村長「3時間やるから魔王倒してこいよ、勇者なんだろ?」勇者「…………え? 俺?」 (75)

村長「3時間やるから魔王倒してこいよ、勇者なんだろ?」

勇者「…………え? 俺?」

村長「お前しかいないだろ。そもそもこの村には儂とお前しか居らん」

勇者「いや、無理」

村長「じゃあよろしく!」

勇者「あ! 待て! 逃げんな!」

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誰も見てないだろうけど書く。



——魔王城——

魔王「勇者早く来ねぇかなー、暇すぎ」

下僕1「魔王様はいつもネットで掲示板か何かを巡回していつも楽しそうじゃないですか」

魔王「なぁ、お前クビにしていい?」

下僕1「私が居なくなったら魔王様はどう生活するんですか? 無理ですよね? 死にますよね」

魔王「……反論できない……」

下僕1「さっさとその『ぱそこん』という物を消して職務についてください。今この時に勇者が来たらどうするんです?」

魔王「勇者とか来るわけねぇよ。来たらお前に俺の全財産上げて——」

勇者「まおー! 出てこーい!」

魔王「やりたいけどな、今はやめとくわ」

おぉ、二人も見てくれてるなんて……。


魔王「よく来たな勇者よ、貴様ごとき我聖剣ブラッドル」

勇者「いや、そんなのいいから。つかなんで魔王聖剣持ってんだよ」

魔王「あぁ、これ? 2代目勇者からドロップしたんだよ、いいだろ」

勇者「あ! ほんとだ、よく見たらそれ俺ん家の家宝じゃねぇか! 返せよ!」

魔王「え? そうなの? スマン、返すわ」

下僕1「なんであっさり返すんですか!」

魔王「だってかわいそうじゃん。家宝なんでしょ?」

勇者「うん家宝だよ」

魔王「ほら」

下僕1「『ほら』じゃないです! それでも魔王ですか!」

魔王「いや、魔王なんだけど」

下僕1「違います! 魔王としての自覚のことを言ってるんです!」

魔王「なに魔王としての自覚って」

下僕1「……ほら、あれですよ……とにかく! その聖剣は返しちゃダメです!」

魔王「そうなのか?」

下僕1「そうです!」

勇者「あぁその聖剣やっぱいらね。それ村の武器屋で10Gで買えるわ」

下僕1「じゃあいままでの魔王とのやり取りの時間を返してください!」

魔王「お前、さりげなく呼び捨てなんだな」

下僕1「すいません魔王。というかじゃあなんで勇者さんはここまで来たんですか!?」

魔王「お前、俺のことは呼び捨てなのに、初対面の勇者、しかも敵なのに『さん』付けなんだな……」

勇者「なんか3時間やるから魔王倒してこいって言われたんだよ。正直めんどくせぇよ」

魔王「……じゃあさ、魔王討伐なんて怖い事は止めて俺のとこで働かない? 衣食住全部あげるからさ」

勇者「いいの? じゃあそうするわ、村に帰ってもうるさいじじいが居るだけだし」

魔王「そうかそうか、じゃあ詳しいことは後でな」

下僕1(ちょっとちょっと! 何言ってるんですか!? 相手は仮にも勇者さんですよ!?)

魔王(いいじゃん別に、悪い奴じゃなさそうだし)

下僕1(いやいやいやいや、敵ですよ? 長年の敵ですよ? いいんですか?)

魔王(そもそもな、そういう昔からの風習的なものに囚われんの嫌いなんだよ、人単体を見ろよ)

