【安価で】王様「今日からお前は『勇者』と名乗るのだ」【まったり殺し合い】 (297)




勇者「あの、意味わかんないんスけど……」

王様「今の説明の、どれがわからなかったのだ? 魔王の登場か? 魔族の発生か? 魔法の概念か?」

勇者「いや全部ッスよ。なんスか魔法って。テレビゲームのやりすぎじゃないスか?」

王様「このあいだ、お前の研究所近くのショッピングモールで爆発事故があっただろう」

勇者「らしいッスね。なんでもドーナツ屋からガスが漏れてたとかでしたっけ?」

王様「それは報道規制を布いて情報操作をした結果だ。本当はあの場で、魔族の襲撃があったのだ」

勇者「……冗談ッスよね?」

王様「一国の王が、こんなくだらん冗談を言うためだけに貴様のような者を呼び出すと思うのか?」

勇者「……」

王様「先ほど伝えた通り、お前の任務は魔王の暗殺だ。魔王の所在を調べ、確実に亡き者とせよ」

勇者「なんで、俺なんスか」

王様「国の軍隊は、各地での魔族テロへの対応に追われているのだ。そして無論、タダでとは言わん。任務成功の暁には、お前を研究所から解放することを約束しよう」

勇者「バケモノの相手はバケモノがしろってことスか」

王様「そういうことだ。わかったら早く行け。こうしている間にも、魔族による被害は増え続けているのだからな」




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登場人物や展開などを安価で決めながらまったり進めたいと思います。たぶん死人とか出ます。

登場人物は下記の勇者のような書き方でお願いします。空欄があっても私が適当に埋めますので問題ありません。

また、魔法の欄は「種族:魔族」限定となります。「『○○』を『××する』能力」のようにお書きください。



【勇者】

種族:人間
性別:男
年齢:20
任務:魔王の暗殺
目的:自由になる
魔法:『血液を舐めた相手の記憶』を『覗き見る』能力
備考:魔法に目覚めたことで研究所に収容(監禁)された人間。趣味はお金を無駄遣いすること





勇者(王様によると、どうやら魔族ってのは外見じゃ人間と見分けがつかないらしい)

勇者(魔族の特徴は4つ。『魔王に授かった任務をこなす』『人間をゴミとしか思わない』『魔法と呼ばれる人知を超えた能力を使用する』『脳の構造が人間と微妙に違う』)

勇者(ちなみに俺はCTスキャンで調べたけど、魔族の脳じゃないらしい。どうして魔法が使えるのかは知らん)

勇者(既に数人の魔族の存在が確認されているらしいけど、軍隊も結構手こずってるらしい)

勇者(そんな中で、一人だけ捕まえることに成功した魔族がいるらしい。要するに、脳の構造が違くて自白剤も使えないから、俺の魔法でそいつから情報を抜き出せってことなんだろう)

勇者(それは構わないんだけどさ……)

勇者「……あの、狭い車内でそんなに見つめられたら照れちゃうんスけど」





>>5
捕まえた魔族のところまで勇者を案内する人の設定(しばらく一緒に行動します)



名前【】(できれば勇者魔王モノっぽく職業名でおねがいします)

種族:人間
性別:
年齢:
任務:勇者の監視・案内
目的:
備考:



名前【傭兵】

種族:人間
性別:女
年齢:24
任務:勇者の監視・案内
目的:お金を稼ぎながら気侭に生きる
備考:お腹がすぐに減る性質。傭兵やってる理由の一部はそれ関係




傭兵「嬉しいな。女の子として見てくれるんだ」

勇者「そッスね。火薬臭い系女子、流行るといいッスね」

傭兵「うそ、変な匂いする?」クンクン

勇者「平和ボケしたうちの国で、こんなに濃厚な火薬の匂いを嗅ぐことはないと思ってたッスよ」

傭兵「香水とかつけてみよっかなぁ」

勇者「防弾チョッキと迷彩服からフローラルな匂い撒き散らしてたら、戦場でもカフェでも浮くでしょ」

傭兵「あはは、たしかに」

勇者「それに匂いって言うなら、狭い車内で豚生姜丼はやめてくれないッスかね。火薬の匂いと混ざって吐きそうなんスけど」

傭兵「文句の多い男はモテないよ。男は器が大きくてナンボだからね」モグモグ

勇者「俺はそんな大きな丼ぶりの器を初めて見たとこッスよ」

傭兵「腹が減っては戦はできぬ、ってね。戦争請負人のお姉さんからの教訓だよ」

勇者「今度の戦争相手はファンタジー出身ッスか?」

傭兵「アレはそんな生易しいものじゃないよ。『ヤツら』は……指先ひとつで地獄を生み出せるんだ」

勇者「……地獄」

傭兵「もうすぐ国立病院だね。ここから先は戦場だと思ったほうがいい」

勇者「魔族ってのは、もう捕えたんスよね?」

傭兵「戦争で大切なのは物資や戦力よりも情報だよ。私たちは敵のことを知らなすぎる。なにが起きるかなんて、誰にもわからない」

勇者「……」

傭兵「驚いてる暇があったら弾を込めるんだよ。お姉さんとの約束だぜ」ニコッ




―――国立病院 特別病棟―――


傭兵「この扉の向こうに、魔族がいるんだ。覚悟はいいかな?」

勇者「そんなえげつない姿かたちなんスか?」

傭兵「勇者くんを頼る前に、軍隊式でいろいろ体に訊いてみたんだ。だから素人さんにはちょっとショッキングな映像かもしれない」

勇者「はぁ……悪いことはできないもんスね」

傭兵「一応言っておくけど、相手は魔族、というより鬼や悪魔だと考えた方がいい。間違っても、見た目に騙されてアレを人間だなんて思っちゃいけないよ。本当に恐ろしいのは、『能力』じゃないんだ」

勇者「捕らえて無力化したはずの捕虜と会うのにそんなマシンガンを装備してる時点で、いろいろ察してるッスよ」

傭兵「おっけー。じゃあ、行くよ」ガチャッ





>>9
捕縛した魔族の設定をお願いします。

名前【】(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:



名前【獣人(ラッコ)】

種族:魔族
性別:男
年齢:11
任務:魔族に協力する裏切り者の人間を増やす
目的:殺された同族の毛皮を取り戻す
魔法:『体に触れた水分の性質』を『自由に変化させる』能力(粘性や温度、質量等)
備考:年少時に家族を失い、子供ながら復讐のことばかり考え育ってきた。見た目の可愛さを生かして任務を遂行する腹黒系。なお腹ペコキャラ2人目




勇者「……うげ」

傭兵「獣人(ラッコ)―――と呼ばれているらしい。見た目は小学生男児だけど、触れた人間を木っ端微塵にする能力があるらしい」

獣人「うぅ……ひっく……痛いよぉ……たすげでぇ……」ガクガク

勇者(思った以上の拷問だった。主に左手がエグいことに……)

傭兵「むしろ私たちの方が悪魔だと言わんばかりの目だね」

勇者「いや、そんなことは……」

獣人「お兄ちゃん、たすけてぇ! ころされちゃうよぉ!! うわああああんっ!!」ポロポロ

傭兵「騙されないでね。これでも警視庁に真正面から侵入して、比喩なしで『血の海』に変えたんだから」

獣人「ごめんなさい……ひっく……ごめんなさいっ、もうしませんからぁ!」ガクガク

勇者「ちなみに記憶を読み取ったあと、こいつはどうするんスか?」

傭兵「手足を切り落としてから、生体実験に回されるんじゃないかな」

勇者「……っ」ゾクッ

獣人「やだぁ! なんでも言います! ボク、魔王に脅されただけなのっ! だから殺さないでぇ!!」ポロポロ

勇者「……」

勇者(こりゃあ……寝覚めが悪いったらねぇな)

傭兵「それじゃ、記憶を読み取って」

勇者「……ウッス」スッ

勇者(獣人とかいうガキの左手から手当てもされずに溢れてる血を指ですくって、一口舐める)ペロッ




>>11
勇者はどうする?

1、「おっけ、記憶を覗きました。もうイイッスよ」と正直に言う。
2、「……スンマセン、しばらく二人っきりで会話をしないと読み取れない能力なんスわ」と嘘をつく。
3、「情報を教える代わりに、この子の処分は俺に任せちゃくれませんかね?」と交渉を持ちかける。

選択肢次第では、結構容赦ない結果になります。



2




勇者「……スンマセン、しばらく二人っきりで会話をしないと読み取れない能力なんスわ」

傭兵「……なにそれ?」

勇者「ほら、発動条件ってやつッスよ。魔法には呪文の代わりにいろいろメンドクサイ下準備がいるんス。室内に人がいると、どうにも調子が出なくって」

傭兵「……本当、だろうね? まさか情が移ったりなんかしてないよね?」

勇者「人殺しのバケモンに移す情なんてないッスよ」

傭兵「……扉のすぐ前で待機してるから、10分で作業を終わらせて。それから一応、この拳銃も持っといて」

勇者「ウッス」スチャッ

傭兵「警備の二人も、部屋から出るよ」

警備A、B「……」コクッ

傭兵「勇者くん。……信じてるからね」ガチャッ、バタン

勇者「……」

獣人「……お兄ちゃんも、魔族なの?」

勇者「一応、人間ってことになってる。他人の記憶を覗く魔法が使える、ただの人間だよ」

獣人「おねがい、ころさないで……たすけてぇ……」ポロポロ

勇者「お前の記憶は覗いた。お前の異能を恐れた村人に襲われて、それを庇った家族を殺された復讐か」

獣人「っ」ピクッ

勇者「魔王は直接姿を見せないみたいだな。少なくともお前の記憶のどこにも魔王の姿はない。けどアジトの場所はわかったぞ。お前が捕まった以上、間違いなく移動しちまってるだろうけどな」

獣人「……ねぇ、お兄ちゃん。おねがいだから、たすけて……もう復讐なんてやめるから……」

勇者「信じられないな」

獣人「ボクね、もう、悪いことやめるよ……ここから逃がしてくれたら、お兄ちゃんといっしょに、魔王と戦うよ……僕、強いんだよ? 水をね、操れるんだ……」ポロポロ

勇者「……」

獣人「おねがいします……なんでもするから……」ポロポロ




>>13
勇者はどうする?

1、「やっぱり、信じられないわな」この子を見捨てる。
2、「……もう悪いことはやめるんだよ」と拘束ベルトを外してあげる。
3、「……どうすりゃいいんだよ」決断できず、時間だけが過ぎてゆく。






勇者「やっぱり、信じられないわな」

獣人「……そんな」

勇者「魔族は人を人とも思わない。信じる道理が見つかんねぇな」

獣人「……ふ、ふふ、あはは…………あなたこそ」

勇者「?」

獣人「こんな状態の子供を見捨てられるあなたが『人間』だとは、ボクには思えないよ」ニタァ

勇者「―――っ」

獣人「」ゴボボッ

勇者(なんだ!? こいつの左手の出血がすごい勢いに……この小さな体のどこに、こんな量の血が!?)

獣人「」ゴボボボッ

勇者(『水』を、操る―――!?)ハッ

獣人「前に殺した小学生の持ってた教科書に書いてあったよ。液体が気体になるとき、『体積』っていうのがすっごく増えるんだ」

勇者(触れた自分の血液の質量を急激に増やしてる! 床いっぱいの、こんな量の液体が全部一瞬で気体になったら……!)

獣人「全部ふっとんじゃえっ!!」ギュオッ

勇者「……っ」チャキッ



パンッ



勇者「……」

獣人「…………マ、マ……」ガクッ

勇者「……くそ」





傭兵「どうしたの!?」ガチャッ

警備A「うわっ、なんだこれは!? 血か!?」ビチャッ

勇者「……スンマセン、ここら一帯を吹っ飛ばされそうになったんで……」

獣人「」

傭兵「……情報は?」

勇者「読んだッス。大した情報は、なかったッスけど……」

傭兵「ならいいよ。後処理はここに任せてさっさと行こう。濡れちゃったね、着替えを用意させるよ」

勇者「……ウッス」バチャバチャ

警備B「傭兵さん! 病院外周警備から連絡! 敵襲です!!」

傭兵「まさか……!」




>>18
新たな魔族が急襲してきました。設定をお願いします。

名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(見た目は人間となにも変わりません。ちょっと特殊な人間を『魔族』と呼んでいます)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:捕らえられた獣人の奪還、場合によっては抹殺
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:


名前:大精霊

種族:魔族
性別:女
年齢:不明瞭なため存在しない
任務:捕らえられた獣人の奪回、場合によっては抹殺
目的:人間を殲滅する事による人間以外の全生物の救済
魔法:『人間』を『思考を持たぬ他の生物に変換する』能力
備考:あまり殺しはしたくない。ただし生きてれば良いだけでその他の事はたいていなんでもする。




傭兵「あれって……窓の外を見て」

勇者「なんスか、アレ……なんで病院の正門が動物園になってんスか」

傭兵「あそこにいるドレスの女が……『魔族』ってわけだね」

勇者「動物を操る魔法? さっきのガキに比べたら大したことない能力ッスね」

傭兵「―――伏せてっ!」ガバッ

勇者「うおっ!?」ドサッ

傭兵「あの女、いまなんかこっちを……」



豚「ブフッ、フゴッ」

鶏「コッ、クケケッ」



勇者「な、んだ、こりゃ? いつの間に、こんなとこまで動物が……」

傭兵「……警備の二人は……どこに行ったの?」

勇者「―――え」

傭兵「警備A、警備B!! いたら返事して!!」

勇者「……おい、おいおいおい! まさかっ!!」

豚「ゴフッ……zzz」ゴロン

鶏「コケッ」バサバサッ

傭兵「さっき、あの女がこっちに気が付いて、私たちを指さしたんだ。それで嫌な予感がして……」

勇者「指さした人間を、動物に変える能力ってことッスか!?」

傭兵「詳しい条件はわからないけど、とにかくマズイね。獣人とかいう子供よりも、ある意味よっぽどえげつない能力だよ」

勇者「……っ」

勇者(人を指さしただけで、ほとんど即死させるような魔法……あんなのもいるのか)



>>20
勇者はどうする?

1、「あんなチート能力、相手にしてられないッスよ! 逃げましょう!」逃げる。
2、「逆に言えば、指を向けられなければ勝算があるってことッスよね?」戦う。
3、「もしかして、あの女の後を追えば……」いったん隠れてやり過ごし、追跡。





傭兵「あれって……窓の外を見て」

勇者「なんスか、アレ……なんで病院の正門が動物園になってんスか」

傭兵「あそこにいるドレスの女が……『魔族』ってわけだね」

勇者「動物を操る魔法? さっきのガキに比べたら大したことない能力ッスね」

傭兵「―――伏せてっ!」ガバッ

勇者「うおっ!?」ドサッ

傭兵「あの女、いまなんかこっちを……」



豚「ブフッ、フゴッ」

鶏「コッ、クケケッ」



勇者「な、んだ、こりゃ? いつの間に、こんなとこまで動物が……」

傭兵「……警備の二人は……どこに行ったの?」

勇者「―――え」

傭兵「警備A、警備B!! いたら返事して!!」

勇者「……おい、おいおいおい! まさかっ!!」

豚「ゴフッ……zzz」ゴロン

鶏「コケッ」バサバサッ

傭兵「さっき、あの女がこっちに気が付いて、私たちを指さしたんだ。それで嫌な予感がして……」

勇者「指さした人間を、動物に変える能力ってことッスか!?」

傭兵「詳しい条件はわからないけど、とにかくマズイね。獣人とかいう子供よりも、ある意味よっぽどえげつない能力だよ」

勇者「……っ」

勇者(人を指さしただけで、ほとんど即死させるような魔法……あんなのもいるのか)



>>20
勇者はどうする?

1、「あんなチート能力、相手にしてられないッスよ! 逃げましょう!」逃げる。
2、「逆に言えば、指を向けられなければ勝算があるってことッスよね?」戦う。
3、「もしかして、あの女の後を追えば……」いったん隠れてやり過ごし、追跡。


あ、ごめんなさいミスです。




勇者「逆に言えば、指を向けられなければ勝算があるってことッスよね?」

傭兵「『戦う』……ってことでいいのかな?」

勇者「このタイミングで敵が現れたってことは、十中八九、あのガキを取り返しに来たってとこじゃないッスかね?」

傭兵「だろうね。相手の『狙い』が明確ってことは、たしかに戦いやすいはずだよ」

勇者「それにもしも顔を見られてたとしたら、今後どこかで遠くの物陰から動物に変えられるってことも……」

傭兵「……わかった。でも主に戦うのは私だよ。勇者くんには援護をしてもらう」

勇者「まあ、戦いはプロに任せますよ。でも最悪、倒せなくたって敵の血が一滴でも手に入れば御の字ッスよ」

傭兵「おっけー。そんじゃいっちょ、やったりますか」





大精霊「あのう、ちょっとよろしいかしら?」

看護婦「はい?」

大精霊「あそこの階の右端って、どんな人が入院しているのかしら?」

看護婦「あ、はい。あちらは軍関係者の病室になりますが……」

大精霊「なるほど、そうなの。ありがとう」スタスタ

看護婦「あのっ、そちらは関係者以外立ち入り禁止ですので……!」

大精霊「あらそうなの? それは困ったわ」チラッ

幼児「……ままー、どこー?」トテトテ

大精霊「あら、ちょうどいいところに」ブンッ

幼児「げうっ!?」ドゴッ

看護婦「な、なにしてるんですか!」

大精霊「病院では静かにしましょうね?」スチャッ

看護婦「け、拳銃……!?」ビクッ

大精霊「うふふ、ちょっとあなた、お使いを頼まれてくれるかしら?」ニコッ





ガチャッ


看護婦「きゃあっ!? なにこれ、血!?」

大精霊「部屋の中に誰かいるかしら?」

看護婦「こ、子供が……台に、縛られてます! け、警察を……!」

大精霊「その部屋には、他に誰もいないのかしら?」

看護婦「い、いません……」

大精霊「隠れられそうなところは? とにかく探してちょうだいな。じゃないと、この子……」

幼児「」プラン…

大精霊「窓から投げ捨てるわ」ニコッ

看護婦「は、はいぃ!! うぅ、床に血が……」ピチャピチャ

大精霊「……うふふ、普通に考えれば逃げたと思うけど……」

勇者「食らえ!!」チャキッ

大精霊(窓の外側の縁に張り付いてたってわけね)

大精霊「『ゴンドウクジラ』」ピッ

幼児「」ビクンッ


ドッ!!


クジラ「」ズドンッ

勇者(子供を小型クジラに変えて盾にしやがった……!!)

大精霊「ひどいことするのね。あなたは『チャバネゴキブリ』に変えてあげる!」ピッ


パンッ


大精霊「ぐうっ!?」ヨロッ

傭兵「……」チャキッ

大精霊「ど、どうして『病室』から……! 確認させたのに!」ピッ

傭兵「天井に張り付いてたんだよ」ササッ

大精霊「『バーバリライオン』」ピッ

勇者(傭兵の後ろに、看護婦さんが……!)

看護婦「あぐッ!!」ビクンッ





傭兵「!」

ライオン「グオオッ!!」

傭兵「……ね、猫は嫌いなんだよね」ジリッ

勇者(くそ、俺も加勢しないと!)グッ

大精霊「……」チラッ

傭兵「待って、勇者くん!」バッ

大精霊(うふふ、釣れたわね。私の本当の狙いはあなたよ)クルッ

傭兵「―――っ!!」

大精霊「『ラグドール』」ピッ

傭兵「ぐっ……」ビクンッ

勇者「くそおおおおおっ!!」チャキッ


パンパン、パンッ


大精霊「ぐっ……げふっ……」バタッ

勇者「はぁ、はぁ、はぁ……」

猫「にゃー」

大精霊「……げほっ……うふふ、私も拷問されるのは御免だわ。お先に失礼するわね」ググッ…

大精霊「『ソコボウズ』」ピッ


ドバンッ!!


勇者(……自分自身を深海魚に変えて……破裂しやがった)

クジラ「」ピクッ、ピクッ……

ライオン「……グルル」ノソノソ

猫「にゃー」トコトコ

勇者「……倒しても、戻らねぇ……のかよ。ちくしょう……!!」




思ったより長くなった……。戦闘だしね。しかたないね。


>>28
傷心の勇者を迎えに現れたのは……

1、国家サイドの人間。
2、国家サイドの魔族。
3、魔王サイドの魔族。


2




>>31
『魔族』でありながら人間に味方する異端の『魔族』。本当はどっちの味方なのか……


名前【】
(名前は人間準拠(職業名)でも魔族準拠(種族名)でもどっちでもいいです)
(『本当はどっちの味方か』で決めるのも良し、です)
(人間も魔族も、どっちにせよ見た目は人間です)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:

名前:軍人

種族:魔族
性別:男
年齢:22
任務:勇者を対魔族組織本拠地に連れていく事
目的:魔王の抹殺
魔法:『死者』を『誰かの命と引き換えに蘇生する』能力
備考:大抵の武器を自由自在に操れる。注意深く生き残る能力は高い

名前【記録者】

種族:魔族
性別:女
年齢:少なくとも3桁以上
任務:
目的:全ての戦いの記録をつける
魔法:『自分の記憶』を『再現する』能力
備考:エルフ。今は"とりあえず"人間側

すいません、一身上の都合により【記録者】→【書記】と表記を変更させてください。




ザッ、ザッ、ザッ……

書記「うーん、やっぱり人間なのかね。ちょろっと味方が死んだくらいで、しょげかえっちゃうなんてさ」

勇者「……?」ピクッ

書記「誰だお前、っていう視線に応えて自己紹介してあげるよ。私は書記、世界の記録者だよ」

勇者「お前、魔族か?」

書記「うん、そうだよ」

勇者「あっそ」チャキッ


パンッ


書記「…………まじで?」ゴフッ

書記「」バタッ

勇者「堂々と姿を晒すなんてな……間抜けが。俺は人間だから、人の死は悲しいんだよ」

書記「そのわりには、あっさり人を殺すんだね」ムクッ

勇者「!?」

勇者(傷が、消えてる……!?)

