律「だったら帰りに、家電量販店へ寄ってみるか」(58)

   朝 平沢家 洗面台前

ぶおー

唯「・・・調子悪いのかな」 

憂「お姉ちゃん、どうかした?」

唯「ドライヤー使ってたんだけど、全然熱くないんだよね」

憂「壊れたら危ないから、使わない方が良いよ」

唯「この寝癖ってる所、どうしよう」

憂「電子レンジで、蒸しタオル作ってくるね」

唯「ありがとう、憂♪」

憂「お姉ちゃん♪」

   朝 3年生教室

唯「という訳で、ブラッシングもしてもらいました」

和「そこは唯がやってあげなさいよ。全く、憂も甘いんだから」

唯「だったら和ちゃんには、私がやってあげようか?」

和「唯に任せると、余計に乱れそうなのよね」

唯「しどいよ、和ちゃん」

律「うーっす。なんだ、和の髪がどうかしたのか」

唯「ブラッシングしてあげるって言うのに、嫌がるんだよ」

澪「常識的な反応だな」

唯「もう、澪ちゃんまでー」

紬「まあまあ。だったら間を取って、私が唯ちゃんをブラッシングしてあげる」

唯「ありがとー」

律「どの辺の間を取ったんだよ」

   2年生教室

純「私もドライヤーは必須かな」

梓「確かにあれがないと、結構困るよね」

憂「お姉ちゃんも、すごい困ってたよ」

梓「唯先輩の場合は、意外とお洒落だもんね」

憂「意外じゃないよー」

純「あはは。でも私服姿も可愛いし、センスあるよね」

梓「まあ、確かに」

純「逆に、「あれっ?」っていう人は誰?」

梓「・・・そんな人はいないよ、多分」

初春「どうやら、最終的に佐天さんが満足するSSが、現行で張り付いていた場合3割ということみたいです」

佐天「完結しててもつまんない奴も多いんだね……」

初春「本文がよくても、後書きや合いの手で興醒めするのもですね」

初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねえ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

佐天「初春?」

   3年生 教室

澪「くしゅっ」

唯「澪ちゃん、風邪?」

澪「いや。ちょっとぐずついただけだ」

律「ファンだ、澪のファンが噂をしてるんだよ」

唯「いっそ、ファンを回した方が良いかな」

紬「ファンファーレと共に?」

唯、紬「あはは」

和「みんな。そろそろ先生が来るから、席に戻った方が良いわよ」

律「わずかにも揺るがないな、この女は」

   放課後、校内階段

律「軽音部の部室、1階なら良いのにな」

澪「大した段数でもないだろ」

唯「それかいっそ、エスカレーターにして欲しいよ」

律「良いな、それ」

澪「動かないと太るぞ」

唯「私は平気だよ。食べても太らないからね」

澪、紬「うぉーっ」 どたどだどた

唯「二人とも、急にどうしたのかな」

律「まあ、その辺は突っ込むな」

   軽音部部室

澪「・・・はぁ、はぁ。無駄に疲れたけど、大してカロリーは消費してないんだよな」

紬「楽して痩せる方法なんて、結局あり得ないのかしら」

唯「じゃーん、今日は家からお茶を持って来ました」 こぽこぽ

律「珍しいな。・・・というか、なんか真っ黒なんですが」

澪「黒烏龍茶だろ」

唯「そうそう。近所の人に分けてもらったから、憂が皆さんもどうぞって」

紬「烏龍茶は飲むと痩せるって言う話、結局の所どうなのかしら」

澪「100%無いな、100%」

唯「黒烏龍茶って知ってたし、澪ちゃん飲んだ事あるの?」

澪「ああ。烏龍茶を飲んで痩せるなんて、所詮気休め。信じるに値しない話だ」

律「試したお前が言うな」 ぽふ

   カチャ

梓「・・・済みません、遅れました」

唯「あずにゃん、烏龍茶あるよ」

梓「ああ、憂から聞いてます。・・・本当に黒いですね」

律「私は日本茶の方が好きだけどな」

紬「でもお茶って発酵の具合が違うだけで、緑茶も紅茶も烏龍茶も大元は同じなのよ」

梓「へー」

澪「つまり元々は同じ資質でも、育て方や環境の違いでありようが違ってくるという訳か」

唯「私と憂は、あんまり違いがないけどね」

律、澪、紬、梓(いやいやいや)