勇者「あれ? 俺空気読んでなかった感じ?」

下僕1「はいそうですね! 全く読んでません! 勇者さんはここで魔王に倒される筋書きだったのに!」

魔王「お前あれだな。俺のことは全く尊敬してねぇのな」

見てくれてる方、本当ありがとうございます! 遅筆ながらも頑張ります。


魔王「まぁいいよ、お前が何と言おうと俺は勇者仲間にするから」

下僕1「逆に清々しいね!」

魔王「そうだろう?」

下僕1「褒めてないですけど」

勇者「で、俺は何すればいいの?」

下僕1「ここで死んでください」

勇者「で、俺はここで何すればいいの?」

下僕1「ナチュラルにスルー!」

魔王「俺の遊び相手になってくれたらいいや」

勇者「え? そんなんでいいの?」

魔王「うん、全然オッケー、俺昔から友達居ないんだよね、なんでなんだろ……」

下僕1「…………」

勇者「…………」

魔王「なにその哀れみの目!」

勇者「じゃあ俺とお前は今から友達でいいよ、はぁ……」

魔王「はい! 今俺余計に傷つきました! 同責任とる気ですかぁ!」

勇者「…………」

魔王「なんで黙るの!?」

下僕1(勇者さんは勇者さんだから気づいてないかもしれないですけど、あれでも魔王は物凄い魔翌力を放出しています、その魔翌力に恐れをなして誰も近づこうとしないのでしょう。あれはあれで可哀想なのです)

勇者(そうだったのか、可哀想だな……。せめて魔翌力の強さを感じない俺だけでも仲良くしてやろうか)

下僕1(ありがとうございます)

勇者「よし魔王! 俺達はもう友達だぞ!」

魔王「なにその心境の変化! 逆に怖い!」

勇者「気にするな」

スマン魔翌翌翌力→魔翌力だわ。自分でもなんでそう打ったのか分からん。


魔王「取り合いず俺の家に来いよ」

勇者「家って? 魔王城?」

魔王「違う違う、本当の俺の家」

下僕1「ええええええ!? 駄目です駄目です! あんなの見せられませんって!」

魔王「?? なんで?」

下僕1(そうか、この人自分の部屋の汚さを理解してない)

勇者「まぁいいじゃん、行こうぜ!」

下僕1「違う場所にしません? 例えば地獄の鉱山とか」

勇者「ええ!? やだよそんな見るからに危険そうな鉱山!」

魔王「俺も嫌だ」

下僕1「じ、じゃああそこにしません? ミルトンの酒場! あそこなら新しい友達も出来るかもしれませんし」

魔王「とも……だ……ち?」

下僕1「そうです! 友達です!」

魔王「行こう! 今すぐにでも行こう! いいよな勇者!」

勇者「やだ。酒飲めない」

>>15
メール欄にsagaと入れてみ

魔翌力が魔翌翌翌力に変化する。俺のpc呪われてんのか?


