荒木比奈「ジメジメした季節」 (52)

モバマスより、荒木比奈さんがメインのSSです。
季節の先取りになりますが梅雨のお話。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367918499



ピョコン


比奈「…」

比奈「……」グイ

ピョコン

比奈「…………」

比奈「」グイ

ピョk

比奈「うあー! もう! 鬱陶しいっスねぇ!」バサバサ

P「事務所の前でなにやってんだお前」

比奈「んあ!? ぷ、プロデューサー!」バッ

P「おはよう」

比奈「……うス。…あの、み、見てたっスか?」

P「なにを?」

比奈「…えっと」

P「あははは、なんだその髪」

比奈「! み、見たらダメでス!」バッ

ピョコン

比奈「……」ンアー

P「梅雨だからな。髪が跳ねるんだな」チョイ

比奈「……つままないで欲しいっス」

P「にょーん」

比奈「子どもでスか、もう」ハア

P「俺は可愛いと思うけどな」ニョーン

比奈「…どうもっス」

くせ毛のアイドルって、そこそこいるもんな

それは置いといて比奈さん可愛い

比奈「とはいえっスね」キュ

P「うん?」

比奈「複雑でス。気にしてるところを可愛いって言われてもなって」

P「…比奈って、そういうとこ気にするんだな。少し意外だ」

比奈「き、気にするもん」

P「女の子みたいな口調だな」

比奈「女の子でスよ?」

P「あ、ちなみに、髪が跳ねるのを気にして両手で頭を押さえているそのポーズは実に可愛いぞ。さすが女の子」

比奈「……どうもでス」キュ

P「まあ、比奈らしくていいと思うぞ。いい意味でな」

比奈「……はあ。ま、いいでス。プロデューサーでスから、慰めもこんなもんでスよね」

P「あれ? なんで俺そんなにバカにされてんの?」

比奈「だってプロデューサーでスもん」

P「説明になってないって」

ガチャ

比奈「おはようございまース」

P「おはようございます」



「きゃあああっ!」



P「…え?」

比奈「い、今の叫び声…ちひろさんでスかね?」

P「な、なにかあったのか? ちひろさん!」ダッ

ザッ

P「どうしました!?」

ちひろ「あっ…ぷ、ぷろ…」プルプル

P「? …それは…仁奈のきぐるみ、ですか?」

ちひろ「は、はい」

ちひろ「あ、の…こ、これ…」フルフル

P「? うおっ!」

比奈「ど、どうしたんでスか?」ヒョコ

P「…仁奈のきぐるみに茸が生えてやがる…」

比奈「 」

比奈「…はっ?」

キグルミ「キノコニョキー」

P「…なんてこった」

比奈「な、なかなかグロテスクな光景でスね…」

P「ちひろさん、これは一体どこに?」

ちひろ「こ、この…隅のロッカーの戸から、はみ出していて…」グス

比奈「よ、よしよしっス。もう怖くないっスよ」ナデナデ

ちひろ「うええ…比奈ちゃーん…」

P「(お姉さん属性持ちの比奈まじ天使)」

P「…じゃ、なくて」

キグルミ「ホウシワサー」

P「…なぜこんなことに…」

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荒木比奈(20)

輝子「!!」ガタッ

比奈「いくら梅雨だからって、こんなことになりまスかね?」

P「た、たぶん、洗濯せずにしばらく放置されてたんだろ」

比奈「…それにしたって、仁奈ちゃんが、こんなロッカーに仕舞う理由はないでス」

P「うむ」

比奈「…」ウエ…

比奈「あ、あの」

P「ん?」

比奈「だとするとでスね、犯人は、一人しかいないと思うんでス」

P「なっ。おい比奈、俺も茸と言えば奴が真っ先に浮かんだとはいえ、同じ事務所の仲間を疑うのは…」

比奈「いや、いくら輝子ちゃんでもこんなことしないってことくらい分かってまス」

P「そ、そうか」

比奈「それ、たしかプロデューサーが着たきぐるみでスよ」

P「は?」

P「…いやいや、俺がきぐるみを着ることなんてあるはずないだろ?」

市原仁奈「…え?」

P「え?」

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市原仁奈(9)

