あずさ「先輩」 (57)


—— 駅前



「えっと、ここはどこでしょう?」


「——さ」


「……今、誰かに呼ばれたような……?」


「あずさ」


「……あ…ら?」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368014589



「しまった……見失ったわ……」

「まったく、あずさがまた迷子になったじゃないの。怠慢よ律子」

律子「なに言ってるのよ、伊織。あんたがペットショップで犬に見惚れてるからじゃないの」

伊織「ち、違うでしょ」

律子「責任の擦り付けをしてもしょうがないわ、はやくあずささんを探すわよ」

伊織「電話すればいいじゃない」

律子「言うくらいなら、かけてくれてもいいじゃないの……まったく」


ピッピッピ

trrrrrrrr



伊織「あ、待って、律子」

律子「え?」

伊織「ほら、見つけた」

律子「本当だ……。プロデューサーと一緒なのね」

伊織「……放っておいて事務所に帰りましょ。疲れたわ」

律子「そうね。プロデューサーにメール打っとこう……」

ピッピピピップ




『あずささんのエスコートお願いしますね。先に戻っています』


『あずささんのエスコートお願いしますね。先に戻っています』


P「……は?」

小鳥「どうしたんですか?」

P「あずささんのエスコートしろって。どういう意味でしょう?」

小鳥「それは、男性として、紳士的な立ち振る舞いをですね」

P「エスコートの意味を聞いているわけではなくて……。とりあえず、どういうことなのか電話しておこう」


ピッピッピ

trrrrrr


P「出ないな……」

小鳥「プロデューサーさん、午後の予定は空いていますよね」

P「……はい。……かけ直してくるかな?」

小鳥「デート、しませんか」

P「わかりました。コンビニに寄りますから、請求書、渡してください」

小鳥「うぅっ、物分り良すぎて嬉しいやら悲しいやらっ。……これを」

P「はい」

小鳥「お手数ですが、よろしくお願いします」

P「忙しそうですから、お互い様ですよ」

小鳥「助かります。……デート、しないんですかぁ?」

P「どうして、人の傷口に唐辛子を塗るようなこと言うんですか。相手がいません」

小鳥「ふっ」

P「あれ、今……鼻で笑った……?」



ガチャ


「ただ今戻りましたー」

「あー、疲れた」



P「おい、アイドルが疲れたお父さんみたいな声を出すんじゃない」

伊織「うっさいわね……って、どうしてアンタがここにいるのよ?」

P「?」

律子「あれ、あずささんは……?」

P「それを聞こうと電話したんだけど?」

律子「え!? じゃあ……?」

伊織「あの男は……誰なのよ!」

律子「し、知らないわよ!」

小鳥「なんですか、嫌な雰囲気ですけど……」

P「……俺に似てる人とあずささんが一緒にいる?」

伊織律子「「 ………… 」」

小鳥「緊急事態発令!! 真ちゃん! 千早ちゃん! 集合よ!」


真「なんですか……? 今ドラマのいいところだったんだけどなぁ」

千早「……急な用みたいですけど、何か?」


—— 喫茶店



あずさ「まぁ、そうなんですか」

男「うん、3.4年……結構な時間だ。……懐かしい」

あずさ「そうですね。高校時代……そんなに前ではないけど……」

男「……変わって無いな、あずさは」

あずさ「そう言われると嬉しいですね。うふふ」

男「…………」



響「……どうするんだ?」

美希「うーん……いい雰囲気なの」

春香「そうかなぁ? あずささん、いつもと同じじゃない?」

美希「これだから春香は……」

春香「なんだかショック受けたんだけど」

美希「春香、あずさがプロデューサー以外の男の人と会話してるとこ、見たことある?」

春香「あるよ。テレビ局で同じ出演者の人とか、ディレクターさんとか。店員さんとか」


響「あ、すいませーん」

店員「はい、ご注文はお決まりですか?」

響「豆腐ちゃんぷるーお願いね!」

店員「申し訳ありません、当店では……」


春香「響ちゃん、さっきお昼ご飯食べたでしょ〜?」

美希「あのね、二人とも。少しは危機感を持って欲しいの」


美希「さっき春香が言った人たちって、仕事に関わってるだけでしょ?」

春香「……そう…だね」

美希「ミキの推測では、あずさが気を許している男の人ってそういないんだよね」

春香「……うん。それで?」

美希「あずさのカレシ候補ってこと」

春香響「「 またまたぁ〜 」」

美希「ミキは真面目に言ってるんだよ?」


—— 外


千早「どうして、私が……」

真「本当だよね、プロデューサーが行けばいいのに……」

千早「……早く見つけて帰りましょう」

真「……プロデューサーに似た男の人……どんな人か気になるけど」


pipipipipi


真「はいはい、こちらあずささん捜索隊です」

千早「……真も楽しんでるのね」

真「……交差点近くの喫茶店……美希がいるんですね。了解です!」


ピッ


千早「美希?」

真「偶然あずささんを見つけて同じ店に入ったんだって」


—— 喫茶店


あずさ「この仕事をしていると、どんどん自分の世界が広がって行くんです」

男「へぇ……魅力的だね」



美希「むむむ……」

春香「響ちゃん、このいちごあげるね」

響「春香優しいぞー」


千早真「「 全然似てない…… 」」


美希「あ、やっと来た」

真「それで、どうなってるの?」

美希「30分くらい、あの調子なの」

千早「30分も……」

真「楽しそうだよね。……あれ、なんだか、胸が痛い」

美希「……なんだか、あずさが遠くにいるようなの」

千早「……」

響「千早、あーん」

千早「あーん……もぐもぐ……あんなに嬉しそうなあずささん……そうは見ない」

響「このケーキ、おいしいでしょ?」

千早「えぇ……甘くて…って、え?」

真「……」

美希「……」

春香「な、何も見て無いよ」

千早「が、我那覇さ——むぐっ」

真「落ち着いて、千早」

千早「むぐぐ」

美希「そのまま口を押さえててね真君……」


あずさ「あら?」

男「どうしたの?」

あずさ「知ってる声が聞こえたような……?」

男「それはいいけど、予定は空いてるの?」

あずさ「はい。午後は……空いてます」

男「そっか……。そろそろ場所移動しようか」

あずさ「そうですね」


美希「みんな、伏せてっ」

響「う、うんっ」

春香「わかった!」

ゴンッ

春香「いぅッ!?」

千早「は、春香っ……テーブルに頭を……グフッ……」

美希「ふぅ……行ったの」

真「うーん……」

響「どうするの? 尾行は嫌だぞ、自分」

