沙希「ちょっと」 雪乃「何かしら?」(403)

沙希「いや、あんたじゃないよ」

雪乃「そう」ペラ

結衣「どうしたの?何か困ったことでもあったの?」

沙希「あいつは?」

結衣「あいつって? もしかしてヒッキー?」

沙希「そう、そいつ」

雪乃「彼なら居ないわよ」

沙希「見たらわかる」

雪乃「…」

結衣「あはは えっとヒッキーは今日両親が遅くなるから夕ごはん作るために早めに帰ったよ」

沙希「そうなんだ」

結衣「ヒッキーになにか…用なの?」

沙希「いや大したことないんだけどね」

雪乃「けど…何なのかしらね」

沙希「あんたには関係ないよ」

雪乃「そう、私は別にいいのだけれど 人に物を訪ねるわりに理由も言わず失礼ではなくて?」

沙希「…別にあいつちょっと用事があるだけであんたには一切関係ないし」

雪乃「比企谷君はこの部活の部員で、ここは奉仕部の部室」

雪乃「そこに貴女が来たということは、奉仕部の部員になにか用があったのではなくて?」

結衣「ゆ、ゆきのん… 川崎さんもちょっと落ち着いて…」

雪乃「比企谷君だけに用事があるのなら、教室で話をすれば済むことではなくて?」

沙希「…もういい 邪魔したね」

結衣「ちょ、ちょっと」

雪乃「ほっときなさい」

結衣「でも…」

小町「お兄ちゃんが小町のために愛情たっぷりの手料理を振舞ってくれるなんて、毎日こうだったらいいのになー」

八幡「献立考えて、買い物して、準備して、料理して… 養ってくれる人じゃないと毎日こんなことやらない」

八幡「今日は夕食代としてもらったお金をどれだけ余らせて俺のお小遣いにするかという利益があるからやってるだけだ」

小町「うんうんお兄ちゃんはこうでなくちゃ そのずる賢いところも小町好きだよ」

小町「ところでお兄ちゃん、雪乃さんは結衣さんは元気にしてる?」

八幡「んー いつもどおりだ」

小町「いつも通りって?」

八幡「雪ノ下は本読んでて、そこに由比ヶ浜が話しかけて、そして単語を返す」

八幡「めげずに話しかける由比ヶ浜にダメ出しをする雪ノ下」

小町「お兄ちゃんは何してるの?」

八幡「心の中でツッコミをいれてる」

小町「会話に参加しようよ…」

八幡「ばっかお前 俺なりの心遣いだよ?」

八幡「俺が声出すとその場が一気に静かになるからな」

小町「じ、じゃぁ大志くんのおねーさんとは?」

八幡「大志って誰だ!クラーク博士となんの関係があるんだよ お兄ちゃん許しませんよ?」

小町「お兄ちゃんが何言ってるかわからないけど、川崎大志くんのお姉さんだよ」

八幡「川…崎?」

小町「ほら、夜のバイトがマックで学費のすくらっぷのやつだよ」

八幡「お前が何を言ってるのかお兄ちゃんさっぱりだ」

小町「少し前にもお兄ちゃんの学校のこと聞いてたじゃない」

八幡「あー…なんとなく思い出してきた」

八幡「別にクラスじゃ喋らないしな」

小町「そっかー でもお兄ちゃん」

八幡「なんだ?」

小町「お兄ちゃんから話しかけてみたら?案外喜んでくれるかもよ?」

八幡「なんで俺が話しかけなきゃいけないんだ」

小町「小町的に沙希さんは家族思いで素敵な女性だと思うけどな」

八幡「ブラコンだしな、だが俺が話しかけたら殴られそうだ 顔じゃなく腹を」

小町「そんなことないと思うよー 小町的に沙希さんのポイントは結構高めだし」

八幡「ありえないな あいつはなんつーの?一言で言うなら怖い」

八幡「ただし、ブラコン状態の時は除く」

結衣「ヒッキーおはよー」

八幡「おう」

ガラッ

結衣「あ、川崎さんおはよー」

沙希「ん うっす」

八幡「…」

沙希「ねえ」

八幡「…」

沙希「ねえってば」

八幡「…」

沙希「聞こえてんでしょ」

八幡「ん?俺か?」

沙希「さっきからあんたにしか言ってないんだけど」

八幡「教室で声かけられるなんて今まで殆ど無かったから俺だと思わなかった」

沙希「由比ヶ浜さんとは喋ってんじゃん」

八幡「それは…まぁ部活一緒だしな 挨拶ぐらいはするさ」

沙希「そう…」

八幡「で、なんか用か?」

沙希「いや、ちょっと…」

八幡「ちょっとなんだよ」