仁奈「ぷ、ぷろ…プロデューサーは、もう仁奈と一緒にモフモフはしたくねーでしたか…?」ウル

P「に、仁奈、いつの間に…」

仁奈「そうでごぜーますか…先日、一緒にモフモフしたことも、プロデューサーはいやでやがりましたか…だから忘れやがったんですね…」ショボン

P「ば、バカなこと言うな。俺が仁奈との思い出を忘れるはずないだろ?」ナデナデ

仁奈「ほ、ほんとでやがりますか?」グス

P「お、おう」

P「(先日? 俺が一緒にきぐるみを着たって? くそ、早く思い出せ俺)」

比奈「不本意でスけどプロデューサー、これ以上仁奈ちゃんを傷つけないためにも頑張るっス」

P「不本意とはなんだ」

P「…あ?」

比奈「思い出したっスか?」

P「…」ヒク

P「ひ、ひょっとして…よ、四人でラジオに出たときの、話か?」

仁奈「! そーでごぜーます!」ピョンピョン

P「…ああ…た、たしかに俺は、きぐるみを着た」

P「(柚、楓さん、仁奈、比奈の四人がパーソナリティーを務めるラジオ番組の初回、記念だのなんだの言って、こいつらはきぐるみで出演した)」

P「(…で、なぜか俺もきぐるみを着るハメになった…)」

P「……あったなぁ、そんなことも…」

比奈「遠く彼方を見つめる目っスね」

P「…まあな」フフ

比奈「(なにかを悟った顔でスね…)」

フヒッ

P「(そうだ、あまりに恥ずかしかったから——その日は楓さんに付き合ってもらって、へべれけになるまで飲んだんだ)」

P「…すっかり忘れていたなあ…」

比奈「あれからも、たびたび仁奈ちゃんは嬉しそうにその話をしてたと思いまスけどね?」

P「人間の脳ってのは、都合よくできてるよな」

比奈「とか言ってまスけど、けっこうひどいことだと思いまスよ? これ」

P「…面目ない…」

比奈「(ちゃんと仁奈ちゃんに謝っておくっス。それか、また今度一緒にもふもふしてあげるっス)」コソ

P「(お、おう。…それにしても)」コソ

比奈「(はい?)」

P「(比奈がもふもふとか言うと、なんか可愛いな)」ボソ

比奈「ふざけたこと言ってるともぐっスよ」

P「なにを!?」

比奈「いま私のことはどーでもいいんでス」

P「…も、申し訳ない…」ボロ

比奈「それで? 話を戻しましょう」

P「ん?」

比奈「…そのきぐるみでスけど」

P「…そうだったな」

仁奈「? あ! それはひょっとして、仁奈がプロデューサーにプレゼントしやがったキグルミでごぜーますか!?」

仁奈「えへへ、やっぱりプロデューサーでやがります! そのキグルミ、大切にしててくれやがったんで…  !?」ビクッ

P「あ」

比奈「あ」

仁奈「…………きゅう」パタ

ちひろ「あ、に、仁奈ちゃん! しっかりして!」ガシ

P「……に、仁奈が…俺のキノコを見て気絶してしまった…」

比奈「ガチでもぐっスよ」

P「き、きぐるみの茸のことだよな?」

比奈「さあ?」ニコ

きのこの専門家に相談しよう!

ガチャ


喜多見柚「ただいまー」

柚「…ってPサン?」

P「お、おう柚か。お疲れさん…」プルプル

柚「…床にうずくまって、どうしたの?」ハテ

P「な、何でもないぞ。ちょっと比奈からご褒b」

比奈「プロデューサー?」ニッコリ

P「……ち、ちょっとな。気にしないでくれ」ニゴ

柚「分かった!」

比奈「分かったんスか」

比奈「柚はもうお仕事終わりっスか?」

柚「うん。あ、それでね、楓さんとお茶でもしようって話だったんだー。比奈さんと仁奈ちゃんもどうかと思って」

比奈「それは嬉しい誘いっス」

P「俺は?」

比奈「あー、でも仁奈ちゃんが今気絶しちゃってるっスから…」

P「無視か」

柚「き、気絶?」

比奈「この人と同じ空間に置いて行くわけにもいかないでスし…」チラ

P「ひでえ」

比奈「己の行いを省みるっス」

比奈「残念でスけど、またの機会に…」

柚「そっか。ううん、それなら事務所でみんなでお茶にしよーってどうかな? えへへ」

比奈「いいんでスか? それなら大歓迎でス」ニヘラ

柚「うんっ。やっぱり、みんなでワイワイしないとねーってことで! …それに」チラ

P「?」

柚「Pサンも一緒じゃないとね」ニコ

P「ゆ、柚…!」

柚「てへ♪? じゃあアタシ、楓さん呼んで来る!」バタバタ…

バタンッ

P「…」

比奈「…柚はいい子っスね」

P「まったくだ」

比奈「…そんな柚が…はあ、これのなにがいいんスかね…」

P「これって俺のことか、おい」

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喜多見柚(15)

