アルミン「今日のアルミン相談室」 (159)


アルミン「みなさん、こんにちは。アルミンです」


アルミン「巨人を倒すために日々、訓練に励んでいるボクたちですが、一般的に見ればボクたちは思春期真っ盛りで各々が悩みを抱えているのです」


アルミン「そんな中で、何故か同期のみんなの間で困ったらアルミン、という風潮があります」


アルミン「いや、みんなが頼りにしてくれているっていうのはとてもうれしいことなんですが」


アルミン「現状では、ボクのプライベートの時間さえも奪われてしまう始末です」


アルミン「そこで、時間を決めてその間に来てもらうということにしました」


アルミン「これで、みんなの相談も聞ける、ボクの自由も確保されるの一石二鳥です」


アルミン「それでは、ボクの相談室の初日が始まります」



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ガチャ


アルミン「早速、お客さんがやって来ました。いったい誰なんでしょうか」


ミカサ「こんにちは、アルミン。相談がある」


アルミン「やあ、ミカサ、今日はどんな相談かな?(全くもって予想通りだよ。人生で一番君からの相談が多いよ)」


ミカサ「エレンと結婚したい」


アルミン「今日もストレートだね。だけど、それは願望であって悩みじゃない。もうちょっと具体的にできないかな?」


ミカサ「……エレンに婚姻届にサインさせるにはどうしたらいい?」


アルミン「やり方だけ具体的になっても……ミカサ、今の君とエレンの関係はなんだい?」


ミカサ「……家族」


アルミン「そう、その通りだ。他でもないエレンもそう思っている。君は今の関係じゃダメなのかい?」


ミカサ「最近のエレンの周りにはよくない虫がいる。ここで、私たちの関係をはっきりさせておきたい」


アルミン「危機感を感じているわけだね。ふむ、ボクから言わせてもらうとね、エレンから見てミカサは本当に家族なんだと思うよ」


ミカサ「どういうこと?」


アルミン「確かに君とエレンは血は繋がっていないけど強い絆がある。だけどね、家族っていう関係には、性別がほとんど関与しないんだ」


ミカサ「それは、つまり……」


アルミン「そう、つまり、エレンは君を女の子として意識していない可能性が高いということさ」


ミカサ「なんと……」


アルミン「まあ、エレンの目に写る二足歩行生物は人間か巨人の二種類にしか分類されないと揶揄されるくらい、エレンは元々異性のことを意識していないんだけどね」


アルミン「だからこそ、ボクはエレンと一番距離が近いミカサこそ一番チャンスがあると思っているんだよ」


ミカサ「本当に?それで私はエレンに女の子として意識させるにはどうしたらいい?」


アルミン「ミカサはいつもエレンの傍にいて、何かしら世話を焼いているよね」


ミカサ「エレンには、私がついていないといけない」


アルミン「それがダメなんだ。エレンはそれを母親の世話焼きくらいにしかとらえていない」


ミカサ「なんと……」


アルミン「一般家庭では、ボクたちの年頃では両親を疎ましく思う時期なんだ。エレンの反応もそれにあたる」


ミカサ「それじゃ私は、どうすれば……」


アルミン「ミカサの世話焼きは違う視点で見れば、熱心な献身とも言えて非常にポイントは高い。けど、エレンはそれに慣れてしまっている。うーん、エレンに女の子として意識させる、というのはどうかな?」