沙希「後で話あるから放課後付き合って」

八幡「何?俺シメられちゃうの?」

沙希「はぁ?なんで私がそんなことしないといけないんだよ」

八幡「なんだてっきり『テメー気に食わねーからボコっから』って意味かと思ったぜ」

沙希「あんた私のことどんな風に思ってんの?」

八幡「スケバン?」

沙希「なによスケバンって」

八幡「流石に表現が古すぎたか…」

沙希「まあいいや とにかく放課後な」

八幡「ちょっと待て俺は承諾した覚えはっておい 無視すんなおい」

八幡「で、屋上に連れて来られたわけだが」

沙希「…」

八幡「俺なんかになんの用なんだ?」

沙希「えっと…」

沙希「…」

八幡「なにもないなら帰るぞ 遅れると雪ノ下が怖い」

八幡「『あら、また今日も遅刻?あなたには時間を守るという人間の最低限のルールも守れないのかしら?気持ち悪い』とか言われるんだぞ」

沙希「ふふ、なにそれ雪ノ下の真似?」

八幡「お前も弟以外のことで笑うんだな」

沙希「はぁ?な、何言ってんの 笑ってないし ばかじゃないの!」

八幡「はいはい、で要件は?」

沙希「…」

八幡「おい」

沙希「えっと…この前は言ったことでさ」

八幡「この前?」

沙希「雪ノ下にお礼言っといてって言ったじゃん」

八幡「あぁそう言えばそんなこと言ってたな」

沙希「やっぱ言ってなかったんだ」

八幡「なんで俺が言わにゃならんのだ お前が直接言えよ」

沙希「だからさ… その… 手伝って欲しいんだ」

八幡「は?」

沙希「雪ノ下にお礼言いたくてさ」

八幡「一人で言えよ お前は何か子供かよ」

結衣「やっはろーゆきのん」

雪乃「こんにちは由比ヶ浜さん」

結衣「あれ?ヒッキーまだ来てないんだ」

雪乃「ええ」ペラッ

結衣「いつもは私よりも先に来てるのになー」

雪乃「そうね 授業が終われば教室に居場所がないものね 彼は」ペラッ

結衣「あはは」

雪乃「…」ペラッ

結衣「そう言えば今日の朝、川崎さんとヒッキーが珍しく喋ってたなー」

雪乃「」ペ

結衣「どしたの?」

雪乃「なんでもないわ」ペラッ

ガラッ

八幡「悪いちょっと用事で遅れた」

雪乃「あら、樹約出勤ね?あなたには時間を守るという人間の最低限のルールも守れないのかしら?それぐらい…」

沙希「…」

結衣「川崎さん…」

雪乃「またあなたなの?比企谷君に用があったのではなくて?」

八幡「まぁそうだったんだけどな」

結衣「むー」

八幡「なんだよ」

結衣「べっつにー」

沙希「…」

雪乃「で、遅刻した理由は?そちらの方と何かご関係があるのかしら?」

八幡「なんというかこの前のことで、こいつがおまぐえっ」

沙希「ちょっとこっちこい!」

八幡「襟をひっぱ・・ 首っクビがっ!?」

八幡「なんだよ お礼が言いたいんだろ ならさっさと言えばいいだろ」

沙希「言い難い相手ってのがいるだろ」

八幡「たしかに雪ノ下相手に素直に何か言っても罵倒が帰ってくるだけだしな」

八幡「お礼を言って罵倒されるとかなにそれ超理不尽」

沙希「それはあんただけじゃないの…?」

八幡「で、どうするんだよ」

沙希「だから自然な会話からそういうお礼を言う雰囲気?みたいなのを作ってくれれば…」

八幡「ふむ… え?俺が?」

沙希「あんた以外に誰が居るのさ」

八幡「難易度高いっすよ 勘弁して下さい」

沙希「あんた部員なんでしょ それくらい出来るでしょ」

八幡「部員でも会話なんてほとんどないぞ 会話というか俺が主に罵倒されて終わりだ」

沙希「あんたよくそんな部活に毎日顔出せるね」

八幡「顔出さなきゃ次は別の人から肉体的に罵倒されるからな…」

沙希「なんか…あんたも大変なんだね…」

結衣「なんかあの二人仲いいよね…」

雪乃「そうかしら?」

結衣「今だって隅っこで内緒話してるしさ!なーんかやな感じ」

雪乃「気にしなければいいのよ」

結衣「でも、ゆきのんさっきからページ進んでないよ?」

雪乃「こ、これはこのページの作者の伝えたい事を考察すべく何度も文章を読み返して私なりの持論を導き出して
    更に深く読み解くことでこの本全体の伝えたいこと言いたいことを私という別の観念から…」

