店長「なぁ、バイトくん」 バイト「なんすか?」(47)

店長「全然 客こないな
   どういうこと?」

バイト「知らないっすよー」

店長「そりゃそうか」

バイト「経営下手なんじゃないっすか?」

店長「む!」

バイト「店長の料理
    おいしいのにもったいないっすよねー」

店長「えへ////」

バイト「料理の味に惚れて
    バイトし始めたようなもんっすから」

店長「おいおいー///
   そんな褒めるなよー///」

バイト「でもこんな経営が下手だとは
    経営と料理の才能でプラマイゼロっすね」

店長「いなめない」

バイト「そこは、いなんでくださいよー」

店長「いや
   断固として いなめない」

バイト「いなんでくださいよー」

店長「はぁ…
   お昼時なのになぁ…」

バイト「昨日はお客さんきたっすよねー」

店長「あの人は常連さんだ
   一週間に1回は来る」

バイト「そういえば そうっすね」

店長「とは言っても半年前くらいからだから
   常連と言うには まだ日が浅いけどね」

バイト「この店っていつからやってるんすか?」

店長「半年前」

バイト「店自体 日が浅いじゃないっすかー」

店長「いなめない」

バイト「気に入ったんすね いなめない」

店長「うん」

バイト「店長ってなにかを気に入ると
    当分ハマって使うっすよねー」

店長「いなめない」

バイト「こないだ 野良猫にごはんあげたときなんて

・・・・・・‥‥‥・・・・・・……

店長『にゃーこにゃーこ』

ねこ『にーにー』

店長『食べおわったか』

ねこ『にー』

店長『なに?
   ごはんくれてバイトくんに怒られるんじゃないかって?』

ねこ『にー』

店長『…怒られる証拠と理由がねぇ…!』

……・・・・・・‥‥‥・・・・・・

バイト「…って言って 皿 投げすててたっすよね」

店長「あの頃のサンジかっこいい」

バイト「わかるっすけど
    まゆげくるくる描いてたのはやりすぎだと思うっす」

店長「だよね」

バイト「暇なときに 足技の練習して
    転んで 捻挫して もう飽きたみたいだからいいっすけどねー」

店長「・・・。」

バイト「それにしても捻挫って まぬけっすよねー」

店長「・・・。」

バイト「店長 どうしたんすか?」

店長「バイトくん…」

バイト「なんすか?」

店長「ムートンショット!」ペシッ

バイト「いたっ
    なにするんすかー」

店長「ムートンショット!ムートンショット!」ペシッペシッ

バイト「ああ~
    まぬけって言ったのは謝るっすから
    やめてくださいよー」

店長「ムトンシャッ!ムトンシャッ!」ペシッペシッ

店長「カルビ!クッパ!サンチュ!」ペシシシッ
店長「ラム!ホルモン!タン!」ペシシシッ

店長「飛べ!ムートンショット!」ペシィッ

店長「おかわりは 自由だぜ?」

バイト「・・・
    ムートンショット以外あいまいなんすねー」

店長「店長のきまぐれムートンショット風 だ」

バイト「…暇っすねー」

店長「焼き肉食べにいくか?」

バイト「自分のきまぐれに食欲刺激されてるじゃないっすかー」

店長「いなめない」

店長「なぁ バイトくん」

バイト「なんすか?」

店長「酒でも飲まんか?」

バイト「えー 仕事中っすよ
          だめっすよ」

店長「バイトくん…

   仕事を言い訳にするんじゃないっっっ」

バイト「えー」

店長「お酒と仕事 どっちが大事なの!」

バイト「その言い回しを使いたかっただけっすよね」

店長「そうやってはぐらかしてっ
   あなたって いっつもそうっっ」

バイト「さすがに きもいっすよ店長」

店長「きもくていいもんいいもん
   きもくていいから酒くらい自由に飲みたい」

バイト「店長は飲めばいいじゃないっすか
    自分は飲まないっすけど」

店長「それは さみしい」

バイト「仕方ないっすよ」

店長「さみしすぎて お客さんがこない」

バイト「それは関係ないっすよ」

店長「さみしすぎて ランチタイムを閉店まで延長したい」

バイト「それは 店長権限で自由にどうぞ」

店長「バイトくんが つめたい」

バイト「そうすか?」

店長「ひんやりとしていて
   つめたさが すごい」

バイト「すごくないっすよ」

店長「ねむい」

バイト「お客さんこないからってそれは だめっすよー…あっ」

店長「ねもい」

バイト「てんちょー…
    もうお酒のんでたんじゃないっすかー」

店長「はっはっはっ
   やっと気づいたか バイトくんよ!」

バイト「いつのんだんすかー」

店長「開店前からちびちびと」

バイト「まじすか」

店長「こいよ!バイトくんこいよ!
   噛んでこいよ!バイトなんだか噛んでこいよ!」

バイト「そんな状態で
    お客さんきたらどうするんっすかー」

店長「こないさ!どうせこないさ!
   もし来たとしたら
   カルビ!クッパ!カルビ!
   ラム!カルビ!カルビ!
   カルビショット!!ってやってるさ!」

バイト「えー」

店長「どうせこないさ…こないさ…」

バイト「きますって そろそろ来る気がするっすよ」

店長「あなたっていっつもそう
   そうやって 期待させるだけさせて…」

バイト「なんの話っすか」


カランコロンカラン

バイト「店長…!お客さんきたっすよ…!