ミカサ「女の子として意識させる?そんなの分からない」


アルミン「それじゃ、訓練生の中で女の子らしい子って言えば誰かな?」


ミカサ「アr……クリスタとか……」


アルミン「(今、何言いかけたの!?)そうだね、クリスタは実に女の子らしいと言える。その要素は何かな?」


ミカサ「気が利く、優しい、笑顔がかわいい」


アルミン「そう、笑顔というのは重要なポイントだよ。ミカサはいつも笑っているかい?」


ミカサ「……笑ってない」


アルミン「笑っている人を見るとね、見ている側までうれしくなるんだ。ミカサはいつも無愛想なイメージがある」


ミカサ「わかった、笑ってみる」


アルミン「うん、微笑んで見せるくらいでいいからね。エレンは馬鹿だから最初は気持ち悪がるかもしれないけど、そのうちきっと受け入れるはずだから根気よくね」


ミカサ「続けてみる」


アルミン「あとは、アクセサリーなんかつけてみるのはどうかな?ちょっとしたもので女の子らしく見えると思うよ」


ミカサ「わかった、試してみる。今日はありがとう、アルミン。エレンのところに行ってくる」


アルミン「いってらっしゃい、応援してるよ」


バタン


アルミン「ふぅ、やっと一人目が終わりました」


アルミン「エレンにミカサの気持ちを気づかせるというのは、昔からボクの悩みのひとつでもあるわけです」


アルミン「自分で最大限頭を使って考えたことですが、あれでエレンを攻略できるかと言えば正直難しいでしょう」


アルミン「まず、エレンの気持ちをどうにかしないといけないのですが、恋に関してはエレンが自分で考えない限り、ボクが先に口を出すことは出来ません」


アルミン「エレンが女の子のことを考えられるようになるのは、巨人を駆逐してからになるかもしれませんね」


ガチャ


アルミン「それでは、次のお客さんです」


ジャン「よお、アルミン。ちょっと話を聞いてくれないか」


アルミン「やあ、ジャン。何の話だい?」


ジャン「ミカサを振り向かせるにはどうしたらいい?」


アルミン「肩を叩いて呼び掛けてみたらいいんじゃないかな?」


ジャン「それじゃダメだったんだよ。って、そういうことを言ってんじぇねえよ」


アルミン「(それでダメっていうのはかなり絶望的なんじゃ……)ごめんごめん、つまり、ミカサと付き合いたいっていうことかな?」


ジャン「ま、まあそういうことだ。なんかいい手はないか?」


アルミン(当のミカサはエレンにしか興味ないんだけど、それを言ったら相談室の意味がなくなるよね)


