鳴上「月光館学園で一年過ごす」 (31)
【2012 4/9 ポートアイランド】
『次は〜、巌戸台、巌戸台……モノレールご利用の方は……』
>……。
>ずいぶんと遅くなってしまった。
>八十稲羽を去り、戻ってきた両親と春休みを過ごした後、両親はまた海外へ飛んだ。
>今年からはまた別の学校に通う事になる。
>そう、八十稲羽での研修旅行で訪れた、月光館学園。
>寮があるから大丈夫だろうと言われ、まぁ大丈夫だと頷いた俺は……。
>高校生活最後の一年をあの学校で過ごす事になった。
>この駅を降りれば新天地、新しい生活の始まりだ。
>色々とてこずって夜になってしまったが、寮には入れるだろうか。
>渡された地図に従って向かってみる事にした。
鳴上「ここか?」
>古ぼけた建物だった。
>地図上では間違いなくここのはずだが……。
>寮と言うよりホテルだ。
鳴上「とりあえず、入ってみるか」
>扉は何の抵抗も無く開いた。
?「やぁ、初めましてだね」
>……?
>内装もホテルのようで、いよいよ寮とは思えない。
>なによりも……高校の寮だと聞いていたのに、目の前には小学生くらいの少年が立っている。
>囚人服だろうか?まさかそんなはずはないが。
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?「思った通りだ。君、既に力を持っているね。それも、ちょっと変わった力みたいだ」
鳴上「力……?」
?「何にでも変われるけど、何にも属さない力……それは、使い方次第で切り札にもなる力だ」
>何の話だ……?
?「これに、サインを。君の名前を教えてよ」
>署名……契約書のようだ。
>妙な既視感がある……。
>鳴上 悠とサインした。
?「契約、成立だね」
鳴上「契約って一体……」
>少年は帳簿をぱたんと閉じると微笑んで言った。
?「頑張ってね。期待してる」
>少年の姿が……消えた!?
鳴上「!?」
>辺りを見回すも、少年は跡形も無く消えている……。
>今のは一体何だったのだろうか?
?「あの……」
>今度は女性の声が聞こえた。
>階段を降りてくる人影がある……。
>今度こそ、この寮の人だろうか?
?「君、もしかして鳴上くん?」
鳴上「そうですが、あなたは?」
?「私は山岸風花。えっと、高校生じゃないんだけど……この寮で暮らしてます」
>三つ編みの女性は山岸風花と名乗った。
>今度は幻ではないだろうか……。
>右手を差し出してみた。
風花「……?あ、よろしく?」
>風花は握手に応じた。
>何度か握り直して感触を確かめてみる……。
風花「あの……」
>!
>風花は照れているようだ。
>どうやら今度は幻でも何でもないらしい。
鳴上「すみません。これからよろしくお願いします」
>丁寧に挨拶した。
風花「はい、よろしくお願いします。ようこそ月光館学園、そして巌戸台分寮へ」
>部屋は二階の一番奥らしい。
>どうにも生活感が無いのが気にかかるが……。
>準備や移動で疲れている。
>今日はもう寝てしまおう。
>備え付けのベッドに倒れ込んだ。
>……。
【深夜】
>……?
>この感覚……!
「ようこそ、ベルベットルームへ。再びお会いできて光栄でございます」
>目を開けると、よく知った部屋に座っていた。
>机を挟んだ対面に小柄な老人、その隣には微笑む女性。
>周囲一面が青い。
鳴上「……確か、終点についたと思ったんだが」
イゴール「その通り、あなたは真実に辿り着かれた……で、ありながら再びこの部屋の扉を叩くとは。実に興味深い」
>扉を叩く……?
鳴上「悪いがそんな覚えはない。事件は終わったんだ、もうここに来る理由は……」
マーガレット「契約、でございます。この部屋へ訪れる理由はいつもそう……」
>契約?
>……あれか。
鳴上「また、何かあるのか?」
イゴール「そうやもしれないし、そうでないやもしれません。私にわかるのは、ただあなたがここを必要としているという事……」
>イゴールが手をかざすと見覚えのある鍵が空中に現れる。
イゴール「これをお持ちなさい。……説明は不要ですな」
>契約者の鍵を手に入れた!
>どうやらまた彼らの協力が必要になるようだ。
>一体何が起こるのだろう……。
>謎の少年、まるで使われていないかのような寮。
>そして、ベルベットルーム……。
>ここでの一年も忙しくなりそうだ。
イゴール「また素晴らしい力を見せていただける事を期待しております。……では、またいずれ」
>意識が薄れて行く……。
【4/10 晴れ】
「おはようございまーす!もう朝ですよー!」
>……?