あ、今さらでスけど自己紹介でス。


荒木比奈といいまス。
こんなんでもアイドルやってまス。


オタクで、メガネで、髪はぼさぼさっスけど。
まあこんなんでも可愛いって言ってくれる人もいまスし。

頑張れば、もちっと可愛くなれるって、プロデューサーも言ってくれまスし。


今はまあのんびりやってる感じでス。

周りのみんなの眩しさでかすまないように、頑張りたいでス。



シトシト


比奈「……」


梅雨でス。
毎日ジメジメ、鬱々とした雰囲気のする暗い季節でスけど、案外私は嫌いじゃないでス。
街中が日陰なのって、なんだか落ち着きまスよね。


P「アイドルがなに言ってやがる」カタカタ

比奈「はえ? …ああ、プロデューサー。どうもっス」ニヘラ

P「…外は、なにか面白いものでも見えるのか?」

比奈「どんよりした雲が一面に漂う絶景っス」

P「最悪じゃねえか」


そうでスかね?

高垣楓「…」チビチビ

楓「あっ」

楓「ねえねえ、プロデューサーさん。私今朝ですね、でんでん虫を見たんですよ」ニコ

P「は、はあ」

楓「道端に咲いてる紫陽花も綺麗でした」ホッコリ

P「楓さん、微妙に話が飛躍してませんか」

比奈「…楓さんを見てるとなごむっスね」


湿気の多い季節でスが、楓さんはなんかイイ感じに髪がふわふわでス。
羨ましいでス。

それに、梅雨の陰った日の中でも、アイドルの彼女の笑顔は輝いてまス。
眩しいっス。


P「おっさんかよ」

比奈「違いまス。アイドルでス」

P「…自覚があるのかないのか…」


あ、それは自分でも、ちょっとよく分かんないでス。

比奈「…まあ、いいんでスよ…じめじめしたのが好きな私も、私でスから…」グデーン

比奈「だれかに見つけて欲しいときには……そのとき光ればいいんでス」

P「…そうだな」

比奈「…ふふ、そんときはちゃんと見つけて欲しいっス」

P「俺にか?」

比奈「他にだれがいるんスか」ニヘラ

P「いや、そこはファンって言っとけよ」

比奈「プロデューサーは私のファンじゃないんでスか?」

P「…」ドキ

P「あ、いや…ごめん、そうだな。俺は比奈のファンだよ。第一号だ」

比奈「ふふっ。そうでスよねー、だから、よろしくっス」

P「…おう」

比奈「……」グニャーン

比奈「…風が気持ちいいでスねー…」

P「…」

P「なあ比奈。お前、今日ちょっと様子がおかしくないか?」

比奈「え? そんなことないでスよ?」ニヘラ

P「……」ピト

比奈「ふあ…」

P「顔熱いぞ。風邪か?」

比奈「違いまスよーたぶん」

P「たぶんってなんだよ」

楓「…」チビチビ

ちひろ「…?」

ちひろ「楓さん、なにかおいしそうなもの飲まれてますね。なんですか?」

楓「これですか? ふふっよかったら、ちひろさんもどうぞ?」

ちひろ「そうですか? じゃあ、一口…」チビ

ちひろ「んっ…っ」ゴク

楓「どうですか?」ニコニコ

ちひろ「けほっ…か、楓さ… ぷ、プロデューサーさん!」

P「はい?」

比奈「ふにゃー…」グタ…

P「おい比奈。お前本当に病気とかじゃないだろうな?」

ちひろ「か、楓さん、お酒飲んでます…」

P「はあ!?」

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高垣楓(25)