律「ふー。結局、全部飲んじゃったな」

紬「紅茶淹れるわね」

澪「ありがとう。・・・そういえば私達、コーヒーを飲まないな」

唯「あれでしょ。こぽこぽこぽってなる」

梓「サイフォンですか。インスタントはともかく、コーヒー豆からだと淹れるのが大変そうですね」

澪「確かに。ドリップ式だと、もう少し楽なんだろうけど」

唯「高いのかな、ああいうのって」

梓「それなりの値段にはなると思いますよ」

紬「紅茶、入りましたー」 こぽこぽ

律「まあ、このティーセット程じゃないけどな・・・」

唯「明日は、お菓子も持ってくるね」

律「急にどうしたんだよ」

唯「いつもムギちゃんにお世話になってるし、近所で評判の美味しい店を教えてもらったんだ♪」

紬「だったら明日は、楽しみに待ってるわね」

梓「私は念のために、コンビニでお菓子を買っておきます」

唯「もう、あずにゃんのいじわる」

律、澪、紬「あはは」

 翌日 放課後、軽音部部室

唯「昨日言ってたデザートは、鯛焼きでしたー」

律「・・・餅だ。餅が入ってやがる」

梓「尻尾まで、しっかり中身が詰まってますね」

澪「うん、美味しい。・・・唯、どうかしたのか」

唯「温かいと、もっと美味しいかなと思って」

紬「確かに、家から持ってくればどうしても冷めるわね」

唯「私に、鯛焼きを温かいまま保てる能力があれば良かったんだけど」

律「平沢さん。色々違うから、その辺で止めておこうか」

律「それか、電子レンジがあれば良いんだけどな」

梓「なるほど」

唯「そう言われてみると、この部室って家電が無いよね」

澪「あるのは、エアコンくらいか」

紬「一応、これもあるわよ。カセットレコーダー」

律「今となっては家電というより、骨董品だけどな」

唯「後はなんだろう。トンちゃんのエアコンプレッサーとサーモスタット?」

澪「つくづく、何も無いな」

梓「唯先輩なんて、エフェクターすらありませんからね」

律「私達、よく軽音部を名乗れてるよな・・・」

澪「ただ私達は、その軽音部なんだぞ。電子レンジなんて必要無い」

律「真面目な奴め。だったら、何なら良いんだよ」

澪「パソコンかな。音源や歌詞の管理にも使えるし」

唯「澪ちゃんのブログを作ったりとか?」

紬「みおみおきゅんのもえもえきゅん☆みたいなタイトル?」

澪「作らないんだ」 ぽふ

唯「パソコンって、いくら位するの?」

澪「安い物でも、やっぱり4~5万円。それにプリンタも欲しいし、あれこれ追加したら結構な額になると思う」

梓「あまり、現実的な話では無いですね」

唯「人間、地に足を着けていかないと駄目なんだよ」

律「それはそうだが、お前が言うな」 ぽふ

唯「たはは。でもちょっと見てみたいよね。パソコン以外も、色々と」

律「だったら帰りに、家電量販店へ寄ってみるか」

澪「見るだけなら、まあ良いのか」

紬「私、なんだか楽しくなって来ちゃった。みんな、早く行きましょう♪」

梓(相変わらずだな、ムギ先輩は)

唯「炊飯器が軽音部にあると、色々便利だと思わない?だって、いつでもほかほかご飯が食べられるんだよ」

梓(何言ってるんだろうな、唯先輩は)

   夕方、家電量販店

律「ほー、当たり前だが色々置いてあるな」

澪「初めは、何を見に行く?」

紬「私はなんでもー」

梓「私も特には」

唯「だったら炊飯器見に行こうよ、炊飯器」

律「・・・全く理由は分からんが、要望があるのなら行くとするか」

唯「やったー。みんな、ごはんですよーっ♪」

梓(何か、色々違う気がする)

   炊飯器コーナー

紬「どこまで見ても、炊飯器が並んでるわねー」

律「興味は全然無いが、これだけあると壮観だな」

澪「お米は主食だし、メーカーも色々とこだわりを出してるんだろう」

唯「こんなにあったら、どれだけでもご飯が炊けるよね」

梓「炊いてどうするんです?」

唯「もう、あずにゃん。そんなのは愚問だよー♪」

梓(で、炊いてどうするの?)

