涼宮ハルヒのSS総合スレ (363)

涼宮ハルヒシリーズのSS総合スレです。
短編長編SSなんでも来い!振るって書き込んでください
また、SS投下の他にハルヒSSについての雑談、質問等に用いていただいても結構です

――――【当スレのルール】――――
・SS投下の際は全て書き溜めてから投下してください。
 また、投下に費やす時間が少なくなるようご協力願います

・他の人が投下している際はSS投下及び雑談、質問は控えましょう
 また前のSSが終わった後のSS投下は、30分程度間隔を開けて投下しましょう

・見ている人が不快になる可能性のある描写(エロ・グロ・鬱展開等)のあるときは
 注意書きをお願いいたします

・安価作品は控えましょう

・新刊ネタバレは公式発売日の翌日より解禁と致します

・荒らしは全力でスルー。また、注意もなるべく柔らかい口調でお願いします

・認知度うpのためage推奨です

・ルールを守って楽しくSSを楽しみましょう
――――――――――――――――
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

立てました。

早速ですが投下開始したいと思います。

よろしくお願いします



自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

「あれー?キョンくーん、あたしのプリン知らなーい?」
「あ、あれお前のだったのか。すまん、食っちまった」
「えー!?酷いよぉキョンくん!!」

…はあ、やれやれだぜ

折角の日曜、不思議探索もなく機嫌も最高潮であり、調子に乗って冷蔵庫にあったモロザフのプリンを食して大いにくつろいでいた俺は、妹の悲痛な叫びにより都心の百貨店にあるモロザフの店までプリンを買いに走らされていた。……俺にはなにかがとりついているのかもしれん。みこみこ朝比奈さんに祓って貰おうかな。