下僕1『勇者空気読めやぁぁ! [ピーーー]ぞマジで!』←心の声
下僕1「行きましょうよ、勇者さん」←建前上の声

魔王「そうだよ勇者! 行こうよ!」

勇者「だから酒飲めないし、行っても無駄だし」

魔王「友達ができるんだよ!? 行こうよ!」

勇者「面倒」

下僕1「酒場には綺麗な女性が」

勇者「仕方ないなぁ、行ってもいいけど?」

下僕1『こいつ……ッ!』←心の声
下僕1「ですよね。行きましょうか」

魔王「やったーー! 早く行こう!」

勇者「そうだな、早く行こうか!」

>>17センクス


——ミルトンの酒場——

魔王「へーここが酒場か」

勇者「綺麗な女性は!? どこ!?」

下僕1「勇者さん一回黙ります?」

勇者「見当たらない!」

下僕1「さがすな!」

ミルトン「おうおう。新入くんか?」

勇者「はい、そうで……ププッ。名前ミルトン……プププッ」

ミルトン「笑うな」

勇者『すっげ睨んでるよ、すっげ怖ぇよ』←心の声

ミルトン「で、何しにきたんだ?」

勇者「綺麗なじょ」

下僕1「友達……というか仲間を探しに来たんですけど」

スマン、眠い&明日早いからもうそろそろ落ちる。また明日やってくる

戻ったぜ。そして見てくれてる人ありがとう。なるべく期待に応える。


ミルトン「仲間? どんなのを希望するんだ?」

下僕1「魔王、勇者さん、友達ってどんなのが欲しいですか?」

勇者「綺麗な女性の人が第一条件かな〜」

魔王「仲良くなれる人で、俺を怖がらない人かな」

ミルトン「二人とも全く違う希望だな……」

下僕1「すいません……」

勇者「二人とも、何でそんな汚物を見る目で俺を見るの?」

魔王「どんな人がいるか先に全部見たほうが早いんじゃないか?」

勇者「そうだな! お前頭良いよ!」

下僕1「同感です」

ミルトン「この酒場で仲間探ししてる奴は星の数ほどいるが、それでもいいのか?」

勇者「いいよ!」

下僕1「あなたは馬鹿なんですか。それでは仲間を探すことで時間を無駄に使ってしまいます」

魔王「そうだな」

勇者「へぇ〜。そういうもんか」

下僕1「そうです」

ミルトン「一応綺麗な女性で、人を恐れないような人材。いるぞ」

勇者「おぉ! そうかそうか! 早速連れてきてくれ!」

魔王「楽しみだな」

下僕1「もしよければ、よろしくお願いします」

ミルトン「分かった、少しまってろ」


ミルトン「連れてきてやったぞ」

下僕1「わざわざ、ありがとうございます」

ミルトン「気にすんなって」

勇者「綺麗な女性……」

魔王「友達……」

下僕1「よかったですね、二人とも」

ミルトン「おい! 女剣士! 挨拶くらいしとけ! 仲間になる人たちかもしれねぇんだぞ」

女剣士「分かったでごわす! うっす! オイラが——」

勇者、魔王「「アウト! チェンジ!」」

ミルトン「なんでだ、友だちになれそうで、綺麗な女性だろう?」

勇者「わかった。一万歩譲って友達になれそうは認めてやる。だがしかし、言っちゃ悪いがこいつのどこが『綺麗な女性』に該当するんだ? それどころかまるでモンスターじゃないか! まずなんなんだよ『ごわす』って! そして何なんだよその体型! マツコ・デラ○クスか? マツコ・デラ○クス目指してんだろ!」

ミルトン「なんでいきなり喋り方が流暢になるんだ、よく見てみろ可愛いじゃないか」

勇者「お前の目腐ってんな!」

魔王「勇者、一回落ち着け」

下僕1「そうです落ち着きましょう」

勇者「ふぅ、よしちょっと落ち着いたぞ」

女剣士「それはよかったでごわす」

勇者「お前まだいたのかよ! 帰れよ!」

魔王「こんな友達……求めてない……」

ミルトン「可愛いやつなのになぁ、仕方ない、チェンジだ」

下僕1「すいません、要望が多くて……」

ミルトン「大丈夫。次は本当に可愛いから、出てきていいぞー!」

勇者「もう期待はしない」

魔王「俺もだ」

魔法使い「こんにちは、魔法使いです」

下僕1「まともだった」

勇者「かわえええええ!」

魔王「待て、早まるな勇者よ。さっきの『女剣士』がインパクトありすぎてまともに見えるだけかもしれん」

勇者「それもそうだな、少し様子を見ようか」

魔法使い「あれ? 皆さん私をお気に召さなかった感じですか? 泣いちゃいますぅ〜」

勇者「いや、決してそんなんではないんだけどね、なぁ魔王」

魔王「俺に振るなよ! なぁ下僕1」

下僕1「なんで私なんですか! ねぇミルトンさん」

ミルトン「俺を巻き込むなよ」

魔法使い「じゃあなんなんですかぁ〜」


勇者(なぁ、魔王。こいつどう思うよ)
魔王(カワイイっちゃカワイイよな)
勇者(そうじゃなくて! 内面だよ内面)
魔王(まだわかんねぇな)
勇者(そうか? 俺には悪のオーラが見えるんだけど)
魔王(でも、今はまだ大丈夫じゃん)
勇者(仲間にするか?)
魔王(取り合いずそれでいいんじゃね?)
勇者(そうだな)

本当に何も考えなしで即興で考えてるから途中で矛盾してることが出てくるかもしれないけど、そこは優しく見守ってください。


魔王「よし魔法使い! 俺達の友達になれ!」

勇者「なんでお前がリーダーなんだよ! 勇者は俺だぞ!」

魔王「気にするなよ、勇者のくせに、で、魔法使いよどうする?」

魔法使い「勿論ですっ!」

魔王「決まりだな」

下僕1「ですね」

勇者「なんだか少し腑に落ちないが、まぁ今の所はそれでいいだろう」

ミルトン「決めたか?」

下僕1「はい! 魔法使いさんで決めました」

ミルトン「そうか、気の合う仲間が見つかってよかったな」

下僕1「はい」

ミルトン(こっちも大助かりだ、問題児を連れて行ってくれて)

魔王「じゃあ、取り合いずは魔王城で今後何するか作戦会議だな!」

勇者、魔法使い「「おーー」」

下僕1(よかったぁー。俺の家とか言い出さなくて……)

