弟「ねーちゃん、一緒に寝よ?」 姉「いくら払う」(401)

弟「お金取るのか!?」

姉「当たり前だアホ。おめー、女子高生にタダで添い寝要求すんのかよ」

姉「しかも中学生になってひとりで寝れないとか終わってんな(プークスクス」

弟「大体、ねーちゃんがサイコホラーなんか無理矢理見せるからだろ!」

姉「チッ、うっせーな」

<ガタッ

弟「オホッフ」ビクウッ

姉「wwwwwwwwwwwwww」ゲラゲラ

姉「ヘタレ!払わないんならさっさと自分の部屋帰れ!」

弟「か、勘弁してよぉ…。一緒の部屋で寝るだけでいいんだ」

姉「だからいくら払う」

弟「…ひゃくえんなら」

姉「解散!!!!!!」グイグイ

弟「待ってくださいお願いします!!!」

姉「お前舐めてんの?今すぐ薄暗い廊下に放り出してもいいんだぜ?ん?」

プレイかな?

弟「…」ブルッ

弟「わ、分かった。1000円!」

姉「えっそんなに!!!?」

弟「えっ」

姉「いやなんでもない」

弟「お、多い?じゃあ500え」

姉「落札終了じゃボケ。1000円な!明日ゼッタイ払えよ!」

弟「は、はい」

姉「…」モゾモゾ

姉「さぁ」ガバッ

姉「来い我が弱小なる弟よ」

弟「ありがたや」ゴソゴソ

姉「言っとくが、体が触れたりしたら蹴落とすから」

弟「えっでもベッド狭」

姉「退場すっか?ん?」

弟「善処します」

弟「よいしょ」ゴロン

姉「…なんか変な感じだな」

弟「う、うん」

姉「…」

弟「…」

姉「何でお前硬直してんの?もっと楽な姿勢とれば?」

弟「ね、ねーちゃんこそ」

姉「私はこれでいいんだよ」

弟「…なんか、花みたいなにおいする」

姉「ああ、私のシャンプーかな」

弟「…ふーん」

姉「なんか今のシャンプー、使いやすくない?サラサラなる」

弟「そうかな。分かんない」

姉「お前髪細いよなー」

弟「そう?」

姉「将来ハゲやすいよ」

弟「え、え、そうなの?」

姉「おー。主に、デコからだな」ピタッ

弟「!!!!!?」ビクッ

姉「何ビビってんの。おでこ触っただけじゃん」

弟「だ、だって、触ったら蹴飛ばすって」

姉「お前の方からのおさわりはNGですぅ」

弟「あ、あっそ」

姉「よしよーし。なでなでちまちゅよー」ナデナデ

すき

弟「やめろよ…ガキじゃないんだし」

姉「ガキじゃんwwwwwwww」コネクリコネクリ

弟「うっせ」

姉「何か髪長くない?女の子っぽい」

弟「いいんだよ、これで」

姉「何、今流行の中性砂糖顔イケメン的な?」

弟「そ、そんなんじゃねーよ!切るのが面倒なだけで」

姉「くぅーあざとい!あざといねぇ」

弟「う、うっせーな」

姉「なんかさー、体も細くて本当に女みたいだよな」

弟「…」

姉「あれ、気にしてた?」

弟「別に」

姉「えー嘘だー。声が怒ってるもん」

弟「おこってまぁせーん」

姉「いやー、マジで羨ましいんだよ?肌も全然焼けないしねー」

弟「そうか?ねーちゃんも白いと思うけど」

姉「ちょwwwセクハラwwwダウトダウトwww」

弟「いやなんで!!?」

姉「いや、私なんてねー…もうアレですし、モサいし」ハハハ

弟「ねーちゃんは…」

弟「かっ…普通だと思うよ、別に」

姉「いやいやwww」

弟「髪型変えて…コンタクトとかにしたら、ま…まぁそこそこ」

姉「お世辞かwwwwゴマするねぇwww」

弟「…もういいや」

姉「プゲラッチョwwwww」

弟「…顔赤くない?」

姉「は?馬鹿なにいってんだおめぇこれはアレだから月明かりだからまじで」

弟「うっわ、照れてんの?」

姉「あばはははははwww冗談キッツいですねおたくwwww」ゴロン

弟「じゃあ何で背ぇ向けてんだよw」

弟「おい」

姉「あーーーもう寝よ寝よ!明日も学校だし寝よ寝よ」

弟「照れてるんだろ?」ゴロン

姉「!お前何体の向き変えてんだ!誰が許可した!」

弟「は?ねーちゃんはあっち向いてんだからいいじゃん」

姉「よくねーよ!逆向け!」

弟「ら、楽な体制にして良いって言ったくせに…」

姉「うっせーな、カマホモ!さっさと寝ろハゲ」

弟「カマホモ…」

姉「喋るな!息がかかる!きもい!」

弟「ふー」

姉「おいてめええええええええええええええ!」

弟「wwwwおもろいwww」フーフー

姉「捻り潰」

<コラー!アンタタチ、シズカニシナサイ!!!

姉・弟「…」

弟「母ちゃん怖い」

姉「ヘイ、マイマザーがモアゲットアングリーする前に就寝しようぜ」

弟「…ん」

姉「おやすみ、ハゲ」

弟「おやすみ、地味女」

姉「てめっ」

弟「はいはいおやすみ」

姉「…馬鹿が」

……


「やあばい、カッコいい!!」

何騒いでんの?

「見て、このバンドのボーカルの人!カッコよくない!!?」

ふーん

「ふーんてwwwあーやばい、こういう中性的な男の人いいよね」ムッハー

…あっそ

ふむ

……


姉「…」ムクリ

姉「ぬぅ…ねみー」フワァ

姉「おい、ハゲ。デコハゲ…朝だお」

弟「…ん」

姉「おしっこ漏らしてない?」

弟「なんでだよ!」

姉「怖い夢みたかなーってwww」

姉がいちいちキモいな

弟「あーよく寝た」ノビー

姉「おうそりゃあ良かったな」

弟「あ、お金」

姉「いい」

弟「は?」

姉「イラネ。それよりさっさと着替えろよ。遅刻すんぞ」ペチ

弟「…は、ぁ」

姉「今日の朝飯なにかなー。葱入れた納豆食べたい」ガチャ

母「おはよー」

姉「おはよう」

弟「はよ」

母「あんたたち、昨日うるさかったわね!何してたの?」

姉「ん、と…ババ抜きしとった」

弟「…」

母「あっそ。やるならやるで、静かにしなさいよ!」

姉「ウス」

姉「いってきまーす」

弟「ってきゃーす」

姉「日本語喋れよwwwッテキャースwww」

弟「あーはいはい」

姉「良い天気だね」

弟「おう」

姉「…」テクテク

弟「…」テクテク

=高校前=

姉「んじゃーな。今日も一日頑張れよ」

弟「ねーちゃんもな」

姉「ばいばーい」ブンブン

<オハヨー、アネー

「あ、おっはー」

弟「…」

弟「…」テクテク

=中学校=

<キリーツ レーイ アリガトウゴザイマシター

弟(一時間目なんだっけ)

弟友「おっす、おはよー」

DQN「ハヨッスwwwww」

弟「あ、おはよー」

DQN「おい、弟wwwお前今朝も姉ちゃんと学校来てたろww」

弟「げ、見てたのか」

弟友「おいおいよせよ」

DQN「仲良しだなwwww」

弟友「おいって」

弟「…」

弟「うん、仲良し。当たり前だろ、姉弟なんだからさ」ハハ

弟友「わお、素直だな」

DQN「えーww姉貴って何かウザくねwww」

弟「まぁ、多少はw」

=高校=

姉クラスメイト「姉さん、昨日のノートありがとぉ」

姉「あ、ううん。役にたった?」

姉クラ「うんもぉばっちり。超分かりやすかったw」

姉「そう、良かった」

姉クラ「てかさ、姉さん…弟と学校来てるんだね」

姉「え、うん…。登校通路いっしょだし」

姉クラ「えーww仲良いーww」

姉「そうかな」

姉クラ「うんwってか、弟君めっちゃイケメンだね!可愛いw」

姉「あはは。子供っぽいよね」

姉クラ「いやぁ、結構良い線いってるよね…あのさ、今度」

<アネクラー!ツギ、イドウダヨー!

姉クラ「あ、行かなきゃwごめん、また今度w」タタタ

姉「うん」

姉「…」

<キーンコーンカーンコーン

弟友「ぐっはぁ…疲れた」ノビー

弟「長かったな、今日も」

弟友「なぁ、弟。帰りCDショップよっていかね?」

弟「えっ…あー」

弟友「あ、予定とかある?なら…」

弟「いや、ない。いいよ」

弟友「よっしゃ」

=高校前=

弟友「でさぁ、そのときDQNがさ…」

弟「うん」キョロキョロ

弟「あ、ちょいまち」タタッ

弟友「?」

弟「ねーちゃーん!」

姉「あ」

弟友「あ…こんにちは」ペコッ

姉「こんにちは。えーと?」

弟「ごめん、今日コイツと寄り道して帰るからさ。一人で帰って?」

弟友「…」ジッ

姉「うん、分かった」

弟「ごめんな。おい、行こう」

弟友「ん、あ、ああ」

弟「…なに、ボーっとしてんの?」

弟友「いや別に」

弟友「お前の姉ちゃん、あんな感じなんだ。初めて見た」

弟「だったか?」

弟友「案外、清楚なかんじなんだな…。大人しそう」

弟「いや、家ではそうでもねーよw」

弟「清楚っつーか、地味なだけだしなw」

弟友「ふー…ん」

弟友「よっしゃ、行こう!」

弟「おお」

ガチャ

弟「っふー」

姉「おかえりんこー」

弟「ただいまん…いや、引っかかんねーよ!」

姉「つまらぬ」ケッ

弟「母さんは?」

姉「今日夜勤だっぺ」

弟「げ、じゃあ今日のご飯ねーちゃんが作るのか」

姉「はぁああああん?何か文句あんの!?」

弟「いえ別に…」

姉「エ●カ様か!」

弟「今日の夕飯なに?」

姉「焼き魚と炊き込みご飯です」

弟「いいねぇ!」

姉「うぇーい!!!!さっさと風呂沸かせハゲ!!!」

弟「ウェーイ」

弟「ふんふん」シャカシャカ

姉「綺麗に洗えよ!ワタクシの体が穢れるからな!」

弟「うっせーな」ゴシゴシ

弟(あ、良い匂い)

姉「ふんふん」トントン

弟「…美味しく作れよ」

姉「御意」

弟「ふふ」

弟「おー、うめぇうめぇ」ガツガツ

姉「よう食うなー。ボストロールみたい」

弟「例えおかしいだろ!せめてトロールにしろよ」

姉「wwwでもこんなに食うのに、全然太らないよね」

弟「ん。まぁ、背にいくし」

姉「今何センチ?」

弟「もうすぐ168。多分まだのびる。膝いてぇもん」

姉「チッ、10センチよこせよ」

弟「うめぇうめぇ」ムシャムシャ

姉「よう食うなーwボストロールみたい」

弟「例えおかしいだろ!せめてトロールにしてくれよ」

姉「wwwwってか、全然太らないよねー。食う割りに」

弟「背にいくんだよ、背に」モグモグ

姉「今何センチ?」

弟「もうすぐ165。でもまだ伸びる。膝いってぇもん」

姉「くそう、10センチよこせ」

弟「ねーちゃんは?」

姉「んー、155」

弟「ちぃいいいいいいいいいいいっさwwwwwwww」pgr

姉「チッキショー」

姉「しょうがないだろー!食っても横にしか伸びないんだから」

弟「ん、まぁ…そんくらいが丁度いい」

姉「うっせーな上からかよ、ハゲ」

弟「ハゲハゲ言うな!!チビ!!」

姉「ふーごちそうさま」

弟「あれ、少なくない?」

姉「わたしぃ、小食なんでぇ」キャピ

弟「イラッ☆」

弟「なに、ダイエット?」

姉「うっせぇえええ関係ねえだろほげぇえええ」

弟「ねーちゃん別に太ってないのに」

姉「…まぁ、その何でもいいやんけ」

姉「さ、風呂入るかなーっ」

弟「おいはぐらかすなよw」

姉「うるさいうるさいうるさい」ブンブン

姉「おいハゲ、風呂入ってる間に洗濯しとけよ!ハゲ!」

弟「人使いの荒いチビですね」

姉「美脚キィィィィイイイイック」ブン

弟「wwwww届かぬwwww」ヒョイ

姉「無念」

パシャパシャ

弟(全く…洗濯物ちゃんと洗濯機に入れとけよ)

パサ

弟(おっと)

弟()

ブラジャー「コンニチハ!」

弟()

弟(えー、と)

弟(俺は何も見てない)ヒョイ

弟(そしてこれからも何も見ないんだ)

ブラジャー「wwwwwwww」ピラッ

弟(!!!!!し、C!!!!?)

弟(うわわわわわわわ見てねえなんも見てねえ)ポイ

ブラジャー「アアアwwww」

弟(うおおおおおおおおおおおおおおお)ポチ

ゴウンゴウン

姉「良いお湯でした」ホカホカ

弟「お、おい…洗濯物ちゃんと入れとけよ」

姉「あ、すまんすまんwww忘れてた」

弟「じゃ、俺入ってくるわ」

姉「おーう」

弟「…」チラ

弟(…Cかぁ)

姉「あ?」

弟「ふぅ」ホカホカ

姉「…」

<キャー イヤァアアアア

弟「まああああああああたホラー映画かよ!!!」

姉「この追い詰められていく感じがたまらんのよ」

弟「おい、消せ消せ消せーい」

姉「嫌だねぇえ!見たくないなら自分の部屋にすっこんでろ!」

弟「はっ、なんで…」

<コ、コンナトコロニハイラレナイ!ヘヤニカエル!