 そんな軽口を頭の中で叩くのもしんどい……あー、不幸だ
「……次はー、三野宮ー、三野宮ー」
お、もう着いたのか……早いな。
 よっこらせっと……さあ、行くとしますか。……平和だなぁ
 しかし、俺は脳裏に浮かぶ(また何か起こるんじゃないか?)という不安を拭い去ることはできなかった……
~~~~~~~~~~
「えーと……食品街は分かりにくいな……モロザフはどこだ?」
 モロザフモロザフ……と。案内板によるとこっちらしいんだが……
「お、あった。……ん?」
「うーん……迷うのです……資金に限りはあるし……うーん」
……どっかで見たようなツインテールがはしたない真似をしているような
「んんっ……もうっ!こんなことなら組織にもと請求すればよかったのです。でも鶴屋家みたいなスポンサーもいなければ今回の事件で信用も失っちゃったし……はあ、不景気の波は恐ろしいのです」
……無視、無視。あのー、このプリンください
「ん?どこかで聞いたような……あー!!キョンさんなのです!!その節はどうも」
……ちっ
「こんなところでどうしたんですか?お家はもっと向こうの方じゃ……はっ!!やっぱりキョンさんも甘党で、わざわざモロザフのために上京してきたとか!!」
「アホか。これは妹のためだ。それにこの距離でしかも買い物のために来ることを上京とは言わん」
「んふふー、キョンさんも甘党なのですかー。いいですよねえ甘い食べ物って」
「聞けよ!!」
「キョンさんがシスコンまでは聞きました」
これ以上こいつと話していてもらちがあかんことを悟った俺は、困り顔の店員からプリンを受け取り、この場を去ろうとした。
「あ……、もう行っちゃうのですか?」
あん?
「その…できれば選んで欲しいのです!」
何をだよ
「あたしが持ってる資金はスイーツ一つ分……ささ、この二つのケーキで迷ってるのです。キョンさんが選んでくれた方をあたしはおいしくいただきます。それではどうぞ!!」
どうぞって…… 店員さんは「彼女さんですか?」的笑みを浮かべながらもその表情の裏からは「さっさとコイツ連れてけよコノヤロウ」とのオーラも出ている気がする。いやね、違うんですよ、店員さん。こいつは……あー、なんか弁解するのもめんどくせー
そして橘はというと、俺が片方のケーキを選ぼうとすると
「あー、やっぱり定番のレアチーズケーキにしますかー。でもこの林檎とはっさくの乗ってるのもいいと思ったんですけどねー」と言い、かといってもう片方を選ぶと
「やはり期間限定メニューですか。でも定番も捨てがたかったりするんですけどねー」と言う。どうしろって言うんだよ。
そしてなにより、コイツの目が「両方食べたいのです!!食べたいのです!!」と叫んでいるのが俺にも分かるのだからタチが悪い
あー、もう。こうなったら……
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~~~~~~~~~~~~
「でも……本当によかったのですか?」
「なんなら返してもらってもいいんだぞ?」
「う……でもでも……」
あの後、結局どちらかに決断することが出来なかった俺は、仕方が無いからと片方を選び、そしてもう片方を俺のポケットマネーで購入して橘に渡した。
なぜそんなことをしたかって?こいつがあまりにもしつこかったから……と、言いたいんだが、本当は違う。
こいつの目からは欲しいビームが出ていたのだが、その中に悪女特有の買って欲しいという邪な考えが一切浮かんでいないことを長門検定一級とともに妹検定準一級の経験をもとに読み取ったからである。……本当に食べたかったんだな、二つとも。
今、俺は適当なパラソルの下に机と椅子がおいてあるゾーン(名前がでてこんのだ)にて橘と一緒に座っていた。
「食わないのか?」
「むー、じゃあ、お言葉に甘えて……」
橘はそう言うなり、今まで抑えていた何かが爆発したのか、おいしい、おいしいとニコニコ笑いながらスイーツを食べ始めた。……妹みたいなやつだな
……ん?それぞれのケーキを半分くらいずつ食べ終えたところで、橘のフォークはぴたっと止まってしまった。まさか腹がいっぱいになったとかじゃないだろうな……
「ぐすっ……」
は?
……橘は泣いていた。
「どうしたんだ?腹でも痛いのか?」
「ち、違いますよぉ……ただ……えぐっ……ひっく」
あの橘が泣いている。
俺でもちびってしまいそうな森さんの不敵な笑みを正面から受けても笑っていた橘が、未来人や宇宙人のわけの分からない戦いに巻き込まれても、泣かなかったあの橘が、一般人代表の俺の目の前でお気に入りのおもちゃを取られた子どものように泣いているのだ。
「あたし……キョ……さんに…ひっく…いっぱ……迷惑……かけて……計画も、しっぱ……して、ひっく、組織のひとにも……怒ら、れて……それでも、優しくしてくれて……ひっく、もう、どうしていいのか……わからなっ……ぐすっ」
……やれやれだな、この少女には。
こいつは怖い目にあっても、辛い目にあっても、恐ろしいほど不可解で、ワケがわからなくて、でも自分の状況がまずいことはよく分かる場にいても涙をけして流さないのに。
人のことを想うためなら涙をこぼすことを厭わないのか。

……気がつくと、俺は橘を抱きしめていた
「ふぁ……キョン……さん?」
「橘……俺は今、お前に会えて本当に良かったと心から喜んだところだ。だからもういい……なにもしなくても、お前は俺にお礼以上のことをしてくれたんだよ」
「……むう」
我ながら歯の浮くような台詞だったと思う。
俺は心底十秒ほど前の自分を呪いつつ、橘へのホールドを解いて席へと座った。
橘は涙の溜まった目をぐしぐしとぬぐうと
「……なんだか上手くやり込められた気がするのです」
と言ってまたフォークを動かし始めた。そしてケーキを一口口に含むと、おいしい。と言って笑顔になった。
「……そうやって笑っていればいいんだよ」
「え?なにか言いましたか?」
おっと、口に出ていたようだ。
「別に、何も」
そう返すと橘は下を向き、
「キョンさんはずるいのです……」
「なにか言ったか?」
「なんでもありません!」
……やれやれだな。

橘が最後のケーキのかけらを口に入れて飲み込んだのを見て俺は、そろそろ帰るよ。とカバンを手に取り、顔を上げ――――
柑橘系の香りとはっさくの味が俺の口の中に流れ込んだ。
「な、ななな………」
顔が真っ赤になっていくのが自分でも分かった。
「これは……今回のお礼なのです。少し多い気もしますが、お釣りはとっといてください。それじゃあ!!」
橘は、俺と同じく顔を真っ赤にしてそれだけを告げると、俺にメモを渡して出口へと走っていった。
そのメモには、「今までのお礼はまだしてないのです。欲しければ、この連絡先に連絡下さい」という文字と、メールアドレスとおぼしき文字列と電話番号らしき数字が走り書きにしてはいやに丁寧な文字で書かれていた。そして端っこに小さく「まってるのです」との追伸とともに。
やれやれ、それにしても―――――

「こんなお礼なら、何回でも受け取りたくなっちまうじゃねえか……」

そう呟いた、とある日曜日のことだった。


おわり
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うわ、思った以上にめっちゃ短かったですね。すみません。

お後がよろしいようで。それではお願いします自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

なんか新着スレ欄に上ってないなあ……

テストで書き込ませてくださいね自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中



最近古長SSを全く見かけないからこのスレに期待してる
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うーん、混雑してるって言われて全然ダメだ……

>>7
古長ねえ、書いたこと無いですね。

人が集まって書いてくれる人がいればいいんですけど自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

便乗していいかな?

50レス弱だとダメ?自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「……」スタスタ

古泉「……」スタスタ

キョン「この組み合わせも珍しいっちゃ珍しいな」

古泉「ええ、久しぶりな気もしますね」

キョン「しかし暑いな今年の夏は」

古泉「ふふ、温暖化が深刻化しているようですね」

キョン「笑い事じゃねぇよ……もうお盆過ぎたんだぜ?」

古泉「台風が来てるらしいですが、まだまだ残暑が厳しいですね」

キョン「……もうこの際喫茶店で待機してないか?」

古泉「おやおや……涼宮さんにバレたら一大事ですよ?」

キョン「この暑さじゃ探す気になれんが」

古泉「……それもそうですね」

キョン「よし、行くか」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「ふう……生き返るな」

古泉「さすがに店内は涼しいですね」

キョン「まぁ夏だから仕方ないとして……だがしかし、なんとかならんのか」

古泉「こればっかりは天気の神様……天きィーに祈るしかないかと」

キョン「全く……なんか涼しくなるような話でもするか」

古泉「と、言いますと?」

キョン「それはやっぱり怖い話じゃないか?」

古泉「成る程。昔から夏は怪談と相場が決まってますしね」

キョン「でも昼間っからじゃちょっと気分でないな」

古泉「ふむ、確かに……」

キョン「うーむ……」ズズー

古泉「そうですね……」ズズー自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「そうだ。ホラーゲームの話はどうだ?」

古泉「ホラーゲーム、ですか?」

キョン「ああ。夏と言えば怖い話。怖い話と言えばホラーゲームだ」

古泉「……大変よろしいかと」

キョン「だろ?お前もゲームするのか?」

古泉「嗜む程度ですけどね」

キョン「でもいいさ。よし、ホラーゲームについて語ろうじゃないか」

古泉「ええ、そうしましょう」

キョン「長門もそれでいいか?」

長門「構わない」

古泉(……汗ひとつ流さず読書とは、流石ですね)自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「まず定番と言ったら……バイオだろうな」

古泉「王道ですね」

長門「確かに」

キョン「長門もホラーゲームするのか?」

長門「人は私を『ホラーゲーの鬼』と呼ぶ」

キョン「呼んだ奴を呼んで来い」

長門「……朝倉涼子」

キョン「長門、見栄を張るのはよしなさい」

長門「……すまない」

古泉「バイオハザードはどの作品が好きですか?」

キョン「俺は2と3……かな」

長門「クレアフェチと見た」

キョン「バカを言うな。俺はジル派だ」

古泉「んっふ、僕はレベッカ派です」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「お前たちはどのシリーズが好きだ?」

古泉「ベロニカですかね」

キョン「ほう、ベロニカか」

古泉「長門さんは?」

長門「0」

キョン「0って……Wiiか?」

長門「勿論GC」

キョン「……意外だな」

長門「GCを甘く見ないでもらいたい」

キョン「いやそういうわけじゃないんだがな」

古泉「僕も0は好きですよ? 面白いですよね」

キョン「ん、確かになぁ……」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「最初は操作に戸惑いました」

キョン「確かになぁ……十字キーの逆方向だもんな」

長門「慣れない人は壁に向かって走ってしまう」

キョン「あるある」

古泉「最初は逃げるだけで一苦労でしたよ」

キョン「一番焦ったのはどこだ?」

古泉「僕は……壁パリーンですかね」

長門「ネメシス」

古泉「あなたは?」

キョン「インクリボンがなかった時」

古泉「ねーy……あるある」ウン

長門「あるあ……あるあるある」ウン

古泉「ホラーゲームに於いてセーブ回数が限られている、というのは珍しいです」

長門「コンティニューして思ったよりも前に戻された時の絶望感は異常」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「じゃあ一番嫌いな敵は?」

古泉「ハンターですかね」

長門「5のデュバリア」

キョン「わかる、デュバリアわかる」

古泉「硬い上に一撃でDYINGでしたっけ?」

長門「そう。しかも割りと早い」

キョン「チェーンソーも中々早いな」

古泉「ようやく倒したと思ったら、仰向けだった時の絶望感は異常ですね」

長門「それとガトリングマジニ」

キョン「あのベレー帽[ピザ]か。アレはムカついたな」

古泉「リーパーも厄介です」

長門「アレは初見殺し」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「オルタナティブエディションのLOST IN NIGHTMARESで、入り口を3回調べると旧式視点にできるんでしたよね」

長門「そう」

古泉「あの視点で敵を躱すのは中々骨が折れましたね」

キョン「でもバイオはなんかな……」

古泉「何か問題でも?」

キョン「いや、4と5がどうにもな……」

古泉「あー……確かに別ゲームっぽいですよね」

キョン「面白いし、アクションだと思えば楽しいんだけどな」

長門「ガンサバイバーは?」

キョン「図書館のハンターで挫折した」

古泉「ずいぶんと早い段階で……」

キョン「あれはダメだ。あれはダメだ」

長門「大事なことなので」ピンポーン

古泉「まぁ……あれも癖がありましたからね」

長門「ランチセット、ハンバーグ」

キョン「さり気なく注文するな」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「美味しいか?」

長門「美味しい」モグモグモグモグ

古泉「あと、定番と言ったらやっぱり……サイレントヒルでしょう」

キョン「あー、あれも中々怖白いな」

長門「怖白い?」モグモグモグ

古泉「怖くて面白い、ですよ」

キョン「口汚れてるぞ」フキフキ

長門「感謝する」モグモグ

キョン「さて、サイレントヒルは……苦労したな」

長門「あれは謎解きゲー」モグモグ

古泉「ですね」

キョン「最初大変だったな。ノートにメモ取って……」

古泉「んっふ、ある意味脳トレゲームと言っても過言ではないでしょうね」

長門「それはない」モグモグ

古泉「くそう」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「でもあの三角頭と出会った時の焦りと言えば……」

古泉「THE・初見殺しですよね」

長門「それに、サイレントヒルは基本的に視界が悪い」ケプッ

キョン「ご馳走様は?」

長門「……ご馳走様でした」

キョン「よし」ウン

古泉「サイレントヒルって地味に武器が熱いんですよね」

キョン「チェーンソーやら刀やら、か?」

古泉「レーザーなんてのもありましたね」

長門「何週もするとスタイリッシュアクションになる」

キョン「ま、でもそれも面白い要素なんだけどな」

長門「次世代機での続編に期待」

古泉「ええ、そうですね」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

長門「デメントは?」

キョン「デメントか……なーんか好きじゃないんだよな」

古泉「PS2にしては中々の画質だったと思いますが?」

長門「それに乳揺れが半端ではないちくしょう垂れろ」イラッ

キョン「落ち着けながもん」

長門「……すまない」

古泉「好きじゃない理由があるんですか?」

キョン「いや、あれならクロックタワーの方が好きだってだけだ」

古泉「ああ……成る程」

キョン「ヒューイは可愛いんだけどな」

古泉「優秀ですけど時たま融通利かないですよね」

長門「基本的に同行者がいるゲームの大半がそれに当てはまる」

キョン「確かに」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

長門「クロックタワーもホラーゲームの定番のひとつ」

古泉「昔夕方……6時か6時半頃にやっていたゲーム番組で取り上げられてましたね」

キョン「あー……なんか見たような気がする」

古泉「死体と共にシザーマンが上から降ってきたのには子供ながらに戦慄しましたね」

長門「オウムが厄介」

キョン「場所教えやがるんだよな、確か」

古泉「クロックタワーは当時最も恐怖したゲームでした」

キョン「……」

長門「?」

キョン「だが3、テメーはダメだ」

古泉「激しく同意ですね」ウン

長門「禿げ上がるほど同意」ウン自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「1、2はマジで怖かった」

古泉「シザーマンの恐怖感は尋常ではないですからね」

長門「ポインタ移動でイライラしたのは私だけじゃないはず」

キョン「そこじゃねぇよ! 行き過ぎだよ! 早く隠れろよ!」

長門「そう」

古泉「3については……バイオ4、5を超える別ゲーっぷりでしたね」

キョン「ボス戦のがっかり感がな……」

古泉「ファンタジーというか……個性的でしたしね」

キョン「シザーウーマンが出てきた時はちょっとイラッとしたな」

長門「それに、聖水の価値は序盤のみ」

古泉「後半は封印解除にしか使いませんでしたね、確かに」

キョン「ふむ……長門の聖水、か……」

長門「弾けて混ざれ」

キョン「正直すまんかった」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「というか、クロックタワーは基本的に隠れポイント無双ですからね」

キョン「明らかにバレてんのに素通りされてもちょっとなぁ……」

長門「シリーズで一番苦労したのは、ハンマー男のステージでペンチを取りに行くところ」

古泉「あの板渡り、ですか」

キョン「走っちゃ落ちるってわかっててもイライラするんだよな」

長門「そう、6回程コントローラーを投げた」

キョン「いやそこまで行ったら学習しろよ」

古泉「一番エグかったのは硫酸男ですかね」

長門「あれは心が痛んだ」

キョン「待て、時計の針で首チョンパも中々だぞ」

古泉「アレは如何せんグラフィックが……」

キョン「まあ確かに……一見、ただお豆がポロリしたみたいだったが」

長門「3の一番の見所はコスチュームの変更」

キョン「ミニスカサンタにしてカメラアングルに夢中になったのは俺だけじゃないはず」

古泉「ええ、あれはスペクタクルでした」

長門「俗物が」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「零はどうでしょうか?」

キョン「可愛い。あれは可愛い」

長門「ホラーゲーム屈指の美少女と言っても過言ではない」

キョン「そして何よりシステムが画期的だ」

古泉「心霊写真ですね?」

キョン「カメラで敵を倒すとか誰が考えただろうか」

長門「突発的に出てくる霊、音楽、独特の雰囲気……どれをとっても間違いなく上位」

古泉「和風ホラーって怖いですよね」

キョン「ああ。日本家屋の……あの、こう……ジメっとした感じがな」

長門「纏わりつくような怖さがあるのが特徴」

古泉「やはり日本が舞台というだけでかなりのアドバンテージがありますね、怖さ的に」

キョン「日本に生まれて良かった」

長門「私も」

キョン「お前宇宙人だろ」

長門「ちくしょう」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「あと……ホラーとは多少違うが、いいか?」

古泉「どうぞ」

キョン「悪魔城ドラキュラ」

古泉「ああ……あれも面白いですよね」

キョン「うむ。あのシリーズは全部ハマった」

長門「ダメ、認めない」

古泉「やはりホラーではないからダメだ、と?」

長門「違う。序盤でメデューサの盾を取ってしまったら後は無双だから」

キョン「ゲーマーだなオイ」

古泉「まぁあれは……運みたいなものですし……」

長門「あれでは面白みに欠ける。ダメ」

古泉「おやおや、手厳しいですね」ヤレヤレ

キョン「まぁ気持ちはわからんでもないがな」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

長門「毛色が違うのがいいのであれば」ハイ

キョン「はい長門」

長門「刻命館」

キョン「あー……」

古泉「刻命館?聞いた事ありませんね……面白いのですか?」

長門「クソゲー」

古泉「えっ」

キョン「シミュレーションなんだが……罠を設置して、進入してくる敵を捕獲又は殺害していくゲームだ」

古泉「ふむ、中々面白そうじゃないですか?」

長門「ダメ。致命的な要素がある」

キョン「自分も罠に嵌まるんだよ」

古泉「えっ」

長門「自分の仕掛けた電流クレーンで死んだ時の虚しさと言ったら……」

キョン「ガビガビいいながら吊り上げられてな……」

古泉(お二人の目が濁ってますね……)自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「ん、待て。最恐ホラーを忘れてた」

長門「最恐?」

キョン「SIREN」

古泉「あぁ……」

長門「……迂闊」

キョン「日本が舞台のホラーゲームの代表だろ」

長門「待ち要素は多々あるものの、あれは恐い」

キョン「だろ? びっくり系じゃなくてドキドキ系だよな」

古泉「メタルギアソリッドのホラーバージョン、ですね」

キョン「1はクソ難しかったな……」

長門「コントローラー3つは破壊した」

キョン「物は大切にしなさい」

長門「すまない」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「視界ジャックという斬新なシステムがいいですよね」

キョン「しかも武器には期待できないところがまたいい」

古泉「火掻き棒や拳銃、猟銃は強かったですけどね」

キョン「先生……志村……」

長門「しかし、あのゲームのメインは戦闘ではないので、懐中電灯が初期装備」

キョン「それすら持ってない奴もいたけどな」

古泉「というか、非戦闘員の時だけ鬼畜でしたね」

長門「家からの脱出や学校など?」

キョン「シビアだったな……家からの脱出が特に」

古泉「民家ステージは……落書きと料理が恐怖でした」

キョン「多分あのステージが一番ドキドキしてたな」

古泉「怖いけど悲しい印象を受けました」

長門「同意」

キョン「あとは2の犬の目を借りるとこな」

古泉「司でしたっけ? あれは鬼畜でしたね」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「SIRENのNTは1のリメイクですよね?」

長門「そう。しかし、1に比べると難易度がベリーイージー」

キョン「視界ジャックしたまま移動できるし、三つまで同時に視えるしな」

長門「加えてライトの光に判定なし。これは大きい」

古泉「2の自衛隊の小銃やら軽トラやらも大概でしたけどね」

キョン「やっぱりSIRENは1だな」

古泉「確かに……NTも画質は綺麗ですけど、外人で怖さ半減でした」

長門「夜中に電気を消してヘッドホンでやるのが通」

キョン「実際のちょっとした物音に驚くよな」

長門「その環境でのプレイ中、朝倉涼子がいきなり入って来た時は驚いた」

古泉「それは恐いですね……」

長門「我を忘れて情報連結を解除してしまった」

キョン「いやきっちり呪文唱えてるじゃねぇかそれ」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「というか、SIRENといえばCMですよね」

キョン「いやあれは恐いだろ」

長門「朝倉涼子といる時にそのCMが流れた事がある」

キョン「……それで?」

長門「恐怖のあまりお茶をぶっかけてしまった」

古泉「朝倉さんに何か怨みでもあるんですか……?」

キョン「しかし、プレイしていざあのシーンになった時は悲しくなったな」

古泉「風景が少し変わり『アレ?』って思い、屍人が襲ってこない時点で『ああ……』ってなりますよね」

キョン「でもSIRENでひとつだけ許せない事がある」

長門「それは?」

キョン「映画」

古泉「あー……」

長門「同意」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「主演が可愛い以外に見所ないぞ、あれ」

古泉「確かに……ある意味衝撃のラストでしたね」

長門「一番の貧乏くじは間違いなく田中直樹」ハイ

キョン「というかだな、あれはSIRENじゃないだろ」

古泉「設定というか……何か間違ってますよね」

長門「映画と言えば……サイレントヒルは?」

キョン「早く続き出せバカ、だな」

古泉「おや? あれで完結ではないのですか?」

キョン「いや、明らかに消化不良だろあの終わり方」

長門「確かに続いても違和感はない」

キョン「基本的にホラーゲームを映画化するとロクな事にならないぞ」

古泉「バイオハザードは……アクションですしね」

長門「関係ないが、彼岸島の映画を観た」

キョン「それで、感想は?」

長門「端折り過ぎ、鬼のCG違和感あり過ぎ」

古泉「今後に期待ですね」

キョン「だな」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「あ……忘れてました」

キョン「何をだ?」

古泉「かまいたちの夜、はどうでしょう?」

長門「面白いが、サウンドノベル系は微妙」

キョン「確かになぁ……怖さでいうと中々だが、やっぱり自分で動かしてこそホラーだろ」

長門「弟切草を皮切りに、かまいたち、呪いのゲーム……どれも微妙」

古泉「で、では青鬼は?」

長門「ニコ厨死ね」

キョン「『風雲たけし城www』とか言ってろよ」

長門「『ざわ……ざわ……』とか言ってればいい」

キョン「『※ 音 量 注 意 』とか言ってろよ」

長門「『※ 鳥 肌 注 意 』とか言ってればいい」

キョン「『全てのスマブラ族に……』とか言ってろよ」

長門「『今の曲聞いて鳥肌たった奴挙手!!』とか言ってればいい」

キョン「巣に帰れ」

長門「バルス」

古泉「」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「で、ではゆめにっきはどうでしょう!?」

キョン「アレは気持ちが悪い、単純に」

長門「というか目に悪い」

キョン「宇宙人が何を言うか」

古泉「ハウスはどうですか?」

長門「ドキドキはするものの、そこまでではない」

キョン「なんつーか……B級ホラー映画を観た時みたいな感覚になるよな」

古泉「フラッシュゲームで思い出しましたけど、パソコン弄りたての時は赤い部屋が恐怖でした」

キョン「ふむ、それから暫くポップアップが怖かったな」

長門「フラッシュ系は誰しもが通る道」

キョン「パソコンの授業で『おい、これ面白いから見てみろよ!』とかな」

古泉「や、やめてください!」

長門「『バンプのやつ泣けるよな』とか『小小作品面白ぇ』とか」

古泉「やめてください! 僕のライフはもうゼロです!!」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「……おっと、もういい時間だな」

古泉「そろそろ涼宮さん達が来ますね」

長門「お開き?」

キョン「そうだな……朝比奈さんはこの手の話苦手そうだし」

長門「確かに」

キョン「ま、この話はいつでもできるだろ」

古泉「そうですね」

長門「また集まってこの話をする」

キョン「そうだな、そうするか」

古泉「んっふ、それまでに色々とプレイしておかなければなりませんね」

キョン「お、ハルヒ達来たぞ」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

ハルヒ「あんた達早いのね」

キョン「暑いからな……先に休憩させてもらってたぜ」

ハルヒ「じゃあお昼食べたら午後のくじ引きしましょ」

古泉「かしこまりました」

ハルヒ「ところで何話してたの? 随分と楽しそうだったけど」

長門「ホラーゲームについて」

みくる「ホ、ホラーゲームですかぁ……」

ハルヒ「へー……あんた達もホラーゲームするんだ」

キョン「ハルヒもやるのか?」

ハルヒ「そこそこ、ね。夏になればやりたくなるってもんでしょ」ズズー

キョン「おい、それ俺のだぞ」

ハルヒ「いいじゃないの別に」ズズー

キョン「やれやれ……」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「涼宮さんはどんなのをプレイするんですか?」

ハルヒ「そうね……CALLINGとか呪怨とか好きだけど」

キョン「Wiiか」

長門「呪怨は恐い」

ハルヒ「懐中電灯の電池切れシステムが結構焦るのよ、あれ」

キョン「電池切れ=ゲームオーバーだっけか」

ハルヒ「そう、電池の探索も重要なポイントね」

古泉「ふむ、割りと斬新かもしれませんね」

ハルヒ「恐いんだけどね……短いのが欠点ね」

長門「確かに」

キョン「CALLINGもなぁ……怖白いっちゃあ怖白いんだが……」

ハルヒ「なによ、文句あるわけ?」

キョン「うーむ……全てにおいて中の中、だな」

長門「怖いことは怖い。だが、いまいちパンチが足りないのも事実」

ハルヒ「そう? 私は結構怖くて面白いと思ったけど」

みくる「はわわ……怖いのは苦手です……あぅ」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

長門「コワイシャシンというものを知っている?」

古泉「聞いたことありませんね……」

キョン「あー、確か曰くつきだったか」

長門「そう。本物の心霊写真を使ったらしく、自殺者なども出たという噂」

古泉「なんという……」

ハルヒ「アタシは……学校であった怖い話とか中々怖かった記憶があるわ」

キョン「うーん……怖いことには怖いがな」

ハルヒ「あとはナナシノゲエムとか?」

古泉「あー、わかります」

ハルヒ「ミシガンとか!」

長門「アレは微妙」

古泉「ミシガン?」

キョン「サスペンスホラーでな、テレビ局のクルーが主人公でスクープを撮っていくゲームだ」

ハルヒ「キョンはエロティックポイントばっかりだったんでしょ?」

キョン「何故それを」

古泉(エロティック……?)自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

ハルヒ「……よし、決めた!」

キョン「何を?」

ハルヒ「今日は皆でホラーゲームやりましょう!」ブンッ

みくる「こ、こ、こ、怖いゲームですかぁ!?」

古泉「名案ですね」

ハルヒ「でしょ? ちょうどいいのがあるのよねー」

キョン「ダメだ」

ハルヒ「む、なんでよ?」

キョン「朝比奈さんが怖がってるだろ」

みくる「こ、怖いのは苦手です……」

ハルヒ「なによ、いいじゃないの」

キョン「よさんかバカもの」

ハルヒ「むー」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「無理強いしても面白くないだろ」

長門「そう」

ハルヒ「ゆ、有希まで……ふん、わかったわよ!」

みくる「キョン君……長門さん……」

キョン「苦手な人に無理させるんじゃない。それに朝比奈さんのような人なら、襲ってくる系はまずむかん」

長門「精神的ダメージによって団活に支障が出る可能性がある為推奨できない。やるならサウンドノベルを薦める」

みくる「えっ」

ハルヒ「えっ」

キョン「だから、襲ってくる系だと焦ってそのまま終わる可能性があるからいかんと言ってるんだ」

長門「初心者と言う事を踏まえるならばかまいたち辺りが妥当かもしれない」

古泉「ああ、確かに……怖いことは怖いですけどね」

みくる「いやあの……え?」

キョン「嫌がる人を無理矢理やらせるんじゃない。ところでハルヒ」

ハルヒ「な、なに?」

キョン「何をプレイする?」ソワソワ

みくる「」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

みくる「」

ハルヒ「オ、オホン! やるのは私が決めるわ!」

古泉「ほう、既に候補があるのですか?」

ハルヒ「百物語よ!」

キョン「ほう……」

長門「中々どうして……」

古泉「ふふ……」

ハルヒ(なにコイツら)

みくる「ひゃ、ひゃくものがたり?」

古泉「セガサターン用のサウンドノベルですね。J・稲川さんの」

ハルヒ「そ! ただ読んでいくだけだし、それならみくるちゃんも極端に怖がらないでしょ?」

キョン「確かにびっくりドッキリよりはいいと思うがな」

みくる「ふぇ……どんなゲームなんですか?」

長門「呪われたゲーム」

みくる「ひぇぇぇぇぇ!?」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

古泉「都市伝説のようなものですよ、曰くつきのゲームってところでしょうか?」

キョン「聞いたことはあるけど、俺はやったことないな」

長門「私も」

ハルヒ「実は私もなのよ。買ったけど一度もやってなかったの」

みくる「だ、大丈夫なんですかぁ……?」

キョン「大丈夫ですよ、所詮ゲームですし」

ハルヒ「そうよ! 納・涼! SOS団ホラーゲーム大会よ!!」ババーン

みくる「うぅ……」

古泉「何時からスタートします?」

ハルヒ「午後の探索を早めに切り上げて、ウチでやりましょ」

キョン「いいのか?」

ハルヒ「今日は親もいないしね、ちょうどいいわ」

長門「お菓子」

キョン「はいはい、買って行こうな」ヨシヨシ

みくる「あ、なんだか楽しそうに思えてきました……」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

ハルヒ家――



ハルヒ「瀬方三四郎オッケー!」

キョン「百物語オッケー」グッ

長門「お菓子、飲み物オッケー」グッ

古泉「遮光カーテンオッケーです」グッ

みくる「うぅ……やっぱり怖い……」

ハルヒ「よっし、やるわよ!」

キョン「ノベルは好きじゃないが……楽しみだな」ワクワク

長門「同じく」ワクワク

古泉「ほう……同意書にサインですか」

みくる「ひぇぇ!? ななな、何かあるって事ですか!?」

ハルヒ「キョ、ン……っと」

キョン「なぜ俺の名にする。そしてなぜあだ名にする」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

――――――

――――

――


ハルヒ「ぷぁっ……やっと3分の2終わったわね」

キョン「結構疲れるなこれ……」

みくる(トイレ行きたいけどもう行けない……)ガクガクブルブル

長門「お菓子がなくなった」モグモグ

古泉「僕が買ってきますよ。飲み物もなくなりましたし」

キョン「いいのか? 悪いな」

ハルヒ「私アイス!」

長門「私も」

古泉「ふふ、かしこまりました……あ、先進めてて構いませんよ?」

ハルヒ「わかったわ! なら早めに帰ってくるのよ?」

古泉「了解です」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

1時間後――



ハルヒ「古泉君遅いわね」

キョン「立ち読みでもしてるんじゃないか?」

ハルヒ「あんたじゃないんだから」

みくる「あ、あのぅ……」

キョン「どうしたんですか?」

みくる「お、お手洗いは……」

ハルヒ「ああ、廊下出て突き当たり右よ」

みくる「その……あの……あぅ……」

ハルヒ「? どうしたのよ」

キョン「あー……長門、ついてってやりなさい」

長門「了解した」

みくる「あ、ありがとうございます!」

ハルヒ「一人でトイレ行けないなんて……子供ねぇ……」

キョン「怖がりなんだから仕方ないだろ」

ハルヒ「じゃ、私たちで先進めるわよ」

キョン「へいへい」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

更に1時間後――



ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「ねぇ、キョン」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「古泉君もみくるちゃん達も遅くない?」

キョン「……ああ、いくらなんでもおかしいな」

ハルヒ「何かあったのかしら?」

キョン「何かって?」

ハルヒ「……このゲームやったから」

キョン「バカな事言うな。そんなわけあるか」

ハルヒ「……そうよね」

キョン(……おいおい、シャレにならんぞこれは)自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

ハルヒ「……最後の一話ね」

キョン「……」

ハルヒ「どうして皆帰って来ないのかしら……」

キョン「……流石におかしいな

ハルヒ「ね、ねぇ! やっぱりやめない?」

キョン「……そうだな、皆を探しに行こう」



フッ



キョン「なっ……停電、か?」

キョン「ハルヒ、ブレーカーどこだ?」

キョン「……ハルヒ?」

キョン「……おい、冗談はやめろ。返事しろ」

キョン「ハルヒ! どこだ! 笑えないぞ!」

キョン「……」

キョン「嘘だろ……」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「どうする……とりあえず携帯の光でブレーカーを……」

キョン(……待て、何かおかしい)

キョン「っ!? な、なんで……」

キョン(なんで……停電なのに、なんでゲームがつきっぱなしなんだ!?)



ズルッ……ヒタ、ヒタ……



キョン(ちょっと待て、なんだこれは……どうなってやがる?)



ズルッ……ズルッ……



キョン(何の音だ……なんだってんだよ……)



ヒタ、ヒタ、ヒタ……



キョン「や、やめろ……来るな……」

キョン「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




クチャ……ズル……ヒタ、ヒタ……




【GAME OVER】自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

―――――

――――

――



キョン「って話はどうだ?」

古泉「……少々肝が冷えました」

長門「中々怖い」

古泉「やっぱり夏は怪談ですね」

キョン「だな」

長門「同意」

キョン「ま、でも一番怖いのはハルヒだけどな」

古泉「その心は?」

キョン「去年の夏を忘れたとは言わせないぞ」

長門「終わらない……夏……」

古泉「長門さん、目が濁ってますよ」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「しかしいざ自分で怖い話を考えるとなると難しいもんだな」

長門「DVDを観るのが一番」

古泉「そうですね……呪いのビデオとかですか?」

キョン「アレはやらせ臭いのが多くてなぁ……」

長門「2ちゃんのは?」

古泉「鮫島事k……おっと、携帯が……」

キョン「映画だと微妙なの多いんだよな、ひとりかくれんぼとか富江とか」

長門「ノロイは酷かった」

キョン「ああ、あれはつまらんかった」

古泉「着信アリは好きですよ?」

長門「一時期あの着信音にしてたのは私だけではないはず」

キョン「あるある」

古泉「ありますね」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「アンビリーバボーが一番怖かったな」

古泉「確かにそうですね」

キョン「ちょうど小学生あたりか……恐怖だったなぁ」

長門「バク天で友近が呪怨の家にレポートしに行ったのは怖かった」

キョン「うむ。最初は本気で怖かったな、あれ」

古泉「バク天といえば……HGが青木ヶ原に行くやつもありましたね」

長門「物音がして慌ててテントから出た時は噴出した」

キョン「暗闇に向かってバッチコーイだよな? アレは噴いた」

古泉「リカちゃん人形に焦ってましたね」

キョン「というか、ハードなゲイが行っていい場所じゃないだろ、あそこ」

長門「確かに」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「さて、そろそろハルヒ達が来る頃だな」ズズー

古泉「この話は別に機会にでも」

キョン「ああ、そうするか」

古泉「なんだか今日の話のせいで、帰ったらホラーゲームをしたくなりました」

長門「私も」

キョン「俺もだ……そうだな、帰ったら視界ジャックでもしに行くか」

古泉「では僕はリッカー狩りを」

長門「私はペンチを取りに行く」

キョン「コントローラー投げるなよ?」

長門「……」

キョン「返事」

長門「……善処する」

古泉「あ、涼宮さんたち来ましたね」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

ハルヒ「やっほ、早いじゃないのあんた達」

キョン「今日みたいな暑い日はやる気が出ないからな」

ハルヒ「全く……SOS団としての自覚を持ちなさいよね!」

キョン「そういうお前は何か見つけたのか?」

ハルヒ「ぐっ……」

みくる「す、涼宮さん」

ハルヒ「なに?」

みくる「さっきの……本当にやるんですか?」

ハルヒ「当たり前じゃないの! 不思議は自ら探していくものなのよ?」

古泉「おや、どうかなさったのですか?」

長門「?」

キョン「おいおい……何か企んでるんじゃないだろうな」

ハルヒ「んっふふー」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

ハルヒ「では、午後のくじ引きの前に発表があります!」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「肝試しをしようと思います!」

古泉「肝試し、ですか」

ハルヒ「そ! 夏なんだから夏らしく過ごさないとね」

キョン「去年も聞いたぞそのセリフ……」

ハルヒ「よって! 今日はSOS団プレゼンツ・肝試し大会をします!」ブンッ

長門「……」パチパチ

キョン「拍手せんでいい」

みくる「わ、私は怖いのが苦手なんですけど……」

キョン「そうだぞハルヒ。朝比奈さんが肝試しできるわけないだろ?」

ハルヒ「抜かりないわ!」

古泉「ほう」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

ハルヒ「特別な肝試しだからね」

キョン「どういう事だ?」

ハルヒ「百物語ってゲーム知ってる? 曰くつきらしいんだけど……全員でそれをプレイしましょ!」

キョン「」

ハルヒ「これならみくるちゃんも大丈夫でしょ」

古泉「」

みくる「で、でもでも……怖いゲームなんですよね?」

ハルヒ「大丈夫よ、所詮ゲームはゲーム」

みくる「でもぉ……」

ハルヒ「全く、みくるちゃんは怖がりねぇ……って三人とも、どうしたのよ」

キョン「……」

古泉「……」

長門「えっ」

古泉「えっ」

キョン「何これ怖い」



おわり自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

総合にしては長かったかな?
そうだったらゴメス

ホラーゲーム楽しいよね自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

前にガンダムのやつ書いた人?

乙、面白かった自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

>>58
ガノタのやつだったらそうかも

ここが過疎らないことを願うよ自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

面白かったよ。乙

ホラゲは怖くて出来ん……

落とした初代コープスパーティーがまだ未プレイでHDDにあるレベル。いつかやりたいけどどうもね自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

おっとsageちまった

上げ自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

橘×キョン一択自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

超短編書けたから投下するよ自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

キョン「なあ長門」

長門「なに?」

キョン「なんか食べたいもんあるか?」

長門「……鱈が食べたい」

キョン「ああ、真っ青なやつね」

長門「それは空」

キョン「ギョーザとか野菜炒めに」

長門「それは…ニラ」

キョン「最近のHDDディスクは凄いな」

長門「それはテラ」

キョン「おれの息子か」

長門「それはマラ」

キョン「とげがあるこれか」サッ

長門「それはバラ。……どうして跪いてわたしにバラを差し出すの?」

キョン「好きだ、長門」

長門「……バカ」自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

以上。
お目汚し失礼しましたー自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中

エロ注意ので2レスほどお借りしますね

キョン「あー、なんか疲れたな」

長門「肩」

キョン「ん?」

長門「こんなときは肩を揉むといいと朝倉涼子に教わった」

キョン「おお、そうか。じゃあ頼むぞ」

長門「頼まれた」

もみもみ

長門「凝っている」

キョン「そうか?昨日同じ姿勢で本読んでたからかな」

長門「同じ姿勢で本を読むと肩こりになるの?」

キョン「ああ……本じゃなくてもパソコンとかでも凝るな」

長門「……ならばわたしはかなり肩こりが進行しているはず。このままではわたしという個体に死と呼ばれる概念が訪れる可能性も否定できない。わたしの肩を揉むことを推奨する」

キョン「お、おい」

長門「だめ?」

キョン「くっ……だ、だめじゃねえよ。よし、やってやる」カワイイ

長門「やって。通常の人間どおりの感覚をかんじることが出来るよう属性を……」ブツブツ

もみもみ

長門「ほう」

キョン「どうした?」

長門「肩部を掴まれると痛いだけで何の快楽も得られないはず。しかし今のわたしには一定の快楽を示す電気信号が飛び交っている」

キョン「ええと、簡潔に言うと?」

長門「気持ちいい」

キョン「そ、そうか」

もみもみ

キョン(…それにしても)

長門「んっ……くっ……あんっ……」

キョン(この状況は少しまずいと思ってしまうわけでして……そして)

ボキーン

キョン(三日間叱咤激励してなかったジョン・スミスはこれだけで臨戦態勢に入ってしまった)

キョン(まずい……まずいぞこれは)

ぐっ

長門「いたっ!」

キョン(そのとき、俺は長門の肩に必要以上にチカラを込めてしまったことを悔いていた。そしていきなり動いた長門のひじは、臨戦態勢でスタンバってた俺のジョン・スミスに……)

グニッ

キョン「うっ……」

長門「ほう」

キョン「あ」

長門「あなたのここが固くなっているということは、あなたはここが凝っているということ」

キョン「なっ……違う!!それは違うぞ長門よ!!」

長門「でもあなたはわたしのひじが当たったときわたしがあなたに肩を揉まれたときのように気持ちがいい声をだした。これはあなたのここが凝っているということを示している。違う?」

キョン「そ、それは……」

長門「マッサージを開始する」

もみもみ

キョン「うおっ……」

長門「気持ちいい?」

キョン(気持ちいいわけで。とってもキモチイイわけで)

ぐにぐに

長門「はっ、ほっ、よっ」

キョン(ヤバイ……この状況は……っ!!)

キョン「ま、待て長門!!もう」

長門「あ、そういえばあなたは一度強くわたしの肩を掴んだはず。あれは痛かった。わたしにもそれをする権利がある」

ギュッ

キョン「いやああああああ!!!」