春香「……うん。おでこが痛い…」ヒリヒリ

真「千早はどうする?」

千早「プ……プフフッ……そ、そうね……」


—— 公園


男「懐かしいね、昔もこんな風に……」

あずさ「そ、そうですね……っ」


千早「……くっ」

美希「あずさ……」

貴音「面妖なっ」

真美「ま、待ってよお姫ちん!」

貴音「しかしっ」

真美「兄ちゃんが迎えに来るまでのしんぼーだよ」

貴音「物怪の類に騙されてるのやも……!」

美希「それは無いと思うけど……」

千早「プロデューサーは来るの?」

真美「う、うん……。亜美が電話でそう言ってた」

千早「私……興味本位なのかしら」

美希「最初はミキもそうだったんだけど……なんか、やだなぁって思うの。
    だけど、話しかけていいのかどうか……わからない」

貴音「感謝します、真美。どうやら冷静さを失っていたようです」

真美「……真美もね、楽しそうだと思って来たんだけど……なんか、やだ」


男「丁度今と同じ季節だったね」

あずさ「……はい」

男「こんなこと、振った男が言う台詞じゃないけど……」

あずさ「……」

男「悪かったと思う」

あずさ「…………」



千早「?」

美希「あずさが……」

貴音「穏やかな表情になりましたね」

真美「あずさお姉ちゃん……」

P「なにをしているんだ」

真美「兄ちゃん……」

P「千早と貴音まで……いい趣味とはいえないぞ」

千早「……そうですね」

貴音「申し訳ありません」

美希「プロデューサー」

P「……あの人か。……なんだか、落ち着いた雰囲気だな」

美希「……余裕だね」

P「話、聞いてるからな。……これからはどうなるか分からないけど」

貴音「はて?」

千早「話……?」

P「あずささんが高校時代に付き合っていた人だろう」

美希真美「「 え——!? 」」

P「ほら、帰るぞ」

真美「いいの?」

P「これは二人の問題だ。俺や事務所のみんなが関わるべきことじゃない」

美希「ミキ、そんなの知らないもん!」

タッタッタ


千早「美希っ!」


男「あずさ、あの時に戻って——」

あずさ「……!」


美希「待ってッ!」


あずさ「み、美希ちゃん……?」

美希「昔がどうか知らないけど、今はもう関係ないの!」

男「…………」

美希「今さら出てきてっ、あずさの居場所を壊さないで欲しいの!」

男「……そうだな。俺の身勝手だった。都合が良すぎたよ、あずさ」

あずさ「ち、違いますよ」

男「いや、この子のいうとおりだ。あずさに酷い言葉をかけたのに……」

あずさ「き、気にしないで下さい、昔の話なんですからっ」

美希「あ、あずさ!?」

あずさ「美希ちゃん、言いましたよね、今はもう関係ないと」

美希「……」

P「すいません、あずささん。連れて行きます」

あずさ「ぷ、プロデューサーさん!?」

P「ほら、美希」

美希「……やッ!」

P「午後のレッスン、どうするんだ」

美希「ブッチしてやるんだから」

P「なんでだ……」

男「本当に、すいません」

P「あ……いえ」

男「酷い言葉をかけたこと。今更謝って……その罪を償おうなんて調子のいいことを」

美希「かっこ悪っ!」

P「美希ッ!」

あずさ「大事な人がいるそうです」

美希「え……?」


あずさ「確かに、振られたときの言葉がショックで……私は恋愛に踏み出せなかったと思います……」

男「……」

あずさ「でも、それも過去の事なんです。気にして無いといったら嘘になりますけど。
    それで、貴方が大事な人を愛せないのでは、私も困りますから」

男「うん……。ありがとう」

あずさ「うふふ。お幸せに」

男「やっぱり変わったな」

あずさ「そうですよ〜。みんなと一緒に、強く、逞しく成長しているんです」

男「これからもイチファンとして応援させてもらうよ。今日は会えてよかった」

あずさ「私もです」

男「……信頼し合っている君たち二人に負けないよう、俺達も進んで行くよ」

あずさ「!」

男「それじゃ、元気で」

あずさ「は、はいっ」


あずさ「さようなら、先輩」


美希「べーっだ」

P「あのな、美希……」

貴音「……」

千早「少し、自分が恥ずかしいです」

響春香「「 だから言ったでしょー? 」」

真「何も言っていないと思うけど……」

真美「兄ちゃん!」ドンッ

P「いてっ!?」

亜美「安心したー?」

P「だから、あずささんから話は聞いていたんだって。真の説明で大体わかっていたからな」

あずさ「安心していたってことですか……?」

P「……ん?」


伊織「ふんっ、バカバカしい。男の一人や二人に翻弄されるなんてね」

律子「ここまで来たあんたがそれを言っても虚しいだけよ?」

やよい「プロデューサー、レッスンの前に、ここで運動しましょう!」

P「やよいまで来たのか……運動って?」

やよい「鬼ごっこですー!」

P「この後レッスンがあるのに、疲れるだけじゃないか?」

亜美「じゃあ、兄ちゃんが鬼ーっ!」バシッ

P「いって…………それじゃあ、捕まった人は……レッスン倍だからな!!」


「「「 うわーっ!! 」」」

ダダダダダッ


律子「本気で逃げたわね……蜘蛛の子を散らすように」

P「まずは、律子」ポン

律子「はいっ!?」

P「最近レッスンに参加できてなかったみたいだから、丁度いいな」

律子「ま、待ってください、どうして!」

P「隠れてアイスを食べてた亜美と真美、真……あずささん……4人は確実にな」

タッタッタ



律子「はぁ……。時間も無いし、私も鬼になりますか」

タッタッタ



P「はい、雪歩」ポン

雪歩「わ、忘れられてるかと思いましたぁ……」シクシク

P「ほら、あっちのベンチで待っててくれ」

雪歩「ありがとうございますぅ」


貴音「信頼し合える二人……と」

あずさ「……!」

貴音「30分に渡る語らい……内容を把握いたしましたよ」

あずさ「た、貴音ちゃん!」

P「あずささん、捕まえた」ポン

あずさ「きゃっ!?」

P「え!?」

あずさ「す、すいません……大きな声を」

P「び、ビックリした……。今日の午後はオフでしたけど、レッスンですね」

あずさ「……わかりました。プロデューサーさんも一緒にですね」

P「どうしてですかっ、鬼で走らされてるのに」

あずさ「プロデューサーさん、不安……でしたか?」

P「いいえ……」

あずさ「あ、目が泳ぎました」

P「……いいえ!」

あずさ「睨んでも駄目ですよ〜」

P「後で差し入れ持って行きます」

タッタッタ


あずさ「うふふ」

美希「ふぅん……」

千早「なぜか安心しましたね……」

貴音「……そうですね、これが求めていたものなのやも」

あずさ「え……?」



「いおりん! 助けてー!」