>菜々子……ではない。
>知らない男の子の声だ。
鳴上「誰だ?」
?「僕、天田乾って言います。中等科ですけど、この春からまた分寮暮らしなんですよ」
鳴上「そうか。起こしてくれてありがとう」
天田「はい。あの、今日は学校まで案内しますんで……」
鳴上「あ、そうなのか。わかった、すぐ準備する」
天田「まだ時間ありますから、急がなくていいですよ。僕、ラウンジで待ってますね」
>……月光館には初中等科もあると聞いたが、寮は同じなのか。
>なら、同じ高等科の生徒が案内してくれれば良いんじゃないか?
鳴上「……まぁ、いいか。聞けばわかる事だ」
>着替えてラウンジに降りよう。
天田「すみません、急かすような事言っちゃって」
鳴上「別に構わない。初日から遅刻するわけにもいかないし」
天田「そうですか?なら良かったです。それじゃ行きましょうか」
鳴上「ああ。よろしくな」
>天田は笑って頷いた。
>……そういえば、いくつか質問がある。
>道すがら話してみる事にした。
鳴上「あの寮って変わってるな」
天田「変わってる……でしょうね。見た目ですか?」
鳴上「まぁ、いろいろだ」
天田「元々普通のホテルだったらしいですよ。改造して寮にしてるんだそうです」
鳴上「それで何か寮って感じじゃないんだな。でも、それだけじゃなくて……」
天田「それに、理由があって二年ほど閉鎖されてたんで……違和感あるんだと思います」
鳴上「ああ、それでか。天田君が“また”分寮暮らしって言ってたのは」
天田「呼び捨てでいいですよ。そうですね、去年までは普通の寮にいたんで」
鳴上「で、何でまた閉鎖してた分寮が今年から?部屋数もそんなに無いし、相部屋でも無い限り人数もそんなに入らないんじゃないか?」
天田「別に人数が溢れたってわけじゃないんですよ。元々分寮はちょっと事情がある人が住んでた場所だったんですけど」
鳴上「事情が?」
>昨夜あった不思議な出来事を思い出した。
天田「……その内、話を聞く事になると思います。僕が言っちゃうとまずいかもしれないんで、そこは」
鳴上「あ、ああ。そうなのか。それなら仕方ないな」
天田「すみません。他の事なら大体答えられるますから、聞きたい事があったら聞いてください」
鳴上「そうだな。後は……今分寮に住んでるのは誰かって話と、あと山岸さんについてかな?」
天田「今は僕と山岸さん、鳴上さんだけですね。何かその内誰か増えるとか聞きましたけど」
鳴上「三人だけなのか!?」
天田「はい。山岸さんは今大学生なんですけど……さっき言った“事情”の関連で。元々高等科の先輩がメインだったんで、卒業しちゃった今は僕らだけです」
鳴上「なるほどな。当然俺にも関係ある事情なんだろう?」
天田「と、聞いてます。だから説明もあるだろうと」
鳴上「そうか……まぁ、なんとでもなるか」
天田「結構楽観的ですね」
鳴上「天田も山岸さんも、悪い人には見えない。それだけだ」
天田「……照れるんですけど」
鳴上「事実だ。……っと、校舎見えてきたな」
天田「ですね。僕中等科なのでここで。帰り、大丈夫ですか?」
鳴上「平気だよ。わざわざありがとう」
天田「そうですか。僕、部活で遅くなると思うんで。わからない事があったら山岸さんにでも聞いてください」
鳴上「わかったよ。……ああ、そうだ。あの子は知り合いなのか?」
天田「あの子?」
鳴上「男の子がいたんだが……」
>天田は怪訝そうな顔をしている。
天田「僕ではなく、ですよね?」
鳴上「勿論だ」
天田「なら、ちょっとわかりません。……色々あった建物ですし、何かあってもおかしいとは思いませんけど。それじゃ、失礼します」
>行ってしまった……。
>やはり夢でも見たのだろうか?
>それにしては……。
鳴上「考えても仕方ないか」
>職員室へ行かなくては……。
>……。
鳥海「というわけで、転校生を紹介するわよー」
鳴上「鳴上悠です」
鳥海「席は……なんか空いてるから、あのへん座っといて。そんじゃホームルームやるわよー」
>クラスメイトは興味深そうにこちらを見ている。
>仲良くなれるといいが……。
【放課後】
風花「あ、おかえりなさい」
>ラウンジで風花がテレビを見ていた。
鳴上「ただいま帰りました。あの、山岸さん。今時間ありますか?」
風花「見ての通りですよ?」
鳴上「なら、少し話をしてもいいですか?少し気になる事を聞いたので」
風花「……どうぞ。真面目な話なんだよね?」
鳴上「多分、そうです」
>風花の対面に座った。
鳴上「……この寮、ある事情を抱えた生徒が集められていたと聞きました」
風花「天田君から?」
鳴上「はい。で、当然俺にも関係あると。その内説明があるとも言っていましたが、なるべく早く聞いておきたかったので」
風花「そう、ですか。それで、質問は」
鳴上「その事情というのが何なのか、です。天田は自分が言うとまずいかもしれないと言っていましたが……」
>風花は月光館に通っているわけでは無いにも関わらず、この寮に住んでいる。
>恐らく天田より事情に通じていると踏んだのだが……。
風花「……去年の話です」
>風花は淡々と語り始めた。
風花「ある田舎町を、似付かわしくない事件が騒がせた。連続殺人事件……被害者は2人」
>これは……!
