怜「ワ○ミをクビになってから、その後」(336)

怜「ワ○ミに就職することになったでー」のつづき


簡単なあらすじ

超優良企業、ワ○ミに就職することが決まった怜。
やさしい先輩達の懇切丁寧な教えにもかかわらず、仕事を上手くこなすことができない。さらに、ワ○ミの看板に泥を塗るような事故を起こしてしまい、ワ○ミをクビになってしまう。
ニートになった怜は竜華のヒモになり、悠々自適に幸せな生活をおくっていたのだったが……

竜華'Sアパート

怜「やっぱ竜華の体、ぬくぬくやわー」ぎゅっ

竜華「ちょっとそう言ってどこ触ってん?」

竜華「ひゃっ!」

竜華「そこダメやって」

怜「うりーうりー」こちょこちょ

竜華「だからやめーって」

竜華「うひゃっ! ちょっと!」

竜華「あはは、ホンマにくすぐったいってクロちゃん」

怜「え?」

竜華「あ……」

怜「…………」

竜華「…………」

前スレ貼ってくれ

竜華「……あのな、怜、その……」

怜「…………どういうことや?」

怜「クロちゃんって誰やねん!?」

竜華「っ!」びくっ

竜華「怜、ちょっと落ち着いてえな」

怜「私は落ち着いとるわ!」

竜華「…………」

怜「あっ」

怜「クロちゃんってもしかして」

怜「阿智賀のドラローさんのことか?」

竜華「…………」

怜「黙ってないで答えろや!」

竜華「そっ、そうやで……この前たまたま会ってな……」

竜華「でもな、でもな、怜が考えてるん関係とは違うんやで」

>>5
前スレです。

怜「ワ○ミに就職することになったでー」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1371481309/)

怜「私が考えてるんとは違うってどう違うんや?」

怜「竜華は私の心が読めるんか?」

竜華「……読めんけど、なんとなくはわかるよ……」

竜華「クロちゃんはただの友達や。それ以上でもそれ以下でもあらへん」

怜「…………」

竜華「…………」

怜「そんなんみえみえの嘘、信じられるかっ!!!」

竜華「ひっ!」びくっ

怜「浮気してるんやろっ!」ばんっ

竜華「わっ! 物にあたるのやめてーや……」

竜華「リモコン壊れてしまうよ……」

怜「竜華は私のこと捨てる気なんやな!」

竜華「だからちゃうって……」

怜「うわああああ」がらがらどっしゃーん

怜「クロちゃんに乗り換えるつもりなんや!!!」ぱりーん

怜「この裏切り者っ!」ガンっ!バリーン

怜「最近帰るのが遅いと思ったら、なんやこういうことか」

怜「最低や! 最低や! 竜華は人間のクズや!」ガシャーン!

竜華「…………」

怜「はあ……はあ……なんや! 黙ってないでなんかゆうたらどうなん!」

竜華「…………」

竜華「なあ……」

竜華「……私が浮気してたら悪いん?」

怜「は……?」

怜「…………」

怜「……なにゆうてるん?」

竜華「…………」

竜華「ああ、そうや。クロちゃんと浮気してたわ」

竜華「けどそれが何か悪いん?」

怜「はあああああああああああああ!!!!!?????」

怜「なに開き直ってんねん!!??」ドンドン!

怜「頭おかしいわ! 脳みそわいてるわ!」

怜「キ○ガイ! このキ○ガイ!」

竜華「じゃあ、そんなキ○ガイとは怜も付き合いきれんよな?」

怜「ああ? なにゆうてんねん!」

竜華「そんなんゆうんやったらうちら別れようか、って言ってるんや」

怜「はあ? なんでそうなるんや!」

怜「意味わからん! 意味わからへん!」どたばた

怜「別れへん! 絶対別れへん! 別れるんくらいやったら死ぬわ!」じたばた

竜華「だからそれやめってゆうてるやろ! 学習能力ないん?」

竜華「今度手首切ったらホントに見捨てるんよ」

怜「なんやねん! なんやねんもおおおあああああああ」

怜「浮気した竜華が悪いんやん竜華が悪いんやんああああああああああ」

怜「なんでそんな意地悪するん? 意味わからへんわあああああ」

怜「絶対別れへんからなあああああああああああ」

怜「ああわあああああううああううううううああう」

怜「うわああああああああああああああ」

竜華「…………」

竜華「…………」

15分後

怜「………うっ……うっ………」

怜「…………ううっ……ひっくっ……」

竜華「………………」

怜「………うっ……ぅうっ………」

30分後

怜「………うぅっ……うあっ………」

竜華「怜、ごめんな、うちが悪かったわ」

怜「………ぁぁっ……うっ………」

一時間後

怜「………うぅっ……うあっ………ひっくっ……」

竜華「怜ー、もう泣かんといてー」

竜華「怜に泣かれると辛いわー」

怜「………ぁうっ……うっ………」

竜華「二度と浮気なんてせえへんから、ほんまごめんなー」

怜「……………ううぅぅうっ………ぁっ……」

竜華「ごめんなー怜。バカなうちを許してなー」

怜「………うぅっ……うあっ」

竜華「なあ」

竜華「これだけはわかって欲しいんやけど、私が一番好きなのは怜やで」

怜「…………ぅぅっ……竜華ぁ……」

竜華「ん? なんやあ?」

怜「…………ぅぅ……竜華は、私のこと……好き……なんよなぁ?」

竜華「当たり前やん! うちは怜のこと、世界で一番好きやでー」

怜「……………私のこと……愛してるん?」

竜華「もちろん愛してるで!」

怜「……せやったら……今回だけ……」

怜「……特別に……ぅっ……許したるわ……」

竜華「ほんまか! 怜はやさしいなあー」だきっ

怜「…………」すりすり

竜華「ほんまに悪かったと思ってるわ。もう二度とこんなことせんからなあ」なでなで

怜「……約束……やで」すりすり

竜華「うん」ぎゅっ

怜「……………」ふにふに

…………
……

怜「……あのなー、竜華ぁ……お願いがあるんやけど……」ぎゅっ

竜華「ん? なんやー?」ぎゅっぎゅっ

怜「あんなー、私の携帯、随分前から止まってるやん?」

竜華「うん」

怜「あれなー、再契約できへんかなー?」

竜華「あー、えっとー、ちょっと厳しいなあ」

竜華「ごめんなあ、最近家計が厳しいんよ」

怜「そうか……」

竜華「ほんまごめんな」

怜「別にええよ、私のわがままやから」

竜華「でも急にどうしたん? 前は、電話とかメールが煩わしいから、携帯止まっても平気どころか、清々するゆうとったやん?」

怜「あー、まあー…………なんとなくまた使いたくなってなあ……」

竜華「そうかあ」

怜「…………」

竜華「…………」

…………

……

…………
……

竜華(ダメやなあ……)

竜華(逆ギレして怜のこと泣かしてしもうた……)

竜華(今回は案外あっさり許してもらうたけど……)

竜華(はあ…………)

竜華(私……サイテーやな……)

竜華(…………)

竜華(クロちゃんとの関係もはっきりさせんといかん)

竜華(…………)

竜華(そいや、クロちゃんって、うちが怜と付き合ってること知っとったよな?)

竜華(つーことは、クロちゃんはそのこと知ってて関係を続けてるってことになるなあ)

竜華(うーん、クロちゃん、そんなことできるように見えへんけど……)

竜華(あれ? 記憶違いやろか?)

竜華(いやいや、確かに言っとったはずや)

竜華(まあなんにせよ、関係を清算さなあかんのは確かや)

竜華(今度会ったら、別れを切り出さななっ)

…………
……

カラオケ店

玄「でも、そんなんじゃダーメ! そんなんじゃほーら」

玄「――――」

竜華「クロちゃん歌うまいなー」

玄「えへへー、でも竜華さんも声綺麗で素敵ですよー」

竜華「ありがとなー」

玄「えっへへ、なんか歌ってたらムラムラしてきたのです」ぐへへ

玄「おっ、こんなところにいいおもちが!」ふにふに

竜華「あふっ! ちょっとクロちゃんどうしたんっ!」

竜華「はうぅっ! こんなんとこでイチャイチャしたら、おバカな店員さんに盗撮されてツ○ッターでアップされまうよ!」

玄「ほらほら、竜華さんの歌う番ですよ、はいっ、ちゃんとマイク持ってください」

竜華「ぅぅぅ……」

竜華(曲始まってしもうた)

竜華(こんなんで歌えるやろか)

竜華「大親友、パスタのツレ~、美味しい彼女つくったお前~」

玄「ほらほらー、歌詞間違ってますよー」ぱふぱふ

竜華「きゃっ、クロちゃん、そんなんしたら歌えへんよ」

竜華「ちょっ! あんっ! だめやってそこ! ほんとにやめっ、くふっ!」

玄「ふむふむ、これは素晴らしいおもちです」もみもみ

竜華「だから……ほんとにだめぇ……やって……あああっ……」

…………

……

竜華(うちのあほぉ……)

竜華(今日こそは別れ話を切り出そう思ったのに……また思いっきり流されてしもうた)

竜華(しかし今日のクロちゃん、やけに積極的やったな……びっくりしたわ)

竜華(…………)

竜華(なんにせよ)

竜華(二股なんてあかん)

竜華(次こそははっきり言わんとなー)

…………

玄「竜華さんって肌綺麗ですよね」

竜華「なにゆうてんねん、あ、こらっ、くすぐったい」

玄「それにすべすべですー」すりすり

竜華「あはは、だからくすぐったいって」

玄「竜華さん……」

竜華「クロちゃん……」

…………
……

竜華(あかん、またやってもうた……)

竜華(次会った時には必ず……)

…………

竜華「クロちゃん、今日は大事な話があるねん」

玄「そうですかー」

玄「でもその前にどっか食べに行きません?」

竜華「……まあ、食べながらでも話はできるしなー」

…………

玄「竜華さん、竜華さん」

竜華「あっ……クロちゃん、そんなっ、激しいって……」

玄「竜華さん、竜華さんあああああん!」

竜華「クロちゃん、クロちゃああああああん!」

……


竜華(あかん……またやってしまうた……)

竜華(ほんま二股なんてやめなあかんのに……)

竜華(でも次こそは、絶対に!)

…………
……

玄「おもち、おもちっ」

竜華「クロちゃん、クロちゃん」

玄「おもち、おもちいいいいいい!」

竜華「クロちゃん、クロちゃあああああん!」

…………

……

竜華(…………)

竜華(…………)

竜華(……自分のダメさ加減に、ちょっと死にとうなってきたわ)

竜華(私ってこんなに流されやすかったやろか?)

竜華(はあ……ほんまダメダメやわー)

竜華(そして一番あかんのが、別にこのままでええんちゃう?って思えてきたことや)

竜華(少しずつ罪悪感が薄れてきとる……)

竜華(あかん、冗談抜きであかんわ……)

竜華(今のうち、怜だけやなく、クロちゃんにも不誠実やわ……)

竜華(…………)

竜華(にしても最近のクロちゃんはえらい押し強いわー)

竜華(そもそもうちとクロちゃんの関係ってなんやろ?)

竜華(恋人ではないなあ。恋人は怜やし……)

竜華(それなのに別れ話ってなんか変な気もするなあ)

竜華(この不健全な関係を清算せないけんことは確かやけど)

竜華(そいやクロちゃんのほうはうちとの関係、どう考えてるんやろか)

竜華(不義理なことが、許せる性格には思えんのやけど、今のとこ気にしてるように見えんし)

竜華(よく考えると、クロちゃんのことなんも知らんなあ)

竜華(クロちゃんの高校時代をよく知ってるわけやないけど、見た目も性格も雰囲気もインターハイで会った時と変わらんように見える)

竜華(でもそれは上辺の印象や)

竜華(説明は難しいんやけど、なんか変わった気ぃするわ)

竜華(うーん……)

竜華(年相応に、少し大人っぽくなったやろか?)