書記「ああ、もう撃たないでよ? 死なないからって殺していいわけじゃないんだから」

勇者「……再生能力か?」

書記「そんなことはどうだっていいんだよ。それより、王様が勇者の仕事の首尾を聞きたがってるから迎えに来たの」

勇者「……」

書記「あ、その薄汚い猫は捨ててきてよね。私の車が毛だらけになったら大変だもん」

勇者「……カバンに入れる」

書記「いや、そういうことじゃなくって……」

ライオン「グルル……ゴォォオオオッ!!」

書記「うっせーよ、デカネコ」スッ


パチン


看護婦「」フッ

勇者「―――えっ!?」

看護婦「」ドサッ

傭兵「」ドサッ

幼児「」ドサッ

書記「さっさと行くよー」スタスタ

勇者「お……おう……」





王様「―――つまり、魔王に関する情報はまだないわけだな」

勇者「まあ、そッスね」

王様「一方で、魔族による被害は留まるところを知らぬ。こうなれば、『将』の前にまず『馬』を射るのだ」

勇者「……え、俺がッスか!?」

王様「自由になりたければ、今度こそ役に立ってくるのだな」

勇者「……ウッス」

王様「なに、そう不服そうにするでない。今度は書記殿に同行してもらう」

書記「おまかせください陛下」ニコッ

王様「うむ、今度こそ実のある土産話を期待しておるぞ」




>>36
勇者たちが狙う魔族は……



名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(ちょっと特殊な人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:






>>38
上の魔族と二人一組で行動しています。


名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(ちょっと特殊な人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:



ksk

名前【魔女】

種族:魔族
性別:女
年齢:570歳(外見年齢20前後)
任務:
目的:人間と魔族の共存
魔法:『時』を『巻き戻す』能力
備考:魔族としては異端。自分もそのことを理解して行動している。温厚ながらも芯は強い性格。

種族:天使
性別:女
年齢:53億
任務:人間の感情を無くし合理的に動く機械のような存在にする
目的:人間を救済する(少なくとも天使はそう思っている)
魔法:相手に弱い暗示をかける
備考:人間を下等な生き物と思っていて、自分達のすることが絶対に正しいと思っているため、大変高圧的な態度を取る。




勇者「テレビ局……か。ほんとに、ここに魔族がいるのか?」

書記「さてね。ただ、軍の人たちの話によると、あの二人が一緒に行動してるらしいからね。ということは、ほぼ間違いなくここを狙うはずだよ」

勇者「敵は二人なのか……勝算はあるのか?」

書記「は?」

勇者「え?」

書記「なに言ってるの? 私は戦わないよ?」

勇者「ちょ、え、お前こそなに言ってんの?」

書記「私は戦いの記録係なんだよ。だから中立、手は出さない。それじゃ、がんばってねー」スタスタ

勇者「お、おい待てこら! 本気かお前!? おーいっ!?」





勇者(くそ、あの金髪……ほんとにどっか行きやがった。俺一人でどうしろって言うんだ)

勇者(とにかくテレビ局を襲うってんなら、目的は電波ジャックくらいしか思いつかないな。こっそりと収録現場に潜り込んでみよう)コソコソ

勇者(えっと、フロアガイドによると……あっちだな。楽屋を抜けたあたりだ)


コツ、コツ、コツ…


勇者(やべ、曲がり角から誰か来る! 楽屋に逃げ込もう!)ガチャッ バタン

勇者「!!」

魔女「いらっしゃい」フリフリ

勇者(誰だ……? 魔族かもしれないから一応、拳銃を……あれ?)スカッ

魔女「ごめんなさい。拳銃は没収させてもらいました」コトッ

勇者「!?」

魔女「さっきはすごく痛かったんですよ。いきなり人の背中を撃つなんて、酷い人です」

勇者「は?」

魔女「だけど感謝してほしいくらいですね。あのままだと、あなたは天使さんの『邪視』に触れて殺されていましたよ?」

勇者(なんの話をしてるんだ、こいつ……?)

魔女「なんの説明もなくあなたを殺してしまうこともできたのですけど……それでは私も他の魔族と変わりません。やはりきちんと話し合うべきですよね」ニコッ





勇者「お前は、なんなんだ……?」

魔女「ああ、いけませんね。まだこの段階では名乗っていませんでしたか。私は魔族の【魔女】と申します。人間と魔族の共存が目的です」

勇者「人間と魔族の……共存?」

魔女「はい。そのために、天使さんの『邪視』を使って、手っ取り早く国内全域に催眠暗示をかけてしまおうというわけです」

勇者「それも、魔王の指示なのか?」

魔女「いいえ、私の意思です。ですので天使さんはきっと、『感情をなくし機械のようになる』という暗示をかけると思います」

勇者「……なにが共存だよ。人間と家畜は共存してないぞ」

魔女「しかし少なくとも魔族は人間を食べたりしませんから、死人は出ません。現状よりはマシと言えるでしょう」

勇者「お前らが襲ってこなければ、そもそも死人は出ないだろ!」

魔女「そうじゃないから、彼らは反撃しているのでしょう」

勇者「……え? あっ」

勇者(能力を恐れられて、家族を皆殺しにされた『獣人』……)

魔女「結局のところ、なぁなぁでは終われないのでしょう。それならば、私は最速の勝利によって仮初めの平和を手にいれます」

勇者「……」

魔女「あなたもそれを、手伝ってはいただけませんか?」ニコッ



勇者の返答は?

1、「……このまま無駄な殺し合いをしてるより、そっちのほうがいいのかもな」降参して軍門に下る。
2、「それでもやっぱり俺は、それは平和とは違うと思う!」自分の信じる平和のために戦う。
3、「よしわかった、降参だ。実を言うと俺も魔族でね」戦っても勝ち目はない。油断させて隙を窺おう。



あ、ごめんなさい。安価は>>45でおねがいします。

2




勇者「それでもやっぱり俺は、それは平和とは違うと思う!」

魔女「そうですか……。残念です」

勇者(おそらくまともに戦っても勝ち目はない。でもこいつを倒すことが俺の『戦い』じゃないんだ。電波ジャックさえなんとかできれば……)

勇者「」ビクンッ

天使「なーんか戻ってこないと思ったら、あたしをほっといて、こんなところでゴミと遊んでたの? お姉ちゃん」ガチャ

勇者(か、からだが……動かない)プルプル

魔女「部屋に入るときは、ノックくらいするものですよ」

天使「はーい。……って、ちょっと話逸らさないでよー!」トテトテ

勇者(ま、またガキ……こいつが、催眠暗示をかけるっていう魔族か)ピクピク

魔女「ですがちょうどいいところに来てくれました。私の能力は、あまり連続して使いたいものではありませんからね」

天使「こいつ、殺していいってこと?」

魔女「殺しはしませんよ。しかし平和な世界作りの邪魔をできないように」チャキッ


パンッ、パンッ


勇者「うぐぁあああああああっ!?」

魔女「足を潰しておきましょう」ニコッ

天使「ほい石化解除」キュイン

勇者「がはっ……!?」ドサッ

天使「ほら、死ねっ! 死んじゃえ、ごみ人間!」グリグリ

勇者「あぐっ、ぐふっ……」ジタバタ

魔女「こら、傷口を踏んではいけませんよ。……では、行きましょうか。人間と魔族の共存のために」

天使「ふふん、お姉ちゃんが優しくて助かったね。生きてたらあたしのペットとして『共存』させてあげる……よっ!」ゲシッ

勇者「ぐああああっ!!」


ガチャッ、バタン


勇者(……くそ、意識が朦朧としてきた……なにが殺さないだ、ばっちり太腿の動脈に当たってるっつーの……)

勇者(体が冷たくなってきた……これが死ぬっていう感覚か。思えば俺も、二人殺してるんだよな)

勇者(でも最期に、命令されたとかじゃなくて、自分の意思で戦うことを選んで死んだんだ……本望だよな)

勇者(久しぶりの研究所の外は……楽しかったかな)


ガチャッ


書記「くそみてーに辛気臭いモノローグは終わったかな?」

勇者「……。……」ピクッ ピクッ

書記「勝ち目がなくても戦うことを選んだキミは、誇っていい。私は『戦う者』の味方だよ」

勇者「……」

書記「傍観決め込もうと思ってたけど、気が変わったよ。キミのことが気に入った。さあ、『戦う』よ」スッ


パチン





勇者「このコードを切断すれば、電波発信はできなくなるってことか」

書記「そうだね。そうするとあの二人はすごく慌てふためくはずだよ。そして……」

魔女「……」シュンッ

書記「ほら来た」パチン

勇者「!!」

書記「こうすれば、時を操るキミが、コードを切断される前の時間軸にいる私たちへと干渉しにくる」ニヤッ

魔女「伏兵はあなたでしたか……エルフ! 魔族の裏切り者!」

書記「人間との共存を謳うキミに言われたくはないけど」クスクス

魔女「あなたが私に敵うと思っているのですか? 私を倒したいのであれば、不意打ちの即死しかありえないことくらい知っているでしょう」

書記「そうでもないんだよね。勇者、やっちゃって」

勇者「これは毒ガス兵器だ。お前が逃げた瞬間に、俺たちはコードを切断する!」

魔女「……ハッタリです。エルフがそんなギャンブルをするはずがない」

書記「私がいるからこそ、そのギャンブルができるのかもよ?」

魔女「―――っ!」

勇者「くらえっ!」カチッ


ブシュゥウウウウ!!




>>49
魔女はどういう行動をとった?

1、「ならばもう一度、やり直せばいいだけです」自分が入室する瞬間へと時を巻き戻す。
2、「ハッタリに決まっています」没収していた拳銃でエルフを狙う。
3、「なにか、嫌な予感がしますね」圧倒的優位ではあるけれど、念には念を入れて今日のところは退散する。




魔女「ハッタリに決まっています」チャキッ

勇者「おっと、こいつは撃たせないぜ」サッ

魔女(エルフを狙わなければ、何度でも『再生』されてしまう……)

書記「毒ガスを吸っちゃっていいのかな?」ニヤッ

魔女「ハッタリだとわかっていますから。それに何度でも言いますが、あなたでは私には勝てません。私がこうやって右に5歩動いて」スタスタ

勇者「!」サッ

魔女「私が動く前の時間軸に、私以外の時を巻き戻せば」


――――――4秒前。


勇者「なにっ!?」

勇者(魔女がいきなり瞬間移動した!?)

魔女「これで終わりです」チャキッ

チカッ

魔女(―――え)


――――――2秒前。


勇者「なにっ!?」

勇者(魔女がいきなり瞬間移動した!?)

魔女「……これは天然ガスですね。拳銃を使えば引火して爆熱を浴びるというわけですか。私が時を巻き戻さなければ、あなたたちもただでは済んでいませんよ?」

書記「……」パチン

勇者「なにっ!?」

勇者(魔女がいきなり瞬間移動した!?)

魔女「これで終わりです」チャキッ

チカッ

魔女(―――え)


――――――2秒前。


勇者「なにっ!?」

勇者(魔女がいきなり瞬間移動した!?)

魔女「……これは天然ガスですね。拳銃を使えば引火して爆熱を浴びるというわけですか。私が時を巻き戻さなければ、あなたたちもただでは済んでいませんよ?」

書記「……」パチン

勇者「なにっ!?」

勇者(魔女がいきなり瞬間移動した!?)

魔女「これで終わりです」チャキッ

チカッ

魔女(―――あれ……なにかが―――おかしい……?)



――――――2秒前。





勇者「なにっ!?」

勇者(魔女がいきなり瞬間移動した!?)

魔女(くっ……どうして……まだそんなに魔法は使っていないはずなのに……)クラッ

魔女「」バタッ

書記「たしかにキミの能力は本当に強い。正々堂々戦ったら、誰にも負けないんじゃないかな」

魔女「う……うぅ……」ググッ…

書記「だけどたしか、一度使うごとに『微量の血液を失う』という欠点もあったよね? だからあまり連続では使いたがらない」

魔女「……まさか」

書記「ご明察。巻き戻す時間が長い、あるいは短い間隔で巻き戻し続けると、それだけ多くの血液を失う。だけど私を相手に代償をケチって数秒戻しなんてやるから、ループにかけられちゃうんだよ。私の魔法も知ってるくせに」

魔女(自分の記憶を、現実世界に上書きして再現する能力……魔法を使った後に、魔法を使う前の私を上書きされたというわけですか……)

魔女「」ガクッ

書記「魔族のくせに、合理的に考えて天使を連れてこなかったのがキミの最大の敗因だよ。自分の実力を過信しすぎたね」

勇者「……トドメは?」

書記「もうほっといても失血ショックで死ぬと思うけどね」

勇者「……そうか」

魔女「だ……誰の、血も流さない……平和な世界を……」

書記「……まだ意識が!?」スッ

魔女(私の命と引き替えにしてでも……!)



――――――420秒前






勇者「それでもやっぱり俺は、それは平和とは違うと思う!」

魔女「そうですか……。残念です」

勇者(おそらくまともに戦っても勝ち目はない。でもこいつを倒すことが俺の『戦い』じゃないんだ。電波ジャックさえなんとかできれば……)

魔女「」フラッ バタン

勇者「……え?」


ガチャッ


天使「おねえちゃん!?」ダッ

魔女「」

勇者(肌の色が真っ青に……なにがあったんだ?)

天使「あ、あんた……おねえちゃんになにをしたの!?」



>>54
おねえちゃんになにをしたんですか?

1、「よくわからんが、あと一人! うおおおおおっ!!」この少女がどんな能力かは知らないが、挑みかかる。
2、「わからない、いきなり倒れたんだ! はやく医者に見せないと……!」はじめて話の通じそうな魔族だ、死なせてしまうのは惜しい!
3、「……まさか、あの金髪女の魔法か?」おもむろに責任転嫁しちゃう。






勇者「……まさか、あの金髪女の魔法か?」

天使「魔法? だれその金髪女って! 答えろ、ゴミ人間!」ギロッ

勇者(ぐっ……!? からだが、動かない……! さっき魔女が『催眠暗示』とか言ってたな……睨んだ相手に暗示をかける魔法か……!?)ググッ…

勇者「俺と一緒に、ここへ来た魔族だよ。途中でどっか行っちまったけど、おかしな魔法を使うんだ」

天使「……そいつが、おねえちゃんを攻撃したっていうの……?」

勇者「少なくとも俺じゃない。相手の記憶を読むってだけの能力で、どうやって人を気絶させるんだよ」

天使「……え? あ、あんた、魔族なの?」

天使(嘘を言えないように、『邪視』で暗示をかけよう)ギロッ

勇者「俺は魔法が使えるだけの人間だよ」

天使「……? 魔法が使える人間を魔族って言うんじゃないの?」

勇者「え、いや、そうだけど……あれ?」

天使(……嘘はついてない。さっきもおねえちゃんとお話ししてたってことは、味方だったんだ!)

勇者(!! 解放された……?)ガクッ

天使「そっか、そうなんだ。ごめんねおにいちゃん、人間だと思ってひどいこと言っちゃった。じゃあ、おねえちゃんの記憶を読んでなにがあったのか調べて?」

勇者「いいけど、相手の血を舐めないと記憶は読めないぞ? そういう発動条件なんだ」

天使「うっ……たぶんおねえちゃん、血が少ないからこうなってるんだ。能力を使いすぎたんだよ。だから血を流すのはは……」

勇者「というか、もう脈が……止まってる」

天使「そんな……!? おねえちゃん!!」ユサユサ

魔女「」

天使「うぅ……おねえちゃん……」ポロポロ

勇者(……魔族同士だと、普通に悲しむもんなのか? 明らかに姉妹って外見でもねぇし……)

天使「……ぐすっ……とにかく、テレビで暗示、かけないと……おにいちゃん、おねがい、てつだって」グスッ



>>55
崩れ落ちる天使の背後で、勇者は……

1、「……悪いけど、俺はそれに反対なんだ。だから手伝えない」そう言いながら、天使の後頭部を後ろから掴む。
2、「おねえちゃんが言ってたぞ。これからは魔王から離れて、もっと平和的に動くって」そう言いながら、天使の頭を撫でる。
3、「……ごめんな、俺もこれからやることがあるんだ」そう言いながら部屋を後にして、書記を探しに行く。



あ、安価ミスです。

>>58でお願いします。




勇者「……ごめんな、俺もこれからやることがあるんだ」スタスタ

天使「そっか……ばいばい」


ガチャッ バタン


勇者「!」

書記「勝手に人のせいにしないでよね」ジトッ

勇者「部屋の外から聞き耳たててたのか……っていうか、ほんとにお前じゃなかったの?」

書記「それこそ魔女の記憶を読まないかぎりはわからないよ。あの子が戦ったのは未来の出来事なんだから、その戦いは私にだって『記録』できない。歯がゆいね」

勇者「未来……?」

書記「それより、あの子を殺す絶好のチャンスだったじゃない。なんで殺さなかったの? このままだとたくさんの人があの子に殺されるよ?」

勇者「……それは」

書記「冷酷なのか甘ちゃんなのかわかんないなぁ。ま、いいや。外で半殺しになってた警備員から拳銃かっぱらってきたんだ。キミのお尻は私が拭いてあげるから、先に車で待ってて」スタスタ


ガチャッ バタン






書記「お待たせ」ガチャ

勇者「……殺ったのか?」

書記「うん。お掃除は下っ端に任せて、私たちはさっさと帰ろう」

勇者「あっさりしてるな。人を殺したってのに」

書記「ひどいなぁ、さすがに私も無関係の人は傷つけないよ? これは『爆弾処理』。誰かがやらなきゃたくさんの人が死ぬんだ。無責任に逃げる方が、よっぽど残酷だよ?」

勇者「……悪い」

書記「あはは、ジョークだよ。本気でへこまないでってば」

勇者「無傷……なんだな」

書記「これでも6回は殺されてるよ? でもマシな方かな、魔女と戦ったら100回は殺されそう」

勇者「お前よく自分の傷を治してるけど、実際どういう能力なんだ?」

書記「『攻撃を受けた私』に『攻撃を受ける前の私』を上書きしてるだけだよ」

勇者「よくわからんが、便利な能力だな」

書記「そうでもないよ。私が『再生』してあげた傭兵さんも、5分経ったら猫に戻っちゃったでしょ? 私が『猫に変えられる5分前までの傭兵さん』しか見たことがなかったから」

勇者「じゃあ傷を治すっていう目的では使えないのか……」

書記「なにより代償がキツイ! 実現させた過去に関わる記憶は忘れちゃうから、使えば使うほど記憶を失っていくんだよ」

勇者「……そうなのか」

書記「さてと、辛気臭い話はこのくらいにして……『魔女』と『天使』の血液だよ。はい舐めて」

勇者「さらっと物騒なもの渡すなよ……」ペロッ

書記「どう? 魔王に関しての記憶はあった?」




>>62
魔王に関してわかったことは……0個から3個まで選べます。

A、魔王の容姿
B、魔王の性格
C、魔王の目的
D、魔王の能力


あ、あとでそれぞれの項目ごとに安価するので、判明した『個数』だけお願いしますね。

個数だけってどれかわかんないじゃないか! なにを書いてるんだ私は!?

すみません、じゃあ『2つ』、どれとどれが判明したかを>>64で!

AB


>>67
魔王の容姿

>>69
魔王の性格

…を、おねがいします。

血で濡れた鎧 を着た白髪の男

清廉潔白でかつ意思が強い。
魔族と人間の不仲を心のなかでは悲しんでいるが、表には出していない。
実は子供好きで甘いものに眼がない。




魔女『魔王様、我々に任務はないのでしょうか?』

魔王『……意外な言葉を聞いたものだ。そんな好戦的なセリフが、お前の口から出るとはな』

魔女『いえ、それは、その……』

魔王『お前の魔法は強い。お前と組んでいる天使の魔法も大したものだ。しかし『それだけ』だ。根本的なところで、お前たちに『戦い』というものは向いていないというのが私の見識なのだよ』

魔女『戦いに、向いていない……ですか?』

魔王『天使は状況によって戦闘能力にムラがありすぎる。あれでは非常時にあっさりとやられてしまうだろう。そしてお前は、魔族にしてはあまりに優しすぎるのだな』

魔女『……人間と魔族が争うことなく生きてゆけたら、それは素晴らしいことではありませんか?』

魔王『…………。お前なりに、考えがあるのだろう。私はお前の考えを、奨励はしないが尊重はする。任務を与えよう……好きに動け』

魔女『あ、ありがとうございます!』

魔王『優しさとは素晴らしいものだが、時に自分の命を縮めることにもなりかねない危険性をも孕んでいる。くれぐれも、使いどころを間違えないようにすることだ』

魔女『はい!』

魔王『良い結果を期待しているぞ』





勇者「って感じの会話ッスね」

王様「歳のほどは判然としないが、血に塗れた鎧を着込んだ白髪の男……か」

勇者「すげー落ち着いた話し方で、なんていうか、カリスマっていうんスか? 威風堂々って感じッスね」

王様「力にものを言わせて従わせているというわけではないようだな」

勇者「スンマセン、場所とかまではわからなかったんスけど」

王様「いや、お前の働きは評価している。この短期間で、新たに二人も魔族を始末してくれようとはな」

勇者「あの金髪のおかげってのが大きいッスけどね。俺なんか、特になにも」

王様「書記は、お前のことが気に入ったから力を貸したと言っていたぞ。そう卑下するな」

勇者「……はぁ」

王様「とはいえ、書記は魔法を使いすぎたようだ。ぐったりと寝込んでいて、しばらく起き上がっては来ないだろう」

勇者「じゃあ、しばらく待機ッスか?」

王様「今夜は城でゆっくりと休むがいい。明日のことは、朝方に担当の者を迎えに行かせるので、その者に聞くように」

勇者「うげ、まじッスか……」ガクッ





コンコン


勇者「むにゃ?」パチッ

勇者(あれ、ここどこだ? おとぎ話の世界? あ、ちげーや、城に泊まったんだっけ)


コンコン


勇者(やべっ、そういや迎えを寄越すって言ってたじゃねーか!)

勇者「ス、スンマセン、ただいまー!」ドタドタ


ガチャッ





>>74
久しぶりの人間安価です。


名前【】(できれば勇者魔王モノっぽく職業名でおねがいします)

種族:人間
性別:
年齢:
任務:勇者を起こして、本日の任務を共にすること
目的:
備考:


名前【デモマン】

種族:人間
性別:男
年齢:26
任務:勇者を起こして、本日の任務を共にすること
目的:魔族に改造した爆発物をお見舞いしたい
備考:ガタイも気もいいが、何かを爆破しないと喜びを感じられない変人。本職は解体業
    一応一般常識はあり何でも爆破したりはしない



ガチャッ


勇者「スンマセン、お待たせしま―――」

デマモン「おう兄ちゃん、おは―――」


バタンッ


勇者「……」


ガチャッ


勇者「どうも、おはようございます」

デマモン「おい、なんで今あわよくば見間違いであってほしいみたいな反応したんだ」

勇者「一応聞いときますけど、あんたが今日の……」

デマモン「おうよ、今日一日付きっきりでお供するぜ、相棒」ニカッ

勇者(今までで一番魔族っぽい容姿だぜ……)

勇者「ちなみに、今日の任務はなんスか?」

デマモン「おう、今日は……」




>>77
今日の任務は?

1、研究所から特殊な爆弾を盗み出した『怪盗』を追え
2、最近になっておかしな噂を聞くようになった『人食い団地』の謎を究明せよ
3、魔族に覚醒してしまい失踪中の『子供』を捜索・保護せよ





デマモン「研究所から特殊な爆弾を盗み出した『怪盗』を追え……だとよ。だから専門家の俺っちが呼ばれたわけよ」

勇者「え、警察なんスか?」

デマモン「いや、爆弾狂の解体屋だぜ」

勇者(むしろ取り締まられそうだ!!)ガーン

デマモン「その爆弾ってのが、これまたすげぇ逸品でな。あわよくば爆発させずに持って帰りたいもんだぜ」

勇者「研究所にッスよね?」

デマモン「えっ…………ああ、もちろんじゃねぇか!」ニカッ

勇者「……今の間はなんスか」

デマモン「ってなわけで、俺っちはデマモン。よろしくな!」

勇者(勢いで振り切った!!)