鳴上「知ってるんですか、八十稲羽で起きた事」
風花「はい。その事件の裏で数人の学生が動き、結果解決してしまった事も知っています」
鳴上「……事情、というのは」
風花「ペルソナ能力。鳴上君も知ってますよね」
>ペルソナ。
>事件が終わった今、使う事も無いと思っていた。
>だが昨夜、夢でベルベットルームを訪れたという事は……。
鳴上「何か、起こっているんですか。この辺りで」
>きっと、再びペルソナを使う時が来たと言う事だ。
鳴上「もし去年のような事が起こっていたなら、俺も解決の手伝いがしたい。誰かが必要としてくれているなら」
>……決意を込めて言ってみたが、風花はきょとんとしている。
鳴上「あの……」
風花「あ、ご、ごめんなさい。えっと、気持ちはありがたいんだけど……今何か事件が起こっている、とかではないんです」
鳴上「……あ、そうですか」
>……そうですか。
風花「ごめんね?鳴上君がここに住む事になった理由は、事件がどうこうじゃないんです」
鳴上「はぁ……」
風花「私たちの先輩が、対シャドウの特殊部隊を率いてます。鳴上君は、その隊員の資格があるかどうかの審査をされていると思ってください」
鳴上「はぁ……はぁ!?」
風花「あくまで本人の希望次第なんですけど……鳴上君さえ良ければ卒業後の進路も保障されるって感じかな?」
鳴上「対シャドウ……ですか」
風花「はい。あ、勘違いしないで欲しいんだけど、鳴上君が転校してきた事は偶然だから。そこまで手は回ってないからね」
>どうやら、思った以上に奇妙な状況にいるようだ。
>対シャドウの特殊部隊……確かに、それならばペルソナ使いの人員は欲しいだろう。
>だが、今の段階では得体が知れなすぎて何も言えない。
風花「心配しないで。無理に取り立てたりはしないから。戦いなんて、関わらずに生きていけた方が良いに決まってる。それはきちんと理解してるから」
>天田は今朝“色々あった”と言っていた。
>風花や天田も去年の事件のような戦いを経験したのだろうか。
鳴上「……でも、俺を見定めるだけならわざわざ分寮を開ける事も無かったんじゃないですか?」
風花「うん、鳴上君だけならね。ただ、そこもちょっと事情があるんです。多分、一週間もしない内にわかると思いますけど」
鳴上「話せない事ですか?」
風花「そういうわけじゃないけど……今は内緒、かな?その方が鳴上君も驚くと思うし」
>もう随分驚かされているのだが。
鳴上「悪い話では?」
風花「ありません。安心して?」
>風花はにこりと笑う。
>……知らない間にとんでもない事に巻き込まれていたが、風花の言う事を信じるなら悪い事は無さそうだ。
>とりあえず今は、気にせず生活していいだろう。
>主に精神的に疲れた……。
>今日もさっさと寝てしまおう。
【深夜】
>……?
?「やぁ、来たよ」
鳴上「君は……」
?「自己紹介がまだだったね。僕はファルロス。よろしく」
>少年は笑う。
ファルロス「……今日は君に、少し聞きたい事があって来たんだ」
鳴上「俺に?」
>ファルロスは頷いた。
ファルロス「君の周りで、助けを求める人がいたとして……それを助けられるのが君だけだったら、君はどうする?」
鳴上「助けるだろうな」
ファルロス「それがどんなに危険でも?」
鳴上「……少しは躊躇うかもしれない。だけど、助けられるのが俺だけで、その人が俺に助けてって言ったなら、きっと助ける」
ファルロス「そう。……命を賭けてでもかな?」
鳴上「……命を賭けてでも、だ」
ファルロス「……君は、強いね。それなら、約束して欲しいんだ」
鳴上「約束?」
ファルロス「これから君の周りで、きっと不思議な事が起きる。それは多分、厳しい戦いになると思う。だけど、諦めないで」
>戦い。
>やはり、何か起こるのか。
鳴上「わかった、約束する。その戦いを終わらせれば、誰かを助けられるんだな?」
ファルロス「うん、きっとね。……ねぇ、友達になってくれないかな」
鳴上「友達?」
ファルロス「君の行く先を見てみたいんだ。ダメかな?」
>ファルロスはじっとこちらを見つめている……。
鳴上「ダメなわけないだろ」
ファルロス「ありがとう」
>ファルロスは微笑んだ。
>!?
