キース「割と暇な訓練教官の日常」(88)

──0600 入団式~準備中

同僚A「通過儀礼誰やる~?」

同僚B「やっぱキースさんっしょ?」

キース「何故だ!?去年も俺がやったぞ!?あれ疲れるんだぞ!?喉痛めるんだぞ!?」

同僚A「え~でも、キースさんが一番似合うっつーか迫力あんじゃん?」

座学のメガネ「ここはキースが適任だろう?」

キース「納得いかん!くじ引きだ!くじ引きで決めるぞ!!」

座学メガネ「往生際が悪いな……私は座学担当なんだがな……」

同僚A「くじ作ったっす~。赤いの引いたら通過儀礼な」

同僚B「恨みっこなしっすよ?じゃあ俺これ」

同僚A「じゃあ俺これな」

キース「待て!作った奴は最後に──」

座学メガネ「では私はこれだ……せーので引こう」

キース「お、おい!!」

「「「せーのっ!!」」」

──0630 入団式

訓練兵A「緊張するなぁ~」

訓練兵B「教官どんな人かな?」

キース「貴様等!!」

訓練兵「「!!」」ビクッ

キース「運悪く貴様等の訓練教官を務めるキース・シャーディスだ!!」

キース(なんで毎年毎年俺がこの役なんだ……あいつらめ……!!)

キース「貴様らを歓迎する気は毛頭ない!!」

キース「今の貴様等はせいぜい巨人の餌になるくらいしかない、ただの家畜!家畜以下の存在だ!」

キース「3年後!貴様らが巨人の前に立った時!ただの餌となるか!?」

キース「あるいは!王を守る名誉ある壁となるか!または巨人を駆逐する栄光ある人類の兵士か!?」

キース「貴様等が決めろ!!」

キース(毎年のようにどこ行けばいいか言いてくる馬鹿が居るんだよな……)

──0645 入団式~通過儀礼

キース「貴様は何者だ!?」

アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」

キース(やべっ!シガンシナ区じゃん!……まぁいいか」

キース(ん?こいつ……グリシャんとこの息子の友達か?頭良い子が居るとか言ってたな)

キース「そうか!バカみてぇな名前だな!!何しに来た!?」

アルミン「人類の勝利の役に立つためです!!」

キース(あんまり体力なさそうだが……大丈夫か?防衛大行って幹部目指すべきじゃないのか?)

キース「それは素晴らしいな!貴様は巨人の餌になってもらおう!!」

キース(訓練についてこれるか心配だな……)

座学メガネ「やってるな。お前も最初はああだっただろう?」

座学ネガネ(俺じゃなくてホントよかった……あんなの絶対無理)

同僚B「ええ。あれにはいったい何の意味が?」

同僚B(絶対なんの意味ないだろ)

座学メガネ「通過儀礼だ~(略)。真っ新な~(略)」

座学メガネ(とは言っても効果はほぼ無いと思うが……めんどくせぇ伝統だな)

トーマス「──(略)トーマス・ワグナーです!!」

キース(ん~特に言う事ねぇや)

キース「声が小さい!!もう一度!!」

ミーナ「──(略)ミーナ・カロライナです!!」

キース(とりあえず罵っとけばいいか)

キース「違う!貴様は豚小屋出身──(略)」

キース「貴様は何者だ!?」

ジャン「トロスト区出身、ジャン・キルシュタインです!!」

キース「何しにここに来た!?」

ジャン「……憲兵団に入って、内地で暮らす為です」

キース「そうか……貴様は内地に行きたいのか……」

キース(お前みてぇな奴ばっか憲兵に行くから腐るんだよ!!まともな上司なんか居やしねぇ!)ガツン

ジャン「いってぇ!!」ドサッ

キース「誰が座っていいと言った!?この程度でへこたれるものが憲兵団などになれるものか!!」

キース(このクソガキが……)

キース「貴様は何者だ!?」

マルコ「ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身、マルコ・ボットです!憲兵団に入り~(略)」

キース(また憲兵か……こいつは真面目っぽいが……)

キース「王はお前の体なんぞ欲しくない……」ゴゴゴゴゴ

キース「貴様は何者だ!?」

コニー「ウォール・ローゼ南区ラガコ村出身、コニー・スプr──」

キース「逆だコニー・スプリンガー……」

キース(出たよ……毎年5人くらい居るんだよこういうバカ……)

キース「最初に教えたハズだ……この敬礼は公に心臓を捧げる決意を──」

蒸かした芋「サクッ」

キース「!?」

サシャ「もぐもぐ」

キース(……え)

キース「おい貴様……何をしている……?」

サシャ「……?もぐもぐ」

キース(無視すんなやゴルアアアアアアア!!!)