竜華(いや、それはないなあ、むしろ子供っぽいし)

竜華(多少ドライになったんやろか?)

竜華(うーん、ドライとはちゃうなあ……むしろ、その逆やし……)

竜華(…………)

竜華(どこがどう変わったのかは、上手く説明できへんけど)

竜華(少なくともあの頃のクロちゃんは、不健全な関係を許容できるような子やなかったはずや……)

…………
……

竜華「怜、セーラから電話や」

怜「…………」

竜華「怜に話したいことがあるんやって」

怜「えっと……いまな、ちょっと体調が……」

竜華「本人に、直接言いたいことがあるんやって。でてあげてや」

怜「…………うん」

竜華「ほい」

怜「……もしもし」

セーラ『おっ、怜かあー』

セーラ『久しいなあ』

怜「……うん」

セーラ『ちょっとな、どうしても怜に報告したいことがあってな』

セーラ『オレ、プロになったで』

怜「プロ?!」

怜「ほんまか、それ?!」

セーラ『ほんまやほんま』

セーラ『うちらん世代は怪物が多過ぎてな、予想以上に苦労したわ』

セーラ『まあ今更って感じはするけどな』

怜「いやいや、普通にめっちゃすごいやん!」

セーラ『あはは、ありがとー』

セーラ『しっかし怜がそんなん驚いた声だすの、久々に聞いたわ』

セーラ『それだけで電話したかいがあったなあ』

怜「……誰だって驚くわ……」

セーラ『あはは』

セーラ『体調悪いらしいのに、話聞いてもらって悪いなあ』

セーラ『けど、どうしても、怜には直接伝えたくてな』

怜「うん……」

セーラ『話っつーのはそれだけや、自慢話聞いてくれてありがとな』

セーラ『じゃあ、ちょっと竜華に代わってや』

怜「うん……」

セーラ『またなっ、怜』

怜「うん……」

…………
……

竜華「zzz……」

怜(ああ、しまった)

怜(セーラにおめでとーを言うの忘れてしもた……)

怜(……それに、せっかくセーラが私と話したい言ってくれたのに、上手く話せんかったわ)

怜(最後らへんはあいづち打ってるだけやったし、気を悪くしたんとちゃうか……)

怜(こいつと話しても、つまらんなあ思われたんやろうなあ……)

怜(もしかすると私のこと嫌いになったかもしれん……)

怜(いやいや、それはいくらなんでもマイナス思考すぎや)

怜(セーラはやさしいからそんなことで嫌いになったりしないやろう……けど)

怜(めっちゃ気ぃつこうてたなあ……)

怜(…………)

怜(はあ……)

怜(これだから竜華以外の人間と話すのは気が進まないねん)

怜(会話した後に必ず、あんなこというやなかった、ああ言えばよかった……って感じで)

怜(自己嫌悪タイムがやってくるんや)

怜(話してる間は意外と平気だったりするんやけど……)

怜(むしろセーラ達が相手やったら楽しいって感じることもある……)

怜(けど後から来るねん……)

怜(一人になった時に、もう少し上手く喋れたんやないやろかっつう行き場のない後悔が……)

怜(しっかし、セーラはすごいなあ)

怜(マジでプロになってしまうなんて)

怜(ホントにすごいわ……)

怜(それに比べて私は……)

怜(竜華に頼りっぱなしで迷惑かけまくりや)

怜(竜華は、夜遅くまで私のために頑張ってくれてんのに……)

怜(ああ、私だけダメダメやな……)

怜(ああ……)

怜(なんかあの頃みたいや)

怜(……)

怜(セーラと竜華が一軍で活躍しとって、私だけが三軍だったあの頃……)

怜(気にしてへんように振る舞っとったけど、ほんとは恥ずかしかったんや)

怜(いつもいる三人のなかで)

怜(二人は、一軍やなのに、一人だけ、二軍ですらなく三軍)

怜(そんなんで劣等感ないほうがおかしいやん……)

怜(けどそれを表に出すんは余計みじめになる気がして……気にしとらんフリしとった)

怜(麻雀や竜華達といるのは楽しかった……)

怜(けど同時に劣等感も感じずにはいられんかったんや)

怜(麻雀の成績には興味ないふりして)

怜(けど自分の成績、一番気にしとんのは私やった……)

怜(それが時々つらなって、診察って嘘ついて部活サボタージュしたこともあったなあ)

怜(麻雀部と距離を置こう思ったこともあった……)

怜(…………)

怜(竜華たちの背中を必死に追いかけて)

怜(けど全然届かなくて)

怜(診察や、体調不良を言い訳に、追いかけることすら諦めてしまった……)

怜(…………)

怜(今の私、ホンマにあの頃と同じやん)

怜(一人だけ置いてけぼりで)

怜(一人だけおなじ場所立ててへん)

怜(後ろから竜華やセーラの背中ばかり眺めとる)

竜華「怜ぃー」

怜「っ!」びくっ

竜華「zzz……」

怜「なんや寝言か」

怜(びっくりしたわもうー)

竜華「zzz……」

怜(気持ち良さそうにねてるなあ)

怜(竜華の寝顔可愛いわ……)

怜(ほんま癒されるわあ)

怜(おかげでちょっと元気でてきたなあ)

ブーブー

怜「」びくっ

怜(…………)

怜(なんや、竜華の携帯か……)

怜(テーブルに置きっぱなしやな)

怜(…………)

怜(ダメや、ダメやで)

怜(中身が気になるからって、人の携帯勝手に覗いたら……)

怜(いくら私も、そこまでクズやあらへん)

怜(…………)

怜(でも竜華がなんか問題に巻き込まれてるかもしれん……)

怜(ほら、竜華って、悩み事とかあっても、人に相談しないで一人で抱え込みそうやろ)

怜(ちょっと、ちょっとだけや)

怜(先っちょ、先っちょだけだから……)

怜(って私はなにをゆっとんねん!)

怜(はあ……人と会話しないせいか)

怜(ノリツッコミっつーか)

怜(自分との対話が増えたなあ)

怜(まあ軽く覗き見するくらいなら竜華も許してくれるやろ)

怜(…………)

怜(なんやこれ……)

怜(クロちゃん、クロちゃん、クロちゃん)

怜(クロちゃんばっかやん……)

怜(三分の一くらいクロちゃんやないか!)

怜(竜華、浮気はもうせえへんゆっとったのに……)

怜(…………)

怜「あはは」

怜「あはははは……」

怜「わかってたことやないか……」

怜「わかってた、ほんとはわかってんや……」

怜「竜華がドラローさんと隠れて会ってることも、私のことを重荷に感じてることも」

怜「わかってたはずなのに……」

怜「でも……」

怜「実際に現実を突きつけられると、きっついなあ……」

怜「…………ぁっ」ぽろぽろ

怜「あれ……なんで私、泣いてるんやろ……」ぽろぽろ

怜「こんなん、当然やん、自業自得やん」ぽろぽろ

怜「ひきこもりでネクラな私と」

怜「明るくていい会社に勤めてるらしいドラローさんなら、誰だってドラローさんを選ぶやん」

怜「勝てるわけないやん……」

怜「…………」

怜「全部全部……自分のせいやのに……」

怜「こうなるのは自業自得で当たり前なのに……」

怜「なんでこんなに……」

怜「こんなにも痛いんやろ……」

怜「こんなにも苦しいんやろ……」

怜「ぁぁぁ、竜華ぁ……」

怜「ぁぁぁぁぁぁぁ……」

怜「竜華ぁ、竜華が好きやねん」

怜「多分竜華が思ってる以上に、私は竜華が好きやねん!」

怜「……ぅぅぅ、ぁぁぁあぁ」

怜「ああああああああああああ」

…………
……

怜(…………)

怜(このままでダメなことは自分でもわかっとる)

怜(私は竜華を失いたくない)

怜(でもどうすればええのかわからへん)

怜(なら、とにかく、前に進むしかない)

怜(少しでも竜華に近づくために……)

怜(…………)

怜(あの頃、竜華とセーラの背中眺めるしかできへんかった)

怜(同じ舞台に立つことを諦めかけてた私が)

怜(突然一巡先が見えるんようになって)

怜(竜華たちと同じ場所に立てた、対等になれた)

怜(あれはすごい嬉しかったなあ……)

怜(竜華たちと同じ場所にいれる、一緒にインターハイ優勝を目指せるって)

怜(けど、奇跡は二度も期待できへん……)

怜(だから)

怜(今回は、自分の足で、自分だけの力で)

怜(竜華たちに追いつく!)

怜(私はもう逃げへん)

怜(竜華を諦めたりせえへん)

…………
……

怜(と決心してから結局三日が経ってしもうた……)

怜(特になにもしてへん)

怜(あっれー、おかしいなあ)

怜(あの時は心を入れかえて)

怜(新しい自分になれた気がしたんやけどなあ……不思議やなあ……)

怜(人ってそう簡単には変われへんってことやろか、特に良い方向には……)

怜(…………)

怜(けどあの時の決意は嘘やない)

怜(この際自分だけの力とか言っとる場合やない)

怜(かっこ悪くとも、見栄え悪くても手段選んでる場合やない)

怜(誰かの肩を借りてでも一歩踏み出さなっ)

怜(悪いんやけど勝手に携帯使わしてもらうで)

竜華「zzz……」

怜「」ぷるるるる

……

セーラ『モシモシー』

セーラ『竜華かー?』

セーラ『こんな時間にどうしたん?』

怜「…………」

怜「……竜華やない……私や」

セーラ『え!?』

セーラ『も、もしかして怜か!』

怜「うん……」

セーラ『えらい珍しいなあ! 怜から電話っていつ以来やろか!?』

怜「そんなに驚いてくれんやったら、それだけで電話したかいがあったなあ」

セーラ『あはは、なんや、この前の仕返しか?』

怜「ああ、そういや、まだおめでとう言ってなかったな」

怜「セーラ、プロ合格、おめでとうな」

怜「陰ながら応援するでー」

セーラ『はは、ありがとーな』

怜「…………」

セーラ『けど、用はそれだけやないんやろ?』

怜「うん……」

怜「…………」

怜「あのな……セーラに、ちょっとお願いがあるんやけど……」

セーラ『なんや、ゆうてみ』

セーラ『オレができることだったら、なんだってやったるわ!』

怜「…………」

怜「」

…………
……

竜華'Sアパート

怜(今の私に、いきなり社会復帰は無理や)

怜(そりゃ、いきなり一流企業に就職して、竜華を養えるくらい稼げたら理想的やけど)

怜(他人とろくに会話すらできない私には、そんなこと絶対に無理や)

怜(ア○ゾンの商品を配達に来た人と受け取りのやりとりするんも、えらい緊張するくらいやし)

怜(ポーカー初心者が、ポーカーで食っていくくらい絶望的に無理やな)

怜(まあ高望みしすぎてもしゃーない)

怜(あーあー、一日先の株価と為替レートが見える能力あったら、楽に金稼げるんやけどなあ……)

怜(あかん、奇跡には、たよらんって決めたばっかなのに……)

怜(まあともかく)

怜(今は、少しずつ出来ることを増やしていくしかないやろ)