店長「なにぃ~?
   じゃあ…やるか…

   カルビ!クッパ!」

バイト「やらなくていいっすよ…!
    それより早く料理の準備してくださいっす!
    自分は注文うけてきますから!」

店長「うぃー」

バイト「いらっしゃい!
    ま…せ…?」


ねこ人「どうもだにゃ
    おいしい料理があると聞いてきたにゃー」

バイト「そ そうなんすか」

ねこ人「おすすめの魚料理があるかにゃ?」

バイト「わ、わかったっす
    あちらの席について おまちくださいっす」

ねこ人「わかったにゃー はやくにゃー」

バイト「いらっしゃい!
    ま…せ…?」


ねこ人「どうもだにゃ
    おいしい料理があると聞いてきたにゃー」

バイト「そ そうなんすか」

ねこ人「おすすめの魚料理があるかにゃ?」

バイト「わ、わかったっす
    あちらの席について おまちくださいっす」

ねこ人「わかったにゃー はやくにゃー」

バイト「店長っ 店長っ」

店長「うぃー?」

バイト「ねこのようなお客さんがきたっす!
    びっくりっすよー!」

店長「うぃー…うぃー…」

バイト「オーダーは おすすめのお魚料理だそうっす!
    うぃーうぃー言ってないで しゃっきりするっすよ!」

店長「うぃーひっく…」

バイト「まず お水のんでくださいっす」

店長「うぃーむっしゅ!」

店長「できたぞ バイトくん。
   生魚の店長きまぐれ切り だ。」

バイト「刺身っすね
    じゃ、お客さんに持ってくっす」

店長「うぃーひっく!」

バイト「…
    気に入ったんすね うぃーひっくを」

店長「うぃなめなうぃ」

バイト「気に入った同士を合わせたんすね」

バイト「お待たせしたっすー」

ねこ人「まったにゃ!」

バイト「えーっと
    生魚の店長きまぐれ切り っすよー」

ねこ人「刺身だにゃー」

バイト「そうっす 刺身っす
    ではではどうぞ ごゆっくりー…って」

ねこ人「んにゃんにゃうみゃんにゃ」

バイト「もう食べてるっすね」

ねこ人「うみゃんにゃうにゃうにゃ」

ねこ人「おいしかったにゃ!」

バイト「早食いっすねー」

ねこ人「つくった人に
    おいしかったにゃ と伝えてほしいにゃ!」

バイト「ありがとうございますっす
    店長に おいしかった と伝えとくっすよ」

ねこ人「おいしかったじゃなく
    おいしかったにゃと伝えてほしいにゃ!」

バイト「わ、わかったっす
    おいしかったにゃと伝えるっす」

ねこ人「それでいいにゃ!
    んにゃ またくるにゃ!」

カランコロンカラン

バイト「おいしかったにゃっすね おいしかったにゃ」

バイト「店長~」

店長「うぃ?
   ねこみたいなお客さんは もう帰ったうぃ?」

バイト「おいしかったにゃ」

店長「ん?」

バイト「おいしかったにゃ と伝えてほしいにゃと言われたっす」

店長「え?語尾 にゃ だったの?」

バイト「そうっすよ」

店長「いいなぁ!いいなぁ!会いたかった!」

バイト「またくるにゃ って言ってたっすよ」

店長「次来たら 店長 絶対 会う!
   ああ、かわいい声なんだろうなぁ」

バイト「かわいいというより
    ミルクチョコレートボイスだったっすよー」

店長「なにそれ」

バイト「低い甘い声っす」

店長「そ」

店長「ああ~
   バイトくんいいなぁー
   低い声でもねこみたいな人に会えていいなぁー」」

バイト「次きたときは 店長の独壇場っすよ」

店長「・・・。
   バイトくん!!」

バイト「へ?なんすか?」

店長「酔いがさめました。」

バイト「それはいいっすねー」

店長「いいのか 悪いのかは どうでもいい
   ただただ ただただただ 物足りない」