<ギャーーーーーーーーーー

弟「…」ビクビク

姉「典型的死亡フラグだな」

<ガシャアアアアアン

弟「うお!」ガタン

姉「wwwwwwwwお前の反応のほうが面白いわwwww」

弟「よ、よく平気な顔して見れるよなぁ」

<スタッフロール

姉「ふーまさかアイツが犯人とはね…」

弟「…」ガタガタ

弟「ね、ねーちゃん」

姉「うーい」

弟「トイレ行かない?」

姉「正気か貴様」

弟「い、行かない?」モゾモゾ

姉「…」

「…」

姉「まだか」

「ちょっとまって」

姉「大きいほうか?」

「ちげーよ!!」

姉「おおおおそいいいいい!女の子か!はよ!はよぉおお!」ガンガン

「ヒィイイ!大きい音立てんなよ馬鹿!」

ジャー

姉「全く男のクセに」

弟「ねーちゃんがゴツすぎるんだよ」

姉「短脚キィィィイイイイック!!!!」ブン

弟「見切った!」ヒョイ

姉「うぐう」

姉「…ふわ…」

弟「もう12時だぞ。寝ないとな」

姉「おー…オバケの時間だな。寝よ寝よ」スタスタ

弟「…」ギュ

姉「おいカーディガンの裾離せ」

弟「ねーちゃん」

姉「まさか」

弟「…一緒に寝よ」

姉「まじかぁぁぁぁぁぁああ…」

弟「今度こそ1000円払う!頼む!お願いお願い!!」

この姉、微妙に中二病抜けきってない感じが一人称俺とか言っちゃう友人の妹に似てる

姉「ソレで良いのか日本男子」

弟「入れて!とりあえず部屋入れて!後ろが怖い!視線を感じる!」グイグイ

姉「んな訳あるかハゲ!おい、入ってくんな!!」

弟「ヌググ」バターン

姉「ああ…姉ちゃんは情けないよ…」

弟「種をまいたのは自分だろ!?」

姉「…はー」

弟「お姉さま」ドゲザァ

姉「…」ボフ

姉「ん」ポンポン

弟「ありがたき幸せ」

姉「もー、これっきりにしろよぉ」

弟「…どうかな」

姉「あぁ!?」

姉「っはー…狭い」

弟「そんな隅っこにいなくていいじゃん」

姉「何、そのまるで自分がベッドの所有者であるかのような発言」

弟「すぃやーせん」

姉「はー…おい、何か話せ。ピロートークしろ」

弟「ねーちゃんも対外だね」

姉「うっせ」

弟「…天井のしみ、顔みたいじゃね?」

姉「ああ、点が三つあると顔に見えちゃうらしいね。なんか、脳が勘違いするとか」

弟「へー」

姉「本で読んだ」

弟「好きだねー、本」

姉「本が友達だからwwwwww」

弟「うっわ何それ悲しっ」

姉「うっせーハゲ」

弟「…ねぇ」

姉「なんよ」

弟「…」

弟「ねーちゃん、彼氏できた?」

姉「」ブッホッ

姉「ないないないない神に誓ってない」

弟「まじで?じゃあ好きな人は?」

姉「おいおいノリが修学旅行みたいですよ」

弟「いないの?」

姉「…」カァ

姉「いねぇ」

弟「寂しいね」

姉「表出るか?おお?」

弟「wwwごめんごめん」

姉「…」

姉「お前は?」

弟「え?」

弟「お、俺はそういうのあんま興味ないし」

姉「出た~wwwwそういって格好つける中学生~www」

弟「お互い様だろ」

弟「…嘘。ま、ちょっと気になる人はいる、かも」

姉「え、誰」

弟「…秘密だけどさ」

姉「えええええーーー!!教えろよ、フったのお前だろ!」

弟「…」

それにしても気持ち悪い弟だな

姉「どういう系?年上?同級生?後輩?」

弟「…年上」

姉「っほーwwwwwww結構なことですなぁ、青春しやがって」

姉「あー何かイライラするわぁ。くそっくそっ」ギュー

弟「あいれれれれれ、つねんなよ」

姉「ま、がんばれよー。どうせお前なんて理想高いんだし、年上ならなおさら頑張れ」

弟「うん、頑張る…。高嶺の花、っつーか。結構、厳しいし」

姉「ほー。結構結構」

弟「…」

弟「ねーちゃんはさー」

弟「なんか、タイプとかないの?」

弟「この前、あれだよね…なんとかってアーティスト格好いいとか言ってたよね」

弟「おーい?」

姉「…」

弟「えっ嘘寝てるし」

弟「何だコイツ…」

……


(うーわ、運ぶ資料多いな…。あーあ、嫌な仕事引き受けちゃったな)

(姉クラスメイトさんって、悪い人じゃないけど何か調子いいよな…)ヨイショ

「ねぇ、君」

え、は、はい?

「多いね。持とうか?」

えっ…い、いえ大丈夫です

「これ会議室に運ぶんだよね?俺も用事あるし、ついで」

あ…ありがとうございます

「いいっていいって」

「えーと、姉、さんだよね…2組の」

え、は、はい

「俺、1組の男なんだけど…ほら、委員会一緒の」

え?そう、でしたっけ…

「ははwひどいな、覚えててよw」

……


弟「ねーちゃん」ユサユサ

姉「おおおおおおお触るな!」ガバ

弟「ひっでw起こしてやったのによ」

姉「…チキショー、良い夢みてたのに」

弟「…どんな夢だよw」

姉「関係ねえだろハゲタビン」

弟「ハゲがどんどんきつくなってる」

=高校・図書館=

姉「あの…本の返却に来ました」

司書「はーい。あ、そこに置いといて」

姉「あ、はい」

姉(今日何借りようかな…あ、新刊でてる)

「おーい」

姉「…え」

男「こんにちは、姉さん。本借りにきたの?」

いいね

姉「あ…えっと、男さん?」

男「うん、そうそうwやっと覚えてくれた」

姉「あ、あはは」

男「姉さんって、よく図書室いるよねー」

姉「そう…かな」

男「うん、よく見かける。本すきなの?何かオススメある?」

姉「へ!?…この、シリーズとか?」

男「おお、ミステリかぁ。面白そう、借りるわ」

姉「…」

男「よし、ありがとー。また今度ね」

姉「あ、は、はい」ペコ

バタン

姉「…」

姉「……」カァ

姉(な、な、何だあの余裕オーラは…!眩しい、爽やかすぎる)

姉(多分クラスの中心だな…高身長イケメンだし。遠い)

=高校前=

姉「…」ハァ

「ねえちゃーん」

姉「あ、やっほー」

男「あ、姉さんだー。今帰り?」

姉「!!!!?」

弟「ねーちゃん?」タタタ

姉「え、え、えっとそうですね今帰ろうと」

弟「…」

男「そっかー、じゃ、さよなら。また明日ね」

姉「は、はい」ペコ

弟「…」

姉「…」

弟「誰」

姉「だ、誰でもいいでしょ」

弟「…ふーん」

姉(顔熱いな…。赤くなってないよね)

弟「…」スタスタ

姉「お、おーい早い早い」

弟「いや、ねーちゃんが遅いんだし」

姉「いやいや…」

弟「…もう疲れてるから早く帰りたい。早く歩いて」

姉「は、はあ」

姉(こいつ…。昨日何も言わなかった事怒ってるのか)

=姉部屋=

姉「…」カリカリ

コンコン

「ねーちゃん、入るよ」

姉「は?いいけど…」

ガチャ

弟「ポッキーもってきた。食べよ」

姉「何いきなり…。ゴマすり?」

弟「紅茶もあるから」ドカッ

姉「いやいや何居座ってるんすか。勉強中なんだけど」

弟「良いじゃん別に。姉ちゃんの部屋片付いてておちつく」

姉「お前…何か最近、ベタベタしすぎじゃないか」

弟「そう?」

姉「うん…いや、まあいいけどさ。あの…」

弟「じゃあいいじゃん。あ、漫画貸してよ」

姉「…」

姉「…」ポリポリ

弟「…」ペラペラ

姉「何か、どうしたの。部屋に幽霊でも出た?」

弟「んー」

姉「…」

姉(12時か…)

姉「…」ガタ

弟「あ、もう寝る?」

姉「え、うん」

弟「えーっと、あのさぁ、部屋にゴキブリが出てさぁ」

姉「…」

弟「だからさ、あの…」

姉「弟」

弟「…」

姉「えーっと、なんなのかな?」

弟「なんなのって、何が」

ニヤニヤが止まらない

支援

姉「いや、異常でしょ…流石にこれはさ」

弟「は?何が」

姉「何で一緒に寝たがるのさ…。何かあったの?」

弟「いや、いいじゃん…。ねーちゃんのベッド寝やすいし」

姉「…えーっと、そのさ、私も2日はノリで許したけどさ、流石に。一応、異性でもあるし」

弟「その言い方って、俺を異性として意識してるみたいだよね」

姉「え、なにそれwww怖いwww」

弟「冗談冗談」

弟「はい」ポン

姉「お、おう!!?樋口一葉!?」

弟「これであなたを買収します」

姉「え!?え!?」

姉「ご、5000…いや、ちょ」ニヤニヤ

弟「お邪魔します」ゴソゴソ

姉「ウェイトウェイト。まだ受け取るとは」

弟「何?もっと欲しいの?」

姉「ち、ちが」

弟「ならお納めください。早くおいで、さみぃ」

姉「…変なの」

姉「い、いいのね!もらうからね!?」

弟「はいはい」

姉「…どういうことなの、全く」ゴソゴソ

弟「月額5000でいい?」

姉「は、はぁ…?まじでどうしたの」

弟「電気消して」

姉「はい」パチ

弟「…なんかさ」

姉「うん」

弟「えーと…。ねえちゃんとこうしてるとさ、安心するっつーかさ」ボソボソ

弟「うん…最近、あんま寝れてなかったから…。ここだと結構、大丈夫っていうか」

姉「そうなの?」

弟「…そ」

弟「…あのさー」

姉「なに?」

弟「キモイお願いしていいかな」

姉「やだ」

弟「…」

姉「うそ、うそです。出来る範囲なら」

弟「…頭、なでて」

姉「うっわなにそれ、まじキモイな」

弟「あーごめんごめん、やっぱいいや」

姉「…こうか?」ナデ

弟「!」ビク

姉「自分でお願いしといてビビるなよw」

弟「あ、ありがと。眠れそう」

姉「そうか…お前も色々大変だね」ポンポン

弟「う、うん」

姉「なんか、やっぱ背が高くても弟は弟だなw」

姉「何か、学校であるの…?」

弟「…」

姉「あ、ごめん。答えたくないならいいや」

弟「ん。黙ってなでてて」

姉「はいはい」ナデナデ

弟「…ほんと、ねむくなる」フワァ

姉「明日は休みだからよー寝なさい」

弟「うん…」

……


姉「おーい、弟ー電話だよ」

弟「え?誰から」

姉「弟友…君、だったかな。ほい」

弟「ん。さんきゅ」ピ

弟「もしもーし?弟です」

「おー、弟。朝早くから悪いな。ちょっと用事あんだけど、いい?」

弟「いいけど、何?」

「あのさー、前にお前に貸してたゲームあったろ。今からそれ取りにいっていい?」

弟「あー…いいよ、べつに」

「おう、サンキュ。じゃあ今から行くから」

弟「んー。ばいばい」ピ

姉「どったの?」

弟「いや、今から友達来るから」

姉「え?遊びに?」

弟「いや、借りてた物取りにくるって」

姉「そっか…」

弟「…」

弟「ねーちゃん、ちょっとお使い頼んで良い?」

姉「は、なんで?」

弟「いいから。はい、これメモ」

姉「コンビニとかならいいけど…っておい、何コレ。がっつりスーパーの買い物リストじゃん」

弟「今日の夕飯、俺が作るだろ。だから買い物はねーちゃん」

姉「へいへい…今じゃないと駄目?」

弟「今から行ったら空いてると思うけど」

姉「はいはい…」スタスタ

バタン

弟「…」

ピンポーン

弟「いらっしゃーい」

弟友「お邪魔しまーす。すまんな急で」

弟「いや、構わん構わん。はい、ゲーム」

弟友「おー、どうだった?」

弟「いやー、中々良かったわ。ストーリーいいね。泣けた」

弟友「あー分かるわー」

弟「ま、とりあえずあがってあがって」

弟友「おー綺麗にしてるな」キョロキョロ

弟友「え…っと、家の人は?いないのか?」

弟「うん。仕事とか行ってるし。姉ちゃんも買い物」

弟友「そっか」

弟「…あのさー、弟友」

弟友「おう?」

弟「…相談、あるんだけど」

弟友「…!」

ピンポーン

弟「いらっしゃい」

弟友「お邪魔しまーっす」

弟「はいこれ、ゲーム」ポン

弟友「おお、すまんな急で。どうだった?」

弟「ああ、面白かったよ。ストーリーも良かったし」

弟友「ふーん…」

弟「ま、あがってあがって」

悲恋の予感

弟友「おー結構綺麗」キョロkyロ

弟友「家の人は?いないのか?」

弟「ああ、仕事。姉ちゃんも買い物」

弟友「ふーん。そっか」

弟「あのさ、…実は、相談したいことがあるんだけど…」

弟友「え…?」

弟「…」

姉(重ぉぉおおおい)ヨロヨロ

姉(あああ、麦茶飲みたい)ハァハァ

姉(や、やっと着いた…)ガチャ

「!わっ!」

姉「!きゃっ!?」ヨロ

弟友「あ、ああっ。すいません!」

弟「あ、ねーちゃん!大丈夫?」

姉「う、うん…ごめんなさい」

弟「うわ、重そうだな…持つよ」

姉「あ、ありがと」

弟友「じゃあ、弟…。俺帰るな!じゃあ…」チラ

姉「…」

弟友「頑張れよ!」ビッ

弟「う、うん」ニコ

姉(ん?)

弟友「じゃ。お姉さん、さよなら」ペコ

姉「…なにかあった?」

弟「うん。ちょっとね」

姉「ふーん、そっか」

弟「あ、早く冷蔵庫に入れなきゃ」スタスタ

姉(心なしか憑き物がとれたような。よかった)フゥ

弟「ねーちゃーん!それも持ってきてくれるー?」

姉「あ、はいはい分かりましたよ」

弟「~♪」フンフン

今日はここまで。また明日です。おやすみなさい

おつ

おつ

姉ちゃん可愛い

姉「もう夕方かぁ…休みって短いよね」

弟「明日日曜じゃん」

姉「宿題とかやってたりしたらすぐなんだよーアホタレ」ブー

弟「あー分かる…。あ、姉ちゃん、夕飯シチューでいい?」

姉「大歓迎」

弟「へいへい」ゴソゴソ

弟「~♪」トントン

<ナンダヨソレー ハハハ

姉(テレビつまんね)ピッ

姉「…」チラ

弟「~♪」トントン

姉「…」ソロー

姉「…隙ありっ!!!」ブスゥッ!!!

