アルミン「こんなことならマルコと友達になるんじゃなかった」(143)

アルミン「ジャン…もう部屋に帰って休もう…」

ジャン「…あぁ…」

アルミン「…」

ジャン「…なぁ、アルミン」

アルミン「…何?」

ジャン「オレ達も、誰にも知られずに死ぬのかもな…」

アルミン「…」

ジャン「…悪い、変なこと言った」

アルミン「…ううん」

ジャン「行こうぜ」

アルミン「うん」

スタスタスタ

アルミン「…」

ジャン「…」

アルミン「…ぅ」

ジャン「…」

アルミン「…くっ…ぅ…」

ジャン「…アルミン」

アルミン「…ご、ごめん……ごめ…ん…」

ジャン「…いや…」

アルミン「…う…ぅ…」

ジャン「…泣いてもマルコは帰ってこねぇよ…泣き虫が…」

アルミン「…ごめん…」

ジャン「…」

アルミン「さ、先に行くね…」タタッ

ジャン「あぁ…」

ジャン「…」

ジャン(あいつもマルコと仲良かったもんな…)

ジャン(…すまない、マルコ。オレはアルミンみたいに涙は流せないみたいだ)

ジャン(なんか実感わかねーよ…オレが死体拾ったのにな…)

ジャン(なぜかまだその辺にいる気がしてならねーんだよ…)

ジャン(…)

アルミン「…ここまで来れば…誰もいないよね…」

アルミン「…」

アルミン「マルコ…」

アルミン「…」グッ

アルミン「」スゥッ

アルミン「マッジでふざけんなよ!ゴリラのマネしながら着いてくんなよ!!!!」

マルコ「えぇー?でもなかなかいい出来だったでしょ?アルミンもウケてたじゃん」

アルミン「そうだね!でもあそこで笑ったら人として最低だからね!!」

マルコ「笑ってたじゃん。うわぁー最低だー」

アルミン「うっさいなぁ!!誤魔化すのめちゃくちゃ大変だったんだから!!」

マルコ「上手く泣いてると思わせてたね」

アルミン「あれ以上ジャンと一緒にいたらヤバかった…殴られても文句言えない…」

マルコ「笑っちゃいけない状況だと急に沸点低くなるよね。分かる分かる」

アルミン「分かっててやるから君ってタチが悪いよね!」

マルコ「あ、途中から徐々にクリオネにしてったんだけど分かった?」

アルミン「うるせぇ!蝋人形にしてやろうか!」

マルコ「怖い」

マルコ「ていうか蝋人形どころかもう死んでるし」

アルミン「うん…実体があったら殴りたいよ…」

マルコ「うーん…アルミンに殴られても正直ダメージないかな?」

アルミン「幽霊だしね…」

マルコ「いや、生前でも」

アルミン「ちくしょう」

アルミン「え?ていうかなんで僕?なんで僕にしか見えないの?いままで幽霊とか見えたことないんだけど」

マルコ「そりゃ僕がアルミンにだけ見えるようにしてるからだよ」

アルミン「え?」

マルコ「まぁ都合がいい性能だよね」

アルミン「でも…なんで僕?ジャンのところに行った方がいいんじゃ…」

マルコ「いやー…ちょっとタイミング伺ってたんだけど…」

アルミン「うん」

マルコ「こんなにはっちゃけてるの見られたらいろいろ気まずいかなって…」

アルミン「おい。僕は?僕は気まずくなってもいいの?」

マルコ「だって所謂成長イベントだったじゃない。さすがにその辺は空気読むよ」

アルミン「お、おう…」

マルコ「だからアルミンのところに来ようかなーって」

アルミン「うん…喜んでいいのかな…」

マルコ「アルミン マイ フレンド」

アルミン「こんなことならマルコと友達になるんじゃなかった」

マルコ「またまたー」

アルミン「笑っちゃいけない時ピンポイントで狙ってこないでよ…埋葬の時とか本当に死ぬかと思った…社会的に…」

アルミン「ていうか成仏しなよ…僕にまとわりついて何日経つんだよ…」

マルコ「うーん?三日かな?」

アルミン「僕にはその三日が三週間に感じられたよ…成仏してよ…頼むから…」

マルコ「えぇーだって未練あるし」

アルミン「あ…」

アルミン(そりゃそうだよな…僕はなんてことを…)

