佐天「ことわざを現実にする能力?」(107)

初春「佐天さん、能力測定の結果はどうでした?」

佐天「それが自分でもまだ信じられないんだけどね」

初春「ま、まさか佐天さん」

佐天「能力身に付いてたよ!」

初春「ぬっふぇ!!!」

佐天「そ、そんなに驚かなくてもいいじゃん」引き

初春「あ、おめでとうございます!!」

佐天「ありがと」

初春「それで、どんな能力なんですか?」

佐天「ことわざを現実にする能力だって」

初春「ことわざって、諺ですか?」

佐天「うん。そうみたい」

初春「どういう系統に分類されるのかわかりませんね・・・」

佐天「私自身、どんな能力かあんまり分かってないからね」

初春「・・・私の風紀委員の時間まででいいですから、ちょっと能力使ってみてくれませんか?」

佐天「いいよー。じゃあ近くの公園でも行こっか」

近くの公園

佐天「ここなら大丈夫かな」

初春「丁度人が居なくて良かったですね」

佐天「まあ、外に出られればどこでもいいんだけどさ」

初春「ええっ!」

佐天「さて、初春。いまの天気は?」

初春「え?晴れですけど」

佐天「そう。でもね」バッ

初春「?佐天さん、晴れですよ。傘なんてさしても意味は・・・」

ポツ、ポツポツ、ザァーー

初春「あ!雨です!あれ?でも空は晴れてますよ?」

初春「それに!今日の天気予報ではこんな時間に雨が降るなんて報道は無かったです。
佐天さん、何をしたんですか?」

佐天「『狐の嫁入り』」

初春「狐の嫁入り?それって狐が嫁入りしたら天気雨が降るっていう諺ですよね」

佐天「そ!その諺を現実にしたってワケ」

初春「いや、でもまだ偶然って可能性が・・・」

佐天「疑り深いなぁ初春は。仕方ない、アレでいこうか」

佐天「さて」ジィーーー

初春「?なんですか佐天さん。私の顔に何かついてますか・・・?」

初春「そ、そんなに見つめないで下さいよ」

初春「・・・あの、何かついてるんですか?」

初春「・・・黙ったままですか」

初春「ハッキリ言ってください。気になるんですけど」

初春「佐天さんってこういうところありますよね!それとこの際だから言わせてもらいますけど!!」

初春「会うたび私のスカートめくるの止めてください!!!いい加減にしないとハリ倒しますよ!!!!」

佐天「解除」

初春「はっ!私は何を・・・」

佐天「初春の『堪忍袋の尾が切れた』ね」

初春「佐天さんの能力で私を怒らせたんですか」

佐天「うん。ごめんね初春」

初春「こちらこそ大きな声で怒鳴り付けてすみません」

佐天「いやーそれにしても初春があんな顔するなんてねぇ」

初春「の、能力のせいですよ~」

佐天「そうかなぁ」

初春「そうですよ~」

風呂

初春「あ、ところでレベルはいくつなんですか?」

佐天「とりあえずレベル1ってことになってるよ。頭の良い学者さんもよくわかんないからとりあえずって」

初春「そうなんですかー」

佐天「ところで初春、時間は大丈夫なの?」

初春「え?ああっ!佐天さんすみません!風紀委員の仕事忘れてました!」

佐天「大変だねー初春も。頑張ってね」

初春「はい!また明日!」

佐天「また明日ー」



佐天「能力・・・かぁ」

次の日、放課後 いつものカフェ

御坂「それじゃあ佐天さんの能力発現を祝して、かんぱーい!」

「「「かんぱーい!」」ですわ!」

御坂「佐天さん、おめでとう!黒子を通して私も話を聞いたわ。諺を現実にする能力ですって?」

佐天「ありがとうございます。そうなんですけど、まだレベルは1なんですよー」

黒子「レベルは1でも能力者は能力者ですの。もっと胸を張っても良いのでは?」

佐天「そうですかねぇ」

御坂(佐天さんが・・・)

初春(胸を張る・・・)