アルミン「うーん、ミカサに見てもらうには、ジャンのかっこいいところを見せるっていうのがいいんじゃないかな」


ジャン「かっこいいところって言ってもよ、ミカサより訓練で上手いやつなんていねえよ」


アルミン「確かにそうなんだけどね、何も訓練に限ったことじゃない、例えば君から見てライナーなんかどういう人に見えるかな?」


ジャン「ライナーか?ホm……あぁ、頼れる兄貴分って感じだよな」


アルミン「そうだよね、他に先輩方の中にもみんなを引っ張っていくようなリーダー気質の方もいる。そういう人たちはかっこいいって言えないかな?」


ジャン「そうか、俺もそういう風になればいいのか」


アルミン「ミカサは技術や体力はすごくてもリーダー的存在ではないからね、そんなミカサを引っ張っていけるようになれば、ミカサの気を引けるんじゃないのかな」


ジャン「なるほどな」


アルミン「それから、ジャンはよくエレンと口論になるよね」


ジャン「あぁ、あいつとはなんかウマが合わないんだよ。ミカサとも仲いいし」


アルミン「エレンとミカサは幼馴染みだからね。そこは受け入れるしかない」


ジャン「チッ、羨ましいったらありゃしねえ」


アルミン「注意して欲しいんだけど、ミカサにいいところを見せようとしてエレンを踏み台にするようじゃダメだよ、ミカサの目には女々しく映るかもしれない」


ジャン「確かにな。でも、わかってる。俺は俺のかっこいいところをミカサに見てもらうぜ」


アルミン「ボクにアドバイスできるのはこれぐらいかな」


ジャン「助かったぜ、アルミン。よし、今日から頑張るぜ!」


アルミン「それはよかった。頑張ってね」


バタン


アルミン「はぁ、ほとんど望みがない人にアドバイスを出すのは心苦しいですね」


アルミン「ジャンはジャンでいいところはあるんですが、何より相手が悪い」


アルミン「個人的にはミカサに振られても、将来的には彼の弱さや苦悩を理解して支えてくれる人と結ばれることを願っています」


アルミン「さっき、相談が終わったばかりなのに何言ってるんでしょうね」


コンコン


アルミン「おや、またお客さんが来たようです」


ガチャ


ライナー「よお、アルミン」


アルミン「やあ、ライナー」


ライナー「わざわざ、こんな相談室を開くなんてお前も苦労人だな」


アルミン「君だってそうじゃないか。それで、今日はどうしたんだい?」


アルミン「考えずに来たのかい?君も暇人だね」


ライナー「客が誰も来なくてひとりぼっちのお前をからかってやろうと思ってたんだけどな、杞憂だったか」


アルミン「それはお気遣いどうも。別に何だっていいんだよ?」


ライナー「そうか……それじゃ、クリスタと結婚したい」


アルミン「それは無理だ。次の方どうぞー」


ライナー「おいっ、何でもいいって言ったじゃねえか」


アルミン「ふっ、相談室なんてやってるけどボクだって、むざむざ敵に塩を送るなんてことはしないよ」


ライナー「はぁ、仕方ない。クリスタに関してはこれまで通り相互不可侵協定を続けるか。なんてったって俺たちの天使だからな」


アルミン「あぁ、異存はないよ」


ライナー「となると、他に何があるか……あっ、そうだ。アルミン、俺のホモ疑惑をなんとかしてくれ」


アルミン「そんなのがあったね。ボクはもちろん全くの嘘だってわかってるけど、みんなの間では、暗黙の了解とする雰囲気すらあるよね」


ライナー「ったく、本当嫌になるよな」


アルミン「みんなにホモじゃないってわからせるには、やっぱり誰か女の子と付き合うっていうのが手っ取り早いと思うんだけど……」


ライナー「肝心の相手がなあ……クリスタくらいしかいない、けどそれこそ難しいしな」


アルミン「そうだね、クリスタから男の話を聞かないことが唯一の救いだよね」


ライナー「そうだよなあ、あぁ、クリスタと結婚したい」


アルミン「ホモ疑惑が晴れるのとクリスタと結婚できることの難易度はいい勝負だと思うよ」


ライナー「なんだと!?畜生、訓練生を卒業するまでにはどっちか達成してやる」


アルミン「ははは、頑張ってよ。ホモ疑惑の方についてはボクからもみんなに言っておくから」


ライナー「おう、ありがとうな。俺はもう帰るけど、お前も頑張れよ」


アルミン「うん、ライナーもなんかあったらまたいつでも来てよ」


ライナー「んじゃ、またな」


バタン


アルミン「3人目が終わりました」


アルミン「ライナーは本当にいい人だと思います」


アルミン「いつもみんなのむしゃくしゃした気持ちの捌け口が彼に向かうのですが、平気で受け止められるのは流石ですね」


アルミン「クリスタのこと以外に関しては彼にもいいことがあるといいですね」


コンコン


アルミン「おや、また誰か来たようですね」

エレン、サシャ、アニ、クリスタ、ユミル、ベルトルトはまた今度書きます。もしかしたら、ベルなんとかさんは書かないかもしれません

投下します

3人分


ガチャ


クリスタ「こんにちは、アルミン」ニコッ


アルミン「や、やあ、クリスタ(天使キターーー)」


クリスタ「差し入れ持ってきたよ、ちょっとしかないけど食べてね」


アルミン「本当かい?ありがとう(なんという役得。生きていてよかった)」


アルミン「それで、クリスタは今日はどんな相談かな?」


クリスタ「うーん、これといってないんだけど、ユミルが行けってうるさくてね」


アルミン「ユミルが?どういう風の吹き回しだろうね。それじゃ、もう帰っちゃうのかな?」


クリスタ「せっかくだからちょっと話していこうかな」


アルミン「ボクでいいなら何でも聞くよ?」


クリスタ「ふふっ、ありがとう。何があるかな、アルミンだから聞けること……そうだっ、エレンともっと話せるようになるにはどうすればいいかな?」


