年。





彼の背からは、黒い黒い、翼が生えていた。





それは翼と言うには余りに神々しすぎ、余りにも残虐さを感じさせていたが。
彼の手元にいる少女の体からは血は一滴たりとも垂れない。
恐らく、彼の能力なのだろう。


「幻想殺しの少年も、欠陥電気の少女達も中々いいが……」


パタン、と軽く携帯を閉じ、“誰か”は前を見る。
前にはある少年と、ある少女が見ている空と同じ空が広がっている。






「超電磁砲に、一方通行か……


















……興味深い」


“誰か”は一歩を踏み出した。
足は空気以外何も無い空間を通過し、



フッ、とまるで何も無かったかのように消えた。
あたかも幽霊の如く。







“誰か”は人間では無い。
そしてその正体を知っている人間さえ、この世に居るのかどうか怪しい。




ただ、一つ。

その“誰か”はこの学園都市の一部の人間にこう呼ばれている。

















『ドラゴン』と。







刻々と、彼と彼女に本来は無かった筈の危機が、迫っていた。







これで第一部、というか前編完!です。
後編は漫画版超電磁砲に沿った流れになりつつ、見事にブレイクします。
そして一時休止。いや、科学・電磁通行だけで、一時プロットを見直したり立てたりしつつ、他のネタ達を投下したりします。総合に落としたのとか。
なんなら次スレに行ってもOKと思ってたり。

では、次はオマケコーナーです!






一方「一方通行とォ」

美琴「超電磁砲の」


一方・美琴「「お便りコーナ~」」


ドンドンパフパフ(効果音)


一方「取り合えず最初に言わせろォ。これなンだ?」

美琴「この作品、登場人物に関する、あらゆることを尋ねてもらい、それに私達が答えるコーナーよ」

一方「……ラジオスレと盛大に被るなオイ」

美琴「まぁまぁ。早速作者の友人達から来てるし」

一方「マジか……えーと?『終わりなの?この物語ここで終わりなのかよぉぉぉぉおおっ!!?ブチ殺すぞ◯◯(作者の名前)!!』うるせェンですよォ。オレがオマエをブチ殺しましょうかァ?」

美琴「ちょ!読んだのアンタじゃん!?」

一方「分かってますゥ。まだ終わらねェよこの巫山戯た物語は。忌々しい事に、な」

美琴「私あんまり出てないしね!という訳で>>595さん、安心して下さい。そして>>596さん大正解です!」


一方「ンじゃ次ィ。『一方さん、かなり丸く無い?』丸い、ねェ。確かに色々あめェな。くそっ、ヨシカワの甘さでも移っちまったかァ?」

美琴「まぁ色々理由があるらしいわよ。罪の意識がどーのこーのとか」

一方「ラストォ。『まとめサイトを覗いたら、自分のssがまとめられててビックリしました。このスレのも纏められるのかなっと思うと、ワクワクで夜中々眠れません。どうしたらいいですか?』安心しろ作者。まとめられない可能性九十パーセント以上だから」

美琴「作者と断定!?そしてまとめられない発言!?」

一方「考えてもみろォ?このスレはもう一つの方と出鱈目にこンがらがってンだぞ?まとめるのも一苦労だ」

美琴「もしまとめてくれたら?」

一方「土下座して感謝しろ」

美琴「……作者にも容赦無いのね」

一方「たりめェだ」


美琴「こんな感じで読者さんの色んな疑問に答えてゆきます!」

一方「ただし、伏線だから答えられねェって場合もある。その場合は諦めろォ」

美琴「ここどう意味?とか、ここおかしく無い?とかドンドン言っちゃって下さい!」

一方「ちなみに質問送って来やがった奴は全員ビルからノーロープバンジーさせてやる」

美琴「なんで!?」

一方「だって答えるのメンドクセェし、質問来なきゃこのコーナーも無くなンだろ」

美琴「ダメだから!私の出番無くさないで!?」

一方「ちっ……仕方ねェ、頭コンクリに踏み付けるだけで勘弁してやンよ」

美琴「アンタがやったらその人死ぬから!?マジ目にやってよ!」

一方「ヘイヘイ……あー、メンドクセェ」

美琴「……え、えっと……さようなら~!」


おしまい

以上です!
では、また次回!

乙乙


聞きたいんだが美琴ってまだ実験の事知らないんだよな?
何でこんなにメールや電話してるんだ?
追いかけっこの延長戦みたいなものなのか?

>>624
だね。妹達の件も一通さんが解決したなら、原作外のことが起こらない限り
美琴→上条さんのフラグは立ちそうにないな

ところで>>1にちょっとした疑問があるんだけど、上条さんと一通さんの記憶は
8/31までのものなら、上条さんは記憶喪失~8/31の記憶しか持ってないの?
それともプラスして生まれてから物語開始時点までの記憶も持ってるの?

スパイウェアを仕込んでるJane Styleは危険です。

Google Adsense違反報告スレ Part10

JaneStyleがスパイウェアみたいな動作するらしい件

【スパイウェア?】JaneStyleで書き込みしようとしたら、○○に情報が送信されていた件


■Google Adsense 違反通報URL
https://www.google.com/adsense/support/bin/request.py?contact=violation_report


※個人情報漏洩による被害者をこれ以上出さない為に、
 このコピペを見つけた方は一人5箇所以上にコピペをお願いします。



えっ……?ちょっと待って皆。
もしかして、エイワス登場読まれてた……?
ちきしょおおおおおおおおおおっ!!裏の裏をかいたつもりだったのに!(垣根君と木原君)
悔しい!でも(ry

後、>>628 なんぞこれ?

>>622
再開したさいに、エピソード話をいくつか入れる予定で、その中で理由がでて来ます。
ヒントは、上条さんに合う筈だったのは六月だったということ。
四月始めには黒子にまだあってないこと。
ルームメイトが出ていったこと。

>>626
上条さんの記憶は二巻からです。
つまりインデックスのことに関して全く情報が無いため、上条さんの逆行はあんまり役に立ちません。
というより誰か上条さんのストーリー書いてくれないだろうか……
もう上条さん出ない予定だからなぁ……


そして、ちょっと思いついたお話、いきます。




・IF物です。前中後、エピローグで構成する予定です。
・キャラの性格が若干違うかも知れません。
・色々改変。自己解釈あるかも。
・時期は禁書目録三巻らへん。
・作者はホットケーキが大好きです。



では。







学園都市には『超能力者(レベル5)』と呼ばれる存在が居る。
能力者、異能の力を持ちし学園都市の学生達のトップに位置する者。
その力は軍にたった一人で挑める程の力だという。
詳細は様々。名前や顔まで知られている者もいれば、能力名すら知られてない者も居る。

学園都市の、最強の人間。

















『超能力者(レベル5)』は、“六人”だけ、存在した。


















これは、そんな怪物が住む学園都市の、一人の少年の物語。
変わってしまった、この物語の、一ページ。





『とあるifの電磁通行(エレキックロード)』














「アッチィ……クソがァ……」


八月十九日。
夏のクソ暑い太陽がジリジリと照らす中、一人の少年が黒い服を着て歩いていた。白い髪に赤い目、雪のような真っ白い肌で、道行く人の視線を少し集めて居る。
長袖長ズボンなため、少年が感じる暑さは尋常では無い。
能力を多少行使していても、白いその肌に暑さのせいによる汗が流れてゆく。


「チクショォォ……なンでコンビニの缶コーヒー売り切れてンだよ……買いだめとかした奴マジ死ね」


フラフラとその足取りは頼りない。
彼は元々コンビニで缶コーヒーを大量購入したら、サッサとクーラーがある己の部屋に帰るつもりだった。
だがお気に入りたるブラックコーヒーは売り切れ。仕方なく近くの自動販売機に向かっているのだが、このままでは辿り着くまでに彼の精神と肉体が持ちそうに無い。



「アー、クソ。こンな時のために能力があンだろォ……あのツインテジャッジメントが居なけりゃァ……」


ブツブツと愚痴を言いながら、彼は太陽の光を反射するアスファルトを踏みしめて歩く。
もう少しで目的地につく筈だ。


「『日常で能力を余り使わないでくださいまし!』じゃねェよ。死ぬわ。これ死ぬぞオレェ……」


そう言いつつも能力を使わないあたり、結構真面目なのだろう。
そして目的地たる公園へ。


だが、




「ちぇいさぁぁぁぁ!!」



ドゴォン!と轟音が公園内に響く。
その声の出所と、その誰かの目の前で揺れる赤い自動販売機を見て彼はため息を一つ。


「ハァッ……」


ため息はそれ程大きく無かったのだが、自動販売機の前に立っていた“彼女”に聞こえたらしい。
少女は制服のスカートを揺らしながら振り返り、呆れた表情をこれでもかと浮かべた彼を見て、


「一方通行?何やってんのアンタ?」


「それオマエが言っちまいますかァ?超電磁砲」


疑問の問いかけをして来た彼女に、彼は再度ため息を吐いた。





彼の名前は一方通行(アクセラレータ)。
レベル4の、学園都市に存在する能力者達の一人である。




「超能力者(レベル5)ともあろう者が窃盗ですかァ?」


「今更でしょ。あっ、言っとくけどアンタも共犯だから」


「オマエ、無理矢理押し付けたと思ったらそういうことかよ……」


一方通行は隣に座った少女に貰ったブラックコーヒーの缶を傾ける。
ちなみに彼が持つコーヒーと少女が持つサイダーは自動販売機を蹴り飛ばして手に入れた物である。
蹴り飛ばした犯人である彼女は、


「とーぜん。まっ、口止め料とブラックなんか要らないってこともあったけど。よくそんな苦いの飲めるわ」


「……ガキ」


「何か言った?」


「イエイエベツニナンデモアリマセン」


バチバチと前髪から電流が散って音を立てる。
それを横目に見つつ、一方通行はクズ箱に向かって缶を投げた。

彼女は御坂(みさか)美琴(みこと)。
学園都市に六人しか存在しないレベル5の一人、それも第二位である。
茶髪の髪と瞳を持つ彼女の能力は発電能力。十億ボルトもの電気を操る、名門常盤台の電撃姫だ。
通り名は『超電磁砲(レールガン)』。

そんな学園都市では超がつく有名人である彼女は、一方通行が投げた缶が見事にクズ箱に入ったのを見て対抗意識を燃やしたのか、缶を持ってクズ箱に狙いを定めている。


(……とてもじゃねェが、第二位には見えねェ……というよりそこら辺の女子中学生よりガキに見える……)



アイドルの素顔を知った一般人のようなことを一方通行が考えているうちに、彼女は空き缶を投げた。
投げられた空き缶は編み目のクズ箱に向かうが、


「あっ!」


カンッ、と淵に当たって回転し弾かれる。
弾かれた黄色の空き缶は空中を舞い、地面に落ちた。


「あーもう。悔しいなぁー……」


「能力使えばよかったンじゃねェのか?」


「だってアンタ能力使って無かったじゃない。学園都市のレベル5第二位ともあろう者が、レベル4に負ける訳にはいかないでしょ」


「ハイハイ、そォですかァ」


缶を拾いながらの美琴の台詞に、一方通行は心底呆れながら返す。
彼は彼女のそういう所にウンザリしていた。
別にプライドを持つのもいいし、意地になるのも構わない。
だがそれが自分に向けられるとなると話は別。正直言って勘弁して欲しい。


「オマエのそのバトル癖、どうにかなンねェの?」


「何よ、そのバトル癖って?」


と、こう言った風に自覚すら殆ど無いものだから彼としては呆れるしか無い。


(なァンで、オレァコイツと知り合っちまったンだろォなァ……)


二人の出会いは、六月ぐらいに遡る。










「あー、だりィ、眠ィ、きちィ……」


そんなダメ人間全開の台詞を吐きながら、一方通行は夜の街を歩いていた。
殆どの店のシャッターが閉まっており、外灯の明かりが道を照らす。

ブラブラと歩いて行く彼の右手には白いビニール袋。
その中にはコンビニで買い溜めたコーヒーの缶が大量に詰まっている。


「サッサと帰るに限ンなこりゃ……」


だが、そうはいかないのがこの世の中だった。


「オイオイ、ちょっと今取り込み中だから向こう行ってくれるかなぁ?」


「あン?」


目の前からの声に一方通行は立ち止まる。
下に下げていた目線を上げるとそこら辺に大量に居そうな不良の一人が、此方をニヤニヤした表情で見ていた。


「……」


立ち止まり、一方通行は辺りを見渡して状況を把握。
目の前の不良だけで無く、周りにも不良達は居た。
ただ、半分以上が誰かを囲んでいて一方通行の方を見てさえもいない。


「なぁ、わかるかなぁ?」


「……」


その誰かはシャッターを背に立っているようだ。
男達の隙間から見える制服の端から、恐らく常盤台中学の生徒だと分かる。



(お嬢様学校の生徒がどうしてンなとこに?)


「おい!てめぇ聞いてんのk「うるせェ」ゴガッ!?」


何か言っている奴が居たので、一方通行はコンビニの袋を振り抜く。
ベクトル操作によって金属バットのように真っ直ぐになった袋は不良の顔面に直撃。
中にあるコーヒー缶二十個分の威力を顔面に喰らった不良は、吹き飛んで汚いコンクリートの床に倒れこむ。


「なっ!?てめぇ何してやがる!」


「髪白に染めて不良気取りかぁ!?」


仲間が一発でノックダウンされたのに周りもさすがに気がつく。
誰かをーー恐らく女だろうーーを囲んでいた男達もジリジリと一方通行に迫って来る。


「ハァ……」


その光景に一方通行はため息をこれ見よがしに吐く。
チラッと絡まれていた誰かさんを見ると、茶色の髪と茶色の瞳を持つ少女が見えた。


「……メンドクセェ」


「なめやがって!」


「殺す!」


各々の武器を持って迫る不良達は知らなかった。



目の前の人物の桁違いの強さを。


先頭で拳を振りかぶった不良は顔面に蹴りを喰らい、悲鳴を上げる暇も無く吹き飛ぶ。
それによって後ろにいた不良二人も巻き込まれて宙を舞った。


「死ね!」


横合いからナイフを振るうが、一方通行はそれを頭を下げる事で軽々とかわし、地面を軽く踏む。
踏んだ瞬間地面に落ちていた小石が跳ね上がりナイフを振った男の鳩尾に直撃した。


「ぐえっ!?」


「いぎっ!?」


「ハッハァ!遅ェ、遅すぎンぜ三下、いや、四下どもがァ!」


テンション高く彼は叫び、不良達へと突っ込む。そして蹴り。
一方通行の回し蹴りに、不良が三人纏めて蹴り飛ばされた。
体重七十キロは確実にある男三人を一度に、だ。
ドゴォン!とシャッターに叩きつけ、足を下ろした一方通行は首をコキッと鳴らす。


「ば、化物……」


「に、逃げ……」


「あン?逃がすかよ!」


そんな異常な光景にようやく危機感を抱いたのか、残りの不良達は逃げ出そうとするが、一方通行が地面に足を叩きつけただけで終わった。
足から伝わる衝撃のベクトルが操作され、地面に落ちている小石に向けられる。

シュンッ!と飛んだ小石が空気を切り裂き、


「へぼっ!?」


「ギャッ!?」


「グヘッ!?」



不良達の急所に命中。
プロのボクサーにも匹敵する威力の小石を喰らった不良達は、ゆっくりと大地に崩れ去った。

死屍累々といった感じの状況。
そんな中で、


「ふァ~……」


一方通行はそれが、戦闘が何でも無い事のようにあくびを吐いた。
彼にとってはこんなのはケンカですら無い。ゲームでさえ無い。ただ道を歩くのと殆ど変わりないのだ。


「……ン?」


ふと、背伸びをした一方通行は誰かの視線を感じ、振り返る。
視線を放っていたのは先程の茶髪の少女。
警戒と興味とが入り混じった顔をしている。
そんな彼女に向かって、一方通行は一言。





「ガキはサッサと家帰って寝てろ」


ピシィ!


「ガキがこンな時間まで外にいンじゃねェよメンドクセェ……」


ビキッ!


「大方『私強いから大丈夫!』とか言うタイプだろ?全く、ガキがいきやがりやがって……」


ビキッ!ビキッ!


「お嬢様学校の子供(ガキ)はサッサと家に帰ってミルクでも飲ンで寝てろ。大事なことなので二回言いました、ってなァ」


ブチッ!!