黒子「お姉様っ!黒子にその視線を向けて下さいましっ!」

御坂「無理」ビリッ

黒子「ア"ッ」

御坂「ねぇ、話だけじゃなくて実際に見てみたいんだけど、良いかな?佐天さんの能力」

佐天「いいですよ。なにかリクエストはありますか?」

初春「そんなにバリエーションがあるんですか?」

佐天「うん。昨日家で試したんだけど、どうやら故事成語も能力の範囲内みたい」

御坂「へぇー・・・じゃあ、そこで寝てる黒子を起こす諺とか」

黒子「」

佐天「分かりました。んー、どんなリアクショ」

黒子「ハッッッ!!!」ガバッ

佐天「・・・起きるの早いですね、白井さん」

黒子「お姉様が・・・お姉様が・・・」

佐天「落ち着いてください白井さん。まるで『鳩が豆鉄砲を食ったよう』な顔してますよ」

黒子「お姉様が黒子だーいすきって抱きついてきてお姉様の臀部に何故か生えてる×××で私の○○○を強引に」

御坂「黒子ォ!」バチィ

黒子「ア"ァ"ン!」

黒子「もっと夢を見ていたかったですのに」

御坂「・・・アンタはもういいわ。佐天さん、『鳩が豆鉄砲を食ったよう』ね?」

佐天「はい。あんな夢だと豆鉄砲どころじゃないかも知れませんけどね」

初春「鳩がモーニングスターを食ったぐらいの衝撃でしたよ」

黒子「私の脳内はそこまで世紀末じゃないですの」

御坂「私からすれば十分すぎるほど世紀末よ・・・」

黒子「ところで佐天さん。その能力は誰かを傷つけるようなことは出来ますの?」

佐天「出来ないことはないですけど・・・」

御坂「ねぇ、それじゃあ私と戦ってみない?」

佐天「御坂さんとですか?無理ですよ!勝負になりませんって!」

御坂「大丈夫、ちゃんと手加減するから!ね?」

佐天「いやぁー・・・でも・・・」

黒子「・・・こうなったお姉様はもう止められませんの」

初春「佐天さん、ファイト!」

佐天「うぅ~・・・」

川沿いの土手

御坂「どっからでもかかってきなさい!」

黒子「お姉様ったら、もうノリノリですの」

初春「佐天さんがんばってー!」

佐天「うぅ、どうしよう」

黒子「危なくなったら私が瞬間移動で助けますの。どうぞご安心して下さいまし」

佐天「やるしかない、ですか」

黒子「ええ」

佐天「ふぅー・・・・・・・・・よし。いきますよ御坂さん」

佐天「『先んずれば人を制す』」ビュン

御坂(後ろ!?早い!)

佐天「この勝負、勝たせてもらいますよ」ガッ

足払いで御坂のバランスを崩す

御坂「なんのっ!」

咄嗟にバランスを整えて着地する御坂

佐天「そううまくはいきませんね」

御坂「今度はこっちからいくわよ!」バチィ

佐天に電流を放つ

佐天「『兵は神速を尊ぶ』」ヒュン

御坂(かわされた!?)

佐天「戦いにおいて一番重要なのはスピードだと私は思います」

御坂「一理あると思うわ・・・よっ!」バチィ

佐天「もうその攻撃は当たりません」ヒュッ

御坂「だったらこれでどうかしら?」ピーン

佐天「超電磁砲ですか。確かにこの距離だと範囲が広くてかわせないかも知れませんね」

御坂「これで・・・終わりよ!」ドン

黒子「ッ!お姉様!威力が・・・!」

御坂「あ!!」

黒子(間に合わない・・・!)

初春「佐天さん逃げて!」

佐天「大丈夫」

佐天に超加速したコインが当たり、そのままチャリン、と落ちた

御坂「へ・・・?」

佐天「私に対する超電磁砲は、『豆腐に鎹』を打つのと同じですから」

御坂「・・・私の負けね」

佐天「ええっ!」

御坂「その諺を使われたら、たぶん私の攻撃は全部無効化されちゃうもの」

初春「佐天さんすごいですねー!御坂さんに勝ちましたよ!」

佐天「でも、手加減されてたし」

黒子「それでも十分凄いですわ。もっと胸を張っても良いかと」

御坂(佐天さんが・・・)

初春(胸を張る・・・)

黒子「まっ!お姉様っ!」

佐天(勝った・・・のかな。よくわかんないけど嬉しいや)

御坂「それじゃ、またねー佐天さーん、初春さーん!」

黒子「また明日ですの」

「「はい、また明日!」」



初春「いやー佐天さんすごいですねぇ。まさか第三位の御坂さんに勝つなんて」

佐天「だからー、アレは手加減されてたからなんとかなっただけで」

初春「それでも十分すごいって白井さんも言ってたじゃないですか。
むね・・・じゃなくて自信を持ってください」

佐天「そうは言ってもねぇ。なんか現実味に欠けるというか、『腑に落ちない』というか」

初春「細かいことは気にしなくていいんですよ!」

佐天「そうかなぁ・・・」

初春「そうですよ!」

佐天「うーん、なんだかそんなに気にならなくなってきた」

初春「でしょう?能力者になっても佐天さんは佐天さんですから、それでいいんですよ!」

佐天「こら、なんか馬鹿にしてるように聞こえるんだけど」

初春「あ!私こっちなので、また明日~」タタタ

佐天「逃げられた・・・」

 