~~~~~~~~~
みくる「そのときでしたぁ……涼宮さんとあたしと古泉君が珍しく揃って部室の扉を開けたのは」

みくる「それは丁度長門さんの顔にキョンくん産のカルピスがかけられた瞬間で」

みくる「あたしと涼宮さんはびっくりしてその場で固まっちゃって……長門さんはそれが何か分からなかったのかそれを指に絡めとって一言『……おいしい』って……古泉君は泣きながらリンボーダンスでどこかへ走り去っていっちゃいましたぁ」

みくる「涼宮さんは泣き出しちゃうしキョンくんは大慌てだし長門さんはもっともっととせがむしあたしは床にこぼれたものが無いか探すしで大変でした」

みくる「その日からですね……キョンくんがSOS団内限定カルピス製造機になっちゃったのは。あ!鶴屋さんと国木田くんは特別みたいです」

みくる「あ、あたしの番みたいですね、それではいただいてきますっ☆」

おしまい

読み返してみましたがこれは酷いですね……

本当にお目汚し失礼しました。お後よろしくお願いします


ハルヒ「ひやぁ……気持ち…い…い」

キョン「そうか」フンフン

ハルヒ「あぁそこそこ!気持ちいいィ~」

キョン「ヨダレ垂れてるぞ?」フンフン

ハルヒ「よ、ヨダレなんか垂れてないわよ!」フキフキ

ハルヒ「あ、なんかおしっこ行きたくなってきた」

キョン「気持ちいいからしたくなったのか?」フンフン

ハルヒ「ば、馬鹿キョン!」

キョン「ほれ!」フン!

ハルヒ「あぁ気持ちいいよぉ~」

キョン「後ろからなんてどうだ?」フン!

ハルヒ「あーいいわ」

キョン「お前って結構毛深いんだな」フンフン

ハルヒ「五月蝿いわね……あぁ気持ちぃ~」

キョン「ちゃんと剃れよ?てかお前汗かいてるぞ」フン!

ハルヒ「はぁはぁ………だって暑いんだもの」

キョン「そうか………これで終わりだ」フン!

ハルヒ「あぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!!」

キョン「ふぅ」

ハルヒ「………あんたって結構テクあるじゃない?」

キョン「俺は結構上手いぞ?」

ハルヒ「凄い気持ちよかったわ、また………お願いね?」

キョン「…あぁ」

ハルヒ「さてと、腰の痛みも取れたことだし、帰りましょ!」

キョン「だな」

涼宮ハルヒの憂鬱

グロ注意 学生

俺が屋上で寝ていると...
「キョーン」「鬱陶しいヤツがきた寝たふり寝たふり」「大変よ 人っ子一人居ないの」「嘘つけ」そう言ってたのもつかの間俺は驚愕な物を目にする・・・・・・・・・

壁一面真っ赤だった。しかし、人はいた。しかし、それは死体だった。
「ハルヒどういうこと・・・・d」
ハルヒがいないさっきまで手を握っていたのに・・・
グチャグチャぺちゃ
いきなり血の気の引く音がした
そこに目をやると・・・・・・
谷口だ

しかし、谷口じゃない目が狂ってる
「たっ谷口」
小声でつぶやいた クルッ(ヤバイこっちをみたっっっっっっっ殺される)
ペタっぺタッ ヤバイ来た
「おぉ、なんだキョンか なんかゾンビが襲って来てよ~モップで叩いたら、呆気なく死んでよ それが面白くてよ

ちょっと休憩

ちょっと休憩

(やばいにげろ)その瞬間(その階段を登って)そんな声がした その声の通り階段を登った・・・・・・
谷口は追ってこなかった
そこには、古泉が

「古泉」だけど顔が笑ってない「あなたがすべて悪いのです」「何のことだ?」「フンッッッッッッッモッフ」ドガッーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー

すいません
セリフに名前つけるの忘れてた
気をつけます

もう寝ます「仮眠です」1時に来ます

ーーー保健室ーーー
朝比奈「ふぁぁ起きましたぁ?」
キョン「朝比奈・・・・・さん?」朝比奈「大丈夫ですか 長門さんが保健室まで連れてきてくれたんですよ」キョン「長門 ありがとな」長門「・・・」
朝比奈「なんで 倒れてたんですか」キョン「古泉の野郎に殴られたんです」

ーーー保健室ーーー
朝比奈「ふぁぁ起きましたぁ?」
キョン「朝比奈・・・・・さん?」朝比奈「大丈夫ですか 長門さんが保健室まで連れてきてくれたんですよ」キョン「長門 ありがとな」長門「・・・」
朝比奈「なんで 倒れてたんですか」キョン「古泉の野郎に殴られたんです」

朝比奈「こんな感じですか」朝比奈さんの声が変わった {おルアああああ」ドゴっ 鈍い音がした長門が死んでる
胸を貫通して・・・・・・ 朝比奈「ツギハオマエノバンダ」 ガラッ ドアが空いた 古泉に谷口、それにハルヒ囲まれたつぎの瞬間 づしゃぐしゃという音が保健室全体に響き渡った
キョン「ウワアアアアアアア」キョン母「どうしたの」
キョン「いやな夢をみたんだ」キョン母「じゃあもう一回見なさい」グサッ ブシュウウウウウ 大量の血が床一面に広がった ニュース記者「先日からキョンくん仮名が遺体で発見されました」 小さな女の子「これで12467回目のループ」
終わり

すごく下手でしたすいません

朝比奈ミクルの企み

下手でしたら注意してください
朝比奈さんのダーク版が嫌ですたら、回れー右

朝比奈「キョンくんのこと好きなのに、告白できないな」 そう思い出したのはキョンくんとあってから
今日、勇気を出して告白しようと思う

朝比奈「キョンくん」
キョン「あった朝比奈さんどうしました」
朝比奈「キョンくんあたしはあなたの事がずっと・・・・・・・・」
ハルヒ「キョン、ちょっと来なさい」グイ
キョン「おっおいちょっと待て」 ズリズリズリー
行っちゃった キョンくんはいつもハルヒさんといっしょ ハルヒさんなんてしねばいいのに
朝比奈「そうだ殺しちゃおう」
___一時間後
朝比奈「ハルヒサーン」
ハルヒ「何ミクルちゃん」
闇朝比奈「しんでください!!!!!!!みくるビーム」ずっしゃぁぁぁああああ
ハルヒ「キャアアアアアアアアァァァァ」
闇朝比奈「やった これでキョンくんは私のもの」

次の日

闇朝比奈「キョンくん」
キョン「触るな 長門から全て聞いた ハルヒを殺したんだな」
闇朝比奈「そんな・・・・・・」
キョン「俺はハルヒを好きだったんだ」
闇朝比奈「そ ん なイヤアアアアアアアアアアァァァ」
次の日から朝比奈さんは遺体で発見されたとさ・・・・・
終わり

上のは俺です

1レスネタ
せっかくだから、このスレを盛り上げたい!

ハルヒ「キョーン……、寝れないわ……」

キョン「みたいだな。いつもは11時半には寝付いてるのに、もう3時半だぞ」

ハルヒ「9月だってのに、なんでこんな暑いのよ?!」

キョン「残暑ってやつだろうなぁ。ま、もう一週間も経てば涼しくなるだろうが」

ハルヒ「あとキョンの体熱い……」

キョン「仕方ないだろう? 男の方が平熱が1度高いってのは有名な話だ」

キョン「あと、お前が毛布蹴っ飛ばす度に掛け直してるんだからな」

ハルヒ「キョンは優しいわねぇ……でも暑いのよ」

キョン「じゃあベッドの下に布団敷いて、俺が別で寝るか?」

ハルヒ「それはヤダ」

キョン「はぁ……、無理に寝ろとは言わんけどな、明日は古泉達と会うんだぞ? そんなんで元団長がシャキッとできるのか?」

ハルヒ「有希と古泉くん来るの14時過ぎでしょ? 今寝れなくても何とかなるけどさー」

キョン「あー、そうだけどな……どうすりゃ眠れるんだろうな」

ハルヒ「エアコン付けましょうよ、21度で」

キョン「そりゃ寒すぎるだろ!?」

ハルヒ「いいの! そしたら……キョンにくっついて寝れるでしょ?」

キョン「まぁなぁ……。でもさすがに風邪引くか。そうだ、脱げばいいんじゃないか?」

ハルヒ「すでに下着姿なのに?」

キョン「えっちしてスッキリすれば眠れるだろ?」

ハルヒ「そ、そうね。そうしましょっ……」

ーーーーーーーーーー

ハルヒ「すぅ……くぅ……」

キョン「やれやれ、やっと寝てくれたか……。さて、俺も寝よう。おやすみ、ハルヒ……」



これで眠れるはず!
眠れねぇんだよ……。




ウォームアップに。クロス注意です

キョン「長門、なに読んでるんだ?」

長門「魔法少女まどか☆マギカのノベライズ版」

キョン「そ、そうか……面白いか?」

長門「実に興味深い」ペラッ

古泉「時に長門さん、この作品のことをご存知なのですか?」

長門「Of course.」

古泉「んっふ、そうですか……やはりほむほむ派ですか?」

長門「ほむほむは確かに天使。しかしわたしはほむほむ派ではない」

古泉「おや、そうなのですか。同士が増えるかと思いましたが……」

長門「佐倉杏子こそ至高」

古泉「あんこちゃん派でしたか……失礼しました。あなたはどなたが好きなのでしょうか?」

キョン「お、俺は全然知らねえよ」

古泉「マッガーレ!!」バキッ

キョン「いって!!なにすんだよ!!」

古泉「情けない……まどかに触れずに一生を過ごしているとは……」

キョン「谷口が春先に『まどかが可愛すぎて生きるのが辛い』とか言いながら砂時計をひっくり返したりしていたがなんか関係があるのか?」

古泉「ほう、彼はまどまど派ですか……いや、それはともかくですね、急いでこの作品に触れるべきです」

キョン「そうは言っても予算が……」

長門「これ」

キョン「ん?なんだこれ」

長門「BD。放送されなかったエイミーとのドラマも収録されている。是非見るべき」

キョン「長門まで……分かったよ。一週間くらいしたら返すよ」

長門「今日……正確には明日登校するまでの期間に全て見るべき」

キョン「いや、そうは言ってもだな」

長門「有機情報連結の解除を」

キョン「だあああ!!!分かった!!分かったから!!」

古泉「んっふ、すばらしき友情です」

みくる「マミさぁーん、お茶が沸きましたよー……」

~~~~~~~~~~~~


キョン「……」

古泉「おや、大きなクマですね。如何でしたか?」

キョン「古泉よ」

古泉「なんでしょう?」

キョン「今すぐコミカライズ版とノベライズ版を貸してくれ。素晴らしかった。昨日までの俺はなんだったんだとタイムマシンで自分の頭を殴りに行きたい」

古泉「そうでしょうそうでしょう。分かっていただけて幸いですよ」

長門「どうだった?」

キョン「おお、長門。これありがとうな。……ぶっちゃけアニメで初めて泣いたぞ」

古泉「おや、それほどまでとは」

長門「どのシーン?」

キョン「そうだな……長門と古泉はどこが良かったんだ?」

長門「最後の朝比奈みk……洵子さんのリボンのくだり。涙腺が崩壊した」

古泉「僕は一番最後のほむほむの耳にまどかの『がんばって』の声が届くところでしょうか」

キョン「なるほどな。俺はあの恭介がさやかを探すシーンとか泣きまくったな」

ガターン!!

キョン「うわ、びっくりした!……なんだよ古泉」

古泉「あ、あなたはまさか……」

キョン「?」

長門「……どのキャラを好きになったの?」

キョン「え?」

長門「早く答えて」ズイッ

古泉「……さあ!!」ズズイッ

キョン「な、なんだよお前ら……俺的にはさやかが一番」

パーン!!

長門「……失望した」

ガチャバタン

古泉「冗談はホントバカだけにしてくださいよ」

ガチャバタン

キョン「……なんなんだよ」ポツーン

キョン「……誰もいないみたいだし、鍵かけて帰るか」

ガチャ バタン ガチャリ

みくる「マミさぁーん、今日もマミさんと二人きりで部室でしゅよー……もうなにも怖くないでしゅー……」

おわれ

以上です

とんかつさんのはやっぱりまだなんだか幼児が書いた句読点のない手紙を読んでる気分

他のSSもっと読んで勉強するのが一番。がんがれ

もっかい橘キョンものを書きたいんだがなかなか場面が浮かばない……

ガチャ

古泉「こんにちは……おっと、これはこれは」

キョン「よう、古泉も一杯どうだ?」

古泉「ビールですか……いいですね、今日は暑いですし。頂きます」

キョン「キンッキンに冷やしといたからな」シュッ

古泉「どうも」パシッ

クシュッ シュワァ

古泉「ぷはぁ……このビールは余韻が残りますね」

キョン「我慢しろ。俺はキレのいいのがよかったんだがな。生憎手に入らなかった」ゴクゴク

古泉「んっふ、同感です」

キョン「やっぱりお前も家で飲んだりするのか?」

古泉「ええ。まあ、森さんに付き合って少々」

キョン「森さんの酌の相手か……楽しそうでなによりだぜ」

古泉「んっふ。そうでもありませんよ。彼女は仕事の愚痴が酷くて」

キョン「森さんの愚痴なら受け止められるぜ俺なら」ゴクゴク

古泉「それは……ほんとうですか?」

キョン「ん?」

バリバリッ

森「わたしのことを……受け入れてくださるんですか?」

キョン「森さん……どうして」

森「古泉は過労で寝込んでしまって……わたしが変装してたんです。分かりませんでした?」

キョン「もしかして今までもたまに……?」

森「ええ。キョンさんと先日交わしたおっぱい談義はなかなか楽しかったですよ?」クスッ

キョン「こーい、ワルプルギスこーい」

森「それより……さっきのは本当ですか……?」

キョン「……ええ、もちろんですよ、森さん」

森「うれしい……」

ドサッ

森「やさしく……お願いしますね」

キョン「森さん……っ!!」

~~~~~
ギシギシアンアン
古泉「まさか森さんの弱みを握るビデオがこんな簡単に撮れるとは……それにしても仮にもここは部室ですよ」ジー

「古泉、わたくしたちも参りましょう」

古泉「……え?」クルッ

新川「準備はいいですな……?」ゴゴゴゴ

古泉「えっ、ちょ、おま、まtt……アッー」

おわれ

酔っ払ってやった。後悔はしていない

やっぱビールはスーパードライが最高だよね!