結衣「う、うん よくわかんないや」

八幡「しゃーねーな おい、雪ノ下」

雪乃「何かしら」

八幡「川崎も少しだけこの部活に参加するってよ」

結衣「え?」

川崎「な!?」

雪乃「そんなこと聞いてないのだけれど?」

八幡「俺の時だってそうだったろ っとちょっと喉乾いたからスポルトップ買ってくる」

川崎「ち、ちょっと!」

雪ノ下「…」

川崎「…」

結衣「あはは…」

八幡「はぁ…まったくめんどくさい」

ガラガラ

八幡「失礼します」

平塚「よう、比企谷 君が自ら職員室に来るなんて珍しいじゃないか」

平塚「少しは成長したのかもしれないな、私に何か用かね?」

八幡「ちょっと頼みというか、相談がありまして…」

平塚「そうか!君から私に相談か!そうかそれはいいことだ まぁこっち来て座り給え」

八幡(なんでこの人こんなにテンション高いんだよ…)

平塚「なるほど、あの川崎がねぇ」

八幡「なので口裏を合わせて欲しいんです」

平塚「わかった そのくらいなら問題ない」

八幡「ありがとうございます」

平塚「川崎も多少問題があるからな、雪ノ下を納得させる程度の理由は用意できる ただ…」

八幡「なんですか?」

平塚「あの雪ノ下と川崎は性格的に合わないだろう」

八幡「確かに」

平塚「由比ヶ浜もあの二人の緩衝材になれるかと言うと少し不安ではあるな」

八幡「じゃぁ別の人を緩衝材にしましょう」

平塚「誰か心当た──」

八幡「戸塚がいいかもです 戸塚なら雪ノ下も川崎も強くは言えないでしょう ってことで戸塚はどうですか?」

平塚「…君は戸塚が好き過ぎではないのかね?」

八幡「そんなことないですよ 普通の一般男子の対応とかわりませんよ」

平塚「そもそも戸塚はすでにテニス部だろう」

川崎さんが黒レースと言われてる理由がわからない
パンツでも見えたのか?

>>58
原作では2度、アニメでは1度
スカートの中を見ている

雪乃「…」ペラッ

川崎「…」

結衣「えへへ…」

雪乃「…」ペラッ

川崎「…」

結衣「…最近涼しくなってきたねー」

雪乃「そうね」ペラッ

川崎「…」

結衣「あはは… 明日も晴れるかなぁ」

川崎「明日は曇り」

結衣「へ、へーそうなんだ」

結衣(ヒ、ヒッキー早く戻ってきて!)

平塚「そもそも、川崎に頼まれたのは比企谷、君だろ」

平塚「なら君が責任をもってやり遂げるべきだ」

八幡「なんてこった…このままなし崩し的に問題を押し付けて済まそうと思ったのに」

平塚「相変わらず君は… まぁ出来得る限りフォローはしよう」

八幡(あてに出来ねーなぁ…)

平塚「取り敢えず雪ノ下への理由は私に任せ給え」

八幡「はい」

平塚「では早く戻るといい、あの二人相手だと由比ヶ浜でも少々きついだろうしな」

八幡「やっべ忘れてた…」

ガラッ

結衣「ヒ、ヒッキー遅いよ何やってたのー」

雪乃「飲み物を買いに行っただけなのにえらく時間がかかったのね。飲み物すらまともに買うことが出来ないのかしら?」

八幡「平塚先生に途中で捕まったんだよ」

雪乃「なるほど、先生なら仕方ないわね」

結衣「仕方ないね」

川崎「それで納得できちゃうんだ」

雪乃「平塚先生ももう少し落ち着いてくれるといいのだけれど」

八幡(生徒に落ち着け言われてますよ…)

川崎「たしかにあの先生はなんというか、落ち着きないね」

八幡(先生の話題でこの水と油のような二人の意見が一致した!?さすが先生!)

平塚「失礼するよ」

雪乃「先生ノックを」

平塚「雪ノ下ちょっと」

雪乃「はい」

結衣「どうしたんだろ?」

川崎(ねぇ、先生に私のこと聞かれたらさっきの嘘ばれるんじゃないの?)