佐天「ただいまー。誰もいないけど」

佐天「ふぅ・・・」ドサッ

ベッドに横たわる佐天

佐天(私の能力って強いのかなぁ)

佐天(第三位の御坂さんに一応勝ったってことは、単純に計算すると私は第二位?いや、三位か)

佐天(三位かぁ・・・考えたことは何度もあったけど、いざそんな力を手に入れたら実感わかないや)

佐天(でも三位なんて久しぶりだなぁ・・・小4の運動会以来かな?うん)

佐天「・・・」

佐天「一位に、なってみたいな」

深夜

一方通行「チッ」

一方(昼寝しすぎて眠れねェ・・・コーヒーも切れやがった)

一方「買いにいくか」



一方「めンどくせェ・・・」スタスタ

一方「家の前に自販機でもありゃァ楽なンだけどな」

「あ、こんばんは」

一方「あァ?」

「やっと見つけましたよ。『鵜の目鷹の目』で探し回ったんですからね」

一方「誰だオメェ」

「佐天涙子っていいます。あなたは一方通行さんですよね?」

一方「だったら何ですかァ?佐天さン」

佐天「ちょっと第一位に憧れまして。そうなれたらなって思ったんですよ」

一方「あーそうかそうか頑張ってな」

佐天「もしかしなくても私のことめんどくさいって思ってますね」

一方「俺はこれから用事があるンだよ。おしゃべりに来ただけならさっさと帰れ」

佐天「用事ですか?私にもありますよ。第一位になるっていう用事が」

一方「・・・つまり佐天さンは俺と戦うってコトですかァ?」

佐天「その上で勝つつもりですけど」

一方「ハッ、バカ言ってンじゃねェよ。見たところ無能力者じゃねェか」

佐天「この間まではそうでしたね。でも念願の能力者になれたんですよ」

一方「おめでとうございますゥ。でも俺には勝てねェよ。早く帰れ」

佐天「帰るわけにはいきません。ずっと憧れていたものですから」

一方「チッ・・・めンどくせェ」

佐天「軽く見てると痛い目を見ますよ」

一方(サッサと終わらせてコーヒー買って帰るか)ピッ

佐天「『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』」

一方「あァ?」

佐天「あなたの能力や戦闘スタイル、その他諸々の情報は把握しました」

一方「それだけですかァ?佐天さンの能力ってのは」

佐天「いえ、もちろんこれだけではありませんよ。例えば・・・そうですね」

佐天「現在の時刻は分かりますか?一方通行さん」

一方「ンなこと知らねェよ。午前2時くらいじゃねェの」

佐天「ええ、正確には午前2時10分ですね」

一方「佐天さンみたいなババアはもう寝る時間だなァ。で、それがどうしたよ」

佐天「午前2時00分から30分までの間を昔の人は丑三つ時と呼んだんですよ」

シーーーン

一方(周りの音が消えた・・・?)

佐天「静かですねぇ」

一方「これもオメェの能力か」

佐天「ええ。『草木も眠る丑三つ時』。ところで、恐怖というのは何をもって感じると思いますか?」

一方「そンなもン絶対的な力に決まってンだろ」

佐天「あぁ、たしかにそれも怖いですね。でも静寂というのも怖くはありませんか?」

佐天「普段はうるさい交差点・・・まぁ、私たちがいま居る場所などですかね」

佐天「うるさいことが普通の場所が、途端に静寂に包まれると、なんだか怖くなりませんか?」

一方「ハッ、どうもしねェよそンなもン」

佐天「そうでしょうか。いまこの瞬間に限り、この場所は異常です」

佐天「異常なこの空間であなたは少なからずの恐怖を感じているはずなんですよ」

一方「恐怖だァ?ンなワケ・・・」

一方(・・・何だ?変なモンが見えやがる。幻覚か?)

一方通行には理解できないものが見えていた。学園都市最強の能力者でもその正体は分からなかった

佐天「おかしなものでも見えましたか?」

一方「何しやがった」

佐天「さぁ?『幽霊の正体見たり枯れ尾花』とも言いますし、何かの見間違いじゃないですかね」

一方(ワケの分からねェモンが近づいてきやがる)

「あ!こんなところでなにしてるの?ってミサカはミサカはいつまでも帰ってこないあなたを心配してみる!」

一方「打ち止め?テメェこンなトコで何してやが・・・」

一方(いや、違う。声は打ち止めだが・・・おかしい)

一方(アイツあンなにデカかったかァ?)