>頭の中に声が囁く。
『我は汝、汝は我……
汝、新たなる絆を見出したり……
絆は即ち、まことを知る一歩なり』
>この感覚は……。
>新たなるコミュニティ、『No.13 死神 ファルロス』を手に入れた!
>心の中に新たな絆が生まれた。
ファルロス「それじゃ、また会おう。……ああ、そうだ。最後に一つ」
ファルロス「君が約束してくれたから、事態が動いたみたいだ。気を付けてね……」
>ファルロスは、そう言い残すとまた消えていった。
>事態が動いた……か。
鳴上「今度は何があるんだろうか」
>時計を見ると、夜11時50分を指している。
>そろそろ日付が変わるのか……。
鳴上「寝直すか」
>これから、戦いの日々かも知れない。
>英気を養わなくては……。
>目を閉じてしばらくすると、体を違和感が包んだ。
【4/11 晴れ】
>朝、着替えを済ませてラウンジに降りる。
>不思議な事に寮内に人の気配が無い……。
>天田は部活をしているらしいし、朝練か何かだろうか?
>風花は……わからないが。
鳴上「まぁ、そういう日もあるか」
>とりあえず学校へ行こう。
>学校は昨日と変わらない様子だ。
>教室に入り、席につく。
>チャイムが鳴ると、先生が入ってきた。
鳥海「はーい静かにしなさい。昨日に引き続き今日も転校生紹介するからね」
>先生の隣に見知らぬ女生徒が立っている。
>黒い髪、白い肌……赤い瞳。
>大きな髪飾りが特徴的だ。
鳥海「帰国子女だそうよ、帰国子女。素敵よね帰国子女って。なんていうか響きが。それじゃ自己紹介よろしくね」
?「……私は、メティスと言います。海外暮らしが長かったので日本の生活にまだ慣れていません。迷惑をかけると思いますが、どうぞよろしくお願いします」
>メティスと名乗った転校生は、何故かこちらをじっと見ている……。
鳥海「それじゃメティスちゃん、席は……」
メティス「あそこがいいと思います」
>メティスが指差したのは隣の席だった。
鳥海「ああ、何か空いてるし良いんじゃない?そんじゃ鳴上君、よろしくね」
鳴上「あ、はい……」
>メティスが歩いてきて、座る。
>……?
>なんとなく、違和感が……。
メティス「鳴上さん」
鳴上「え?」
>席に座るなり、メティスが話しかけてくる。
メティス「大事なお話があります。放課後、お時間よろしいでしょうか」
>周囲がざわついた。
【放課後】
鳴上「……なるほどな」
>メティスのいう大事なお話とは、何も驚くような事ではなかった。
メティス「鳴上さんに案内してもらうよう言いつけられていましたので」
鳴上「だったらこう、言い方というか……いや、いい」
>メティスは今日から分寮に住むらしく、その案内をして欲しいという事だった。
メティス「すみません。私は人の心の機微が良くわからないもので」
鳴上「どういう意味だ?」
メティス「そのままの意味です。人でない私には人の心というものが……」
>……一体何を言っているのかわからない。
メティス「ここが分寮ですか。ありがとうございます」
>考えている間に分寮の前についた。
>大型バイクが停まっているが……?
メティス「ただいま帰りました」
>メティスが扉を開くと、ラウンジに知らない女性がいた。
>メティスはそのままつかつかと歩み寄り、女性の隣に座る。
鳴上「……あの」
>女性がこちらを見て、微笑んだ。
?「君が……鳴上か?初めましてだな。まぁ座ってくれ」
>対面の席を勧められる。
>状況が飲み込めないが、素直に座る事にした。
?「まずは自己紹介だ。私は桐条美鶴。山岸や天田から話を聞かなかったか?」
鳴上「桐条さんですか?いえ……あ」
>もしかして。
鳴上「山岸さんの言っていた特殊部隊にいる先輩っていうのが」
美鶴「そうだな、それが私だ。事後に話す事になってしまって悪かった」
鳴上「いえ、あくまで自由意志と聞いたので……それで、今日はどうかされたんですか?」
美鶴「ああ……君にも話しておかなければな。一大事だ」
>美鶴が顔を曇らせる。
美鶴「っと、その前に彼女について紹介しておく。対シャドウ特別制圧兵装、8式メティスだ。名前は聞いたな?」
鳴上「はい、名前は。……特別兵装?」
メティス「はい。私はシャドウを制圧する為の兵器であり……機械です。人ではありません」
>驚いた。
>さっき言っていたのはこういう事だったのか。
鳴上「見た目でははっきりわからないけど……確かに、そう思って見るとそう見えなくもない、か」
美鶴「シャドウを倒す為、ペルソナを使用出来るようになっている。君をこの寮に入れたのは彼女が理由でもあるんだ」
鳴上「俺とメティスさんに何の関係が?」
美鶴「彼女はペルソナが使える。つまり心があるという事だが、それはまだ発展途上……赤ん坊のようなものだ。君と共に学生生活を送る内、成長してくれれば……と思ったんだが」
>なるほど……ペルソナは心の力であり、彼女が作られた存在だというなら心もまた作られた物なのだろう。
>そして、生まれたての心では他者の心の機微までは探れない。
>色々な事に頓着しないような態度や、その表情の薄さもそれが原因なのだろう。
>メティスをじっと見ていたのが気に食わなかったのか、視線を逸らされてしまった。
>風花の言っていた驚く事というのはこれだろうか。
鳴上「ですが、まだ時間がかかるように聞いていましたが」
美鶴「それがそうも言っていられなくなった。それが一大事なんだ」
>美鶴の表情が再び曇る。
美鶴「なぜメティスを急ぎ、投入する必要が出たのか。そこについて話をしたい。日付が変わってから山岸たちに会ったか?」
鳴上「いや、会ってません」
美鶴「なら話も聞いていないか。……何から話すか。そうだな、まず君は……一日が24時間で無いと言われたら、信じるか?」
>……は?