人のssをみて勉強して来ました
まだまだ未熟ですので、よろしくお願いしますm(_ _)m


ーーー部室ーーー

キョン「アガアアアアアアァァァァァ」

古泉「どうしたんでsか?僕のキョンたんおチンチンなんて出して?」ハァハァ

キョン(み・・・・・見られた、、、またやられる)

古泉「痛いんですかおチンチン」

キョン「あぁ、きんかん塗ってたら、液が垂れて来ておチンチンにヒットしたんだ」

古泉「ばかな人ですね、僕がなおしますよ」

ーー一時間後ーーー

キョン「お前俺の童貞を奪ったなー」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

古泉「ごめんなさい」

キョン「許してやってもいい、、、、だが断る!!!!!!!!!!!!!!!!!」ジョジョ風に
「くらえきんかんスラッーーーーシュ」べちゃぁあ

古泉「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」古泉君のおチンチン再起不能

ハルヒ「あんたたち、、、何してんのー」

古泉「ただいま世界が滅びるほどの閉鎖空間が発生しました」

翌日 閉鎖空間は消えて世界は救われたが・・・・・・

俺と古泉は桃色の方向へ走って行ったのだ

終わり

>>128
区切りの線は『ー』ではなく『―』
『・・・』ではなく『……』と三点リーダを使う。三点リーダは二つで一つ
『?』や『!』の後は一文字空ける
『、、、』こういうのは『……』や『――』これで
セリフの後に来る効果音などは半角

これと読みやすく適当にアレンジして書き直すとこうなる


――部室――

キョン「アガアアアアアアァァァァァッ!!」

古泉「どうしたんですか? 僕のキョンたんおチンチンなんて出して」ハァハァ…

キョン(み、見られた。また、やられる……っ!!)

古泉「痛いんですか? おチンチン」

キョン「……あぁ。キンカン塗ってたら液が垂れて来ておチンチンにヒットしたんだ」

古泉「んっふ、バカな人ですね。僕が治して差し上げましょう」


――時間後――


キョン「お前……よくも俺の童貞を奪ってくれたな……?」ゴゴゴゴゴゴ…

古泉「申し訳ありません」

キョン「誠意を見せて謝るなら許してやってもいいかもしれん。……だが断るッッ!!!!」

キョン「くらえっ!! キンカンスラーーーーッシュ!!」ベチャァァ…

古泉「アッーーーー!!!!」

古泉の声にならない叫びが聞こえたのか、バンッ! と部室のドアが勢いよく開かれる

ハルヒ「な、なにしてんの? アンタたち……」

古泉「僕のおちんちんが死にかゲフンゲフン。ちょっとしたゲームですよ。ですよね?」

キョン「あ、あぁ」

その日、例によって例のごとく涼宮ハルヒによって世界が滅びるほどの閉鎖空間が発生した

古泉らの頑張りにより、翌日には閉鎖空間は消えて世界は無事救われたのだが…………

俺と古泉は今まで通りの世界ではなく、桃色の桃源郷へと向かって走り出していくのであった



こうやるだけでうまい人っぽく見えるからオススメ

総合だからいいんじゃないかな。だけどそれなりの文量ならスレ立てた方がいいと思う

>>133
ありがと。

じゃあ上述の@wikiに投下した作品投下させてもらうわ

みなさんは夢を見ますか?
見ると答えた人――――恐らく大半の人でしょう。今日はどんな夢を見ましたか?
楽しい夢?悲しい夢?
それとも今日は夢を見ませんでした?
様々な人がいることでしょう
また、人間は寝たときだけでなく、起きているときにも夢を見ますね
代表的なのが夢見る乙女というやつでしょうか……そこ、ここは笑うところですよ

しかし、それは我々現の人間のみなのでしょうか
夢の世界の住人は夢を見ないのでしょうか
それとも夢の夢はさらにすごい夢?それとも……


おや、そろそろ時間のようですね。それでは、またいつかお目に見えることを願っています

「……と、これが条件だ。これが出来なければ文芸部室は生徒会のものとする」

「ふんっ!1回負けてるくせにまだ勝負する気?片腹痛いわ!」

「これは勝負などではない。勧告だ。別にせずに明け渡しといった流れでも私は一向に構わないのだが」

「臨むところよ……見てなさい!生徒会!!」

「言われなくとも監視はするつもりだがね」

はあ、やれやれだ

生徒会長がわざとらしく俺と長門を呼び出したと思えば、「おい、涼宮ハルヒにこれを渡しとけ。新しい企画考えんのもめんどくさいからまた同じお題にしてやったんだから感謝しろよ」とのたまりやがった。
「これ」というのは一枚の藁半紙に印刷された書類(プリントといった方が適切かもしれん)であり、
そこには「文芸部の活動として、今年度中にも機関紙を発行すること。但し、学内文科系部活動推進活動(こんなめんどくさいもんまでやってやがったぞ機関もとい生徒会とやらは)による部費拡張に伴い、機関紙を夏季と冬季の二度に渡って発行すること。
尚、発行部数は300部とし、発行できなかった場合や発行部数分が配布できなかった場合には即座に文芸部室を生徒会に明け渡すこと」といった旨のことがあの生徒会長の仮の姿らしい嫌味な文体で書かれていたのである。

それを見た団長様は、案の定「今年もやってきたのね生徒会!!」とおほざきになり、生徒会室へ俺のネクタイを掴んでインターハイ出場クラスの速度で猛ダッシュし、上述のやり取りが繰り広げられたわけである

もう一度言おう。
……はあ、やれやれだぜ

ところでハルヒ、俺は今年も恋愛小説を書けばい
いのか?

「前回と一緒なんてもってのほかよ!ほら、ここにクジを用意したわ!!一部を除き前回とは趣旨を変更してあるからさっさと引きなさい!!」

なんとまあ。

ハルヒから近い順に長門、朝比奈さん、古泉、そして俺と団長……もとい、編集長特製のクジを引いていくらしい。

長門が引いたのは……恋愛小説か。ふむ、ここは鉄板でクジの変更もなかったと見える。
それにしても長門は恋愛小説なんてかけるのか?一抹の不安が胸をよぎる

朝比奈さんは……SFか。前回はあえて入れなかったと言っていたな
それにしても朝比奈さんの書くSFとは……とてもSFとは言えないようなメルヘンなものかいや待てあの人のことだうっかり未来のことなど書きかねんぞむむむ……

思考を走らせているうちに古泉の番らしい。古泉がひいたのはなんぞや?



同性愛………だと?

おい待て微笑むな。こちらを見るな。頬を赤く染めるなああああ!!

「最後はキョンね、さっさと引きなさい!!」

へいへい言われなくても分かってますよっと

ん?残りクジは一枚じゃないのか。複数枚あるってことは……なるほど、またもや鶴屋さん谷口国木田にも手を借りる気なのか
鶴屋さん、お手数かけますホントに……国木田も大変だな。谷口?あんなやつは知らん


さて。考えるのはこのくらいにして、クジを引くとしようかね
俺は一番最初に手に当たったクジを引き抜いていた。こいつはなんだ?

幻想ホラー……か

「あら、あんたがそれを引き当てちゃったのね。あたしは古泉くんか国木田あたりが引き当てるのを待ってたんだけど……まあ、仕方ないわよね、クジだもん」

おい待てハルヒ。俺は幻想ホラーと言われてもなにを書けばいいのかなんてさっぱり分からんぞ

「それを考えるのがあんたの仕事じゃない。〆切は今から一週間後!!一秒でも遅れたら死刑だから!それじゃあ、作業始め!!」

ぬぬう



結局その日一日考えても幻想ホラー小説の原稿の「げ」の字も浮かばなかった俺は、前回ぴーぴー言いながら妹の友人の恋愛小説(断じてロリコンではない)
を書き上げたことを省みて、1ページでも進めておこうと考えてノートパソコンを自宅にお持ち帰りしていた。

「全く……どうしたものかね…」

そういえば去年の機関紙があったな……

幻想ホラーは……おっと、長門のアレだったか。参考にならんな
去年の同じテーマの小説をパクrゲフンゲフン参考にするつもりでいたのだが、どうやらその望みも絶たれたらしい。
それならば猫の手も借りたいとばかりにシャミセンをゆすってみてもネタのネの字も出てくるわけも無く、藁にもすがる思いで妹に聞いてみても
「しらなぁい。キョンくんが自分で考えなきゃダメだよ?それよりもお風呂出たら宿題教えてね。さんすう~どりーる~ん!」と言われただけであった。
つーか。俺に自分でやれって言うならお前も自分でやれよな算数ドリル

「……ん?」

なんだろう、この違和感は。
過去に味わったような……そうだ、雪山での長門襲撃事件のときにもこんな感覚に陥ったんだ。
あのときはなにが引っかかったんだ?たしか……古泉が竪琴を……まあ、そのことはいい。今はなにが引っかかった?

「そうだ…」

今年の春先、その台詞の後に電話を掛けてきたやつのことを、俺は思い出していた。


渡橋泰水……いや、ヤスミと言ったほうがいいのかもしれない。
例の事件でα世界を盛大に引っ掻き回して行ってくれた人物である。結果、あいつのお陰で事件は最悪の結果を辿らずに済んだわけだがな。

俺はあの事件のあと、ヤスミと会ったときのことを思い出した。……そう、あれはSOS団創立一周年パーティが終了した日のことであった


パーティが終了し、家路につこうとしていた俺であったが、なんだか無性にキャッチボールがしたくなった。
それで古泉を誘ってみたところ、「いいですね。んっふ」との答えが返ってきたので、ハルヒたちを先に帰し、運動場でキャッチボールを開始した。
そして古泉の放った「古泉つなぎカーブ」を後ろにそらしてしまい、ボールを拾いに走ったところで俺はそいつに出会った。

「こんにちは。えへっ、最後に来ちゃいました」

 ヤスミはそう言うと、俺の拾おうとしていたボールを拾い、小走りでこちらへ歩み寄ってきた。

「ボールどうぞ。よかったぁ、最後に先輩の顔を見ることが出来て。あ、古泉先輩もこんにちは」

 気が付くと、いつのまにか古泉まで俺のすぐ近くまで来ていた。ニヤケスマイルを120%くらいにまで強化し、ヤスミのことを眺めていた。

「こんにちは、渡橋さん。それより、最後に……というのはどういうことですか?」
「あん、分かってるのに意地悪言わないでください。言ったとおりの意味です」
 古泉は「なるほど」と言って小難しい顔で考え込むような動作に入り、それ以上口を開くことは無かった。

「言ったとおりってどういう意味なんだよ」
「だから言ったとおりなんです。それより上でも下でもありません」
 それが分からねえから訊いてんだろうが。しかし古泉から聞いていたヤスミの正体から考えてみると、うっすらではあるがヤスミの言おうとしていた事柄の輪郭が分かる気がした。

「あっ、今日はそれだけじゃないんです。先輩にこれを渡そうと思って……」
 そう言ってヤスミが俺に手渡したのは、シャミセンがすっぽり入りそうな大きさの箱だった。
「これはなんだ?」
「家に帰って開けてみてください。それまでのお楽しみって事で。あっ!!でもでも怪しいものではありません。妹さんにでもどうぞ」
 妹にねえ。……ますます気になるぞこりゃ
「今日はこれを渡しにここまで来たんです。目的は果たしましたし、あたしはもう帰りますね。先輩方も、あんまり遅くならないうちに帰ったほうがいいですよ、それじゃあ……」

「ヤスミ!!」

気が付くと、俺はヤスミを呼び止めていた

「……なんですか?」
「……還るのか?……閉鎖空間に」
 俺がそういうと、古泉は俺の肩に片手を乗せ、ゆっくりと首を左右に振った。あまり深く追求するなという意味だろうか。
「……そんな感じです。でもちょっと違うような……まあいいです、さようなら!」
 そう元気に言い残し、ヤスミは運動場の出口に向かって走って行った。
 団室にボールとグローブを片付けて、俺らが帰ろうとヤスミの走っていった方向へと歩を進めたとき、当然ながら、そこにはもう誰もいなかった。

ヤスミがくれた箱の中には、某リス的生命体のおうちのようなメルヘンな家らしきものが入っていた。
「キョンくーん、なにそれー?」
「ああ、こないだ家に来て猫と遊んでったやつがいただろ?そいつがくれたんだよ」
「ふーん。ねね、触ってみてもいーい?」
「ああ。壊すなよ」
ポロン ポロロロロン ポロロロロン
 妹が家の扉を開けると、ピアノの音色が聞こえてきた。どうやら扉を開けるとピアノの音が出る仕組みらしい。中には女の子が一人、ピアノの前で座っていた。
「ん?」
 この女の子の人形……どこかで見たことがあるような……いや、正確には頭の………

「キョンくーん」

 ぬわ、びっくりした。
「このお人形、動かないよー」
 妹曰く、ピアノの前から動かないらしい。俺が知るかよそんな事。
 人形がピアノの前から動かなかったせいか我が妹は即座に飽きたらしく、その人形の家は俺の机の一番下の引き出しのスペースに放置されていたのであった。

「そんなもんがあったのすっかり忘れていたな……」
 俺はなんだかその家を見たくなり、気が付くと机の上に人形の家をセットしていた。そして中の人形を確認し……
「………間違いないよなあ」
 そう、俺があのときに気になった人形の頭部には、小さな黄色の髪飾りがつけられていた。そしてその髪飾りは………ヤスミのものと同じ柄であった
 ひょっとして、閉鎖空間に還るというのは……
「そんなわけねえか」
 頭の中に浮かびかけた超SF的展開を振り払いつつ、俺はそろそろ眠りにつくことにした。
「……ん?」
 なぜか頭の中に生徒会長とノートパソコンが浮かんだが、俺はそれを無視して睡魔に身を委ねた。


―――後にして思えば、あれは天啓のようなものだったのかも知れなかった

さて、次の日である。
 いつものように早朝ハイキングを済ませ登校した俺であったが、妙に気分が優れなかった。
 授業中も授業に集中できず(これはいつものことでもあるのだが)、後ろの席から繰り出されるシャーペン攻撃にも一切反応を示すことは無かった。
 ……訂正する。気分が優れないのではない。ある一つの事柄に気をとられっぱなしだっただけだった。
 そいつはいつもの休息の時間である弁当の時間にまで俺の脳内を支配し続けていた。
「キョン、なんか今日は元気がないね。どうしたの?」
 と国木田が心配してくれたが、なんと答えたのかあまり記憶にはない。谷口に至っては存在したのかどうかさえ忘れてしまった。
 午後の授業もそんな具合に過ぎて行き、俺は誰に促されるともなく部室へと足を運んでいた。
 当然、あのことを考えながら――――

 その日の団活は散々だった。当然小説なんぞ思いつかず、俺はずっとあのことばかり考えていた。
 あのこととは。一つの事柄とは何か。その答えは考えるまでもなく見つかる。と言うより、そのことしか考えてないのだから。
……それはヤスミとあの人形の家のことであった。