アルミン「なん……だと…?」


クリスタ「え?わたし何か変なこと言った?」


アルミン「い、いや、大丈夫だよ。エレンと話したいってことだよね」


クリスタ「うん、エレンと一番仲のいいアルミンなら何かいい方法を教えてくれそうだと思って」


アルミン「なるほど、クリスタはエレンと話したことはなかったのかな?」


クリスタ「全くっていうわけじゃないけど、あんまりないかな。だから、仲良くなりたいなあって」


アルミン「ズバリ聞いちゃうけど、クリスタはエレンのことが好きなの?」
 

クリスタ「べ、別に好きっていうわけじゃないよ。ちょっと、興味があったから……」アセアセ


アルミン「(よしっよかった、ボクたちの天使は守られた)そうなんだ。変なこと聞いてごめんね。エレンのどこに興味を持ったのかな?」


クリスタ「エレンはいつも一生懸命ですごいなあって見てて思ったの」



アルミン「そうだよね。エレンは技術は突出してるわけじゃないけど、精神力だけは誰にも負けないと思う。ボクもよくエレンには励まされるよ」


クリスタ「わたしは、いつもウジウジしちゃうからエレンみたいに心の強い人はかっこいいなあって、あっ、別に恋愛感情とかじゃないよ」アセアセ


アルミン「ははは、わかってるよ。エレンと話す方法だったね。うーん、エレンと話すには何よりも雰囲気的な壁が一番大きいと思うんだ」


クリスタ「雰囲気な壁?」


アルミン「うん、ボクなんかが話す分には問題はないんだけど、相手が女の子の場合はミカサという壁を乗り越えないといけない」


クリスタ「そうだよね、エレンの傍にはいつもミカサがいる」


アルミン「エレン自身は来るもの拒まずだと思うから問題はないけど、ミカサは凄まじい嫉妬を見せると思う」


クリスタ「エレンが女の子と話してるとミカサの気迫ですごく空気が重くなってるよね。エレンは気づいてないみたいだけど」


アルミン「だから、ミカサが傍についている普通の休憩時間にエレンと話すことはあまりおすすめしない。ミカサとの関係が悪くなるのも嫌でしょ?」


クリスタ「うん、みんなとはずっと仲良くしていたいもん。でも、それだったら、いつ話せばいいの?」


アルミン「クリスタは乗馬がうまかったよね?」


クリスタ「確かに、訓練の成績はいいけどたいしたことはないよ」


アルミン「それでもエレンよりは上手だよ。乗馬訓練の時に声をかけてアドバイスしてあげたらいいんじゃないかな?その時にはミカサもあまり介入してこれないはず」


クリスタ「なるほど」


アルミン「エレンは訓練に対して貪欲だからね、クリスタから得るものがあるとわかれば向こうから話しかけてくるようになると思う」


クリスタ「わかった、今度の訓練でやってみる」


アルミン「そのうち、普通の世間話も出来るようになると思うよ」


クリスタ「うん。アルミン、今日はありがとう♪」ニコッ


アルミン「少しでも助けになれれば光栄だよ(守りたいこの天使の笑顔)」


クリスタ「また、何かあったら相談しに来るね」


アルミン「うん、いつでもおいでよ」


クリスタ「よーし、わたしもミカサに負けないように頑張るぞー」


バタン


アルミン「えっ?」


アルミン「……えっ?」


アルミン「いや、落ち着けアルミン。クリスタは別にエレンのことは好きじゃないと言ったじゃないか」


アルミン「そうだ、わざわざ恋愛感情はないと少し焦りながら念を押してたし……」


アルミン「…………」


アルミン「うん、最後のはなかったことにしよう。あぁ、クリスタの差し入れおいしいなあ」モグモグ


アルミン「というわけで、4人目の相談者はボクたちの天使、クリスタでした」


アルミン「クリスタは、優しくて、気が利いていて、小さくて、かわいくて、見ていて癒されますよね」


アルミン「…………エレンもげろ」


アルミン「さあ、気を取り直して次の方に参りましょう」


ガチャ


ユミル「アルミン!クリスタは何を相談していった!?」


アルミン「やあ、ユミル。なかなかに騒がしい登場だね」


ユミル「私の登場の仕方なんてどうでもいい。クリスタは何か重要なことは相談していかなかったか?」


アルミン「重要な話って例えばどんな?」


ユミル「主に女性同士の結婚とか」


アルミン「相談者のプライバシーに関わるから、内容は話せないけどそんなことは一言も言ってなかったよ」


ユミル「チッ、使えねえな。まあ、アルミンにはそんな重要な話できないか」


アルミン「(なんでボク、けなされてるんだろう)それで、ユミル自身は何か相談はないの?」


ユミル「相談か?クリスタと結婚したい」


アルミン「なんでボクの周りにはこうも結婚願望が強いやつが多いのか……」


ユミル「おい、クリスタと結婚するにはどうしたらいいか聞いてるんだけど」


アルミン「今日の中で一番返答に困るよ……」


ユミル「何言ってんだ?はっ、クリスタはやらんぞ」


アルミン「そんなこと言ってないよ。ねえ、ユミル、もしもクリスタに男が出来たらどうする?」


ユミル「その男をぶっ潰す」


アルミン「おおぅ…過激だね」


ユミル「そんなありもしないこと言っても仕方ないだろ」


アルミン「ボクもそうあってほしいよ。さて、ユミルの相談だけど」


ユミル「おう」


アルミン「ボクにはどうしようもないよ」


ユミル「この野郎っ」グイッ


アルミン「ちょ、ちょっと待ってよ。ユミルはみんなの中で一番クリスタと仲がいいじゃないか」


ユミル「まあな」


アルミン「ボクは、二人を見ていてエレンとミカサの関係に近いんじゃないかと思うんだ」


ユミル「どういうことだ?」


アルミン「一番距離が近くてお互いに信頼してるけど、恋愛感情については一方通行」


ユミル「一方通行言うな。両想いだこら」