八幡(今その件について手を回してきたところなんだよ)

川崎(ふーん…)

結衣「何二人で内緒話してるの」ムー

川崎「べ、別に」

八幡「なんでもねーよ」

雪乃「川崎さん、先生から事情は聞きました 仮入部ということで扱います」

川崎「わかった」

結衣「へー 川崎さんも奉仕部に入るんだ! じゃぁあだ名つけよう」

八幡「でた」

結衣「なによー んーっとじゃぁ『サッちゅん』ね」

川崎「ダサッ 名前長くなってんじゃん そんなの嫌だよ」

結衣「えーゆきのんだって長くなってるよー」

雪乃「それは私が悪いのかしらな?第一私はその呼び名認めてないのだけれど?」

結衣「え? ゆきのん嫌なの?気に入らない?」

雪乃「… もうなんでもいいわ 慣れたといえば慣れたし…」プイッ

結衣「くはぁ~」ギュ

雪乃「暑苦しい…」

八幡「呼び名なんてなんでもいいよ な?サキサキぐふぉ!」

沙希「サキサキ言うな!殴るよ」

八幡「殴ってから言うな殴ってから」

平塚「思ったより打ち解けていて安心したよ じゃ後はよろしくな比企谷、雪ノ下」

雪乃「了解しました」

川崎「で、この奉仕部ってのは悩んでる人のお悩み相談室みたいなものだっけ?」

雪乃「そのようなものよ。ただしあくまで、手助けをするだけよ」

川崎「なるほどね」

雪乃「理解が早くて助かるわ」

川崎「まぁ その、一度自分で身を持って体感してるからね」

八幡(お、この流れは良い感じじゃないですか このままお礼言って俺を開放してくれ)

川崎「あー あ、あの時は──」

結衣「そうだ、もう弟さんとは仲直りしたんだよね?」

川崎「あ?ああ、大志とは上手くやってるよ」

八幡(アホガハマー!なにしてくれちゃってんの!?今言い出そうとしてたじゃん!?空気読むの得意なんでしょ!?)

結衣「そっかー たいしくん小町ちゃんと同級生なんだよね」

川崎「あーあの変な妹ね」

八幡「身内が馬鹿にされてるが、”変”ってところを否定出来ない兄を許してくれ小町」

雪乃「兄が相当変だから、あのくらいがとても可愛く見えてしまうから不思議ね」

結衣「小町ちゃん可愛いよねー なんてーの?気が利くというか視野が広いというか」

雪乃「ほんと比企谷君の妹にはもったいないわね」

八幡「ほっとけ 小町だけは誰にも渡さんぞ」

川崎「シスコン」

八幡「ブラコンのお前に言われたくねーよ」

川崎「ブラコンじゃないし!」

結衣「まぁどっちも兄弟を大切にしてるんだしいいことだと思うけどな」

雪乃「比企谷君のは明らかに気持ちが悪い部類に入ると思われるのだけれど」

八幡「妹への愛情を気持ちが悪いとか言うな これでも真剣なんだ」

結衣「うわ…」

川崎「うわ…」

雪乃「気持ち悪い」

八幡「「はー」

小町「お兄ちゃんが疲れた声だしてる」

八幡「ちょっと学校で色々あってな」

小町「お?結衣さんや雪乃さんとなにかあったの?」

八幡「あの二人と言うよりは、川崎のことでな」

小町「大志くんのお姉さんの沙希さん?」

八幡「そうそう そいつにちょっと頼み事されてな」

小町「お、お兄ちゃんに 頼み…事…?」

小町「お兄ちゃんに頼むなんて沙希さんよっぽど追い詰められてるのか、、もう後がないんだね…」

八幡「それはどういう… 確かにそうかもしれないな」

小町「なるほどねー 沙希さんらしいね」

小町「雪乃さんってそんなに近寄りにくいかなー?」

八幡「そりゃ近寄り難いだろ」

小町「そーかなー?」

小町「ん~…」

八幡「なんだよ」

小町「”雪乃さんに”じゃなくて、”沙希さんが”なんじゃないかな?」

小町「そんなに長く話したわけじゃないけど、沙希さんって口下手?みたいなところある感じだし」

八幡「確かにな…」

小町「どう接したらいいか距離感がわかんないんじゃない?」

小町「かーくんがサブレに対して取るような感じみたいな?」

八幡「…ふむ お前案外するどいな」

小町「えへ 今の小町的に超ポイント高いっしょ!」

八幡「あー偉い偉い」ナデナデ

小町「えへへぇ」

八幡(かと言ってどうすりゃいいんだ?)

八幡(由比ヶ浜に手伝ってもらうか?)