——魔王城——

魔法使い「うわぁ〜、ここが魔王城ですか〜。なんだか魔王っていうより王子って感じですね」

魔王「そうか?」

勇者「おーい魔王さーん。顔がにやけてますよー」

魔王「うっさい!」

勇者「へいへい」

魔法使い「入ってもいいですか?」

魔王「全然構わないよー」

下僕1「魔王……魔法使いに優しすぎます。私との態度と全く違います……」

勇者「嫉妬してんのか?」

下僕1「そんなんじゃないです!」

勇者「いいなぁー魔王ばっかり」

魔王「ほっとけ」

勇者「と、言いつつもニヤける魔王であった」

——魔王室——

魔王「まぁ適当に座ってくれ」

魔法使い「じゃあ魔王さんの膝の上〜」

勇者「魔王殺す」

魔王「えええ!? 勇者が本来の目的思い出したぁぁ!」

下僕1「魔法使い殺す」

魔王「おい、二人共。殺気が滲み出てるぞ〜」

勇者、魔法使い「「大丈夫(です)!殺すのは魔王(魔法使い)だけだから!」

魔王「それじゃあ結局どっちも死んでるよね……」

魔法使い「まぁそんな冗談は置いといてさ、これからどうするの?」

魔王「冒険!」

勇者「俺も冒険がいいな!」

下僕1「私は皆さんに合わせますので……」

魔法使い「じゃあどこに冒険に行く?」

勇者「なんで魔法使いが仕切ってんの?」

魔法使い「……ダメなの?」

勇者「いえいえ滅相もない! いいです! どんどん仕切ってください!」

魔王「……お前は本当に勇者なのか?」

下僕1「行くところがないなら地獄の鉱山行ってみません?」

勇者「下僕1本当地獄の鉱山好きな」

魔王「昔俺と遊びに行って楽しかったんだよな」

勇者「そこで魔王に惚れた、と」

下僕1「一生喋れないようにしてもいいですけど」

勇者「黙ります」

魔法使い「じゃあ行き先は地獄の……なんだっけ」

下僕1「鉱山です」

魔法使い「そうそうそこ! そこに決定ね」

勇者、魔王「「おーーー!」」

下僕1「久しぶり……楽しみ」

一方そのころ。

村長「いや〜、もう3時間経ってるよな?」

石ころ「…………」

村長「だよな〜。もう3時間とかとっくに超えてるよな〜」

石ころ「…………」

村長「死んだかな?」

石ころ「…………」

村長「地獄の鉱山まで助けに行くか」

石ころ「…………」

村長「よし! 行こう!」


——こうして村長はそのへんの石と共に『勇者奪還作戦』を決行するのだった……。

もう少し書こうかな。見てくれてる人もいるわけだし。


——地獄の鉱山——

勇者「疲れたよ。いつまで歩くんだよ……」

魔法使い「私も疲れた〜」

勇者「魔法使いは回復呪文使ってるからまだいいだろ!」

魔王「お前らこんなところでもう疲れたのか? まだまだてっぺんまであるぞ」

下僕1「そうです。まだまだですよ♪」

勇者「俺には音符の意味が理解できない」

魔法使い「ほんとそれだわ。あ、MP切れた」

魔王「ざまぁ」

魔法使い「なんだよ『ざまぁ』って!」

勇者「男のような魔法使いちゃんもかわゆす」

下僕1「勇者さんが頭いかれました」

魔王「大丈夫だぞ。元からだからな〜」

下僕1「そうですね」

勇者「なんで昔から俺のこと知ってる風なんだよ! 知り合ったの最近だろ!?」

魔王「へ? 知らねぇの? 俺お前のことずっと監視してたよ?」

勇者「ここでさらっとストーカー宣言です!」

下僕1「魔王は勇者の監視は義務なのです」

勇者「そうなの?」

魔法使い「なんか面倒だね」

勇者「じゃあ俺のあんなことやこんなことも……」

魔王「誓おう。それは見ていない、見たくもない」

勇者「だよね〜」

魔法使い「私は興味あるかも!」

勇者、魔王、下僕1「「「え?」」」

魔法使い「うそうそ。冗談だってば」

勇者「冗談かよ」