「なんで私まで逃げなきゃいけないのよー!!」

「真さん! 後ろですー!」

「捕まえた——」

「甘いですよッ」

「躱しただと……!」

「離してよ、律っちゃーん!」

「真美、いま助けるからねー!」

「春香ー、そういうルールは無いからねー」


あずさ「風が涼しくなってきたわね〜」

貴音「夏が去り、愁う秋が訪れ、試練の冬が待っています」

千早「ゆっくり、確実に進んでいきたいですね」

美希「ねぇ、あずさ」

あずさ「なぁに?」

美希「どれくらい付き合ってたの?」

千早「み、美希……!」

あずさ「一日ですよ〜。緊張して喋られないまま振られちゃって……初恋はそこで終わりました」

美希「そっかぁ……」

あずさ「初恋は実らない。って、それでよかったのかも」

貴音「……」

千早「……居場所、ですね」

あずさ「うふふ。——あら?」


—— チリン。


黒猫「にゃ」



あずさ「黒猫……?」



黒猫「……」


テッテッテ


千早「黒猫が去って行きましたよ、四条さん……!」

貴音「幸福の象徴たる黒猫が去るとは……心しましょう」

美希「これから忙しくなるね、きっと」

あずさ「そうねえ〜……」



響「プロデューサー、自分を忘れてるぞー!」

P「響、後ろだ」

律子「はい、捕まえた」

響「うぎゃー!」



終わり





小鳥「仕事なんて……! 仕事なんて!」シクシク

一応終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました。

少し置いて、短編?を投下したいと思います。

あずさ「嘘つき」の人?


黒猫の正体は短編(小ネタ)の最後に明らかにしたいと思います。

ある曲を題材にした短編を幾つか投下します。
ほぼ10年以上も前の曲ばかりになるので注意です。


— あずさ「はじまりはいつも雨」 —



母のお気に入りの曲。

父と会う若き日の思い出話。

いつも楽しそうに語っていた。




あずさ「君に逢う日は……不思議なくらい……」


あずさ「雨が多くて……」



私は今、通りがかったスーパーで雨宿りをしている。



あずさ「……プロデューサーさん」



彼が来るのを、ただひたすら待って......







ゴォォォオオオオオオ



P「くぅ……台風の日にまで迷子だなんてっ」




終わり

http://www.youtube.com/watch?v=oMGbz6BtHqE (ASKA)


— あずさ「はい」 —


P「このままふたりで、朝を迎えて」

あずさ「……!」

P「いつまでも暮らさないか」

あずさ「はい」

P「愛には愛で感じ合おうよ」

あずさ「……はいっ」

P「……ちょ、ちょっと」

律子「続けてください」

P「何度もいうよ、君は確かに」

あずさ「……」

P「僕を愛してる」

あずさ「はい」

P「迷わずに、say yes」

小鳥「say yes〜♪」

亜美真美「「 兄ちゃん上手いー! 」」

あずさ「とてもよかったですよ、プロデューサーさん」

P「変な合いの手入れないでください、あずささん!!」

律子「さて、次は千早かな?」

千早「よし、私もプロデューサーに負けていられない……!」

P「プロに勝てるわけ無いだろう!? カラオケだから気楽に楽しんで行こう!」

真美「兄ちゃん必死だね」

真「小さな恋のうただって」

千早「これ私の入れた曲では……」

響「自分だぞー♪」




終わり

http://www.youtube.com/watch?v=9D6cH0z2rSo(チャゲアス:アレンジ)


— あずさ「天体観測」 —


P「あずささん」

あずさ「くぅ……すぅ……」

P「あずささん、起きてください」

あずさ「すぅ……すぅ……」

P「ちょっ、天体観測、どうするんですかっ」

あずさ「ん……」

P「……はぁ……。ほら、やよいも小鳥さんも起きて」

小鳥「すぅ……」

やよい「……んん…………すぅ」

P「午前二時にしようって言ったのあずささんですよ……」

あずさ「すぅ……すぅ……」

P「もういいや、俺も寝るッ!」





チュンチュン

 チュンチュン


P「すぅ……」

小鳥「え……朝……?」

やよい「あ…れ……天体観測は……?」

あずさ「すぅ……すぅ……」

小鳥「……」

やよい「……」

P「すぅ……すぅ……」

あずさ「すぅ……すぅ……」

小鳥「規則正しい寝息だこと!」

やよい「えへへ、二度寝……しましょ……ぅ……zzz」


ガチャ


貴音「……誰も……来ないとは……いささか戸惑いを隠しきれません」

小鳥「ずっと屋上でまってたのね……ごめんね、貴音ちゃん」




終わり

(BUMP)


— あずさ「GROOVIN'」—


あずさ「Groovin' on a Sunday afternoon」

春香「……」

あずさ「Really, couldn't get away too soon」

春香「わぁ、ゆったりとしたリズムですね」

あずさ「日曜の午後のまったりとした雰囲気が曲に表れてるのよ」

春香「へぇ〜」

あずさ「うふふ、二人ならそんな時間もあっという間に過ぎていっちゃうなぁ……って歌詞なんだけどね」

春香「二人……ですか」

あずさ「あ、春香ちゃん、今誰の顔を浮かべたのかな〜?」

春香「えへへ、事務所のみんなです」

あずさ「あらあら、16人勢ぞろい」

春香「日曜の午後って、なんだかいいですよね」

あずさ「そうよね、平日とは違った休息……安らぎを感じるわね〜」

春香「いい時間ですよね〜」


律子「まぁ、アイドルに休日はないんですけど」

P「次の現場へ連れて行きたくないような……このままドライブとか……うぅ、しかし」

律子「仕事先へお願いします」


ブロロロロロロロ




終わり

http://www.youtube.com/watch?v=mj3l6yzqzm4 (The Young Rascals)


— あずさ「明日、春が来たら」 —


あずさ「いくわよ〜真ちゃん、え〜い」


シュー


真「どこに投げてるんですかー! プロデューサー行きましたよー!」


P「俺はボール拾いか」


伊織「よくもまぁ、あずさとキャッチボールをしようなんて思うわねぇ」


P「真ー、いくぞー」


真「はーい、どんとこいでーす!」


シュー

パシッ


真「っし! 次、ちゃんと取ってくださいよあずささーん!」


あずさ「はーい」


真「えーいっ」


シュー


伊織「気遣って見事な放物線……これで取れないなんてことは無いでしょうね」


あずさ「あら〜!?」


テンテンテン......