ぴんぽーん

がちゃっ

セーラ「怜ぃー来たでー」

怜「セーラ……」

セーラ「直接会うんは、えらい久しびさやなあ」

怜「……うん、久しぶり……」

怜「今日は、わざわざ来てくれてマジでありがとうなあ……」

怜「プロになったから忙しいはずなのに……」

セーラ「ええって。怜に協力するくらいの時間はあるでえ」

怜「……それでな」

怜「昨日電話でも少し話したんやけど……」

怜「一緒に外を散歩して欲しいんねん……」

セーラ「もちろんええでー」

怜「…………」

怜「恥ずかしい話や……」

怜「私、一人で外に出るのが怖いんよ……特に昼は……」

怜「ほんま情けないやろ? 笑ってくれてもええで?」

セーラ「笑わんよ。オレは頑張ろうとしてる人間を笑ったりせん」

怜「と、セーラはキメ顔でそう言った」

セーラ「ちょっ、ちゃかすなや」

怜「……しっかし、セーラは……ホンマいいやつやなあ」

セーラ「ははは、今頃気付いたか」

怜「…………」

怜「あと、もう一つお願いなんやけど」

セーラ「おう、どんと来いや! 女らしい格好して散歩しろ、みたいな無茶振り以外なら聞いたるわ!」

怜「それええなあ……それにしよかな」

セーラ「やめい!」

セーラ「それでなんなん?」

怜「あのな、このことは竜華に黙ってて欲しいんよ」

セーラ「このことっつーのは、怜が脱!引きこもりを目指して頑張ろうとしてることか?」

怜「うん……」

セーラ「まあええけど」

セーラ「どうせ怜のことやから、竜華にこれ以上迷惑かけられない、とか、知らないうちに真人間になって驚かせてやろう、とか考えてるんやろ?」

怜「うっ、なんや、セーラのくせに鋭いなあ……」

怜(私が頑張ろうと思ったのは竜華をまた振り向かすためやからなあ)

セーラ「怜の考えそうなことはわかるでー」

怜「なんや私が単純みたいな言い方やなー」

セーラ「あはは、そこまでは言ってへんでー」

…………
……

怜「よしっ、さっそく外に散歩に行くでー」

怜「真人間への第一歩や!」

セーラ「おおーー!」

怜「…………」

セーラ「…………」

セーラ「怜、足動いてへんでー」

怜「わかっとる」

怜「いくでー」

セーラ「…………」

怜「…………」

怜「いくでー」

セーラ「なんで二回言ったん?」

怜「…………」

セーラ「…………」

がちゃっ

怜「う……日の光が眩しい……」くらっ

セーラ「おお、そないな典型的なひきこもりの台詞を聞く日が来るとは感動やわー」

怜「うっさいわー」

怜「けど」

怜「なっ、なんや、外の世界も大したこと無いなあ」ぶるぶる

怜「びびって損したわー」がしっ

セーラ「そう言いながら、オレの服の裾掴んでるんは、オレの気のせいやろか?」

怜「…………」

怜「はは、ほんま情けないなあ私」

怜「小学生、いや、幼稚園児でも外に出るくらい簡単にできるのに……」

怜「外に出ただけで震えが止まらないねん」

怜「ごめんな、セーラ、こんな情けない私に付き合わせてしまって」

怜「ほんまごめんな……」

セーラ「怜は情けなくなんかない」

セーラ「だから胸はれや」

怜「セーラ……?」

セーラ「他人と比べる必要なんてない」

セーラ「怜は、今まで外にでれんかった」

セーラ「けど今は外におる」

セーラ「これって凄いやん」

セーラ「できないことができるようになるのは凄いことや」

セーラ「だから、胸はってええで」

セーラ「オレはそんな頑張ってる怜のこと、誇りに思っとる」

怜「セーラ……」

怜「ちょっともう少しこのままでええか」がしっ

セーラ「うん」

怜「……ぅぅぅぅ…………」

…………
……

怜「よしっ、いくでー」

セーラ「もうええん?」

怜「うん……」

怜「しかし、しょっぱなからこんな感じだと、前途多難やなー」

怜「ちょっといきなり心折れそうなったわ」

セーラ「まあ、最初やし……」

怜「今日はアパートの近場を散歩したら、帰ることにするわ」

セーラ「確かにいきなりムリはあかんからなあ」

怜「いくでー」

セーラ「おう」

怜「」てくてく

セーラ「」てくてく

怜(うっ!)

怜(向こうから人が歩いてくる……)

怜「」てくてく

セーラ「」てくてく

アパートの住人A「」てくてく

怜(目合わせんようにしよっ)

怜(あ、でも、今まで前向いてたのに、いきなり顔を下に向けたら、露骨に目を逸らしたことになって、失礼やないやろか)

怜(けど、目を合わせたまま歩くのは、余計に辛いし……)

怜(それ以前に挨拶とかすべきなんやろか……)

怜「……」てくてく

セーラ「」てくてく

アパートの住人A「」てくてく

怜(ふう……無事、通り過ぎた……)

セーラ「ん? 顔色悪いけど大丈夫か?」

怜「なあ、今すれ違った人、私のこと変な目で見てんかった?」

セーラ「え?」

怜「変人を見るような目で、私を見てた気がするんやけど?さっきの私ってどこか変だったん?
ちゃんとまっすぐ歩けてるつもりやったけど正直自信ないわ。左右に傾いたりしてへんよなあ?
『なんでこの人歩き方おかしいの?』とか思われたんやろか?
でも久しぶりに外歩いたんやからちょっとくらい歩き方ぎこちなくてもしゃーないやん?でもあっちのせいでもあるんやで。向こうから人が歩いてきたら、緊張してしまうやん?

それで歩き方がぎこちなくなってしもうたらそりゃあ大部分は私が悪いんやろうけど、向こうにも非はあるやん?
それとも視線をあちこち彷徨わせたのがまずかったんやろか?
だから久々に外でたんやからちょっとくらい挙動不審でも仕方ないやん。視線の置き場とか、相手からの視線とか、そんなの考えたら挙動がおかしくなってしまうやろ?
自意識過剰ってのは自分でもわかってるんよ。でもチラッとでも見られてるかもしれん、と思ったら、いてもたってもいられなくなるやん。
走ってさっさと通り過ぎたい気分やったけど、そうすると余計に『なんでこの人急に走り出したの?頭おかしいの?』って変に思われるやろ?
ああ、でもきっと、さっきの人にはなんか気持ち悪い人がいた、そう思われたに違い――」

セーラ「怜、ちょっと落ち着きぃ」

怜「ないわ……あっ……」

怜(またやってしもうた……)

怜(なにやってのんや、私)

怜(セーラどん引きしたやろな……)

怜(あああああああああ)

怜(死にたい!もう死にたいわ!)

怜「…………」

怜「…………」

怜「ごめんな……変なこと言って……」

怜「私、人の視線が怖いねん」

怜「さっきの通行人にな、私のこと変とか気持ち悪いとか思われたんやないかって思ったらな、頭がぐちゃぐちゃになってしまって……」

セーラ「…………」

セーラ「そうかあ……」

セーラ「ごめんな、オレ、あんま力になれんくて……」

怜「なんでセーラが謝るねん! 悪いんは私なのに……」

セーラ「なあ、これだけはわかってほしんやけど」

セーラ「オレな、嬉しかったんやで」

怜「え?」

セーラ「怜がな、外に出るから協力して欲しいって言った時」

セーラ「怜が前に進もうと頑張ろうとしてることを知って嬉しかったし」

セーラ「オレを頼ってくれたことも嬉しかった」

セーラ「オレは怜の力になりたいんや」

セーラ「だからな、少しくらいの奇行は大目に見るでー」

怜「セーラ……」

怜「なんか悪いものでも食べたん?」

怜「プロ雀士になったんやから、その辺の雑草とか食べたらダメやでー」

セーラ「ちょっ、ちょっ、だからなんでそこで茶化すねん!」

怜「だって……」

怜「…………」

怜「セーラがやさしすぎて、茶化さないとまた泣いてしまいそうになるねん……」

怜「セーラぁ、ありがとうな……」

怜「ほんま感謝してるわ」

怜「私はほんと、ええ友人を持ったわあ……」

セーラ「せやろ?」

セーラ「せやろ?」

怜「……なんで二回言ったん?」

怜「なんかそう言われると否定したくなるわ」

セーラ「あはは……」

セーラ「…………」

セーラ「あんな怜、オレな、あの時のこと後悔してんねん」

怜「あの時?」

セーラ「怜が、ワ○ミの仕事が辛くて電話してきた時や」

怜「…………」

セーラ「あの時オレはな、『頑張れ』とか色々厳しいこと言ってしまったやろ?」

怜「それは別にセーラ悪くないやん」

怜「むしろ正論やん」

セーラ「……そう言ってもらえると気ぃ楽になるわ」

セーラ「でも、そのことをな、ずっと謝りたくて、あの時はごめんな怜」

怜「だからセーラが謝る必要ないって」

セーラ「けど、もう少し上手いアドバイスできへんかったのかなあと思ってな……」

怜「気にし過ぎやでー」

…………

怜「」てくてく

セーラ「」てくてく

セーラ「怜、顔色悪いみたいやけど、大丈夫かいな?」

セーラ「マ○ドでもよって、そろそろ休憩するか?」

怜「いや、ああいう場所は余計疲れるから、今日はもう家に帰るわ」

セーラ「そうか」

セーラ「怜、今日はよう頑張ったなあ」

セーラ「誰かが一緒やったら、外出はもう平気なんちゃう?」

怜「いや……まだ人の多いところはきついわ……」

セーラ「けど大きな進歩やな」

……

怜「ふう……、今日は疲れたわ……」

セーラ「ほんまよう頑張ったでー」

セーラ「そういえば、昨日、竜華の携帯から電話してきたやん?」

セーラ「怜の携帯が止まってんのは知ってるけど、家に電話はないん?」

怜「あー、家の電話はなー、かなり前に私が暴れてしまったことがあって……」

怜「その時にぶん投げてからちょっと調子おかしくなって……」

セーラ「壊してしもうたわけか……」

怜「いや、別に壊れたわけやないでー、ただ、変な前衛音楽的な音がして使えなくなっただけや」

セーラ「それを壊れた言うんちゃうん?」

怜「まあそうとも言うかもなー」

セーラ「じゃあ怜がオレと連絡とりたい時は、公衆電話で電話するか、竜華の隙を狙って携帯を借りるしかないんやなー」

セーラ「怜は竜華に内緒にしときたいんやろ?」

怜「うん」

怜「というかこれからも私に協力してくれるん?」

セーラ「なにゆうてるん? 当たり前やん!」

セーラ「オレだけやないで、フナQも泉も、怜が助けを求めれば手を貸すでー」

セーラ「もちろん竜華もな」

怜「うん……」

怜「ほんま今日はありがとなー」

セーラ「じゃあオレはそろそろ行くわー」

セーラ「今日は疲れたやろー、ゆっくり休みい」

怜「うん、またなー」

セーラ「怜……あのな………」

セーラ「やっぱなんでもないわ」

怜「えー、なんやそれ?」

怜「なにを言おうとしたん?」

セーラ「別に大したことやないでー」

怜「大したことやないんやったら言ってもええやん」

怜「途中で言うのやめたら気になるやろー」

セーラ「…………」

セーラ「オレも、フナQも泉もそしてもちろん竜華も、怜のこと支えるでー」

セーラ「だから……」

セーラ「頑張れえ!」

怜「っ!」

怜「うんっ!」

セーラ「でもムリだけはせんでな」

怜「どっちやねん!」

セーラ「あはは」

セーラ「またなー」

怜「うん、またなー」

……

怜「…………」

怜(セーラは、前に厳しいアドバイスをしたことを後悔してるって言ってた……)

怜(けどそのセーラがあえて……『頑張れ』って言ったんや……)

怜(ふう…………)

怜(それだけ私に期待してるってことなんやろうけど……)

怜(あの『頑張れ』は重いなあ……)

怜(…………)

怜「セーラ、私、頑張るでー」

一週間後


竜華「zzz……」

怜「一人で外出しても平気なったでー」

セーラ『おっ! マジかー、凄いやん』

怜「玄関先や通路でアパートの住人に遭遇しても、携帯見てる振りして目を合わさずやり過ごす方法をマスターしたわ」

セーラ『怜の携帯は電話もメールもできへんけどなー』

怜「ふりやふり」

セーラ『しっかし、なんやかんやで、着実に成長してるやん』

怜「成長ってより、リハビリって感じや」

怜「でも少しずつ、前に進んでるって気はするわ」

セーラ『この調子でいけば社会復帰もそう遠くなさそうやんなー』

怜「そやろー、これも私の真人間力の高さがなせる技やで」

セーラ『なんやその残念ステータス』

怜「私の真人間力は53万です的なやつや」

セーラ『高いのか低いのか基準がわからへん……』

怜「ですがもちろん、フルパワーで頑張る気はありませんからご心配なく」

セーラ『怜、それ真人間やない、ダメ人間の思考や……』

怜「まあ冗談はここまでして」

怜「次はバイトでも探してみよう思っとる」

セーラ『おっ! もうかあ!』

セーラ『それは偉いなあー。けど、ちょっと急ぎ過ぎやないか?』

セーラ『ムリは禁物やでー』

怜「大丈夫大丈夫」

怜「このまま真人間街道を突っ走るでー!」

……

怜(バイトゆっても色々あるなあ……)

怜(できれば人と接する機会が多い、接客業は勘弁したいんやけど……)

怜(かといって特に特殊技能を持ってるわけやないし、体力があるわけでもない……)

怜(…………できそうなバイトが思いつかへん……)

怜(バイトの基本言ったら、コンビニやろか?)