それが朝からずっと俺の頭の中でぐるぐるとメリーゴーランドのように回っていた。そして今も現在進行形で回っているのだ。
「ちょっとキョン」
 ハルヒが俺を呼んでいるようである。丁度思考の谷に入り一時停止していた俺の脳はその呼びかけをうまく拾い上げ、俺にしっかりした意識をもったまま返答するという自由をくれた。
「どうした?ハルヒ」
「どうしたじゃないわよ。朝からあたしが呼んでもああ。とかうん。とかしか言わないし。どうしたの?まさか悩みがあるとかそんな面白いことを隠してるんじゃないでしょうね」
 お前にとっての面白いことは俺の悩みなのかと逆に問いたいね
「あんたの困ることなんてあたしが面白いと思うに決まってるじゃない。で?どうしたの?」
「なんでもない。ただ少し中学時代の友人の恋の行く末に思いを馳せていただけだ」
 と、当たり障りの無い返答で誤魔化した。
「……それって佐々木さん?」
「ああ。どうやら告白されたらしくてな。幸せになっていることを祈るだけだよ」
「……そう」
 それ以上ハルヒは何も答えなかった。どうやらうまく誤魔化せたらしい。
 俺は形だけノートパソコンに向かって小説を考えるフリをしながら、しかし頭では人形の家の漠然としたイメージなどを思い浮かべていた。
 そうしてどれくらいの時間が経過したであろうか。ふと古泉の方に目と意識をやってみると、俺になんらかのアイコンタクトを送ってきていた。なになに………「お話があります」……か。なるほど、こいつも俺の態度に疑問を感じたらしいな。
俺は古泉と話をする時間と場所を設けるため、行動を開始した。
「おい古泉」
「なんでしょう?」
「ションベンに行かんか。ひとりで行くのは淋しくてな」
「んっふ。連れションですか……。いいでしょう、ご一緒しますよ」
「すまんな。……というわけでハルヒ、少し失敬させてもらうぞ」
「じ、女子の前でなんて話してんのよ!!さっさと行きなさいバカキョン!!」 連れ出し成功だ。俺はトイレに行き、古泉と会話をすることにした。
 トイレに到着するなり、古泉が口を開いた
「……今日のあなたはなにやら上の空であるように見受けられます。なにかあったのですか?」
 ハルヒと同じことに突っ込んできやがった。俺はあらかじめ用意していた解を出す。
「少し考え事をしててな。なんだか頭から離れんやつがいるんだ」
「おや、それはどのようなものですか?」
 ここまで突っ込んでくることも想定の範囲内である。俺は今回の脳内事情の黒幕なんだかそうでないんだかよくわからないが恐らく黒幕であろうやつの名前を出した。
「渡橋泰水を覚えているか?アイツが置いていった人形の家を久し振りに出してみたんだが、なんだかそのことが頭から離れんのだ。まさか機関が何か細工をしたんじゃないだろうな」
「まさか。そんなことを僕がさせませんし、する必要もありません。渡橋泰水の……そうですか」
 古泉はしばらく考え込むような素振りをしたあと、顔をあげ、こう答えた
「なにもないと思われますが、少し不可解ですね。もしなにかあれば、機関はあなたへの協力を惜しむことはしません。必ずお知らせ願います」
「ああ、ありがとう」
 俺は素直に感謝の意を表した。まさかこいつがこんなことを言ってくれるとはな……俺はなんだかんだ言ってコイツがSOS団内の最大のパートナーであることを再認識しかかったが、制服の隙間から見えたつなぎによってその認識はいともたやすく虚空へと消え去った。

 結局その日は朝比奈茶の味すら覚えてないほど浮ついた気持ちのまま団活は終了し、俺はそのままとっとと家路につくこととなった。

寄り道をしようかと考える暇も無く家に辿り着いた俺は、手洗いとうがいを済ませるなり部屋に上がってじっと例の家を眺めていた。
……うん。こいつはヤスミに似ている。
これはヤスミが自分に似せてわざわざ作ったものだろうか。それとも……いやいや。そいつは昨日の夜否定したばっかりだろ?
そんないたちごっこを脳内で繰り広げつつ、俺の頭にエジソンが発明した竹フィラメントの電球よろしく灯りが灯った……気がした。
―――そうだ。この題材はまさに幻想ホラーそのものではないだろうか……
そう考えた俺は、早速その小説原案を小説にすべく文章に起こしていく作業を開始した。


―――それから何時間経ったか知れない
妹の「キョンくんご飯だよー」との呼びかけにも食欲が無いと答えるほどの集中力で、小説をひたすら一太郎にタイピングしていた俺は、膀胱からの悲痛な叫びによりようやく顔を上げた。
現在時刻は………1時か。
俺が帰ってきたのは19時であるから、かれこれ6時間もぶっ続けで小説を書く作業をしていた事になる。こんなに集中力をだしたのは生まれてこの方一度も記憶にないことであった。
「……ここらで少し読み返してみるか」

 俺の書いていた物語とは、あまり人と話すことが無い高校生の主人公が、ある日妹の持ってきた女の子の人形の虜になってしまうところから始まる。
 寝る間も惜しんでその人形を眺めるほど人形に魅了されてしまった主人公は、ある日友人の何気ない一言によってそれが恋と呼ばれるものであると気付く。
……と。六時間の間に書きあがったのはここまでである。


―――もし、自分がこの主人公のように人形に恋焦がれてしまったら……

「……やれやれ。疲れてんな、俺」
 俺はなにを考えているのだろうか……。これは小説、しかも俺の書いた三文小説の世界観なのだ。
そのようなものに一々感情移入してしまったりするようでは困る。俺はあいにく頭の中にお花畑があるような人間でも、妙な電波話ばかり振ってくるような人間でもない。
 そう自分に無理矢理言い聞かせて思考を強制終了させ、布団に入ったところで、俺は膀胱の悲痛な叫びのことを思い出さされるのであった。

 次の日も、授業中及び弁当中に脳内はあるもの一つに満たされ、ハルヒのシャーペン攻撃や国木田の呼びかけ、谷口などは果たして存在したのかどうかすら覚えていないほどだった。
 しかし、満たしているものの本質はともかく方向性、つまりベクトルは昨日より確実にまともな方向に向いているものであった。それは一体何か。答えはとても簡単だ。昨日書き始めた小説のことである。
 そいつの展開は既に頭のなかで決定しているが、文章による肉付けはいまだされているわけではない。それをぼんやりと一日中考えてしまい、今日のような結果を招いてしまったのだと推測する。
 しかし、そいつは昨日とは違い、団活の際には非常に役に立つ代物であった。

 俺は文芸部室につくなり鞄からノートパソコンを出して作業にとりかかった。
 その集中力たるや、朝比奈茶の存在さえ「あの……お茶、冷めちゃいますけど……」という朝比奈さんの声を聞くまで認知できなかったほどである。すみません、朝比奈さん
 文芸部室ではいつものように雑談をする者もなく、ただただパソコンのキーボードをタイプする音のみが響いていた。そしてその中でも俺のキーボードの音がひときわ目立っていたようにも思う。
 俺は無心(厳密には小説のことを考えているので無心ではないのだが)で小説を書いていた。
その無心の集中力は団活終了まで途切れることなく続き、長門の団活終了合図(この時期だけは本ではなくOSを終了させた音となる)にさえ気が付かず、朝比奈さんが俺の肩を叩いて
「あのう……着替えたいんですけど……」と言ってくれたことでようやく気が付くほど強いものであった。


「あなたはかなり小説に心を奪われているようですね。……あなたらしくはありませんが」
 このように、古泉が心配するような表情で声を掛けてくれたのは俺が小説に没頭し始めてから三日目のことである。
「ああ……幻想ホラーというお題はなかなか楽しくてな。ついつい熱中しちまって」
「んっふ。普段涼宮さんのすることにあまり関心のないあなたをここまで熱中させてしまうような題材……興味深いですね。一体どのような内容なのでしょうか」
 この頃になると、俺は既に小説を最後まで書ききり、チェックや推敲にのみ時間を費やすようになっていた。
「さあな。機関紙になってからのお楽しみってもんだ。それよりも、お前の方は大丈夫なのか?まあ、お前なら大丈夫だろうが……」
 古泉は、驚いたような顔で気付いてないのですかと呟き、
「僕はとっくに書き終えて涼宮さんに提出を済ませましたよ。おそらく書きあがってないんはSOS団内ではあなたと涼宮さんのみでしょう」
 と語った。マジか、全く気付かなかったぜ
「んふ、あなたは熱中しすぎると周りが見えなくなってしまう人のようですね。しかし、程々に頼みますよ」
 それだけ言うと、それでは。と言い残し古泉は消えていった。程々……ね。俺がここまで一つの物事に熱中する人間だったなんて、俺自身初めて知ったぜ。 

―――その晩、俺は夢を見た。

 それは一人の少女が、こちらに微笑みかけている夢だった。その整った顔に、いやに淋しそうな表情を浮かべながら………

「……よし」
 俺が古泉と上述のことを話した翌日の団活で、俺の小説は遂に完成した。
「ハルヒ、出来たぞ」
 考えてみれば、最後こいつに語りかけたのはいつだったのだろうか。
 ひょっとすれば結構語りかけていたのかもしれないが、俺の脳内には参考となる記憶は存在しなかった。
 ハルヒはぱっと一瞬嬉しそうな顔を作ると、ハッとした顔になり、そして例のしかめっ面に戻った。忙しいやつだ。
「これがあたしやみくるちゃんの呼びかけをことごとく無視するほど熱中して書いた小説ね?どれどれ、いかほどの物か見せてもらおうじゃないの。
言っておくけど、もしあたしのおめがねに適わなかったら容赦なく没だからねっ!団長を無視した罪は重いわよ。一つのことに熱中するのは結構だけどもう少しあ、あたしをゴニョゴニョ……////」
 最後の方が聞き取れんかったがまあどうでもいいことだろう。とっとと読んでくれ。

 しかし、ハルヒは最初こそすこし嬉しそうな表情で読んでいたのだが、読み進めるうちになぜかどんどん難しい表情を作るようになっていった。そして最後を読み終えると、
「キョン、あんたまさか………」
 と言ったっきり黙りこんでしまった。
 それでこの小説は没なのかどうかハッキリしていただきたい。
「………少し、考えさせてちょうだい。それから、今日はもう解散」
 そう言うと、難しい表情のままふらふらと帰っていってしまった。
 俺もそれに倣ったが最後に扉を閉めるとき、長門がじっとこちらを見ていたのが印象的であった。……少し目が潤んでいたようにも見えたが、俺の気のせいだろうということにしてそのまま家路に着いた。


俺は家に帰り着くと、小説について反芻するかのごとく考えていた。

 自分が人形に恋をしていると気付いてしまった主人公は、最初こそじっと人形を眺めるのみであったが、次第に彼の心の中における人形の占める割合は大きくなり、どんどん部屋に引きこもりがちになり、
遂には人形のことを考えると涙が止まらなくなるほどになってしまう。そして彼はいつしか神にこう願うまでになってしまっていた。
―――自分の今の日常の全てを捧げても構わないから、あの人形を結ばれたい……と。
 そしてある日、いつものようにご飯を兄の部屋の前に置きに来た妹は、ある異変に気付く。いつも部屋から響いてくる兄のすすり泣く声が聞こえなくなっていたのだ。
 そして妹は恐る恐る兄の部屋のドアノブを回す。不思議と鍵は掛かっていなかった。部屋に入った妹は、意外に綺麗に整頓されている兄の部屋において、ひとつだけ不自然になっているものに目を奪われてしまう。
 それは机の上で、仲良く手を取り合って踊っているように飾られた二つの人形。そのうちの一つは見覚えのあるものだった。
 全てを理解した妹は、涙が流れているのも、いつもと変わらずに時が流れていることにも気付かず、ただじっと、兄の部屋の入り口に立ち尽くすのであった………


 俺はこの小説について漠然と考えていたが、ふと意識を机の上に置いてあるものへと移らせた。
 ヤスミから貰った、人形の家。
 この小説のストーリーを考えるに当たって、いつも俺の脳内の片隅にこの人形の家が存在していた。

 扉を開ける。
ポロン ポロロロロン ポロロロロン
いつものピアノの音が聞こえてきた。
 俺はこの曲が一体何の曲なのかは知らない。誰が作ったのかも知らない。歌詞も知らない。しかし、この家から流れるメロディなら知っている。
メロディのみで、伴奏の一切無い淋しい音楽。それがここにあるものの全てであった。この人形はそれを守るため、文句も言わずにピアノの前から動かずにじっと座っている。
 そんなことを考えていると、俺の目から一筋の液体が流れ落ちた。
―――これは……涙?……俺は一体、どうして涙を流しているんだ……

もし。もしもあの小説のように、神に願って願いが叶うなら。
俺はそれについて考えることをやめることは出来なかった。
涙を流して嗚咽をこぼしながら、ひたすら、神に一つのことを願っていた。

なんてことだ!!
まさかあれがあそこまで危険なものだとは思っていなかった。
まさかあそこまで彼の精神に影響を与えるとは……

「はあはあ……バカにも……程があります……!!彼も……それに気が付かなかった僕も……」

 僕はひたすら走っていた。あの後彼の小説を読んだ僕は、涼宮さんのあの反応の理由、この小説に彼があそこまで固執していた理由。
そして………彼が最近、いやにやつれていた理由。その全てを悟り、今から起こるであろう最悪の事態を止めるべく、全力疾走していた。
 機関のため?世界のため?涼宮ハルヒのため?それとも彼のため?……いずれも違う。僕が走っているのはあくまでも僕のためだ。
僕は……機関を立ち上げ、涼宮ハルヒのために命を捧げて、友達なんて絶対に出来ないと思っていた僕にたった一人出来た親友を、みすみす失いたくはない。ただ、それだけの理由で走っているんだ。
 これは僕のエゴだろうか。ただの自己陶酔なのだろうか。なんだって構わない。僕は親友を失わないためなら、この世界を天秤にかける事だって厭わない。ただ、走れ、走れ。走れ!!


 汗だくで彼の家に着いた僕を出迎えてくれたのは彼の妹であった。僕はそのとき初めて自らの表情がひどく歪んでいたことを知り、慌てていつもの表情を浮かべる。彼の部屋へ上げて欲しい旨を伝えると、妹さんは快く案内を引き受けてくれた。
 そして彼の部屋を開けると、そこには机の上に置かれた人形の家がひとつ。

「あ、あのときの人形さんのお家だー!」

 彼の妹が扉を開ける。
ポロン (ポロン) ポロロロロン (ポロロン) ポロロロロン (ポロン ポロン)
……伴奏付きのシューマンのトロイメライが部屋に響き渡る
そのとき、僕の心の中に楽しそうにピアノを演奏する彼、と………が、見えた気がした。
僕は時が止まってしまったかのように、そこでずっと立ち尽くしていた。

このまま二度と時が動き出さないで欲しい……

そう、強く願いながら。

人形の家のピアノの前には人形が二つ。
どことなく嬉しそうな表情さえ感じ取れそうなくらい、仲良く並んで座っていた。

……変な夢だった。
俺が人形の家に入る?そんなことがあってたまるか。俺は、いつだってここにいる



ピアノの音が聞こえる
となりであいつがピアノを弾いている
俺もピアノを弾いている
腹も減らない。飽きることなんてない。
楽しい。幸せだ。
そう、ここにはこの世の幸せが詰まっている。
俺とあいつだけしか、この世界には存在しない
至極当然のことであるはずだが、なぜだか今の俺には新鮮なことのように思えた。


そして、なぜかは知らないが

正体不明の液体が、俺の目から流れ落ちた。

ただ、それだけのこと。



俺はしあわせだ
俺はピアノを弾き続ける
あいつもピアノを弾き続ける

ずっと ずっと

やあ、またお会いしましたね。嬉しいです

夢の世界について、少しは考えていただけましたか?
難しい?分からない?
まあ、それも無理はないでしょう。
わたし達は現の人間で、夢の世界の人間ではないのですから。

しかし、それは真実でしょうか。
本当にここは現で、そしてわたしたちは現の人間なのでしょうか。


すみません、少し長かったですか。失礼しました。
しかし最後に一つだけ、聞かせてください




あなたは今、しあわせですか?

以上です。

個人的に今まで書いた中でこれが一番気に入ってたので拡散してしまった。反省している。後悔はしていない

ヤスミの作品まだまだ少ないんだよ……書いてくれ、お願いします

それにしても地の文とはいえ行間開けてないから読みづらいな……できれば感想お願いしますね

過疎ってるな……だれか間をもたせてくれないものか

こんにちわ、久しぶりのssです
まだまだ未熟者なので、お手柔らかにお願いです
ゼルダxハルヒは思いつかないので、パス
今回はハルヒxサカナ系ですうまくで来たら、嬉しいです
ハルヒは出ません。キョンがやたらと魚に詳しいです

キョンと長門と古泉の水族館見学

キョン「ホホジロザメだっ。知ってるか?サメ系はな。血でよって来るっていうけど、アンモニアでもよってくるんだぜ」
古泉「知りませんでしたね。」
長門「ユニーク」
キョン「古泉はサーフィンやるか。」
古泉「ええ」
キョン「どこの場所だ?」
古泉「沖縄の宮古島ですね」
キョン「しねー」
古泉「急に何ですか全く」
キョン「サーフィンの乗るやつはサメから見ると、大好物のアザラシとかに見えるんだ」
古泉「嫌だ、、、死にたくないよ」
長門「それは無理貴方は約1年後、死ぬこれは規定事項」
古泉「嫌だ、、、」
長門「しかし」
古泉「しかし?」
長門「もう一つの方法がある」
古泉「何ですか?」


ちょっと休憩
あとで来ます書きだめ?何それうまいの







古泉「やだよ、」

上へこれから書きだめしてカキコします

続き

長門「貴方がサメになる」
古泉「…どういう事でしょうか」
長門「言った通り」
古泉「わかりました」

___一時間後___

キョン「邪魔な奴はいなくなったな」
長門「そう」
キョン「そこでだ魚あてクイズをしよう」
長門「おk」
___十分後___
キョン「これは?」
長門「金魚」
キョン「正解...じゃぁこれは?」
長門「それはバラ、、なぜ?」
キョン「それはな...古泉やハルヒがいないから言える好きだ 付き合ってくれ」
長門「ばか...でも嬉しい///」ポッ
それからそれから、長門とキョンは付き合ったとか