魔王「あ、もうそろそろてっぺんじゃないか?」

勇者「本当か!? もう俺どこでもいいから休みたいぜ!」

下僕1「なんですかそのHPの低さ。それでも勇者ですか」

勇者「一応は勇者っすね」

魔法使い「一応……なんだ」

勇者「正味俺勇者なんてなりたくなかったからね」

魔王「そんな感じだな、最初からやる気なかったし」

下僕1「ですね」

——時は少し遡る、村長が地獄の鉱山へ向かう少し前——

村長「勇者居なくなって暇だな、つかもう3時間経ってるぞ」

石ころ「…………」

村長「そのせいで儂の話し相手は石ころしかおらん」

石ころ「…………」



魔物A『魔王様の命令だぁ! 全て焼き尽くせぇ!』
魔物B『了解しましたぁ! ひっさびさに暴れ回れるぜ!』
魔物C『そうだな、10年前魔王が変わってからというもの
   全く侵略していなかったからな。疼くぜ』
魔物A『魔王様もやっと本来のやるべきことを思い出したって事だぁ!』
魔物C『そうかね』


村長「なにやら隣の村がやけに騒がしいの、見にいくとするか」

石ころ「…………」

——もう少し過去編にお付き合いを——

村長「……これは……」

魔物A『おい! こっちにまだ生き残ってる人間を見つけたぞ!』
魔物B『殺るか?』
魔物A『いや、「あと二日三日で寿命で死にます。」みたいな顔してるから大丈夫だろ』
魔物B『それもそうだな』
魔物C『よし、任務達成だな。魔王様に報告だ』
魔物A、B『了解、全ては魔王様のために』


キュィィィン。←魔物が消えた時の効果音。


村長「村が、焼き尽くされてるではないか……」

村長「おい! 一体ここで何があったんじゃ!」

村人A「…………」

村長「返事がない、ただの屍のようだ」

死人(村人Aだったもの)「…………」

村長「こんなことが起こるのも……、全て魔王が存在するから……」

——地獄の鉱山、石ころ組——

村長「勇者よすまない、魔王城なんていう危険なところに送り出してしまって」

石ころ「」

村長「なんで儂はあんな事をしてしまったのだろうか」

石ころ「」

村長「例え勇者が魔王にやられていたとしても仇は取る」

石ころ「」

村長「最近儂ひとりごと多くない?」

石ころ「」

村長「そして今思ったんだけど儂一人で行っても勝ち目ないよね?」

石ころ「」

村長「そうだよ! とっとと下山してミルトンの酒場いこ!」

石ころ「」

——地獄の鉱山、勇者御一行——

勇者「やっとついた……」

魔法使い「長い道のりだった……」

魔王「もうついたか」

下僕1「早かったですね」

勇者「なにこの価値観の違い」

下僕1「運動不足ですね、これくらいで疲れるとは」

魔王「そーだそーだ」

下僕1「そういう魔王も家ではpc漬けですけど」

勇者、魔法使い「じゃあなんで軽く登れてんだ!」

魔王「だって魔王だもん」

勇者「魔王の……特権」

魔王「勇者だって何かあるだろ」

勇者「ないわ! なんなんだよ『誰にでもあるっしょ』みたいな勝ち誇った目は!」

魔王「そんなつもりないんだけど」

勇者「それにしても、ここからの眺めは最高だな。
   何故か自分が神になって下界の糞人間共を見下してる気分に浸れる」

魔王「綺麗だなー」

下僕1「勇者と魔王の言葉とは思えません、逆です。このセリフじゃあ勇者が魔王です」

勇者「ややこしいな」

魔法使い「…………」

魔王「魔法使い?」

魔法使い「…………」

魔王「おーい、どうしたー?」

魔法使い「うわぁっ! びっくりしたぁー。脅かさないでよ」

魔王「別にそんなつもりじゃなかったんだが」

勇者「で、魔法使いは何してたんだ?」

魔法使い「べっ別に何もしてないわよ!」

勇者「ふーん、そうかい」



下僕1(……なにか隠してますね、魔法使いさん……)