美鶴「そんな顔をするな。私は事実を言っているだけだ。信じたくはないがな」
>美鶴がため息をついた。
>一日が24時間、というのは……今まで生きてきた中で常識として刷り込まれていたのだが。
>……良く考えれば去年から自分の周りには常識外の事ばかりだった。
鳴上「疑っても何も始まらないので、信じます。詳しいお話をお願いします」
美鶴「飲み込みが良くて助かる。……一日と一日の間、丁度24時を迎える時、世界は一度停止する。一定時間の間、特定の人間にしか感知できない時間が訪れるんだ」
メティス「それを、影時間と呼びます」
>影時間……日付が変わる瞬間、か。
鳴上「あ、もしかして。昨夜、丁度そのくらいの時間に寝たんですけど、その時なんていうか……違和感を覚えたんですが」
美鶴「まず間違いない。特定の人間というのは、我々ペルソナ使いの事だ。ペルソナ使いは影時間に適正がある。影時間を認識し、行動できる」
鳴上「でも、今まで一度も感じた事はありませんでしたよ」
美鶴「君がペルソナに目覚めたのはいつだ?」
鳴上「……去年の春、です」
美鶴「影時間が存在したのは三年前まで、そして昨夜からだ。君が知らなくとも無理はない」
>三年前まであって、今まで無かった……?
美鶴「三年前、我々が解決したはずの事象なんだが……再発するにしても早すぎる」
鳴上「影時間があると何が起こるんですか?」
美鶴「影時間を動けるのは我々ペルソナ使い、そしてシャドウだ。シャドウは人を襲い、影を食らう。そして、影を食われた者は……」
>シャドウが、人を襲う?
>現実世界で!?
鳴上「まっ……待ってください。シャドウが現実に現れるんですか?」
美鶴「そうだが、それがどうかしたのか?」
鳴上「俺、現実でペルソナ使った事ありません」
美鶴「……何?」
>美鶴に去年の事件のあらましを説明した……。
美鶴「……そうか。そこまでは調べられていなかったな」
>美鶴は顎に手をやって考え込んでいる。
>去年の事件では、主な舞台がテレビの中……いわば異世界だった。
>だから、現実でペルソナを召喚する事は無かったのだが……。
美鶴「いや、考えても仕方がない。君に前線に立ってもらうつもりは元より無かったしな」
>美鶴が視線を送ると、メティスが横に置いてあったジェラルミンケースをテーブルに置いた。
メティス「鳴上さん、これを」
>ケースを開けると、中に拳銃のような物が入っている。
鳴上「これは?」
メティス「召喚器です。ペルソナの召喚・制御の補助に使用します」
美鶴「戦う戦わないは別としても、自らの命を護る力は必要だろう。護身用に持っておいてくれ。使い方は……」
>美鶴が自身の召喚器を取り出し、こめかみに当てる。
美鶴「こうして、引き金を引くだけだ。弾は出ない、怯える必要もない。わかったか?」
鳴上「はい。……影時間、何故また発生したかはわからないんですよね」
美鶴「そうだな。それについてこれから考えねばならないだろう。今日ここに来たのもその関連でな……」
メティス「万一の為の戦力として私を投入すること、寮の皆さんに色々と話を聞くこと。それが目的だそうです」
鳴上「そうですか……」
美鶴「君とメティスの為にわざわざ分寮を整備したのだが、無駄にならなそうで良かったよ、とでも言っておこうか」
>美鶴は自嘲気味に笑っている。
鳴上「やっぱり、この寮は特別なんですか?」
美鶴「そうだな。全部屋に監視カメラがあり、通信機を通してエマージェンシーを出す事も……そうだ、それも渡しておくか」
>美鶴が小型の通信機を取り出す。
美鶴「影時間でも使える特別製だ。山岸が常駐している以上不要かもしれないが、一応な」
鳴上「ありがとうございます。というか、監視カメラって……」
美鶴「心配するな。常時誰かがチェックしているわけではないし、普段は電源も入っていないよ」
鳴上「そうですか。あの、それで……」
>俺はどうすればいいのだろうか。
>……首を突っ込んでいいのだろうか?