めでたしめでたし

原作読んでなくてアニメと映画しか知らないけど書いてきたから投下する

 今日はなんてことの日のなんてことのない放課後。俺たちSOS団の面々はいつも通り部室に集まりいつも通りの活動を行なっていた。

 俺と古泉は将棋を指し、その様子を朝比奈さんが不思議そうに眺め、長門はよく分からないの小難しい本を読み、我らが団長様はパソコンと睨めっこしている。

 そう。なんてことのないいつも通りの団活。面倒事も無ければ誰にも迷惑のかからないそんな平和な日だ。

 パシンッ、と将棋の駒を打つ音が部室に広がる。

 「これは困りましたね……」

 駒を動かそうとしていた古泉の手が止まり、そのままお手上げといったポーズを取る。

 「あなたもイヤらしいですね」

 お前がそう言うとどうしてかどこからか黄色い声が聞こえそうだからやめてくれ。

 ちなみに古泉の言う『イヤらしい』といのは俺が普段使っていない戦法を使ったことに対してだからな。

 なんとなくムカっときた俺は古泉を挑発する。

 「どうした、もう終わりか? 情けないな」

 「いえ、まだまだこれからですよ」

 古泉はいつもの胡散臭い笑顔を崩さず挑発を軽く流す。

 それもそうか。展開はまだ序盤。大駒を取ったわけでも大手をかけたわけでもない。しかし、古泉の動揺を見ると俺のペースなのは間違いないだろう。悪いが勝ち筋は見えたぜ。

 「あの、これはどういった動きをするんですか?」

 静かに見ていた朝比奈さんが盤上に置かれた駒を指さして尋ねた。

 指さされた駒は飛車。ちょうど今、古泉を苦しめている駒だ。

 「この駒はですね、前後左右なら駒にぶつかるまでどこまでも行けるんですよ」

 「そうなんですかぁ。なんだかすごいですね!」

 にっこり笑顔の朝比奈さん。ああ、今日も心が洗われそうです。

 それにしても良かったな飛車。朝比奈さんに褒められただけでもこの世に生まれてきた価値があるってもんだ。

 「では、僕はこうしましょう」

 考え込んでいた古泉がようやく駒を動かした。動かされた駒は無難な駒だった。

 そうくるなら俺は……。

 古泉の手を受けて持ち駒の『歩』を掴み盤上に打とうとしたそのときだ。バンッ!! とハルヒの方から机を思いっきり叩いた大きな音がした。

 それに思わず体がビクッとなる。またハルヒか、などどブルーな気持ちになりつつ掴んでいた歩を目的の場所に打って古泉とともにハルヒの方を見る。

 「聞いてみんな!!」

 部室の外の廊下にまで響きそうな声を出して、椅子の上で腰に手を当てて立っていた。

 全く、いきなり大きな音を出す奴があるか。俺や古泉はともかく朝比奈さんがビクついて抱きついて来てるだろうが。

 「す、すみませんキョン君。思わず……」

 いえ、大丈夫ですよ。むしろ朝比奈さんなら二十四時間このままでも俺は一向に構いません。特に肩の方に柔らかいいい感触が……。

 「こらみくるちゃん!! キョンから離れなさい!! じゃないと……」

 ジロリと朝比奈さんを睨んでハルヒにしては低い声で、

 「襲ワレルワヨ」

 「ひぃっ!?」

 肩に抱きついていた朝比奈さんがバッっと離れて俺から若干の距離を取る。 

 チッ、ハルヒめ余計なことしやがって。あの朝比奈さん、怯えなくても大丈夫ですよ。襲うとかそんな物騒なことしませんから。

 それにしてもこの流れは嫌な予感しかしないな。あのハルヒの様子……絶対に面倒事が起きると俺の第六感が強く訴えている。

 「みんな、部費を集めるわよ!!」

 部室の中に流れていたまったりとした空気を吹き飛ばす、ハツラツとした宣言だった。

 やれやれ。やっぱりこういう流れになるんだな。これで何度目だろうか。

 というかなんだ? 部費、だと? また例に漏れず突拍子も無いことをお前は思いつくな……。

 でもまあなんだ。今は椅子から降りなさい。そこは座る場所であって立つ場所ではありません。

 たたでさえスカートが短いんだから、足の方から脚に目線を上げていくと角度によっては制服と違う素材の布が――

 「ふごっ!!」

 突然俺の顔に何かが投げられた。床に落ちたものを見るとそれは消しゴムだった。

 「い、いきなりなにしやがんだハルヒ!?」

 「はあ? そんなのアンタがイヤらしく鼻の下を伸ばしてたからに決まってるでしょ!! このエロキョン!!」

 「うぐ……っ」

 悔しいが二の句が継げなかった。でも仕方ないだろ? だって男の子だもん!

 いやでもちょっと待て。俺だけ罰を受けるのは理不尽じゃないのか? 古泉だってハルヒの方を見ていたはずだ。ならば当然、古泉にも罰が与えられるべきじゃないのか?

 「おい、ハルヒ」

 「なによ」

 ハルヒがキツイ感じで上から俺を見下ろす。

 その手の業界の人ならば「ありがとうございます」と礼の一つもしそうだが、生憎と俺は業界人ではないから普通に話を進めさせてもらう。

 「古泉はどうなんだ。古泉だってお前の方を見てるのに罰はなしか?」

 「僕は別消しゴムを投げられるよなことはしていませんよ」

 うるさい古泉黙っていろ。お前の意見は聞いていない。

 「やいやい、どうなんだハルヒさんよ?」

 「古泉君は別よ。いつもお世話になってるし」

 「ありがとうございます」

 あーやっぱりそうかい。どうせ俺は役に立たない雑用係ですよ。

 などと、拗ねているとハルヒがとんでもないことを言い出しやがった。

 「むしろ逆にサービスしてもいいくらいね」

 なん……だと……?

 そう言ってスカートの裾に手をかけ、すーっと上に持ちあげていく。

 普段は見られない太ももの部分が徐々に顕になりその先がみ、見え……!!

 「しゅ、しゅじゅ宮さん、それはちょっと……!!」

 危うくそのまま『いかがわしいショー』になりかけたとき、朝比奈さんが止めに入った。長門もいつの間に立ち上がってどこか心配そうにハルヒを見つめていた。

 朝比奈さんグッジョブです。ちょっと惜しかった気もするがこの煩悩は封印しておこう。俺の株がストップ安になっちまう。

 「冗談よみくるちゃん。そこまで私の体は安くないわ」

 人前で着替え始めたり大勢の前でバニーになった奴が言える台詞じゃないぞ、それ。

 「お気持ちだけ頂きます」

 さすがの古泉も気まずいという顔をしていた。

 「あら、そう。ちょっとくらいならいいのに」

 ドリフで見たぞ似たようなものを。

 取り敢えず古泉には今日の帰りに腹痛に襲われる呪いをかけてやろう。何故かって? なんとなくムカついたからだ。恨むならその得なキャラを恨むんだな。

 「あ、古泉君それ」

 なにかに気がついたのか、ハルヒは先程まで古泉と指していた将棋の盤上を指さす。

 「おや」

 盤上を見る。そこにはにわかには信じ難い光景があった。

 「二歩ですね」

 そう二歩だ。将棋で駒の並びと動きの次くらいに覚える超超初歩的なルールだ。俺はいつの間にかそのルールを破っていたのだ。

 よくよく見ると二歩をした場所は、打とうとしていた場所の一つ隣だった。

 「珍しいこともあるものですね」

 「あ、ああ……」

 どうやら俺はハルヒの出した大きな音にビックリして打つ場所を間違ってしまったらしい。そして結果、二歩となった。

 なにを言ってるか分からねえと思うが俺もなにを言ってるか分からねえ。機関だとか情報統合思念体だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 『勝ち筋は見えた』などとドヤ顔をしていたあの時の俺をぶん殴ってやりたい……。

 「にふ? ってなんですか?」

 朝比奈さんが可愛らしく首を傾げる。

 「二歩とは味方の歩が同じ列に二つなんでしまうこと。これは重大なルール違反。ルール違反を犯したものは負けとなる」

 「そうなんですかぁ。キョン君、次は頑張って下さいね」

 解説をありがとうよ長門。そして朝比奈さんも励ましをありがとうございます。ちくしょう目から海洋深層水が……。

 「この一局、僕の勝ちですね」

 あーそうだよ。お前の勝ちだ。

 「さて、キョンの無様な姿も見られたし本題に移るわよ」

 はいはいそうしてくれそうしてくれ。

 「ちょっと生徒会の資料を覗いて各部に割り当てられた予算を見てみたんだけど……」

 なんつーものを覗いてるんだ。普通は覗けないようになっているはずじゃないのか? まあこの際それは些細な事か。

 「うちの部だけ全っっっ然予算が割り当てられてないのよ。信じらんない!!」

 そりゃ当たり前だ。文芸部の部室を乗っ取った上になにをしているのか怪しいこの団体につける予算なんてあるはずがない。

 もっと言えば学校側から認められていないんだ。だから予算が回ってくるという発想自体がおかしいのさ。

 「だから部費を集めようと思うの」

 予算が割り当てられないことからどうして部費の話になるのか俺にはさっぱり分からないね。

 心の中で溜息を吐いて周りを見てみると、なんとなくだが部室の空気が重くなっている気がした。

 長門はなにも言わないし、古泉はイエスマンだし、朝比奈さんは周りを見てオロオロしている。

 やれやれ。どうせ徒労に終わるだろうが俺がツッコミを入れるしかないのか。

 「なぁハルヒ。今更部費を集めてどうするつもりなんだ? なんかやりたいことでもあるのか?」

 「今はないわね」

 ないのかよ!!

 「でも今後のために設けた方がいいと思ったのよ」

 今後? 予定もないのに今後のためってどういうことなんだ?

 「つまりはこういうことでしょうか? 部費という形でお金を募り今後のために貯金をしていく、と」

 「古泉君の表現が一番いいわね」

 なるほど貯金か。それこそ今更どうするんだ? 大きなお金のかかることは大抵古泉の根回しで俺らは小遣い程度のお金で済んでいるが……。

 「今後のためってどういうことなんですか?」

 「いい質問ねみくるちゃん。今後といのは私たちSOS団の今後のことよ」

 SOS団の今後、か。また抽象的なものを持ち出しやがって。

 確かに不思議探索には(主に俺の)お金はかかるが貯金をしてどうなるというんだ? いまいちハルヒの考えてることが読めん。

 「私ね、ふと数年後を想像してみたのよ」

 こういう時のハルヒにしては珍しく憂いを持った感じで話し始める。

 「みくるちゃんは一年先輩だから私たちより早くいなくなっちゃうでしょ。私たちにしてもそれぞれの進路があるからその内こうして集まることも難しくなる」

 確かにそうだ。ハルヒの言う通りいずれ俺たちはバラバラになる。いつ、どうやってかは分からない。けれど、いつかその日がやって来るのは間違いない。

 もっとも、ハルヒが『心から』望めばあの八月のようにどこまでも一緒にいることも可能だ。しかし、この話ぶりからすると時間の流れは受け入れるのだろう。まあそうでなければ困るんだが。

 「そうなっても私はSOS団を解散、消滅させるつもりはないわ。むしろより絶対的なものしたいのよ」

 「絶対的なものって会社でも立ち上げる気か?」

 「それも一つのアイデアね」

 マジかよ。こいつなら本当にやりかねん。

 「将来のSOS団に繋がるために手っ取り早いなにかしらの形が必要かなって思ったの」

 そうか。そのための貯金か。

 SOS団として貯金をすればそれはSOS団の財産となる。つまり俺たち共有の財産というわけだ。絆や友情といった目に見えないものではなくハッキリと形に残る財産だ。

 「なるほど、さすがは涼宮さん。面白い試みですね」

 古泉もハルヒの意図を理解したのかその案に同調する。

 「わ、私は……あの……」

 朝比奈さんは未来人だ。恐らく任務が終われば未来に帰ってしまう。そして俺たちの未来と直接関わりがあるだけに思うところがあるのだろう。

 「なに煮え切らない感じになってるのよみくるちゃん。みくるちゃんにはこれからもSOS団のマスコットとして働いてもらうんだからね!!」

 おいおい、いつまでもマスコット扱いかよ。確かに未来の朝比奈さんも可愛らしいがマスコットではないな……ってそういう問題じゃねえ。

 「それにみくるちゃんには未来人が現れた時の親善大使になってもらうんだから」

 「ふぇええええええっ!?」

 俺も朝比奈さんに続いて悲鳴もとい奇声を上げたい気分だった。

 古泉も長門もなんとなく居心地の悪そうな雰囲気を出している。

 涼宮ハルヒ、恐るべし。

 軽く涙目の朝比奈さんを尻目に次は古泉に視線を合わせる。

 「古泉君は超能力者に会った時の親善大使なんかお似合いね」

 「ありがとうございます」

 よくポーカーフェイスを崩さずにいられるな。

 次に長門。

 「有希は宇宙人ね。よろしく頼むわよ」

 「……、分かった」

 どちらかと言えば長門よりお前の方がよろしくすべきだと思うがな。

 次に俺だ。なにに選ばれるのかねえ。

 「キョンはそうね……。キョンは雑用のままでいいわ」

 「おい!!」

 なんか順番的にオチが来そうな気はしてたが雑用のままはいくらなんでも酷くないか!?

 ニュージョブプリーズ!! ニュージョブプリーズ!!

 「なんか不服そうね」

 当たり前だ。

 「じゃあ平社員で」

 「ぶっちゃけあんま変わってねーよ!!」

 「まぁまぁ、その時になってみないとわかりませんし」

 ちくしょう。古泉の慰めなんかいらねえやい。

 よし、ダメ元で反論してみるか。

 「つかハルヒ。お前勝手に話進めてるけど、今は昔と違って地球の裏側に居てもいつでも連絡出来る。秘境にでもいかない限り交通手段もある。なにもそうやって繋ぎ止めるようなことしなくてもいいんじゃないのか?」

 「それじゃあ逆に聞くけど、私以上の案があるの?」

 「そ、それは――」

 椅子の上から降りてずいっと体ごと俺にプレッシャーをかけてくる。

 「キョンはSOS団がいつの間にかただの思い出になって消えていってもいいの?」

 「……………………」

 言葉が続かなかった。理屈ならいくらでも並べられるはずなのに。

 もしも、ハルヒの言う通りSOS団がただの思い出となって消えてしまったら? 疎遠になってバラバラになってしまったら? 

 俺はこの日常が気に入っちまってあの時の長門の改変を良しとしなかったんじゃないのか? このままSOS団を続けられる方法があるならその方法を選ぶべきじゃないのか?

 そしてなにより今の俺自身はどうしたいんだ? ハルヒが提示したのは一つの案でしかない。それどう受け取るかは俺次第だ。俺はどう受け取るんだ?

 ……………………………………………。

 ……迷う必要はなかった。ハルヒの問に答えられなかったのが答えだったから。

 「――俺は下っ端の雑用だからな、団長様に付いて行くだけだ」

 「初めからそう言えばいいのよ」

 太陽にも負けないくらいの眩しい笑顔が返ってきた。

 これはもう前言撤回なんて出来ないな。もしそんなことをしたら古泉がバイトで動けなくなるだろう。もっとも、前言撤回する予定はないがな。

 「あの、それで部費というものはどのくらいなんですか? あんまり高いのはちょっと……」

 そうだ。そうだった。大事なことを忘れていた。

 理不尽な奢りでいつも小遣いギリギリの生活を強いている俺にそんな余裕はない。両親に今更部費が要ると言ってももう遅い。財布の氷河期が訪れること間違いなしだ。

 「それもそうね……。古泉君なにかいい案はない?」

 古泉、一番いい案を頼む。

 「ここは部費ではなく、『投資』と言い換えたらどうでしょうか?」

 「投資、ですかぁ?」

 ピンと来ないのか朝比奈さんが聞き返す。ちなみに俺もピンと来ていない。

 「ええ。部費という形で毎月固定の額というのは多かれ少なかれ義務感が生まれてしまいます。そうなると管理が難しくなりますし、お金絡みの嫌なトラブルも起きるでしょう」

 古泉の言う通りだ。例えば管理者がハルヒとして俺が滞納した場合を想定しよう。……トラブルが起こるのは必須だ。それで困るには当人だけではなく周りに飛び火するのも問題だ。

 「ですから、一円でも二円でも皆さんが意識してその都度貯めていくというのはどうでしょうか? 貯金という堅苦しいものではなく、未来の僕たちに投資をするという形にするんです」

 塵も積もればなんとやらだな。一番いい案かもしれないぞ。

 「いいわ!! 最高にいいわ古泉君!! さっすが私の副団長ね!!」

 「こんなに喜ばれるとは……。少々気恥ずかしいですね」

 良かったな古泉。どうやらハルヒ的にも百点満点の回答だったらしいぞ。腹痛に襲われる呪いを更に強力にしておこう。

 「やっぱりスカートの中を見せてあげてもいいくらいね!!」

 「ぶっ!! げふっ! げふっ!」

 予想外だったのか古泉が盛大に吹き出した。俺も予想外だ。

 朝比奈さんがまた健気にハルヒを止めにいっている。ほんと、すんません。

 古泉はなんか激しく咽ているが俺は無視することにした。ハルヒの副団長様なら自分でなんとかしろ。

 「そうと決まればさっさく作業に取り掛からないとね!!」

 「作業ってなにすんだ?」

 「そんなの決まってるわ。投資箱を作るのよ」

 あーまあ、そうだろうな。さて、一体誰がその役をやらされることになるのだろうか。

 「キョン、頼んだわよ」

 でっすよねー。知ってたわー。一万年と二〇〇〇年前から知ってたわー。

 「ちゃんと見栄えのいいもの作らなきゃ死刑だから」

 お前のその死刑制度だと世の中の三分の一くらいは死刑になりそうだな。

 「期限はいつまでだ?」

 「明日」

 「明日!? 今日はもう遅いしさすがに無理があるぞ」

 ハルヒが口を尖らせてこちらを睨んでいる。

 誰もやらないとは言ってないんだ。少しくらいは余裕をくれてもいいだろ?