怜(けどコンビのバイトは意外とやることが多くて大変って書いてるのをネットでみたことあるわー)

怜(そいや最近、主人公がマ○ドで働くアニメやっとったな……)

怜(楽しそうに見えたけど、実際には大変なんやろうな)

怜(まあ候補の一つくらいには入れとくか)

怜(ああ、それとネカフェは楽って書き込みをネットで見たことあるなあ)

怜(どんな仕事すんのか全然想像つかへんけど、確かに楽そうやねー)

怜(ネカフェが第一志望でええか)

怜(はあ……笹塚のマ○ドかワ○ナリアみたいなところで働きたいわ……)

…………
……

怜「あの……すみません、バイトの募集を見て電話したんですけど……」

?「接客の仕事の経験は?」

怜「あ、ありません」

?「うちは経験者しかとらんよ」

?「ニワカは戦力にならんよ」

つーつー

怜「…………」

…………
……

…………
……

怜(いよいよ、今日は面接や……)

怜(面接すらしてくれんで、電話で断られたとこも何件かあったなあ……)

怜(…………)

怜(ぅぅ……お腹いたなってきたわ……)

怜(心無しか体調も悪いし、今日はやめとこうか……)

怜(…………)

怜(いやいや、ここで逃げたら今までの私と同じや……)

怜(けどホンマに行きたくないわー)

怜(あー、ほんと憂鬱やわー)

……

怜(キョドったりしないようにせんと……印象を良くする為に出来るだけ笑顔で。あと相手の目を見て会話する……ハキハキ喋る……)

怜(ああ、気ぃつけんといけんこと、多いなあ……)

怜(なんかもう……不安しかないわ……)

怜(胃がなんかこう……しめつけられるというかなんていうか……)

怜(おかしいなあ……就活の時のほうがもっと大変なこと、しとったはずなのに……)

怜(今の方が精神的にきっついわー)

怜(ううう、吐きそうや…………)

………………
…………
……

………………
…………
……

怜(はー、はー、はー)

怜(まだ心臓がバクバクいっとるし胃がねじきれそうや)

怜(ふう……緊張したー)

怜(でも今の私にしては上手く受け答えできたんやないやろか?)

怜(そりゃあ普通の人と比べたら、全然だめやろうけど……)

怜(…………)

怜(まあ、こ、今回のは、合格する目的やなく、他人とコミュニケーションをとる練習、つまりリハビリ的な意味合いが強いから、これでいいんや)

怜(最初から上手くできるとは思ってへん)

怜(初対面の人と接することや面接とかに慣れて、少しずつ真人間力を高めていくんや!)

怜(…………)

怜(うう、急にさっきの面接、もう少しはマシにやれたんやないかって気がしてきた……)

怜(挨拶は、きちんと出来たはずや)

怜(無理して相手の目をみて話したし……でも少し視線が泳いでて、挙動不審やと思われたかも……)

怜(笑顔は……意識してたつもりやけど、実際に人と対峙するとどうしても表情がひきつってしまうわ……)

怜(はきはきと話すことも心がけてたけど、最後らへんはボソボソ喋ってしまったなあ……)

怜(あれ? 私にしては上手くやれた方かとおもうたけど、振り返ってみると全然ダメやん)

怜(……メゲるわー)

怜(…………)

怜(けどこんなとこで立ち止まってられへん)

怜(数打ちゃあたるやでー)

二週間後

セーラ『面接の結果どないやった?』

セーラ『六つくらい受けとったやろ?』

怜「…………」

怜「…………」

怜「全部落ちたわ……」

怜「全滅や全滅」

セーラ『…………』

セーラ『そうか……残念やったなー』

セーラ『とりあえず面接受けただけでも随分な進歩やと思うでー』

怜「うん、ありがとなー」

怜「まあこうなることは予想してたんよ、手応え全然なかったし」

怜「でも六つも受けたんやし、もしかしたら一つくらいは受かっとるかもしれへん、と思うやん?」

怜「しかも最後に受けたとこ、後半にたくさん質問してきてな。あんまいい印象与えたつもりないけど、やたらつっこんだ質問してくるから、これはひょっとして、と思うやん?」

怜「最初からとる気ないんやったら、そんなに質問しなくてええやん!」

怜「たかがバイトの面接であんなに質問してくるから、もしかして受かったかもって勘違いしてしまうやろ……」

セーラ『まあしゃーないなあ』

怜「あーでも、よく考えると当然の結果やなー」

怜「もし私が面接官で、私みたいな人が面接受けにきたら、絶対採用せえへんし」

怜「見るからにネクラでコミュニケーション能力なさそうやし……」

セーラ『そんなことないでー」

セーラ『オレが面接官で、怜が面接受けにきたら、一発採用や!』

怜「ありがとうな」

怜「セーラはほんまやさしいわ……」

セーラ『へっへー』

怜「なんか、ごめんなあ、愚痴ってしもうて」

セーラ『ええってええって』

セーラ『愚痴くらいならいくらでも聞くって』

怜「そう言ってもらえると助かるわー」

……

2週間後

セーラ『怜、バイトもう決まったかー?』

怜「まだやまだや」

怜「なかなか決まらへん」

怜「まあ今は、合格するための面接っつーよりは、社会になれるために面接受けてるって感じやなー」

セーラ『そうかー』

セーラ『まだバイト決まってへんのやったら、塾の特別講師やってみいへん?』

怜「塾の特別講師?」

セーラ『実はな、フナQのツテで麻雀塾の特別講師バイトがあるらしいんよ』

怜「麻雀塾? 今そんなんあるんか」

セーラ『麻雀が強くなりたい人が通う塾らしいでー』

セーラ『時給めっちゃ低いけどな、怜の状態はフナQが職場の人に軽く説明してくれるやろうから、一緒に働く同僚も少しは考慮してくれるやろうし』

セーラ『フナQの紹介やから、普通のバイトよりは働きやすいやろうし』

セーラ『どやろ? 塾の特別講師? 今の怜にあってると思うけど』

投稿しすぎよ猿さんって規制くらったのよー

怜「うーん、話はありがたいんやけど」

怜「私、人にものを教えるのとか、あんま得意やないし……」

怜「それに麻雀塾なんてもんがあんのも初めて知ったし……」

怜「だからその話ちょっと考えさせてえな」

セーラ『…………』

セーラ『あんな怜……』

セーラ『オレは受けた方がいいと思うでー』

セーラ『キツいこと言うけど、多分怜がバイトの面接合格するの、もう少し時間かかると思うねん』

セーラ『せやから、とりあえず働いてみて、合わんかったらやめればいいねん』

セーラ『実際に働いてみることが、一番社会に慣れる近道やでー』

セーラ『それに塾の職場スタッフはみなやさしいらしいから、かなり恵まれた職場環境やろうし』

セーラ『こんなチャンス、あんまないで!』

怜「…………」

セーラ『あ……ごめんな……』

セーラ『無理はアカンでーとか言うといて、無理にすすめるようなこというて……』

セーラ『怜がほんまに無理やと思うなら断ってええでー』

怜「…………」

怜「わかった……」

怜「やってみるわ」

セーラ『ホンマか!』

セーラ『すすめといてなんやけど、ホンマ無理はあかんよ』

怜「大丈夫や」

怜「ちょっと頑張ってみよう思ってな」

怜「もしかしたら、フナQやセーラに迷惑かけるやもしれんけどな」

セーラ『ええってええって。迷惑くらういくらでもかけー』

セーラ『さっさくフナQに報告してくるわ』

……

怜(あー)

怜(つい、いきおいで受けてしもうた……)

怜(冷静になって考えてみたら、塾のバイトって私に合ってないやん……)

怜(でも、セーラ嬉しそうやったし、今更断れへんなあ……)

怜(しゃーない、やるしかないかあ……)

怜(逃亡したい気分や……)

怜(…………)

怜(でもセーラの言う通りかもしれん)

怜(バイトの面接に全て不合格だった時、ショックだったし悔しかったけど、同時に、少しだけ安心してる自分がいた……)

怜(まだバイトせんでええって……)

怜(もし合格してたら、働かないといけんからなあ)

怜(面接を不真面目にやったわけやないし、もちろん受かりたいとは思うとったけど、不合格っちゅー、働かなくていい免罪符を貰ったようで、ほっとしっとたんや……)

怜(けど今度は逃げ場はない)

怜(逃亡なんかしたら、フナQやセーラに迷惑がかかる)

怜(あ、でも逃げなくても、職場で問題を起こしたりしても迷惑がかかるなあ)

怜(…………)

怜(なんかもう既に不安なってきたわ……)

怜(うう……)

怜(私に塾の講師なんてもんが勤まるんやろうか?)

…………
……

出勤初日 塾前

怜(ここかあ、『怪力麻雀塾』)

怜(フナQの親戚が働いてるらしいけど……)

怜(あー、フナQ本人もいてくれたら随分働きやすやったんやけどなあ)

怜(いや、さすがにそれは甘えすぎやな……)

怜(にしてもネーミングセンスなさすぎやろ)

怜(……………)

怜(うー、お腹痛い)

…………
……

15分後

怜(あー、今の私、完全不審者やな)

怜(塾の前で行ったり来たりして、思いっきり怪しいわ)

怜(通行人の視線を感じるし……)

怜(ええかげん、覚悟を決めよか)

怜(…………)

怜(あかん、手足が震えてきた……)

怜(あれや、これは、ちょっと心を落ち着ける時間が必要や)

…………
……

25分後

怜(行きとうないけど)

怜(行くしかないんやろうなあ)

怜(ええい、ままよ!)