更に追加しほうだい。そして言い終わってから、もう用は無いとばかりに一方通行は踵を返す。
彼の脳内からは既に不良達や少女のことは綺麗さっぱり消え去った。
現に地面に倒れて気絶している不良を踏み潰しながら歩いている。


だが、


「だ……」


バチバチと、何か後方から音がした。
一方通行はこの音を何回も聞いたことがある。
だから勢いよく振り返り、手を翳した。





「誰がガキだゴラァアアアアアアアアアッ!!」





でっかい叫び声とともに光が走った。
光の正体は雷の槍。
青色のそれは真っ直ぐに一方通行に迫り、


バチィ!と、翳した手に触れた瞬間周囲に拡散した。


「……んなっ!?」


「発電能力か。ハッ、威力も気絶するギリギリの威力だなァ」


ベクトル操作した際に脳に入った電気の情報から彼は判断する。
それを知らない少女は頭にハテナマークを浮かべるだけで無く、表情に浮かぶ警戒の色を強めた。



「へェ……」


その顔を見て一方通行はニヤリ、と笑う。
先程の情報から彼女は最低でもレベル3以上だというのは分かっている。そして現在の表情。


「タダのガキじゃねェ、か」


「ガキ言うな!」


「オレの勝手だ。第一オマエ名乗ってねェじゃねェか」


一方通行の呆れながらの言葉にうっ、と真っ赤になりながら詰まる少女。
普通なら少し罪悪感が湧く所であるが、いきなり攻撃して来た人間に罪悪感が湧く程一方通行はバカでは無い。

気まずさからか、美琴はゴホン、と咳払いし名乗る。


「……私は御坂美琴よ。アンタの名前は……ってまてやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」


「チッ」


またもや飛んで来た雷を夜空に向かって跳ね返し、一方通行は舌打ちする。
勝手に帰ろうとしたのだが失敗に終わってしまった。
こうゆうタイプは一度無視すると、後がしつこいと相場が決まっている。


「ハイハイ?なァンですかァガキ。オレは今から家帰って寝るっていう大事なことがあるンですがァ?」


「ガキガキうっさいのよ。後、名前呼びなさいよ」


「却下」


即答速攻大否定。
ピキッ!と美琴のこめかみが再度音を立てる。

これ楽園にも投稿してるやつか



「アンタ……私を誰だと思ってんの……?」


「ガキA」


ブチィ!


ぴくぴくと、唇を痙攣させながら美琴はスカートのポケットに右手を入れる。


「いいわよ……ガキガキ……良い加減、頭に来た……」


「帰っていいですかァ?というか帰るわ。メンドクセェ……」


そんな美琴の行動にも気をとめず、彼は足を帰路へと向ける、

が、


「あン?」


パリッと、自分の周囲に小さな電流が走ったため彼女を見る。
彼女は右手を一方通行に向かって翳しており、その右手から周囲に漏れる程の雷が集められている。


「オイオイ……」


その全開ですと言わんばかりの状況に一方通行は呆れた声を漏らした。
だがぶち切れた美琴には火に油をブチ込むようなもの。


「私を……学園都市の超能力者(レベル5)、第二位『超電磁砲(レールガン)の御坂美琴を……」


たっぷりと怒りが込められた声を美琴は絞り出し、右手の親指に力を込める。

右手に構えしは、銀色のコイン。
それが、


「舐めてんじゃ、ないわよ!!」



ドゴンッ!!!!!




轟音が響き、爆風が舞い上がった。
彼女の手から放たれたコインは音速の壁をやすやすと超え、光の柱となって一方通行に迫った。

その、視認も、反応も出来ない攻撃は彼の顔ギリギリを通過するかと思われたが、





ガクン!と効果音が付きそうな程上空へと曲がった。





「……えっ……?」


美琴はそれだけを言うのが精一杯だった。
自分の最強の攻撃。通り名にもなっているその攻撃は、いとも簡単に防がれた。


「ざァンねェンでしたァ。電気や電磁波やらのベクトルでどんな攻撃が何処に来るのか分かっていれば……オレに防げねェ訳がねェ」


目の前で、悪戯が成功した子供のように報告して来る彼に。
彼は右手を上げていた。



「あっ……」


ガクン、と足の力が抜け、彼女は膝をついた。
信じられなかった。
最強の第一位を除けば絶対たる強者の自信があった。
そしてそれに見合うだけの努力もしたつもりだった。



なのに、呆気なくそれは打ち砕かれた。



「腰が抜けた、ってかァ?ガキだなァやっぱ」


「あ、う……」


コツコツと、一歩づつ彼は近づいて来る。
逃げたい、そう彼女は思った。
だがガキという侮辱に言い返すことも、悲鳴を上げることも、足を動かし立ち上がることも出来ない。
白髪と赤い眼を朧げな外灯の光に照らされながら、彼は美琴に迫る。

その姿は、まるで死神。
絶対的な、強者。


そして彼は美琴の目の前で立ち止まり、彼女は恐怖の余りギュッと強く眼を閉じた。















(……あれ?)


が、何も来ない。
恐る恐る、彼女は眼を開けて行く。




その茶色の瞳に映ったのは白い白い誰かの手。


「早く掴め」


「あっ……」


掴めと言われたが何故か強引に掴まれ、引き上げられる。
かなり強く引っ張られた筈なのに全く辛くなく、美琴はまるで無重力を体感したような気分だった。


「じゃァな、超電磁砲」


一方通行は身を翻し、白いビニール袋を揺らしながら歩く。
一歩、二歩、三歩、四歩……


「まっ、待って!」


十歩程歩いた所で、彼は呼び止められた。
首だけを後ろに向け、先程まで恐怖一色だった筈の彼女の顔を見る。
美琴は手を胸の前でまるでシスターが神に祈るように組み、


「アンタの、名前は……?」


口から、疑問を紡ぎ出した。
そしてその疑問に、




「一方通行(アクセラレータ)」




短く、簡素に彼は答えた。
一方通行は視線を前に戻し、歩き出す。
その背中を、美琴は見つめていた。





ちなみに。
二人はこの三日後再開することになるのだが、まだ知るよしも無かった。
















回想前のシーンに戻り、


「で?今日もまた電撃キャッチボールでもやンのか?だとしたら帰るぞオレァ」


木の影に位置するベンチにだらしなく足を開いて座りながら一方通行はそう言う。
こんなに暑い中、運動(戦闘)なんぞゴメンだった。



「んー、今日は気分乗らないから」


「……」


普段の一方通行だったら、あァそうかいの一言で済ませただろう。
しかし、ここ数日のことが無ければ、だ。


「……」


「……」


彼が返事を返さなかったせいか、美琴も言葉を発しない。

一方通行から見て、美琴はなんだかおかしかった。
いや、何年もの付き合いと言う訳ではないし、勘違いかも知れないが、


なんだか、心の底から笑ってない気がするのだ。

彼女の見せる感情全てがどこか前と比べて『ズレて』いる感じがする。


「……なァ、オマエさァ」


彼は尋ねる。
だが、


「……っ!?」


彼の口はそこで止まってしまった。








何故なら、彼女が、美琴が信じられない程悲しそうな顔で下を見ていたから。



一方通行が知る御坂美琴は、明るくて、皆の中心にいそうな人物で、ガキっぽくて、レベル5で。


こんな悲しそうな顔は、見たこと無かったし、感じたことも無かった。




「……あっ!?ご、ごめん!ぼーっとしちゃって。何か言った?」


そのセリフとともに何時もの顔に戻る。

何かを隠す少女に一方通行は、


「いや、なンでもねェよ」


そう、返した。













「一体……何隠してやがる?」


時間が立ち、夕暮れの世界になった頃。
街を歩きながら一方通行は首を捻っていた。
考えているのは勿論美琴の隠し事について。


「……やめだ」


ポツリと呟き、思考を止める。
いずれにせよ、隠すからには隠すだけの理由があるのだろう。
だとしたら彼に出来るのはただ待つことだけだ。



「まァ、アイツがオレに話すとは思わねェがな」


こんなことを考えるとは、やはりお人好しが移っていっているからだろう。


「ヤバイ!遅れっちまう!」


そう、スーパーのセールに遅れまいと前方から全力疾走しているツンツン髪の少年とかの。


「オイ、何無視してやがる」


「へぶっ!?」


無視して横をすり抜けようとした少年の襟首を掴み地面に引きずり倒す。
突然そんなことをされた彼は呼吸困難に陥りながら地面に叩きつけられた。


「上条(かみじょう)当麻(とうま)くゥン?オレを無視して行くたァ良い度胸だなァ」


「げほっ、げほっ……っ!?ええっと……」


が、学生服を着た彼、上条当麻は咳き込んだのを止めたかと思うと、


「あっ!俺特売があるんで!」


「あン?ちょ、オマ」


一方通行の制止を振り切り、彼は走った。
数少ない知り合いの不思議な態度に、一方通行は疑問を抱く。


「なンだったンだ三下の野郎……」


まぁいいかと、帰路に付き直し、




「……?」


ふと、何か景色の中に違和感を感じた。
僅かな違和感。
辺りをぐるりと見直す。


「……」


反対側の歩道、車道を挟んだその道を歩く人達の間から暗い路地裏への道が見える。






茶色の靴が、片方だけ入り口に落ちていた。

一方通行は確信する。
違和感の正体はこれだと。

彼は、反対側に渡るための横断歩道に向かって歩き始めた。












薄暗い、路地裏の道。
そこの入り口で一方通行は屈んでいた。
彼が見ているのは茶色の靴。学校指定にされていそうな皮のローファー。
何故か右だけ落ちていた。


「……」


一方通行は自分の精神状態に疑問を持つ。
ただの靴を見ているだけなのに、心臓の鼓動が収まらない。逆にドンドン早くなってゆく。



「……」


無言のまま、彼は歩く。
コツコツと、彼の靴による足音が路地裏にこだまする。

歩くに従って変な匂いがし始めた。

煙のような匂いと、血のような匂い。

地面にいくつも落ちている金色の何か。


それらをなるべく無視し、一方通行は歩く。


そして、開けた場所。
ビルに囲まれた空間に着いた。








そこで、見たのは。






「超、電磁砲……?」



まるで何か巨大な物に切り裂かれたかのように体の前面を断ち切られ、そこから大量に出ている紅い“ナニカ”に浸かっている誰か。

学校指定の制服を着て、茶色の髪と茶色の瞳を持つ彼女。












御坂美琴が、死んでいた。




「な、ンだよこりゃ……なンの、冗談だよ……」


ブツブツと、ショックの余り似たようなことを呟き続ける一方通行。
だが思考を回復させ、一気に彼女に駆け寄ろう



  








「ん?一般人か?」


とした。
第三者の声に一方通行は足を止め、その声のした方に向く。
そこには赤い制服を着た金髪の男が立っていた。

そしてその背には、六枚の白い翼。まるで天使のような、翼。

翼を生やした彼は頭を掻きながら面倒臭そうに言う。


「まったく……警備ちゃんとしとけよ。どうすんだよ『実験』って一般人に知られたらマズイんじゃねぇのか?」


実験という単語が一方通行の頭に引っかかるが、それもすぐに吹き飛んだ。




何故なら、彼が背に生やしたその翼の一つに血が付いているのが見えたから。





そして、一方通行は、




「オ、マエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!!!」




知り合いを殺されて黙っていられる程、大人じゃ無かった。

彼は己の能力を行使し、敵へと飛んだ。



>>641
はい、そうです。

という訳で、電磁通行成分が足りなかったので憂さ晴らしに書きます書きます。
エピソード話も書きながら。
では、また次回。

Lv5一方通行とLv4一方通行の相違点について説明頂けると嬉しい

美味しいホットケーキのレシピを教えてください

ifで思い出しちまったんですが、幼なじみのヤツもよろしくです。



>>662 http://questionbox.jp.msn.com/qa281359.html
基本的には上のサイトのやり方でOK。
ただしこれはノーマル。ここから個人で色々して行くのがホットケーキの醍醐味。
干しぶどうや、液体チョコレートを生地に混ぜると美味しい。
更に、マヨネーズ。これをいれると外はカリッ、中はフワッなホットケーキが出来上がる。
ただし、入れ過ぎてはダメ。牛乳の量とかも調整するといい。

>>659-665-666
今回の話で明らかになります。

>>664-670
色々書いてます。ただ、やっぱり電磁通行の方を中心に書いてますが。


では、中編行きます!






学園都市、第七学区。
ビルが立ち並ぶことにより出来た路地裏の開けた一角。
夕暮れのオレンジ色の光が僅かに差し込むそこで、







「オ、マエエエエエエエエエエエエエエッ!!!!!」




一人の少年の叫び声が響いた。



一方通行は足に力を込め、蹴る。
コンクリートの地面が掛けられた凄まじい力によりビシッとひび割れる。

弾丸のように、一方通行は飛んだ。



「……はっ」


その負の形相を浮かべて迫る一方通行に、金髪の少年は翼を振るう。
長さが十メートルはある巨大なそれが、一方通行に迫った。


「ラアッ!!」


その巨大な翼に、一方通行は左手で応じる。
ただしただの左手では無い。
ベクトル操作により人間の限界を超えた威力を持つ死神の腕。

ゴンッ!とまるで金属同士がぶつかるような鈍い音が鳴る。


(……!?)


衝撃波が吹き荒れる中、手から伝わった物質の情報に一方通行は目を見開いた。
彼はベクトル操作の能力として物体のベクトルを読み取ることにより、その物体の性質や構成物質を把握することが出来る。


だが、


(なンだ、これはァ……!?)


今、受け止めた翼からは未知の情報しか頭に入らなかった。
だから、一方通行はこの翼を破壊することが出来ない。


「考えてる暇なんてあんのか?」


「っ!」


左手を掲げて受け止めていた彼に、横から次の翼が迫る。


「がっ!?」


翼が体に当たって一方通行は悲鳴を思わず上げる。
そしてメキメキと嫌な音が耳に入ったと思った瞬間、吹き飛んだ。



「ぐっ……」


「へぇ、やんじゃねぇか」


路地裏の壁に激突して生まれた衝撃を周りに拡散。
一応、致命傷は無い。一方通行は立つ。
だがズキズキと、鈍い痛みが断続的に体に走る。

そんな一方通行に少年はパンパンと軽く拍手した。


「お前、本当にすげぇよ。学園都市第一位の俺の攻撃を受けて立っていられてるんだから」


「第一位、だと?じゃあ、オマエが……」


「そっ。学園都市第一位『未元物質(ダークマター)』垣根(かきね)帝督(ていとく)だ」


翼を広げながら彼、垣根帝督は名乗った。
一方通行は知っている。
いや、学園都市に居る誰もが知っている。



最強の第一位。常識から逸脱した怪物。それが、彼。



「それにしてもお前誰だよ。実験に乱入しやがって。俺は邪魔する敵には容赦は……んっ?」


そこまで言って、彼は首を傾げる。
まじまじと一方通行を見て、あぁ、と手を叩く。


「お前、“あの”一方通行か」


「っ!?」


あの、と言われて一方通行は息が詰まる。
心当たりは、有った。



「五年ぐらい前か?確か学園都市第一位確定される筈だった能力者のガキが居たんだよな。そいつはある事件の所為で全く能力が使えなくなった」


ギリッ、と一方通行は歯を食いしばる。
顔は怒りに染まっていた。
それを見ながら、垣根は面白そうに続ける。


「特徴は白い髪に赤い目。長点上機学園に一応登録されてるっていう、名前を捨てた人間」


そこで切り、




「十歳で化け物って呼ばれた一方通行くん?」


「黙りやがれェェッ!!」


過去(トラウマ)を刺激された一方通行は怒りを倍増させ、垣根に向かって再度突っ込む。
鬼の形相で迫る彼を見て垣根はニヤッと笑い、翼の一つを振るうった。
豪風が生まれ、一方通行は目の前に生まれたそれに手を伸ばす。

彼は風の向きを操ることが出来る。
だから、この風速百二十キロに達する豪風も防げる筈だった。




だが、





「ガッ……ガァアアアアアアアアアアアアアッ!?」


一方通行は吹き飛んだ。
自動車すらも横転させる豪風をモロに喰らった一方通行は先程と同じ壁に激突。
凄まじい轟音が響き渡る。
ビキビキとコンクリート製の壁にヒビが入った。


ドサッ、と一方通行は地面に倒れこむ。
背中からコンクリートの破片がパラパラと音を立てて落ち、一方通行は指を地面に食い込ませる。


(バカな……今の、風……俺が計算出来ないだと……?)