バイト「あー…
    きっと すぐお客さんきて 店長の独壇場っすよ!」

カランコロンカラン

バイト「ほらっ!きたっすきたっす!」

店長「いなめない」

バイト「言葉の使いどころが酔ってる人ゆえっすよ」

店長「のんだくれてるときに限って お客さんがくるもんなのかな?
   今後も酔いながらやればいいのかな?」

バイト「訊かれても困るっすよー
    じゃ 注文うけてくるっすねっ」

店長「・・・。
   酔いながらかな?」

バイト「いらっしゃいっすー」

狐娘「なかなか趣のある店内どすなぁ
   なんや、落ち着きますどすわぁ」

バイト(今度はきつねのような人っすね)

バイト「褒めてもらえてうれしいっすっ
    お客さんの注文は…
    きっと油揚げっすね…!!」

狐娘「ほぅ~
   よくわかりましたなぁ
   そうどす
   油揚げがほしいどす」

バイト「かしこまりましたっす

    ところで
    京都からきたんすか?」

狐娘「やはり、わかりまっしょろか
   この 隠してても にじみ出る京都感
   雅さが そこはかとなく 点在してる感
   隠せんもんどすなぁ」

バイト「は、はぁ~ 
    まぁ、あからさまって感じっすね」
狐娘「あからさまに
   どうしようもなく溢れ出てしまうもんどすなぁ
   困ったもんどすえ」


カランコロンカラン!!


幼狐「そのことについて ぼくが説明します!!」

バイト「ちいさい狐のような人っすねー
    そのことって京都っぽさのことっすか?」

幼狐「はい!京都っぽさのことです!」

狐娘「なんや~ 外でまっときー ゆーたでおまっしゃろ」

幼狐「狐娘さんは 京都に憧れてるんです!
   生まれも育ちも京都じゃないのに
   憧れて京都の言葉っぽいものを使ってるんです!
   だからちょっと変なんです!」

狐娘「憧れてないわぁ
   憧れる以前に わては京都どす
   京都がわてで わてが京都で
   わては京都ゆえ 京都感が憧れだしとるんどす」

幼狐「気にしないであげてください!
   憧れがつよすぎるだけなんです!」

バイト「すぐ憧れる知り合いがいるからわかるっす!
    ではでは きみの分も油揚げ料理持ってくるっすねー」

狐娘「わての肩のあたりが嵐山。
   そのくらい わては京都なんどす」

幼狐「油揚げたのしみです!」

バイト「店長!きつねっす!
    今度は きつねのような人たちっす!」

店長「もぉー
   バイトくんったら そうやってー
   うそついてー バイトくんったら もぉー」

バイト「ほんとっすよっ
    で 注文は油あげ料理だったっすっ
    2人分おねがいしますっすっ」

店長「きつねのような人らしい注文だなぁ
   これは 真実味がある…
   真実味がありすぎて…
      ぁゃιぃ……!!!!」

バイト「そんなにあやしむなら
    見てきたらいいっすよー」

店長「いや!あえて見ない!
   見たら負けな気がする!」

バイト「勝ちも負けもないっすけどねー」

店長「これにて 店長の 見ぬ勝ちだなっ」

店長「できたよバイトくん
   油揚げを ただただ焼いて醤油であじつけたやつ」

バイト「シンプルっすねー」

店長「油揚げが あったからよかったものの
   普段 スパゲッティやら
   そういうのしか作らないと喫茶店
   シンプルに 焼くくらいしか
   店長 知らんのよ 油揚げ料理 店長知らんの」

バイト「シンプルが引き出すこうばしい香りが最高っす!」

店長「店長 知らんのよ」

バイト「お客さんに だしてくるっすね」

店長「知らんの店長」

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