デマモン「セキュリティの都合で、その爆弾には電子システムの根幹に電波発信機能が付けてあってな。電波塔の受信状況で大雑把な位置は特定できるんだ」

勇者「じゃあ、警察を派遣すりゃいいんじゃ?」

デマモン「そうしねぇってこたぁだ。つまり、そういう連中じゃ手に負えない相手ってことなんだろうぜ」

勇者「……『魔族』ってことスか」

デマモン「そういうこったな。んじゃ、ぼちぼち行こうぜ」スタスタ

勇者「ウッス」スタスタ




>>81
『怪盗』と呼ばれる魔族。その正体は……


名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:通信・ネットワーク機能を壊滅させる
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:





>>83
上の魔族と二人一組で行動しています。


名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:相方の任務遂行をサポート・フォローする
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:


名前【アルラウネ】
種族:魔族
性別:女
年齢:12
任務:通信・ネットワーク機能を壊滅させる
目的:植物が健やかに暮らせる環境を守る
魔法:『植物』を『自由自在に操る』能力
備考:故郷の森を人間に焼き払われた過去があり、環境を破壊する人間を異常なまでに敵視しており、植物を使ったエコ・テロリズムを起こしている
   穏やかで争いを好まない性格だが、植物に害をなす者には、敵味方問わず誰であろうと容赦しないほど植物を偏愛している。

名前【鳥人】

種族:魔族
性別: 男
年齢: 若く見える
任務:相方の任務遂行をサポート、フォローする
目的: より良き日々の実現
魔法:『真贋』を『見分ける』能力
備考:現実主義者で皮肉屋。自称『勇敢な臆病者』、ゆえに危険が迫ると真っ先に逃げる。隼の鳥人であるためそう簡単には追い付けない。




アルラウネ「ねえ、鳥人さん」

鳥人「なんだいお嬢。先に言っとくが、この『ストロベリーチョコレートミックスクレープ』はあげないぜ? なんせ俺が汗水垂らして稼いだ380円だからな」モグモグ

アルラウネ「もう、ちがうってば。『次』はなにをすればいいの?」

鳥人「爆弾は盗み出したし、じつを言うと、もうお嬢の仕事はなかったりする」

アルラウネ「えっ」ガーン

鳥人「いやまあ、これからわんさか追っ手が来るだろうし、いざって時はそいつらの撃退をお願いするぜ。なんせあっしは最弱の魔族。か弱いあっしをお嬢が守っておくんなせぇ」

アルラウネ「大人なのに、変なの」クスッ

鳥人「クックッ、良いのさ。強いだけで生き残れるほど、この世界は甘かねぇ。甘いのはクレープだけで十分だ」パクッ

アルラウネ「『魔女』も『天使』も強かったのにね」

鳥人「死んだやつを悪く言うようで心苦しいが、あいつらは間抜けだ。自分が強いことを知ってるやつは長生きしないのさ」

アルラウネ「じゃあ、強いって知らなければ長生きできるの?」

鳥人「いんやぁ、そりゃただの阿呆だな。長生きするのは、自分が弱いことを知ってるやつだぜ」

アルラウネ「じゃあ、鳥人さんは長生きするね」クスクス

鳥人「クックッ、そう願いたいもんだ。―――さて、と」ペロリ

アルラウネ「追っ手?」

鳥人「だな……『空気』が変わった。さっさとここからズラかるぜ」スクッ

アルラウネ「殺しちゃえばいいのに」

鳥人「迂闊に戦えば能力がバレる。能力がバレると対策される。『できること』と『できないこと』が見抜かれる。駒の動ける範囲がわかってりゃ、チェックメイトなんてワケないんだ」

アルラウネ「あーあ、あの研究所壊したかったなぁ。あんな緑豊かなところに建てるなんて……ばかみたい」

鳥人「壊したらまた造り直すだけだぜ? そのためにもっと多くの木が切られる」

アルラウネ「だからその爆弾で……」

鳥人「そう。まずは国の経済を吹っ飛ばすってわけだ」ニヤッ





勇者「『高度クリア電磁爆弾』?」

デマモン「通称『D』。Degeneration……つまり『退化』って意味だ。あれを正しく爆発させると、それが起きる」

勇者「王国首都を吹っ飛ばすってことッスか?」

デマモン「ある意味そうだが、ちょいと違う。まず、爆発による直接の死者は一切出ない。それに『クリア』だからな、汚染性も皆無だ」

勇者「死者が出ない?」

デマモン「ただし爆発によって周囲に拡散した強力な電磁波が、周囲数十キロ圏内にある電子機器を根こそぎ吹っ飛ばして社会機能を完全停止させる。まあ、ちょろっと考えただけでも、ただでは済まねぇわな」

勇者「その間、通信もできないってことは……」

デマモン「軍隊も警察も機能停止。魔族に限らず誰でも暴れ放題。ウヒャッホーイ!」

勇者「……『戦争』が始まるってことスか」

デマモン「向こうの狙いはわからんが、向こうが本気になればこの国が終わるかもな」

勇者「……っ」ゾクッ

デマモン「まあ、そうさせないために俺っちがいるわけだ。『D』を使うにはいくつか条件がある。それを満たさなければ、まあいくらでもカバー可能なレベルの被害に抑えられるだろうな」

勇者「爆発させないのが、もちろん一番いいッスけどね」


ザザッ…


デマモン「……ん? そうか、わかった。爆弾に付いてる発信機を追ってる軍隊から連絡だぜ。また逃げられたらしい」

勇者(あ、やっぱ国も動いてたのか。そりゃそうだよな)

勇者「相手は探知系の魔法を持ってるんスかね?」

デマモン「わからんが、なかなか頭のキレるヤツがいるのは間違いない。尻尾がまったく掴めん」

勇者「魔族っていっても、軍人じゃないんスから所詮は素人のはずッスよね? 今までだって、強いっちゃ強いけど……能力に頼ったゴリ押しの場面も多かった。まあ、それでも十二分に脅威なんスけど」

デマモン「証拠も目撃者も被害も残さず、目的のものだけを消すように盗む。『怪盗』と呼ばれるだけのことはあるぜ」

勇者「まさか、瞬間移動ができる魔族とか?」

デマモン「発信機の動きからして、そういった行動をしたと思われる記録はない。……が、『できない』のではなく『やらない』って可能性もある。チッ、メンドくせぇ敵だぜ」

勇者「……やっぱ、一筋縄ではいかないってわけスか」

デマモン「そういうこった。そんなわけで、追うのは軍隊やらにまかせて、俺らは『先手』を打っとくとするか」

勇者「……『先手』?」





デマモン「結局のところ、『D』の効果範囲を決定するのは『高さ』だ。高い位置で爆発させるほどに広範囲に被害が及ぶ。逆に言えば、地表で爆発させてしまえれば、障害物に電磁波が吸収されて大した威力を発揮しない」

勇者「……だから、この電波塔で張っとくわけスか。でもそれなら高層ビルだっていいんじゃないッスか?

デマモン「俺だったら、最低ラインを上空2キロと設定するぜ。地表から2キロ……そんな建物があるはずがねぇ」

勇者「この電波塔でさえ、せいぜい1,5キロ……なるほど、たしかにビルなんかじゃ全然ダメッスね」

デマモン「かといって山で爆発させても、王国に致命的なダメージは与えられねぇ。けどまぁ、電波発信の要であるこの電波塔で爆発させれば、最低限のダメージは見込めるだろうぜ。」

勇者「じゃあ敵は、どうして真っ先にこの電波塔に駆け込んで爆発させなかったんスか?」

デマモン「研究所のケーブルと接続を切られて時点で、緊急ロックがかけられて爆破できなくなるんだとよ。その解除パスは一緒に盗まれてるが、入力画面が表示されるのはロックから44時間後……つまりあと三十分後っつーわけよ」

勇者「そのロック解除までの44時間を、敵は逃げながら時間稼ぎしてたってわけッスか」

デマモン「爆破システム起動から44秒後に爆発すっから、時間との勝負になるな」

勇者「もう時間との勝負は『魔女』でコリゴリなんスけどね……」

デマモン「ところで、敵の魔法ってのは検討つかねーのか?」

勇者「さっぱりッスよ。そもそも敵の情報が一切ないんスから。でも、もし空を飛ぶ魔法を使えるやつがいたらどうなるんスか?」

デマモン「そらお前、最大規模の電磁爆発をお見舞いされて、王国どころか大陸規模で闇に沈んでゲームオーバーよ」

勇者「……来るかもわからない敵を暢気に待ってて大丈夫なんスか?」

デマモン「暢気には待ってねーっつの。いま部下にいろいろ準備させてんだ。電波を送受信してる部位は地上700メートル地点で、展望台が1400メートル地点だ。つまり……」


ザザッ…


デマモン「ん、軍隊から連絡だぜ。……なんだって!?」

勇者「どうしたんスか?」

デマモン「……王国のはずれの森で、大災害だとよ。こんなタイミングでってことは、十中八九ヤツらの仕業だが……お前さんはどう思う?」

勇者「俺は……」



>>88
王国の命運をかけた勇者の決断は……

1、「そこに行けば、敵の正体を掴む手がかりがあるかもしれないッスよ! 行きましょう!」『災害現場』へと向かう。
2、「……今まで一切尻尾を掴ませなかった敵が、ここにきてそんなミスするッスかね?」罠だ。『展望台で』迎え討つ!
3、「時間もギリギリッスから、電波塔を降りて地上に潜んで、敵を不意打ちしましょう!」『地上で』迎え討つ!


1




勇者「そこに行けば、敵の正体を掴む手がかりがあるかもしれないッスよ! 行きましょう!」

デマモン「……うし、わかった! そうと決まれば時間がねぇ、急ぐぜ!」

勇者「お、俺が言い出したことッスけど、そんなにあっさり決めていいんスか? もしかしたら、敵の陽動って可能性も……」

デマモン「今まで魔族と戦ってきたお前さんの判断に従うぜ! 俺っちはもともとサポートとしてついてきてんだ、お前さんの言ったことを実現して、邪魔するもんは全部爆破するのが仕事だぜ!」

勇者「……俺の初めての仲間が言ってたんスよ。戦争で大切なのは物資や戦力よりも情報だって。魔族を相手にするなら、ちょっとでも情報が多い方がいいと思ったんス」

デマモン「そりゃ正しい。だが正しいことが功を成すとは限らねぇのが戦いでもある! キバってくぞ!」

勇者「ウッス!」






アルラウネ『鳥人さん、追っ手が来たよ?』

鳥人『……これで、よしっと。んじゃまあ、いっちょ逃げますかね』

アルラウネ『なにやってたの?』

鳥人『ん? まぁ、『怪盗ごっこ』で盗んだものを捨ててたのさ。最後まで残ったのは、このちっこい電磁爆弾と、あとはコレだけだな』

アルラウネ『爆弾はわかるけど、なんで電子レンジなんか持ってるの?』

鳥人『ちょっとでも時間を稼ぐためさね。さてお嬢、時間は?』

アルラウネ『もうすぐだね。あと40分くらい』

鳥人『ほいじゃ、パスワード入力画面が出たら王都タワーに向かいますぜ』

アルラウネ『パスワードって、あの単語帳みたいなのに書かれてたやつ? どれが本物かわかるの?』

鳥人『おいおい お嬢、いくらなんでもそりゃないぜ。おいらこれでも一応、魔族の端くれなんだぜい?』

アルラウネ『あっ、そっか。魔法で本物か偽物かがわかるんだ』

鳥人『ご名答。どんな高度な偽装でも、おいらの目利きは欺けねぇ。ってなわけで、もう爆弾の起動に関する懸念はねぇってこったな』

アルラウネ『じゃあ、森を通って王都タワーに近づこっか』

鳥人『そりゃ結構だが、お嬢、くれぐれも魔法は……』


ヴィィィィィ…


アルラウネ『……!!』ダッ

鳥人『ちょっ、お嬢!? おいおい、この音ってもしかして、もしかしちまうわけかい!?』ダッ

アルラウネ『聞き間違えるわけない……この音は、チェーンソーだよ……!』

鳥人『こ、こらえろお嬢! 作戦決行までもうちょっとなんだぜ!? ここで騒ぎを起こしたら―――』

アルラウネ『環境を壊す害虫……みんな死んじゃえっ!』バッ



ゴゴゴゴゴゴゴッ!!






作業員「」

勇者「……どうやらお前がこれをやったみたいだな……」スッ

アルラウネ「……見つかっちゃったね」

デマモン「おいおい、まだ小学生くらいのガキじゃねーか! それがこんな、数十人もグチャグチャにしたってのかよ!?」

勇者「気をつけてくださいよ。こいつ、植物を自在に操るみたいッス。しかも、まだもう一人男が隠れてる。この伐採作業員の記憶によると、あのガキの暴走に巻き込まれないように、あそこのマンホールの中に逃げたみたいッスね」

デマモン「その男は、爆弾を持ってたか?」

勇者「持ってました。爆弾……それと、なぜか電子レンジも」

デマモン「チッ、電子レンジの中に爆弾を入れて地下を走って、追跡電波を遮断するつもりってわけか!」

勇者「それじゃあ、早く王都タワーに戻らな―――」


車「」メキメキメキッ


勇者「アスファルトを突き破って、木が……!?」

デマモン「……おーおー、俺っちのスペシャルな愛車がペシャンコに握りつぶされちまったじゃねぇか。まだローンが5年残ってるのによ。どうしてくれんだ嬢ちゃん」

アルラウネ「追わせないよ。さっきは勝手なことしちゃったから、今度はちゃんと働く」スッ



ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!



デマモン「……これが魔族ってやつかよ。すげぇ絶望感だな」

勇者「こんなわかりやすい絶望は俺も初めてッスけどね」

デマモン「どうする、兄ちゃん」

勇者「……」





>>93
勇者の選択は……

1、「ここは俺に任せて! 爆弾のスペシャリストさん、あの爆弾の処理をお願いします!」勇者が残り、拳銃を構える。
2、「ここはお願いします! 俺は男の顔を見てるから、追って捕まえるッス!」デマモンを残し、マンホールへ走る。
3、「二人であのガキを速攻で倒して、すぐに追いかける!」拳銃を抜き、デマモンと共に身構える。






勇者「二人であのガキを速攻で倒して、すぐに追いかける!」チャキッ

デマモン「リョーカイ!」

アルラウネ「そんなのむりに決まってるのに」スッ


ズオオッ!!


デマモン「おいあの嬢ちゃんが木に囲まれちまったぜ」

勇者「森だと向こうに地の利がありすぎッスね」

デマモン「その森ってのが、どんどん市街地に広がってってるぜ。早くなんとかしねぇと、王都がジャングルだ」

勇者「爆弾、持ってますか?」

デマモン「あたぼーよ。オラッ!」ブンッ


ドガァアアンッ!!


アルラウネ「……っ」ピクッ

勇者「植物を吹っ飛ばされてお怒りッスね」

デマモン「もういっちょいくぜ。今度はスタングレネード! 目と耳を塞ぎな!」ブンッ


ピカッ キィィィイイイインッ!!


アルラウネ「うっ!?」ビリビリ

アルラウネ(……目と耳が……木で全方位防御)

アルラウネ「…………あれ。……あの人たち、どこにもいない?」キョロキョロ

アルラウネ(もしかして、逃げられちゃったのかも!?)ガーン

デマモン「燃料気化爆弾……とまでは言わねぇが」ザッ

アルラウネ「!」クルッ

デマモン「おっと動くな。兄ちゃんに聞いたぜ。嬢ちゃんは自然を守るために戦ってるんだってな。だけどそりゃおかしいぜ」

アルラウネ「……なんで?」

デマモン「植物を操るっていう能力を生かすには、この森は最高の舞台だ。けど守るべきもので攻撃するってのは、あまりにリスキーだと思わねぇのか?」

アルラウネ「植物の生命力はすごいから。根っこごと引き抜くようなことをしなければすぐに……」

デマモン「だが可燃性の気化燃料を散布する爆弾をあっちに投げた。起爆すればこの森は火の海だぜ」

アルラウネ「え!?」クルッ


爆弾「」プシュゥゥゥ…


勇者「動くな」チャキッ

アルラウネ「!」ビクッ



>>96
自然を人質にして、アルラウネを追い詰めた!

1、「子供相手に心苦しいけど、おとなしくしててもらうぜ」足を撃って無力化する。
2、「あの男を止めるのに協力しろ! そうすれば環境保護を王様に直談判してやる!」自然を人質にゆする。
3、「……ごめんな」頭部に銃弾を叩き込んで絶命させる。


3




勇者「ごめんな……」チャキッ


パンッ


アルラウネ「」ドシャッ

デマモン「……お、おい。殺しちまってよかったのかよ……?」

勇者「え? ああ、大丈夫ッスよ。俺の能力で記憶は覗けるんで」

デマモン「いや、そういう意味じゃなくてだな……」

勇者「?」キョト

デマモン「……っ」ゾクッ

勇者「なにが言いたいんスか?」

デマモン「……いや、なんでもねぇ。お前さんが良いなら、それで良いんだがよ……」

勇者「はぁ。一応こいつの記憶を覗いときましょう」ペロッ

デマモン「なにかわかったか?」

勇者「いえ……植物を操って盗みを働いてたことがわかったくらいッスかね。それと、『D」以外にもいろいろ盗んでるみたいッス」

デマモン「……なに?」


ザザッ…


デマモン「……軍隊から連絡だ。爆弾を持って消えた男が、王都タワー周辺に現れたという電波反応があったらしい」

勇者「えっ!?」

デマモン「時間的に、いくらなんでも早すぎる。マンホール下の下水道にバイクかなんかを隠してやがったな。チッ、つくづく抜け目のねぇヤツだ」

勇者「もうすぐ44時間ッスよ!? 俺らも行きましょう!」ダッ

デマモン「そりゃもちろんだ。渾身の作品は、特等席で見ねぇとな!」ダッ

勇者「?」






鳥人(やけに人が少なすぎる……軍が人払いしやがったな?)

鳥人(入口やフロントには、『贋物』の一般人がちらほら……あの程度のヤツらなら俺の体術でも瞬殺できるが、おそらくエレベーターを使ったら速攻で落とされて死ぬな)

鳥人(つまり……はぁ、外付けの非常用階段を使うっきゃねぇってこったな)ダッ

鳥人(おいおい、いくら一般人が使うことはないからって公共の場に地雷なんて仕掛けなさんなよ。俺にゃあ『贋物』の床なんてお見通しだがな)ヒョイッ

鳥人(さてと……目指すは上だ。可能な限り上に行って、こいつを爆発させる)

鳥人(途中で電波の送受信をしてる700メートル地点を通過するが、そこは素通りだな。どのみち王都タワーのどこで爆破しても、そこは損害範囲に含まれる。ならもっと上を目指すのが定石だ)

鳥人(クックッ、翼のない鳥が、空を目指すたぁ皮肉なもんだ)



鳥人「さぁさぁ地を這う芋虫ども! うかうかしてると終わりが始まるぜ!!」






鳥人(やっとこさ最上階か……さすがに……それなりに疲れたな)フラフラ

鳥人(お嬢がやられたとすれば、そろそろ追っ手も来る頃合いだわな)

鳥人(だが、なにかおかしい。なぜ最上階の展望台に警備がいない?)

鳥人「非常扉の施錠もされていない……」ガチャッ バタン

鳥人「今日は雲もないし、良い景色だな。クックッ、お嬢が聞いたら怒るだろうが、壊すにゃ惜しい街並みだ」

爆弾「44秒前」ピピピッ

鳥人「はじまりのカウントダウンだ。もう誰にも止められねぇ」

鳥人(さて、と。あとはあっしが退散するだけかい。ここからお隣の湖に飛び込んだら、さすがに死ぬか……?)


ザザッ…


デマモン『あっあー。聞こえるかな?』

鳥人「……?」クルッ

デマモン『どうやら最上階へ来てくれたみたいだな。さすがに地表や700メートル地点で爆破することはないだろうと思ってたが、ある種の賭けだったな。成功してよかった』

鳥人「……。」

デマモン『お前さんは運がいいぜ。なんせ俺っちの世紀の作品を内側から目撃できるんだからな』

鳥人「なにを……」

爆弾「30秒前」ピピピッ

デマモン『よし、時間もいい感じだな。そいじゃ、いっちょ派手に吹っ飛ばすとすっか!』

鳥人「―――」




ズガァァアアアンッ!!







鳥人「!?」グラグラ

鳥人(こッ……こいつ、まさか……!! 王都タワーの電波送受信部位から上を……!?)

鳥人(軍が地上の人払いをしていたのは、このためってわけか!?)

デマモン『だるま落としの頭だけを落とすようなもんだ。器用だろ? 解体屋の腕の見せ所だったぜ。合法的に王都のシンボルを爆破できるなんて、俺っちはなんて幸せ者なんだ……うっとり♡』

鳥人(爆弾は起動した……もう後戻りはできねぇ! せめて爆弾をタワーのどっかに引っかけ……)


ゴゴゴゴゴッ


鳥人「うぐっ……、そりゃさすがに無理か」フワッ

デマモン『おーおー、マジで展望台がポロッと取れて落ちやがった!! うおおおおっ、興奮するぜっ!!』

鳥人(金属やガラスに囲まれたまま、1400メートル上空から湖に叩き付けられる……死ぬな)

爆弾「20秒前」ピピピッ

鳥人(やれやれ、俺ぁ鳥になったつもりでいたが―――その実、ただの鳥人……イカロスだったってわけか)

鳥人「―――クックッ。『太陽』に近づきすぎたってことかい」ニヤッ

鳥人(旦那、あんたは『本物』だ。俺もあんたと一緒に新しい世界を見たかったんだが……)



ドボォォォオオンッ!!



鳥人「ゴブッ!?」メキャッ

爆弾「」コロコロ

鳥人(鉄骨が……腹に……)ズブッ

爆弾「10秒前。9、8、7……」ピピピッ

鳥人(水中からじゃ、電磁波も減衰しちまうか。しかも最低威力の地表よりも下。誰だか知らんが、攻防両立の良い一手だ)

爆弾「3、2、1……」

鳥人「チェックメイトだな」ニヤッ



ピカッ!!!