アルミン「ユミル、こういう相談の場では事実をはっきりさせておかないと解決には繋がらないよ」


ユミル「くっ、ああそうだよ。クリスタは友達としか見てないだろうな」


アルミン「君はよくクリスタをからかっているよね」


ユミル「だって、クリスタの反応がかわいいじゃないか」


アルミン「それには概ね同意するけど、ユミル、君に足りないのは真摯さだと思う」


ユミル「真摯さ?」


アルミン「ああ、君の思いの丈は知らないけど、クリスタに対する思いの伝え方が不器用すぎるんだ」


ユミル「不器用つったってなあ、どうしろって言うんだ」


アルミン「だから、真摯に向き合うんだよ。いつものからかいばかりの対応だけじゃなく、優しく、真面目に。そうすれば、クリスタも君を違う視点で見てくれるかもしれない」


ユミル「今さら態度を変えるなんて恥ずかしくて出来るかよ」


アルミン「変えずにこのまま平行線でいいのかい?君の今のちょっとした恥ずかしさは二人の幸せな未来と秤にかけて等価なのかい?」


ユミル「くっ、お前もなかなか言うな。わかったよ、やってみるか」


アルミン「その意気だよ」


ユミル「世話になったな、アルミン」


アルミン「それがここでの、ボクの仕事だからね」


ユミル「そうか、んじゃまあ、お前も頑張れよ」


アルミン「また、いつでも来てよ」


バタン


アルミン「5人目はユミルでした」


アルミン「彼女も相手と性別の問題も相俟って、ジャン並みにハードルは高いと思います」


アルミン「ライナーには一切助言しなかったくせに、ユミルには結構真面目に答えてしまいました」


アルミン「まあ、ライナーだからいいですよね。あと、さっきのクリスタの相談で多少の諦めもあったのかもしれません」


アルミン「ユミルとクリスタの掛け合いは前々から見ていて面白かったのですが、これからはユミルの方が焦る姿が見られるかもしれませんね」


コンコン


アルミン「おや、もう次の方が来ましたね」


ガチャ ゴンッ


ベルトルト「痛っ──── 」


アルミン「やあ、ベルトルト。登場から頭をぶつけるなんて、なかなか面白いじゃないか」


ベルトルト「や、やあ、アルミン。本当に痛かったよ」


アルミン「今日は、どうしたんだい?」


ベルトルト「僕のアイデンティティに関する悩みでね」


アルミン「もしかしたら今日で一番深刻な問題かもしれない。それはいったい?」


ベルトルト「……みんながね、僕の名前を覚えてくれないんだ」


アルミン「…………」


ベルトルト「そんなかわいそうなものを見る目で見ないでよ。本当なんだ!」


アルミン「そうは言っても、訓練生になってもうずいぶん経つんだよ?」


ベルトルト「それでもまだ覚えてくれていない人たちがいるんだよ。アルミンは覚えているのが当然だと思っているからわからないだけで」


アルミン「名前か……フルネームはベルトルト・フーバーで合ってるよね?」


ベルトルト「ああ、久しぶりに他の人の口からフルネームを聞いたよ。何でだよ、他の人より一文字多いだけじゃないか」


アルミン「ベルトルト……ベルトルト……ルとトが2つずつあるのがややこしくしているのかもね」


ベルトルト「そうなのか、それでこの前……」


同期A『おーい、ベr、ベル……そこのでっかいのーここの資料運んでくれー』


ベルトルト「なんてことがあったのか……おかげで単純に名前を間違える人と同じくらい“そこのでっかいの”って言われることが多いよ」


アルミン「なんていうか、本当に気の毒だね。訓練でも成績上位なのに」


ベルトルト「僕に自主性が欠けているのも原因の一つなのかな……」


アルミン「うっ、指摘するのはやめておこうと思ったけど、自分でもその意識はあるみたいだね」


ベルトルト「やっぱり、アルミンもそう思ってたんだね」


アルミン「ベルトルトは自分から発言することは少ないよね。実際は、その場に合った言葉も頭の中では用意できてるはず」


ベルトルト「そういう時もあるけど……」


アルミン「君はもっと自分に自信を持っていいんだよ。訓練上位生はもっと頼られる存在であるべきだと思う」


ベルトルト「僕なんか……」


アルミン「なんか…なんて言っちゃダメだ。君はみんなに自分を知って欲しいのと同時に目立ちたくないという相反する気持ちを持っているんだよ」


ベルトルト「はっ」


アルミン「その二つを上手く両立させていくことは出来るかもしれない。けど、名前をみんなに覚えてもらうにはとりあえず目立ちたくないという気持ちには蓋をしないと」


ベルトルト「なるほど……それじゃ、明日から出来るだけ会話に参加していこうかな」


アルミン「インパクトも大事だからね、手始めに今日の夕食の時に、さっきみたいに頭をぶつけてみようか」


ベルトルト「もう痛いのはこりごりだよ。でも、違う方法で頑張ってみる」


アルミン「ははは、僕も協力するよ」


ベルトルト「アルミン、話を聞いてくれてありがとう」


アルミン「どういたしまして、これくらいわけないよ」


ベルトルト「アルミンも大変だろうけど頑張ってね、それじゃ」


アルミン「またね」


バタン


アルミン「6人目は、ベr……ベルトルトでした」


アルミン「名前を間違われるというのは、実際にあるとなかなかに堪えますよね」


アルミン「そういえば、アルレルトとベルトルトも響きは結構似ていますね」


アルミン「がつがつ来るベルトルトというのもあまり想像できませんが、みんなの反応が楽しみです」


アルミン「残っている人も少なくなってきましたね。それでは、次の方どうぞ」

遅くなりました。投下します


ガチャ


アニ「…………はぁ、アルミンか」


アルミン「(そっちから来といて、何でボクため息つかれてんの!?)や、やあ、アニ」