「一方通行。お前は確かベクトルを操作する能力者だったな?」


起き上がろうとしても体が動かない一方通行に、垣根はゆっくりと近寄る。
垣根の足が動くたびに、背に生えた翼が揺れ動く。


「なるほど、この世界の攻撃は全て何らかのベクトルで構成されているからな。この世の常識を把握していれば確かに、無敵に近い能力だろう」


だけど、と垣根はついに地面に這いくばる一方通行の前に立つ。
上から見下ろしながら、彼は言う。






「だけど、俺の『未元物質』にそれは通用しねぇ。お前の“常識”は俺には通用しないんだよ」




常識が通用、しない。
そんな生き物を人は怪物という。

背中に生えた翼が長く、長大に、鋭利になってゆく。
巨大な凶器となった白い翼は、


「じゃあな。一方通行」


真っ直ぐに、一方通行へと振り下ろされた。
それを首を上げて見上げる一方通行。
防ぐ手だてなど、無かった。












「お待ちください、とミサカは被験者へ停止を呼びかけます」


突然聞こえた声に、垣根は振り下ろそうとした翼をギリギリで止める。
目の前でピタリと止まった翼から目をそらし、一方通行は声の聞こえた方へと目をやる。






そこで見たのは、二十人は居る“御坂美琴”だった。


(な、に……?)


己の目に入った光景に驚愕しながらも、彼は意識を闇に飲まれた。
















とある所に◯◯ ◯◯◯という少年が居た。

年は十歳。そこまで可笑しい人間では無かった筈だ。

彼は小さい頃に学園都市という科学の街にやって来た。

その街では能力という名の異能の力が有った。


そして、少年には能力の才能が有った。



あっというまに彼はレベルを上げてゆき、ついには第一位に認定される間際まで行った。


だが、事件が起こる。


始まりは、子供同士の喧嘩。


彼は、そこで能力を使ってしまった。


反射と呼ばれる、無敵の盾を。


次は大人、人数を増やしても全て弾いた。


次は拳銃。反射された弾丸は放たれた場所に戻った。






そして、次は戦車。



武装した沢山の人間に、大量のヘリコプター。戦車の砲身が、歩道橋の上に居た彼を狙っていた。


彼は上を見上げ、ビルに映るテレビ画像を見る。



そこには自分の顔が映っており、写真をさしながらアナウンサーは揃って言った。







“化け物”と。







その日少年は◯◯ ◯◯◯という名を捨て、











一方通行(アクセラレータ)と名乗るようになった。















「……」


ムクリ、と。
一方通行はベットの上でゆっくり身を起こした。
寝起きの最悪な気分からか、彼の顔は歪んでいる。


「……クソが」


よりにもよって最悪な夢を見てしまった。
その不機嫌さを呟きに出した後、辺りを見渡す。

白。
辺りの物全てが白だった。
壁も天井もカーテンもベットも。
あまり通ったことは無いが知識としてはある。
病院の個室だ。


「……っ!」


そこまで考えて、一方通行は何故こんな所に居るのか疑問に持つが、思い出す。


「……夢、だったのか?」


開かれた窓から見える空は青い。
絶対とは言い切れないが、今は朝の筈だ。
夢で無いなら半日ぐらい経過している。


コンコン


「……?」



ふと、ノックの音が耳に入る。
顔を動かしてドアの方を見ると、ガラッと開いた。


「おーい。大丈夫かぁ?」


そこから出て来たのは、黒い髪をツンツンさせた学生服の少年。


「三下……?」


「うっ、酷い言われようだな……」


「いつものことだろォが」


一方通行は苦笑する少年に呆れながらそう言った。


「で、大丈夫なのか?路地裏に倒れてたのを見た時はビックリしたけど。後これ安もんだけど」


「どうともねェよ。後ンなもンより肉持って来い」


上条が台に置いた果物に文句を付けながら、一方通行は今聞いた情報を反復する。
彼は今路地裏に倒れていたと言った。
だとしたら、彼はあの巫山戯た光景を見たのだろうか?いや、それにしては反応が小さ過ぎる。


「まぁ、無事でなりより。上条さんもホッとしましたよ」


笑顔でそう言ってくる上条から、一方通行は目をそらす。


(……このお人好しが……)



何故一方通行が上条と知り合いなのか?

それは中学一年にまで遡る。








一方通行は能力が全く使えなくなった。

理由は心の病気。トラウマの所為だ。

特に反射は完璧に使えなくなり、ベクトル操作も全く出来ない。

今まで反射を無意識のうちに使っていたため、使えなくなってからは酷かった。


まず太陽の下に出ることが出来ない。
紫外線の所為で体が大変なことになってしまう。
彼は夜に行動するようになった。

だが、夜の街で彼みたいな見た目をした人間が絡まれない訳が無く、いつも殴られ、蹴られていた。




「オラッ!」


「……っ!」


バキッ!と生々しい打撃音が響き、白髪の少年は壁に倒れこむ。
そんな彼をニヤニヤしながら三人の男が囲んでいた。



「こいつやっぱいいサンドバックだわ。見た目は怖い癖に中身は雑魚だもんな」


「俺ら能力が肉体強化だからなぁー。こういう奴がいるとありがてぇぜ」


「手加減ミスっても問題ないしな」


「……」


笑いながら会話する男達を一方通行は死んだ目で見ていた。
彼は抵抗しない。いや、出来ない。
抵抗しようとすると、あの時の恐怖心が心の底から湧き上がってくる。

それに、もうどうでもよかった。
能力も使えなくなり、両親もいなくなり、友達なども一人としていない。



彼は、もう人生を捨てていた。







だけど、



「がっ!?」


突然、路地裏の入り口近くに立っていた男が誰かに殴り飛ばされた。
男はへたり込んでいた一方通行の上を通過し、反対側にいた男に激突する。


「ぐえっ!?」


「オイ!どうした!?」



倒れこまれた男は押しつぶされ、もう一人の男が駆け寄る。
唖然としていた一方通行は、


「よし!行くぞ!」


「……あっ?」


その誰かに、しっかりと手を掴まれた。
そして引っ張りあげられ、一気に走らされる。


「っ!?オイ逃げやがったぞ!」


「追え!」


背中に不良達の叫びを聞きながら、一方通行は自分の手を掴んだ人物を見る。

黒い髪に、学生服。

どこにでも居そうな、何の力も無さそうな一人の少年。

同い年くらいの少年に引き摺られながら、一方通行は走る。






十分後。


「はぁ、はぁ……ここまで来りゃ大丈夫だろ……」


「ハァ、ハァ……」


息を整えながら、一方通行は同じく息を荒げる少年を見直す。
やはり、どこからどう見ても普通の少年だ。


とにかく、色々言いたいことはあるが、




「なンで、助け、たンだよ……」


その問いに彼は首を傾げ、戻して笑いながら。




「目の前で不幸な目にあっている人を見捨てれないから、かな?」




これが、二人の、一方通行と上条当麻の出会いだった。




そして、『一方通行』という新たな一個人が誕生した瞬間でもある。


それから一年の歳月を要して彼はレベル1から、レベル4にまで成り上がった。











「……」


シャクッ、とお見舞い品のリンゴを囓りながら一方通行は思考を過去から現在に戻す。
お見舞い品を持って来た少年は補習があるらしく、もう居ない。


「……実験」


ポツリ、と呟く。
実験。そう、確かに垣根帝督は言っていた。
問題はどんな実験なのか、ということだ。


恐らく、いや確実に、マトモな物では無い。



「一方通行さーん!」


「あわわっ!佐天さんノックノック!」


突然、ドアがかなりの速度でスライドしたかと思うと女子が一人お見舞い品が入った篭を持ち上げながら入って来た。
その後から頭に大量の花飾りがついた少女が入って来る。


「……オマエら、来たのかよ」


「はい、白井さんから聞いて」


「白井ィ?あの腐れツインテメントがァ?」


花飾りの少女、初春からの言葉に一方通行は露骨に嫌な顔をした。



「折角来て差し上げたのに、酷い言い様ですわね」


「だとしたら空間移動で不意打ちかけンの止めろ」


最後にゆっくりとドアを閉めながら入るツインテールの少女に一方通行はため息を吐きながら言った。






「よかった……大した怪我じゃないんですね」


「怪我ですらねェよ。明日には出れンだろ」


ホッと一息ついた佐天に彼はそう返す。
彼女達とは偶々出会っただけの知り合いだと一方通行は思っていたが、予想以上に好意を持たれていたらしい。


「しかし……お姉様でさえ傷一つ付けられない貴方が、一体どうして倒れてましたの?」


「……別に、ただ喧嘩に負けただけだ」


「だ か ら!誰と戦って負けたのか聞いてますの!」


白井はガーッ!と擬音が付きそうなくらい怒りのポーズを取り、それを横から初春がなだめる。



「でも、実際誰と戦ったんですか?せめてどんな人かだけでも」


「どんな人、ねェ」


一方通行は頭から情報を引き出し、




「ムカつく野郎だな」



一言だけ、言った。








「じゃ!また来ますんで!」


「もう来なくていいつーの」


元気に言ってくる佐天にダルそうに返す。
そしてふと尋ねてみた。


「超電磁砲はどうした?」


「?そういえば、御坂さんどうしたんでしょう?白井さん何か知りませんか?」


病室から出ようとしていた初春は、居ない人物のことを白井に尋ねる。
美琴のことなら、ルームメイトでもある彼女に聞いた方がいいからだ。
だが白井は首を振り、



「貴方(一方通行)が路地裏で倒れていたことを伝えたら、お見舞いには行けないとしか」


「御坂さんが?」


チラッと一方通行の方を見ながら、初春は信じられないという声を出す。
視線を受けた一方通行は、何かを考えていた。








(アイツは俺にしつけェくらいにまとわりついてやがる。なのに……)


太陽が沈みかける頃。
オレンジ色の光が病室にさすのを感じながら一方通行は考える。

恐らく、彼女の不調とこれらは繋がっている。


彼の脳内に浮かぶのは、あの悲しそうな表情と、大量の無表情の美琴達。



考えていた一方通行だが、


ガラッとスライド音が響き。


「邪魔するぜい」


「オマエは……」


一方通行はドアを開けて入って来た人物に疑問を持つ。
入って来たのは金髪にサングラスをかけたアロハシャツの男。

確か、上条の側によくいる男だったはず。
名前は土御門元春。



「おぉう。一方通行、お前白過ぎてベットの布の色と体が同化しかけてるにゃー」


「うるせェ黙れ。用が無いなら帰れ」


自分の白さを指摘された一方通行は、不機嫌そうに手をシッシッと振るう。
その声と行動をにゃーにゃー言いながらスルーした土御門は、ポン、と何かを一方通行のベットに放る。


「ほらよ」


「あン……?」


ボスン、と一方通行の目の前にありしは茶色の封筒。
かなり大きく、分厚い。
恐らく業務用だ。


「じゃ、俺の役目はこれで終わりだから行くぜよ」


「役目、だと?」


クルリ、と土御門は彼に背を向ける。



「アレイスター直々の、な」


そう、告げてから、彼は部屋を出て行った。


「アレイスター、だと?」


開かれたままのドアを見ながら、一方通行は名前を再度紡ぐ。
そして手に感じるずっしりとした重さの封筒を見た。


「……」


べリッ、と封を解き、中から紙の束を取り出す。








『絶対能力者進化計画(レベル6シフトプラン)』


最初に見えたのは、そんな言葉だった。








そして、其処に書かれていたのは、巫山戯た実験の内容。




彼はー








「どうして、こうなっちゃったのかな……」


風力発電のプロペラが回るのを見ながら、御坂美琴は苦笑しながら言う。
その顔は、笑っているとは決して言えなかったが。


「やっぱり、レベル5なんかになったのが、悪かったのかな?」


その問いかけに返す者は誰一人として居ない。
時間が時間だ。橋の上には彼女以外誰も居ない。


「ねぇ、一方通行……」










二十日程前。


「ねぇアンタ」


「あン?」


ジージーとセミが鳴く中、一方通行は体の前で腕を組みながら尋ねて来た美琴に、怪訝そうな声で返す。


「いや、アンタの能力って絶対レベル5クラスでしょ。どうしてレベル5じゃないの?」


アンタの名前はどうして能力名なの?
この疑問は口に出さなかった。
絶対に触れてはいけない問題だとハッキリ分かっていたから。



「……欠陥があるからだよ」


「欠陥?」


あァ、と頷いてから彼は理由を言う。


「俺は反射が出来ない。昔は出来てたってのに、だ」


「反射?」


「つまり、ベクトルを正反対方向に変えれねェってことだ」


自分の思った所にベクトル変換するより、反射は簡単な筈だ。
なのに彼は、それが使えない。
まァ無意識の内に紫外線は反射しているらしいが、と一方通行は付け加え、


「それだけじゃねェ。血流操作もダメだし、生体電気も恐らくダメだ。欠陥だらけ。これじゃレベル5にはなれねェよ」


「……」


美琴は一方通行の言葉の意味を考える。
そこでふと気がついた。
自分との初対面の時、もし反射されていたらどうなったかを。



「……もしかして、アンタ」


「大正解だ、クソッタレ」


美琴が全てを言い終える前に、彼は言葉を返す。
彼は、人を傷付けるのがもしかしたらあんまり好きなのでは無いのかも知れない。
そして、恐らく本当は、もっともっと強いのだろう。


だけど、強すぎる力は災いしか呼ばないから、


彼は、レベル4のまま、化け物の領域に踏み込まずにいるのだろう。


缶コーヒーを飲みながら歩く彼の背中を見て、美琴はそう思った。










「なのに、私は……」


手すりにぽたぽたと、何かが垂れる。
その何かは、美琴の目から流れていた。
この世の理不尽さに、自分の愚かしさに、彼女は泣いていた。

下を向きながら、彼女は、心に溜め込んでいた言葉を漏らす。












「誰か、助けて……!」


「ハッ、なァンだ?言えンじゃねェか」








「っ!?」


突然の声に、美琴は飛び退いた。
横を見ると、手すりに寄りかかりながら缶コーヒーを飲む彼が居た。

その左手には、『絶対能力者進化計画(レベル6シフトプラン)』と書かれた書類の束が握られていた。


美琴は気がつく。
もう、全て知られてしまっているのだと。



「……で?」


逆に尋ねられた。
本来なら彼女自身が質問をしたかった。
なんで資料を持っているのか、なんでここにいるのか、なんで見つけられたのか、なんで資料をみても尚自分に話しかけられるのか。
だけど、


「私は、あの子達を、助けたい」


「妹達のことか」


彼にコクン、と頷く。









彼は言った。どうするつもりだと。


彼女は返した。自分が死んで、終わらせると。








なのに、


「なんで、アンタはまだ私の前に居るのよ……?」



自分が死ねば、終わるかも知れないのに。

彼は、橋の上に立つ彼は、


「却下」


いつかのように、否定した。


「死ンで終わらせるってかァ?ンな簡単に終わったらもっと世の中は単純だっつの」


呆然とする彼女に、彼は背を向ける。
カツカツと、振り返らずに。
その背中に、美琴はたまらずに大声で怒鳴った。


「何処に行くのよ!?」


「何処かの親切な誰かさンが教えてくれたンでねェ」


ピラピラと、彼は背を向けたまま紙の一枚を揺らす。
それに書かれているのは、10032回目の実験の座標。


それを見て彼女は漸く理解する。


彼が、今から何処へ行き、誰に何をするつもりなのかを。


「……無理よ!アイツの能力を知らない訳じゃないでしょ!?」


「昨日吹っ飛ばされたしなァ」


「だったら!なんで!?あんな常識から外れた化け物になんでアンタは……!」


「オイオイ、死ぬとか言ってた奴のセリフか、それ?」



彼は振り返り、知らず知らずの内に涙を零している彼女を見る。
彼女は目から流れる涙を隠そうとしない。もう、するだけの余裕も無い。


「いいじゃない!私が死んでそれで終わり!誰も悲しまないし、アンタだって命をかける必要なんて「ある」……っ!」


途中で遮られた。
美琴は一方通行を見る。
その顔は、笑っていた。今から戦場に行くと言っているのに、笑っていた。


「あるンだよ、これが」


愉快そうに、楽しそうに、ニヤニヤしながら彼は言う。


「オマエが死ンだらあのツインテールも佐天って奴も、初春って奴も悲しむぜ?オマエは自分を下に見すぎなンだよ」


らしく無い、そう一方通行は思う。
こんなのは自分が言うようなセリフでは無い。
けれど、いや、だからこそ。








「勿論、俺もだ」






「……えっ?」


美琴は耳を疑う。
彼は、一方通行は今なんと言った。
クルッと前に向き直り、彼は、


「じゃ、行ってくるわ。ガキは家に帰って寝てろ」


「まっ」


ダンッ!と脚力のベクトルを操作し、高く飛んだ。

高く、高く。






そして美琴は一人残された。いや、最初から二人しか居なかったのだが。


「……」


下へ俯き、彼女は唇を噛み締める。
自分が死ぬつもりだったのに、彼はこの問題に関わらせたく無かったのに。
確かに常識内では一方通行は美琴が知る誰よりも強い。だが、相手はその常識を壊す能力者だ。