キース「貴様だ貴様に言ってるんだ!!何者なんだ貴様!!」

サシャ「ごくん……ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身、サシャ・ブラウスです!」

キース(芋持った手で敬礼すんな……公に芋を捧げる気か)

キース「サシャ・ブラウス……貴様が右手に持っているものはなんだ……?」

サシャ「蒸かした芋です!調理場に丁度頃合いのものがあったので、つい!」

キース「貴様……盗んだのか……何故だ……なぜ今、芋を食べだした?」

サシャ「冷めてしまっては元も子もないので、今食べるべきだと判断しました」

キース「……?いや……分からないな……何故貴様は芋を食べた?」

サシャ「……?それは何故、人が芋を食べるのか?という話でしょうか?」

キース「……」

サシャ「……はっ!」

キース(やっと自分の異常性に気付いたのか!?)

サシャ「チッ……半分、どうぞ」

キース(……こいつ馬鹿だ)

──1200 昼食~教官室

キース「はぁ……」

同僚A「キース!」

キース「……なんだ?」

同僚A「蒸かした芋ですwwww」

キース「てめぇぶっ殺すぞ!!」

同僚A「おい暴れんじゃねぇよwwww」

同僚B「ありゃ何だったんですか?wwww初めて見ましたよwwww」

キース「俺が聞きてぇよ……あれを3年間も面倒見んのかよ……」

座学メガネ「面白そうな子じゃないか」

キース「ここは芸人の養成所じゃねぇ!!」

同僚B「来ちゃったもんは仕方ないし、まぁ頑張って」

キース「あぁ……」

同僚A「芋wwww芋wwww」

キース(こいつうぜぇ……)

──1300 立体機動適性テスト

キース「まずは貴様等の適性を見る!両側の腰にロープを繋いでぶら下がるだけだ!!」



座学メガネ「これはまだまだ初歩の初歩だが──(略)」

同僚B「あの……彼は……?」

座学メガネ「……素質というものだろう。人並み以上に──(略)」



キース「おいエレn……何をやっているエレン・イェーガー!!上体を起こせ!!」

キース(おいおいおい!カルラの言ってた話と違うぞ!?運動神経はいいんじゃないのか!?)

キース(元気すぎて困るくらいお前は元気じゃなかったのか!?)

キース(カルラの仇は誰が取るんだ!!!)

キース「……イェーガー。この後、特別にこの機具の使用を許可する」コソコソ

エレン「い、いいんですか!?」

キース「声が大きい!……後で練習しておけ」コソコソ

エレン「は、はい!!」

──1700 課業終了~教官室

キース「やっと終わった……」

座学メガネ「随分とお疲れだな?ほれ、茶だ」

キース「お、すまんな。訓練兵が何人居ると思っている……疲れもする」

同僚A「芋っ子はどうっすか~?使えそうですか~?」

キース「お前はそいつが気に入ったのか……?適性は問題なかった」

同僚A「問題なかったのか!なら3年間あいつと一緒だなwwww」

キース「そんなにお気に入りか」

キース(そんなに悪い奴ではないと思うんだがな……)

キース「それよりお前。ちょっといいか?」

座学メガネ「ん?どうかしたのか?」

キース「適性テストの時に妙な事がな……」

座学メガネ「……頭ぶつけてた奴か?イェーガー、とか言ったな」

キース「あぁ、君も気付いたか。腰まで浮かしておいて頭をぶつけるなど……」

座学メガネ「ベルトの損傷か金具の破損か……明日、よく見てあげろ」

──0800 最終適性テスト

キース「エレン・イェーガー、覚悟はいいか?」

エレン「はい!!」

キース「……上げろ」

トーマス「は、はい!」

キース(装備の欠陥がどこかにあるハズだ……!)

エレン「やった……できた……!!」

キース(何!?そんなハズは……)

エレン「う、うわぁ!!」ガツン

キース(……!あ、あった!あの金具だ……!)

