ミカエル「アニメを作ろう」ガブリエル「何故?」※女神転生のssです(17)

四大天使が集まり、会議をしている。
事の発端は天使長のミカエルだ。

ミカエル「前々から思っていたのだが、我々の目的である神の統治による千年王国の建設……その活動の理解が人の子達には難しいのではないかと」

ウリエル「確かに訳のわからないことを言って反発する者もそれなりにいますね」

ラファエル「全くもって嘆かわしいことだ。永遠の安寧がそこにあるというのに」

ミカエル「そこでだ、我々の活動をもっと人の子に知ってもらおうと思うのだ。きっと反対するのは理解が追いついていないからであり、内実をしっかりと知れば反対する者も少なくなるはずだ」

ガブリエル「その手段として、アニメを作ると?地上では人気らしいですからね」

ウリエル「つまり宣伝活動ですか……一理ありますね」

ラファエル「最近はガイア教が勢力を拡大している、それに対抗するという意味でもアリだな」

ガブリエル「しかし、どのようなアニメを作るつもりで?」

ミカエル「それを今から決めようと思う。子供に人気のあるジャンルはこれだ」

ホワイトボードに箇条書きで書き出されていく。

・ライダー
・戦隊もの
・魔法少女(美少女戦士)
・戦い要素がある
・巨大ロボ

ウリエル「結構色々ありますね」

ラファエル「子供をターゲットに考えているのか?」

ミカエル「鉄は熱いうちに打てというからな。子供の純粋な心の方が我々への理解が早いだろう」

ミカエル「そういうわけで聞くが、どのジャンルがいいと思う?」

ガブリエル「全部混ぜればいいのでは?」

ウリエル「えっ」

ラファエル「えっ」

ミカエル「全部?」

ガブリエル「はい、全部混ぜましょう。人気のあるものに人気のあるものが加わればもっといいものになるに違いありません」

ミカエル「なるほど、その発想はなかった」

ウリエル「全部悪との戦いがベースですから混ぜれないことはないでしょう」

ラファエル「さすがガブリエルだ」

ミカエル「そうなると、バイクに乗った魔法少女が戦隊を召喚して悪と戦い、最終的には巨大ロボでトドメを刺すというような流れでよいのか?」

ガブリエル「だいたいそんな感じでいいと思います」

ミカエル「では、その案で行こう」

ウリエル「じゃあ魔法少女の役はガブリエルはどうでしょうか。強いし、女性型だし」

ガブリエル「私ですか?」

ラファエル「え、でも、少女じゃな(ry」

ガブリエル「喜んでやらせていただきますわ」

ミカエル(魔法少女は高校生が限界と聞いたことがあるが……まあいいか。ガブリエルがすごくやる気になっているし)

ガブリエル「魔法少女にはマスコットが必要ですよね」

ラファエル「マスコット役はエンジェルが適任だと思うぞ。エンジェルが一番下級の中では人気あるし」

ウリエル「何故か人気ですよね」

ガブリエル「マスコットも魔法少女が変身すると同じように変身したりするので、エンジェルにも変身してもらいましょう。私が「メシア、プリズムパワーメイクアップ!」と叫んで変身したらエンジェルも旧デザインから拘束天使の方にチェンジで」