マルコ「まだ披露してないネタあるし、もうちょっとフリーダムに楽しみたいし」

アルミン「塩ない?塩」ゴソゴソ

マルコ「ないよー」

アルミン「ちくしょう」

アルミン「ねぇ?君本当にマルコ?僕が知ってるマルコって真面目な優等生だったんだけど…」

マルコ「そう、実はオレ、コニーなんだ」

アルミン「コニー死んでねぇよ。このゴーストタイプが」

マルコ「それ悪口なの?」

アルミン「かみつく」

マルコ「そういえば最近ポケモンやってないなー」

マルコ「正直に言うとさ、訓練兵時代キャラ作ってた」

アルミン「え?」

マルコ「いや、憲兵に行くのにあんまりふざけてると評価マイナスになるかもしれないし」

アルミン「今現在、僕の中でマルコの評価はどんどんマイナスになってってるけどね」

マルコ「書き溜めたネタ帳が三年間で50冊を突破しました」

アルミン「え?もしかしてよく夜中に書いてたノートって…」

マルコ「三日でやっと一冊目の半分ぐらい披露できたかなー」

アルミン「マルコ…夜中まで勉強しててすごいなって思ってたのに…」

マルコ「訓練兵時代は発散できなくてモヤモヤしてたけど、今となってはそれも関係ないからね」

アルミン「全力だよね…」

マルコ「実を言うと憲兵にいったらカミングアウトしようと思ってたんだー皆びっくりしただろうなぁ」

アルミン「確かにびっくりした。『一発芸やりまーす』って言いながら半分になったマルコが物陰からとび出してきたのは本当にびっくりした」

マルコ「やっぱりずっと真面目できたから意外だったよね」

アルミン「うん。僕がびっくりしたのはそこじゃないけどね」

マルコ「まぁ、死んだのは残念だけど…いろんな縛りがなくなったからめっちゃ楽しいー!」

アルミン「はぁ…」

マルコ「アルミンもこっちくれば?」

アルミン「やめて、その軽いノリやめて」

マルコ「まぁ僕がアルミンの方に行けばいいんだけど」

アルミン「やめて」

マルコ「49日までは意地でもいるよ」

アルミン「塩っていくらぐらいかなぁ…僕の全財産でどれくらい買えるかなぁ…」

マルコ「同じ重さの金と同じくらいだって!」

アルミン「エリート塩でも作ろうかなぁ…誰か提供してくれないかなぁ…」

マルコ「ていうかアルミン、なんかイライラしてない?」

アルミン「寝てないんだよ!夜な夜な耳元でカンノウ本の朗読すんなよ!」

マルコ「あ、イライラじゃなくてムラムラか」

アルミン「別に上手くないからね!?男の声で喘ぎ声再現されても気色悪いだけだから!しかも感情込めてやるなよ!」

マルコ「ちなみにあれジャンの本だよ。その前はトーマスのやつ」

アルミン「どうでもいいよ!ていうか死後カンノウ本漁られてるトーマスかわいそう…」

マルコ「許可はアルミンのカンノウ本と交換してとってあるよー」

アルミン「まっ、ちょっと、びっくりして何から言えばいいか分かんない」

アルミン「トーマスも幽霊になってるの?」

マルコ「うん。会ったよ。あとミーナとかフランツとか。もう皆成仏してったけど」

アルミン「え、そうなんだ…」

マルコ「楽しかったなぁ。幽霊皆でやったお疲れさま会。食事はできないからゲームとかやったりして…」

アルミン「君の場合はお憑かれさま会なんじゃない?」

マルコ「キャンプファイヤーでのマイムマイムはやっぱ定番だよなー」

アルミン「キャンプファイヤーって…おい!あの時か!こっちが悲嘆に暮れてる時に!」

マルコ「焼きマシュマロ食べたかったなぁ…燃料自分たちだけど」

アルミン「おい」

マルコ「あ、これはミーナが言ってたことだよ」

アルミン「うわぁ…こっちが悲しんでる時にマルコたちはレクやってたとか…うわぁ…」

マルコ「生きてるとなかなか全開ではしゃげないよねー全員テンション高くて凄かった」

アルミン「なんだろう…この温度差…」

アルミン「あぁ…ずっと話してたらかなり時間経っちゃった…」

マルコ「あ、そろそろ戻る?」

アルミン「うん…」

マルコ「じゃ、逝こうか」

アルミン「僕はまだ先でいいよ…そっちに引っ張らないで…」

マルコ「軽いゴーストジョークだよ。さぁごはんごはん!」

アルミン「わっ!断面こっちに向けるなよ。まだ若干慣れてないんだから…」

マルコ「あ、失礼。僕も若干慣れてないもんだから」

アルミン「食事前だというのに」

マルコ「マルコのココ、空いてますよ」

アルミン「物理的にね」

ライナー(なんだ…あれは…)

ライナー(いつまで経っても来ないから探しに来たら…アルミンの奴、一人でしゃべってやがる…)

ライナー(…そうだよな…あんなにいろいろあったんだ…心が疲れても仕方ない…)

ライナー(俺がよく気にかけておいてやろう…)

ライナー「(ちょうど今来たフリをして…)おう、アルミン、こんなところにいたのか」

アルミン「あ、ライナー」

ライナー「飯の時間だ。いくぞ」

アルミン「うん」

マルコ「ある程度遊んだらどっか旅行いこうかなー」

アルミン(こいつ本当に自由だなぁ…)

数日後

マルコ「あれ?今日はなんかあるの?」

アルミン「ずっと僕にくっついてるんだから君も聞いてただろ?調査兵団が捕獲した巨人が誰かに殺されたんだ」

マルコ「あーそういえばそんなこと誰か言ってたね」

アルミン「そう。だから立体機動装置を使った形跡がないか検査するんだ」

マルコ「へぇー犯人見つかるといいな」

アルミン「…ねぇ、マルコ。こんな時に聞くのはなんだけどさ…」

マルコ「スリーサイズ?」

アルミン「違うよ…」

マルコ「BとWは激痩せしちゃったからな…Hだけでいい?」

アルミン「聞けよ」

アルミン「君ってやっぱり巨人に殺されたの…?」

マルコ「そうだよ」

アルミン「…そっか…」

マルコ「どうしてそんなことを?」

アルミン「ジャンがさ…君がどんな風に死んだのかって…言ってたんだ…」

マルコ「…そう。まぁ確かに人に看取られて死ねなかったね」

アルミン「…マルコが死ぬなんて思ってもなかった」

マルコ「…」

アルミン「…立体機動もそれなりに上手かったし、判断力も兼ね備えてた。そんなマルコが…」

マルコ「うわ、いきなり褒めないでよ。照れる」

アルミン「…」

コニー「お、アルミン、こんなとこで何やってんだ。早く行かないと怒られるぞ」

アルミン「あ、うん…」

検査官「これを最後に使用したのはいつだ」

訓練兵「はっ!前の奪還作戦以来、使用していません!」

コニー「なぁ…やっぱり憲兵のほうがいいのかな…どう思う…?」

マルコ「憲兵かーなりたかったなー。行きたいなら行ってもいいんじゃない?」

アルミン「…」

マルコ「あ、旅行、シーナに行こうかな」

アニ「…あんたは人に死ねといわれたら死ぬの?」

コニー「へ?」

マルコ「王都見学ツアー…って行っても一人だけど…うん、楽しそう」

アルミン(本当に旅行するのか…)

マルコ「あ、今思ったけど普通に王見られるじゃん。生で。わ、楽しみ。早速行ってこよ」

アルミン(うるさい…ん?)

検査官「これを最後に使用したのはいつだ」

アニ「奪還作戦以来、使用していません」

検査官「…うむ。使った形跡もないな…よし、いいだろう」

アルミン(…あれは!)

アルミン(あの傷…へこみ…!間違いない!マルコの立体機動装置だ…!)

アルミン(なんでアニが…!?一体どういうことだ…)

アルミン(…調査兵団の巨人を殺したのはアニ…なのか…?)

アルミン(…さっきマルコは巨人に殺されたと言っていた…)

アルミン(考えろ…巨人殺し…アニ…立体機動装置…マルコの最期…)

アルミン(…)

アルミン(考えるより本人に聞いたらよくない?)

