キョン「第3新東京市?」 (95)

ハルヒ×エヴァのクロスです。

作者は両作品ともにそこまで精通はしておりません。間違いのないよう十分下調べして書かせていただきますが
至らない点が多くあるかもしれません。ご了承下さい。
それでも構わない、という方は是非どうぞ。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1393845010

キョン「チェックメイトだ」

古泉「全く参りましたね。あなたには適いませんよ」

キョン「お前が弱すぎるんだ」

古泉「これは手厳しい」

ハルヒ「やっほー!」バターン

ハルヒ「みんな!今度の文化祭の出し物決まったわよ!」

みくる「な、何するんですかぁ~?」

キョン「まさかまた変な映画撮影やるんじゃねーだろうな」

みくる「もぅ恥ずかしい恰好するのは嫌ですぅ・・・」

ハルヒ「そのまさかよ!今回は特撮映画を撮るの!」

みくる「ふぇえ・・・」

古泉「それでどんな内容なのですか?」

ハルヒ「そ・れ・は・ね~」

ハルヒ「じゃじゃーん!『新世紀エヴァンゲリオン』!これを実写化するわ!」

キョン「なんじゃそら」

みくる「あ、それわたし少しだけ知ってますぅ~」

みくる「街に襲い掛かってくる怪獣をロボットがやっつけるって話ですよね」

ハルヒ「そうなのよ!本屋で立ち読みしてて面白いと思ったからつい全巻買っちゃったの!」

古泉「エヴァはロボットではなく正確には人造人間ですけどね」

キョン「お前はやけに詳しそうだな」

古泉「んっふ。これでも漫画、アニメ、劇場版すべてコンプリートしていますからね」

古泉「ちなみに綾波レイは僕の嫁です」

キョン「わかった。わかったからもう喋るな、気色悪い」

ハルヒ「というわけで、エヴァとか使徒の特撮をこれから撮っていくわよ!」

キョン「俺は反対だ」

ハルヒ「ちょっとキョン!平団員のくせに生意気よ!」

キョン「平団員だからこそだ。撮影の機器なんかの持ち運びや操作は全部俺がやってるんだぞ?どんだけ重労働だと思ってんだ」

ハルヒ「じゃあ多数決を取りまーす!撮影、やりたい人ー?はーい!」

古泉「僕は賛成ですね」

キョン(おい)

古泉(閉鎖空間でも発生したら大変ですから。それにエヴァファンとして興味もありますし)

キョン(本音はそっちか)

古泉(んっふ。どうでしょう)