勇者「滅茶苦茶するッスね、あんた……」ゲッソリ

デマモン「いやぁ、それで国が命拾いしたんだからよかったじゃねぇか! な!」

勇者「結果的に、ほとんど爆発による電磁パルス被害はないらしいッスね。さすがプロ、先見の明ってヤツッスか」

デマモン「えっ……? お、おう、あたぼうよ! いざって時のためにな、仕掛けといたのさ!」ワタワタ

勇者(あれ!? これ敵が王都タワーを使わなくてもドサクサに紛れて爆破したヤツだ!?)ガーン

デマモン「さ、さぁて、引き揚げられた男についてだが……まぁひどい有様だな」

勇者「こいつ、ちゃんと死んでるッスか?」

デマモン「見りゃわかんだろ。全身バキボキで、腹に鉄骨まで刺さってんだから。むしろアレに巻き込まれて、よく人間のシルエット残してたもんだ」

勇者「そッスか、エグイッスね。んじゃ、血をもらいますか」サクッ

デマモン(……さっきのもそうだが、なんつーか、聞いてた話と違うな……その反応、まるで魔族だぜ……兄ちゃん)

勇者「これで魔王に関することが進展すればいいんスけど……」ペロッ





>>102
魔王について判明したこと


A、目的
B、目的と能力
C、目的と能力と敵戦力の全貌


B



では、


>>105
魔王の目的


>>107
魔王の能力



ぶっちゃけノープランなので、これ次第で展開が大きく変わってきます。

人類は地球にとって害悪なので滅びるべし。慈悲はない。

自身の穴という穴から機械虫を生み出せる。ちなみに機械虫は死んだ生物の脳に入り込むことで、その生物を生き返らすことができる。ただし理性と知性は失われる




鳥人『旦那、お土産でっせ。二つ買ってきたけど、『ブルーベリーチーズケーキクレープ』と『ストロベリークリームアイスクレープ』、どっちがいい?』

魔王『……………………。』

鳥人『……オーケー、明日また同じの買ってくるから今日のところはイチゴにしときなせぇ』スッ

魔王『……ご苦労』

鳥人『そんで、任務ってのは?』

魔王『先日話した通り、アルラウネと協力して『D』を盗み出し、王都の都市機能を停止させろ』

鳥人『あいあいさー。つってもそれくらいなら、あっしがいなくたってお嬢一人でも行けそうだがねぇ』

魔王『……』

鳥人『そう睨みなさんなって。ったく、旦那は子供に甘いんだもんなぁ。獣人にも軽い任務しか与えてなかったし、勝手に暴走して捕まったってのに、それをわざわざ大妖精に助けに行かせるし……』

魔王『子供に罪はない。いつだって星を穢してきたのは大人だった。もはや人間は取り返しのつかないところまで来てしまっている』

鳥人『だから一度リセットするってわけだ。炎と硫黄の矢を放って』

魔王『不可能だと思うか』

鳥人『どうだかねぇ。クックッ、まあ現実的に考えれば無理だろう。旦那の能力も大したものだが、蟲で生物を操る魔法を使って世界と戦うなんざ、正気の沙汰とは思えねぇ』

魔王『では、なぜ私に従う?』

鳥人『あっしは臆病者でね。自分の知らないところで世界の趨勢が決まるのがどうにも怖い。んなもんだから、こうやって死と隣り合わせの魔族集団に身を置いてるわけさね』

魔王『ずいぶんと勇敢な臆病者もいたものだ。……ともあれ、お前の働きには期待しているぞ』

鳥人『期待は見事に裏切ってみせるぜ。……目的は、必ず遂げて見せるがね』ニヤッ






>>113
敵の思惑をすべて打ち破ったかに見えた勇者たち。しかし悪夢はまだ、始まってさえいなかった。


A、殺したはずの魔族たちが『再生』し、混乱を極める王都。その向こうには、あの女が!
B、ついに動き出す魔王。命なき『魔物』による無数の軍勢が王都へと押し寄せる!
C、満を持して、最凶の魔族が襲来! どの勢力にも属さず、ただ惨劇を振りまいていく!


C




>>118
なんとか破滅を免れた王都。しかしそこに降り立ったのは、終末を告げる最凶の魔族……


名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:


※今回の魔法はえげつないほうが◎
※惨劇を振りまきます。
※王国にも魔王にも従っていません。


名前【大首】

種族:魔族
性別:女
年齢:37
目的:とにかく自分の魔法を使う(結果までは考えてない)。あと死なないこと
魔法:『自分の体の一部に触れた者の頭部』を『分離巨大化させ、飛行する巨大な頭とする』能力
備考:飛行する巨大な頭は大きさ3メートルほど、人間を食べることを目的に動く。口から衝撃波を発しダメージを負わせたところを襲う(障害物を壊すことも出来る)。なお大首本人の命令は聞く模様
    子供の時一度魔法を発動してから、今まで自分の魔法を恐れ使用せず隠して慎ましく生きてきたが、世界に絶望して誰彼かまわず魔法を振るう
    普段は元自分の子供の巨大な頭の上に乗っている




勇者「……ん?」ピクッ

デマモン「どうかしたか、兄ちゃん」

勇者「これは……爆弾……? 逃亡先に?」

デマモン「は?」

勇者「ま、まずいッスよ! 敵の『本当の目的』は―――」



ズガァァアアアンッ!!!



勇者「!」

デマモン「な、なんだぁ? 王都の周辺から、煙が……」

勇者「敵の狙いは、都市機能を停止させることだった……だから、べつに『D』を機能させることにこだわってたわけじゃなかったんスよ!」

デマモン「どういうことだ?」

勇者「つまり、『D』は囮で……本命は、一緒に盗んていたたくさんの爆弾を、逃げるふりをしながら各所に設置することだったんス!」


ザザッ…


デマモン「……軍から連絡だぜ。王都の主要道路や鉄道が根こそぎ爆破。しかも王都タワー崩落でパニックになった民衆が道に溢れかえって身動きがとれねぇそうだ」

勇者「そ、それじゃあ、誰も王都から逃げられないってことッスか……」

デマモン「それだけなら、まあ、ちょっとした地獄絵図だったんだがな。『アレ』を見ろ」

勇者「……ッ!? な、なんだ、アレ!? 生首が飛んでる!?」

デマモン「へへっ……どうやら地獄絵図じゃなくって、本当の地獄だったみてぇだな」






大首「は、はは……あははは……」

息子「」

大首「起きて……ねえ、起きて? だいじょうぶ……この子が、死ぬはずないんだから……死ぬはず……」ブツブツ

警官「あっ、大丈夫ですか! 外は危険ですので、速やかに屋内へ避難してください!」

大首「……だいじょうぶ……死ぬはずないんだから」ブツブツ

警官「うぐっ……その子……爆発に巻き込まれたんですか? 手足が……。とにかく、お母さんだけでも非難してください!」グイッ

大首「この子は死んでないッ!!」

警官「ごぶっ……!? ごぐ、ぎひっ……!?」


ゴリュッ ミチミチッ ブチンッ


大首「これが現実なわけない……この子が、死ぬなんて、そんなはず……」

警官首「わはははは、はは、はははは」フワッ


大首「こんな世界、認めない!!」






>>122
この大惨事に対する、各勢力の対応

A、王国側が『切り札』である最高戦力(人間/魔族、どちらか1人)を投入。
B、魔王が混乱に乗じてさらなる刺客(1人)を送り込む。
C、ここが人魔戦争の流れを分かつ天王山! どちらも動き出す。


B




>>126
魔王によって送り込まれたのは、混乱に乗じて『あること』を命じられた魔族。



名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:



種族:魔族
性別: 男
年齢: 中年くらい
任務:混乱に乗じた都市部の制圧
目的: 同朋を日の当たる場所へと連れていく
魔法:『触れた物』を『分解する』能力
備考:無精髭に気だるそうなしゃべり方といった典型的ダメ中年の様相に反し頭がよく切れる。
能力は本人の意思で左右されるため、木を枝と幹に分解したり皮と芯に分解したりと応用が可能。その気になれば二酸化炭素を酸素と炭素に、などもできる。




デマモン「……チッ。人がごった返しすぎてて、戦車もミサイルも使えねぇらしい。あの巨大生首を鉄砲だけで倒すのは骨が折れるぜ?」

勇者「しかも、どんどん生首が増えてないッスか? あれを生み出してる本体が、このあたりにいるはずッスよ」

デマモン「ああ、警官と軍隊で血眼になって探してるところだろうよ」

勇者「どんどん人が食われてるみたいッスね。王都タワーの方にはまだ生首が来てないッスけど、時間の問題か」

デマモン「とにかく、俺らはどうする?」

勇者「……そッスね。俺らは―――」

警官首「わははは、わはははははは」ヒューン

勇者「生首!? こっちに来る!」チャキ

デマモン「……チッ、吹っ飛ばしてやるぜ」スッ

警官首「わははは、ははははっ……」ピクッ

勇者「……?」

警官首「……」クルッ



ホムンクルス「あー、こいつが鳥人の置き土産ってやつか……ほんと面倒くせぇなー……」ポリポリ



勇者(……誰だ、あのおっさん……)

デマモン「おいあんた、なに暢気してんだ、さっさと逃げろ!」

警官首「わはははははははっ!」ヒュンッ

ホムンクルス「あー……ご忠告どうも。やさしいねぇ……だけどまぁ、大丈夫なんだな、これが」スッ

警官首「わはははは、わははは」ゴウッ



ドッパァァンッ!!!



警官首「」ドチャッ ビチャッ

デマモン「!?」

勇者(触れただけで木っ端微塵に……!)






ホムンクルス「えっと、これが王都タワーだな。……あー、でけぇなオイ」ポリポリ

デマモン「こ、こいつも魔族なのか……!?」

勇者「……でしょうね」ギリッ

ホムンクルス「けどまぁ、なんだ……あれだ。支柱ってのがなくなれば、なんか倒れんだろ……多分」スタスタ

勇者「お、おい、なにする気だ!?」

ホムンクルス「そこの親切なお二人さん……危ないから、適当に逃げとけー」スッ


バシュンッ!! バシュンッ!!


勇者(タワーの足が……消し飛んだ!?)


ミシッ ギギギギギッ…


デマモン「お……おいおいおい! マジかよ!?」

ホムンクルス「しまったな。……もしかして、湖の方じゃなくて都市部の方に倒した方がよかったのか……?」ポリポリ


ギギギギギギッ!!



ドッボォォオオンッ!!



勇者「……ッ!!」

デマモン「お、俺らが、必死に守った王都タワーが……!」

ホムンクルス「あー、まあ、……こんなんでいいだろ。さてと、次は……どこだ? 城か?」スタスタ




>>131
勇者の取った行動は……

1、「……あいつを放っておいたら、あっという間に王都が滅びるッスよ!」二人で謎の男に立ち向かう。
2、「さっきあいつが消し飛ばした生首……あれの記憶を読めば、本体に近づけるはずだ」人命優先! 先に生首を討つ。
3、「二手に分かれましょう! 俺は生首、あんたは城! ちんたらしてたら都市がなくなる!!」二手に分かれる。





勇者「二手に分かれましょう! 俺は生首、あんたは城! ちんたらしてたら都市がなくなる!!」

デマモン「チッ、とんでもねぇことになってきやがった……! とはいえ、俺っちが爆破したかった王都タワーを勝手にぶっ壊した罪は、償ってもらわねぇとな!」

勇者「たぶんあいつは触れたものを消し飛ばす能力ッス! 気をつけて!」ダッ

デマモン「そっちこそ、空飛ぶ生首に食われて死ぬなんてアホな死に方はすんじゃねぇぞ!」ダッ

勇者(記憶を覗き見るのは人間にしか試したことがねーが、あの生首に効くかどうか……!)

警官首「」

勇者「ご愁傷さま! 悪いけど血をもらうぞ!」ペロッ

勇者(記憶は読めるみたいだ、よかった。警官が肩を叩いた瞬間に苦しみだして、首がねじ切れて巨大化……えげつねぇ能力だ……)

勇者(とはいえ、どうやら爆発に息子が巻き込まれたせいで暴走してるだけみたいだ。ってことは、あの男の、ひいては魔王の仲間じゃないってことなのか?)

勇者(そういえば、さっきもこの生首があのおっさんを攻撃してたな。制御が効いていないのか、はたまた全員殺すつもりなのか……)

勇者(とにかく、あの女がいた場所へ行ってみよう!)ダッ






勇者「ハァ、ハァ、……くそ」ゼェゼェ

勇者(……俺の能力じゃ、生首に見つかったらゲームオーバー……けど急がなくちゃ王都がゲームオーバー……)

勇者「……急がないと……!」ダッ


男「うぐぁぁああああああああッ!」


勇者「!?」ピタッ


女「イヤアアアア! あなたっ!?」

娘「パパぁ!!」

男「来るな! いいから娘を連れて逃げろ!!」

爺首「わははははは、わはは、ははははは」フワフワ


勇者(人間すし詰め街道から、人気のないところに逃げてきた親子か。分母が小さくなれば死亡率も上がるってのに……)

勇者(あの男、左の肘から先を食われてるな。それでもバールを右手で握って、家族のために身を投げ打ってでも時間を稼ごうってのか)

勇者(けどあんまり意味はないだろうな。稼げてせいぜい十数秒……あの生首の飛行速度なら、母娘に数十秒くらいで追いつくはずだ)

勇者(あの飛行生首は体長3メートル。ざっと通常の頭部の10倍はある。単純に考えて、あのバールの威力は爪楊枝程度の威力だろう。銃弾だって大した威力にならない)

勇者(そしてなにより、俺には時間がない。他の場所でも数えきれないくらい多くの人が死んでるんだ。あの3人だけが命の危機にさらされてるわけじゃない)

勇者(そこまでが大前提で、さて、俺はどう動く……)ゴクリ




>>136
勇者の判断は……

1、情に流されて王都を滅ぼすわけにはいかないな。敵の顔を知ってるのは俺だけなんだ。あの親子は見捨てよう。
2、ここで助けなかったら、おそらく俺はずっと後悔する。見てしまった以上は、勝ち目がなくても全員助けるんだ!
3、病院も機能してないし、助けられるのは母娘の2人だけだろう。男を囮として使って、残りの2人だけでも助けよう。


2




勇者(どう考えたって、俺があの親子を助けることによるメリットが思い浮かばないな。むしろ損しかないとさえ言えるだろう)

勇者(やれやれ……魔族が人間のことを見下す気持ちが、ちょっとわかった気がするよ)

勇者「バカを見るってわかってても、それでも足が動いちゃうんだからなッ!!」ダッ


爺首「わははは、わはっ……」ピクッ

男「えっ……子供!?」


勇者「こっちだ頭でっかち、殺してやるからかかってこい!」チャキッ

爺首「わははははははは!」ヒュンッ

勇者(くそっ、やっぱ速ェ! 空飛ぶトラックが縦横無尽に追いかけてくるようなもんだ、勝てるわけがない!)ダッ

爺首「わはははァァアアアア!!!」ヒュンッ


ズガァァアアアンッ!!!


勇者「うぐぁあ!?」ドガッ ゴロゴロ…

勇者(痛っつ……かわしきれねぇ! ここは、ビル1階のコンビニか……?)

爺首「わは、ははは、ははははははは」ギョロギョロ

勇者(ちっ……万事休すってやつか。どうしてこんな馬鹿な真似しちまったんだろうな。これじゃ、なんのために二手に分かれたんだかわかりゃしねぇ……)

勇者(天井が軋んで、粉が落ちてきてやがる。あの生首がド派手に突っ込んでくれたおかげで、壁が一面消えたからな……くそ、目にゴミが)ゴシゴシ

勇者「っ!!!!」ハッ





爺首「わははは……わははははァァアアアアッ!!」ゴゥッ

勇者「ぎゃっ!?」ズザザッ

爺首「」ガシャァンッ!!

勇者「これ、でも、食らえぇ!!」バッ


ブシュゥゥゥウウウウ!!


爺首「わはァァアアアッ!?」ゴロゴロ

勇者「消火器だ!! 腕がないから目が擦れないだろ!! ざまぁみやがれ!!」ブシュゥゥゥ

爺首「わはっ、はは、は、ははははは!!」ギュンッ

勇者「ぐふっ!?」ガッ ゴロゴロ…

爺首「わははははははははははははは」ガシャァァン ドガァァアンッ ズガァンッ

勇者(手あたり次第に体当たりしやがって……じきにこの建物は崩れるな)ダッ


パラパラ… ミシミシミシッ


勇者「!?」ガクッ

勇者(あ、足に力が……た、立てない!?)ガクガク

爺首「わははははははァァアアアアア!!」ズガァァアアンッ

勇者(こ、こんなところで……!)


男「うおおっ!!」ダッ

女「っ」ダッ


勇者「―――え」

男「せーのォ!!」グイッ

女「がんばって!」グイッ

勇者「……!」ズルズル



ミシミシッ… メキッ!!

ズガァァアアアンッ!!!!






勇者「……ハァ、ハッ、ハァ……」

男「怪我はないか!? 骨は大丈夫かい!?」

勇者「……スンマセン、助かったッス。怪我って言うなら、あんたの腕を止血した方がいいッスよ」

女「さっきは本当にありがとうございました!!」ペコッ

男「キミがいなかったら、僕たちみんなあいつに殺されていただろう。本当に、なんと礼を言ったらいいか……!」

勇者「なんか……勝手に足が動いただけッス。俺は行くとこがあるんで、早く逃げてください」

クイクイ

勇者「ん?」クルッ

娘「……これ、あげる」スッ

勇者(魔法少女モノの、ピンク色の絆創膏……いろんな意味でありがたくねぇな……)

勇者「ありがとよ、助かった」ナデナデ

娘「……」コクッ

男「本当に、一緒に行かなくていいのかい?」

勇者「俺と一緒にいると死ぬッスよ。いいから行ってください」

男「……この騒ぎが収まったら、また改めてお礼をさせてもらうよ。それまで、元気でいてくれ」ダッ

女「気をつけてね!」ダッ

娘「……」ダッ

勇者「……」

勇者(さて、と。それじゃあ俺も行くか。おっと、その前にさっきのジジイの記憶をもらって……)



 「あははははっ、あははっ! あはははははっ!」



勇者「―――ッ!?」クルッ



大首「……。」

息子首「あははははっ、あはははっ、ははっ!」



勇者「お、お前は……!!」






ズガァァアアアアンッ!!!!



デマモン「うぐっ、うおおお!?」ビリビリ

ホムンクルス「おーおー、こりゃすげぇ花火だなー」

デマモン(こいつ、今なにをした……!? 城の庭にある池に手を突っ込んで蒸発させたと思ったら、その池が爆発しやがった……)

ホムンクルス「さてと。今ので正面玄関が吹っ飛んだことだし、お邪魔させてもらうとするかい」

デマモン「待ちやがれ!」ブンッ

ホムンクルス「手榴弾か。物騒なものを投げなさんなって」


パァンッ!!!


ホムンクルス「怪我したらどうすんだい。ったく、世の中物騒になったもんだぁ」ポリポリ

デマモン(あの距離で手榴弾を受けて無傷だと……!?)

警備「いたぞ、侵入者だ! 撃て撃てぇ!!」

デマモン「ちょ、俺は違ぇからな!?」バッ


ドガガガガガッ!!


ホムンクルス「まったく痛くないってわけじゃないんだがなぁ……やれやれ」

警備「な、なんだと……!?」

ホムンクルス「よっと」ヒュンッ

警備「がっ!?」ガシッ

ホムンクルス「なぁ、俺としては、べつにお前らなんてなんの興味もねーんだ。ここの王様と、あと軍の司令だけ殺せればいい。ってなわけで、居場所を教えてくれ。じゃないと、すげぇミラクルな殺し方すんぞー?」

警備「だ、誰が言うか……!」ジャキッ

ホムンクルス「そうかい、立派だねぇ」グッ


ボバンッ


警備「」ドシャッ

デマモン(か、体が皮膚と肉と骨と臓器に分けられて死んだ……そうか、わかったぞ! あいつの能力は『分解』だ! だから水を水素と酸素に分解して爆発させたり、物体を原子レベルで分解して消滅させたりできるってわけか!)





ホムンクルス「かったるいな……よーし、まずは城を粉々にしてから探すとするか」スタスタ

デマモン「させるかよ!」ポイッ

ホムンクルス「……!」


ピカッ キィィィィイイインッ!!


デマモン(スタングレネード! 『光』と『音』は分解できねぇだろ!)

デマモン「……!?」ハッ

デマモン(いない!? 消えた!?)



ホムンクルス「大したもんだ」ズブッ…



デマモン(―――『下』だとッ!?)

ホムンクルス「こんなに早く俺の弱点を見切ったのか。すげーすげー。確かに俺は、物質系の攻撃には強いが、現象系の攻撃にはめっぽう弱い」

デマモン(地面を分解して、地中を通って俺の足元に来たってのか……!!)

ホムンクルス「あー、その、なんだ。ただの人間が、よくもまぁここまでがんばったもんだと思うぜ?」

デマモン(地面が分解されてるせいで、足が地面に埋まって動けねぇ……!!)

ホムンクルス「だからまぁ、あれだ。王様やら軍関係者がどこにいるのかを教えれば見逃してやるぜ? あるいは、『軍と連絡を取る方法』とか……な」

デマモン(……軍の通信部と繋がってる『無線』!)



>>143
圧倒的戦力差に打ちのめされるデマモン。体が粉々になるまで残り数センチとなった彼の、絶望の選択は……

1、たかが無線一つで戦況は全く左右しないし、殺されればどのみち奪われる。一縷の望みに賭けて無線を渡す。
2、間違いなく殺されることを覚悟して、無線を通信状態にして時間稼ぎの交渉をすることで軍に情報を遺す。
3、爆弾を投げる。分解されるか潜られるかしたら簡単に回避されてしまうだろうが、それでも最期を爆弾と共にしよう。



自爆はロマンじゃ




デマモン「だーっ、わかったわかった! 降参だ! 軍と連絡取るってんなら、無線を持ってる! それを使ってくれ!」

ホムンクルス「おー、言ってみるもんだな。軍と繋がってたのか。というか軍人か? それなら、その強さも納得だな」

デマモン「ただの解体業者だぜ。……ちょっぴり爆弾狂だがな。ちょっと待ってろ、今無線を出す……」ゴソゴソ

ホムンクルス「解体業? もしかして、あの王都タワーを真ん中からポッキリ折った馬鹿野郎ってのは……」

デマモン「俺っちの人生は、爆発に始まり、そして……」ポイッ

ホムンクルス「!!」

デマモン「爆発に終わる! 爆発は芸術だ!! うおおおおおおおッ!!」

ホムンクルス(……地中に潜れば回避はできる……が、それ以前に爆発させなければいいだけの話だ。自爆特攻を邪魔するのは可哀想だが、まぁ、実力差だ。諦めておくれ)

ホムンクルス(下手に部品分解すると火薬に引火しそうだからなぁ……よし、原子分解するか)スッ

ホムンクルス「ッ!?」ガクン



ドガァァアアアン!!!!







勇者「その生首……お前の息子だろう?」

大首「!!」

勇者「自分の身内さえも殺戮生物兵器にするたぁ、魔族ってのはつくづくイカレてやがるな」

大首「……あなたに、なにがわかるの!?」

息子首「あはははっ、あはははははっ!!」ゴゥッ!!

勇者「なっ!?」


ズガァァアン!!


勇者「ぐっ、がはっ……!?」ゴロゴロ

勇者(口から衝撃波だと……!! そんなこともできるのか!?)

大首「ここは現実じゃない……こんな地獄は! 私の生きる世界じゃない!!」

息子首「あはははははっ!!」ゴゥッ!!

勇者「う、がぁああああっ!?」ズザザッ

大首「こんな世界は滅ぼして、早く私の世界に帰るの……息子が生きている世界に……」

勇者「ごふっ……げほ、ごほっ……」ビチャッ

勇者(吐血!? ……内臓がイカレたのか……? 肋骨も死ぬほど痛ぇ……こりゃ、折れてるかも……)

大首「戻ってくるわ……あの子はきっと、戻ってくる……」

勇者「現実を見ろ! あんたの息子は、あんたがバケモノに変えただろうが! じきに軍隊が殺しにくるようなバケモノにな!!」

大首「現実じゃない……! 私の子が、死ぬなんて、そんなことが……!!」

勇者「あんたが今まさにッ! たくさんの人の大切な人を奪ってるんだよ! さっきの親子だってそうだし、あんたと同じように息子を殺された母親だっているだろぉが!」

大首「……」

勇者「あんたはそれでも、なにも感じないのか!?」

大首「……ええ」

勇者「―――え?」

大首「息子が死んだ瞬間……なにも感じなくなったの。罪悪感とか、共感とか、そういうのがなくなって……人間が、その辺に落ちてる空き缶みたいに感じられるの……」

勇者(ま、魔族の感性……)ゾクッ

大首「この魔法は、ずっと昔から使えたの。一回だけ使って、怖くなって、罪悪感で、二度と使わないって決めたわ。その時は『魔族』っていう言葉も知らなかったけど、大好きな人もいたし、そのうち結婚もしたわ……」

勇者(……なんだって?)