相性が、悪過ぎる。


「っ!」


顔を勢いよく上げ、美琴は前を見る。
一方通行が向かった方向を。



「行かなきゃ……」


そして一歩を踏み出そうとした所で、


「ニャー」


「……?」


子猫の鳴き声が聞こえた。
美琴は其方を振り替える。

其処にいたのは黒猫。









其処にいたのは、あの白い少年の、親友。













「これより、第10032回目の実験を開始します」


「……ちょっと待て」


「?」



とある操車場で、コンテナの上に寝転がっていた垣根はゆっくりと起き上がる。
それに、コンテナの下に立っていたミサカ10032号は首を傾げた。


「どうかしましたか?とミサカは警戒を続けたまま問いかけます」


「……いや、どうやら実験の前にブチ殺さなきゃならねぇ奴が居るみてぇだ」


「?」


瞬間、


ズシンッ!と何かがミサカの前に高速で落下した。


「なっ……!?」


「オマエが妹達か。なるほど、確かにそっくりだなァオイ」


小石をはね上げながら着地したのは、白い髪の少年。

彼は上を見上げる。


そこには翼を広げ、臨戦態勢の第一位が居た。


「やっぱ来やがったか。実験に支障が出るだのなんだの言われて殺せなかったからな。ここでブチ殺してやるよ」


「ハッ、オマエの方こそ愉快に華麗にスクラップにしてやンよ」


嫌味の言い合い。
そこに込められた殺気は、普通の人間には決して出せない領域の物。
彼らだからこその、殺気。



「貴方、は……?」


「別にオマエを助けに来た訳じゃねェンだがな。成り行きで助けることになるンだよ。……オマエが死ぬと、悲しむ女が居るからなァ」


「女……?ミ、ミサカは単価十八万円で幾らでも製造できるクローン体で」


代わりは幾らでも居るのだから、貴方の行動に意味は無い。そう伝えようとしたのだが、


「一つ、教えてやンよ」


「!?」


襟首を瞬時に捕まれ、後ろに投げ飛ばされる。
後ろに十メートルは飛ばされ、ミサカは地面に滑り込む。

そちらを見ずに、彼は前を、上を、翼を広げた最強と呼ばれし者を見る。




「そう簡単になンでも割り切れねェから、人間なンだよ」




例え、周りがどれだけ美琴を人間扱いしなくても、一方通行は彼女を人間として見る。
そして彼女のような人間は、ここでくたばっていいような人間では、決して無い。

決して、無い。



「下がってろ」


それで終わりとばかりに一方通行は意識を後ろにいるミサカから外す。
狙いは、敵の殲滅。実験の、停止。




「なぁ、一つ聞かせろ」


「あァ?」


「どうしてお前は、他人のために其処までする?」


上から投げかけられた質問に、一方通行はハッ、と呆れたように息を吐いてから、




「目の前で不幸な目にあっている人を見捨てれないから、だよ。クソッタレ」




最後の言葉は、誰に言ったものなのか。
そのセリフを聞いて「そうか」と少し笑いながら垣根は返す。



「オマエこそ、なンで絶対を求めてンだよ」


「つまんねぇ過去のせいだよ。この学園都市に幾らでもある、な」


「そうかい」




そこまで言って、彼等は、







「終わらせてやンよ『未元物質』」


「終わるのはテメェだ『一方通行』」







大地を足で蹴り、鋼の箱を吹き飛ばし、



二人は、激突した。












終わりです。
後編もお楽しみに!

沢山のレス、ありがとうございます!

これからも、よろしくお願いします!

仕事が速いなwwww
こんな文章を早く作れる>>1が羨ましいわwwww

一方通行かっけぇぇぇぇぇぇぇええええええ
一方通行が大能力者の理由付けがすごい納得できるものだった!
確かにあれは、トラウマか原作みたいなひねくれ者になるよな普通に

楽しみにしてるよ

一方さんメインの話で上条さん出ると
その後の展開が怖くなるな



>>714
自分でもビックリ……どんだけ文字打ってんだよ、おい。

>>717
そう言って貰えると幸いです。あと二度レスは気にしなくていいよ!自分も何回もしたし!

>>724
あっ、大丈夫です。ぶっちゃけ、上条さん脇役。

沢山のレス、応援メッセージ有難うございます!
自分的には中編は一方通行のかっこよさを出したかったので嬉しいです。

ただ、今回はちょっと……駄文。

では、後編行きます。







夜の学園都市。


暗い暗い闇の世界。


その世界で、






「アアアアアアアアアアアアアッ!!!」


「オオオオオオオオオオオオオッ!!!」


喧嘩を超えた『戦闘』が、起こっていた。
舞台はボンヤリと街灯の光が照らす操車場。
戦いし戦士は、白き翼を持つ者と、白き髪を持つ者。


人間の限界を超えた者同士の、戦い。









夜の学園都市。


暗い暗い闇の世界。


その世界で、






「アアアアアアアアアアアアアッ!!!」


「オオオオオオオオオオオオオッ!!!」


喧嘩を超えた『戦闘』が、起こっていた。
舞台はボンヤリと街灯の光が照らす操車場。
戦いし戦士は、白き翼を持つ者と、白き髪を持つ者。


人間の限界を超えた者同士の、戦い。








ブオッ!と何かが空気を裂き、空を飛ぶ垣根に飛来する。
垣根はそれを翼の一振りで薙ぎ払った。
そして巨大な何かは大地に轟音を立てて墜落する。
それは周りに幾らでもあるコンテナの一つ。
重さがトン単位の物体だが、彼等にとっては単なる武器の一つに過ぎない。


「チッ!」


垣根は舌打ちを一つ。
今投げられたコンテナの影に隠れるように、


「ラアアアアアッ!!」


一方通行は接近していた。
しっかりと拳を握り、振りかぶる。
その拳は放たれるが、翼の壁に防がれた。


「ウォォォォォォォッ!!」


「うぜぇんだよ!」


防がれるのもお構いなしに、彼は拳を放ち続ける。
徐々に翼の羽が取れてゆき垣根の姿が見えてくるが、


「あめぇ!」


垣根もただ殴られ続けるだけでは無い。
他の翼を刃の様にし、一方通行の周りを囲う様に襲わせる。
その翼の檻に閉じ込められる前に、一方通行は重力のベクトルを操作。
空中であり得ない動きを見せ、後ろに移動する。


「ーっ!」



そして大地に着地。
だが一方通行はすぐ横に飛んだ。
何故なら、無数の白い羽の嵐が迫っているのが見えたから。

ズダダダダダッ!!とまるで紙を貫くダーツのように白い羽が地面に突き刺さって行く。
ソレだけでは無い。
突き刺さった大地がどんな『非常識』を受けたのか、熱によりとけてゆく。


「かわしてんじゃねぇよ!」


「オラァ!」


上空からの文句を無視し、一方通行は大地に足を叩きつける。
その瞬間、地面にしかれている砂利が一斉に真上へと浮かぶ。
大量に舞い上がった砂利達へと一方通行は回し蹴りを繰り出した。

足の動きにより出来た暴風が、石を纏って上空へと突き進む。
その石と風の壁に、垣根も翼による風と鉄よりも硬い羽で応戦する。


空中で石と羽が、暴風と暴風がぶつかり合い、凄まじい音を立ててバラバラに拡散した。


ソレによって石と羽の雨という世にも奇妙な光景が展開されるのだが、その頃には二人は五十メートルは離れた空中に移動しており、戦っていた。


「グッ、ガッ……!」


「おっ、ちっ……!」


六枚の翼が一方通行を切り裂こうとするが、一方通行はそれを躱しながら拳を放つ。


ガッ!ギガッ!ブアッ!と、翼と拳の打ち合いがまるで漫画のように、辺り一帯に衝撃波を撒き散らしながら何合も続いていく。


「やるなぁ一方通行!反射が使えないってのに、よく突っ込めるもんだ!」


「オマエ、なンでソレを……!?」


「リベンジして来そうだったからな!気晴らしにテメェの資料を見てたんだよ!」


「!」



垣根は蹴りを放ち、一方通行は目の前で腕をクロスさせて防いだ。
だが吹き飛び、地面へと落とされる。


「反射も使えねぇ欠陥能力者が俺に勝とうなんざ、到底無理なんだよ!」


「ハッ!分かンねェだろォが!」


地面に着地した一方通行は風のベクトルを操作し、竜巻を作り上げる。
そして垣根に向かって飛ばし、自分は近くのコンテナの山の頂上に一っ飛び。

垣根はまたもや舌打ちしてから、翼を振るう。

瞬間、空気が何故か弾け、大爆発が起きた。

当然、垣根に近付いていた竜巻はそれに打ち消される。


「……」


コンテナの頂上に立ち、目の前に広がる黒煙を見ながら一方通行は警戒を続けた。


一方通行の『未元物質』への作戦。
それは躱す、もしくは打ち消し合うという物。
一方通行の力では垣根の能力による『非常識』の法則による攻撃を防ぐことが出来ない。
ならば、躱し続けるか、相殺してやればいい。
事実、それで一方通行は渡り合っているのだが、


(……このままだと)


一方通行の、戦闘者としての勘が告げる。









(……負ける)




ボッ!と黒煙のカーテンを縦に裂き、全長百メートルはある翼の刃が振り下ろされる。
それを右に飛んで躱す。
誰も居ないコンテナの山を中腹まで一気に翼が切り裂いた。


「一方通行ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


「未元物質ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


片方は風のベクトルを操作。
片方は翼を一つに束ねて振るう。




何度目か分からない轟音が、夜の戦場に響き渡った。












「アンタ!」


「お、姉様……?それに、貴方は……」


「御坂妹!一方通行は!?」


一方、操車場の入り口付近で三人はあっていた。
一人は化け物の領域に踏み入れし少女。
もう一人はその少女の複製(クローン)たる少女。

そして、もう一人はーー


「一方通行……白い髪の少年なら、あちらで」


ドゴオォォォォォォォォォンッ!!


「っ!?」


ミサカが指差した先から爆発音が轟く。
それによる地面の揺れを感じながら、


「ッ!」


彼女、御坂美琴は走り出した。
何が出来るのか分からないし、足手纏いになる姿しか思い浮かばない。
だけど、行かなければ、いや、行きたい!


「あっバカッ!クソ!子猫を頼む!」


「えっ?」



走り出した美琴を追うべく、彼は何かを呆然としていた少女に放り投げた。
それは黒い生き物。黒猫。

慌てて少女はそれを抱き抱える。
無事に掴めたことにホッと息を吐き前を見る。
生き物を投げるなどという動物愛護団体に殴られそうな行為をした少年は既に遠くへと行っている。



自分の親友を、助けるために。



「……全く、子猫を投げないで下さい、とミサカは呆れながら呟きます」


自分の電磁波のせいで少し震えている子猫を地面に下ろし、


「少し待っていて下さいね、とミサカは子猫に謝罪してから走り出します」


彼女もまた、戦場へと走り出した。








「ハァッ、ハァッ……!」


美琴は走る。
足がもつれかけるが、なんとか堪えて走り続ける。
息は荒く、その表情は焦燥に染まっていた。
彼女は、走る。


(私の、せいだ……!)


心の中で、彼女は自分を責める。

本来、彼女は死ぬつもりだった。
『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の計算結果が“間違っているかもしれない”と思わせるために垣根帝督に挑み、無様に一手か二手で殺されるつもりだった。



だけど、怖かった。



覚悟を決めたなんて言っても、怖かった。

死ぬのなんて、嫌だった。

皆に会えなくなるのも、綺麗な景色が見れなくなるのも。

死ぬのなんて、怖かった。



だけど、胸の内にその思いを閉じこめた。



自分は救われてはならない。

妹達が生まれたのは、自分の責任だからだと。

誰にも頼ってはいけない。“化け物”の問題に、関わらせてはならない。










なのに



“彼”の前だと、隠せなかった。

胸に閉じこめた思いが勝手に溢れ出て来て、叫んでいた。


助けてと。


そして、何故か彼は実験のことを知り、





自分のために、命を賭けている。





自分なんて、“化け物”のために。




「……嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」


レベル5とか、お嬢様とか、そんなのを無視して普通に接してくれた彼。

自分をいつも子供扱いして、バカにして、一人の御坂美琴という“人間”として接してくれた。


そんな彼を、失いたく無い。




絶対に、失いたく無い。





「……オイ!」


後ろから声が聞こえるが無視。
コンテナとコンテナの間の通路を走り抜け、彼女は線路がある空間へと飛び出した。
彼が居るはずの空間へと。








そこで、見たのは。















「ラアァッ!」


爆発の所為で舞い上がった白い砂煙を、一方通行は右腕を振るうことで一気に吹き飛ばす。


「ッ!?」


そしてしゃがみ、前へと地面と並行になりながらも飛ぶ。
飛んだ瞬間、先程一方通行が立っていた場所を横切るように烈風が通過した。



「おいおい……本当にやるじゃねぇか、一方通行」


「オマエもな」


地面を手でついて反動で立ち上がる。
一方通行の目に映ったのは、此方を向いて余裕の笑みを浮かべる垣根。
対する一方通行には余裕など欠片も存在しない。


戦況は拮抗しているように見えて、片一方に傾いていた。


「でもさぁ、










もう終わらせるわ」


瞬間、一方通行を“何か”が襲った。


「ギッ!?」


ズシン!と体にかかる力に一方通行は立ったまま身動きが取れなくなる。
一方通行だけでは無く、垣根を含む半径二十メートル程の大地が陥没した。


“何か”の正体、それは重力。

だが、只の重力では無い。
『未元物質』による、おかしな重力。


「んじゃ、死ねよ一方通行」


「ーッ!」



恐らく自らの未元物質で重力を相殺しているのだろう。
重力を感じさせない動きで右手を振るう。

それに連なるように翼が動きーーーー















ザシュッ!!