エレン「まだ……!!」

キース「降ろせ。ワグナー、イェーガーとベルトの交換をしろ」

エレン「な……何で……急に……これは、一体!?」

キース「装備の欠陥だ。貴様が使用していたベルトの金具が破損していた」

キース「ここが破損するなど聞いたことはないが……」

エレン「え?で、では……適性は……?」

キース「問題ない、修練に励め!!」

エレン「やった!やったぞ!!」

キース(グリシャ……今日お前の息子が、兵士になったぞ)

キース(カルラ……きっとお前の仇は息子が取ってくれるだろう)

キース(きっと巨人を駆逐する人類の希望になってくれる)

キース(それまでの間、この子が死なないように俺が責任を持って訓練させる)

キース(だから安心してくれ……)

──1200 昼休み~教官室

座学メガネ「なんとかなったみたいだな」

キース「あぁ。まさかぶっ壊れた装備で上体を起こすとは思わなかったがな」

同僚B「そんなにすごい事なんですか?」

キース「やってみればわかるさ」

同僚A「随分とあのエレンって子にご執着っすね」

キース「別に深い意味はない」

座学メガネ「まぁ目を付けるのは理解できる。中々の逸材かもしれん」

同僚A「そんなもん?」

キース「……そうだな」

──1300 兵站行進

キース「早速だが訓練を始めさせてもらおう!!」

キース「簡単な事だ!この20kgの装備を背負って4時間以内に20km先まで走ればいい!!」

コニー「に、20km!?」

アルミン「い、いきなりそんな……!!」

キース「ん、何だ貴様等?そんなに嫌か?」

アルミン「あ、いえ……そのような事は……」

キース「なんなら装備を貴様等の荷物に変更するか?ゴールは開拓地だ」

アルミン「め、滅相もありません!!」

キース「ならとっとと走れ!隊列を乱すな!一人でも遅れたら連帯責任だ!」

一同「「「サー!イエッサー!!」」」

キース(俺だって初っ端からこれをやることに疑問を感じてはいるのだ……)

──1500 兵站行進~10km地点

キース「ペースが落ちているぞ貴様等!!そんなに巨人の餌になりたいか!?」

エレン「そんなのは嫌です!!」

キース「叫ぶ余裕があるならとっとと走れ!!」

エレン「イェッサー!!」

キース「アルレルト!貴様遅れているぞ!隊列を乱すな!!」

アルミン「はぁ……はぁ……は、はいっ!!」

キース(そこは遅い奴に合わせるんだろうが!時間はたっぷりあるんだぞ!!)

キース「このままでは連帯責任だぞ!全員飯は要らないのか!?」

サシャ「ご、ご飯抜きですか!?」

キース「それが嫌なら黙って走れ!!」

サシャ「皆さん!!走りましょう!!」

ミカサ「ペースを乱さないで」

──1655 兵站行進~20km地点(ゴール)

キース(まだか……?様子を見に行くべきか?)

キース(まさか負傷者が出たのか!?だが、信号弾は確認できん……)

キース(やはり見に行こう……ん?あれは……やっときたか!!)

キース「貴様等!!待ちくたびれたぞ!!早く来い!!」

一同「「「サー!イエッサー!!」」」

キース(よかった……全員無事だ)

エレン「はぁ……はぁっ……きょ、教官!」

キース「時間内に辿り着いた。問題ない」

ジャン「やっと終わった……」

アルミン「ごめん……僕が足を引っ張った……」

ライナー「気にするな!時間内にゴールできただろう?」

エレン「そうだぞアルミン!それに体力なんてこれから鍛えればいい!!」

ミカサ「アルミンは気にし過ぎ。それに、もし遅れたとしてもそれは全員の責任」

キース(いい仲間だな……)

キース「貴様等、喜んでいるところ悪いが……予定変更だ」

エレン「な、なんでしょうか?」

キース「このまま出発地点まで走って帰れ!遅れた者には晩飯はない!」

サシャ「そんな!?」

コニー「話が違うぞ!!」

キース「何か言ったかスプリンガー?私は走れとしか言ってないが?」

アルミン「そ、そんな……!!」

ミカサ「教官。帰これも訓練でしょうか?」

キース「訓練には含まれないが、明日の座学に間に合わなければ開拓地だ」

ジャン「い、急ぐぞお前ら!!」

エレン「待てジャン!」

ジャン「訓練じゃねぇなら待つ必要ねぇだろ!!」

アニ「全く……なんなんだあいつは」

キース(訓練には含まれないが……採点しないとは言ってないぞキルシュタイン)

