不良女「テメェのタマ蹴り潰してやらァ!」不良「来いやァ!」(99)

<校舎裏>

ゴッ! ガスッ!

ザコA「ぐぎゃあっ!」ドサッ

ザコB「ぐええっ……!」ドサッ

不良女「フン、バカどもが」

不良女「アタイを女だってナメてっからそうなるんだよ!」

不良「おいおい、テメェらだらしねーな。なにやってんだ?」

ザコA「あ、兄貴! すんませんっす!」

ザコB「この女が兄貴のことバカにしたから」

ザコB「校舎裏に連れ込んでボコろうとしたら逆にやられちまいました!」

不良女「やっと現れたかよ、大将が」

不良「あぁ? なんだテメェは?」

不良女「アタイはこの学校最強の女さ!」

不良女「いっとくが、男にだって何度も勝ってきた!」

不良女「今日ここでテメェをぶっ倒して、真の最強になってやるのさ!」

不良「ふぅ~……」

不良「ワリィがよ、俺は女を殴るシュミはねーんだ」

不良「こいつらボコったことは忘れてやっから、とっとと消えな」

ザコA「兄貴、甘すぎるっすよ!」

ザコB「そうですぜ! 俺らのカタキなんざ別に討たなくてもいいけど」

ザコB「このアマ、兄貴のことを腰抜けだのなんだのと……」

不良「言いたい奴には言わせとけ」

不良「心に芯がありゃ、何言われたってビクともしねェさ」

不良「テメェに自信がありゃ、何言われてもドンと構えてりゃいいんだよ」

ザコA「さっすが兄貴!」

ザコB「かっちょいい!」ポッ…

不良女「待てや、テメェ!」

不良「あ?」

不良女「この腰抜けヤロウが……」

不良女「アタイみたいな女に、言われっぱなしで悔しくねェのかい!」

不良女「逃げんのか!」

不良女「勝負しろや、コラァ!」

不良女「タマナシか、テメェは!?」

不良「めんどくせー女だな……」

不良「いいぜ、勝負してやらぁ」

不良「本当に俺がタマナシかどうか、テメェの足で確認してみな」

不良女「どういう意味だ!」

不良「こういうこった」スッ

ザコA「あ、あれは!」

ザコB「兄貴流ガニマタ!」

不良「ほら、股間ががら空きだ。好きなだけ蹴ってこいや」

不良女「なっ……」

不良女「ふざけんじゃねェ!」

不良女「どうせなんか仕込んであんだろうが! 鉄ブリーフとかよ!」

不良「なんも仕込んじゃいねーよ」

不良「それともなんだ、俺が勝負を受けてやるっていってんのに」

不良「テメェこそ、逃げんのか?」ゴゴゴ…

不良女「うっ……」ビクッ

不良女「マ、マジでタマナシになっても後悔すんじゃねーぞ!」

不良女「テメェのタマ蹴り潰してやらァ!」

不良「来いやァ!」

不良女「オッ……ラァッ!」ブンッ

ズドンッ!

ザコA「モロに!」キュンッ

ザコB「入った!」キュンッ

不良女(へっ……タマはあったがよ。もう立てねェだろ)

不良「ふん……」

不良「全然きかねえなぁ? この程度かよ?」

不良女「ンだとォ……!」

不良女「好きなだけっつったのはテメェだかんな……」

不良女「もう一発いくぜェ!」

不良「来いやァ!」

不良女「ウラァッ!」

ドゴンッ!

ザコA「はうっ!」キュンッ

ザコB「クリーンヒット!」キュンッ

不良「ハァ~……。もっと気合入れて蹴れや」

不良「こんなんじゃ浴槽にタマぶつけた時のが千倍痛かったぜ?」

不良女(コイツのタマ、どうなってやがんだ)

不良女(アタイ必殺の蹴りが……効かないなんて……)

不良女「だったらもう一発だァ!」

不良「来いやァ!」

不良女「ダラァッ!」

ズンッ!

不良女「オラァッ!」

ゴンッ!

不良女「デヤァッ!」

ズドッ!

不良女「もいっちょォッ!」

ドズンッ!

不良女「ウリャアッ!」

ゴスンッ!

不良女「ハァ……ハァ……」

不良「でよぉ~、盗んだバイクで走り出しちまったぜ」

ザコA「マジっすか?」

ザコB「ちゃんと返しましたかい、兄貴?」

不良「実は盗んだんじゃなく、買ったんだけどな!」

ワハハハハ……

不良女(アタイもう何発蹴ったんだっけ……足がいてェ……)ズキズキ…

不良女(しかもコイツ、効いてないどころか)

不良女(とうとうアタイを無視して手下どもと雑談してやがる……!)

