マコ「蒲郡せんぱーい!」蒲郡「は、離れろ満艦飾ぅ!」 (54)

マコ「えーいいじゃないですかー!先輩の肩すごく乗りやすいんだもん!」

蒲郡「離れろと言っているんだ!公共の面前で執拗に身体をくっつけるんじゃない!」

マコ「ぶー…じゃあ皆の前じゃなかったらいいんですか!?」

蒲郡「そ、それは…」

マコ「じーっ…」

蒲郡「…と、とにかく今は離れるんだ。風紀委員長である俺が学校の秩序を乱すわけにはいかん!」

マコ「あー!またそーやってごまかすんですね!そーいうの男らしくないって父ちゃんが言ってましたよ!」

蒲郡「ええいやかましいっ!今すぐ離れんか!さもなくば…」

マコ「さもなくば?」

蒲郡「…ぶ、ぶつぞ」

マコ「えぇ~!先輩の力でマコの事ぶったらマコぐちゃぐちゃになっちゃうじゃないですかー!」

蒲郡「そ、そうだ!そうなりたくなければ今すぐ離れろ!」






流子「…何だアレ?」

流子「朝早くからマコがいないと思ったら…」

流子「蒲郡の奴とイチャイチャしてやがる」

流子「ハハッ、まるで恋人みたいでやんの」

鮮血「流子、恋人とは一体なんだ?」

流子「んー?あぁ恋人って言うのは」

皐月「恋人とは私と纏流子の事を言うのだ」

流子「そうそう、アタシと皐月のヤローみたいな事を…」

流子「うわぁ!お前どこから湧いてきやがった!?」

皐月「ふんっ、私の気配も感じられぬとは…未熟者め」

流子「う、うるさい!つーか、お前今とんでもない事言ってなかったか!?」

皐月「何を言っている。私は常に正論しか述べん」

蒲郡「…む、そろそろ皐月様がご登校なされる時間だ」

蒲郡「満艦飾!以後自分の身体を他人に執拗に接触させることを控えよ!」

蒲郡「さもなくば貴様を学校の秩序を乱す不届きものとして、放校とする!」

マコ「じゃあ執拗にベタベタしなければいいんですね!」

蒲郡「ぐぅっ…!」

マコ「分かりました!満艦飾マコ、これからは蒲郡せんぱいの許可を取ってから先輩に登ることにします!」

蒲郡「ま、待て満艦飾!」

マコ「あっ!そろそろ朝のHR始まっちゃう!急がないと遅刻!遅刻だぁ!」

マコ「それでは蒲郡せんぱい!また昼休みお会いしましょう!」

蒲郡「お、おい!人の話を…!」

マコ「急げ急げー!」ダダダダダダダッ








蒲郡「むぅ…相変わらず話を聞かない奴め…!」

流子「あ、行っちまった」

流子「しっかしまた昼休み…かぁ。こりゃ面白い事になりそうだな」

鮮血「いいのか流子?ここにいるとお前も遅刻になるのではないか」

流子「やっべ、流石にそれはマズイや」

皐月「纏流子、貴様にはこの私の手作り弁当を食べる権利をくれてやる。昼休みに中庭に来い」

流子「いや、遠慮しとく」

皐月「そう恥ずかしがらなくてもいい…下ごしらえはしっかりとやった。味は保証する」

流子「いやそういう問題じゃねぇ」

皐月「待っているぞ纏流子!マイラブリーシスター!」ピカーッ

流子「うおっまぶしっ!…消えやがった」

蒲郡「纏流子ぉ!貴様早く教室に入らんかぁ!」

流子「るっせー!朝からイチャイチャ見せつけてんじゃねー!」

蒲郡「いっ…!イチャイチャなどしておらんっっ!!!」

‐昼休み。教室‐


流子「マコー。お前昼飯どうすんだ?」

マコ「えっ?いつも通り教室でたべるよ?」

流子「あ…そっか」

マコ「?」

流子「ああいや、何でもない」

マコ「変な流子ちゃーん」

流子(てっきり蒲郡の奴と一緒に昼飯食べるもんだと思っけど違うのか…)