身動きが取れない一方通行の体を、いとも簡単に切り裂いた。


「ん?体を空気のベクトルを操作して少し後ろにやったか?だけど致命傷だろ、それ」


切った翼から伝わった感触に、垣根はそう言う。

だが、一方通行の耳には入らない。

一方通行は視界がブレるのを感じ、体から力が抜けて行く感覚を覚えながらゆっくりと、膝を付く。



膝を付いた地面は、何故か紅かった。


(?……あァ、そうかァ)


それに疑問を持つが、朦朧とした頭で一方通行は答えを弾き出す。


(これ……俺の血じゃねェか……)


そこまで考えて思考が停止し、彼は前へと、自分の傷口から溢れる血に染まった大地へと倒れこむ。






「い、いやぁあああああああああああああああああっ!!」




意識が闇に呑まれる前に、あの少女の声が聞こえた気がした。


悲しい、悲しい、悲鳴が、聞こえた気がした。











(嘘だ、嘘だ嘘だうそだうそだうそだ。これは夢、夢なんだ)


彼女は顔から表情を消す。
美琴の脳内は早々に現実を否定していた。
だけど、現実は確かにそこにある。
彼女は見たのだ。しっかりと。





彼が、天使のような白い翼に体を切り裂かれるのを。




多分、彼女は心のどこかで期待していたのだろう。
彼は負けない。彼は勝つと。
だがそんな幻想は粉々に打ち砕かれ、彼女の心も砕けちった。



「一応ほっといても死ぬとは思うが……止め刺しとくか」


「!」


何気なく、切り裂いた男が発した言葉に美琴は現実に戻ってくる。
砕けた心をかき集め、必死になって走る。


だけど、男に、垣根に攻撃したのは、




「テ、メェエエエエエエエエエエエエッ!!」




白い髪の少年の親友だった。
彼はその右拳を垣根に向かって放つ。


「あん?また新しい部外者か?」


垣根は自分に迫るそれをなんら脅威に思わず、翼を間に挟むが、


バキィ!と一方通行でも中々貫けなかった翼の壁を簡単に貫かれ、垣根は殴り飛ばされた。



「な、があっ!?」


地面に滑り込むように倒れ、改めて垣根は己の『未元物質』による翼を突き破った相手を見る。


「テメェ……誰だ?」


「オマエが傷付けやがった奴の、友達だぁあああああああああああっ!!」


起き上がる垣根に再度彼、上条当麻は己の右腕を振るう。






全ての異能を打ち消す、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を。














「嫌だ……なんで……なんで止まらないの……」


上条が垣根と戦っている間、美琴は一方通行を仰向けにし、傷口を抑えていた。
だがどうやっても、彼の体からは血が溢れ続ける。
彼の白い肌が、更に白く、青くなってゆく。
目は、閉じられたまま。


「早く……早く病院に……!」



美琴は一方通行を運ぶべく、周りを見渡す。
彼女一人では一方通行を運べない。
妹達か、上条に頼る必要があった。


しかし、世界は甘く無い。


「ガハッ!?」


「ぐぅっ!?」


「後で幾らでも相手してやるから大人しくしてろ」


あの、一方通行を切り裂いた翼が上条を吹き飛ばし、その斜線場に居たミサカとぶつかり一緒に吹き飛ぶ。
そしてコンテナの壁にかなりのスピードで叩きつけられた。

それを横目に見ながら垣根はジャリ、ジャリ、と地面の小石を踏みしめ一方通行を抱える美琴へと近付く。



「さて……超電磁砲、どけ」


未知の物質、非常識で構成された翼を見せつけながら、彼は美琴に言う。


「……」


美琴は、無言。

彼女は自分が憎かった。

問題ばかり起こしておいて、それに他人を巻き込んで、そして、“化け物”と呼ばれながらも何も出来ない自分が憎かった。

自分は、死にそうな一方通行を助けることも、目の前の“化け物”を倒すことも出来ない。





だから、


「……おい、なんの真似だそりゃ?」


「……」


彼女は一方通行を横たえ、垣根の前に両手を広げて立った。
その制服や体は所々一方通行の血によって濡れている。


「盾のつもりかよ?そんなの無駄なのは知ってんだろうが」


呆れたような垣根の声に、美琴の恐怖心が同意する。
前に戦った際、垣根の白い翼に電撃も砂鉄の剣も、超電磁砲(レールガン)さえ、いとも簡単に防がれた。



だけど、


「……」


キッ、と美琴は垣根を睨み続け、垣根の前に立ち塞がり続ける。
その姿に、


「ハァ……」


垣根はため息を吐いた。
彼にとっては美琴の行動は全く無意味な物だ。
彼女一人の力で止められるような最強では無い。


「なぁ、最後にもう一度だけ聞く。どく気は無いんだな?」


「……」


美琴は無言。
だが、その垣根を睨む表情が全てを語っている。


「そうか……」


垣根はその返答に、




「じゃあ一緒に死ねよ」



巨大な翼で答えた。
一気に頭上に伸び、曲がって白い鋭利な翼の先が美琴を、その後ろに横たわる一方通行を貫かんと超高速で迫る。

迫るそれを見て、美琴はせめてもの抵抗をしようと、能力を行使した。













世界に轟音が鳴り響き、大地が揺れ、何かが飛び散った。
















意識が、朦朧とする。


誰かの、声が聞こえる。


「じゃあ一緒に死ねよ」


何か、大きな物が彼女に迫るのがぼやけて見える。


「……ッ」


一瞬、彼女の顔に恐怖が浮かぶが彼女は立ち塞がり続ける。


能力を使おうとしているのだろうか。前髪から電気が散る。


彼女は、立ち塞がり続ける。


目の前に、明確な死が待っているのに。


ーー待てよ……


ーーまだ……


力を込める。


自分だけの現実から、能力を引き出そうと演算を行う。



ふと、何かとっかかり、いや、鍵を見つけた気がした。


イメージは、ボロボロで今にも壊れてしまいそうな軟禁錠。


ーーここだ……


確信する。


この先に、今もっとも己が求める物がある。


だから、手を掛けた。


そしたら、


(待て、そこから先に行けば引き返せなくなるぞ)


本能の声、とでも言えばいいのだろうか?


忠告が聞こえる。



考える。


考えて浮かんだのは、彼女の笑顔。


だから、“彼”は






















ーーーーそれがどうした、クソッタレ





鍵を、叩き壊した。














「な、に?」


垣根は呆然と、目の前の現実を見て呟く。
彼の背に生えていた筈の白い翼は、全て轟音とともに消し去られていた。
辺りには残骸たる白い羽が飛び散っている。

消し去ったのは、少女を守るように立つ、白い髪に紅い瞳を持つ少年。





その背中から生えし、黒き翼。





それは垣根が持つ翼とは決定的に違っていた。
まるで岩から削り出されたような、刺々しい姿。
まるで煙のように実態が無いように感じる雰囲気。


その翼を生やした背中を後ろから見る美琴は、不思議と恐怖しなかった。


何故なら。そこから感じられる雰囲気が、暖かったから。



翼はゆっくりと消えて行く。
まるで空気に溶けるように消えてゆき、消え去ってから垣根は漸く正気に戻った。


「テメェ……今のは!それに何で生きてッ!?」


問いかけの途中で、垣根は驚きの余り目を見開く。
自分の目の前に立つ少年の傷口からは血が流れていなかった。


「ま、さか、血流操作……?」


「えっ……?」


垣根の呟きに、美琴も驚いて少年の横顔を見る。
横からなので目は見えないが、口元はギリギリ見えた。


「美琴」


彼は言う。
今まで一度として呼ばなかった彼女の名前を。


「三下どもと一緒に下がってろ。終わらせてやる」


「……うん」


素直に頷き、美琴は少し後ろに下がる。
視界がぼやけて、彼の背中がよく見えない。


あぁ、これが嬉し涙なんだなと、美琴は思った。








「さァ、いい加減こンな巫山戯た舞台は終わらせっちまおうぜ、格下ァ!!」





彼、一方通行は目の前の『元最強』にそう叫んだ。













「大丈夫?」


「はい、問題ありませんとミサカは体を確認し報告します」


「……一方通行」


コンテナに寄りかかっているミサカと上条。
美琴だけが立っている。

ニー、と黒猫がミサカに擦り寄りながら小さく鳴いた。


「大丈夫、なのか……?」


上条は空を見上げながら心配を告げる。
空では二人が戦っていた。
戦いは余りにもレベルが違い過ぎて、彼等が介入など到底無理な話だった。


空中で二人が激突する度に衝撃波が撒き散らされる。
白い羽が散らされ、暴風により高く積まれているコンテナが崩れた。
大地がズズンッ、と揺れ、黒猫が不安そうに震える。


「きっと……」


震える黒い子猫をミサカが優しく抱き抱えるのを横目に見ながら、美琴は、




「大丈夫」




そう、言った。
その茶色の瞳に篭っているのは、信頼。




あの少年への、絶大なる信頼。










「……いい気になってんじゃねぇぞ一方通行ァァッ!!」


翼の少年は吠えた。
そして自分と対峙する一方通行に向かって垣根は翼を振るった。

翼から放たれた白い羽が、幾百も放たれ一方通行に迫った。


だが、


一方通行は躊躇無くその羽の弾幕に突っ込む。
そして、羽は一方通行に触れた瞬間真逆へと弾かれた。


「なに!?ぐっ!」


自分へと返ってきた羽を防ぐために翼を壁にする。
その壁に当たって羽は弾かれるが、一方通行の手は防げない。

白い死の腕が、羽の層を貫き垣根の眼前に迫る。
翼を慌てて拡散させ、羽を撒き散らして衝撃を無くす。
そして後ろへと飛んで距離を取った。


(どうなって、やがる!?何でコイツは俺の羽を防いで、しかも翼を簡単に貫いた!?そして何よりもーーッ!)


ーーなんで反射が使える!?





「未元物質、か」


「!?」


空を飛び、放たれた風の槍を防ぎながら垣根は一方通行のセリフを聞いた。


「確かにオマエの力は凄いもンだ。未元物質っていう“異常”をこの現実に入れることで常識を変えっちまう」


風を操作しながら、彼は言った。




「だったら、暴けばイイ。この世界には未元物質があると仮定して、その世界での公式を暴けばチェックメイトだ」




「な……」


垣根は絶句する。
彼の言ったことは“非常識”を“常識”に変えるということ。
つまりだ。



彼の能力のアドバンテージを、殆ど無くすということ。




「んなことが……!」


「できンだよ。“今の”俺ならなァ」


ニヤッと、笑いながら一方通行は宣言する。
その姿は闇と重なって死神に見えた。


「う……おおおおおおおっ!!」


垣根は叫び、六枚の翼を一方通行に向ける。
だが、何時の間にか自分より上空に移動した彼の右手にある物を見て驚愕する。


「学園都市中の風の流れを集めりゃ、プラズマぐらい出来ンよなァ?」


光り輝く、丸い物体。
直径十メートル程のプラズマ体。
灼熱のそれが、


「喰らっとけ」


垣根に叩きつけられた。

プラズマ体は下に居た垣根に接触した瞬間形を変え、まるで光線のように大地に突き刺さる。
その大気の急激な温度変化により、暴風が操車場全域に吹き荒れた。



「うわっ!」


「くっ!」


「……!」


それは戦いを見ていた三人も例外では無く、顔の前に腕を出して耐える。
美琴だけが、爆心地とも言える地点を見ていた。


爆心地は砂利やレールが溶けており、砂煙が凄く、何も見えない。


その砂煙のカーテンはゆっくりと、風に乗って消えて行く。
爆心地の中心にあるのは、白い塊。


「!」


「あれは……!」


白い塊がピクッと動いたかと思うと、一気に解き放たれた。
白い何かは幾重にも重ねられていた翼。


「はぁ、はぁ……」


その翼を生やしている少年、垣根は息を荒くしながら地面に片膝を付く。
咄嗟に能力を全開にして防いだものの、かなり疲労した。













そして、




「いいか」


「っ!?」


自分の後ろから声が聞こえ、垣根は反射的に後ろを向きながら翼を振るう。

だが、翼は誰かに当たった瞬間、衝撃で崩壊。
ただの羽となって空間を舞う。


「なっ……!」


何故か?
答えは簡単。衝撃を『逆のベクトル』に変更されたから。


その絶対的な防御の力を、



反射と言う。





そして、反射を使える、いや、使える様になったのはこの学園都市にたった一人。



名前は『一方通行』



彼は白い羽が舞う空間にて、拳を振りかぶる。



















「これが、『化け物』だ」




一方通行が操作出来るありとあらゆるベクトルによって強化された拳は、垣根の顔面に叩き込まれた。


バキィ!と肉と肉がぶつかる生々しい音が短く鳴り、垣根は吹き飛ぶ。

ゴロゴロと、先程のプラズマのせいで平になった地面を転がって十メートル程で漸く止まる。


「っ……」


垣根は起き上がろうと指を動かすが、一ミリ程しか動かなかった。
そのまま彼は意識を飛ばす。




「……終わった」


気絶した垣根を見て、一方通行はそう言った。
瞬間、体に張っていた力が抜け、ふらっとよろける。


「もう、限界だァ……」


ドサッ、と同じように地面に倒れこみ、気絶した。









こうして、夜の世界を舞台にした戦いは、終わりを告げる。





後編終了です。
駄文でごめんなさい!
でもやっぱり超人どうしの戦いは色々ぶっ飛んでるから難しいよ!
殴り合いなら普通に書けるのに……

では!

皆さん、すみません。
エピローグ(+補足説明集)は少し遅くなりそうです。
後シリアス要素が一割ぐらいしか無いかも……

暇つぶしと言ってはあれですが、『Still Waiting』って言う曲を聴きながらだと更に面白い……かも。
後この曲は自分の中では『とある科学の電磁通行(エレキックロード)』のOPみたな感じで聴きながら書いてます。

感想レスなどくれると嬉しいです。
というより最近の異常な執筆速度はレスが多いからだと気がついた。
夏が……ssの舞台と同じ夏が来る……


PS「最近、電磁通行好きが増えたの絶対六割がたお前のせいだわwwwwwwww」と友達に言われた。えっ?マジなの?自分を励ますための冗談だよね?

ヒーローが負けるとか、新キャラか新技(技術)のフラグでしかないだろ

なんにせよ待ってるぜええええええ



>>782
いや、なんというか。
大怪我をしながらも根性で勝つみたいな、そんな熱い展開を……


ではエピローグ行きます。





エピローグ












「……」


無言。

八月二十一日。朝、一方通行が起きてから一番最初にしている行為がそれだ。
別に毎日という訳では無い。
彼だってあくびくらいするし、何か言ったりする。

少なくとも一分以上呼吸音すら小さくすることは無い。

では何故今は無言なのか?

それは、




「……?どうかしましたか?とミサカは貴方が何も喋らないため尋ね」


「オマエの手が問題なンですよォォォォォォォッ!!」


何故なら、自分の右手がミサカ10032号の慎ましい胸に服の上から押し当てられていたから。


怪我をしているというのを感じさせない一方通行の叫び声が、早朝の病室に響いた。










「で?俺の体は大丈夫なンだな?」


「はい、手術も成功したため、一ヶ月弱で退院出来るそうですとミサカは貴方の手を離します」


先程の胸の感覚を頭から削除しながら、一方通行はベットの横に座るミサカの言葉を聞く。
ちなみに、あの胸に押し当てる行為は能力を利用して体調を調べるためだった。

どうやらあの戦いの後、自分は病院に直行されたらしい。
まぁ、当たり前と言えば当たり前だ。
能力が無ければ確実に死んでいたであろう怪我だったのだから。


「……実験はどォなった?中止になったのかァ?」


「はい」


短い返事に、一方通行は少し驚く。
まさか、これだけで終わるとは思わなかった。
研究員共は揃ってバカだから実験をまた再度行うと思ったのに。



「……理由は?」


「不明です。ミサカはその情報を与えられていません、とミサカは自分の知っていることのみを伝えます」


「ふーン……」


一方通行は考える。
何故、実験が中止になったのか。
だが、分からない。
少なくとも、今回の出来事が関係しているのは確かだが……


「あぁ、それと。もう一つ伝えることがあります、とミサカは姿勢を正します」


言葉通り椅子の上で背筋をピシッと伸ばすミサカ。


「伝えること……研究員からかァ?」


「はい。


















貴方は超能力者(レベル5)第一位に認定されることになりました、とミサカは報告します」




「……そうか」



フゥ、と息を吐き、目を閉じる。
分かっていたことだった。
自分は、守りたいものを守るために“化け物”の力を使った。
なら、それ相応の代償が付いて来る。それが、このクソッタレな世の中の真理だ。


「……では、ミサカはこれで失礼します、とミサカは立ち上がりながら言います」


「あァ。まっ、精々死なねェよォ頑張れ」


ベットに横になったまま、立ち上がったミサカに一方通行は言葉を飛ばす。
それを聞いてミサカは立ち止まり、


「……有難う、ございました」


そう言って、病室から退出した。
白いドアがゆっくりと閉まり、カタンと小さな音を立てる。


「……礼なンざ要らねェっての。バカが」


呟いた一方通行の顔は、笑っていた。

嬉しさで、笑っていた。









コンコン。


「ンっ……?」


小さく笑っていた一方通行は、ドアから聞こえたノックの音に首を傾げる。
先程ミサカが出て行ってから一分も立っていないからだ。

もしかして忘れ物でもして戻って来たのかも知れない。
そう思い、一方通行は身を起こす。


「……どうぞォ」


身に走った痛みに顔が少し歪むが、無視。
なるべく普段と変わらない声を発した。

一方通行の許可の言葉に反応し、ゆっくりとドアがスライドしてゆく。


現れたのは、


「……体は、大丈夫?」


「大丈夫に決まってンだろォが」


茶色の髪に茶色の瞳を持つ少女。
今回の事件の中心人物である、御坂美琴だった。









シャリシャリ。

そんな効果音が病室にて鳴る。

音源はベット脇の椅子に座る少女の手元。
そこにあるリンゴの皮をナイフでむく音だ。
スルスルと、ナイフにより赤い皮が果実から離れてゆく。
ベットの上の一方通行はそれを視界の隅に入れつつ、窓の外を見る。


あれから美琴は殆ど無言で、お見舞いに持って来たリンゴをむき始めてからは一言たりとも喋ってはいない。
表情が暗いことから大体何が言いたいのか一方通行には分かる。
だから黙って待っていた。