P「ちょ、ちょっと! 楓さん、なにしてんですか事務所で!」バッ

楓「あっ」

楓「むぅ…だってプロデューサーさん、なかなかお仕事終わらないんですもの…。今日は、一緒にお酒を飲みに行きましょうって、約束だったのに」プクー

P「…そ、それはすいません…ですが、いくらなんでも事務所で酒盛りを始めるのは困りますよ」ハア

楓「てへ?」

P「(…可愛い)」

P「じゃ、なくて」

比奈「うへへ、プロデューサー…プロデューサーの体は冷たくて気持ちいいでス…」スリスリ

P「お、お前の身体が火照ってんだよ。というか、アイドルがそんなにくっついてきたらいけません」

比奈「身体が火照るってなんかエロいっスね」ニヘラ

P「あほなこと言ってる場合か」

楓「比奈ちゃんばかりずるいなー」ムー

P「楓さんはとりあえず反省しましょうか?」

楓「反省したら抱き着いてもいいですか?」

P「…」

P「だ、だめです。怒りますよ?」

楓「むー」プクー

ちひろ「(プロデューサーさん、一瞬迷いましたね…)」

P「…けど、すいませんでした。たしかに今日は、約束でしたもんね」ペコ

楓「……。ふふ」

楓「いいですよ。プロデューサーさんと、ちひろさんは、私たちのために頑張ってくれているんですから」ニコ

P「…そう言ってもらえると…」

ちひろ「ごめんなさい、楓さん」

楓「いいえ。今度はきっと、ちひろさんも一緒に、お酒、飲みに行きましょう?」ニコニコ

ちひろ「はい。喜んで」

P「はい」

P「送って行きますよ」

楓「いえ。私は、ほんとーに少ししか飲んでませんから、大丈夫です」ニコ

楓「…それに今日は、比奈ちゃんのこと、送ってあげてください」

比奈「……むにゃ…」

P「…了解です」

楓「お願いします。では、お疲れさまでした」ペコ

P「お疲れさまです」

ちひろ「気をつけてくださいねー」









ポツポツ


比奈「…んあ?」

P「お、目が覚めたか」カタカタ

比奈「……? あれ、私…どうして事務所で寝て…」

P「比奈って、酒弱かったんだな」

比奈「? …あー」

比奈「…すみません、私、…あーなにしてんスかね、もう」ガシガシ

P「はは、いいよ。首謀者は反省の色を見せもしなかったからな。…いや、というか半分約束を破った俺が悪いんだが…」ハハ

比奈「…いえ…」

比奈「もう楓さん帰っちゃいました?」

P「ああ。ちひろさんも先に上がったし、もう俺とお前だけだな」カタカタ

比奈「…なるほど」

P「もう少し待っててくれるか? そしたら、車で送って帰るからさ」

比奈「い、いいっスよ。これ以上迷惑をかけるわけには……っと」フラ

P「送って帰る方がいろいろと楽だよ。比奈なら分かるだろ?」

比奈「……うス。ごめんなさい」

P「怒ってるわけじゃないからな。気にするな」

比奈「…はい」ニヘラ

P「…」カタカタ

比奈「…」

比奈「プロデューサーは、いつもこんな時間まで…仕事してるんでスか?」

P「ん? いつもって訳じゃないよ。残業自体は珍しくないけど…今日はいろいろ重なったってだけだ」

比奈「……あの、プロデューサー」

P「うん?」カタカタ

比奈「ありがとうございます。たまに忘れちゃいまスけど、私たちが輝けるのは、…私が輝けそうなのは、こうやってプロデューサーがいろいろ考えて、苦労してくれてるからでス」