八幡(いや、あいつが誰にも話さず カースト底辺の俺にしか話せなかったことだ よっぽど他に話したくはないんだろう)

八幡(他に話したくないか… ふむ…)

結衣「失礼しまーす」ガラ

平塚「お、来たな」

結衣「話ってなんですかー?ってヒッキーもいたんだ」

八幡「うっす」

平塚「急に呼び立ててすまんな。まぁ座ってくれ」

平塚「いや、今日はなふたりに奉仕部活動の雪ノ下の態度について少し話をしてもらおうと思ってだな」

結衣「ゆきのんの?」

八幡(もちろん、そんなことが目的じゃない)

八幡(第三者がいると素直になれないのなら第三者を全て排除してしまえばいい)

八幡(雪ノ下は両親がウニってぐらい刺々しいが、寄って来る者に手当たり次第攻撃をするようなやつじゃない)

八幡「川崎もそうだ、我関せずみたいな態度ではあるが行動の端々に隙はかなりある)

八幡(言ってしまえば川崎は恥ずかしがり屋さんなのだろう…)

八幡(由比ヶ浜は周りの目を来にしすぎてしまい、自分を殺して溶け込んだ優しいやつだ)

八幡(逆に川崎は周りの目を来にしすぎてしまい、上手く溶け込めない多分だが優しいやつだ)

八幡(雪ノ下は周りの目を気にせず溶け込まない、優しいが厳しいやつだ)

雪乃「…」ペラ

沙希「…」

雪乃「…」ペラ

沙希「…由比ヶ浜達は?」

雪乃「平塚先生に呼び出されてるから少し遅れるのだそうよ」ペラ

沙希「ふーん…」

雪乃「…」ペラ

沙希「…」

ユーガッタメール ユーガッタメール

沙希「…」カタカタ

雪乃「…」ペラ

FROM 大志       16:34
TITLE nontitle

比企谷さんのお兄さんから伝言
「素直に頑張れ」だってさ
どういう意味?ねーちゃん何してんの?
ってかなんで俺間に挟んでるの?アドレス交換したらいいのに


沙希(あいつ…)カタカタ

FROM 沙希      16:38
TITLE Re

うるさい あんたには関係ないからいいの
あいつのアドレスなんて聞きたくもない


伝言ありがとう


ピッ



沙希(ふぅ…)

雪乃「…」ペラ

沙希「…あのさ」

雪乃「なにかしら?」

沙希「…えっと」

雪乃「…」

沙希「この前のバイトの件でさ…」

雪乃「…」

沙希「…その」

雪乃「…」

沙希「あの時は…その…」

雪乃「私は何もしてないわ 解決したのは比企谷君」

沙希「大志に聞いたんだよ 色々ね…」

沙希「最終的にあいつが案を出したのかもしれないけど… 色々考えてくれたんだろ」

雪乃「…」

沙希「…なんていうかさ その あの時はすまなかったね」

雪乃「あなたが謝ることではないわ」

雪乃「あの時は私もあなたの事情も知らず物を言ってしまったもの」

沙希「それでも…私は感謝してるよ ありがとう」

沙希(はー なんだ 以外に簡単じゃないか)

雪乃「…そう」ペラ

沙希「あぁ…」

沙希「今日は誰も来なさそうだし、私帰るね」

雪乃「そうね」

沙希「じゃぁね」

雪乃「さようなら」

沙希(またあいつに借りが出来てしまった…)