…………
……

胡桃「…………」

怜「…………」そろーり

怜「あ、あの、こ、こんにちは!」

胡桃「こんにちは」

洋榎「お、きたか」

洋榎「あんたが園城寺令やろ?」

怜「は、はい!」

洋榎「そんな堅くならんでええ」

洋榎「うちら、タメやし気楽にやろうや」

怜「は、はい」

また猿さん規制されたのよー

胡桃「私は鹿倉胡桃」

洋榎「うちは愛宕洋榎! 洋榎ちゃんでも洋榎さまでも呼び捨てでも、好きに呼んでいいでえ!」

洋榎「うちも呼び捨てで、怜って呼ばせてもらうわ!」

洋榎「ちなみに生徒からは洋榎先生って呼ばれとる」

洋榎「なんで、愛宕先生じゃないかってゆうとな、それにはふかーい事情があって……」

胡桃「うるさい、そこ」

洋榎「ぅ……はい」

怜「あの……」

怜「えっと……」

怜「園城寺令です……どうぞよろしくお願いします」

胡桃「こちらこそよろしく、園城寺さん」

洋榎「よろしくよろよろヨードホルム水溶液や!」

胡桃「…………」

怜「…………」

洋榎「う、うん」

洋榎「自己紹介も済んだところで、怜には今日からさっそく馬車馬のように働いてもらうでー」

洋榎「うまさんひひーんや!」

洋榎「うちは人が少ないからなー、いつだって人手不足やねん」

洋榎「そう、つまりは!」

洋榎「少数精鋭ってやつや!」

洋榎「どや? かっこええやろ?」

怜「はあ……」

胡桃「ごめんね、園城寺さん、この人の話は無視していいから」

洋榎「おおーい!」

洋榎「それはちょっと酷いんとちゃうか?」

胡桃「そう思うんなら真面目に説明する」

洋榎「小味なエスプリの効いた小粋なジョークと小刻みなトークで小悪魔チックに怜の緊張をほぐそうとしているうちの心憎い気遣いがわからへんのか?」

胡桃「ゼンゼンいみがわからない……」

洋榎「これだから胡桃は小煩くて、小意地が悪い言われるねん」

胡桃「…………」

洋榎「……ぅっ」

胡桃「…………」ジトー

洋榎「…………」

胡桃「…………」ジトー

洋榎「……ご、ごめんなさい、うちが悪かったです」

胡桃「うん、よろしい」

怜「」クスっ

胡桃「あ、初めて笑った」

洋榎「おっ! やっと笑ってくれたか」

洋榎「ここに来てからずっと表情が堅かったからなあ」

洋榎「あんた笑った顔の方が、よっぽど素敵やで」

怜「あ、えっと……///」

怜「どもです……///」

洋榎「まあこれもうちのファンファンファイプレーやな」

胡桃「そこ調子にのらない」

洋榎「はい……」

怜「あの……」

洋榎「ん?」

怜「私、塾とか、こういう場所で働いたこと無くて……」

怜「あんま人もの教えるの得意やないけど、それでも精一杯頑張るつもりです……」

怜「でも最初から、あの、難しいことはその……」

洋榎「ああ、心配いらへん」

洋榎「あんたのことは軽く説明受けとるから」

胡桃「うんうん」

洋榎「ちょっと二年近くヒッキーやっとったんやろ?」

怜「う……」

怜(フナQのやつ……もっとオブラートに説明したってええのに)

怜(ひきこもりじゃなく、せめて自宅警備員とか……)

洋榎「そんな顔せんでええ」

洋榎「うちらはそんなことくらいで別に偏見もったりせえへん」

洋榎「あんたが頑張ろうとしてるのは見ててわかる」

胡桃「塾の入り口の前で行ったり来たりしてたし」

怜「うう……」

怜(あれ見られとったんか……恥ずかしい……死にたいわ……)

洋榎「あ、怜が真っ赤になったで」

洋榎「なんや胡桃、さっそく新人いじめかー、そうゆうのかっこ悪いでー」

胡桃「ちがっ……」あせあせ

洋榎「いーけないんや、いけないんやー」

胡桃「うざ……」

胡桃「園城寺さん、別に『何やってるんだろこの人』とか『どこからどう見ても怪しい人だなあ』なんて思ってなかったから安心して」

胡桃「あ、しまった」

怜「ううう……」

怜(もうだめや……恥ずかし過ぎて、竜華のふとももがあったら顔を埋めたいわ……)

洋榎「更なる辱めを与えるとは……あんたホントに鬼畜やなー」

胡桃「あわわ」

…………
……

怜「さっきはお見苦しいところをお見せして、マジですいませんです……」

洋榎「ええってええって、うちは面白かったから全然気にしてないでー」

胡桃「うん、私も気にしてない」

洋榎「胡桃のせいやけどな」

胡桃「うるさい、そこ」

洋榎「はいはい」

洋榎「……」

洋榎「でも、怜、最初よりは緊張とれたんちゃうか?」

怜「うん、あんな恥ずかしいところ見られたら、逆に開き直った気分になったねん」

洋榎「良かったなー、胡桃の新人いびりも意味があったでー」

胡桃「いびりじゃない」

怜(ホントはまだガチガチに緊張しっぱなしやけどな)

怜(まだ軽く手足が震えとるし)

怜(震えとるの気付かれてへんよな?)

怜「そ、それで、私はなにをすればええんですか?」

怜(一応、今日のために、基礎的な牌効率と、防御の理論は勉強しなおしたけど、私って元々理論派ってわけやないし、教えれるかと聞かれると、正直かなり不安やわ)

洋榎「『上手く教えれるやろか?』とか考えてるんやろ?」

怜「はい……」

洋榎「大丈夫や、あんたがそんなことする必要ない」

怜「え?」

怜(どういう意味やろ?)

洋榎「授業とか、指導とか、そんなことしなくてええ」

洋榎「怜はただ、麻雀をすればええんや」

洋榎「自分の麻雀をな」

怜「えっと……?」

怜(よく意味がわからへん)

洋榎「麻雀を通して、生徒に何か教える、とかそうゆうことも考えんでええ」

洋榎「生徒の弱点を見つけて、弱点を狙い打って、実践を通して相手の悪いところを気付かせる、とかそうゆうメンドクサイこともやる必要ない」

怜(それが本当だとしたら、思ったよりも楽な仕事だけど……)

怜「でも、ここって麻雀『塾』なんじゃ……」

洋榎「そやで、でもよく考えてみい」

洋榎「麻雀の理論やセオリーが学びたいなら、書籍やネットからでも学べる」

洋榎「デジタル打ちを極めたいなら、ネット麻雀で十分や」

洋榎「麻雀を楽しみたいなら、部活でもサークルでも雀荘でもええ」

洋榎「わざわざここに来る必要がないんや」

怜「確かに……」

洋榎「麻雀塾の存在意義を一言で言うとやな、いつでも強い人と戦えるってことや」

洋榎「この塾には色んな人が来る」

洋榎「部活でレギュラーをとりたい、インターハイで活躍したい、プロになりたい」

洋榎「そういう人達が実戦から学ぶ場所なんよ」

洋榎「部内や近くの雀荘に強い人がいない人もけっこうおんねん」

怜(そうかあ……私は千里山だったから周りに強い人たくさんいたけど、そんな人ばかりやないんやな)

洋榎「講師が強ければ強いほど、塾の人気がでる」

洋榎「そして特にな、特殊な能力や打ち筋を持つ講師がいる塾は人気や」

洋榎「プロを目指すならもちろん、インターハイで活躍したいなら、そうゆうのと戦って勝たんといけんやろ?」

洋榎「そうゆう意味ではうちらより、怜、あんたの方が適任なんや」

洋榎「特殊な能力を持った雀士は、より珍しいからなあ」

洋榎「まあこれで、わかったやろ、麻雀するだけでいいってゆう意味が」

怜「なんとなくは……」

洋榎「塾生は、あんたみたいな特殊な打ち手と戦えるだけで、凄い経験なんよ」

怜「はあ……」

胡桃「説明長過ぎ」

胡桃「そして下手過ぎ」

洋榎「…………」

洋榎「まあ、うちと胡桃は主に初心者から中級者担当やから、打ちながら解説したり、今のはこうしたほうがよかった、ああしたほうが良かったって註釈いれたりするんやけどな」

洋榎「特に胡桃は、無駄にマナーにうるさいでー」

洋榎「怜が担当するのは中級者以上やから、そういうのいらんし、ただ黙々と麻雀しときゃええ」

怜「なんか思ったよりなんとかいけそうや」

洋榎「そやろ?」

洋榎「解説、指導、ダメだしとか、元引きこもりにそんな器用なこと求めへんって」

怜(ズケズケとものを言う人やなあ)

怜(ありがたいことやけど、でもやっぱグサッとくるなあ)

…………
……

怜「お願いします」

生徒A「お願いします」

生徒B「お願いします」

生徒C「お願いします」

……

怜「ツモ、2000、4000」

……

怜「ロン、3900」

……

怜「ツモ、2000、4000」

……

怜「ツモ、2000、4000」

……

怜「ツモ、8000オール」

……

……

洋榎「なんや、あんた、想像以上に強いなあ」

胡桃「うんうん」

怜「そ、そうやろか……」

洋榎「まあうちほどやないけど」キリッ

洋榎「さっき軽く話してきたけど、生徒の評判も上々やでー」

洋榎「ちょっと絡みづらいけど、チョー強いゆうてるわ」

怜「それ、評判いいん?」

洋榎「当たり前やん」

洋榎「みんな強い人と打ちに来てるねん」

洋榎「ここでは性格良くて弱い人より、人格破綻者でも強い人が評価されるねん!」

怜「私は別に人格破綻者ってわけや……」

洋榎「生徒もみんな喜んどるわ、強い人が来たって」

怜「……まあ、そう言われるんのは、嬉しいなあ」

洋榎「どや、ここで続けていけそうか?」

怜「うん、これなら私でもやっていけそうや」

怜(基本麻雀やってるだけだし……)

洋榎「よーし、じゃあこれからもよろしくなー」

胡桃「よろしくー」

怜「よろしくお願いしますわ」

…………
……

竜華'Sアパート

怜(はあ……疲れたー)ばさっ

怜(やっぱ自宅って安心するわー)

怜(…………)

怜(でも良かった)

怜(愛宕さんも、鹿倉さんもいい人そうで)

怜(仕事内容も大したことないし、私でも続けていけそうや)

怜(……)

怜「うっ…………」

怜「うああああああああ」

怜「うわああああああ」

怜「……ぅっ……ぅっ……」

怜(なんでや?)

怜(なんで、私、泣いとるんやろ?)

怜(職場の人はみんなやさしくて)

怜(麻雀やってるだけの簡単なお仕事)

怜(今どきこんな恵まれた職場ない……)

怜(破格の待遇や)

怜(多分、フナQやセーラが私のために色々と根回ししてくれたんやろな……)

怜(それなのに、ぬるま湯のような職場で、もう心が折れそうなっとる私は、どんだけ打たれ弱いねん)

怜(ほんと自分がいやなるわ)

怜(どうしてこんなに心がざわつくんやろ?)

怜(…………)

一応、他のスレと交互に書き込んでるのに、また投稿しすぎよ猿さんって規制くらったのよー

怜(そうか、私怖いんや)

怜(人に嫌われんのが怖い)

怜(人に自分がどう思われてるんかとか、必要以上に気にしてしまう)

怜(愛宕さんと鹿倉さんはいい人やから余計に……)

怜(二人のやさしさを重荷に感じてまう……)

怜(……)

怜(ああ、こんなんやダメや……)

怜(二人の信頼や、フナQ達の期待を裏切らんためにも、頑張るしかない!)

怜(そうや、結局は怖くても辛くても、自分が頑張るしかないんや!)

怜(……)

怜(…………)

怜(けど、今は)

怜(少しくらい泣いてもええよな)

怜「……ぅ……ううう」

怜「うああああああ」

怜「ううううああああ」

がちゃっ

怜「っ!」

怜(竜華! なんで今日にかぎって、早く帰って来るん?)

竜華「ただいまー、怜」

竜華「今日は珍しく仕事がはよ終わったから、って怜どうして泣いてるん!?」

竜華「どうしたん!? なんかあったん?」

怜「ぅ……ぐすっ……なんでもないよ……」

竜華「そうか……こっちおいで」

怜「うん……」

竜華「ごめんなー、いつも寂しい思いさせて」ぎゅっ

怜「うううん……そんなこと、ないでえ……」すりすり

竜華「最近仕事忙しくてな、いつも帰り遅くてごめんな」ぎゅっ

竜華「これからは出来るだけ早く帰ることにするからな」

怜「うん……」

怜(なんか勘違いしてるみたいやけど、竜華の体あったかいからまあええか)

竜華「よしよし」なでなで

竜華「うちがおるからなー」ぎゅっ

…………
……

…………
……


怜(今日は暇やから、愛宕さんに貰った、学生向けの怪力塾勧誘の漫画でも読んでみるかー)

 洋榎「進○ゼミの漫画のパクリやと思ったやろ?」

 洋榎「あんなのと一緒にしてもろたら困る!」

 洋榎「格が違うわ!」

 洋榎「あっちはハッピーエンドで終わるやろ?」

 洋榎「でもこっちはバッドエンドや!」

 洋榎「しかも、内容もリアル志向!」

 洋榎「なんたって実話を元にして作っとるからな!」

怜(って言っとったけど……)

怜(塾の存在意義もわかるらしいから、まあ読んでみよう)

 BNS高校に通うKYはN県最強

怜(このKYってのが主人公なんやな)

怜(変な髪型してるなあ)

怜(片方にチョココロネつけとるやん)

怜(これが今流行りの盛りヘアーやつやろか?)