アルミン(マルコ!マルコ!)キョロキョロ

アルミン(…あれ?)

アルミン(さっきまでいたのに…どこへいった?)

コニー「アルミン、キョロキョロしてどうしたんだ?」

アルミン「あ…なんでもないよ…」

アルミン(最近は鬱陶しい程絡んできたから近くにいるはずなんだけど…)

アルミン(あれ?あれれ?)

アルミン(…ん?そういえばさっき…)

マルコ『早速行ってこよ』

アルミン(…)

アルミン(奴、旅行に行きやがった)

検査終了後・井戸

アルミン「なんでこのタイミングでいなくなるんだよ!!」ワー

アルミン「濡れ落ち葉みたいにずっとくっついてたくせに!!」ワー

アルミン「よりによってなんで必要な時にいなくなるんだクソが!!」ワー

アルミン「バカ!バカ!バカ!バカ!もう…バカ!そばかす!」ワー

アルミン「」ハァハァ

アルミン「…でも今日は久しぶりにゆっくり寝れる…!」

ライナー(アルミン…井戸に向かって何か叫んでたな…大丈夫だろうか…)

若干本誌のネタバレあり

アルミン「それから一週間、マルコは帰って来なかった」

アルミン「不思議なものであんなにうるさかったはずなのにいざいなくなると寂しいものだった」

アルミン「もしかしたらあれはマルコの幽霊でもなんでも無く、僕の願望が見せた幻だったのかもしれない」

アルミン「静かな夜、ふとマルコと過ごした訓練生活を思い返すと自然と涙があふれた」

アルミン「こんなに悲しい思いをするならマルコと友達になるんじゃなかったと何度も身勝手なことを考えた」

アルミン「僕はなんとしてでも彼の死の真相を確かめたい。そのためには…」

マルコ「ただいま」

アルミン「折角格好よく閉めようと思ったのにこの野郎」

アルミン「もう帰ってきたの?」

マルコ「うん。壁外調査までには帰ってこようと思って」

アルミン「…本当は?」

マルコ「王の枕元にずっといたら塩まかれた」

アルミン「やっぱりお金があると違うなぁ」

マルコ「あと…まぁ…うん…いろいろ黒かった…」

アルミン「?」

マルコ「そんなショックにも負けず、戻ってきた次第です」

アルミン「はぁ…」

マルコ「あ、そうそう。>>30だけど改めて自分の体をよく見たらWは別に激やせしてなかった」

マルコ「少し見栄張っちゃった。ごめんね!」

アルミン「うん…すごくどうでもいい…」

マルコ「そんなとこでこれからもよろしくね!」

アルミン「こんなことならマルコと友達になるんじゃなかった」

おわり

久しぶりに進撃書いたら半端ないスランプ
寝る

雑な終わらせ方&続き思い付いたからまた書く
本誌バレ注意

入団式

サシャ「死にたくない…死にたくないよう…」

コニー「あぁ…とうとうこの時か…」

マルコ「お、なんか僕のスペース詰めてあるから狭いけど、半分だからちょうどいいや」グイグイ

ジャン「あぁ…馬鹿…どうすんだよ…オレ…」

マルコ「やぁ、コニー。久しぶり。髪切った?」

コニー「やっぱり憲兵か…でも…」ブツブツ

マルコ「両手にジョリジョリ。まぁ片方触れないからジャンの刈上げだけで我慢しとこ」ジョーリジョーリ

ジャン「いっ!?」ゾワァ

コニー「うぉっ、いきなりなんだよ…ジャン」

ジャン「わ、悪い…なんか寒気が…」ゾワゾワ

マルコ「団長はまだ出てこないのかなー」ジョーリジョーリ

アルミン(また変なことやってる…)

エルヴィン「…訓練兵、卒業おめでとう。今日、君たちは所属兵団を決定しなければならない」

アルミン(…!あれがエルヴィン団長か…!)

アルミン(冷静沈着で頭脳明晰、腕もたつ…!あのエルヴィン団長があそこに…!)

アルミン(団長が現れたら場の空気が一気に引き締まった…)

アルミン(う…今更緊張が…)

アルミン(…はぁー…落ち着け…僕はもう決めている…)

アルミン(…くじけないように…頑張ろう…)

アルミン(他の皆はどうかな…)チラッ

コニー「…」

ジャン「…」

アルミン(…んっ?やばい、さっきいた所にマルコがいない)

アルミン(…やばいやばいやばい!絶対仕掛けてくる!)

アルミン(どこだ!どこにいる…!!)

アルミン(…あ、団長の横でヒゲダンス踊ってる…)

アルミン(よかった…あんまり面白くないや…)

アルミン(あ…僕が笑わないもんだから必死になってきてる…)

アルミン(…うん…もう無心でいよう…ちょっと顔芸が大変になってきてるから危機感…)

アルミン(…無心無心)

アルミン(…)

エルヴィン(あの訓練兵…心が静まったいい目をしている…)

マルコ「これもダメか!!じゃあ次!育毛剤を物色してたら訓練兵に見つかりそうになり、慌てて誤魔化そうとする教官のマネ!」

アルミン(無心無心無心無心無心無心)

エルヴィン(困難に立ち向かおうとする強い意志がみられるな…是非調査兵団に入って欲しいものだ…)