美鶴「そうだな。……君には選択肢がある。一つは、このまま通常の寮に戻り、何事も無く学生生活を送る。もう一つは……」
>何事も無く学生生活を送る。
>そうするには既に手遅れではないか……?
美鶴「私たちと共に、この事件を解決する為に戦うか、だ。こちらはおすすめしないがな。受験もある、今年は大事な年だろう」
>美鶴とメティスから視線を感じる。
>この選択次第で、これからの一年がどうなるか決まりそうだ。
>……よし。
鳴上「……協力します。何が出来るかわからないけど、知ってしまった以上、見てみぬフリなんてできない」
美鶴「良いのか?別に今決めずとも良いんだ、考える時間だって必要だろう」
鳴上「いえ、良いんです。俺に出来る事ならやろうって、以前決めたので」
美鶴「そうか。なら私は何も言うまい。歓迎するぞ、鳴上。ようこそ……シャドウワーカーへ」
>美鶴に覚悟が伝わったようだ。
>美鶴から淡い信頼を感じる……。
>『No.08 正義 桐条美鶴』を手に入れた!
鳴上「シャドウワーカー……ですか」
美鶴「ああ。我々の組織の名だ。君には臨時として参加してもらう。普通の学生としてよりは色々と動くのに都合がいいだろう」
鳴上「なるほど。それで、当面はどう動けば」
美鶴「まず確認しなければならない事がある。山岸に従い、今日の夜……学校へ向かってくれ」
鳴上「学校?」
美鶴「詳しい話は山岸から聞けるだろう。……悪いが時間の無い身でな。山岸も天田もまだ帰っていないなら、私は次の現場に行かなければならない」
>美鶴が立ち上がる。
美鶴「本来なら責任者である私が全て話さなければならないのだろうが……山岸も天田も三年前の当事者だ。知っている事に大差はない」
鳴上「わかりました。これからよろしくお願いします」
美鶴「ああ、よろしく。……決して、無理はしないでくれよ」
>それだけ言うと、美鶴はバイクに跨って帰っていった。
鳴上「……かっこいい人だな」
メティス「かっこいい、というのはああいう事を言うのですか?」
鳴上「ん、ああ……まぁ、個人差はあるだろうけど、俺はそう思うよ」
メティス「そうですか」
>メティスは見送りが済むと、すぐに寮内に戻った。
>メティスの成長も、中々前途多難なようだ……。
【深夜】
>少し仮眠を取り、夜に備えていた……。
鳴上「さてと……」
>山岸さんが待っているはずだ。
>ラウンジへ行こう。
風花「あ、起きた?」
>ラウンジには既に天田とメティスもいた。
鳴上「少し前から。それで、あの……」
天田「道すがら話しませんか。影時間、始まっちゃいますし」
>天田はどこかピリピリしているようだ。
>確かに、時間を無駄にする理由もない……。
風花「なら、学校に向かいながら話しましょうか。色々と質問もあると思いますし」
>四人で連れ立って学校へ行く事になった。
鳴上「……で、学校に何があるんですか?昼間は何も変わった所はありませんでしたが」
風花「影時間には色んな変化が現れます。人が象徴化したり、機械が止まったり。動けるのはペルソナ使い、シャドウ、それと月だけ……」
>美鶴からもそう聞いている……。
風花「その中の一つに、ある物の出現があります。いえ、ありました。三年前の話だけど」
天田「学校があった場所に、昼間には無かった物が出現するんですよ。そしてそこはシャドウの巣になっている」
メティス「タルタロス、というそうです」
>タルタロスか……。
>去年の事件で言う所の、テレビの中のような物だろうか。
メティス「三年前……勿論当時、私は稼働していませんでしたが、その時起こった事の記録によると、美鶴さんを始め、幾人かのペルソナ使いがその攻略にあたったと」
鳴上「シャドウの巣を?」
天田「どう考えても怪しいですから、とにかく行ってみようって事になったんですよ、あの時」
風花「今でこそ色々わかってますけど、それもあの時の事があったからで……」
鳴上「ああ、なるほど……」
メティス「当時のメンバーは、桐条美鶴・真田明彦・岳羽ゆかり・伊織順平・山岸風花・天田乾・コロマル・アイギス・荒垣真次郎……」
天田「もういいんじゃないですか?今必要な情報は出揃ったと思いますけど」
>天田はやはり不機嫌そうだ。
>メティスは不思議そうな顔をして聞き返す。
メティス「鳴上さんは三年前の事を知りません。出来る限りの情報共有をしておくべきだと思いますが」
天田「だから……いいです、もう」
メティス「では、続けます。事実上の責任者は当時の理事長でしたが、桐条傘下の組織として行動していたので実質は美鶴さんのチームでした。しかし……」
鳴上「しかし?」
メティス「あるペルソナ使いの参入以後は、彼が実質的なリーダーとなって行動していました。その彼は三年前の3月……」