 KY「麻雀塾? そんなのニワカが行くところよ!」

 麻雀塾に勧誘されるが、KY、空気を読まず、ばっさりと断る

 しかし、KYは、後々このことを後悔するはめになる

 もしこのとき、入塾して、能力を持った講師達と戦っていれば……

 能力を持った雀士にも対応できたかもしれない……

……

佐天「完結しててもつまんない奴も多いんだね……」

初春「本文がよくても、後書きや合いの手で興醒めするのもですね」

初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねえ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

佐天「初春?」

初春「結果として面白くないのは許せます。許せるだけで面白くはないんですが」

初春「パクリ二匹目のドジョウ百番煎じは許せませんね。書いてて恥ずかしくないんですか?」

初春「ドヤ顔してる暇があればとっとと首吊って死ねよ」

初春「まあ、一番の害悪はそういったSSを持ち上げてる人たちなんですが」

初春「そうネットに書いてありました」

佐天「なんだネットか」

 そして地方予選第一回戦

 誰もがBNS高校の全国大会進出を信じて疑わなかった

 しかしっ!

 KY「お見せしよう! 王者のうちしゅじを!」

 …………
 ……

 K「ロン」

 KY(そ、そんなあ……)ぐにゃあ

 実はKYの対戦相手のKはドラが集まるという能力を持っていた

怜(なんやそれ! 卑怯やん!)

怜(なんかわからんけど、このKって子、気に入らんわ!)

怜(頑張れーKY!)

 K「ロン」

 K「ツモ」

 KY「ぴーっ!」

 K「ツモ」

 KY「ぴーっ!」

 KY、必死に追い上げる

 だが、KYや仲間の検討虚しく

 全国大会の常連、BNS高校、まさかのっ!

 一回戦敗退!

 原因は能力者の麻雀に、対応できなかったことにあった……

 KY「あのとき、塾の勧誘を断っていなかったら……」

 あなたは、それでも、塾に入りませんか?

 塾に入りますか? それとも、全国諦めますか?

 END

怜(なんや後味悪いなあ……)

怜(しかもこれ、半分実話らしいけど)

怜(なんかKYが可哀想になってきたわ……)


…………
……

怜(そいや竜華にバイト始めたこと話してないなあ)

怜(私が裏でこそこそ何かやってることは薄々勘づいとるみたいやけど)

怜(ちゃんとバイトに慣れて、ある程度社会復帰してから竜華には伝えよう)

怜(竜華に私のこと見直してもらうんや!)

怜(待っとれ竜華! 私必ず真人間になったるからなー」


…………
……

ラウ○ドワン

竜華「ラウ○ドワン来るのえらい久々やわー」

玄「そうなんですか?」

玄「少し意外なのです」

玄「竜華さんこういう場所好きそうなので、よく来るのかと思いましたまる」

竜華「好きなんやけど、なかなか来る機会がなくてなー」

竜華(怜が、ずっと引き蘢ってたからなあ……)

竜華「やから、今日はけっこう楽しみやったわ」

玄「それなら、誘ったかいがありましたっ!」

玄「今日は思いっきり楽しみましょう!」

竜華「うん!」

竜華(…………)

竜華(でも最近の怜なら、こうゆう場所も来れるんやないかな)

竜華(なんか頑張っとるみたいやし)

竜華(本人は気付かれてないと思っとるみたいやけど、さすがに気付くわ)

竜華(普通に外に出れるようになったみたいやし……)

玄「…………」


…………

竜華「クロちゃん! バッティングセンターのボールもって帰ろうとしたらダメぇよ!」

玄「うう……残念です……」

玄「おみやげにしようと思ったのに」

竜華「そんな同じところを行き来してポケットティッシュを何個も貰う中学生みたいな真似したらアカン」

竜華(うちより稼いどるのに、なにやっとんのや、この子は)

…………

…………

竜華「クロちゃん! アーチェリーの矢を、カバンに入れんのやめえ」

玄「だって、かっこよかったから……」

玄「ほら、白糸台にいたじゃないですか、なんかバシュってやる人」

竜華「そんなノートに自分の裏設定とか隠し能力とか書いちゃう中学生みたいな真似したらダメよ」

…………

竜華「クロちゃん、ボウリングの球持ち帰ろうとするのやめえ!」

玄「灼ちゃんにあげたら喜ぶと思って……」

竜華「しかも自分で持ち帰るならまだしも、うちのカバンに入れるのはアカンわ!」

竜華「うちが怒られるやん」

…………

竜華「クロちゃん、ゴーカートの車、乗って帰ろうとしたらアカン!」

玄「ちょっと盗んだゴーカートで走り出して深夜の学校の窓ガラスを割って今だけは悲しい歌聞きたくない気分なのです」

竜華「どこのオ○キやねんそれ! なんやティーンのカリスマなるつもりなん?!」

竜華「今日のクロちゃん、少し変やでー」

玄「変なのは竜華さんのほうなのです」

玄「ずっとぼーっとしてるし」

竜華「え? うちぼーっとしとった?」

玄「今だってバット持ってるの気付いてないですよね」

竜華「あ、ホンマや」

玄「バッティングのコーナー行ってからずっと持ってますよ」

玄「テニスもバトミントンもバレーも、全部金属バットで打ち返してましたからね」

玄「さっきなんて、バット持ちながらゴーカート乗って、周りの子供達怯えてましたよ」

竜華「あはは、うち、そんなことやっとったんか……」

玄「私初めて見ましたよ、金属バット持ってゴーカート乗る人」

竜華「うちも初めての経験やわー、金属バット持ってゴーカート乗るの……」

玄「…………」

玄「何か心配ごとでもあるんですか?」

竜華「別にそうゆうわけや……」

玄「当ててみせましょう!」

玄「園城寺さんのこと考えてたんですよね?」むふー

竜華「っ!」

竜華「よう、わかったなあ……」

玄「私は竜華さんのことよく見てますから、えへへー」

竜華(あ、でもこれはいい機会なんやないか?)

竜華(クロちゃんに、ずっと聞きたかったことを尋ねるチャンスや)

竜華「なあ、クロちゃん」

玄「はいはい、なんでしょう」

竜華「クロちゃんは、うちが怜と付き合おうてんの、知っとるんよな?」

玄「うん、知ってますですのだ」

竜華(なんやその日本語……)

竜華(でもやっぱりうちの記憶違いやなかった)

竜華「ならクロちゃんはうちとの関係どう考えてるんや?」

玄「ん? 関係とは?」

竜華「その、つまり、うちは怜と付き合おうてるわけやろ? それなのにこんな風に度々クロちゃんと遊んだりして、それってつまり……」

玄「あ!」

竜華「なんや急に?」

玄「あと10分で時間終わっちゃいますよ」

玄「私最後にダーツやりたいのですー」

玄「あ、でもでも、その前に竜華さんが持ってるバット返しに行かないといけないですね」

竜華「そ、そうやな」

玄「ほら、行きますよ」

竜華「う、うん」

…………

竜華(明から様に話を逸らされたなあ)

竜華(そしてそれを追求しないってことは、うち自身も、どっかで有耶無耶のままにしときたいって思っとるんやろうか?)

竜華(でもあそこで無理矢理追求しても空気悪くなるだけやしなあ……)

竜華(また次の機会に……)

竜華(ああ、なんやこのデジャヴ)

…………
……



玄(園城寺さんには悪いと思う)

玄(言い訳に聞こえるかもしれないけど、私は割と本気で園城寺さんにも幸せになって欲しいと思っています)

玄(でもそれは無理なのです)

玄(だって竜華さんは一人しかいないから)

玄(昔の私なら、園城寺さんに遠慮して身を引いたかもしれない)

玄(けど今の私は、勝利のためならドラを切ることができる)

玄(…………)

玄(人生は麻雀と同じゼロサムゲーム)

玄(誰かが得をすれば、誰かが損をする)

玄(私は優しい人になりたいと思ってるいるし、そうなれるように頑張っているつもり)

玄(だけど、本当に欲しいものがあって、それを手に入れる為なら、思いやりとか倫理とかモラルとか、そういうものは切って捨てることができる)

玄(もちろんドラを捨てずに勝てるなら、私だってそうする)

玄(誰だってドラを捨てたくはない)

玄(でも人生はそんなに甘くない)

玄(ドラを切らないと勝てないのなら、私はドラを切る)

玄(私は取捨選択を間違えない)

玄(園城寺さん、ごめんなさい)

玄(恨んでくれても構わないです)

玄(私は竜華さんが欲しい)

玄(だから竜華さんを諦めるつもりはないのです)

玄(…………)

玄(あれ、取捨選択ってあの使い方で合ってたっけ?)

玄(うう……なんだか間違っている気がしてきたのです……)

玄(無理に難しい言葉を使うものじゃないですね)

…………
……

怪力塾

怜「おつかれさまです」

胡桃「おつかれー」

洋榎「おつかれさんさんさんころりー」

洋榎「なーなー、今から飲みに行こや!」

怜「えっと、私は今日はちょっと……遠慮しとくわ」

洋榎「えーー、ノリ悪いなー」

怜「はあ、すみません」

洋榎「別に謝らんでええで」

洋榎「しゃーない、じゃあ、胡桃で妥協するわ」

洋榎「二人で寂しく飲みに行こうや」

胡桃「私も今日はパス」

洋榎「なんやなんや、みんなノリ悪いなあ」

胡桃「飲みじゃなくて、海なら行く」

洋榎「え? 急になに言い出しとんのや」

怜「あー、私も海なら行ってもええかなあ」

洋榎「え? え? みんなどうしたんや」

洋榎「海かあ……」

洋榎「おっけーおっけー、わかったわ!」

洋榎「よし! 今からみんなで海行くでー!」

胡桃「え?」

怜「え?」

洋榎「……え?」

洋榎「…………」

胡桃「いや、冗談だけど」

怜「うん、私も冗談で言ったんやけどなあ……」

洋榎「…………」

洋榎「…………」

洋榎「なんやなんや!」

洋榎「ええわええわ、うち一人で海行ってきたる!」

洋榎「一人で『海のバカヤロー』って叫んで来たるわ!」

洋榎「あー、一人で海行くのちょー楽しみやわ、一人で海行くのえらい楽しみやわ!」だっ

胡桃「…………」

怜「…………」

胡桃「あーあー、行っちゃった」

怜「ええんやろか、あれ」

胡桃「うん大丈夫」

胡桃「だって一人で海行くの楽しみって言ってた」

怜(それこそ冗談やと思うけど……)

…………
……

ス○バ

セーラ「どうや怜、もう塾の仕事は慣れたんか」

怜「まあぼちぼちやなー」

セーラ「そうかー、良かったなあ」

セーラ「なんや話によると塾での評判もええらしいやんか」

セーラ「やるやん怜!」

怜「うーん、そやろか? まだ二人に助けられてばっかや」

怜「それよりどやこれ」じゃーん

セーラ「なんや、怜の電話もメールも出来ない携帯やん」

怜「ふっふ、それは二日前の話や! 今の私の携帯は、電話もメールも出来る!」

怜「どや、凄いやろ?!」

セーラ「おお凄いなー!」

セーラ「ってそれが普通やん!」

怜「まあな」

セーラ「そうかー、携帯も復活したかー」

セーラ「…………」

セーラ「なんか一歩ずつ一歩ずつ、着実に前に進んどるなあ」

セーラ「……」

セーラ「ちょっと嬉しくて涙出てきそうやわ……」

怜「え、ちょっ、なんでホントに涙ぐんでるんや……」

セーラ「ごめんなー、怜が成長しとんのがホンマに嬉しくて嬉しくて」

怜「おおげさやでー」

セーラ「怜、ホンマ頑張ったなあ……」なでなで

怜「ちょ、頭撫でるのやめー」

怜「私が子供みたいやん……」

セーラ「うんうん」

怜「…………」

怜(ああ……)