P「忘れんなよ、おい」

比奈「えへへ」

P「勘違いするなよ。俺は、お前たちがキラキラするところが見たいだけなんだからな」

比奈「ツンデレでスか」

P「茶化すなよ」

比奈「うス」



P「…比奈を見てると、わくわくするんだ」

比奈「…わくわく、…でスか」

P「ああ。最初はお前にときめいて、そんなお前を、もっと大勢の人に見てもらいたいって思った」

P「お前はきっともっと輝いて、自分の力でみんなに見てもらえる、そんな女の子になれるって」

比奈「……」

比奈「…臭い台詞っスね…はは」

P「悪かったな」

比奈「……。…はあ、もう」

比奈「…プロデューサーは、ほんとに…ずるい人でス」

P「まあな。大勢の女の子をプロデュースするには、多少、ずるくないとやっていけない」

比奈「ふふ、そうでスね」

比奈「楽しみにしてまス」

比奈「プロデューサーと一緒に、今までの自分を変えて、今度は自分が輝くのを」

P「…ああ」

比奈「一番近くにいるプロデューサーが目を細めるくらい、輝いてやるっス」

P「うん。俺も楽しみにしてる」

比奈「はいっス」ニコ

———後日…


ガチャ

比奈「おはようございまース」

柚「比奈さん! おはよー」

比奈「はいっス」

P「お、来たな比奈」

比奈「…なんスかその、悪役が正義のヒーローを待ち構えていたかのような台詞」

P「…光にやったら喜ぶかな?」

比奈「今度試してみるっス」

比奈「それで…なにかあるんでスか?」

P「おう。いいものが届いてるぞ。ほら」ガサ

比奈「…これ」

P「ライブ衣裳だな」

比奈「……え?」

P「おめでとう。今度は、ついに四人でライブだ」

比奈「…うぇっ!? ガ、ガチっスか!?」

P「ガチっス」

柚「へへ、やったね比奈さん!」ピョン

比奈「…う、うん…そっか、ライブか…」ガサ

比奈「……てか、こ、こんな可愛い衣裳…私が着るんでスか…」

P「ああ。きっと似合うぞ」ニコ

比奈「…あ、ありがとうございまス」

比奈「…」

柚「比奈さん?」

比奈「…えへへ、な、なんだか…もう泣いちゃいそうでス…」グス

柚「比奈さんってば気が早いなー。泣くのはライブが成功してからだよー♪」

比奈「そ、そうっスよね…あはは」

P「そうだぞ。二日連続で泣いたりしてたら、ライブの前に涙が枯れちまうからな」

比奈「…はい」グシ

比奈「…って、ん?」

P「ん?」

比奈「…ぷ、プロデューサー…昨日、私が泣いてたの…き、気づいてたんでスか…?」

P「あやべ」

比奈「おいこら」

P「比奈さん比奈さん口調がおかしいでス」

比奈「プロデューサーこそ」ニッコリ

ガチャ


仁奈「おはようごぜーます!」

楓「おはようございます…って」


ギャーギャー


楓「…?」

仁奈「なんの騒ぎでごぜーますか??」

比奈「プロデューサー! 昨日のことは忘れるっス! いや私がこの手で忘れさせてやるっ!」ブンブン

P「あぶなっ!? おま、部屋の中で物を振り回すな!」

柚「ねえねえ! 泣いたってなんの話!? 比奈さん、プロデューサーとなんかあったの?」キャハー

P「ゆ、柚、頼むから比奈をこれ以上刺激するようなこと言わないでくれ!」

柚「てへ? オンナノコはみんなコイバナが好きなんだよー♪ ってわけで、なにがあったか教えてよー」

比奈「殺ス」

P「アイドルが言う台詞じゃねえ!」

ギャーギャー


仁奈「…」

楓「…」

仁奈・楓「「えへへ」」

仁奈「やっぱり、ここのみんなは仲良しでごぜーます」

楓「うん。なんだか嬉しいね、仁奈ちゃん」ニコニコ



比奈「もー! ぷ、プロデューサー!」

P「は、はい!」

比奈「お、女の子の涙は、高くつくんでスから! 覚えておいてくださいよ!」

P「忘れさせるんじゃなかったっけ?」

比奈「揚げ足を取るなっス!」ブン

P「あぶなっ」

比奈「い、いいでスか!」



季節は梅雨でス。

毎日どんよりしているので、ちょっぴりうつが入りますけど。
うちの事務所は騒々しくて。


比奈「私をキラキラさせてくれるまで、許さないでスからね!」


それに、うちの子たちはみんな輝いてまス。
私もそろそろぴかーってできそうなので、ジメジメした季節でも気にならないでス。


おわり

☆おまけ


ガチャ

幸子「おはようございま… !?」ビクッ

輝子「あ、さっちん…おはよ」フフ

幸子「…な、なんですか、その……も、ものすごい格好…」

輝子「ぷ、プロデューサーが、くれたんだ…フヒ。いいでしょ」

幸子「……え、ええ。あなたには、よくお似合いだと、思いますよ…」ヒク

輝子「フヒ、これでライブ中だってキノコと一緒…親友と一緒ならライブも怖くないよ…フヒヒ」

幸子「えっそれライブ衣裳にする気ですか」



P「(さすがに茸塗れのきぐるみには引きながらも、輝子のために気を遣えるさっちゃんまじ天使!)」

比奈「プロデューサー下衆いっス」

P「最底辺の形容だな!?」

以上でス。
きの子を期待した方には申し訳なかったです。

ちなみに、柚、比奈、仁奈、楓さんを登場させるSSを続けて書いています。
モバP「フツウの日常」モバP「フツウの日常」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367550998/)
喜多見柚「トクベツな毎日!」喜多見柚「トクベツな毎日!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367725820/)


よかったら、そちらも読んでみてください。次は仁奈を書きたいです。
それと、分散してキャラが出たので、何度も画像ありがとうございました。
お読み頂きありがとうございました。

おつおつ
輝子が嬉しそうで何より

http://i.imgur.com/oEVVYe4.jpg
http://i.imgur.com/X2PyI10.jpg
輿水幸子(14)

http://i.imgur.com/XpOr4pc.jpg
http://i.imgur.com/lLQCjQT.jpg
星輝子(15)

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