アルミン「今日は、どんな相談かな?」


アニ「…………」


アルミン「…………」


アニ「やっぱ帰るわ」クルッ


アルミン「…………エレン」ボソッ


アニ「!」ビクッ


アルミン「ふふふ」ニヤニヤ


アニ「チッ、帰るぞ」


アルミン「いいのかい?今日はエレンのことについて相談してきた子が7、8人はいたよ?(かなり盛ってるけど)」


アニ「なんだって!?(ミカサとライナー、ベルトルトで3人、クリスタもか?その他にもそんなにいるのかっ)」


アルミン「相談室だからね、みんなにはアドバイスしたけど、アニは聞かなくていいのかい?」


アニ「くっ、ま、まあ、せっかく来たんだしな」


アルミン「ふっ、素直じゃないねえ。それで、相談はなんだい?」


アニ「わ、私の相談は……」


アルミン「何でも言ってごらんよ」ニヤニヤ


アニ「……エ、エレンと、結婚、したい……です……」


アルミン「まさかのド直球!?素直じゃないとか言ったけど、全然そんなことはなかったよ!」


アニ「ふんっ。エレンが鈍感だっていうのは、わかってる。あいつは何かしらはっきりとした形がないと、繋ぎとめておけない」


アルミン「それについては概ね同意するよ」


アニ「そのためにはまず私を女として意識してもらわないといけない。何かいい手はないか?」


アルミン「話が早いね。だけど、ボクは既に君がいろいろと策を講じているのを知っているよ」


アニ「へ、へー。別に何もしてないけど」


アルミン「本当かい?対人格闘訓練の時、いつもエレンと組むようにしてるのは気のせいだったかな?」


アニ「それはエレンから声をかけてくるからだ」


アルミン「エレンから声をかけられるまで、エレンの視界から切れない、声をかけやすい絶妙な位置をずっとウロウロしているよね?」


アニ「……気のせいだ」


アルミン「自分は声をかけられても、エレンと組むまでは一切誰とも組まないようにしてるよね?」


アニ「…………気のせいだ」


アルミン「一度エレンと組んだら、訓練が終わるまでずっとペア変えないようにしてるよね?」


アニ「………………格闘術を教えているだけだ」


アルミン「最近は、よく体が密着するような技ばかり……」


アニ「わかったから、もうやめろ!」バンッ


アルミン「そんなあ、ボクまだ格闘訓練の部分しか言ってないのに」


アニ「うるさい、自分のことだからわかっている」


アルミン「それもそうだね。というわけで、君は結構自分でやれているとは思うんだけどなあ」


アニ「でも、あいつは私のことを女と意識していないだろ?」


アルミン「それがね、この前の訓練の後、エレンが、」


エレン『今日の訓練でアニと組んだ時、メチャクチャいい匂いしたから一瞬ドキッとしたぜ』


アルミン「なんてこと言ってたんだよ。その後、ライナーとベルトルトにすごくからかわれてたけど」


アニ「なっ、エ、エレンが!?(ライナーとベルトルトは後でひねり潰す)」


アルミン「ボクもびっくりしたよ。だから、エレンはアニを女として見ているとは思う。ただ、まだ恋愛対象としてじゃないというだけで」


アニ「そうか。それなら、アルミン教えてくれ。私はこれ以上どうしたらいいかわからない」


アルミン「簡単なことじゃないか。君は陰から健気にエレンに奉仕してるけど、今度は感情を表に出して伝えればいい」


アニ「そ、そんな恥ずかしいことできるかっ」


アルミン「いいのかい?これはチャンスなんだよ。最大のライバルであろうミカサは、距離はともかく女の子として意識されていない分、君はある意味リードしている」


アニ「今がチャンス……少しだけなら我慢する」


アルミン「少しだけ?」


アニ「くっ、いいだろう。なんだってやってやる」


アルミン「いい意気込みだね。それじゃ、具体策を練ろうか」


アニ「私は、感情を表すのが下手だ。何をすれば、いいのかわからない」


アルミン「アニはいつも怒っているような顔しているんだよ。でも、たまにすごく穏やかな表情をする時がある。自分でわかってる?」


アニ「いつも怒っているわけじゃないんだがな……穏やかな表情か…わからない」


アルミン「考えるまでもないと思うんだけどなあ、他でもないエレンが頑張っているのを見ている時、そんな顔をするよ」


アニ「わ、私がか!?」


アルミン「割りと気づいている人は多いんじゃないかな。ライナーとベルトルトはそれ見て鳥肌が立ったって言ってたけど」


アニ「エレンは気づいてないよな?(ライナーとベルトルトは後ですり潰す)」


アルミン「あのエレンが気づいている訳ないじゃない」


アニ「そうか……気づいて欲しくないと思う一方で、気づいて欲しいと思う私がいる」


アルミン「その葛藤はわかるよ。さて、感情を表すことだけど、アニが一気に態度を変えることができないと言うのは仕方がない。むしろ急に変えられると気持ち悪い」


アニ「気持ちわるいってお前なあ……」


アルミン「まあまあ、怒らないでよ。というわけで、アニには基本的に態度は変えないでもらって、要所で優しくするようにして欲しい(つまりは、アニツンデレ作戦!)」


アニ「ふうん、そんなので何か変わるのか?」


アルミン「アニはいつも、ぶっきらぼうだろう?そんなアニがいつもと違う優しさを見せればそのギャップにグッとくるって寸法さ」


アニ「なるほどな」


アルミン「出来ればみんなにもそうして欲しいけど、効果を顕著にしたいなら対象をエレン一人に絞ってやったほうがいい」


アニ「もとからそのつもりだが、なんでだ?」


アルミン「ぐふっ、少しだけ羨ましいよエレン。誰しも、自分だけ特別に扱われるのはうれしいだろう?エレンにいつもと違う優しい態度で扱われる自分を想像してみなよ」


アニ(私にだけ優しいエレン……)