P「伊織ー!」


伊織「わかってるわよ! なんで私がッ!!」


あずさ「このグローブが小さいのかしら」


伊織「そんなわけないでしょ! 転がしてあげるから、ちゃんと取りなさいよね!」


あずさ「は〜い」


伊織「それっ」


ゴロゴロゴロ


あずさ「さぁ、いらっしゃーい……あら」


ゴロゴロゴロ


真「見事なトンネル……」


パシッ


P「…………はい、どうぞ」

あずさ「沈む夕日かすめ 渡された君のウィニングボール」

P「いつ試合をしたんですか……まだ昼です」

真「あずささん! それボクのカバー曲ですよ!!」




終わり

http://www.youtube.com/watch?v=96vZqYGGwhE (松たか子)


— あずさ「涙そうそう」 —



あずさ「一番星ですよ、プロデューサーさん」

P「宵の明星ですね」

あずさ「なにか、祈ってはどうでしょう」

P「どうでしょうって……願いはたくさんありますけど」

あずさ「まぁ、そうなんですか……たとえば?」

P「そうですね、みんなの健康が第一ですから……あと、怪我のないよう無理をしないで欲しいとか」

あずさ「……」

P「春香のドジが治りますようにとか……あ、でもそれだと持ち味が……いやいや、春香は明るさがある」

P「千早はもう少し笑うといいなぁとか。やよいは今のまま元気一杯でいてほしいなぁとか」

P「真は気を抜いたらガサツ……ゴホンゴホン。男勝りなところあるから、でも女の子らしい一面もあるし」

あずさ「……」

P「律子は棘があるけど、実は柔らかい部分もあって。小鳥さんはもうちょっとお酒の付き合い方を学んで欲しいな」

P「亜美と真美は俺を労わって欲しい。伊織は素直になったらもっと可愛くなると誰かが言ってた」

伊織「……」イラッ

あずさ「……」

P「響は和ませてくれるから、今のままで……って、あんまり願いを言っては叶えてもらえないですよね」

あずさ「うふふ、そうですね〜」

P「一番星のように輝いて欲しい……これが一番の願い——」

伊織「素直じゃなくて悪かったわねっ」ドス

P「うぐっ!」

美希「ねぇ」

貴音「プロデューサー」

雪歩「わ、私たちの名前がありませんでしたっ」

P「一人ひとり言い出したら切りがないんだ……」


あずさ「夕暮れに見上げる空 心いっぱいあなた探す」

あずさ「悲しみにも喜びにも 思うあの笑顔」

響「あずささん……それ自分のカバー曲……」




終わり


http://www.youtube.com/watch?v=3iR8QDFdImk(夏川りみ.BEGIN.etc)


— あずさ「シーソーゲーム」 —


P「愛想なしの君が笑った」

千早「どうしたんです、急に?」

P「いや、笑顔をみたいとおもって」

千早「なにを言い出すんですか!? 亜美!」

亜美「あいさーっ! とうっ」


ドカッ

P「あぐぅ」


あずさ「秩序の無い現代にドロップキック」

亜美「どうだった?」

P「痛いに決まってる! あと、あずささん、それは違う曲です」

あずさ「まぁ、そうなんですか?」

P「そうです。俺は秩序の無い現代なんですね……」

千早「亜美、けしかけた私がいうのもなんだけど、そこまでしなくても……」

亜美「ごめんね、兄ちゃん。昨日のプロレスでやってたから、つい」

真美「次、真美いきまーっす!」

P「明るい未来ってなんだっけ!?」




終わり


http://www.youtube.com/watch?v=pHA-ZoXxB2k(Mr.children)

http://www.youtube.com/watch?v=dlUlL1r6fr0(Mr.children:シーソーゲーム)


— あずさ「夏の日の1993」 —


あずさ「1993 恋をした〜、oh〜君に夢中〜」

P「……」

あずさ「普通の人と思っていたけど〜……うーん……」

P「……?」

あずさ「人違い、oh〜そうじゃないよ〜」

P「……」

あずさ「いきなり恋してしまったよ〜、夏の日のあなたに〜……うふふ」

P「1993年って……あずささん、生まれて間もないですよね」

あずさ「プロデューサーさん!? 聞いていたんですか!?」

P「確か、初恋は高校時代」

あずさ「真面目に返さないでくださいっ。初恋の話はもういいんですからっ」

律子「デリカシーにかけるわね、本当に」

P「……すいません」

律子「途中で唸ってたのはなんなんです?」

あずさ「勝手に歌詞を変えてはいけないのかなって」

律子「真面目ですね……」




終わり

http://www.youtube.com/watch?v=9t3VvdGF1ac(class)


— あずさ「クリスマス・イヴ」 —



あずさ「……」

貴音「どうしたのです?」

あずさ「雪は降らないわよね」

貴音「恋しいですか?」

あずさ「……」コクリ

貴音「あずさの素直な心……とても魅力的ですよ」

あずさ「……」

貴音「……」

あずさ「心深く、秘めた想い。叶えられそうもない」


ザァーー


貴音「雨……」

あずさ「…………」

美希「夜更け過ぎに雪へと変わるだろう。って天気予報で言ってたの」

あずさ「……」


—…


ビシッ


雪歩「あいたっ!」

P「どうした、雪歩?」

雪歩「い、今……小粒の何かが……頬に……?」

P「……?」


ビシビシッ


P「雹!?」

雪歩「い、痛いですぅっ!」

P「とりあえず俺の上着で防いでくれっ」

バサッ

雪歩「あ、ありがとうございますぅ……うぅっ……」シクシク

P「雪歩は悪くないっ、たまたま誕生日に雹が降っただけだ! 事務所まで急ぐぞ!」

雪歩「は、はい!」




終わり

http://www.youtube.com/watch?v=ZGu7SGxNWyo(山下達郎)


— あずさ「チェリー」 —



あずさ「愛してるの響だけで、強くなれる気がしたよ」

響「さんはいっ」

P「ん?」

美希「ん? じゃないの。愛してるって言うの」

P「はぁ!? なんの企画!?」

あずさ「こほん。……君を忘れない〜曲がりくねった道を往く〜」

律子「最初から……」


伊織「前からやってみたかったのよね、手作り果汁100%オレンジジュース♪」

やよい「私も手伝うね!」


あずさ「愛してる〜のひび〜きだけで、強くなれる気がしたよ〜」

響「さんはいっ」

P「伊織」

伊織「忙しいから話しかけないで♪」

P「愛してる」

伊織「は、はぁ!? なんのドッキリ!?」

律子「プロデューサー、メガネを外しましょうね」スッ

伊織「言うならせめて目を合わせて言いなさいよ! このっ」プシュッー

P「うぐっ、オレンジの皮で目潰し……!」

やよい「あ、危ないよ伊織ちゃん!」



終わり

http://www.youtube.com/watch?v=Eze6-eHmtJg(スピッツ)


— あずさ「クロニック・ラヴ」 —



あずさ「さよならも、今、少しだけ」

P「……はい」

あずさ「いつの日か、きっと、会えるだろう」

P「はい、必ず。すぐ会えますよ」

あずさ「地平線ギリギリまでの星空に」

P「……」

あずさ「願いをこめて僕は……私は……」

P「あの、そろそろ撮影始まりますよ」

あずさ「……プロデューサーさん」

P「大丈夫です。終わる頃には必ず迎えに来ます。一人で帰したりしません、絶対です!」

あずさ「……お願いします」

P「は、はい。どうしてそこまで深刻なんですか」

あずさ「この台本、せつなくて」

P「あ、あぁ……そうでしたね。……それでは」

あずさ「……っ」

P「いやっ……そんな顔されると」

冬馬「どけよ」

P「わ、悪い。天……あま……海女……」

冬馬「最後、性別が変わってんじゃねえか」

P「それじゃ、帰りに美味しいものでも食べましょう」

あずさ「わかりました♪」

P「あれ、意外とあっさり」




終わり

http://www.youtube.com/watch?v=BW-AC5ySxp4(中谷美紀)