不良「ん?」

不良「なんだテメェ、まだ蹴ってたのか」ギロッ

不良女「ひっ!」ビクッ

不良「ビビってんじゃねーよ、テメェで売った喧嘩だろーが」

不良女「あ、あ……」ガタガタ…

不良「どうする、まだやんのか? やめんのか?」

不良女「あ、あ……あ……」ガタガタ…

不良「ハッキリ答えろやッ!」

不良女「はぁうっ!」ガクンッ

不良女(怖い怖い怖い怖い怖い!)ガタガタ…

ザコA「このアマ、兄貴の迫力に腰抜かしちまったっす!」

ザコB「兄貴、トドメ刺しちまいましょうぜ!」

不良「その必要はねェよ。コイツの負けだ」

不良「オイ……返事がないなら、もういくぜ」

不良「んじゃあな」ザッ

ザコA「あ、兄貴~!」スタタッ

ザコB「待って下さいよう!」スタタッ

不良女「ま、待てやァ!」

不良「ん?」

不良女「テメェのタマ……いつか必ず蹴り潰してやっからな!」

不良「いつでも来いや」ニッ

不良「よ~し、帰りにサイゼリアでも寄ってくか!」

ザコA「またミラノ風ドリアっすか、兄貴~!」

ザコB「兄貴はあれ大好きですからね~~!」

不良女「……ち、ちくしょう」グスッ

<空手道場>

師範「ほう、我が道場で空手を習いたいと」

師範「習いたい理由は?」

不良女「アタイは、ある男のキンタマを蹴り潰してェんだ!」

不良女「だから空手を習わせてくれ!」

師範「ふむ、正直でよろしい」

師範「よかろう、入門を認めよう!」

不良女「ありがとよっ!」

師範「蹴りは……こうっ!」シュバッ

不良女「こう、か?」シュバッ

師範「ふむ、スジがいい」

師範「さすがケンカ慣れしているだけのことはあるな」

不良女「ふん、褒めてもなんも出ねーぞ」

師範「君ならば、きっとよい空手家になれるよ」

不良女「アタイはタマさえ潰せればそれでいいんだよ」

師範「さあ、ミットに蹴り込んでくるのだ」

不良女「おうよっ!」

ドズッ!

ドズンッ!

ドゴンッ!

師範「いい蹴りだ」

不良女「そうかい?」

不良女(前とは全然ちげェ……この調子でいきゃ必ずアイツのタマを潰せる!)

師範「蹴りたまえ」

不良女「セイヤァッ!」

バキィッ!

師範「おみごと」

師範「たった数週間で、木製バットを軽々とへし折ってしまうとは」

不良女(イケる……イケるぜ!)

不良女(もうすぐアイツのタマァ、アイツのバットもろとも蹴り潰してやらァ!)

一ヶ月後──

師範「君は強くなった」

師範「もはや女子の中ではトップレベル、男子に混ざっても十分通用するレベルだ」

不良女「ありがとよ」

不良女「あ、そういや月謝持ってきたんだ。払ってくよ」

師範「いやぁ、そんなものはいらんよ」

不良女「え? なんでだよ?」

師範「その代わり──」

師範「君の体で払ってもらう」

不良女「体でってイミわかんねーよ。なんだよそれ」

師範「ようするにだ」

師範「ヤラせろって意味だよ」

ガバッ!

不良女「うわっ!」ドサッ

不良女「な、何しやがる!」

師範「君は言葉遣いも素行も悪いが、顔とスタイルは申し分ナシだ」

師範「ずっとそそられていたんだが、もう我慢できなくなった」

不良女「ざっけんじゃねえ! オラァッ!」

バシッ!

師範「無駄無駄、こんな密着状態じゃ打撃なんてほとんど効果はないよ」

師範「それに一ヶ月の間で、君のクセは知り尽くした」

師範「君は絶対私に勝てないよ」ガシッ

師範「ふむ」ビリビリッ

師範「張りとツヤのあるいい胸だ。たまらん」

不良女「や、やだ……」

不良女「や、やめてくれよォ……やめてよ……お願い……」

師範「無駄無駄、今日は稽古がないから誰も来んよ」ビリッ

不良女「いや……やだよ……」

不良女(助けて……助けて……誰か──)

不良女(不良!)

バンッ!

不良「なにやってんだ、ゴラァァァッ!」

師範「だれだ君は?」

不良女「え、どうしてここに……!」

不良「実は俺、一ヶ月前のあの時、テメェに一目惚れしちまってよ……」

不良女「え」

不良「それはいいとしてオメェ、なかなか再戦しに来ないから」

不良「じゃあこっちから探してみるかって町内を探してたら……」

不良「空手道場に入るとこ見かけたからよ……」

不良「のぞいてみたら、なんかとんでもねェことになってんじゃねーか!」

不良「さっさと女からはなれろや!」

師範「ジャマするのなら病院送りになってもらう」

不良「来いやァ!」

ドゴッ! バキッ! ドズッ! ドゴッ! ガンッ!

師範「ぐ……」

師範(素人のくせになんという強さ。これが才能というやつか)

師範(だが、まだ私の方が強い)

ドゴォッ!

不良「うごぉ……っ!」

師範「君が空手をやっていたら、もしかしたら今頃学生チャンピオンになれたかもな」

師範「ただし、残念ながら君は空手をやっていなかった。歴史にもしもはない」

師範「トドメだ、死ねいっ!」

ズドッ!

師範「おうふぅっ……!?」

師範「キサマ、後ろから私のタマに蹴りを! ──あだだっ!」ピョンピョン

不良女「ざまーみやがれ! テメェに教わった蹴りだ!」

不良女「今だ、トドメは頼んだぞ!」

不良「助かったぜ……!」

不良「このクサレ外道がァッ!」

ガツンッ!

師範「ぐおあぁっ!」ドサッ

不良「……だいじょーぶか」

不良女「ああ、服破られただけで怪我はしてねーよ」

不良「さっさとちゃんとした服に着替えてこいや」

不良女「なに赤くなってやがんだ、バカ」

不良「ちっ……」

不良「そういや、テメェがこの道場に通ってたの、多分俺のタマ蹴るためだろ?」

不良「なんなら今やってみろよ」

不良「今のテメェなら潰せるかもしれないぜ?」

不良女「いや……やめとく」

不良「あ? どうしてだ? せっかく習った空手が無駄になっちまうぜ?」

不良女「だってよ……」

不良女「アタイがテメェのタマ潰しちまったらよ……」

不良女「だれがアタイにガキ産ませるってんだよ……」

不良「オイオイ……なんだそりゃ告白のつもりかよ」

不良「愛してるぜ……」ギュッ…

不良女「ア、アタイだって……」ギュッ…





HAPPY END

よい週末を!

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