トイレ

アルミン「…言うことは?」

マルコ「あそこは教官のマネじゃなく、エルヴィン団長のヅラをネタにするべきでした」

アルミン「そうじゃないだろ…だからああいう場で笑わせ…えっ?」

マルコ「ちぇーとっておきだったのになー教官ネタは鉄板なのに」

アルミン「待って待って待って。え?ヅラ…?」

マルコ「そうそう。教官ってヅラ、検討してないのかな?あ、でも今更不自然か」

アルミン「そうじゃない!エルヴィン団長!」

マルコ「あぁ。後ろからピン見えたよ」

アルミン「嘘だ…」

マルコ「嘘だよ」

アルミン「ギィィィもはや言葉にならない」

マルコ「虫の鳴き声?」

アルミン「ギィィィ」

マルコ「アルミン顔ヤバい。顔」

マルコ「で、ほとんど皆が調査兵団に入ったんだね」

アルミン「うん。アニ以外は」

マルコ「憲兵かぁー…旅行いったらもうどうでもよくなちゃった…」

アルミン「そうだ!聞きそびれてた!マルコ!君の立体機動装置をアニが持ってたんだ!」

マルコ「ほぅ」

アルミン「ねぇ…こんなこと聞きたくないけど…」

マルコ「そばかすの数?」

アルミン「」

アルミン「はい」

アルミン「君はアニに殺された…とか…?」

マルコ「スルースキルを身に着け始めたね。ま、想像に任せるよー」

アルミン「そうはいかないから聞いてるんだ!」

マルコ「正直死に際はわちゃわちゃしてたからよく覚えてないんだ。それに…ちょっと…いろいろ…」

アルミン「へ?」

マルコ「僕も気になったから一回後を着けようとしたんだ」

アルミン「うん」

マルコ「途中まではよかったんだけど…邪魔されて…」

アルミン「邪魔?塩投げられたとか?アニは霊感あるの?」

マルコ「ううん。邪魔したのはアニじゃない。なんか十歳前後の男の子の幽霊がいるんだよねー」

アルミン「えぇ!?誰それ?」

マルコ「知らない子。うさみちゃんみたいな目で威嚇してくるからめっちゃ恐い」

アルミン「うさみちゃん?」

マルコ「あ、アルミンはギャグマンガ読まないっけ?まぁとにかく変態見つけたような目で睨んで来るから恐い」

アルミン「今の君は変態よりたちが悪いからね…」

マルコ「別にアニをどうこうするつもりじゃなかったんだけどなぁ」

マルコ「どっちかと言うとライナーとかベルトルトの周りによくいるから二人の昔の友達かも」

アルミン「…だったらなんでアニに…?」ムムム

マルコ「まぁ、ということで謎ときには協力できないよ」

アルミン「マジかー」

マルコ「オジャマルコ」

アルミン「うわぁ」

マルコ「それよりそろそろ行った方がよくない?絶対に大、しかもかなりの大物だと思われてるよ」

アルミン「!?」ダダッ

壁外調査

女型「…」ダダダダ

アルミン「!!うわぁぁぁ!」

マルコ「おぉぉぉ!!」

アルミン「追いつかれる…!」ダダダダ

マルコ「これは無理だよー。潔くあきらめて…」

アルミン「だから引っ張るな!こんな時に!」

女型「…」ガッ

アルミン「あっ…!」

アルミン(あ…あぁ…)

女型「…」

アルミン(女型が近づいてくる…もう終わりだ…)

女型「…」スッ

アルミン(…フードを?)

アルミン(…)

アルミン「……いやっふぅぅぅぅぅ!!!」

女型「!?」

アルミン「うわぁぁぁぁうおぉぉぉぉ!逃げるぞぉぉぉ!!」ダダダダダ

女型「!?(生身で駆け出した!!)」

アルミン「うわぁぁぁぁ!やべぇぇぇ!!」ピョイーンピョイーン

女型(早い!でも動き気持ち悪っ!)

女型(…これはエレンじゃないな…次に行こう…)スッ ダダダ

アルミン「うぉぉぉぉ!!」ピョイーンピョイーン

アルミン「」

ジャン「バッカ!お前!バッカ!何とち狂ったことしてたんだよ!馬に乗らないで逃げる奴があるか!!」

ライナー「さすがの俺でも驚いたぞ…」

アルミン「いや…僕にも何がなにやら…ていうか記憶がない…」

ライナー「まぁ…テンパると意味不明な行動したりするもんな…」

ジャン「!!おい!女型の巨人が…!」

マルコ「げぇっ!」

ライナー「とにかく追いかけるぞ!俺達で仕留めるんだ!」

女型戦後

アルミン「」

ライナー「おい…アルミン…お前…」

ジャン「また気持ち悪い動きしてたな…女型がドン引きで去ってったぞ…」

ライナー「…とにかく傷の手当てをしよう…ジャンは馬を」

ジャン「おう」

マルコ「血がドバドバ出たね。さすがの僕もビビった」

アルミン(ヤバい、マジで記憶がない)

マルコ「取り憑きって結構できるもんだね。これは発見」

アルミン(お前か!!)

ライナー「おい、アルミン、アルミン?」

アルミン「あ…?あぁ…ごめん…」

ライナー「大丈夫か?」

アルミン「うん…まだ少しボーッとするよ…」

ライナー「…さて…辛い選択だが…ここに残る奴を決めなきゃならない」

ジャン「!!」

マルコ「馬ならジャン含めて2頭いるじゃない」

アルミン「はっ倒すぞ(僕が残る!)」

ライナー「!?」

ジャン「!?」

アルミン(!!??間違えたぁぁ!!)

ライナー「いや…な…?気持ちは分かるが…しょうがないだろ?」

ジャン「ライナーの言うとおりだ…ここで立ち往生しても3人とも死ぬだけだぜ…?」

アルミン「…ハイ(すごい丁寧に説得されてる…死にたい…)」

マルコ「…な、なんか…ごめん…」

アルミン(やめろ…ここにきてマジで謝るのやめろ…)

アルミン「…取りあえず信援弾撃ってもいい…?」

ライナー「お、おう…」

ジャン「あぁ…」

アルミン(…気まずい…)ターン

クリスタ「みんな*?*大丈夫!?」

ジャン「クリスタ!」

アルミン(よかった…気まずい空気から抜け出せた…クリスタ本当女神…)

ライナー「よくあの信号でこちらに来る気になったな」

クリスタ「ジャンの馬もいたし…」

クリスタ「それにしても…皆、最悪なことになって無くて本当に良かった…」キラキラ

アルミン(神様…!)

ジャン(女神…!)