エレン『アニ、もっと笑ってみろよ。いつもそんな眉間にしわ寄せてたらかわいい顔が台無しだぜ』ニコッ


アニ「くっ、これはすごい破壊力だ……」


アルミン「アニ、そろそろこっち向いてくれないかな。にやけているのはわかってるから」


アルミン「さて、いきなり結婚っていうのは無理だから、まずはエレンの中のアニの存在を大きくしていけるようなアドバイスをしたんだけど」


アニ「道のりは長いな」


アルミン「そうだね。だけど、アニにはエレンに格闘術を教えるっていう確立されたポジションがあるからこれからたくさんチャンスがあると思うよ」


アニ「だといいんだがな」


アルミン「アニならできるさ」


アニ「……まあ、世話になったな、アルミン」


アルミン「これぐらいたいしたことじゃないさ」


アニ「それじゃ、またな」


アルミン「うん、頑張ってね」


バタン


アルミン「7人目はアニでした」


アルミン「……いや、ホント誰だよあの乙女」


アルミン「まだ、ああいう感情に慣れていないアニは初々しくていいですね」


アルミン「蹴りさえ飛んで来なければ、周りに言いふらしてみんなでからかいたい人No.1ですね」


アルミン「いつの間にか、エレン争奪戦を掻き回すことを楽しんでいる自分がいます」


アルミン「…………エレン爆ぜろ」


アルミン「はい、それではそろそろスパートをかけていきましょう。次は誰なんでしょうか」


コンコン

ガチャ


サシャ「失礼します。こんにちは、アルミン」


アルミン「やあ、サシャ」


サシャ「何でも相談を受け付けているらしいですね…って、あっお菓子がある!いただきます!」バッ


アルミン「!?ダメだ、これはボクへの差し入れ…ってもう獲られた……」


サシャ「あひはほうほはいまふ、おいひいでふ」モグモグ


アルミン「せっかくのクリスタからの差し入れが……」


サシャ「ゴクン、そうなんですか、帰ったらクリスタに余ってるのを貰いましょう」


アルミン「くそぅ……今日の相談室はここまでです。お客様はあちらの焼却炉からお帰りください」


サシャ「焼却炉ってひどくないですか!?アルミンごめんなさい、今度食べ物以外のもので弁償しますから!」


アルミン「チッ、クリスタからの差し入れじゃなきゃ意味ねえんだよ!…っと、ごめん。少しキャラが崩れちゃったよ」


サシャ「申し訳ありません。本当にすみませんでした」ペコペコ


アルミン「顔をあげなよ。とりあえず、相談を聞こうか」


サシャ「私はですね……毎日三食おいしい料理をお腹一杯食べたいです!」


アルミン「ふっ、なんか予想通り過ぎてつまらないよ。他にない?」


サシャ「あっそんな簡単にあしらわないでくださいよ。真剣な悩みなんですから」


アルミン「だってそんなこと、訓練兵なら誰だって考えたことあるだろう?それにこのご時世、三食まともに食べられることさえ贅沢なのに」


サシャ「それぐらい私だってわかっていますよ。ただ、少しでも食事の内容が良くなればと思って」


アルミン「そうは言ってもね、物質的に無いもののことを言っても仕方がない。少しでも満腹感を得たいなら、ガツガツ食べるんじゃなくてゆっくり咀嚼して食べなよ」


サシャ「そうしたこともあったんですけどね、味の薄いスープや小さいパァンではたいして違いはないんですよ」


アルミン「確かにね、実践してるボクでもそう思うよ」


サシャ「他に何かないですか?」


アルミン「ふむ……あると言えばある」


サシャ「本当ですか!?教えてください!」


アルミン「これは、ボクが以前考えたはいいがリスクと秤に掛けて封印した方法でね」


サシャ「私、食べ物のためだったらなんだってしますよ!」


アルミン「うーん、それじゃあこれを教えるにあたっていくつか条件がある」


サシャ「わかりました。何ですか?」


アルミン「一つ目はボクが教えたことは何があっても口外しないこと」


サシャ「了解です。絶対に誰にも言いません」


アルミン「二つ目は今後一切ボクの食料をさっきみたいに奪わないこと」


サシャ「了解です。アルミンからは食べ物をとりません」


アルミン「よろしい、それじゃあ教えよう。なに簡単なことさ、無ければ有るところから持ってくればいい」


サシャ「どういうことですか?」


アルミン「ボクたち訓練兵は軍の中では最低の階級だから、食事も最低水準。即ち、ボクたちより上の階級の食事はもっと充実しているというわけさ」


サシャ「ま、まさか……」ガタガタ


アルミン「そのまさかだよ。食糧庫から盗んで来ればいい」


サシャ「アルミンがまさかそんな悪魔みたいな手法を考えていたなんて……」ブルブル


アルミン「心外だな、ボクは考案しただけで実行はしていない。人間、想像するのは自由だろう?」


サシャ「それはそうですが……そんな無謀な計画を私に実行させる気ですか?」


アルミン「無謀だなんてとんでもない。ボクは、食糧庫周辺の人通りや鍵の所在、食料の搬入日まで調べあげた」


サシャ「いつの間に……」


アルミン「そして、それらのデータに基づいて絶対にバレない綿密な計画も立てたさ。だけど、実行しなかった」


サシャ「どうしてですか?」