律「しかし炊飯器を見てても、正直何の興味も湧かん」

澪「日頃お世話にはなってるけど、頻繁に買い換える物でも無いしな」

唯「えー。ご飯だよ、ご飯。はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤子泣いてもふた取るなだよ」

梓「何がどう繋がってるのか全然分かりませんし、そんなにご飯好きでした?」

唯「好きとか嫌いとか、そう言う次元じゃないね。当たり前のように、いつも私に寄り添ってくれる。飾り気のない、だけど輝き無限大だよ」

律「そこまで好きなのかよ、おい」

唯「私の中では、あずにゃんに匹敵するくらいだね」

梓(喜べばいいの、それ?)

律「とにかく、ここはもういいだろ。・・・ムギはどこ行った?」

澪「ああ、この裏にいる。ほら、頭」

梓「向こう側は、ホームベーカリーですか」

唯「パンも良いね、パンも」 とたとた

律「梓、浮気されちゃったぞ」

梓「むしろほっとしますけどね。そもそも私、ご飯ではないので」

律「だったら、なんなんだよ」

梓「・・・ふりかけかな。メインみたいに目立たないけど、あればみんなが喜んでくれるような存在でいたいんです」

律「その例えも、結構痛い気もするが」

   ホームベーカリー売り場

紬「見てこれ、パンが焼けるんですって」

律「私の家にも、古いのがあるぞ」

紬「そうすると、毎日焼きたてのパンが食べられるって事?」

律「ああ。だけど材料費が結構掛かるから、買った方が安いし便利が良い」

紬「なかなか、上手くは行かない物なのね」

唯「だから、そういう時こそ炊飯器だよ」

紬「やっぱり世の中、ご飯なのかしら」

梓(何言ってるんだろ、この2人)