弟「おおおおおおおおおおおおおお!!!?」

姉「wwwwwwwwwカンチョーwwww」ゲラゲラ

弟「なっ、何してんだよ馬鹿っ!」

姉「うるせぇ!お前のケツが誘ってたんだよ!www」

弟「馬鹿か!小学生か!ガキガキガキガキ!!」

姉「え?ガッキー?」

弟「言ってないわ!!!」

姉「あ、ちょ、弟!危なっ」

弟「へ?」

弟「あっ」サクッ

姉「あ」

弟「いってぇ…」

姉「ごごごごごめん!!え、何処!何処切ったの!?」アタフタ

弟「っ…。中指…」

姉「血、血がすごいよ!ごっごめんなさい!えっと、流さなきゃ!」ガシ

弟「!」

姉「ばい菌入っちゃうから、流水にあてないと!」ジャー

弟「って…」

姉「ごめん、し、染みるよね?でも洗わないと…本当ごめん」

弟「いや、いいよ。切ったの俺の不注意だし」

姉「う、ううん。私のせいだよ、あんな馬鹿なことしたから…」

弟「いいって」

姉「いや、気がすまないよ…ちょっと待ってて」タタ

弟「…」

姉「絆創膏。貼るから、手。出して」

弟「…ん」

姉「ごめんね…本当」ペタ

弟「…」

姉「あんまり深く切ってなかったから、よかった」ペタペタ

弟「…ねーちゃん」

姉「え、なに?」

弟「…ん、なんでもない。ありがと」

姉「いやいや…こっちこそ申し訳ないです」ペコペコ

姉「お詫びに、続き私がやるから。弟は座ってて」

弟「いや、大丈夫だよ」

姉「だーめ。菌が入っちゃうから…」

弟「…」

姉「え、リビングで座ってなよ」

弟「いい。ここで見とく」

姉「…見られたら緊張すんですけど」トントン

弟「…」ジー

なんかドキドキするな

弟「…やっぱ、ねーちゃんのほうが包丁さばき上手いな」

姉「そうかな?まぁ、あんたより長くやってるからね」トントン

姉「よし、あとは煮込むだけ」

弟「早いわ…天晴れ」

姉「指、痛くない?見せてみ?」

弟「…ん」

姉「うん…血は止まってる。よかった。お風呂とかにつけちゃ駄目だからね」

弟「うん」

弟「うーん、美味しい」

姉「まぁルーなんて既製品だから味なんて変わらないよね」

弟「まぁそうだけどさー」

姉「…」

弟「…ねーちゃん、何かテンション低くね?」

姉「え、いやそう?」

弟「いつもはウザいくらいのテンションなのにさ」

姉「いや、だって」

弟「何、指のことはいいって!怒ってないし、別にねーちゃんのせいじゃないし」

姉「そ、そんな」

弟「何かねーちゃんがそんなだと、落ち着かないわーw」

姉「う…」

弟「あー、ウジウジすんなよ!ねーちゃんらしくない!いいっていいって」

姉「だってさ…スプーン持ったり…痛くない?」

弟「別に…あ」

弟「いや、ちょっと痛いかも」

姉「え、本当!」ガタ

弟「うん。だからさ」

弟「…」

弟「…ねーちゃん、食べさせてよ」

姉「は、い?」

弟「アーンさせてって言ってんの。ほら、隣来て」

姉「え、え、」

弟「早くして。さめる」

姉「え、うん…」

姉「こ、こう?」スッ

弟「ん…」アム

弟「…サラダも。頂戴」

姉「は、はい」サッ

弟「…」アーン

姉「なんだこれww赤ちゃんプレイかwwww」

弟「そうそう、その調子だってwww」

姉「はい、最後の一口」

弟「…ん」パク

姉「ごちちょうちゃまでしたー。いっぱいたべてえらいでちゅねー」

弟「うるせっ。ははっ」

姉「うー、何かお前空気変えるの上手だな…ちょっと尊敬」

弟「だろーが。ちったぁ、俺に感謝して暮らせ」

姉「うん。するw」

<ソノトキボク、イッタンデスヨー

姉「…あのさー弟」

弟「何?」

姉「明日ママ殿が、ショッピングモール行くって。行く?」

弟「…ねーちゃんは?」

姉「私…?どうしよっかな…宿題あるしな」

弟「行かないの?」

姉「んー…やっぱ行くwwwwwww」

弟「んじゃ俺も行くわ。留守番退屈だし」

姉「いい加減春物買いたいのよねー」

弟「激しく同意」

姉「ん…ふわ」

弟「…」

弟「ねーちゃん、眠いの?」

姉「ん…寝ようかな」ゴシゴシ

弟「じゃあ、俺も」

姉「…あの、今夜も…?」

弟「え、駄目なの」

姉「いえ、あの…まぁ樋口さんもらってるし文句言えないけど」

姉「あのさ、そんなに私のベッドが気に入ったなら、譲」

弟「さっさと行こ、ねーちゃん」グイ

姉「!お、おいおい引張んなよ!」

弟「…」スタスタ

姉「相変わらず狭苦しいな」モゾモゾ

弟「まあまあそう言わず」モゾモゾ

姉「!おい、ちょっと。近いんですけど!」

弟「はぁ?いいじゃん!俺言ってなかったけど、足はみ出そうなんだよ」

姉「く…おめー、これ以上近づくなよ」

弟「…んだよ。チッ」

姉「うーわーー何で舌打ちですかー」

弟「うっせー」

弟「あのさ、ねーちゃん」

姉「なんだいのび太くん」

弟「今日さ、ねーちゃん大分あせってたよね」クス

姉「む、ほ、包丁の件は本当に悪かったって」

弟「いきなりペコペコしだしちゃってさぁ…w結構笑えたわ、あれ」

姉「う、うっせー」ボフ

弟「おえっぷ」

姉「許してくれたんじゃなかったのかよぉ!揚げ足とんな!」グリグリ

支援でござる

弟「ねーひゃ、まくら、どかひて」モゴモゴ

姉「チッ…」パッ

弟「ふー。ってかさ、ねーちゃんって、学校ではあんな感じだよな」

姉「!な、な」

弟「なんかこう、大人しーくってさ、なんかペコペコしてんの」

姉「…!」カァ

姉「な、なんで…知ってんの」

弟「え、…えーっと、知り合いから、聞いた」

姉「しょ、しょうがないじゃん…。昔ッから人前で話すのとか苦手だし」

弟「ああ、顔も赤くなりやすいしね」クス

姉「!う、うるせ」ブン

弟「見切ったお!!!!」ガシ

姉「うっひゃ!!?ま、枕返せ!」

弟「やーだwwwww」ギュウ

姉「きいいいいい…!!」グイグイ

姉「…もう。そうだよ!友達は、まぁ少なからずいるけど…。クラスメイトとはそんな話さないし」

弟「ふーん。そうなんだ…男子、とも?」

姉「ご察しのとーり!喋れないよ、むりむり」

弟「でも、なんかこの前男の人と喋ってたじゃん」

姉「あ、れは…」

姉「な、なんか委員会が一緒のひとだから…」

弟「ふーん、あっそ」

姉「でも、何か…うん。そんだけ。あっちから話しかけてくるだけだし」

弟「…へー」

姉「でも、やっぱり人と話すの苦手。なんでかな…」ハァ

弟「俺相手には、こんなに饒舌なのになw」

姉「あー…お前は…家族、だしさぁ…」

弟「俺だけなんだ?」

姉「まぁ、素をだせるのはね…。あ、かなしぃ」

弟「…ふふ」

姉「?」

弟「なんでもねーよ」

姉「そう?…ぁふ」

姉「あー、眠くなってきた…。もう寝る」ゴロ

弟「え、そう」

姉「んー」

弟「あ、ねーちゃん」

姉「うん?」

弟「…おやすみ!」

……


「はぁ!?お前、マジで言ってんの!?」

…うん、可笑しいっていうのは、分かってるけど

「…はぁー…。何か俺、大変な事聞いちゃったな」

ごめん、でも…こんなこと相談できるの、お前しかいなくて

「いやいや、謝らなくていーって」

「でも、どうしようもないしなー」

うん。多分、この考えが変わる事、無いと思う

「ひゅー…。お暑いことですな」

でさ、どうしたら良いと思う?

「どうって…あのさ、以外にその…相手もまんざらじゃなかったりして」

え、本当!?

「い、いや分かんないよ!?結局は、多分、お前がアタックしないと伝わらないし」

そっか…そだよな

「えー、でも頑張れよー!俺、応援してるからさ」

いてっ、いてっ!おい、叩くなって

「いやいや、結構お似合いだと思うぜー!あ、でもさ」

なんだよ…

「嫌がられたり…とか、したらやめとけよ」

嫌がる…

「うん。なんか、お前を傷つけないように我慢するかもしんないけど、そこは察しないと」

うん、分かった…サンキュ

……


姉「…んー…」

姉(久々の外出だからな…こんな服でいいかな)クルクル

ガチャ

弟「ねーちゃん、母さんが早くしろって」

姉「おいおいマイブラザー、勘弁してくれよ。ノックしろって」

弟「あ、ごめん。忘れてた」

姉「ったく、ドジっこかおめーはよ」

弟「あ、ジーンズなんだ?」

姉「うん、今持ってるのでマシなのこれしかないし…」

弟「スカートは?履かねぇの?」

姉「ん…あれあんま似合わない気がするしなぁ」

弟「そう?ねーちゃんは、こう…ふわふわした服のほうが似合うと思うけど」

姉「遠まわしにデブって言ってねーかそれ!!」

弟「バレたかw」

=ショッピングモール=

母「じゃあ、私は家の買い物してくるからね。はい、これお小遣い」ポン

姉「有り難き幸せ」ハハー

母「変なもの買うんじゃないよ!」

姉「分かってるってwはい、弟」ポン

弟「ん、サンキュ」

姉「さーて…。じゃ、私は二階行って来る」

弟「あ、じゃあ俺も行く」

姉「え?でも、男物って…」

弟「いいじゃんか、行こうって」グイ

姉「わお強引」

……


姉(うーん…今年の春物って、派手な色多いな…)

姉(デザインも露出多いし…。あーあ、無難にシャツとかにしよかな)

弟「あ、このワンピース可愛いじゃん」

姉「!!!何でいんの!?」

弟「いいじゃん。あ、こっちの色のもいいじゃんか」

姉「お前よく…この女性の園に入ってこれるよな。すんげ」

弟「うっせ。ほら、選ばないの?これとかいいよ?」

姉「み、短くない!?無理、似合わない」

弟「着てみないと分かんないだろ?ホラ、試着試着。ねーちゃんもこれ、気になってたんだろ?」

姉「なっ」

弟「まだー?」

「い、いやいやいや、似合わないって、まじで!」

弟「は?もう着たんだろ?開けるよ」

「ま、待て!!!お願いしま」

弟「はい、ごたーいめん」シャッ

姉「ば、馬鹿がぁあああああああああ!!!」

弟「…」

弟「似合うじゃん」クス

姉「うううううわ恥ずかしいなこれ」カァ

弟「やっぱねーちゃん、この色が似合うよ!これにしなって」

姉「い、いやぁでもっ、脚が…」

弟「はぁ?全然、節度ある長さだろ!昭和か!」

姉「ス、スースーします」

弟「はい、買おう。さっさと」

姉「ぐ…。わ、分かりましたよ…」

<アリガトウゴザイマシター

姉「な、何で着たまま出なきゃいけないんだ」

弟「折角買ったんだし、着たほうがいいだろ?」

姉「ぐ…パ、パンツ見えそうで怖い」

弟「だ、誰も見ねーから!!!!」

姉「み、見せる気もねーよ!!!」

弟「…っ、はい!袋持つ!貸せ」バッ

姉「あ、さーせん…」

姉「ふぇぇ…おまたがすーすーするよお」

弟「似合ってるから自信持てって…」

姉「む。あ、あ、そういや…。あんたは?買い物しないの?」

弟「ああ、しよっかな。靴欲しかったし」

姉「んじゃ、今度は私が付き合う」

弟「選ばなくていいからな。ねーちゃんのチョイスださそうだし」

姉「豚足キーック…」

弟「パンツパンツ!!!!!」

……


弟「なぁ、これ、どう?」

姉「んー…ちょっと色冒険しすぎじゃない?」

弟「ねーちゃんは…どんなのが良いと思う?」

姉「アレレさっきの言葉はどうしたのかなー???」

弟「…もういい」

姉「うそうそwこっちの黒いのがいいんじゃないかなw似合うと思う」

姉「ほら、履いてみなよ」ヒョイ

弟「!」

姉「んー…ちょっとサイズ小さいかな」

弟「ば、馬鹿っ。ねーちゃん!しゃがむな!立て!」

姉「え、なんd」

弟「何で、って、…!ふ、太ももとか見えてるだろ!早く立て!」

姉「えー別に誰も見てないからいいじゃん」スッ

弟「!そ、それでも女かよ!ありえねえー!」

弟「おお、結構しっくりくるな」

姉「似合ってるよ。よっ、いいおとこ」

弟「ふふ、カッコいい?」

姉「ノーコメント」

弟「何でや…」

「あれ。…姉、さん?」

姉「」

弟「?」

男「あ、やっぱり!姉さんだー」タタ

姉「う、うわっ、お、男さん…。え、こんにちは」

男「うん、こんにちわー。買い物?」

姉「う、うん…」

弟「…」

男「そっかー。…えっと、こっちは…?」

姉「え、あ、こっちは…」

男「彼氏、とか?」

姉「は、は!?彼氏とかそんな」

弟「…」

ギュ

姉「!!!!?」

弟「そっすね」ニコ

男「え、まじで!…意外だなぁ。姉さんって…。へー、彼氏なんだあ」

姉(えええええええええええええええええええええええええええええええええええ)

男「あ、それじゃ。ツレいるから!ばいばい」タッ

姉「え、ちょ待っ」

弟「行こ」グイ

姉「お前ぇええええええええ!!!!おまっ、ばっ、馬鹿か!!!」

弟「は?」

姉「は?じゃねーんだよハゲ!は、離せ!手ぇ離せ!」ブン

弟「何怒ってんの?」

姉「いやいやいや、何で逆にあんな嘘つくの!!?」

弟「え、なんとなく」

姉「なんとなくぅううううう!!!?はぁあああああああ!!?」

弟「だって、ねーちゃんあの人に会ったとたん、デレデレしてさ」

弟「なんかあの人も、ねーちゃんの足見てたし。リア充邪魔しようと思って」フン

姉「」

姉「な、で、デレデレなんかしてないし」

弟「あれ、好きな人?」

姉「」ボンッ

姉「っ、違う!!!!」

弟「じゃあいいじゃん。彼氏いるんだーっておもわれても」

姉「そういう問題じゃない!!」

弟「…はいはい。ごめんなさい。…ただの冗談じゃん」

姉「あ、あのねぇ…っ!!」

弟「早く母さんのところ行こ」スタスタ

姉「!ま、待ってよ…」

弟「…」スタスタ

姉(なんなの、こいつ…)

……


母「おーい、夕飯だよ」

姉「あ、はーい。お、今日は煮物っすか。うまそ」

弟「…」ガタン

弟「いただきます」ボソ

姉「…ただきまーす」

弟「…」

姉「…」

弟「ごちそうさま」ガタ

弟「…」スタスタ

母「…どうしたの、弟」

姉「!知らないし」

母「反抗期…?やだ、うちの子に限ってそんな」

姉「ごちそうさまっ!」ガタン

母「Oh」

姉(なんなの、なんなのあいつ)

姉(変な噂たてられたらどうすんのぉおお!もおおおお)

姉(しかも何!逆切れですか!ありえないぃぃぃぃ)

姉(うわぁああああああああああ)イライラ

姉(もういい、もう、寝る…)

姉「…」チラ

姉(今日は、来ない、のか)

姉(いや、当たり前か。…ってか来ても入れないし)

姉(…)モゾモゾ

姉(…ベッドって、こんな広かったっけ)

姉(それになんか寒い)

姉「…ふん」

姉(あいつが先に謝るまで、口なんか聞くもんか)ボフ

姉(馬鹿…)

姉「…」

姉「…」スゥ、スゥ

さすがにこの弟はキモい

……


姉「…ん」ゴロ

コンコン

姉「…んん?」ムク

姉(え、何今の音…?てか、今…1時半?)