大首「だけど、夫と死別してからゆっくりと、心がどんどん鈍くなっていくのは感じてたわ。それでも息子さえいれば、人間らしく生きていけると思っていた……思っていた、のに……」

息子首「あはははっ、あははははははは!」

勇者(魔法に目覚めても、すぐに魔族として覚醒はしない……? それならどうして……)

勇者(……まさか)



勇者(『絶望』を経験すると、魔族になるのか?)






大首「誰を見ても、なんの感慨も湧かない。だから誰を殺しても、この黒い気持ちが晴れることはない。もうちょっとすれば、感情の折り合いをつけられるのかもしれないけど……」

勇者「……げほっ……ふざけんな、バケモノ」ヨロッ

大首「そうよね。今さら人間らしくなろうだなんて、虫が良すぎるものね。魔族は魔族らしく」スッ

息子首「あははっ、あはははははっ」

女学生首「きゃははは、ははは」ヒュン

青年首「わはははははは!」ヒュン

婆首「あはははは、あはは、ははは」ヒュン

勇者(王都に散らばらせてた生首どもを全員集めたのか。十、二十……三十はいるか。衝撃波がなくたって、普通に圧殺されるな。そもそもあの女が生首に乗って空飛んでる時点で詰んでるんだけど……)

大首「最後に、なにか言っておきたいことがあったら聞くわ。遺言でも、命乞いでも」

勇者「……そうかい、それじゃあ遠慮なく」




>>147
勇者の口から放たれた言葉は……

1、「俺はお前に同情しない。助けるに値しねぇお前は、きっと本物の地獄に落ちるだろうぜ」彼女の被害者面を罵る。
2、「間抜けが。死者を生き返らせる魔法を使う魔族の存在を、どうして考えない?」互いに助かる道を提供する。
3、「お前は息子を殺した男に一から十まで踊らされているに過ぎない人形だ」大首が最も知りたい事を教えて時間稼ぎ。



すみません、安価ミスです。

>>150

1




勇者「俺はお前に同情しない。助けるに値しねぇお前は、きっと本物の地獄に落ちるだろうぜ」

大首「それでもきっと―――私はなにも感じないんでしょうね」

勇者「……。」

大首「終わりよ」スッ

勇者(勝ち目は一切ない。それでも、最後まで戦うんだ!)チャキッ

大首「さような―――ッ!?」ガクン

勇者「?」

大首「―――」フラッ



ゴシャッ



大首「」ピクッ… ピクッ…

勇者「…………え?」


 「高いところに立つなんて、危ないね。ちょっと意識を奪われただけで、落っこちて大怪我しちゃうんだから」


勇者「!?」クルッ

勇者「お、お前は……!!」



天使「あのとき見逃してもらった借りは、これで返せたかな―――おにいちゃん?」






ホムンクルス「……」ズル…ズルッ…

ホムンクルス「!」



書記「久しぶりだね、ホムンクルス」



ホムンクルス「……エルフ。やっぱお前の仕業かよ、あれは」

書記「やだなぁ、私にそんな魔法はないよ。それと私は基本的に、他人の戦いに手は出さない主義だからね」

ホムンクルス「じゃあ、あれはなんだったんだ……おかげで動作がワンテンポ遅れて、爆発に巻き込まれたじゃねーか」

書記「情けは人の為ならず」

ホムンクルス「……ん?」

書記「私はむやみに人の命を奪ったりはしない。ましてや、私のお気に入りの甘ちゃんが見逃してあげた子を殺したりなんかね」

ホムンクルス「……そういうことか」

書記「『魔女』の心臓が停止したあとに、私の魔法で時間を稼いで、王国の病院で治療して命を繋いだ。さすがに目を覚ますのはずっと先になるだろうけどね」

ホムンクルス「それで……まぁその、なんだ。俺を殺しに来たのか?」

書記「殺さないってば。私は殺さない。もちろん、助けもしないけどねー」


 「いたぞ、あそこだ! 手負いとはいえ油断するなよ!!」


書記「さよなら、ホムンクルス。相変わらずいい戦いだったよ。ばいばい」スタスタ

ホムンクルス(……はぁ。死ぬ気で奪った無線も通じねぇし……つーか自分で電波塔を倒したのを忘れてたー……ツイてねーぜ)

ホムンクルス「やれやれ……この傷で、あとどれくらいもつか……まあ、最後まで暴れてやるとすっか」スッ


警備「撃て撃てぇ!!」






勇者「その傷は……」

デマモン「へへっ、ついに自分自身も爆破しちまったぜ。ま、あんなバケモン相手にして足だけで済んだんだ、安いもんよ」

勇者「……スンマセン、なんか、巻き込んだみたいで」

デマモン「なに言ってんだ、俺っちは爆弾のことなら任せろっつって、王様に自分から名乗り出たんだぜ? それをどうしてお前さんが謝るんだっての」

勇者「……」

デマモン「とはいえ、一般人たちにも『魔族』の存在が公表されちまったな。さすがにあれだけとんでもねぇ被害だったんだ、隠しきれるわけもねぇわな」

勇者「魔王は人間を滅ぼそうとしてるんス。だから魔族に対する風当たりなんて、今さら関係ないんでしょうね」

デマモン「魔王について、なんかわかったのかい?」

勇者「ええ、まあ。あのホムンクルスっていう男の記憶で、いろいろと明らかになったッス」





>>152
魔王について判明したことは……


A、敵勢力の全貌(残り人数)
B、敵勢力の全貌+魔王の居場所
C、敵勢力の全貌+魔王の居場所+魔族誕生の秘密




安価ミスやらかしましたが、みんなAなのでAということでお願いします!


>>160
敵勢力の残り人数



だいぶ少なめでね!

四天王的に四人 魔王

魔王の部下ってこんなに少ないの?



>>165
四天王の一人を決めたいと思います。四属性とか四聖獣みたいなのは気にしなくて大丈夫です。自由で!

敢えて主人公っぽい設定や能力だと、面白いことになるかもしれないです。

思いつかない項目は空欄で大丈夫です。



名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:



名前 【魔人】

種族 魔族

性別 男

年齢 108

任務 地球に超巨大隕石魔人を落とし大暴れさせる

目的 人類に暴力の限りを尽くす

魔法 『無機物』を『超巨大魔人に進化させコントロールできる』能力

備考 白髪で肌が紫色のマッスルおじいちゃん。股間から龍の頭がニョッキリ生えている




魔王『鳥人とアルラウネが王都の都市機能を麻痺させるという作戦に就いている。そこでホムンクルス、お前も2人に引き続いて王都へ攻め入り、制圧するのだ』

ホムンクルス『おーおー、ついに王都にも攻め込むわけか、リョーカイ。だけど先遣隊の二人が作戦失敗してたら?』

魔王『それでも任務を続行しろ。しかし鳥人のことだ、命じた任務以外にもさまざまな工作を巡らせているだろう。もしもの時はそれを利用するといい』

ホムンクルス『鳥人ねぇ……あいつ面倒くせぇからなー……なんつーか、苦手なんだよなー』

魔王『部下の数も減ってきた。お前やアルラウネ、鳥人を含めて、残るは7人。お前の働きには期待しているぞ』

ホムンクルス『そう言われると緊張しちまうけど、まあ、そうだな、大丈夫なんじゃないかね。イレギュラーでもない限りは』

魔王『では行ってくるがいい。―――終末の日は近いぞ』





勇者「ってなわけなんだが、残りの4人についてなにか知らないか?」

天使「そう言われても、あたしも新入りだったからなぁ。おねえちゃんだったらけっこう古参だから、いろいろ知ってると思うんだけど……」

勇者「うーん、そうか……」

天使「そういうことなら書記に聞けばいいんじゃないの?」

勇者「あの金髪が素直に教えてくれるタマかよ。記録者として公平をなんちゃら~とか言って、誤魔化すに決まってるぜ」

天使「まあ、想像できちゃうね」

勇者「そういや、あの生首女はどうしたんだ?」

天使「昨日病院に運ばれたっきりだね。一応生きてはいるみたいだけど」

勇者「お前、よく殺さなかったな。俺だったら多分、あのまま殺してたよ」

天使「そりゃ殺さないよー。あたしは下等生物の人間でさえ殺さないくらい慈悲の心に溢れてるんだよ?」

勇者「その発言がすでに無慈悲すぎる!」

天使「でも昨日の事件で、人間と魔族の溝がさらに深まったよね。おねえちゃんが目覚める前に、なんとかしたいな」

勇者「世界や人間に絶望して、完全に魔族として覚醒したヤツとは……歩み寄れないんじゃないかと思い始めてきたとこだがな」

天使「人間が魔法に目覚めてから『絶望』したとき、魔族として覚醒する……か。それならおねえちゃんが魔族らしからぬ優しさなのも納得だね」

勇者「……まずいことがあったら時間を巻き戻してやり直せるからなぁ。羨ましいぜ……」

天使「おにいちゃんの魔法はショボイもんねー」

勇者「ショボイって言うな! 言っとくがお前の血を舐めたことあるから、お前の過去は全部筒抜けなんだぞ! 何歳までおねしょしてたとかもな!」

天使「うわーっ!、セクハラだよ! 催眠暗示で忘れさせてやる!」


王様「……お前ら、私と話している最中だというのに、いい度胸だな……?」ピキピキ







勇者「……スンマセン、王様」

天使(……こいつ、下等生物のくせに偉そう)イラッ

王様「話を続けるぞ。隕石落下はそう珍しいことではない。だがそこまでの規模となると、ミサイルを持ち出して大気圏に突入する前までに砕いておかねばならん」

勇者「地上に降り注ぐ破片はどうするんスか?」

王様「適切な高度までに砕けば燃え尽きて消滅するので被害はない。だが砕かずに巨大なまま地表へと到達すれば、その被害は甚大なものとなるだろう。それを魔族がおとなしく見過ごしてくれる保証もない」

勇者「だから研究所を守れってことッスか」

王様「そうだ。もちろん軍が主体となって警護には当たるが、電波塔を倒されて通信機能が大幅に低下しているからな。研究所だけでなく城や王都全域もカバーしなくてはならん以上、少しでも重要拠点には戦力を配置しておきたい」

勇者「了解ッス。そんで、その研究所ってのは?」

王様「お前がよく知っている……知りすぎている研究所だよ」

勇者「―――ま、さか……」





>>173
勇者が幼年期から最近まで収容(監禁)されていた研究所。そこで研究者を束ねる天才科学者は……


名前【】(学者や所長など)

種族:人間
性別:
年齢:
任務:魔族の研究、天体の研究、隕石の無力化
目的:
備考:勇者との関係は(良好/劣悪)


名前 ドクター

性別 男

年齢 89

任務 魔族の研究 天体の研究 隕石の無料化

目的 世界征服

備考 勇者との関係は劣悪




ドクター「久しぶりだねぇ。そうか、今は『勇者』と名乗っているのかい」

勇者「……ども」ペコッ

ドクター「そちらのお嬢さんは?」

天使「話しかけるな、人間」ジロッ

ドクター「おや、キミも魔族なのかい。それはすごい」

勇者「……ドクター、さっさと本題を」ジロッ

ドクター「そうだね、そうしよう。あまり時間もないことだしね」

勇者「時間がない? 隕石って、そんなにすぐに降ってくるんスか?」

ドクター「それもそうだし、私は昨日手に入った、あの巨大生首……研究試料を切り刻まねばならないのでねぇ」

勇者「……あんたは相変わらずみたいッスね」

ドクター「キミも変わりがないようで安心したよ」

勇者「隕石はいつ降ってくるんスか」

ドクター「早ければ今夜にでも。おそらく夜明け前には降るだろうねぇ」

勇者「じゃあ敵が襲撃してくるとしたら、闇夜に紛れてってことスか」

ドクター「できれば敵は殺さないでおくれ。大切な研究試料なんだ。以前捕まった魔族は軍に取られてしまってねぇ」

勇者「話は終わりッスね。じゃあ、外を見てくるッス」スタスタ

ドクター「……ところでビッグニュースがあるんだが、聞きたくはないかい?」

勇者「?」クルッ





>>175
ドクターの口にしたビッグニュースとは……?

1、「『人間を魔族にする研究』……あれ、成功したよ」
2、「亡くなったキミのご両親に、もう一人、子供がいたようだよ」
3、「じつは今回襲ってくるであろう魔族の正体を、私は知っているんだ」



1




ドクター「『人間を魔族にする研究』……あれ、成功したよ」

勇者「―――なッ!?」

天使「……!?」

ドクター「厳密に言えば、まだ試作段階なんだがね。だがとりあえず、概ね魔族化の条件は解明できたんだ」

勇者「魔族化って……魔法を使える人間が、魔族の感性に飲み込まれるってことじゃなくてッスか?」

ドクター「魔族の感性? 感性の有無や強度は、個体差ではないのかな?」

勇者「魔法を使える人間がある条件を満たすと、魔族の感性に飲み込まれるらしいッスよ」

ドクター「……ほう。それはそれで興味深いが……わかった、ではキミの言葉で説明するなら『人間に魔法を使わせる研究』に成功した、と言い換えようか」

天使「そんな、そんなわけ……!」

ドクター「荒唐無稽に思えるだろう? だが事実なんだ。勇者くんが研究所を出てすぐに、人体実験にも成功してねぇ」

勇者「人体実験……? 被験者がいるってことか!? 人間を魔族に変えたってのかッ!?」

ドクター「そう大声を出さないでくれ。見ての通り私は老いぼれだが、これで意外に耳が良くてね」

勇者「だ、誰を実験体にしたんだ……?」

ドクター「キミも仲良くしていたじゃないか。あの子だよ」

勇者「―――」






>>178
研究の末に生み出された『魔族』の設定をお願いします。

名前【】(魔族としての名前(種族名)でお願いします)

種族:魔族
性別:
年齢:
目的:
備考:



kskst

名前【雪女】

種族:魔族
性別:女
年齢:13
目的:
備考:いろんな意味で純粋


あれ、能力抜けてました!

>>180
雪女の能力:『』を『』能力

『寒いダジャレ』を『3分間だけ現実にする』能力





ドクター「我々は魔族となった彼女に『雪女』と命名した。さぁ、入っておいで」


ガチャ


雪女「わああっ! ほんとにきてたんだぁ! ひさしぶりっ!!」

勇者「……お、おう」

勇者(なんかもっと悲劇的に受け止めてると思ったら、意外と元気そうだな……)

ドクター「雪女ちゃん、彼は現在、勇者と名乗っているからね。以前の呼び方ではなく、そう呼んであげておくれ」

雪女「はい! よろしくね、勇者!」ニコッ

勇者「ああ。元気そうだな」

雪女「うん!」

天使「この子が、人間から魔族になったの?」

雪女「おねえちゃん、だぁれ?」

天使「あたしは天使。魔族よ」

雪女「そうなんだ! よろしくね、天使さん!」

天使「よ、よろしく……」

勇者(天使が押されてる……。人間と魔族、どっちとしてこいつを見るかに悩んでるんだろう)

勇者「魔族になったってことは、なにか魔法が使えるのか?」

雪女「うん、使えるよ! たとえば……『回転しちゃう天使さん』!」

天使「えっ……あれ、なにこれ!?」クルクル

勇者「なにしてんだ、天使……?」

天使「ち、ちがう、あたしじゃないよ! 体が勝手に……」クルクルクルクル

ドクター「彼女の能力は、寒いダジャレを3分間だけ現実に変える……というものなんだよ」

勇者「なんだそりゃ……」

天使「だ、だれか止めてぇぇ!」クルクルクルクル






勇者「俺の部屋、そのまんまなんだな」キョロキョロ

雪女「うん! いつでも帰って来ていいからね!」

勇者「いや、魔王を倒したら俺は研究所から出ることになってる」

雪女「ええっ!?」ガーン

天使「たしかに、こんな狭苦しいところに実験動物みたいに押し込まれるなんてごめんだね」

勇者「雪女は物心ついた時からここで育ってるから、外の世界を知らないんだ」

天使「なにそれ。ちょっとここの人間たち洗脳してくるね」スタスタ

勇者「待て待て!」ガシッ

雪女「うぅ……お外に出てみたいなぁ」

勇者「お前の魔法で外に出られないのか?」

雪女「使っていいって言われた時しか、使っちゃダメなの……」

天使「じゃあ使っていいよ」

雪女「え?」

勇者「は?」

天使「好きなだけ使っていいから、ここから出ちゃおうよ」ニヤッ





警備「ん?」


雪女「」トテトテ

警備「なにやってるんだい、部屋に戻り―――」

雪女「『トイレに行っといれ』!」

警備「うおっ、ちょ、足が勝手に……!?」スタスタ

天使「あはは、その調子その調子!」

勇者「あとでどうなっても知らねぇぞ?」

天使「なにかあったらあたしの能力で全員洗脳するから大丈夫だよ。あの子はあたしが守る」

勇者「……そうかい」クスッ


雪女「『靴がくっつく』!」

 「うわ、くっ、動けない!?」ググッ…

雪女「『前髪で前が見えん』!」

 「きゃあ、なにこれ!?」バサァ

雪女「『頭があったまる』」

 「熱っ!? やめてくれぇ!」ホカホカ


勇者「……なんか、思ったより強いなあいつ……」

天使「が、概念系の魔法だからね……ルール内だったらなんでもできるんだよ……」






雪女「ほ、ほんとにお外に出れちゃった!」ドキドキ

勇者「俺らほとんどなにもやってないのにな……」

天使「普段から外に出るためのダジャレを考えてたんだろうね……」

雪女「でも、だいじょうぶかなぁ……帰ったら、怒られちゃう……」

天使「あたしたちも一緒だから大丈夫だよ。あいつらが怒ってきたら、逆にやっつけてあげる」ニコッ

勇者「まぁ、そういうことだな」ニッ

雪女「……!」パァ

天使「どこか行ってみたいところはある?」

雪女「えっとね、えっとね! お子様ランチが食べてみたい!!」

天使「よーし、じゃあファミレスに行こう! ……あっ、でもお金が……」

勇者「金は俺が払うから、食べ物でもおもちゃでも、なんでも欲しいもの買ってやるよ」

雪女「やったぁ!」

天使「やったー!」

勇者「お前は違うぞ!?」






>>186
束の間の安息を楽しんでいた勇者一行。この後彼らを襲うイベントは……

1、出かけた先で四天王の魔人に襲われる。
2、出かけている間に研究所が魔人に潰される。
3、雪女がうっかり魔法を使ってしまい、怯えた人間たちに襲われる。





天使「あのとき、おにいちゃんが出て行ったあとに入ってきた書記に殺されかけたの。がんばって戦ったけど、意味わかんない能力を使ってきて全然歯が立たなかった」

勇者「俺はてっきり殺されたんだと思ってたぞ。書記も殺したって言ってたしな」

天使「でも、おにいちゃんが私を見逃すって判断したから、見逃してやるって言われて……それでおねえちゃんも助けてくれたの」

勇者(あの金髪、意外といいとこあるな)

天使「だから人間を洗脳して救済するのは、しばらくお休み。おねえちゃんが起きてからどうするか話し合うことにしたよ。それまではおねえちゃんを治療してるこの王都を守ってあげるんだ」

勇者「それまでに人間らしい感性を取り戻してくれることを祈ってるよ」

天使「えー、やだよ人間に近づくなんて」

勇者「そう言うなって。お前の過去は知ってるが、それは魔女が……おっと、そろそろ3分だな。やっと肉を食べられるぜ」

雪女「『鶏肉がとりにくい』!」

勇者「うがああああっ! 『肉がつかみにくい』がせっかく解除されたのに!! 冷めちゃうだろうが!!」

雪女「あははははっ!」

勇者「昔からお前は、こういう悪戯好きだよな……」ゲッソリ

天使「あ、昔からこういう関係なんだ……」

勇者「研究所に引き取られた2歳のときから、ずっと俺が面倒見てるからな……もはや娘みたいなもんだ。夜中にトイレ行きたいって起こされたり……」

雪女「それすっごい昔の話だよ!」

勇者「俺が勇者に任命されて研究所から出るとき、大泣きして徹底的にグズり倒したのは誰だったっけ?」

雪女「うああああっ! 勇者のばか! 『相席で愛接近』!!」

勇者「うっ!?」キュン

天使「なっ!?」キュン

雪女「『マスカラちゃんとつけてますから』! 『マスカラで綺麗さすごく増すから』!!」

天使「うわ、うわっ!?」キラキラ

勇者「他人で遊ぶな!!」///







 「おい、なんだあれ……」

 「あっちの方で……火事か?」

 「まさか、また生首……?」


勇者「……ん? なんだ、外が騒がしいぞ」

天使「ほんとだ。まさか、また魔族が暴れてるとかかな?」キラキラ

勇者「あ、あんまこっちに顔向けんな……」プイッ

天使「?」キラキラ

勇者「っていうか勘弁してくれ、せっかくこっちの街並みは生首被害が少ないってのに」

天使「でも研究所のミサイルが狙われてるんでしょ? もしかして……」

勇者「よく見たら煙が上がってるな。つうかマジで研究所の方角じゃないかあれ……?」

雪女「『地理はバッチリ』! ……あそこ、研究所があるところだよ!」

勇者「なんだと!? くそ、白昼堂々襲ってきたってのか!?」

天使「急ごう! あたしが適当に車を捕まえるよ!」

雪女「ううん、トイレに行こ!」

勇者「おい、緊急事態なんだから我慢しろよ」

雪女「ちがうよ!? いいから来て!」ダッ

天使「おにいちゃん、この子に従おう!」グイッ

勇者「わ、わかったよ」ダッ


ガチャッ バタン


雪女「研究所がどうなってるか……『ミラーを使えば見らーれる』!」

勇者「これは……!!」

天使「な、なにこれ……跡形もないよ」

雪女「たすけなきゃ! 『研究所のロッカーに戻ろっかー』!」


ヒュンッ!!






シュンッ!!


勇者「!」スタッ

ドクター「……勇、者……」グッタリ

勇者(うっ、瓦礫に潰されて……)

勇者「ドクター! なにがあった!?」

雪女「先生!」

天使「見ちゃダメ!」ギュッ

ドクター「……魔族の……襲撃だよ。……岩の、ゴーレムだ……」ゼェゼェ

勇者「わかった、もう喋らなくていい。今すぐ医者を……」スッ

ドクター「……」ガシッ

勇者「!」ガクン

ドクター「……おそ、らく……ゴーレムのサイズと……操れる個体数は……反比例、している」

勇者「ドクター……」

ドクター「敵、は……元・王都の研究員……筋骨隆々の、老人だ……見ればすぐに、わかる……」

勇者「ああ」

ドクター「……狙いは……隕石を、落下させること……そし、て、それをゴーレムに……変えることだ」

勇者「そうか」

ドクター「……キミが、能力に、覚醒した……ときに、持っていた石……あれは、隕石の欠片……」

勇者「えっ……」

ドクター「雪女、にも、隕石の欠片…………持たせたんだ……。敵は……魔族を……一気に、増やそうと……」

勇者「隕石で、人間が魔族に?」

ドクター「……雪女、を、研究対象に……したら、殺すと……言われていたが……キミに、殺されたやれなくて……すまないね……」

勇者「いいよ」

ドクター「キミは、私の……最高傑作、だ……。世界を…………救え……」

勇者「……ウッス」

ドクター「」


天使「……おにいちゃん」

雪女「せんせぇ……」ポロポロ


勇者「くよくよしてる暇はない。ドクターのくれた情報を無駄にしないためにも、俺たちなりに戦うんだ!」






勇者「……海岸ってのは、星がきれいに見えるんだな」

雪女「……」


ザザッ


天使「おにいちゃん、あの爆弾男から連絡。ミサイルの用意はぎりぎり間に合ったけど、電波塔もないし昨日の騒ぎでいろいろ壊されちゃったから、大気圏突入前に撃ち落とす照準の調整は難しいみたい」

勇者「そっか」

雪女「……」

勇者「ドクターも研究所も、なくなっちゃったな」

雪女「……」コクッ

勇者「でもそれで、お前が『絶望』を感じることはないんだぜ」

雪女「……え?」

天使「そうだよ。あたしたちがついてるからね」ニコッ

勇者「俺たちと一緒は嫌か?」

雪女「ううん、そんなことないっ」

勇者「じゃあ……『ずっと一緒にいても良いっしょ』ってとこだな」ニヤッ

天使「…………おにいちゃん」

雪女「…………さむい」

勇者「あれっ!?」ガーン

雪女「……ふふっ、あははは!」

勇者「王都の方を見てみろ。あの光の数だけ、俺たちみたいな人がいるんだ。隕石が落ちれば、王都の人たちが吹っ飛んで死ぬ」

雪女「それは、やだよ……悲しいもん」

勇者「そうか、そりゃよかった。なら隕石を止めないとな」


ザザッ


天使「隕石が来る! 方角は情報通り!」

勇者「頼んだぞ、雪女!」

雪女「うんっ!」







隕石「」ゴォオオオオッ!!!!