──帰り道~残り17km地点

キース(なぜここまで痛めつける必要があるのかは理解できんが……)

キース(ほぅ……もう来たか)

エレン「きょ、教官?なぜここに?」

キース「馬車を用意してある。乗りたい者は乗れ」

コニー「よっしゃー!!」

サシャ「ご飯に間に合いますね!!」

アルミン「よかった……」

ライナー「なるほど、精神を鍛える訓練だったのか」

キース「そういう事だ……ところでキルシュタイン訓練兵が見当たらないが?」

ミカサ「途中で倒れていましたが、放置してきました」

アニ「今頃寝てんじゃないの?」

キース「……そうか」

キース(後で回収してやろう……」

──1900 課業終了~教官室

キース(結局ジャンを探す為に時間を食ってしまった……)

同僚A「おお?キース残業かぁ?ご苦労なこった」

キース「俺は働き者なんでな」

同僚A「はっはっは。ちげぇねぇ」

同僚B「お疲れさん。ほれ、お茶だ」

キース「お、すまんな」

座学メガネ「で、どうだ?今期の訓練兵は?」

キース「まずまずといっところだな。協調性にやや問題があるが」

座学メガネ「喧嘩でもあったのか?」

キース「基本的には仲間思いの奴が多いんだが……1人がな」

同僚A「なんだ?不良でも居たか?」

キース「憲兵狙いのジャンだ。身勝手というか周りを考えないというか」

同僚B「なんで憲兵ってそんなのばっかりなんでしょうね?」

キース「……一応、教官の俺らも憲兵団所属だがな」

──2100 教官室

同僚A「──でよ、最初のほうは俺がずっと勝ってたんだぜ?」

同僚B「最後は全部俺が持っていったけどね!」

同僚A「あ~!!今思い返してもムカつくぜ!!」

座学メガネ「君は流れとかいう非科学的な考え方をするからな」

同僚A「はぁ!?勝負には流れってもんがだな!!」

キース「そんなんだからお前は……もうこんな時間か」

同僚A「なんだ?もう寝るのか?」

キース「1日中叫び続けたからな……もう疲れたよ」

同僚B「分かったよ。お前の分の書類も俺がやっとくから」

キース「悪いな……明日の午前は座学か」

座学メガネ「あぁそうだ。昼まで寝てていいぞ?」

キース「さすがにそれはできん……じゃあな」

同僚A「おう!!」

──0758 座学

座学メガネ「全員居るかね?」

ライナー「ジャンが居ないぞ?コニー、お前同じ部屋だろ?」

コニー「あ!起こすの忘れてた!!」

エレン「何やってんだよコニー」

コニー「悪い悪い」

座学メガネ「ジャン……キルシュタイン訓練兵だったかな?」

アルミン「そうです」

アニ「あいつ昨日ぶっ倒れてたからね」

ミカサ「皆を置いていくほうが悪い」

クリスタ「やっぱりかわいそうだったんじゃ……」

ジャン「遅くなりました!!!」ガラッ

座学メガネ「うむ、一応時間内だ。減点はしないでおこう」

ジャン「ありがとうございます!!」

座学メガネ(加点もしないがな)

メガネ「君達が使いこなさなければならないのが、この立体機動装置だ」

エレン「あれが……立体機動装置……」

メガネ「機密事項により、詳しく内部構造を教えるわけにはいかないが……」

コニー「覚えなくていいのか!!」

ジャン「お前は黙ってろバカ」

メガネ「動作原理は簡単だ。アンカー付ワイヤーを射出、巻き取るだけ」

メガネ「では、これの動力源……燃料と聞くべきかな?分かる者は居るかね?」

アルミン「氷爆石と呼ばれるガスです」

メガネ「そうだ。とある採掘場でとれる氷爆石を燃料とし……コニー君?」

コニー「は、はぅい!?」

メガネ「聞いているかね?」

コニー「もちろんです!!」

メガネ「……立体機動装置の燃料は?」

コニー「分かりません!!」

メガネ(……天才か)