— あずさ「WHITE LILY」 —



P「コンビニ行ってくるけど、なにかついでに買うものあるか?」

やよい「ありませーん!」

P「よし。他は俺の声が届かなかったってことでいいな。行ってくる」

あずさ「あ、私も買いたい物があります」

P「なんですか?」

あずさ「一緒に行きますよ」

P「レッスンで疲れてると思うので、休んでいてください」

あずさ「私を置いていくんですか?」

P「……はい」

あずさ「置かれていくなんていやです」

P「え……」

あずさ「……置いていかないでください」

P「……」

あずさ「置いていくなんておかしい……」

P「……」

あずさ「置いていくなんて、言わ せ な い」

美希「あ、あずさ……?」

律子「こ、怖いっ」

P「俺のメガネをかけてみてください」スッ

あずさ「?」

P「似合う」

あずさ「まぁ、そうですか? うふふ」

P「それじゃ、行ってきます」


バタン


あずさ「どうですか、律子さん」

律子「似合ってますけど、置いて行かれましたよ」

あずさ「あ……」

美希「さ、さっきのはなんなの、あずさ……」ビクビク

あずさ「えっと……私が演じる楠優愛という役があって」

律子「……メガネキャラでしたね」

あずさ「そうなんです。ちょっとこわ〜い役なのよね」

やよい「プロデューサー、あずささんの欲しい物、聞いていませんよね」

あずさ「そうですね、追いかけてきます」

美希律子「「 え!? 」」

あずさ「行ってきま〜す」


ガチャ


高木「うん? 三浦君、何か用事かね?」

あずさ「あら? 社長の声?」

律子「そこは社長室ですよ!」


ガチャ


P「やっぱりよく見えないな……。すいません、あずささん。メガネ返してください」

やよい「プロデューサーの目が怖いですぅ……」

美希「迷コンビなのぉ……」



終わり

http://www.youtube.com/watch?v=hXf1Pyf1YVA(たかはし智秋)


— あずさ「ラ・ブ・リ」 —


あずさ「私、恋人になれ——」

律子「駄目です。直球過ぎます。難しいんです」

あずさ「……そうですか」


P「真、格闘技観戦チケットが手に入ったんだが」

真「へへーっ、やーりぃ!」

P「しかし、この日、真は仕事が入ってて行けないんだ」

真「どうしてそのチケットを見せたんですかッ!?」



終わり


— あずさ「winter again」 —



P「ただいま戻りました〜」


「ミュージックスタート!」


〜♪


あずさ「いつかふ〜たりで、行きたいね、雪が積もる頃に」チラッ


P「?」


あずさ「生まれた街のあの白さをあなたにもみせたい〜」


P「……あずささんて、雪国出身だっけ?」

律子「違いますよ」

P「そうだよな、そんな話聞いて無いし」

律子「……」


あずさ「逢いたいから、恋しくて、あなたを想うほど」

やよい「uh...」


P「やよいのポジションはなんなんだ?」

千早「コーラスです」

P「コーラス……?」


あずさ「寒いよるは、未だ胸の奥、鐘の音がきこえるぅ〜」

やよい「逢いたいから〜」


律子「ここ、ここがこの歌の最大の見せ所ですよ」

P「よくわからないけど、……緊張してきた」ゴクリ


あずさ「逢いたいから、逢えないよるには、あなたを想うほど」

やよい「うっうー!」

あずさ「想い出には、二人が歩いた足跡を残してぇ……ッ!」


「「 わぁー! 」」

パチパチパチパチ


春香「どうでしたか、プロデューサーさん! 雪景色が見えませんでしたか!?」

P「……残念ながら、みえなかったな」

春香「ですよね」

P「よく分からないことしてたんだな」

雪歩「つ、次は私が歌う!」

真「雪といったら雪歩だよね! がんばれ雪歩!」

雪歩「コーラス、引き続きお願いね、やよいちゃん」

やよい「わっかりました!」

千早「やよいのコーラスは和みという域に達している。……これもまた、芸術」

P「高評価だ……というか、事務所でカラオケしてもいいのかな」

真「それじゃ、ミュージックスタート!」


〜♪


雪歩「真っ白な時は風にさらわれて〜♪」

P「対抗してきたか……」




終わり


http://www.youtube.com/watch?v=r70SCjHpS3w(GLAY)

http://www.youtube.com/watch?v=MJdGfuMrYiA(ラルク:winter fall)



— あずさ「Sparking Daydream」 —


http://www.youtube.com/watch?v=QaRmIOOKLE0 (中二病でも恋がしたい!)




あずさ「うぅっ」ガクッ

P「ど、どうしたんですかあずささんッ!?」

あずさ「眼が……痛い……ッ」

P「す、すぐに病院へ行きましょう! 今、タクシー呼びますから!!」

ピッピッピ


あずさ「ぷ、プロデューサーさん……ッ」

P「……もしもし! タクシーを一台お願いします!」

あずさ「フフ、ようやく邪王真眼の力が解放されたか」

P「あまりの痛さに意識がおかしくなってるっ……だ、大丈夫ですからねっ!」

あずさ「闇の炎の使い手……まさかここで逢瀬を重ねることになろうとは」

P「あぁ、なんか変なこと言ってるっ」

あずさ「ここで眼帯をつけるのよね……」ガサゴソ

P「ん……?」

あずさ「……闇の炎の使い手……どうした?」

P「それは俺の通り名なんですね……右目の眼帯はなんですか?」

あずさ「これは封印——常に抑えていなければ力があふれ出し——世界を混沌が覆いつくす」

P「…………」

あずさ「……っ」

P「……じー」

あずさ「うぅっ、眼がっ……眼が共鳴しているぅっ」

P「亜美と真美の仕業だな……タクシー、キャンセルせねば……」

ピッピッピ


あずさ「……っっ」カァァ

雪歩「んん……どうしたんですかぁ……?」

P「昼寝していたのか、雪歩……」

雪歩「あずささん、顔が真っ赤ですけど……眼帯?」

P「あの二人には強く言って聞かせないとな……」

あずさ「君にはこの邪王真眼を継承する資格がある」

雪歩「え? じゃおう……?」

あずさ「この眼帯を装着すれば継承の儀式は終わり……じっとしててねぇ……」

雪歩「あ、あずささん……なにを……?」

あずさ「これでよし……。ふぅ〜」

P「明らかに安堵のため息ですよね」

雪歩「うぅ、眼が……ッ」

P「……」


「「 たっだいま→ 」」


P「来たか……」

亜美「おぉー!? 雪ぴょんが眼帯してる!」

真美「かっくぃー!」

P「こら、二人とも、あずささんに変なことさせちゃ駄目だろ」

亜美真美「「 変なこと? お色気話ですかな〜 」」

P「…………」

亜美「あぁっ! 兄ちゃんが怒り本気モードだよ!?」

真美「えぇ!? どして!?」

亜美「真美が変なこと言うからだよ!」

真美「亜美も一緒に言ったっしょ!?」

P「じゃしんおうってのをさせただろ?」

亜美真美「「 え? 」」

P「とぼけるんじゃない。あずささん、最後は恥ずかしがってたぞ」

あずさ「プロデューサーさん、邪王真眼ですよ」

亜美「じゃおうしんがん……」

真美「なにそれ?」

P「雪歩を見ろ」


雪歩「ダークフレイムマスター……」


P「雪歩にまで仕込んで……まったく。遊びを徹底するのはいいことだが、これはやりすぎだ。
  意味も分からないしな。……あずささんと雪歩の弱みでも握っているのか?」