ハルヒ「有希は?」

長門「・・・構わない」

ハルヒ「みくるちゃんは?」

みくる「えぇっと~わ、わたしはぁ~」

ハルヒ「・・・」ジィー

みくる「あのぅ・・・そのぅ・・・」

ハルヒ「・・・」ジィィー

キョン「おいハルヒ。そうやって朝比奈さんにプレッシャーかけるのはやめろ」

ハルヒ「別にかけてないわよ」

みくる「わ、わたしは・・・やってもいいかな~、なんて」

みくる「わたしもそういうの・・・面白そうだと思いますから」

ハルヒ「はい4対1!けってーい!」

キョン「神は死んだ」

ハルヒ「キョン、これが議会制民主主義よ。文句があるならリンカーンに言いなさい!」

キョン「やれやれ。また筋肉痛と闘う日々がやってくるのか・・・」

古泉「僕が毎晩マッサージしてあげますよ」

キョン「お前が言うと変な意味に聞こえるからやめろ」

ハルヒ「今日の活動はここまでにしておくわ!あたし帰って早く続き読みたいから配役なんかはまた明日!」

ハルヒ「それじゃ最後の人は戸締りよろしくね!」バターン

みくる「わかりましたぁ~」

古泉「お疲れ様でした」

キョン「はあ、なんかどっぷり疲れちまった」

古泉「では、僕たちも帰るとしましょうか」

みくる「お疲れ様でした~」

キョン「朝比奈さん、長門、また明日」

長門「・・・」コクリ

キョン「ふーっ。こんなメランコリーな気分はいつ以来だ?」

キョン「あの夏休み以来かなあ・・・」

キョン「エンドレスエイト、か」

キョン「ただいまー」

キョン妹「キョン君おかえり~」

シャミセン「マーオ」

キョン「おう」

~~~

キョン「おーい、もう10時だぞ。テレビなんて見てないでもう寝なさい」

キョン妹「はーい」

キョン(俺も寝るかな、今日はなんか気だるいし)

キョン「うーっ布団つめてー」ゴソゴソ

キョン(・・・特撮ね)

キョン(俺も興味なくはねーが・・・脇役でいいから少しぐらい・・・)

キョン(・・・もー知らん、どうにでもなれだ)

キョン「・・・zzz」

ミーンミーンミーン

キョン「む・・・」

キョン「暑い・・・」

キョン「一体どうなってんだ?異常気象?」

キョン「」ウロウロ

キョン(誰もいないな)

キョン(誘拐でもされたのか?いやそんなまさか)

キョン(荒らされた形跡もないけど・・・)

キョン(一応警察に連絡しとくか)ピッ

キョン「ん?」ピッピッ

キョン「」ピッピッピッ

キョン「電源入らねえ」

キョン(テレビも・・・反応しないな)ピッピッ

キョン(よくわかんねーけど・・・ん~と・・・)

キョン(学校に行ってみるか)ガチャ

キョン「えーっと・・・」キョロキョロ

キョン「ここ、どこだ?」

キョン(やけに高層ビルが多いし・・・)

キョン(それなのに人っ子一人いやしない)

キョン(もしかしてここって閉鎖空間じゃないのか?)

キョン(信号も止まってる・・・)

キョン(お、公衆電話)

キョン「・・・」プルルルル

『おかけになった電話番号は現在、使われておりません。・・・おかけになった電話番号・・・』

キョン「・・・やっぱりダメか」

『・・・は現在使われておりません・・・・・・』

長門『ちくわ大明神』

『・・・・・・おかけになった電話番号は現在・・・』

キョン「誰だ今の」

キョン(・・・何にせよハルヒの影響でこうなってるみたいだな)

キョン(とりあえず長門に会えればなんとかなるか・・・ん?)

ズズゥン・・・

キョン「何だあれ・・・神・・・人・・・?」

キイィィィィィィ

ミサト「おまた~♪」ガチャ

ミサト「あなたがキョン君ね!詳しい話は後よ、急いで車に乗って!」

キョン「へ?え、はい」

ミサト「飛ばすわよ、しっかりつかまってて!」ブゥン

キョン(随分と長いトンネルだな)

キョン「あの・・・さっきの巨人みたいなのって」

ミサト「ああ、あれね。あれは使徒って言うの」

キョン「使徒・・・」

ミサト「英語で言うとエンジェル。端的に言うと私たち人類の敵よ」

ミサト「あなたがここに呼ばれたのは他でもないわ。いずれあなたが倒すのよ、使徒を」

キョン「ちょっと話がよく見えないんですけど・・・ていうか、ここってどこなんですか」

ミサト「いきなり呼び出されたんだから無理もないわね。ここは第3新東京市よ」

キョン「第3新東京市?」

ミサト「迫り来る使徒を迎え撃つために造られた街・・・」

ミサト「15年前のあの日以来、人類再建の要として急ピッチで建造が進められてきたの」

キョン(あの日?)

ミサト「あ、そろそろ出るわよ」

パッ

キョン「おー」

ミサト「そしてここが、ジオフロント。この街の地下に広がる秘密空間よ」

ミサト「人類最後の砦・・・世界一安全な場所と言っていいわ」

ミサト「そして下に見えるあのピラミッド型の建物が私たちの本拠地、ネルフよ」

ミサト「自己紹介が遅れたわね。私の名前は葛城ミサト。あそこで作戦部長やってまーす!よろしくね♪」

キョン「よ、よろしくお願いします」