メガネ「通風・換気状態のよい場所にて保管し、温度は40度以下を保つ」

ネガネ「直射日光を長時間当てるのは問題外だ」

アルミン「屋外にて保管しなければならない場合は、どうすればよいのですか?」

メガネ「その場合は通気を遮断しないよう注意しながら防炎シートなどを被せ対処する」

コニー「ぼーえんシートってなんだ?」

ユミル「バカが質問すると進まないだろうが」

メガネ「いやいい。質問は随時受け付ける。防炎シートというのは──」

コニー「そもそも何の話をしてるんだ?」

ジャン「ガスの保管方法についてだ!!」

コニー「ガスってなんの?」

メガネ「……コニー君。立体機動装置の原動力を覚えているかね?」

コニー「う~ん……ぜんまい?」

サシャ「ゼンマイの旬はもう終わりましたよ!これからはトマトや──」

メガネ(……助けてくれ)

──0950 休憩時間~教官室

メガネ「まさか座学でここまで疲れるとは……」

同僚A「何があったんすか?」

メガネ「どう説明すればいいのか……天才的なバカが居た……」

キース「天才的なバカ?」

メガネ「教えた事を10秒で忘れていく者に、どう物事を教えればよいのか」

キース「いったい誰だ?」

メガネ「コニー・スプリンガー」

キース「ああ、あのバカか」

メガネ「それとすぐに食べ物の話をしたがる……サシャ・ブラウス」

同僚A「あの芋っ子かwwww元気そうじゃんwwww」

同僚B「ホント好きですね、芋の嬢ちゃん」

キース「訓練兵の間では、芋女と呼ばれているようだ」

同僚A「芋女!!いいねぇ!!芋女ぁ!!」

メガネ「何がいいんだ……?」

──1000 座学

メガネ「では続きといこう。ガスについては先ほど説明した。次はこの刃だ」

メガネ「この刃……聞いてみようかな。この刃の名前を知っている者は?」

アルミン「超硬質スチール製半刃刀身、一般的に超硬質ブレードと呼ばれています」

エレン「すげぇなアルミン!次から次えと……」

ミカサ「エレンでは考えられない」

エレン「悪かったな」

メガネ「そうだ……さては君、始まる前にテキストを読んでいるな?」

アルミン「あ、はい……すみません」

メガネ「謝る必要はない。むしろ良い事だ」

コニー「いいのか?カンニングってやつじゃないのか?」

ジャン「それはテストの話だ」

コニー「ん?これテストじゃないのか?」

メガネ(彼の思考回路はどうなっている……)

──1200 昼休み~教官室

メガネ「3年間やれる自信がない……」

同僚A「なんだ芋女か?」

メガネ「コニーのほうだ……芋ちゃんは寝ていたよ」

同僚B「ま、まぁ……巨人の弱点さえ分かれば戦えますから……」

キース「いや……座学を覚えて貰わんとこちらが困るのだが……」

メガネ「まだ装置の説明終わってない」

キース「何!?最初の2時間で終わる内容だぞ!?巨人の授業は!?」

メガネ「それどころかまだブレードの説明も終わっていない……」

同僚A「そりゃなんか……あれだな、天才だな」

メガネ「君に同情されるとは思わなかったよ」

──1300 座学

エレン「午後は立体機動の実技では……?」

メガネ「本来は実技の時間だったのだが……少々遅れているのでな。時間をもらった」

ユミル「あんたのせいだってよ、バカ」

コニー「お、俺だとは言ってないだろ!!」

クリスタ「や、止めなよ二人とも……」

メガネ「では手短に巨人の生態について説明する」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
省略
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

メガネ「──以上!急いで外に行くんだ」

メガネ(やっと終わった……)

──1330 立体機動訓練

キース「ようやく終わったか……では始める!ベルトの点検は終わったな?」

エレン「はい!異常ありませんでした!」

キース「うむ。ベルトの不具合があったばかりだ。あれが実戦なら整備不良で死んでいた」

キース「点検は怠るな!いいか!!」

一同「「「はい!!」」」

キース「早速だがこれが立体機動装置だ。装着方法は座学で学んでいるな?」

アルミン「はい、先ほど習いました」

キース「では各自装着してみろ。くれぐれも操作はするな、いいか!」

キース(まぁ毎年のように遊び始めるバカが居るがな……)