マコ「いっただっきまーす!」

マコ「ガツガツムシャムシャ…やっぱり母ちゃんのコロッケは世界一だね!」

マコ「ごちそーさまー!」

流子「うぉ!?はやっ!」

マコ「流子ちゃん!昼休みあと何分!?」

流子「いや、まだ始まったばっかりだけど…」

マコ「じゃあまだ間に合うよね!中庭いってきまーす!」

流子「お、おい!マコ!」

流子「…行っちまった」

鮮血「流子、マコは何故あんなに急いでおばさんのお弁当食べていたのだ?」

流子「んな事私にもわかんねーよ。あいつがどっか行っちまう事なんてよくある事だろ」

鮮血「だが流子に何も言わずに行くのはこれが初めてではないか…?」

流子「うーん…」






流子「…うっし!ちょっくらマコの奴を追いかけてみっか!」

鮮血「気をつけろ流子、何かが起こる気がする」

流子「流石に今回は何も心配ないっての」ハハッ

流子「確か中庭だったな…行ってみっか」

‐生徒会室‐


蒲郡「……」チラッ

猿投山「蒲郡、さっきから何回時計を見てんだ」

蒲郡「何っ…!」

犬牟田「昼休みに生徒会室に四天王が集合してからの約10分、既に4回は時計を確認しているな」

蛇崩「あーら?ガマ君何か大事な約束でもあるのかしらん?」









蒲郡「…うむ。そうだ」

他四天王「えっ」

蒲郡「…む、そろそろ時間だな」

蒲郡「俺は学園の警邏に行く。皐月様が帰ってくるまでには戻る」

猿投山「お、おう」

蒲郡「…さらばだ」




ウィーン ガシャン



蛇崩「…なにあれ?」

犬牟田「珍しい事もあるもんだな…蒲郡が自ら進んで行動するとはね」

猿投山「あぁ、しかも弁当を二つ持ってだ」

蛇崩「アンタよく二つあるって分かったわよね…見えないクセに」

猿投山「ふんっ、蒲郡の弁当にしてはえらくでかい気を感じたからな」

犬牟田「気…?つまりは手作りという事か」

猿投山「おそらくはな」

蛇崩「へぇ~…なんか面白そうな事してるじゃないの」

‐中庭‐


流子「…で、お前ら何してんだよ」

猿投山「それはこっちのセリフだ纏。どうして垣根に隠れてなどいるんだ」

流子「あ、アタシはちょっと用事があってだな…つーか、人の事言えないだろお前っ!」

蛇崩「あーら?もしかして一緒にお昼食べる友達がいないからかしら?転校生って大変ね」

流子「ばっ!ちげーよ!」

犬牟田「静かにしないか。気付かれるぞ」

皐月「そうだぞ纏流子。貴様には私という最良のお弁当相手がいるだろう」

流子「どっから出てきたてめぇ」

猿投山「さ、皐月様…!?何故ここに?」

皐月「纏流子の残り香を辿ってここまでたどり着いたのだ」

流子「え…?」ゾワァ

蛇崩「流石皐月様♪ストーカーをさせたら右に出る人間はいないわねん」

犬牟田「むっ…どうやら対象が到着したようですね」

マコ「あっ!蒲郡せんぱーい!」

蒲郡「む、来たか」

マコ「ごめんなさーい。マコ遅れちゃいましたかー?」

蒲郡「いや、どうやら俺が早く着きすぎたようだ」

マコ「流石蒲郡せんぱい!時間にもきっちり厳しいんですね!」

蒲郡「当たり前だ!本能寺学園では時間厳守が基本である!この蒲郡、一度たりとも15分前行動を疎かにした事などない!」

マコ「はえーすごーい!マコももうちょっと早く起きれたら遅刻しそうにならないのになー」

蒲郡「…貴様、いつも何時に寝ているのだ」

マコ「えーっと8時にお風呂入ってー9時に流子ちゃんとお喋りしてー」

マコ「10時には夢の中です!」

蒲郡「少し遅いな、では今後九時半には床につくよう努力をしろ」

マコ「えー!?それじゃ流子ちゃんと30分しかお喋り出来ないじゃないですかー!」

蒲郡「貴様が遅刻するから早く寝て早く起きろと言っておるのだ!」

マコ「あっ!マコいい事思いつきました!蒲郡せんぱいがマコの事起こしに来て下さい!」

蒲郡「な、何故この俺が貴様を起こしてやらんといかんのだ!?」

マコ「えーダメですかー?」

蒲郡「ぐっ…だ、ダメではないが…」

マコ「あっ!じゃあうちの電話番号教えますね!」

蒲郡「何ぃ!?」

マコ「マコ、今度から受話器をお布団の近くに置いておきます!」

蒲郡「こ、この俺に貴様っ! も、もももモーニングコールをしろと言うのかぁ!?」

マコ「お願いします!マコを助けると思って!」ウルウル

蒲郡「ぐぅっ!」

マコ「じーっ…」

蒲郡「…か、考えておこう」

マコ「ホント!?やったー!」

マコ「はい!これうちの家の電話番号です!マコ携帯とか持ってないので!」

蒲郡「う、うむ…」

流子「おいおいおいなんだぁありゃ?すげーいい雰囲気じゃねぇか」モグモグ

皐月「纏流子、この竜田揚げも美味しいぞ。口を開けろ」

流子「るっせーなちょっと待ってろ今いいとこなんだよ」モグモグ

犬牟田「それにしても…まさかあの二人がプライベートで逢引をしているとはね」

猿投山「ふん、情にうつつを抜かすとは…四天王が聞いて呆れるな」

蛇崩「そう言いつつ羨ましそうに眉間にしわ寄せてるのは何処のお猿さんかしらね?」

猿投山「何ぃ!?」

犬牟田「…む、蒲郡が風呂敷を広げ始めたな」

蛇崩「あら…意外と可愛いお弁当箱ね」

流子「…なーるほどねぇ。マコの奴が急いで弁当食べてた理由はこれか」

皐月「纏流子、デザートにリンゴを用意している。ウサギさんタイプだ」

猿投山「皐月様…」

マコ「うわー!これ蒲郡せんぱいが作ったんですかー!?」

蒲郡「おう。昨日の夜に下ごしらえは済ませておいた」

マコ「あっ!タコさんのウインナーがある!すごい!目もちゃんと付いてる!」

蒲郡「あぁ、くり抜くのに苦労したがな」

マコ「せんぱいって、意外と器用なんですねー」

蒲郡「貴様ぁ!意外とはどういう意味だぁ!」

マコ「うわぁ!ごめんなさーい!」

蒲郡「全く…下らない事を言わずに食べろ。時間がなくなる」

マコ「あ、はーい!いただきまーす!」

蒲郡「いただきますっ!」パチンッ

ところで「蟇郡」じゃないの?

蒲郡「…うむ、我ながら上出来だ」モグモグ

マコ「……」モグモグ

蒲郡「…どうだ満艦飾」

マコ「……」

蒲郡「…満艦飾?」

マコ「…い」

蒲郡「ぬぅっ?」

マコ「すごい!これすごく美味しいですよせんぱい!」

マコ「マコ母ちゃんのお弁当以外でこんなに美味しいお弁当初めて食べました!うわー!どうしよー!?」

蒲郡「そ、そうか…それは良かったな」

マコ「蒲郡せんぱい、もうこれから一生マコにお弁当作ってください!」

蒲郡「なぁっ!!なななななにを言っているのだ貴様ぁ!?」

マコ「あっ、でもこんなに美味しい物ばっかり食べたら舌が贅沢になっちゃう!」

マコ「やっぱり作らなくていいです!」

蒲郡「ぬ、ぬぅ…っ そ、そう…か」

>>45
ごめん素で間違えた
ちょっと生命繊維に取り込まれてくる

流子「ぷっ!っくっくっくっく…!おもっきりヘコんでやがるっ…!」ケラケラ

蛇崩「ガマ君かわいそー。劣等生より乙女しちゃって」クスクス

猿投山「ふっ…あの程度で心を崩されるとは情けない」

犬牟田「しかしこれはいいデータが取れた。後々使えそうだな」

蛇崩「主にガマ君を弄る為のでしょ?」

犬牟田「よく分かってるじゃないか。流石は蛇崩、蛇のように鋭い」

蛇崩「どーも」

流子「それにしてもまさか蒲郡の奴がマコにねー…何だかなぁ」

皐月「人を愛する事に敵も味方も無い。愛は生命繊維よりも強し」

流子「なんだそのくっせー言い回し…」

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