~~~

キョン「あの、さっきから同じところグルグル回ってませんか」

ミサト「たっはっはっは・・・ごみ~ん、私もまだここ慣れてなくてさ」

リツコ「葛城一尉!あなたこんなとこで何やってるの!」

ミサト「あ、リツコ!助かった~」

リツコ「いい加減内部構造くらい覚えて頂戴」

リツコ「・・・その子がサードチルドレン?」

ミサト「そうよ」

キョン「どうも」

リツコ「そう。ならいいわ、急いでケイジに向かうわよ」

~~~

キョン「これは・・・」

リツコ「人の造り出した究極の汎用ヒト型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン。その初号機よ」

キョン「エヴァンゲリオン・・・」

ゲンドウ「久しぶりだな、キョン」

キョン「誰だよ」

ミサト「ちょ、ちょっとキョン君!誰だじゃないでしょ!あなたのお父さんじゃない!」

ゲンドウ「・・・口が上手くなったな。皮肉のつもりか?」

キョン「で?そのお父さんとやらが俺の何のご用で?」

ゲンドウ「キョン、エヴァに乗れ。でなければ帰れ!」

ミサト「まさか初号機を出撃させる気!?いくら何でも無理よ!」

リツコ「座ってるだけでいいわ。それ以上のことは望みません」

ミサト「だからって・・・!」

キョン「・・・何で俺なんですかね?」

ゲンドウ「他の人間には以外には無理だからな」

キョン「その理由を教えろって言ってんだよクソヒゲグラサン」

リツコ(口悪いわねこの子・・・何か因縁でもあるのかしら)

ゲンドウ「・・・もういい。冬月、有希を起こしてくれ」

冬月「だがあれは・・・まだ使えるのか?」

ゲンドウ「死んでいるわけではない」

冬月「・・・わかった」

ゲンドウ「赤木博士、初号機のシステムを有希に書き換えてくれ」

リツコ「了解しました」

キョン「ユキ?」

長門「・・・何か」

キョン「長門じゃないか!どうしたんだそんな変な服着て、新手のダイビングスーツか?」

ミサト「あら、二人とも知り合い?」

キョン「あ、いえ」

キョン(おい長門、一体これはどうなってるんだ?)

長門(詳しい話は後にする。今は口裏を合わせておいて欲しい)

キョン(お前が言うのならわかった)

リツコ「・・・」

ゲンドウ「有希、予備が使えなくなった。もう一度だ」

長門「それはできない」

ゲンドウ「何故だ」

長門「身体が思うように動かない」

キョン「おい長門、口から血が出てるじゃないか」

長門「これは血ではなくケチャップソース。さっき昼食にナポリタンを10人前食べた」

ミサト「だからお腹いっぱいで動けない、と。そういうわけね」

長門「そう。食後すぐに激しい運動をすると脇腹が痛くなる」

ゲンドウ「・・・」

冬月「だから言ったじゃないか、碇」

ゲンドウ「・・・起動は中止だ」

冬月「国連の連中にあんなでかい口叩いといてやっぱり無理でした、とでも言うつもりか?」

ゲンドウ「・・・」

キョン「とりあえず俺帰っていいんですよね、それじゃ」

ゲンドウ「・・・ちょっと待て。やっぱりエヴァに乗れ」

キョン「え?何だって?」

ゲンドウ「エヴァに乗ってくれ、キョン」

キョン「嫌です」

ゲンドウ「お願いだからエヴァに乗ってくれ」

キョン「断る」

ゲンドウ「いやわかるよ!わかるけど乗って!頼むから乗って!」

キョン「うるせーなグラサン叩き割るぞ薄らハゲ」

ゲンドウ「ああハゲでいい!ハゲでいいから乗ってくれ頼む!」

リツコ(無様ね・・・)

キョン「まあそこまで言うのならしょうがない、乗りますよ」