 「……じゃあ週末の不思議探索までには出来上がらせること。いいわね」

 「了解」

 「なら今日のところはこれで終わりね。キョン、後は頼んだわよ」

 ハルヒによる終了の知らせと、長門の本が閉じる音で今日の団活が終わる。

 帰り支度も程々にハルヒは朝比奈さんを連れて早々に部室を出ていく。きっと茶化されながら帰るのだろう。朝比奈さん、ファイトです。

 二人が部室を出ていったあと、投資箱のレイアウトをどうしようかとパソコンで資料を探すために団長席に座る。

 すると古泉がタイミングを見計らったように話かけてきた。

 「今日の涼宮さんには少し驚きましたね」

 「そうか? 俺にはいつも通りの傍若無人なハルヒに見えたけどな」

 古泉はずいっと俺との距離を詰め、

 「そうでしょうか? いつもの涼宮さんでしたら思考は今現在を中心に置かれていて、それに基づいたものを提案してきました。しかし、今日の涼宮さんは未来を、それもSOS団の存続という具体的なもの提案してきました」

 確かにそういう見方もあるな。それにしても古泉、顔が近い。

 「彼女の力を持ってすればいかなる願望も叶えることが出来ます。けれど今日の彼女はストレートではないですが、これからも僕たちと居たいという願望を明確にしました。これはちょっとした驚きではないでしょうか?」

 ハルヒのやつが願望を、ねえ。本当にそうか? 俺にはハルヒは願望ではなくもっと違う『なにか』を見ていた気がしてならないんだがな。例えば――

 「ハルヒにとっては願望でもなんでもなく、単に未来を暗示していただけだと思うぞ」

 そう、暗示だ。古泉は機関と、長門は親玉と、朝比奈さんは未来と。ハルヒの想像した『ふと数年後』にもそれぞれの繋がりが続いているという無意識の暗示だ。

 「未来を、ですか?」

 「ああ。仮にあいつの力が無くなったとしても『お前ら』はあいつを監視し続けるんだろ?」

 古泉の顔から笑顔が消える。俺たちのやりとりを黙って聞いていた長門もこちらを注視している。

 どうやら俺は確信に触れちまったらしい。けれど俺はそれに構わず話を続ける。

 「神様が元神様になっただけで、お前らがハルヒへの興味が薄れるとは思えないね。むしろ『どのようにして元神様になったのか』という新たな興味が生まれるはずだ」

 古泉らの組織の表面上のことしか知らない。それでもハルヒの特異性を考えれば鈍いと言われる俺も嫌でも感づく。

 「つまり、今もこれからも変わらないってこった。あいつはそんななにも変わらない未来を無意識に暗示したんじゃないのか?」

 重い沈黙が流れる。万が一にでもこの話はハルヒに聞かせていい話ではないな。

 「……、あなたには敵いませんね」

 沈黙を破ったのは古泉だった。

 いつの間にか古泉の胡散臭い笑顔が戻っている。長門もこちらに注意を向けていない。

 「それでは遅くならない内に僕はお先に失礼します」

 おう、じゃあな。腹痛にはくれぐれも気を付けろよ。

 邪念たっぷりに古泉を見送った俺は隣にいた長門に声をかける。

「長門も俺に話があるんじゃないのか?」

 少し間があって、

 「私は、いい。あなたと古泉一樹の会話で既に要件は済んでいる」

 そのまま部室を出ていこうとする長門。なに? とこちらを振り向いた長門に、

 「これからもよろしくな」

 そう言って長門を見送った。

 振り向いた長門はいつもの無表情だったが、見送る際の長門はどこか微笑んでるようにも見えた。

 「さて、と……」

 最後に教室に残った俺はレイアウト探しに適当なサイトを巡ってみることにした。

 箱なんてただの飾り。偉い人にはそれが分からないのか、パッとものはなかなか見当たらなかった。

 単調な作業にパソコンの前で軽くウトウトしていると部室のドアが開かれた。

 「やっほーっ! 仕事してる?」

 聞きなれた声に俺の直ぐ側まで来ていた睡魔はどうやら暗黒の世界に帰ったみたいだ。

 「ん……なんだ、ハルヒか」

 「なんだとはなによ、なんだとは」

 眠気で満たされてる今の俺にお前の声はよく響くな。

 「忘れ物でもしたか?」

 「そ、忘れ物」

 そう言うと足元に落ちてあったもの拾い、俺の前にそれを突き出す。

 「アンタに投げた消しゴム」

 「……、」

 嫌味全開だな。もう終わったことなんだから勘弁してくれ。

 「で、仕事はしてるの?」

 消しゴムをポケットにしまい、俺の後ろに周り込みパソコンを覗き込む。

 「見ての通りだよ」

 そのまま二人で適当なサイトを巡る。

 時々「こういういいんじゃない?」とハルヒの感触の良かったものをピックアップしていく。

 俺一人では正直不安だったがこの分だとなんとかなるだろう。

 そうこうしている内に完全下校の放送が流れる。これ以上は学校に残ることは出来ない。

 ピックアップしたものを保存してハルヒと共に学校を出る。

 外はもうすっかり暗くなっていた。どこから晩ご飯のような匂いがする。もうそんな時間だった。

 「キョンはこれからどうするの?」

 帰り道、隣を歩いているハルヒはポツリとこんなことを聞いてきた。

 「家帰って、晩飯食って風呂入って――」

 「そうじゃなくて!!」

 いてっ。いきなり膝裏を蹴るんじゃない。かっくんしたらどうすんだ。

 「来年とか再来年とかその次の年とか次の次の年とかのことよ」

 来年とか再来年……ああ、ハルヒの暗示した未来か。いや、ハルヒ自身は気がついていなから純粋に想像した未来か。

 どう答えたらいいものか。俺と古泉の会話のことは言えないし、適当なことを答えても真面目に答えろと一蹴されるだろうな。

 ならば真面目に答えるか? 今から即興で真面目な将来が語れるのか? 答えはノーに決まっている。三年かけて進路を決める現役の高校生にそんなこと出来やしない。

 チラリとハルヒの方を見る。俯き加減で表情までは読み取ることは出来なかったが、『俺の』回答を待っているのは明らかだった。

 「あー……正直に言うと何年か後なんて俺には分からない。進路さえまだ決まっていないんだし……」

 でもな、と俺は続け、

 「あの時言った『団長様に付いて行くだけだ』ってのは間違いないぜ」

 「ね、ねえアンタ……」

 「なんだ?」

 「な、なななんでもないわよバカキョン!!」

 いてっ。だから膝の裏を蹴るんじゃないって。

 気がつくとハルヒは、俺の服の袖を掴んで一歩後ろを歩いていた。先ほどと変わらず俯いたままで表情は分からなかったが、どこか赤くなっていた気がする。


 そんなこんなで今日が過ぎてゆく。これもなんてことのない日にカウントしてもいいんじゃないかと思う。

 日常や非日常なんてこいつの前では些細な事だ。だったらこんな日が続いても俺はいいと思う。

 なぁ、そうだろ? ハルヒ。

終わりです
原作読んでる人から見ればおかしかった所も多々あったかと思いますが、いかがだったでしょうか
機会があればまた書きたいと思うのでよろしくお願いします

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE ~輝く季節へ~ 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD ~支配者の為の狂死曲~
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世

SS予定は無いのでしょうか?

久しぶりに投稿

夢で見たのを再現する
ではSTART



俺は最近ハルヒから逃げている
理由はこうだ

回想

ハルヒ「キョン!私と付き合いなさい」y
キョン「・・・なんだって?」
ハルヒ「だから付き合いなさいって言ってるの」
キョン「・・・すまん無理だ」
ハルヒ「どうしてよ」
キョン「すまんな」
ハルヒ「(;_;)」

~二日後~

キョン「よう古泉、お前どんな性格が好きだ?」
古泉「性格とは?」
キョン「病んでれとか、ツンデレとか、俺は病んでれだな
古泉「僕はハルヒ「キョンは病んでれが好きなのね」
キョン「うるさい」
ハルヒ「ムー」

それからハルヒのストーカーが始まった
迷惑電話 手紙 尾行の数々
妹は「気持ち悪~い」
と言う。実際気持ち悪いので古泉に電話した

キョン「もしもし、古泉か?」
(そうですよ)
キョン「助けてくれ。ハルヒにすとーかされてんだ
(気持ち悪いですね、ほぉ難しいですね、こちらも支援します
キョン「どうすりゃいいんだ?
(あなた方に家を貸しますそこで暮らしてください
キョン「わかった。よろしく頼む
(はい)

そうして二日後北高から5km離れた家についた



キョン「古泉どうだそっちは
古泉「涼宮さんは、暴れまくっています。最近は不思議探索と言ってあなたの居る家を探しているようです
キョ「ンそうか
古泉「最近あなたの居る言えのすぐ近くにいましたよ
キョン「マジカ
古泉「大マジですよもうそろそろヤバイですね
キョン「わかったすまんないろいろと

~三日後~

prrrrrrrrrrr!

電話がなる 古泉だ

古泉「大変です、涼宮さんがあなたの居る家を築きました
キョン「何...,,だと
古泉「今から警備をしますので、気をつけてください
キョン「お...おう

二時間後

prrrrrrrrrr!
古泉「もうだめです。警備がやられました!逃げてください
キョン「何...,,だとどうすりゃいい...
バリッン
なにかが割れる音がした
ハルヒだ ハルヒはペンチのようなものを持っている
間一髪で家にある地下室に逃げ込んだ
足が震え 歯がカチカチなる
とうのハルヒは
ハルヒ「キョン何処だギョーーーーンンンン、、ドゴ~~~~~
息を殺しただうずくまる

いないと思ったのかハルヒは
ハルヒ「ここにも、いないいいい

そこで空気が凍る
なんと足音がちかずく
ギイイィィィィィィィイイイイイイと音を立て地下室に光がくる

ハルヒ「みいぃいつけた
見つかった
ハルヒは血に濡れたペンチを持ち、不気味な笑みを上げていた
そして、ハルヒはペンチを振るいあげ
ドゴォッと音を立てると俺の意識は無くなった

二日後
ハルヒは捕まり無期懲役
こうして古泉は泣き叫び
朝比奈さんは泣いて顔がぐちゃぐちゃ
長門は目をうるましていた

もっと古泉たちと笑い合いたかったなぁ


おしまい

どうでしたか
まだまだ駄文ですが
またよろしく願います

乙!

SOS団の連中をとことん化け物と蔑んで避ける人間臭いキョンのSSないかな?
やっぱ単なる15,6のガキが世界を背負う自体が嘘臭いし
非日常にいきなり放り込まれて正常で居られる方がおかしいだろ

>>222

いくら怖かろうが好奇心ぐらい沸くのは自然だと思うぜ?
ゲームやら特番やらがあふれる時代だしな……
昔だったら正常でいられるかどうかわからんがな。



   キョン「ち、近寄るな 化け物 」
   キョン「ち、近寄るな! 化け物!」その2


名作。
そしてこの続編


   キョン「化け物……俺はお前のことをそう呼んだな」


ものすごくすっきりする。あわせて読まないと損(な気がする)。

キョン子の一人称が「俺」だと違和感ある?

>>227
キョン子なら「私」のほうがいい。
キョン♀なら「俺」

最初からキョンが女の設定なら前者だな

キョン「よう。長門おんりーか?」

長門「そう」

キョン「りーせんとりぃ、ハルヒがずいぶんと大人しくてべりーべりー平和だな!」

長門「そう」

キョン「ていうか今日、えぶりばでぃ来るの遅いな」

キョン「古泉はいつも俺が来る頃にはすまいる浮かべてうぇいてぃんぐしてるってのに」

長門「……あなたに話がある」

キョン「話?ほわっつあっぷ?またさむすぃんぐ厄介事か?」

長門「そう」

キョン「ハルヒがおるそ関係してるのか?」

長門「そう。すでに改変は終了し、ある人物の言行にその影響が現れている」

キョン「おーまいごっど!具体的にはほわっと起こっているんだ?」

長門「会話の所々に当人の使用言語とは異なり、かつその人物にとって最も馴染みの深い言語のノイズが入り交じり、コミュニケーション伝達能力に支障が出ている」

キョン「Oh...何てとらぶるさむな事件だよ……。んで、その改変を受けちまったべりーべりーあんふぉーちゅんなやつはふー?」

長門「あなた」

キョン「……ほわっと?」

長門「予期していたよりも侵食が早い。今すぐ対処しなければあなたの使用言語は日本語から似非アメリカ語になってしまう」

キョン「り、りありぃ?」

長門「りありぃ。情報操作を開始する。その場を動かないで。どんとむーう゛ひあ、おーけい?」

キョン「OK. I understand...」




~翌日~

古泉「それはそれは……大変でしたね」

キョン「他人事だと思いやがって……っていうか、何でハルヒはあんなしょうもない改変をしたんだ?」

古泉「推測に過ぎませんが……一昨日、涼宮さんはテレビでルー○柴が出演されていた番組を見ていましたから、深層心理であなたにルー大○のようになって欲しいと思ったのではないでしょうか?」

キョン「マジかよ……」

古泉「冗談です」

キョン「……」

古泉「すみません。睨まないでくださいよ」

キョン「ふん……」

長門「へそを曲げてしまった」

古泉「おやおや、困ったものです」


みくる「ふわああぁぁぁす、涼宮さんこの格好は……!」

ハルヒ「つべこべ言わないのみくるちゃん!」バタンッ!

ハルヒ「みんなー揃ってるー?SOS団かんふぁれんす始めるわよー!!」

キョン「……ん?」

古泉「……おやおや」

長門「改変はまだまだこんてぃにゅー……」

キョン「名前、か……」




俺には最近悩みがある。

そりゃあ俺だって青春を謳歌している健全な男子高校生の一人さ。悩みの一つや二つくらいある。
しかし俺の悩みというのは大体が一人の神様関連。
それに関しては長門や古泉の方が俺よりも大変そうだ。今度二人に労いと感謝の言葉でもかけてやろう。


……話が逸れたな。
今回の俺の悩みは悲しいことにハルヒ関連ではない。悲しいことに、ってのは別にハルヒに振り回されるのを楽しんでいるということではない。この場合の意味合いとしては『原因がわからない以上、どうすることもできない』だ。

大抵の面倒事はハルヒが関係しているために解決方法がある程度想像がつく。しかし今の悩みは俺の個人的かつハルヒが原因ではない悩みのため、現状ではその解決策が見当たらない。

さて、そろそろ勿体振るのはやめよう。俺のモノローグは長すぎて読む気がしないと巷では噂されているらしいしな。

俺の悩み。それは━━━

キョン妹「キョンくんごはんだよ~!」

キョン「……前々から言っているがせめて『キョンくん』はやめてくれ。俺はお前の兄なんだぞ?」

キョン妹「え~……でも、キョンくんはキョンくんだよ?」

キョン「……」

そう、懸命な皆さんはもうわかっただろう。俺の悩みは『名前』だ。

どうも俺の周囲の人間は俺のことを苗字や名前で呼ばない。名前は呼ばれるためにあるものだ。俺の本名はもしかすると『名前』の定義を満たしていないのではないだろうか。

妹に連れられ俺はキッチンへと向かう。両親に名前についてさりげなく聞こうとするも親父が会社の後輩について喋り始めたためにタイミングを逃す。

親父の話が終わったのを見計らって話を切り出そうとするも……、

キョン父「……そういえば、また赤点すれすれだったみたいだな、キョン」

キョン母「やっぱり中学時代のように塾に行くべきだったんじゃないの、キョン?」

あんたらもか。

両親の俺のテストの点についての言及を適当に聞き流した俺は自室へと逃げ込んだ。

なぜどいつもこいつも俺の名前を呼ばないのか。もしかして俺の本名を忘れているのか?

……まさか本当に忘れられているんじゃないだろうな。

急に不安になった俺はある実験を行ってみることを決意した。

キョン妹「キョンくんお風呂沸いたよ~!」

階下からは実の兄をあだ名で呼ぶ妹が俺に風呂が沸いたことを舌足らずな声で知らせた。

翌朝。

今日も今日とて北高までのキツイ坂を登る。

なぜ北高の設立者はこんな高台に設立したのか。生きているのならば大声で説教してやりたいところだ。

谷口「おっすキョン」

国木田「おはようキョン」

キョン「ん?ああ、おはよう」

道中、谷口と国木田に出会う。そのまま三人で登校。谷口は昨日のナンパの失敗について延々と語っていた。まだナンパなんてしてたのか。

キョン「……っと、そうだ。お前らに聞きたいことがあったんだ」

谷口「お?なんだよキョン。俺のナンパテクを知りたいのか~?」

キョン「いらん。成功してるならまだしも失敗ばかりのナンパテクに需要なんてないだろ。……そうじゃなくて、○○ ○○って奴のことを知ってるか?」

国木田「えっ?」

谷口「○○ ○○?誰だよそれ」

国木田「ちょ、ちょっと谷口!キョンの名前だよ?」

谷口「えっ?そうだっけか?」

さすが国木田だ。中学からの付き合いなだけある。それに比べてなんだ谷口。本当に俺の名前覚えてなかったのか。いくら俺でも泣くぞ。

国木田「そりゃあ友達の名前くらい覚えてるよ」

谷口「い、いやちょっとド忘れしただけだって!」

キョン「辞世の句はそれでいいか?」

谷口「あっ、ちょ、キョン…ストッ……」ドグシャ

一発殴っておいた。体に教えないと覚えないこともこの世にはあるからな。

国木田「急にどうしたの、キョン?」

キョン「いや、俺の名前を呼ぶやつがいないからみんな俺の名前を忘れているんじゃないかと思ってな」

国木田「うーん……もしかして『キョン』って呼ばれるの嫌かな?」

キョン「いやいや、そういうわけじゃあない。ふと思ったから実験してるだけだ」

国木田「そっか……さすがに涼宮さんとかは忘れてるってことはなさそうだけど……」

キョン「どうだろうな。あいつは自分が興味ないことはすぐに忘れそうだからなぁ」

もしかすると、ハルヒが無意識のうちに俺の名前をみんなが忘れるように願ったのかもしれない。などと、下らないことを考えているといつの間にか俺たちは北高に到着していた。

阪中「あ、キョンくん国木田くんおはようなのね」

キョン「おはよう阪中」

国木田「阪中さんおはよう」

阪中「……あれ?珍しく谷口くんはいないね?」

国木田「あぁ……谷口は……」

キョン「またナンパとかしてるんじゃないか?」

谷口……良かったな。阪中が心配してくれてるぞ。お前を心配する女子がいるとは思ってなかったよ。

キョン「あーっと。阪中。聞きたいことがあったんだ」

阪中「聞きたいこと?……あぁ、ルソーは元気だよ」

そうか。そいつは何よりだ。だが聞きたいことってのはそのことじゃなくてだな……。

キョン「そうじゃなくて……○○ ○○ってやつ、知らないか?」

さぁ、どうだ?

