大江和那「ソードアートオンライン?」 (45)

※パワポケシリーズ×SAOのコラボSSです

※時系列は14さやかトゥルーから半年かその辺りと思ってください。

※と、言いつつもさやかが出る可能性はほぼ無いです。そっち方面でドロドロしたものは苦手なので

※SAOはWeb版と設定がごっちゃになってる可能性有りです

※書きためは余りしていません。終わりと途中は漠然ながらもまとまっていますが、長い目で見守ってやってください。

※加えてSS初挑戦です。物凄い遅筆ですが、宜しくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367855564


簡単なキャラ解説

大江和那(おおえ かずな)

本名、茨木(いばらき)和那。名字に関しては割愛。
高校生の頃に超能力に目覚める薬を飲み、重力操作の能力を身につける。
と言っても、出来る事はかなり限定されているが。
惡の組織と十年近く死闘や陰謀劇を繰り広げたりなど
少なくともしあわせとは言えない人生を歩んで来たが、本人はそれで満足してる様だ。
ヒーロー業をやってる以外は普通の関西出身の背の高い女の子。
野球ゲームのキャラの設定である


ピンク

とある子供の思いが具現化した変身ヒーロー。とりあえず、人間じゃない。
現在はネトゲで知り合った恋人とヒーロー業をやりながらも
そこそこ幸せな生活を送っている。
ヒーローとしての能力は、レーダー感知能力。
誰がどこで何をしているか一瞬で分かるので、ヒーロー業にぴったりの能力。
野球ゲームのキャラの設定である。

和那「そーどあーとおんらいん?」

ピンク「そっ!最新技術を導入したオンラインゲームよ!
今日からサービスが開始されるの!」

和那「ふぅーん?ゲームの事はあんまよく知らへんけど・・・
凄いゲームやっちゅー事ぐらいやなぁ。ウチが知っとるんは」

ピンク「凄いなんてレベルじゃないわよ!もうあれよ、そう!すっごくリアルなの!

ピンク「ほら、前までのゲームはテレビやコントローラーとか必要だったけどこれはそれなんか必要なくてね?
フルダイブって呼ばれてるんだけど、脳にあらゆる情報を直接・・・」

和那「あーはいはい、わかったわかった。」

和那「けどなんでゲーム機が二つもあるん?あんたがやるんなら一台で十分やろ」

ピンク「決まってるでしょ?彼と一緒に遊ぶために決まってるじゃない!
愛するあの人と肩を並べて戦うってのをやりたかったのよね〜♪ 」

ピンク「ほら、現実だとそういうのができないしぃ 。
あたしはヒーローだけど、彼はただのしがないサラリーマンだしぃ」

ピンク「だからいつも私が彼を守ってるわけだけど、受け身の方にもなりたくって〜♡」」

和那「あ、そっ。」

ピンク「何よ!そのドライな反応は!」

和那「あんたの熱意でカラカラになっただけですぅ。で?その肝心の彼はどこにいっとるん?」

ピンク「え?それはええと・・・今日は休みだったんだけど、急に用事が出来たみたいで ・・・」

和那「そりゃあれやな。他の女に会いに行ってて約束すっぽかされるパターンや。」

ピンク「ちょっと!勝手にそう決めつけないでよ!そりゃ不安だけどこの間は・・・」

和那「あーはいはい、ごちそうさま。それ以上の事は言わんでええ。というか言うな。」

ピンク「えー?・・・まぁいいけど。あーあ、早く戻ってこないかしら。」

ピンク「これを手にいれるためにベータテストにまで参加したんだし、早くやりたいわね〜」

和那「そのべぇたてすととやらのために、仕事の電話スルーしといてよー言うわ。」

ピンク「しっ、仕方ないでしょ!あのゲームはプレイ中は外部からの干渉が全然出来ないんだし!」

和那「随分と不親切設計やなぁ・・・」

和那「ま、それはともかくとして、はよやりたいんなら、あんただけでも先にやればええやんけ。」

ピンク「ダメよ!あっちの世界に行くのは彼と一緒に手をつないでって決めてるの!」

和那「ゲームやるだけやっちゅーのに大げさやなぁ。本当に別世界に行く訳やあるまいし。」

ピンク「ふふん、あなたもやってみたら分かるわよ。まるで別の世界に行ったみたいな感覚がどれ程・・・」

ピンク「・・・あれ?ちょっと待って・・・」

和那「ん?」

ピンク「・・・・・・あああああああ!!なんであの女がそこに・・・へ?」

ピンク「ち、ちょっと、そこからどこへ・・・え、会社とは逆方向!?」

和那「ちょっと、どないしたん?」

ピンク「・・・ごめん、ちょっと二人まとめてシメに行くから留守番頼むわね。それじゃっ!」
シュタッ)