~~~

「冷却、終了」

「ケイジ内、すべてドッキング位置」

マヤ「了解。停止信号プラグ、排出終了」

「了解。エントリープラグ、挿入」

「脊髄連動システムを解放、接続準備」

「プラグ固定、終了」

「第1次接続、開始」

マヤ「エントリープラグ、注水」

キョン「な、なんですかこのコンソメスープみたいなのは」

リツコ「それはL.C.L.。プラグ内を満たす溶媒のようなものだからそのまま飲み込んでもらって構いません」

キョン「・・・確かにコンソメ味ではないな、不味い」ゴボボ

「主電源、接続!」

「全回路、動力伝達問題なし」

リツコ「了解!」

マヤ「第2次コンタクトに入ります」

マヤ「A10神経接続、異常なし」

「L.C.L.転化率は正常」

リツコ「思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス」

リツコ「初期コンタクト、すべて問題なし」

マヤ「双方向回線、開きます」

マヤ「シンクロ率39.6%」

リツコ「すごいわね」

マヤ「ハーモニクス、すべて正常値。暴走、ありません」

リツコ「いけるわ!」

ミサト「・・・発進、準備!」

日向「発進準備!」

「第1ロックボルトを外せ!」

「解除を確認!アンビリカルブリッジ、移動開始!」

「第2ロックボルト、外せ!」

「第1拘束具、除去」

「同じく第2拘束具、除去」

「1番から15番までの安全装置を解除」

「解除、確認」

「現在、初号機の状況はフリーなのね」

「外部電源、充電完了」

「外部電源接続、異常なし」

マヤ「了解。エヴァ初号機、射出口へ」

マヤ「進路クリアー、オールグリーン」

リツコ「発進準備、完了」

ミサト「了解。・・・碇司令、構いませんね」

ゲンドウ「確かに最近抜け毛が多いと思ったが・・・そんなに酷いのか・・・」

ミサト「・・・」

冬月「構わん、やりたまえ」

ミサト「発進!」

ゲンドウ「ちゃんとスカルプDやってるんだがなあ」

ミサト「エバーは使徒に勝つ。だがそれは全ての始まりに過ぎなかった」

ミサト「現実から逃げるゲンドウ。彼の薄毛は、彼にヅラを購入しようと決心させる」

ミサト「次回、「見知らぬ、カツラ」。この次も、サービス、サービスぅ!」


ギュオオ ガシャァン

キョン「ちょっとしたフリーフォールみたいだな」

ミサト「いいわね、キョン君」

キョン「大丈夫でーす」

ミサト「最終安全装置、解除!エバンゲリオン初号機、リフトオフ!」

リツコ「キョン君、今は歩くことだけを考えて」

キョン「でも目の前にすげーイカついやつがいるんですけど」

ガシッ メキメキメキ

キョン「あでででででで!ギブ!ギブギブ!」

ミサト「落ち着いて!掴まれてるのはあなたの腕じゃないのよ!」

リツコ「エヴァの防御システムは?」

マヤ「シグナル、作動しません!」

日向「フィールド、無展開!」

リツコ「ダメか!」

メキメキメキ・・・グシャ

マヤ「左腕損傷!」

日向「回路断線!」

グィッ

ミサト「!キョン君、避けて!」

キョン「無茶言うな!」

ガシャーン

キョン「痛い痛い痛いわ!」

ガシャーン ガシャーン ガシャーン

マヤ「頭蓋前部に亀裂発生!」

リツコ「装甲がもう、持たない!」

グサァ ドガーン ブシャー

青葉「頭部破壊、損害不明!」

マヤ「制御神経が次々と断線していきます!」

日向「パイロット、反応ありません!」

ミサト「キョン君!」

「活動維持に問題発生!」

ミサト「状況は!?」

マヤ「シンクログラフ反転、パルスが逆流しています!」

リツコ「回路遮断、せき止めて!」

マヤ「駄目です!信号拒絶、受信しません!」

ミサト「キョン君は!?」