ミカエル「なんだかそれっぽいな。よし、採用」

ウリエル「ガブリエルはどういう変身をするんですか?」

ガブリエル「じゃあ、実際にやってみますね」

ガブリエル「メシア、プリズムパワーメイクアップ!」

変身!まばゆい光がガブリエルを包み込む。

真Ⅳガブリエル「こんな感じの変身で」

ウリエル「おお!なかなかいい感じですよ!それっぽい!」

ミカエル「勇ましい姿だ」

ラファエル「魔法少女にありがちなフリルが全然ついてないのは気になるが、まあ大丈夫だろう」

真Ⅳガブリエル「とりあえず変身を解除しますね」

ガブリエル「変身はこれでいいとして、戦隊をどうやって登場させましょう……」

ミカエル「下級天使を召喚するというのはどうだ?結構色とりどりだぞ」

ウリエル「確かに……パワーがレッド、ドミニオンがブルー、プリンシパリティがグリーン、戦隊って三人でもOKなんでしょうか?」

ラファエル「ようは徒党を組んで戦う集団が戦隊なのだから、三人でもOKだ」

ガブリエル「戦隊の名前はどうします?」

ミカエル「普通に天使戦隊ロウレンジャーとかでよいのでは?多分ジャーがついていればOKだったはずだ」

ガブリエル「ロウレンジャーは私が召喚し、共に悪と戦う……中々面白い展開ですね」

ウリエル「そうそう、敵の設定を決めなければ」

ラファエル「それはもう、そのまま我々の戦うべき相手そのままで良いと思う。悪の秘密結社『カオス』のルシファーを討伐するために、魔法少女ガブリエルは立ち上がった……というような設定でどうだ」

ミカエル「まあそんなところだろうな」

ウリエル「ライダー要素は……」

ラファエル「ガブリエルはバイクに乗れるか?」

ガブリエル「バイクは無理ですが、馬とか戦車なら……」

ミカエル「では、ユニコーンでも用意しよう」

ガブリエル「巨大ロボ要素……まあ、メタトロン殿しか適役はおりませんよね」

ラファエル「それ以外はありえないな」

ウリエル「同意です」

ミカエル「これで、必要なポイントは全て揃ったわけだ」

ガブリエル「では、この方向性でアニメを作っていきましょうか」

ペ天使が出る枠は今はないよ。あの胡散臭さは好きだけど。マンセマットの人気に嫉妬


私、ガブリエル!
どこにでもいる平凡な大天使よ☆
そんなことより、今日はメシア教の集会なのにうっかり寝坊しちゃった!もう、私のバカバカー!!!
そんなこんなで、私は今麦パンを加えながらユニコーンで全力疾走しているのだ☆

ドン☆

その時!私は頭から誰かにぶつかってしまった!
イタタ~
前方不注意、ダメ、絶対!
「大丈夫ですか?」
そう言って、ぶつかった相手を確認してみると……なんとビックリ!
悪の秘密結社「カオス」の一員、ヘカーテだったのだ!
ヘカーテ「お前は……ガブリエル!」
ガブリエル「キサマはヘカーテ……」

魔王ヘカーテが一体現れた!

ヘカーテ「ここであったが百年目、死んでもらうぞ!」
神の御心を果たすため、このガブリエル、悪を討つ。
実を言うと……私、ガブリエルは魔法少女であった!
旧エンジェル「ガブリエル様!変身するのです!魔法少女になってヘカーテを討つのです!」

ガブリエル「メシア、プリズムパワーメイクアップ!」

真Ⅳガブリエル「世界の秩序を守るため、メシアと天使がアクセルシンクロ!
          神に代わって、お仕置きよ!」

拘束エンジェル「頑張って!ガブリエル様!」

魔法少女ガブリエルが一体出た!
天使エンジェルが一体出た!