律「・・・澪、何見てるんだ」

澪「このオーブンレンジ、脂を落としてくれるらしい」

紬「もしかして、ノーベル賞受賞作品?」

律「何賞なんだよ、一体」

唯「でもお肉もお魚も、脂が美味しいと思うんだよね」

紬「うっ」

澪「それは確かに」

梓「食べ過ぎなければ済む話では無いんですか」

澪「・・・ムギ、何か聞こえたか?」

紬「いやね、澪ちゃん。幻聴よ、幻聴。もう、うっかり屋さんなんだから」

澪、紬「あはは」

律「お前達、まずは現実に立ち向かえ」

梓「え、えーと。せっかくですし、音楽に関係ある物も見ましょうか」

唯「こっちに、携帯プレイヤーがあるよ」

律「コードレスで楽曲をダウンロード出来ます、か。仕組みは全然分からんが、便利なもんだ」

唯「本当、不思議だね。一体、何がどうなって伝わるのかな。あずにゃん分かる?」

梓「私も、そういう事はさっぱりです。澪先輩はどうですか?」

澪「太陽系の端を飛んでる、ボイジャー1号の電波を解析出来るくらいだぞ。それに比べれば、簡単な事だ」

唯「ふーん。それで、これはどうやって伝わってるの?」

澪「宇宙の広大さ、その深淵さに比べれば些末な話。そんな事にこだわるなんて、唯らしくないぞ」

律「分からないなら、素直に認めろ」 ぽふ

   テレビ・レコーダーコーナー

唯「あ、これが写る仕組みは私も知ってるよ。色の三原色だよね」

梓「赤、青、黄を組み合わせればどんな色も作り出せるんでしたっけ」

律「だったら録画は、一体どういう仕組みなんだ?」

澪「そんな事は分からなくても、道具という物は使い方さえ分かれば良いんだよ。楽器の構造を知らなくても、良い演奏は出来るだろ」

律「上手く逃げやがったな。・・・あれ、ムギは?」

唯「さっきからいないね。どこかで寝てるのかな」

梓「そんな、唯先輩じゃあるまいし」

唯「ひどいよ、あずにゃん」

澪「いや。案外唯の言う通りかもな」

唯「え?」

紬「りっちゃん、はしたないわよ。私まで恥ずかしくなっちゃうわー♪」 くー

律「・・・夢の中で、私に何やらせてるんだよ」

澪「マッサージチェアか。確かにこれは、眠くなるな」

唯「そんなにこれって気持良い?」

澪「人それぞれだろ。私はちょっと苦手だし」

唯「でもこれが部室にあったら、ちょっとインパクトあるね」

律「初めて来る人は、何部か疑うだろうな」

唯「というか、とてつもない値段だね。ギー太が買えちゃうよ」

澪「つまりレスポール自体がとてつもない値段。それに見合うだけの演奏をしないとな」

梓「はいです」

律「真面目な奴らめ。ちょっとこれに座って、リラックスしてみろよ」

澪「私は座らないぞ」

律「じゃ、梓は」

梓「私はマッサージチェア以前に、マッサージ自体やった事無いんですよね」」

唯「だった私がマッサージしてあげようか」

梓「えーと、座れば良いんですね」

唯「しどいよ、あずにゃん」

律「まあまあ。では、スイッチオン」

ぐおーん

   がしっ、がしっ

梓「あ、あの。腕と足が挟まれたんですが」

唯「圧迫コースだって。揉んだり叩いたりじゃないんだね」

梓「・・・すごい圧迫感なんですが」

唯「例えるなら、どんな感じ?」

梓「巻き寿司の中みたいな気分ですね」

律「どんな例えなんだよ、それ」

 ぐおーん、ぐおーん

梓「・・・なんか、まだ締まってくるんですけど」

律「よし、ここからが本番だ。全員、中野二等兵に敬礼っ」

唯「はっ」

澪「はぁ」

ギュギュギュギュギュギュー

梓「・・・はぁ、はぁ、はぁ。ふぁわぁーっ」

紬「そんな、りっちゃん。私、もう見てられないわ♪」 くー

律「いい加減、目を覚ませ」 ぽふ

梓「ふぁーっっ」

  5分後

梓「・・・穢された」

唯「ナイスファイトだったよ、あずにゃん」

梓「拷問具ですよ、これは」

律「そうでもないぞと言えないところがあるからな」

澪「大体私の年で、肩こりもないだろ」

律「逆にさわちゃんでも連れてきてみろ。一日ここで寝転がってるぞ」

梓「それは律先輩や唯先輩が、苦労を掛けてるからじゃないんですか」

唯「しどいよ、あずにゃん」

紬「それにやっぱり、マッサージは手もみが一番よ」 わさわさ

律「どうでも良いが、その手つきは止めろ」

唯「せっかくだし、みんなでお金を出し合って何か買って帰ろうよ」

律「あまり高く無い物を探してみるか」

澪「電池とか?」

律「・・・実用的ではあるが、実用的すぎるな」

澪「難しいな、意外と」

紬「うふふ。やっぱり、部室で使える物が良いわよね」

唯「だったら、ホットプレートは?」

梓「部室ですよ、部室。ぶ、し、つ」

紬「まあまあ。梓ちゃんは、何が良いかしら?」

梓「フォトフレームなんてどうですか?」

唯「似てるじゃない、私のと」

律「語感だけだろ、それは」