暗くてよく見えないが、一方通行の目には2mをゆうに越える人影が見えていた

「突然だけど、ミサカの考えてることは何でしょう?ってミサカはミサカは正当率の低い難問を投げ掛けてみる!」

一方「はァ?知らねェよ」

「はずれー。正解はあなたへの憎しみだよってミサカはミサカは隠さずに正解発表してみる」

一方「ッ!」

暗闇から現れたのは、体のあちこちに御坂妹の顔がついている化け物だった

「「「「「許さない」」」」」

一方「チッ、サイッコーに趣味が悪ィなァ。佐天さンよォ」

佐天「あなたが一番恐れているものを見せているだけです。私の趣味ではありませんよ?」

一方「俺がこの化けモンにビビッてるってかァ?ハッ、ありえねェよそンなもン!」

佐天「それはどうでしょうか」

「足・・・返して」「許さない」「痛い痛い痛い痛い」「何故?とっても苦しかったんですよ」

一方「・・・ッ」

「酷い」「あんなことをしておいて許される」「そんなわけない」「呪ってやる」

一方「うるせェ!やめろ!」

佐天「そうもいきません。あなたを倒すのが私の目標ですから」

一方「だったらブン殴ってでも止めさせてやるよォ!」

佐天に拳を振り上げる一方通行

打ち止め「やめて!」

一方「ッ!」

その瞬間、佐天の姿が打ち止めに変わり、一方通行は咄嗟に腕を止める

打ち止め(佐天)「意外と優しいんですねぇ。学園都市の第一位ってのは」

一方「クソがァ!うざってェマネしやがって!」

打ち止め(佐天)「既に打ち止めちゃんの姿は『自家薬籠中の物』。
   それよりよそ見してて良いんですか?」

「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」

化け物が一方通行に襲いかかる

一方「効かねェよそンな攻撃ィ!」

化け物の攻撃を反射する

「痛い」「酷い」「やめて」「助けて」

打ち止め(佐天)「酷いことしますねぇ。痛がってるじゃないですか」

一方「その姿でベラベラ喋ンじゃねェよ三下ァ!」

打ち止め(佐天)「そう怒らないでくださいよ。『短期は損気』って言いますし」

一方「喋ンなってのが聞こえないンですかァ!?」

打ち止め(佐天)「そんなことより、何か言いたいみたいですよ。御坂妹さんたちが」

一方「あァ?」

「もっと」

「「「「もっと生きていたかった」」」」

一方「ッ!」

「もっとおねえさまとお話したかった」

「もっといろんな景色を見たかった」

「そんな簡単なことすら出来ずにミサカは殺されました」

「ミサカは何のために生まれてきたのでしょう」

「ミサカは貴方に殺されるためだけに生まれてきた?」

「何十回も、何百回も、何千回も、何万回も」

「一体どれほどの死を経験したのでしょう」

一方「・・・オイ、止めさせろ」

佐天「いいえ?止めませんよ」

佐天の姿が元に戻る

佐天「貴方が一番恐れていることが、いまここで起きているんですから」

一方「もう一度だけ言う。止めさせろ」

佐天「何度でも言います。止めません」

一方「・・・あァ、そォか。だったらもう容赦しねェ!」ドン

足下のベクトルを操作して超加速する一方通行

打ち止め(佐天)「そんなに怒らないで!ってミサカはミサカは」

一方「打ち止めの姿に変わっても容赦しねェってンだよォォ!!」ブン

拳を振り上げる

打ち止め(佐天)「なっ・・・」

佐天「なーんちゃって」

一方「!」

その瞬間、一方通行が佐天に殴り飛ばされる

一方「ぐッ・・・」

佐天「冷静になりましょう。らしくないですよ。まるで
   『飛んで火に入る夏の虫』のようでしたよ?」

一方「クソがァ・・・反射が効かねェってのかァ?」

佐天「いえ、あなたが無意識に反射を切っていただけですよ」

一方「ンなわけねェだろ」

佐天「そういうことわざなんです。あなたの意思は関係ありません」

一方(ことわざ・・・諺だと?)