ヘカーテ「正体を現したな、魔法少女ガブリエル!」

真Ⅳガブリエル「汝の穢れ、汝の罪、このガブリエルが禊いでくれる!」

ヘカーテ「神の操り人形め、これでもくらえ!ムドオン!」

真Ⅳガブリエル「……効かぬ」

ヘカーテ「なにっ!?呪殺耐性だと!」

真Ⅳガブリエル「愚か者め!今度はこちらの番だ!……来なさい、天使戦隊ロウレンジャー!」

ドミニオン「お呼びいただき光栄でございます」

パワー「ただいま参りました!」

プリンシパリティ「なんなりとご命令を」

真Ⅳガブリエル「プランBです」

ドミニオン「分かりました。補助魔法をガブリエル様に!スクカジャ!」

パワー「マカカジャ!」

プリンシパリティ「ラクンダ!」

真Ⅳガブリエル「混沌の者よ、喰らうがいい!これが秩序の力だ!」

真Ⅳガブリエル「メギドラオン!」

拘束エンジェル「でございます」

ヘカーテ「ぐ、ぐわああああっ!」

ドミニオン「悪は滅びましたね……」

拘束エンジェル「やりましたね、ガブリエル様!」

真Ⅳガブリエル「いや、まだ終わってはいない」

パワー「まだ何か?」

真Ⅳガブリエル「あの者は穢れを振りまきすぎた……これより、この町を浄化する!ロウレンジャーとエンジェルは天界に戻っていなさい」

拘束エンジェル「はい!」

魔法少女である私でも、できないことくらいあるの……そういう時は、天界にいる仲魔の助けをもらうの!

真Ⅳガブリエル「ウリエル、ラファエル、ミカエル。聞こえますか?メタトロン殿をこの街を浄化するために降ろしていただきたいのです」

天界総司令室

ウリエル「ガブリエルから要請がありました!」

ミカエル「メタトロン殿の整備は終わっているか?」

ラファエル「コンディションは完璧、今すぐにでも出れるぞ」

ミカエル「よし!メタトロン殿、出撃です!!」

メタトロン「……」ウィーン、ガシャンッ

メタトロンは天界から出撃した!


___その日、その街はシナイの神火に包まれた。

迷えるものよ、混沌に堕ちてはなりません。

混沌の魔に心をあずけたのならば、必ずや天罰が下りその体を焦がすことになるでしょう。

求めなさい、安寧を。

信じなさい、秩序を。

それこそが、人の子の救いの道。



ウリエル「これが第一話です。素晴らしい出来でしょう」

ガブリエル「最後の啓発がとても良いですね」

ミカエル「このような感じでとりあえず1クールやってみよう」

ラファエル「手間をかけた甲斐もあったな」


その後、「魔法少女ガブリエル」は全国に放送された。
一応朝8時に放送されたが、第一話から多くの視聴者を混乱の渦に叩き落とした。
第一話のガブリエルの変身後のグロさや、マスコットキャラのエンジェルが清楚系から拘束ボンテージといった要素から「朝にやる深夜アニメ」などと呼ばれ、ネットで宗教系魔法少女として話題を呼んだ。
その後の話も、
唐突に味方キャラなのにどう考えても頭をいじられて洗脳されてるロウヒーローという新キャラが出てきたり、
毎話メタトロンで街一つシナイの神火で浄化されたり、
毎回必ず最後には啓発文的なものがあったり、
OPとEDが賛美歌だったり、
第10話でICBMが飛んでくる
等秩序をテーマとした割には混沌の極みとしか言えないような内容が続いた。
スポンサーであり制作会社であるメシア教団の知名度は良くも悪くも上がった。
あと、エンジェルやガブリエルの百合色の薄い本とかロウレンジャーや天界総司令部の薔薇色の薄い本とかが出回った。

それを みない なんて とんでもない!
見たらおもいっきしLOWに振り切れそうなアニメ


なんだかんだでカルト的な人気をはくし、メシア教団の知名度アップや経済効果など、割と四大天使の目論見通りになった「魔法少女ガブリエル」は1クールが終わった後もファンから続きを熱望され
続編にあたる「魔法少女ガブリエル Holy Lightnig☆」が放映される予定だったのだが、
明らかに悪い扱いを受けているガイア教団お呼び諸々の悪魔からの訴えにより、放映されるかどうかは裁判を待つことになったのであった……。

ペ天使「ホホウ……裁判、私の出番のようですね」

ガブリエル「……チッ」


終わり

くぅ疲
ロウはネタ的に割と好きです。空回りっぷりと独善っぷりが。
おはようメシアがあるんなら、魔法少女ガブリエルがあったっていいじゃないか
あと、ぶっちゃけ天使系の仲魔で薄い本は百合も薔薇も実際にある
中身を見る勇気はなかった
裁判は屁理屈こねるのが得意なマンセマットおよびLOW属性が有利……かもしれない

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