沙希「なぁ雪ノ下」

雪乃「なにかしら」

沙希「あいつってどんなやつなんだ?」

雪乃「あいつ?」

沙希「ヒキタニ」

雪乃「比企谷君ね そうね一言で言ってしまえば、最低な人よ」

沙希「相変わらず酷いな」

雪乃「陰湿で、陰険で、遠慮がなくて、他人が嫌いで、そのくせ自分を傷つける最低な人」

沙希「…」

雪乃「でも…人の痛みを知ってる人」

沙希「そっか…」

雪乃「ええ」

結衣「やっはろー」

雪乃「遅かったのね 一体なんの話だったの?」

結衣「う~ん、なんか途中から先生の身の上話になってよくわかんなかった。なんか先生涙ぐんでたよ」

雪乃「そ、そう…」

結衣「遅くなったから今日もう帰りなさいって先生が」

雪乃「そうね 今日は誰も来なかったわ」

結衣「あれ?さっちゅんは?」

雪乃「少し前に帰ったわ」

結衣「そうなんだ ヒッキーも少し行くところあるから先生の話し終わったら帰ったよ」

雪乃「そう」

結衣「じゃゆきのん帰ろっ」

雪乃「ええ」

八幡「よ」

沙希「なに?」

八幡「上手く言えたかどうか一応確認しときたくてね」

沙希「…おかげさまで」

八幡「そいつはよかった」

沙希「一応お礼言っておく。ありがと」

八幡「ふ…」

沙希「なに?」

八幡「ゼミでも同じ事言ってたなと思ってな」

沙希「…そんなことよく覚えてんね」

八幡「ぼっちは記憶力いいんだよ 特に人と会話した時はな」

沙希「自慢にもなりゃしないことだね」

八幡「確かにな」

八幡「一応お前の目的は達成されたんだが」

沙希「…」

八幡「昨日の今日で辞めるわけにもいかんだろうから、一週間ほどは奉仕部に顔出せってさ先生が」

沙希「わかった」

八幡「じゃ、そゆことで」

沙希「あ…」

八幡「ん?」

沙希「さよなら」

八幡「お、おう さよなら」

大志「ねーちゃん」

沙希「なに?」

大志「比企谷さんのお兄さんに相談乗って貰ってたんだって?」

沙希「ぶふっ なんで知ってんのよ」

大志「小町ちゃんから聞いた」

沙希「あのおしゃべり兄弟め…」

大志「それであのよくわからないメールの伝言だったのか」

沙希「…そうだよ」

大志「で、上手く行ったの?」

沙希「…まぁね」

大志「そっか ならお兄さんにお礼しないとね」

沙希「ちゃんと言ったよ」

大志「どうせ、『ありがと』だけなんだろ もっとちゃんとお礼した方がいいと思うよ」

大志(その方が俺も色々とやりやすいし…)

沙希「…お礼…ねぇ…」

沙希「由比ヶ浜ちょっといいかい?」

結衣「どうしたのさっちゅん」

沙希「さっちゅん言うな」

結衣「えー可愛いのに」

沙希「可愛くない」

結衣「むー でどしたの?」

沙希「ちょっとさ世話になった人にお礼をするとしたらさ あんたならどうする?」

結衣「お礼?うーん その人が欲しがってるもの渡したり?」

沙希「…ふーん」

沙希「じゃぁ欲しいものがわからない場合は?」

結衣「うーんとねー 一緒にどっか遊びに行って奢る!とかかな?」

沙希「なるほど…」

結衣「?」

沙希「ありがと 参考になったよ」

結衣「どういたしましてー」

小町「あ、お兄ちゃん 今帰りなんだね」

八幡「ああ」

小町「帰りが一緒になるなんてこれはもはや運命だね 今のはちょっとだけ小町的にポイント高い」

八幡「あーはいはい」

小町「あれ?あそこに居るのって…」

沙希「あ」

小町「沙希さーん」

沙希「あぁ…」

八幡「よう」

小町「何かお買い物ですか?」

沙希「いや、別に…」

小町「へーグルメ雑誌ですかー なにか美味しそうなのありました?」

沙希「いやこれは えっと…」

八幡「高校生はサイゼにいけよ 色んなもんあるだろ よりどりみどりだ」

小町「お兄ちゃんのサイゼ好きは異常過ぎるよ」

八幡「千葉市民はサイゼに始まりサイゼに終わるんだ そうだろ?違うか!? うん違うね」

沙希「馬鹿じゃないの」

小町「小町ちょっと恥ずかしい…」

沙希「えっと…」

八幡「ん?」

小町「…?」

沙希「来週の土曜とか…暇?」

小町(これは!?)

八幡「あ?いやその日はちょっとアレだし…」

沙希「アレってなにさ」

八幡「いや、妹となんというか な?」

小町「兄は何もすること無くて一日中開いてますよ」

八幡「おい 空気読めよ」

小町「空気読んだからでしょ」

予備校のことゼミって言うか…?

地方には代ゼミぐらいしかないんだろ(適当)

>>215
>>216
ヒッキーとサキサキは代々木ゼミナール津田沼校

小町「どうぞどうぞ、朝から晩まで なんなら次の日も連れ回しちゃってもかまいませんよ」

八幡「ふざけるな 2日も他人に俺の貴重な時間を潰されてたまるか」

小町「ってことは一日なら大丈夫ってことだよね?」

八幡「…まぁまるまる一日じゃなければ、考えないこともない」

沙希「なら…土曜いいよね」

八幡「あーっと えっと あぁ」

小町「大丈夫ですちゃんと小町が送り出しますから!」

沙希「そ、そう…」

八幡「要件はそれだけか?」

沙希「そ、そうだけど?」

八幡「なら、ほら小町帰るぞ」

小町「えー せっかちだなー あ、沙希さん土曜日兄をよろしくお願いしますね」

沙希「ふん…」

沙希(──誘ってしまった…)

沙希(──私が、あいつを?)

