苗木「希望を胸に抱いて」(110)

-食堂-

苗木「山田クン! これあげるよ!」

山田「ぬ、僕にプレゼントですかな?」

苗木「うん、良かったら貰ってくれると嬉しいな」

山田「モチのロンでござる! 有り難く頂戴致しますぞ!」

苗木「それじゃ、はいこれ!」

山田「…箱?」

苗木「この中に入ってるんだ」

山田「ほほう、今開けてもよろしいですかな?」

苗木「いいよ! 気に入って貰えたらいいんだけど…」

山田「楽しみですなー、何が入って」パカッ

びよーん

苗木「っく…!」

苗木「あははっ、なんちゃって! ビックリ箱だよ!」

苗木「ごめんね、驚かせ…」

苗木「……」

苗木「…あれ?」

苗木「山田クン?」

苗木「ちょ…どうしたの!?」

苗木「山田クン!? やま…」

苗木「…!」

山田「」






苗木「し、死んでる…」

苗木(マジか…)

苗木(これはもう…マジか…)

苗木(……)

苗木(…立ったまま死んでるのも可哀想だし、寝かせてあげよう)

苗木「はぁぁぁぁぁ…」

苗木「セイッ!!」ドムッ

山田「」バタッ

苗木(よし…)

苗木(とりあえず、誰かがここを通る前に退散し)

不二咲「あれ? 苗木くん…何やって」

苗木「!」

苗木「ぼらァ!!!」ドゴッ

不二咲「エンッ!!」バタッ

苗木(……)

苗木(……やっべぇ)

苗木「ふ、不二咲クン…?」

不二咲「」

セレス「こ、これは…」

苗木「くっ…」

苗木「テャッ!!」バキッ

セレス「たえこっ!!」バタッ

セレス「」

苗木(……)

苗木(マジか…マジでか…)

苗木(いや、死体を隠せばなんとかなるか…?)

モノクマ「ちょっと苗木クン! さすがに3人以上は」

苗木「ホォア!!」デュクシ

モノクマ「ぐぁぁ!」ドテッ

苗木(しまった…捻りが甘かったか…!)

モノクマ「うぷ…うぷぷぷぷ…」

モノクマ「学園長こと以下略!」

モノクマ「助けて! グングニルの槍ッ!」

苗木(槍…? 飛んでくるとしたらマズイな…)

苗木(…しかたない、あれを使おう!)

ヒュンッ

苗木「いいぜ」スッ

カカカッ

モノクマ「そ…その動きはッ!」

苗木「てめえが何でも思い通りに出来るってなら」サッ

カカカカッ

苗木「まずはそのふざけた幻想をぶち殺す」ササッ

スカカカカカッ

モノクマ「ぜ、全部避けやがっただとッ!?」

苗木(今だ!)

苗木「チェリオ!!」バゴッ

モノクマ「モルスァ」バタッ

苗木「……」

苗木(…僕はこんな事する人間じゃない!)

苗木(諦めて自首するべきか…)

腐川「さ、さっきからうるさいわねッ! 何やって」

苗木「ドゥア!!」ズドン

腐川「ふじょしっ!!」バタッ

苗木「……」

苗木「…ここで諦めたりしないぞッ!」

江ノ島「ちょっ、何や」

ドゴォ

石丸「むくろっ!!」バタッ

苗木「次!」

桑田「オイ! なえ」


ドゥグァ

桑田「アポッ!!」バタッ

苗木「次ィ!」

舞園「な…苗木く」

ファルコンッパーンチ

舞園「ピィヤァァァァ!!」キラーン

苗木「はぁっ、はぁっ…」

苗木「……」

苗木「…よし」

苗木(逃げよう)ダッ

>>22
石丸→江ノ島

なんで石丸にしたんだろう

-苗木の部屋-

苗木(さて…どうしようか…)

モノクマ「コラー!」

苗木「うぉア!!」ブォン

モノクマ「す、すとっぷ!」

苗木「な…なんだよ…」

モノクマ「苗木クン! 殺しすぎですよッ!」

苗木「し、仕方ないだろ…あれは不可抗力だよ…」

モノクマ「だからって七人も殺す事ないでしょ!?」

モノクマ「侍とか小人じゃないんだから!」

苗木「そのツッコミもどうかと思うけど…」

苗木「そもそも、人数制限のルールなんてないし…」

モノクマ「もう少ししたら追加しようと思ってたんだよ!」

苗木「知らないよそんなの…」

モノクマ「とにかく後で学級裁判があるから、今の内にブルっておくんだなッ!」

苗木「学級裁判?」

モノクマ「じゃ、そういう事で!」ピュン

苗木「待っ…」

苗木(……)

苗木(学級裁判ってなんだろう…)

キーンコーンカーンコーン

苗木(…ん?)