コンコン

姉「おひゃっ!!!?」ビク

「…ねー、ちゃん」

姉「え、弟…?」

「うん」

姉「なっ、何すか…。こんな時間に」

「…ん、眠れない」

姉「しっ、知るか!!けーれけーれ」

弟「…」

姉「…ふん」ゴロ

姉「…ち」チラ

姉「あーーーーーもう!」ガチャ

弟「!」

姉「入れ!はよしろ!寒い!」

弟「う、うん」

姉「…」スタスタ

姉「…」モゾモゾ

弟「ねーちゃん、あの」

姉「勝手にどうぞ」

弟「…うん」モゾモゾ

姉「…」

弟「…ねーちゃん」

姉「…」

弟「ねぇ、ねーちゃんってば」チョン

姉「!な、何だよ!眠いんだけど!?」

弟「…まだ怒ってる?よね。当たり前か」

姉「はぁ?あったりまえじゃん」

弟「…ごめん」

姉「…」

弟「ノリだったんだよ…。あんな怒られるって思わなくて…」

弟「なんか、怒られて、カッとなっちゃって、それで…」

姉「あっそ…」

弟「…ごめん、本当にごめん」

姉「…プリン」

弟「え?」

姉「だぁから、プリン!一個おごれ!そしたら許す」

弟「!お、おごる。おごるよ」

姉「…ぷっ」

弟「なっ」

姉「弟君、必wwww死wwww」プギャー

弟「…!!!!」

弟「だ、だってしょうがないじゃんか!ねーちゃんが久々にマジ切れして…」

姉「無視してきたのはそっちのくせにー」

弟「うん、だから…。ごめん。俺がガキだった」

姉「はいはい。ガキなんだからしょうがないね」

弟「…む。…はい」

姉「まぁでも、そっちから謝ってくるのは意外でしたな」

弟「だって、俺が悪いし」

姉「素直でよろしいな。ちょっとは大人になったんじゃないかw」

弟「え、本当?」

姉「おー。前は喧嘩はだいたいお母さんに殴られて、ふたりともごめんなさいだったよねーw」

弟「そうだったな…。なつい」

姉「大きくなったもんだなぁ、お互い」ポン

弟「そっちこそ」

弟「…」

弟「特に、二の腕が」フニュ

姉「ゴルァアアアアアアアアアア!!!!」ボフン

弟「ちょwwwくるひいってww」

姉「あーもうこれはシュークリーム上乗せだわ!!ふざけんな!!」

弟「マジすか」

姉「てめー、当たり前だ!一番気にしてる所だっちゅーに」グリグリ

弟「う、うそだって。そんな太くない」

姉「お世辞はいいんじゃ、アホ!!あーーーーもう寝ろ寝ろ!」

弟「む、じゃあ枕どかしてよ」

姉「…チッ、くそがきめ」

弟「…ありがと、おやすみ。ねーちゃん」

姉「はいはいおやすみ」

大事に想ってる感じがいい

芝多様の方ですね
だがそれがいい

……


弟「ふぁ…」

姉「うわ、大あくびじゃないっすか」

弟「しょうがないだろぉ…。昨日ちょっとしか寝てないし…」ファアア

姉「授業中寝るなよー!」

弟「はっw俺優等生だから、そんなんしねーし」

姉「言ってろハゲェ」

姉「よっしゃ、今日一日耐えたら、シュークリームとプリン!!!おおお!!」

弟「チッ、覚えていやがったか」

=高校=

姉(プリン、シュークリーム…)モンモン

姉(…でもあいつ、きっと金欠だろうしなぁ。まぁ、安いので勘弁してやろう)

「おーい、姉さーん」

姉「あっ、はい。何でしょうか、先生?」

教師「ごめんねぇ、また資料を運んで欲しいんだけど…。これ。図書室に返してくれない?」

姉「ああ、分かりましたー」

姉(多い、多いよ。しかもハードカバーばっかり)

姉「んむ…っ、はぁ、はぁっ」ヨタヨタ

姉(手…いった…)

姉「はぁ、はぁ…!」

「うっわ、すげえ量w大丈夫、姉さん?」

姉「あ」

男「また資料運んでるの?ほら、持つよ」ヒョイ

姉「う、うわ…。いいです、自分で運べます」

男「いやいや、後ろから見てて、危ないなー倒れそうだなーって思ってたからさ」ヨイショ

姉「…ごめんなさい、じゃあ。お言葉に甘えます」

男「うんwあの先生、切羽詰まったからって、生徒に押し付けないで欲しいよな」ハハ

姉「いえいえ、委員の仕事ですし」

男「うわ、真面目だねー」

姉(うっ…出た、その言葉…)

男「…頼りにされてんだね、すっげぇ」

姉「!え、ええ?そ、そう、ですかね」

姉(ば、馬鹿にされて…ないの?違う?え?ほめられた?)カァ

男「あ、ってかコレ、何処に運ぶの?」

姉「え!あ、図書室…」

男「ああ、そっかそっか」

姉(…良い人だなー。まぶし)

……


男「っふー、終わった終わった」ゴキゴキ

姉「ごめんなさい、ありがとう…」

男「…ははっ、姉さん、何回ごめんなさい言うんだよwいいのに」

姉(うわ、逆に恐縮)

男「…ところでさー、日曜…」

姉「」

男「彼氏、さん?結構格好よかったね!姉さんも、なんか雰囲気違っててさ」

姉「ち、違う!!!!」

男「うお、ビビった!」ビクッ

姉「あっ、ごめんなさいっ…。あれ、その、違うんです…」カァアア

姉「あの、彼氏っ…じゃなくって、お、弟…」

男「へ?弟?」

姉「なんか、イタズラ好きで…。う、嘘つかれちゃったんです」

男「…っ」

男「なんだぁーーーー!そっかぁ!」ニコニコ

男「確かに!顔が何処となく似てたかも!うん!」

姉(な、なんでいきなり元気になってんだ。そんなに彼氏がいるのが納得いかなかったか)

男「あーそっかー、弟君ねー!」ウンウン

姉「は、はぁ」

男「え!弟!?」

姉「えっと、はい…。何か、イタズラ好きで、嘘つかれて…だから、彼氏じゃない、です」

男「…っ」

男「なっ…んだぁーー!!そっかー!!」ニコニコ

男「確かに!何処となく雰囲気似てるなぁって思ったんだよー!」

姉(え、何いきなりテンション上がってんだこの人。そんなに私に彼氏が居るの納得できなかったのか)

男「あー、そっかそっかーなるほどねぇー!」ウンウン

姉「はぁ…」

<オーイ、オトコー

男「あ、友達だ。えっと、じゃあ、姉さん!またね!」タッ

姉「あ、はい。ありがとうございました」ペコ

男「うん、じゃ!」

姉「…」

姉「…ふー」

姉(やっぱリア充との会話は疲れるな。ボロ出ないかひやひやする)ハァ

姉(あーあ。昼休み、もう終わりじゃん…)

男「…」ニヤニヤ

男友「おい、何ニヤニヤしてんだよ、キメェなw」

男「んー?いやー、朗報があってさぁ」

男友「は?ろーほー?」

男「ははっ、内緒」

男友「いや、きめぇw…あ、ってかさ、お前がさっき喋ってたの、誰?」

男「ああ、2組の子だよ」

男友「あ、あーーーーーーーー!なるほど、なるほどなぁwww」ニヤア

男「何だよ?」

男友「お前、あんなのタイプだったんかwww意外だなww」ツンツン

男「!」

男友「なんか、おしとやかーで、清楚ーってかんじだな!もっと派手な女子がタイプかと思ったw」

男「い、いや」

男友「いやあああああ青春だなぁああああ!!死ね!」バキッ

男「いてっ!いや、何でだよ!」

男友「どうせ朗報ってのもあの子絡みなんだろーが!死ね死ね死ね!!」

<キーンコーンカーンコーン

姉(んんん…終わったぁああ)ノビー

姉(よしっ、シュークリーム、プリン!)

姉「あ、弟ー」

弟「ん、ねーちゃん。お疲れ」

姉「おう、お疲れちゃーん。約束忘れてないよね?」

弟「当たり前だろ。早く行こうぜ」

姉「よっしゃ!糖分!糖分!」

弟「最近できたケーキ屋あったよな?そこでいい?」

姉「ん?いや、えっと…コンビニでいいや」

弟「…!」ポロ

姉「いやいや、なんで鞄落とすんだよ」

弟「あの欲深いねーちゃんが…嘘だろ…」ワナワナ

姉「わなわなすんな!!いや、コンビニスイーツも結構美味しいからね?」

弟「いや、遠慮すんなって」

姉「まーじーでー。今日はジャンクな気分なんだってー。ほら、行こう」

<イラッシャイマセー

姉「はい、これとこれ」ポン

弟「ちっちゃ。もっと大きいの買ったら?」

姉「てめぇ、私をこれ以上肥えさせてどうするつもりだ?」

弟「まじで遠慮しなくてい」

<イラッシャイマセー

「あー腹減ったー。なぁ、男ー肉まん買おうぜ肉まん」

「いや、俺あんまん派」

姉「」

弟「あ、昨日会った人だ」

姉「は、早く会計済ませて出よう。はやく」ササッ

男友「ん?あ、おい!」

男「…あっ」

姉「」

男友「うわw」ニヤニヤ

男「こんにちは…姉さん」

姉「こ、こんにちは…」

男「あ!弟君だ!」

弟「!…」チラ

姉「…」

弟「ハハ、バレましたかー。すいませんでした」ペコ

男「いやいやw結構だまされちゃった」

男友「え?なに、何の話?」

男「うっせーな、いいんだよ。ほら、さっさと済ませよう」

男友「へいへいwww」チラ

姉「…」ビク

男友「…」ニヤニヤ

男「ほら、行こう。じゃあ、姉さん。また明日」グイ

姉「…」ペコ

<アリガトウゴザイマシター

弟「…何、あいつら。感じわる」

姉「…」

弟「特に、連れのほう。なんかずっとニヤニヤしててさぁ」

姉「…」

弟「ねー、ちゃん?」

姉「…ぐすっ」

弟「え、ええええええええええええ!!!!?」

姉「…ひっ、ひぐっ、お、おとおとぉ…」ポロポロ

弟「え!ちょ、何で!何で泣いてんの!?え!?」

姉「…ひっ、ひぐっ、ひぐっ」ポロポロ

弟「と、とりあえずちょっと座ろう?な?ほら、あそこの公園行こう」グイ

姉「…」コクン

弟「ほら、座って…どうしたの?」

姉「ぐっ、あっ、あのっ、あのねっ」

弟「しゃっくりで何言ってるか分かんない…。ちょっと、待つから。落ち着けって」

姉「う、っん…ぐしっ、うう…」ヒックヒック

弟「…隣座る」ストン

姉「…っ、…っ…」ヒック

弟「…」

姉「…んっ…」ヒック

弟「ほら、涙、拭けよ」ポン

姉「あっ、りがっ、とっ…」ゴシゴシ

姉「ぶんっ」チーン

弟「まじか」

姉「ふっ…はぁ」

弟「…落ち着いた?」

姉「うん…はぁ」

弟「そっか、…どうしたの?」

姉「うん…いや、ちょっと」

弟「怖かったの?」

姉「うん…」

姉「

姉「うん…はぁ」

弟「そっか、…どうしたの?」

姉「うん…いや、ちょっと」

弟「怖かったの?」

姉「うん…」

姉「な、なんか…。馬鹿にされてる気がして…っ」

弟「うん…」

姉「だっ、大体っ。男さんは良い人なんだろうけど、話しかけられると緊張しちゃうし」

姉「こ、こんな地味な…女と知り合いって、その、連れの人に思われたら…可愛そう、だし」ジワ

弟「ほらほら、また涙」

姉「!ん…」ゴシ

弟「…ねーちゃん、考えすぎだよ?」

姉「そうなんだろうけど…っ、弟には分かんないでしょ?結構、派手だし」

弟「そうでもねーよ。どっちかっつーと地味な部類だし」

姉「う、うそつけっ…」

弟「まじだって」

姉「そう?…そっか」

弟「まぁなんとなく、分かるよ。その気持ち。俺も結構、誰から何言われるか、気にしちゃうし」

姉「うん…」

弟「元気だせって!ほらっ!」バン

姉「!いった!」

弟「気にすんな、気にすんな!ねーちゃん、学校でも委員とか勉強とか頑張ってるんだろ?あんなのに馬鹿にされる筋合いねーよ!」

姉「う、うう」

支援

弟「馬鹿って言う方がばかなんだよ!ばぁあああああああああか」

姉「ちょ…言いすぎっw」クス

弟「100万回言っても足りねーよ!うちのねーちゃんはスゲーんだぞ!こらああああああ!!」

姉「あ、あほ!うるさいっ」

弟「ほら、ねーちゃんも叫べば?」

姉「お断りw」クスクス

弟「ははっ…。笑った笑った」

姉「…ん」ニコ

弟「やっぱさ、鼻水と涙でベショベショの顔より、ソッチの方が似合う」

姉「うっせ、ばーか」

弟「…スッキリしたか?」

姉「うん。…ありがと。なんか、お腹空いた」

弟「お菓子食べるか?」

姉「食べる!ちょうだい!シュークリームから!」

弟「はいはいお嬢様」ガサガサ

姉「…」アーン

弟「美味しい?」

姉「めっちゃ美味しい。口の中が生クリーム天国」モグモグ

姉「ん」スッ

弟「え…くれんの?」

姉「慰めてくれたお礼」

弟「…」アーン

弟「ん、うまい」ニコ

姉「あむ。よっし、お腹いっぱーい!」スクッ

弟「一口かよ!化け物!」

姉「黙れハゲ!」ゲシッ

弟「いってええええ!!?」

姉「wwwwww」ゲラゲラ

弟「くそっ、このっ」

姉「悔しかったらここまーでおいでwwww」タタタ

弟「さっきまで号泣してたくせにー!待てオラァ!!」ダダダ

……


姉「ゼッ、ハァ、はぁっ…」ヨタヨタ

弟「ねーちゃん、体力なっwwww」

姉「逆に何でそんな走れたんだよ、すげー」ハァハァ

弟「何気に鍛えてますから。俺」フフン

姉「あーーー疲れた」ゴロン

弟「おい、制服着替えてからにしろよ?」

姉「うるへー」ムク

……


コンコン

姉「はいはい」

弟「こんばんみ」

姉「いらっしゃい、ハゲ」

姉「さっさと寝よう、もう今日は色々疲れた」モゾモゾ

弟「激しく同意」モゾモゾ

弟「ねーちゃん、今日すごかったな。久々に泣いてる所見た」

姉「そうだっけ?」

弟「最後に見たのは…小5くらいだっけ。覚えてる?」

姉「えーどうだっけな?」

弟「ねーちゃんさ、母さんが授業参観に来てくれないからって、泣いてさぁw」

姉「あーーーーー!そんなことあったねぇ」

弟「でさ、家帰ってきてからスネて、いきなり荷物まとめだしてさw」

姉「うっわ、…なつい」

弟「俺がどうしたの?って聞くと、家出する!って言って」

姉「…」

弟「で、近所の空き地行ってビービー泣いてんのw」

姉「はは」

弟「俺もねーちゃんがいなくなる!って思って必死で探したら、空き地で泣いてるの見つけて」

姉「あーそれで、帰ろうって言ってくれたんだっけ」

弟「そ。でもねーちゃん、嫌だ!ってすげー泣くの」

弟「俺どうしていいか分からなくなって、とっさに、持ってた飴あげたんだよな」

姉「そうそう、でも私、いらないって投げ捨てたんだっけ」

弟「だよ!めっちゃショックだったわ」

姉「そしたら弟も顔真っ赤にして泣き出してwww」

弟「え!だったけ?」

姉「だったよwねーぢゃーん、あめ食って帰ろぉって!泣きながら言うの」

弟「む…だったかなぁ」

姉「それで結局、私が折れて、二人で飴食べながら帰ったんだっけ」

弟「そうそう」

弟「今も昔も変わらないな」

姉「え?どこが?」

弟「…ねーちゃんが、食べ物で機嫌よくなるところ」

姉「てめえ!」

弟「だってそうじゃんwww」

姉「…違うし。弟が一生懸命説得するのを見て、折れたんだから」

弟「え、そうなの?」

姉「そう!だから…。今日も、ありがと。助かった」

弟「!…どういたしまして」

姉「全く、よくできた弟だわw」

弟「ねーちゃんも、頑張ってる。俺、すげーと思う」

姉「いや、私なんて全然…」

弟「…」

弟「頑張ってるよ」ポフ

姉「…!」

弟「ねーちゃんは、すごい」ナデナデ

姉「…」カァ

弟「…怒んないの?」

姉「は、はぁ?な、なにがっ」

弟「いや、俺の方から触ってるけども」

姉「…べ、別に」

弟「ふふ、そう。じゃ、もっとする」ナデナデ

姉「な、変なやつ…。なんなんだよ」

弟「ねーちゃんの髪の毛、ふわふわだなwあと頭ちっちゃw」ナデナデ

姉「…知らね。もう寝る!」

弟「ん、おやすみー」ナデナデ

姉(なんだこれ、結構、ねむい…)

弟「…」ポンポン

姉(…きもちい)

姉「…ん」

姉「…」スゥ、スゥ

弟「…おやすみ」ニコ

……


教師「姉さん、ちょっといいかな?」

姉「あ、はい」

教師「今日、放課後に委員会あるんだけど…」

姉「あ、そうなんですか…。分かりました。会議室ですよね?」

教師「そうそう。じゃ、よろしくね」

姉「はい」

姉(弟…今日は一緒に帰るのは無理かな。時間内に来なかったら、勝手に帰るか)

=会議室=

委員長「えー、では、先日の課題の反省点を…」

姉(早く終わらないかな)チラチラ

ツンツン

姉「…?」

男「やっほー、姉さん」ヒソヒソ

姉「あ、こんにちは…」ヒソヒソ

男「なんか、昨日はごめん。俺たち、感じ悪かったよね?」

姉「え!いや、全然そんな…」

男「いや、完全に俺たちが悪かった。ごめん」

姉「…気にしてませんよ」

男「本当?」

姉「はい、全然。大丈夫です」

男「そっか、良かっ」

委員長「それでは、1組と2組の委員は、この後残りの作業を担当してください」

男「おう…あらら、仕事まだあったか」

姉「あら…」

男「さっさと終わらせちゃおうか?」

姉「そうですね」

……


男「資料のホッチキス留めかー…地味だね」カチカチ

姉「ですねぇ…」カチカチ

男「…」チラ

姉「…」カチカチ

男「…」クスッ

姉「…何、か…?」

男「いや、こんな作業でも真剣だなあって」

姉「う…」カァ

男「あ、違う!そうじゃなくって、すごいってことだよ!」

姉「あ、与えられた仕事は、真剣にしないと。お、おかしいですか?」

男「ううん!おかしくないよ!ごめん、からかった訳じゃない」

姉「…あ、ごめんなさい…勘違いしてました」カァ

男「いや、こちらこそ。無神経でごめん」

姉「いえ…」

カチカチ

姉(き、気まず…!!!あああ私の馬鹿!!)