怜(私はホンマ色んな人に支えられてここまできたんやなあ……)

怜(こんな当たり前のこと、今まで気付かんかった)

怜(あの頃の私は自分が不幸やと思ってた。竜華以外の人間を拒絶しとった)

怜(ほんまバカや……)

怜(大バカや……)

怜(竜華だけやなく、色んな人に迷惑かけて、心配させて、そして助けてもらって)

怜(私、特に秀でた才能とか持っとらんけど、友人だけは恵まれたなあ……)

怜「セーラ、今までホンマありがとなあ」

セーラ「なんや急に」

怜「竜華はもちろん、セーラやフナQ、あと多分泉も。職場の愛宕さんや鹿倉さん。色んな人に心配かけて、支えてもらって」

怜「ほんま感謝してるわ」

セーラ「怜……」

怜「みんなから貰ったもの、少しずつでいいから返して行きたいと思っとる」

怜「今はまだ無理やけど、竜華やセーラ、フナQや泉、みんなが困っとる時に支えてあげられるような人になれるように、頑張るわ」

セーラ「怜……」

セーラ「なんやいうようになったなあ!」ばんばん

怜「痛い、痛いっ、背中強く叩き過ぎや」

セーラ「じゃあ今日は怜のおごりやなー」

怜「ええー、セーラ仮にもプロなんやからいっぱい稼いでるやろー」

セーラ「仮にもってなんや仮にもってー」

怜「ていうか、セーラの方からシリアスな空気醸し出したのに、私がシリアスで返したら急におちゃらけるのやめてーな」

セーラ「怜にシリアスは似合わんでー」

怜「いやいや、セーラにだけは言われとうないわ」

…………
……

怪力塾

怜「…………」

胡桃「…………」

洋榎「よーし、今日こそはみんなで海……やなくて飲みに行くでー」

洋榎「いつ飲みに行くの?」

洋榎「今でしょ!」ドヤァ

怜「…………」

胡桃「…………」

洋榎「アカン、このネタは98割の確率で空気が微妙になるっていう自爆ネタやった……」

怜「…………」

胡桃「…………」

洋榎「つーか、なんで胡桃は怜の膝の上乗ってるんや?」

胡桃「……」

胡桃「スマフォって便利」

洋榎「え? まあ便利やなー」

胡桃「でも電池がないと動かない」ぴょこっ

洋榎「え? え?」

怜「なんや、哲学的やなー」

洋榎「いや、単に意味不明なだけやろ!」

怜(しかし、竜華に膝枕してもらってた私が、まさか逆に膝に誰かをのせることになるとは……)

怜(運命の悪戯やなー)

洋榎「あんたもなんかアホなこと考えとるやろ」

…………
……

…………
……

雀荘

怜「竜華も来れたら良かったんやけど」

怜「仕事忙しいみたいやわ」

セーラ「でもこの四人で麻雀打つの久しぶりやなー」

船久保「そうですねえ」

泉「まあ園城寺先輩が引き蘢ってたからなんですけどね」

セーラ「こら、泉」

怜「ええって、本当のことやし」

泉「そうですよ、嫌味の一つくらい言わしてください」

泉「うちら本当に心配しとったんですからね」

怜「マジで心配かけて、すいませんでした」

やば、数十分、意識とんでたのよー

船久保「でも思ったより元気そうで良かったですわ」

怜「ていうか、泉、なんかもう酔ってへん?」

船久保「麻雀しながら缶ビール飲むんのは、やめたほうがええって言ったんですけどね」

セーラ「もうすでに少し酒臭いもんなー」

泉「ええ? 私全然酔ってないですよ~」

怜「これまた酔っぱらいのテンプレ台詞を……」

泉「それより園城寺先輩!」ばんばん

怜「はい」

泉「私、本当に心配しっとたんですよ!」

怜「えっと……それはさっき聞いたでー」

泉「でもホンマ良かったですわ、またこうして園城寺先輩と麻雀できて……うう」

泉「ホンマよかったですわあああああああああああ」

怜「えっ?」

セーラ「うわっ、今度は急に泣き出したでー」

怜「フナQ助けてえー、私酔っぱらいに絡まれとるわー」

船久保「半分くらいは園城寺先輩のせいでもあるんですから、自分でなんとかしてください」

怜「そんなー、冷たいなあ」

泉「園城寺せんぱーいぃぃいいいい」びえーん

怜「ちょっ、いきなり抱きつかんといて……セーラ助けてーや」

セーラ「あはは」

…………
……

泉「乙女ゲー買うつもりが間違うて、乙武ゲーこうてしまいました」

泉「登場人物が全員、五体不満足って不謹慎すぎますわ」

セーラ「なんか一人漫才、おっぱじめたでー」

怜「フナQ、可哀想やからツッコんであげてー」

船久保「いやですわー、むしろ他人のフリしたいですわ」

泉「今からなにをやるんだか、わからないけど、やるぞー」

船久保「アカン、これは完全手遅れですわ」

泉「らんらんるー」

泉「コンビニの、アイスクリームケースの中に入りたい気分ですわー」

怜「そんなことしたら炎上するでー」



…………
……

泉「zzz……」

船久保「はあ、仕方ないですねえ。泉は私がなんとかするんで、江口先輩は園城寺先輩をお願いします」

セーラ「おう、任せとけ! 怜はオレが責任を持って送ったるわ」

怜「わざわざ送ってくれんでもええでー。子供やないんやし、一人で帰れるわー」

セーラ「オレがおくりたいだけやから遠慮すんなって」

怜「別に遠慮しとるわけや……」

セーラ「ええからええから、時間も遅いし、ほら、帰るでー」

船久保「今度は泉抜きの四人で麻雀しましょう」

泉「zzz……」

怜「じゃあ泉は今度見学やねー」

セーラ「あはは、またなー」

怜「ほなー」


…………

怜「今日は楽しかったわー」

セーラ「そうか、それは良かったわー」

怜「セーラもフナQも忙しいのに、私のために集まってくれてありがとなあ」

セーラ「別に怜のためだけやないよ」

セーラ「みんなと会いたかったから来ただけやー」

セーラ「だから自分のためやでー」

怜「それでも、ありがとな」

セーラ「でも、今度は五人で集まりたいなー」

怜「うん」

怜「……」

怜「ん?」

??「ちょっと、クロちゃん! こんなとこでダメやって」

?「そこにおもちがあるなら、触らずにはいられないのですー」

??「もうー、完全セクハラやん」

怜「え?」

怜「この声……?」

竜華「こら、どこ触ってんねん、くすぐったいって」

玄「ふーむ、このおもちは、弾力があって適度に柔らかく、100点満点のおもちですな」

竜華「ほんまだめやって」

怜「…………」

怜「…………」

怜「竜華ぁ……」

竜華「あっ……」

怜「…………」

竜華「ちゃうねん……これは」

怜「…………ぅ」じわ

怜「……ぁぁぁあ」

怜「うわああああああああああああ」だっ

竜華「あ、怜! 待って」

セーラ「竜華ああああ! お前なにやっとんのや!!!」

竜華「……」びくっ

セーラ「怜、ちょっと待ってや!」だっ

怜「……」たったっ

怜「ついてこんどいて!」たったっ

怜「」たったっ

セーラ「」たったっ

怜「」たったっ

セーラ「捕まえたでー」がしっ

怜「なにするねん!」

怜「放してーな!」はあはあ

セーラ「足の速さでオレに勝てるわけないやろ」

怜「」はあはあ

セーラ「ちょっと落ち着きーや」

怜「…………」

怜「……全部無駄やった」ぼそ

セーラ「え?」

怜「今までやってきたこと……全部無駄やったわ……」

怜「竜華に振り向いて欲しくて、頑張ってきたけど、竜華は私のこと、見とらんかった……」

怜「当然や……」

怜「今まで散々迷惑かけてきて、ちょっと頑張ったくらいで、取り返そうなんてムシが良過ぎよな……」

怜「あーあー、こんなことならずっと引き蘢っとけば良かったわ…………」

怜「……」

怜「変に勘違いして……」

怜「またあの頃みたいに戻れるんやないかって……」

怜「そんなことあるわけないのにな……あはは……」

怜「ほらっ、セーラも笑ってええでー」

怜「おもろいやろー」

怜「あははははは……」

怜「…………」

セーラ「アホぉ!!」

怜「」びくっ

セーラ「怜のあほぉ……」

セーラ「怜の……あほぉ……」

怜「なんや……急に人のことアホ呼ばわりして……しかも三回も……」

セーラ「怜は……十分頑張っとるやん!」

セーラ「怜はようやっとるわ……」

セーラ「だから……自分の頑張りを、否定するようなこと、言って欲しくない……」

セーラ「あの、つまりなっ…………」

セーラ「あー、ダメやなオレ……」

セーラ「言いたいことを上手く言葉にできへんわ……」

セーラ「その…………あーもう、なんて言えばいいのかわからへん……」

セーラ「言葉がまとまらへん……ああ、もどかしいわ……」

怜「……」

セーラ「…………」

セーラ「怜、オレはな……」

怜「そうやな……」

セーラ「怜?」

怜「セーラの言いたいこと、ちっともわからんけど、言いたいことなんとなくは伝わったわ」

セーラ「どっちやねん……」

怜「そうや……」

怜「へこたれてたらアカンのや……」

怜「ここで諦めたら、今まで支えてくれた人に、申し訳がつかへん……」

怜「今はまだダメでも、いつかまた、竜華に振り向いてもうらんや」

怜「だから……」

怜「だから…………」

怜「こんくらいで、心折れたり……せんわ……」

怜「ぅぅ……ぁぁ……」

セーラ「怜…………」

…………
……

玄「どこに行くのですか?」ガシっ

竜華「手を放してや、クロちゃん……うち、怜を追いかけんと」

玄「いやです」

竜華「クロちゃん……」

竜華「うちが悪いんはわかっとる」

竜華「クロちゃんとの関係を、ずっとはっきりさせんかった」

竜華「よくない、と思いながらも有耶無耶にして、ずるずる続けてしまったうちの責任や」

竜華「でもごめんな」

竜華「うち、やっぱり怜が好きやねん」

竜華「さっき怜が泣いてるの見て、セーラに怒鳴られて、我に返ったわ」

竜華「なにやってんやろ、って」

竜華「そして、気付いたんや」

竜華「うちってホンマに、怜のこと好きなんやなって」

玄「そんな……」

玄「どうして園城寺さんなんですか……」

玄「意味がわかりません……」

玄「そりゃあ、インハイの時の園城寺さんは凄かったです!」

玄「あの宮永さん相手に堂々と立ち向かって」

玄「正直この人達には勝てない、格が違うって思いました」

玄「でも、今はただのヒキコモリじゃないですか!」

玄「ただ飯喰らいの園城寺さんと違って、私は高収入だし社会的にも安定してます!」

玄「それに麻雀だって私強くなったのです!」

玄「今は麻雀も園城寺さんと同格かそれ以上です!」

竜華「クロちゃん……」

竜華「あんな……」

竜華「うち、あんたのこと結構気に入ってたけど、それは収入が高いからとか、いい会社に勤めてるからとか、麻雀が強いからとかやないで」

玄「…………」

竜華「そんなんただのオマケやん」

竜華「人が人を好きになるってそんなんやないと思うで」

竜華「まあ、語れるほど、経験豊富ってわけやないけど」

玄「…………」

玄「……勝手過ぎます……」

玄「今更勝手過ぎますよ……」

竜華「…………」

竜華「ほんま悪いと思っとるわ」

竜華「やけど、クロちゃん、あんたは強い人やから、一人でも歩いていける」

竜華「でも怜にはうちが必要やねん」

竜華「いや、ちゃうな」

竜華「私に怜が必要なんや」

竜華「だからクロちゃん」

竜華「これでさよならや」

竜華「」だっ

玄「…………」

…………
……

玄「…………」

玄「あーあー、行っちゃったのです」

玄「…………」

玄「私、そんなに強い人間じゃないんだけどな……」

玄「…………」

玄「…………」

玄「あはは、ひどいフラレ方しちゃったのです……」

玄「…………」

玄「…………」

玄「…………」

玄「…………」

玄「…………」

玄「…………」

玄「…………」

玄「…………」

玄「…………」

…………
……

…………
……

竜華「怜!」はあはあ

怜「竜華」だっ

竜華「え? なんでまた逃げるねん!?」

竜華「ちょっと待ってえよ! 話したいことあるねん」

セーラ「ほら、はよ追いかけえー」

セーラ「今度こそしっかり捕まえて、離したらあかんよ」

竜華「わかっとる」

竜華「セーラ、あんたにもいっぱい迷惑かけたなあ」

セーラ「ええって」

セーラ「ほら、あんま距離はなされると、いくら怜が体力ないからってきついんちゃうか」

竜華「そうやな、行くわ」だっ

セーラ「大事なもんなら、しっかり掴んどかんとあかんでー」

セーラ(怜、竜華と幸せになー)