マルコ「女王」

ライナー(結婚したい…)

巨大樹の森付近

ジャン「おーい!アルミン!遅れてんぞ!」

アルミン「ごめん!すぐ追いつくからちょっと先行ってて!」

ジャン「あんまり隊列乱すんじゃねーぞー!」

アルミン「うん!」

マルコ「やっと二人になれたね」

アルミン「気持ち悪いからそういう言い回しはやめてよ」

マルコ「うん。自分で言ってても気持ち悪い」

アルミン「なら余計に言わなきゃいいじゃない」

マルコ「多少自分に被害あってもこのノリは止められない」

アルミン「なにその自己犠牲精神」

マルコ「しかし本当に大きな樹だねーいい観光地だっただろうに」

アルミン「エルヴィン団長はなんでこんな所に…」

マルコ「きっと新兵の歓迎式だよ」

アルミン「はいはい…」

マルコ「来賓は巨人の皆さんって感じだね」

アルミン「ははっ」

アルミン「あー…マルコと話してると緊張感がなくなる…ていうか脱力する」

マルコ「そのまま脱魂すれば?」

アルミン「しつこいよそのネタは…」

マルコ「アルミンもだんだん僕のジョークに対してシビアになってきたね。初めの頃はもっと笑わせやすかったのに」

アルミン「二十四時間も聞いてるとね…夢の中にまで君でてくるじゃん…」

マルコ「幽霊って本当万能すぎて困っちゃう」

アルミン「困ってるならそのまま成仏すれば万事解決だよ」

マルコ「言うようになったなぁー」

アルミン「本当にマルコがこんな奴だったなんて…」

マルコ「ジナエのひょうきんマルちゃんとは僕のことだよ」

パカパカパカパカ

ジャン「お、やっと追いついたか」

アルミン「うん。ごめん」

ジャン「それにしてもエルヴィン団長は何を考えてるんだ…オレ達新兵への歓迎会でも開こうって言うのか?」

アルミン「巨人が来賓とか笑えないよね」

ジャン「…」

アルミン「うん?どうしたの?」

ジャン「いや…お前も冗談とか言うんだな」

アルミン「??」

マルコ「うわぁ…ジャンと僕、同レベルかぁ…ちょっと修行が必要かなぁ…」

アルミン(またなんか言ってる)

いろいろあって

エレン「さっさとこっちに来いよ!ふざけてんじゃねぇ!」

ミカサ「エレン、叫ばないで」

アニ「大丈夫でしょ、ミカサ。何故かこの辺にはさっきから一人も人がいないから」

アルミン「…」

アニ「全く…傷つくよ…アルミン、いつからそんな目で私を見るようになったんだい?」

アルミン「…ねぇ、アニ…なんで…」

マルコ「そんな目で、って言い方、なんかいやらしい感じするよね」

アルミン(うるせぇ)

エレン「…おい、アルミン?」

アルミン「あ、ごめん…」

アニ「…」

ミカサ「…」

アルミン「コホン…なんで…マルコの野郎の立体機動装置を持ってたの…?」

アニ(野郎?)

エレン(野郎?)

ミカサ(野郎?)

アルミン「どんな小さな傷やへこみでも…一緒に整備した思い出だから…」

回想

アルミン「マルコは丁寧に整備するんだね」

マルコ「うん。普段からきちんと手入れしておけばいざという時に頼りになるからね」

アルミン「あ、そこの金具、そうやって手入れすればいいんだ」

マルコ「そうそう。ここをしっかりやっておくと凄く調子がいいんだ」

アルミン「さすがだなぁ…」

マルコ「そんなことないよ。あ、ここ、また傷がついてる」

アルミン(マルコはすごいなぁ…)

回想終了

アルミン(あのころのマルコはまともだった…)ズーン

ミカサ「…アルミン?」

アルミン「あ、ごめん…とにかく一緒に整備した思い出だから…」

回想

マルコ「ときにアルミン」

アルミン「なに?」

マルコ「この傷、どことなくお尻に見えない?」

回想終了

アルミン「…見間違えるはずがないんだよぉぉぉぉ!!」パァーン!!

アニ「!?」

エレン「!?アルミン!?まだ早すぎるだろ!?」

ミカサ「いろいろ大切な会話をすっ飛ばした気がする…」

調査兵「うぉぉぉぉぉぉ!!」ダダダダ

調査兵「確保ぉ!」ガシッ

アニ「くっ…!」

マルコ「あれ?アルミンなんでブチ切れたんだろ?なんか嫌なことでも思い出したのかな?」

さらにいろいろあってライベル追跡

ジャン「お前の寝相の悪さは芸術的だったな!」

ジャン「…けどよ…あんなことした加害者がよく…被害者達の前でぐっすり眠れたもんだな」

コニー「おっさんになるまで生きて皆で酒飲もうって話したのも全部嘘だったのか?」

ベルトルト「…っ」

鎧「…」

アルミン(…)

コニー「お前らは今まで何考えてたんだ!?」

ミカサ「そんなもの分からなくt」

アルミン「夜遅くまで男子全員でフェチ談義したのも、カンノウ本鑑賞会したのも嘘だったのか!?」

ベルトルト「!?」

鎧「!?」

ミカサ(台詞さえぎられた)

ジャン「ばっ!?突然なに言い出すんだ!?女子もいんだぞ!?」

コニー「嘘もなにもそれは実際にあったから事実じゃないか?」

アルミン「そう!それは事実だ!男同士の友情をそうやって築き上げてきたじゃないか!?」

クリスタ(男の子ってそうやって友情を深めるんだ…)

アルミン「美乳について熱く語るライナーの姿は目に焼き付いている!」

鎧「!?」

エレン(嫌なものが焼きついちゃったんだな…アルミン…)

アルミン「普段寡黙なベルトルトが静かに、且つ情熱的に脚線美について語っていたのもよく覚えている!」

ベルトルト「ちょ、ちょっと…!」

ユミル(うわぁ)

アルミン「そういうことだから早くエレンを返したほうがいい!」

コニー(どういうことなのか分からないのはオレが馬鹿だからかな…)

ベルトルト「恥ずかしい話暴露されて誰がっ!言うこと聞くんだ!」

エレン(さすがにオレもそう思う)

アルミン「それじゃあ僕たち側の恥ずかしい話すればいい!?エレンは普段そういうのに興味ないふりしてるけどムッツリなんだ!!」

エレン(!?)

ジャン「なんだ…この流れ…」

アルミン「巧妙にベッドの隙間へ大量の本を…」

エレン(うわぁあぁぁあぁぁぁ!!!なんで知ってんだよ!!!誰も知らないはずなのに!!!)バタバタ

エレン(うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!…あ)

ミカサ「…」

エレン(そういえばミカサが今、近くにいるじゃねぇか…)

エレン(…うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!(※))バタバタバタ 

ベルトルト「エレン!!気持ちは分かるけど暴れるな!!」

鎧(気の毒に…)

(※)母親(家族)に持ってるカンノウ本を見つけられたときの絶望感に酷似

アルミン「さぁ!そろそろ返して貰おうか!」

ベルトルト「そういう問題じゃない!」

ミカサ(私もそう思う)

アルミン「それじゃあジャンの恥ずかしい話!」

ジャン「!?」

ジャン(ヤバい…!この流れだとオレの黒髪フェチのことがバラされちまう…!)