コニー「こうでいいのか?」ガチャガチャ

ジャン「バカかお前は……なんで操作装置をガスボンベに繋いでんだ」

コニー「違うのか!?」

サシャ「違うんですか……?」

ジャン「……腰についてる装置に何も繋がってないことに疑問を感じてくれ」

エレン「こうか?」ガチャガチャ

ミカサ「操作装置が左右逆……」ガチャガチャ

アルミン「鞘が意外に重いし邪魔で動きづらいな……」

ジャン「おいエレン!!お前はミカサにやってもらわないと何もできねえのか!?」

エレン「そういうお前はボンベのバルブが緩んでるじゃねぇか」

ジャン「何!?」

キース(黙ってできんのかこいつらは……)

キース「全員できたようだな。では早速、実際に操作してもらう」

キース「と言ってもアンカーを狙った場所に撃ち込むだけだ。巻き取りは行うな」

キース「では……イェーガー。やってみろ。あの的に向かってアンカーを撃ってみろ」

エレン「は、はい!」

キース「射出装置は全身に張り巡らしてあるベルトに連動している。体を向けるだけでいい」

エレン「了解です!」バシュ...スカッ

エレン「あ、当たらない……」

ジャン「やっとぶら下がれるようになったバカには難しいみてぇだな」

キース「ではキルシュタイン、やってみろ」

ジャン「はい!」バシュ...スカツ

エレン「お前も人の事言えねぇじゃねぇか」

ジャン「う、うるせぇ!!」

キース「こればかりは感覚の問題だ。ベルトの調整で大まかには弄れるが最終的には感覚だ」

キース「素早く、正確にアンカーを撃てなくては立体機動など不可能だ……分かったか」

エレン「はい!」

ジャン「は、はい」

サシャ「あっ!あれは!!」バシュウウウウ

キース「おい!ブラウス!許可なく撃つな!!」

ライナー「な、何やってんだお前は……」

サシャ「あそこ見てください!!おいしそうな果物が……ゲットです!!便利ですねこれ!!」モシャモシャ

キース「サシャ・ブラウス……巻き取りは行うなと言ったハズだが?」

サシャ「……半分、どうぞ」

キース「……お前は罰として晩飯無し!今から私がいいと言うまで走り続けろ!!」

サシャ「晩ご飯……なし……」

キース「さっさと行け!!」

キース(しかし、いきなり狙った的に撃ち込めるとは……)

──1700 課業終了~教官室

キース「──という事があった」

同僚A「マジで!?芋女やるじゃねぇか!!」

メガネ「あの子の食に対する欲望は凄まじいからな……」

同僚B「食べ物で釣れば首席も狙えるんじゃないですか?」

キース「ありえそうなのが恐ろしいが……そんな事をしたら何を言われるか分からん」

同僚A「別にいいじゃねぇか」

メガネ「憲兵団に未曾有の食糧危機が起こりそうだな」

同僚B「芋ちゃんは憲兵狙いなんですか?」

メガネ「憲兵団の食事事情を聞けばおそらく飛びつくだろうな」

キース「なぜ優秀なものに限ってこうなのだ……」

──0800 立体機動訓練

キース「本日から実際に立体機動を行ってもらう!」

エレン「やった!ついに!!」

アルミン「で、できるかな……」

ミカサ「基本通りにやれば上手くいくはず」

キース「貴様等も大分慣れてきたはずだ!姿勢制御と操作を一緒にやるだけだ!」

キース「ではアッカーマン。あの柱の上に移動してみろ」

ミカサ「はい」バシュ...シュタッ

「「「おぉ~!!」」」

キース(さすがだな)

キース「あんな感じにやってみればいい!!ではスプリンガー、やってみろ」

コニー「え!?俺!?やってやるぜ!!」ズガッ

コニー「いってぇ!!!」

キース「くれぐれもこうならないように」

──1000 立体機動訓練~森林内

キース「──では、今説明した地点まで移動してみろ!」

「「「はっ!!」」」

キース(ふむ……やはりミカサは飲み込みが早いな。既に使いこなしている)

キース(ジャンも理解が早いようだ……ガスの消費を抑える工夫すらしているようにみえる)

キース(不純な動機ながら見事なものだ)

キース(エレンはぎこちないながらも必死に食いついている。見上げた根性だ)