風花「メティス!」
>メティスが続けようとした時、風花が突如怒鳴った。
>怒っているような、悲しいような、そんな顔をしている……涙すら浮かべているように見えた。
>さっきまで不機嫌そうだった天田まで、驚いたのか目を丸くしている。
メティス「……」
風花「その話は、今必要じゃないと思う。鳴上君には私から話しておくから」
メティス「あ……は、い」
>メティスが一歩下がり、俺の背後に隠れるようにした。
>まるで叱られた子供みたいだ……。
天田「ま、まぁメティスさんも悪気があったわけじゃないんでしょうし、必要な事は間違いないんですから」
風花「……うん、わかってる。ごめんね、天田君、鳴上君」
鳴上「いや、俺は別に……」
>メティスが俯いて袖を掴んでいる……。
>なるほど、赤ん坊のような物、か。
>メティスの頭にぽんと手を置いた。
鳴上「誰にでも言われたくない事はある。メティスさんもその内わかるよ」
>メティスはきょとんとしている……。
風花「メティスもごめんね?でも、その……色々、あったから。あんまりいい思い出じゃない事も、色々」
メティス「……いえ、こちらの配慮が足りませんでした。許してください」
風花「許すなんて……私が悪かったの。っと、そろそろ見えてくるかも」
>確かに、そろそろ学校の辺りだ。
>校門の向こうに校舎が見える。
>まだ昼間と変わった所は見えない……。
天田「時間は?」
メティス「11時58分23秒……あと1分37秒で影時間です」
>校門の前で時計を見ながら待つ。
>何故か全員無言だった。
風花「……来る」
>小さな一言と共に、周囲の様子が一変した。
>まるで空気が重くなったかのような違和感が纏わりつく……。
>青白く辺りを照らしていた人口の光が全て消え、青緑の月光だけが光源になる。
>そして……。
鳴上「っな……!?」
>学校の校舎があった場所、その地面が轟音と共に持ち上がる。
>ゴンゴンと音を立てて積み上がっているアレは……一体何だ?
天田「やっぱり出ましたか……」
風花「うん……なるべくなら、現れて欲しくなかったけど」
メティス「あれが、タルタロス……」
>どうやらアレがタルタロスで間違いないようだ。
>遥か天上まで届く程の巨大な塔……校舎はどうなったのだろうか?
鳴上「あの、これって学校は……」
風花「どうなってるのかはわからないけど、何故か影時間が終われば元通りになってます。だから、誰も知らないでアレはここにある」
>信じられないが、見てしまった以上信じるより他無い。
天田「どうします?今日は……」
鳴上「何かやるのか?」
メティス「タルタロスの攻略に挑むかどうか、ですね」
鳴上「ちょ、待ってくれ。俺はまだ準備が……」
風花「鳴上君だけじゃなくて、みんなも本式に準備する必要があると思う。それに、まだ多分……」
>そう言って風花は空を見上げる。
天田「ああ、そうですね。今月の満月は過ぎましたし……」
>月?
>同じように空を見る。
>……確かに、少し欠けかかっている。
メティス「前回の満月は4月7日、次回は5月6日です。当面は大型シャドウの襲撃は無いと考えて良いかと」
風花「前回と同じなら、ね。一応、ちょっとだけ探ってみましょうか」
鳴上「満月が何か関係あるんですか?」
風花「うん、そうなの。三年前は、満月の度に大型のシャドウが現れて……だから、まだ平気かもって」
天田「今回はどうかわからないですけどね。とりあえず入ってみますか」
>天田たちは慣れた様子で塔に入っていく。
>置いていかれないように慌てて追従した。
【エントランス】
天田「……やっぱり、そのままだ」
鳴上「そうなのか?」
天田「はい、少なくとも見掛けだけは」
>メティスは壁や地面をつついている……。
風花「それじゃ……久しぶりだけど」
>風花が拳銃……召喚器を取り出して頭に向ける。
風花「ユノ!」
>何かが割れるような音がして、風花をペルソナが包み込む。
鳴上「あれが……」
天田「山岸さんのペルソナは、探索とか探知が得意な感知型なんです。命を感じ取るペルソナ、だそうですよ」
>りせと同じタイプか……。
鳴上「これって、何階くらいあるんだ?」
天田「タルタロスですか?ええと……263階だったかな」
鳴上「にひゃ……!そ、そうか。長い道のりだな」
天田「本当に……長い道でした」
風花『……うん、やっぱり同じみたいです。各階層に番人がいて……特に変わった事は無いみたい』
天田「だ、そうです。となると……次の満月までは様子見かな?」
メティス「今日は探索しないのですか?」
鳴上「みたいだな」
風花『大型シャドウの襲来があるか無いかによって攻略スパンも決まってきますから。無理に登る必要は無いと思います』