亜美真美「「 ………… 」」

P「黙秘権はないぞ」

亜美「兄ちゃん、亜美たちを信じていないんだね」

真美「……ショック」

P「あれ……?」

亜美「知らないよ!」

真美「真美たちカンケーないよッ! ひどいよ兄ちゃん!!」

P「あれれ……?」

あずさ「あのぅ、プロデューサーさん……」

P「あずささん、亜美たちに無理やりやらされたわけでは……」

あずさ「ありません。……今日の朝、占いで……
    『いつもとは違うことをやって周囲を驚かせれば恋愛運アップ間違いなし』と出て……」

P「……へ?」

亜美真美「「 さて、どうすっかな 」」

P「いや、疑いの目を向けてすまなかった」ペコリ


亜美「どうしよっか?」

真美「そうだね〜、許せないね〜」

P「だけど……雪歩は?」

雪歩「あなたを見つけるために幾星霜の時を経てここに来た——」

P「まだ続けてるし……」

あずさ「ごめんなさい、雪歩ちゃん。無茶振りをしてしまったわね」

雪歩「邪王真眼は聖なる心によって闇の力を御しているモノ——」

P「雪歩? それはアドリブなのか?」

雪歩「邪王真眼は生き続けねばならない——」

P「……」

雪歩「ダークフレイムマスターが居る限り……」チラッ

P「……俺を見て変な設定を押し付けないでくれ」

あずさ「ふぅ……恥ずかしかったっ」

伊織「にひひっ、感謝しなさいあずさ」

あずさ「もぅ……伊織ちゃん」

伊織「違うことをやってみたいって言ったのあんたでしょ」

あずさ「そうだけど……さすがにあれは恥ずかしかったわ」

伊織「でしょうね。……昔の私は、あんなだったのね」ボソッ

亜美真美「「 兄ちゃんは今日から、だぁくふれいむますたぁ、ね 」」

P「いや……遠慮する」

亜美「真美、人を疑って生きていくって寂しい人生だよね」

真美「そうだね、亜美。……悲しい生き物だよね、人間って」

P「……」

伊織「『爆ぜろリアル! 弾けろシナプス!』ってどうかしら?」

亜美「それいいね!」

真美「さぁ、言ってみてよ。最高に恥ずかしい台詞を……さぁさぁ!」

P「そういうのは中学生で卒業するべきなんだ……!」

雪歩「先の月無き夜……彼奴は私にその闇の全てを授けたのだ」

貴音「おや?」

雪歩「つまり私は邪王真眼の継承者——」

あずさ「あらあら、上手く継承しちゃったのね」

貴音「皆——雪歩から離れるのです!」

P「貴音まで!?」

伊織「みんな私の中二病ノートに汚染されていくわね……にひひっ」


雪歩「シュバルツゼクス・プロトタイプMk-2」


ガシャンガシャン! 

 ジャカジャガジャカジャジャッ




P「ななな……!?」


シャキーン!!


ドカァン


真美亜美「「 えぇーッ!? 」」

あずさ「まぁ……」

伊織「これは夢よ、ゆ め 」

P「雪歩! なんだその武器っぽいのー!?」

亜美「手品!?」

真美「でかっ!」

雪歩「今こそ、この封印を解く時——」グッ

貴音「なりませんッ!」

ガッ

雪歩「なにをする」

貴音「その眼は開いてはッ!」

あずさ「あら? これは伊織ちゃんの設定の続きかしら?」

伊織「そ、そんなわけないでしょ……雪歩と貴音に私の中二病ノートを見せたことないんだから」

あずさ「それじゃあ……どうして?」

伊織「だ、だから夢なのよ。雪歩が突然、空間を裂くようにカッコイイ武器を召還したことも、夢ならありえるわ」

あずさ「……」

P「そうか、夢か」

真美「なあんだ」

亜美「よかった。雪ぴょんが寝ていたソファの周り、破壊されつくされてるけど、夢なら大丈夫だよね→」

真美「そだね、夢から醒めれば元通りだもんね→」

亜美「でも、これをぴよちゃんが見たらどう反応するか興味あるよね」

伊織「腰を抜かすに決まってるじゃない。アハハ」

真美「そだね→ アハハ」

亜美「アハハハ」

P「……」

あずさ「……」


雪歩「離しなさい、四条貴音」

貴音「うっ……」

雪歩「抑えられると思われるなんて、心外だ……」グググ

貴音「くっ!」

雪歩「……ふん」ブンッ

貴音「——ッ!」


ガシャン!


