男「時給100万円のバイト!」 (53)

男「うひょおおお、コレ、マジですか!?」

職安「ハイ、マジデス」

男「これ、これにします!」

職安「デハ、サッソク、アチラノ転送ソウチニ入ッテクダサイ」


男「久々に時給のいいバイトを見つけたもんだぜ」

職安「デハ、転送開始シマス」

男「ああああああああああ、クソ!!やられたああああ、うまい話だと思ったんだよおおお!」

バイト「おい、うるさいぞ・・・」


転送装置で飛ばされた先はペルデラント星系、鉱山惑星の1つ
その惑星の衛星軌道上に設置された衛星基地だった

男がたどり着いたときに、すでに衛星基地からの降下シャトルの準備は進められていた
そして、男の今回の仕事は、鉱山惑星にシャトルで降下し、原生生物との最前線で
孤立した雇い主側の部隊の救出任務だった。

バイト「おい、お前この仕事初めてか?」

男「初めてじゃねーよ!!初めてじゃねーから落ち込んでんだよ!!」

バイト(落ち込んでる割にはうるさいな・・・)

バイト「騒いでたって埒が明かないぞ、ここは大人しく」

男「これが落ち着いていられるか!!外を見ろ!!」

男が降下するシャトルの外は、茶色い鉱山惑星から無数の赤い照射光線が男達がいる宇宙空間に放たれ続けていた
そして、男達がのるシャトルのすぐ近くの別のシャトルが被弾し、爆発四散していった

男「なんで衛星軌道上からのスタートなんだよ!!」

バイト「は?なんでって、しかたないだろ、地上の転送装置がやつらに抑えられたんだ」

本来は、男は鉱山惑星の地上基地に転送される そう男は思い込んでいたが
原生生物たちに地上の施設を制圧され、転送装置が使えなくなっていた
その為、男は、地上奪還作戦の、救助隊にまわされ、揚陸シャトル、モータルダイブ号で衛星軌道上から
地上まで降下することになった

男「くそう・・・当たるなよ、当たるなよ・・・」

男が地上からの高射攻撃がそれるように祈っていると

バイトリーダー「みんな、今本部から指令が入った、さっき、地上基地施設の奪還作戦のシャトルが撃墜された」

男「えっ!?もしかしてさっきのアレか!?」

バイトリーダー「その為作戦を急遽変更し、このシャトルは地上部隊の救出ではなく、地上基地奪還任務に変更になった」

バイト「マジかよ、面倒くさいな」

男「おい!奪還任務って!このシャトルは救出用の最低限の火器しか積んでねーぞ!!」

バイトリーダー「まあまあ、その代わり時給は150万になるそうだから」

バイト「おっ、マジか!やったな!」

男「よくねーよ!!お前ら武装どうするんだよ!!医療キットくらいしか積んでねーぞ!」

バイトリーダー「まあ、まあ、武装なら大丈夫だ、今回みんなに渡されたのはM3ライフルだ最新型だぞ」

男「そうじゃねーよ、重火器や機械歩兵用の装備だよ!」

バイトリーダー「まあ、現地でなんとかなるだろ、味方の残した装甲車とかあるだろうし」

男「そんなもん宛になんねーよ!!」

バイト「おいおい、そんなに焦るなよ、なるようなるから、安心しろって」

男「なんでそんなに悠長なんだよ!!」

男がぎゃーぎゃー騒いでいる間に、シャトルは大気の層を突き抜け、敵に奪われた地上基地
すなわち敵陣ど真ん中へと降下していく、もちろん、この間、プラズマ誘導弾の警告アラートや、航空部隊からの火砲を浴びることになる
なんとか地上基地の近くに不時着することができた

バイトリーダー「よしみんな、無事ついたみたいだから、これからタイムカードを打つぞ」

男「えっ?タイムカード?」

バイト「そうだよ、どうした?」

男はまたしても勘違いをしていた、すでにシャトルに乗った時点で時給は発生していると思い込んでいたが
タイムカードが押されるのは現地についてから、すなわち、今までの降下時間は時給に含まれていないのだ

男「くそう・・・また騙された」

バイト「よくわからんが、とりあえずタイムカード押したら早く出ろよ、このシャトル自爆させるらしいからよ」

男「は?自爆?えっ、じゃあどうやって俺ら帰るんだ?」

バイト「さあ?とりあえず基地奪還して転送装置作動させればいいんじゃないか?」

男「マジかよ・・・どこまでブラックなんだよ、これだから飲食系と派兵系のバイトは嫌いなんだよ」

男がシャトルを降りて2分位してからシャトルは時限装置で爆発した。
これから総勢10名で、地上基地奪還作戦を行う事になる。

バイトリーダー「今、連絡あったんだけど、ほとんどの降下部隊がやられたみたいだから増援は見込めないって」

男「おいマジかよ!」

バイト「あーっ、キッついっすねーそれはー」

男「はぁ、もうやだ、帰りたい・・・あ、まて、動くな」

男はライフルを構えると、ライフルのサイトで進路上を放射線サーチで見渡した
男達が向かう基地周辺に仕掛けられたトラップや伏兵を確認したが、どうやら大丈夫なようだ

バイト「へぇ、結構慣れてるね?」

男「奪還作戦系は2回くらいやったよ、ただ、こんな小規模じゃないけどな・・・」

バイト「・・・・・・・クリア」

バイトリーダー「よし、プチバンカーバスターで穴あけるぞ、設置まで周辺を警備」

男達が基地に侵入するには、地下の坑道にある作業用のパイプラインから侵入するのが望ましいと判断した
バイトリーダーと技術系のスタッフ経験のあるバイト(技術君)でプチバンカーバスターを仕掛ける
本来は、瓦礫除去用の爆薬を、先ほど爆破させたシャトルに装備されていた迫撃砲で急ごしらえで作ったものだ。

男「なあ、このままパイプ経由でちゃんと基地内部に侵入できるのか?」

バイト「さあ?でもそれくらいしか進入方法ないんじゃない?」

男は、この能天気な返しになれたのか、先ほどよりもぎゃーぎゃー騒ぐことはなくなった
というよりも、ここは敵陣地なため、不用意に声を出すことはしないでおくほうが懸命だと思った

バイトリーダー「よし、仕掛け終わった、消音係いる?」

消音君「はい、自分です~」

バイトリーダー「じゃあ頼んだよー」

消音係は、テクテクと歩き、部隊から離れると、砂丘の丘を越えたほうに消えていった

男「なあ?消音係って何するんだ?」

バイト「さあ?消音ってくらいから、音を消すんじゃないの?」


バイトリーダー「それじゃあバンカーバスター起動5秒前、5、4。」

リーダーが数を数え終わると、プチバンカーバスターの激しい爆発音が響いた
だが、それとは別の激しい爆発音も砂丘のほうから聞こえてきた

消音と言ってもバンカーバスターの音を相殺するのではなく
離れた場所で、別の爆発を起こし、そちらに敵の注意をそらす意味だったようだ
そして、注意はそれたようだ

男「おい!巡航ミサイル飛んできてるぞ!」

空から向かってくる巡航ミサイルは砂丘のほうに向かって落ちていった
急いでバンカーで空けた穴に入ると、今度はそこにべつの巡航ミサイルが着弾した
幸いにして、消音以外の部隊員はパイプ内に入り、難を逃れることができた

男「おい、消音係のやつどうなったんだよ?」

バイトリーダー「まあ、助からないだろうね、さっきから呼びかけてるけど応答もないし」

バイト「あちゃー、一人減っちゃったね」

薄暗いパイプの中を中腰で進んでいく男達
進むこと20分で、ようやく基地内部に進入することができた
パイプの一部をM3ライフルのレーザーで切断すると、外は、赤黒い粘着質の植物で覆われていた

男「おい、本当にここが基地の中なのか?」

バイトリーダー「間違いないよ、ほら、この植物、この星の原生生物のひとつさ、こうやって壁や床に寄生してのさ」

バイト「このネチャネチャした感覚が嫌い」

バイトリーダー「よし、じゃあ今から部隊を分けて、2グループで行動するよ」

リーダーいわく、2部隊で基地を奪還するらしい
ひとつは転送装置のある地下格納庫、ここを押さえて脱出の準備を整えるグループ
そして、もうひとつは司令室を奪還し、基地内外の防御装置を切り、味方航空宇宙部隊の進行をさせやすいようにする
部隊編成としては、司令室側のバイトリーダー部隊5人 もうひとつは転送装置側のバイト部隊4人だ

男「消音が死んだから、部隊編成に偏りが出るぞ」

バイトリーダー「そうだねぇ、まあ仕方ないよ」

バイト「君はどっちのグループに来る?」

男「そうだなぁ・・・」

とりあえずバイトのいる転送装置奪還のグループに入ることにした

バイトリーダーと分かれて地下格納庫を目指す
自分のケータイに地図が転送されそれを確認する男

バイト「えっ、いまどきガラケー使ってるの?」

男「まだ十分使えるし、それになあ最新のやつってちょっと抵抗あるんだよ」

男の持つケータイは空間にディスプレイを投影し、それを操作したりするタイプのものだ
バイトの持つ最新式のは、インプラント式なので、自分の脳内で操作できるのだ

バイト「なれると簡単だよ」

そうは言うが、彼の脳内にあるものを、覗くことができないので使い易さなど、操作性に関しては
いまいち分からないのだ

男「ああ、ちょっとまて、来てるな・・・」

バイト「えっ、MAPには反応ないよ?」

男「気配だよ、相手は植物だから熱源系のサーチシステムじゃMAPに写らなかったりするぞ」

バイト「えっ、そうなの?この前バージョンアップしたんだけど」

男「センサーを音波式のに切り替えてみ、反応あるぞ」

バイト「うわ、囲まれてるよ!」

男「違う違う、今見てるのは上の階層、リーダー達の部隊に対して行ってる奴ね、俺らのは下の奴」

バイト「前方、2かな?」

男「レーザーの出力上げておいて、俺が前に出るから」

男は通路の角から滑り込むように飛び出すと、前方にいるであろう原生生物に発砲する
レーザーの赤い光が原生生物に命中すると、赤い炎が、辺りを照らす

男「あっ、マズった!!」

男がそう叫ぶと、通路の置くから地響きを立てて巨大な何かが向かってくる

バイト「どうしたの?」

男「2型、2型の奴がいるの気がつかなかった、走れ!」

男達が走り出すと、地響きが更に近づいてくる
たまらず、後ろの2人がその足を止め、レーザーを撃つが

男「馬鹿効かねーよ!!無視しろ!!」

そう忠告するも空しく、何かが壁にたたきつけられる音と、踏み潰される音がして
断末魔が通路に響き渡った

バイト「ちょっと、どこまでいくの?」

男「二手に分かれる、次の通路、俺は右、お前左!!」

次の角が見えてきた、男は右に、バイトは左に分かれた、後ろから来る地響きはまだ近づいてくる

男「ああ、マジか・・・俺のほうか・・・」

男はとにかく全力で走った、後ろを振り返る余裕はない
ともかく、通路を走り、迫り来る原生生物を振り切らねばならない

自分の目の前の空間に緑色のライトに照らされたMAPが表示される

男「しめた!行き止まり!!」

男は足を早め、更に通路を走り出す、そして
通路の突き当りが見えてきだした

男「おらよ!!」

男は壁を蹴り上げると、そのまま垂直に壁を登り始めた
壁には赤黒い粘着質の植物が付着している。これをうまく利用して壁を登り、原生生物を飛び越そうと考えた
だが、男が壁を上れるということは、原生生物も壁を登ることができた

男「ああああ、浅はかだった!!!」

だが、男はあきらめてはいない
原生生物よりも先に着地し、すぐにその場をダッシュする
男が数コンマ着地した場所は、原生生物の巨体がズドンと着地して、少しばかり床を陥没させた
だが、原生生物はそんなことお構いなしに、男の後姿を追う

男「うおおおおおおおお!!」

ただひたすら走り続ける、だが、後ろの地響きはどんどん迫ってきている
万事休す、そう思われたが

バイト「しゃがんで!!」

前方からバイトの声が聞こえると、男はスライディングをして身をかがめた
すると、男の頭すれすれを、高速で何かが通り過ぎた、そして

ズドギャンという破裂音と空気を揺るがす衝撃に男は意識を失いかけた
そして、男は、原生生物の下敷きになった。

幸いにして、原生生物を機能停止にできたため、下敷きにされたとはいえ、追い討ちをされないということもあり
バイトにゆっくりと引っ張り出してもらい、事なきを得た

男「あっぶねーな!!当たったらどうするんだよ!!」

バイト「まあ、その時は、その時じゃない」

バイトのいつもと変わらない態度になれてはいたので、男はこれ以上文句を言うのをやめた
男は、そんなことよりも、バイトが何を使って原生生物を仕留めたのかが気になった

男「お前これ!Lキャノンじゃねーかよ?これ装甲車とかにつける奴だぞ?」

バイト「分かれた時、進んだ先が、空挺師団の格納庫だったんだ、そこから持ってきたんだ」

バイトは、本来、装甲車や小型飛行機に搭載する大型のキャノンを持ってきたようだ
軽々と肩に担ぐと、強化プロテクターとキャノンが合わさる時の独特の軋む音が聞こえた
あった時から、バイトの肩周りの塗装が、やや薄れているのは、きっとキャノン砲などの大型火器を
肩で担いでいるためなのだろう、察した

男「あ、そうだ、空挺師団ってことは、アレはあるか?ガウスバイク?」

バイト「たしか2機あったような気がしたよ」

男「ちょうどいいじゃねーか、使わしてもらおう」

バイト「でも・・・ガウスバイクは、運転したことないんだ・・・」

男「ちょうど、ライダーはいるぞ、2人な」

バイト「えっ?二人?」

男達は、格納庫に行く前に、元来た通路を戻り
死んだ仲間の体を探しに行くことにした、そして、幸いにして仲間の体は
頭部がミンチ状態になっていた

男「おおっ、ラッキー!」

仲間の死体、ミンチ状態の頭部を手探りで探すと、小さく硬い黒いチップを見つけ出した
それをもって、空挺師団の格納庫に行くと、男はガウスバイクのOS端末のスロットルに重ねると
ガウスバイクは起動した

ライダー1「いやー助かりました、あのままずっと放置かと思いましたよ」

ライダー2「原生生物ってあんなに強いんですね・・・レーザー最高出力だったんですけど」

死んだ仲間の脳に埋め込まれたチップをガウスバイクに移植することで
仲間はガウスバイクの体を手に入れることができた

男「よし、このままお前ら俺らを乗せて転送端末がある格納庫まで行くぞ」

ライダー1「Lキャノン搭載してくださいね、今度はこっちが返り討ちにしてやりますよ!」

男とバイトは2台のガウスバイクに跨り、転送装置めざし通路を爆走していった
一方そのころバイトリーダーは

バイトリーダー「ああ、司令室の扉まだ開かないの?」

有象「ハッキングしてるんですが、ちょっと時間かかるみたいです」

無象「リーダー、敵の攻撃厳しいです、俺、右手の指、人差し指しか残ってません!!」

なんとか司令室の前まではこれたが、原生生物の群れが多く、また司令室の扉がロックされており
それを空けるためにハッキングを行っているが、原生生物の猛攻が続いており、
リーダー達はこう着状態なっていた

バイトリーダー「大丈夫か?俺が替わるぞ?」

無象「頼みますリーダー!」

バイトリーダー「ああ、下の連中はどうなってるかなー?こっちがこの状態だと向こうも厳しいか」

リーダーは駄目もとで、男に救援を送ることにした

男「はい、もしもし・・・ああ、やっぱり、来る途中でセンサーにすごい反応あったんですよ」

バイトリーダー「そっちは状況どう?」

男「一応・・・バイトが、格納庫前の2型と3型を、あっちょうど倒し終わりました」

バイト「倒したよー、キャノン砲もこれで空」

ライダー1「転送装置、端末前クリアです!」

ライダー2「じゃあこれからおれらでハッキングして転送装置動かしちゃいますね」

男「じゃあ、今からそっち向かいます」

バイト「リーダーなんだって?」

男「危ないから来てほしいってさ」

バイトリーダー「おいみんな!これから応援が来てくれるぞ!もうしばらくの辛抱だ!」

有象「リーダー!こっちもハッキング終わります!」
無象「いやーよかった、これで一息つけますね」

バイトリーダー「まだ司令室押さえてないから安心はできないぞーははは」

その時、リーダー達のいる階の床が、まるで爆撃にあったのではないかというくらいの衝撃に見舞われた
一同が跳ね上がり、リーダー達に緊張が走る、しかし
リーダー達以上に、原生生物たちもまた、慌てふためいていた

バイトリーダー「なんだ?どうなってるんだ?」

すると、リーダー達と原生生物を隔てる、パルス障壁と障壁の間の床が吹き飛んだのだ
何故ならば男とバイトは、リーダーがいる司令室までの道を作るために、格納庫から持ち出した高射砲を
下の通路から上めがけてぶっ放し、強制的に通り穴を作ったのだ

男「お前、本当ここのネジおかしいよな?発想がやばい」

バイト「あははは~頭にネジははいってないよー」

男「じゃあ飛んでるからおかしいんだな」

ジェットパックを勢いよく噴射し、筒抜けとなった天井を飛び越えながら
男とバイトはリーダー達のところにやってきた

バイトリーダー「よし、一旦撃つのやめろ、仲間が合流する」

有象「あいつら頭おかしーんじゃねーか?」

男「いや、おかしいのこいつね」

バイト「結構いい発想だと思ったのになぁ」

なんとか合流した二人だが、先ほどの衝撃で原生生物たちもたじろぎ、徐々に後退していった

無象「なんか合流するまでもなかったかもしれませんね」

男「だといいけどなぁ・・・」

男の不安は的中した
男達が空けた穴から、下の階層から原生生物たちが上ってきたのだ

バイト「もう変なこと言うから」

男「うるさい!ターレット組み立てるの手伝え!!」

有象「ハッキングもう少しです!」

バイトリーダー「よし、あと少しだ、みんな、撃ち続けろよ!」

男が自動で敵を掃討するターレットを組み立てている間、リーダー達はなんとか穴から来る原生生物を
レーザーで撃ち続けていた、やがて、群れを分けるように、2型と呼ばれる大型の原生生物が現れた

有象「ハッキング完了です!ロック解除します!!!」

その言葉と同時に男はターレットを組み立て終わり設置すると、高出力のレーザー延々と打ち続けるターレーットが
2型の原生生物を攻撃し始めた、たじろぐ原生生物だが、それを押すように、小型の原生生物が
大型を盾にしながら突き進んできた

男「マジかよ!」
バイトリーダー「もういい!はやく司令室に入れ!!」

間一髪で司令室に逃げ込んだ一同、原生生物たちが司令室の扉を攻撃するが
びくともしていない、扉越しに原生生物のうなり声が聞こえてくる

バイトリーダー「これで一安心だな、さっそくコントロールを奪還して衛星基地に要請を呼ぼう」

男「下の連中から連絡来て、転送装置の方も大丈夫だそうですよ」

バイトリーダー「そうか、よし、ではこれより基地内の清掃作業に入る、清掃が終わり次第、帰ってよろしい」

男「よっしゃあああ!ああ、疲れた!」

バイト「ちょっと、まだ終わってないんだよ」

無象「終わったら飲みにいきましょうよ」

男「おお、いいな」

ライダー1「転送装置、安定しています」

ライダー2「座標固定よし、ルンバ来ます」

転送装置がうなりをあげて稼動すると、転送ゲートから大量のルンバとよばれる
円形のマシーンが次々に基地内に転送されてくる

ルンバはくるくると回りながら飛行を続けると、基地内の床にその体をつけ
壁や床を掃除しだした

ルンバ「清掃中清掃中チップ回収完了」

ルンバが清掃中に基地内で死んだ職員や兵士、数々のバイト連中のチップを回収すると
ルンバは突如変形をはじめ、人型のドローンへと姿を変える

ルンバイト「うおおおおお!久しぶりの自由だぜえええ!!植物野郎ども!消毒してやる!!!」

ルンバドローンの体を手に入れた兵士達は、次々と基地内の原生生物を掃討しだした
腕から発射されるプラズマ砲に2型も3型も次々と駆逐された

有象「基地内の防空システムを書き換えました、これで味方の飛行艇も降下できます」

バイトリーダー「お疲れ様!後は降下挺に乗ればバイト終了だ、タイムカード押してあがっていいぞ」

男「ああ、疲れた~」

男達に安堵の表情が戻り、今までの疲れがどっと押し寄せてきた
しばらくすると、上空から大型の降下シャトル、また別の基地からの航空機が集結して来た
基地内の清掃が終わると司令室の扉が開き

ドローン兵達が入ってきた

ルンバイド「お疲れ様です、作業の交代に入ります」

男「お疲れ様です、お先失礼します」

滑走路に着陸したシャトルから次々と兵士が降りてくる
それと入れ替わるように、男達がシャトルに乗り込む

男「そういえば、消音係の奴、どうなったんですかね?」

バイトリーダー「まあ、チップがあれば回収されるでしょ、巡航ミサイルレベルなら耐えられるしさ」

バイトリーダーの言葉を信じ、男はシャトルの外を眺めた
やがて、シャトルは離陸すると、惑星の大気を突き抜け、宇宙空間へと飛び立った
来るときは、あんなに集中砲火を受けた空も、今では・・・別の場所が集中砲火を受けていた
きっと、別の地上基地をこれから別のバイトたちが奪還するんだろう

まあいい、今回はこれで自分の仕事は終わったのだ、ちょうど、時間は3時間
時給150万円で3時間も働ければ上出来だ

ただ、このあと、バイト達とのみに行くことを考えたら、バイト代が消し飛ぶこともあっというまだろうな

そう思いながら、男はシャトルの窓から眺める景色と、衛星基地のシャトルベイを眺めていた


END

男「えっ!?時給200万円のバイトですか!?」

職安「ソウデス」

男「でも、このバイトあれでしょ?どうせ軍事基地を少数で奪還とか、生物兵器の捕獲とかでしょ?」

職安「ソウデス」

男「お断りだね!!」

職安「デハ、コノ、モンテローザー星ノ、レストランデ働クトイウノハドウデショウ?」

男「生物兵器の捕獲のバイトでお願いします」

職安「デハ、転送装置ニ」


こうして、フリーターというのは日々戦いながら生きていくのであった 
ニャロメロン先生は女子高生を痴漢したい願望があるに違いない      本当にEND

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