「……」


「……」


ピタッと美琴の手が止まり、ナイフとリンゴの動きも止まる。


「……レベル5に、なったみたいね」


やっと言葉が出た。


「第一位ブッ倒したしなァ。正式発表は夏休みが終わってからみたいだけどよ」


「……」


一方通行の愉快そうな声に、美琴は更に表情を暗くした。
それに一方通行は自分の白い髪をガシガシとかき、どう言ったものかと悩む。


「……ご……ん」



「あァ?」


だが、彼が何か言う前に、







「ご、めん……!」







ポロポロと、涙を流しながら彼女は彼に謝罪した。
大粒の涙が頬を通過し、手元へと落ちる。


「ごめん……!本当に、ごめんっ……!」


口から出てくるのは、謝罪のセリフばかり。

彼女は知っていた。

彼が自分を“化け物”にしたく無いことを。

名前のことも、それが関わっているのだろうと。



だけど、自分のせいで、彼は“化け物”の領域に入った。



学園都市での、最強の“化け物”になった。



自分が居なければ、彼は普通の“人間”として暮らせたかも知れないのに。


泣いたって許してもらえないだろう。

いくら謝ったって許してもらえないだろう。


だけど、謝らずにはいられなかった。


「ごめん……ごめん……」


彼女は謝り続ける。
許されなくても、ずっと彼に。
だが、




「謝ってンじゃねェよ。俺は借金取りか何かですかァ?」




ポン、と彼は白い手を美琴の頭に乗せた。


「あっ……」


その感触に、美琴は泣くのを止め、前を見る。
そこにはベットから身を起こし、笑っている彼が居た。



「オマエが謝る必要性なンざこれっぽっちもねェだろ。オレが勝手にやって、勝手に“化け物”になった。そンだけで充分だろうが」


「っ!そんなこと「そうしとけ」へぅっ!?」


美琴は一方通行の言葉に抗議しようとするが、頭を乱暴にガシガシと撫でられ遮られる。


「それで、いいンだよ。オレがイイって言ってンだ。ガキは従っとけ」


「……アンタも、ガキじゃない……」


「少なくともオマエよりは年上だなァ」


二ィ、と意地悪な笑みを浮かべる彼の顔を美琴はまだ涙が流れる顔で見る。
そして、ポツリと一言。







「あり、がとう……」






その言葉に答える様に、一方通行は頭を撫でる腕に力を加えた。


「……ってちょ!痛い!髪の毛痛い!」


「オォワリィワリィ」


「謝る気無いでしょアンタ!?」


が、強過ぎたようで手が振り払われる。
一方通行はカタコトで謝りつつ手をぷらぷらさせた。
その姿に美琴は更に怒りの炎を燃やすが、


「オマエの髪がライオンみたいになってもいいから、サッサとリンゴ寄越してくれませンかァ?此方とら腹減ってンだよ」


「いやよくないし!……全くアンタ、本当に自己中なのね」


「オマエだけには言われたかァねェ」



一方通行の文句をスルーし、ハァ、とため息を吐く。
彼女は皮を剥いてカットし終わったリンゴを差し、


「!」


出す前に言い事を思いついた。
そしてリンゴを差し出す。
あの定番のセリフとともに。



「はい、あーん」


「……ハッ?」


「だから、あーん」


一方通行は差し出されたリンゴを凝視して固まった。
彼女はリンゴを右手の指で摘んで自分の口に向かって差し出していたのだ。
そして「あーん」というセリフ。

つまり、これが指すところは。


「オマエバカですかァ!?」


んな恥ずかしい行為出来るかと一方通行は怒鳴る。
が、


「あーん」


「しかも聞いてねェ!やっぱオマエに自己中って言われたかねェよ!」



無視しているのか聞いて無いのか分からないが、美琴は一方通行にリンゴを出し続ける。




満面の笑みで。




(……はァ、全く手の掛かるガキだ……)


その面倒さを楽しむ自分が居る事に、彼は心の中で苦笑する。



だって、ずっとずっとこの笑顔を見たかったのだから。



「……ン」


差し出されているリンゴに対して、不機嫌さを装いながら彼は口を開く。
それを見て美琴はリンゴを前に、一方通行の口に入れようとする。









だが、




ガラッ!


「おーい一方通行。お見舞いに来た、ぞ……?」


閉められていたドアが開き、入って来たのはツンツン髪の少年。
少年は「あーん」する直前の二人を見て氷の様に固まった。

勿論、それは二人も同じで、


「……まてまて三下。誤解してンじゃねェぞ?」


「……ハッ!?そ、そそそう!こここれ誤解だから!」


一方通行は普段から白い顔を更に白くして冷や汗を垂らしながら言い、美琴は意識を現実に引き戻して顔を真っ赤にしながら弁解した。

そして、その二人の言い分を聞き終わった少年、上条は、




「お邪魔しました~……」


ピシャ!っとドアを閉めた。






三秒後、一方通行の叫び声が病院中に響き渡ったのは言うまでも無い。











「アレイスター」


「プランは順調だ。なんの問題も無い」




とある窓の無いビルで、巨大なビーカーのような得体の知れない容器の中の人物と、土御門は話していた。

その者の名はアレイスター。
学園都市のトップ。

魔術を捨てし者。


通気口すら無い、締め切ったビルの中。
彼は口を開く。


「……全て計算通りということか」


「そういうことだ」


目の前の、男なのか女なのか子供なのか老人なのか分からない不思議な逆さまの人間の言葉に彼は苛立つ。


そう、全てはプラン通り。


垣根帝督は一方通行を覚醒させるためのコマだった。
一方通行はアレイスターのプランに必要な人間の一人。
だが、トラウマのせいで能力の一部を封印してしまっていた彼では役に立たなかった。



だから、あえて実験のことを教え中止させることで彼を超能力者(レベル5)にしようとした。



そして、それは成功した。
彼が、大事な者を守るために“化け物”の道に踏み込んだことで。




「……もし一方通行が動かなかったらどうするつもりだった?」


「彼が動く確率は99パーセントだったのだがな。その場合は幻想殺しの少年に実験を止めさせるまでだった」


「……?」


そのセリフに土御門は少し違和感を覚える。
垣根がレベル6になれるというのはアレイスターによる“嘘”なのかもしれないが、態々実験を止める必要性は無い筈だ。


だとしたら、



そこに、何か自分が知らない事情(裏)があるのではないか……?



「ただ、イレギュラーとして起きたことがあるとすれば」


「……?」


実験を止めるための理由を考えていた土御門は、アレイスターの言葉を聞き首を傾げる。
プランは順調では無かったのか?
そう思う彼の前にブンッ、と周りの機器から投写された立体映像によるモニターが映る。


そして喜怒哀楽、全てを内包した様なアレイスターの声が紡がれた。





「一方通行と超電磁砲の仲がここまで接近するとは思わなかった」




モニターでは白い少年と茶色の少女。黒い髪の少年が騒いでいた。


『まて三下!いや待ってくださいお願いしますクソ野郎!』


『いや、本当にゴメン!上条さんマジでお邪魔でしたねすみません!』


『だから違うのよぉぉぉぉぉ!!あぁぁぁぁぁ!なんで私はぁあ!?』


『おわっ!?ビリビリが飛んでる!?』


『ビビってないでオマエの右手でサッサと止めろォ!ここ病院だぞォ!?』




「……」


土御門は目の前のモニターで展開される光景にしばし見入る。
光の世界では、当たり前の光景。

だが、一方通行のような者にとっては当たり前では無い、光景。


「だがプランに支障は出ない。問題無いだろう」


(……それはどうかな?)



ギャーギャー喚いているモニター内の映像を見つつ、アレイスターの発言を心の中で彼は否定する。

人と人の繋がりという物はそう簡単な物ではない。

たとえ、一人一人が1どころかマイナスだったとしても、かければプラスになる。


(……人間を侮るなよ、アレイスター)


彼は、声に出さずにそう呟いた。













「……寝たか」


白いベットの上で上半身を起こした状態で、一方通行は呟いた。
彼の足の辺りに横顔をマットにめり込ませながら、美琴がスゥスゥと寝息を立てている。


あれから暫く立ち、ツンツン髪の少年が帰ってから落ち着いた美琴は寝てしまっていた。

その横顔を見ながら、一方通行は上条に聞いたことを思い出す。


『そういやビリビリの奴、お前の手術ずっと寝ないで待ってたみたいだから疲れてるんじゃないか?』


「……ガキは寝ときゃいいって言ったろォが……」


起きる様子の無い彼女から視線をズラし、自分の体を見る。
服の下から覗く肌は包帯に覆われていた。


「……安いもンだ。こンな傷くらい」



彼は目を閉じる。
目を閉じても窓から刺す太陽の温かな光が感じ取れた。


「……まっ、俺には勿体ねェくれェだけどよ」













ーーーーせめて、今だけはこの温かな世界に浸かっていてもいいだろう








彼はそう言って眠る。

温かな光と、少女の温もりを感じながら。









彼等の物語はまだ終わらないのだろう。


彼は悔やみ続け、悩み続けるのだろう。


彼女は後悔し続け、犠牲になろうとするのだろう。



彼は、彼女は、世界の全てに抗い続けるのだろう。









彼等は、正真正銘の『人間』なのだから。










【終】



あっ、ちなみにタイトルについてはここで説明しときます。

色々友達にも意見貰って考えたこのタイトル。電磁通行。
ぶっちゃけ、色々電気関係の英単語とか通行関係の英単語を出して組み合わせた結果、


「エレキックロード!これが一番言いやすいし覚えやすい!」


ということで決定しました。
意味があっていないけどそれは原作でもあるし、いいかなと。

では以下、説明集です。




説明補足集


注意!
これは作者の持論に過ぎません。
なので見てしまうと、この作品に持っているイメージが壊れる可能性があります。
それでもいい方だけ、どうぞ。







①この作品について

この作品は、『一方通行がもし原点で変わってしまったら?』というifを元にしたお話しです。
『一方通行』の原点。一方通行が一方通行と名乗るようになってしまった過去。

原作での一方通行は『悪党』ですが、ここでの一方通行は『人間』と『化け物』の狭間を行き交う存在です。

つまり原作の一方通行が『善人』と『悪党』について悩むのに対し、ここの一方通行は『人間』と『化け物』について悩みます。


この物語の後一方通行は悩み続けるでしょう。
『化け物』たる自分が、『人間』たる美琴を守っていいのかと。


いつかそんな幻想は上条か美琴に叩き壊されるでしょうが。


後、この物語は一方通行と美琴の物語です。
故に、二人の描写が比較的多い。
“化け物”というワードを元に悩む二人を感じてもらえたら幸いです。


②作品の謎について。

ここで言う謎とは設定のことです。というより、この作品に伏線とか無いっていう……
この作品は読者の皆さんの想像に任せている部分が多いです。
少なくとも、前編だけでは意味不明の作品ですし。

ここでは、そんな設定を纏めました。




ストーリーの流れと小さな設定。


前編

八月十九日
・最初で一方通行が能力を使って公園に向かっていないのは、黒子に前言われたから。
・一方通行と美琴が知り合い。理由は不良に絡まれていた所を通りかかり、不良をボッコボコにしたため。六月頃。
・ちなみにこの時、一方通行はコーヒーを買いだめしている。最初に買いだめした奴死ねとか言ったの誰だ。
・一方通行、美琴に能力の関係上、勝つ。不意打ちなら勝敗は分からなかった。
・ここの一方通行が接近戦が出来るのは過去のため。詳しくは中編参照。
・原作上条よりは美琴との仲はなんだかんだいいながらも良好。
・公園にて美琴が感情を隠せず、一方通行に少し感付かれる。
・街中にて上条と出会うが、上条は逃げるように去る。理由は記憶が無いため(禁書一巻参照)。
・そのせいで視線を動かしたため、風景の中の違和感に気がつく。つまり上条に合わなかったら気づかなかった。
・路地裏で御坂美琴のクローンの死体を見る。だが、本人だと思っていた。


中編

八月十九日
・垣根帝督とは会った事が無かったため、第一位だと知らなかった。
・一方通行の能力で把握出来ない攻撃を喰らう。この時点で一方通行は反射が使えなく、演算能力も少し低い。
・一方通行が殺されなかったのは妹達が垣根を止めたため。理由は実験に支障が出る可能性があるから。


八月二十日
・朝、昔の夢を見て目がさめる。一方通行を病院に運んだのは上条。
・上条は冥土返しから一方通行と自分の関係を聞いていた。
・中学一年生の頃、一方通行は上条に助けられる。この時点ではレベル1(ただし、レベル0に限りなく近い)。
・それからレベル4になるまで一年かかった。
・黒子、佐天、初春と知り合いなのはとある科学の超電磁砲のストーリー時期に会った事があるから。
・その時に黒子に能力使用について色々言われた。
・夕方。土御門が一方通行の病室を訪れる。理由はアレイスターからの役目。
・一方通行、実験のことを知りキレた。プロペラと能力を頼りに美琴を見つけ出す。
・美琴、少し前の一方通行との会話を思い出した。一方通行の思いをその時知る。
・話の後、一方通行戦場へ。美琴、原作と全く同じ流れを辿った上条とともに追い掛ける。
・一方通行、美琴を『人間』と宣言。
・垣根の過去は不明。ただ、戦う理由はアレイスターとの交渉権だけでは無い様子。


後編

・一方通行、垣根に負け体を切られる。致命傷。
・そこに三人登場。上条と垣根が戦っている間に美琴は一方通行を助けようとするが失敗。
・そして上条とミサカは吹き飛ばされ、垣根は一方通行を殺そうとする。
・美琴、何も出来ないが立ち塞がる。垣根、しょうがなく二人とも殺すことに。
・一方通行、能力解放。血流操作、生体電気操作で傷を誤魔化す。
・演算能力がフルになったため、一方通行は非常識の公式を解けるように。
・垣根、絶対的な力の前に敗れた。
・一方通行、限界が来て気絶。



エピローグ

八月二十一日
・早朝、ミサカの力により体調を計られる。
・実験は停止。アレイスター直々の停止命令が出た。
・ミサカから感謝される。
・美琴を慰める。その後、お見舞いに来た上条に誤解された。
・裏では今回の目的が語られていた。
・一方通行、暫しの平穏に浸る。


その他


・反射
自分に向かって来たベクトルをその方向にそのまま返すこと。
一番簡単なベクトル操作なのだが、一方通行はトラウマから使えなかった。そのためレベル4に。
これが原作と一番違う点。

・「終わらせてやンよ『未元物質』」
この終わらせるという言葉には様々な意味がこめられている。
命を絶つ、実験を終らせる、第一位というのを終らせるなどなど……
一方通行がどの意味で言ったのかは不明である。

 ・ボロボロの南京鍵
一方通行の中でのイメージ。
子供の頃にトラウマでかけた鍵なため、ボロボロだし、南京鍵という簡単な鍵になっている。
一方通行はこれを叩き壊した。
それはトラウマを乗り越えることを意味している。

・黒い翼
溜め込んだ力を一気に解放した弾みにより出た。
ただし、一方通行は意識して無かったためすぐに消えることに。

・「これが、『化け物』だ」
本来なら悪党。だけどここでは化け物になっている。
化け物というのがここの一方通行の軸となっているため。




反省会

ちょっとあれだ、上の説明集見てクールになってしまった人多いと思うからテンション上げて反省会!

まずエピローグ。おい誰だシリアス一割しか無いとか言ったの。
五割はシリアスじゃねぇか。しかも短いし!グタグタだし!
まぁ俺が「あーん」させようとしたせいなんだろうけどな!……すみませんorz

次に前編と中編は自信が有った。前編はわけわかめだったけどな!
前編と中編セットで読むと分かりやすいけど……
そして後編んんんんんんんっ!!
あれ!?なんで一方VS垣根超人気なの!?向こうもこっちも!?
正直駄文って思ったんだよ!?えっ、マジでこれでよかったの!?
皆べた褒めしてるけどいいの!?俺調子のっちゃうよ!?


まぁ、纏めると。
自分的に今回のこれは九十点。
やっぱり短く、深く纏めるのは難しいんだな……


でも自分的には自信作です!
見てない人も見てくれると嬉しいな!

じゃ、if・カオスの方の空白の三年間のワンシーンを書いてきます。
このスレ終らせて早く次スレに行くぜよ。


沢山のレス、有り難うございました!!!


PSここって千スレ以外にも容量限界とかあったっけ?

それ終わったら時間戻る奴の続き書くのか?