大志「ねーちゃん週末比企谷のお兄さんとデートするんだって?」

沙希「ぶふぉっ ゴホッゴホッ! なな、なにいってんの!?で、でーととかじゃないし」

大志「でも比企谷からメール来たよ?土曜日は絶対邪魔するなって」

沙希「あの妹は…」

大志「そっかー いいと思うよ」

沙希「なにが?」

大志「八幡さん あの腐ったような目さえ何とかすれば見ため的にはそれなりにかっこいいし」

大志「考え方は少し斜めってるけど、頭もいいんだと思うし、何よりお兄さんだしね」

沙希「意味分かんないんだけど?」

大志「でも八幡さんってなんというか、優しいよね?」

沙希「あ?あいつが?」

大志「部活動ということだったけど、ちゃんと話聞いてくれて真剣に考えてくれたじゃん」

大志「前だって俺が学校のこと聞いても、ちゃんと答えてくれたし」

大志「今回だって姉ちゃんの悩みを聞いて、ちゃんと解決してくれたんでしょ?」

大志「優しくないとそんなことできないよ」

沙希「…」

続けて

結衣「ゆきのん、明日勉強会しない?」

雪乃「別に構わないわ」

結衣「さっちゅんも用事がないならどう?」

沙希「さっちゅん言うな あたしは…用事あるから無理」

結衣「そーなんだ じ、じゃぁヒッキーは?」

雪乃「この男に用事があるわけないでしょ」

八幡「おい、何決めつけてんだよ 俺にだって用事ぐらいある」

沙希「…」

結衣「ええ ヒッキーが?あははは ないない」

八幡「失敬なリアクションだなお前は」

雪乃「いえ、一般的な当たり前の反応だと思うわよ」

八幡「お前らな」

雪乃「比企谷君、見栄を張るのは自分を惨めにさせるのよ。素直になりなさい」

沙希「あー、明日そいつと出かける約束してるんだ」

雪乃・結衣「は?」

いいねいいね

八幡「おい」

沙希「なに?」

八幡「なに俺があいまいみーな感じでお茶を濁そうとしてるのに言っちゃうかな…」

沙希「別にいいじゃん 嘘ついて誤魔化すよりはっきり言ったほうが効率的でしょ」

結衣「ってことはほんとなんだ…」

雪乃「妹さんや弟さんの関係でなにかあるのかしら?」

沙希「いや、関係ないよ」

雪乃「そう、だったらどうしてそういう事になったのか説明してくるかしら?」

沙希「なんであんたに説明しなくちゃならないの? なに?気になるの?」

雪乃「別に気になどなっていないのだけれど?」

結衣「私はとても気になると言うかなんというか…」

沙希「別に、ちょっとしたお礼にご飯でも奢ろうかと思ってるだけ」

結衣「あ、それであのとき…」

八幡(──ええぇ なんか超居づらいんですけど…)

沙希「だから別にで、デートとかじゃないし、別に他意はないよ」

雪乃「そう…」

結衣「むー」

八幡「あーお茶うめぇ」

沙希「…」

雪乃「…」

結衣「…」

八幡(え?なに?俺が悪いの?え?)

小町「お兄ちゃんいってらっしゃーい」

八幡「なぁ待ち合わせ12時なんだけど、なんで1時間も前に出ないと行けないんだ?」

小町「はぁ?なにいってんの?駅前だよ?15分かかるでしょ 1時間前に待ち合わせ場所にいるのは常識だよ!」

八幡「え?なら待ち合わせ時間は11時にしたらいいんじゃねーの?何のための待ち合わせ時間だよ」

小町「はあぁぁぁぁ… 相変わらずのゴミいちゃんで小町心配だよ」

八幡「なんだよ 俺間違ったこと言ってないだろ」

小町「間違ってないよ でも間違ってるの!」

八幡「意味が分かんねーよ なんなの?真実は一つじゃないのかよ」

小町「もういいからとっとと行く!」

八幡「くっそ…やっぱ早くつきすぎたじゃねーか 居るわけ無いだろ…」

沙希「ねぇ」

八幡「まぁ一人でぼーっとしてるのも別段嫌いじゃないからいいけどな、むしろ好きだしな」

沙希「ぇ──」

八幡「ん?」

沙希「…えっと」

八幡「えっと、あの…どちらさんでしょ…ん?川崎か?」

沙希「そ、そうだけど?まさかわかってなかったの?」

八幡「あ、いや なんつーの?普段と違うからちょっとわからなかっただけだ」

八幡「綺麗なお姉さんに話しかけられて絵とか買わされるかと思ったぜ」

沙希「そ、そう ってかなにそれ」

八幡「ま、まぁいんじゃねーの?なんつーかその…似合ってる?」

沙希「ば、ばかじゃないの!?」

八幡「睨むな怖い」

沙希「ふ、ふん」

佐天「完結しててもつまんない奴も多いんだね……」

初春「本文がよくても、後書きや合いの手で興醒めするのもですね」

初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねえ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