日向「モニター反応なし。生死不明!」

青葉「初号機、完全に沈黙」

リツコ「ミサト!」

ミサト「ここまでね・・・作戦中止!パイロット保護を最優先!プラグを強制射出して!」

マヤ「駄目です!完全に制御不能です!」

ミサト「なんですって!?」

キュピーン

「エヴァ、再起動したのね」

マヤ「そんな・・・動けるはずありません!」

リツコ「まさか・・・」

ミサト「暴走!?」

初号機「ギギギギギギギ・・・」

冬月「勝ったな」

ゲンドウ「・・・1380円か、安いな」

初号機「ギョングンデンヴァアアアア!!」ガシャガシャガシャ

ガキィイン

リツコ「A.T.フィールド・・・!」

ミサト「駄目だわ、A.T.フィールドがある限り・・・」

リツコ「使徒には接触できない!」

初号機「ギョングヴヴヴヴヴヴン・・・!」ググ

青葉「左腕復元!」

ミサト「すごい・・・!」

初号機「ハザミィイイイイイイ!!」

マヤ「初号機もA.T.フィールドを展開、位相空間を中和していきます!」

リツコ「いえ、侵食しているんだわ・・・!」

ブチブチィ

ミサト「あのA.T.フィールドをいとも簡単に・・・!」

初号機「ギョングゥヴヴヴヴヴン・・・」

ガシッ メキメキメキメキ・・・グチャア

初号機「ギョングゥヴヴヴヴヴヴヴヴン!」ガシャーン

初号機「ギョングンデンヴァァアアアアア!!」ガシャガシャガシャ ガチャーン

初号機「ジャミィイイイイイイイイ!」グググググ・・・バキャ

初号機「ハザミィ!ハザミィ!ハザミィイイイイイイ!!」ガンガンガン

サキエル「ギギィ!」

ミサト「自爆する気!?」

ドガーン・・・

ミサト「・・・エバは?」

ガシャーン・・・ガシャーン・・・

初号機「ギョングンダダイマァ」

リツコ「これがエヴァの・・・」

ミサト「本当の姿・・・」

ゲンドウ「この際、せっかくだから金髪にするのもいいかもな」

キョン「ぐ・・・」

青葉『回路、接続』

マヤ『システム回復、グラフ正常位置』

日向『パイロットの生存を確認』

リツコ『機体回収班、急いで!』

ミサト『パイロット保護を最優先に!』

~~~

キョン「・・・ハッ!」

キョン「・・・・・・・・・知らない天丼だ」ガツガツムシャムシャ

「使徒再来かあ、あまりに唐突っさね」

「15年前と同じだ。災いは何の前触れも無く訪れるんだよ」

「幸いとも言えますね。私達の先行投資が無駄にならなかった点において」

「それはまだ分からないにょろ、役に立たなければ無駄と同じっさ」

「ああ。今や周知の事実となってしまった使徒の処置、情報操作、ネルフの運用は全て適切かつ迅速に処理してもらわないと困る」

ゲンドウ「その件に関しては既に対処済みです。ご安心を」

「ま、その通りですね」

「でも―――ネルフとエヴァ、もう少し上手く使うべきでは――――――?」

「零号機に引き続き君らが初陣で壊した初号機の修理代、国が一つ傾くぞ」

「聞けばあのオモチャはあなたの息子に与えたと聞きましたが」

「人、時間、そしてお金。親子そろっていくら使ったら気が済むと思っているんだい?」

ゲンドウ(あれは本当に私の息子なのだろうか)

「それにあなたの仕事はこれだけではありません。人類補完計画、これこそがあなたの急務なのです」

「そうだ。この計画こそがこの絶望的状況下における唯一の希望なんだ。僕たちのな」

「いずれにせよ、使徒再来における計画スケジュールの遅延は認められないね。予算については僕たちが一考しよう」

「じゃあ、後は委員会の仕事っさね」

「碇、ご苦労だったな」

「後戻りは出来ないよ、碇。あとその金髪、似合っていると思う。くつくつくつ」

ゲンドウ「・・・分かっている。人類には時間が無いのだ」

~~~

「昨日の特別非常事態宣言に関しての政府発表が今朝、第2新 ・・・」

ピッ

「今回の事件には・・・」

ピッ

「在日国連軍・・・」

ミサト「発表はシナリオB22か?またも事実は闇ん中ね」

リツコ「広報部は喜んでたわよ、やっと仕事が出来たって」

ミサト「うちもお気楽なもんねぇ~」

リツコ「そうかしら?本当はみんな怖いんじゃない?」

ミサト「・・・あったり前でしょ」

プルルルル

リツコ「はいもしもし・・・ええ、はい。・・・はい、わかりました」ガチャ

リツコ「キョン君が意識を取り戻したらしいわ」

ミサト「容態は?」

リツコ「少し記憶が混乱してるだけで大したことはないみたい」

ミサト「それってまさか精神汚染じゃ・・・!」

リツコ「その心配はないそうよ」

ミサト「なーんだ、良かった~」

リツコ「それにしてもあの子・・・何だか変だと思わない?」

ミサト「いなきりシンクロ率40%を叩き出したこと?珍しいっちゃ珍しいわね」

リツコ「それもあるけど・・・あの子、有希の存在を知っていたわ」

ミサト「でも有希と同じ学校に配属されるんでしょ?どっかで会ったのかも」

リツコ「ここに昨日初めて来たのよ、有希と接触できるわずがないわ」

リツコ「少し注意したほうがいいかも知れない」

ミサト「ふーん・・・」

~~~

ミサト「というわけでキョン君、あなたは私の家で預かることになったから!そこんとこよろしくね♪」

キョン「はあ」

キョン(できれば一人部屋にして欲しかったが・・・これじゃあまり自由に行動できそうにないな・・・)

キョン(くそっ、まだ長門の話も聞けてないのに)

ミサト「新しい同居人も決まったことだし!今日はジャンジャン騒ぐわよ~」

~~~

ミサト「ここが私の家よ。私も越してきてまだ日は経ってないの」

キョン「お邪魔しまーす」

シャミセン「マーオ」

ミサト「ただいまシャミ~」ナデナデ

キョン「ここにいたのか、シャミセン」

ミサト「そんでここがリビング、ちょーっち散らかってるけd

キョン「きったねぇ部屋!!」

ミサト「」

~~~

ミサト「・・・・・・くぅ~っ!やっぱこの一杯のために生きてるって感じよね!」

キョン「ミサトさん、さっきから飲みすぎですよ」

ミサト「いいのいいの!今日は歓迎会なんだから10本くらい飲んだって罰当たんないわよ~」

キョン「それを楽しんでるのはどっちなんだか」

ミサト「キョン君ももっと食べなさい!インスタントだけどそこそこ美味しいでしょ~?」

キョン「いえ、もう十分食べましたから結構です、ご馳走様でした」

ミサト「んもう!つれないわね~」

~~~

キョン「はあーっ」

キョン(目のやり場に困るッ!!)

キョン(朝比奈さんといい勝負だな、俺のH&K USPが暴発しなければいいが・・・)

キョン(風呂は命の洗濯らしいし、身体を洗って邪念を鎮めよう)ヌギヌギ

キョン「さーてと」ガラガラ

ちゅるやさん「にょろーん」

キョン「・・・」ガラガラピシャッ

キョン(何かいたんですけど)

~~~

ミサト「ほれほれシャミ、さきいか食べるぅ~?」

シャミセン「マーオ」

キョン「ミサトさん、つかぬ事をお聞きしますがドワーフって飼ってます?」

ミサト「へ?ドワーフ?・・・ああ、ちゅるやさんのことね」

ちゅるやさん「キョンくん、女の子のお風呂を覗いといて無言で閉めるなんてひどいにょろ」

キョン「すいません。今日はもう俺、休ませてもらいます」バタン

ミサト「はーい、おやすみ~」

ちゅるやさん「にょろーん・・・」

ミサト「ちゅるやさんもさきいか、いるぅ~?」

ちゅるやさん「いるいる!欲しいにょろ~」

~~~

キョン「ミサトさーん、朝ですよー?」コンコン

ミサト「ンゴー、ンゴー」

ちゅるやさん「zzz・・・」

キョン「・・・学校行くか」

シャミセン「マーオ」

キョン「おう、行ってきまーす」

ミサト「ンゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」

~~~

朝倉「国木田君。谷口君にプリント、届けてくれた?」

国木田「いや、谷口の家留守みたいでさ。まだ渡してないんだ」

朝倉「あらそうなの。それにしても谷口君がケガしてもう2週間でしょ?ちょっと心配よね」

国木田「大丈夫だよ。ただ落ちてきた瓦礫が当たって右肩を剥離骨折しただけだから」

朝倉「ふふっ、それなら安心ね」

キョン「うーっす」

国木田「あ、キョン!おはよう!」

朝倉「おはよう」

~~~

プルルルル プルルルル

ミサト「ンゴー、ンゴー」

ちゅるやさん「ん・・・」

シャミセン「マーオ」

ちゅるやさん「あ、電話にょろ?」ガチャ

ちゅるやさん「はいもしもし、葛城です」

リツコ『ちゅるやさんね。悪いけどミサトと代わってくれないかしら?』

ちゅるやさん「はい、少々お待ちください」

ちゅるやさん「ミサトさん、電話!電話にょろ!」ユサユサ

ミサト「うーん・・・昨日ビール16本飲んだから二日酔いがひどいのよ、留守って言っといて~・・・」

ちゅるやさん「にょろーん・・・」

ちゅるやさん「あ、あのう」ガチャ

リツコ『何?』

ちゅるやさん「ミサトさんは二日酔いがひどくて留守だそうです」

リツコ『・・・呆れた』ブツッ

ちゅるやさん「にょろーん・・・」

ミサト「ンゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」

~~~

岡部「二十世紀最後の年、宇宙より飛来した大質量の隕石が南極に衝突、氷の大陸を一瞬にして融解させた。海洋の水位は上昇し、地軸も曲がり~」

岡部「これが世に言うセカンドインパクトだ。ここ、テストに出るからな!」

キョン(セカンドインパクト・・・ミサトさんが言ってた“あの日”ってこのことか?)

キョン「・・・ん?PCにメッセージが」

『YUKI.N>みえてる?』

キョン(長門か…)チラ

キョン(…見えてるとも)カタカタ

『YUKI.N>今から状況の説明を行う。情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない。でも、聞いて』

『YUKI.N>まず、この世界は涼宮ハルヒの願望実現能力によって創られた世界』

キョン(やっぱりハルヒの仕業か・・・)

『YUKI.N>新世紀エヴァンゲリオンの時空間と私たちの時空間が涼宮ハルヒによって交差した結果』

『YUKI.N>両時空間の情報が一旦渾然化された後、再び統合され二つの新たな時空間が生まれた。その一方がこの世界』

キョン(ちょっと待て、ということはごちゃまぜになった世界がもう一つ存在するってことか?)カタカタ

『YUKI.N>そう。いわゆる反転世界が存在する』

『YUKI.N>情報統合思念体は現在様子を見ている状況。世界が0から創造されているわけではないため、元に戻る可能性はある』

キョン(どうすりゃ元に戻れるんだ?)カタカタ

『YUKI.N>それは―――――――

岡部「おいィ!さっきからパソコンでカタカタ何やってんだ!」

キョン「うおっ!?ど、どうもすいません!」

岡部「ったく!授業はちゃんと聞いておけ!」

キョン(やれやれ・・・)

朝倉「・・・」