雪女「っ!」ビクッ

天使(思ってたよりずっと速い!!)ゾクッ

勇者「大丈夫だ雪女! 頼むっ!!」


雪女「『隕石が落ちるの止メテオ』!」


隕石「」ドウッ!!!!


天使「止まった……?」

勇者「いや、減速しただけだ! 止まってはいない!」

雪女「ううううううっ!!」ギリギリ


隕石「」ドッ!!


天使「……がんばって!」

勇者(まずい、おそらくこのペースだと止まりきらない!)



雪女「『大きな石が、海にストーンと落ちた』!!」



隕石「」ガクンッ



ドッパァァアアンッ!!!!



勇者「……や」

天使「やった! 海に落ちた!」

雪女「……ぜぇ、ぜぇ……」ガクッ

勇者「雪女、大丈夫か!?」

雪女「……だっ、……じょぶ……」ゼェゼェ

勇者「すごい汗だ……すぐに王都に戻って―――」

天使「おにいちゃん、すごい津波が押し寄せてくるよ!!」

勇者「くそっ……!」

雪女「『すごい強風で恐怖~』!!」


ヒュゴォォオオッ!!!


天使「つ、津波を押し返しちゃった……」

勇者「よくやった、ありがとう雪女! もう休んでくれ!」

雪女「ヒュー……コヒュー……」ガクガク





天使「―――残るは」クルッ


岩ゴーレム「」ガクンッ


天使「あいつだけだね」

勇者「!」


魔人「いやはや、ひょっひょっ。よもや隕石を止めよるとは、恐れ入ったわ」ザッ


勇者「ムキムキのジジイ……お前か、研究所を潰したゴーレム使いは!」チャキッ

魔人「おおっと」

砂ゴーレム「」ザザザッ!!

勇者「くっ……ゴーレムを盾に……」

魔人「研究所を襲う前に下調べしとったら、天使が見えたからのぉ。警戒して待ったんじゃが……ほんに恐るべきはその小娘だったか。留守を狙って正解じゃったの」

雪女「……ハァ、ハァ……」ガクガク

魔人「このマジックミラーサングラス、いいじゃろ? 手作りなんじゃよ」

天使(やっぱりあたしの能力は対策されてるね……目を直接見なくても動きは止められるけど、洗脳はできない)

魔人「ひょっひょっ、さらにこのように……」


岩・石・砂ゴーレム「」ザザザザザッ


ゴーレム「儂が直接ゴーレムを身に纏い、さらにその上から、さらにその上に! 多重装甲ゴーレムの完成じゃの」グググッ…

天使(くっ……内側のゴーレムには『邪視』が届かないから、完全には止めきれない……!!)



ゴーレム『さて、どうする小童ども?』ズシンッ ズシンッ!!





>>193
勇者の選択は……

1、「隕石をゴーレムにされたらおしまいだ! ここは無理をしてでもこいつを倒す!」犠牲は覚悟で立ち向かう。
2、「今のコンディションで戦ったら死人が出る! くやしいが、ここは逃げるぞ!」隕石を明け渡して撤退。
3、「王都の軍隊に連絡しろ! 応援が来るまで俺たちで時間を稼ぐんだ!」命を懸けない程度に応戦する。


2




勇者「今のコンディションで戦ったら死人が出る! くやしいが、ここは逃げるぞ!」グイッ

雪女「……ぁ」ギュッ

天使「雪女ちゃん、しっかりおにいちゃんに掴まっててね!」ダッ


ゴーレム「若いのに冷静じゃな。しかしそんなに悠長なことで大丈夫かのう?」


勇者「天使、走りながら王都の軍に連絡しろ!」

天使「わかった!」

勇者「雪女は、俺の背中でしっかり休んでてくれ」

雪女「……ん」コクッ

勇者(あのジジイは……)チラッ



魔人「」スッ

水ゴーレム「」ザバババッ



勇者(ゴーレムを脱いで、海水でゴーレムを作ってやがる……あれに乗って隕石まで近づくつもりか)

勇者(これからも魔王と戦っていくためにも、これ以上死んだり死なれたりして『絶望』するわけにはいかないんだ!)





勇者「はぁ、はぁ……」

天使「や、やっと、もうすぐ王都だね……」

雪女「勇者、もうだいじょうぶ」スッ

勇者「ああ、無理はするなよ」

雪女「ん」コクッ

天使「……ね、ねえ……あれって」



隕石ゴーレム「」ズズズズッ…



天使「あはは……なんかもう、王都が滅ぶとか以前に世界が終わりそう……」

勇者「どうすんだよ、あんなの……」

雪女「……」


デマモン「おーい!」ウィィィン


天使「あ、あんたは……」

勇者「外に出て大丈夫なんスか!?」

雪女「おじさん、足が……」

デマモン「おう、足がないから電動車椅子で失礼するぜ。嬢ちゃんが隕石や津波を止めてくれたんだってな」

雪女「はい」

デマモン「…………そうか、こんな小さな子が」ボソッ

勇者「どうしたんスか?」

デマモン「……これから、俺っちが言うことを……どうか冷静に聞いてほしい」

勇者「え?」





>>198
なにか非常に言い辛そうにしながら、拳を震わせて苦悩するデマモン。やがて彼がそろりと切り出してきたのは……

1、「……なぁ。お前さんたちは、自宅の横に原子力発電所ができるってなったら……反対か?」
2、「……俺っちの家ではドーベルマンを家の中で飼ってるんだがよ……もし子供が生まれたら、どうすべきだと思う?」
3、「……俺っちは将棋が大好きなんだが、周りの連中はチェスが好きらしいんだ……お前さんたちは、どっちだ?」

(結構エグイ選択肢です)


安価下

2




デマモン「俺っちの家ではドーベルマンを家の中で飼ってるんだがよ……もし子供が生まれたら、どうすべきだと思う?」

勇者「……は?」

デマモン「我が子が、なにかの間違いでドーベルマンに怪我させられちゃ、たまんねぇだろ? 大人だって噛み殺されることがあるんだ。だから家の外に出すべきなんじゃねぇかな?」

天使「……」ギロッ

勇者「なんスか? なんでそんなこと急に……」

デマモン「…………すまん、率直に言う。軍が、お前さんたち国家お抱え魔族を、今回のどさくさに紛れて殺そうとしてやがる」

勇者「―――な、に?」

デマモン「今までは、まぁ軍としても許容範囲だったんだ。なんせ、元々が胡散臭い中立の女と、戦闘向きじゃない男と、強いが人質を取ってる女だったんだからな」

勇者「ちょっと……待てよ」

天使「……」ギリッ

雪女「……? ……??」オロオロ

デマモン「だが今は状況が違う。さすがに隕石や津波を個人でなんとかできちまうなんて、そんな神か怪物みてぇなガキは『話が違う』んだよ」

雪女「―――」

勇者「待てって言ってんだろッ!」

デマモン「一応、軍の主張に王様は反対してるみたいなんだ。だから、『うっかり』ミサイルに巻き込んで殺しちまいたいんだとよ」

勇者「そんな、そんな馬鹿なことが……!」

雪女「……もしかして……わたしの」

勇者「ちがうッ!!」

雪女「!」ビクッ

勇者「お前はなにも悪くない。王都を、いや、この大陸を救った英雄だ。よくやってくれた。ありがとな」ナデナデ

雪女「……あっ……えへへ」パァ

デマモン「誤解しないでほしいんだが、俺っちも本気で感謝してるし、尊敬もしてる。ほとんどの一般市民だって、強すぎて軽く引いてはいるけど、それでも王都を守ってくれたことは理解してる」

天使「だけどあんたがわざわざ王都の『外』にいたってことは、王都に入ったらドサクサまぎれに殺されて消されるからでしょ?」

デマモン「……兵器と違って、意思のある強すぎる戦力は国にとって脅威なんだ。整備不良の核爆弾みてぇなもんだからな。それですっかりビビっちまってんだ、ヤツらは」

勇者「……だからって」

デマモン「正直に言うが、俺っちだって『惑星レベルの大災害さえ支配できる人間』が、まったく怖くないって言ったら嘘になる。その子のことを本当に心から受け入れてやれるのは、きっとお前ら二人だけなんだ」

雪女「……つまり、みんな、わたしのことが『こわい』んだ」

勇者「いや、それは……」

天使「……雪女ちゃん」



雪女「じゃあ『きらい』じゃないんだ! よかったぁ!」パァ






デマモン「―――」

勇者「……へ?」

天使「……あはは」

雪女「それならわたし、がんばれるよ! あのおっきいのと、たたかえるよ!」

デマモン「だ、だからアレに近づいたらミサイルで一緒に吹っ飛ばされて……!」

雪女「『モーターが動かなくなってもーたー』! 『兵器をくらっても平気』!」

勇者「おい、もう魔法を使っても大丈夫なのか……?」

雪女「勇者、上着貸して!」

勇者「えっ、あ、ああ……」バサッ

雪女「『でっかい服着て回復』!」パァァ

勇者「……ホントになんでもアリだな」

天使「軍のクソどもを助けるのは癪だけど、雪女ちゃんのためなら協力するよ」

勇者「俺たちは本体を探そう! あのデカブツの相手は任せて大丈夫か、雪女?」

雪女「うん! わたしの手を握って!」

勇者「ああ」ギュッ

天使「ん」ギュッ

雪女「おじさん、おしえてくれてありがとね」ニコッ

デマモン「…………おう。ごめんな……」



雪女「『戦にいくさ』!!」



ヒュンッ!!








隕石ゴーレム「」ズシンッ… ズシンッ…



雪女「『貝十枚で怪獣』!!」バッ



怪獣「」ズシィィンッ!!



雪女「うわわっ!? 高すぎる! こわい!!」


隕石ゴーレム「」ブンッ


怪獣「」ドガンッ

雪女「うわああっ!?」ヨロッ

隕石ゴーレム「」ブンッ

怪獣「」ガシィ!!

雪女「やったなぁ……! 『怪物がもつデカイ仏像』!!」

仏像「」フッ

雪女「『仏像でぶつぞう』!!!!」


ズガァァアアアアンッ!!!!



隕石ゴーレム「」ズシャァァアアアッ!!!!



雪女「3分しかないから、本気でいくね! 『降り注ぐビルを浴びる』!!」


高層ビル群「」ヒュン ヒュンッ


雪女「『ビルに潰されて滅びる』!!」



ズガガガァァアアアンッ!!!!!



仮にこれで滅んだら『魔王もビルに潰されて滅びる』って言うだけでこの話終わるな




ズガガガァァアアアンッ……!!



勇者「ぐっ……デタラメすぎる! なんなんだあの威力は!?」

天使「だけど3分経ったら復活しちゃうんでしょ!? 雪女ちゃんがあの超巨大ゴーレムを食い止めてくれてるあいだに、本体を探さないと!」

勇者「近くにいるはずなんだ……ドクターの言葉によると、強いゴーレムを出すと、一度に操れる数が減っちまうそうだ」

天使「つまり、今の本体は無防備ってことだね」

勇者「ゴーレムに近すぎると爆撃を受けて死ぬ。ゴーレムから遠すぎると操れなかったりきちんと制御できない。つまり……天使、あそこの丘の上だ!!」

天使「!!」ギンッ



魔人「!」ガクンッ



勇者「捕まえた!! あのジジイ、ぶっ殺す!」ダッ

天使「ムキムキだった体が、骨みたいにやせ細ってるね」ダッ

勇者「ゴーレムの召喚には代償があるみたいだな!」

天使「今度はこっちが攻める番だよ!」



魔人「……うぅむ、なんともまぁ、規格外の魔族がいたものよの。こうなっては致し方あるまい」スッ



隕石ゴーレム「」ピキッ ガラガラガラッ!!






勇者(ゴーレムを解除した!)チャキッ


パンッ


魔人「うぐっ……ひょっひょっ、危ないのぅ」ズズズ…

天使「また砂を身に纏って……!」

砂ゴーレム「」ズシンッ、ズシンッ

勇者「くっ」チャキッ


ヒュンッ


雪女「『砂で攻撃すな』!」

砂ゴーレム「」ガクンッ

雪女「『悪漢に圧巻の攻撃』!」

勇者「!」チャキッ


パンッ


砂ゴーレム「」ドパァァアン!!

天使「やった!」

勇者「あれ……でも中に誰もいないぞ」

天使「えっ!? ……ゴーレムを身に纏う振りして、ゴーレムの背中からこっそり脱出してたんだね。逃げられた……」

雪女「ぜぇ、ぜぇ……」バタッ

天使「雪女ちゃん!?」ダッ

勇者「……砂ゴーレムを出す直前に俺が撃った銃弾、しっかり当たってたみたいだな」

天使「それって……」

勇者「ああ、あのジジイの血だ」ペロッ



>>206
魔人は取り逃がしたが、どうにか情報を手に入れることはできた。

A、魔王の居場所
B、魔王の居場所+次の四天王について
C、魔王の居場所+次の四天王について+側近の役割



3




>>210
ではまずは、次の四天王について



名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:


※概念系の能力は収拾付かなくなると思い知ったのでやめにしましょう!
※まだ安価取ってない人に譲ってあげましょう!



>>166



>>212
それでは続いて、魔王の『側近』の役割です。

A、魔族の発生を察知し、勧誘してくる。
B、魔王の拠点がバレないようにしている。
C、ありとあらゆる魔王への攻撃を阻んでいる。

複数可。

1

全部乗せOK?




勇者「いろいろわかった……が、とりあえず今は雪女だな」

雪女「……ぅ」ゼェゼェ

天使「もう王都には戻れないんでしょ? 戻ったら殺されるって、あの人が……」

勇者「魔王が拠点にしている場所がやっとわかった。今までみたいに、部下と会うためだけのダミーの場所じゃない。……そこを目指そう」

天使「……おねえちゃんを連れてきた方がいいかな?」


書記「魔女のことなら、私に任せてくれてもいいけど?」


勇者「!!」

書記「やっぱりこうなったかー。まあ、しょうがないね」

雪女「……」ゼェゼェ

書記「この子、魔法を使いすぎてるね。体が弱って高熱を出してるよ。早くどこかで休ませてあげな」

天使「おねえちゃんのこと、よろしくおねがいします」ペコッ

書記「はいはい、お任せあれー」

勇者「天使、雪女を背負うから手伝ってくれ」

天使「うん」グッ

書記「やっと勇者らしく旅立つわけだね。見送りが一人ってのが寂しいけど」

勇者「うっせ。デマモンさんとか王様とかによろしくな。あと、傭兵に餌やってくれ」

書記「はいはい、かしこまりましたよ」ヒラヒラ



勇者「……よし、じゃあ行くか」

天使「うん」

雪女「……ん」コクッ




>>220
側近のステータスもお願いします。おやすみなさい。



名前【側近】
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:各地の魔族を勧誘する。
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:


名前 【側近】

種族:魔族

性別:女

年齢:18

任務:各地の魔族を勧誘する

目的:人間の絶滅、もしくは家畜化

魔法:『時間』を『消し飛ばす』能力。要するにキング・クリムゾン

備考:人間に家畜扱いされ強制的に孕まされた事がたくさんある。子供は全員死亡している




魔人『呼んだかの、魔王様よ』ガチャ

歌い手『あっ……』

魔王『セイレーンよ、お前には魔人のあとで任務を授ける。それまではおとなしくしていることだ』

歌い手『……はい』シュン

魔人『ひょっひょっ、またやっとるのか。若いのに魔王様に盾突くとは、大した胆力じゃて』

魔王『理想が大きいことは素晴らしいことだ。私はお前の理想を押さえつけたりはしない。だからこそ、私の理想も押さえつけない形で、立ち回ってもらいたいものだ』

歌い手『うぅ……申し訳ありません』

魔人『幹部格でなければ知らされることのない、魔王様の居城に招かれている時点で、お前さんはかなりのものじゃ。そうしょげるでないわ』

魔王『このところ私の部下が立て続けに失われていることに、私は心を痛めているのだ。お前たちはそのようなことのないよう、気をつけてほしいものだ』

歌い手『あ、だから側近さんがいらっしゃらないんですね』

魔王『そうだ、各地の魔族に接触しに行ってもらっている。しかし世界を相手にするには、もっと劇的に戦力を獲得する必要があるだろう』

魔人『そこで『隕石』なんじゃな。そいつで町のひとつでも襲ってやれば、一気に魔族集団の出来上がりじゃろうて』

歌い手『そんなこと……!』

魔王『何事もバランスだ。今は魔族が希少だから、数少ない我らの同志が虐げられる。理不尽な暴力から身を守るためには、力と結束が必要不可欠なのだ』

歌い手『……』

魔王『しかしセイレーン、お前はそう割り切った考え方ができないだろう。だから次のお前の任務は、側近のような裏方仕事にするつもりだ』

歌い手『裏方仕事、ですか?』

魔人『それがよいの。戦場では甘さは命とりじゃて』

魔王『甘さのない魔人には、『隕石』に関する任務を頼んだぞ。最悪、隕石の欠片を持ち帰ってくれればそれでいい』

魔人『なに、心配するでないわ。魔族の大群でも引き連れて帰還してやろうではないか。ひょっひょっ』

魔王『期待しているぞ』





勇者「夜が明けちまったな。この町で一休みしよう」

天使「そうだね。雪女ちゃんも背中じゃしっかり休めな―――」

雪女「……」スヤスヤ

天使「けっこうぐっすり寝てたね……よっぽどおにいちゃんの背中が安心するのかな?」ナデナデ

勇者「疲れてるだけだろ。それでもやっぱり、熱が下がるまでは布団で数日休ませてやりたいが」

天使「お金はまだある?」

勇者「無駄遣いが趣味だから、王様からお金はたんまりもらってあったんだ。それでも魔王のところまでたどり着くためには、なるべく計画的に使わないといけないな。始発で乗ろうと思ってたが、雪女が回復するまで電車移動は待とう」

天使「それじゃあ今日はホテルを一室だけ取ろうか」

勇者「……ううん、まあ、しょうがないか」


 「あっ!」


勇者「?」クルッ

歌い手「天使ちゃん!?」

天使「セイレ……歌い手さん!?」パァ

歌い手「お久しぶりです! やはり魔人さんのおっしゃっていたことは本当だったのですね! 無事でいらっしゃったのですか!」

勇者(こいつ、魔人の記憶に出てきたセイレーンとかいう女の子……天使が裏切ってることも向こうにバレちまったか)

歌い手「ええっと……」チラッ

勇者「……」

雪女「……」スヤスヤ

歌い手「…………ご祝儀は、2万円でよろしいでしょうか?」

天使「なに言ってるの!?」ガーン






歌い手「―――♪ ――――――♪」パァァ



勇者「すげぇ……疲れや怪我が治ってく。ずっと痛かった肋骨も……」

天使「雪女ちゃんの顔色もかなりよくなったね」

勇者「けどどうするんだ? さっきまでの話が本当なら、あの子の任務はお前を連れ戻すことなんだろ? 最悪俺を裏切るのはしょうがないにしても、いきなり寝首を掻くとかはやめてくれよ?」

天使「……う、うん」


歌い手「――――――♪ ……ふぅ。とりあえずはこれで大丈夫かと」ニコッ


天使「ありがとう、歌い手さん!」

歌い手「いえいえ、弱っている子を放ってはおけませんから。しかし、しばらくはこの子に魔法は使わせないほうがよろしいかと」

勇者「どうしてだ?」

歌い手「魔法というものは、発動代償の他に生命力を消費してしまうものなのです。体力と違って生命力までは私の魔法でも回復させることはできません」

勇者「生命力!? 寿命を削ってるってことか!?」

歌い手「いえ、寿命とは違うのですが……生命力とは普段体が蓄えている『気』のようなもので、使いすぎると体の元気がなくなってしまいます」

勇者(じゃあMPみたいなのが、それぞれにあるのか。雪女はでかい魔法を連発しすぎたから、MP切れになっちまったわけだな)

歌い手「じつを言うと、魔人さんも同じような状態になっていました。山のように大きいゴーレムを操作するなんて、ただ事ではありませんから……。代償であるタンパク質の喪失も、私の能力では治せませんしね」

天使「血液の喪失は治せる?」

歌い手「付きっきりで歌えば、回復速度を通常よりはるかに早めることはできると思いますよ」

天使「!」

歌い手「ですから天使ちゃん。魔女さんも私が治しますから、こちらに戻ってくるつもりはありませんか? 決して悪いようにはいたしませんから」

天使「……えっと……そ、それは」チラッ

勇者(……)




>>214
勇者が天使にかけた言葉は……

1、「悪いが俺は人間側を離れるつもりはない。雪女もそうだろう」そう言って、雪女を連れてホテルから出ていく。
2、「俺も仲間になりたいって言ったら、魔王のとこまで連れて行ってもらえるのか?」これは魔王に近づくチャンスだ。
3、「……どう考えても道理にかなってないが……俺は天使に、行かないでほしい」率直な感情を告げて、頭を下げる。




すみません、安価ミスです!