勇者「ここに来て何がしたかったんだ? 下僕1」

魔王「そうだな、気になるな」

下僕1「思い出したかったんです」

勇者「何を?」

下僕1「いっ、今のは忘れてください!」

勇者「魔王との思い出か……」

下僕1「うぅ。恥ずかしいです」

魔王「なんか俺まで恥ずかしくなってきたぞ」

勇者「お似合いだね〜」

下僕1「恥ずかしいですからやめてください!」

勇者「わーたよ」

下僕1「次やったら殺しますからね!」

勇者「なんでそこまで話が飛躍すんだよ、なんで俺命の危機に晒されてんだよ」


魔法使い「思い出……」


魔王「どうした? 魔法使い、ひとりごとなんか言って」

——魔法使い幼少期——

魔法使い母「お母さん、仕事できなくなっちゃったの……、ごめんね」

魔法使い「??」

まだ幼い私には言葉の意味が理解できなかった。

魔法使い「いいよー!」

魔法使い母「早くにお父さんも亡くなって、それだけでも悲しいのに……
      また私は……」

魔法使い「?」

魔法使い母「ごめんね……」


——その日の夜、母親は失踪する——

今になって思う、あの時の『ごめんね』には『また一人にさせてごめん』という意味が込められていたのだと。

そして私はどこかの酒場に引き取られた。

私は変わった。

魔法使い「金さえあれば……」

そう、金さえあったら……。

魔法使い「いいや、なんでもないよ」

勇者「そうか? 顔色悪いけど」

魔王「そうだな、下僕1には悪いけど少し休憩して下山するか」

下僕1「いえいえ大丈夫ですよ。それよりも魔法使いさんのことを心配してあげてください」

勇者「……あの下僕1が人に優しい……雪が降る」

下僕1「勇者さんときどき失礼ですね! それに『あの』ってなんですか!」

勇者「今のように罵声を浴びせる。それが本来の下僕1である」

下僕1「いまのはつっこみです!」

勇者「どうやら下僕1は芸人を目指しているようだ」

下僕1「目指してません!」

魔王「もうおまえらコンビ組めよ」

——魔王城——

勇者「登るのは本当死ぬかと思ったけど、降りるのはそうでもなかったな」

魔王「そうだな。まぁ俺はしんどくなかったが」

魔法使い「私はどっちもしんどかったわ」

下僕1「私も少し疲れました」


魔物A『やっと本来の目的を思い出してくれたんですね魔王様!』
魔物B『命令通りシレファイ村を潰してきました!』
魔物C『魔王様は今お帰りになったばかりでお疲れになっているんだ、あとにしろ』
魔物A『そうですね魔王様』
魔物B『申し訳ございません』

キュィィィィン


魔王「…………」

勇者「……嘘だろ……?」

駄目だ眼鏡なくしたから画面が見づらい……。


勇者「シレファイ村って俺の村の隣じゃねぇか……
   どうなってんだ? 魔王……お前……」

魔王「……やってないよ」

魔法使い「…………」

勇者「なんでなんだよ……魔王!」

魔王「やってない!」

勇者「嘘つくなよ! 現にやられてるじゃねぇか!」

魔王「……俺じゃない」

勇者「お前なんだろ!?」

下僕1「勇者さん! やめてください!」

勇者「…………」

下僕1「やめてください……」

——ミルトンの酒場。石ころ組——

村長「魔王倒したいんじゃ!」

ミルトン(なんだこいつ……。めんどくせぇ)

村長「聞いとるか!?」

ミルトン(面倒だ。あいつ渡しておくか)
ミルトン「わかった少しまってろ」

村長「ありがたや!」


 数分後


ミルトン「ほらよ」

村長「お? どんな人だ?」

女剣士「おっす。女剣士でごわす!」

村長「気持ち悪っ!」

女剣士「すまないでごわす!」

村長「本当に強いのか?」

ミルトン「この外見で弱かったら引きますよね?」

村長(強いのは強いのか。仕方ない背に腹は変えられん、いや、意味知らないけど)

村長「そうだな。女剣士でいい」

ミルトン「そうか、持っていけ」

村長「ありがたや」

女剣士「よろしくでごわす」

村長「よろしく!」(うっわ手ベタベタ)

勇者「見損なった、悪いがもうお前と前みたいに仲良く出来そうにない」

魔王「……そうか」

魔法使い「…………」

下僕1「おかしいです! こんなの……」

魔王「仕方ないよ。勇者がそういうんだから」

下僕1「でも……」

勇者「これでお前ともお別れだ。じゃあな」

魔王「やはり魔王と勇者は相容れない物だったという事か」

勇者「はぁ? 何言ってんだ? こんなことさえ無ければ仲良くできそうだったのに、それをお前が」

魔王「…………」

勇者「……でも……」

魔王「?」

勇者「なんでもねぇ。じゃあな」ダッ

下僕1「本当にあれでよかったんですか?」

魔王「あぁ。仕方ないさ」

魔法使い「……勇者」

魔王「はぁー。また一人でネット漬けの毎日か」

下僕1「それはやめましょうね?」

魔王「…………」

下僕1「…………」

魔法使い「…………」

魔王「やっぱ勇者いねぇと面白さ半減だな」

下僕1「ですね」

——勇者。最初の村——

勇者「なんなんだよ一体よぉ!」

勇者「…………」

勇者「くっそ……あの馬鹿なんで……」

勇者「やっぱり魔王なのか、心の奥に隠れた悪は隠し通せないのか」

勇者「ここにいても現状は変わらない。隣の村へ行ってみるか」

——シレファイ村——

勇者「見事に何もないな」

死体「」

勇者「武器屋のおっさんじゃねぇか」

死体「」

勇者「きれいに死んでるな……」

勇者「せめてお墓だけでも作ってあげよう」

勇者「……。これから、どうするか……」

勇者「何もするアテがねぇよ。そこらへんぶらぶらするか」

——???——

勇者「ここ、どこ?」

スライム「勇者?」

勇者「うわぁ! なんなんだよお前!」

スライム「やっぱ勇者だ!」

勇者「なんだよ!」

スライム「まおー様からの手紙預かってるよ!」

勇者「魔王? 一応見せろ」

スライム「わかった」

手紙「真に心が清いものよ。その心にあ
   る魔を取り除け。さすればそちに王の証で   
   ある王座を与えたもう。」

スライム「きちんと伝えたよ!」

勇者「おう。ありがとう」

——魔王城——

魔王「さて。そろそろ勇者に手紙が届く頃か?」

下僕1「そうですね」

魔法使い「勇者帰ってくるかな?」

魔王「多分な」

下僕1「さすがにあの鈍感で頭が悪い勇者さんでも
    これくらいは気づくでしょう」

魔王「俺にはわからなかったけどな」

下僕1「馬鹿ですね、物凄く」

魔法使い「一応聞くけど立場が上なのは魔王だよね?」

下僕1「そうですけど?」

魔法使い「……魔王かわいそうだね」

魔王「そうだろう?」

下僕1「??」

今日はここらへんで寝る。
というか話が複雑になっている気もするけど
最後まで読んでくれたらきっと分かる。多分。そうだといいよね。

あと乙や感想、すごく励みになってます! ありがとうございます!

乙乙!
頑張れ
最近インフルエンザ流行ってるから気を付けろよ

>>65ありがとう。気をつける


——勇者——

勇者「あぁ、やっと戻ってこれた。一時は本当遭難するかと思った」

勇者「……そうだ。魔王から手紙もらってたんだ」

手紙「真に心が清いものよ。その心にあ
   る魔を取り除け。さすればそちに王の証で   
   ある王座を与えたもう。」

勇者「暗号なんだよな……多分。そうじゃないとこんな意味のない手紙を送るはずないよな」

勇者「……でも、いまさら、な」

勇者「まぁ解読するのが先か」


数分後。


勇者「わからん」


数時間後。


勇者「……?」


さらに数時間後。


勇者「やっとわかった」

手紙「【真】に心が清いものよ。その心にあ
   る【魔】を取り除け。さすればそちに王の証で   
   ある【王】座を与えたもう。」



勇者「真魔王。か」

勇者「それはわかったんだけど、いまいち意味分かった気がしないな」

勇者「一回聞きに来いってことか?」

勇者「…………」




魔王【……じゃあさ、魔王討伐なんて怖い事は止めて俺のとこで働かない? 衣食住全部あげるからさ】




勇者「……これで言い訳を聞かせるようならぶん殴るからな、魔王」

——魔王城——

勇者「この城を見るのも久しぶりだな」

下僕1「勇者さん。帰ってきてくれたんですね」

魔法使い「よかったぁー」

勇者「久し、ぶり」

魔王「久しぶ、り」

勇者(前までは普通に話せてたのに)

魔王(今はなんだか初対面みたいだ)

勇者「で、なんだよ? 真魔王って?」

下僕1「ここでは誰かに聞かれる可能性があります。中へ」

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