アルミン「さっきリスクと秤に掛けたって言ったけど、本当はそんなんじゃない。ボクはきっと罪悪感に苛まれてそれをおいしく食べることなんて出来なかっただろう」


サシャ「わ、私もなんだかそれを実行するのはちょっと……」


アルミン「だけどね、サシャに相談されて気づいた。何も一人でやることはない、罪悪感っていうのはみんなで分けあえば軽くなるのさ」


サシャ「みんなを巻き込むってことですか?」


アルミン「そうだよ。でもそれは計画を実行する前に伝えてはいけない」


サシャ「教官に報告されでもしたら一巻の終わりですもんね」


アルミン「計画が成功したら、みんなに山分けするんだ。これでみんなを共犯に出来て、みんなもおいしいものを食べられて一石二鳥だ」


サシャ「私、今本気でアルミンが恐ろしいです」


アルミン「それで、この計画に乗るの?乗らないの?」


サシャ「私は……私は……」


アルミン「ボクたち訓練兵が訓練で力をつけて前線に出ることが、人類の反撃の一手になる。ならおいしいものを食べて士気をあげるのは重要だとは思わないかい?」


サシャ「それはそうですが……」


アルミン「サシャ、土地を奪還すればまた牛も羊も飼うこともできる。そしたら、ボクたちのわずかな消費だって些末なことじゃないか?」


サシャ「なるほど…なるほど……わかりました!協力します!」


アルミン「いい返事をありがとう。計画の全容はまた今度資料を持ってきて話そう。それまで決して他言してはいけないよ」


サシャ「了解です。食べ物と人類の明るい未来のためです!」


アルミン「うん、それじゃ今日はここまでにしとこうか」


サシャ「今日はありがとうございました、アルミン」


アルミン「また連絡するよ」


サシャ「さようなら!」


アルミン「またね」


バタン


アルミン「8人目はサシャでした」


アルミン「ええ、わかっています。ボクも自分がこんなに真っ黒だとは思っていませんでした」


アルミン「ちょっとぐらい論理に矛盾があっても、単純な人は目先の損得に惑わされるものです」


アルミン「まあ、ボクもプライドにかけてむざむざとサシャを営倉送りにさせるつもりはありません」


アルミン「後々、原因不明の食糧庫荒しが上官たちの間で噂になるかもしれませんね」


アルミン「それでは、時間も迫って来ました。今日最後の方に参りましょう」


ガチャ


エレン「おっす、アルミン」


アルミン「やあ、エレン」


エレン「おまえも大変だなあ。みんなの相談聞くなんて」


アルミン「大変だけどみんなから信頼されている証拠だし、役得もあるからね」


エレン「おまえがいいって言うならオレから言うことはねえな」


アルミン「それで、エレンはどんな相談?」


エレン「オレの悩みなあ……なんだろうな」


アルミン「エレンも悩みなしで来たのかい?」


エレン「悩みって言ったって、頑張れば自分でなんとか出来ることか、今じゃどうしようもないことばかりだしな」


アルミン「エレンらしいね。自分でなんとか出来ることっていうのは?」


エレン「まずは、巨人を倒す技術を上げることだよな。訓練でもっと力をつけないと」


アルミン「そうだね。それはボクに相談するより、もっと向いている人たちがいる」


エレン「そっか、じゃあアルミンには座学を教えてもらわないとな」


アルミン「それなら任せてよ。それで今じゃどうしようもないことっていうのは?」


エレン「そりゃあ壁の外に出てからのことさ。やりたいこと一杯あるだろ?」


アルミン「壁の外か……本当にどうなっているんだろうね」


エレン「考えるだけでわくわくするよな。巨人の脅威に怯えることがなくなったら、いろんなところに行ってみようぜ。昔、アルミンが教えてくれたところとか」


アルミン「そうだね、早くそんな日が来るといいね」


エレン「きっと来るさ。そのためには今たくさん食べて訓練して力をつけないとな。ん、ほら、もう飯時だ。アルミン、食堂行こうぜ」


アルミン「本当だね、今日は君で最後だし行こうか」


エレン「ほら、置いてくぞアルミン!みんなにも話してやろうぜ、壁の外のこと!」タッタッタッ


アルミン「待ってよ、エレン!」タッタッタッ


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アルミン「今日最後のお客さんはエレンでした」


アルミン「日頃バカなエレンが、一番まともな相談に思えたのは気のせいでしょうか?」


アルミン「それにしても、今日一日で新しい発見がたくさんありました。みんないろいろな悩みを持っているんですね」


アルミン「……いや、予想通りなのも多々あったんですが」


アルミン「何はともあれ、ボクの今日の相談室はこれで終わりです」


アルミン「これからも仲間と一緒に退屈しない日々が続くでしょう。ボクの相談室もそれと共に続いていくと思います」


アルミン「それではみなさん、さようなら。またお会いしましょう」



終わり

以上です。
訓練兵編その2や調査兵団編はネタがうかんだら書くかもしれません
拙文お読みいただきありがとうございました。

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