和那「・・・は?って、ちょい待たんかい!明日のドラゴ退治の話できてへんやん・・・」

和那「あーあ、それにしてもピンクはピンクで大変なんやなぁ。」

和那「あの2人に横恋募しとるのって・・・確か浅井さんやったっけ?」

和那「うまくいってる思うとったけど・・・ま、ウチと比べればまだええ方やな、うん。」


「・・・・・・・・・・・・」


和那「あかん、思い出したらなんか無償にイラ付いてきた。」

和那「・・・はぁ、嫉妬なんてウチらしくもない。明日の仕事はウチだけでいこうかなぁ。」

(コツン!)

和那「ん?何か足に・・・ゲームのパッケージか?

和那「ソードアートオンライン・・・フルダイブシステムによる全身体感で・・・
魔物を実際に・・・ふぅん?」

和那(・・・そういうゲームならストレス発散くらいにはなるかなぁ?
ま、所詮ゲームはゲームやろうけど、たまにはええやろ)


「あのゲームをやる時は彼と一緒に・・・!」


和那(・・・ま、先にちょっと遊ぶくらいならかまへんやろ
データとかセーブとかそういうのは消せばええだけの話やし)

和那「よし!ゲーム機の取り扱い説明書はーと・・・
・・・セットアップステージ・・・キャリブレーション?」




(そして・・・)



和那「よ、ようやっと終わったぁ・・・色々と準備がいるんやなぁ、これ・・・

和那「自分の体をあちこち触る必要があるとか、随分と手のかかるゲームやなぁ。」

和那「ま、ええわ。電源繋いだし、コードも繋いだし、これを頭につけてー。」

ポスッ カチャッ)

和那「最後にこう言えばいいんやな。リンク・スタート!
・・・へ?ひゃぁぁぁあああっ!??」


(・ ・ ・ ・ ・ ・)


和那「・・・どこや、ここ・・・何も見えない、真っ白な世界や・・・ん?

和那「ユーザー情報とアバターの決定?・・・と、とりあえず説明書にあった通りに・・・

和那「お、入力出来た!次はアバターやな・・・」

和那「ええと、身長と顔つきをこうで、名前は・・・カズやからカズーイ、は安直やなぁ」

ヤシャ「とりあえず適当に・・・ヤシャ、と。」

ヤシャ「後は初期装備?・・・お、槍があるやん!装備はもちろんこれやろ!」

ヤシャ「決めるもんは全部決めたし、これでオッケーやな!さて・・・行ってみますか!」






Welcome to Sword Art Online!!






(ここは・・・どこかの街の中?
 ・・・手は、動く。足も・・・おお、ウチの思った通りに動くやん!
 ん?手の中にあるんは・・・これは・・・鏡?)

ヤシャ(おおー・・・これがウチか?ここまで再現されとるとなると何か複雑な気分やなぁ)

ヤシャ(後は———まさかなぁ?)

もみっ

ヤシャ「・・・嘘やろ。ここまで再現しとるんか。でも・・・」

もみもみ)

ヤシャ「筋肉質やない・・・やわらかい・・・エヘヘ、たまにはゲームもええやないの。」

「おい、アイツなにやってるんだ?」
「変態か?」「寂しい奴だなぁ」

ヤシャ「はっ!」

ヤシャ(あぁ、あかんあかん!たかがゲームでウチはなにやっとるんや!!)

ヤシャ( 気を取り直して・・・何か行動起こさんと!)

ざわざわ・・・)

ヤシャ「ん?あの人だかりはなんやろ?ちょっといってみよっと。」

(せいっ!はっ!うりゃあ!)
(おーい、つぎは俺なー!)
(うおおおおお!神の一撃を受けろ!キッ、キッ、キッ、
キイイイィィィボオオオォォォドオオオォォォ!!)
(うるさいでやんす!)

ヤシャ「何や?カカシに向かって拳を振るったり武器を当てたり・・・

ヤシャ「ははあ、なるほど。ああして練習するわけやな?ウチもやっておこーっと。」

ヤシャ「あのー・・・次はウチにー「次は拙者でござる!」
「いや、順番守れよ!」
「お前こそ!」
「おい!俺なんかずっと待ってるんだぞ!」

栗色ロング「え、ええと・・・(ドンッ!
きゃっ!?」

ヤシャ「うわっと!?」

ガシッ)

栗色ロング「あ・・・その、すいません!」

ヤシャ「いやいや、ええって。それよりさっき突き飛ばされたやん。大丈夫か?」

栗色ロング「え?は、はい・・・」

ヤシャ「ならひと安心やな。」

(わいわいがやがや・・・)

ヤシャ「あーあー、なんか争いが始まりそうやなぁ・・・しゃーない。
ちょっとあんたら!ここは公共の場所やろうが!
列にならんで順番を守らんかい!」

マナ悪A「 って言ってるけどー?」
マナ悪B「ふざけんな!」
マナ悪C「勝手に仕切りやがって!」
マナ悪A「何様のつもりだ!」
マナ悪D「帰れ帰れ!」
マナ悪E「このデカ女!」

ヤシャ「・・・あ?今の、もういっぺん言ってみんかい。」

マナ悪A「んだとデクの棒!」
マナ悪C「電柱女!」
マナ悪D「デカイからって調子乗るんじゃねぇよ、山女!」

ヤシャ「・・・・・・・・・(チャキッ」

A「武器を構えたぞ?」
D「やる気か!?」
C「上等だ!なんならデュエルで・・・」
E「ん?かかしに向かって・・・」

ヤシャ「うおおおおおおおおっ!!!」

(ジャギギギギギィン!!ババババッ バシッ!ドカッ!バキッ!)



「「「・・・・・・・」」」



A「おい、今の見えたか?」
B「なんか、槍がグルグル回って・・・」
C「所々蹴りもぶちかましてたよな・・・」


ヤシャ「 ギロッ) 」


ものども(ざわっ)


ヤシャ「・・・こうなりとうなかったらさっさと並ばんかいアホんだら共・・・」


ザザザザッ!


ヤシャ「これでよし、と。よかったなぁ嬢ちゃん、これでもう突き飛ばされる心配はないで。」

栗色ロング「あ、その・・・ありがとうございます。 」

ヤシャ「ええって、これもヒーローの努めや。」

栗色ロング「え?ヒーロー?」

ヤシャ(しもたっ!いつもの癖で・・・)

ヤシャ「あ、ウチ用事思い出したわっ! 縁があったらまたっ!」

栗色ロング「え?あ、あのっ?・・・行っちゃった・・・」

ヤシャ「あー、あかんなぁ・・・ああ言われるとつい熱ぅなってまうわ。

ヤシャ「まぁ良い練習にはなったし、次はその辺適当にぶらついてー・・・」

赤毛バンダナ「おぉーい!そこの背の高いアンタ!ちょっと待ってくれー!」

ヤシャ(うわ、なんか絡まれたぁ。とりあえず適当にあしらうかな・・・)

ヤシャ「なんや?さっきのに文句があるんならあとで・・・」

赤毛バンダナ「いや、そういうんじゃねえよ!むしろよくやってくれたって
感謝してえくらいでよォ・・・」

ヤシャ「へ?い、いやぁ。ウチは当然の事したまでで・・・
(いちゃもん付けに来た訳じゃなかったか)」

赤毛バンダナ「それよりあんたのさっきの動き・・・もしかしてベータテスターか?」

ヤシャ「べ、べえたてすたぁ?」

赤毛バンダナ「ん?違うのか?」

ヤシャ「ええと、すんまへん。ウチにはなんの事か・・・」

赤毛バンダナ「マジかよ・・・ビギナーであの動きかぁ?俺あんな動きできねえよ・・・」

ヤシャ「あはは、まぁ伊達に鍛えとりませんから。」


赤毛バンダナ「へぇー、やっぱリアルで強いとこっちでの強さと比例するのかねぇ・・・」

ヤシャ「ええと・・・用がそれだけならウチはこれで・・・」

赤毛バンダナ「あ、本題がまだだったわ!俺もこのゲームは始めたばかりなんだ。
よかったら今日だけでも良いから俺とパーティを組んでくれねぇか?」

ヤシャ「ぱ、ぱぁてぃ?」

赤毛バンダナ「あぁ!お前みたいな強そうなやつが一緒だと心づえぇし・・・
あ、ダメだったらダメで良いからよ!」

ヤシャ(ええと、これは一緒に戦おうってお誘いってことでええんやろな、うん。

ヤシャ(うーん、どうするかなぁ。こういう誘いにはほいほい乗らん方がええのは分かっとるけど・・・)

ヤシャ(けどウチには知らんことが多すぎるし、ヤバイと思ったら逃げればええだけやしな、うん。)

ヤシャ「・・・オッケー。ウチは構わへんよ。」

赤毛バンダナ「マジか!?おっしゃあ!まずは戦力一人確保ォ!
あ、自己紹介遅れたな!」

クライン「おりゃぁ、クラインってんだ。よろしくな!」

ヤシャ「ウチは・・・ヤシャや。よろしく頼んます。ところでクラインさん?」

クライン「ん?なんだ?」

ヤシャ「ぱぁてぃって何やのん?」

クライン「・・・・・・・・・はい?」




クラインその他諸々説明中・・・)



ヤシャ「————で、これからなにするん?」

クライン「そうだなぁ、色々と思い付くがまずは・・・このゲームのベータテスターを見つけることだな」

ヤシャ「あのー、そのベータテスターってなんやのん?」

クライン「あぁ、簡単に言えばこのゲームのベータテスト・・・いや、テストプレイっつーか、
先行体験に参加したことのあるやつ・・・って言えばわかるかな?」

ヤシャ「・・・察するに、このゲームを先にやってて、慣れてる奴を捕まえて色々教えてもらおうって魂胆やな?」

クライン「そうゆうこと!さーて、行動方針がまとまったところでー、と・・・」キョロキョロ



黒髪イケメン「・・・・・・」ピッ、ポポン。ピッピ...



クライン「ん?あいつの動き・・・」

ヤシャ「あの人がどうかしたんか?」

クライン「あぁ、俺の直感が正しけりゃ・・・あいつ、ベータテスターだな。」

ヤシャ「・・・うーん?ウチにはわからへんなぁ。動きゆうても手の指先を素早く動かしてるくらいしか・・・」

クライン「だからだよ。あれは武器のセレクトや手に入れるべきアイテムがわかってるやつの動きだ。
手の動かしかたに全く迷いがねぇ。」

ヤシャ「へぇ?確かに迷いが無いと言えば無いわなぁ、あれ。」

クライン「ま、見逃さない内にひとっ走り声をかけてくるわ!ちょいとそこで待っててくれよ!」

ヤシャ「へ?ちょ、ちょっとぉ?!」



クライン「おぉーい!!そこのー!」

黒髪イケメン「ん?」

クライン「その迷いの無い動き、アンタ、ベータテスターだろ?」

黒髪イケメン「え?あぁ、まぁ・・・」

クライン「実はよぉ・・・」


(だいたいアニメ通りの会話なのでかくかくしかじか)



クライン「おりゃあ、クラインってんだ!よろしくな!」

キリト「俺は——キリトだ。ところで、クライン。

クライン「ん?」

キリト「そっちの背の高い子は?」

クライン「へ?おいおいヤシャよォ、来たんなら一言声を・・・」

ヤシャ「うわー、いろんな槍があるなぁ。これは見た目がかっこええし、
これは見た目地味やけど振りやすそうやし、これなんか・・・」

クライン「・・・あー、ヤシャさん?」

ヤシャ「 あ、ナイフもあるやん!これも買っておかんと!すいませーん、これくださーい!」

キリト「・・・それ、料理包丁だぞ。見た目はファイティングナイフだけど」

ヤシャ「へっ?」アリガトウゴザイマシター

(とある平原・・・)

イノシシ「プギー!」(ドスン!

クライン「うひぇぇっ!?」

キリト「違うよクライン、大事なのは初動のモーションだ。」

クライン「つってもあいつ動き回るしよォ・・・」

キリト「そりゃ練習用のカカシを切るのとは訳が違うしな。

キリト「けど、ソードスキルさえ発動させれば倒すのは簡単だから
まずは俺の言った通りにしてみろよ。」

クライン「モーション、モーションかぁ・・・けどキリトよォ。」

キリト「ん?」

クライン「あのソードスキルをほとんど使わずに
がしがし当ててるあいつはどうなるんだ?」

キリト「え?」

ヤシャ「うらうらうらぁぁぁ!!あんのアホたれ!浮気者!!甲斐性無し!!
次に嘘ついたら刺す!絶対刺す!!
切り刻んで瀬戸内海の魚のエサにしたるわおんどれぁ!!!」
ジャギギギギィン!!ザシュッ!バサッ!プギィィイイ?!
ドカッ!バキッ!ボカッ!プギー!?



キリト「あー・・・敵の動きを読むのがうまい奴はスキル縛りで戦うこともあったけど・・・
クライン、あの子もベータテスターか?」

クライン「いんや?俺の知る限りじゃ、あの子はピカピカのルーキーだな。
一般的なゲームの用語や常識すら知らねぇみたいだし。」

キリト「そ、そうなのか・・・」

キリト(直感的に動けるゲームだし、ゲーム慣れしてなくても、うまいことがあるのかもしれないな。)

キリト「けど・・・確かに戦い方を見れば初心者だな。

キリト「何回かスキルが立ち上がってるけど、立ち上がりかけの所で通常攻撃を撃ち込んでたりするし。」

キリト「スキルを発動させていれば倒せるチャンスを何度も逃してる。」

クライン「けど反射神経が半端ねぇぜ?あのイノシシ野郎の素早い突進を何回も避けて
ここぞって所で撃ち込んでダメージを与えてるしよォ」

キリト「非効率的なのに違いは無いけどな。」

キリト「まぁ、あの子よりもお前の方を心配するのがまずは先だぜ、クライン。」

キリト「お前は何度も反撃を喰らって、HPが半分近くまで減ってるじゃないか。」

クライン「うぐ・・・」

ヤシャ「ふぅ、はぁ・・・きっついなぁこれ。
ひょいひょい動き回るから敵一匹倒すにも一苦労やで・・・」

クライン「おぉーい、ヤシャ!疲れたんならこっちに来いよ!
この辺りなら敵はよってこねェらしいぜー!!」

ヤシャ「あ、そうするわー!」



そして・・・)



ヤシャ「はぁ〜あ。たかがゲームやと思ってなめてかかったのが間違いだったわ。」

ヤシャ「反射神経と勘だけでどうにかなるもんやないんやなぁ。」

キリト「それでも4匹も倒してあまりダメージを食らってないじゃないか。」

クライン「そうだぜ?俺なんか半分近くも体力持ってかれて一匹も倒せねぇってのによォ。」

ヤシャ「そ、そうなんか?けどこれ遊びなんやし、もう少し気持ちよくズバズバ行けた方が・・・」

キリト「コツがあるんだよ。まず、このゲームにはソードスキルってのがあってだな・・・」

キリト「こうして決められた構えを取って・・・」

チャキッ、キィィイイン・・・)

ヤシャ(剣が青く光った?)

キリト「少し溜めたら後は・・・」

ギュンッ!)

キリト「スパーンと打ち込む!」

ヤシャ「おおー!それ、ウチにもできるか?」

キリト「勿論。確か、スピアの基本ソードスキルは、左手をこう・・・
右手をこうして少し腰を落として・・・ほら、俺の真似をしてみろよ。」

ヤシャ「う、うん。」

(チャキッ

ヤシャ(うーん、なんか武術の型を習ってる気分やな。・・・ん?)

(キィィイイン・・・

ヤシャ「おっ?何か引っ張られる感じが・・・」

キリト「よし。あとはスパーン!と一気に前に突き進めばいい!」

ヤシャ「おしっ!うおおぉっ!!」

バシュウッ!)

ヤシャ「やった!できたぁ!」

キリト「やったな。じゃあそれと同じ事をさっきのMobに試してみるといい。」

ヤシャ「(もぶ?)あ、うん。そうしてみるわ!」

タッタッタッ・・・バシュウ!プギィィイイ!)

クライン「・・・すげェ。早速一匹瞬殺しやがった。」

キリト「飲み込みも早いな、あの子。スピアのスキルは走りながら発動すると
威力が増すのも何となく理解してるみたいだし。」

クライン「・・・ちくしょォ、俺も負けてられるかっての!ちょっと別の所で試してくるわ!」

キリト「あ、待てよクライン!やるなら少しは回復してからにしろよ!」

タッタッタッ・・・)

ヤシャ「ふぅ。中々気分爽快やなぁ、これは!
この調子でバンバン敵を・・・」

┣¨┣¨┣¨┣¨ド・・・)

ヤシャ「ん?なんやこの足音。次の敵か?
よーし、かかってこんか・・・い?へ?」

???「かぁぁぁぁずぅぅぅぅぅなぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

バキッ!ドンガラガッシャーン!!

ヤシャ「うごふっ!?」





キリト「ん?何かあっちで鈍い音が・・・」

クライン「おーい!キリト!俺やったぞォー!」

キリト「え?あぁ、やっと倒せたのか。おめでとう、クライン!」

キリト(ま、突進されて回避をミスしただけだろうし、気にする事は無いか)

ヤシャ「うぅ、あいたたた・・・出会い頭にいきなりぶん殴るとか何すんねんドアホ!」

???「それはこっちのセリフよ!あんたね、あたしより先になんて事してくれてんのよ!?」

ヤシャ「ん?その声・・・その口調・・・ウチの名前知ってるっつーことは・・・もしかしてピンクか!?」

ピンク「そうよ!色々あんたに文句を言いたい所だけど・・・今はそれどころじゃないの。」

ヤシャ「ん?どういう事や?」

ピンク「あっちで少し大変な事になってるのよ。ここじゃあれだし、街まで戻ってゆっくり話すわよ。いい?」

ヤシャ「えー?ウチはもう少し狩りを・・・」

ピンク「いいから来る!」(グィッ

ヤシャ「あーだだだだ!分かった!分かったから引っ張るなや!」

——始まりの街、とある路地裏にて

ヤシャ「し、死人が出とるぅ!?」

ピンク「しーっ!声がでかい!何のためにこんな路地裏まで連れ込んだと思ってるのよ!」

ヤシャ「す、すまん・・・けど、何でそんなことに?」

ピンク「かいつまんで説明するとね・・・ゲーム機を外したら2、3度痙攣してぽっくり逝っちゃってたって話よ。」

ピンク「死因はゲーム機から発せられた、強力なマイクロウェーブ波による脳組織の破壊、だそうね・・・」

ヤシャ「な、何やそれ・・・じゃあ、今ウチが付けとるんは、そんな危険なバクダン抱えた代物やっちゅー事か!?」

ピンク「爆弾の方がまだマシかもよぉ?ただの処刑道具だったりして。」

ヤシャ「・・・それ、どういう意味?」

ピンク「例外なんて無いってことよ。ゲーム機を外された人間は、全員それが原因で死んでるわ。」

ヤシャ「そんな・・・じゃあ、ウチは?」

ピンク「えぇ。今のあんたは脳を破壊する拘束具を付けられた状態って訳ね。」

ヤシャ「じょ、冗談きついわ!!ピンク!だったら今すぐなんとかして・・・」

ピンク「あら、そんなの簡単よぉ?あんたの慌てる姿が見たかったから驚かしただけー。」

ピンク「ほら、こうしてメニューを呼び出してログアウトボタンを押せば普通に・・・」

ピンク「・・・・・・え?」

ピンク「何よこれ・・・ログアウトボタンが、ない?」

ヤシャ「は?どないしたんやピンク。」

ピンク「メニューにログアウトボタンが無いのよ!嘘・・・これじゃゲームを自主的にやめることができないじゃない!?」

ヤシャ「つーかログアウトボタンってなんやねん」

ピンク「ゲームをやめるためのボタンよ!どこにも・・・どこにもない!ど、どういうことよこれ!?」

ヤシャ「あー、ウチの知る限りで状況を整理するとー・・・
1:ゲーム機を外すと電子レンジの要領で脳みそが焼かれる
2:なら普通にゲームをやめれば大丈夫かと思いきや普通にやめられない
3:つまり、他の人にゲーム機外してもらうしかゲームをやめられない。けどそうされると死ぬ。
っちゅーことか?」

ピンク「ああああ、それよ!まさにそれ!!」

ピンク「あ〜ん、どうしよう!?あたしまだ死にたくないよぉー!!」

ヤシャ「ウチはともかくあんたは大丈夫やろが。脳なんてないんだし。」

ピンク「へ?・・・あ、そっか。そういえばそうだったわね・・・。」

ヤシャ「はぁー・・・しっかりせいや。体に穴が空いてもおめおめ生き延びた奴が錯乱してどないすんねん。」

ピンク「そうだけど・・・あんたはどうなのよ?あたしはともかく、あんたは無事じゃすまないのよ?」

ヤシャ「べつに?死ぬか生きるかの瀬戸際なんてもう慣れとるわ。

ヤシャ「それに、解決策を探す時間なんてたっぷりある。うろたえるのがいっちゃん危険やろが。」

ピンク「・・・・・・そ、そうね。けどこれからどうしようかしら?」

ピンク「ゲームをやめることができないんじゃ策の立てようも・・・」

ヤシャ「なぁ、ピンク。前にこのゲームをやったことがあるんやろ?」

ヤシャ「ログアウトボタンがなくなってるように、他に何か変わったことがあるかもしれへん。ウチらで色々調べてみるのはどうや?」

ピンク「えー?こんなのただの不良品が抱えたバグでしょお?調べたって何もでてきりゃしないわよ。」

ヤシャ「死人が出てるのに、ただのバグだの不良品だので片付けるんか?

ヤシャ「ウチが考えるに、これは一万の人間巻きこんたテロか、ある種の誘拐やとしか思えへん。」

ヤシャ「現にウチらは、実際の身体を動かせない状況にある訳やしな。」

ピンク「そりゃあ・・・そうね。」

ヤシャ「・・・他に何か変わったことがあるかもしれん。ウチらをここから脱出させない為の何かがある。」

ピンク「・・・けど、あたし前にもこのゲームやったことあるけど、他に変わったことなんて・・・」

ヤシャ「まっ、まずはこの近辺から調べよ?灯台もと暗し言うし、なんかあやしそーな物はー・・・」

ピンク「あのね、そんな簡単に見つかるわけが・・・」

ヤシャ「なぁピンク、あのいかにもな真っ黒な宮殿はなんや?」

ピンク「あぁ、あれ?あれは黒鉄宮って言うんだけど・・・」

ヤシャ「ほうほう。なんや、早速あやしそーな場所発見や!ピンク、行ってみるで!」

ピンク「あ、ちょっと!あそこはただの蘇生ポイントで・・・あーあ、いっちゃった。」

黒鉄宮、内部廊下にて

ヤシャ「がらーんとしとるなぁ、ここは。表の通りにはたくさん人がおったのに。」

ピンク「そりゃ、序盤だとここを利用する人はあまりいないしね。

ピンク「ゲーム内で死んだらここで生き返るだけの、ただっ広いだけの宮殿だし。」

ヤシャ「え?死んだら普通にゲームオーバーちゃうのん?」

ピンク「そりゃそうよ。オンラインゲームって言うのは死んでも終わりじゃないの。」

ピンク「死んでもここに飛ばされて、蘇生させられてゲームをそのまま続けられるのよ。」

ヤシャ「なんやそれ、緊張感もクソもあらへんなぁ。」

ピンク「ほら、こうして今も死んだプレイヤーがここに送られて・・・送られて・・・あら?」

ヤシャ「誰もおらんやんか。」

ピンク「え?どういう事?たしか、大きな魔方陣とコンジャラーのNPCがいるはずなんだけど・・・」

ピンク「代わりにあるのは大きな金属碑?あんなものなかったはずよ。」

ヤシャ「ほれピンク。早速当たりちゃいまっかこれは!」

ピンク「何でインチキ関西弁風なのよ。・・・まぁいいわ。早速調べてみましょ。」

ヤシャ「了解や。」



(・・・・・・)



ピンク「・・・これ、全部プレイヤーの名前かしら?」

ヤシャ「名前の横に出てる死因ってのが思わせぶりやなぁ。横線が引かれてるのも気になるわぁ。」

ピンク「死因は・・・衝突死、落下死・・・強制離脱?」

ヤシャ「なんや、ワケわからんのもあるなぁ。長期接続不良ってなんやねん。」

ピンク「・・・ヤシャ、線が引かれている人数を調べてみるわよ。そっちの5000人分は頼んだわ。」

ヤシャ「分かったわ。いーち、にーい・・・」

ピンク「いち、に・・・」

ヤシャ「ピンク、今一本増えたで。」

ピンク「あぁ、もう!いちいち増えたのを数えたらキリがないわね・・・

ピンク「ヤシャ、途中で増えても大体の数だけでも把握するわよ!」

ヤシャ「ほいほい、っと」

・・・・・・・

ピンク「で、何人だった?」

ヤシャ「こっちは72人やな・・・あ、今増えたの足すと73人や」

ピンク「・・・81人。ぜんぶで154人近くってことは・・・まさか!?」

ヤシャ「それがどうかしたんか?」

ピンク「あっちで最後に聞いたときは128名だったのよ・・・」

ヤシャ「・・・・・・。 な、何が?」

ピンク「このゲームが原因で死んだ人」


ヤ・ピ「・・・・・・・・・・・・・」


ヤシャ「ぴ、ピンク!これってまさかぐむっ!?」

ピンク「しーーっ!だから声がでかい!とにかくあっちの裏で話すわよ!いいわね!?」

ヤシャ(コクコク


(・・・移動中・・・)


ヤシャ「・・・ええと、今調べてわかったんは・・・」

ピンク「推測するに。死んだプレイヤーはここに送られてくることはないってことね。」

ピンク「結構長い時間数えたはずだけど、それにも関わらず、死んだと思われるプレイヤーは一人も送られてきてない。」

ヤシャ「その代わりに名前に引かれる線の数は増えていった・・・」

ピンク「それに加えて、死因に強制離脱だの接続不良だのあるのはおかしいわ。」

ピンク「・・・もう、考えられるのは1つね。」

ヤシャ「ゲーム内で死んだらたぶん・・・」

ピンク「現実でも死ぬ、でしょうね。そして二度とあっちにも、こっちにも戻ってはこれない。」

ヤシャ「けど、接続不良ならともかく、ゲーム内で死んでもアウトって・・・」

ヤシャ「これを仕組んだ奴は何が目的なんや?」

ピンク「そうね。単に閉じ込めたいんなら、接続不良かその他の原因で死ぬだけでもいいハズ。」

ピンク「けど、ハッキリしてる事が1つだけあるわ。」

ヤシャ「それは?」

ピンク「”殺意”よ。あんたは知らないでしょうけど、このゲームはたった1つのミスが命取りなの。」

ピンク「そんなゲームで死んだら現実でも死ぬ・・・何かしらの意図を感じざるをえないわね。」

ヤシャ「たった1つのミスが・・・ま、現実の戦いもそんなもんやけどな。」

ヤシャ(ん?・・・そういえば・・・)




(・・・俺なんか半分近くも体力持ってかれて一匹も倒せねぇってのによォ。)



ヤシャ「—————ッ!」

ピンク「ど、どうしたの?急に怖い顔して。」

ヤシャ「ウチの知り合いが平原で戦っとる!一人が危ない状況やった!!」

ピンク「はぁ!?」

ヤシャ「うまいやつが近くでレクチャーしとるけど・・・急いでこの事伝えんと!!」

ピンク「ちょっと待ちなさいよ!普通にゲームを楽しんでる奴に
いきなりそんな事伝えても信じるわけないでしょうか!!」

ヤシャ「やらんよりはマシや!とにかくウチは急ぐからッ!」

ピンク「だから待てって言ってるでしょ!?」ガシッ

ヤシャ「離さんか阿呆が!急がんと手遅れに・・・」

ピンク「その前にこれだけでもすませときなさい!」ピッ、ポポン

ヤシャ「フレンド登録?」

ピンク「登録しとけばメッセージを送るなりして連絡がとれるわ。
そっちの用事が終わったら直ちに連絡すること!いい!?」

ヤシャ「了解や!」ポチッ

ヤシャ「じゃ、いってくる!」タタタタッ・・・

ピンク「・・・さて、あたしももう少しここをしらべてみようかしら。」

(はじまりの街 正門前)

栗色ロング「これが街の外・・・まるで夢みたいな光景だわ・・・」

栗色ロング「怪物と戦うのは怖いけど・・・そういうゲームだしね、うん。」

栗色ロング「よし・・・行こ(ギュンッ!
きゃあっ!?」

ヤシャ「うわっとっとっ・・・すんまへん!怪我はあらへんか!?」

栗色ロング「あ!あなたはさっきの・・・」

ヤシャ「へ?あぁあんたか!色々言いたいことがあるんやけど・・・これだけ言うとく!
今はまだ怪物と戦わん方がええ!!分かったか!?」

栗色ロング「へ?そ、それってどういう・・・」

ヤシャ「警告はしたで!またな!」

タタタタッ...

栗色ロング「また行っちゃった・・・うーん、街に戻った方がいい・・・のかなぁ?」

平原道中・・・

イノシシ「プギー!」

ヤシャ「邪魔や!どけっ! 」キィィィン…ザシュッ!

イノシシ「プギィィィイイイ!?」

ヤシャ「おしっ!とりあえずこのゲームの基本は押えたかな?」

ヤシャ「・・・いや、それよりもう夕方やんか・・・急がんと!」

ヤシャ(あん2人、まだ無事で居てくれ・・・!)

キリ・クラ「」

ヤシャ(いた!まだ生きとった・・・!)

ヤシャ「おおぉぉーい!キリト!!クライン!!無事かぁー!?」

キリト「ん?この声って・・・」

クライン「うぉ、ヤシャじゃねぇか!?まさかおめェもログアウトできねぇって」

ヤシャ「それどころやないんや!ええか!このゲームで死んだらあっちのウチらも・・・ん?」

クライン「何だァ?足元が光って・・・うぉわ!?」

ヤシャ「ひゃぁぁぁあああっ!?

とりあえず、今回はここまでです。
ここまである程度書き溜めて、少しずつ加筆改変改行しながら投下しましたが・・・
予想以上に眠いです。もう、寝ます。
ここからの続きが虫食いだらけ・・・次はいつになるか分かりませんが、出来れば保守を宜しくお願いします
というかこの組み合わせ、誰得なんだろう(遠い目

乙。カズは一番好きな能力者だし、楽しみにしとんでー

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