アルミン「ジャンは毎週お母さんに手紙を書いて送ってるんだ!でも恥ずかしいから夜中に布団の中でこっそり書いてるんだよ!」

ジャン「!?」

コニー「…」ニヤニヤ

クリスタ「…」ニコニコ

ジャン「やめっ…!やめろ!微笑ましい目で見るな!」

ジャン「ガチで恥ずかしい話暴露してんじゃねぇぇぇ!!」

ジャン「くそ!こうなったらアルミン!お前の恥ずかしい話暴露してやる!」

アルミン「おぉ?やってみ?」

ベルトルト「そうだ!ジャン!頼む!」

鎧(頼む!)

エレン(頼む!)

コニー「すげぇ、説得してたはずがいつの間にか暴露大会になってる」

ミカサ(男子のノリについていけない…)

クリスタ(ミカサ、居心地悪そう…かわいそう…)

ユミル(こいつら馬鹿なのかな)

ジャン「キツイ訓練のあと、オレとお前が片付け当番な時あっただろ?」

アルミン「あー…あったかも」

ジャン「その時女子の物と思われる靴下が更衣室近くに落ちてたんだ」

アルミン「うん」

ジャン「疲れて意識が朦朧としてたのか知らんが…お前はその靴下をおもむろに拾って匂いを嗅いでたよな!!」

アルミン「マジで?アルミンそれは流石に引くミン…」

ジャン「自分で引いてんじゃねぇよ!!」

ユミル(もうやだこいつら)

ハンネス「お前らそこから離れろ!エルヴィンの野郎…!巨人を引き連れてきやがった!」

一同「!!」バッ

エルヴィン「総員散開!巨人から距離を取れ!」

ミカサ「…っ!」ヒュン

アルミン「痛っ!」ドサッ

アルミン「…あれ?僕は一体何を…?」

マルコ「引くミン…」

アルミン「えっ?何?」

鎧(このままじゃジリ貧…!踏ん張れよベルトルト…!)

ベルトルト「!!」

ジャン「手を放した!」

ミカサ「今なら…!」

アルミン「うあぁぁぁぁ!」

マルコ「がんばがんば!あとちょっとだよー」

アルミン「ベルトルト!」ヒュン

ベルトルト「!」

エレン(アルミン!)

アルミン(何を…何を捨てればいい?僕の命と…他に何を捨て去れば変えられる!?)

アルミン(他に何を…)ドクン

アルミン(…!)

アルミン「いいの?二人とも…仲間を置き去りにしたまま故郷に帰って…」

ベルトルト「!」

ライナー「!」

マルコ「アルミン!見てみて!鎧の巨人って髪の毛も硬いんだね!すごい!」

アルミン「…アニを置いて行くの?アニなら今…極北のユトピア区の地下深くで…」

マルコ「すごい!硬い!まるで針金!感動!」

アルミン「(うるさい!)剛毛を受けてるよ!」

アルミン「」

ベルトルト「…?」

エレン「…?」

鎧「…?」

アルミン(うわぁぁぁ!変な空気になちゃったよ!皆きょとんとしてる!)

エルヴィン「!!」バサッ

エレン「!」ズル

ミカサ「キャッチ!!」

ベルトルト「…あぁ!」

アルミン「あ…結果オーライ…」

マルコ「靴下嗅いだことを暴露された時点で君は人間性とか捨てられたようなもんだしね」

アルミン「え?なにそれ?」

エルヴィン「総員撤退!」

鎧(させるか…!)

ドスン ドスン

ジャン「な…!ライナーの野郎…!巨人を投げて寄越しやがった!」

ミカサ「うっ…!」ドサ

エレン「…!」ドサ

アルミン「エレン!ミカサ!」

ジャン「急げ!ミカサとエレンが…」

アルミン「ジャン!!!」

ジャン「!!」

……………

アルミン「ジャン!しっかりするんだ!」

ジャン「…」

アルミン「目を覚ますんだ!早く!」

ジャン「…」

アルミン「ジャン!…あ」

巨人「…」ドシンドシン

アルミン「あ…あぁ…」

アルミン(ダメだ…今度こそ…もう…」

アルミン(ここで…死ぬのか…?僕は…)

アルミン(僕は…)

アルミン(…)