姉(な、なんでこんなピリピリした雰囲気作っちゃうの!アホ!!!)

男「…」

男「…!」

男「…」カチカチカチ

姉(こんなんだからろくに人付き合いも上手くいかないんだよ!!ばかばかばかばかばk)

男「ねぇねぇ、姉さん」

姉「え!?は、はい?」

男「見て。ホッチキス君」

姉(…紙の上に、ホッチキスの芯でできた、意味不明なクリーチャー…?)

男「…」ワクワク

姉(へ、へたくそすぎる。シュールすぎる)

姉「」ブホッ

男「あっ、な、なんで笑うの!?」

姉「い、いやだってこれ…あはは、何これ!?」クスクス

男「え、一応、ネコ…」

姉「み、見えないですよ!!あははは!!」

男「う、そうかな?自信作だったんだけど」

姉「て、ってゆうかホッチキスの芯、もったいない!あははは!!」ヒーヒー

男「…」ジー

男「すげぇ、めっちゃツボってるw」

姉「!あ、ご、ごめ…」カァ

男「姉さんって、そんな感じで笑うんだねw」

姉「だ、だってこれ…ネコwwあはは」プルプル

男「そんなに気に入ったのー?じゃあ、あげるよ!ヨロシクネ!!」グイグイ

姉「やだww近づけないでくださいwwい、いらないっww」クスクス

男「ソンナコトイワナイデ! モラッテモラッテ!」グイグイ

姉「もうやめてwお、お腹痛いですww」クスクス

男「えー、残念」

姉「もう…」フフ

男「…なんか、姉さんと仲良くなれた気分w」

姉「…なっ」

男「うん、だって結構話してるのに、なんかずうっと壁感じてたし」

姉「…」

男「俺、仲良くなれたかな?」ニコ

姉「…ふふっw」

姉「そうですね、ホッチキス君のお陰で!」

男「よっしゃーーー!よくやったホッチキス君w」

姉「あははww」

姉(…なにこれ、楽しいなぁ)

男「よーし、ホッチキス君パワーがみなぎってきた」カチカチカチカチ

姉「なんですかそれw」

男「うおおおおおおおw」カチカチカチカチカチ

……


男「終わった、腕いてえ…」

姉「お疲れ様でした」

男「ウン!アネサンモ!オツカレ!!」

姉「もうwだからやめてくださいw」クス

男「じゃ、帰りますか」

ガラ

教師「あ、おつかれさまー」

男「やっと終わりましたよー」

教師「いや、ごめんごめん。あのさー、ところで…」

教師「今度委員会主催の校内行事あるじゃない?それのね、買出しに行ってもらいたいんだけど…」

姉「え」

男「俺ら二人にっすか?」

教師「うん、一応1・2組担当だから…。来週までにそろえたいのよねー、材料」

姉「…」アングリ

男「分かりました」

教師「そう!じゃ、よろしくー」ガラ

姉「…」

男「仕事…増えちゃったねw」

男「えっと、買出しのリストは…あ、これか。うわ、専門店とか行かないとだめじゃん」

姉「あ、じゃあ、私、行きます…」

男「え?一人で?」

姉「だ、だって男さん忙しく…ないですか?」

男「全然。大変だからさ、二人で行こうよ」

姉「!」

男「土曜日、あいてる?」

姉「…」コクコク

男「じゃ、土曜に買出し行こう!いいよね?」

姉「え、は、はい」

男「分かった。じゃね、バイバイ」ガラ

姉「…」

姉「まじか」

男「…」

男友「おーう、委員会遅かったな」ポン

男「男友、俺、人生で一番がんばったかも」

男友「え?な、なにが?ってかお前、何で震えてんの!?」

男「…っはぁ…めっちゃ緊張した…」

男友「え、え、ええ…???」

男「俺、やばい。運強すぎかも」

男友「いやだから…え?」

姉(…どうしよう)

姉(いやいやいやいや無理無理無理)

姉(なんで一人で行くって押し通さなかったの!!あほ!!)

ドン

姉「!すみませ…」

弟「…おそい」

姉「!な、なんだお前かよ」

弟「もう一時間近く待ってんだけど」ムス

弟…
期待

姉「帰ってても良かったのに」

弟「良いよ、別に。本読んでたらすぐだったし。何でこんな遅いの?」

姉「いやあ、委員会長引いちゃってさ」

弟「ほお、ご苦労なこった」

姉「うん…」

姉(どうしよ…。買い物、…どうしよ)

<ハイッ、ココ、マダガスカル!!

母「ぶははwww何でこいつ消えないのwww」ゲラゲラ

姉「…」モクモク

弟「かーちゃん、満面の笑みで暴言吐くなよ」

姉「…」モクモク

弟「それに、この人面白いと思うよ?な、ねーちゃん?」

姉「…」

弟「ねーちゃん?」

弟「ねーちゃん!聞いてんの!?」

姉「え?」

母「どったの、ボーっとしちゃって」

姉「え?ううん、いや、なんでもないwああ、この人面白いよねー」

母「マジかお前等、若者のツボは分からんなー」

姉「うん…」

弟「…」ジー

姉「…」

コンコン

姉(どうしよう、明日…買い物…)

コンコンコン

姉(ど、どんな服着ていけばいいのかな)

ドンドンドン

姉(あーー、一人で行きたい!!)

「おい!!早くあけてよ!!」

姉「うぉおお!!」ビク

姉「ご、ごめん」ガチャ

弟「何回ノックしたと思ってんだ…。歌でも聴いてた?」

姉「あ、うん」

弟「ったく…だいたいこの時間に来るって分かるだろ」

姉「すまんすまんw」

姉「…」

弟「ん、なに?寝ないの?」

姉「い、いや、明日の準備しようと思って」

弟「明日…?土曜日だろ?学校あんの?」

姉「えーっと、いや。友達と、あの、遊びに」

弟「へぇー、珍しいな」

姉「うん…」ゴソゴソ

弟「服、何着ていくか迷ってんの?」

姉「うん…」

弟「この間のワンピースにしたら?」

姉には男と上手くいって欲しい
弟はなんかキモい

姉(流石に生足は駄目か…。レギンス履こう)

姉「じゃあ、これにする」

姉「よっし、じゃあ寝よう」モゾモゾ

弟「ん」モゾモゾ

姉「はぁ…いちいち服決めたり、面倒くさいよね」

弟「普通、女ってそれを楽しむもんじゃないのかw」

姉「ふんw」

姉「さ、ねよ」モゾモゾ

弟「うん」モゾモゾ

姉「なんかナチュラルになってない?」

弟「別にいいじゃん」

姉「まぁ、いいけどさ…」

弟「ねぇねーちゃん」

姉「あのさ、今日は…ちょっと疲れてて。もう寝て良いかな?」

弟「ええ、冷てぇ」

姉「ごめ、ん…明日は、ちゃんとする」フアア

弟「そっか、明日、遊びに行くんだもんな」

姉「そうそう」

弟「んじゃあ、いいよ。おやすみ」

姉「ん、おやすみ…」

……


=ショッピングモール=

姉「…(変じゃないかな、格好)」

男「あ、姉さーん!」ブンブン

姉「あ、男さん!こんにちは」

男「ごめん、遅くなって!さっさと済ませようか」

姉「そうですねー」

男「まずは、一階から行こうか」

姉「はい」

……

姉「厚紙、ポスカ…はい、やっと全部です」

男「なっ、長かったぁ」フー

姉「お疲れ様でした」

男「いえいえ、姉さんもw」

姉「じゃ、私はこっちの袋持って帰りますね」

男「ん…あのさ、姉さん」

姉「はい?」

男「あの…。この後予定ある、かな?…丁度昼だし、何か食べていかない?」

姉(えー…二人でか…。まぁ、リア充にとっては普通のことなんだろうな)

姉「…いいですよ」

男「マジ!?じゃあ、行こう!」ニコ

……


DQN「あー…っべーわ、まじ、あの映画泣けるわ…」

弟友「そうだったかー?なんか内容浅くねえ?」

DQN「はっ!?何処が!?特にラストやばかったろ!!」

弟友「いやーハズレだったわー」

DQN「ちっ…あ、そだ、腹へらねえ?」

弟友「あーそうだなー。何か食って帰るか?」

DQN「マ●ク行こうぜww今ハッピーセットでオマケ手に入るしww」

弟友「あほかw…ん?」

DQN「どった?」

弟友「あ、れ…?なあ、あれ」

DQN「なんだよ?」

弟友「弟の…姉ちゃんじゃないか?」

DQN「あ、まじだー。それがどうかした?」

弟友「いやいやいや!む、向かいに座ってるの…」

DQN「うっわまじだ、男子じゃん!うわーやるー」

弟友(うっそだろ!!!どどどど、どうしよう!!)

DQN「めっちゃ良い雰囲気じゃんw彼氏かなw」

弟友「やべえ…」

DQN「え、な、何が?」

……


弟「…」ピコピコ

弟「…あー」ボフッ

弟(…ねーちゃんいないと、暇だな。何時帰ってくんのかな…)

プルルルルル!!

弟「うおっ」ビクッ

弟「電話か…あれ、この番号、弟友…?」

弟「…」ピッ

弟「はーい、弟です」

「お、おい!弟!あのな、あのな!お前っ、お前!!」

弟「え、何。どうしたん?」

「お、お前の姉ちゃん、今家に居る!?」

弟「いや、いないけど?」

「…じゃ、じゃあアレやっぱり…!」

弟「はあ?何なんだよ、何かあった?」

「お、落ち着いて聞けよ!」

弟「俺は十分落ち着いてるっつの」

「お、お前の姉ちゃん、男子と…デートしてるぞ!!!」

弟「」

「お、おい!落ち着けよ!?」

弟「…」スゥ

弟「…相手の男子って、背が高くて、髪の短い男?高校生くらいだろ?」

「え、あ、ああ。何か、めっちゃ良い雰囲気だったんだけど…!」

弟(…男だ)

弟「…ふーん、そう」

「ふーんってお前…いいのかよ!」

弟「…」

弟「別にねーちゃんも高校生だし、そんなこと位あるだろ」

「は?お、おまえ」

弟「そんだけ?今ちょっと忙しいから切るな、ばいばい」

「えっ、ちょ待っ」

弟「…」ガチャ

弟「…はー…」ボフン

弟(…いや、薄々気づいてた)

弟(…まだ、デートって決まったわけじゃない…)

弟(…まだ、ねーちゃんが…)

弟(…)

弟(…男、か)

弟(…はぁ)ゴロン

姉「ふー、美味しかった」

男「そう?よかったー」

姉「結構良いお店知ってるんですね、大人」

男「そ、そうかなwあはは」

姉「いや、私、こんな所全然来ないんで…」

男「そうなんだ?」

姉「全く。全然外出ないんでw」

男「へえ、そう…じゃあ、さ」

男「今度さ、また何処か、行かない…?」

姉「えっ、な、なんで?」

男「何でって…。えーっと、友達誘ってでもいいしさ。どっか…」

姉「えっえっ」

男「…っ。や、やっぱいい。今のなし!」

姉「あ、あははwびっくりした」

男「ご、ごめんw変なこと言っちゃって!気にしないで」

男「じゃあ、今日はありがと!ばいばい」

姉「はい、ありがとうございました」

男「あっ、ちょっと暗いし、気をつけて帰ってね!」

姉「はい勿論」

男「えっと…あ、そうだ」

男「…姉さん、メルアド教えてくれない?」

姉「え?」

男「いや、委員会とかの連絡とかあるかもしれないし…。い、嫌なら全然」

姉(あ、そういうことね。結構熱心だなあ)

姉「いいですよー。えっと、じゃあ紙に書きます」

男「えっ、いいの!!?」

姉「あ、はい…」

姉「いいですよ?どうぞ」ピラ

男「や、やった…じゃない、ありがとw」

姉「はい、じゃあ、また学校で」

男「う、うん!ばいばい!」ブンブン

姉「…ただいまー」

シーン

姉「あれ?弟…?」

姉「…何処行ったのかな?」

姉(ま、いいや…。あー、つっかれた。着替えよ)

……


姉「…」トントン

姉(…ご飯もうできそうなのに。遅いなあ…)

ガチャ

「…ただいま」

姉「あ、弟!おっせぇよ何やってんだ!」

弟「いや、ちょっと」スタスタ

姉「もう、七時じゃんか!不良少年が!」

弟「はいはいめんごめんご」

弟「…」

弟「ねーちゃん、遊び、楽しかった?」

姉「え?う、うん。楽しかったー」

弟「そっか。…よかったな」

姉「う、うん」

姉(後ろめたいことはないぞ…。男君は、友達という認識でいいはずだ)

弟「お腹すいたー。飯まだ?」

姉「ああ、今できたとこ。食べよっか」

弟「ん」

……


カリカリ

姉「…ふー」ノビ

姉「…十一時か」

姉(そろそろ来るはずだよなぁ…。まだか)

シーン

姉「…?」ガタ

姉(なんだなんだ?)ガチャ

コンコン

姉「弟ー?どうした、寝てんのかー?」

「…いや、起きてるー」

姉「えっと、もう十一時なんだけど?」

「…今日は、いい」

姉「えっ…」

「此処で寝るから。ねーちゃんは好きなタイミングで寝たら?」

姉「そ…っか。おやすみ…」

姉「…」バタン

姉「…」モゾモゾ

姉(静かだ)

姉(やっぱり、広い…)

姉(…なんで)

姉(何でさっき、残念だなって思ったんだろ)

姉「…」

姉(変、なの)ゴロン

……


「おい、それマジで言ってるのかよ?」

当たり前じゃん…。

「で、でもお前…それでいいの?」

うん。やっぱさ、これが普通なんだよな

「普通って…」

いや、俺がどうかしてたんだと思う。勘違いしてたのかも

いつも一緒にいるから、話が合うから…。だから、そんな気持ちになってたのかも

「…」

だから…やめる

「本当に?本当にいいのか?お前は辛くないのか?」

…いや、意外と辛くない。むしろ、スッキリしたかも

「…本当か?」

うん、まじ。なんか、ありがとな!いつもこんな重い相談乗ってくれて

「あ、ああ…気にすんな」

でもさ、相手もめっちゃ良い人そうだし、上手くいってほしいな

「そうなのか?」

ああ、成績もいいし、割と真面目だし、優しいらしいし?…男らしいし、似合ってる

「…」

素直に、応援したいって思うんだ。

「…そう」

うん。

……だって、俺、ねーちゃんが

弟…



諦めるなよ

弟自立するんだ
姉の幸せを祈れ

姉(宿題よし、忘れ物なし)