結局一方さんオート反射や血液逆流とかできるようになったの?

ところでこのスレで君はいくつ物語を現在進行させてるのかね?


面白かったぜ
俺はもうちょっと甘いのを見てみたかったけどな


悪党と化け物・・・深い

>>816
次のスレからスタートするつもりです。1に入れたい言葉があるんですよ……

>>817
出来るようになりました。トラウマ乗り越えたので。
その代わりにレベル5になって“化け物”になってしまいましたが……

>>818
いや、二つだけですよ。『とある科学の電磁通行(エレキックロード)』と『とあるifの渾沌物語(カオスストーリー)』。
上の『とあるifの電磁通行(エレキックロード)』はもう終わりましたし、カオスストーリーの方は本来気晴らしで始めた物ですから。
ただ、今は科学の電磁通行は休止中なので、カオスストーリーの方を書いて行きます。

>>820
シリアス書きすぎたせいでほのぼの甘々が書けなくなったという……!
時間がかかったのもそのせい……ちくしょう。

>>821
そう言ってもらえると幸いです。


只今カオスストーリーの方書いています。
まだ美琴が中学一年生ぐらいの時の。
どんな内容かはまだ秘密。
ヒントはあの夏の名物。

では、いってきます。

fire work……

舞夏「おまえのために夕飯作って待ってるんだぞー・・・早く帰ってこいばかホットケーキ」

つかお前等は>>1を過労死させる気かwwww

何があった?

ホットケーキ落としたくらいでそんなに落ち込むなよ

それは反応に困るな……
でも俺らに出来るのなんて気休めの励ましくらいだぞ?

まぁ、もし>>1がニートだったりすれば親の気持ちもわかるけどな
普通は思ってても口には出さないけど

「勉強」って言ってるしな
少なくともニートじゃないだろ

なんにせよ俺らがうかつに口を出せる問題じゃないな、愚痴を聞いてあげることくらいしか出来ない


ネタ?じゃあ痴話喧嘩でお願いします

いやーうちと何か似てるな。親近感。
俺の場合は大学に合格して何とか合理的に実家から抜け出したんだが、>>1もそうして見てはどうだろうか?地方の国公立なら学費や生活費もバイトと奨学金で何とかなるし。

まぁ、あくまで参考だ。聞き流してくれて構わんよ。

名前欄追加しました。

>>823
くっ……正解……!

>>825
いやいや、そこは夕飯では無くてホットケーキをですね……

>>827
過労死じゃなくて睡眠不足で死にそうwwwwww

>>831-832
すみません……なんかネガティブになってました……

>>834
前一回それで死にたくなりましたwwwwwwまぁ、新しいのを作りましたが。美味しいよ、ホットケーキ。

>>836-839-840
心配かけてごめんなさい……心機一転して頑張ります!

>>842-843
一応学生です。若干中二病気味ですが。

>>846
アドバイスありがとうございます!人生の役に立てようと思います!

>>844-845-847
ネタありがとうございます!ふふふ……腕がなるぜぇ。
ただ痴話喧嘩書いたこと無いよ……どうすりゃ……


グタグタ話行きます!
設定は三人幼馴染、そして美琴が中一、一方通行が中三です。
ではいきます!








とある少女の日記。


七月二十八日 晴れ
今日、一方通行と垣根に会って明日夏祭りに一緒に行くことになった。
垣根は「今年も、女の子誘えなかった……orz」って言って落ち込んでて、一方通行が爆笑してた。
で、何時もの殴り合い。止めるのは簡単だった。電撃一発で済むんだから楽にも程がある。
昔から思うんだけど、あの二人って本当にレベル5なんだろうか?バカな中学生にしか見えない。……まぁ、強いのは認めるけど。
そうそう、寮監を上手く誤魔化す手も考えなきゃなんない。
明日は忙しく、そしていつも以上に楽しくなりそうだ。











『とあるifの渾沌物語(カオスストーリー)』美琴「夏祭り!」







夏祭り。
なんと心踊る響きだろうか。
一夜をかけてのどんちゃん騒ぎ。
屋台やイベント盛りだくさんの一夜。
この一夜というのもまた楽しさに一役買っている。


そして学園都市、第七学区。
学生達の大半はここで行われる夏祭りに参加していた。
屋台が立ち並び、様々なイベントが各所で行われている。
まぁその分、風紀委員や警備員も居るのだが。

そんな夏祭りの光景の中、


「はぁ……」


一人の少女がため息を吐いた。
髪は茶色。短髪で前髪を一つの髪留めが止めている。
服装はラフな半袖のピンク色のTシャツ。
サンダルにショートパンツという夏の格好。
中学生程度だが美少女の部類に入る彼女、御坂美琴は手に何かを持ったまま不機嫌そうな視線を前に向ける。

手に持っているのは、三つのクレープ。
少女の分は一つだけだ。
なのに何故、三つなのか?


それは、










「オラオラオラオラオラオラオラァッ!!」ガンガンガンガンガンガンッ!!


「まだまだまだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ガンガンガンガンガンガンッ!!


目の前の射撃の屋台で、銃を乱射している男二人の分もあるからである。
特別なコルクの弾丸を飛ばすガスハンドガンを右手に持ち、二人は的(景品)に向かって乱射し続ける。

彼等のハンドガンから飛び出した弾丸は的を次々と打ち落として行く。
ちなみにお金は前金として十万も払っているため、店主のおっちゃんは止めない。
目から水っぽい液体がドバドバ出ているが。


「オラオラオラ!!」


「らぁぁぁぁっ!!」


そんな店主のショックも知らず、二人は乱射。
だが出鱈目に引き金を引いているように見えるが、弾丸はキチンと正確に的に命中して行き、


「ッ!」


「っ!」



最後、中心に一つだけ銀色のライターの的が残った。
それに銃口を向ける二人だが、


「ーっ!弾切れ!」


「チッ!マジか!」


二人は慣れた手付きで空のマガジンを射出。
黒い強化プラスチックのマガジンが地面に落ちる前に予め台の上に用意してあったマガジンを左手でひっ掴み、差し込む。
この間僅か一秒。
これだけで、彼等がどれだけ周りの一般人とはレベルが違うかよく分かる。

そして、二人はほぼ同時に引き金を引いた。


ガァンッ!!


「ーっ」


「ーっ」


だがこの時、誰も予想しなかったことが起きる。
ほぼ同時に、中心目掛けて左右から発射したせいか、斜め角度のため互いの弾丸同士がぶつかって反対側へ飛んだのだ。
一瞬、普通は有り得ないその現象に呆れ返っていた美琴ですら思考が止まる。



だが、


「貰ったァ!」


「しまっ!?」


ガァンッ!!


片方の少年は止まらなかった。
放たれた弾丸は見事、ライターに命中。
宙を舞い、後ろの隙間へと落下した。



「っしゃァアアアアアアアアッ!!」


「ギャァァアアアアアアッ!?負けたぁ!!」


白い髪の少年は思わずガッツポーズ。
金髪の少年は思わず地に膝と手を付く。
その二人を見ていたギャラリーからワァァァッ!!と歓声が上がった。



二人は一方通行と垣根帝督。
こう見えても学園都市の第一位と第二位である。



本当だよ?






「ざまァwwwwwww」


「ムカつく……」


「というよりアンタらはしゃぎ過ぎでしょ。周りのギャラリー五十は超えてたわよ?」


屋台と屋台の間を歩きながら、三人は会話していた。
話題はやはり先程の射撃。
ちなみに景品は全て返したらしい。店主のおっちゃん涙目で感謝である。

一方通行が食べているクレープはコーヒークリーム味、美琴が食べているのはストロベリークリーム味、そして垣根が食べているのがタコ焼きクリーム味である。
最後のは正に実験品だ。
それに挑戦する垣根はやはり常識が通用しないのだろう。


「ってマズっ!やっぱこれマズっ!!ソースとクリームが洋と和の化学反応起こしててマズっ!!!」



「いや、買う前に気付きなさいよ」


「だからあれ程止めとけって言ったろォが……」


「お前に止められたら逆に止められねぇよ。主にプライド的な意味で」


「マズっ」と小声で連呼しながら垣根はむしゃむしゃとゲテモノクレープをほうばる。
それを呆れた目で見ながら自分のクレープに口を付ける一方通行。
二人の服装は一方通行が黒の長袖に黒のズボン。イメージとしては何処かのギャングのような感じだ。
そして垣根は金色の模様が入った黒いシャツ。そして青のジーンズだ。


「そして御坂の輪投げの上手さがヤバすぎる件。なんで?」


「えっと、なんとなく?」


「少なくとも俺より凄いってどういうこった?」


射撃の前に輪投げをやっていた三人。
会話の内容からしてどうやら美琴の圧勝だった様子。

そんな風にクレープを食べ終わり(クレープのゴミは美琴が燃やしました)、とある屋台の前で立ち止まる。







ジュー!!


「よう!久しぶりだな!なんか買って行くか!?」


「いやいやいやまてまてまて!?」


ビシィ!と美琴がノリツッコミ。
屋台にていい匂いを漂わせる鉄板を使っているのは削板軍覇。
知っている人は知っている、学園都市のナンバーセブンである。
そんな彼は今、屋台の職人としてセッセと働いている。
白いハチマキと特攻服も屋台にバッチリあっていた。


「……なにしてンだ、オマエ?」


「根性焼きを焼いている!」


「いや、根性焼きって……」


チラッと垣根は鉄板の上に視線を移動させ、


「俺にはどう見ても普通のお好み焼きにしか見えねぇんだけど?」


そう呟いた。
確かにと一方通行と美琴も頷く。
どー見ても、普通のお好み焼きにしか見えない。
だが削板は、


「違う!これはド根性焼きだ!」


「いや待て!?さっきはド付いてなかったよな!?」



「そうだったか?まぁ、細かいことは気にするな!!」


「いや、少しは気にしろってあづぁぁぁぁぁっ!?」


ツッコミを更に入れようとした垣根の顔面に、灼熱のお好み焼きの具が大命中。
全くの無防備だった垣根は顔を抑え、悶え苦しむ事になる。


「むっ!スマン!」


「謝る気あるなら今すぐ水あっちゃああああああっ!?また飛んでぇぇぇぇぇぇ!?」


削板の力の入れすぎにより、またもや垣根の顔に命中。
今度は地面をゴロゴロするハメになる。


そして、その周りから見たら完璧不審者の幼馴染は、


「行くか」


「そうね」


「いや待て!待って下さ熱う!?オイテメェ絶対ワザとだろぉがぁあああああああっ!?」


垣根、哀れなり。











さてさて、お好み焼き事件も終わり三人はビルの屋上で夜空を見上げていた。
もうすぐ時間なのだ。



「毎度毎度よく飽きねェなァ」


「飽きない程キレイじゃない」


「あのー?二人共?俺の心配してくれないの?」


顔に自分の能力で作った絆創膏(但し白いしなんかフサフサしている)を当てながら、垣根はため息をついた。
そんな垣根を完璧に無視して二人は待つ。


すると、



ドォォォォォンーーー


「あっ……」


「おっ、始まったな」


「チッ、うるせェ……」


三者三様の反応をし、黙って夜空に目を凝らす。
夜空では、金色に輝く大輪が咲いていた。


花火。日本の、伝統の物。

化学反応を利用した火による花が、暗いキャンバスのような空に次々と描かれて行く。


「うわぁー……」


「……」


赤緑金青などなど、色彩鮮やかな花火に美琴は感嘆の声を上げ、不機嫌さを装う一方通行も食い入るように花火を見つめる。

大きな音がなる度に、見る人全てを感動させるような人工の花が生まれて行く。

それらは一時たつと光の残照を残しながら闇へと消えて行った。





「なんかさ……しょぼくね?」


「フン!」


「ハッ!」


「ぐぼっ!?」




だが空気をぶち壊す非常識な男が一人。
チャラチャラしたそのバカな男、垣根に一方通行と美琴はストレートパンチ。
腹にモロに喰らった垣根は膝を付くが、何故かすぐに立ち上がった。


「いてぇな!何してくれんだよ!?」


「黙れ空気読めそして死ね」


「同意」


「なんかさぁ、今日お前ら俺に対する態度酷くね?」


よろよろと肉体と精神のダメージを堪えつつ、垣根はしっかりと立ち上がって言った。


「いやだってさ。俺らもっとスゲー爆発とかプラズマ見た事あんじゃん、的な?そう思うとなぁ……」


「いや、まぁ。それはそうだけど……」


「火薬で作る以上、限界があンだよボケ」


花火に感動していた一方通行の毒舌を受けながら垣根は、




















「あっ、じゃあ俺らで作ればいいんじゃね?」




とんでも無い事を言い出した。


「……はっ?」


その余りにも突拍子のなさに、美琴は思考が停止。
だがその間にも垣根はうんうんと一人で納得しながら言って行く。


「火薬の代わりは『未元物質』を使うとして、問題は点化だよな……いや、レールガンを使えば……うん、行けるな!」


「行けるな、じゃないから!?一方通行も何か言ってやって!」


このバカを自分で止めるのは不可能と判断したのか、美琴は傍らに立つ少年に応援を求める。
白い少年は俯いていた顔を上げ、






「イイコト思いつくじゃねェか……!」


「えええええええっ!?マジで!?」



普段は滅茶苦茶意見が合わないのに、何で今日のような事態に限って合うの!?と美琴は心中にて絶叫。
現実でも驚きの絶叫を上げる彼女に、


「心配すんな!ベクトル操作と未元物質でレールガンの飛距離伸びるから……」


「アンタ人の話聞けえええええええっ!そして私も参加するの!?」











『えー、以上で花火の祭典を終了します』


「よし、パトロールも終わりね」


「はぁ~疲れましたの~」


第七学区全体に響き渡る終了アナウンスと、先輩からの終了合図に白井黒子はながーく息を吐いた。
ただ単にパトロールしただけだが、それでも二時間以上人混みの中で行えばそれなりに疲れる。


「まぁ、大きな事件も無くてよかったわ」


「不良達の小競合いばかりでしたし、想像していたよりは平和でしたの」


「えぇ。でも油断は禁物よ?」


その言葉の通り、事件が起きる。


『以上を持ちまして……オイ!君達は一体……!?ちょ、マイク返しt』


「っ!?これは……!?」



突然、アナウンスの向こうが騒がしくなった。
そして音が消え、周りの人間がざわざわとざわめく。
隣の先輩が携帯で連絡を取っているのを横目に見つつ、黒子はアナウンスに集中する。



そして、



『アー、アー。マイクテス、マイクテス。どうもー!Dでーす!『ちなみに童貞の略でェす』はいそうでsじゃねぇよ!何言ってくれんだテメェ!!』キィィィィィィィン!!


『ちょ、マイクあんまり乱暴扱わないで!?』


「……」


が、イキナリのコントにガクッと力が抜けた。
そんな黒子を置いて会話は続いて行く。


『俺ァAだァ。ンでRと童貞な。以上の三人でお贈りしますゥ』


『ざけんなテメェ!中学生なんだから童貞なのは当たり前だろうが!それ言ったら御坂だって……』


『だああああああっ!?ナチュラルに私の名前出すなぁ!!』


「……なんですの、これ?」


「……さぁ?」






更にグタグタコントは続き、十分後。




『だーもー!俺にマイク貸せ!』


『あっ!』


『今から花火ぶっぱなすから皆上空注目な!以上!』


『これだけのこと伝えるのにどれだけ時間かけてるの!?』


「同感ですの……って花火!?」


黒子は最後の人物の言葉に同意しかけるが、とんでもない発言に耳を疑う。


『あっ、ちなみにDの能力による花火だから火薬は使って無いし、安全だから!』


『オイ!ンな事言ってる暇はねェぞ!早くしねェと奴が……』


『一方通行に垣根!今日こそ覚悟するじゃん!』


『やっべ来た逃げろ!』ブツッ


そこで音声は途切れた。


「……」


結局あれは何だったのか?隣に居る先輩に情報を聞こうとして、


何か白い物体が空に飛ぶのが見えた。



「あれは……」


そしてその何か向かって放たれる、一条の光。
金色の光線は白い塊に直撃し、




ドオォォォォォォォン!!