キース(アルミンは無駄のないルートやどこにアンカーを撃てば効率的かを考えているようにみえる)

キース(足りない技量を頭脳で埋めている……さすがた。それに比べ……)

コニー「うわっ!?ワイヤーが絡まった!!」

ライナー「おっおい!!こっち突っ込んでくんな!!」

サシャ「危ないですよ!!」

ダズ「うぎゃあああああああああああああ!!!!」

キース(……なんなのだあれは)

──1200 昼休み~教官室

キース「なぁメガネ」

メガネ「なんだキース」

キース「バカにどう教育を施せば治せると思う?」

メガネ「コニー君?」

キース「うん」

メガネ「あれは無理」

同僚A「ものすげぇ天才みてぇだな」

キース「どうしたものか……」

同僚B「そんなに使い物にならないんですか?」

キース「いや、小柄な体型を生かした小回りは中々だが……」

メガネ「だが?」

キース「それを有効活用する頭脳がないのだ」

同僚B「……そういうのを使い物にならないって言うんです」

──1300 対人格闘術

キース「──説明は以上だ!今言ったように、ならず者と兵士に分かれ短刀を奪い合え!」

「「「はっ!!」」」

キース(はやり点数が低いだけあってやる気がないものが多いな……)

キース(憲兵団に行きたい奴ほど必要な技術なのだがな。人を相手するのは憲兵くらいだというのに)

キース(お、あれはエレンとライナーか。実に真面目な2人だ……立派な兵士になってくれるだろう)

キース(エレンは調査兵団志望だったな。実力も努力の成果が表れ始めている)

キース(きっと彼なら……ん?)

キース(あれはアニか、またサボりおって……エレンとライナーが近づいているな)

キース(不真面目な奴に注意までするとは……あ?)

キース(なんだ!?今の格闘術は!?今のアニの技は何だ!?)

キース(あのライナーまで……!やる気はともかく、実力は確かなようだ……)

──1650 訓練終了時刻間際

キース「本日の訓練は以上だ!なお、知っているとは思うが明日は休暇とする!」

キース「外出許可が欲しければ本日1800までに申し出るように。以上、解散!!」

ヨッシャーキューカダー
アシタドッカイクー?カラオケイコウゼー

エレン「教官!」

キース「なんだイェーガー……に、アッカーマン、アルレルト。外出許可か?」

エレン「はい」

キース「理由を言ってみろ」

エレン「母さんの墓参りに行くんです」

ミカサ「私も同様です」

アルミン「僕もです」

キース「……そうか」

キース「許可する。……それとイェーガー」

エレン「なんでしょうか?」

キース「お前の母親……カルラの好きだった花が、食堂裏の花壇に植えてある。持って行ってやれ」

エレン「な……なぜ、母の事を……?」

キース「話は以上だ」

エレン「きょ、教官!!」

キース「……」

キース(たまの休日に墓参りと思ったが……エレンの邪魔をするわけにはいかんな)

──1700 課業終了~教官室

メガネ「なかなか粋な事をするじゃないか」

キース「なんの話だ?」

メガネ「ふん……まあいい」

同僚A「キース!キース!」

キース「なんだ」

同僚A「俺明日!サシャちゃんと食い倒れデート行くことになったぜ!!」

キース「!?」

メガネ「!?」

同僚B「マズいですよそれ!!」

同僚A「大丈夫大丈夫!!」

キース「貴様……教育者として一番やってはならぬ事をしでかしたな……」

同僚A「お、おい?キース……?や、やめ……うぎゃあああああああ!?」

──????

キース(まったく……バカは訓練兵だけじゃなかったようだな……)

キース(……)

キース(グリシャ、お前の息子は元気だ)

キース(昔はミカサとアルミンしか仲間が居なかったが、今は大勢の仲間に囲まれている)

キース(エレンは立派に成長している。このままいけば、立派な兵士となってくれるだろう)

キース(いずれ、調査兵団の一員として反撃の糧に……人類の希望となるだろう)

キース(きっとカルラの仇も取ってくれる……それまでは俺が責任を持って預かろう)

キース(だから安心して眠ってくれ……)

おわり

長ったらしく解散式まで書こうかと思ったけど訓練内容が思いつかんかった
内容的に続きは書きやすいからそのうち

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