アルミン「なーんてね。二回も死んでたまるか」

アルミン「ほらぁ、ジャン。口から魂抜けかけてるよ!」ギュム

ジャン「」

アルミン「さあて、後はエレンがなんとかしてくれるはず。逃ーげよ」ヨイショ

ジャン「…」

アルミン「重っ!アルミン、力なさすぎ!」タタタ

ミカサ「なんで…あいつが食べられてるの…?」

エルヴィン「この機を逃すな!撤退せよ!」

コニー「一体何が起こってるんだ…?」

アルミン「分からんか、愛じゃよ愛」

コニー「はぁ?」

アルミン「…はっ!巨人は!?ジャンは!?」

コニー「…お前、大丈夫かよ…」

マルコ「千と千尋もう一回みたいなぁ」

帰還

アルミン「…」

マルコ「アルミン。大丈夫?」

アルミン「はは…あんまり…」

マルコ「まぁいろいろあったからねぇ…」

アルミン「…珍しくふざけないんだね」

マルコ「やだな。自分で言うのもなんだけど僕って真面目な性格だろ?」

アルミン「どの口が…」

マルコ「でも流石に僕も疲れちゃった…調子に乗って取り憑きすぎたかな…」

アルミン「え、ところどころ記憶がないと思ったら…」

マルコ「変なことはしてないよー」

アルミン「その言葉、一応信じるからね?」

マルコ「そんなところで僕もそろそろいこうかな」

アルミン「また旅行行くの?」

マルコ「やりたいことは概ねやりきったし…新人幽霊の人達もいるからいろいろ案内してあげなきゃ」

アルミン「…え?」

アルミン「ちょっと…!ちょっと待ってよ!」

マルコ「疲れちゃったし、僕はいくよ」

アルミン「待って!そんな…勝手すぎるよ!」

マルコ「アルミンに纏わりついてた間、すごく楽しかったよ。ありがとう」

アルミン「やめて…だって…あのとき…巨人が目の前にいたときに助けてくれたのはマルコじゃないの?」

マルコ「んー?」

アルミン「…本当に行っちゃうの?」

マルコ「うん」

アルミン「…僕からも言わせてもらっていい?」

マルコ「どうぞ」

アルミン「正直、マルコがこんなウザい人だとは思わなかった」

マルコ「褒められるかと思ったらまさかの」

アルミン「…でも、僕も楽しかったよ」

マルコ「…」

アルミン「…マルコと友達になれてよかった」

マルコ「…僕もだよ」

アルミン「…マルコ!」バッ

マルコ「アルミン!」バッ

アルミン「あ、ハグはやっぱり無しで。改めて近くで見るとやっぱりグロイわ」

マルコ「ひどい仕打ちだ」

マルコ「…じゃあ、また」

アルミン「…うん」

アルミン「…」

ジャン「アルミン、こんなところにいたのか?」

アルミン「あ、ジャン。もう怪我はいいの?」

ジャン「あぁ…気を失ってたりしたが結局鼻血だけですんだみてぇだ」

アルミン「よかった…」

ジャン「それよりリヴァイ兵長が呼んでる。なんでも新しく班を結成するとか言ってたが…」

アルミン「ふーん…行こうか」

ジャン「おう」

……………

ジャン「なぁ、これから話すことは適当に聞き流してくれ」

アルミン「…うん」

ジャン「気を失ってるとき…変な夢を見たんだ」

アルミン「…」

ジャン「なぜか上から自分の体を見下ろしてるんだ」

ジャン「あ、これが幽体離脱かってぼんやり思ってたらどこからかデカい手が出てきてよ…」

アルミン「…うん」

ジャン「自分の口の中に押し込まれた。多分巨人に食われる時ってあんな感じだろうな」

アルミン「…」

ジャン「で、その手はなんでか知らないけどマルコだったんじゃねぇかって…」

ジャン「…はぁ…オレは何言ってんだか…」

アルミン「…きっとそうだったんじゃないかな」

ジャン「さぁな…」

ジャン「…あいつ、絵に描いたような真面目な優等生面してたけどよ…実はかなりのお笑い好きだったんだぜ」

アルミン「え?」

ジャン「からかってやろうと思ってカンノウ本の一つや二つ持ってないかとベッド周りを漁ったことがあったんだ」

アルミン「わぁ…」

ジャン「お前だってエレンの隠し場所知ってんだろ…引いてんじゃねぇよ…」

ジャン「…それで案の定大量のノートが出てきたんだ。変なポエムでも書いてるんじゃないかと中を見たら全部お笑いのネタだったんだ」

アルミン「…」

ジャン「もし、あいつが幽霊にでもなってたら思う存分あのノートのネタを披露してたんじゃないかって…そう思うんだ」

アルミン「…さすがジャンだね」

ジャン「もしもの話だけどな」

ガチャ

アルミン「遅くなって失礼しました」

エレン「随分遅かったな」

ジャン「アルミンがなかなか見つからなくてよ」

アルミン「ごめん」

リヴァイ「大方糞がなかなか出ないで遅くなったんだろ」

エレン(出たっ!兵長の糞ジョーク)

ハンジ「リヴァイー?その冗談汚いよー?」

リヴァイ「糞ぐらいでいちいち騒ぐな」

アルミン「…は?」

ジャン「アルミン?どうした?」

アルミン「…恐れながらリヴァイ兵長、先程なんと申しやがりましたか?」

ミカサ(申しやがる?)

リヴァイ「はぁ?糞ぐらいで…って言ったが?」

アルミン「は?糞?もしかしてと思いますが、ジョークのつもりですか?」

エレン「アルミン?」

アルミン「糞とかウソコとかいって笑いが取れるのは小学生までです!
     ただ単に汚い言葉をいれればジョークになると思ったら大間違いです!
     兵長が今言ったジョーク()は低レベル中の低レベルです!もう底辺どころか奈落の底に落ちるレベルです!
     場の空気を和ませるために言ったと思われますが、かえって逆効果!僕たち新兵の中で最も兵長と付き合いがある
     エレンは『またか』と『ここは和やかに流そう』といった複雑な心情が渦巻いたと思われます!ていうか表情からして絶対そうです!
     そして分隊長にフォローさせるという流れ!低レベルなこの手の冗談を毎回フォローする気持ちをお察しします!
     兵長がこんなくだらない冗談を言うことで新兵に気を遣わせ、分隊長に尻拭いをさせる(糞だけに)…!
     こんなにひどいのは早々ありませんよ!!」

リヴァイ「」

エレン「アルミン!?お前、何言ってんだよ!?」

サシャ(小学生ってなんやろ…)

エレン「へ、兵長…!すみません!こいつ昔から冗談とか通じなくて…!」

アルミン「僕に冗談が通じないだって!?笑ってはいけない葬式・入団式・調査兵団・壁外調査・エレン奪還作戦をこなしてきた僕をなんだと思ってる!?」

コニー「なんだそれ」

アルミン「そんな修羅場を潜り抜けてきた僕の審美眼を侮るな!」

ミカサ「アルミンどうしたの」

リヴァイ「…あの」

エレン「兵長!き、気にしないでくだs…」

リヴァイ「…すまん…」

ハンジ(謝ちゃったよ)

アルミン「分かっていただければいいんです」

エレン(幼馴染が怖い)

アルミン(マルコ…君が残したものは忘れないよ…)ファサ…



アルミン「ふぅー…今日は疲れたな…」

アルミン「…」

アルミン「静か…」

アルミン「…マルコはもういないんだよね…」

アルミン「…おやすみ」

アルミン「…」

アルミン(マルコもゆっくり眠れたといいな…)