佐天「初春?」

八幡「で、どこいくんだよ」

沙希「サイゼ」

八幡「良いチョイスだ」

沙希「…」

八幡「なんだ?」

沙希「あんたほんとにサイゼ好きね」

八幡「普通だろ」

沙希「総武線のサイゼの位置を全部把握してるやつが普通なもんか」

八幡「なんでそんなことまだ覚えてんだよ お前は禁書目録かよ それとも俺のこと好きなの?」

沙希「ばっ!?そんなことあるわけないだろ!ばかじゃないの!?」

八幡「いや冗談だって、こえーから睨むな拳を握るなすいません」

沙希「好きなの頼みなよ」

八幡「でもほんとにいいのか?」

沙希「言ったでしょ 今日は今までのお礼なんだ」

八幡「そういうことなら遠慮なんかしないぞ?後悔するなよ」

沙希「サイゼごとき後悔なんてしないよ」

八幡「ならミラノ風ドリアスープセットにドリンクバーにするか」

沙希「了解 デザートも頼んでいいよ」

八幡「なにお前天使なの?」

沙希「はぁ?」

八幡「ただで食えるサイゼのミラノ風ドリアは最高だ 俺明日死ぬんじゃね?」

沙希「大げさな…」

八幡「世間が俺にいつも辛く当たるもんでね、僅かな幸せを噛み締めないと挫けてしまいそうになるんだ」

沙希「なにそれ」

八幡「ぼっちにとって教室はそれなりに居づらいし、気を使うんだよ」

八幡「部活は部活で雪ノ下に罵られ、罵倒され休まるのは家にいる時だけだ」

沙希「私にはあんたは部活楽しそうにみえたけどね」

八幡「え?俺ドMに見えてる?そんなことないだろ 多分 きっと だよね?」

沙希「私に聞かれても困る」

八幡「どっちかと言うとSっぽい気がするんだけどな」

沙希「…それはないでしょ」

八幡「まじかよ」

沙希「ところであんたさ」

八幡「なんだよ」

沙希「雪ノ下のことどう思ってんの?」

八幡「ドライアス女」

沙希「…」

八幡「どうした?」

沙希「あんた嫌な性格だって言われない?」

八幡「結構言われるな 今じゃクラスの殆どから嫌われてるからなぁ」

沙希「そう言えばなんであんなことしたの?」

八幡「あんなこと?」

沙希「相模に酷いこと言ったんでしょ?」

八幡「あれか」

八幡「なんでって言われてもな… 言いたかったから?いや違うな」

八幡「なんつーか、ああ言わないとどうしようもなかったんだよ」

雪ノ下「比企谷くんと川崎さんが付き合ってる?」

雪ノ下「悪趣味な嘘ね由比ヶ浜さん。 可哀想だわ…川崎さんが」

由比ヶ浜「ち、ちがうよ! 川崎さんが言ってたの!」

雪ノ下「…付き合い始めたって?」

由比ヶ浜「そうは言ってないけど…」

由比ヶ浜「…学祭で告白されたって…」

雪ノ下「」

雪ノ下「それは確かな情報なの? 由比ヶ浜さん
あの男が告白なんてするわけがないわ」
由比ヶ浜「私もおかしいと思ったよ
こっちがいくら頑張ってアプローチしたのに 少ししか意識してくれないのにさ
さきさきにはコクったなんて一目惚れしかないけど、そんなそぶりまったく見せなかったし」
雪ノ下「では考えられるのは二つね」
由比ヶ浜「二つ?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月31日 (水) 10:48:12   ID: ZONUcpeK

二つって???気になるの…
(´-ι_-`)

2 :  SS好きの774さん   2015年02月06日 (金) 08:42:37   ID: 3cN2jCuO

僕も…ダイイングメッセージ位気になるの…(´Д`)

3 :  SS好きの774さん   2016年05月21日 (土) 20:32:58   ID: tWaCxAwK

完結してない上に、荒らしレスまで入ってる

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