鳴上「今後どうしましょうか」
メティス「私は学校での生活も任務の内ですので」
天田「とりあえず、上に報告じゃないですか?」
風花『うん、わかった事は順次桐条先輩に報告して行きます。一応、日常生活でも変わった事があれば言ってくださいね』
天田「それじゃ、今日は帰って寝ましょうか。ここに来るとあの頃の事思い出しちゃいますし……」
風花『……そうだね』
>天田と風花はそれぞれ思うことがあるようだ……。
>三年前の戦いで何があったのかはわからないが、気安く触れていい事ではない気がする。
>その内聞く事になるだろうが……必要に迫られない限り自分からは聞かない事にしよう。
【深夜】
>コンコン。
鳴上「はい」
メティス「あの、メティスです。少しお話をしたいのですが」
鳴上「ああ、どうぞ」
>メティスがドアを開けて入ってくる。
>ひどく落ち込んだ様子だ……。
鳴上「どうかしたか?」
メティス「教えて欲しい事があるんです。先ほどの話なのですが」
鳴上「さっき?」
メティス「あの……山岸さんと天田さんを怒らせてしまった時の」
鳴上「ああ……」
>メティスはさっきの事をまだ気にしているらしい。
メティス「その、何故怒られたのかが良くわからないんです。私は必要な事を言ったつもりだったのに……」
鳴上「そうだな……」
メティス「何か失礼があったのでしょうか?礼儀作法には逆らっていないように思うのですが」
鳴上「礼儀の問題じゃないかもな」
メティス「では、何が」
鳴上「メティスさんの記憶には、嫌な事ってないか?」
メティス「嫌なこと……ですか?」
鳴上「思い出したくない事とか、無いのか?」
メティス「……まず、記憶が殆どありません。稼働したのがつい先日ですので」
鳴上「あー……なるほど。それはわからないかもしれないな」
>メティスは疑問と期待をありありと表している。
>どうやらこの疑問を解いてくれる人として期待されているらしい。
鳴上「まず、人は過ごしてきた時間だけ記憶がある、思い出がある。その中にあるのは良い思い出だけじゃない」
メティス「良い記憶と悪い記憶があるのですか?」
鳴上「そうだな。で、メティスのした話は、あの2人にとってあんまり良くない記憶を呼び覚ます事だったんだと思う」
メティス「……」
鳴上「あんまり思い出したくない事でも、人に言われると思い出しちゃうよな。それが嫌だったんじゃないかな」
メティス「なるほどなー」
>メティスはしきりに頷いている。
>どうやら伝わったようだ。
>伝達力を高めておいてよかった。
メティス「任務にとって最善でも、コミュニケーションにとって最善であるとは限らないという事ですね?」
鳴上「そうだな。コミュニケーションを優先しろってわけじゃなくて、バランスが大事だとは思うけど」
メティス「ふむふむ……難しいですね」
鳴上「俺だって難しいと思う。でも、だからってやらなくていいわけじゃないだろ?」
メティス「そうですね。達成困難な任務でも挑まなければならない時はあります」
鳴上「がんばっていれば、いつかわかるようになるよ。みんなも別に本気で許さないってわけじゃないし」
メティス「はい、やってみます」
鳴上「その意気だ。メティスさんは……」
メティス「あ、さんはいりません」
鳴上「ん?」
メティス「仲の良い人同士は、敬称を取って呼ぶ物だと聞きましたので」
鳴上「呼び方から入るわけか。わかった、メティス」
メティス「わざわざ答えてくださってありがとうございました、鳴上さん」
>……俺には言っておいて、自分はさん付けなのか。
メティス「早速2人にお詫びを……」
鳴上「待て待て、今日はもう寝てるかもしれないし、明日起きてから謝ればいいから」
メティス「そうですか。それではそうします……あの、これからもわからない事があったら聞いてもいいですか?」
鳴上「ああ、いつでも。でも俺なんかでいいのか?」
メティス「はい。他の皆さんではわからない事もあるので……」
>何の事かはわからないが、頼りにされているようだ。
>『No.12 刑死者 メティス』を手に入れた!
メティス「では、起床時間まで待機しておきますね」
鳴上「そうだな……俺ももう寝るよ」
メティス「こういう時は……おやすみなさい?」
鳴上「ん、おやすみ」
>突然復活したという影時間。
>影時間にのみ現れるタルタロス。
>満月にやってくるという大型シャドウ。
>……正直、ついていけていないが、これからギャップを埋めるしかないだろう。
鳴上「みんなは色々わかってるみたいだし……大丈夫だろ」
>明日も学校だ……。
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