姉(よっしゃあ、今日も一日がんばりますか)

姉「…」チラ

弟「…」モグモグ

姉(結局こいつ、日曜日も来なかったな…。なんか逆に落ち着かなかった)

姉「おい、早く食えー。ちんたらすんなー!遅れるよ?」

弟「…ねーちゃん、あのさー」

姉「なに?」

弟「今日から、別々に学校行かない?あと帰りも」

姉「え…」

弟「友達と行こうと思ってさ」

姉「な、なんで?いきなり」

弟「いや、何か…」

姉「…別にいい、けど」

弟「ん」

姉(…何だあいつ)

姉(…ええー、今日から一人か…。つまんないの)

姉(…土曜日からなんか、おかしいよな…)

姉(…何か怒られるようなことしたかな…)モンモン

「…あのー」

姉「…?」

男「うわっ、やっぱり姉さんだったwよかったー」タタタ

姉「!お、おはようございます」

男「ここらへん通るんだ?気づかなかった」

姉「いや、今日は…早くでたんで」

男「まじ?あー、姉さんって家どこなの?」

姉「あ、あっちの地区です」

男「あ、近い。奇遇だねー」

姉「そうですね…気づかなかったです」

男「…えっとー、一緒に学校まで行って良いかな?」

姉「あ、はい」

男「あ、そういえば弟君は?」

姉「あ…なんか、友達と行きたいから時間ずらすって」

男「あらら、いきなりだね」

姉「そうなんですよね…。まぁ私と行くより、友達と行ったほうが自然ですしね」

男「そんなw仲良いし、羨ましいな」

姉「あ、男さんって…」

男「うん、俺もー。弟いるけど、あんま仲良くないw姉さんほど」

姉「そうなんですか…」

姉(…何か違和感あるなー)

男「あ、そういえばさ、今日の委員会…」

姉(…弟と通学するのって、結構楽しかったな)

姉(じゃんけん負けたほうが荷物もちとか、けんけんしながら行ったりとか)

姉(あ、ここの犬…。いっつもあいつと声かけてから行くんだっけ)

姉(…)

男「あの、姉さーん?」

姉「!!あっ、ごめんなさい、ボーっとしてました!」

男「どうしたの?具合とか、悪いの…?」

姉「いえ違うんです、ちょっと…あはは、ごめんなさい」

男「いやいや、そういうことあるよねw」

姉「…」

男「…?」

姉「あ、もうすぐ高校つきますね」

男「本当だ。なんかいつもより早い気がするw」

姉(…そうかな?…いつもより長かった気がする)

……


DQN「でさー、そしたら3組のやつがさあwwww」

弟「なんだそれwwwうけるw」

弟友「…」

弟「なあ、弟友!今の聞いたかww爆笑w」バンバン

弟友「あ、ああうん」

DQN「なんか今日弟テンション高いなww絡みやすいw」

弟友いい奴だな

弟「いつもだろwwふざけんなよ!」ゲラゲラ

弟友「…はは」

弟「あーあのさ、DQN、弟友、今日帰りどっか寄って行かないか?」

弟友「え?だってお前、帰りは」

弟「いいじゃんw行こうぜー」

DQN「なんか弟友のノリが今日は悪いなw行こうぜー!!」

弟友(…弟)

……


姉(…あ!)

姉(い、今何分だ!?やばい、また弟待たせ…)

姉「…あ、そっか」

姉(今日は一人だったっけ)

姉(…じゃあ、図書館でも寄って帰ろうかな…)

姉「…はぁ」スタスタ

ガラガラ

姉「失礼します」

司書「はーい。あ、姉さんだ。いつもどうも」

姉「…」ペコ

姉(今日は何読もうかな…あ、このシリーズ、弟も好きなやつだ)スッ

姉「…」ペラペラ

姉(…内容があんまりはいってこない)

姉(はぁ…、何か…気分のらないな)

姉「失礼しました」ガラ

司書「あら?もう帰るの?借りていかない?」

姉「今日は、いい、です…。さようなら」

司書「そう。さようなら、気をつけて帰ってね」

姉「はい…」

姉(…帰ったら溜まってた課題やって…)

姉(そんで、11時には寝て…)

姉(…)

姉「…」

姉(…校門で待ってたりしてwやっぱねーちゃんと帰る、って)タタ

姉(あ、あれ?誰か人いる…まさか)タタタ

姉「おと…」

男「あ、姉さん!」ニコ

姉「…!」

男「やっと来たwちょっと話したい事あって、待ってたんだ」

姉「あ、そ、そうなんですか?」

姉(…なんだ、やっぱ帰っちゃったのか。薄情…)キョロキョロ

男「帰る、んだよね?歩きながら話して良い?」ニコニコ

姉「はい、いいですけど。委員会のことですか?」

男「え?んー、全然違うwかな」

姉「…?」

男「あのさ、姉さんって本に詳しいんだよね?」

姉「詳しいっていうか…うーん、まぁ少しは?」

男「あのさ、●●図書館って知ってる?」

姉「ああ、あそこですか!知ってますけど」

男「まじで?よかったー。あのさ、課題に必要な資料を学校の図書室で探したんだけど、なくってさ」

男「そこに探しに行こうと思ってたんだけど…」

姉「はい」

男「…お恥ずかしながら、どうやって行けばいいのかとか、利用のしかたとか知らなくてw」アハハ

姉「あー、確かに。登録とか必要ですしね」

男「うん、それでさ…」

姉「えっと、メールで教えましょうか?」

男「え?メ、メール?いやいや、えっと…」ブンブン

姉「…?」

男「えーっと、…土曜日、ひま?」

姉「は、はい。まあ一応」

男「姉さんも課題あるよね?…一緒に行かない…?」

姉「…!え、えーっと」

男「あっ、嫌なら全然!ごめん、資料集めとか、もう終わらせてるよね?あははw」

姉「い、意外と、まだ…ですけど」

男「本当?!ほら、あの先生課題提出厳しいしさ、やっぱ…」

男「あーーー、えっと!」

姉「…」

男「だから…。一緒に行きませんか…?」

姉「…」

姉「…いいですよ」コクン

男「や、やった!ありがとう!!」ピョン

男「ありがと!まじありがと!助かる!!」

姉「ちょ…wそんな喜ばなくても…」

男「あ、そう、だなwあははは」

姉「…じゃあ。私、こっちなんで…」

男「う、うん!ばいばい!また明日!」ブンブン

姉「…」ペコッ

姉「…」タタタ

姉(これはアレだこれはアレだこれはアレだ)タタタ

姉(何かおかしいと思ってたけど、あの積極性はまさかアレなのか)タタタ

姉(いやいやいやいやいや!なんで!なんで私!?)

姉(待て、落ち着け…。相手はリア充だぞ、こんなこと日常茶飯事なんじゃないか?)

姉(あはははは、だよね、自惚れんなブース!あはははは)

姉(…)

姉(違うよね、違うよね)

姉(まさかね…)

姉「うわっ」コケッ

ガチャ

姉「た、ただいまー」

弟「ん、おかえりー」

姉「はぁ、つっかれた…」

弟「…」

姉「ねぇ、弟ー。何か今日、変な感じだったよ」

弟「なにが?」

姉「いや、行き帰りが…違和感すごくって」

弟「ねーちゃんも誰かと帰ればいいじゃん」カチカチ

姉「い、いや…」

弟「あー、その、男とか言う人ここらへんだってさ。誘えば?」カチカチ

姉「!い、いやだって」

弟「ねーちゃんも高校生なんだし、そんくらいすりゃいいじゃん」ハァ

姉「う、うるさい。ってか、ゲームいじってないで普通に話そうよ」

弟「…はぁ」ムク

姉「?どこ行くの」

弟「ん、自分の部屋だけど」

姉「え、なんで」

弟「は?別に良いだろ」

姉「…う、うん」

弟「…」スタスタ

姉(…つ、冷たい…)

姉(で、でも機嫌悪そうなわけじゃないし…。つ、疲れてんのかな)

姉(…なにかあったの、かな)

……


姉「弟ーご飯できたよー」

「んー」

姉「今日はハヤシライスでっせー」

弟「ふーん、うまそ」

姉(淡白…。なんか、つまんないな)

姉「あ、弟ーあのさー」

~♪ ~♪

姉「ん?」

弟「ねーちゃん、携帯鳴ってる」

姉「あ、う、うん」

姉「…メールか、なんだ…。そ、それでさ」

弟「誰から?」

姉「え、…」チラ

姉(お、男さん!!!!?)

姉「と、友達だけど。あの、だから、弟!あのさ」

弟「…いただきますー」ガタン

姉「…」

……


姉(結局何も話せなかった)

姉(前はめちゃくちゃ話してたのに…。何か言っても、相槌か事務的な返事しかしない)

姉(…なんなのかなー)

姉(…あ、そういえば、メール…)

姉「…」

「図書館の件、ありがとう!ところでホッチキス君二号が爆誕したよw」

姉「…にっ、二号?」

姉「…ぷっ。また何か変なのつくってるし…。暇人かっw」クス

姉「…えっと、返信…」

「図書館の件は気にしないでください!ところで、なんですかこれ!w」

姉「送信」ピ

姉「…」

~♪ ~♪

姉「早いなおい」ピ

「ええ、結構自信作だったんだけどw一応、犬だよwチワワだよ」

姉「チワワ?…み、みえねえ…!」

「チワワってそんな人相悪かったですっけ?w」

~♪ ~♪

姉「…ふふ」

弟「ねーちゃん、ちょっとどいて」

姉「!!!!おおお!?」ビク

弟「いや、ごめん…トイレ」

姉「あ、ああ、ごめんごめんw」サッ

弟「…楽しそうだね」

姉「え?そ、そうかな」

弟「うん。ニヤけてる」

姉「そ、そう…?」バッ

弟「…」スタスタ

姉(嘘だろぉおおおお!ひ、表情に出てたのか!はずかしい!!)

姉(あーーーー、なんだあああもう)

姉(もういいや、お風呂…)ヨロヨロ

姉(何か最近、インパクト強いことが多い気がする)

弟「…」ガチャ

パシャパシャ

弟(…風呂か)

弟「…ふー」ドサ

弟(つっかれる…)

コツン

弟「?」

弟(あ、ねーちゃんの…携帯)

弟「…」

~♪ ~♪

弟「…くそ」

弟(…見るな、見ちゃだめだ)

弟(…俺、何考えてんだ…。馬鹿だ…)

弟(…落ち着かないと)

弟「…」ハァ

ガチャ

姉「ふー…」

弟「!」バッ

姉「あ、弟ー。あがったから」フキフキ

弟「う、うん」

姉「…」ヒョイ

姉(あ、またメール)

弟「…」

弟「じゃ、俺も風呂」ガタ

弟(…あ、れ?)グラ

姉「お、おい?どうした?」

弟「い、いや。なんでもない」

姉「ちょっと、顔赤くない?」

弟「!お、おい!いいよ。大丈夫だって」

姉「いや…おでこ、熱いよ?」ピタ

弟「…!!」

姉「…熱あんじゃない?ねぇ?」ピタ

弟「…触るなよ…」ヒョイ

姉「え?で、でも熱」

弟「いいって言ってんだろ?適当に寝てりゃ治るから」スタスタ

姉「そん…」

バタン

姉「…弟」

姉(大丈夫かな…)

……


男「姉さーん」

姉「あ、男さん」

男「えーっと、明日。土曜日だよね?覚えてるよね?」

姉「当たり前じゃないですかw」

男「良かったw姉さんって、結構忘れっぽいところあるし」

姉「えっ酷い!」

姉(大分この人にも慣れたな…。話面白いし)

姉(あ、そうだ…)

姉「あの、弟さんいましたよね?ちょっと相談があるんですけど…」

男「え、いいよ?」

姉「あのー、最近ですね、うちの弟がおかしいっていうか、ドライになってて…」

男「ほうほう」

姉「なんかこう、ゆっくり距離をおかれてるって感じで…」

男「あー、なるほど」

姉「結構寂しいんですよね…。何でなんでしょうか?」

男「弟君か…。俺のもそんなことあったな」

姉「えっ、本当ですか?」

男「うん…。いきなりスっとね」

男「多分、そういう時期なんだと思う…。姉離れみたいなものだよ」

姉「姉、離れ…」

男「寂しいけどねー。まあ、必要な事かもしんないし」

姉「そっかあ…」

男「あんまりこっちがベタベタするのも、イラつかせる原因になるから」

姉「はい…」

姉「なんか、寂しいですね…。置いていかれたみたい」

男「まぁ、邪険にされる訳じゃないから、嫌われてるってことはないんじゃない?」

姉「…そうですね!」

男「いやあ、意外だな。姉さんも、そんなこと考えたりするんだ」

姉「!し、しますよ。めちゃくちゃします」

男「何か、新鮮w印象変わったかも」

姉「え、どういう」

男「あー、違う違う!良いほうに!何か人間味増したっていうか」

姉「なんですかそれ!」

男「ごめんってwこう…姉さんって、完璧な感じだったからさw」

姉「いや、本当…全然」

男「うん。結構笑い上戸だし、言う事も面白かったり…」

姉「…」カァ

男「あ、ご、ごめん」カァ

……


弟「ごほっ、ごほっ…」

弟友「おーい、大丈夫かぁ、お前?」

弟「ん…大丈夫、じゃないかも」

弟友「風邪かー?休日で治せよ?」

弟「…ん」

弟友「…あのさ、お前さ」

弟友「どうよ、最近」

弟「あー?なにがー?」ゴホ

弟友「だから、さ。姉ちゃんのこと…」

弟「…」ピタ

ドン!

弟友「うお!!いってぇ!?何急に止まって…」

弟「…」

弟友「…お、おとうと?」

弟友「お、おい、何処見てんだよ」

弟「…」

「さっきから人をロボットみたいに言うのやめてもらえますかー」

「だーから、ごめんってw姉さん」

弟友「…!!!!あ…」

弟「…」

弟友「お、弟…」

弟「…」クル

弟友「お、おい何処行くんだよ?」

弟「本屋」

弟友「お、お前!やっぱ全然駄目じゃないのか?なあ、いいのかよ!?」

弟「…」

弟友「なあって!」

弟「…うるさい」

弟「…ほっといてくれないか」

弟友「!お、弟…」

弟「ごめん。俺、行く…。ごめん」

弟友「お、おい待ってって!」

弟「…」タッ

弟友「おい!!!」

弟友「…どうすりゃいいんだよ…何で…」

弟友「…どうすれば…」

姉「じゃあ、さようなら。また明日」

男「うん、…ばいばい」

姉(はあ、楽しかった)

姉(…でもやっぱり、弟とも喋らないとモヤモヤする)

姉(男さんにはベタベタしないほうが良いって言われたけど…)

姉(うーん、まあ、寂しいよなあ…)

ポツ

姉「あ、雨…」

姉「ふー、小雨でよかった。あんまり濡れずに済んだな」

ガチャ

姉「ただいまー」

姉(あれ、まだ帰ってきてないのか)

姉(つまらん…。お菓子でもあげてご機嫌伺いでもしようと思ったのに)

……


ザァァア…

姉「…遅いな」

姉(な、何か心配になってきた。具合も悪そうだったし)

姉(…迎えにでも行くか)ヨイショ

姉(傘、一応ふたつ持っていこうかな)

姉(よし)ガチャ

弟「…」

姉「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」

弟「…」フラ

姉「ビビったーーー!!じょ、冗談抜きにビビったあああ!!幽霊かと思ったああ!!」

弟「…」

姉「な、なんでこんな遅かったの?それに、あっ!ずぶ濡れじゃん!」

弟「ね…ちゃん」フラ

姉「あっ、危ない!」ガシッ

姉「うわあっつい!!!すごい熱じゃん!」

弟「…はぁ、はぁ」

姉「…!と、とりあえず運ぶよ?ほら、つかまって」

弟「…はぁ、はぁ」グタッ

姉「お、おい死ぬな!」ズルズル

姉「と、とりあえず制服脱いで。はい、これで拭いて!…えっと、服取って来るから」タタタ

弟「…はぁっ…」

姉「はい、着替えて…」

弟「…」モゾモゾ

姉(体温計、体温計)ゴソゴソ

姉「ほら、熱測って!」ポン

弟「…ん…」

ピピッ

姉「38度…。風邪引いてるじゃん、完璧」

弟「…」コク

姉「布団もってくるから、横になってて。ね?」

弟「…」グタ

姉(あー、大変なことになっちゃったなあ…。明日お母さんいないし…どうしよ)

姉「ほら、弟!お粥」

弟「…ん…」

姉「薬飲んだからちょっと具合よくなったかな?」ピト

弟「まだ、グラグラする…」

姉「食べさせてあげるから…。はい、あーん」

弟「…あ」アーン

姉「熱くない?大丈夫?」

弟「…うん、大丈夫…」

姉「ほら、スポーツドリンクも飲んで」

弟「ん…んく」ゴク

姉「…珍しいね、風邪なんて」

弟「ああ…」

姉「はい、あーん」

弟「…」アム

姉(明日は断るか…。すまん、男さん)

姉(あああ、なんか悪い事しちゃうな)ハァ

姉「食欲はまぁまぁあるね、完食だw」

弟「ありがと…」

姉「いーっていーって。気にすんなよ!それより、薬ちゃんと飲めよ」

弟「…ん」

姉(今のうちに、メール…)

「本当にごめんなさい、弟が熱を出してしまって看病しなきゃいけません。図書館、明日いけなくなりました。」

姉(ごめんよ、男さん…)ピ

姉(まあ、誰か誘って行ってくれれば…)

弟「ねーちゃん、コップ…」

姉「!寝てていいよ!私が運んだのに!」

弟「…」

姉「ほら、病人は寝てなきゃ。ほら!はよはよ!」グイグイ

弟「わかった…」

姉「今日は暖房あるし、リビングで寝てよ」

弟「うん」モゾ

姉「ゆっくり寝てよ」

……


姉(…十時か)

姉(どうしよ、こいつ置いて二階で寝るのもなんだしなー…)

姉「弟ー」

弟「ん…?」

姉「今日は私もリビングで寝るわ。なんか心配だし」

弟「え…」

姉「よいしょっと」ボフン

姉「隣に布団、敷くからね」

弟「い、いいよ。一人で大丈夫…」

弟「…ぐ。ごほっ、ごほっ!!」

姉「うわわ、大丈夫じゃないじゃん」サスサス

弟「…でも」

姉「いいから。何だよー。この間までは一緒に寝てた仲じゃんw今更w」

弟「…っ」

姉「よいしょ。電気、消すね」パチン

弟「…」

姉「おやすみ。何かあったら遠慮なく起こしてよ」

弟「う、ん…」

姉「…」ゴロン

弟「…」

弟(…ねーちゃん…)

……


「…禁断の愛だなあ」

そう?でも、好きなんだからしょうがなくない?

「でも、俺もお似合いだと思うw」

まじでっ。お前いい奴!

「えーでもさ、どんな所が好きなの?」

…えー

優しいところ。

料理が上手で、しっかりしてるところ。

話がすごく面白くて、ノリが良いところ。

他人には人見知りするのに、俺にはすごく仲良くするところ。

いじっぱりなところ。

結構涙もろくて、傷つきやすいところ。

いっつも俺のこと、ウザいくらいに心配してくれるところ。

それから、それから…

……



「男さんは…結構、良い人だと思うし…」

「弟君だったんだw騙されたな」

「えっと…友達と遊びに」

「お前の姉ちゃん、男子とデートしてるぞ!」

………

ねーちゃん、ねーちゃん

待って、置いてかないで!!

「…ねーちゃん…!!!」

姉「…!」ビク

弟「はぁ、はぁ…!」

姉「お、弟…?」

弟「…っ、はぁっ…!」

姉「ど、どうしたの?」

姉「おい、大丈夫!?」

弟「…っ…」ゼェゼェ

姉「すごい汗…!どうした、変な夢でも見た?」

弟「…ねー、ちゃん」

姉「待って、今タオル持って来」

弟「…嫌だ!!!!」

姉「…え」

弟「行かないでよ、ねーちゃん!」

姉「え、で、でも汗」

弟「ねーちゃん!お願い、ねーちゃんっ…」

姉「お、落ち着」

グイッ

姉「!!!!!」グラッ

弟「ねーちゃん、ねーちゃん…!!」ギュウウッ

姉「え、え、え!!?は、離しっ」

弟「…っ」ギュウ

姉「や、やだ!何してんの!?弟!弟!ねえ、どうしたのってば!」

弟「ねーちゃん…」

姉(ち、力強い…!)

弟「なあ、俺、頑張ってるよ!」

姉「は、はあ?」

弟「ねーちゃん、細くて中性的なのが好きって言ってただろ!?何で?何で男なの!?」

姉「な、何言って」

弟「ねーちゃんの好きなタイプになろうって、必死に努力してるし!」

弟「いつも傍にいるのだって俺だよ!誰よりもねーちゃんを知ってるんだよ!?」

弟「なのに、なんで!なんで男なんだよ!」

弟「ねーちゃんっ…」ギュウゥ

姉「ま、待って!は、話が見えないんだってば、ねぇっ…」

弟「…ねーちゃん。好き…」

姉「…は、い?」

弟「…好き、ねーちゃん。ずっと、我慢してた。でももう、無理。俺、ねーちゃんが好き」ギュウ

姉(え、ちょっと待って)

姉「…え、冗談、でしょ?」

弟「これが冗談に見えるの…?」

弟「…俺、好き…。大好き…どうしよう…」

姉(な、に言ってんだ)

姉(え?なに、なにこれ?意味わかんない。え?え?)

弟「…ねーちゃん…」グイッ

姉「え、やっ、やめっ」

弟「一緒にいつも帰ってるのも」

姉「ちょ…!」

弟「ウザいくらい話しかけるのも」

姉「弟!変だよ!ねえ!」

弟「…一緒に寝ようって言ったのも…」

姉「わ、分かった!ねえ、冗談ならもういい加減っ…」

弟「ねーちゃん、好きだよ…」チュ

姉「…!!!!」ビクッ

姉「なっ、なっ」

姉(え!?ほ、ほっぺた…!な、なに!?)

弟「…ねーちゃん、可愛い…」チュ

姉「…!!」

姉「や、やめて!!!!!!」

弟「…っ、はぁ」チュッ

姉「ひっ…!」

姉「弟、嫌、やめて…!!怖い…!」

弟「好き。大好き…ねーちゃん…」チュッ

姉「…っ」

姉「嫌っ!!!!!!!」

ドンッ

弟「…っ」

姉「はぁ、はぁっ…」

弟「あ…っ、ねー、ちゃん…」

姉「…はぁっ…」

弟「お、俺…ご、ごめん、本当、ごめん…」

姉「…」ハァハァ

弟「ねーちゃん、ごめん…」スッ

姉「…っ、ひっ…」ビクッ

弟「…あ」

姉「…ひぐっ、うっ…ぐすっ…」ボロボロ

弟「ね、ねーちゃん…!ごめん、怖かったよな?ごめんっ…」

姉「嫌あ…!こ、来ないで…!」ボロボロ

弟「…!」

姉「な、何言ってんの…ぐっ、いっ、意味わかんっ、ないっ…」ボロボロ

弟「…ねーちゃ…」

姉「…っ」ダッ

弟「ま、待ってねーちゃん!」

バタン

弟「…」ヘナッ

弟「…お、俺…」

姉「はぁ、はぁ…!」ガチャ

姉「ぐすっ、ううっ…」ボフン

姉(何、何!!!)

姉(びっくりした、怖かった…!なんであんな…)

姉(弟…!?)

……

姉「…ん」

姉(あれ、ここ…)

姉「…!!!」ガバッ

姉(…じ、自分の部屋か。そうだった、戻ってきてここで…)

姉(…あ)

姉(お、弟…)

姉(ど、どうしよう。何か混乱して泣いたんだった)

姉(どう接したら…)

姉「…」

ガチャ

姉「お、おはよ…」

弟「あ、ねーちゃん…」

姉「…あっ」ビクッ

弟「…ごめん、昨日は、俺、どうかしてました。本当にごめんなさい」

姉(やっぱ、夢じゃなかったんだ)

姉「…」

弟「…」

姉「どう、しよ…」

弟「ねーちゃん…」

姉「…」

姉「…寝ぼけてたんだよね?」

弟「…え?」

姉「ねえ、そうなんだよね?誰かと間違えたんでしょ?」

姉(違う、きっと違う)

姉「だってさ、あんた、好きな人いるって言ってたじゃん」

姉(昨日何回も呼ばれた。ねーちゃんって、弟しか使わない私の呼び名で)

姉「その子と間違えたんだよね?ね、そうだよね?」

姉(弟は…)

弟「…」

弟「ねーちゃん、ごめん。間違えてないよ」

姉「…嘘だよ…あはは…。だってさ、私はあんたの姉ちゃんなんだよ?」

弟「…関係ないよ」

姉「…何で」

姉(嘘。何で、何で)

姉「弟は…」

姉「私が、好きなの…?あ、姉としてじゃなくて、その」

弟「…女の子として、異性として、好き」

姉「…」

弟「…俺、何であんなこと…」

弟「ごめんな、こんなこと言われても…気持ち悪いよな、嫌だよな?」

姉(……)

弟「でも、俺、本当に…。どうしていいか分かんないよ…」ジワ

姉「…わ、私だって分かんないよ!」

弟「ねーちゃんが、好きなんだよ…。どうしたらいいんだよ…」ポロポロ

姉「な、何であんたが泣くのよ…!ずるい…!」

弟「ぐっ、うぐ…」ポロポロ

姉「…」

弟「ねーちゃん、ごめん…」ポロポロ

姉「…薬」

弟「え?」

姉「ちょっと、ごめん、私…。外出る…。薬、ちゃんと飲んで…」フラッ

弟「ま、待ってねーちゃん。行かないで」

姉「話し合ったって解決するわけないでしょ!!!!」

弟「!」ビクッ

弟「ねー、ちゃ」

姉「来ないで!!!」

バタン

姉(なんだ)タタッ

姉(なんだ、なんだこれ)タタタ

姉(こんな、漫画みたいな話。嘘。…これ、夢じゃないよね)

姉「あっ」グラッ

姉「…!」ドサ

姉「…」

姉「…」ジワ

姉「ぐっ、ひぐっ…」

~♪ ~♪

姉「!」ビクッ

姉(電話…?男さんから…?)

姉「…はい…」

「あー、姉さん、おはよう。大変だったねー?弟君大丈夫?」

姉「…」

「図書館は、また今度にしよっか?…姉さん?」

姉「…お、男、さん」グス

「え、どうしたの…こ、声、鼻声じゃない?」

姉「だっ、大丈夫じゃないっ、です…」ポロポロ

「え、な、泣いてる!?泣いてるよね!?」

姉「どうしよ、私、どうしよぉ…」

「…どうしたの?」

姉「ぐっ、わ、わたっ、わたし…」グスッグスッ

「え、えっとごめん。何言ってるのか分かんないな…。今、家なの?」

姉「ち、違っ。み、道っ…」

「み、道?えっと、目印とかある?」

姉「郵便局のっ、うっ、裏っ…ですっ」

「あ、ああ、あそこか!ちょっと待って、そこ、動かないで!」

……


男「はあっ、はあっ…あ、いた!!」タタッ

姉「ぐすっ…」

男「ど、どうしたの?大丈夫?」

姉「…」フルフル

男「と、とりあえずちょっと座ろうか」

姉「はっ、い…」ヒックヒック

男「えーっと…」

姉「ぐすっ、う、ううう…」ヒックヒック

男「…」ストン

姉「…うっ、ひっ、うう…」

男「あの、これ、ハンカチ…。使って」

姉「ありっ、ありがっ、とう…っ」

姉「ぶんっ」チーン

男「ええええ?」

男「…」

姉「はぁっ、もうっ、いやだっ…」グス

男「どうしたの…?俺でよければ、聞くよ」

姉「うっ、ぜっ、全部は言えないっ、けどっ」ヒッヒッ

男「しゃっくり辛そうだね…。一回深呼吸してごらん」

姉「うく…」スゥ

姉「…ふー」ハァ

男「ゆっくりでいいから…ね?」

男「…辛い事、あったの?」

姉「ん…」コク

男「そっか…」

姉「いっ、今までの…。その、人間関係っていうかっ…」

姉「変わらないって思ってたのに、変わっちゃって…」

男「うんうん」

姉「だっ、だから私、びっくりして、すごく…なんか…」

男「うん」

姉「た、多分あの人もっ傷ついててっ…」ジワ

男「うん」

姉「で、でもっ、私もどうしていいか分かんない、こんなの、どうしていいか…」

男「…うんうん」

姉「…もうっ!!!」ガタン

男「うお!?」

姉「あーーーーもう!!!!馬鹿!!私も相手も馬鹿です!!馬鹿!!」ボロボロ

姉「何であんなこと言うんですか!!どうしろって言うんですか!!」

姉「自分の気持ち、私に押し付けて終わりなんですか!それで泣いて謝るなんてずるい!!」

姉「わっ、私も!何で受け止めて話し合う勇気がないんでしょう!?いくじなし!!」

男「…う、うん…?」

姉「…おわり」

男「え、お、おわり!?」

姉「はい。スッキリした。解決はしてないけど。はぁ」

男「えーっと…よくわかんないけど、お役に立てた?」

姉「すみません、言葉に出して誰かにグチりたかったです」グシ

男「そ、そっか」

姉「…はぁ…」

姉「すみません、意味分かんない話聞いてくれて」

男「全然。なんか吐き出したいことって、あるよね」

姉「…」コク

男「…あの、さ」

姉「はい?」

男「誰にだって嫌な事、あるよ」

姉「…」

男「でも、いっつも向き合って、真摯に受け止めたって、解決しないこともあるよ」

姉「そう、かな」

男「そうだよ。そういうときは、一旦落ち着いて、気持ちを整理するべきだと思う」

姉「…」

男「姉さん、今無理に答えだそうとしてるでしょ?違う?」

姉「…そうかも」

男「とりあえず、今はさ、気持ちを静めるのが良いと思う」

姉「…うん」

男「それから、ゆっくり解決策を見つけていけばいいよ」

姉「…そっか」

男「そうしないと、姉さんが駄目になっちゃう気がするなあ」

姉「…」

姉(…そっか、すごいな、男さんって)

男「うわ、ってか俺何偉そうに言ってんだろw恥ずかしい」

姉「いいえ、すごく納得しました」

男「本当?よかった」

姉「…まだ、答えを出さなくていいんですよね?」

男「急がなくていいと思う」

姉「…そっか」

姉「ありがとうございました。すごくスッキリした」

男「そう?大丈夫?」

姉「はい。どうすべきか、じっくり考えてみたいと思います」

……


姉(…ふー)

姉(普通に、普通に接しよう)

ガチャ

姉「…ただいま」

姉(…あ、布団なくなってる)

姉(…自分の部屋、か)

姉(これからどうしたらいいかな)

姉(…違う、違う。ゆっくりでいいんだ)

姉(…今、急がなくても)

姉(ここで答えを間違ったら、大変なことになる)

姉(…でも、私の気持ちは?)