一方(そういやコイツが能力使うときは決まって変なコト言ってたなァ)

一方(そしてそれが実際に起きるってかァ?つまり・・・)

一方「諺を現実にする能力・・・か」

佐天「正解です。でももう時間切れですよ」

一方「はァ?」

御坂妹の化け物が消えていく

佐天「どうやら私は第一位に勝てたようです。ありがとうございました」

一方「何言ってン・・・」

佐天「時間が流れるのはとても早いですよね。『光陰矢のごとし』とはよく言ったものです」

一方通行の補助演算装置の電源が切れる

一方「あjntすstzghンりqcl」

佐天「意外とあっけなかったですね」

一方「」ドサッ

佐天「これで私が第一位、か」

佐天「あはは、あはははははは・・・」

佐天「・・・」

佐天「あの」

一方「」

佐天「第一位って、あんまり良いもんじゃないですね」

一方通行は答えない

佐天「おかしいですよね。ずっと、ずっとずっと憧れていたはずなのに」

佐天「おかしい、ですよね・・・」

佐天「どうしてですかね」

一方「」

一方通行は答えない

佐天「私は間違っていた?」

佐天「私の憧れは、行動は」

佐天「私の能力は間違っていた?」

一方「」

佐天「・・・違いますよね」

佐天「私は正しい。私は第一位だから。そう思いますよね?分かってくれますよね?元第一位の貴方なら」

一方通行は答えない

佐天「そうです。間違っているのはこの世界。そんな間違いだらけの世界は
   ―――いらない」

佐天「この世界を『画餅に帰す 』」

佐天「みんな、さよなら」

______
____
__

上条「・・・なんだよ、これ」

上条の目の前には荒廃した学園都市が広がっていた

上条「みんな、みんなどこいったんだよ・・・」

上条「土御門、青ピ、子萌先生、姫神、吹寄、ビリビリ・・・」

上条「インデックスまで・・・一体、何が」

ガラッ

上条「!」

瓦礫が崩れた方向に振り向く

上条「・・・誰か居るのか?」

上条「・・・」

上条「気のせい、か」

「いいえ」

上条「!」

「驚きですね。生きてる人がいるなんて」

上条「・・・どういう意味だ」

「そのままの意味ですよ」

上条「そうじゃねえ。アンタの言葉・・・何か知ってる風じゃねえか」

上条「何を隠してる」

「隠す、ですか。ふふ、それって私がこの世界をメチャクチャにしたことを言ってるんですか?」

上条「何だと・・・!」

「ウソじゃないですよ。それにしても、よく生きてられましたね」

上条「俺のことなんてどうでもいい!皆は?インデックスは何処行ったんだよ!」

「死にました」

上条「・・・は?」

「死にましたよ。貴方の知り合いも、インデックスという方も」

「もうこの世界には貴方と私しか生きていないんですよ」

上条「な、何を・・・言って」

「信じられないかも知れませんが本当の話です。夢でもないですよ」

上条「そんな・・・ウソだ・・・」ガクッ

「貴方がどうやって私の能力から逃れたのかは知りませんが、生き残ったのが一人なら問題ないですね」

上条「・・・なんでだよ。なんでこんなこと・・・」

「何故、ですか」

「あえて言うならなんとなくですかね」

上条「何だと・・・」

「なんとなく気に食わなかった。なんとなく想像と違った」

「だから世界をリセットした。ふふ、こんな理由じゃダメですか?」

上条「ふざけてんのか!!」

「大真面目ですよ。どうしてそんなに怒るんですか?」

上条「そんな下らねぇ理由で皆が、インデックスが死んだからだ!」

「そうですか。それで、これからどうするんですか?」

「貴方がいくら頑張っても、この世界を元通りにすることは不可能ですよね」

上条「ああ、俺にはそんなことできねえよ。だがまだ可能性はある」

「?」

上条「アンタの能力でこの世界を元通りにするって可能性がな」

「ふふ、そんなことするとでも思ってるんですか?」

上条「分かってるよ。素直に頼んだところでアンタが従うわけがねぇ。だから!」

上条「俺がアンタの能力を!力ずくでも使わせてやる!!」

「勝てると思ってるんですか?この私に」

上条「勝てる勝てないじゃねぇ。やるかやらねぇかだ!やってみなきゃわかんねぇだろうが!」

「面白いことを言いますね。ふふ、なんだか貴方に興味が沸いてきました」

「名前を教えてもらっても良いですか?」

上条「上条・・・当麻だ。覚えとけよ、名前も知らない女子中学生」

「ああ、そういえば私の名前はまだ教えていませんでしたね」

佐天「佐天涙子です。覚えておいて下さいね、上条さん」

上条「佐天・・・アンタがなんでこの世界をメチャクチャにしたのかは俺には分からねぇ」

上条「だがな、これだけは分かる。アンタのやったことは間違ってるってな!
   だから俺が―――

 





   ―――まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!」






おわり

一方さんに佐天さンと呼ばせたかった。元ネタのラノベは面白いから見るべき
寝る

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