アルミン「…」

アルミン「…」スヤ

マルコ「おまたー!!!」

アルミン「!?」ガバ

アルミン「!?!?!?」

マルコ「いやぁーウォールマリアまでいってわざわざコンビ組んだ来ちゃったよー」

アルミン「ま、マルコ!?え!?成仏したんじゃないの?」

マルコ「え?そんなこと一言も言ってないよ?」

アルミン「え!?」

マルコ「いろいろ軽く案内係やってーピンのネタ尽きて疲れたから相棒探してきたの」

アルミン「うん、とりあえず深く考えるのは止める」

アルミン「そういえば相棒って?」

マルコ「あぁ、この子」ヒョイ

マルセル「んー!んー!」バタバタ

アルミン「うわぁぁぁ!完全に誘拐じゃないか!」

マルコ「違うよー僕たち友達だよー」

アルミン「縛って口までふさいであるのになんで友達だと言い切れるのか」

マルコ「まぁまぁ。ここまでの経緯を聞いてよ」

回想

マルコ「やっ、元気?」

マルセル「…」

マルコ「そんなに睨んじゃやーよ」

マルセル「…お前はあの金髪キノコの所に戻った方がいいんじゃないのか」

マルコ「お、やっと口きいてくれたね」

マルセル「だってお前、いつも気持ち悪いことしてるから関わりたくなかったし…」

マルコ「失敬な。計算されつくした気持ち悪い動きなんだからね」

マルセル「気持ち悪いって所は否定しないんだな…」

マルコ「ところでさ…」

マルセル「…巨人のことだろ?言っとくけど俺は何も言わないから…」

マルコ「いや、君は胸派か尻派かってことなんだけど」

マルセル「どうでもいいわ!」

マルコ「猥談は男同士のコミュニケーションの一つだよ?」

マルセル「お前とそんな話してどうするんだよ…」

マルコ「幽霊同士仲良くしようよー」

マルセル「うぜぇ…」

マルコ「あ、それとも下ネタは恥ずかしくて苦手なタイプ?まだお子様だしね」

マルセル「俺、これでも一応お前と同じぐらいの歳なんだけど…」

マルコ「まぁー…いまさら女体に興味湧かないけどね…」

マルセル「じゃあそんな話ふるなよ…」

マルコ「睡眠、食欲も無くなるから当然性欲もなくなるよねー…万年EDみたいなもんだよ」

マルセル「…」

マルコ「試しに一回だけ女風呂行ったけど…動物園で珍しい動物見たときと同じ感想しか出てこなくて自分でもびびった」

マルセル「だからそれをなぜ俺に話す」

マルコ「つれないなぁ…」

マルセル「お前は危険だ。いろいろ情報を探ってあいつらにいろいろ吹き込む気だろ?」

マルコ「僕がいままでそんなことしてた?王政のことも君たちのこともとっくに知ってるよ」

マルセル「…ぽろっと何回か言ってたぞ…」

マルコ「マジで?それはごめん」

マルセル「…なんで気づいてて言わなかった」

マルコ「君だって取り憑くなり警告するなりで仲間を助けることはできたんじゃない?」

マルセル「…」

マルコ「ね?それに退場した役者が物語のあらすじ書き変えちゃダメでしょ?」

マルセル「いや…結構変えてないか…?」

マルコ「大きな流れは変えてないよ。漫才の台本だってアドリブはOKでも全体の流れまで大きく変えたら迷子になっちゃうじゃない」

マルセル「いや、その例えはちょっとよく分からない」

マルセル「なぁ?マジでなにがしたいんだ?」

マルコ「いや、君と仲良くなりたいと思って」

マルセル「はぁ?俺は壁内の人類と仲良くなるつもりは…」

マルコ「もう死んでるんだから細かいことは言わないでよー。ていうかなんで僕の顔を見ないの?」

マルセル「いや…それは…」

マルコ「半分でなにが悪い!」

マルセル「そうは言ってねぇよ!」

マルコ「君だってあっちこっちグラグラしててグロイよ」

マルセル「うるさいな…ほっといてくれよ…」

マルコ「顔は半分なくてもそばかすは健在だよ」

マルセル「そばかす爆発しろ」

マルコ「怖い」

マルセル「死滅しろ」

マルコ「そばかすに一体何の恨みが」

マルセル「なんか知らないけど黒髪でそばかすの奴見てるとなんか嫌な気分になるんだよ…」

マルコ「なにそのオモシロ恐怖症」

マルコ「脱線した。とにかく僕と友達になってくれない?」

マルセル「…」

マルコ「僕たちはもう人間でも巨人でもなくて同じ幽霊なんだから仲良くできると思うんだ」

マルセル「…どうしても…っていうなr…」

マルコ「そして友達になったら一緒に漫才コンビを組んでよ」

マルセル「やめとくわ」

マルコ「つれないなぁ」

マルコ「…こうなったら最後の手段!」

マルセル「な、なにをする!!」

マルコ「体格差で負けない!」ガシッ

マルセル「やめろ!おい!どこに連れて行く!」

マルコ「君が!やるというまで!僕は君を離さない!」

マルセル「やめろ!ちょっと…力強っ!なんだよその執念!」

マルコ「はーい。それじゃあ戻ろうかー」

マルセル「は!?どこに!?」

マルコ「君が最初に言ってたじゃーん」

ドナドナ

回想終了

アルミン「やっぱり誘拐じゃないか」

アルミン「ていうか待って待って!その子かなりの重要人物じゃない!?」

マルコ「そうそう!なかなかキレのある切り返しをするんだよ!」

アルミン「漫才のことはどうでもいいんだよ!ていうか王政とかいろいろ知ってんの!?」

マルコ「コンビ名はどうしようかなぁーなんかいい案ない?」

アルミン「聞けよ、話を」

マルコ「そんなとこでこれからもよろしくね!」

アルミン「こんなことならマルコと友達になるんじゃなかった」

マルセル「んー!!」バタバタ

おわり

原作の優等生なマルコが好きなのに
SSにすると原型がないほどキャラ崩壊させてしまう不思議

ありがとうございました

ありがとう。新しいのは
ミカサ「やたら巨人にモテるようになった」
マルコ「はい、焼き芋」アニ「どうも」
アニ「私達、いい友達になってたと思わない?ミカサ」

マルコが崩壊してると思われるのは
マルコ「エロ本?」
マルコ「蚊帳の外」
マルコ「おい…何をするんだ…」ライベルアニ「…」

昔のはマルコ「おい…何をするんだ…」内で晒してるからよかったら

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom