ゆの「沙英さん!ヒロさん!卒業おめでとうございます!」(86)

ピピピピピピピピ

ゆの「んん・・・」モゾモゾ

カチャン

ピピピッ・・・

ゆの「ふぁ~・・・ 朝かぁ」

ゆの「あ、そっか。今日は三年生の卒業式・・・。
もう沙英さん達はいなくなっちゃうんだ・・・。そしたら次は私達の番・・・寂しいよ・・・」

ゆの「ううん!こんなに暗い顔してたら先輩達を笑顔で送れないよ!
今日の為にひだまり荘のみんなとお祝いも計画したんだし。明るくしてなきゃ!」

ピンポーン

宮子『ゆのっち~』

ゆの「あ、宮ちゃん! はーい、ちょっと待って~」

ガチャリ

ゆの「ごめん、宮ちゃんおはよー」

宮子「おはよ、ゆのっち。学校行く準備はできた?」

ゆの「ううん、もう少し。よかったら入って待ってて」

宮子「お邪魔しまーす」

ゆの「どうぞ」

ゆの「すぐ着替えて準備するから」

宮子「了解であります」

宮子「先輩達ももう卒業だね~」

ゆの「うん、そうだね。いつかは来るんだって分かってはいたけど、こんなに寂しいなんて・・・」

宮子「だね。だけど、一生会えないワケじゃないし、笑って送ってあげないと!」

ゆの「お祝いも喜んでもらえるといいね」

宮子「そこは私のチョイスした豪華料理!抜かりなしっ!」

ゆの「殆ど宮ちゃんが食べたいものだったじゃない。フフ」

宮子「う・・・」

ゆの「はい、お待たせ~。行こっか」

宮子「さっきの沙英さん達には内緒だよ」

ゆの「あはは」

ガチャリ

ゆの「あ、おはようございます」

ヒロ「あら、おはよう」 沙英「おはよ」

宮子「ご卒業おめでとうございます」

沙英「まーた宮子ったら気が早いよ」

宮子「えへへ」

ヒロ「でも、寂しくなるわね」

沙英「あ、こら!ヒロまで!」

ヒロ「だって本当の事なんだもの」

沙英「そりゃ、そうだけど・・・今はまだそういうの無し」

ヒロ「はいはい」

学校体育館

ザワザワザワザワ

ゆの「始まっちゃうね。卒業式・・・」

宮子「だねー。長かったような短かかったような・・・」

ゆの「あ、校長先生」

『ぇぇ~、てすてす。オホン』

校長『皆さん、おはようございます。今日は卒業式という日に相応しい天候にも恵まれ・・・』

ゆの「始まっちゃった・・・」

校長『今までこの学校で学んできた事、人との出会い、そして今日という門出の日を忘れないように・・・』

校長『それでは全校生徒一同、ご起立願いまして、校歌斉唱』

ザワザワ

ガタン ガタン

ガタ ガタタ

ガヤガヤガヤ

~♩ ~♫ ♩ ♩♩♫ ~

校長『ご着席ください』

ガヤガヤガヤ ザワザワ

校長『えー、それでは先生方からのお言葉です』

~~~~~~~~~

校長『それでは卒業証書授与にうつりたいと思います』

ザワザワ

ゆの「・・・」

校長『それでは順番に前へ出てきてください。
出席番号一番・・・』

~~~~~~~~~

校長『以上で卒業式を終了致します。卒業生の皆さん、いつでもこの学校に遊びに来てくださいね。
先生達もきっと歓迎してくれますよ』

ゆの「終わっちゃった・・・」

ゆの「ヒロさん、沙英さん、ご卒業おめでとうございます!」

ヒロ「ありがとう・・・ほんとに・・・ありがとう」

沙英「う、ぅぅ・・・ ひっく」

宮子「沙英さん泣いてるー」

沙英「うるさいっ!あんただって泣いてんでしょうが」

宮子「ははは・・・」

ヒロ「これで皆とも学校で会う事は無いかもしれないわね・・・」

宮子「また遊びに来てください!」

ヒロ「ええ、勿論よ」

ゆの「あ、そうだ! お二人とも今日の夕方7時から是非私の部屋に来てください。卒業記念パーティします。
今日の為に皆で計画してたんです」

沙英「ええ!? ほんとに!?そんなわざわざ」

ヒロ「ありがとう。とっても嬉しいわ。絶対に行かせてもらうわね」

宮子「お腹も減らしておいてください!」

沙英「あはは、わかった。そーする」

午後7時 ゆのの部屋

ピンポーン

沙英『来たよー』

ゆの「あ、来た!」

宮子「のりすけもなずなも準備はいい?」

のり「大丈夫です!」なずな「わ、わたしもです」

ゆの「どうぞ、入ってください」

ガチャリ

沙英「わ、暗っ!」

パーン!パン! パパーン! パーン!

沙英「うわっ!」ヒロ「きゃ!」

『ご卒業おめでとうございます!!』

沙英「・・・あはは、こりゃやられたな」ヒロ「ほんとね。フフ」

ゆの「どうぞあがってください!」

沙英、ヒロ「お邪魔します」

ゆの「本当におめでとうございます」

沙英「て言ってもなんだか実感わかないんだけどねー」

ヒロ「そうね。まだちょっとフワフワしてるというか」

ゆの「お二人は卒業してからの進路は決まってるんですか?」

沙英「うん。私もヒロも大学に行くよ」

ゆの「そうなんですか」

なずな「寂しいです・・・」

沙英「私達もだよ。なずな達とは短い付き合いだったけど、二人とも良い子で楽しかったよ。
本当にありがとう」

のり「改まってそう言われるとなんだか照れますね・・・。寂しいやら恥かしいやら」

宮子「豪華な料理も沢山あるのでヒロさんは是非栄養を蓄えていってください!」

ヒロ「もう! でもこんなやり取りも最後になるのかしらね・・・」

───それから晩までひだまり荘一同はパーティを心から楽しんだ。
そしてそれも終わる頃。


ヒロ「あら、もうこんな時間」

沙英「あー、やっぱり楽しい時間は過ぎるのが早いね」

ゆの「それじゃあそろそろお開きにしますか?」

ヒロ「そうね。十分過ぎるくらい楽しませもらったわ。料理も本当に美味しかったわ」

沙英「じゃあ片付けよっか」

宮子「片付けは私達がやりますので先輩達はゆっくりしてください!」

沙英「ははは、宮子がこんなに気が利くなんて珍しい」

ヒロ「さーえー」

沙英「冗談だよ、冗談」

宮子「冗談に聞こえなかった」

ゆの「あはは」

のり「そんじゃ、片付けちゃいましょうか!」

沙英「みんな、今日はとても楽しかったよ。凄く良い思い出になった」

ヒロ「ええ、ほんとに。こんなに優しい後輩達に囲まれて幸せものだわ私達。ふふ」

ゆの「また是非学校にも、ひだまり荘にも遊びに来てくださいね」

沙英「あたりまえじゃん」 ヒロ「勿論よ」

宮子「その時はお土産もよろしくお願いします」

沙英「まーたこの子は」ヒロ「美味しいお菓子でも持ってくるわね」

宮子「わーい」

ヒロ「のりちゃんもなずなちゃんも次はあなた達が先輩になる番よ。新しく入ってくる子達を可愛がってあげてね」

のり、なずな「はい!」

ヒロ「ふふ、良い返事。これで安心ね」

沙英「それじゃあそろそろ部屋に戻るよ」

ヒロ「ありがとうね。それじゃ、おやすみなさい」

ガチャリ バタン

ゆの「おやすみ・・・なさい・・・


ぅ、ぅ、ぐすっ、 ひっく 、ぐす」

宮子「ゆのっち・・・」

のり「それじゃあたしらも帰ろっか、なずな」

なずな「・・・うん」

のり「ゆのさん元気だしてください。またすぐに会えますって! 沙英さん達も寂しがりやですよきっと!」

ゆの「ぐす、のりちゃん・・・ うん、そうだよね・・・」

のり「ゆのさん達が卒業する時は今日以上に楽しい日にしますよ!」

ゆの「ありがとう・・・のりちゃん」

のり「はい! 私達は失礼しますね」 なずな「お邪魔しました。楽しかったです」

宮子「おつかれ~」

ガチャリ バタン

宮子「はー、静かになっちゃったね」

ゆの「そだね・・・」

宮子「寂しくなるけど、凄く楽しかったー」

ゆの「うん・・・」

宮子「私達もあんな風に卒業できたらいいね」

ゆの「・・・うん」

宮子「ゆのっち暗い!」

ゆの「えへへ、宮ちゃんに怒られちゃった」

宮子「先輩達が時間ある時に良かったら誘って皆でどこか遠くに遊びに出掛けようよ。それで美味しいもの食べて遊んで・・・思い出作って・・・」

ゆの「うん」

宮子「今日は一日疲れたね、ゆのっち。私もそろそろ部屋に戻るよ」

ゆの「おやすみ、宮ちゃん。ありがとね」

宮子「ゆのっちこそ! それじゃお邪魔しました」

ガチャリ バタン

ゆの「・・・」

ゆの「明日からまた新しい学校生活が始まるんだ。先輩達はもういない。
甘えてばかりじゃいられないんだ。のりちゃんやなずなちゃん、それに新しく入ってくる子達の為にも頼りになる先輩にならなくちゃ!」

パン!

ゆの「よし! 頑張ろう! 沙英達をガッカリさせないよう!」

ゆの「・・・でも今日は疲れたからゆっくり寝ようっと・・・
お風呂沸かしてっと」

~~~~~~~~~~~~~

ゆの「明日から気持ち入れ直して頑張ろう!

おやすみなさい」

カチ

─────


ピピピピピピピピ

ゆの「んん・・・」モゾモゾ

カチャン

ピピピッ・・・

ゆの「ふぁ~・・・ よく寝た~」

ゆの「今日からは三年生。
先輩に代わって私達が頑張らなくちゃ!」


ピンポーン

宮子『ゆのっち~』

ゆの「あ、宮ちゃん! はーい、ちょっと待って~」

ガチャリ

ゆの「おはよ!」

宮子「おはよ、ゆのっち。学校行く準備はできた?」

ゆの「もうすぐだよ。ちょっと中で待ってて」

宮子「はーい、お邪魔しまーす」

ゆの「どうぞ」

宮子「ゆのっち何だか今日はえらく気合い入ってるねー」

ゆの「えへへ、わかっちゃった?」

宮子「感心感心。てっきり寂しくて泣いてるかと思ってたよ」

ゆの「もう!」

宮子「あはは。・・・でも、やっぱ寂しいよね。卒業って」

ゆの「だけど次からは私達がしっかりしなきゃ!」

宮子「おお!流石ゆのっち! それじゃあ今日のパーティはバッチリですな!」


ゆの「・・・え」

ゆの「え、宮ちゃん? パーティ・・・?」

宮子「?? 卒業記念パーティだよ? それで気合い入ってるんじゃないの?」

ゆの「ちょ、ちょっと待って宮ちゃん。 パーティは昨日やったよね?」

宮子「ゆのっちどうしたの? 寝ぼけてる? パーティは今日だよ。
卒業式の日の夕方にやるって皆で決めたじゃん」

ゆの「え・・・」

宮子「ははは、寝ぼけてる寝ぼけてる。早く着替えないと遅刻しちゃうよー、ゆのっち」

ゆの「・・・」

ゆの「・・・(どういうこと? あれは夢・・・?
そんなはずないよ・・・。何から何までハッキリ覚えて・・・)」

ゆの「そうだ、カレンダー!」チラッ

ゆの「・・・え・・・? う、嘘・・・」

ゆの「そ、そんな・・・こんなのって・・・」

宮子「・・・さっきからなんだかゆのっち変だよ? どこか具合悪い?」

ゆの「・・・う、うん。ちょっとなんだか気分が・・・
悪いけど、宮ちゃん先に行っててくれない・・・?」

宮子「う、うん。わかった。ゆのっち無理しないでね?」

ゆの「うん、すぐにあとから行くから・・・」

ガチャリ バタン

ゆの「・・・」

ゆの「・・・間違いない。卒業式は今日なんだ・・・
カレンダーに印付けたはずなのに。消えてる・・・
それにテレビの予報も・・・」

ゆの「一体何がどうなってるの・・・? 私の記憶違い?? あれは夢・・・?」

ゆの「と、とにかく学校行かなきゃ。それではっきりするはずだよね」

ガチャリ バタン

~~~~~~~~~~~~

ゆの「体育館・・・みんな集まってる・・・
それにこの看板・・・ 卒業式会場って・・・」

~~~~~~~~~~~~

宮子「あ、ゆのっち!遅かったね。大丈夫だった?」

ゆの「う、うん。ごめん」

宮子「ふーん、あまり無理しちゃだめだよ」

ゆの「・・・うん」

宮子「お、校長だ」

『ぇぇ~てすてす。オホン』

校長『皆さん、おはようございます。今日は卒業式という日に相応しい天候にも恵まれ・・・』

ゆの「!!!」

ゆの「や、やっぱり・・・そうなんだ・・・卒業式・・・」ブツブツ

宮子「ゆのっち・・・?」

ゆの「そんな・・・こんなことって・・・」ブツブツ

宮子「ゆのっち!」

ゆの「・・・」クラリ

バタン

宮子「ゆのっち!?」

「おい、誰か倒れたぞ!?」「貧血か?」「女子みたいだよ」「静かにしろや」

宮子「ゆのっち!ゆのっち!?」

校長『今までこの学校で学んできた事、人との出会い、そして今日という門出の日を忘れないように・・・』

・・・っ!

・・・・・・っ!


ゆ・・・っ!


ゆ・・・の・・・!

ゆのっち・・・


ゆのっち!!


ゆの「は!」

宮子「ゆのっち!!!」

ゆの「み、宮ちゃん・・・?」

宮子「よ、よかったぁ・・・どうしたのかと思っちゃったよ」

ゆの「ここは・・・?」

宮子「保健室だよ」

ゆの「あ、そうか・・・わたし」

宮子「まだ顔色悪そうだからもう少しここで寝てたほうがいいよ」

ゆの「う、うん。ありがと」

宮子「もしパーティやるのツライなら先輩達には私から説明しておくから」

ゆの「・・・うん」

宮子「それじゃあいったんひだまり荘に帰るからね。あとでまた」

ゆの「・・・わかった」

ガララ ガチャン

ゆの「・・・」

ひだまり荘

『ご卒業おめでとうございます!!!』

パン!パパン!

沙英「あはは、こりゃやられたな」

ゆの「・・・」

ヒロ「あら?ゆのちゃん何だか元気ない?」

宮子「ゆのっちはあまり体調が良くないんだよね?」

ゆの「あ、ま、まぁ・・・」

ヒロ「そんな・・・大丈夫? 私達に気を遣ってるなら無理をしないでいいのよ?
ゆっくり休んでもらっても・・・」

沙英「そうだよ」

宮子「私もそう言ったんだけど、ゆのっちが大丈夫だって・・・」

ゆの「すいません・・・私のことなら大丈夫なんで気にせず今日は楽しんで行ってください」

~~~~~~~~~~~

沙英「みんな、今日はとても楽しかったよ。凄く良い思い出になった」

ヒロ「ええ、ほんとに。こんなに優しい後輩達に囲まれて幸せものだわ私達。ふふ」

ゆの「・・・」

沙英「それじゃあ私達はこれで帰るから・・・
ゆの、今日は早めに寝て休んだほうがいいよ。やっぱりちょっと顔色良くないし・・・」

ヒロ「そうね。私達のせいで無理させちゃったわね・・・ごめんなさいね・・・」

ゆの「い、いえ、そんなつもりじゃ・・・」

ヒロ「そう? ・・・今日はありがとう。それじゃあまた」

ガチャリ バタン

宮子「ゆのっち大丈夫? お医者さんに見てもらったほうがいいんじゃない?」

ゆの「うん・・・」

宮子「じゃあ、私達ももう帰るから。ゆのっち無理しないでね」

のり「お疲れ様です、ゆのさん・・・」

なずな「お邪魔しました。具合良くなるといいですね」

ガチャリ バタン

ごめん、寝ます。ろくなオチじゃないけど明日の昼に残ってそうなら続き書きます

明日というか今日か。落ちてたら最悪立て直します
おやすみ

まじで残ってた。ありがとう。
もうちょいしたら書いてくわ

ゆの「・・・」

シーーーン・・・


ゆの「・・・同じだ。全部・・・。やっぱり夢だったのかな・・・」

ゆの「考えてても仕方ないよね・・・。きっと明日になれば・・・
さっさと寝ちゃって目が覚めれば・・・新しい学校生活が始まるんだ」

ゆの「カレンダーにチェックも付けたし・・・っと」

ゆの「おかしな夢だったなぁ。皆に言ったら笑われちゃうかな?
今日は本当に疲れたー・・・。お風呂入って寝よっと」

~~~~~~~~~~~~

ゆの「・・・おやすみ」

ピピピピピピ

ゆの「ぅぅ・・・ん・・・」モゾモゾ

パチン ピピッ・・・

ゆの「ふぁ~・・・」

ゆの「あ! カレンダー!」バッ

ド ク ン


ゆの「う、うそ・・・そん・・・な 確かに昨日・・・ここに・・・チェックを・・・」

ピンポーン

ゆの「っ!」ドキッ

ゆの「み、宮ちゃん・・・ 同じ時間・・・」

たたたっ

ガチャン!

宮子「うわっ!? び、びっくり~。どしたの?ゆのっち」

ゆの「み、宮ちゃん・・・今日はやけに早いね。ど、どうしたの?」

宮子「ええー、またまたぁ~ そりゃ卒業式だから朝早くから色々と準備してたのでありますよ。ゆのっちってばわかってるくせに~」

ゆの「宮ちゃん!卒業式は昨日終わったよね!? 今日から私達三年生だよね!?」

宮子「え・・・ ゆのっち本当にどうしたの? あ、もしかして寝ぼけて・・・」

ゆの「おかしいのは宮ちゃんのほうだよ! 私達、昨日皆でヒロさん達をお祝いしたよね・・・?
これからの事聞いて、ご馳走も食べたよ・・・」

宮子「ゆのっち・・・?」

ゆの「ごめん、宮ちゃん。ちょっとひとりにさせて・・・」

宮子「あ、うん・・・わかった。ごめんね・・・
それじゃあまたあとで」

ガチャ バタン

ゆの「・・・こんなのって」

ゆの「これで三回目・・・さすがにもう夢だなんて思えないよ・・・
もしこのままずっとこの日が繰り返されたらどうなっちゃうんだろう・・・」

ゆの「私、おかしくなっちゃったのかな・・・?
実は私が勝手に思い込んでるだけで皆にとってはこれが普通の日常で・・・
ひょっとしたら何かの事故でずっと長い夢を見てるのかも・・・」

ゆの「・・・とにかくもう一度だけ学校行ってみよう」

~~~~~~~~~~~~

学校体育館

校長『皆さん、おはようございます。今日は卒業式という日に相応しい天候にも恵まれ・・・』

ゆの「・・・やっぱりまただ」

宮子「ゆのっち朝から元気無いけど大丈夫? なんだか疲れてるみたいだよ?」

ゆの「うん・・・ちょっと疲れたかも・・・」

宮子「保健室行こうか?」

ゆの「そうする・・・ひとりで行けるから宮ちゃんは沙英さんとヒロさんの授与式をちゃんと見てあげて・・・」

宮子「う、うん・・・」

ゆの「・・・帰ろう。ひだまり荘に」フラフラ

~~~~~~~~~~~~~~~

ガチャリ バタン

ゆの「今日はもういいや・・・寝ちゃおう。

ごめんなさい・・・沙英さん・・・ヒロさん・・・」

~~~~~~~~~~


ピンポーン ピンポーン

ゆの「・・・ぅ・・・? あ、もうこんな時間・・・」

宮子『ゆーのーっちー』

ゆの「宮ちゃん・・・。そっか本当ならもうパーティやってる時間か・・・」

ガチャ

宮子「あ、ゆのっち!やっと出てきた? 保健室行ったらいなくてさー。先に帰ってたんだね。
しばらく呼んでも出てこないからさっきまた来たとこだよ。・・・大丈夫?」

ゆの「大丈夫じゃないよ・・・。それに宮ちゃん私、疲れてるって言ったよね?
なのにどうして起こしにくるの? それと何度も何度も何度も何度ベル鳴らしてさ・・・迷惑だよ・・・」

宮子「え・・・ゆ、ゆのっち・・・ごめん・・・ そんなに疲れてたなんて・・・
で、でも!今日は沙英さんとヒロさんの卒業記念パーティがあるし・・・」

ゆの「そんなの知らないっ!!! 帰ってよ!!」

バタン!

宮子『ゆのっち!?』

ゆの「・・・ごめん、宮ちゃん・・・」

ゆの「はぁ・・・もうどうでもいいや・・・学校も友達も卒業式も皆も・・・」

パタン

ボフッ

ゆの「・・・おやすみ」


~~~~~~~~~~~~~~~

ピピピピピピ

ゆの「・・・ぅ」

バシッ

ピピッ・・・

ゆの「ははは・・・あはは・・やっぱり・・・」

ゆの「もういいよ。バカみたい・・・今日をいくら頑張っても、いくら楽しくても、それが明日に繋がらないなら生きてる価値なんてないよ・・・」

フラフラ

カチャリ

ゆの「皆、ありがとう。楽しかったよ・・・ さよなら」ザシュ

ブシャッ

~~~~~~~~~~


ピピピピピピ


ピピピピピピ


ピピピピピピ

ゆの「・・・ははは」

ゆの「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははは」

ピピピピピピ

バシンッ! ガチャン!!!

ゆの「ははは・・・あはは」

・・・っ

・・の・・・

ゆ・・・の・・・

ゆのっ・・・ち・・・

ゆのっち!

ゆの「っ!!」ガバッ

宮子「ゆのっち!?大丈夫? すごくうなされてたよ!?」

ゆの「あ、あれ・・・? 宮ちゃん・・? それに・・・ここ・・・教室・・・?」

宮子「ゆのっちが珍しく居眠りしてたけどさー。何だか凄いグッスリだったから起こしにくくて・・・
でも、休み時間入ってから急に苦しそうにしだしたからビックリして・・・」

ゆの「え、ゆめ・・・?」

宮子「なんか怖い夢でも見てた?」

ゆの「・・・う、うん」

宮子「へぇー、あんだけうなされてたもん。よっぽど凄いやつだったんでしょー。
どんな夢?」

ゆの「い、言えない・・・ごめん」

宮子「えー」

ゆの「ごめんね・・・でも私なら大丈夫だから。ありがとう、宮ちゃん」

宮子「ふーん・・・ま、ゆのっちが大丈夫なら何よりだね」

ゆの「うん」

宮子「それじゃお昼にしようよー」

ゆの「あ、うん。でもちょっと私もう少しゆっくりしたいから宮ちゃん先行ってて」

宮子「りょーかーい」

たたた

ゆの「・・・全部夢だったのかな。そうだよね、あんな変な事あるわけないもん」

ゆの「食堂行こっと」

食堂

宮子「あー、きたきた。ゆのっちー、こっちこっちー」

ゆの「宮ちゃん、遅れてごめん」

宮子「まだ食べてる途中だし、セーフセーフ。
ゆのっちも注文してきなよ」

ゆの「うん」

宮子「あ、そだ。ゆのっち、明日楽しみだねー」

ゆの「?」

宮子「沙英さんとヒロさんの卒業記念パーティ」

ゆの「・・・うん」



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