~~~

ミサト「リツコ~ごめんごめん!」

リツコ「あら、二日酔いがひどくて留守だと聞いたんだけど?」

ミサト「あははは・・・どうもすいませんでした」

リツコ「まあいいわ。ところで彼は?」

ミサト「そうねぇ・・・昨日話してみたけどこれといって不審な感じは見受けられなかったわよ」

ミサト「キョン君が寝ている間に持ち物をちょっち調べてみたけど特になにもなかったし」

リツコ「中々尻尾を出さないというワケね」

ミサト「あたしも同居人を疑うのは気が進まないんだけど・・・」

リツコ「しょうがないわね、別のところからも探ってみましょう」

~~~

キョン(授業終わったらいつの間にか長門いなくなってるし、どこにいるんだ?)

国木田「おーい、キョン!」

キョン「国木田か。何か用か?」

国木田「いや、それがさ。谷口が校舎裏に来いだってさ」

キョン「なんだ、治ったのかあいつ」

国木田「まだ肩にギプスをはめてるけどね」

~~~

谷口「・・・」

キョン「おう谷口、久しぶりだな」

谷口「WAWAWA!」バキッ

キョン「ぐはっ!」

国木田「キョ、キョン!大丈夫かい?」

谷口「わりーなキョン。俺はお前を殴らないといけねぇ。いや、殴らなきゃ気が済まねぇんだ」

キョン「何で俺がお前に左ストレートを食らわにゃならんのか説明して欲しいもんだね」

谷口「相変わらず癪に障るやつだ!」

国木田「ちょ、ちょっと谷口!落ち着きなよ!」

谷口「チッ」

国木田「谷口がこの間のロボット事件でケガしたって知ってるよね?」

キョン「ああ・・・」

国木田「そのロボット事件の犯人がキョンだって噂が流れてるんだよ」

キョン「何だって?一体誰が・・・」

国木田「わからない。でも学校中この噂でもちきりだよ」

谷口「で、どうなんだ?やっぱりキョン、お前が犯人なのか?」

キョン(ここまで広まってるならもう手遅れだし、いずれボロが出るだろうしな・・・)

キョン「ああ、そうだ。悪かったな、谷口」

谷口「ごめんで済むわけねぇだろうが!」

谷口「俺がこの2週間、右手が使えなくてどんだけ悶々とした気持ちで入院生活してきたと思ってんだ!」

谷口「看護婦さんの[ピーー]を見て[ピーーー]を想像してぎこちない左手で虚しく[ピーーーーーーーー]するしかなかったんだぞ!」

谷口「ううぅ・・・ぐずっ」ポロポロ

キョン(何で泣いてるんだよこいつ・・・気色悪いな)

国木田「さ。谷口、帰ろうか。いろいろとごめんね、キョン」

谷口「うっ・・・」

キョン「ああ・・・」

長門「・・・」

キョン「ハッ!長門、さっきの

長門「非常招集。時間がない」

キョン「何だって?」

~~~

『ただいま、東海地方を中心とした、関東、中部の全域に特別非常事態宣言が発令されました。速やかに指定のシェルターに避難・・・』

~~~

青葉「目標を光学で捕捉、領海内に侵入しました」

冬月「総員、第一種戦闘配置」

『了解、対空迎激戦、用意!』

日向「第3新東京市、戦闘形態に移行します」

『中央ブロック、収容開始』

『中央ブロック、及び第一から第七管区までの収容完了』

青葉「政府、及び関係各省への通達、終了」

『現在、対空迎撃システム稼働率は48%!』

ミサト「非戦闘員、及び民間人は?」

青葉「既に、退避完了との報告が入っています」

ミサト「碇司令の居ぬ間に、第4の使徒襲来。意外と早かったわね」

日向「前は15年のブランク。今回はたったの3週間ですからねえ」

ミサト「こっちの都合はお構い無し、か。女性に嫌われるタイプね」

青葉「委員会から再び、エヴァンゲリオンの出動要請が来ています」

ミサト「うるさいやつらね、言われなくても出撃させるわよ」

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マヤ『L.C.L.転化!』

『発着ロック、解除』

キョン(痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ痛いのは嫌だ)

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