阪中「○○ ○○?うーん……どこかで聞いたことあるんだけど………ごめん、わからないのね」

なんてことだ。早くもクラスメイトが二人も俺の名前を知らないなんて……。

阪中「えっと……その○○さんがどうしたの?ってキョンくんどうして泣いてるの?」

キョン「泣いてない。泣いてないぞ。これはただの汗だ」

国木田「キョン……」

キョン「すまんな阪中。その○○ってやつが気になるならクラス名簿を見ればいいと思うぞ」

阪中「?わかったのね」

俺は着席するとふて寝を始めた。阪中は谷口と違うと考えていたためにダメージが大きかったのだ。幸か不幸かハルヒはまだ来ていなかったため、俺の眠りを妨げる者はいない。俺は少しずつ近づいてくる睡魔に抵抗せず、ゆっくりと眠りについた。

時は飛んで放課後。

授業中に何度も叩き起こされた俺は寝すぎでだるい体を必死に動かして部室へと向かっていた。

今日は一日中ハルヒが後ろからペンでつついてきたが全部無視した。俺の様子に気づいたのか妙に優しい声色で『今日はどうしたのキョン?どっか具合悪いなら今日の団活は中止にするけど……』と聞いてきたが一言『大丈夫だ』と返した。

今日はハルヒは掃除当番だったためにハルヒよりも先に部室に着くだろう。そんなことをぼんやりと考えていると……、

鶴屋「やあやあ、少年!なんだか暗い顔をしているねっ?悩みがあるならお姉さんが相談相手になったげるよ!」

ハルヒと並ぶほどにいつも明るい太陽のような名誉顧問と出会った。

鶴屋「どうしたんだいっ、キョンくん。元気がないね!スモークチーズでも食べて元気出すっさ!」

キョン「ありがとうございます」

鶴屋さんは俺にスモークチーズをくれた。鶴屋さんは確かスモークチーズが大好物だったんだよな。今度いろいろなことのお礼でスモークチーズの詰め合わせでも送るか。

鶴屋「なんだかいつもの覇気がないねキョンくん。どうしたにょろ?」

……聞いてみるか。

キョン「あー、鶴屋さん。○○ ○○って人、知っていますか?」

鶴屋「ん?知っているも何もそれはキョンくんの名前っさ!忘れるわけないにょろよ?」

おお……さすが鶴屋さんだ……。俺の名前を覚えててくれた……。

鶴屋「あ、あれ?キョンくんどうしたにょろ?何か私悪いこと言った?」オロオロ

キョン「いえ……俺の名前を覚えててくれて嬉しかったんですよ。なんか忘れてる人多くて……」

鶴屋「もしかしてあだ名は嫌だったかな?定着しちゃって……」

キョン「いえいえ!構わないですよ!」

鶴屋「本当かなっ?」

キョン「はい!ありがとうございます鶴屋さん!鶴屋さんと話したら元気が出てきましたよ」

鶴屋「そうかい?それは良かったっさー!」

キョン「じゃあ、俺は団活があるので失礼しますね?」

鶴屋「バイバイキョンくん!はるにゃんによろしく言っておいておくれよ~」ノシ

本当に素晴らしい人だよ鶴屋さんは。元気が出てきたぜ。

コンコン

みくる「はぁ~い」

ガチャ

キョン「こんにちは朝比奈さん」

みくる「こんにちは。今お茶入れますね~」

う~ん……やはりいつ見ても朝比奈さんは可愛らしいなぁ……。鶴屋さんもベクトルは違うが素晴らしい人だし、これが年上の魅力というものか……。

古泉「こんにちは。今日はジェンガでもどうですか?」

そう言いつつ古泉はカバンからジェンガを出す。それ結構重いだろ。よくカバンに入れて持ってきたな。

キョン「ジェンガとはまたずいぶんと懐かしい物を……」

古泉「この前見つけてつい買ってしまいました」

キョン「よし、いいぜ……っとその前に」

みくる・古泉「?」

長門「……」

ちなみに長門もきちんといたぞ。いつもの定位置でいつも通り分厚い本を読んでいる。

キョン「○○ ○○ってやつを知っているか?」

みくる「へっ?」

古泉「ふむ……」

長門「……」

リアクションはみんな思った通りだな。

みくる「え~と……私たちが知っている人ですか?」

キョン「ぐへぁ!」

みくる「えっ!?キョンくん?」

ま、まさか朝比奈さんが俺の名前を忘れているなんて……。

キョン「だ、大丈夫ですよ朝比奈さん……」

これは嘘だ。正直、今日一日で……いや、今までの人生で一番心にグサッときた。

キョン「な、長門……お前は知ってるよな?」

長門「知っている」

そうか……良かった。これで長門も知らない、なんて言い出したらまるで全クリ直前の冒険の書が消えたときのような絶望を俺は味わい、立ち直れなかっただろう。

キョン「あー……古泉。お前はわかるか?」

古泉「ええ。存じてます。あなたのお名前ですよね?」

みくる「……え?」

そうか……古泉、お前も覚えていてくれたか……。今度からお前の負担を減らすためにできるだけハルヒのご機嫌取りをすることにしよう。

古泉「おやおや、今日はどうなされましたか?あなたらしくもありませんね」

キョン「いや、俺の名前を忘れている人が妙に多くて……」

みくる「ご、ごめんなさいキョンくん!」

キョン「いえいえ、大丈夫ですよ」

そのとき、聞き覚えのある力強い足音の音が廊下からしてるなーっと思っていたらドアがいつも通り勢いよく開いた。

ハルヒ「みんなー!集まってるー!!」

キョン「お前はもう少し静かにドアを開けろよ。いつか本当に壊れるぞ」

俺としちゃ壊れても別に構わないが確実に雑用の俺に修理の命が下されるからな。事前から注意を呼び掛けるのは良いことだ。

ハルヒ「元気出たみたいね。何だったのあれ?」

キョン「まぁちょっとな。それよりハルヒ」

ハルヒ「なに?」

そんなに不機嫌そうな声を出すな。

キョン「○○ ○○ってやつを知っているか?」

ハルヒ「は?ふざけてんの、あんた?」

キョン「ふざけてはいない」

ハルヒ「じゃあ寝ぼけてるんでしょ。あんなにずっと寝てて。居眠りキョン!!」

何だそれは。

キョン「……んで、知ってるのか知らないのかどっちだ?」

ハルヒ「知ってるも何もあんたの名前じゃない」

キョン「……え?」

まさかあのハルヒが俺の名前を覚えている、だと……?

ハルヒ「何よあんた。固まっちゃって」

キョン「……そうか。知ってたか」

ハルヒ「当たり前。団員の名前を覚えないわけないじゃない。もしかしてあんた、自分の名前が忘れられてるからあんなに落ち込んでたの?」

相変わらず鋭いやつだ。

ハルヒ「バッカみたい。子供じゃないんだから」

やれやれ。一番忘れてそうなハルヒが覚えているとは……。

まぁ確かに名前でグチグチ言ったところで何かが変わるもんじゃないしな……。そんなに気にしないでいいか……。

ハルヒ「さあみんなー!明日はこのネッシーとやらに……」

ネッシー……ねぇ。

ハルヒ「━━━━で、旅費はもちろんキョン持ちで……」

キョン「何でだよっ!」


おわり

無表情でバランスボールに座ってる長門が思い浮かんでちょっと微笑ましい気持ちになったわ
微動だにしないとはさすが長門である

数レスだけ失礼します

キョン「……なんだって俺は、こんな辺鄙な所に来ちまったんだ?」

キョン「なんか、足が向いちまったんだよな……」

キョン「えー……と……文芸部室……か」

キョン「まあ、どうせ帰っても妹やシャミセンと遊ぶだけだしな」コンコン

「っ……は、はい……?」

キョン「誰かいるのか?お邪魔するぞ」ガチャ

長門「……あ……」

キョン「ん、一人か?ここ、文芸部室だよな?」

長門「そ、そう……だけど……」

キョン「あ、悪い。活動の邪魔になってたか?」

長門「そ、そんな事は……ない、けど……」

キョン「よかった。ああ、俺の事は気にしないでくれ」

長門「………」

キョン(ふーん……文芸部に相応しいと言えばいいのか、本はたくさん置いてあるな)

キョン(だが、肝心の部員が一人しか見当たらない……他の部員はどうしたんだろうな)

長門「あ、あの……?」

キョン「ん?」

長門「ど、どうして、ここに……?」

キョン「ああ、いや、深い意味はない。えーと、だな……」

キョン(なんて答えたらいいんだ……?足が向いちまった、か……?)

長門「……?」

キョン「ちょ、ちょっと、な。この、えっと、文芸部に、興味があったから見学に来たんだ、そう」

長門「! ほ、本当に?」

キョン(なんか心なしか嬉しそう?)

キョン「あ、ああ、そうだぞ。こう見えて俺は、本を読むのが大好きなんだ」

長門「ええと、それじゃあ……」トテトテ

ガサゴソ

長門「あった。あの、これ、あげます」スッ

キョン(……入部届け、だと?)

長門「……えへへ」

キョン「あ、ああ、ありがとう。でも、まだ、入部すると決めたわけじゃあ……」

長門「っ……そ、そう、なんだ……」シュン

キョン(目に見えて落ち込んでやがる……)

長門「で、でも、それは一応持って行ってくれて、構わないから……」

キョン「お、おう。サンキュ……えっと」

長門「あ……1年6組の、長門……長門有希」

キョン「長門、な。サンキュ、長門」

長門「うん……」

キョン「それじゃ、俺はこれで帰るよ。邪魔したな、長門」

長門「邪魔じゃ……ないけど」

キョン「そうか?それなら、今後も気軽にここに来ていいってことだな」

長門「! も、もちろん!待ってる」

キョン「そうか、じゃあな長門」ガララ

長門「………」

長門「……えへへ……♪」

短いけど以上です
もしも消失世界が長門による改変が行われていない状態で存在していた場合、どうなっていたか?というのがコンセプトです
キョンから返された入部届けを受け取った時の長門がすごい心に来て、ふと思いついたネタでした
宇宙人もいない、超能力者もいない、未来人もいないそんな並行世界で、二人はどういう関係になるのか?

……いつかこのネタでスレ立てしたいなぁ、と思います、ハイ

【弁当】

ハルヒ「ねぇキョン」

4時間目が終了し、まもなく皆様お待ちかねのランチターイムなわけではあるが、俺も一緒にレッツランチ!とはならず、数学の課題の問Bの数式とのにらめっこ、はたまた対話とも呼べるモノに没頭していた。

そんな中、我等がSOS団団長涼宮ハルヒが後ろの席から俺の肩をペシペシ。ついでに首根っこをグイグイ。

公式と数式、計算の海で溺れかけている俺の意識を現実に引っこ抜いた。


…なんだ?

俺は今、このミス問題Bさんを夢中で愛撫しているとこなんだ。

火急の用件じゃないなら団活の時にしてくれ。

でなきゃ教えてくれ。

今日の授業で前回先生様から賜わったこのプリントやってないと、ただでさえあまりよろしくない俺の平常点が右肩下がりになるらしいからな






ハルヒ「そのプリント、提出期限とっくに過ぎた先週の課題よ」





ハルヒ「今日のはこっち。コピーするなら…」




谷口「あれ?キョンは?さっき何か叫んで走ってったけど」

ハルヒ「…なくした課題コピーしに職員室。」フーッ

谷口「なんだ、昼一緒に食おうと思ってたのによ」

ハルヒ「……あっそ」ムスー

谷口「?なんでそんな不機嫌……」チラ


キョンの机on弁当箱


谷口「……ああ、涼宮がせっかく最近購買ばっかのキョンのために手作り弁当用意してt」








谷口「…………」

国木田「ミンチよりひでぇや」モグモグ





すまんハルヒ、正直助かった!俺の昼飯タイムは完全消滅しちまったが、お前にはなんと礼を言えばいいかわからんな


ハルヒ「ふん!団長が団員の世話焼くのは当然だもの!次からはちゃんとしなさいよ!」ムスッ

HEY!何故イライラしているんだい?何がご不満なんだいハルぅヒぃ!HAHAHA!
教えてくれよ!俺には皆目検討もつかないぜッエーイ☆


……ん?なんだ、お前、中途半端にしか飯食えなかったのか?


ハルヒが今の今まで事後承諾をとるつもりで無断使用していたのであろう俺の席、その机の上にはそれなりにオサレで可愛いらしいハルヒがいつも愛用している弁当箱がちょこん。

そして、もうひとつ。ほぼ間違いなく誰もが見た瞬間に『あっこれ運動部の奴の弁当だ!!』と断定できるサイズのアルミ製弁当箱が手付かずのまま、デーン!と鎮座していた。

もしその弁当箱に顔があったなら絶対ドヤ顔してるな、ってくらいには存在感が満ち溢れている。


ハルヒ「ち、ちが…… !…そう、そうなのよ。で、今ダイエット中なのを忘れてたの!」

マジか。ダイエットどころか、『これから相撲取りを目指すつもりだった』って理由の方がしっくりくるぞその量は。

ハルヒ「…よかったら、あんたいる?今食べれなくても団活で食べればいいでしょ?」

ハルヒは指でススッとアルミドカ弁を俺の方へ僅かにスライドさせ、「特別に許可するわ」と付け加えた。

ついでに片目でチラ、とテストでカンニングするようにこちらを見てくる。

俺は今日も購買で済ますつもりだったし、飯を食えなかった身としては非常に魅力的な提案だ。


しかし、一つ疑問が浮かぶ。


ハルヒがいつもの愛用弁当箱+アルミドカ弁を持ってきている→食べるつもりだったがダイエット中に気づく→愛用弁当しか食べてない

それは即ち、ダイエットをしていない平常時は愛用弁当箱分+あのドカ弁を食べている…という事になるのだが…

俺はそんなドカ弁を貪り、かっこむハルヒを見た事はない。(特に違和感は感じないがな)

という事は、どうやらハルヒは今まで影で隠れてあれぐらいの量を食っていたらしい。

まぁ、ハルヒも一応は人類学分類上ホモサピエンスの雌にカテゴライズされるのだ。

羞恥心もあるのだろう。回りの奴等から『涼宮さん超たくさん食べてる~』とか思われたくなかったに違いない。

大体、ハルヒはかなりスタイルがいい。

客観的に見てもダイエットの"ダ"の字も必要ない筈だ。

今回たまたま俺に見つかってしまったが故に苦し紛れな嘘をついたんだろう

なら、かけてやるべき言葉があるはずだ。

課題の件もあるしな、フォローくらいはするさ




……古泉も喜ぶな、ハルヒ



ハルヒ「は?」



それ、古泉への弁当だろ?

昨日アイツが俺にやたらと「最近、"あなたは昼食パンばかり"ですね?ボクモナンデスヨー」チラッだの、「団活してる時間帯、"お腹減りませんか?"」チラッチラッっとハルヒの方をチラ見しながら聞いてたからな。

団長として空腹に悩まされる団員を救ってやろうとしたってわけだ

ハルヒ「……ぱーどぅん?」

ああ、俺のフォローに気づいてないのか?とりあえず黙って聞いててくれよ…



まぁ、要するにだ。流石団長だなってことさキリッ

ハルヒ「え?う、うん?」

どうだ、この実話を元にしたナイスフォロー。誰か今後の参考にしてくれても構わんぞ

おっと、もう先生が来たな。あっ、課題サンキュなハルヒ。




ハルヒ「…え?何これ。私なんか変なこと言った?あれー……?」



~団活中~


どうだ、古泉。美味いだろ?ハルヒの手作りだそうだ。たんとお食べ。


古泉「…………………………ええ、美味しいです」


どうしたことか、古泉のいつもの常時張り付けられた胡散臭いニヤけスマイルにキレがない。

というか珍しく真顔である。

あー、口に合わないならはっきり言うか、それとなく提示した方がいいんじゃないか?

ハルヒは古泉の反応が気にくわなかったらしく、こちらをヒロインが絶対しちゃマズイ顔で睨みながらずっとガリガリ爪を噛んでいた。

お行儀悪いぞハルヒ


…おい、いいのか古泉?ハルヒはご立腹だ。また限定超能力者にならなきゃいけなくなるぞ。

この際嘘でもいいから『とても美味しいですね!(超笑顔)』でもやっとけ



…次の日に古泉から聞いた話だが、案の定その日に中々の大きさの閉鎖空間が出現したそうだ。

まぁ、自業自得だろ。いくらハルヒだって、作ったもんにあんな反応されたら腹を立てるさ。

やれやれ


ちなみに、その日以降ハルヒが弁当をもう一つ持ってくる事はなかった


終了。どんな種類でもいいからハルヒSS増えろ。


【不老不死】


ハルヒ「ねぇキョン」

……なんだ?

ハルヒ「あんた、不老不死になりたいと思う?」


そりゃまた随分唐突だな。どこぞの魔王にでもなる気か?


まぁ、医療従事者や宗教関係、一部の人達にとっちゃある意味人類の悲願のようなもんだろうが、死ねなくなるなんて俺はゴメンだ。

もう少し大人の状態になってから、という条件つきでなら不老だけは考えなくもないが。

ハルヒ「私はなりたいわ!不老不死!しわくちゃになったのをあんたに見られるとか、早くに皆と会えなくなるなんてぜっっっったい、イヤ!」ダン!

壊れる勢いの全力ハルヒパンチが机に突き刺さる。


…だと思ったよ。ああ、お前はそういう奴だからな

まぁハルヒに宿っているらしい(具体的にハルヒのどこの部分にかはわからんが)神様ぱぅわぁーなら何とかなりそうな気はするが。

だがいいのか?ハルヒ。お前が不老不死になったら、お前の周りの知ってる奴等は皆死んで辛くなるし、今老化が止まったら永久に子供扱いされるだろうし、『お姉さん』なお前は永久に失われるんだぞ?

それに、俺の祖父曰く「人生70年生きたら『もういい』って思う」らしいんだが


お前はそれでもなりたいのか?


ハルヒ「…じゃああんたも不老不死になりなさい!そしたら、辛くもないし私の退屈も紛れるわ!」


そんな「いいこと思いついた!」な笑顔と指差しをされてもだな…

俺は不老不死は嫌だと言っただろ。この先何がどうなるかわからないし、どんな心持ちになるかもわからんしな。

もし何らかの形で不和になったり、生きてると不味い理由ができたのに不老不死になっちまったら後悔しても永遠にどうともできず、肉体的、あるいは精神的な苦痛が続くんだぞ?

さすがにそんなもんはゴメンだ


ハルヒ「むー…何よ、キョンは私とずっと一緒なのがイヤになるかもしれないからイヤって言いたいわけ?」プクー


まぁそうアヒル口になるな。ハムスター並みに頬を膨らますな。そういうわけじゃあないさ

てい。と、空気がしこたま詰まってるであろうハルヒ頬袋を手で押さえ、萎ましてやる。

ハルヒ「あぶ」ポヒュ

まぁ、そう心配すんなよ。お前がよっぽどの事をしない限り、俺はお前の側を絶対離れたりなんかしないさ

今お前と一緒にいるのも、何かするのも、なんだかんだ楽しいんだよ。


だから俺は、SOS団に、"ここ"にいる。


お前の目の前にな


あー、ほら、あれだ。お前が望む限りはお前の側に居続けてやるし、お前が気になるなら例えしわくちゃの婆ちゃんになっても「綺麗だ」って褒めてやる。

実際お前なら可愛い感じのお婆ちゃんになりそうだしな

だから不老不死なんてやめとけ。


ハルヒ「……そうね、あんたが、そう言うなら……たまには、聞いてやらなくもないわ」

ぷいっと顔を背けちまった。


これでもまだご不満らしい。精一杯誠意と本心を伝えたつもりだったんだがな

…だがまぁ、これだけ言っとけば明日から『人類は全員不老不死です』なんてならないだろ。


人類全員死なない。

それはつまり、死刑になる犯罪者、本当に死にたい、現在進行形で殺されてる奴等も死ななくなったり、苦痛が止まらない事でもあったりするわけで…

"人が死なない"ってのは正直不都合と不味い事の方が多いだろ。

自然の摂理が一番なんだよ。神様の創ったルールに従っとけばいいのさ

ああ、ハルヒじゃない方のな

おい古泉。俺は今日も世界の秩序と平穏を守ったんだが、お前んとこから報償金やら賞状、ノーベル平和賞なんかは出たりしないのか?はっはっは



~団活~

古泉「やぁどうも。今日は涼宮さんにプロポーズをされたそうで」


なんの話だ


終了。最後急いだ。懲りずにやった。脳内朝倉さんが「やらずに後悔するより、やって後悔した方がいい」って言うからやった。

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