>>225

1




勇者「悪いが俺は人間側を離れるつもりはない。雪女もそうだろう」スクッ

天使「え、あ……」

勇者「雪女、もう出かけるぞ」ユサユサ

雪女「んん……? あ、うん」ゴシゴシ

勇者「歌い手、だったか。雪女のこと、ありがとな」

歌い手「……いえ、お気になさらず」

勇者「それじゃ、行くぞ」スタスタ

雪女「ねぇ勇者、天使さんは?」

天使「っ」ビクッ

勇者「……頼む雪女、来てくれ」グイッ

雪女「……え、う、うん」トテトテ



ガチャッ バタン



天使「……」

歌い手「良かったのでしょうか?」

天使「……おねえちゃんのことがなければ、あたしが下等生物の人間なんかの味方するなんて、ありえない……よ」

歌い手「そうですか。……魔族同士でさえわかりあえないだなんて、私の理想は本当に大きすぎるのかもしれませんね」

天使「……」

歌い手「魔女さんを迎えに行きましょうか」

天使「……うん」





雪女「わあ、すごいすごい! 景色がぶわーって流れてくよ! ぶわーって!」キラキラ

勇者「……そうだな。でも電車内では静かにな」

雪女「勇者、元気ないね。天使さんとケンカしちゃったから?」

勇者「喧嘩じゃない。お互い一緒にいた理由がなくなっただけだ」

雪女「うーん……あっ、『事件が起き」

勇者「魔法は使うなって言っただろ!」

雪女「!!」ビクッ

勇者「……また、体が弱っちゃうからな。次に倒れたら、今度は病院に置いていく」

雪女「やだっ! もう使わないから!」

勇者「そうしてくれ。万が一のときは、逃げるために1回だけ使ってもいいからさ。な?」

雪女「うん。……でも勇者、ほんとにだいじょうぶ?」

勇者「なにが?」

雪女「すごく悲しそうだよ?」

勇者「……悲しいのはお前だろ。ごめんな、ずっと一緒にいるって約束してたのに」

雪女「ううん、勇者が一人ぼっちだとかわいそうだから、わたしがついててあげる」ニマッ

勇者「へっ、生意気な」コツン

雪女「ふふふっ」ニヘラ




>>228
二人が電車で移動していると……

1、ふと気が付くといつの間にやら電車が停車していて、隣に見知らぬ少女が座っていた。
2、三人目の四天王が、向かいの席に腰を下ろした。
3、電車内テレビの速報で、王都が壊滅したというニュースを目撃した。



2



>>232
三人目の四天王とは……


名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)

種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:


名前【ジャバウォック】
種族:魔族
性別: たぶん男
年齢: 不詳
任務: 勇者、及びその仲間の完全排除
目的: 楽しいことがしたい
魔法:『干渉』を『否定する』能力
備考:燕尾服にシルクハットで感情の読み取れないヘラヘラした笑いを常に浮かべている。行動、言動の全てが支離滅裂で意味を成さない。面白いと判断したなら街を一つ滅ぼすことや、虐殺も平気で行う。
自分に対する他人の魔法、能力を全て無効にする。そのため、攻撃は物理的なものでしか不可能。ただし本人のスペックも高いため一筋縄ではいかない。




勇者「……ん?」

ジャバ「どうもお初にお目にかかります。わたくし『ジャバウォック』と申します。不思議の国のアリス……ご存じありませんか?」

勇者「……魔族か」

雪女「!」

ジャバ「お察しの通り、わたくしは魔王様直属の魔族にございます。そしてその任は、あなた様方を速やかに抹殺すること」

勇者「……じゃあなんでそんな暢気に座ってんだ?」

ジャバ「すぐに殺して差し上げるのも良いのですが、それでは面白くありません。ですので、これから『鬼ごっこ』をいたしましょう」

勇者「鬼ごっこ?」

ジャバ「十、数えます。その間わたくしは絶対にここを動きませんので、好きなだけ遠くに逃げて結構でございます」

勇者「なるほど、それは面白そうだな。そうしよう」

ジャバ「お話しの分かるお方で助かります。それでは、カウントを開始いたします」

勇者「ああ、頼むよ」

ジャバ「十」

勇者「―――死ね」チャキッ


パンッ


ジャバ「」ヒュバッ


カキンッ!!


勇者「―――!?」

勇者(銃弾をナイフで弾きやがっただと!? そ、そんな漫画みてーなことを……!!)

ジャバ「九。八。七」

勇者(どうする……ッ! 今は移動中の電車だ。どっちに逃げたってすぐに追い詰められる!)

ジャバ「六。五。四」

雪女「『脳に腫瘍ができたでしゅよう』!!」


バヂィッ!!


雪女「えっ!?」

ジャバ「三。二。一」

勇者「くっ!!」ダキッ

雪女「!」ムギュ


ジャバ「零」ヒュンッ!!


勇者「―――っ」ギュウッ

雪女「『校舎に降車』!!」


ヒュンッ






勇者「うおっ!」ドサッ

雪女「うっ!」コテッ

勇者「ここは……どっかの学校の廊下か。そこに音楽室があるってことは、特別教室棟か?」

雪女「あのじゃばじゃばさん、魔法がきかなかったよ!」

勇者「ああ、見てたよ。魔法がなにかに弾かれたように見えた。だけど雪女の魔法は概念系だから物理的には防げないはず。それなら相手も概念系の能力だな」

雪女「ご、ごめんね。2回も魔法使っちゃって……」

勇者「いや、いいんだ。結果的にはファインプレーだったぞ。ありがとな」ナデナデ

雪女「♪」

勇者(俺の銃撃をナイフなんかで防いだってことは、物理的なものは防げないのか? それにただ能力を阻害する能力なら、2回目の移動も邪魔されたはず)

勇者(つまり自分が触れている能力、あるいは自分に対する能力を無効化する能力と見るのが、まぁ妥当だろう)

雪女「見て勇者! あっちの線路のほうから、じゃばじゃばさんが走ってきてるよ!」

勇者「まさか電車から飛び降りたってのか……? そうか、ダジャレを聞いてたんだから、あの場所から一番近い『校舎』に目をつけたってわけだな」

雪女「どうしよう? また逃げる?」

勇者「まだ魔法はいけそうか?」

雪女「しっかり休んだから、もうちょっと頑張れるよ!」





>>235
勇者の判断は……

1、「もう魔王の居場所はわかってるんだ。わざわざ危険を冒して、あんなバケモンと戦うこともない」さっさと逃げる。
2、「このまま逃げたら、魔王のところでまた会うかもしれないな……」一人のうちに、二人がかりで倒してしまおう。
3、「おそらく敵は魔族に対してのみ強い魔族だ。あいつは人間の力で倒す」雪女を隠れさせ、策を弄して戦う。


この場合3分経ったらどうなるの?



うーん……雪女の魔法は、雪女が「罪悪感」を感じたことは概ねキャンセルされる、みたいな感じでお願いします……

ぶっちゃけあんまり深く考えてな……ゲフンゲフン

つまりすぐ電車内に戻ってしまうって事でOK?

仮に罪悪感を感じた事で3分制限がなくなるなら、魔王を殺してしまう事に罪悪感を感じながら『魔王がビルに潰されて滅びる』って言うだけで物語が終わるけど


罪悪感を感じるとキャンセルされるので、むしろ人を傷つけることはできないことになりますね。勇者の身を守るために瞬間移動するくらいなら、「まぁいいか」となる感じで。じゃないと隕石落ちちゃいますからね……。


罪悪感基準だと完全魔族化したら無双化するので、そうなったらさすがに基準を変えます。

ぶっちゃけあんまり深……ゲフンゲフン

つまり魔法を発動した後に罪悪感を感じた場合のみ3分制限がなくなるって事ですか?


いえ、物語の都合上そっちのほうがいいかなー? って私が思ったときのみ3分制限がなくなります!


それと、「>>1が考えたダジャレは使わない(一部例外除く)」「一度使ったダジャレは極力使わない」という裏制限もあります。それがアリだと本当になんでもできるので……

五十音順ダジャレ一覧みたいなページから拾ってきてます。

普通に『雪女の生命が危険に晒されるような事象を止める場合のみ3分制限がなくなる』でいいんじゃない?

それだと御都合主義感マンマンで萎えてくるし



うーむ、では敢えて定義するなら、3分経過した時点で……


『能力の対象とした存在への被害、および能力の対象とした存在が直接的・連鎖的にもたらした被害、ならびに能力によって物理的に創造された事物を、能力による干渉以前の状態を上書きし必要最低限度被害を修復・補填する形で無効化する』


みたいな?

意訳すると、「人に迷惑かけないようになってるから! あ、それと能力で発生した物はあとで消えちゃうから!」って感じでしょうか。




勇者「このまま逃げたら、魔王のところでまた会うかもしれないな……」

雪女「そうなの?」

勇者「ヤツは俺たちを殺すことを命じられてる。そんで、俺たちは王国からどこかに出かけようとしていた。つまり魔王の邪魔をし続けてる俺たちを見失ったら、念のために魔王のところに戻るかもしれない」

雪女「うーん、なるほどー」フムフム

勇者(全然わかってねぇな……)

勇者「とにかく、ここで倒しておいた方がいいかもしれない」

雪女「でも、わたしの魔法がきかないよ? すっごく怖かったからひどい魔法を使ったのに」

勇者「なにげに即死魔法使ってたよな」

雪女「ど、どうせ3分後に戻るから……!」

勇者「他人を強化するみたいなダジャレは知ってるか? それで俺が戦えば、無効化されないかもしれない」

雪女「うーん、1つだけ。ヒラメを食べれば、もっと思いつくんだけどな」


カツン


ジャバ「もう逃げなくてもよろしいのですか?」

勇者「やっぱり逃げるのはやめて、鬼退治に乗り出すことにしたよ」

ジャバ「あまりオススメはしませんが、それもまた面白いかもしれません」

雪女「『今日から強化』!!」

ジャバ「それでは参りますよ」ヒュンッ

勇者「隠れてろ、雪女!!」ダッ



ガキィィンッ!!





ガキィン カキィィンッ!!


勇者(こいつ……俺だってかなり人間離れした動きしてるはずなのに、それについてくるなんて……バケモンか!?)チャキ


パンッ パンッ!!


ジャバ「おっと」カキンッ、カキンッ

勇者「おらぁ!!」ブンッ

ジャバ「くっ……!」ガッ


ズザザッ…


ジャバ「……なかなかやりますね。身体強化によって上乗せされたダメージを無効化できていなかったら、今頃やられていたことでしょう」

勇者(あと2分30秒くらい。これが切れたら殺されるが、この調子ならいけそうだ! その気味の悪いヘラヘラ笑いを叩き潰してやる!)グッ


ワイワイ ガヤガヤ


勇者「! ちょっと待て、生徒が移動教室でこっちに来る! 場所を変えよう」

ジャバ「なにをおっしゃっているのですか?」

勇者「え?」

ジャバ「こういった場所で戦うからこそ、多くの血と混乱が生じて楽しいのではありませんか!」

勇者「この悪魔がッ!!」ダッ

ジャバ「わたくしは邪悪の竜、ジャバウォックでございますゆえ!」ヒュンッ


ガキィィンッ!! キィン パンッ カキィン!!


 「あれ? なあ、なんだあれ?」


雪女「『みんなこっち見んな!』」

勇者(ナイス、雪女!)

ジャバ「余計なことを、しないでいただきたいですね!」ブンッ


ナイフ「」ヒュンッ!!


雪女「!?」





勇者「危ない!」グサッ

ジャバ「……おや」

雪女「勇者!?」

勇者「食らえッ!」チャキッ


パンパンッ、パンパンパンッ!!!


ジャバ「ぐっ……!」ブシュ

勇者(4発も避けるとか、イカレてんなオイ……)


ファンファンファン…


ジャバ「……おや、警察がいらっしゃいましたか。せっかく盛り上がってきたというのに」

勇者(校門の前で、誰か倒れてる……こいつがここに来るときに殺したのか。それを見て誰かが通報したんだな)

ジャバ「名残惜しいですが、この続きは後日仕切り直すといたしましょう。とても楽しかったですよ―――勇者さん」バッ

勇者「待てっ! うぐっ……」ガクッ

雪女「勇者! は、はやく手当てしないと……!」

勇者「いや、警察から逃げるのが先だ。なにか移動系の魔法を頼む……」

雪女「う、うん! えっと、ええっとぉ……『高架下に行こうかしら』!」



ヒュンッ!!






天使「…………。」


書記「あら、おかえりなさい。魔王は倒したの?」


天使「!!」ビクッ

書記「どしたの、廊下に座り込んじゃって? 魔女の病室に入ればいいのに」

天使「……全部、知ってるくせに」

書記「それはもちろん知ってるけどね。この―――恩知らずが」

天使「……っ」ビクッ

書記「魔女が回復したら、みんなで仲良く王都を滅ぼす? それとも彼を殺しに行く?」

天使「う、うるさい! あたしは別に裏切ってなんかない! だって、あたしにはついて来てくれって、言わなかったから……! 向こうが勝手に出てって、あたしを置いて行って……」

書記「あなたが言いづらそうにしてたから、気を利かせてくれたんでしょ? 普段は全然気が利かないくせにね」

天使「そ、それは……」

書記「あの人間でさえ、彼やあなたのために奔走しているというのに。まったく、呆れたものね」

天使「あの人間?」

書記「あなたたちに軍の裏切りをリークしてくれた、車椅子の彼だよ。彼は今、王都の住民に訴えかけて魔族への偏見を解こうとしてるの」

天使「!」

書記「そして軍が、王都を守った彼らを殺そうとして追い出したことを訴えてる。もうそろそろデモに発展するんじゃないかな?」

天使「……あんたはどうなの? どっちの味方なの?」

書記「私は中立。誰の味方でもない。……ただし、あなたの答え次第では『傾く』かもしれないけどねー」

天使「え?」

書記「あなたはどっちの味方なの? 人間か、魔族か」




>>250
天使の選択は……

1、「べつに人間に味方するわけじゃないよ。……ただ、やっぱりあんなお別れはイヤだから!」
2、「……やっぱりダメだよ。私にはどうやったって、下等生物に味方するなんてできっこない……!」
3、「もしも人間が、そんなに悪いものじゃないってわかったら……そのときは、1歩を踏み出せると思う」








天使「……やっぱりダメだよ。私にはどうやったって、下等生物に味方するなんてできっこない……!」

書記「ふーん……あっそ。使えねーな」

天使「っ」

書記「じゃあせめて、邪魔だけはしないでよね。ここでおとなしくしょげかえってな」スタスタ

天使「ど、どこ行くの?」

書記「駒が足りない。これじゃあ戦いにならないよ。仕方ないから、私も動く」スタスタ

天使「……今度こそ、あたしを殺さないの?」

書記「今回だけは、あの甘ちゃんに免じて見逃しておいてあげるよ。次に会ったら、もう容赦はしない。じゃあね」スタスタ


天使「……っ」ジワッ


天使「わかんないよぉ……どうしたらいいの……?」ギュッ





勇者「痛っ……」

雪女「だいじょうぶ? ねえ、病院行こうよぉ……」グイグイ

勇者「そんな時間はないんだ。歌い手が魔女の治療を終えちまったら、もう俺たちに勝ち目はない。あのゴーレムジジイもジャバウォックの銃創も回復しちまう。それに魔女と天使まで加わったら……」

雪女「わ、わたしがなんとかするから!」

勇者「いや、実際のところ戦闘する必要はないんだ。なんせ俺たちの勝利条件は、魔王の暗殺だからな。それが完了すれば、あとは軍隊に丸投げできる」

雪女「それなら、もっと休んでても……」

勇者「ジャバウォックに、俺が魔王の居場所を知ってることがバレたかもしれない。それに天使が向こう側にいる以上、俺の能力も筒抜けになってると見た方がいい。魔王が引っ越ししちまったら終わりなんだ」

雪女「……でも」

勇者「大丈夫だよ、内臓までは届いてない。ナイフは肋骨で止まったからな。とにかく、もうすぐ敵の本拠地だ。急ごう」



>>254
勇者は深手を負いながらも、魔王の元へと足を進める。そしてついに、魔王の居城へとたどり着いたのだった。そこで……

1、魔王城周辺に徘徊するゾンビに襲われかけたところを、側近に助けられる。
2、雪女の魔法で不法入城に成功。そこで隠密活動中にうっかり最後の四天王の寝室に入ってしまい鉢合わせしちゃう。
3、城の周辺で侵入できそうなところを探していたところで、見覚えのある連中を引き連れた書記に捕まる。


3




ゾンビ「」ウロウロ


勇者「なんだありゃ……なんかゾンビみてぇな外見だが……」

雪女「いっぱいいる……きもちわるい……」ヒクッ

勇者「そういや、魔王の能力って蟲で死体を操ることだっけか。なるほど、城を守る死なない警備兵ってわけか」

雪女「どこから入る? それとも、魔法使おっか?」

勇者「いや、極力雪女に魔法は使わせたくない。できるだけ下調べしてからにしよう」


ポン


勇者「!?」クルッ チャキッ!

書記「うわっと!? 私だよ私!」

勇者「書記……? お前、なんでこんなとこに?」

書記「えー、なにその言いぐさー。連れ添った女に捨てられて傷心だろうから、慰めてあげようと駆けつけたのにさ」

勇者「……天使に会ったのか」

書記「キミのところに戻るようにけしかけてみたけど、ダメだったよ。だから私が助けに来た」

勇者「助けにって……まさか、戦ってくれるのか?」

書記「ううん、もちろん戦わないよ♡ 代わりにこっちも対抗してゾンビを用意したのさ」スッ



獣人「ひどいなぁ、こんなにかわいい子を捕まえてゾンビだなんて」

アルラウネ「でもほんとはもう死んじゃってるなんて、へんなかんじ」



勇者「えっ、こ、こいつらは……!」

書記「そう。過去に魔王の手先として戦って殺された魔族たちだよ。2人ともキミにヘッドショットされて死んでるね」

獣人「あのときは命乞いを聞いてくれなくてありがと、お兄ちゃん♪」ゲシゲシッ

アルラウネ「……問答無用で殺された」ゲシゲシッ

勇者「うぐっ……ごめ、痛い! ごめんってば!」

雪女「……?」キョトン

書記「私もいろいろ疲れててさ、しばらく生き返らせ続けるのは2人が限界なんだ。この子たちには、交換条件をもとに協力してもらうことを約束してるの。だからばっちり頼ってね」

獣人「まあ、そういうことだからさ。昔のことは水に流そっか」

アルラウネ「……ちょっとは根に持つけどね」

勇者「……あはは」

書記「私が来たからには、こそこそ戦うなんて許さないよ。真正面から正々堂々戦ってくること!」トンッ

勇者(……! 傷が治ってる……)



書記「それじゃあ、最終決戦だ!」ビシッ







ガッシャァァアアン!!



獣人「おじゃましまーす♪」

勇者「……巨大な鉄扉が吹っ飛んだぞ。すげぇな水使い」

獣人「えへへー、もっと褒めてもいいんだよ? 雨の日だったら城ごと消し飛ばせたんだけどね」

アルラウネ「ゾンビは私がやっつけたのに」ムスッ

勇者「あ、ありがとな。助かった、さすがだよ」

アルラウネ「でしょ」フンス

勇者「……でも、お前らは魔王に従わなくていいのか?」

獣人「もともと魔王の顔なんて知らなかったし、従ってもなかったし。ボクはあいつらに復讐できたらなんでもいいんだよ」

アルラウネ「植物を守れるなら、どっちでもいい」

勇者(こういう義理堅さとは無縁な、子供のドライな部分を見込んでこいつらを『再生』したんだろうな……)

勇者「そうかい、ならこれが終わった後で俺もいくらでも協力するから、今は俺に協力してくれ」

獣人「高くつくからね、いろいろ♡」

アルラウネ「かくごしててね」

勇者「あはは……」

雪女「勇者、たいへんだね?」

勇者「けどまあ、協力してくれるだけありが―――」


ズンッ…


勇者「下がれ!」バッ

獣人「わぷっ!?」ガシッ

アルラウネ「え」ガシッ

雪女「!」ガシッ



ズガァァアアアンッ!!!



ゴーレム「やれやれ、年寄りをあまり働かせんでほしいんじゃがのぉ」ズシン ズシンッ

勇者「ゴーレム使いのジジイ!」

ゴーレム「思っていたよりすぐに会ったの。どれ、今度こそ―――」スッ

獣人「」スッ


ドッパァァアアン!!


ゴーレム「むッ!?」グラッ


獣人「ここは任せてくれてもいいよ、お兄ちゃん。ほら、よく言うじゃない。『年寄りには冷や水』って」ニコッ

ゴーレム「ひょっひょっ、生意気言いよる小僧じゃて!」ニヤッ






勇者「すまん、任せた! でも無理はするなよ!」ダッ

アルラウネ「あなたのせいで、もう死んでるんだけどね。あなたのせいで」トテテ

勇者「……そうでした」

雪女「魔王ってどこにいるのかな?」

勇者「多分、最上階ってのが定石なんじゃねぇかな」


カツン


勇者「!」チャキッ

雪女「あっ、じゃばじゃばさん!」

ジャバ「ジャバウォックでございますよ、お嬢様」スチャ

勇者「元気そうだな。腹に銃弾もらってるはずなのに」

ジャバ「怪我をしているですとか、調子が振るわないですとか、それが戦いに興じない理由にはなりえません。楽しければ、死すらも些事ですので!」ヒュンッ

勇者「あいつに対する魔法は無効化されるぞ!!」


ドゴゴゴゴッ!!!


ジャバ「!」バッ

アルラウネ「じゃあ床と天井を落としながら戦わないと」

ジャバ「ほう、物質創造型ではない植物使いですか……やや相性が悪い。これは楽しくなりそうですねぇ」ニタァ

アルラウネ「先に行っていいよ。でも上の階では足場に気をつけてね」


勇者「すまん! お前も気をつけろよ!」ダッ

雪女「ありがとー!」ダッ


ジャバ「おや、行ってしまわれましたか。しかし楽しみは最後に取っておかねばなりませんからね」スチャ

アルラウネ「思い残しながらやっつけられちゃうのはかわいそうだから、私が花道を飾ってあげるね」スッ






勇者「多分あそこじゃないか! あのデカイ扉!」タタタッ

雪女「たしかにそうかも!」

勇者「よし、覚悟決め/   /うおッ!?」グサッ

雪女「えっ!?」

側近「……」ジロッ

勇者(こいつ、いきなり目の前に現れやがった! 瞬間移動系の能力者か!? ナイフ攻撃はギリギリ腕で防いだが……)

勇者「くそ、このヤロウ/   /……えっ!? また瞬間移動……」

側近「お前も魔族か?」

勇者「痛って……いいや、魔法が使える人間だよ!」

側近「なら死んでもら/   /うぞ」ブンッ

勇者「うぐっ!?」ズバッ

雪女「勇者、わたしたちも瞬間移動してるよ!?」

勇者(なに……? そういえば、さっきまでと立ってる位置が違う……?)

勇者「こなくそ! これでも食ら/   /……あれ?」カチッ カチッ

勇者(弾切れ……? 嘘だろ、まだ1発も撃ってないはず……)

側近「……/   /……」ブンッ

勇者「うっ!?」ザシュッ

雪女「はぁ、はぁ……な、なにこれ、すごい疲れて……」ゼェゼェ

勇者「雪女、魔法を使うな! 多分、気づかないうちに『使わされてる』ぞ!」

勇者(この感じ、前にも経験してる! 書記が魔女に使った、記憶ペースト……それと似たようなもんだ)

勇者(なにか動作をした直後に、その動作の記憶が俺たちの記憶から消されてる! だから銃弾や魔法を使った記憶がないのに、使ったという『結果』だけが発生してるように見えるんだ!)

勇者「この女の能力は、直前数秒間の記憶を消し去る能力だ!」

側近「なかなかイイ線いっている。大した洞察力だな。今まで我々の魔族を退けてきただけのことはある。殺すのは惜しい逸材だな」

勇者「へっ、そりゃどうも」

勇者(くそ……ギリギリでガードしてるとはいえ、盾にしてる腕がズタズタだ。出血もひどくなってきやがった)ズキズキ

勇者「うおおっ!」チャキ

側近「何度やっても無駄なことだ。/   』キュィィン


パンッ パンパンパンッ!!


側近『この時間は、本来存在しない時間だ。この世界から切り取られ、消し去られているからな』スカッ

勇者((なに、銃弾がすり抜けた!?))