モノクマ『死体が発見されました!』

モノクマ『一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます!』

苗木(死体が発見された、か…)

苗木(…食堂に戻ってみよう)

-食堂-

苗木(一応、驚いておくか)

苗木「どっひゃああああ」

大神「む、苗木か…」

苗木「これは一体どうして…」

十神「どうもこうもない…この中の誰かが殺したんだ」

大和田「モノクマの言う事を真に受けやがったのかよ…ッ!」

葉隠「こ、これはドッキリに決まってるべ…」

霧切「それにしても、さっきのアナウンスの学級裁判っていうのが気になるわね…」

モノクマ「はーい、では説明しましょう!」

苗木「モノクマ!?」

モノクマ「学級裁判とは…」



モノクマ「以上、これが学級裁判のルールなのですッ!」

石丸「そのおしおきというのは…」

モノクマ「簡単に言えば処刑だね!」

葉隠「しょ、処刑!?」

モノクマ「そういう事! じゃ、ボクは準備があるからね!」ピュン

十神「ふん…くだらん」

大神「それにしても…これ程大量に殺す必要はなかっただろう…!」

苗木(ひぃぃ)

霧切「怒っても仕方がないわ」

霧切「手掛かりを集める為に捜査をするわよ」

苗木「じゃあ、僕も手伝うよ」

苗木(せめてあのビックリ箱を隠しておかないと…)

大和田「あ? 何だこの箱」

苗木(大和田てめえェェェェ!!)

葉隠「ビックリ箱…みたいだべ」

朝日奈「事件に関係あるのかな?」

苗木「さ、さすがにないと思うけど…」

霧切「そうとも言い切れないわ」

十神「こんな所に落ちてるんだ、明らかに不自然だろう」

苗木(くっ…)

霧切「一応手掛かりに追加しておきましょう」

大神「他に手掛かりとなりそうな物は…」

モノクマ「おっと、これを忘れてました!」

石丸「うおっ!? …ってモノクマか…」

モノクマ「はい、モノクマファイルー」テッテレテッテッテー

大神「…これは?」

モノクマ「なんと、被害者の死亡時刻や死亡理由などが書いてあるのですッ!」

葉隠「なるほど、良い手掛かりになりそうだべ」

モノクマ「引き続き捜査頑張ってね!」ピュン

苗木(どんどん僕が不利になるな…)

朝日奈「えっ…これって…」

大和田「殺された時間がほとんど一緒じゃねーか…!」

葉隠「それに、全員一撃で死んだって書いてるべ…」

十神「お前の目は節穴か? よく見ろ、山田だけは別だ」

石丸「ではどうやって殺されたんだ!?」

苗木「そ、そんなの僕に聞かれても分からないよ」

霧切「とりあえず、捜査を続けてみましょう」

大神「その方が賢明だろう…」



苗木「何も見つからないな…」

霧切「困ったわね…」

キーンコーンカーンコーン

モノクマ『さて、準備が整ったので、開きたいと思います!』

モノクマ『お待ちかねの…学級裁判をっ!』

モノクマ『学校エリア1階にある、赤い扉に入って来てね! 待ってるよー!』

苗木「……」

葉隠「ど、どうすんだべ! まだ手掛かりも全然ねーぞ!」

大和田「どうするっつってもよォ…」

霧切「行くしかないわね」

朝日奈「うん、そうだよね! なんとかなるって!」

石丸「では、行こうではないか!」


-エレベーター内-

葉隠「なぁ…俺達はどうなるんだべ…?」

十神「殺した犯人を当てる事が出来れば生き残り、出来なかった場合は死ぬ…それだけだ」

大和田「まさに命がけってとこだな…」

朝日奈「生き残ろうよ! 絶対に!」

石丸「うむ!」

大神「そうだな…」

霧切「なんとしても生き延びて…」

苗木「……」

そして、エレベーターはどんどん地下に潜っていった…



苗木「ここは…」

モノクマ「やっほー! 遅かったね!」

モノクマ「まずは、オマエラは自分の名前が書かれた席に着いてください!」

僕らはモノクマに急かされるまま、自分達の席へと向かった



モノクマ「はい、では全員の準備が終わったところで…」

モノクマ「早速、学校裁判を始めたいと思いまーす!」

ついに始まる…
命がけの騙し合い…命がけの裏切り…
命がけの…学校裁判…!

学級裁判、開廷!

霧切「まずは、死亡状況を整理しましょう」

苗木「えっと、殺されたのは山田クン、不二咲さん以下略だね」

朝日奈「でも、山田だけ死亡理由が違ったんだよね」

十神「他と違って、外傷は一切ないみたいだったからな」

葉隠「わかったぞ! 死因は心臓発作だべ!」

石丸「は…?」

大神「心臓発作だと…?」

葉隠「俺の占いでそう出たから間違いねーべ!」

朝日奈「占いで簡単に決めれる事じゃないよ!」

大和田「だけどよ…他に手掛かりとかあんのか?」

霧切「あのビックリ箱が気になるわね…」

朝日奈「なにか関係があるの?」

霧切「…わからないわ」

石丸「そうか…」

大神「ぬぅ…」

朝日奈「うーん…」

十神「……」

大和田「クソッ! 何かねーのかよ!」

葉隠「【手掛かりがない】んじゃ仕方ねーべ…」

苗木(ん…手掛かりがない…?)