貴音「かはっ……くうぅッ」

あずさ「貴音ちゃん!」

伊織「え——?」

亜美「ひどいよ雪ぴょん! いくら夢の中だからって!!」

真美「お姫ちんを……振り払うなんてぇ……っ」

あずさ「貴音ちゃん大丈夫!?」

貴音「えぇ……だいじょう……ぅ」

あずさ「動かないで!」

伊織「夢……なのよね」

P「雪歩……?」


雪歩「眼が疼いてしょうがない。どうやら時が満ちたようだ」

伊織「——!」

雪歩「垣間見せよう、これが——邪王真眼——」クイッ


パァァァァッ


伊織「金色の瞳……!」


貴音「もう一度……封印を……っ」

あずさ「動かないでっ」

貴音「しかし……!」

あずさ「……っ」


雪歩「四条貴音、君は知りすぎたようだ」

貴音「!」

あずさ「雪歩ちゃん……来ないで……!」

雪歩「フフ……フフフ……」


カツ カツ

  カツ カツ


P「まて雪歩!」グイッ

雪歩「なにをする、ダークフレイムマスター……」

P「どうしたんだ!? いつもの雪歩じゃないだろう!?」

雪歩「これが真なる私。偽りの私は消えうせた」

P「な……!?」

雪歩「四条貴音を消す」

P「何を言っている!? 仲間をどうする気だッ!?」

雪歩「我らの野望を遮る者、それを排除するだけの話」

P「今まで一緒に頑張ってきた仲間——」

雪歩「——!」トン

P「うぐっ——雪…ほ……!?」


バタリ

P「」

亜美真美「「 兄ちゃん!? 」」

伊織「ゆ、雪歩……あんた……!」

雪歩「少し眠ってもらっただけ。命に別状はない」

亜美「なにやってんの雪ぴょん!? 兄ちゃんを叩いたらだめっしょ!!」

真美「……っ」グスッ


雪歩「——ごめんね」スッ

亜美真美「「 ——雪っ 」」


トントン


バタバタッ


亜美「」

真美「」

雪歩「……」


伊織「あ…あんた……亜美と真美まで手にかけて……ただで済むと……思って……」

雪歩「私の野望のため。四条貴音を消すことから全ては動き出す」スッ


貴音「——!」

雪歩「さぁ、四条貴音……真実の前に跪け、そして心からの懺悔を」


あずさ「雪歩……ちゃん」


雪歩「っ!?」

あずさ「私の大切な人たちに……手をかけたわね」

雪歩「この気配……まさか!?」


あずさ「爆ぜろリアル 弾けろシナプス——」


雪歩「ダークフレイムマスターが二人ッ!?」


あずさ「vanishment_this_world__!!」


ブゥゥゥウウウウンン


伊織「これは……空間転移……!?」


あずさ「あなたが何者であろうと、私は赦さないッ!」

雪歩「くっ……!」


あずさ「フェイズ1終了。フェイズ2。はぁぁぁぁぁぁ。究極秘奥義——」


シュゥゥゥウウゥゥゥウ


雪歩「馬鹿なッ! その技は敵味方を無差別に攻撃する——血迷ったか!」


あずさ「光輝閃光の星�リュウール・エトワール�」


ヒュンヒュンッ


ドゴォン
 ドォンン


雪歩「あぅっ……くふっ」


あずさ「ごめんなさい……雪歩ちゃん……」


雪歩「さすが……ダークフレイムマスター……しかし、攻撃を受けたのは私だけではない」


あずさ「私にはサーヴァントがいるのよ」


雪歩「なに!?」


伊織「——エターナルサラマンダーフィールド」


フシューゥ



雪歩「っ!?」


あずさ「みんなを守ってくれてありがとう……凸——じゃなかった、伊織ちゃん」


伊織「ダレが凸よ……」


雪歩「なるほど……ダークフレイムマスターと新たに契約を結んだのか……っ」


あずさ「あなたは……誰なの?」

雪歩「私は邪王真眼の継承者——」

あずさ「雪歩ちゃんの中から出て行きなさい」スッ

雪歩「…………」

あずさ「次は本気で行きます」

雪歩「くくっ……」

あずさ「……?」

雪歩「アーッハッハッハ!!」

あずさ「……」

雪歩「仲間である私の体を傷つけることができるのか!?」

あずさ「!」

雪歩「それに、おまえたちは勘違いをしている」

あずさ「勘違い……?」

雪歩「これは『私自身』が望んだことなのだからな!!」

あずさ「な……!?」

伊織「それは本当よあずさ」

あずさ「……っ」

伊織「無駄……なのよ。そいつはもう……今までの雪歩じゃないわ」

あずさ「……いいえ、私は——諦めない」


雪歩「私が世界を混沌に落とすまで眠っていてもらおう!! ダークフレイムマスター!!!」バッ


あずさ「——!」


ズゥゥウウゥゥゥウウゥウンンン


伊織「また……! 空間転移!!」


雪歩「ガンティンクル!」


ドォォオンッ


あずさ「くっ……」


パラパラ
 パラパラ


伊織「うぅ…! 威嚇のつもり……? こんなに距離があるのになんて破壊力なの……!!」


雪歩「まだまだァ!!」


ギュゥゥゥウウウンンン


伊織「シュバルツゼクスプロトタイプマークIIが炎を宿している——まずいわあずさッ!」


あずさ「……」


伊織「貯めている今がチャンスなのはわかるでしょ! 一旦退くわよ!!」


あずさ「……」


伊織「あずさ!?」



雪歩「ジャッジメントルシファー!」


P「そこまでだ、雪歩」ガッ


雪歩「なに!?」


P「全て思い出したよ。闇の炎の使い手である、ダークフレイムマスターとしての記憶、全てをな」


雪歩「くっ」



あずさ「アガペニックオーガバースト——」スッ


伊織「その技は……! ダークフレイムマスター最終奥義!!」



P「なぜかは知らないが、眠っていた俺の力があずささんに受け継がれたようだ」

雪歩「それならどうしてっ、その力がまだあなたに残っているというの!?」

P「あずささんには潜在能力があったから、余計な分が渡らなかったのだろう」

雪歩「まさか——!」

P「そう、彼女は邪王真眼——正統継承者なのだから!」



伊織「あずさっ、掴まりなさい! あいつのところまで飛ぶわよ!!」


あずさ「お願いッ、伊織ちゃん!」


伊織「ミョルニルアクセル!」


シュンッ



——さ〜ん


伊織「——?」




P「我が名は——」


あずさ「——ダークフレイムマスター」


雪歩「——ッ!!」


Pあずさ「「 闇の炎に抱かれて消えろ!! 」」


———

——





「プロデューサーさぁん、朝ですよ〜」


P「ん……?」


春香「おはようございますっ」

P「春香……??」

春香「はいっ、天海春香ですっ」

P「あ、あれ……? ここは……?」

春香「事務所ですよっ、事務所!」

P「…………」

春香「寝ぼけているんですね、わかりますよ。私も長い長い夢を見ていましたから、あれれ〜って」

P「……」

あずさ「くぅー」

伊織「すぅー」

亜美「すやすや」

真美「むにゃむにゃ」

雪歩「ごめん…なさい……すぅー」


P「夢か……」


春香「ほら、みんなも起きて」ユサユサ

雪歩「ん……?」

あずさ「……ぁ」

亜美「ふぁぁ」

真美「んー? なんか、変な夢をみちった」

亜美「亜美もぉ……綺麗さっぱり忘れちゃったけど」ボケー

伊織「……なんのよ、あの夢は」

P「あずささん……」

あずさ「プロデューサーさん……」


Pあずさ「「 恥ずかしい……っ 」」カァァア


春香「???」


雪歩「なんだか私……みんなにひどいことをしていたような……?」

貴音「みんな、目が覚めたようですね」

亜美「面白い夢を見てた気がするんだけど思い出せないっ」

真美「真美も! なんだかちょーもったいないよー!!」

P「夢は夢だ、忘れよう」