側近『だから、この消え去った時間の中で起きる出来事が、現象が、私に影響をもたらすことはない。私が影響をもたらすことも……決してない』スタスタ

勇者『うおおっ!』ブンッ

側近『お前の体が私に触れるという出来事が消し去られている以上、私に影響を与えることもない』スカッ

勇者『……っ!?』

側近『そして、お前はせっかく私が懇切丁寧にしてやったこの説明を記憶することはできない。なぜなら、この説明をしてやった時間は消し飛ばされ、私以外に認識する術はないのだからな。さあ、正常な時が   /帰ってきたぞ」

勇者(弾切れだ! また記憶が消された!?)カチッ カチッ





つまり、自分が完全無敵モードになっているあいだの出来事を他人の記憶から消し去る能力だとお考えください。


>>260
この後の展開は……

1、廊下の先から魔王が現れ、一時的に戦闘が中断される。
2、階下の魔族たちが暴れてるせいで地面が崩れて、3人が散り散りになる。
3、あまりの苦戦っぷりに見てられなくなった書記が、無理を押して参戦する。


2




勇者「くっ、こうなったら一旦逃げるぞ雪女! 記憶は消されても、走ったという結果は残る!」グイッ

雪女「う、うん!」ダッ

側近「まさか黙って見逃がすとでも思―――」



ズガァァアアアアン!!



側近「!?」グラッ

勇者「うおおっ!? 雪女ッ!?」バッ

雪女「勇者ぁ!?」



ドガァァンッ!!

パラパラ…



勇者「ぐっ……痛ッ……」

勇者「雪女!? どこだ雪女!!」

勇者「え、ここは……」





>>284
勇者が落下した場所は……

1、以前、魔王にクーデターを企て、捕らえられ監禁されていた魔族の監獄
2、魔王の肉親(親兄弟のうちだれか)の部屋
3、最後の四天王の寝室



よっしゃあ安価ミスですね!

>>265
再安価

3



すみません、午後はでかけます。

帰ってきたら、今日中に終われるように頑張ってみます……!





>>270
最後の四天王、その正体は……


名前【】
(魔族は『種族名』でおねがいします。ドラゴンとかハーピィとか。能力に即してるとわかりやすくて◎)
(特殊な能力を持つ人間を『魔族』と呼んでいます。スタンド使いみたいなもんです)


種族:魔族
性別:
年齢:
任務:
目的:
魔法:『』を『』能力
備考:



名前【サンダーバード】(雷鳥とか略しても良いかも)
種族:魔族
性別:男
年齢:勇者より5歳ほど年上に見える
任務:城陥落時の逃走ルート確保
目的:勇者との遭遇、保護
魔法:『身の回りの電磁気力』を『コントロールできる』能力
備考:脳が処理しきれないため魔法のあまり細かすぎるコントロールは出来ない(精密機器の操作とかハッキングとか)。斥力を応用して飛行することが可能
   勇者の生き別れの兄を名乗り、勇者に味方しようとしている
   魔王とは内部に取り入ってこそいるが信用も信頼もしてない。ほぼ勇者に近づくためだけに地位を手に入れた




勇者(なんだ、この部屋……なんとなく俺の部屋に似てる……?)キョロキョロ



雷鳥「あいててて……くっそー、メチャクチャしやがるぜ。俺の部屋が半壊したじゃねーか」ガラガラッ



勇者「!!」ビクッ

雷鳥「ん? んんん? お、おい、まさかお前……」

勇者(まだ魔族がいたのか!? マズイ、まだ銃のリロードが済んでない……!)

雷鳥「お、お前まさか、勇者か……? っていうか勇者だよな!?」

勇者「……え? あ、ああ」

勇者(あれ、なんかあの顔、どこかで見たことのあるような……)

雷鳥「うおおおおおおおおおおっ!!!!!」スタスタスタスタ!!

勇者「!?」ビクッ



雷鳥「勇者ぁあああああっ! 弟よっ!! 会いたかったぜ!!」ダキッ!!



勇者「……へ?」ムギュッ

雷鳥「くぅ~! お前と会うために、いったいどれほどの時間をかけ、どれほどの苦難を経たことか……!! それがやっと報われたんだな!!」ポロポロ

勇者(な、泣いてるー!?)ガーン

雷鳥「勇者に抜擢されたと聞いたときは複雑な心境だったぞ。やっとこさ腐れ研究所から解放されたはいいが、今度は国家に身柄を移されちまって会えやしねぇ!」

勇者「……は、はぁ」

雷鳥「しかも命の危険に常に晒される! いったい何度、いっそ攫ってしまおうかと考えたものか!! だが逆に好機でもあった。なんせ『勇者』の任務といったら、1つっきゃないんだからな!」

勇者「……魔王の討伐?」

雷鳥「そう! だから俺はこうして魔王へと取り入って、地位を高め、信頼を得て、幹部として魔王城に住みついたんだ! それもこれも、すべては勇者、お前と出会うために!! そしてお前の助けとなるために!!」

勇者「俺を助けるって……」

雷鳥「お前の身に危険が及ばないように、エルフのヤツにも頭を下げて、お前のことを調べていた偵察係の部下をこっそり島流しにして、そうやって遠くから見守っていたんだ! そして今! この瞬間! 再会したんだ!!」

勇者「……お、俺の記憶にはないぞ。あんたとの記憶は」

雷鳥「お前が物心つく前に、生き別れになったからな。親父とお袋が離婚して家庭がメチャクチャになっちまって、しかもお前はすぐに魔族として覚醒して、研究所送りになっちまった。……じつはそのあと、1回だけ会ってるんだけどな」

勇者「にわかには信じられないな……俺に兄がいただなんて」

雷鳥「なら、俺の血を舐めてみるか? ほれ」ブシュッ

勇者「……」ペロッ






勇者「……!!」

雷鳥「わかってくれたか? なら兄ちゃんって呼んでくれてもいいぞ?」

勇者「……に、兄ちゃん」フイッ

雷鳥「」ブシュッ

勇者(鼻血!?)

雷鳥「さて、それじゃあそろそろ魔王のところに行くか? 俺の任務は緊急時における魔王の逃走ルート確保と抜け道作りだ。逆に言えば、城のどこからでも魔王の部屋に直行できる」

勇者「その前に、仲間とはぐれたんだ! 能力の使い過ぎで弱ってるから、早く合流しないと!」

雷鳥「それなら、それも俺に任せな。仲間たちの特徴を言ってくれれば、俺が秘密のルートで全員助けるぜ」

勇者「13歳の女の子と、12歳の女の子と、11歳の男の子だ」

雷鳥「……兄ちゃん、そういうのは感心しないぜ」

勇者「違う! このメンバーに俺の趣味は反映されてはいない!!」

雷鳥「まぁ、わかった。弱ってるのを優先的に助けておこう。お前は安心して……」スッ


ピシッ パラパラパラ…


雷鳥「魔王と決着をつけてこい」ニッ

勇者「壁が、砂みたいに崩れた……」

雷鳥「俺は周囲の電磁気力を支配する。つまり重力を除いた、ありとあらゆる『力』と呼ばれるものすべてを思い通りにコントロールすることができるのさ。壁を粉々にするくらいのこと、朝飯前だぜ」

勇者「どうして俺たちの能力は、こんなにも露骨に格差があるんだろう……」ゲッソリ

雷鳥「なに言ってんだ? 俺はお前の魔法が、ありとあらゆる魔法のなかで、もっとも優しくて、そして『未来を創る』魔法だと確信してるぜ?」

勇者「……え?」

雷鳥「今開いた『出口』を進めば、やがて魔王の部屋へと通じる『入口』へとたどり着くぜ。さぁ、行って来い!」







ガチャッ


ギィィィ…




魔王「よくぞここまでたどり着いたな、勇者よ」


勇者「……ついに追い詰めたぜ、魔王」


魔王「私の用意した数々の刺客を潜り抜けるとは大したヤツだ」


勇者「お前の度重なる暴虐も、ここまでだ」


魔王「お前ほどの男を殺してしまうのは惜しい。どうだ、私に従うつもりはないか? さすれば世界の半分をやろう」


勇者「世界に境界線なんてないんだ。俺は世界の全部を手に入れて、みんなで分かち合いたい」


魔王「綺麗ごとを。お前にそれができるのか?」


勇者「誰かがやらなくちゃいけないんだ。お前がそれを一緒に目指してくれるのなら嬉しいけどな」


魔王「それはできない相談だ。魔王は人間を滅ぼすものだからな」


勇者「そして勇者は魔王を滅ぼすものだ」


魔王「ならばもう言うことはない。武器を取れ」シュラッ


勇者「全身鎧にロングソードか。まるで勇者の格好だな」スチャッ


魔王「行くぞ」ダッ


勇者「来い!」チャキッ







アルラウネ「うっ……はやすぎる……」バッ

ジャバ「遅い、遅いですねぇ!! 終わりです!!」ヒュンッ

アルラウネ「―――っ!!」


ズガァァアアンッ!!


ジャバ「ごぶっ!?」ズドッ

アルラウネ(爆発で吹き飛んだ壁の破片が……!)チラッ

獣人「へへっ!」ニッ

ゴーレム「余所見はいかんのぉ!!」ゴォッ

アルラウネ「はぁっ!!」バッ


ズゴゴゴゴッ!!


ゴーレム「うぐっ、ええい、植物か……ゴーレムにできん『有機物』は鬱陶しいのぅ!!」ギチギチッ

ジャバ「……傷口が開いたせいで、血を流しすぎてしまったようですね。さすがに手足の感覚がなくなっては戦えませんか……せっかくの楽しい戦いだというのに、勿体ない……」ズルッ

魔人「やれやれ、これ以上タンパク質を消費すると本当に危ないんじゃが……仕方ないのぅ」ガラガラッ


ミシッ…


獣人「おじいちゃん、そろそろ観念したら?」

魔人「尻の青いヒヨっ子どもに負けるわけにはいかんのでな。往生する前に、もう少し往生際悪く行かせてもらおうかのぉ!!」


ミシミシッ…

ゴゴゴゴゴゴッ…


アルラウネ「……なに、この揺れ」

獣人「えっと……まさか」


魔人「そのまさかじゃの。これが正真正銘最後の『ゴーレム』じゃ!!」バッ



パラパラ… バギバギバギッ!!



獣人「やばいよ、お城が!」

アルラウネ「っ!」


雪女「『逃げたい三人で退散』!!」



シュンッ



ズガァァアアアンッ!!!!







勇者「痛ってて……くそ、あのジジイやらかしやがったな」ムクッ

魔王「……そこまでの戦況というわけか。芳しくないな」ムクッ



側近「隕石ゴーレムの代償も回復してないというのに……爺さん、死ぬ気か?」



雷鳥「どうして魔族ってのはこう、メチャクチャするのが好きなのかねぇ……」



獣人「けほっ……ありがとう、たすかったよ」

アルラウネ「ありがと」

雪女「……う、うん」ゼェゼェ



書記「さてさて、ようやく余興が終わったみたいだね」







城ゴーレム「」ゴゴゴゴゴッ







>>277
城ゴーレムを身に纏い、魔人最後の猛反撃! すると……

1、こちらも雪女が命を賭して迎え討つ。
2、一旦逃げて、魔人の消耗自滅を待つ。
3、突如飛来したミサイルがゴーレムに直撃しダメージを与える。

3





城ゴーレム『小さいのぉ。どれ、踏み潰してやろうかの』ズズズ…



獣人「うわわっ、どうするの!? あんなの聞いてないんだけど!」

アルラウネ「……規模がちがいすぎる」

雪女「……ごめんね、勇者。こうなったら―――」キッ



ヒュゥゥゥッ…


ドガァァアアアン!!!



城ゴーレム『うぐォ!?』ヨロッ



雪女「な、なに……?」キョロキョロ

獣人「ミサイルだ! それに戦車も!」

アルラウネ「どういうこと?」



ヒュゥゥゥッ…


城ゴーレム『ええいっ! まさか人間まで乗り込んで来るとはァァ!』バッ


ズガガガァァアアアンッ!!!






勇者「な、なんだ……? なんで国の軍隊が……」

魔王「……これでは流石に分が悪いか。ならば城がなくなり見晴らしの良くなったところで、我が軍勢を呼ぶとしよう」パチン


ゾロゾロゾロ…


勇者(ゾンビを呼び出しやがった……!)

魔王「人間動物を問わずに集めた死の軍勢。さて、これはどう対処する?」


 「そりゃお前さん、こうするに決まってんだろ!」ブンッ


ドカァァアアンッ!!


魔王「!」

勇者「あんたは……!」

デマモン「お楽しみ中失礼するぜ! 国の仲間が自分たちのために命を懸けて戦ってるってんで、居ても立ってもいられなくってよ! ついでに暇人どもをかき集めて来たんで、ちょっくら俺らも混ぜてくれや!」


 「「「うおおおおおおおおおっ!!!」」」


勇者「あんなにたくさん……!?」

デマモン「隕石の件では本当にすまなかった! あれからやっぱり王都を救ってくれたお前たちを追い出すなんておかしいって王都のみんなが立ち上がってくれてよ。ついに国も軍隊も動かしちまったわけだ!」

勇者「……っ」ウルッ

デマモン「お前さんは心置きなく戦ってくれや! 他は俺らに任せろ!」

勇者「ウッス!!」



魔王「…………美しいな。すぐに散るものというのは」ダッ

勇者「散らせやしねぇ! みんなの頑張りを無駄にはしない!!」ダッ



ガキィィンッ!!





側近「魔王様……!」ダッ


バヂヂッ!!


側近「……/   貴様……この電撃は、なんのつもりだ……サンダーバード』

雷鳥『今いいとこなんだ。邪魔しないでくれないか』バヂヂッ

側近『エルフ……天使……セイレーンに引き続き、貴様もか……どいつもこいつも……!!』

雷鳥『そう言うなって。あいつには人を引き込む力があるのさ。能力がそれを如実に表してる』バヂヂッ

側近『他人の記憶に土足で踏み込む能力がか? 笑わせる』

雷鳥『あいつはお前の記憶を笑わない。きっと涙を流して、気まずそうに俯くんだ。言葉じゃ伝わらないものを直接汲み取って、人を理解してやる……それがあいつの魔法だよ』バヂヂッ

側近『……くだらん。さっさとこの電撃を止めろ。勝手にバテてもらっても、別に構わないがな』

雷鳥『どう思おうと勝手だが、ずっと魔法を節約してきた俺と、調子に乗ってバンバン使っちまったお前。どっちのほうが先にバテるのかね?』バヂヂッ

側近『……』

雷鳥『なんにせよ、あの二人の戦いの邪魔はさせないぜ。お嬢ちゃん』バヂヂッ






ズガガガァァアアアン!!!!



城ゴーレム『くっ……ぐく、やはり、代償が足らん……か……ひょっひょっ……』ガラガラッ

城ゴーレム『ならばせめて、お前さんたちだけでも道連れにしてやるわいのぉ!!』ゴォォオッ!!



獣人「うわっ!?」

アルラウネ「っ」

雪女「!!」



城ゴーレム『―――っ!!』ガクンッ



城ゴーレム『こ、れは……』ググッ…

城ゴーレム『……ぐっ……無念』ガラガラガラッ



獣人「崩れてく……たすかった」

アルラウネ「けどなんか、いまの動き、変だったような……」

雪女「……!」クルッ


天使「……」


雪女「天使さん!」パァ

天使「雪女ちゃん……その……あたし……」ビクビク

雪女「っ」ダキッ

天使「え……」

雪女「たすけてくれて、ありがとう!!」ニコッ

天使「……っ……うん!」ポロポロ




魔女「しばらく見ないうちに、ずいぶん変わったのですね」フッ

歌い手「その発言、なんだかおばさんくさいですよ?」

魔女「…………時を巻き戻すのは、控えたほうがいいのでしょうか」







勇者「うぉらァ!!」ブンッ

魔王「っ!」ガキンッ

勇者「ゾンビもかなり減ってきたが……ここから一発逆転の切り札でもあんのか?」ギリギリ

魔王「どうにも……うまくいかないものだな」ギリギリ


ガキィインッ!!


勇者「もっと最初の段階で、このゾンビ軍団を王都に送り込んどけばよかったんじゃねぇのか!?」ヒュンッ

魔王「……そうかもしれんな」キィンッ

勇者「それをやらなかったってのは、お前はこうやって止めてもらうことを待ってたんじゃねぇのか!?」ガキンッ

魔王「……」ギンッ

勇者「どうして王様が俺にわざわざ『勇者』と名乗るように言ったのか! どうして魔族である俺を『勇者』に仕立て上げたのか!」ブンッ

魔王「……」サッ

勇者「どうしてお前が、『魔王』を名乗ったのかッ!!」ブンッ


ガキィィンッ!!


ロングソード「」ヒュンヒュン… ザクッ


魔王「…………やるな」

勇者「お前はきっと、本当に人間を滅ぼすつもりだったんだろう。そこに手加減はなかったんだろう。だけど、もしも負けても、それはそれで良かったと考えてたんじゃないか?」

魔王「……あまり語るな。勇者なら、すべて呑み込んで斬り捨てろ」

勇者「魔王なら、最後まで悪役でいてほしかったぜ」

魔王「さあ、やれ」

勇者「……。」





>>285

1、王様や魔王の思惑通りに、この一件のケジメとして『善い魔族の勇者』が『悪い魔族の魔王』を殺すことで、平和への足掛かりとする。

2、無責任には死なせない。お前にはまだやってもらわなければならないことが山ほどあるんだ。


2

1






ドスッ




魔王「―――ガフッ」ゴボッ

勇者「……」ビチャッ ツツー…



『私は魔王となって、世界を滅ぼそうと思っている。自殺するのは勝手だが、どうだ。私の側近になってはくれまいか?』



魔王「……勇者が……なんという顔を、するのだ……」ガクッ

勇者「……」

魔王「側近を……部下たちを……頼む」ドシャッ

勇者「……ウッス」









側近「魔王様ぁぁあああッ!?」ダッ

魔王「」

側近「そんな……イヤ……魔王様……っ!!」ポロポロ



勇者「……デマモンさん。ゾンビは?」

デマモン「ああ、ちゃんと全滅させたぜ」

勇者「じゃあ、王都の人たちと、軍の人たちを撤収させてほしいッス……」

デマモン「わかった」スタスタ

勇者「書記、生き残った魔族を王都に。……頼むよ」

書記「……ん、りょーかい」スタスタ

雪女「勇者……」

天使「……っ」

書記「行くよ、みんな」グイッ







書記「ぅぐっ……ひっく……」ギュゥゥ

魔王「」


勇者「…………」


書記「……っ」スッ

ロングソード「」ズボッ


勇者「…………」


書記「殺してやる……」フラ…フラッ…


勇者「…………」


書記「死ね……勇者……」スッ








>>290

 かわす

 かわさない





書記じゃなかったー。

側近でした!





側近「ぅぐっ……ひっく……」ギュゥゥ

魔王「」


勇者「…………」


側近「……っ」スッ

ロングソード「」ズボッ


勇者「…………」


側近「殺してやる……」フラ…フラッ…


勇者「…………」


側近「死ね……勇者……」スッ






側近「はぁ!」ブンッ

勇者「悪いけど」サッ

側近「っ」ヨロッ

勇者「魔王の意図がわかった今、人間と魔族がうまくやっていくために、ここで殺されてやるわけにはいかないんだ」

側近「……ッ」スッ

勇者「俺は勇者として、世界を救おうと思ってる。自殺するのは勝手だが、どうか、俺の側近になってくれないか」

側近「―――!!」

勇者「数年以内に全部終わらせるつもりなんだ。そうしたら、好きなだけ殺されてやるから。魔王に、側近と部下を頼むって任されたんだ。そして魔王の影の理想を叶えてやりたいんだ。頼む」

側近「……っ」ポロポロ

勇者「魔王の記憶を覗いて、お前がどんな目に遭ってきたのかはわかった。だけど人間を憎んで復讐したら、無関係な人間とか、さらにそいつらが無関係な魔族を、同じように酷い目に遭わせるんだ」


勇者「頼む! 平和のために、『お前のところ』で負の連鎖を終わらせてほしいんだ!」


側近「…………」


側近「お前に従うことが……魔王様に従うことと同義だというなら、私がお前を見限るまでは、従っておいてやる……」

勇者「ああ、ありがとう! 理想は必ず叶えて見せる。もう誰も、魔王にならなくて済む世界を作ってみせる」

側近「……最後に頼みがあるんだが」

勇者「言ってくれ」

側近「魔王様を……埋めて差し上げたいんだ。私たちが出逢った、この場所で」

勇者「ああ……そうだな。そうしよう」






勇者「―――つまり強い絶望を感じたとき、魔族として覚醒すると思っていたんだが……それは違った。たとえ人間だって、そんな目に遭えば人間のことを大嫌いになってしまうだろう」

勇者「だから結局のところ、俺たちが魔族と呼んでいたものは、特殊な技能を持った、俺たちと何ら変わらない人間だったんだ! 酷い目に遭わされれば怒って反撃するし、友達や仲間とは笑いあったりできる、そんな人間だったんだ!」

勇者「それでもやっぱり、人知を越えた力っていうのは恐ろしい時もある。だから、俺たちは魔族たちを組織して、魔族による犯罪を取り締まって人間を守り、魔族に対する犯罪を取り締まって魔族を守る」

勇者「差別に悩む魔族がいたら、それを世界に、周りの人間たちにぶつけるんじゃなくて、俺たちにぶつけてほしい」

勇者「えっと……まあ、そんなわけなんだけど……。と、とにかくそういうことだから、よろしく!!」


「「「わあああああああっ!!!」」」パチパチパチ






勇者「民衆の前で話すってのは、何度やっても慣れない……」ズーン

雪女「お疲れさま、勇者」ポンポン

デマモン「だいぶ様になってきたとは思うがねぇ」

雷鳥「魔族も徐々にではあるが増えてきてるし、こういう講演は大切だぜ」

勇者「まぁそうなんだが……あ、側近」

側近「ん」スッ

勇者「……またクレープ? さんきゅ」

側近「……」スタスタ

勇者「相変わらず冷たいな……」

雪女「そうかな? 『たいへんよくできました』って意味だと思うよ?」

勇者「……あれから数ヶ月、魔族専門の警察みたいになっちまったわけだが。もっと世界的に魔族を守れるようにならないとな」

デマモン「ま、焦らず行こうや。お前さんが選んだ道は、時間も手間もかかる茨の道だぜ」

勇者「だな。こうやってみんなにサポートしてもらってるわけだし……まぁほとんど仲間が魔族だから、まるで魔王みたいだが」

雷鳥「たしかに勇者って感じじゃねぇわな」ニッ

勇者「でも、たとえ同じ力を持っていても、世界をいい方向に導くために力をふるっているヤツのことを勇者と呼ぶんだと、俺は思う。だから、俺は明日からも『勇者』を名乗り続けるよ」

雪女「うんっ!」



勇者「さぁて……今日も勇者らしく、世界のために戦いますか!」






【安価で】王様「今日からお前は『勇者』と名乗るのだ」【まったり殺し合い】


 おしまい。




更新がマイペースだったり、いろいろポカをやったりしましたが、最後まで読んでくださった方、安価にお付き合いいただいた方は本当にありがとうございました!

何度も仕掛けた即死選択肢を全弾回避して活躍したデマモンさんや、いろいろと個性豊かなキャラ達にも感謝です!

それでは、お目汚し失礼いたしました!

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