梓「メモリーに入っている画像を、ランダムに再生とかも出来るんですよ」

律「ほー。なかなか面白そうだな」

澪「この辺が、フォトフレームのコーナーか」

唯「結構綺麗に映るんだね。ちょっと照れちゃうな」

律「気が早すぎだろ、おい」

紬「ただにテーブルの上に置くのは、危なくない?ジュースをこぼしたりしたら」

唯「その点、ホットプレートは安定してるよ」

澪「安定してれば良い訳じゃないし、飛び跳ねた脂がギー太に付いたらどうするんだ?」

梓「そもそも唯先輩は、ご飯派じゃないんですか?」

唯「考えてみたんだけど、さすがに炊飯器は無いと思ってね」

律「同じくらい、ホットプレートも無いと思うけどな」

紬「本当は小さい冷蔵庫とかあると、夏場は良いんだけど」

澪「コーヒーミル、エスプレッソマシーン。この辺は、ムギがいるから必要ないか」

唯「あれだよね、バリスタ。バリスタ」

律「最近聞くけど、何語でどういう意味だ?」

紬「イタリア語で、大まかに言うとコーヒーやエスプレッソを入れる店員さんの事よ」

梓「紅茶を入れる人の場合は、どう言うんでしょうか」

紬「・・・強いて言うなら、紅茶を入れる店員さんね」

澪「あはははは」

紬「そ、そんなに面白かった?」

澪「あはははは」

梓(この人のツボは、たまに意味不明だな)

律「この辺は掃除機や洗濯機か。正直、関係ないな」

紬「ほうきやぞうきんで済むし、部として買う物でもないものね」

澪「これ、自動で掃除してくれるあれか」

唯「マンボだった?」

梓(ぼけてるのか本気なのか、分かりにくいな)

澪「ただセンサーが付いているとはいえ、楽器にぶつかったら困る」

紬「私は大丈夫だけど、ギターやベースは大変よね」

唯「そっか。でもこれって、どうやって動いてるんだろう。澪ちゃん分かる?」

澪「絶対裏返すなよ、絶対だぞ」

律「怖い想像をするな」 ぽふ

唯「・・・これ安いよね」

律「キッチンタイマーか。確かに安いけど、何に使うんだよ」

唯「ほら。私達って、休憩時間が長いって澪ちゃんやあずにゃんに怒られるでしょ」

梓「だから休憩時間を、タイマーで設定するって事ですか?」

唯「そう。それなら確実だし、時間を無駄にしないと思うんだ」

澪「唯らしからぬ発言だけど、一理あるな」

唯「しどいよ、澪ちゃん」

紬「まあまあ。唯ちゃんの言う通り、結構良い買い物だと思うけれど」

律「この値段なら、一人ジュース一本分くらいか。ま、妥当な所だな」

唯「これで私達は、明日から生まれ変わるんだよ」

紬「きちんとした部活にね♪」

唯、紬「あはは」

律「時が止まった気分になってくるな」

  翌日 放課後、軽音部部室

ピピピッ

梓「・・・タイマー鳴ってますよ」

唯「後10分。いや、後5分っ」

梓「朝じゃないんですから。ほら、練習しますよ」

唯「まだ良いじゃない。お茶しようよ、お茶」 プチッ

澪「あっ、タイマーがリセットされたっ」

唯「えー?それじゃ仕方ないね。もう一度時間を合わせて、休憩しないと」

澪「ゆー、いー」

律「まあ、こんな事だろうとは思ってたけどな」

紬「唯ちゃん、ちょっとタイマー借りて良い?」

唯「良いよー」

紬「ありがとう♪」

梓「どうかしたんですか?」

紬「紅茶を蒸らす時間を計ろうと思って。多分、すごい便利だと思うのよね」

律「・・・まあ、そういうための道具だからな」

唯「やっぱり良い買い物したね」

澪「いい加減にしろ」 ぽふ

梓「そもそも携帯にもタイマー機能は付いてるんですし、休憩時間を計るためにタイマーは必要無かったですよね」

澪「冷静に考えてみれば、確かにそうだ。これは慚愧に堪えないな」

梓(どこまで真面目なんだ、この人は)

紬「紅茶、良い感じに蒸し上がりましたー」

唯「澪ちゃんに。まずは澪ちゃんに淹れてあげて」

紬「かしこまりましたー♪」 こぽこぽ

澪「・・・うん。今日も美味しい」

唯「ほら、タイマーがあって良かったでしょ」

澪「全く」 くすり

律「まあ、なんだ。キッチンタイマーはムギが使ってくれよ。一応、軽音部の役にも立ってるしな」

紬「ありがとう。私、大切に使うわね♪」

唯「いやー、照れますなー」

律「お前は少し、反省をしろ」 ぽふ

澪、紬、梓「あはは」



                                               終わり

   あとがき

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ちなみにドライヤーは壊れた訳ではなく、「冷風モード」だったと思われます。
テーマとしては「家電を買うより、唯用のエフェクターを買うべきでは」ですね。

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