苗木(……)

苗木(…そうだ!)

苗木「それは違うよ!」パリーン

葉隠「へ…何がだべ?」

苗木「葉隠クンは手掛かりがない…そう言ったよね?」

朝日奈「苗木は何かあるの?」

苗木「いや…手掛かりはないんだ」

大和田「ねーのかよ!」

苗木「そ、そうじゃなくて…」

石丸「では…どういう事だ?」

苗木「これだけで十分なんだ、って事だよ」

十神「なんだと…?」

霧切「…苗木くん、説明してもらえるかしら?」

苗木「えっと…このビックリ箱は、やっぱり事件に関係ある物だったんだ」

大神「しかし…どういった関係があるのだ?」

苗木「これは事件で使われた物ではなくて…」

苗木「山田クンが残したダイイングメッセージだったんだ!」

石丸「何っ!?」

葉隠「バイキングソーセージだったのか!」

苗木「それに…これは犯人を直接示してあるんだ」

十神「なんだと…?」

朝日奈「それって誰なの!?」

苗木「お、落ち着いて朝日奈さん」

苗木「ところで、この箱は何に使うかわかるよね?」

朝日奈「え? 驚かすため…かな?」

苗木「そうなんだ、つまり…」

苗木「ビックリ…ビックレ…ハックレ…」

霧切「まさか…」

苗木「そう! つまり、犯人は葉隠クン…君なんだ!」

十神「なんだと…!?」

葉隠「んなメチャクチャな!?」

大神「ふむ…」

霧切「たしかに、一理あるわね…」

葉隠「ねーよ! ただのこじつけだべ!」

大和田「テメェ…!」

朝日奈「本当に葉隠が皆を…?」

石丸「そうだったのか…ッ!」

葉隠「おいおい! 俺はそんなの認めねーぞ!」

苗木「葉隠クン、キミが何と言おうと、すべての謎はもう解けているんだ…」

苗木「今回の事件の答えは、これだ!」

クライマックス推理!

苗木「まず、葉隠クンは占いをしてあげようと皆を誘っていた…」

苗木「そして、最初に来たお客さんは…山田クンだったんだ」

苗木「それは葉隠クンが呼んだから当たり前なんだけど…そこで事件は起きた」

苗木「思いがけない占いの結果に、山田クンは心臓発作を起こして死んでしまったんだ」

苗木「そのせいで葉隠クンは焦っていて、次に入って来た人…」

苗木「つまり、目撃者である不二咲さんを殺してしまったんだ」

苗木「その後も次々呼んでいた人が入って来てしまい…」

苗木「その目撃者を全員殺してしまった…」

苗木「でも、山田クンは自分だけが呼ばれたと思い、もし殺された時の為にダイイングメッセージ…」

苗木「そう、ビックリ箱を用意しておいたんだ」

苗木「それが解決の手掛かりとなった…」

苗木「…これが今回の事件の全貌だ!」

葉隠「……」

葉隠「…そう、だったのか…」

霧切「終わりね」

朝日奈「やっぱり…葉隠が…」

葉隠「知らなかったべ…」

葉隠「俺がそんな最低な奴だったなんて…!」

苗木「いいんだ、葉隠クン…」

苗木「自分の罪はしっかり償えばいいんだ」

葉隠「わかったべ…」

苗木「…モノクマ!」

モノクマ「んぁっ!?」

苗木「僕達の結論は出たよ!」

モノクマ「…わかりました!」

モノクマ「では、行ってみましょう…」

モノクマ「投票ターイム!」


-体育館-

モノクマ「卒業生、苗木誠クン!」

苗木「はい!」

モノクマ「えー、あなたはクロとなり、シロを欺き…」

モノクマ「見事、生き残りましたので、ここに卒業証書を授与致します」

苗木「ありがとうございます!」

結局卒業するのは僕だけになってしまった

犠牲になってしまった皆の事を思うと、ちょっとだけ胸が痛むかな…

でも、そんな後ろ向きな気持ちじゃ皆から笑われちゃうよね

だから、僕は前に向かって進むんだ


そう…




―胸に希望を抱いて!


終わり

ありがとでした

忘れろビームッ!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月02日 (金) 02:40:44   ID: QkM2srU-

たえこッ!!!

2 :  SS好きの774さん   2015年04月07日 (火) 12:39:04   ID: _m6FINVF

超高校級の軍人何やってんだ

3 :  SS好きの774さん   2015年12月14日 (月) 23:53:28   ID: 7HS9mNQy

なんじゃこのスレWWWWWWW

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