セーラ(…………)

セーラ(…………)

…………
……

竜華「怜、止まってなあ」たったっ

怜「」たったっ

竜華「うちの話聞いてー」たったっ

怜「」たったっ

竜華「…………」たったっ

竜華「言っとくけどなー、今逃げてもどうせ家で会うんやでー」たったっ

怜「あうあ」ぐら

竜華「危ないっ!」がしっ

怜「あっ…………」

竜華「捕まえたでー」

怜「…………」

ここにきて猿さん規制とか、やだこれもー

怜「竜華が……はあはあ……急に変なこと言うから…………転びそうになったわ……」

竜華「体力ないのに無理するからやでー」

怜「…………」

竜華「…………」

怜「…………」

竜華「…………」

怜「…………」

竜華「…………」

怜「…………」

竜華「怜、ごめんな……」

怜「竜華……」

竜華「怜にいっぱい寂しい思いさせて……」

竜華「それだけやない……」

竜華「うち……浮気しとった……」

竜華「ほんまサイテーやろ……」

竜華「…………」

竜華「だけど、ホンマに怜が好きやねん」

竜華「今更気付くなんて、ほんとバカやん」

竜華「こんなうちの言葉、もう信用ないかもしれんけど、怜のこと、世界で一番愛しく思っとる」

竜華「だから……」

怜「ええよ」

竜華「え?」

怜「全部許したる」

竜華「ほんまか? こんなあっさりええん?」

怜「じゃあ今度は私が謝る番やな」

怜「私な、竜華にいっぱい酷いことしたし酷いこと言ったやろ」

怜「もの壊したり、騒いだり、自傷して気をひこうとしたり」

怜「言うこと聞かんで無駄遣いしたり……」

怜「いっぱいいっぱい迷惑かけた」

怜「ほんまごめ」

竜華「ええよ、許したる」

怜「えええー!? ちょっと最後まで言わしてーな」

怜「なにフライングしとるん?」

竜華「ええやんええやん」

怜「竜華はほんま空気よめんなー」

怜「様式美ってのがわかっとらんわー」

竜華「あはは……」

怜「…………」

竜華「なあ怜……今までほんっっとごめんな……そしてありがとなあ……」ぐす

怜「ちょっと竜華、なんで泣いてるん? やめーよ、私までつられて泣けてきたやん……ぅ」

竜華「何言ってるん、怜は最初からちょっと泣いとったやん」

怜「やって……竜華が追いかけてきてくれたんが嬉しくて……」

怜「私…………」

怜「……見捨てられた思うたから……」

竜華「うちが怜を見捨てるわけないやん」ぎゅっ

怜「…………」

怜「ほんまか? やったら二度と離したらだめよ」

竜華「当然や、二度と離さへんよ」ぎゅぎゅっ

竜華「怜が嫌って言っても離さへんわ」ぎゅぎゅぎゅっ

怜「なんやあれやなー」

怜「竜華はヤンデレさんってやつやなー」

竜華「そうかもしれんなー」

怜「…………」

竜華「…………」

怜「竜華ぁ……」

竜華「うん」

怜「竜華ぁああああ」

竜華「うんうん」

怜「竜華あああああああ」

怜「なあ…………」

怜「ほんとに私でええん?」

怜「私いっぱい酷いことしたけど……」

竜華「それはさっき謝って許したやん」

怜「だってぇ……」

竜華「もう怜は心配症やなー」

竜華「安心せえって。うちはもう怜しか見とらんから」

怜「竜華……」

怜「…………」

怜「あのなぁ、私な」

怜「今はまだ、ダメダメダメ人間やけど、いつか絶対、竜華を支えられるような人間になるからな」

怜「待っとってな」

竜華「うん。楽しみやなー」

怜「頑張るわー」

竜華「……」

竜華「でも急ぐ必要はないでー」

竜華「うちはいつまでも待ってるから」

怜「竜華……」

竜華「それに最近頑張っとるみたいやし」

怜「…………」

怜「なんや、やっぱ知っとったんか」

竜華「うん、泉から色々聞いとったからな」

怜「え……?」

竜華「泉が色々、教えてくれたんよー」

怜「泉のやつ、スパイやったんか……」

怜「今度会ったら、説教やなー」

竜華「あははー」

怜「……」

竜華「……」ぎゅっ

怜「……」

竜華「なあ」ぎゅっぎゅっ

怜「ん?」

竜華「今日はこのまま帰ろか?」

怜「えー、さすがに恥ずかしいわー」

竜華「えーやんえーやん」

竜華「抱き合ったまま帰ろうや」

竜華「それに離したらダメゆってたの、どこの誰やったっけ?」

怜「もう……」

竜華「お、照れとる照れとる、顔真っ赤やでー」

怜「うるさいわー」

怜「しゃーない、今日だけやでー」

竜華「やったー」ぎゅっ

怜「竜華はほんま甘えん坊やなー」

竜華「そうかもしれんねー」

怜「……」

竜華「……」

怜「帰ったら」

竜華「ん?」

怜「二人で一緒に、泉へのお仕置き考えようか」

竜華「あはは、楽しそうやねー」

怜(うん、竜華といれるなら、きっとなにしたって楽しいわ)

怜(…………)

怜(色々あったけど……そしてこれからも色々あるやろうけど)

怜(ずっとずっと、竜華と一緒にいたいわ)

…………
……

……

二年後

怜「いやー、みんな久しぶりやねー」

セーラ「やなー」

竜華「怜の仕事が忙しくて、なかなかみんなで集まれんかったからなあ」

泉「まさかあの怠け者の園城寺先輩が、バリバリのキャリアウーマンになるなんて誰も予想しなかったですからねー」

怜「あん? 泉、誰が怠け者やったって?」

泉「こ、言葉のあやですやん……」

船久保「これはさすがにフォローできませんわ」

洋榎「怜は塾の仕事続けりゃ良かったのになー」

洋榎「胡桃も寂しがっとるでー」

胡桃「うるさい、そこ」

胡桃「」とってって

ぴょん

怜「…………」

竜華「…………」

胡桃「ふーんふふー」

竜華「なあ怜……」

怜「はい……」

竜華「怜の膝の上に乗っかっとる生き物はなんなん?」

怜「えっと……鹿倉さんや」

竜華「それは把握してるわ!」

胡桃「台詞ぱくられた」

竜華「なんで鹿倉さんが怜の膝の上に乗ってんのかって聞いとるんや、ああん?」

怜「ちょっ、竜華怖いでー」

胡桃「トイレ行ってくる」ぴょん

とったった

洋榎「あ、逃げた」

洋榎「相変わらず腹黒いなあ」

怜「さっきのはな、あれや。怪力塾に伝わる、『充電』ゆうスキンシップやねん」

竜華「だそうですが、愛宕さん?」

洋榎「いや、うちはそんなん知らんよ」

竜華「怜ぃー」

怜「だから竜華、顔、こわいって」

竜華「ちょっと怜にはお灸を据える必要がありそうやなー」

怜「ひっ! ちょっと泉助けてー」

泉「こっち振らんでください、嫌ですよ」

竜華「怜ぃー」

怜「いたいいたい、耳引っ張らんでー」

…………

船久保「あー、あついあつい」

船久保「見てるこっちまであつーなりますわー」

船久保「相変わらずあの二人はラブラブですね」

セーラ「仲良きことはええことや」

船久保「でも江口先輩、これで良かったんですか?」

セーラ「なにがや?」

船久保「だって江口先輩は園城寺先輩のこと……」

セーラ「ん? なんのことや?」

船久保「いえ、なんでもありません」

船久保「私の勘違いでした」

セーラ「そうかー」

船久保「…………」

セーラ「竜華もそれくらいで許したって、怜泣きそうなってるやん」

……

セーラ「しかし、怜は最近ホント忙しいなあ」

セーラ「むしろオレらプロのほうが暇多いでー」

竜華「怜はここ数ヶ月あまり休みとれてへんしなー」



怜「はあ……」

怜「働くんて辛いんなあ」

セーラ「若くして真理に到達したなあ」


カン!

おまけ

池田(カナちゃん、取引先でやらかして、会社クビになっちゃったし……)

池田(妹達の学費、稼がないといけないのに……)


…………
……

乙乙!殺虫剤は前けいおんのマジキチSS書いてたなかった?

>>322
いや、SSはかなりの初心者で、咲SSしか書いたことないのよー

智美「わはは!何時でも出発できるぞ衣~!早く乗れ~♪」ブボボボ

衣「わーい♪」

蒲原「ワハハ、バイトを探すぞ」

蒲原「お、これなんて良さそうだ」

蒲原「なになに」

蒲原「『ワ○ミの牌。ご近所のお宅へ、できたての牌と一緒にまごころをお届けするお仕事です』」

蒲原「完全出来高制で、『一日30軒、月20日で約87000円!』」

蒲原「なんかよくわからないけど高そうだぞ、びっくりマークもあるし」

蒲原「ワ○ミってよく名前聞く企業だから、きっと給料も高いんだろうなあ、ワハハ」

蒲原「それに資格のところに、『要普通自動車免許※車持ち込み出来る方』って書いてあるぞ」

蒲原「まさに私にピッタリの仕事じゃないか!」

蒲原「よーし、さっそく電話しよう!」

……

ゆみ「蒲原、遊びに来たぞー」

桃子「きたっす!」

蒲原「お? ゆみちんとモモかー、今麦茶出すからちょっと適当にくつろいでてー」

ゆみ「わかった」

ゆみ「ん? なんだこのチラシ……バイト募集のチラシか」

ゆみ「…………これは酷い、『一日30軒、月20日で約87000円』ってことは、一軒あたり、145円じゃないか!」

桃子「うわっ、なんすかそれ! 今どき小学生のおつかいでももっと貰えるっすよ!」

ゆみ「しかも事前研修があって、研修時の報酬は発生しないらしい」

ゆみ「さらに車の維持費などを考えると、とてもじゃないが……」

桃子「リアルうわっ……私の時給、ひくすぎ状態じゃないっすか」

桃子「こんなバイト、やる人いるんすかね?」

…………
……

…………
……

豊音「へえー、ワ○ミって看護の事業もやってるんだー」

豊音「ワ○ミっていえば、誰もが知ってるちょー有名企業だよ」

豊音「トシさんの介護、ここにお願いしたら良さそうだよー」

豊音「今度塞に勧めてみよう」

…………
……

……

玄「ここは楽園ですかユートピアですかパライソですか」

玄「地上にこんな極楽があったなんて知らなかったです」

玄「おっぱぶって最高なのです!」むふー

…………
……




池田「カナちゃん、ワ○ミに再就職決まったんだし!」

福路「まあ! すごいじゃない、カナ!」

池田「エヘヘー」



カン

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