直径一キロに及ぶ白い光り輝く花火が夜空に浮かんだ。
散った光は丸で羽のようにゆっくりと、輝きながら地に降り注ぐ。




その巨大で幻想的な光景に、それを見た全ての人間は見とれた。











「成功したな!やっぱ俺の『未元物質』に常識は通用しねぇ!」


「火薬代わりだろォが。白にしか光らねェしよォ」


「というより本当に私必要だったの?これアンタらだけでやればよかったんじゃないの?」



祭りが行われている地域から少し離れた場所で、三人は歩いていた。
少し前まで警備員に追いかけられていたのだが振り切ったようだ。
その所為か、美琴は少々不機嫌。


「まぁ、御坂の名前が流れてしまったのは事故ってことで」


「事故っていうか確実に故意の気がしたんだけど?」


「まぁまぁ、いいじゃねぇか」


「何がいいンだよ」


呆れたようで、どこか笑っている一方通行の声が響く。








学園都市にて、三人はどこからどう見ても仲良しだった。








ちなみに、



「一方通行……?垣根……?」パキパキ


「御坂……?」パキパキ


「「「いいっ!?」」」


三人が黄泉川と寮監にキツイお仕置きを貰ったのは言うまでも無い。





グタグタでごめんなさい。
何か眠気で頭が上手く回らない……
音楽聞きながら無理矢理書いてるけど、何時まで持つか……

次はどれにしようかな……


①痴話喧嘩

②混浴(温泉旅行)

③買い物


では、さようなら~


皆……!期待してくれて有難うございます!
取り合えず確認は大体終わったかな。あの人の口調がちょっと、いやかなり難しいけど。

音楽は、


OPイメージ曲
『Still Waiting』 『No Reason』
 『Real Force』 『PHANTOM MINDS』 
『Silent Bible』 『まもりたい~White Wish~』


その他曲
『only my railgun』 『LEVEL5 -judgelight-』
 『mind as Judment』 『distance』 
『そして僕に出来るコト』 『Starry Heavens』
 『カルマ』 『鐘を鳴らして』


BGM
『カルマ(戦闘曲バージョン)』 『人々の英断~(鐘を鳴らしての戦闘曲バージョン)』
 『そして僕に出来るコト(戦闘曲バージョン)』 『Starry Heavens(戦闘曲バージョン)』
 『Magical Battle』


EDイメージ曲
『Re:Start』


こんな所、かな?いい曲ばかりなんで、聴いてみてくれると嬉しい。
他にも探し中。
というより、前『only my railgun』と『LEVEL5 -judgelight-』を戦闘曲風にしようとしたけど、無理だった。作曲スキルのある人が羨ましい……

さて、そろそろエピソードからいきますか……明日からだけど。多分寝ます。


PSのくすでスレが纏められてて嬉しかったんだけど、文章が無い。なんでなんだろう?

カオスの方だけどていとくんは佐天さんとフラグたってなかったっけ?

仕事中ですがなにか

>>915
ハーレムって知ってるか?(キリッ
垣根は女子と仲良くなりたいとか言いつつ、フラグを立てまくるんだよ!上条さんみたいに半分なってるんだよ!

>>917
いや、なんか本当すみません。働いてなくてすみません。学生ですみません。


エピソード行きます。







エピソードTWO:四月三十日









早朝。朝の六時。


「……おや、珍しいですねとミサカは普段は見ない人物に驚きます」


「……目が冴えたンだよ」


朝の学園都市。
少し肌寒いその世界で、一人の少年と少女が居た。
病院近くの石造りの広場。
そこにあるベンチに少年、一方通行は腰掛ける。


「オマエ、こんな朝っぱらからなにやってンだ?」


「少々格闘術の実施訓練を、とミサカは説明しながら拳を突き出し、ます!」


ダンッ!とミサカは足を踏み出し、右の拳を若干斜め上へ突き出す。
もし本当に目の前に敵がいたら、ちょうど顎の辺りだろう。
そこから腕を引き、体を回転。
左肘を突き出し、腹を打つ真似をする。


「……中国拳法か。オマエ、00001号じゃねェな?」


「はい、ミサカは、検体番号、15555号、です!と、ミサカは!」



パンッ、パンッ、と足を地面に叩きつけ体を動かす。
少し奇妙に見える動きだが、その動作の全てに意味がある。
フェイント、一撃の威力を上げるため、体の血の巡りを促進、などなど。

膝蹴り、回転してかかと落とし。


「……なンかそれ、意味あンのかァ?」


「いつか役に立つかもしれません、覚えておいて損は無いでしょう、とミサカは一旦立ち止まります」


フー、と息を吐き、彼女は動きを止める。
そしてテクテクと一方通行に向かって歩いて行く。


「役に立つ、ねェ。まァ、俺には必要ねェか」


「反射がありますしね、とミサカは同意しながら隣に座ります」


「オイ」


隣に断りなく座った少女に呆れる一方通行。
漂って来る少女独特の温かな雰囲気を感じながら、ポケットから何かを取り出す。



「コーヒーですか。胃を壊しますよ、とミサカはカフェイン中毒だから言っても意味無いだろうなーと思いながらも忠告します」


「黙れ。コーヒーが無かったら俺ァ死ぬ」


ブラックな、と付け加えながら彼はプルタブを開けた。
プシュ、と缶の中の空気が反応し音を立てる。


「つーかオマエら、ここの病院にもいンのな。全員世界中に散らばったのかと思ったぜ」


「十七名が病院にてお世話になっています。00001号もですよ、とミサカはミサカ00001号の存在を秘かにアピールします」


「秘かに、ってる時点で秘かじゃねェだろ」


それもそうですね、と軽くミサカは流す。
そんな態度に一方通行は怒らず、コーヒー缶を口に含んだ。
ブラックの甘さなど無い苦さのみが口内に広がる。



「……やはり」


「……?」


突然、何やら今までと違う声音で呟いたので、一方通行は怪訝な目で隣の少女を見る。
少女は若干俯いており、呆れている雰囲気を出していた。




「貴方、意外と……その……ヘタレ?」


「よし、オマエ俺に喧嘩売ってンだな?」


グシャアッ!と空になっていた缶を握り潰し、こめかみをぴくぴくと痙攣させる。
そのどう見ても怒っている一方通行を見て、ミサカはうーんと首を傾げ悩む。


「ヘタレでは無く……なんと言えばよいのでしょうか……とミサカは悩みます」


「返答次第じゃオマエの骨が一本か二本折れるぞ……」



ビキビキと血管を浮かせる彼を無視しつつ、彼女は悩む。
そして「あぁ」と言って手をついた。
口を開く。


「臆病なんですね、とミサカは答えが見つけられて幸せ数値上昇中です」


「オマエの血圧も上昇させて上げましょうかァ?血管壊れるまで」


一方通行の怒りはますます増加したようだ。
その修羅になりかけの彼をミサカは再度無視。
ベンチからよこいしょ、と立ち上がって、










「失うのが、傷つけるのが怖いのですね?」




そう、言った。
ピタッ、と一瞬、一方通行の動きが、呼吸までもが止まる。


「それでいて、手放すのも怖い、と」


「……」


その言葉に、ギリッと一方通行は歯を食い縛る。

言われなくても、わかっていたことだった。



自分は臆病者だ。



罪を犯し、悪党になっても光を捨てられないでいる。
守るために戦いながらも、罪に怯えている。
傷付けることを恐れている。


だけど、彼女達から離れるのも、また怖い。




「……深い理由は聞きません」


タンッ、とミサカは喋りながらステップを踏む。


「ですが、貴方がお姉さまやミサカ達の傍に居たいように、ミサカ達も居たいのです」


ビュッ!と空気を切り裂き、足が空を切る。
その姿を見つめながら、一方通行はミサカの言葉を聞く。


「傷付けるだの、不幸にするだの、細かいことは抜きにして」




ダンッ!!




「傍に居る事は、きっと悪いことでは無いはずです」


最後の一撃を放ち、ミサカはスッと姿勢を正す。



「と、ミサカは型を終え、言葉を言い終わりました」


ぺこりと、お辞儀した。


「……オマエら、本当に学習装置になンか異常でもあったンじゃねェのか?」


「貴方の実験拒否後、急いで作ったからでは無いでしょうか?とミサカは推論を述べます」


皮肉気に放たれた一方通行の言葉に、ミサカは無表情のまま返した。






彼は、どうするのか。
"悪党"の道を進み続ける彼はーーー








ちなみに、


「なんで抜け駆けしてるんですかマジであり得ないんですがとミサミサミサミサミサカはははははは」


「お、落ち着け……!」


病室に帰った途端、00001号に揺さぶられまくったそうな。



最後ミサカが壊れた人形みたいになってるけど気にしないでね!
ちょっと体がキツイんで寝ます。


ごめんなさい……なんか調子に乗ってました……
荒らしに触れたのはあれです。他の電磁通行スレで騙されたんで思わず……
後、頭痛い子ってのは事実です。というより、頭痛くないとこんな駄文書けない。

という訳で、短いですけどエピソード行きます。







エピソードThree:六月二日






「はぁ、はぁ……に、逃げられた……」


「お帰りなさいですのー」


夜の七時。
常盤台中学の寮にて一人の少女が息を切らしながら扉を開けた。
その顔は疲労困憊といった所で、フラフラと足取りも頼りない。


「寮監の目を誤魔化すのも大変なのですから、夜遊びもほどほどにして欲しいですの」


そんな少女に呆れたようにベットに腰掛けていたツインテールの少女が声をかける。
その言葉に「うーん」と間延びした返事を茶髪の少女は返した。
気のせいか、パチパチと前髪が放電している感じがする。



「あの野郎……明日会ったらジャーマン決めてやる……」


女子らしくない物騒な言葉を発しながら、彼女はボフン、と自分のベットに倒れこんだ。


「あ、お姉さま」


「……すぅー……」


もう寝ている。
漫画のようなスピードで寝たルームメイト兼先輩に苦笑しながら、ツインテールの少女、白井黒子は毛布をかけてやる。


「少ししたら起こしますのよー」


聞こえてないと分かりつつも、黒子はお姉さまに呼びかける。
返事は安らかな寝息。



「……全く、幸せそうな寝顔ですわ」


確かに、横になってまくらを抱きかかえて眠る彼女は何処か物語の姫を連想させた。


「……で、この幸せな寝顔をさせる殿方は、一体何処の誰なのですの?」


うーんと唸りながら黒子は首を傾げながら悩む。

彼女は気になっていた。
今寝ている少女、御坂美琴がいつも言っている"アイツ"という恐らく男であろう人物のこと。

美琴を、孤独から抜け出させた男。


「……お姉さまが『歯が立たない』とは、一体どんな人物なのやら……」


御坂美琴は超能力者(レベル5)だ。それも第三位。
つまりこの広い学園都市で三番目に強いとも言えるのだ。
そんな彼女が叶わない人間など、第一位か第二位だけだ。



「……まさか、いや……」


黒子は頭を振ってバカな思考をかき消す。




なんにせよ、自分は待つだけなのだし。


「いつか教えてくださいな」


まだ寝ている美琴を見ながら、黒子は微笑んだ。













ちなみに、


「さて、お姉さまの寝顔写真を……ぐふふふふふh「ふぁ~ぁ、ごめん黒子寝ちゃった……」


「あ」


「……」


黒子が持っていたカメラをたたき壊され、気絶するほどの電撃を浴びたのは言うまでも無い。

以上です。

次のを書いてきます。

なんでかなぁ……?自分が黒子を書くとシリアスを簡単にぶち壊す変態キャラになる……
まぁ、いいか!

エピソード行きます。






エピソードFour:六月三日










「ブチ殺すぞ三下ァァァァァァァァッ!!」


「ぎゃあすっ!?瓦礫投げんな!幻想殺しは瓦礫には意味無いんだぞぉぉい!?」


「黙れェェ!!オマエはマジでここで殺す!!」


まだまだ明るい午後五時。
コンクリートの欠片が宙を舞うという常識外の現象が学園都市第七学区で起こっていた。
現象を起こしているのは白い髪の少年。
白く細い腕で数十キロはある瓦礫をブンブンと投石してゆく。
その殺人兵器を、ツンツン髪の少年が死ぬ気で躱していた。


「うぉぉぉぉぉぉっ!?死ぬ死ぬこれマジで死ぬぅぅぅぅぅ!?」


「くたばれェ!!」




この人外鬼ごっこは三十分続いたそうな。








「はぁ……死ぬかと思った……」


「そのまま死ね」


鬼ごっこも終わり、賑やかな街中を歩きながら一方通行は隣の上条にそう罵倒する。


「オマエさァ、俺電話で『緊急事態でお前の力が必要なんだ!』とか言われたから来たンですけどォ、合コンの数合わせってなンだ!?ブチ殺すぞォ!?」


「だって土御門が『義妹が居るから勘弁だにゃー』とか言うから!」


「そういう問題じゃねェよ」


ハァ、と深くため息を吐く。

一方通行はこの少年が少し苦手だ。
自分のして来たことを知っている筈なのに、まるで何事もないようにバカやっているこの少年が。



まるで、英雄(ヒーロー)のようで、自分には眩しすぎる。




「……」


「?どうしたんだよ、急に黙って」


「なンでもねェよ、ボケ。次意味不明な理由で呼ンでみろ、血液逆流させて殺す」


「うぉぉぉい!?」


ギョッと飛び上がる上条を見ながら思う。







何故今、「もう呼ぶな」と言わなかったのかと。


それは、一ヶ月ぐらい前、あのクローンの少女から言われた通りーーー




「じゃ、俺こっちだから」


「あァ……」


タッタッタッ、と上条は自分の寮に向かって走る。
その揺れる背中を暫し一方通行は眺め、クルリ、と足を元来た道に向けた。



「で?オマエら何のようですかァ?」


入ったのは、路地裏。
その清掃ロボがいないゴミのある路地裏には、人相の悪い複数の男が居た。


「……」


男達は無言。
だが其々の武器を構え、チラつかせる。
ナイフやら警棒やら拳銃まである。
人数は二十といった所か。


「……ハッ」


一方通行は自嘲気味に笑って、地面を蹴った。






結果的に言うと其れだけで戦闘は終わった。
超高速で一方通行が路地裏を駆けたことにより、起こった暴風が男達を吹き飛ばして壁や地面に打ち付けたのだ。


「……」


「う、ぐっ……」


「あ、あ……」



地面に転がって痛みに呻く男達。どうやら防弾チョッキなどは着てなかったらしい。
それらを無視して、一方通行は歩いてゆく。
バキン!と何か踏んだが無視する。どうせナイフだろう。


前の一方通行なら、ここで見逃すなんてことはしなかった筈だ。
能力を使わなかったとしても、もう襲ってこれないように骨を砕き、血を吐かせるぐらいのことはする。


だが、


「善人気取りか、クソったれ」


路地裏から出て、己の手を見ながら一方通行は呟く。
いくら善人のフリをした所で、己の手についた血は取れないというのに。
白く、反射のお陰でその手はいつも汚れていない。

だが、よく見れば薄らと血がついて、真っ赤に染まっているのだ。

自分の歩いて来た足下が血で濡れていてもおかしくない。

自分は、そういう人間だ。

10031の命を奪い、1の命を救うために善人を気取って戦う、









最悪な、クソッタレの『悪党』だ。







「あー!いたいたいた!いやがったわねこの野郎!!」


「……」


視線を上げると、そこには茶髪の少女が足を踏み鳴らしながら走って来ていた。


彼女は知らない。


一方通行が、どれだけの罪を犯したのか。


だから、笑っていられる。


彼女は知らない。


自分のクローンが大量に作られ、実験をされたなど。


だから、笑っていられる。




だったら、自分は、クソッタレの『悪党』たる自分は、




「命がけで、守るだけだ……」




最強最悪の力で、彼女を守り抜くだけだ。















ちなみに、


「ちぇいさぁぁぁぁぁぁっ!!」


「がァァァッ!?」


一方通行は駆け寄って来た美琴にジャーマンを喰らったらしい。




はい、エピソード3と4どうでしたでしょうか?
感想くれると嬉しいです。

ホットケーキ焼くのミスった。死にたい。


PS一方通行の能力考えれば考えるほど分からなくなる……摩擦力とかを推進力に変えれるの?ベクトル『変換』なんだから

女子中学生にジャーマンとか一方通行軽すぎだろwwwwww



基本的に力の働くものなら何でもできんじゃないか?

ほんっとによかったっす!!
ところで ジャーマンってなんすか?

>>972
そうですね……ありがとうございます

>>973
プロレス技のジャーマン・スープレックスの略です。
こう、相手の背中から腰を掴んで、後ろに反り返って相手を地面に叩きつけるという。
詳しくはグーグル先生に。

980超えたぐらいで次スレ立てるつもりです。

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