あずさ「そ、そうですね」

貴音「……」

雪歩「あの、四条さん……ご、ごめんなさいっ」

貴音「はて?」

雪歩「わ、私、四条さんにしてはいけないことを……うぅぅっ」グスッ

貴音「……おそらく夢の話なのでは?」

雪歩「そ、そうなんですけどぉっ」

貴音「お気になさらず。私は雪歩のこと、好いておりますよ」

雪歩「し、四条さんっ」

伊織「……このノート……誰のよ」

亜美「寝る前に読んだよね……結局誰のかわからないまま……」

伊織「これのせいで悪夢見たわよ!!」ベシッ

「なにするのよっ、このデコっぱち!」

伊織「な、なんですって!? あんたもデコっぱちじゃないのよ!」

P「麗奈……おまえ、来ていたのか」

麗奈「アタシのノートを叩きつけるな!!」

伊織「うるさいわよっ、これを読んで寝たからお馬鹿な夢みたのよ! 責任取って焼却しなさいよ!」

麗奈「そんなの知らないわよ! 勝手に読むほうが悪いでしょ! デコスペシャル!」

伊織「なによ、デコスペシャルって」

麗奈「デコがツルんって」

伊織「あんたがいうな!」

麗奈「人が気にしてるのに……伊織のアホ!」

タッタッタ

P「あ、こら! どこへ行く麗奈! これからレッスンだろ!!」

「コツコツと地味にレッスンなんて受けてらんないわよっ。アタシの実力だけで十分ッ!」

伊織「ふん、まだまだ子供ね……」

「愚民共がアタシの前にひれ伏す日が楽しみだわ! アーッハッハッハ……ゲホゲホ」

P「まったく……しょうがないな。まぁ、昔の伊織のようで可愛いもんだ」

真美「兄ちゃん、顔に落書きされてるよ『レイナ』って」

P「どうして麗奈の名前が……?」

「自分の所有物に名前を書くのはジョーシキでしょッ! じゃあねー!」

P「待てコラァ!!」

タッタッタ


春香「行ってしまった……」

あずさ「今のは……?」

春香「最近入所した小関麗奈ですよ」

あずさ「……うん、そうだったわね」

雪歩「プロデューサー、麗奈ちゃんのお父さんのようでお兄さんのようで……」

春香「保護者だよね」

亜美「いおりん、悪夢ってどんな夢だったの?」

伊織「あの麗奈のノートに記された通りの内容よ……。とんでもない役を押し付けられたわ」

貴音「それでは、わたくしも用があるので失礼します」

スタスタスタ


真美「あずさお姉ちゃん」

あずさ「なぁに?」

真美「それ、どうしたの?」

あずさ「?」

雪歩「そ、それ……どこかで見たような?」

あずさ「なにかしら、この眼帯?」




——



貴音「……」

黒猫「にゃあ」

貴音「修正はうまくいったようです」

黒猫「うむ」

貴音「くふっ」ガクッ

黒猫「やはり先の戦いで受けた傷が残ってしまったか」

貴音「……あばらが二、三本といったところですね」

黒猫「原因はやはり、妄想を現実にする能力——ギガロマニアクスの存在か」

貴音「そのようです」

黒猫「目星は?」

貴音「……まだ、誰がその能力の持ち主なのか判別がつきません」

黒猫「あれほどの歪みを生み出してもつきとめられないか……」

貴音「申し訳ありません」

黒猫「うむ、では引き続きこの事務所に残り調査せよ」

貴音「はい」

黒猫「煮干は?」

貴音「どうぞ」スッ

黒猫「ウマウマ」モシャモシャ



——



あずさ「夢なら、たくさん見た……」


あずさ「醒めたままでもまだ会いたい」


あずさ「君がそうさせた。恋は欲張りだね……」


あずさ「ふぅ……本当に夢だったのかしら……なんて」


あずさ「理想も妄想も現実も——全て君を軸に廻る」


あずさ「新しい世界へ……」


真美「あずさお姉ちゃんが遠い目をしている……」




春香「伊織、ダークフレイムマスターってなに?」

伊織「知らないわよっ!」




終わり


— あずさ「僕らは今のなかで」 — 



あずさ「〜♪」

P「?」

あずさ「それぞれが好きなことで頑張れるなら〜」

P「……」

あずさ「新しい場所がゴールだね〜♪」

P「あずささん」

あずさ「プロデューサーさんっ!?」

P「驚かせてすいません。……最近、ハミングが多いですね」

あずさ「聞いていたんですかっ……恥ずかしいですっ」

P「いえ、あずささんの歌、とても心地いいですから」

あずさ「そ、そう言ってくださると嬉しいです……」

P「……」

あずさ「……?」

P「続き、歌わないんですか?」

あずさ「あのぅ、鼻歌って人に聞かせるようなものじゃないと思うんですけど……」

P「あ、そうですよね……あはは、すいません。仕事行ってきます」

あずさ「ふふ、はい、頑張ってくださいね〜」

「はーい」



あずさ「うふふ、なんだか——」


「なにやってんだ、麗奈……」

「伊織の靴に画鋲を入れてるだけよ。邪魔しないで、プロデューサー」

「危ないことはやめろ。伊織は先輩だぞ……一応」

「フン、あんなデコっぱち、先輩とは認めないわ」

「あのなぁ」

「フハハッ、これであのデコっぱちもアタシに逆らえないわよッ!」


あずさ「あらあら」


「せめて紙くずとか、微妙に気になるものにしとくんだ」

「どうしてよ?」

「靴の中にナニカがあって違和感が続くのって嫌だろ?」

「さすがアタシのプロデューサーね。地道にダメージを与えるなんて、思いもつかなかったわ」


伊織「狡いわね、あの二人」

あずさ「うふふ」


「ほら、これとか」

「小さすぎるじゃないの」

「これくらいがいいんだよ。大きすぎてもすぐ気付かれる」

「アンタがいうなら……これでよし、と」



伊織「バカらしい……」

スタスタスタ

あずさ「まぁ、伊織ちゃんどうでもいいのね〜」



「ほら、行くぞ」

「え?」

「ここにいたらまた伊織と衝突するだろう。俺と営業周りだ」

「あ、アタシにはまだやることがあるのよッ!」

「どうせ冷蔵庫の中の飲み物に醤油を入れるとかだろ」

「それはもう終わったわ。このレイナ様を舐めないで欲しいわね!」

「あずささーん!」


あずさ「はーい、処理しておきます〜」


「お願いしますねー!」

「……チッ」

「舌打ちをするんじゃない。この前、小鳥さんが飲んで吹いてたんだぞ……」

「しょうがないわね……さぁ、アタシに付いて来なさい!」

タッタッタ

「あ、走るな! 危ないぞー!」



あずさ「行ってらっしゃ〜い」


「行ってきまーす」



あずさ「さて、今日の運勢はどうかしら〜」


ペラッ


あずさ「とびきりの笑顔で〜♪」

律子「あずささん、ご機嫌ですね」

あずさ「うふふ、最近楽しくて困ってしまいます〜」

小鳥「何かいいことでもありましたか?」

あずさ「毎日がワンダフルですよ〜 僕らと今を〜♪」

小鳥「……えっと?」

律子「さて、と……仕事でもするかな」

小鳥「毎日がワンダフル……? んん??」



あずさ「消さないで笑顔で〜♪」



「跳んで跳んで高く、僕らは今のなかで〜」



輝きを待ってた




本当の終わり

http://www.youtube.com/watch?v=hP2-4dcXABU

これで終わりです。お粗末さまでした。
最後はかなり強引です。
黒歴史ノートを書く人物が765プロにいないので、モバマスの麗奈を引っ張ってきました。


前半はあの世界と繋がっています。あからさますぎましたね。
>>20 そうです

稚拙な文でしたが、読んでくださった方、ありがとうございました。

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