姉(…あ、れ?)

姉(そもそも、私は弟の気持ちに…)

姉(…いや、焦るな。落ち着こう)

……


姉(また一週間が始まった)

姉(結局弟は風邪が長引いて、部屋から出てこなかったな)

姉(答えはまだ出てないし)

男「おはよう、姉さん」

姉「おはようございます」

男「今日、講和あるねー。めんどい」

姉(…今はとにかく、自分の気持ちを落ち着けなきゃ)

<キーンコーンカーンコーン

姉「…」スタスタ

姉(…弟、風邪、大丈夫かな)

「…あの!」

姉「…?」

弟友「あのっ、弟の…お姉さん、ですよね?」

姉「あ、弟の…こんにちは」

弟友「…っ、あの。俺、お姉さんにはなしがあります」

姉「…え?」

弟友「弟が、土曜日、電話かけてきました」

姉「…」

弟友「わかりますよね?心当たり…ありますよね」

姉「…知ってるの」

弟友「っ。はい全部」

姉「…私を責めたいの?」

弟友「違います」

弟友「あいつは、馬鹿です。あなたの気持ちも考えないで、一人でつっぱしりすぎました」

姉「…」

弟友「でっ、でも、あなたが一番好きで、大切にしたいってことは確かです!」

姉「…そんなこと、言われたって」

弟友「あいつ、俺にいつも話してたんです!あなたが大切だって!大好きだって!嘘じゃないです」

姉「…」

弟友「そ、それっていけないことじゃないと思うんです」

姉(…やめて、今は、考えたくないのに)

姉「…で、何が言いたいの」

弟友「あ、あいつ。すごく後悔してました、泣いてました」

姉「…」

弟友「あなたに申し訳ないって。謝っても許してもらえないだろうって」

姉「…別に、そんな」

弟友「お、俺。弟の友達として、姉さんに聞きたいです。あいつのこと、怒ってますか?」

姉「…今は、そんなこと考えたくないの」

弟友「…え」

姉「だって…どうしようもないよ」

弟友「お、お姉さんは、どう思いますか。あいつのこと」

姉「…ど、どうもこうもないよ」

弟友「…ちゃんとあいつに、はっきり言ってください」

姉「だって、私達姉弟なんだよ…なにもできない!できないよ」

弟友「そんなの…。だから、あなたは弟のことどう思ってるんですか!」

姉(…どう、って)

姉「弟は、弟だよ…」

弟友「そうじゃないでしょ?あいつが聞きたいのはそんなことじゃ」

姉「もう…いい?急いでるんだけど」

弟友「…っ」

弟友「あなた、逃げてるだけじゃないんですか…」

姉「…は?」

弟友「そうやって、さも弟を傷つけないように、って。それを建前に逃げてるだけじゃないですか!」

姉「…!」

弟友「実際は自分との関係が崩れるのが怖いだけなんですよね?」

姉「な、そんな」

弟友「お願いです。もっとあいつのこと考えてあげてください。助けてあげてください」

姉「…っ」

弟友「お姉さんの本当の気持ちを、言ってあげてください…。じゃないと、こんなの残酷すぎます」

姉「…あなたには、分かんないよ」

姉「…首突っ込まないでよ!放っといてよ!!」

弟友「…っ。お姉さん、自分の気持ちに向き合ってください、お願いです」

姉「うるさい!放っといてってば!!!」

姉「…っ」ダッ

弟友「あ、待…」

……


姉(違う、そういうつもりじゃない!)

姉(私の気持ちをって、言ったから何になるの!?)

姉(…私の気持ちって、なんだろ)

姉(逃げてるだけ、か)

姉(好きって言われて)

姉(びっくりした。ちょっと怖かった)

姉(…これ以上、考えるのが怖い)

姉(…本当は)

姉(…)

ガチャ

姉「…ただいま」

姉(…お母さん、今日も仕事なんだな。弟は…やっぱ部屋か)

姉「…あれ」

姉「…テーブルの上に、ご飯…?」

姉「まさか、あいつ…。自分で作ったの…」

姉「病み上がりのくせに…馬鹿か」

姉「…」

姉「…馬鹿だわ」

姉「…」パク

姉「ん、おいし」

姉(…あいつって、一途だな)

姉(辛くないのかな、だってさ。姉だよ?まじもんの)

姉(…辛いか、そりゃそうだよね。しかも相手は全然自分を見ないんだもんな)

姉(…私ならきっとすぐあきらめるな)

姉(…すごいな、あいつ)

姉(答え…そうだ。ゆっくり考えるどころか、考えてなかったな、私)

姉(…)

姉(「ねーちゃんが好き」か)

姉(私は…)

姉(弟に、普通の恋愛をしてほしい)

姉(…弟ならそのきになれば、いくらでも良い子がいる)

姉(こんな複雑な恋しなくてもいい)

「それって、逃げてませんか」

姉(…)

姉(そうだね…)

姉(私は)

姉(…多分)

……


弟「…」ゴロン

弟(ああ、帰ってきたのか…。ご飯、食べてくれたかな)

弟(…捨ててくれて、全然かまわないけど)

弟(…もう、やめよう)

弟(これ以上ねーちゃんを苦しめたくない)

弟(風邪が治ったら、ねーちゃんに謝って。許してもらえるかどうかわかんないけど、謝って)

弟(…これまでの関係に戻さなくても良い。むしろ、離れるべきだ)

弟(これでいい、いいんだ)

コンコン

弟「…!」ビク

「弟、寝てる?私だけど」

弟(ね、ねーちゃん?な、なんで)

「おーい、生きてる?」

弟「…お、起きてる」

「あっそ。あのさーここ開けて?」

弟「え、だ、駄目」

「はあ?なんでよ?腹割って話にきたってのに!!」

弟「…え」

「開けろ、さむい!あけんか!」ガチャガチャ

弟(…やっと終わる、終わるんだ…)

弟「…」ガチャ

姉「…よ、よっす。三日ぶりくらいだな」

弟「…うん」

姉「入るよ」

弟「え…」

姉「ベッド座るから。ほら、あんたも!隣」バフバフ

弟「ね、ねーちゃん…だって、俺」

弟「その、怖い…だろ?」

姉「あーもういい!あれは、こう、鬱憤と熱のせいなの!あんたは悪くないの!許す!」

弟「で、でも」

姉「座れハゲ!めんどい」グイ

弟「う、うわっ」ボフ

姉「体の調子、大丈夫?」

弟「…うん」

姉「そう。じゃ、ちょっと長い話するね」

姉「…そのー。まだ気持ち、変わってない?」

弟「…!」

姉「ああ、いい。言わなくて。今日は私が言うから」

弟(…来た)

姉「…今日さ、あんたの友達に怒られちゃった。逃げるなって」

弟「…あ、あいつ」

姉「あとでお礼言わなきゃ。あの子のおかげでやっと言える、から」

弟「…」ギュ

姉「私は…やっぱ、弟は普通の恋愛をするべきだと思う」

弟「…」

姉「姉弟なんてさ、きついことのほうが多いよ。人目を忍ぶのって大変だし」

弟「…」

姉「弟には、ほかにいっぱいチャンスがあるよ」

弟(…ねーちゃん意外なんて)

弟「うん…。そっか、分かった。ねーちゃん、辛い思いさせてごめん」

弟「当たり前、だよな。俺どうかしてた…」

姉「待て待て」

弟「…え」

姉「以上、これが建前」

弟「…え、え」

姉「弟」

弟「…な、なに」

姉「…」スゥ

姉「私も。好きだよ」

弟「」

姉「弟にはもったいないし、本当気が引けるけど」

姉「それでも私は、あんたが好き。やっと気づいた」

弟「」

姉「…勿論、異性として、さ」

弟「」

姉「おしまい。ねえ、聞いてる?」

弟「…ほ、本当?」

姉「ここまで来て嘘つくもんか!本当だよ」ニコ

弟「…まじ、か」

姉「だからさー、これからどうするか二人でじっくり考えていこう。ね?」

弟「…」

姉「ああーーーー。緊張した、疲れた!…それに眠い」

姉「ね。弟、ベッド入れてよ。一緒に寝よう」

弟「…!!!」

姉「ほら、今度はあんたのベッドで寝よう」

弟「い、いいの?」

姉「嫌なの?」

弟「…っ」ブンブン

姉「じゃ、早くする」

弟「う、うん」モゾモゾ

姉「…」モゾモゾ

姉「ふふ、なんか久しぶり」

弟「…」

姉「ねぇ、もっと近づいていい?」

弟「え、え」

姉「よいしょ」ピト

弟「…!!!」カァ

姉「ん、あったかい」スリ

弟「ね、ねーちゃん…」

姉「お前ー、前は自分からグイグイ来たくせに、今日はなんか草食じゃない?」

弟「…っ」カァァ

弟「…だって、まだ信じられなくって…」

姉「こんなにくっついてるのに?」

弟「…っ」

弟「ねーちゃん…」グル

姉「ん!う、うわ」

弟「…あ、あのさ」

姉「な、なに?」

弟「…ぎゅって、していい?」

姉「え?あ、あははなにそれwww」カァ

弟「…駄目?」

姉「…い、いいよ」

弟「…っ」ギュ

姉「わ…」

弟「…温かい。すげえ。柔らかい…」

姉「…」カァァ

弟「…この前は、きつくしてごめん」

姉「あ、ああ、あれねwびっくりしたわw力強くってw」

弟「怖くない?」

姉「…ううん。今は…全然」

弟「そっか」ギュウ…

姉「…」

弟「ねーちゃん、俺のこと、好き…?」

姉「う、うん」

弟「俺も。好き。大好き」ギュウ

姉「…あ、あはは」カァ

弟「顔、赤くない?」

姉「あったりまえでしょうが!ってか、人のこと言えないし、あんた!」

弟「うん…そうだね」

姉「…ばーか。…私も、腕まわして良い、かな」

弟「うん、して」

姉「…ん」スル

姉「…」ギュ

姉「背中、意外と広くない?」

弟「そう?」

姉「うん…あ」

姉「すっごい心臓の音。ばこばこ言ってる」クス

弟「…う、うっせ」

姉「…ふふ」

弟「…」

姉「…」

姉「な、なんかこっぱずかしいな」

弟「…でも、離したくないよ」

姉「う、この体勢のまま寝るの?」

弟「当たり前じゃん。…誘ったの自分だろ。責任とって」

姉「…あ、あほ」

弟「…はぁ…やばい」

姉「は、はい?」

弟「…いや、なんでもない」カァ

姉「え、気になる」

弟「だ、だからその」

姉「んー?」

弟「…だっ、だから」

弟「…したい、です」

姉「?は、聴こえない」

弟「なっ、ま、まじか!」

姉「わんもあ、あんもあぷりーず」

弟「も、もういいわ!」

姉「え、あっそう」

姉「…ふわ」

弟「ね、ねーちゃん、よくこの状況で眠くなれるな」

姉「だって、どっと疲れが出たんだもん。…あふ」

弟「…ねーちゃん、俺ら、これからどうしよう」

姉「…んー、どうしようかw」

弟「分かんないや、俺」

姉「まあ、なるようになるさ」

弟「…俺、頼りないよな」

姉「そんなことはない。自信もて、自信」

弟「…うん」

弟「…あのさ、ねーちゃん」

姉「なんだい?」

弟「あの…これから、さ」

姉「うん」

弟「色々あるかもしれないけど、俺、多分ずっとねーちゃんが一番大事だから」

姉「おお、う、嬉しいな」

弟「大好き、ねーちゃん」

姉「…うん。私も」

弟「…っ」グイ

姉「!!え、な、なに」

弟「…じ、じっとして。ぶつかる」

姉「お、おおおおおい、待て、待てって。なにす」カァァ

弟「…んっ…」チュ

姉「!!!む…」

弟「…ぷは」

姉「」

弟「…しちゃった」

姉「ばっ、ばっ、馬鹿!!馬鹿、このハゲ!!!!」カァァア

弟「照れんなって…はは」

姉「はあ?何が!?何があああああ!?」

弟「初めて…だった?」

姉「あ、あ、当たり前でしょ!」

弟「俺も。するの初めて」

姉「あ、あんたこの前してきたじゃん」

弟「あれは、ほっぺだからノーカンだよ」

姉「!な、なにそれ」

弟「ねえ、ねーちゃん」

弟「…その、俺、キスするのは今経験したけど、まだされたこと、ないんだよね」

姉「!!!は、はああ?だからなに?」

弟「…ねーちゃんから、キスしてほしいなって」

姉「!な、なっ」

弟「…して?」

姉「…」

姉「い、いくら払う?」

弟「でたそれ!」

姉「…っ…」カァァ

>>381

弟「ね、早くしてって」

姉「わ、分かった。する、するよ」

弟「やった。どうぞ」

姉「…っ」

姉「…ん、ぅ」チュ

弟「…んっ…」チュ

姉「…はっ」

弟「…うわ、すごい…なにこれ。にやける」

姉「~~~~~~~~~っ」

弟「うわあ、顔真っ赤」

姉「め、めっちゃ恥ずかしい…」

弟「とか良いつつ、俺より長くしてくれたじゃん」

姉「し、死ね!!!!」

弟「やーだ。ねーちゃん残して死ねない」

姉「くー…っ!」

姉「も、もうまじで眠い。寝るから!」

弟「えー、もうか」

姉「うるさい!!疲れたの!!」

弟「…いいよ。一緒に寝よ」

姉「…うん」

弟「…ねーちゃん」

姉「またか。なによ?」

弟「…これからもさ、ずーっとこうして一緒に寝てくれる?」

姉「…うん」

弟「お金は?とらない?」

姉「当たり前じゃん。もうとらない」

弟「なんで?」

姉「…。」

弟「なんでー?」

姉「わ、分かってるくせに」

弟「わかんないから聞いてるんですけど」

姉「…私もこれ、結構気に入ってるから」

弟「可愛いな、おい」

姉「そっちこそ」

弟「…はは、ねーちゃん。…大好き」

弟「…おやすみ、ねーちゃん」チュ

姉「…ば、ばーか」

姉「…わ、私も好き。お、おやすみ!」チュ

おしまい

一応ここまでです。
ありがとうございました

可愛いくて面白かったよ乙


続きがみたいレス

う~ん……

男どうすんだろ

おつ

最後らへんは読み飛ばした
姉も弟を好きになるより、ちゃんと振って弟が成長する話の方が面白かった気がする

ただの姉と弟のイチャイチャなんて沢山ありすぎてお腹一杯

男とくっつかなくてめでたしめでたし

要するに男乙ってことだな

二人が無事くっついて良かった乙

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月21日 (日) 22:21:55   ID: Jnon5hL2

GJ

2 :  SS好きの774さん   2015年08月31日 (月) 22:59:13   ID: ymbFWOHN

こういう話好きだよ。ありがとな。

3 :  SS好きの774さん   2018年10月12日 (金) 03:50:28   ID: 8sjs0tNX

なんだかなぁ。このエンドは良いと思うんだが
男endで弟が姉友とか幼なじみendでよかったと思うんだよね。
前に見た姉と弟と姉友がラブラブする奴の
endは切なかったけど。面白かったんだよね。
やっぱりべたにラブラブssが面白いね。

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